約 3,882,613 件
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/2550.html
とある底辺と頂点の禁断恋愛 【本文】 プロローグ 最下層の生活 ◆ 第一話 女王と大罪人 ◆ 第二話 専属黒服学生としての役割 ◆ 第三話 廃棄処分される人形達 ◆ 第四話 暗部組織の暗躍と意外な人物達との戦争 ◆|◆ 最終話 学園都市の崩壊と自覚と救出 ◆|◆ 【著者】 サッド(22-344)氏 【初出】 2013/01/31 初投稿 2013/02/16 完
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/2447.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人の旅行物語 あれから10時間余りの時間をかけて飛行機はイタリアの飛行場に着陸した。 「着いたな」 「そうね」 空港を出てタクシーを利用した俺達を出迎えたのが巨大な建造物だった。 「なんだここ?」 「ここはサン・ピエトロ大聖堂。カトリックの総本山でもある場所よ」 大聖堂の中へ入った俺達はその後も芸術品の一つ一つに感心させられた。 近くのシスティーナ礼拝堂ではミケランジェロ作の”最後の審判”を穴が空くほど眺めていた。 結局その日は疲れてたこともあり、近くのホテルに入って休むことにした。 で、今ホテルのフロントにいるのだが… 「御坂さん」 「なによ」 「一つつかぬことをお聞きしてもよろしいでしょうか」 「質問は一個までよ」 「なんで俺達同じ部屋に泊まることになってんだよ!」 「べ、別にいいじゃない。減るもんじゃないし」 「すり減るから!俺の精神が。やっぱ倫理的にマズイだろ、同じ部屋に年頃の男女ってのは」 「ふーん。でもアンタ中学生には手を出さないんでしょ?」 「当たり前だ。お前を襲ったら焼肉になっちまうしな。猛獣になんか手を出せるか。」 ちなみに上条の寮では上条が頑として譲らなかったので美琴はベッドで、上条は風呂場で寝た。 とりあえず黙って対黒子のために開発した蹴りをアイツに放った。 「ごばぁぁぁぁ!」 ゴキッという洒落にならない音とともにアイツは地に伏した。 これはやりすぎたかなという気もしたので、アイツの頭を膝に乗せてみた。 世間一般で言う”膝枕”である。 やってみてから気づいたがこれは相当恥ずかしかった。 あの時は必死すぎてそのことに気付けなかったのだろう。 本当に良かったと思う。もし気づいてたならアイツはとどめの電撃を受けて今頃天国にいたことだろう。 (全く…人様がここまでやってるというのに…いい加減気づきなさいよね) 「バカ当麻…」 そんなわけで夜も更けていき、旅行の1日目が終わった。 旅行2日目、ホテルの食堂にて 「今日はどこを回るんだ?」 「トレヴィの泉を見た後、アカデミア美術館のダビデ像を見て、夜はナポリに行くわよ」 「ナポリって何かあんのか?」 「アンタ、知らないの?世界三大夜景のひとつじゃない」 「へー。あとふたつって何なんだ?」 「香港と函館」 「楽しみだな。上条さんワクワクしてきましたよ」 夕方、ナポリ道中― ナポリ付近に道を歩く1組の男女がいる。よく見てみると何やら女性のほうが男性を慰めているようだ。 「ア、アンタ大丈夫…?」 「大丈夫なわけねーだろ!写真を撮ろうと思ったらカメラが急に故障するわ、財布をすられるわ、 スリと間違えられて警察に逮捕されるわで、上条さんのライフはもうゼロです。不幸だ…」 「ま、まぁ無罪って信じてもらえたわけだし…ね」 「それまでにだいたい5時間は取調室におっさん2人とカンヅメだったけどな…」 「ったく、仕方ないわねー。なら、この美琴センセーがそんな上条君を元気にしてあげよう!」 「は?どうやって?」 「こ…こうやってよ!」ギュッ 御坂のやつ何を思ったか、いきなり腕に抱きついてきた。 「うおっ!////」 「…////」 (YABAI!何か慎ましいものが腕にー!!!しかもなんか甘い匂いが) (って何考えてんだ俺はー!!相手は中学生、相手は中学生…) 「み、みみ御坂さん?離してくれると上条さん的には嬉しいんですが…」 (せっかくのチャンスを棒に振ってたまるか!いいわね御坂美琴、ここでアイツを意識させてやるんだから!) 「えっ?ダメ…かな?」ウワメヅカイ 「あ、いや、だめじゃないぞ////」 「じゃあこのままでもいいわね♪」 (少しは意識してくれてるかしら?) (やべえ、御坂がかわいい…、さっき落ちかけたぞ。保ってくれよ俺の理性、お前はやればできる子だ!) 「うおおお!スッゲー綺麗だな」 「わあああ!綺麗ね」 「さっきのカメラがあればなー…今ほど自分の不幸が恨めしいと思ったことはないぞ」 「…なあ、御坂」 「何よ?」 「ありがとな。旅行に誘ってくれて」 「どうしたのよ、藪から棒に」 「いやいや、御坂さんには感謝だよ。おかげで良い思い出ができたよ。この夜景もそうだけど、腕組みのほうも////」 「べべべ、別にいいわよ。////それにこの程度で満足してんじゃないわよ。もっと思い出つくるんだから////」 その後、二人は言葉を発さずただ恋人のように寄り添いながら夜景を眺めていた。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人の旅行物語
https://w.atwiki.jp/anipicbook/pages/1614.html
とある科学の超電磁砲S もふもふひざ掛け 四人柄 とある科学の超電磁砲S もふもふひざ掛け 四人柄 発売日 :2013年8月31日 発売 商品情報 ・サイズ:100×75cm ・素材:ポリエステル100%、マイクロファイバー
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/818.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある少女のういういdays ―――とある寮の一室 ある晴れた昼下がり。 ぽかぽか陽気のただよう午後、今日は休日であるため、上条と美琴は昼食を一緒にとっていた。 今日のメニューはカルボナーラスパゲティ。 もちろん、『美琴さんお手製の』と頭につく代物だ。 「ご馳走さま」 「お粗末さま」 「今日も美味しかったよ、美琴」 「ふふーん、当たり前じゃない。料理は愛情だもの」 「なるほど。そりゃ旨いわけですね、っと」 上条は立ち上がると、美琴の分の皿も重ね、台所へ運んでいった。 いつからか、美琴が料理、上条が片付け、というルールが二人の間で出来上がっていた。 美琴は、カチャカチャと洗い物の音が聞こえてくる台所の方を眺めながら、自然と二人だけのルールが決まっていくことに小さな幸せを感じていた。 こうしていつの間にか、自分たちの生活が築き上げられていくのだ。 二人の関係にどこか永遠めいたものを感じ、美琴はいつの間にか優しい笑みを浮かべていた。 「どうした、美琴。何かいいことあったのか?」 洗い物を終えた上条が部屋に戻ってきた。 美琴のすぐ隣りに腰を下ろし、肩をぴと…っとくっつける。 「うふふ、まぁね。ほんの小さなことよ」 「そうか?まぁ、美琴が幸せなら俺は嬉しいぞ」 「ふふっ、ありがと」 にっこり、という表現がそのまま当てはまるような笑顔で、上条の肩に頭を乗せた。 触れ合った所から、お互いの熱を感じる。 体の、心の、芯からじんわりと暖まっていく感覚。 ―――と、 「ふ…にゃあ…」 「ん?どうした?」 ずるっと美琴の頭が肩を滑る感覚があり、上条は隣りに目を向けた。 「お前…眠いのか?」 「うー…昨日あんまりよく眠れなかったから…」 「そうだよな。夜中に起こしちゃったし、その後もあんまり寝付けなかったもんな」 言うと、上条もふわぁぁ、と大あくびをした。 「あ、うつったー」 「えぇ。日本人の特徴でございますよ」 そう言いつつ、また大きなあくびをする。 「当麻も眠くなっちゃったの?」 「そうだなぁ。お前が気持ちよさそうにしてるからうつったんだな」 「じゃあ、お昼寝しよっか?」 「今から?こんな昼間から寝るなんて贅沢な時間の使い方ですなぁ」 いたずらっぽく上条が言うと、美琴はあくびでうるんだ瞳を向け、上目遣い気味に上条を見た。 「ダメ?」 「いや、たまにはこんな贅沢も良いんじゃないか?」 子猫のように、きらきらした目で見上げる美琴が、可愛らしくもおかしく思えて、上条は微笑みを浮かべる。 「やったぁ。あ、パジャマ着るー」 喜びの声を上げた美琴は、朝脱いで畳んでおいたパジャマを取り、脱衣所へノロノロと入って行った。 「お待たせしました」 淡いオレンジのパジャマに身を包み、美琴が戻ってきた。 着替えてる間に少し睡魔が遠のいたようで、足取りは割りとしっかりしている。 「本日2回目のパジャマ姿か。早くも気に入って下さったようで、上条さんは嬉しいですよ」 「うふふ、このパジャマを着てると、当麻に包まれてる気がするの」 満面の笑みで自分の身体を抱き締める。 その表情を見て上条は、心底プレゼントをして良かったと思った。 この少女の笑顔のためなら、どんなことだってしよう、という決意が湧き上がる。 「さて、寝ますか!贅沢な時間をたっぷり楽しみませう」 自分の中で生じた気恥ずかしさを誤魔化すように、上条は早速その場にごろんと横たわった。 もちろんベッドは美琴のために空けてある。 まさか自分がベッドに寝て、大切な彼女を床に寝かせるわけにはいかない。 さて惰眠を貪るとしようと思ったそのとき、自分の服がぴくぴくと引っ張られる感触がした。 「美琴さん?どうしました?」 「あの…ね…一緒がいいな」 「え?あの…?」 「当麻が側にいてくれたら、きっと怖い夢も見ないと思うし…ダメ…かな…?」 昨晩の悪夢を思い返したのか、美琴はやや伏し目がちになっている。 その表情に、上条はついさっき自らに湧き上がった決意を思い返す。 大切な恋人の、笑顔を守る。 「ごめんね、困らせること言って…昨日ダメって言われたばっかりなのに――」 「まったく…仕方ねぇな」 美琴の恐れを含んだ言葉を遮り、上条は立ち上がり、少女の首に左手を回し、右手で膝を抱え上げた。 簡単に言うならば、俗に言う『お姫様だっこ』である。 「え、と、当麻!?」 驚きと照れの混じった声を聞き流し、上条は美琴をそのままベッドへ横たえた。 そして自分もすぐ隣りに体を沈める。 右手は離し、左手はそのまま。 簡単に言うならば、俗に言う『腕枕』である。 「―――!?」 美琴は最早声にならないと言わんばかりに、顔を真っ赤に染めている。 「これでいいんだろ、美琴。お前が安心して眠れるまで、俺が側にいてやるよ」 「当麻…」 「お前が俺のことを大切にしてくれてるように、俺も大切なお前のことを守りたいんだよ」 「―――!!」 美琴の瞳から、雫がこぼれた。 上条はただただ純粋に、あぁ綺麗だな、と思う。 「私…毎日泣いてばかり…」 「ごめんな…?」 「ううん…この涙は、嬉しい涙よ…安心して一緒にいられるのが…幸せ」 「良かった…。お前が幸せなら、俺は幸せだ」 「もう…またそんな恥ずかしいこと言って」 くすっと笑うと、美琴は目を軽く拭い、枕にしている上条の左腕に頬をすり寄せた。 「あったかい…当麻、こうしてて痺れないの?」 「いや、俺もちょっと気になったけど、これがまた全然」 「そっか、良かった」 そう言うと、美琴は腕枕のまま、ぴったりと体を寄せた。 ほんの少し、自分の足を上条のそれと絡めるようにして、全身をくっつけた。 伝わる熱に、上条は一瞬、気恥ずかしさを覚えるが、それよりも少女への愛らしさが上回り、空いていた右腕で美琴の頭をなでる。 美琴は気持ち良さそうに目をつぶり、甘えるような声で口を開いた。 「こうしてると、ぴったり一つになった気分」 「そうだな。頭の位置も丁度良いし、元からこうなるために生まれてきたみたいだな」 「運命の赤い糸ってやつ?」 「一応、幻想殺しのおかげで上条さんに赤い糸は無いと聞いてましたがね」 「そうなの?」 「初めてインデックスに会った頃にな。そんときは、なかなかショックだったんだぜ」 初めて聞く話に、恋する乙女である御坂美琴は、一瞬、寂しそうな表情をした。 しかし、直後に何か閃いたとばかりにその顔を上条の方へ向けた。 「ねぇ、当麻」 「ん?」 「アンタに赤い糸が無いなんて…そんな幻想、私がぶち殺してやるわよ」 少しの照れを含みながら、それでもまっすぐ上条を見つめて言ってのけた。 しかし、当人は何を言われたのか脳内処理に時間がかかったようで、二人きりの部屋に数秒の沈黙が生まれ――― 「ぷっ…あっはっはっはっは―――」 「な、なななな、何よ!私だってたまには気の利いたこと言いたかったのよ!笑うなー笑うなー!」 突然大きな笑い声で沈黙を破った上条に、美琴は真っ赤な顔で叫ぶ。 恥ずかしさで頭の中はいっぱいで、雷撃を出す余裕もないようだ。 「あはははは、ごめんな美琴、ちょっとあまりに予想外すぎて」 「ばかー!ばかー!当麻のばかー!」 ますます顔を赤く染め上げた美琴は、腕枕状態から体を起こし、ぽかぽかと両手で上条の胸を叩き出した。 「私だって恥ずかしかったけど、当麻のこと心配なんだからー!大切なんだからー!」 「すまんすまん、ちょっと衝撃的だっただけだよ」 「知らない知らない!もう当麻のことなんて知らないもん!」 ぷくーっとふくれた顔をそっぽに向ける美琴。 興奮状態だったためか、目には軽く涙が浮かんでいる。 「美琴」 「ふん、何よ。今さら謝っても許してあげないんだからね」 まだ顔は背けたまま、言葉を返す。 そこで上条は、美琴の視界に入らないように手をのばし、美琴の肩を一気に抱き寄せた。 「きゃっ―――」 「美琴、ありがとう。お前はいっつも、俺のことを見ていてくれるんだよな」 「………当たり前じゃない」 上条は再び腕枕をして、美琴を抱き締めた。 二人の心音がとけて混ざっていく感覚。 それが、たまらなく愛しい。 「美琴、ここはお前だけの特等席だよ」 抱き締めている右手で美琴の頭をなでる。 再び美琴は目をつぶり、その幸せな感触に浸ろうとするが、パッと顔を上げ、上条へ向けた。 「だーめ。そんなことじゃ許しません」 心なしか、その顔が赤みを帯びているように見える。 しかし、その目はまっすぐに上条を見つめている。 そのまま顔を寄せ、愛の言葉を囁く。 「ここも―――」 腕枕をしている手に頬を寄せ――― 「ここも―――」 上条の頭に両腕を回し――― 「ここも―――」 唇を重ねた――― 「みんな、私だけの居場所なの」 ある晴れた昼下がり。 ぽかぽか陽気のただよう午後、恋人たちは想いを重ねる。 とある少女のういういdays4―つづく?― 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある少女のういういdays
https://w.atwiki.jp/nakame/pages/13.html
中目黒 KIRARA 東京都目黒区上目黒 3-8-3 4F http //blog.kirara.gr.jp/ 関連記事 #blogsearch2
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/970.html
「水楯さん。これなんかどう?」 「・・・いいですね。流麗って、ハート型の小物が好きなんですよね」 「そうだったんですか!!それじゃあ、バッチリですね!!」 春咲、水楯、月ノ宮は、立ち寄った宝石店で形製への贈り物の最終選定を行っていた。今春咲の手にあるのは、ハート型のアクセサリーであった。 「よかった。あっ、そうだ。値段はっと・・・。こ、これは・・・」 「・・・安いですね」 「私が時々買っている、キラキラする宝石とかより随分安いです!!こんな店があったなんて、今まで知りませんでした!!」 「えっ?」 春咲は、アクセサリーの値札をもう一度確認する。そこには“7万2千円”と書かれていた。 値段を見ずに手に取ってしまったが、これは高い。春咲にとっては手を出し辛い商品であった。 だが、水楯と月ノ宮にとっては何でも無いようだ。さすがは、お嬢様学校に通うお嬢様。金銭感覚が、庶民とはズレているようだ。 「・・・ここは、私が支払います。一応『シンボル』では、買い物や食事等にかかるお金はワリカンですから、後でお金を頂きますね」 「わかりました!!」 「えっ!?」 水楯の発言に月ノ宮は軽快に答え、春咲は驚く。ワリカン・・・つまり1万2千円を自分も出さないといけないのだ。 「(わ、私の家って毎月のお小遣いは決まってるんだよね・・・。あ、後で貯金を下ろさないと!!)」 しかし、それが『シンボル』のルールである以上自分も従わなければならない。春咲は、自分の貯金を下ろすことを決断する。 「水楯様!そういえば、食事とかってどんな所へ行くんですか!?やっぱり高級レストランとかですか!? 私、今まで何回か活動に参加していますけど、まだ食事には同席したこと無いんですよね!!」 「いえ。界刺さんや不動先輩の意向で、バイキングや定食屋とかコンビニ弁当とか・・・かな? 界刺さんは『庶民の食生活を学ぶのもいいもんだよ』、不動先輩は『大食漢が居るのに、そんな所へ行けるか!』って言ってたわ。 私は別に仮屋先輩が居ても問題無いと思うけど・・・。お腹一杯食べられる店も知ってるし。・・・界刺さんがそう言うから今は・・・」 「さ、さすがは界刺様!!寮の“おいしい”食事に慣れている私達のためなんですね!!」 「(ど、どう考えたってワリカンの幅を抑えようとしている風にしか捉えられないんだけど!! この娘達に合わせてたら、お金がヤバイ!!それに、“おいしい”食事ってお嬢様学校の食事なんだから、どれも高価な食材を使ってるんだろうし)」 春咲は、水楯や月ノ宮の金銭感覚に戦慄する。これはヤバイ。主に、自分のお小遣いが。 「あっ!レジが空きましたよ!!」 「本当だ・・・。ありがとう、サニー。それじゃ行きましょうか、春咲さん?」 「え、えぇ・・・」 月ノ宮と水楯に促され、春咲はレジに向かいながら今後の金銭対策を考え始める。 今『シンボル』に所属する女性メンバーの内、自分以外の3人は全員お嬢様学校に通うお金持ちだ。 この娘達に無策で付き合っていたら、すぐに自分の財産(=お小遣い)が底を突くのは目に見えている。ヤバイ。非常にヤバイ。 「(何とかしないと・・・!!私のお小遣いのためにも!!)」 そんな1人頭を悩ませる春咲に気付かず、水楯と月ノ宮は楽しげに会話を続けていた。 「これで、流麗の機嫌も直るといいんだけど・・・」 「後は、界刺様達と合流するだけですね!!」 「えぇ。確かこの付近をパトロールしているみたいだけど・・・」 宝石店から出た水楯、月ノ宮、春咲は男性陣と合流するための方法を話し合っていた。 「・・・居ないですね」 「そうね。・・・携帯で連絡を取ってみる?」 「それが一番ですね!!早くこのアクセサリーを形製様に届け・・・」 「ハッ!!!」 「「「!!?」」」 その時に、横道から目の前を横切ったのは『念動飛翔』で高速移動している仮屋と、左腕に抱えられた不動の姿であった。 「不動さん!?」 「むっ!?おい、仮屋!春咲達だ!!」 「えっ!?わ、わかった!!」 春咲の声で初めて女性陣の存在に気付いた不動が、仮屋に指示を出し女性陣の方へ方向転換する。 そして・・・ 「苧環様・・・!?な、何でここに・・・!!?」 「月ノ宮・・・!!」 仮屋の右腕に抱えられた苧環の姿に、月ノ宮は驚愕したのであった。 「不動先輩・・・界刺さんは何処ですか?」 「・・・奴ならもう少ししたら来るだろう。そもそも、得世の頼みで苧環をここへ連れてきたのだ」 「界刺様の・・・!?」 近くにある月極駐車場に、不動、水楯、仮屋、月ノ宮、春咲、苧環は立っていた。 「苧環様・・・!?」 「・・・・・・」 月ノ宮に名前を呼ばれた苧環は、中々口を開かない。その様子を見かねた不動が、苧環へ助け舟を出す。 「月ノ宮。お前・・・自分が『シンボル』に加入したことを苧環へ伝えていなかったそうだな。得世も気にしていたぞ?」 「!!」 「・・・・・・」 実際に界刺が気にしていたかどうかは、不動にもわからない。が、それでも言ったのは月ノ宮が事情を明かす切欠になると判断したためである。 「・・・苧環様は私を探していらっしゃったんですか?」 「・・・・・・」 苧環は答えない。・・・答えないことが答えであると示すかのように。 「・・・苧環様や界刺様に気を使わせてしまったんですね。・・・ごめんなさい」 月ノ宮は苧環に、そしてここには居ない界刺に対して謝罪する。その様子を見て、苧環は遂に口を開く。 「ねぇ・・・月ノ宮」 「・・・はい」 「あなたは・・・何故『シンボル』に入ろうと思ったの?どうして、私に教えてくれなかったの?」 苧環が一番知りたいこと。界刺に指摘された今、苧環は月ノ宮と真正面から向き合う。 月ノ宮は、僅か沈黙する。それを経て、自分が敬愛する先輩に、自分が所属する派閥の長に向けてハッキリと答える。 「・・・自分が成長できると思ったからです。何時も苧環様に守られてばかりの自分でも、誰かを守れるようになれるんじゃないかって」 「!!」 「この前の件・・・私は自分の非力さを痛感しました。自分では何もできず、苧環様に守られて、界刺様達にお任せする形になりました。 私は・・・そんな自分が許せなかった。強くなりたいって・・・心の底から思いました」 何時も明るい月ノ宮の表情は、何時しか暗さを帯びていた。やはり、彼女のような人間でも暗さや闇は生まれるものなのか。 「ずっと考えていました。どうやったら強くなれるんだろう?どうすれば自分は成長できるんだろうって。ずっと・・・ずっと!! そんな時、自分の脳裏に・・・界刺様の言葉が思い浮かんだんです」 「あの男の・・・言葉?」 「はい。初めは、何であの人の言葉が出てくるんだろうって不思議でした。でも、時間が経って・・・気付いたんです。それは、自分が今界刺様を求めているからだって!!」 最初は、唯キラキラしていたから興味を持っただけだった。それが、何時しか界刺得世という人間自体に興味を抱くようになっていた。 勉強をしている時も、食事をしている時も、誰かとお喋りしている時も、風呂に入っている時も、果ては夢にも出てくるようになった、あの男の姿と言葉。 そこで、ようやく気付いた。自分自身が、界刺を求めていることに。 「でも・・・その時に一緒に気付いたことがありました。・・・何で自分は苧環様を求めないんだろうって」 「!!」 核心。 「ずっと悩みました。私は、今尚苧環様を尊敬している。同じ『電撃使い』として、同じ常盤台生として、同じ人間として!! それなのに、どうして自分は界刺様を求めてしまうのか。その答えは・・・今でも出せていません」 月ノ宮は、今にも泣きそうな顔になっていた。苦しい。自分が敬愛する先輩へこんなことを話さなければならない苦しみを感じているから。 「でも・・・もう我慢できなかった。これ以上遅れたら、自分は何時まで経っても非力な人間のままで終わる。“このままじゃ”・・・駄目。 そんな・・・強迫観念とでも言うか・・・焦りに焦った末に、界刺様に会いに行くことを・・・『シンボル』へ入ることを決めました。苧環様に一度も相談せずに」 あの日、常盤台の終業式が終わったその足を全力で駆けて成瀬台へ向かった。そして、見付けたのだ。自分が求める人間の姿を。 「こんなことを・・・苧環様にどうやって話したらいいのか、私にはわかりませんでした。だって・・・私は苧環様を裏切っているかもしれないから!!」 「!!!」 苧環は理解する。自分が抱いた思いを、月ノ宮も抱いていたことに。 「本当なら、苧環様に頼るべきだったのかもしれない!苧環様にご教授して頂くべきだったのかもしれない!! だって、私は苧環様の作った派閥の人間だから!!私は苧環様を敬愛しているから!! で、でも・・・わ、私、は・・・結局・・・界刺様を・・・選びました。苧環様を・・・苧環様を裏切っ・・・」 「それは違うよ、サニー」 「えっ・・・?」 最早泣く一歩手前の月ノ宮に、春咲が言葉を掛ける。自身経験した、この夏の出来事から学んだことを伝えるために。 「これは私の話なんだけど・・・私も得世さんに助けて貰ったの。全部話すには内容が濃すぎるから、ここで言うのはほんのちょっとだけど・・・」 春咲は月ノ宮の髪を優しく撫でながら、穏やかに語り掛ける。 「私が『シンボル』に入ったのは、自分が所属している風紀委員支部のリーダーの薦めがあったからなの。今の自分は停職中なんだけどね」 「リーダー・・・?」 「そう。ようするに、苧環さんや得世さんみたいな組織の長なの。私の身勝手な行動で数え切れない程の迷惑を掛けてしまったそのリーダーの力添えで、私は今ここに居る」 破輩妃里嶺。(停職中の)春咲が所属する第159支部のリーダー。彼女の力が無ければ、今の自分はいない。そう認識しているからこそ、春咲は迷い無く答えることができる。 「尊敬する人や、目標にする人は・・・何も1人じゃ無くてもいいんだよ?別に優劣を着けるとかじゃ無い。自分に足りないモノを持っている人が別々に居るってだけ。 私は・・・そのリーダーを今でも尊敬しているし、得世さんも尊敬している。2人から色んなことを学ばせて貰ったし、2人を目標にこれからも頑張ろうって思ってる」 『失敗しちまったんなら、同じ失敗を繰り返さないように反省すりゃあいい。だが、後悔だけはするな!!「否定」だけは絶対にするな!! 自分を・・・“過去”の自分を無かったことにするな!!それだけは、絶対にやっちゃいけねぇことだ・・・!!』 『春咲。私は、リーダーとしてお前を後方に置いたことに悔いは無い。きっと、お前の本当の気持ちを知ったとしても、その決断を後悔することは無い。リーダーとして。 だが、お前の気持ちに気付けなかったのもリーダーとして反省しなければならないだろう。この反省は・・・必ず次に活かしてみせる・・・!!』 春咲は、あの病室で交わされた界刺と破輩の会話を思い出す。長たる者の姿勢。種類や性質は違えど、それが尊敬の念を抱く障害にはなり得ない。 「だから、サニーの選択は苧環さんを裏切ってなんかいない。見限ってなんかいない!むしろ、苧環さんを敬愛しているからこそサニーは自分の選択に苦しんでいるんでしょ? もし、サニーが得世さんを選んだ理由として『苧環さんが頼りないから』とか、『苧環さんを敬愛する心自体を失った』とかなら・・・そんな感情を抱くことは無い。 少なくとも、私はそう思うよ。どうかな、サニー?」 「は、春咲様・・・!!」 春咲は、月ノ宮の顔を抱く。それは、かつて自分が破輩にして貰ったこと。人を安心させる温もり。 「どうだ、苧環。月ノ宮と向かい合ってみての感想は?」 月ノ宮と春咲の会話を黙って聞いていた苧環に、不動が声を掛ける。 「・・・そうね。私がとてつもない大馬鹿者だってことが、身に染みて理解できたわ。あの男の言った通り・・・ね」 苧環はそう言って、己が後輩に近付いて行く。それに気付いた春咲が、月ノ宮から離れる。 「月ノ宮・・・」 「苧環さ・・・ブッ!?」 苧環は、月ノ宮を抱き締める。強く、力を込めて。 「私もね・・・実は恐かったの。月ノ宮に自分は見限られたんじゃないかって。頼りない私より、あの強い男を選んだんじゃないかって」 「苧環様・・・!!」 「でも、違ったのね。あなたも、ずっと苦しんでいた。こんなことなら、もっと早くに私があなたに向かい合っておくべきだったわね。 そうすれば、あなたも私もこんな苦しみを抱かなくて済んだのに。・・・ごめんなさいね、月ノ宮。こんな大馬鹿な先輩で」 「そ、そんなこと!!わ、私の方が大馬鹿です!!苧環様が悩んでいることにも気付かなかった私の方が!!」 「いえ。私の方がもっと大馬鹿・・・」 「違います!!私が・・・」 「私」 「私です!!」 「「・・・フフッ」」 大馬鹿競争を繰り返した末に、苧環と月ノ宮は・・・互いに笑い合う。 「春咲先輩の言う通りね。あなたは、私を裏切ってなんかいない。学ぶ対象を1人追加したというだけ。・・・ちょっぴり悔しいけど、あの男なら仕方無いわ」 「苧環様・・・!!」 「但し、ちゃんと覚えておきなさい!私の派閥に所属しているのだから、あなたは私の名前を背負っているのよ。つまり・・・」 「『自分の名前に泥を塗らないように、ちゃんと頑張りなさい』。・・・ですね?」 「フッ。その通りよ。だから、月ノ宮!精一杯頑張りなさい。あなたなら、きっと強くなれる。成長できる!もし、困ったことがあれば遠慮せずに私へ相談しなさい。いい?」 「わかりました!!月ノ宮向日葵!!苧環様の期待に必ず応えてみせます!!!」 「春咲さん・・・お見事です」 「いや、私は自分の思ったことを正直に話しただけだよ」 「何とか収まる所に収まったか・・・」 「よかったねぇ」 苧環と月ノ宮の誤解も解け、安堵の空気が流れる。とそこに・・・ 「ふぅ・・・。体痛ぇ・・・」 「得世!?」 「「「「「!!?」」」」」 『シンボル』のリーダー界刺得世が歩いて来る。着ている制服のあちこちが焦げており、幾つかの外傷はあるものの、特に異常は無いようだった。 「界刺様!!何処に行ってらっしゃったんですか!?・・・あっ!顔から血が出てる!!」 「得世さん・・・?ど、どうしたんですか、その制服。あちこちが焼け焦げて・・・」 「・・・不動先輩?仮屋先輩?」 「ぬっ!?こ、これはだな・・・深い事情が・・・」 「水楯チャン~。そんなに怒らないで~」 「えっ、これ?ん~とね、電子レンジ化に失敗した」 「「「「「(・・・それって言い訳?)」」」」」 界刺の意味不明な言い訳に、疑問符を浮かべるメンバー達。そんなメンバーの反応を軽く受け流し、界刺は苧環へ向き合う。 「界刺・・・得世」 「・・・どうだい?これで、『いわれなき暴力を振るわない強者で居ること』の証明にはなっただろう?少しは、俺の言うことが理解できた?」 「・・・・・・フフッ。ホント・・・あなたっていう男は・・・何処まで・・・フフッ」 「ん?何か変なこと言った?」 界刺の反応を無視するかのように、苧環は腹を抱えて笑い出す。命懸けの戦場で、そんなことを自分に証明するために命を張った男。 でも・・・だからこそ、月ノ宮はこの男を選んだのかもしれない。自分には理解し難い考えを持つ男・・・界刺得世を苧環華憐は心の底から認める。 「いえ、何でも無いわ。・・・私は、いずれあなたを超えてみせる。負けっぱなしは我慢ならないの。1人の人間として、必ずあなたに勝つ!!」 「・・・・・・俺は勝負してるつもりは無いけどな」 「余裕で居られるのも今の内よ!見てなさい!!・・・それと!!」 「まだ、何かあんの?いい加減に・・・」 「月ノ宮のことを・・・よろしくお願いします!!!」 「!!」 苧環は、界刺に対して頭を下げる。界刺を月ノ宮が学ぶ相手として認めることができたからこその“願い”。他者に任せることができなかった少女の、それは1つの成長。 「苧環様・・・!!」 「うん。お願いされた」 月ノ宮は苧環の行動に目を見開き、界刺は変わらぬ態度で受諾する。 「ありがとう・・・ございます!!!」 「・・・わかってるって、苧環。まぁ、成長するかどうかはサニー次第だけど。それでもいいんだろ、サニー?」 「は、はい!!・・・苧環様!!ありがとうございます!!」 「・・・頑張りなさい」 「はい!!」 苧環と月ノ宮のやり取りを見て、界刺はホッと一息を吐く。今日は、色んなことがあった。命懸けの戦闘をしたせいか、疲労もかなり溜まっている。 こうなったら、さっさと活動を切り上げて晩飯でも食べに・・・。そう考えた時に、彼は気付いた。気付いてしまった。とてつもなく重要なことに。 「お、おい、真刺・・・」 「ん?何だ、得世」 己が親友は、未だに自分達への危機が迫っていることに気が付いていない。それを知らせるために、重い口を開く界刺。 「い、今って・・・何時だ・・・?」 「今か?今は・・・・・・・・・」 「あっ・・・・・・・・・」 「うわっ!もうこんな時間だ!!全然気が付きませんで・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・」 「お腹空いたなぁ・・・」 「・・・どうした、の?急に固まっちゃって?」 次に不動が気付いた。僅か遅れて春咲、月ノ宮、水楯も。仮屋は、空腹のせいか気付いていない。1人事情を知らない苧環が、固まっている理由を問う。 「ヤ、ヤバイ・・・」 「ヤバイ?何が?」 界刺の震える言葉に、意味がわからず首を捻る苧環。仮屋以外顔が青ざめている『シンボル』のメンバーを代表して、界刺が決定的な言葉を放つ。 「形製への贈り物を・・・まだ届けてねぇ!!!」 今日の最重要目的。形製への贈り物。残り時間は後僅か。その僅かの間に、学生寮で1人待つ形製へ贈り物を届けるために、『シンボル』は全力で行動を開始する。 ここは、第7学区にある『学舎の園』。日も暮れた今の時間帯は、敷地内にある店舗はほぼ閉店状態に等しい。 故に、敷地内は電灯で照らされるだけになっており、全体的に薄暗い。 「お腹減ったよぉ~」 「ここでもお前は食に関することしか頭に無いのか、仮屋!!」 「だ、だってぇ~」 『学舎の園』は、常盤台中学、花盛学園等5つのお嬢様学校が作る共用地帯となっており、 当然のことながらお嬢様学校に通う少女や教員等関係者以外は立ち入ることは禁止されている。 「急がないと・・・!!待ってて、流麗」 「すごい!すごいです、水楯様!!」 「こ、これは・・・結構な風圧を顔に喰らうわね」 また、敷地内には何千台もの監視カメラが配備されているらしく、加えて周りは大きな柵が張り巡らされており部外者を寄せ付けない。 各学校の防犯設備も相俟って、超高度な警戒網が『学舎の園』には敷かれていた。 「そもそも、何であんな高いアクセサリーなんだ!?桜!!君がいながら・・・!!それでも俺と同い年かよ!?」 「ふ、ふ~んだ!私は精神レベルも肉体レベルも中学生並だから、何も悪くありません!!」 「つ、都合のいい時だけ中学生レベルになってんじゃねーよ!!」 そんな中を、『シンボル』は突っ切って行く。『念動飛翔』で飛行する仮屋に水楯が跨り、『粘水操作』によって操作されている水のロープで界刺達を吊り上げている。 「おい、苧環!ちゃんと君の口からも説明しろよ!!俺達は、形製への贈り物を届けるためとお前を寮へ送るために『学舎の園』へ飛び込んだってことを!!」 「わ、わかってるわ!!」 「しかし・・・薄気味悪いな。何千台もの監視カメラで、私達の動向を捉えているとなると・・・」 「きっと、こんな真っ暗な状態でもしっかり見ているんでしょうね・・・」 界刺の指示に苧環が承諾の言葉を放ち、不動の言葉に春咲が相槌を打つ。時刻は、もうすぐ常盤台学生寮の門限。 苧環や形製が住んでいる常盤台学生寮は『学舎の園』の内部にあったため、界刺達は部外者が立ち入ることを禁じているこの敷地を突っ切るしか無かった。 (当初の予定では、門限30分前に『学舎の園』に到着した後に形製を寮から呼び出して渡す手筈だった) 「ボク・・・もうダメェ・・・」 「お、おい!!仮屋!!しっかり・・・うおっ!?」 「「「「「!!??」」」」」 仮屋の空腹が限界を迎え、高度が下がって行く。 「涙簾ちゃん!!俺に巻き付いている水を使って仮屋様のフォローを!!」 「わ、わかりました!!」 水楯に指示を出す界刺。常盤台の学生寮は、もう目と鼻の先。そして・・・ ドーン!!! 界刺達7人は、何とか門限前に学生寮に到着した。不時着という形で。 「ぐぅ・・・。み、皆無事か!?」 「わ、私は・・・大丈夫です」 「私も・・・平気です」 「苧環様・・・大丈夫ですか?」 「えぇ・・・何とか」 「お腹空いた・・・」 不動の安否確認に、春咲、水楯、月ノ宮、苧環、仮屋がそれぞれ答える。・・・1人を除いて。 「・・・あれ?界刺様は?」 月ノ宮の不安げな言葉が闇夜に響く。煙立つ中を見回すメンバーの1人、春咲がそれに気付いた。 「得世さん・・・?得世さん!?」 春咲の視線の先に居たのは・・・頭から血を流して意識を失っている界刺。 自分に巻き付いていた水を仮屋へのフォローへ回すように水楯に指示を出したために、他に比べて不時着の衝撃を緩和しきれなかったのだ。 「なっ・・・!?」 「界刺さん!?」 「界刺様!?」 春咲に続いて苧環、水楯、月ノ宮が倒れている界刺に気付き、すぐに駆け寄る。 「得世さん!?し、しっかりして下さい!!」 「水楯様・・・!!界刺様は・・・!?」 「・・・大丈夫。気を失っているだけ。脈拍も異常は無いし・・・」 「・・・!!と、とりあえず、寮に運びましょう!!救護室で手当てを!!」 とにもかくにも、急いで界刺を寮へ運ぼうと動く女性陣。そんな彼女達の頭上から・・・ 「か、界刺!?」 「界刺さん!?」 寮の2階に位置する窓の1つから顔を出していたのは、形製流麗と一厘鈴音。先程の不時着の音にびっくりして、自分の部屋の窓から顔を出したのだ。 「形製様!!界刺様が・・・界刺様が!!」 「えっ?・・・!!界刺!!」 「け、形製さん!?ちょっ・・・!!」 横たわっている界刺の頭から血が流れていることに気付いた形製は、顔を出している窓に足をかけ、一切の迷い無しに2階から飛び降りた。 一厘の制止も聞かずに無茶な真似をする形製をカバーするために、水楯が操作する水を形製が着地する場所に振り向け、クッション代わりとした。 それを確認した一厘も、2階の窓からクッションになっている水目掛けて飛び降りる。 「界刺!!界刺!!ねぇ、何でブッ倒れてるんだよ!?しっかりしてよ!?」 「流麗、落ち着いて・・・。大丈夫だから・・・」 「不動さん!!ど、どうしてこんなことに・・・!?」 「そ、それは・・・!!」 「ゴ、ゴメン・・・!!」 取り乱している形製を水楯が宥め、事態に対する質問を投げ掛ける一厘に不動と仮屋が言葉に詰まる。丁度その時・・・ 「・・・う、うるせぇな・・・。ったく・・・」 「界刺!!」 「界刺様!!」 界刺が一時的に意識を取り戻す。その声に気付いた形製と月ノ宮が、界刺へ声を掛ける。 「ホント・・・ツイてねぇな。・・・・・・まぁ、いいか。バカ形製への贈り物も・・・何とか間に合ったみてぇだし・・・」 「な、何で・・・!!あ、あたしへの贈り物なんか明日でも良かったのに・・・!!」 「んなことになったら・・・お前がまたスネるだろうがよ・・・。これ以上手間を掛けさせるんじゃ無ぇって・・・ウッ・・・」 「界刺!!」 意識が混濁し始めた。もうすぐ、意識を手放す。それがわかったから、皆を安心させるための言葉を口にする。 「・・・ま、まぁ大したことじゃ無ぇよ、こんなモン。・・・今日は疲れたからさ、ちょっと寝るわ。・・・後のことは・・・・よろしく」 そう言って、再び意識が途切れる界刺。少し離れた場所に居た不動は、界刺を早急に救護室へ運ぶことを決断する。 「形製!苧環!急いで得世を救護室へ運ぶ!!お前達は、案内を頼む!!」 「わ、わかった!!」 「私、救護室に先に行ってるわ!!事情も説明してくる!!月ノ宮!!付いてきなさい!!」 「は、はい!!」 「よしっ!!仮屋!!」 「わかってる!!」 各々は、怪我をしたメンバーの手当てのために動き始める。緊迫した空気が、この場を支配する。 「あぁー!!!あそこに見えるのはー!!!」 「こ、金束さん!?ど、どうしたんですか?急に大声を出して・・・」 そんな緊張漂う雰囲気へ、寮の1階に位置する窓の1つから発せられた声。常盤台に通う生徒である金束晴天とルームメイトの鉄鞘月代である。 「月代!音楽なんか聴いてないで、あそこを見るのよ!!」 「金束さんだって、さっきまで聴いていたじゃないですか!・・・ってあれ? あそこに居るのは形製先輩、一厘先輩、苧環先輩に・・・あれあれ?あそこに倒れているのは・・・」 鉄鞘は自分の視線の先に居る男―以前『恵みの大地』にて目撃した界刺―を認識する。その直後、隣でニヤニヤする金束が声高らかに吠える。 「あれは!!形製先輩の彼氏さんだああああぁぁぁぁっっっ!!!!!これは、寮の皆に知らせないと!!!行くよ、月代!!!」 「金束さん!?ま、待って下さいですー!!」 「・・・ん、ん、んなワケあるかああああああぁぁぁぁぁっっっ!!!!!・・・ガクッ」 「界刺!?」 「得世さん!?」 金束の衝撃発言に我慢がならなかったのか、瞬間的に意識を覚醒させて反論する界刺(直後にまた気絶)。 通称“常盤台バカルテット”が、勘違いと憶測によって常盤台の生徒全員へ広めた修羅場劇場『バカルテットは見た』第2幕の幕開けである。 continue…?
https://w.atwiki.jp/vip99tw/pages/12.html
まずはこのアドレスのどれか1つから落とせし http //220.162.238.185 81/99tw.rar http //221.5.251.242/99tw.rar http //download.twjoy.net/99tw.rar http //220.189.255.172/99tw.rar ID取得しろし http //www.99tw.net/member/reg.aspx 取得の一番下にあるやつ、空欄の右にある文字クリックしろし。 そしたらアルファベット出てくるからそれ入力しやがれし。 困ったときのQ A Q.ID取得出来たはずなのにIN出来ないんだけど A.がんばってください。 Q.おい時間待ってもできねーよ A.強く生きてください。 Q.結局20個くらいID作っちゃった☆ A.強く生きてください。 Q.HAPPI END A.スペルちがくね? Q.BAD END A.ぐぐってもわかんないならわかんない。 Q.IDパス忘れたぞおい A.胸に手を当ててみて、わからなかったら頭に手を当ててください。
https://w.atwiki.jp/iwannabethewiki/pages/4285.html
製作者 DJB DL先↓ http //www.mediafire.com/file/9u9qau7na9179w3/i_wanna_trash.rar
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/2546.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある底辺と頂点の禁断恋愛 第一話 『女王と大罪人』 雨が降り続く。 第七学区……無能力者区域の大通りは彼女は歩いていた。 女王と呼ばれた御坂美琴。 もちろん、黒服も黒服学生も居ない。端から見ればただの無能力者だ。 御坂もそう見られる事を望んでいた。 着ている服装も常盤台の制服ではないし、それ程高いものでもない。 しかし小奇麗な服装をしている事は目立った。上級階段コースである第七学区『コーラスフラン区域』とはまた違ったモノだ。 「ん?」 御坂は怪訝な視線でソレを見た。 目の前に居る誰よりも貧しくて、醜い人物。 辺りからは避けられ、罵声などを浴びせられている少年。 「どうしたの?」 「……アンタ、俺に話しかけて大丈夫なのか」 「は?」 そう言った時、ザッザッザッ!と革靴の音が背後から聞こえてきた。 黒服学生の集団か。 御坂はげんなりした表情を作って振り向いた。 「女王様!なにをやっているのですか!そいつは最下級人物ですよ!?」 「へ?そうなの?」 辺りがざわっと湧き上がった。 この少女がレベル5の第三位という事をしり、道を譲った。 それほど、彼女の位置が高い事を証明しているモノは無かった。 「怪我してるのか、足だよ」 「へ?」 「ほら、気付かなかったのか?絆創膏あるけど……いるか?」 ボロボロの財布からしおれた絆創膏を取り出した。 そして足に貼ろうとした時、黒服学生が少年の肩元を蹴って怯んだ所を膝で腹を蹴る。 あがっ!と妙な声を出した上条はのされてしまう。 「ねぇ」 「はっ」 「コイツ、私の専属黒服学生にする」 のされて気絶している少年を指さして黒服学生達に言い告げた。 黒服学生。二十の書類と一年の研修を経て、選ばれた男子学生が高位能力者を護衛するシステムだ。 どんな命令であろうと絶対服従が基本で、月収などは無いが特別手当や住居や寝食を用意してもらえる。また『黒服学生をしていた』というキャリアが生まれる為 将来、就職にも役立つらしい。専属とは言わば執事だ。 寝食はともかく、着替えの用意などの親身な関係となる。御坂はそれが嫌で黒服学生も5人しか雇っていないし、メイドも7人だけだ。 「女王様?こいつは最下級人物ですよ!?大罪人なんですよ!?」 「いいじゃない、型にはまったアンタ達よりは幾分マシよ」 「……そうですか、こちらにもプライドというモノがあります。今までお世話になりました。今夜までにすべての荷物をまとめて退出させて頂きます」 「そう、いままでありがとうね」 レベル5の黒服学生になるというのは凄く名誉なことだ。 しかし第四位なんかじゃ黒服学生を30人も雇ってるというし、雇先など探せばいくらでもあるのだ。 切り捨てる方も切り捨てられる方も気が楽だ。 少年は対等な目線で御坂に声をかけてくれた。普通なら憎しみや嫉妬などの感情が沸き起こる。 気付かないフリをしておいてもバレるハズもない。 演技じゃなかった、腹黒い計画でもなかった。それは純粋な善意だった。 気に入った。というよりは一緒に居たいと思わせるような。 「行くわよ、アンタは初めて私を優しくしてくれた」 少年を担いで、民衆の唖然とする中『コーラスフラン地区』まで向かっていく。 これが最下層の少年と最上層の少女の出会いだった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある底辺と頂点の禁断恋愛
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/1436.html
ア行 オーバー オリーブ=ホリデイ カ行 学芸都市(がくげいとし) 経営陣 広域社会見学 サ行 サーモンレッド 太陽の蛇(シウコアトル) ショチトル タ行 翼ある者の帰還 テクパトル トチトリ ハ行 巨乳御手(バストアッパー) ビバリー=シースルー フレーヴ マ行 雲海の蛇(ミシュコアトル) ラ行 ラージランチャー ラヴィーゼ飛行隊 A~Z HsB-02