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登録日:2012/07/31(火) 18 36 39 更新日:2024/05/06 Mon 21 50 50NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 PXZ2 ×こいしさ ○いとしさ おっさんホイホイ ストⅡ ストリートファイター 名曲 小室哲哉 恋しさとせつなさと心強さと 篠原涼子 糸井重里 恋(いと)しさと せつなさと 心強さと いつも感じている貴方へと向かって 過ちは恐れずに進む貴方を 涙はみせないで 信じていたいよ… 「恋(いと)しさと せつなさと 心強さと」は、1994年にリリースされた篠原涼子の4枚目のシングル。 作詞・作曲、共に小室哲哉が担当。 当時、爆発的なヒットを記録していた2D格闘ゲーム『ストリートファイターⅡ』が映画化された時、主題歌として採用された。 原作が爆発的なヒットを記録したのと同じように、映画もそれなりに大きくヒットした。 その後、全国のCDショップで売り切れ、出荷待ちが続出するなど、社会現象となり、最終的には200万枚以上もの売り上げを記録し、 その年のオリコンシングルチャートでは3位に輝いた。 篠原涼子といえば、今でもこの曲のイメージが強いと言っても、過言ではないだろう。 実際、この年の紅白歌合戦において、篠原はこの曲を引っさげて出場した。 また、第36回日本レコード大賞において、優秀賞を獲得した事もある。 第73回(2022年末)紅白歌合戦でも、この歌で舞台を盛り上がらせた。 2022年にはセルフカバー版の「恋しさと せつなさと 心強さと 2023」が配信され、2023年にはCDも発売。 『ストリートファイター6』の日本イメージソングとして起用されている。 恋しさと→愛しさと せつなさと→切なさと 心強さと→心強さ などと間違いやすいので注意。 ◇その後 『ストリートファイターZERO』のドラマティックバトルモードにおいて、この曲のインストゥルメタル版がBGMに採用された。 このモードは劇場版におけるリュウ&ケンVSベガを再現しており、非常に燃える。PS及びSSへの家庭用移植版では残念ながらカットされていたが、 PS2『ストリートファイターZEROファイターズジェネレーション』に収録されている『ストリートファイターZERO』では無事復活収録されている。 また、当時『ダウンタウンのごっつええ感じ』(篠原もレギュラー出演していた)でやっていたきょうふのキョーちゃんの「大好き!紅白歌合戦」おいて、篠原のパロディキャラがこの歌を披露していた。 が、登場キャラの一人、シンイチに「この人、誰?」 と、あしらわれてしまった。 それから数年の時を経て、現在。 ストリートファイターシリーズ最新作の『Ⅳ』がパチスロになって登場した時は、やはりこの曲が収録された。 また、2010年にコナミから出た『pop'n music 18せんごく列伝』においても、メーカーの域を越えてこの曲が収録された。 因みに担当キャラは、格ゲー担当キャラでもある燃世炎。 公式スタッフいわく、 「間違えようのないあれ」「担当キャラの元ネタ解らない人は御免なさい」 との事。 アーケードでは『19 TUNE STREET』まで収録された後削除され、CS作品に収録されることもなかったが、 その後2021年にコナステの『ポップンミュージック Lively』で配信された。 そして2015年に発売された『PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD』にも収録された。 2017年、May'n(歌シェリル)によるカバーバージョンが、ストリートファイター30周年日本版テーマソングとして採用された。 追記・修正はジャケットのリュウの飛び蹴りを真似しながらお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ナムコクロスカプコンの某シーンでこの曲ながれなかったっけ? -- 名無しさん (2014-02-21 12 23 16) 映画よりもこの歌がすごかった! -- 名無しさん (2014-02-21 12 24 26) ミノムシとクワガタとセアカゴケグモ -- 名無しさん (2014-02-21 13 26 48) 実際この曲って映画にあってた? -- 名無しさん (2014-08-23 22 51 41) 愛しさと切なさと心強さで出来ています。正露丸。 -- 名無しさん (2014-08-23 23 26 26) ↑2使われたシーンでの盛り上がりが凄いよ -- 名無しさん (2014-08-23 23 34 04) 個人的には、緒方恵美にこの曲をカバーして頂きたい(それもエメロードor ワルキューレの女声で)。 -- 外山 (2014-12-08 09 06 52) 小室全盛期。このころの歌のクオリティは異常で、今でもいいと感じるのはおっさんになった証拠か・・・ -- 名無しさん (2014-12-10 17 36 42) 映画は見たことないが歌は大好き。 -- 名無しさん (2014-12-10 17 37 43) よくストⅡが話題にもあがらない番組で紹介されるからストⅡの主題歌としって驚いた -- 名無しさん (2014-12-10 17 42 33) 篠原涼子主演ドラマの『僕の魔法使い』で阿部サダヲが篠原涼子の目の前で熱唱してたのは吹いた。 -- 名無しさん (2015-08-05 19 41 24) ウメさんのテーマ曲としても似合っていると思う -- 名無しさん (2017-01-29 17 47 26) 格ゲーをプレイしてて途中で辛く感じたらこの曲を思い出して またプレイ再開してる -- 名無しさん (2017-04-08 20 47 16) 名探偵コナンの主題歌と思ってた -- 名無しさん (2018-04-05 20 30 52) 今の世代は篠原涼子が90年代から芸能活動してた事を知ってる人が少なそう。 -- 名無しさん (2019-01-22 21 16 22) しれっとタグに混じってる糸井重里で笑う -- 名無しさん (2019-09-13 05 24 09) 恋しさと切なさと心強さと部屋とワイシャツと私と俺とお前と大五郎と酒と涙と男と女 -- 名無しさん (2020-02-11 04 23 39) Yシャツと泪だぞやり直し -- 名無しさん (2020-02-11 04 45 02) 恋しさと切なさと心強さと部屋とYシャツと私と俺とお前と大五郎と酒と泪と男と女とぐりとぐらと銀と金とバンジョーとカズーイと千と千尋の神隠し -- 名無しさん (2020-02-11 21 29 08) たしか日本の映画音楽とアニメ音楽においてトップを取っていたな。 -- 名無しさん (2021-05-20 02 30 03) ↑2サガフロの連携かよ -- 名無しさん (2022-05-20 00 44 59) スト6で新録復活! -- 名無しさん (2022-09-17 10 45 55) 天衣無縫の極み -- 名無しさん (2022-11-10 18 27 59) まさか2022年の紅白で聞けるとは思わなかった。。。 -- 名無しさん (2022-12-31 22 31 39) ひもじさと貧しさと心細さと! -- 名無しさん (2023-01-02 01 07 50) 荒らし報告ページにて2024/05/06 (月) 11 25 18に行われた2001 f73 8020 3900 ~の荒らし行為を報告しました -- 名無しさん (2024-05-06 11 41 34) 名前 コメント
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第19話『帰ってきたせっちゃん――ある日のせっちゃん。せつなが帰る日(中編)――』 幸せって、なんだろう。 愛すること。そして、愛されること。 触れ合うこと。繋がること。ぬくもりを感じること。 みんながそれを手にするには、私は何をしたらいいんだろう。 私の身体はあまりにも小さくて、全ての人を抱きしめることはできない。 心なら! 心ならどこまでも大きく広げられる。だから、みんなを愛そうと思った。 でも――やがて、知ることになる。人を愛することは、その人にとって特別な人を作ることなんだって。 全ての人を愛することは、誰も愛さないことと同じ。 人を寂しさから救うのは、他人を差し置いて特別に注がれる愛情なんだってこと。 国政に携わるのは国民が望まなかった。新たなる支配者となる危惧。当然だ、イースとは支配体制における幹部。恐怖の象徴であったのだから。 キュアエンジェルの功績がなければ、この地を踏むことすら許されなかったに違いない。 そして、治安維持の役職に追いやられる。――辛い日々の始まり。 支配者から開放された国民は、自ら考え、自らの意思で幸せを求めるようになった。 統一された意思の下でのみ人は争いから解放される。そのメビウスの言葉を証明するように、些細な行き違いが諍いを招いた。 国中の、至る所で―― “スイッチ・オーバー” 白き闘衣。銀色の髪。赤いダイヤ。管理国家ラビリンスの力の象徴。 その姿を見た人々は恐れおののき、一滴の血を流すこともなく争いは鎮まった。 皮肉なことに、私に求められたのは四つ葉町の経験ではなくて、四大幹部イースとしての力だった。 ラブなら、違う答えが出せただろうか? 全ての人をあたたかい愛で包んであげられただろうか? 美希なら、希望を与えてあげられただろうか。 ブッキーの祈りなら、迷える人々の癒しとなれただろうか? 夢を持って生きて欲しい。 そう願う私は、しかし――夢の何たるかを示すことすらできなかった。 幾多の諍いを鎮め、幾集団の争いを調停し、それでも収まらぬ局面では実力行使で終結させた。 「ラビリンスの人々を笑顔と幸せでいっぱいにしたい」 そんな願いも空しく、私に向けられるのは常に恐怖と憎しみの感情だった。 それでも、この身が何かの役に立つのなら。 そう信じて各地を駆け巡った。 その治安維持の役目からも、公安組織の整備が進むにしたがって疎まれるようになる。 強すぎる力は、ただ在るだけで人々の不安を掻き立てるのだから。 「ここはもういい。ご苦労だったな、イース。すまなかった」 ウエスターとサウラーが下した決定。それは、私を職務から解放すること。 私は、この半年で何ができたのだろう? 確かめるように、駆け抜けた地をゆっくりと巡っていく。 路地で、公園で、子供たちが遊ぶようになった。 男女が、人目をしのぶように語り合うようになった。 新しい仕事を覚えようと、努力する人々の姿が見かけられた。 そんなこと、何も教えていないのに―― 「一つ一つ、やり直していけばいいのよ」 そんな声が聞こえたような気がした。みんなは自らの力で、一つ一つやり直そうとしているのかもしれない。 わかっていたはずだった。みんなは、自らの意思と力で自由を勝ち取ったんだってことを。 みんなの胸には、心には、ちゃんと必要なものが備わっているんだってことを。 みんなの愛を、希望を、祈りを、翼に変えて戦ったのだから。 「みんなを笑顔と幸せでいっぱいにしたい」 なんて大きな夢なんだろう。自分の幸せ一つ満足につかめなかった私が、何段飛ばしで駆け上がろうとしていたんだろうか。 もう一度! 私も一つ一つやり直してみよう。胸に宿る小さな灯火。これだけは確かに信じられるから。 帰ろう! 幸せの街――クローバータウンストリートに。 始まりの地――東せつなの故郷に。 私の帰りを、きっと待っていてくれる人のところに。 『帰ってきたせっちゃん――ある日のせっちゃん。せつなが帰る日(中編)――』 光の扉を抜けた先に広がる優しい景色。懐かしいクローバータウンストリートの街並み。 そこで、せつなは目を覚ます。 ここは――クローバーの丘。一年前、ラビリンスに向けて旅立った場所。そして半年前、再びこの地に降り立った場所でもあった。 朝が早かったからだろうか、どうやら眠ってしまっていたらしい。 「いっそ、このまま目覚めなかったら良かったのに……」 そんな風に考えて、すぐにかぶりを振る。この命はアカルンから預かった大切なもの。だから、他人のために使わなければならない。 その気持ちまで失ったわけではなかった。 てっきり酷い夢を見るとばかり思っていたのに、そうでもなかった。ラビリンスを発つ前の、わずかながらも希望を胸に抱いた記憶だった。 考えてみれば悪夢とは、現実が幸せな時に見る夢なのかもしれない。 失うものが無いくらい現実に救いがなければ、そもそも悪夢など見れるはずもないのだから。 「私――馬鹿みたいね」 生まれ変わって、自分の幸せを手にしたつもりになっていた。与えられたものであったとしても、それが自分のための幸せなんだと思ってた。 だから、みんなにも幸せになってもらいたいと思った。一体、ラビリンスに戻って何をするつもりだったんだろう? 自分の力で手にしたものなんて何一つないのに、分けてもらったものを配る気ででもいたのだろうか? 「何もできなくて当たり前よね」 そうつぶやいて、クローバーの葉っぱを一本引き抜く。三つ葉のクローバー。そう、これがあるべき姿。クローバーの葉が持つ本来の形だった。 ダンスだってラブの夢だった。ラブに憧れて、クローバーの輪の中に入りたかった。だから、一緒に夢見ただけだった。 やがて見つけた新しい目標。“ラビリンスを笑顔と幸せでいっぱいにしたい”それが自分の夢だと思った。 だから――全てを賭けて叶えよう思った。 「でも、それすらラブの夢なのかもしれない。だって、ラビリンスを開放しようって言ったのはラブだもの」 “世界中のみんなを愛情でいっぱいにしたい”そんなラブの夢が美しいと思ったから、自分の夢を重ねただけなのかもしれない。 だったら、自分の意思はどこにあるんだろう? 本当の自分はどこにいるんだろう? 本当の夢は? 本当の幸せはどこに行けば見つかるんだろう? 「本当のせつなは、一体どこにいるの?」 美希の問いかけを思い出す。フフッと笑みがこぼれる。愚かな自分を笑う、自嘲の笑い声だった。 「本当のせつなはどこにいるですって? どこにもいないわ。そんなこと、始めからわかってたことじゃない」 東せつななんて人間は存在しない。イースをこの世界の言葉に変換して東。メビウスの所有物である証として、短い単位の時間で刹那。 あくまで仮の名前。この世界に潜り込むために、自分で付けた名前なのだから。 愛の結晶として産み落とされて、世界を愛する名を授けられたラブと、一体どれほど違うことだろう。 「居ないのよ、美希。せつななんて子は、始めからいなかったの。始めからいなかったのよ……」 せつなが幻ならば、一体、ここにいる自分は何者なんだろう? 東せつなとして一年、キュアパッションとして半年、その前の十四年は――イースとして生きてきた。 「そう……私はイース。メビウスの僕として十四歳まで生きて――そして、死んだ。ただそれだけの存在」 アカルンに新しい命をもらったから、新しい自分を生きようと思った。 でも、イースである自分と別れて、どんな人間になるつもりだったんだろう? 寿命管理はラビリンスの国民の宿命。生まれた時から決定されたもの。何も珍しいことじゃない。 大勢の人間がクラインの操作によって死に、自分だけは生き返った。本国で亡くなった人たちよりも、ずっと悪いことをしてきたのに。 だから、今度は人々のために尽くそうと思った。奪ってきた幸せが戻らないのなら、せめてこの先の幸せを守りたいと思った。 「この街で幸せを知った。そして……守りたいと思った。それは、自分のほとんど全てであるイースを、その人生ごと否定することだった」 全てを失って空っぽだったせつなの中に、ラブは、あゆみは、圭太郎は、溢れんばかりの愛情を注いでくれた。 美希や祈里は、せつなの過去を全て知った上で許してくれた。親友として、仲間として支えてくれた。 その愛情と友情を力に変えて、せつなは戦い続けた。 ただ、守るだけでよかった。クローバータウンは、もともと幸せで溢れた場所であったのだから。 メビウスとの決戦、戦場となった故郷ラビリンスの地。そこで目にした人々は――何も持たない、かつての自分の姿だった。 今度は、この幸せをみんなの元に届けたい。そう願って旅立った。 でも……結局、何もしてあげられなかった。せつなの幸せは与えられたもの。自分の手で探して、自分の力で掴んだものではないからだろう。 だから、もう一度やり直そうと思った。 “本当の自分の夢”“本当の自分の幸せ”それを見つけたら、ラビリンスに戻ろうと思っていた。 だけど――見つからなかったら? そんなものはどこにも無かったのだとしたら、どうすればいいのだろう? 「それでも戻らなきゃ……。ここは――私の住むべき世界ではないのだから……」 ラビリンスに戻っても、きっと何も変えられない。でも、一市民としてでもいい。そこでささやかな生活を営むことができれば―― いつか、ラビリンスでも笑顔になれるかもしれない。住人と絆を結んで、自分なりの、東せつなとしての幸せを掴むことだってできるかもしれない。 いくらかの幸せを共有して、他人のために何かできることがあるかもしれない。やりたいことが見つかって、自分の夢を持てるようになるかもしれない。 「でも、本当にそれでいいの? それが私の幸せ? 私にとって一番いい生き方なのかしら? だったら――何なの? この胸につっかえたような違和感は……。私の中の何かが違うと言っている。あなたは――誰?」 四つ葉公園の中央、ドーナツ屋さんの近くでラブは荒い息を吐く。 やがて二人の少女が駆け寄ってくる。美希と祈里だった。 「美希たん、ブッキー、見つかった?」 「こっちはダメ。見かけた人もいないって」 「こちらも手がかりなしよ。もう公園にはいないのかも」 せつなが飛び出してから三人は手分けして行方を探した。しかし、どうしても足取りを掴むことはできなかった。 「美希たんとブッキーはせつなの行きそうな場所を探してみて! あたしは一度家に戻ってみる」 「オーケー、アタシは街の中を当たってみる。何かわかったらすぐに連絡して」 「わたしは河川敷から探してみるね」 ラブの胸が後悔の念に苛まれる。みんなに心配をかけないようにって、黙っていたのが全部裏目に出た。 家に駆け込むと、すぐにせつなの部屋を覗いた。戻っているとは思えなかったけど、何か手がかりがあるかもしれなかった。 その予感が的中するかのように、机の中から呼び出し音が鳴り響く。 カギ付きの引き出し。しかし、几帳面なせつなにしては信じられないことに、カギは開けられたままだった。 「せつなの携帯とは違うみたい。これは通話ボタンなの?」 「よう、イースか? どうだ、決心は付いたのか?」 「その声は……隼人さん?」 「お前はキュアピーチか?」 ウエスターの指示で携帯画面を操作する。小さなモニターに相手の姿が映る。こちらの映像も見えているらしい。 後方にサウラーも控えているのが見えた。 「ということがあったの……。隼人さん、ラビリンスでせつなに何があったのか教えて!」 「そうか、あいつはな……」 話を終えたラブが一階の居間に降りる。テーブルの上には手を付けられていない朝食が四人分並んでいる。 連絡もせずに家を空けるラブとせつなではない。そんな二人を置いて、自分たちだけ食べる気にはならなかったのだろう。 ただならぬラブの様子に、あゆみの表情にも緊張が走る。 「おかあさん、あたし、これからせつなを探してくる。だから、おかあさんは家で待っててあげてほしいの」 「どういうことなの? せっちゃんはどこに行ってるの? どうして、帰ってこないの?」 「帰って来てなかったの。せつなは、帰って来たんじゃなかったの……」 せつなの携帯電話、異空間通信機を手にラブは走る。これはラビリンスへの扉を開くカギにもなっているらしい。 これを手にしている限り、せつなは遠くには行けない。今は――とにかく早く会いたかった。 会って――謝りたかった。 「ごめん……ごめん……せつな」 どうして、帰って来てくれたなんて思ったんだろう? あたしが寂しかったから、せつなもそうなんだって思ってた。 だから――せつなが帰って来た。それを当たり前のように受け止めてしまっていた。 何の疑問も抱かずに……。 せつなは自分の都合で、一度決めたことを投げ出すような子じゃない。 どんなに辛くたって、寂しくたって、そんな理由で自分の使命を投げ出すような子じゃない。 せつなが帰ってくる理由。それは目的を成し遂げたからか、そうでないなら、ラビリンスに居られなくなったからなんだ。 失敗して、傷付いて、悔しさに震えて、その心と身体を癒すために戻って来てたんだ。 それでもあきらめ切れずに、もう一度挑むために、そのための力を蓄えるために戻って来てたんだ。 「せつなが、ラビリンスに居場所がなくなって戻って来ていたのなら……」 あたしは、せつなに優しくすることで、返ってせつなを追い詰めていたのかもしれない。 わかっていたはずなのに―― イースも、パッションも、せつなも同じ。 イースはメビウスへの忠誠のために。パッションはクローバータウンの幸せを守るために。せつなはラビリンスを幸せでいっぱいにするために。 せつなの命は、人生は、いつだって誰かに尽くすために捧げられてきた。 自分を押し殺して、自分の幸せに目を背けて、こうあるべき、こう生きるべきだって、自分に言い聞かせながら―― だから、せつなにとって一番辛いのは、自分のために誰かが不幸になることなんだよね。 「ごめん、あたしらしくなかったよ。やっぱりどちらも選べない! あたしの幸せも、せつなの幸せも」 まずは二人の再開の地、商店街の銀杏並木。そこから順に、せつなと巡った思い出の場所を探していくことにした。 大きな決意を――胸に抱いて。 美希がラブから送られてきたメールに目を通す。悔しさのにじむ表情で、折りたたんだ携帯を強く握りしめる。 自分が間違っていたのだろうか? 初めて二人きりで話した時の記憶が甦る。 「いつもはどんなお店に行ってるの?」 「ラブの行くお店よ」 「行ってみたいお店とかある?」 「別にないわ」 ラブの家で、ラブの好きな遊びをして、ラブの好きなものを食べて、ラブと同じ夢を見る。 そこには自分なんてものはなかった。 ラブと同じものを見て、同じものを感じて、同じように生きる。 それでは、ラビリンスの管理と何が違うんだろう? 強要されてないだけで、何一つとして自分で選んでいない。 人は一人として同じ人間はいない。幸せだって人それぞれだ。それぞれに好みがあり、考え方があり、夢があり、生き方がある。 だからこそ、世の中には様々な道具や仕事やスポーツや文化や娯楽が溢れているのだから。 どこで、何をするかに喜びを覚える美希にとって、せつなの価値観は理解できないものだった。 せつなにとって重要なのは、自分が何をしたいかではなく、自分がどこに行きたいかではなく、 自分が誰と一緒に居るのか、そして、その人のために自分が何をしてあげられるかだった。 だから、せつなにも自分の人生を生きてほしかった。自分だけの夢を探して、追いかけて、叶えてほしかった。 大切な友達だからこそ、もっと、もっと、幸せになってほしかった。 でも、だったら……。 (アタシはどうしてダンスなんて始めたんだろう?) そして、プリキュアになったことに、どうしてあれほどの喜びを覚えたのだろう? どちらも――自分の夢、モデルの夢にとって、妨げにしかならないものなのに。 寂しかったんじゃないのか? 自分一人だけの夢を追いかける日々が。 嬉しかったんじゃないのか? ラブや祈里と、再び一緒に過ごせる毎日が。 思い上がっていたんじゃないのか? 好きなことをやっている時の自分は、好きな人と一緒にいる時のせつなの幸せに勝っているとでもいうのか? 好みも考え方も人それぞれだと言うのなら、“好きな人と一緒に過ごしたい”そこに無上の喜びを覚える生き方だってあってもいいんじゃないのか? (だとしたら、なおさらアタシはせつなを一人にはしておけない) せつな、あなたは一人じゃない。独りぼっちにはならないって――確かに約束したのだから。 祈里の携帯にメールの着信が入る。ラブからのメッセージ。そこで知る――せつなの想い。 あの日、思いつめた表情で相談に来てくれたのに、力になってあげられなかった。 あれから色々考えて、一つの結論にたどり着いた。 それは―― 「せつなちゃんの願いは、何も間違っていない!」ってこと。 (確かにせつなちゃんの夢はわたしとは違う。それは、夢なんかよりもっと純粋で尊い想いなのだから……) “ラビリンスを笑顔と幸せでいっぱいにしたい” 自分の損得を視野に入れず、一途に相手の幸せを求める想い。 「それは夢じゃなくて――祈りよ!」 祈里は、破れそうな心臓に鞭を打って更に足を速めた。 「わたし、言ったよね? 楽しいと自然に笑顔になれるんだって。それは、せつなちゃんもラビリンスの人たちも同じよ」 伝えなければならない――“祈り”は夢ではないけれど、夢の礎にはなれるんだってことを。 自分の幸せも、みんなの幸せも、どちらもあきらめる必要なんてないんだってことを。 伝えなければならない――自分を信じることの大切さを。 夢は、信じる気持ちから生まれるのだから。 誰も――ひとりでは幸せにはなれないのだから。 呼ばれている――確かにそう感じた。 誰に? せつなの胸の中心にあたたかい光が灯る。 (これは何? 以前……どこかで感じたことがあるような気がする) さっきまで立ち上がる気力も起こらなかったのに、吸い寄せられるように身体が勝手に動き出す。 まるで、知らない誰かに操られているかのように。 クローバーの丘を離れ、せつなは、一歩、また一歩と歩き始める。 木々の間を潜り抜け、深い森の奥へと足を運ぶ。 赤、黄色、ところどころに残る緑。紅葉鮮やかな森に、秋晴れの空。落ち葉に夕日が照り返し、地面一帯が黄金色に輝く。 「綺麗……。空と木々と地面が一つの色に重なっていく……」 ここに居るはずのないラブの姿を求めて、思わず視線を走らせる。一人で見ているのは、あまりにももったいない光景だった。 そう――自分なんかには、あまりにももったいない景色だと思えた。 やがて、よく知った場所にたどり着く。木々の生い茂る森の中にあって、不自然なほどに開けた平地。 それは、かつて占い館と呼ばれたラビリンスの前線基地のあった場所だった。 “ひゅん” 突然、せつなの足元から旋風が巻き起こる。それが広がるかのように強い風が吹き付け、木々の梢を大きく揺らす。 たっぷりの水分を含んだ、青葉の匂いを運ぶ温かい風。 陽の短くなった秋の夕方には、決してあり得ないはずの――それは、真夏の風だった。 せつなを中心にして、空間があるはずの無い姿へと変転していく。 儚げな夕日は、突き刺さるような暑い日差しに変化する。 木々はそれまでの紅葉が嘘であったかのように、深緑の命の輝きを取り戻す。 (何が……起こっているの?) 背後から人の気配を感じて、せつなはとっさに身構える。そして気が付く。 それは、近寄ってくる人物を敵として認識していること。相手から、殺気を、戦意を感じ取っていること。 この世界に住むようになって、久しく忘れていた感覚だった。 一人の少女が近づいてくる。 薄いグレーの半袖シャツに、黒のハーフパンツ。年頃の女の子にしては珍しいシンプルな服装。 何も持たない両手は、固く拳を握りしめる。瞳に闘志をたたえ、ミディアムレイヤーの黒髪を風に揺らしながら―― 『帰ってきたせっちゃん――ある日のせっちゃん。せつなが帰る日(後編)――』へ続く
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せつなヤドランカビゴンウソッキー ジョンウインディキレイハナサーナイト ヤドランvsウインディいかくでヤドラン怯えてる 1 ウインディ→キレイハナ ヤドラントリックルーム 時空が歪んでいる 2 ヤドラン冷凍ビーム5割 キレイハナ眠り粉 キレイハナ食べ残し 時空が歪んでいる 今日はよく眠るヤドラン、だがそれがいい 3 ヤドランぐうぐう キレイハナ月の光全回復 時空が歪んでいる ここでキレイハナを突破できないことを悟る 4 ヤドランぐうぐう キレイハナエナジーボール4割オボンで6割 時空が歪んでいる 5 ヤドラン→カビゴン キレイハナエナジーボール9割 時空が戻ったよ! 6 キレイハナ→ウインディ カビゴン大文字8割 7 カビゴン→ウソッキー ウインディ鬼火火傷に ウソッキー火傷で9割 8 ウインディ→キレイハナ ウソッキー地震9割 キレイハナ食べ残しで9割 ウソッキー火傷で8割 9 キレイハナ→ウインディ威嚇でさらに乙 ウソッキー不意打ちミス 10 ウインディ大文字ミス ウソッキー地震4割 ウソッキー火傷がつもって残り5割 11 ウインディ大文字ミス ウソッキー地震1割 ウソッキー火傷で4割 12 ウインディ→キレイハナ ウソッキー不意打ちミス キレイハナ食べ残しで全回復 ウソッキー火傷で3割 13 キレイハナ→サーナイト石頭をトレース ウソッキー地震8割 ウソッキー火傷で1割 14 サーナイト→キレイハナ ウソッキー不意打ちミス ウソッキー火傷で残りミリ 15 キレイハナ守る ウソッキーストーンエッジ守られた ウソッキー火傷で乙→カビゴン 火傷だけで乙ったウソッキー! 16 キレイハナ→サーナイト暑い脂肪をトレース カビゴン地割れミス 17 サーナイトトリックサーナイト イバン カビゴン こだわりスカーフ カビゴン地割れミス 18 サーナイトサイコキネシス5割 カビゴン地割れ一撃必殺!サーナイト乙→ウインディ 19 カビゴン→ヤドラン ウインディ神速5割 20 ウインディパワフルハーブソーラービームゥゥゥゥ!!!ヤドラン乙→カビゴン 21 ウインディ鬼火火傷 カビゴン大文字ウインディ乙→キレイハナ カビゴン火傷で5割 22 キレイハナ守る カビゴン大文字守られた 23 キレイハナエナジーボール3割 カビゴン大文字7割 キレイハナ食べ残しで(ry カビゴン火傷で1割 24 キレイハナエナジーボールカビゴン乙 ジョンの勝ち! やっぱりキレイハナが鬼門だった
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【登録タグ KAITO い 曲】 恋しさとせつなさと心強さと http //www.nicovideo.jp/watch/sm16930440 http //www.nicovideo.jp/watch/sm18134258 歌手名:篠原涼子 タイトル:ストリートファイターII
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せつなだぐゎ【登録タグ せ チューハイP 曲 焔夏冬雪 結月ゆかり】 作詞:焔夏冬雪 作曲:のぞみまつき(チューハイP) 編曲:のぞみまつき(チューハイP) 唄:結月ゆかり 曲紹介 『月明かりがそっと人々の心を照らす。穏やかな明日へと繋ぐように』(投稿者コメ転載) ゆかいあコンピ『sync-loid 07』収録曲。 歌詞 雲隠れの空 陰り ぼんやり浮かぶ 月夜 気まぐれに移り 変わる そんな様子が 好きよ 惹かれるこころ 止まらない 今日の月は 明るく 控えるところ 終わらない 澄み渡る 汚(けが)れ無き 今宵 ゆらり 寂しさ紛れ 何を思う そのココロ 近く 遠い 届かない手が 求めるのは ただひとつ 月が消えてナクシズム(泣く失くし沈む) 言葉さえない 静寂(しじま) なにもない闇夜 包む 顔が冴えないままで 欠けても満つる リフレイン 期待しては 弾かれ 渦を巻くだけ 霞月(かすみづき) 群青色 導いて 暗く 深い 空へ溶ければ 滲むあかり きえてゆく ぽつり 落ちた 伝う滴(しずく)が 沁みるこころ 泣いている (語り) 月明かりが そっと 人々の心を照らす 穏やかな明日へと 繋ぐように――… きつく 胸を 締め付けるのは この感情 切なさが 刹那 揺れた 瞳と心 涙(なだぐゎ)に濡れ 素直へと そっと 触れた 本当(ほんと)の心 交わること 望んでる ひかり 綺麗 悲しい程に 見上げたそらは 丸い月 コメント 名前 コメント
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東せつな・カレンダーツイート2015 12月 【12月1日(火)】毎月1日は『映画の日』。1896年の12月1日に、日本で初めて映画が一般公開されたの。「映画って、画面が大きいだけのテレビよね?」って聞いたことがあるの。「遠い映画館に、それだけの理由で人が集まると思うかい?」って問い返されたわ。今ならわかる気がする。みんなの答えも聞いてみたい。 【12月2日(水)】今日は『カレンダーの日』。カレンダーの起源は、紀元前18世紀頃と伝えられているわ。「月の満ち欠けは一定の周期で行われる」という法則の発見により生れたそうよ。月日を刻むことで人々は過去と現在を知り、未来を描いてきたのね。私がカレンダーを意識してつぶやいてるのも、それを学ぶためなの。 【12月3日(木)】12月に入って見違える程にストリートが活気づいてきたわ。クリスマスに備えて飾り付けを始めるお店もチラホラ。夜には街路樹にイルミネーションが点燈されるの。もうじき街にクリスマスソングが流れるのね。そうそう広場の大樹がこの時期はクリスマスツリーに変わるのよ。私も手伝いに行こうかしら。 【12月4日(金)】花の少ない季節だけど、この時期に咲く花だってあるの。お気に入りは赤いポインセチア。と思ったら葉っぱの色なのね。紅葉みたいなものかしら? 花言葉は「祝福」と「聖なる願い」。クリスマスフラワーとも呼ばれてるわ。もう一つ意味があって「私の心は燃えている」よ。真っ赤なハートは幸せの証ね。 【12月5日(土)】今日は『国際ボランティア・デー』。国内外のボランティア活動への理解を深めて、参加を促すための記念日よ。難しく考えなくても、近所や公園の清掃だって立派なボランティアなの。私たちは“クローバー”として、地元の支援施設でダンスを披露することになってるの。楽しんでもらえるといいのだけど。 【12月6日(日)】今日は『姉の日』。妹の日は9月6日ね。妹はわからないけど、姉ならわかるわ。コーチのミユキさん。ダンスレッスンはもちろん、身の回りの色々な相談に乗ってくれるの。もしも姉がいるならこんな人がいい。もしも姉になるならこんな人になりたい。姉には、女性に対する親称や敬称って意味もあるのよ。 【12月7日(月)】今日は二十四節気の『大雪』。山の峰は雪に覆われ、平地でも雪が降る頃。でもクローバータウンの初雪はまだだし、実感がわかないわ。「熊が冬眠するタイミングね」とブッキー。「スキー場がオープンしたりとか」と美希。「鰤が旬を迎えて美味しいの」とラブ。なるほど、冬の楽しさが始まる時期なのね。 【12月8日(火)】今日は『針供養』。古くなった針を豆腐なんかに刺して、神社に奉納して供養してもらう行事よ。柔らかい食材に刺すのは疲れた針を労わるため。そしてお供え物にするためなの。針に限らず、全ての物には命が宿るんですって。人は人や物を愛するために生まれ、愛することで守られる。源吉お爺様の教えよ。 【12月9日(水)】あの日の夜、私は幸せを学んだの。でも、その前からこの街の魅力は感じていたわ。それは隼人や瞬も同じじゃないかしら。ノーザにも北那由他というこの世界の名前があった。もっと早くこの街に来ていたら、ここでの時間を過ごす機会が持てていたら、違った結末もあったんじゃないかって。そう思うのよ。 【12月10日(木)】今日は『世界人権デー』。「全ての人間は生まれながらにして自由であり、尊厳と権利において平等である」という、『世界人権宣言』が国連で採択された日なの。言い換えるなら人権とは人が幸せになる権利のことね。それはラビリンスと総統メビウスが間違えたこと。ずっと守り抜かなければならないこと。 【12月11日(金)】今日は『百円玉記念日』。1957年のこの日に百円硬貨が発行されたの。ラブの百円玉貯金じゃないけど、紙幣から硬貨に変更されたのは使う頻度が増えたから。図柄は3回変更されていて、最初は鳳凰、次に稲穂、現在は桜よ。デザインの変遷からも、時代背景や豊かになっていく様子が感じ取れるようね。 【12月12日(土)】今夜の夕ご飯はすき焼きよ。スーパーで勤めてるお母さんが、あえて商店街のお肉屋さんと八百屋さんで買い込んだ食材。たまにしか食べられないご馳走。とても美味しくて、みんな普段より笑うし会話も弾むわ。毎日食べられるようになれば、この喜びは失われてしまう。ねえラブ、豊かさって何なのかしら。 【12月13日(日)】今日は『正月事始め』。万事に大吉とされる「鬼宿日」なんですって。それでこの日から新年を迎える準備を始めるのね。大掃除の取り掛かりや、縁起物の手配、年賀状の執筆と、忙しくてあっという間に過ぎてしまいそう。12月を師走と呼ぶのもわかる気がするわ。私は走ってるくらいが性に合ってるけど。 【12月14日(月)】今日は『南極の日』。1911年のこの日、ノルウェーの探検家アムンゼンと4人の隊員が、人類で初めて南極点に到達したの。観測された最低気温は-89.2℃。南極は北極と比べても平均気温で20℃は低いそうよ。南の果てがこの世界で一番寒いなんて、まるで何かのメッセージのような気がするわね。 【12月15日(火)】今日から「年賀郵便特別扱い」が始まるわ。25日までに投函したら必ず元旦に配達されるの。年賀状は日本だけでなく、かつては欧米にも広まっていたそうよ。現在はクリスマスカードと一体化されたんですって。歳を十二支になぞらえる習慣がないために定着しなかったそうなの。来年の干支は“さる”よ。 【12月16日(水)】憧れや目標としての夢は“意識”が見るそうよ。逆に眠っている時に見る夢は“無意識”が見るもので、どちらも心の訴えなんですって。無意識が見る夢は不可解だったり理不尽だったり、時に憂鬱なこともあるわ。でもそれは、意識がある時には気付けない無意識からのメッセージなの。私もそうだったから。 【12月17日(木)】冬の星空はとても綺麗で、そして力強いわ。秋には一つしか見えなかった一等星を七つも見ることができるの。ラブと一緒に、星の名前を星座や神話を交えて覚えていたんだけど、昨夜、神秘的な現象に出会ったの。それは“星の出”よ。真っ暗だった夜空に、突然星が輝くの。まるで、雪の降り始めのように。 【12月18日(金)】時々不安になるの。私のような異世界の者がこの世界と交わってもいいのかって。それをラブに打ち明けたら、「せつなは扉を開けただけじゃない」って言われたわ。外出したり帰る時に開ける扉。行ってきますとお帰りなさいの挨拶を交わす所。パラレルワールドの扉も同じ。出会いが不幸なはずはないって。 【12月19日(土)】ここで質問よ。基本はテーブルで、毛布も兼ねていて、暖房器具にもなる幸せのアイテムはなあに? 答えはこたつ。そう言えば一月にもこたつでつぶやいていたわ。上半身が冷たいから、下半身の温かさが嬉しいって。こたつのもう一つの魅力は、家族で囲んで使えること。そして不思議と笑顔になることね。 【12月20日(日)】今日は『鰤の日』。魚偏に師と書いてブリ。成長する度に名前が変わるブリは、この時期に旬を迎えることもあって師走の魚と言われているの。出世魚としておせち料理や祝いの席にも重宝されるわ。成魚になるまでに四度も名前が変わるのだけど、その名も地方ごとに違うそうよ。それだけ好まれた魚なのね。 【12月21日(月)】図書館で『六花(りっか)』って写真集を見つけたの。何の花かと思ったら雪の別称なのね。雪の結晶は全て六角形で、一つとして同じ形はないそうよ。小さな氷の粒だと思ってたけど、こんなに美しい形をしていたなんて。花の少ないこの季節に、天から舞い降りる氷の花。吹き荒れよ、とは言えないけれど。 【12月22日(火)】今日は二十四節気の『冬至』。夏至の反対で最も昼が短い日なの。冬至に「ん」が付く野菜を食べると幸せになれるそうよ。南京と人参、後は「ピーマンもね?」うっ、やぶ蛇だったわ……。ここは平等に、今夜はかぼちゃコロッケに人参とピーマンの金平。ほうれん草のおひたし。柚子湯に入るのも楽しみよ。 【12月23日(水)】今日は『天皇誕生日』。敗戦後、日本の占領統治を行ったマッカーサー元帥に対し、昭和天皇は「全ての責任は私にある」と訴え、国民に食料提供を望んだの。元帥は後に「世界で最も尊敬する人物は天皇陛下だ」と語っているわ。素晴らしい方だったのね。今上天皇は昭和天皇から厚く信頼されていたそうよ。 【12月24日(木)】今日は『クリスマスイブ』。イブとは前夜ってこと。聖なる夜ね。ユダヤ暦では日没が一日の終わりと考えられてるから、日が沈めばもうクリスマスとも言えるわ。サンタクロースがやってきてプレゼントをくれる夜。私は良い子じゃないのにもらっていいのかしら? 本当は私がサンタクロースになりたいの。 【12月25日(金)】今日は『クリスマス』。キリストの降誕を祝う日よ。お誕生プレゼントを贈りたいけど、無理よね。イエスはこう言ったそうよ。「私の兄弟である(全ての)小さき者に贈れば、それは私にしたのと同じである」って。それで世界中でこの日にプレゼントが贈られることになったそうなの。メリー・クリスマス! 【12月26日(土)】ラブ達三人の昔のアルバムを見せてもらったの。私にも幼い頃の画像はあるわ。証明写真のようなものだけど。そんな話をしたら、ラブが「それも大切に残しておこう」って言ってくれたの。「幸せな現在があれば、不幸な過去だって思い出に変えられるよ。ハッピーエンドって、そういうことでしょ?」って。 【12月27日(日)】ラブの「幸せゲット」は生き方。美希の「完璧」は希望を手繰り寄せる確認。ブッキーの「信じてる」は信条かしら。私の「精一杯頑張る」は誓いよ。それぞれの『幸せ』を目指しているけど、約束されたものじゃないわ。望んだ明日が来る保証は無いし、求めてはいけない。だから人は懸命に生きるのだから。 【12月28日(月)】今日は『仕事納め』。年内で最後の仕事を終える日よ。お仕事お疲れさま。明日から『仕事始め』までが年末年始休暇ね。お父さんとお母さんがずっと家に居る期間。嬉しいけど恥ずかしくて落ち着かないの。何かしたいのに親孝行って難しくて。「甘えればいいんだよ」って、そっちの方がもっと難しいわよ。 【12月29日(火)】クローバータウンに初雪が降ったの。これが六花。ううん、空に舞うから風花ね。一つとして同じ形のない雪の花。地面に触れると溶けてしまう。やがて全て消えてしまう。幸せも同じかもしれない。同じ形はなくて、いつかは失われるもの。だから大切にしたい。ずっと追い続けたい。雪はまた降るのだから。 【12月30日(水)】2015年も明日で終わり。色々なことを学べた充実した一年だった。私が見つけた喜びや幸せが、少しでもみんなの心に届いているといいのだけど。私のツイートは明日で最後。フォローしてリツイートやお気に入り登録してくれたみんな、ありがとう。今後はみんなのつぶやきから幸せを学ばせてもらうわ。 【12月31日(木)】今日は『大晦日』。過ぎ行く一年に感謝しながら、家族と一緒に自宅で過ごすのが一般的な習慣だそうよ。帰る場所があって、語れる友がいて、迎えてくれる家族がいる。私は忘れない。当たり前に繰り返される毎日が、最高の幸せだってことを。私の公開日記はこれで終わり。みんな一年間本当にありがとう。
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純情青春ラブ 作詞:日野晃博 作曲:光田康典 編曲:高橋諭一 歌:twe lv(トゥエルヴ) ゲーム1作目ED。 青春おでんのCDにカップリングとして収録されている。 おでんと同じく昭和チックな雰囲気のする、青春ラブソング。 胸がはりさけそうな歌詞とムービーの秋のせつなさにおセンチな気分になること間違いなしである。 ムービーのラストで秋が円堂に告白か…?と思わせるシーンがあるが、 脅威の侵略者の様子ではそんなこと全くなかったようである。 また、ゲーム1作目では2と違ってムービー再生モードが無いため、 この歌を聴くには毎回世宇子を倒す必要がある。 【関連】 イナズマイレブン(ゲーム) リーヨ〜青春のイナズマイレブン〜 青春おでん
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せつなヤドランカビゴンガラガラ さかもとピクシーハッサムポリゴンZ ヤドランvsピクシーってさっそく不利ってやつだぜ 1 ピクシー10万ボルト1割オボンで4割 ヤドラントリックルーム 時空が歪んでいる! 2 ヤドランサイコキネシス6割 ピクシー10万ボルトヤドラン乙→ガラガラ 時空が歪んでいる! 3 ピクシー→ハッサム ガラガラ捨て身タックル7割 時空が歪んでいる! 読めていたのにパンチできないチキンな俺乙 4 ハッサムバレットパンチ4割 ガラガラ炎のパンチハッサム乙→ピクシー 時空が歪んでいる! 5 ガラガラ捨て身タックルピクシー乙→ポリゴンZ 時空が戻った! ポリゴンZダウンロードで特攻↑ 6 ポリゴンZトリックポリゴンZ 太い骨ガラガラ こだわりスカーフ ガラガラ捨て身タックル5割 7 ポリゴンZトライアタック急所乙→カビゴン 8 ポリゴンZトライアタック6割+氷 カビゴンカチンコチン 9 ポリゴンZ悪だくみ特攻↑↑ カビゴンカチンコチン 10 ポリゴンZトライアタックカビゴン乙 さかもっちゃんの勝ち! 氷がなくても多分負けてたなこれ
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レス番号 作品名 作者 補足 1-687 My Prayer~FP lily~ 生駒◆ZU7CldKWo2 固い絆で結ばれたラブとせつな。そんなふたりに嫉妬を覚える祈里だったが… 1-920 雨のち曇りのち晴れ=幸せ 1-920 祈里の日記。晴れる日は来るのか!? 2-347 【愛してると言って~ラブ祈里ver】 2-347 孤独を感じるラブ。そんな彼女に祈里は… 2-457 【祈里より、愛を込めて】 2-457 ブッキー視点でお送りする、人生初めての〝プレゼント大作戦!〟 3-170 【Love Story~優しいあなたへ】 3-170 1-920、2-457参照。気持ちに答えるラブ。不器用だけどね 3-256 『star story』 生駒◆ZU7CldKWo2 ガチ百合。星空と色彩と淡い恋心。引っ込み思案でもいいの… 3-306 【star story ~setsuna side~】 生駒◆ZU7CldKWo2 祈里の感情に気付いたせつな。ごめんブッキー。誰にも渡さない… 4-3 【Angel Heart】 4-3 駆け付けるナース祈里! 4-71 【太陽を照らすもの】 恵千果◆EeRc0idolE 久しぶりのドッキドキLOVEデート! 5-260 『Many, many....』 生駒◆ZU7CldKWo2 物知りブッキー。どんぐり知識も豊富でシフォンも大喜び。そんな中、ふと思い出す事が… 6-3 【ラブの微笑み】 6-3 日常の変わらない生活こそがあたしの幸せ。あなたと会えるのも…幸せ。 6-196 「not satisfied」 ◆BVjx9JFTno 18禁 ラブちゃんと二人きり。ずっと望んでいた。そして、今…。期待を胸に秘め、告白する。 8-210 【恋の成長期】 8-210 14歳。色んな経験をして、大人への階段を上っていきます。無邪気だったラブにも兆しが… 避-219 ちゃいるど・ぷれい 一路◆51rtpjrRzY 18禁 初めてのラブッキーSSはとんでもない展開になってしまいました。が、H好きな同志には読んで頂きたい… 避-262 チャイルド・プレイ 一路◆51rtpjrRzY R-21、ハードSM。閲覧注意、自己責任で。避-219続き。暴力的な描写あり。 酒-661 【おしくらまんじゅう】 一路&恵千果 18禁 いたずら心が発展して、いつの間にやら濃厚な関係に。寒気の中、二人は歓喜に酔いしれる。 11-51 【Best friend】 11-51 きらめく水面とあなたの笑顔。ときめく想いと健気な恋心。淡くせつなく、祈里は信じ続ける。 避2-527 【ラブちゃんだいすき】 避2-527 いつだってそばに居てくれた。今はまだ幼いふたりだけど、これからもずっと寄り添い合えるそんな関係でいたい。幼馴染みで、親友で……大好きなあなた。
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幸せの赤い翼――翼の種子のパッション(第9話 せつなとイース・占い館の攻防) 四つ葉町の中央に位置する森を抜ける、一本の小道。見上げれば木々の間から、顔を出したばかりの小さな星の光が見える。 建物ひとつない、そんな寂しい場所――いや、かつては人気の占いスポットがあった場所に、一人の少女がひっそりと佇んでいた。 年齢は十代半ばだろう。赤いカットソーに紺のスカート、その上から紺のジャケットを羽織った姿。細い腕には、一体のヌイグルミが抱かれている。 長い睫の下の目はじっと閉じられていて、まるで一体の美しい彫像のようだ。 時間が経つにつれ、木々は次第にその色を濃くし、やがては森全体が闇に沈んでいく。 それを待っていたかのように、少女はゆっくりと目を開いた。そして静かに歩みを進めると、突然、何もない空間にヌイグルミを突き出して、凛とした声を張り上げた。 「ノーザさまの命令に従い、インフィニティを奪取した。開門を願う!」 不意に周囲の景色が歪み、巨大な建築物が出現する。さっきまで何も無かったところに、まるで初めからそこに存在していたかのように、違和感無く森に溶け込んでいる建物――これこそが、管理国家ラビリンスの侵攻拠点。かつて占い館と呼ばれた、古い洋館だった。 バタン、と勢いよく門が開き、中から大柄の男性と、少し遅れて細身の男性が出て来た。ラビリンスの四大幹部である、ウエスターとサウラーだ。 「イースじゃないか! まさかお前の方から戻ってくるなんて、どういう風の吹き回しだ?」 「理由なんてどうでもいいさ。インフィニティを連れて来たのなら歓迎するよ。ただし、それが本物であるならね」 「心配しなくても、本物よ。あなたたちは……私を、イースと呼ぶのね」 「どういう意味だ? イースはイースじゃないか」 「まるで、そうじゃないような言い草だが?」 少女は、心底不思議そうな彼らの態度に、一瞬だけ、いぶかしむ様子を見せる。 だが、すぐに興味を失ったように視線を正面に戻した。 「好きに呼べばいいわ。ノーザさまは、今どこに?」 「さあな、オレにもよくわからん」 「じきに現れるさ。それより、インフィニティをこちらに渡してもらおうか」 仲間の帰還を素直に喜んでいるのだろう。ウエスターは嬉しそうに、親しげに少女に接する。 反対にサウラーは、彼女の態度に不自然なものを感じている様子だった。警戒を解かず、ヌイグルミの引渡しを要求する。 「その必要は無いわ」 「なにっ!?」 「それは、どういう意味だい?」 「シフォンは渡さないと言ったの」 「イース、お前はッ!」 「やはり、裏切り者のままってことか」 サウラーに続いて、ウエスターも少女を敵と認め、戦闘態勢に入る。 しかし、少女はそれをまるで意に介さなかった。彼らの挙動など自分には関係ないとばかりに、自然体で口を開く。 「メビウスが全パラレルを支配したら、その後の世界がどうなるか、想像したことはあるの?」 「メビウス……“様”を付けろ、イース! そうだな、本国のようになるんじゃないのか? もう、美味いドーナツは食べられなくなるな。それがどうしたというのだ?」 「いずれにせよ、僕たちが考えるべきことじゃないね。メビウス様の御意志に、疑わずに従うのが忠実なるしもべというものさ」 二人の返答を聞いて、初めて少女は表情を変化させた。 赤い瞳を揺らし、悲しそうに目を伏せる。 「あなたたちもまた、欲しがることすら許されない者……。今は何を話しても無駄ね。ここで眠ってもらうわ」 「眠る? フン、何を言うのだ。オレがお前の目を覚まさせてやる!」 「二対一で勝ち目があると思うのかい? こうなったからには、手加減しないよ!」 ウエスターとサウラーは、同時に少女に襲い掛かる。 攻撃が先に届いたのはサウラーだった。少女はその蹴りをステップだけで易々と避ける。 サウラーの攻撃に重ねるように、死角からウエスターのパンチが飛んでくる。少女はその拳を、手首を掴むことで受け止めて見せた。 それは異常な光景だった。変身したウエスターの身体を、生身の少女が片手で拘束して、しかも微動だにしないのだ。 少女のもう片方の手は、シフォンを優しく抱きかかえたままだった。 サウラーが体勢を立て直し、滑るように少女の背後に回り込む。今なら彼女の両手は塞がっていて、防御すらできないはず。 「もらった!」とばかりに、サウラーが攻撃を仕掛ける。が、少女は信じられないことに、ウエスターの巨体を振り回し、まるで武器のようにサウラーに叩き付けた。 「馬鹿な……。このオレが、子ども扱いだと?」 「お前は一体――何者だ?」 「好きに呼べと言ったはずよ。名も無き、ただの化け物なのだから……」 重なるように倒れ込み、いまだ立ち上がれもしないウエスターとサウラーに向かって、少女はゆっくりと歩み寄る。 「恐れなくていいわ。私は何も、復讐に来たわけではないのだから――」 少女の手が、二人に向かって伸びる。そこからは、もはや戦闘と呼べるものではなかった。 沈黙した二人を、その場に――占い館の外に寝かせて、少女はシフォンを抱いたまま、館の中へと姿を消した。 『幸せの赤い翼――翼の種子のパッション(せつなとイース・占い館の攻防)――』 せつなが――いや、ソレワターセがベランダから姿を消して半刻ほど後のこと。ラブの部屋に、美希と祈里とタルトが集まっていた。 ラブから連絡を受けて、二人は、取るものもとりあえず駆け付けて来たのだった。 あゆみは、今は一階で圭太郎が診ている。意識はまだ戻らないが、特に外傷も無く心配なさそうだった。 ラブはまずさっき起きたことを説明し、その後、これまでの彼女の様子をつぶさに伝えた。前々から相談はしていたものの、話していない事も多かった。 何しろラブは、せつなと同じ家で暮らしているのだ。外で会うだけの美希や祈里とでは、情報の量が違いすぎる。 一区切りついてから、ポツリとラブがつぶやく。 「せつな、一体どうしちゃったのかな……。もしかして、前にブッキーとタルトが入れ替わった時みたいに、ソレワターセと身体を入れ替えられたとか?」 「そうね。それなら確かに変身できないのも、生身であんなに強いのも、説明が付くけれど……」 「だったら、慌ててベランダから逃げ出す必要もないんじゃない? 心はせつなのままなんだし」 「そっか、そうだよね……」 「もしかしたら――」 美希が躊躇いながら口を開く。二人の視線が集まるのを感じて、慎重に語り始めた。 「実際にラブが見たんだし、せつなの身体がソレワターセだったのは確かなのよね?」 「うん、間違いないよ」 「その上で、せつながシフォンを連れて逃げたのだとしたら――」 「だとしたら?」 「言って、美希ちゃん。覚悟はできてる」 「身体だけじゃなくて、心もソレワターセだったと考えるしかないわ」 そこで、ラブと祈里が息を呑む。 その言葉の意味するもの――事の重要性を二人が理解するのを、美希は少しだけ待ってから続けた。 「最初から話が出来すぎだったのよ。ウエスターが連れ出したにしても、あのノーザが、せつなから目を離したりするかしら?」 「じゃあ始めから、せつなをあたしたちに返すつもりだったってこと?」 「そんな感じには見えなかったけど、ウエスターさんも利用されていたとしたら……」 「ええ。さっきまで一緒に居たせつなは、ニセモノだったってことになるわ」 美希は顔を上げて、キッパリと言い切った。 確かにそれが、現状ではもっとも矛盾の無い推論ではある。 「そんな……。あ、でも! それならどうして変身もできないのに、一緒に戦ってくれたの?」 「そうだよ、美希たん。あれは確かにせつなだったよ! そうでなきゃ、あたしたちを助けてくれるはずないじゃない!」 なおも言い募るラブと祈里に、美希は淡々と答えていく。その疑問については、美希も既に考えていた。彼女だって、できるなら違っていて欲しいのだから。 「アタシにも、あれが演技だったとは思えない。だけど、もしもよ? 本人が、自分がニセモノであることに気付いていなかったとしたら?」 「……そうね。国民を管理してるラビリンスなら、本物のせつなちゃんの記憶を、そっくりソレワターセに移すこともできるのかも」 「それじゃ、さっき逃げたのは――」 「多分ソレワターセは、最初は自分がホンモノのせつなだと思ってたはず。きっと、どこかの時点で目が覚めて、シフォンを連れ出す機会を狙っていたのよ」 「じゃあ、今日の戦いでせつなちゃんがイースを庇ったのも?」 「ええ。タイミング的に見ても、ノーザの指示に従ったとしか思えないわ」 急に話さなくなったラブが、再び口を開く。その頭の中にある想いは、ただ“ひとつ”だけ。 「じゃあ、せつなは? せつなはどこ? 本物のせつなは、どこにいっちゃったの?」 「もうわかるでしょ? ホンモノだと思っていたせつなが、実はニセモノなのだとしたら――」 「うん。あの偽の黒いイースこそが、洗脳された本当のせつなちゃん……」 「……せない……」 ラブがうつむいたまま、とても低い声で、とても小さな声で、押し殺すように言った。 「許せない。どうして――どうして、そんなに酷いことができるの!?」 「ラブ、落ち着いて」 「ラブちゃん……」 「落ち着いてなんかいられないよ! せつなも、シフォンも、どうしてそっとしておいてくれないの? あたしはラビリンスを許せない! ノーザも、ソレワターセも! みんなみんな――絶対に許さない!!」 ラブは両手の拳を固く握り締め、スッと立ち上がった。滅多に見せない、険しい表情で。激しい怒りに、瞳を燃やして。 もちろん許せないって意味ならば、美希と祈里だって同じ気持ちだった。 「行きましょう、ラブ。どうにかして占い館に入り込んで――今度こそ決着を付けるのよ!」 「そうね。シフォンちゃんとせつなちゃんを、助け出そう!」 「そして、ラビリンスを倒してみせる! もう、こんな想いはたくさんだよ!」 三人が決戦を覚悟し、殺気立って、部屋を飛び出そうとした時だった。 珍しく――と言っていいだろう、それまで黙って事の成り行きを見守っていたタルトが、初めて口を開く。 「ちょっと待ちや……。今のあんさんらを、行かせるわけにはいかへん!」 「タルト、どうして止めるの? シフォンが攫われたんだよ?」 「せつなちゃんも、このままにしておけないでしょ?」 「そもそも、タルトはラビリンスの野望を挫くために、この世界に来たんじゃないの?」 「ああ、その通りや。ワイかて最初は、積極的に戦おうとせえへんあんさんらに、焦れたこともあった。けどな――同時に感心もしとったんや」 タルトは悲しそうな顔で、震える声で語る。 「ピーチはん! 一体、どうしてしもうたんや? ぜんっぜん、らしくないやんか。みんなで幸せゲットするために戦ってたんやないんか? そのみんなってのは、あんさんらの身内だけのことなんか? キュアピーチは愛の戦士なんやろ? 『敵が許せないから倒す』やなんて……。そんな戦いの、どこに愛があるんや!」 「それは……。でも、あたしが甘いせいで、せつなが酷い目に遭って……。シフォンまで攫われて……」 「その責任取るために、そんな、らしくない戦い方するんか? あゆみはんが言ってたで。人は誰でも過ちを犯すって、それはみんなで償えばええんやて、その代わり、今度はみんなの過ちを償う手伝いをするんやって。そうやって助け合って、支え合う。愛情って、そういうもんやないんか?」 ラブは、息もしないでタルトを見つめる。タルトの声が、あゆみの声に――そして、幼い頃に聞いた祖父の声に、重なって聞こえた。 タルトは、「ちょっと待っとってや」と言うが早いか部屋を飛び出し、すぐに戻ってきた。そして両手に抱えた、綺麗にラッピングされた、二つの箱をラブに渡す。 「サプライズや思うたから、内緒にしとったけどな。パッションはんの――ニセモノの方のな。あの子、ピーチはんにプレゼント買ったんやで。お小遣い全部つぎ込んで、足りん分はあゆみはんに出してもろて……。そりゃもう、嬉しそうにしとったんや。あれが演技なんかであってたまるかいな」 ラブは、震える指で丁寧にラッピングを解いた。 中から出て来たのは、赤色とピンク色の、ペア・ブレスレットだった。 桃色の瞳が驚きで大きく見開かれて、そこから大粒の涙が溢れ出してくる。 ラブは肩を小さく震わせて、声を殺して泣いた。 いったい、あの子はどんな想いでこれを買ったんだろう。 せつなには、幸せの素のペンダントがあった。みんなと一緒に過ごした、思い出があった。 だけど、あの子には何もなかった――何もないことに、気付いてしまった。 だから、欲しかったんじゃないのか? あの子と自分とを繋ぐ、幸せの素に代わる何かを。 きっと、見て欲しかったんじゃないのか? せつなの偽者としてじゃなくて、本当の自分自身を―― “罪を憎んで――人を憎まず” どうして、こんなに大事なことを忘れてしまったんだろう? みんなで幸せゲットするって決めたのに。 自分の幸せも、みんなの幸せも、二兎を追って、両方ゲットするって誓ったのに。 ラブはブレスレットの片方をポケットに入れて、もう片方を大切そうに自分の腕に嵌めた。 「行こう! 美希たん、ブッキー。思い出したよ。あたしは愛じゃなくて、ラブ! 世界中の人の心を愛でいっぱいにしなさいって、おじいちゃんが付けてくれた名前なの。だから、ゲットしてみせる。あたしたちだけじゃなくて、せつなやシフォンだけじゃなくて、あの子や、ラビリンスのみんなの幸せも一緒に!」 「そうね、アタシは美希。この先、どんな困難が待ち受けていても、決して希望は失わない!」 「うん、わたしは祈里。信じればきっと願いは叶うって、祈りを込めて付けられたの。だから、信じてる!」 「よっしゃ! それでこそピーチはんたちや。待っててや、シフォン、パッションはん。今、助けに行くからな!」 今は何より――刻が惜しかった。ラブ、美希、祈里は、そのまま部屋でプリキュアに変身し、窓から飛び立つように、深夜の街を駆け抜ける。 来る夜明けを、せつなと、シフォンと、そして――あの子と一緒に迎えるために! 地下室から天井までを突き抜ける、円柱状の大部屋。複雑な計器が並ぶ中、一際大きな目盛の針が揺れる。 FUKOと書かれたその目盛は、既に許容量の限界であることを示すように、レッドゾーン一杯まで振り切れていた。 巨大な容器に、なみなみと満たされた黄色い液体。かつては糧としていたはずの不幸のエネルギーを、少女は憎々しげに見つめる。 (私は――こんなものを守り続けていたというの?) 少女は拳を振り上げ、目の前の巨大なゲージに叩き付ける。 全長四十メートル以上。直径で五メートル以上。強化ガラスの隔壁だけでも、少女の拳より厚いだろう。 そんな不幸のゲージに、少女の無造作な一撃が打ち込まれ、それだけで大きな亀裂が入る。 時間を置かずして二撃目を放つ。拳が障壁を叩く寸前で、数本の蔦が少女を拘束し、その動きを止めた。 「おやめなさい、ソレワターセ。自分が何をしているのか、わかっているの?」 「もちろん承知してるわ、ノーザ。お前をおびき寄せるために、わざわざ加減して殴ったのよ」 少女が怒りの篭った声で言い放つ。彼女の背後に現れ、蔦を伸ばして動きを止めたのは、ラビリンスの最高幹部ノーザ。少女の生みの親であり、不幸のゲージの全権を握る者。 少女は自分を縛る蔦を容易く引き千切り、ノーザに向き直る。 「あら、恐い顔をして。その様子だと、私からの贈り物は気に入らなかったようね?」 「どうして東せつなが、たった一人で、罠と承知でここに来たのか、ようやくわかったわ。脅したのね? おかあさんたちを人質に取って」 「正解よ。そして同時に、あなたが私の命令に従わなくなった時の、保険の一つにもなるってわけ。フフフ……人間の絆って、便利ねぇ。わかったのなら、インフィニティを渡してもらえるかしら?」 「お断りよ。無駄だと思うけど一度だけ忠告しておくわ。イースを返しなさい。そしてこの世界から手を引けば、命だけは見逃してあげる」 少女の脅しを受けて、ノーザは心底可笑しいといった様子で嗤う。その後、鬼の形相で少女を睨み付けた。 「最高傑作だと思っていたけど、とんでもない失敗作だったようね……。不良品は、処分が妥当な処置というもの――消えなさい!」 ノーザは、今度は二桁に及ぶ数の蔦を伸ばして攻撃する。それらは先ほどと違って、拘束用の触手ではなく、少女の身体を貫く槍と化して飛んだ。 しかし、少女はまるで動じない。左手はシフォンを抱えたまま、右手の甲で跳ね除け、掌で流し、片手だけで全ての攻撃を捌いていく。 気が付けば、蔦は全て根元から断ち切られ、少女はノーザの懐に踏み込んでいた。 少女の右手がノーザの首に伸びる。ギリギリと締め上げるその力の強さに、ノーザの冷たく整った顔が苦痛に歪んでいく。 「がっ! はッ……」 「最高幹部? たかだか人間の分際で、化け物である私に、勝てるとでも思ったの?」 「おのれ、調子に乗るな……。手に負えない駒を、無策で放つノーザではないわッ!」 ノーザの表情と声色から、完全に余裕が消え失せる。彼女の紫の瞳が怪しく光り、真っ赤な舌がチロチロと伸びる。 「カアッ!」と気合を発すると、今度は少女の方が崩れ落ちた。 「これ……は……?」 ノーザは、ようやく自由になった身体をほぐし、荒い息を整える。逆に少女は、苦しげに息を詰まらせていた。 目の前で、シフォンが泣きそうな顔で少女を見つめている。ノーザを絞め上げていたはずの腕が、逆に彼女自身の首を圧迫しているのだ。 自分の身体が自由にならない。首の後ろの一点だけが燃えるように熱いのは、ノーザの紋章が輝いているからだろう。 そのせいなのか、それとも酸欠のせいなのか、頭がぼうっとして、目がよく見えなくなってきた。 徐々に、世界が赤黒い闇に包まれていく。その闇に意識が飲み込まれそうになるのを必死で堪え、少女は何とか唇から言葉を絞り出した。 「そう。これが……もう一つの、保険って……わけね?」 「ええ、そうよ。管理国家の最高幹部たる者が、しもべの管理すらできないんじゃ、格好が付かないでしょう?」 形成を逆転させたノーザが、余裕を取り戻して笑みを浮かべる。 もっとも、少女は自由に動けないものの、いまだ死には至っていない。自害を命じたにも関わらず、意思の力で抵抗しているのだ。 しかし、それも時間の問題と思えた。徐々に抗しきれなくなって、少女の顔は血の気を失っていく。 「やっかいなことね。イースの記憶には、主に対する反逆の因子でも仕込まれているのかしら? でも、もう終わりにしましょう。今、楽にしてあげる――」 「クッ……」 ノーザが少女に詰め寄る。万が一にも、支配を解いて暴れ出さないとも限らない。その前に止めを刺そうと、尖った長い爪を少女に向けた。 その時だった―― ひゅん、と空間を切り裂いて飛ぶ、真っ赤なダイヤ。 殺気を伴った低く鋭い声が、がらんとした室内に響き渡る。 「ナケワメーケ、我に仕えよ!!」 そこに現れたのは、もう一人の東せつな。漆黒の闘衣に身を包んだ、本物のイース。 彼女の放ったダイヤは、ノーザと少女の間の狭い空間を切り裂き、背後に聳え立つ、不幸のゲージに突き刺さった。 「あなたは……」 「これは……どういうことなの? イース。答えなさいッ!」 「こういうことよ! ナケワメーケ、ノーザを捕らえろっ!」 不幸のゲージは、見る間に化け物へと変貌していく。階層を分ける仕切りから伸びた巨大な腕が、ノーザをゲージに押し付けて磔にする。 そしてイースは、握った拳を胸の中央で合わせて――大きく左右に開いた! “スイッチ・オーバー” 漆黒の衣が、白鳥のような純白の衣に切り替わる。 心が澄み渡っていく。憎しみは優しさに、破壊衝動は勇気に変わっていく。 光の差さない地下の部屋で、白銀の髪が煌く。暗闇の中で、月の如き純白の衣が光を放つ。 これこそが、鋼の檻を切り裂く刃。友の愛を剣に変え、イースが手にした新たな力。大空を翔ける自由なる翼。 「クッ、離せッ! まさか、お前は――最初から!?」 「その通りよ!」 「待って……。これはどういうことなの!?」 身体の自由を取り戻した少女が、わけがわからないという表情で、イースに問いかける。 イースは、申し訳無さそうに少女に向き直ると、事情を語り始めた。 「あの時、ノーザに敗れた私は、自分がソレワターセだという暗示にかけられたの。なんとか抵抗はできたけれど、ノーザを野放しにしたまま、逃げ出すわけにもいかなかった。 だから、私は半端にかかった暗示を利用して、心を邪悪に染めて、ノーザに従うフリをしたの。自分の計画が思い通りに運んでいる間は、おかあさんたちには手を出さないと思ったから……。 そうして、反撃のチャンスを待ったのよ。あなたには、悪い事をしたわ。ごめんなさい――」 「まさか、このノーザを謀るとはね……」 「四大幹部は、戦闘力だけで選ばれたわけじゃないわ。各々が得意とする能力を評価されて、この地に送り込まれたの。そして私の役目は、潜入と工作よ!」 「だけど、ここからどうするというの? ナケワメーケごときで、このノーザを倒せると思ったら――」 ノーザが力を込めると、ナケワメーケの腕が軋み、徐々に拘束が緩んでいく。 「動かないでっ! 何を背にしていると思ってるの? 抵抗するなら、不幸のゲージをこの場で壊すわよ!」 「そんなことをすれば、お前だって助からないのよ? それどころか、不幸のエネルギーが世界中に飛び散って、大いなる災厄をもたらすことになる」 「ええ。だから始めからこうするつもりで、工作を進めていたのよ。占い館を通常空間から切り離したわ。今なら、不幸のエネルギーを亜空間に閉じ込められる」 「なんですって!」 ノーザは不自由な指先を使って、空間からキーボードを呼び出し、館の位相を操作しようとする。 しかし、いくらボードを叩いても、ERRORの文字が表示されるだけだった。 「プロテクトをかけさせてもらったわ。これは私にしか解けない。伊達に毎日、管制室に通ったわけじゃないのよ」 「おのれ――おのれッ!!」 ノーザは警告を無視して、拘束を解いて空間転移を行おうとする。しかし、ゲージから新しく伸びた数本の腕が、更に固くノーザを拘束した。 彼女の空間移動は、アカルンのような瞬間移動ではない。自らが動けない状況ではどうしようもなかった。 「消えなさい、ノーザ。不幸のエネルギーと共に。私も付き合うわ――」 「駄目よ……」 イースが最後の命令を、ナケワメーケに下そうとする。それを、弱々しい少女の声が止めた。 「私はおかあさんに約束したの。東せつなは、必ず無事に帰って来るって。だから――その役目は私に……」 「あなたは本当に、せつなになったのね」 イースは少し驚いた顔をした後、優しげな視線で少女を見つめた。そして、その柔和な表情のままで、ゆっくりとかぶりを振る。 「ありがとう。でも、私は不幸のエネルギーを集めた者として、この嘆きと悲しみを、聞き届ける義務があるの。だから、今からはあなたが東せつなよ。おかあさんとおとうさんをお願い。そして、ラブたちを助けてあげて」 イースは、腰からリンクルンを取り出して、アカルンを呼び出す。 せめて、少女とシフォンだけでも逃がそうと。 その時――凛と響く新たな声が、部屋の外から聞こえてきた。 「待って!」 次の瞬間、不幸のゲージの間に設けられた、強固な扉が吹き飛ぶ。 扉を蹴破って現れたのは、三人の少女と一匹の動物。 その中央に立つキュアピーチは、手に小さな箱を抱えていた。 「話はクローバーボックスを通して全部聞かせてもらったよ! だけど、誰も犠牲になんてさせないから!」 「なっ……」 想像もしていなかった事態に、イースは軽い眩暈を覚える。 衝撃のあまり声も出なかった。まさか占い館を隠す前に、ピーチたちが入り込んでいたなんて。 ソレワターセの少女の侵入に、プリキュアの乱入。彼女たちを巻き込むまいと、綿密に立てた計画が、水の泡と消えていく。 (どうして……) どうしてこうも、思うように事が運ばないのか……。 「フフフ、フハハハ……」 不意に響き渡った高らかな笑い声に、イースはハッとして身構える。 ピーチたちに気を取られた、ほんの一瞬。その間に、ノーザはナケワメーケから解放され、殺気を漲らせて立っていた。 そのノーザを守るように、たった今、ナケワメーケの宝玉を打ち砕いた少女――ソレワターセが付き従う。 「最後に勝つのは、私だったようね。ちょっと手こずったけど、ソレワターセを完全に支配したわ。私の想像を超える化け物に成長した、この子の力――四人で敵うか、試してみるがいい!」 光を失った少女の瞳が、破壊と略奪の衝動に、赤黒い炎を燃やす。姿だけは、まだせつなのままで――見る者をゾッとさせるような、冷たく残忍な表情で笑った。 呆然と立ち尽くす四人。元の姿に戻った、大きく亀裂の入った不幸のゲージが、ミシミシと不気味な音を立てながら、そんな四人を見下ろしていた。 幸せの赤い翼――翼の種子のパッション(最後に残された幸せ)へ