約 1,206,901 件
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/1027.html
140文字SS:ハピネス注入!冬のSS祭り2015【6】 1.[競作2015]せつな&美希「大切な二人だけの秘密」/一六◆6/pMjwqUTk 魚屋さんの前では、必ず大回りする。 たこ焼き屋さんも、さりげなく避けて通る。 「そんなに気を使わなくていいのに」 「人を置き去りにして走り去った人が、よく言うわ」 もしかしてあの時、せつなもアタシに置いていかれると思って慌ててたの? 「もうしないわよ」 一人には、ね。 赤い瞳に、そっと誓った。 2.[競作2015]「大切な人はここにいる」/ねぎぼう ラブが沈黙を破るように口を開く。 「いまでもせつなの夢を見るんだよね……」 「せつなちゃんと会えなくて……やっぱり寂しい?」 祈里のあまりにも直球な問いにラブも苦笑する。 「ブッキー、せつなはいつでも『ここ』にいるんだよ」 ラブは自分の胸をトントンと示す。 「ラブちゃんならそう言うと思った」 3.[競作2015]「大切な、正夢!」/ねぎぼう 「全日本シニアダンスコンテスト、優勝はクローバー!」 あたしたちがついに日本一のダンサーに! 今や美魔女モデルの美希たんと すっかりお父さん似になっちゃったブッキー。 ラビリンスの笑顔のために今でも陰で頑張るせつなもこんな近くで、 お腹のお肉がちょっと恥ずかしいな。 これはね、あたしの正夢! 4.[競作2015]咲⇒舞「大切なこと(伝える)」/一六◆6/pMjwqUTk 「力一杯、一生懸命、そして楽しく」 お母さんが教えてくれたこと。 それってソフトボールだけの話じゃないよね。 だから舞に伝えたい。 文化祭のモニュメントのデザイン、とにかく楽しくやってみて、って。 楽しく描いたんだなって伝わるところが舞の絵の魅力だし、 何より舞には、楽しく描いて欲しいから。 5.[競作2015]舞⇒咲「大切なこと(受け取る)」/一六◆6/pMjwqUTk 「とにかく楽しくやってみて」 カボチャの頭が私の顔を覗き込む。 いつもそう。 困っている時、いつも私の手を取って、一番欲しい励ましをくれる。 咲だって、決勝戦で辛い思いをしたばかりなのに。 そう思ったら急に涙が溢れて、慌てて笑った。 ありがとう、咲。頑張るね。 何だか、大丈夫って気がしてきた。 6.[競作2015]のぞみ&りん「大切な幼馴染」/一六◆6/pMjwqUTk 小さい頃から、国宝級のドジ。 何も無いところで転んだり、道に迷ったりは日常茶飯事。 どこまで手間がかかるんだ、って本気で思う。だけど……。 「いつも頑張ってるりんちゃんを、わたしが応援するんだもん!」 そんなのぞみが居なかったら、今のあたしは無かったって、 これまた本気で思うんだ、あたし。 7.[競作2015]マナ&六花「大切な心・大切な言葉」/一六◆6/pMjwqUTk 「忙しい」という字は「心を亡くす」と書くんだぞ、って 先生に心配されたのは、生徒会長になったばかりの頃。 それに答えたのは、あたしじゃなくて六花だった。 「大丈夫です。マナの心は私が守ります!」 あの日から、どんなに忙しくても平気。 あの言葉を思い出すだけで、あたしの心はきゅんきゅんだよ! 8.[競作2015]れいか&祈里「大切な道」/一六◆6/pMjwqUTk 「獣医になるのが祈里さんの道なのですね。 ダンスもそのために学ばれているのですか? 筋肉の動きを知り、集団行動を経験して……」 れいかちゃん、そんなの考えたこともないよ。 「わ、わたしは、みんなと踊るのが好きなだけだよ」 その途端、パッと笑顔がこぼれた。 「そのお気持ち、私の道と同じです!」 9.[競作2015]「大切なたからもの」/ねぎぼう 昼下がり、シフォンがせつなの膝の上で眠そうにしている。 「タルト、クローバーボックス使ってもいい?」 「……うん、ええで」 「ウチも聴きとうおすえ」 ラブはハンドルを握り、ゆっくりと回し始めた。 スイーツ王国の秘宝から奏でられるのは今はただ優しい子守歌。 安らかな寝顔は大切なたからもの。 10.[競作2015]かれん&ありす「大切な家族」/一六◆6/pMjwqUTk セレブ堂のケーキと一緒に小さな包みを差し出す。 中身は少しビターなチョコレート。 「これ、セバスチャンさんに」 まあ、とありすが嬉しそうに目を細めた。 「私たち、家族ぐるみのお付き合いですわね」 坂本さんに、と手渡された英国製の紅茶の缶に、 何だか心が浮き立つ。 今日はみんなで四葉家のお茶会。
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/945.html
ねぎぼうの140文字SS【12】 1.ラブせつで『無自覚ヒーロー』/ねぎぼう 貴女が敵になると知らされて、本当に敵として現れた。 ただ、その時から貴女が私の心の中にずっと残りそうな気がした。 それ以来貴女はヒーロー、この世界ではそう呼ぶのかしら。 最初は倒す相手だったのだけど。 貴女はきっと「友達だから」なんていうのでしょうね。 そう、貴女は私の無自覚ヒーロー。 2.ラブせつで『いつかの夢の続き』/ねぎぼう 「ラッキーがまた大きくなって現れる夢を見たの。 そしたらブッキーがキルンで話を聴いてくれて『お腹すいた、何か食べさせて』だって」 「そうなんだ!?」 「そしたら、ピルンがドーナツ出しちゃって『それ、ラブが食べたいものでしょ?』って美希が……」 いつかの夢の続きは随分明るくなっていた。 3.ラブ美希で『笑ってくれる?』/ねぎぼう 「別れたの、あの人と」 少し苦いカクテルを飲み干す。 「疲れたんだ、息が詰まるって。 アタシ完璧……正しいと信じてきたのがこのザマね。笑ってくれる?」 自嘲気味な笑みを浮かべた。 「笑わないよ」 「え!?」 「アタシ完璧、そうなるために美希は頑張ってきたんじゃないの!」 「ラブは変わらないわね」 4.ラブせつで『負けず嫌い』/ねぎぼう 「よーし、どっちが早いか競争だ!」 「私に勝てると思ってるの!?」 ―― (せつなちゃんは負けず嫌いなところもあるのね) 生真面目で控えめという印象の娘が見せる新たな一面。 (ラブが自分から『競争』、か……) 普段あまり競争を好まない娘が見せる意外な一面。 あゆみにとっても新鮮な思いだった。 5.ラブせつで「秘めたる本音」/ねぎぼう 「では、行ってきます」 「せっちゃん、体には気をつけてね」 今の今まで明るく見送ろうとしていたラブの涙腺がついに決壊した。 「せつな……やっぱり行かないで」 「ラブ……」 「わかってる……でもあたしはせつなが……」 せつなは抱かれた耳元でいう。 「私、ラブが来てくれるの向こうで待っているから」 6.ラブせつで『素直じゃないとこも可愛くてよろしい。』/ねぎぼう 「可愛い……」 せつなだけ皆に背を向けて密かにうっとりしていた、筈だった。 「だよね~」 「あ!それはその……」 ニヨニヨするラブ。 「素直じゃないとこも可愛くてよろしい。ま、いつも可愛いんだけどね」 せつなの顔がかあ~っと真っ赤に染まる。 「あ、おねえちゃん。どうして赤い顔しているの?」 7.ラブせつで『No thank you』/ねぎぼう “No thank you.” “Have a nice trip!” 「今の、ナンパだよ」 「そういうことだったのね」 せつなは英語は解るがその意図までは判らなかった。 「昔は英語、苦手だったわよね?」 「あたしだっていろいろ鍛えられてるもん」 (大事な人を守ってあげないといけないからね) 8.ラブせつで【 信じられないけど 】/ねぎぼう 仲間になることを固辞して去る。 気がつくと変身が解除され、『東せつな』の姿になっていた。 この世界の人間を、桃園ラブを欺く為の仮の姿。 今生きているのが信じられないけど、それは『イース』であった自分が消えてしまったということか? ただ、罪の記憶、ラブを傷つけてきた記憶は消えない。 9.ラブせつで【 あっちむいて 】/ねぎぼう 「じゃんけんぽん!」 せつなにはラブの手の動きで何を出すか判ってしまうが、それではゲームにならないので時には相手を見ずに出す。 「あっちむいてホイ!」 ジャンケンでの圧倒的な有利さに油断したか、ラブの指差す方向を向いてしまった。 「あたしの勝ちだね」 ラブが悪戯っぽい笑みを浮かべた。 10.ラブせつで『捨てられないガラクタ』/ねぎぼう 呆れながらもラブの部屋に瞬間移動するせつな。 押入れを開きせっせと捜し始めるが、捨てられないガラクタの類が散見されるも肝心のビーチボールは見つからない。 (この子、ね) せつなの声は聴こえていたが、姿を見るのはこの時が初めて。 (ラブをよろ……) 声をかけようとした時にはその姿はなかった。
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/902.html
140文字SS:フレッシュプリキュア!【14】 1.ラブせつで『ハッピーエンドの来ない悲恋こそ美しい』/ねぎぼう 夜更かしして観るテレビで、田園を舞台に思い合うもすれ違っていく二人が淡々と描かれていた。 ラブは途中で退屈したのか、せつなの隣で寝息を立てていた。 そのまま思いを伝えることなく、やがて別離の道を歩む二人。 『ハッピーエンドの来ない悲恋こそ美しい』 解説者の言葉に「どして……」とつぶやく。 2.せつなとラブ「自然のメッセージ」/夏希◆JIBDaXNP.g ラブ「最近、天候が不安定だと思わない? 急に雨が降ったり止んだり」 せつな「異常気象ってこと? ラビリンス育ちの私にはわからないわ」 ラブ「そっか、変化があるだけいいのかな」 せつな「そうは言わないけど、天気が自然のメッセージなら、この世界の人はまだ耳を閉ざしていないんだと思う」 3.ラブせつで『Marry me?』(1と同じ時のお話)/ねぎぼう “Marry me?” “Yes. Of course.” 彼女は遠くの町に去る。 主人公は何もなかったように再び一人で畠の片隅で煙草をふかしていた。 「いいの?それで……」 一人ぼっちにさせないと美希も言ってくれた。 そして、隣で肩を寄せて眠るラブ。 せつなには主人公の気持ちが解らなかった。 4.ラブせつで【 言えない、言わない 】/ねぎぼう あたし、もう決めたんだ。 世界でダンスするんだって。 そう、パラレルワールドで! 当然ラビリンスにも行くからそれまで待ってて、せつな! で、また一緒にダンスしよ? でもね、今はまだ言えない、言わない。 ちゃんと言える日まで精一杯頑張るよ、あたしも。 だから……ごめん、大輔。 「言わなーい!」 5.ラブせつで『入れ替わり』/ねぎぼう インフィニティはあらわれても、やっぱりイースは帰ってこないぞ。 で、入れ替わりに来たのがノーザ……さん、かよ。 「ウエスターくん!」 ああ、おっかねえ。 「いくよ、パッション!」 「OK、ピーチ」 何だ、見せつけやがって。 最近ナケワメーケ出してないけど、俺がゲージ溜めてるのかもしれんな。 6.せつなとラブ「「はやぶさ2」打ち上げ成功おめでとう!」/夏希◆JIBDaXNP.g ラブ「はやぶさ2打ち上げ成功おめでとう~」 せつな「感動したわ。6年も宇宙を旅するのに、1秒も遅れずに打ち上げるなんて」 ラブ「なんて?」 せつな「30分で終わる宿題を、1秒でも先延ばしにする誰かとは大違い」 ラブ「今からやるってばー」 せつな「私たちも負けない6年にしましょう」 7.ラブせつで『二人だけの王様ゲーム』/ねぎぼう 「王様だーれだ!」 (二人だけの王様ゲームだし、せつなの命令だもん) 「AさんがBさんにニンジン食べさせる」 「え?まさか……」 手元には『B』の籤。 「え、そんなあ~」 トランプだけではなく籤も自在に操れるとは…… 「食べて、ラブ」 ニンジンスティックの端を咥えると、 ラブの顔に突きだした。 8.ラブせつで『二人だけの王様ゲーム』2/ねぎぼう 「王様だーれだ」 王冠の描かれた割り箸はせつなの手に。 「1番は何をされても声を出さない」 王様の瞳が獲物を狙う豹のように光る。 1番は震えたようであった。 「1番だーれだ」 ラブは諦めたようにこくりと頷く。 そう、これは二人だけの王様ゲーム。 衣擦れの音がして1番のネクタイは床に落ちた。 9.せつなとラブ「神戸ルミナリエ開幕」/夏希◆JIBDaXNP.g ラブ「わっはー、人がいっぱい」 せつな「これっきりよ? アカルンを使うなんて」 ラブ「ごめ~ん」 せつな「でも、とても綺麗。まるで消えない花火みたい」 ラブ「悲しい由来もあるの」 せつな「震災で犠牲になった方々への追悼と鎮魂の祈りよね」 ラブ「そして復興への誓い、希望の灯なの」 10.ラブせつで『来世でもよろしく』/ねぎぼう 『来世でもよろしく』 主人公を庇って致命傷を負ったニヒルな敵役の最期の台詞。 「来世って何?」 せつながラブに訊く。 生死にわたる管理により失われた死生観。 「生まれ変わった後の世界のこと、かな……ごめん」 決着をつけることなく命が尽きることの無念さ。 それが解る自分もまだいる。 「平気よ」
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/908.html
140文字SS:フレッシュプリキュア!【15】 1.ラブせつで『来世でもよろしく』/夏希◆JIBDaXNP.g ラブ「離れていても心は繋がっている。あたしはいつもせつなと一緒だよ」 せつな「そうね、ラブ。死が二人を分つまで」 ラブ「ううん、ずっとだよ。来世でもよろしくね」 せつな「フフフ、イースの予感が当たっちゃった」 ラブ「?」 せつな「あなたとは、長い付き合いになるって、そう感じたの」 2.ラブせつで【熱いカラダを… / 可愛い声が聴きたい】/夏希◆JIBDaXNP.g ラブ「熱いカラダを……汗もびっしょり」 せつな「ごめんなさい。今日はお出かけの約束なのに」 ラブ「いいの。たまにはせつなの可愛い声が聴きたいし」 せつな「もう、それじゃいつも私が憎まれ口叩いてるみたいじゃない」 ラブ「大丈夫、毒舌なせつなも可愛いもの」 せつな「そこは否定してよ」 3.ラブせつで【熱いカラダを… / 可愛い声が聴きたい】/一六◆6/pMjwqUTk レッスンの後、汗びっしょりの熱いカラダをタオルで拭っていると……。 「ひゃぁっ!何するの、ラブ!」 「えへへ~。せつなの可愛い声が聴きたかったの」 もうっ!人の首筋にいきなり冷たいペットボトル押し付けるなんて! 「ひゃっ!ぎゃっ!せつな待って!」 今度は私がラブの可愛い悲鳴を聴いてあげる。 4.ラブせつで【 泣き顔のままで 】/ねぎぼう 「最後にもう一度あいつと会わなくても本当にいいのか?イース」 「ええ、大丈夫」 「じゃあ、行こうか」 ラブはね、笑って送り出してくれたの。 泣きそうになるのを堪えていたのはわかった。 また会ってしまったら、もう堪えきれなくなるじゃない? ラブも私も泣き顔のままでさよならはしたくないから…… 5.ラブせつで【濡れた唇、閉じた瞳 / 胸に抱かれて】/ねぎぼう 「変ね。あれだけ激しく戦ったのに、心が清々しい。 ありがとう、キュアピーチ。私の寿命はこれで終わる。 お前に出会えて本当によかっ……た」 『時間です』 雨に濡れた唇、閉じた瞳はもう開かれない。 「そんなの……いやだよ……」 動かぬ体となったイースはキュアピーチの胸に抱かれていた。 「せつな!」 6.ラブせつで『そのセリフ、そっくりそのまま返す』/ねぎぼう 「今度帰ってきたときには、ちゃんとニンジン食べられるようになってるわよね、ラブ?」 「ふふん。そのセリフ、そっくりそのまま返すよ。せつな」 「私は精一杯頑張ってピーマンを食べていたわ」 「こんな青ぉ~い顔してね」 「何それ!?変な顔」 「ははっ」 「あはははっ」 …… 「一緒に酢豚、食べようね」 7.ラブせつで『見開いた瞳』/ねぎぼう 「本当は命が尽きてもいいなんて思っていないんだよね!?」 見開いた瞳から涙が溢れる。 私は泣いたりしない。 命も惜しいなんて思わない。 なのに、何故だ!? 何故お前のその手が、温もりが私を…… ―― 「無事でよかったね」 黙れ! このカードを使って私は無事で、いてしまったのだ。 こんな筈では…… 8.ラブせつで『未練たらしい』/ねぎぼう 「お待たせ!」 大輔への『返事』から戻ってきたラブの心の曇りに気付いた美希。 「何て答えたの?お姉さんにだけ言ってみなさい」 『ずる~い』という目をよそに耳元で囁く。 「せつなが夢をみつけて嬉しいはずなのに、あんなことを……あたし、未練たらしいのかな」 「いいんじゃない?それでも」 9.ラブせつで『どんな言葉よりも』/ねぎぼう 「あの時は、これでしかやりとりできないないなんて哀しいと思ったんだ」 ラブは小さな拳を作った。 「でも、せつなの心が響いて来たんだ。どんな言葉よりも」 拳をせつなが手にとると、優しくほどいて繋いだ。 「暖かい……ラブの心……ずっと感じていたいわ。今夜はこうしてていい?」 「……うん」 10.ラブせつで『反則だらけ』/ねぎぼう 「せつな!ピーマンの詰め放題やってるよ?」 「ええ、ニンジンの詰め放題やってるわね、ラブ」 ―― 「もうきついわね……アカルン!」 「え?詰め名人連れて来たって?もうこうなったら、ピルン!」 「先に料理して詰め込むなんて」 「美希ちゃん、これって反則だらけじゃない?」 「完璧にアウトね」
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/927.html
140文字SS:フレッシュプリキュア!【19】 1.ラブせつで『ひねくれた告白』/ねぎぼう 『ラビリンスをこの街のように笑顔でいっぱいにしたい』 そう言ったせつなの目は、ラビリンスの人たちの笑顔をこれからも見たいという夢への決意の証。 あたし、本当に嬉しかったんだ。 でも、もう一人のあたしが「それでいいの?」って。 「本当に行っちゃうの?」 あたしにしてはひねくれた告白なのかな? 2.ラブせつで【あやまち / 声をあげたいのにかなわない】/ねぎぼう 「ノーザ!」 「イース、私はお前の犯したあやまちに罰を与えてあげる。 でも、お前がどんな痛みにも耐えられることは知っているわ」 縛めの蔓がせつなの体を覆い尽くす。 「私はこんなことに……うぐぅ」 声をあげたいのにかなわない。 自分が自分でなくなっていく恐怖。 (ラブ!) 思わず心で助けを求めた。 3.ラブせつで【 困ってる顔がすき 】/ねぎぼう 「もうすこしこのうちにいたいでしょ?」 ってきいたときのせつなのね、困ってる顔がすき……きすしちゃおうかな? ちゅ。 でもね、わかっているんだ。 向こうにはせつなの大切な人たちが待っているから。 だから笑ってばいばい、またねって。 あたしが泣いてるときのせつなの困ってる顔はみたくない。 4.ラブせつで『どんな言葉よりも』/ねぎぼう あたしはもう逃げない。 目を背けない。 だから、今ここにいるんだ。 説得なんてのは、やっぱりあたしじゃ出来そうにない。 だから、こうするしかないんだね。 手加減なんて……出来ないくらいイースは強いけど。 今はどんな言葉よりもせつなの気持ちが伝わってくるから! 「ラブちゃんが、泣いてる……」 5.ラブせつで【 今日が終わる前に 】/ねぎぼう 今日が終わる前にどうしても伝えたい。 できれば声でね。 ああ、異世界通信って何でこんなに安定しないの、というかまだ仕事しているのかな? もう、こんな日にまでせつな頑張りすぎだよ……なんて思ってたら繋がったみたい。 「ラブ、どしたの?」 忘れちゃったのかな? 「せつな、誕生日おめでとう!」 6.ラブせつで『しゃらっぷ、きすみー!』/ねぎぼう 些細なことでラブと言い争いになる。 「もうラブはいつもいつもそうだわ!」 「せつなだって!」 「でも私は……」 「そんなの……」 ……そしたら突然壁ドンして 「しゃらっぷ、きすみー!」 どこでそんな言葉覚えて来たのかしら? ってラブ、タコみたいな口をしているのはどして? タコが怖いのは美希よ? 7.ラブせつで『傘の下で』/ねぎぼう ひとり傘の下で待つ。 雪が降ってきたのに傘も持たずに出るなんて、風邪をひいてしまうじゃない? 「せつな、傘持ってきてくれたんだ?」 「今度はちゃんと自分で持って行くこと」 「たはは、ごめん」 「いけない、これお父さんの傘」 「じゃあ、お父さんも待ってよっか?」 「ええ」 同じ傘の下で待つふたり。 8.ラブせつで【 はじまりのキス 】/ねぎぼう 1日のはじまりのキスはね、とっても大事なんだよ。 だから、せつなが一心不乱のガチ磨きをしたあとは心をこめてするの。 よく頑張ったねって。 そのためにはあたしも寝坊は出来ないし。 まあ、たま~に寝坊した時はその分おやすみのキスを…… でもこれはせつなとのひ・み・つ 「ピーチはん、バレとる」 9.ラブせつ=『古傷』+「痛くない。大丈夫」 /ねぎぼう ラブはせつなが少し足をかばっているように見えた。 「せつな。膝痛めたんじゃないの?無理しちゃダメだよ?」 「心配させてごめん、ラブ。今はもう痛くないわ。大丈夫よ」 精一杯笑ってみせる。 パラレルワールドで戦っていた頃に痛めた膝がここにきて悲鳴を上げている。 お願いどうかもう少しだけもって! 10.ラブ&せつな「たまには、いいよね?」 /ねぎぼう 最近、ラブの視線が私の胸にあるような気がする。 「せつな!」 「どしたの、ラブ?」 「……な、何でもないよ」 ―― 「せつなは……もうイースには……戻れない、の?」 「何言っているの?」 「たまにはイースになってみて欲しいな~?って」 「もう、ラブったら……スイッチ・オーバー」 ぎゅっ 「きゃっ」
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/941.html
ねぎぼうの140文字SS【8】 1.ラブせつで『約束事項』/ねぎぼう 「そうそう、それでねー」 「あ、テスト期間中の電話は1日5分まで、よ」 「あ、そうだった!See you!」 「ええ、Good luck!」 会話に英語を入れるのも約束事項。 一番大きな約束事項、それは再びラビリンスに行くこと。 おじいちゃんの願いを胸に、ラブは再び英語のノートを広げた。 2.ラブせつで『絶対絶命』/ねぎぼう 「お前に何がわかる」 お役にたてぬまま時が過ぎる苛立ち、任務を果たせなかった罪悪感などお前にはわかるまい。 「やり残した事を終わらせてくる」 どのみち絶対絶命は避けられない。 それでもこのまま座して寿命が尽きるのを待つ位なら…… お前の事だ、あのまま嘆いてばかりいるわけではなかろう。 3.ラブせつで【 触れた指先 】/ねぎぼう 額に触れた指先からも伝わるひどい熱。 「ラブは風邪がひどくて、ちょっと無理だわ」 「それなら、せつなも今日はついててあげたら?」 「そうね……」 申し訳なさげなせつなの手をとる。 「行っておいで」 この世界での思い出を少しでも多くという願い。 ありがとうとごめんなさいを込めてその手を握る。 4.ラブせつで『君という名の』/ねぎぼう 「幹部は3人いた筈だけど?」 「それが……」 クラインから聞かされた『予定外』の事実。 「イース君という名の知った幹部がまさか敵になっているとはな」 寿命が尽きる直前のモニター画像。 「敵は泣いているな。最後に仕事はしたのか」 キュアピーチの涙の意味などノーザにはわかるべくもなかった。 5.ラブせつで『愛したかった』/ねぎぼう かつて4人で行ったCDショップ。 試聴コーナーの空きブースが生憎一つしかなく、二人で一つのヘッドホンを共有。 “♪会いたかった……” 懐かしの歌にラブがそっとハモる、ささやかな悪戯。 「♪愛したかった……」 せつなは消えそうなくらい小さな声で 「今、愛して」 ヘッドホン越しに頬を寄せあう。 6.ラブせつで『距離のつかみ方』/ねぎぼう 占い業で必要になるのが対人スキルだというので、書棚にあったこの世界の心理学の本を読む。 「『距離のつかみ方』パーソナルスペースとは……、か」 成る程、戦闘の時に間合いを詰めていくのと同じだな。 所詮この世界の人間とて雑作ない。 ―― 「……覚えているかしら?」 「わはぁ~っ」 なんて子!? 7.ラブせつで『甘えてよ』/ねぎぼう 「いつも自分を抑えて無理するから。少しはアタシも信じて、甘えてよね」 「そうね、美希」 「そうだよ、せつな。あたしも美希たんに甘えちゃおうかな~」 「こら、ラブ。アンタが調子に乗るんじゃないの!」 「ラブちゃんはせつなちゃんに甘えてなぁい?」 「へ?へへ……」 「せつなちゃん、顔真っ赤」 8.ラブせつで【 寝顔を見てる間に 】/ねぎぼう ふと目を醒ましたラブが体を起こす。 今日来たばかりのせつなはラブの部屋で休むことになり、今はラブのベッドで眠っている。 眠れぬ日々の末にたどり着いたこの居場所での安らかな寝顔。 暫く見ていたいとは思ったが、眠れぬ日々を過ごしたのはラブも同じ。 寝顔を見てる間に安堵の睡魔がやって来た。 9.ラブせつで『いえない一言』/ねぎぼう ♪~ 携帯電話に着信した一本のメール。 『ラブ、お久しぶり』 添付ファイルには花で溢れた農地の風景、公園で子供たちがダンスを踊る風景…… 最後の写真を開くと、祝福の輪の中ではにかむとびきり綺麗なせつな。 (本当はずっと……) いえない一言を心にしまいこんだまま、打つ返信。 『おめでとう!』 10.ラブせつで『噂の二人』/ねぎぼう 「噂の二人?そんなのないない」 由美からの追及を否定するラブ。 「大輔とは、友達だよ」 ―― その夜、ベランダにたたずむ二人。 「大輔とはやっぱり似てないよ。あんなに真直ぐになれなかった」 「ラブはいつも真直ぐだわ」 「あたし、自分に嘘ついてた。満足だって、せつなとは友達でも……」 「ラブ!?」
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/1036.html
140文字SS:ハピネス注入!冬のSS祭り2015【7】 1.[競作2015]【スイートプリキュア・響&奏】大切な絆/mizuiram 「あの…ごめんね響」 「えー何がー?」 「何が、って…さっきのは私が悪かったわ。意地を張り過ぎて…その…」 「そうだったっけ、覚えてないや」 「…え?だってあんなに怒ってたのに!?」 「もういいじゃんそんなの!ね、早く奏のケーキ食べたい!それ新作?ヤッホウ!」 「…ありがと、大好きよ響」 2.[競作2015]【ドキドキプリキュア・ありす+ジョナサン】大切な夢をまもるために/mizuiram 「お忙しそうですわね」 「…ま、ある意味昔から想定してた立場だし」 書類を交わしつつトランプ共和国大統領は淡く笑む。 守ると、ずっと決めていたから。 「僕より君は?」 「これ位想定済ですわ」 全ての「花」を護る。 決めたのは自分だから。 四つ葉財閥次期社長は、にこりと変わらぬ笑みを浮かべた。 3.[競作2015]【ハピネスチャージプリキュア・ゆうこ&ファンファン】大切な誓い①/mizuiram 「こ、こうか?」 ぎこちなく鍋を操るファンファンを、ゆうこは楽しそうに見守る。 「そう、上手よ。どれどれ~?うん!最高!」 「…喜んで食べてくれるのって、嬉しいな」 呟かれる、声。 小さくなる背中に、ゆうこはそっと手を添える。 「大丈夫よ。まずは、美味しいご飯をいっぱい食べて元気だそう」 4.[競作2015]【ハピネスチャージプリキュア・ゆうこ&ファンファン】大切な誓い②/mizuiram 『…夢なんだ』 そう言って、空を見上げる小さな姿。 『俺の料理を食べてもらって、美味しくて幸せだって、笑って欲しいんだ』 『素敵だね』 黄色い結晶を握りしめる。 いつかこれを空に投げるね。 赤い地球に思い切りぶつけて、あの人達とご飯を食べよう。 『絶対叶うよ』 そして、皆で幸せになろう。 5.[競作2015]「大切なおくりもの」/ねぎぼう ボッ、ボッ、ボッ…… 古びたボールでなおはリフティングを続ける。 昔お父ちゃんが買ってくれたプロ用5号球。 サッカーに出会って、 夢中になって、 もっとうまくなりたいって思った。 でも女の子だし、 お姉ちゃんだし…… そんなとき 「本気でサッカーがやりてえんだろ」 その思いは今でも伝わってくる。 6.[競作2015]真琴&うらら「大切な想い」/一六◆6/pMjwqUTk 「届けたい」って想いを大切にしていると言ったら、 わたしは「届きたい」って想いの方が強いかも、とうららが言った。 亡くなったお母さんが立っていた舞台に立ちたい、 その場所に届きたいという想い。 似てるけど違う? ううん、そうじゃない。 大好きな人に、いつか――その想いは、二人とも同じだから。 7.[競作2015]ラブ&せつな「舐めあいっこ」/こゆき 揺れるツインテ-ルの合間から白い何かが見え隠れする。 ピンクの舌がその上でチロチロと蠢く。 「ちょっとラブ、がっつきすぎ!」 「だって、せつなの……美味しいんだもの」 「やだっ、もうダメ……」 って、なんでタルトが顔を赤くしてるの? このアイスは私のだからあげないわよ。 ラブももう十分でしょ? 8.[競作2015]くるみ&奏「大切な友達の代わりに」/一六◆6/pMjwqUTk 「ハミィは人間に変身しないの?それ、少し寂しいわね」 「どうしてニャ?」 「あ、ううん。今言ったこと、エレンには内緒だからね?」 偶然聞こえた二人の会話。 くるみが何を考えたかは想像がつく。 キツイことも言うけど、優しいとこあるのね。 (ありがとう) おやつのケーキに、大きめのチョコを飾った。 9.[競作2015]みゆき&あかね「大切な時間のはじまり」/ねぎぼう 「雨か……走って帰ってこましたろ!」 腰のカーディガンが引っ張られる。 「星空さん?」 「日野さん、こんな雨の中濡れて帰ったら風邪ひいちゃうよ!」 「大丈夫やし、こないな雨」 「ダメ!私、傘持ってるよ。一緒に入ろ?」 「へへ、ありがとさん」 星も太陽も隠す雨を、 少しいいかもと思い始めた二人。 10.[競作2015]ラブ&せつな「大切な人と一緒に」/ねぎぼう 「幸せの素?」 イースの視線の先には四つ葉のクローバー。 「すごいよせつな。幸せを呼ぶ四つ葉のクローバーはね、 心から幸せを望んでいる人じゃないと見つけられないんだよ!」 ―― あたしもね、本当はずっとさがしてたんだ。 貴女と一緒だから見つけられたんだよ。 これからも、ね。 ありがとう、せつな! ※競作2-33に続くSSです。
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/1064.html
140文字SS:フレッシュプリキュア!【26】 1.ラブせつで「待つ」/ねぎぼう 本当は一緒にダンスをしたいって、わかってるんだ。 ダンスの本をずっと読んでることも知ってる。 一緒にいるんだもん。 そう、今のせつなってあのときのブッキーみたいだもん。 だから踊りたい気持ちも一番わかってくれるんだよね。 だから、せつなをお願いね。 ちゃあんと新しい横断幕も作ってるから。 2.ラブせつで「赤」/ねぎぼう プロデビューしたといってもまだまだ駆け出し。 オーディションに受からず落ち込むこともあるんだ。 そんなときはね…… 「このブレスレット、もしかして?」 「はい、ミユキさん! これを着けると、どんなに辛いことがあっても精一杯頑張る気持ちになれるんです」 「せつなちゃんも頑張っているのよね」 ※ラブはプロのダンサーでトリニティの妹分的ポジション。 ※二人はお母さんからのブレスレットを交換したんですね。 3.ラブせつで『独り占め』/ねぎぼう 帰り支度をしているせつなの部屋の前に立ち、深呼吸したラブがノックする。 「どしたの?」 「今日はホワイトデーなんだ」 贈り物に照れた顔を添えて。 「開けてみて」 白いチョコに描かれていたのは…… 「今のせつなだよ」 「ラブ……ありがとう」 判ってる、この笑顔は皆のもの。 でも今だけは独り占め。 4.【スイッチオーバー・ビートアップ】/夏希◆JIBDaXNP.g 「ねえ、ラブ。これって」 せつなが偶然見つけた一枚の画像。 「イースとパッションが混じってる?」 「ええ、誰かの悪戯かしら……」 「そうかなぁ、イースが好きなのかも?」 「そんなの変よ!」 「だって、イースって罪じゃなくて、女の子の名前だもの」 人を悪い所から好きになる、それはきっと愛だから。 5.ラブせつで【 抱きすくめて 】/ねぎぼう 「じゃあ、またね」 お祭りも終わり、仲間たちは元の場所に帰っていく。 「みきたん、ブッキー、また明日ね」 気づけばせつなと二人きり。 ラブは繋いだ手に力を込めた。 「どしたの?」 その手をくいっと引き寄せると、そのまま抱きすくめていた。 「せつな……」 帰らないでと言いたいのを飲み込んで。 6.ラブせつで『世界で一つだけの願い事』/ねぎぼう 誰もがせつなの夢が叶うことを願ってる。 あたしもすごくいいと思ってる。 なのに、もうひとりのあたしの心だけが泣き叫んでる。 “せつなとずっと一緒にいたいよ”って。 何とも勝手な、世界で一つだけの願い事。 でもね、これもあたしの願いには変わりないもん。 だから、決めたんだ! 待っててせつな! 7.【名残雪】/夏希◆JIBDaXNP.g 春風に乗せられて桜の花が空に舞う。 名残雪。ふと、そんな表現が浮かんだ。 「樹の上では桃色なのに、散ると雪のように白いのね」 黒髪の少女は、小さく囁くと両手を広げた。 雪より眩しい銀の髪が風になびく。 「ごめん、やっぱいい」 隣の少女に抱き竦められる。 「綺麗だけど、雪のように消えそうだもの」 8.ラブせつで『大人しく降参して』/ねぎぼう 「大人しく降参して!」 いくら言ってもニンジンを残すラブにせつなは痺れを切らす。 「降参するよ」 「え?」 「お願い……食べさせて」 ラブは軽く口をあけた。 「もう、ラブったら」 せつなはニンジンを口にすると……そのまま飲み込む。 「せつなぁ」 「だーめ、自分で食べなさい(ご褒美はその後よ)」 9.ラビリンスからの電話/アクアマリン あのね、ラブ。 とても重要な話があるの、よく聞いて。 実は私、ラブの子供を妊娠したの。 これからは出産や子育ても精一杯頑張るわ! え…… お母さんやお父さんに報告! 初孫ができたら喜ぶ!? 今夜はお赤飯!! ちょ、ちょっと待ってラブ。 今日何の日か知ってる? エイプリルフールよ!! 10.『LIKE』/Mitchell Carroll 「あら、ごめんね、せっちゃん。お口に合わなかった?」 「…いえ、違うの。ごめんなさい、ごちそうさま」 「えっ、せつな、もう食べないの?貰っちゃうよ?」 せつなは一人、部屋に戻っていく。 テレビが報じるのは、国民一人一人に番号を割り当てる制度のニュース。
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/1299.html
たいへん! せつなが消えちゃった!? ~子供の頃のクリスマス~(結の章) 少女の寝ている部屋の窓が、スゥーっと音も無く開く。 夜の闇に紛れて忍び込んだのは、白いトリミングのある真っ赤な服を着て、先の尖った赤いキャップを被り、長い白髪と白いヒゲをたくわえた大男。 男は少女の寝ているベッドに近づく。ぶらさげてある、大きな大きな手作りの紙の靴下に手を伸ばそうとして―― その瞬間、ピシャリと窓のドアが閉められた。 「やはり、お前か。昼間は世話になった」 「……………………」 男は黙って少女のベッドの掛け布団を剥ぎ取る。人の姿に見えたのは、丸めた洋服で作られた人形だった。 カーテンの陰から現れた少女は、男の退路を断つかのように窓の前で身構える。 「気配が読めれば引っかからなかったはず。使い手かと思ったが、わたしの見込み違いだったか?」 「……………………」 「なんとか言ったらどうだ? 口が利けないわけではあるまい?」 「メリークリスマス」 「馬鹿にしているのかっ! まあ、いい。お前の正体を探る気はない。プレゼントも不要だ。ただ、一つだけ叶えてもらいたい願いがある」 「……………………」 「わたしを、生まれ故郷のラビリンスに帰してほしい。世界を渡る力があるなら、不可能ではないはずだ」 「……………………」 「できるのか? できないのか? 答えろっ! 返答によっては無事には帰さん!」 「……………………」 少女が凄むと、男は肩をすくめて担いだ大きな袋を投げ出した。そして、何かを取りだそうと手を差し入れる。 何らかの武器かもしれない。少女は警戒を強め、臨戦態勢に入る。 サンタクロースは、子供の欲しがるプレゼントを配る存在。願いを叶える者ではない。無理を通すためならば、一戦をも辞さない覚悟だった。 『たいへん! せつなが消えちゃった!? ~子供の頃のクリスマス~(結の章)』 「せつな! ううん、イース! 何かあったの? ここを開けて! 誰と喧嘩してるの!?」 その時、ドンドンと、少女の部屋のドアが叩かれる。ちょうど、男の立っている後ろ辺りからだった。 室内に入ろうと取っ手が回されるが、少女は部屋に鍵を掛けていた。伝承の通りなら、サンタクロースは煙突を通るはず。この家の場合、窓側から訪れると予想したためだった。 その呼びかけに反応するかのように、新たな足音が聞こえて来る。激しい勢いで階段を駆け上る男の足音。この家の主人の桃園圭太郎だろう。 「イースちゃん! 何かあったのか! 今、助けるからな!」 「よせっ! 来るなッ!」 少女の制止の声も聞かず、圭太郎らしき人物は扉に体当たりを仕掛ける。ドスン、ドスン、ドスンと部屋が揺れて、三回目にして扉の鍵が弾け飛んだ。 転がり込むように、部屋に飛び込んでくる圭太郎とラブ。圭太郎もまた、サンタクロースの格好をしていた。 もっとも、今はニセモノに構っている暇はなかった。 「あなた……誰?」 「お前は一体何者だ!? 僕の娘に何の用だ! 出ていけっ!」 「あなたっ! 泥棒なのっ?」 「……………………」 さらに、あゆみまでもが駆けつける。窓際に立つ少女と、部屋の真ん中に位置するサンタクロース。そして、ドアの前に立ちはだかる三人。 意図していたサンタクロースの捕獲には好都合だが、世話になった彼らを巻き込みたくはなかった。 面倒なことになったと、少女は顔をしかめる。 「お前たちこそ、なにを言っている? 服装といい、出現するタイミングといい、こいつがサンタクロースに間違いない。そちらこそ出て行け! わたしの願いの邪魔をするな!」 両側の出口を塞がれ、ようやく観念したのか、サンタクロースは重い口を開いた。 「ラビリンスか……。帰って何をする? もう、お前の求める者はそこには居ない」 「黙れっ! それを確かめるために、帰りたいのだ!」 「帰れば、二度とこの街には戻れない。それでも望むなら、連れて行ってやろう」 「構わな――」 「ダメよ! 行かせないわ! 絶対にっ!」 少女の声を遮って、あゆみが飛び出す。男を迂回して、少女の前に、まるで通せんぼするかのように立ちはだかった。 「どけ! これは――わたしが望んだことだ」 あゆみはイヤイヤをするように大きく首を振って、拒絶の意を表す。 「待って! あなた、隼人さんなんでしょ? どうしてこんな回りくどいことするの?」 ラブもたまらずに叫ぶ。せつなをラビリンスに連れて帰るのが目的なら、こんなことをしなくたって、子供に戻したりしなくたって―― 帰って来いと、ハッキリそう言えばせつなは拒まないはずだった。 「すまないが、連れて行かせるわけにはいかない。その子は、僕らの娘のせっちゃんだからね」 「そうよ、この子はわたしの娘、せっちゃんなんだから!」 ラブは驚きのあまり息を呑む。自分としては上手く誤魔化せているつもりだった。 「おとうさん……おかあさん……いつから気付いてたの?」 「最初にこの子を見た時からよ。いくら幼くなったからって、自分の娘を見間違えるものですか!」 「人間が動物と入れ替わったこともあったな。不思議な出来事には慣れてるよ。このくらいで驚きはしない!」 サンタクロースは三人には構わず、少女に対して語りかける。 「もう一度問おう。帰れば、もう二度とこの街には戻れない。それでも望むのか?」 「どうやって、わたしにそれを強制する気だ? 国に戻れば、お前の力を借りなくてもこの世界に来る手段などいくらでもある」 「簡単なことだ。この街に関する、お前の記憶を奪うだけのこと。さあ、どうする?」 「せつなっ!」 「「せっちゃん!!」」 「……一つだけ、聞かせてくれ。メビウス様は、本当にお亡くなりになられたのか?」 「ああ……最後は自爆だった。ラビリンスは今、この街のように自由で豊かな国を目指している。お前も――来るか?」 「――――行け。わたしは……ここに残る」 その返事を聞いて、サンタクロースは満足そうに頷いた。 「いい子だ、そんな子にはプレゼントをやらないとな。俺からは美味いドーナツ。そして、駄菓子屋の婆さんとサッカー少年からの贈り物だ。受け取れ!」 少女は、投げつけられた白い袋をキャッチする。そしてサンタクロースは、そのまま脇を通り過ぎて、窓の外に勢いよく身を投げ出した。 事情が呑み込めない圭太郎とあゆみは、ただ無事に済んだことを知って、腰が砕けてその場に座り込んでしまった。 少女はすぐに窓の外を覗いたが、サンタクロースの姿はどこにも見えなかった。 「もう、せつなでいいよね? 何をもらったの?」 「これは……」 それは、紙袋に入ったドーナツと、赤いオモチャの靴にたくさん詰められたお菓子と、新品のサッカーボールだった。 赤いブーツにはクリスマスカードが挟んであった。そしてサッカーボールには、マジックで直接メッセージが書き込まれていた。 「またおいで。今度はお茶くらい淹れてあげるよ」 「これあげる。みんなのお小遣いで買ったんだ。また遊ぼうね! イース」 少女はラブには答えず、靴に入ったお菓子と、サッカーボールを両手で抱きしめて震えだした。 ラブも黙って、そんな少女を抱き寄せた。 少し経って、落ち着いた圭太郎とあゆみも、少女の側までやってくる。 圭太郎は、背中に担いだ大きな白い袋から、綺麗に包装された箱を取り出した。 「本当は、サンタクロースに成りすまして渡したかったんだけどな」 「これは?」 「わたしたちからの、せっちゃんへのクリスマスプレゼントよ」 少女は丁寧に包装紙を剥がし、箱の中身を取り出す。 それは、ウサギに似た格好のヌイグルミだった。 「あ~っ! これってウサピョンの!」 「ええ、そうよ。昔、ラブが好きだったヌイグルミの、仲良しの姉妹ね」 「もうじき高校生のせっちゃんに、ヌイグルミはどうかと思ったんだが……。今だからこそ、持っていてもらいたかったんだ」 楽しく過ごせなかったせつなの幼少期の思い出を、少しでも取り戻してあげたい。それは――そんな圭太郎とあゆみの願いだった。 「もし……違っていたら? わたしは本当に違う子供で、おじさまたちの知る、せつなじゃなかったとしたら?」 震える声で、少女は恐る恐る尋ねる。もう、自分が幼児化したせつなであることは受け入れていた。 だけど、もし違っていたら? 何かの間違いであったなら? こうして向けられる愛情も、全て失ってしまうかもしれないと。 「それなら心配いらない」 「その時はね、家に三人目の娘ができるだけよ」 一瞬の迷いも躊躇いもなく、少女に返される愛ある言葉。それが最後だった―― どんなに強がったところで、彼女は幼い子供だった。ついに我慢の限界を超えたのか、涙が堰を切ったように流れだす。 「――ッ……ぁぁああ!!」 まるで叫ぶように、少女はあゆみにしがみ付いて泣いた。 身体を大きく震わせて、大粒の涙をこぼしながら、わんわんと大声を上げながら……。 せつなの涙なら、ここにいる全員が見たことがあった。 だけどこんな風に、何もかもかなぐり捨てて泣く姿を――三人は初めて目にしたのだった。 それからしばらくして、あゆみがラブに問いかける。 「それで、せっちゃんは元に戻らないの? ずっとこのままってことは……」 「えっと、あの、あたしもよくわからなくて……。今まではナケワメーケを倒したら元に戻ったけど、今回はそうじゃないし……」 「それなら、心配いらない」 「戻れるのかい? せっちゃん」 「ラビリンスの科学技術でも、人間を若返らせる力はない。時間が経てば、効果は切れると思う」 「そう、なら良かった」 「良くないっ!」 安堵のため息を付く三人に、少女が反発の声を上げた。 「わたしは、せつなだった記憶を持っていない。元に戻ったら、その記憶は戻るかもしれないけど――」 「そっか……。今のせつなの記憶は、なくなっちゃうかもしれないんだね」 たった一日。だけど、大切な一日だった。身体を小さくして震える少女を前に、ラブとあゆみは困った表情で顔を見合わせる。 そんな中、圭太郎が少女の肩に手を置いて語りかけた。 「これは、ラブには話したことがあるんだが、どうして僕がこんな格好をしているかわかるかい?」 「サンタクロースの……真似?」 今の男が何者だったのかは知らないが、サンタクロースではないだろう。あれは伝承の人物であり、実際に会うことは叶わないもの。 圭太郎はそれを説明する。それでも、大人がサンタクロースに成りすますのは―― 「子供に夢を持って欲しいからだよ。そして、夢と愛を信じて育って、それを広げていける優しい大人になってほしいからだ」 「だったら、それを知らずに育ったわたしは……優しい大人ではなかった?」 「優しかったさ」 「本当よ。せっちゃんは優しい子。それこそ、ラブにだって負けないくらいに」 圭太郎とあゆみは、交互に話して聞かせる。せっちゃんがどんなに良い子だったのか。自分たちが、どれほどその子を愛していたのかを。そして、今のせっちゃんも同じくらい良い子なんだって。 プレゼントをもらって、はしゃいで喜ぶ子はいても、泣いて喜んでくれる子は滅多にいない。 幸せと不幸は隣り合わせで、きっと夢や幸せを知らずに育った子だって、その痛みと寂しさを知っているから、負けないくらい優しい大人になれるはずだって。 「ウソだッ! だったら、サンタクロースなんて――いらない……」 「それでも親はね、子供には泣き顔じゃなくて、いつも笑顔でいてほしいからよ。いつか、幸せになれるとしてもね」 「わたしは――せつなに戻りたくない! 今の自分が無くなってしまうのが怖い! この気持ちを、失ってしまうのが怖い……」 駄々を捏ねたところで、ここに居る者たちにそれを叶える力は無い。それがわかっていながら、少女はワガママを言わずにはいられなかった。 いつも自分の気持ちを抑えてしまう、控え目な娘の精一杯の訴えが愛おしくて、あゆみは少女を抱く腕に力を込める。 「大丈夫よ。もし忘れてしまったとしても、今のあなたの気持ちは心のどこかに残っていて、せっちゃんをもっと素敵な子にしてくれるから」 「それに、僕たちは今のせっちゃんを決して忘れない」 「あたしたちが、聞かせてあげる。ちっちゃくたって、せつなはやっぱり優しくて、一生懸命で、精一杯がんばっていたって」 再び、少女は号泣する。あゆみは、泣きじゃくる少女を自分の寝室に連れて帰った。 今夜はこの子を一人にはしておけないからと。今夜しか、子供のせっちゃんの側に居られないかもしれないからって。 少女は生まれて初めて、母親に抱かれて眠るぬくもりを知った。寝るのが惜しかったはずなのに――すぐに深い眠りに落ちていった。 朝日が――昇る。 せつなは隣で眠るあゆみより、一足早く目を覚ました。 ちょうどいいサイズになったパジャマ。そこから伸びる、白くて美しいスラリとした手足。 その姿は、本来のせつなの身体だった。 「ありがとう、おかあさん。おとうさん。ラブ。そして――みんな」 せつなは、すぐ側に置いてあったサッカーボールと、お菓子の入った赤いブーツと、抱いて寝ていたヌイグルミを持って、そっと部屋を出た。 クリスマス当日の、カオルちゃんのドーナツカフェ。夕方に始まるクリスマスパーティーの最終打ち合わせに余念がないラブと、美希と祈里。 「って! 肝心のせつなが居ないじゃない!」 「あそこだよ、美希たん」 ラブが指差したのは、少し先の広場でサッカーをして遊ぶ六人の子供たちだった。 その内の一人は中学生の女の子らしく、小学生の男の子を相手に、指導を交えながら楽しそうに遊んでいた。 「今のって、まさかヒールキック!?」「姉ちゃんスゲー!」「俺にも教えてくれよ!」といった、子供たちの楽しそうな声がこちらにまで響いてきていた。 「あれって、せつなちゃん? どうしてサッカーなんて」 「色々あったんだよ」 ラブは昨日起きた出来事を、美希と祈里に詳しく話して聞かせた。 結局、せつなは幼くなっていた時の記憶を失わなかったらしい。先ほど、駄菓子屋さんも覗いて、お手伝いの約束をしたのだとか。 「そうだったの。あーでも、ラブったらズルイ! アタシも小さなせつな、見たかったなぁ」 「ごめーん。だって、呼べる雰囲気じゃなかったんだもん」 「ねえ、ラブちゃん。昨日の赤いお鼻のトナカイさんの話なんだけど、調べてみたら、実は続きがあったの」 「仲間外れにされたって話?」 「うん、最初はそうだったんだけど。サンタクロースのお手伝いをして、みんなを幸せにしたトナカイさんは、仲間に認められて幸せに暮らせるようになったんだって」 「そっか。でも、もう大丈夫だよ! せつなには、そのお話をしなくても」 「そうみたいね。今のせつなの表情は、トナカイの赤い鼻より明るいもの」 美希が冗談交じりにそう言って、三人は楽しそうに笑った。 「さあ、せつなのためにも、今夜は完璧なパーティーにするわよ」 「うん。きっと楽しんでくれるって、わたし信じてる」 「幸せ、ゲットだよ。せつな」 そんな一人と三人の少女を、さらに木陰から見守る者がいた。 「メリークリスマス、イース」 サンタクロースの衣装を纏った男は、そうつぶやいて、ゆっくりと立ち去った。
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/948.html
ねぎぼうの140文字SS【15】 1.ラブせつで『手繰り寄せた糸の先』/ねぎぼう 四つ葉町中を駆け回る。 もう一度その手をとるまでは……。 夕暮れになっても見つからず途方に暮れる。 それでも見えない糸口を手繰り続けた。 ―― 行くあても帰る場所もなく途方に暮れていた。 信じていた光も遠く閉ざされていく様に感じられた。 でも本当の光は…… ――手繰り寄せた糸の先にあった光。 2.ラブせつで『愛してる、って言ったら満足?』/ねぎぼう 「愛してる、って言ったら満足?」 (この世界の人間など……) 「そうだったらあたし本当に嬉しいよ!だってせつなが大好きだもん!」 まさかラブの背中にはまだあの羽根が? 「でも、せつなにもきっと大切な人がいるから……だから、言わなくてもいいよ」 そんな『天使』に目を背けるしかなかった。 3.ラブせつで【いつもとは逆の立場で / 吐息まじりに】/ねぎぼう 「新井白石が行った政治改革は何?」 「え~っと、しょ、しょ、『聖徳太子』!?」 「よく覚えていたね。でも、正解は『正徳の治』だよ」 「あ、そうなのね……」 せつなに勉強を教えるラブ、いつもとは逆の立場の二人だった。 吐息まじりに「はあ……歴史って難しいのね」 (せつなもたまにボケるなあ……) 4.ラブせつで『隣の人』/ねぎぼう 隣の人はその肩にもたれて気持ちよさげに眠っていた。 (起こすのも可哀想だけど、このままじゃ風邪をひくわ) せつなは毛布をかき集めてラブにかけると、頭を膝枕する。 そして自分は壁にもたれ掛かった。 「眠れなかったわね」 でも、この温もりがずっと続いてくれるなら……眠れないことも悪くない。 5.ラブせつで『ご機嫌取りも楽しみのひとつ』/ねぎぼう 「今日もそのペンダントでお出掛けかい?ご機嫌取りも楽しみのひとつのようだね」 「馬鹿なことを。私はメビウス様のお役に立つことを成しとげる。ただそれだけだ」 「ほう。ならそのタートルネックの服はなんだい?」 「こ、これは……作戦のひとつだ」 部屋ではウエスターが鼻血を噴いて倒れていた。 6.ラブせつで『愛に近い執着』/ねぎぼう 「まあいい、これでいつでもあの子に近づける」 「まあいい、次はあの子の変身アイテムを奪ってやる」 「まあいい、次は……」 “イースさん、まさに愛に近い執着ってやつですか?” 「ふん、愛などと虫酸が走る。そもそもこんなものがあるからいけないのだ、こうしてやる!」 「せつな~!」 「ラブぅ」 7.ラブせつで【 特別なフリをして 】 42話のイメージで/ねぎぼう 「ニンジン代わりに食べて、お願い!」 「もう、今日だけよ」 特別なフリをして、私の皿にニンジンのソテーを移させる。 「明日はちゃんと食べなきゃね、ラブ」 「明日もニンジン?」 「いいわね、ラザニアに入れちゃいましょう!」 「お母さん!?」 そうだ、明日から私は…… 「お母さん、肩もませて」 8.ラブせつで『本当、だったり。』/ねぎぼう 「せつなの占い、ぜんぜんデタラメなんかじゃなかったよ」 (占いはデタラメ、だったり……時には本当、だったり。 時々は本当らしいことも混ぜたほうが騙すのに効果があるから) 「占いは当たるかも当たらないも本人しだいよ」 (どんなに騙しても……全部本当のことのなるのだから。羨ましいくらい) 9.ラブせつで『新婚ごっこ』/ねぎぼう 「ただいま!」 「おかえり」 帰ってきて、そこにせつながいるのはとっても幸せ。 でももう少し欲張ってもいいよね? 「『アレ』でお出迎えして欲しいなあ」 「もう、ラブったら」 そう、『新婚ごっこ』でね。 「お風呂にする?ご飯にする?それとも……わ・た・し?」 せつな、顔が紅いよ? 勿論答えは…… 10.ラブせつで『どうせ嘘なんでしょう?』/ねぎぼう 「どうせ嘘なんでしょう? ウエスター。貴方の下手な嘘はもういいわ」 「ウエスターの言っているのは……嘘じゃないんだ、イース」 「サウラーまで!?」 「キュアピーチが……解放記念公園で踊っているんだ、今!」 せつなが窓から公園の方向に目をこらすと、観衆の取り囲む中央に確かにいた。 「ラブ!」 ※崩壊したメビウスタワーの跡地が公園になっていそう、ということで。