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「あぁ、もうしっかり歩いてよぉ」 「歩いてますよぉ〜」 「ふらふらして、よう言うわ。 てか、鍵は?カバンの中?」 「そうでしゅ」 でしゅ、て・・ あたしは、のっちのカバンの中をごそごそ。 相変わらず、散らかっていて、わけがわからん… なんとか、奥底から鍵を見つけ出し、ドアを開ける。 もうすでに、できあがってしまってるのっちを ずるずると引きずって、ベッドに寝かせた。 はぁ・・ ため息一つ。 見渡すと、カバンの中なんて比じゃないくらいに 散らかった部屋。 「…のっち、、、さすがにこれはヒドイじゃろ・・」 「ゆかたん、泊まっていきますか?」 酔ってるのっちは、あたしの言葉なんかお構いなしだ。 「…泊まっていかんよ・・」 「どうしてれすかぁ」 「酔っ払いの面倒は、みれられんもん」 「酔っ払ってましぇんよぉ」 目の前には、ふにゃふにゃ幸せそうに 半分まぶたの閉じてるのっち。 あぁ・・・ダメだよ・・・・ 油断すると、全ての感情がもっていかれそうになる。 「…じゃ、その変な敬語みたいなのなんなん?」 「なにが、れしゅか?」 「のっち、、、酔っちゃうと、いつもそだよね」 「うへへw」 のっちは、右手で顔を抑えると へらへらっと笑った。 そう、のっちは酔っ払うと 変な敬語を使う。 だからきっと、あの時 のっちは、酔ってはいなかったんだ・・・ むにゃむにゃ。。。 言葉にならないコトバを呟いて のっちは眠ってしまった。 そっと、手をのばす。 触れるか触れないか。 いつもその距離で、止まってしまう。 きっと触れてしまったら 崩れてしまうから。 とめどない 愛情と後悔。 どんどん溢れでてきて 溺れてしまいそうだよ。 その前に帰ろう。 そう思った瞬間 手をぎゅっとつかまれた。 えっ!? 起きては、、、ない。 眠っている。 −もう、なんなんよ。。。 呟いた言葉は 部屋の片隅に消えていった。 同時に、流れ出てくる涙。 なんで なんでこんなに好きなんだろう。 なんで あの時 のっちのことを つかまえておかなかったんだろう。 一年ちょっと前。 今日と同じように 酔っ払ったのっちを連れて帰ってきたことがあった。 ゆかも、今日よりは酔っていて 二人とも、とてもいい気分だった。 のっちたちもオトナになったねぇ。 なんて他愛のない会話をしてたんだと思う。 正直はっきりとは覚えてない。 ただ、きゅうにのっちが静かになってからのことは 昨日のことのように鮮明に覚えている。 急に黙り込むから 「のっち、どしたん?」 そう言って、少しのっちとの距離を縮めた。 顔を上げて、ゆかを見つめるその瞳は 今まで見たことがない表情をしていた。 その瞳に、ココロを奪われた瞬間。 そっと、頬にキスされた。 軽いノリでなら、何度かしたことがあった。 でも、そのキスはそんなのじゃなかった。 戸惑ってコトバがでないゆかにのっちは 「ゆかちゃん、、、のっちと付き合ってよ」 と言った。 わけがわからなくなったゆかの口から ようやくでたコトバは 「なぁに言っとるん。のっち、だいぶ酔ってるじゃろw」 だった。 のっちは 「あぁ、、、だねぇ・・今日はかなり呑んだもんねぇ」 そう言って、そのままベッドに転がり込んで眠ってしまった。 その時は、ほんと 別に好きな人がいたんだ。 けど その後 どんどん どんどん のっちに惹かれていった。 あの夜の瞳が頭から離れなくなった。 きっと、あの瞬間 堕ちてしまってたんだね。 日々、後悔に飲み込まれていく日々。 苦しくて 苦しくて・・ 耐え切れなくなって ぶつけようとした時 のっちの右手に見たことない指輪。 ほんとに手が届かないとこにいってしまった。 けど、 想いは消えることを忘れてしまったかのように 未だ、ゆかはのっちに 囚われたままだ。 今だってほら 繋がれたのっちの右手に光る指輪。 身動きの取れないあたし。 行き場を失った想いは 涙となって流れ出る。 うっ・・・うぅ・・・ のっち・・・ ゆかをもう 自由にして、よ・・・ n-side 目が覚めると ゆかちゃんと手を繋いでいた。 てか、 んなとこで眠ってたら風邪引くじゃん・・ ふとんをかぶせてあげようかと思ったけど やっぱ、お姫様はベッドだね なんて。 起こさないように ゆかちゃんを、ベッドに横たえる。 あれ、涙のあと? なんか、あったんかな・・ 胸がぎゅっと 締め付けられた気がした。 そっと手を伸ばし 涙の跡を拭う。 もっと頼ってくれたらいいのに・・ 弱さをみせて欲しい。 のっちは、いつだって ゆかちゃんの味方なんだから。 無意識にカラダが動く。 あの日と同じとこに 頬に 唇をおとす。 あ、やば・・ なにしてんだか、今さら・・ 相変わらずな自分に苦笑いし ソファに横たわり 再び、眠りに落ちていった。
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岐阜 岐阜市 「中核市」岐阜駅 名鉄岐阜駅 カラフルタウン岐阜 (イトーヨーカドー柳津店) マーサ21 (イオン岐阜店) イオン柳津店 オーキッドパーク ゲオ岐阜茜部 (あかなべ) 店 大垣市 (10万人以上都市)大垣駅 イオンモール大垣 アクアウォーク大垣 イオンタウン大垣・大垣コロナワールド 各務原市 (10万人以上都市)鵜沼駅・新鵜沼駅 アクア・トトぎふ イオンモール各務原 イオンタウン各務原 アピタ各務原店 多治見市 (10万人以上都市)多治見駅 バロー多治見店 県立多治見病院 可児市 (10万人以上都市)可児駅・新可児駅 西可児駅 エディオン可児今渡店 ヤマダ電機 テックランド可児店 関市サンサンシティ・マーゴ(イオン関店) 高山市高山駅 高山の古い町並み エディオン高山店 ゲオ 高山昭和店 中津川市中津川駅 恵那峡ワンダーランド 博石館 アピタ中津川店 羽島市羽島ウィング151 コストコ岐阜羽島倉庫店 土岐市土岐市駅 土岐プレミアム・アウトレット 美濃加茂市美濃太田駅 アピタ美濃加茂店 瑞穂市穂積駅 PLANT-6 瑞穂店 恵那市恵那駅 ココス恵那店 銀の森 ゲームスペース宝島 恵那店 バロー恵那店 ピアゴ恵那店 郡上市郡上八幡城 瑞浪市瑞浪駅 ピアゴ瑞浪店 海津市国営木曽三川公園 (木曽三川公園センター) 千代保稲荷神社 本巣市モレラ岐阜 下呂市下呂駅 山県市平和堂高富店 飛驒市古川の古い街並み 美濃市イオンタウン美濃 可児郡御嵩町ラスパ御嵩 岐阜 パネル当地…メトロイド アザーエム、スーパーマリオ3Dランド 隣接…スーパーマリオギャラクシー2、マリオカート7 (愛知) 隣接…NewスーパーマリオブラザーズWii、スーパーマリオ3Dランド (長野) 隣接…マリオ クッパ、スーパーマリオ3Dランド (富山) 隣接…スーパーマリオギャラクシー2、スーパーマリオ3Dランド (石川) 隣接…ゼルダの伝説、マリオカート7 (福井・三重) 隣接…星のカービィ、マリオカート7 (滋賀) ※概要 人口が多い順(市→町→村)に並んでいます 最新データ 2014年10月1日より (中核市は別です 中核市→岐阜市に並んでいます○○郡○○町もしくは村は、郡に分けて、人口が多い順に並んでいます) ※人口 岐阜県総人口(2010年国税調査)2,080,773人 長良川の鵜飼い、金華山や岐阜城が有名な県庁所在地かつ中核市「岐阜市」、 日本のど真ん中の都市で知られ、さらには、松尾芭蕉のおくのほそ道の舞台でもあり別名「水の都」、イオンモール・イオンタウン・アクアウォークなどと 商業施設が集まる県下人口第2の都市を誇る「大垣市」、航空科学博物館で知られる、名古屋市・岐阜市のベッドタウン県下人口第3の都市「各務原市」、 美濃焼やうなぎで知られ、日本一暑い街として知られる県下人口第4の都市「多治見市」、日本一面積が大きい市として知られる飛騨の小京都でもある「高山市」といった 織田信長公が1567年に「井ノ口」から「岐阜」へと改称した日本のほぼ中央に位置する県、朴歯味噌や白川郷などが有名な「岐阜県」 中部地方としては、人口が5番目くらいで長野県と同じくらいの難易度で普通です 最近、飛騨市では「君の名は。」や大垣市は「聲の形」といった聖地で話題沸騰中である。 高山市では、高山市を舞台したアニメ「氷菓」、外国人観光客で殺到しており海外とのすれ違いも期待出来る!? 岐阜市 「中核市」 岐阜駅 最寄駅JR東海道本線・高山本線 「岐阜駅」 名古屋鉄道名古屋本線・各務原線 「名鉄岐阜駅」 (徒歩10分) 岐阜市の中心駅 駅構内で5人くらいすれ違うことが出来る ペデストリアンデッキ行けばより良くすれ違いやすくおすすめ 愛知県民とのすれ違いも簡単に来る 名鉄岐阜駅 最寄駅名古屋鉄道名古屋本線・各務原線 「名鉄岐阜駅」 JR東海 (東海道本線・高山本線) 「岐阜駅」 (徒歩10分) カラフルタウン岐阜 (イトーヨーカドー柳津店) 最寄駅名鉄竹鼻線 柳津駅 徒歩20分 マーサ21 (イオン岐阜店) 最寄駅JR東海道本線・高山本線 岐阜駅 バス15分『正木マーサ前』下車・200円 名鉄名古屋本線・各務原線 名鉄岐阜駅 バス15分『正木マーサ前』下車・200円 食料品売り場で実績があった模様。 すれちがい中継所TM可能装置施設内あり イオン柳津店 最寄駅名古屋鉄道竹鼻線 「柳津駅」 (徒歩8分) オーキッドパーク 最寄駅JR東海道本線・高山本線 岐阜駅 徒歩12分 名鉄名古屋本線・各務原線 名鉄岐阜駅 徒歩16分 ゲオ岐阜茜部 (あかなべ) 店 最寄駅名鉄名古屋本線 茶所駅・岐南駅 大垣市 (10万人以上都市) 大垣駅 最寄駅JR東海道本線・東海道本線(美濃赤坂支線)・樽見鉄道樽見線・養老鉄道養老線 「大垣駅」 西濃地方の中心都市、水都の異名で知られる大垣市の中心駅。 南口にいれば3人くらいすれ違うことも出来るが、 北口ではアクアウォーク大垣に行ける連絡デッキがあるため北口もおすすめできる。 愛知県民や近畿地方のすれ違いもある。 最近、映画「聲の形」の聖地として人気になっているため遠方からのすれ違いが期待UP!? イオンモール大垣 最寄駅JR東海道本線・東海道本線(美濃赤坂支線)・樽見鉄道樽見線・養老鉄道養老線 大垣駅 バス19分『イオンモール大垣』下車 養老鉄道 美濃青柳駅 アクアウォーク大垣 最寄駅JR東海道本線・東海道本線(美濃赤坂支線)・樽見鉄道樽見線・養老鉄道養老線 「大垣駅」下車、北口よりブリッジで直結 2階のセガワールドで5人程すれ違うことが出来る。 1時間で10人集まることも出来る。 ただ、ずっと居るとスピードが落ちるかも? イオンタウン大垣・大垣コロナワールド 最寄駅JR東海道本線・東海道本線(美濃赤坂支線)・樽見鉄道樽見線・養老鉄道養老線 「大垣駅」 (徒歩15分) 各務原市 (10万人以上都市) 鵜沼駅・新鵜沼駅 最寄駅JR高山本線 「鵜沼駅」 名古屋鉄道犬山線・各務原線 「新鵜沼駅」 JRより名鉄が乗降客数が多いが、 あんまりおすすめできない。 すれ違ったとしてもたったの1・2人 アクア・トトぎふ アクセスhttp //aquatotto.com/about/access/index.html イオンモール各務原 最寄駅名鉄各務原線 新加納駅 徒歩12分 名鉄各務原線 新那加駅・各務原市役所前駅 バス『イオンモール各務原』下車・100円 すれちがい中継所TM可能装置施設内あり 土日祝日は愛知県から遊びに来る人も多く、1日で30人~40人とすれ違う事も可能。 1階のJOSHIN付近と2階のナムコのゲーセン、ジャスコ側3階のゲーセンがお勧め。 夕方17時以降はお客さんが一気に少なくなるので、晩ご飯時を狙って3階のフードコートとフードコートから直結で行ける本屋さんがお勧めかと思われる。 イオンタウン各務原 最寄駅名古屋鉄道各務原線 「各務原市役所前駅」 (徒歩15分ほど) アピタ各務原店 最寄駅JR高山本線 「各務ヶ原駅」 (徒歩10分ほど) 名古屋鉄道各務原線 「名電各務原駅」 (徒歩10分ほど) 多治見市 (10万人以上都市) 多治見駅 最寄駅JR中央本線・太多線 「多治見駅」 東濃地方の中心都市、多治見市の中心駅。 駅構内で3人ほど来る。 愛知県民からのすれ違いも簡単に来る。 ただ、遠方からのすれ違いはあまり来ない。夏はものすごく暑いので水分補給は必ずに取ろう。 バロー多治見店 最寄駅JR中央本線・太多線 多治見駅 県立多治見病院 最寄駅JR中央本線・太多線 多治見駅 バス7分『県病院』下車 可児市 (10万人以上都市) 可児駅・新可児駅 最寄駅JR太多線 「可児駅」 名古屋鉄道広見線 「新可児駅」 西可児駅 最寄駅名古屋鉄道広見線 「西可児駅」 エディオン可児今渡店 最寄駅名古屋鉄道広見線 「日本ライン今渡駅」 (徒歩5分ほど) ニンテンドー3DSステーション設置店 ヤマダ電機 テックランド可児店 最寄駅JR太多線 「可児駅」 (徒歩25分) 名古屋鉄道広見線 「新可児駅」 (徒歩25分) ニンテンドー3DSステーション設置店 関市 サンサンシティ・マーゴ(イオン関店) 最寄駅長鉄越美南線 刃物会館前駅 休日の日中であれば、ゲームコーナー(本館1階/シネマ館2階)やフードコート(本館1階)やマーゴ夢広場(本館2階)などで、すれ違いが可能。 すれちがい中継所TM可能装置施設内あり 高山市 高山駅 最寄駅JR高山本線 「高山駅」 飛騨地方の代表する観光地、高山市の中心駅 観光客で賑わうが、シニア層が多いので若干乏しい。 ただ、最近は海外からの観光客が多いのでもしかしたら海外とのすれ違いがあるのかもしれない。 高山の古い町並み 最寄駅JR高山本線 「高山駅」 (徒歩15分ほど) 高山市の人気観光スポット 近年、外国人観光客が増えているため、 もしかしたら、外国人のすれ違いが来るのかも知れない。 エディオン高山店 最寄駅JR高山本線 「高山駅」 (徒歩15分ほど) ニンテンドー3DSステーション設置店 ゲオ 高山昭和店 最寄駅JR高山本線 「高山駅」 (徒歩7分ほど) 中津川市 中津川駅 最寄駅JR中央本線 「中津川駅」 中津川市の中心駅 思ったより駅の利用者が多く感じる。そのため、多治見市に岐阜東濃地方のすれちがいの核となっている。 長野県境に位置しているため、長野県民とのすれ違いもあり、たまに愛知県民も来る。 外国人観光客も見かけるが、そんなに期待はしないほうがよいのかも。 恵那峡ワンダーランド 最寄駅JR中央本線「恵那駅」→路線バス(蛭川和田線)より15分~30分 「天佑稲荷前」下車→徒歩3分 博石館 アクセスJR中央本線 「恵那駅」下車→東鉄バス「蛭川和田行き」約25分 アピタ中津川店 最寄駅JR中央本線 中津川駅 徒歩10分 1Fマクドナルド・ゲーム売り場、2Fスガキヤ付近のこどもが多そうなところで、すれちがいやすい。 長野県木曽エリア(松本ナンバー)の車もいるのでおすすめ。 羽島市 羽島ウィング151 最寄駅名鉄竹鼻線 竹鼻駅 徒歩20分 コストコ岐阜羽島倉庫店 最寄駅JR東海道新幹線 「岐阜羽島駅」 (徒歩27分) 名古屋鉄道羽島線 「新羽島駅」 (徒歩27分) 最近出来た、新しいコストコ 県外からのすれ違いが期待できる。 土岐市 土岐市駅 最寄駅JR中央本線 「土岐市駅」 土岐プレミアム・アウトレットに行く方もおり、時々県外からのすれ違いもある。 ただ、ほとんど車で行くのが多いので、そんなには期待しないかも? ただ、観光シーズンになれば少し倍増し期待出来る。 土岐プレミアム・アウトレット 最寄駅JR中央本線 土岐市駅 バス15分 東濃地区では最大級のショッピングモールであるため、休日は駐車場が非常に混雑する。 休日は他県 (愛知・長野・滋賀・福井など) のナンバーを付けた車が来るのでそれだけすれちがい確率も上がる。 8月28日お昼には2時間半で11人すれ違えました。 フードコートにて混雑時であれば、10人集まってから一通りゲームをこなす間に10人貯まることも。 美濃加茂市 美濃太田駅 最寄駅JR高山本線・太多線・長良川鉄道越美南線 「美濃太田駅」 3つの路線が乗り入れる美濃加茂市の中心駅 最近、岐阜アニメとして盛り上がっているため「のうりん!」もここ美濃加茂市が聖地。 ただ、あまり来ないかも? アピタ美濃加茂店 最寄駅JR太多線 美濃川合駅 徒歩5分 瑞穂市 穂積駅 最寄駅JR東海道本線 「穂積駅」 駅のホームで2人前後すれ違う。 PLANT-6 瑞穂店 アクセスhttp //www.plant-co.jp/shop/shop15.html 恵那市 恵那駅 最寄駅JR中央本線・明知鉄道明知線 「恵那駅」 1時間以内に3人前後すれ違うことが出来る。 観光シーズンになれば、遠方からのすれ違いも出来る。 ココス恵那店 最寄駅JR中央本線・明知鉄道 恵那駅 徒歩15分 銀の森 最寄駅JR中央本線・明知鉄道明知線 「恵那駅」 (徒歩30分) ゲームスペース宝島 恵那店 最寄駅JR中央本線・明知鉄道 恵那駅 徒歩10分 バロー恵那店 最寄駅JR中央本線・明知鉄道 恵那駅 徒歩5分 ピアゴ恵那店 最寄駅JR中央本線・明知鉄道 恵那駅 徒歩15分 郡上市 郡上八幡城 最寄駅長谷川鉄道越美南線 「郡上八幡駅」 (徒歩41分) 最近、TripAdvisor行ってよかった!日本の城ランキング2015で20位にランキングした城 徐々に観光客も増えているので県外からのすれちがいも期待できる。 瑞浪市 瑞浪駅 最寄駅JR中央本線 「瑞浪駅」 瑞浪市の中心駅だが、土岐市の土岐市駅や恵那市の恵那駅に押されているのか? あまり来ない。来たとしても、1か2人程。 ピアゴ瑞浪店 最寄駅JR中央本線 瑞浪駅 二階フードコート周辺にゲームコーナー・おもちゃ売り場が有るため、週末は子供が良く集まり、それを狙った大人が複数機持ちでフードコートに居座るため、あっさりカンストする事がある 海津市 国営木曽三川公園 (木曽三川公園センター) アクセス養老鉄道養老線石津駅より海津市営バス「木曽三川公園」下車 千代保稲荷神社 アクセス海津市営バス海津羽島線 お千代保稲荷前バス停 おちょぼさんとして知られる日本三大稲荷といわれる神社※あくまで諸説 観光客で時々賑わう、すれ違うとしたら門前町がおすすめだ。 ただ、アクセスとしてはかなり悪いので車で行くのがベストです。 本巣市 モレラ岐阜 最寄駅樽見鉄道 モレラ岐阜駅 徒歩5分 平日は昼間は一時間4~5人、夕方~夜は1~2人程と大人しいが、週末及び祝祭日に爆発的な効率を出す穴場 開店~午後5時辺りまで一気にすれ違い数が増えて行く カバンやリュック内に3DSを入れて動き回る他にフロア内の休憩用の椅子で3DSを構え定点する子供も多く見られる 主なすれ違いポイントは1Fフロア全域と2Fのラウンド1店内のアイカツ及びポケモントレッタ筐体周辺~音ゲーエリア近辺 2Fの他の場所や、一見多そうなTOHOシネマズは意外とすれ違わずフードコートも基本お年寄りが多くすれ違いは少な目なので注意 フロアの幅が狭く東西に長い形状をしているので人の流れが決まっており、東か西側のどちらかから入って反対側まで通り抜けて行くと良い アクセスも良さそうで駐車場も大きいが出入口と通路が狭いので昼頃には既に混雑しがち 公共の交通機関&徒歩で乗り込むか、午前中の空いてる時にさっさと入って3DSでゲームしながら時間を過ごすと良い ラウンドワンが16歳未満禁止になる午後5時を過ぎると以後は効率が落ちて行く一方なので 適当な所で切り上げるか、場所を1Fの出入口付近に移すと良い 下呂市 下呂駅 最寄駅JR高山本線 「下呂駅」 日本三名泉下呂温泉で有名な下呂市の中心駅 本数が少ないので乗降客数が少なくすれ違い地域としては不向きな地域が、低確率で県外のすれ違いがある。 山県市 平和堂高富店 アクセス(場所)http //www.heiwado.jp/profile/gifu.html 飛驒市 古川の古い街並み 最寄駅JR高山本線 「飛騨古川駅」 散策に訪れる観光客が多くなっている 少ないため、1人か2人くらいしか来なかった。 最近、映画「君の名は。」の聖地として人気を博しているため 県外からのすれ違いも期待がUP!? 美濃市 イオンタウン美濃 最寄駅長谷川鉄道越美南線 「美濃市駅」 (徒歩15分) 可児郡御嵩町 ラスパ御嵩 最寄駅名鉄広見線 新可児駅 徒歩30分 JR太多線 可児駅 徒歩30分 店内であれば1階でも2階でも、どこでもすれ違いできる感じ。 適当にウィンドウショッピングを楽しみつつ、歩き疲れたらチェックするっていうのが一番良さそう。 地元の子の間で、「ラスパ御嵩ならすれ違いできる」と話題になっているのか、明らかにすれ違い目当てで来てるらしい子供も居た。 店内はそこまで混雑していなかった(少し賑やか程度)ので、もっと混むような時間帯や、何かイベントやってる時に行けば、 この地域最大規模のすれ違い天国になるかも?
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ミニスライムは黄色の勇者のコンビの合体魔法を使った後に攻撃すると当たりやすくなった。 -- 2012-08-01 22 24 08 ぼくは全て闇の王出現まで130人程度でいきました。ゲームコインだけでクリアするのは超むずいです。-- 2012-08-18 21 35 00 ピンクの魔法の後に黒の魔法を使ったら「勇者たちは冷静になった」と出たので重ねがけはできないようです。 -- 2012-08-21 23 08 27 黄色のMiiのレベル7が居ると序盤の部屋は無双可能です 但し進む場所によっては青2人または水色1人が必要になります 水色が必要なルートの場合赤が1人居ると確実に無双出来ます -- {201体で役不足と帰っていったので黄色合体魔法で解除できるらしい -- 2012-09-16 16 05 10 裏伝説を少ない人数でクリアするコツ最初に黄色レベル7と青レベル7×2を連れて行く 最初のスライム2体を黄色魔法で倒す 次の部屋で黄色の勇者でゴーストを攻撃する スライムを青の勇者で倒す 裁きのほこらへ進む黄色の勇者でアイアンゴーレムを攻撃する次に赤のレベル7×2を連れて行く 広場に4人前後Miiが来ている状態でスタートするのが望ましい アイアンゴーレムを赤の合体魔法で攻撃する 次の部屋へ 赤のコンビでよろいゴーストから先に倒す 続いてしにがみ隊長を攻撃する 次の部屋へ ここですれちがった勇者の出番 薬で呪いの雲をはらう 赤のコンビで攻撃する 次の勇者で帰った勇者3人を呼び戻す 再び赤のコンビで攻撃 次の部屋はどっちでも構わないです 但し赤のコンビはふきつなほこらまで温存すること 長くなるのでいくつかに分けて説明します -- 2012-10-06 03 45 59 次に赤のレベル7×2を連れて行く 広場に4人前後Miiが来ている状態でスタートするのが望ましい アイアンゴーレムを赤の合体魔法で攻撃する 次の部屋へ 赤のコンビでよろいゴーストから先に倒す 続いてしにがみ隊長を攻撃する 次の部屋へ ここですれちがった勇者の出番 薬で呪いの雲をはらう 赤のコンビで攻撃する 次の勇者で帰った勇者3人を呼び戻す 再び赤のコンビで攻撃 次の部屋はどっちでも構わないです 但し赤のコンビはふきつなほこらまで温存することふきつなほこらで一度終了させる 理由は白のレベル7を連れて来るため 広場に居るMiiが4人以下の状態でスタート白のレベル7 赤のレベル7×2を連れて来る 赤の合体魔法でゴールドゴーレムを攻撃 その後呼び戻して再び攻撃 次の部屋へ ダイヤモンドゴーレムも先程同様に赤の合体魔法で攻撃その後呼び戻して再び攻撃を繰り返す 次の部屋へ 冷気のトラップを解除するために赤のコンビが居なくなってしまうので次の勇者で呼び戻す 最初にまふうじの雲をはらう 赤の合体魔法で攻撃する 次の勇者で赤のコンビを呼び戻す 白のレベル7でしにがみ隊長を倒す 次の部屋へ くらやみのトラップを解除する為に白のレベル7が居なくなるので 次の勇者で呼び戻す 白の勇者を一度列の最後尾に次の勇者で呪いを解除する 白の魔法で攻撃 先に他の勇者でしにがみ大臣にダメージを与えておく その後赤の合体魔法でまとめて倒す 次の部屋へ よろいだいまおうを赤の合体魔法で攻撃する -- 2012-10-08 01 28 30 ふきつなほこらで一度終了させる 理由は白のレベル7を連れて来るため 広場に居るMiiが4人以下の状態でスタート白のレベル7 赤のレベル7×2を連れて来る 赤の合体魔法でゴールドゴーレムを攻撃 その後呼び戻して再び攻撃 次の部屋へ ダイヤモンドゴーレムも先程同様に赤の合体魔法で攻撃その後呼び戻して再び攻撃を繰り返す 次の部屋へ 冷気のトラップを解除するために赤のコンビが居なくなってしまうので次の勇者で呼び戻す 最初にまふうじの雲をはらう 赤の合体魔法で攻撃する 次の勇者で赤のコンビを呼び戻す 白のレベル7でしにがみ隊長を倒す 次の部屋へ くらやみのトラップを解除する為に白のレベル7が居なくなるので 次の勇者で呼び戻す 白の勇者を一度列の最後尾に次の勇者で呪いを解除する 白の魔法で攻撃 先に他の勇者でしにがみ大臣にダメージを与えておく その後赤の合体魔法でまとめて倒す 次の部屋へ よろいだいまおうを赤の合体魔法で攻撃する -- 2012-10-08 02 05 19 コンビだと3倍ダメージは出ないと書いてあるけど普通に出るよね? 少なくとも自分はダブルピンクの魔法で出るのを確認してる -- 2012-11-20 19 20 12 金のカギ入手戦の攻略法、若干運がありますが 作戦4よりさらにコイン消費量理論値が多い方法あります。 1.歴代勇者でできるだけ低レベル勇者(色不問)を2人・レベル不問でピンクを1人雇う (高レベル勇者はLv7を2人が理想ですが、私は7 5で行けました) 2.さすらいなりすれ違いなりでピンクをもう1人、薬要員最低3人(失敗に備えて+数人推奨)の構成で突入 3.開始したら薬要員で晴れの薬を使用 4.ピンク2人でコンビ魔法発動5.あとは高レベル勇者(コンビ組まないで)で殴る→高レベルキャラが尽きたら薬要員で仲間の薬の繰り返し(最初の仲間の薬使用時はピンク2人や薬要員だけが復活してしまう事もありえるが、泣かない)理論平均値(歴代でLv7が2人・ピンク1人の場合)は、 Lv7勇者2人→9×2=18Lv1ピンク1人→3枚 晴れの薬→2枚Lv7の3倍ダメージが2回づつあたるとすると1ターンに42ダメージ 250÷42でLv7が約6回攻撃すれば倒せる。 ここから仲間の薬の使用量は2回で8×2=16枚理論上平均で39枚で倒せる感じです。(3回あたることも結構あるので調節可) 高レベルキャラの色の組み合わせを問わない上コインの消費も少なく、消費人数も運次第ですが他の方法より少ない場合が少ないので ラストゴーストの残HP調節に失敗して人数を消費してしまった場合もリカバー出来る -- 2013-01-17 22 42 18 …理論上平均、っていうには、ランダム要素(特に薬のスカの有無)がありすぎますネ。Lv7勇者の攻撃が確率通りに当たった場合の最小値、です。 コイン消費量よりも、低レベルキャラの色の組み合わせを問わないのが最大のメリットかな… -- 2013-0116 22 58 ゴールドゴーレム、ダイヤモンドゴーレムは黒魔法が弱点です。 -- 2013-08-17 07 17 18 水色の勇者か、黄緑色の勇者を雇い、レベル7の勇者がいればやみの遺跡のあれくれミイラ2体をまとめて倒せます。 -- 2013-09-06 17 27 01 今回の更新から「ウサギサポート」 が実装されたのですが、それについての説明追記はこのwikiにも必要? (MAP時にXボタンで未入手チケットのある場所表示は本当に有難い、、、。) -- 2015-04-15 22 53 38 ミニスライムは黄の魔法で倒せました -- 2016-09-24 15 38 21
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攻撃省・攻撃隊へようこそ 防衛省・自衛隊の裏垢という設定です もちろん架空の組織です 日本の攻撃を任務としています 役職・組織一覧(令和3年4月時点) 攻撃大臣 攻撃副大臣 攻撃大臣補佐官 攻撃大臣政策参与(3人以内) 攻撃大臣政務官 事務次官 攻撃審議官 攻撃大臣秘書官 攻撃装備庁 攻撃装備庁 統合幕僚監部 統合幕僚長 統合幕僚学校 共同の部隊 攻撃隊情報流出隊 攻撃隊指揮通信システム隊 共同の機関 攻撃隊体育学校 攻撃隊中央病院 攻撃隊地区病院 攻撃隊地方敵対本部 陸上幕僚監部 陸上幕僚長 陸上攻撃隊の部隊及び機関 海上幕僚監部 海上幕僚長 海上攻撃隊の部隊及び機関 航空幕僚監部 航空幕僚長 航空攻撃隊の部隊及び機関
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8月29日放送 オープニング 「じゃん・ねい・じゃん」ヤクシマルヒロエ(?)さん 今年の夏はそれほど暑い日が無かった気がする。 京都の夏の暑さに比べると東京は全然暑さを感じない。 留守電の話。今年の夏で一番楽しかった日の話。 番組の企画でBBQをすることになったチュート。 行きのバスから、何でかしらないけどメッチャ笑っている。 パーキングでアイスを食べて盛り上がる、麒麟田村とブラマヨ小杉。 小杉「楽しいなぁー、楽しいなぁー!」 数分後、はしゃぎすぎて腹痛をもよおす小杉。 吉本のファミリー的な空気は凄く楽しい。ヘンに気を遣わなくてすむ。 今のドラマ(派遣のオスカル)の現場はスタッフさん曰く、いろんなジャンルの人が居るので、気を遣わなくて済み、とてもやりやすいらしい。 関東の芸人秩序?を乱しているのは吉本興業らしい。 チュートの場合は、徳井はNSC13期だが、福田はNSC出身ではない。けれど徳井の幼馴染だからタメ口で喋る…というのでややこしい。 徳「これから敬語でいけ!何を思ってため口で喋っているのかわからんけど……w」 福「幼稚園からタメ口やんかw」 ロケが終わって帰りのバスはガッツリ寝ていた一行。 寝ている小杉にいたずらをする徳井(小さくちぎって丸めたティッシュを投げつける) 太陽の小杉エンジェル 週刊リアル情報局 →人生初のオフ会に参加してきました。お二人ならどんなオフ会に参加してみたいですか? 男でも最初は不安で怖いと思う。 福「俺なら中のいい友達と一緒に行くと思うわ」 共通の趣味があるもの同士だと、初対面の人とでもすんなり話せるのではないだろうか。 ミスチルがスキと言ってもそこまで熱狂的じゃないから行けない。 バイクも毎日乗ってるわけじゃないからあんまり、でもミスチルのオフ会に行くならバイク好きのオフ会に行きたいと思う。 YUKIちゃんのオフ会へ行きたい徳井。 ライブスタンド内でもあったかもしらんね BBQロケに行くバスでテンションマックスになる自分たちって……。 父親の車を借りて白浜へ行くブラマヨ吉田。 それがもう特別過ぎるイベントという感覚になっている自分たち芸人って、なんという職業だろうか。 秋に単独ライブをやるので来て下さいね。11月前後ぐらい? →木部ちゃんがぷよぷよのCMに出演されているのはご存知ですか? (参照:http //puyo.sega.jp/puyopuyo7/cm/index.html) ※(スペシャルコンテンツ)みんなのぷよ顔→焼肉店スタッフ すっちーよりも全国CMデビューが早い木部ちゃん 今の方がカッコイイ木部ちゃん 最近は音信不通気味の木部ちゃん でも仕事はすごく頑張っているらしく、たむらさんからもたいへん信頼されている 芸人時代はすっちゃんから全く信頼も期待もされていなかった木部ちゃん 最近の若い子はビッキーズを知らない可能性もある。 逆に最近の大阪の若手は知らない子ばっかり。 銀シャリ、ジャルジャルはまだわかる。 その中に$10さんが混じってネタやってるのは凄く格好良かった。 →修学旅行の思い出を聞かせて下さい 中学は東京、高校は山梨でスキー ヤンキーの動きが怖かった福田 女子のヤンキーの女の子を影でいじっていたのを男のヤンキーに知られてしまい、ボコられたりするのではないかと様子を窺っていた時期だったらしい。 ビッグサンダーマウンテンに乗ろうと並んでいたら、フリーパスを失くした徳井。 「俺だけ乗れへん!やってもうたー!」と青ざめていた(結局は係員さんが気付いて乗せてもらえた)。 修学旅行でファンタレモンの美味しさを知った福田。 ウソブロ →まえだまえだのこうきくんのブログ 2019年8月 『発覚』 もうご存知かもしれませんが、実は僕撮られてしまいました。 相手は一般人の方なのであまりつっこまないよう、お願いします。 →中尾彬のブログ 8月8日(土) 志乃と一緒にディナーへ行った。 バイキングだったので、志乃がケーキを取りすぎて 最後は俺が食べさせられる羽目になってしまった(泣) →源頼朝 我ながら天晴れ ついに今日、鎌倉幕府を創立することが出来た。 後世に広く伝えるためにはどうすればいいかと部下に相談したところ、語呂合わせはどうかと提案が出たのだ。 1192、イイクニ、これはいい! これからは「いい国作ろう鎌倉幕府」と覚えるのじゃ!! エンディング川柳 『二次元に 萌えて家系を 絶やす俺』 ネタジングル 猫に小判を現代風にアレンジして下さい → 坂東にiPhone 自由研究をしなければならないカツオ君。カツオ君が選んだ下らない研究とは? → 中島の草野球の打率 絶対に聞きたくない、オカンの寝言とは? → いや~、いっぱい出たね 「ドはドーナツのド」に飽きたので、新しいドを作って下さい → ドはどっちか言うたら猫派 8月22日放送 オープニング 「ヒライズミセイです!」平泉成さんのモノマネ 留守電のお話。34歳になりました。 いよいよ“若手”芸人と言えなくなってきました。 リアル中年。 嗚呼ニッポンの兄弟をやっていた頃は時々子ども達に「おっちゃん!」と言われてちょっと抵抗を感じていたが、 今もし子ども達に「お兄ちゃん!」と言われたら「いやいやいや…おっちゃんですよ」となる。 カラフルなチェックの短パンにポロシャツが本日の福田ファッション。 同世代(芸人)はみんな頑張ってるなぁ。10年後はどうなっているんだろう。 ブラマヨは36歳。もうそろそろ結婚したらいいんじゃないだろうか。 ベランダで裸になって洗濯物を干している小杉さん。 バイクに乗れる機会が出来た福田。バイク好きだとよく言っているものの、結構長い期間バイクに乗っていない。 長いこと散歩していないというかんじ。本当に良いバイクなのに申し訳ない。 ふと見ると車検が切れている。今度の休みに載ろうと思っても乗れないじゃないか。 自宅から2km先にバイク屋があるので押していこうと決意した福田(バイクの重量≒200kg)。 炎天下の中バイクを押して歩く福田。道行くおばさんに「頑張ってね」と声を掛けられたり、知らないおじさんに押すのを手伝ってもらえたり、まるで24時間テレビのランナーになった気分。 バイク屋に到着した時の達成感はハンパなかった。バイク乗りとしての階段を上った気がした。 週刊リアル情報局 →芸能人の方は街中で声を掛けられることについて、正直どう思っているのですか? 普通に嬉しい。 けど、酔っ払いに絡まれる(テレビのノリで)のは、勘弁して欲しいという福田。 福田の行く場所が場所なので、あまり怒れない。 最低限、愛想は良くしておく徳井。 徳井の食事をとる様子が想像できない福田。どういうトコへ行くの?誰と行くの? 一人で行けるお店は一人で、焼き鳥屋など一人で行きにくいお店はツレと行く。 一人だと王将、カレー、行き着けのトンカツ屋、洋食屋(ハンバーグとクリームコロッケのセット)、天下一品 複数で行くと本当に様々、場所も生活圏外が多くなる。 (声を掛けられるのは)一人でいる時だと良いけど、友達と一緒に居るときだと「ちょっと、すみませんが…」となる。 少しでも無愛想な態度をとると、一般人にブログでけちょんけちょんに貶されるのが困る。 「たまたま用事があったので、その芸人さんの前を通っただけなのに、つんとされた。高飛車な人なんだなぁとがっかりした」なんて書かれるとたまったもんじゃない。 その芸人は絶対にツンとするような高飛車な態度をするような奴じゃない、本番前だったのでマジメな顔をしていただけだと思う。 芸人ってプライベートだと物静かな人が多いので勘違いされやすい。 自分の事を書かれるならまだしも、仕事仲間の悪口を書かれると腹が立つという徳井。 明らかに年下の人からいきなりなれなれしくタメ口で話しかけられるのはゴメンだ。 →こんなお菓子があったらいいなぁというお菓子はありませんか? 粉が沢山ついている『プレミアムハッピーターン』なるものがあると良いなと思うリスナーさん。 ダブルコンソメは有り難い。発売以来ダブルコンソメを選んでしまう。 ロンハーのケータリングで出てきたばかうけのカレー味がむちゃくちゃ美味しかったという徳井。 ふんわり名人のチーズ味の食感はたまらない福田。くせになる「なんやあれ!?」となる。 プリングルスは本当にとまらなくなる。粉が美味しすぎる。 ドンタコスが好きな福田。 「うまい棒 ハッピーターン味」というのがあれば最強だと思う。 柿ピーのピーナッツだけが好きな徳井(豆類自体が好き)、柿の種が好きな福田。 チュートが柿の種を食べると取り合いの喧嘩にならない。 あとミックスナッツに入っているリンゴの形をしたジャイアントコーンが美味しい。 豆は脂肪分が高いからあんまり沢山は食べられないがとまらない。 ウソブロ →徳川家康のウソブロ 1603年 『祝!ブログと幕府開設』 全国制覇した記念に、ブログと江戸幕府を始めました。 家来のみんな、秀吉くん、信長くん、コメントよろしく。 →松平健さんのウソブロ 『11月11日』 今、11月11日の11時11分やぁ。 なんか、テンション上がるわぁ↑↑ →ルパン3世の石川五右衛門 『斬鉄剣日記』 また、つまらないものを斬ってしまった 今日はクルマ また、つまらないものを斬ってしまった 今日は飛行機 また、つまらないものを斬ってしまった 今日は敵 また、つまらないものを斬ってしまった 今日はうどん →巨人軍のマスコット・ジャビットくんのウソブロ 『ちょっとすっきりしちゃった☆』 今日は中日戦だ 相手チーム・中日ドラゴンズのドアラは、相変わらずテンションが高い。 カメラに映らない角度で腹にパンチしてやった。 俺たちサイエンス野郎 理系のクラブ活動に所属している学生は、どんな生活をしているのだろうかというコーナー。 →立命館大学 物理化学研究会・会長のオオスミさん(21) 部員は14人。女子は居ない。望みがない。 略して“ブッカケン”。※“ぶっかけ”ではない。 例会があって、あとは自由。 彼女の居る部員は居ない? 会長はテレビをあまり見ないので好きな芸能人というのは居ない。 チュートのこともあんまりわかっていない。 オンナは物理の敵!?もし「付き合って欲しい、でもブッカケンは辞めて欲しい」と言われたら、絶対に女子よりブッカケンを取る お菓子作りサークルにも所属している会長。 ザッハトルテをよく作るオオスミ会長 お菓子作りサークルは女子がいる。でも作っているときも物理の事ばかり考えているので、それどころじゃない。 「世の中の真理が物理にある」 エンディング川柳 『たまに食う チキンラーメン 美味すぎる』 ネタジングル 「え、こんなものまでコンビニに!?」一体、何が置いてあった? → リール 初めてのイルカショーを終えたイルカにインタビュー。緊張のあまり、イルカが発した言葉は? → 「めっちゃ水飲んだ」 ポケモンがLv.100になると覚える技があるという。子ども達に夢を与えない、驚愕の技とは? → 言葉で傷つける 子どもに大人気だったヒーローが、急に人気が無くなった。なぜ? → クレジットカードを持ちだした 8月15日放送 時間ができればupします。。 8月8日放送 福「LIVE STAND09、アツイものを感じましたねぇー」 オープニング 「まいどぅー」矢野兵頭の矢野ちゃんのモノマネ。 頭にイナズマを入れる芸人を初めて見た。 ハセ兄ぃ(ティーアップ)はどんだけオシャレやねんというジャケットを着ていることがある。 いつまでも感覚が若い。 留守電の話。楽屋で空き時間にPS3をよくやっていた福田。初日にやったゲームは「アフリカ(AFRIKA)」 地味な内容だが、良い。野爆のくぅちゃんがムチャクチャ上手い。すごく良い写真を撮ってくる。取り巻きが出来ている。 10代の頃だったら絶対こんなゲームを楽しめなかったと思う。あと周りに人が居るというのもより楽しめる要素になっている。 ゲームをやっているところをDVDの特典映像でつけたらかなり面白いと思う。 周りのヤジもただ暴言を吐いてるんじゃなくて、笑わせようっていうの(愛情)があるから楽しい。 「龍が如く」にハマっていたロバート馬場ちゃん。 「アフリカ」をプレイしていたときの福田とはエライ違い。 最終日にやった「ラスト・ガイ」(※先週の放送参照) 1300人ぐらいを引き連れてモンスターから逃げる様を見ているだけでもかなり面白いものがある。 LIVE STANDが終わってからもプレイし続けた小藪さん。 なんとか最後まで救出できた(クリアできた)が、周りには福田しか残って居なかったので、しょんぼりしながら画面を写メしていた。 ゲームは何人かで集まってやるのが一番楽しめる気がする。 芸人だからこその盛り上がりもあったかもしれない。ベテランほどヒートアップしていたような。 観衆がいると楽しいが、みんなが居ない時ほどクリアしている。 週刊リアル情報局 →Bコースのナベさんがキングオブコントで決勝までいった場合、あつこさんにプロポーズをすると言っていましたが、何故決勝なのでしょうか。 どのタイミングでプロポーズするのだろうか。 決勝という時点で本気であると思われる。 当人同士の問題だから兄としてはどうでも…… 生放送でプロポーズ。 チュートがやるなら「いいとも」ぐらい? タイミングとしてはエンディングのお知らせ。 (自分)「結婚してくれるかなー?」 (彼女)「いいともー!」 徳「絶対イヤ。絶対イヤやわ」 プロポーズはした方がいい。ちゃんと言葉で伝えたい。 Bコースも頑張って欲しいですね。 「キッカケがあれば売れる要素はあると思う」と周囲からさんざん言われているナベ。 何かが足りない。 メンバーの背丈が同じすぎる もうちょっとで定着しそうな時にキャラを変えてしまう →好きなサザンの曲は? 「希望の轍」が好きな徳井。 イントロからすでにたまらない。 「真夏の果実」は福田が初恋破れた時にずっと聴いていた曲。 「慕情」 サザンの静かな曲が好きな福田。 桑田さん曰く定番のラブソングのほうがサラっと書けるらしい。 昔の曲が良い。「旅姿六人衆」に涙した徳井。 「涙のキッス」「love affair」「エロティカセブン」etc 年齢問わず愛されるサザン。ミスチルの桜井さんとサザンの桑田さんが組んでやった曲もいい。 同じような曲じゃない、サザンらしさを続けていくことの素晴らしさを知れ、と。 →一人暮らしをするにあたってのアドバイス 物件を探すことがまず楽しくて仕方ない。一日中やっている。 街ぶらが楽しい。 絶対条件としてセパレート(お風呂とトイレが分かれている)。 部屋が増えていくと100点満点といえる物件がなくなってくる。 ワンルームのほうが高得点の物件を見つけやすい。 大阪で部屋を決めたときのこと。希望を満たす物件があったが、家賃が希望より5万円も高い。 でもいざ決めて住んでみると、大成功。 徳井の条件。新築。大きい部屋がひとつあるといい。 お部屋探しにかんしてはスポンサーの長栄さん! ウソブロ →叶美香さん 7月21日(月) 今日は、来月の旅行のためのお洋服などを買いに、姉と銀座までショッピングに行ってきましたの。 姉ったら水着選びに特に燃えてらしたわ。 自分の魅力を最大限に引き立たせるものでないといけませんから。 結局何件か廻って10着ほど購入しました。 その中の1着を特別にお見せするわ。 (画像:美香さんがキラキラのビキニを着ている) これは勿論、姉に撮っていただきました。 どちらまで旅行しますかって?そうですね、場所は秘密ですけど、私達の南の楽園ってところかしら。 そちらには、小麦色の肌をした麗しくて美しい殿方が沢山いらして、 そういう方達にお相手していただけるのが、とても楽しくて、姉は満足しています。 今から待ち遠しいですわ。 南の楽園のお話はまた致しますので、楽しみにしていてくださいね。 今日はこの辺で。ごきげんよう。 →タラちゃん(サザエさん) ぼくの おしりには もようがあるです。 「“もうこはん”っていうんだよ」って パパがおしえてくれたです。 “もうこはん”は あかちゃんにだけ あるのだそうです。 ぼくは もう 3さい。 あかちゃんなんかじゃ ないです。 カツオおにいちゃんの けしごむをかりて “もうこはん”を こすってみたですが ちっとも きえないです。 だれか “もうこはん”を きれいに けすほうほうを しってるひと いないですかねぇ。 ぼく “あかちゃんよばわり”されるのが だいきらいです。 →聖徳太子 8月3日 今日 私は 十七条憲法を制定した。 これで 我は満足じゃ。 やりたい事も やったしな。 もう 遣り残した事は 無い。 エンディング川柳 『散歩道 ホタルとカエル 舞踏会』 ネタジングル 富士山により多くの若者に登ってもらおうと、ある施設が作られた。どんな施設? → フォーエバートゥエンティワン 今度はあの有名人がパチンコ台に。それは誰? → CR ウーピー・ゴールドバーグ 「オマエなんでそんな事すんねん!」どんな事をした? → プッチンプリンのプッチンだけして食べない お、ガリガリ君やりよるねぇ!新しいガリガリ君の味とは? → ガリガリ君・前の日のすき焼き味 8月1日放送 徳「いやー今年も、盛り上がりましたよ、なんてね」 オープニング 「フーーン、Aメロ聴いた時はいいと思ったんですけど」再び!歌スタのハンター 8月ですよ。LIVE STANDも無事終了しました。 今年は一番お客さんの数も多かったようです。認知度が上がってきた証拠ですね。 2日目が一番多かった。チュートは2日目のトリだったのでそれをきいてテンション上がった福田。 トリを任せてもらえると嬉しい。 でも遠かった幕張。電車のほうがスッといける。 実は2日目に電車で会場入りした福田。それ以外はレンタカー(しかもコンパクトカー)だった。 久々に国産車にのったが、ビックリするほど乗りやすい。カッコ付けて外車乗るもんじゃないとも感じた。 レンタカーのお店で「これにします」と言ったら店員さんも若干戸惑い気味。 レンタカーで借りるなら普段乗らないような車を乗ってみたい。 12時間で7000円も行かない位(もっといいクルマだともっとかかるかと)。 電車に乗っても一切気付かれなかった福田。 久しぶりに徳井のクルマの助手席に乗った福田。LIVE STANDの後に仕事があったので(行きはタクシー)、マネージャーと3人で徳井の運転するクルマに。 出待ちの子に「え、2人で?」と驚かれた。 その日は入り時間入り場所が間違って連絡されていたので、入りの時も(間違って伝えられた場所から)2人で行ったチュート。 ドラクエにはまっている徳井。楽屋では芸人たちが一斉にDSをやっているような状態。モンハンは一部のサークルが出来てる程度だったのに。 すれ違い通信機能でリアルドラクエのパーティー(4人で縦に並んでぞろぞろ歩き廻る)。 後輩芸人に4人分のDSを持たせて客席に行かせるなどもした。 結果:すれ違い30人。 PS3の鬼ごっこのゲームもムチャクチャ盛り上がった。 The Last Guy(http //www.jp.playstation.com/scej/title/lastguy/) ※プレイヤーがラストガイとなり、ゾンビがひしめく街から住民たちを助け出すこと。住民たちの救出方法いたって簡単。ラストガイが街の住民たちが隠れている建物の前を通過すると、彼の後ろに列をなしてついてくる。彼らを避難所まで誘導すれば救出完了となる 街が本物の航空写真を使用しているので、とてもリアル。 フジモンはWiiで凄いはしゃいでいた。フジモンありきのLIVE STAND。 RGの存在もLIVE STANDの名物となってほしい。 帰っていくお客さんの様子を観て、みんな良い笑顔で帰ってくれているのを見て「なんか、ええことしたな」としみじみ感じた徳井。 大阪でもまたLIVE STAND開催しますのでそちらもよろしくお願いします。今回は3日間(前回は2日間でした)。 はんにゃとフルポンとしずるの人気はヤバイ。WEST SIDEの比じゃない。 レッドシアターメンバーの人気はエグすぎる。 福「(はんにゃファンの子に対して)金田を1時間以上独り占めさせてごめんな」 (帰るとき、新宿組が福田と金田だけで、金田が気を遣って車中でずっと喋ってくれた) 週刊リアル情報局 →ドラクエが発売されましたね。プレイされていますか? リスナーさんもLIVE STANDへ行かれたようなので、もしかするとすれ違い通信したかも? 福田→そうりょ 徳井→ぶとうか に設定しているリスナーさん。 職業も幅広い上にキャラクターのビジュアルも(アバター機能)細かく決められる。 春日(オードリー)を似せたりしてる人結構いるんんじゃないか?w パーティーは同期の芸人で固めようかとも考えた徳井。 主人公 よしみ せんし カワモトショウゴくん(地元の友人) そうりょ YUKIちゃん あと一人(職業は言っていませんでした)BONNY PINKさん RPGが出来ない福田。喧嘩番長を酔いながらプレイしていると知らない番長になっていたりする。 ドラマで共演している佐藤智仁くんもドラクエをプレイしていたが、アバター機能を知らなくてキャラクターに愛着が無い。 佐藤くん「主人公(≒自分)が今、変な格好(装備)してるんですよね」 パンツ一丁に甲羅を背負って、刀を持って走り回っている状態の佐藤くん。 徳「変態やないかい!って。それで教会とか入ってるねんで」 でもそれが佐藤くんにとって現段階で一番強い装備らしい。 大人になるとゲームに熱中していて、ふと賢者タイム的な気持ちになることもある。 →好きなうまい棒の味はなんですか? 福「ちょうどこないだタレントさんとその話になって。めんたいことコンポタ、チーズあたりかなぁとなっててんけど」 そのタレントさんは「こんぶ味」をゲキ押ししていたがそんな味を知らない。 徳「なんかと間違ってんちゃう?なっとう味とか」 ジャンクの中心であるうまい棒でそんなあっさりを求めるか? 徳「俺はサラミ。でも食ったらなっとう味も美味しいんよなぁ」 メンタイ味が好きな福田。 たこ焼き味の表面が堅くなっているのがイヤな徳井。 ハッピーターン味を思い切って出してくれないだろうか。 地方限定なら「名古屋の味噌カツ味」なんてものも出たら美味しいんじゃないだろうか。 うまい棒はいつまでも美味しい。 福田のテレホンクエスト 滋賀県 オダニさん 『夏が嫌いです』 オ「オダニです。オダニです~。おばあちゃんなんです」 福「さぞかし可愛らしいおばあちゃんなんでしょうね」 彦根にお住まいのオダニさん オ「夏キライなんです~。以上に暑いんです、寝るときが。足がカッカして、熱持ってね、寝られないんです」 福「足を氷水なんかで冷やしてから寝るなんていうのはどうでしょうか」 オ「足濡れるのがいやなんです。(拭いたらええやん)めんどくさいもぉーん。タオル少ないんですもん」 福「それならね、冷えピタみたいなものを足に貼ったら」 オ「本来使う場所と違うところに使うというのが怖いんです」 福「クーラーを足元中心にかけて」 徳「クーラーはどうしても部屋全体が冷えますからねぇ。おじいさんは元から冷たいんでねぇ」 福「それではー(強引に畳み掛ける)」 ウソブロ →タモリさんのウソブログ 2009年7月19日 『明日から』 明日いいともに復帰します。 久しぶりのお休みをいただいたお陰で、手術も無事に終わり、 明日からは全身機械化した、生まれ変わったサイボーグ・タモリで頑張ります。 因みに燃料はユンケルです。 エンディング川柳 『せんとくん まさかばったり 出会うとは』 ネタジングル 西川きよし師匠の画像を待ち受けにするとご利益があるという。どんなご利益? → あって欲しい時に絶対タイムズ(Times)がある 誕生日にあの人からメールがきた。あの人とは? → ペー 回転寿司にとんでもない物が回ってきた。一体どんなものが回って来た? → アクセサリー 自由の女神が置手紙を残して立ち去っていった。置手紙にはなんと書かれていた? → 手が疲れまして
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わたしは土ツボにはまるように読みました。けど、問題作とは、、、、そこまでいってないような気がしました。けれど、おわりがキレイになっていたので満足。 話の内容は以下の道理「鎖の音がする。高校受験やら恋愛だかで辛苦を味わっている奴らを縛る、鎖の音。世界という濁流の中に流れる様々な情報で、張りぼてでしかない見てくれを形成し、それを正解だと信じ切っている奴らを縛る、鎖の音。―がちゃがちゃ、がちゃがちゃ。その音から逃げ出したくて、俺は―。電撃が贈る衝撃の問題作、登場」とのことでございます。 問題作、というと「バトルロワイヤル」やら「溝鼠」なんて作品をおもいうかべてしまうわたくしですので、そこまで問題作あつかいしなくてもいいとおもいます。 、、、なぜに問題作あつかいなのかは、作品に登場するキャラが変なのもあるとおもいますが、そのなかのキャラのくちぐせが「ああ……人を殺したい」なわけです。殺したい、ともうのは人間みなおなじだとおもっている自分も変態なのでしょうか、とかおもったり。 また、あとがきに「人がいやがるようにかいた」とありましたが、自分はそれほどでもありませんでした。自分ふがかく作品は、この本以上に人が気味悪がってくれるような作品をつくりたいと、目標ができました。 この本は学校での自主勉強のときに流し読みしたので、そんなにうまくかけないのですが、きっちり読んでおけばよかったと思ってしまうような本でした。個人的には、こういった作品がすきなんです。また、この作品にかんしては終わりがとてもよかった。途中で人が死んだのはしかたがなかったようにもみえまいしたが、、、まぁ終わりよければすべてよし、そう思えるえたさ作品でした。 紹介した本 僕らはどこにも開かない
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泣かないで、泣かないで、笑って! 第2話 照りつける暖かい日差しと、それに反したひんやりとした冷たい風。 夏季に入り、連日猛暑が続いているのだが妙に涼しい。 時折吹き抜ける風が周囲の気温を下げているのか、あるいは丘の下に広がる透き通った湖が熱を気化しているのか、おそらくはその両方であろう。 小高い丘には草原とゴツゴツした岩と所々に生えた針葉木しかない。 そんな自然の芸術で形成された風景に、につかわしくない人物が紛れ込んでいた。 「ふぐぅ…」 男が仰向けに倒れている。 赤いタンクトップに黒いジーンズ、黒く長い髪は適当にはねており、前髪だけ癖になっているのか目元で分かれている。 筋肉質では無いが、身体は引き締まっていて、顔立ちは悪くは無いが、特別良いと言えるほどでもなくこれといった特徴が無いのが特徴であった。 男の周囲には投げ出されたままの状態のギターケースが転がっている。 いつからそこにいたのか、男自身にもわからない。 男は太陽の眩しさから目をそらすように体を横に転がした。 「……」 冷えた風が吹き抜ける。 無意識に身体を丸め、男は体温を保持しようとする。 しかし二度三度と襲い来る寒波に、男は耐え切れず、薄く目を開いた。 最初に男の目に入ったのは一面の若草の緑。 続いて、ヒノキだかスギだかよくわからないところどころに生えた針葉樹とこぶし大から男の背丈ほどもある岩。 立ち上がってみると、高台になっていたらしくそれほど離れていないところに針葉樹の森と、反対側の丘下に大きな湖があった。 「……ふぁ」 未だに寝ぼけているのか、男は現実感の無い風景をあっさりとうけとめた。 そよそよと頬を撫でてくる風が気持ちいい。 男のまどろんだ脳が冴え始めてくる。 それと同時に生じてくる違和感。 なぜここにいるのか、と男の頭に浮かび、家に帰った事も覚えてない、と男は考え、むしろ帰ってたっけ、と男に疑問が生じ、これは夢だなと男は結論付けた。 思考は一瞬。 そして男は両足を投げ出して地面にへたりこんだ。 「……んなわけねーじゃん」 太陽は変わらず眩しかった。 どーしよっかなーっとふざけた様に呟き、およそ真剣に見えない顔で白痴の様に呆けていた男は、ふと気づく。 「っ、携帯!」 男は慌ててジーンズのポケットに手を突っ込んだ。 心情では相当焦っていたのかその行動は素早い。 労せず触れる硬質の感触。 ジーンズから携帯電話を引っこ抜き、液晶画面を確認する。 暫く携帯を凝視していた男は視線を外し、仰向けになり空を見上げた。 「……お約束だよな」 携帯の電波は圏外を示していた。 携帯を仕舞い、男はふて腐れた。 「どこなんだろ、ここ……」 寝そべりながら呟く。 頬に触れる若草がこそばゆかった。 どれ程の時間が経ったのかわからない。 男は体を起こした。 景色は相変わらず森と山と湖。 携帯電話の画面で時間を確認すると、先ほど確認した時間から二時間ほど経過していた。 こんな見ず知らずの安全っと決まったわけでもない場所で無駄に時間を使ってしまった自分の神経の図太さに、男は頭を抱えた。 ひとしきり己の馬鹿さ加減についての後悔を終えた男は、投げ出されていたギターケースを手に取る。 おもむろにケースを開き、アコースティックギターを取り出す。 「げっ……弦が切れてやがる」 五弦目の弦が千切れ飛んでおり、羊司は相棒の無残な様子に軽く凹んだ。 ギターケースにしまっていた替えの弦やピン抜き、ニッパーなどを取り出し弦交換に移る。 何度も弦を交換してきたのか、その手順は鮮やかである。 程なくしてギターが元通りになる。 「調律は、と……」 何度か弦を弾き、音がずれていないか確かめる。 チューナーが無いのが痛いが、高校時代から愛用していた楽器だ。 完璧とは言えなくてもある程度はわかる。 調整は終わり、何度となく練習した得意のフレーズを引いてみる。 慣らしていないので少し五弦が強いが、仕方が無い。 次第に気分が高揚し、抑え目に弾いていたギターを鳴らす音量も大きくなっていく。 明るい曲、悲しい曲、楽しい曲、寂しい曲。 手馴れた様子でギターを操り次々と曲を変え、男は気付かないうちに声を出し、歌いだした。 歌うことが好きだった男は高校一年の時からプロのミュージシャンを目指している。 親には大学に進学して就職しろと反対され、友人には無謀だやめておけと止められた。 周囲の人間の態度に嫌気が指した男は、卒業して家を飛び出した。 幸い高校時代に無駄遣いせずに貯めた貯金で安いアパートを借りることができ、男はバイトとギターの練習で日々をめまぐるしく過ごしている。 日々研磨し努力した賜物か、男の声は周囲によく響いた。 そして、その歌声に惹かれるものが一人。 灰色の外套姿で、フードを目深に被っている為、男か女か区別がつかない。 周囲の木と岩影に隠れながら少しずつ近づいてくるが、あまりにも隠れ方がお粗末過ぎる。 とはいえ、見ているとなかなか面白いので男は気づかない振りをしながらギターを弾いた。 男はそろそろいいかなと思い、楽器を鳴らす手を止める。 木陰から飛び出そうとしていた矢先、音楽を止められ、間抜けな姿で静止する。 その距離およそ10メートル。 外套を着た者と男の視線が重なる。 「あ、あぁ……」 少女特有の高い声。 男の心の中で前面の外套の中は年若い女の子と結論を下した。 「あの……」 黙っていても仕方ないと思い、声をかけようと一歩踏み出す。 その瞬間少女は脱兎のごとく逃げ出した。 「わっ、待ってくれ!」 ギターを置き、起伏にとんだ丘に足を取られながら、男は慌てて追いかける。 「っ! 来ないでっ!」 少女は振り返り、男が追いかけてくるのを見て涙声で叫んだ。 「来ないでっ、追いかけて来ないでっ!!」 「頼む、何もしないから逃げないでくれ!」 静止する声を無視し、少女は逃げる。 「なあっ、ここは何処なんだ!?日本だろ!?」 「違いますっ、来ないでっ!!」 少女の答えに納得できず、男はさらに声を荒げた。 「そんな訳ないだろっ! あれかっ!? 北朝鮮か!? 拉致かっ!?」 「知らない、知らないっ!」 必死で男も追いかけるが、一向に距離は縮まらない。 凹凸の激しい丘を、少女は全く速度を落とさずに駆け下りる。 自分より華奢で小柄な少女を、声を上げ追いかける自分の姿はどう見ても変質者だと思い、男は泣きたくなった。 少女はマントを大きくはためかせ、もう二度と振り返らずに走っていった。 「待ってくれよ……頼むから」 丘を抜け、鬱蒼と茂った森の中で、男は息も絶え絶えに呟いた。 既に、全力疾走ではない。 落ちていた長い木の枝を杖代わりに歩いていた。 気温は低めだが、先ほどの鬼ごっこのせいでかなりの汗を掻いている。 べたついたシャツを鬱陶しく感じながら、時折つま先で土を削る。 道しるべ、のつもりだ。 「なんで……歌聴くときは寄ってくんのに……話し掛けたときは、逃げんだよ……」 苦しげに男は言う。 それにしても、と男は思う。 全力で走っている自分は、別段運動部に所属していたわけでも、特別に体力に自信があるというわけでもない。 学生時代と違い、確かに運動不足はいなめない。軽い筋トレぐらいはしているが、それも軟弱に見せない為の見せ筋を維持する為だ。 しかし、いくらなんでも15、6の少女に、足の速さで負けるほど身体も鈍っちゃいないだろう。 しかし、追いつけなかった。 少女の姿はとうに見失った。 別段勝利に固執する性格でもないが、やはり年下の少女に走り負けると言うのは悔しく感じる。 それでも少女の姿を追い求めるのは、流石に少女も追いつけなかったとはいえ自分と同じ様に体力も落ちて歩いているだろうから、もしかしたら追いつけるかも、と考えたから。 また、走っていった方向に少女はいなくとも、街か何かがあったら誰か住んでいるだろう、とも思ったからだ 「待ってくれてもいいだろうよ、あそこまで怖がられたら流石に俺も傷ついたぞ…」 沸々と理不尽に逃げた少女に対する怒りが募ってくる。 「逃げるぐらいなら近づくなっての。 声かけただけじゃんよ」 男も自分の言葉が理不尽と言う事はわかっている。 しかし言わずにはいられない。 「自分だって変な外套を着て、おかしいだろ……それな――」 突然男は愚痴を止め、身体を木に隠し息を潜める。 慎重に首だけを伸ばし、目標を確認する。 そして心の中で歓声をあげた。 見つけた、さっきの少女だ。 少女はブナの様な木の傍で、両足の膝を地面につけ何かを熱心に覗き込んでいる。 左手には外套に半分隠れているが、円形のザルの様な物を持っている。 男は声を殺して、回り込みながら静かに少女に忍び寄る。 少女は気付いていないのか、暫く木の根元を観察していると、思い出したかのように右手で土を掻き分け始める。 興味をそそられたのか、男が身体を横にそらし少女の手元を見ると、毒々しいイボ付きの赤いきのこがそびえ立つ様に生えていた。 少女はそれを嬉しそうに籠に入れる。 男の顔が引きつる。 少なくとも、こんな毒々しいきのこは自分なら絶対に食べない。 頭が錯乱するか、腹筋がねじれるほど笑い転げるか、下手をすれば死んでしまう。 声をかけるか、否か。 声をかけなかった場合、殺人補助になるのだろうかと男は悩む。 流石に人道的に問題があるだろうと思い、男は少女の肩に手を伸ばす。 声をかけて、逃げられるのはもうこりごりだった。 しかし、肩に触れる前に少女の顔を見て、息を呑んだ。 男が驚くほど少女の顔は整っていた。 ふっくらとした唇、現役のアイドルも羨む様なすっと長い鼻立ち、見るもの全てを慈しむ様な穏和そうな目。折れてしまいそうな細い指を一生懸命動かし、土を掻き、キノコを引き抜く姿は、非常に微笑ましい。 ボロボロの外套に隠れてはいるが、時折除く髪は白髪と呼ぶにはおこがましいほどに美しく、ふわふわと波打っている。 「うわっ……超かわいい」 先ほどの少女に対しての批難する様な愚痴や危なそうなきのこの存在すら忘れ、男は知らず呟いていた。 「!?」 その瞬間、少女が小さな肩を竦ませ、男の方を向いた。その顔には明らかに恐怖の色に染まっている。 少女の震える指から籠が滑り落ちる。 底の浅い円状の籠から、男が見た事もない野草やまだら模様のきのこが零れ落ちた。 「あ、あぁ……」 迂闊だったとしか言いようが無い。 テントの方へ真っ直ぐ逃げてしまった。 男から完全に逃げ切ったと思い込んだ。 貴重な食料に気を取られ、男の接近を許してしまった。 少女は膝を地面につけた状態で外套を握り、身震いしながら自身の行動を悔やんだ。 少女が肩を震わせ、大きな目に涙を溢れさせる姿に、男は酷く動揺した。 「な、泣かないで! ちょっと道を知りたいだけなんだ! 教えてくれたらすぐに消えるからさ! 大声出して追いかけてごめん! 黙ってこっそり後ろから近づいてごめん! 謝るから泣かないで! あと、そのきのこは食べない方がいいと思うよ、うん!」 男は自分でも何を言ってるのかよくわからないが、ひたすら謝ってみる。 少女は何も答えない。 「本当にごめん! 怖いならもう少し離れるからさ、せめて逃げないで」 そう言って男は伸ばしたままになっていた腕を引っ込め、前を向きながら器用に後ずさった。 宥めて卑屈になって。 男はなぜこんなに必死になっているんだろうと思う。 ただ言えるのは、罪も無い女の子を泣かせるのはどうしてもごめんだった。 「本当に……何もしませんか?」 男の願いが通じたのか少女が顔をあげ、初めて自ら声を出した。 「しないしない、絶対に危害を加えないってば」 少女は男に対する警戒心が抜けていないのか、未だに顔を伏せている。 初めて会話への糸口が見つかった男は、必死で自身の無害さをアピールする。「ええと……さ、変な事を聞くようだけど、ここって日本だよね?」 男が少女の顔色を窺いながら、尋ねる。 脅かさないように、泣かせないように。 少女は幾分か迷いながら、答えた。 「……いえ、ここはフィルノーヴ。 ニホン、という国ではありません」 「いや、でも俺さっきまで日本に……っつーか東京にいたんだけど」 「はぁ……」 少女はよく意味を理解しきれていないのか、首を傾げ曖昧に相槌を打つ。 「こっちに来て目を覚まして、日付見ても一日やそこらしか経ってないから……あれ? 日本からブラジルまで24時間で行けたっけ?」 「よく、わかりません……あなたが何を言ってるのか……」 「まあ、どうみてもブラジルじゃなさそうだし、どうでもいいんだけど。 あー、つまり……ここってどこかな?」 「で、ですからフィルノーヴです」 「そんな国聞いたこと! ……いや、大声出してごめん。 泣き顔で怯えないで……」 「グスッ……本当です。 この土地はネーモアと自然に囲まれた大きな国です。 本当に……知らないんですか?」 男は頬を頭を掻きながら少女の言った単語を思い出そうとする。 フィルノーヴ、ネーモア、全く思い出せない単語に男は恥ずかしそうに質問した。 「あの……無知でごめん。 フィルノーヴ、とかネーモアってさ、本当に、何、かな?」 その言葉に今度は逆に少女が驚いた。 大きな目を見開いて、男の顔や服装、一挙一足を観察する。 少女の慌てた様子に、男は少女に呆れられていると勘違いし、自身の常識の無さを恥じた。 「えっ……まさか」 「ごめん、今度からちゃんと現代社会についても勉強するから……」 少女が被りを振る。 そして初めて申し訳なさそうに言った。 「あ、いえ……すみません。 ヒト……だったんですね」 少女の言葉に男は呆然とする。 そして次第に怒りも沸いてくる。 人だったのか、だと? どこからどう見たら人間ではないと思えるのだ。 人が下手に出ていればいい気になりやがって。 どうしてここまでコケにされないといけないのか。 馬鹿にするのもたいがいにしろ! そろそろ少しぐらい叱るべきなのかもしれない。 男は激憤に駆られた表情を隠そうともせずに少女を睨んだ。 男の憤怒の表情に気付いた少女は、恐怖の満ちた顔を涙で濡らした。 両手で胸元の外套を握り締め、まるで親に叱られる子供のようにきつく涙で溢れた目を閉じ、震えながら頭を垂れる。 その姿を見ると、男も怒る気力を無くしてしまう。 「はぁ……俺が悪かったから、そんなに怯えないでくれ。 あと、俺を人間扱いしてくれると嬉しい」 少女は上目づかいに男の表情を確認すると、首を小さく振った。 縦に、そして横に。 「……それで、フィル……なんたらとネルモアって?」 男にもう反論する気は無かった。 早く話しを済ませてしまおうとばかりに質問する。 「……フィルノーブは北寄りのオオカミやクマ、他にも多数の部族が多く住む土地で、森と山に囲まれた国です。 独自の集落の多いこの国は、その土地特有の果実や珍しいイキモノが数多く生息しています。 ネーモアはこの土地一番の大きな湖で毎年この時期になると珍しい赤い顔の白い鳥が群れを成して集まり、数多くの見物客で賑わ――」 「それで、この辺りで一番近い街は何処だ?」 少女の説明を遮り、男は最も知りたい事を確認する。 「なんでこんな国に居るのか、理由は後で考える。 とりあえず電話さえあったら日本の実家に連絡できるから」 「デンワって何ですか?」 「電話は電話だ。 んで、銀行に振り込んでもらって下ろして、飛行機で日本に帰る。ビサなら使えるだろ」 「ギンコウ? ヒコーキ? ビサ?」 少女は本気でわからないのか、首をかしげている。 男は次第に苛つき始めるが、表情を押し殺しながら尋ねる。 「すまん、遊んでいる暇は無いんだ。 とりあえず街はどこだ?」 「はぁ……ここから700ケート程南に行ったところにオオカミの集落がありますからそこに」 「舐めてる?」 「いえ、そう言われましても」 少女は困ったように頬を人差し指で掻きながら答える。 不機嫌そうな男に言うべきか言わぬべきか迷っていた。 意を決し、少女は口を開いた。 男の目から若干視線を逸らせながら。 「ええと、怒らないでくださいね。 あなたは帰ることが出来ないと思います」 「何だって?」 「ここは、いえ、この世界には貴方の言うニホンという国は何処にもありません」 森に静寂が宿る。 男は怒鳴り散らしたくなるのを堪え、少女に尋ねる。 「……冗談にしては面白くないぞ」 「本当です。私自身、始めて外界から来たヒトを目にしたのですから」 「よくわからない。 君は人間だろ?」 男は当然の疑問を口にする。 「ええ、私はニンゲンです」 ただしと口にし、少女は被っていた外套のフードに手をかける。 そして、フードを脱ぎ、隠れていた後ろ髪に手を入れ、サッと後ろに流す。 男は白というより銀に近いウエーブの髪をなびかせる少女に目を奪われた。 否、正確には少女の顔の横についているものに目を奪われた。 それは横に長く伸びた大きな耳。 「私はコリン・ルーメリー・ユイーフア。 普通の、ヒツジの女の子です」 男は声を失った。 頭が理解に追いつかない。 この世界に日本が無くて、そして自分はヒツジの女の子? 頭を掻きながら男は考える。 少女、コリン・ルーメリー・ユイーフアは佇みながら男の反応を待っている。 「ええっと……その耳、よく聞こえそうだね?」 結局、男には無難な話題を出すしかなかった。 「え、はい。 ヒツジですから」 「そっか。 羊か」 「はい、ヒツジです」 あははーっと声を上げ、お互い笑いあう。 そして男が笑顔でコリンに問う。 「ところでさぁ、どこからどこまでが本当?」 「全部ですよ」 コリンの答えに男はブチギレた。 「あーっ、マジですまんかった。 むしゃくしゃしてやった。 今は反省している」 男が髪を掻きながら、あまり反省してそうに見えない顔で謝る。 ビクビク怯えながらコリンは両手で頭を抱えてしゃがみこんで、本当ですかぁと涙声で言う。 その姿に怒鳴ってしまって悪いことをしたと思いつつも、心の片隅でもっと苛めてみたいと不謹慎にも思ってしまう。 「えーとだな。 とりあえず俺自身、正直半信半疑で君から聞いたことを纏める。 ここは狼の集落の近くで、羊が人で、この世界には日本は無いとかそんな風に聞こえたんだが、もう一度聞くぞ。 本当か?」 「は、はい。 正確に言えばウサギとオオカミの、若干オオカミの国側の大陸です。 ニホンという国は……ごめんなさい、本当に無いんです。」 男の嘘は許さんといった威圧する目にコリンは怯えながらも何とか言葉を紡ぐ。 腕を組む男の沈黙を続けろと受け取ったコリンは話を続ける。 「私はヒツジですが、この世界には様々な種族がいます。 先ほどから何度か言いましたオオカミやウサギ、クマなど多数の種族がいますがみんな人間です」 「ちょっ、ちょっと待ってくれ」 話を遮り、男は慌てた様子でコリンに問う。 「どうみても君、えーっと……コリンさんは人間だろ? 変わった耳飾りみたいな物をつけているだけだろう? 日本語を話しているし、その姿はどうみても人にしか見えない」 「いいえ、私はヒツジです。 この耳は飾りではないですし、私以外にもそれぞれの種族の特徴を持つ人間はいます。 それと私たちが話している言葉はこの世界の共通語で昔から使ってきました。 むしろ、なぜ貴方の言葉が私に通じるのか、それが全然わからないんです」 「……人って人間って事だろ?」 「うまく説明できませんが、ヒトは貴方です。 そして、人間は私たちなんです。」 男は自分の額を手で覆う。 理解しかけているが、理解できない。 そんな態度が現れている。 「今から貴方にとって非常に心苦しいことを言います。 その、怒らないでくださいね?」 コリンが言いづらそうに男に確認を取る。 慌てて男が顔を引き締める。 「落ちる、この世界に強制的にやってくる、という意味なんですが、この世界に貴方は落ちてきました。 外界から落ちてきた人間を私たちはヒトと言います。 ヒトがこの世界にやって来ることは稀で、落ちてきたヒトには一切の人権はありません。 つまり……ヒトと言うのは奴隷や家畜の別称なんです」 「はぁっ!?」 素っ頓狂な声を出し、男は少女を間の抜けた顔で見た。 「ヒトは奴隷という所有物ですから、傷つけ、苦しめ、壊しても罪には問われることはありません。 それと、私自身ヒトを見るのは初めてなのですが、ヒト奴隷はとても高価なものだと聞いた事があります。 人里に入れば確実に、貴方は捕まり売られるでしょう」 男の中で何かが崩れていく音が聞こえた。 何処にも行く当ては無い。 頼れる縁者もいない。 街を歩くことも出来ない。 住む当ても無い。 食べる事すらままならないだろう。 たった一人でこの世界をどう生きていけばいいのか。 「嘘だろ? なぁ……これって嘘だよな?」 男がコリンに詰め寄る。 コリンの両肩が強く揺さぶられる。 「いいえ……すみませんが……」 「帰る方法は……」 「聞いたことが……ありません」 コリンは首を横に振り、男の望みを絶つ。 男はこの世界に絶望し、いたずらな神を呪う。 悲観にくれる男の涙が少女の外套を濡らした。 「私と、一緒に来ますか?」 彼女は言った。 男は涙でくしゃくしゃになった顔を隠そうともせず、少女の顔を窺った。 「私は、一つの町へ定住することはせず、リャマのクトと一緒にいろんな国を旅して回っています。 いろんな国を調べたら、もしかしたら元の世界へ帰る手がかりが見つかるかもしれません。 もし宜しければ、一緒に、行きませんか?」 少女は震える身体を優しさで押し殺し、笑みを浮かべ男に言った。 不安なのだろうと男は思った。 この少女は怖がりだ。 おどおど辺りを窺って、何かに怯えて生きている。 この少女は泣き虫だ。 今日、初めて会ったのに何度泣かせたかわからない。 そしてこの少女は―――とても優しい。 少女の性格からして、ヒト、しかも男と話をするのは怖いだろう。 安全面からも、非力で高価なヒトと旅をするなんて危険極まりないだろう。 金銭面、生活面でも迷惑をかけるだろう。 少女の事を思うなら、一緒に行かないほうが良いに決まっている。 しかし、 しかし、それでも―― 「浅草羊司です。 よろしく、お願いします。 コリン様」 「こちらこそよろしく、おねがいします――ヨウジさん」 一人は、嫌だ。 私の住処へ案内します、とコリンは言った。 落ちた籠に山菜を詰めなおした後、落とさない様にしっかりと両手で持ち、フードを被り直した後、先導する様に歩き出した。 そして少女の数歩後を羊司がついていく。 辺りはかなり日が落ちており、夕焼けが世界を柔らかく包む。 「えーっと……コリン様」 足早に歩くコリンに羊司は、先ほどから懸念していたことを伝えようと声をかける。 「あのっ、ヨウジさん、私に敬語なんて使わなくても……」 表情は伺えないが、声質は困ったという感じが滲み出ている。 「あ、いや。 そう言わないとまずいと思うし」 「一応は主人ですけど、強制はしませんから……ただ、人前で気をつけてくだされば」 コリンが言うには基本的に自分、浅草羊司はコリン・ルーメリー・ユイーフアの所有物になるそうだ。 本人は酷い扱いをしない、敬語は使わなくていいと言っているが、人前だとどうしても建て前というものがあるので、その時だけ、奴隷としての行動を取ってほしいと言う事らしい。 どうも俺は過剰に意識していたらしい。 「あー、わかった。 人前では敬語で様付け。 でも今は敬語も様もいらないんだな?」「はい。 私は普通の、ヒツジですから」 なぜか普通を強調するコリン。 「よく意味がわからんが、わかった。 改めてよろしく。コリン」 「はい。 ヨウジさん」 微かに笑みを浮かべるコリンの姿に、羊司の頬がわずか朱に染まる。 「そ、そうだ、コリン。 ギターを丘に忘れたんだ。 取りにいかないとまずい」 表情の色を悟られたくない羊司は、慌てた様子でコリンに言う。 「ギターって、あのヨウジさんが弾いていた綺麗な音色の楽器ですか?」 「そう、それ。 雨なんて降ったらお釈迦だし、朝露にでも濡れただけでも相当やばいんだ」 頭を少し下げ、考え込むコリン。 しかしすぐに顔を上げ、わかりましたと了承し、先程の道に踵を返す。 「おおっと、その必要はないぜ」 「え!?」 「!?」 突如、羊司でもコリンでもない野太い声が周囲に響き渡り、一本の木の陰から二歩足で立つ、全身毛むくじゃらの狼が姿を見せた。 狼は上半身を黒い鎧を着て、麻の様な素材で出来たズボンに一振りの長い剣を刺している。 「ちょーっとばかし席を外している間におもしれぇ事になってやがるな」 「誰だ、あんた?」 羊司が身構え、警戒心を顕にする。 コリンは極度の人見知りと恐怖で震え、せっかく拾いなおした山菜の籠を取り落としている。 「んー、んー、んーー? 口の利き方がなってないガキだな。 せっかくお前の楽器を拾ってやったのによお?」 よく見ると羊司のギターケースが、巨漢の狼男の肩にかかっている。 羊司は驚き、礼を言おうと一歩前に出る。 「あ、すみませ――」 「まあ、俺が拾った落ち物だから俺のもんだがよぉ。 あと、目的ついでに目の前の落ち物も拾っておくか」 目の前の狼男が何を言っているのか羊司には理解できなかった。 目を瞬かせ、伸ばしかけた腕を止める。 「理解できねぇか? つまり、お前の物は俺の物。 さらに言うならお前は俺の物だって事だ」 羊司の背筋が凍る。 女に告白された事すらないのに、毛むくじゃらの身長がゆうに2メートルを超す狼男に告白されるとは。 どうすれば相手が傷つかず、なおかつ穏便に断れるか、羊司は必死で頭を巡らせる。 羊司の後ろではコリンが頬を染め、はっと何かに気付き、必死で頭を振っている。 「怖いか? 心配すんな、大人しくしていれば危害はくわえねぇ」 獰猛そうな顔に笑みを浮かべ、狼男は羊司に向かってにじり寄る。 「ええと、貴方の気持ちは大変嬉しく思いますが、俺は男でありヘテロなので、貴方の気持ちに応えられないというか近寄んなガチホモがとか思っちゃったりなんかして――」 「はぁ? 何をわけのわからん事を……」 脂汗を流す羊司にコリンはタンクトップを少し摘み、数度引っ張る。 「ヨウジさん、想像してる事はなんとなく理解していますが、多分羊司さんの考えている事とあの人の言っている事は違いますよ」 狼男に聞こえない様にコリンは言った。 「いや、でもさ……お前は俺の物ってどう考えても」 「ヨウジさん、貴方は物です。 つまりあの人は、貴方を手に入れて奴隷商人にでも売るつもりなんですよ。 あとギターも返す気も全然無いです」 羊司にもようやく合点がいった。 そしてゆっくり近づいてくる狼男を睨みつける。 「お前、俺を売り飛ばす気だったのか」 吼えるように羊司が狼男に言う。 狼男はニヤニヤと笑う。 「悪く思うなよ。 最近懐が寂しいもんでね。 あと、さっきも言ったように、おまえはついでだ。」 「ふざけんな! 誰がお前なんかに……」 言い切る前に狼男の膝が、羊司の腹にめり込む。 「ぐ、あ……ぅ……」 「少し黙ってな。 ボウズ」 5メートルの距離から一瞬で距離を詰められ、ろくに受身すら取れず膝をいれられる羊司。膝をつき激しく咳き込む羊司を無視し、狼男はコリンに近づく。 「い、いや……」 コリンは足がすくみ、悲鳴を上げることすら出来ない。 狼男がコリンににじり寄っている姿を羊司は苦悶に満ちた顔で睨む。 背中から突き刺さる弱々しい視線を軽く流し、狼男はコリンの前に立ちはだかる。 「さて、こいつはまあ思わぬ副産物だとして、本題はあんただ」 ヒターケースを放り出し、巨体の狼男の視線が鋭くなる。 「んな外套と人目につかねぇ道通るだけで誤魔化せると思ったか? オオカミの鼻舐めてんじゃねぇぞコラ」 狼男はコリンのフードを掴み、力任せに下ろした。 抵抗する暇もなく、少女の端正な涙に濡れた顔が顕わになる。 「ひっ……」 「自己紹介が遅れたな。 俺はゴズマ・ガンクォ。 誇り高きオオカミの国の戦士だ……とはいえ、城に仕えても乱暴すぎるって理由でたった二月で解雇されたがな」 オオカミの国の人間は基本的に粗暴だとコリンは聞いている。 しかし二月で城勤めを止めさせられるなど、いったいどれ程の事をしたのだろうか。 ブルブルと震えきつく目を閉じるコリンを笑いながら眺め、狼男、ゴズマ・ガンクォは話を続ける。 「傭兵になった俺はある日、妙な手配書を見た。 内容は、前年滅んだ自然公国ルブレーの美姫、コリン・ルーメリー・ユイーフアの身柄についての件だ」 そう言って、ゴズマは腰につけた小型の鞄から、巻物状に曲げられた紙を取り出した。 「ルブレーは滅び、王と后、その娘と息子の殆どが殺された。 だが、臣下に命がけで助けられ、崩壊する城から逃げおおせた姫もいた……わかるよなぁ?」 コリンの顔は既に蒼白になっている。 「コリン・ルーメリー・ユイーフア、生死を問わずワーグイシュー国、大臣、ハンムギーの下へ連れてきた場合……」 スルスルと紙を開く。 「40万セパタだってよぉ!」 そこにはコリンの顔が映っていた。 「全く俺はついてるぜぇ。 たまたま、その手配書を見た日に王女様の姿を見かけて、自分から人気の無い森に入ってくれて、さあ殺ろうと思った矢先、落ち物が現れた。 これも俺の日頃の行いの賜物だな」 下品に笑い声を上げるが、目は笑っていない。 「あ、あぁ……」 「どうした? 姫さん。 さっきからまともに喋ってねぇじゃねぇか」 ゴズマはコリンの肩に手をおき、顔を覗き込む。 「わ、わ、私は……」 「私は? 続きはどうした? 早く言えよ」 「私は……私自身、姫かどうか、覚えていない……」 「はぁ!?」 コリンの言葉にゴズマは素っ頓狂な声を出す。 これはコリンの苦し紛れの嘘だった。 人違いだったらもしかしたら見逃してもらえるかもしれない。 あまり要領が良いとは言えない頭でその場で考えた出まかせ。 しかしあまりにも稚拙な出まかせ。 「お姫さまじゃねぇのか?」 ゴズマはコリンの首袖を掴んで、詰め寄る。 コリンより圧倒的に背の高いゴズマが、少女の身体を軽々と掴み上げる。 「うぐっ……わからないんです……記憶が、無いから」 「何時からだ!!」 「は、半年前……」 「なんで手配書の人相書きと似てやがる!?」 「知ら、ない……」 「っちぃ!」 周囲の木に背中から叩きつけられ、コリンは苦しそうに言った。 喉を鳴らし、威嚇するゴズマの様子に、コリンの瞳から大粒の涙が流れる。 その涙を見て、ゴズマは動きを止める。 そして何を思ったか、しばらくの間涙を流すコリンを眺めていた。 「……はぁ、わかったよ」 急にゴズマが、疲れたようにコリンの首元から手を離す。 ズルズルと木に背中を擦りながら、コリンの身体が大地に触れる。 「けほっけほっ……えっ、あ……?」 突然離された手に、コリンは騙せたのかと思った。 「いや、本物か偽物かどうでもいい事を思い出しただけだ」 ゴズマの言葉にコリンの血の気が引く。 「死体に口無しってな。 姫さんじゃなかっても、そんだけ似てたらばれやしねぇだろ」 「そんな……」 「運が悪かったな、知らねぇ誰かさん……さあ、おしゃべりは終わりだ。 苦しまず殺してやる」 ゴズマは腰の飾り気の無い長剣を抜き、上段に構える。 「た、助け……」 「残念ながらそれは無理だな。 逃げられても困る……諦めて死ね」 コリンは涙を流し命乞いするが、無常にもゴズマの長剣が振り下ろされる。 コリンは死を覚悟して目を閉じた。 森に鈍い音が響き渡る。 「う……ぐ……」 コリンは迫り来る死の顎がなかなか訪れず、おそるおそる目を開く。 「この……ガキィ!」 「コリンに……手を出すな!」 コリンの瞳に羊司が荒い息を吐きながら、太い木の枝を持ってゴズマを睨みつける姿が見えた。 横合いから頭を強烈に殴られ、頭を抑えているゴズマの長剣は、コリンのすぐ隣を通り過ぎ大地に刺さっていた。 「奴隷の分際で舐めた真似しやがって……」 「うるせぇっ!」 羊司はもう一撃入れようと木の枝を振るう。 「舐めんな糞ガキ!」 ゴズマは利き手ではない方の腕で木の枝を防ぎ、長剣を離して空いた手で羊司を殴りつける。 「うがっ!」 ゴズマに派手に吹き飛ばされ、羊司は何度も地面を転がる。 転がるたびに地面に血の跡が残った。 樹木に背中から激突し、羊司は一瞬息が出来なかった。 「ヨウジさんっ!?」 コリンが巨体のゴズマの脇を掻い潜り、羊司の元へと走る。 「ゴホッ、痛ぅ……」 「大丈夫ですか、ヨウジさん!」 仰向けに倒れる羊司。 何とか起き上がろうとする羊司を気遣い、悲鳴に似た声を上げるコリン。 羊司はふらつく足で立ち上がりゴズマを睨み、殴られても放さなかった木の枝を構え直す。 「手癖の悪ぃ奴隷には、躾が必要だな」 痛みの残る首を何度か回し、ゴズマは地面に刺さった長剣を引き抜き、真っ直ぐと羊司とコリンの方へ歩いてくる。 逃げ出したい気持ちを抑え、羊司はコリンを庇うように立つ。 コリンは顔を上げ目を開き、驚いた表情で羊司の顔を見ようとするが、背中からでは羊司の顔を窺う事は出来ない。 「コリン……今から俺の言うことをちゃんと聞いてくれ……」 羊司はゴズマから視線を外さず、背中越しに小さな声で言った。 「考えてみれば意外だな。 なんでお前がそこの姫さんを庇う必要があるんだ? 奴隷になる事には変わりないし、もしかしてヒトごときが惚れたか?」 コリンを庇う羊司に興味が惹かれたのか、ゴズマはからかいを交え羊司に尋ねる。 羊司は枝を強く握り、言った。 「お前に言う、必要はねぇよ……」 「まぁ、それもそうだな。 大方姫さんに優しい優しい言葉を掛けられたってとこか」 羊司は黙ってゴズマの言葉を聞いていた。 「しかし、お前も運が悪ぃな。 あの姫さんに出会っちまったせいでお前も俺に見つかっちまった。 全部あの姫さんのせいだぜ?」 「コリンは悪くない」 羊司が声を押し殺して言う。 「他の誰よりもコリンに会えて良かったと思ってる。俺はコリンのことが――」 途端、コリンは一目散に森の中を走り出した。 羊司をその場に置きざりにして。 その後姿を見て、立ち尽くす羊司。 「はっはっは。 そうか、お姫さんは悪くないか。 お前のお姫さん、奴隷を放っぽって逃げちまったぞぉ?」 足音が遠ざかるが、ゴズマには自慢の鼻がある。 追うのは容易い。 「コ、コリン……」 「哀れだなぁ、おい。 信じた瞬間に裏切られてやがる」 「コリンは裏切ったりしない!」 「俺は間違いなくこうなると思ってたがね」 ゴズマはコリンの行動を半ば予想していたのか、笑いながら長剣を構える。 「さて、いい加減暗くなってきたな。 闇市が始まる頃だ。 お前を売った金で酒も飲みたいし、姫さんを追わんといけねぇから、さっさと終わらせるぜ」 羊司は距離を取りながら身構える。 「抵抗するだけ無駄だと思うがなぁ」 その距離15メートル弱。 先程羊司が不意打ちを食らったときよりも10メートル程長く離れているがゴズマなら一瞬で詰められるだろう。 「うっせぇ、駄犬!」 「あん?」 実力に完全に差が開いている今、抵抗しないことが羊司にとって最も良い選択肢であろうが、羊司は声を張り上げゴズマを挑発する。 「さっきから、マジでやかましいぞ、駄犬……首輪つけられて頭撫でられたく、なかったら、かかってこいよ!」 その言葉にゴズマの顔が引き攣る。 「俺はな、誇り高きオオカミの戦士だと言ったぜ……もう一遍言ってみろ糞ガキ!!」 羊司はしゃがみこみ、左手で足元の腐敗土を握り立ち上がる。 「狂犬病か……末期だな、頭どころか耳までおかしくなってやがる……」 オオカミである自分より力も体も圧倒的に劣っているヒトに馬鹿にされ、ゴズマは激怒した。 「……売っ払うのは止めだ、ぶっ殺す……死んで詫びろガキィィ!!!」 ゴズマは怒りの咆哮をあげ、羊司を袈裟懸けにしようと長剣を構え走り出した。 木の枝をゴズマに投げつけ、羊死は背中を向け逃げ出す。 「おおおぉぉぉ!!」 顔を目掛け飛んできた枝を難なく叩き落とす。 そして返す刃で羊司を切り上げようとする。 即座に左手の土をゴズマにぶつける。 「ぶっ、糞がっ! 目潰しか!!」 まともに顔面から湿った土を受け、普段感じることの無い目の痛みにゴズマの動きが鈍る。 殺してやる、とゴズマが叫びながら目を擦っている間に、羊司は全力で森の奥へと逃げる。 「ちぃっ、この。 待ちやがれ!」 ゴズマも追いかけるが、思うように視覚が安定しない。 また、羊司はあえて狭い道を通り、巨躯のゴズマは樹木に道を遮られ、思うように走る事が出来ない。 自慢の鼻も立ち聳える樹木には無力の様だった。 ゴズマは目に入った砂を取ることに専念し、立ち止まった。 足音が遠くなる。 土を涙で洗い流し、何とか視力は戻った。 「うおおおおおぉぉぉぉぉぉん!!!」 咆哮を上げゴズマは二匹の逃げまわる獲物に死を知らしめる 追う。 強靭で俊敏な脚力を持つゴズマは、瞬く間に羊司との距離を詰めていく。 「っつ、マジで速いぞ、あいつ!」 羊司は背中から感じたことの無い恐怖を受け、冷や汗を掻く。 日本では日常でほとんど馴染みの無い殺人を、この世界の住人は当たり前のように行う。 付き纏う死の影に脅え、羊司の目から涙が溢れる。 「しっ、死にたくねぇ!」 涙で視界が滲み、慌てて腕で拭う。 「痛っ」 擦り傷だらけになった腕が涙で染みる。 なぜこんな事になってしまったのだろう。 羊司は戻れるなら昨日に戻りたいと思った。 「うおおおおおぉぉぉぉぉぉん!!!」 それ程離れていない場所でゴズマの叫喚が震える体を貫く。 「畜生っ、生きてやる! 絶対に!」 羊司は疲労でふらつく足に力をこめた。 ゴズマが羊司の姿を視覚に捕らえる。 「追いかけっこは終わりだぜ、糞ガキ!」 ゴズマの速度が上がる。 森を踏み荒らす音が聞こえ羊司が振り向くと、すぐ傍にゴズマの姿が見えた。 「やばい!」 速度を上げようとするが羊司の身体が悲鳴を上げるだけで、うまく走ることができない。 羊司の体はとっくに限界を超えていた。 意識は急げ、逃げろと伝えるが、身体が全く追いついてこない。 羊司は先程と同じ様に牽制に砂を浴びせようとするが、ゴズマは両腕で顔を守り、大して効果を得られない。 「ヨウジさん、こっちです!」 万事休すかと思ったその時、コリンの声が聞こえた。 「コリン!」 「そこにいたか、小娘!」 コリンは樹陰から顔を出し、羊司に手を振った。 羊司は頷き、コリンに向かって気力を振り絞り駆ける。 「おおおおぉおおぉぉぉ!」 「ガキイイイィイィィィ!」 ゴズマの姿が羊司の背後に迫る。 「コリンッ!」 「ヨウジさんっ!」 羊司は体勢を低くし、コリンの元へ飛び込む様に駆け込んだ。 身体を屈め、動かないでいるコリンの手を取る。 引っ張られるコリンだが、速度の乗っていないそれは致命的な失敗だった。 コリンのもつれた足がバランスを崩す。 姿勢が崩れ、コリンと羊司は前にうつ伏せに倒れこんだ。 その逸機を見逃すゴズマではない。 二人は振り返り、もうゴズマから逃げ切れないことを悟った。 「終わりだ、糞ガキ!」 ゴズマは速度を落とさず抜剣し、羊司を刺し殺そうと腰だめに構えた。 羊司は考えた。 力では歯が立たない。 逃げ切れるとは思わない。 奴隷になれば生き残れるが、コリンの命は奪われてしまう。 なら二人一緒に生き残るにはどうすれば良いか? 必死で知恵を振り絞る。 19年の人生の中で、最も頭をめぐらせた。 そして思いついた決死の策。 一人が罠をはり、もう一人が囮になる無謀な策とは言えない様な愚策。 出会ったのが数時間前で、まともに話を出来たのがたった一時間前だ。 信頼関係と言えるものも碌にできておらず、片方が裏切れば簡単に瓦解する策だ。 しかし、羊司は信じた。 「げこぉっ!?」 それしか方法は無いからと言う理由からではなく、怖がりで泣き虫な少女だが自分を救ってくれた優しさを信じた。 「げぇーーっ、ご、ごふっ、げぇーっ、げほっげほっげほっ……」 突然ゴズマの身体が上半身だけ急停止し、下半身を前方に放り出した。 剣を取り落とし仰向けになって必死で首を抑えもがく。 「ざまあみろ……駄犬」 羊司とコリンはゴズマの苦悶の表情を見ながら、ゆっくりと痛みと疲労と恐怖に震える身体を起こした。 話は少し遡る。 「コリン……今から俺の言うことをちゃんと聞いてくれ……」 コリンを庇い背中に隠した時、羊司は小さく呟いた。 「は、はい……」 「俺の後ろのズボンのポケットの中に、さっき切れた弦と予備の弦が入ってる。 それを取ってくれ」 コリンは羊司のズボンから、丸めて収められていた弦を取り出す。 「ありました」 「それを持ってこの森を真っ直ぐ走れ」 「えっ?」 羊司の言葉に戸惑う。 このヒトを置いて自分だけ逃げてよいのかと思う。 しかし、 「できません……」 結局、ゴズマの足の速さに逃げ切れるはずと諦念し、また羊司を置き去りにするという良心の呵責に耐え切れず、コリンは俯いてしまった。 ゴズマが何か言っているようだが、コリンの耳には届かない。 「コリン、君のする事は逃げる事じゃない」 コリンの心情を察し、羊司は優しく言い聞かせる。 「君は走って、この弦で森に罠を張るんだ。 出来るだけ狭い樹木に精一杯足を伸ばして弦を結ぶんだ。 俺が、怒り狂っているあいつをおびき寄せる。 出来るな?」 コリンは羊司の意図をよく理解した。 「でも……絶対無理です」 それでもコリンは頭を左右に振り、否定する。 ゴズマのあの足の速さにヒトである羊司が逃げ切れるわけが無い。 「コリン、一度でいいから俺を信じて欲しい」 その言葉にコリンは顔を上げる。 表情は窺えないが真剣な表情をしているのはわかった。 「頼む。 絶対に君のところまで、どんな手を使ってでも逃げ切って見せるから」 その力強い言葉に、コリンは決意した。 「わかりました……信じます」 コリンは一分一秒でも早く罠を仕掛けることで羊司を信じる証とする。 羊司の信頼に報いるためにも。 「しかし、お前も運が悪ぃな。 あの姫さんに出会っちまったせいでお前も俺に見つかっちまった。 全部あの姫さんのせいだぜ?」 「コリンは悪くない」 行けっ、と羊司は呟いた。 コリンは頷き、恐れを勇気でねじ伏せ走る。 「他の誰よりもコリンに会えて良かったと思ってる。俺は――」 全部聞けないのが少し残念だった。 「どうだ、ヘヴィゲージの弦の味は?」 「ぎ、ざま……」 苦しみ悶えているゴズマに羊司は嘲りを含め言い放つ。 「お前は激昂しやすい性格だったからな。 簡単に挑発にのってくれた」 「何、を、しやがっ、た……」 「ギターの弦をお前の身長に合わせて張っただけだ。 こんな森の中じゃ視界も悪いし、早々ばれない。 しかも樹木と樹木の間が狭いし、枝があるから首を突き出す格好になる突きしかできねぇだろ。 この辺りはコリンが機転を利かせてくれたおかげだな。 あとはお前が勝手に幹に張った弦に全力で突っ込んで自滅したんだ」 「舐めた、真似……じやがって……」 ゴズマは血走った目で羊司を見、這いながら落ちた剣に手を伸ばす。 しかし、その手が長剣に届くことは無かった。 「俺が引導を下してやる」 長剣を拾い、羊司はゴズマに死刑宣告をする。 後ろでコリンが息を呑む。 手を伸ばし羊司の服を指ではさみ、これから行われるであろう人殺しを止めようとする。 「ぎざま……」 「俺はコリンの為、そして自分の為にお前を殺す。 これから何度も誰かに襲われるだろうけど、その度にそいつらを殺す」 「一生、やってな……」 大きく咳き込み、ゴズマは血を吐いた。 呼吸器系の損傷が相当酷いようだ。 「ヨウジさん……」 「コリン、手を離してくれ」 止められないとわかったのだろう。 コリンは伸ばした手を離した。 そして俯き、ゴズマから顔を背ける。 「コリン、しっかり覚えておいてくれ。 俺はこれからも人を殺すって事を」 それだけ言うと、羊司は重い長剣を振り上げ、ゴズマの首を目掛け振り下ろした。 「……行こう、コリン」 「……はい」 ゴズマの遺体をその場に放置し、二人は歩き出した。 コリンはすぐに立ち止まり振り返ってゴズマを見る。 悲しそうな表情で死んだゴズマを眺め、何かを振り切るように目を背け、先を行く羊司を追いかける。 そして二度と振り返らなかった。 置き去りにしたギターや籠を取り、薄暗い森を二人は歩く。 先ほど初めて人殺しをしたのが心に重くのしかかっているのか、二人に会話は無い。 普段あまり饒舌ではないコリンも、何かを言わなければならないと口を開こうとするが、なぜか言葉が出てこない。 コリンが沈黙を気まずく思いながら羊司の背中を眺めていると、突然羊司がコリンの法を向き、口を開いた。 「コリン」 「は、はい。 なんでしょうか!」 羊司の真剣な表情に、コリンは気押されたかのように身を硬くする。 「コリン、その……さっきも言ったかと思うんだけど」 さっき? さっきとは何の事だろう、と思い始めたところで、心当たりがあったのかコリンの頬が赤く染まる。 「しかし、お前も運が悪ぃな。 あの姫さんに出会っちまったせいでお前も俺に見つかっちまった。 全部あの姫さんのせいだぜ?」 「コリンは悪くない」 「他の誰よりもコリンに会えて良かったと思ってる。俺はコリンのことが――」 コリンは耳まで顔を赤くしながら、羊司の言葉を待つ。 「ええとだな、その、きのこは捨てた方がいいと思うんだ」 「はい?」 コリンは耳を疑った。 「いやさ、なんか見るからに怪しさ全開のきのこ取ってただろ? あれって幾らなんでも食べると身体に悪そうって言うか……」 羊司は如何にも言いにくそうに話し、コリンの籠に手を伸ばす。 突然伸ばされた手にコリンは身をすくめる。 そんなコリンを早く俺に慣れて欲しいと思いながら羊司は、さきほどコリンが拾った赤いいぼ付ききのこを手に取る。 コリンは恐る恐る目を開き、羊司の手を見た。 「えーと、ヨウジさん」 「他の食材ならまあ何とか料理できなくも無いけど、これはちと無理――」 「食べませんよ。 これは」 羊司はぴたりと静止する。 「これは食用じゃなくて薬用です。 疲労回復や滋養強壮など様々な効用がある北のこの地方にしか生えない珍しいきのこなんです」 「あ、そうなの……」 それを聞いて羊司は胸をなでおろす。 「心配、して下さったんですね。 ありがとうございます、ヨウジさん」 コリンは微笑み、頭を下げる。 一瞬期待してしまった事とは違うが、羊司は自分を気遣ってくれたことに素直に感謝を述べる。 「ああ、いや、そんな、頭下げないでくれ。 なんだか照れる」 羊司も先程のコリンと同じように顔を耳まで染め上げる。 顔を上げたコリンの顔を直視できずに必死で手を振り、別の話題を探す。 「あ、なんか変な動物がいるぞ! 見てみろって、コリン」 焦る羊司の指差した方角にコリンが目を向けると、全身が薄い茶色に覆われ顔面だけ白い動物がいた。 「あ、クト」 羊司が何かを言う前に、コリンはクトと呼ばれたラクダの様な動物に駆け寄る。 クトは嬉しそうに首をコリンに擦り付け親愛の情を示す。 「くすぐったいよ、クト」 「随分馴れているんだな」 危険はないと判断したのか羊司はクトに近づく。 コリンは微笑みながら頷く。 「ずっと一緒に旅してたの。 クトはリャマっていう動物の種類で、荷物の運搬とか随分お世話になってるんです」 コリンはクトの頭を撫でながら答える。 「へぇ、これからよろしくな。クト」 羊司が頭を撫でようとすると、その手から逃げる様にすぃっと顔をそらした。 「あ、こら」 「ふふっ、嫌われちゃいましたね」 人好きな性格だからすぐ仲良くなれますよとコリンは笑いながら、クトの首にかかった手綱をとる。 歩き出したコリンに逆らわずクトは歩き出した。 「こっちです。 羊司さん」 「あぁ、わかった」 一人じゃなかったんだなと考えながら羊司は、コリンとクトの良好な関係に笑みを浮かべた。 「ここです。 羊司さん」 案内されたテントは思っていたよりも大きかった。 モンゴルのゲルを一回り小さくした円形状のテントは、骨盤がしっかりしているのか、ちょっとやそっとでは倒れる心配は無さそうだ。 周囲には炊き出しに使った鍋や、簡単な岩を並べたコンロがあった。 「初めてヒトを入れるんですけど、ドキドキしますね」 コリンが照れくさそうに言った。 羊司は異性の部屋に入った事が数回あったが、それほど興奮したりはしなかった。 しかし今は心臓の音がコリンに伝わるのではないかと思うほど緊張していた。 コリンは蚊帳を開き先に入り、羊司を中へと促す。 「汚いところですけど、笑わないで下さいね?」 「あはは……」 羊司が苦笑しながらテントに足を踏み入れようとし、ふとその場で動きを止める。 首をかしげコリンは羊司の動きを観察する 「ヨウジさん?」 「あ、えーと……これから俺が何時までかかるかわからないけど、元の世界に帰るまでお世話になるだろ? その度にお客さんとして扱われるのはどうかなーと思うわけなんだ。 あー、だから、つまり……その――」 コリンの目を見れないのか、しきりに目を泳がせる。 「ええとだな……これからよろしく、ただいま……かな?」 「はい……私こそ、よろしくお願いします。 お帰りなさい、ヨウジさん」 コリンと羊司はお互い微笑みあう。 暗く寒い森の中の小さなテント、異世界から迷い込んだヒトの男は孤独で泣き虫なヒツジの少女と共に暮らし始めた。 男は自分の世界に帰るために、少女は未だ自分が何をすればいいのかわからず旅を続ける。 これは歴史に刻まれるヒトと人間の寄り添いあった生涯を描いた物語である。 「コリン、ギター弾いてやろっか?」 「わぁ、聞きたいです。 ヨウジさん」 「よし、じゃあ外にでよう」 「はいっ!」 二人の未来に幸多からん事を。
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もうなかないよ【登録タグ GUMI も ロミピ 曲】 作詞:ロミピ 作曲:ロミピ 編曲:ロミピ 唄:GUMI 歌詞 夢を見ました とても懐かしい夢を あなたは憶えている? 沢山バカやった事 先生の下駄箱に 空のラブレター入れて 影から反応見て 二人で笑ったね 部外者の癖に 私の大学に来て 架空の名前で講義受けて あの時はドキドキしたよね 眠るあなたの 頬はほんのり赤くて 微かに笑ってる でも私は笑えなかった 食事はいつもハンバーグ サラダのトマトに砂糖かけて フルーツみたいになるんだよと 大真面目な顔で言ったよね ごめんね泣かないって 約束したばかりなのに 【またね】の声 涙声 絶交なんて言わないでね? 【おやすみ】の声は もう言葉にならなくて もう一つ約束 今度会う時は泣かないよ コメント 良い歌ですね(;_;) -- キャロル (2012-04-14 20 16 16) いいわ。。 -- (`・ω・´) (2012-05-03 12 51 06) 良し良しぜーんぶ良し!! -- \(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ? (2013-03-25 17 48 42) 名前 コメント
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泣かないで、泣かないで、笑って! 第2話 照りつける暖かい日差しと、それに反したひんやりとした冷たい風。 夏季に入り、連日猛暑が続いているのだが妙に涼しい。 時折吹き抜ける風が周囲の気温を下げているのか、あるいは丘の下に広がる透き通った湖が熱を気化しているのか、おそらくはその両方であろう。 小高い丘には草原とゴツゴツした岩と所々に生えた針葉木しかない。 そんな自然の芸術で形成された風景に、につかわしくない人物が紛れ込んでいた。 「ふぐぅ…」 男が仰向けに倒れている。 赤いタンクトップに黒いジーンズ、黒く長い髪は適当にはねており、前髪だけ癖になっているのか目元で分かれている。 筋肉質では無いが、身体は引き締まっていて、顔立ちは悪くは無いが、特別良いと言えるほどでもなくこれといった特徴が無いのが特徴であった。 男の周囲には投げ出されたままの状態のギターケースが転がっている。 いつからそこにいたのか、男自身にもわからない。 男は太陽の眩しさから目をそらすように体を横に転がした。 「……」 冷えた風が吹き抜ける。 無意識に身体を丸め、男は体温を保持しようとする。 しかし二度三度と襲い来る寒波に、男は耐え切れず、薄く目を開いた。 最初に男の目に入ったのは一面の若草の緑。 続いて、ヒノキだかスギだかよくわからないところどころに生えた針葉樹とこぶし大から男の背丈ほどもある岩。 立ち上がってみると、高台になっていたらしくそれほど離れていないところに針葉樹の森と、反対側の丘下に大きな湖があった。 「……ふぁ」 未だに寝ぼけているのか、男は現実感の無い風景をあっさりとうけとめた。 そよそよと頬を撫でてくる風が気持ちいい。 男のまどろんだ脳が冴え始めてくる。 それと同時に生じてくる違和感。 なぜここにいるのか、と男の頭に浮かび、家に帰った事も覚えてない、と男は考え、むしろ帰ってたっけ、と男に疑問が生じ、これは夢だなと男は結論付けた。 思考は一瞬。 そして男は両足を投げ出して地面にへたりこんだ。 「……んなわけねーじゃん」 太陽は変わらず眩しかった。 どーしよっかなーっとふざけた様に呟き、およそ真剣に見えない顔で白痴の様に呆けていた男は、ふと気づく。 「っ、携帯!」 男は慌ててジーンズのポケットに手を突っ込んだ。 心情では相当焦っていたのかその行動は素早い。 労せず触れる硬質の感触。 ジーンズから携帯電話を引っこ抜き、液晶画面を確認する。 暫く携帯を凝視していた男は視線を外し、仰向けになり空を見上げた。 「……お約束だよな」 携帯の電波は圏外を示していた。 携帯を仕舞い、男はふて腐れた。 「どこなんだろ、ここ……」 寝そべりながら呟く。 頬に触れる若草がこそばゆかった。 どれ程の時間が経ったのかわからない。 男は体を起こした。 景色は相変わらず森と山と湖。 携帯電話の画面で時間を確認すると、先ほど確認した時間から二時間ほど経過していた。 こんな見ず知らずの安全っと決まったわけでもない場所で無駄に時間を使ってしまった自分の神経の図太さに、男は頭を抱えた。 ひとしきり己の馬鹿さ加減についての後悔を終えた男は、投げ出されていたギターケースを手に取る。 おもむろにケースを開き、アコースティックギターを取り出す。 「げっ……弦が切れてやがる」 五弦目の弦が千切れ飛んでおり、羊司は相棒の無残な様子に軽く凹んだ。 ギターケースにしまっていた替えの弦やピン抜き、ニッパーなどを取り出し弦交換に移る。 何度も弦を交換してきたのか、その手順は鮮やかである。 程なくしてギターが元通りになる。 「調律は、と……」 何度か弦を弾き、音がずれていないか確かめる。 チューナーが無いのが痛いが、高校時代から愛用していた楽器だ。 完璧とは言えなくてもある程度はわかる。 調整は終わり、何度となく練習した得意のフレーズを引いてみる。 慣らしていないので少し五弦が強いが、仕方が無い。 次第に気分が高揚し、抑え目に弾いていたギターを鳴らす音量も大きくなっていく。 明るい曲、悲しい曲、楽しい曲、寂しい曲。 手馴れた様子でギターを操り次々と曲を変え、男は気付かないうちに声を出し、歌いだした。 歌うことが好きだった男は高校一年の時からプロのミュージシャンを目指している。 親には大学に進学して就職しろと反対され、友人には無謀だやめておけと止められた。 周囲の人間の態度に嫌気が指した男は、卒業して家を飛び出した。 幸い高校時代に無駄遣いせずに貯めた貯金で安いアパートを借りることができ、男はバイトとギターの練習で日々をめまぐるしく過ごしている。 日々研磨し努力した賜物か、男の声は周囲によく響いた。 そして、その歌声に惹かれるものが一人。 灰色の外套姿で、フードを目深に被っている為、男か女か区別がつかない。 周囲の木と岩影に隠れながら少しずつ近づいてくるが、あまりにも隠れ方がお粗末過ぎる。 とはいえ、見ているとなかなか面白いので男は気づかない振りをしながらギターを弾いた。 男はそろそろいいかなと思い、楽器を鳴らす手を止める。 木陰から飛び出そうとしていた矢先、音楽を止められ、間抜けな姿で静止する。 その距離およそ10メートル。 外套を着た者と男の視線が重なる。 「あ、あぁ……」 少女特有の高い声。 男の心の中で前面の外套の中は年若い女の子と結論を下した。 「あの……」 黙っていても仕方ないと思い、声をかけようと一歩踏み出す。 その瞬間少女は脱兎のごとく逃げ出した。 「わっ、待ってくれ!」 ギターを置き、起伏にとんだ丘に足を取られながら、男は慌てて追いかける。 「っ! 来ないでっ!」 少女は振り返り、男が追いかけてくるのを見て涙声で叫んだ。 「来ないでっ、追いかけて来ないでっ!!」 「頼む、何もしないから逃げないでくれ!」 静止する声を無視し、少女は逃げる。 「なあっ、ここは何処なんだ!?日本だろ!?」 「違いますっ、来ないでっ!!」 少女の答えに納得できず、男はさらに声を荒げた。 「そんな訳ないだろっ! あれかっ!? 北朝鮮か!? 拉致かっ!?」 「知らない、知らないっ!」 必死で男も追いかけるが、一向に距離は縮まらない。 凹凸の激しい丘を、少女は全く速度を落とさずに駆け下りる。 自分より華奢で小柄な少女を、声を上げ追いかける自分の姿はどう見ても変質者だと思い、男は泣きたくなった。 少女はマントを大きくはためかせ、もう二度と振り返らずに走っていった。 「待ってくれよ……頼むから」 丘を抜け、鬱蒼と茂った森の中で、男は息も絶え絶えに呟いた。 既に、全力疾走ではない。 落ちていた長い木の枝を杖代わりに歩いていた。 気温は低めだが、先ほどの鬼ごっこのせいでかなりの汗を掻いている。 べたついたシャツを鬱陶しく感じながら、時折つま先で土を削る。 道しるべ、のつもりだ。 「なんで……歌聴くときは寄ってくんのに……話し掛けたときは、逃げんだよ……」 苦しげに男は言う。 それにしても、と男は思う。 全力で走っている自分は、別段運動部に所属していたわけでも、特別に体力に自信があるというわけでもない。 学生時代と違い、確かに運動不足はいなめない。軽い筋トレぐらいはしているが、それも軟弱に見せない為の見せ筋を維持する為だ。 しかし、いくらなんでも15、6の少女に、足の速さで負けるほど身体も鈍っちゃいないだろう。 しかし、追いつけなかった。 少女の姿はとうに見失った。 別段勝利に固執する性格でもないが、やはり年下の少女に走り負けると言うのは悔しく感じる。 それでも少女の姿を追い求めるのは、流石に少女も追いつけなかったとはいえ自分と同じ様に体力も落ちて歩いているだろうから、もしかしたら追いつけるかも、と考えたから。 また、走っていった方向に少女はいなくとも、街か何かがあったら誰か住んでいるだろう、とも思ったからだ 「待ってくれてもいいだろうよ、あそこまで怖がられたら流石に俺も傷ついたぞ…」 沸々と理不尽に逃げた少女に対する怒りが募ってくる。 「逃げるぐらいなら近づくなっての。 声かけただけじゃんよ」 男も自分の言葉が理不尽と言う事はわかっている。 しかし言わずにはいられない。 「自分だって変な外套を着て、おかしいだろ……それな――」 突然男は愚痴を止め、身体を木に隠し息を潜める。 慎重に首だけを伸ばし、目標を確認する。 そして心の中で歓声をあげた。 見つけた、さっきの少女だ。 少女はブナの様な木の傍で、両足の膝を地面につけ何かを熱心に覗き込んでいる。 左手には外套に半分隠れているが、円形のザルの様な物を持っている。 男は声を殺して、回り込みながら静かに少女に忍び寄る。 少女は気付いていないのか、暫く木の根元を観察していると、思い出したかのように右手で土を掻き分け始める。 興味をそそられたのか、男が身体を横にそらし少女の手元を見ると、毒々しいイボ付きの赤いきのこがそびえ立つ様に生えていた。 少女はそれを嬉しそうに籠に入れる。 男の顔が引きつる。 少なくとも、こんな毒々しいきのこは自分なら絶対に食べない。 頭が錯乱するか、腹筋がねじれるほど笑い転げるか、下手をすれば死んでしまう。 声をかけるか、否か。 声をかけなかった場合、殺人補助になるのだろうかと男は悩む。 流石に人道的に問題があるだろうと思い、男は少女の肩に手を伸ばす。 声をかけて、逃げられるのはもうこりごりだった。 しかし、肩に触れる前に少女の顔を見て、息を呑んだ。 男が驚くほど少女の顔は整っていた。 ふっくらとした唇、現役のアイドルも羨む様なすっと長い鼻立ち、見るもの全てを慈しむ様な穏和そうな目。折れてしまいそうな細い指を一生懸命動かし、土を掻き、キノコを引き抜く姿は、非常に微笑ましい。 ボロボロの外套に隠れてはいるが、時折除く髪は白髪と呼ぶにはおこがましいほどに美しく、ふわふわと波打っている。 「うわっ……超かわいい」 先ほどの少女に対しての批難する様な愚痴や危なそうなきのこの存在すら忘れ、男は知らず呟いていた。 「!?」 その瞬間、少女が小さな肩を竦ませ、男の方を向いた。その顔には明らかに恐怖の色に染まっている。 少女の震える指から籠が滑り落ちる。 底の浅い円状の籠から、男が見た事もない野草やまだら模様のきのこが零れ落ちた。 「あ、あぁ……」 迂闊だったとしか言いようが無い。 テントの方へ真っ直ぐ逃げてしまった。 男から完全に逃げ切ったと思い込んだ。 貴重な食料に気を取られ、男の接近を許してしまった。 少女は膝を地面につけた状態で外套を握り、身震いしながら自身の行動を悔やんだ。 少女が肩を震わせ、大きな目に涙を溢れさせる姿に、男は酷く動揺した。 「な、泣かないで! ちょっと道を知りたいだけなんだ! 教えてくれたらすぐに消えるからさ! 大声出して追いかけてごめん! 黙ってこっそり後ろから近づいてごめん! 謝るから泣かないで! あと、そのきのこは食べない方がいいと思うよ、うん!」 男は自分でも何を言ってるのかよくわからないが、ひたすら謝ってみる。 少女は何も答えない。 「本当にごめん! 怖いならもう少し離れるからさ、せめて逃げないで」 そう言って男は伸ばしたままになっていた腕を引っ込め、前を向きながら器用に後ずさった。 宥めて卑屈になって。 男はなぜこんなに必死になっているんだろうと思う。 ただ言えるのは、罪も無い女の子を泣かせるのはどうしてもごめんだった。 「本当に……何もしませんか?」 男の願いが通じたのか少女が顔をあげ、初めて自ら声を出した。 「しないしない、絶対に危害を加えないってば」 少女は男に対する警戒心が抜けていないのか、未だに顔を伏せている。 初めて会話への糸口が見つかった男は、必死で自身の無害さをアピールする。「ええと……さ、変な事を聞くようだけど、ここって日本だよね?」 男が少女の顔色を窺いながら、尋ねる。 脅かさないように、泣かせないように。 少女は幾分か迷いながら、答えた。 「……いえ、ここはフィルノーヴ。 ニホン、という国ではありません」 「いや、でも俺さっきまで日本に……っつーか東京にいたんだけど」 「はぁ……」 少女はよく意味を理解しきれていないのか、首を傾げ曖昧に相槌を打つ。 「こっちに来て目を覚まして、日付見ても一日やそこらしか経ってないから……あれ? 日本からブラジルまで24時間で行けたっけ?」 「よく、わかりません……あなたが何を言ってるのか……」 「まあ、どうみてもブラジルじゃなさそうだし、どうでもいいんだけど。 あー、つまり……ここってどこかな?」 「で、ですからフィルノーヴです」 「そんな国聞いたこと! ……いや、大声出してごめん。 泣き顔で怯えないで……」 「グスッ……本当です。 この土地はネーモアと自然に囲まれた大きな国です。 本当に……知らないんですか?」 男は頬を頭を掻きながら少女の言った単語を思い出そうとする。 フィルノーヴ、ネーモア、全く思い出せない単語に男は恥ずかしそうに質問した。 「あの……無知でごめん。 フィルノーヴ、とかネーモアってさ、本当に、何、かな?」 その言葉に今度は逆に少女が驚いた。 大きな目を見開いて、男の顔や服装、一挙一足を観察する。 少女の慌てた様子に、男は少女に呆れられていると勘違いし、自身の常識の無さを恥じた。 「えっ……まさか」 「ごめん、今度からちゃんと現代社会についても勉強するから……」 少女が被りを振る。 そして初めて申し訳なさそうに言った。 「あ、いえ……すみません。 ヒト……だったんですね」 少女の言葉に男は呆然とする。 そして次第に怒りも沸いてくる。 人だったのか、だと? どこからどう見たら人間ではないと思えるのだ。 人が下手に出ていればいい気になりやがって。 どうしてここまでコケにされないといけないのか。 馬鹿にするのもたいがいにしろ! そろそろ少しぐらい叱るべきなのかもしれない。 男は激憤に駆られた表情を隠そうともせずに少女を睨んだ。 男の憤怒の表情に気付いた少女は、恐怖の満ちた顔を涙で濡らした。 両手で胸元の外套を握り締め、まるで親に叱られる子供のようにきつく涙で溢れた目を閉じ、震えながら頭を垂れる。 その姿を見ると、男も怒る気力を無くしてしまう。 「はぁ……俺が悪かったから、そんなに怯えないでくれ。 あと、俺を人間扱いしてくれると嬉しい」 少女は上目づかいに男の表情を確認すると、首を小さく振った。 縦に、そして横に。 「……それで、フィル……なんたらとネルモアって?」 男にもう反論する気は無かった。 早く話しを済ませてしまおうとばかりに質問する。 「……フィルノーブは北寄りのオオカミやクマ、他にも多数の部族が多く住む土地で、森と山に囲まれた国です。 独自の集落の多いこの国は、その土地特有の果実や珍しいイキモノが数多く生息しています。 ネーモアはこの土地一番の大きな湖で毎年この時期になると珍しい赤い顔の白い鳥が群れを成して集まり、数多くの見物客で賑わ――」 「それで、この辺りで一番近い街は何処だ?」 少女の説明を遮り、男は最も知りたい事を確認する。 「なんでこんな国に居るのか、理由は後で考える。 とりあえず電話さえあったら日本の実家に連絡できるから」 「デンワって何ですか?」 「電話は電話だ。 んで、銀行に振り込んでもらって下ろして、飛行機で日本に帰る。ビサなら使えるだろ」 「ギンコウ? ヒコーキ? ビサ?」 少女は本気でわからないのか、首をかしげている。 男は次第に苛つき始めるが、表情を押し殺しながら尋ねる。 「すまん、遊んでいる暇は無いんだ。 とりあえず街はどこだ?」 「はぁ……ここから700ケート程南に行ったところにオオカミの集落がありますからそこに」 「舐めてる?」 「いえ、そう言われましても」 少女は困ったように頬を人差し指で掻きながら答える。 不機嫌そうな男に言うべきか言わぬべきか迷っていた。 意を決し、少女は口を開いた。 男の目から若干視線を逸らせながら。 「ええと、怒らないでくださいね。 あなたは帰ることが出来ないと思います」 「何だって?」 「ここは、いえ、この世界には貴方の言うニホンという国は何処にもありません」 森に静寂が宿る。 男は怒鳴り散らしたくなるのを堪え、少女に尋ねる。 「……冗談にしては面白くないぞ」 「本当です。私自身、始めて外界から来たヒトを目にしたのですから」 「よくわからない。 君は人間だろ?」 男は当然の疑問を口にする。 「ええ、私はニンゲンです」 ただしと口にし、少女は被っていた外套のフードに手をかける。 そして、フードを脱ぎ、隠れていた後ろ髪に手を入れ、サッと後ろに流す。 男は白というより銀に近いウエーブの髪をなびかせる少女に目を奪われた。 否、正確には少女の顔の横についているものに目を奪われた。 それは横に長く伸びた大きな耳。 「私はコリン・ルーメリー・ユイーフア。 普通の、ヒツジの女の子です」 男は声を失った。 頭が理解に追いつかない。 この世界に日本が無くて、そして自分はヒツジの女の子? 頭を掻きながら男は考える。 少女、コリン・ルーメリー・ユイーフアは佇みながら男の反応を待っている。 「ええっと……その耳、よく聞こえそうだね?」 結局、男には無難な話題を出すしかなかった。 「え、はい。 ヒツジですから」 「そっか。 羊か」 「はい、ヒツジです」 あははーっと声を上げ、お互い笑いあう。 そして男が笑顔でコリンに問う。 「ところでさぁ、どこからどこまでが本当?」 「全部ですよ」 コリンの答えに男はブチギレた。 「あーっ、マジですまんかった。 むしゃくしゃしてやった。 今は反省している」 男が髪を掻きながら、あまり反省してそうに見えない顔で謝る。 ビクビク怯えながらコリンは両手で頭を抱えてしゃがみこんで、本当ですかぁと涙声で言う。 その姿に怒鳴ってしまって悪いことをしたと思いつつも、心の片隅でもっと苛めてみたいと不謹慎にも思ってしまう。 「えーとだな。 とりあえず俺自身、正直半信半疑で君から聞いたことを纏める。 ここは狼の集落の近くで、羊が人で、この世界には日本は無いとかそんな風に聞こえたんだが、もう一度聞くぞ。 本当か?」 「は、はい。 正確に言えばウサギとオオカミの、若干オオカミの国側の大陸です。 ニホンという国は……ごめんなさい、本当に無いんです。」 男の嘘は許さんといった威圧する目にコリンは怯えながらも何とか言葉を紡ぐ。 腕を組む男の沈黙を続けろと受け取ったコリンは話を続ける。 「私はヒツジですが、この世界には様々な種族がいます。 先ほどから何度か言いましたオオカミやウサギ、クマなど多数の種族がいますがみんな人間です」 「ちょっ、ちょっと待ってくれ」 話を遮り、男は慌てた様子でコリンに問う。 「どうみても君、えーっと……コリンさんは人間だろ? 変わった耳飾りみたいな物をつけているだけだろう? 日本語を話しているし、その姿はどうみても人にしか見えない」 「いいえ、私はヒツジです。 この耳は飾りではないですし、私以外にもそれぞれの種族の特徴を持つ人間はいます。 それと私たちが話している言葉はこの世界の共通語で昔から使ってきました。 むしろ、なぜ貴方の言葉が私に通じるのか、それが全然わからないんです」 「……人って人間って事だろ?」 「うまく説明できませんが、ヒトは貴方です。 そして、人間は私たちなんです。」 男は自分の額を手で覆う。 理解しかけているが、理解できない。 そんな態度が現れている。 「今から貴方にとって非常に心苦しいことを言います。 その、怒らないでくださいね?」 コリンが言いづらそうに男に確認を取る。 慌てて男が顔を引き締める。 「落ちる、この世界に強制的にやってくる、という意味なんですが、この世界に貴方は落ちてきました。 外界から落ちてきた人間を私たちはヒトと言います。 ヒトがこの世界にやって来ることは稀で、落ちてきたヒトには一切の人権はありません。 つまり……ヒトと言うのは奴隷や家畜の別称なんです」 「はぁっ!?」 素っ頓狂な声を出し、男は少女を間の抜けた顔で見た。 「ヒトは奴隷という所有物ですから、傷つけ、苦しめ、壊しても罪には問われることはありません。 それと、私自身ヒトを見るのは初めてなのですが、ヒト奴隷はとても高価なものだと聞いた事があります。 人里に入れば確実に、貴方は捕まり売られるでしょう」 男の中で何かが崩れていく音が聞こえた。 何処にも行く当ては無い。 頼れる縁者もいない。 街を歩くことも出来ない。 住む当ても無い。 食べる事すらままならないだろう。 たった一人でこの世界をどう生きていけばいいのか。 「嘘だろ? なぁ……これって嘘だよな?」 男がコリンに詰め寄る。 コリンの両肩が強く揺さぶられる。 「いいえ……すみませんが……」 「帰る方法は……」 「聞いたことが……ありません」 コリンは首を横に振り、男の望みを絶つ。 男はこの世界に絶望し、いたずらな神を呪う。 悲観にくれる男の涙が少女の外套を濡らした。 「私と、一緒に来ますか?」 彼女は言った。 男は涙でくしゃくしゃになった顔を隠そうともせず、少女の顔を窺った。 「私は、一つの町へ定住することはせず、リャマのクトと一緒にいろんな国を旅して回っています。 いろんな国を調べたら、もしかしたら元の世界へ帰る手がかりが見つかるかもしれません。 もし宜しければ、一緒に、行きませんか?」 少女は震える身体を優しさで押し殺し、笑みを浮かべ男に言った。 不安なのだろうと男は思った。 この少女は怖がりだ。 おどおど辺りを窺って、何かに怯えて生きている。 この少女は泣き虫だ。 今日、初めて会ったのに何度泣かせたかわからない。 そしてこの少女は―――とても優しい。 少女の性格からして、ヒト、しかも男と話をするのは怖いだろう。 安全面からも、非力で高価なヒトと旅をするなんて危険極まりないだろう。 金銭面、生活面でも迷惑をかけるだろう。 少女の事を思うなら、一緒に行かないほうが良いに決まっている。 しかし、 しかし、それでも―― 「浅草羊司です。 よろしく、お願いします。 コリン様」 「こちらこそよろしく、おねがいします――ヨウジさん」 一人は、嫌だ。 私の住処へ案内します、とコリンは言った。 落ちた籠に山菜を詰めなおした後、落とさない様にしっかりと両手で持ち、フードを被り直した後、先導する様に歩き出した。 そして少女の数歩後を羊司がついていく。 辺りはかなり日が落ちており、夕焼けが世界を柔らかく包む。 「えーっと……コリン様」 足早に歩くコリンに羊司は、先ほどから懸念していたことを伝えようと声をかける。 「あのっ、ヨウジさん、私に敬語なんて使わなくても……」 表情は伺えないが、声質は困ったという感じが滲み出ている。 「あ、いや。 そう言わないとまずいと思うし」 「一応は主人ですけど、強制はしませんから……ただ、人前で気をつけてくだされば」 コリンが言うには基本的に自分、浅草羊司はコリン・ルーメリー・ユイーフアの所有物になるそうだ。 本人は酷い扱いをしない、敬語は使わなくていいと言っているが、人前だとどうしても建て前というものがあるので、その時だけ、奴隷としての行動を取ってほしいと言う事らしい。 どうも俺は過剰に意識していたらしい。 「あー、わかった。 人前では敬語で様付け。 でも今は敬語も様もいらないんだな?」「はい。 私は普通の、ヒツジですから」 なぜか普通を強調するコリン。 「よく意味がわからんが、わかった。 改めてよろしく。コリン」 「はい。 ヨウジさん」 微かに笑みを浮かべるコリンの姿に、羊司の頬がわずか朱に染まる。 「そ、そうだ、コリン。 ギターを丘に忘れたんだ。 取りにいかないとまずい」 表情の色を悟られたくない羊司は、慌てた様子でコリンに言う。 「ギターって、あのヨウジさんが弾いていた綺麗な音色の楽器ですか?」 「そう、それ。 雨なんて降ったらお釈迦だし、朝露にでも濡れただけでも相当やばいんだ」 頭を少し下げ、考え込むコリン。 しかしすぐに顔を上げ、わかりましたと了承し、先程の道に踵を返す。 「おおっと、その必要はないぜ」 「え!?」 「!?」 突如、羊司でもコリンでもない野太い声が周囲に響き渡り、一本の木の陰から二歩足で立つ、全身毛むくじゃらの狼が姿を見せた。 狼は上半身を黒い鎧を着て、麻の様な素材で出来たズボンに一振りの長い剣を刺している。 「ちょーっとばかし席を外している間におもしれぇ事になってやがるな」 「誰だ、あんた?」 羊司が身構え、警戒心を顕にする。 コリンは極度の人見知りと恐怖で震え、せっかく拾いなおした山菜の籠を取り落としている。 「んー、んー、んーー? 口の利き方がなってないガキだな。 せっかくお前の楽器を拾ってやったのによお?」 よく見ると羊司のギターケースが、巨漢の狼男の肩にかかっている。 羊司は驚き、礼を言おうと一歩前に出る。 「あ、すみませ――」 「まあ、俺が拾った落ち物だから俺のもんだがよぉ。 あと、目的ついでに目の前の落ち物も拾っておくか」 目の前の狼男が何を言っているのか羊司には理解できなかった。 目を瞬かせ、伸ばしかけた腕を止める。 「理解できねぇか? つまり、お前の物は俺の物。 さらに言うならお前は俺の物だって事だ」 羊司の背筋が凍る。 女に告白された事すらないのに、毛むくじゃらの身長がゆうに2メートルを超す狼男に告白されるとは。 どうすれば相手が傷つかず、なおかつ穏便に断れるか、羊司は必死で頭を巡らせる。 羊司の後ろではコリンが頬を染め、はっと何かに気付き、必死で頭を振っている。 「怖いか? 心配すんな、大人しくしていれば危害はくわえねぇ」 獰猛そうな顔に笑みを浮かべ、狼男は羊司に向かってにじり寄る。 「ええと、貴方の気持ちは大変嬉しく思いますが、俺は男でありヘテロなので、貴方の気持ちに応えられないというか近寄んなガチホモがとか思っちゃったりなんかして――」 「はぁ? 何をわけのわからん事を……」 脂汗を流す羊司にコリンはタンクトップを少し摘み、数度引っ張る。 「ヨウジさん、想像してる事はなんとなく理解していますが、多分羊司さんの考えている事とあの人の言っている事は違いますよ」 狼男に聞こえない様にコリンは言った。 「いや、でもさ……お前は俺の物ってどう考えても」 「ヨウジさん、貴方は物です。 つまりあの人は、貴方を手に入れて奴隷商人にでも売るつもりなんですよ。 あとギターも返す気も全然無いです」 羊司にもようやく合点がいった。 そしてゆっくり近づいてくる狼男を睨みつける。 「お前、俺を売り飛ばす気だったのか」 吼えるように羊司が狼男に言う。 狼男はニヤニヤと笑う。 「悪く思うなよ。 最近懐が寂しいもんでね。 あと、さっきも言ったように、おまえはついでだ。」 「ふざけんな! 誰がお前なんかに……」 言い切る前に狼男の膝が、羊司の腹にめり込む。 「ぐ、あ……ぅ……」 「少し黙ってな。 ボウズ」 5メートルの距離から一瞬で距離を詰められ、ろくに受身すら取れず膝をいれられる羊司。膝をつき激しく咳き込む羊司を無視し、狼男はコリンに近づく。 「い、いや……」 コリンは足がすくみ、悲鳴を上げることすら出来ない。 狼男がコリンににじり寄っている姿を羊司は苦悶に満ちた顔で睨む。 背中から突き刺さる弱々しい視線を軽く流し、狼男はコリンの前に立ちはだかる。 「さて、こいつはまあ思わぬ副産物だとして、本題はあんただ」 ヒターケースを放り出し、巨体の狼男の視線が鋭くなる。 「んな外套と人目につかねぇ道通るだけで誤魔化せると思ったか? オオカミの鼻舐めてんじゃねぇぞコラ」 狼男はコリンのフードを掴み、力任せに下ろした。 抵抗する暇もなく、少女の端正な涙に濡れた顔が顕わになる。 「ひっ……」 「自己紹介が遅れたな。 俺はゴズマ・ガンクォ。 誇り高きオオカミの国の戦士だ……とはいえ、城に仕えても乱暴すぎるって理由でたった二月で解雇されたがな」 オオカミの国の人間は基本的に粗暴だとコリンは聞いている。 しかし二月で城勤めを止めさせられるなど、いったいどれ程の事をしたのだろうか。 ブルブルと震えきつく目を閉じるコリンを笑いながら眺め、狼男、ゴズマ・ガンクォは話を続ける。 「傭兵になった俺はある日、妙な手配書を見た。 内容は、前年滅んだ自然公国ルブレーの美姫、コリン・ルーメリー・ユイーフアの身柄についての件だ」 そう言って、ゴズマは腰につけた小型の鞄から、巻物状に曲げられた紙を取り出した。 「ルブレーは滅び、王と后、その娘と息子の殆どが殺された。 だが、臣下に命がけで助けられ、崩壊する城から逃げおおせた姫もいた……わかるよなぁ?」 コリンの顔は既に蒼白になっている。 「コリン・ルーメリー・ユイーフア、生死を問わずワーグイシュー国、大臣、ハンムギーの下へ連れてきた場合……」 スルスルと紙を開く。 「40万セパタだってよぉ!」 そこにはコリンの顔が映っていた。 「全く俺はついてるぜぇ。 たまたま、その手配書を見た日に王女様の姿を見かけて、自分から人気の無い森に入ってくれて、さあ殺ろうと思った矢先、落ち物が現れた。 これも俺の日頃の行いの賜物だな」 下品に笑い声を上げるが、目は笑っていない。 「あ、あぁ……」 「どうした? 姫さん。 さっきからまともに喋ってねぇじゃねぇか」 ゴズマはコリンの肩に手をおき、顔を覗き込む。 「わ、わ、私は……」 「私は? 続きはどうした? 早く言えよ」 「私は……私自身、姫かどうか、覚えていない……」 「はぁ!?」 コリンの言葉にゴズマは素っ頓狂な声を出す。 これはコリンの苦し紛れの嘘だった。 人違いだったらもしかしたら見逃してもらえるかもしれない。 あまり要領が良いとは言えない頭でその場で考えた出まかせ。 しかしあまりにも稚拙な出まかせ。 「お姫さまじゃねぇのか?」 ゴズマはコリンの首袖を掴んで、詰め寄る。 コリンより圧倒的に背の高いゴズマが、少女の身体を軽々と掴み上げる。 「うぐっ……わからないんです……記憶が、無いから」 「何時からだ!!」 「は、半年前……」 「なんで手配書の人相書きと似てやがる!?」 「知ら、ない……」 「っちぃ!」 周囲の木に背中から叩きつけられ、コリンは苦しそうに言った。 喉を鳴らし、威嚇するゴズマの様子に、コリンの瞳から大粒の涙が流れる。 その涙を見て、ゴズマは動きを止める。 そして何を思ったか、しばらくの間涙を流すコリンを眺めていた。 「……はぁ、わかったよ」 急にゴズマが、疲れたようにコリンの首元から手を離す。 ズルズルと木に背中を擦りながら、コリンの身体が大地に触れる。 「けほっけほっ……えっ、あ……?」 突然離された手に、コリンは騙せたのかと思った。 「いや、本物か偽物かどうでもいい事を思い出しただけだ」 ゴズマの言葉にコリンの血の気が引く。 「死体に口無しってな。 姫さんじゃなかっても、そんだけ似てたらばれやしねぇだろ」 「そんな……」 「運が悪かったな、知らねぇ誰かさん……さあ、おしゃべりは終わりだ。 苦しまず殺してやる」 ゴズマは腰の飾り気の無い長剣を抜き、上段に構える。 「た、助け……」 「残念ながらそれは無理だな。 逃げられても困る……諦めて死ね」 コリンは涙を流し命乞いするが、無常にもゴズマの長剣が振り下ろされる。 コリンは死を覚悟して目を閉じた。 森に鈍い音が響き渡る。 「う……ぐ……」 コリンは迫り来る死の顎がなかなか訪れず、おそるおそる目を開く。 「この……ガキィ!」 「コリンに……手を出すな!」 コリンの瞳に羊司が荒い息を吐きながら、太い木の枝を持ってゴズマを睨みつける姿が見えた。 横合いから頭を強烈に殴られ、頭を抑えているゴズマの長剣は、コリンのすぐ隣を通り過ぎ大地に刺さっていた。 「奴隷の分際で舐めた真似しやがって……」 「うるせぇっ!」 羊司はもう一撃入れようと木の枝を振るう。 「舐めんな糞ガキ!」 ゴズマは利き手ではない方の腕で木の枝を防ぎ、長剣を離して空いた手で羊司を殴りつける。 「うがっ!」 ゴズマに派手に吹き飛ばされ、羊司は何度も地面を転がる。 転がるたびに地面に血の跡が残った。 樹木に背中から激突し、羊司は一瞬息が出来なかった。 「ヨウジさんっ!?」 コリンが巨体のゴズマの脇を掻い潜り、羊司の元へと走る。 「ゴホッ、痛ぅ……」 「大丈夫ですか、ヨウジさん!」 仰向けに倒れる羊司。 何とか起き上がろうとする羊司を気遣い、悲鳴に似た声を上げるコリン。 羊司はふらつく足で立ち上がりゴズマを睨み、殴られても放さなかった木の枝を構え直す。 「手癖の悪ぃ奴隷には、躾が必要だな」 痛みの残る首を何度か回し、ゴズマは地面に刺さった長剣を引き抜き、真っ直ぐと羊司とコリンの方へ歩いてくる。 逃げ出したい気持ちを抑え、羊司はコリンを庇うように立つ。 コリンは顔を上げ目を開き、驚いた表情で羊司の顔を見ようとするが、背中からでは羊司の顔を窺う事は出来ない。 「コリン……今から俺の言うことをちゃんと聞いてくれ……」 羊司はゴズマから視線を外さず、背中越しに小さな声で言った。 「考えてみれば意外だな。 なんでお前がそこの姫さんを庇う必要があるんだ? 奴隷になる事には変わりないし、もしかしてヒトごときが惚れたか?」 コリンを庇う羊司に興味が惹かれたのか、ゴズマはからかいを交え羊司に尋ねる。 羊司は枝を強く握り、言った。 「お前に言う、必要はねぇよ……」 「まぁ、それもそうだな。 大方姫さんに優しい優しい言葉を掛けられたってとこか」 羊司は黙ってゴズマの言葉を聞いていた。 「しかし、お前も運が悪ぃな。 あの姫さんに出会っちまったせいでお前も俺に見つかっちまった。 全部あの姫さんのせいだぜ?」 「コリンは悪くない」 羊司が声を押し殺して言う。 「他の誰よりもコリンに会えて良かったと思ってる。俺はコリンのことが――」 途端、コリンは一目散に森の中を走り出した。 羊司をその場に置きざりにして。 その後姿を見て、立ち尽くす羊司。 「はっはっは。 そうか、お姫さんは悪くないか。 お前のお姫さん、奴隷を放っぽって逃げちまったぞぉ?」 足音が遠ざかるが、ゴズマには自慢の鼻がある。 追うのは容易い。 「コ、コリン……」 「哀れだなぁ、おい。 信じた瞬間に裏切られてやがる」 「コリンは裏切ったりしない!」 「俺は間違いなくこうなると思ってたがね」 ゴズマはコリンの行動を半ば予想していたのか、笑いながら長剣を構える。 「さて、いい加減暗くなってきたな。 闇市が始まる頃だ。 お前を売った金で酒も飲みたいし、姫さんを追わんといけねぇから、さっさと終わらせるぜ」 羊司は距離を取りながら身構える。 「抵抗するだけ無駄だと思うがなぁ」 その距離15メートル弱。 先程羊司が不意打ちを食らったときよりも10メートル程長く離れているがゴズマなら一瞬で詰められるだろう。 「うっせぇ、駄犬!」 「あん?」 実力に完全に差が開いている今、抵抗しないことが羊司にとって最も良い選択肢であろうが、羊司は声を張り上げゴズマを挑発する。 「さっきから、マジでやかましいぞ、駄犬……首輪つけられて頭撫でられたく、なかったら、かかってこいよ!」 その言葉にゴズマの顔が引き攣る。 「俺はな、誇り高きオオカミの戦士だと言ったぜ……もう一遍言ってみろ糞ガキ!!」 羊司はしゃがみこみ、左手で足元の腐敗土を握り立ち上がる。 「狂犬病か……末期だな、頭どころか耳までおかしくなってやがる……」 オオカミである自分より力も体も圧倒的に劣っているヒトに馬鹿にされ、ゴズマは激怒した。 「……売っ払うのは止めだ、ぶっ殺す……死んで詫びろガキィィ!!!」 ゴズマは怒りの咆哮をあげ、羊司を袈裟懸けにしようと長剣を構え走り出した。 木の枝をゴズマに投げつけ、羊死は背中を向け逃げ出す。 「おおおぉぉぉ!!」 顔を目掛け飛んできた枝を難なく叩き落とす。 そして返す刃で羊司を切り上げようとする。 即座に左手の土をゴズマにぶつける。 「ぶっ、糞がっ! 目潰しか!!」 まともに顔面から湿った土を受け、普段感じることの無い目の痛みにゴズマの動きが鈍る。 殺してやる、とゴズマが叫びながら目を擦っている間に、羊司は全力で森の奥へと逃げる。 「ちぃっ、この。 待ちやがれ!」 ゴズマも追いかけるが、思うように視覚が安定しない。 また、羊司はあえて狭い道を通り、巨躯のゴズマは樹木に道を遮られ、思うように走る事が出来ない。 自慢の鼻も立ち聳える樹木には無力の様だった。 ゴズマは目に入った砂を取ることに専念し、立ち止まった。 足音が遠くなる。 土を涙で洗い流し、何とか視力は戻った。 「うおおおおおぉぉぉぉぉぉん!!!」 咆哮を上げゴズマは二匹の逃げまわる獲物に死を知らしめる 追う。 強靭で俊敏な脚力を持つゴズマは、瞬く間に羊司との距離を詰めていく。 「っつ、マジで速いぞ、あいつ!」 羊司は背中から感じたことの無い恐怖を受け、冷や汗を掻く。 日本では日常でほとんど馴染みの無い殺人を、この世界の住人は当たり前のように行う。 付き纏う死の影に脅え、羊司の目から涙が溢れる。 「しっ、死にたくねぇ!」 涙で視界が滲み、慌てて腕で拭う。 「痛っ」 擦り傷だらけになった腕が涙で染みる。 なぜこんな事になってしまったのだろう。 羊司は戻れるなら昨日に戻りたいと思った。 「うおおおおおぉぉぉぉぉぉん!!!」 それ程離れていない場所でゴズマの叫喚が震える体を貫く。 「畜生っ、生きてやる! 絶対に!」 羊司は疲労でふらつく足に力をこめた。 ゴズマが羊司の姿を視覚に捕らえる。 「追いかけっこは終わりだぜ、糞ガキ!」 ゴズマの速度が上がる。 森を踏み荒らす音が聞こえ羊司が振り向くと、すぐ傍にゴズマの姿が見えた。 「やばい!」 速度を上げようとするが羊司の身体が悲鳴を上げるだけで、うまく走ることができない。 羊司の体はとっくに限界を超えていた。 意識は急げ、逃げろと伝えるが、身体が全く追いついてこない。 羊司は先程と同じ様に牽制に砂を浴びせようとするが、ゴズマは両腕で顔を守り、大して効果を得られない。 「ヨウジさん、こっちです!」 万事休すかと思ったその時、コリンの声が聞こえた。 「コリン!」 「そこにいたか、小娘!」 コリンは樹陰から顔を出し、羊司に手を振った。 羊司は頷き、コリンに向かって気力を振り絞り駆ける。 「おおおおぉおおぉぉぉ!」 「ガキイイイィイィィィ!」 ゴズマの姿が羊司の背後に迫る。 「コリンッ!」 「ヨウジさんっ!」 羊司は体勢を低くし、コリンの元へ飛び込む様に駆け込んだ。 身体を屈め、動かないでいるコリンの手を取る。 引っ張られるコリンだが、速度の乗っていないそれは致命的な失敗だった。 コリンのもつれた足がバランスを崩す。 姿勢が崩れ、コリンと羊司は前にうつ伏せに倒れこんだ。 その逸機を見逃すゴズマではない。 二人は振り返り、もうゴズマから逃げ切れないことを悟った。 「終わりだ、糞ガキ!」 ゴズマは速度を落とさず抜剣し、羊司を刺し殺そうと腰だめに構えた。 羊司は考えた。 力では歯が立たない。 逃げ切れるとは思わない。 奴隷になれば生き残れるが、コリンの命は奪われてしまう。 なら二人一緒に生き残るにはどうすれば良いか? 必死で知恵を振り絞る。 19年の人生の中で、最も頭をめぐらせた。 そして思いついた決死の策。 一人が罠をはり、もう一人が囮になる無謀な策とは言えない様な愚策。 出会ったのが数時間前で、まともに話を出来たのがたった一時間前だ。 信頼関係と言えるものも碌にできておらず、片方が裏切れば簡単に瓦解する策だ。 しかし、羊司は信じた。 「げこぉっ!?」 それしか方法は無いからと言う理由からではなく、怖がりで泣き虫な少女だが自分を救ってくれた優しさを信じた。 「げぇーーっ、ご、ごふっ、げぇーっ、げほっげほっげほっ……」 突然ゴズマの身体が上半身だけ急停止し、下半身を前方に放り出した。 剣を取り落とし仰向けになって必死で首を抑えもがく。 「ざまあみろ……駄犬」 羊司とコリンはゴズマの苦悶の表情を見ながら、ゆっくりと痛みと疲労と恐怖に震える身体を起こした。 話は少し遡る。 「コリン……今から俺の言うことをちゃんと聞いてくれ……」 コリンを庇い背中に隠した時、羊司は小さく呟いた。 「は、はい……」 「俺の後ろのズボンのポケットの中に、さっき切れた弦と予備の弦が入ってる。 それを取ってくれ」 コリンは羊司のズボンから、丸めて収められていた弦を取り出す。 「ありました」 「それを持ってこの森を真っ直ぐ走れ」 「えっ?」 羊司の言葉に戸惑う。 このヒトを置いて自分だけ逃げてよいのかと思う。 しかし、 「できません……」 結局、ゴズマの足の速さに逃げ切れるはずと諦念し、また羊司を置き去りにするという良心の呵責に耐え切れず、コリンは俯いてしまった。 ゴズマが何か言っているようだが、コリンの耳には届かない。 「コリン、君のする事は逃げる事じゃない」 コリンの心情を察し、羊司は優しく言い聞かせる。 「君は走って、この弦で森に罠を張るんだ。 出来るだけ狭い樹木に精一杯足を伸ばして弦を結ぶんだ。 俺が、怒り狂っているあいつをおびき寄せる。 出来るな?」 コリンは羊司の意図をよく理解した。 「でも……絶対無理です」 それでもコリンは頭を左右に振り、否定する。 ゴズマのあの足の速さにヒトである羊司が逃げ切れるわけが無い。 「コリン、一度でいいから俺を信じて欲しい」 その言葉にコリンは顔を上げる。 表情は窺えないが真剣な表情をしているのはわかった。 「頼む。 絶対に君のところまで、どんな手を使ってでも逃げ切って見せるから」 その力強い言葉に、コリンは決意した。 「わかりました……信じます」 コリンは一分一秒でも早く罠を仕掛けることで羊司を信じる証とする。 羊司の信頼に報いるためにも。 「しかし、お前も運が悪ぃな。 あの姫さんに出会っちまったせいでお前も俺に見つかっちまった。 全部あの姫さんのせいだぜ?」 「コリンは悪くない」 行けっ、と羊司は呟いた。 コリンは頷き、恐れを勇気でねじ伏せ走る。 「他の誰よりもコリンに会えて良かったと思ってる。俺は――」 全部聞けないのが少し残念だった。 「どうだ、ヘヴィゲージの弦の味は?」 「ぎ、ざま……」 苦しみ悶えているゴズマに羊司は嘲りを含め言い放つ。 「お前は激昂しやすい性格だったからな。 簡単に挑発にのってくれた」 「何、を、しやがっ、た……」 「ギターの弦をお前の身長に合わせて張っただけだ。 こんな森の中じゃ視界も悪いし、早々ばれない。 しかも樹木と樹木の間が狭いし、枝があるから首を突き出す格好になる突きしかできねぇだろ。 この辺りはコリンが機転を利かせてくれたおかげだな。 あとはお前が勝手に幹に張った弦に全力で突っ込んで自滅したんだ」 「舐めた、真似……じやがって……」 ゴズマは血走った目で羊司を見、這いながら落ちた剣に手を伸ばす。 しかし、その手が長剣に届くことは無かった。 「俺が引導を下してやる」 長剣を拾い、羊司はゴズマに死刑宣告をする。 後ろでコリンが息を呑む。 手を伸ばし羊司の服を指ではさみ、これから行われるであろう人殺しを止めようとする。 「ぎざま……」 「俺はコリンの為、そして自分の為にお前を殺す。 これから何度も誰かに襲われるだろうけど、その度にそいつらを殺す」 「一生、やってな……」 大きく咳き込み、ゴズマは血を吐いた。 呼吸器系の損傷が相当酷いようだ。 「ヨウジさん……」 「コリン、手を離してくれ」 止められないとわかったのだろう。 コリンは伸ばした手を離した。 そして俯き、ゴズマから顔を背ける。 「コリン、しっかり覚えておいてくれ。 俺はこれからも人を殺すって事を」 それだけ言うと、羊司は重い長剣を振り上げ、ゴズマの首を目掛け振り下ろした。 「……行こう、コリン」 「……はい」 ゴズマの遺体をその場に放置し、二人は歩き出した。 コリンはすぐに立ち止まり振り返ってゴズマを見る。 悲しそうな表情で死んだゴズマを眺め、何かを振り切るように目を背け、先を行く羊司を追いかける。 そして二度と振り返らなかった。 置き去りにしたギターや籠を取り、薄暗い森を二人は歩く。 先ほど初めて人殺しをしたのが心に重くのしかかっているのか、二人に会話は無い。 普段あまり饒舌ではないコリンも、何かを言わなければならないと口を開こうとするが、なぜか言葉が出てこない。 コリンが沈黙を気まずく思いながら羊司の背中を眺めていると、突然羊司がコリンの法を向き、口を開いた。 「コリン」 「は、はい。 なんでしょうか!」 羊司の真剣な表情に、コリンは気押されたかのように身を硬くする。 「コリン、その……さっきも言ったかと思うんだけど」 さっき? さっきとは何の事だろう、と思い始めたところで、心当たりがあったのかコリンの頬が赤く染まる。 「しかし、お前も運が悪ぃな。 あの姫さんに出会っちまったせいでお前も俺に見つかっちまった。 全部あの姫さんのせいだぜ?」 「コリンは悪くない」 「他の誰よりもコリンに会えて良かったと思ってる。俺はコリンのことが――」 コリンは耳まで顔を赤くしながら、羊司の言葉を待つ。 「ええとだな、その、きのこは捨てた方がいいと思うんだ」 「はい?」 コリンは耳を疑った。 「いやさ、なんか見るからに怪しさ全開のきのこ取ってただろ? あれって幾らなんでも食べると身体に悪そうって言うか……」 羊司は如何にも言いにくそうに話し、コリンの籠に手を伸ばす。 突然伸ばされた手にコリンは身をすくめる。 そんなコリンを早く俺に慣れて欲しいと思いながら羊司は、さきほどコリンが拾った赤いいぼ付ききのこを手に取る。 コリンは恐る恐る目を開き、羊司の手を見た。 「えーと、ヨウジさん」 「他の食材ならまあ何とか料理できなくも無いけど、これはちと無理――」 「食べませんよ。 これは」 羊司はぴたりと静止する。 「これは食用じゃなくて薬用です。 疲労回復や滋養強壮など様々な効用がある北のこの地方にしか生えない珍しいきのこなんです」 「あ、そうなの……」 それを聞いて羊司は胸をなでおろす。 「心配、して下さったんですね。 ありがとうございます、ヨウジさん」 コリンは微笑み、頭を下げる。 一瞬期待してしまった事とは違うが、羊司は自分を気遣ってくれたことに素直に感謝を述べる。 「ああ、いや、そんな、頭下げないでくれ。 なんだか照れる」 羊司も先程のコリンと同じように顔を耳まで染め上げる。 顔を上げたコリンの顔を直視できずに必死で手を振り、別の話題を探す。 「あ、なんか変な動物がいるぞ! 見てみろって、コリン」 焦る羊司の指差した方角にコリンが目を向けると、全身が薄い茶色に覆われ顔面だけ白い動物がいた。 「あ、クト」 羊司が何かを言う前に、コリンはクトと呼ばれたラクダの様な動物に駆け寄る。 クトは嬉しそうに首をコリンに擦り付け親愛の情を示す。 「くすぐったいよ、クト」 「随分馴れているんだな」 危険はないと判断したのか羊司はクトに近づく。 コリンは微笑みながら頷く。 「ずっと一緒に旅してたの。 クトはリャマっていう動物の種類で、荷物の運搬とか随分お世話になってるんです」 コリンはクトの頭を撫でながら答える。 「へぇ、これからよろしくな。クト」 羊司が頭を撫でようとすると、その手から逃げる様にすぃっと顔をそらした。 「あ、こら」 「ふふっ、嫌われちゃいましたね」 人好きな性格だからすぐ仲良くなれますよとコリンは笑いながら、クトの首にかかった手綱をとる。 歩き出したコリンに逆らわずクトは歩き出した。 「こっちです。 羊司さん」 「あぁ、わかった」 一人じゃなかったんだなと考えながら羊司は、コリンとクトの良好な関係に笑みを浮かべた。 「ここです。 羊司さん」 案内されたテントは思っていたよりも大きかった。 モンゴルのゲルを一回り小さくした円形状のテントは、骨盤がしっかりしているのか、ちょっとやそっとでは倒れる心配は無さそうだ。 周囲には炊き出しに使った鍋や、簡単な岩を並べたコンロがあった。 「初めてヒトを入れるんですけど、ドキドキしますね」 コリンが照れくさそうに言った。 羊司は異性の部屋に入った事が数回あったが、それほど興奮したりはしなかった。 しかし今は心臓の音がコリンに伝わるのではないかと思うほど緊張していた。 コリンは蚊帳を開き先に入り、羊司を中へと促す。 「汚いところですけど、笑わないで下さいね?」 「あはは……」 羊司が苦笑しながらテントに足を踏み入れようとし、ふとその場で動きを止める。 首をかしげコリンは羊司の動きを観察する 「ヨウジさん?」 「あ、えーと……これから俺が何時までかかるかわからないけど、元の世界に帰るまでお世話になるだろ? その度にお客さんとして扱われるのはどうかなーと思うわけなんだ。 あー、だから、つまり……その――」 コリンの目を見れないのか、しきりに目を泳がせる。 「ええとだな……これからよろしく、ただいま……かな?」 「はい……私こそ、よろしくお願いします。 お帰りなさい、ヨウジさん」 コリンと羊司はお互い微笑みあう。 暗く寒い森の中の小さなテント、異世界から迷い込んだヒトの男は孤独で泣き虫なヒツジの少女と共に暮らし始めた。 男は自分の世界に帰るために、少女は未だ自分が何をすればいいのかわからず旅を続ける。 これは歴史に刻まれるヒトと人間の寄り添いあった生涯を描いた物語である。 「コリン、ギター弾いてやろっか?」 「わぁ、聞きたいです。 ヨウジさん」 「よし、じゃあ外にでよう」 「はいっ!」 二人の未来に幸多からん事を。