約 1,237,015 件
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/123.html
永遠にゆっくりするということ 11KB まあるい月が中天に昇る夜。 輝く星々に彩られた十五夜の夜空に誘われて、普段なら夜は出歩くことのないなまものが見晴らし の良い丘に登っていた。 少女の顔を模した、動いて話す不思議饅頭こと『ゆっくり』。 赤いリボンを付けた黒髪のゆっくりはれいむ。 黒いとんがり帽子を被った金髪のゆっくりはまりさ。 とても夜とは思えないほどの輝きに飾られた空を眺めて、二匹のゆっくりはそっと寄り添う。 実にゆっくりとした時間の中で、まりさはそっとれいむに囁きかけた。 「ねえれいむ。まりさはれいむにゆっくり聞いてもらいたいことがあるよ」 「ゆ…? なぁに、まりさ?」 「まりさは…」 れいむが星空から地上に目線を降ろせば、真っ赤になったまりさの顔がそこにあった。 真っ正面かられいむの瞳を見つめ、上手く廻らない舌をもどかしく思いながらも一心に思いの丈を ぶつけた。 「まりさはれいむといっしょにずっと…ずっとゆっくりしたいよ!」 ずっとゆっくりしたい、はゆっくりにとってのプロポーズの台詞。 それを受け取ったれいむは、十秒近く目を丸くして赤面しているまりさを見つめていた。 やがて、まりさの顔の赤さがれいむにも移ってゆく。 はにかみながらも目を伏せ、それでも小さく頷くれいむ。 「れいむもまりさといっしょにずっと、ずぅーっとゆっくりしたいよ…」 「れいむ…」 恥じらう声はとても小さかったが、頬が触れるほど近くにいたまりさにはしっかりと届いた。 万の星々と白く輝く満月に見守られ、二匹はそっと口づけをする。 唇が離れたとき、二匹の顔は満面の笑みとなっていた。 「ゆっくりしていってね!!」×2 月まで届けと幸せ一杯の宣言を声高に告げる二匹。 この瞬間、二匹は心の底から体の芯まで幸せに満ちあふれていた。 そう、この瞬間までは… 「れいむは今日からまりさのおうちにすむよ! まりさ、おうちにかえったらかわいいあかちゃんを いっぱいつくろうねっ!!」 「うん! みんなでいっぱいゆっくりしようね!」 「ゆぅ~ん♪ す~りす~り、しあわせゆ?」 「す~りす~り、しあわせ~♪」 至福の笑顔で頬をすりあわせるまりさは、まだ異常に気付かない。 ついさっき番となったばかりのれいむに起きた事態に気付いていない。 「ゆっ…ゆっ?」 「ゆ~。れいむ、みてみて! おつきさまもおほしさまもいつもよりキラキラして、まりさとれいむ をおいわいしてくれてるよっ!」 ふるふると震えるれいむ。 寒いのかな、と思ったまりさは気を利かせてさりげなく体を密着させる。やわらかく包まれる感触 にゆっくりした気分を味わいながら、れいむも同じ風に感じてくれてたらいいなと、そう心の底から 思った。 心はぽかぽか暖かくて、むしろちょっと暑いくらいではあったが、夜風を受ける体は少々冷えてき ていた。 「ゆっくし! …ゆぅ、ちょっと寒いね」 「ゆぅ…ぁ…」 風にあおられたれいむの髪がまりさの顔をくすぐったせいでくしゃみが出た。 ぶるぶると怖気を振るうと、最愛のれいむに最高の笑顔を向けた。 「それじゃあれいむ、まりさのおうちでゆっくりしようね!」 返事は、返ってこなかった。 「…ゆ?」 瞬きをして見直す。 柔らかい草にごしごし顔をこすりつけて見直す。 空を見上げてから、改めて見直す。 「…ゆゆっ!?」 「ぁ…り…さぁ…」 艶やかな髪が好きだった。 キラキラした瞳が好きだった。 つやつやで、ふっくらしたお肌が好きだった。 そこにあったのは、まりさの愛したれいむとは似ても似つかない、酷い姿のゆっくりだった。 それなのに、悲しいほど正確にそれがまりさのれいむなのだと気付いてしまった。 「うわぁああああああっ!? れいむぅーっ!!」 「ゆ゛っ…ゆ゛っ…ゆ゛っ…ゆ゛っ…」 風が吹けばハラリと抜けて飛ばされてゆく乱れた髪。 限界まで開かれた瞼の下で、左右で異なる動きをする目はまりさには見えない虚空の何かを探して ギョロギョロと動き回る。 かさかさに荒れて、しわだらけになった肌。 一回り以上小さくなって見えるれいむの体は、断末魔の痙攣を始めていた。 「どおじでぇ!! どおじでれいむがぁっ!?」 今際の際にあるれいむの命を何とか留めようと縋り付くまりさ。だがいくら頬を寄せ、舌で慰撫し ようともれいむの命を繋ぐ役には立たなかった。 「もっと…っくり…たか……」 「れいむぅうううううううううっ!? ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってねぇっ!! ゆっくりしていってねぇええええええええっ!!」 末期の痙攣が尽き、れいむは永遠にゆっくりしてしまった。 星空の下にまりさの慟哭が木霊する。 涙も涸れよとばかりに泣き叫ぶまりさを慰めることのできる仲間は、ここより離れた場所にある群 の営巣で眠りに就いている。この場に優しい言葉でまりさを慰め、れいむのことを共に悲しんでくれ るゆっくりはいなかった。 「うー」 「…ゆ?」 なんだか聞き捨てならない声を聞いた気がして、まりさは一旦泣くのを止めて周囲を見回した。 その場から見渡す範囲には誰もいない。 何の気無しに一歩飛び出してみた。 そうして、一匹のゆっくりがれいむの陰に隠れていたことに気付いた。 「………ゆ?」 「う~?」 赤いリボンの揺れる白いキャップ。まりさと同じ金髪は、束ねてある一房だけが長い。顔の後ろか らは二本の枝のようなものが伸び、色とりどりの菱形の結晶が果実のように実っている。 向こうもまりさの声に気付いたのか、れいむの頬に埋めていた顔を上げた。 そうして、はっきりと相手の顔を見ることができた。 れいむとは比較にならないほど白い肌に赤い瞳が映え、汚れた口元を隠そうともせずに牙を剥き出 しにしてとても嬉しそうな笑顔をまりさへ向けるゆっくり。 まりさの顔色は、そのゆっくりの肌に負けないほど白くなってゆく。 「う~、あまあま~♪」 「ゆっゆっゆ…っ!? ゆっぎゃぁああああああああっ!! ふらんだぁあああああああああっ!!」 まりさを慰め、共に悲しんでくれるゆっくりはこの場にはいなかった。 居たのはれいむの餡子の付いた口でにっこりと笑う、一匹の捕食者だけだった。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 永遠にゆっくりするということ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 「もっど…ゆっぐり…じだがっ…だ…」 「う~♪」 やや白み始めた夜空の下、まりさの断末魔とふらんの勝ち鬨が森の一角で上がった。 ふらんとしてはさっさと仕留めたかった所なのだが、まりさの逃げ足が予想以上に早かったために こんなに時間が掛かってしまった。 夜行性で空も飛べる身ではあるが、流石に夜を徹しての追走劇にはくたびれてしまった。まりさの 中枢を貫いた愛用の木の枝を引き抜きながら、それでも心地よい疲労感と狩り甲斐のある獲物を仕留 めた満足感で頬は緩んでしまう。 先にれいむで腹を満たしてはいたが、飛び回っていたお陰で小腹が空いていた。 早速ふらんは仕留めたばかりの獲物に牙を立てた。 「う~。あまあ…あまあまーっ!?」 ものすっごい甘かった。 不意を打って一撃で仕留めたれいむの餡子とは、文字通り格が違った。 それもそのはずで、ゆっくりは苦痛や恐怖など『ゆっくりできない』状態に陥ったとき、己の中で 甘味を作りだして『ゆっくりできない』状態から逃げ出そうとする。人間で言うならエンドルフィン やアドレナリンと言った脳内麻薬に近い効果があるようで、これによってゆっくりたちは現実逃避を 計ろうとするのである。 その糖度の上昇率は天井知らずで、苦痛や恐怖を味わえば味わうほどそのゆっくりは甘みを深めて ゆく。 幸福の絶頂の中で訳も分からぬうちに仕留められたれいむと、捕食者に追い回されて一晩中死の恐 怖に浸っていたまりさ。その甘みに雲泥の差がでるのも当然のことであった。 「う~、う~♪ あ~まあま~♪」 このふらんは狩りの手際が良かったため、今までここまで甘くなったゆっくりを食べたことは無か った。 夢中になってまりさの中身を啜るふらんだったが、四分の一も吸い尽くさない内に満腹になってし まった。幾らまりさとの追い駆けっこで小腹が空いたとは言っても、数時間前に成体ゆっくりを一匹 吸い尽くしている。これ以上食べることはできそうになかった。 「うー…あまあまー…」 できることならこのまま中身を吸い尽くしてしまいたいところだが、食べ過ぎると自重が重くなり すぎて飛べなくなってしまう。飛行種であるが故に捕食者としての立場でいられるあるふらんは、食 べ過ぎはゆっくりできないと本能的に悟っていた。 この上ないご馳走を前にしたゆっくりとしての食欲と捕食種としての本能の間でぐらぐら揺らめき ながら、ふらんはまりさを自らのお家へとお持ち帰りすることにした。 お家に帰ったら夜までぐっすり眠ろう。 そして目が覚めたらこのご馳走を食べてしまおう。 …そうだ、近くに住んでいるれみりやお姉さまも呼んで、こんなに美味しいあまあまを獲れるよう になったんだよって自慢するのも良いかも知れない。 それで久しぶりお姉さまと一緒にご飯を食べよう。 うん、とってもゆっくりできそう! 「うーっ!」 食欲を押し殺すために懸命に考え出した建前に縋り、まりさを銜えて夜明けの空に飛び立つ。 もっとも、どれだけ建前を振りかざしても溢れ出る食欲を完全に押しとどめることなどできはしない。 巣に着いたふらんは、眠る前に涎でべたべたになってしまったまりさを拭かなければならなかった。 ※ 残念なことにその日の夜から二日間、ふらんの頭上にはどんより黒い雨雲が居座ってしまった。 お家にしている木の虚から覗き見る外の世界は、激しい雨によって隣の木すら見えない有様だった。 これではとても姉のれみりやを呼びに行くことなどできやしない。 「うー…」 溜息を吐きながら、ふらんはじっと外の世界を眺め続ける。 決して後ろを振り返ろうとはしない。 振り返ればそこにご馳走があるのだから。 もしそれを目にしてしまえば、今度は食欲を抑えることなどできそうになかった。 狩りの不調で獲物が捕れない日などこれまで何度もあったので空腹にはなれているつもりだったふ らんだが、真近くにご馳走を置いた状態で我慢する空腹は、想像以上に苦痛でありゆっくりできなか った。 それでも姉との久しぶりのゆっくりした食事を夢見てふらんは耐えた。 三日目の夜に雨が上がっていることを確認すると、ふらんは弾かれたように外へ飛び出していった。 「うぅーっ!!」 獲物のゆっくりを追うときとは比較にならない速度で飛翔するふらん。 自己最高速度を軽く凌駕する勢いで飛んだふらんは、あっというまに姉のれみりやの巣へと到着した。 「うーうーっ!!」 「う~?」 妹の切羽詰まった声にひょっこり顔を出すれみりや。 「うーっ!」 「う゛っ!? う゛ぁああああああああっ!?」 待ちきれないふらんによって、虚から顔を出したところでお家から叩き出されてしまった。 悲鳴を上げて落下するれみりやだったが、地表に激突する寸前で自分が飛べることを思い出して 事なきを得た。 「う~…。うぅぅっ!」 「うー、うーうー!」 「う~?」 突然の暴挙に文句を言おうとふらんに詰め寄るれみりやだが、逆に突進してきたふらんに詰め寄ら れてしまい怒る機会を逸してしまった。 れみりやはそのままふらんの説明を聞くことになってしまった。 ふらんのお家にとびっきりの「あまあま」があることと、それを二人で食べて一緒にゆっくりした いというふらんのお願いを聞く頃にはすっかり突き落とされたことなど忘れてしまった。 れみりやもまた二日続いた雨のお陰でお腹が空いていた。 仲睦まじい姉妹の姿を取り戻した二匹は、仲良く高速でふらんのお家へと飛んでいった。 ※ 「う~♪」 「うあうあ~♪」 お家の隅っこに置いてあったまりさを部屋の中央まで運ぶふらん。目の前に運ばれてきたご馳走に れみりやは思わず歓声をあげた。 もうこれ以上は待っていられない。 ふらんとれみりやは左右からまりさにかぶりつき、極上の「あまあま」を力の限り啜った。 「あ~まあ~…う?」×2 ぴたり、と揃って二匹の動きが止まる。 顔は満面の笑顔のままで何度も瞬きをする。 今度は一口だけ啜ってみた。 途端に二匹から表情が抜け落ちる。 もう一口啜ってみた。 涙が溢れてきた。 さらにもう一口、じっくりと慎重に啜ってみた。 けれど何度口に含んでみたところで味は変わらない。 「う…う…うぅ…うあぁあああああああああああああああんっ!!」×2 とてもとても悲しいことに――全然まったく欠片も甘くなかった。 騙された形となったれみりやは涙を流しながらふらんに体当たりをする。 それを必死になって避けながら、ふらんは嘘じゃない、騙してなんかないと訴える。 この姉妹喧嘩は二匹が空腹を思い出すまで続いた。 ※ ゆっくりは死ぬことを「永遠にゆっくりする」と呼ぶ。 死んだゆっくりは苦しまない。悲しむこともない。もはや誰が何をしようとも自らがどうなろうと 関係なく「永遠にゆっくりする」。 ゆっくりの体内で起こる糖度の変化は死んだ後にも起こっていた。 苦痛や恐怖を味わえば味わうほど甘みを増すゆっくりだが、心の底からゆっくりしているとその糖 度は限りなく低いものとなる。 死ぬことへの恐怖で限界まで濃くなった糖度も、永遠にゆっくりしている間にゆっくりゆっくりと 糖度を薄めていた。 その日、八つ当たり気味のふらんとれみりやの狩りは食べもしないゆっくりにまで被害が及んだ。 そこかしこで無惨に中身を散らすゆっくりたち。 まだ幽かに息のあるゆっくりが、ついさっきまで楽しく会話をしていた仲間の成れの果てに近付こ うと餡子を零しながら這い進んでゆく。辿り着いたときには中身の大半が流れ出し、まともに意識も 残っていなかった。 一足先に「永遠にゆっくり」してしまった仲間に頬を寄せて長く息を吐いた。 「もっとゆっくりしたかったよ…」 その願いは間もなく叶う。 直にそのゆっくりも「永遠にゆっくり」し、そうやって死んだゆっくりは土へと還ってゆくのであった。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 死んだら糖度は変化しないはずでは? -- 2018-01-05 16 46 10 フランかわいいよフラン -- 2011-12-24 13 48 05
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1897.html
ゆっくりーまん この世界ではゆっくりは社会に溶け込んでいる。 最初はゆっくりは害獣として認定されていたが、現在は教育も受けているので社会に溶け込んでいる。 これはそんな社会の一場面である。 「さとうくん!!こんげつもまただめだったの!?ゆっくりしてたらくびにするよ!!」 「すみません・・・」 「そのことばはせんげつもきいたよ!!おなじことしかいえないの?ばかなの?」 「佐藤君また怒られてるね」 「まあ今月もビりだし仕方ないよ。」 家に帰ってもため息が出る。 なんとかゆっくり保険に入れた時は嬉しかった。 希望業種ではなかったが、早く親孝行したかったし 頑張れば充実した社会人生活を送れると思っていた。 そんな昔のことを考えていると、ふと写真が目に入った。 それは大学の卒業式の時に撮った写真だった。 その写真の中の自分は笑っていた。楽しい生活に期待を寄せているような笑顔だった。 写真を見ている自分が何故だか、惨めに感じてしまった。 そんな陰鬱な気持ちをごまかすように佐藤は眠りに落ちた。 「あーあ今日も怒られたよ。大体あいつゆっくりしてないじゃん」 れいむへの文句を言いながら今日も帰りの道を歩く。 「お、佐藤じゃないか?久しぶりだな」 「ん?お前は鬼意か」 こいつは鬼意 山。 怖い名前と、ぶつぶつと何かを喋る癖のせいで友達が少なく、 その数少ない友達の一人が俺なのだ。 「久しぶりだなー。折角会ったんだ、飲みに行こうか」 「え?まあいいけど」 突然の誘いに戸惑いながらも鬼意についていった。 今日も怒られていて気分が悪かったので、酒でも飲んでいこうと思ったからだ。 「鬼意はゆっくりの実験とかする会社だっけか。最近どうだ?」 「まあまあだな。ゆっくり絡みの仕事だらけだから退屈はしてないぞ」 「しかしゆっくりってただの饅頭だろ?実験も糞もないんじゃないのか?」 「何を言ってるんだ!饅頭は言葉なんか喋らないし、飯も食わないだろ。」 「それはそうだが・・・」 「例えば、にんっしん中のゆっくりに廃棄物食わせまくると奇形児が生まれるし 脳に当たる餡子をいじったり、変えたりすると人格とか知能が変わるんだぜ!」 これはゆっくりでも実験ができるって言いたいのだろうか 俺はあんな饅頭の実験にはあまり興味がないのだが・・・ 「大体社会の奴らは―――」 ゆっくりの実験について語った後、今度は社会のゆっくりに対する認識について文句を言い始めた。 それからはお互いに愚痴を言い合った後家に帰った。 「きょうはさとうくんについていくよ!!れいむにいいところをみせてね!!」 何ギャルゲーのヒロインみたいなこと言ってんだ お前みたいな饅頭と仕事とかモチベーション下がるわ!! とは仮にも上司なので言えない。渋々饅頭を引き連れて俺は営業へと向かう。 お昼 「さとうはだめだね!!なまえのとおりあまいやつだよ!!」 昼食をとっているとそんなことを饅頭はのたまいだした 「だいたいなんなの?いらないですっていわれたらかえるとかないよ!!そこでねばらないとだめなんだよ!!」 れいむの説教はさらに続く。 「わかいころのれいむはもっとがんばってたよ!!さいきんのわかいやつはだめだね!!」 お前2才だろが!! さらに説教はヒートアップしていき、もう何を言っているかわからなくなっている わかるのは俺の悪口を言っていることぐらいだ。 「―――――!」 さすがにこれだけ悪口を言われてなんとも思わないなんて男じゃない 「シュッ!!」 れいむの顔面に鋭い蹴りを放つ 「ゆびゅぎゅ!!」 きれいな放物線を描きながられいむが公園のごみ箱へと入っていく。 「しまった!!首になってしまう!!」 なんとかしようとごみ箱へと近づく 「ゆー・・・お空を飛んでるみたいー・・・」 どうやら気絶しているようだ。 だが助かったわけではない。流石の餡子脳でも蹴られたことくらい覚えているだろう。 「どうすれば・・・」 このまま首になったら親孝行も糞もない。プーたろーなんてカッコつかんし。 ―― いや待て、そう言えばこの前の飲んだ時にいいことを聞いた気がする・・・ にんっしん中のゆっくりに廃棄物食わせまくると奇形児が生まれるし いやこれは違う。こいつは独り身だからにんっしんはあり得ない。 脳に当たる餡子をいじったり、変えたりすると人格とか知能が変わるんだぜ! それだああああああああああああああ 俺は急いでスーパーであんぱんを買ってくる 時間がないのでウグイスあんからこしあん、つぶあんをパンから出す。 れいむのあんをある程度掻きだし、そこに餡を入れる。 あんを分けている暇はないので全部れいむの中に詰め込む 「ゆ!ゆ!」 痙攣しているが気にせずに作業を続ける。 「ふう・・・」 俺はなんとか餡の移植に成功する。 後はランニング中のおにいさんに蹴られたんだと言うだけだ。 「ゆゆ!?れいむはどうしてたの?さとう、ゆっくりせつめいしてね」 俺はあらかじめ考えた通りの説明をれいむに行う。 「そうだったんだね・・ぶれいなおにいさんだよ!!ぷんぷん!!!」 そんな饅頭の言葉に適当に相槌を打ちながら会社へと帰った。 1年後 結局俺は会社を辞めていた。 やはり合っていなかったのだ。 現在はゆっくりの養殖場を経営している。 牛を育てるような広い土地もそこまで必要ではないので何とかなっている。 鬼意のアドバイスを受けながら、品質と生産性の向上を目指している。 やはり俺には保険は会っていなかった。 これからは最高の品質のゆっくりを生産して親を楽にしていこうと思う。 あ、あとれいむ部長は失脚した 頭が悪くなっただけでなく、多重人格者になってしまったのが原因だ。 元の性格の知能も悪くなり、さらにれいむ以外の人格はどうやら工場で加工されたゆっくりのものらしい。 どれもゆっくりしたかっただの、体がぐしゃぐしゃになるだの 死ぬ寸前のことを何回も思い出し、やかましかったそうだ。 れいむには申し訳ないことをしてしまったが、 あれだけ馬鹿にされていたので少しだけいい気味って思ってたりもする。 まあれいむ部長の償いも込めてここでゆっくりを育てていこう。 それにこれは俺に向いている気がする そんな根拠もない自信を持ちながら、ゆっくり生きていこう。 ゆっくりに囲まれながら。 終わり あとがき 出来るれいむというものが書きたくなって書いちまいました。 メモ帳が突然消えてしまうというアクシデントにあい、やり直しになったけど なんとか書き終えられた・・・ まりさだったらもっとうざくできたのかなーと思ったけど 自分的にはれいむの方がうざい感じがするのでこっちで書きました このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/158.html
「ゆ゛っぐり゛じだい゛よ゛お゛ぉ゛ぉ゛!!ゆ゛っぐり゛ざぜでえ゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」 山菜取りから帰る途中、茂みからそんな声が聞こえてきた。 何事かと思い覗き込むと、そこには罠にかかって動けなくなっているゆっくりがいた。 大方ハンターが仕掛けた物だろう。ゆっくりは高く売れるからな。 犬猫ならともかく、ゆっくりなんぞ助けても仕方が無いのでそのまま行こうとする。すると 「お゛に゛い゛ざん゛!!だずげでぐださい゛い゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!」 お兄さんじゃあ、しょうがないな。 小さな頃から老け顔で、十五にして父親からも『親父』と呼ばれていた俺の憧れの呼ばれ方ベスト5だし。 「そら、もうかかるんじゃないぞ…って無理だよな。ゆっくりブレインだし」 「ゆっくりできる!ゆっくりできるよ!おにいさんありがとう!!!」 「はいはい。じゃあな饅頭」 「まんじゅうじゃないよ!れいむだよ!ゆっくりおぼえてね!!」 「へーへー」 あまりこんな所を人に見られたくはないので早足でその場から離れる。 ゆっくりはまだ何か叫んでいたが、どうでもいい。どうせいつものあれだろう。 家に着いて早速至高の山菜料理を作っていると、戸を叩く音が聞こえた。誰だろう。 「はいはい今開けますよー」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 なんと客はゆっくりだった。それも二匹。 「何だお前ら、一体何の用だ」 「ゆっくりさせていってね!!ゆっくりさせていってね!!」 「何言ってやがる帰れ帰れ。うちにはお前らみたいな饅頭に食わすタンメンはねえぞ」 「まんじゅうじゃないよ!れいむだよ!ゆっくりおぼえていってね!!」 「あん?何だそりゃ。ひょっとしてお前さっき会ったゆっくりか?」 「そうだよおにいさん!ゆっくりさせていってね!!」 「じゃあそっちの黒いのは何だ」 「れいむのおともだちだよ!まりさっていうんだよ!!」 「よろしくねおにいさん!まりさもゆっくりさせていってね!!」 一体どういうつもりだろう。まさか親切なカモがいるからと、仲間共々たかりに来たのだろうか。 「ちょっと親切にした位で調子に乗るんじゃねえぞ饅頭。お前らなんかにゃ水一滴だってやらん!」 「いらないよ!ごはんいらないよ!だからゆっくりさせていってね!!」 「おねがいします!ゆっくりさせていって!!」 なんと飯はいらんときた。一体何事だ?油断させてつけこもうなんて知恵がある訳も無いし…… ま、いらんと言うなら別に上げてやっても構わんか? 今晩居座るなら明日加工所に売りに行けばいいんだし。 「ああ分かったよ。大人しくするなら入れてやる」 「ゆっくりするよ!ありがとうおにいさん!!」 「ありがとう!!」 ぴょんぴょん飛び跳ねながら家の中に上がりこむ。何を嬉しそうにしてるんだこいつらは。 「お前らはその隅っこで大人しくしてろ。何も食わせてはやらんし、暴れたりしたら食うからな」 「わかったよ!ゆっくりじっとしてるね!!」 「ゆっくりたべないでね!!」 「ああそうしてろ」 何とも妙な話だ。ひょっとして狐にでも騙されているのか? 首を傾げつつ料理を作り、一人で食う。その間物欲しそうにこちらを見ていたが、当然分けてなどやらん。 「おいお前ら涎を垂らすな汚らしい。踏み潰すぞ」 「ゆ!ごめんなさい!!ゆっくりふいておくね!!」 「ゆっくりふまないでね!!」 益々おかしい。本当にこいつらゆっくりなのか…まあどうでもいいか。 その後風呂に入ったり布団を敷いたりしている間も奴らは大人しかった。不気味だ。 「お前ら帰らんでいいのか?俺はもう寝るが」 「ゆっくりとまっていくよ!ゆっくりねていってね!!」 「ゆっくりおやすみ!!」 「ああおやすみ。寝てる間に暴れたり盗み食いなんかしたら八つ裂きにするからな」 そう言ってさっさと寝る。まあ、仮に寝てる間に盗み食いなんかされても所詮二匹だけだ。 二匹とも売れば十分プラスになるだろう。 翌朝。妙な騒がしさで目が覚めると同時に、昨夜の考えは間違っていたと思い知らされた。 こ、こいつらまさかこんな方法で俺に嫌がらせをしやがるとは……!ゆっくりって奴は悪知恵は働くんだな畜生!! 「あ、おにいさんがおきたよ!!ゆっくりおはよう!!」 「ゆっくりおきてね!!」 「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」」」」」」 どうやらあの二匹、俺が寝ている間に交尾しやがったらしい。ミニマムサイズのちびゆっくりが十匹もいる。 当然家の中は荒れ放題、食い物はほぼ全て食い尽くされている。 「お前ら、荒らすなって言ったよな?そこまで八つ裂きにされたいのか。そうかそうか」 「れいむとまりさのあかちゃんだよ!!ゆっくりかわいがってね!!!」 「ゆっくりかわいいでしょう!!!」 「んな訳あるかこの糞饅頭が!!てめえら一匹たりとも生かして返さんぞ覚悟しろ!!!」 怒鳴った瞬間、それまでの喧騒が嘘のように静かになった。 親ゆっくりれいむが、涙目になってこちらを見ている。 「ひどい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!ぜっがぐお゛ん゛がえ゛じじであ゛げだの゛に゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!」 「あやまってね!!ゆっくりあやまってね!!」 「「「「「「「「「「ゆっくりあやまってね!!!」」」」」」」」」」 「恩返し、だぁ?一体どういう事だ。説明しろ糞饅頭」 どうにかこうにか聞き出した所によると、罠から助けてくれた俺に恩返しがしたかったらしい。 だが恩返しの方法なんて分からない。 そこで友人のゆっくりまりさに相談したら、可愛い赤ちゃんを見せてあげれば喜ぶに違いないという結論に達したとの事。 ゆっくりに恩なんて概念があった事に驚きだ。加工所の人に話してもきっと信じないだろうな。 「そうか。事情は分かった」 そう、悪気は無い事は分かった。だが、それだけだ。 悪気があろうが無かろうが起きた現実には何の違いも無い。俺は家中をメチャメチャに荒らされ、食い物を全て奪われた。 その代償はきっちりと払ってもらわなければならない。というか、恩返しなのに恩着せがましい物言いをするのが気に食わん。 「じゃあお前らとゆっくり遊んでやる。そうだな、かくれんぼをしようじゃないか。鬼は俺だ」 「ほんとう!?ほんとうにあそんでくれるの!!!」 「おにいさんありがとう!!ゆっくりかくれてるね!!」 「「「「「「「「「「わー!ゆっくりかくれようね!!!」」」」」」」」」」 「おっと。お前は俺と一緒に探すんだよ」 「ゆっ!だっこだ!だっこきもちいい!!!」 親ゆっくりれいむを抱きかかえて座る。こいつにはせいぜい楽しませてもらわんとな。 しばらく待ってもういいかーい。あちこちからもういいよー、と聞こえたのでゆっくりれいむを抱えたまま捜索開始。 「……ゆっくりまりさ、見つけた」 信じられん、あれで隠れているつもりか。頭隠して尻隠さずとは言うが、こいつは顔しか隠れていない。 「みつかっちゃった!!おにいさんすごい!!」 「れいむはわからなかったよ!!おにいさんすごい!!!」 これがゆっくりブレインか……よく生きていられるな。 「じゃあ見つかったまりさも俺がだっこしていてやろう」 「ゆっくりだっこしてね!!!」 「おそろい!おそろい!!」 片腕で何とか抱えて残りのちびゆっくりを探す。 奴らは体が小さい分難易度が高いが、所詮はゆっくり。簡単に次のを見つけた。 「ちびゆっくりれいむ、見ぃつけた」 そう言ってゴミ箱に隠れていたちびゆっくりを空いた手で掴む。 「ゆっくりみつかっちゃった!!!」 「おにいさんほんとうにすごいね!!!」 「ゆっくりかくれんぼのめいじんだね!!!」 「それじゃ、見つかったちびゆっくりちゃんは罰ゲームだ」 「ゆ?」 ちびゆっくりを口の中に放り込む。途端、ゆっくりれいむが物凄い形相で叫ぶ。 「なにするの!!おじさんやめて!!ゆっくりはなしてあげて!!」 おじさん、だと…?一瞬このまま殺してやろうとも思ったが、思いとどまって口の中を見せる。 「ゆっくりあったかいよ!」 「何勘違いしてやがるんだお前は」 「ゆっくりまちがえちゃったよ!!」 口の中でちびがもぞもぞ動く感覚が面白い。舌で転がしてやると喜んでいるようだ。 そんな風に舌で弄びながらちびゆっくりを探し、見つける度に口の中へ放り込む。 あっという間に十匹とも口の中へ。何てチョロいんだ。 「あっというまだったね!!!」 「ゆっくりするまもなかったね!!!」 そんな風に賞賛する親ゆっくり二匹。愚かな奴らだ。ゆっくりするのはこれからだというのに。 「じゃあ、ゆっくりあかちゃんをはきだしてね!!!」 ああ、吐き出してやるとも。頷いて、床に文々。新聞を広げ、二匹を両手でがっちりホールドする。 そして、口の中できゃっきゃと遊ぶちび共を一気に噛み砕く。プチプチという感触が気持ちいい。 口の中から物凄い悲鳴が聞こえる。ククク痛かろう怖かろう。 「お゛じざん゛や゛め゛でよ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!どうじでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」 「はや゛ぐだじであ゛げでね゛!!さっさとだずげであ゛げでね゛!!!」 そうかそうか吐き出して欲しいか。じゃあそうしてやろう。 新聞紙の上に噛み砕いたちび共を吐き出す。先程まで賑やかだった連中は、今や苦しみの声を上げるだけの醜い塊だ。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!れ゛い゛む゛の゛あ゛がぢゃん゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「うわ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ゆ゛っぐ!!ゆ゛っぐり゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 大変喜んでいただけたようで満足です。その後もねっとり言葉責めして反応を楽しむ。 やっぱゆっくりの活用法は食用じゃなくて愛玩用がベストだよな。 気の済むまで言葉責めする頃には、親二匹は廃人、いや廃饅頭になっていた。目は空ろで口をぱくぱくさせている。金魚みたいだ。 「じゃあこれを片付けないとな」 「ゆ゛ぶふぅっ!!?」 「ぐお゛え゛ぇ゛!!」 まだ半数くらいは息があるちびゆっくりの塊を二匹の口の中に押し込み、口を塞ぐ。 「「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!」」 二匹とも物凄い勢いでもがく。さっきまでの様子が嘘みたいだ。ああ楽しい。もっと鳴いてくれ。 しばらくすると二匹ともしっかりちびゆっくり共を嚥下した。これでやる事は大体やったな。 「それじゃあ行こうか糞饅頭共」 「ゆ゛っ……ゆ゛っぐ……?」 「どごに゛…どごに゛い゛ぐの゛……?」 「勿論ゆっくり加工所さ。お前らゆっくりしたいんだろ?好きなだけゆっくりさせてやるよ」 「い゛や゛だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!がごお゛じょはい゛や゛だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「も゛う゛い゛や゛だ!!ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛がら゛お゛う゛ぢがえ゛る゛!!!がえ゛る゛よ゛お゛お゛お゛お゛!!!」 「そんなに嬉しそうに鳴くなよ、興奮するなぁ。何か良い事でもあったのかい?」 軽薄な感じで話しかけるが、もうこちらの声など聞いていないようだ。 肩をすくめ、山菜取り用のかごに二匹を詰めて蓋をして出かける。 道中、何やらゆっくりまりさがゆっくりれいむを攻め立てていたようだ。ひどい奴だ。俺からすれば同罪なのに。 日が高くなりつつある空を見上げて、かごの中のやりとりを楽しみながらゆっくりと加工所に歩いていった。 "Repaying the kindness" is COMPLETE!!
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/508.html
注:某マンガのパロディが含まれています 「ゆぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!ゆっぐりさぜでぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!!!」 「むぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!」 「いだいんだぜぇぇぇぇぇっ!!!!ばりざをはなし・・・ゆぎぎぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」 ゆっくりたちのすさまじい悲鳴が響き渡る。ここでは日常茶飯事、ありふれた光景だ。 ここのゆっくりたちは皆強制労働させられている。今絶叫していたゆっくりたちはサボって鞭で叩かれているところなのだ。 ここは罪を犯した罪人・・・ではなく罪ゆっくりを収容する超巨大監獄『ゆンペルダウン』・・・。 その実態は謎に包まれていたが、今日私はここへの取材を許可され中に入れてもらっている。 まず中に入って感じたのはとてつもなく甘い匂い・・・そして耳に残るゆっくりたちの悲鳴・・・ 「なるほど・・・まさにゆっくりにとっては地獄ですな・・・。メモメモ・・・。」 「じっくり見ていってくださいね。時間はいくらでもありますからね・・・。」 ゆンペルダウンの責任者である青年・・・人呼んで『監獄鬼異惨』が私を案内してくれている。 彼は若干20歳にしてここの全ての責任を任せられているスゴ腕の青年だ。虐待ランクは最高のSランクであり、 最強のSランクだけで構成された『ゆ虐七連星』の1人であると言われている。よく分からないがすごいらしい。 「ゆンペルダウンは全部で6フロアあるんですよ。順番にさらりと紹介していきましょう。」 「はい、私も中に入れて嬉しい限りで・・・。ゆっくり見ていきますね。」 「ゆっ!?おにいさんゆっくりして・・・。」 「はいはい働け働け。」 鬼異惨の鋭い蹴りが私に反応したれいむに炸裂した。軽い蹴りに見えたが、れいむは思いっきり吹っ飛び壁に激突していた。 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛・・・。」 「痙攣してる暇があるなら働け。とにかく働け。さっさと働け。」 「あの~・・・。あのれいむ死にそうですけど・・・。」 「ええ、どうやらあのれいむは痙攣することで他のゆっくりたちを戒めているようですね。その心意気に免じて少し休ませてあげましょう。」 鬼異惨はそう言うとさっさと歩いて行ってしまった。マイペースな方だなぁ・・・。私は急いで追いかけた。 ちなみに後ろを見てみるとさっきのれいむがピクリとも動かなくなっていた。多分死んだのだろう。 「ここはフロア1、最も罪の軽いゆっくりが収容されています。名前は『労働地獄』、その名の通り1日20時間労働させています。」 「睡眠時間4時間ですか・・・。確かに地獄ですね・・・。」 「いいえ、食事の時間を考えれば実際の睡眠時間は3時間程です。それでもゆっくりは簡単には死なないのです。」 彼の話では、ここのゆっくりの犯した罪は『人間からあまあまを貰おうとした罪』や、『人間に対して暴言を吐いた罪』などらしい。 辺りを見回すととにかくゆっくりたちが重そうな岩を運んだり、口でロープを引っ張ったりしている。 種類は様々、れいむ・まりさ・ぱちゅりー・ありす・ちぇん・・・とだいたい揃っていた。 「ちなみに捕食種はここにはいません。大切な労働力を食べてしまいますからね。」 「はぁ・・・なるほど・・・メモメモ・・・。」 「ここのゆっくりは約1ヶ月で外に解放されます。実際ほとんど途中で死んでしまうので出れるのはほんの2・3割ですが・・・。」 「外に出しちゃうんですか?そんなことして平気なんですか?」 「あくまで軽い罪ですしね、仮に出れてももう2度と人間と関わろうとはしませんよ。さて・・・次はフロア2です。」 階段を降りるとフロア2に到着した。見渡した瞬間、さっきのフロア1とは別次元だと分かった。 大量のケースに入れられたゆっくりたちがズラリと並んでおり、全員頭からは茎が生えていた。 茎には赤ちゃんがぶら下がっておりゆぅゆぅと寝息を立てている。上だけ見れば癒される光景だ。 だが、下の光景・・・つまりの親のゆっくりを見ると、ここがゆっくりできない所であることを思い出させてくれた。 親ゆっくりの顔は種族個体関係なく全員生気を失った、死んだような顔をしていたのだ。じっと見てるとこっちが鬱になるような顔だ。 「えっと・・・ここは・・・?」 「ここはフロア2、名付けて『出産地獄』です。見ての通りひたすら赤ゆっくりを産ませるフロアです。」 「こりゃまたきつそうですねぇ~・・・。メモメモ・・・。」 「犯した主な罪は『野菜が勝手に生えてくると思い込み畑に侵入した罪』、『ゴミ袋を破り中身を漁ろうとした罪』などです。未遂で終わった奴らはここで、 実際に被害を出した場合フロア3に送られます。」 見てみると生えた茎はすぐに従業員に毟られ、根っこを砂糖水に浸けられ運ばれて行った。茎が無くなったゆっくりは反応せずただ死んだような目をしているだけだった。 すると別の従業員が何か餡子っぽい物体をゆっくりに注射で注入し、体を揺らし始めた・・・。 「んふぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!すっきりぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」 「あ、また茎が生えてきましたね。あのれいむ今の瞬間だけ目が輝いてたな・・・。」 「常にチューブで栄養を与えているので絶対に死にません。さっきの注射にはいわゆる・・・赤ゆっくりの素が入っていたのです。」 「ああ、精子餡ですか。」 「・・・すいませんがその言い方止めてください。私こう見えてシャイなんですよ。」 「あ、すいません・・・(やっぱ変わった人かも・・・)。」 「・・・では生まれた赤ゆっくりたちがどうなるか見てからフロア3に行きましょうか。」 別の場所に案内された私は大量の茎と赤ゆっくりを見た。コンベアーで運ばれ変な機械が茎を検査し、そして3つに別れたルートに流されている・・・。 「ここは赤ゆっくりの体内の餡子を調べて素質を検査する部屋です。」 「餡子で素質が分かるんですか?」 「ええ、上質な餡子程賢い個体に育つ可能性が大きくなるのです。3つに別れたルートはそれぞれ『高級』『中級』『駄作』となっていて、 高級に選ばれた赤ゆっくりは一流のブリーダーの所に送られ飼いゆっくりとして英才教育を受けます。そして中級に選ばれた赤ゆっくりは 加工場に送られ我々人間のおやつになります。最後に駄作に選ばれた粗悪な赤ゆっくりはここのゆっくりたちのご飯になります。」 「ほうほう、実にエコロジーで無駄が無い・・・。すばらしいですね。」 「サンプルを見せましょう。まずこれが高級赤ゆです。れいむ種です。」 「(ぺこっ)ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!!」 「ではさっそく・・・クッキー食べるか?」 「れいみゅはにんげんしゃんからもにょをもりゃっちゃりしにゃいよ!!!」 「おお、あの食欲最優先なゆっくりが拒むとは・・・。確かに良い子みたいですね・・・。」 「次は中級赤ゆです。」 「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!!おにーしゃん!れいみゅにあみゃあみゃをちょーだいね!!」 「そして駄作赤ゆです。」 「ゆっ!?おじしゃんはしゃっしゃとれいみゅにあみゃあみゃをもっちぇきちぇね!!!」 「うわぁ・・・これはひどい・・・。」 「ききょえにゃいの!!?ばきゃにゃの!?しにゅの!!?にょうにゃしくしょじじい(能無しクソジジイ)のぶんじゃいで・・・ぴっ!!?」 「おっと失礼・・・。ついすり潰してしまいました。私もまだまだ未熟ですね・・・。さて、フロア3に行きましょうか。」 私は心の中でGJ!!と叫びながらフロア3に移動した。本当はもっとじっくり見ていたいが文句を言える立場では無いので大人しくした。 フロア3・・・到着と同時に悲惨な場所だと瞬時に理解できた。大量のノーマルれみりゃが宙を舞い、胴付きれみりゃが地上を闊歩していた。 そして逃げ惑うゆっくりが次々と食われていく・・・。 「うー!うー!」 「ゆぎゃへぇぇぇぇぇぇっ!!!!あんごずわない・・・で・・・。」 「ばりざぁぁぁぁぁっ!!!?」 「う~・・・。どこみてるんだどぉ~!?おぜうさまをむしするんじゃないどぉ~。」 「ゆぴぃぃぃぃぃっ!!?やべでねっ!!!?はなし・・・ゆぎゃぁぁぁぁぁっ!!!!」 「うー!あまあま~♪」 「もっと・・・ゆっく・・・り・・・。」 「ここはフロア3、別名『れみりゃ地獄』です。人間によって飼い慣らされたれみりゃたちが絶えず餌を求めて徘徊しているフロアです。」 「何と恐ろしい・・・人間で例えるならライオンの群れのど真ん中に放り込まれた気分でしょうねぇ・・・。」 「・・・すいませんがゆっくりの境遇を人間で例えるのは止めてください。饅頭と同じ扱いをしたら全世界の人類に失礼ですから。」 「あ、すいません・・・。」 それにしてもこのフロア・・・ゆっくりたちがあっという間に全滅してしまうのでは・・・私は疑問をぶつけてみた。 「心配ありません。ここのれみりゃたちは皆ゆっくりたちが死なない程度しか中身を吸わないよう訓練されてますから。 ただし胴付きれみりゃに襲われた場合は確実に全部吸われて死にます。ゆっくりたちの食事は毎日配置が変化するので、 れみりゃに襲われると分かっていても餌を求めて動き回らなくてはいけません。」 「ここのゆっくりは野菜を盗んだりゴミ漁りをしたゆっくり・・・でしたっけ?」 「ええ、実際に食害を出した重罪ゆっくりたちです。なので情けは必要ありませんね。ハハハハハッ。」 「わぎゃりゃにゃいよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!わぎゃらにゃ・・・!!!」 「うー!うー!(チューチュー)」 「むぎゅぎゅぎゅぎゅっ!!!!?」 「あまあま~♪うー!」 「ゆぎっゆぎぃ・・・!!もう・・・ごろじで・・・!!!」 「そののぞみかなえてやるどぉ~♪ガブガブ♪」 フロア3の地点でかなりの地獄だ。ここから下は一体どんな地獄が・・・。恐る恐る聞いてみた。 「はっきり言うとフロア4からはあまり面白くないですよ。ただ五月蠅いだけかもしれませんね。まあ来れば分かります。」 フロア4・・・熱い、とにかく熱い暑い・・・。フロアの左右から常に火炎放射が吹き出し、メラメラと燃えている。 炎の中をよく観察すると、何やら袋のような物体が蠢いていた・・・。あれはいったい・・・? 「ここは『獄炎地獄』です。あの袋の中にゆっくりが入っています。袋は耐熱性で決して焼けず、中のゆっくりも焼死することはありません。ただし熱さだけはそのまま感じています。 つまり焼け死ぬような苦しみを延々と受け続ける訳です。ねっ、中が見れないからつまらないでしょう?」 「まぁ・・・確かに・・・。にしても熱いですね・・・。安全スペースにいても熱いですよ・・・。」 「さっさとフロア5に行きましょう。私実はここ嫌いなんですよ。熱いしゆっくりは見れないし・・・。今度改築しようと思ってるぐらいで・・・。」 愚痴を聞きながら私はフロア5に移動した。途中炎から出されたゆっくりが栄養チューブをぶち込まれ、また袋に包まれているのを目撃した。 その時のゆっくりはまりさだったが、最早全くゆっくりしていない顔で絶叫していた。確かに五月蠅い。 「あっここのゆっくりの犯した罪は主に『不法侵入罪』、つまりお家宣言した愚か者たちですね。」 「なるほど・・・メモメモ・・・。」 フロア5・・・私は正直驚愕した。フロア全体にいるゆっくり全てが痙攣していたからだ。 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛・・・。」 「あの~・・・ここは・・・?」 「私が最も好きなフロアで、別名『痙攣地獄』。常に致死量スレスレまで中身を機械で抜かれているんです。機械が常にゆっくりの状態を管理して 死ぬスレスレの状態を保っているのです。食事は1日1回しょぼいパン1つだけで、ここのゆっくりたちは常に飢えているんです。愉快でしょう?」 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛・・・。」 「声は不愉快ですけど・・・。」 「まあ他のSランクの友人に痙攣したゆっくりが大好きな奴もいましたね・・・。私は彼程好きではありませんが・・・。それでも悪くないと思いますよ?」 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛・・・。」 どの種類のゆっくりも絶えず白目状態で痙攣している。普通痙攣し始めたら数分で死に至るのだが、機械がそれを許さないらしい。 死にそうになれば適度にオレンジジュースを与え、回復し過ぎたらまた中身を吸い出す・・・。まさに地獄である。 「最後にフロア6です。せっかくですし案内しましょう。あっここのゆっくりたちは『老人や幼児に危害を加えた罪』がほとんどですね。」 「なるほど~・・・。ではフロア6のゆっくりはどんな罪を・・・?」 「6は・・・『徒党を組んで人間の村を襲い、脅し、略奪した罪』です。つまりドスやドスに従っていたゲス軍団などが収容されています。」 「まさに極悪ゆっくりって感じですね・・・。」 「人間に例えるならフロア6は終身刑みたいなもんですね。でたまに処刑を行うって感じで・・・。」 「あれ?あの~、人間で例えるの止めてって自分で言ってませんでしたっけ・・・?」 「過去のことはどうでもいいのです。さあフロア6に行きましょう。」 何てマイペースな・・・。やはりSランクは一味違うな~・・・私はそう思いつつフロア6に案内された・・・。 「こ・・・これは・・・。」 フロア6は巨大な牢屋で埋め尽くされており、様々なゆっくり、中にはドスも入れられていた。 全員すでに目に光は無く、ただ虚無の闇に包まれていた・・・。 「特殊な音波でゆっくりにしか聞こえない音が絶えず流れています。『お前たちはゆっくりできない、ゆっくりも満足にできないゴミだ』とね。 24時間常に聴き続けることにより精神が崩れあんな状態になるのです。ゆっくりにとって1番の苦しみはゆっくりできないと言われることですからね。」 「ほぉ~・・・。さすがフロア6・・・。確かにゆっくりで無くとも気が狂ってしまうかもしれませんね・・・。」 「ゆ・・・ゆ・・・どすは・・・ゆっくり・・・できない・・・ごみくず・・・ゆふっゆふふふふ・・・。」 「ありすはれいぱー・・・。いきるかちのないかす・・・。とかいはなんてもうそう・・・。」 皆何かを呟いている。駄目だ、不気味過ぎる。私は気分が悪くなり鬼異惨に肩を貸してもらい上へと戻った・・・。 「今日はありがとうございました。おかげで良い記事が書けそうですよ。」 「ええ、いつでもいらしてください。あなたとは気が合いそうだと直感したので・・・。」 気が合うようには思えなかったが、一応笑顔で握手し私はその場を去った。 さて、皆さんいかがだっただろうか?これがゆンペルダウンの正体である。しかし私はさらりと覗いただけ・・・まだ秘密がありそうでなりません。 またいつかここに訪れ、その時はもっと詳しく調査できるように努めたい。う・・・思い出したら気持ち悪い・・・エレエレエレエレ・・・。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3027.html
紅魔館といえば、悪魔が住む屋敷として有名な場所である。 しかし、その主はお祭り好き。 そして、幻想郷も多少近代化してきた折、いろいろと外来の文化が入り込んできた。 今日はクリスマスイブ。 紅魔館は朝からパーティーの準備で忙しい。 「さくや〜〜♪ パ〜ティ〜の準備はどうなってるの?」 「飾りつけは終わりました。後は料理の完成を待つだけです」 「そう。それじゃあ、私は霊夢を呼んでくるわ」 それだけ言い残して、紅魔館の悪魔は神社の方へと飛んでいった。 ついでに越冬中のゆっくりれいむの巣を破壊しながら。 「う〜〜♪ さぐや〜〜♪ ぷっでぃ〜んぱ〜て〜はすすんでるんだぉ〜〜?」 「はいはい。あと少しで終わりますよ」 「う〜〜♪ ぷっでぃ〜〜んだどぉ〜〜♪」 そしてもう一匹。 屋敷に住んでいる、ゆっくりれみりゃが咲夜を尋ねてきた。 このれみりゃ、元々は咲夜が飼い始めたものであったが、棟の咲夜は最近興味が無いようである。 曰く。お嬢様のように扱き使ってくれないから。だそうだ。 「さてと。……」 ぱたぱた走り去っていくれみりゃの後姿を背中で追いながら、咲夜は厨房へと姿を消した。 ======= 「うっう〜〜♪ あうあう〜〜♪」 何時にもましてご機嫌なれみりゃ。 そのわけは、今日はクリスマスと言う特別な日であることであった。 「う〜〜!! ざぐやーー!! ざぐやーー!!」 「およびですかおぜうさま!!」 迷子が親を探すような口調で呼んだのは、一匹のゆっくりであった。 さくや種であるそのゆっくりは、最近連れてこられたもので、れみりゃの近くにいることが多い。 「しゃぐや〜〜♪ きょうはくっりすすうがくだどぉ〜〜♪」 「そうですねおぜうさま!! きょうはぜんやさいです!!」 いまいちかみ合っていない会話だが、それでも二匹は意思の疎通が取れるらしい。 その証拠に、れみりゃはいつも通りニコニコとして、さくやも嬉しそうにしている。 「うっう〜〜♪ とうとうじっこうするときだどぉ〜〜♪」 「そうですね!! おぜうさま!!」 主に、本家姉妹とその従者が行ったならば、相当の雰囲気を出せるであろう言葉を発した二匹は、いそいそと自分達の部屋に戻っていった。 「うーー!! う〜〜〜!! くろうぜっとにいしょ〜〜がいっぱいだどぉ〜〜♪」 ダンボールで区切られた一角。 その中にあるダンボールの中から、手袋や原色まぶしい長靴などを取り出すれみりゃとさくや。 簡単な着衣にたっぷり時間をかけ、漸く準備が整ったようだ。 「う〜〜♪ じゅんびばんたんだどぉ〜〜!!」 「それでは、まいりましょうおぜうさま!!」 そのまま、玄関を抜け門へ。 珍しく揚げパンを食べていた美鈴に、ケーキを取っておけと命令し、そのまま門の外へ。 そして、自慢の羽を広げいざ目的地へ。 さくやが、1/2程の速さでついて行く。 ======== 人里。 午前中、半獣の先生がやってる寺子屋に、サンタコスをしてプレゼントを届け終えた男は、貰った謝礼金で酒を買い家に戻っていた。 ちなみにその服は森の魔法使いが作ったものであったが、受け取る際。 「これをきて、魔理沙に…………うふふ。うふふ」 などと訳が分からない事を言っていたが、一日寺子屋で先生を見て、男も完璧に理解したようだった。 「さぁーて。いい夢見れるように酔っ払うか」 淡い夢を思い描きながら、玄関を開け、中に一歩入ろうとしたときだった。 「うっう〜〜♪ まつんだどぉ〜〜!!」 「そうですわ!!」 聞きなれない声を聞いたのは。 「?」 男は意味が分からなかった。 どう見ても、目の前にいるのは飼いゆっくりである。 手袋や靴を履いていることから分かる。 そして、それは紅魔館のゆっくりであろうと言う事も分かった。 キャラクターがデザインされた手袋に、長靴。 そこに、ぜんせかいれみりゃさま!!! とかかれていたら安易に想像できる。 「で? なんか用?」 分からないのは何故ここにいるか。 たしか、いまの時間は紅魔館でパーティーをしているはずで、メイド長も急がしいはず。 永遠亭の主もそれに行っているので暇だ、といって手伝ってくれた女性が言っていた事を男は思い出していた。 「う〜〜♪ かんたんだどぉ〜〜♪」 「そうですわ!!」 「れみりゃが、およめさんになってあげるんだど〜〜♪」 「…………へ?」 じっくり一呼吸おかれて話されたれみりゃの内容に、男は一瞬で言葉を返した。 「だから〜〜♪ れみりゃがおよめさんになってあげるんだどぉ〜〜♪」 この男、間違っても、ゆっくりを恋愛対象になど見ていない。 そもそも、ロリコンでもない。 薬売りの兎の目を見てもその様な事はない。 むしろそのまま兎に惚れることは間違いない。 「う〜〜〜♪」 対するれみりゃは、余程絶対の地震があるのだろう。 何時にもましてすばらしい笑顔で男の事を見つめている。 ========= このれみりゃ。 以前、咲夜のお使い際に連れられて街に来たとき、男を一目見て一目ぼれした。 新しく出来た、カスタードケーキがとかいは美味しい今川焼き屋のオープンスタッフとして、首から下、怪獣のぬいぐるみを着てプラカード持ちをやっていた男。 れみりゃは、男のその服と甘い匂いを嗅ぎ、いても経ってもいられず咲夜をなきながら呼びつけた。 当初は、何故ないているのか分からなかった咲夜であったが、店を指差し泣いているれみりゃを見て納得し、十個ほど今川焼きを与え、泣き止んだ事を見てから自身の用事を再開した。 それはそのときで終わったが、れみりゃはその後も男の姿をちらほらと見かける事になった。 主に、自分が気に入った、新しく出来たスイーツの店に、必ず気ぐるみを着てやってくる男。 当初はただ単に喜んでいただけであったが、咲夜が構ってくれなくなってくると、いつも甘いお菓子と服を着ている男にが気になっていた。 咲夜のれみりゃ熱が冷め、比較的自由に外に出れるようになってから、男の後を付けて家を見つけることも出来た。 ゆっくりでも分かりやすい立地であった事も幸いしたが……・。 そうして、その頃になって、れみりゃは男と結婚する事を考え始めた。 =========== 「うっう〜〜♪ こんなかわいくて、こうまかんのあるじなんだどぉ〜〜♪ おまえにふじゆうはさせないんだどぉ〜〜♪」 紅魔館の主。 これこそがれみりゃの自信を絶対のものへと昇華させていた。 おまけに飛びっきりのおめかしもした。 まさに完璧だった。 「ふ〜〜ん……。で、お前は一人でここまで来たの?」 「ふ〜〜♪ このさくやといっしょだどぉ〜〜♪ で〜も! ふたりっきりになりたいなら、さきにかえすどぉ〜〜♪」 「まぁ、おぜうさま!! だいたんです!!」 変な目線で見つめてくるれみりゃを無視し、なるほどと納得したような男は、半開きだった玄関を 開け、二匹を招きいれた。 「まぁ。外は寒いから二匹とも中に入れよ」 「うっう〜〜♪ うまくいったどぉ〜〜♪」 「さすがですわおぜうさま!!」 ========= 結果として。 れみりゃは男に全てをささげる事が出来た。 「うあーー!! なんだどーー!! なんだどーー!!」 金のない若い青年にとって、れみりゃは貴重な食料になった。 「やめるんだどーー!! れみりゃはおぜうさまだどぉーー!!」 セオリーどおりに、処理していく男に向かって叫ぶれみりゃの顔は、まさに信じられないといったものであったが、男は構わずに処理を続ける。 「うあーー!! れみりゃのおべべーー!! おべべーー!!」 防寒具を取り去り、縄でがんじがらめにする。 季節は冬。 能天気なれみりゃでも寒さを感じるのは同じである。 「うーー!! さむいんだどぉーー!! はなすんだどぉーー!!」 やれ縄を解け、暖炉を入れろ、お湯割をもってこい。 そのどれもが無理な事である。 結果として、そのまま放置される事となる。 「うあーー!! ざむいーー! さぐやーー!! ざぐやーー!!」 天井から吊り下げられたまま、必死に名前を呼ぶれみりゃ。 人間のほうの彼女は、今は実際の主の頬についたクリームを拭いていることだろう。 ゆっくりである、さくやは、最初にれみりゃが危機なったときに男に向かっていき、たたき潰された。 「はいはい。大事な食料はそこでおとなしくしててね」 それだけを言い残し、男は台所を後にする。 「まつんだどーー!! こうまがんのあるじのれみりゃだどーー!! おむこさんにしてあげるんだどぉーー!!」 散々叫んでいたれみりゃであったが、男が酒を煽って男が眠りに就くよりもはやく、眠ってしまった。 これから、数週間。 れみりゃは夢にまで見た男との生活を満喫できるであろう。 「慧音さんですか? ええ。正月は、……。そうですか。それじゃあ、僕もお手伝いします。ええ、慧音さんに合わせて、僕も和服を着ていきますから」 ただ、男がれみりゃに好意を持っていたかは、誰も知らない。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1001.html
※人間、妖怪等は出てきません ※交尾シーンがあります ※俺設定あります ゆっくりを構成する比較的単純な構造の餡子遺伝子。 複雑な結びつきもなく、親から子、子から孫へと受け継がれるほとんど同一のもの。 だが今ここに、何万何億分の一の確率でそれが突然変異した。 「ゆ~♪ ゆっくりしていってね~♪」 一匹のゆっくりれいむが巣の中で歌を歌っていた。 その頭からは蔦が生え、子供の実が八個生っている。 どれもこれもが震え、もうすぐ生まれ落ちそうだ。 「ゆゆ~♪ ゆっくりしたあかちゃんがうまれてね~♪」 やがてその内の一つ、一番大きな実がポトリと蔦から落ちた。 母となったれいむは期待に満ちた眼差しでその子供を見つめる。 大きな帽子と美しい金色の髪。長女としてうまれたその子はまりさ種だった。 しばらくぷるぷると震えたのち、赤ちゃんまりさが大きな目をパッチリと開けた。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 母れいむは喜ぶと同時にとても驚いた。 何故なら、その赤ちゃんの活舌がとても良かったからだ。 だがその驚きも、初めての自分の子供を前にした喜びでは些細なことだった。 母れいむは満面の笑みで赤ちゃんまりさに言う。 「ゆ! れいむがまりさのおかあさんだよ! ゆっくりしていってね!」 「ゆー! おかーさん、ゆっくりしていってね!」 母と子供はお互いの頬を擦り合わせた。 人間でいえば抱擁にあたるその行為は、二匹の心に安らぎを与える。 「もうちゃんとしゃべれるなんて! まりさはとってもかしこいこだね!」 このまりさこそ、餡子遺伝子の突然変異によって生まれたゆっくりだった。 既に体が普通の赤ちゃんゆっくりより若干大きく、活舌も良い。 悪い言い方をすれば奇形、良い言い方をすれば進化したゆっくりである。 まりさが生まれたのを皮切りに、次々と子供達が蔦から落ちていった。 長女まりさを除けば、赤ちゃんゆっくりは全部で七匹。れいむ種が三匹にまりさ種が四匹だった。 まりさは母親と共に、生まれた自分の妹達に祝福の挨拶をした。 「「ゆっくりしていってね!」」 「「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!」」」」 それから一週間、まりさは他の子供達と共にすくすくと育っていた。育ちすぎだといってもいいだろう。 その能力の高さから、ある時は母親と一緒に食べ物を探しに出かけたり、またある時はまだ幼い他の姉妹たちをなだめたりしていた。 母から聞いたところ、もう片方の親であったまりさは"れみりゃ"というゆっくりに食べられてしまったらしい。 だけどもまりさは悲しくなかった。お母さんれいむがもう片方の親の分まで自分達を愛してくれていると感じていたから。 そして、そんな家族に転機が訪れる。 ある晴れた日のことだった。一家は巣の近くの草原でゆっくりしていた。 お昼ご飯を食べ終え、元気に草の上を駆けまわるもの、母親に寄り添って昼寝をするもの等様々である。 母れいむとまりさもその様子を微笑んで見ながらゆっくりしている。 まりさは既に大人ほどの大きさになっていた。とは言ってもまだ母よりは小さい。 それでもその落ち着いた雰囲気は姉妹や同年代のゆっくりとは比べ物にはならない。 怒ると怖いけれど誰よりも自分達子供のことを一番に考えてくれるとっても優しい母。 まだまだ幼いけれど元気と明るさでは誰にも負けない妹たち。 皆に囲まれてまりさは幸せだった。 だがその幸福な時間が突如終わりを告げる。 「う~! た~べちゃうどぉ~!」 突然聞こえた声。それに真っ先に反応したのは母れいむだった。 「…!! みんな、ゆっくりしないであつまってね!」 ゆっくりとは思えない機敏さで子供の前に立つ母れいむ。まりさも野原で遊んでいる妹達を集める。 子供達は母れいむとまりさの後ろに隠れる形となった。 そんな一家の前には、婆臭い帽子を被った人間の子供のようなゆっくりが空を飛んでいる。 まりさは以前母から聞いた言葉を思い出した。 れみりゃ。それは自分たちを食べる非常に恐ろしいゆっくりらしい。 まりさのもう一人の母親であるまりさもれみりゃに食べられたと聞いた。 そして今目の前にいるこいつこそがそれなのだろうと判断した。 「れみりゃはおなかがすいてるんだどぉ~☆」 両腕を天に掲げながら、れみりゃはゆっくりとれいむ一家に近づいていく。 知能はゆっくりの中でも1、2位を争う低さなのにその生まれ持った力によって捕食種となっているゆっくりれみりゃ。 あまり知恵も力もない普通のゆっくりにとっての天敵である。 しかも体付きの希少種ともなればゆれいむやゆまりさでは到底敵わない。 「う~♪ おいしそうだどぉ~♪」 徐々に迫ってくるれみりゃにまりさ以外の子供達は怯え震えている。 母れいむに緊張が走った。駄目だ、このままでは皆やられてしまう。 とその時、まりさがれみりゃに突撃した。 「おかあさん、みんなをつれてかえってね!」 それは一か八かの賭け。自分がれみりゃの気を逸らしているうちに皆は逃げることができる。 いや、もしかしたら自分ならこいつを倒せるかもしれない。 しかし、その希望は無残にも打ち砕かれた。 「と~ったど~!」 「ゆっ!?」 がちっと両手で捕まえられるまりさ。 逃げようと暴れるが、その手はびくともしない。 むしろもがけばもがくほどれみりゃの指が皮に食い込み、まりさに痛みをもたらす。 「う~! いただきま~~すだどぉ~♪」 れみりゃが口を大きく開いた。その中には何本もの鋭い牙がギラギラと輝いている。 迫りくる絶望。自分の力では絶対にのがれることの出来ない死。 今になってまりさは自分の軽率な行動を悔やんだ。少しでも勝てると思った自分は馬鹿だった、と。 大きく口をあけたれみりゃが近づいてくる恐怖からまりさは目を閉じ、命の終わりを覚悟したその時。 「れいむのこどもをはなしてねっ!」 どんっ、という音と共にまりさの体に自由が戻る。 一瞬宙に浮かぶ感覚とその後に来る衝撃。れみりゃの手から解放され、地面に落下したのだった。 目を開けて状況を確認するまりさ。 彼女の視界には不満そうな顔をしたれみりゃとそれに立ち向かう母の姿が映った。 「う~、れみりゃのしょくじをじゃまするんじゃないどぉ~~!!」 ぷりぷりと怒るれみりゃは駄々っ子のように手を振り回す。どう見ても何も考えていない、からっぽの頭にふさわしい攻撃。 だがその力はゆっくりにとっては馬鹿に出来ない。 例え成長しきった大人ゆっくりでもその一撃をくらえばしばらくは動けなくなるだろう。 それを母れいむは避け続け、れみりゃの隙をついて体当たりをしかける。 「う゛~~!! いたいどぉ~~!!」 呑気な声色からは攻撃が効いているのかいないのかさっぱりわからない。 とはいえ全く効果がないわけではないようで、徐々にれみりゃの手の動きが遅くなっていた。 まりさは妹達と合流し、母れいむとれみりゃの攻防を見守る。 「がんばれおかーしゃん!」 「そんなやつ、やっちゅけちゃえ!」 赤ちゃんゆっくり達は次々に母を応援し始めた。 お母さんが守ってくれるから大丈夫だ、という考えがあるのかその顔には安堵の色が浮かんでいる。 しかし、先ほどれみりゃに捕まっていたまりさは嫌な予感がした。 いくら母が強いといえどあの怪物のような力に勝てるのだろうか。 そして予感は的中することになる。 今までなんとか避けていたれみりゃの拳が母れいむにクリーンヒットしたのだ。 ゆ゛ぐっ! という呻き声と共に地面へと崩れる母れいむ。その口からは餡子が漏れていた。 「う~♪ れみりゃはつよいんだどぉ~~♪ れみ、りゃ、うー☆ きらっ☆」 くるくると頭の悪さ100%な踊りを踊るれみりゃ。その落書きのような顔には無邪気な笑顔が浮かんでいる。 一方、地面に倒れたままの母れいむは既に虫の息である。 たった一撃、されど一撃。これが捕食種と被捕食種の力の差だった。 「ゆ゛ゆ゛っ…ゆ゛っ…」 ほとんど焦点の定まっていない目で母れいむは子供達の方を見る。 まりさと母れいむは目が合い、無言での意思疎通をした。 (まりさ、みんなをつれてにげてね!) 「う~、ぷりちーにおどったどぉ~♪ じゃあそろそろたべるどぉ~♪」 踊り終わったれみりゃが母れいむを掴み上げる。 それと同時にまりさは姉妹を連れて逃げ出した。姉妹を口に含み、まりさは駆ける。 後方から母の断末魔が聞こえてくるが、それでも走り続ける。涙が風に乗って流れて消えた。 体力の限界まで走り続けた結果、辺りは薄暗くなっていた。 ここまでくれば大丈夫だろうとまりさは口を開く。 「ゆっ!? ここはどこ?」 「おそらがくらいよ! いつのまによるになっちゃったの?」 「おねーちゃん、おかーしゃんはどこにいっちゃの?」 わけがわからず混乱している姉妹たちにまりさは数時間前の出来事を説明する。 母親は自分の身を犠牲にして子供達を守ったこと、そしてまりさが皆を連れて逃げだしたこと。 「うしょだぁぁぁぁぁ!! おかーしゃんがじんじゃうわけにゃいよぉぉーーー!!」 「びええぇぇぇぇぇぇ!! おかーしゃあああああああん!!」 「おねーちゃんのばかーー! どうしておかーしゃんをたすけなかったのぉぉ!!!」 「ごのうそつぎ! おねーぢゃんのうそづき!」 口々に泣き叫ぶ姉妹たち。中には自分たちの命を救ったまりさを罵倒する者もいる。 だがまりさは反論できない。 姉妹たちは幼く、そして何より自分の軽率な行動によって母親は死んでしまったとまりさは感じていたからだ。 あの時もっと慎重にしていれば皆助かっていたかもしれない。そう思うとまりさの心は暗くなる。 しかも無我夢中で走り続けたせいか、辺りを見回してもここがどこだかさっぱりわからない。 おうちに帰れないし、食べ物もない。赤ちゃん達はまだ泣きやむ気配もない。 その時、まりさ達に声をかけたゆっくりがいた。 「あら? あなたたちどうしたの?」 それはゆっくりありすだった。 とても美しい金色の髪を持ち、その頭には可愛いカチューシャが付いている。 彼女はまりさの妹達の鳴き声を聞きつけてやってきたのだった。 「ゆ…じつはおうちにかえれなくなっちゃって…」 まりさがそう言うと、ありすはにこにこと笑顔を浮かべて提案した。 「じゃあこんやはありすのおうちにこない? あかちゃんたちもつかれてるみたいだし」 「ゆー、いいの?」 「えぇ、もちろん! たべものもたくさんあるわよ!」 にっこりと微笑むありす。その笑みに悪意は全く感じられない。 このゆっくりは大丈夫だ、とまりさは判断した。 ならお言葉に甘えさせてもらおう。 「ゆー、ごめんね。じゃあこんやだけおせわになるよ!」 「ふふっ、きにしないで。おうちはこっちよ、ゆっくりついてきてね!」 ありすが森の奥へと進み、まりさ達姉妹も続いた。 しばらく歩いて巣の場所に着くと、ありすは入り口を覆っていた葉や枝を除け、まりさ達をその中へ招いた。 「ここがありすのとかいはなおうちよ!」 中はゆっくりにとってはとても大きかった。 まりさ達姉妹が全員入ってもまだまだ余裕のある、ありす一人暮らしには広すぎるような巣だ。 「ゆー! しゅっごくおっきぃー!」 「れいみゅたちのおうちよりひりょいね!」 「ゆ! こっちにきりぇいなもにょがいっぱいありゆよ!」 赤ちゃん達はこれまで見たことないような大きさの巣と数々の美しい装飾品に興奮している。 ぴょんぴょん跳ねまわる妹達を見て、まりさは慌てて声をかけた。 「みんな! あまりはしゃいじゃだめだよ! ありすにめいわくだよ!」 それをまりさの横で聞いたありすは、微笑んだまま優しく言う。 「あら、べつにいいのよまりさ。あかちゃんはげんきにうごきまわるのがしごとなんだもの!」 「そ…そう? ごめんね」 まりさは思った。ありすはなんて心の広いゆっくりなのだろうと。 見た目も美しく、性格も優しい。まりさにはありすがまるで女神のように思えた。 「さて、みんなおなかすいてるでしょ? ゆっくりあつまってね!」 その言葉に今まで飛び跳ねていた赤ちゃんゆっくり達は我先にとありすの元へと集まって来た。 「おなかしゅいたよー!」 「ありしゅおねーしゃん! おいしいたべものちょーだい!」 「えぇ、こっちへいらっしゃい!」 ありすは巣の奥へと皆を案内した。 そこにあるのは美味しそうな木の実や昆虫、美しい花やキノコ等の食料の数々。 それを見た赤ちゃん達はだらだらと涎を垂れた。 「ゆー! とっちぇもおいちしょー!」 「みんな! えんりょせずにたべてね!」 ありすが言い終わるや否や、赤ちゃん達は一斉にご飯を食べ始めた。 「いただきまーちゅ!」 「むーちゃむーちゃ、しあわしぇー!」 「とってもおいちーよー♪」 無我夢中で食事をする赤ちゃんを見て、ありすは幸せそうに微笑んでいる。 と、そこで一番大きな姉まりさがずっと食べ始めないのを疑問に思った。 「どうしたの? おなかでもいたいのかしら?」 「ううん、そんなことないよ。あのね、ありす。ほんとうにありがとう! ありすのようなゆっくりにであえてよかったよ!」 その言葉に一瞬ありすは驚いた顔になるが、すぐに恥ずかしそうな笑みを浮かべた。 「ふふっ、ありがとう。さあ、わたしたちもごはんをたべましょう。そしてきょうはゆっくりやすむといいわ!」 まりさは頷き、ありすと一緒にご飯を食べ始める。 ずっと走って体力を消耗したせいか、今までで一番美味しいご飯だとまりさは感じた。 夕飯を食べ終えると、赤ちゃん達はありすやまりさと楽しく遊んでから眠った。 まりさもそれから程なくして眠り始めた。 どれぐらい眠っただろうか。 深夜、まりさは聞こえてきた奇妙な音で目を覚ました。 「んほ……ちっこ…まり…かわい……」 「やべ…どお………きぼぢわりゅ……」 何の音だろうと思い、目覚めたまりさが見た光景は――。 「んほおぉぉぉぉ!! そろそろイきそうよおぉぉぉぉ!!」 「い゛や゛あぁぁぁぁぁぁ!!」 ありすが頬を赤く染め、涎を垂らしながら妹まりさに頬擦りしていた。 いや、頬擦りではない。これは交尾だとまりさは本能で理解した。 ありすは目を血走らせ、荒い息を吐きながら素早く何度も頬を上下させる。 赤ちゃんまりさはありすに押さえ込まれ、身動きできずにただ泣き叫ぶしかなかった。 やがて頬を動かすスピードが一層早まり、ありすは恍惚の表情を浮かべる。 「ハァハァ…んほおぉぉぉ!! イグうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」 「びやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 長い断末魔を響かせて、赤ちゃんまりさは白目を剥き、口から餡子を洩らす。 直後、その頭から小さな蔦ば生えるがすぐに枯れた。 そしてそれと同時に赤ちゃんまりさの体が黒ずんで朽ちてゆく。 「ハァ…ハァ…すっきりー♪」 行為を終えたありすは気持ちよさそうに声を上げた。たがその目は未だに充血し、息も落ち着かない。 それを見ていたまりさは一連の出来事が信じられなかった。 というより一体何が起こったのか頭が処理できないでいる。 ありすが妹と交尾した? 何故? 妹は死んだ? あれはありすなのか? 様々な思いがまりさの中で渦巻き、混沌としてゆく。 ふと見ると、今朽ち果てた妹の他にももう一匹、妹れいむの死体がありすの足元に転がっているのを発見した。 こちらも同じように体が黒ずんで死んでいる。 それを見たまりさは思わず小さな悲鳴を上げた。 「ヒッ…!?」 「あら…まりさ、おきちゃったのね…」 と、そこでありすはまりさが目覚めていることに気づいた。 欲望でギラギラ輝かせた目はまるで捕食種が獲物を狩る時のようである。 未だ混乱の収まらないまりさに、ありすは勢いよく跳びかかった。 「ま゛り゛ざあああぁぁぁぁ!! すっぎりじましよおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 どっしりとありすはまりさにのしかかり、その体を押さえつける。 餡子遺伝子の異変により進化したまりさは、普通のゆっくりより力が強い。 体は一回りほど小さいが、並みの大人ゆっくり相手なら喧嘩をしても勝てるほどである。 だから今自分にのしかかっているありすもはねのけようと思った。 しかし、いくら力を入れてもありすにそれ以上の力で押さえつけられ、体が動かない。 「んふふぅぅぅ!! そんな゛にからだをくねらせでええぇぇぇ! さぞっでるの゛ね゛ええぇぇぇぇぇ!!」 元々ぱちゅりー種以外の通常種のゆっくりにそれほど身体能力に差はない。 一般的にまりさ種が強いといわれているがそれも大体思い込みによるものである。 だがありすだけは違う。 確かに普段は他のゆっくりと似たような運動能力である。 しかし、発情時のありすはリミッターが外れ、身体能力が飛躍的に向上するのだ。 それはこのありすも例外ではない。 「ありす! どうしちゃったの!? やさしいありすにもどってよ!」 押さえつけられたまりさは眠る前までのありすを思い出し、呼びかけるがありすは全く聞いていない。 目を血走らせ、涎をぼたぼた垂れ流しながら息を荒げている。 その顔に先程までの美しく優しいありすの面影は全く無かった。 元々このありすはこっちの方が本性なのだが、当然まりさはそんな事は知らない。 優しいお姉さんのふりをし、ゆっくり達を巣へと招いてじっくりと犯す。 それがこのありすの趣味だった。 ちなみに、この巣も本来の持ち主であったゆっくり一家を犯し殺して奪ったものである。 「さあ、まり゛さ! いっしょに゛ずっきりじましょぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 ありすがまりさの頬をねっちょりと舐めた。 「や、やめてね!」 何とかありすから逃れようと体を動かすが、強い力で抑えつけられていて身動きが出来ない。 そんなまりさの様子を、発情したありすは息を荒げながら見ていた。 「うふふふふふ、まりさとぉぉってもかわいいわああぁぁぁ! いまきもちよくしてあげるからね゛ええぇぇぇぇ!!」 べろりと再びまりさの頬をありすは舐める。 ぬめぬめした感触がたまらなく気持ち悪い。だがありすはそんなまりさなどお構いなしに舌を這わせ続ける。 しばらくすると、ありすの舌が頬から唇へと移動し始めた。 「…!! や、やめっ!」 まりさが思わず口を開いた瞬間、ありすはその口内に舌を挿入した。 そのままありすは舌同士を絡ませ、自らの唾液をまりさの中へと送り込む。 ねっとりと口から口へ移動する唾液。 まりさは強烈な吐き気を催し、何とか逃れようとするがありすの力は強く、相変わらず身動きすらできない。 抵抗することもできず、まりさはありすの愛撫を受け入れることしかできなかった。 巣の中にぴちゃぴちゃという音が響く。 ありすの舌はまりさの口内を余すところなく舐めていく。 しばらくの後、ありすは自分の唇をまりさのそれから離した。 見ると、まりさの目には涙が浮かんでいる。 「ぷはぁ…もしかしてふぁーすとちゅっちゅだったのかしらぁぁ? じゃあやさしくしてあげないとねぇぇぇ!!」 そう言ってありすは自分の頬をまりさのそれと擦り合わせ始めた。 最初はただ単に擦っていただけだったが、次第にありすの頬から体液がじわじわと滲みだす。 それが潤滑油となり、ねちゃねちゃと音を立てて頬擦りは性行為へと変化した。 悪寒。自分の体が汚される感覚がまりさの中を駆け巡る。 「んふふ、どうまり゛ざああぁぁ! きも゛ちいいでしよぉぉぉぉぉぉ!!」 ありすが相変わらず血走った眼で何度も何度も頬を上下させながら聞いた。 息使いは今まで以上に激しくなり、恍惚の表情が浮かべている。 だがまりさは気持ちいいとは到底思えない。むしろとても気持ち悪かった。 「はなしてっ! ぜんぜんきもちよくなんかないよ!」 「んもおおぉぉぉぉ! まりさってばつんでれなんだから゛ああぁぁぁぁぁ!!」 まりさの抗議もありすは聞く耳持たずである。 何度も何度も体をくねらせて頬を擦りつけ、たまに頬で頬を叩く。 どんどんとそのスピードは速くなっていき、ありすの瞳もとろとろになっていった。 だがまりさは相変わらず気持ち悪いだけである。 猛烈な吐き気を我慢し、必死に耐えていると、ありすは今までで一番素早く頬を上下させた。 「んほおおおおぉぉぉぉ!! イぐううぅぅぅぅぅぅぅ!!」 絶頂に達する直前、ありすの体から全ての力が抜けた。そしてまりさはその隙を見逃さない。 自分を押さえつける力が無くなった瞬間、全力を込めてありすを跳ね飛ばした。 無防備だったありすの体は大きく宙へと舞い上がる。 「うぐっ! ぐべぇっ!?」 自分の身に何が起きたのかわからず、ありすは事態に対処できずにそのまま仰向けに地面へと落下した。 床に叩きつけられ、その衝撃で口からカスタードを吐きだす。 まりさはありすに飛び乗り、体重を乗せてとび跳ねた。 どすんどすんと音がする度にありすの体が潰れ、口からカスタードが勢いよく嘔吐される。 「ゆべっ! ご、ごめんなざいぎぃっ! ま゛、まりう゛ぶぇっ! ゆ、ゆるじで…」 だがまりさは一心不乱にありすの体を踏み潰していく。 踏みつけるたびにありすはカスタードを吐き、体の破れた部分からも漏れる。 「ぷぎゃっ! ご、ごんなの…ぶべっ! ど、どがいはじゃ、げぼっ! な゛いわ゛…!」 しばらく踏み続け、まりさが気付いた時にはありすはただのカスタードの塊となっていた。 ハァハァと息を荒げ、まりさはかつてありすだった物を見つめながら、ごめんねと心の中で謝った。 まりさは眠る前の記憶を思い出す。 全く知らない土地で、とても親切にしてくれたありす。 美味しい食べ物も沢山貰ったし、赤ちゃん達とも遊んでくれた優しいお姉さん。 それがどうしてこんなことになったのか。 中身が飛び散ったありすの死体と黒く朽ち果てた二匹の妹を見てまりさは涙を流した。 翌朝。 まりさは妹達が目を覚ます前に口に含み、ありすの巣から出た。 昨夜の出来事から、まりさの気持ちは沈んでいた。 しばらく進んだところで妹たちが目覚めたので口の外に出す。 「ゆー? ここどこぉー?」 「ありしゅおねーちゃんはー?」 辺りを見回し、不思議そうにしている姉妹たちにまりさは優しく言った。 「ありすおねーちゃんはとおくにいっちゃったの。あかちゃんたちによろしくっていってたよ」 それを聞いた赤ちゃんゆっくり達は不満の声を上げたが、しばらくすると大人しくなった。 どうやら姉妹が二匹減っていることにも気づいていないようだ。 ありすのことは覚えているのに、おかしな話である。 赤ちゃん達の中では食べ物をくれた優しいお姉さん>姉妹であるらしい。 これからどうしようとまりさは考えた。 行くあてもないし、かと言っておうちへの帰り道もわからない。 今は自分達がゆっくりできる場所は無い。 そこで妹達にも聞いてみたところ、次のような答えが返って来た。 「ゆ! じゃあれいみゅたちのゆっくちぷれいしゅをみちゅけようよ!」 まりさもそれしかないな、と思う。 簡単な事だった。無いのなら見つければいい。 「ゆ! じゃあみんな! これからまりさたちのゆっくりぷれいすをさがしにいこうね!」 「「「「「ゆー!」」」」」 まりさは元気を絞り出し、妹達に言う。 こうしてまりさ姉妹のゆっくりプレイス探しの旅が始まった。 続きへ あとがき お兄さんの出ないSSを書こうと思った結果がこれだよ! ゆっくりのみというのも中々難しいですね。 遅筆ですが、これから頑張って完結させたいと思います。 あと、作品も結構溜まって来たので生意気にも作者名をつけたいと思います。 今まで書いたもの それいけ! ゆっくり仮面 ゆっくり仮面の憂鬱~邪悪な心~ お兄さんの逆襲 前後編 ゆっくりれいむの悪夢 by.ダイナマイト横町 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2266.html
前 気がつくと帰宅していた。 日はすでに落ちている。薄い闇が段々と濃くなっていた。日暮れ前には帰るつもりだったのにこんな時間になってしまったのは、今の私が手ぶらであることが理由になっている。 目当てのものが手に入らなかったため、知らぬ間に深追いしてしまったのだろう。こんな体たらくはほとんど経験したことがない。いつもは簡単に捕まえられるのに。 しかも、手ぶらということは、出かける前に持っていったものも無駄に使ってしまったことを示している。何て失態。また作らないといけない。その手間を考えると気が重い。 いや、それ以上に、積もり積もったものは何も変わらず、相も変わらず覆い被さっているのが、とにかく重い。……重い。 扉を開ける手に疲労感がまとわりついている。そして、まず鼻が身構えるのがわかる。じめじめとした天気が続くこの頃だ。中では生々しい臭いが息づいているだろう。一度外出してしまうと、「慣れ」はリセットされてしまうのだ。 滅入る気持ちを奮い起こして、中へ入る。 明日。とにかく明日だ。今日を耐えきってしまえば、また明日出かけることができる。今度こそ捕まえられる。 早くあの子に晩ご飯を作って、身体を洗って、寝かしつけてしまおう。汚れたところをふいて、散らかったところを片付けて、私も早く寝てしまおう。機械的な作業を機械的にやってしまばいいだけだ。それで…… …………? 何だろう。妙な違和感が玄関にまで流れてくる。 あの子が何かしたのだろうか。昼寝から覚めて、一人で遊んで、ということまでは予想できる。部屋の鍵も閉めてある。粗相などはその範囲で収まるはずだ。 そうじゃない。もっと違う何かが起こっている。 そう言えば、さっき私は玄関の鍵を開けただろうか。既に鍵は開いていなかっただろうか。外の地面はパラついた小雨で湿っていたが、玄関には私が入ってくる前に足跡がついいていなかっただろうか。 違和感の正体がわかった。気配がするのだ。まさか、泥棒か。 取られるようなものはないが、だから安心、というわけでもない。 恐る恐る靴を脱ぎ、慎重に気配の発生源を探ろうと、まずは居間をのぞいた。 「うーうー!」 いきなり発見してしまった。 膨れた顔に短い手足。頭の白いキャップ。同色の寝間着のような服。 「う~♪ うぅ♪ う~♪」 レミリア種のゆっくり。しかも胴体付きだ。 なんて珍しい。今まで多くのゆっくりを見てきたが、手足があるのは初めて見た。 近づいていくと、そのゆっくりはこちらを見上げてくる。 「どこから入ってきたの?」 「うー、ざくやー、ぷでぃんもっできでー、ぶでぃんー」 あらあら。会うなり人間違いをして、その上おやつを要求するなんて。 頭を撫でながら、尋ねる。 「あなた、どこの家の子? 森から来たの?」 「うー、れびりゃのおうぢはここだどー」 鼻にかかったようなダミ声で、人様の家を所有宣言。 ああ、何て、かわいいんだろう。 「ぞでよりぷでぃん、ぷでぃ~ん!」 「欲しいの? プリン」 興奮を内に秘めて、荒くなる呼吸を抑えて、にこやかに問いかける。 「はやぐー! もっでごないと、たべじゃうどー」 「じゃあ、たくさん食べてね」 私は少し身体を離すと、思いっきりゆっくりの腹を蹴りこんだ。 ぐごぎょ、と無様な音を喉から漏らして、饅頭は吹っ飛び、壁にしたたか身体を打ち付けた。 「…………! …………!」 痛みで呼吸もままならず、叫び声さえあげられないようだ。何が起こったか理解もできないだろう。 「ぐっ、ぼッ、……! ごぶぇ?!」 ようやくひり出すような息を吐く。私はにこやかに問いかける。「大丈夫?」 「なっ……なにずん……だどぉ」 見たところ腹に外傷はない。意外に丈夫なようだ。嬉しい。 「あら、食べたいんじゃなかったの?」 「ぢがっ、うどぉ……、れびりゃがほじいのは」 再び足を腹に叩き込む。口から出るはずだった言葉が、衝撃で肺に戻される。 何度も蹴りこむ。後ろは壁だ。暴力は逃げることなく全て身体に突き刺さる。 ゆっくりは小さな手足で必死に身を守ろうとしている。その手足さえ、蹴れば柔らかな感触を跳ね返してくる。それがとても心地よい。 たくさんの蹴りを食らって、ゆっくりは痛みか恐怖かその両方かで震えている。頬を引っ張り、何か言うまで待つ。 「んー、どうしたのかな?」 「ぎゅ、んぐっ」 まだ返事はできないようだ。頬をつまんだまま揺すり、引っ張り上げる。結構重い。普通のゆっくりなら頬がちぎれてもおかしくない重さが掛かっているのに、そんなことはなく痛がる様子を見せるだけだ。本当に嬉しくなる。 頬を手放すと、再び床に転がる。そして、ずりずりとはいずるように、逃げようとする。 私は左の二の腕を踏んで阻止する。それでもゆっくりはジタバタと動くが、完全に縫い止められてそれ以上どこにもいけなくなってしまう。ああ、何て弱く、馬鹿な生き物なんだろう。 体付きがどれだけの強度を持ってるのか興味が湧いてきた。踏んだ足に体重を掛けてゆく。伝わってくる響きは、腕のきしみか、それともゆっくりの叫ぶ声が振動となっているのだろうか。 「うふふふふ」 ついに全体重が乗ってしまった。それでもちぎれることはない。ある程度の反動をつけて踏み直してみても、激痛にほとばしる声が高くなるばかりで裂け目一つできない。 「そろそろあなたの中身が見たくなってきたわ。ね、見せて。ね? ね!」 今度は足を上げて、思いっきり勢いをつけて踏みつけてみる。何度も何度も踏みつけてみる。騒音としか聞こえない濁音混じりの絶叫が相変わらず耳に心地よかったが、腕の損傷につながらないのも相変わらずだった。 私は次第に自分の思い通りにならないことに腹が立ってきた。一方でそれがまた嬉しさをかき立てる。苛立ちは最高のスパイスだからだ。 もう一度腹に一撃を見舞った後、私は台所から目当ての物を持ち出してきた。これなら。 「じゃ、改めまして」 ゆっくりを仰向けにして、今度は右腕をつかむ。私が振り上げた包丁に目を丸くしてるけど、何を意味してるのかわかっているのかしら。 私は笑ったまま、思いっきり力を込めて一撃を振り下ろした。 「ぎひう゛ぉギょをぉおごぉおおぉおおぉおおおッ!!」 声帯を無視したような叫びと共に、赤い汁が散った。 中身が何か辛い物でできているゆっくりがいると聞いたことがあるけれど、これがそうなのだろうか。綺麗な色。興奮するわ。 「もっと、もっと見せてね。ふふ、うふふ、あははははっはははっ!」 楽しさを爆発させ、感情に行動を任せる。何度となく、包丁を叩きつけるように切り込んでいく。だが、切り傷が数を増やすのみでなかなか切断できない。切断したいのに。切断したいのに! 早く切断しなさい! 「これでどうっ? これでッ! ほらっ! ほらッ!!」 一番深いくぼみができたところに、逆手で持った包丁の先端を何度も打ち込む。狙い通り、裂け目が大きくなってきた。いいわね、いいわ! 「すごいわね、ほら、取れちゃうわよ、取れちゃうわ、ほら、ほらっ、ねッ!」 そして、ブツンという手応えと共に、ついに腕は根本から切断された。突き抜けるような快感が私の身体の中心を走る。 「ああ、取れちゃった! あははは! 中身は……ふふ、やっぱり肉まんかな? 辛そうだけどね、アハハ、アハハハハハハ!」 中身はかなり詰まっているようで、切断面からこぼれ落ちるのは肉汁ばかりだ。見ていると、柔らかで身の締まった肉汁たっぷりのステーキを連想させる。もしかするととても美味しいのかもしれない。他のゆっくり同様、食べるつもりは全くないから捨てるだけだが。 「……?」 ふと、私は気づいた。ゆっくりの反応がない。 「うそ!」 慌てて確認すると、良かった、死んだ訳じゃないようだ。痛みと恐怖で気絶しているだけらしい。白目をむいて泡を吐いているから驚いてしまった。安堵のため息をつく。水でも掛ければ意識を取り戻すだろう。殺すまでしてしまってはいけない。それはいけない。 まだまだ私に付き合ってもらわないといけないのだから。 私はこれからの楽しみを前にして、身体が喜びで震えるのを感じた。 …………やり尽くした後。 私は居間全体に飛び散った肉汁を前に、包丁をまだ一応の形を為す残骸に突き立てた。 四肢の欠如した胴体は、腹が割り開かれて中身を見せている。赤いソーセージのようなものが出てきたことから、形は違えどやはり肉まんの一種であるようだ。包丁はその中身に埋もれるように収められている。 頭部は両の目がえぐられ、鼻はそがれて豚のようになっている。口は両側が耳まで裂かれて、ピエロのようだ。そんな状態になっても、素手で中身をかき混ぜてやるまで、生きて叫んでいた。 あんなに生命力があって、あれほど長い間楽しませてくれるなんて嬉しい誤算だ。この近くに手足付きのゆっくりが住み着いたということなら、こんなに喜ばしいことはない。何かの神様に感謝した方が良いのかしら。 ただ、砂糖水を掛けても回復しなかったのは残念だった。肉まんだから塩水の方がいいかと思って、掛けてみたら酷く痛がった。だから、もっと掛けてやった。塩そのものもすり込んでみた。それはそれで楽しかったから良しとしよう。 片付けは大変だ。特に肉汁の量が半端ではない。けれど、この気持ちに浸りながらの掃除なら楽しくやれそうだ。 それにしても、この肉汁、辛子か何かで赤いのかと思ったが、そうではないかもしれない。特有の刺激臭がしてこない。食べるわけではないから味はどうでもいいのだが、何か気になる。今になって、どこでかいだ臭いであるように思えてきたのだ。馴染みのある臭い。でも、食べたことはないように思う。何だろう。 考えを巡らし頭をひねると、ふと、部屋の扉が開いているのが目に止まった。 ゆっくりの繁殖方法は、今のところ二通りのものが大勢を占めている。裸子植物タイプと胎生タイプだ。 ほとんど見かけないが、他に確認されているものとして、被子植物タイプ、両生類型卵生タイプ、分裂タイプなどがある。 自分の場合はどれでもなかった。気がつくと、岩穴の中にいて、傍には固い殻が散乱していた。 ということは、鳥類型の卵生タイプなんだろうか。しかし、親は近くにいなかった。爬虫類型の卵生タイプかもしれない。あるいは昆虫型か。 ともかく、最初に起こった欲求は「自分が何者なのか知りたい」ということだった。 何しろ生きる指針を与えるべき親も同族も見あたらないし、そもそも自分が何かがわからなければ種としての振る舞い方も想像できない。「吾輩は猫である」とか言えたらまだ良かったのだが。 かくして、『黒いゆっくりの自分探しの旅』という全くもってモラトリアムな劇が幕を開けるわけだ。そのうち盗んだバイクで走り出すかもしれないな。 いや、自分がゆっくりだと見当がつくのは、もう少し後だ。 とりあえずは魔法の森と呼ばれる場所を、草や木の実やら虫やらを口に含みつつさまよっていた。その中で、ゆっくりを含めた妖怪やら人間やらに出会ったりして。まあいろいろだ。 それでもまだ自分が何かわからなかったわけだ。まあ今になってもそうなんだが。ただ一応の手がかりがつかめたのが、大図書館に滞在したときだったな。 とあるツテでね、来客というか珍獣扱いで招かれたというか持ち込まれた。そこの主たちの好奇心を満たすことと引き替えに、しばらくお世話になったわけだ。 生まれたてで言葉を解していたように、文字も読むことができた。何故かは知らないが、とにかく読めた。それで色々調べることができた。さまざまな妖怪、動植物、外の世界のこと……。館長や司書との会話も有益だったな。 かなり充実した時だった。時間も忘れるとはあのことを言うのだろう。疑問符が好奇心呼び、興味が謎を喚起する。知識の岐路は際限なく奥地まで……ああ、いやいや確かに寄り道はたびたびしたが、第一義は忘れてない。自分のルーツだ。うん? その割には無駄知識が多い? そうかな? で、俺の出生について立てた仮説なんだが――ああ、まだ推測なんだ――どうもゆっくりと他の妖怪との合いの子らしい。 まず俺の身体だが、見事なまでの一頭身だ。顔だけオバケだな。 ゆっくり以外にも首だけの妖怪は多々いるが、大首にしてはお歯黒を付けてないし、チョンチョンにしては耳が大きくない。その他分析してみても、十中八九ゆっくりの血を引いているという結論に行き着く。どういう種のゆっくりかはわからないがな。 もう一方の親は、バック・ベアードである可能性が強い。聞いたことがない妖怪だって? 光化学スモッグの化性で、真っ黒な球体に一つ目がついたデザインなんだが。ああ、そもそもスモッグを知らないか。 ともかく、そういう妖怪だ。空中に巨大なそれが浮かんでいて、わはははと大きな笑い声を上げるのは、まったく恐怖だろう。 能力は主に目から発せられ、相手の精神に作用を及ぼすようだ。軽い幻覚から死に至るものまで、能力の幅はそれなりにある。 自分が羽も無しに宙を飛んだり、片目が不自由であったりした理由が、これで一応説明できるわけだ。体色や表皮などの特徴も含めてな。 まあ、親の能力に比べると泣けてくるほど初歩的な力しかないが、その辺りは少しずつ開発していこう。群れのゆっくりたちと共に。俺の第一義のために。 おおゆっくり、俺はどうして黒ゆっくりなの、なんて嘆き続けるだけでは芸がないしな。 さて、話を戻そうか。 ある母親がいた。特に何の変哲もない家庭を築いていたんだが、強いて言うと子供が生まれつき障害を持っていたのが特徴と言えば特徴かな。知的障害だ。 どれくらいの障害かと言っても、軽度なのか重度なのか基準がよくわからないな。具体的には、発する言葉が「あー」とか「うー」とか意味不明のものだったり、よくかんしゃくを起こして辺りの物をヒッチャカメッチャカにしたりとか。ああ、あと漏らしてしまった大便を団子にして投げて遊んでたってこともあったらしい。そんな程度だ。 母親と父親は人一倍、いや十倍はその子に手間を掛けた。手間を愛情と言い換えられるなら、それはそれは愛にあふれた家庭だったろうな。けれど、父親の方はある日家を出てしまった。 何でだろうね。愛を注ぎすぎて尽きてしまったのか、それとも始めから愛なんてなかったのか。母親がかんしゃくを起こして父親に当たるのが頻繁になった……これは原因に入るかな? 仕方ないことだと思うのだがね。子供にストレスをぶつけるわけにはいかないし、ましてやご近所の皆さんに怒りをまき散らすにもいかない。たまった鬱憤を受け止めてくれるのは愛する夫しかいないというわけだ。 けれど、その父親がいなくなってしまった。さて、彼女はどうなるだろう。自分の子供は常にストレスを渡し続けてくる。バケツリレーに自分の次がいない。どんどんバケツは増えてくる。どんどん、どんどん。積み上げられたバケツが瓦解して、圧死するのは時間の問題。と、その時だ。 家の中にゆっくりが迷い込んできたんだな。 小さなゆっくりだ。まだようやくあちこち歩き回れる程度の。身体無し、頭だけのオーソドックスなレイム種だ。他人の住居内でありながら、「ゆ~、おばさんゆっくりちていってね!」などと鳴いていて、そこにいた。 母親はそれを傷つけるつもりはなかったんだ。ましてや虐待なんて考えもしなかった。ただつまみ出そうとしただけだ。無言ではあったが、別に敵意があったわけじゃない。で、片手でその饅頭をつまんだ。 ところが……どうしたわけか……うん、それが事故だったのか、無自覚の故意だったのかはわからないんだが……力を入れすぎてしまったようだな。 子ゆっくりの叫び声に、ハッと手元をみると、まだ薄く柔い皮に指の先が食い込んでいた。中身がわずかにもれて小豆色に滲んでいる。 「いちゃぁあああい! いちゃいよぉおぉっ!!」という叫びに母親は慌てた。慌てて両手で支えて、 ぷちっ、と。 真ん中から割り潰してしまったんだ。 子ゆっくりも、当の母親でさえも、何が起こったかわからなかったに違いない。しかし、厳然とした事実はそこにあった。潰えた命という現実がね。 そのとき彼女が感じていた感情は何だったと思う? 絶望? 悲哀? まあ、混乱していたのは確かだったろう。一言で表すのは乱暴すぎるかな。ただ、その時、唇の端は上がっていたそうだよ。口だけは間違いなく笑みの形を取っていたんだ。 だから、迷子になった子ゆっくりを探しに来た親ゆっくりが、その母親に誘われるままに家の中に入っていき、さて、どういう末路をたどったか……なんて、説明するまでもないだろう。 玄関扉から上がりかまちにまで散らばった餡子。雑巾でぬぐいながら掃除する彼女の心の中は、もう喜悦の一色で染まっていた。虐待と虐殺による疲労と興奮が心臓をリズミカルに刻み、全身に快楽の血流を巡らす。長い間忘却の彼方に追いやられていた感情が、その時確かに蘇っていた。 ややあって熱が冷めてからは、自己嫌悪の情が海の波のように返ってはきた。彼女の心に染み入って痛みを与えはした。 けれど、自分の子供が、手づかみで食事をして、顔中を食べ物とヨダレと鼻汁まみれにして、そしてその場で大も小も漏らして、アバアバと口を開けてにやけて……みたいな毎日が続くと、母親の内側では、あの刹那の開放感に対する渇きがどうしようもなく襲ってくるんだ。 幸い彼女は村の端、森の近くに住んでいた。子ゆっくりが迷い込んできたのもそのせいであったわけだが、自分の方から捕まえにいくのにも良い条件になっている。 ゆっくりは人に近しい妖怪だからな。もちろんどこにでもいるわけではないが、その森はゆっくりには住みやすい環境だったので、森の周辺をうろついていれば自然遭遇できるほどには多くのゆっくりがいた。それについても母親には幸運だったわけだ。 菓子を使って、主に子ゆっくりを優しい言葉でおびき寄せるのが彼女の常套手段だった。甘味と甘言だな。こういうのに引っかかるのを甘ちゃんというんだ。うん、まあ、中身が甘味なんでずいぶんと捕まえられたわけだけども。げに悲しきは餡子脳。 数え切れないほどのゆっくり。無数の饅頭。それらを蹴り飛ばし、踏みにじり、えぐり込み、焼き焦がし、すり下ろし、握りつぶし、虐めぬき、殺し尽くして。そのつど彼女はたとえようもない高揚を感じ、その後に訪れる虚無の感情にさいなまされた。それは必然の虚しさだ。それでも止めることはなかった。 おや、不可解か? だが、自分を慰める行為というのは得てしてそういうものかも知らんね? で、その母親の住んでいる近くの森にだ、俺たちの群れが移移住してきたなら、当然群れの誰かが被害に遭うのは時間の問題になるよな。まさか、移動してきた翌日にやられるとは思いもしなかったが。そう、夜が一番短いあの日のことだ。 母親はこれまでしてきたように、森の周辺から子ゆっくりの姿を認めると、袋の菓子を出して呼びかけた。ねえ、甘いお菓子があるんだけど、もし良かったらあげるわよ、みたいなことをね。そこにいた三匹の子ゆっくりはすぐに興味を示した。ここまでは狙い通りだ。 しかし、いつもなら大抵簡単に引っかかるはずの子ゆっくりたちが、今回に限って警戒して近づいてこなかった。一定の距離を保って、誘いに乗ってこなかった。それもそのはずで、人間に対しては十分注意して相対するように、入念に教育されていたんだな。いやはや、群れの長の指導力がどれだけ高いかをうかがわせるね。 けれど、そこは母親も歴戦の将。慌てず、騒がず、次の手を打った。 「じゃあ、ここに置いておくから、欲しかったら持っていってね」 上手いね。菓子は小麦粉と砂糖を混ぜ、小さな粒にして揚げたものだ。揚げ玉状のドーナツだな。だから、地面に置くということは、ばらまくわけだ、袋いっぱいのそれらを。 母親は子ゆっくりたちの前から姿を消した。では、子ゆっくりたちはどう行動する? 警戒すべき人間はいない。お菓子には興味がある。お菓子は境界付近とはいえ、森の中にある。 だから、どちらからともなくお菓子に駆け寄る。それでも警戒心は切らしてないから、辺りをうかがいつつ口に含む。森では絶対に口にできないような味が口内に広がる。がっつきたい衝動を抑えて、より安全な森の奥で食べようという考えを誰かが述べる。しかし、できない。大きな塊ならまだしも、砂利のような粒がたくさんあるわけだからね。持ち運べるのはほんのわずかだ。これが母親の意図さ。 菓子を味わうために、子ゆっくりがその場に釘付けになることを想定して、製菓したわけだ。 子ゆっくりが大人のゆっくりに相談するということに考えが行き着けば、それが模範解答だったんだが、美味さの初体験にそこまで頭が回らなかったようだな。いやはや、教育不十分もいいとこだ。親の顔が見てみたいね。 子ゆっくりは徐々に菓子に没頭し始める。そこに母親が駆け寄って一網打尽? いや、真っ正面からいったら流石に気づかれる。音が届かないほどに遠回りして、後ろから失礼するのさ。昼間の森にも危険性はあるが、夜のそれと比べれば、格段に安全だからね。それに何度か使っていた手だ。森に立ち入ることに危機感は持ってなかった。そして、それは正しい認識だった。確かに、これまでは。 時間を掛けすぎてしまったのがまずかった。これまでの事例では問題のない時の間だけれど、この群れにおいては独自のシステムがある。十分な時間だった。母親と俺がご対面するには十分な、ね。 それで。 俺は彼女が一番望んでいることを叶えてやった。 本当に虐待したいものを虐待させてやった。本当に殺したいものを殺させてやった。 めでたしめでたし。 さて、お前さんも明日は早いんだろう。そろそろ寝床に戻ったほうがいい。また頑張ってもらわなくてはならないことが山ほどあるしな。 どうした? うん? その後の展開? おいおい、話はもう終わったんだぞ。 シンデレラや桃太郎のその後を問いかけるのは邪道だと思うがな。色々想像して楽しむのがいいんじゃないか。 おとぎ話とは違うって? ふむ。 そうだな。 『それから母親は苦しみから解放され、新しい人生を歩むことになりました。村人は母親の苦悩を知り、今後の彼女を支えていくことを約束します。確かにそれはイバラの道であり、進むには苦痛を伴うでしょうが、その遙かな先には光り輝く未来が…… いや、もちろん冗談だ。 追い詰められるままに誰にも相談できなかった母親。 何も気づくことなく放置し続けていた村人。 彼らがどんなエピローグを演じるのか。演じられるというのか。 言わぬが花というものだろう。語っても陳腐だ。 To be or not to be. このままで良いのか、いけないのか、彼女は悩み続けてきた。悩みながらも殺し続けてきた。殺しながらも渇き続けてきた。 それならば、この話はこの言葉で締めくくるのがふさわしいだろう。 「満足は死である」 黒ゆっくり2 続く 別の作者が書いたと思われる続き このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/www-iris/pages/140.html
【チップ名】 ガッツマン 【読み方】 がっつまん 【該当チップ】 ガッツマン、ガッツマンV2、ガッツマンV3、ガッツマンV4、ガッツマンV5、ガッツマンSP、ガッツマンDS 【アイコン】 『バトルチップGP』: 【種類】 メガクラス:ナビチップ、ギガクラス(ガッツマンV5) 【属性】 無属性、地形破壊系(4) 【入手方法】 ガッツマンから入手 【派生チップ】 ガッツパンチ系 【PA】 ガッツシュート 【登場作品】 『1』~『4』『OSS』 【英語名】 ガッツマン:GutsManガッツマンV2:『1』GutsMan2(GutsManV2)、『2』GutsMan v2、『3』GutsManV2ガッツマンV3:『1』GutsMan3(GutsManV3)、『2』GutsMan v3、『3』GutsManV3ガッツマンV4:GutsManV4ガッツマンV5:GutsManV5ガッツマンSP:GutsMnSP(GutsManSP)ガッツマンDS:GutsMnDS(GutsManDS) 【詳細】 使用すると画面が暗転し、出現したガッツマンが攻撃を行うメガクラスのナビチップ。 『3』までは目の前のパネルを殴りつけ、障害物があろうとなかろうと全てを貫通する「ショックウェーブ」でエリア全体を攻撃する。 他のナビチップに比べると威力は若干低めだが、エリア全体を攻撃できる上に衝撃波が通ったマスは全てヒビパネルに変化するためリターンは大きい。 なお、『1』では必ず最前列(のロックマンが発動時に居た段)に出現して相手エリアのみを攻撃してくれるが、 『2』以後は使用したマスに出現して攻撃を行うようになったため、自エリア内にも攻撃が及ぶようになった。 エリア後方で使用すれば侵入してきた敵にもダメージが与えられるが、自エリアをヒビパネルにしてしまい不利になる事もあるので注意。 『4』では攻撃方法が「ガッツクエイク」に変化。 その場に出現し、目の前のマスをハンマーで叩いて3個の落石を発生させる。 落石のうち1つは必ず敵にヒットするが、残り2つはランダムなマスに落ちる。 ハンマー自体にも攻撃判定があるため、目の前のマスには2ヒットすることもある。 ナビ自体は作品皆勤賞だったのだが、ナビチップは『4』までしか登場しなかった。 『1』のリメイク作である『OSS』では大幅に使い勝手が向上。 なんと、タイトル画面で特殊なコマンドを入力することで「*」コードのガッツマン(V1)が手に入るように。 元々使いやすい全体攻撃チップではあったが、これによってさらに小回りが利くようになり、様々な組み合わせで使用できる。 その上エアシューズの存在しない本作では「足元を崩す」という効果が非常に凶悪で、ヒビパネルにより相手の安易な回避行動を許さない。 これで相手の移動を制限し、バスター系で徹底的に殴り続ける…という戦法が極めて強力。 特に「バスターパンチ」が『OSS』でガッツパンチと共に格段に強化されており、なんと一発160ダメージという恐るべき火力を持っていた。 ガッツマンによるショックウェーブと、ガッツパンチの猛襲…『OSS』の対戦環境はまるでガッツマンが主役になったようである。 データライブラリNo. 作品 前のチップ ← No. → 次のチップ 「1」 No.130 ロールV3 ← 131 ガッツマン 132 ガッツマンV2 133 ガッツマンV3 → No.134 ブルース 「2」 No.196 ロールV3 ← 197 ガッツマン 198 ガッツマンV2 199 ガッツマンV3 → No.200 ブルース 「3」 メガNo.25 ロールV3 ← メガ26 ガッツマン メガ27 ガッツマンV2 メガ28 ガッツマンV3 メガ29 ガッツマンV4 メガNo.30 ブルース ギガNo.05 プロトアームΣ/プロトアームΩ ギガ06 ガッツマンV5 → ギガNo.07 ブルースV5 「4」 メガNo.21 ロールDS ← メガ22 ガッツマン メガ23 ガッツマンSP メガ24 ガッツマンDS → メガNo.25 ウインドマン 「トランスミッション」 No.121 ロール ← 122 ガッツマン → No.123 ブルース 「バトルチップGP」 No.196 ロール ← 197 ガッツマン → No.198 ブルース 「4.5」 メガNo.21 ロールDS ← メガ22 ガッツマン メガ23 ガッツマンSP メガ24 ガッツマンDS → No.メガ25 ウインドマン 「P.o.N」 メガNo.16 ロールSP ← メガ17 ガッツマン メガ18 ガッツマンV2 メガ19 ガッツマンV3 メガ20 ガッツマンSP → No.メガ21 ブルース 「OSS」 No.130 ロールV3 ← 131 ガッツマン 132 ガッツマンV2 133 ガッツマンV3 → No.134 ブルース
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1701.html
どうすればいいのだろう 作、 茄子 まりさは苦悩していた。それは 『赤ん坊』だ、親を馬鹿にしているのだろうか 自分のいうことをまっったく聞かない どうすればいいんだろう、れいむも話を聞かないし… 「いい!?おとうさんのまねをしてするんだよ!みてて!」 そう言って親まりさは肛門を地面に触れるか触れないぐらいに 近づけて、『うんうん』をした、これが正しい『うんうん』の仕方 「おとーしゃん…なにうんうんしてるの?ばきゃにゃにょ? こどみょにきょうもんみしぇてはずかしきゅにゃいにょ? しゅーちぷれいにゃにょ?」 「みょういいよみゃりしゃ、うんうんとうちゃんはほっといて ごはんしゃんをたべようよ」 「…ッ!!」 これだ、こうやって親の話を聞かないのが悩みなのだ しかも妻のれいむは… 「さっさとかりへいってこいッ!!!」 どうすればいいんだろう… 「ごはんしゃんもたべたしうんうんしゃんをしゅりゅよ!!」 「しゅりゅよ!!」 果たしてちゃんとできるのか親まりさはどきどきして見守りました 「うんうんしゅりゅよーーーっ!」 赤まりさはひっくりかえりながらうんうんをしました 案の定顔にうんうんが付きました 「ゆっぴゃあああ!!くしゃいいいい!!!」 隣では赤れいむがうんうんにはまっていました、 どうして… 「うんうんくしゃいいいい!!!!」 「ゆぴゃあああああああああ!!!」 「しょうがないね、ちゃんとまりさのを見てなかったから こうなったんだよ!!」 そう言って親まりさは赤ゆ供をぺーろぺろしました 所が、 「なにきょどものうんうんしゃんにゃめてりゅの?」 「しょんにゃにりぇいむのうんうんしゃんにゃめたいの?」 「ッ!!」 さすがに親まりさも堪忍袋の緒が切れたようです 刹那、親まりさが赤ゆを突き飛ばしました、 「「ゆっぴゃああああああ!!!」」 「にゃにしゅりゅにょおおおおお!!!」 「しどうだよ!おやとしての!!!」 「ふざけるなあああああああああアッ!!!」 なんと親れいむが親まりさに向かって タックルをしたのです 「ゆべえええええええええ!!!!」 「なにがしどうだよ!!このこたちは こどもなんだよっ!!おやなんだから なんだっておしえなきゃいけないんだよっ!! じっくりじっくりとね!!! まったくこれだからまりさはだめなんだよ! かりしかのうがないくせに!!! だめおや!ぎゃくたいちゅう!! このくそあんっこさんがああああああああああ!!!」 すると、まりさの頭の中で何かが 『はじけました』 なやむ?どうすればいい? そんなのかいけつするのはかんたんだ それはっ… 「ゆっぎゃああああああッ!!!!」 「れいむがいけないんだよ!!!」 まりさは帽子に隠していた『棒』を れいむに突き刺しました 「いだいッ!!はなぜっ!!!」 「ゆははははははハッ!!!」 まりさは口を一の字に振りました するとどうでしょう、 綺麗にれいむの体が一の字切れたではありませんか 「ゆぎゃああああああああッ!! くそでぃーぶいがああああ!!!」 「くるしまくるしめくるしメッ!!!!」 まりさは踊っていました、れいむも踊っていました それは『死の踊り』あんこが飛び散る、踊りッ!!! 「ゆはー…ゆはー…」 「…………」 ペースト状になったまりさはものすごい快感におぼれました それはカタルシス、あぁ、また味わいたい、 まりさは後ろを向きました、そこには おびえている2匹の子供、 「おちびちゃん…」 「「っぴぃッ!?」」 赤まりさのはらからちーちーがでてきた 「おもらししちゃだめだよぉ 『掃除』しなきゃねッ!!」 親まりさは赤まりさの髪をくわえて ちーちーした場所に叩きつけました 「こうやってッ…そうじッ…するんだよッ!!!」 親まりさは赤まりさを地面に8の字の形に 擦り付けてました、 「ゆぴゃあッ!!やべッ!!やべでッ!!」 「だめだよ!じぶんがしたことは じぶんでかたづけなきゃねっ!!!!」 ぶちゅ… 「あはははっはああああああああ!!!」 又、この世のものとは思えない快感に 酔うまりさ、 解釈 きゅりゅってるよ!? (くるってるよ!?) にゃんであのばきゃおやはみんにゃを (なんであのばかおやはみんなを) きょりょしたにょ!?つぎはりぇいむのばん? (ころしたの!?つぎはれいむのばん?) きょろしゃりぇるの?あのばきゃに!? (ころされるの?あのばかに!?) その時、赤れいむは思い出した 親まりさの後ろからタックルして ぼろぼろにしたことを… しょうだ…りぇいむはあいつに (そうだ…れいむはあいつに) あんなきずをおわしぇたんだ!! (あんなきずをおわせたんだ!!) ほんきでやりぇばきゃてる!!! (ほんきでやればかてる!!!) 正直都合のいい妄想ですけどね まだ、まりさは快感の余韻に 浸っている、 赤れいむはまりさの後ろに回り… タックルッ!!!!! 「ゆふん!!りぇいむのすとろんぐたっくる!! いたしゅぎてちにぇ!!!!」 「…にげればいいものを…ほんとばかだね」 「ゆ?」 ビリリッ!!! 赤れいむの自慢の髪飾りが破れた いや、破かれた、まりさは、知能を得たのだ、 『ゆっくりを殺す知能!苦しませて殺す知能!』 「ゆわあああああ!!りぇいむのじみゃんの きゃみかじゃりいいいいいい!!!!!」 「ゆふふふ…もっと苦しませて、殺してあげるよ!」 知能も得たのだ ぶちゅ しゅみましぇん ぐちゅ やめて ゆるちて どちゅ ゆっぴゃあああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 「まだ、味わいたいこの感覚に」 まりさは群れへいどうしていったのだ
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/59.html
「きゃあ!」 妖怪の山に悲鳴がこだました。 覆面の集団が少女を襲っていた。 正確に言うと、彼女が抱えているゆっくりれいむを狙っているのだ。 こいつらはゆっくり強盗団。 ゆっくりを捕まえては高値で売りさばく、巷で評判の悪いやつらだ。 「なんなんですか、貴方達!」 少女――東風谷早苗が叫んだ。 「何だと言われても、俺たちゃゆっくり強盗団だからなぁ」 「なぁ」 男達はうなずくと、早苗に向き直った。 「時にお前……最近引っ越してきた東風谷早苗だな?」 「え、ええそうですが」 「とてもゆっくりを可愛がっているな?」 「はぁ、そうですが」 「寝食をともにしたり、一緒に風呂に入ったりしてるんだろう?」 「ええ、まあ……」 強盗団はニヤリと笑った。 「という事は、あんたのゆっくりには、あんたの入った風呂のエキスがたっぷり染み込んでいる訳だ!」 「!」 「そいつをもどした湯を片手に、アンニュイな午後の始まりというわけさ」 「げっげっげっ」 「なっ、なんて事を考えるんですかっ ///」 早苗は顔を真っ赤にして怒鳴った。 しかし、御幣(あの紙を挟んだやつ)は家に置いて来ている。 あれがないと、奇跡を起こす力を制御できないのである(多分)。 ジャージにチャリンコスタイルで散歩気分でサイクリングのつもりが、 ノンブレーキで麓まで駆け下りた挙句に大木に激突してお釈迦になった自転車を キュウリ5本で修理をお願いしたにとりのところに預けっぱなしなのが運の尽きだった。色々と。 今度から御幣の一本くらいは、谷間にでも仕込もうと心に決めた、東風谷早苗じゅう○○さいであった。 「くやしいっ。でも……」 強盗団はにじり寄ってきた。 「さぁ、そのゆっくりを渡してもらおうか。 なに、あれだ、仮にゆっくりをとろうとしてそのふくらみに手が触れたとしても、それは不可抗力というものだよ……」 フフフ、と紳士的な笑みを浮かべる強盗団。どこが紳士なのだ。 その時。一陣の風が、通り抜けた。 「さ「とぅッ!」」 強盗団の一人が吹っ飛ばされる。 「な、なんだなんだ」 慌てて周りを見回す一堂。 何かに気付いたらしい男の一人が、木の上を指差した。 「あ、あれは!」 「な、なんだ天狗か?」 いやさ、違う。 あ、 天狗のようで、天狗でない。 ゆっくりのようでゆっくりでない。 人を見下ろすニヒルなあいつ。 天上天下唯我独尊を地でいく、その生き様は! 「き「清く!」ごふっ」 「げh「正しい!」」 強盗団2人を吹っ飛ばして、そいつは地に降り立った。 これすなわち、 「きめぇ丸ちゃん!」 その口元から、キラリ、白い歯がのぞいた。 「ちゃんは余計ですよ、サマエさん?」 直後、体格のいい男が、角材片手に踊りかかる。 「この野郎、どこから沸いてきやg「風に聞いたのさ」べきょっ」 しかし、気だるげに首を振って攻撃をかわすや否や、逆に一撃で鳩尾を貫いた。 その動き、まさに扇風機ッ! 「……このキュートなおにゃのこさんをいじめるワルがいるってなぁ!!!」 すると、数人の男が、四方からつっかかる! 「 ラ デ ィ カ ル グ ッ ド ゆ っ く り 頭 部 限 て ぇ ゐ ! ! !」 瞬間、あたりの岩が爆ぜ、きめぇ丸の体が虹色に輝いた。 見れば、先ほどの男どもはあらぬかたへ、みな吹っ飛んでいた。 「フッ それなりに人数だけはそろっているようだな?」 「畜生! ええい、かかれ、ものどもかかれぇい!」 リーダーらしい男が、悪事の露見した代官ライクにメンバーをけしかける。 何人かやられたとはいえ、残りはまだ十数人。 並のゆっくりならば、瞬く間に殲滅されているだろう。 だが、 「だが、まだ足りない!」 彼女は風。 「足ァりないぞ!」 一陣の、風。 「お前達に足りないもの! それは――ッ情 熱 "ここからはダ 思 ストでお送りします" (便宜上、強 想 バーをそれぞれアルファベットで呼ぶことにしよう) AとBはまと 理 飛ばされた。 C~Eは浣腸 念 絶した。 Fは泥饅頭を 頭 れた。 Gは恥ずかし 脳 露された。 まだ息のあっ 気 Cに文々。新聞を突き刺した。 HとIを向かい 品 制ぶちゅーさせた。 Jはそれを見 優 嫉妬した。 Kがそれを助 雅 た。 Lの立てた計 さ 通り、完全犯罪を目論んだ。 Mと愛の逃避 勤 についた。 しかし、Nは 勉 優秀な刑事だったので、崖に呼び出し自白させることに成功した。 と、ここまで さ 聞連載の小説が終わってしまったので、Cの臀部に突き刺した。 ちなみにJ~ ゆ は、本当は木につるしておいた。 Oはまったく っ 正攻法で殴り倒した。 何だか飽きて く の臀部に3本目を突き刺した。 Pはどこかよ り ったのでCに4本『もうやめてCのおケツのHPはもうゼロ さ そしてェなによりも!!!!!!!」 掻き消える風神少女。 「ゆっくりが足りない!!」 「あべしッ」 最後まで残ったリーダー格の男。しかし、その一撃を受けて崩れ落ちる。 恨みがましい声で、 「頭部、限定って、元から、頭しかねぇじゃ、ねえかっ ……それに、ゆっくり、2回、言うn「大事なことだから2回言いました2回言いました!」 ――ガクリ。 悪は、去った。 きめぇ丸の手によって。 「ありがとうございました、きめぇ丸ちゃん」 「フッ、当然のことをしたまでです」 ゆっくり強盗団は、簀巻きにして川に流した。 トラウマになってゆっくりを襲うことももうあるまい。 「では、これで失礼します」 「え? そんな、まだお礼もしていないのに……」 そういって顔を曇らせる早苗に、きめぇ丸はニヤリと笑った。 「貴女はとてもいい被写体だ。その表情こそ、キャメラマンへの報酬ですよ。……サマエさん?」 ウインクするきめぇ丸に、ハッとする早苗。 「サマエじゃありません、さなえです!」 「おおこわいこわい」 大袈裟に肩を竦めると、きめぇ丸は去っていった。 これから記事を書くのか、写真を撮るのか、はたまた救いを求める声に再び手を差し伸べるのか……? 名前を間違えた事に怒っては見せたものの、早苗の表情はどこか晴れやかだった。 「私も、もっと強くならなくっちゃね」 早苗は、ぎゅぅっっとゆっくりれいむを抱きしめる。 幻想郷は、まだまだ不思議でいっぱいだ。 ――ところでその腕の中のれいむといえば、人知れず目を回していたりする。 きめぇ丸のゆっくりは、おこちゃまなれいむにはビター過ぎるようだった。 “風のゆっくり”fin 『次回予告』 きめぇと人には罵られ、 うぜぇと人には叩かれる。 ああだがしかし、彼奴は絶対に止まらない おのれの信念口笛に乗せて、我が者顔で闊歩する。 なぜならあいつは風、風なのだ。 風の行方は、風が決める。 次回予告が秀逸すぎるwww 若本ボイスで再生余裕でした。 -- 名無しさん (2009-02-06 14 09 32) 早苗です! あってるでしょう? こんな感じになるのかな -- 名無しさん (2010-09-30 17 12 15) ちょっと待て。守矢一家の風呂に入る順番を考えてみよう。 一番風呂は当然、上位者たる神奈子さま・諏訪子さまが入るよな・・・ と、すると、早苗さんは三番風呂・・・ つまり、このゆっくりれいむには、 早苗さんだけでなく、神奈子さま諏訪子さまのエキスもしみ込んでいるのではなかろうか。 守矢三柱のエキスがしみ込んでいる・・・ゴクリ・・・ -- 名無しさん (2010-11-27 16 31 22) 名前 コメント