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(……不幸中の幸いとは言えんが、拾っておいて良かったな。) 定春と向かいあう銭形幸一は、懐のデザートイーグルを意識しつつ、油断無く銃口を定春へと向け続ける。 初期位置の喫茶店のテラスに置いてあったものを押収したのだが、今はその『証拠品』を使うことも考えていた。 「グルル……」 日本人としては体格に恵まれている方である銭形よりなお大きい定春は、今にも銭形へと飛びかかってきそうな剣幕だ。子犬のような外見とは不釣り合いな体躯とプレッシャーに、銭形は自分の背中を冷や汗が伝うのを感じる。 熊を相手にしたときでもこれほどまでの危機感を感じない。自分が持つ拳銃のなんと頼りないことか。猟銃でもその突進は止められないのだ、人類が撃てる最上位のマグナムが無ければ太刀打ちもできまい。 警察官として、そして銃を持つものとして拾った銃を使うなど考えられないのだが、今はそうも言っていられない。これならば事前に簡単にでも点検しておくんだったかと思いつつ、いつでも抜き打ちできるように意識する。 猟犬などが典型だが、ある程度以上の動物は銃というものを理解する。それはこの怪物犬も同様のようだと銭形は安堵していた。この拮抗状態は定春が銃を理解していなければ成り立たない。 「グルル……」 そう、定春は攻めあぐねていた。 銭形の向ける銃口は常にピタリと定春の目へと向けられる。左右にステップを踏み、頭を上下に振っても振り切りれない。こうなると迂闊に踏み込めなくなる。さすがの定春も銀時や神楽のように放たれた弾丸をどうこうするのは難しい。ましてや相手は目に狙いを付けられ続ける相手だ。撃たれれば躱すのは無理だろうし、もし目を撃ち抜かれれば即死しかねない。 定春は焦る。まずいことにサーヤが自分を呼ぶ声が聞こえてきた。聴覚に優れているため先に気がつけたが、直ぐに目の前のオッサンも気づくだろう。そうなれば巻き込むことになる。 逃げるか、速攻か。吠えつつ常に動きつつ考える。さっきのようにひきつけてサーヤから遠ざけるのは悪くない。撒くにしても戦場を変えるにしても。あるいは負傷は覚悟の上で突っ込むか。おそらくは頭を撃たれるだろうが、あの拳銃くらいなら痛いけど死なない。何発か食らうだろうがタックルではね飛ばせば終わりだ。 「! この声は──」 「! グルァ──」 方針を決めかねていた定春だが、一転して突っ込もうとした。 銭形の耳がピクリと動き、片目だけ定春から別の方向へ向けた。それはまさに定春がサーヤの声を聞きつけた方向。驚くべきことに定春ですらかすかに聞こえる程遠くからのサーヤの声を、目の前のオッサンも聞こえたのだ、そう判断して予想よりも時間が無いと理解する。 横に横にと飛んでいた足を前に向けて踏み出す。やるしかない。オッサンは新選組のバカ共のように並の相手ではなさそうだが、この隙とも言えない隙でなければチャンスがない。サーヤを守りながら戦えるような相手ではないのに、そのサーヤが近づいてきている。しかもその声に興味を持っているならばやることは一つ。 それが定春の最期の思考だった。 「なにっ!」 銭形は驚愕した。 定春の突貫ではない。その定春の顔面から突如として血飛沫が上がったことだ。 銭形が狙いを付けていた目を中心に血が吹き出る。それが何なのかを、聞こえてきた音で理解した。 「これはM2重機関銃かっ!」 銭形は大慌てで走り出した。その銃声には聞き覚えがある。いかにも機関銃だと言わんばかりの音は、重機関銃の代名詞M2によるものだろう。ハリウッド映画に出てくるデカいマシンガンと言えば日本人でも思い浮かべることができるアレだ。100年に渡ってアメリカ軍で使われ、そして全世界で見られるそれは軍・テロリスト・はてはマフィアまで使うものだ。コピー品含め世界中で作られているため、だいたい重機関銃が出てくればこれである。数が多いため相対的に入手も整備もしやすく安価とくれば、必然出くわすことも多い。というこれ以外の機関銃など次元大介のような一部のガンマンでなければ早々手に入らないし手に入れたところで運用もできない。 (助けられたのか、それとも、とにかく隠れねば!) 公園という開けた場所は機関銃にとって格好のフィールドだ。一丁あるだけで生身の人間相手なら軍隊ですら相手どれる。そんなものまで配られているのかと考えながらなんとかコンクリート塀の物陰に隠れた。 一応の安全地帯に逃げ込めたが、一息ついてはいられない。射線は通っていなくてもこの程度のコンクリートならば撃ち抜かれかねないし、破片でも充分に危険だ。小走りにはなったが移動は続ける。次いで考えるのは定春のことだ。公園に目を向けると、ピクリともせずに横たわっていた。即死だろう。ヒグマよりも怖いと感じたほどの猛獣だったが、目から血を流すのを見るに、12.7mm弾で眼球や脳を貫かれれば死は免れないということか。銭形の視線が定春から外れる。その後方に人影が見えた。子供だ。 「定春ー! どこー! 定、は、る……」 「いかん、近づいては!」 その声には聞き覚えがあった。定春に襲われる直前に聞いた声だ。見たところまたも小学校高学年ほどだろうか。思わずさっきの子供たちの惨殺死体が頭によぎった。 「な、なにこれ、死……」 「離れろっ!」 「ひいっ!?」 銭形の叫びに、サーヤは弾かれたように立ち止まる。笛のようなものを持った手で自分を抱くように見をすくめ、恐怖で開かれた目は銭形を凝視する。 「地面に伏せろ! その猛獣以外にも銃を持った人間がいる!」 「もしかして、あなたが……!」 そしてその目が、怒りのものへと変わった。 定春を見つける直前、銃声のようなものが聞こえたのはサーヤもわかっていた。かなり近いところから大きな音がして不安で足を早めた。 そして見つけたのは、白い毛並みを赤く染めて全く動かず地面に横たわる定春。何があったかは察しがつく。銃を持った誰かが定春を殺したのだ。 そして現れたのは、銃を持った中年男性。必然的にこう考える。「このオジサンが定春を撃ち殺したんじゃないか」と。 「来ないで!」 笛を持つ手に力が込められる。微かに温かいそれは定春の体温だろう。元はといえば自分がこれを落としてしまったせいでこんなことになったのだと、他ならぬ自分に怒る。 八つ当たりだとわかっている。この人が定春を殺してしまったのは、自分のように驚いたからだろうと。 しかしそれでも、口から出た拒絶の言葉は周囲に響いた。 「あ、ごめんなさい……」 なおも近づいてくる銭形に後ずさりながら謝る。 思わず目を伏せてしまった、次の瞬間。 ズガガ! 「え。」 「のわっと!?」 また銃声が聞こえた。 今度は自分の足下──実際にはだいぶ離れていて銭形寄りの場所──のアスファルトが砕けるのが見えた。 撃たれた、そう理解するのに時間はかからなかった。 誰に、それを銭形からだと思い込むのにも。 考えつかなかった。これまでほとんど誰とも会ってないのだから、自分たち以外に生きた参加者が近くにいるなどと。 (まさか、この人殺し合いに──) そして結びつけてしまう。 銭形が定春を殺した。エロエース達の惨殺死体のように定春を殺した。なら、銭形があの子供たちも同じく殺したのではと。 気がつけば、サーヤは走り出していた。 「待て! ぐおっ!?」 再び銃声が聞こえる。待てと言われて待つやつはいない。ここに来るまでに既に走ってヘトヘトだが、それを無理して走る。 「ごめん………いっしょに……いれば……戦え……てれば」 頭にあるのは、定春へ謝る言葉ばかりだった。 「……いちおう、殺さないでおくか。」 「待て! 危険だ!」 ビルの屋上で、まだ小学生ほどの少年が、身の丈に合わない銃を構える。 下から聞こえる銭形の声を吟味しながら、その足下に銃口を合わせ続けていた。 雫沢黎夜がその声を聞きつけたのは必然だった。最愛の姉の声を聞き逃したりなどしない。サーヤの何かを呼ぶ声に耳を傾ければ、割と近くの公園で睨み合う銭形と定春を見つけられた。 彼はスネリを銃撃後しばらく追撃をしていたが、撒かれてしまったために方針を変えることとした。手傷を与えたとはいえ逃してしまったのは痛いが、優先すべきはサーヤだ。切り替えると近くでも一番高いビルへと移動する。どうにも手がかりが少なすぎるので、せめて高所から探そうと思ったのだ。 そこで気づいたが、どうやら大きな建物ほど強力な武器が落ちているらしい。室内はライフルはもちろん、屋上には重機関銃が置いてあった。さすがに持っていけないのでその前に座り。見つけたスナイパーライフルのスコープで街を探る。そしてサーヤの声を聞いて、さっきの銃撃というわけだ。 定春を殺すことに抵抗は無かった。あのサイズの犬がいるわけがない。さっきのスネリの件もあるしあれも悪魔だろうと、銭形に襲いかかった瞬間に完全にクロだと判断して即刻射殺した。普通の子供ならば重機関銃など扱えないが、レイヤにその常識は通用しない。もちろん簡単なことではなかったが、100mもない距離なので連射によりヘッドショットを決められた。栄養状態の悪い少年兵でもその重さにより反動が比較的小さいため撃つことだけはできるという特性が、定春の命を奪ったのだ。 「気づかれた。」 一瞬銭形と目が合い、レイヤはライフルをM2に撃ち込むと駆け出した。どう見ても持ち歩けるような武器ではないので、他の参加者に使われないために破壊してから逃げる。ライフルも捨てると、予め目をつけていた逃走経路である隣のビルの屋上へと、背面跳びで鉄柵を飛び越え移動した。半階ほど低いそこに空中で体勢を整えて受け身を取って転がる。背中から嫌な音がして息が止まるが、転がる勢いのまま立ち上がり駆け出した。鍵のかかったドアを近くに落ちていたショットガンでぶち抜き、また放り投げて駆け出す。銃ならそこら中にあるのだ、逃げるのに重荷にする必要は無い。 (サーヤ。) とにかく今は、サーヤとの合流だ。 まさか、とも、やっぱり、とも思った。悪魔の狙いはサーヤなのだ、自分が巻き込まれたのなら当然彼女も巻き込まれているという想定はできていた。だがそれでも、実際に自分の目で確かめてしまえば行動も変わってくる。 だから、サーヤの拒絶の声に、サーヤと銭形との間に銃弾を撃ち込むことを選んだ。いつものレイヤならばもう少し冷静に成り行きを見守っただろう。だが殺し合いの場にサーヤがいることと、悪魔と睨み合う胆力のある銭形の姿に、彼が悪魔であるというリスクを無視できなかった。射殺しようとは思わないが、近づかせてはならないと。 (必ず守る。) サーヤを守る。レイヤにあるのはそれだけだった。 「ムムム……せめて盾がほしいが、やむをえん! 突入する!」 一方、銭形は先ほどまでレイヤがいたビルへと踏み込んでいた。逃げてしまった少女も心配だが、重機関銃を持った人間を野放しにはできない。というかサーヤを追おうにも彼女との間に銃弾を撃ち込まれてしまったので追いようが無かった。少なくとも彼女は撃たれる心配が少なくなったことは発射地点からわかったので、先に銃撃犯を確保することにする。定春に当てられて自分を撃てなかったとは考えにくいので、さっきの射撃は牽制だとは思うが、それにしてもやり方があんまりだ。いずれ人を殺しかねない。 それに、一瞬見えた銃撃犯の顔は、またも子供に見えた。さっきの惨殺死体の子供たちとそう変わらない年齢だろう。 (子供ばかりを集め、猛獣や警官もわずかに参加させる。ええい、これを仕出かした奴らは何を考えているのだ!) このままでは子供に人殺しをさせてしまう。既に化け犬を殺させてしまったが、次は人間にエスカレートしかねない。即刻止めなくては。 それに気になるのはM2以外の銃声だ。種類はわからないが、2種類の音が聞こえた。場合によっては重機関銃を撃った子供以外に2人参加者がいて銃撃戦になった可能性もある。 「これ以上殺させんぞ……! インターポールの銭形警部の名に賭けて!」 銭形は階段を駆け上がる。そこに誰も居ないと気づくのは、先の話。 銭形警部は子供たちを殺し合いの毒牙から守るために奔走し。 サーヤは自分が定春を死に追いやったと自己嫌悪し。 レイヤは最愛の姉のために悪魔を撃つことを躊躇わない。 そして定春は、走馬灯を見る間もなく、自分が死んだことにも気づかぬ間に息絶えた。 誰も彼もバトル・ロワイアルをする気は無いのに。 【0058 商店街】 【銭形幸一@ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE(名探偵コナンシリーズ)@小学館ジュニア文庫】 【目標】 ●大目標 殺し合いに巻き込まれた人間を脱出させる。 ●中目標 殺し合いに巻き込まれた人間を保護する。 ●小目標 重機関銃を撃った子供を保護する。 【立花紗綾@魔天使マテリアル(1) 目覚めの刻(魔天使マテリアルシリーズ)@ポプラカラフル文庫】 【目標】 ●大目標 脱出する。 ●中目標 巻き込まれてたら仲間と合流したい。 ●小目標 ??? 【水沢黎夜@魔天使マテリアル(1) 目覚めの刻(魔天使マテリアルシリーズ)@ポプラカラフル文庫】 【目標】 ●大目標 サーヤを守り、脱出する。 ●小目標 サーヤと合流する。 【脱落】 【定春@銀魂 映画ノベライズ みらい文庫版(銀魂シリーズ)@集英社みらい文庫】
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すれ違うイト ◆guAWf4RW62 静まり返った森の中。 まだ真昼間だというのに薄暗いその地を、ひたひたと歩いてゆく亡霊が一人。 未だ高校生程度の年頃であろう黒髪の少年は、凍て付くような鋭さの瞳を湛えている。 彼こそが、嘗て秘密結社インフェルノに於いて最強と謳われた暗殺者、ツヴァイである。 (棗、恭介) 先程電話で話した相手の事を思い出す。 棗恭介――もしかしたら井ノ原真人という名前かも知れないが、そんな事はどうでも良い。 ツヴァイにとって重要なのは、あの男がこちらに対して凄まじい憎悪を抱いている、という一点のみ。 あの男が相当な切れ者であるという事は、先の電話の際に十分過ぎるくらい分かっている。 正面勝負なら負ける気はしないが、敵は必ず絡め手を用いて攻めて来るだろう。 ツヴァイの悪名を広めて、集団による包囲網を形成しようとするかも知れない。 こちらの隙を見計らって、何処かから奇襲を仕掛けてくるかも知れない。 そして万が一自分が敗れてしまえば、復讐の一環としてキャルも殺されるだろう。 そこまで考えると、ツヴァイは血が滲み出る程に拳を握り締めた。 (……ふざけるな) 敵が何を仕掛けて来ようとも、キャルは絶対に死なせない。 もう二度と、誰にもキャルを傷付けさせる訳には行かない。 嘗て暗殺者としての生活を続けていたツヴァイは、殺戮を繰り返す内に摩耗していった。 一つ一つの出来事に喜びや哀しみを覚える事が減って行き、人殺しにも慣れていった。 このままでは、単なる殺人兵器に成ってしまうだろうという時。 そんな時に、彼女は現れた。 キャル・ディヴェンス――凍り付いていたツヴァイの心に、再び温もりを与えてくれた少女。 瞼を閉じれば、今でも彼女の笑顔が鮮明に思い出せる。 最初は情報を得るという目的の為だけに、ツヴァイはキャルへと接近した。 情報を聞き出すだけ聞き出したら、それで終わる筈だった。 それがどういう訳か、同じ家で暮らす事になり、次第に二人は惹かれ合って行った。 一緒に家で食事をした時の事。 一緒に街へ買い物しに行った時の事。 一緒に――狙撃という任務を完遂した時の事。 決して平和な出来事ばかりでは無かったが、そのどれもがツヴァイにとっては大切な思い出だ。 笑う事も、泣く事も、全ては彼女が思い出させてくれた。 ずっと一緒に居たいと思った。 組織を裏切る事になろうとも、自分の命が危険に晒されようとも、それでも一緒に居たかった。 しかしとある事件が原因で、ツヴァイが組織に裏切り者扱いをされた時。 組織が仕掛けた爆弾によって、キャルは命を落としてしまった。 それで、終わり。 その瞬間に、ツヴァイが生きる意味は永久に失われてしまった筈だった。 だが、失ってしまったモノを取り戻せるかも知れない機会が訪れた。 気付いた時にはもう巻き込まれていた、此度の殺人遊戯。 今ツヴァイが持っている名簿上には、ドライ(キャル・ディヴェンス)という名前が記載されている。 何故彼女がこのような書き方をされているのか、そもそも自分の知っているキャルと同一人物なのか。 真実がどうなっているのかは分からないが、考える必要など無いだろう。 この島の何処かに、キャルが居るかも知れない。 キャルを救える可能性が、一パーセントでもあるかも知れない。 それだけで、ツヴァイが――吾妻玲二が銃を手に取るには十分過ぎる。 「待ってろよキャル……今度こそ、絶対にお前を守る。俺達は、二人でずっと一緒に暮らすんだ」 その言葉に籠められた想いは、本人以外には決して測り切れない程重いモノ。 ツヴァイは鞄を幾つか肩に掛けて、その中からコルトM16A2を取り出した。 亡霊は絶対の決意を胸に、独り森の中を突き進んでゆく。 ◇ ◇ ◇ ◇ 流れるような黒の長髪を湛えた女性と、丸く大きな瞳が特徴的な少女。 道に迷ってしまった千羽烏月と柚原このみは、未だ森の中を歩き回っていた。 しかし、前のようにアテも無く彷徨っている訳では無い。 烏月はコンパスを片手に握り締めて、迷い無く一方向に向けて進んでゆく。 「ねえ、烏月さん。何処に行こうとしてるの?」 「南だよ。私は元々その方角から来たんだ。 だったら南に戻れば、いずれ知っている道を見付けられる筈だからね」 見知った道さえ見付けられれば、後は簡単に森を抜けられる。 一度来た道へと戻るのは時間の浪費に他ならないが、このままずっと森の中を迷っているよりはマシだろう。 故に烏月は南へ戻る事を選択し、このみも特に反対せぬまま後に続いてゆく。 「このみさん。森から抜けたら、次はどうするべきだと思うかな?」 「うーんと……烏月さんは桂さんって人を探してるんだよね? それに私も人を探してる。 だったら駅に行くのが良いんじゃないかな。ちょっと危ないかも知れないけど、電車を使った方が早く動き回れるもん」 島の南部の街中には、幾つか駅が点在している。 電車を使えば様々な場所に素早く向かえるし、人探しには最適である筈だった。 「そうだね。それに、駅の周りには人が集まりやすい筈だ。 だったら尚更、先ずは駅に行ってみるのが良いか」 烏月はそう答えて、再び森の中を進んでゆこうとする。 しかしそこで突如、決して無視出来ない黒い気配が背後から伝わってきた。 半ば本能的に後ろへ振り返ると、そこには口元を不気味に歪めたこのみの姿。 「……このみさん?」 「ふふふ……待っててね、ファルさん。このみを苛めたお返し、ちゃんとしてあげるからね。 あの蛆虫の人にも、今度は絶対に負けてなんかあげないんだから。 腕の骨を折ってあげたら、ファルさんはどんな顔をするかな? 指を全部食い千切ってあげれば、蛆虫の人はどんな悲鳴を上げるかな?」 「……………」 少女の可憐な口から紡がれる声には、絶対の憎悪と殺意が籠められていた。 今烏月の目の前に居る少女は、復讐心に支配された『鬼』なのだ。 未だ人としての部分の方が大きいとは云え、鬼の影響は徐々に増しつつある。 早く鬼の部分を断ち切ってあげなければ、二度と戻れなくなってしまうだろう。 本当に、このまま悠長にしていて良いのか――烏月は再び悩み始めたが、それは長く続かなかった。 此処は殺戮の孤島であり、敵は仲間の内に巣食う鬼だけでは無い。 周囲への警戒を怠った隙に、飢えた狼が襲い掛かって来ても可笑しくは無いのだ。 「……烏月さん!」 「っ――――!?」 突如としてこのみが烏月を突き飛ばし、次の瞬間には銃声が鳴り響いていた。 ピシャリと鮮血が舞い散って、地面に倒れた烏月の顔へと降り掛かる。 烏月が顔を上げると、このみの左肩が赤く染まっていた。 「あ、つううぅっ…………」 「このみさん!」 烏月は素早く起き上がって、一目散にこのみの下へと駆け寄った。 怪我の状態を確認しようかとも考えたが、直ぐにそんな場合では無いと思い直す。 状況を考えるに、自分達が何者かの狙撃を受けたのは確実。 そして自分達は未だ生きている以上、次の一撃が間も無く襲い掛かって来るだろう。 「ふっ…………!」 烏月はこのみを抱き抱えて跳躍し、その一秒後には近くの木に銃弾が突き刺さっていた。 視線を銃声がした方へ向けると、五十メートル程離れた木の傍に、一人の男が屹立していた。 襲撃者――ツヴァイは武器をライフルから拳銃に持ち替えて、三度目の銃撃を行おうとしている。 このままでは、遠距離から良いように狙撃されてしまうだけだろう。 烏月は近くの木陰にこのみを降ろして、ツヴァイを迎撃すべく走り始めた。 「っ――――」 ツヴァイが引き金を引こうとした瞬間、刹那のタイミングで横にステップを踏んで、迫る凶弾を空転させる。 更にもう一度放たれた銃弾も、同じようにして回避した。 ティトゥスのように銃弾を切り払う、といった芸当は不可能だが、当たらなければ問題は無い。 銃と云う武器は、狙いを定めてトリガーを引く、という二動作を必要としている。 ならば――その二動作よりも早く、銃の射線から身を躱せば良いだけの事。 銃口の向きを見逃さない圧倒的な動体視力、相手が撃つ前に回避動作を終える尋常でないスピード。 鬼切り役である烏月は、その二つを持ち合わせている。 ツヴァイが再び銃弾を放ったが、烏月は既に銃の射線から逃れている。 目標を見失った銃弾は、近くの木へと突き刺さるだけだった。 確かな確信を以って突き進む烏月の目に、怯えの色は全く無い。 だが烏月にとって不幸だったのは、敵が只の素人では無いという事。 またもや鳴り響く銃声。 今までと同じように銃弾を回避した烏月だったが、その直後には驚きの声を上げる事となる。 「な…………ッ!?」 烏月が横に飛び退いた瞬間には、既にツヴァイの銃口がこちらの胸部を捉えていた。 ツヴァイの射撃方法は、一射毎に狙いを定めてトリガーを引く、などという生易しいものではない。 一度に数ヶ所へと狙いを定め、その全てを一息の内に撃ち抜く。 その早打ちを可能にする技量こそが、ツヴァイが最強の暗殺者たる由縁。 地獄から舞い戻った亡霊は、僅か一秒で横一文字に死線を描く――! 「くうぅっ!」 烏月は一も二も無く地面へと転がり込んで、何とか迫る死を回避した。 だがその無茶な回避方法は、闘争に於いて致命的なまでの隙を招く。 ツヴァイは追撃の手を緩めずに、絶好の的たる烏月に狙いを定めようとしていた。 だがそこでツヴァイの五感が、背後から何かが迫って来るのを感じ取った。 ツヴァイは否応無く銃撃を中断して、身体を後ろへと翻らせる。 「さっき撃たれた時、物凄く痛かったんだよ? だから――――おしおき」 ツヴァイの瞳に映し出されたのは、右拳を振り上げているこのみの姿。 小柄な少女の繰り出す拳は、普通ならば避けるまでも無いものだろう。 しかしツヴァイの身体は、本能に従って全力でその場を飛び退いていた。 次の瞬間このみの拳が振り抜かれて、進路上にあった木の幹が砕かれた。 「な、に――――?」 ツヴァイは倒れてくる木を躱しつつも、少女が振るった拳の威力に目を見開いていた。 だが、悠長に驚いている暇など無い。 そうしている間にも、このみはツヴァイの懐へと潜り込んでいる。 ツヴァイが気付いた時には、鉄塊のような拳が下から振り上げられていた。 「てやあぁぁぁっ!」 「…………!」 咄嗟に後ろへとステップしたツヴァイの鼻先を、恐るべき勢いの拳が切り裂いてゆく。 尚も追い縋ろうとしたこのみだったが、ツヴァイが着地と同時に銃を構えた事で、銃口との対面を果たした。 それでもこのみは上体を斜めに傾けて、すんでの所で銃弾から逃れていた。 「チィ――――」 眼前の少女の恐るべき反応速度に舌打ちしながら、ツヴァイは後ろ足で後退を続けてゆく。 先の一射で、自身の銃――コルトM1917が弾切れになったのは分かっている。 故にコルトM1917を鞄に仕舞い、代わりにニューナンブM60を取り出そうとする。 暗殺者が行うそれは相当に素早い動作だったが、鬼と化したこのみの速度には及ばない。 「駄目駄目、逃がさないでありますよ?」 ツヴァイが銃を構えるよりも早く、このみは再び間合いを詰め切った。 振り上げられる拳。 至近距離から放たれる拳は、今度こそツヴァイを打ち抜くだろう。 このみは勝利への確信と共に、一歩前へ踏み込んで――次の瞬間、大きくバランスを崩した。 「え…………?」 揺れる世界、九十度回転する視界。 このみは訳も分からぬ内に、緑の生い茂る地面へと叩き付けられた。 混乱する思考のままに足下を眺め見ると、そこにはマンホール程の広さの浅い穴。 それは、ツヴァイが予め準備していた落とし穴だった。 ――障害物が多い森の中では、狙撃は比較的近い距離から行うしか無い。 故にツヴァイは、反撃を受けた際の保険として、落とし穴を準備しておいたのだ。 地面を少し掘り返し、カモフラージュとして落ち葉や枝を上に重ねただけという、余りにも簡素な仕掛け。 だが、それで十分。 只の一度相手を転倒させる事が出来れば、戦況を覆すのは容易過ぎる。 「終わりだ」 倒れ伏すこのみの頭部へと、ツヴァイのニューナンブM60が向けられる。 用意周到な仕掛けが決め手となって、二人の勝敗は完全に決した。 数々の訓練と実戦を経験した暗殺者は、その技能を以って鬼の少女を凌駕した。 だがそこでツヴァイは銃撃を中断して、直ぐに横方向へとステップを踏む。 やはりというべきか、それまでツヴァイが居た場所を切り裂いてゆく剣閃。 「やらせない――!」 このみ達の交戦中に態勢を立て直した烏月は、背後からツヴァイへと斬り掛かっていた。 刀を用いた接近戦こそが、鬼切り役である千羽烏月の真骨頂。 名刀地獄蝶々を自由自在に振るって、一撃、二撃、三撃。 至近距離から振るわれる剣戟は、ツヴァイが銃を構える動作よりも尚速い。 ツヴァイも卓越した身のこなしで躱してはいるが、反撃にまではとても手が回らない。 接近戦を嫌ったツヴァイが後ろへ飛び退こうとするが、そこに追い縋る鬼切りの剣士。 「逃がすものか……っ」 距離が離れてしまえば、再びあの銃撃を掻い潜らなければいけなくなる。 先程はこのみのお陰で助かったが、次も上手く行くとは限らない。 故に烏月はここで敵を仕留める覚悟で、一気呵成に攻撃を仕掛けてゆく。 ダンと踏み込んで、下がるツヴァイを再び射程内へと捉える。 そのまま前進する勢いを乗せて、縦一文字の振り下ろしを繰り出した。 ツヴァイは完全には躱し切れず、肩に掛けていたデイパックの一つを斬り落とされた。 剣と銃、鬼切り役と暗殺者。 こと接近戦に限っては、烏月の方に大きく分があった。 しかし、仕掛けられている落とし穴が一つであるとは限らない。 ツヴァイは逃げながらも上手く烏月を誘導して、落とし穴の所にまで誘い込んでいた。 「くっ…………!」 烏月も警戒していた為、落とし穴に足を取られても、転倒するまでには至らない。 強引に態勢を立て直して、次の瞬間には襲い掛かってくるであろう銃弾から逃れるべく、斜め後ろに飛び退いた。 案の定飛来した銃弾は、烏月の流麗な黒髪を掠めるに留まった。 しかしその間にも、ツヴァイは後ろ足で後退を続けている。 烏月が再びツヴァイの方へと向き直った時には、両者の距離は二十メートル近く開いていた。 「このみさん、肩は大丈夫かい?」 「うん。痛いけど……腕が動かせなくなる程じゃないよ」 「そうか。念の為に傷口を確認しておきたい所だけど……先ずはあの男をどうするかだね」 肩を並べる二人の少女。 烏月はこのみと会話を交わしながらも、鋭い瞳で前方のツヴァイを睨み付ける。 敵は並外れた射撃技術を持っている上に、落とし穴のような仕掛けまで準備している様子。 接近戦に持ち込めば勝機はあるが、その前に敗れてしまう可能性も十分あった。 故に烏月は警戒心を最大限まで高めていたが、脅威を感じているのはツヴァイも同じ。 (……不味いな) 暗殺者は一つ大きく息を吐いてから、冷静に現状を分析する。 ツヴァイが烏月達を発見してから、狙撃を敢行するまでの間。 そんな僅かな時間では、簡素な造りの落とし穴を二つ仕掛けるのが限界だった。 そしてその二つを使ってしまった以上、もうツヴァイに残された手は少ない。 対する敵の片割れは、背後からの狙撃を察知してのける五感と、人間離れした膂力の持ち主。 もう片方は、非常時に於ける冷静な判断力と、並外れた剣の技量を併せ持った達人。 それでも一対一なら負けるつもりは毛頭無いが、敵は二人。 このまま戦闘を続ける事は、かなりリスクが大きいと云わざるを得なかった。 鬱蒼と生い茂る森の中、距離を置いたまま睨み合う三人。 そのまま暫く膠着状態が続いたが、やがて烏月が静かに口を開いた。 「……一つ問おう。君は羽藤桂という人物について、何か心当たりが無いか?」 この死地に於いても、烏月の最優先目標は桂を保護する事に他ならない 問い掛けると、ツヴァイは僅かながらに眉を動かした。 その変化を見逃さなかった烏月は、すかさず次の質問を投げ掛ける。 「……心当たりがあるんだね。 桂さんについて知っている情報があれば、詳しく聞かせてくれないか?」 「確かに心当たりはあるが、敵のお前にタダで教えるつもりは無いな」 それはツヴァイからすれば、当然の返答だった。 敵にわざわざ情報を教える必要など、何処にもないだろう。 そこで、これ以上会話をする必要など無いと云わんばかりに、このみが一歩前に足を踏み出した。 「聞く必要なんて無いよ、烏月さん。この人、殺し合いに乗った悪い人なんでしょ? ファルさんみたいに、嘘を吐いてるだけかも知れない。だったら今直ぐ殺しちゃった方が良いよ」 「このみさん……どうか、もう少し待って欲しい。桂さんについて、何かが分かるかも知れないんだ」 「だけど、この人はこのみ達を撃ったんだよ? この人の所為で、このみは肩を怪我したんだよ?」 悪鬼の侵食を受けている少女は、一度敵と見定めた相手に容赦しない。 眼前の男を排除すべく、人外の憎悪を膨らませてゆく。 それでも烏月は、何とかこのみを押し留めようとしていた。 「頼むから此処は引いてくれ。やっと掴んだチャンスなんだ」 「でも――」 「桂さんの生死に関わる大事な事なんだ。どうか……引いてくれ」 「……うん、分かった。烏月さんがそう云うなら、我慢する」 「……すまない、助かるよ」 渋々、と云った様子でこのみが引き下がった。 烏月はこのみに礼を云ってから、研ぎ澄まされた視線をツヴァイへと向ける。 「タダでは嫌だ、と云ったね。だったら逆に、どうすれば教えてくれるんだ?」 その質問を受けて、ツヴァイは少しの間考え込んだ。 元々ツヴァイとしては、狙撃で敵の片方を無力化した後に、もう片方からキャルについての情報を引き出すつもりだった。 最初から姿を現してしまっては、その後戦闘となった時に二人を相手しなくてはならないからだ。 だが既に狙撃は外されてしまった以上、今聞いてしまってもデメリットは無いだろう。 「お前達と同様、俺も人を探している。羽藤桂について話す代わりに、俺の探し人について教えて欲しい。 キャル・ディヴェンスって子を知らないか? 何故か名簿には、ドライとも書かれてあるが」 「…………ドライさん?」 答える声は、このみが発したものだった。 それは、ドライについて知っているからこその反応。 ツヴァイは直ぐに視線を動かして、探るようにこのみの顔を眺め見た。 「知っているのか?」 「うーんとね、ドライさんは――」 「このみさん、待つんだ」 このみが答えようとしたが、そこで烏月がすっと横に手を伸ばす。 「烏月さん?」 「貴重な情報を簡単に教える訳には行かない。 こちらが先に話したからと云って、あの男が桂さんについて教えてくれるとは限らないからね」 それは当然の懸念だった。 烏月達がドライについて知っている情報を全て話せば、ツヴァイにとって桂の情報を話す必要性は無くなる。 情報を一方的に聞き出した後、そのまま襲って来る、もしくは離脱するという事も考えられるのだ。 「なら、羽藤桂について先に話せという事か? それこそ冗談じゃない。 お前達を信用する理由が無い」 ツヴァイも、安易に自分が知る情報を開示したりはしない。 これは戦闘。 剣や銃を用いたものでは無く、情報を軸とした情報戦だった。 とは云え、このまま牽制し合っていてもキリが無い。 故に烏月は、とある提案を持ち掛ける。 「……だったら、こうしないか? 互いの探している相手について、どうやって情報を知ったのか。 その相手は何時、何処に居たか。どんな状態、どんな方針だったのか。この三つについて、一つずつ交代で話して行くんだ」 「つまり、お前達がキャルの居た場所や時刻について話したら、今度は俺が羽藤桂の居た場所や時刻について話す。 こういった形の情報交換を繰り返すという事か?」 「そうなるね。情報を小出しにしていくこの方法なら、お互いに損はしない筈だよ」 烏月の提案は、この状況に於いて最善手と云えるものだった。 互いを警戒するあまり、何の情報も得られないというのは最悪のパターン。 その点烏月が提示した方法なら、『情報の聞き逃げ』のリスクをある程度抑えたまま、情報交換出来るだろう。 「……良いだろう。但し、最初に話すのはお前達からだ」 「分かった。このみさん、まずはドライさんについて、どういう経緯で知ったのかを話してくれ」 交渉は成立。 烏月に促されて、まずはこのみが話し始める。 「このみがドライさんについて知っているのは、直接会ったからだよ。 場所は……まだ云っちゃ駄目なんだよね」 「ああ、その通りだね。では今度は、貴方が話す番だ」 「……俺が羽藤桂について知っているのは、電話で会話をしたからだ」 「次は――相手が居た場所と時刻だね。このみさん」 烏月が話を振って、このみとツヴァイが答えていくという形が続く。 双方共に騙し討ちや奇襲を狙ったりはしない。 探し人に繋がるかも知れない情報を、みすみす逃したりする筈が無い。 「このみがドライさんと出会ったのは、島に飛ばされた直ぐ後。場所は島の北にある教会だよ」 「……俺が羽藤桂と話したのは、第二回放送の直前だ。場所は、歓楽街の辺りに居ると聞いた」 「次は……その時の状態についてかな? ドライさんは、何処も怪我はしてなかったと思う。 吾妻玲二さんって人やアインさんって人を探してたよ」 「……そうか」 このみの言葉を聞いて、ツヴァイは内心ほっと胸を撫で下ろしていた。 どうして名簿上で、キャルの所にドライと書かれてあるのか分からなかった。 もしかしたら、自分の知るキャルとは別人では無いか、という懸念があった。 だが自分の事を探してくれている以上、本物のキャルであると考えて間違いないだろう。 何故キャルがアインについて知っているのかは疑問だが、それは後で本人に聞けば良いだけの事。 不安が一つ解消されたツヴァイは、情報の代価として口を開く。 「……羽藤桂は、現在アル・アジフという少女と一緒に行動しているそうだ。 この殺し合いを止めたいと云っていた。電話で話しただけだから、健康状態については分からないな」 ツヴァイは未確定情報である恭介については伏せたまま、自分の知る情報を口にした。 これで、互いの探し人に関する情報交換は終了。 主な情報の交換は滞りなく終わったが、このまま手を振ってお別れという訳にはいかない。 ツヴァイと烏月達は敵同士であり、情報交換さえ済めば命を奪い合うべき間柄なのだ。 しかし烏月は刀を構える事無く、更なる質問をツヴァイへと投げ掛けた。 「これで一通り、情報交換は終わったが……。一つ、聞いても良いかい? 貴方はどうして他の人間を襲っているんだ?」 「答える義務は無いな」 「……答えなくても分かるよ。キャルさんという人を守る為、だね?」 「…………」 ツヴァイは答えないが、この状況での沈黙は肯定と同意義だった。 確信を深めた烏月は、更に話を続けようとする。 脳裏に去来するのは、嘗て恭介が持ち掛けて来た協定。 『羽藤桂を保護する代わりに、自分達や直枝理樹達を襲わないで欲しい』と云った旨のものだ。 あの取引内容は、そのまま今回の状況に応用出来る筈だった。 「これから私達がキャルさんを見付けたら、保護すると約束しよう。 だから貴方は、私達二人と桂さんを襲わないようにして欲しい」 その提案はツヴァイにとっても、十分にメリットがある筈だった。 ツヴァイの最優先目的はあくまでもキャルを守る事であって、他の人間を皆殺しにする事では無い。 だがツヴァイは首を左右へと振って、烏月の提案を拒絶した。 「ダメだ、それだけじゃ足りない。キャルを守るという重要な役目を、他の人間になんて任せられない。 俺は今度こそ、自分自身の手でキャルを守り通す。絶対に……絶対にだ」 嘗てキャルは、ツヴァイが家を離れている間に殺されてしまった。 ツヴァイとしては、あの時の後悔はもう絶対に味わいたくない。 ならばキャルを目の届かぬ場所に置いておくなど、到底有り得ない話だった。 「……俺がお前の提案を呑むには、もう一つ条件がある。キャルを保護したら、刑務所まで連れて来てくれ。 時間は、第四回放送が行われる頃が良いか」 ツヴァイが刑務所を選んだ理由は、単純にして明快。 島の端にある刑務所は、位置的に考えて一番人が訪れ辛い施設だろう。 そういった過疎地を待ち合わせ場所にすれば、キャルが襲われる可能性は幾らか減らせる筈だった。 「分かった、その条件を呑もう。これで……取引は成立だね。 桂さんの外見的な特徴は――」 烏月はツヴァイの突き付けて来た条件を受け入れて、桂の外見的特徴について説明した。 その説明も直ぐに済んで、今度こそ話は終わり。 烏月達とツヴァイは互いへの警戒を解かぬまま、別々の方向へと立ち去ろうとする。 だが最後に、烏月はツヴァイに向けて一つの疑問を投げ掛けた。 「君は、キャルさんと出会った後はどうするつもりなんだ? キャルさんを優勝させる為に、他の人間を皆殺しにして、最後に自分も死ぬつもりなのか?」 そう問い掛けた烏月は、僅かながら期待を抱いていた。 もしツヴァイが嘗ての自分と同じように考えているのならば、説得出来るかも知れない、と。 事実、説得が成功する可能性はあるだろう。 主催者が優勝した人間を無事に帰してくれる保証など、何処にもありはしないのだから。 しかしツヴァイの答えは、烏月の予想とは大幅に異なるものだった。 「いいや、俺はキャルを優勝させようだなんて思っていない」 その言葉に、烏月の目が大きく見開かれた。 ツヴァイはそんな烏月に構う事無く、淡々と言葉を続けてゆく。 「こんな狂った事をやらせる連中が、約束なんて守る訳が無い。 優勝した人間が無事に帰して貰えるなんて、そんな甘い話は無いだろうな」 「……だったらどうして、他の人を襲うの? 私、分かんないよ」 疑問の声はこのみが発したものだった。 ツヴァイがキャルを守ろうとする想いの強さは、このみにも十分感じ取れたのだろう。 問い掛けるこのみの声には、少し前までのような憎悪は籠められていない。 純粋なる疑問の声に対し、ツヴァイはゆっくりと答えを並び連ねてゆく。 「あの神父の言葉に踊らされて殺し合いをする奴は、必ず居るだろう。そしてそういった連中が、表立って行動を起こすとは限らない。 外面では善人のように振舞いながら、裏では隙を窺っているかも知れないんだ。だから俺は、キャル以外の人間を皆殺しにする。 そうすれば、他の人間が何を企んでいても関係無い。キャルが殺されてしまう可能性を、確実に断てるんだ」 ツヴァイが主催者を信じなくとも、他の人間が全てそうだという保証は無い。 故に『キャルを襲うかも知れない人間』を殲滅して、キャルの安全を確保する。 それが、ツヴァイが積極的に殺し合いを行っている理由だった。 烏月達を今この場で殺さないのも、『キャルを保護してくれるかも知れない』というメリットが、デメリットを上回っているからに過ぎない。 「だけど、仮にキャルさんと合流出来たとしても、首輪にはどう対処する? この島から脱出する手段は? 貴方とキャルさんだけで、どうにかする目算はあるのかい?」 「そんな事はキャルを保護してから考えるさ。とにかく今はキャルを保護する事、そして他の人間を排除する事。 キャルを守る為には、この二つが何よりも大切なんだ」 「……迷いが無いんだね」 「ああ。迷いだなんて、そんな余分な事に意識を割いている暇は無い。 この手がどんなに汚れたって構わない。キャルを守る為なら、何だってやってやる」 烏月の問い掛けにも、ツヴァイはまるで動じず、揺るがない。 首輪の解除も、島から脱出する方法の模索も、自分自身の感じている罪悪感も、全ては後回し。 只キャルを守るという目的の為だけに、暗殺者は修羅で在り続ける。 「……最後に、貴方の名前を聞かせてくれないかな。私は千羽烏月だ」 「私は、柚原このみだよ」 烏月達がそう云うと、ツヴァイはくるりと背中を向けた。 ゆっくりとした足取りで森の中を歩きながら、凍り付いた声を洩らす。 「俺はツヴァイ。ただの……亡霊だ」 それで最後。 亡霊は歩みを止める事無く、静かに森の奥へと消えてゆく。 烏月達には、ツヴァイの背中が闇に飲まれていくかのように見えた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ツヴァイが歩き去った後。 烏月は口を閉ざしたまま、ツヴァイについて熟考していた。 (ツヴァイ……亡霊、か。恐ろしい相手だね) あの男は『人を殺す』という一点に於いて、恐らくこの島の誰よりも優れている。 無感情に的確な攻撃を仕掛けてくる姿は、正に殺戮兵器と表現すべきものだった。 協定のようなものを結びはしたが、決して油断は出来ないだろう。 烏月はそこまで考えた所で、横から注がれるこのみの視線に気付いた。 「どうしたんだい、このみさん?」 「一つ気になった事があるの。ツヴァイさんはさっき、どうしてドライさんの事をキャルって呼んでいたんだろうね?」 「名簿にはドライとしか書かれていなかったが……恐らく、本名か何かじゃないかな」 「……そっか。そうだよね」 烏月もこのみも、気付く事は出来なかった。 『ツヴァイに支給された名簿にのみ、キャルの名前が書き記されている』という事実に。 それは、ツヴァイと直接名簿を見せ合わない限り気付けない矛盾。 主催者の仕組んだ悪戯は、静かに運命の歯車を狂わせてゆく。 ひゅう、と森の中を風が吹き抜ける。 ツインテールを風に靡かせながら、このみは視線を地面へと落とした。 「ツヴァイさん……凄く悲しい目をしてたね」 「悲しい目?」 「うん。強くて鋭いけど……とっても悲しい目だったよ」 「…………」 烏月は答えないが、内心ではこのみの発言を肯定していた。 考えてみれば当然の事だった。 大切な人を守る為に、他者の命を悉く奪い尽くす。 それは、嘗て自分が完遂出来なかった修羅の道に他ならない。 その道を今尚歩み続けているツヴァイは、このみの云う通り、とても強く悲しい人間なのだろう。 同時に、烏月は思う。 (この人は――このみさんは、やはり人間として生きるべき人だ) 自分では気付けなかった、ツヴァイの秘めたる本質。 それに気付けるだけの何かを、このみは今も持ち合わせている。 鬼の侵食を受ける前は、自分などよりも余程豊かな心を持つ人間だったのだろう。 そんな彼女には、憎悪に囚われた鬼としての生よりも、人間らしい生き方こそが相応しい筈だった。 「烏月さん、私達も出発しよう?」 「ああ……そうだね」 暫く考え込んでいた烏月だったが、このみに促されて再び動き始めた。 戦いの際にツヴァイが落とした鞄を回収し、足を南へと向ける。 何はともあれ、急がなければならない。 先程ツヴァイと結んだ協定が有効なのは、恐らく第四回放送までだろう。 待ち合わせ場所でキャルとの合流が成し遂げられなければ、あの男は再び自分達や桂に牙を剥く筈。 このみの内に巣食う鬼についても、早い段階で対処しなければならない。 そして、何より―― (……桂さん) 自身の全てを懸けてでも守らなければならない少女、羽藤桂。 彼女の居場所が判明した。 ツヴァイが電話で桂と話してから、まだ三時間程度しか経っていない。 今から歓楽街の周辺を探せば、きっと会える筈。 そう。 きっと――会える筈なのだ。 「逢いたい……桂さん」 鬼切りの少女が洩らした呟き。 その一言は、紛れも無い少女の本心だった。 【D-4/森林/1日目 午後】 【吾妻玲二(ツヴァイ)@PHANTOMOFINFERNO】 【装備】:コルトM16A2(9/20)@Phantom-PHANTOMOFINFERNO-、スナイパースコープ(M16に取り付けられている、夜間用電池残量30時間)@現実 【所持品】:『袋1』コンバットナイフ、レザーソー@SchoolDaysL×H、コルト・ローマンの予備弾(21/36)、 ダイナマイト@現実×10、ハルバード@現実、小鳥丸@あやかしびと-幻妖異聞録-、コルトM1917(0/6) コルトM1917の予備弾23、ニューナンブM60(4/5)、ニューナンブM60の予備弾10発 『袋2』支給品一式×5、おにぎりx30、野球道具一式(18人分、バット2本喪失)コンポジットボウ(0/20)、 木彫りのヒトデ1/64@CLANNAD、ハンドブレーカー(電源残量5時間半)@現実、秋生のバット、桂の携帯(電池2つ)@アカイイト首輪(杏) 【状態】:疲労(大)、右手に小さな蚯蚓腫れ、右腕の骨にヒビ、頭部から出血 【思考・行動】 基本:キャルを見つけ出して保護する。不要な交戦は避け、狙撃で安全かつ確実に敵を仕留める。 1:棗恭介(井ノ原真人?)を警戒 2:理樹とクリスに関しては、情報だけは伝える。 殺すかは場合による。 3:烏月とこのみ、羽藤桂はなるべく襲わないようにする。 4:周囲に人がいなければ、狙撃した参加者の死体から武器を奪う。 5:弾薬の消費は最低限にし、出来る限り1発で確実に仕留める。 6:第四回放送の時点で、刑務所に居るようにする。 【備考】 ※身体に微妙な違和感を感じています。 ※時間軸はキャルBADENDです。 ※理樹を女だと勘違いしてます。 ※静留を警戒しています。 ※C-4採石場付近に、言葉と鈴の埋められた墓があります。 ※『この島に居るドライ=自分の知るキャル』だと、勘違いしています。 ※ツヴァイの移動先は、後続の書き手氏に任せます。 【D-3 森林・南部/一日目 午後】 【千羽烏月@アカイイト】 【装備】:地獄蝶々@つよきす-MightyHeart- 【所持品】:支給品一式×2、我埋葬にあたわず@機神咆哮デモンベイン、Love Spanner@CLANNAD、 アルのページ断片(シャンタク)@機神咆哮デモンベイン 【状態】:中程度の体力消費、身体の節々に打撲跡、背中に重度の打撲、脇腹に軽傷、右足に浅い切り傷(応急処置済み) 【思考・行動】 基本方針:羽藤桂に会う。守り通す。 0:歓楽街の周辺を捜索して、桂を探す 1:桂を守り共に脱出する、不可能な場合桂を優勝させる。 2:このみと行動を共にする。 3:このみの鬼を斬ってやりたい。 4:このみが完全に鬼になれば殺す。 5:キャル(ドライ)を見付けたら保護、第四回放送までに刑務所へと連れて行く 6:恭介、トルタに対する態度は保留。 7:クリス、トルタ、恭介、鈴、理樹は襲わないようにする。 8:なつきを探す。 9:ウェストからの伝言を大十字九郎に伝える。 【備考】 ※自分の身体能力が弱まっている事に気付いています。 ※烏月の登場時期は、烏月ルートのTrueend以降です。 ※クリス・ヴェルティン、棗鈴、直枝理樹の細かい特徴を認識しています。 ※岡崎朋也、桂言葉、椰子なごみの外見的特長のみを認識しています。 ※恭介・トルタが殺し合いに乗っている事を知りません。 ※ドクター・ウェストと情報を交換しました。 ※蛆虫の少女(世界)、ツヴァイを警戒しています。 【柚原このみ@ToHeart2】 【装備】:包丁、イタクァ(3/6)@機神咆哮デモンベイン、防弾チョッキ@現実 【所持品】:支給品一式、銃弾(イタクァ用)×12、銃の取り扱い説明書、草壁優季のくずかごノート@ToHeart2、鎮痛剤(白い粉が瓶に入っている) 【状態】:悪鬼侵食率30%、リボン喪失、小程度の体力消費、右のおさげ部分が不ぞろいに切り裂かれている、左肩に銃創(腕は動かせるが、痛みを伴う、倫理崩壊 【思考・行動】 基本行動方針:何を犠牲にしても生き残り、貴明と環の仇を討つ。 0:柚原このみのまま、絶対に生き残り、主催者に復讐を遂げる。 1:ファルと世界に"復讐"をする。 2:気に障った人間は排除する。攻撃してくる相手は殺す。 3:烏月と共に行動し、羽藤桂を捜索。その後に人間に戻してもらう。 4:ドライに会いたい 【備考】 ※制服は土埃と血で汚れています。 ※世界が使う“清浦刹那”という名前を偽名だと知りました。 ※第一回放送内容は、向坂雄二の名前が呼ばれたこと以外ほとんど覚えていません。 ※悪鬼に侵食されつつあります。侵食されればされるほど、身体能力と五感が高くなっていきます。 ※制限有りの再生能力があります。大怪我であるほど治療に時間を必要とします。 また、大怪我の治療をしたり、精神を揺さぶられると悪鬼侵食率が低下する時があります。 ※フカヒレのここまでの経緯と知り合いや出会った人物について把握済み。 ※烏月と行動を共にすることにより、精神状態はやや安定に向かっています。 ※くずかごノートには様々な情報が書かれています。現在判明している文は、 『みんなの知ってる博物館。そこには昔の道具さん達がいっぱい住んでいて、夜に人がいなくなると使って欲しいなあと呟いているのです』 『今にも政略結婚が行われようとしたその時、秘密の抜け穴を通って王子様は大聖堂からお姫様を連れ出すことに成功したのでした』 161 素晴らしく冴えたやり方 投下順 163 hope 161 素晴らしく冴えたやり方 時系列順 164 人として生まれ 150 絶望と救い、そして憎悪 (後編) 吾妻玲二(ツヴァイ) 178 めぐり、巡る因果の果てで(大人編) 152 生成り姫 千羽烏月 190 HEROES 152 生成り姫 柚原このみ 190 HEROES
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内容 マップサイズ 20×11 攻略ターン数 25ターン 難易度 ★★ 勝利条件 相手の旗艦ユニットを撃墜する 敗北条件 自軍の旗艦ユニットが撃墜される 概要 敵艦隊と遭遇した。 どこまでも広がる岩礁群を前に 我々は戦闘態勢をとるのだった。 出現敵ユニット 兆級巡航艦×1(旗) 四十四型戦闘機×8 五十五型戦闘機×8 氷塊×2 トレジャー 名称 場所 粘性皮膚状組成(TACⅡ) MAP中央 資源 ソルモナジウム 0 エーテリウム 0 バイドルゲン 2(160) 攻略 謎戦闘機が合体して襲いかかる。しかし分離して襲ってくる事も多い。 特筆すべき箇所として戦闘機・フォースの両方が波動砲を持っている点だろう。 しっかりチャージキャンセルして敵に撃たせないようにしたい。 逆に言えばチャージさえキャンセルすればそれほど恐ろしくはない。 ここでもベルメイト本体が役に立つ。 高い攻撃力に加え、何より構成上、射程1の攻撃を無効化できるのが謎戦闘機には有効。 トレジャーまでは道なりに進んで行くルートがオススメ。 最後まで道なりに進んだとしても、それでもクリアターンには十分間に合う。 最初の曲がり角での混戦を切り抜ければ決して恐ろしくはない。 ちゃんと索敵して、ちゃんとチャージキャンセルして乗り切ろう。その後、MAP中央のトレジャーを回収。 周辺には、ケツに五十五型を付けた四十四型もいるのでベルメイトの衝撃波などで倒しておく。 敵旗艦の兆級巡航艦は左下に鎮座している。そこまでの到達方法は2通り。 1つは岩の道なりに進んで倒す方法。進みやすくベルメイトでの索敵がし易い点がメリット。 ただしターン数がややかかり、MAP下部の敵とも戦う必要あり。敵旗艦の艦首砲にも注意。 もう1つは、MAP左上の氷塊を破壊し上部から強襲する方法。 氷塊を破壊した先に五十五&四十四型が1セットいるが、岩陰からベルメイトでリセットしてやればいい。 氷塊のあった辺りに旗艦やデコイ等を置きフラフラしていると、敵旗艦はのうのうと上がってくる。 あとはバイドシステムでデビルウェーブを浴びせるなり、フォースシュートするなりすればカタがつく。 氷塊を壊した先が危険な様に思えるが意外な程にそうでもなく、ターン数や敵との交戦が少なくて済む。 特に拘りが無ければこちらがお勧め。この場合トレジャーの回収忘れだけ注意。 このステージのトレジャーを取る事により、念願の亜空間機体アンフィビアンが作れる。 威力が低いとはいえ、2ターンチャージの正面射程4の波動砲もこの時点では魅力。 もしもこのステージをやり直す事になった場合でも作っておこう。どちらにせよ必要な機体だ。 岩礁沿いのルートでは間に合わない!という人は右下の氷塊から進入するといいかも。その分損害は増えるけど、フォースが2つほどあればフォースシュートで敵艦を2、3ターンで沈められる。 -- 名無しさん (2010-03-13 18 08 41) 後ろに撃てるデビルウェーブを活用したいところだが、位置取りにフォースが邪魔になる事もあるので、時には分離したまま搭載しよう。 -- 名無しさん (2010-03-13 20 24 46) 左上の氷塊を破壊して戦艦上空から攻めるのもアリ。また、始めの曲がり角は亜空間アンフィビアン(フォース付)でふたをすると進軍をかなり抑えられるとのこと。氷塊破壊後の空間(近辺)にはユニットを置かない事。敵波動砲を食らう。デコイを生け贄にして切り抜けよう。 -- 名無しさん (2010-03-25 23 52 01) 右下から進軍する場合は壁越えデビルウェーブを活用しよう -- 名無しさん (2010-03-26 00 04 40) 此処に居る敵は基本的には「グループ内の誰かの索敵圏内に機影を捉えると行動開始」となっている模様 チャージ済みバイドシステムをベルメイトに艦載してギリギリまで近づきつつ衝撃波でチャージキャンセル、 頃合を見て一気に突撃すれば最初の曲がり角での被害をかなり低減出来る 謎戦闘機は前方向には強いが上下と後ろには弱いので、このMAPでは頭を抑えやすくかなり楽な筈 -- 名無しさん (2010-05-22 12 01 28) ベルメイト本体が優秀過ぎて鉄板ではあるが、一応ボルドも悪くはない サブ砲門のおかげでベルメイト本体より多くの謎戦闘機をチャージキャンセル出来る 道なりに進むルートなら最後の直線でカラドボルグ砲も役立つ筈 但し中盤の後退時に本体への直接攻撃を受ける可能性がある 必ず護衛に先行させよう 駆逐艦ポジションの筈なのにベルメイト本体強すぎだろう… -- 名無しさん (2010-06-02 11 59 14) 戦艦並の火力・迎撃能力、巡航艦以上の索敵5、搭載5と万能艦。理想的な航空戦艦といえよう -- 名無しさん (2010-06-03 00 22 22) ステージの相性みたいのがあるのか、ここが最悪だった。 グリトニルよか死んでるわ・・・。 -- 名無しさん (2010-06-21 16 05 20) これベルメイト+フォース付必須22ターンでおkクリア可能 -- コンバイラリリル (2010-08-23 19 30 15) なるほど、ベルメイトか・・・ここで詰まってやめてたが、久々にやってみようかな -- 名無しさん (2011-03-15 16 56 22) MAP左上の氷解から強襲を仕掛けると、MAP中央の敵や氷塊の裏に潜む敵とも交戦することになる上に、巡洋艦の主砲の餌食になってしまう。開始位置から下にある氷塊からの強襲がおすすめ。このルートは無駄な敵と交戦せずにすむ。チャージしつつ氷塊裏に部隊を展開しておき、いるならアンフィビアンで亜空間索敵をしておく。敵のチャージを潰しつつ(デコイに波動砲を撃たせ、同士討ちさせるのも良い)進軍する。巡洋艦はチャージさえ潰せは怖くないので、フォースシュートなり目玉ミサイルなりで殴ってあげればおk。この方法で17ターンで終了しました。あまり交戦していないので敵生存率は58%でした。参考までに。 -- 名無しさん (2015-01-28 01 22 54) 撃墜0でクリアしようと思うと激ムズなステージ -- 名無しさん (2018-01-02 22 52 00) めっちゃ久しぶりに初めからやったらなんだこのステージw キャンセルすれば問題ないと書いてあるけど、敵戦闘機の回避率が元々高いから、こちらのバイドシステムのレーザーが当たらない事がよくあるから序盤で1ユニット消し飛ぶなんてことがありすぎて戦力不足だわw -- オルボボ (2018-05-12 11 58 28) 名前 コメント
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ここには自分で直接戴いたのではなく、すれちがいで貰った有名人地図といわれているものです すぎやまこういち先生竜王の地図Lv2(通称:すぎまろ竜王) ちいさな岩の地図Lv2(通称:すぎやんⅣ) ゆらめく影の地図Lv34(通称:すぎまろⅣ) あらぶる大地の地図Lv70(通称:すぎまろ) わななく悪霊の地図Lv85(通称:すぎまろ旭川) 放たれし魔神の地図Lv92(通称:すぎやんⅡ) 残された神々の地図Lv97(通称:すぎやんⅢ) あらぶる魂の地図Lv99(通称:すぎやん) すぎやまこういち先生 竜王の地図Lv2(通称:すぎまろ竜王) 地図名:竜王の地図Lv2 発見者:すぎまろ 場 所:東ナザム地方(94) 最短討伐ターン数:4 内 容:最初に配布されたのは2009年8月25日に東京芸術劇場・大ホールで行われた 『第23回ファミリークラシックコンサート~ドラゴンクエストの世界~』のときらしい 自分が戴いたのは2009年9月21日に札幌コンサートホール kitara大ホールで行われた 『東京都交響楽団 札幌公演「すぎやまこういちが、やってきた!~ヒット曲からドラゴンクエストまで~」』か 2009年9月25日に札幌コンサートホール kitara小ホールで行われた 『第六回東京メトロポリタンブラス・クインテット札幌公演「すぎやまこういちとブラスの響き」』のときのものみたい 最初に配布された時は討伐ターン数がなかったらしいけど、北海道で流通するうちに4ターンがデフォになったみたい ちいさな岩の地図Lv2(通称:すぎやんⅣ) 地図名:ちいさな岩の坑道Lv2 発見者:すぎやん 場 所:カルバド大草原(53) 地 形:遺跡 ボ ス:黒竜丸 内 容:ボス部屋まで約32秒(32.06秒)。2011/04/10に札幌駅西改札口前で貰った。 この地図が最初に配布されたのは2010年3月27日に 五反田の鯛焼き屋さん「ダ・カーポ」で行われたサイン会らしいです ゆらめく影の地図Lv34(通称:すぎまろⅣ) 地図名:ゆらめく影の火口Lv34 発見者:すぎまろ 場 所:ガナンていこくりょう(84) 地 形:火山 ボ ス:Sキラーマシン 内 容:2010/03/06に札幌駅西改札口前で貰った。 この地図が最初に配布されたのは2009年12月12-13日に島根県で行われた 『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』×麒麟のゲースイ×ファミ通によるコラボ企画 吉本芸人が島根県ですれちがい通信を盛り上げる!らしいです あらぶる大地の地図Lv70(通称:すぎまろ) 地図名:あらぶる大地の坑道Lv70 発見者:すぎまろ 場 所:ヤハーンしっち(4E) 地 形:遺跡 ボ ス:邪眼皇帝アウルート 内 容:2009年の10月頃に多分札幌駅西改札口前で貰った。 最初に配布されたのは2009年8月25日に東京芸術劇場・大ホールで行われた 『第23回ファミリークラシックコンサート~ドラゴンクエストの世界~』のときらしいです わななく悪霊の地図Lv85(通称:すぎまろ旭川) 地図名:わななく悪霊のじごくLv85 発見者:すぎまろ 場 所:カルバドだいそうげん(55) 地 形:火山 ボ ス:魔剣神レパルド 内 容:2009/11/15に帯広のヤマダ電機の2Fで貰った。 最初に配布されたのは2009年9月24日に旭川市大雪クリスタルホール・音楽堂で行われた 『第5回東京メトロポリタン・ブラス・クインテット 旭川公演 金管五重奏による「魔笛」』のときらしいです 放たれし魔神の地図Lv92(通称:すぎやんⅡ) 地図名:放たれし魔神の世界Lv92 発見者:すぎやん 場 所:東セントシュタイン(87) 地 形:遺跡 ボ ス:破壊神フォロボス 内 容:2010/05/02に東京都千代田区の秋葉原公園で貰った。 最初に配布されたのは2010年3月13日に京都府京都市の『音楽館 清水屋』で行われたサイン会のときらしいです 残された神々の地図Lv97(通称:すぎやんⅢ) 地図名:残された神々の奈落Lv97 発見者:すぎやん 場 所:西ナザム地方(71) 地 形:洞窟 ボ ス:グレイナル 内 容:2010/05/02に東京都千代田区の秋葉原公園で貰った。 最初に配布されたのは2010年3月13日に京都府京都市の『音楽館 清水屋』で行われたサイン会のときらしいです あらぶる魂の地図Lv99(通称:すぎやん) 地図名:あらぶる魂の遺跡Lv99 発見者:すぎやん 場 所:東べクセリア地方(15) 地 形:遺跡 ボ ス:破壊神フォロボス 内 容:2010/03/06に札幌駅西改札口前で貰った。 この地図が最初に配布されたのは2010年2月9日に六本木のレストラン「バハマール」で 「交響組曲 ドラゴンクエストIX 星空の守り人」の発売記念試聴会のついでで プレオープン中だった六本木のルイーダの酒場に来店されたときらしいです。 この後、この地図をご本人から直接戴く機会がありましたが、それはまた別の話。
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「ドラゴンクエスト モンスターバトルロードII 第2回代表勇者決定戦」 イオン苫小牧ショッピングセンター イーストコートのすれちがいで貰った地図です 見えざる魔神の地図Lv87(通称:まさゆき) デスピサロの地図Lv1 エスタークの地図Lv1 シドーの地図Lv1 シドーの地図Lv1 呪われし夢の地図Lv42 とどろく魔神の地図Lv99 見えざる魔神の地図Lv87(通称:まさゆき) 地図名:見えざる魔神の道Lv87 発見者:まさゆき 更新者:まさゆき 場所:カルバド大草原の南東 地形:洞窟 ボス:破壊神フォロボス 内容:B15Fがメタルキングのシンボルのみ出現するフロア お宝の かくりつ 宝の地図 100% きんかい 10% 天使のローブ 2% 備考:当時ファミ通ドラクエ部(現在は卒業)だったまさゆきさんが7月末に発見した。通称まさゆきの地図 デスピサロの地図Lv1 地図名:デスピサロの地図Lv1 発見者:カイト 更新者:カイト 場所:セントシュタイン横 最短討伐ターン数:8 お宝の かくりつ ちいさなメダル 100% ????? ???% ????? ???% 備考:「DQMBII」公式サポーター「勇者カイト」が配布した地図 エスタークの地図Lv1 地図名:エスタークの地図Lv1 発見者:イッチー 更新者:イッチー 場所:アシュバル地方 バトマスのいる島 最短討伐ターン数:なし お宝の かくりつ ちいさなメダル 100% ????? ???% グリーンオーブ 10% 備考:ドラクエ9とモンバトのプロデューサー、市村龍太郎さんが配布した地図 以前にも市村PはTGS2009でもシドーの地図 Lv1を配布している(ファミ通.com) シドーの地図Lv1 地図名:シドーの地図Lv1 発見者:すくえに 更新者:ちり 場所:ウォルロ村南東 最短討伐ターン数:4 お宝の かくりつ ちいさなメダル 100% ローレシアブーツ 15% レッドオーブ 10% 備考:ファミ通ドラクエ部の有川知里さんが配布した地図 シドーの地図Lv1 地図名:シドーの地図Lv1 発見者:イッチー 更新者:デイリー 場所:ほろびの森 最短討伐ターン数:3 お宝の かくりつ ちいさなメダル 100% ????? ???% ????? ???% 備考;ファミ通ドラクエ部部長のデイリー松尾さんが配布した地図 呪われし夢の地図Lv42 地図名:呪われし夢の道Lv42 発見者:すぎまろ 更新者:ミナ 場所:東ベクセリアの南東 地形:遺跡 ボス:Sキラーマシーン 内容: お宝の かくりつ 宝の地図 100% ????? ???% ????? ???% 備考:ドラクエ9宣伝プロデューサー後藤美名子さんが配布した地図 この地図は週刊ファミ通9/17号で抽選プレゼントもされた。すぎやまこういちさんが発見した地図 とどろく魔神の地図Lv99 地図名:とどろく魔神の世界LV99 発見者:びおら 更新者:マサ 場所:グビアナ東の島 地形:洞窟 ボス:グレイナル 内容:S6A3B4 お宝の かくりつ せかいじゅのは 100% オリハルコン 10% 竜王の地図 5% 備考:ファミ通ドラクエ部のマサ西井さんが配布した地図 この地図はファミ通DXのドラクエIXプレイ日記「あなたのプレイスタイルは?」の 「理想の地図を求めて(8/28)」で紹介。フリーライターのビオラ牧嶋さんが発見した地図
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▼● Everyone s Grudge 依頼者: マジュフォー(Magephaud) / ノーグ・中央階段下 依頼内容: トンベリのうらみを解く方法が 知りたければ、 「獣人金貨」を3枚持ってこい。 ノーグ 通常時 +... Magephaud この島に棲むトンベリで なにか困ったことになったら俺のところへきな。 ま、いまのあんたには関係ねぇ話さ。 Magephaud くくく……。 あんたトンベリに手を出しただろ? ああ、みなまでいわなくても俺にはわかる。 Magephaud あんたにまとわりついた トンベリたちの怨みが俺にはみえるのさ。 いいかい、冒険者さんよく聞きな。 Magephaud この島に棲むトンベリって奴らはな、 仲間が倒されれば倒されただけ強さを増すんだ。 奴らだけが持つ不思議な能力さ。 怨みはつのり、必ずあんたに返ってくる。 Magephaud だがな、あんた運がいい。 俺はその怨みを解く方法を知ってるんだ。 他の誰も知らない、極秘の情報さ。 Magephaud ただじゃあ教えられねぇ。 情報はイイ金になる、冒険者ならわかるだろ? 知りたきゃ、獣人金貨を3枚だ。 それで、情報交換といこうじゃないか。 Magephaud 獣人金貨を3枚だぜ。 ま、俺は別に強制するつもりはねぇよ。 トンベリを相手にしなければ問題ない話だからな。 どうするかはあんた次第さ。 (Magephaudに獣人金貨を3個トレード) 獣人金貨 クゥダフの鋳造した金の硬貨。 獣人社会で広く流通している。 Magephaud ひー、ふー、みー。 獣人金貨が3枚……確かに。 約束だ、怨みの解き方を教えてやろう。 Magephaud だいぶ前の話だ。 まだ奴らの不思議な能力も知らないとき。 俺もあんたと同じく、トンベリに手を出して 怨みをかっちまったのさ。 Magephaud そうとも知らずに 寺院の廃墟をうろついていた俺は とある部屋で1匹のトンベリに出会ったのさ。 片言だが、言葉が通じる奴だった。 Magephaud そいつから不思議な能力のこと。 そして、怨みの解き方を聞くことができた。 そいつが司祭のようなもので 怨みを解くことができるってんだ。 Magephaud 獣人のくせにがめつくてな。 解いてやるからってギルを要求してきた。 Magephaud それでどうしたかって? まず証拠を見せろとうまくいいくるめてよ、 先に怨みを解いてもらったさ。 こころなしか体が軽くなった気はしたな。 Magephaud そのあとはそいつに ギルを払う振りをして、不意打ちかまして その部屋のカギを奪ってとんずらさ。 当然追いつかれないよう、カギもかけてな。 Magephaud とまぁ、長くなっちまったが 怨みの解き方はそのトンベリが知ってる。 閉じ込めた部屋のカギはこいつだ。 獣人金貨と交換ってことであんたにやろう。 だいじなもの ウガレピ寺院小部屋のカギを手にいれた! ウガレピ寺院小部屋のカギ トンベリ司祭を閉じ込めたという、 ウガレピ寺院小部屋のカギ。 称号:トンベリ博士 Magephaud 「解く方法」であって 俺は「怨みを解く」とはいってねぇからな。 そこんとこ勘違いするなよ。 Magephaud 部屋のカギは渡したんだ、 あとどう行動するかはあんた次第さ。 もし寺院の廃墟へ行く気なら、トンベリ共の 「みんなの怨み」には気をつけな。 ウガレピ寺院 (ウガレピ寺院小部屋のカギを持っている状態で、_を調べる) Tonberry Priest ……ヒト、シンジナイ…… ……ヒト、ヤクソクヤブル……。 Tonberry Priest ……ダカラ、オマエ、 タマリタマッタ、ミンナノウラミ……。 モシモ、ケシテホシイナラ…… Tonberry Priest サキニ、 [Number]ギル、ハラエ……! 選択肢:[Number]ギルを払いますか? はい いいえ(キャンセル) みんなの怨みが浄化された……! (_を調べる) みんなの怨みを浄化する必要はない。 ▲ ■関連項目 ノーグ Copyright (C) 2002-2015 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
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すれ違う思惑 ◆cNVX6DYRQU 「……やはり酒蔵だな」 散々に葛藤した末だが、遂に新見は芹沢の行きそうな場所の第一候補が酒蔵だと認めた。 こんな状況ではいくら芹沢でも酒は控える、と思いたい所だが、今までの長い付き合いの経験がそれを否定する。 殺し合いの舞台として酒蔵のあるこの島を選び、それをわざわざ地図に載せた主催者に苛立ちながら、新見は進む。 と、その足が止まる。前方に人の気配を感じたのだ。それだけではなく声まで聞こえる。 すぐに新見は身を低くして気配を殺し、這うような格好で進んで行く。 人別帖によればこの島には岡田以蔵のような危険人物も居るらしい。他者との接触には慎重を期すべきだろう。 だが、進んでいった先で見付けたのは攘夷志士ではなく、同じ新撰組の…… (沖田君か) 正直に言うと新見は沖田や近藤一派には良い感情を持っていないが、今はそんな事を言っている場合ではない。 日頃の確執は忘れ、力を合わせてこの馬鹿げた殺し合いを叩き潰さねば。 すぐにも声をかけようかと思ったが、沖田が身だしなみを整えている最中なのを見て、それが終わるまで待つ事にする。 この沖田は、近藤一派の中でも特に好戦的な剣士。無駄に刺激するのは避けるのが賢明というものだ。 と、沖田が一人ごちる。 「やっぱりまずは芹沢さんかな」 (ほう、近藤君より先に芹沢さんを探そうとは、沖田君も少しは物の道理がわかっているようだな) 感心して沖田を少し見直そうという新見の気持ちは、沖田の次の一言で吹き飛ぶことになる。 「しらふの芹沢さんとは一度本気でやりあってみたいと思ってたんだ」 (や、殺り合うだと!?芹沢さんを殺るつもりなのか!) 新見がそんな風に取ったのも当然と言えよう。そして、沖田がいくら好戦的でも一存で芹沢暗殺を企むとは思えない。 すると、この御前試合のどさくさに紛れて邪魔な芹沢を除こうというのが近藤一派の意思だということか。 いや、ひょっとするとこの御前試合の主催者と近藤一派がひそかに繋がっている可能性すら考えられる。 (おのれ、近藤……それに沖田め。何という邪悪な企みを!) このまま飛び出して行って沖田を斬り捨ててくれようかとも思うが、それは出来ない。 無論、勝つ自信が無いのではない。 得物に不安はあるが、それを言うなら沖田の武器はどうやら木刀、戦えばこちらが有利だ。 だが、問題はその後。 この鋸のような刀で人を斬れば切り口は独特の物になり、刀と照らし合わせれば下手人が自分だとすぐにわかってしまう。 そして、困ったことに、沖田は邪悪な内面とは裏腹に外見だけは頗る良いのだ。 死んで内面を窺う術がなくなってしまえば、自分がいくら沖田の邪悪さを訴えても、信じる者はまずいないだろう。 沖田の邪悪さを良く知っている近藤、土方、山南らがそれを正直に申告するはずもないし。 そして、自分が善良な若者を手に掛けた殺人者だなどという誤解が広まれば、その累が芹沢にまで及ぶことは必定。 沖田を斬るにしても、まずは普通の刀を手に入れるか、沖田の邪悪さを明らかにしてから斬るべきだ。 そう考えた新見は沖田に気付かれぬようそっと後ずさりし、やがて踵を返して急ぎ足でその場を離れた。 後方の沖田に気付かれぬよう進む新見。 そちらに気を取られるあまり、前方への注意が不足していたのだろう。 新見がその少女の存在に気付いて隠れるよりも先に、新見の姿を認めた少女が声をあげた。 「だ、誰!?」 新見は心中で舌打ちしつつ、その少女を観察する。 刀を抜きもせず鞘ごと構えているその姿には確かに隙は無く、それなりの心得があるように見える。 しかし、刀を抜いていない事、そして瞳の奥に見え隠れする戸惑いから、人を斬る事に関しては素人だと推察された。 「ねえ、聞いてるの?あなたは……」 黙っている新見に対して、少女の声が段々と高くなっていく。 既に沖田が居た場所とはかなり離れているが、あまり大きな声を出されると沖田に聞こえてしまうかもしれない。 「失礼した。自分は新撰組局長新見錦と申す者」 「し、新撰組!?それじゃやっぱり私、タイムスリップしちゃったの?なんて非現実的な……」 少女はよくわからない事を呟いている。いきなり殺し合いの場に放り込まれて錯乱しているのか。 哀れではあるが、この少女が混乱して正常な判断力を失っているのなら新見にとっては願ってもない好機だ。 「一つお聞きするが、貴女は先に白洲で言われた通り、殺し合いをするつもりがおありか?」 「まさか。誰が殺し合いなんて……」 「それは良かった。こちらも同じです。しかし、口でそう言うだけでは互いになかなか信用できないでしょう。 どうです?貴女の得物を検めさせて頂けぬか?無論、こちらの得物も貴女にお渡ししよう」 そう言って刀を差し出すと、向こうも刀を渡してくる。 動作を見るに、こちらが刀を渡すと見せかけていきなり斬り付ける事を警戒してはいないようだ。やはり素人か。 少女から渡された刀を抜いて刀身を検める。現れたのはただの打刀。刃に血糊も付いていない。 「うわ、何よこの刀」 新見が渡した刀を抜いた少女が声を上げる。まあ当然の反応なのだが、新見にとってはそれでは都合が悪い。 「確かに妙な刀です。しかし、我等のように他者を殺すつもりのない者にとっては実に良い刀だとは思われぬか?」 「え?確かにこれなら間違って人を殺しちゃったりする心配はないでしょうけど」 「それに、良く見ると作りも悪くない。これならばかなり激しく打ち合ってもまず折れることはないでしょう」 「そう言われると確かに……」 あっさりと新見の話に乗ってくる少女。まあ、嘘は言ってないのだから無理もないが。 「どうでしょう、貴女のこの刀と自分のその刀を交換いたさぬか?」 「え?でも……」 「失礼ながら、貴女は真剣での戦いには慣れていないようお見受けする。真剣というのは意外と脆き物。 このような到底良質とはいえぬ刀で、竹刀稽古のように激しく打ち合えばたちまち折れてしまうでしょう。 道場剣術の名手が実戦では刀を折って命を失うのはよくある事。そうならぬ為にもその頑丈な剣をお持ち下され。 何、心配なさらずとも、自分はそれなりに経験を積んでおるので、この刀でもどうにか立ち回れましょう」 少女はしばらく逡巡していたが、やはり真剣勝負への不安が勝ったのだろう、おずおずと頷いた。 こうして見事にまともな刀を騙し取った新見だが、問題はこの少女をどうするかだ。 こんな明らかな素人を連れ歩いても、足手まといにしかなり得まい。 ただでさえ敵が多く味方が少ないこの状況で、更に足手まといを抱え込むなど論外だ。 それに、この少女のあまりの素直さから、新見の胸にはある疑惑が湧き上がってきていた。 そもそも、天下無双を決めると称し、実際に名高い人斬りが多数参加するこの試合に、素人が参加しているのは不自然だ。 実は、この女の素人らしい振る舞いは全て芝居で、こちらを油断させておいて殺すつもりなのではないだろうか。 だとすると、今まで新見に正体を悟らせなかったこの女は、素人どころか相当腕利きの暗殺者という事になる。 そんな者を傍に置いておけばいつ命を狙われるかわからないし、仮に運良く返り討ちに出来たとしても問題は残る。 何しろこの女は内面はどうあれ見た目は純粋無垢な少女にしか見えないのだ。それを殺せば新見が悪者にされるのは確実。 先に芹沢暗殺を企む沖田を殺そうとして殺せなかった時と同じ二律背反が新見を悩ませる。 (沖田……そうか、この手があったか) 新見は妙策を思い付き、実行に移すことにした。 「実は、貴女を見込んで頼みたい事があるのだが……」 ヒナギクは森の中を人影を探しながら西に向かって歩いていた。 探しているのは、この辺りに居ると新見が言っていた新撰組一番隊組長沖田総司だ。 (本当は気が進まないんだけど……) もっとまともな状況でタイムスリップしたなら会ってみたいと思ったかもしれないが、今自分達がいるのは殺し合いの場。 しかも、新見によると、沖田はいきなり殺し合いに放り込まれたショックで錯乱寸前だったそうだ。 いくら新見に「貴女のような美しい女子になら沖田君も心を開くだろう」なんて煽てられても、不安は消えていない。 だが、自分に使える剣を渡してくれた親切な新見の、同僚である沖田を助けたいと苦しむ姿を、 そして、折り合いの悪い自分が接触しては逆に沖田を暴発させるかもしれないと悩む姿を見て断る事はできなかった。 二十一世紀人であるヒナギクは、新撰組や新見がこれから辿る筈の運命も当然知っている。 新見は切腹させられるのだ。そしてそれは沖田を含む試衛館グループの謀略によるものだともいう。 見ず知らずの自分に親切にしてくれた上、同僚をあんなに心配していた新見が、その同僚に謀殺されるなんて。 「ここで新見さんの株を上げておけば、もしかしたら歴史を変えられるかも」 不用意に過去を変えたりしたらタイムパラドックスとかで大変な事になる恐れもあるが、かと言って放ってはおけない。 新見にもらった刀、変な刀だが、彼の言うとおり良い刀だという事が、ヒナギクにもわかった。 この刀からは彼女愛用の木刀・正宗と同様に、名工が精魂込めて作った名刀特有の雰囲気が感じられる。 こんな貴重な品を惜し気もなく譲ってくれるようないい人をむざむざと死なせたくはない。 ここでヒナギクが沖田を救い、落ち着いた後で新見に頼まれた事をさり気なく沖田にばらせば、彼を救えるかもしれない。 そう思って沖田を探すのだが、案に相違してなかなか見つからず、遂に森を出てしまう。すると…… 「やあっ」「はっ」 東の街道あたりで誰かが激しく戦っているのが眼に入った。 慌てて駆け寄ってみると、戦っている内の一人は年若い美剣士……彼が沖田総司だろうか。 「やめなさい!」 ヒナギクは後先考えず、戦いの中に飛び込んでいった。 (予想以上に上手く言ったな) 少女をうまく言いくるめて沖田の所に行かせた新見は、彼女が確かに東に向かうのを見届けると、ほくそ笑んだ。 あの少女が沖田と同行しようとすれば、思慮の浅い沖田は彼女を足手纏いと見なしてあっさり斬り捨てるはず。 それも、偽装工作などせずに、彼女に持たせたあの鋸刀を奪って殺し、その刀を持ち続けるはずだ。 そうなれば沖田はいたいけな少女を殺した殺人者。新見がこれを斬っても誰も文句を言うまい。 仮にあの女が新見が睨んだ通りの暗殺者なら沖田が殺される可能性もあるが、それならそれでむしろ手間が省ける。 新見は森の中の比較的見晴らしのいい場所で木を背にして座ると、手にした刀の点検を始める。 何しろ暗殺者かもしれない女に渡された刀だ。どんな仕掛けがあるか知れたものじゃない。 そう思ってかなり長い時間を掛けてじっくり調べるが、何の仕掛けも見つからなかった。 (これはもしや……) あの女は暗殺者などではなく、ただの純粋で素直な少女だったのだろうか。 だとすると、そんな少女を沖田のような殺人鬼の下に送った自分の行いは非道極まりないものという事になる。 (今更、何を弱気な。自分は手を汚してでも芹沢さんだけは生かそうと決めたではないか) そもそも、無垢な少女を死地に追いやるのと、暗殺者を同僚の下に送るの、どちらも非道な行為には違いない。 自分の行為が許されぬものなのであれば、全てが終わった後で自分一人が切腹すれば済むだけの事。 それより今は、どんな汚い手を使ってでも芹沢だけは守らなければ。あの人はこれからの日本に必要な人なのだから。 決意を胸に、新見は酒蔵へと急ぐ。 【ほノ壱 森の中 一日目 黎明】 【新見錦@史実】 【状態】健康 【装備】打刀 【所持品】支給品一式 【思考】 基本 早々にこの催しを中座させる。 一 酒蔵へと急ぐ 二 近藤一派から芹沢を守る ※新撰組三局長の頃からの参戦です。 ※名簿をしっかりと見ていませんが、OPで芹沢鴨の存在を確認しています。 ※近藤一派が芹沢暗殺を企んでいると思っています。 ※桂ヒナギクが暗殺者かもしれないと疑っています。 「やっぱり酒蔵かな」 新見が沖田の物騒な言葉から誤解をして(まあ、ある意味正解でもあるのだが)去っていった直後。 沖田は芹沢の居場所をあっさりとそう結論付ける。 「でも、だとしたら急がないと。さっきまで隠れてた人もどうやら襲って来てはくれないみたいだし」 そう言うと、沖田は急ぎ足で歩き始める。出来れば、芹沢よりも先に酒蔵にたどり着きたい。 沖田が最初に師の近藤ではなく芹沢を探す事にしたのは、まずは筆頭局長の指示を仰ぐのが筋だと考えたからだが、 同時に芹沢なら面白い命令を下してくれると期待したからでもある。 例えば「この御前試合の新撰組以外の参加者を皆殺しにしろ」とか「主催者を殺れ」とか「俺と勝負しろ」とか。 だがそれも、芹沢が素面な内に会えた場合のこと。もしも会いに行った時に既に芹沢が泥酔していたら、 「酌をしろ」だの「つまみを調達して来い」だの、ろくでもない命令を受ける事になりかねない。 それを防ぐ為にも、急いで酒蔵を押さえてしまわなければ。 そういう思惑があったので、沖田は駆け足に近い急ぎ足で森を出て街道に着き、南に向かう。 すると、前方を歩く二つの人影が見えてきた。後ろ姿だが、どちらも知り合いではなさそうだ。 酒蔵に急ぐという沖田の目的からすれば、こんな所で他人と接触するのは無駄でしかない。 適当に挨拶をして追い抜くか、あるいは一旦街道から外れて迂回して追い抜くのが上策だろう。しかし…… (この人たち、強い) 芹沢の弱点が酒だとすれば、沖田の弱点は「強い剣士」なのだ。 葛藤したのは一瞬、沖田はふらふらと前を行く二人に近づいて行く。 この辺りの欲望への忠実さが、沖田が立場的には対立していた芹沢に共感を感じる所以なのかもしれない。 「こんにちわ」 義輝は声を掛けてきた若者を観察する。見かけは朗らかな若者だが、何となく剣呑な雰囲気も感じられる。 「お二人もこの御前試合の参加者なんですか?」 真意はともかく、表向きは礼儀正しく尋ねて来る若者に、まずは信乃が答える。 「ああ。私は安房国里見左近衛尉が家臣、犬塚信乃戍孝」 それに義輝が続く。 「余は征夷大将軍参議源朝臣義輝だ」 それを聞いてこの若者は平伏するか、信乃のように騙りと決め付けるか、少し緊張して義輝は待つが……。 「え!?あなたがあの足利義輝様ですか!いやあ、お会いできて光栄です」 若者の反応は想定外だった。義輝を本物だと信じているようだが、臣下の礼を取るつもりはないらしい。 「そなたはこの義輝が征夷大将軍だと言うのを信じるのか?」 戸惑う義輝を他所に、信乃が聞く。 「はい。剣豪将軍足利義輝様と言えば僕の時代では有名ですから。貴方の時代では違うんですか?」 「時代?」 若者が使う言葉に義輝が反応する。確かに、自分と信乃は生きた時代が違うようだが、まさかこの若者も? 「ええ。僕は義輝様の時代より三百年くらい後から来たんですよ。あれ?もしかしてお二人は同じ時代から?」 「いや、信乃の話が真実ならば、どうやら信乃は余よりも七十年以上は前から来たという事になるのだが…… しかし、三百年とは。すると、今は余の時代から数えて三百年後ということか?」 「多分もっと後だと思うんですよね。僕の時代には死人を蘇らせる技術なんて聞いた事もありませんから」 「死人……そなたも、この試合の黒幕が死者を蘇らせたと思うのか?」 「はい。僕の知っている記録だと義輝様は三百年前に亡くなられた筈ですし、人別帖には他にも死んだはずの人が沢山。 それに、そちらの犬塚さんにしても仙人にでもならなきゃ四百年以上も生きていられる筈ないですし」 「そうか、余は死んだか」 確かに、今が三百年以上後だと言うのが真実なら、自分が生きているはずはないが…… 「義輝様は凄かったらしいですよ。秘蔵の名刀を何十本も使って、数え切れない程の敵を倒した末の討ち死にだとか」 「討ち死に……」 征夷大将軍ともあろう者が、兵卒のように自ら戦って討ち死にとは……。落ち込む義輝を見かねたのか、信乃が割り込む。 「おい。何もそんな事、はっきりと言わなくても。もう少し気を遣ってだな……」 「え?気を遣うも何も、名刀を手に思う存分戦って討ち死になんて最高の死に方じゃないですか。 少なくとも病に侵されて、戦うべき時に戦えずに死ぬよりずっといい。そうは思いませんか?」 「確かにそうだな」 義輝が返す。気持ちの整理がついた訳ではないが、今はまずこの若者に聞くべき事を聞かねば。 「義輝、大丈夫なのか?」 「うむ。それより、そなたはこれからどうするつもりなのだ?」 「そうですね。まずは一番上の上司に会って指示を仰ごうかと」 「上司?」 「はい。僕は幕府に……義輝様の足利幕府の次に開かれた幕府に雇われて京の治安を守る組織に属してましてね。 そこの上司もどうやらこの島に来ていて、行きそうな場所の見当もつくので、そこに行ってみるつもりです」 「足利幕府の次の幕府」という言葉に義輝はまた衝撃を受けるが、なんとか踏み止まって会話を続ける。 「その組織の者でここに来ているのは、そなたとその上司の二人だけか?」 「いえ。僕の覚えているだけでも九人ですね」 「多いな、それは……」 「ええ、高く評価されたみたいで光栄なことです」 人別帖によると、重複して書かれた名前を一つと数えれば、この御前試合の参加者は八十人足らず。 その中で九人と言えば大勢力だ。その集団の動向はこの御前試合の行方に大きな影響を与えるだろう。 「それで、その上司とやらはこの場でどう動くつもりなのだ?」 「さあ、それは会ってみないと何とも……」 「余も是非そなたの上司と話がしたいのだが、そのように取り計らってもらえぬか?」 「ええ、いいで……あ、やっぱり、一つだけ僕のお願いを聞いてくれたら、そうしますよ」 「願い?」 「はい。せっかく貴方のような高名な剣士と会えたのですから、ここは……」 そう言って木刀を構える若者。なるほど、そういう事か。 その少女が飛び込んで来たのは、義輝と沖田の立ち合いの盛り上がりが正に最高潮に達しようとしていた時分だった。 木刀を打ち合わせていた二人は咄嗟に飛び退き、少女が真剣らしき物を所持しているのを見て信乃が前に出る。 「そなたは……」「馬鹿な事はやめなさい!」 誰何しようとする信乃を無視してヒナギクは沖田に向かって叫んでくる。 「あの……」「いきなりこんな状況に放り込まれて混乱するのはわかるけど、だからって斬り合いなんて絶対にダメよ!」 「ええと……」「沖田さんが軽率な事をしたら、貴方一人でなく新撰組の人全員に迷惑がかかるんですからね!」 矢継ぎ早に責められて言い返す暇のない沖田に代わって義輝が助け舟を出す。 「娘。何か勘違いしているようだが、余とその者は斬り合いではなく稽古をしていただけだぞ?」 「え?」 「まあ、普通に考えて、木刀で斬り合い、というのはちょっと難しいんじゃないかと」 少女の言葉が途切れた隙に沖田も言葉を重ねる。 「あ、あれ?も、もしかして私……」 「ま、まあ、いきなりこんな状況に放り込まれれば混乱するのも当然であろう」 やっと周囲を見回す余裕が出来たらしい少女を、義輝が慰める。 信乃も少女が危険人物ではないと判断したのか刀から手を離し、穏やかに聞く。 「ところで、そなたは何者だ?この……沖田殿?と知り合いなのか?」 そう言われて沖田も少女の顔を良く見てみるが、全く見覚えがない。 「わ、私は桂ヒナギクと言います。沖田さんの事はたまたま見かけた事があって知ってただけで、知り合いとかでは……」 何だか隠していることがありそうな感じだったが、早く義輝との立ち合いを再開したい沖田は深く追求しない事にした。 「ところで、せっかく四人になった事ですし、みんなで乱戦と行きませんか?」 「いや、遠慮しときます……」 それからしばらくの後、信乃と義輝は二人で街道の脇で休んでいた。 沖田は彼らと別れて上司の処へ向かい、ヒナギクという少女もそれに付き添って行った。 同行しようと申し出たが、上司が義輝に会見する前に準備が必要かもしれない、とかいう理由で断られた。 それであっさり引き下がったのは、自分達の側にも心の整理を付ける時間が必要だと感じたからだ。 「義輝……」「あの者との約束は正午に城で会う、だったな。ならばまだ時間には余裕がある」 「あ、あの……」「できればもう少し同志を集めたいところだ。そうすれば、新撰組とやらの長への説得力も……」 活力に満ちて見える義輝だが、信乃にはそれが空元気に見え、痛々しくて仕方がなかった。 「義輝、大丈夫か?」 「ん?さっきの立ち合いで受けた傷なら心配はない。あの若者も加減してくれたようでな」 「いや、そうじゃなくて……」 自分たちは既に死んで蘇った存在で、今は自分たちの生きていた時代から数百年以上は経っている。 そんな事を聞かされて平静で居られる筈がない。 信乃だって里見家がどうなったか、仲間達はどうしたのか、気になる事は山ほどある。 まして、義輝が本当に将軍だったのなら、背負っていたものは信乃の比にならぬほど大きかっただろう。 あの沖田という若者は義輝の最期を、名刀を持って奮戦した末の最高の死に方と言っていた。 確かに、三百年後の剣士に憧れられる程の武名を残せれば、一介の武者としては本望かもしれない。 しかし、将軍の身で己が討ち死にした上、沖田の時代には足利幕府がもうないと聞いて、それをよしとする事など出来まい。 「義輝、あの沖田殿が言っていた事が全て真実とは限らないぞ。それだけでは説明が付かない事が幾つもある。 例えば俺とお前の知識に食い違いがある事とか、この小篠だって数百年もの時を経たとはとても……」 「だが、それで納得できる事もある」義輝が信乃の言葉を遮って呟く。 「例えば沖田の剣術。余が学んだ新当流に似た所もあったが、異なる、いや、より洗練されたと言える点も多かった。 余が見るに、あれは一人の天才による改良と言うよりも、多数の剣士が少しずつ積み重ねたと考えるべきだろう」 確かに沖田の剣術の異質さは信乃も感じ取ってはいた。もっとも、義輝の剣術も自分の知る剣術とは大分違っていたが。 自分と義輝と沖田、それぞれが元いた場所に大きな隔たりがあるのは間違いないのだろう。 「時が移ろえば剣術も変わる。世のあり方も、数百年もすれば随分と変わっているのだろうな」 やはり気にしていたようだ。 「義輝……。確かに時が経てば何もかも変わって行く。だがどれだけ時が経っても変わらない物だってある。 それは人倫の道だ。仁義礼智忠信孝悌の八文字だけはいくら時が経っても消える事はない。俺はそう信じている」 「……確かにそうだな。仮に余が三百年以上前に死んでいたとしても、少なくとも今はこうして生きている。 ならば、くよくよと過去のことを考えるよりも、今なすべき事をなすべきだ。行こう、信乃。同志を探しに」 そして二人は再び歩き出す。芽生えた様々な想いを、強い正義感によって封印して。 【にノ参 街道/一日目/黎明】 【犬塚信乃@八犬伝】 【状態】顔、手足に掠り傷 【装備】小篠@八犬伝 【所持品】支給品一式、こんにゃく 【思考】基本:村雨を取り戻し、主催者を倒す。 一:義輝を守る。 二:毛野を探し合流。 三:小篠、桐一文字の太刀、『孝』の珠も探す。 四:義輝と卜伝、信綱が立ち合う局面になれば見届け人になる。 【備考】※義輝と互いの情報を交換しましたが半信半疑です。ただ、義輝が将軍だった事を信じ始めています。 ※果心居士、松永久秀、柳生一族について知りました。 ※人別帖に自分の名前が二つある事は確認していますが、犬塚信乃が二人いる事は想定していません。 ※玉梓は今回の事件とは無関係と考えています。 【足利義輝@史実】 【状態】打撲数ヶ所 【装備】木刀 【所持品】支給品一式 【思考】基本:主催者を討つ。死合には乗らず、人も殺さない。 一:正午に城で新撰組の長と会見する。 二:卜伝、信綱と立ち合う。また、他に腕が立ち、死合に乗っていない剣士と会えば立ち合う。 三:上記の剣士には松永弾正打倒の協力を促す。 四:信乃の人、物探しを手伝う。 【備考】※黒幕については未来の人間説、松永久秀や果心居士説の間で揺れ動いています。 ※信乃と互いの情報を交換しましたが半信半疑です。信乃に対しては好感を持っています。 ※人別帖に信乃の名前が二つある事は確認していますが、犬塚信乃が二人いる事は想定していません。 ヒナギクは川の水で濡らしたハンカチを沖田の顔に出来た痣に当てる。 「痛い?」 「平気ですよ。義輝様、全力ではやってくれなかったんで」 沖田が心底残念そうに言う。 「でも、あの人たちと別れちゃって本当に良かったの?」 タイミングを逸して素性を聞きそびれてしまったが、どちらも悪い人ではなさそうだったし腕も立つようだ。 一緒に来てもらえば心強かったと思うのだが。 「それがですね、義輝様と僕の上司の芹沢さんを会わせると約束したんですけど、芹沢さんは無類の酒好きでして。 義輝様を連れて会いに行ってみたら酔い潰れていた、なんて事になったら恥ずかしいじゃないですか」 「なるほど、貴方も大変ね……」 やはり酒好きの姉を思い浮かべながらヒナギクは言う。 もっとも、さすがに彼女の姉はこんな大変な状況では酔い潰れるまで飲んだりしない……と思いたいが。 「でも、それって大丈夫なの?会見は正午の約束なんでしょ?酔い潰れた人がそれまでに回復するかしら」 「芹沢さんが駄目なら代理を立てるしかないでしょうね。近藤先生や土方さんがどう動くかは僕にはわかりませんけど、 少なくとも副長で元局長の新見さんは芹沢さんの所に来ると思うんですよね。あの人、芹沢さんと仲良しですから」 「え?新見さんって……」 「新見さんなら、芹沢さんの代理としても不足はないでしょうし」 (何だ。折り合いが悪いなんて言ってたけど、新見さん、ちゃんと信頼されてるんじゃない) 沖田も精神的に不安定になってる様子はないし、新見は心配しすぎだったんじゃないか。ヒナギクがそう思っていると、 「それにしても、木刀での試合もいいですけど、そろそろ真剣が欲しいですねえ」 「は?」 ヒナギクは、沖田が脈絡なく発した物騒な言葉に呆気に取られる。 「だって、やっぱり木刀での叩き合いよりも真剣での斬り合いの方が楽しいじゃないですか。 木刀だとさっきの義輝さんみたいに本気でやってくれない人もいるし。桂さんは真剣、嫌いですか?」 「嫌いとか以前に、私は真剣で人を斬ったりなんてしませんから!」 ヒナギクはついさっき沖田を見直したのを後悔した。 (この人、やっぱり危険だわ。私が何とかしないと) 【ほノ肆 城下入り口/一日目/黎明】 【桂ヒナギク@ハヤテのごとく!】 【状態】健康 【装備】無限刃@るろうに剣心 【所持品】支給品一式 【思考】基本 殺し合いに否定的な人を集めて脱出。 一:沖田総司が馬鹿な事をしないよう見張る。チャンスがあれば新見の株を上げる 二 柳生十兵衛を探して、柳生宗矩の事を聞きたい 三 自分の得物である木刀正宗を探す。 (ふうん、人を斬らないんだ、桂さんは) 嘘ではなさそうだ。確かにヒナギクが纏っている雰囲気は、人斬りのそれとは一線を画す。 (でも、それなら桂さんは相当高名な剣士のはずだよね。にしては聞いた事ないけど) 沖田は人別帖にあった自分と同時代の剣士達を思い出す。 新撰組をはじめ人斬りとして名を馳せた剣士が多く呼ばれているのに対し、道場剣術で知られた剣士は数える程だ。 つまり、主催者は道場剣術を……少なくとも沖田の時代の道場剣術はあまり高く評価してはいないのだろう。 そんな中、沖田と同時代の、道場剣士らしいのにここに呼ばれたヒナギクは、余程の名手という事になる。 それ程の腕の剣士なら評判になって然るべきなのに、沖田は桂ヒナギクという名に覚えがない。 明らかに不自然だ。 可能性の一つとして、桂ヒナギクというのは偽名で、本名は別、例えば千葉さな子だというものがある。 少し若すぎる気もするが、老衰で死んだ剣客を参加させる事を考えれば、主催者には人を若返らせる力もあるのだろう。 (雛菊なんて芸者っぽい名前だけど、ちっとも芸者っぽい感じはしないしね) 前に佐々木小次郎が不用意に名乗ったせいで沖田に翻弄されたように、本名を名乗るというのは危険な事なのだ。 ならば彼女が本名を隠して偽名を名乗ったとしても不思議はない。 もしそうなら、名を知られる危険さを知りながら義輝達に沖田の名をばらした彼女はとんだ食わせ者という事になるが。 しかし、この考えには難点もある。 上で述べたように本名を名乗るのは危険だが、危険があるのは偽名を名乗る場合も同様。 例えば、人別帖にない名前を適当に名乗れば、こちらが人別帖と照らし合わせればすぐにばれてしまう。 人別帖にある適当な名前を名乗ったとしても、三人も居れば誰か一人くらい本物の桂ヒナギクと知り合いかもしれない。 それなのに、特に強く名を聞かれた訳でもないのに偽名を名乗るというのは不自然な行為だ。 (もっとも、人別帖に載った時点で偽名だったとすれば辻褄は合うけど) 例えば、沖田の同僚の斉藤一は、元の名は山口一だった筈だが、人別帖には斉藤一の名で載っている。 つまり、偽名を名乗っていればそれを人別帖に載せるくらいの配慮が、主催者にはあるのだろう。 また、桂ヒナギクという高名な剣士がいたのに、小次郎が武蔵を忘れていたように沖田も忘れている可能性もある。 そうだとしたら、同じ時代か未来から来た剣士に聞いてみない限り確かめようがないが。 ただ、桂と言えば、沖田には別に思い浮かぶ名前があった。 長州の大物志士にして、練兵館の俊英、そして変装の名人と言われる桂小五郎である。 練兵館と言えば、斉藤弥九郎と仏生寺弥助の二名がこの御前試合に参加していた筈。 つまり、主催者の練兵館への評価はかなり高い訳で、桂小五郎も呼ばれていておかしくはないという事になる。 いや、薩摩の中村半次郎、土佐の坂本竜馬や岡田以蔵、肥後の河上彦斎が参加している事を考えれば、 長州出身の志士が一人も酸化していないという方が不自然とも言えるくらいだ。 もちろん、普通に考えれば、如何に変装の名人でも六尺近い巨漢と聞く桂小五郎がこんな少女に化けられるとは思えない。 しかし、剣の世界では素人には妖術にしか思えない技を使う者も多い。 変装の名人と呼ばれる桂なら、素人の沖田には想像も付かない技を持っている可能性もある。 (それに、普段の大男の方が変装って事もあるよね。大男なのに「小」五郎なんて、変だと思ってたんだ) 名前云々はともかく、本来は小柄な小五郎が変装によって大男に化けているというのはいい案ではないだろうか。 それならば、桂小五郎がいつもこちらの手をすんでのところですり抜けて行くのも頷ける…… 「ちょっと、私の顔に何か付いてる?」 無意識の内にヒナギクの顔を見詰めていたらしく、ヒナギクが沖田の方を不審そうに見ている。 「いえいえ。あなたがあまりに綺麗だから見とれてただけです。失礼しました」 「え?ち、ちょっと……」 ここでヒナギクに警戒心を持たせて逃げられでもしたら元も子もない。 せっかくの面白い状況を存分に楽しもう。そう決意して、沖田は少女?と共に城下へと向かう。 【ほノ肆 城下入り口/一日目/黎明】 【沖田総司】 【状態】打撲数ヶ所 【装備】木刀 【所持品】支給品一式(人別帖なし) 【思考】基本:過去や現在や未来の剣豪たちとの戦いを楽しむ 一 芹沢を探して指示を受ける 二:芹沢か代理人を正午に城に行かせて義輝と会わせる 【備考】*自分を含めた参加者が何らかの手段で復活させられた死者だと考えています ※人別帖をなくしましたが特に有名な剣豪や知り合いの名前は覚えていると思われます ※参戦時期は伊東甲子太郎加入後から死ぬ前のどこかです ※桂ヒナギクが桂小五郎の変装かもしれないと思っています 時系列順で読む 前話 二重影 次話 揺らぎ 投下順で読む 前話 二重影 次話 揺らぎ 深い夜の森の中 新見錦 迷いの剣 いざ行かん戦場へ 桂ヒナギク 運命とか知ったり知らなかったり 天才剣士二様 沖田総司 運命とか知ったり知らなかったり 主従にあらず、同志なり 犬塚信乃(男) 偸盗/藪の中 主従にあらず、同志なり 足利義輝 偸盗/藪の中
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(一応、ここまで追ってきたが。) 『うぷ……ねえ、セイバーさん?なんだか、体から力がどんどん抜けてくっていうか、その……気持ち悪い……』 『もう少し我慢してもらおう、マスター。』 セイバー・アルトリアと戦い、ランサー・カルナに介入され、三騎のサーヴァントの激突により燃え尽きた公園から、セイバー・テレサは北西に向かい未遠川沿いに北上していた。 霊体化した上に気配遮断しているとなれば、まず見つかることはないだろうが、やはり愛用の宝具を砕かれたことは大きいのか、その動きは緩慢だ。いや、緩慢にならざるを得ないのだろう。何せ彼女は今、蛮勇にも追っているのだから、彼女の宝具を砕いたランサーその人を。 『気をつけろ、さっきのランサーはそっちにどんどん近づいている。このままだと川を越えそうだ。』 『……うそ?』 『本当だ。』 『え~っと、それってかなりまずくないですかね……?』 『マスター……チョコ。』 『はい?』 『先に謝っておく。すまなかった。』 『ちょっと待ってそれどういう意味なの!?』 ランサーの移動方向はセイバーにとって誤算だった。 ランサーが飛び去ったのは、北北西。それは、セイバーとセイバーのマスターであるチョコの一直線上だ。つまり、ランサーが進行方向を変えなければチョコとはちあうことになる。 これはまずい。非常に。 『ここから動いたほうがいいかな?川から離れないと!』 『待て、焦って動くな。人ごみに紛れて息を潜めてやり過ごせ。もしダメそうなら令呪を使う。』 『真っ直ぐにこっちに向かってきてるから位置バレてるんじゃないの?』 『……』 『セイバーさん?セイバーさん!?』 悲しいかな、チョコの言うとおりだ。ここまでの数分、ランサーは謎の光る未確認飛行物体として冬木市を巡航していた。その飛行は淀見なく、公園から冬木大橋西岸へと向かっている。これが戦場から逃げようとして川を渡ろうとしているのか、それともチョコに気づいているのかは不明だが、セイバー達にとっては絶望的な展開と言えた。渡りきられてしまえばどのみち気づかれるだろうし、かといって逃げようとしてもランサーのスピードはなお早い。まさしく万事休すだ。 (私を見逃したと思ったらマスターに向かうとはな……) セイバーは自嘲して笑う。なんとか本選の一日目ぐらいは越えられるのではないかと思っていたが、どうやら自分は聖杯戦争というものにほとほと向いていないらしい。あのランサーと五分と経たずに再戦するはめになるとは。 セイバーは覚悟を決めた。こうなれば、上空のランサーになんとか攻撃を加えて、チョコが逃げる時間を稼ぐしかない。正直今のセイバーでは一分持たせられるかもわからないがなんとかやるしかない。 だが、そんな覚悟を嘲笑うかのように。 「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!」 『幸運』にも、一体のサーヴァントがランサーに襲いかかった。 「もう良いだろう、これ以上は時間を浪費するだけだ。」 「そういうわけにはいかないな、何せ同盟のこれからに関わる。」 「いい加減にしてくれバーサーカー。君の狙いはわかってる。こうまでこの交渉を引き伸ばすのはね。それが同盟相手にすることか?」 「なに、これはお前への気遣いでもある。費用対効果というな。」 「そんな気遣いは要らない。それに君はただーー」 衛宮切嗣は、コップをテーブルに叩きつけるように置く。テーブルの上の食器が擦れあい、様々な音をたてる。それに気を止めるものはいない。テーブルに着いた四人も、テーブルの周りの人間も、既にその環境に適応している。人の入れ替わりがあろうと関係ない。 「君はただバイキングを時間いっぱい利用したいだけだろう。だがもう意味はない。君のマスターはどう見てもこれ以上は食べられないからね。」 「うるさい!兵糧が不足している以上、食い溜めする必要がある!」 クロエ達アーチャー・バーサーカー同盟がココスに来店したのはバイキング開始直後の6時過ぎ。 この店、ココス冬木店のバイキング終了時刻は10時。 約四時間。太っ腹にも食べ放題なのだが、現在時刻は10時数分前。 バーサーカーはその四時間をフルに活用しようとしていた。テーブルとの往復回数は十や二十では済まない。 「もう終わりにしよう、こんなこと。君のマスターの為にもならないだろう。」 「それはお前の決めることではない。ルナ、さあさあ。」 「……」 「ダメだよ、もう目が一点を見つめてる……これ以上食べさせたら本当に吐いちゃうだろうね。」 「バーサーカー、これが君のやりたかったことなのかい?」 「……そんなわけないだろ!」 バーサーカーは、吠えた。 バーサーカーとて、このような不様な真似はしたくないのだ。だがそれを食料事情が許さないのだ。竜堂ルナが安定して魔力をバーサーカーに渡すには、満腹になるまで食べるしかない。 侃々諤々の討論が始まった。同盟とは、聖杯戦争とは、そして食事とは。その全てが終了時間まで粘ることに費やされた。 「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!」 『案外、運が良いみたいだな。』 セイバーの前方数百メートル、まもなく橋の東岸に差し掛かろうというところだ。バーサーカー・サイトは橋のたもと辺りに実体化したかと思いきや一気にランサーめがけて駆け出していった。セイバーがその存在に気づかぬほどに弱りきったそれが、どこにそんな力を秘めていたのかわからないほどのスピードで殺到する。それは、セイバーにとって紛れもなく幸運だった。 バーサーカーがランサーへ向かわなければ、セイバーはランサーに無謀な戦いを強いられていただろう。あるいはバーサーカーとランサー、双方を相手に戦わなければならなかったかも知れない。それが、勝手に潰しあってくれる。今のセイバーにとってこんなにも都合の良いことはない。 『マスター、これから橋を渡って迎えにいく。とりあえず人の多いところに居てくれ。』 『セイバーさん……』 『直ぐ行く。少しの間待っていてくれ。できるな?』 『……わかった。セイバーさんも気をつけてね。』 手短に念話を交わす。今のうちにランサーのレンジを強行突破し、橋を越えることができれば、とりあえずランサーの脅威は一歩遠ざかる。ならばここは、覚悟を決める場目だ。 セイバーの白い姿が、段々と実体を持っていく。今を切り抜けなければ直ぐにでも死ぬことになる。打てる手は一つだ。 だが。 (!!近いな、サーヴァントが一騎と、この感じは……!) ここで、今度は不運なイレギュラーが発生する。セイバーから前方一キロ、実体化しなければわからなかった距離に、他の主従を見つけたのだ。しかも、マスターは恐らく、先ほどのランサーのマスターである。 (ランサーのマスターは、抱えられて飛んでいたはず。今は見えないが、直前までは確実に抱えていた。) (見えなくなって数秒間であの距離を移動した?サーヴァントでも難しいことをマスターがやったのか?) セイバー、混乱。 ここに来て、橋まであと一キロ程だというのに、そこにはなぜかランサーのマスターが他のサーヴァントと共にいる。主従なのか同盟を組んでいるのかは知らないが、かなり面倒な事態だ。 わかるはずもない。ランサーのマスターであるイリヤ。その半身がサーヴァントになっているなどと。そして他の主従と同盟を組んでいるなどと。 「!?チィッ!!」 実体化しビルの屋根を走り行くセイバーの前に、一振りの刀が飛んできて慌てて止まる。ランサーから光が発されたかと思うと、バーサーカーが持っていたはずのそれが手首ごと飛ばされてきたのだ。さっきまでか細くもしていた妖力が感じられないところを見るに、一分と持たずに消し飛ばされたのだろうか。消滅し吸い込まれていく手首を見ながらそう思う。 (?) セイバーはランサーに視線を向けクレイモアを出そうとするも、刀を二度見した。なにかおかしい、この刀は。 ちらりとランサーを見る。また新手が来たようだ。先ほどバーサーカーと戦っていた場所に凄まじい妖力が満ち満ちている。これならまた時間が稼げそうだ。 バーサーカー達に意識を向ける。今のところ目だった動きは見られない。待ち伏せなのかは不明だが、仕掛けてくる気はないようだ。 周囲をうかがう。もう一人のセイバーが遠ざかっていくのが感じられる以外は、特に目だつものはない。 つまり、少しだけ時間がある。 (この刀、バーサーカーの武器ということは宝具のはず。) (だが、やけに気配が弱い。) (……チョコ、『幸運』を信じるぞ。」 『えっ、今なんて?セイバーさーー』 むんず。 『ーーんッッッッッ!?!?!?!』 手からセイバーの、妖力が喰われていく。チョコの悶絶する気配が念話から伝わってきた。なるほど、魔力を刀に持ってかれているのか。だが不思議と、体には力が感ぜられる。 「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!」 「叫んで妖力を喰う剣かぁ、面白い。」 『また……力が……なにこれセイバーさん!?』 『早くゴスロリに着替えろ、お土産物がある。』 『着替えるから、一旦止めて!クラクラする!』 セイバーは刀を、立っていた屋根に突き立てると手を離してまじまじと見た。 なるほど、僅に刀に触れるだけで妖力を貪欲に持っていく。少し離れていても体から漏れだしたものを吸っているのがわかる。掃除機というのはこういうものだろうか? 『セイバーさん、着替えたよ。だけどまずは説明してーー』 『許せ、帰ったらな。』 『!?また、どんどん、取られてる……』 チョコの声を無視して、再び刀を持つ。妖しく黒光るそれを太陽に一度照らすとと、セイバーは北上を再開した。 【新都・未遠川東岸付近/2014年8月1日(金)1006】 【衛宮切嗣@Fate/zero】 [状態] 五年間のブランク(精神面は復調傾向)、満腹、精神的疲労(小)。 [残存霊呪] 三画。 [思考・状況] 基本行動方針 聖杯戦争を止め、なおかつクロエを元の世界に返す。 1.ほとんど食事会だったな…… 2 アーチャーに申し訳ない。 3.バーサーカーは苦手だがなんとか関係を改善しなくては。 4.戦闘は避けたいが協力者を募るためには‥‥? 5.装備を調えたいが先立つものが無い。調達しないと。 6.自宅として設定されているらしい屋敷(衛宮邸)に向かいたいが、足がない。避けたいが、アインツベルン城に泊まるか?。 7.冬木大橋が落ちたことに興味。 [備考] ●所持金は4万円。 ●五年間のブランクとその間影響を受けていた聖杯の泥によって、体の基本的なスペックが下がったりキレがなくなったり魔術の腕が落ちたりしてます。無理をすれば全盛期の動きも不可能ではありませんが全体的に本調子ではありません。 ●バーサーカーとそのマスター・ルナの外見特徴を知り、同盟(?)を組みました。好感度が下がりました。 ●コンビニで雑貨を買いました。またカバンにアーチャー(クロエ)の私服等があります。 ●バーサーカー(ヒロ)が苦手です。 ●セイバー(アルトリア)への好感度が上がりました。 ●ココス店内の切嗣を不審者扱いする空気は解消されました。 【アーチャー(クロエ・フォン・アインツベルン)@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ】 [状態] 筋力(10)/E、 耐久(20)/D、 敏捷(30)/C、 魔力(41)/B、 幸運(40)/B、 宝具(0)/- 実体化、満腹、魔力充実(微、上昇中)、私服、精神的疲労(小)。 [思考・状況] 基本行動方針 衛宮切嗣を守り抜きたい。あと聖杯戦争を止めたい。 1.一応食べたけど…… 2.なんなの、アイツ(ルナ)……ホムンクルス?少なくとも人間ではないと思う。 3.あんまりコイツ(ルナ)からは魔力貰いたくない…… 4.冬木大橋が落ちたことに興味。 [備考] ●赤色の影をバーサーカーと、銀色の影をマスターの『ルナ』と認識しした。 ●ルナをホムンクルスではないかと思っています。また忌避感を持ちました。 ●バーサーカーと同盟(?)を組みました。 ●夏用の私服を着ています。 【竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ】 [状態] 封印、肉体的疲労(大、回復中)、妖力消費(中)、信じられないぐらい満腹だ!、靴がボロボロ、服に傷み。 [残存令呪] 3画 [思考・状況] 基本行動方針 みんなを生き返らせて、元の世界に帰る。 1.食べ過ぎて…… 2.同盟を結んだ?らしい。 3.学校の保健室を基地にする‥‥いいのかな‥‥ 4.誰かを傷つけたくない、けど‥‥ 5.バーサーカーさんを失いたくない。 [備考] ●約一ヶ月の予選期間でバーサーカーを信頼(依存?)したようです。 ●修行して回避能力が上がりました。ステータスは変わりませんが経験は積んだようです。 ●新都を偵察した後修行しました。感知能力はそこそこありますが、特に引っ掛からなかったようです。なお、屋上での訓練は目視の発見は難しいです。 ●第三の目を封印したため、令呪の反応がおきにくくなります。また動物などに警戒されるようになることが減り、魔力探知にもかかりにくくなります。この状態で休息をとっている間妖力は回復します。 ●身分証明書の類いは何も持っていません。また彼女の記録は、行方不明者や死亡者といった扱いを受けている可能性があります。 ●食いしん坊です。 ●店の空気に気づきませんでした。 【バーサーカー(ヒロ)@スペクトラルフォースシリーズ】 [状態] 筋力(20)/D+、 耐久(30)/C+、 敏捷(20)/D+、 魔力(40)/B++、 幸運(20)/D、 宝具(40)/B+ 精神的疲労(小)、満腹。 [思考・状況] 基本行動方針 拠点を構築し、最大三組の主従と同盟を結んで安全を確保。その後に漁夫の利狙いで出撃。 1.この男(切嗣)には警戒せねば。 2.ルナは大事なさそうだな。 3.学校に拠点を構える。 4.ルナとがいろいろ心配。 5.冬木大橋が落ちたことに興味。店の空気に関しては我関せず、 [備考] ●新都を偵察しましたが、拠点になりそうな場所は見つからなかったようです。 ●同盟の優先順位はキャスター セイバー アーチャー アサシン バーサーカー ライダー ランサーです。とりあえず不可侵結んだら衣食住を提供させるつもりですが、そんなことはおくびにも出しません。 ●衛宮切嗣 アーチャーと同盟を組みました。切嗣への好感度が下がりました。 ●衛宮切嗣が苦手です。 ●狂化の幸運判定に成功しました。今回は狂化しませんでした。 【セイバー(テレサ)@クレイモア】 [状態] 筋力(40)/B+、 耐久(40)/B、 敏捷(80)/B+、 魔力(50)/A+、 幸運(20)/D、 宝具(40)/B、 実体化、ダメージ(小)、魔力消費(中)、気配遮断、妖気探知、剣が折れた、デルフリンガー所持 [思考・状況] 基本行動方針 当面、諜報活動に専念し戦闘は最低限に抑える 1:悪くないな、これ。 2:金ぴかのランサー(カルナ)に最大限警戒、チョコにセイバー(アルトリア)との同盟を進言する。だけどまずは目の前の主従(アーチャー&バーサーカー)を突破しないと。 3:チョコの軽さを注意、ルーラーを色んな意味で警戒。 4:赤いランサーの真名を調べたいけど━━ 5:バーサーカーの索敵能力は警戒しておく 6:ランサーは何でわざわざ真名を名乗ったんだ? 7 これからどうするか…… [備考] ●赤いランサー(真田幸村)の真名と魔力とある程度の戦法、黒いバーサーカー(小野寺ユウスケ)の魔力とある程度の戦法を確認しましたがマスターではないのでステータス等は確認できていません。 ●バーサーカー(小野寺ユウスケ)のベルト(霊石アマダム)が弱点部位だと何となく理解しました。 ●冬木大橋付近と自宅付近と病院付近で妖気探知していた結果、リップバーン・ライダー(五代雄介)・クロノ・バーサーカー(サイト)・ランサー(アリシア)・バーサーカー(ヘラクレス)・ルーラー(ミュウイチゴ)、アーチャー(ワイルド・ドッグ)、アサシン(千手扉間)、キャスター(兵部京介)、セイバー(アルトリア)、ランサー(カルナ)、イリヤ(pl)、バーサーカー(ヒロ)、デルフリンガーの魔力を把握しました。またおぼろげながら周囲にいた人間の気配も感じました。 ●イリヤ(pl)とアーチャー(クロエ)の妖気を同一の物と誤認しました。 ●妖気探知の範囲で現時点までに上記以外のサーヴァント・マスターの情報はありません。また霊体化中は妖気探知の能力が低下します。 ●予選時にどの程度他のチームの情報を得ていたかは後の書き手さんにお任せします。 ●病院に赤いランサー(真田幸村)がいると考えています。 ●大剣が壊れましたが、量産品故に魔力で修復可能です。ただし短時間で修復するには多大な魔力が必要になります。 ●運気上昇魔法の効果が切れました。 【深山町北端・港湾施設/2014年8月1日(金)1006】 【黒鳥千代子@黒魔女さんが通る!!】 [状態] ゴスロリ、疲労(小)、魔力消費(小・微消耗中)、幸運上昇、ルーラーが色々気になる。 [装備] チョコのゴスロリ、杖(輪島塗の箸)、リュックサック(普段着のイケてないオーバーオール収納)。 [残存令呪] 3画 [思考・状況] 基本行動方針 ムーンセルでなんとか頑張る。 1 今度も吐いちゃダメだ吐いちゃダメだ吐いちゃダメだ…… 2 桃ちゃんセンパイと育ちゃんか……かなりまともそう。 3 橋が落ちたらどうやって向こう岸に行くんだろう。 4:ミュウイチゴが気になる。 5:今日の夜12時までに黒魔法のリストを書いて冬木教会の喫茶店にいるルーラーに持っていく。 6: 真田幸村を調べたいけど━━ 7:あんまりさっき言われたサーヴァントのことはわかってない。 8:これからどうしよう‥‥ [備考] ●ルーラーの真名をほとんど看破しています。 ●ゴスロリを着たため魔力の供給が増え、魔力感知にかかりやすくなります。セイバーを実体化させて妖気探知や妖力解放やデルフリンガーを持たずに戦う、もしくはセイバーを霊体化させて妖気探知を全力で行わせる場合、本人の魔力は消耗しません。 ●彼女の友達役のNPCが存在し、本選での活動の結果デフォルトの状態より好感度が上がりました。有益な情報を持っているかは不明です。また心なしか彼女達と彼女達の周辺にいた人たちに良いことが起こる可能性があります。 ●気の持ちようで一度だけ任意のタイミングで幸運による判定をやり直せるかもしれません。 【真名】 デルフリンガー@ゼロの使い魔 【パラメーター】 筋力- 耐久- 敏捷- 魔力- 幸運- 宝具A 【保有スキル】 狂化:A+ 本来は正しい所有者であるサイトのスキルであるが、このスキルはインテリジェンスソードであるデルフリンガーにも効果が及んでいる。 大幅に能力を上昇させるが、インテリジェンスソードとしての理性が失われてしまっている。 これはデルフリンガーのみを対象とする。 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 これはデルフリンガーのみを対象とする。 【宝具】 『デルフリンガー』 ランク:A 種別:- レンジ:1~2 最大捕捉:2 インテリジェンスソードと呼ばれる喋る日本刀だった。 本来は攻撃魔法を吸収し、そのぶんだけ筋力、耐久、敏捷を上昇させ、更に魔力と幸運をワンランク上げる効果を持ち、更に狂化の影響で能力が上がっていたが、現在は効果は不明。 【人物背景】 ゼロの使い魔の主人公 、サイトの持つ刀。 正しき所有者の手になく、理性も失われた彼は、ひたすらに魔力を貪るだけ。 【基本戦術、方針、運用法】 狂化のランクが高すぎるため、例え武器として使いこなせてもインテリジェンスソードとしては使いこなせない。 魔力消費は軽めだが、持ち主であるバーサーカーは既に消滅しているため、魔力を何らかの手段で供給されなければ当然消滅する。
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このページの地図は全部潜って確認してますが、すべて丸めてます。 Rank SEED 地図名+Lv 場所コード フロア数+ボス名 備考 日付 8D 00D4 けだかき運命の墓場Lv49 78 10F+ブラッドナイト B9F ラストテンツク・ゴールデントーテム・ヘルバトラー・スライムマデュラ 2011/07/03 79 099F 怒れる運命の道Lv66 83 13F+邪眼皇帝アウルート B11F フロストギズモ・シュプリンガー 2010/11/24 8D 0A60 残された魂の坑道Lv64 47 10F+邪眼皇帝アウルート B10F ラストテンツク・ゴールデントーテム・ヘルバトラー・スライムマデュラ 2011/03/05 A1 0BF7 残された大地の世界Lv78 53 16F+アトラス B16F 敵無し 2010/11/22 8D 0CDC わななく光の迷宮Lv86 54 16F+邪眼皇帝アウルート B10F ラストテンツク・ゴールデントーテム・ヘルバトラー・スライムマデュラ 2011/07/03 8D 0D0A 怒れる運命の世界Lv77 94 13F+邪眼皇帝アウルート B13F 敵無し 2010/12/25 B5 156F 大いなる影の世界Lv89 08 16F+邪眼皇帝アウルート B16F 敵無し 2010/11/10 51 18AA ねむれる花の墓場Lv35 53 10F+スライムジェネラル B9F 敵無し 2010/10/13 B5 1C67 大いなる闇の遺跡Lv85 8A 13F+破壊神フォロボス B13F 敵無し 2010/11/02 C9 1E48 見えざる夢の世界Lv59 84 13F+ハヌマーン B11F 敵無し 2013/06/15 DD 25A6 とどろく空の世界Lv64 69 15F+ハヌマーン B9F ラストテンツク 2011/05/21 8D 2F72 怒れる運命の世界Lv78 49 16F+怪力軍曹イボイノス B9F 敵無し 2010/12/16 8D 3976 呪われし光の湿原Lv83 6D 15F+邪眼皇帝アウルート B14F 敵無し 2011/03/05 DD 3976 見えざる夢の眠る地Lv71 04 16F+ハヌマーン B14F 敵無し 2011/05/21 DD 3977 とどろく風の巣Lv70 72 15F+ハヌマーン B13F 敵無し 2010/12/18 B5 40A6 呪われし運命の世界Lv67 90 12F+怪力軍曹イボイノス B12F 敵無し 2010/10/09 A1 42F0 怒れる悪霊のじごくLv86 54 16F+魔剣神レパルド B14F 敵無し 2010/10/08 DD 42F4 とどろく夢の道Lv66 46 15F+ハヌマーン B10F 敵無し 2011/07/25 DD 4C53 見えざる空の巣Lv69 01 15F+Sキラーマシン B11F 敵無し 2011/02/19 C9/DD 505A とどろく空の遺跡Lv68 25 15F+スライムジェネラル B15F 敵無し 以前すれちがいで貰った。まだ丸めてない 8D 505E わななく夢の遺跡LV59 44 13F+ブラッドナイト B11F 敵無し 2010/12/01 B5 5134 放たれし光の世界Lv79 0F 16F+邪眼皇帝アウルート B16F ラストテンツク・ギガントドラゴン・スターキメラ・ダークトロル 2011/12/15 C9 5139 呪われし獣の道Lv54 5C 12F+スライムジェネラル B11F ゴールデントーテム・サタンメイル・まおうのかめん・ビュアール 2010/11/10 8D 5203 怒れる魂の墓場Lv71 5D 14F+怪力軍曹イボイノス B14F ゴールデントーテム・サタンメイル 2011/07/03 8D 54F2 残された大地の巣LV62 62 15F+ブラッドナイト B15F 敵無し 2010/12/19 A1 5C55 残された影の坑道LV62 7C 11F+怪力軍曹イボイノス B11F 敵無し 2010/11/26 B5 5A44 残された闇のじごくLv81 11 16F+怪力軍曹イボイノス B13F れんごくまちょう・ちていのばんにん・じごくぐるま 2010/10/08 DD 5FB0 大いなる悪霊の世界Lv95 7C 15F+魔剣神レパルド B14F MAPの下1/4だけ敵無し まだ丸めてない 8D 620F 怒れる影の墓場LV73 6F 15F+アトラス B14F 敵無し 2010/11/23 8D 6880 とどろく運命の世界LV84 36 16F+邪眼皇帝アウルート B15F 敵無し 2010/11/25 A1 6A93 けだかき悪霊の道Lv58 2A 10F+魔剣神レパルド B10F 敵無し 2011/07/03 8D 6E8C 見えざる闇の水脈LV84 94 16F+邪眼皇帝アウルート B13F まかいファイター・イエローサタン・ゴールドタヌ・デンガー 2010/11/26 8D 6E8C 見えざる闇の水脈LV84 6F 16F+邪眼皇帝アウルート B13F まかいファイター・イエローサタン・ゴールドタヌ・デンガー 2010/12/06 79 6E8C わななく大地の世界Lv66 59 14F+ブラッドナイト B13F まかいファイター・マジックアーマー・クラウンヘッド・イエローサタン 2010/11/23 A1 70CE 見えざる魂の道Lv68 62 13F+アトラス B13F ゴールデントーテム・サタンメイル・まおうのかめん・ビュアール 2010/10/20 8D 73EF 放たれし闇の奈落Lv72 06 15F+アトラス B11F 敵無し 2010/12/12 8D 7546 残された大地の遺跡Lv67 53 12F+ブラッドナイト B10F ラストテンツク・スライムマデュラ 2010/12/11 B5 75E0 けだかき光の巣Lv62 78 11F+怪力軍曹イボイノス B9F 敵無し 2010/11/20 B5 7B8A 放たれし影の道Lv76 0A 13F+邪眼皇帝アウルート B13F 敵無し 2010/12/29
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1 竜王の地図Lv6 すぎやん エスタークの地図Lv8 イッチー うす暗き風2 ディル 最短系 黒竜丸(18s*) 放たれし夢36 自前 最短系 スラジェネ(61s) ざわめく影38 ビャッコ オンリー系 B9F キャノンキングオンリー 怒れる空41 かつゆき 最短系 イデア(57s) 怒れる運命49 ナイン 箱最多系 I10 怒れる運命49 ナイン 箱最多系 I10 場所違い 残された獣49 むつむつ 最短系 ブラナイ(--s) 残された影49 トモヒロ 最短系 アトラス(--s) けだかき影55 エイジス 最短系 イデア(--s) 放たれし空57 こまち アイテム系 B3F即はやてのリングとひらめきのジュエル けだかき大地58 アロー オンリー系 B11F メタルキングオンリー 呪われし光62 自前 最短系 アウル(--s) わななく獣63 自前 げんま系 即げんま4 放たれし大地63 おぎん オンリー系 B7F はぐれメタルオンリー 残された空63 ひでき げんま系 体感げんま4 とどろく岩63 アウクソー 大富豪系 B3F即まじゅうのつめx2 大いなる岩63 ジャギ 大富豪系 マラソン わななく闇64 自前 不明 怒れる闇64 自前 最短系 イボ(--s) あらぶる花65 こまち アイテム系 B3FのE箱があらくれメイド装備の整列箱 残された花65 きゅうこ マラソン系 S6A4 6分半程度 呪われし闇66 まさひろ オンリー系 はぐメタ 放たれし影67 アンカー オンリー系 はぐメタ 見えざる空67 ドルオ アイテム系 即S武器x4 見えざる夢67 サトミン げんま系 げんま富豪 とどろく花67 エスターク げんま系/大富豪系 マラソン 残された空68 みるきゅ げんま系 マラソン 放たれし大地69 リンダ オンリー系 B7F はぐれメタルオンリー とどろく風69 リンカ 箱最多系 S9 けだかき運命70 こまち 敵無し? 大いなる魂70 てつや 最短系 アトラス(--s) あらぶる岩70 あゆみ マラソン系 S5A5 6分程度 あらぶる影71 自前 げんま系 即げんま4 けだかき闇71 くまぞう オンリー系 ? 放たれし神々71 自前 最短系 レパルド(124s) あらぶる風73 シーモア 箱最多系 S8 見えざる獣74 アレル オンリー系 スーパーロボット地図 とどろく空75 自前 げんま系 B3F 即げんまx2