約 2,714,688 件
https://w.atwiki.jp/legends/pages/40.html
スレ立て用テンプレ 「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 ここは 都市伝説と契約して他の都市伝説と戦ってみたり そんな事は気にせず都市伝説とまったりしたりきゃっうふふしたり まぁそんな感じで色々やってるSSを書いてみたり妄想してみたりアイディア出してみたりするスレです 「まとめwiki」 ttp //www29.atwiki.jp/legends/ まとめ(途中まで) ttp //nanabatu.web.fc2.com/new_genre/urban_folklore_contractor.html 避難所は↓だよ!規制中やスレが落ちている間はこっちでゆっくりしていようね! ttp //jbbs.livedoor.jp/otaku/13199/
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4166.html
4コマ風劇場(ただの小ネタ)― ―夏休み編 ☆泳げない☆ 勇弥「夏といえば、プール!」 奈海「あぁー、気持ち良い。」 コイン「正義くんも早く!」 正義「実はボク、泳げないんだ。」 大王「なに?それは大変だな。水中戦がないとも限らん。」 正義「じゃあ今すぐ練習しよう。」ブクブク 大王「まずは呼吸から。吸って、吐いて。次は足バタ、その次は腕のかき方だ。」 正義「・・・こうかな?」バシャバシャ コイン「ねぇ、なんで大王は飛んだまんまで泳がないの?」 大王「水着が無い、これを脱ぐ気もない。逆にお前の水着はどこにあったんだ?」 ●大王ポリスー。ちなみにコインは巫女服模様のスク水だそうな。(どこにも売って)ねぇよ。 ☆どれぐらい?☆ 大王「ではどれぐらい泳げるか試してみるか。」 正義「分かった。」バシャン! 勇弥「がんばれぇ、正義!」 大王「無駄な力を抜かないと直ぐに力尽きるぞ!」 正義「・・・。」バシャ、バシャ 奈海「その調子、もう少しよ!」 正義「・・・。」バシャ、バシャ 勇弥「・・・、25m泳ぎきったぞ、何が不満なんだ?」 正義「このあと、どうやってターンするかが、分からなくて。」はぁ、はぁ 奈海「オリンピックでも行かない限りターンする必要ないわよ!?」 ●けっこう完璧主義者な正義。しかし一生涯のうちに泳いでいる時にターンを使う時は来るのか? ☆スイカ割り☆ 勇弥「夏といえば海!」 正義「『スイカ割り』ってやった事無いんだよね。」 奈海「じゃあ早速やってみましょ。私からね。」 勇弥「まずぐるぐる回って・・・。」 奈海「じゃあ行くわよー。」 正義「奈海ちゃんがんばれぇ!もうちょっと右ィ!」 大王「目隠しでスイカを割る?なんだそれは? 視覚以外の感覚に頼って敵を倒す訓練か?しかし教えてもいいのか、分からん。」 奈海「ここ!」バコッ 正義「おぉ、すごい!」 大王「さすが少女。なかなかの腕だ。」 勇弥「今すぐ両手を開きな。今なら怒らないぞ。」 奈海「えっ、なんで分かったの?!」 正義「?」 ●ズルは、よくない。 ☆平和だ☆ 奈海「いたた、まさかコインちゃん使ってた事がバレるとは。」すりすり 勇弥「すんなりスイカに向かって行ってたら分かるわ!」 正義「勇弥くんも奈海ちゃんも早くぅ。大王も泳ごうよ。」 コイン「そーだそーだ!」 大王「この服脱いだら人間との違いが分からんだろ。敵が出たら考えてやる。」 正義「あ、都市伝説!あそこだよ!」 勇弥「なに!?こんな時にッ!」 奈海「いったい何が?!」 河童「いやっほォォォー!」ザァバァァァ・・・! 奈海「河童が、海でサーフィンしてる・・・。」 勇弥「いや、河童は川で相撲だろ。常識的に・・・。」 正義「楽しそうだからいいか。大王も早く来ないと河童に負けるよぉー!」 大王「あいつの何処に負けるんだ?!」 ●なんかそんなのがいるって聞いてやりました。後悔?もう枯れましたよ。 ☆盆帰り☆ 正義「夏といえば、学校町へ盆帰り。」 大王「あの2人がいないと静かだな。」 正義「お父さん久しぶり!」ギュウ 黄昏父「よぉ正義。元気だったか?」 大王「(やはり寂しいのを耐えていたのか。)」 黄昏父「残念だが裂邪は散歩でな。ひょっとしたら恥ずかしくなって逃げたのかもな。」 正義「えぇ、久しぶりに会えると思ったのに。」 黄昏父「まぁゆっくり待っていたらどうだ?そのうち帰ってくるだろ。」 大王「(待て!あんな奴を野放しにしていて良いのか?!)」 ●学校町逃げてぇー!そう思っていた時期が、僕にもありました。 ☆ふと☆ 黄昏母「ゴハンは大丈夫?」 黄昏父「あぁ、裂邪がなんとかしてくれている。」 黄昏母「え?ゴハンの作り方なんて教えたかしら?」 正義「へぇ、お兄ちゃんもがんばっているんだね。」 正義「ところで大王。」 大王「なんだ?」 正義「ボク達が学校町にいる時、なんで都市伝説に遭遇しないんだろうね?」 大王「知らん。」 ●裂邪のおかげ?他の誰かのおかげ?大王のおかげかもしれませんが。 ☆宿題☆ 正義「夏といえば日記!」 大王「修行の時間が減るぞ、早くしろ。」 黄昏母「あら、宿題しているところ始めてみたけど。」 正義「あ、他のは勇弥くんのところで全部終わらせたから。」 黄昏母「・・・、いつ?」 正義「夏休み始まる前。」 正義「あ、でも勉強会開いているからついていけなくなるとかは大丈夫だからね!」 黄昏母「ならいいけど。」 ●勇弥&その都市伝説、神説。あなたの家にもいかが? ☆黄昏☆ 正義「夏といえば。」 勇弥「始業式、もうそんな時期かぁ。」 奈海「早いわねぇ。」 コイン「もうちょっと遊んでいたかったなぁ。大王が修行修行うるさいから。」 大王「修行は大事だ。」 正義「もう修学旅行へ行って冬休みが終わったら中学生だね。」 大王「そして学校町、か。」 勇弥「そうか!まだ楽しめるところが2回もあるのか!」 奈海「修学旅行楽しみね。」 大王「(まったく、元気なやつらだ。)」 正義「うん、楽しみだね。ねぇ大王。」 大王「おい、もう俺もついて行く予定なのか?!」 ●もはや手遅れ。次は、修学旅行編です。 ―修学旅行編 ☆電車で☆ 勇弥「では、修学旅行始まりぃー!」 正義「楽しみだなぁ。」ワクワク 奈海「勇弥、電車では静かに。ほんと楽しみねぇ、正義くん。」 勇弥「ちぇ、正義だけ・・・。じゃあ静かにしりとりでもするか?『りんご』。」 奈海「そうしようか。『ごま』。」 正義「ん~『まんと』!」 コイン「えぇっと、『とーてむぽーる』!」 大王「・・・。」 正義「おーい、大王の番だよ。」 勇弥「早くしてくれよな。」 大王「いや、本当に俺はここにいて良いのか?今からでも帰るぞ?」 ●結局ついて行く事になった大王であった。 ☆しりとり☆ 大王「『ルアー』。」 勇弥「お、『あり』。」 奈海「『りす』。」 正義「『すずめ』!」 コイン「『めーる』!」 大王「る、『ルール』。」 勇弥「ん、『るびー』。」 奈海「『びすけっと』。」 正義「『とんぼ』。」 コイン「『ぼーる』。」 大王「る?『瑠璃(るり)』。」 勇弥「悪い『りーる』。」 奈海「え?『るーぶる』。」 正義「えと、『るしふぇる』。」 コイン「んじゃあ『るくそる』。」 大王「る、る・・・、貴様ら嵌めたなァ!」 勇弥「だってそうじゃないとつまんないじゃん。」 奈海「思いつかない方も悪い。」 コイン「まだまだあるわよぉ。」 ●だいおう は やぶれた!勉強しような、最初が『る』の言葉。 ☆パス☆ 先生「ここが有名な水族館です。」 男児A「すげぇー!どうなってんだ?」 正義「エサやりやってるー!いいなぁ、楽しそう。」 勇弥「おーい皆!あんまり騒がしくしなかったら、裏側へ入ってもいいってさ。」 奈海「うるさぃってえぇ!?ほんと?」 先生「そうなの?何かのイベントかしら?」 係員「ど、どうぞこちらへ。」 女児達「わぁ、すごぉーい。」キャッキャッ 正義「わぁい!」ワクワク 勇弥「いやぁ父さんから貰ったやつが役に立ったよ。」 奈海「ふぅん、何貰ったの?」 勇弥「これ。ここのフリーパスらしいよ。」 奈海「へぇ、こんなのどこで」 男児B「おい、それここの株を持ってないと貰えないやつだぞ。」 ●勇弥の隠された設定が明らかに?!まぁ気付く人は気付くんですが。 ☆金持ち?☆ 正義「うわぁ、いっぱい来たぁ!」 児童達「「俺も」」「「私も」」キャッキャッ 奈海「株ってお金持ちがやるものだと思っていたけど、・・・。」 奈海「勇弥がやっているのは、その、一般市民でもやるよーって事?」 コイン「そんな訳ないじゃん。お金持ちなんでしょ?家も大きいし。」 勇弥「いやぁ、そんな自覚は無かったんだけどな。」 大王「謙遜するな。実際、庭も広かったぞ。」 勇弥「いや、でもあれさぁ。」 勇弥「他の家と比べたら結構小さいんだぞ。庭も比較すると何倍かぐらい」 大王「すまない。恩を仇で返してもいいか?」 奈海「今日限りで友達辞めるわよ?」 ●実は結構前から金持ちフラグあったんだよ、小1の時から【電脳世界=自然界論】と契約できる環境があるっていう。 ☆イルカショー☆ お姉さん「ではイルカのショーを始めます!」バシャァ!バシャァ! 正義「うわぁ、すごい。」 奈海「まったく、コインちゃんもあれぐらい言う事聞いてくれたらねぇ。大王さんも。」 コイン「えぇー、別にいいじゃん。このままでも。」 大王「俺にまで飛び火しているのか。」 奈海「当たり前じゃない。契約している以上、あなた達はしもべなのよ?」 正義「え?大王は友達だよ?コインちゃんも友達でしょ?」 勇弥「そうだ、友達だよなぁ。しもべは酷いよなぁ。」 コイン「そうよねぇ。ずっと友達だと思ってたのにさ。」 大王「ま、少年らしい回答だな。」 奈海「え?あ、ご、ごめん冗談よ。ちょっと言い過ぎた。本当にごめん。」 ●しもべ× 友達○、これ重要。 ☆お土産☆ 正義「うぅん、どれにしようかなぁ。」 勇弥「ん?どうかしたか?」 正義「お土産なんだけど、これはちょっと高くてさ。でもお父さん達の事考えると、食べ物はダメだよね。」 勇弥「あぁ、それぐらいなら貸してやるよ。余分に持ってきちまってな。」 奈海「ほんと金持ちは、・・・そうだ!」 コイン「え?・・・あぁ、なるほど!」 勇弥「ん?嫌な予感が・・・。」ゾクッ 奈海「この大きなぬいぐるみ買ってくれたら許してあげるわ。」 コイン「じゃあ私この記念コイン。」 勇弥「やはりそうきたか!ぬいぐるみ地味に高ッ!でも記念コイン安ッ!」 大王「じゃあ俺は世界征服で。」 一同「「それはダメ!」」ビシィッ ●1番高い望みは大王か奈海か!?実は家族3人分高級品を買った正義でした。 ☆バイキング☆ 奈海「やっぱりこの時間が幸せよねぇ。」 勇弥「女らしいというか。と言いつつ、バイキングでは好きなものだけ取るオレ。」 大王「少年はバランスよく摂れよ。」 正義「心配しなくても大丈夫だよ。」 奈海「あれ?大王さんは食事要らないの?」 正義「大王はゴハン要らないんだよ。」 大王「都市伝説は食事なんか取らなくても」 コイン「あぁおいしぃー!」 コイン「あ、これもいいね。おかわり取ってこよ。」 正義&大王「・・・。」 正義「大王、もしかして我慢してた?」 大王「いや、していない。たぶん必要なやつと必要ないやつが有るんだ。きっと。」 ●他作品では、都市伝説の食事行為は結構確認している。大王・・・。 ☆例によって☆ 正義「勇弥くん、大王、おやすみー。」 勇弥「おぅおやすみー。」 大王「あぁ。」 正義「・・・、都市伝説?」 勇弥「なに?本当か!?」 大王「・・・、ベッドの下だな。おそらく。」 下男「・・・。」 正義「やっぱり【ベッドの下の男】!」 勇弥「ちぃ、現れたな!」 大王「安心しろ、こっちの味方だ。」 正義「え、『楽しそうだからついて来た。他にも何人かいる。』?本当!?」 勇弥「おいおい全員集合かよ。すごいな。」 大王「おい、翻訳の量がだんだん増えてきたぞ。大丈夫なのか?」 ●都市伝説、全員集合!ひょっとしたら、正義は都市伝説の言語翻訳において人外になりつつある? ☆遊園地にて☆ 奈海「修学旅行のメインイベント!」 コイン「遊園地ー!」 勇弥「元気だな。」 大王「全く。」 正義「まずジェットコースターだよね。」 勇弥「いや、お化け屋敷の方も気になるぞ。色々な意味で。」 大王「なんだ?都市伝説が大量にいるのか?」 奈海「お昼はここよ。絶対に忘れないでね。」 コイン「メリーゴーランドも絶対だよ。」 勇弥「・・・で。」 都市伝説達「「・・・。」」ゾロゾロ ワクワク 勇弥「こいつら入ってもいいのか?」 大王「さぁ?見えないんじゃないのか?」 正義「【テケトコ】は高校生っぽいからセーフだね。」 ●リアルタイムで想像して吹いたその光景。 ☆落し物☆ 奈海「あの子が落し物したんだって。手伝って。」 勇弥「お前1人でも見つかるだろ。コインちゃん的な意味で。」 正義「コインちゃん、メリーゴーランド行ったからしばらく無理だよ。」 勇弥「まったく、こういう時に限って。」 正義「【テケトコ】も手伝ってくれてるから。」 奈海「皆ごめんね。うぅん、どこかなぁ。」 大王「何故俺まで・・・。」 正義「あ、【テケトコ】が見つけたみたいだよ!」 勇弥「そうか、それは良かったなッ」 奈海「あぁ、【テケトコ】さんありがッ」 テケテケ「・・・。」ニコニコ テケテケ 奈海「きゃあ怖イィィィィイー!」 勇弥「分裂状態の時に無言の笑顔で来ないでくれェェエ!」 正義「もぅ、失礼だよッ、て【トコトコ】だァ!気持ち悪いィイィイ!」 ●【テケトコ】大活躍。上下に分裂するその体は、探し物にも、人を脅かすのにも使えます。(主に後者。) ☆普通に怖い☆ 大王「これが『お化け屋敷』か?都市伝説がいないじゃないか。」 コイン「そんなのいる訳ないじゃない。全部模型か人が入っているだけだよ。」 奈海「そうそう、こんなの怖くなぁーい!」 勇弥「お、都市伝説。」 奈海「きゃあぁ!って作り物じゃない!もぅ騙すなんてぇ!」 正義「あ、本当に都市伝説。」 奈海「ふん、この私が正義くんの嘘に引っかかる訳」 奈海「きいゃあぁあぁ!動くガイコツぅうぅ?!」 骨格標本「・・・。」カタカタ 正義「違うよ、【骨格標本】だよ。」 勇弥「なんでここに?」 骨格標本「・・・。」カタカタ 正義「ふぅん、そうなんだ。大変だね。」 大王「とうとう翻訳しなくなったぞ。」 勇弥「オレ達をおいていくなァアァ!」 ●ちなみに、迷子にならないよう道案内をしていたようです。 ☆出てこない?☆ 奈海「いやぁ、ここのパフェが絶対に食べたくてね。」 コイン「うわぁ、おっきいなぁ。」キラキラ 勇弥「まったく、よく食べるねぇ。」 正義「・・・。」 大王「少年、何を考えている?」 正義「いや、あのマンホールから【白ワニ】が出てくるかな?と思って。」 大王「・・・そうか。しかし、現実は現実だ。」 奈海「(あいつ今度会ったら絶対に酷い目にあわせてやる!)」 勇弥「(あいつ今度会ったら絶対にこの世から消してやる!)」 コイン「(うわぁ、2人の顔がすごく怖い。)」 ●裂邪への憎悪、上昇中。たぶん死ぬよ、あいつ。 ☆記念撮影☆ (正義「今日で最後だし、皆で記念撮影しようよ。」) (奈海&コイン「「さんせぇーい!」」) (大王「まったく、元気だな。」) (勇弥「よし、じゃあいくぞ。」)(ジジジ・・・パシャ) 正義「あの写真が現像できたよ。」 コイン「うわぁ、見る見るぅー。」 コイン「正義くん達と私と大王は元より・・・。」 勇弥「【ベッドの下の男】に【テケトコ】、【赤マント青マント】・・・。」 奈海「【注射男】に【骨格標本】・・・、これ全部、私達が戦って、説得してきた都市伝説?」 大王「・・・、まさに6年間の集大成だな。」 一同「「まったく。」」 ●今思えば、皆がんばったね(他人事)。では、次は冬休み編です。 ―冬休み編 ☆始まり☆ 勇弥「この問題こうな。」 正義「うん、大丈夫。」 奈海「ここよく分からないんだけど。」 勇弥「あぁ、こうすれば簡単だぞ。」 正義「ここが、ここで、こうして、・・・できた!」 勇弥「よし!宿題終了!」 勇弥「よぉーし、冬休みの宿題制覇ー!これで遊びたい放題だぁ!」 奈海「あんた本当にすごいわね。交換してよ。」 コイン「私リストラ!?」 ●コインも便利なんだけど、覚え方に関してはしっかり教えてくれる【電脳世界=自然界論】に軍配。 ☆クリスマス☆ 正義「今日は『クリスマスイヴ』かぁ。」 勇弥「ん、もうそんな時期だな。」 大王「『クリスマスイヴ』?」 コイン「ほら、『サンタさんが良い子達のためにプレゼントを運んできてくれる』っていう日。」 大王「あぁ。あの都市伝説【サンタクロース】の事か。あいつは気に入ら」 奈海「あ!ダメ!しっ!」 正義「えぇ?!サンタさんって都市伝説だったの!?」 勇弥「あぁもう、正義が夢壊しちゃったじゃないか。」ヒソヒソ 大王「ぅ、よく分からんがすまない。」ヒソヒソ 正義「じゃあやっぱり契約者と一緒にプレゼントを配っていたの?!がんばってるね。」 奈海「う、うんそうかな?契約者は、知らないけど。」 勇弥「(良かった、逆にいるって思ってくれたらしい。)」 ●都市伝説=この世に存在する。ちなみに、大王の必要な情報にも【サンタクロース】があったらしい。 ☆プレゼント☆ ???「・・・。」のそのそ 大王「(ん?都市伝説か!?なんだ、【サンタクロース】か。放っておいてもよかろう。)」 サンタ「・・・?」ゴソゴソ・・・ ピラッ 手紙《いつもありがとう。これからもがんばってね。 正義より》 サンタ「・・・。」 ―――翌日 正義「プレゼントと一緒に『ありがとう』っていう手紙があったよ。」 勇弥「ん?まぁ良かったじゃねぇか。(本物のサンタさんなのか?よく分からねぇな都市伝説は。)」 大王「おい、俺のそばに『聖書』を置いたのは誰だ?」 一同「「多分サンタさん。」」 ●大王「だから嫌いなんだ!意味もなく他人に褒美を与えるなど、何を考えているんだ!?」だとさ。 ☆お年玉☆ 奈海&勇弥「「明けましておめでとうございまぁーす!」」 正義「あ、明けましておめでとう!」 黄昏母「いつもありがとうね。はい。」 奈海&勇弥「「ありがとうございます!」」 奈海「ところで勇弥。」 コイン「分かっているんでしょうね。」 勇弥「うっ、デジャブが。」ブルッ 奈海「お年玉いくらかしらぁー?」 コイン「私、噂に聞く『十万円玉』ねぇー。」 勇弥「くっ、とうとうコインちゃんまで値上がりした!?」 ●結局大した金額ではなかったそうな。○万が大した事ないとか。 ☆2度目は☆ 奈海「ねぇ、『カルタ』しない?」 勇弥「おぅ、いいぜ。」 正義「大王はこれを読んでね。」 大王「いいが、なんなんだこれは?」 大王「反射神経のトレーニングか?『犬も歩けば棒に当たる』。」 正義「はい!」 奈海「へ?」 大王「よし『猿も木から落ちる』。」 勇弥「おっと、取った!」 奈海「あれ?」 奈海「なにこれ!?十円玉じゃない!?」 正義「またコインちゃん使おうとしたの?」 勇弥「何度も同じ手に引っかかるか!」 コイン「盗まれてました!」 ●勇弥は トリックを おぼえた! ☆風を・・・☆ 勇弥「よし、『凧揚げ』するぞ。これならコインちゃん関係ない。」 奈海「まぁいいけど。」 コイン「私もやるぅ!」 大王「これは何のトレーニングなんだ?」 正義「理屈はいいから。うぅ、難しい。」 コイン「あぁ、揚がったと思ったのにぃ!」 奈海「あぁ!難しいわね。」 勇弥「おい!揚がったぞ!どうだ!」 正義「すごい、勇弥くんのところにだけ追い風が!風を操っているようだ!」 大王「少年、友の能力を思い出せ。」 ●風を操るなんて朝飯前でしたこの子。 ☆雪やこんこん☆ 勇弥「次は『羽子板』!」ワーワー 奈海「次は『福笑い』よ!」ギャーギャー 正義「・・・。」 正義「大王お願い!」 大王「だから・・・もういい、仕方がないな。」 奈海「あ、雪!」 勇弥「ん、珍しいな。・・・あぁ、大王さんの能力か。」 正義「『雪合戦』だぁ!」 勇弥「ぅお、やったなぁ!」 奈海「よし、私も!」 大王「何故俺がこんな事を・・・。」 ●大王の力を有効活用するの巻。 ☆事の始まり☆ 正義達「「行けぇ!うわぁ!」」ワァワァ 大王「おい、そろそろいいだろ。いい加減終わりにしろ。」 大王「聞こえているのか?もう終わりにッ」グシャ 奈海「あ、大王さんごめん。」 大王「・・・。」プルプル 勇弥「おい、嫌な予感が・・・。」 奈海「え、あ、あの、本当に、ごめん、なさい・・・。」 大王「お前らいい加減にしろ! そんなに遊びたければ俺が相手をしてやる! 俺を敵にまわした事を後悔しろ!」 勇弥「うわぁ!大王さんが起こったァアァ!」 奈海「もう戦うしかないの!?」 正義「ぅわぁーい、大王も雪合戦に参加だぁー!」 ●こうして せかいを まもるため まおうとの たたかいが はじまった !(自覚なし1名) ☆激闘の末に☆ 大王「喰らえェエェェ!」フュンフュンフュンッ! コイン「うわぁ!雪玉の雨がぁ!」 勇弥「『大気かまくら』!」ガシャッ、ガシャガシャッ 奈海「よし、『十円玉入り雪玉』生成。」 コイン「がってん!」ニギニギ 正義「いっくよぉ、『雪玉機関銃(マシンガン)』!」フュンフュンフュンッ! フュンフュンフュンッ! 大王「なにッ!ホーミング弾だとッ?!ぐわぁ!」ドスドスドスッ! 正義「うわぁーい!大王に勝ったぁ!」 勇弥「やったな、オレ達。」 奈海&コイン「ぃえーい!」パチンッ 大王「まさか、俺が、こんな、ガキ達に、・・・。」ズズッ ●まおうを たおした ! けいけんちを(略)。では、次章に続きます。 前ページ次ページ連載 - 舞い降りた大王
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1772.html
男「あの契約者の寿命は?」 天狗「あと3日ですね。死因は契約した都市伝説の能力を他人のために使いすぎたから」 男「『電池仕掛けのカブトムシ』の能力は寿命使うからな。使い切っちまったのか」 天狗「いいひとそうですもんねあの人」 屋根の上に二人・・・いや、人間と都市伝説が立ち、双眼鏡で契約者達を見ている。 男「じゃぁあっちのは?」 天狗「死にません」 男「死なないってことは・・・不死身の能力をもつ都市伝説とでも契約したのか?」 天狗「『ゴキブリは死なない』ですね」 男が見つけた契約者を指さしながら聞き、都市伝説が双眼鏡と新聞を交互に見て答える。 男「にしても・・・・・・」 天狗「?」 男は双眼鏡から目を離し横にいる自分と契約した都市伝説を見て微妙な表情をする。 男「いやね、天狗が執筆者の新聞ってきけば多少知ってる人は連想すると思うよ。でもさ・・・」 天狗「また私の姿の話ですか。別に私だって好きでこうなったわけじゃありませんよ」 その都市伝説は某同人弾幕シューティングゲームの鴉天狗の姿をしていた。 天狗「ところでマスターは戦わないんですか?」 男「「人の生と死が見えるって能力でどうやって戦えと?」 「単発もの」に戻る ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/legends/pages/2813.html
それは、まだ「組織」が完成する以前のこと その、直前の事だ 「よぉ、元気だったか?」 「あ……ざ、ザン様。はい、僕は…元気、です」 「はは、俺に敬語なんざ使わなくていいっての」 ぺこり、頭を下げてきた褐色肌の青年に、X-No.0こと、ザンは笑って見せた …ザン本人は、このX-No.0という自分に割り当てられたナンバーが、あまり好きではない だからこそ、自分をナンバーではなく、元の名前で呼んでくれる親友や、その親衛隊達と話すと心癒される ぎゅう、と、その親友の親衛隊の一人である褐色肌の青年に、ザンは甘えるように抱きついた 青年の身長は180超えなのに対して、ザンの身長は170ちょっとと言ったところ ザン本人としては包み込むような体勢で抱きしめたかったようだが、イマイチ様になっていない 抱きつかれ、青年が少し途惑ったような表情を浮かべる 「え、えっと、ザン様…?」 「ん~、相変わらず可愛いよなぁ、お前。なぁ、ダレンの傍にいるのもいいけど、折角だから、俺の部下にでも…」 そう、言いながら するり、ザンの手が、青年の背中をすべり、腰まで降りて来て ---ごがっ!! 「っだ!?」 …尻を撫でようとしたところで 盛大に、殴り飛ばされた 「何やってんだ、あんたは」 「---ったた、何しやがるか!?」 己を殴り飛ばしてきた、身長2mに達する大男に怒鳴るザン 大男は、褐色肌の青年を庇うような位置に立ち、ザンを見下ろしてくる 「ったく、あんたは男でも構わないのか」 「何を言う!?女にもなれるだろうが!それも、ピチピチボインのナイスバディに!!っつか、その状態のこいつとにゃんにゃんしたとか羨ましいぞお前っ!?」 「エネルギー摂取の為だっての。そうでもなきゃ、メンタルが男な上に婆は守備範囲外だ」 「贅沢言いやがってこのロリコンめが!?そんな事言うんなら、その役目俺に変われっ!」 「こいつがあの姿になった時の力に、あんたの精神が耐えられるならな……まぁ、あんたはいっそ、廃人になった方が世の中の為だろうが」 「何ぃ!?」 「っふ、二人とも、け、喧嘩は駄目だよぉ…!」 一触即発状態のザンと大男の間に、褐色肌の青年がおろおろと割り込む …二人とも、この青年にはどこか甘く、そしてそれぞれ別の理由で、弱い こう割り込まれては、引くしかない …この大男も、褐色肌の青年と同じく、ザンの親友の親衛隊の一人だ 確か、彼の親衛隊の中では、一番の古株だったはず 元は残虐な殺人鬼的な存在だったらしいのだが、今はそんな面影を全く感じさせない 「っつか、何しに来たんだ、あんた」 「あぁ、そうだ……あいつに会いに来たんだよ。いるか?」 「いるけど……今、ドリスと一緒に、拾ってきた都市伝説の怪我の治療してるところだから、邪魔しないで置けよ」 っと、「また」拾ってきたのか 今度は、どんな都市伝説を拾ってきたのやら 優しすぎる親友の行動に、ザンは苦笑する 「わかった、じゃあ、それが終わるまで待たせてもらう」 「わ、わかりました……それじゃあ、お茶か何か、用意するから…待っていてくださいね」 「……あー畜生、やっぱ可愛いなぁ欲しいなぁ!!」 「わわっ!?」 お茶を入れにいこうとした、褐色肌の青年に ぎゅう!と背後から抱きついたザン あわあわと、青年は転びかけて ごがすっ!と ザンは、大男によって、今度は蹴り飛ばされた 「茶なんて淹れなくていい。雑巾絞った水でも用意しとけ」 「った……この野郎!?俺は死なないけど、痛みは感じるんだぞこら!?」 若干、首を不自然に曲げた体勢のまま怒鳴るザン 再び、一触即発状態に陥りそうな、その事態に あぅあぅと、褐色肌の青年はおろおろとし始めるのだった …この、数日後 「組織」は完成し、X-No.0は失踪した 事の真相を知るのは、D-No.0、ただ一人である to be … ? 前ページ連載 - 赤い靴
https://w.atwiki.jp/legends/pages/80.html
ああ。これが俺の運命なのか。 友達もできないクラス内透明人間にして臆病者な上に童貞といった駄目人間極まりない俺の。 生きるという事には不条理ってことだ。誰かが確かそう言っていた。 まったく、実にその通りだと思う。しかし。だがしかし。 いかれた暴走車に轢き殺されて死ぬなんて。ましてや無人の。 いくら人生が不条理だからって 「納得いかないいいいいいいいいいい!!!」 叫んで、俺は全力でママチャリをかっ飛ばし田舎道を疾走していた。 すぐ後ろからは中型自動車が猛スピードで迫ってくる。 あんなのに跳ね飛ばされたらひとたまりも無い。即死だって即死! おかしなことにその運転席には人の姿が見られないのだ。 何?何?何なんだ!?何で俺は無人の自動車に追い掛け回されてるんだ? 俺は夜中に少し離れたコンビニへジャンプを買いに行っただけだぞ!? おかしいよ!おかしいって!どっからおかしくなったんだよ! おかしいといえばなんで道に人の姿がまったく無いんだよ! 夜中とはいえ車が凄い勢いで少年をひき殺そうとしてんだぞ!誰か気づくだろ!気づいてよ! てかここまでチャリで車から逃げ切れてる俺もおかしくね?俺こんな体力あったけ!? これが火事場の馬鹿力ってやつか?すごいなっ人体の不思議万歳!! などと混乱した頭で考えながら必死こいて自転車を飛ばしていると、 おもむろにペダルがぶっ飛んだ。 「え?」 自転車の耐久力も俺の体力も、限界だったらしい。 ガシャーン!!盛大な音を立てて、俺は自転車と一緒に地面に叩きつけられた。 その瞬間、視界が二つの目のようなライトで真っ白になった。 死ぬ瞬間、全てのものがスローにみえるって話は本当らしい。 その一瞬の間に俺は色んな事を考えた。 最初は、「あ、死ぬ。」とだけ思った。極度のビビリの俺なのに、不思議と恐怖はない。 次に「こんなヘマで死んでしまうなんて、最後まで俺はダメな奴だなぁ」と思った。 そして「俺が死んだって、世の中は何も変わりはしないんだよなぁ」そんなことを考えた。 「無人自動車にひき殺されるなんて。もしかしたら俺、恐怖のあまり頭がおかしくなったのかもなぁ」、とも思った。 だから、真っ白な光の中、バイクに乗った人影が車に突っ込んで助けてくれたのを見ても、 その時は「あぁやっぱり俺黄色い救急車に乗るべきなんだ」としか思わなかったんだ。 派手な装飾のバイクは車に乗り上げフロントを踏み潰した後、勢いのまま空中で一回転し綺麗に俺の横に着地した。 「貴様!私の出没場所で何をしている!」 男がライトが消えフロントガラスが粉々になった車に向かって叫んだ。 なんて浪々とし、そして響く声。なにゆえこんなに通る声をしてるんだ?俺は疑問に思った。 だってそもそも男の体には首が無かったのだから。 あかん。何だか感覚が麻痺してきた。もう何がおかしくて何がおかしくないのか。 すると男が無い顔をこちらに向けた。 「時に少年、お前は何者だ?ふむそうか。あの当たり屋に狙われてしまった身か」 いや、俺なんも言ってないんだけど勝手に一人で納得しちゃったよ。 「乗るのだ少年。このままでは危険だ」 首の無い男が尻餅をついている俺に手を差し伸べた。 しかし、ここでよーやく俺は今までの実感がじわじわと沸いてきたのだった。恐怖の。 「うっわああああああああああああああああ!?!」 我ながら本当に情けないが、無人の暴走車に首なし男。あまりにも非現実的でホラーなこの状況。 根っからの臆病者でヘタレの俺が叫ばずにいられない。 すると男はおもむろに俺の頬をバシッと叩いた。 い…いたひ。 「落ち着くのだ少年!私はお前に害を与えたりはしない!」 お、落ち着けったってンな状況で首の無い人に言われても… でも少なくとも目の前のこの男は、俺をあの車から助けてくれた。 その時、男の後ろで煙を上げていた車のライトが点滅しながら付いた。 まるで気を失っていた者が目を覚ますように。 「むむっいいから私の後ろに乗るのだ少年!何、腰が抜けただと?貴様、それでも玉がついた男か!」 あ、頭がついてない奴に言われたかないなぁー それにしてもこんな化け物男にさえ喝を入れられるなんて、本当に俺ってダメな奴… おとこは凄い力で俺の腕をグイっと引っ張り、後ろに乗せた。 「しっかりつかまっていろ」 轟音と共にバイクが発進した。 バイクは人通りの無い夜の道路を走り続けていた。 広い背中に遠慮しがちにしがみつき、こっそり俺は前の人をまじまじと見た。 なるべく首の断面図が見えないように。 「何だ。聞きたいことがあるならハッキリといってみるがいい」 「ヒィッ!?な、何でもないです!!」 「臆するな。私はお前を傷つける気など無い」 こ、怖いのは変わんないけど、どうやらこの人は本当にいい人みたいだ。 俺はありったけの勇気を振り絞り質問する。 「…い、色々ありすぎるんだけど…まず始めに、おっさん何者?」 「おっさんだと!?けしからん!私には『首なしライダー』という立派な名がある!」 ヒィィッなんか怒らせちゃったよぉぉぉどうすれば…………ん? 「く、首なしライダーってあの…?」 「ほう、知っていたか。あとでサインをやろう」 あるライダーが事故で首を失ってしまったが、バイクは体を乗せたまま走り続けた。 亡霊となったライダーは夜な夜な道を走っている。という、あの話。 確か俺の地元でもかなりはやった。当時の俺は小便ちびる程その話が怖く、 通学路のその道を通れなかった。おかげでしばらく毎日学校に遅刻してしまった。 「おいスルーをするのではない」 「ん、んじゃ、さっきの車は…?」 「当たり屋ファックスだ。話によっては当たり屋グループともいうがな。知っているか?」 知っている。「○○地方に当たり屋グループが出没しました。 以下のナンバーに注意して下さい」といった内容の回覧板、もしくはファックスが送られてくるといった話。 これも結構はやったなぁ。でも確かファックスが来るだけで車は実在しないはずじゃ… 「で、でも、それは噂話…誰かが回したただの怪談だ」 こんな男を目の前にしているというのに、俺はそんな理屈をこねる。 すると、ライダーが言った。 「そういった噂話が、回りまわって全国に伝わり、言霊という力を持った。そうして存在を得たのが、今お前の目の前に居る私だ」 ― そういえば。さっきこの男が「私の出没場所」と言っていた道。 俺が小学生の時、首なしライダーが出ると噂になった所だ。 俺は首なしライダー名乗る男の顔をまじまじ見ようとする。 しかし首があるはずのそこにはただ夜の真っ暗な空間が存在するだけ。 「お前ら…一体?」 その時俺は、無いはずの口元が不敵な笑みを浮かべた気がした。 「都市伝説だ」 そう言った首なしライダーの声は心なしか得意げだった。 「まったく。しつこい奴だ」 「え?」 「こんな話をしているうちにもう奴が来てしまったようだ」 振り向くと、ずっと後ろの方から二つのライトが迫ってくるのが見えた。 「で、でも普通の乗用車かも…」 「それはない。先ほどから辺りに人の気配が全く無いのには気づいているだろう。 いまやここは奴のテリトリー、いわば結界のようなものだ。 だからここに存在するのは当たり屋と私と、少年。お前だけなのだ。 そして結界を破るためには、その都市伝説の存在が消滅しなければならない」 「そんな…で、でも何で?おっさ…首なしライダーは俺を助けてくれるのに、あいつは…」 「人間の中には、悪い者もいれば良い者もいるだろう。都市伝説もまた然り。私は人間を傷つけないが、あの者は悪の心に捕らわれてしまった都市伝説なのだ」 「そ、それじゃあ俺を助けて!お願いだよ!」 「そうしてやりたいのはやまやまだ。しかし向うの方が数段上と見た。私の力では、奴を一時的なダメージを与えることが出来ても倒す事はできないであろう」 「そんなっ!?じゃ、じゃあ、一体どーすりゃ…」 「私と契約しろ、少年」 「へっ?」 契…約? 突然ライダーの口から出てきた言葉に俺はきょとんとする。 「人間のお前と契約すれば、私は今まで以上の力を持ち、奴を完全に葬ることができよう」 「ほっ本当!?」 「しかし」 突然ライダーは県境の大きな鉄橋の前で、バイクを止めた。 「え、何、どうしたの?」 「少年。お前も契約者として供に戦わなければならない。」 「!?」 な、何いってんだよ… この俺にあの車の化け物と戦えと!?ばっ馬鹿ゆーなって!!! そうしている間に当たり屋ファックスはどんどんこちらに迫って来ている。 「私と契約すれば、少年。お前を救ってやることができる」 「でっでも、無理だよ!!戦うなんて…!」 「可能性の限界など本人が決めるものではない」 「むっ無茶いうなよ!やれるわけないじゃん!」 「無茶をしてこそが真の男だ。己を信じろ!」 当たり屋はもう眼前に迫っていた。 「信じるったって…俺みたいな奴なんかに出来るわけないよ!」 「腹をくくれ少年!都市伝説に遭遇したその瞬間、 お前の平穏な日常は跡形も無く消え去ったのだ!」 なっ…なんつー理不尽な…………でも。 ライダーのその言葉で俺はふと思った。 クラスでは無視され、勉強も運動もろくに出来ず打ち込める事も何も無い こんな冴えない俺の人生、最初からもう終わってるも同然なんだ。 「わかった…!俺、お前と契約する。あの化け物と、た、戦うよ!」 「その言葉が聞きたかった」 瞬間、辺りが神々しい光を放った。 その光が当たり屋のライトだったのか、 はたまたライダーの体が放った光なのか、俺には分からなかった。 気が付くと、俺とライダーを乗せたバイクは鉄橋の入り口に直角にそびえ立っている 巨大な鉄柱を、凄いスピードで駆け上っていた。 「ぬあああぁぁぁあああああぁぁぁぁあqwせdrftgyふじこlp;」 一瞬前に俺たちが立っていたところを、 当たり屋が猛スピードで通過したのを何とか残像で捕らえた。 もしも一瞬でも遅かったらと思うと……ひっひぃぃぃぃっ!!! バイクは鉄柱のてっぺんまで一気に駆け上り、 一瞬夜の空を舞った。そして見事鉄橋の真ん中に着地。衝撃など全く無い。 「なっなんだよ今の動きっ!?てかっ鉄橋には入れないんじゃなかったのか!?」 ゼェッ ゼェッ ゼェッ 「今まで私のバイク技術は人間の身体能力までだったが、契約したことにより 常軌を逸したバイクコースを走ることも可能になったのだ。 そして契約は都市伝説がテリトリーに捕らわれることも無くす」 ば、ばいくぎじゅつ…今のはもう技術ってかもうなんつーか… 「くるぞ、少年。身構えろ」 ライダーの肩越しに、キュキュキュとタイヤのきしむ音を響かせて 当たり屋がこちらに向き直るのが見えた。 「ど、どうやって倒すの?ライダー」 「私が当たり屋の動きを封じる。その間にお前は車に乗り込み、運転席を破壊するのだ」 「ええええええっ何それ!?んなこと出来ないよ!てか破壊って…」 凄いスピードで当たり屋がまた突っ込んでくる。 「や、ヤバイっ来たよ!!」 「しっかり掴まっていろ少年!」 ライダーがそう叫ぶと、またもやバイクは華麗にジャンプし、突っ込んできた車を避ける。 宙に舞ったその瞬間、ライダーが車に手をかざした。 すると突如ライダーの手から幾本もの光る筋が伸び、当たり屋を縛り付けた。 地に着地し、ライダーが叫ぶ。 「今のうちだ!私のワイヤーでくくりつけられた者に 契約者のお前が攻撃を加えれば、大きなダメージとなるのだ! 案ずるな、私の首を切り落とした程のワイヤーだ。簡単にちぎれはしない、 と、言いたい所だが、相手が相手だ。残念なことに長くは持たない! 急げ少年!成すべきことをしろ!」 アクセルのかかる音がひっきりなしにしている車を、 今にも切れそうに張り詰めたワイヤーが押さえつけている。 怖くないといえば嘘だ。しかし。 次の瞬間俺はライダーの後ろから飛び降り、無我夢中で当たり屋に向かって駆け抜けていた。 割れたフロントガラスから運転席に滑り込む。 しかし、破壊するっつったてどうすれば… もたもたしていると、頑丈なはずのワイヤーがきしむ音が聞こえた。 「急げ少年!時間はないぞ!!」 ええいっこのさい適当だっ 焦りと混乱で頭がいっぱいだった俺は、力任せにハンドルを殴った。その瞬間。 ハンドルが、砕けた。 「あ……?」 突然のことに目が点になる俺。ま、まさかこれがライダーが言ってた能力… ライダーのワイヤーでくくりつけられた者を俺が殴ると大ダメージになる…!? その時、ライダーの叫び声が聞こえた。 「逃げろ!!少年!!!」 ブチブチブチッ!! ― え? ワイヤーがぶち切れる音と供に、俺を乗せた車は再び動き出した。 橋の入り口にそびえ立つ、鉄柱に向かって。 「ぎゃあああああああああああああ!!?!?」 半狂乱で俺はシートにつかまって絶叫した。グングンと目の前に巨大な鉄柱が迫る。 「長くは持たないって、全く持たないじゃないかああああああああ!!!」 かなり長い鉄橋だが、激突すんのは時間の問題。 しかもハンドルはさっき俺が破壊してしまったので利かない。 こんな事になるんなら、コンビニなんか行かなきゃよかったーーーー!!! すると、運転席のドアがガゴっとこじ開けられ、後方に飛んでいった。 「無事か少年!!」 「無事じゃないいいいいいいいいいいいいい」 当たり屋の横につき同じスピードでバイクをかっ飛ばすライダー。 彼はこちらに手を差し伸べた。 「早く!!」 「え?」 「こちらに飛び移るのだ!」 とっ飛び移る!?!? 運転席とライダーの間には結構な距離があるのだ。こんなスピードの中飛び移るなんて… 「むっ無理無理無理無理無理無理」 「先ほども言っただろう!たやすく己の可能性を否定するのではない!」 猛スピードの中、叫ぶライダー。しかし。 「でっできるわけないだろっ!俺みたいな臆病なダメな奴に!!」 俺はシートに抱きついて泣き叫んだ。 もうダメだ。これで俺は17年間の短い一生を終えるんだ。 「しかし、お前は私と契約する勇気を持ってくれた。 確かに臆病ではあるかもしれない。しかしこれだけは確かだ。 少年、お前は決してダメな奴などでは無い!!」 振り返り、さっきから無茶な事と説教ばかり言っている、首の無いこの男を見た。 そして差し伸べられた手を見つめた。 俺は…ダメな奴なんかじゃない…? その言葉は不思議と俺に勇気を持たせた。 よ、よーし。や、やってやるっての!やってやろーじゃねーかっ!!! 俺は意を決した。 どっちみち、やらなきゃ死ぬんだ ― !!! 「うわあああああああああああああああああああああああ」 そして。 真夜中の鉄橋を、俺は跳んだ。 それは一瞬の出来事のようで、とても長く感じられた。 ライダーの力強い腕が俺の体を受け止めた。 次の瞬間、数十メートル先で、鉄柱に激突した当たり屋が爆発した。熱風が肌を撫でる。 お、俺…生きてる… 「やったぞ、少年。見事悪の都市伝説を葬ることに……どうしたのだ」 情けないことに、今更になって、体の震えが出てきた。 「う…う…うわああああああ怖かったよおおおおおおおおおおお」 夜空に向かって思いっきり絶叫した。 さっきは無我夢中で何がなんだかって感じだったけど、今思い返すだけで… ヒイイイィィィィィイイイイっっ あかん、こんなんでいたらまたライダーに説教っぽいことを言われ… ― ポンっ 「さぞかし恐ろしかっただろう。よく頑張ったな、少年」 俺は、鉄橋の上で真っ赤に照らされながらライダーの大きな手を頭の上に感じた。 そうすると、不思議と恐怖が薄れ、俺の心は落ち着くのだった。 俺に兄貴は居ないけど、居たらこんな感じなのかな…。 その時、さっきまで感じていた熱風が徐々に感じられなくなった。 振り返り見ると、爆発の炎や当たり屋の残骸が、少しずつ消えていくのが見えた。 も、もう、何があっても驚かないぞ。うん。絶対に。 「奴が消滅した。と言うことは、結界も消えたということだ。 町に戻れば人の姿も見られるだろう。 それにしても、初めての敵からかなりの強敵を相手にしてしまったな。 本当によく頑張ったぞ少年」 …………ん? 「…『初めての』?」 「そうだ。これから私とお前は、様々な都市伝説と戦っていかねばならないのだ」 めまいが、した。 ちょ…今、なんつった…?頭がクラクラする。 「すまない。あの状況下で言うのを忘れてしまった」 あ、ヤバ…本格的にめまいが… 私とお前が契約してしまった今、これからも様々な都市伝説に遭遇するだろう。 しかし、そうやって悪の心に取り付かれてしまった者達を」 バッターン! 多分、今までの疲労感と取り合えず助かったという安堵感と今聞いた事実の衝撃が、一気に来てしまったのだろう。 俺は倒れた。 これからずっとこんな死ぬような怖い思いしなきゃなんないのか? 冗談じゃない。 「おい、しっかりするのだ!少年!少年ーーーーーーーーーーーー!!!!」 薄れていく意識の中で、ライダーの叫び声を聞いた。 生きるということは不条理ということだ。 それは普通の高校生を突如、首の無い男と供に都市伝説と戦うという日常に放り込む程に。 いつの日か、この「不条理」極まりない現実を受け入れて、 そんな毎日を臆することなく過ごせる度胸が、はてして俺に付くのだろうか。 そしてその日は来るのだろうか。 来るといいなぁ 「単発もの」に戻る ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1603.html
○月×日 22:12 生徒会室横 階段前 及び 階段踊り場 …ハーメルンの笛吹き その名前は、「組織」に居た頃に聞いた事がある 自分は討伐に向けられた事はないが、何人か、こいつに返り討ちにあっていたはずだ ……いや 今は、そんな事はどうでも、いい それよりも、重要な事は 「…その鼠は、お前が操ってるんだな?」 「あぁ、そうだ」 それがどうした、と言うように、ハーメルンの笛吹きはこちらを見下ろしてくる マリか魔女の一撃を呼ぶ事を期待する、とこいつはそう言った ………ならば 「…誰が、てめぇの期待になんぞ、答えてやるか」 視線を、ハーメルンの笛吹きの後方の………隠しカメラにやる こちらの映像はスーパーハカーが見ている そして…「爆発する携帯電話」に、それは伝わっている 「…………」 つきり 一瞬、胸が痛んだ気がした 違う、あいつは裏切った訳じゃない …こちらの事を純粋に考えて、あの結論を出したのだ ………大丈夫だ 計画が、この賭けが、うまくいけば きっと、あいつもわかってくれる 「…なぁ、ハーメルンの笛吹き」 「うん?」 だが、その前に 一つ、確認しておきたかった 確認しても、意味などない ただ、空しくなるだけの事 だが、空しくなるとわかっていても 「13階段」は、それを確かめたかった 「……お前は名前があるか?」 「は?」 「名前だ。ハーメルンの笛吹きなんて都市伝説の名前じゃねぇ、人間としての名前だ」 「…あったとしても、名乗らなきゃいけない理由はないな」 それは、そうだろう 名前を知ることより、相手を操るような都市伝説や能力も、世の中には存在するから こいつは随分と用心深いようだから、きっと名前は名乗らない ただ、「13階段」は…このハーメルンの笛吹きという、大量殺人を犯した男に名前が存在するかどうか それが、知りたかったのだ ---あぁ、そうか こいつも、ちゃんと名前があるのか 名前を持っているのか 「…お前には、名前があるんだな。今はどうか知らないが…ちゃんと、「日常」があったんだな」 「………?」 「13階段」が何を言いたいのか、わからないのだろう かすかに、ハーメルンの笛吹きが怪訝な顔をする 「羨ましいじゃねぇかよ、畜生……やっぱり、普通はちゃんと、両親がつけた名前があるはずだよな。ちゃんと、「日常」があるはずだよなぁ…」 畜生、畜生、畜生 羨ましくて、妬ましくて 殺してしまいたい だが、自分にそれだけの力はない 「13階段」としての能力でしか、自分は他人を殺せない …だから、せめて 「…ゆっくり休んで体力回復、って言ってたな?……それじゃあ、もっとゆっくりできるようにしてやろうか?」 「……どういうことだ?」 あぁ、そうさ ゆっくり休ませてやる ただし……この舞台から、引き摺り下ろす、という方法で 「-----やってくれ!!」 声は、届くはずだ スーパーハカーが、届けるはずだ 「13階段」が叫ぶと同時 ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ 複数の携帯が、着信を告げる その音は、主に一年生の教室の側から響いていて 「…………っ!!」 危険を感じたのだろう ハーメルンの笛吹きが、生徒会室側へと移動した ----ごぅんっ!!と 一年生教室傍に仕掛けられていた携帯電話が一斉に爆発する 爆発は鼠の群れの一部を巻き込み、鼠たちの数を減らした だが、それはどうでもいい 本当の狙いは、そこじゃない 「閉じ込めろ!!」 『シャァネェナァア!!はにーモタノンデキテルカラニハ、キイテヤルゼェ!!』 声は、「13階段」がポケットに突っ込んでいた携帯電話から響いた 都市伝説 スーパーハカーの、機械的な声 「その声は……っ!?」 ハーメルンの笛吹きは、何かに気づいたようだった だが、もう遅い ガラガラガラガラガラガラガラガラガラ 何か、重たい物が降りてくる……音 ガシャアァアアン!!!と 生徒会室側の廊下から、階段への道 そこに……分厚い、防火シャッターが下ろされた 「…悪いな。俺の女を怖がらせた事と……俺が持つ事を許されなかった名前と日常を持ってるお前がムカついたんで、閉じ込めさせてもらったぜ。ハーメルンの笛吹き」 『オイコラ、ヘタレ。オレノオンナッテノハダレノコトヲイッテンダ?』 「「爆発する携帯電話」のあいつに決まってるだろ。こう言うのは言ったもん勝ちだ」 スーパーハカーの突っ込みに、堂々と言い切った あぁ、もう、言い切ってやるよ そりゃ、あいつは元は男だが今は女だ うん、だからそれでいいのだ …ハーメルンの笛吹きは閉じ込めた…が、そのうち、出てくるかもしれない 生徒会室に入り込む事は可能だし、窓まで封じた訳じゃない それに、マリが「嫌な気配がする」とか言っておいてきた、という獲物… もしかしたら、村正辺りの一種かもしれない だとしたら、こんな防火シャッターなど、あっさりと切り裂くだろう ----だが、それでも ネズミと言う無数の悪意で「爆発する携帯電話」を怯えさせたハーメルンの笛吹きと顔を合わせていると …自分がどんなに望んでも手に入れられなかった名前や日常を持っていた、いや、今だって…大量殺人鬼になった今すら、名前をもち続けている男と顔を合わせていると 憎らしくて憎らしくて憎らしくて憎らしくて、ただ殺意だけが湧き上がり とてもじゃないが…冷静でいられそうに、なかったのだ to be … ? 前ページ次ページ連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1616.html
○月×日 21:37 クラブハウス・武道場 -----くっくっく、と 暗い、暗い笑い声が響く 魔女の一撃の契約者は、ゆっくりと「日焼けマシン」の契約者から、体を離した 「日焼けマシン」の契約者を庇うかのような位置に立ち…低く、呟く 「…あぁ、そうかよ。皆俺の邪魔をするのかよ……皆、そこの黒服のように…俺と、こいつを引き裂くのかよ」 まるで、地の底から響くかのような、暗い声 その声に、かすかに黒服が動揺した ーーー大学受験のあの日、自分が事件に巻き込んだせいで、「日焼けマシン」の契約者と魔女の一撃契約者が共に同じ大学に行く邪魔をしてしまった その自覚が、彼にはある そして、もしかしたら…それが、魔女の一撃の契約者の、今回の行動の理由の一つなのではないか? そう、薄々感じ取ってしまっていたから 「……あぁ、でも、駄目だ。駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ!!ぜんっぜん駄目だな!!」 ざわり 魔女の一撃契約者から…殺意が、溢れ出した 戦い慣れしていない人間ならば……否、戦い慣れした者でも 殺意を向けられ慣れている者ですら、威圧されかねないほどの、強烈な殺意 押さえ込まれた状態から解放され、逃げ出そうとしていた「日焼けマシン」の契約者が、幼馴染の変貌ぶりに一瞬、動きを止めてしまうほどの 「お前達には!嫉妬も!!覚悟も!!!まったく足りゃしねぇんだよっ!!」 魔女の一撃契約者が、構えた 随分と強気な様子で、まるで、一同を見下しているかのように… 「-----やばっ!?」 全ての感覚が超人的に強化されているが故に…真っ先に、厨2病が、その危険性に気づいた 直後、魔女の一撃契約者は、両拳をあわせて突き出し……その先から、強大な「気」を放つ! 強烈な光を伴って放たれたそれは、畳を抉りながら厨2病に、Tさんに、そして黒服に襲い掛かる ----ぱぁんっ、と 何かが砕ける音がして、瞬間的に結界が張られた それが、辛うじてその攻撃を打ち消す 光が消えた時…そこには、呆然としている「日焼けマシン」の契約者だけが、いて 魔女の一撃の契約者は、どこに? 「………っ」 ぞくり、感じた悪寒 黒服は先ほど使った物と同じパワーストーンの力を発動させた ぱぁんっ、とパワーストーンは即座に砕けて……何時の間にか背後に回っていた魔女の一撃契約者の姿に、ようやく気づく 「-黒服さんだけを避けてくれたら、幸せだっ」 そう呟きながら、Tさんが魔女の一撃契約者に攻撃を放った しかし、幽霊のような構えをとった魔女の一撃契約者の姿は…すぐに、ふっと消えてしまう ばんっ!!と 自分が立っていた畳がひっくり返された事を、黒服は自覚した その衝撃で、体が宙へと放り出される ひっくり返された畳は、Tさんの攻撃を逸らし、その軌道を変えてしまい、魔女の一撃の契約者には届かない 黒服は受身を取りきれずに、その体を強かに畳に打ちつけた その黒服に、魔女の一撃契約者は追撃を加えようとしている まるで、真っ先にこの黒服を殺そうとしているかのように 「俺を無視するんじゃねぇっ!"虚空の弾丸拳"!!」 「っく!?」 がっ!!と 厨2病が繰り出した超高速の拳を、魔女の一撃契約者は受け止めた 通常ならば、人間など受け止めきれぬはずのその技を…両手を使って、受け止めたのだ 「…てめぇから、殺されてぇかぁっ!!」 「うわっ!?」 ぶんっ!と 受け止めたその拳を逆に掴み、魔女の一撃契約者は、厨2病の体を振り回し、畳の上に叩き付けた 先ほどまで、まるで幽霊のように気配が消えていた魔女の一撃契約者 しかし、今度は爆発的に、その気配が強くなる 威圧感すら感じさせる、強烈な気配 だが、それに威圧されている暇は無い 黒服は急いで体勢を立て直し、「日焼けマシン」の契約者に向かって駆けた 己が優先すべきことは、「日焼けマシン」の契約者の身の確保 体を起こし、下着ごとずり下げられていたジーンズを慌てて戻していた「日焼けマシン」の契約者の傍に、ようやく辿り着く 服を破かれた事によって露出している胸元を隠してやるように、己の上着を羽織らせる 「…遅くなってしまって、申し訳ありません」 「……っくろ、ふく」 泣き出しそうな顔で、黒服を見あげる「日焼けマシン」の契約者 羽織らせた上着の間から覗く肌にぽつぽつと浮かぶ赤い痕が、魔女の一撃契約者に何をされていたのかを、生々しく物語っている 「---っそいつから、離れろ!」 「日焼けマシン」の契約者を奪われた事を悟り、魔女の一撃契約者がそちらに向かおうと… 「流星・ブラボー脚!!」 「っ!?」 どごぉんっ!! 何時の間にか武道場に到着していた姫さんの攻撃が魔女の一撃契約者に襲い掛かった ギリギリでその攻撃を避けた魔女の一撃契約者に向かって 「やっちゃえ!!」 ちゅうちゅうちゅうちゅうちゅうちゅうちゅう はないちもんめの能力で操られた鼠たちが、魔女の一撃契約者に殺到しようとする ----------が 「……うちゅ!?」 「ちゅちゅ!?ちゅちゅちゅっ!?」 「………え?」 鼠は、ある距離まで近づきながらも…しかし、それ以上は魔女の一撃契約者に近づかない 否、近づけない 魔女の一撃契約者の威圧感に、鼠たちは本能的な恐怖から、近づく事すら、できていない 「…あぁ、畜生。邪魔なんだよ、てめぇら。どいつもこいつも…俺が、あいつの隣に立つ邪魔をしてぇのか」 「それが真っ当な手段であるならば、邪魔などしないさ」 武道場前に到着した己の契約者に、危ないから中に入らないよう言いながら、Tさんは魔女の一撃契約者を軽く睨む 「だが、お前さんが選んだ手段は間違っている。間違っている事ならば、正さねばならないだろう」 「……違う、俺は、間違ってなんかいない」 Tさん、厨二病、姫さん 三人に囲まれながらも、魔女の一撃契約者は一歩も引く様子を見せない その表情は、どんどん暗く……狂気を帯びていっている 「あいつを護れるのは俺だけだ、あいつを護っていいのは俺だけだ。あいつを傷つけるのは許さない、悲しませるのは許さない。あいつの隣に立っていたいあいつの隣に立つのが許されるのは俺だけだっ!!」 話す内容が、支離滅裂になってきている 狂気に囚われ、その主張の筋も正当性も、最早意味をなさなくなってきている 己の発言が己の行動と矛盾している事に、彼は気付いていない 「…あんた、チャラい兄ちゃんの友達なんだろ!?大事な親友だって、言ってたじゃねぇか!!」 武道場の入り口からひょこり、顔を出して…Tさんの契約者が、叫んだ …くるり、そちらに狂気に染まった暗い表情を向けて、魔女の一撃契約者は笑う 「……あぁ、そうだよ。俺の大事な大事な大事な大事な大事な大事な大事な大事な、唯一の親友さ」 「じゃあ、どうして…」 「-----先に俺を裏切ったのは、あいつだ!」 魔女の一撃契約者の叫びに、「日焼けマシン」の契約者がぴくり、体を跳ねらせた 己を囲む三人を前に強行突破を試みながら、魔女の一撃契約者は叫ぶ 「あの日…あいつが!俺じゃなくてその黒服を選んだから!!俺の隣から、いなくなったからっ!!」 その両手が、Tさんの喉下を狙う かすかにTさんの体が白い光で覆われて、それを防いだ 「…っあいつが!都市伝説の事を隠し続けていたから!!!俺はあいつの隣に立てなくなったんだ!!」 ふっ、と魔女の一撃契約者の姿が消えて…出現したのは、姫さんの足元 足元を掬い、体勢を崩したそこを強行突破しようとして、しかし、武道場に入り込んだ妹ちゃんの結界能力で拒まれ、舌打ちする 「あいつが……都市伝説の事を話してくれていれば!もっと早く、都市伝説と契約していた!強さであいつに置いていかれることも、負ける事もなかった!!……ずっと」 一瞬 その表情から、狂気が消えて 寂しさを押し殺しているような…そんな、表情になって 「--そうすれば、俺が…あの頃と変わらずに、ずっと、あいつを護ってやれたのに」 しかし、その表情は再び、一瞬で狂気に染まった 暗い眼差しが、一同を見下すように、見回して 「っらぁ!!」 再び放たれた、気の力 しかし、それははじめに放たれたそれよりは小さくて…妹ちゃんの結界に、全てかき消された 「…八つ当たりじゃないですか、ほとんど」 「ガキに、何がわかる!」 「わかりたくもないわね」 私は子供でもないんですが、と呟く妹ちゃんと、鼠を振り回し続けてながらも魔女の一撃契約者を睨むはないちもんめ 魔女の一撃契約者は、完全に包囲されている だが、この絶対的に不利な状況でも、魔女の一撃契約者は戦いをやめようとしない 「日焼けマシン」の契約者を屈服させる、ただ、その目的の為だけに 「あぁ、もう、焦れってぇな!"岩漿の……」 「----っそいつを殺さないでくれ!!」 炎をまとった巨大な槌の子を召喚し、一気に決めようとした厨2病に、「日焼けマシン」の契約者はそう叫んで、制した その言葉に、厨二病の言葉が、止まる 「…おや、嬉しいな……まだ、俺を親友だと思ってくれているのか?」 くっく、と笑いながら、魔女の一撃契約者は「日焼けマシン」の契約者を暗く見つめた 黒服に庇われるように立ちながらも…「日焼けマシン」の契約者は、じっと、魔女の一撃契約者を見つめていた 「お前には…都市伝説に、関わって欲しくなかった」 「まだ……言うか」 ゆらり 魔女の一撃契約者の体が、憎悪に揺れた 小さく首を振りながら、「日焼けマシン」の契約者は続ける 「都市伝説と関わる事は…契約、する事は、特にこの学校町じゃあ、いつ危険に巻き込まれるかわからない、いつ、命を狙われるかもわからない、そう言う事だから。お前に、そんな危険な目にあってほしくなかった!」 「---何を、今更」 くっくっく、と魔女の一撃契約者の笑いは暗く、暗く、どんどんと狂気を濃くしていっている それでも、「日焼けマシン」の契約者は、視線を逸らさない …友を引き戻そうとするかのように、真正面から魔女の一撃契約者を見詰めている 「……?」 …ふと Tさんは、気づいた --っぽ、と 一瞬、魔女の一撃契約者の胸元に…黒い、染みが現れたような…? 「…どうか、教えてくれませんか?何故、あなたはこの子に、裏切られたと感じたのですか?」 黒服も、同じ事に気づいたようだった 銃に手を添えたまま…黒服は、魔女の一撃契約者に尋ねる --どろり 黒い気配が、魔女の一撃契約者の…内側に、生まれる 「そいつが…俺よりも、お前を、黒服を…選んだから。あの時、俺の傍よりも、お前の傍を選んだから」 「あの時、この子はすぐにあなたの元に戻るつもりでしたよ。一緒に、受験を受ける気でいましたよ…はじめは」 「ほら、やっぱり、すぐに俺よりもお前を…」 「あなたを護るために、戻る事ができなくなったんです」 ぴくり 動揺したように、魔女の一撃契約者の体が震えた 黒服は、ゆっくりと、言い聞かせるように続ける 「…三年前。とある大学の受験会場を、凶悪な都市伝説が餌場に選びました。「組織」ではその都市伝説を討伐しようとしたのですが、予想外の強さに手間取り、そのままでは受験会場まで入り込まれようとしていました」 …そこに この、「日焼けマシン」の契約者が来たのだ はじめは、こちらで何とかするから、受験会場に戻るように言った しかし、「日焼けマシン」の契約者は、退こうとはしなかった 『俺のダチも来てるんだ!絶対に会場に入り込ませるかよ!!』 「日焼けマシン」の契約者は、己の受験よりも、親友を護る事を選んだのだ …実際、「日焼けマシン」の契約者が協力してくれたお陰で、その都市伝説の討伐に成功し…受験会場で惨劇が起こる事は、なかった 「あなた達が小学生の頃巻き込まれた事件の時も、この子は、あの事件があなたにとってトラウマにならないよう、記憶を消去するよう頼んできたのです…あなたの、為に」 「………っ」 魔女の一撃契約者の動揺が、大きくなる ---どろり 彼の内側の気配が、強くなる 「ちが、う、そいつは……自分だけ、力を手に入れて……俺を、見下して……っ」 「そうとは思えないけど」 姫さんが、いつでも攻撃できるよう構えつつ、そう口にする 「日焼けマシン」の契約者はこの状態でなお、魔女の一撃契約者を心配しているのだ …都市伝説と関わってしまった親友を気遣っている 「…そいつ、は……俺よりも、その、黒服を選んで…」 「家族として、選んだかもしれん……だが、「日焼けマシン」の青年にとって、親友はお前さんだけのようだぞ」 ----どろり、どろり 黒い気配が大きくなる ぽっ、ぽっ……と、黒い染みが、大きくなっていく 「ほとんど、お前の思い込みと勘違いなんじゃないのか?」 厨2病が、そう疑問の言葉を投げかけて 「----っ」 それ以上、聞きたくないとでも言うように、魔女の一撃契約者は耳をふさいだ どろり、どろり、どろり、どろり 魔女の一撃契約者の胸元に現れた染みは大きく、大きくなり…その場にいる全員がそれに気づくほどになる 「ちが、う、違う違う違う違う違う違う。あいつは俺を裏切って、ち、がう、あいつが俺を裏切るはずが無い。あいつは俺の親友で、あいつも俺を親友と言ってくれて……」 『----イイヤ、オ前ハ裏切ラレタノサ』 誰のものでもない 第三者の声が、響いた 『オ前ハ親友ニ裏切ラレタ。ホラ、憎イダロ?憎タラシイダロ?』 「……にく、い……」 『憎タラシイケド、大切ナンダロウ?ダガ、憎タラシイカラ…負カシタイダロ?屈服サセタイダロ?手ニ入レタイダロ?』 「…屈服させてやる、俺の傍に置いて、ずっと護ってやる……」 ゆらり 響く声に動かされるように、虚ろな眼差しで魔女の一撃契約者は「日焼けマシン」の契約者を、見つめる 「…な、何よ、これ。まさか、多重契約者…」 「いえ…違い、ます」 はないちもんめの疑問の声に…妹ちゃんが、答える 「あれは、あの黒い染みは…都市伝説、ですが、彼と契約してはいません」 どろりどろりどろりどろりどろりどろりどろりどろり 魔女の一撃契約者の内側から染み出た黒い染みが、生き物の形を作り出す それは、真黒な蛇となって……魔女の一撃契約者に、絡みついた 『ホラ、憎インダロ!!アイツヲ屈服サセタインダロウ!!ソレジャア、他ハミンナ邪魔者ダ!!殺セ!殺シテマエ!!』 「---あぁ、そうだ。邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だ!!みんな邪魔なんだよ!!俺があいつの隣に立つ事を邪魔する奴なんざ、みんな死んでしまえっ!!」 狂気と殺意が膨れ上がる 黒い蛇は、どこか楽しげに魔女の一撃契約者に絡みつき、その耳元で囁き続けている 「あれは……彼に、とり憑いています……!」 漆黒の蛇は魔女の一撃契約者の耳元で囁き続ける そう、その囁きは、まるで 『邪魔者ヲ殺セ、アイツヲ屈服サセテヤレ!犯シテ犯シテ犯シ尽クシテ、一生離レラレナクシテヤレ!!』 ーーーー悪魔の囁き、そのものだった to be … ? 前ページ次ページ連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち
https://w.atwiki.jp/legends/pages/5186.html
前から登場していたの サスガ フルネームは流石 丈(さすが たけし)、コードネームは“オサスナ” 「組織」強硬派所属の中学三年生男子 契約した都市伝説は「校庭に現れる落ち武者の霊」 甘いものが苦手で、食は淡泊 過去に早渡と交戦済み 彼の活躍は以下を参照されたい 早渡と交戦した回(早渡視点) 早渡と交戦した回(サスガ視点) 「偽警官」と交戦した回(“モヒート”と) モヒート 本名は見辺 加賀実(みべ かがみ)、“モヒート”はコードネーム 「組織」強硬派所属の中学一年生女子 契約した都市伝説は「コークロア(_Mod.A)」 彼女も過去に登場済み(詳しくは上記リンクをチェック) 今回初登場の 割烹着の少女 「組織」穏健派所属の女の子 「人肉シチュー」の都市伝説である まるで給食の時間に割烹着を着た小学生の女の子といった容姿をしている 彼女の外見は上記都市伝説からの関連が想定しえない形態だが真相は不明 彼女は今回のように 時折穏健派のオフィスを抜け出しては強硬派所属の彼らに会いに行く 前ページ / 表紙へ / 次ページ
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/1252.html
_ _____________ _____________ _____________ シークレットメッセージ 遊園地デート X-DATE 帰省編 とある学園の執事喫茶 一端覧祭 とある両家の元旦物語 バイト生活 とある子猫な超電磁砲 どこにでもあるハッピーエンド 幸せへと至る道 side by side Daily Life とある未来の・・・ とある宣伝の超電磁砲 11月22日は何の日? こいぬのおくりもの 鶴の恩返し My... とある記憶の消失問題 とある男の本気告白 一本の白き道 ――ふたり―― 上琴の戦い 起きないあいつ 恋する美琴の恋愛事情 未来からの来訪者 わたしのヒーロー とある少年の帰還記念祭 とある10人のハロウィンパーティ 幸福へのプロローグ Love is blind とある少年の告白成就 神(上)の見えざる(右)手 月と彼方と私とサクラ 消えゆくあいつの背中を追って 上琴の奇妙な体験 とある二人の旅行物語 秋終わり、恋は終わり始まる とある不幸なHappy days とある底辺と頂点の禁断恋愛 全力で貴方たちを倒す! if√ とある乙女の小さな願い とあるファミレスのバカップル 被害者 とあるベランダの超電磁砲 御坂美琴の消失 美琴「素直になる…かー」 くっつく さよなら常盤台 編集
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3255.html
聞こえてきたのは、壁が崩れるような轟音 それからしばらくして、銃声 ……とりあえず、後者に関しては誰がやらかしたのか、一発でわかるのが色々とアレだ 「っちょ、さっきから何だ、この物騒な音!?」 「…あー、多分、大丈夫だ……そっちに近寄りさえしなければ」 ミナワを庇うような体勢をとりながら、警戒した様子を見せた裂邪に、やや遠い目をしつつ答えてやる翼 …何というか、プールに被害が出ていないといいのだが 「ノロイが来てないから、大丈夫だろ」 「…?あのネズミちゃん?」 「あぁ、あいつ、都市伝説になりかけてるから、危険感知能力が高いんだよ」 「鼠は、沈没する船から真っ先に逃げ出す」になりかけているノロイ 既に、半分以上都市伝説と化しているノロイは、その危険感知能力はかなり高い 何らかの危険を感じ取れば、こちらにも知らせにくるだろう と、翼の言葉に、裂邪とミナワが、「え?」と言う表情をする 「なりかけ?」 「あぁ」 ぱちゃぱちゃ 幸太の手を引いて、泳ぐ練習に付き合ってやりながら、頷く翼 …ちなみに、幸太は望と違い、こうやって手をとってもらったり、ビート板を使えば浮けるには受けるのだが、水に顔をつける事ができないのだ 手を引かれて浮きながら、何度か顔をつけようとして…でも、うまくいっていない 「そう言う事って、あるんですか?」 「確立は低いらしいけどな。動物の方が、都市伝説の影響受けやすい、とは聞いてるぞ?」 翼も、その辺りの原理はよくわからない ただ、人間が都市伝説に飲み込まれるのとはまた違って、動物が都市伝説になる、と言う事はありえるらしいのだ …ノロイの都市伝説化とは状況が違うが、たとえば、フランスで語られるベート系や、アフリカで語られた「ゴースト&ダークネス」が、もっともたる例だろう 死体を食い漁り、人の味を覚えた獣が人を襲う それがベートとして、人食いライオンとして語られ……語られた固体が、そのまま都市伝説と化した例とて、あるのだ 「うー、人が語れば都市伝説になるー。動物に関する逸話は多いー。うーうー」 「まぁ、そう言えばそうだよなぁ」 うん、と納得している様子の裂邪 動物に関する都市伝説というものは、結構多いのだ そんな生まれ方をする都市伝説もいるだろう、と判断したのかもしれない そうやって、しばし、時間をすごしていると 「…あぁ、いた。お待たせ」 「うー!パパー、滝夜叉ー!」 虎吉が、ようやく滝夜叉を引っ張り出してくるのに成功したようで、プールサイドにやってきた …幸太が虎吉をパパと呼んだ事で、裂邪とミナワが一瞬混乱したように見えたが、まぁ、気にしないでおこう 「…む、むぅ………ま、まぁ、思ったより人もおらぬし、良いか」 …やはり、水着姿は少々、恥ずかしいようだが ぱちゃり、プールサイドに腰掛、脚を水に入れている滝夜叉 泳げるのか、泳げないのか…とりあえず、水遊び自体は嫌いではないのか、脚でぱちゃぱちゃと水に波紋を作っている 「虎吉よ、ここに蝦蟇を放つのは」 「駄目よ」 「…勘弁してください、滝夜叉様」 滝夜叉の言葉に、虎吉と翼が、ほぼ同時に止めた …ノロイレベルなら、まだ監視員の目をごまかせるが、あの巨大蝦蟇は、ちょっと 「……あら?そっちの子達は?」 と、虎吉が、裂邪達に気づいた 小さく首をかしげる様子は、若い母親そのもの 「あ、こいつらは…」 「うー、影のお兄ちゃんと、しゃぼん玉のおねーちゃんー!」 うーうー、翼に手をとられたままの幸太が、説明する 裂邪達が、幸太の「パパ」発言の衝撃から戻り、小さく頭を下げているのが見えた あら、と虎吉が小さく笑う 「良かった、知り合いが増えたのね?」 「うー!」 虎吉の言葉に、嬉しそうに答える幸太 虎吉としては………どちらかといえば、友達が多い方ではない幸太の事を、心配していて 裂邪達が、幸太にとって友達になってくれればいい…とでも、考えているのかもしれない 幸太には、「首塚」での関係者以外……友と呼べる存在は、少ない せいぜい、1歳年上の赤坂 美樹と言う少女くらいしかいないのだ 原因は、わかっている しかし、その原因をどうにかできるような状態ではないのだ 続くかどうかわからない 前ページ次ページ連載 - 首塚