約 3,882,616 件
https://w.atwiki.jp/ddff_orique/pages/319.html
【登録タグ FF12 ガブラス ラーサー ヴァン 皇帝】 【タイトル】とある戦士の消滅 【概要】ガブラスがどのような気持ちで、シャントットの前に立ちはだかったのか、それを考えて作りました。 【対象】FF12クリア済みの方推奨。 【バトル】2戦ありますが、両方とも負けてください。特に2戦目は勝てますが、勝つと話がそこで終わります。ホント、すみません。 【作者より】「とある戦士の召還」の続きです。あ、前作は召喚の字を召還にしてしまうミスをしてしまいました。それから、前作の紹介のタイトルが変になってしまっています。スミマセン、全部僕のミスです。 戦いを終わらせたいと願ったガブラスの想いを感じてみて下さい! 【コード】0000−1013−5352ー0322 【作者名】スティン コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/126.html
【上条当麻】20 000 オープニング――《開会式》 ◆tILxARueaU 006 死ぬほど痛いぞ ◆fQ6k/Rwmu 053 ひたぎブレイク ◆tILxARueaU 069 絶望への反抗 ◆eodXldT6W6 078 運行休止(サスペンション) ◆1ZCuwzjAYc 131 彼女らが恋した幻想殺し/彼の記憶 ◆1aw4LHSuEI 135 ワールドイズマイン ◆tu4bghlMIw 150 神浄の恋せぬ幻想郷(前編)神浄の恋せぬ幻想郷(後編) ◆00PP7oNMRY 161 ひたぎクラブ/とうまブレイク/■■■アーチャー/???ウィッチ ◆0zvBiGoI0k 194 命短し恋せよ乙女(前編)命短し恋せよ乙女(後編) ◆LJ21nQDqcs 202 魔王信長(前編)魔王信長(後編) ◆0hZtgB0vFY 209 常世全ての善と成る者、常世全てに悪を敷く者 ◆kALKGDcAIk 223 隣合わせの灰と青春 ◆1aw4LHSuEI 237 とある傭兵の戦争記録<レクイエム>とある傭兵の超連射砲<ガトリングガン> ◆hqt46RawAo 242 夢と復讐 ◆MwGEcqIDcI 253 幻想(ユメ)の終わり(前編)幻想(ユメ)の終わり(後編) ◆mist32RAEs 261 砕けた幻想/上条当麻の後悔 ◆IVe4KztJwQ 271 そにぶ? ◆mist32RAEs 279 女 の 闘い -悪夢-女 の 闘い -覚悟-女 の 闘い -無知- ◆SDn0xX3QT2 280 疾走する超能力者のパラベラムⅠ疾走する超能力者のパラベラムⅤ ◆hqt46RawAo 【御坂美琴】4 032 Magician’s circle ◆WWhm8QVzK6 062 アカイイト ◆tu4bghlMIw 083 傷んだ赤色 ◆kALKGDcAIk 102 こんな俺に世界を守る価値があるのか ◆mist32RAEs 【白井黒子】30 011 rendezvous ◆ApriVFJs6M 064 開幕直後より鮮血乱舞 ◆DzDv5OMx7c 077 RHYTHM DIMENSION ◆1aw4LHSuEI 094 試練/どうあがけば希望?(前編)試練/どうあがけば希望?(後編) ◆fQ6k/Rwmu. 115 試練2/逃げ場なんて、無いかもよ(前編)試練2/逃げ場なんて、無いかもよ(後編) ◆0hZtgB0vFY 130 試練Next Turn ◆y6kfGoF1C6 144 Remaining Sense of Pain ◆C8THitgZTg 155 闇に潜むキーワード見つけ出そう ◆lDZfmmdTWM 166 JUST COMMUNICATION ◆CcfuOxf30g 174 解明への灯 ◆MQZCGutBfo 188 The Hollow Shrine(前編)The Hollow Shrine(後編) ◆C8THitgZTg 196 試練~ETERNAL PROMISE~(前編)試練~ETERNAL PROMISE~(後編) ◆hqt46RawAo 201 セイギノミカタ ◆MQZCGutBfo 203 Paradox Spiral(前編)Paradox Spiral(後編) ◆C8THitgZTg 212 imitation ◆Nfn0xgOvQ2 217 黄金ノ剣 ◆IVe4KztJwQ 227 それぞれの願い ◆0zvBiGoI0k 238 世界の中心で愛を叫んだモノ ◆5iKodMGu52 243 開け、細き一条の血路(前編)開け、細き一条の血路(後編) ◆IVe4KztJwQ 249 とある月夜の友情物語 ◆kALKGDcAIk 257 阿良々木暦の暴走(前編)阿良々木暦の暴走(後編) ◆1aw4LHSuEI 259 Mobius Noise ◆C8THitgZTg 269 衣 野性の闘牌 ◆lDZfmmdTWM 270 とある魔物の海底撈月(前編) ◆6lyiPawAAI 279 女 の 闘い -覚悟- ◆SDn0xX3QT2 280 疾走する超能力者のパラベラムⅠ疾走する超能力者のパラベラムⅡ疾走する超能力者のパラベラムⅢ疾走する超能力者のパラベラムⅣ ◆hqt46RawAo 282 ひたぎエンド(ビフォー)ひたぎエンド(アナザー)ひたぎエンド(アフター) ◆0zvBiGoI0k 285 正義の味方 ◆MQZCGutBfo 289 絆キズナ語ガタリ 半端者・阿良々木暦傷キズ泣ナ語ガタリ 螺旋眼・浅上藤乃 ◆mist32RAEs 291 BRAVE SAGA『死踏』BRAVE SAGA『未来』BRAVE SAGA『螺旋終落』BRAVE SAGA『希望』 ◆0zvBiGoI0k 【一方通行】32 021 海からの呼び声、強いられた結合 ◆.ZMq6lbsjI 048 殺し合いに吹く熱風――――アクセラレータ ◆1sC7CjNPu2 076 結ンデ開イテ羅刹ト骸 ◆tu4bghlMIw 088 届かなかった言葉 ◆Wf0eUCE.vg 116 とある死神の≪接触遭遇(エンカウント)≫ ◆DzDv5OMx7c 164 疾走する本能(前編)疾走する本能(後編) ◆6HuSfG/Ykw 184 スザク、戦いのあと ◆EXBRaAFchM 191 言葉という無限の刃(前編)言葉という無限の刃(後編) ◆lDZfmmdTWM 202 魔王信長(前編)魔王信長(後編) ◆0hZtgB0vFY 209 常世全ての善と成る者、常世全てに悪を敷く者 ◆kALKGDcAIk 223 隣合わせの灰と青春 ◆1aw4LHSuEI 234 でもそれって根本的な解決にはなりませんよね? ◆mist32RAEs 244 我が骨子は捻じれ狂う/相克する螺旋で君を待つ ◆0zvBiGoI0k 247 疾走スル狂喜 【壹】疾走スル狂喜 【貮】疾走スル狂喜 【參】疾走スル狂喜 【肆】疾走スル狂喜 【伍】 ◆hqt46RawAo 255 アディオス アミーゴ! ◆aCs8nMeMRg 258 夢幻の如くなり(前編)夢幻の如くなり(後編) ◆mist32RAEs 267 生物語~すざくギアス~(上)生物語~すざくギアス~(下) ◆1aw4LHSuEI 275 拡散スルハ死ノ恐怖 ◆X5.tKUFx82 280 疾走する超能力者のパラベラムⅠ疾走する超能力者のパラベラムⅡ疾走する超能力者のパラベラムⅢ疾走する超能力者のパラベラムⅣ疾走する超能力者のパラベラムⅤ ◆hqt46RawAo 286 覚醒ヒロイズム ◆mist32RAEs 301 ゲーム・スタート ◆hqt46RawAo 303 crosswise -white side- / ACT1 『PSI-missing』(1)crosswise -white side- / ACT1 『PSI-missing』(2) ◆ANI3oprwOY 305 crosswise -white side- / ACT2 『もう何も怖くない、怖くはない』(1)crosswise -white side- / ACT2 『もう何も怖くない、怖くはない』(2) ◆ANI3oprwOY 308 crosswise -white side- / ACT3 『Glossy MMM』(1)crosswise -white side- / ACT3 『Glossy MMM』(2) ◆ANI3oprwOY 312 crosswise - X side- / ACT Chain 『Don t say lonely 』 ◆ANI3oprwOY 313 crosswise -X side- / ACT Force 『WHITE & BLACK REFLECTION』 ◆ANI3oprwOY 314 crosswise -X side- / ACT Reborn 『儚くも泡沫のカナシ』 ◆ANI3oprwOY 328 See visionS / Fragments 11 『正義と悪』- 一方通行 - ◆ANI3oprwOY 337 1st / COLORS / TURN 7 『Chase the Light!』 ◆ANI3oprwOY 338 2nd / DAYBREAK S BELL(1)2nd / DAYBREAK S BELL(4)2nd / DAYBREAK S BELL(5) ◆ANI3oprwOY 339 3rd / 天使にふれたよ(2)3rd / 天使にふれたよ(3) ◆ANI3oprwOY 340 ALL LAST ◆ANI3oprwOY 【月詠小萌】4 025 桃色教師のあいしかた ◆4etfPW5xU6 059 凶壊ロゴス(1)凶壊ロゴス(2) ◆qWledVrzo. 099 生存本能(サバイバル) ◆X/RX3k8bNY 103 不幸 ◆NrR3sMF5RA 【海原光貴】11 010 我が身の全ては想い人の為に ◆K9VOez7plg 058 それは、黒く燿く意志 ◆NaOxi39aYw 082 こんなにロリコンとシスコンで意識の差があるとは思わなかった……! ◆mist32RAEs 111 僕にその手を汚せというのか ◆1aw4LHSuEI 128 偽者(レプリカ)、E-2学校に死す! ◆70O/VwYdqM 148 それは不思議な出会いなの ◆jjkBJLIXVM 175 H and S. ◆hqt46RawAo 186 secret faces ◆0zvBiGoI0k 198 好奇心は猫をも殺す ◆kALKGDcAIk 203 Paradox Spiral(前編)Paradox Spiral(後編) ◆C8THitgZTg 211 建物語 ◆aCs8nMeMRg
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/924.html
「むっ?何だ、こんな時に・・・。得世?」 「どうしたの、不動?」 ターミナルの上空で閨秀達と激戦を繰り広げていた不動の携帯に、界刺からメールが届いた。その文面を見た後に、不動は仮屋の問いに答える。 「・・・成程。穏健派の中で怪我を負った者に対して、見掛けた時でいいから第7学区の病院へ行くように私達からも伝えてくれという得世からのメールだ。 仮屋、お前も知ってるだろう?以前お前に付き合って私達が食あたりを起こした時にお世話になった病院だ」 「あ~、あのカエルみたいな顔しているお医者さんのトコか」 以前『シンボル』全員で食事に行った時のこと。 その店で偶然ながら“5人1組”による大食い大会が開催されているのを知った仮屋が、他のメンバーを巻き込んで無理矢理参加したのである。 その結果、仮屋以外のメンバーが全員食あたり(理由 食べ過ぎ)に掛かり、その時にお世話になったのがカエル顔の医者が居る病院であったのだ。 「しかし・・・そんな暇があるのか・・・」 「うん・・・そうだね」 不動達は嘆息する。現在閨秀達が武器に使うコンテナ等を補充しにこの場を離れているために、この辺りには静寂に包まれていた。 しかし、それがほんの少ししか続かないことを不動達は察していた・・・その時、自分達が居る高さより更に上方から銃声が鳴り響いて来たのである。 「むっ!?あれは・・・!?」 「どうしたでござるか、師匠?」 「鴉?」 同時期、サングラスの望遠機能を用いて戦場把握をしていた折に、ターミナル中心部で七刀が気絶していることに気付いた啄が比較的傷の少ない仲場を救助へ向かわせようとした。 その瞬間、突如上空から聞こえて来た銃声。その発信源を啄がサングラスの望遠機能を用いて確認する。そこに映っていたのは・・・ 「オラァッ!!」 無重量空間に囚われた斬山が、閨秀へ向けて発砲した。斬山の存在に気付くのが遅れた閨秀達は、反応が遅れる。 ドン!!ドン!! 放たれた銃弾は2つ。それは、放った方、放たれた方、双方にとって想定外な軌跡を描く。 斬山は、無重量という状況下で自身の体をうまく制御ができないため、最初から銃口を閨秀へは向けず、『軌道修正』を用いて銃弾を曲げることで撃ち抜く腹積もりだった。 しかし、無重量=空気の重さが0であることを斬山は失念していた。 自分が囚われている無重量下では、銃弾は空気の重さの影響を受けないため、銃弾の軌跡は重力下とはそもそも違うのだ。 そのため、『軌道修正』を用いて閨秀を貫く本来の軌道から銃弾がズレてしまったのだ。 「チッ!!」 「(外れた・・・か。危ねぇ・・・!)」 斬山が舌打ちし、閨秀が安堵する。これで、閨秀が圧倒的に有利になった。斬山達無重量空間に巻き込んだ人間に閨秀が念動力を急いで掛けようとした瞬間・・・ 「いったーいー!!!!」 「抵部!?おわっ!!?」 閨秀の後背に居た抵部が急に痛みを訴え、暴れてしまったのである。 理由は・・・斬山の放った銃弾。閨秀を狙った本来の軌道から外れたそれ等2発の内、1発が抵部の右脚に掠ったのである。 抵部自身は、自らの体に『物体補強』を掛けていた。本来であれば防げた筈の一撃。それを防げなかった要因は2つある。 1つは、閨秀の掛け声に反応し咄嗟に閨秀に『物体補強』を掛けたため、瞬間的に自身へ掛けていた『物体補強』が弱まったこと。 もう1つは、抵部の未熟さ。彼女は自身の能力を完全には扱い切れておらず、自分の視界から外れる部分においてほんの少し補強が弱くなってしまうという弱点を抱えていた。 今回で言うならば・・・視界に映らない自分の脚。 「キャアアアァァッッ!!!!」 「抵部!!!」 痛みによって自身へ掛けていた『物体補強』をも解いてしまった抵部は、暴れたが故に閨秀の後背から落ちてしまう。 これは、同時に閨秀が自分達に掛けていた(容量節約のために自分と抵部の体回りにしか掛けておらず、加えて動きを制限しないように抵部へ掛ける念動力も弱めていた)『皆無重量』が、 抵部の突然の暴走による自身からの転落という不測の事態により演算が乱れてしまい、無重量空間が消滅してしまったことを意味する。 「うわっ!?」 「お、落ち・・・!!」 「アアアァァァッッ!!」 「くぅ・・・!!」 それは、コンテナごと囚われていた雅艶達を包む無重量空間も同様に。この高さから地面へまともに落下すれば・・・命は無い。 「チィィッッ!!!」 閨秀は、瞬間的に決断する。今、自身を中心とした巨大な無重量空間を発生させれば抵部を難無く助けることはできるが、その場合雅艶達も一緒に巻き込む形になる。 そうなれば、先程のように銃撃による脅威に晒される。それでは、本末転倒。 よって、閨秀は自分だけを包む無重量空間を即座に発生させ、落下する抵部へ猛スピードで向かう。 もちろん、自分が巻き込んだ他の連中は無事では済まない、最悪死ぬ危険性もあったが、閨秀という人間は自分へ危害を加える存在を切り捨てることに一切の迷いは無かった。 真下に浮かぶ光源に落下して行く抵部を追う閨秀。そんな中、 パシュン!! 「なっ!?光源が・・・!?」 戦場を覆っていた光源群が消滅した。これは、光源の発生者である啄鴉の判断。何故なら、彼が目に映した仲間―花多狩菊―のすぐ近くには・・・ 「キャアアアアァァァッッ!!!」 「菊!!!」 無重量空間の消滅に伴い落下する花多狩のすぐ近くに、暗闇においては高レベルの空間移動能力を行使できる少女―峠上下―が居たからである。 そして・・・2人の少女は上空からその姿を消した。 「ハァ・・・ハァ・・・」 「ハァ・・・ハァ・・・」 ここは、ターミナルにあるコンテナ群の一角。そこに、花多狩と峠は重なるように倒れていた。 「ハァ・・・ハァ・・・」 「ハァ・・・ハァ・・・」 上空からの落下による命の危機を、峠が自身の能力『暗室移動』を用いた空間移動によって何とか回避したのである。花多狩と一緒に。 「ハァ・・・。・・・ねぇ、峠」 「ハァ・・・。・・・何よ?」 重なるように倒れている2人の少女は、お互い顔も近い位置で荒い息を吐いていた。 そして、覆い被さる形になっている少女―花多狩―が下敷きになっている少女―峠上下―へ向けて問いを発する。 「ハァ・・・。何で・・・私を助けてくれたの?」 「・・・そんなこと・・・私の方が知りたい的よ。ハァ・・・」 何故敵である花多狩を助けたのか。それは、助けた当人である峠自身にもわからない。 「・・・嘘。峠は・・・私を仲間だと思ってるから助けた。そうなんでしょ?」 「ハァ・・・ハァ・・・」 否、それはわかっていた。唯、目を背けているだけ。 「ねぇ、峠。あなた・・・昔誰かに裏切られたことがあるの?」 「!!」 花多狩の言葉が、峠の心を揺らす。 「昔・・・例えば風紀委員時代に・・・とか。私は、あなたが元風紀委員なのも、風紀委員を嫌っているのも知ってるけど、その理由までは知らないわ。 ハァ・・・ハァ・・・。あなたが制裁の件について私に知らせてくれなかったのは・・・もしかして裏切りが関係しているの?」 「ハァ・・・ハァ・・・」 花多狩は、峠の言葉を待つ。ひたすら待つ。今尚己が友人と信じる少女の言葉を。そして・・・ 「・・・・・・そうよ」 遂に、峠の口から真意が語られる。 「私は・・・私には、絶対に許せない的なことがある。それが・・・裏切りよ。私は・・・風紀委員だった頃に自分が捕まえたスキルアウトに裏切られたことがある。 私は、憎くてあいつ等を捕まえたんじゃ無い。自分の行動を見つめ直して、反省して、真っ当な人間になって欲しくて・・・捕まえたんだ。 それが・・・あいつ等のためになるって信じて。でも・・・あいつ等は、そんな私の思いを裏切った!踏み躙った!!私への逆襲という形で!!!」 「峠・・・」 かつて風紀委員だった頃、峠はとある事件でスキルアウトの一派を現行犯で少年院送りにしたことがあった。 その時は、捕まったスキルアウトも自身の行為について反省の意を表していた。これで、こいつ等もまともになる。そう、当時の峠は思っていた。 だが・・・数ヵ月後、少年院から出所したそのスキルアウト達に峠は逆襲され、深い怪我を負ってしまう。 入院生活を余儀無くされた峠は気付いた。犯罪を犯した人間をいくら取り締まっても、何の反省もしないまま再び出所していく現実に。 風紀委員として頑張って来た自分の行いは、全て無駄だったのだと。そんな現状に峠は絶望し、その結果として風紀委員を止め、その後救済委員となった。 「報復的正義」という峠の信念は、この過去による処が大きい。 「だから・・・私は裏切るという行為が絶対に許せない!絶対に!!風紀委員で味わったあの苦しみを、救済委員(ここ)でも味わいたく無かった!!だから・・・だから・・・!!」 「春咲さんへの制裁に関して私に教えてくれなかった・・・?」 「・・・菊。あなたなら・・・絶対にあいつを庇うと思った。そんなことは無いって。何かの間違いだって!!だから・・・伝えなかった。私は・・・私の思いを優先した。友人よりも!!」 「峠・・・あなた・・・」 「でも・・・あなたの言う通りなのかもしれない。あいつは・・・春咲桜は『裏切り者』なんかじゃ無いのかもしれない。でも・・・だったら・・・私のとった行動の意味って何? 防げたかもしれないあいつへの制裁を、『裏切り者』なんかじゃ無いあいつへの暴力を・・・私は私の“傷”に囚われる余り止めることができなかった!!むしろ、助長してしまった!! 私は・・・あいつを・・・菊を裏切っちゃった・・・。私が一番憎んでる行動を・・・私がしちゃった・・・」 「・・・・・・」 「菊・・・。私はあなたを、あなたの信頼を裏切っちゃったのよ。だから・・・私にはあなたを友とも仲間とも呼ぶ資格は無いの!! それに気付いたから・・・私はあなたを敵と決め付けた。敵と思い込んだ!!そうすれば、仲間を裏切ったことなんかにはならないから!!初めから敵だったんだから!! でも・・・でも・・・助けちゃった。敵なのに・・・。そう決めたのに・・・。何でかな、菊?私って・・・私って・・・一体・・・」 峠は、泣く。果てしなく、泣く。自分の本音を零しながら、泣く。それは、誰に対する懺悔なのか。峠は、それをわかっていながら、それでも泣くのを止めることはできなかった。 「それは・・・あなたが私を友人だと、仲間だと今でも思ってくれるからよ」 「菊・・・?」 花多狩は、泣きじゃくる峠を動く右手を使って自分の胸に抱く。 「今のあなたは、裏切ったことに対する罪悪感に満ちている。つまり・・・峠は私や春咲さんを敵と思ってなんかいないのよ。心の底では」 「で、でも・・・」 「でもも何でもないの、このわからず屋め!えいっ!」 「!!痛っ・・・。この状況で普通頭突き的なことをする?」 「うるさい!口答えは許しません」 頭突きをして来た花多狩の目にも、うっすら涙が浮かんでいた。それは、頭突きを仕掛けた痛みによるものか、それとも・・・。 「確かに・・・あなたが春咲さんへ行った全ての行動は許されるものじゃ無いわ。春咲さんが許すって言うのなら話は別だけど」 「菊・・・。でも、私はあいつに・・・」 「『合わせる顔が無い』?そんな意気地無しでどうするの?私の知ってる峠上下という友人は、何時如何なる時もキツイ一言をお見舞いする暴れ馬だったわよ。 友人であるこの私が手綱を握っとかないと、無茶でも何でもする勝気な少女。違う?」 「菊・・・」 友人。そう言ってくれる自分を抱く少女の言葉が、峠の心に優しく染み渡って行く。 「だから・・・ちゃんと春咲さんには面と向かって謝罪するの!さっきも言ったけど、口答えは許さないわよ?そうすれば・・・私はもう何も言わない。 後は、全て春咲さん次第よ。いいわね、私の仲間であり友人の・・・峠上下?」 「・・・・・・!!!」 「それと・・・これは、私のケジメ。峠、あなたの左腕を撃って、本当にごめんなさい。謝って済むとは思わない。でも、謝罪の言葉だけは・・・聞いて頂戴。本当にごめんなさい」 花多狩の言葉に、峠は自分を抱く少女の体を抱き返す。負傷している左腕も一緒に。 「わ、私の方こそ・・・ごめんなさい!!本当にごめんなさい!!!あいつにも・・・必ず謝る!!絶対に・・・!! 菊・・・。こんな私を・・・こんな私が・・・本当に友達でいいの?あなたなんかの友達で・・・」 「えぇ、いいに決まってるじゃない。あなたは、私の・・・かけがえの無い友達よ、峠」 「・・・わ、私もだよぅ・・・菊ぅ・・・!!!」 その後は、もう言葉にならなかった。2人の少女は、短くも長い刻を乗り越えてようやく分かり合うことができた。 倒れたまま、抱き合いながら、互いに涙を流しながら、友の絆が再び結ばれる。今度はより強固な“モノ”となって。 「ヒュ~。やばかったなぁ。ホントに死ぬかと思った」 「・・・まだ、危機的状況は何も変わっていないと思うが?」 「落下して即死よりはマシだろうがよ!」 夜風が強く吹く中、斬山と雅艶が言葉を交わす。彼等は、今ターミナルに設置されているコンテナクレーンの鉄組みに居る。 『雅艶!!誘導しろ!!』 『!!』 自分達を覆っていた閨秀の無重量空間が消滅した瞬間、斬山は雅艶に声を掛け、その真意にすぐに気付いた雅艶が白杖を斬山に伸ばした。 『あっちだ!!』 『おう!!』 白杖を掴んだ斬山は自分達を『軌道修正』によって落下方向を曲げて行く。その先は、雅艶の『多角透視』によって窮地脱出の切り札として見出された・・・コンテナクレーン。 斬山は、雅艶の指定する場所へ寸分違わず軌道を修正する。そして、コンテナクレーンの鉄組みの隙間に、雅艶が白杖を引っ掛けたのである。 「あの時は、左肩が外れるかと思ったぞ。普段のトレーニングが功を奏したか。お前が落ちていればもっとよかったのだがな」 「うるせぇ。くそっ・・・さっきから(拳が掛けていると思う)携帯が鳴ってるが、この状態じゃ・・・」 「取ってやればいいだろう?この薄情者」 「この状況でそんなことを言うお前の方が薄情者だろうが!」 白杖を鉄組みに引っ掛けている雅艶の腰周りを斬山が両腕で掴んでいるというのが2人の現状である。 よって、斬山が携帯電話に出るために片腕を雅艶から放そうものなら、もう一方の片腕だけでは雅艶を掴みきれずにそのまま落下してしまうのは間違い無しである。 「全く、“宙姫”の横槍が無かったらなぁ・・・今頃は・・・」 「俺の勝ちだったな。命拾いしたな、斬山?」 「ハァ?俺が勝っていたに決まってんだろうが?」 未だ危機的状況から脱していない斬山と雅艶は、それでもあーだこーだ言い合っている。まだまだ余裕がありそうである。 「・・・まぁ、いいや。何か、水差された感じだし、この勝負は次に預けとくぜ、雅艶?」 「・・・別に構わないぞ?・・・斬山」 「あぁ?何だ?」 急に神妙な顔付きになった雅艶に、怪訝な視線を向ける斬山。 「今回の春咲桜への制裁・・・。俺は、それが間違いだとは今も考えていない」 「・・・そうかい」 「だが・・・他のやり方はあった。それも、認めよう。もっと穏便なやり方は・・・あった。選ばなかったがな」 「・・・へぇ~」 斬山の興味深げな視線を無視して、雅艶は会話を続ける。それは、先程の前山との会話から雅艶自身がもう一度考え、捉え直したこと。 「起こした現実は変えられないし、俺はあの『裏切り者』に対して謝罪するつもりも無い。奴が、『裏切り者』であることには変わりないからな。 だが・・・お前や荒我が救済委員を裏切ったというのは・・・それについては取り消そう。確かに、お前達は救済委員を裏切っていない。・・・これについても謝罪する気は無いがな」 「!?な、何でだよ!?そこはきっちり謝るトコじゃ・・・」 「紛らわしい行動を取るから、そういった誤解が生じるのだ。お前達の方こそ、喧嘩を吹っ掛けるのでは無く、もう少しわかりやすい意思表示の方法があったのではないか?どうだ、斬山?」 「ぐっ・・・!!そ、それは・・・!!」 「それは?」 痛い所を突かれて言い淀む斬山を追求しながら、雅艶は考える。確かに斬山の言う通り、『裏切り者』に対する制裁の方法として他の選択肢はあった。 それを選ばなかったのは、ひとえに救済委員の“秩序を守る”ためである。そのために最も有効と判断したのが、あの制裁であった。 その判断について、雅艶は後悔するつもりも無いし、『裏切り者』に対して謝罪するつもりも無い。 だが・・・反省するべき点はあった。『裏切り者』への制裁に反発し、穏健派が決起したことから見ても、今回の選択には多くの反省点が浮かび上がった。 自分は、救済委員における指揮官的役割を背負う中で、“秩序を守る”ということに何時しか固執していたのではないか。 “治安を乱す奴が気に入らない”という理由もあって救済委員になった自分が何時しか執着し、囚われた“モノ”の危うさ。 雅艶は、穏健派との戦闘と斬山との会話の中で、その危うさにようやく気付くことができたのである。 「何て言うかだな・・・。おわっ!!?」 「むっ!?あれは・・・麻鬼?」 言い淀んでいた斬山を狙い、かわされた“剣”を射出したのは・・・過激派救済委員の1人である麻鬼。 どうやら、本来敵対している斬山が雅艶に引っ付いているのを見て、斬山だけを叩き落すために『閃光小針』にて構成した“剣”を放ったようだ。 「どうやら、俺を助けるために来たようだな。助かった」 「おいおい!!俺は全然助かって無ぇんだけど!?もう、俺は『裏切り者』じゃ無ぇんだろう!? だったら、さっさとあいつに連絡取るなりして俺への攻撃を止めさせろよ!!お前、片腕は自由だろうが!!」 「さぁて・・・どうしたもんか・・・」 「お、お前・・・。ぬおっ!?」 雅艶に文句を言い続けている斬山が見たものは、どこぞの暗殺者みたく(『閃光小針』の能力を使用した)鉄爪を使ってコンテナクレーンをよじ登ってくる無表情の麻鬼の姿であった。 その風貌は・・・恐い。とてつもなく・・・恐い。 「な、何だ、アイツ!?すっげぇ恐ぇんだけど!?シュールな笑いでも誘ってんのか、あれ!?」 「失礼な。あれが、何時もの麻鬼だ。ふぅ、これで何とかなったな。よかった、よかった」 「よくねぇよ!!!・・・ぎゃっ!?また、俺を狙い撃ちして来やがった!!助けてくれぇ、拳!!!」 その後、麻鬼に雅艶が事情を説明したこともあり、斬山は事無きを得た。雅艶、麻鬼はターミナルの状況を『多角透視』でもう一度確認した後に、速やかにターミナルを脱出した。 一方斬山は、直後に荒我達と連絡を取り、合流後焔火の負傷具合を確認し、焔火を病院へ連れて行くためにターミナルを離れたのであった。 時は少し遡る。啄の判断で消滅した光源がまだ光り輝く頃、2人の『姉妹』が戦闘を行っていた。その2人とは・・・春咲桜と春咲躯園。 「どうしたの~、桜ぁ!!結局は逃げるしか能が無いの!?そんなんで、よくこの私に刃向かう気になれたわねぇ?」 躯園は、その手に拳銃を持ちながら悠然と歩を進める。その姿を、春咲はコンテナの角から確認する。 「くっ・・・」 度重なる暴力によって、春咲の体は既に満身創痍。本来であれば、立つことも碌に叶わない惨状である。春咲は、気力だけでこの戦闘に望んでいるのだ。 「やっぱりぃ、アンタの『劣化転送』は役に立たないようね。フッ、私の見立ては正しかったってことが証明されてるわねぇ、今の状況って」 躯園が言葉として放つ、己の能力に対する嘲笑。それを、転送するための小石を左手に握り込む春咲は・・・否定することができない。 それは、春咲桜の能力―能力の内容から躯園が名付けた―『劣化転送』の弱点。 「(“静止”・・・。“静止”してくれないと、発動できない・・・!!)」 “静止”というキーワードが意味するもの。春咲桜の能力『劣化転送』に隠された秘密が―今明かされる。 continue!!
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5163.html
とある古い森で 「はい、これは題名の通り古泉×森さんの話です。二人の関係にオリジナル設定入ってます。」「また全部が台詞ってんじゃねえだろな。」「そこは大丈夫です。」「そうか。んじゃ、スタート。」 そこはとある古い森。 の中のある小屋。 そこには、二人の男女が住んでいました。 「園生、ご飯ができましたよ。」 と、喋りかけるのは幸せそうな細い目をしたなかなかのイケメンです。名を古泉一樹と言います。「持って来て~。」 と、そう甘えるのはかなりの美人です。写真集でも出せば一週間以内で重版しそうなくらいです。名を森園生と言います。 まあ、緩みきった顔で甘える姿もそれなりにくるのですが、古泉はそれも気にせず、というより毎日見てるのでそういう気も起こらないのか、普通に抱き起こします。「えっち~。えっちえっち~。」 どうやら胸を触ってしまったようです。しかし、古泉は恥ずかしがりもせず、「園生、冷めてしまいますよ。」「む~、じゃあ食べる~。」 なんなのでしょうこのベタ甘っぷりは。砂糖吐きそうです。 そんな感じの日々を過ごしていた二人に、ある日異変が起こりました。 突然古泉の中に流れ込んでくる情報。「なんだ、これ……閉鎖空間……? 涼宮ハルヒ………世界の崩壊?」「一樹、何が起こったの? 一樹?」 始まる非日常の予感。いえ、確信。 「古泉一樹です。能力者です。」「森園生です。後方支援員です。」 『機関』へ入った二人。実は森さんは素手で熊を殺せるくらい強かったりします。 そうして、危険ながらも意外と充実した日々を送りつつ、「一樹、危ないっ!」「園生、ありがとう。」「あ、一樹……」「園生……」「そこのバカップル! こっちの手伝いしろよ!」 相変わらず、ベタ甘でした。 「なあ。」「何でしょうか?」「もう、お腹いっぱいです。」「残念でした♪」「うう、むかついても殴る気力も無い……」 それから三年。古泉は、とある県立高校に転校することになりました。「いやー、一樹ももう高校生かあ。」「一ヶ月前からじゃないですか。しかも、転校しますしね。」「……ねぇ、そろそろ敬語やめない? 年の差なんて気にせずにさ。」「残念ながら、性分なもので。」「むぅ。」 古泉はそういうキャラなのです。もし古泉が敬語じゃなくなったらとある魔法使いになりたかった巫女さんみたく自らの無個性さにうちひしがれたことでしょう。 またある春の日。「ねぇ一樹。楽しい?」 突然、森さんが聞いてきます。「楽しいですよ。」 何のことか分からないままでも、古泉が答えます。「生きてて。」 ひどい森さんです。「急になんですか。」 あまり動じない古泉も、ある意味すごいのかもしれませんね。「だって、最近一樹忙しそうだし、休みの日はSOS団で遊んでるし、構ってくれないんだもん」 寂しかっただけですか。「ふう……」 とため息をつく古泉。そこから始まる、べったべったのあっまあま。 まず、古泉は足を開いて体育座り。森さんをその足の間に入れて、準備完了です。森さんもう逃げられません。古泉は、まず首から攻めることにしました。「い、いつきぃ、だめぇ……」 と恥らう森さん。そんな姿を見せられるともっといじめたくなるのが男の性。古泉も例外じゃありません。「園生、大丈夫です。存分に、可愛がってあげますよ。」 おもむろに、わきばらに手を這わせ、そのまま手を動かす。こしょこしょこしょこしょこしょ。「あはははっ! あひゃははひゃはひゃはは!」 それから数時間、笑い声は絶えなかったとか何とか。 ………なんで古泉なのにいい目を見るんでしょうかね。 「……勘弁してください。」「止まらない止められない♪」「どこまでいったら終わりなんだ。」「どこまででしょうか?」「早くしてくれ。」 それからゆっくりと時は過ぎ、べた甘な二人はお互いを愛し続けました。 めでたしめでたし。 「ってこれで終わりかーーーーーーッ!!!!!!」「そんなわけ無いでしょう。あんなフリやっておいて。では、第二部っぽいもの、スタート。」 夏休み直前のある日。 古泉が、神妙な顔をしていいました。「園生、ちょっと頼みたいことがあるのですが。」 その顔は、まるでロバに乗ったナポレオンをもとに白馬に乗っている絵を描けと言われた画家のようでした。普通に話すと、それ自体は名誉なことだけれども手段がこずるいというかなんというか。絵を描くのはいいけどロバを白馬に変えるのはちょっとなあ……みたいな尻込みのようです。「何、一樹?」 古泉は、覚悟を決めた顔で、話しました。「メイド……メイドに、なってもらえませんか……?」 壮絶な告白。相手がよく知った森さんだったからまだセーフかもしれませんが、普通はアウトです。ていうかこれでも十分アウトです。「……………………………………………………一樹って、そういう趣味………?」「違います! 違うんですよ! SOS団で合宿しましょうってことを提案して、そこでの役割ですよ!」「……ふうん。……ふぅーん。見たくないんだ。」「そんなことは無いです。見たいです。見させてください。」「ほんとにー?」「本当です。」「じゃあ、おきがえたーいむ。」「微妙にろれつまわってませんよ。」 数分後。 そうして現れたのは、一分のすきも無くメイド服を着こなした森さんでした。 その姿はまるで本職の方のように完璧に似合っています。 まるで一幅の絵のようです。 「…………園生、あなた神ですか?」「あら一樹、よく分かってるじゃない。」「まあ置いといて。これは本当に似合ってますね……」「ふふん。まだまだ若いってことよ。」「その台詞が歳くってますけどね。……ギブギブ! 首はダメ!」「貸し一つね!」「結構ノリノリだったくせに……はいすいませんもう言いません。」 こうして、森メイドは誕生しました。 またある冬の日。 古泉は、少し焦った様子で森さんに電話をかけました。「何よ、一樹。不思議探索中じゃないの?」「園生……すいません。朝比奈さんが攫われました。」「……あんたがいながら何やってんのよ。」「言い訳させてもらうと、朝比奈さんと『彼』が二人でいたときに敵対勢力に攫われたようです。」「ふーん……新川ー。車出してー。」「お願いします。」 その後、古泉に対する怒りは全て敵対勢力の少女にぶつけられたとか何とか。 そういう風に、二人は過ごしていました。 突然超能力者になっても、二人の仲は変わらずに。 それは、どんなに稀有なことでしょうか。 きっと、運命とか前世からの縁とか、そういううそ臭い台詞が似合う二人は、これからも仲がいいのでしょう。 めでたしめでたし。 「…………………やっと終わった………」「いやー、名作でしたねー。」「明らかに自分でつくったもの見てそういう言葉を言えるお前は凄い。」「いえ、だって、これ園…森さんが作りましたし。」「……ノンフィクション?」「……ほとんど。」「………なあ、硬くて重いもの無いか? いい具合に人を撲殺できそうなの。」「まあまあ落ち着いて。暴力は何も生み出しませんよ。だから落ち着いて。そして頼みますからその大きく振りかぶった硬くて重いものを降ろしてください!」「ゴートゥーヘル♪」「いやぁぁああああっ!!!!」 「めでたし、めでたし。」「全然めでたくないですよ!」
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/1751.html
前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある男の本気告白 不安と嫉妬 「もう嫌、もう当麻の事信じられないっ!!」 「美琴っ!!」 この部屋の家主である上条当麻と学園都市が誇る第3位の御坂美琴が付き合い始めて早くも3カ月が過ぎた。 クリスマスイブに想いを伝えあい、そのままの勢いで恋人達の階段を最終地点まで駆け上がった2人。 この3カ月の間に、上条は美琴のお陰でぎりぎり進級を果たし2年生になる事が決まり、 美琴は『自分だけの現実』に上条当麻を組み込むことに成功し、漏電することもなくなった。 今では自分から上条に甘える事も、まぁ多少は出来るようになった。(まだ、恥ずかしいみたいではあるが…) 「おっそいわね~。何してんのかしら…」 暦は3月24日となり、上条の高校も常盤台中学も今日から春休みとなる。 美琴は何日も前からこの日を待ちわびていた。 というのも春休みに入ってから2週間の間、寮監が休暇という名目で寮からいなくなるのだ。 一応、常盤台中学の教師が代理を務めるのだが、今年その役目を任されたのが常盤台中学卒業の教師なのだ。 『窮屈すぎるのは教育上よくない。いくら頭が良くて能力が優秀でも、箱入りのお嬢様で一般常識やコミュニケーション能力がないと社会にでても通用しない』がその教師のモットーだそうだ。 どうやら経験から生まれたもののようである。 そのため、普段なら罰せられるはずの門限破りや、外泊なども多少多めに見てくれる。 もちろん限度はあるが。 生徒にとっては夜遊びをする絶好の機会であり、美琴もそれにあやかって上条の部屋に泊まる予定だった。 「美琴。悪い、遅くなった。」 「やぁっと来たわね。…って何でそんなに汗だくなのよ?」 「ちょっと学校でいろいろあってだな…」 「…また、女の子にフラグを建てたとか?」 「うっ…」 「それを土御門さんに見られて、クラスの男の子全員に追いかけ回されたとか?」 「うぅ…」 「それで放課後になって、うっかり今日からの予定をバラしちゃって今度はクラス全員に追いかけ回されて遅れたと…」 「美琴たんは何時からテレパシー能力を使えるようになったんだ!?それともテレポートでどっかから見てたのか!?」 寸分違わず今日の学校で起こったことを言いあてられて、焦る上条。 もっとも、美琴が多重能力者になったわけではなく 「アンタね、これが何度目だと思ってんのよ。バレンタインもホワイトデーも似たようなもんだったじゃない。あと、『美琴たん』言うな。」 「その話はやめてくれ…。上条さんにとっては忘れたい過去なんです………」 バレンタインでもホワイトデーでも、放課後に美琴とのデートがあったため待ち合わせをしていたのだが、両方ともクラス全員に追いかけ回されて、捕まった後、クラス裁判という名の魔女裁判にかけられた上条。 もう、トラウマになりつつあるあの光景は思い出したくもないのだ。 「とにかく、早くしないとスーパーのタイムセール終わっちゃうわよ。ほら、行きましょ?」 そう言って何のためらいもなく、左手を差し出す美琴。 そうだな、と上条もその手を取り2人でスーパーへと向かう。 しっかりと繋がれた手は、2人が恋人である何よりの証拠だった。 「しっかし、間に合ってよかったなぁ。まさか、トイレットペーパーまで買えるとは思ってなかった。」 「と言うか、ちょっと買いすぎちゃったかも?」 ぎりぎりタイムセールに間に合った2人は生活用品と食料を買い込んだ。 両手に買い物袋を持った上条の顔はとても嬉しそうであり、美琴もそんな彼氏の顔を見て頬を緩めている。 「美琴の作る料理は美味しいからちょっとくらい量が多くても問題ないですけどね。」 「ありがと。じゃあ、今日は何が食べたい?」 「上条さんは久しぶりに美琴たん特製ハンバーグが食べたいです!!」 「だから、『たん』言うな。じゃあ、今日はハンバーグに決定っ。」 「よし!楽しみにしてるな。」 「まっかせなさい!」 そう言って上条の腕に抱きつく美琴。 うわっ、と上条は驚いたが別段文句を言うわけでもなくそのまま歩いていく。 「今日から泊まっていくのか?」 「そのつもりだけど…、ダメ?」 「いや?確認したかっただけ。」 イブの一件以来、美琴は週1で上条の部屋に泊まっている。 本来であれば冬休みのように毎日泊まっていたいのだが、学校が始まってからはそうも言ってられなくなり、上条と話し合った結果、週1で泊まることになったのだ。 上条もまんざらではなく、美琴と一緒にいる時間が増える、と喜んでいた。 「なら、もうちょっと嬉しそうにしなさいよ。春休みの間ずっと、こんな可愛い彼女が部屋に泊まるんだから。」 「十分嬉しいに決まってんだろ。つーか、美琴さん?さっきから腕に…」 「?」 成長期真っ只中の美琴は、同級生と比べると出るところが出てきていた。 このまま成長すれば母親である美鈴のスタイルにも匹敵するだろう。 (無自覚かよ!!言った方が良いのか?いやでも、言ったらもう外では組んで歩いてくれなくなるかもしれないし…) もうすでに『純情少年』とは名乗れない『中学生に手を出した凄い人』も、身長が伸びている。 そのため、美琴は腕を組んで肩に頭を乗せて歩くことが出来なくなってしまったが、その分、力強さの増した後ろ姿が好きだった。 「当麻?」 (なんだかんだ言って俺も腕組んで歩くの好きなんだよなぁ。ただ、理性が…。こう、何て言うかガリガリ削られて行くんだよなぁ、不幸だ…) こんな事で不幸なんて言っていたらデルタフォースの残り2人を筆頭にクラス全員からタコ殴りにされそうである。 上条は美琴の顔をジッと見つめた後、はぁ。ため息をついた。 「何よっ!言いたい事があるならはっきり言いなさいよっ!?」 腕に伝わる柔らかい感触が上条を悩ませる毒であることに気が付いていない美琴。 説明するのも恥ずかしいので、早々にこの場を切り上げたい上条は、とりあえず、さっさと部屋に帰ろうぜ。と言って歩くスピードを速める。 「ちょっと、早いってば!ねぇ!!」 美琴はそれに引きずられるようにして、付いていく。 「「ただいま~」」 上条の部屋に着いた2人。 上条はそのまま冷蔵庫に向かい、買ってきた食材を詰めていく。 美琴はリビングに向かい女物の服を手にして、今度は脱衣所に向かう。 上条が冷蔵庫の扉を閉めると同時に、部屋着に着替えた美琴が出てきた。 すると、入れ替わるように上条がリビングに行き、部屋着を手に脱衣所に向かう。 美琴は手に持っていた自分の制服と上条の制服をハンガーにかけ、エプロンを着用しキッチンに向かう。 冷蔵庫の中からハンバーグに必要な材料を取り出していく。 脱衣所の扉が開き、部屋着に着替えた上条が出てくる。 そのままリビングに向かい、鞄から勉強道具を取り出して机に向かう。 阿吽の呼吸で動いている2人には自覚はないが、他の人から見ればお前らもう結婚しろよと言いたくなるような連携っぷりである。 「美琴、ここってどういう意味だ?」 「どこ?」 「ここ。」 「これは、前にもやったことあるわよ。前のノート見て、それでも解らなかったらもう一回声かけて。」 「うぃ~。」 実はこの春休み、上条には補習がない。 というのも、というか今の連携を見たら分かると思うが、美琴は上条の勉強スタイルと生活習慣の改善をしてきた。 上条本人の努力もあり、成績も下の下に近かったところから一気に中の中まで伸びた。 まぁ、そのお陰でカンニング疑惑が持ち上がり、その誤解が解ければ美琴とのことを詮索され、クラス裁判。と中々に不幸なことは起こっている。 「おっ、出来た!よし次、次っと…」 リビングから聞こえる愛しい彼氏の声を聞きつつ、美琴は料理を作っていく。 「よ~し、今日の分は終わりっと。美琴、何か手伝う事あるか?」 「こっちももうすぐ出来るから、お皿出してテーブル拭いてくれる?」 「サー、イエス、サー」 「なにそれ。もうっ。」 そう言いつつも美琴も上条も笑顔である。 「出来たわよ。」 「待ってました。ほほぅ、今日はまた一段と手が込んでますなぁ。」 上条の前に出されたのはハートの形をしたハンバーグとポテトサラダ、ミネストローネ風のスープ。 「今日からしばらくは泊まるんだし、最初くらいわね。」 「もう食べていいよな、いいですか、いいですよね、いっただきま~す。」 「あっ!もうっ、しょうがないわね。」 子供のような上条の行動。本来であれば、マナーが悪いと怒るべきなのであるが幸せそうにハンバーグを頬張る上条を見て、まぁいいか。と思いとどまる。 (こういうのを幸せっていうのかな…?) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「ふぃ~、食った食った。御馳走様、美琴。」 おなかいっぱいになるまで美琴の料理を堪能した上条はゴロンと横になる。 「お粗末様。行儀悪いわよ、当麻。」 悪い悪い、と言いつつ立ち上がり、2人分の食器を持ってキッチンに向かい洗い物を始める。 美琴はテーブルを拭いた後、テレビを点けて面白そうな番組を探す。 ちょっと面白そうな話題を取り上げていたバラエティ番組を暇つぶしに見ていると、上条が戻ってきた。 「ねぇ、当麻。ちょっと気になってたんだけど…」 「どうした?」 「当麻って腕組むの嫌いなの?」 ずっと気になっていたのだ。 普段から腕を組んで歩くことは多いのだが、その度に特に最近になって上条がそわそわしているのだ。 周りを見たりする回数も増えるので、もしかしたら見られたくないのかな?と美琴は思っていた。 「嫌いじゃないけど…」 「けど、何よ?」 「………」 ジーーーーー 美琴は上条の目を見ようとするが、上条はまったくこっちを見ない。 更に身体を乗り出していく美琴、それに対して上条も少しずつ距離を取る。 『ヴーーー、ヴーーー』 そんな時、テーブルの上にあった上条の携帯が鳴った。 上条は携帯のディスプレイを確認した後、そのまま元の位置に戻した。 その行動を見て、スッと美琴の目が細められる。 「…出ないの?」 「土御門からだし、後でかけ直すからいいよ。」 「いいわよ、気を遣わなくて。出たらいいじゃない。」 「いいって。今は美琴との時間の方が大事なんだ。」 上条にしてみれば正直な気持ちを言っている。 まぁ、その心配はないのだが… 「嘘ね。」 「何が嘘なんだ?」 「土御門さんじゃないでしょ?」 「っ、何で嘘つかないといけないんだよ?」 (どこで見抜かれたんだ?) そう。電話の相手は土御門ではない。 「じゃあ、何で出なかったのよ。前のデートのときは普通に出てたじゃない。」 出来れば、美琴の前では出たくはないところからの電話ではある。 「それは、上条さんにも事情がありましてですね………」 「何よ事情って?…まさか、他の女の人!?そうなのね!!?」 「そんな訳ないだろっ!俺が好きなのは美琴だけだっ!!」 間違っても他の女の子ではない。 ばれても全然問題はないのだが、せっかく前から計画していたのだから計画通りに進めたいのだ。 が… 「嘘、信じられないっ。当麻はいつも嘘ばっかりだもんっ!」 「それは…」 心当たりは多々ある上条。 だから何も言い返すことが出来ない。 「…何も教えてくれないのね、もういい。」 「美琴?」 美琴が俯いてしまい、上条からは表情が見えなくなってしまう。 どうしたものかと考えている上条だったが。 「別れる…」 「!?」 美琴の言葉に驚く上条。 顔をあげた美琴はボロボロ泣いていた。 「もう嫌、もう当麻の事信じられないっ!!」 制服も持たずに部屋を飛び出す美琴。 「美琴っ!!」 上条も部屋から飛び出して美琴を追いかけたが、ついに見つけられなかった。 前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある男の本気告白
https://w.atwiki.jp/projectmred/pages/273.html
末改造通常版 http //www1.axfc.net/u/3124840.rar 末改造Wi-Fi版 http //www1.axfc.net/u/3124845.rar HBC通常版 http //www1.axfc.net/u/3124854.rar HBCWiFi版 http //www1.axfc.net/u/3124832.rar -- (名無しさん) 2016-03-15 07 57 27
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/1015.html
「ちょっと待ったあああああぁぁぁっっっ!!!!!」 「『たかが』?フフフッ、何も知らない部外者が・・・舐めた口を・・・!!!」 「あらあら、矜持の高い人間を怒らせてしまいましたか。わたくし、そんなあなた様がすっごく恐いですの・・・んふふっ・・・!!!」 フィーサと界刺の応酬が止まらない。特に、界刺はお嬢様口調を交えて応酬しているせいか、剣呑とした空気が更に冷たさを増す。 「ちょ、ちょっと待ったあああああぁぁぁっっっ!!!!!」 「フフフッ・・・!!本当に貴方という方は・・・。これは、私自らの手で然るべき懲罰を与えなければならないようね」 「“素人”の君が?俺に?んふふっ・・・。それは、無理なんじゃないかなぁ」 フィーサの瞳が敵意に満ちる。表情が怒りに染まる。そんな少女を値踏みするかのうように、碧髪の男は胡散臭い笑みを浮かべながら視線を送る。 「あ、あれ?だ、だから・・・ちょっと待ったあああああぁぁぁっっっ!!!!!」 「無理かどうかは・・・戦ってみなければわからない!!いいわ。貴方の“講習”への招待、承りましょう。フフフッ、そこで完膚無きまでに叩き潰してあげる!!!」 「・・・・・・んふっ」 宣言する声色に憤怒が混じる。見下された視線が、軽んじられた声が、フィーサの心を苛立たせる。対する界刺は、一言の笑い声を零すだけに留まった。 この瞬間、午後の“講習”にフィーサ=ティベルとマーガレット=ワトソンの参加が決定した。 「・・・うううぅぅ・・・!!む、無視すんなやコラアアアァァァッッ!!!!!」 「・・・・・・で、さっきから何なのかな、“常盤台バカルテット”?何か用?」 界刺は、ようやく視線をフィーサから横に居る金束へ向ける。 先程から大声を挙げていた金束だったが、界刺達からガン無視されまくっていたので、遂には界刺の横にまで来て大声を挙げている。 「晴ちゃんを無視し続けるなんて・・・やっぱりあの人は氷像にしてあげた方がいいみたいですね~♪涼しいでしょうし~♪」 「そ、そりば言ったらフィーサも同じじゃなかと?」 「金束さん・・・ファイトです!!」 少し離れた所からは、銀鈴、銅街、鉄鞘がこちらを覗き見していた。どうやら、金束の威勢の良さに全てを託しているようである。 嫌な役割を押し付けたと言ってはいけない。金束本人は気付いていないのだから。 「ムフフ。アタシ達がここに来た目的は1つ!!界刺得世!!アタシ達と勝負しなさい!!」 「嫌。面倒臭い」 「ガクッ!!」 金束の対戦要望を即断で拒否する界刺。理由は面倒臭い。これは、界刺本人の嘘偽りの無い本音である。 「な、何で即答なのよ!?す、少しは考えてくれてもいいじゃない!!?」 「だって、先約が居るし」 「フィ、フィーサ?こ、ここはアタシ達に任せて・・・」 「この男は私の手で潰すと決めておりますの。余計な真似はしないで頂戴、金束・・・!!?」 「うっ・・・メッチャ怒ってる・・・!!!」 フィーサの言葉に、凄まじい棘があるのを感じる。何を隠そう、この2人(=他の“バカルテット”も)は同級生である。 一見しただけでは、とてもじゃないがそうは見えない。貫禄の差があり過ぎる。 「な、得世様。す、少しくらいは金束様のお願いをご考慮して頂けませんか?」 「珊瑚ちゃん・・・」 そんな最中に界刺に話し掛けるのは、赤髪の少女。真珠院珊瑚は金束の方を向いて、そして界刺に言葉を投げ掛ける。 「金束様や、銀鈴先輩、銅街先輩に鉄鞘先輩はいずれもレベル3以上の能力者。きっと、得世様のお眼鏡に叶う方々だと・・・私は思います」 「珊瑚・・・!!アンタって奴は・・・!!」 思わぬ援護射撃に、金束は顔を綻ばせる。逆に、界刺は真珠院の言葉に今まで疑問に抱いていたことを口にする。 「俺の眼鏡に叶うかどうかはどうでもいいんだけど・・・珊瑚ちゃん。君は、この娘に肩入れするわけだ。 そういえば、君ってこの娘にだけ『様』付けするよね。他の上級生には『先輩』呼びなのにさ。何か、過去に助けられた的な借りでもあるのかい?」 「は、はい!金束様には、以前助けて頂いたことがありまして。それ以来、『金束様』とお呼びさせて頂いております」 「ア、アタシとしては『様』付けで呼ばれること自体に悪い気はしないんだけど、やっぱりそう呼ばれるたびに鳥肌が立ったり体が痒くなるのよねぇ」 「(そりゃ、君に全然似合わないからだよ)」 少女達の言葉を聞いて嘆息する界刺。そんな男に気付かずに、少女達は昔と呼ぶ程前では無い話を語り続ける。 「確かあれって6月の上旬くらいだっけ、珊瑚?」 「そうですわ。私が路地裏に迷い込んでしまい、そこで不良とお見受けする方々に囲まれてしまったんです。 何やら怪しげな薬を薦められましたわ。その折に、金束様にお助け頂いたんです」 「ムフフ。アタシの手に掛かれば、あんなスキルアウト(やつら)へ一撃入れた後に・・・逃げ切るくらいワケないわ!!」 「「「「(逃げたんだ・・・)」」」」 遠藤、鬼ヶ原、形製、苧環の4名は金束の言葉に拍子抜けする。金束と真珠院の口振りから、 てっきり少女を襲う暴漢達を見事とっちめたという先入観を抱いてしまったからだ。 「・・・怪しげな薬?」 一厘は、真珠院が口に出したあるキーワードが気になった。それは、彼女が今関わっている“件”に符号するキーワード。 「え~と、何て言ったっけな。人を脅す時によく言うお決まり台詞みたいな言葉の中に、聞き慣れない言葉があったわね。 たぶん、あいつ等が所属するグループの名前だったような・・・。え~と・・・」 「あら、私もそのお名前は聞きましたよ。確か・・・」 「ね、ねぇ!金束と真珠院が遭遇した不良って・・・」 金束と真珠院が、記憶の底に沈めていたあるキーワードを思い出そうと頭を捻る。そして、一厘が2人にある確認を取ろうとする。 もしかしたら・・・。そんな逸る思いを見透かすかのように・・・ 「『ブラックウィザード』か・・・」 目を瞑った碧髪の男が、金束と真珠院を襲ったスキルアウトのグループ名を言い当てる。 「そうそう!確かそんな名前だったわ!見るからに下っ端みたいな雑魚連中のくせに、偉そうな名前を付けたものよね!」 「あら!よくわかりましたね、得世様。さすがは、色んなことをお知りな・・・ッッ!?一厘先輩!!?」 真珠院の視線の先には、界刺の胸倉を両手で掴みかかっている、必死な形相をした一厘の姿があった。 一厘は、以前に界刺達に風紀委員会の情報を教えていた。だが、その時に伝えたのは『シンボル』が風紀委員に目を付けられているということだけ。 現在進行中の案件である『ブラックウィザード』については、何一つ情報を漏らしていなかった(これは、春咲にも伝えられていなかった案件である)。 それなのに、界刺の口から『ブラックウィザード』の名前が出た。ということは・・・ 「界刺さん・・・!!あ、あなたは・・・知っているんですか!?『ブラックウィザード』について!?」 「さぁね。その感じだと、今になって風紀委員が血眼になって捜査してるみたいだね?というか、息苦しいんだけど?」 「ふざけないで下さい!!!ちゃんと・・・ちゃんと私の質問に答えて下さい!!!」 「い、一厘!!どうしたって言うのよ!?お、落ち着いて・・・」 「苧環は黙ってて!!!」 「!!」 苧環の制止も受け付けない、否、誰の声も届いていない。 今一厘の頭の中にあるのは、自分が関わっている“件”―『ブラックウィザード』―の情報を持っているであろう碧髪の男から有益な情報を引き出すこと。 「答えて・・・答えて下さい、界刺さん!!・・・まさか、界刺さんって・・・『ブラックウィ・・・痛っ!?」 「違ぇよ。俺は『ブラックウィザード』の一員じゃ無い。話が飛躍し過ぎだ、リンリン。 苧環の言葉を借りるわけじゃ無いけど、もうちっと落ち着け。チッ、面倒臭ぇ・・・」 興奮していた一厘にデコピンを喰らわし、界刺は仕方無しという雰囲気を露にしながら話し始める。 「おそらくだけど、晴ちゃんと珊瑚ちゃんが関わった不良は『ブラックウィザード』に属する人間だろう。 丁度、“表”の一部に“レベルが上がる”って言う薬が広まり出した時期と6月上旬は符号するし」 「ア、アンタに晴ちゃんって言われる筋合いなんて無いんだけど!!」 「・・・何処でそんな情報を!?」 「蛇の道は蛇って言うだろ?君のような風紀委員が知るようなことじゃ無い。もし知ったら・・・君は風紀委員で居られなくなるよ?」 「・・・!!」 蛇の道。つまり、そういうこと。一厘のような“表”だけに関わるような人間が足を踏み入れるべきでは無い道。 「“レベルが上がる”?何だか胡散臭いね、バカ界刺?君のようにさ?」 「まぁ、胡散臭いってか危険な代物だけどな。実際にレベルが上がった奴も居るって噂だけど、大半はレベルなんて上がりゃしない。金の無駄さ。 しかも、薬の成分に快楽性や中毒性が強い物が大量に含まれているみたいだからね、一度でも引っ掛かったら、薬物中毒一直線。 最悪・・・廃人になって二度と普通の生活には戻れないだろう。よかったね、2人共。もし引っ掛かっていたら、君達は今ここに居ないよ?」 「そ、そんなにヤバかったの・・・アタシ等って!?」 「こ、恐い・・・!!」 界刺の言葉に、金束と真珠院は身を震わせる。界刺の言葉通り、一歩でも間違えた選択を取っていたら、自分達は今ここに居なかったのかもしれないのだ。 「でも、この程度の情報は君達風紀委員でも調べは付いているんじゃないの?」 「・・・薬が広まり出したのが6月上旬ということは特定できていませんでした。 『ブラックウィザード』に関する有益な情報は、どうしてか集り難いんです。それだけ、彼等の隠蔽工作が優れているのかもしれませんが」 「・・・だとすると、やっぱり独断か・・・。それか暴走か・・・。んふっ、肥大化した組織ってのは面倒だね」 「アホ界刺・・・」 「お前の考えている通りだと思うぜ、バカ形製?」 「界刺さん?形製さん?ど、どういう・・・」 「フム。つまりは部下の暴走・・・ということね?」 界刺と形製のやり取りにイマイチ付いていけていない一厘に代わって、フィーサが口を出して来る。 「金束達の話だと、2人が会った『ブラックウィザード』は末端の人間の筈。 そんな奴等を“上”が統制できていない、もしくは統制できなくなり始めている可能性が高い」 「あっ・・・」 「それか、部下は部下でも組織の中枢に居る人間の一部が独断で薬を広め始めている可能性も考えられるんだよ、一厘?」 「そ、そうか・・・」 一厘は、フィーサと形製の分析に思わず頷く。確かに、今まで相当な隠蔽工作をしていた組織が、余りにも下らないことでその情報が漏れ始め出している。 肥大化による組織の腐敗。これは、現実に幾らでもあることだ。 「(この感じだと、桜はあん時の会合の中身を全然聞いていなかったんだな。ま、無理も無ぇけど。自分の姉が救済委員だとわかった直後だったし。 それと、今回の件に関して『軍隊蟻』はやっぱ風紀委員や警備員とは関わっていないようだな。 もし関わっているのなら、『ブラックウィザード』に関する情報をもっと横流ししている筈。 節度あるって言ってもスキルアウトなのは変わんねぇし、馴れ合いは好まねぇか。専守防衛とは、よく言ったもんだぜ。なぁ、“お嬢”?)」 界刺は一厘の様子を眺めた後に目を瞑り、様々な思考を脳裏に浮かばせる。 今思い浮かべているのは、『ブラックウィザード』と抗争中のスキルアウト・・・『紫狼』。 『確かに姐さんの言う通り、昔の「紫狼」はスキルアウトにしては大人し目のグループだったけど、 刺界が言った通りリーダーが代わって以降は戦力を増強しているみたい。縄張りも段々拡大しつつあるって話もある』 『どうやら、以前のリーダーに不満を持つ者も少なからずいたらしいな。それに、今の「紫狼」は加入に能力者のある無しという制限を設けていないようだ。 中には高位能力者も居ると聞く。後、これはあくまで未確認情報だが現リーダーがある傭兵を雇ったそうでな。その男・・・とてつもなく強いそうだ』 『傭兵?もしかして・・・そいつも能力者なの?』 『その当りについては未だ不明だ。だが、その傭兵の力であの「ブラックウィザード」の猛攻を押し返したという情報が幾つかある』 そして、昨夜出会った殺人鬼のこと。 『だが、俺は仕事に無関係の人間は「無闇」に殺さない。その例外があるとすれば、それは俺が興味を抱いたということに他ならない』 「(人を殺す仕事を請け負う。つまり・・・殺し屋や傭兵と呼ばれる部類の人間。確かにあの男なら、単騎で『ブラックウィザード』と渡り合うってのも納得できる。 『ブラックウィザード』の“手駒達”には能力者も結構居るって聞くけど、あいつ相手じゃあ対抗し切れないだろうな)」 凄まじい殺気を撒き散らしながら、自分を殺しに掛かって来た男。もし、あれが麻鬼の言う『紫狼』の現リーダーが雇った傭兵ならば、 麻鬼が掴んだ未確認情報に確かな信憑性を付与することができる。 「(きっと・・・あの男の出現が切欠な気がする。今まで均衡が保たれていた『ブラックウィザード』を、あの男が揺るがした。 そして、秘かに埋まっていた腐敗の種が芽吹き始めたって所か。そんで、その触手が“表”にまで広がり始めている。これは、おそらく誤算であって誤算じゃ無い。 もし、部下が勝手に薬を売り捌く対象を“表”に変更したとしても、それに幹部連中が気付かないわけが無ぇ。 ましてや、自分に害があれば仲間でも躊躇無く切り捨てることで有名な、あの“孤皇”東雲真慈がそんな勝手な真似を許すわけが無ぇ。 つまり、連中にとっても“表”にまで手を伸ばす必要ができたんだ。狙いは“手駒達”の補給と強化。それと、手に入れた金による武装補充って所か。 そんでもって、対象を広げた弊害として風紀委員に捕捉されたって感じか。連中にとっては、中々に厳しい展開だな。・・・『風紀委員にとっても』だけど。 こりゃあ、血で血を洗う大規模な殺し合いに発展しそうだな。リンリンとかは、そんなのに耐え切れるんだろうか?・・・まぁ、知ったこっちゃ無いか。リンリンの問題だし。 推測としちゃあ、大体こんな所かな。やっぱ、あの殺人鬼・・・ただ者じゃあ・・・)」 「刺!!界刺ってば!!」 「うん!?な、何?」 思考の渦に身を委ねていた界刺は、苧環の声によって現実に引き戻される。見れば、他の女性陣も自分に注目していた。 「何って・・・。あなたが急に黙って難しそうな顔をしていたから、声を掛けたのよ。何回呼んでも全然反応しないし」 「バカ界刺。その様子だと、他にも情報を持ってそうだね。この際、一厘に全部教えてあげたら?」 「界刺さん・・・」 苧環、形製、一厘の順で声が掛かる。特に、一厘の声は懇願にも似た色を帯びていた。 「・・・駄目。“サービス”はここまでだ」 「界刺さん!!」 しかし、界刺はこれ以上の“サービス”はしないときっぱりと告げる。その表明に、一厘が抗議の声を挙げる。 「・・・おい、一厘。君は、何か勘違いしてんじゃ無ぇか?」 「か、勘違い・・・?」 「そう。俺は、風紀委員じゃ無い。そんな俺が、何で君達の都合で動かないといけないの?」 「!!」 一厘は、今更のように気付く。自分が相対している男、界刺得世とは一体どういう男なのかを。 「君は、俺という人間をよく知っているだろう?もし俺が君の望むような人間なら、“あの”お嬢さんがあんな目に合うまでほっとかない。違うかい?」 「そ、それは・・・」 “あの”お嬢さん。それは、一厘の先輩風紀委員である春咲桜という少女。彼女は、かつて大怪我以上の傷を負った。 そして、それを界刺は黙認した。自業自得という名の下に。 「『ブラックウィザード』が売り捌く薬なんかに引っ掛かる人間なんてのは、どいつもこいつも今の自分に自信が無い連中が殆どじゃ無ぇの? そんな連中がどうなろうが、俺にとってはどうでもいいことだ。自業自得だしな。勝手に薬物中毒になって、勝手に廃人にでも何にでもなりゃあいい。 まぁ、“レベルが上がる”とか関係無しに引っ掛かった奴については、そうは思わないけど」 聞く人間によっては冷血漢の台詞にも聞き取れる言葉を、界刺は躊躇無く口に出す。 「俺がいざという時に最優先するのは自分だ。間違っても俺以外の人間じゃ無い。 自分のことを最優先に考えられない奴に、他人を助けるなんてことはできない。そう、俺は考えているから。 俺は、他人のためには動かない。全部、俺自身のために動く。俺の信念に従って。俺の信念が正しいことを、この世界に証明するために。 だから、一厘。俺は俺の信念に従って“サービス”終了を決めた。この決断を・・・君が変えられるとでも?俺は、君にとって都合のいい人間じゃないよ?」 「・・・!!!」 一厘は言葉を失う。心の何処かで思っていた。自分は、界刺得世という男のことをもう理解していると。 短いながらも濃密な時間を過ごした自分は、この男をもう理解したのだと。 だが、それは思い違いだった。目の前に居る男の言葉を、今の自分は消化し切れない。 「例えばさ、午前中の“講習”も今から行う“講習”も、根本的に君達のためになんかじゃ無い。俺のためだ。 俺の信念に従った結果、“講習”を開くってことにしたんだ。一厘!珊瑚!俺は、君達のために手取り足取り優しく教えてあげたのかい?」 「・・・優しくなかったです」 「・・・痛みと苦しみを伴いました」 一厘と真珠院は、自分達の体験した“講習”を思い出す。痛くて、苦しくて、幾度と無く倒れた末にようやく光明を見出したのだ。 「そうだろ?他にも、遠藤ちゃんや嬌看には暴力じゃ無いけどかなり厳しいことを言ったし。でも、君達はそれでも自分が成長するためならって受け入れた。 君達は、俺が与えた色んな痛みや苦しみから自分の力で何かを掴んだり学んだりしたんだろ?それは、君達の努力の賜物だ。俺は、切欠を与えたに過ぎない。 だが、“レベルが上がる”なんて胡散臭い薬に頼った連中は、何の努力もしていない。何も苦しんでいない。唯の“負け犬”も同然さ。 当人からすれば努力してんのかもしれないけど、俺からしたらそんな薬に安易に頼った時点でお話にならない。 俺は、そんな人間のために動いたり命を懸けるなんざ真っ平御免だね。繰り返すけど・・・それは自業自得。自分のツケは自分で払え。 それでもどうしようもないって時に・・・俺は初めてそいつのために動く。そいつが、全ての手を尽くして駄目だったんだ。だったら、俺の力を貸してやる。 俺以外の奴の力も借りて、そんなどうしようもないことをブッ飛ばしてやるよ。世界の一部である人間(おれたち)の手で!!」 界刺得世という男は、無償の善意で動くような人間じゃ無い。そのことを、ここに居る女性達は初めて、あるいはもう一度認識する。 「だから、一厘。これは、君の抱える問題だ。君が何とかしなきゃいけないことだ。俺を・・・何時までも安易に頼っていちゃ駄目なんだよ?」 男は少女に言う。もう、時期は来たのだと。それは―“自立”という名の巣立ちの刻(とき)。 「・・・わかりました。これ以上は、界刺さんにお聞きしません。自分の・・・いえ、自分達の力で何とかしてみせます!!」 一厘は、自分の安易さをまた恥じる。今朝の図書室で界刺に甘えてしまったことを、またもや繰り返してしまった。 これでは、駄目。こんなんじゃあ、何時まで経っても界刺に追い付けない。だから、もう一度心を強く持つ。 界刺の言葉に全て納得できないのなら、相容れない部分があったのなら、それは一厘鈴音自身の信念が芽吹き始めている証拠。 きっと、それは界刺も望んでいること。自分だけの確固たる信念。それをどう成長させるかは、自分次第。 「私は、界刺さんみたいに薬物中毒に苦しむ人達を簡単に切り捨てることはできません。だから、私は私の意志でその人達と向き合おうと思います。 そして、そんな人達を苦しめる『ブラックウィザード』に対しても、自分の信念でもって立ち向かおうと思います!」 「うん。いいんじゃないかな。んふっ・・・成長したね、鈴音」 「!!」 界刺の手が、一厘の頭にポンと置かれる。初めて、自分の下の名前を呼んだ。『成長した』と・・・初めて言ってくれた。自分の成長を・・・認めてくれた。 それが・・・それだけのことが・・・嬉しかった。すごく、すごく嬉しかった。だから・・・ ハグッ!! 「お、おい!?リンリン!?」 「嬉しい・・・嬉しいよ!!初めて・・・初めて界刺さんに・・・『成長した』って言って貰えた・・・!!すごく・・・すごく嬉しい・・・!!」 一厘は椅子に座る界刺に抱き付く。自分が目標とする人が、散々自分を駄目出ししまくった人が、初めて認めてくれた己の成長。 この歓喜を言葉だけでは表せなかった。だから、言葉だけでは無く行動でもって示した。そんな少女の頭をポンポンと叩く界刺は、周囲に向けて声を放つ。 「・・・ハァ。君達、“これ”で機嫌を悪くしないでくれよ?」 「わかってるわよ。一厘のこの喜びようを見ちゃったら・・・ね」 「まぁ、アホ界刺に色々言われまくっていたようだし、溜まっていた色んな物が爆発したって感じかな?」 「・・・マーガレット。この男には一切の油断も許されないわよ。全身全霊でもって叩き潰す。いいわね?」 「わかっております。これだけのものを見せ付けられたのでは・・・否が応にも手を抜く余裕等存在しないと認識せざるを得ません。私も、全力で臨みます」 「私も・・・一厘様のように何時か界刺様に『成長した』と言って貰えるように頑張らないと!!」 「サニー先輩の言う通りですわ。私も、未だスタート地点に立ったと言うだけ。ここからは、私次第。得世様に受けたご厚意に恥じぬように、精一杯努めなければ!!」 「そ、そうです!!遠藤も、フィーサ様に自分の成長した姿を見せたい・・・!!が、頑張ります!!」 「“自分自身”を信じて努力する・・・唯それだけです!!」 「・・・・・・・・・あれっ?何だかアタシの存在が忘れられているような・・・?あれっ?」 「(・・・そろそろ頃合いかな?)」 各人が様々な反応を示す中、界刺はこの場を纏めるために自分が抱く3つの目的を打ち明けることを決断する。その3つの目的とはー!! continue!!
https://w.atwiki.jp/pacman69/pages/31.html
【東北太平洋沖地震】県内のとある高等学校 【内容】 県内でも地元にある高等学校の状況をみてきました。 とても忙しい状況となっておりました。 いわきからわざわざこちらまで非難しにこられた方々で グラウンドが駐車場となり、食料など生活に必要なものを配布してました。 帰宅する最中にユトラーズの構成員のカール大帝やらじゃんは道案内をするなど とても町内も騒々しいこととなっております。 電気、水道もしっかり動いているのである程度安心かと。 やはり、岩手、宮城などそちらのほうもかなり大変かと・・・。 現在も、南相馬の友人と連絡が取れず心配です。 コメント コメントよろしくお願いします。 -- ぱっくん (2009-08-15 00 05 22) 今回の地震による多数の被害者の方たちにお見舞い申し上げます。 私の住む地域も大きな被害を受けました。このサイトを通して多くの 人々の安否確認その他の交流の場になっていただければ幸いです。 このサイトを運営しているユトラーズのメンバーの一人として、この 地震で被害にあわれた多くの方々が一人でも多く助かることを願います。 -- カール大帝 (2011-03-13 21 17 09) 株式会社ダイユーエイト正社員より、被害に受けられた皆様へお見舞もしあげます。自分は19歳ですが、震災対策グッズの開発してます。 -- ナルシスト男子 (2012-07-26 21 44 36) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/laser_bm/pages/123.html
作者名 xarva(サルヴァ) 旧名義...narve(ナーヴ)、ken(ケン) 詳細 2000年からBMS作品を制作している、日本出身の作曲家。BMSクラブミュージックガチ勢の一人。 ken名義は『night starter』で知られるken氏とは別である。 ken、narve名義ではテクノ・トランス・サイケといったジャンルを扱い、 『the sorrow of the islands』はトランスBMSの最高傑作の一つとして語り継がている。 xarva名義では従来のジャンルにアンビエントを作風に加えた、神秘的で引き込まれる空間的なサウンドが特徴。 アンビエント系統のBMSで氏の右に出るものはいない。 実力は高く、 BMSイベント B.J.cup 3rd stage では『the sorrow of the islands』を発表し、優勝。 RR-LASTSTAGE では『迦具土 -f.l.a.mix-』を発表し、準優勝。 LiZ vs OMT では『osmosis』を発表し、アベレージ準優勝。 BOF2004 では『incomplace』を発表し、個人ポイント部門10位、アベレージ4位を獲得する。 低速BMS限定イベント easymotion では主催を担当し、『easymotion』を発表し優勝するなど。 ちなみに『osmosis』は15年の時を経て、iimo氏によりBGAが付けられることとなった。 挑戦的な一面があり、 戦 [sen-goku] 國 ~夏の陣~ では、ロングノート計7つを各キーに配置し、 3分近く長押しして演奏する迷BMSBMS『sevenscape』を発表している。 現在活動休止中である。 代表作 『the sorrow of the islands』『underwater sunset』『osmosis』『incomplace』『Vorota』 リンク HP:http //phantomscape.com Twitter:https //twitter.com/xarva BMS SEARCH:https //bmssearch.net/artists/W6k9Qr5nqTTeGB BMS保管先:https //ia600306.us.archive.org/view_archive.php?archive=/27/items/xarva_bms_202405/ken_bms_collection.rar BMS保管先:https //ia800306.us.archive.org/view_archive.php?archive=/27/items/xarva_bms_202405/narve_bms_collection.rar BMS保管先:https //ia600306.us.archive.org/view_archive.php?archive=/27/items/xarva_bms_202405/xarva_bms_collection.rar 古いリンク HP:https //web.archive.org/web/20010721212903/http //www1.odn.ne.jp/~cam29760/ HP:https //web.archive.org/web/20020927202707/http //members16.cool.ne.jp/~narve/ HP:https //web.archive.org/web/20040304074703/http //pureweb.jp/~nav/music/islands.html HP:https //web.archive.org/web/20060803233115/http //phantomscape.in/
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/3556.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン) 第2部 第05話 第一章開戦前(5) やや薄暗さを感じる個室でシットダウン形式の創作フレンチを 2人きりで食べる。 正直な話、そう高くはない。1名30,000円(消費税別)なら普通だろう。 2時間狭くない個室を2人きりで占有し、人件費や食材の事を考えれば むしろ安いくらいではと私は考える。だけど・・当麻の金銭感覚ではどうだろう。 前に常盤台のランチで40,000円する話をしたら目をひんむいて驚いていた。 まあ言わないほうがいいわね。 でもこうゆう雰囲気をつくるための必要経費は惜しむわけにはいかないわね。 私は当麻との会話を続ける。 「当麻今日はありがとうね」 「可愛い彼女を守るのは彼氏の勤めだよ」 「ありがとう。当麻これからもよろしくね、そしてパパの件お願いね。」 「美琴の父さんか・・、でどうなのさ実際は?」 「ちょっと顔は濃いけど、中身は娘を溺愛するただの父親よ」 「でもさ。。娘を溺愛するならなおの事父親は恋人を敵視するんじゃないか?」 「パパはね仕事がコンサルタントなのよ。だから、人を見極めることはプロ中のプロよ 当麻が信頼に足る人物なんてすぐに見抜くわよ」 「美琴はね・・俺を過大評価しすぎじゃないか?」 「ふふそうかもね。でも後1年もすれば当麻は絶対に変わる。その時には 当麻はいまより遙かに強くなる」 「美琴は強いな。でもさ・・超がつくエリートの美琴と俺は同じゃない。しょせんはレベル0だし。。」 「レベル0だからは忘れよう当麻、当麻の右手をちゃんと評価しない学園都市がおかしい と私は思うわ」 「確かに俺がちゃんと右手に向き合わないといけないんだな。 後2年もすれば、俺も進路をかんがえなきゃいけない。不幸だとか言っても誰も助けて くれない。でも悲しいかな俺はまだ学力すらおぼつかない。だから美琴に助けてほしい」 「当麻は地頭は悪くないわよ、だから少しづつでもやろう」 「ああそうだな。まず英語から頑張るよ。」 「当麻がやる気を出してうれしいわ、私もできる範囲で手伝うから頑張ろう。」 「なあ、美琴のパパはNGワードはあるか?」 「ないわよ。だけど不幸だ・・は言わないほうがいいかな」 「そうだな。大事な娘を不幸な男に預ける父親はいないわな」 「そうよ。だから自己否定はやめよう。それだけで十分よ。 それに取り越し苦労もいらないかな。パパに小細工なんて通用しない。だから堂々と していればそれでいいわ」 「ああわかったよ」 私は、当麻の想いと認識を確認でき、ちょっと前までのあやふやな関係が深まり、はっきり リアルな恋人になりつつあることを感じる。さあてそろそろ部屋に帰るか 「当麻・・そろそろ部屋へ戻る?」 「ああそうだな」 「その前に少し外で空気吸ってきたいけどいい?」 「そうか・・じゃ先に部屋に戻るわ」 さあてとこんな夜中にしょうもないお客様ね。 私はホテルのエントランスを出て携帯で私を呼び出した ほとんど裸の女を確認する。 「こんばんわ、窓のないビルの案内人の結標さん」 「1位の御坂美琴さんこんばんわ」 「別に結標さんなら研究所でもお会いしたのに」 「そんな公的な場では相談なんてできないわ」 「でご用件は?」 「私と戦ってほしい。」 「そんなのそれこそ多摩川の河川敷でもいいし、なんなら研究所でもいいわよ」 私の今回の私的旅行の目的のひとつに隙を見せた時に学園都市で誰が動き出すかを 確認する狙いがあったが、なるほど最強のテレポータの案内人ね・・ これは面倒くさい相手ね。レベル4の中で一番戦闘むきな最強のテレポータ だけど・・不意打ちじゃないなら今のレベル5ですらない私でもどうにでも なるわね 「無駄じゃない。能力発動の瞬間にその座標の空間を爆砕できるような化け物に 戦いを挑んでも。」 「私の事をよくご存じね。学園都市では勝ち目がない。だから、私が誓約書に しばられたこのタイミングで襲うと?」 「さすーが回転早いわね。そう。そのとおりよ。それにある意味対等じゃない。 今はレベル4どうし」 「そう・・まあいいわ。攻撃しなさいよ」 「あら・・レベル5でないくせに余裕かまして。いいわお言葉にあまえ・・」 結標は、急に頭を抱えて苦しみ始める。 「御坂さん何を?・・・」 「キャパシティーダウンて知っている?」 結標は、頭痛に顔をしかめながら息も絶え絶えに言葉紡ぐ。 「え?ふう・・あのテレスティーナが・・・か・開発した・・ 能力者・・の演算・・・を特殊な・・・音波で・・・妨・・害するそ・・装置 ・・のこと?」 「ええ・・あれね私の能力で再現できるのよ」 「/ええ・・・そんなうそ・・み・・御坂さんは確か、で・・電撃をベースにプ・・プラズマ を扱う能力者では?」 「私はね、能力の汎用性でも有名なのよ。だ・か・ら電気で再現できることはほぼすべて できるのよ。だからスピーカ機能もあるわ。超音波も含めてね。どうする?もうあなた の勝ち目はないわよ」 「あ・あ・・やっぱり・・ダメね。ええ降参するわ」 結標は、片手で頭を押さえながら、片手を上げて降参の意を示す。 「じゃ・・止めるわね。」 「ふ・・苦しかった。反則よねキャパシティダウンが使えるなんて・・」 「まあ外ではか弱い女の最後の手段よね」 「謙遜のつもり?そこはかとなく自慢と嫌味に聞こえるわね」 「まあいいじゃないの。別にこんなの大した話じゃないわよ。 それはそうと、私に勝ってどうする気だったの?無断外出は犯罪よ本来ならね」 「協力してほしかった。」 「は?そんなの口で一言いえば済む話じゃないの?」 「そう?私は学園都市最強の貴女に私の覚悟をしってほしかった。」 「は・は結標さんはツンデレさんなんですね。で私に何を協力してほしかったの?」 「ツリーダイアグラムを利用した人工知能による超能力開発の可能性の探求」 「で・・危険きわりない人間を利用した、超能力開発の中止をアレイスタに直訴する?」 「え・・なんでそこまでわかるの?」 「なんででしょうね。私はね、耳はいい方なのよ」 「そこまでわかっているなら話は早い。どうなの?」 「理事長のプランとは直接関係ないわね。まあそうね。ちょっと時間をくれない。 悪いようにはしないから」 私は、スマートフォンを取り出し当麻の電話番号を選択する。 「もしもし当麻、人生の岐路で悩んでる女の子が私に相談しに来たのよ。ちょっと一緒に話を 聞いてくれない?」 「美琴は女の子に大人気だな。いいよ。ちょうど退屈だったし」 当麻は2分で小走りでかけつけてくれる。 「美琴、人生の岐路で悩んでいる女の子は?」 「この薄着の子よ、霧が丘高校2年在籍の最強のテレポータ、結標淡希さん、 レベルは4だけど実質レベル5よ」 結標は美琴の行動がいまだに理解できず質問する。 「御坂さんなんで上条さんを呼んだの?」 「私はね大事なことは当麻に相談することにしたのよ。口は堅いから信用して」 結標は、美琴と当麻のまるで夫婦のような行動に目を丸くする。 美琴は当麻の顔を見てしゃべり始める。 「じゃ・・当麻結標さんの事情を説明するから意見をくれる?最終判断は私がするけど」 「ああ」 「結標さんは、前にテレポート中に事故を起こして、大怪我をしている。それ以来学園都市の 能力開発の危険性に関して内心相当な危惧と不信を持っている。そしてその解決策として AIを使用した超能力開発が可能かどうかをツリーダイアグラムで検証したい。 で私にコンタクトをとり、ツリーダイアグラムを利用する権限の付与と、AIで超能力開発 できるかどうかの検証を私が行ってほしい。ということでいいかしら?結漂さん?」 結標は、美琴が機密事情をしゃべりだし呆気にとられる。 そしてようやく一言返す。 「ええ、おおむねそのとおりよ」 「さて当麻私はどうするべきかしらね?学園都市1位で、プラズマ応用電磁力研究所の 副所長でAI兵器開発主任の私は?わたしが彼女の言う事を聞けば、今の研究の開発 計画の遅れと、莫大な延滞金を覚悟する必要がある。 それに、既存の研究機関からよく思われないわね、AI開発者の私の手柄になるわけだし。 下手すれば230万人全員を敵にするかもね」 結標は唖然とする。自分の悩みはほぼ結論が出ていることに気が付く。 「え?御坂さんそれって・・」 「そうよ。AIM拡散力場そのものはまだ完全には再現はできないけど、能力を工業的に 再現することはほぼ可能よ」 「当麻どう思う?」 「美琴 難しいことはよくわからないけど、結標さんが自分で納得できるならそれでいいん じゃないか?それに急いでもしょうがないだろう。」 「ええ、結標さんの考えていることは、学園都市の高位能力者なら考えない人はいないわね。 自分の強大な能力の危険性、能力開発の危険性、怪しげな実験の危険性。でも全部一辺には 変えられない。」 当麻は、美琴の立場と考えを整理する。上条当麻は、本質的には 頭の回転は速く、本質をとらえること は優れている。その上条当麻が最適解を導き出す。 「美琴、結標の考えを研究に紛れ込ませられないかな?」 「そうね。全部を変えるのはできないわね。でも方向性は正しいと私は思うわね どうせAIの可能性なんて早いもの勝ちだしね。いいわよ。十分採算も合うでしょ。 大きく考えて小さく始め早く学べでいいんじゃないかな。結標さん、どうだろう、 しばらくは私に任せてくれない。それで当麻が証人よ。結標さん」 「御坂さん、ありがとう。」 結標は感極まって泣き始める。 「じゃ・・淡希・・また会いましょう。プランはあとで連絡するわ。」 美琴と当麻は、淡希を見送り、部屋へ戻る。 「当麻ありがとう」 「え。俺は特に何もしてないけど。」 「そんな幻想はぶち殺すなんて言わなくても当麻がそばにいるだけで私は安心する」 「そうか・・」 「自分ひとりだけでなく、当麻という支えてくれる人がいるだけでこんなに気がらくに なるなんて驚きだわ」 「でも今回も美琴が全部筋書きを書いて処理した。」 「そうね。でも当麻がいなければあんなに余裕しゃくしゃくとはいかなかったかもね」 「そうか・・であの結標はどうする」 「そうね。元々最新のAI兵器関連は私がらみだった。私は元々AI兵器開発者だから 遅かれ早かれ彼女の問題に向きあう必要はあった。それに問題は彼女がトラウマに どう立ち向かうかなんだから。私の出る幕はあまりないかもね。」 「なんかだましたみたいだな。」 「そお?でも全部一辺に解決はできないし、あの状況では納得させるのが大事よ。実質 レベル5が能力暴走を外部で起こしたら大惨事よ。それにちゃんとケアはするわよ。 もちは餅屋でしょ。食蜂ならなんとかできるかもしれないし、ちゃんと精神科医のケアを受けてもらうわ。」 「そうか・・美琴は交渉の落としどころをちゃんと考えているんだな」 「いや当麻はすごいわよ。私の考えをちゃんと読んでくれた。」 「美琴は本当は怒り心頭だったんだろう?」 「え?」 「俺とささと寝室に行きたいのいきなり勝負しろじゃな」 「え・・わかっていたの?」 「美琴はね、表情がわかりやすいんだよ。自分では喜怒哀楽を隠してクールなつもり だろうけど、全部顔にでるんだよね。クセは知ったほうがいいぞ」 「えそうなの?気をつけないといけないわね 勝負師失格だわ」 「いや否定しているわけじゃない。勝負は敵を知るだけじゃないよな?己を知ることが 大事だ」 「彼を知り己を知れば百戦殆うからずね」 「美琴は孫氏も知っているんだな。正直すごいよ。俺は学識の面では足元に及ばない。 お互い己知り、少しづつ変えて行こう」 「やっぱり当麻てすごいわね。孫氏なんて知っているなんて やっぱりダイスキだわ。遅いしいい?」 「美琴は緊張するとしたくなるんだな」 「そうねなんか勝負すると無性にしたくなるのよね」 「そうか・じゃ」 「ハイこれちゃんと付けてね」 2人は生命力の戦いをはじめ、その戦いは終わることもなく 延々と続く、 そして2人のいちゃいちゃは尽きることはなく、夜は更けていく。 10代のしかも抜群の体力を持つ2人の営みは何度も延長戦を繰り返し きりがない。 最後2人が果てたころにはもう早朝という時間になっていた。 ・・・・・・・ 8月8日 (土) 「はあ・・あんまり眠れなかったな。」 2時間くらいだろうか?結局あまり眠れなかった。 当麻は何度も自分だけ充足し、最後の1回になってようやく私を満足させた。 そのころには2人とも体力の限界を迎え、ベッドでぴっくりとも動かなくなった。 当麻は疲れ果てたのだろう。まだ寝ている。 はあ・・疲れたな・・でも気持ちよかったな。 私は、昨日自販機で買い冷蔵庫で冷やしたキリンの紅茶500MLを飲む。 今日は夕刻6時に確実に南ゲートへ到着する必要があるので夕方の東名町田インター周辺の渋滞を考えると3時にはでなければならない。 (遊べるのはせいぜい午前中だけだな) 私はまだ寝ている当麻を横目でみながら、キャリーバッグを開けて今日の服に着替える。 白地に青の模様が混じったスカートにブラウス・・まあパパならいいか?今日はオフだし。 さあて、私はホテルのエントランスから浜辺へ向かう。遠くに江の島があり、いかにも湘南 な雰囲気が非日常の雰囲気を醸し出し、気分よく歩きだす。 朝6時だが、もうサーファが朝日を浴びて波乗りをしている。 私は、浜辺の公園の机の上にノートPCを広げ、決裁案件の滞留がないか確認する。 黒の画面に切り替わりプログラミング言語が急速にスクロールをはじめる。 わずか10分ほどでひととおり実験リポート、稟議、経費精算を確認し、電子決裁を 終え、滞留分を処理する。 さあて業務終了と、私は背伸びをし、ノートPCの画面を消す。 さあ・・今日は想いでを作ろう。 ・・・・・・・・ 私と当麻は東名高速を町田方面へタクシーで移動している。 午後3時太陽は少し傾きはじめているがナビの温度計は36度を示し相変わらず残暑は厳しい。 「当麻、今日はあんまり元気ないわね」 「美琴はタフだな。今日も元気一杯でさ、しかも睡眠時間2時間、美琴て化け物か?」 「まあ普通の女の子よりは体力あるわね。間違いなく常盤台では1番だったわ。」 「それって・・学園都市でも女子のトップクラスでは?」 「そうかもね」 「は・・これだから 何が能力と学力以外は普通の女の子だよ。体力も財力も 普通じゃないよ」 「そうかな?でも当麻の右腕ほどじゃないわよ」 「美琴くらいだよ。褒めてくれるのは」 「当麻・・?無自覚は罪よ」 「そうか?告白したのは美琴だけだぞ。宿題を教えてくれたのも、金銭援助したのも、そして 俺をダイスキだと言葉で言ったのも、俺を褒めてくれるのも」 「そう・・でもよかった。私が当麻の初めてで」 「ああ俺も自分が美琴の初めてでよかった」 「じゃ・・今日は後は頼んだわ」 「美琴パパね。動画は見せてもらったけど、正直怖いぞ?」 「大丈夫よ・・本当は優しいパパなんだから」 「そうだな。」 タクシーは土曜日の午後のわりにすいている、東名町田インターを4時におり、南ゲートへ向かう。 「当麻・・服でも買おうか?」 「え?いまさら・・」 「まあいいじゃない。あの量販店でさっさとスーツでも買おう。」 美琴は国道16号沿いの量販店で、タクシーを降りる。美琴は男物と女物のそれっぽいスーツを選び、 変えズボンと合わせて15万円で購入する。 「まあ形式だけど、大事なものよ」 「そうか・・」 「美琴はマメだね」 「最後の瞬間まで努力をおしまないだけよ」 「そうか」 美琴はスマートフォンの着信メールを能力で確認し内容を読み取る。 「あ当麻ママと合流しよう。ママが南ゲートへ到着したみたいだから。」 美琴は買い物中に予約したタクシーを見つけ、当麻と一緒に後部座席にのる。 タクシーは町田周辺の買い物客で混雑した雑踏を30分で抜け、南ゲートへ進む。 さあついたわ・・ 御坂美鈴は、南ゲートそばの、和風の居酒屋を予約していた。そこの広めの個室が予約席だった。 予約席は、宴会を開けそうな程度には広く、ゆっくり酒を飲めそうな、隠れ家のような雰囲気だった。 まだ5時30分で静かな雰囲気で落ち着いて話ができそうだ。 が・・あれ?パパはともかく知らない人がいるんだけど?誰?それに上条詩菜さんもいる。 え?ひょっとして・・これって見合い?じゃ・・当麻の・・? 知らない男性はいきなり右手を差出し握手を求めてきた。 その男はきっちと仕立てのいいビジネススーツを着こなし、ダンディーでカッコのイイ 仕事ができそうな中年男で、美琴も少しときめいてしまうほどだ。 「御坂美琴さんですか?」 私は上条当麻が驚愕の表情を浮かべている事に気が付いた。 「なんで父さんが日本に?」 当麻に父さんと呼ばれた男は私に身分を明かす。 「ええ私は上条当麻の父親の上条刀夜といいます、今日はよろしくお願いします」 パパへ恋人を紹介するはずだった場は、見合いの場へ変わってしまった。 (謀られた・・・) 母親の性格と行動力を考慮すればこの程度は予測しなきゃいけなかった。 (まあ いいか・・) 私は過酷な開発になれているせいで、少々の困難はいいほうに解釈するクセがついている。 遅かれ早かれ上条当麻と婚約、婚姻する以上その日が少々早まったと考えればいいだけの 話だ。 それに上条当麻と御坂美琴に残された平和な時間はもう終わりが近いのだから。 主婦兼学生にするには惜しいほどの才幹を有する御坂美鈴だ。 根回しと裏工作はすべて完了済みだろう。 そして私と上条当麻の婚約・婚姻は規定路線だろう。 私は心の中でこの茶番劇を仕組み、娘を溺愛する母に感謝をする。 お母さんいままで育ててくれてありがとう。 私は上条当麻と婚約します。そして、2年後にはかならず婚姻します。 そして、どんな困難があろうとも、どんな不幸が彼と私を襲うともそれに立ち向かい 必ず幸せをつかみます。 続く 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン)