約 1,206,906 件
https://w.atwiki.jp/jiga/pages/22.html
せつなさみだれうち 妙見様の動画を見て電動工具による痛グラスを始めました。 自分は主にアクリル版を使用しているのですが、 理由は近所のダイソーで綺麗な円柱のガラスコップが 手に入らなかったのがきっかけです。 曲面のコップに加工できる人はちょっと尊敬します。 現在私的な理由でリューターを使用できない状況に陥っているため、 デザインナイフによる痛グラス作成を試行錯誤しています。 少しでも痛グラスをやってみたいと思っている方へ JIGAの皆様の作品を見ていると、特別な技術が必要な 敷居の高いものであると認識されているかもしれませんが、 決してそんなことはないです。 技術は数をこなすことである程度は身につきますし、 絵心がなくても気に入ったイラストを借用することでカバーできます。 大切なのはむしろ"このキャラを彫りたい"といった気持ちです。 ちなみに以下が私が最初に作った物になります。GDGDですね… 本当は黒歴史として封印したいのですが、 これを見て少しでも皆様の後押しが出来ればと思い、 あえて公開させていただきます。 ニコニコマイリスト http //www.nicovideo.jp/mylist/30342354 pixiv http //www.pixiv.net/member.php?id=1279748 (コメントはこちらから↓) 意欲作が多くて素晴らしいと思いますいつも。 - 見習い 2012-10-26 19 32 10 名前
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/662.html
幸せの赤い翼――翼の種子のパッション(第9話 せつなとイース・占い館の攻防) 四つ葉町の中央に位置する森を抜ける、一本の小道。見上げれば木々の間から、顔を出したばかりの小さな星の光が見える。 建物ひとつない、そんな寂しい場所――いや、かつては人気の占いスポットがあった場所に、一人の少女がひっそりと佇んでいた。 年齢は十代半ばだろう。赤いカットソーに紺のスカート、その上から紺のジャケットを羽織った姿。細い腕には、一体のヌイグルミが抱かれている。 長い睫の下の目はじっと閉じられていて、まるで一体の美しい彫像のようだ。 時間が経つにつれ、木々は次第にその色を濃くし、やがては森全体が闇に沈んでいく。 それを待っていたかのように、少女はゆっくりと目を開いた。そして静かに歩みを進めると、突然、何もない空間にヌイグルミを突き出して、凛とした声を張り上げた。 「ノーザさまの命令に従い、インフィニティを奪取した。開門を願う!」 不意に周囲の景色が歪み、巨大な建築物が出現する。さっきまで何も無かったところに、まるで初めからそこに存在していたかのように、違和感無く森に溶け込んでいる建物――これこそが、管理国家ラビリンスの侵攻拠点。かつて占い館と呼ばれた、古い洋館だった。 バタン、と勢いよく門が開き、中から大柄の男性と、少し遅れて細身の男性が出て来た。ラビリンスの四大幹部である、ウエスターとサウラーだ。 「イースじゃないか! まさかお前の方から戻ってくるなんて、どういう風の吹き回しだ?」 「理由なんてどうでもいいさ。インフィニティを連れて来たのなら歓迎するよ。ただし、それが本物であるならね」 「心配しなくても、本物よ。あなたたちは……私を、イースと呼ぶのね」 「どういう意味だ? イースはイースじゃないか」 「まるで、そうじゃないような言い草だが?」 少女は、心底不思議そうな彼らの態度に、一瞬だけ、いぶかしむ様子を見せる。 だが、すぐに興味を失ったように視線を正面に戻した。 「好きに呼べばいいわ。ノーザさまは、今どこに?」 「さあな、オレにもよくわからん」 「じきに現れるさ。それより、インフィニティをこちらに渡してもらおうか」 仲間の帰還を素直に喜んでいるのだろう。ウエスターは嬉しそうに、親しげに少女に接する。 反対にサウラーは、彼女の態度に不自然なものを感じている様子だった。警戒を解かず、ヌイグルミの引渡しを要求する。 「その必要は無いわ」 「なにっ!?」 「それは、どういう意味だい?」 「シフォンは渡さないと言ったの」 「イース、お前はッ!」 「やはり、裏切り者のままってことか」 サウラーに続いて、ウエスターも少女を敵と認め、戦闘態勢に入る。 しかし、少女はそれをまるで意に介さなかった。彼らの挙動など自分には関係ないとばかりに、自然体で口を開く。 「メビウスが全パラレルを支配したら、その後の世界がどうなるか、想像したことはあるの?」 「メビウス……“様”を付けろ、イース! そうだな、本国のようになるんじゃないのか? もう、美味いドーナツは食べられなくなるな。それがどうしたというのだ?」 「いずれにせよ、僕たちが考えるべきことじゃないね。メビウス様の御意志に、疑わずに従うのが忠実なるしもべというものさ」 二人の返答を聞いて、初めて少女は表情を変化させた。 赤い瞳を揺らし、悲しそうに目を伏せる。 「あなたたちもまた、欲しがることすら許されない者……。今は何を話しても無駄ね。ここで眠ってもらうわ」 「眠る? フン、何を言うのだ。オレがお前の目を覚まさせてやる!」 「二対一で勝ち目があると思うのかい? こうなったからには、手加減しないよ!」 ウエスターとサウラーは、同時に少女に襲い掛かる。 攻撃が先に届いたのはサウラーだった。少女はその蹴りをステップだけで易々と避ける。 サウラーの攻撃に重ねるように、死角からウエスターのパンチが飛んでくる。少女はその拳を、手首を掴むことで受け止めて見せた。 それは異常な光景だった。変身したウエスターの身体を、生身の少女が片手で拘束して、しかも微動だにしないのだ。 少女のもう片方の手は、シフォンを優しく抱きかかえたままだった。 サウラーが体勢を立て直し、滑るように少女の背後に回り込む。今なら彼女の両手は塞がっていて、防御すらできないはず。 「もらった!」とばかりに、サウラーが攻撃を仕掛ける。が、少女は信じられないことに、ウエスターの巨体を振り回し、まるで武器のようにサウラーに叩き付けた。 「馬鹿な……。このオレが、子ども扱いだと?」 「お前は一体――何者だ?」 「好きに呼べと言ったはずよ。名も無き、ただの化け物なのだから……」 重なるように倒れ込み、いまだ立ち上がれもしないウエスターとサウラーに向かって、少女はゆっくりと歩み寄る。 「恐れなくていいわ。私は何も、復讐に来たわけではないのだから――」 少女の手が、二人に向かって伸びる。そこからは、もはや戦闘と呼べるものではなかった。 沈黙した二人を、その場に――占い館の外に寝かせて、少女はシフォンを抱いたまま、館の中へと姿を消した。 『幸せの赤い翼――翼の種子のパッション(せつなとイース・占い館の攻防)――』 せつなが――いや、ソレワターセがベランダから姿を消して半刻ほど後のこと。ラブの部屋に、美希と祈里とタルトが集まっていた。 ラブから連絡を受けて、二人は、取るものもとりあえず駆け付けて来たのだった。 あゆみは、今は一階で圭太郎が診ている。意識はまだ戻らないが、特に外傷も無く心配なさそうだった。 ラブはまずさっき起きたことを説明し、その後、これまでの彼女の様子をつぶさに伝えた。前々から相談はしていたものの、話していない事も多かった。 何しろラブは、せつなと同じ家で暮らしているのだ。外で会うだけの美希や祈里とでは、情報の量が違いすぎる。 一区切りついてから、ポツリとラブがつぶやく。 「せつな、一体どうしちゃったのかな……。もしかして、前にブッキーとタルトが入れ替わった時みたいに、ソレワターセと身体を入れ替えられたとか?」 「そうね。それなら確かに変身できないのも、生身であんなに強いのも、説明が付くけれど……」 「だったら、慌ててベランダから逃げ出す必要もないんじゃない? 心はせつなのままなんだし」 「そっか、そうだよね……」 「もしかしたら――」 美希が躊躇いながら口を開く。二人の視線が集まるのを感じて、慎重に語り始めた。 「実際にラブが見たんだし、せつなの身体がソレワターセだったのは確かなのよね?」 「うん、間違いないよ」 「その上で、せつながシフォンを連れて逃げたのだとしたら――」 「だとしたら?」 「言って、美希ちゃん。覚悟はできてる」 「身体だけじゃなくて、心もソレワターセだったと考えるしかないわ」 そこで、ラブと祈里が息を呑む。 その言葉の意味するもの――事の重要性を二人が理解するのを、美希は少しだけ待ってから続けた。 「最初から話が出来すぎだったのよ。ウエスターが連れ出したにしても、あのノーザが、せつなから目を離したりするかしら?」 「じゃあ始めから、せつなをあたしたちに返すつもりだったってこと?」 「そんな感じには見えなかったけど、ウエスターさんも利用されていたとしたら……」 「ええ。さっきまで一緒に居たせつなは、ニセモノだったってことになるわ」 美希は顔を上げて、キッパリと言い切った。 確かにそれが、現状ではもっとも矛盾の無い推論ではある。 「そんな……。あ、でも! それならどうして変身もできないのに、一緒に戦ってくれたの?」 「そうだよ、美希たん。あれは確かにせつなだったよ! そうでなきゃ、あたしたちを助けてくれるはずないじゃない!」 なおも言い募るラブと祈里に、美希は淡々と答えていく。その疑問については、美希も既に考えていた。彼女だって、できるなら違っていて欲しいのだから。 「アタシにも、あれが演技だったとは思えない。だけど、もしもよ? 本人が、自分がニセモノであることに気付いていなかったとしたら?」 「……そうね。国民を管理してるラビリンスなら、本物のせつなちゃんの記憶を、そっくりソレワターセに移すこともできるのかも」 「それじゃ、さっき逃げたのは――」 「多分ソレワターセは、最初は自分がホンモノのせつなだと思ってたはず。きっと、どこかの時点で目が覚めて、シフォンを連れ出す機会を狙っていたのよ」 「じゃあ、今日の戦いでせつなちゃんがイースを庇ったのも?」 「ええ。タイミング的に見ても、ノーザの指示に従ったとしか思えないわ」 急に話さなくなったラブが、再び口を開く。その頭の中にある想いは、ただ“ひとつ”だけ。 「じゃあ、せつなは? せつなはどこ? 本物のせつなは、どこにいっちゃったの?」 「もうわかるでしょ? ホンモノだと思っていたせつなが、実はニセモノなのだとしたら――」 「うん。あの偽の黒いイースこそが、洗脳された本当のせつなちゃん……」 「……せない……」 ラブがうつむいたまま、とても低い声で、とても小さな声で、押し殺すように言った。 「許せない。どうして――どうして、そんなに酷いことができるの!?」 「ラブ、落ち着いて」 「ラブちゃん……」 「落ち着いてなんかいられないよ! せつなも、シフォンも、どうしてそっとしておいてくれないの? あたしはラビリンスを許せない! ノーザも、ソレワターセも! みんなみんな――絶対に許さない!!」 ラブは両手の拳を固く握り締め、スッと立ち上がった。滅多に見せない、険しい表情で。激しい怒りに、瞳を燃やして。 もちろん許せないって意味ならば、美希と祈里だって同じ気持ちだった。 「行きましょう、ラブ。どうにかして占い館に入り込んで――今度こそ決着を付けるのよ!」 「そうね。シフォンちゃんとせつなちゃんを、助け出そう!」 「そして、ラビリンスを倒してみせる! もう、こんな想いはたくさんだよ!」 三人が決戦を覚悟し、殺気立って、部屋を飛び出そうとした時だった。 珍しく――と言っていいだろう、それまで黙って事の成り行きを見守っていたタルトが、初めて口を開く。 「ちょっと待ちや……。今のあんさんらを、行かせるわけにはいかへん!」 「タルト、どうして止めるの? シフォンが攫われたんだよ?」 「せつなちゃんも、このままにしておけないでしょ?」 「そもそも、タルトはラビリンスの野望を挫くために、この世界に来たんじゃないの?」 「ああ、その通りや。ワイかて最初は、積極的に戦おうとせえへんあんさんらに、焦れたこともあった。けどな――同時に感心もしとったんや」 タルトは悲しそうな顔で、震える声で語る。 「ピーチはん! 一体、どうしてしもうたんや? ぜんっぜん、らしくないやんか。みんなで幸せゲットするために戦ってたんやないんか? そのみんなってのは、あんさんらの身内だけのことなんか? キュアピーチは愛の戦士なんやろ? 『敵が許せないから倒す』やなんて……。そんな戦いの、どこに愛があるんや!」 「それは……。でも、あたしが甘いせいで、せつなが酷い目に遭って……。シフォンまで攫われて……」 「その責任取るために、そんな、らしくない戦い方するんか? あゆみはんが言ってたで。人は誰でも過ちを犯すって、それはみんなで償えばええんやて、その代わり、今度はみんなの過ちを償う手伝いをするんやって。そうやって助け合って、支え合う。愛情って、そういうもんやないんか?」 ラブは、息もしないでタルトを見つめる。タルトの声が、あゆみの声に――そして、幼い頃に聞いた祖父の声に、重なって聞こえた。 タルトは、「ちょっと待っとってや」と言うが早いか部屋を飛び出し、すぐに戻ってきた。そして両手に抱えた、綺麗にラッピングされた、二つの箱をラブに渡す。 「サプライズや思うたから、内緒にしとったけどな。パッションはんの――ニセモノの方のな。あの子、ピーチはんにプレゼント買ったんやで。お小遣い全部つぎ込んで、足りん分はあゆみはんに出してもろて……。そりゃもう、嬉しそうにしとったんや。あれが演技なんかであってたまるかいな」 ラブは、震える指で丁寧にラッピングを解いた。 中から出て来たのは、赤色とピンク色の、ペア・ブレスレットだった。 桃色の瞳が驚きで大きく見開かれて、そこから大粒の涙が溢れ出してくる。 ラブは肩を小さく震わせて、声を殺して泣いた。 いったい、あの子はどんな想いでこれを買ったんだろう。 せつなには、幸せの素のペンダントがあった。みんなと一緒に過ごした、思い出があった。 だけど、あの子には何もなかった――何もないことに、気付いてしまった。 だから、欲しかったんじゃないのか? あの子と自分とを繋ぐ、幸せの素に代わる何かを。 きっと、見て欲しかったんじゃないのか? せつなの偽者としてじゃなくて、本当の自分自身を―― “罪を憎んで――人を憎まず” どうして、こんなに大事なことを忘れてしまったんだろう? みんなで幸せゲットするって決めたのに。 自分の幸せも、みんなの幸せも、二兎を追って、両方ゲットするって誓ったのに。 ラブはブレスレットの片方をポケットに入れて、もう片方を大切そうに自分の腕に嵌めた。 「行こう! 美希たん、ブッキー。思い出したよ。あたしは愛じゃなくて、ラブ! 世界中の人の心を愛でいっぱいにしなさいって、おじいちゃんが付けてくれた名前なの。だから、ゲットしてみせる。あたしたちだけじゃなくて、せつなやシフォンだけじゃなくて、あの子や、ラビリンスのみんなの幸せも一緒に!」 「そうね、アタシは美希。この先、どんな困難が待ち受けていても、決して希望は失わない!」 「うん、わたしは祈里。信じればきっと願いは叶うって、祈りを込めて付けられたの。だから、信じてる!」 「よっしゃ! それでこそピーチはんたちや。待っててや、シフォン、パッションはん。今、助けに行くからな!」 今は何より――刻が惜しかった。ラブ、美希、祈里は、そのまま部屋でプリキュアに変身し、窓から飛び立つように、深夜の街を駆け抜ける。 来る夜明けを、せつなと、シフォンと、そして――あの子と一緒に迎えるために! 地下室から天井までを突き抜ける、円柱状の大部屋。複雑な計器が並ぶ中、一際大きな目盛の針が揺れる。 FUKOと書かれたその目盛は、既に許容量の限界であることを示すように、レッドゾーン一杯まで振り切れていた。 巨大な容器に、なみなみと満たされた黄色い液体。かつては糧としていたはずの不幸のエネルギーを、少女は憎々しげに見つめる。 (私は――こんなものを守り続けていたというの?) 少女は拳を振り上げ、目の前の巨大なゲージに叩き付ける。 全長四十メートル以上。直径で五メートル以上。強化ガラスの隔壁だけでも、少女の拳より厚いだろう。 そんな不幸のゲージに、少女の無造作な一撃が打ち込まれ、それだけで大きな亀裂が入る。 時間を置かずして二撃目を放つ。拳が障壁を叩く寸前で、数本の蔦が少女を拘束し、その動きを止めた。 「おやめなさい、ソレワターセ。自分が何をしているのか、わかっているの?」 「もちろん承知してるわ、ノーザ。お前をおびき寄せるために、わざわざ加減して殴ったのよ」 少女が怒りの篭った声で言い放つ。彼女の背後に現れ、蔦を伸ばして動きを止めたのは、ラビリンスの最高幹部ノーザ。少女の生みの親であり、不幸のゲージの全権を握る者。 少女は自分を縛る蔦を容易く引き千切り、ノーザに向き直る。 「あら、恐い顔をして。その様子だと、私からの贈り物は気に入らなかったようね?」 「どうして東せつなが、たった一人で、罠と承知でここに来たのか、ようやくわかったわ。脅したのね? おかあさんたちを人質に取って」 「正解よ。そして同時に、あなたが私の命令に従わなくなった時の、保険の一つにもなるってわけ。フフフ……人間の絆って、便利ねぇ。わかったのなら、インフィニティを渡してもらえるかしら?」 「お断りよ。無駄だと思うけど一度だけ忠告しておくわ。イースを返しなさい。そしてこの世界から手を引けば、命だけは見逃してあげる」 少女の脅しを受けて、ノーザは心底可笑しいといった様子で嗤う。その後、鬼の形相で少女を睨み付けた。 「最高傑作だと思っていたけど、とんでもない失敗作だったようね……。不良品は、処分が妥当な処置というもの――消えなさい!」 ノーザは、今度は二桁に及ぶ数の蔦を伸ばして攻撃する。それらは先ほどと違って、拘束用の触手ではなく、少女の身体を貫く槍と化して飛んだ。 しかし、少女はまるで動じない。左手はシフォンを抱えたまま、右手の甲で跳ね除け、掌で流し、片手だけで全ての攻撃を捌いていく。 気が付けば、蔦は全て根元から断ち切られ、少女はノーザの懐に踏み込んでいた。 少女の右手がノーザの首に伸びる。ギリギリと締め上げるその力の強さに、ノーザの冷たく整った顔が苦痛に歪んでいく。 「がっ! はッ……」 「最高幹部? たかだか人間の分際で、化け物である私に、勝てるとでも思ったの?」 「おのれ、調子に乗るな……。手に負えない駒を、無策で放つノーザではないわッ!」 ノーザの表情と声色から、完全に余裕が消え失せる。彼女の紫の瞳が怪しく光り、真っ赤な舌がチロチロと伸びる。 「カアッ!」と気合を発すると、今度は少女の方が崩れ落ちた。 「これ……は……?」 ノーザは、ようやく自由になった身体をほぐし、荒い息を整える。逆に少女は、苦しげに息を詰まらせていた。 目の前で、シフォンが泣きそうな顔で少女を見つめている。ノーザを絞め上げていたはずの腕が、逆に彼女自身の首を圧迫しているのだ。 自分の身体が自由にならない。首の後ろの一点だけが燃えるように熱いのは、ノーザの紋章が輝いているからだろう。 そのせいなのか、それとも酸欠のせいなのか、頭がぼうっとして、目がよく見えなくなってきた。 徐々に、世界が赤黒い闇に包まれていく。その闇に意識が飲み込まれそうになるのを必死で堪え、少女は何とか唇から言葉を絞り出した。 「そう。これが……もう一つの、保険って……わけね?」 「ええ、そうよ。管理国家の最高幹部たる者が、しもべの管理すらできないんじゃ、格好が付かないでしょう?」 形成を逆転させたノーザが、余裕を取り戻して笑みを浮かべる。 もっとも、少女は自由に動けないものの、いまだ死には至っていない。自害を命じたにも関わらず、意思の力で抵抗しているのだ。 しかし、それも時間の問題と思えた。徐々に抗しきれなくなって、少女の顔は血の気を失っていく。 「やっかいなことね。イースの記憶には、主に対する反逆の因子でも仕込まれているのかしら? でも、もう終わりにしましょう。今、楽にしてあげる――」 「クッ……」 ノーザが少女に詰め寄る。万が一にも、支配を解いて暴れ出さないとも限らない。その前に止めを刺そうと、尖った長い爪を少女に向けた。 その時だった―― ひゅん、と空間を切り裂いて飛ぶ、真っ赤なダイヤ。 殺気を伴った低く鋭い声が、がらんとした室内に響き渡る。 「ナケワメーケ、我に仕えよ!!」 そこに現れたのは、もう一人の東せつな。漆黒の闘衣に身を包んだ、本物のイース。 彼女の放ったダイヤは、ノーザと少女の間の狭い空間を切り裂き、背後に聳え立つ、不幸のゲージに突き刺さった。 「あなたは……」 「これは……どういうことなの? イース。答えなさいッ!」 「こういうことよ! ナケワメーケ、ノーザを捕らえろっ!」 不幸のゲージは、見る間に化け物へと変貌していく。階層を分ける仕切りから伸びた巨大な腕が、ノーザをゲージに押し付けて磔にする。 そしてイースは、握った拳を胸の中央で合わせて――大きく左右に開いた! “スイッチ・オーバー” 漆黒の衣が、白鳥のような純白の衣に切り替わる。 心が澄み渡っていく。憎しみは優しさに、破壊衝動は勇気に変わっていく。 光の差さない地下の部屋で、白銀の髪が煌く。暗闇の中で、月の如き純白の衣が光を放つ。 これこそが、鋼の檻を切り裂く刃。友の愛を剣に変え、イースが手にした新たな力。大空を翔ける自由なる翼。 「クッ、離せッ! まさか、お前は――最初から!?」 「その通りよ!」 「待って……。これはどういうことなの!?」 身体の自由を取り戻した少女が、わけがわからないという表情で、イースに問いかける。 イースは、申し訳無さそうに少女に向き直ると、事情を語り始めた。 「あの時、ノーザに敗れた私は、自分がソレワターセだという暗示にかけられたの。なんとか抵抗はできたけれど、ノーザを野放しにしたまま、逃げ出すわけにもいかなかった。 だから、私は半端にかかった暗示を利用して、心を邪悪に染めて、ノーザに従うフリをしたの。自分の計画が思い通りに運んでいる間は、おかあさんたちには手を出さないと思ったから……。 そうして、反撃のチャンスを待ったのよ。あなたには、悪い事をしたわ。ごめんなさい――」 「まさか、このノーザを謀るとはね……」 「四大幹部は、戦闘力だけで選ばれたわけじゃないわ。各々が得意とする能力を評価されて、この地に送り込まれたの。そして私の役目は、潜入と工作よ!」 「だけど、ここからどうするというの? ナケワメーケごときで、このノーザを倒せると思ったら――」 ノーザが力を込めると、ナケワメーケの腕が軋み、徐々に拘束が緩んでいく。 「動かないでっ! 何を背にしていると思ってるの? 抵抗するなら、不幸のゲージをこの場で壊すわよ!」 「そんなことをすれば、お前だって助からないのよ? それどころか、不幸のエネルギーが世界中に飛び散って、大いなる災厄をもたらすことになる」 「ええ。だから始めからこうするつもりで、工作を進めていたのよ。占い館を通常空間から切り離したわ。今なら、不幸のエネルギーを亜空間に閉じ込められる」 「なんですって!」 ノーザは不自由な指先を使って、空間からキーボードを呼び出し、館の位相を操作しようとする。 しかし、いくらボードを叩いても、ERRORの文字が表示されるだけだった。 「プロテクトをかけさせてもらったわ。これは私にしか解けない。伊達に毎日、管制室に通ったわけじゃないのよ」 「おのれ――おのれッ!!」 ノーザは警告を無視して、拘束を解いて空間転移を行おうとする。しかし、ゲージから新しく伸びた数本の腕が、更に固くノーザを拘束した。 彼女の空間移動は、アカルンのような瞬間移動ではない。自らが動けない状況ではどうしようもなかった。 「消えなさい、ノーザ。不幸のエネルギーと共に。私も付き合うわ――」 「駄目よ……」 イースが最後の命令を、ナケワメーケに下そうとする。それを、弱々しい少女の声が止めた。 「私はおかあさんに約束したの。東せつなは、必ず無事に帰って来るって。だから――その役目は私に……」 「あなたは本当に、せつなになったのね」 イースは少し驚いた顔をした後、優しげな視線で少女を見つめた。そして、その柔和な表情のままで、ゆっくりとかぶりを振る。 「ありがとう。でも、私は不幸のエネルギーを集めた者として、この嘆きと悲しみを、聞き届ける義務があるの。だから、今からはあなたが東せつなよ。おかあさんとおとうさんをお願い。そして、ラブたちを助けてあげて」 イースは、腰からリンクルンを取り出して、アカルンを呼び出す。 せめて、少女とシフォンだけでも逃がそうと。 その時――凛と響く新たな声が、部屋の外から聞こえてきた。 「待って!」 次の瞬間、不幸のゲージの間に設けられた、強固な扉が吹き飛ぶ。 扉を蹴破って現れたのは、三人の少女と一匹の動物。 その中央に立つキュアピーチは、手に小さな箱を抱えていた。 「話はクローバーボックスを通して全部聞かせてもらったよ! だけど、誰も犠牲になんてさせないから!」 「なっ……」 想像もしていなかった事態に、イースは軽い眩暈を覚える。 衝撃のあまり声も出なかった。まさか占い館を隠す前に、ピーチたちが入り込んでいたなんて。 ソレワターセの少女の侵入に、プリキュアの乱入。彼女たちを巻き込むまいと、綿密に立てた計画が、水の泡と消えていく。 (どうして……) どうしてこうも、思うように事が運ばないのか……。 「フフフ、フハハハ……」 不意に響き渡った高らかな笑い声に、イースはハッとして身構える。 ピーチたちに気を取られた、ほんの一瞬。その間に、ノーザはナケワメーケから解放され、殺気を漲らせて立っていた。 そのノーザを守るように、たった今、ナケワメーケの宝玉を打ち砕いた少女――ソレワターセが付き従う。 「最後に勝つのは、私だったようね。ちょっと手こずったけど、ソレワターセを完全に支配したわ。私の想像を超える化け物に成長した、この子の力――四人で敵うか、試してみるがいい!」 光を失った少女の瞳が、破壊と略奪の衝動に、赤黒い炎を燃やす。姿だけは、まだせつなのままで――見る者をゾッとさせるような、冷たく残忍な表情で笑った。 呆然と立ち尽くす四人。元の姿に戻った、大きく亀裂の入った不幸のゲージが、ミシミシと不気味な音を立てながら、そんな四人を見下ろしていた。 幸せの赤い翼――翼の種子のパッション(最後に残された幸せ)へ
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/825.html
140文字SS:フレッシュプリキュア!【1】 1.ラブとせつなで『死ぬまでの君を全てください』/ねぎぼう 落ち着ける場所を得て眠りについたせつな。 枕元に座して黒い髪を撫でるラブ。 ふと前に読んだラノベに出てきた言葉が浮かぶ。 (死ぬまでの君を全てください) それを打ち消すあの時。 (あんなのはもう嫌!) でもこれから沢山の今日と明日を一緒に積み重ねられたなら。 (死ぬまでのあたしをあげるよ) 2.【美希ちゃん主役になる】/夏希◆JIBDaXNP.g 「はい、頼まれていた物よ」 「ありがとう」 祈里が美希に数冊の本を手渡す。学園祭の劇に使うらしい。 「ブッキーは白雪姫だったね。美希たんは何がいいかな?」 「シンデレラ!」 せつなが即答する。 「アタシにはドレスが似合うからかしら?」 「慌てて靴を落とすところが、美希にピッタリだからよ」 3.イース&ラブ 「馬鹿な子。」/一六◆6/pMjwqUTkg 馬鹿な子。騙されたとも知らないで。 馬鹿な子。友達と言っただけで単純に大喜びして。 馬鹿な子。こんな仮の姿に、あんな眩しいような笑顔を向けてきて。 全ての物の中で価値があるのは、メビウス様に選ばれた物だけ。 それなのに、あの子の笑顔が何度でも見たいと思ってしまうなんて、 本当に馬鹿な――。 4.せつな&ラブ 驚きの真実/一六◆6/pMjwqUTkg 「せつな、お願い!」 「しょうがないわね」 根負けした私の返事に、パッと輝く笑顔。これに弱い。 その後食べるニンジンは、いつもより甘く美味しくて。 もしラブがピーマン苦手だったら、私今より少しはピーマン好きになってたかも。 食事の味は時と場合により変わる。それもこの町で知った、驚きの真実。 5.せつな&あゆみ 「精一杯頑張るわ!」/一六◆6/pMjwqUTkg 「せつなちゃん、最近あゆみさんに似てきたねぇ」 そう言われて、夕方のスーパーが幸せ色に染まった。 どこがですか?って訊きたいのに、嬉し過ぎて言葉が出ない。 「そうやってニンジンを籠に入れてラブちゃんをたしなめる口調なんか、そっくりよ」 ラブ、覚悟してね。 これからも私、精一杯頑張るわ! 6.せつな&圭太郎 「父さん幸せだなぁ!」/一六◆6/pMjwqUTkg 「お父さんは昔から好き嫌い無かったの?」 「うーん、むしろ今の方があるかもなぁ」 え?と驚くせっちゃんにニヤリと笑いかける。 「好きなものが増えたのさ。このコロッケなんか最高だ。父さん幸せだなぁ!」 嬉しそうに微笑む娘にいつか伝えたい。 一番の幸せは、大切な家族が増えたことだよって。 7.ラブせつで『一緒に帰ろう』/ねぎぼう 補習授業を終えたラブ。 「すっかり遅くなっちゃったなあ……」 教室に戻るとそこには心配顔のせつながいた。 苦手にしていた歴史の勉強を手伝ってくれて、 そのあおりでラブが数学の試験で赤点を取ったのだと気にしていたのだ。 「(ごめんね、今度はちゃんと頑張るから)一緒に帰ろうか」 「ええ」 8.ラブせつで『なんだって知ってた』/ねぎぼう 「スーパーでカップラーメン積み放題なんだって知ってた?」 「ええ、チラシであったわね」 「やってみようよ」 「本当にやるの?」 …… 「精一杯頑張ったわ、ラブ」 「嘘っ!」 目の前にあったのはカップ麺で出来た2メートルの塔。 「この納豆餃子ラーメンも乗るかしら」 乗せると同時に突風が。 「あっ!」 9.ラブせつで『どうせ無意識なんだろ』/ねぎぼう 急場ごしらえの得物を闇雲に振り回すだけであった少女が、 変身後は一転して見事な体さばきを見せ瞬く間にナケワメーケを倒す。 (どうせ無意識なんだろう) 「貴様とは長い付き合いになりそうだ」 去り際戯れに残した言葉。 あの時水晶玉の告げた未来、その先の暗示には…… いや占いは変わるものだ。 10.ラブせつで『手だけつないで』/ねぎぼう せつな、勝手に入ってきてごめんね。 ラビリンスに帰るっていうなんて思っていなかったよ。 でもそう決めたんなら、あたしは応援するよ。 友達で……家族だもん。 でも本当は…… 「やっぱり行くの止める」なんて言うわけないってわかっていたけど。 だから今夜はずっと手だけつないでいて、いいかな?
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/862.html
140文字SS:フレッシュプリキュア!【8】 1.ラブせつで『君の傍』/ねぎぼう サウラー君の傍受したというリンクルンの通信データというのはこれね。 “せつな!今補習が終わったよ” “もう家に帰っているわよ” “ほんと?ごめん……” (ノイズ) インフィニティの話はさすがにしていないようね。 でも、サウラー君いい仕事してくれたわね。 特定できたわ。あの子たちの住家も…… 2.ラブせつで【 無理しちゃって 】/ねぎぼう 大会以来久しぶりにせつなとラブに出会った美希。 「せつなにはね、四つ葉町の楽しい思い出をたっくさん持って行って欲しいんだ」 ラブの明るすぎる笑顔。 「この街をよく見ておきたいって言ったら付き合ってくれたの。悪いことしたわ」 名残惜しさと二人でいる喜びを申し訳なさで隠す。 (無理しちゃって) 3.ラブせつで『人生で一番』/ねぎぼう 突然出逢って、探していた夢が見つかった。 再び出会えて、一番美味しいドーナツと幸せの素を知った。 本気で心配してくれた。許してくれた。やるべき事を知った。 そして、苦しんでいるのが……貴女だった。 何も出来ない?いや、そんなことない! 全てをかけるよ。 人生で一番好きになった貴女だから。 4.ラブせつで『誰にも渡さない』/ねぎぼう “誰にも渡さない……” 「ピーチはん、昨日はえろううなされとったで?大丈夫なんか?」 「……大丈夫!元気一杯だよ」 「やっぱり、パッションはんのこと……」 「わかってる。せつなの夢だもん。応援するのが家族でしょ?勿論タルトの夢も、だよ!」 (ピーチはん、家族やったらそうなんやろかなあ) 5.あゆみ&せつな「明日はコロッケよね?」/一六◆6/pMjwqUTk 「明日はコロッケよね?お母さん」 買い物に行く途中で、私の顔を見上げる紅い瞳。 明日は遅番で娘たちが夕食当番。メニューはせっちゃんの得意料理だ。 「ええ、楽しみにしてるわ」 頬を染めてはにかんだように微笑む彼女は本当に嬉しそうで――思わず心が揺らぐ。 今日はピーマン、買うのやめようかしら。 6.ラブせつで『未送信メール』/ねぎぼう 『ラブ、補習お疲れ様(^-^)』 せつなからメールが入っていた。 返信を打ち込んでいると、 「ラブ!」 「せつな!待っててくれたんだ」 ―― (そろそろスマホかなあ) 未送信メールがあることに気付く。 『ありがとう(^O^)すぐ帰るね!せつなだいすき』 あの日の思いもメールボックスに残ったまま。 *【8】-7はこの続きです。 7.ラブせつで【 もう会えないひと 】/ねぎぼう この未送信1件が気にかかったまま何日かが過ぎた。 そんなある日、けりをつけるように最後の送信ボタンを押した。 ―― 「ただいまー!あいぽん5にタダで機種変できたんだ」 「ラブ!すぐ帰るって言っていたわね?」 「あ!ごめん、そのまま送っちゃってた」 (今は、もう会えないひとじゃないんだ) 8.ラブせつで『ちょっと黙って』/ねぎぼう 「冷蔵庫の限定秋栗ドーナツ、まさか?」 「私、食べていないわよ。名前書いてたんでしょう?」 「前に読めなかったって言って食べちゃったじゃん」 「読める字書かないと」 「んも~」 「ピーチはんもパッションはんもそないに……」 「タルトはちょっと黙ってて!って、その口元に付いてるのは何?」 9.ラブせつで『迷子のお知らせ』/ねぎぼう “迷子のお知らせです” 「ママー!」 「ありがとうございます」 「よかったね」 ―― 「あたしも小さいころ迷子になっちゃってね。優しいおねえさんが一緒に探してくれたんだ。恩返し、かな?」 「あの子のお母さん、そのおねえさんじゃないのよね?」 「うん、でも、応えられるような気がするんだ」 10.ラブせつで『迷子のお知らせ』/一六◆6/pMjwqUTk 「迷子って、家族とはぐれたってことよね?」 館内放送にせつなが呟く。 「ラブ、探すわよ!」 「わ、せつな待って!」 その時子供を呼ぶ声と、ママ~!という泣き声が。 放送で言ってた服装の子が、お母さんに抱きしめられてる。 「良かった」 ホッと息をつくせつなの細い肩を、あたしもギュッと抱きしめた。
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/175.html
フレッシュ:台本形式(会話だけを綴る形式)のSS レス番号 作品タイトル 作者 備考 会話1 【心理戦の恐怖~女の戦い~】 恵千果◆EeRc0idolE 第38話『クローバーボックスをさがせ!!』直後の会話。「美希はそういう子よ」せつなの言葉を聞いた祈里は……? 会話2 【ある日のお風呂】 恵千果◆EeRc0idolE ラブ&せつな。桃園家のちょっとエッチな日常・お風呂編。 会話3 【キス=あいさつ?】 恵千果◆EeRc0idolE 「ねえ、キスってなあに?」せつなは無垢に質問してるのに、全くこの子たちは……! 会話4 【MOMENT IN LOVE】 恵千果◆EeRc0idolE 話題になったTシャツネタ。真っ赤なせっちゃんがカワイイです! 会話5 【ゆずれないもの】 恵千果◆EeRc0idolE クローバー小ネタ。「もう、二人とも子供なんだから」「しょうがないでしょ? 大好きなんだもん」「うんうん」 会話6 【お土産】 恵千果◆EeRc0idolE 祈里&せつな小ネタ。小さなお土産を巡って、二人の心の中は……。 会話7 【お邪魔虫】 恵千果◆EeRc0idolE クローバー小ネタ。四人で居るのも、もちろん楽しいんだけど……。 会話8 【夫婦と書いてめおとと読むsss】 恵千果◆EeRc0idolE ラブ&せつな。桃園家のラブラブな日常。11月22日って、何の日? 会話9 【おしおき】 恵千果◆EeRc0idolE ラせ2-8後の美希とせつなの会話です。 会話10 【愛してるって難しい】 恵千果◆EeRc0idolE クローバー小ネタ。ちょっとラブ! 言葉の意味は、せつなに正確に教えてよね! 全38 桃の節句に・・・ 全シリーズスレ38様 ラブ&せつな。桃園家の相変わらずな日常。桃の花の、花言葉は? 全177 【小悪魔の戯れ】 恵千果◆EeRc0idolE クローバーの日常・ハロウィン編。 全233 「everybody PASSION!」 Mitchell Carroll クローバーで小ネタ。え……誰? 全239 「幸せをおすそ分け」 Mitchell Carroll 全237続き。そしてせつなは、美希と祈里に……。 全277 【もうすぐ年越し電話】 恵千果◆EeRc0idolE ラブ&祈里 大晦日。あともう少しで今年も終わりという時分に、ラブちゃんから電話をもらった。話題は本当に他愛もないこと。やだ、ラブちゃんったらそんなにお餅の話ばっかりしちゃって。そしてそろそろ電話を切ろうという時になって……。 全284 桃園家で福笑い 一六◆6/pMjwqUTk 三元日も今日でおしまいという頃に、あゆみが見せてくれた源吉特製の福笑い。初めて見るせつなに説明がてらやってみせるクローバーの福笑いは、果たしてお手本になっているのか?? そして、せつなが見よう見まねでやってみると、そこには……!? 競作1 『冬のあったか祭り2014~開幕~』 夏希◆JIBDaXNP.g 【オールスタープリキュア!ガールズSSサイト】一周年記念。競作企画『オールスタープリキュア!冬のあったか祭り』これより開幕です! 競作10 『クローバーの二月』 夏希 ◆JIBDaXNP.g 二月と言えば、節分にバレンタイン。そして季節行事以外にも、空から舞い降りる自然の贈り物が……。寒いこの月も、四人で居ればぽっかぽか。そんな温もりが感じられるクローバーの語らいです。 競作11 続・クローバーの二月 一六 ◆6/pMjwqUTk 『クローバーの二月』の続編。噂をすれば何とやら。雪の舞い散る四つ葉町に、あの二人もやってきて……。競作10の三次創作作品です。 競作47 『冬のあったか祭り2014~閉幕~』 一六◆6/pMjwqUTk 【オールスタープリキュア!ガールズSSサイト】一周年記念。競作企画『オールスタープリキュア!冬のあったか祭り』一応の閉幕です。 全337 『ちぇんじ・たると・びーすとあっぷ?』 夏希◆JIBDaXNP.g ナケワメーケを浄化した!これでブッキーとタルトも元に戻って……って、えーーーっ!? 全344 「舞台裏にて」 アクアマリン ハピネスチャージプリキュア!冒頭の「プリキュア10周年記念」先輩プリキュアによるメッセージを元にした小ネタ。フレッシュ組のトップバッターは……? 全896 桃園家のおせち料理 一六◆6/pMjwqUTk 年末、お節料理作りを手伝うせつなが、密かにとっても気になることとは? そして年が明けて、お節料理を見たせつなとラブが、思い浮かべることとは!? 桃園家は初春から幸せゲットです♪ 全921 『せつぶん』 Mitchell Carroll 鬼は~外~! 福は~内~! え……ラブ、その「せつぶん」じゃないの?? 全2-70 クローバータウンで初踊り? 一六◆6/pMjwqUTk クローバータウン・ストリートの初売りにやって来たラブたち。お正月飾りを見て、福豆を貰って、そして……予想外の場所で、思いもかけない初踊りを披露することに!? 全2-106 『Re:』 Mitchell Carroll その人に適したものを宛がい、管理する世界。文明の発達の連鎖の果てに、行き着いた世界――。進みすぎたら、戻せばいいんだよ。文明の光の元から、お日さまの光たっぷりの世界までね~。グハッ! 競7-10 『ホントの王様だ~れだ?』 競作スレ7-83様 R18? シフォンも眠るパジャマパーティーの夜。「あんさんら、アダルトなパーティーゲームやらへんか?」タルトのルール説明を聞いて、四人が手探りで始めたゲーム。それは……。あれ?だんだん想像力がエスカレートしてる人が……? 全2-526 『風烈衆不離求愛』 Mitchell Carroll 竜虎相搏ならぬ愛幸相搏! 疾風怒濤にして夫唱婦随? 羅舞と刹那の激突の行方や、如何に!?
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/1581.html
140文字SS:フレッシュプリキュア!【29】 1.桃園家のハロウィン/一六◆6/pMjwqUTk 「ほら、せつな!カボチャのジャックをピーマンで作ったら、こんな簡単に出来ちゃった」 「あら!じゃあ今日の晩御飯は、これでピーマンの肉詰めにしましょう!」 「ギクッ……ねえ、ラブ。これにニンジンの帽子を被せたらもっと可愛いわ」 「ギクッ」 「うふふ。デザートは特製パンプキンプリンよ!」 2.まじめなの/かおす フレプリ小咄 「せつな~、瞬間移動お願い~~!」 「いいわよ」 「せつなさん、瞬間移動お願いしていい?」 「いいわよ」 「せつなー、どこでもドアお願い♡」 「イヤよ!」 「...ワープ..」 「イヤ」 「…瞬間移動お願いします~♪」 「いいわよ♡」 3.一人称が複雑すぎるの/かおす フレプリで小咄 「ヒヨコの雄雌を仕分けするバイト?」 「ぶっきーの出番ね!」 「任せて!」 「ピヨピヨ… あたし男子よ ぼくは女 僕男 おらあめすだ 俺女の子 あたしも 俺も女 わたくしオスよ わちきは…」 「どお~?」 「思ったより大変…」(汗) 4.西/かおす ラビリンスの..-2 「いいかサウラー、荷物は腰で運ぶ。腕で運ぼうとするのはシロウトだ。腰に乗せるのではないぞ。腰を落としてこうだ!」 「なるほど」 「ウエスターの名前はダテではないぞ。はっはっは」 「おまえ、腰だったのか?」 「違うのか?」 「…いや、いい」 5.フレプリ小咄 誰が誰だか/かおす 「ねーねー、誰が話してるかわかるよーにしよー!」 「ラブ、のっけからわかんない」(ミ 「あーミキたんずるーい」 「1人わかるとずいぶん違うよね」 「ぶっきー…なるほど」 「さー、今のは誰だ?」(ラ 「俺だ」 「西?南?」 「そーきたか」 「アタシよ」 「ミキ、あたしの声でやめてよ」 6.桃園家のホワイトデー(1)/一六◆6/pMjwqUTk 「じゃ~ん!ホワイトデーのスペシャルケーキだぞ」 「わっはー!」 圭太郎が得意げにケーキの箱を開け、ラブが歓声を上げる。その隣で、せつなは何だか申し訳なさそうな顔。 「お返しの日が決まってるって、何だか悪いわ……」 「喜んでくれよ~。せっちゃんとラブの喜ぶ顔が見たくて買ってきたんだ」 7.桃園家のホワイトデー(2)/一六◆6/pMjwqUTk せつなに笑いかける圭太郎の顔が、次の瞬間、ギクリと引きつった。 「お父さん。せっちゃんとラブだけ?私は?」 「あ……も、もちろん、お母さんの顔もだよ!」 両親のやり取りをポカンと見ていたラブが思わず吹き出し、せつながクスクスと笑い出す。 あたたかな食卓に「いただきます」の声が響いた。 8.【競作2022】「ラブとせつなのこわいもの」/一六◆6/pMjwqUTk 四人の必殺技が炸裂し、二体のナケワメーケが元の姿に戻る。 それと同時に顔をしかめて後ずさるピーチとパッション。 「うっ……」 「私、これ苦手……」 「浄化した後の姿に恐れおののくプリキュアて、どないやねん」 ベリーとパインがニンジンとピーマンを拾い上げ、タルトの言葉に生暖かく笑った。
https://w.atwiki.jp/pokamethystandtopaz/pages/250.html
名前 入手方法 概要・用途 あいいろのたま ポケモンじいさんから貰える カイオーガに会うのに必要 あかいウロコ 赤いギャラドス戦闘後 ポケモンじいさんからがくしゅうそうちをもらうのに必要 アクセサリーいれ コガネのちかつうろに行こうとするとコトネからもらえる アクセサリーが入れられる アンノーンノート 1つでもアルフのいせきのパズルを解いたときもらえる アンノーンが記録できる いいつりざお アサギシティ ポケモンセンターの上の民家で貰える ポケモンがつれる いかりまんじゅう チョウジタウン 5,6番道路をつなぐ地下通路で技マシン64(だいばくはつ)と交換できる うみなりのスズ 物語終番まいこはん5連戦を突破するともらえる SS専用 ルギアに会うのに必要 カードキー きょくちょうから貰える ラジオ塔のシャッターをあけられる きかいのぶひん ハナダジムの中の浮き輪の所に落ちている 発電所を稼動させるのに必要 きのみプランター ウソッキーと戦闘後 きのみが育てられる ぎんいろのはね HG ニビシティ SS きょくちょう ルギアに会うのに必要 グラシデアのはな シェイミを後ろに連れている状態でコガネシティの花屋に入ると店員からもらえる。 シェイミのフォルムチェンジに使う コインケース コインを50000枚まで入れられる じてんしゃ コガネシティのミラクルサイクル 自転車に乗れるようになる GBプレイヤー カントーのバッチを入手後タマムシマンション3階 使用中、ほとんどの音楽がGB音源になる すごいつりざお 12番道路の民家の釣り親父と話すと貰える ポケモンがつれる ゼニガメじょうろ コガネジムクリア後、フラワーショップこがねで貰える ウソッキーとの戦闘に必要 にじいろのはね HG きょくちょう SS ニビシティ ホウオウに会うのに必要 ダウンジングマシン エンジュタウンの民家 見えない道具が探せる ちかのかぎ ちかつうろの奥に行くのに必要 とうめいなスズ 物語終番まいこはん5連戦を突破するともらえる HG専用 ホウオウに会うのに必要 ともだちてちょう ポケモンセンターの地下に行くと貰える ともだちとの通信情報がみれる バトルレコーダー 特殊な施設でのバトルが記録できる ふねのチケット 殿堂入り後ウツギはかせから貰える こうそくせんアクアごうに乗るのに必要 べにいろのたま ポケモンじいさんから貰える グラードンに会うのに必要 ブルーカード ラジオとう2Fのスタジオにいる人 あいことばポイントをためるのに必要 ボロのつりざお ポケモンがつれる ぼんぐりケース 30番道路途中の家 ぼんぐりを入れるのに必要 リニアパス モノマネむすめから貰える リニアに乗るのに必要
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/926.html
東せつな・カレンダーツイート2015 1月 【1月1日(木)】 みんな、あけましておめでとう。この世界に来て感じたことを忘れないように、今日から日記をつけることにしたの。それなら多くの人に語りかけて、一緒に幸せを感じたい。だからTwitterにしようと思って。なんだか緊張するけど、よかったらフォローよろしくね。 【1月2日(金)】 初夢を見たはずなんだけど、どうしても思い出せないの。ラブは宝船の上で、七福神と一緒にご馳走を食べたんですって。はぁ~お気楽……ううん、縁起のいい素敵な夢ね。年始まりの夢で吉凶を占うなんて、昔の人は面白いことを考えたのね。 【1月3日(土)】 昨日は地元の神社に、ラブと美希と祈里と一緒に初詣に行ってきたの。そういえばプリキュアの祠って、和風というか、どことなく神社に似ている気がしない? 比べたらずっとみすぼらしいけど。っていけない、プリキュアのセリフじゃなかったわね。今のはタルトたちには内緒よ? 【1月4日(日)】 これで年賀状が揃ったかしら。ラブほどじゃないけど、ずっしりとした重みがとっても嬉しい。私の書いた年賀状も喜んでもらえているといいけど。今年の干支は羊、仲間を大切にする動物ね。イラストもみんな可愛い。こんな風に楽しくて、優しい年になりますように。 【1月5日(月)】 お母さんの作ってくれたお雑煮が美味しかった。お菓子にもなって、主食にもなって、お飾りにもなる。元はお米なのに、まるで別の物に変身してしまうなんて、お餅って不思議な食べ物ね。 【1月6日(火)】 お正月もあと一日で終わりね。本当は長いお休みは苦手。何をしていいのかわからなくて。でも終わってみたらあっという間だった。家族と同じ時を過ごして、自分を見つめ直す。幸せの原点に戻る日なのね。商店街のお店もほとんど開いたから、ラブと一緒に新年の挨拶まわりに行ってきたのよ。 【1月7日(水)】 今朝は七草粥を食べたの。澄んだ緑色のおかゆが朝日を反射して、まるで宝石のように見えたわ。美味しいし、香りもいいし、まるで身体の奥から清められていくみたい。これで今年も健康に過ごせそうよ。 【1月8日(木)】 松の内が過ぎたから、お正月飾りを取り除いたの。他の行事の時と違って、寂しい気持ちにはならなかった。きっと、終わりじゃなくて始まりだからね。今日から新学期のスタート。ダンスに、勉強に、お手伝いに、そして遊びに。どんなことだって、私、精一杯がんばるわ! 【1月9日(金)】 ラブと一緒に登校していて感じるのが、挨拶の大切さと、そして難しさよ。明るく、元気よく、が基本だけど、それだけじゃない。「会えて嬉しい」って気持ちを、表情と声の調子で伝えるの。とても真似はできないけれど、私なりの精一杯の気持ちを込めて――「おはよう!」みんな。 【1月10日(土)】110番の日ってみんなは知ってる? ただの語呂合わせなんだけど、キャンペーンの『一日通信指令本部長』ってのにミユキさんが選ばれたの。制服を着て敬礼する姿がカッコよかった。日頃の感謝と慰労の気持ちを込めて、私もお巡りさんに敬礼してみようかしら? 【1月11日(日)】お餅があんこと絡んで、甘くてとっても美味しい! 鏡開きをしたんだけど、お父さんが張り切って力を入れすぎてバラバラになっちゃったから、雑煮じゃなくてお汁粉にしたのよ。お供え物を切る(斬る)のは縁起が悪いから、槌で割る(開く)そうなの。砕けちゃったけど……。 【1月12日(月)】今日は成人の日よ。駅前のイベント広場では、新成人を祝う式典があったの。紋付き袴の男の人。振袖姿の女の人。どちらも誇らしげで、みんなとっても立派だった。ミユキさんでやっと18歳よね。私たちにはまだまだ先の話だけど、素敵な大人になれるように今からがんばらなくっちゃ。 【1月13日(火)】みんなはどんな挨拶が好き? 私は「おやすみなさい」かしら。心を許している家族への挨拶よね。ラブに聞いたら「いただきます」ですって。おかしくて笑っちゃった。タルトはどう? 「もうかりまっか」「ぼちぼちでんな」……あなたに聞いた私が馬鹿だったわ。 【1月14日(水)】四つ葉中学の制服は、とても可愛くてお気に入りよ。“選ぶ”幸せを大切にするこの街で、どうして制服なんてあるんだろうって、最初はそう思ったけど。管理するためじゃなくて、繋がりを感じるための“統一”なのね。だって街で同じ制服の子を見るだけで、なんだかとっても嬉しいから。 【1月15日(木)】ラブが寝坊ばかりして困ってるの。遅刻するわよって起こしたら、「アカルンで送ってくれたらもっと寝てられたのに」だって。そんなくだらないことに使う気はないけど、私は一瞬で移動するなんて嫌。ラブと一緒の通学は楽しいもの。ラブがピルンに頼らずに自分でお料理するのも、同じ理由なのかしらね。 【1月16日(金)】冬は、一年で最も星座が美しく見える季節なんですって。凍てつく寒さの中で見上げるから、余計にそう感じるのかもしれないわね。そういえば、由美が星座占いを私に頼んできたんだけど……占い師だからって何でもできるわけじゃないのよ? ところで私は――何座なのかしら。 【1月17日(土)】今日はダンスレッスンの日だったの。風が冷たくて辛かったわ。カオルちゃんのお店にも寄ったんだけど、あまりの寒さにお客さんの姿も足も遠のいてるみたい。売れ残ったドーナツを前にポツンとしてるカオルちゃんが気の毒で、残りを全部買って帰ったの。でも、こんなに沢山どうしたらいいのかしら……。 【1月18日(日)】甘いものは別腹っていうけど本当なのね。お腹いっぱい夕ご飯を食べた後なのに、ドーナツ3つも食べちゃった。カオルちゃん、今日も頑張ってるのかしら。みんな喜んでくれて、おかげで楽しい団欒になったわ。いつもありがとう、お疲れさま。 【1月19日(月)】お父さんが音楽を流しながら、大きなディスクジャケットを眺めていたの。レコード盤ってのが入っていたわ。今かかっているのはCDの曲で、それはもう聴けないのに。「それでいいんだよ」って言ってたわ。その表情がなんだか懐かしそうで、そして寂しそうにも見えたの。 【1月20日(火)】今日は『大寒』よ。この前後が一年で最も寒いんです今日は『大寒』よ。この前後が一年で最も寒いんですって。二十四節気によると、その次は『立春』だそうよ。春って聞くと、なんだかワクワクするわね。「ところで二十四節気って何かしら?」って聞いたら、お父さんもお母さんも、困った顔をしてどこかにいっちゃった。 【1月21日(水)】冬の凜とした空気も好きだけど、これだけ寒いとやっぱり辛いわね。外出には手袋とマフラーが欠かせないの。どちらもお母さんからの贈り物よ。「せっちゃんも編むの上手だから気が引けるけど」って遠慮がちに渡されたけど、手袋はまだ無理。それに私には、お母さんの手編みのマフラーは編めないもの。 【1月22日(木)】今日の給食はカレーライスだったの。しかも、おうちの夕ご飯もカレーでビックリ。偶然じゃなくて、今日は年に一度の『カレーの日』なんですって。お母さんはスーパーに勤めているから、特売セールがあったりして行事や記念日に敏感なの。カレーっていくら食べての飽きないのよね。 【1月23日(金)】美希が呆れたように言ってたの。私のメールやツイートは、固くて真面目で、遊び心や可愛らしさが足りないって。どうしたらいいのかしら? やっぱり、デコメや絵文字や顔文字なんかを使うのかしら? よくわからないわ……。だって、ラビリンスでは報告書以外の文章なんて書いたことがなかったのよ。 【1月24日(土)】病院で預かっている犬のお散歩をしているブッキーと出会ったの。リードっていうのかしら? 紐を2本持っていたわ。手が滑っても犬が逃げ出さないようにですって。さすがは獣医の心配りねって誉めたら、前に一度失敗してるからだって。なんのことかしら? 【1月25日(日)】今夜は、月に一度の外食の日よ。色々なお店に行くけど、一番のお気に入りは思い出のお店の『グリルクローバーヒル』なの。メインもデザートもたくさん種類があって、一通り全部食べるのはずいぶん先になりそうね。 【1月26日(月)】「こたつに入ると、不思議とお腹が空くんだよね~」って、そんなのラブだけよ。もちろん、こたつは私も大好き。上半身で寒さを感じられるから、下半身の温もりが嬉しいのかもしれないわね。それはいいけど、うたた寝しちゃったラブを起こすのがいつも大変。だって、幸せそうな寝顔なんだもの。 【1月27日(火)】お母さんの料理の腕には、まるで追いつける気がしないの。ただ美味しいだけじゃなくて、レパートリーがとっても広くて。そうそう、お菓子を焼くのも上手だった。でも一番驚いたのは、食材を何も無駄にしないこと。しかも、調理を終えた時点で後片付けまで終わってるの。見とれちゃったわ。 【1月28日(水)】あらためてツイートを読み返してみたら、食べ物の話題ばかり書いてて自分で驚いちゃった。これじゃ、ラブのことを食いしん坊だなんて言えないわね。でも、仕方がないのかもしれない。この世界に来て最初に感じた幸せだって、半分こしたドーナツだったんだもの。 【1月29日(木)】いつも一緒だから、メールをもらう機会が少ないのは残念ね。ラブの文章って上手じゃないんだけど、読むと幸せな気持ちになれるの。一言、一言に、嬉しい、楽しいって気持ちがにじんでいるからね。国語力なら私の方が高いけど、ラブの文章は私のお手本よ。でも、少しは漢字の勉強も見てあげようかしら。 【1月30日(金)】今夜はよせ鍋なんですって。お肉に魚介に野菜に練り物。なんでも入れるから『寄せ』って言うらしいけど、それでスッキリした味になるのが不思議ね。きっと、この世界と同じ。いろいろな個性が支えあって「ダメダメ、シフォン。そんなの入れたら食べられなくなっちゃうよ~」……心配だから見てくるわ。 【1月31日(土)】ラブが風邪をひいちゃったの。大したことはないらしいけど、普段が元気なだけに心配ね。今はおかゆを食べて眠ったところよ。こうして寝顔を見ていると、「苦しくないかな」とか、「どんな夢を見てるんだろう」とか、色々と考えちゃうわね。かつて私が倒れた時も、ラブはこんな気持ちになったのかしら。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/20841.html
【検索用 ほんとうにたいせつなもの 登録タグ 2011年 MEIKO VOCALOID ほ ナツエ 曲 曲は 涼介P】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:涼介P 作曲:涼介P 編曲:涼介P イラスト:ナツエ 唄:MEIKO 曲紹介 曲名:『ほんとうにたいせつなもの』 歌詞 (ピアプロより転載) 「ありがとう」って言葉 嘘臭くて嫌いなの? 社交辞令と建前に拒否反応出るのかな 悪気ない言葉で あの人を傷付けた 言葉では何も解決しないのかな 君のくれた沢山の言葉に 例え嘘が混じっていたとしても あの時、僕が優しくなれたなら それはきっと嘘じゃないはず 今でも どんなに頑張ったって どんなに苦しんだって 届かない場所があって 僕はそこへ行きたくて カッコ良さ演じたくて 自分すら騙そうとして 差し伸べてくれた手を 笑顔で振り払った 「大好き」って言葉が 嘘っぽく感じた時 何だかすべてが 安っぽく思えちゃって 子供の頃のキラキラした世界が日を追うごとに 「あぁ、こんなものか」と勝手に落胆するんだ 君と喧嘩した言葉の中に 例え本音が混じっていたとしても 僕が逞しくなれたのなら それはきっと無駄じゃないはず 今更 こんなに無理をしたって こんな汚い手使っても 空より地面に近付いてて そんな自分認めたくなくて 君が自分責めてる時 僕も自分を責めていて 君の変化に気付けずにいた 君からもらった沢山の言葉に 僕はいつも助けられていた 君は自分の言葉に耐えられずに ただただ押し潰されていた 「大好きって何?」って君は尋ねた わからなくって僕は 君を抱きしめた 今でも どんなに擦り切れたって どんなに傷舐め合ったとしても わかったような気になって 少しも賢くはなってなくて ただ一つ僕の気持ちは 嘘とか本当とかじゃなく 君が大切で それだけで 君の笑顔で大切なもの 取り戻せた気がしたんだ コメント もっと評価されるべき…!大好き。 -- アル (2012-07-13 19 16 31) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/1297.html
たいへん! せつなが消えちゃった!? ~子供の頃のクリスマス~(承の章) 少女の顔立ちに宿る、確かな面影。そして何より、見覚えのある、大きすぎて裾の余ったぶかぶかのお洋服。 その女の子は……確かにラブの親友で、仲間で、家族でもある、“東せつな”その人であった。 「せつな……だよね? どうしちゃったの? まさかっ!」 「黙れっ! 違うと言ったはずだ!」 少女は、苛立ったように睨みつけながら吐き捨てる。その様子も、まるで子供の癇癪のようで可愛いのだが、やっぱりラブにはそう感じる余裕はなかった。 「ううん、せつなだよ! 聞いて、あなたは――」 「こぼれてる」 少女は、床の一点を指差す。その先には、ラグカーペットの上に落ちて、中身の飛び散ったハーブーティーのカップがあった。 「えっ?」 「お茶を持ってきたのだろう? そんなザマで、メビウス様のお役に立てるものか!」 「あっ、ゴメン! せつなのカーペット、染みになっちゃう」 ラブは慌てて何か拭く物を探す。ハーブティーは色が薄く、目立つ染みになるとは思えない。それでも、せつながどれほど部屋の物を大切にしていたかを思うと、僅かでも汚したくはなかった。 背に腹は変えられない。少し迷ってから、持ってきていたお手ふきで拭くことにした。しゃがみこんで、ゴシゴシとカーペットをこする。 その背後に、少女が素早く回りこんだ。 「きゃっ! せつな!? 何をするの?」 「動くな! 抵抗すれば、このまま首の骨を折る!」 少女の細い腕が、ラブの首に食い込んでいた。ゴホッ、ゴホッ、とラブが咽たので、少しだけ力が緩められる。 「離して! せつな、どうしちゃったの?」 「どうしただと? それはこちらのセリフだ! ここはどこだ? いつ、どうやってわたしをさらってきた?」 ラブは少女の腕を掴み、力いっぱい引き剥がそうとする。しかし、両手を使っているにも関わらず、片手で拘束している少女の腕はビクともしなかった。 腕の太さだって、ラブの半分ほどしかないのに。 「せつなは……さらってきたんじゃない。ここがあなたの家なの」 「その名で呼ぶのはやめろ、わたしの名前はイースだ。これ以上たばかる気なら、本当に――」 「やれば、いいよ」 「なにっ!?」 ラブは抵抗を止めて、身体の力を抜く。反動で少女の腕はラブの首に深く食い込み、ラブは更に咽る。 そのまま激しく咳き込みそうになるのを、グッと堪えた。 「お前は、命が惜しくないのか?」 「せつなはあたしを――ううん、誰だろうと、人を傷つけることなんてできないよ」 「メビウス様のためなら、できる!」 「もう、メビウスはいないよっ!」 「貴様っ!」 少女の声に怒気が篭る。ラブはこの先に与えられる苦痛を覚悟して、目を閉じて歯を食いしばる。 しかし、少女の腕に再び力が込められることはなかった。 「せつな?」 「全部――話せ。嘘かどうかは、わたしが判断する」 ラブは少女に拘束されたまま、これまでの出来事をかいつまんで話していく。 その格好は、ちょうどお姉さんが妹をおんぶしているような体勢であり、見る人が居ればきっと微笑ましく映ったことだろう。 もっとも、本人たちはいたって真剣であった。 「馬鹿な……。メビウス様がコンピューターだっただと? しかも、裏切ったわたしが倒したというのか? そんなこと、信じられるものか!」 「ラビリンスの人たちを裏切っていたのは、メビウスの方だよ! せつなはラビリンスを救って、みんなを開放したの」 「――嘘だっ! 全部でたらめだっ!」 「ゴメン――酷いこと言ってるのはわかってる。今のせつなは子供なのに……。でも、こんな大切なことで嘘なんて付けないよ!」 それから先、しばらくの間、二人とも一言も口をきかなかった。部屋の中を、重苦しい沈黙が支配する。 やがて少女の腕が緩み、ラブの拘束が解かれる。 「せつな……」 「もういい、眠れ」 トンッと、少女の手刀が、振り向いたラブの正面の首筋に命中する。 軽く、当たっただけだった。痛みも、衝撃すらも感じないまま、ラブは崩れ落ちるようにその場に突っ伏した。 『たいへん! せつなが消えちゃった!? ~子供の頃のクリスマス~(承の章)』 紺色のジャケットが、まるでコートのように腰にまで届く。太ももが露出するはずのプリーツスカートは、セミロングのように膝小僧までを覆い隠す。 ベルトと靴の紐をキツく絞る。ダブダブの赤いシャツは、裾を幾重にも折り畳み、余った丈は腰の辺りでクルッと結んだ。 それでやっと自由に動けるようになった少女は、クローバータウンストリートの商店街を練り歩く。 「目障りで、耳障りだ……。どうして、こんなに騒々しい」 街はクリスマスに浮かれ、大勢の人通りで賑わっていた。商店街では至る所からクリスマスソングが流れ、客引きの大声が飛び交う。 街路樹には、華やかなイルミネーションが輝き、店先は色鮮やかな装飾で飾り付けられていた。 それ以上に少女を戸惑わせたのは、周囲の人々の表情だった。 人数としては、大したことはない。この何倍、何十倍、何百倍もの人間を見たことがある。 だけど、ラビリンスの人々はみんな無表情で、それが当たり前だと思っていた。ある程度なりとも感情を表すことが許されているのは、幹部級の人間だけだったからだ。 街もそう。もっと大きな建物ならいくらでもあった。だけど、これほど無秩序で、色彩に富んで、華やかな建築物など見たことがなかった。 音も同じ。メビウス様のお話なら、もっと音量は大きかった。だけど、このような意味の無い音のつながりは何だ? 呪文のように繰り返される声にどんな意味がある? 「苛立たしい……」 少女は徐々に怒りを溜めていく。しかし、試してみたが、どういうわけかスイッチ・オーバーを使うことはできなかった。 いや、先ほどの女の説明を聞く限り、理由は明白だったのだが、それは認めるわけにはいかなかった。 この身体のままでは、そこいらの脆弱な人間よりはマシだとしても、この人数を相手に暴れて勝ち目はない。 仕方なく耳を塞いで、視線を下に落としながら、少女はあてもなく歩き続ける。やがて、今度は嗅覚が反応した。嗅いだことのない不思議な匂い。それは、確かに食べ物の匂いだった。 食料の置いてある建物なら、いくつか通り過ぎてきた。だけど、そこから薫る微かな匂いは、これまで一度も体験したことのないものだった。 ちょうどお腹が空いていたこともあって、少女はフラフラと匂いのする方向に引き寄せられていく。すると古ぼけた小屋の奥から、しわがれた老婆が出てきて声をかけた。 「おや、いらっしゃい」 「ここは何だ?」 「何だとはなんだい。口の利き方の知らない子供だね。だけど、見たことがある気がするね。どこから来たんだい?」 「聞いているのはこちらだ。これは何だ?」 「ふん、それはチョコレートってんだよ。あんた食べたことないのかい?」 「知らない」 「なら食べてみな、幸せになれる味さね。お金がないのなら」 老婆が最後まで話すのも聞かず、少女はその板状のお菓子を掴んで、背を向けて走り去った。 「お待ち! 飛び出しちゃ危ないよ! そんなことしなくても」 老婆がモタモタと追いかける。しかし、少女の足には到底追いつくはずもない――いや、追いつかないはずだった。 逃走しようとする少女の前に、いかつい制服姿の男が立ちはだかる。じわじわと距離を縮め、少女を取り押さえようとしていた。 「そこの女の子、止りなさい。何を持っているんだね? それにその格好は?」 「どけ! 邪魔をするな!」 「……大人しくしなさい。ちょっと署まで来てもらうよ」 「忠告――したぞ!」 少女は自分を捕らえようとする腕をかいくぐり、相手の懐に飛び込む。そのまま勢いを殺さず、軸足の重心を切り替えて男の足を蹴り飛ばした。 足を払われた形になった男は、尻餅を付いて地面に倒れこむ。そこに、追撃――少女の拳が相手の胸を打つべく迫っていた。 「とどめだ!」 「ひぃ!」 パァァ――ン とても、子供が放ったとは思えない強力な一撃は、横から割り込んできた人物によって受け止められる。 少女の攻撃を阻んだのは、真っ赤な服を着た男だった。 先の尖ったキャップを被り、そこから長い白髪が伸びている。口元には白いヒゲがたくわえられていた。 その男は、正面から受け止めたのではなかった。片手を真っ直ぐ差し出して、掌で受けたのだ。 それでいながら――これほどの音を立てる威力の拳を受け止めていながら、その腕はまるで微動だにしていなかった。 「サンタクロース? 売り子の方ですか? ご協力感謝します」 「…………」 赤い服の男は答えない。それを不気味に思い、少女は一歩後ずさった。 別に、制服の男は恐れるに足らない。だが、横から割り込んできた、このサンタクロースと呼ばれる男は危険だった。 直線の最短距離を走る突きを、「線の動き」で払うのではなく、「点の動き」で受け止めたのだ。それは、少女を遥かに超えた戦闘能力の持ち主であることを示していた。 「さあ、君、大人しく来るんだ」 「くっ……」 「お待ち!」 少女が、声のした方向を振り返る。そこには先ほどの老婆が立っていた。手に、たくさんお菓子が詰まった袋を持って。 「離しておやり。その子は知り合いの子でね、何か粗相があったならあたしが謝るよ」 「はっ! いえ、子供のしたことですし、身元を保証していただけるのであれば……」 「これを持ってお行き。あんまり親に心配かけるんじゃないよ?」 老婆は、制服の男――警察官には答えず、少女に手にした袋を渡す。少女は周囲を警戒しつつ、それをふんだくるように受け取った。 お礼も言わないまま、少女は背を向けて走り出す。サンタクロースは、いつの間にか姿を消していた。 警察官は一瞬どうしようか迷ったようだったが、人ごみを掻き分けて走り去った少女を今から追ったところで、到底捕らえられるとは思えなかった。 人ごみに疲れた少女は、休憩できる場所を探して広場に来ていた。木陰に座り、奪ってきた――ことにした、お菓子を口に運ぶ。 「甘い……。こっちは、しょっぱい。そして――美味しい……」 空腹だったせいだろうか? 知らない場所で、緊張していたせいだろうか? いや、きっと美味しすぎるせいなのだろう。 少女はお菓子をパクパクと口に運び、あっという間に食べ尽くしてしまった。 目の前では、数人の少年が歓声をあげながら、まだら模様のボールを蹴っていた。 歳は、少女と大して変わらないだろう。楽しげに球を奪い合う彼らには、まるで真剣さがなく、それが訓練の類ではないことが容易に想像できた。 「くだらない……。愚かで、ばかばかしく、意味のない行為だ」 まるで自分に言い聞かせるように、少女は小さく口にする。何度も、何度も、口にする。 でも、なぜか目はボールの動きを追っていて―― ポン、ポン、ポン、 少女の目の前に、まだら模様のボールが転がってくる。反射的に手を伸ばそうとして、すぐに引っ込めた。 自分に命中したわけではない。報復する必要はない。 かと言って、わざわざ取って渡してやる義理もない。 (すぐに取りに来る。だけど、ちょっと触るくらいなら……) 結局、手に取ることにした。ボールは思ったよりも重くて、固くて、しっかりとしていた。 これなら、自分が本気で蹴っても壊れないかもしれない。 ふと、そんな思いが胸を掠めて、少女は愕然とする。 (うらやましいというのか? あんな、くだらない遊びが……) 「ねえ、君っ! ボール取ってくれてありがとう!」 ボールを手にして考え込んでいる間に、少年の一人が取りに来ていた。 おめでたいと思う。自分は返すなどとは、一言も口にしてないというのに……。 「ありがとう!」 結局、少女は黙ってボールを差し出した。自分を信頼しきった瞳が曇るのを、なんだか見たくなかったからだ。 しかし、少年はすぐに立ち去ろうとはせずに、じっと少女の様子をうかがった。 「ねえ!」 「なんだ! まだ何か用があるのか?」 「よかったら、一緒にサッカーやらない?」 「わたしが――一緒に?」 「うん。さっきから、ずっとこっち見てたでしょ? 僕たちもちょうど一人足りなかったし」 「ルールを、知らない……」 それは、少女の精一杯の抵抗だった。さっきから、何十分も観ているのだ。 それだけで、この聡明な少女は、それがどのような遊びか。何が許されて、何が許されないのか。どうすれば勝ちなのか。ほぼ完全に把握していたのだった。 「女の子だもん、しょうがないよ。おいおい教えるからさ、まずはやってみようよ。僕の名前はタケシっていうんだ。君は?」 「イース……」 「イースって……あの? まさかね、歳が全然違うもん。外国の人みたいな名前だね。じゃ行こう、イース!」 「うん……」 二人は、他の四名と合流する。「女で大丈夫かよ?」「スカートはまずいんじゃないか?」などと口にする者もいたが、なぜか少女は腹が立たなかった。そのどれもが、少女を心配しての発言だったからだろうか? 少女は、「ハンデにちょうどいい」と言って、挑発的なセリフで彼らを煽った。もっともそれは、謙虚なまでに控え目に伝えた事実でもあった。 三対三のゲームが始まる。フットサルではなくミニサッカーと呼ばれるもので、十一人形式と同じルールで行われるらしい。もっとも、これしか知らない少女にはどうでもいいことだった。 四角い形に、マーカーで線を引いただけの簡単なフィールドが作られる。十メートル四方のそれは、グリッドというらしかった。 少女は、まずはディフェンスから。相手チームの二人は、三角を描くようなパス回しで攻めて来る。 ドリブルもパス回しも十分にスピードがあり、頻繁に遊んでいることが見てとれた。少女とて、見学も無しで参加すれば、その動きに付いていけなかったかもしれない。 しかし、少女は既に、各人の動きのクセや、パターンや、利き足までも把握していた。シュートの手前のパスを、あっさりとインターセプトする。 「ウソだろっ!?」 「いつの間に回りこんで来てたんだ!」 急停止と急加速。少女は、格闘術の応用で重心を自在に操り、右に左に、変幻自在なドリブルでゴールに迫る。 そして、シュート! そこで、少女に心理的ブレーキがかかる。 (本気で蹴ったら、ボールが壊れてしまうかもしれない。それに、この者たちに怪我をさせるかもしれない) その迷いの一瞬の隙を突かれて、ボールを奪われてしまう。 仲間のガッカリした声と、敵側の安堵の声。少女はすぐに我に返り、再びボールを取り戻しに走る。 (今――わたしは何を考えていた? 仲間? ばかばかしい……。だけど――) ゲームは完全に少女が支配していた。ラビリンスの、命がけの訓練で鍛え上げた運動能力と、幹部候補として培った空間把握能力。 誰も真似のできない動きでボールをキープしつつ、まるで上空に目があるかのように、敵味方の位置と動きを把握する。 「せめて一点くらいは返そうぜ! 食らえ!」 「そうは、させないっ!」 いつの間にかディフェンスに回り込んでいた少女が、相手のシュートを胸で受け止める。 ボールは少女の身体に触れた瞬間に威力を失い、ストンとその足元に落ちた。 「ウソだろ? あれって、クッションコントロール?」 「シュートを真下に落とすって、すげえ高等技術じゃないか……」 「上がれっ!」 少女の指示によるカウンターアタック。それは、上に立つ者としての適性の表れだろうか。 いつの間にか、攻撃の組み立て、即ちビルドアップすらも自分の物にしていた。 少女のキラーパスが、ディフェンスの股の間を抜いて味方に届く。絶妙なパスで、キレイにゴールが決まった。 「またやられた! ダメだ、これじゃあ、勝負にならねえよ!」 「なら、メンバー組みなおそうぜ。今度は、こっちがイースをもらうからな!」 いつの間にか、少女の奪い合いになっていた。少女は今度は、敵だった者と仲間になって、一緒に走り、一緒になって戦った。 五人全員が、なんだか大切な存在に感じられて―― 「イース! そのまま打て!」 パスするつもりだった味方が叫ぶ。これまで、少女は一度もシュートを打たなかった。そこで相手は、組しやすい他のメンバーを徹底的にマークすることで、少女の居るチームの得点を防いでいたのだ。 少女もまた、自分で打ってみたい欲求に耐え切れなくなっていた。もともとが勝気な性格でもあった。 (キーパーの居ない方向に打てば……) 少女は力いっぱいに蹴り足を振りぬく。サッカーボールは激しい勢いで飛んで行き―― これまでは、主にパスしか打っていなかった。五分以下の力だからこそ、完全なコントロールができていた。 しかし、いかな少女とて、今日始めたばかりの球技で、まして生まれて初めて打つシュートで、全力の球を狙い通りコースに決めることなどできるはずもなくて―― 「うわっ! …………」 そのボールは狙いを外れ、キーパーのタケシの正面に打ち込まれる。突き出した彼の両手のガードを貫き、顔面をも弾いてゴールに吸い込まれていった。 「おいっ! 大丈夫かよ?」 「すっげえ鼻血出てる。誰かティッシュ持ってない?」 「指が痛いってよ、突き指したんじゃないか?」 「まずいよ、病院連れてった方がいいと思う。俺、大人の人呼んでくる!」 全員が、負傷した少年を取り囲む。少女はその中には入って行けず、青ざめた顔のまましばらく立ちすくんで―― やがて、逃走するように背を向けて走り去った。 たいへん! せつなが消えちゃった!? ~子供の頃のクリスマス~(転の章)へ