約 1,237,016 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/640.html
その日は縁日だった、何気なく立ち寄ったゆっくり屋で、私は子ゆっくりを買うことにした 子ゆっくりはテニスボールくらいの大きさで、みんな元気に跳ね回っていた 私は隅っこにいた、ゆっくりれいむを一匹買うことにしたのだが 「いやだよ!まりさとはなれたくないよ!」 「そうだよ!まりさはれいむといっしょにいたいよ!」 などと、野良ゆっくりだった頃の友達だろうか?れいむを連れて行こうとする私にまりさが抗議をする 怒ったテキ屋の兄ちゃんが、ゆっくり棒で軽く殴るが連れて行かせまいと、れいむの前に立って体を膨らませて威嚇している ゆっくりの美しき友情に心底感動した私は、当初の予定を変更して、この仲の良いゆっくり達を全て買い取ることにした 「一匹飼うのも二匹飼うのもそう変わりません、仲の良い友達同士、離れ離れにするのは酷なことですからね、二匹とも買い取りましょう」 「そうか、いやぁ~すみませんね、お兄さん」 仲間と離れ離れにならず、みんなで一緒にいられると聞くとゆっくり達はとても喜んでくれた 「ゆゆ~!ありがとうおにーさん!」 「まりさたちをゆっくりかわいがってね!」 君達を可愛がる?そんな事をする気は毛頭無い こうして二匹のゆっくりを購入した後、途中で射的をしたり、綿飴やりんご飴を買ったりして家路についた 道中、ゆっくり達は歌を歌ったり、仲間と一緒にとび跳ねたりして楽しそうにしていた 見ていると本当に心がなごむ、愛らしい姿なんだろう、最も私には不快にしか映らないが お腹がすいたというので千切った綿飴を少しあげると、喜んで食べてくれた 「おにいさんはゆっくりできるひとだね!れいむとってもゆっくりできるよ!」 「おいしいおかしだね!とってもおいしいよ!」 普通のゆっくり達ならお菓子を奪い合ったり、喧嘩をするが、このゆっくり達は平等に綿飴を分け合って食べている ゆっくり達の顔はどれも名前の通り、安心しきった、ゆっくりとした表情をしていた あぁ、早くこの顔を絶望に歪ませたい 家に着くと、ゆっくり達はさそっくお家宣言を始めるゆっくり達 「おっきなおうちだね!れいむたちのゆっくりプレイスにするよ!」 「まりさたちにぴったりのおうちだね!」 家に入るとすぐに自分たちのお家宣言をする、これはゆっくりの悪い癖だ、このセリフのせいで虐待されたゆっくりはどれだけ居るのだろうか? ともかく玄関先で騒がれては近所迷惑になってしまう、私はゆっくり虐待用の部屋にゆっくり達を連れていき、籠から出してやる ゆっくり達は無邪気に飛び跳ねながら楽しそうにしている虐待し甲斐のあるゆっくり達だ 「おにいさん!おなかへったよ!」 「ごはんをもってきたらまりさたちのおうちでゆっくりしてもいいよ!」 何がおなか減っただ、身の程をわきまえないとひどい目にあうということを教え込んでやる 楽しそうに飛び跳ねているれいむの髪を掴んで、乱暴に持ち上げる 「いっ!いたいよおにいさんゆっくりおろしてね!」 痛みに顔をしかめながら、れいむは私をぷくーと膨れて睨みつけてくる お友達が痛い目に逢っているのを見るなり、まりさもぷくーと膨れて怒っている 「おにいさん!れいむのかみをつかむのやめてあげて!」 友達が痛い目にあうと、自分のことのように怒る、良い子だな本当に、だからこそ痛めつける 「ははは、すまないね僕は良いゆっくりにも、悪いゆっくりにもとても厳しいお兄さんなんだ 特にこのれいむは心の汚れた悪いゆっくりだから、特別痛めつけてやるんだよ」 私の滅茶苦茶な説明を聞くなり、れいむは涙声で反論する 「ひどいよ!ひどいよ!れいむはいいゆっくりだよ!」 うるさいゆっくりだ、お仕置きが必要だな、私は素早くポケットから縫い針を取り出すとれいむの後頭部に軽く突き刺す もちろん、これで殺すわけではないあくまで浅く突き刺す、しかしれいむにはとても痛かったようだ 「ゆ゛っ゛!いだぁい!」 れいむの声がうるさいので、泣きわめくれいむにゆっくり用の猿轡をつけると、加工所のベストセラー商品、透明な箱に入れる ちなみに、この透明な箱の底には薄く水が張っておいた、少しでもゆっくりに不快な気分になってもらうための一工夫だ 中でれいむはふごふご言っているが無視 まりさはれいむを傷つけた私に向って怒鳴り始めた 「ひどいよおにいさん!まりさたちのおうちからでていってね!」 馬鹿なゆっくりだな、ここは先祖代代受け継いできた家だ、貴様らの家だと笑わせるな 「ここが君のうち?馬鹿言わないでくれ、先祖代代受け継いできた家なんだぜ 君みたいな身の程知らずの馬鹿には死ぬまで苦しんでもらうよ」 私はまりさの帽子を取り上げると、まりさの頭を針で何度も突き刺す 「ゆゆっ!いだいおにーさんやめて!やめて!」 まりさは針から逃げようと右往左往逃げ回る、愉快な奴だ 軽く蹴り飛ばすと「グッびゅ!」と鳴きながら転がっていく 箱の中でれいむがまたふごふご言いだした、大事なお友達が痛めつけられるのをよく見とけ、ボケが 痛みで動けないまりさをれいむと同じ様に、透明な箱に入れる そして、箱の中に河童印の唐辛子スプレーを吹きかける 「ゆぎゅっ゛つ゛!い゛だぁ!」 体中に焼けるような痛みを感じて、鼻水と涙を流しながらまりさは悶え苦しむまりさ 苦し紛れに飛び跳ねているから、透明な箱中に鼻水や涙が飛び散っている、汚いゆっくりだ さて、少し運動もしたし腹が減った夕食にでもしよう 私は虐待部屋から出るとすぐ、食事を始めた 炊き立てのご飯に昨日のカレーの残りと温泉卵を乗っける、独り身だと夕食なんたこんなもんだ 食べ終わるとすぐに私はゆっくり虐待部屋に向かう 食事の間中も頭の中はゆっくりを痛めつけることで一杯だった、こんな私は巷で話題のゆっくり虐待脳なのだろうか? 私は虐待部屋に戻ると、透明な箱に入っていたれいむとまりさを乱暴に引きづり出した れいむは箱から出るなり私に体当たりをしようとする、しかし、長い間底部が水に浸かっていたせいか、ふやけてうまく跳ねれない かといって、罵詈雑言を吐こうにも猿轡を噛んでいてはそれも叶わない、結局膨らむだけにしたようだ 一方まりさはさっきのスプレーでのどを痛めたのか、しきりに咳をしている ざまぁみろゴミ虫め 「君達も疲れているだろう、このダンボールの中で寝なさい」 出来るだけ優しく言ってやったが 「ん~!んんむんむ~!」 「おにいさんのいうことなんかきかないよ!とっとときえてね!」 だそうだ、人の好意も素直に受け取れない糞ゆっくりは…こうだ! 二匹の髪を掴むと、ダンボールの中に手加減して叩きつける 「ゆ゛っ!ひどいよおにーさん!」 「ん゛ん゛んぅ!ん゛~む゛ぅん!」 「ゆっくりできてないよ!れいむだいじょうぶ!れいむ!」 まりさは体が少しへこむ程度で済んだが、れいむは違った 水を吸ってふやけていた底部が破けて、餡子が滲み出できている 痛みに身をよじって体を揺らしている、おおきもい、きもい こんなに痛がるなら猿轡を外してからやればよかった、そうすればれいむの苦しむ声をたっぷり聴くことができたのに 少し軽はずみな行為をしてしまった事を恥じながら、れいむの猿轡を外す 「ゆ゛ぅえ゛っぐ…ひ゛っぐれ~むのあしが!」 「おちついて!ゆっくりなおるからおちついてね!」 「ゆっぐ…ひっ…ぐ…ゆっゆ」 「おちついて!だいじょうぶだよれいむ!」 ゆっくりにとっての足の部分が破けたショックで、過呼吸気味のれいむを落ち着かせようと、まりさが頬擦りを始めた 頬擦りはゆっくり達の友愛の証でこれをする方もされる方もゆっくりできるらしい しかし、私に貴様らをゆっくりさせる気は全く無い ゆっくり共の入ったダンボールを持ち上げると、上下左右に素早く小刻みに揺らす 中のゆっくり達はピンポン玉のように、あっちに飛んだりこっちに飛んだりして、ダンボールにぶつかる度に悲鳴を上げているいる これなら、ゆっくりピンボールとか作ったら売れそうだな 「じしんだよ!こわいよいやだよ!」 「いだいよ!いだっひぅあしがいっだいよぉ!」 まりさは地震と勘違いしてしまったようだ、眼を固くつぶって震えながら転がっている、馬鹿な奴だな れいむの方は揺れて転がることで傷口がどんどん広がっている、漏れ出す餡子の量も多くなってきている ここで殺すのもありだが、もう少し生かしてやることにした ダンボールから二匹を出すと、まりさが私に泣きついてきた 「おにーさん!このままじゃれいむがしんじゃうよ!いままでのことゆるしてあげるかられいむをなおして!」 「まりさだけでもにげて!このままじゃまりさがゆっくりできなくなるよ!」 「れいむはだまっててね!まりさはれいむといっしょじゃなきゃゆっくりできないよ!」 この言葉には普通の人なら感動するだろうが、私には骨の髄までゆっくり虐待の血が流れている どんな感動的なことをしたとしても、それがゆっくりなら虐待するまでだ 「なるほど、まりさはれいむのことを治してあげたいんだね?」 「そうだよ!ゆっくりしないでれいむをなおしてね!」 「しょうがないな、私なりのやり方で治してあげるよ!」 私は素早くれいむを仰向けにすると、濡れてふやけた底部の皮をむりやり剥ぎ取る 「ゆっ!いだい!いだぁい!いだい!」 「れ…れいむになにするのー!しね!しね!」 まりさは顔を真っ赤にして私に突撃してくる、それこそ私を殺すつもりの体当たりだったのだろう しかし、しょせんはゆっくり、痛くもかゆくもない、むしろぷにっとして気持ちいい だが、ゆっくり風情が人間様に楯突くとはどういうつもりだ 私は力の差を教えるためにも、まりさを捕まえると、右目の部分に噛み付き、引きちぎった 口の中が程よい甘さでいっぱいになる、しかし私は辛党だ、ゆっくりなど食べても不快な気分にしかならない 嫌々、何度か咀嚼してすぐに吐き捨てる、左目は縫い針で何度も突く、突き刺すたびに目からは餡子とは違った、透明な液が噴出する 言葉にならない叫びを発するまりさを思い切り殴りつける、後頭部がへこんで口からボトボトと餡子をおう吐し始めた ふぅ…すっきりした、たまにはこんな風にワイルドに痛めつけるのも悪くない 第一、れいむに関しては本当に直してやるつもりだったんだ、それを死ね、などと言われたら少しくらい怒ってもしかたないではないか 「こないでぇ!いじめるのはまりさにして!こないで!」 「ぎぃ!う!うっぷうっ…おぇ~」 さて、れいむはというと、さっきまりさにやった折檻がよほど恐ろしかったようだ 足のない身で、必死に私から離れようとしている まりさの方は、噛みちぎられた右目のあった場所と口から、命の源の餡子を垂れ流している 左目はどんより濁って、なにも映してはいないようだ しかし、れいむの「いじめるならまりさにして」発言は良く聞こえたようだ 「びどぉい!でいむびどいよ!」 と、餡子を口から飛ばしながら叫んでいる、それから一分とかからずまりさは息を引き取った まりさが死んだことを確認すると、私はまりさの底部をれいむのように剥ぎ取った 私は、逃げようとするれいむに近付くと、出来るだけ穏やかな表情を作って話しかける 「れいむ、今から私は君の体の治療をする、痛くするつもりは毛頭無い けど、もし逃げようとしたり、泣いたり、私を不快にするようなことをしたら、ただではすまないよ」 「わわかったよ!にげないしなかないよ!」 それなら良い、私はまりさから剥ぎ取った底部をれいむの底部に張り付ける、ぴったりとはいかなかったが ゆっくりは単純でいい加減な生物だ、すぐに癒着するだろう 「これで大丈夫、しばらく動かなければきちんと歩けるようになるよ」 「ゆっ!それじゃあうごかなふぎゅ!」 すかさずれいむを踏みつける 「何かしてもらったら、普通はありがとうございましたって言わないかな?」 「ゆぐ…ありぎゃとうごじゃいまちた!」 痛みに耐えてれいむはお礼を言った、この男に逆らえば絶対にゆっくりできない、というのがゆっくりブレインにもよく分かった それからしばらくすると、れいむの皮とまりさの皮はきっちり癒着して、普通の状態に戻っていた 「良し、治ったね、それじゃあちょっとジャンプしてくれ」 「ゆっ!わかったよ!ぽよーん!」 なるほど、きちんと癒着しているようだジャンプ力も問題ない れいむが不快な擬音を口にして飛び上った瞬間、私はれいむの底部をけり上げた 「ゆぎゅ!」 移植したばかりだった、れいむの底部は簡単に破れた 痛みに悶絶するれいむを無視して、まりさの死骸から口を削ぎ落とす そして底部の破れた場所に、無理やり押しあてる 「ぎゅぅ!!!いふぁい!いだいぢだい!」 「黙れ、殺されたいか」 「ぎゅ!っつ…ん…む」 私のことを本当に恐れているのだろう、れいむはすぐに静かになった それから五分後、れいむは底部に口を持つ、世にも珍しい二つの口を持つゆっくりになっていた その結果に満足した私は、れいむを小さな透明な箱に入れると、今日一日の疲れを癒すべく寝室に向かった 一方れいむは、男への怒りで体中が爆発しそうだった 透明な箱はれいむのサイズより一回り小さかったが、男に無理やり押し込められた、身動き一つ取れない なんで可愛いれいむがこんな目に会わなきゃいけないの? 腹立たしげにれいむは呟いた 「「ゆっくりできないよ!」」 れいむは驚愕した、自分の体から死んだはずのまりさの声がしたのだ 「「まっまりさ!いきてたの?」」 しかも、不気味な事に自分の言うことを真似してくる これは、まりさの霊がれいむを祟りに来たんではないか そう思うと、体中から冷や汗が出てくる 「「れっれいむはわるくないよ!」」 「「しんでるくせにふざけないでね!」」 「「まねしないでよ!」」 「「ねぇ!やめてよ!」」 「「れいむはわるくない!ほんとだよ!」」 「「おねがいだから!まねしないでね!」」 「「やめてやめてれいむはわるくないよ!」」 れいむは朝まで自分の発した声に怯えていた 私は朝起きると、朝食をしっかり取ってから虐待部屋に直行した 中ではれいむが何やらぶつぶつ言っている、そして同時に死んだはずのまりさの声も聞こえてくる、どうやら成功したようだ 「おはようれいむ、昨日はよく眠れたかい?」 「「おにーさん!たすけて!まりさがどこかにいるよ!れーむのまねをするよ!」」 私は塩水をたっぷりれいむにかけてやった 「「ぎゅぅ!からいよ!くるしいよ!」」 「朝のあいさつはおはようございますだろ、言ってみなさい」 「「おはようございます!」」 「よろしい」 れいむは辛い辛いと騒いでいたが、いきなり真っ青になって私に体の異変を訴えてきた 「「ゆ゛っ!へんだよ!すっごくへんだよ!」」 「何が変なんだい、言ってごらん、れいむ」 「「れいむのあしがあじがわかるんだよ!へんだよ!おかしいよ!」」 私は苦笑してれいむの疑問に答えてやった 「それはね、君にまりさの口を移植してやったからさ、君の足にはまりさの口があるんだよ」 「「そそんなはずないよ!いやだよおくちはひとつでいいよ!」」 真実を教えてやったのに、そこまで言うなら仕方ない、れいむを透明な箱から取り出すと床に落とす ゆっくりの底部は頑丈で弾力がある、普通のゆっくりならこれ位痛くもかゆくもない しかし、れいむは違った 「「いだぁい!いだぁいよなんで!」」 れいむの底部には、まりさの口が付いていた ゆっくりの口はそう頑丈じゃない、裏返してみると何本か歯がへし折れていた 騒ぐれいむを無視して、私は一メートル四方の超巨大透明な箱を持ち出す 中にたっぷり塩を入れると、その中にれいむを放り込む れいむは底部を塩の床につけるなり、辛い辛いと騒ぎだした 騒げば騒ぐほど、底部の口から塩がれいむの体内に入っていく あと数分もすれば、このれいむは大嫌いな塩でお腹いっぱいになれるだろう 「ゆっくり味わって食べなよれいむ、塩はたくさんあるんだから」 「「いや!たすけて!ゆっくりできないよ!からいよ!くるしいよ!たすけて!」」 二つの声で何かに助けを求めるれいむ ゆっくりにとって、塩は大量に摂取すれば死の危険性もある食糧だ、帰ってくる頃には苦悶の表情で死んでいるだろう 朝から愉快なものが見れた私は、虐待部屋から出た後すぐにゆっくり加工所に向かった そう、私はゆっくり加工所で働いているのだ、家に帰っても虐待、職場でも虐待 私はこの世で最も幸せな男なのではないだろうか、といつも思う 自分の本当に好きなことを職業にできたのだから 作:ゆっくりな人 以前書いた虐待 ゆっくりカーニバル 臭い付きゆっくり(上) 臭い付きゆっくり(下) このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/190.html
前書き このお話は現実世界にゆっくりが出現したような世界観で書かれています。 ゆっくりを飼い始めて1ヶ月ぐらいだろうか。 留守中にどこからか入り込り込んだゆっくりが布団で寝ていたときは驚いたが、 急いで台所を確認するがあらされた様子はない。 インスタント食品ばかりでゆっくりが食べられるようなものが無かったのが幸いした。 帰ってきた俺の気配に気づいたゆっくりが目を覚ます? 「・・ゆ?おじさんだーれ?ゆっくりできるひと?」 お決まりの台詞だ。 「ちらかってるし、ごはんもないけど、ゆっくりしていってね!」 確かに散らかっているが、お前が言う事じゃない。 起きたゆっくりがおもむろに動き出す。 「ゆ!」 ドーンと体当たりすると積んでいた漫画や雑誌の山が崩れだす。 ゆっくりはあたりをキョロキョロと何かを探しているようだった。 「ゆー、やっぱりごはんがないよ。」 「おじさん、ここはあんまりゆっくりできないところだから、 べつのところでゆっくりしたほうがいいよ!」 そう言うと今度は脱ぎっぱなしの洋服をくわえブンブンと振り回し始める。。 「おい!やめろ!」 あせって、ゆっくりを掴み取る。 「ゆ、ゆっくりはなしてね!れいむはおなかがすいたの!ごはんがないとゆっくりできないよ!」 「お前、お腹すいているのか?」 「すいてるよ!ゆっくりなにかたべさせてね!」 「あ、ああ、なにか食べさせてやるよ」 先に言われてしまったが、とりあえず何か食べさせてみよう。 冷蔵庫をあけ探してみるが、自炊などしないのでろくな物が無い。 「ああ、これなんていいかな。」 手にした食べ物をゆっくりに差し出す。 「ゆっくりたべさせてね!」 そう言ってゆっくりは口を大きく広げる。 こいつのあごの間接はどうなっているんだろうか。 「・・・・・・」 しらばらくそのままにしてみると、ゆっくりのまん丸な目がこちらを向く。 その目が徐々に早くしろよと言いたげなふてぶてしい物になる。 いいかげんに口に入れてやると、むしゃむしゃと幸せそうに味わいだす。 「うまいか?」 俺の問いかけに無言で口をあける。 「うまいか?」 もう一度聞くとさっきと同じような目をこちらに向ける。 俺が用意したご飯を食べ終えたゆっくりは窓際の日光がさしている所まで行き昼寝を始めた。 満足したのだろう。カビの沸いた蜜柑でもおいしいようだ。 それから今日までゆっくりは俺の生ごみ処理機として暮らしてきた。 もっとも、与えるのはカップメンの残り汁やまずくて食べられなかったコンビニの新商品ぐらいだった。 おなかがすいたと不満を漏らす事もあったが、目をつぶらせオレンジジュースと偽り水を流し込めばそれで満足していた。 さすがにおにぎりの包み紙や弁当の容器は食べられないようだが、小さいものであれば無理矢理の飲ませることもできる。 使用済みの丸めたティッシュやお菓子用の小さい包装紙はゴミとして出す必要がなくなった。 ゆっくりを飼ってから最初の冬を迎える。 家にはエアコンやファンヒーターといった都会派な暖房器具は無い。 暖をとるには一人用のコタツしかない。 昼間、日光がさしている時はそうでもないが夜になるとコタツ無しではいられない。 今夜もいつもの様に冷えてきた。 「さむいよ!ゆっくりさせてね!」 そういってコタツに入ろうとするゆっくり、 しかし、一人用のコタツは俺の足だけでいっぱいでゆっくりが入るスペースは無かった。 コタツ布団をもぐるだけでならスペースはあるが、 ゆっくりは真ん中のヒーターの下に移動しようとグイグイと押してくる。 かかとを落とすと静かになるのでそのまま蹴り出す。 そうすると静かになるので、そのまま蹴り出す。 ある日、帰ってくるとゆっくりの姿が見当たらない。 寒い外から帰って来た俺にはそんな事よりコタツが先だった。 カバンを置いてイソイソとコタツにもぐりこむ。 ああ、暖かい。ここが俺の桃源郷、体が温まるまでここでしばらくゆっくりしよう。 だが、待てよ。小さい一人用のコタツでもこんなに早く暖かくなるだろうか。 スイッチを切り忘れたか?いや、出かける前に切った記憶はある。 それに、なんだろう?このあったかいぷにぷにした物体は・・・。 コタツの中をみるとゆっくりがいた。 まさか、こいつが勝手にスイッチを入れたのだろうか・・・。 「ゆ?おじさん、おかえり!おなかすいたよ!ごはんまだ?」 「うるさい!おまえは出ろ!」 「ゆぐ!」 ゆっくりをコタツからけり出すと、ピョンピョン跳ねながら怒りをあらわにした。 「そこはれいむのゆっくりぽいんとだよ!おじさんはでてってね!」 「そんなにゆっくりしたいなら、おそとでゆっくりするよいいよ!」 「ゆっくりできないひととはいっしょにいられないよ!とっととでてってね!」 「そうか、おまえあったかい所でゆっくりしたいんだな・・・。」 「そうだよ!だからおじさんはでてってね!」 「ゆっくりするならもっといいところがあるよ。」 「ゆ?いいところ?だったらはやくあんないしてね!」 俺はコンロに鍋を置きその中にゆっくりを入れ蓋をしめる。 「ゆ!くらいよ!ここどこ!」 「おのれ謀ったなゆかり!だがこれで勝ったと思うな!」 「人の世に闇がある限り私は何度でも蘇る!」 「せいぜいその時まで・・・」 「ゆっくりしていってね!!!」 途中から訳のわからないことを喚きだすが、無視して火をつける。 火をつけて3分・・・・ 「ゆ?あったかくなってきたよ!ゆっくりできるよ!」 火をつけて5分・・・・ 「ゆふーzzZ・・・ゆふーzzZ・・・」 火をつけて10分・・・・ 「ゆ?あっあつよ!!ここどこ!ゆっくりだしてね!!!」 火をつけて15分・・・・ 「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!あ”つ”い”-!!た”し”て”ー!!こ”こ”か”ら”た”し”て”ー!!!!」 「お”し”さ”ん”た”す”け”て”ー!!あ”つ”い”よ”ーー!!!!」 助けを求めてきたところで蓋をあける。 暑さに震えているゆっくりだが、俺の顔を見るといくらか安堵した顔をみせる。 「あ”あ”あ”・・・、お”し”さ”ん”た”す”け”て”・・・」 俺は鍋一杯になるまで水を入れてやる。鍋の温度は下がり水はぬるま湯になった。 ゆっくりはぬるま湯につかって気持ちよさそうにしていた。 「出してやろうか?」 「ゆ?もうちょっとここでゆっくりするよ!あとでだしてね!!」 「そうか、じゃあここでゆっくりしね」 「うん!ゆっくりしてるよ!!」 鍋に再び蓋をする。ゆっくりがまた何か言っているが気にせず蓋に重しを乗せておく。 10分ぐらい足っただろうか。 「おじさん!だして!そろそろだしてね!」 「はやくだして!ださないとゆっくりさせてあげないよ!」 「ゆ!ゆぐ!からだがとけるよ!はやぐたすけで!!」 いつの間にか静かになっていた。 時計を見ると水を入れてから30分ぐらいだ。 俺が静かになった鍋の蓋をあけるとそこには・・・・ Fin 後書き どうみてもお汁粉です。本当にありがとうございました。 設定として必要ないのですが、登場したゆっくりは一応霊夢です。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1450.html
ゆっくりゃととある栽培者 ある日のことだ。僕が市場での買い物を終えて、我が家に帰ってきた時だった。 「うっうー♪ ぷっでぃーん♪ぷっでぃーんがたべたいどぉ~♪」 自分の家の庭が騒がしかったので、何事かと思い庭に向かう。しかしそこで見たのは、目を疑うような光景だった。 まず目に飛び込んできたのは、小さいなりに僕が丹精込めて作った家庭菜園が無惨に荒らされていた光景と、 そこら中に散らばった野菜の変わり果てた姿だった。そして、ぐちゃぐちゃに荒らされた畑の上で、体つきゆっくりれみりゃ、 通称ゆっくりゃが僕の育てた野菜を引っこ抜き、傍らに投げ捨てていた。 「おやさいきらい!まじゅいのぽい!!すてちゃ、うー☆」 ゆっくりゃは、舌足らずな言葉で何言か嬉しそうに喋っている。そして僕の目の前で、まだ畑に埋もれている野菜を、 手に持った傘で掘り起こしていた。野菜を掘り起こして見つけるたびに、ゆっくりゃの円らな目がぱっと輝く。その瞬間だけは、 宝物を見つけ出したような子供のような微笑ましい表情に見えただろう。そのあと野菜を嬉しそうに投げ捨てていることに目をつぶれば。 見かけはいくら可愛らしく、子供らしい純真な姿でも、やっていることは全くの間逆な邪悪な行為である。 人様の敷地に勝手に入り込んで、さらに畑や家を荒らしたとなれば立派な犯罪行為であるのに、このゆっくりゃの豆腐よりも 柔らかそうな構造の脳細胞では理解することができないのだろうか。 この光景をしばらく呆然と見ていた僕。ふと我に返った時には、僕の好物であり、家庭菜園の中で特に手塩にかけていた愛しいプティトメィトゥーが ババ臭い服を着た悪魔の手で毟り取られる寸前であった。 やめろッ!その泥と肉汁で穢れた薄汚い手で僕の神聖なプティトメイトゥーに触るんじゃあないッ! 「おい貴様ッ!何をしてるッ!!」 咄嗟に出したにしては自分でも驚くような大声が口をついて出ていた。その声に一瞬硬直するゆっくりゃ。 自分の知らない人間からいきなり怒鳴られ、当然の反応だろう。しかし、次の瞬間にはさっきのふてぶてしい笑顔が復活し、 こっちに向かってもたもたと近づいてきたではないか。 「う~☆おながすいだ~♪ぷっでぃんたべどぅ~☆」 そういって何かを期待するように僕を見つめ始めた。 僕が、奴のあまりの図々しさにしばらく動けないでいると、奴は地団駄を踏み、その下膨れの顔をさらに膨れさせて僕に向かって言った。 「う゛~~!!どっどどぷっでぃんかっでくどぅどぉ~!!ざぐやにいいつけぢゃうどぉ~!!」 やたらと濁音の多いセリフだ。どうにか解読してみると、どうやら僕に『ぷっでぃん』なるものを買って来いと命令しているようだ。 解読に成功した途端、僕の理性がプッツンしそうになった。 僕よりも明らかに年下の風貌のくせして、こいつは僕に命令しようとしているのだ。あろうことか僕の大切な家庭菜園を 再起不能にしたあとで。 どうにかして断裂寸前だった理性を繋ぎ止めると、僕はゆっくりゃに向かって静かに、しかし威厳を込めた声で言い放った。 「ここはおまえのような饅頭が入ってきていい場所じゃあないんだ。とっとと僕の目の届かない所へ消えうせてくれ。」 しかしゆっくりゃは僕の最後通告すら無視した。 「う゛-!!いいからかっでぐるどぉ~!がってごないどた~べちゃ~うぞ~!」 ……ほう、そういうことを言うのかこのクサレ肉まんは。そういう態度を取るのかこのド低脳は。 いいだろう、お前がそこまでの決意を持っているなら僕も決意をみせてやる。『絶対にタダでは済まさん』という決意をだッ! 「わかった……『ぷっでぃん』が欲しいんだな…?家の中で待っていろ…。」 「うっう~☆ぷっでぃ~ん♪」 そういってゆっくりゃはもたもたと僕の家の戸口に向かう。その隙に、急いで壊滅寸前の家庭菜園に近づく。さっきから気が気では無かったのだ。 あの時、まだ奴は手を付けていなかったハズ………やった!無事だッ! 思わず顔を綻ばせ、足取り軽く玄関に向かう僕の腕の中には、大切なプティトメイトゥーちゃん達の姿があった。 家庭菜園は再起不能になっちゃったけど、この子達だけでも助かったのは不幸中の幸いだったな! そんなことを思いながら玄関に戻ると、ゆっくりゃが泣きながら、玄関の引き戸を手前に引っ張っていた。 どうやら引き戸の開け方がわかっていないらしい。よくもまぁ今まで生きてこられたものだ。僕は思わず溜息を漏らした。 家の中に入ると、ゆっくりゃは辺りに置いてある物に興味津々の様子で、なかなか前に進もうとしない。 僕はそんなゆっくりゃの尻を突っついて急かし、奥に向かわせた。途中何かゆっくりゃが講義するような目で僕を睨んでいた気がしたが、 無視することにした。 そんな幼児体系に色気も恥じらいもあったものではないだろう。恋や懸想をするならもっと大人びた、優しいカンジの女性がいいと思います。守ってあげたいと思う…。 「う~?ぷっでぃんどこぉ~?」 しばし物思いに耽っていた僕の心は、耳障りなゆっくりゃの言葉で現実に引き戻された。いけないいけない、僕としたことが…、剣呑剣呑。 ゆっくりゃはというと、部屋の中に勝手に入って辺りをきょろきょろと見回している。一人暮らしをしているにしては、 僕の部屋はかなり片付いている方だと思う。食料やら何やら大事なものはそこらへんに置いたりせず、きちんと整理しているからだ。 そんな僕の部屋を見て、ゆっくりゃはあまり面白くなさそうな顔をしていた。 確かにゆっくり達からしてみれば、(ゆっくり達には)遊ぶものも食べるものも何も無いこの部屋は、さぞかしゆっくりできない、 つまらない場所だろう。もちろん、そう易々と侵入させるつもりもないが。 僕はゆっくりゃをその部屋に放置すると、急いで腕の中のプティトメイトゥー達を、野菜を入れている籠の中に非難させた。 「ほら、危ないからそこに隠れていてね。怖い怪獣に食べられちゃうからね。じっとしているんだよ?」 僕は籠から離れながら、プティトメイトゥーちゃん達に話し掛ける。プティトメイトゥーはいい。他人にも親にも理解されない僕の孤独と心を癒してくれる、大切な友人兼、話し相手だ。 もちろんプティトメイトゥーちゃん達は話すことはできない。僕が一方的に喋るだけだ。でも、そんなことは関係ない。 言葉がなくったって、気持ちはきっと通じるハズさ。だって、芽を出してこの世に生を受ける前からずっと僕が優しい言葉をかけつづけてあげていたんだから。いい子になってね、美味しくなってねって。きっと彼らも僕に食べられることを望んでいるはずさ。 そうに決まっている。あぁ、早く食べてあげたいなぁ……。グフッ、グフフフフフ……。 再び自分の世界に軽くトリップしつつ、ゆっくりゃの所へと戻る。奴は部屋の中央にペタリと座り込んで何やらみょんな歌を歌っていた。 「うっううー♪うーうー、うっうーうあうあ♪」 まったく、自分の境遇も知らないで、暢気なものだな。 僕は奴に多少の哀れみを感じながら、テーブルと椅子を持ってきて適当に座らせ、部屋の中を暴れ回られないように足を縛って固定すると、台所に向かった。 僕の可愛い子供達が助かって機嫌がいいとはいえ、僕は制裁をやめるつもりは無かった。 このゆっくりゃには、食べ物の大切さを教え込んでやらなければならない。二度と食べ物を粗末にしたりしないように。 プティトメイトゥーを食べずに捨てるなどという間違いを犯さないために。 さぁ、お仕置きの時間だよ、ベイビー。 とは言っても、僕は殴ったり体を切り裂いたりするような残虐な真似はしない。そんなことをしても、奴らが覚えるのは『痛み』と『恐怖』だけだ。肝心な事については、ほとんど理解してはいないだろう。そうならないために、僕は彼らに自発的に覚えさせるのだ。 食べ物を嗤った者は、食べ物に泣くということを…。 「ほら、お待ちかねの『ぷっでぃん』ができたぞ」 「うっう~!ぷっでぃ~~ん♪♪」 『ぷっでぃん』が何かわからないので適当なことを言いつつ、ゆっくりゃの前に皿を出す。 「うっう……う~?」 出された物を見て首をかしげるゆっくりゃ。それもそのはず、目の前の皿に乗ったコレは、皮の剥かれたただのタマネギであり、 ゆっくりゃが所望した『ぷっでぃん』とはまるで違うものだからだ。 「う゛う゛~~!!ぷっでぃんたべどぅの!!ぷっでぃんがいいの゛ぉ~~!!」 だだをこねて泣き叫ぶゆっくりゃ。ここで僕に一つ悪戯心が湧いた。 「それは見た目は変だけど、食べると『ぷっでぃん』の味がするんだよ」 それを聞いたゆっくりゃの泣き顔が一瞬消える。だがしばらくして、思い出したように再び喚き出した。 「ぢがうも゛ん゛!!ぷっでぃんはごんなにぐさぐな゛いも゛ん゛!!あま~~ぐでぷるっどじでるんだも゛~ん゛!!!」 さすがにコレはごまかされないか。でも僕は見たぞ。一瞬考え込んで嘘の言葉に流されそうになったのを…。 やはり所詮はゆっくりブレイン、たかがしれている。 「う゛~!!ごんなのいらにゃい!!ぽい!ぽいするもん!!」 そういってゆっくりゃは皮を剥いたタマネギを『素手で掴んで』投げ捨てた。ふん、やはり予想通りの行動に出たな。 後でお前は後悔することになる。今の自分のした行動を…。 僕はテーブルに腰掛け、皮を剥く際に手についた玉葱の汁をタオルでふき取りながら、ゆっくりゃの行動を観察することにした。 その後、ゆっくりゃはぷでぃん、ぷでぃんとだだをこねていたが、しばらくして目をしばしばと瞬かせ始めた。 玉葱の強烈な匂いの成分が、ゆっくりゃの目にちくちくと刺激を与えているらしい。やがて本格的に痛み出したのか、 ゆっくりゃは大声で泣き叫びはじめた。 「う゛あ゛ーーーー!!めぎゃいだいい゛い゛い゛い゛い゛!!ざぐや゛あ゛あ゛あ゛ーーー!!」 滝のような涙を流そうが、大声で助けを乞おうが、一度目にしみた玉葱の痛みはそう簡単に消え去らない。 そのうちゆっくりゃは、目に付いた玉葱の成分を何とか拭おうと手で目元を擦った。 あろうことか、大量に玉葱の汁が付着したその手で。 「びゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 当然の悲鳴。目を蝕む激痛に体を仰け反らせるゆっくりゃ。体を激しく動かして暴れるものの、固定された椅子からは逃れられない。 玉葱を侮ってうっかり素手で触ったのが運の尽きだったな。お前が今まで捨ててきた野菜の怖さを、玉葱を通してじっくりと思い知るがいい。 「ぎゃいいいい!!う゛あ゛あ゛あ゛~~!!」 もうすでに激痛でまともに思考ができないのであろうか、ゆっくりゃは激痛が走る目を無意識的に手で擦り、 「ぎゃお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!」 爆発したように泣き叫ぶ。今ここに地獄のゆっくりゃループが完成した。 「しょうがないな、ほら、これで顔を拭けばいい。」 そう言ってゆっくりゃに持っていたタオルを投げ渡す。そう、さっき僕が持っていたあのタオルだ。 「う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う」 タオルを渡されたゆっくりゃは、タオルに顔を埋めると頭だけを左右に振って顔を拭い、 「……………!………………!!!!」 そして仰け反る。もはや痛すぎて声も出ないらしい。 さて、一体いつそのループから抜け出せるかな?おっと、もうこんな時間か。プティトメイトゥーちゃんたちの話し相手をしてやらなきゃな。 僕は悶え苦しんでいるゆっくりゃを見て悶え喜びながら、その部屋を後にした。 それから僕は、時間を忘れてプティトメイトゥーちゃん達と最後になるであろう会話を楽しんでいた。 「今までよく頑張って育ってくれたね。おにいさんは嬉しいよ…。みんなとても美味しそうだね!食べるのが楽しみさ!」 おぉっと、すっかりあの部屋に放置していたゆっくりゃのことを忘れていた!楽しい時間はすぐに過ぎ去るということは 本当だったんだな…。 「それじゃみんな、あいつがゆっくり反省しているのを見ながら締めくくろうか!」 プティトメイトゥーちゃん達を入れた籠を小脇に抱え、ゆっくりゃのいる部屋に戻る僕。そこで部屋に足を踏み入れた僕は、 ゆっくりゃが愉快な状態、もとい悲惨な状態になっているのを見て呆然としてしまった。 「う゛う゛う゛う゛う゛!!」 ゆっくりゃは両手をピンとまっすぐ下に伸ばしたまま、プルプルしながら真後ろにエビ反りになるというなんだかすごい姿勢で硬直していた。 硬く瞑った目と、必死に食いしばった口元、そして全身を緊張させたその姿からは、目を襲う激しい痛みに耐えている様子がありありと見て取れた。 手を下に伸ばしているのは、なるべく腕を顔から遠い位置に固定し、玉葱の汁のついた手で無闇に目を触らないようにするという、ゆっくりゃなりの知恵だろうか。 見た瞬間、思わず噴出してしまった。 しかし、自分に困難な姿勢を強いて何かにひたすら耐えているという光景は、何処かの修行僧を彷彿とさせるな。 そう考えると、迂闊に邪魔はできなくなってきたので、しばらく放置する。 「う゛う゛う゛…!ごべん゛だざい゛…ゆ゛る゛ぢで…!」 どうやら玉葱責めは思いのほか効果を発揮したらしい。ゆっくりゃは真っ赤に泣きはらした目で僕を見て、嘆願してきた。 これほどの目に合わされたゆっくりゃは、もう二度と野菜を捨てたりしなくなるだろう。 僕の制裁はしっかりとゆっくりゃの心に刻まれたのだ。僕は自分の仕事に満足する。 しばらく見ていると、さすがに長時間のこの姿勢はかわいそうだと思い始めたので、椅子から拘束を外してやることにした。 急に固定が外れ、無理な体勢が崩れたためゆっくりゃは頭から床に落ちた。 「ぶぎゅっ」 カエルの潰れたような声でゆっくりゃがうめく。僕は床に這いつくばったゆっくりゃに問いかけた。 「もう食べ物を粗末に扱ったり捨てたりしないか!?」 「…もうじまぜん…」 「そうか…もし再び人様の畑を荒らすような真似をしたら、また罰を与えるぞ…こんな風な罰をな…。」 僕は今度こそ清潔なタオルで顔を拭いてやり、外に開放してやった。 別に殺すのが目的ではないのだ。しっかりと野菜に対する敬意を覚えてくれればそれで何も言うことはない。 地獄の責め苦から開放されたゆっくりゃは目が真っ赤な上に虚ろというなんだかすごい状態だったが、家の壁にぶつかったり 茂みに突っ込んだりしながらなんとか帰っていった。 ようやく、僕の家に静寂が訪れた。籠の中から一つプティトメイトゥーを摘み、口元に運ぶ。悶えているゆっくりゃを横目に、 プティトメイトゥーを食べるということは果たせなかったが、別に今となってはどうでもいい。 プティトメィトゥーが守られ、ちゃんとこうして僕の口の中にいる、それでいいじゃあないか。そういえば…アイツの言ってた『ぷっでぃん』が結局なんだったかわからなかったなぁ…。 そんなことをつらつらと考えつつ、僕は舌の上でプティトメイトゥーを転がしながら午後の優雅なひと時を過ごすのだった…。 「レロレロレロレロレロ、 レロレロレロレロレロ…」 END
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1371.html
「ホホホホ....よくぞいらっしゃいました。さて今日はどんなご用件で?ああ?猟ゆっくりをご覧になりたいと承知しました。ではこちらへ」 私はある興味深い話を聞いて里にほど近い廃農場を改築してできたゆっくりの養成所に来ていた。 「ここ最近ゆっくりの駆除数は多くなってますが、ゆっくり全体で見れば統計上減るどころかむしろ増えてるのが現状です なにしろあれはゴキb・・・失礼雑草のようなものですからねホホホホ...それはともかく減らないのは駆除の仕方に問題があるからなのです。 臭いものは元から断つのが一番。巣を見つけてコロニーごと叩きつぶすのが最も効果的と言うわけですなホホホホ.... しかし人間では隠れたゆっくりの巣を見つけるのは難しい。そこでわたくしめはゆっくりにやらせてみればと思いついたのです つまりはコペルニクス的思考転換と・・・オホン、まぁ毒を以て毒を制すと言う訳ですな」 歩きながらの男の説明終わったあたりでガラスの向こうに厩舎らしき場所にいくつもの鉄柵の囲いがいくつもある場所にきた 「ここは未来の生まれたばかりの猟ゆっくりの卵たちを育てる場所でございます。猟ゆっくりというのは若いうちから育てないといけません。 ま、当然ですな…躯が大きくなると態度も大きくなって育てるのも難しいですからなホホホホ....」 一つ囲いの中には大体5~6匹のちびゆっくり達が居る。まだビー玉大から野球ボール程の大きさの様々の子ゆっくりが飼育されている 「ゆっ!」 「ゆ~ゆゆ~♪」 まだまだ子供なのでどれも元気に跳ねまわったり、歌ったり、仲間同士で追いかけっこっしたり藁の上で飛び跳ねたりして遊んでいる。 「猟ゆっくりと言うのは全てのゆっくりがなれるものでは有りません。ここは適性があるかどうかを調べる場でもあるのです。おや… そろそろ時間の様ですな」 案内をしている男がそう言うと厩舎内のベルが鳴り始めた。すると周囲のゆっくり達が急に騒ぎ始めゆっくり達の大合唱が始まった 「ゆ!ゴハン~!」 「おなかしゅいたよ!はやくれいむにごはんをちょうだいね!」 白衣を着た男達がバケツを抱えてやってきた。男たちは囲いの前に立つと餌をエサ入れに流し込む。よく観察してみると小さいゆっくりの 囲いには大量の餌を入れているが、比較的育っている子ゆっくりの方にはその半分かそれ以下しか入れていない。明らかに囲いの中の ゆっくり達の十分の量なエサではない。どういう訳か尋ねてみる 「ホホホ...よくぞお気づきになられました。これも適性を図るプロセスの一つなのです。まぁこちらをご覧ください」 私は案内役に促され今白衣の男が給餌している一つの囲いを覗く。中では3匹の子ゆっくりれいむと2匹のゆっくりまりさ達がエサ台の前に集まっていた。 「ゆ!きょうはきのうよりごはんがすくないよ!おじさんごはんもっとちょうだい!」 一匹の子れいむが声を上げる。しかし白衣の男は次の囲いの給餌に行って既に居ない 5匹はゆーゆーと不満の声を上げていたが 「だいじょうぶだよ。わければみんなたべれるよ」 と5匹の中で2番目に大きいれいむが提案する 「みんなでいっちょでたべればおいちいよ!」 「そうだね!」 と嬉しそうに飛び跳ねながら口々に声を上げる3匹のれいむとまりさ 「そんなのぜったいやだよ!おっきなまりさはわけたらまんぞくできないよ。」 一番大きいまりさが異を唱えた 「ねんちょうしゃのいうことはぜったいだよ!」 それに3番目に大きいれいむが一番大きいまりさの横で援護する。こいつはどうも一番大きい奴の側らしい 「でもみんなでわけないとゆっくりできないよ!」 「そうだよ!」 口ぐちと非難をあげる3匹 「ちっちゃいくせなまいきだよ!まりさをうやまわないれいむはしね!」 そう言うとガキ大将は他の3匹を跳ね飛ばす。 「ゆぎゃっ!」 「い゛た゛い゛よぉぉぉ!!」 「ゆ゛う゛う゛う゛ぅぅぅぅ」 3匹と言えど体格差ではまりさには足元に及ばず成す術もない 「おねえちゃんのいうこときけないけっかがそれだよ!」 と言ってガキ大将の側についてた腰ぎんちゃくのれいむが跳ね飛ばされて動けないゆっくり達の傍で芥悪態を付く 結局餌はガキ大将まりさが総取りし、そのおこぼれを腰ぎんちゃくのれいむが食べていた 「ハフッハフッ!めっちゃうめ!」 「しあわせ~♪」 「おなかすいたよぉ~…」 「ずるいよぉ~…」 「ゅぅ…」 残る3匹はおこぼれすら貰えずその様子を見て愚痴ることしかできなかった。しかし空腹に耐えられず敷いてある稲藁を力なく 食み始めた 「さてお客様ここで一つクイズです。この5匹の中猟ゆっくりの適性があるのはどれだと思いますか?」 私はおそらく一番大きいゆっくりまりさでないかと答えた 「なるほど…ホホホ、それでは選別を行いますのでしばしお待ちください」 案内役はジェスチャーで指示を出すと、一人の白衣の男が今みていたゆっくり達の囲いにやってきた。 「ゆ?おじさんこんどはでざーと?はやくだしてね!」 ガキ大将まりさは開口一番生意気な口を叩く。白衣の男は何かを取り出す 「じらさないでまりさのためにはやくちょうだいね!」 白衣の男は表情一つ変えず何かをまりさの口に素早く突き出す そばで大きな口を開けて餌をねだる口には餌の代わりに尖った鋭い棒が刺さる 「げぶぁッ!」 後頭部に突如風穴を開けられるガキ大将まりさ 「どぉぼでぃでぇぎょんぼどずるのぉ...」 ガキ大将まりさにさした棒を引き抜き何度も突くのが繰り返される 「ゆ゛…ふ゛り…たか…よ」 何かを言い残し息絶えるガキ大将まりさ 「ざまぁだね!」 「いじわるなまりさしんでね!」 それを見たガキ大将に跳ね飛ばされてた3匹のゆっくりは嬉々として飛び跳ねる 「ホホホホ....お客様残念ですが不正解です。あのゆっくりまりさは体格や強さなどは申し分ありませんが、猟ゆっくりに求められるのは、 他の猟ゆっくりとの協調性と主人への忠誠心。 ゆっくり狩りというのはゆっくりの集団を追い込み仕留めるのを目的しております。 単独では難しいので普通はチームを組むのが基本です、お山の大将など必要ありません。強さなどは二の次…そんなものは訓練次第でどうでもなります。無論同族食いする様なのはNGですぞ。例えば10匹の群れを追うのに1匹に食いついて9匹を逃すようなのを猟ゆっくりとは言えませんからねホホホホ....。 それと人を小馬鹿にするようなことを堂々と言うゆっくりが主人の言う事など聞くはずありませんからねぇ。当然ダメ おっと何時までもここで時間を取ってたら昼になってしまいますな。それでは次に参りましょう、ホホホホ....」 案内役は私を次の部屋へ案内する。次は猟ゆっくりに選ばれた奴らが野生のゆっくりの巣の追跡や集団を追い込む 訓練が見れるらしい このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/159.html
ずっと考えていた。 ゆっくりフラン、ゆっくりれみりゃを繁殖させるにはどうしたらいいのだろう? 事の発端はこうだ。 俺はゆっくりが大好きで、家でゆっくりれいむ、魔理沙たちにゆっくりアリスをけしかけて繁殖しては、食べたりつねったり沈めたりごちそうを与えてすぐに奪ったり思い切り蹴飛ばしたりしていた。 俺の行動一つで表情が極端に変わり絶叫するゆっくりが可愛くて仕方なかった。 とくにお気に入りなのがゆっくりれみりゃことゆっくりゃだ。しかしこのゆっくりゃは紅魔館付近でないと見つけられない貴重種。命がけで紅魔館に侵入し手に入れたこの一匹が、俺のそばにいる唯一のゆっくりゃだった。 「うー! うー!」 もちろん大事にしている。 他のゆっくり以上に、千切って食べたりつねったり沈めてみたりごちそうを与えてすぐに奪ったり思い切り蹴飛ばしたりして可愛がった。比率でいうと、他のゆっくりが1ならゆっくりゃは10だろう。とくにいくら千切っても再生してくる肉まんの生地は最高だ。 「も゛うやめでー!!」 ああ、可愛いな泣き顔。 そんな風にゆっくり達を可愛がりながら過ごしていたある日。 発情したゆっくりアリスがゆっくりゃに襲いかかっていた。 「れっ、れっ、れみりゃっ!」 「お゛、お゛う゛ち゛か゛え゛し゛て゛ー!」 思わず、手荷物を床に落としてしまう。 普通なら襲われてもゆっくりゃは飛び立ち、そのまま返り討ちだろう。 しかし今のゆっくりゃには羽がなかった。正確にいうと昨日俺が千切ってまだ再生しきっていなかった。 飛べないゆっくりゃはただのゆっくり肉まんだ。不意を突かれたらどうしようもない。 なんでだ……なんでゆっくりアリスがここにいるんだ……ちゃんとドアに鍵を閉めて隔離しておいた筈だぞ……。 「ゆ、ゆっくり! ゆっくりぃぃぃっ!」 「い゙い゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っっ!」 呆然とする俺の前で痙攣するゆっくりアリス。普段の声からは想像できない絶叫を上げるゆっくりゃ。ゆっくりゃは絶叫も可愛いな……。 とりあえず落ち着こうと、痙攣してゆっくりしているアリスを鷲づかみで持ち上げ、そのまま串に刺し、火で炙ることにした。 「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ! あ゙づい゙よ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙っ!」 やっぱり冷静になるには甘味が一番だよな。 甘露、甘露。美味しかった。 どうにか冷静には慣れたが、現実の重さが俺を押しつぶそうとする。 ゆっくりゃは目を見開き、口を開いたままぴくりとも動かない。絶叫を上げたまま逝ってしまっていた。 ああ、ゆっくりゃ……俺の唯一のゆっくりゃが……。 また紅魔館に侵入するしかないのか……。 がっくりと項垂れながら動かないゆっくりゃに手を伸ばす。 あらためてゆっくりゃを見ようとそのまま持ち上げた時、ふと疑問が浮かび上がった。 「……なんで茎が生えないんだ?」 普通ゆっくりは、繁殖が終わると母体の体から茎が生えてきて、そこへ実をつけるように赤ん坊のゆっくりが生まれてくるものだ。少なくとも家で試したゆっくりはそうだった。 しかしれみちゃの体には茎なんて生えてくる様子がまるでない。仮にも繁殖行為だったのだから、何か生えてきてもおかしくない筈だ。 「……」 ゆっくりれみりゃは希少種だ。他のゆっくりに比べて非常に数が少ない。 それはもしや、繁殖方法が特別だから……? 湧き出てきた疑問をきっかけに、俺の頭は回転し始める。 頭へ栄養をまわそうと、手に持っていたゆっくりゃを丸呑しながら、俺は考えを巡らせていった。肉まん美味しいです。 夜も耽り、辺りが真っ暗になった頃。 草むらで音が立たないように忍び足で進みながら、俺は紅魔館の庭を歩いていた。 結局いくら考えても実際に試さないと埒が明かないものだ。まずは色々試してみよう。 ちなみに探しているのはゆっくりゃともう一匹、ゆっくりフランことゆフランだ。 下手にゆっくりゃで実験し、またすぐにゆっくりゃを失うのは困る。まずはゆフランで実験し、それからゆっくりゃだ。 二匹を捕まえるのは一見大変に思えるが、実はゆっくりゃを捕まえたらゆフランは釣られて出てくるのだ。前回ゆっくりゃを捕まえた時がそうだった。あの時はせっかく捕まえたゆっくりゃを食われそうで焦ったが、おかげでゆフランの対処法はわかっている。 だからゆっくりゃさえ見つけてしまえば話は早いんだが……。 「うー! うー!」 ……噂をすればなんとやら。 声に反応して振り向くと、にこやかに笑っているゆっくりゃがいた。口にあんこがついているので餌にありつけたばかりだったのだろう。 それにしても……可愛いな。 満腹そうな顔が可愛くて思わず蹴り飛ばしたくなる衝動を必死で堪えた。さすがにこれまでの苦労を一蹴りで水の泡にするわけにはいかない。 俺は忍び足を止めて、そのまま自然にゆっくりゃへと近づいていった。 「う?」 こっちへ顔を向けるゆっくりゃ。 近づいてくる俺に気がつくと、嬉しそうに近づいてきた。 「がぁおー。たーべちゃ~うぞ~!」 他のゆっくり達ならこの言葉に恐怖するだろうが、俺からするとまたじゃれついてきたなと思う程度だ。 紅魔館のゆっくりゃは可愛がられた結果、人慣れしすぎたのか、人を見つけるとそのまま無防備に近づいてくるのだ。 だからゆっくりゃさえ見つけてしまえば、後は近づいていってそのまま手で捕まえてしまえばいい。 「うー! うー!」 知らない人の手で掴まれているのに、遊んでくれると思っているのか喜び始めるゆっくりゃ。 さて、あとは……。 がさがさっと、木の枝が揺れる音がした。 「うあ!」 腕の中のゆっくりゃが声を上げる。近づいてきているモノがなんなのか、本能的に理解しているのだろう。 ゆフランはゆっくりゃに気がつくと飛び立ち、そのまま一直線にこちらへと向かってくる。その際に羽が木の枝に当たって音がするので、どこから鳴ったかさえしっかり聞いていれば飛んでくる方向は分かるのだ。 ギョロりとした目をゆっくりゃに向けて、勢いよく正面から突っ込んでくるゆフラン。 「うあ! うあ!」 だから、こうして勢いよく近づいて来た所を── 「ゆっくりしね!!!」 「断る」 撃退すればいい。 俺のかかと落としをまともに喰らい、ゆフランは地面にめり込んだ。 後頭部にはくっきりとかかとの跡が残っている。 あ、拙い、微妙に餡が出た。ちょっと強くしすぎたか……。 ゆフランの回復力を信じて、痙攣したままのゆフランを持ち上げ、持ってきたかごの中に放り込んだ。 「うー! うー!」 痙攣するゆフランを見ながらはしゃぐゆっくりゃ。はしゃぐのは良いけど、あまり暴れられると羽が体に当たって……。 「ぎゃおー!」 ……ん? ゆフランの入っているかごに向かって叫ぶゆっくりゃ。これは……? 「ぎゃおー! たーべちゃうぞー!」 ……。 ……もしかして勝ち誇ってるのか、これは? ゆっくりゃは何もしてないのに? 「ぎゃおー!」 叫んでいる意図に気づいた瞬間、反射的にゆっくりゃの顔に拳をぶち込んだ。 ……あ。し、しまった。つい勝ち誇ってる顔を泣き顔にしたくて……。 「う……」 ヤバイ、可愛い! じゃなくて! 「うわああああ!」 大声で泣き始めるゆっくりゃ。この声でまたゆフランが近づいてくる筈だが、泣き声が大きすぎて枝の音が聞こえない。不意を突かれたらそのままゆっくりゃを食べられてしまう。自分で自分の身を危険にしてどうするんだこの愛玩饅頭! ええぃ! 落ち着けおれ! こういう時こそこれだ! 俺は懐からホッチキスを取り出し、ゆっくりゃの口を塞いだ。 「……! ……!」 愛くるしい顔になったねっ! 途端、四方八方から聞こえてくる物音。 多いし! そんなにいらないのに! ……ええぃ、やったらーーっ! 泣き顔のゆっくりゃを脇に抱え、俺は飛んでくるゆフラン達と対峙した。 数時間後。 ようやく家に帰ってきたと腰を下ろす俺、同時に地面へ置かれたかごの中にはゆフラン達がぎっしりと詰まっている。元々少なめに考えていたので明らかに許容量を超えているが、全員がぐったりしているので無理矢理詰め込む事ができた。 ゆっくりの中で危険な種とはいえ結局は饅頭、押したら潰れるものだ。 「うー? うー?」 突然、紅魔館から別の場所に連れてこられ、不安そうにゆっくりゃが声を上げている。 ……さすがにここで泣かたり、暴れられるのは困るので。 俺は大きく息を吸った。 「ゆっくりしていってねっ!」 「ゆっ!」 「ゆっくりしていってねっ!」 「ゆっくりしようよっ!」 俺の声に反応して、隠れていたゆっくりれいむが3匹出てきた。普段は帰ってきたら何匹かは近づいてくるのだけど、今日は連れてきたゆっくりがゆっくりなので隠れていたのだろう。それでも声に反応するのがやっぱりゆっくりだが。 あ、1匹親れいむだ。あれは食い出があるぞーっ。 途端、ゆっくりゃの表情は輝き、れいむ達の表情は凍り付いた。 「がぁおー! たべちゃうぞー!」 「やーっ!」 「ゆっくり出ていってねっ!」 逃げるれいむに追いかけるゆっくりゃ。今の内にドアに鍵をかけて……と。 さて、それじゃ早速試してみるか。 俺はかごから一匹ゆフランを取り出す。丸い顔が変形し四角くなっていた。これはこれで可愛いな。 とりあえず手でこねるように形を丸くしてみた。 「ぁ゙っ、ぁ゙ぁ゙っ」 あれ? なんだ、意識あったのか。てっきりまだ戻ってないと思っていたんだが。 それじゃ回復を待つ必要はないな。 俺は両手で羽を持ち、そのまま思い切り毟り取った。 「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ!」 途端、普段から見開いた目をより見開き、さっきとは比べものにならない大きさの声を上げるゆフラン。 初めてゆフランの絶叫を聞いたけど……これはこれで甘美だなぁ。 「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ! ざぐや゙ー! どごー!」 泣き叫ぶゆフランに、俺は魔法の言葉をかけてみた。 「これからたくさんゆっくりのいる場所に行くんだけど、来るかい?」 「……うー?」 興味深そうにこっちを見る。いいなぁこの変わり身の早さ。これからゆっくりは可愛い。 「ゆフランのためにたくさんのゆっくりを用意しておいたんだ、食べにいかないかい?」 「……う~♪」 泣いた饅頭がもう笑った。あとはこっちのものだ。 「それじゃ連れて行ってあげるよ」 そのままゆフランを抱えて、移動する俺。「うー♪ ゆっくりしね!」とはしゃぐゆフラン。その目はもういつもの通り瞳孔が開き、赤く輝いている。 やがてドアの前へ来ると、鍵を開け、ゆフランを中へと入れた。 気配が分かるのか、入った瞬間からゆフランは視線をあちこち移している。 「みんな怯えて隠れているかもしれないけど、ゆっくりしていってねっ!」 「ゆっくりしね!」 飛び跳ねるゆフランにそう声をかけ、俺はドアを閉め、また鍵をかけ直した。ドアには窓がついているので開けなくても中の様子は伺える。 ゆフランは相変わらず、楽しそうにあちこち見ながら飛び跳ねていた。毟り取った羽はまだ回復していないが、背中についた跡はもう消えてしまいつつある。 実際、この部屋にはゆフランの期待通りゆっくりが大量にいた。ゆフランのお腹をいっぱいにするなら充分な量だろう。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ」 「うー♪ ゆっくりしね!」 「フっ、フっ、フっ、フランっ!」 ただ俺は、今まで発情したゆっくりアリス10匹に勝ったゆっくりを知らない。 襲いかかってくるアリスに噛みつくゆフラン。その瞬間、残りの9匹に押しつぶされた。 「ゆっ!」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ!」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ!」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆっ!!」 「ゆっくり゛ぃぃぃぃっ!」 悶絶するゆフラン。おおっ、ゆフランってこんな顔で悶絶するのな。いつかゆっくりゃと一緒に悶絶させたいものだ。 どうにか振り解こうと抵抗するが、1匹を振り解いてもすぐに別の1匹が襲いかかり、かまわず交尾を続けていく。 次第にゆフランの動きは止まり、だだ悲鳴だけが響くようになっていった。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ!」 「ゆ゛っ゛く゛ぅ!」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ!」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ!」 「ゆ゛っ゛く゛り゛ぃぃし゛ぎね゛ぇえ゛え゛っ!」 ……そろそろ終わりそうだな。 「うー♪」 聞き覚えのある声に振り向くと、いつの間にかゆっくりゃがそこにいた。 口に大量のあんこをつけて。 「……美味かったか?」 「うーうー♪」 顔面を蹴り飛ばす。 「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!」 やっぱり満足顔からの泣き顔が特に可愛いな。 結果として。 ゆフランには茎が生えてきた。 しかし生まれたのは1匹だけだった。 その1匹は、今、俺の手の中で遊んでいる。生まれたてで小さく、言葉も親ゆフランの「ゆっくりしね!」は言えず、ただただ「うー♪」と呻くだけだ。このまま丸呑みしたいな……。 しかし試しにと親れいむに子ゆフランを預けた所、その家族達を全部平らげてしまったので、小さいながらもやっぱりゆフランは違うというのを思い知らされた。 ここで問題なのは、子ゆフランを生んで親ゆフランは絶命してしまった事だ。以前、ゆっくりアリスに襲われたゆっくりゃのように朽ち果て、死んでいってしまった。 せっかく繁殖したのに一人の親で1匹では意味がない。そもそも他のゆっくりはだいたい4匹は繁殖していたのに、ゆフランだけ1匹なのはおかしいだろう。 一応、ゆっくりアリス以外のゆっくりも発情させて試してみたが、ほとんどの場合は子供は生まれず、ゆフランは最初のゆっくりゃのように絶叫したまま死んでしまった。 やっぱり繁殖の仕方が違うんだろうか……? そうして俺が悩んでいると、れいむが必死の形相でこっちに向かって来ていた。 「ゆっくりやめてね! ゆっくりさせてね!」 その後を追うように、ゆっくりゃが飛びながら追いかけている。 「がぁおー!」 ますます顔が涙で濡れるれいむ。しかし突然、目を輝かせて叫んだ。 「ゆっくり助けて! おじさんゆっくりさせて!」 どうやられいむは、俺に希望を求めたらしい。 「……」 そのまま足下へ駆け寄ってくるれいむ。このまま俺の後ろにでも隠れようと思っているのだろう。 ふむ……。 れいむをゆっくりゃに向けて蹴り飛ばした。 「ゆ゛っ!」 空を飛ぶれいむ。飛んでいく先では、口を大きく開き、ゆっくりゃがしっかりと待ちかまえていた。 「たーべじゃーうぞー!」 「ゆ゛っぐり゛ぃぃぃぃっ!」 にこやかにれいむを食べていくゆっくりゃ、凄く嬉しそうだ。 泣き顔もいいけど、たまには笑顔もね。……なんてな。 もちろんこれには事情があった。 この食べられているれいむ、実は隔離していたれいむと魔理沙が勝手に発情して作ってしまった子供なのだ。家の部屋にも限りがあるので繁殖する時もいろいろ考えて数を増やしているのに、勝手に増えたりすれば住めるスペースがなくなってしまう。 とりあえず親れいむと魔理沙はまだ生き残っているゆフランに食べてもらい、そして今、残りの子供達をこうしてゆっくりゃに食べてもらっていたのだ。 「んまんま♪ んまんま♪」 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛っ!」 しかしいきなり部屋を覗いたら子供が増えていたのはびっくりした。俺の手で無理矢理揺らして発情させない限り交尾なんて滅多に行わないので油断していた。やれやれ。今度からはもうちょっと気をつけないとなぁ。 「んまーーーっ♪」 「ゆ゛っ゛ぐ゛り゛さ゛せ゛て゛ぇぇっ!!」 ……。 ……ん? そういえば……。 食事を済ませ、その辺りを楽しそうに飛び回るゆっくりゃ。その楽しげな様子に思わずバレーボールのようにたたき落としたくなるが、今の俺にはそれ以上に浮かんだ疑問が頭の中をしめていた。 ゆっくりゃって……。 「うー♪ ……う?」 もしかして、発情するのか? 気づけば、両手でしっかりとれみちゃを捕まえていた。 法悦とした様子だった。 「う゛っ……う゛っ」 どちらかといえば幼さの残るあどけない表情なゆっくりゃが、今はゆっくりアリスもびっくりなほど欲情した顔つきをしている。頬は赤くなり、口からはいつものあんこじゃなくよだれのような何かを垂らしていた。なんなんだこれ? 肉汁か? 自分の考えがあっていた事を喜びたい。……しかし疲れた腕はそれを許さず、ただ痙攣しているゆっくりゃをゆっくりと運ぶだけだった。 あれからゆっくりゃを抱え揺さぶり続けると確かに発情はした。しかし3時間振動させ続けてようやくだ。 他の種と違い、ゆっくりゃは性欲が薄いのか、軽く振動させただけではまるで反応はなく、暴れるゆっくりゃを押さえながら振動させ続けた結果、ようやく発情してくれた。おかげで腕は棒の用だが、必死で暴れるゆっくりゃがだんだん法悦としていく様子は俺の心に潤いを与えるには充分だ。 今のゆっくりゃはイキそうなところで揺らすのを止められ、触れたら暴発しそうなぐらいの興奮状態になっている。これから後の事がなければこのまま弄り回したいところだが、それは後に取っておこう。 もちろんこれから試すのは繁殖だ。しかし今までゆっくりアリスに襲わせて駄目だったものが、ゆっくりアリスを襲ってどうにかなるとは思えない。 ここはちょっと危険だが、賭けてみよう! ゆっくりゃをその部屋へ放つ。その部屋にはれいむのリボンや魔理沙の帽子や、ゆっくりアリスの食べカスが落ちている。 「……うー? ゆっくりしね!」 そこはゆフランの部屋だった。 無謀だと自分でも思う。 普通ならゆっくりゃはゆフランに食われて終わりだろう。そうなったらとてもとても悲しい気分になりながらゆフランを殴って泣き叫ばし、そのまま食べて落ち着こうと思うが、しかし発情したゆっくりゃならどうにかしてくれると、俺はどこかで期待していた。 「ゆっくりしね!」 大好物の登場に、ゆフランは赤い目をギロりと光らせながら近づいていく。 ゆっくりゃはピクリとも動かない。俺がまるで予想していなかった状況だ。睨まれた恐怖で竦んでしまったのだろうか? 口を開けて、食べる準備は万全なゆフラン。 そこで初めて、ゆっくりゃが動きをみせた。 「う゛……」 「う?」 まるで声も上げなかったゆっくりゃを不思議に思っていたのか、ゆっくりゃの上げた声にゆフランが反応する。 ゆっくりゃが続けて声にした。 「う゛……う゛ま゛せ゛て゛っ」 「ううっ!」 その時、始めてゆフランがゆっくりゃに対してたじろいだ。おおっ! スゲェ! 「う゛ま゛せ゛て゛ぇぇぇっ!」 「うーっ!!」 いつもと違う様子に慌てて逃げ出すゆフラン、それを上回る速度で追いかけていくゆっくりゃ。 その時によく見えたゆっくりゃの表情は、まるでゆフランのように目を見開き、赤く光っていた。 次第に追いつかれ、ゆフランはゆっくりゃに後ろから組み付かれた。 「ゆ、ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 「う゛う゛う゛う゛っ!」 「ゆ゛っく゛り゛し゛ね゛ぇぇぇっ!」 どんどんゆっくりゃの体が激しく振動していく。 お互い、ゆっくりアリスに犯された時のように絶叫しながら、果てていった。 ドアの向こうで様子を見続ける。これが成功なら、後はゆフランに茎が生えて赤ん坊達が生まれてくる筈だ。 高まる期待。そんな俺の気持ちに合わせるかのように、ゆフランから茎が伸びてきた。 「きたきたきたきたぁーーーっ!」 思わずドアを開けて中に入る。 「うー♪ すっきり」 さっきまでゆフランのように変貌していたゆっくりゃは、何もなかったかのようにいつも通りの表情に戻っていた。 「う゛ー……う゛ー……」 「おぉっ! ゆフランも生きてる!」 今まで一度も生き残らなかったゆフランが生き残っている。俺は期待を一気に膨らませていった。この茎からたくさんの子ゆっくりゃが……!! そうして生まれてきた子供は。 ある意味、俺の期待を半分裏切ってくれた。 疲れた体を引きずりながら、部屋へと入っていく。 「あ、おじさん!」 「おかえり! おかえり!」 「ゆっくりしていってね!」 「みんなでゆっくりしようね!!」 一気にわき上がるれいむの声。大量にいるゆっくりが一度に喋るから、後半はもうなんと言っているのか聞き取れない。 ここは俺がれいむを繁殖させていた部屋だが、他の部屋には移さずここでひたすら繁殖させていたために、気づけばどこを見てもゆっくりの顔があるぐらいぎゅうぎゅう詰めの状態になっていた。 「おじさん狭いよ、外に出してよ!」 「ゆっくりドアを開けてね!!」 ゆっくりしていってね!と言って間もなく、そんな要求をしてくるれいむ達。いつも餌を持ってきている俺に対しても、相変わらずの傍若無人っぷりだ。 「そうだな……今日はその事でいい報告をしに来たんだ」 「ゆ?」 「今日からは外に出て遊んでもいいぞ」 「ゆっ!」 れいむ達から驚きの声が上がる。無理もないだろう、今の今まで何があっても外には出るなと言い続けてきたのに、いきなり外に出てもいいと言われてたのだから。 「本当に? ゆっくりしてもいいの?」 「ああ、本当さ。外でゆっくりしてもいいんだよ」 「ゆっくり外に出るね!」 ゆっくり達が外に出られるようにと、まず仕切りになっていたシャッターの鍵を開け始める俺。こいつら全員を移動させるには、ここを開けるのが一番だろう。 「おじさん、ゆっくりいそいでね!」 「おそとであそんでね!」 「おじさん大好き! 早くあけてね!」 「分かった分かった」 鍵を開け、そのまま両手でしっかりとシャッターを掴む。 「それじゃ開けるぞー」 「早くゆっくりしてねっ!!」 「おそとであそばせてねっ!!」 「ゆっくりしないでねっ!!」 俺は渾身の力を込めて、シャッターを一番上まで開けた。 勢いよく飛び出していくれいむ達。 そして、ほとんどのれいむは硬直して動けなくなった。 「うー! うー!」 「ゆっくりしね!」 「ぎゃおー! たーべちゃうぞー!」 シャッターの向こうでは大量のゆっくりゆフランとゆっくりゃが待ちかまえていた。 「そいつらの向こう側に外へ出るドアがあるから、みんな頑張ろうー」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 いち早く反応した親れいむの絶叫を合図に、大混乱が始まった。 食べられ襲われ逃げまどい追いつかれる中で、俺は一人ドアを開けて部屋を出た。 廊下には机と椅子を用意してあり、座ったまま部屋の中を覗くための窓も ある。 この日のために用意した部屋での光景は、俺の気持ちを高ぶらせるには充分な光景だった。 子れいむはゆフランとゆっくりゃ、そして身内である筈のれいむからも噛みつかれあっという間にいなくなっていた。普通のれいむも食べていたのは、混乱の中で側にいたからとりあえず食ったのだろう。食べたれいむは笑顔のまま口を動かしている。あ、ゆフランに噛みつかれた。あはは、絶叫してるや。 親れいむは必死に子供たちを守ろうとするが、それが仇となって集中砲火を浴び、もはや中身の餡もほとんどない状態で床に倒れ、痙攣を繰り返していた。10匹を超えるゆっくりゃとゆフランに襲われてるなんてここでしか味わえないだろう。貴重な体験だったね。 そんな親れいむを見て子れいむが「お゛があ゛ざん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!」と泣き叫んでいるがまるで反応はない。子れいむはそのまま泣き叫び、近くに来たゆっくりゃに食べられていった。 あの時、ゆフランの茎から生まれてきた赤ちゃんは4匹、ゆフランとゆっくりゃで2匹ずつの子供が生まれていた。 てっきり襲ったゆっくりゃの子供だけ生まれてくると思ったので最初はびっくりしたが、どうやらゆフランとゆっくりゃの組み合わせだとお互いの子供が生まれるらしく、ゆフランを欲情させてゆっくりゃを襲わせても、場所や時間を変えてみても変わらずお互いの子供が生まれてきた。 だがそれよりも、ゆフランもゆっくりゃも死ぬことなく繁殖を繰り返す事ができたのが大きかった。何度も何度も発情させて無事に生まれてくるのを確認した時、俺は喜びのあまり思わず生まれてきた赤ちゃんを全員そのまま食べてしまったぐらいだ。あんまんと肉まん美味しいです。 それにしても、この2匹が希少種になった理由もよくわかった。ただでさえ相手が少ないのに、ゆフランはさらにゆっくりゃを襲って食べてしまう。繁殖できる相手なのにお構いなしなのだ。これでは数は増えないだろう。 「あ゛あ゛あ゛あ゛っ! ゆ゛っぐり゛がま゛な゛い゛で!」 「うー♪」 部屋の中では子ゆフランが自分より大きなれいむを少しずつ食べて食べて消化していく。噛みつかれたれいむは、まるでシロアリに犯された柱のように徐々に削られ、穴が開いている。全部食べられるのも時間の問題だ。 そんな子ゆフランの横で、ゆっくりゃの側を離れずについていくゆっくりがいた。体は普通の大きさだが、他のゆっくり達が絶叫している中で、ひたすら楽しそうに笑っている。 それこそが子ゆっくりゃだった。 子ゆっくりゃは、他のゆっくりを食べるゆっくりゃの子供とは思えないぐらいに弱かった。 生まれたての割に体は大きいのだが、そのくせ子ゆっくりゃは赤ちゃんれいむにさえ勝てないぐらい弱いのだ。 それなのに目立つ体格なので他のゆっくりたちから狙われやすい。 生まれてから長い間、ゆっくりゃは子供の側から離れない事が多かった。まだ子供には自分を守れる力がないと分かっていてしっかり守っていたのだろう。 しかしそんな子ゆっくりゃは、こういう場所では足を引っ張る役目にしかならない。 「ゆっくりしねっ!!」 「う゛ーーーっ!」 守っていた親ゆっくりゃはゆフランに食い殺されてしまった。 そのまま子ゆっくりゃに近づいていくゆフラン。 「うー♪ うー♪」 しかし子ゆっくりゃはまるで状況を分かっていない。まるで遊んで欲しそうに手を伸ばして笑顔を向けようとする。それを見てゆフランの口が楽しそうにつり上がった。 結局、子ゆっくりゃが危険だと理解したのは、ゆフランに噛みつかれて餡を吸い出された瞬間だった。 「あ゛あ゛あ゛ーーーーっ!」 叫んでみたものの抵抗らしい抵抗なんて出来はしない。そのまま吸い続けられ、全ての餡を全て吸い尽くされた。 まさか、ゆっくりゃの子供があんなに無力な存在だったなんて……素敵すぎる。 長い日をかけて準備してきたこの宴もそろそろ終わりが近づいてきた。やはり生き残っているほとんどはゆフランだが、れいむも僅かに生き残っている。 「ゆ……ゆ゛っく゛り゛ー! ゆ゛っく゛り゛し゛て゛ね゛ー!!」 部屋の隅に縮こまってガタガタと震えているが、もうお腹いっぱいになったのだろう。ゆフランもゆっくりゃも反応しなくなっている。 ゆっくりの色々な顔を見たくてやってみたこの宴だったが、俺的には大成功だった。あんな愛くるしい顔で絶叫されたり絶望に打ち震えたり恐怖に怯えたり嬉しそうにはしゃぎ回られる姿を大量に見られて俺はもうゲップが出そうだ。 「うー♪ うー♪」 「ん?」 向こうからとたとたと、ゆっくりゃが歩いてきた。他のゆっくりゃと違い、饅頭から体が生えており、羽より足を使って移動することが多くなったゆっくりゃだ。 このゆっくりゃは一番長生きしているゆっくりゃだ、どうもゆっくりゃは他のゆっくりとは違い徐々に成長して、立派な体が生えてくるらしい。このままさらに長生きさせたらどうなるんだろうな? ゆっくりゃは俺の周りを走り回っている。どうやら駆けっこをして楽しんでいるようだ。 足を引っかけて転がしてみた。 「えぐっ! ……うぅーっ」 涙目になるが、涙は流れない。こうやって何度も転けさせたせいでちょっと慣れたのだろう。凄い我慢している。 ゆっくりゃが泣くのを必死で耐えるなんて……。 そんな新しい反応で、俺をまた喜ばせてくれるのかい! 嬉しさのあまり身を悶えさせながら、俺はゆっくりゃの頬を引っぱたいた。 「うぅ、う゛あ゛ーーーーー!!」 泣き声が俺の全身を燻る。 ……今度はどうやってゆっくり達を愛そうかな? 明日のゆっくりに楽しみが止まらない俺だった。 by 762 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2508.html
ゆっくり先生 「はい注目ー!今日の授業はゆっくりの行動についてだ。いいか、よく聞くように。」 教壇に立って大声を張り上げている彼の名前は、鬼意山。 もともとは生物学者だったが、今は小学校の教師をやっている。 彼の担当は理科。中でもゆっくりを使った実験で生徒から人気を集めている。 その残酷で楽しい授業から、いつしか「ゆっくり先生」と呼ばれるようになっていた。 「まず、ここに1匹のゆっくりがいる。どうだ?ゆっくりしてるだろう。」 「ゆっくりしていってね!!!」 『ゆっくり』という言葉に反応して、鬼意の連れてきたゆっくりが鳴き声をあげる。 教室の生徒も「すげぇ!ゆっくりだぜ!」「あたい、ゆっくり見たの初めてだよ。」などと騒ぎ出す。 生徒が興奮するのも無理はない。ここは大都会のど真ん中だ。 ゆっくりなんて、めったに見かけない。 見つけたとしても、死体で発見される場合が多い。 鬼意は教卓をバンバンと叩いて、教室の空気を鎮めると、再び授業を再開する。 「さっきの行動だが、あれは条件反射という。頭で考えるんじゃなくて、体が自然に反応するんだ。 ほら、もう一回いくぞ。ゆっくりしていってね。」 「ゆゆっ!?ゆっくりしていってね!!!」 またも『ゆっくり』に反応して鳴き声をあげる。 そう、このゆっくりは実験教材なのだ。 もともとは、群れでゆっくりしていたのだが、運悪く鬼意に捕まってしまって現在にいたる。 「この反射は自分の意思とは無関係に起こる。じゃあ、ゆっくりにエサを与えてみるぞ。ホラ食え。」 鬼意は理科室の水槽から、水草を1本出してゆっくりに与える。 もちろん、ゆっくりはそれを「む~しゃむ~しゃ」しながら食べ始める。 「ゆっくりは今エサを食べているな。今こいつの頭の中はエサを食べることで一杯だ。ゆっくりしていってね」 「む~しゃむ~、ゆゆゆ!?ゆっくりしていってね!!!」 「おk!こいつは今、意識的に反応したんじゃないぞ。頭の中はエサのことで一杯だったが、体が「ゆっくり」という言葉に反応したんだ。」 「ゆぅ!ごはんのときはしあわせ~!させてね!ゆっくりできないよ。ぷんぷん。」 ぷくぅ~、と膨らんで怒りをあらわにするが、鬼意は顔色ひとつ変えずに授業を進める。 「反射には始動させる原因になる刺激がある。車でいうキーみたいなもんだ。たとえば、この場合は「ゆっくり」という言葉。 こういった刺激のことを『かぎ刺激』というわけだ。はいここ、テスト出るから。」 カツカツと黒板にチョークを走らせながら説明を続ける。 この説明の間も、ゆっくりは「む~しゃむ~しゃ」しているわけなのだが、鬼意の説明で「ゆっくり」という単語が出るたびに反応してしまう。 エサをまともに食べられない状態では、ゆっくりのストレスがマッハだ。 しかし、本当の地獄はここからである。 「じゃあ、これ回すからみんなでやってみろ。殺すんじゃないぞー、これ次も使うから。」 そういって鬼意は最前列右端の生徒にゆっくりを渡す。 「へへっ!ゆっくりだぜ!初めてさわったよ。ゆっくりしていってね。」 「ゆ~おそらをとんでるみたゆゆゆゆ!ゆっくりしていってね!」 「はははっ!おもしれー、マジで反応するぜ。ホラ、ゆっくりしていってね~」 「ゆぅ!ゆっくりしていってね!」 生徒は生まれて初めてのゆっくり苛りにテンションが上がっている。 ゆっくりは完全に生徒たちのオモチャと化してしまった。 「オイ俺にも貸せよ!」 「早く~!あたしもやる~。」 「ほらほら~ゆっくりしていってね!」 「ゆぐぅ・・・ゆっくりできな・・・ゆっ!ゆっくりしていってね!」 「お前ら一人一回だー!あとのヤツはノート取れー。黒板消すぞー!」 どんどん広がるゆっくり苛りの輪。もはや教室の空気はカオスだ。 ゆっくりは自分の意思とは関係なく「ゆっくりしていってね」と無理やり鳴かされて、どんどん弱っていく。 生徒が全員さわり終わって、鬼意のところに帰ってきたゆっくりは、「ゆ・・?ゆっぐ、ゆゆっぐ!ゆっぐ?!」 などと始終ブツブツ言うだけの気持ち悪い饅頭になっていた。 「あー、お前ら苛りすぎだ。ほら見ろ、もう死にそうじゃねぇか。」 「せんせー!そのゆっくり死ぬんですかー?」 「バカいうな。こういういい加減な生き物はな、こうすると生き返るんだ。」 鬼意は『業務用特濃オレンジ全力800』と書かれたビンに入っている怪しげなオレンジの液体を、死に掛けているゆっくりに掛けてやる。 「ゆ。。。。ゆ。。。。ゆゆゆうゆ~~~ん!」 ゆっくりは跳ね起きると、アゴを張って「ゆっくりしていってね!!!」と鳴いた。 「おぉおおおおおおおお!」「すげぇーーー!」「ゆっくりちゃん死ななくてよかったねー。」 教室から歓声が巻き起こる。授業開始から20分が経っていた。 「じゃあおまいら、校庭出ろー!10分以内な。ゆっくりしてると成績下げるぞ。」 「ゆっ!ゆっくりしていってね!」 またもゆっくりが反応し、ドッっと教室中が笑いに包まれる。どうやら生徒はゆっくりを気に入ったようだ。 10分後、生徒は校庭に集合し、鬼意はさっきのゆっくりを連れてやってきた。 「じゃあ次は、ゆっくりの移動について説明すっぞ。ゆっくりは基本的に跳ねて移動する。これは体の弾力を使った移動方法だ。 じゃあ実験するぞ。ホラ、取ってこい。」 鬼意は飴玉を10mくらい離れたところに投げる。 ゆっくりはそれを追って「ゆっ!ゆっ!」と跳ねていく。 ていんていんとバカみたいな効果音が校庭に響き渡る。 「また、ゆっくりは食べ物や虫に「○○さん」などと敬称をつけて鳴く習性がある。これは反射ではなく本能行動だ。反射と違って、かぎ刺激などは必要ない。 しかも通常種のすべてのゆっくりが例外無くこの鳴き方をする。良く見ていろ。」 「ゆっ!ゆっ!あまあまさん、ゆっくりたべられてね!」 鬼意の言ったとうりに行動するゆっくりを、生徒達はニコニコ見守っている。 「では次は底面だけの移動だ。これは内部の餡子を使って、底面を波打たせることによって移動する方法だ。」 「ゆぐ!?ゆゆゆ!ゆげっ!ゆげぇ・・・・」 突如、餡子を吐き出し始めるゆっくり。 鬼意は黙って見ているが、生徒達は心配そうだ。 「せんせー!ゆっくりが苦しんでるよ?オレンジジュースあげないの?」 心配した優しい女の子が、ゆっくりの所に駆け寄ろうとするが、鬼意はその肩をつかんで制す。 「今ゆっくりに与えた飴には毒が混ぜてある。これで体内の餡子を半分ほど吐き出させるんだ。 そうすることによって、弾力を失い跳ねることができなくなると、ゆっくりは底面を波打たせて移動するようになる。 これは授業だ。よく観察したまえ。」 鬼意の顔からは、さっきまでの笑顔は消えていた。 それは以前加工所に勤めていた時のような恐ろしい顔だ。 「ほら!ゆっくり!ここにオレンジジュースがあるぞ。さぁ取りにこい!」 どこから出したのか、鬼意はビーカーに入ったオレンジの液体を手に持っている。 「ゆ・・・ゆげぇ・・・・そろーり・・・そ・・ゆげぇ・・・そろーりそろーり・・・」 ついさっきまでの元気は無く、餡子を吐きながら、ゆっくりと地面を這って来る。 鬼意はニヤニヤとその様子を見守っている。 「ゆっ・・・ゆっぐりしだいよ・・・おにーざん・・・あまあまかけてね・・・ゆっくりのませてね・・・」 鬼意はビーカーを傾けると、液体をゆっくりに頭から掛けてやる。 しかし、ゆっくりの様子が変わらない。 なにやらジューーという変な音が聞こえてくる。 「ゆぅううううううぎゃぁあああああ!あづいいいぃいいいい!あづいよぉおおおおお!じにだくないぃいいいい!おうぢがえるぅううう!」 「ふふふ・・・ハハッハッハ!ヴァカめ!塩酸だよ、それは!絵の具で着色してあるけどねーーーー!ヒャッハァアアア!」 鬼意の虐待スイッチは、いつのまにかONになっていた。 こんなことを生徒の前でやっていいわけがない。 だが、ゆっくりを虐待するのは俺の本能行動だ。 「ゆっくりしていってね!!!」を聞くと殺さずにはいられないのは俺の脊髄反射だ。 ゆっくりはしばらく苦しんだ後、黒こげの塊となって動かなくなった。 生徒たちの空気が凍りつく。 あの優しい鬼意先生が、まさか虐待おにいさんだったなんて。 普通なら、生徒からの信頼を失い、もうだれも真面目に授業を聞いてはくれないだろう。 しかしこのクラスは、何かがズレていた。 「やだ・・・なにこれ・・・イイじゃない・・・」「う・・うほっ!おっきしてきた!」「キャハ!ゆっくりってこんな風に叫ぶのね・・・」 「じにだくない~♪あん!たまんないわ!」「フーハー・・・・フーハー・・・・フゥウウウウハァアアア!!」 「いいぞ!もっとやれ!」「もう終わり?つまんなーい。」「先生、今度ウチにおいでよ。フフ・・・僕様の美麗なる虐待を拝見させてあげるよ。」 生徒は皆、ゆっくりの断末魔を聞き、キラキラと目を輝かせていた。 鬼意はスッキリとした顔で空を見上げた。 鬼意の様子を見て、生徒もまた、空を見上げた。 その視線の先には、大きなくじら雲が浮かんでいた。 キーンコーンカーンコー-ン 授業終了のチャイムが鳴り響く。 次は皆大好きな昼休みだ。 「今日の授業はここまで。みんな家に帰ってから復習するように。ところで、ここに1匹の子ゆっくりがいるのだが・・・」 鬼意はポケットから、テニスボールサイズの子ゆっくりを取り出す。 一瞬にして生徒の目つきが変わる。 「俺は飼わないから、ここに逃がしてやろう。」 鬼意はニヤニヤしながら、子ゆっくりを校庭の隅に置いた。 「ゆっくりしていってね。」 「ゆっくちちちぇっちぇにぇ!」 別れの挨拶を交わすと、子ゆっくりに背を向けて歩き出す。 子ゆっくりは、いきなり広い校庭に置き去りにされ、キョロキョロと戸惑っている。 生徒達は1ミリも動かない。ただじっと鬼意の背中を見つめる。 鬼意が校庭を出て、校門の門を曲がった。次の瞬間。 「「「「「「「「「ッヒャァアアアアアアア!!!虐待ッダァアアぁあああああああああ!!!」」」」」」」」」」 「ゆゆ!?ゆっくちやめ・・・」 「ハッハッハ。目覚めたか・・・少年達よ・・・」 鬼意はニヤリと黒い笑みを浮かべたまま、理科室へと戻るのだった。 あとがき 読んでいただいてありがとうございます。 この前、体付きのれいむ&まりさのSSを書いた人です。 感想ありがとうございました。 今回は虐待描写を多くするように頑張ってみました。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1782.html
※賢者タイム終了後は妙に頭が冴える。がネタは冴えない。 【蟻地獄】 「おじさん!ここからだしてね!」 「いまならゆるしてあげるよ!」 眼前に広がる新しい《ハコ》 高さは腰より上、幅は成体5匹分はあろう大きい《ハコ》 見た目的に、箱というよりは筒である。 透明の筒の下方に、いくつものカラクリ。そして上段には、砂。 動作確認も終えた。何一つ誤作動もない。完璧だ。完璧すぎる。 この世にまたひとつ。 ゆっくりをゆっくりさせない《ハコ》誕生した。 「ゆっくりできないおじさんはゆっくりしね!」 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 始動式に参加するゆっくりはすでに決まっている。 ここら辺では珍しい、まりさ一家だ。 親まりさ2匹、子まりさ3匹。子もそこそこ大きい。 このゆっくり、今朝村人から依頼があり回収したもので、 話によると何度も畑を襲ってはうまく逃げてきたらしい。 ちなみに、ゆっくりの駆除(という名の虐待)と、 野菜の売買を生業として生きている。 まぁいいとして。 「もうまりさおこったよ!おじさんはゆるさないからね!」 「おじさんなんかやっつけるよ!」 捕獲用の《ハコ》から、今回の《ハコ》へまりさズを投入。 全員入ったことを確認し、蓋を閉じる。 罵声がややくぐもったものになるが、聞き取れるならまだいい。 通風孔は外にしかつながっていない。中にあってはいけないのだ。 さて、起動である。《ハコ》もこの瞬間を待っていたことだろう。 前もって抜いておいた歯車をひとつ、はめ込む。 水車から引かれた歯車たちがゴゥゴゥと回転する。 下段のカラクリが動き出す。上段の砂が、沈む。 「ゆっ!なんかうごいてるよ!」 「なんだかずるずるうごくよ!」 今回のハコ、《蟻地獄》が起動した。 起動と同時に砂が落下、砂時計の要領でゆっくり達を飲み込む。 飲まれた砂の重さに耐え切れないゆっくりも出てくるだろうが、そう甘くない。 飲み込まれた先には何重にも設置された回転式の鋸歯。 意思の切れたものから、砂と共に粉微塵に引き裂かれる。 降りた砂はカラクリによって再び持ち上げられ、強い風と共に上へ戻る。 もちろんゆっくりが飲まれたのなら、黒い砂が降ることになる。 蟻地獄といえど人工、飲まれぬよう歩き続ければいい。 ひたすらに歩き続ける苦労と、降り注ぐ砂の苦痛の二重苦。 心身ともに、彼らはゆっくりすることを許されない。 ただその身心果てるまで、頑張ってもらおう。 「あんまりゆっくりできないよ!ここからだしてね!」 親まりさ2匹は壁際に寄り、訴えてくる。もちろん華麗にスルー。 「すべりだいみたいでたのしいよ!ゆっくりしていってね!」 親の苦労はいざ知らず、子まりさは遊び始めた。 ずーりずーりして跡をつける子、親にくっついてる子、そしてかけっこする子。 こんなに大きな砂場ははじめてだろう。いい顔をしてはしゃぎだす。 子まりさの1匹が勢いよく中央めがけ滑り出す。 砂のせいか、途中ひっかかりころころと転がって、中央のくぼみへたどり着いた。 「ゆぅ~。びっくりしたよ!……ゆっ!?」 異変。砂が自分を飲み込もうとしている。 「おかあさん!でられないよ!ゆっくりだしてね!」 あがくほどにもがくほどに、砂は愚か者を蝕む。 「ゆー!いまたすけにいくよ!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 親まりさが動き出すより早く、残りの子まりさ1匹が動き出した。 中央めがけ一目散にかけていく。滑り出せばそこまでは早い。 砂を巻き上げて沈む子まりさを目指す。 が、その巻き上げた砂がさらに底へと誘う。 「ゆ”う”う”う”う”ぅぅぅぅ!!」 砂といえ集まれば重い。飲まれると同時に押しつぶされる感覚。 「ゆっ!ゆっくりひっぱるよ!」 たどりついた子まりさが、沈みかけた帽子をくわえて引っ張る。 「ゆーしょ!ゆーしょ!」 「ゆ”う”う”ぅぅ…」 スポーン 子まりさは引っ張り上げた。 帽子を。 帽子の下に、さっきまでの子ゆっくりの姿はない。 あるのは砂。獲物を飲み込み、次の獲物を待つ、砂。 「ま”り”ざあ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁ!!!」 助けるはずだったのに、助けられなかった。大切な兄弟なのに。 子まりさは泣き出した。くわえた帽子は離してしまった。 「あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁ!!」 なすすべもなく、号泣。 泣き声に気づいた親2匹は、中央の子まりさに気づいた。 帽子二つに子供がひとり、ただごとではない。 「どうしたの!ゆっくりかえってきてね!」 「そっちはあぶないよ!こっちでゆっくりしていってね!」 だが機械は、砂は待ってくれない。動かないのなら食うのみ。 泣いていたまりさも、気が付けば砂の牙に齧られている。 「ゆっ!ゆっ、ゆっ、…ゆ”う”う”ぅぅ!!」 身をよじれば砂が崩れ、声を上げれば砂が崩れ、より深く牙を立てる。 気が付けば、自分も動けずにいた。 親まりさは子を助けたいのだが、危険のあまり動けない。 この状況下、声をかけることしかしてくれない。いや、できない。 もう1匹の子供も、親にくっついて怯えている。 やがて、子の姿と声は消えた。 帽子も飲まれてしまった。 「ゆっ、まりさたちきえちゃったよ!?どうしたの!?」 「…おじさん!ゆっくりしてないでこどもをたすけてね!」 「ゆっくりしないでね!」 母ゆっくりが必死の顔で訴えてくる。 他力本願。仕方がないことだがなんと白状なものか。 さて、ショーはこれからだ。まだまだゆっくりしてられない。 《ハコ》の中に、砂嵐が吹き荒れ始めた。 始めに落ちた砂が運ばれてきたのだ。動作状態良好。 「ゆ”う”う”ぅぅ、すながめにはいったよ!」 「こんなんじゃゆっくりできないよ!」 それでも絶えず砂嵐は吹きすさぶ。機械はこう、一定に動くから素晴らしい。 まりさ達は風向かいに帽子を傾けた。なるほど。まりさ種なだけはあるか。 ふと筒下段を確認する。砂はすべて上に舞い上げられているようだ。 そして…そろそろだな。どっかりと安楽椅子に腰掛けて眺める。 「…ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!!!!!」 「ゆ”!?」 地の底からの咆哮、愚か者の断末魔。 始めに飲まれたまりさは飲まれても圧死しなかったらしい。 だからこそ、この鋸歯は生きる。 待ってましたといわんばかりに獲物に歯を立てる鋸歯達。 わずかな砂の隙間から、苦痛が外へ漏れる。 「…ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!!!」 鋭く研がれた歯が、砂に負けない歯が、体を、思い出を、心を、刻んでいく。 難点があるとすれば、その瞬間が歯と砂に囲まれて観察できないことか。 改良の余地あり、だな。 「まりざああぁぁ!!まりざああああぁぁぁぁ!!」 亡き方向へ泣き叫ぶまりさ。こいつら固体判別どうしてるんだ。 泣き声が命を救うなら、きっと虐待お兄さんも増えているだろうな。 そんなどうでもいいことを考えていると、断末魔がやんだ。 「ま”り”ざがあ”あ”ぁぁ!!ま”り”ざがあ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁ!!!」 「ま”り”ざあ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁ!!!」 流れる涙は砂に滲んでいく。残された3匹は、ただただ泣くしかなかった。 「おがあざああぁぁん!!まりざがああぁぁ!まりざがああぁぁ!」 「…しかたがないよ!まりさのぶんもゆっくりしようね!」 切り替えの早い親だ。まりさ種ってのはこんなもんなんだろうか。 家族だからどんなもんかと思ったが。 飲まれ行く砂に逆らって、端へ端へ動き続けるまりさ達。 ふと、鋸歯の音が変わる。どうやら2匹目が歯にかかったらしい。 声が上がらないあたり、砂に負けたか。あの悲鳴は聞きごたえがあったのに。 ゆっくりが飲まれたということは、あれが始まるはずだ。 人間への抵抗を忘れたまりさ達を眺めていると、それは始まった。 まりさ達の頭上から降り注ぐ砂の色が、変わった。 輝きすら見せる黄土色から、苦く甘い黒へ。 砂の粒子よりははやり少し重いらしく、それほど《ハコ》内を舞わずに落ちる。 「ゆっ!なんかとんできたよ!」 「たぶんすなだよ!きにしないでね!」 「でもさっきよりなんかおもたいよ!」 「ゆぅ?…」 親まりさは黒い砂嵐の中、そっと帽子のつばを上げた。 これ以上に何があるというのだ。そんな目で。 これ以上ないものがあった。 降り注ぐのは徹底的に粉砕された、餡子と皮と帽子の端切れ。 帰らぬ者が帰らずに帰ってくる。感動の再開じゃないか。 「ゆ”う”う”う”う”ぅぅぅぅ!!!!!」 餡子と皮はぽろぽろと、黒白の布はひらひらと、《ハコ》の中を飛ぶ。 顔を上げたまりさは、その衝撃に気絶してしまった。 自分の息子(娘かもしれんが)がこんな姿で帰ってきたのだ。 いや、帰ってこなかったのだ。 気を失ったまりさは、ずるずると同じ末路をたどり始める。 「まりさ!しっかりしてね!ねちゃだめだよ!ゆっくりできなくなるよ!」 「おかあさん!しっかりおきてね!」 気つけも声をかけるぐらいしかできない。 2匹は少し先回りし、動かないまりさを端へ端へと押し上げる。 これ以上欠員を出してはいけない。 その顔に映る生。この必死が見たくて虐待をしているようなものだ。 しかし異変。 突然、2匹が騒ぎ出す。 「い”や”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁ!!い”や”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁ!!」 「ごな”い”でえ”え”え”え”ぇぇぇぇ!!!!」 はて、これは予想外の展開。どうしたものだろうか。 内心わくわくしながら、《ハコ》をじっくりと観察する。 飲まれる砂、降り注ぐ砂、餡子、皮、帽子… まりさ達は必死に、何かを振り払おうとしている。 …そうか。帽子だ。 いわく、死んだゆっくりの飾りをつけたゆっくりは同属に攻撃されるらしい。 どうやらそれは帽子の形をしていなくとも有効らしい。 まりさ達はそれを知っていて、本能的にそれを避けようとしている。 この強風砂嵐吹き荒れる密閉空間で。 「どれ”ない”い”い”い”い”ぃぃぃぃ!!!」 「ごわ”い”よ”お”お”お”お”ぉぉぉぉ!!!!」 パニックのあまり走り出す。気絶したまりさは目を覚まさない。 これは、もう長く続かないだろう。 なら最後を、悲鳴の消えるまで眺めるのがせめてもの、ってやつだ。 走り回っている間に、気絶まりさは砂に飲まれた。 砂に目覚めることもなく、この騒がしい中で静かに消えていった。 「う”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁ!!」 「い”い”い”い”ぃぃぃぃや”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁ!!!」 もう悲鳴しか聞こえない。 渦中のまりさたちは家族が飲まれたことすら気づかず、実らない保身に精一杯だ。 体を思い切りゆすり、思い切り走り回り、布の端を払おうとしている。 やがて、走り回っていた親まりさが体勢を崩した。 転げ落ちるように、苦痛からの出口へ。 「ゆ”っ!ゆ”っ、ゆ”っ、ゆ”う”う”う”う”ぅぅぅぅ!!!」 身動きが取れなくなる。自然、降り注ぐ死の破片も振りほどけない。 パニックは最高潮へ。 親の悲鳴に、子供が我に帰る。子供の方が賢いじゃないか。 子供のとった行動は、あろうことか沈み行く親めがけ一直線である。 「おかあさん!まりさがゆっくりたすけるよ!」 「ゆ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁ!!!」 子供の声すら聞こえていない。ダメだ。これではダメだ。 いや、こちらにとっては理想的ではある。 子の助け虚しく、二人目の親もじわじわと、《ハコ》の体内へ。 「………お”か”あ”ざんの”ぶんも”ゆ”っ”ぐり”ずる”よ”!」 仕方がないと切り替えたのだろう。子まりさは助かるべく上を目指す。 だがそうまくもいかない。うまくいくようにできていない。 暴れまわった親まりさ、砂をあおる強風、そして今自分が一番、底に近い。 必死にあがく子まりさ。応じるように崩れ落ちる砂の坂。 ざらざらと崩れ落ち、やがて中央に到達した。 「ゆ”ぅー!ゆ”う”う”ぅぅ!!」 最後の最後まで、見えている希望を必死につかもうとする子まりさ。 その目は、涙で輝いていた。 その輝きも、砂に消えた。 一時の静寂を取り戻す《ハコ》 「そうか。飾りに関しては考えてなかったな…」 静かな部屋の中、ひとり反省会。 「休みない状況で心身共に疲弊させるつもりだったんだが…」 稼動しつつも中身のない《ハコ》は、寂しいものである。 「予想よりかなり早く、終わってしまった」 ただ砂嵐が吹く音と、歯車の回る音。 「しかしまぁ、装置自体の完成度は充分」 終わりを告げるそのしるしが、下へ下へと流れてくる。 「改良…はしたいなぁ。飾り対策か…」 ゆっくりたちは、ちょうど見える位置で落ちてきていた。 「まぁ、いいや」 命の演奏会が、始まる。 「……ん”ん”ん”ん”う”う”う”う”ぅぅぅぅぅぅ!!!!」 気絶まりさが、絶望の中で目を覚ます。 口は、開かないらしい。子供は火事場の馬鹿力を見せたというのに。 興ざめだ。ただ刻まれてしまえ。 「ん”ぅ!ん”ぬ”ぅ!う”う”う”う”ぅぅぅぅ!!!!!」 砂同様にまで刻むために、かなり充実した解体工程になっている。 死してなお体を蝕むそれは、砂にも餡子にも負けない絶対を突きつける。 しばらくして、気絶まりさは、形を失った。 「…う”う”う”う”わ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁ!!!…」 そうか、解体中にもう1匹が流れることがあるのか。 共鳴も聞いてみたかったが、あいにく少しだけ遅かった。 「…だあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!…」 これだ、これこそ待ち望んだ悲鳴、生きている証。 圧し殺す砂の中で、最後の命が響かせる音。 素晴らしい。実に素晴らしい。 「……い”だあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!…」 なんと、子まりさも解体に入ったようだ。願ったり叶ったりだ。 この喜びは何事にも変えられない。蓄音機を準備しておけばよかった。 「う”があ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 「い”い”い”い”い”い”い”い”ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 回転する鋸歯が、上下に動く鋸歯が、鬼目やすりが、刃が、棘が… もてる限りを尽くした、最高のおもてなしだ。 「ゆ”う”う”う”う”う”う”う”ぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」 「ゆ”う”う”う”う”う”う”う”ぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」 演奏会は、終わった。 再び静かになる部屋。 歯車は無慈悲に回る。 黒い風が、《ハコ》の中に吹いた。 【あとがき】 規制に巻き込まれたタカアキです。 しかしいい竜頭蛇尾。 でもこれより長いと書くのも読むのも辛いだろうっていう。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/169.html
ゆっくりは草食である。 「幻想郷甘味事情の救世主」「ストレス解消の的」などと呼ばれるゆっくりが 農家に害獣扱いされるのはこの時点で決まったようなものだった。 とはいえ実際のところ農民がゆっくりを毛嫌いしていると言う事実は無く、他の人間同様に 甘い物を安価に手に入れられて良かったと思っている者の方が多かった。 畑にわざわざ侵入して野菜を盗み食いするよりは、野原で昆虫をゆっくり追いかけるほうを好む ゆっくりの習性がどちらかというと無害である事をを人々に意識させたのだ。 その筈だった。 外から迷い込んで農業の真似事をしていた筈の私が、今ここでこうして畑を荒らすゆっくりたちの 進入を待ち伏せしているのは、連中が有害という事実を示していた。 事のそもそもの発端は一月前にさかのぼる。 ここへ迷い込んだ後、とにかく食料を得るため借りた貧相な畑でサツマイモがそろそろ収穫という時期だった。 その日の朝、畑へ行った私は、三匹のゆっくりが芋を掘り返してかじっているのを見た。 最初に思い浮かんだのが、手塩にかけて育てた芋を台無しにされた怒りよりも、 生で食べると腹(?)を壊すんじゃないかと言う心配だったのは我ながら間抜けであったと思う。 ともかく現在進行形でかじられてる芋は諦めるとして、これ以上被害を増やさないために私は考えた。 なまじ甘い態度を取るといつまでも居座るとはベテランの農夫の談、直ちに追い出さなければならない。 さらに、頭が妖精よりも弱いと評判のゆっくりは、生半可な恐ろしさで怒鳴って追い出しても 明日には忘れて再び現れるというのが考えられる。 これを満たす手段を考えていた私は、「外」に住んでいたとき農家がカラスの死骸をつるしていたのを思い出した。 (幻想郷では見られなかった。鴉天狗に血祭りにされかねないからだろう。) この手段を採用した私はゆっくりの死体を3つ生産すべくゆっくりと背後に近づき、 奇襲効果を得られるうちに攻撃するためクワを振りかぶった。 「ゆっくり?」 振りかぶった瞬間、ゆっくりが一斉にこちらを向いた。 ゆっくりが太陽とは逆を向いていたのを失念していたのである。 ここで止められる訳が無い、全力でクワを振り下ろした。 「ゆ゛っ!」などと断末魔をあげて真ん中の紅白饅頭が絶命する。 直ちに第二撃を繰り出すため、刺さった歯を抜き構える。 「や゛め゛て!ゆ゛っく゛りし゛ようよ!!」 もう一匹の紅白饅頭が命乞いのセリフを吐き出した。 黒大福は薄情なことに「ゆっくりしんでね!」などと言って逃走した。ひどい大福だ。 とりあえず死体は一つ手に入ったので、生きている方の紅白饅頭を捕縛して自宅に戻った。 紅白饅頭を押入れの布団の下に放り込んだあと必要な材料を持って畑へ行き、 近くの木の枝に死骸を入れた袋を「私は悪いゆっくりです」と書かれた板と一緒にぶら下げた。 黒大福を逃したのが心残りだったが、私は一仕事終えた充実感を胸に帰宅した。 それから1週間後、どうやったかは知らないが あの逃走した黒大福が仲間を大勢引き連れて(2ダースはいたと思う)畑を荒らしていた。 「おいしいね!」「ゆっくりたべようね!」 早すぎでも収穫すべきだったと後悔しつつ、私は鍬を振り上げ突進した。 「ゆっくりしていってね!!」「さっさとかえってね!」 などと腹の立つ言動をしながら大福と饅頭が向かってくる。 だが所詮ゆっくり、金属製の鍬を受けるとあっさり昏倒、あるいはバラバラになり、それをみた 他のゆっくりは蜘蛛の子を散らすように逃げてしまった。 結局、饅頭四個分の餡子と皮を生産し、捕虜(めんどくさいので木に吊るした)を2匹手に入れただけだった。 それからは毎日ゆっくりの襲撃を受けるようになった。 毎回毎回追い回すのも面倒なので、5回目の時点で進入方向を限定するための柵を設置した。 進入経路で待ち伏せて5回目は畑に入ることすら許さなかったが、6回目は大量に引き連れて数で突破された。 (後で適当な大福を尋問したところ、黒大福がこの畑に「メッチャうめえ」物があると吹いているようだった) ゆっくりどもにこちらの恐ろしさを教育してやるため、襲撃後ただちに里へ香霖堂へ装備の調達に走った。 陣地を構成する障害物は鉄条網・トゲつきの柵・斜めにつきたてた槍などがその後の何回かで増えた。 そして現在、21回目の襲撃後の畑は様変わりしすぎて畑と呼ぶことが難しくなりつつある。 時計からそろそろ襲撃時刻(午前6 00ごろに来る)になりつつあることを見た私は、 香霖堂で調達した双眼鏡を森の方へ構える。 木々の緑の中に紅白・黒の丸い物体がポツポツと見え始めた。 「総員戦闘配置!」 10回目頃から事態に気づき、加勢してくれたヒマな農夫や 天然のゆっくりがノコノコやってくるということで協力しに来た加工所職員へ 大声でゆっくりが来たことを伝える。 最近は畑よりも捕虜の救助が目的でゆっくりが襲撃してきているようなので、 紅白饅頭をガラスケースに閉じ込めたものを数個、進入経路に設置してある。 「いまだしてあげるね!」「いっしょにゆっくりしようね!」「がんばってこわすよ!」 案の定、その地点で群れが停止した。 そこまでを確認した私は、地面に斜めに突き立っている筒の所へ行き、その筒へ何物かを入れた。 その物体が筒の一番下まで到達すると、瓶の栓を抜いたような音があたりに響いた。 「5、4、3、2、だんちゃーく、今!」 言い終えると同時にガラスケースの所で爆発が起きる。宙を舞うゆっくりが確認できた。 下ろして欲しいという意図の悲鳴がここまで聞こえてきた。 その意図は直ちにかなえられ、地面にたたきつけられたゆっくりはずっとそこでゆっくりすることになった。 「毎回掛かるのはやはり脳が足りないんですかね?」 加工所職員に話をふると「そもそもあるのかどうか…」と気の抜けた返事が返ってきた、同感だ。 香霖堂で調達した迫撃砲は数に限りがあるので一発で射撃を終了する。 いつものようにゆっくりの群れがこちらに向かってきたが、前面の鉄条網で押しとどめられる。 「い゛た゛い゛!い゛た゛い゛ぃ゛ぃぃ゛!」「ゆ゛っく゛り゛おさ゛な゛いでぇ!」 鉄条網に引っかかった仲間の上を通るという共産軍さながらの方法で、第一線は通られた。 本来ならばさらに第二、第三と鉄条網を張るつもりであったが、流石の香霖堂でも鉄条網が そう簡単には手に入らず、第一線の後は射的タイムである。 おのおの、弓やボウガンや猟銃を構えて号令を待つ。 第一線を乗り越えたゆっくりは150匹であった。 最初の迫のダメージで7匹力尽き、そこへ最初の射撃が到達し12匹が倒れる。 この射撃音で怖気づいた22匹が逃走し、さらに第ニ射で16匹が倒れた。 「もうやだ!おうちかえる!」「おうちかえっぶげぇ!」 地面に刺しておいた槍の障害物で、遮二無二突進した9匹が串刺しになった。 柵と組み合わせたその障害物でまごまごしてるあいだに第三射が全弾命中し18匹が死体となった。 さらに15匹逃走して、残りが何とか射撃線へと到達する。 加工所職員が柵を乗り越え、慣れた手つきでゆっくりを8匹捕縛し、31匹逃走させた。 1ダースとなったあの黒大福を含むゆっくりの精鋭は農夫には目もくれず私のところへ突進してきた。 手近にあった陣地構築用の洋ノコをとっさに構え、まず飛び掛ってきた一匹を切り裂いた。 「ゆ゛っ゛く゛りぶぇ゛!?」 雑な切断面から餡を撒き散らしながら落ちる物体には目もくれず、二匹目を足で蹴り飛ばした。 蹴った瞬間破裂した物体は飛翔しながら餡と皮に分解していった。 さらに突進してきた三匹目は一番悲惨で、フルスイングされたノコの直撃を受けたあと、 バラバラになりつつ飛翔して障害物の槍に刺さった。 残りの9匹のうち4匹が農夫に捕縛され、散り散りになって逃げ出した最後の5匹は背中に射撃を受け 「もうゆるじで!!」「やめて!ゆ゛っく゛りし゛ようよ!!」 2匹にまで数を減らしつつ逃走に成功した。 この2匹が命からがら森へ入ったのが6 58であった。 以上が22回目の襲撃とそれまでの経過の概要である。 選択肢 投票 しあわせー! (26) それなりー (5) つぎにきたいするよ! (8) 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1119.html
突如大量発生したゆっくりによって人間の里が占拠されてしまった。 人間たちが持てる限りの食料を持って脱出した後の里では普段虐げられているゆっくりが我が物顔で闊歩していた。 里はゆっくりに陵辱されつつあった。 見張りをしているはずの紅白饅頭は勝利の余裕からか居眠りし、 巡回歩哨の黒大福は任務を果たさずに民家の棚と言う棚全てを漁っていた。 その油断が良くなかった。 突然、ゆっくりたちの体に響くゴロゴロゴロ…という重低音。 人間が里を取り返しに来たのだ。 「ゆっくりの奴ら、もう勝ったと思っているな。」 「そうらしい。では教育してやるか。」 突然現れた小さな家ほどもある鋼鉄の塊、TigerIを見上げて固まるゆっくりたち。 その後はお決まりのようにゆっくりがゆっくりしていけと挨拶をし、それが受け入れられないとでてけと言い、結果ゆっくりは吹き飛ばされた。 「目標 真ん中の饅頭ども!弾種榴弾! フォイア!」 アハト・アハトが咆哮をあげるたびに、何匹か、何十匹かのゆっくりが炭化水素と炭素の混合物へと変えられた。 正面以外には攻撃できないと考えた聡明な黒大福の指揮で数百匹のゆっくりが虎の側面に突撃したが、 何かが飛び出したかと思うと全てズタズタに切り刻まれた。 おそろしい鉄の棒は連続で爆発を起こせない事に気づいた紅白饅頭たちが砲撃の間隙を縫って虎の正面に突進したが、 矢張りというべきか、車体機銃で蜂の巣にされた。 里に戻った人間たちはカラメル焼きのような香りを感じ、そこらじゅうに転がった黒い塊を見た。 ゆっくりにとっての地獄が現出していたのだ。 WTMのヴィットマンタイガーを見てたらつい書いてしまった。設定ガン無視サーセン
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/815.html
「ほぅら、れいむ今日の朝ごはんだぞ~」 「ゆゆっおいしそ~ うまっうまっ」 彼は一人幻想郷のある森の中に一軒家を建て暮らしている。 そして、突如出現し増殖したゆっくりと呼ばれる動く饅頭を虐待する趣味を持っていた。 わがままで自己中心的なゆっくりが人間に駆除されたり、危害を加えられるのは日常的な風景だ。 だが今、彼は一匹の直径40センチほどになる成体ゆっくりを丁重に扱っている。それはなぜか。 すべては彼による後のお楽しみのためにあった。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~!」 「旨かったか、そうかそうか、良かった」 「・・・」 「ん?どうした?」 食事を済ませ、急に何か言いたそうにそわそわし始めるゆっくりれいむ。 「あ、あのね・・・ れいむ、いままでおにーさんにおせわしてもらって すごいしあわせなの」 「なんだ、そんなことか。もちろん俺も幸せだよ」 「だからね・・・その・・・ ・・・れいむをたべてほしいの!」 「・・・えっ?」 突然、自らを食べてほしいと懇願し始めたれいむ。 これまでの幻想郷の住人によるゆっくり研究では、ゆっくり、特にれいむ種は愛情を持って育てると 恩返しのような感情が働くのか、このような行動を起こす個体が少なからず存在するらしい。 そして彼もそのようなゆっくりれいむの習性を熟知していた。 「(・・・思った通りだな。さて、これまでのフラストレーションを発散させるとするか・・・)」 「・・・おにーさん、すこしでいいかられいむのあんこをたべてもらいたいの おねがい」 「・・・ああ、わかったよ、れいむ・・・」 それまでゆっくりを散々虐待し、生ごみにしてきた彼がなぜゆっくりを飼い、愛でていたか。 全てはこの時のためであった。時間をかけ、自分の中の欲望を高め一気に発散させる。 そんな虐待もたまにはいいだろう、そう考えた末の計画だった。 「・・・ちょっとまっていなさい、れいむ」 「ゆゆっ わかったよ! ゆっくりまってるね!」 さっそく家の外で薪をくべ鉄板をひき、火を付け温める。 「れいむ、外に来なさい」 「ゆっゆっゆっ! ・・・ゆっ?何で火が付いてるの?れーむこわいよ」 「大丈夫だよ・・・ よっ」 れいむの両脇を抱え持ち上げる。 そして、熱く焼けた鉄板の上へとおもむろに乗せる。 「ゆぎゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙づい゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙!!!!!!」 「8・・・9・・・10・・・もういいかな」 10秒ほど経った後、焼けた鉄板の上で泣き叫ぶれいむをまた抱え、地面に降ろしてやる。 「ゆ゙っ゙ゆ゙っ゙ゆ゙っ゙!!」 涙目になりながら体を震わせるれいむ。その目がキッと彼を向く。 「どーじでごん゙な゙ごどずる゙の゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙!!!!???」 「どうしてって、ただ食べたんじゃおいしくないだろ」 「ごん゙な゙ごどじなぐでも゙お゙い゙じい゙よ゙お゙お゙お゙お゙!!!!!」 「いや、お前たちゆっくりはな、恐怖や絶望、痛みを味わった方がおいしくなるんだとさ」 「ぞん゙な゙の゙ゔぞだよ゙お゙お゙お゙お゙お゙!!!!!」 「あー、うるさい」 いま底部を焼いたのは痛みと恐怖を与える他に、これからのメインディッシュに向けて 無理に暴れ出さないように配慮した上でのことだ。感謝されこそすれ恨まれる覚えはない。 そして動きを奪った後は、そのうるさい口だ。饅頭が喋る必要はない。 外に用意していた工具箱もといゆっくり虐待道具箱からナイフを取り出す。 「おとなしくしてろよー、じゃないともっと痛いぞー」 「や゙べでえ゙え゙え゙え゙え゙!!!れ゙い゙む゙に゙や゙ざじがっ゙だの゙に゙い゙い゙い゙い゙!!!!!」 「・・そんなもん演技に決まってるだろ。そういえばお前を飼ってたのは1ヶ月くらいか。 ちょっと手間をかけ過ぎたな」 「ぞん゙な゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」 「さて、お喋りはお終いだ」 ゆっくりの口内に手を突っ込み、舌を掴み、もう片方の手に持ったナイフで根元から切り取る。 「げえ゙え゙え゙え゙え゙え゙!!!!!!!!!あ゙ぎゃ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!!」 声にもならない声を上げ、もがき苦しむれいむ。そんなれいむに思わず口元が綻ぶ。 そのまま、今度はれいむの口を外周に沿ってえぐり取る。 「~~~!!!!~~~!!!」 何か言いたそうだが、もはや空気を吐き出すばかりで音が出ない。 餡子が流れ出る前に、用意した別のゆっくりの餡子を、口だった空洞に詰め込む。 間髪入れず、同じく用意した手製の饅頭皮を水でふやかして張り付ける。 数々のゆっくり実験話が確かなら、しばらくすれば完全に癒着し一体化するだろう。 「ふうっ やっと饅頭らしくなってきたぞお、良かったなあ、れいむ!」 「・・・・!!」 「何だ、そんなに涙を流したら体の水分がなくなってパサパサの餡子になるぞ」 動きを封じられ、声を失ったれいむができることはただ目で訴えることくらいであった。 しかし彼の手はその目に伸びた。 「・・・・・・!!!!!」 れいむの片目が無慈悲にもぎ取られる。 れいむは残った目と、ぽっかり空いたもう片方の空洞から水分を流し、震えるしかなかった。 「どれ、ちょっと味見・・・」 もぎ取った眼球を一口かじる。 透明な薄皮が破れると中から濃厚なシロップのようなものが流れ出る。 「甘っ! とてもこれだけじゃ食えないな・・・ 潰して紅茶にでも入れればちょうどいいか」 「・・・!!!」 「・・バランスが悪いからもう片方も取ってしまおうか」 「・・・!!!!!」 もう片方の眼球も摘出され、これはその場で踏み潰された。 そしていまだ砂糖水が流れる傷跡に、餡子を詰め、皮を張る。 のっぺらぼうのゆっくりだ。 「これでお前は動くことも、見ることも、喋ることもできない。 まさに饅頭の理想的な姿に近づいたわけだ。だが当然まだ足りない 次は・・・ 髪だ」 れいむの頭を押さえつけ、カミソリで髪を剃る。 リボンごとれいむの黒髪がばさばさと地面へと落ちる。 五厘刈りほどにしたところで、今度は生え変わらないよう皮むき器で薄く皮を削り取ってやる。 「・・・・・・!!!」 「おい、動くなよ。手元が狂っちまうぞ」 削り終わった後は水で溶いた小麦粉を塗ってやる。こうすればもう髪が生えてくることもない。 これまた幻想郷各所のゆっくり実験結果によって立証されている。 「・・・よし!完成だ!!」 そこにいるのはまぎれもない巨大な饅頭そのものであった。 小刻みに震えてはいるが。 「おっとすぐ死なれても困るからな、栄養をくれてやる」 砂糖水を詰めた大きな注射器をおもむろに頭頂部に刺し注入してやる。 「ははっちょっと飲ませすぎたか。パンパンだぞ」 「・・・!!!」 「聞こえてるんだろ?おまえらは皮で空気の振動を感じ音として聞いているらしいからな」 仕事を終え満足げな彼は、こうなる以前のれいむの願いをすっかり忘れていた。 「おおっと、忘れてた。お前、俺に食われてほしかったんだよな。 でもな、あいにく俺は饅頭嫌いなんだよ」 「・・・・・・!!!!!」 ビクッと体を震わせるれいむ。するとそのままフルフルと顎を見せた。 その顎からは小さな穴が見える。 過度の水分の注入によって体がふやけかかっていたため、水分の排出を 産道より試みようとしていた。これもゆっくりの一般的な生態の一つである。 ジョオオオオ・・・・ 音を立て、尿のように水分を体外に排出しているれいむ。 その様子を彼はじっと見ていた。 「そうだ、その穴があったんだよな。見落とす所だった・・・」 排尿を終えたれいむに近づき、産道に手を突っ込む。 「・・・・・・・!!!!!!!」 激しく体を震わせ抵抗するれいむ。だが片手で押さえつけられ、もう片方を手首まで 産道に突っ込まれ内部をかき混ぜられる。その痛みからか、ひときわ大きく震えた後 ピクッピクッと痙攣を始めた。 「んっ?、もう失神したか。じゃあさっそくこれも取ってしまおう」 産道も口の要領でくり抜き餡子を詰め、皮で蓋をする。 こうして完全な饅頭が出来上がった。 だが時折痙攣しており、見る者にとっては非常におぞましい姿だ。 「・・・終わったか さて、こいつをどうするかな・・・」 彼はその饅頭に対する興味を急速に失っていた。 「やっぱりゆっくりは動いて喋って、こっちを憎悪の目で見てくれないと やり甲斐ってものがないな・・・」 いまだビクッビクッと痙攣するれいむだった饅頭を持ち上げ、最初に焼いた鉄板に 全体をまんべんなく押しつけ焼き上げる。これで焼き饅頭の出来上がりだ。 そして、こんがりと焼けたそれを草むらの奥に投げ込む。 「まあ、そこで虫か動物か、それとも同族にでも食われるがいいさ、ハハハッ」 「・・・それで終いか? ゆっくりは食べないのか」 「俺はゆっくりを食う趣味はないんでな。ただの自己満足さ。 今日はくだらないことに付きあわせてしまったな。 俺を理解してくれるのは村では君くらいのもんだ じゃあ、また今度な」 一部始終を見学させてもらった私と立ち話が終わると、彼は家の中へと戻っていった。 そして去り際のどこか寂しげな背中を見届け、私も帰路へとついた。 終 このSSに感想を付ける