約 1,487,983 件
https://w.atwiki.jp/kasuga_basara/pages/41.html
ボイス01 私は生きる… (キャラクター選択) ボイス02 これが私の全て! (BASARA技発動) ボイス03 私は影…忍んで舞う…! (BASARA技終了) ボイス04 近付くな…巻き込まれたくなければな (大武闘会副将) ボイス05 あ…ああ…!……よくもっ! (小太郎外伝:最終章 風魔、全てを抹殺(佐助をかすがより先に倒す)) ボイス06 謙信様は…私が…お守りする… (死亡(敵側)) ボイス07 お前の顔は見飽きた… (挑発) ボイス08 これ以上は私を斬ってからだ! (汎用(敵側)) ボイス09 謙信様には…近寄らせない! (①汎用(敵側)②合戦中:熱血!上田城(一つ目の門突破)) ボイス10 謙信様のお声を聞かせるものか (①かすがと戦闘中②合戦中:熱血!上田城(三つ目の門突破)) ボイス11 それが貴様の限界だ…さっさと帰れ (プレイヤー瀕死) ボイス12 よし…いい調子だ (汎用) ボイス13 さあ、いくよ… (①乗馬時②ステージ開始:賎ヶ岳の戦い③汎用) ボイス14 いい大人が二人して…みっともないぞ! (①ステージ開始:賎ヶ岳湖畔戦②ステージ開始:宿命!川中島の合戦) ボイス15 そのような気概で、謙信様は守れない! (汎用:上杉軍武将とのかけあい) ボイス16 負けるな! 風はこちらに吹いている! (①汎用:敵かすが②汎用:2本能寺暗殺行(プレイヤーへ)) ボイス17 火薬の臭いは…嫌いだ (ステージ開始:四国重騎戦) ボイス18 ああ…謙信様が悲しんでいる…! (ステージ開始:最北端一揆) ボイス19 きれい…こんな街をいつか謙信様と (ステージ開始:京都けんか祭) ボイス20 不思議だ…心が凪いでいる (ステージ開始:関ヶ原の戦い) ボイス21 分からない…なぜあの悪魔に尽くすのだ… (濃姫へ) ボイス22 お、お前と話してると…イライラする! (佐助と戦闘中) ボイス23 お前、酒が好きなのか…謙信様と同じだ…フフ (島津へ) ボイス24 駄目だ!謙信様に話しかけるんじゃない! (①かすがと戦闘中②ステージ開始:熱血!上田城③汎用)未確認 ボイス25 は…! そ、その手があった…! (汎用(謙信とのかけあい)) ボイス26 何をしているんだ、お前は甘すぎる! ()未確認 ボイス27 いいえ…退くわけにはまいりません! これが私の役目…この命にかえても! (合戦中:川中島の合戦・天) ボイス28 この命のひとかけけらまで…謙信様のために… フフフ……悔いは…ない…… (合戦中:川中島の合戦・天) ボイス29 ()未確認 ボイス30 ふざけるな!真面目にやれ! (小太郎外伝:ニ章 風魔、覇王暗殺)
https://w.atwiki.jp/pattle/pages/48.html
ピラミッド最上階に安置されている棺に話しかけると、クイズに挑戦できる。 これに全問正解すると「A判定」がもらえる。(拷問宇宙をクリアするために必要になるアイテム) 問題 内容 解答 補足 第1問 パトルとカタリナの苗字は 「ブラックバーン」 『スパイ容疑』およびヴィクトリア十字勲章授与のシーンにて確認可能 第2問 作者は神戸在住か 「いいえ」 ワールドマップでは出身地と書かれているが在住ではないため引っかけ問題である 第3問 コモラーデの所属機関は 「対外文化協会」 『コモラーデ出生の秘密』で確認可能 第4問 マティス金欠の原因 「海パンを作った」 ニースでマティスと会話すれば確認可能 第5問 神田桜花がコモラーデを料理に 「パテ」 『英霊の怒り』で確認可能 第6問 ハリー王子のその後 「メッカを示す方向に向かって放尿」 『地雷除去』で確認可能 第7問 コモラーデの政治思想は 「マルクス・レーニン主義」 開発室でコモラーデとの会話から確認可能 第8問 Under Garden chronicleでロンメルに攻撃を当てるには 「トゥルーミラー」 Under Garden chronicleをプレイすれば確認可能 第9問 パトルの軍事博物館の仮題は 「ポケットタンクス」 開発室で確認可能?(要検証) 第10問 パトルの軍事博物館製作にあたって頼りになった先生は 「知的財産法の先生」 カタコンベ探索の会話で確認可能 実はルイスキャロルのクイズと正解番号が全て一緒
https://w.atwiki.jp/vipdetyuuni/pages/1614.html
「―――うそ、だろ?」 青年の眼の前には一人の男と、四人のよく知った―――いや、青年にとって掛け替えのない仲間が横たわっている。 「―――何を、した」 聞く必要はない。聞かなくても青年は理解している。 「見て解らんのか?」 男は、そう口にした。見て、何が起きたかを理解できないのか、と。 解る。 青年に解らないはずがない。 だが、認めたくはない。 それを、認めたくはない。 答えを、認めたくはない。 「何をしたって聞いてんだよぉおおおッ!!!!」 知らず、青年は叫ぶ。それは、認めたくない故の。叫ばないと気が触れてしまうから。 「―――知れた事。ただの初期化に他ならん」 男は青年の叫びを意に介さず、そう口にする。 「ふざけるな・・・。なんの、どんな理由があって貴様にそんな事をする権利があるってんだよぉ!!」 なお叫びながら、青年は静かに、冷静に『能力』の発動準備に入る。 「―――理由など無い」 「理由もなく、貴様は、貴様は―――」 青年は横たわる四人の掛け替えのない仲間を見据える。彼らは、もう、何も言わない。動かない。 「―――あいつらを殺したのか」 「まぁ、強いて言うならば・・・そうだな、それが私の 俺の 僕の 我の為すべき事というだけだ」 「あぁ、解った――――貴様を殺す」 ――キュンッッッッ!!!! 【荒嵐風神】 風を繰り、嵐を従える能力。 今放たれたものは、亜音速に達する真空の刃。その数は十二。 男を目掛けて、事実上不可避の真空の刃が襲い掛か――― 「ふむ、忠告が遅れたか」 「――――ッ!?」 ―――らず、男は青年の背後から声をかける。 ギャギャギャギャギャギャッッッ!!!!! 真空の刃は、男が立っていった空間を切り裂き、霧散する。 そう、男 が 立 っ て い た 空 間 を 。 「私を 俺を 僕を 我を 殺したいと思うのは君の 貴公の お前の 貴様の勝手だがな。能力を使わずに戦った方が勝機は得やすいと思うが―――まぁ、過ぎた事。存分に初期化されよ」 だが、青年の反応も然るもの。この事態に『能力』を行使し、振り返りざまに風弾を放つ―――よりも速く。 「―――があっ!!!」 電撃が、青年の身を焦がす。 それでも咄嗟に転がりながら距離を取る様子で、青年の戦い慣れというのを窺う事ができる。 事実、青年とその仲間達はこの界隈ではそれなりに名の知れたチームだった。もっとも、正義を馬鹿にし悪を笑うという類のものだったが。 「電撃の能力者・・・?」 青年は呟き、即座にそれを首を振って否定する。 確かに、男の放ったものは電撃の他にないがそれだけでは真空の刃を避け、青年の背後を取る事はできない。 そして、青年は一つの答えにたどり着く。『自らを電撃と化す』能力者だ、と。 「いや、自らを電撃と化す能力は未だ私の 俺の 僕の 我の内には無いぞ」 男は、青年の心の内に答えるかのように。 「・・・・・・未だ? まさか、いや」 「―――どれ、こうか?」 男が俺に向かって手を翳すと ―――キュンッ!!! 「!! くそっ!!!」 飛んできた真空の刃を咄嗟に嵐壁を呼び起こして防ぐ。 「今のは、俺の―――」 これでも何度も能力者と戦ってきた事がある。似た能力ならばその中で何度か見た。だが、今の能力は、威力こそ低かったが確かに俺の、 「別段驚く事でもあるまい」 驚かないはずが無い。あれは俺の能力。唯一無二の、俺の【荒嵐風神】。 「そもそもな。君に 貴公に お前に 貴様に出来ることが他人には出来ないと―――」 言葉の途中で、男は俺の視界から消え。 「―――何故、決め付けるのだね?」 トス、と。 音のした方向を見てみれば、 「――――え、」 胸から、刃物が、突き出ていた。 「―――――――こふっ」 喉に、鉄の味がせり上がってきて、ぱしゃぱしゃと地面に鮮血が降る。 「ふむ、そこのとは違い意外と頑丈だな。多少は、誇っても構わんぞ」 「ふざ、ける―――」 俺の背後から刃物を突き刺したという事は、至近距離に男が居るという事に他ならない。 だから、言い終わるより速く。速く。速く。 「―――なぁぁぁぁぁああああああっっっっ!!!!!」 ―――キュガ、という音。 自己の中心から外へ向けて【荒嵐風神】による真空の刃を四方八方三六〇度へ乱射出する事実上回避不可能の無差別絶対必殺攻撃結界。 その名『吹き荒ぶ凶陣』。 それに喰い付かれたが最後、人は人の原形を留めずに死を直視する―――の、だが。 男は、それを直視し。 ―――ザクンッ! 「―――な!?」 青年は驚愕する。 「―――ほう、私の 俺の 僕の 我の腕を喰らうか」 原形を留めずに死に至る必殺を右腕が千切れる程度の損傷で切り抜けた事を。 「さすがに、全天無作為攻撃全てを避け切る事は適わんか・・・。まぁ、この程度の損傷ならば是といった所よな。しかし、腕が無いのは存外バランスが取り辛いか・・・。ふむ・・・」 男は千切れた右腕を拾い上げ、切断面を合わせる。すると、まるで、時間が巻き戻ったかのように右腕が接続される。 「―――ッ!」 青年の、幾度目かの驚愕か。信じれない。信じたくは無い。目の前の男の能力はなんだ。電気に類するモノではないのか。一体なんなん――― 「ま、さか・・・」 そして、青年は思い至る。一つの能力のカテゴリーに。 そのカテゴリーは最強の一つとされるもの。他者の能力を複写し、自らの能力として扱う稀少能力。 「少し違うな。私の 俺の 僕の 我の能力は他者の模倣だ。複写ではない」 刹那。 ザクン、と。 音を立てて。 「な――ん、」 ゴトリ、と。 音を立てて。 「―――複写と模倣の違いを理解できぬ塵芥が多すぎるな」 男が口を開く。 青年の身体は直立のまま。 「今のは 君の 貴公の お前の 貴様の能力と他者の能力の複合に拠るモノだ。どうだね、君の 貴公の お前の 貴様の能力よりも切れ味が良かったろう?」 首は、男の足元に。 「しかし、まぁなにかね。人の話の途中に死ぬのは如何なものかと思うがね」 男はカカカ、と笑い声を上げ、それらを初期化した―――。 一刻の後。 その全てを見届けていた一羽の梟が男の頭へと着地する。 「――ホッホゥ。まぁ、殺しつくしたのう」 「アレらも元は実験体の端くれ、もう少し強度は高いと思ったんだがなぁ」 「死体はあのままでよいのか?」 梟の視線の先には肉の塊。元々何人居たか解らないほどにぐちゃぐちゃな肉の塊。 「――あぁ、あのままで構わん。不出来では在るが初期化は成った。然すれば誘蛾の一つにでも為るだろうさ」 男は笑う。 カカカカカカ、と。 こうして、日常の1コマは終わりを告げる。 ―――さぁ、明日もまた日常は続く。
https://w.atwiki.jp/pokehakur/pages/19.html
問1.テッカニン 問2.♂♀両方同じ 問3.マジックコート>フェイント>でんこうせっか>たいあたり>あてみなげ 問4.イトケのみ 問5.オーダイル>ドダイトス>ボスゴドラ>ヤドキング>バシャーモ
https://w.atwiki.jp/yu-gi-oh-dialog/pages/188.html
ふっふふふふ 遊戯 君等の仲間になれて嬉しいよ その為の協力者を用意しておいた甲斐もあった 女は必要とあらば いつでも僕が操れる そしてもう一人 獏良、奴には既に邪悪なる意思が住み着いていたが 表の顔は僕が洗脳しておいた 準備はすべて整った 遊戯 僕の背中に刻まれた刻印 そこには 貴様の記憶の在り処が記されている だが貴様に記憶はやらんさ 闇のゲームで永遠の闇に葬ってやる そして3枚の神のカードを手にしたこの僕が 新たなるファラオになる! それがこの闘いの究極の目的だ! さあ、三千年の闘いの始まりだ 遊戯! 城之内君 1回戦で対戦する事になったら、お手柔らかに えぇ? そうだね その時は全力で戦おう
https://w.atwiki.jp/vocaloidchly/pages/5316.html
作詞:ヘブンズP 作曲:ヘブンズP 編曲:ヘブンズP 歌:巡音ルカ 翻譯:kyroslee (取用翻譯前請注意首頁的翻譯使用禮節, 並不要拿掉譯者的名字) 即便那就是你的幸福 赤腳飛奔起來的 少年少女的期待 即便在這前方會被水沾濕也沒關係呢 叫人頭暈眼花的爭辯化作真理(*註) 啊啊 夜幕又再降臨 一同構築而成的感受 那時候 使胸口苦悶的感情 還有灑落的淚水 被引誘的淚水 失效日期是直到何時呢 在某個未來 能互相歡笑的未來 假若這就是數天後的未來的話 你所 背負着的明天不會叫人痛苦嗎 讓我在我心中翻滾掙扎的文字上 劃上一道線 你所 背負着的今天已經無可挽救了嗎 儘管如此在那雙肩膀上 有承載了一絲溫柔的話 那就能再次 感受到愛了吧 徐徐掉落的魔法 已經被施展了吧 那是誰都無法解開的魔法吧 就連本應被原諒的事 也變得不可原諒 那般的情況的話 並不是只有言語才會變成言語的 即便那數秒即是命運 即便那數步即是命運 但去放棄那份決心就是任性嗎 不要走 不要走 不要走 此刻 你的 目的地不昏暗嗎 假若那只是耀眼光芒中的 影子的話 不想讓你 走向啟程的地方啊 就例如即便在那前方 你得以寂靜安眠 即便那就是你的幸福 你的明天 不會叫人痛苦嗎 讓我在我心中翻滾掙扎的文字上 劃上一道線 你所 背負着的今天已經無可挽救了嗎 儘管如此在那雙肩膀上 有承載了一絲溫柔的話 那就能感受到 那份愛了吧 註 這裏原文是「めくるめく議論はトートロジーに」 トートロジー = Tautology, 中文譯作「重言式」 簡單點來說就是「必然正確的論述」 其相反就是所謂的「矛盾」 それがあなたの幸せとしても 作詞:ヘブンズP 作曲:ヘブンズP 編曲:ヘブンズP 歌:巡音ルカ 中文翻譯:Alice / 箱庭博物館 我阻止得了你嗎。 -投稿者評論 即便那就是你的幸福 赤腳飛奔而去 少年少女滿懷的期待 哪怕在前方被弄濕也無所謂 爭辯地頭昏腦脹也全成廢話 啊啊 太陽又下山了呢 最後只一同得出這般感觸 那時候 緊揪心頭的感覺 和滑落的淚水 這因你落下的淚水 有效期限會到什麼時候呢 * 某個未來 某個能互相笑鬧的未來 能否就是數日後的未來呢 你如今背負的明天難道不辛苦嗎 讓我在那掙扎的文字上 為你畫一條線吧 * 你如今背負的今天難道已無法挽救了嗎 即便如此 讓我在你肩上放上溫柔 * 你就又能感受到愛了吧 你被施上 緩緩墜地的魔法了嗎 * 那真的是誰也無法解開的嗎 若說現下 連被允許之事都已成不可原諒 那就並非只有話語能成為話語 即便那數秒即是命運 即便那數步即是命運 難道想阻止你的決定的我很任性嗎 不要走 不要走 不要走 還不要 你要去的那個地方難道不黑暗嗎 即便你說那只是廣大光芒中的小小影子 我不想讓你 前往重新啟程的地方啊 即便你能在那前方 安穩沉睡 即便那就是你的幸福 你的明天難道不辛苦嗎 讓我在那掙扎的文字上 為你畫一條線吧 你如今背負的今天難道已無法挽救了嗎 即便如此 讓我在你肩上放上溫柔 你就能感受到這份愛了吧 以下為日評論+自己的一點猜側: [注] 原文「消費期限はいつまでですか」,意指「我會哭到什麼時候呢?」 [注] 原文「もがいてる文字にひとつ線を引かせて」,在「辛い」(辛苦)兩字上各畫一條線即成「幸せ」(幸福)。 [注] 原文「その肩に優しさを乗せたなら」,「優」字右下部分即為「愛」。 [注] 原文「緩やかに落ちてく魔法」,暗指跳樓自殺。 配上投稿者評論的「僕に、止められるだろうか」,我自己是詮釋為「主角想阻止某人自殺」,用詞非常驚豔、感人的曲子。
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/11530.html
このページはこちらに移転しました トリカゴノオトコ 作詞/452スレ120-121 「酒だ!酒を持ってこい!!!」 男の叫び声 怯える召使 「どうした!酒はまだか!」 殴り飛ばす音 崩れ落ちる音 「嗚呼・・これが貴族と云う者なのか・・・!」 この胸の奥のこの思いを どうすればいいのだろう 迷い 迷い流れていく時 また一人 また一人崩れていく 嗚呼コレが僕の望んだ 世界の住民なのだろうか それともこの男は この世界の害悪なのだろうか どちらでも良い どちらでも構わない 僕の思いはただ一つ この思いに従うだけ この胸の奥のこの思いを さぁ 今 解き放とう 迷い 流れていく時は終わりだ もう誰一人として崩れさせはしない 白銀の剣を背負って 漆黒の衣に身を包んで 黒と白の交錯する思いを 今 解き放とう 「酒はどうした・・・」 「お酒ならば・・・こちらに。」 「おお、早く出せ・・・うぐっ?!」 「今夜のお酒は 良く回ると思いますよ。」 「ぐっ・・・貴様・・・!」 「どうぞ・・・ご主人様・・・おやすみなさいませ。」 紅く 紅く染まる白銀の剣 黒く 黒く染まる僕の心 白く 白く染まる僕の思い ああ これが 答えなのだろうか 正しくてもいい 正しくなくてもいい これが 僕の答え
https://w.atwiki.jp/tosyoshitsu/pages/373.html
黒い、影が佇んでいた。 だがその影の輪郭は、物語の半ばで顔をのぞかせた、あの自らの名に道化師を持って任じている男のものとは異なっており、黒よりも、なお濃い黒、光喰らうまさに漆黒の色合いを、その装いに漂わせている。 何より異なるのは、その肌と髪の色。 砂漠に焼けた灰色ではなく、日差しに焼けた褐色ではなく、白い、白い抜けるような肌と髪を、その影の主は持っていた。 亡霊のような高貴なつば広の帽子を目深に被り、影は大地をまなざす。 その形で持って全力で愛を叫ぶ、青の中に頼りなく浮かぶ、とても小さいその大地を。 「――――――――」 影は紫色の唇を、笑みもさせずに閉ざしたまま、そうしてじっと、その大地をまなざしていた。 /*/ 「「「「「「「乾杯ー!!!」」」」」」」 高らかな唱和がオアシスに響き、星の印がついたラベルの缶に、みな、口をつける。 国産の、ビールであった。熱い日差しの中、多量の発汗に促されてか、するすると傾きが深くなり、かん、と響く軽い金属音と共に、空いた一本目が彼らの手元で立てられる。 流れた時は既に半年を数え、季節は夏真っ盛りの八月を迎えていた。 王宮の裏庭に設けられた宴席で、互いの労をねぎらいあうのは、つい先日、ようやっと長い大戦が区切りを迎えたばかりのレンジャー連邦の高官達である。 「長かったですねえ…」 「ええ、本当に。当初は三ヶ月という話でしたから」 倦み、疲れて姿を消したものもいる。それはこの国だけの事ではない。 今はいないものたちに、想いを馳せながら、それでも最後まで戦い抜いた彼等は祝杯を挙げた。 「ヤガミが死にそうになったり、死にそうになったり、死にそうになったり…」 はぁ、と溜め息をつくのは、移民してきたサクという女性である。短い髪が凛としたところのある、今もなお、後にした国の仲間の写真を大事に持っている、情の深い女性であった。 「ドランジがヤガミと殺しあいになりかけたり、いなくなったり、間一髪だったり…」 はぁ、と、これも溜め息をついている、萩野むつき。彼女は死闘のただなかに飛び込んできた、恐れを知らない女性であった。銃弾よりも、何も出来ないことの方をこそ、恐れる勇敢さを持つ、女性である。 幾千幾万の敵と、それをもたった一人で上回る強敵を、いくつも薙ぎ倒して、今、彼等はここにいる。一つの勝利でパレードを行った、最初の頃が微笑ましく思えるほどに、大敗も、大勝も、逆転も、完敗も味わいつくしてきた、戦士の血を持つものたちなのだ。 「その節は、心配をかけた」 高性能の義手を軋ませもせず、二本目のビールを口にして笑むのは当のドランジである。 恋敵のために作られたというこの製品の味わいに、内心穏やかならざるものもなくはないが、一時期のように、若気に任せて感情に振り回されるようなことは、さすがにない。 「ほんとだよ、もう…」 さんざ口やかましくその件については言われ続けたのだろう、わざわざ彼の捜索のために戻ってきた、左右の瞳の色が違う女性がそう呟き、背中をこつんとこづくのへ、ドランジはただ苦笑するしかなかった。 内輪だけのささやかな立食パーティーの形式を取る、テーブルクロスの飾りつけや、料理を給仕するのは、今は姿を見せないものたちに名づけられたものも多い、文字通り『毛色』の異なるものたち。頭に猫の耳を生やし、腰から尻尾をはみ出させる、歳も姿かたちも様々な、猫士と呼ばれる若者達である。 音もなく豊かに溢れるオアシスの冷気と、王宮の影という立地とで、裏庭はなかなかに快適な居心地の空間となっていた。20人ばかりが一堂に会すると、それなりに賑やかにはなるもので、笑顔が絶えない。 「これからしばらくは、小笠原通いの人も多そうですね」 手に大皿を持ちながら、にこにことそんな女性陣を見守るのは双樹。 「特定の好きな相手がいない人間にとっては、なかなか手が出ない娯楽だけどねえ…」 「あれ、城さんはなっこちゃんびいきじゃなかったんですか?」 「うん、それがね」 と、華一郎もまた隣に並び、見る景色を彼と同じくしながら困ったように笑う。 「俺はどうも、日本人特有の判官びいきという奴だったらしい。石田の時も、横山の時も、そうだ。頑張ってる女の子が好きなんだな、要するに」 「へえ……」 わかったようなわからないような声で双樹は相槌を打った。 強く、世界を己のために変えてしまえるほどに強く、心の中に光を灯してくれた、『ヒーロー』を持つ彼にとり、その意見は理解しにくいもののようだったらしく、スパイスの効いたタンドリーチキンを手づかみにやっつけながら、頷くだけにとどまった。 「でも、そういう感情って『そばにいてあげたい』ってなったりしませんか?」 「それがねえ」 と、もっと困ったように、けれども嬉しそうにも笑いながら、華一郎は告げる。 「もう、いたみたいなんだよね。そばにいてあげたい相手が、俺にも」 「へえ…誰なんですか?」 「さあ、誰なんでしょう」 くつくつ喉で笑いながら意地悪くはぐらかす。 「いずれにしても、これからは呑気な恋の季節だよ。春はとっくに過ぎ去った後だけれども、その春の、訪れるまでまた、この夏は続くのさ。バカンスに最適のシーズンがね」 君も舞に会いにいったらどうだい、と勧めるのへ、双樹は、はい、いつか機会があれば、是非…と、照れくさそうにも、真っ直ぐに頷いた。おお、と眩しそうに目を細める華一郎。 この、体の大きな年下の友人のことを、華一郎は好ましく思っていた。 情に脆く、熱いが揺れやすい。その上で、きっと、彼は何があってもくじけない。そう信じていたから、華一郎は彼のことを好ましく思い、信頼していた。 くじけるとは心が折れることではない。 そこから立ち上がれなくなることだ。 折れた剣はより強く鍛え直せばそれでいい。 だが、中には折れた剣を手にしたまま、立ち上がれないものもいる。 折れた剣をそのままにしておきたいと思うものがいる。 それを華一郎は知っていた。 双樹はそうではない。 だから、信頼できる。 深く、ぬばたまに黒い瞳で、華一郎はそう思いながら、友人のことを見つめていた。 「それにしてもよく食うなー君は」 「はい、おいしいですから!」 「そりゃーよかった。ハニーちゃんや愛佳ちゃんも喜ぶだろう」 そう言って、目の前で、串から肉を削ぎ落とし、白いソースをかけるのへ、 「ケバブもいいが、そこのキョフテもいけるよ」 と、指さしてやる。 「西国料理は懐が深いですねえ」 「長く大陸の覇者であったオスマン帝国の元で、いろんなうまいものの要素が交じり合って出来たからなあ。この、ゆで卵の丸々一つ入った饅頭なんてうまいぜ」 ようやく勝ち取った、平和の味。 それに舌鼓を打ちながら、彼等は昼下がりをのどかに過ごす。 太陽は遥かに天高い。 /*/ 無論、束の間とはいえ訪れた平穏を謳歌しているのは一般の国民も同じだった。 「バイトで懐もうはうは、景気もよくて暮らしやすいと来たらこりゃもう豪遊しかないだろう、なあ!?」 「『なあ!?』じゃないですよ、どうしてそう浪費癖があるんですか、あなたは……」 クラディスとミードもまた、その恩恵をほおばりながら、港通りを歩いていた。 手にはそれぞれ件のゆで卵入り饅頭がある。出来たてで、湯気の立っているところに加え、もう片方の手にはナッツの散りばめられたうまそうなデザートパイも抱えられている。きらきらナッツが光沢を放っているところを見ると、蜂蜜に、漬けたか塗ったかしたのだろう、手が汚れるのも構わずそれらをむしゃむしゃと歩きながら食らう姿は決して行儀のよいものとは言えなかったが、親指についた汁までしゃぶってがっつくのが、なんといっても買い食いの醍醐味、まして普段爪に火を灯すような節約生活でいた彼らにとり、久しぶりの贅沢は至福の味わいであったのだ。 「いやあ、うまい!黄金の味がするな!」 「本当、食べているとなんだか世界がきらきら輝いて感じられますね」 「いや単純に銭の詰まった旨味がするよ。ビバリッチ!」 「うわあ金に意地汚い人だなあ、あなたは」 思わず率直な感想を漏らしつつ、ミードは味の濃いものを食べたので、何か渇きを癒す飲み物でも、と屋台か売店を探す。 ふと、その視界の端に影がよぎった。 「?」 「なんだ、どうした。小銭はもう道端で探さなくていいんだぞ」 「いや、そうじゃなくて…ていうか普段そんなことまでしてたんですか、あなたは!?」 「拾ったものは俺のもの」 「それはねこばばじゃ…」 「小銭はさすがに構わんだろう、常識的に考えて。誰の落としたものかわかるわけねえし。そんなことより急に止まるな、置いてくぞ」 ほれほれとせっつくクラディスに追い立てられ、気がかりをよそに、その場を後にする。 「法官志望なら、せめて公益のために拾ったお金でも寄付するとか、届け出るとかをですね…」 「そういうのは護民官に言ってくれんか。あとむしろお金は俺が寄付されたい方の側だったわけだが」 「こ、公人たる器ではない人だ…小さい、器が小さいよ」 「やかましい細かいことにこだわると若ハゲるぞ」 ほっといてくださいよ、と、最近気になり始めた生え際を意識しつつ、思い出す。 さっきの影、どこかで見たような……? /*/ はっ、はっ、はっ。 片手を握りしめたまま、急いで路地を走る。 途中で何度か折れ曲がり、誰も追ってきていないことを確かめると、広げた手の中にある、砂で汚れたコインを見つめ、彼は安堵した。 よかった。今日は何か、暖かいものを買って食べられそうだ。 同時に、いつもなら感じなかったはずの恥辱が頬を苦く歪めさせる。 かつての同級生の姿を見た時は思わずひるんだ。なるべく昔の知り合いに会わないようなところでばかり、仕事をしていたつもりだったが、あの二人だけは神出鬼没で敵わない。 薄汚れた服の胸をなでおろしながら、呼吸を落ち着けるつもりで歩き出す。 どうして、こんなことになったのだろうか。そう、二人の姿を見て、思ってしまった。 彼らと自分と、一体何が違ったのか。 どうして自分がこんな目にあわなければならなかったのか。 自分だけが、とは言わない。生きているだけまだ幸運なのだ。 この思いを払わねば、これからの日々を、ずっと今噛み締めたような恥を感じながら生きなければならない。 わかっている。 わかっている。 何が悪いわけでもなかった。 ただ、不幸だっただけなのだ。 運が悪い。 そんなもの、どうしろというのだろう。 久しぶりに見上げた空は、砂塵舞う、黄色く濁ったもの。 地面を舐めるように見つめて歩く癖がついたのは何時の頃からだったろうか。 「……っ……」 ない、片腕の付け根が幻痛に軋む。 「苦しいよ、父さん……」 影は、はたしてムゥエであった。 /*/ 五月のことだった。 「すまんなあ、お前にこんなことをさせて」 笑う父に、いいんだよ、これくらいなんてことないからさ、と、強がりを言って見せたムゥエは、慣れない港での荷揚げ作業にすりきれた筋肉をことさら元気そうに酷使して見せた。 港付近の借家住まいとなった父子は、当初の見通しとは裏腹に、市場で再び投機をやるほどの元手をいまだに作れずにいた。 労働の対価が少ないのではない。また、労働が不当に過酷だったわけでもない。 現実はとても公平だった。 それまで何十年も机にかじりついて、運動などたまの余暇にしか楽しまなかった四十絡みの男が、いきなり不得手な仕事を不慣れな環境でこなせるほど、労働というものが甘やかなものではなかったというだけのことだ。 それはいっそ、似たような暮らしを一緒に過ごしていたムゥエでも、若さがあるからこそ徐々に体が慣れて来ているのとは裏腹だった。 慣れて来ているとはいえ、父の分まで働いているムゥエの疲れが尋常なものであるはずがなく、日に日に父の浮かべる笑顔の力がなくなっていくのを、それでも見たくなくて、懸命にムゥエは働いていた。 汗と汚れにどろどろになった服の内側に、タオルを通して手荒く拭うムゥエ。もうこのような仕草も随分と板についてきたものだった。 「次ぃ」 「はい!」 かけ声をあわせ、ぐいと荷を両足を踏ん張って手と肩で押し流す。筋骨逞しいベテラン作業員は、そのムゥエの様子を、軽々と荷を片手で押し流しながらその都度横目に見て、実にいきいきと仕事をしていた。 「大分腰入ってきたなあ、兄さん」 「そうですか?」 「おう。線の細いぼっちゃんだと思ってたけど、やるもんじゃねえか」 「ありがとうございます!」 「ほら、次!」 「はい!」 聯合国との物資のやりとりが頻繁になるにつれ、臨港作業の口は増えた。今の住まいから近いこともあって、二人でそこに働き口を求めたムゥエ達は、自分達が生活のために数値で取り扱っていたものが、いかにして実際の生活の中で回っているのかを体感することになった。 「親父さんも、株だけやってりゃあ一生わからなかったろう、なあ?」 「ええ。まったくいい勉強になってますよ!」 にこりと皺深く笑った父の笑みは強い。息子には負けていられないと、滴る汗を拭い拭い、気力を振り絞って荷を扱う。 「国内で有数の資産家だっていうからどんな苦労知らずかと思えば、なかなかどうしてガッツがありやがる。本当に見直したもんだぜ!」 「恐縮です!」 ごうんごうんとクレーンの動く轟音に負けじと張り上げるので、声は自然と大きくなる。 おおー…ん。 その、クレーンの音が止まった。 作業をしていた皆の手も止まる。 「上がりだ。終わろうや」 にこり、笑ってその男はムゥエと父との肩をばしんと叩いた。 その鮮烈な痛みが、泥のような疲労で埋まった肉体に、とても心地よいとムゥエは思った。 /*/ 山盛りの食事を片手間にたいらげながら、ムゥエは本を開いた。 在学していた頃に使っていたテキストである。 「よく続くねえ、学生さん」 「折角覚えたことがもったいないですから。いつかまた、どこかで使うために、です」 「おう、その意気だ」 周りの逞しい男達も、やはり彼らのような父子が自分達の中に混じっていることについては相応しくないと思っている。だが、それは、最初の頃こそ、仕事もろくに出来ないお荷物に対しての取り付く島もない感情の結果だったが、休まずによく働く彼ら、ことに近頃は重機の免許取得に向けて寝食を惜しむ息子の側の著しい成長に、やはりこういう人種は自分達とは根本的に向き不向きが違うものだと打ち解けて感心を隠さないでいるためだ。 「頭いい奴はそれを生かす。体強い奴はそれを生かす。そんだけのことなんだよな、人には向き不向きがあって、それ以上でもそれ以下でもねえっていう。あんたら見てて、つくづくそう思ったよ」 「そう…ですか?」 「ああ。俺もな、昔は勉強嫌いで、体動かさないで稼いでる奴等が羨ましかったもんだ。あの日の騒動なんて対岸の火事みたいにへえそうですかいてなもんだったよ。けど、やっぱり違うんだよな、そういう態度は」 「…………」 「みいんなどこかでつながってるもんだ。俺らが荷揚げする品が株価を動かしてるんだし、投機する人間がいなきゃ金は回らねえ。俺達が今食ってるメシだって、作ってくれるおばちゃんがいなくちゃ冷たい弁当ばっかで力が出ねえよ、でもおばちゃんは俺らがいないとせっかくうまい料理作っても食ってくれる相手がいなくて稼げねえもんな」 安くて量があって飽きないメシなんて、まあありがたいぜ、俺らみたいなのにしてみれば、と言う彼の言葉に、ムゥエも笑って頷いた。 「初日なんざろくにメシも通らず吐いてたのになあ。若いってのはいいよな」 「へへへ……」 照れ隠しにかっこんだ米が、ぐいぐいと喉を通る。 昔ならば到底考えられない量の食事が、体の中に溜まるたびにパワーとなって筋肉を立ち上げる。たらふく食べて、たらふく飲んで、たらふく動く。たらふく寝る。たったそれだけのことだが、勉強をしているだけでは味わえない、強い充実感がそこにはあった。 「ん…父さん、どうしたの?」 ふと隣を見ると、はたして皿の上に料理が残っている。 「食べないと明日もたないよ。まずは食事が一番、体が何事も資本じゃない」 「あ、ああ…そうだ、そうだな」 ぼうっとしていた父を、いぶかしむように眺めながら、ムゥエは骨付きチキンを食いちぎる。タオルで指についた油を拭い、何気なくまた本のページをめくった。 「いつも父さんが言ってたことだものね、それは」 「ああ…」 父は、いらえると、深く、皺深く笑みをこぼして皿の上に目線を落とす。そうしてゆっくりスプーンを取った。 「そうだったな……」 /*/ 翌日の朝。 いつものように、帰ってからどのように過ごしたか覚えていないほど深く眠ったムゥエは、ん、と大きく伸びをした。 相変わらず体は軋む。だが、自分でもわかるくらい、筋肉がつき始めていた。いつか父の分まで働けるようになるだろう。いや、その前に、操縦の難しい重機の取り扱い免許を取得して楽になるのが先だろうか。それとも、市場取り引きに戻れるだけのお金が溜まるのが先か…… 「なんにしても、まだまだ先は長いなあ……」 外を見ると今日もいい天気だ。雨季まではまだいくらかある、当分はこんな調子だろう。 黄砂が潮風で重たく舞いあがり、干し煉瓦造りの家屋に張り付いて、まるで垢のように表面に溜まっていく。それをたまに削り落としてやらないと、家は増えた重みに傷んでしまう。借家とはいえ今は世話になっている立派な自分の住まいなのだ、明日の休日には手入れをしてやろう、そう、ムゥエは気分よく考えた。 海に囲まれた連邦では良質な水は貴重なので、そのまま売られている水を飲めばいいというわけにはいかない。そのため、これだけは今も常備している珈琲の粉末をなべ底にひとすくい落とし、湯を注ぎこんでカンカンに直火で沸かす。 その傍らで、腸詰を転がして焼き、早朝の物売りから買った出来立ての饅頭を一緒の皿に盛ると、ムゥエは父を起こしに行った。 「父さん、父さん…朝だよ」 むうう…と、寝苦しいようなうめき声を挙げ、父は顔をしかめる。 「ご飯出来たよ、起きないと仕事に間に合わないよ」 「ん、ん……」 吐息をどっと漏らすと、ようやくうっすら目をあけた父は、のろのろと身を起こして立ち上がった。 「もう、そんな時間か…」 「肉饅頭を買ってあるよ。珈琲も淹れたから」 その言葉を聞くなり、妙な顔をしてムゥエの父はじっと立ち止まっていたが、ふと我に返って、 「おお、そうだな、そうだ。朝は一日の始まりだ、しっかり食べないとな」 /*/ その日は珍しく、天領にある本国からの荷がやってきていた。 「ストームブルー、か……」 珍しいなと思う。 ハイマイル区画ならともかく、こんな小国で見かけるような名前ではない。 「どこからの荷だろうと同じだよ。お客様の大事な荷だ、大事に扱うだけさ。そら!」 「わっ」 行くぞっ、と威勢良くいつものようにかけ声をあわせ、荷を運ぶ。 頭上ではクレーンの立てる轟音が、港にはそびえ立つ輸送船の異様が、相変わらずの光景を繰り広げていた。 その中で、ただ一つ、普段通りではないものがあった。 「おい、大丈夫か?」 「え、ええ…大丈夫、なんでもないです」 「倒れられちゃあそっちの方が迷惑なんだからな、無理すんなよ」 「はい」 ムゥエの父は、どうやら疲労の極致らしかった。 今朝から動きに精細がなく、何度も荷を押す手が途中で止まっている。 「心配なのはわかるが、余所見だけはするなよ」 相方から念を押され、自身も歯を食いしばって荷を動かすムゥエ。 (父さん……) 普通に暮らすだけならお金にゆとりはあった。 だが、まとまった商取引をするためには、まず借金を返して失った信用を取り戻さなければならない。それにはまとまったお金が必要で、どうしても切り詰めるところが出て来てしまう。それが、休みのほとんど出ない日程であり、遊びのほとんどない日常となって、生活を苦しめる。 おそらく、父の体力ではもう限界なのだろう。 ちらちらとそちらの方を気にするムゥエに、相方の男は溜め息をついた。 「しょうがねえな…ほら、ここはいいから」 「え?」 でも…と顔を見るムゥエに、 「いいからいいから、ほら、行け、行け!」 しっしと手で追い立てる。 「……っ」 顔をくしゃっと歪めて、ありがとうございます、と勢いよくお辞儀するムゥエを、顔も見ずに追い立てた男は、集中出来ねえからさっさと行け、と、なおも怒鳴りつけつつ、どこか照れくさそうでもあった。 慌てて父の元へ走り、 「押しまーす!」 と、かけ声をかけてから反対側に入る。 ぐい、と押すと、荷物は思ったよりずっと楽に前へと進んだ。 驚いたような顔をする父に、笑って見せるムゥエ。 「ほら、次」 「あ、ああ…」 そうして二人で、しばらく次から次へと来る荷を押していく。 一緒に押すことで感じられる、父の手の力は、頼りなげで、 「…………」 頑張らなくちゃな、僕が、と、ムゥエは微笑みと共に心に力を漲らせる。 ここまで自分を育ててくれた父に、今度は僕が報いるんだ、そう思うと、不思議と力が湧いてきた。 「そぉら!」 ぐん、と、ほとんど一人で押すような形で荷を押した。 本当の意味で、ようやく吹っ切れたような気がした。 僕のやりたいこと。 それは、父さんに報いることなんだ。 ここまで育ってくれた、父さんに、楽をさせてあげたい。 そのためなら、頑張れるよ。 「ムゥエ、お前…」 その背を見て、父がまぶしそうに呟く。 「立派な背中をするようになったなあ…」 ばちん。 太い金属音が、瞬間響き渡る。 衝撃。 暗転。 ムゥエの意識はそこで途絶えた。 /*/ …母さん。 母さん? どうしたの、どこへ行くの? 父さんと一緒にいようよ。 ねえ。 ねえってば。 駄目だよ。 僕は、行けないよ。 父さんにおかえりなさいってしてあげなきゃいけないんだもの。 ほら、もうすぐ父さんが帰ってくるよ。 ね、お母さん。 ご飯作って、二人で待っていよ? ね? ね? 母さん。 母さん。 母さん……? /*/ 「…………」 目を、あけようとすると、ぱりりと固まった目やにが弱くそれに抵抗した。 体が横たえられている。 見知らぬ天井に、鼻を利かせると、消毒薬のにおいがした。 病院にいるのだろう。 そう、他人事のように理解した。 ここはどこだろう。そう、理解していない頭が疑問を抱き続けているのにも関わらず、だ。 室内は薄暗い。 薄暗い? 本当にそうなのだろうか。 「……っ」 目を、動かす。目は見えている。両方とも。 大丈夫だ。どこもおかしくない。 よかった。 まずは安堵が先に来た。 あまり長い間入院していては、父がもたない。 ただでさえあれだけきつそうにしていた父を一人で働かせるわけにはいかない。 なんだったらお医者さんに無理を言って、明日からでも退院して働こう。 身を、起こそうとして、不意にバランスが崩れる。 「…………あ…………」 右腕が、肩の付け根からもげていた。 /*/ 「なんだよ…なんだよ、これ、なんだよ」 ある。 ほら、あるじゃないか。 右手の感覚がある。 思うと同時に、言葉が頭の中で閃く。 あまりに大きな傷を負った時、脳はその欠損に対応出来ないまま、例えば失った四肢を動かすための神経回路がそのままになっていることが、よくあるという。 幻肢だ。 「おい…嘘だろ…?」 はははははははは…… 乾いた笑いが響いてきた。 笑っていたのは自分だった。 「これからどうやって働けばいいんだよ」 いや、違う。 利き腕だ。 それを無くして、どうやって生活していけばいい。 笑いながら、ぼろぼろとシーツを濡らす、ものが零れる。 涙だった。 「なんだよ……くそ…泣いたって腕がまた生えてくるわけでもないっていうのに…」 慌てて目元を拭おうとして、また右腕を使おうとしていることに気付き、左腕で改めて拭いなおす。 少し、冷静になれた。 「そうか…クレーンの鎖が千切れて降ってきたコンテナに、腕を潰されたんだ…」 業務上の過失ではない。労災だ。ならば生活保障は会社から全額下りる。 そう冷静に頭の中で判断すると、少し落ち着ける。 それだけのまとまった金額が手元に入ってくれば、きっと父もまた借金の返済を終えてなお取り引きにあてるだけの余裕が残るだろう。そうすれば、あの懸命な父のことだ、きっとすぐにまた盛り返せる。質に流れた家財なども取り戻せるだろう。 「こういうのを、不幸中の幸いっていうのかな…」 皮肉な気分で笑う。 どうやら麻酔が効いているらしく、痛みは感じない。ただ、どうしてもそこに右腕があるような感覚がして、それが困った。 視覚的に、自分の右腕がないというのも、まだ大きな動揺として見る度打撃となって心に入ってくる。 「当分、慣れそうにないな……」 ふう……と、身をよじって、寝そべる体勢を直す。 あるはずのものがない。それだけで、こうも違うものか… シーツを全身にかけなおすのにも、いつもと勝手が違い、戸惑ってしまう。 大丈夫。 そうだ、まだ、自分にはこの命が残っている。 運がよかった。 ほんの数センチずれていただけで、死んでいたのだ。 片腕だけで済んでよかったと思うべきなのだ。 両足はまだ少なくともぴんぴんしている。 父から教えてもらったことなのだ。 この命がある限り、そして、この国が愛の国である限り、頑張ったものにはきっと報いがあると。 そう、思うと、ようやく落ち着けた。 大分血が無くなったのだろう。そもそも腕がもげた時点でショック死していてもおかしくない。よっぽど大量の血が輸血されなければ、自分は今頃死んでいた。 感謝だ。 きっとこうして意識を取り戻したのも、今が初めてのことなのではあるまい。 泥のように眠って、生命力が戦って、その上で、生き残ったのだ。目を、覚ましたのだ。 それで、はっきりと認識出来る形で意識が覚めたのは、きっと今が初めてなのだ。 「…………」 もう、これ以上考えるのはよそう。 これからのために少しでも眠って力を蓄えるべきだ。 そう、思い、目をつむった時だった。 あるはずのものが、ない。 気付いて、唇が震えた。 /*/ 「義肢のないわけでもないが、なかなかに値の張るものだからな…借金を抱えた没落貴族では、気の毒だが到底手が出るまい」 そう、カルテを見ながら呟くのは、病院の医師であった。 「あとは後遺症か……患者の意識が戻るのを見て、それからリハビリだな…」 「そうですね」 看護士が当直への引き継ぎの準備をしつつ、相槌を打つ。 「実際、港から病院まで、よくあの出血で一命を取り留めたと思います。輸血パックが足りませんでしたからね……」 「ああ。提供者がいなければ、本当に危なかった」 既に見舞いの品は会社から送られてきている。同僚達も、よく顔を病室に見せていた。 あの若者は、よほど身内で慕われていたのだろう、と、二人は思う。皆一様に黙り込んで、それでも励ますように、最後には声を絞り出して、意識のない彼へと話し掛けていた。 だが、中でもクレーンを操作していたものなどは、聞くところによるといまだに見舞いに来れないのだという。 あまりのことで、顔向けが出来ないのだろうと思う。 ちか、ちか…… 室内灯が明滅する。 「おう、いかんな。つい」 「そうですね…早く交代しないと」 どうしても物思いに耽ってしまう頭を振って、医師は立ち上がり、看護士はカルテを棚にしまいこんだ。 こういうことは、命を預かる仕事をしている以上、いつでも目にするものだ。これ一つだけが悲劇なのではない。それは、よくわかっている。 だから彼等は、自分達の思いを振り切ろうと、診療室を後にしようとした。 がたん。 扉に重たい何かがぶつかって、二人の前で唐突に開く。 /*/ 震える足で、肩を壁にこすりつけるようにして、体を支えながら歩いた。 傷が開き、右腕の付け根から血がにじみ出て、ずるずると帯状に壁を汚すのも構わずムゥエは歩いた。 ない。 ない。 考えても、考えても、ないものがある。 部屋中を探しまわして散らかしたが、なかったものが一つだけ、ある。 明らかに血色の悪い、白い顔で、体は冷え、歯の根もあわずにがちがちと震わせながら、それでもムゥエは、院内を歩き続けた。 ロビーも見た。 廊下中のプレートも見た。 どこにもないものが、一つだけある。 夜更けに入ろうとしていた院内は静まり返っていて、職員達も今は休憩中のようで、途中、出くわすことはなかった。 どこに行けば、会えるだろう。 そう思って彼は、診療室へとたどりついた。 よろめくように扉に倒れ掛かり、どん、と大きな物音を立てつつ、左手で引き戸の取っ手口を掻いて、引きあける。 中には驚いたような、壮年の医師と、女性の看護士が立っていた。 いない。 ここにも。 ムゥエはだから、この人たちに聞くことにした。 僕の父さんはどこですか、と。 /*/ →『第四章:紫の唇』
https://w.atwiki.jp/cvssyourimessage/pages/71.html
霧嶋九郎 《出典作:燃えろ!ジャスティス学園》 VS. 対一条あかり【月華の剣士シリーズ:SNK】 「ホゥ…確かに我が変装術よりも見た目は似るな。だが必殺技の一つも修得出来んとは、まさに見かけ倒しの変装というわけだな!」 ※投稿・デスタムーア 対忌野雷蔵【私立ジャスティス学園シリーズ:CAPCOM】 「老体を気遣い今度は闇討ちを避けてやったというのに…。真っ向勝負でもこの有様とは、いよいよ耄碌したか?いや忌野流など所詮はこの程度か!」 ※投稿・デスタムーア 対キャミィ・ホワイト【ストシリーズ:CAPCOM】 「見るからに癪に障る態度と、気に喰わん面構えだ。この私を甘く見過ぎて無様に負けた…。フッフッフッ…それが貴様にはお似合いだ!」 ※投稿・acrysion 対草薙京【KOFシリーズ:SNK】 「身体能力の高い生徒は我が手駒となる権利がある…。喜べ!貴様ならばその筆頭となれるやも知れぬぞ!」 ※投稿・デスタムーア 対クラリーチェ・ディ・ランツァ【アルカナハートシリーズ】 「修道女風勢の魔族めが!そのまま嫌な笑みを浮かべながら死ね!」 ※投稿・acrysion 対サガット【ストシリーズ:CAPCOM】 「まるであつらえた様に付け入りやすい傷を持った男よ。さぁ今から貴様は『ワイルドサガット』とでも名乗り我が下僕となるのだ!」 ※投稿・デスタムーア 対ザンギエフ【ストシリーズ:CAPCOM】 「なんという馬鹿力だ…これならば『ヴァツ』にでも化け、遠巻きから飛び道具でもって捻じ伏せるべきだったか…」 ※投稿・デスタムーア 対神人・豪鬼【カプエス2:CAPCOM】 「か、勝ったのか…!?…あの時の忌野雹と互角。いや、それ以上の殺意を放つこの男に!!…この力…我ながらにして恐ろしい!!」 ※投稿・デスタムーア 対デモン雹【燃えろ!ジャスティス学園:CAPCOM】 「フッ…ハハハハハ!これで…カリは返したぞ、忌野雹!今度こそ…この世から完全に消えて無くなるがいい!!」 ※投稿・acrysion 対ホー・ファイ【闘神伝2(AC版):CAPCOM】 「愚かな老いぼれが。斬り刻まれて死ぬのは貴様のほうだ!」 ※投稿・acrysion 対リュウ【ストシリーズ:CAPCOM】 「ヒェッヒェッヒェッヒェッ…!いい気分だ…あの伝説の格闘家と交えるのも悪くはない!」 ※投稿・acrysion
https://w.atwiki.jp/okura2/pages/33.html
織田への牽制が必要なり…。 織田の家臣、前田家を討つ。 【賊ヶ岳の戦い】 動きはなくとも前田は織田の一員 容赦なく潰せ。 詰みのために駒を打つ、それだけのこと 前田の風来坊か…計算にはなかった者だが、支障はないだろう フン、知のない者は力に頼るか 終いだな…これ以上前田に兵の補充はできまい 前田軍の何たる体たらく…平和に慣れたか 単細胞が…貴様など所詮我が思考の範疇よ 智もなくば策もなし… 所詮貴様は乱世を生き残ることはできぬ どけ女、我の行く手を阻むな 安易な…それが貴様が女たる所以だ