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「フム、ここでは保守というのが礼儀らしいな。なに、主と共にいられるのならば保守だろうがなんだろうが 構わないがな。それにしても主はどうしてあんな屑のような奴らも持ち合わせているのか、全く理解できない。 もちろん主がどんな輩にも心優しいのは心得ているが、バトルにおいても私一匹だけで十分だろう。そもそも 私はポケモンの頂点に立つ存在。あのような屑と同類に扱われるのは癪だが、けして同列に並ぶような存在では ないのだから主にとって必要なポケモンは私一匹であってけしてあんな屑どもと共にいることなどないのに主の 隣は常に私でどうしてあんな間抜けな面をした滓がのうのうと主の隣に近くにいるのか全くもって理解できない 上に不愉快だ主は私だけで十分なはずだ私は主にものだ私だけが主の近くにいていいんだ私だけが主の理解者で あるべきなんだ私だけが主の」 「主よ、先を急ぐのだろう? なぜ元の道を引き返すのだ? なに? 瀕死のコイツをポケセンに? ハッ、 そんな屑などそこらへんに捨てていけば良いだろう? その上、こんな低脳な奴が主の優しさを理解出 来ようはずもない。なんならそこらへんにいる人間にくれてやったらどうだ? きっとこの屑はすぐに 尻尾を振って媚びるはずだ。その程度の存在なんだこの屑は。主が慈悲をかける必要も無い。この際 だからその腰についてるモンスターボールを全て捨ててしまってはどうだ? いちいち足手まといを増 やすよりも私だけがいればさぞ旅も楽なはずだぞ? さあ主、選択するなら今だぞ? この役立たずの 屑を選ぶか? それとも主の為を思って言っている私を選ぶか? もう答えを出ているだろうが、主よ、 どっちを選ぶんだ? さあ、主。私の全てよ、選んでくれ。さあ、さあさあさあさあさあさあさあさあ」 「俺は両方とも選ぶよ」 「両方? 両方とは……フフ、そうか。また主のわざの“やさしさ”というやつか……。 まあそれも良いだろう。そうでなければ主ではない。ただ主よ、言わせて貰うがこんな屑をこれからも 庇っていくとなるとトレーナーとして限界にぶつかってしまうぞ? こんな屑を労わる所為で、こんな屑が いるせいでだぞ? 私は主がポケモンマスターになるためなら何でもする所存だ。主はマスターとなる器の 男だ。だからこそここはこの屑をここに捨てるべきだ。そうだろう? 主が私のことなら何でも知っている ように私もまた主のことなら何でも知ってる。私の一番は主で、主の一番は私のはずだ。なあそうだろう? だからこんな屑はいらないだろう? 私だけで十分だろう? ほら、主よ言ってくれ。私で十分だ。私だけで 良いと。私が一番主のことを理解してるんだ。そうだろう、主よ。私の全てよ」 「で・・でも、ヘルガーとか悪タイプのポケモン出てきたら苦戦するし・・・・ そ・・それに、こんなこと言いたくないけどミュウツー一回ヘルガーにその・・負けたわけだし みんなで力を合わせたほうがいいと思うんだ」 「そ、それは、その、ゆだっ、油断だっ! そう、油断してたんだ! 私が、あんな、あんな屑の同類に負けるはずがないだろう? ただあの時は少しだけ、少しだけ調子が悪くて、油断してしまったんだっ! そうだ、万全の状態ならけして負けはしない! 主 の期待だって裏切らない! だから私が必要ないだなんて思わないでくれ! もう主の期待に背く前などしない! この命に掛けて 誓う! だからっ、頼む主よっ、そんな、あんな人間どものように私を捨てないでくれ、頼むっ! お願いだからっ! 負けたのなら 謝る! 主が許してくれるまで、許してくれなくても良いからっ! 頼む! だからっ、私を主の許から離さないでくれ! 私がすま なかった! だからっ! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」 主「ワガママ言うなよミュウツー、お前のこと嫌いになっちゃうぞ」 「ひっ……! きら……ああ……主、ある……いや、そんな……きらい、いや…… きら、嫌いに、主、嫌いになんて……ああ……お願い、だ……きらい、嫌いになんて…… 頼む……私は、私、主に嫌われてなんて……もう、もう全部ダメに……だから嫌いなんて お願いだ……何でもする、何でもするから。主の言うこと、喜ぶことなんでもスル。私は もう何も言わない。だから……お願いだ、嫌いだなんて……ウゥ……ああ……」 「ホントに何でもしてくれるの?」 「あ……ああっ! なんでもする! 主の為ならどんなこともする! さあ主っ、私に命令してくれ! 主の願いをすぐに叶えて見せるぞ!」 「おれ、最近溜ってるんだよね~」ニヤニヤ M「……フシギバナ」 フ「はっぱカッター」 「こっちこそごめんな。いやなこと思い出させて・・・・でもわかって欲しかった・・わかって欲しかったんだよ! 仲間が必要だって事をさ・・・・・だから、もう謝るなよ。俺はお前のこと捨てたりしないし、 嫌いになんかならないからさ・・・・」 「……それは本当か? 主よ、ほ、本当に主は私のことを嫌いにならないでくれるか? 本当なんだな? 私は、だって、いつもこんなことを言って主を困らせるのだぞ? いつもいつも主を困らせることばかり 言って、そのくせ主に嫌われでもしたら私はお終いだ。そんな私だぞ? こんな私を嫌いに、嫌いになら ないでくれるのか? いいのだぞ、こんなポケモンなどすぐに捨ててしまっても。最強などと言って苦手 なタイプのポケモンにはあっさりとやられるダメな私がいいのか? 主が望めば私はすぐにこの場で首を ねじ切って死んだって良いんだぞ? 主が望むなら、主と別れるのはとてもイヤだけれど、主に嫌われる のはそれ以上にイヤなんだ。だから主の望むようにして良いんだぞ? だから嫌いにならないでくれ、主 よ。私の全て、主よ」 「死ぬなんて言わないでよ・・・・お願いだから・・ヒッグ・・・もう絶対に死ぬなんて言わないで・・・・ もっと、自分を大切にしてよ・・・グスッ・・・ミュウツーの事が足手まといなんて思ったこと一度も 無いよ・・・・・ミュウツーが死んじゃったらすごく・・すごく悲しいから・・・ね?約束して、もう 二度と死ぬなんて言わないって・・・・約束してよ」 M「主……ああ、約束しよう。私の命、主の為にあることを」 モンスターボール内 フ「(またやってるよあの二人)」 イ「(仲良いんだねー)」 リ「は、早くセン、ターに……」
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唯「見て見てあずにゃん!でっかいお魚さんがいるよ!」キラキラ 梓「はしゃぎすぎですよ唯先輩」 唯「うわ~!こっちにはカニがいるよ!おいしそ~!」 梓「周りの視線が痛いですからやめてください!」 梓(本当にこの人は…かわいいなあ) 唯「なんかイルカショーがやるんだって!行ってみよう?」 梓「はい!」 唯「でもイルカなんて初めて見るな~。どんな感じなの?」 梓「えっ?見たことないんですか?」 唯「うん。憂の看病で忙しかったからね」 梓「…そうなんですか」 唯「あ~楽しみだな!早く行こうよ」 梓「はい…」 唯「うっわ~~!!かわいいよお!!」キラキラ 梓「はい!すっごくかわいいです!」 イルカ「キュイ!」ピョン 唯「とんだ~~~!?」 ザッパーーン 唯「うわっ!?水が…」 梓「あっちゃーびしょ濡れですね。大丈夫ですか?唯先輩」 唯「うん、結構ぬれちゃったけど…」ビチャビチャ 梓「!」ドキッ 唯「? どうしたのあずにゃん?」 梓(濡れた唯先輩、すごく色っぽい…///) 梓「なんでも…ないでふ」ポタポタ 唯「あずにゃん!?鼻血出てるよ!?」 唯「今日は楽しかったね~あずにゃん!」 梓「そうですね」 梓(律先輩が言っていた告白すると大体成功する景色の奇麗なスポットに来たぞ!) 梓(あっちょっと説明っぽくなった) 唯「ここってすごく景色がきれいだね!」 梓「はい!ここって結構有名な場所らしいですよ?」 唯「そうなんだ」 梓(やっぱり横顔もかわいいな。見とれてしまいそう…) 唯「……」 梓「……」 梓(どうしよう…なんだか気まずい…) 唯「あずにゃん」 梓「は、はい!?」 唯「今日はありがとうね。こんなに楽しかったのすごく久しぶりだったよ!」 梓「こちらこそ、とっても楽しかったですよ」 唯「…また来ようね?」 梓「はい!」 唯「……」 梓「……」 梓(うっ…また沈黙が…) 梓(いや!覚悟を決めろ梓!ここでしなきゃいつやるんだ!) 梓(……よし!) 梓「唯先輩!」 唯「ほい?」 梓「わたしは最初、唯先輩があまりにも完璧超人すぎてとっつきにくい先輩なのかなと思っていました」 唯「…うん」 梓「でもそんなことなくて…こんなわたしにもとても優しく接してくれるし、ほんわかしててあたたかくて…ギターもうまくて…」 唯「……」 梓「そしていつの間にか…唯先輩のことが好きになってました」 唯「……」 梓「もしこんなわたしでよかったら…唯先輩の傍にいてもいいなら…どうかお付き合いしてください!」 唯「……」 梓「~~~~~!!」ブルブル 唯「…顔あげて?あずにゃん」 梓「は、はい」 唯「わたしもね、あずにゃんを最初見たときかわいい子だなあって思ったんだ」 梓「…はい」 唯「それにとても真面目で自分に厳しくて…でもちゃっかりティータイムには顔出したりしてたけどね」 梓「うっ…」 唯「それでね、返事なんだけど…ごめん」 梓「!」 唯「わたしじゃあずにゃんの気持ちにこたえられないよ…だから付き合えない」 梓「…どうしてですか、わたしの何がいけなかったんですか?」 唯「あずにゃんは何も悪くないの。ただわたしが…」 梓「やっぱり妹さんのことですか?」 唯「!!!」 梓「…そうでしたか。唯先輩はわたしより妹の方がいいんですよね?」 唯「それはちがうよ!ちがうんだよあずにゃ…」 梓「違わないです!」 唯「!」ビクッ 梓「今日だって唯先輩は言ってました。イルカを見るのが初めてだって。妹の看病が忙しくって見れなかったんだって」 唯「……」 梓「あんなに楽しそうにしてたのに…唯先輩は妹さんにとらわれてるんです!少しは自由にしてもいいじゃないですか?」 唯「あの子の面倒を見れるのは私だけなの!あずにゃんは関係ない!」 梓「関係あります!唯先輩に迷惑をかける妹なんて…いない方がましです!」 唯「!」 バシッ 梓「…!?」 唯「…何もわからないくせに…わたしたちに口出ししないで!!」 梓「あ…」 唯「…ごめんね、ぶっちゃって。じゃあね…」タタタ 梓「あっ…ゆいせんぱ…」 梓「……」 梓「…わたし…取り返しのつかないことを…」 梓「わたし…最低だな…ヒクッ」 梓「どうしよう…唯先輩に…ヒクッ、嫌われちゃった…グス」 梓「うわああああああああああああん!」 ――翌日 梓(今日は部活に行けないや。行っても気まずいだけだし…) 梓(唯先輩に迷惑かけちゃったし…あやまっても許してもらえないだろうな…) 梓「これからどうしよう…」ハア 和「あら?梓じゃない」 梓「あ、和先輩…」 和「どうしたの?もう部活が始まってる時間よ?」 梓「えと、その…」 和「…なにかあったの?」 梓「いえいえ!なんでもないです!」ブンブン 和「ウソでしょ」 梓「うっ…」 和「さあ、わたしに話してみなさい。楽になるはずよ」 … 和「…そう…それは言っちゃいけないわね」 梓「はい…もう唯先輩に会わせる顔がないです…」 和「さすがの唯でも憂の話になると性格が変わっちゃうの」 梓「そうなんですか…」 和「昔の話をしてあげようかしら」 梓「お願いします」 和「昔の唯はね、今とは全く正反対だったの」 梓「そうなんですか?」 和「うん。一言でいえばなまけもの。いっつもダラーンとしててわたしと憂で世話してたの」 梓「あの唯先輩が…」 和「でも、たしか小学生だったかな。憂が突然倒れたの。心臓の病気で入院することになって…」 梓「……」 和「唯の家は両親が海外に行ったりしててお家にいないことが多かったの。その代わりわたしの両親が面倒見たりしてたんだけど…どうしても見れないときは憂が家の掃除とか料理とかしてたわ」 梓「その憂ちゃんが倒れたってことは…」 和「そう。唯はお家にひとりっきりでいることが多くなった。そんなときわたしの両親にこう言ったの。『わたしに家事を教えてください!』って」 梓「……」 和「それからは梓も知っての通り、家事全般ができる唯になったの」 梓「そうだったんですか…」 和「そして憂のことなんだけど…入院してて学校に行くこともできなくなって…だんだん暗くなっていったの」 梓「はい…」 和「そこで唯やわたしが憂が寂しくならないようにってほぼ毎日お見舞いに行ったの」 梓「……」 和「それから唯は憂につきっきりで…そんなもんだから学校での友達もどんどん減っていった」 和「その事情を知った憂は唯に負担をかけまいと、もうお見舞いに来ないでって言ったの」 梓「……」ゴクリ 和「そしたら唯は『友達なんかよりういの方が大事なの!』ってケンカを始めちゃって」 和「そのとき憂が突然発作を起こしちゃってね。一時は本当に危ないってところまでいったらしいわ」 梓「……」 和「そんな憂をみた唯は『もうこれ以上憂に悲しい思いをさせたくない』って思って、今まで以上に憂につきっきりになった。憂ももう反対できなかったらしいわ」 和「それからの唯は…学校もついでみたいな感じで、勉強はできるんだけど行事に参加しなくなったりして…クラスでも唯の存在が忘れかけられるほどだったの」 梓「そんな…」 和「中学校の卒アルに写ってる唯なんて笑顔がひとつも無かったわ」 梓「唯先輩…」 和「そんな唯を見かねたわたしは、高校に入ったら何でもいいから部活に入りなさいって言ったんだけど、唯は一向に入ろうとしなかったわ」 和「それで無理やり廃部の危機にあった軽音部に入れたの」 梓「そんな理由で入ったんですか…知らなかったです」 和「唯は最初は嫌々だったんだけど、軽音部のみんなが唯を引っ張ってあげて…そしたら唯にも次第に笑顔が増えていって…唯はギターにはまってのめり込んでいったわ」 和「いままでの会話の中心は憂のことだったけど、3対1の割合で軽音部の話も混ざるようになったの」 和「あんなに暗かった唯をあそこまで明るくさせた軽音部には感謝しきれないわ」 梓「そうだったんですか…なんか話を聞くとあんなことを言ったわたしが本当に情けないです…」 和「…でもね、梓。あなたが入ってからは1対1の割合で…憂と同じくらいの割合で軽音部のことを話すようになったの。もちろん、あなた中心でね」 梓「!」 和「唯はあなたのことが本当に好きよ。何年も幼馴染してるこのわたしが言うんだから間違いないわ!」 梓「和先輩…でも、あんなこと言っちゃって、もう唯先輩にあわす顔が…」 和「だから大丈夫だってば。唯もきっと許してくれる」 梓「……」 和「だからきちんと謝ってきなさい!」 梓「…はい!」 和「よし!行ってきなさい!」バチン 梓「あうっ!今日はありがとうございました!では行ってきます!」タタタ 和「ふう…世話が焼けるんだから…」 …… 律「なあ、唯。昨日はその…」 唯「……」ボー 澪(おい律!あんまり深追いするな!) 律(だ、だって!気になるじゃんかよ~) 紬(ふふふ…きっと梓ちゃんのことが待ちきれないのね!) 唯(昨日はやっちゃったなあ。もうあずにゃんとはあわせる顔が…) 3
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328 名前:1/4[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 18 37 39.33 0 お題作成機より:双子、同窓会、浴衣(前編) [おー、山田。久しぶりー] 〔えー、英子ってば彼氏出来たのー〕 [あれ? 荒巻。お前、ちょっと太ったんじゃね?] 〔美衣ってば、何か前より大人っぽくなったよね~〕 「よう、委員長。ご無沙汰」 『……何で、一番に声掛けて来るのが貴方なのよ』 「そんなうんざりした顔すんなよ。卒業以来……だから、4ヶ月ぶりに会うってのにさ」 『4ヶ月ぶりだろうが何だろうが、貴方の声聞くとそういう気分になるのよ。あと、もう委 員長じゃないんだからね。私は』 「おっと、そうか。でも、ずっとそう呼んでたしなあ…… 何て呼べばいい? 音無さん…… って何か他人行儀過ぎるしなあ。かといって呼び捨ては上から目線過ぎるし。静ちゃんとか?」 『止めてよね。ちゃん付けとか気持ち悪い。貴方にそんな呼び方されるなんて吐き気がするわ』 「うーん…… じゃあ、委員長とてはどう呼んで欲しい? その呼び方が嫌だっては俺に 対してだけじゃないんだろ? 何かいい呼び名とかあるんだったら、それに従うからさ」 『そんな急に言われたって思い付かないわよ。むしろ貴方には声すら掛けて欲しくないく らいだし。あと、律花にも』 「俺だけじゃなく律花もかよ。何も俺ら双子だからって、ひとくくりにして邪険にする事 ないと思うんだけど」 『……だって、遺伝子レベルで二人ともどうしようもないし。むしろ同性なだけに、ウザ さは向こうの方が上ね』 【久しぶりに会ったってのに、ウザい呼ばわりとか……】 『え?』 【そういう冷たい人にはお仕置きだよ。えいっ!!】 ムギュッ!! 『――っっっきゃああっ!!』 【委員長こんばんわっ!! 元気してた?】 329 名前:2/4[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 18 38 22.37 0 『元気してた?じゃないわよこのバカ!! いきなり後ろから胸揉む人がどこにいるの よ!! 離しなさいってば!!』 【だって委員長ってば、卒業以来だってのに、すんごい冷たい事言ってるからさ。ここは 一つ、罰を与えなきゃなーって】 『何が罰よ。こういう事するからうっとうしいって言ってんのに。ていうか別府君。見て ないで責任持って止めなさいよ。貴方の妹でしょ?』 【あはっ。孝史ってば、女の子同士の絡みって何かエッチっぽいって見とれてるんだよね。 だったら、もうちょっと見せ付けてあげよっか?】 『なっ……!? な、何考えてるのよ。別府君のスケベ!!』 「ア、アホ!! 勝手に人の考え捏造してんなって。つか、いい加減離してやれよ」 【いやー。委員長の胸ってちょうど手の平サイズで揉み心地いいんだよね。何なら孝史も 揉んでみる? へっへへー】 『なっ……ちょっといい加減にしないと本気で怒るわよ』 「揉めるかバカ!! 痴漢で警察に逮捕されるわ。お前は身内を犯罪者にしたいのか」 【大丈夫だって。委員長だって、ホントはちょっと期待して――あいったあっ!!】 『全く……調子に乗るのもいい加減にしなさいよね。律花のバカ』 【あうううう……委員長に脛蹴られたぁ……】 「大丈夫かよ? だからいい加減止めとけって言ったのに」 【だってあの委員長が浴衣着て立ってるんだよ? 髪アップにして。高校時代、化石とい われたロングスカートに三つ編で、全く一部の隙も見せない真面目少女だったあの委員長 がこんな可愛い姿してたら襲うしかないでしょ!!】 『だからって背後からいきなり胸揉む必要ある? あと私もう委員長じゃないから!! さっき貴女の分身にも言ったけど』 「分身ってあのな……双子だけど、俺ら二卵生だから別段別れた訳じゃなくって……」 【委員長は委員長だよ。だって他にどう呼ぶの? 音無さん? 静ちゃん? 似合わないってば】 『それってどう考えても失礼じゃない? 勝手に人のキャラクター固定しないでよ』 〔あ、いいんちょだ〕 [おー。委員長ひさしぶりー] 〔元気してた委員長?〕 『……………………』 330 名前:3/4[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 18 38 55.35 0 【ほら。やっぱり委員長は委員長じゃん】 『勝ち誇って言わないでよ。全く……もういいわ。諦めた。けど、さっきの化石ってのは 撤回なさい』 【アッハハハ。それは冗談。だけど、委員長の浴衣姿ってボク、初めて見るからさ。だっ て、今まで委員長って祭りとか誘っても来なかったじゃん】 『だって私、人込みとか嫌いだもの。だけどさすがに、同窓会兼ねてみんなで七夕祭りで 会いましょうって誘われたら、そんな我がまま言えないわよ』 【いや、それはいいんだけどさ。ただ、委員長の浴衣姿可愛いねーって。孝史もそう思うでしょ?】 『ちょっと!! そこで何で別府君に振るのよ!!』 【いーじゃんいーじゃん。男の子の感想も聞きたいでしょ? ほら、孝史。委員長の浴衣 姿、どう?】 「え? いや、どうって言われても……まあ、その……よく似合ってるなって思うよ。大 人っぽくて、涼やかな印象でさ」 『えっ……』 【ほらほら。褒められてるよ、委員長。どうするどうする?】 『ど、どうするって……別にどうもしないわよ!! 別府君なんかに褒められたって…… その……嬉しくないし……』 【まーたまたぁ。照れない照れない。褒められた時くらい、素直になっちゃおうよ】 『てっ…… だから照れてもいないわよ。褒められ慣れてないから、戸惑ってはいるけど、 嬉しくないのは、その……本当だし……』 【ふーん。そなんだ。ボクは、孝史に褒められると嬉しいけどなぁ】ボソッ…… 『――――えっ……?』 【ね、ね。孝史。それじゃあ、ボクの浴衣姿はどう? 似合ってる?】 「お前のはもう家で散々見たじゃんか。今更感想なんてねーよ」 【もーっ!! またそういう事言うんだから。大体、家にいた時だってロクに感想言って 無いじゃん。ちゃんと聞かせてよね】 「だって、お前が散々迷ってなかなか決められないから、結局俺が一番似合うと思うのに したんじゃねーか。それで似合ってない訳無いだろ」 【それって、自分のセンス褒めてるだけじゃん。じゃあ聞くけど、ボクと委員長の浴衣姿 見比べて、どっちが綺麗?】 331 名前:4/5[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 18 39 42.92 0 『ちょ、ちょっと!! そこに私を巻き込まないでよね』 「うーん。お前と委員長じゃ、そりゃ委員長だろ」 【ちょっと!! 即答? それ、どーいうこと? ボクと委員長ってそんな大差付いてんの?】 『え……? い、いいわよそんなの。えっと、その……私に気を遣う必要なんてないし……』 「いやいやいや。気遣ってるとかじゃなくて、見比べてみるっていうならさ。その……委 員長の方が見た時ドキッとするっていうか、ハッとさせられるって言うか……そんな印象 があってさ」 【それって単にボクがいっつも一緒だから見慣れてるってだけじゃないの? そんなのが 評価基準なんて、何かズルいよ】 「いや。双子の兄妹だからとかそういうのは抜きにして、出来るだけ客観的に見比べても さ。委員長の方が美人ってイメージが…… お前のは何ていうか可愛いけど、まだちょっ と子供っぽいって言うか……」 『や、止めてよ。別府君にそういう事言われても、気持ち悪いだけだわ』 「えー…… ちゃんと褒めたつもりなのに。気持ち悪いって言われるの、何かショックだなあ」 『当たり前でしょ。そんな……その……別府君に褒められて嬉しく思う訳なんてないじゃない』 【ボクは孝史に褒められれば嬉しいけどなあ。ていうか、子供っぽいってどーいう事? ボ クだって一応、女子大生なんだけど。もう十分大人なんですけど】 「分かってるよ。そうムキになんなって。あくまで委員長との相対比較での話だから」 【で、どこが委員長と比べて子供っぽいって? 分かってるんだから。どーせ、おっぱい が小さいって言いたいんでしょ? 女の子の優劣を胸の大きさで判断するって、そういう のどーよ? 失礼じゃない?】 「いやいや。誰もそんな、胸がどうこう言ってる訳じゃないって。ただ、委員長って高校 時代は地味な印象しかなかったからさ。やっぱり浴衣着た時のギャップはでかいっていう か、こんなに色香があるとは思わなかったし」 【ほーら。やっぱり体つきばっかり見てるんじゃん。孝史はいっつもバカにするけどさ。 ボクだって、高校の時より成長してるんだからね】 「そんなしな作ってアピールしても意味ねーって。お前の体なんて毎日見てんだから、成 長具合なんて大体分かってるし」 332 名前:5/5[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 18 41 11.57 0 【毎日見てるからこそ、気付いてないって事もあるの。何だったら、試しに触ってみる? ほらほら】 「いーって。何が悲しくて妹の体触んなくちゃいけないんだよ。つか、お前も年頃の女な ら、むやみやたらに男に体触らせようとすんな。これだから、ガキっぽいって言われんだよ」 【孝史こそ、もしかして妹相手に照れてんじゃないの? それってもしかして、ボクがちゃ んと大人の女だって、認めてるって事】 「アホ。それとこれとは別だって――って、抱きついてくんなバカ!! 離せ暑っ苦しい」 【ほーれほれ。やっぱり照れてる。アハハ。孝史ってば、もう。ウブなんだからぁ】 〔あいっかわらず仲良いわねー。二人とも〕 [ワハハ。孝史、羨ましーぞー!!] 『…………ハァ…………』 〔あれ? 委員長、どうしたの?〕 『ごめんなさい。ちょっと人込みの熱気に当てられたみたいだから、少し休んでくるわ。 悪いけど智恵ちゃん、みんなに言っといて。少し休んだら合流するからって』 〔大丈夫? 具合悪いんだったら、救護所があるから、そっち行った方が良くない?〕 『ううん。平気よ。少し涼めば直るから。また、携帯に連絡するわ』 〔うん。じゃ、また後でね〕 続いてみたり
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461 : 保母(関西・北陸) :sage :2007/03/22(木) 01 31 19.87 (p)ID CMakX+vzO(35) 女「はぁ…」 私がまだ小さかった頃 とても引っ込み思案だった私には友達がいなかった いつもいつもこの公園で1人寂しくブランコに乗っていた そんな私が嫌で…嫌で…しょうがなかった 変わりたかった 464 : 保母(関西・北陸) :sage :2007/03/22(木) 01 41 07.46 (p)ID CMakX+vzO(35) ある日 いつもの公園に私がやって来ると男の子達に囲まれた女の子がいた 「おい、何か言ってみろよ!」 女友「………」 「無理言うなってこいつ喋れないんだぜ」 「ハハハハ」 確か同じクラスの女友ちゃん… いつも黙っていて目立たない子だった だと思っていた 女「喋れない…?」 女友「…………」 「お前病気でも何でもないのに喋れないし無表情なんだろ?」 「なぁ、言い返してみろよ」 「だから、無理だって、ハハハハ」 ……助けなきゃ 私はそう強く思った …ここで変わらなきゃ一生変われない気がした 女「止めなよ!」 465 : 保母(関西・北陸) :sage :2007/03/22(木) 01 50 07.40 (p)ID CMakX+vzO(35) 女「止めなよ!」 「?」 「うちのクラスの女じゃん」 「何か文句あんのかよ!」 女「止めなって言ってるの! 馬鹿じゃない? 女の子1人によってたかって 何?私にも何かするの?」 私は一気にまくし立てた 自分でも驚くくらいに強く 初めてこんな風に喋った 「な、なんだよ…」 「行こうぜ…」 「あぁ、何か気分悪い」 それが効いたみたいだった 今思うと相手も子供だったからこれで済んだのだと思えた 女「はぁ…恐かったぁ」 女友「………」 女「お、女友ちゃん大丈夫?」 女友「………」 女友ちゃんは無言のまま頷いた 467 : 保母(関西・北陸) :sage :2007/03/22(木) 02 05 27.56 (p)ID CMakX+vzO(35) 私は変われた 次の日、少しずつながらも話し掛けていけるようになった そして、学校が終わってあの公園に来ると女友ちゃんが1人で立っていた 女「女友ちゃん?」 女友「………っ!…」 何かを喋ろうとしているのだが声が出ないみたいだった その子は悔しそうに目を潤ませた 女「よし、遊ぼう!」 女友「………」 そう言うと少し笑って頷いた 女「笑えたね♪それに泣いてる… 表情出せるようになってるよ」 女友「!!」 女「さ、遊ぼ♪」 楽しかった、とても楽しかった 時が過ぎるのが早かった 女「ぁ、そろそろ帰らないとね」 女友「……」 女「また、明日も遊ぼ、じゃあね」 女友「……と…」 女「…え…?」 女友「…ぁ…りがと…」 女「女友ちゃん…」 女友「…ありがとう…」 470 : 保母(関西・北陸) :sage :2007/03/22(木) 02 19 34.27 (p)ID CMakX+vzO(35) キキーッ 衝突事故 それは私の全てを奪った 家族は私を残して誰も助からなかった 私はそれを聞いた時から表情を作ることが出来なくなった 声を出すことが出来なくなっていた 私は叔母の所へ預けられた 叔母達は私をよくしてくれた けど、私はずっと塞ぎ込んでいた 学校ではもちろんこんな私に友達なんて出来なかった そして… 「お前、喋れないんだってな!」 けれどその時その女の子は現れた そして私を助けてくれた 嬉しかった、ありがとうと言いたかった けど言えなかった 472 : 保母(関西・北陸) :sage :2007/03/22(木) 02 31 24.57 (p)ID CMakX+vzO(35) 次の日私は同じ場所でその子を待った 今度こそありがとうを言うために そしてその子はやって来た 女「女友ちゃん?」 女友「………っ!…」 また何も言えなかった 悔しさに舌を噛んだ 女「よし、遊ぼう!」 私は嬉しかった もちろん顔を縦に降った 女「笑えたね♪それに泣いてる… 表情出せるようになってるよ」 ぇ…? 私が笑ってる?泣いてる? 私は… 女「さ、遊ぼ♪」 その時間はとても楽しかった 時間が止まればいいと思えた けど、そんな時間は長く続かなかった 女「ぁ、そろそろ帰らないとね」 …今… 女「また、明日も遊ぼ、じゃあね」 今、言わないと一生後悔すると思った 女友「……と…」 女「…ぇ…?」 女友「…ぁ…りがと…」 女「女友ちゃん…」 女友「…ありがとう…」 473 : 保母(関西・北陸) :sage :2007/03/22(木) 02 35 17.59 (p)ID CMakX+vzO(35) 女友「それからの私は普通に戻れた 少し時間は掛かったけど あの子がそばに居てくれたから」 女「私はそれから変わった 少し時間は掛かったけど あの子と一緒だったから」 女・女友「私はあなたと一緒だったから強くなれた、あなたと一緒に強くなった」 おわり 477 : 保母(関西・北陸) :sage :2007/03/22(木) 02 43 54.83 (p)ID CMakX+vzO(35) 高校に入って少ししてあの子はコスプレを始めた 蒼星石というキャラクター 全くあっていない けど、彼のためらしい 男「蒼星石のマスターになれたらいいのに」 女「蒼星石になって男君にご奉仕したいよぅ…」 あんな男のどこがいいのか私には分からない 常時コスプレをしてるって言うのもどうかと思う けど…… 女「今週の土曜遊びに行こ」 女友「いいけど、そのカッコで?」 女「当たり前でしょ」 女友「当たり前って……」 けど…あの子を嫌いになることなんてない 私達はそんなにやわな絆じゃ出来てないんだ end
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ーー校門前 御崎「じゃ、私らはこれで帰りますわ。 よければ覚えていてくれや、与作っちゅう、阿呆が居たってことをよ……」 律「正直濃すぎて忘れられない気が」 御崎「なんか言ったか田井中ァ!」 律「ナンデモナイッス」 唯「行っちゃうのクズリちゃん……」 鵺「ヒョー……」 クズリ「うん、ごめんね唯。 でも、また会えるよ。 一生のお別れじゃないもん」 和「そうね。 輝さん、またお世話になるかもしれません」 輝「もう妖怪退治の出張なんて嫌だからね?」 御崎「ところがどっこい! そうは行かないかも知れないんだなこれが!」 輝「うわっ、なによ経島、どういう意味?」 御崎「いやー、初めての妖怪にしては中々に大物が出て来たっしょ? それも二人も」 ツグミ「オイラ?」 鵺「ヒョー?」 御崎「そうそう。 ただださえ出易い学校なんてスポットにそんな大物がポッと出てみなさいよ、そりゃ彼岸への道も広がるっしょ」 クズリ「あー……」 澪「……つまり、この学校は」 御崎「妖怪、大戦争だァァ! になるかも知れないってこと。 実際ウチはすごい数の妖怪が出てるしね。 まあそんな訳だから、いずれ来ることになろう。 つまりまたすぐ会えるさって話」 澪「」バタッ 紬「ああっ、澪ちゃんが」 輝「それで、ツグミちゃんはどうするの?」 御崎「私としてはこのまま桜校に入っちゃえばと思うけどね」 ツグミ「うーん、でもオイラ妖怪だし」 クズリ「関係ないよ。 私もそうだし」 御崎「まあ転入に関しては和ちゃんに一任しましょうか。 そんじゃま、宜しく頼むよ和クン!」 和「……ええ、分かりました」 ツグミ「大丈夫かな和、迷惑じゃない?」 和「いいのよ、ツグミに桜校に入って欲しいもの」 ツグミ「う、うん、ありがと……!」 紬(もしかして和ちゃん、気づいてないのかしら?)- 御崎「じゃあそろそろお開きということで、軽音部諸君に生徒会一名、また会おう!」 真一「結局先輩はどういうキャラなんですか。 えっと、お世話になりました」 クズリ「みんな、またね!」 輝「また来ることになると思けど、じゃあ、またね」 和「はい、みなさんありがとうございました」 唯「じゃーねー、バイバーイ」 律「またなー!」 澪「」 紬「澪ちゃん起きて!」 梓「お世話になりましたー!」 和「……じゃあ、帰りましょうか」 唯「そーだねー。 って、あー、荷物部室だ……」 律「うへぇ、また階段登るのか」 梓「もう、それくらい我慢してください」 唯律「ええー」 澪「っは、ダメだ、また寝てた」 紬「おはよう澪ちゃん」 ツグミ「あ、オイラ家無い」 唯「じゃあウチに住むかい?」キリッ 律「なんでそんなに自慢気な表情なんだよ」 ツグミ「いいの?」 唯「いいに決まってるよー。 だって憂の料理は美味しいから!」フンス 梓「だからなんで唯先輩が得意げなんですか」 澪「理由にもなってないしな」 唯「えー、本当の事なのにー」 紬「別に憂ちゃんの料理の腕を疑ってはいないわよ?」 ツグミ「でも悪いんじゃ……」 唯「いいのいいの!」 和「本当に、平和ねー」 ーー翌日 梓と純 梓(純にどんな顔をして会えばいいんだろう。 謝る? いやいや、いきなり謝られても純も迷惑だろうしなにより覚えてなかったら、聞き返されて誤魔化しきれなかったらマズい……。 頼りになりそうなムギ先輩はバッチ来いって感じがするし、和先輩もツグミがいるから一概には言えない。 一体どうs) 純「あ、梓おはよー」 梓「ふぇっ!? あ、あああ純オハヨウ今日もいい天気だねアハハ……」 純「え、うん。 そうだね」 梓「そそそそそそれで何か用があったのかななんて思ったりなんかして!」 純「んー? 見かけたから声掛けただけだけど。 ……なんか今日の梓ちょっと変じゃない?」 梓「そんなことないと思うけど」 純「そう? あ、そういえば梓さ、」 梓「なに?」 純「今日は名前で読んでくれたね」ニコ 梓「はッ、……あ」 純「昨日の今日だから無視されると思ったんだけどねー」 梓(わ、忘れてなかった!? ていうかあんな事があったのに何で普通に声掛けてくるの!?)ウガー 純「梓ー、大丈夫? なんかオーバーヒートしてるみたいになってるけど」 梓(純は昨日の事をどうとも思ってないの!? こっちは、ファ、ファーストキスだったかも知れないのに!?) 純「梓?」 梓「じ、純!」 純「うわっ、急に顔あげないでよ」 梓「あ、ごめん」 純「いや、べつにいいけど。 で、なに?」 梓「えーっと、そう、純には責任をとってもらいます!」 純「責任って、昨日の?」 梓「そうです!」 純「えー。 確かに悪かったかなーって思ってるけどさ、私の本意じゃなかったっていうか、冷静になってみると恥ずかしいっていうか」 梓「い、言い訳しないっ!」 純「え、えー……」 梓「じ、じじじ純はこれから毎日私に顔を見せること! ぜ、絶対に」 純「……は?」 梓「純が行っちゃったあと、凄く心配だったんだから」 純「え、うん。 ……ごめん」 梓「……」 純「……」 梓「……私は優しいから、許してあげます」 純「……それは、どうも」 梓「……」 純「……」 梓「……」 純「って、なんで私が謝ってるんだぁぁー!?」ダッ 梓「あ、純!? どこ行くの!?」 純「学校ぉぉぉぉぉぉー!」ピュー 和とツグミたち 純「うわあああああああ!」- 和「……今のって、鈴木さんよね」 唯「朝早くからランニングかなー? 元気なことだねぇ」 憂「ほらおばあちゃん、出歩いたら危ないですから、お布団に戻りましょう?」 唯「あー、いぃつも済まないねぇ」 憂「それは言わない約束でしょう?」 唯「そうだったっけねぇ」 和「……なにやってるの?」 唯「介護が必要なおばあちゃんとヘルパーさんごっこ」 和「悪いことは言わないから、もうやめておきなさい」 唯「えー」ブー ツグミ「和たちはいつも賑やかだね」フフ 唯「ふふふー、ツグミちゃんも今日からその一員なのだよ。 私たちのノリに、ついて来れるかなー?」 ツグミ「お、おー……?」 和「そんなに真剣にならなくても、軽い気持ちでいればいいのよ」 ツグミ「そう、かな……?」 和「そうよ」 ツグミ「そ、っか……」 憂「和さんとツグミちゃん、仲いいね」 和「そうかしら?」 ツグミ「そ、そうかな?」 憂「そうだよー。 ツグミちゃんは和さんを信頼してるって感じだし、和さんもツグミちゃんを大切に思ってるって伝わってくるもん」 ツグミ「お、オイラを、大切……? 和が……? あ、あわわ……」 和「……信頼されてるなら悪い気はしないわね」 ツグミ「ホント!?」 和「ええ。 そんな食い気味で来なくても大丈夫よ」 ツグミ「///」 唯「むー、和ちゃんの独り占めは良くないです!」 ツグミ「え、オイラ?」 唯「そうだよ! 和ちゃんはみんなのものなんだから」フンス 和「だからなんで唯が得意気な顔なのよ」 ツグミ「独り占めなんてそんなでももし独り占めできるならそれはそれでいや唯たちにも悪いし第一和の意見も聞いてないのに決めつけちゃうのは良くないよねでももし和がいいって言ったら……///」ブツブツ 和「どうしたのツグミ?」 ツグミ「ひょっ!?」ドキッ 7
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8 名前:1/8[sage] 投稿日:2013/06/22(土) 21 19 49.04 ID q5te+lN70 [2/9] 最近やたらとツンデレが手料理に懲り出したら 「ただいまー…… あー、疲れた……」 『お帰りなさい、タカシ。すぐに着替えて、シャワー浴びて来て下さい。すぐにご飯ですからね』 「りょーかい。腹減ったあ…… 今日の飯、何なの?」 『ビーフシチューですよ。ほら。無駄口叩いてる暇があったら、さっさと身支度を整えて 来て下さい。汚いままで食卓に座るのは姉さんが許しませんからね』 「分かってるって。いちいち言わなくてもいいからさ」 『言わなきゃダメだから言ってるんじゃないですか。口答えするんじゃありません』 「はいはい。ったく、うるさいんだからよ……」 「お待たせ、姉さん」 『やっと来たんですね。全く、お鍋が焦げ付くかと思ったじゃないですか。今、よそいま すからちょっと待ってて下さい』 「ん? 何か今日のご飯、黄色くない?」 『ああ。サフランライスにしたんです。ビーフシチューに合わせようと思って。彩りが良 いと思いません?』 「へえ。つか、今日何かあったっけ?」 『はい? いいえ。何にもありませんけれどそれがどうかしましたか?』 「いや。何か珍しく手の込んだ料理作ってるからさ。最近は受験勉強とかで忙しくて、簡 単なものばかりだったのに」 『べ、別に私だってたまには料理に手間隙掛けたくなる時があるんです。ただそれだけですから』 「フーン…… まあいいや。とにかく食おうぜ。腹減って死にそうだし」 『大げさすぎます、タカシは。それと、お腹が空いているからってあまりがっついて食べ るんじゃありませんよ? ちゃんとゆっくり、よく味わって食べないとダメですからね』 「はいはい。それじゃあいただきます……っと」 カチャカチャ……フーッ…… ハムッ……モグモグ…… 『……………………』 「ん? どうしたの姉さん」 9 名前:2/8[sage] 投稿日:2013/06/22(土) 21 20 22.89 ID q5te+lN70 [3/9] 『は? な……何ですか?』 「いや。何で食わないのかなって思って。何かこっちばかりジッと見てるけどさ」 『たっ……食べるに決まってるじゃないですか!! タカシの方を見ていたのは、ちゃん と言いつけどおりゆっくり食べるかどうか監視していただけです』 「いちいちジロジロ見られてると気になるんだよな。言う事聞くから、姉さんも食事しててくれよ」 『べっ……別にずっと見てるつもりなんてありません。私だって熱いうちに食べたいです から。大体、タカシの食べてる姿なんて、別に見ていたいものでもありませんし』 「はいはい。それよか、ちょっとテレビ点けていい? 見たい番組があってさ」 『食事中にテレビ見るなんて行儀が悪いですから後にしなさい――って、もう点けてる し!! 止めなさいって言ってるのに、何で人の言う事聞かないんですかタカシは!!』 「今日はアメトーークがスペシャルだから見ておきたいんだよ。今日だけだからさ」 『タカシは私の作ったご飯よりもテレビの方が大事だって言いたいんですか? テレビな んて、録画しておいて後で見ればいいじゃないですか。わざわざ食事中に見る必要なんて ありません』 「いや。つい今さっきまで忘れててさ…… それに、リアルタイムで見ておきたいし。い いだろ? 朝は別にテレビ見ながらでも何も文句言わないんだから」 『朝はお天気だとか、交通情報だとか、確認しておかないといけない情報が多いから点け ているだけです。単なる娯楽と一緒にしないでください』 「それだけならNHKでいいじゃん。民放点けてるって事は、やっぱそれなりに姉さんも見 たがってるって事だろ? 同じことだって」 『朝は家事やったり学校行く支度しながら忙しいんです。そういう時は真面目なニュース より適当な情報番組の方がいいし、大体食事の時だけテレビ消すのも何か急に静かになっ て落ち着かないじゃないですか。でも、わざわざ点ける必要なんてないです』 「まあ、そう固い事言うなって。今日だけだからさ。大体姉さん、そんなんだから学校で も鉄の女だのサッチャーだの余計なあだ名付けられるんだって。もう少し融通利かせようぜ」 『誰が融通の利かない石頭ですかっ!! そんなのは決まりごとも守れないくせに偉そう に自分の事ばかり正当化するわがままな人たちが勝手に呼んでるだけです。もしかしてタ カシもそう思ってるとかじゃないでしょうね?』 「ま、まさか。俺は姉さんの事良く知ってるし、さすがにそこまでは思ってないけどさ。 ただ、家なんだし、もうちょっと緩くしてもいいんじゃないかなって。な、頼むよ姉さん」 10 名前:3/8[sage] 投稿日:2013/06/22(土) 21 20 53.80 ID q5te+lN70 [4/9] 『……分かりました。どうせ、このままご飯食べたって、どうせテレビが気になってよく 味わいもせずに食べちゃうでしょうから、今日は特別に許可します…… けれど、ちゃん と味わって食べないと許しませんからね』 「はいはい。分かってるから」 ~次の日~ 「お待たせ。へえ、今日はトンカツか。姉さん、今日も頑張ってるじゃん」 『な、何か特別みたいなこと言わないでください。私はちゃんと献立を考えて作ってるだ けですから。それと、今日はテレビ見ながらとか許しませんよ。ちゃんとご飯の時は食べ る事に集中しないとダメですから』 「今日はこの時間は特に見たいテレビもないから大丈夫。じゃあ、いただきます」 『いただきます』 「……………………」 『ちょっと、タカシ』 「へ? 何、姉さん」 『お米を食べる時は、ちゃんと茶碗を左手に持って食べなさい。そういう食べ方はみっと もないですよ』 「分かってるってば。ちょっと待ってくれよ」 『待つって、食事の時間でしょう? 一体何をやっているんですかっ!! テーブルの下 に手を入れて。ちゃんと出しなさい』 「もうちょっとだから……エイッ、と。ふう……」 『で、何をやってたんですか。ご飯もそっちのけで。言い訳次第によっては許しませんよ?』 「いや、その……ちょっとLINEに返信してただけだからさ。もう終わったからちゃんと 食べるよ」 『ライン? ラインって何ですか。ちゃんと姉さんに分かるように説明して下さい』 「えーとさ。俺も上手く言えないんだけど、仲間うちで登録して出来るソーシャルネット ……用は掲示板みたいなもんでさ。誰がこの書き込み読んだとか分かるようになってるん だよ。だから読んだ分は一応返事書いとかないとシカトしたと思われるし……」 『そうですか。何となく分かりました』 11 名前:4/8[sage] 投稿日:2013/06/22(土) 21 21 24.63 ID q5te+lN70 [5/9] 「分かってくれた? いや。素子に誘われて始めたんだけど、結構忙しいって言うかめん どくさくてさ。話題振ったのに返事しないと向こうも気にするらしいし……って、姉さん、 顔が怖いんだけどっ!!」 『顔が怖いとか失礼な事言わないで下さい。要するにタカシは、食事よりも携帯を弄る方 が大事なんですよね。それとも、素子さんとコミュニケーションを取る方がと言った方が いいですか?』 「ちが……違うってば。今のは山田の書き込みにレス返しただけだから。仲間うちみんな だから、5、6人は登録してるし」 『いいです。そんなに携帯でやり取りする方が大事なら、ご飯食べずにそっちを優先すれ ばいいでしょう? どうせ私の作ったご飯なんて楽しみでも何でもないんでしょうから』 「何拗ねてんだよ。姉さんの作る揚げ物とか、すごい好きだって。コンビニとかで売って る奴より全然美味いし」 『人のご飯をコンビニのジャンクフードなんかと一緒にしないで下さいっ!! もう、い いです。さっさと食べちゃって下さい』 「まあ、悪かったよ。明日からは食事中にスマホ弄らないようにするからさ」 『そんなのは当然です。作ってもらっているんだから、最低限のマナーくらいは守って貰 わないと、こっちだって気分悪いんですからね』 「了解。それじゃあ改めて、いただきます」 『(タカシのバカ。私の手料理より素子さんを優先するなんて、信じられません。でも、褒 めてくれたから、まあ許しますけど……)』 ~またまた次の日~ 『タカシっ!! もうご飯だって言っているじゃないですか。何度言ったら下りて来るん ですかっ!!』 ドタドタドタドタ 「はいはいはいはい。今行くからっ……と」 『全くもう……どれだけ人を待たせれば気が済むんですか。せっかくのご飯が冷めちゃうっ ていうのに』 13 名前:5/8[sage] 投稿日:2013/06/22(土) 21 21 55.69 ID q5te+lN70 [6/9] 「ゴメンゴメン。ちょっと手が離せなくてさ。お? 今日は鶏の唐揚げじゃん。姉さんが 二日連続で揚げ物作ってくれるなんて珍しい」 『そ、それは……ちょっとした気分です。別にタカシが揚げ物が好きだから作った訳じゃ ないですから……』 「まあいいや。とにかくいただきますっと」 『ちょっとタカシ。そんなにがっついて食べないで、もっとゆっくり味わって食べて下さい』 「ちゃんと……シャクッ……モグモグ……あひわっへふっへ……ゴクンッ……」 『口の中に物を入れたまま答えないで下さい。汚らしいじゃないですか、もう。食事中は ちゃんとマナーを守って貰わないと困ります』 ズズッ……ガッガッガッ……ゴク……ゴクッ…… 「フゥ…… ご馳走様」 『ちょっと、もう食べ終わるなんて早過ぎですっ!! ちゃんと良く噛んで食べてないで しょう? 早食いは健康にも悪いんですから。大体、何でそんな急いで食べる必要があっ たんですか』 「悪い。ちょっとオンゲーで友達待たしててさ。説教なら後で聞くから」 バンッ!! 「――っと……姉さん……?」 『……分かりました……』 「へ……分かったって…… な、何が……?」 『タカシは、私の手料理なんかより、テレビだとかスマホだとかゲームの方がよっぽど大 事なんですね?』 「い、いやいやいや。その……たまたま三日くらい忙しいのが重なったけどさ、そんな、 姉さんの飯を蔑ろにしてるとかそういうわけじゃ…… 『もういいですっ!!』 「わわっ!!」 『タカシの考えは良く分かりました。人を待たせているんでしょう? 私の事なんて放置 してさっさと行けばいいじゃないですか。その代わり、こっちにだって考えがありますか ら。せっかくタカシの為にと思って色々と手を掛けてお料理を作ったっていうのに……も う、知りませんっ!!』 ドタドタ……バタンッ!! 14 名前:6/8[sage] 投稿日:2013/06/22(土) 21 22 26.55 ID q5te+lN70 [7/9] 「やべえ……何か致命的な失敗した気がするな……」 ~数日後。学校~ 【有美―っ。何か二年の男の子が用あるってよ。結構可愛い子】 [マジで? ついにあたしにもモテ期が来たか。で、その子はどこにいるの? まさかロッ カーの中とかいって閉じ込めるパターンは無しよ] 【いやいや。ホントホント。教室の前で待ってるから、早く行ってあげなよ】 [よっしゃ。待ってろイケメン。お姉さんが手取り足取り口取り、優しく指導してあげる からねーっ!!] [って、何だぁ。タカシ君じゃん。つまんない] 「つまんないって何だよ。これでも上級生のクラス来て女子を呼び出すのって緊張するん だぜ。いくら有美ちゃんだからって言ってもさ」 [チッ…… そのだからっていう所がもう女子扱いされてないのよ。で、何の用なの? 愛 しのお姉ちゃんなら、生徒会の用事でホームルームが終わると同時にいなくなったわよ] 「知ってる。帰りが遅くなるから夜はカップ麺かコンビニで済ませろってメール来てたか ら。あと愛しのとか言うな。人に聞かれたら誤解されるだろが」 [じゃあ何? あたしにガチで用事あるとか? もしかして十四年近く近所付き合いして きたけど、今になってようやく姉じゃなくてこのあたしの魅力に気付いたとか?] 「いや。それは絶対にない。つか、有美ちゃんが俺にしてきた数々の仕打ちを思えば、惹 かれるとか有り得ないから」 [チッ。恋の告白とかじゃないのか。つまんないなー。タカシ君、結構イケメンだし、告 られたらそれはそれで自慢出来るのに] 「俺と付き合う気なんて無いくせによく言うぜ。つか、本題全然入れないんだけど」 [はいはい。どーぞどーぞ。このお姉さんがご意見番として、青少年の悩みを受け止めて あげるわよ。で、どんな悩み? 最近現実の女性に興奮しなくなってきたとか。よしきた。 それならこのお姉さんが二人っきりの個人授業で限界ギリギリのエロスを――] 15 名前:7/8[sage] 投稿日:2013/06/22(土) 21 22 57.32 ID q5te+lN70 [8/9] 「いや。下ネタはいいから。まあ、何つーか……姉さんの事なんだけどさ」 [何よ、ほら。やっぱり大大大好きーな敬ちゃんの事じゃん。ダメよ。あんた達、姉弟な んだからさ。まあ、好きになるのに垣根なんて無いのかもしれないけど、一応倫理っても のがあるんだからね] 「茶化さないでくれって。こっちは生活掛かってんだからさ。で、一つ聞くけど……最近 姉さんがちょっとおかしいんだけどさ。何か変わった事あった? 一週間くらい前とか」 [何よ。敬ちゃんがおかしいのなんていつもの事でしょ? 取り立てて気にする必要ない ってば。それとも、いつにも増してお花畑が咲いちゃってるとか?] 「それはそれで怖いけど、逆だって。有美ちゃんから見てて、何か気付いた事無いか?」 [そうねえ…… まあ最近機嫌悪いけど、それは結構あるし、矢面に立たされんのいっつ もあたしだから…… そういえば、変わった事といえば最近お弁当持って来なくなったわ よね。敬ちゃんが購買とか珍しいなって思ってたんだけど…… 逆に何かあった?] 「それなんだけどさ。こないだ3日間くらい、姉さん何故か料理に結構気合入っててさ。 何か手の込んだ料理で、しかも俺の好物ばかり作ってくれてたんだけど、たまたま見たい テレビがあったりLINEの返信しなくちゃいけなかったりで、そっち優先させてたら怒っ ちゃってさ。以来ずっと、ロクな飯作ってくれなくなっちゃって…… 俺もだけど親父ま でとばっちり食らうし。で、何かあったのかなーって」 [一週間前ねえ…… うーん……] 「思いつかない? まあ、姉さんなんてどっかしら何かやってるから、おかしい行動なん ていつもの事かも知れないけど、何かヒントにでもなるようなことないかな? 些細な事 でもいいんだけど」 [そうねえ…… ああ。そういえば敬ちゃん。珍しくラブレターを何か熱心に読んでたっけ] 「ラブレター? 姉さんにか?」 [そうよ。今の時代、確かに古風だけどね。でも、好きな女の子に全くコネがなかったら、 手紙くらいしか渡す手段ないでしょ? まあ、会って話したいって簡潔な内容から熱い想 いを書いてくる人まで色々いるけどね。あれで敬ちゃん美人だしモテるから。つか一人く らいこっちに寄越せっての] 「有美ちゃんは自分から狩りすれば草食系男子の一人や二人は食えそうだけどな」 [人を肉食恐竜みたく言うな。これでもうら若き十八の乙女なんだから。失礼だっての] 「ゴメンゴメン。で、そのラブレターって、内容なんだったの? 当然読んだんでしょ?」 16 名前:8/8[sage] 投稿日:2013/06/22(土) 21 23 47.90 ID q5te+lN70 [9/9] [まーね。といっても、文章そのまま覚えてる訳じゃないけど、まあ清楚でたおやかで、 それでいて家庭的な雰囲気も持っているところが惹かれるとか何とか。そういえば、別府 さんの手料理なんて食べられたら夢ですとか何とか書いてあったような……] 「手料理? 姉さんの?」 [そうよ。アンタは毎日朝昼晩と食べてるから感じないかもしれないけど、敬ちゃんに憧 れる男子からしてみれば…… あ~あ。なるほどね。そういう事か] 「は? 何がそういう事なんだよ」 [タカシ君さ。今度、敬ちゃんがご飯出してくれたら、何でもいいから褒めてあげなよ] 「褒める? 姉さんの料理をか? 何で今更」 [いいから。今日は外で買い食いしろって言われたんでしょ? じゃあ、明日の夜でも、 多分嫌いなメニューか出来合いのものしか出して来なさそうだけど、手作りだったらやっ ぱり姉さんの作ってくれるおかずが一番いいとか、レトルトなら姉さんの味が食べたいと か言ってさ。もの凄く怪訝な顔されると思うけど、多分次の日から普通に戻るから] 「大丈夫なんかな? 今更何言ってるんですかとか、めちゃくちゃ罵られそうなんだけど」 [男の子でしょ? 敬ちゃんの機嫌直したかったら、多少の痛みは我慢しなさい。いい?] 「分かったよ。まあ、有美ちゃんの言う事だし、刺し違える覚悟でやってみるさ」 [(にしても敬子ってば…… 好きな人から手料理を褒めて貰いたいって気持ちは分かる けどさ。弟だよ? 結婚十年の旦那から褒めて貰うよりもハードル高いってのに……)] 『(ああ、もう……タカシってば信じられません。私がせっかく、一生懸命、タカシが美味 しいって喜んで食べてくれる姿が見たいってだけで手間暇掛けて、大好物の料理を一生懸 命に作ったって言うのに……素子さんとスマホとかゲームとか…… あああ、もう頭に来 て頭に来て……)』 バキッ!! 「か、会長。今日、シャーペン折るの三本目なんですけど……」 終わり たまたま書き上げた妄想があったので投下しただけなんだからね
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きんようびのほうかご! 梓「じゃあ、ちょっと早いけど、部室行ってくるね!」 憂「うん、梓ちゃん頑張ってね!」 純「いってらっしゃーい梓ー」 梓「じゃあね二人とも!」スタタッ 憂「……梓ちゃん、大丈夫かなぁ……」 純「梓じゃ憂のお姉ちゃんにいいように遊ばれるだけなんじゃないかなーって思うけど」 憂「そうかなぁ……、そこまでお姉ちゃん無神経じゃないよ、おでこ出すのとか恥ずかしがるし」 純「ふーん、……そうなんだ」 憂「あっ、これ梓ちゃんに教えておけばよかったかなぁ……」 純「いーんじゃない?……その方が面白いし」 憂「もう、純ちゃんったら」 純「だってそっちの方が憂のお姉ちゃんは喜ぶと思うよ」 憂「……そうだね、純ちゃん頭いい!」 純「えっへん。わたしは灰色の脳細胞を持つ女だからね」 憂「あはは、もう、純ちゃんなんなのそれー」 純「推理小説の探偵じゃなかったっけ、かっこいいよね!」 憂「純ちゃん、そういうとこなんとなくお姉ちゃんにそっくりだよねー」 純「そ、そうかな……。どうリアクションすればいいかよくわかんないけど……」 憂「いいんじゃないかな、わたしは好きだよ!」 純「ありがと、……ほんとに憂ってお姉ちゃん子だよね……」 憂「えへへ」 純「……はぁ……、唯先輩が羨ましいなー」 憂「え?」 純「だって憂みたいな妹がいてさ、梓にも好かれてるし……」 憂「お姉ちゃん可愛いからねー」 純「むぅ……(可愛いあんたらに好かれてるのが羨ましいんだってば)」 憂「あっ、……今のは別に純ちゃんが可愛くないってことじゃないからねっ?」 純「ぐさ…………それ、言わなきゃ傷ついてなかったよ……」 憂「その、えと、ち、違うんだよっ、わたし純ちゃんのことも好きだから!」 純「憂ちゃんは優しいねー、照れちゃうなー」クネクネ 憂「もう……ほんとだよ?」 純「へ」ピタッ 憂「別にお姉ちゃんとどこか似てるから友達やってるわけじゃないよ……」 純「う、ういっ……」がしっ 憂「うん」ぎゅっ 純「わたしも憂のこと大好き!これからもずっと友達でいようね!」ブンブン 憂「そうだね、梓ちゃんもいっしょにねー」にこー 純「だね!」 憂「あれ?純ちゃん。そういえばジャズ研行かなくていいの?」 純「あ、そうだった!じゃあ憂、行ってくる!」 憂「いってらっしゃーい!」 ぶしつまえ! 純「……しまった、今日ジャズ研休みなの忘れてた……」トボトボ… ガチャ 純「あ、澪先輩!……と、律先輩だ」 律「全く、唯と梓のやつ、なにイチャイチャしてんだか……」 澪「今日はずいぶんとべったりだったよな」 律「まぁ仲睦まじいことは良いことだけどなー」 澪「ん?あれ、鈴木さんじゃないか」 純「こ、ここ、こんにちは!」 律「ようー、はは、澪の前だからって緊張しなくて良いんだぞー?」 澪「今日はジャズ研の練習ないのか?」 純「それが、あると思って来たら無かったんですよねー……、あはは」 律「……まぁ、わたしたちよりマシだよ」 澪「全くだ」 純「どういうことですか?」 律「ちらっとだけでも部室覗いてみ」 純「あ、はい」そーっ 純「どれどれ」チラッ ――――― 唯「あずにゃん間接きっすだね!」 梓「なっ……!」 梓「…………」 梓「べ、べべべつにいいじゃな、いいじゃないですか!////」 ――――― 純「うわぁ……」 澪「はいそれまで」 律「な?あんな空間にほうり込まれてみろ、空気と化すのに大変だったぜ」 純「……思ったとおり、苦戦してるみたいだなー、梓」 律「ん?」 純「あ、いえ、なんでも」 純「(こうなった元凶がわたしだとは言えない)」 律「じゃあ私たちは帰るけど、鈴木さんは?」 純「一度教室に戻ります。憂がまだいるかも知れないので」 澪「そうか、じゃあまたな。鈴木さん、憂ちゃんによろしく」 律「じゃなー」 純「はい!さようなら!」 純「はぁ、梓……」 「そっ、そんな! わ、わたしはっ! 唯先輩を恥ずかしがらせたいのにーっ!」 純「やれやれ、教室いこ……」 … 純「って、あれ、タイミングよかったかな」 憂「あれ?純ちゃん、ジャズ研は?」 純「今日は休みだったー……、だからいっしょに帰ろ、憂」 憂「うん。あ、ちょっと今日の晩ごはんの買い物によっていい?」 純「良いよ、荷物もつの手伝ってあげる」 憂「ありがとう純ちゃん!」 純「憂姫のためならこの鈴木純、例え火の中水の中……」 憂「なにー?憂姫って、ふふ」 純「ノリかな!」 憂「あ、海苔切らしてたんだった、純ちゃんすごい!」 純「うん?ま、まあね!」 すーぱー! 純「そういえばさっきけいおん部の部室覗いたらさ、梓、やっぱり苦戦してたよ」 憂「お姉ちゃん、梓ちゃんのこと大のお気に入りだからねー。何されても喜ぶだけじゃないかな?」 純「わたしが覗いたときは逆に梓が恥ずかしがってたよ、間接キスとかなんとかいって」 憂「梓ちゃん、それくらいで恥ずかしがらなくていいのにね」 純「わたしのジュースは遠慮なく飲むクセに……」 憂「ほんとだよねー、意識してるのがバレバレだよ」ひょい 純「あれ、憂。今日の晩ごはんハンバーグかなんか?」 憂「うん、そうだよ。お姉ちゃんすごく喜ぶんだー」 ♪スッキスッキーダッイッスッキー 憂「あ、お姉ちゃんからメールだ……」 純「なにその着信音」 憂「LovelySisterLOVE」 純「……そっか」 憂「……!」 純「どしたの?」 憂「……純ちゃん……、この挽き肉戻してきて……、わたしカップ麺取ってくるから……」 純「えっ!?ちょ、なにがあったのよ」 憂「お姉ちゃん、梓ちゃん家にお泊りだって……」 純「おっ、梓やるじゃん。唯先輩おもちか……」 憂「うぅっ……!」うるっ 純「あっ、違うってば!別にそんな変な意味じゃなくってっ」 憂「わかってるよぅ……、お姉ちゃんと梓ちゃんが仲良くしてるのに……、わたし嫌な子だなぁ……」 純「……憂よりいい子なんてテレビでも見たことないよ」 純「そうだ憂、カップ麺なんて言わないでさ、今日はいっしょにハンバーグ作ろうよ!ね?」 憂「うん……、そうだね……」 純「ほら元気だしなよ、三年生の修学旅行のときだって大丈夫だったじゃん」 憂「あれは純ちゃんと梓ちゃんが居てくれたからだよ……」 純「……よしわかった!」 憂「?」 純「今晩憂ん家に泊まっていい?」 憂「えと、こちらこそ、いいの?」 純「三連休だし、いいよ。憂が寂しがって泣いちゃうんじゃないかって心配だしね」 憂「べ、別に泣いたりしないよー」 純「じょーだんじょーだん。さ、早く買って帰ろ?」 憂「うん、ありがとう純ちゃん!」だきっ 純「憂ちゃーん、ここスーパーだよー……」 憂「あっ、はわっ、ごめん!///」 ひらさわけ! 純「そういえば憂ん家で二人きりでお泊りは初めてかもね」 憂「確かにそうだねー」 純「いつもはわたしの家に呼んでたしね」 憂「最近純ちゃん家にもあんまり行ってなかったなあ」 純「お互い部活とか家事が忙しいし、仕方ないよ」 憂「あっ、じゃあ夏休みはいっしょに遊ぼうよ!」 純「うん、田舎に帰省するとき以外はたいてい暇だし、いいよ」 憂「純ちゃん、なにか飲み物いる?」 純「お、さすが憂、気が利くね」 憂「といっても麦茶しかないけど……、はい」コトッ 純「いただきまーす!……んぐっ、ごくっ……くっ……」 純「ぷはっ。いやー、最近暑くなってきたし、麦茶が美味しいねー!」 憂「おかわりいる?」 純「いくらでも飲めるよ!」 憂「いくらでもお注ぎします♪」 純「うん、やっぱりあと一杯でいいかな……」 純「それにしても、家片付いてるね」 憂「そうかな?」 純「これ、いつも憂が掃除してるんでしょ?」 憂「そうだけど……」 純「やっぱり憂のお姉ちゃんはずるい……」 憂「え?」 純「わたしも憂が欲しい!」 憂「ちょっと純ちゃん……」 純「あっ、ごめん、言葉のあやで……。でも憂が姉妹だったら嬉しいなー、って」 純「だってさ、美味しいごはん作ってくれるしー、掃除も完璧だしー、勉強も教えてくれるでしょー?……」 憂「……あの、純ちゃん、わたしはね――」 純「……それになによりさ、憂とずっと一緒にいられるし、って憂、なに?」 憂「……ううん、なんでもないよっ」 純「はあ、やっぱり憂のお姉ちゃんは羨ましいよ……」 憂「えへへ、純ちゃん」ぎゅっ 純「な、なによ」 憂「純ちゃーんっ……」ぎゅー 純「……やっぱり姉妹だね」 憂「よし!」 憂「純ちゃんのおかげでお姉ちゃんが居なくても頑張れそうだよ!」ふんすっ 純「うんうん、それでこそ憂だよ!」 ぐぅうう…… 憂「…………////」 純「……ごはん作ろっか」 憂「純ちゃん今の秘密だからね!//」 純「どうかなー、梓に教えちゃおっかなー?」 憂「うぅ……勘弁してよ……」 憂「そういえばお姉ちゃんたち、晩ごはんは大丈夫なのかなぁ」トントントントン 純「あ、親が公演だかでいないんだっけ」こねこね 憂「うん、お姉ちゃんはあんまり料理得意じゃないし……」トントントン… 純「まぁ梓なら、それなりに出来るんじゃない」ペッタンペッタン 憂「そうだよね、大丈夫だよね」ジュウウ… 純「いざとなればコンビニごはんだってあるしね」こねこね 憂「ああ、不安だなぁ……」 ~~~~~ なかのけ! 唯「あずにゃん、晩ごはん作ろっか!」ぎゅーっ 梓「えっと、じゃあいったん離れてくださいよ……」 唯「ええー?やだよお……、今は離れたくないなぁ……」ぎゅっ 梓「全く……、仕方ないですね、今日だけは特別ですよ?」 唯「やったあっ!」 梓「……で、抱きつかれたまま、どうやって料理すればいいんでしょうか……」 唯「あずにゃんの腰の辺りに後ろから抱きつくから、あずにゃん、美味しい料理頼んだよ!」ぎゅっ 梓「ちょちょちょっと!? おしりに顔うずめないでくださいよっ!?///」 唯「でへへ……あずにゃあ~ん……」すりすり 梓「唯先輩のヘンタイ……」 ~~~~~~ 憂「!……今なんか、お姉ちゃんが悪いことしたような気配を感じたよ……」 純「エスパーじゃあるまいし……」パカッ 純「憂ー、ごはん炊けたよー」くんくん 純「むはー、炊き立てのご飯って良い匂いだよねー……」 憂「あっ、またお姉ちゃんみたいなことしてるね」 純「えっ、誰でもやるよね?炊き立てのご飯の匂い嗅ぐの」 憂「そのあとの反応がお姉ちゃんっぽくてかわいいんだよお」 純「か、かわいい……?」 憂「うん」 純「……あっ、ごっ、ごはんよそっとくね!//」 憂「純ちゃん照れちゃってぇ」 純「まっ、まぁわたしはアレだからね!美少女だからね!//」ペタペタペタペタペタ 憂「あはは、ごはん盛りすぎだよ?」 純「はっ」 純「いっぱい食べるもん!」 憂「無理しないで戻せばいいのに」 純「それはなんか負けた気がするからや!」 憂「何と闘ってるの?」 純「……自分との戦い、かな……」 憂「す、ストイックだね……?」 純「もぐもぐ」 憂「おいしいねー」 純「むしゃむしゃ」 憂「純ちゃん、ほんとに無理しなくていいんだよ?」 純「んぐ。だいじょうぶ……」 憂「もう、ごはんつぶついてるし……」ヒョイパクッ 純「あ、ありがと、憂」 純「……ひょいぱく?」 憂「あっ……ごめん、いつものクセでっ」 純「いや、いいけど……いつものって……」 憂「お姉ちゃんったらいっつもごはんつぶほっぺにひっつけてるんだよー、そのたびに『ういとってー』って……、はぁあ……かわいいよねぇ……」 純「甘やかしすぎだよ……」 憂「そうかなぁ?」 純「うん、梓じゃないけど、憂が甘やかすから、唯先輩がだね……」 憂「純ちゃんもごはんつぶつけてたくせに」 純「ごめんなさい」 憂「ごちそうさまー」 純「うぷっ……ごちそうさま……」 憂「純ちゃんだいじょうぶ?」 純「だいじょうぶ……」 憂「そろそろお風呂の準備しよっか、純ちゃん、着替えとかは……」 純「あっ、そういえば持ってきてなかったね……よしっ、ちょっと腹ごなしにとってくるかな!」 憂「うん、いってらっしゃーいっ」 純「すぐ戻ってくるね!」 2
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※地霊殿ネタバレアリ注意 ※下ネタ注意 ※ 過去作の設定流用してます 「「ゆっくりしていってね!」」 「・・・・・・・・・・・・・」 僕、森近 霖之助は少し困っている。 仕事の合間に少し外に出ていて、店の中に返ってみたら得体の知れない生き物が二匹いる。 得体の知れないって言うのは少し語弊があるかもしれない。 なぜならその二匹は僕の知人の博麗霊夢と霧雨魔理沙と似た特徴を持っていた。 幻想郷の少女達の特徴を持つこの子達は『ゆっくり』と呼ばれている。 「ゆっくりしていってね!」という言葉を投げかけてくる生きた饅頭だ。 目の前の二匹はゆっくりれいむとゆっくりまりさの一組だ。 「君達はここで何をしているのかな?」 「「ゆっくりしてるよ!」」 「ここは僕の店なんだけどね・・・」 「「おにいさん!ゆっくりしていってね!」」 「いや、だから・・・・・・」 「「ゆっくりしていってね!」」 「・・・・・・・・・・・・・・・・」 どうするべきかと少し悩む。つまみ出すか、ほうっておくか。 今のところこの子達はここにいるだけで特に問題は起こしていない。 まぁ、本人に比べればましか。特に魔理沙ときたら人の店から持っていくだけ持っていって、 御代はいまだに払っていない。たぶん彼女は死ぬまで払わないだろう。 それに比べたらゆっくり達はその辺りに転がっているだけ。無害にも等しい。 ちょっとした置物のようにしていればいいか。 勝手に人の家に入ってきた訳のわからない生き物をつまみ出さないあたり我ながら甘い。 だから魔理沙に付け込まれるんだろうな。 「君達に少し言っておくよ」 「「ゆ?」」 「お店が終わるまではここにいていいけど、時間になったら帰るんだよ。」 「「ゆっくりできるね!」」 ゆっくり達は僕に眩いばかりの笑顔でお礼を言ってくる。 「「ゆっくりさせてくれてありがとう!」」 あぁ、彼女達がこの二匹くらい素直だったら僕の苦労も減るんだろうなぁ。 なんでモデルの方が問題のある正確をしているのだろう。 でも、一応釘はさす。そこはしっかりとしないといけない。 「あくまでもこの場を貸すだけだからね。邪魔をしたり、店のものを持って行ったら放り出すよ。」 「「ゆっ!」」 良い返事だなぁ。これも彼女達が絶対にすることがないことだ。 結局ゆっくり達は僕の店の中でじっとしているか、たまに訳のわからないことを口走るだけで、 店の中はいつもと変わらない。ただ、今日はお客さんが全く来ない。 まるでゆっくりという奇妙なお客さんが来たこととバランスをとるかのように、何も起こらない。 持ち込んだ本を読破してしまった僕は少し暇になってしまった。 ゆっくり達は相変わらず床の上に転がっている。 「ゆっ!」 かと思ったら、二匹がいきなり飛び跳ねると、僕の方を向いてきた。 ただ事ではない雰囲気、一体どうしたというのだろう? 「「ゆっくりできたからおれいするよ!」」 ゆっくり達はぴょこぴょこと近づいてくる。 「「おにいさん!」」 「どうしたんだい?」 「「おさらある?」」 「お皿ねぇ、ちょっと今はないかな。何でお皿が必要なのかな?」 「「おれいするよ!」」 お礼といわれても、この店の中にお皿や食器はない。 売り物のお皿やお椀は先日魔理沙が持っていったからだ。 この間の地震で食器が全部壊れたからだと去り際に言っていた。 僕自身の分はどうかと言うと、今日はお昼を外で食べてきたからない。 「ごめん、今切らしているんだ。」 「「ゆっくりできないね!」」 ゆっくり達は目を伏せて寂しそうな顔をした。 何故か悪いことをしてしまった気になってしまい、ちょっと心が痛む。 お皿があったら何をする気だったんだろう? そう聞こうとすると 「「ゆっ!ゆっ!」」 いきなりゆっくり達二匹がはっとした顔になって、ほほをくっつけあった。 「「す~りす~り、ゆっくりのほっぺたきもちいいね~♪」」 一体どうしたのだろう?僕がいぶかしんでいると、いきなりゆっくり達は僕に向かって話しかけてきた。 「「おにいさん!」」 「ど、どうしたんだい?」 「「れいむとまりさのあいだにはさまっていいよ」」 「!?」 「「ゆっくりさせてくれたおれいだよ!」」 ああ、なるほどね。ゆっくり達なりのお礼ってことか。 人間で言うところの握手や抱擁に当たるのかもしれない。 そういえばゆっくりの頬って柔らかそうだな。ゆっくり達は饅頭でできているって言われているけど、 目の前の二匹の頬はぽよぽよと弾力があり、お互いの頬に当たるたびに餅のように形を変えている。 「ちょっと失礼・・・・」 ゆっくりれいむの頬を少しつまんでみる。 「うわ・・・・・・これは・・・・・・」 柔らかい・・・・・。しかもただ柔らかいだけじゃない・・・・。柔らかさの中に程よい弾力があり、 ほんのりと温かい。擦るように撫でてみるとそのすべすべと滑らかな手触りに驚く。 子供の頬の感触ってこんなものだったような気がする・・・。 人間からしてみても自分の頬を見ず知らずの相手に無防備にさらすことはない。 なるほど、この子達なりの信頼の証って言うことか。 「「さぁ、どうぞ!」」 「じゃあ、お言葉に甘えて」 柔らかそうで気持ちよさそうだな。そういえば魔理沙も子供の頃は素直で可愛かったな。 ああ、子供のままでいてくれたらどれだけよかったか・・・・。 よし、せっかくだからたっぷり挟んで気持ちよくさせてもらうとしようかな。 「お邪魔します・・・・・・え?」 「・・・・・・・・・・・・・・あ」 いきなりお客さんがやってきた。はじめて見る顔の子だ。 僕は二匹の頭をそれぞれ掴んで固まっていた。 それだけなのに彼女は顔を真っ青にして、怯えるように後ずさりしている。 唐突過ぎる。 「あの・・・・・挟むって・・・・・・・柔らかそうで気持ちよさそうだって・・・・・・・ 子供のままが一番いいって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「どうかしたのかい?」 僕の言葉が聞こえていないかのように、僕の姿が見えないかのようにぶつぶつと何かつぶやいている。 何かおかしいことをしたかな?僕はただこの子達からお礼をもらおうとしていただけなのに。 「お礼ですって・・・・・・・・。お礼と評して何も知らないこの子達になんてことを・・・・・・」 なんで目の前の女の子はゆっくり達からお礼をもらうってことがわかったんだろう。 そういえばはじめてみる顔の子だな。 そういえばこの子の着ている服って似たものが前に外の世界から流れて来たことがある。 あれだ、幼稚園児だっけ?外の世界で幼い子供が服に似ているな。 この子もちょっと子供っぽくって可愛いな。 「ひっ!今度は私まで!」 「?」 もう彼女は僕の方を見ていない。ゆっくり立ちの方に尋ねるような目を向けている。 ゆっくり達に一体何をする気だったのかと、目で訴えていた。 それを察したのか、ゆっくり達は目の前の少女に答える。 「「おにいさんのだいじなところをはさむよ!!」」 それが引き金だった。 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!! 獣姦魔ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 「ちょっと待ちなさい!いったいどうしたんだい!」 何事かと思って僕は少女に近づいて手を伸ばす、けれども少女は脱兎の如く逃げ出す。 「やっぱり地上怖いぃ!おうちかえるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」 そしてあっという間に僕から離れると、遠くに飛んでいってしまった。 「待って・・・・・・行っちゃった。」 一体どうしたんだろう。何か悪いことをしたのかな? 「「ゆっくりしていってね!」」 「ゆっくりしていってね!」 そう思っていると、また新しい客が来た。ゆっくり達が歓迎しているようだ。 客は博麗神社の巫女博麗霊夢、彼女と一緒に暮らしているゆっくりれいむ、天狗の新聞記者の射命丸文だ。 霊夢は僕の事を刺すような目で睨んでいる。隣の射命丸はうきうきとした顔で僕の事を見ている。 一見相反しているが、二人に共通しているのは僕から距離を置いているということだ。 そんな二人を霊夢に抱えられているゆっくりれいむはきょとんとした顔でみている。 「霖之助さんがまさかそんな人だったなんて・・・・」 「「はい、清く正しい射命丸です。店主も人に言えない趣味を持っていたのですねぇ。」 二人の言っていることがわからない。一体何が? 得体の知れない焦燥感に襲われていると、射命丸が事情を説明してきた。 「地下にあるといわれる地霊殿。その主に異変を起こされたお詫びとして、 私達の知人が普段何を考えているのか調べていただいているのです。良いネタができそうですし。」 「私は反対したんだけどね。けど、今になってよかったって思うわ。霖之助さんがそんな人だってわかったから。」 霊夢の抱えているゆっくりれいむが霊夢のただごとではない雰囲気を察して霊夢に尋ねる。 「れ~む、どうしたの?おに~さんといっしょにゆっくりしないの?」 霊夢はぴしゃりとゆっくり霊夢に声をかける。 「れいむ、よく聞きなさい。あのお兄さんはゆっくりできない人よ。絶対に近づいちゃ駄目。」 まるで幼女に対して変質者から離れろといっているような様子だ。 冷や汗がたらりと垂れる。 何か取り返しの付かないことをしてしまった気がする。 じ、事情を聞かないと・・・。 「・・・・・・・・・な・・・・・・・・・何を言っているんだい?」 声が裏返ってしまった。情けない。だけど声が出るだけましだったのかもしれない。 射命丸が説明された後、僕は文字通り声を失った。 「彼女、古明地さとりはあらゆる生き物の心を読めます。」 「!?」 霊夢が続く。 「つまり、霖之助さんの歪んだ欲望に耐えられなくなって彼女は逃げ出したのよ。彼女って動物がすごく好きみたいなの。 そんな動物に対して卑猥な考えを持った人には近づきたくもないでしょうね。」 心が読める 心が読める こころがよめる ぼくってかのじょにあったときなにをかんがえていたっけ? そうだ、ゆっくりたちにはさんでもらいたいっておもってたんだ こどもってかわいいなっておもってたんだ やべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!! つまり彼女に何を挟むのかを誤解されたってことだ! 思わず何を挟むのかまで考えずに掴んでいた。殆ど本能のようなものだ。 僕はただゆっくり立ちの間に自分の頬をはさんでもらおうとしていただけなのに、 彼女はちょっとしたら別のとんでもないところをはさんでもらおうとしているように 誤解したのかもしれない! すぐに誤解を解かないとゆっくりに欲情した男として社会的に抹殺されてしまう! 「ちょっとまて!違う!誤解だ!僕はただ」 「言い訳なんて聞きたくないわ。」 「すいませんねぇ、新聞記者をやっている分人の二面性には慣れているとはいえ、まさかここまでとは思わなかったです。」 霊夢の圧倒的な迫力の前に言葉を失う。 射命丸が続く。その手にはメモ。一心不乱に何かを書いている。 「私は人の趣味にとやかく言うつもりはないけど、二度と私に近づかないで。私はもう絶対にここには来ないから。 あと、もしうちの子に手を出したら殺すわよ。」 霊夢からの死刑宣告。射命丸が追い討ちをかける。死んだ後に地獄に叩き落すように。 「良いネタをありがとうございました。お礼に私の新聞には先ほどのやりとりを一語一句正確に載せますね。 途中で私の主観も入りますが、できる限り面白くなるようにします。」 「僕の話を聞いてくれ!話せばわかる!話せば」 「変態と話すことなんて何もないわ。さよなら。」「ゆっ!」 「心配要りません!誰もが見るような素晴らしい新聞にします!それでは別件が入っているので失礼します!」 霊夢はゆっくりれいむをかかえて逃げるように、射命丸は次のネタを求めて僕の言葉を聴かずに去っていった。 後に残ったのは二匹のゆっくりのみ。 でも、二匹は帰り支度をしているみたいだ。 ぺこりとおじぎをするように体を傾けると、僕の店を後にする。 「「ゆっくりさせてくれてありがとう!」」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」 そして誰もいなくなった店で一人たたずむ。 ・・・・・・・・・・・・・もうやだ、ぼくもおうちかえる。 6スレ …ッッ!!(青年笑い堪え中…) 写命丸に弁明文の手紙出せば…って無駄か? さとりに本心見て貰えb…絶対に会いたくないって断られる罠( ∀`;) どう考えてももう香林はゆっくり出来そうにないのがヒドすぐるww -- 名無しさん (2008-12-09 15 09 17) 悪魔やッ!このゆっくり達は可愛い顔した悪魔やぁ! -- 名無しさん (2010-10-08 21 36 27) こーりん・・・悲劇や・・・ -- 名無しさん (2010-11-25 17 34 29) こーりん虐めスレww -- ちぇんと(ry 飼いたい (2012-03-29 20 11 42) wwwwwwww -- 愛で好きの人 (2012-12-06 16 22 59) 名前 コメント
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三年二組教室 律(……ダメだ。梓が頭にこびりついてるみたいだ) 律(梓……) 律「……はぁ」 和「気味が悪いくらい元気ないわね」 唯「あんなに元気のないりっちゃんは二年の学園祭ライブ前以来だよ」 澪「しかも髪下ろしてるから余計にアレだな」 紬「でも、今のりっちゃんすごく女の子らしくて可愛い……」 律(梓…………) 梓「律せんぱーい!」 律「!!」 律「あ、梓……?」 梓「今すぐ屋上に来てください!」グイ 律「ちょっと……手を引っ張るな……///」(あ、梓と手をつないでる///) 紬「なんだかすごくいい展開が待ってるみたいね!」 澪「なにか二人にあったのか?」 唯「私はなにも知らないよ。和ちゃんは?」 和「私だってなにも知らないわよ」 屋上 律「そ、それで話ってなんだよ?」 律「唯のことなら私じゃなくて他の誰かに聞いたほうがいいぞ」 梓「違います!」 律「え?」 梓「私は……私は……」 律「あ、梓……」 律(上目遣いの梓がマジで可愛い///) 律(結婚したい、いや、せめてキスだけでも……) 梓「私は……私は律先輩のことが……」 二年一組教室 純「梓、告白うまくいったかな?」 憂「どうだろうね。成功してるといいけど」 純「なんか気になることでもあるの?」 憂「うん、実はちょっとね」 純「なになに?」 憂「惚れ薬の効果はずっと続くのかなって思って」 純「ああ、たしかに。告白の瞬間に薬が切れたりしてね、あははは」 憂「純ちゃん、それ笑えないよ」 …… 梓(髪下ろしてる律先輩ホントに素敵で……可愛い) 梓(……じゃなくて!) 梓(言うんだ! 言うんだ! 私!) 梓「律先輩、あなたのことが……!」 律「…………」 梓「好きです!」 律「……え?」 律「え?」 梓「……だ、だから好きなんです! 律先輩のことが……」 律「梓……」ポン 梓「な、なんですか律先輩?」 律「先輩をからかっちゃダメだぞ」 梓「からかってないですっ。私は本当に……」 梓(どうなってるの? さっきまであんなに顔を赤くしてたのに……) 律「もうすぐ休み時間も終わるから戻ろうな」 梓「話は終わってないです!」 律「またあとで部活んときに聞いてやるって」グイグイ 梓「ええ? えええー!?」 三年二年教室 唯「あ、りっちゃんが帰ってきたよ」 澪「梓となに話してたんだ、律」 律「それが、なんかよくわからないけど告白された」 和「告白?」 律「うん、律先輩のことが好きなんです、って」 紬「り、りっちゃんはなんて返事したの?」 律「先輩をからかうなよって返しといた」 紬「それだけ?」 律「それだけ」 三時間目 律「……」カリカリ 律(しっかし、なんでさっきまであんなに梓のことばかり考えてたんだろ?) 律(まるで、アレじゃ……) 律(梓に恋してるみたいだよな……///) 律(いや、ないない。有り得ない) 二年一組教室 三時間終了 梓「」グテー 純「おーい、梓」 梓「」グテー 純「あーずーさー」 梓「…………なに?」 純「元気出しなよ。告白が失敗したくらいで、いじけちゃだめだって」 憂(やっぱり惚れ薬切れちゃったんだ……) 梓「べつに、まだ告白は失敗してないよ……!」 梓「ただ、私の思いが律先輩にきちんと伝わらなかっただけだもん」 純「はいはい」 梓「もういいや。今日は部活出ないで帰る」 純「あの真面目な梓が部活に出ずに帰るの!?」 梓「今日はもうなんか全部やだ……」 憂「梓ちゃん、元気出して」 梓「無理……」グテー 梓の家 梓「そんなわけで家に帰ってきてしまった……」 梓(……ああ、なにやってんだろ) 梓(そもそも、惚れ薬を使って告白っていうのが、最悪なまでにずるいよね……) 梓(……私、すごく嫌な子だ) ぷるるるる♪ 梓(誰かな? もしかして律先輩……?)パカッ 梓「……唯先輩、か。もしもし?」 唯『もしもーし、あずにゃん?』 唯『あずにゃんが部活サボるって憂から聞いたから、電話しちゃいました』 梓「……すみません」 唯『どうしちゃったの、あずにゃん。なにかあったの? 元気ないよ?』 梓「……私、フラれちゃったんです」 唯『フラれた?』 梓「私、律先輩に告白したんです……でも、全然ダメでした」 唯『あずにゃん……』 梓「唯先輩、少しだけ私の話聞いてもらっていいですか?」 唯『いいよ、私は先輩だからね』 … 唯『へえ。そんなことがあったんだ。ムギちゃんはすごいね』 梓「はい。惚れ薬なんて普通はありませんよね」 唯『それで、あずにゃんがりっちゃんに告白したときに、惚れ薬の効果が切れちゃったんだ』 梓「はい。本当に、私ったら馬鹿ですよね」 梓「卑怯な手まで使ったのに結局、相手にもされなかったんですから」 唯『そんなことないよ』 梓「そんなことありますよ」 唯『そんなことない。だってりっちゃん、あずにゃんが来ないって聞いたら、すごくあずにゃんのこと心配してたよ』 梓「それは……ただ後輩が来なかったから、ですよ」 唯『あ、そっか』 梓「できれば納得してほしくなかったです」 唯『えへへ、ごめんね』 梓「いえ、実際その通りだなんで」 唯『でも、あずにゃんはりっちゃんにまだ、きちんとは告白できてないんでしょ?』 梓「まあ、一応。でもきちんと告白しても無理ですよ。だいたい女どうしっていうのが……」 唯『あずにゃん!』 梓「は、はい」 唯『やっぱりもう一回告白しなさい!』 梓「え……?」 唯『あずにゃん、諦めてるようだけど実はまだ諦めきれてないでしょ?』 梓「…………はい」 唯『やっぱり、そうだよね』 梓「バレバレですか」 唯『声聞いてると、すごくあずにゃんの諦められないっていうのが伝わってくるもん』 唯『だからさ、今度こそきちんと告白してみなよ』 唯『あずにゃんの想いをりっちゃんにぶつけなきゃ!』 梓「唯先輩……」 唯『ねっ?』 梓「……はい!」 唯『応援してるからね、あずにゃん』 梓「唯先輩、本当にありがとうございました。私ガンバります」 唯『うん、ガンバって。それと私、今すごく先輩っぽいでしょ?』 梓「すごく先輩っぽいです」 唯『えへへ』 梓「唯先輩……」 唯『うん?』 梓「昨日は八つ当たりしてごめんなさい」 唯『もう忘れちゃってたよ、あずにゃん』 唯『じゃあね、あずにゃん。ガンバって!』 梓「はい!」 梓「唯先輩に応援してもらったし、ガンバらなきゃ!」 ぷるるるる♪ 梓「電話……律先輩からだ」パカッ 律『梓、もしもーし、私だぞー』 梓「はい、中野です」 律『今日はどうしたんだよ、真面目な梓が部活来ないなんてなにかあったのか?』 梓「ごめんなさい、律先輩……その、今から律先輩の家に行ってもいいですか?」 律『ん、ああ、べつに構わないけど』 梓「じゃあ今から行きますから……待っててください」 律『……わかった』 田井中家前 梓(大丈夫、私!) 梓(今度こそ、自分の想いを伝えるんだ) 梓「すぅーはー……」ピンポーン 梓「律せんぱーい」 ガチャ 律「そんなに大きな声ださなくても出るって」 梓「す、すみません。ちょっと緊張しちゃって……」 律「まあ、入りなよ」 梓「お邪魔します」 律の部屋 律「テケトーな場所に座ってくれ」 梓「ありがとうございます」 律「んで、話ってなに?」 梓「……」 梓(マズイ。また緊張してきちゃったよ……) 律「梓?」 梓「は、はい」ビクッ 梓(言わないと。言って伝えなきゃ……!) 唯『あずにゃん。ガンバって!』 梓「……!」 梓(そうだよ、唯先輩だって応援してくれたんだから、なおさら言わないと!) 梓「律先輩」 律「うん」 梓「私、先輩のことが好きです」 律「…………」 梓「大好きなんです」 律「……」 律「梓、最初に私は梓に謝らないといけない」 梓「…………なんですか?」 律「屋上でさ、コクられたとき、わかってたんだ。梓が本気で私に告白したってこと」 梓「はい」 律「でも、なんだかすごく変な感じがしてさ。いや、単純にびっくりしたのかも」 梓「そうですよね、急に告白されたら……」 律「ううん、だって昨日は唯が好きだって言ったからさ」 梓「それは律先輩が勝手に誤解しただけです」 律「そうなの?」 梓「そうです」 律「まあとにかく、まだ自分の気持ちはよくわかんない」 律「これが私の本音」 梓「……そうですか」 梓「でも私は律先輩が好きです。大好きです」 律「うーん、あのさ。いったい私のどこがいいんだ?」 梓「先輩、覚えてますか? 私が初めて軽音部の部室を訪れたときのこと」 律「ああ、あのときか」 梓「今でこそ唯先輩が私に抱き着くのが、お約束みたいになってますけど」 梓「もともと私に最初に抱き着いたのは律先輩なんですよ?」」 律「そういえば、梓が来てくれたとき、かくほーみたいなこと言って抱き着いたかも」 梓「抱き着いたんです」 律「でも、それだけじゃないだろ?」 梓「昨日、告白するときにも言いましたよ?」 梓「明るくて、思いやりがあって、ちょっと抜けてて、でも素敵な先輩が……好きだって」 律「てっきり唯のことかと思ってた」 梓「まあ、唯先輩もそうですし、ムギ先輩も澪先輩も素敵です」 梓「でも私にとって一番素敵なのは、律先輩なんです」 律「梓……」 律「よし、梓!」 梓「はい!?」 律「明日は何曜日だ?」 梓「明日? 明日は土曜日。休日です」 律「明日、二人でどっか行こう!」 梓「急ですね……」 律「梓だって急に私の家に来たいって言ったじゃん」 梓「たしかに」 律「似た者どうし、ということで。明日、出かけよう」 梓「二人きりですか?」 律「もち」 律「さっき、自分の気持ちがわからないって言っただろ?」 律「やっぱり、もっと相手のことを知って自分のことも知らなきゃさ」 梓「……わかりました。じゃあ明日はどこに集合しますか?」 律「んー、そうだな」 律「あそこのマックにしよう」 梓「了解です」 律「梓は覚えてる?」 梓「なにをですか?」 律「去年の夏休み、あのマックで言った言葉」 梓「?」 律「『あの人はガサツでいいかげんだからパス』って」 梓「……あう」シュン 律「いや、怒ってるとかイヤミじゃないんだ」 律「ただ、そんなこと言ってた梓が私のことを好きだって言ったのがすごくおかしくてさ」 梓「あのときは、まだ律先輩の魅力を知らなかったんです……///」カアアア 律「なーるほど」 梓「と、とにかく明日は私、ガンバりますから!」 律「うん、私も明日、楽しみにしてるから」 次の日 マクドナルド前 律(梓のやつ、おそいな) 律(まあいいや、この時間を使って髪チェックしとこ) 律(……前髪、下ろしてみたけど梓のやつなんて言うかな?) 梓「せんぱーい」 律「お、梓。ようやく来たか」 梓「はい、すみません。昨日から服選んでたら……///」カアアア 律「どうした? 顔赤いぞ」 梓「い、いえ。律先輩が髪下ろしてたから……」 律「変かな?」 梓「全然!変じゃないです! すごく似合ってます?」 律「そ、そうか」 律「で、梓はどっか行きたいとこある?」 梓「えと……律先輩とならどこでもいいです」 律「嬉しいけど、それ困るな」 梓「すみません……」 律「まあいいや、どっかテキトーにブラブラしようぜ」 ギュッ 梓「り、律先輩!?」カアアア 律「なに顔赤くしてんだよ。デートなんだから手を繋ぐのは当たり前じゃん」 梓「デート……」 律「そ、デート」 梓「じゃあお言葉に甘えて、手をつながせてもらいます///」 律「うんうん。それっぽいじゃん。よし、出発しんこー」 梓「律先輩、今日は絶対この手離しませんからね」 律「メシどうすんだよ?」 梓「知りません!それより早く行きましょー!」 律「はいはい」 梓(いつかは本当に恋人としてこんな風に手をつないで二人で、律先輩と歩けたらいいな) ギュッ 律「梓、手痛いぞ」 梓「私の愛が律先輩の手を強く握れって言ってるんですよ」 ギュウ! 終わり 戻る
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最近唯先輩と会っていない。 といっても喧嘩した、とかそういうマイナス的原因ではないんです。 私と会うと唯先輩はどうしてもギターを弾きたくなっちゃうみたいで。 それだけだと問題はないんですけど、どうやら唯先輩は一つのことに集中すると別のことが疎かになっちゃうらしくて。 受験が迫ってきたこの時期にそれはどうかということで澪先輩が提言してきたのが私とあまり顔を合わさないという案。 つまりギターを連想させる私を見なければ唯先輩も容易にギターを手にせず、故に勉強したことをあまり忘れないのでは、ということらしいのです。 正直そんなことで、と思わなかったといえばウソになりますけど物は試しということで数日間この案を実施してみることになった。 私は唯先輩のためなら、とこの案を受け入れた。 以上が唯先輩と最近会っていない理由です。 唯先輩は『そんなー、あずにゃん分が足りなくなるー』と嘆いてましたけど。 しかし、実際に会わなくなると何となく寂しい。 同じ学校なんだから会おうと思えばいつでも会えるんだけど、そこは唯先輩や他の先輩との女の約束。 せっかく唯先輩が頑張って約束を守っているのに私から破るなんてできません。 ……とかいいながら三年生の教室に向かってる私ってどうなんだろう? そう、これは律先輩に聞きたいことがあるから行くんです。 それは、えーと……部長の心得とか? ほら、このままいけば来年は私が軽音部の部長になるはずですから。 そこに唯先輩がたまたまいたら、挨拶ついでに『頑張ってください』くらい声をかけてもバチは当たらないはずです。 「こんにちは」 「お、どうした梓。珍しいな、三年の教室に来るなんて」 私の挨拶に答えてくれた律先輩もそこそこに、視線はやっぱり唯先輩を探してしまう。 そこには傍らに和先輩を伴って勉強に励んでいる唯先輩の姿があった。 「ん?」 自分へと視線を送ってこない私に違和感を覚えた律先輩は、私が見つめている背後に目をやった。 「ああ、唯か。凄いだろ、あの集中力。最近かなり勉強してるみたいだからな。で、梓。今日は何の用で来たんだ?」 「え、あ、あの、最近みなさんと会う機会が少なくなったので、この教室の前を通るついでと言ってはなんですが挨拶しとこうかなと思いまして」 ここで建前を言っても仕方ないと思った私は正直にここに来た理由を告げる。 ……まあ、全部正直に言うのも恥ずかしいですから、少しばかり脚色させてもらいましたけど。 「んー、確かに最近音楽室に全員集合ってのも少なくなったからなあ。なるほど梓も私たちに会えず寂しかったんだねえ」 律先輩は小さい子供をあやすように私の頭を撫でてきた。 「や、やめてください」 私は恥ずかしさから律先輩の手を払いのける。外見的には拒否反応を示したけど、内心少し嬉しかった。 「へへ。じゃあ、唯たちにも挨拶しとくか?」 「いえ、せっかく集中してるのに邪魔しちゃ悪いです」 「そうか、じゃあ私たちももう少し音楽室にも顔出すようにするから。しばらくは一人の時間が多くて寂しいだろうけど部活頑張れよ。 私たちに桜咲いたら、今まで一人にしてた分をチャラにするくらい一緒に練習してやるから」 「わかりました。律先輩も頑張ってください」 深々と頭を下げ、三年生の教室を後にする。律先輩の優しさと唯先輩の頑張る姿を思い返しながら。 その日の夜、私はベッドに寝転がり一人呟いていた。 「声ぐらいかけてもバチ当たらなかったかなあ」 一つ欲望が満たされたら違う欲望が生まれるのが人間だってどっかの誰かが言ってた気がする。 今の私はまさにそれ。 会えない時間が長かっただけ、あの時は姿を見られただけで満足だった。 だけどその姿を見てしまった今、それ以上のことを望んでいる自分がいた。 「ああ、もう。ウジウジしたってしょうがないじゃない、中野梓」 自分に言い聞かせるように――実際言い聞かせてるんだけど――私は声をあげ、体を起こす。 「メールくらいなら大丈夫だよね?」 これまた自分自身を納得させるため声に出しながら、私は携帯を手に取る。 「あんまり長いと迷惑だろうから、手短なのがいいよね」 文章を打ち込み、いざ送信というところまできて、再び私は思案する。 「やっぱ勉強の邪魔になるかなあ?」 あと一回ボタンを押せば送信という状態の画面を見つめながら私はしばらく考えをめぐらせた。 「うん、きっといい息抜きになるはずだよ」 決断のための独り言と共に私は指に力を入れる。 画面に写し出される送信完了の文字を見て、私はふうと溜息をついた。 「今日はホント、独り言が多いなあ」 ここ数分の言動を自嘲しながら私は仰向けに倒れこみ天井を眺める。 緊張感から解放された私はそのままゆっくり意識を闇に落としてしまった。 「……ん? 私寝ちゃってた?」 ぼんやりとする目をこすりながらベッドから起き上がろうとする。 そのとき指に触れた携帯電話。それが一気に私の意識を覚醒させた。 「そうだ、メール!」 急いでメールを確認する。唯先輩からの返信メールがあるかもしれないからだ。 寝てしまったとはいえ、もし唯先輩からのメールが届いていたら結果的に無視した形になってしまう。 さすがにそんなことで怒る人は少ないだろうし、唯先輩もそんな人ではないけど、私から送った手前、その状況は避けたかった。 「……まだ来てないか」 恐れていたことは起きていなかったという安堵と共に別の感情も湧き上がってくる。 「勉強も忙しいし、返事がなくても仕方ないよね。きっと読んではくれてるだろうし」 これも自分を納得させるための独り言。一体今日何回目だろう。 「寝よ」 枕元に携帯を投げ、つけっぱなしにしていた電気を消してベッドへうつ伏せに倒れこむ。 そのとき、 「……っ!」 携帯が着信を知らせてきた。 頭のすぐ近くで鳴っている携帯を手に取り画面を確かめる。 『新着メールあり』 その文字を確認した私は急いでメールを開く。 『あずにゃんメールありがと。 ケータイマナーモードにしたままだったから気づかなかったんだ。ごめんね、返信遅れちゃって。 あと、もしこのメールで寝てるとこ起こしちゃったなら、それもごめんね。 やっぱ勉強って大変だね。和ちゃんや澪ちゃんみたいに真面目にやっとけばよかったなあって思ってるよ。 あずにゃんは私みたいな苦労しないようにちゃんと勉強しなきゃダメだからね。先輩からの忠告だよ。 それじゃ寝てるかもしれないけどおやすみ、あずにゃん。 PS.あずにゃん分不足気味だよう。もうすぐでお試し期間も終わるから、その時にたくさん補給させてね。』 「フフ、唯先輩らしいなあ、マナーモードにしてて気づかないのも、最後の一文も」 返信がなかった理由がわかり心のモヤモヤはすっかりどこかに吹き飛んでいた。 「起きてたから大丈夫ってのとおやすみなさいって送っとこ」 数十分前はあんなに送るべきかどうか悩んでいたメール。 「……送信、っと」 二回目は簡単に送ることができた。 「よし、寝よう」 この日の私は数分前の状況からは想像できないくらい、温かな気持ちで眠りにつけた。 数日後、お試し期間終了の日。 「あずにゃーん」 音楽室の扉を開けるなり他の先輩を置き去りにして唯先輩は私に飛びついてきた。 「ちょ、唯先輩。苦しいですよ」 いつも以上に力を込めて抱きしめてくる唯先輩。 少し苦しかったけど、唯先輩の柔らかな感触がとても心地良く、懐かしかった。 「会いたかったよう。あずにゃんは寂しくなかった?」 「べ、別に寂しくなんかなかったです」 「私は寂しかったよう。それじゃああずにゃん、久しぶりに一緒に練習しよう」 「私はいいですけど、勉強しなくていいんですか?」 「大丈夫!」 「一体どこからその自信が出てくるんですか?」 私は確認の意を込めて他の先輩に視線を送った。 「まあ、唯もこの期間中頑張ってたし、息抜きも必要だろ。私たちも久しぶりに合わせたいし」 「久々に全員集まってるしな」 「それじゃお茶したら練習しましょ」 意気揚々とティータイムを待つ唯先輩に澪先輩は冗談めかして注意した。 「練習するのもいいけど、せっかく勉強したことを忘れないでくれよ。また忘れるようなら、もう一回梓とは会わない期間を設けないとな」 「えっ、そんな」 澪先輩の言葉に真っ先に反応したのは唯先輩、ではなかった。 「あずにゃん?」 「え?」 「お?」 「あらあら」 「あ……。えっと……」 そこには唯先輩より先に声をあげてしまい、先輩たちの視線を一身に受ける私がいた。 おわり 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る