約 1,207,367 件
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/51390.html
【検索用 らふ 登録タグ ATOLS VOCALOID ら 初音ミク 曲 曲ら】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ATOLS 作曲:ATOLS 編曲:ATOLS 唄:初音ミク 曲紹介 ハッピー バレンタイン❤(*1) 曲名:『ラブ』 歌詞 ラブ ラララ ×12 ときめく旋律 甘く廻りだす 魔法の呪文唱えて ラブ ラララ ×24 ときめく旋律 甘く廻りだす 魔法の呪文唱えて ラブ ラララ ×24 ラ ラ ラ ラブ ラララ ラ ラ ラ コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/457.html
【夫婦と書いてめおとと読むsss】/恵千果◆EeRc0idolE 「ねぇラブ、11月22日は何の日か知ってる?」 「知らな~い。せつなは知ってるの?」 「もちろん知ってるわ。イイフウフ…いい夫婦の日よ」 「スゴイスゴイ!さすがあたしのせつな!物知りさんだねっ(はあと」 「ラブったら大袈裟ね。……ねぇラブ、その日をわたし達の記念日にしない?」 「いいよ!何の記念日?」 「結婚記念日に決まってるじゃない……(かあっ」 「タッハー!プロポーズされちゃいましたー」 はあ~~スイーツスイーツw
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/19.html
ある日のお風呂 ラブ「せつな、あたしも入ってもいい?」 せつな「っっ!!まだいいって言ってないでしょ!」 ラブ「隠さなくてもいいじゃん。せつな結構オッパイおっきいんだね~」 せつな「ちょっ!触らな…あん…や…め…」 ラブ「あれ-何かせつなの先っぽとがってきたよ?固くてコリコリしてる」 せつな「…ふぁ…駄目…」 ラブ「せつな…すんごく可愛い。続きはあたしの部屋でしよっか」 筆力なくてすみません
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/45.html
ラブ「最近ipodお気に入りだね♪」 せつな「え!?な、何で知ってるの???」 ラブ「この桃園ラブ様はなーんでもお見通しなのだぁ~♪」 ちょっと困惑気味のせつな。どことなく頬は薄ピンク色に染まり。 ラブ「で、何聞いてるの?」 興味心身、まるで子供のようにせつなを覗き込む。 せつな「・・・。ハッピーカムカム/// 」 と小声で呟くと、そっとipodを取り出してイヤホンをラブの耳へ。 ラブ「何か照れるなぁ///」 歌声はせつなの鼓動も届けてくれた訳であり。。。
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/508.html
「ただいまー」 「お帰りなさいラブ!」 あゆみに頼まれて、お使いに行っていたラブが帰宅した。帰って来るなり、こたつに潜り込む。 「外スッゴク寒かったー!ああ~ぬくぬくする~。やっぱりおこたって最高!幸せゲットだよ!」 こたつに肩まで潜ったラブの頬に、少しずつ赤みがさしてきた。外は相当寒かったのだろう。 あゆみを手伝い夕食を作っていたせつなは、そんなラブの様子に気が気でない。 「お母さん、ラブったらあんなに寒がって…風邪引かないかしら?何か温かい飲み物でも飲ませた方がいい?」 「ふふふっ」 堪えきれずにあゆみが笑い出す。 「お、お母さん!何で笑うの?私何か変なこと言った?」 「ごめんごめん、だってね…ラブを心配し過ぎて、焦ってるせっちゃんがあんまり可愛いんですもの」 「もう、お母さんったら!」 頬をプウッと膨らませて、せつなは怒る。否、正確には怒った“フリ”をする。 本当は怒ってなどいないのだから。今ではじゃれ合ったり出来るくらい、本当の親子のように接することが自然になったふたり。 こたつに潜りながら、そんなふたりを微笑ましく思い、ラブは思わず嬉し笑いを漏らす。 「くふふっ」 「ああっ!ラブまで笑ったわね!」 「しまったー、ごめんせつな!」 慌ててこたつの中に潜り込むラブ。 しかし、せつながそれを見逃す訳もなく。 「コラ!逃げるなんて卑怯よ!出て来なさい!」 「いやー許してー!お母さん助けてー!」 こたつから這い出したラブを羽交い締めにするせつな。何を思いついたのかニヤリと笑い、ラブの脇腹に手を伸ばし、おもむろにくすぐり始めた。 「ごめんって!せつな!許してってば、ぶっは!わはは!やめ!くすぐったい!ギブ!ギブ!」 「はい、せっちゃんの勝ち。ふたりとも御飯よ。ラブは手洗った?うがいもまだでしょ。はい、くすぐったせっちゃんも一緒に、洗面所へレッツゴー!急いでね」 「はーい」 あゆみに言われた通りに素直に洗面所に行き、手洗い、うがいをするふたり。 「さ、出来た。行きましょラブ」 せつながラブの手を握り、ダイニングキッチンへと誘うが、ラブはそんな彼女の手を強く引っ張り返して抱きしめる。 「ラブ?」 「まだしてもらってないよ…お帰りなさいのキス」 耳元で甘い声で囁かれ、みるみる顔が赤くなるせつな。 「だって…お母さんの前じゃ出来ないでしょ?」 「だったら…今してよ」 「んもぅ…ラブったらしょうがないんだから」 ちゅっ。軽く口づける。 「さ、お母さんが待って…んん!」 身体が熱くなる。奥から奥から熱が溢れ出し、頭の芯が痺れ、何も考えられなくなり、そして…唇が離された。 「さ、お母さんが待ってるから行こうね、せつな!」 「……そんなキスするなんてズルい!」 「……欲しくなっちゃった?」 意地悪な質問だが、せつなは頷くことしかできない。 そんなせつなを、ラブもまた欲しがっている。 「わかってる。今夜行くから……開けといてね、ベランダの鍵」 「きっとよ……」 答えるかわりに、ラブはもう一度強く口づける。 「ふたりともーお味噌汁冷めちゃうわよー」 「はーーーい。―――行こ」 「うん」 恋人にしか見せない表情を脱ぎ捨てると、ふたりは甘い空気が漂ったままの洗面所を後にした。 真夜中の逢瀬に、心を躍らせながら。 8-127へ
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/779.html
クリスマスが終わり、久々に皆で集まったドーナツカフェ。 時折、美希とラブは視線を絡め、見つめ合い、頬を赤らめる。 微笑み合い、じゃれあい、肩を寄せ合う。 当然のように隣り合わせに座ったテーブルの下では、お互い膝小僧をくっつけ、こっそり手を繋いでいた。 「せつなちゃん……美希ちゃんとラブちゃんって、何だか……」 「ブッキーも気づいた?」 「だって、あまりにも……」 「……そうよねえ?」 せつなと祈里には、どう見ても美希とラブの2人が恋人同士に思えてしまう。 公然といちゃついているのだから、当然と言えば当然の結果だった。 いつの間に、そうなったんだろう。全然知らなかった。祈里は考える。 最近になって、2人が想い合っていることに、祈里は密かに気づいていた。 しかし、2人がこんなにも早く幼なじみという壁を乗り越えていたなんて。 2人がそこまでの関係に致っていることは、祈里の予想を遥かに越えたことだったのだ。 少し前までの祈里なら、幼い頃からの気心の知れる3人の中で、1人だけおいてきぼりにされたような気持ちになり、寂しさや悲しさを覚えたことだろう。 しかし、今の祈里は違う。クリスマスの出来事をきっかけに気づいた、せつなへの特別な感情が、祈里を変えていた。 祈里は今、美希とラブの関係を、悲しむのではなく、羨んでいた。 いいなー、美希ちゃんとラブちゃん……。 それにしても、いつの間に?あっ!もしかして、クリスマスの晩に……?きっとそうだったんだ。 わたしもいつか、せつなちゃんとあんな風に……。 だけど、せつなちゃんはどう思ってるんだろう。ラブちゃんが取られたような気持ちになって、寂しがっていないかしら。 あっ!わたしったら、一番大事なこと忘れてた。 せつなちゃんには好きな人がいるかどうかってこと。もしもいるなら、それは誰なのかっていうこと。 やっぱりラブちゃんかな。それとも……美希ちゃん? どっちにしろ、せつなちゃんが、美希ちゃんかラブちゃんを想ってるのなら、この状況はかなりツライはずよね……。 「あの……せつなちゃんはどう思う?」 「ん?何を?」 「何って……美希ちゃんとラブちゃんのことよ」 「ああ。まったく、よくやるわよ。見てられないわ。ブッキーもそう思うでしょ?」 「う、うん……そうだね」 せつなの呆気ない返事に、祈里は次の言葉が出せないでいた。 せつなが好きなのは、ラブでも美希でもないようだ。 もしかしたら、他に好きな人がいるのかも知れない。 祈里は何の気無しに、せつなが知らない誰かと肩を並べて歩いているシーンを想像してみる。 だが、ただそれだけのことなのに、軽い眩暈に襲われそうになる。 知らなかった。わたしって、こんなに嫉妬深いコだったんだ……。 けど、それだけわたしは、せつなちゃんが好きっていうことなのかな。 今度は、せつなの隣を歩く人物を、自分に置き換えて想像してみる。 ラブと美希がしているように、見つめ合い、視線を絡めるせつなと自分を思い描き、祈里は頬を赤らめた。 「なあにブッキー、顔が赤いわよ?」 「な!何でもないよ!」 「ヘンなブッキー」 せつなは笑う。祈里を見て笑ってくれる。 今はまだ、これでいい。この関係が心地いい。 たわいもないことで笑い合えるポジション。 友達同士であることに、物足りなくなる時もあるけれど、今はこれでいいのだ。 真冬とはいえ、昼下がりの優しい陽射しの中で、祈里は確かに幸せに包まれていた。 せつなはまだ、誰のものでもない。 み-113へ
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/640.html
【もうすぐ年越し電話】/恵千果◆EeRc0idolE ラブ「もしもし」 祈里「もしもし、ラブちゃん?」 ラブ「ブッキーヤッホー」 祈里「電話くれたんだ、ありがとう」 ラブ「冬休みだし、ダンスレッスンもお休みだから元気かなって思ってさ」 祈里「すごく元気だよー。美希ちゃんには昨日会ってお茶したんだ。美希ちゃんも元気だったよ。せつなちゃんは元気?」 ラブ「うん元気! 今、お母さんとおせちの仕込みしてるんだ。あたしはちょっと休憩中」 祈里「そっかぁ。お正月だもんね」 ラブ「あと数時間で今年も終わるなんて信じられないよ~」 祈里「ねー。1年ってホント早いよねー」 ラブ「お正月と言えばお餅だよね。あたしいつもいっぱい食べるんだー」 祈里「うんうん」 ラブ「ブッキーはお餅の食べ方でどれが好き?」 祈里「わたし? うーんそうねぇ、どれも美味しいから迷うけど、お正月と言えば家族みんなで食べるお雑煮かなあ。ラブちゃんは?」 ラブ「あたしはねぇ、磯辺餅でしょ、あんこ餅でしょ、きな粉餅でしょ、お雑煮、ぜんざい、お汁粉、納豆餅に、おろし餅!」 祈里「もー、結局全部好きなんじゃない(笑)」 ラブ「それを言わないのっ。けどさ、やっぱ一番はシンプルに砂糖醤油とか良くない?」 祈里「いいよね! 甘じょっぱいあの感じ」 ラブ「甘いなかにも、ちゃあんとお醤油の味わいがしてさ」 祈里「うんうん」 ラブ「うう……考えただけでおなか空いてきちゃったよ~」 祈里「ラブちゃん、もしかして今よだれ垂らしてるんじゃない?」 ラブ「あはは、ブッキーってばぁ」 せつな「ラブ! お蕎麦出来たわよ」 ラブ「はーい。せつなが呼んでるからもう切らなきゃ。ねぇブッキー、電話したのはさ、実は……あ、明日。一緒に初詣行かない?」 祈里「いいね! せつなちゃんも行くんでしょ? 美希ちゃんも誘う?」 ラブ「ううん、あたしとふたりっきりだよ」 祈里「えっ!? い、い、行く」 ラブ「やった! じゃ、明日ね。時間は後でメールするから」 祈里「うん……」 ラブ「良いお年を!」 ***** 祈里「やだぁ……ふたりっきりって……明日何着てけばいいんだろう」 おしまい。
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/673.html
せつな バレンタインの約束…覚えてる? 2人でチョコレート手作りしようって。 大好きな、お父さんとお母さん、美希とブッキーに。 感謝の気持ちを込めたチョコレート、プレゼントしようって。 約束したよね。 ゆびきり…したよね。 ゆびきりげんまん うそついたら はりせんぼんのーます。 約束したのに。 なんで いないの? せつな せつなの黒くて綺麗な髪に触れたい。 細くてしなやかな指に絡めたい。 そして、深紅の瞳に見つめられたい。 せつな 会いたい。 会いたいよ… ラブ ごめんなさい。 “チョコレート作って、大切な人達にプレゼントしようね” バレンタインの約束。 2人だけの約束… 守れなくて、ごめんなさい。 離ればなれになって気づく。 ラブ… あなたは私に幾つもの幸せをくれた。 あなたが居たから、今の私がある。 それなのに… 私はラブに何もしてあげてない。 いつも寂しい思いをさせてばかり。 ごめんなさい。 ごめんなさい。 それでも… ラブに会いたい。 次に会うときは、私がラブを幸せにしてあげる。 ラブと2人で生きて行きたい。 それが私の新しい夢。 帰るから。 必ず帰るから。 大好きよラブ。 2人で一緒に幸せになろうね。 せつな ありがとう。 バレンタインの約束。 覚えていてくれたんだね。 それだけで充分だよ。 それだけでも、嬉しかったよ。 ねぇ、せつな せつなはあたしに何もしてないって言うけど。 そんなことないよ。 あたしもせつなから、いっぱいの幸せ、もらったよ。 初めて会ったあの日。 幸せが訪れるって占ってくれた。 それからなんだ。 プリキュアになれた。 ミユキさんに会えた。 美希たん、ブッキーとダンスが出来た。 そして… せつなと心通わすことが出来た。 全部せつなのおかげなんだよ。 全部せつなからもらった幸せなんだよ。 あたしはもう大丈夫。 ちゃんと待ってるから。 せつなが、ラビリンスの人達みんなを笑顔にして… そして、あたしのとこに帰って来るまで。 待ってるから、ずっと待ってるから。 あたしも大好きだよ、せつな。 2人で一緒に幸せになろうね。
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/84.html
パジャマ、下着、洗面用具。タオルなんかは美希が貸してくれるだろう。 明日の着替えはどうしよう、と少し迷った後せつなは赤いカットソーとミニスカートを入れた。 今着てる服も帰宅して制服から着替えたばかり。後は夕飯を食べてお風呂に入るだけ。 このまま明日も着れば良いかとも考えたけど、同じ服を続けて着るなんて美希に だらしないと言われそうだから。 クローゼットの中は赤系の暖色がほとんど。後はそれに合わせた定番。 寒色系はほとんど無い。 せつなは赤が似合うよね! せっちゃんは赤が好きよね。 いつの間にかそう言う事になっていた。 でも、似合うってどう言う意味なんだろう。 自分が好きで、尚且つ他人からも好感を持たれる、と 言うことは理解出来る。 自分にとっては赤がそうなんだろうか。 特に赤い色を好んでいるつもりはなかった。 でもいつ頃からだろう。 赤い色を当てると、血の気の薄い青白い肌がほんの少し明るく見える気がしたから。 せつなは窓から射し込む夕日に手を翳す。 日の光を浴びる事なく育った肌は向こうが透けて見えそうな頼りなさだ。 (せつなの肌って本当に綺麗……) ラブはそう言って誉めてくれる。 ラブだけではない。 こちらに来てからは顔を合わせる大抵の人から肌の白さを驚かれた。 綺麗、なんだろうか。 こんな血が通っているのかすら怪しそうな冷たい色が。 自分から見れば、ラブの桃色がかった健康的な肌の色の方がよほど美しいと思うのに。 今着ているのは赤みがかった深い紫。 ボルドー、と言う色だと美希が教えてくれた。 熟れた葡萄の色。秋の実りの色だと。 (熟れたてフレッシュだもんね) そう言って美希が選んでくれた服。 何か少し意味が違う気がしたが、ただ笑って試着した。 着てみると深く暖かい色味が顔色を柔らかく映してくれているように思えた。 いつも美希は赤以外の色を選んでくれる。 赤はラブや他の人も薦めるから。 他人と同じチョイスをするのはモデルのプライドが許さないらしい。 それでもやはり、寒色系は選ばない。無意識なんだろうか。 多分、違う。 美希は明確な根拠は分からなくても、せつなが白すぎる肌を 気にしているのを感じているのだろう。 美希は、誰よりも人の気持ちに敏感だから。 美希の様子が気掛かりだった。 突然の電話。遠目に見えた力無く項垂れた姿。 美希らしくない。いつもしゃんと背筋を伸ばし、常に完璧な笑顔を振り撒いている美希が。 まるで迷子のように心細そうに見えたから。 まだ主の気配の無い隣の部屋。 ラブに掛けた電話は留守録になっていた。 美希の家に泊まる、と送ったメールの返信もまだ来ない。 (………何か、あった…?) 唐突な美希の誘い。連絡の付かないラブ。 せつなの脳裏にもう一人の顔がちらつく。 (美希は、私とラブを今日は会わせたくなかった……?) 一緒に暮らしているのだから、引き離そうとするならどちらか一方を 外泊に誘うくらいしかないだろう。 美希はラブではなく、せつなを誘った。 考え過ぎかも知れない。しかし人がいつもと違う行動を起こす時は、何かしら理由がある事がほとんどだろう。 自分達の関係。美希の位置。ここ最近のラブの様子。そして、一週間前の買い物。 パズルのピースを嵌めるように、せつなは思考を組み立てる。 それぞれの性格や行動パターンを忠実にトレースして行けば、 かなり正確な答えに行き着けそうな気配を感じる。 しかしせつなはそこで考えを止めた。 答えになんて、行き着かない方がいい。 すべてを知る事が正しく幸せだとは限らない。 そのくらいは、もうせつなにも分かっていたから。 先回りして用意した結論なんてほんの少しの状況の変化でゴミ同然の値打ちしか無くなる。 それに自分にとっての最善が他人にもそうだとは限らない。 頭を切り替え、姿見に全身を映す。 そこにいるのは黒髪の少女。 ボルドーの膝上までの長めのトップス。脹ら脛までの黒の細身のパンツ。 こう言う格好の時はベルトをするとアクセントになるって美希は言ってたっけ。 美希は服を買う時は色々と小物も選んでくれようとした。 小物で変化を付けると少ない服でも印象が違って見えるから、って。 アクセサリーなんかもたくさん薦めてくれたけど、結局せつなが買ったのは シンプルな黒いベルト一本だけだった。 (もう!せつなも女の子なんだからもっとお洒落しなくちゃ) (そんなに一度に使いこなせないわよ) 美希みたいにセンス良くないし。 そう言ったのは半分本当で半分は嘘。 ラブに見せられたファッション雑誌、テレビ、学校の友人、周りの人々。 観察していれば、どういった格好が今の流行か。好まれる服装か、と言うのは大体分かる。 個性的なお洒落は出来なくても、無難に纏めるくらいなら悩まず組み合わせる 事くらいはもう出来る。 でも、目立ってはいけない。それが習性として身に染み付いていた。 せつなにとって自分が美しいかどうかなどは問題にした事もなかったが、 自分がこちらの世界では好まれる容姿だと言う事は知っていた。 だってそれも、こちらに潜入する為の条件の一つだった。 人は好ましく思うものには警戒心が薄れる。 そして美しさや可愛らしさは大抵の人間にとって好ましく映るものだ。 この世界に馴染みやすく、溶け込みやすい見た目。 しかし、必要以上に優れた容姿を誇示してはいけない。 目立てばそれだけ人目を集め、動き難くなるだけだ。 そう言った魅力は籠絡する対象にだけ発揮すればいいのだから。 (馬鹿よね。本当に…) 結局、手玉に取るつもりが自分が落とされてしまったのでは目も当てられない。 愛された事の無い人間が、溢れるほどの愛情を浴びて生きている人間を 騙し通す事など出来なかった。 本物の愛情しか知らない人間にどれほど精巧な偽物を用意したって メッキが剥がれるのは時間の問題でしかなかった。 張りぼてが壊れてしまえば、偽物しか知らない人間はなす術もなく本物の輝きの 眩さに目を細める事しか出来ない。 馬鹿な子。そう蔑む事で保っていたプライドなど芥子粒ほどの価値も無かった。 鏡に銀髪の少女の面影を重ねる。 あの頃、ラブ達と接触した後は必ずこうやって鏡で自分の姿を確かめていた。 スイッチオーバーした姿。銀色に流れる髪。深紅に光る瞳。メビウス様が僕、イース。 これが本当の自分なのだ、と。せつなは所詮欺く為の仮初めの姿にしか過ぎないのだ、と。 せつなとイースに見た目に明確な違いがあって良かったと心底思った。 イースに戻っても黒髪のままだったら。もしくはせつなも銀髪のままだったら。 クラインに寿命を宣告されるまでもなく、自分を見失い、狂っていただろう。 イースとしてこちらに来たばかりの頃、目先の事に囚われ享楽的な生を楽しむ人々を 愚かしい生き物だと見下していた。 幸せなどと言う、曖昧な願いを躊躇いもなく口に出来る生ぬるい世界を呪った。 しかし、今なら少し分かる。幸せを願うのは自分の為だけでは無い。 自分も含め、周りすべてが幸せでないと意味がない。 少なくとも、せつなのよく知る人達はみんなそうだ。 だから、ラブが幸せになる為にはせつなも幸せでなければいけない。 そして、せつなの幸せには美希や祈里がいなくては成り立たない。 階段を降りて台所を覗く。立ち込める湯気と夕飯の匂い。 鼻歌混じりに鍋をかき回すあゆみの姿。 せっかく用意してくれていたのに食べずに出掛けるのが申し訳なかった。 「…お母さん」 「あら、せっちゃん。支度出来たの?」 「……その、ごめんなさい。夕ごはん…」 あゆみはせつなの頭をポンポンと撫でる。 まるで小さな子供にするように。 少し前まではこんな何気無い仕草にも随分戸惑ったものだった。 どう反応すれば良いのか分からなくて。 あゆみの方こそ困惑するせつなの扱いに困っただろうに、そんな事は 今までおくびにも出さなかった。 それが大人で、母親、と言うものだと分かるまで、触れられる度に緊張していた。 「ま、今夜はカレーだったし。冷凍しておけば一回分楽が出来るわね」 冗談めかして悪戯っぽく笑うあゆみに、せつなもつい笑みを溢す。 「今回は特別。次からはちゃんと事前に報告よ?」 「はい」 生真面目な仕草でペコリと頭を下げるせつなの髪にあゆみの指が優しく絡まる。 「せっちゃんは美希ちゃんと気が合うのね」 「……気が合う?」 「あら。そう思わない?」 「よく、分からない。でも美希は大好きです」 「ならそれでオッケーよ」 せっちゃんは真面目ねえ。難しく考える事ないのに。 コロコロと朗らかな声であゆみは続ける。 「せっちゃんは美希ちゃんと仲良し。美希ちゃんもそう思ってるから誘ってくれるんでしょ?」 だったらそれが気が合うって事なのよ。 ふんっ!と腰に手を当て胸を張るのがラブそっくりで思わず吹き出してしまう。 本当によく似た親子だと嬉しくなる。 「じゃ、行ってきます」 「はい、いってらっしゃい」 レミさんと美希ちゃんによろしくね。 玄関でもう一度、行ってきます、と声を掛ける。 ドアを開ける背中に、いってらっしゃい、の声が追い掛けてくる。 行ってきます。 いってらっしゃい。 ここに帰って来る、約束の言葉だ。 ただいま。 お帰りなさい。 そう、迎えて貰える。 その事実に慣れ、受け入れられるまでにどれくらいかかっただろう。 こんな温かな場所を自分の棲み家に決めてしまったら、もう他の場所へは 行けない気がしたから。 温かさに慣れてしまうのが怖くて、お母さん、とも中々呼べなかった。 「おや、せつなちゃん。こんな時間からお出掛けかい?」 「美希のところでお泊まりなんです」 商店街の中を歩くと次々と声がかかる。ラブと一緒でなくても。 桃園さん家のせつなちゃん。もう皆が知っている。 自分の行動を他人が見ている。そして、それが人伝に遠くへ伝わる。 水に落とした小石が波紋を広げるように。 こちらの世界に来てからも中々拭えなかった違和感。 ここでは、自分は何の力もない子供だと言う事実。 そして子供の自分が何か不始末をしでかせば、それは即座に庇護者である 桃園夫妻の責任になると言う事。 両親だけではない。共に暮らしているラブ。いつも一緒にいる美希や祈里にまで影響が及ぶ。 そして、それがここでは考えるまでもない常識だと言う事。 人と人とが太い幹から細かい枝葉に至るまで繋がり、響き合っている。 一人の行動が、その一人の属しているあらゆるカテゴリー、 家族、友人、学校、住んでいる場所に大なり小なり影響を及ぼすと言う事。 (こちらの人は、怖くないのかしら…) せつなは恐かった。自分の所為で両親やラブに迷惑が掛かったら。 美希や祈里にまで波紋が及んだら。 考えるだけで身が竦む思いなのに、周りはその事実を平然と受け流しているように感じた。 負担に感じているようにも思えない。 (あったり前じゃん!家族なんだし!) 親が子供を守るのは当たり前。 子供が親に守って貰って、更に我が儘を言うのも当たり前。 我が儘が過ぎて叱られたりもするけど、すぐに仲直り出来る。 そして、それも当たり前。 友達だって同じ。喧嘩したって、迷惑かけたってお互い様。 悪い事したって思うなら、次は自分が助けてあげればいいんだよ。 ケロリと言ってのけるラブにせつなは茫然とした。 愛情を受けて生きていくと、そんな重い事実が当たり前になってしまうのか、と。 同時に妙に納得した。 だからラブはあんなに命が大切なんだ、と。 愛されてるから。 愛してるから。 失えば、取り返しがつかないから。 ラビリンスでは常に誰もが一人だ。メビウスの僕である以外のものは存在しない。 誰かがいなくなっても、ラビリンスに、メビウスに取って不必要だから消えていく。それだけ。 だから命は虫けらよりも軽かった。 だからこそ逆に気楽だったのだ、とせつなは皮肉に思う。 どんな不始末も、どんな失敗も、己の身一つで済んだ。 自分以外のものを何一つ持っていなかったから。 命以上のものを失う心配なんてしなくてよかったから。 (重いわよねえ、まったく……) それは、何と甘美な足枷だろう。 せつなは甘く微笑みながら胸に収めた傷を撫でる。 塵よりも軽かった我が身が、今は地に引き倒され、身動き出来ないほどの 重りに繋がれている。 その一つ一つの重りの何と愛しいことか。 ラブの手を取ったその時から、せつなはこの世界のシステムに組み込まれた。 何度消えてしまおうと思ったか数知れない。 このまま自分がいる事で皆が傷付くなら、黙っていなくなってしまいたい。 しかし、それでは何の解決にもならない事がやっと理解出来たから。 せつなが消えてもせつなのいた痕跡は消えない。 一度関わり、想いを交わしたら、相手の中に自分が宿る。 すべての記憶を消し去らない限り、逃れる事は叶わない。 (もう、怖くないから…) いくら傷付き血を流しても、癒える傷なんか怖くない。 どんな痛みも、抱き締めてくれる腕があるならやがて引いてゆく。 傷が開けばまた塞げばいい。 痕が残っても恥じたりはしない。 自分で選んで、自分で決めた。 それを誇りたいから。 逃げない。 逃げる場所が無いからではない。 ここが、自分の場所だから。 そう、顔を上げて生きて行きたいから。 今、自分に出来る事。 美希が会いたいと言ってくれた。 多分、決して穏やかではいられない心の時に。 そして、笑顔を向けてくれた。 美希に何を求められているかは考えないようにしよう。 今夜、二人で何を話すのか。まだ何も分からない。 辛く悲しい話かも知れない。 また深く傷付くかもしれない。 まったく予想も出来ない事を聞かされるかも知れない。 もしくは、何事もなく、楽しくお喋りして朝を迎えるかも知れない。 (わたしは、どれでもいいわよ。美希…) だって、何も変わらないから。 せつなは空を見上げる。 太陽は一日の終わりを告げる濃く滲んだ朱色の光を靡かせている。 既に空には幾つかの星が瞬き、薄く磨いだナイフのような月も浮かんでいる。 瑠璃色からブルーグレー。だんだん黄色味を混ぜながら朱色へ向かってゆくグラデーション。 なんて贅沢な時間なんだろう。 太陽と月と星。そのすべてを包んだ空が目の前に広がっている。 青空でも夕焼けでも空はいつでも空だ。 どれほど欠けても月はまた満ちて来る。 曇っても沈んでも、太陽はまた昇る。 真昼の星は見えなくても確かにそこにある。 どれか一つでも欠けてはいけない。 欠けることなんて、想像出来ない。 姿が変わっても。色が違っても。昨日とは輝く場所は違っても。 太陽は太陽であり、月は月であり、星は星であり、空はそのすべてを抱き締めている。 そして、何があっても、どんな嵐でも、消えて無くなる事だけはあり得ないのだから。 黒ブキ35へ
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/392.html
「せつな、ドッジボールだよ!」 次は体育ということで着替え終わった私にラブは興奮気味に話しかけてきた。 「ラブったら、嬉しいの?」 「嫌なんだよ! だってせつなと違うチームになったら嫌だよ。 せつなに怪我をさせちゃうかもしれないのにボールを当てるなんて無理無理!」 「それは私もよ」 もし、そうなったらチーム分けをした先生、もしくはラブ以外全員を狙うわ。 「そうならないように祈りましょう? 私、信じてるわ」 「あはは。せつな、それブッキーの台詞だよ」 「よかったー。せつなと同じチームだよ」 本当によかったわ。これで先生やラブ以外全員を狙わなくて済んだわ。 「そうね。がんばりましょう。私も精一杯がんばるわ」 「大丈夫だよ。せつなと一緒なら、あたし完璧なんだから」 「ラブったら、それ美希の台詞よ」 でも、ラブと一緒なら何でもできる気がするわ。 「でも、向こうに男子のほとんどがいっちゃったよ・・・」 確かにあっちのチームには大輔君をはじめとしたクラスの男子のほとんどがいる。 明らかにこっちが不利だわ。何なのこのチーム分け。先生を当てようかしら・・・。 「ボールは桃園のチームからだ」 「ラブ、頑張って!」 「うん! まかせて。せつな」 ラブが始めに投げてゲームは始まる。大丈夫。外野はちゃんと注意して見ているからラブを狙わせたりはしない。 「いくよ!」 ラブはボールを持ち直して、そして・・・ 「大輔、覚悟ぉぉぉぉ-!!!」 「へ?」 急に半回転して思いっきり私たちの後ろ(相手の外野)の大輔君に投げつけた。 「ぐふぉ!?」 「「大輔ー!!」」 ボールはもろにお腹に当たって彼はその場に倒れた。そこにみんなが集まる。 「殺ったー!!」 それを確認したラブは「やったー」と叫んでから力尽きた彼を指差してこう言った。 「せつなのことを悪く言ったのは謝っても許さないんだから!」 ラブったら私のために・・・ 「これでまた一つ、幸せゲットだよ!」 「ラブ、彼は外野なんだから当てても相手の数に変化は・・・」 「先生、大輔のやつ気絶してます!」 相手チームの数が減った。まさかの外野が・・・ 「一人ぐらいハンデだ。続行」 先生が宣言し、ゲームが再開される。 だけどボールは相手の外野から。必然的に残りの二人の挟み撃ちにあう。 「きゃっ! 最低!」 「痛いじゃない!」 「うぶっ!?」 明らかに不利なチーム分け。一人。また一人と相手のボールに当たっていく。 「先生、大輔のやつにボールがあたってます!」 「あたるくらいハンデだ。続行」 避けている途中でラブが体勢を崩した。そこに相手のボールが飛んでくる。 まずい! あれじゃかわせない! そう判断した私は・・・いや、判断する暇もなかった。無意識に体は動いていた。 「ラブ、危ない!」 「へ?」 私はラブの前に飛び出した。 「くっ」 「ふぎゃ!?」 私は自分の体をつかってボールの軌道を逸らす。肩に当たったボールはそのまま倒れている・・・(誰だっけ?)・・・屍の顔に命中した。 「先生、大輔のやつ泡吹いてます!」 思い出した。大輔君だったわ。 私は思ったよりも強い衝撃を逃がしきれず、そのまま地面に倒れた。 「一旦中断!」 先生が中断する。 大輔君の時は続けたのに、どして? 「せつな! 大丈夫!?」 ラブが私に駆け寄る。私は起き上がりながら答えた。 「大丈夫よ。全然へい・・・痛っ!」 起き上がるときに足首に痛みを感じた。多分捻ったのね。 ラブは私を支えながら聞いてきた。 「せ、せつな。痛む?」 「少しね・・・」 「ごめんね。せつな。あたしなんかのせいで・・・」 「ううん。これでラブが傷付かなかったのなら安いものよ。ラブが怪我をしなかったから本当によかった」 「せつな・・・」 「何? ラブ」 「好きだよ」 「私も好き」 そして私たちは互いに目を瞑って顔を近づけて・・・ 「きゃー! 桃園さんと東さん大胆ー!」 「お前たち、授業中だぞ。いちゃつくならよそでやれ」 一気に離れた。 恥ずかしい。みんなの前で・・・ 「せ、先生! 保健室に連れて行っても良いですよね」 「何で既に決まってるんだ? まあ、いいや。連れて行ってやれ」 ラブはそれを聞いて顔が赤くなった。 「ラブ、どしたの?」 「せ、せつな。連れて行って犯れって言われたから、行こう?」 「ええ」 なんか、違和感を感じたけど・・・。 私はラブの肩に手をかけたら・・・ 「よっと」 「え?」 歩き出そうとした私の首と膝の裏に手を回して来たと思うと、気が付けば私は ラブに抱きかかえられていた。族に言う、お姫様抱っこ、の状態。 「ら、ラブ、みんな見てるし、重いから降ろして」 「大丈夫。それにけが人はおとなしくする」 そして、そのまま私はラブに抱かれたまま校舎に入った。 「先生、大輔のやつ白目剥いてます!」 「白目くらいハンデだ。再開」 ラブに抱かれたままの私は、ラブの首に両手を回して強く抱きついた。 「ど、どうしたの? せつな」 ラブは少しびっくりしたみたい。 「ラブにもっとくっつきたかっただけよ」 自分でも顔が赤くなるのが分かるくらい恥ずかしい言葉を言ったと思う。 「なんか、こうしてると・・・せつなはお姫様みたいだね」 あたり前よ。私はラブのお姫様なんだから。ラブだけのお姫様。 そしてラブは・・・ 「あれ? 誰もいない」 保健室についた私とラブはとりあえずベッドに座った。 「そういえば、今日は先生、休みって言ってたわ」 「あちゃー、授業終わるまで後30分はあるよ」 私は隣に座っているラブにもたれかかる。 「ねえ、ラブ? 私はお姫様?」 「うん。お姫様だよ」 そう言ってラブは私を抱きしめてくれる。 「違うわよ。ラブのお姫様よ」 「なら、あたしだけのお姫様だね」 ラブは強く抱きしめる。 「じゃあ、あたしは?」 私はその言葉に答えずに、ラブにより強く抱きつく。 「せ、せつな」 「大丈夫。鍵はかけたから」 そして私はラブに抱きついたままベッドに倒れこんだ。 ラブはね。私の・・・私だけ女神様なんだから。