約 3,917,820 件
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4006.html
「そうか、菊はそうやって、本家様の力になりたいのか」 「…はい、兄様」 兄の龍鬼は、こちらの話を黙って聞いてくれた その上で、しばし考え込み……告げてくる 「わかった。ただ、それだけでは、若を支え続けるには難しいだろう。表の仕事も、見つけるように」 「……表の、仕事?」 「あぁ。表立ってやっているのは、本家様。だが、我ら分家の人間は、表立ってはそちらを行ってはいけない」 だから 表向きの仕事も用意すべきだ 兄は、そう言ってきた 「…表向き…」 「伯父はセメント工場を経営しているし、叔母はお好み焼き屋をやっているだろう?何でもいいんだ。裏の仕事に感づかれぬよう、振舞っていられれば」 「……わかりました」 こくり、頷く ……そうか、表向きの仕事を考えておかないと駄目か それも、考えておかなければ 分家に生まれた者としての役割 自分は、それを果たすのだ その為ならば、どんな努力でも重ねていこうではないか ちょこん、と 店の奥に用意してもらった椅子に腰掛ける紫苑 じっと、働いている菊の様子を眺める 「ねーねー、店長さ~ん!」 ………… 「…ん…?何、か…?」 「こないだ、お気に入りのスカートが風で飛んでちゃってさ~。見つけられなくて…何か、いいスカートない?」 何て、言うか…… 「……じゃ、これ……」 「きゃー、かっわいー!試着してみるね~!」 ……その 「どう?似合ってる?似合ってるよね?」 「………ん」 「やっぱりぃ?じゃ、これ買っちゃうね~!」 「…お買い上げ、感謝」 …え~と どこからコメントすればいいのか、突っ込めばいいのか その光景に、紫苑は悩む 「店長さ~ん!此間、通りすがりの紳士っぽい人が「あなたのソックスは、このソックスハンターが頂いたあぁあ!!」とか言って、靴下スられちゃって……新しいの買いたいんだけど」 「それ、通報、した方がいい………色、赤、好き?」 「わぁ、赤い花柄で可愛い!じゃ、これと……せっかくだから、靴も新しいの買いたくなったかも。お勧めある?」 「…ん……それに、合わせるなら……」 先ほどから、てきぱきと接客をこなしている菊 前髪で目元が見えないほの暗い印象にも関わらず、女性客達は遠慮なく、菊に声をかけている そして、その客らに、菊はごく普通に対応していて まるで、一人一人の好みを全て把握しているかのように、無駄なく、スムーズに要望に答えていっていた 「紫苑ちゃんだっけ?ビックリした?」 声をかけられ、一瞬、びくりとする紫苑 顔をあげれば、店のバイトらしい女性が、にこにことこちらを覗き込んできていた 確か……花房 御幸とか言っていたか 菊と同じか、それより若干年上に見える 「…そうね。正直根暗な印象してたから。こんな店やってるなんて、想像もつかなかったわ」 「あはは、そうだよね~。私も、最初会った時は、こんな素的なブティックやってるなんて想像できなかったし」 ブティック「カナリア」 ここが、菊の職場だった 女性向けの衣料品を扱っている店 ……しかも、そこの店長らしい そう言えば、あの大量の女物の服 菊は、「サンプル」と言っていた …あぁ、なるほど 服を仕入れる際にでも、業者からもらった物だったのか、とようやく納得した 「…繁盛してるのね」 「此間、また雑誌に載せてもらったから、そのせいもあるんじゃないかな~。その分、菊っちが忙しくなるんだけどね」 「……あんたは、忙しくないの?」 「誰も、私に「服見繕って」とかって言ってくれないんだもの」 御幸の言葉に頷きつつ、視線を菊へと戻す紫苑 「ねー、ジャケット欲しいのジャケット!いかしたデザインのない?」 「……ミナ、には……黒が似合うから、これ…」 「てんちょー!このスカートに合うカーディガンとかないかな?」 「…ん……英国風デザイン………同じく、英国風デザインの物を……」 「私さー、ロリータファッションに挑戦したいの!で、頭の天辺からつま先まで、フルコーディネートよろ!」 「…了解……予算、は?」 …忙しく、女性客の要望に答えている菊 本当、恐ろしく手際がいい 客の要望に合っていて、なおかつ、その客によく似合った物を、予算以内に収めて見繕ってやっている これは、経験故なのか、それとも、一種の才能なのか 菊と出会ったばかりの紫苑には、ピンと来ない 「あ、あの………その。み、店先のマネキンのコーディネート…気に入っちゃって…あ、あれと同じ物、ありますか?」 「…ん……どれ…?」 「あ、あの、ま、真ん中の」 「……ん、まだ、ある……御幸、お願い……」 「はいは~い、今行きま~す……じゃ、紫苑ちゃん、また後で話そうね~」 菊に呼ばれ、ぱたぱたとそちらに向かう御幸 入れ替わりに、菊がふらふら、紫苑に近づいてくる 「…退屈?」 「いえ、退屈はしてないわ」 「……なら、いいが」 本音だ、退屈はしていない よくもまぁ、あれだけ我侭な要望にも答えられるものだ、と心底感心してるから 「ま、とりあえず。「ブティックの人攫い」には注意しとくのね。こう言う店が、あいつらのテリトリーだろうし」 「……試着室で、人をさらう、あれ?」 「そう、あれ」 なるほど こう言う職種だから、その都市伝説くらいは聞いていたか 「…あれ、も、都市伝説?」 「そうよ。人攫い系都市伝説だけで揃った人攫い組織なんかもあるって聞くしね」 紫苑は、菊と出会ったあの場所からあまり動いた事がない為、詳しくは知らないが それでも、近年語られる都市伝説繋がりで、知識だけはある …奴らにとって、こう言う店は格好の狩場だ 「……大丈夫」 「?」 「もう、そう言う被害者は出さない」 え?と 思わず、菊を見つめる紫苑 「もう」、と、菊はそう言った それは、つまり この店で、かつて、「そう言う事件」があった、と言う事で 「……また、若に迷惑かける訳にはいかないから」 淡々と、続ける菊 それは、小さな後悔と 同じ事は繰り返さないという、決意 「…今度、気配を感じたら……先に、沈める」 ぼそぼそ、そう口にした、瞬間 前髪が、ゆらりと揺れて……菊の目が、見えて その奥にある、深い闇に けれど、その更に奥にある、光に ぞくり、と、悪寒すら、感じた まるで、その瞬間だけ 雰囲気が、ガラリと変わったような…… 「店長さ~ん!ワンピース!ワンピースが欲しい!合コンで彼氏ゲットの為に!!目立てる奴を!!」 「……ん…なら、この金ラメミニスカートのを……」 ふら、と また元の根暗な雰囲気に戻り、客に呼ばれてそちらに向かう菊 一瞬の、あの雰囲気に 紫苑は、菊の中の、底知れない闇を見たような錯覚を覚えて 「……まったく。どうして、普通の契約者を見つけられなかったかしらね、私は」 と 小さく、誰にも気付かれぬよう、ため息をついたのだった to be … ? 前ページ次ページ連載 - 死ねばよかったのに
https://w.atwiki.jp/oiko2009/pages/341.html
西林克彦「わかったつもり」(2005) わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書) 評価 ★★★★ ひとこと 「わかったつもり」とはどういう状態なのか、を実例で体験できる面白い一冊。 最近、速読ばかりに気を取られて“読み落とし”が多い自分としては、 どういうメカニズムで読みが浅くなったり、誤解したりしやすいのか、 が理解できたことは大きな収穫だった。 また、「わかったつもり」は音楽の解釈などにも通じる部分があるかもしれない。 なお、国語の試験での選択肢の選び方(適切なものを選べ=整合性の観点からあり得る解釈はどれか)については、 無意識のうちに実践していたらしく、学生時代から悩んだことがなかったな・・・。 分かりやすさ向上のためのトレーニングに主眼をおいた池上彰「わかりやすさの勉強法」、分かりやすさ向上のためのハウツーに主眼をおいた木暮太一「『わかりやすい説明』のルール」 などとの併読もおすすめ。 分類 教育 新書 目次 第1章 「読み」が深まらないのはなぜか? 短い物語を読む 「わからない」と「わかる」と「よりわかる」「読み」の深まりをもたらすもの 「わかったつもり」という困った状態「もっとわかりたい」と思わなかった理由 「わかった」状態はひとつの安定状態 第2章 「読み」における文脈のはたらき 文脈がわからないと「わからない」文法も単語もわかるのに…… スキーマ 活性化 文脈 文脈による意味の引き出し「わかる」と「引き出した意味」 「部分の記述」と「文脈」と「引き出された意味」 文脈の積極的活用「わかったつもり」と文脈 「個体識別」という文脈 「読み」に貢献しない文脈もある 第3章 これが「わかったつもり」だ 「全体の雰囲気」という魔物(その1)安定状態は「停滞」状態 長文を読む 捏造された回答 「全体の雰囲気」という魔物(その2)段落間の構造 簡単に読み違えを誘発 「わかったつもり」の手強さ 第4章 さまざまな「わかったつもり」 「わかったつもり」の“犯人”たち間違っているのになぜ「わかったつもり」でいられるのか 「齟齬を設定する」ということ 文脈の侵入 「間違っている」わかったつもり 部分が読めていない 文脈の魔力「結果から」というわかったつもり 「最初から」というわかったつもり 「いろいろ」というわかったつもり 「書かれていないこと」を考えるには ステレオタイプのスキーマスキーマのより強力な使われ方 物語スキーマ 「善きもの」の魔力 「無難」というものの魔力 「当たり障りのない」スキーマ 第5章 「わかったつもり」の壊し方 「わかったつもり」状態を認識する「わかったつもり」状態を認識する 「魔物」の存在を見極める 「きれいごと」には要注意 文脈の効果を再考する 終わりなき探求 解釈の自由と制約より緊密な関係 客観的な事実による緊密化 規定による緊密化 整合性ということ 「正しさ」のワナ 試験問題を解いてみる大学入試センター試験の問題 国語教育に対するひとつの提案 まとめ 気になる表現 メモ わからない/わかる/よりわかる文章や文で、部分間に関連がつかないと「わからない」 部分間に関連がつくと「わかった」状態になる 部分間の関連が、以前よりより緊密になると「よりわかった」状態になる 文脈:よりよく読むための道具文脈が分からないと「わからない」 文脈がスキーマを発動し、文脈からの情報と共同して働く 文脈がそれぞれの部分の記述から意味を引き出す 文脈が異なれば、異なる意味が引き出される 文章の雰囲気から「わかったつもり」:正倉院の話 文章の構成に読み手が惑わされた「わかったつもり」結果から:小さなリスの大旅行の話 最初から:ニャーゴの話 いろいろと:いろいろな船の話 読み手の既存のスキーマによる「わかったつもり」ステレオタイプのスキーマ:夕鶴の話 部分に関してあてはめられやすいスキーマ(善きもの、無難):高瀬舟の話 参考文献 西林克彦「『わかる』のしくみ」 西林克彦「間違いだらけの学習論」
https://w.atwiki.jp/niko2/pages/478.html
私は人間じゃないから(中編) ◆wC9C3Zbq2k (非登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル 第207話 「天海春香は俺が看取った。閣下の遺志は俺が継ぐ」 脳震盪でも起こしたか立ち上がれずにいるデーモンから距離を置き、胸の核鉄に手をあてながらKASが告げる。 「そっか、やっぱり私しか残ってなかったんだ」 「ヤケにはなるなよルイージ。お前は一人じゃない。大切な仲間だと俺も思ってるからな!」 「わかってるよ。真美とも約束したし。絶対戻っていおりんや兄ちゃんに伝えなきゃいけないもん。それにオメガモン感謝祭も開かなきゃいけないし」 「小学生でそれだけ言えりゃー上出来だ。俺の子供の頃はもっと(゚Д゚ )アラヤダ!! って感じだったぜ!」 「医者の娘で現役アイドルだしねぇ。それに……慣れちゃったかも。これってよくない事のような気がするけど」 不安そうにそう答える亜美を見てKASは気付く。この子は俺の勝手な気配りに気付いていて、わざとその逆であるこちらに来たのだと。 ほんの僅かでも役に立ちたかったのだろう。それがどれほど危険なことか理解した上で。なら、ここで降りかかる危険を排除するのが小さな観客を迎えることのできたヒーローとしての務めだ。 「どうして神の邪魔をするのかな?」 ようやく起き上がったデーモンがふらつきながら呪詛を吐き、こちらを見据える。 「悪い子にはおしおきが必要だね。壊さなきゃ、壊さなきゃ、壊さなきゃっ……!」 「しつこいオカマに用はないぜっ!」 瞬時に踏み込んで拳を固めたKASの体が一瞬輝き、溜め放たれた正拳がデーモンをありえないほど遥か遠方へと吹き飛ばす。これぞスマッシュヒット! それはッ、全てのスマブラ族に捧ぐ一撃ッ! 「KASくんすごい!」 亜美へ振り返り、Vサイン……できない!? 動揺するが、直後に笑い飛ばす。 「……? 拳完全に砕けたかww ぶら~んぶら~んww」 「笑い事じゃないよKASくん!」 全身が痛いせいでここまで骨が逝ってしまっていてもあまり実感は沸かなかった。ひょっとするとこのまま自分は致命傷を既に受けていて死んでしまうのかもしれない。 けれど、まだ諦める気にはなれなかった。死んでも生き残ると誓ったからにはこの程度のことは気にする必要はない。全て済んでからおもいっきり痛がればいい。 「よしいける! 覚醒してるうちに博之と一緒にハルヒをぶっとばす!」 KASは宣言する。 「それは無理ね。あんたの仲間はもうそこにいるちっこいのだけよ」 二人のいた林が光を遮られ影一色に染まる。見上げると太陽にかかる雲ではなく、低く身を乗り出した神人の姿がそこにあった。その首元には使役主であるハルヒ。 「もう気にしないことにしたわ。人間の思惑を神様が一々考慮しないのは歴史を見ても明らかじゃない。あたしの崇高な理念が理解できずにチンタラ正義の味方ごっこなんてしてる馬鹿どもはただ死んでいけばいいのよ」 「何言ってやがる! ってやば!」 畳の上の蚊でも叩くかのような迷いのない神人の掌撃。例えるなら、走り抜けることを前提にしていないただ殺すためだけの超高速巨杭トラップ。 スーパーマリオなら一撃までは平気かといえば当然否。無敵時間など与えられているはずもない。一度でもくらえば死あるのみだ。 「逃げるぞルイージっ! さすがにここから大勝利するのはゆきぽの中の人でも無理だっ!」 「へ、なんでKASくんがゆきぴょんの事知ってるの? ていうか中の人って何ソレ」 「全部じゃないけどカイバーマンたちのおかげで思い出せたんだよ! いいから急げ!」 本能的に平原へと駆け出す。最大加速が可能で、空にいるはずの博之からも見える場所。勝機が見えてこない今、すべきことは逃げることだけ。これだけ翻弄できたのだからあとは逃げ切ればこの場は自分たちの勝利のはずだ。 「くそっ、なんで当たらないのよ! 赤とか緑とか目立つ的なのに!」 KASを狙うその一撃ごとに大地が砕かれ、草は薙ぎ消され、軽舗装路が叩き潰される。圧倒的な拳速と破壊力を誇る神人だが、ハルヒの意識によって動く存在であるがゆえにその精度は決して高くはない。それが二人にとっての救いだった。 「すごいじゃんKASくん!」 「声援ありが……油断すんな馬鹿ッ!!」 急加速した神人の巨大な両足で、亜美の進路が塞がれた。 絶望的だ。全方位に動けるはずの草原だというのに亜美の加速が充分すぎるせいで逆に止まることなく走り続けることのできる方向を大幅に狭めてしまっている。瞬間移動でもしなければこのあと来るであろう拳の軌道は決して回避できない。 「よし、これで二匹目!」 神人の拳が亜美に向かって振り上げられた。 「うらあああっ!!」 KASは取って返し、ただ走る。距離を考えれば決して間に合うはずはなくとも。神と称えられたあのTASに並ぶと多くのユーザーが評価してくた最速タイの男になら、必ず奇跡は起こせると信じて。 亜美は動かない。スピードを殺さずに走り抜けられる唯一の道が相手の攻撃線上にあることをすでに察してしまったのか、ただ黙ってLというマークの記されたトレードマークともいえるその緑の帽子を離れた場所へ投げ捨てる。 「オメガモン、ごめん」 そう言い残して、その小さな姿は光の巨人の振り下ろした腕の下に消えていった。 よほどの勢いがあったのか地面は崩落し、間に合わせる事のできなかったKASを地割れの中へと引きずり込む。 「ルイージいぃーっ!!」 「アハハハハッ! いい気味だわ」 だが、自由落下していく中で確かにKASは聞いた。 「亜美は、ハルヒって人を殺すよ」 その声に驚いた彼が見下ろした先、地下壕の底に光り輝く剣を持った彼女はいた。 オメガブレード。知る者ならばその剣をそう呼んだだろう。古代デジタルワールドより伝わる伝説の聖剣。竜人族の究極種にしか扱えないといわれる破魔の長剣である。それが巨大な神人の豪腕を受け止めている。なんという光景だろうか。 それを手にしている少女は、一糸まとわぬ姿なのだ。 不格好に落ちてきた彼に向かって、照れた顔で亜美は言う。 「人を殺したくなんてないってオメガモンに言ったのに、それが嘘になっちゃった」 「お前……」 「あ、いま紳士スタイルだからあんまり見ちゃやだよ!?」 呪いのアイテムであるルイージの帽子を装備しているうちはその呪縛を打ち消してくれる装飾品であるホーリーリングを外すことはできない。そのため帽子を捨てて全裸にディパックのみという格好になる必要があったのだ。 瓦礫に紛れて足元に落ちていたその緑の帽子を拾い、今更のようにKASは目を逸らす。 「そんな武器どこに持ってたんだよ。本気で死んだかと思ったっていうww」 「亜美も知らなかったんだけど、なんでか知らないけど首輪が取れたときに気付いたんだよ。オメガモンのくれたこのリングは武器だったんだって」 初速を殺せなかったためここまで落ちてくることになったが、一度しっかり止めればこちらのほうが優勢なのかここの足場は砕かれない。光を纏った亜美の剣がその身の何百倍はあろうかという神人の拳を押し返し始める。 刀身に刻まれた神聖文字が意味するのは「初期化」。断ち切らずとも相手の力と存在を始原へと回帰させてゆく白き刃。神人の青白かった姿が次第に黄味を帯びてゆく。 「何よ! どうなってるわけ!? KASの仕業なの?」 神人の色が変化したことにハルヒは驚愕する。崩落した地面の中まで覗き込めるわけではない彼女にはわからない。神人が振り下ろした拳を戻すこともできぬまま消滅しようとしていることに。 ただ、眼にかかる負荷の異常さが彼女の不安をかきたてていた。 「KASくん離れてて! はぁああああっ!!」 これがとどめ。動かなくなったその拳に再度まっすぐ剣を突き立てる。そして数秒後神人の全身は色を失い、音もなく消滅した。 刺さる対象を失った剣が地下壕の蒼いタイルの床に落ちてカランと音を鳴らす。巨大な敵を消し去った亜美がやりとげた表情で振り返り、ゆったりと床にへたり込んだ。 青白い光の柱がもう一度地下壕に振り注いだのは、その直後だった。 ハルヒの乗っていた神人は滅びた。だから彼女は落下中に代わりの神人を喚び出した。 たとえ顕在化できるのが1体だとしても昔見た夢の中で校舎を叩き潰していた神人は複数だったことを彼女は覚えている。死んだ場合いくらでもかわりはいると思ったのだ。 予想通り神人は現れた。眼に耐えがたい激痛が走ったが転落死は免れたし、KASが落ちたであろう場所に確実に一撃を叩き込めた。いくらあの白いコートが硬くともあれだけしっかり手ごたえがあれば動けるはずはない。 「眼が痛い、体も……痛すぎるわ。まさかこのままあたし死ぬのかしら。古泉はあたしを見つけたら神は死んだなんてニーチェばりのことを言って笑うのかしら。 いやよ。絶対に死んでなんてやるもんですか。味方ごと皆殺しにしてでも、あたしは新しい世界に君臨してみせる」 一時的に視界はブラックアウトしている。脳がかき回されているかのような不快感が全身を巡っている。こんな気分になったのはマラソン大会の直後に強壮剤をチャンポンで一気飲みしたとき以来だ。 あのときを基準とするならおそらくあと数分も持たずこのまま自分は気絶する。ハルヒはそう理解していた。 だからもし敵が生きていても簡単には見つからない場所に行かなければいけない。体の調子にはかまわず、木々のあったはずの方向へととにかく走った。 「はぁ……はぁ……」 何も見えない状態で疲労の極みにある健常者が走れる距離などほんのちっぽけなものでしかない。体感では200メートル以上全力で駆けていたしても実際に進んだ距離はせいぜい15メートル。 ただ、その現実を彼女に伝えられる人間はここには誰もいない。 「デーモンはどこまで行ったのよ……派手に吹っ飛ばされていったのは見えてたけど、もう戻ってきてたっていいじゃない」 そういえば博之を弾き飛ばした方向もデーモンが吹っ飛んでいった方向と同じだった。もし博之が生きていたとしてもデーモンのほうが回復が遅いなんてわけはないのだから出会っていればとどめをさしていていくれるだろう。 きっとそのせいで遅いに違いない。あの破壊の権化は本当に壊すことが大好きなのだから。 考えがまとまらない。ハルヒはもう限界だと思った。 倒れる瞬間、巨大な赤い光球が現れ彼女を受け止めたことなど、彼女には知るよしもなかった。 受け止めた赤い光球だった青年はため息をつく。 「やれやれですよね。結局僕はどれだけ否定されても彼女に従うほかない」 「何度聞いてもよくわからない理屈ね。超能力の使えない友達としての古泉一樹が存在意義を強く否定されたから、閉鎖空間ではないここでも超能力を行使できるようになったって」 「わからなくてもいいんですよ。僕が嫌おうとどうしようと、涼宮さんはそういう絶対的な存在なんです」 古泉を支えて神人から飛び降りた永琳は、やはり期待したほども飛べなかった。 いまにも墜落しようとする永琳を救ったのは古泉。首輪が外れたことでついに彼も超能力者として目覚めたのかと彼女は喜んだ。そうではないと古泉は説明したが理屈はどうあれ超能力が使えるようになったことはありがたい。 二人は満身創痍ながらも戦闘が終わればすぐ合流できるよう、期せずして巨大な目印となっている神人を目指して近くまで歩いてきていたのである。そして気を失ったハルヒを岩に頭を打ちつける寸前で保護した。 「退きましょう。ここにいては全員が危うい」 「デーモンはどうするの? どこにいるのかわからないけど」 「八意さんを殺そうとした奴なんてこちらから探そうとは思いません。それに、奴は僕や涼宮さんにも殺意があったような気がしてならないんです」 「神が有希って呼んでた人格の部分のことかしら。暗黒長門……」 「ご明察。襲われないうちに行きましょう。彼女……なら放っておいても冷静でさえあればエリアサーチなりなんなりのせこい魔法で戻ってくるはずですからね」 どれだけ疲れていても、どれだけ傷だらけでも、明確な目的のある彼らの意志は揺るがない。気絶したハルヒをオタチに抱えさせ、三人と小さな一匹はなるべく人の気配を感じない静かな方向へと歩いていった。 (それはそれとして、やっぱり神に命令された通り彼女のセーラー服を着なきゃいけないのかしら……いくら忠誠を誓ったとはいえ、ねぇ?) 永琳の複雑な心境を知るものは、誰もいない。 【D-2 草原/二日目・日中】 【八意永琳@東方シリーズ&新世紀 東方三国志~ひぐらしの憂鬱~】 [状態]:首輪なし、疲労大、重傷(少しずつ回復中)、左腕欠損(デーモンの情報操作で一応くっつけて貰ったが、まだ全然馴染んでいない)、 肩に怪我(手当て済み)、体力消耗・中、背中に火傷(手当て済み)、古泉を信頼 [装備]:王者の剣@DQ3(刃毀れ)、小型爆弾*1、ベレッタM92F(12/15) 、ヲタチ(残りHP60%)@ポケットモンスター [道具]:支給品一式*3(食料四食分・水二食分消費)、ゾンビマスク@現実(ゾンビーズ)、蒼星石のローザミスティカ、萌えもんパッチ@ポケモン言えるかなで擬人化してみた、ミニ八卦炉@東方project、 クロスミラージュ@リリカルなのは、ゴム@思い出はおくせんまん、自動ぶんなぐりガス(残り1/5)@ドラえもん、ヴェルタースオリジナル*1@ヴェル☆オリ 真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン、くんくん人形@ローゼンメイデン、ヤクルト@乳酸菌推進委員会、水銀燈の体、 包丁、デジヴァイス@デジモンアドベンチャー 、北高の制服@涼宮ハルヒの憂鬱、テニスボール、毒入りパン、千年パズル、DCS-8sp*6、予備弾薬各100発@現実(ベレッタM92F用26発消費、トカレフTT-33用16発消費) 【DMカード@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】 使用可:プチモス、カタパルト・タートル 午後まで使用不可:魔導戦士ブレイカー 夕方まで使用不可:ブラックマジシャン 夜まで使用不可:真紅眼の黒竜 次の朝まで使用不可:聖なるバリアミラーフォース [思考・状況] 1.対主催、運営の様子を見極めた結果、一時撤退でハルヒの回復待ち。 2.ハルヒの能力で全て元通りにしてもらう。そのためハルヒを神と仰ぎ、命を賭けてハルヒを守る。 3.言いつけ通り北高制服を着なきゃいけないのかしら……ハァ…… 4.遊戯の信頼を得たい。いずれ本当の仲間になってもらう。 5.どうにかしてハルヒとデーモンに遊戯の事を本当の意味で信頼させる。 6.遊戯から生前のニートの様子を聞きたかったけど、気まずくて聞けなかった…… 7.古泉一樹と武藤遊戯、ハルヒ、デーモンの五人で協力して全てを元通りにする。ハルヒの邪魔をする対主催、運営には容赦しない。 ※ハルヒの能力を完璧に信じました。 ※遊戯の持つ情報を全て把握しました。 【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】 [状態]:首輪なし、超能力者として覚醒、重傷、頭部鈍痛、ろっ骨を骨折(応急処置済み)、疲労極大、八意永琳を信頼 [装備]:ゆめにっき@ゆめにっき(手の形に血が付着) 、トカレフTT-33(8/8) 、逆刃刀@フタエノキワミ アッー!(るろうに剣心 英語版) [道具]:支給品一式*16(食料6食、水15食分消費)、 赤甲羅@スーパーマリオシリーズ、笛@スーパーマリオ3 糸(あと二メートルほど)、裁縫針、武器になりそうな薬物、DCS-8sp、退魔の剣@怪~ayakashi~化猫、アニマルマスク・サラブレット@現実、ダンボール@メタルギアシリーズ、ヴェルタースオリジナル@ヴェル☆オリ、携帯電話@現実、 庭師の鋏@ローゼンメイデン、おたま@TOD、 カワサキのフライパン@星のカービィ、ワイン(残り半分)、傘@現実 、A.C.E.3@現実(少し詩音の血がついている)、塔組の推理メモ、塔の『バグ』について纏めた紙 、バルサミコ酢@らき☆すた、 グルメテーブルかけ(残り19回)@ドラえもん、時計型麻酔銃(予備針残り0本)@名探偵コナン、アイスソード@ロマンシング・サガ、スパイダーブレスレット@東映版スパイダーマン、ケンジのカメラ@ポケットモンスター、 うまい棒、津田英治ブロマイド(音声付き)@大変な途中下車シリーズ、ビー玉(30個ほど)@ピタゴラスイッチ、 黄色甲羅@スーパーマリオシリーズ、 【DMカード@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】 使用可:死者蘇生、黒騎士の魔剣少女、セイバー 深夜まで使用不可:ブラック・マジシャン・ガール、ホーリーエルフの祝福、ゴキボール、強制脱出装置 次の朝まで使用不可:オレイカルコスの結界、オシリスの天空竜、オベリスクの巨神兵】 次の午前まで使用不可:エネミーコントローラー [思考・状況] 1.対主催、運営の様子を見極めた結果、一時撤退でハルヒの回復待ち。 2.千年パズルを人質にして遊戯を無理やり従わせる。 3.三つ巴の状況を上手く利用する。 4.ゆめにっきを上手く使って闘う。 3.殺し合いにのっていない参加者を優先的に始末。相手が強い場合は撤退や交渉も考える。 4.八意永琳、涼宮ハルヒ、デーモンと協力する。八意だけかなり信頼 5.仕方ないので涼宮ハルヒに従い、彼女を生かすため、守る。 6.全てが終わった後、ハルヒに「合法的に愛しの彼とニャンニャンできる世界」を実現させてくれと頼む。 9.遊戯うぜぇ……でも遊戯が無事に帰ってきたらもう邪魔者扱いしない。永琳にも謝るつもり 10.支給品を配分しないといけませんね。 ※古泉は絶対に脱出なんて出来ないと考えていましたが、クッパ城を見て考えを改めました ※ゆめにっき@ゆめにっき 本編には出てこない日記、絵本の形式で書かれています。 2m以内で最後のページを見た人は強制的にゆめにっきの世界に飛ばされます。出てくるには日記が開いている状態で頬を抓れば出てこられます。 一部監視が行き届いていない所がありますが2人は知りません。あと薬が塗られているので並大抵の事じゃあ燃えません。 ※主催者側に強い疑いを持っています。そのため、永琳と共にハルヒを神とし、彼女を守ります。 ※遊戯の持つ情報を全て把握しました。 【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】 [状態]:神への覚醒、首輪なし、気絶、左肩に銃創、左脇腹と顔面と首に殴られた傷、腕から出血、脇腹に弾丸がかすった傷、古泉達を信頼 [装備]:陵桜学園の制服@らき☆すた、デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、バーサーカーソウル@遊戯王DM [道具]:支給品一式*3(食料・水一食分消費)、DIGIZO HYPER PSR(残り二十分程度)@現実、 テニスボール*2、雛見沢症候群治療セット1.5日分(C-120、注射器、注射針)@ひぐらしのなく頃に 、マウンテンバイク@GTASA、花粉防止用マスク、ドリルアーム [思考・状況] 1. (気絶中) 2. 対主催、運営の様子を見極めた結果、対主催の掃討を優先。 3.古泉と永琳に従い、遊戯を利用する。許す気は今のところない。 4.三つ巴の状況をうまく利用し、勝利する。 5.主催者や対主催を皆殺しにして新世界を創造する。神である私が絶対である世界に。 6.能力が復活したら、世界の破滅を救う神として、すべての世界に名を残す。 その際、世界を破滅に導くため、ヴァンデモンを更に強化する。 ※狂いました。それを自覚していません。 ※自分の能力を信じました。神人を召喚したりなど、能力を使えるようになりましたが、 会場全体にかけられた制限があるためまだ完璧ではありません。 ※神なので古泉も呼び捨てにします。 ※小さな神人を呼び出せます。ハルヒの意思に応じてすぐに大きくなります。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 大金星をあげた亜美に駆け寄ろうとしたKASが見たものは、衝撃とともに眼前に落ちてきた青白い柱と赤い霧。 「おい、なんだよこれ。ルイー……亜美はどこにいるんだよ?」 コートに付着しねとつく赤い霧をシルバースキンがきらめきながら粒子に変え自動的に浄化してゆく。毒ガスや硫酸などからも体を守ることのできる最強の防具は、その驚きの白さも決して譲ることはない。 すぐそばにいたはずの少女がいない。KASの動悸が加速する。あの柱はなんだったのか、そして一瞬で立ち込めたこの霧はなんなのか。考えてはいけないと理性が警告したが、本能がそれを理解するほうが早かった。 「うわぁあああああああ!!」 神人の腕が再度姿を消し、開いた穴から陽が差し込むと同時に霧も晴れてゆく。そこにあったのは浅い血溜まり。離れた先に見えるのは倒れた胸像。否。半身を失なった裸体の少女。何のためらいもなくKASはただその小さな身体を抱え上げる。 「わがまま言って、ごめんね……」 「メッじゃねーのかよ! ヒアウィーゴーだろ? ポジティブになれ亜美! そして俺!」 まだ生きている。助ける方法はないか。普段使わない脳みそをフル回転させる。しかし医療技術のない場所で半身を失ってなおも生き続ける方法などこの核鉄以外に思いつかない。 そして核鉄は既に己自身の心臓。もう外すことなどできはしない。他に何かなかったか。KASは歯噛みした。 「伝言……ピヨくんに。事務所に行って社長にみんなのこと……伝えてって。場所は教えてあるの」 「わかった! ピヨシートに必ず伝えるっ! だからお前もそれに同行してやれっ!」 嘘をついた。 ニコニコ動画のことを思い出したKASは既に二人がそれぞれ別の日本から来ていることももう知ってしまっている。元の世界に戻ってしまえば彼こと日吉若が彼女の世界の高木社長に会うことなどできはしないのだ。決して。 「それから……やっぱいいや」 「諦めんなこのスットコドッコイ! 俺が一瞬で別の核鉄を見つけてきてやる!」 考えてもいないのに口から解決策が出た。核鉄が他にもあれば助かるかもしれない。 だが、亜美は目を閉じて微笑んだ。それっきり口を開こうともしない。 KASの抱えていた半身が、急激に軽くなった。 「……ここからが奇跡を呼ぶ男の本領発揮! T∀Sが神なら俺はザラキを使わないクリフトになる!」 嫌な予感を吹き飛ばすように大声をあげ、長い地下壕をひた駆ける。未探索のこの場所なら隠し部屋相応の重要アイテムが眠っている可能性は高い。ひたすらに亜美を抱えたまま走る。走る。力の限り。 そしてついに何もない通路を抜ける。その先でKASを待っていたのは割れたガラスを片付けた跡のある水びたしの大部屋と、その中央の壁近くに浮かぶ鍵穴のような黒い小さな謎の穴だった。 (まさかこれって、鍵クリアか?) 自問自答する。どこへ繋がっているかわからない上にこれはほぼ間違いなく大切なアイテムである鍵を消費する場面。ただし迷っている暇はない。すでに大量出血者が生命を維持できる限界は過ぎてしまっている。 「ままよ!」 ディパックから秘密の鍵を取り出し、鍵穴へ突っ込む。ニコニコで聴きなれた人工の歌声が何故か聞こえてくると同時に、いつもの鍵クリア同様暗い空間が拡大してゆく。すぐ正面にはワープスターの存在も確認できた。 「あれこそ俺にとってのスタートスター! もう少しだから死ぬな亜美!」 が、彼の手にしていた亜美は元の空間に取り残されようとしていた。 「ちょ、どういうことだよ!? あいつを連れていけないなら俺だけ行くわけにはいかねーって!」 広がった空間が今度は縮小してゆく。もう手を伸ばしても戻れない。何故、なんで一緒に入れなかった? ……認めるしかないとでもいうのか。彼女が既に生を止めていたことを。 (いってらっしゃい) 空間が閉じる最後の瞬間、KASはその優しげな言葉を確かに聞いた気がした。 「ああもう……。行ってくるぜ!」 【双海亜美@THE IDOLM@STER 死亡】 【D-2 ワープスター/二日目・日中】 【KAS@KAS動画】 [状態]:重症(少しずつ回復中)、右拳粉砕骨折、お尻に火傷、全身に切り傷、強い決意と熱い闘志 [装備]:シルバースキン@真赤な誓い、洞爺湖の木刀@銀魂、レムーのリボン [道具]:首輪探知機(残り電池80%)@バトルロワイヤル 、ルイージの帽子、 【DMカード】コカローチナイト(深夜に二度、昼に一度、日中に一度使用) [思考・状況] 1.ワープする 2.ハルヒは絶対に許さない。 3.城に戻れたら、ハルヒ達の事を皆に話しつかさに木刀を渡す 4.でっていうを殺した大馬鹿野朗を倒す! 5.閣下の分も生きる。絶対に生き残る。 6.時間ができたら地下壕へ戻って亜美の遺体を回収する 7.谷口…………アリーヴェデルチ! 8.このクソゲーをぶち壊してボスのスットコドッコイを倒して土下座させて悪い奴以外全員生き返らせるぜ!!!! 9.笛が気になる。 ※ニコニコ動画に関する記憶が完全に戻りました。 ※核鉄 使用時以外は持ち主の治癒力を向上させる。 ある程度の制限がかかっているが、2個、3個と使用すれば、回復力は上昇する。 KASの核鉄は心臓を担っているため、核鉄状態では取り出せない。 ※亜美の遺体はアンダーグラウンド・サーチライト大部屋内にとり残されました ※亜美のディパックは下半身ごと神人の拳によって消滅しました ※オメガブレードは剣の形態のまま同通路内に放置されています 「……生きとる。普段の般若心経のおかげやな。感謝感謝」 切り株にだらりともたれかかったまま博之がつぶやく。 もう動き回れるほどの余力は残っていない。例の気持ち悪い巨人の気配は遠くに感じるので空を飛べばまだ暴れているところを見られるかもしれないが、KASなら手伝わなくともあんなものに捕まらず逃げ切ってくれると信じたい。 あれだけ驚異的な移動速度を持つ熱い男がハルヒのような馬鹿女に負けるはずはないのだ。 「悪いけどな。俺はもうしばらく動けんぞ」 言って苔だらけの草むらに寝転がる。どこを骨折したかも自覚できないほど体全体の疲労が酷い。光の巨人といえば再放送の初代ウルトラマンかはたまたティガかという世代の博之だが、怪獣はあんなパンチを受けながら戦っていたのかと今更ながら尊敬した。 見上げる空は人の気も知らないでと思いたくなるほど、何事もないかのように青い。 その空を、見たくなかったものが横切った。 「だあっ!」 無理やり跳ね起きて血と永久歯が1本ほど混じった唾を吐く。痛みをこらえながら再び翼を広げる。飛べた。なら戦うことだってきっとできる。この心が砕けぬ限り。だから叫ぶ。 「待てやそこのグレーターデーモンっ!!」 彼方へ吹っ飛ばされたあと頭を強打しようやく意識を取り戻したデーモンは、神ハルヒと合流すべく空を飛び東へ向かっているところだった。そんなところへ突然地上から呼び止められたのだから驚く。その結果、全ての人格で返事をした。 「あらあら。博之さんじゃないですか。今度こそ殺してあげますよ」 「敵性因子の生存を確認。これより排除に移る。つーか今すぐ死ね」 「でもデーモンでいいよ。みんなそう呼んでるから」 「あなたを壊して、師匠はそのあとですね」 意見はよほどのことがない限り常に一致。すなわちそれ破壊衝動の趣くままに。鈴仙の人格がまた表に出てきていようと、困る状況でないなら急いで再封印しようなどとは考えない。 壊せる悦びは、分け合える幸福なのだから。 呼び止めた博之に実は勝算はなかった。ただ、KASが神人だけなら華麗にかわしきれても、この厄介な攻撃を仕掛けてくる化物まで一度に相手させては間違いなく命を落とす。そう思っただけだ。 「まずったかもしれんな……これ勝てんぞ」 こちらの純戦力は博之本人に戦えるだけの力が残っていないことを考慮すると青眼の白龍2枚だけ。詩音といいジーコといい妹ちゃんといい、このDMカードというものでデカブツを召喚した人間は大概近いうちに命を落としている。 使用者の精神力や運のよさをごっそり奪い取る効果があってそれが死亡フラグを呼んでいる。そんな気がしてならない。 「来ないならこっちから行くよ!」 「使いたくないもんを無理に使うよりはまあね、逃げるとしますか!」 神人とは逆、すなわち西へ飛ぶ。相手も見たところ体力はあまり残っていないようなのだ。運がよければ相手が先に力尽きてくれるかもしれないし、城から神人を倒すための増援が来てくれているかもしれない。 どちらも無理だったならそのときはカードからこの強そうな龍を一気に召喚してしまえばいい。そう思うと少し気が楽になった。 巨大な強化セラミックかと思われる太い槍の飛来を急激な飛行速度の低下でかわし、詠唱とともに発せられるディバインバスターなる悪魔が使うのはおこがましい意味の極太魔法ビームは顔面を蹴りつけて射線をそらす。 ついでに飛んできた座薬はかわせそうな気がしたのでチョイ避けする。赤い瞳に怒りの色が見えた。 「頑張りますねー。うちの姫様にも見習ってほしいくらいですよ。だからとっととくたばれって言ってんだよこのクズがっ!!」 「ふざけんなこの多重人格デーモンが!」 多重人格。何かがひっかかった。 けれど相手に今以上に疲弊する様子はなく、援軍が来て助けてくれる気配もない。 「使うしかないようやの、この切り札を!」 「なにかな?」 距離を確保しながら二枚のカードを天に掲げる。 「出でよ! ブルーアイズ!」 しかし なにも おこらなかった 「え?」 「アーッハッハッハッ。ざまあないねぇ。惜しかったけどここまでだね」 カード使用失敗の隙をついてデーモンは巨大な爪を博之の胴に叩き込む。ズンと深い衝撃を内蔵に受け、博之は膝元へ胃液を大量に吐き出した。 「な、なんで……」 続いて両腕でこちらの両腕をものすごい握力で潰しにくる、骨の折れた音こそしなかったが皮膚から肉が弾け大量に血が滲み出す。こちらに切り札など使わせるものかという強い意思表示。 もう神経が生きていないはずだ。手は固まったまま全く動かせない。 「もう一度見てみるといい。貴方は波長を操られ正常な認識を妨害された。だからとっとと惨たらしく薄汚い屍さらせやっ!」 手にしていたカードを再確認する。ユニットカード「進化の繭」・魔法カード「融合」。何度見ても5枚持っていたDMカード中の戦闘力のなさそうな2枚だ。駄目すぎる。 デカブツを呼び出してもいないのにそれを使おうとしただけで死亡フラグになってしまった。嫌な予感大的中だ。戦力を出せなかった以上勝ち目は残されていない。 ……いや、本当に駄目か? お互いもう首輪はしていない。相手はデーモンで、ほぼ間違いなく多重人格。つまり一体の悪魔でありながらその意思はバラバラ。やってみる価値はあるかもしれない。 「魔法カード発動、融合。対象は永井博之・デーモン!」 メガテン名物、悪魔合体。 ただし悪魔と悪魔の通常合体ではなく、魔人と悪魔。かの有名なデビルマンを生み出すことのできるTRPG版くらいでしか使わない特殊ルールが適用されるかもしれない。それでもかまわない。 合体ができさえすればたかだか25%ずつの意思になど負けるつもりはない。そして可能かどうかはこの魔法カードの性能にかかっている。 「え、だめ、そんな、ちょっと待」 「よっしゃ、ざまあwww」 緑色の閃光が、人ならざる二人を包んだ。 sm207:私は人間じゃないから(前編) 時系列順 sm207:私は人間じゃないから(後編) sm207:私は人間じゃないから(前編) 投下順 sm207:私は人間じゃないから(後編) sm207:私は人間じゃないから(前編) 武藤遊戯 sm207:私は人間じゃないから(後編) sm207:私は人間じゃないから(前編) 双海亜美 死亡 sm207:私は人間じゃないから(前編) 矢部野彦麿 sm207:私は人間じゃないから(後編) sm207:私は人間じゃないから(前編) 永井博之 sm207:私は人間じゃないから(後編) sm207:私は人間じゃないから(前編) KAS sm207:私は人間じゃないから(後編) sm207:私は人間じゃないから(前編) 八意永琳 sm207:私は人間じゃないから(後編) sm207:私は人間じゃないから(前編) 古泉一樹 sm207:私は人間じゃないから(後編) sm207:私は人間じゃないから(前編) チューモン sm207:私は人間じゃないから(後編) sm207:私は人間じゃないから(前編) 涼宮ハルヒ sm207:私は人間じゃないから(後編) sm207:私は人間じゃないから(前編) ピエモン sm207:私は人間じゃないから(後編)
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/36610.html
【検索用 きみかいきてなくてよかった 登録タグ 2017年 Bilibiliミリオン達成曲 NexTone管理曲 VOCALOID YouTubeミリオン達成曲 Yuma Saito き ピノキオピー ミリオン達成曲 初音ミク 曲 曲か 殿堂入り】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー 絵:ピノキオピー 動画:Yuma Saito 編曲:ピノキオピー 唄:初音ミク 曲紹介 初音ミクの曲です。 曲名:『君が生きてなくてよかった』(きみがいきてなくてよかった) 初音ミク10周年記念コンピレーションアルバム『Re Start』収録曲。 2021年11月26日、自身15曲目となるミリオンを達成。現在、ボカロオリジナル曲でミリオンを達成している曲の一つである。 歌詞 (動画説明文より転載) 君は変な声で 奇妙な見た目で 時に気持ち悪いと言われてきた でも 心臓が動いてないから 傷つくことはなかった 第一印象はマイナス 変化してったバイアス 流れ流れて 月日は経ち まだ こんな歌を作っていた こんにちは はじめまして さようなら またあした 変わらぬ愛も 儚い恋も 君からすれば ただの記号で 正義も悪も 帰らぬ日々も 君の前では どうでもよくて ずっと ずっと 君が生きてなくてよかった ずっと ずっと 君が生きてなくてよかった 今日も 君は変な声で 奇妙な見た目で 時に 素晴らしいと持て囃された でも 感情がわからないから 喜び方も 手のぬくもりも知らなかった 知らなかった 知らなかった 知らなかったはずなのに 巡り巡って たどり着いた 想像もしていなかった未来 ひさしぶり ごめんなさい おめでとう おげんきで 楽しい夜も 虚しい朝も 君からすれば ただの記録で 破れた夢も 心の傷も 景色のように ただ すり抜けて ずっと ずっと 君が生きてなくてよかった ずっと ずっと 君が生きてなくてよかった 今日も 変わらぬ愛も 儚い恋も 君からすれば ただの記号で 正義も悪も 帰らぬ日々も 君の前では どうでもよくて ここにいること いなくなること 君からすれば 不思議じゃなくて この世の果ても 命の謎も 君の前では どうでもよくて ずっと ずっと 君が生きてなくてよかった ずっと ずっと 君が生きてなくてよかった くだらない 理想じゃない 非日常のゴミ溜めで ぼんやり 君は歌ってて 未来が楽しいか わからないけれど もう少し ここにいさせて コメント 新曲来た!!! -- 名無しさん (2017-08-28 20 21 10) お疲れ様です! -- 名無しさん (2017-08-28 20 22 23) 新曲きた! -- 名無しさん (2017-08-28 20 23 49) 間違ってるところあったら編集お願いします -- つばめ (2017-08-28 20 24 14) 追加乙です! ただひたすらに良き。。。もうめっちゃ好き -- Rimu (2017-08-28 20 27 47) これはピノキオピーにしか書けないミク観だなぁ10周年に相応しい曲をありがとう -- 名無しさん (2017-08-28 22 32 15) 新曲ですね。追加お疲れ様です!(*´▽`*) -- 舞 (2017-08-29 10 59 13) ほんといい曲!いつもありがとう!! -- 名無しさん (2017-08-29 11 52 54) すろおもぉしょんを越えて個人的ナンバーワン曲に更新されました -- 名無しさん (2017-08-29 17 12 48) 相変わらず独特な世界観、、でも私は魅了された………! -- 哀歌 (2017-08-30 07 52 47) 良い曲すぎるね!ミクの10周年にはもってこいな曲だわ。 -- 脳漿炸裂してる系女子 (2017-08-31 20 02 55) タイトル東京マヌカンかと思った -- 名無しさん (2017-09-01 22 25 02) PV素敵でした -- 腐れ外道 (2017-09-08 16 18 08) やっぱピノキオピーのミクの絵好きだと実感した -- in米 (2017-09-08 18 55 59) 最高の曲を10周年にありがとうございました -- Eve (2017-09-12 19 33 46) 相変わらずすっばらしい!desune -- 名無しさん (2017-09-19 21 23 14) 切なくなるけど元気が出てくるなッ!←矛盾) -- 名無しさん (2017-11-17 19 54 51) 泣ける -- 名無しさん (2018-10-27 23 45 54) 「未来(ミク)が楽しいかわからないけれど もう少しここにいさせて」、最高ですね。 -- 名無しさん (2018-12-01 13 02 08) 学生だが、学校の授業中に頭に浮かんでくる。 -- 名無しさん (2019-04-15 21 16 08) 最っっ高! -- 名無しさん (2019-04-16 07 48 07) 感動的な曲 -- 日食 (2020-04-16 09 35 56) ピノキオPはやっぱメディアストーカー部隊だな -- 栗原直樹 (2020-11-07 15 53 25) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/948.html
きっかけはつかさの一言だった。 「おねえちゃんの部屋、最近なんだか変わったよね。」 私の部屋に宿題を教わりに来ていたつかさが、突然そんな事を言いだした。 「そうかしら?って、その問題、答え違うからね。」 「わわっ、ごめんなさい。」 私の指摘をうけて、慌ててノートの答えを消すつかさ。 そしてもう一度、一から答えを書き始める。 残念だけどつかさ、今度は公式の使い方が間違ってるわ…… うんうん唸っているつかさを尻目に、私は自分の部屋を見渡した。 …特に変わったものなど置いていないし、もちろん模様替えなどもしていない。 最近買った本やら雑誌やらが机の上に置かれているけれど、それぐらいで変わったとは思わないだろう。 どこからどうみても、何てことのないごく普通の部屋だ。 よって、つかさがそんな風に思うような要素は一切無いはず。 だとすると、一体何が変わったんだろう?ちょっと気になった。 「さっきの話だけど、別に変わったところなんて無いと思うけど?」 つかさはまだ同じ問題に悪戦苦闘していた。そろそろヒントぐらい教えてあげようかな。 「そんなことないよ。なんていうか…」 そして少し時間を置いて… 「そうだ!こなちゃんだ!」 それはそれは予想外の答えを言ってくれた。 「はぁ?ちょっと、なんでこなたが出てくるのよ。」 思わず疑問の声を上げてしまう。 なんでこのタイミングでこなたの名前が出てくるのだろう? そしてその疑問に対してのつかさの答えは…… 「だから、お姉ちゃんの部屋、なんだかこなちゃんの部屋みたいになった!」 だった。 うん、私の妹ながら、なにとんでも無い事をさらっと口にしてくれるのかな。 『それは自然なことだから 』 日曜の午後、天気は快晴だった。太陽の暖かな光が部屋に差し込んでくる。 その光を受けながら、私は部屋の窓を開けた。途端、冷たい空気が部屋に入り込んできた。 この空気の冷たさが、もう冬なんだなということを自覚させる。 そんな事を考えながら、私はエプロンと三角巾を身につけた。 「こんな格好するなんて、大掃除ぐらいだと思ってたけど。」 でもこの格好は決意の表れなのだ。そう、つかさのあの言葉の元凶を捜しだすという決意の。 「しかし、なんでつかさはあんな風に思っちゃったわけ?」 私の部屋とこなたの部屋。はっきり言ってまったく違うはずだ。 こなたの部屋はパソコンを中心に、ラックやらでっかい本棚やらテレビやらが置いてある。 しかもそれだけ物がいっぱい置いてあるのに、部屋の真ん中にテーブルとかも完備されてるし。 なにもなかったら、きっとすごく大きな部屋なんだろうな。なんてうらやましいやつ。 ………いけない、話がそれた。 そんなこなたの部屋と、極々普通の私の部屋。 本棚はあるけど、こなたの部屋より大きいわけじゃない。 ラックなんてないし、テレビなんてない。共通点なんて、普通はどこにもないはず。 「だけど、もしってことがあるしね。」 気がついたら、こなたと趣味嗜好が似ていたっていうのはありえるかもしれない。 たまたまこなたが買いそうなものを、私が買ってきたりとかね。 なにしろ、私とこなたは友達でも親友でもなくて… 恋人同士なのだから、そういったことも十分にありえるわけで。 もしそうだとしたら、つかさがあんなことを言ったのも納得できる。 けど私達はこの関係がばれないように、細心の注意を払ってきたつもりだ。 こなたが冗談で抱きついてきたときも、必死で今までと同じように振舞った。 やってみたくて仕方がない、こなたへのお弁当作りだって我慢してる。 ……それは、いつかはみんなにも話すつもり。だけど、今は駄目。 こういうのはもっとゆっくりと、時間をかけないといけないのよ。 だからこそ、あのときつかさから『こなた』って言葉が出てきたときは驚いた。 もしかして気付かれてる?バレてる?って思って。 「あのつかさがそんなこと言うんだから、必ず何か変なところがあるはずよ。」 そう、必ずあんな事を言う理由があるはず。今日は絶対にそれを見つけ出す。 要するに、こなたっぽい物、こなたグッズを探せばいいのよ。簡単簡単。 「さて、それじゃあ始めますか。」 本当に大掃除をするときのような気分だ。妙に張り切ってしまう。 こなたグッズを探し終えたら、本当に大掃除をしてしまおうか。 「まずは机から…っていきなり見つけてしまった。」 目に入ったそれは人形だった。大きさは5cmぐらいだろうか? それが机の上に綺麗に飾ってあった。それも何体も。 …なんでいままで気がつかなかったんだろう? 「ていうか、いつから飾ってあったんだ?」 こんなもの私が飾るはずが無いし、もちろん買うはずも無い。 ということは、これを飾っていったのはこなたということになる。 ん?そう言えば…… ―――――― 「はい、かがみ。プレゼントだよ。」 こなたはそう言いながら、テーブルの上に人形を一つ一つ並べていった。 「なによこれ?」 「ガシャポンのダブり。いや~、目当てのやつがなかなかでなくてね。 ああいうのって欲しいのが残り一体になると、妙に出にくくなるよね。」 「知るか!っていうか、知りたくもないわ。」 「まあそんなわけで、私のダブりの数々、受け取ってくれたまえ!」 いつの間にかテーブルには何体もの人形が並べられていた。しかも同じ種類のが何体も。 「いらない。持って帰れ。」 「え~!いいじゃん、もらってよ!!ほらこれ、かがみの好きな作品だよ!」 人形を手に持ったこなたが、身を乗り出しながら力説する。 それはともかくとして……ねえ、こなた。顔がものすごく近いんだけど。 「いっとくけどな、私はその作品は好きだけど、そういったのには全然興味がないからな。」 「でもゲーセンでこの作品のぬいぐるみ取ろうとしてたよね?」 「うっ…」 まったく、そんなところだけはしっかり覚えてるんだから。 「分かった、分かったわよ。そんなに言うなら、貰ってあげてもいいわよ。」 「おお、その言い回し!かがみは相変わらずツンデレだね!」 こいつはまたそう言ったことを。 「ツンデレいうな!とにかく、その人形は貰ってあげるから。」 「うんうん。それじゃあ、机に飾っておくからね。」 こなたは人形を持って立ち上がると、勝手に机に人形を並べ始めた。 「何勝手に飾ってるのよ!恥ずかしいでしょ!」 「えっ?だってこういうのは飾ってこそ価値が……」 ―――――― そんなような会話を、つい先日したのを思い出した。 あの時はなんだかんだ言ったけど、やっぱりうれしかったので、そのままにしておいたんだっけ。 「…と、とりあえずこれはしまっておきましょう。」 件の人形達を手に取り、机の引き出しに入れる。とりあえずこれで大丈夫なはずだ。 「さて、次は…って、もう見つけてしまった。」 私が手にしたもの。それは目覚まし時計だった。 ―――――― 「かがみ、これあげるよ。」 そう言われてこなたから受け取ったのは、四角い箱だった。 「開けていいの?」 「もちろんだよ。」 そう言われたので開けてみると、中には時計が入っていた。 盤面にはアニメで使われていた紋章みたいのが描かれている。 「どうしたの?時計なんか?」 なんの脈絡なしにいきなり時計なんて貰っても困る。 それともネクタイみたいに、プレゼントすることに特別な意味があったりするのかな? 例えば、『私の時間をあなたに』とか? ……だとしたら、うれしいな。 というか、こなたがそんなことを考えるわけがないな。 「いや、かがみがその有り余るパワーによって、目覚まし時計を破壊したって聞いたから。」 ほらやっぱり……あれ?有り余るパワーで破壊? 「ちょっと、有り余るパワーって何よ!!」 「えっ?だってみさきちがそう言ってたよ。寝ぼけて目覚まし時計を破壊したんでしょ。」 「あいつめ……」 よりにもよって、こなたにそんなことを言うとは。やっぱり、もっと釘を刺しておくべきだったわ。 「というわけで持ってきたんだけど、どうかな?デザインとかもアニメっぽくないから、大丈夫だと思うんだけど。」 ちょっと顔を赤くしながらそう言うこなた。 やっぱりこなたでも、人にものをプレゼントするときはデザインとか気にするのかな? そう思うと、ちょっとこなたが可愛く見えた。いや、いつも可愛いんだけどね。 「くれるんだったら、遠慮なく貰うけど。でもいいの?これって結構高いんじゃない?」 私の中では、こういったキャラ物のグッズは高いってイメージがある。 もしそうだとしたら、受け取るのをちょっと躊躇ってしまう。 「大丈夫、布教用だから。それに…かがみが使ってくれるとうれしいな。」 ああ、その微笑と、その言葉と、その声は反則だから。 そんな風にこなた言われてたら、断れるわけがない。 「それじゃあ、遠慮なく。ありがとね、こなた。それと、別に目覚まし時計は破壊したわけじゃなくて………」 ―――――― ……と言う事で、もらった次の日から喜んで使っていたのをすっかり忘れていた。 おかしい、こんなの真っ先に気が付くはずなのに。 「まあ、これはいいか。無いと困るしね。」 手に持った目覚まし時計を元の位置に戻す。 「さてと、次は何があるかな?」 私は次のこなたグッズを探し始めた。 ―――――― 「もう……やめよう。」 開始から2時間。たった2時間しかたっていないが、ここまでにしよう。 もう無理だ。これ以上細かいところを調べていったら、きりがなくなりそうだった。 「まさかこんなにこなたグッズがあったとは……思いもしなかったわ。」 私の本棚にはこなたがもってきた漫画がちゃっかり整列していた。 しかもシリーズ物、全巻だ。まあ、私も嫌いじゃないから別に構わないけど。 私のゲームソフトを並べた棚には、こなたの美少女ゲームが。 これはこの前こなたが忘れていったものだ。というか、私の家でそういうことするな。 ペン立てにはこなたのシャーペンに消しゴム。勉強会の時に忘れていった。 こなたが毎週来るからと持ってきたマイクッション。私の分も買ってきたのでペアになっている。 極めつけは、こなたのどてら。これが私のクローゼットにしっかり納まっていたときは我ながら呆れた。 これは何であるんだっけ?……ああ、あいつが泊まりに来たときに持ってきたのよね。 最初に片付けた人形も、結局机の上に戻してしまった。 これだけいっぱいあると、一つ片付けてもどうしようもない。 「これじゃあ、つかさがあんな風に思っても仕方がないか。」 思わず苦笑してしまう。あーあ、どうして気が付かなかったのかな? 「……本当に、なんで気が付かなかったのかな?」 今までの私だったら気が付いているはずだった。 それがなんでこんな風になってしまったのだろうか? 私はつかさに言われたときと同じように、自分の部屋を見渡した。 何度見直しても、変わったところなんかどこにもなかった。 『こなたの持ち物が部屋中にいっぱいあると分かっているのに』だ。 机上の人形も、本棚の漫画も、棚の中のゲームソフトも、クローゼットの中のドテラも、 私の部屋では異彩を放っているはずなのに、どれも収まるべき場所に収まっているように見えた。 「そっか。」 やっと分かった。どうして言われるまで気がつかなかったのか? それはこなたの物が……いや、こなたが傍にいることが、私にとって自然になっていたからだ。 だから気付かないし、分からない。空気や重力を意識する人はいない。 水だって電気だって、使えなくなって初めて意識する。それと同じだ。 私にとって、こなたがいるのが自然なのだから、それと同じようにこなたの物が私の部屋にあるのはごく自然なんだ。 そう思うと、このこなたグッズの数々がちょっと輝いて見えた。 だってこれは、こなたと私の関係を表すものだから。 でも、美少女ゲームだけは持って帰らせないとね。というか、恋人の家にこんなもの持って来るな。そしてするな。 「……こなた、何してるのかな?」 急にこなたの声が聞きたくなった。 そう思ってベットの上に置いてある携帯電話に手を伸ばす。 手に取った携帯電話を開き、こなたに電話をかける。 よし、こなたが電話に出たら、私の今日の出来事を語って聞かせよう。 そして話し終わったら、こう言ってやるのだ。 「こんなに自分の物を置いていくなんて、こなたは本当に私のことが好きなのね。」って。 一体こなたはどう反応するだろう? 素直に「そうだよ」と言い返してくるか、言い訳のオンパレードか? どっちにしろ、顔は真っ赤になってるんだろうな。 こなたのやつ、こういうのに意外と弱いから。 そんなこなたを想像をするだけで、顔がにやけてくる。 「かがみ?どうしたの?」 こなたの声が聞こえた。電話越しとはいえ、今はこの声を聞くだけでうれしい。 「うん、ちょっとこなたと話がしたくなったのよ。」 「ふ~ん。」 そっけない返事をするこなた。あーあ、つれないな。でも、まあいいか。 「あのね、こなた。今日さ……」 さ~て、からかってやりますか。 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-08-18 23 00 16) かがみのからかいターイム! -- かがみんラブ (2012-09-23 16 28 09) いいですね! あなたの作品を 原動力として生きていくので 次も期待してます。 頑張ってください! -- 無垢無垢 (2009-01-03 23 04 46) いいなぁ~2828が込み上げてきますぜ。 こういうSSは大好きです。 -- kk (2009-01-03 18 22 35)
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/11347.html
14 名前:ゲーム好き名無しさん (アウアウT Sa01-xRNj)[sage] 投稿日:2016/07/28(木) 22 44 26.33 ID ak2PhI5Pa [1/2] スレ立て、集計おつ 挨拶代わりにひとつ。版権二次創作ネタなので注意 その時は、版権キャラクターをモチーフにしたPCを使って遊んでいた 全員同じ作品のキャラだったから、NPCも同じキャラだった その作品にはaとbというキャラがいて、どちらも女性キャラで対立・憎み合っている関係だった ケンカップルとか言われて二次創作では百合もよくあったけど、好き嫌いははっきり分かれていた PLのAは、そのキャラaを使ってたんだけど、やはりというかaとbの百合創作が大嫌いとかで、それを明言してもいた しかしGMがNPCでbを出してきて、更にaのルームメイトという設定にしていた bは、aとは敵対しているが目的が一致するからと言ってaの手助けをし、ツンデレっぽい発言もあった (あんたの為じゃないんだから!……あんたを殺すのは私なんだから、生きて帰ってきなさいよ!と言って赤面する、など) Aは初めは黙っていたけど、そのうち明らかに機嫌が悪くなった 自分もさりげなく空気を変えようとしていたけど、GMの描写に勝てる筈もなく… Aはそこからラストまで不機嫌なまま終わり、アフターには出ずに帰った GMに何故あんな展開にしたのかと聞くと、まさかあそこまで嫌いとは思わなかったよwと笑っていた 自分はそこまで苦手な二次創作って無いものだから、何がいけなかったのかわからないけどもやもやして終わった 機嫌が悪くなったとはさらっと書いたけど場の空気は本当に最悪で、みんな察して途中からほとんど無言だった 困った人、というか困った事の話でした 15 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイW 813c-xRNj)[sage] 投稿日:2016/07/28(木) 22 46 00.63 ID 5wIC2iE10 何がいけなかったのか、っていうのは、誰がいけなかったのかって事です 16 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 7acb-UbOe)[sage] 投稿日:2016/07/28(木) 22 50 32.85 ID 4+dTU8a00 そりゃ不機嫌になるのは良くないけど事前に明言しててGMがその態度じゃAは悪くないと思いたい つーか誰がいけないのはハッキリしてるだろうGMだよ 17 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイW 813c-Y0VN)[sage] 投稿日:2016/07/28(木) 22 55 04.32 ID nD63Mz8e0 [1/2] GMに何故あんな展開にしたのかと聞くと、まさかあそこまで嫌いとは思わなかったよwと笑っていた まさかあそこまで嫌いとは思わなかったよwと笑っていた 笑っていた 情状酌量の余地なし GMが悪い 18 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイW 813c-Y0VN)[sage] 投稿日:2016/07/28(木) 22 57 09.77 ID nD63Mz8e0 [2/2] 二次創作の捏造カップリングということを一旦忘れて 「嫌いだと明言したはずのものをGMが積極的に取り入れてくる」 ってところを見れば何がまずいかわかるだろうな ともあれ乙 20 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 2d17-Sije)[sage] 投稿日:2016/07/28(木) 23 17 18.55 ID J1tyzBOw0 嫌いだと言ってるのに振ってくるGMが困 敵に楽勝したいとか、俺のPCに惚れてる女以外出すなとか、 ただのワガママなら聞く必要ないが…アブノーマル趣味を嫌いと言われたら遠慮するのが普通 GMがab好きでどうしてもやりたかったなら、やる前に宣言するべきだし 21 名前:ゲーム好き名無しさん (アウアウT Sa01-xRNj)[sage] 投稿日:2016/07/28(木) 23 17 38.16 ID 0mYASm2Pa [2/2] 困かどうかという点については一応議論の余地があると思うが、 誰が困かっていったらGM一択だよ。Aは被害者じゃねえか 単純に「これは嫌い」って言ってることをやってる(やらせてる)んだから全責任がそこにある それもまあ、PC同士の絡みでbのPLがそういう方向に動いてしまった、というのならまだ分かるが、 GMがNPCとして配置してそういう描写するってのは言い逃れできんよ。Aに対する嫌がらせ目的と言って問題ないレベル 22 名前:ゲーム好き名無しさん (アウアウT Sa01-xRNj)[sage] 投稿日:2016/07/28(木) 23 27 08.62 ID ak2PhI5Pa [2/2] 18で納得しました 確かにこれはGMが悪いな……感覚が麻痺してたよ、我ながら怖い ありがとう 23 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイW 7973-Y0VN)[sage] 投稿日:2016/07/28(木) 23 39 15.71 ID O2XKTVAK0 二次創作設定だけじゃなく版権キャラを出すのも嫌がる人は一定数いるからな 知った上で出して方向修正も出来なかったGMが悪い 24 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイW 79a0-Y0VN)[sage] 投稿日:2016/07/29(金) 00 59 26.13 ID 1MqWq0sw0 22 あのな、ハッキリ言うと今回のGMがやったことは悪意あるハラスメントなの 本気で悪意無かったら笑ってなんかいねぇ。君に「どうしよう?」って相談しとるわ 「全くこの程度で大袈裟な」ってよくセクハラ親父が言うだろ? そういうこったよ 25 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 745b-oK17)[sage] 投稿日:2016/07/29(金) 01 12 29.54 ID PbI0/+dW0 何が悪いかわかった報告者はこれで良し。空気を換えようとしていたし。 GMに地雷属性で苦しむ出来事があることを願っておこう。 32 名前:ゲーム好き名無しさん (ニククエT Sa01-xRNj)[sage] 投稿日:2016/07/29(金) 15 41 03.00 ID 4bNoCf1TaNIKU 俺的には不機嫌魔神と化し居座り続けたA氏もかなりのもんだと感じるけどな さっさと「嗜好がここまで違うと楽しめません退席失礼します」でいいだろ 33 名前:ゲーム好き名無しさん (ニククエ Sr69-Y0VN)[sage] 投稿日:2016/07/29(金) 15 51 30.65 ID 7Mpy1Hv8rNIKU [1/2] 席を立たないなら困行為を我慢しろ、という意味ならまったく賛同できない 34 名前:ゲーム好き名無しさん (ニククエ KK7f-Ruvr)[sage] 投稿日:2016/07/29(金) 17 17 17.74 ID wbX5DHSUKNIKU 個人的には版権キャラでTRPG遊ぶてのが理解出来ないかな たまに見掛けるけど 35 名前:ゲーム好き名無しさん (ニククエ 407c-n/e8)[sage] 投稿日:2016/07/29(金) 17 21 36.50 ID K9X9G89w0NIKU 周囲も 14みたいに空気の悪さを察するだけで明らかな困であるGMを止めなかったようだし、 そこで退席したら「あいつ一人が我慢すれば済む話だったのに暴れてセッションを台無しにした困A」 として 14に報告されていた未来が見える ので、 32には俺も不賛成 36 名前:ゲーム好き名無しさん (ニククエ b72b-znwT)[sage] 投稿日:2016/07/29(金) 17 23 15.26 ID acFLBGka0NIKU サンプルキャラで遊ぶと思えば…まあ理解できないが 好きな作品で微妙な描写やられたら「飛影はそんなこと言わない」な気分になりそうだ 37 名前:ゲーム好き名無しさん (ニククエ 7a5b-oK17)[sage] 投稿日:2016/07/29(金) 17 23 41.77 ID TkH6c5u/0NIKU その楽しさが理解出来ないって事なら、「既存キャラクターを“演じる命題”として受け取ってチャレンジする」とか、「ネタとして(=他人に見せる事を意識して)」とかは見たし個人的にも分かるな 38 名前:ゲーム好き名無しさん (ニククエ 11a1-oK17)[sage] 投稿日:2016/07/29(金) 17 38 03.95 ID fA1Ni2oG0NIKU うちだとPCに版権キャラ使用ってのはあまり見ないが NPCが特定の版権キャラコピーだったりシナリオ内容が 特定の版権作品の展開がベースだったりするの多いな 設定やストーリーはそのシステムの世界観やシナリオの都合で 変更されるので元ネタと完全に同一のキャラや展開になるわけではないが) 39 名前:ゲーム好き名無しさん (ニククエW 7c5b-xRNj)[sage] 投稿日:2016/07/29(金) 17 43 59.22 ID lYSUiHUC0NIKU [1/2] うちだと版権キャラPC割と多いけど、結局真面目にやると「イメージ先」ぐらいだなあ そもそも登場する世界感が違うんだから完全マッチなどするはずもなく、演じる上で「版権キャラ」ではなく「そのキャラ」になってくね 基本的に外観や性格の説明をさっくりやる、ぐらいだろうと思ってる まあ 14のGMは全く無関係に困だけどな… 47 名前:ゲーム好き名無しさん (ニククエ 813c-oK17)[sage] 投稿日:2016/07/29(金) 22 03 18.30 ID uzz5Wdej0NIKU [2/2] 今回はネタ振りという形のないものだけど、 困スレまとめみてると、犬嫌いの人に犬けしかけた なんて報告もあったしなあ。 困は基本的に人の嫌がることしかできない。 48 名前:ゲーム好き名無しさん (ニククエ dd3c-U0xO)[sage] 投稿日:2016/07/29(金) 22 10 26.78 ID gNi6JndC0NIKU 困「人の嫌がることは進んでやろう!!」 50 名前:ゲーム好き名無しさん (ニククエW 7c5b-xRNj)[sage] 投稿日:2016/07/29(金) 22 43 20.00 ID lYSUiHUC0NIKU [2/2] 47 TRPGと無関係に根本的にまともに付き合いたくないタイプだよなあ 他人が嫌がってるのにそれを尊重しない、自分の好みを基準にして「別にいいじゃん」ってやってくる はっきり言って付き合い方を見直さざるをえない 51 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ e03c-oK17)[sage] 投稿日:2016/07/30(土) 02 11 36.20 ID vgFezfYd0 [1/2] 47 「食わず嫌い的なアレだろうから、実際に触れ合えば好きになる」とでも思ったんだろうか>犬嫌いの人に~ どうやっても無理なもんがあるってことを理解しないバカ、結構いるんだよなあ スレ440
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/7320.html
62 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 18 08 39.40 ID ??? オンセ/PLはA~Dの4人 OP GM:君たちは酒場にいる。看板娘がいつもの様に元気を与える笑顔で注文をとりにくるよ。 A:いつも可愛いね。今度デートしない? B:じと目でAを見て机の下で足を思いっきり踏みつける。その後に笑顔で注文 看板:本当に仲がいいんですね。とか、くすくす笑いながら陽気な声でマスターに注文を告げるよ。 何かすることある? A&B:じゃあ看板娘とマスターに飯食いながら、なんか仕事になる話はない?と聞く。 GM:特にないと答えるね。 A B:じゃあシーン切っていいよ。 GM:じゃあシーン切るね。翌日看板娘は無残にレイプされた上に殺された。ミッション失敗。 全員:なんだってー! GM:能動的に探ればわかったんだけど(素) A:いつも通りの笑顔って言ってたじゃないのさー(ぶーぶー) GM:ストーカーに合ってるけど、そういう苦労を表に出さない看板娘の演出をしてみました。 ALL:ふ、ふ、ふざけんなああああああ! 演出とセッションどっちが大事なんだよ…… 64 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 18 11 23.67 ID ??? 62 CとD涙目wwww 67 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 18 15 35.19 ID ??? CDは何やってたんだよw 地蔵だったのか? 68 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 18 16 30.27 ID ??? 65 ごめん。書くの忘れてた。 CとDは次のシーンからのスタートだったの。 69 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 18 19 11.83 ID ??? 報告でも放置されたCD涙目www 70 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 18 23 07.28 ID ??? 62 演出はGMの自由だと思うが、この場合PLは「セッションの導入であるにも関わらず 問題の発生が見えない、これはNPCが問題を隠しているに違いない、しつこく聞いてみよう」 と判断しなきゃならなかったのか?…OPでセッション終わったのは救いだったかもな 71 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 18 25 24.59 ID ??? 猫を拾わないとセッション終了を思い出した 72 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 18 49 27.04 ID ??? というか序盤でミッション失敗してよくそのまま終われるな 対面じゃないからか? 73 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 19 21 50.99 ID ??? 1プレイしか出来ないコマンド総当りゲームか。しかも選択肢が提示されてない。 74 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 19 25 43.85 ID ??? しかもあっという間に終わる。 これは新しい。 75 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 19 36 38.39 ID ??? 仕切り直しとかしなかったんかな? 76 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 19 38 34.27 ID ??? 62 確かにひどいんだが、お前さんの書き方のせいで、楽しそうな鳥取にしか見えんw 真面目な話すると、気がつかないで少女死亡なら殺人犯探し。 気がつけばストーカー探しのシナリオにするだけでいいじゃないか。 77 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 19 40 35.09 ID ??? やっぱ時代は受動判定だよな 78 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 19 48 54.32 ID ??? じゃあ受動判定でシミュレートしてみるか (前略) A&B:じゃあ看板娘とマスターに飯食いながら、なんか仕事になる話はない?と聞く。 GM:特にないと答えるね。 A B:じゃあシーン切っていいよ。 GM:ちょっと待って。ダイスを振ってみて。 A B:(コロコロ) GM:んわかった。じゃあシーンを切ります。翌日看板娘は無残にレイプされた上に殺された。ミッション失敗。 (中略) GM:受動判定で成功してりゃわかたんだけどなぁ PL:結構良い出目だったっじゃないのさー(ぶーぶー) GM:看板娘になるくらいの娘だから苦労を悟らせないんだよ。まあ、クリティカルしなきゃ無理だね ALL:ふ、ふ、ふざけんなああああああ! 79 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 19 53 15.73 ID ??? ダイス振ったときに気づくしかないな スレ324
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/1563.html
一人の少女が街を彷徨う。 しかし彼女は人気を失った街と同じように抜け殻となり、死霊のごとく歩を進めている。 仮にこの少女が動いていなければ第三者は出来の良い人形だと錯覚するだろう。 生気を失った瞳に映すものは何もないが、肉体自体は生きた人間そのものだ。 生ける屍と化した少女は歩きながら何かを呟き続けていた。 「夏・・・・・・秋・・・・・・混・・・の・・・士さ・・・・・・い・・・みさ・・・・・・」 彼女の呟きはあまりに微弱すぎて聞き取れそうにないが紛れもなく死んだ者の名である。 大切な妹を失ってからっぽになってしまった彼女の心の支えとなった一人の騎士と友人、 それらを同時に失うのは齢17程度の少女には重すぎた。 無表情だった彼女に変化が起き始める。 「夏奈、千秋、今日のご飯は鮭の和風あんかけよ~♪」 この場にいるわけもない人物に語りかけ、あるわけもない食器にあるわけもない料理を入れる。 その表情は笑顔ではあったが瞳は黒く濁っていた。 「もう、夏奈ったら行儀悪いわよ、千秋を見習いなさい」 少女の空想、否妄想は止まらない。 悲しみという重圧により壊れてしまった心に脳は、せめてものの自己防衛として幻を見せ始めたのだ。 「モクバくん、磯野さん遅かったわね。 ご飯温めようか?」 新たな登場人物が増え、春香に活気が出てくる。 現実には誰もいないが彼女の中には紛れもなく存在しているのだ。 幻が現実と摩り替わってしまった彼女にとっては、 殺し合いという現実が空想で、親しき者たちと過ごしている世界が現実なのだろう。 「混沌の騎士さんも泉さんもアカギ君達もみんな来てくれたのね! すぐにみんなの分も作らなくちゃ」 次々と登場人物達が彼女の心の扉から入って、ついに最後の一人が訪れた。 『ふぅん、貴様には失望したぞ春香』 「海・・・馬くん・・・・・・?」 心の扉から入ってきた最後の男は、栗茶色の髪に長身で引き締まった肉体をしており、 その体に似つかわしい白いコートを羽織っている。 その目は常に前を見続け、如何なる状況であっても弱みを見せない決闘者としての誇り、 紛れもなくかつて南春香とともに戦った仲間の一人、海馬瀬人であった。 全てが懐かしい彼の姿に壊れたはずの彼女の心が揺らぐ。 『大切な者を守れなかった、そして独りになってしまった、だから貴様は自らのロードを閉じるというのか!!』 「!?」 海馬の怒声に思わず春香が怯むが海馬はそれでも言葉を止めることを躊躇しない。 むしろ更に声を張り上げて春香を睨む。 『春香、貴様は以前の殺戮ゲームでは如何なる時も希望を捨てることはなかった。 千秋や仲間達を守るために己が身を削り、その死に対して怒って闘い続けた。 その結果ゲームマスターを倒して世界を救った ・・・・・・ それが今はどうした!? 闘うどころか生きることすら放棄して己の妄想の中に閉じこもっているだけではないか!!』 「あ・・・・・・」 その通りだった。 以前のバトルロワイアルでは春香は闘志を捨てることなく妹のため、仲間のために戦い続けたのだ。 あるときは海馬瀬人の契約者、水竜として、あるときは絵札の精霊として巨悪に立ち向かった。 どんなに辛いことがあってもそれを受け入れていたのだ。 『すぐにとは言わん、だが貴様は誇り高き龍なのだ。 ブルーアイズとは比較はせんが俺の契約者には相応しいということには断言しても良い。 だから胸を張れ! 己の誇りを取り戻せ!!』 その言葉を最後に彼の姿は薄れ始める。 同時に部屋は崩壊を始め、彼女以外の住人は全て消えていく。 「海馬君わかったよ、私もう少し頑張ってみる」 彼女の幻想は完全に砕け、再び心を取り戻した。 しかしそこにいた海馬瀬人が彼女の幻想であったのかどうかは不明である。 「・・・あ・・・だ・・・・・・き・・・・・だ」 (何かしらこの声) 目を覚ました彼女は瞼を擦り現状を確認しようとする。 意識が完全に覚醒した瞬間に彼女は暑さを感じた。 ここは北半球に面しているから本来はここまで暑くはならないはずであるが・・・・・・ 「気合だぁ!気合だぁ!気合だぁ!」 「・・・・・・誰?」 南春香が~ブルガリアの路上で~アニマル浜口と出会った。(世界ウルルン滞在記風に) 【一日目・14時40分/ブルガリア】 【南春香@みなみけ】 [状態]健康、マムクートの力封印中 [装備]デッキブラシ@テイルズシリーズ [道具]食料一式、ブルーアイズホワイトドラゴンのカード、その他不明 [思考]基本 殺し合いを止める 1 アカギを止める 2 とりあえず広い大陸にいく 3 誰・・・・・・? ※支給品のブルーアイズホワイトドラゴンのカードに気づいていません 【アニマル浜口@現実】 [状態]燃え [装備]不明 [道具]支給品一式 [思考]基本:命に代えてもカオスロワを燃え展開にする。 一方オメガモンは 「なんで任天堂以外のキャラを抹殺する?これでは、サブカルチャーが寒くなって人が離れていく。同人界の冬が来るぞ」 「サブカルチャーに住む者は俺達の事を考えていない、だから抹殺すると宣言した」 「キャラがキャラに罰を与えるなどと」 「私、マリオが粛清しようというのだ、オメガモン」 「エゴだよ、それは」 「任天堂が持たん時が来ているのだ」 「そんな物では」 オメガモンのガルルキャノンがマリオに襲い掛かるが、 マリオはウルトラファイアーボールをそれらに当てて全て防ぐ。 冷気の玉と炎がぶつかりあって蒸発し、次第に辺りは霧に包まれていく。 しかし両者は視界が悪くなろうが構うことなく玉を発射し続けた。 「ならばデリートする他あるまい!」 オメガモンはガルルキャノンの連射を早め、マリオに向かって打ち続ける。 やがてファイアーボールと接触した際の爆発音がしなくなったかそれでも止めることはない。 右腕の大砲から只管冷気の塊を打ち続けるのだ。 (何かおかしい・・・・・・) 手ごたえがない。 ガルルキャノンは冷気の大砲。ビーム状に発射することもできるが、 現在は弾丸として発射しているので命中しているのならば多少なりと音が出るはずだ。 まるで虚空に向かって打ち続けている感触である。 なのにも関わらずマリオの気配自体はそこに存在しているのだ。 背後に回るなりしたらそれに気づかないわけない。 思考を続けていたオメガモンは突如、周囲の空気の変化を感じる。 「なっ・・・・・・!?」 自分の頭を横切ったのは冷気の塊、紛れも泣くオメガモン自身が放ったガルルキャノンだった。 だが彼がその疑問に対する答えを出す暇はなく、左腕のグレイソードから刃を伸ばして上空に構えざるを得なかった。 「YAHUUUUUUUUUU!!!!!!!!」 「ぬおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」 頭上からマリオがスピンジャンプをして飛んできたのだ。 オメガモンはグレイソードを使って受け止めるが、スピンジャンプの回転はまだ止まらない。 凄まじい回転によりマリオから風圧が出て、二人の周囲の霧が一斉に晴れ始め、同時にオメガモンの疑問も吹き飛んだ。 「く・・・・・・マントか!」 「ああそうだ! このマントは丈夫ってレベルじゃないからな、弾ならほとんど弾き返せるんだよ!」 弾と一概に言ってもサムスのチャージショット、ピカチュウの電気ショック、リンクのブーメランと、飛び道具であるなら大抵弾き返せる。 無論それはデジモンの放つものも当てはまっており、マリオの動体視力からすればガルルキャノンですらただの飛び道具でしかないのだ。 「せめて必殺技クラスのレーザーにするべきだったな!」 「ぬぅ・・・・・・」 画面全体を覆うようなビームとかならマントに弾き返されなかったかもしれないがこの状況では後の祭りである。 マリオのスピンジャンプを真上から両足で踏ん張って抑えていたが、オメガモン自体の体に負担がかかり、ガルルキャノンの右 腕を使って両腕でどうにか抑え続けている状態だ。 対してマリオは時折バウンドして回転を止めないだけで良く、後は重力が勝手に力を貸してくれるのでそれに任してしまえばい いのでほとんど苦にならない。 結末がどうなるかは誰の目に見ても明らかだった。 「じゃあここでくたばって『兄さぁぁぁん!!!』」 自分を呼ぶ声にマリオはスピンジャンプをやめ、声の主を確認してみる。 オメガモン自体はグレイソードを杖として立ち上がろうとしたが、反撃にまわる気力がないのか片膝をついている状態だ。 「どうしたルイージ、俺はこれからこいつにとどめを刺すところなんだ」 「そんなことしている場合じゃないよ兄さん! ほらこれ!」 「ん?」 ルイージと呼ばれた緑の男が見せたのはノートパソコンの一画面、そこにはなんか数字が並んでいた。 「なんだこれは?」 「バンダイの株を買占めたんだ!これでデジモンは任天堂キャラだよ!」 「「なんだってー!」」 思わずはもってしまうオメガモンとマリオ。 敵同士がいきなり同じ会社のキャラになったんだから驚かないはずがない。 ルイージはそんな二人に対して更に言葉を続ける。 「こうして他の会社の株も買い占めてみんな任天堂キャラにすればいいんだよ! 殺しあう必要なんかないんだよ!」 突拍子もない現実離れしたルイージの発言に唖然とするしかない兄&ロイヤルナイツ。 そしてこんなことを言ってるやつがいたらこんな疑問が出てくるわけで 「だがルイージよ、その金は何処から・・・・・・」 「株で儲けたお金」 そして当然のように答えを返すわけで 「と兄さんの貯金。足りない分は借金」 「ま・・・マンマミーアァァァァァァァァァァ!!!!!! 」 【一日目・14時45分/ルーマニア】 【マリオ@スーパーマリオ】 [状態]健康 [装備]ニンテンドー64(こなたの支給武器)、スーパーマント [道具]ゲームボーイカラー、支給品一式×2 [思考]マンマミーアァァァァァァァァァァ!!!!!! 【オメガモン@デジモンクロニクル】 【状態】X抗体、中程度のダメージ 【装備】ガルルキャノン、グレイソード 【道具】不明 【思考】基本:みくるは俺の嫁、みくるを守る 1:殺し合いに乗ったもの(=秩序を乱す者)をデリートする 2:唖然 ※本家島根のオメガモン(アドベンチャーのやつ)とは別個体です。 【ルイージ@スーパーマリオ】 【状態】健康 【装備】無し 【道具】バンダイの株券、マリオの預金通帳、その他不明 【思考】基本:他会社を買収して任天堂キャラを増やす 【朝比奈みくる@ハルヒ】 [状態]健康、オメガモンに拉致られた [装備]不明 [道具]不明 [思考]基本 殺し合いには乗らない 1 私空気です・・・・・・
https://w.atwiki.jp/gs23/pages/224.html
君に見せたかった景色 ●●(う〜ん……ん?) ●●(あれ? 毛布がかかってる…… そっか、わたし寝ちゃったんだ。) ●●(佐伯くん、どこだろう?) 佐伯「おはよう。 ●●「佐伯くん! お、おはよう…… わたし、寝ちゃって—— 佐伯「ああ、うん、その…… 言っとくけど! 俺、変なことしてないから……。 ●●「う、うん……。 佐伯「それで……あのさ。 そこに俺のジャージ置いといたから、 着替えろよ。 ●●「ジャージ? どうして? 佐伯「見せたいものがあるんだ。 海に入るんだよ。 ●●「えぇ!? 海って……だって今12月だよ!? だいいち水着もないし—— 佐伯「平気。ドライスーツ貸してやるから。 ジャージの上から着れば濡れないし、 寒くないよ。 ●●「でも……。 佐伯「急げよ、時間が無いんだ。 ・ ・ ・ ●●「ウゥッ…… 佐伯くん! やっぱり寒いよっ!! 佐伯「あたりまえだろ? 何月だと思ってんだよ。 ●●「騙された……。 ねぇ、見せたいものって? 暗くてあたりが良く見えないよ。 佐伯「ちょっと待てよ。 もう少しだから……。 ・ ・ ・ ●●「わぁ…… 太陽が水平線から昇ってく……。 佐伯「ああ。 こうして海に浮かんで見ると、 まるで別の星の夜明けみたいだろ? ●●「そうだね…… 不思議な感じがする。 佐伯「何度見ても不思議で、きれいだ。 だから、どうしても一度、 おまえと一緒に見ておきたかった。 ●●「ありがとう。 寒い思いした甲斐があったかも。 海もキラキラしてきれい。 佐伯「俺、この時間の海が好きだよ。 穏やかで、神秘的で…… 人魚に会えそうな気がする。 ●●「……人魚に? 佐伯「ああ……。 ●●(佐伯くん、もしかして……。) 佐伯「そろそろ戻ろう。 コーヒー飲みたくなった。 ●●「うん! 佐伯くんのコーヒー飲むの、 久しぶり! 佐伯「甘い。 俺、もうバリスタじゃないんだぜ? たまには、おまえが淹れろ。 ●●(……良かった。 いつもの佐伯くんに 戻ったみたい。) 佐伯「ほら、しっかり捕まってろ! ボヤッとしてると、落っことすぞ? ●●「ワッ!
https://w.atwiki.jp/25438/pages/1104.html
【第四話】 ‐桜高・音楽準備室‐ 放課後。私達は“珍しく”真面目に練習していました。 澪ちゃんは感動のあまり、涙を流さずにはいられなかったことでしょう。流してませんけど。 梓「じゃじゃッ、じゃじゃッ、じゃーん!」 唯「おー、梓ちゃん上手いね。凄い勢いで上達していってるよ」 律「これで初心者だもんな、驚きだよ。もしかしたら、唯を追い抜くのも時間の問題なんじゃないか?」 それが冗談になってないのが、問題でした。 梓ちゃんの上達スピードは恐ろしいもので、本当に初心者だったのか疑わしくなってくるほどでした。 梓「まあ、向こうで小さいときから弾いてましたからね」 唯・律「全然初心者じゃないじゃん!」 向こうで弾いていたなら、こっちで楽器を買う必要がなかったような気がしますが。 もしかしたら向こうの楽器は、トンデモナイ形をしているのかもしれません。 唯「まあ、いざ私より上手くなったら教えてもらうし~」 律「お前は先輩としてのプライド捨てるの早いなー……」 潔いのが、私のウリです。まあ簡単には抜かれませんけどね。 ……私は梓ちゃんが来てからというもの、やる気に満ち溢れていました。 おかげで、いつもの一・二倍ぐらい練習量が増えました。これなら簡単に抜かれません。 澪「よし、そろそろ合わせてみるのもいいかもしれないな」 紬「お茶が入りましたよ~」 澪「ムギ!?」 澪ちゃんが狼狽えるのを尻目に、私達はいつもの定位置に着きました。 * * * 梓「そういえば、この前話した“塵取り紛失事件”あるじゃないですか」 そういえば、確かに前に話してもらった覚えがありました。 各教室に二つずつ配備されているのに、梓ちゃんのクラスには一つしかなかった、という事件だったと思います。 大して気にもしていなかったので、すっかり忘れていました。 それは、私以外でも例外でなかったようで、 律「あー、あったな、そんなこと」 澪「あれだろ、確か梓のクラスの塵取りが無くなったっていう」 紬「へえ、解決したのね」 誰も大した興味を示しませんでした。 それが気に食わなかったのか、梓ちゃんはしかめっ面を私に向けてきました。 ……何故、私一人に向けてくるのでしょう。 梓「唯先輩、いいですか」 唯「だから何で私にだけ視線を向けるの?」 梓「ちょうど唯先輩が目に入ったからです」 それはおかしい。 唯「おかしいよ。だって、その前にりっちゃんのオデコの輝きが、目に入ってるはずだもん!」 律「おい」 梓「今日は生憎の曇りです。晴れた日の輝きほどではありません」 律「おーい、梓ちゃーん?」 ああ、澪ちゃんの次はりっちゃんを怒らせそうです。 今回怒りのタネを撒いたのは、紛れもなく私なのですが。 唯「それで、事件の真相は何だったのかな?」 梓「全てはこの新聞に書かれています!」 澪「えーと、桜高新聞?……あ、新聞部が作ってるっていうアレか」 紬「そういえば、そんな部活があったね」 桜高は非常に部活が多いので、存在自体が忘れられている部活も少なくありません。 因みに新聞部は毎月、“桜高新聞”という新聞を出している部活です。 梓「ここを見てください」 梓ちゃんが指差した紙面を見てみると、 【悲劇!チリ取りがヤマのようなお金を……】 と大きく見出しが書かれていました。 唯「どれどれ」 『【悲劇!チリ取りがヤマのようなお金を……】 塵も積もれば、山となる。とても有名な諺に、こんなものがある。 これは諺の中でも非常に論理的なモノで、執筆者の私も信じるほどのものだ。 しかし、いくらこの諺に信頼を置いていようと、次の諺(が仮にあったとしても)信頼は出来ない。 “塵を取れれば、山も取れる。” 事件の発端は、春休み中まで遡る。 この時、とある桜高生の二人は、一年生教室に来ていた。 何故なのか、理由はわからない。ただ悪ふざけをしたくなったのだろう。 二人は塵取りを取り出し、元々持っていたテニスボールを打ち合った。 “塵取りテニス”なるものを始めたのだ。 しかし、塵取りはただのプラスチック製のモノであり、丈夫とはいえない。 逆にテニスボールは、時にあの丈夫なテニスラケットのガットさえ切らしてしまう。 耐えられる訳が無かった。 教室の窓側にいた生徒が塵取りでボールを返そうとした瞬間。その塵取りが割れてしまったのだ。 当然ボールは返されることなく、そのまま直進を続けた。(この時、窓は開け放たれていた) 結果、テニスボールは外へと落ちた。生徒二人は焦った。学校の所有物を壊したのだ。 それを何とか隠そうと、生徒二人は割れた塵取りをゴミ箱に捨て、そのまま下校したようだ。 しかしこの時、生徒二人が注意するべきは“外へ行ったボール”だった。 そのボールが落ちた地点は、丁度園芸部の花壇の近くだった。 この周辺は、園芸部の人間以外が近づくことは滅多にない。 故に、事件当日まで誰も近寄らなかったことは、想像に易いといえる。 事件当日、とある園芸部員が一人、花壇の様子を見に行った。 この日は新入生の、仮入部期間の開始を翌日に控えており、 園芸部はそのために育てた花の最終チェックをしたかったのだろう。 その園芸部員が花壇に近づいた瞬間。事件は起きた。 ―――花壇の近くにあったテニスボールを、誤って踏んでしまったのである。 当然、ボールを踏んだ部員は、思い切りよく転んだ。 しかしここは当然とはいえず、偶然というべきで、不幸中の不幸だったといえよう。 転んだ先にあったのは、まさに自分がチェックしようとしていた花壇だったのだ。 その数分後、他の園芸部員たちが、例の花壇に集まった。 だが、そこにあったのは土汚れが酷く、涙目になった部員が一人と、見るも無残な花壇だったのだ……。 事件当日の放課後に、園芸部員全員が招集させられた。 翌日の仮入部期間に間に合わさなければならないからである。 集まった部員たちは町中の花屋を回り、潰れた花壇の修復に必要な花を自身の財産をもって購入していった。 そして購入された花はその日のうちに植えられ、結果、花壇は修復されたのである。 この“表面上の”事実だけを聞けば、ただの美談に過ぎないが、話はそこまで簡単ではない。 当然、こんな事態を想定していなかった園芸部に、それの代金を賄う部費など余っていないのだ。 つまり想定していない事故、“塵取りテニス”を原因に多くの部員たちが“多くの財産”を失ったのだ。 これを称賛する者などいない。まして、それを取り戻す手段も存在しないのだ。 そう、これは美談などではない。ただの悲劇なのである。』 唯「……」 律「これは……」 澪「……ちょっと、な……」 紬「可哀想……」 本来の用途から外れた方法で使っていた人たちは裁かれず、 ただ真面目に部活動へ勤しんでいた部員たちが、損害を受ける。 私はとても理不尽な事件だ、という印象を覚えました。 それは梓ちゃんも同じでした。いや、誰もが理不尽さを感じてもおかしくない事件でした。 梓「私、こういうの許せないんです」 梓「罪を償う人は、この人たちじゃありません。間違えてます」 全く、そうだね。 梓「ですから私、明日のこの時間からは、この犯人探しに向かいたいと思います!」 えっ。 澪「軽音部はどうするんだ?」 梓「あっ」 何も考えていなかったんだね。 律「探してやりたい気持ちもわからんわけじゃないけどなあ……。 これは私達が手を出す問題じゃないだろ?」 梓「うー……」 紬「休み時間の間だけなら、いいんじゃない?」 梓「あっ」 本当に、何も考えていなかったんだね。 梓「……そのアイディア、頂きました」 澪「うん、その時間ならいいと思うよ。頑張れよ」 律「よし、じゃあどこから捜査するか、決めようぜー」 澪「えっ」 澪ちゃんは何を驚いているのかな。……当然、私達も参加するに決まっているというのに。 * * * 唯「新しく探偵部って作ったら面白そうだよね~」 紬「あっ、それいいわ唯ちゃん!」 律「こらこら。部活作るのはやりすぎだっつーの」 律「それで梓、何か操作するアテはあるか?」 梓「はい、そうですね……」 澪「ちょーっと待った!」 律「なに、澪?」 澪「その捜査って、私もメンバーに入ってるのか?」 律「当たり前だろ」 あまりに即答すぎて、澪ちゃんは呆気にとられていました。 澪「……はあ、そんなことだろうとは思ったけどさ……」 少しは察していたみたいです。 律「よし。それじゃ、梓、頼んだ!」 梓「はい……とはいっても、“犯人を知っている人”は知っているんですけどね」 澪「この記事の執筆者か?」 梓「はい」 この記事を書いた人物は、確実に犯人のことを知っていました。 知らなければ書けないような、具体的なことまで書かれているので、それは間違いありません。 律「ま、この桜高新聞がデタラメばっか書く新聞だったとしたら、そうとは限らないけどな」 梓「百聞は一見にしかず、といいます。一度新聞部の方に尋ねましょう」 紬「梓ちゃんは友達に新聞部の子がいるの?」 梓「いませんよ?皆さんこそ、いるんじゃないですか?」 ……。 梓「……あれ?」 ……きっと新聞部は、謎の多い部活なのです。 ‐翌日・二年二組教室‐ 昼休み。梓ちゃんなりに今日一日捜査した結果を、私たちに報告する時間です。 場合によっては私たちも出動し、昼休みを使って捜査するという寸法でした。 梓「皆さん、お待たせしました!」 来ました。 梓「結果から言いますと、訳わかりませんでした」 期待通りの答えです。端から梓ちゃんには期待していません。 律「よし、じゃあ私たちの番だな?」 紬「聞いて驚かないでね?なんと、私たちは記事を書いた子を突き止めたの!」 梓「す、凄いですね先輩たち……!」 何も難しいことはしていません。 和ちゃんに頼んで、部活の資料を見せてもらい、新聞部の子を特定。 その後に、記事を書いた子を特定すればいいだけでした。 唯「じゃあ、行こうか?」 梓「あれ澪先輩は?別のクラスなのに、呼ばなくてもいいんですか?」 呼ぶ必要は、ありません。 何故なら、これから私たちが目指す場所は、澪ちゃんがいて。 ……その記事を書いた人がいるクラスなのですから。 ‐二年一組教室‐ ?「はい、確かに私が書きました」 澪「それでも、犯人は教えてくれないんだね?」 私たちが教室に着くと、澪ちゃんが誰かに話し掛けていました。 その相手こそ、私たちが突き止めた人物。新聞部でした。 新聞部A「新聞部には、個人名を隠す義務があるんです。残念ですが」 澪「そっか……ゴメンね、無理を言っちゃったみたいで」 新聞部A「いえ。それでは」 話が終わると、新聞部の子は自席に戻っていきました。 その顔を覗いてみると、安堵の表情を見せていました。よほど緊張していたのでしょう。 ……それは、澪ちゃんも同じかな。 律「なんだ、澪が終わらせちゃったのかー」 澪「皆来てたのか。まあ、見たとおりだ。あの子からは何も聞き出せないよ」 個人名を隠すこと。それが新聞部のルールだとすれば、それを破らせるわけにはいきません。 新聞部のプライドにも関わってきます。 梓「唯先輩」 ん? 梓「……どうして、聞いてはいけないんですか?」 唯「えっ?」 梓「あの人は」 梓ちゃんはそこで言葉を切り、真剣な顔つきになりました。 思わず私もたじろいでしまいましたが、それを気遣うこともなく、 ゆっくりと、梓ちゃんは口を動かしました。 梓「……あの人は、“犯人を知っています”」 梓「それなのに、“どうして聞いてはいけないんですか?”」 私は咄嗟にその理由を説明しようとしました。 しかし、 唯(……あれ。何でだろう……?) 次に出る言葉が、ありませんでした。 新聞部のルールを守るため。これが一番早くに出た理由でした。 しかし私たちは捜査する側の人間。この選択は、下手すれば自分の首を絞めるような選択ともいえます。 まるで、犯人を守っているようにも見えてしまいますから。 梓「唯先輩?」 唯「……ゴメンね。絶対にその理由は答えてあげるから、今はちょっと待って」 結局その場凌ぎの言葉しか、出てきませんでした。 これで納得されなければ、梓ちゃんはあの新聞部の人に詰め寄ってしまうことでしょう。 何とかそれだけは回避してほしい。そう願っていると、梓ちゃんは、 梓「ふむ」 と言って、笑みを浮かべました。 梓「唯先輩が言うなら、そうしましょう!」 ……ゴメンね。私、そんなに頭が良くないんだ。 私は心の底で悔しがりながら、そんな謝罪の言葉を呟きました。 ‐二年二組教室‐ 律「さて、振り出しに戻ったわけだけど……」 律「何か捜査のアテがあるやつ、いないか?」 アテなどありません。それを考える余裕もありませんでした。 何故なら、私の頭の中は、さっきの言葉がでぐるぐるが回っていたのですから。 “犯人を知っています” “どうして聞いてはいけないんですか?” この問いに、私は必ず答えなくてはいけません。 紬「あのー」 律「ムギ、何かあるのか?」 紬「時間、大丈夫なのかなって……」 あっ。 梓「もう昼休み終わりますね」 澪「今日はこれで解散だな。明日、また捜査の続きをしよう」 梓「はい!」 ……結局、今日中に答えは出そうにもありません。 唯「梓ちゃん」 梓「はい?」 唯「待っててね」 梓「……待ってますよ、ずっと」 今は梓ちゃんの、その天使のような優しさに縋るしかありませんでした。 * * * 唯「……」 五時間目の授業が始まりました。 梓ちゃんとも別れたことで、少し心に余裕が出来たせいなのか、 事件のことにも考えが回るようになっていました。 唯(……唯一の手掛かりは、この前の梓ちゃんの話かな) 新聞部を頼れないとなれば、前に塵取りが足りない現場を実際に見ている、 梓ちゃんの話以外に手掛かりになるものはありません。 その日に話された内容を、私はじっくりと思い出していきました。 唯「……」 掃除の時間。塵取りが一つ足りないことに気づく。 廊下の掃除班が使用していた塵取りを使用し、問題はなし。 ゴミ捨て場へゴミを捨てて、無事掃除は終了。 唯(……だから何だっていうのさ……) 特に、何の変哲も無い掃除の風景に聞こえました。……本当に? 唯(あれ……?なんだろ、この不自然さは) 理由はわかりません。さっきも自虐のように言いましたが、私は頭が良くないのです。 なら、今の私に出来ることは? 唯(……みんな、力を貸して!) 皆にメールを送り、その答えを託すこと。 三人寄れば、もんじゃの知恵とも言うぐらいです。……違ったかな。 いえ、そんなことはどうでも良いのです。 このメールさえ遅れれば、必ずや良い結果が……。 先生「平沢さん、今は授業中ですよ?」 あっ。 * * * 律「……お前のやりたかったことはわかった」 律「だけど馬鹿だろ。タイミング的に」 携帯は、一度は取り上げられましたが、授業後無事に戻ってきました。 次は無いと言われてしまいましたが。 唯「でも、これで心おきなくメール出来るよ~」 紬「私達にはメールじゃなくてもいいんじゃない?」 唯「あっ、そうだね!」 初めから休み時間を待てばよかったみたいです。うっかり。 * * * 六時間目が終了すると、携帯が震えました。メールです。 送信者は澪ちゃん。 唯(澪ちゃんなら頼りになるよ~) 私は、早速メールを開きました。 #========== From:澪ちゃん Sub:無題 #========== 携帯、取り上げられたんだって?これから授業中は、携帯使うなよ? それはそうと、唯からのメール、しっかり読ませてもらったよ。 唯が感じた不自然さ、私もなんとなく感じた。その理由も、わかったよ。 ただ、皆で検証できる場所で、この意見を出したい。 だから部室で、話そう。 #========== 唯「……流石、澪ちゃんだね」 私は澪ちゃんに感謝しながら、急いで部室に向かいました。 クラスメイト「唯ちゃーん、今日掃除当番だよー?」 私はクラスメイトに感謝しながら、急いで教室に戻りました。 ‐音楽準備室‐ 紬「澪ちゃん、早速話してくれる?」 私達は、遅れた梓ちゃんを除いた四人でいつもの席についていました。 みんなが澪ちゃんの見つけた不自然な点を気にしていました。 澪「これが事件解決に関わるとか、実はただの偶然だったとか、 そういうこともあるから、あんまり重く受け止めないでほしいんだけど……」 澪「私が見つけた不自然な点は、ここ」 澪ちゃんは、私が送ったメールの文面の一文を指差しました。 そこにある一文は、こうでした。 律「“ゴミ捨て場にゴミを捨てて”……?」 私はハッとしました。そうです、私もこの一文に不自然さを感じていたのでした。 律「どういうことだ?別に、掃除をしたんだから、普通だろ?」 澪「日常生活の中だったら、自然なことだったろうな。だけど“時期”が不自然だった」 律「時期……?」 紬「四月?」 澪「それは世間一般すぎる言い方だ」 澪ちゃんは一息置き、そして、 澪「この学校の、ローカルな言い方だと?」 紬「始まったばかりの学校?」 そう口にしたムギちゃんもハッとしました。この不自然さに気付いたみたいです。 紬「……確かにこれはおかしいわね!」 律「ダメだ、私にはちーっともわからん!」 りっちゃん、それは鈍すぎるよ……。 澪「あのな、律」 澪ちゃんはゆっくりと口を開けて、答えを言いました。 澪「学校が始まったばかりなのに、“一年生の教室のゴミ箱が一杯になってるんだ”」 律「え……?」 りっちゃんは未だに理解できていないようでした。 すかさずムギちゃんが、補足説明を加えました。 紬「りっちゃん、いい?」 紬「梓ちゃんは、ゴミ捨て場にゴミを捨てているわ。つまりゴミ箱は一杯になっている」 律「ああ、そうだな」 紬「これが有り得ないの。だって、梓ちゃんがゴミ捨て場に捨てに行ったのは、入学式の翌日よ。 僅か一日、それも一年生が、“ゴミ箱が一杯になるほどゴミを捨てた”とは考えにくいと思わない?」 律「……あっ」 私が不自然に思っていたのは、まさしくそれでした。 入学したての一年生が僅か一日で、ゴミ箱が一杯になるほどのゴミを、 自分の新しいクラスに捨てた? ……そんなこと、到底考えられないのです! 澪「……これで大丈夫か、唯?」 唯「うん!まさしく、私が感じてた不自然な点だったよ!」 澪「……良かったー……」 澪ちゃんは姿勢を崩し、椅子の背もたれに大きく寄り掛かりました。 きっと、慣れない作業に疲れていたのか、緊張していたのでしょう。 律「……で、これが事件と何の関係性があるんだ?」 澪「さあ……」 澪ちゃんもそこまで考えていなかったみたいです。 手掛かりが何もない状態から、少しでもマシになるとは思っていましたが、思い違いだったようで…… 紬「いや……。これは大きな証拠よ」 ……そうでもなかったみたいです。 紬「普通、新学期が始まる前に、各クラスのゴミ箱は綺麗にされているわ。 それだから、今の不自然な点が生まれたのよね」 紬「つまりゴミ箱に多くのゴミが捨てられたのは、ゴミ箱が綺麗になった後。 つまりこれは間違いなく、春休みの後半に起きたことだと思うの」 紬「春休みに学校に来る生徒は、限られているはず……。 これを利用すれば、犯人の絞り込みが出来ると思うわ!」 ムギちゃんの狙いは、私の心を躍らせるほどに、確かなものでした。 つまり春休みに来た人たちをターゲットにすればいい。犯人に一気に近づいたような気がします。 澪「待って」 ん? 澪「それを調べるのは、一度梓から話を聞いたあとにしよう。 一応、梓が捨てにいったゴミ箱の中身が、どれほどのものか聞きたいし」 もしかしたら梓ちゃんは潔癖症で、ゴミ箱の中身を毎日綺麗にするような可能性もあるかもしれない。 そういう可能性を考えたのでしょう。 ……無いと、思いますけどね。一緒に暮らしていれば、わかります。 6