約 1,236,890 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3145.html
そしてその夜。家中の明かりが消され月光が差し込むのみの時間。 この部屋も窓からさす月明かり以外に光の無い世界を作り出していた。 月がうっすらと照らす部屋の中でまりさは眠らずにじっとしていた。まりさは眠れずにいた。 夕飯はもう済ませた。クズ野菜なんて元々たいした味はしないものだが、今日の夕飯は何の味すらもしなかった。 足元では先ほどから一匹の赤まりさが必死にさえずっていた。 「ゆっきゅちちてってね!ゆっきゅちちていってね!!おきゃーしゃん、ゆっきゅちちていっちぇね!!!!」 先ほど生まれ落ちた赤ちゃんゆっくりの赤まりさである。他の姉妹はまだ生まれていない。 赤まりさはゆっくり特有のあいさつを無視する母親に対してなんども同じ台詞を言っていた。 そんな赤ちゃんをまりさは見ないようにしていた。 ありすに無理やりすっきりさせられ、生まれた子など見ていたくはない。 そう自分に言い聞かせ、まりさは赤ゆっくりから目を逸らす。 だが本当は赤まりさが視界に入るたびに感じる正反対の感情が嫌だったので、まりさは赤ゆっくりから目を逸らし続けた。 「赤ちゃんはね、生まれてくる親を選べないの。 だから親は赤ちゃんを幸せにするためにたくさんの愛情を注がなくてはならないの。 自分から生まれたから不幸になっちゃったら赤ちゃんが可哀想だからね。 まりさもそう思うでしょ?」 「ゆっ!あかちゃんがゆっくりできないとかぞくはゆっくりできないよ。 だからあかちゃんゆっくりさせるためにたくさんごはんとってくるんだよ。 まりさがんばるよっ!あかちゃん、ゆっくりさせるためにたくさんごはんとるよ。」 ふと一緒に暮らしてた女性と以前話した会話を思い出す。 あの時、親が狩りを満足に出来ないと赤ちゃんがゆっくり出来ないから、がんばってごはんを取りにいくもんだと思ってた。 しかし、もっと別の意味が込められてたのではないか。まりさはそう思った。 だが考えれば考えるほど自分にとって不都合な答えが出そうな気がしてまりさは考えるのをやめた。 赤まりさを意図的に見ないようにしてたまりさ。 しかし狭い箱に閉じ込められた状況では碌に見る物の無くなったまりさは赤まりさを見てみようと思った。 別に見たいわけじゃない。他に見るものがないから仕方なく見るのだ。 誰でもない自分にそう言い訳をし、まりさは赤まりさを初めてじっくりと見た。 叫び疲れもはや何も言わない赤まりさ。目からはポロポロと涙を流し泣いている。 まりさはそんな赤まりさを見て心を痛めた。 自分から生まれたばっかりに辛い思いをしてるその子を。 もし愛する夫婦の間から生まれたのだったら幸せになったであろう、その子の境遇に。 そう思っているうちに第三者目線で自分自身を扱っていることにまりさは可笑しくなった。 自分がその子を愛してやればすむことである。 しかし、ありすに無理やりすっきりさせられて生まれた子を愛するわけにはいかない。 まりさは込み上げる感情と頭の中で繰り返される女性との会話の思い出を無理やり押さえつけながら赤まりさを見ていた。 それから数十分間、まりさは赤まりさを見つめていた。その間に他の姉妹達も全て生まれ落ちていた。 まりさ種の赤ちゃん5匹とありす種の赤ちゃん4匹の計9匹が、 一生懸命親であるまりさに例の挨拶をしていたが、相手にしてもらえず今では叫び疲れて泣いていた。 赤まりさから視線を移す必要も無かったのでまりさは他の姉妹は一瞥しただけだった。 まりさはふとあることに気付いた。赤まりさの髪である。一部の髪の先っぽがくるっとカール状にくせ毛になっていた。 女性と暮らしていたころに鏡で自分の姿を見ていた時に、どうにかならないものかと思っていた部分である。 更に帽子が他のまりさ種の姉妹と比べて少し折れているのを発見した。それも以前、鏡で見た自分の帽子の特徴と一致する。 それだけでは無かった。自分にしかわからない自分との共通点が次々に見つかったのである。 他の姉妹達でも同様だった。一番最初に生まれた赤まりさと同じでは無かったが自分と似ている箇所をいくつも発見した。 驚いたことに、それはありす種の赤ちゃんでも同じことだった。 髪飾りや髪型など種特有の違いは別にして、自分と同じ微妙な身体的特徴が赤ありすにも見つかったのである。 もちろん赤まりさ達に比べたら少ないものではあったが。 目の前にいる自分の頭の蔓から生まれ落ちた赤ちゃん達は本当に自分の子供なんだな。 当たり前のことだがまりさは改めてそう実感した。 果たして望んだ子じゃないからと言って、この子達を見捨てていいのだろうか。まりさは次第にそう思いはじめた。 自分との共通点を見つけたのもそうだが、もしこの子達を見捨てたら、あの女性は二度とまりさに笑いかけてくれないのではないか。 そんな予感がしたからである。やがて次第に眠くなってきたのでまりさは考えながら寝た。 朝が来た。まりさは結局答えが見つからないままだった。 「ゆっきゅちちていっちぇね!ゆっきゅちちていってね!」 起きた子供達は再びまりさにゆっくりの挨拶をする。返事をもらえないまま。泣きながら。 「おはようさ~ん。まりさちゃ~ん、元気な赤ちゃん生まれたぁ~?」 男が部屋に入ってくる。 「ゆっ・・・・・・」 初日に自分を針で滅多刺しにし、前日は自分をありすに無理やりすっきりさせた張本人。 自分がこんな思いで悩んでるのも全てこの男のせい。まりさはとっさに身構えた。 だが男は何もしてこなかった。話しかけてきただけである。 手には何も持っておらず、今のところ何かしてくる気配はなかった。 「おお~。いっぱい生まれたねぇ~。これじゃこの箱じゃちょっと狭いね。引っ越そうか。」 「ゆっ!?」 男はそう言うとまりさの箱を部屋の隅にやった。 そして部屋の中心部に外から運んできた大きめの箱を置いた。 壁が透明なのは今の箱と変わらず、広さが今の四倍ほどあるだろうか。 天井部は狭い箱が透明な板だったのに対し、こっちは正方形の骨組に網状のネットを組み合わせたものになっている。 ネットの隙間の大きさは子ゆっくり程で、どう見ても成体のまりさには通り抜けられそうに無い。 男は天井を外すとひょいひょいとまりさ達を移動させた。 赤ゆっくりは突然掴まれて驚いたようだが、何か言う前に素早く別の箱へと移動させられた。 まりさはこれが本当に場所を変えるだけの行為だと理解したので抵抗はしなかった。 すぐにまりさの家族のお引っ越しが完了した。 箱を移ってからすぐに赤ゆっくり達はまりさにゆっくりの挨拶を再開した。 しかし、まりさは先ほどと同じ表情で黙ったままだった。 「ん?どうしたの?赤ちゃん生まれたのに全然嬉しそうじゃないね。」 「・・・・・・ま、まりさはちょっとかんがえごとをしててそれどころじゃないんだよ。」 まりさがそう答える。本当は「お兄さんには関係ないでしょ」と冷たく言いたかったが 怒らせるのが怖かったために男を刺激しないような適当な言葉でお茶を濁した。 「あっそ。ねぇ、それはそうとさっきから赤ちゃん達必死できみに例の挨拶、 ゆっくりしていってねって言ってるけどお返事してやんなくていいわけ?」 「・・・・・・・・・どうして・・・まりさがへんじしなくちゃいけないの・・・?」 「だってまりさちゃんのかっわいい赤ちゃんじゃないの~?」 この言葉にまりさはムカッとした。 こいつは昨日自分が何をしたか覚えてないのだろうか。 よくもまあ、こんな何も知らない人のような無神経な一言が言えたものだ。 男に対する反抗心でまりさは男の考えと正反対の答え返さずにはいられなかった。 こんな無神経な奴が、自分について考えてることが正しくあっていいはずがない。 「・・・あんな・・・きたないありすにむりやりすっきりさせられて・・・・・・・・・そんなわけないでしょ・・・・・・。」 すぐ近くにいる赤ちゃんには意味が分かり辛い言い回しで男の言葉を否定した。 「ふ~ん。そ。じゃまりさはこの赤ちゃん達いらないってことなのかな。」 「・・・・・・・・・・・・・・」 まりさは答えなかった。 「ああ、わかった。悪かったねまりさ。まりさの気持ちボク全然考えてなかったよ。」 「・・・・・・・・・・・・・・」 「じゃ、この赤ちゃん達はいらないってことでボクが始末しといてあげるよ。」 そう言って男は箱の中のまりさの子供達をヒョイヒョイとつまみあげていった。 「ゆっ!?おきゃーしゃん、きょわいよ!たちゅけてっ!!」 男の手の中に全て収まった赤ゆっくり達がまりさに助けを求める。 まりさは男の突然の行動に抗議の声を上げる。 「ゆううううう!?、なにじでるのおおおお!!!!?」 「なにって・・・いらない子でしょ?だから処分しておいてあげるよ。」 「ぞごまでずるごどないでじょおおお!!!!!」 「いらない子なんだからどうでもいいだろ。変なまりさだな。」 「ゆぐううううううう!!!!!」 男の行動は予想外だった。まさか男への反抗心で言った言葉がこのような事態を引き起こすとは。 しかし今はそんな自分の浅薄さを後悔している場合ではない。 殺すとはっきりは言ってなかったが「始末」「処分」と言えば殺されるのは目に見えてる。 まりさのなかでありすとの間に生まれた子をどう位置づけるかはまだ答えが出ていなかったが、 いくらなんでも殺すというのはやりすぎ以外のなにものでもなかった。 赤ちゃんの命を救うためにまりさは叫んだ。 「う・・・うぞでずうう!!!!まりさはあがぢゃんをあいじでまずうう!!!まりざのだいじなだいじなあがぢゃんでづうう!!!!」 「はいはい、うそうそ。まりさは赤ちゃんなんてどうでもいいんだよな~。」 両手に赤ゆっくり達を抱え、今にも部屋から出ようとしてた男はまりさに背を向けたまま言った。 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおお!!!!!」 まりさが叫ぶ。 「普通・・・愛してる子なら挨拶された時にちゃんと返すものだがな~。」 男の台詞にまりさはハッとなった。そして大声で叫んだ。 「まりざのあがぢゃん!!!ゆっくりしていってね!!!!!!」 「「「「「「「ゆっ!?・・・ゆっ、ゆっきゅちちていっちぇね!!!!!!」」」」」」」 赤ゆっくり達が初めて聞いた母の挨拶に喜びの涙を流しながら返事した。 まりさに背を向けていた男が振り向く。振り向いた男のまりさ達を見おろすその目は冷ややかだった。 その冷たい目線にまりさはビクッとした。 「「「「「「「ゆっきゅちちていっちぇね!ゆっきゅちしていっちぇね!!」」」」」」」 男の手の上では赤ゆっくり達が笑顔で何度も例の言葉を繰り返してた。 「駄目だな。なんだ?その小さい声。全然気持ちこもってねえよ。やっぱ愛してるってのは嘘か?」 「ゆううう!!!!ぞんなごどないでづううううう!!!!!!」 「そんなこと言ってる暇があったらもう一度言え。俺を納得させるまで言ってみろ。」 「ゆ・・・!ゆっくりしていってね!!!」 「「「「「「「ゆっきゅちしていっちぇね!!!!」」」」」」」 「イマイチ。」 「ゆうう!!!!ゆっくりしていっでねっ!!!!!!」 「「「「「「「ゆっきゅちしていっちぇね!!!!」」」」」」」 「没。」 「ゆぐうう!!!ゆっぐりじでいっでねっ!!!!!!」 「「「「「「「ゆっきゅちしていっちぇね!!!!」」」」」」」 「やる気あんの?」 「ゆぶううう!!!!ゆっぐりぢでいっでねええええ!!!!!!」 「「「「「「「ゆっきゅちしていっちぇね!!!!」」」」」」」 まりさは何度でもゆっくりの挨拶を叫んだ。子供達もそれに応えた。 その度に駄目だしされ、何度もやり直した。 何度も同じ行為を繰り返すうちにまりさは、少しずつ子供達への愛しさが沸いてくるのを感じていた。 いや、正確には子供達への愛情を包み隠していた「何か」が少しずつひび割れて剥がれ落ちていくのを感じていた。 「どうした、まりさあぁ!!!!お前の子供達への愛情はその程度のもんかっ!!! その程度がお前の愛なのかよっ!!!!お前はお母さんだろうがぁっ!!!! お前の愛を魂の底から示してみろおおっ!!!!!!!」 「ゆ・・・ゆ・・・ゆ っ く り し て い っ て ね ! ! ! ! ! ! 」 まりさが最初の挨拶の倍近い音量で叫んだ。 「「「「「「「ゆっきゅちしていっちぇね!!!!」」」」」」」 それに応じるかのように最初より少し音量の増した声で赤ゆっくり達の挨拶が返ってきた。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 男がまりさの箱の前に来て座り込んで、赤ゆっくりを包み込んだ両手をまりさの目の前に持ってくる。 「おきゃーしゃん、ゆっきゅちぃ♪」 「ゆっくちぃ♪ゆっくちぃ♪」 「きゃっ♪きゃっ♪」 赤ゆっくり達が母親を間近にしてはしゃぐ。 「見ろ。かわいいだろ?こいつら。みんなお前を慕ってるんだぜ。」 「・・・うん・・・かわいいね・・・・・・・・・」 まりさは素直にそう答えた。 既にまりさの中にはありすに無理やりすっきりさせられて生まされた子供達だというわだかまりはなかった。 男がまりさに向かって話し始めた。 「確かにありすに無理やりすっきりさせられて子供を生まされるってのは屈辱かも知れない。 でもなぁ、子供に罪はないんだぜ。何も知らずに生まれて来た子に親が受けた屈辱の罪を背負わせるなんて・・・ 余りにも理不尽でかわいそうだと思わないか?」 「・・・うん」 「もし自分がそんな子供として生まれてたらどうする?子供は自分を産む母親選べないからね。 自分にとって身に覚えのないことで母さんから愛されなかったら嫌だろう?」 「・・・・・・ゆ・・・」 まりさは自分を育ててくれた母のことを思い出していた。母だったお母さんまりさ。 母はたった一匹で自分達を育ててくれた。母のつがいのはずのもう片方のお母さんは家族を庇ってれみりゃに喰われて命を落としたと聞かされた。 母は自分の手一つでまりさ達姉妹を育ててくれた。厳しい親だった記憶がある。 他の家族の親のように子にベタベタと擦り寄ってくることもなければ、微笑みかけてくれることも余りなかった。 でも自分達を飢えさせたりすることなかったし、狩りの仕方も教えてくれた。その他色んな知識も。 特に「すっきり」については姉妹の片方の種がありすであったこともあってか、発情ありすの危険性、下劣っぷりについては耳にタコが出来るほど教えてくれた。 もし自分がありすによる無理やりすっきりによって生まれた子で、母から見捨てられていたかと思うと、とても怖かった。 間違いなくここまで生きていないだろう。 自分がもっとも尊敬するゆっくりであるお母さんまりさ。 ・・・・・・そういえば・・・もう自分は、そのお母さんまりさと同じ「おかあさん」・・・になったんだよね。 「赤ちゃんの味方はお母さんしかいないんだよ。この子達を愛せるのお前だけだよ、まりさ。」 そう言って男は両手の中の赤ゆっくり達をまりさの箱の中にそっと置いた。 男の手から解放された赤ゆっくり達がまりさに駆け寄っていく。 「おきゃーしゃん、ゆっきゅりー♪」 「ゆっきゅちー、おきゃーしゃーん♪」 「ゆっ♪ゆっ♪」 「おきゃーしゃん、しゅりしゅりちてぇ♪」 自分の目の前で無邪気にはしゃぐ自分の子供達。 可愛かった。本当に可愛かった。そして愛しかった。 まりさは目に涙を溜めながら自分が今まで押し殺していた感情を解き放った。 「まりさのかわいいあかちゃん、ゆっくりしていってね!!!!!」 「「「「「「「ゆっきゅちちていっちぇね♪」」」」」」」 まりさの目から涙がポロポロとこぼれた。愛しい子供達との幸せな時間が始まった。 「おきゃーしゃん、しゅりしゅりしよー♪」 一匹の赤まりさがそう言って、まりさに頬擦りしてきた。 「うん♪おかあさんとすりすりしようねっ♪」 まりさもそれに応じて赤ちゃんと肌を擦り合わせた。 生まれたばかりですべすべの柔らかい肌がとっても気持ち良かった。 まるでほっぺたがとろけ落ちているかのように気持ちよかった。 溶けた頬が赤ちゃんとくっついてしまってたらどうしようかと思うほどだった。 「じゅりゅいー、ありしゅもおきゃーしゃんとしゅりしゅりしゅるよー♪」 「まりちゃもしゅりしゅりー♪」 他の姉妹達も揃って、まりさに頬擦りしてくる。 「ゆっ!ありちゅはおきゃーしゃんにぺろぺろするもんにぇ♪」 一匹の赤ありすがまりさの頬をペロッと舐める。 「ゆゆっ♪あかちゃん、くすぐったいよ。そんなあかちゃんにお返しだよっ♪」 まりさが自分の頬を舐めた赤ありすの頬をその大きな舌でベロッと舐める。 「きゃっ♪こりょこりょちゅるよ~♪」 赤ありすは嬉しそうにころころ転がっていった。その姿がとても可愛らしくってまた涙が溢れた。 まりさの胸の中に長い間忘れていた幸福感が溢れる。 ああ、赤ちゃんはこんなに可愛くってゆっくり出来るのに、自分はなんて小さなことにこだわってたんだろう。 ごめんね、赤ちゃん達。そしてこれからお母さんとずっとゆっくりしようね。 まりさは心の中で、これから可愛くて愛しい赤ちゃんとずっとゆっくりすることを誓った。 かつて自分を育ててくれたお母さんまりさのように。 やがて赤ちゃん達は全員まりさと頬擦りするようになった。 「しゅりしゅり~♪しゅりしゅり~♪」 「おきゃーしゃんとしゅりしゅりー♪」 「おきゃーしゃん、だいしゅきー♪しゅりしゅり~♪」 一緒に生まれた姉妹と遊ぶものはいない。 ずっと相手してもらえなかった反動で今は姉妹と遊ぶことより最愛の母と頬擦りすることが最優先なのだ。 「おかあさんはにげないから、ちびちゃんたちは、あわてずゆっくりすりすりしてね♪」 まりさは体の九箇所で感じられるとろけるような感覚と幸せに目を細めて浸っていた。 目からはどんどん涙が溢れてきて視界がぼやけた。今まで生きてきた中で一番幸せなひと時だった。 (挿絵06) そんな時だった。ぼやけた視界の隅にひょいっと人間の手らしき物が入ってきたかと思うと、 まりさの肌から赤ちゃん一匹分の感触が消えてしまった。 その心当たりとして、自分に赤ちゃん達の可愛さと愛しさを教えてくれた男の手しかなかった。 男もかわいい赤ちゃんたちにすりすりしたいんだね。 まりさは今の幸せも、自分に本当に大切なことを教えてくれた男のおかげだから、すりすりくらいならしてもいいと思った。 まりさは男のことを全く疑わなかった。まりさの頭の中は幸せでいっぱいだった。 やがて、男が再び箱の中に手を入れた。視界の隅で赤ちゃんらしきものをまりさから離れた場所に置いたような気がする。 もういいのだろうか。もっとすりすりしててもまりさは構わないのに。まりさはそう思った。 「おぎゃーじゃん・・・・・・びえないよ・・・・・・ぐりゃいよ・・・・・・」 そう思ってると、男の手が別の赤ちゃんを一匹つまんでいってしまった。肌からまたも赤ちゃん一匹分の感触が消える。 さっき別の赤ちゃんとすりすりしたばかりなのにせっかちで欲張りなお兄さんだ。でもそれだけまりさの赤ちゃんが可愛いということなんだね。 それにさっき返してもらった赤ちゃんがまた自分とすりすりしてくれるんだから、自分とすりすりする赤ちゃんの数はさっきと同じになる。 そう考えれば男が別の赤ちゃんを持っていったこともたいした問題ではなかった。 変な雑音が聞こえ始めたが気がするが、自分と赤ちゃん達の幸せで満たされたこの空間で、 小さな雑音の一つや二つ気にはならなかった。 それから数十秒が経過した。 「しゅりしゅり~♪」 「おきゃ~しゃん、だいちゅき~♪」 「ゆべぇっ・・・いぢゃいよ・・・びえないよ・・・・・・」 「ありしゅとしゅりしゅり~♪」 「おぎゃ・・・ざん・・・・・・どごいづの・・・まりざをだずげでよォ・・・・・・」 「きゃっ♪きゃっ♪おきゃーしゃーん♪」 「おべべ・・・びえないよ・・・・・・いだいよぉ・・・ぐらいよお・・・・・・・・・」 ぼーっと、まりさは幸せを堪能していた。 変な雑音は次第に増えていったが、今の幸せの前には些細なことだ。 今でも肌を溶かすような気持ちいい感触があっちこっちで感じられるのだ。まりさはそう考えていた。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゆぅ?」 まりさはふと違和感を覚えた。赤ちゃんが自分にすりすりしてる感触がさきほどと比べて明らかに少ないのだ。 男はあれからも赤ちゃんを持ってったが、すぐに返してくれていた。 なら何故箱に戻された赤ちゃん達は自分のそばに戻ってこないのだろうか。 確かにこの箱は以前の箱と比べれば広かったし、離れたところに置かれたとはいえ、所詮箱の中だ。 赤ちゃんでも十分に戻ってこれるはず。なのに戻ってこない。何かがおかしい。 そう思っているうちにまりさの体から最後の赤ちゃんの感触が消えていた。 「ゆっ!!!?ゆううううっ!!!!!!!?」 ようやく事態がおかしいことに気付いたまりさは、急いで状況を確認すべく半分閉じていた目を開き周囲を見渡した。 狭い箱の中、まりさは離れたところに置いてある小さな物体を目を奪われた。 それは小さく弱弱しい音を発していた。先ほどから聞こえる雑音はそれが発したものであろう。 だが、何よりまりさが気になったのは、ある一点を除いてそれらが自分の赤ちゃん達とそっくりなことだった。 形は違うものの金色で統一された髪の色、ちっちゃくてころころした丸い体、ちんまりして可愛らしい唇、 まりさ種の帽子とありす種のカチューシャ。さきほどまで自分のそばにいた赤ちゃん達にとてもよく似ている。 ただ一点、目にあたるはずの部分に本来あるはずの眼球が無く、黒い餡子と黄色いカスタードを覗ける穴が開いてることを除けば。 まりさには正確に自分の赤ちゃんを見分ける自信があった。 昨日じっくり見ていくつもの自分との共通点を発見したのだ。 さらに個体識別のための帽子とカチューシャがあれば、まりさでなくとも見間違いようがない。 そのような点が一致する赤ちゃんそっくりの物体が目を無くしているということが示す結論は一つのみだった。 まりさは絶叫した。 「ば で ぃ゛じ ゃ゛の゛あ゛が ぢ ゃ゛ん゛ん゛ん゛! ! ! ! ! ! ! ど ぼ゛じ で ぇ゛お゛ぉ゛べ べ ぇ゛な゛い゛の゛お゛お゛お゛お゛! ! ! ? ? ?」 (挿絵07) 先ほどまで幸福の真っ只中にいたまりさは、突然の惨事に頭がついていくはずもなく、顔を醜く歪めて泣き叫んだ。 ありえない現実がまりさの全身にちくちくと針で刺されるような錯覚をもたらす。 「ぴぎゃあああ!!!」 自分の頭で甲高い叫び声が聞こえた。 まりさは急いで声の聞こえた方を見上げた。 そこで見たものは更に信じられない光景だった。 さっき自分に赤ちゃんの愛しさを教えてくれたはずの男がピンセットを使い、赤ちゃんありすの目をくり抜いていたのだ。 「おぎいいいいいいざんんん!!!!!!まりじゃのあがじゃんになにじでるのおおおおおお!!!!!!!!!」 「え?何って。見ればわかるでしょ。赤ちゃんの目ン玉えぐりとってんだよ。」 「どぼぢでええええええええええええええええええ!!!!!!!?????」 「えっとね・・・まりさが赤ちゃんと幸せそうにしてるの見ててさ・・・ もし・・・・・・赤ちゃんの目ン玉全部とっちゃったらどうなるのかなぁ~って思って・・・。駄目?」 「だ べ に゛ぎ ば っ゛で づ で じ ょ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛! ! ! ! ! お゛ぶ ぇ ぶ ぇ な゛ぐ な゛っ だ ら゛ゆ゛っ ぐ り゛で ぎ な゛い゛い゛い゛ぃ゛!!!!!!」 「あっそ。ま、いいや。そんじゃ残りの目ン玉もえぐるね。これで生まれた子、全員お目目見えない赤ちゃんだよ。」 「や゛ぶ ぇ゛ぶ え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!」 まりさが大声で泣き叫ぶも男の手は止まらない。止めようにも男が天井を塞いでしまったので外に出ることすら出来ない。 「ありすちゃん、これからキミの片方のお目目えぐって一生何も見えなくしてあげるよ。 とっても痛いよ~。すっごく痛いよ~。ゆっくり出来ないよ~。お母さんに助け呼ばなくていいのかな~?」 男はピンセットを赤ありすの目の前に持ってきてそう言った。 身の危険を感じてピンセットを警戒し凝視していた赤ありすは、それを聞いて初めてピンセットから目を逸らし母であるまりさを見た。 その目は恐怖に怯え、涙がポロポロと溢れ、助けを求めていた。 「おきゃーじゃんんん、ぎょわいよおおおお!!!!だじゅげでええええぇぇええぇえぇぇ!!!!」 生まれたてのか細い声で必死に泣き叫ぶ。 「あ゛り゛ずう゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!!あがぢゃ゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!!!!」 だがまりさには、そんなありすを前に同じように泣き叫ぶことしか出来ない。 「ゆびぃぃぃいいい!!!いぢゃいいぃぃ!!ありじゅのおべべぎゃああああああああ!!!!!!」 そして赤ありすの残った目も抉り取られてしまった。 「ほい、終了~。」 男はそう言って天井をちょっとずらし、両目を失ったばかりの赤ありすを箱の中に戻した。 「ゆびぃ・・・びえないよおおお・・・・・・いだいよおおおお・・・・・・」 「おがあざん・・・どごおおお・・・・・・」 「ぐらいいいよおおお・・・・・・なんであざなのによるなのおおお・・・・・・・・」 「おべべ・・・おべべ・・・・・・まりじゃのおべべ・・・・・・だれぎゃ・・・ざがじでぇ・・・・びえないい・・・」 「ぐらいぃ・・・ごわいい・・・ごんなの・・・じぇんじぇんどがいばじゃないいい・・・・・・」 箱の中では光を失った赤ちゃん達が泣いていた。 まりさはその光景を眺めながら何も言えず呆然と固まっていた。 だが数秒ほどすると我を取り戻し、男にむかって叫んだ。 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!! あがぢゃんのおべべなぐなっぢゃら、ゆっぐりでぎないでじょおおおおおおお!!!!!!!」 目からは滝のように涙が溢れている。 「どぼじでええええ!!!!!どぼじでえええええ!!!!!! あがぢゃんのおべべがえじでえええええ!!!!!!がえじでええええええ!!!!!!」 何度も何度もまりさは男に向かって叫んだ。男はそんなまりさに対して何も応えなかった。 うっとりとした表情でまりさを見ていただけだった。 「・・・・・・はぁぁぁ~、気持ちいいぃなぁ~・・・・・」 やがてそう言うと部屋から出て行ってしまった。 愛しい赤ちゃんとの幸せな時間は、まりさが最初に赤ちゃんと頬擦りし始めた時から僅か三分で崩壊した。 中編 3につづく
https://w.atwiki.jp/niconicojikyouplay/pages/685.html
【ゲーム】ファイナルファンタジー12 インターナショナル 【作者名】ジーマン 【完成度】完結(08/06/05~09/01/20) 【動画数】281 【part1へのリンク】 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/6999944 【備考】 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1814.html
虐待お兄さんはどんなゆっくりでも虐待すると世間から思われているが、それは大きな誤解だ。 良いゆっくりは虐めない奴だっているし、ある種類のゆっくりは可愛いからと虐めない奴もいる。 第一虐待お兄さんと一言で言っても、極限の苦痛と恐怖を味わわせて一気に殺す人や、じわじわとゆっくりが疲弊し、精神をすり減らしていくところを見るのが好きな人なんかもいる。 要は虐待お兄さんにもいろいろと趣味や個性があって、中には僕の様に一種類のゆっくりだけを虐待する偏食家もいるってことだ。 僕はゆっくりぱちゅりーを虐待するのが専門のお兄さんで、時間をかけていたぶるのも一気に殺すのも大好きだ。 ゆっくりぱちゅりーの魅力は、独特の鳴き声とゆっくり最高クラスの頭脳、普通のゆっくりのように虐めるとすぐに死んでしまうような脆弱さにある。 すぐに殺してしまわないように気をつけなくてはいけないが、慣れればこれほど面白いゆっくりはいないと僕は個人的には思う。 そんなわけで、今日は森の中で一生懸命食料を集めていた成体のぱちゅりーを捕まえてきたんだ。 ゆっくり捕獲用の睡眠薬を塗った吹き矢の効力で、ぱちゅりーは籠の中でゆっくり眠っている。 彼女を見たとたん、僕の頭にはすぐに虐待プランが浮かんできた。 僕は家に帰るとすぐに作業に取り掛かった、作業が終わると後かたずけをしてぱちゅりーを虐待部屋に置いておく。 虐待部屋にはマジックミラーが仕掛けられていて、虐待部屋の隣の虐待鑑賞部屋で、ぱちゅりーが起きるまでゆっくり待つことにした。 一時間は経っただろうか、ぱちゅりーはやっと目が覚めたようだ。 「むきゅ…ぅぅ」 さて、僕の作業がぱちゅりーにどんな影響を与えたのか、ゆっくりじっくり観察しようじゃないか。 ゆっくりぱちゅりーは、体中に感じる倦怠感とともに目を覚まして、すぐに自分の体の異常に気づいた。 「むきゅ~?なにかへんだわ」 何かが変だと思うのだがそれが何なのかがよく分からない、こんな事は今までに一度もなかったはずだ。 ご飯を集めていたことは覚えているのだが、なぜこんなところにいるのだろう?さっぱり分からない。 「きゅ~なんだかこわいわ…」 ぱちゅりーはだんだん不安になっていく、何なんだろうこの体中に感じる寒気は。 ゆっくりぱちゅりーを構成していた重要な何かが、ごっそり無くなってしまった様な損失感はあるのだが、それが何だったか分からない。 「むきゅぅぅ…わからないわ…」 自分の体に何が起きたか、なぜこんな場所にいるのかが分からないぱちゅりーは、小さな体が不安で押しつぶされそうになっていた。 目もとからは自然に涙があふれてくる、ぱちゅりーは小さな声で泣きだした。 「なるほど、予想道理の展開だな」 僕はぱちゅりーの泣き顔に思わず顔が綻んでしまう、そろそろぱちゅりー虐めを始めますかね。 僕は虐待観察部屋から出ると、ぱちゅりーの待つ虐待部屋に入っていく。 「きゅぅぅ…きゅぅ…」 「おはようぱちゅりー、とても元気そうだね」 僕は病院の医者が来ているような白衣を着てぱちゅりーににこやかに挨拶する、僕の虐待装束だ。 ぱちゅりーは僕のことを警戒してか、ゆっくりと後ずさっていく。 「ぱちゅりー、体は大丈夫かい?」 「むむきゅ~!あなたはだれ?ここがどこなのかおしえてほしいわ!!」 質問の多い子だ、まずは自分の体がどんな状況にあるか教えてやろう。 「ぱちゅりー落ち着いてくれよ、僕は君の味方さ君が森の中で倒れているのを見つけて、ここまで連れてきてちょっと体を弄らせてもらっただけなんだ」 「むきゅ…いじったってなにをしたの…?」 ぱちゅりーは顔を真っ青にして僕のことを見ている、人間が危ない生き物だということが分かる程度には賢いようだ、いや賢かったというべきかな。 「君の体に何をしたか簡潔に説明しようか、僕は君の体の中をぐちゃぐちゃにしてやったんだ」 「むきゅ!ななんでそんなことしたの!!!!ぱちゅがゆっくりできないわ!!」 ぱちゅりーは自分の体の異変が僕のせいだと分かって、怒りだしたが今は黙っていてほしいので説得する。 「はっはっは、とりあえず僕の話は黙って聞いた方が良いと思うよ、自分の体の話だ僕の話をしっかり理解しないとゆっくりできないぞ」 「きゅ~…わかったわゆっくりだまるわ」 やはりこのぱちゅりーは相当に賢い部類に入るぱちゅりーだったそうだ、僕に会わなければきっと幸せな人生を送れただろうに。 僕は自分が虐待したゆっくりの、もしも僕に出会わず幸せな生活を送れていたらどうなっていたか想像するのが好きだ。 想像の中では、ぱちゅりーは素敵なゆっくりまりさと子供たちに囲まれて、幸せにゆっくりしている。 妄想と現実とのギャップは、僕の虐待意欲をさらに盛り上げてくれる。 「良し黙ったねいい子だ話を続けよう、君達ゆっくりにとって体の中の餡子、君の場合はクリームだけどそれらは人間でいう何に当たると思う? 脳だったり内臓だったり、筋肉だったり骨だったりするんだが、その中でもゆっくりの体の中心にあるクリームは特に脳としての機能を持っているんだ 僕はそこの部分の中から、ある個所を君から摘出させてもらった、何処だと思う?君の記憶をつかさどる場所だ。」 「きおく?」 ぱちゅりーは僕が何を言っているのか、自分がどんな深刻な状態かよく分からないようだ。 例を出して、自分の体がどうなったか分かってもらおう。 「そう、記憶だよ分かりにくいんだったら例をだそう、ぱちゅりー、森はどんなところかお兄さんに教えてくれないかな」 「むきゅ!かんたんだよもりはね!…もりはね…もりは」 ぱちゅりーは最初は僕の簡単な問いにすぐに答えようとしていたが、とっさに森がどんなところか思い出せないようだ。 ぱちゅりーの表情が硬くなり、ふるふると体が震えだした。 「どうしたんだい?君は森に住んでいたんだよね?分からないはずはないんだがな~」 「まっまって!!も…もりはね…ゆっくりできるところだよ!!!」 「そうかい、それじゃあそのゆっくりできる森の中にはどんなものがあるんだい?教えてくれないかな」 「ゆ…ゆっくりできるものだよ!」 そういうことを聞いているんじゃないんだが、まぁ良い。 ぱちゅりーの顔は青ざめて目もとに涙が浮かんでいる、元が賢いぱちゅりーだったことだし、自分の状態が何となく理解できてきたのかもしれない。 しかし、それを認めたくないんだろう。 僕はポケットから小さな葉っぱを取り出す、必要になるだろうと森の中で拾ってきたものだ。 「ぱちゅりーこれが何か教えてくれないかね森の中に沢山あるから、君ならすぐに分かると思うんだが」 「む…むきゅ…か…かんたんよ!!!それはそれは…」 「ゆっくりできるものなんて言うなよ、これの名前を言うんだ早く」 「きゅ…きゅぅぅ…うぅぅええぇぇぇ」 ぱちゅりーは口から少量のクリームを吐き出した、命にかかわる量ではないようだな。 目の前の慣れ親しんでいたものがどんな物かさっぱりわからない事に、強い精神的なショックを受けているようだ。 クリームを吐き出して苦しそうにもがいているぱちゅりーを見つめながら、僕はぱちゅりーに話しかける。 「なぁぱちゅりー、君は自分の体がどんな事になっているか、今のでよく分かったよね」 「きゅ…きゅ~」 「今の君は僕の手術で今まで蓄積してきた全ての知識が消失しているんだよ、赤ゆっくりでも分かる基本的な事も君はさっぱりわからなくなっている」 「きゅ…」 「ちなみに今から何かを覚えようとするのも君には難しいぜ、そのための器官は僕が完璧に切除した」 「うそ…うそでしょ…」 ぱちゅりーがぼろぼろ涙を流しながら、自分の吐いたクリームで汚れた口を動かして言葉を喋る。 「僕の言っている事が嘘かどうかは自分が一番分かっているはずだ」 僕は泣き叫ぶぱちゅりーを抱えて、ぱちゅりーを捕えた森まで連れていってやった。 「さぁ、大自然の中に帰りたまえ、今度は僕の様な虐待お兄さんに会わないように祈っているよ」 「むきゅきゅ~!!まっまって!!ぱちゅはこんなところじゃいきていけないよ!!!おにーさんまって!!!」 ぱちゅりーは泣き叫びながら僕を追いかけてくる、赤ゆっくりより頭が悪いぱちゅりーがこの自然界を生き抜ける筈がない。 必然僕に頼らなくてはいけなくなる。 「何でも言うことを聞くなら、家まで君を持って帰ってあげていいけど、どうするんだい?ぱちゅりー」 「おねがいだから!ぱちゅをおにーさんのおうちにつれてってね!」 なるほど、そこまで頼むのならばとりあえずこいつは家に持ち帰って、奴隷として死ぬまで嬲って嬲って嬲って、最後に殺してやることにしよう。 僕は爽やかスマイルを浮かべながら、ぱちゅりーの髪を掴んで持ち帰ってやることにした。 自然の中では生きられないゆっくりを家に持ち帰って飼ってやる、結構僕はナイスガイだな。 僕は鈴虫の綺麗な鳴き声を聞きながら、自宅に向かってゆっくりと帰って行った。 作:ゆっくりな人 以前書いた虐待 ゆっくりカーニバル 臭い付きゆっくり(上) 臭い付きゆっくり(下) ゆっくり移植 きらーうーぱっく 教育!田舎ゆっくり ゆっくりジャグリング DXトラップ いじめダメ絶対(ゆっくりは可) てんことお兄さん1 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/937.html
※これは拙作『詰め替えゆっくり』の設定を使っています。独立していますが、先にそちらを見ていただいた方が良いかも知れません。 ※東方キャラ登場注意 人間の里唯一の喫茶店では、今日も忙しく人が動き回っている。 その中に、ひときわ目立つ客がいた。 男女の二人連れ。 それ自体は珍しいものではない。この店は人間どころか妖怪も来るし、カップルで来る者もいれば、夫婦で来る者もいる。 だが、この二人連れ……特に女性は、ただそこにいるだけで店内の視線を集めていた。 美しい銀髪と同色の輝く瞳、絶世の美女という言葉だけでは表せないほどの、その場が輝いている様に錯覚するほどの美しさ。 更に赤と青の交差した服とお揃いの十字のマークが入った帽子を被るという奇妙な服装となれば、目立たない方がおかしい。 店にいる男性達は、皆がそんな女性を横目で、あるいはじっくりと眺めてしまい、相手のいる者は睨み付けられたり腕や手をつねられたりしている。 また、男性も幾らかの男性から視線を受けている……いや、睨まれている。相手のいない男性が嫉妬しているという所だろうか。 だが、様々な意味で店の注目を一身に受けている当の二人は、そんな事を気にも留めず、のんびりと注文の品を待っていた。 「……で、話はなんだ?」 注文の品が来たと同時に、男は独り言の様に話を切り出した。 直前まで別の話をしていた女は、当然だが突然の男の言葉に目を白黒させる。 美しい灰色の瞳をしばたたかせるその様子は、女を知る者ならば目を疑う光景だろう。 だが、男はそんな珍しい物を見たという事実を気にもせず、更に言葉を重ねた。 「何か用があって呼び出したんだろう。何の用なんだ?」 若干の苛立ちを含んだその声色に、女はふっと微笑んでコーヒーを一口飲んだ。 『ゆっくりのんでいってね!』 「変更?」 「そう」 顔をしかめて聞き返す男に、女……八意永琳は、まだ熱いコーヒーをちびちびと飲みながら一言で答えた。 「どういう事だ」 「言葉通り。別の実験をして欲しいのよ」 お願いね、と付け足して、永琳は満面に笑みを浮かべる。 それを見た周りの者は、客も店員も男女も関係なく、自分が向けられている訳でもないのに顔を赤くした。 ただ一人反応しなかった男は、楽しそうに自分の顔を眺めている永琳に渋面を返しながらも、二つ返事で答える。 その後も様々に話しかけてくる永琳を適当にあしらいつつ、男はこれまでの事を思い出していた。 幻想郷一のひ弱な生物と噂される、ゆっくりの中身を別のものに入れ替える実験。 男が請け負った依頼はそれである。 永琳の依頼を受けて以来、男は毎日実験を繰り返した。 れいむに酒を入れた。まりさにペースト状の唐辛子を入れた。ちぇんに廃油を入れた。みょんには生ごみを入れた。 あらゆるゆっくりの中身を、時には食物、時には金属と入れ替え続けた。 半分以上は即死し、更に半分は精神崩壊し、残りはその後何らかの障害を負った。 実験材料となった全てのゆっくりが、今もなおゆっくりできない状況にある。 男は、それがたまらなく楽しかったし、このまま一生続けても良いと思うほどに生きがいすら感じていた。 それが、急に呼び出されたと思ったら別の実験をしろとのお達しである。腹が立つのも当たり前だ。 ――せめてここの払いは割り勘にしてやろう。 そう考えて、男はニヤリと笑った。 「……話、聞いてる?」 ふと気づくと、目の前には白い目で睨む雇用主がいた。 ぼうっとしていたと正直に答えて、男は正面から永琳を見つめる。 「で、具体的な内容は?」 男が別の実験をする様に永琳から依頼を受けて数日後。 彼の目の前には、ゆっくりの中で最もポピュラーなれいむ種・まりさ種が合わせて5匹いた。 どうやら、家族でゆっくりしていた所を捕らえられたらしく、皆上向きに鎖に縛られて居心地悪そうに震えている。 男は、そんな不運なゆっくり家族を、感情のない目でただ見つめていた。 「ゆ……ゆっくりしていってね!」 無言のまま自分達の方を眺めている男にしびれを切らしたのか、中くらいのゆっくりまりさが声をかけた。 だが、男は何か言うどころか、その場に立ち尽くしたまま身動きもしない。 「おにいさん! これじゃゆっくりできないよ! ゆっくりおうちかえしてね!」 子まりさは、沈黙をただ聞こえてないだけだと思っているらしく、縛られている鎖をじゃらじゃらと鳴らして訴える。 同時に、他の家族も口々に帰りたいと騒ぎ始めた。 だが、男はそれら全てを聞こえてないかの様に無視して、別の部屋へと移動する。 「ゆっ、どこいくの……まって! まっでよぉぉぉ! おうぢがえじでぇぇぇ!!!」 ゆっくり家族の嘆きを背に、男は実験の準備を始める。 「おにいさん! まりさたちすごくゆっくりしてるんだよ! だからおうちに……」 帰らせて、と言いかけて、子まりさは言葉を失った。家族も騒いでいたが、子まりさと同じ様に呆然としている。 当然の事だ。戻ってきた男は、明らかに異常な物を持っているのだから。 何かの容器に入った、灰褐色の液体。 ゴミを数日放置したらこうなるだろうと思われる異様な臭いを、辺りに撒き散らしている。 あまりの悪臭に小さいゆっくり達はけほけほと咳き込み、親ゆっくりと思われる大きめの二匹すら顔色を青くした。 小さいゆっくりの中には、あまりの事に耐えられず、アンコを吐こうとしているものもいるが、上向きのため吐き出せないでいる。 「おにいさん……なに、それ……」 饅頭としては食べたくないと思わせる顔色のまま、震える声で問いかける親れいむ。 男はそれを無視し、無言のまま液体を親れいむの口に流し込んだ。 「やべっでっえぇぇぇぎゃっぴぃぃぃ!!! ……ぴゃっ、びきぃ、ぴぇぇぇぇ……」 液体を口に流し込まれる度、親れいむは珍妙な声をあげた。 痛い。苦い。すっぱい。気持ち悪い。 すぐにこんな物は吐き出したかったが、上向きに縛り付けられているため吐き出したくても吐き出せない。 やめて欲しい。いっそ殺して欲しい。ゆっくりしたい。楽になりたい。おうちにかえりたい。 意識にノイズがかかった様な世界の中、親れいむはただ流し込まれる何かに耐え続けた。 「ごぶぼぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁ!!! げぶっ、ごぶっ……」 親れいむの口に液体を流し込んでいた男が、不意に手を止めた。 容器の液体は、もう半分程度しか残っていない。逆に言うと、親れいむはゆっくりと時間をかけて容器半分に値する毒液を流し込まれた事になる。 その間、子供達どころか、つがいと思われる大きめのゆっくりまりささえ、あまりの恐怖に涙を流して眺めているだけだった。 もし、親れいむが何か言える状態なら、液体を流し込まれている間の苦しみを家族に訴えていただろう。 だが、今は寒天の目がぐるんと裏返っている。自己防衛なのか、親れいむはとっくの昔に意識を失っていたのだ。 「げぼっ……げぼっ、がぶばぁぁぁ……げぼっ……」 既に気絶しているはずの親れいむの口の中から、壊れた水道管の様にごぼごぼとにごった音が聞こえてきた。 体が、吐き出さなくてはならないと判断しているのだろう。 音と同時に、灰褐色のしぶきが辺りに飛び散っていく。黒いものが混じっているのは、アンコも一緒に吐き出しているからだろうか。 いずれにせよ、この親れいむはもう長くないだろう。 男がそう考えながら親れいむを見ると、顔全体ににきびの様な何かが浮き出ていた。 「れいむ……れいむぅぅぅ!!! じなないでぇぇぇ!!! じんだらゆっぐりでぎないよぉぉぉ!!!」 やっと気を取り直したのか、つがいのまりさはがしゃがしゃと鎖を鳴らし始めた。 寒天の目には涙があふれ、鎖に接している皮は動く度にぼろぼろになっていく。 それでも、まりさはどうにかしてここから抜け出そうと、必死にもがき続けた。それもこれも、全てはれいむのためである。 あんな毒液を飲まされたのだ。このままでは、もう二度とれいむと一緒にゆっくりする事はできないだろう。 だからこそ、少しでもれいむのそばに行ってやりたかった。ほほをすり寄せて、一緒にゆっくりしたかった。 「おにーざん、ゆっぐりだずげでぇぇぇ! れいむといっじょにゆっぐりざぜでぇぇぇ!!!」 もはやれいむと一緒にゆっくりする事しか頭にない親まりさは、こんな状況に追い込んだ男に声をかけた。 「おでがいでずぅぅぅ! なんでもやるがら、まりざをはなじでぇぇぇ!!!」 がしゃがしゃと鎖を鳴らしながら、親まりさは男に向かって悲痛な声をあげた。 自分を解放できるのは男だけだと判断して声をかけたのは、間違ってはいない。男なら鎖を外す事は簡単に出来るからだ。 だが、まだ容器に半分の毒液がある事を、まりさは忘れていた。 「なんでもすると言ったな」 呟いた男の手にある毒液が、微かに波立った。 「ゆっぐりやべでね! ゆっぐりやべでね! ……いやぁぁぁぁぁ!!!」 縛られている鎖をがしゃがしゃと鳴らすまりさ。その目には、涙があふれている。 あれから、親まりさに残り半分、子供達には同じ液体を一割ずつ流し込み、残りは中くらいの子まりさだけになっていた。 「やべでぇぇぇ!!! ゆっぐりでぎないよぉぉぉ!!!」 子まりさは悲鳴を上げつつ、少しでも液体を飲まない様に暴れ続ける。 液体が顔にかかっておぞましい感触が伝わってくるが、それでも飲むよりはましだ。子まりさは、そう考えていた。 先ほど毒液を飲まされた親れいむも親まりさも子ゆっくり達も、まだ意識を回復せず、皆白目をむいて小刻みに震えている。 顔全体ににきびの様なものが浮き出ている有様は、最初からゆっくりはこういう物体だったと錯覚してしまうほどに不気味なものだった。 そんな家族の末路をゆっくりと見ていた子まりさは、これは絶対に飲んではいけないものだと分かっていた。 だから、流し込まれないため、生きるために、今は必死に避け続けているのである。 「ゆっぐりざぜでぇぇぇ! おでがいだがらやべでよぉぉぉ!!!」 泣き叫びつつも、子まりさの目は冷静に容器を見つめていた。 六割程度あった毒液が、もう三割程度まで減っている。 このまま避け続けていれば毒はなくなる。後で体を洗わなければならないだろうが、飲んで家族の様になるよりはずっとマシだ。 更にこぼれていく毒液を見て、内心ほくそ笑む子まりさ。 だが、そこで安心してしまったのか、僅かに反応が遅れた。 その隙を見逃す男ではない。 素早く子まりさの左右に余った鎖を詰め込み、上向きのまま全く動けなくさせてしまった。 「ゆっ! ……ゆっぐりじでいっでねぇぇぇ!!!」 混乱しているのか、なぜかいつもの鳴き声を上げる子まりさの口に、毒液が流し込まれた。 「やべべべべぇぇぇ!!! げげぼぼぼぼぉぉぉ!!!」 灰褐色のよだれをたらしながら、おぞましい感触に身を震わせる子まりさ。 なぜ自分達がこんな目に遭うのか。そんな無意味な事を考えながら、子まりさは意識を失った。 ●ケース5 生ゴミ 親ゆっくりれいむ 1 親ゆっくりまりさ 1 子ゆっくりまりさ 1 小ゆっくりれいむ 1 小ゆっくりまりさ 1 合計 5 数日放置して醗酵させた生ゴミから漏れ出した汁を摂取させる。 摂取直後、全体にアレルギー反応と思われる湿疹が浮き出る。 親ゆっくり・子ゆっくりは摂取後3日で死亡。小ゆっくりは4時間後に死亡。 なお―― 報告書を書いている最中、ふと何かを思い出した様に顔を上げる男。 その表情には、若干の不快感がにじみ出ている。 彼は、数日前の出来事を思い出していたのだ。 「で、具体的な内容は?」 「簡単な事よ。生ごみでも油でも硫酸でも、これまでアンコを取り去って詰め替えていた物を、今度は食べさせるの」 さらりと恐ろしい事を言う永琳に、男は首を傾げた。 ゆっくりが哀れに思った訳ではない。単純に理解できなかっただけである。 「食べさせる……とは?」 「ゆっくりのエサを、詰め替えていた物に変えて欲しいって事よ。基本的にはそれだけ」 分かった、と頷いた男を見て、永琳は物分りが良くて助かると微笑んだ。 「液体・固体の区別なく食わせるが、それは良いのか?」 「良いわよ。その辺りは任せるわ」 笑顔を崩さずに軽く答える永琳に、ああ、などと気の抜けた返事をしつつ、男はこれからの事について思いをめぐらせていた。 生きがいとも思っていた詰め替えはもう出来ないが、今度は食べさせる事が出来る。 要は、口から入れるか、体に直接入れるかの違いなのだ。 やる事はほとんど変わらない。ならば、楽しんだ方が良い。 問題は、どう楽しむかだ。 考えはじめた男に、よろしくと言い残し、伝票を渡して去っていく永琳。 「あれを使って……いや、いきなり殺すのはよろしくないな。時間はあるんだから、もっと……」 ぶつぶつと呟く男が残された伝票に気づいたのは、永琳が去ってから一時間後の事だった。 しばらくぼうっとしていた男は、ふと顔を下に向けた。 そのまま、硬筆のカリカリという音だけが響いた。 なお――この報告書を受け取った日は、そちらにおごって頂くのでそのつもりで。 ニヤリと凶悪な笑顔を見せる男。 食い物の恨みは、恐ろしいのだ。 37スレ670台の薬関連の話題を見て思いついたのでつらつらと。 ところでこの男、虐待お兄さんなんでしょうかね? by319 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4731.html
スーパー赤ゆっくりボール (1) 特別悪い事をしていないゆっくりが虐待お兄さんに虐待されます お兄さんは少しウザいかもしれません ゆっくりの生体機能に一部俺設定を含みます ゆっくりの平仮名台詞、特に赤ちゃんゆっくりの台詞を多く含みます 読みにくいと思います 書きたいことを書き殴っていたらダラダラと長くなってしまいました 初SS+低文章力注意 「ゆぎゃぁぁぁぁん!!!やめぢぇぇぇぇ 『ブヂュッ!!』 ゆぼびゅっ!?」 「・・・ゆっ・・・ぎゅ・・・ぃ・・・・・・・・ゅ・・・・・・」 はぁっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・・・・ シンと静まり帰った森の中では、途絶えたゆっくりの声に替わり、 興奮した獣のような荒い息づかいの音だけが聞こえていた。 -------------------------------- 「ふう・・・」 溜息をひとつ吐く。 「・・・あーあ・・・またやっちまった・・・」 そう呟きながら俺は足を持ち上げる。 俺の足があった位置には、ビローンと潰れた小さい饅頭の皮と赤いリボンの残骸。 その場所を中心に餡子が放射状に広がっている。 俺の周りには同じように無惨に潰れた饅頭の残骸が幾つか転がっている。 「赤ゆっくり潰しは最高に楽しいんだけどなぁ・・・ 一撃で終わっちまうのがなぁ・・・」 ブツブツ言いながら、靴をその辺の石に擦りつけて、靴底にこびりついた餡子を拭う。 俺は新人の虐待お兄さん。 一番の好物は赤ゆっくり。 そして一番好きな虐待は"踏み潰し"だ。 などと言うと、先輩のお兄さん達からは、 ひねりが無いだの、風情が無いだの、 ゆっくりはじわじわと身体的にも精神的にも追いつめて虐待するものだの、 お説教を聞かされるはめになる。 もちろん、それもわかる。 俺だって、 柔らかいほっぺをちぎったり、生きたまま囓ったり、巣ごと水攻めにしたり、 髪の毛を全部引きちぎったり、腐った生ごみや大量のうんうんを無理矢理食べさせたり、 タバスコを一気飲みさせたり、熱した鉄板の上でじっくりと足を焼いたり、 つぶらなおめめを抉り抜いたり、 そんな赤ゆっくり虐待だって人並みにはやるし、それはそれで大好きだ。 でも、何と言われようとも一番好きなのは"踏み潰し"なのだ。 頭上に迫る、自分の体よりも大きい人間の足を目にした赤ゆっくりが、 その圧倒的な力の前では、どう足掻いても抗うことも逃げることもできない事を理解し、 始まったばかりの己のゆん生が、 まだ見ぬ世界に一杯に溢れているであろう ゆっくりー!できる事やしあわせ~!な事を知る間もなく、 今、この場で、あまりにもあっけなく終わってしまうのだと、 ゆっくり理解したときのあの絶望に染まった表情と泣き声。 その赤ゆっくりを渾身の力で踏み潰す瞬間の充足感。 ソレがたまらない。 ・・・と言って理解してもらえるだろうか? しかし、言うまでもなくこの虐待の欠点は、 "虐待した瞬間に虐待が終わってしまう"という点に尽きる。 バスケットボール大の成体ゆっくりであれば、 一度踏み潰したくらいでは致命傷にこそなれ、即死はしない。 だから何度も何度も踏み潰して、苦痛に歪む表情と泣き声を楽しむ事ができる。 しかし、赤ゆっくりのサイズはピンポン玉大。人間の足幅よりも小さい。 思い切り踏み抜いたら一発で餡子を飛び散らせ、物言わぬのし饅頭になってしまう。 体の一部のみを踏むように加減したところで、 かかる圧力の大きさ故に相当量の餡子を一気に吐き出し、その場で絶命してしまう。 いや、赤ゆっくりであっても繊細な加減をすれば、 チビチビと踏み潰してゆくこともできなくはないのだろう。 事実、先輩お兄さん達の中には絶妙の加減で赤ゆっくりを生きたまま じわじわと潰し削って行く妙技を見せてくれる者もいる。 だが、俺はダメなのだ。 頭では加減をしようと思っていても、赤ゆっくりの怯えた表情を見た瞬間に そんな理性は吹き飛び、ついつい全力でド真ん中から踏みつぶしてしまうのだ。 ちょうど今もそうしたように。 「だいたい、ゆっくりが脆すぎるのがいけないんだよな・・・」 靴底にこびりついた餡子は既に綺麗に拭い去られているにも関わらず、 まだ石に靴をなすりつけながら、ブツブツと呟く。 「あいつらがこの石みたく頑丈だったら・・・いっそ鎧でも着せて・・・」 ガツ!ガツ!と饅頭のように丸い石を踏む。踏む。踏む。 いや、それでは意味がない。潰れるから楽しいのだ。 「っ・・・!このっ・・・!ゆっくり!ゆっくりしね!ゆっくり潰れてしねっ!!」 ハァハァと息を荒げながら、石を踏み続ける。 潰れなくてはダメだ。 潰れないくらいに硬くてはダメだ。 硬くてはダメなら・・・? その時、俺の中で一つのアイディアが閃いた。 -------------------------------- 三日後、俺は村の近くの森の中で獲物を探していた。 ほどなく森の中の少し開けた場所でゆっくり団らんしているゆっくりの家族を見つける。 「ゆっ!ゆっ!」 「いもむちしゃん、ゆっくち たべらえちぇにぇ!」 「ゆっ♪ゆっ♪ゆゆゆ~ん♪」 「おきゃーしゃんのおうちゃは とっちぇも ゆっきゅりできりゅにぇ!!」 「ゆっへっへ!ばったさんはまりさたちのごはんになるんだぜ!」 「ゆ~♪おちょうしゃん しゅご~い!」 両親と思しきバスケットボール大のゆっくりが二匹。 父親役のまりさと母親役のれいむのようだ。 そして、ピンポン玉大の赤ちゃんゆっくりが5匹。 赤まりさが3匹に、赤れいむが2匹だ。 赤ちゃん!赤ちゃん!三日ぶりの赤ゆっくりだぁ! ・・・思わず走り寄って赤ゆっくりを踏みつぶしそうになる気持ちを 素数を数えてなんとか落ち着かせると俺はゆっくり達に近づいて声をかける。 「ゆっくりしていってね!!」 「「「ゆっ!?ゆっくりしていってね!!」」」 反射的に答えるゆっくり一家。 「おにいさんはゆっくりできるひと?!」 少し警戒した様子で親れいむがこちらに問いかける。 「うん、とてもゆっくりできる人だよ! でもゆっくりした可愛い赤ちゃん達を見たらますますゆっくりしちゃったよ!」 微笑みながら俺はそう答える。 「ゆっ!かわいいれいむのかわいいあかちゃんたちは とてもゆっくりできるあかちゃんだよ!!」 子供を褒められた親れいむが誇らしげに言う。 誰もてめーが可愛いとは言ってねぇぇ。 「かわいいあかちゃんをみせてあげたんだから、 おじさんはさっさとおれいのあまあまをよこすんだぜ!!」 と、こちらは親まりさ。 ハハハ、潰してぇ。 だが今は我慢だ。 「勿論だよ。さあ、これを食べてごらん。とっても美味しいあまあまだよ。」 そう言って背中に背負っていた竹籠から革袋を取り出すと、 中から餡子の塊を取り出してゆっくり達の目の前にばら撒いてやる。 あまあまの出所は言わずもがなだ。 「ゆゆっ!あみゃあみゃ~!!」 「まりしゃの あみゃあみゃ なんだじぇ!」 「ゆ~!おねいちゃん じゅりゅい~!まっちぇ~!!」 ぴょんぴょんと跳ねながら我先に餡子にと群がる赤ゆっくり達。 「ははは、一杯あるから喧嘩しないでお食べ。ほら、お母さん達の分もあるよ。」 そう言って親ゆっくりの目の前にも餡子の塊を置いてやる。 「ゆゆっ!ありがとうおにいさん!」 「なかなかみどろころのあるにんげんなんだぜ! まりさのけらいにしてやってもいいんだぜ!!」 そう言って親達も餡子にガッつき始める。 願い下げだクソ饅頭が。 「はふっ!はふっ!うっめ!これめっちゃうっめ!」 「うっみぇ!きょれ めっちゃうっみぇ!」 「む~しゃむ~しゃ、しあわせぇ~!!」 「む~ちゃむ~ちゃ、ちあわちぇぇ~!!」 辺り一面に食べかすと涎を撒き散らしながら、餡子を食い漁るゆっくり一家。 そうか、幸せか。良かった良かった。 おまえらのゆん生最後の幸せだからな。よく噛みしめろよ。 などとは口に出さずに微笑みを浮かべながらゆっくり達を眺める。 そしてゆっくり達の「しあわせぇ~!!」コールを幾たびも聞かされ ビキビキィしながらも辛抱強く"その時"を待つ。 山のように大量にあった餡子の塊も八割方無くなってきた。 そろそろか・・・ 「ゆ・・・なんだかねむくなってきたんだぜ・・・・」 「ゆぅ・・・れいむもだよぅ・・・」 「ゆっきゅり・・・おにぇみゅぢゃよ・・・・」 「・・ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 ゆっくり達は汚らしく食い散らかした餡子が散乱する中で、全員寝息を立てていた。 何匹かの赤ゆっくりを指でグリグリと乱暴に突く。 「みょう・・・ちゃべらりぇにゃいよ・・・」 「おかーしゃんの しゅーりしゅーり きもちぇいよ・・・」 眠ったまま微笑んでいる赤ゆっくり達。 よし、夢の世界から戻ってくる気配はないな。 ゆっくり睡眠薬の効果は抜群だ。 続いてその辺に落ちていた小枝を拾い上げる。 「クソがぁ!!」 おもむろに親まりさの頬にブッ刺した。 「ゆっ・・・ゆゆっ・・・」 僅かに反応を見せるも、痛がりもせず、目を覚ます気配も一向にない。 親に与えた餡子には麻酔効果のある薬品を混ぜてあるのだ。 こちらも効果は問題ないようだな。 それだけ確認するとまりさの頬から餡子に黒く染まった小枝を引き抜く。 荷物の中から少量の小麦粉を取り出すと傷口にふりかけ、そこに何度か唾を吐きかける。 よし。これでコイツが目を覚ます頃には傷も塞がっているだろう。 俺は深い眠りについたゆっくり一家を持参した竹籠に詰めていった。 -------------------------------- (続く)
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/447.html
ゆっくりはじけてね! 7KB ※M1あきさんの種ゆっくりに触発されて書きました ※独自設定垂れ流し 「ゆぎゅるぱあああ!」 よくわからない悲鳴と破裂音。その爽快な二重奏でゆっくりれいむは弾け散った。バット を通して伝わる断末魔の衝撃が実に気持ちいい。 今日は休日。久しぶりに来た山では、またゆっくりが大量発生していた。この山では定期 的にゆっくりの駆除が行われているらしいが、絶滅には至らないらしい。もろいくせに実 にしぶといナマモノである。 俺は社会貢献とストレス発散のため、こうしてゆっくりをバットでたたきつぶしてまわっ たわけである。ずいぶんやっつけた。群れ一つはたたきつぶしただろうか。今つぶしたれ いむがおそらく、ここら一帯の群れの最後の一匹だ。 それにしても、バットでゆっくりをつぶすのはいい。どのゆっくりも気持ちよく弾けてく れる。特に最後のゆっくりはいつも一番派手に弾けてくれる。だからゆっくりの駆除はい つも後味よく終えることができるのだ。 実に見事に弾けたれいむ、その残った身体をまじまじと見つめていると、ふと、家に置い てある虐待用のゆっくりまりさを思い出した。 「……これ、あいつの餌にちょうどいいな」 いい思いつきだと、俺は食べ終えた弁当箱の中に、れいむの餡子を詰めるのだった。 ゆっくりはじけてね! 「ゆあああ! やべでええええ! ゆっぐじできないいいい!」 水槽の中のまりさはおびえきっていた。 あの後。家に帰った俺は、さっそく水槽に閉じこめたまりさに餡子をやった。 すると、この怖がりようなのだ。 「どうしたんだよ? ただの餡子だよ餡子。たーんとおあがり」 「うぞだああああ! ごれはあんござんじゃないいいい! おにいざんはゆっくりでなじ いいいいい」 このまりさ、捕まえたばかりでまだこれといった虐待はしていない。いきなり死なれても 困るから、まずは栄養をつけてもらおうというのにこの始末。 これは、あれだろうか? ゆっくりはお飾りについた死臭を嫌がるという。それと同じで、 たとえ見た目が餡子でもわかるのだろうか? でも、ゆっくりの死体をそれと知らずに食べてしまうゆっくりというのもよく聞く話だが。 そんなことをつらつら考えていると、まりさがじっと俺の方を見ているのに気がついた。 「なんだよ」 「おにいざん! おねがいじまずっ! ごのあんござんをまりさのちかくにおかないでく ださいっ!」 「はあ?」 「このあんこさんがあるとゆっくりできないんですぅぅぅ!」 まりさはあんこからなるべく距離をとろうと、水槽の隅に身体をべったりと押しつけてい た。 なかなか愉快な眺めだ。 こいつを虐待するのはさぞや楽しいだろう。 だが、今日のところは山でゆっくりをたっぷりつぶして満足している。明日にしよう。 それに、 「おにいざああああん! はやくこのあんこさんどかしてええええ!」 「やだね」 このままにしておくのもおもしろそうだ。 水槽を防音仕様のふたで閉じると、まりさの叫び声は聞こえなくなり静かになった。 このまま一晩おびえさせておこう。そして、明日楽しもう。 そう決めて、俺は床に着いた。 「……なんだこりゃ?」 翌朝。まりさの水槽を見てみると、おかしなモノがあった。 あのれいむの餡子から、よくわからないものが生えているのだ。 植物……だろうか。形はそうだ。茎があり、葉があり、そして実が生っている。 おかしいのは色だ。茎は茶色というか黒というか、あえて言うなら餡子色。葉はなんと赤 い。しかも縁を白いフリルで飾っていて、どこかれいむのおリボンを思わせるデザインだ った。 実も餡子色。球形で、表面はびっしりと粒で包まれている。 見たことも聞いたこともない植物だった。 まりさはどうしているかと見れば、昨日と変わらず水槽の端にいて、ぶるぶると震えてい る。 水槽のふたをずらしてまりさに問いかけてみる。 「おいまりさ、こりゃなんだ?」 「ゆううう! おにいさん! はやくまりさをここからだして! ここはゆっくりできな い! ゆっくりできないんだよおおおお!」 このまりさのおびえよう。間違いなくこの植物のことを知っている。 まりさに問いただそうとしたとき。 ぽん、という間抜けな音とともに、実が弾けた。 「!」 とっさに水槽のふたを閉じると、小気味いい衝撃が伝わってくる。あの実の表面について いた無数の粒。それが弾け飛び、水槽のふたに当たったのだ。なかなかの威力のようだ。 危ないところだった。ふたがなければ食らってた。目にでも当たったらやばかったかもし れない。 実は球形、粒は表面にびっしり。だから、全周囲に飛んだのだろう。粒は水槽のなか、縦 横無尽に飛び散ったようだ。 まりさは助からなかった。恐怖の表情のまま、体中に無数の穴をあけて「永遠にゆっくり」 していた。 「いったいなんだったんだ……?」 ホウセンカの種が弾けたようなものだろうか。それにしてもすごい勢いだ。水槽の中でな かったら相当広範囲に飛び散ったことだろう。 水槽の中、いくつもの種らしきものが転がっている。 ゆっくりの餡子から生えた謎の植物。そして、種。興味がわいてきた。 俺は水槽を庭に持っていくと、種の飛び散る水槽の中へ土を適当に盛った。そしてついで とばかり水をかけておく。 さて。これでなにか生えてくるのだろうか。 気長に待ってみるとしよう。 「ゆっくち!」 「ゆっくちしちぇいっちぇね!」 「ゆっくち! ゆっくち! ゆっくちぃ!」 気長に待つつもりだったが、翌日には変化が起きていた。 水槽の中にはびっしりと、無数に生える餡子色の草。その先端には実ゆっくりが生って、 盛大に騒いでいるのだ。 「な、なんだこりゃ……」 俺が驚く間もなく、実ゆっくりどもは次々と生まれ落ちていく。 「ゆっくちうまれりゅよ!」 「ゆっくち! ゆっくちしちぇいっちぇね!」 地面に降りると、今まで自分を支えてた餡子色の茎を食べ始める。 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー!」 「おいちーね! ゆっくちーっ!」 あまりの光景に思考が混乱する。 あの種は……ゆっくりの種、だったのか。だがこんなものは見たことがない。ゆっくりの 死体からあんな植物が生えるのだって聞いたことがない。ゆっくりは植物型にんっしんす るが、目の前で起きているこの現象はまるで違う。 なにがおかしかったのか。 俺はいつも通りにゆっくりの群をつぶして、最後のれいむはいつも通り弾けて、その餡子 を持ってきて……。 そこで、なにか引っかかる。 「最後の、れいむだからか……?」 群れ最後のゆっくりはいつも爽快かつ盛大に弾ける。 もし、仮に。最後に弾けたれいむの餡子それぞれからあの植物が生えたら、どうなるだろ うか。 広範囲に種をばらまき、それからこうして大量のゆっくりが生まれることになる。 俺はなんとなく、ゆっくりがいくら潰しても絶滅しない理由がわかったような気がした。 これはきっと、ゆっくりという種の生存本能の発露なのだ。 あのまりさが脅えたいたのも無理はない。あの餡子は、群れを全滅させた証明みたいなも のなのだから、本能的に恐怖を感じたのだろう。 まったくもって、不条理かつ不可解なナマモノだ、ゆっくりというやつは。 さて。 それにしても、これはどうしたものだろうか。 「ここはれいみゅのゆっくちぷれいちゅだよ! ばかなじじぃははやきゅあまあまもっち ぇきちぇね!」 「あまあまよこちぇえええええ!」 「きこえにゃいの? ばきゃなの? ちぬの? つかえないじじぃだね!」 ……まあ、ゆっくりが絶滅しない理由がなんであろうと、俺がやることは決まっているわ けだが。 俺は大量に生まれた赤ゆっくり相手に、じっくり楽しめるよう虐待道具を用意するのだっ た。 あれから、あの水槽をどうしたかといえば……実は、ほとんどそのままにしている。 産まれた赤ゆっくりの何匹かは虐待して楽しんだが、それが終わると放っておくことにし たのだ。 ゆっくりどもはそうしたら、やがて共食いを始めた。 そして、最後の一匹になったところでたたき潰す。そうすると、またあの餡子色の植物が 生えてきたのだ。 どうやら大量にいたゆっくりが全滅したことにより、最後のゆっくりは「群れ最後のゆっ くり」ということになるらしい。 気が向いたら、途中で何匹か抜き出して虐待する。 全滅しかけたら、最後のは潰して弾けさせる。そうすればまた増える。 こうして俺は、無限に虐待できるすてきな水槽を手に入れたわけである。 「やべちぇえええええ!」 「ここからだしちぇええええ!」 「ゆっくちできないぃぃぃぃぃ!」 了 by触発あき 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 163 バトルゆ虐! ふたば系ゆっくりいじめ 172 とてもゆっくりした蛇口 ふたば系ゆっくりいじめ 180 ゆっくりばけてでるよ! ふたば系ゆっくりいじめ 181 ゆっくりばけてでるよ!後日談 ふたば系ゆっくりいじめ 199 ゆっくりたねをまいてね! 上記以前の過去作品一覧は下記作品に収録 ふたば系ゆっくりいじめ 151 ゆっくりみわけてね! 元ネタ絵 byM1 触発あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ペルソナ厨は、雑魚いから死んでください -- 2014-09-24 00 41 13 全く、デビルサマナーかペルソナ使いを呼んで ムドブースタ+ムドハイブースタ+死んでくれる?をやってほしいわ -- 2014-07-31 12 59 16 ↓↓い、今更ですか!? -- 2014-03-13 00 25 23 たしかに ↓ -- 2013-07-20 18 03 01 ゆっくりは生物というそれを大きく外れているな -- 2012-12-18 17 28 16 うぉぉぉぉ!俺にくれぇぇぇぇ -- 2012-08-02 18 30 31 俺ぶつぶつしてんのがびっしりあるの嫌いだから想像して鳥肌たった -- 2012-02-25 22 20 59 wwwwwwwまりさがおびえてたのはそーいう理由かwwwwwwwwww -- 2011-10-06 21 06 27 うまいな。 意外とスルーされがちな「ゆっくりが絶滅しない訳」に対する結構しっくりくる答えだ -- 2010-09-12 05 33 30
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/732.html
あるところにゆっくりれいむが居て、お母さん達と仲良く過ごしていました。 でもゆっくりれいむはあるとき怖い犬さんに襲われて家族をみんな食べられてしまいました。 ゆっくりれいむも犬さんに食べられそうになりました、その時です。 「おいやめろ!」 通りすがりのお兄さんが棒を振って犬さんを追い払ってくれました。 「れいむひどりぼっぢになっぢゃっだあああああああ!」 「なんだよ、せっかく助けてやったのに感謝のことばも無しか まあいいけど、行くとこないなら家に住むか?」 「…ゆ?ほんとに?ありがとうおにいさん!ゆっくりしていってね!!」 こうしてゆっくりれいむはお兄さんのもとで幸せに過ごしました。 めでたしめでたし これはその、先のお話です。 「ゆ~♪ゆ~♪」 ゆっくりれいむはお兄さんの下でとてもゆっくり過ごしていました。 れいむはお兄さんが大好きです。 二人はいつも一緒に遊んでいました。 「ゆ~♪ゆ~♪ゆっくりしていげほっ!ごほっ!」 「おい、大丈夫かれいむ?」 「ゆー、だいじょーぶ、ちょっとおくちがゆっくりしてなかったよ もっとゆっくりしゃべるね!」 でも幸せな時間は長くは続きません。 れいむは自分に寿命が迫っていることを悟っていました。 でもまだそれはお兄さんには話せません。 「おにいさんおなかすいたよ!ごはんいっぱいもってきてね!」 「はいはい、わかってるわかってる」 れいむはたくさん食べて、体においしい餡子を蓄えました。 そうしてれいむはとてもとてもおいしいゆっくりまんじゅうになりました。 なのでれいむはいいました。 「おにいさん!れいむをゆっくりたべてね!」 お兄さんはびっくりしました。 「な、なにを言ってるんだよれいむ!?」 れいむは言いました。 「れいむはもうすぐてんごくにいくの だからそのまえにおにいさんにたべてもらってゆっくりてんごくにいきたいの!」 お兄さんは言いました。 「そ、そんなのってあるかよ!?せっかく…せっかく仲良くなれたのに!」 れいむは諭すようにやさしくいいました。 「おにいさん、れいむはこのまましぬよりおにいさんにたべられて、てんごくにいきたいの ゆっくりりかいしてね」 お兄さんはその言葉を噛み締めながられいむと見つめあいました。 「わかったよ、れいむ ちょっとまっててくれ」 お兄さんはれいむの気持ちを理解してくれたようです。 台所に何かを取りに行きました。 「ゆっくりしてるね!」 お兄さんが食器を取りに行くまでの間、れいむは最後のゆっくりをしました。 「待たせたな」 お兄さんは、お皿と太目のストローを持ってれいむの所にやってきました。 「ゆ?おにいさんそのすとろーなんにつかうの?」 れいむは不思議に思って尋ねました。 「ああこれはれいむの餡子を吸うために使うんだよ」 お兄さんは事も無げに答えました。 「ゆ!?なにをいってるの!?なんでれいむのあんこすうの!?」 れいむはびっくりして尋ねました。 「俺饅頭はまず中の餡子を吸って少しだけ餡子がこびり付いた饅頭皮を食べるのが好きなんだよ 行儀が悪いから封印してたけど、一番おいしい食べ方をしないとれいむに失礼だもんな」 お兄さんは優しい笑顔で言いました。 「ゆうううううううううう!?そ、そんなゆっくりできないたべかたやめてね! ふつうにむしゃむしゃしてね!!!」 れいむは大慌てでやめるように伝えます。 「お前もきっと一番おいしい食べ方をされた方がゆっくり出来るって 俺を信じろ」 お兄さんは全く取り合わずにれいむの頭にストローを突き刺しました。 「ゆぐううううう!!!」 れいむは餡子を吸われる恐怖で逃げ出そうとしましたがすぐにお兄さんの手に押さえつけられました。 「いただきまーす♪」 ずぞぞぞぞ、とれいむの頭から餡子が吸われていきました。 今まで感じたことのない悪寒がれいむの中を駆け巡ります。 どんどんれいむは心も体もひんやりしていきました。 餡子が半分ほど吸われた頃、れいむはもうすぐ自分が死んで天国に行くのだとわかりました。 「ずびゅびゅびゅびゅ」 「ゆぱぺっぽおおおおおおおおおおおおお!?」 その時です、れいむの中にお兄さんの口に入った餡子が逆流してきました。 「ぱぱっぱぱぱあ!?な゜、な゜に゜を゜す゜る゜の゜お゜お゜お゜お゜!?」 れいむは上ずった声で言いました。 「唾液混ぜてやわらかくなった餡子がまたうまいんだよ なあに、自分の唾だし昔は離乳食代わりに親が咀嚼した食べ物を赤ん坊に食べさせてたし 全然汚かったりはしないから」 「き゜た゜な゜い゜よ゜お゜お゜お゜!ゆ゜っく゜り゜で゜き゜な゜い゜い゜い゜!!」 れいむはおにいさんが戻した餡子でどんどんふくらんでいきました。 唾液の分量が増えてれいむの皮はぱんぱんになりました。 唾液が体の中を駆け巡る悪寒がれいむの心もぱんぱんにしました。 「ゆ゜ぺっ、ぽっぴっゆ゜っぴ♪ぺぺぽっぺっぺぽ♪ぺぺぺぺぺ♪」 れいむは訳のわからない言葉を喋りだしましたがお兄さんは気にせずに吸っては戻し吸っては戻しました。 れいむは気が狂いそうでした、いえ狂っていたかもしれません。 れいむの支えはもうすぐ全て食べられて天国にいけるということだけでした。 「ふぅ…」 お兄さんは息が切れて、ストローから口を離しました。 れいむはそれを見て、やっと齧って全部食べてくれるんだと歓喜しました。 「すぐに食べちゃもったいないしれいむに悪いな 三日くらい時間かけてじっくり食べよう」 お兄さんはそう言ってれいむにラップをかけると冷蔵庫にしまいました。 呆然としていたれいむは冷蔵庫の中ではっと気付いて叫びました。 「ゆ゜っぴいいいいいいいいい!!ぱやぷ!ぱやぷこ゜ろ゜ち゜ぺゆっぷりさ゜ぺぺよおおおおおおおおおおお!!!」 体の中の唾液が冷たくなっていき、れいむはこれまでで最悪の悪寒を感じました。 冷蔵庫の中からではれいむの声はお兄さんに届きませんでした。 おしまい ※私はこんな汚い食べ方しません。by作者 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/297.html
私はゆっくり魔理沙。 ここ、幻想郷に住むゆっくり魔理沙の一匹だ。 ただ、他のゆっくりと違う所はその大きさ、そして知識の所蔵量だろう。 私は生き延びる為にたくさんのゆっちゅりーから生きる術を学び、様々な敵と戦い大きくなっていった。 ある時は人間の居る寺子屋という場所の半獣から知識を学び、ある時は発情してくるありす種を殲滅するため、戦友と共に野を駆け巡った。 そして私はいつの間にか他のゆっくり種から「ドスまりさ」と呼ばれていた。 「ごめんなさい!おじさん!この子達は悪気が有った訳じゃないんです!」 「「ごめ゛ん゛な゛ざぃ゛!ゆ゛る゛じでぐだざい゛!」」 「あ?ふざけてるのか?謝ったって俺の冬越しの食料は戻ってこねぇんだよ!」 私はとある里の人の家で必死に謝っていた。 どうやらゆっくり種が人家に忍び込んで食料を荒らしていたらしい。 私は常日頃から人間の物を取ってはいけないと言っているのに。 「ごめんなさい!代わりの物を持ってきますから一刻程待ってくれませんか!」 「貴様はそういって山に逃げ帰るだけなんだろ?手前等はすぐに仲間を見捨てるからなぁ!」 「いいよ!ドスまりさ!こんな人間の為に私達の食料・・・「黙ってね!このままだと皆ゆっくりできないよ!」 「おじさん!もし一刻経っても戻らなかったら私達の里のゆっくりを全員加工場に持っていって良いよ!」 「ドスまりさ!何をいtt「誰を助ける為にこうなったかゆっくり考えてね!」 「ふん・・・良いだろう、一刻だぞ?一刻経って戻ってこなかったら里総出で貴様らを餡子の塊にしてやるからな!」 「わかったよ!私達も取りに行くね!」 「あなたたちはここで待っててね!絶対帰ってくるからね!」 「酷い!ドスまりさ!」「ゆっぐりじね!」 罵声を聞きながら私は己の食料貯蔵庫へ走った。 畜生、少し前も同じような事で越冬の食料を減らされたばかりだというのに。 (一応)知的なありす種やぱちゅりー種は私の言うことを聞いてくれるのだが 末端の若いれいむ種やまりさ種はこうやって私の言いつけを無視して人里に下りて食物を荒らす。 どうも若い子達は「ドスまりさなら人間の一人や二人こてんぱんだよ!」と思っているらしい。 実際私達の広場でそう言っていた。 あぁ、そうだろう。人間の一人や二人なら私だって倒せる自身はあるさ。 だが、人は結託する。そして強き者に助けを求めることが出来るのだ。 そうなればゆっくりの集落など一捻りで潰される。 そんな事にならないように尽力しているのにあの子達は・・・! そんなことを思っている内に貯蔵庫に着く。 「むきゅー。またなの?」 「まりさ達ったらいなかものねぇ」 この子達は私がずいぶん前から一緒に行動を共にしてきたゆっくりぱちゅりーとありすだ。 二人とも私と一緒に旅してきた戦友だ。もはや家族と言っても過言では無い。 一緒に旅をしたのに太ったのは私だけだったが。 「いつもご苦労様。残りどれぐらい残ってる?」 「結構減ってきたわ。後1,2回人の里に渡せるぐらいかしら」 「今回も都会派の私に言わせれば山菜と鮭ぐらいでいいわね。」 「ありがとう、帽子に詰めてくれる?人間との約束まで後半刻しか無いの。」 「むきゅ!それなら急いで詰めないとね!」 「私の都会派の収納術をみせてあげるわー!」 「それじゃあ、人間の所に言ってくるね!」 「「はやく戻ってきてね!!」」 そういって私は元来た道を走り出した。 「ゆ゛ー!ドスまりさ何てじね!」「わだじだぢをみごろじにじだんだー!」 「おい、アレ。お前が言ってたでっかいゆっくりじゃねぇか!?」 「うわ!本当に来たよ!」 「「ゆっくりたすけてね!!」」 罵声がしたのは私の気のせいだろうか 「おじさん!この子達の荒らした食料はこれで足りる!?」 私は帽子の中身を見せる。 「おーおー、結構な量の魚と山菜じゃねぇか」 「ん?山菜って事は・・・」 「「手前等また勝手に山菜を取ってやがったのか!?」」 「大丈夫だよ、私達はちゃんと生える分も考えて取ってるよ! 人間の分の山菜も減って無いでしょう!?」 「そう言われれば、確かに減ったなんて事きかねぇしな・・・」 考え込む人間。 「どうする?こいつら見逃すか?」 「けどこいつらまた再犯するだろ・・・?」 よし、もう一押し・・・! 「大丈夫だよ!おじさん!私が絶対やっちゃダメって言い聞かせるからね!」 「ふん・・・こいつは一応約束は守るみたいだし・・・まぁ、いいか。」 「ありがとう!人間のおじさん!」 「「怖がっだよ゛う゛!ドズま゛り゛ざ~!!」」 「みんなの里に帰ってゆっくりしようね!」 後でこいつらにはじっくり説教をしなきゃだめだなぁ。 と私は思っていた。 こんな生易しい反省ではだめだったと後悔するのは後のことである。 あの日から丁度一週間だろうか。 私の元にゆっくり達がやってきたのは。 「ゆ!また人間の里に入っちゃったの!?」 何度も言い聞かせたのに同じような問答が起こる。 「そうだよ!お願い!ドスまりさ助けにいってあげて!」 「あのこまだ生まれたての赤ちゃんがいたの!」 畜生、赤ちゃんがいるなら人間の里なんかに降りるなよ・・・ こっちにも十分な蓄えがあるのに・・・ 「分かったよ!人間の人たちにお願いしてみるね!」 私は駆け出していた。 まわりのゆっくり達の悪意にも気づかずに。 そして私は。 同胞に捕まった。 続く このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/438.html
※この作品の中の幻想郷は、河童達の頑張りもあって比較的文明が進んでいます 「ゆっ!おにいさん、今日はどこにあそびにつれていってくれるの?」 「それは着いてからのお楽しみだよ。とっても楽しい所だからゆっくり待っていてね」 「ゆゆ~、楽しみ~~!!」 ごきげんなゆっくり霊夢を腕に抱えて、大きな荷物を背負い、私は林道を歩いていく。 この霊夢は数日前、単独で我が家に侵入しようとしていたところを捕獲したものだ。 その場でブチ殺してやることもできたが、肉体的な拷問は今まで散々やってきていささか芸がない。 少し考えた末、私はある計画を思いつき、そのためにしばらくこの饅頭を生かしておくことに決めたのだ。 準備が整うまでの間「親切なゆっくりできるお兄さん」を演じ続けたため、今ではすっかり私に懐いている……まぁこの関係も今日で仕舞いだがな。 「おにいさん、いっぱいゆっくりしようね!」 「ああ、たっぷりとゆっくりさせてあげるよ……」 虐待おにいさんとゆっくり霊夢が贈る、そんなとある夏の日のお話。 ーーーゆっくりダイビングーーー 「ゆっ!すっごくおおきなみずたまりがあるよ!」 「ああ、ここが紅魔湖だよ。綺麗だろう?」 私達が訪れたのは、幻想郷の中心に位置する紅魔湖と呼ばれる巨大な湖だった。 全長数キロ、中心には紅き悪魔の住む古城がそびえる、風光明美な場所だ。 今日のような暑い日には、涼をとりに来た周辺の人間や妖精達の憩いの場所となっている。 「ゆゆー!ひろいね、すごいね!!」 「それじゃぁ、近くに寄ってみようか」 わーわー五月蝿い饅頭を抱えて水場に近寄る。 環境汚染とは無縁の幻想郷の中でも、一際透き通った水面が涼しげに揺れている。うーん泳ぎたい。 「ゆゆー、おみずがすっごくあおいよ!きれいだねー」 「この透明度は反則だよなぁ……それじゃあ早速泳いでみようか!」 「ゆっ!だめだよおにいさん、れいむはみずにはいるととけちゃうよ!」 ほう、この饅頭頭も流石にその程度のことは知っていたのか。感心感心。 「ああ、それなら安心してね。このスプレーをかけると君の体は水を弾くようになるんだ」 そう言って荷物から取り出したのは、加工場で最近発売された新商品「ゆっくり撥水スプレー」だ。 これをゆっくりに噴射すると特殊な薬品で体がコーティングされ、最低数時間は水中に入っていても体が溶け出さないようになっている。 用途はゆっくりを使った水仕事用や遊戯用といったほのぼのとした物から、水を使った長時間の拷問用まで様々。 もちろん今回は後者である。折角今まで長い時間をかけて準備してきたんだ。すぐに終わっちゃ勿体無いだろう? 「ハイ、おしまい!これで君も湖の中で遊べるようになったよ」 「ゆゆっ、からだがなんともないよ!つめたくてきもちいい~」 スプレーを終えたれいむを水面に浮かべてやると、最初はビクビクしていたがすぐに大はしゃぎで遊び始める。 水面でくるくる回転したり、水を口に含んで吹出したりしてキャッキャと笑っている姿は正直殺したくなるが、まぁまだ我慢我慢。 一緒に水に入り、一通り遊ばせてやってから、私は再び声をかけた。 「ねぇ、折角だからもっと広いところに出てみないかい?もっと面白い遊びがあるんだ。」 「ゆゆっ、こんどはなにをしてあそぶの?」 あれから私達はボートを借りて、紅魔湖の中心付近へと移動していた。 「ああ、ダイビングといってね、水の中で泳ぐ遊びだよ。それじゃ必要な機械をつけようね。」 言いながら私は、荷物の中から小さめのボンベと水中眼鏡、レギュレーターを取り出す。 これらはゆっくりの体型に合わせて、河童に作ってもらった特注品だ。 「ボンベは背負えたね?じゃ、次にこのレギュレーターを咥えて。離すと水が入ってくるから口を開いちゃ駄目だよ! あと、ここについている計器に気をつけて。ここにはボンベの中の酸素の量が表示されているんだ。 この目盛りが0になるまで潜っていちゃあ駄目だよ。酸素が切れて死んでしまうからね!」 物覚えの悪いアホ饅頭相手に忍耐強く説明しつつ、なんとか器具の装着を終える。 そのままボンベを手で支え、ゆっくりを水中に沈めた。 「ゆゆー!みずのなかでもいきができる!すごいよ!!」 うん、どうやら機械は正常のようだな、さすが河童。 それにしてもはしゃぐのは結構だが、口を離すなと……ってあれ、こいつレギュレーター咥えたままだな。どうやって話してるんだ? 「ゆ?れいむはいわれたとおりにしているよ?」 ……どうやら河童の超科学の賜物らしい。ゆっくりなんぞに使うのは豚に真珠以外の何物でもないが…… まぁいいや、クリアな悲鳴が聞けるのはよい事です。 「じゃ、しばらく一人で遊んでいてね。お兄さんは準備をするから」 饅頭を再びボートの上に引っ張り上げ、私は仕置きの最後の仕上げを進めた。 モニターを立ち上げ、ゆっくりのボンベについていたパネルを開き、あるボタンを押す。 「よし……カメラも異常なし、と。上手く行きそうだな。」 「おにいさんがなにをしているかわからないよ!はやくれいむをみずにいれてね!!」 私が調整を済ませている間も、ゆっくりは五月蝿く喋くり続ける。この腐れ万頭が…… 沸騰しそうになる頭を必死で落ち着かせる。そうだ、この下等生物に付き合うのもこれで最後なんだ。なんと素晴らしいことか。 「まぁ慌てるな。すぐに連れて行ってあげるよ……地獄にね」 「ゆぅ?」 すべての準備が整ったことを確認すると、私は理解できていない様子の霊夢(+ボンベ)をゆっくりと抱え上げ…… 「それじゃぁ…………ゆ っ く り 沈 ん で い っ て ね !!」 「ゆっ!?」 今までのストレスを込めて、水面に叩きつけた。 「ゆぶッ!」 ドボンッ!! 「ふぅ……清々したぜ」 水柱が立ち、ゆっくりれいむの姿は水の中へと消えていった。 ============================================ 「水深5M」 「……ん……ゆっ!?」 水面に叩きつけられてから数十秒後、ゆっくり霊夢は意識を取り戻した。 どうやらショックで少し気絶していたらしい。早く上がって、お兄さんに文句を言わないと 「ゆゆ?からだがうかばないよ!」 浮上しようと願う彼女の意識とは裏腹に、彼女の体は水中を急降下していた。 通常のゆっくりの体は水に浮くが、くくりつけられたボンベが錘の役割を果たしているのだ。 「ゆゆ~~っ!おにいさん!ふざけてないで引き上げてね!!」 自力で水面に上がることを諦めた霊夢は、お兄さんが助けてくれるのを待つことにした。 この期に及んでも誰かが自分を助けてくれると考えているそのゆっくり脳には、流石におめでたいとしか言いようが無い。 暢気に魚を探したりなどしながら、ゆっくり霊夢は、沈んでいった。 「おにいさん、はやくたすけてね!!」 「水深20M」 「ゆっ!はやくれいむを引き上げてね!今ならおこらないでいてあげるよ!!」 呼吸ができるということもあり、ゆっくりれいむの声にはまだ余裕があった。 もっともわずかな焦りも感じている。体に感じる水温が徐々に冷たくなっているからだ。 一般に太陽光によって海水が温められているのは、赤色光が届く深度十数Mの辺りまで そこから先は深くなればなるほど極低温の深層水の世界に入っていくということを、霊夢はまだ知らない。 「こんなにさむくちゃゆっくりできないよ!ばかなおにいさんははやくひきあげてね!!」 「水深40M」 「ゆゆっ!寒いよ……それになんだかくらくなってきたよ!」 沈みながら、心細げに辺りを見回す霊夢。 繰り返しになるが、海の中で満足に光が届くのはごくごく浅い位置に限られており 十数Mも潜ればライト無しのダイビングはほぼ不可能になる。 流石のゆっくり脳も不安を訴えてきていたが、まだ彼女はおにいさんが助けてくれるという妄想にすがり付いていた。 「水深60M」 コバルトブルーだった水の色は、今では薄暗い青に変わっている。 先程までは木の葉ほどの大きさに見えていたボートは、今では点のようにしか見えない。 ここでボンベを捨てて力を抜き、水面に上がればまだギリギリで助かったかもしれない。だが彼女はもはやそれどころではなかった 「ゆぐぅ……からだがいたいよぉおお!」 先ほどから、彼女の体に締め付けられるような痛みが加わっていた。水圧である。 10M潜るごとに1気圧ずつ増加するその力は、徐々に霊夢の体を締め上げていく。 だがゆっくりの体は水圧に最も強い球形をしており、中身も水分が豊富な餡子で出来ている。 その特性が、結局彼女の苦しみを長引かせることとなった。 「水深100M」 「いだいいいいいい!もういやだあ゛あ゛!おうぢがえるうううううう!!」 既にボートの姿はとっくに見えない。先ほどまでちらほら見えていた魚影も無くなっている。 沈み始めて数分、霊夢はようやく自分の置かれた状況の深刻さに気付いていた。 だがもう遅い。もはや普通に浮上したとしても間に合わない深度まで、霊夢は降下してしまっていた。 「水深120M」 「水深140M」 「水深160M」 ………… …… … 「だずげでぇえええ!!おにいざんんんんんん!!!!!」 140Mを越えた辺りから、もはや周りは暗くて殆ど見えない。 なぜ水遊びなんかしてしまったのか、などなぜもっと早くボンベを外し水面に出ようとしなかったのか、 後悔だけを繰り返し、彼女はひたすら奈落の底へと落ちていった。 ………… …… … 「水深200M」 「ゆぎゅっ!」 衝撃とともに、れいむは自分の体が何か堅い物に叩きつけられたのを感じた。とうとう紅魔湖の底に着いたのだ。 痛みをこらえ、状況を確認しようと周りを見渡すと 「ゆ゛っ……」 そこは数十センチ先すら見えない、完全な闇の世界だった。 この深度になると、水面からの太陽光の到達率は0.5%を切る。深海魚でもない限り光を感知するのは不可能だ。 身を切るような寒さ。体を締め付ける水圧。そして耳を済ませても自分のレギュレーターの音だけしか聞こえぬ静寂。 この世で最も過酷で、孤独な世界に、彼女は一人で取り残されていた。 「いやあああああああ!!だずげでぇえええええええええ!! ぐらいぉおおおおおお!!ざむいよおおおおおおお!!ごわいよぉおおおおおおおお!!」 パニックを起こし、泣き叫ぶ霊夢。その声は何処にも反響することなく暗い空間に消えていった。 だれか、だれか自分を助けてくれるものはいないのか。 ワラをもすがる気持ちで辺りを見回す彼女の視界に、何かぼんやりと光るある物が映った。 「酸素残量:50%」 それは、ボンベについていた酸素残量メーターの蛍光盤だった。 食い入るようにその微かな光を凝視する彼女の耳に、ふいに湖上でお兄さんが話した言葉が甦る。 『ここにはボンベの中の酸素の量が表示されているんだ。 この目盛りが0になるまで潜っていちゃあ駄目だよ。酸素が切れて死んでしまうからね!』 「いやぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 その数字の意味する所に気がついた瞬間、彼女は絶叫した。 この計器は自分の死刑宣告。ここに書かれた数字が0になった時、自分は窒息し、死ぬのだ。 「だずっ げでっ だれがあ゛あ゛っ!!」 半狂乱で全身を動かし、少しでも水面に浮かび上がろうとするれいむ。だがその体は無情にもボンベで湖底に縫いとめらている。 彼女に出来たのは、刻一刻と無くなっていく酸素の量に怯えながら、芋虫のように湖底を這いずり回ることだけだった。 40%…… 30%…… 「いやあ゛あ゛だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!じにだぐないいいいいいいいいいい!!」 20%…… 10%…… 「おにいざん゛ん゛ん゛ん゛ん゛だずげでぇぇえ゛え゛え゛え゛!!!」 5%…… 0% 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ…………ガぼぁッ!!」 数十分後、しかし彼女の中では無限に思える恐怖の時間の末に、目盛りはとうとう0に重なった。 それと同時に大量の水が彼女の口に流れ込んでくる。計器の光も消え、辺りには真の闇が訪れる。 「ゴぱッ みずっ いぎが でぎなっ」 ゴボゴボと気泡を吐き出し、湖底をのたうち回るれいむ。 浸入した水で鼻や喉は焼けるように痛み、窒息の苦しみは彼女の餡子を生きたまま掻き回すようだった。 「いやだぁあ゛ゴブッ じにだぐないあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ゲぼッ」 死への恐怖が、彼女を最後の瞬間まで足掻かせる。その時、奇跡的にボンベと体を結ぶベルトが緩み、彼女の体は開放された。 だが酸欠と恐怖でパニック状態となったゆっくり脳は、もはや上下の感覚すら解らなくなっていた。 浮かび上がろうともがけばもがくほど体は逆に地面に突き刺さり、辺り一面に砂埃が舞い上がる。 そしてゆっくりと、ゆっくりと、もがく体は動きを止めていった。 クライ クルシイ サムイ イタイ どうして自分がこんな目に会わなければならないのか。自分はただ優しいお兄さんと楽しく遊びたかっただけだったのに。 薄れる意識の中でれいむは問う。だがどう考えても答えは見つからない。 やがて完全に体は動きを停止し (ゆぐっ……じだ……がっ……た……) お決まりの台詞を残して、彼女の意識は闇の中へと消えていった。 「……あっはっはっはっはははは!!いやぁ傑作だったな!!!腹が痛い!」 ボートの上で、私はモニターを眺めながら大爆笑していた。 霊夢が沈んでから湖の底で悶死するまでの映像、その一部始終を私はボンベに付いていた小型カメラで見ていたのだ。 録画も可能な優れモノなので、家に帰ったらもう一度見直すことにしよう。全く河童の技術力は大したものである。 「さてと……ボンベを回収しないとな。なんたって特注品だ」 ボンベには釣り糸程の細さしかない頑丈なロープが結び付けてある。それを巻き上げて回収し、 そのついでに死体となって浮かび上がってきたゆっくり霊夢もボートに引き上げる。 絶望と窒息の苦しみでグロテスクに歪んだそのデスマスクは、なんとも笑える代物だった。額に入れて飾っておきたいようだ。 兎も角、今年の夏はこれのおかげ楽しめそうだ……高い金を出した甲斐があったといえる。 次はゆっくりれみりゃでも沈めてみるか……あの再生力なら死ぬまでじっくり楽しめるだろうな。 撮った映像は稗田のお嬢さんにでも売りつければいい小遣い稼ぎになるだろう。 新しい遊びの成功に心を弾ませながら、私はゆっくりとボートを岸へ戻していった。 ======== 蛇足なあとがき こんにちは。以前ゆっくり改造職人の前編を書かせて頂いたものです。 後編を書いている最中、ふと電波を受信してこんなものを書いてしまいました。色々と突っ込みどころはあるかと思いますがご勘弁をorz 海とか湖って美しくも怖いですよね。足のつかない不安定な体勢、下を見ると光すら届かぬ冷たくて広大な空間が広がっている…… そこで何者かに突然足を掴まれ、引きずり込まれたら……そんな想像をしてしまい、自分は浅い所でしか泳げません。 暑い夏の夜に、ちょっと涼しいゆっくりいじめを。読んで頂きありがとうございました。 書いた人:ケイネスキー このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/148.html
ゆっくりの因果 「むきゅ~っ、むきゅ~っ」 巣穴の奥から聞こえてくるゆっくりぱちゅりーの声。 歌うように声をあげながら、寝藁をしきりに均らしている。小さく跳ねる旅にゆれる艶やかな紫髪。 忙しなく動き回るこのぱちゅりーは、この種にしては珍しく顔色が通常のゆっくりに近く、動きも機敏だ。ぼろぼろの幼児向けの本に見向きもせず、寝床の藁をふかふかに敷き詰めている。 ぱちゅりーの顔は上気していた。疲れたのか、一端動きが止まると悩ましげなため息を吐き出す。よく見ればその表情は真っ赤。寝藁に身を沈めながら、しきりに巣穴の入り口に熱っぽい視線を向けていた。 それは、これから命をかけて交尾を試みようとしているぱちゅりの姿だった。 通常はその体の弱さから交尾と出産によって命を落とすぱちゅり種。ぱちゅりーもその運命は知ってはいたが、それでもなお愛しのまりさとともに子供を育み、自らの知識を直接教えていきたかった。 そのために、数ヶ月前から健康に気を配り、初交尾の準備を進めてきた。この巣穴一面に広げたふかふかで心地よい寝藁も、まりさを迎え入れるため精一杯集めた嫁入り道具のようなものだ。 今、その相手、まりさが戻ってくるのをひたすらに待っている。 通常の妊娠に至らない性交も体力温存のために控えていたぱちゅりと、理解してずっと我慢してくれたまりさ。久しぶりに愛し合うことに、ぱちゅりは興奮を隠せない。 「む、むきゅううう!」 何を想像しているのか、吐息をはきだしてその体をくねらせるぱちゅり。 もうすぐ、待ちかねた幸福の世界が始まる。 ぱちゅりーが夢想を想うがままに広げていると、幸福の使者はようやく入り口から顔をのぞかせた。 「むきゅ! ま、まりさーっ」 呼びかけると、まりさはにこにこ顔で巣に入り込んでくる。そのまま、ぴたりとぱちゅりの隣へ。 その精悍な顔を横目で見るぱちゅり。吹き上げてくる熱にかられるように口を開く。 「じゅっ、じゅんびはできてむきゅううう!」 言い終えるよりも早くのしかかられるぱちゅり。 十分に言葉を交わす前の行動に少しあわてるぱちゅりだが、元より待ちかねたこと。まりさも緊張しているのだと一人納得して、その動きに身を任せていた。 ぱちゅりーの巣に荒い息づかいと体を打ち付ける音が反響し、やがては淫靡な湿った音がこもっていく。 相手の体温にとろけてしまいそうなぱちゅりー。 「しあわせ~」 喘ぐように、そして夢見るように響くぱちゅりーの嬌声。 「ゆふっ、ゆふっ!」 ゆちゅりーの甘い声に、まりさはただ荒い息づかいを返すだけ。愛を囁いたりはしない。ただその動きをどんどん早めていく。 数ヶ月ぶりであるはずのぱちゅりの体温をじっくり味わうこともなく、ただひたすらに高みへ上り詰めようというその行動。 乱暴なほどにぱちゅりの体を貪っていく。 「ぎもちいいよおおお、そろそろすっきりしようねえええええ!」 「むきゅきゅきゅきゅ!? ま、まりさ、もうなのおおおおお?」 高みに一方的にのぼりつつあるまりさに、ぱちゅりの口をつく不満の声。言いながら、ぱちゅりはハシタナイことを口にしているに 気づいて、顔がますます真っ赤になっていく。 ぱちゅりーの理性はまりさの気遣いを推し量っていた。 まりさはぱちゅりーの体を心配して早くすませようとしているのだろうに、自分がそのおもいを否定してはいけない。 そんな優しさも大好き大好きだよ、まりさ。 小刻みになっていくまりさの蠢動を感じなから、ぱちゅりーはまりさとともにすっきりすべく、愛しいまりさに自らも体をこすりつけていく。 二匹は高みへ一直線。 「んほおおおおおおおおおお、いぐうううううううううう、すっきりー! ……はああん♪」 同時に声をはき出して、深く息をすいこむぱちゅりー。 命をこの瞬間、確かに授かってこぼていく喜びの涙。 するすると蔓がのびていくが、ぱちゅりの命はまだ輝いている。生き延びたんだ。子供たちといっしょにゆっくりできるんだ。 ぱちゅりの涙がとまらない。 これから、まりさと子供とともにどれだけの幸せの道を歩めるのだろう。 「むきゅう~ どっちに似た子供が多いかしら♪」 今はまりさと幸せを甘受しよう。満足の笑みで話しかけるぱちゅり。 一方、まりさはこちらに背を向けていた。口のあたりがもごもごと動いる。 「まりさ?」 呼びかけると振り向くまりさ。その口にはぱちゅりーが二人の生活のために集めた寝藁が、めいいいっぱいくわえこまれていた。 いぶかしむぱちゅりの視線に、まりさは口から一度わらを出してにっこりと説明する。 「子供ができるとここは狭いから、まりさが見つけた新居にもっていくね!」 「まりさ……」 まりさなりに自分との新しい家族との生活を考えていてくれた。 その優しさに再度暖かい涙がこぼれる。 実をつけつつある八つの膨らみ。確かにここでは狭かった。身重の自分が新居に行くためには無防備な自分を引っ張ってもらわねばならなかったが、その間まりさが守ってくれるなら大丈夫。 「ゆっくり引っ越しの支度をしてね!」 ぱちゅりーの声援を受け、黙々と作業を開始するまりさ。 半刻もしないうちにほとんどのねわらが運ばれていき、ふたりの愛液をすいこんだ恥ずかしい寝藁までが運ばれていく。 後に残されたのはがらんとした巣穴と、動けないぱちゅりー。 最後に自分が運ばれていくのを、今か今かと待ちかまえている。 「ぱちゅりー、待たせてごめんね! ゆっくりしすぎたよ!」 そこへ、朗らかなまりさの声。 入り口から慌ただしい足取りでまりさが転がり込んで、ぱちゅりーに幸せそうな笑顔を向け、そのまま凍り付いた。 「ぱ、ちゅ、り、い……?」 引きつった声で名前を呼びながら、その視線をぱちゅりーから伸びた蔓に視線を固定している。 「むきゅー、早くあたらしいおうちに案内してね!」 待ちくたびれたぱちゅりーが笑顔で促す。だが、まりさはぶるぶると震えだして応えようとしない。 ぱちゅりーへの愛情あふれる言葉の代わりに、かっと見開かれた敵意の視線。 「ぱちゅりー! 何で……なんで、にんっしんっしているのおおおおおおお!?」 わずかな困惑と、それをはるかに上回る怒りの声。 それを真正面から受けて、今度はぱちゅりが目を見開く番だった。 「むきゅうううう!? まりさがぱちゅりーをにんっしんっさせてくれたんだよ!」 あれだけ愛し合って実らせた命。二人の幸福の形。それなのに、当の本人は激情にまなじりをつり上げ、ぱちゅりーにくってかかろうとしていた。 「うそつかないで! まりさは一度もぱちゅりーと愛しあっていないよ! 誰と浮気したのか、言ってね!」 「む、むきゅうううううう!!!」 その真摯な怒りに、ぱちゅりは混乱した。だが、まりさの帽子がその視界に入ると同時に、ぱちゅりーの記憶がささやく。 そういえば、自分を守るときにツバが欠けたまりさの帽子。興奮状態で気づかなかったけど、さっきのまりさは欠けてなかったような…… 「む、むきゅうううううう! むきゅうううううううう!!!」 巣穴に響くぱちゅりーの絶叫。 「うるさいよ、何がむきゅうなの! まりさにずっとすっきりさせないで、自分は誰とすっきりしたのっ!!!」 まりさの怒声にはもはや涙声が混じっている。 ぱちゅりーを心から愛し、信用していた。ぱちゅりーとの約束を懸命に守って、数ヶ月を過ごしてきた。まりさの願望は、冬を越しながら子供と向きあってゆっくり育てること。何匹子供ができてもいいように、ひたすら食料を集めた。幸せな生活のため、どれだけの誘惑や危険を退けてきただろう。 その回答が、この不実。 「誰の子か、さっさと言ってね!」 「わ、わからないのおおおおおおおおお!!! むきゅーっ!」 ぱちゅりーは驚愕で視界がまっくらになる想いだった。頭の上で揺れる、幸せの果実だった我が子たち。 それが今、まりさへの裏切りの証拠として、ぱちゅりーの未来絵図を粉々に破壊しつつある。 「誰かもわからないの、このっいんらんぱちゅりー!」 「むきゅううううう! まりさ、それはひどいのおおおおおお!!」 「ほんとのことだよっ! ぱちゅりーが生きているってことは、ぱちゅりーもすっきりしたんでしょ! 誰とでも、相手がわかんなくてもすっきりできる子なんでしょ、ぱちゅりは!」 かわしきれない怒りの矛先に、ぱちゅりは苦痛に苛まれるようにぽろぽろと涙がこぼれる。 違うの、違うの、信じて。あなただと思ったの。それだけなの。 しかし、こみ上げる嗚咽に言葉にならない。嗚咽を堪えてむせるばかりで、ぱちゅりーから出るのは涙と咳のみだった。 その間にも、まりさは怒りに吹き上がる表情を、汚物を見るような覚めた眼差しにかえていく。 「もういいよ、ぱちゅりー。ゆっくりしていってね」 言い捨てて背を向ける。 ゆっくり遠ざかっていくその背中。 「まっでええええ! もうすぐ冬なのおおお、子供、どうすればいいのおおおおおお!」 背中を追ってくる悲痛なぱちゅりーの声に、まりさは振り向きもしなかった。 「まりさとは関係のない、いんらんとその子がどうなっても知らないよ。ゆっくり後悔してね!」 巣穴から出ていくまりさの足取りにためらいはなく、すぐに見えなくなっていく。 「まっでええええ、ちがうのおおおおおお! むきゅううううううううううううう!!!」 後にはいつまでも泣き叫ぶぱちゅりと、ゆっくりと健やかに育ていく子供たちが残されていた。 愛しいゆっくりまりさの消えた入り口から、一陣の木枯らしが吹き込んでくる。 冬は近い。 「ゆっしょ! ゆっしょ!」 広々とした巣穴に寝藁を敷き詰めていく一匹のゆっくりまりさがいた。 先ほどのぱちゅりーの住処に比べて、三倍ほどの広さだろうか。 それも、薄めに敷くことで人通りは寝藁に覆うことができた。 「すっきりさせた結果がこれだよ!」 得意満面で声をあげるまりさ。先ほど、ぱちゅりーを妊娠させて寝藁をとりあげたゆっくりまりさだった。 まりさ一匹には広すぎる我が家で、今はにこにこと戦果を眺めている。 それでも、まだ満足というまでは顔を緩めてはいない。 「あと、ゆっくりするにはご飯が必要だね!」 言うなり、巣穴を飛び出していくまりさだった。 「ゆっ、ゆっ、ゆう~♪」 ゆっくりれいむは、我が子の歌声を聞きながら目を細めていた。 四匹の娘が奏でる甘美な音階に不安はない。れいむは冬篭りの成功を確信していた。 れいむの背後には食料の山。入り口には完璧な偽装。仲睦まじい自慢の家族は、真冬であっても十分な温もりを与えてくれるだろう。 特に出入り口の偽装は母れいむの自信作。 人間の目線では藪にしか見えず、目線の低い獣では匂い一つこぼれていかない。 後は春先までゆっくりを楽しむだけ。 「ゆ~、ゆ~くり~ん♪」 母れいむも娘に応えて歌を口ずさんだその頃。 少しずつ、少しずつ、音をたてないように取り払われていく入り口の枯れ草。 「すごい、お母さん上手!」 「こう、もっとゆっくり歌ってね! ゆゆー、ゆっ~くりいいい♪」 持ち上げられ、脇に積み上げられていく石ころ。 一匹分だけかろうじて開いた穴に差し入れられていく、針金を使ったゆっくり用捕獲棒。 「こっちで練習してから、お母さんに聞かせてあげるね!」 部屋の奥で仲良く練習を始める娘たち。母ゆっくりれいむが娘たちの素直さに、母性あふれる微笑を浮かべたときだった。 針金の輪が、上から慎重に母れいむを囲み込む。 「ゆ?」 かろじて視界に入ったそれの疑問を口にしたとき、すでに輪は急速に収束しようとしていた。 「ゆううう……」 捕らわれる母まりさ。だが、力任せに締め付けるその抑圧に、声もあげられない。咽が潰されそうで、ひいひいと息がもれる。 「……!?」 何が起こっているのかわからないが、その苦痛に娘に声をかけようとするれいむ。 それも、すさまじい圧力に塞がれた。視界の先では、母親に見違えるほど上手くなった自分をみせたいのか、こちらから見えない物陰に隠れて歌に熱中する娘たち。 誰一人気づかれないまま、母れいむは静かに引きずり出されていく。 頬に感じる秋の風。防壁は粉砕されていた。なんでえええええと、叫びたいが声にならない。 そのまま、秋晴れの陽光の元ひ引きずりだされるれいむ。 そして、自らを囲んで見下ろす人間たちの姿に気がついた。 「よし、こいつは繁殖。もう少し育てれば、腹からいける」 年長の男が部下に言いつける言葉の意味はわからない。ただ、恐ろしさがふつふつとわいて、母れいむは涙がこぼれていく。 それでも、拘束された体はゆっくりの膂力ではどうしようもない。 部下が差し出した籠に詰め込まれる母まりさ。 上から、せんべいになれとばかりに凄まじい圧力がかけられ、籠一杯に広がる母れいむ。 弾け飛んで死ねれば楽なのにと思えるほど苦しい。 「奥には、ぱっと見いませんね」 「……ゆ~♪」 覗き込んだ人間の言葉を聞いて、息苦しさにもかかわらず笑みがこぼれる母れいむの顔。 娘たちだけでも、助かるかもしれない。 そんな希望の光は、陽気なほどの新たな声で再び闇に消えた。 「そんなわけないよ! れいむはここで娘を四匹産んだんだよ! ゆっくり奥を探してね!」 れいむの視界を闇に閉ざしたのは、人間たちの間を元気に駆け回るゆっくりまりさ。 あの、ぱちゅりーを妊娠させたまりさだった。 「まっまりざあああああああああああああ!!!」 れいむの絶叫で籠がびりびりとゆれる。だが、それだけ。母れいむはその裏切り者の忌々しい口を塞ぐことはできない。 「ち、違うよ! れいむはぴっちぴちのばーじんだよ! 子供なんていないよ!!!」 「よく探せ」 中の数が分かればもはやこそこそする必要はないとばかりに手短な年長の指示。 その言葉に、遠慮なく巣の壁を取り払い、身を中におどらせていく若い男。 「おにーさん、ふくが汚れるだけだよ! むだだからね!!」 真っ青な顔で、できる唯一の妨害にでるれいむ。 そうだね、でも仕事だから仕方ないねと、もぐっていく男の動きは止まらない。 れいむの顔はどんどん青く、顔は泣きそうなほどに歪んでいく。 「むだなことするなんて、ばかなの! だからやめてね! やめてねって、いってるでしょおおおおおおおお!!!」 「あ、いました。四匹確認!」 「ゆぐうううううううううううううううううううう!!!」 無慈悲な報告に、母れいむはとうとう断末魔の声。泡を吹き上げ、びくびくと震えている。自分の中に眠る母との幸せな生活。ようやく子供を得て、自分もそのゆっくりとした幸せを味わおうとしていた。それが今、命を次代につなぐという、母ゆっくりとしての意味すらなくなろうとしている。 次々と引き出され、周囲を見渡しているうちにどんどんしまわれていく娘たち。 「なんなのごれええええ!!! ぐべっ」 「ぐるじいよおおおおおお! びぎいい」 「なんとかして、おがあぢゃあああああん! ぎゅむううう!!!」 「れ、れいむが歌ってあげるから許してねええ! ゆーゆーゆっ、ぎゅべえええええ!!!」 口々にわめいていたが、籠に押し込まれて嗚咽とうめき声しか聞こえなくなる。 「こいつらはフライボール」 「なに、ぞれえええええ!」 年長の男が言い放った謎の単語に、濁った声で騒ぐ子れいむ。 「まず皮を全部剥いで、健康な薄皮がついたところで衣をつけて油で揚げる。油っこくならないように工夫を施した衣と油に、たっぷりのこしあん。砂糖はまぶす程度で、控えめの甘みが飽きさせない秘密だ」 律儀なのか、滔々と説明を加える男。一工程ごとに子れいむの震えが大きくなっていくのも気づかずに。 「みんな、残さず食べてくれる。君たちはまったく無駄にならないのだよ」 慰めにならないことを告げて、籠を背負いよっこらしょと立ち上がる。 その足元には、ゆっくりまりさがまとわりついていた。 「まりさがこのおうちをおじさんたちに教えてあげたんだよ! 子供の数も教えてあげたよ!」 ぴょんぴょんと、功を誇示して跳ね回る。 年長の男が顎をしゃくると、若い男が報酬の和菓子類を取り出す。 まりさは満面の顔で受け取っていた。 「まりざのうらぎりものおおおおおお」 「ひどいいいいいいいいい!」 「みんなにいっでやるうううううう!!!」 籠から響く呪詛の声にも、まりさの表情は陰ることはない。 「でも、みんなもう生きてお外にでられないよ! かわいそうだね!」 籠からの呪詛は止んだ。代わりに、狂おしいうめき声がこぼれていくる。 男たちが歩き出すと、その声も遠ざかっていき、後には得意そうにもらったお菓子とれいむが溜め込んだ食料を運び出すまりさの姿だけが残された。 「ゆー、まだ少し足りないね!」 巣の中でまりさは一人ごちる。 だが、奥に詰まれた満載の食料は一人で三度の冬を越えられそうなほど。 広々とした巣にたった一匹のまりさに不要なほどだが。 「もう一箇所、行くよ!」 言いながら、再び寒空の下に飛び出していく。 「ゆっくり待っててね! もうすぐだよ!」 秋風にそんな言葉をのせながら。 続く このSSに感想を付ける