約 1,236,997 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/121.html
ここはゆっくり霊夢の家族が住んでいる巣 お母さん霊夢を中心に5匹ほどのゆっくり霊夢の子供達が中むつまじく生活している。 このお母さん霊夢は成体で、繁殖をしても黒ずんで朽ちることなく無く今も娘達を優しく守っている。 この平和なゆっくりの巣に発情させたゆっくりアリスを放り込んでみた。 だらしなくよだれを垂らしながら「ゆっゆっゆっくりしていってねええええええええ!!!」とわき目も振らずにお母さん霊夢に突進するゆっくりアリス。 がっちりとゆっくりアリスに押さえ込まれたお母さん霊夢、すぐさま交尾が始まった。 「ゆ゛っ……ゆ゛っゆゆっ!!!」苦しげなお母さん霊夢。 小刻みに震え、切なげな声を出すゆっくりアリス。 娘霊夢たちはわけもわからずガタガタ震えることしか出来ない。 そして「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛」と一際大きなお母さん霊夢の声、交尾が終わったようだ。 頭から茎を伸ばしながらもこれでゆっくりできると一安心のお母さん霊夢、だがそこで終わりではなかった。 すぐさま連続して交尾に移ろうとするゆっくりアリス、さすがのお母さん霊夢も「ゆ、ゆっくりしようよ!!!」と危険を察したのか娘達をかばいながらあとずさる。 「れ、れいむううううううううううううう」飛びかかるゆっくりアリス、交尾を終えたばかりで体力を失っているお母さん霊夢が逃げられるわけも無く、再び行われる交尾。 2回目の交尾が終わり、茎ももう一本生え息も絶え絶えなお母さん霊夢、だが発情したゆっくりアリスはお母さん霊夢が朽ちないことが分かると更に交尾をするためにお母さん霊夢に飛びつく。 そうして繰り返される交尾。 発情期のゆっくりアリスの持久力は凄まじく、勢いは衰えることは無い。 お母さん霊夢は限界が近いのか「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」と朽ち果てる前に出すような異様な声を時折出すようになってきた。 ただならぬ気配を感じたのか「ゆ゛っぐり゛や゛め゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛」と娘霊夢達が泣きじゃくる。しかしゆっくりアリスは小刻みに身体を動かし交尾をやめる様子は全く無い。 何度交尾があったかわからなくなった頃、もう母体が限界に近いので、ゆっくりアリスを巣から引っ張り出す。 ようやく解放され、巣には平穏が戻った。 残されたのは「ゆ・・・ゆ・・・」とうつろな目で体中から大量の茎を伸ばすお母さん霊夢。 そして、ただただ泣く事しか出来ない娘達である。 やがて生まれてくる大量のゆっくり霊夢の赤ちゃん、その数は50匹を越えている。 ゆっくりアリスの襲来という酷いことがあったにせよ、家族がいっぱい増えて「みんなでゆっくりしようね!!!」「家族が増えてたのしいね!」と赤ちゃんや娘はおおはしゃぎしている。 お母さん霊夢も回復し「みんなゆっくりしていってね!!!」と満面の笑みである。 だが問題が発生する、巣が狭すぎるのだ。 生まれたばかりの赤ちゃん霊夢は小さいにせよ数が多い、元々は家族がゆっくりできたであろう広い巣も今では学校の教室くらいの人口密度になっている。 しかし巣の広さはまだ何とかなる方であった。 食糧の問題は更に深刻であった、赤ちゃん霊夢は食欲旺盛で「おなかすいたよ!」「ごはんがたべたいよ!」と大合唱。 お母さん霊夢とお姉さん霊夢が必死になって虫や木の実などを集めてきても「まだたりないよ!」「おなかすいたよ!」と焼け石に水状態である。 しかし、どんなにお母さん霊夢達が頑張っても集められる食料の量には限界があり、一部の赤ちゃんゆっくり達は食べ物が手に入らず「ゆ…ゆ…」とうめき声を上げることしかできずに衰弱していった。 更に赤ちゃんゆっくり達は成長スピードが早く、1週間も経つ頃には生まれたときの3倍以上の大きさになり、巣はラッシュ時の駅構内のような大混雑になっていた。 しかし、満足に餌が食べられなかった赤ちゃんゆっくりは身体も小さくもう巣の隅の方でぐったりしているだけになっていた。 そこで起こるのが体の大きな赤ちゃんゆっくりによる共食いである、生まれてからずっと空腹状態の赤ちゃんゆっくりにとって弱ったゆっくりは最早餌にしか見えていなかった。 お母さん霊夢達が巣の外へ餌を探しに出ているタイミングを見計らい、弱ったゆっくり達の元へ集まる赤ちゃんゆっくり達。 「ゆっくり食べられてね!」この言葉が引き金となり共食いが始まった。 「ゆっくりやめてね!ゆっくりやめてね!」必死に命乞いをするがそんなものが聞き入れられるはずも無く、捕食されていく弱ったゆっくり。 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛」 「うっめ、メッチャうめ!」 「ゆ゛っ゛ぐ゛り゛じだがっ゛だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 「うまうまー」 巣に帰ってきたお母さん霊夢が見たのは以前より少しだけ広くなった巣、床や壁に飛び散った大量の餡子、そして数が減った赤ちゃんゆっくり達であった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 お母さん霊夢の慟哭がこだまする。お姉さん霊夢達も何が起きたのかを理解したのか涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにして震えている。 「どお゛じでぞん゛な゛ごどずる゛の゛?」 「み゛ん゛な゛でゆ゛っ゛ぐり゛じよ゛う゛っ゛でい゛っ゛だの゛に゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛」 お母さん霊夢の叫びが赤ちゃん霊夢達に向けられる、そして赤ちゃん霊夢達は自分たちが取り返しがつかないことをしてしまったと気づいた。 「お゛があ゛ざん゛ごめ゛ん゛な゛ざい゛い゛い゛い゛い゛」 「み゛ん゛な゛ごめ゛ん゛な゛ざ゛い゛」 涙を流しながら謝罪の言葉を口にする赤ちゃん霊夢達、巣ではゆっくり霊夢達の鳴き声が一晩中続いた。 3日後 あの惨劇を乗り越え、ゆっくり霊夢の家族はより一層強い結びつきとなり、巣は家族がゆっくりできる環境になっていた。 赤ちゃんゆっくりの数が減り、残ったゆっくり達も満足な量ではないが皆で分け合い、生きていくのに必要な量の餌は確保できるようになっていた。 「今日もみんなゆっくりしようね!!!」 お母さん霊夢の声がゆっくりの巣に響く。 今回はお母さん霊夢のおかげで共食いがあったにせよ巣は平和になった。 第2段階として明日にでも再び発情したゆっくりアリスを巣に放り込み、限界ぎりぎりまで繁殖をさせる予定である。 更にゆっくりの数が増え、今回共食いをした赤ちゃんゆっくりはどういった行動を取るのか、ゆっくりの知能ではどうなるかは想像に難しくない。 しかしお母さん霊夢が居る限り巣の平穏は保たれるであろう。 最終的にはゆっくりアリスに最後まで繁殖をさせ、お母さん霊夢を朽ち果てさせる計画である。お母さん霊夢が居なくなった後、大量の赤ちゃんゆっくり達がどうなるか大変興味深い。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3655.html
「これなら治る」 ゆっくりれみりゃは本来なら再生能力が高く。足の傷程度ならいくらか酷くても治らないと言う事はなかった。 しかし、これは傷で切れた部分からどんどん皮が破れていき、中身が止めどなく漏れ出してくる。 「栄養状態があまり良くないわね」 水飴で傷口を小さくしながら、中身を戻していく。 「野菜を与えなさい。グズるかもしれないけど、調理すれば平気だと思うわ」 八意永琳はそう言うとタオルットを敷き詰めたバスケットを用意し、ゆっくりれみりゃをそこに寝かせる。 兎は一礼すると、それを持って研究室を去る。 「それにしても弱すぎませんか?」 因幡てゐが永琳に問いかける。 「れいむ種を使った代理出産なの、安っぽい急造品だから、次はどこに問題が起こるか分からないわ」 「うっわー、生まれながらに不幸しかない人生なんて」 「興味がある?それならラボに来なさい」 永琳は何枚かの資料をてゐに渡し、地下の研究室へ案内する。 「優しいお母さんの部屋」と可愛らしい文字で書かれた部屋の前にてゐはやってきた。 ここはゆっくりを『出産』させるのではなく『生産』する事に特化した実験を行う部屋で、 数々の出産に耐えられる年齢に成長したゆっくりが連れてこられていた。 妊娠したゆっくりれいむが三体、テーブルの上に並ぶ。どのれいむも嬉しそうに自分の子を自慢したり、子どもに語りかけたりしている。 それを防音のマジックミラーの向こうから二人は覗いている。 「それぞれのゆっくりには糖分を取らせ、胎児を急速に成長させているの」 マイクがゆっくりれいむ達の会話を拾う。 「れいむのあかちゃんはとってもゆっくりしてるよ」 「ゆふふ、れいむのあかちゃんもゆっくりしてるよー」 「ゆー、もうすぐみんなおかあさんだねー」 興味深そうに資料とれいむ達の様子を見比べる。 「急速な胎児の成長は母体に負担をかける。するとどうしても早産になるのよ」 「声を聞く限りじゃ、そんな違和感を持ってなさそうですけど」 「そこまで知能はれいむ種にはないよ。現実をただ自分の都合のいいように肯定していく事しかできないから」 さらにマイクはれいむ達の声を拾う。 「ゆ?あかちゃんがうごいたよ。うまれそうだよ!」 「れいむも、れいむもだよ。うまれるよ!」 「ゆー、かわいいあかちゃん、ゆっくりうまれてきてね!!」 れいむ達の腹部の膨らみがより大きくなり、産道が開いていき、中からピンクの帽子が見えてくる。 「師匠、これって・・・」 「中に入れたのはれみりゃの胚よ、さっきのれみりゃよりももっと状態は悪いけど」 「うわー、えっぐいー 半身まで生まれ出た辺りから、れいむ達がその異常に気づく。 「ゆ?れ、れみりゃだぁ!!!」 「あかちゃんは?れいむのあかちゃんは?」 「なにごれぇ!!うまれないでぇー!!」 しかし、れみりゃの様子もおかしい。弱々しく鳴き、右腕のない物や目の開いていない物もいた。 産道から元気に飛び出すのでなく、ぬるりとテーブルの上に生まれ落ちる。 落ちた衝撃で足はぐにゃりとへしゃぎ、自立すら困難な状態になる。 うーうーと呻き声をあげながら必死に翼を羽ばたかせるが、胴をかすかに宙に持ち上げる程度で、飛ぶと言うにはあまりに弱々しい。 「れいむのあがちゃん!!だいじょうぶ?ゆっくりできる?!」 「れいむ、これはれみりゃだよ!れみりゃはゆっくりせずにしんでね!」 「あがぢゃんになんでごどいうのぉお!!」 狼狽する母れいむ達。生まれたばかりとはいえれみりゃ達は赤ちゃんよりも大きく、成体のれいむ達にとって十分驚異的な存在だ。 「移植から2時間で産ませるとこんなものね」 じわりじわり、れみりゃ達は不完全な身体を補うべく食料を求め、れいむ達に近づく。 無論、再生能力がこの不完全なれみりゃに強く作用するはずがない。例え成体のれいむを3匹食らったとしても、 奇形の部分が直るわけではない。再生はもとある状態に戻るだけで決して今の状態よりいいものになる事はない。 「あ、あかちゃんこないで、おがあざんをゆっぐりざぜで、ごないでね!!」 「うわぁー!!れみりゃ、こないでぇ!しね、はやくしんでぇえー!!」 「あがぢゃん・・・お、おいで、れれれいむがまま・・・だよ」 「れいむ種は母性が強いですね」 てゐは関心しながら、その様子を見る。永琳は相槌を打ちながら資料に経過を書き込んでいく。 「れいむ種は他の種に比べ、母性が強いのよ」 「母性だけが強いんでしょ」 そう言葉を交わしている間にも1匹のれみりゃがれいむに辿り着く。 3匹の中でもっとも強くれみりゃを拒絶していたれいむに。れみりゃは口を開き、手でれいむを掴む。 「ややや、やめでぇー!!」 れいむは大きく身体を震わせる。れみりゃの握力は大した事なく簡単に振りほどかれてしまう。 そして一か八か、れいむはれみりゃに噛みつく。 「うー!うあー!!」 れみりゃは嫌がり、身体をじたばたされる。捕食種でないれいむに皮を食い破るには若干力が足りない。 何度も咀嚼して、皮を食い破らねばれみりゃには止めがさせない、しかし。 「どうじであがぢゃんたべぢゃうの!!」 同族からの避難、そして侮蔑の眼差し。 母性の強いれいむにとって子を殺すと言う事は最もゆっくりできない行動の一つと言って良い。 「ゆ・・・でも、れみりゃだよ。ゆっくりできないよ!」 「でも、このこはれいむのあかちゃんでしょ!!」 そう言うと母性の強いれいむが自分の産んだれみりゃの傍による。 「れ、れいむのあかちゃん。ゆっくりしようね!!」 「二時間しか妊娠を経験していないのに凄い母性だな」 永琳は手元のパネルを操作し、れいむ達のいる部屋の気温を変更する。 「れみりゃ種は日光が苦手だ。さらに幼いゆっくりにとって寒さは命取りになる」 気温を下げ、ライトの出力を上げ、光を強くする。 「うー・・・ざむいどぉ・・・」 「まぁまぁ、だずげでぇ」 「ざむい・・・どぉ、まーまー・・・」 それぞれの産まれた母れいむに助けを求める。先ほどまでれいむに噛みつかれていたれみりゃまでも。 かすかに手を動かし、れいむ達に向けて伸ばす。れいむ達は。 「あがぢゃーん、だいじょうぶ?ゆっくりしようね!」 「このこはれいむのあがぢゃんだよ」 「あがちゃん、ままといっじょにゆっぐりしようね!!」 れいむ達はそれぞれの産んだれみりゃに駆け寄る。永琳はさらに室内の温度を下げる。 「この代理出産、もっと精度上げられないんですか?」 「ええ、もっとじっくり育てていけばね。そこは加工工場が利益を判断していけばいいわ」 次第にれみりゃの動きは緩慢になり、鳴き声も弱く小さくなっていく。 れいむ達はれみりゃ達を囲み、暖める。そして、優しく声をかける。 「あかちゃん、ゆっくりしようね」 「まま、ゆっくりできるようがんばるからね」 「ゆっくりしてね、あかちゃん」 「うー、まま・・・あったかいどぉ」 「まま、だいすきだどぉ・・・」 「とって・・・もゆっくりできるどぉ」 そこに捕食種、通常種などという区別はない。ただの親子、ただの親子の情愛だった。 「これ以上はれいむの方にも影響が出るわね、光で・・・」 今まで消えていた他のライトも点灯し、ケージ内はその明るさを増す。 れいむ達の優しさなど無意味と言わんばかりにれみりゃは弱り、死んでいく。 「だめぇえ!あがぢゃんゆっぐりじでぇー!!」 「ゆっぐりじでよ!!ままどゆっぐりじでよ!!」 「どうじであがぢゃんゆっぐりでぎないのぉ!!」 動かなくなったれみりゃに頬ずりするれいむ達。 「あがぢゃん・・・ゆっぐりざぜであげられないままでごめんね」 「ごめん・・・ごめんなざい!!ごめんなざいぃい!!」 「ままは、ままはだめなおがあざんだっだよぉ!!」 れいむ達はまた別の胚を植え付けられる。 その母性が壊れ、妊娠を拒絶するまでれいむ達は子を生産し続ける。 by118
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2526.html
ゆっくりおろしていってね!!! ※ぺにぺにとまむまむ注意です ある日、森を散歩していたら、身重のゆっくりれいむに出会った。 動物型のにんっしんというやつだ。 聞けば、一緒になったゆっくりまりさがゲスだったらしく、 子供が出来たと分かるや、れいむを捨てて逃げてしまったのだそうな。 不憫に思ったので、何か出来ることはないかと尋ねた。 「ゆぅ〜れいむはほんとうはあかちゃんはほしくなかったよ!! まりさがすっきりしたいっていうから、れいむさせてあげたんだよ!!」 言いつのるれいむ。どうやら望まぬにんっしんだったらしい。 いわゆる「やり捨て」の状況だった。れいむがまくし立てる。 「これからもうふゆだっていうのに、まりさったら!!やらせろやらせろって、 すこしもおしごとしないんだもん!!れいむやんなっちゃうよ!!」 身につまされるご発言である。それから延々とれいむは元つがいへの不満をぶちまけた。 やれ一日中寝転んで餌を取りに行かないだの、そのくせ食い意地だけは張ってるだの、 やれ大して器量がよくもなかったけど、つい、黒くてぶっといぺにぺにに惹かれただの…。 気がつけば太陽が西に沈もうとしているではないか。 会話(一方的な)を切り上げようとすると、れいむが深刻な面持ちで切り出した。 「おにいさん、れいむしゅっさんはいやだよ…。ぜんぜんたべもののたくわえないのに、 あかちゃんがいたらふゆをこせないよ!!れいむもっとゆっくりしたいよ!!」 「そんなこと言うと、赤ちゃんがかわいそうじゃないか…。とは言え、 お前の命もかかってるわけだしな。よし、名案があるんだ。うちへ来い」 「ゆゆゆっ!?」 虐待お兄さんの柄にもなく、身重れいむを抱きかかえて、自宅へ運んできてやった。 なに、これから、虐待とほぼ等価の行為をおこなえるわけだから、安い物である。 「おにいさん、ここがおにいさんのおうち!?とってもゆっくりできそうだね!! すごくあったかくて、れいむここならあかちゃんうめそうだよ!!」 「おいおい、勘違いしてもらっちゃ困る。れいむ、お前は赤ちゃんをどうしたいんだ? たとえ、ここで赤ちゃんと冬を越したとしても、この環境に慣れきったお前達が、 再び野生の世界で上手くやっていける保障はないんだぞ」 「ゆぅ〜そうだね。でも、それじゃあ、あかちゃんはどうすればいいの? れいむ、まりさにかえってきてほしいよ…」 未練がましくすすり泣きを始めるれいむ。うっとうしいことこの上ない。 「泣かないでくれよ。とにかく、赤ちゃんは俺が何とかしてやる。 良い方法があると言ったろ?」 「ゆぅ〜、ほーほー?あかちゃんもゆっくりできる?」 「ああ、永遠にな」 「ゆっ!!じゃあおにいさんにまかせるよ!!」 ゆっくり特有の警戒心の薄さ、論理力のなさで、満面の笑みとともに、 赤ちゃんの処遇を見知らぬ者に一任するれいむ。まったく、仕事がやりやすくてかなわない。 「よし、それじゃ話は早い。ここに寝転んでくれ」 「ゆぅ?れいむおねむじゃないよ!!」 「いいからいいから。そうでないと、赤ちゃんがゆっくり出来ないぞ?」 「ゆぅ〜、ゆっくりおやすみなさい!!」 何か勘違いしているれいむを尻目に、麻酔代わりのアルコール注射の準備をする。 はや、寝こけているれいむに、そいつを注射し、声をかける。 「おい、気分はどうだ、れいむ?声が聞こえるか?」 「ゆぅぅ…ゆっ?おにいさん、どうしておこすの!!」 仕方なく、れいむのほっぺをつねってみる。 「ゆうぅっ!おにいざん、やべで!!れいむいだいのいやだ!!いやだいやだやだやだや」 「どうだ?」 「ゆっ!!いたくないよ!!そういえばれいむつよいこだもん!!」 完全にアルコールが回ったらしい。酩酊しない程度の量だが、運動機能と、 痛覚を麻痺させることができた。これで、手術の準備は完了である。 「よし、れいむ。それじゃあこれから、お前の赤ちゃんを取り出すぞ」 「ゆっっ!??おにいさん、なにいってるの? あかちゃんはまだゆっくりしなきゃいけないんだよ!!」 「ゆっくりしてたら、産まれちゃうだろ。その前に、掻き出してやるんだよ」 「ゆ゛うううううううううう!!!!やべでえええええええ!!!! あがぢゃん!!やべでっ!!でいぶのだびじなあがぢゃん!!!」 「はいはい。まったく、どうしたいんだよ」 まず、産道を拡げて、中身を出しやすくせねばならない。へガールという器具を要するが、 そんなものは持ち合わせていないので、やむなく、まむまむの入り口に切り込みを入れて、 素手でも拡げやすいように「整形」する。使うのは100均で手に入れたキッチンバサミで、 購入してからおよそ半年、一度も洗浄したことのないものだ。所々サビている。 「ゆぴっ!?おにいざん、そそそそそそれ、どどどうずるの!!??」 「どうするって、れいむのまむまむを拡げなくちゃ、掻き出す器具を入れにくいじゃん」 「やべでっ!!がぎだずの、やべでっっ!!!!!!!」 容赦なく、ハサミを縦に二箇所に入れる。これで、手で拡げやすくなったぞ。 「ゆっぎいいいいいいいいいい!!! でいぶの、でいぶのさーもんぴんくのまむまむがああああああああ!!!!!!!」 「馬鹿、痛くもないのに叫ぶんじゃないよ」 確かに痛みはないのだろうが、まむまむを切り裂かれたのはショックだったらしい。 非常に声が大きくうるさいので、さっさと済ませてしまうことにした。 「よし、準備は終わったぞ、れいむ。これからお前の赤ちゃんを掻き出すからな」 「ゆ゛っ゛!?おにいざん、やべでぐだざい!!! でいぶ、やっばりあがぢゃんをぞだでまず!!!だべものもあづめまず!!!!!!」 「なんだ、気が変わったの?」 「はい゛!!!!だがら、だがら、おうぢにがえじでねえええええええええっっ!!!!!」 「悪いけど、面白そうだから続けさせてね。れいむも、自分の赤ちゃんが掻き出されるところ、 じっくりそこで見ていってね!!!」 「ゆっがあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」 人間の胎児の掻爬は、特別な鉗子を用いて行うそうだが、ここには当然ない。 代わりの器具として、愛用の、先割れになっているパフェ用の、柄の長いスプーンを取り出す。 先ほどパフェを食べた時に使ったもので、チョコソースやコーンフレークがこびり付いたままだ。 「いくぞ、れいむ」 「やべでっ!!!やべでっ!!!!!」 口の端から、餡子色の泡を飛ばして嘆願するれいむ。しかし、ゆっくりの堕胎という、 世にも珍しいシチュエーションを楽しまない手はない。 先割れスプーンを、拡げたれいむのまむまむに突き立て、産道をズブズブと掘り進んでゆくと、 何か異質な物体に、スプーンの先端が触れた。 「お、れいむの赤ちゃんみっけ」 「ゆ゛っっ!!!!おにいざん、ぞごじゃないよ!!!でいぶのあがぢゃん、 もううまれだがら、ぞごにはもういないよ!!!!!!!!!」 「はいはい」 早速、突き当たった物体に、スプーンを刺してみる。思ったより柔らかく、楽々削り取った。 後はもう簡単なことで、次々に、未熟な赤ちゃんの体を破壊し、掻き出してゆくだけだ。 受け皿代わりのゴミ袋に溜まっていく物体と粘液を見た所によると、どうやら赤ちゃんは、 れいむ種のようである。髪は生え揃っていないが、赤いリボンは既に形成されていた。 「ぎぼぢわるい!!!ぎぼぢわるいよおおおおおおおおおおお!!!!!」 「れいむ、おめでとう!!元気なれいむ種の赤ちゃんだったよ!!」 「ゆ゛っ゛がぎゃ゛ああああああああああああ!!!!! べいぶのあがっ、ぢゃああああああああああああああああああああん!!!!!!」 やはりれいむはブタだった。こうして、テンポ良く、3匹分と見られる赤ちゃんゆっくりを、 完全に掻き出し終える頃には、れいむは「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」と痙攣を起こし、 正気を失いつつあった。痛みを感じないとは言え、自らの赤ちゃんが掻き出される様を、 目の当たりにしたのだ。当然の結末といえる。 「ああ、いい仕事したなぁ。後はこいつの始末だけか」 ペンライトで、れいむのまむまむの奥を照らしてみると、無数の傷が出来ていた。 どうやら、手際が悪かったらしく、母体を傷つけてしまったようだ。 どんな形であるにせよ、子を排出した母体ゆっくりのまむまむはしばらく閉じないそうだから、 この傷が元で致命的な感染症にかかり、命を落とすであろうことは明白だった。 いや、それ以前に、麻酔が切れてしまえば、痛みでショック死するかも知れない。 もはや、虐待の楽しみは満足させられてしまった。満身創痍で脱力しきったれいむを、 窓から外へ放り捨てる。数度バウンドし、「ゆべ」とか何とか、うめいた。餡子が飛び散る。 僕は器具として使ったスプーンとキッチンバサミに目をやった。 得体の知れない粘液にまみれ、これはもう二度と使い物にならないだろう。 今度ゆっくりの堕胎手術を行う時は、木の枝か何かでやろう、と思った。 byハチの人 ご指摘を受け、色々と試行錯誤してみました。少し、文章がほぐれたのではないでしょうか。 だといいなあ。皆様ありがとうございました。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2835.html
ほんのりペニマム設定あります ゆっくりの宿 バチバチと大粒の雫が地面を跳ねる。真っ黒な雲に覆われた空からは、まるでバケツを返したような雨がザーザーと降ってくる。 季節はずれの通り雨。いっそのこと濡れて帰ろうかとも思ったが、いささか水遊びをするには寒すぎる。 貼り付いた前髪を絞りながら空を睨んでいると、ふいに足元より声が響いた。 「ゆっくりしていってね!!」 雨音にも負けないよく通る声、挨拶をくれたのはゆっくりまりさ。帽子のつばからは水滴がしたたっている。 「おにいさん、ここじゃゆっくりできないでしょ? まりさたちのやどで ゆっくりしていってね!!」 そう言ったかと思うと裾を咥えて引っ張りはじめる、泥がはねて汚い。 たまらず反射的に足を引く。一瞬ぐにんっと伸びたかと思うと、そのままの勢いでまりさは濡れた地面に突っ伏した。 何やらブクブクとヌタ場の中で蟹のように泡を立てている、新しい遊びだろうか。 「ゆ、ゆえええええええええ!!! なんであじ ひっばるのおおおおお!!!??」 そうして起き上がったかと思うとわんわんと泣きだす。その顔は泥やら涙やらが入り混じって凄いことになっている。 「せっかく、まりさが、おにいさんを、しょうたい、しようと、してる、のにい!!!」 グスグスと嗚咽交じりに訴えてくる。途切れ途切れの言葉を纏めるとこうだ。 何でもこのまりさは宿屋を経営しているらしく、この雨の中立ち尽くす俺を見かねて声を掛けて来たらしい。 ゆっくりの宿屋というものにいささか興味はあったものの、この雨の中をこれ以上歩き回るのは勘弁願いたい。 そんなわけでその旨をまりさに伝える。だが彼女は依然として食い下がる。 「ゆぐっ!? ごはんもだすよ!! おもてなしするよ!! ゆっくりしていってよー!!」 「おきゃくさんつれていかないと れいむにおごられるううぅぅぅ!!」 どうやら俺に声を掛けたのは親切心からでなく、ただの客引きだったらしい。 そんなこと言われると殊更行く気が失せるのだが、雨上がりまでわめかれても面倒だ。 仕方がないので、まりさに案内してくれるよう頼むことにした。 「ゆゆ!! もうおにいさんたら つんでれなんだから!! ほんとうはまりさのおうちで ゆっくりしたかったんでしょう?」 途端、手を返したようにニヤニヤと薄ら笑いを浮かべるまりさ。ちょっとうざい。 そうして俺とまりさは林を奥へと進んでいった。 「ついたよ!! まりさのおやどにようこそ!!」 宿と呼ばれたそこは何の変哲も無い洞窟であった。 特にこれといった装飾もなく、剥き出しの岩がボコボコと殺風景である。 私が唖然としていると奥のほうから数匹のゆっくり達がぽよぽよと跳ねよってきた。 「いらっしゃいませ!! おやどのおかみのれいむだよ!! ゆっくりしていってね!!」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 こいつ等がここの従業員らしい。 「ゆ!? まりさ、どろどろしてばっちいよ!! どろをおとしてからはいってきてね!!」 「おとうさん、ゆっくりしないで はやくおかおをあらってきてね!!」 「ゆぎぃ!!? まりざがんばっでるのにどうじでぞんなごどいうのおおぉぉぉ!!!??」 「どろをとばさないでね!! いいからはやくあらってきてね!!」 自称女将のれいむの剣幕に押され、まりさはすごすごと出口へ向かっていった。 しかし先程の会話を聞いているとどうやらこのゆっくり達は家族らしい。この女将れいむが母親だろうか。 「しつれいしました!! おきゃくさまはきにせずゆっくりしてね!!」 まりさを見送ったれいむがこちらに向き直る。 「きゅうけいと しゅくはくがあるけど、おにいさんはどうするの?」 よく解からないが取り合えず雨が止んだら出て行くと答えた。 「ゆっくりわかったよ!! おだいはいっちまんえんでいいよ!!」 高い。生憎と私の懐には黄色いお札様はいらっしゃらない。 あからさまに渋い顔をすると、れいむは察したのか言葉を続けた。 「いっちまんえんがないなら そこにあるみかんさんでもいいよ!!」 そう言って、れいむは私の籠を見つめながらダラダラと涎を垂らす。 これは先程友人の家を訪ねた際、たくさん成ったからと貰ってきたものだ。 恐らくあのまりさもこのミカンに釣られて来たのだろう。まぁかなりあるし少しくらいなら構わない。 そこで私は、持て成しに満足できたらミカンを分け与えると約束した。 「こうしょうせいりつだよ!! それじゃおちびちゃん、おきゃくさまをおへやまであんないしてね!!」 「ゆっくりわかったよ!! おにいさん、おにもつはこぶからゆっくりわたしてね!!」 そうして女将より一回り小さなれいむが足元まで跳ねてくる。 流石にゆっくりには重いだろうと荷物運びは断ったのだが俄然として聞かない。 「れいむつよいこだからだいじょうぶだもん!! わかったらおにもつわたしてね!!」 ぷんぷんと膨らんで抗議の声をあげる。仕方がないので、俺はミカンの籠を頭の上に乗せてやった。 「ゆべべっ!!? ゆぐ、ゆっぐりはごぶよ・・・」 ぶちゅりと口から空気と餡子を吹き出す。何やら涙目になっているが平気と言うからには平気なのだろう。 ズリズリとナメクジの様に這い進むれいむに連れ歩く。しばらくすると開けた空間に出た。 そこは一面に枯葉が敷き詰められており、至る所にコケシやらダルマやらと統一なく様々なものが置かれていた。 さながら子供の秘密基地といったところだろうか。そう感心する私の傍らでは、ぜえぜえとれいむが虫の息になっていた。 「お、おにいさん・・・れいむ、ゆっくりがんばったよ・・・」 荒い息をつくれいむに、私はありがとうと礼を告げた。するとれいむはにこりと笑った。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」 顎をはって自慢げな顔をしたまま硬直する。まだ何かあるのだろうか? 「・・・れいむゆっくりがんばったよ!! ね!! ね!?」 ああ、そうか。チップが欲しいのか。 とはいえゆっくりの欲しがる物等わからない。取り合えず髪の毛に鼻クソを付けてみた。 「ゆぎゃあああああ!!!?? なにずるのおおおおおお!!!!!」 お気に召さなかったらしい。涙目になりながらズリズリと頭を岩肌に擦り付けている。 そんなれいむを見ているとある物を見つめていることに気付く。 俺はミカンを1つ籠から取り出し、おもむろに皮を剥く。 そうしてその手をれいむの方へ伸ばす、れいむはだらしなく涎を垂らしている。 「ゆあーーーーーぶびぃ!!!??」 絞ったミカンの皮からは勢いよく汁が飛び出し、それは無防備なれいむの顔面に降り注いだ。 「いぎゃああああ!!! れいむのおめめがああああああ!!! ゆっぐりできないいいいい・・・・」 そのままれいむは元来た道を戻っていった。今度はお気に召したようでなによりだ。 そうしてやることも無いので上着の水を切って暇を持て余すこと数分、またもゆっくり達がぽよぽよとやって来た。 ただ今度は皆が皆総じてその頬を大きく膨らませている。その姿はまるでリスか何かのようである。 何事かと見ていると、そのうちの1匹が大きな葉っぱをゆんしょゆんしょと地面に広げていく。芭蕉か何かだろうか。 「おにいさん、これからごはんをよういするよ!! ゆっくりたべていってね!!」 そう言うや否やぺっぺと口から何かを吐き出していく。 まさか食事まで出てくるとは思っていなかった。丁度小腹もすいていたので幸いである。 だが眼前に用意されたメニューはドングリや芋虫など、残念ながら人間の口にするような代物ではなかった。 中には食べられそうなキノコも見受けられたが、生、それも唾液まみれでベタベタと糸を引くそれを食べる気にはなれなかった。 仕方がないので出された食事を断り、またもミカンを食べて腹を膨らませることにした。 「ゆぅ・・・それじゃあこのごはんは れいむたちがたべるね!! ゆっくりいただきます!!」 「「「いただきます!!」」」 もう運ぶの面倒なのかこの場で食事を始めるゆっくり達。だがその様子はどこかおかしい。 「むーしゃ、むーしゃ・・・ゆううぅぅぅぅ!! こんなのおいしくないよ!!」 「おかーさん、れいむもあまあまな みかんさんたべたいよ!!」 黙々と食事をしていた一家だが、ついには子ゆっくり達が次々と不満をもらしはじめる。 部屋中に満ちるミカンの甘くも爽やかな香り、それはゆっくりを誘惑するには充分な威力を発揮していた。 刺さるような視線に耐えかね、俺はミカンを分け与えようかと声を掛けた、しかし。 「おにいさん、ありがびゃあぁ!!?」 子ゆっくりに与えられたのはミカンではなく強烈な体当たりであった。 「「「いぎなりなにずるのおおおおお!!!??」」」 「うるさいよ!! おきゃくさまのものを ほしがるなんてゆっくりしてないよ!! いじきたないちびちゃんは はんせいしてね!!」 「「「ゆびゃああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」」」 ぼむぼむと体当たりを繰り返す女将れいむ。子ゆっくりの涙も謝罪の声も関係なしだ。 何もここまでしなくても良いと思うのだが、彼女には彼女なりのプロ意識が在るのかもしれない。 声を掛けるのもはばかれたので、俺は静かにミカンを頬張ることにした。 「ゆううううう・・・・・」 腹が膨れる頃、ぐったりした子ゆっくり達を尻目に女将れいむは何やら考えこんでいた。 「おしょくじも おきにめさなかったし、これじゃあれいむ おかみしっかくだよ!!」 どうやら俺のことを気にしているらしい。 別にこちらとしては構わないのだが、どうもこのれいむのプライドがそれを許さないらしい。 「そうだよ!! おにいさんにはとくべつ いあんさーびすをしちゃうよ!! ゆっくりまっていてね!!」 何か思いついたのか女将れいむはそう告げると、倒れている子ゆっくり達を蹴っ飛ばし連れ立って奥へ引っ込んでいった。 残された俺はやることもなく、手持ち無沙汰とばかりにミカンの皮を剥くのであった。 やがて指先が黄色くなる頃、またまたゆっくり達はやって来た。 「ごめんね、おにいさん。おめかししてたら おそくなっちゃったよ!!」 「「「かわいくってごめんねー!!!」」」 ゆっくり達はそれぞれ頭に花や落ち葉をつけていた。お洒落のつもりだろうか。 「これかられいむの せくしーなしょうが はじまるよ!! ゆっくりみていってね!!」 「「「ゆゆゆ~ん、ゆんゆゆ~~♪」」」 そうして子ゆっくり達は歌いはじめる。お世辞にも上手いと思えない歌は洞窟内でわんわんと響く。 四方八方から襲い掛かってくる雑音。そんな中、女将れいむは岩の上に飛び乗った。 「ゆっふ~ん、ちょっとだけよ~♪」 そうして甘い声を出しながら体をくねらせ始める。一体なんの真似だろう。 「こういうところはじめて? しこっても、い・い・の・よ☆」 顔をポッと染めながら、下腹部を突き出してくる。どうやらストリップのつもりらしい。 生憎と俺は饅頭に欲情する性癖は持ち会わせていない。とは言え、折角ここまでしてくれているのだ。 無下に断るのも何か気が引け、結局は見続ける羽目となってしまった。 「そんなにみつめられるとれいむ、はずかしいところからくろみつでちゃう~♪」 一見ノリノリな様に見えるが、よくよく考えると家族の前でこんなことを行うのは並大抵のことではない。 もしかしたらあの仮面の下では餡子が羞恥で煮え返っているのかもしれない。 ここまでされたらと、チップ代わりのミカンを手に取る。だがそこであることに気付いた。 これが人間ならパンツにでも挟むところだが、ゆっくりはそんなもの着けていない。 かといってステージに投げ込んで邪魔をするのも申し訳ない。 そう考えていると、れいむのアゴのあたりから何やら液体が垂れているのが目に留まった。 どうも穴が開いていて何かが漏れているらしい。ポケットのようなものだろうか? 何はともあれ御あつらえ向きである。俺は右手一杯にミカンを掴み、それを勢い良く手首まで突っ込んだ。 「ゆっっっばあああああああああああ!!!!!???」 「「「おかああああざああああああああん!!!??」」」 女将れいむは大きな声をあげ仰向けに倒れた。その体はビクビクと震えている。 引き抜いた右手は黒くベタベタと汚れていた。しかし、涙を流し泡まで吹いて喜ぶれいむを見るとやった甲斐のあるというものだ。 そうこうしていると、騒がしい洞窟内とは対照的に外が静かなことに気付いた。 出口から顔を出すと雨はすっかり上がっていた。俺は父まりさに声を掛けた。 「ゆ? もうかえるの? それじゃゆっくり おだいをだしてね!!」 貴重な体験ができたしそれなりに面白かったので、俺は籠ごと残りのミカンを与えることにした。 「まいどありがとう!! ゆっくりまたきてね!!」 そうして俺はゆっくりの宿を後にした。 「おかあさん、しっかりしてね?」 「げんきだしてね!! ゆっくりしてね!!」 「ゆぐううぅぅぅ・・・」 子ゆっくり達の輪の中心で女将ゆっくりはぐったりと伸びていた。その下腹部はボコボコと不自然に膨らんでいる。 「れいむ、おにいさんにミカンいっぱいもらったよ!! これをたべてゆっくりしようね!!」 そう言って父まりさは勢い良く籠の中身をぶちまけた。鮮やかな橙色が宙を舞う。 「ゆゆー!! ゆっくりいただきます!!」 「「「ゆっくりいただきま・・・す?」」」 地面に散らばった大量のミカン。しかしそれは全て皮だけであった。 「「「どおいうごどおおおおおお!!!??」」」 洞窟の中では、いつまでもゆっくり達の悲鳴が響き続けたのであった。 澄み渡った空は雲一つ無く、先程までの天気がまるで嘘のようであった。 黄色くなった男の頭上には、同じように星々が黄色い光を暖かく放っていた。 終わり 作者・ムクドリ( ゚ω゚ )の人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/899.html
※舞台は何故かゆっくりが当然のように存在している外界です。 数年前に突如現れ、急速に社会に浸透していった(ような気のする)ゆっくりと呼ばれる謎の生物。 人間の生首が膨張したような容姿のそいつらは饅頭のクセに生きていたり、どこから来たのは全く不明だったりとあまりに謎が多すぎるゆっくり達。 が、目新しいものや珍しいものを好む人々はその「ゆっくりしていってね!」とか「ゆーっ!」などと珍妙な鳴き声をあげる未知の存在をあっさりと受け入れた。 そして俺はそんな不思議に満ちた生命体の研究や飼育用の商品の開発に携わっている“ゆっくりカンパニー”のしがない一社員だ。 現在、俺はゆっくりの条件反射に関する実験を行っている。 実験内容は恐ろしく古典的なものでパブロフの犬そのまんま。 餌を与える前に音を聞かせて、実験体に内蔵された遠隔操作できるライターを点火するときにも音を聞かせる。 この実験で使用するゆっくりは生まれたてのゆっくりれいむの赤ちゃんが4匹。 赤ゆっくりれいむAには餌を与えるときにも、点火する時にも何の前触れもなしにいきなりそれらの処置を施す。 赤ゆっくりれいむBには餌を与えるときには何の音も聞かせず、点火するときにだけ録音した親の「ゆっくりしていってね!」という鳴き声を聞かせる。 赤ゆっくりれいむCには餌を与えるときに「ゆっくりしていってね!」という録音した親の鳴き声を聞かせ、点火するときには何の前触れもなし。 赤ゆっくりれいむDには餌を与えるときにも、点火するときにも事前に親の鳴き声を聞かせる。 つまり、「ゆっくりしていってね!」という音声に対して条件付けを行うのがこの実験の目的だ。 【実験開始】 赤れいむA 「ゆ~ゆゆ~、ゆぎゃっ!?」 仲間こそ居ないが遊具は十分に用意されている実験用のマジックミラーケージの中で機嫌良く遊んでいた赤れいむは俺が思いつきで点火した瞬間に短く悲鳴を上げた。 「ゆっぎゅりいいいいいい!ゆっぎゅりいいいいい!!」 突然、内側を火であぶられた赤れいむAの表情は苦痛と恐怖に歪んでいる。 「ゆううううう!ゆうううううう!」 大きな声で泣きじゃくり、跳ね回って助けを求めるが誰も助けになど来るはずがない。 「ゆううううう!ゆううう・・・」 痛みが引いたのか、それとも諦めたのかは定かではないし、この実験の趣旨とは関係がないので気にするつもりもないが、やがて泣くのを止めて再び遊び始めた。 しかし、親ゆっくりサイズのやわらかいボールに頬ずりしたり、滑り台から滑り降りたり、トランポリンに乗って跳ねたりしている様子に点火される前のような活発さはない。 「ゆー・・・ゆー・・・」 そんな見ているほうが虚しくなるような現実逃避じみた行動でも、30分も続けていれば遊びの楽しさが恐怖や孤独を慰めてくれるらしい。 「ゆ~、ゆ~ゆゆゆ~♪」 気がつけば内部を焼かれる前の元気さを取り戻していた。 それから1時間ほど1匹で遊んでいる赤れいむAを観察し、餌を与えてやる。 「ゆ!ゆっくり~!」 すると、お腹の空いていた赤れいむAは早速餌に飛びついた。 「む~ちゃむ~ちゃ、ちあわちぇ~!」 目に涙をためながら、本当に嬉しそうに餌を食べている。このタイミングで点火しようかと考えたが、変な条件付けが成立して食事をしなくなると都合が悪いので、それは次の食事に回すことにした。 10分ほどで餌を食べきった赤れいむAはしばらくその場でゆっくりしていたが、やがて眠くなったのかウトウトと舟をこぎ始めた。 そして、気がつけば「ゆぅ・・・ゆぅ・・・」と可愛らしい寝息を立てている。 が、食後の安眠は突然の痛みによって終わりを告げることになった。 「ゆうううううううう!?」 幸福を打ち砕く2度目の点火。唐突かつ理不尽な痛みに赤れいむAは思わず飛び跳ね、床を転げ回った。 「ゆぎゅううううううううう!ゆぎゅううううううううう!」 それから、さっきと同じようにじっと観察する。 「ゆぎゅううううううう!ゆうううううう!!ゆぅううう・・・」 先ほどより大分早く痛みから立ち直った赤れいむAは再び眠ろうとするが、なかなか寝付けない様子ですぐに目を覚ましてはぶらぶらとそこらじゅうを歩き回っていた。 恐らく、眠っているときにまた点火されることを恐れているのだろう。 幼い身で頼るものもいないたった1匹の世界に放り込まれた孤独なゆっくり。その様子を見かねた俺はケージの中に甘いチョコレートを放り込んだ。 「ゆぅ?・・・む~ちゃむ~ちゃ、ちあわちぇ~!」 赤れいむAは本当に幸せそうに口元が汚れるの気にせずチョコレートを頬張る。 その表情を眺めながら、俺は3度目の点火を試みた。 赤れいむB 赤れいむBはすやすやと寝息を立てていた。しかし、そのことは実験に何の影響も及ぼさない。 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっきゅりしちぇっちぇね!」 何故なら、ゆっくりにはこの言葉を聞かされると反射的に返事をしてしまうからだ。 その行動は本能の領域に突入しており、食事中でも、睡眠中でも、交尾中でも反応してしまう。 「・・・?・・・ゆぅ?」 突然響き渡った声の主を探す赤れいむB。その様子を確認したところですぐさま点火する。 「ゆぎょおおおおおおおおおおお!?」 さっきの赤れいむA同様に痛みで悶絶する赤れいむB。目からは涙がぼろぼろと零れ落ちていた。 「ゆうううううう!ゆうううううううう!!」 これまたさっきの赤れいむAと同じように転げまわりながら助けを求めるが、当然のように誰も助けてはくれない。 その光景を俺は無感動に眺めていた。 不思議とさっきほどの罪悪感も同情の念も湧き上がってこない。 「ゆっぎゅちいいいい・・・ゆうう・・・」 これまたさっきの赤れいむAと同じように落ち着き始めると、せわしなくそこらじゅうを歩き始めた。 「ゆー、ゆー・・・」 しかし、この実験は条件付けをするためのものだ。落ち着いてきた頃合いを見計らって、再びあの音声を再生する。 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっくりしていってね!」 音声に対して反射的に返事したれいむが再び声の主を探そうときょろきょろ首を振り始める。 「ゆっぎゅぢいいいいいいいいい!ゆぎいいいいいいいい!」 それからきっちり5秒後、躊躇うことなく2度目の点火を行った。 「ゆっぎゅぢいいいいい!ゆぎぃいいいいいいい・・・・・・」 俺は淡々と観察を続ける。やはり、赤れいむA同様に2度目のほうが立ち直りが早かった。 たった2例に過ぎない。しかし、一度目は誰かの助けを期待していて、二度目はその期待がない立ち直りが早かったのだと思う。 次のCとDでは点火時間を調整して、一方がより大きな痛みでも同様の結果を得られるのか確認すべきだろう。 「ゆっぐ・・・ゆっぎゅりいいいいいい・・・」 そんなことを考えている間に赤れいむBは痛みから立ち直った。もっとも、まだ呼吸は荒いが。 呼吸が整い、落ち着くのを待って今度は何の前触れも無しに餌を与える。 その匂いをかぎつけた赤れいむBはすぐさま餌に飛びついた。 「ゆ!ゆ~!・・・・・・む~ちゃむ~ちゃ、ちあちぇ~!」 赤れいむAもそうだったが、本当に幸せそうに餌を食べている。食べ方が少々意地汚いが、それもまた愛嬌なのではないだろうか? 「ゆ!ゆっくり~!ゆゆゆ~~♪」 そうしてお腹の膨れた赤れいむBは楽しそうに歌い始めた。 俺はその決して上手くない歌にゆっくりと聞き惚れ、それが終わると同時にあの音声を流した。 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっくりしていってね!・・・ゆうううう!?」 3度目の正体不明の声。赤れいむBが声の主を探すよりも先に怯えだしたことを確認した俺は、5秒後に3度目の点火をし、次のケージに向かった。 赤れいむC 赤れいむCはケージの中で楽しそうに跳ね回っている。子ゆっくりサイズのボールがお気に入りらしく、その上に飛び乗っては、滑り落ちてを繰り返していた。 「ゆっゆゆ~♪ゆ~ん!ゆーっ!」 ポヨンっとボールに体当たりを仕掛けてはプニッと地面に着地する。実に可愛らしい。 俺は赤れいむCが跳躍した直後を見計らって、いきなり内蔵ライターを点火した。 「ゆっぎゅうううああああああああ!うううう!!ゆぎゃっ!?」 空中で突然の痛みに襲われた赤れいむCはボールにぶつかり、反動で弾き飛ばされて地面に叩きつけられた。 「ゆぎょううううううう・・・!ゆぎゅあああああ・・・!」 今までの赤れいむ2匹と違って床に叩きつけられた分のダメージがあるせいか、少しだけ口から餡子を吐き出してしまった。 しかし、致命傷には程遠いらしく、元気に地面をのたうち回っている。 「ゆううううう・・・ゆうううううううううう・・・」 それでもさっきの赤れいむたちと男歩同じくらいの時間であっさりと立ち直った。 「ゆぅ・・・」 とは言え、さすがに餡子を吐き出した分でぐったりしている。 このままでは次の点火の際に面倒なことになるかもしれないので、もう一つの実験も兼ねて例の音声を鳴らす。 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっきゅりちちぇっちぇね!・・・ゆぅ?」 出所不明の声に困惑している赤れいむCのそばにさっと餌を落とす。 「ゆ・・・!む~ちゃ・・・むーちゃ・・・」 やはり吐血、もとい吐餡の分が効いているのだろうか。他の赤れいむより目に見えて食事のスピードが遅い。 「む~ちゃむ~ちゃ・・・ちあわちぇ~!」 それでも回復力が売りのゆっくりだ。存分に食事を堪能し終えたころには点火によって受けたダメージはすっかり消えてしまっていた。 そして、傷の癒えた赤れいむCは何をするでもなく地面に寝そべってごろごろと転がり始めた。 そこですかさず2度目の点火。非常にゆっくりしていた赤れいむCは突然の熱と痛みで飛び上がる。 「ゆうううううう!」 そして、これで6度目になる変わり映えのしない苦しむ姿を俺の前に晒した。 唯一つだけ違うことがあるとすれば、他の赤れいむたちの時にはすでに消えていたライターの炎が今もなお萌え続けていることくらいだろうか。 「ゆ゛き゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」 ざっと今までの3倍の点火時間。先ほどの点火とは比べ物にならないダメージを受けた赤れいむCは白目を剥いて床を転げまわっている。 口からは餡子と泡を吹き体中から妙に粘着質な液体が分泌されている。恐らく脂汗みたいなものだろう。 どうやらダメージが大きすぎたらしく、ぴくぴくと痙攣している。さすがに死なせるとあとあと問題になるので、蘇生のためにこっそりとオレンジジュースを飲ませた。 「ゆぅ・・・?う!?ゆっぎゅぢいいいいいい!」 意識は取り戻したがそれでもやはりまだ痛いらしい。またしても悲鳴を上げながら転がっている。 しかし、そのうち回復することは明らかなので赤れいむCの苦悶なんてお構いなしに再びあの音声を再生した。 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっきゅりちちぇっちぇね!・・・ゆきぃいいいいい・・・!」 声の出所を探す余裕はさすがにないらしい。再び痛がりながら涙を流す。 が、餌を置くとのろのろと起き上がると、餌の元へと向かっていき、むしゃむしゃと食べ始めた。 「む~ちゃ、む~ちゃ・・・む~ちゃむ~ちゃ・・・ちあわちぇ~!」 ようやく食べ終わり、元気を取り戻したところで、もう一度あの音声を再生する。 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっくりしていってね!」 その言葉の直後に誰かを探すのではなく、モノ欲しそうに辺りを見回す赤れいむCの姿が確認できた。 適当なお菓子をケージの中に放り込んで、赤れいむDのケージへと向かっていった。 赤れいむD このケージの中の赤れいむDに関してはとにかく『ゆっくりしていってね!』を聞かせなければ始まらない。 よって俺はそのケージの前に来た瞬間に中の赤れいむDの様子を確認することもせずに例の音声を再生させた。 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっきゅりちぇっちぇね!・・・ゆぅ?」 ここまではほかの赤れいむと全く同じ展開だ。しかし、この後の展開はやや違う。 赤れいむDが返事してから5秒後に点火。ただし、通常の2倍の時間点火し続ける。 これ以上やりすぎると赤れいむCのときのように致命傷を与えかねないので、あくまで2倍程度に収めておいた。 「ゆぎゅいいいいいいいいいいいいいい!ゆぐうううううう!」 とはいえ、幼い身には十分すぎるダメージなのだろう。白目を剥いて必死に跳ね回っている。 「ゆぎょおおおおおおお!ゆぎょおおおおおおおおおおお!」 目からは涙がぼろぼろ零れ落ち、我を忘れて叫んでいるため口からは涎が垂れ流しになっている。 その様子を落ち着くまで観察し続ける。 落ち着くまでの時間は最初の2匹より若干長いような気もしたが、誤差の範囲内といった程度。 落ち着きくと、他の赤れいむ同様に弱りながらも逃避行動的な遊戯を始める。 滑り台で遊んだり、ボールとじゃれたりしているうちに徐々に心身ともに充実してきたらしく、やがて元気になった。 そこで二度目になる音声を聞かせる。 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっきゅりちちぇっちぇね!・・・ゆぅ?」 またしても声の出所をきょろきょろと探している赤れいむDの近くにチョコレートを置く。 「ゆゆっ!ゆ~っ!」 これまた他の赤れいむと同じような反応を示し、元気良くチョコレートに飛びついた。 「む~ちゃむ~ちゃ、ちあわちぇ~!」 と、ここですかさず3度目の音声。 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっきゅりちちぇっちぇね!・・・ゆぅ?」 5秒ほど赤れいむDが声の出所を探している様子を観察したところで2度目の点火。 「ゆぎぃいいいいいいいいいいいいい!ゆううううううううううう!」 どうやら白目を剥くのは危険信号だったらしい。他の赤れいむたちと同じ時間の点火ではその兆候は見られなかった。 と言っても、当然痛いものは痛いわけで。赤れいむDは呻きながら床を転げまわっている。 しかし、これまた他のゆっくりと大差ない時間で痛みから立ち直り、また遊び始めた。 立て込んでいるのでさっさと4回目。 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっきゅりちちぇっちぇね!・・・ゆっ!?」 赤れいむDは明らかに警戒していた。怯えきった表情であたりの様子をせわしなく伺っている。 そうして警戒しているうちに俺が置いたお菓子の存在に気付き、元気良く食べ始めた。 で、食べ終えたところで5回目の音声再生。 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっきゅりちちぇっちぇね!・・・ゆぅぅ?」 赤れいむDは喜ぶでもなく怯えるでもなく、その音にどういう意味づけをして良いのか分からず困惑していた。 それは他の赤れいむでは見られなかった反応だ。 俺はとっとと3度目の点火を行って、その場を後にした。 【1週間後】 赤れいむA いつ何時点火されるか分からない赤れいむAは他の赤れいむとは比較にならないほど衰弱していた。 点火回数は他の赤れいむと殆ど一緒だから肉体的にはさして他と変わりないはずなのだが、やはり常に痛みに怯えなければならない生活が堪えたのだろう。 しかし、それ以上に面白い発見があった。不思議なことに赤れいむAは滑り台を使わないどころか使おうともしないのだ。 理由は2度ほど滑り台で遊んでいるときに点火されたことがあるから。自分の中で勝手に条件付けを行っているらしい。 「ゆっきゅちーゆっきゅちー・・・」 弱々しく鳴きながらずるずると地べたを這いずる赤れいむA。 跳ねないのは跳ねているときに点火されて大怪我をしたことがあるからだ。 「ゆっきゅちちちゃいよー・・・」 虚勢を張って「ゆっくり」と鳴いていてもゆっくり出来ていないことは重々承知しているのだろう。 時々そんな悲しげな声が漏れる。 しかし、この赤れいむがゆっくりできる日は永遠に来ないだろう。 寝るときには、いつ痛みに襲われるか分からない恐怖で眠りが浅くなる。 食べるときも、食事中に点火されて窒息しかけた経験から急いで食べ物をかき込み、食べているときに点火された食材には怖くて口がつけられない。 遊ぶときにも、痛みを恐れで元気いっぱい跳ね回ることも滑り台で遊ぶことも、ボールと喧嘩することもできない。 ・・・いつ痛みに襲われるかわからないことを学習してしまった赤れいむには自由と余裕がなかった。 「ゆっぐ・・・ゆぅううううう・・・」 そして、何の前触れもなしに泣き出す。赤れいむAは情緒不安定になってしまったようだ。 赤れいむB 「ゆー!」 赤れいむBは殆ど鳴かなくなった。 少なくとも「ゆっくり」という言葉をあの音声が再生されたとき以外に口にすることはなくなっていた。 点火の際の痛みが「ゆっくりしていってね!」の直後に来ることを学習した結果だろう。 「ゆぅ!ゆぅ!」 しかし、それ以外の点では到って元気であった。 ボールにタックルして跳ね飛ばされたり、勢い良く滑り台から滑り降りてそのまま転がって行ったりと非常に楽しそうに遊んでいる。 表情も満面の笑みといった感じで、本当に楽しそうだ。 しかし、例の音声を再生すると・・・ 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっきゅりちていってね!・・・ゆぎいいいいいいいい!!?」 点火される前から気が狂ったんじゃないかと思ってしまうほど怯え始めてしまった。 きっと、赤れいむBは群れの中に放り込んだら“ゆっくりできないこ”として爪弾きに遭うだろう。 赤れいむC 「ゆっくりしていってね!」 赤れいむCはその鳴き声をきっちりと習得していた。 この子の中では例の音声は美味しい餌やお菓子と結びついているのだから当然だろう。 「ゆっくり~!ゆっくり~!」 が、その元気さのわりには動きは非常に慎重で、あまり跳ねることをしない。 恐らく赤れいむAと同じように、いつやってくるか分からない痛みに警戒しているのだろう。 「ゆっくりしていってね!」 元気良く鳴きながら自分より一回りだけ大きいボールに頬ずりして遊んでいる。 もちろんどんなに元気な声を出していても跳ね回ったりする様子は一切見せない。 「ゆっくり!ゆっくち!」 それでもこんな風に元気でいられるのは「ゆっくりしていってね!」という言葉を心の支えにしているからだろうか? もっともそれはある種の信仰に近いものであり、そんな高度な精神活動をゆっくりがするのかは少々疑わしいところだが。 そんなことを考えながら音声を再生した。 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっくりしていってね!・・・ゆう~♪」 赤れいむCはその言葉が聞こえた瞬間、本当に嬉しそうに飛び跳ねた。 赤れいむD 赤れいむDには少し変わった変化が見られた。 「ゆっくりしていってね!」という鳴き声をきちんと習得したという点は赤れいむCと変わらない。 しかし、その言葉を聞かされた時の反応が全く違っていた。 『ゆっくりしていってね!』という音声を聞かされた赤れいむDはその場でじっと固まって動かなくなる。 そして点火された場合、その直前にしていた行為をあまりしないようになる。 逆に餌を与えられた場合にはその直前にしていた行動を積極的に行うようになった。 つまり、音声を自分自身に注意を促すものとして認識したが、餌とも痛みとも結びつかなかったということだ。 そして点火された場合は自分が悪いことをしたから痛い目にあっていると考え、餌を与えられたときには良いことをしたと考えているらしい。 だから、あまり美味しくない餌を吐き捨てたときにあの音声を再生してみた。 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっくりしていってね!・・・ゆ!」 その表情にはゆっくりらしからぬに緊張感があった。 3秒ほど様子を伺ってから、お仕置きの意味合いも兼ねて点火する。 「ゆぎゅううううううううううううう!ゆううううううううう!」 しばし苦しそうに転げまわるが散々味わって来た痛みであり、実験開始時よりは大分大きくなっていることもあってすぐに立ち直ると、むしゃむしゃとさっき吐き捨てた餌を食べ始めた。 【追加実験】 実験で使用した4匹を母親のいるケージに放り込んでみました。 「ゆ!れいむのあかちゃん!ゆっっくりしていってね!」 母れいむは1週間経ってなお赤れいむたちのことを気にかけていたらしく、非常に嬉しそうに挨拶をした。 「ゆっくちちちぇっちぇね!」 一度たりともその挨拶を聞いたことのない赤れいむAは舌足らずながらも本能に従って元気良く返事した。 「ゆっくちしていってね!・・・ゆぎいいいいいいいいいいいいいい!」 赤れいむBは母れいむから遠ざかり、ケージの隅で震えていた。 「ゆっくりしていってね!・・・ゆううう~!むしゃ!」 赤れいむCは満面の笑みを浮かべて母れいむに噛み付いた。 「ゆっくりしていってね!・・・ゆ!」 赤れいむDはキリッとした表情で固まっていた。 とりあえず、全員の内蔵ライターを点火しておいた。 【報告】 赤れいむDを見る限り、最も人間に従順なペットとしてゆっくりを調教するためにはとにかく痛めつけることが重要だと言えるでしょう。 ---あとがき--- この実験は点火なしで餌だけを与えて条件付けを試みないとあんまり意味がありません。 あと、特定の行動をしたときにだけ点火する形での悪戯に対する条件付けも行わないと意味がありません。 まあ、ノリだけで考えたアホ実験なので細かいところは気にしないでください。 byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2322.html
親代わりにできそうなゆっくりを探すこと1時間・・・ 山奥ならともかく、町でゆっくりを見つけるのは難しい そこらの家に勝手に侵入しておうち宣言をしてはすでに潰されているからだ。 探しがてら、スーパーに立ち寄る。 〔おいしい冷凍ゆっくり特売〕 この広告が目に入った。 6個いり398円が105円。これは安い。 昨晩、食べ損ねたため今度こそはと購入する。 店の外に出ると、さきほどまでいくら探しても見つからなかったゆっくりとあっさりと遭遇した。 「ゆっゆっゆっ〜ん♪おちびちゃんたちゆっくりしたごはんたべようね! でも、にんげんさんに見つかったらゆっくりできないからこっそりたべるんだよ!」 「「「ゆっくりりかいしたよ!」」」 成体のゆっくりれいむと、子れいむが3匹だ。 茂みの中から出てきたゆっくりは歩道を縦一列に整列してなめくじのようにずーりずーりと進んでいる。 車にひかれないための知恵だろうか。 直線に目的地を目指しているため、どこへ行こうとしているのかが一目でわかった。 このスーパーのゴミ置き場だ。 「そろーり!そろーり!」 大声で擬音を口にする親れいむ 子れいむ3匹もそれに続く 「「「そろ〜り♪そろーり♪」」」 人間に見つからないように歩くのになんで”そろーりそろーり!”と大声で言うんだろう。 子れいむ達も、この親れいむが子供のときもそういった疑問をもった時期があった。 でも、自分の親がやってる事だし、それに皆で”そろーり♪そろーり♪”と歌うとまるで合唱のようでとてもゆっくりできる。 ゆっくり出来るということは正義だ。 「そろーり!そろーり!」 「「「そろ〜り♪そろ〜り♪」」」 この、なめくじの行列はゴミ置き場のゴミへと一直線に進んでいく。 きっと中に野菜やいろいろな食べ物が入っていることを知っているんだろう。 ゴミといっても家庭用と違い商売でやっているものを腐臭がするまでとっておくことはありえない。 まだまだ普通に食べられるような野菜くずがたくさんつまっているのだ。 このれいむ一家はそれをよく知っていた。 買い物籠が積んである傍のゴミ箱をみると、大根の葉が捨てられていた。 それを買い物袋に1房つめて、入り口を行列の直線上に置く。 親れいむは、買い物袋内の大根の葉しか見えていない。 後ろの子れいむ3匹は前を行く親れいむや姉妹の背中しか見えていない。 「そろーりそろーり!ゆっ、ゆっくりできそうな草さんがあるよ!」 ガサゴソッ 「「「そろ〜り♪そろ〜り♪」」」 ガサガサガサッ 4匹とも仲良く買い物袋に入ったところで、手提げをもってグイッと持ち上げる。 ガサッ! 「はい、野良れいむ4匹捕獲完了!」 「ゆゆっ、ガサッ!はゆっくりできないよ!」 「そろ〜り♪そろ〜っ!ゆっ、おそらをとんでるみたい!」 「ゆゆゆ!うごけないよ!」 「ゆえ〜ん、おねえちゃんおもいよ〜!」 親ゆっくりは自分達が捕獲されたことに気づいて、なんとか買い物袋から逃げ出そうと もみあげをピコピコしながらあがく。 しかし、子ゆっくりがジャマで上の様子すらわからない。 逃げられる心配がないのを確認し、そのまま家までお持ち帰り。 買った特売冷凍ゆっくりタコ焼きも忘れずに回収した。 家に帰ると赤ゆどもが泣いていた。 妹思いの長女1番れいむ 典型的なまりさ種の2番まりさ 食いしん坊の3番れいむ 泣き虫の4番れいむ 寝てばかりの5番まりさ 頭がかわいそうな6番まりさ それぞれの額には油性マジックで番号を振ってある。 2「ゆぇぇええ〜ん!おと〜しゃ〜んかえっちぇきちぇ〜!」 3「ゆ〜ん・・・おにゃかすいちゃよぉ・・・」 4「おと〜しゃん・・・ゆっく」 5「おと〜しゃんとすーりすーりしにゃいとゆっくちねむれにゃいよ・・・」 6「ゆぅ〜ん、ゆゆぅ〜ん・・・」 1「みんな、ゆっくちなきやんじぇね!さびちいのはおねーちゃんもいっしょだよ!」 1番の長女れいむが姉妹を元気付けようとしているが、自分も目に涙をいっぱいに溜めている。 泣き虫の4番れいむに舌を延ばして「ぺーろぺーろ」 「おう、ゆっくりども今帰ったぞ!」 ダンボールからこちらが見えるところまで行って声をかけると ようやく俺が帰ってきたことに気がつく赤ゆども。 2「おとーしゃん!おとーしゃんがかえっちぇきちゃよ!」 3「ゆゆん!れいみゅもうわるいこちょいわにゃいからごはんたべさせちぇね!」 4「ゆわぁぁあ〜ん、おとーしゃんがかえっちゃきちゃ!」 5「おとーしゃん、まりしゃとすりすりちてね!」 6「ゆゆ〜!ゆゆ〜ん!」 1「おと〜しゃん!れいみゅゆっくちみんにゃのめんどうみてちゃよ!ほめちぇね!」 「そーか、そーか、お前らのためにお土産もってきたぞ。 そら!お前らのおかーさんにおねーさんだ!」 買い物袋から乱暴に野良れいむと子れいむを引っ張り出す。 ダンボールの中からも見えるようにテーブルの上に置いた。 「「「「「「おかーしゃん!?」」」」」」 ゆっくりは思い込みが強いと言うからな、そこらの野良れいむでも これが母親だと言われればあっさりと信じてくれるはずだ。 父親だと勘違いしてる俺の言うことだから尚更だろう。 テーブルの上の野良れいむもダンボールの中の赤ゆどもがよく見える。 「ゆ?なにこの汚いおちびちゃん」 赤ゆどもを見て、汚いと言い放ったのは親れいむだった。 それに子れいむ達がつづく。 「なんだかこの赤ちゃんたちゆっくりできないよ!」 「それにくさいね!おーくさいくさい!」 「えんがっちょ!えんがっちょ!」 普通、野良にとって飼いゆっくりは美ゆっくりであり羨望とすっきりの対象なはずだ。 ところが、加工場産の食用ゆっくりは何か特別なマイナスの要因があるようで、むしろ醜ゆっくりに見えるらしい。 こいつらに子守と教育係を任せようと思っていたがこの調子じゃ無理っぽいな。 そんな事を考えていたら、野良れいむ達が勝手にテーブルの上にあったリンゴとミカンをむさぼりはじめた。 「こんなところにリンゴさんがあるよ!むーしゃむーしゃ、しあわせ〜♪」 「なにこのきいろいの!にがくてぜんぜんゆっくりできないよ!ゆっくりできないコロコロはゆっくりしんでね!」 「ここは、れいむたちのおうちだよ!ばかなおちびとじじいはゆっくりしないででていってね!」 「きたいないちびどもにしーしーかけてきれいきれいにしてあげるね!ゆっくりかんしゃしていいよ!」 リンゴの汁を撒き散らしながら食べかすがテーブル下のカーペットにまで飛び散ったり ミカンに体当たりをして、なかなか潰れないとわかるとそれをテーブル下に押し出して捨てた。 こちらを見る目はまるで下等生物を見るかのように見下していて、下あごを突き出して「ゆっへん!」と鼻息を立てている。 もう1匹は、テーブルからダンボール内の赤ゆめがけて小便をしようとしているが、カーペットのシミとなって届かない。 冷静に入ってきたドアを閉めてから、チャッカマンを取り出す。 「えー、こいつらがおかーさん、おねーさんというのは嘘です。 こいつらは悪い見本だからこれから懲らしめます! 悪いことをするとこういう目に合うよというのをゆっくり見ていってね!」 いきなり「汚い赤ちゃん」とか「くさい」と言われた赤ゆども 戸惑いながらも、おとーさんの言うことだから 左手で、ひょいっと子れいむの髪をつまんで持ち上げる。 赤ゆ目掛けてしーしーをしていた奴だ。 溜まっていた水分を排出して気持ちよさそうに「しゅっきりー♪」と言おうとした「しゅっ♪」の時に阻止。 「ゆっ、れいむゆっくりおそらをとんでるみたい!」 右手に持っているチャカマンからはポッと火が灯っている。 それに気づいたテーブルの上に残っている親れいむ。 「ゆっ!おちびちゃんになにするの! そのはこのきたいないビチグソとちがってれいむのかわいいこだよ! ゆっくりりかいしたらはなしてね!」 ぷくーっと膨らんでこちらを威嚇している。 チャッカマンのスイッチをカチカチと火をつけたり消したりして親れいむとダンボールの中の赤ゆどもに見せ付ける。 それからゆっくりと左手にもっている子れいむの底部に火を当てた。 「ゆぴゃぶぴゅぴぃぃぃいい!」 ビクッとテーブルの上からみかんを転がり落として遊んでいた子れいむと偉そうに「ゆっへん!」としていた子れいむも気づく。 親れいむは 「やめでねぇぇえええ!れいむのかわいいかわいいこどもをたずげでねぇええ!」と叫んでこちらへ体当たりをしようと ぴょこんぴょこんとテーブルの端で跳んでいる。 「かわいい子を助けないでいいのか?」 じっくりと、ゆっくりと子れいむの足を炙る。 子れいむを摘んでいる左指を焼けどしてはかなわないので直火ではない。 それでもゆっくりと子れいむの底部は黒く変色していき1分もしないうちに炭化し二度と動くことができない体になった。 その子れいむをポイッとテーブルの上に捨てる。 「れいぶのがわいぃこどもがあぁぁああ!」 「れいむのおねーちゃんがぁああ!」 「なんでこんなこどするのぉぉお!」 はいはい、順番だよ。 お次はみかんをテーブルから落とした子れいむ。 狭いテーブルの上では逃げ場もなく簡単に摘み上げる。 「やめてね!はなしてね! れいむはまずいコロコロをすててただけだよ!ゆっくりりかいしてね!ばかなの!しぬの!」 「れいぶのごどもをはなぜぇぇええ!」 またテーブルの端でぴょんぴょんっと跳ぶだけの親れいむ。 2匹目はちょっと慣れたので火をさっきより近づけてスルメ焼き。 「ぐぴょぷぽぉぴょぶぉぉぉおおおおお!」 小麦が焼ける香ばしい香りが部屋の中いっぱいに広がる。 それからテーブルへポイッ。 ゆっへんと威張っていたれいむも立て続けに姉妹の足が焼かれるのを見てすっかり逃げ腰になっていた。 「そろーりそろーり!れいむはにげるよ!」 もみあげをじったんばったんしながら大慌てで、されど跳ばずになめくじのようにずーりずーりと逃げる。 人間からは「そろーりそろーり」と逃げる、そうやって教わったからだ。 テーブル上の子れいむをチャッカマンの火で追い立てる。 「やめでぇねぇ!こっぢごないでね!あぢゅいぃぃいい!」 わざと追いつかないようにチリチリとお尻を焼きながら追い立てる。 そこへ親れいむが割って入った。 「れいぶのごどもを・・・あぢぃぃぃいいいい!」 「よーし、お前がチャッカマンの火に耐えれば子供は焼かれないぞ。」 木製のテーブルに焦げ跡が残ってしまわないようにちょっとチャッカマンの先端を浮かせて水平に親れいむに火をあてる。 鼻先がジュッと焦げて親れいむは叫びながら大粒の涙を流す。 「あじゃじゃじゅじゅぃいい!」 「そろーりそろーり♪ゆっ、どぼぢでじめんさんがもうにゃいのぉおおお!」 子れいむは遠くまで逃げようとするがそこはテーブルの上。 一番端までたどり着けば後は崖があるだけだ。 その間にも親れいむは火を当てられている。 「あびゃびゃびゃびゃびゅぅうううう〜!こんじゃのぶりにぎまってるでぢょぉおおお!」 結局、10秒ももたないで転がって逃げた。 髪飾りのおリボンが焼けて原型を留めていない。 「なんだ、もうお仕舞か?じゃあ子供を焼いていいってことだよな自分からどいたんだから。 ほ〜れほれ、あつ〜い火が子れいむちゃんに近づいてくるぞぉ」 わざとゆっくりと子れいむに火を近づける。 「たずげでぇおがあじゃぁあ〜ん!」 「にげでねぇええ!ぞごからとびおりでねえぇええ!」 ゆっくりにしては良いアドバイスだった。 子ゆっくりにしてみればテーブルの高さは崖の様に見えるが、重量も少ないため痛い思いはしても死にはしない。 火に焼かれるよりはよっぽどマシだ。 「ごわぐでむりだよぉぉおお!」 しかし、子れいむはそれでも跳べない。 自分の背の数倍もの高さがあるテーブルは人間からすればビルの3〜4階相当。それは本能的に恐怖を与えるのに十分であった。 「にげないでいいのかぁ?ほ〜れ火がそこまできたぞぉ〜」 とうとうチャッカマンの火が子れいむのほほを焦がすところまできた。 「あじゅいぃぃい!たじゅげでおがあじゃぁああん!おどぉじゃぁあ〜ん!」 「おちびじゃんはれいぶとまりざのごどもだよぉお!とべるがらがんばってねぇええ!」 かつて、このれいむ達には一家の大黒柱であるまりさがいた。 人間に捕まって子まりさもろとも殺されてしまったが、生きていたころはそのまりさが一家を支えていた。 ゆっくり的には素敵なまりさ。その雄姿を思い出す子れいむ。 「おどぉおおじゃぁあ〜ん!れいぶはとぶからゆっぐじゆうぎをちょうだいねぇええ!」 跳んだ。 精一杯の高さを跳んだ子れいむ。 わざわざ落下のダメージが増すような跳躍だが、恐怖で動けない体を奮い立たせるためには仕方がなかったのだろう。 「ゆぴゃ!」 ゲシッと地面に叩きつけられる。 餡子を吐き出してはいるが絶命には至らない。 「おちびちゃんやったよ!ばかなにんげんからにげのびたよ!ゆっへん、さすがれいむとまりさのこどもだよ!」 親れいむは、こちらを睨んで”ざまぁみろ”と言いたげな表情でふんぞり返った。 「やったよ・・・れいむはいたいけどとんでにげられたよ・・・ゆっ?」 地面に落ちた子れいむをヒョイッと掴みあげる。 「はいはい、ごくろうさん♪」 それからチャッカマンでチリチリチリ・・・。 「ゆぴゅぴゅぴゅぷぃぃいい!あじゅぃぃいい!なんじぇええええぇええ!れいぶとんじゃのぉにぃいい!」 他の姉妹よりも念入りに焼いて産道のあたりまで真っ黒こげ。 「れいぶのおちびじゃんがぁああああ!」 さっきまでふんぞり返っていた親れいむも両のおめめを見開いて大口を開けて固まっている。 足が焼かれて動けない子れいむ3匹を鼻先と髪飾りを焦がされた親れいむに返してやりお仕置きが終了した。 命まで取らないのは俺が愛でお兄さんだからさ! 乱暴に4匹の髪をひっつかんで庭先に捨てる。 「ゆべっ!」 「ゆぴっ!」「ゆぴゅ!」「ゆぎゅ!」 人間がまたげる程度の低いコンクリートブロックの塀も足が焼かれた子ゆっくりは越えることができない。 それが道路と庭とを遮っているので、もうどこへも行くことができないだろう。 親ゆっくりがこいつらを見捨てなければ、この庭の草でも食って雨が降るまでは生きられるかもね。ゆっくりゆっくり。 「おがあぁああちゃ〜んれいぶのあんよがいちゃいよぉぉお!」 「ぴぎゃあぁあ!すーりすりしないでねえぇ!いちゃいよぉおお!」 「なんじぇれいむがこんなめにぃぃい!」 「おちびちゃんたちごめんね!ごめんね!ゆっぐりぢていっでね!」 動けない子れいむに寄り添う親れいむ。 ゆっくりしていってね! さて、赤ゆどもがやけにおとなしいけど このちょっぴり刺激の強い教育番組をちゃんと見ていてくれたかな。 悪いことをしたらゆっくりできなくなる。忘れっぽいゆっくりもトラウマとして餡子に刻まれれば効果はあるはずだ。 1「・・・ギュププププ」 2「・・・ゅうゅぅう」 3「・・・ぴゅぷぷぷぷ」 4「・・・ぴぃ・・・ぷぴぃぴぃ」 5「・・・zzz・・・zzz」 6「・・・ゆぅぅぅう」 残らず泡を吹いて気絶していた。 ちょっと薬が効きすぎたか。 しばらく、そっとしておいてやろう。 だけど5番まりさだけは帽子をとってダンボールの上のところへ乗せておいた。 目が覚めたら「まりしゃのおぼうしさんおりてきてねぇぇええ!」とか始まるだろう。 さて、一息ついて さっき買った特売の冷凍ゆっくりタコ焼きを取り出す。 昨日は食べそびれたから、こいつらが寝てる間に食べる。 ふんふんふん〜♪っと鼻歌を歌いながら パッケージを開けると、中から6個のれいむとまりさの赤ゆっくりが出てくるはずが 頭が半分食べられている赤れいむと赤まりさが5匹と1匹の少しサイズの大きな別種のゆっくりが凍っている。 緑色に尻尾が2本。 「わかるよー」が口癖のゆっくりちぇんだ。 これから食べようと思っていたまりさとれいむがもう食べられてるじゃないか。 まさか、この子ちぇんがやったのか? この冷凍ゆっくりタコ焼き買ったときは値段ばかり見て気づかなかったがパッケージも微妙におかしいぞ。 普通のゆっくりタコ焼きはれいむとまりさの笑顔で「おいしいよ!」なんて絵が描かれているが このパッケージのれいむはふんぞりかえっていて「ゆっへん!ゆっくりタコ焼き!」なんて絵柄になっている。 おそるおそる裏面をみると、原産国がめーりんになっていた。 とりあえず、凍ってるちぇんをオーブンで加熱して起こしてみよう。 待つこと数分・・・。 チーン! 「わかるよー!・・・あじゅぃぃいいい!わからないよぉぉおお!」 オーブンの蓋を開けてちぇんを取り出す。 ・・・つづく。 過去の作品 ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ! ゆっくりいじめ系1254 赤ちゃんを育てさせる ゆっくりいじめ系1261 水上まりさのゆでだこ風味 ゆっくりいじめ系1297 ゆっくり贅沢三昧・前編 ゆっくりいじめ系1466 ゆっくり贅沢三昧・後編 ゆっくりいじめ系1467 まりさの皮を被ったアリス ゆっくりいじめ系1468 肥料用まりさの一生 ゆっくりいじめ小ネタ222 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 ゆっくりいじめ系1532 可愛そうな赤ちゃんにゆっくり恵んでね ゆっくりいじめ系1580 ゆっくりしなかった魔理沙と愛のないアリス ゆっくりいじめ系1673 ゆっくりクアリウム ゆっくりいじめ系1715 ゆっくりトイレ ゆっくりいじめ系1735 ゆっくりれいむと白いお部屋 ゆっくりいじめ系1743 プラチナまりさとフリーすっきり権 ゆっくりいじめ系1761 ちょっとしたイタズラ ゆっくりいじめ系1905 あったかいゆっくり ゆっくりいじめ系1935 しゃべらないゆっくり ゆっくりいじめ系1940 愛されまりさの一日 作者:まりさ大好きあき
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/939.html
※オリ設定満載 ※現代社会にゆっくりがいます ※東方キャラ登場注意 ※fuku2200.txtの人物が登場しますが、読まなくても多分大丈夫です。 数年前に突如現れ、急速に社会に浸透していった(ような気のする)ゆっくりと呼ばれる新たなる生命体。 人間の生首が膨張したような容姿のそいつらは饅頭のクセに生きていたり、どこから来たのは全く不明だったりとあまりに謎が多すぎる。 が、目新しいものや珍しいものを好む人々はその「ゆっくりしていってね!」とか「ゆーっ!」などと珍妙な鳴き声をあげる未知の存在をあっさりと受け入れた。 そして僕はそんな不思議に満ちた生命体の研究や飼育用の商品の開発に携わっている“ゆっくりカンパニー”のしがない一社員だ。 僕は社長命令でゆっくりの地下施設『闘技場』の視察に訪れていた。 あるビルの地下にあるその施設は古代のローマの闘技場を髣髴とさせる造りになっていて、中央にはゆっくり達が戦うものと思しきフィールドがある。 また客席に目をやると後方の客のためだろうか、四方に巨大なモニターが設置されていた。 そこでは観客らが制服を着た男にお金を渡し、代わりにチケットを受け取っている。恐らく賭博行為だろう。 付け加えるならば、その賭博は間違いなく違法であり、それゆえに警備が異常に物々しい。 「なんで僕がこんな仕事を・・・」 先輩にでも押し付けて逃げれば良かったな、と内心毒づいていると、試合の時間がやってきた。 それと同時に闘技場内の明かりが消え、代わりに照明の熱い光とギャラリーの眼差しがフィールドへと注がれる。 むせ返りそうなほどの熱気の中、一つの影が佇んでいた。影の正体は大柄な男。 総合格闘技やボクシングのレフェリーの正装に似た衣装を身にまとったその男が顔を上げ、手にしたマイクを口元に近づけると観衆は静まり返る。 「紳士淑女の皆様、わざわざこのようなむさ苦しいところにお集まりいただき誠にありがとうございます! 皆様もご存知のとおり、この闘技場はゆっくりどもを情け容赦なく殺し合わせるための施設でございます。 ですから、もしそのような行為を残酷だ、可愛そうだと思われるようなお客様がいらっしゃいましたら直ちにお帰りください。 ここはゆっくりどもを!たとえ愛するものでも!我が身を痛めて産んだ子供でも!一片の慈悲も無く殺し合わせる場所です! この空間に同情の言葉など不要!我々が望むものは殺せ殺せの大合唱と!飛び散る餡子と!血湧き肉躍る殺し合いだけなのです!」 開会宣言と思しきその言葉を聞いた観客達は一斉に立ち上がり、惜しみない拍手を送っていた。 「なるほどなぁ・・・」 ゆっくりの殺し合いを見せ物にするのは違法だろうか? 正直、先輩や紫社長ののように優秀ではないし、その辺の知識も乏しい僕には判断しかねる。 しかし、賭博行為は間違いなく違法だろう。これくらいは僕にだってわかる。 とはいえ、そんなことを声高に叫ぶのが僕の仕事ではない。 と言うか、正直何をすればいいのかさっぱりわからない。 仕方が無いので今日は素直に闘技場ライフを満喫することにした。もちろん、賭博は無しの方向で。 試合は8匹のゆっくりによるトーナメント制で、賭けに参加する場合は優勝者を当てるらしい。 初戦のカードはゆっくりれいむ(倍率8.90倍)とゆっくりまりさ(倍率2.03倍)。 「ゆふううううううううううん!!ゆうううううううううう!!」 ゆっくりれいむはドーピングによって強化されているらしく、試合開始前から異常に興奮していた。 「・・・・・・ゆぅ」 一方のゆっくりまりさは非常に落ち着き払った態度で、しかし目にうっすらと涙を浮かべながらそのれいむを見据えていた。 近くのギャラリーの話によるとあの2匹は元々夫婦で、れいむはまりさとの試合を拒んだ結果、過度のドーピングを受けて明日の朝日を拝めないことが決定しているとか。 「さあ、2匹とも・・・準備はよろしいですね?・・・・・・では、ファイッ!!」 レフェリーの掛け声と同時に勢い良く飛び出したのはゆっくりれいむ。その足取りは普通のゆっくりのような秒速25センチメートルの鈍足ではない。 1回の跳躍で70センチメートルは前進し、次の跳躍に移るまでの時間もかなり短い。間違いなく通常のゆっくりの2倍以上の速度で動いていた。 しかし、まりさは微動だにしない。こちらもれいむと戦うのを拒否しているのだろうか? そんなまりさを尻目に、薬物の力によって狂わされたれいむはどんどん距離を詰めて行く。 そして、あと50センチほどでまりさに届くところまで詰め寄ると、上方に跳躍した。 「た、高い!?」 最高到達点は恐らく1メートルを越えていた。そして、落下地点にはまりさが・・・いない。 いや、それが当然なのだろう。日頃から殺し合いばかりさせられている生き物が来るとわかりきっている攻撃を受けるはずが無い。 れいむの落下地点から30センチほど離れた場所にいるまりさの口にはいつの間にか小さな竹槍がくわえられている。 そして、れいむの着地にあわせて放たれた竹槍による一撃であっけなく決着がついた。 竹槍を貫通させられたれいむは一瞬で絶命し、二度と動くことは無かった。また、勝者であるはずのまりさもしばらくそこから微動だにしなかった。 そして、しばらくれいむだったものに寄り添って嗚咽を漏らしていたまりさはおもむろにその亡骸を食べ始めた。 その光景に沸き立つ観衆。どうやら、これがここの名物らしい。 その後も様々な試合が展開された。 小刀の扱い方を身につけたゆっくりみょん(倍率4.06倍)と常時発情しているゆっくりありす(倍率3.79倍)。 耳の部分に丈夫な角らしき何かをねじ込まれたゆっくりさくや(倍率3.98)とかなり鍛えられたゆっくりれみりゃ(倍率3.36倍) 尻尾に毒針をつけたゆっくりちぇん(倍率3.64倍)とドーピングされたゆっくりぱちゅりー(倍率108.29倍)。 どの試合も勝者は敗者の死肉を喰らい、そのたびに観衆は狂喜した。 「そう、良い報告だったわ。ありがとう」 「え、ええ・・・そうっすか?そんな大した報告してないですよ」 「くすくす、その通りね。良くわかってるじゃない?」 「はい?でも、さっき・・・」 「貴方にしては上出来と言うことよ。もっと高度なことのできる人は相応の場所に回すものでしょう?」 「え、ええ・・・はい・・・」 終始笑顔で「この仕事は無能な貴方でもできそうだったから任せたのよ」と言わんばかりの言葉を並べる社長。 この人は本当に美人なので一部には罵られても嬉しいという社員もいるのだが、あいにく僕にそっちの趣味は無い。 なので、落ち込むことしかできないのだが、そんな安易なことをしないのがカリスマ社長。 「あら、落ち込むことも恥ずかしがることも無いのよ?確かに貴方の先輩は優秀だったけど、あれは特別だもの」 「はあ、そうですか・・・」 「でも、それだけに有名になりすぎた。この業界では知名度が高すぎて、アングラな世界に送り込むことなんて出来ないのよ」 「それは・・・そうですよね」 「だから、私は貴方に頼んだのよ。彼以外は似たり寄ったりの中で、私が、直々に、貴方に、この仕事を任せた。その意味がわかるかしら?」 社長は扇子で口元を隠したまま、ずっと胡散臭い笑みを浮かべている彼女の内心は良くわからない。けれど、それなりに僕を評価していくれているらしいことだけはわかった。 「は、はいっ!ありがとうございます!」 少し恥ずかしくなった僕は丁寧にお辞儀をしてから、退室した。 「なるほど、そりゃ久々のスーパーゆかりんタイムが拝めるかもしれないな」 「なんすか、すーぱーゆかりんたいむって?」 闘技場のこととその後の報告のことを先輩に話すと、おかしなことを言い始めた。熱でもあるんだろうか? 「いや、お前は知らんだろうけど、あの人を怒らせると、というかあの人に敵と認識されると必ずと言って良いほどエライ目に遭うんだよ。 ゆー園地の建設反対派と揉めた時のアレは本当に恐ろしかった。で、今回の件は多分初戦のゆっくりれいむの行動がまずかったんだろうよ」 「ドーピングっすか?」 「いや、ドーピングは違うな。問題はドーピングされているのに試合開始まで攻撃しなかったことだ」 「・・・あ!興奮していたにしては理性的っすね。拘束とかはされてなかったし」 「そういうこと。で、薬物で過剰に興奮しているゆっくりでもパブロフの犬よろしくの条件付けで行動を正誤することが出来るんだよ」 「でも、その実験の情報って・・・」 「ああ、社外秘だ。理想的な飼いゆっくりを自由に作れるとんでもない情報だからな。でも、持ち出した馬鹿がいる」 「でも、偶然見つけただけかも知れないっすよね?」 「だとしても神隠しに遭ってお終いだよ。おお、こわいこわい」 そう言いながら立ち上がった先輩はにやりと笑うと、最後にこんなことを言い残して立ち去っていった。 「ところで、今回の闘技場潜入は俺に漏らしていい話だったのか?」 ---あとがき--- 虐待作品と言うよりも虐待の方法やシステムの紹介だよ、これじゃ。 本当はじっくりと戦闘や調教シーンをしっかり書けばよかったんでしょうが・・・。 まあ、その辺は土下座衛門氏の復讐のゆっくりまりさでも読んで補完してください。 【どうでもいいおまけ】 みょんVSありす・・・瀕死のみょんを執拗にレイプし続け、ありすの勝利。 さくやVSれみりゃ・・・装備していた角がいい具合に羽に刺さりさくやの勝利。 ちぇんVSぱちゅりー・・・戦いが始まったときには既にぱちゅりーは死んでいた。ちぇんの勝利。 まりさVSありす・・・先の試合ですっきりしすぎて疲労困憊のありすを瞬殺し、まりさの勝利。 さくやVSちぇん・・・角が毒針を上手いこと受け止めてくれたおかげでさくやの勝利。 まりさVSさくや・・・ゴリ押しでまりさの勝利。2連覇。 byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1021.html
前 4匹になった一家は、ようやく地上がはっきり見える距離まで降りて来た。 気圧が戻り、パンパンに膨らんだ風船も少し緩くなっている。 「じめんがみえてきちゃよ!!」 子まりさが歓声を上げる。 かなり流されて来たらしく、全く見覚えのない場所であるが、まずは地面に降りるということがなによりも先決だ。 近くには湖や池といった危険なものも見受けられないし、ここまま行けば無事に降り立つことができるだろう。 残り約百メートル。一家はこのその瞬間を待ちわびていた。 しかし、降りる寸前、突然一家の前に突風が吹き荒れる。 「ゆ―――!!! ながされるよおおぉぉ――――!!!」 そのまま行けば上手く地面に降り付けただろうが、いきなりの風で落下コースがずれてしまった。 そして、新たな落下場所は、運悪く大きな木の中腹だった。 木の枝や夏の青葉がハンモックに絡みつき、一家は身動きが取れなくなってしまう。 「ゆゆっ!!! こんなところじゃ、ゆっくりできないよ!!!」 れいむは体を揺さぶって、木からハンモックを外そうとした。 しかし、動けば動くほど、枝がハンモックに絡みつき、身動きが取れなくなってしまう。 ようやく地面にたどり着けたというのに、最後の最後でケチがついてしまった。 れいむ一匹ならいつでもハンモックから出られるが、地面まで5mはあり、さすがにジャンプして降りるには少々分が悪すぎる。 どうすればいいのだと、れいむは餡子を捻り出す。 一方、大人のれいむとは対照的に、落ち着きのない子ゆっくり達は、早く地面に降りたくて風船の中から抜け出そうともがいていた。 しかし、それがいけなかった。 末っ子れいむが暴れたため、運悪く風船が鋭い枝に当たってしまった。 パーン!! 多少伸びているとはいえ、風船は風船。 割れた風船から末っ子れいむが投げ出される。 「ゆっ?」 それが末っ子れいむの最後の言葉だった。 水溜りでもあれば、あるいは腐葉土にでも落ちればどうにかなったかもしれないが、あいにく落ちた場所は、固く大きな石の上だった。 皮の柔らかい末っ子れいむは、痛みを感じる間もなく、「ぷちゅ」と餡子を弾かせ、絶命した。 「ゆああああぁぁぁぁぁ―――――――!!!! あがぢゃあああああんんん―――――!!!!!」 「まりざ(れいぶ)のいもうどがあああぁぁぁぁ――――――!!!!」 末っ子れいむの最期を目の当たりにし、残った3匹は絶叫を轟かせる。 今までも姉妹の最期を目撃していたものの、死の瞬間を目撃したわけではなく、間接的に死んだと感じただけであった。 よって悲しくもダメージはそれほど大きくなかったが、今回の末っ子れいむの死に様は、一家に死の恐怖を与えるには十分すぎた。 「うごかないでね!! おちたらしんじゃうからね!! ゆっくりうごかないでね!!」 れいむは上を見上げ、子れいむと子まりさに叫ぶ。 2匹も末っ子れいむの死に様をまざまざと見せつけられれば、れいむに言われずとも動くつもりはない。 落ち着きなく飛び跳ねていた体を抑え込み、体を縮めている。 しかし、所詮は風船。 ほんの少しの風でも不安定に揺れ動き、一家を絶望の中へと誘い込もうとする。 「おかあしゃん!! こわいよおおぉぉ―――!!!」 「もうやだよ!! はやくたしゅけてええぇぇぇ――――!!!!」 2匹は泣きながられいむに助けを求めるも、れいむにも助ける手段に窮していた。 枝を伝って子ゆっくりの元に行こうとするも、木がざわめき、風船も揺れ動いてしまう。 いつ末っ子れいむの二の舞になってしまうかしれたもんじゃない。 しかし、運命の女神はゆっくりがお嫌いなのか、れいむが手をこまねいていると、一陣の風が風船に襲いかかる。 その結果は言うまでもないだろう。 「ゆぎゃあああぁぁぁぁぁ――――――!!!!!!」 女神の怒りに触れたのは子れいむだった。 枝に当たった風船が破裂し、断末魔の叫びを上げ、下に落ちていく……が、子れいむが落ちた場所は、運が良いのか固い地面ではなかった。 「ゆ!? たちゅかった!!」 柔らかい何かが緩衝材となって、子れいむの落下の衝撃を吸収してくれたのだ。 しかし、落ちた場所はある意味、地面より最悪な場所だった。 「ゆゆっ!? とりしゃんがいっぱいいりゅよ!!」 子れいむが落ちた場所。それは、この木の一角に陣取った鳥の巣だった。 うまく緩衝材となってくれたのは、巣の中にいた羽根の生えそろっていない雛だ。 見たところ親鳥の姿はない。おそらく餌の調達にでも行っているのだろう。 雛たちは寝ていたが、子れいむが落ちたのを切っ掛けに、起きてしまったようだ。 そして、お腹がすいたのかピーピー喉を鳴らしている。 「ゆ!! うるちゃいよ!!」 突然鳴き出した雛に驚き、文句をいう子れいむ。 しかし、この場でそんなことを言っては、自殺行為に等しい。 目の前に旨そうなマンマがあると知った雛たちは、一斉に子れいむに群がりかかる。 「や、やめでええぇぇぇ――――!!! れいみゅはたべもにょじゃないよおおぉぉぉ――――!!!!」 子れいむは何とか逃げようとするも、狭い巣の中で逃げる場所があるはずもなく、対抗しようにもミニトマトほどしかない体で、数匹の雛に敵うわけもない。 「いじゃいよおおぉぉぉ―――――!!! たべにゃいでええぇぇぇ――――!!! おがあしゃあああん、だじゅげでええぇぇぇぇ―――――!!!」 「やめでええぇぇぇ――――!!! れいむのこどもをだべないでええええぇぇぇぇ――――――!!!!」 れいむは子れいむを助けようと、枝を伝って、巣に向かう。 その上では、子まりさの風船が揺れて、いつ枝にぶつかって割れるか分からないが、れいむはそんなことを気にしていられない。 まずは現在進行形で危険が迫っている子れいむが最優先だ。 と言っても、不安定な足場でなかなか思うように進むことが出来ない。 そんなれいむがまごついてるうちに、子れいむは体を雛たちに啄ばまれ、哀れ数匹の餌となってこの世を去った。 「なんでれいむのこどもをたべちゃうのおおおぉぉぉ―――――!!!」 ようやく巣に辿り着くも、時すでに遅し。 れいむは、クチバシを餡で濡らした雛に向かって絶叫する。 しかし、それが雛に通じるわけもなく、雛はれいむの巨体に脅えピーピー鳴き叫んでいる。 れいむは、子供の敵とばかりに雛を攻撃しようとした……瞬間、れいむの目の前を何かが風を切って通り過ぎた。 親鳥だ。 餌を取って戻ってきた親鳥が、子供の危険信号を察知し、全力で飛んできたのだ。 「ゆゆっ!! じゃましないでね!! れいむのこどもをたべたわるいとりさんにおしおきするんだから!!」 邪魔するなと言って、はいそうですねと言うはずもなく、親鳥はれいむにクチバシや羽を使って攻撃する。 「い、いだいよおおおぉぉぉ―――――!! ゆっぐりやめでええぇぇぇぇ―――――!!」 足場が悪く、親鳥の攻撃に何も出来ないれいむ。 さすがに大きさの違いから、子れいむのように食べられることはないが、チクチクとクチバシが当り、体中に瞬間的な激痛が何度も走る。 堪らず親鳥の攻撃から逃げるように体を捻るが、それがいけなかった。 足場の悪い枝の上で不用意に体を動かせばそうなるのは自明の理。 足を滑らせ、れいむは真っ逆さまに地面にダイブしていった。 「ゆびゃ!!」 ベシャリと生々しい音をたてて、地面をキスするれいむ。 さすがに子ゆっくりとは違い、皮が厚いため即死はしないものの、衝撃で口から結構な量の餡子を放出し、足に当たる部分も割れてグシャグシャになっている。 「おかあしゃあああああんん―――――――!!!!」 そんなれいむの様子を見て、木の上にいた子まりさが大声で呼びかける。 母親への気遣いは実に尊いが、ここで大声を出すには、あまりに状況が悪すぎた。 子まりさの声に親鳥が反応し、外敵は排除すべしとすぐさま風船に飛びかかる。 「や、やめでえええぇぇぇぇ―――――!!! れいぶのほうがおいじいよおおぉぉぉ―――――!!!!」 ボロボロの体で地面からその様子を見ていたれいむが、親鳥に懇願する。 自分のほうがおいしい。だから自分を食べてくれ。子まりさだけは何とか助けてくれ。 れいむは必死で親鳥に念を送る。 無論、言葉が通じる筈もなく、親鳥は子まりさの入った風船をクチバシでつつく。 高い音を立てて風船が割れ、外に投げ出される子まりさ。 親鳥はそんな子まりさを空中で上手にキャッチすると、雛鳥の待っている巣に持ち帰った。 「やだああぁぁぁ―――――!!! まりちゃ、ちにだくないよおおぉぉぉ―――――!!!」 子れいむの最期を見ていた子まりさが、すぐに自分に訪れるであろう未来を想像し、親鳥のクチバシの中から脱出しようと藻掻いている。 しかし、それで脱出できるはずもなく、親鳥は首をのばした雛たちに子まりさを差し出した。 「ゆぎいいいいぃぃぃいぃ―――――!!!!! いぢゃいいぢゃいいぢゃいだいいぢゃいいだい………!!!!!」 「あがぢゃああああああんんん―――――――――――!!!!」 まだ体が弱く、一気に食べられない雛たちは、チビチビと残酷な食べ方で、子まりさを咀嚼していく。 柔らかい皮は破れ、神経の通った餡を、じっくりねっとり掻き乱していく。 唇が啄ばまれ、遂に言葉さえ発することの出来なくなった子まりさは、「ふうちぇんにのっちゃけっかがこりぇだよ!!」と、薄れる餡子脳の中で感じ、最期を行った。 「あ……ああ………ああぁぁ……れいむのあかちゃんが……あかちゃんが……みんなしんじゃった……」 地面から子まりさの最期を看取ったれいむが、声にならない声で言葉を紡ぐ。 親鳥は、すぐにれいむが動けないことを理解したのか、次のターゲットとしてれいむに狙いを定めた。 小さなクチバシで、口や割れた足から漏れ出した餡子を拾っては、雛鳥に持っていく。 すでに餡子は体外に出ているため、れいむに痛みは感じない。 すべての子ゆっくり達を失ったれいむは、生きがいを無くしたというように、焦点の合わない視線で親鳥の行動を見つめていた。 さすがにバレーボール大のれいむ1匹は一度の食事に多すぎたのか、親鳥は何回か巣とれいむを往復すると、巣から出てこなくなった。 お腹いっぱいになった巣の中では、親鳥が雛鳥に歌を教えているのか、ピーピーと家族で合唱をしている。 そんな親鳥の行動を見て、そういえば自分も子ゆっくり達に同じことをしてあげたなと、虚ろな表情で、そんなことを考えた。 そもそもなんで? どうして? どうして、こんなことになった? 自分たちは何も悪いことはしていないはずだ!! それなのに、なんでこんなにも酷い目に逢わなければならない? 最愛のまりさが死んでしまった後も、れいむは必死で子育てに励んできた。 雛鳥のように、ご飯を与えたら大喜びしてくれた。 お歌を歌ってあげたら、もう一回歌ってと何度もせがまれた。 夜寝るとき、家族全員で寄り添って寝た。 赤ちゃんたちもれいむの期待にこたえて、ちょっと生意気だけど、素直ですくすくと育ってくれた。 これからも、あの鳥の一家のように、家族仲よく平和に暮らしていくはずだった。 なのに、何でこんなことになった? どこで道を外してしまったのだ? 人間に会ったから? あのおじさんに出会ったから? あのおじさんに会わなければ、れいむたちは風船に乗ることはなかった。 風船に乗ってしまったから、れいむたちはこんな目に会ったのだ。 でも、おじさんは、ちゃんと待ってろと言ったのだ。そんなおじさんを待たないで勝手に飛んでいったのは自分たちだ。 それじゃあ、初めに飛ぼうといった(子)まりさが悪いの? いや、確かにおじさんを待たないで飛ぼうと言ったのは子供たちだけど、最終的に決断を下したのは自分自身だ。 風船を飛ばすことが出来たのは自分だけだし、ちゃんとおじさんを待つように説得することは出来たはずだ。 あれ!? てことは、れいむのせい? れいむが子供たちにいい顔しようとして、おじさんの言うこと聞かなかったから、こんな目に会ったの? れいむのせいで、子供たちが死んじゃったってこと? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむの…………… 「ゆふ……ゆふふ………ゆふふふふふ…………ゆはははははは………ゆははははははははははははははははははははは…………!!!!!」 れいむは、何か思いついたように笑いだす。 狂ったように、笑い続ける。 「ゆひゃひゃひゃひゃひゃ……!!! そうだよ!! れいむが!! れいむが!! れいむが、あかちゃんたちをころしたんだ!! ゆひひひひひひひひひひ……!!!」 足はもう使い物にならない物の、体全体に力をいれ、れいむはゴロリと仰向けになる。 さっきまで、あんなに晴れていた空が急に曇りがかってきた。 夏の風物詩、夕立が近いのだろう。 「れいむが!! れいむが、あかちゃんたちをころしたんだ!! ころしたんだ!! ころしたんだ!!」 誰に言うでもなく、れいむは大声を張り上げる。 自分の馬鹿さ加減を呪うかのように。 自分を罵倒するかのように。 目に大粒の涙を浮かべながら、れいむは大声を張り上げる。 そんなれいむが気になったのか、真上で合唱していた鳥の一家が歌を止め、親鳥が巣から顔を覗かせる。 狂ったように叫び続けるれいむが、何かしてくるのではと警戒したのだろう。 しかし、やはりれいむが動けないことを確認するや、親鳥はすぐに首をひっこめた。 餌に構っている暇はないとでも言うかのように…… しばらくれいむが叫び続けていると、れいむの涙を隠してくれるかのように、空から水滴が落ちてきた。 夕立が来たのだ。 初めこそ、パラパラと小粒の雨が降っていたものの、夏の夕立ちは一気に大量に降ることが多い。 すぐに、涙をかき消すほどの激しい雨が、れいむに降り注ぐ。 耐水性の弱いゆっくりが雨を浴び続けることは自殺することに等しいが、足の割れたれいむは動くことが出来なく、雨を避けることが出来ない。 最も、もしれいむが健常でも、今の状態では雨を避ける行動を起こしたかは分からない。 口や割れた足に雨が降り注ぎ、れいむの体内から餡子を否応なく奪い去っていくも、れいむは一切恐怖を感じていないような晴れ晴れとした表情をしていた。 「ゆふふふふふふふ……!! れいむが!! れいむが!! あかちゃんを!! あかちゃんたちをぉぉ!! ゆははははははははh……!!!!」 目を見開き、どこか壊れたような表情で空を見上げ、訳の分からないことを口走る。 それは、夕立が完全にれいむの体を溶かすまで、延々と続いていた…… ~fin~ 今まで他のSSの執筆にかかりきりでしたが、恥ずかしながら虐スレに戻ってまいりましたーww いずれ、先に落ちていった子ゆっくり達の末路も書きたいな。 でもその前に、いい加減「とかいは(笑)ありす」を完成させるぞおおぉぉぉ――――!!! 今まで書いたもの ゆっくりいじめ系435 とかいは(笑)ありす ゆっくりいじめ系452 表札 ゆっくりいじめ系478 ゆっくりいじり(視姦) ゆっくりいじめ系551 チェンジリング前 ゆっくりいじめ系552 チェンジリング中 ゆっくりいじめ系614 チェンジリング後① ゆっくりいじめ系615 チェンジリング後② ゆっくりいじめ系657 いい夢みれただろ?前編 ゆっくりいじめ系658 いい夢みれただろ?後編 ゆっくりいじめ系712 ゆっくりですれ違った男女の悲しい愛の物語 ゆっくりいじめ系744 風船Ⅰ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/niconicokaraokedb/pages/411.html
超ツマンネ ちようつまんね【登録タグ:VOCALOID オワタP 初音ミク 弱音ハク 曲 曲ち 曲ちよ 鏡音リン】 曲情報 作詞:オワタP 作曲:オワタP 編曲:オワタP 唄:弱音ハク(初音ミク) 鏡音リン ジャンル・作品:VOCALOID カラオケ動画情報 オフボーカルワイプあり コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4892.html
ゆっくりドライ火だるま 制裁風味 虐待お兄さん狂喜乱舞 季節は初冬。 ゆっくり達にとって鬼門と言える、冬ごもりが始まる。 頭のいいゆっくりは、計画的に食糧の確保や巣の補修などを行う。 しかしそれに対し、頭のよろしくないゆっくりはまるで何も考えない。 いつも通りに狩りをして、むーしゃむーしゃと平らげる。 狭いおうちが傷んでいても気にしない。すっきりだってやり放題だ。 非常によろこb......嘆かわしいことに、そういうゆっくりは必ず存在する。 そこで、家の隣に建ててある小屋の入り口を薄く開けて放置しておくと―― 「ここはまりさたちのおうちだよ! ゆっくりできないからおじさんはでていってね!」 「そのまえにれいむたちにごはんをもってきてね! あまあまでもいいよ!」 「あまあまちょーらいね!」 「ちょーらいね!」 ――このように、頭のかわいそうなゆっくり達がやってくる。 自己紹介が遅れてしまった。僕は虐待お兄さん。みんな、元気に虐待してるかな? 今回のターゲットは、のこのこと小屋に侵入してきたゆっくり一家だ。 家族構成は親まりさ、親れいむ、子れいむ、子まりさの計4匹。 冬ごもりの準備が間に合わなくて、その辺にいいおうちでも転がってないかなーと探していたクチだろう。 現に転がっていたけどね。この一家は運がいい。 「ゆっ! きいてるのおじさん! まりさたちにごはんをもってきてね!」 「あまあまでもいいから、はやくしてね! れいむおこるよ! ぷくうう!」 「「ぷきゅううぅ!!」」 ヒャッハーと叫んで部屋の中心に躍り込みたいところだけど我慢する。 僕は今回、新たな虐待を思いついたんだ。そのために、この一家には少しだけゆっくりしてもらう。 「ああ、わかったよ。ご飯とあまあまだね」 「「ゆっ?」」 拍子抜けしたような一家の前に、僕は大きな青いバケツ2つをドンと置いた。 片方のバケツには市販のゆっくりフード。もう片方には最上級の上白糖。 どちらもバケツの一番上まで、ぎっしりと詰まっている。 「どうぞ。好きなだけ食べていいよ。まずご飯かな」 ゆっくりフードの方のバケツを蹴倒して、一家の目の前にぶちまける。 ゆっくり達は目をパチクリさせていたが、そのあとすぐに飛びついた。 「ゆっ! おじさんはゆっくりできるね! むーしゃむーしゃ!」 「むーしゃむーしゃ! し......しあわせー!!」 「「ちあわちぇー!!」」 ゆっくり達がご飯をむさぼっている間に、僕は小走りで家に帰った。 玄関に置いてある赤いバケツを手にとって、すぐさま踵を返す。 また小屋に戻って来てみると、一家はバケツの半分くらいを食べ終わっていた。 「ゆっ! おじさんありがとう! おれいにまりさたちのかわいいおちびちゃんをみていってもいいよ!」 「でもみたらさっさとでていってね! れいむたちはここでゆっくりするよ!」 「ゆー、ゆっくち!」 「きゃわいくてごめんね!」 勝手にヒャッハーの形に動こうとする唇を何とか抑える。 耐えろ。耐えるんだ僕の魂。 「ああ、ありがとう......ところでまりさ、お願いがあるんだ」 「ゆっ?」 「唐突だけど......君たちのおうちに、僕の荷物を置かせてくれないか? 僕の家、物が多すぎて、もう置く場所がないんだ」 そう言って、白い布が被さっている赤いバケツを突き出した。 この小屋は6畳あるし、家具も小物もなにも置いてないから、バケツ1個など造作もなく置くことができる。 「ゆっ! なにいってるの!? おうちがせまくなっちゃうよ!」 「おうちがせまくなったら、ゆっくりできないよ!」 しかし、ゆっくり達からは拒否されてしまった。 「そう言うなよ......隅っこでいいからさ、このバケツだけ......」 「ゆううぅぅ! おじさんはわがままだね!」 「本当に頼むよ。これからもずっと、ご飯とあまあまを持ってきてあげるから」 「ゆ!? ど、どうしようれいむ?」 「ゆー......わかったよ! れいむはやさしいから、とくべつにゆるしてあげるよ!」 「そうか! ありがとうれいむ!」 「はやくそれをおいてでていってね! れいむたちがゆっくりできないよ!」 僕は部屋の隅にバケツを置いた後、すぐに扉まで戻った。 「あの赤いバケツは、絶対に中を見ちゃいけないよ。見たらゆっくりできなくなるからね」 「ゆっ! わかったよ!」 「あと、ご飯かあまあまが足りなくなったらすぐに言ってくれ。僕は隣に住んでるから、大きな声を出せば分かるよ」 「わかったよ! じゃあ、はやくでていってね!」 小屋から追い出され、扉も閉められる。 「これでやっとゆっくりできるね!」 「そうだね! おちびちゃんたち、れいむとすーりすーりしようね!」 「「しゅーりしゅーり!」」 扉の向こうからかすかに声が聞こえる。 僕はそれに近づいて、外側から静かにかんぬきを掛けた。 「クックックッ......」 自然に笑いがこみ上げてくる。あの一家がゆっくりできなくなるまで、あと1週間くらいか。 「アッハッハッハ!!」 察しのいい人はもう分かっていると思うけど、この小屋は虐待のための専用家屋だ。 あらゆる虐待に耐えうるように、防火防音耐水耐震、全て最高レベルの水準で設計されている。 もちろんカメラとマイクも仕込まれており、自宅の観賞部屋で中の様子を楽しむこともできる。 僕は笑いながら家へとスキップしていく。空から初雪がふわふわと舞い降りてきた。 まりさは暖かい空気の中で目を覚ました。 「ゆっくりおはよう!」 大きな声で朝の挨拶をすると、他の家族もゆっくりと目を覚ました。 「ゆっくりおはよう、まりさ!」 「「ゆっくちおはよう!」」 みんな晴れやかな顔をしている。それも当然だろう。 ここは前のおうちとは比べようもない、夢のようなゆっくりプレイスなのだから。 「ゆっ? おかーしゃんのあたまに、あかちゃんがいるよ!」 「ほんとだ! れいみゅたちのいもーちょだね!」 そう。愛しのれいむの頭から生えた茎に、5人くらいの赤ちゃんがすやすやと眠っている。 昨晩子ども達が寝静まった後に、れいむと久しぶりに『すっきりー!』したのだ。 最近はおうち探しだの何だのですっきりする暇もなかったが、こうして素晴らしいおうちを手に入れることができた。 『すっきりー!』してしまっても何の問題もない。 「そうだよ! まりさとれいむのあたらしいあかちゃんだよ!」 「おちびちゃんたち、うまれたらゆっくりあそんであげてね!」 「「ゆーっ!」」 本当に、ここは夢のようなゆっくりプレイスだった。 以前は寒くて寒くて家の中でも震え、狩りも満足な量が取れず、全然ゆっくりできなかった。 今では一変した。いつも暖かくて広い部屋の中で、ゆっくりしていればいいのだ。 おうたを歌ったり、子ども達と遊んであげたり、すーりすーりしていれば時間が過ぎていく。 「ゆっ! おじさーん! あまあまがたりないよ! ゆっくりしないでもってきてね!」 ......と叫べば、すぐにおじさんがやってきて、扉とは反対側の窓から重たいバケツを差し入れてくれる。 「はい、あまあまだよ」 「ゆっ! ありがとう!」 おじさんが持ってきてくれるご飯もおいしかったが、あまあまは輪を掛けておいしかった。 きめ細やかな白い粒で、口の中に入れれば一瞬で溶ける。 さらさらした蜜となって喉の奥に滑り込み、上品な甘味を体全体で感じることができる。 喉はとてもなめらかになり、おうたの調子も絶好調だ。 「おれいにまりさたちのおうたをきかせてあげるよ! ゆ〜ゆゆ〜♪」 「はは......そういえばまりさ、僕の荷物の中は覗いてないだろうね?」 「ゆっ? そんなことしてないよ!」 「そうか。それならいいんだ......ククッ」 おじさんはたまに不気味な声を発するが、それ以外はとてもゆっくりしたおじさんだった。 おじさんの置いていった荷物も、部屋の隅に置いておけば何も気にならない。 『ゆっくりできない物が入っている』と言われたので覗く気もない。 たとえ何か入っていたとしても、今のゆっくりした生活を邪魔する物でなければ何だっていい。 次の日、赤ちゃんが生まれ落ちると一層にぎやかなゆっくりプレイスとなった。 「ゆー! おとーしゃん、ゆっくちちていっちぇね!」 「ゆゆぅ! おちびちゃんもゆっくりしていってね!」 「おねーちゃん、ゆっくちまっちぇよー!」 「ゆゆん、れいむにはつかまらないよ!」 「おきゃーしゃん、あみゃあみゃおいしいね!」 「ゆゆ、そうだね! たくさんあるから、たくさんたべてね!」 「「「ゆゆー!!」」」 幸せだった。みんなみんな、とってもゆっくりしていた。 しかし、数日後。 その日々は、終わりを告げることになる。 「みんな、ごめん......あまあまが、もう無くなっちゃったんだ......」 窓を開けたおじさんが、申し訳なさそうにこう言った。 「ゆううううぅぅ!? おじさん! どういうことなの!?」 「言ったとおりだ。あまあまが、もう僕の家から無くなってしまった......」 信じられない言葉。あれだけたくさんくれたあまあまが、なくなっちゃった? 「ゆううっ! なにいってるの? あまあまがないと、ゆっくりできないよ!」 「はやくあまあまをとってきてね! れいむたちをゆっくりさせてね!」 「しょーだしょーだ! はやくとっちぇきちぇね!」 「まりしゃたちをゆっくちさしぇないおじしゃんは、ゆっくちちね!」 みんなで一斉に文句を言っても、おじさんは「ごめん......」というばかり。 「ごめんはいいから、さっさとあまあまをとってきてね! ぷくううぅぅ!!」 「はやくしてね! ぐずはきらいだよ! ぷくううぅぅ!!」 「「「ぷきゅうううぅぅ!!」」」 そんな時、1人の赤ちゃんれいむが咳き込みながら小さく声を上げた。 「こほっ......こほっ......おかーしゃん、れいみゅ、のどかわいちゃよ......」 「ゆっ......」 まりさはそれを聞いて抗議の口を休めた。 まりさも、最近のこの部屋の空気は乾燥していると感じていた。肌がかさかさしてきたし、喉も乾きやすくなった。 そのために、喉を潤してくれるあまあまを多く食べていたのだ。 しかしそのあまあまも、もう無くなってしまったらしい。 しょうがない。ここは大人のゆっくりした対応を取ろう。大幅に譲歩してやる。 「ゆっ......わかったよ! じゃあ、あまあまはあきらめるから、いますぐにおみずさんをちょうだいね!」 その言葉に、おじさんはピクンと反応した。 「お水......さん?」 「そうだよ! おちびちゃんも、まりさも、のどがかわいたんだよ!」 「お水さん......ククッ、水......」 「あまあまはゆるしてあげるから、ゆっくりしないでおみずさんをもってきてね!」 「クククッ......水、クックックッ......」 「なにわらってるの!? さっさとおみずさんを――」 「無いよ! そんなもの!」 おじさんが叫んだ。ついさっきまでと明らかに違う、自信に満ちあふれた声色で、唇を三日月型につり上げて。 「ゆ、ゆぅ!?」 「アッハッハッハッ! だって、最初に言ったでしょ? ご飯とあまあまを持ってきてあげるって。 クククッ、ハッハッハッ!! おみずさんを持ってきてあげるなんて、一言も言ってないよ!?」 「ゆううぅぅ!?」 そうだったっけ。覚えてない。覚えてるはずがないよ、そんなこと。 「あまあまは無くなっちゃったけど、これからもご飯は持ってきてあげるよ! 喉が渇いたとか、そんなのは僕の知ったこっちゃないけどね!」 「ゆ、ゆ、ゆっ! おじさん、なにいって」 「じゃ、みんな! ゆっくりしていってね!! あっはっはっはっはっ!」 おじさんは窓をぴしゃりと閉めた。笑い声が遠ざかっていく。 まりさ達は呆然としてその窓を見つめていた。 カラカラに乾いた部屋の中。でも、それを潤す物は何もない。 口にできる物は、ここ最近ずっと食べてきたご飯だけ。 ちょっと前まではおいしく感じたのに、今ではちっとも感じない。 だって、こんなぱさぱさのごはんなんて、たべられるわけないよ! 「おじざあ゛あ゛ん! あまあまか、ごほっ、おみずざんをもっでぎでね゛え゛え゛え!!」 「へい、お待ち!」 そう言っておじさんが降ろしてきたバケツの中身は、ぎっしりと詰まったカラカラのご飯。 「ごれじゃないでじょお゛お゛お゛お゛ぉぉ!!」 バケツに思いっきり体当たりする。ざらざらとこぼれる無味乾燥のご飯。 あの日から、喉の渇きは強くなる一方だった。おまけに体もがさがさだ。 「ゆ゛ー、ゆ゛ーゆ゛ー、ごほっ、ごほっ!」 「ずーりずーり......いだい、いだいよ゛お゛お゛お゛!」 おかげでおうたも歌えないし、すーりすーりもできない。 子ども達も全員、干からびる寸前だ。 「まりざ......なんどがじで......」 「ゆ゛、ゆ゛ぅ......」 愛しのれいむにそう言われても、まりさはどうすることもできなかった。 扉は何故か開かなくなっている。窓にはジャンプしても届かない。 脱出不可能。以上。 「お待たせ! ここ3日間呼んでくれないから、勝手に持って来ちゃったよ!」 突然やってきたおじさん。持ってきたバケツの中身は、充ち満ちに満ちたパラパラのご飯。 「ぢがうっでいっでるのに゛い゛い゛い゛い゛いぃぃ!!」 バケツに渾身の力で体当たりする。床に広がる忌々しいご飯。 「アッハッハッハ、何してんだい! 食べ物を粗末にしてはいけないよ!」 「おじざんのぜいでじょお゛おぉぉ!! な゛んなの゛!? ばかなの゛!?」 「それは心外だなぁ! アッハッハッハ......ん? あれれー? ねえまりさ、なんかおちびちゃんが少し減ってない?」 「ゆぅ?」 「僕の見間違いかなぁ。この前来たときより、何か数が減ってるように見えるよ」 「ゆ゛ゆっ!?」 まりさは急いで子ども達を見回した。 減ってる......のか? 減ってるような気もするが、子ども達は数が多いのでよく分からない...... 「まあ、注意した方がいいね! 例えば、夜に寝てるときとかね!」 よく意味の分からない言葉を残して、おじさんは窓を閉めた。 だが、その言葉の意味はその日の夜に明らかになる。 「ゆ゛ぎゃぁぁ!! やべで、おでーじゃん!」 「む゛ーじゃ、む゛ーじゃ、ぢあわぜえ゛え゛え!!」 まりさは不穏当な悲鳴で目を覚ました。そして、戦慄の光景を見てしまった。 月明かりの射す部屋の中で、子まりさが赤れいむを食べている光景を。 「ぢあ、ぢあわぜえ゛え゛え!!」 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅぅぅ!! なにじでるのぼお゛お゛お゛!!」 とっさに子まりさに体当たりを喰らわす。 子まりさは吹っ飛んだが、食べられていた赤れいむは半分以上からだが無くなっていた。 「もっど、ゆっくち......ちたかったよ」 「ゆがあ゛あ゛あ゛あ゛あぁぁ!! おちびぢゃんん゛!」 他の家族も何事かと次々と目を開けた。 「あのくぞまりざが、おちびちゃんをたべちゃったんだよ゛お゛お゛お!!」 「「「ゆ゛ゆう!?」」」 まりさの訴えを聞いたゆっくり達が、即座に子まりさに攻撃を加え始めた。 「かぞくをたべるようなゆっくりは、れいむのこどもじゃないよ!」 「ゆっくちできないゆっくちはさっさとちんでね!」 「おねーちゃんはさっさとちんでね!」 その攻撃の渦の中から、子まりさは声を上げた。 「ま、まっで! あがじゃんはおいじいんだよ! たべたらとってもゆ゛っぐり......」 「なにいってるのお゛お゛お!! いもーどをたべるようなまりざはじね゛えっ!」 親れいむがひときわ大きく跳ねて子まりさの頭に跳び乗る。 パァン、と乾いた音がして子まりさは爆ぜた。 「ゆ゛ぅ、ゆ゛ぅ......」 親れいむの足下から黒い液体が染み出てくる。 まりさは、おじさんが言っていた言葉を思いだしていた。 赤ちゃんの数が減っていた、というのはこのことだったんだ......でも何で知ってるんだ? 「む゛ーじゃ、む゛ーじゃ、ぢあわぜえ゛え゛え!!」 その時、背後から聞き捨てならない台詞が聞こえてきた。 振り返ると、子れいむが子まりさの食べ残した赤れいむを食べている。 「ゆっ! あかじゃんはおいじいよ! とっでもゆっぐりできるよ!」 子れいむまでゆっくりできないゆっくりになってしまった! 「ゆ゛ゆ゛う゛うう! みんな、やっつけるよ......ゆ゛ゆ゛!?」 子れいむも粛正しようと再度振り返って家族に声をかけた、が―― 「ぺーろぺーろ、ぢあわぜー!!」 「「「ぺーりょぺーりょ、ぢあわぜー!」」」 みんな、子まりさの死体を舐めていた。 目をらんらんと輝かせ、親れいむまでもが必死になって舐めていた。 まずい。これはまずい。なんだかこのままではゆっくりできなくなる気がする。 なにか、みんなの目を覚ますようなこと。なにか、ないか...... 「......ゆ?」 まりさは、見つけた。 部屋の中に点々と転がっている青いバケツ。全て倒されて、ゆっくりできないご飯を吐き出している。 しかし、1つだけ倒されてないバケツがあった。 部屋の隅に置いてある、白い布が掛けてある赤いバケツだ。 あれだ! まりさはそこまで跳ねていった。 『ゆっくりできなくなる』物が入っているらしいが、今の状況だって相当ゆっくりできない。 何か、みんなの目を引きつけるような物が入ってればいい......! 「ゆっ!」 体当たりするとバケツは横倒しになった。 白い布を飲み込んで、ザラザラという音と共に出てきたのは......白い顆粒。 まりさの理性も飛んだ。 「あまあまだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 夢にまで見た、あまあま。何が『ゆっくりできなくなる』だ。とってもゆっくりできるじゃないか。 体内に残ったわずかな水分が、唾液となって口内に満ちる。 その口でかぶりついた。 口の中であっという間に溶け、喉に、体に、潤いを与えてくれ―― 「ぢっ、ぢあわ、ぢぶぶbbぶぶれrれぶべあばばばばばば!?」 ――なかった。 何だ、なんだ、なんだこれは!! あまあまじゃない!! 「ゆあばばばばっばっぱっぽうぷあじゃじゃじゃばあばばばあ!!」 熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱いゆっくりできないゆっくりできないあづいあづいあじゅい! 「ゆっっゆゆゆゆぶぶbっゆゆぶゆべあびゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!」 体全身が熱い。視界が真っ白な光に包まれる。 ただひたすらに、熱い。 僕は両手にバケツを持ち、口にランタンをくわえて、雪の中を疾走した。 あいつら、こんな夜中に、やってくれる! 小屋のかんぬきを外し、扉を大きく開く。 「ゆぎゃああばばばばばばああああばあべれれらばあああ!!」 「ば、ばりざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!」 親まりさが、火だるまになってピョコピョコと跳びはねていた。 「アッハッハッハッハッハッハッハッ!!」 赤いバケツの中身が何なのか分かった人はいるだろうか。 答えは酸化カルシウム。俗に言う生石灰。 もっと身近なところで例えるならば、海苔缶に入っている乾燥剤だ。 この小屋の中が乾燥していたのは、冬だからということもあるが、主にバケツの中のそれのせいだ。 普段はゆっくりと水分を吸収するが、多量の水を一度に与えると急速に反応し、一気に数百℃にまで発熱する。 数百℃と言ってもピンと来ないかもしれないが、まりさの唾液と反応して、 全身を火だるまにするほど......と言えば分かるだろうか。 「ゆばあ゛あ゛ああづあづあづいゆぶるぁああ゛あ゛あ゛ああ!!」 「おじさあ゛あ゛あ゛あ゛ん! ばりざが、ばりざがあ゛あ゛あ゛あ!!」 「アッハッハッハッ! いやー、楽しそうだね! あんなに跳びはねちゃって」 「ちがう゛う゛う゛う゛う゛う゛!!」 燃えるまりさのおかげで、小屋の中はランタンが要らないくらいに明るい。 「でもねえ。僕が赤いバケツの中身はゆっくりできないって言ったのに、ひっくり返しちゃうなんてねえ」 「あばっ! ばっ! だずげ......で......」 「ばりざあ゛あ゛あ!! しっかりじでえ゛え゛え!!」 「あろうことか、それを食べちゃうなんて」 「ぼっど......ゆっぐり......じだがっだ......」 「ばりざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!」 「でも、本当に楽しそうに、元気に跳びはねてるよね」 「どごがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!! ばりざ、ずっどゆっくりじぢゃっだよ゛お゛お゛お゛お゛お!!」 あれ? 本当だ。 まりさはいつの間にか光を発さずに、真っ黒な炭になってしまっていた。 「アッハッハッハッハッ! 完全燃焼だね! まりさも幸せな最期だったね!」 「なにいっでるの゛お゛お゛お゛お゛お!?」 「よーし、じゃあみんなにプレゼントだ!」 足元に置いてあったバケツの片方を掴み、扉の外から小屋全体に向けて中身を盛大にぶちまけた。 「ほーら! おとーさんと同じようにゆっくりできるよ!」 バラバラと飛び散る白い顆粒が、呆然とまりさが燃える様を見ていた子ども達の頭に降りかかる。 「ゆっ? ゆっ! あ、あみゃあみゃだあ゛あ゛ああ!」 「むーちゃむーちゃするよ!」 僕の話を聞いていなかったのか、我に返った赤ゆっくり達はぶちまけられた粒に反射的に口を付ける。 「ゆ゛う゛う゛うぅぅ!! おちびちゃんたち! それはあまあまじゃないよ゛お゛お!!」 ポッ、ポッ、ポッと。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ!!」 「あじゅい゛い゛い゛い゛い゛い!!」 「だずげでえ゛え゛え゛え゛え゛え!!」 親れいむの制止も届かず、小さな灯りが立て続けに点灯した。 「アッハッハッハッハッ!!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! おちびちゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛!!」 赤ゆっくり達は燃えながら跳び回っている。 いいねえ。お兄さんも燃えてきたよ! 足元に置いてあった、もう一つのバケツを掴む。 「ヒャッハー! ゆっくりは消毒だああああ!!」 そして同じように、小屋の中に水をぶちまけた。 それにより、燃えていた赤ゆっくり達の火は消えた。 「ゆひぃ......ゆひぃ......」 「あちゅかったよおぉ......」 「おみずさん、ありがちょ......」 しかし、床に絨毯のように敷き詰められた生石灰を、水が波と化して飲み込む。 「おちびちゃあああん! よかっだああちあづいあづいあづづづづづ!!」 小屋の中の気温が跳ね上がる。その温度、およそ数百℃。 「あづいよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛おお!!」 「も゛う゛い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「だずげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 もうもうと立ちこめる水蒸気。それを切り裂いて跳ね回るゆっくり達。 「アッハッハッハッハッハッハッ!! いいねえ、楽しそうだねえ!!」 「ゆぎい゛い゛い゛い!! しんじゃうよ゛おお゛お゛お!!」 「とげる゛う゛う゛う!! でいぶのめが、めがあ゛あ゛あ゛あ!!」 「おがーじゃん、だずげ、だず、あぢゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ!!」 「おみずさん!! おみずさんちょーだい゛い゛い!!」 「え!? お水さん!? いいよいいよ、いくらでもあげるよ! ああでも、取りに行く時間はないし、ええと、そうだ! 雪だ! 雪も溶ければ水になるよ! 大丈夫、すぐ溶けるから!」 雪なら周りにいくらでも積もっている。大急ぎで雪玉を作った。 「ヒャッハー!! 雪合戦だあああ!!」 跳ね回っているゆっくり目がけて剛速球を投げつける。 「ゆびゅっ! つ、つめた、あっ! あづ、あぢゃあづづうううう!!」 親れいむに当てたら5点! 赤ゆっくりに当てたら30点! 「いだぁ! ゆ、ゆ、あぢゃあああああ!!」 「もっど......ゆっぐぢ......ぢだがっ......」 「おでーちゃああああぶッ! いだい、いだいよおおお!!」 「アッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!」 すげぇ、楽しすぎる! 笑いが止まらねえ! 「どぼじでごんなごどにい゛い゛い゛い゛い!!」 「ゆっぐりじだいよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お!!」 僕はれいむ達が動かなくなるまで、灼熱の雪合戦に興じ続けた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき 手巻き寿司作ってて思いつきました。 乾燥剤は生ゴミと一緒に捨てて火事になった事例があるのでみなさんも気をつけて下さい。 あと、今更ですが俺のつける題名にセンスを求めてはいけません。 過去作品 ゆっくりバルーンオブジェ 暗闇の誕生 ゆっくりアスパラかかし 掃除機 野菜の生え方について本気出して叩き込んでみた 前 後 おまけ ゆっくり真空パック このSSに感想をつける