約 3,378,743 件
https://w.atwiki.jp/futanari/pages/239.html
ハアッハアッ…… 荒い息のなか、暫しボーゼンとへたりこむ オチンチンってスゴイ 病み付きになりそう 未練がましく手をやると…… 「アレッ!?ちっちゃくなってる」 フランクフルトみたいだったオチンチンが、萎んだ朝顔みたいな形に 「なんでぇ そんなのヤダよぉ~」 さっそくオチンチンのトリコになっていた僕は、慌て弄りまわす ムクムク 僕の心配を余所に、直ぐに復活する愚息 皮に隠れた頭も、恥ずかしげに顔を出した 「ハァ~~、良かった」 そういや兄ちゃんのも、昔はこんなんだったっけ 一時はどうなることかと…… ホッと胸を撫で下ろし、改めてふたサンになってしまったなぁと、実感する あまり嫌じゃない自分も…… 「ウン。名誉なことだしね お国のためにも、家族のためにも」 前向きに考えよっと 先ずは…… 「兄ちゃんか……」 下半身が熱くなるのを感じた たった一人の肉親 軍人だったお父さんは、事故で逝った お母さんは、会ったこともない 兄ちゃんだけが、私の家族だ ……だっただ ふたになった以上、僕、小田巻双葉は人ではない だけど、いや、だから、兄ちゃん、一樹さんと…… 思いを固めて立ち上がった 服を手に取るが、思い直す いいや そのままの姿で、部屋のドアを開け、お風呂に向かった 仕度を整えながら、ゆっくりと作戦をねる 初めての、そして最期の作戦を…… ガチャ 「ただい……、 何だ!?その格好は!」 驚く兄ちゃん でも、まだ動いちゃダメ お風呂上り、バスタオルを巻いただけの姿で、うつ伏せに寝そべりテレビを眺める、自堕落な格好 幾つも離れて無いのに、保護者気質の兄ちゃんなら、必ず罠にかかる 「あ、お帰り~、兄ちゃん」 ダラけた声の演技 「ご飯まだだから、お風呂入っちゃて」 首も上げず告げる 仕事と夜学を終えて帰ってきた兄ちゃんは、お腹を減らして機嫌が悪い 絶対この挑発に乗る 「双葉……」 声が落ちた もう一押し 「なんだよ! 怒ったんなら、お仕置きでもしたら」 お尻をちょっと突き上げて、軽く降ってみる 「双葉!」 パン ツッ! お尻を叩かれた でも、まだ…… 「タオルの上からじゃ効きませんよ~だ」 逆らう 「何だと!?」 バッ 兄ちゃんは、キッチリ巻いたバスタオルを捲りあげた 「!?」 パンツも履いてない、生のお尻が晒される 兄ちゃんには、予想外だったのだろう 捲ったまま動きが止まる 考えさせちゃダメだ 「なんだよ、妹のお尻が珍しい? しょっちゅう見てるクセに それとも、エロいことでも考えてるの?」 更に挑発 この角度だと、足を閉じていても、お尻の穴まで丸見えのはずだ 前のカモフラージュになる 「双葉!」 兄ちゃんの怒声 パンッ! 同時に、凄い力で叩かれた 「クウッ」 イタイ! でも、まだ音を上げるわけにはいかない パンッパンッパンッ…… 「ヒッ、クッ、アアッ……」 悲鳴を噛み殺す 何だか、痛さが何時もと違う 僕が変わったから? 痛さは前よりキツいけど、何だかその刺激が、甘やかに感じる 身体の芯から、もっと欲しいと訴えてくる 『兄ちゃんを、興奮させるためだったのに』 「アン、アアッ、アクゥッ……」 変な嗚咽が、僕の咽から洩れ出していた 洩れてるのは、声だけではない ジュン…… お股からお汁が オマンコからも、オチンチンからも…… 心の中は、泣いちゃうぐらい恥ずかしいのに、身体は裏切って、もっともっととお尻を突き上げた オチンチンは、足を閉じて隠しているけど、オマンコは晒されちゃってるよぉ 兄ちゃんも、絶対気づいてる 叩きかたが変わった お尻の穴や、オマンコを直接叩いたり、叩く手を止めて、腿や腰の辺りまで撫で廻したり、打った後、 お尻のほっぺを開くように掴んだり、そのままジッと見つめたり…… 作戦は成功してるけど、このままじゃ僕のほうが持たない 「兄ちゃん、ごめんなさい……」 無意識に謝ってしまった 「双葉……」 いつもの、優しい兄ちゃんの声 大きな手が、頭を撫でる 『これじゃダメだ』 心の中では、自分のミスを叱咤したけど、その暖かさに酔いしれてた だが、 「これで、最期だ」 パァン!! 不意をついた、最後の一撃ち 「ヒギィ!」 ビュビュッ…… 堪える間もなく、達してしまった触りもしないオチンチンがビクビクと暴れ、お汁を吐き出す 床にぶちまけられたソレに、兄ちゃんは気づいた 「双葉!ソレっ……」 「ウン。生えちゃったんだ」 射精後の酩酊感も覚めないうちに、兄ちゃんの詰問を受ける 「ゴメンね。兄ちゃん 双葉、人じゃ無くなっちゃった」 確かめて貰うよう、足を広げお尻を向けた 頭は逆に、下げている ふたなりになるのは名誉なことだけど、兄ちゃんを一人ぼっちにしてしまう それだけは、申し訳なかった 「何言ってんだよ。名誉なことだ うるさいヤツが居なくなって、俺もせいせいするさ」 兄ちゃんは明るく応えた 「あ~~、ひっど~い」 僕もいつもの調子に戻る 身体を起こし、叩くフリ そう、悲しんでも仕方ない どうにもならないなら、笑っていよう 「まあ、これで俺も独り身だ 身内にふたなり様が出たなら、軍に志願出来るかもな」 「それどころか、士官学校の試験だって受けられるよ」 「えっ、まさかお前……」 「ウン、まだ処女だよ」 考えてみれば、妹にまさかはないよね でも、僕ぐらいの歳でバージンは、やっぱり珍しい 大抵、初潮がきたら、ふたサンに開いて貰うもんだもん でも、僕はしなかった こんな予感が、あったのも知れない 「縁起物だし、高く売れるよ そうすれば、市民ランクも上がるし」 「でも……」 「将軍さまに出世したら、僕を個人副官に出来るよ」 笑っていう 夢物語なのはわかっている でも、少なくとも兄ちゃんの夢は叶うんだ これが、僕の恩返し 「そうだな 出世したとき、バインバインに育っていたら、考えてやる」 兄ちゃんも笑った 目尻を光らせながら 「じゃあさ……」 兄ちゃんに、抱きつく 「試してみてよ」 顎を肩に乗せ、しっかりしがみついた 真っ赤な顔を見られたら、きっと話せなくなるから 「双葉?」 「一樹様、私を抱いて下さい」 心臓をバクバク響かせながら懇願した 「双葉、お前……」 「もう双葉はいません 今の私は、名も無きふたなりです」 体を引き離し、瞳を合わせながら兄ちゃんに別離を告げる 「新鉢は捧げられませんが……」 ケダモノのように、四つんばいになり、両手でお尻を割り開いた 「不浄の門でよろしければ、お情けを頂戴したくあります」 恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい…… 小さい頃から、ずっと一緒だった兄ちゃん お風呂も一緒に入ってた お漏らしの後始末もしてもらった お医者さんゴッコもしてた 着替えも見たり、見られたりした大好きな大好きな兄ちゃん だけど、それは兄妹として 異性としては、ガマンしていた 多分、兄ちゃんも一緒 僕を、妹として守る兄ちゃんは、同時に、女を見る男でもあった でも、妹でいたかったから 兄ちゃんでいたかったから 男と女を押し殺していた だけど、僕は人では無くなった 兄妹では無くなってしまったのだ 僕はこれから、国の、男のモノとなる ある意味、オモチャみたいなモノに でも、最初に受け入れるのが、この人なら…… 誇りをもって、生きられるような気がする サワッ 「ヒャン!?」 腫れ上り、敏感になったお尻に、微かな刺激が流れた 暖かい大きな手の感触 ツッ~~…… 滑らかに蠢き、僕の両手を掴む 両のお尻のほっぺを、僕に替わって割り開く そして…… チュッ 初めてのキスは、お尻の穴だった アッ、アアッ! 「愛してるよ、双葉」 お尻に舌をこじ入れながら、兄ちゃんは言った 僕はそれを、上の空で耳に入れる 『用意しておいて良かった』 ウォシュレットで、中まで洗っておいたのは正解 恥ずかしくて死んじゃいそうだけど、なんとか持ちこたえられる 「ずっと、こうしたかった」 指まで、押し込まれる いきなりは無理だから、お尻のシワ辺りを丹念にマッサージしてから 潤滑油は、兄ちゃんのツバと、僕のジュース 弄られてるのはお尻なのに、オマンコはジュクジュクと、お汁を湧き出させる 内腿を滑り落ちて、膝まで濡らした そして、オチンチンも、兄ちゃんに捕まっている 「兄ちゃん、兄ちゃん……」 やはり、オチンチンの扱いは、一日の長があった クチュクチュ…… 巧みに弄り回すクセに、出そうにると、愛撫を止めてしまう はち切れそうなのに、出させて貰えない 「兄ちゃん 僕、切ないよぉ」 「双葉、どうして欲しい」 「イカせてぇ~」 身体を支えられず、床に頭を突っ伏しながら、兄ちゃんに哀訴した ツプッ 「……ヒッ!?」 初めてなのに、僕のお尻はスルリと呑み込む 兄ちゃんは、呆気なく僕の中に、侵入を果たした 「…………っ」 ビュビュッ…… ひと突きで、イッてしまった 声も出せ無いまま、全身を痙攣させ、精液を吐き出す 僕が落ち着くまで、兄ちゃんはずっと、強く抱き締めてくれていた ヒューヒュー…… 荒い息をつぐ 姿勢を維持出来ず、足をカエルのように開いたまま、うつ伏せに潰れている ほとんど、意識を飛ばしても、埋まった男を求め、ズリズリと腰を蠢かしていた ぶちまけた自分の汚汁をローション代わりにして、オチンチンを床に擦り続ける 我に返ると、そんな浅ましい姿 ジワッ こんなエロ娘だから、ふたなりになっちゃったのかな 初めてなのに、一人だけ気持ちよくなっちゃって だから、兄ちゃんと別れなくちゃならなくなっちゃったのかな 少し、落ち込みのスパイラルに嵌まる グィン! 「ヒャッ!?」 突っ伏していた状態から、一気に引き上げられた 気がつけば、兄ちゃんの胡座に座っている 僕の、大好きだった姿勢 「駄目だぞぉ~ 一人だけで、気持ちよくなっちゃ」 ウリウリ 明るくたしなめる兄ちゃんは、僕の肩に乗せた顎を、グリグリと押し付けた モオ、くすぐったいよぉ 耳元に囁くその顔は、頬擦りするように近づいてる 落ち込みを察知したな 兄ちゃんめ さすがは僕の…… 「アハッ」 チュッ 初めてのキス いや、子供の頃は、チューチューしてたし、ふたのお姉さんとか友達の女の子とかとはしたことあるけど 本当に好きな人との、恋人のとしては、ファーストキスだよね 「アンッ!?」 でも、こんな体勢での、ファーストキスって…… お尻は、オチンチンをくわえ込んでいる 兄ちゃんの手は忙しく、僕の身体のアチコチを這い回った 髪を撫で、耳をくすぐる うなじを滑り落ち、背筋へ 脇腹を通って、お腹を支える 左手で、そんな焦らす動きをしながら、右手は僕のオチンチンから離さない しごくでもなく、緩く握ったまま、余り動かしてくれなかった 「……兄ちゃ~ん」 ほとんど泣き出しながら、僕は惨めに訴える でも…… 「ウプッ」 口に出す前に封じられた 舌までねじ込む、ハードなキス 首をねじ曲げながら、僕は夢中で貪り続けた
https://w.atwiki.jp/utauuuta/pages/4340.html
ぱんこげこげになっちゃった【登録タグ Youtubeミリオン達成曲 は ピクド 曲 殿堂入り 足立レイ】 作詞:ピクド 作曲:ピクド 唄:足立レイ 曲紹介 なっちゃった... 歌詞 パンこげこげになっちゃった 別に食べれないことないけどさ ねぇ、やっぱフワフワがよかったのにな もっとおいしく焼けてくれたらな もう遅いのはわかってるよ パンこげこげになっちゃった 固い… 食べれないことないけどさ はあ… 明日こそうまく焼けたらいいな もっと美味しく出来るハズだから 苦いパンを噛み締めた あぁ… コメント この曲ネタ曲の癖して良い曲だね -- ユウウツ霜 (2022-12-24 17 58 45) 歌詞はネタに全振りしてるのに後ろの音がめちゃかっこいいのすごい好き -- いなみ (2022-12-31 11 39 56) この曲スキ。足立 レイちゃんも可愛い -- ruttulu (2023-01-06 12 42 57) めっちゃ好き、この曲のテンポ感が好き -- 不知火ルカ (2023-02-02 09 19 08) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/allrowa/pages/45.html
手相手にムキになっちゃってどうすんの ◆iet9mpGEeA 「わたしこそしんのゆうしゃだ!!!」 僕が殺し合いの地にたどり着いてから真っ先に見た光景はそれだった。 目の前で剣を振り回す男性、そして宙に浮かぶ「手」。 手も頑張って立ち向かってるんだけど、手に持っているのがピッケルじゃ剣には部が悪いと思う。 どうも放っておいたらマズそうなのは剣を振り回しているほうだ。 「ウダァーーーォ!!」 手が斬られた(?)みたいで叫び声をあげた。 やっぱり、あっちはなんかまずい。まあ、そんな直感を信じることにして僕は銃を抜いた。 「ストップ! 二人ともやめて!」 発砲するつもりは無かった、でも自然と引き金を引く動作が僕の中で行われた。 結果……血を撒き散らしたのが剣を振り回してた男の人のほう。 頭に命中してるんだ……生きてるはずは無い。 残念、わたしの冒険は終わってしまった……か。 そんな気分なんだろうと胸中思う。 ふと気がつくと手が剣を回収してこちらへ向かってくる。 マズイ、読み間違えたかな。危ないのは手のほうだったか? でも、それは余計な心配だった。精一杯全身(?)を使って感謝の意を表現してくれた。 どうやら、この手君は僕と行動するつもりらしい。 まあ、深く考えるのもめんどくさいし。それもいいかな。 【しんのゆうしゃ@シャドウゲイト 死亡】 【ハエ叩きの手@マリオペイント】 [状態]:健康? [装備]:ブライオン@LIVEALIVE [道具]:ピッケル@真女神転生if、不明支給品(0~2)、基本支給品一式 [思考] 基本:ハエは叩く(襲ってくるやつは倒す) 1:スペランカーと行動 [備考]: ※手だけです、手首と思わしき部位に首輪がついています。 どうやら人の背の高さ辺りまで浮けるようです。 【スペランカー@スペランカー】 [状態]:健康 [装備]:デスクリムゾン@デスクリムゾン [道具]:確認済み不明支給品(0~2)、しんのゆうしゃの未確認不明支給品(0~2)、基本支給品一式 [思考] 基本:うーん、どうしよう 1:手と行動する 時系列順で読む Back 繋がる命 Next 甲賀忍法帖 投下順で読む Back 繋がる命 Next 甲賀忍法帖 GAME START しんのゆうしゃ GAME OVER GAME START ハエ叩きの手 新たなる冒険 GAME START スペランカー 新たなる冒険
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/11554.html
一年生になっちゃったら 主人公と血縁者 草薙家 コメント 大井昌和による日本の漫画作品。芳文社発行の『まんがタイムきららフォワード』にて連載された。 主人公と血縁者 ランターン:高遠 伊織 草薙家 フーディン:草薙 結女 自称「天才の女性科学者」から。持ち物ものしりメガネ推奨 ユンゲラー:草薙 みくる 持ち物ミクルのみ(名前ネタ)推奨 コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/meiwakumaill/pages/18.html
No.1ホスト★学虎様より ▼件名▼ 『こんな時間なっちゃったけど俺の本音を書いてみるから、絶対読んでっていうか読め(笑)』 ▼本文確認▼ http //IIJ.2lu2n.info/inmail/50909002?hash=0843a1088da4b606dbb2be1b3c3d1dd3 next_url ↓↓↓↓↓↓↓↓ ▼サイトログインURL▼ http //IIJ.2lu2n.info/?hash=0843a1088da4b606dbb2be1b3c3d1dd3 next_url サポートセンター info@purefairy.net (退会はコチラ) delete_1520227@purefairy.net FAIRY LAND事務局 (C) 2011 FAIRY LAND コメント 名前 カウンタ 今日 - 昨日 - 累計 - Wiki内検索 検索 and or 更新履歴(Wiki全体) 取得中です。 リンク元(時系列/このページのみ) 申し訳ありませんが、recent_page_ref プラグインは提供を終了し、ご利用いただけません。 リンク元(累計/このページのみ) #ref_list リンク元(時系列/Wiki全体) 申し訳ありませんが、recent_ref プラグインは提供を終了し、ご利用いただけません。 リンク元(累計/Wiki全体) #ref_list
https://w.atwiki.jp/iyaluc/pages/11.html
【サボテン】 「あら、かわいい」 後生大事に少女の胸に抱かれた白いちいさな陶器の鉢にちょこんと鎮座ましますそれ――小さな体のてっぺんに鮮やかな赤い花を咲かせたサボテンに目を留めて妙子は微笑んだ。 「きまったんだ?誕生日のプレゼント」 小洒落たケーキ屋の、人気商品さながらに色とりどりのセロファンやリボンで華やかにラッピングされたミニサボテンは、華美な装いにすこしばかり気恥ずかしげな表情を浮かべてかしこまっているようにも見えた。 「うん」 自分の腕の中にあるきらきらと光る美しい「宝物」を覗き込んで、ちょっと眩げに目を細めて、内気な彼女らしいはにかんだ様子でカオリは頷いた。 実はね・・・と言いかけて、口ごもる。 「あのね・・・これ、お兄ちゃんにはいわないでね」 「大丈夫、『絶対』言わないわ」 妙子は、厳粛な誓いをたてるように真面目な顔になると、人差し指で自分の唇を塞いでみせた。 その答えに安堵して、カオリは小さな声で語りだした。 花屋さんのお店でどうしようかなって思って見てたら、アッキー君が言ったの 「これ、お兄ちゃんに似てるねって」 「アキラに?」 思わずどきりとして聞き返した妙子の耳に、ふふ、と抑えてもこみ上げてくる笑いに身をよじりながらカオリはいっそう小さな声で『秘密』を告白した。 「頭がトゲトゲ、とんがってるとこ」 それを聞いたらね、カズ君も、ユキちゃんもワタナベ君もそっくりだあって笑ったの。 「私もね、それで余計好きになっちゃってこれに決めたんだけど・・・でも、誕生日プレゼントのお花にサボテンなんて、やっぱり変かなあ・・・」 「そんなことないわ、きっと喜ぶわよ」 年の離れた『姉』の力強い太鼓判に、内気な少女はぱあっと顔を輝かせ、しあわせそうに笑った。 「ったく、あいつら下手な嘘つきやがって」 大体あいつらがベンキョーしてるとこなんざ、みたことねーっての!憤慨したようにアキラは語気を荒げた。 夕食が終わるや否や「宿題しなきゃ」だの「明日社会の時間発表だった」だのといった見え透いた言い訳を口にしながら、食堂から一散に逃げ出した年下の子供たちの態度にぶうたれながらも、洗った皿を拭き食器棚へ片付ける作業の手が休まることはない。 「いやなら、手伝わなくてもいいのよ」 皿洗いをおえて蛇口近辺に飛び散った水しぶきを台拭きで拭いながら、つんつんととんがらけた金色頭の後ろっ側へ、いつもの様に冗談めかした口調で声をかける。 「・・・別にィ・・・ヤじゃねーからしてんだろ」 少しの間をおいて返ってくる、ぶっきらぼうな物言いもいつものものだ。 「アキラ」 「んー?」 呼びかけると、妹のそれとそっくりな、素直な気質をそのままにのぞかせる暗褐色の瞳が振り向く。 「ふふ」 「・・・なんだよー」 微笑みを湛えた顔にじっと見つめられてばつが悪くなったのか、たじろぐ『弟』の頭(彼女の頭よりちょっとばかり高いところにある)に両手を伸ばすと、妙子はわしゃわしゃとその「トゲトゲ頭」を乱暴になでくりまわした。 「うわッ、・・・な、なにすんだよー、やめろよー」 焦ったようなアキラの抗議の声も、聞いてなんかやらないのだ。 もみくちゃにされた金髪の感触が手のひらに心地いい。何年ぶりだろう、こんな風にアキラの頭を撫でるのは。 見た目よりも柔らかなその感触は、「ちびっこハウス」にきたばかりのころの、不安と孤独で身をよろい、自分と妹を守るためたった一人で全世界に牙をむいていた小さな男の子のそれとまったく変わっていなかった。 「いい?」 ひとしきり髪をくしゃくしゃにした後、突然の子供扱いにすっかり戸惑い、真っ赤になってしまったアキラの顔を見上げて妙子は再び笑い、笑いながら少年の目を見据えて言った。 「あんたがどこに行こうとなにをしようと、『ここ』はあんたの家で、『あたしたち』はあんたの家族なの」 他の何を失くしたって、他の何を忘れたってかまわない。でもこれだけは覚えておいて。あなたの帰る場所はいつだってここにあるのだと。 「・・・だから胸張って、怖がらずに歩いていきなさい」 ※あとがき(というか言い訳) 加藤登紀子の「サボテンの心」という曲(いかにも『田所アキラ』な名曲です。特に歌詞が)を聞いて思わず一発書きしてしまった謎SSなので、多くの方にとっては「なんじゃこらヨ」的な話になっていますがご容赦ください。 アキラの誕生日も知らないのに「誕生日前日ネタ」なんてやっていいのかと空恐ろしい気もしますが、笑って許してやってください…と頭を下げつつもほかの子供たちのプレゼントはなんなんだろうなー…と妄想し、ユキは絶対「ミサワ関連グッツ」だろうなぁとか一人にやけてしまう今日この頃です。
https://w.atwiki.jp/83452/pages/18566.html
律「あー、夜風にあたってたってやつ? ついさっきまで騒いでたからちょっとな」 菖「なになに、猛練習でもしてたの?」 律「そんなわけないだろー? ……えっと、まぁ、パーティやってたんだ、澪たちとな」 菖「へー! なんのパーティ?」 律「……私の誕生日の」 菖「え、そうなの!? 今日だったんだ!? ごめーん、知らなかった」 律「いやいやいいって! 言ってなかったしな」 菖「ふむふむ……これは何かプレゼントを贈らなきゃね」 律「いいよ、それにもう今日あと5分しかないし」 菖「んー、でも何か……今からじゃお店開いてないしなぁ……うーん」 律「気持ちだけ受けとっとくよ、サンキューな、菖」 菖「でもこのままじゃ気が済まないから……そうだ! 肩揉み券とかどう?」 律「小学生かよ! ……でもいいかもな、騒ぎすぎて疲れたし」 菖「おっけー! この私にまかせなさい! ほらほら、そっち向いて」 律「ほい」 菖「どれどれ……ほっ!」グキッ 律「あだだだだだだだ!!! ちょ、強すぎだって!?」 菖「あ、ごめん!」 律「お前、蹴りだけじゃないのな……強いの」 菖「おかしいなー、私別にムギちゃんみたいに力強くないんだけど」 律(単に手加減できないだけなんじゃ……) 菖「よーし、今度は失敗しないよー」ワキワキ 律「そ、そーっと、な?」 菖「……こう?」ムニ 律「……ひぁっ」 菖「どう?」ムニ 律「く、くすぐったいって……」 菖「……」ニヤリ 菖「それそれそれー!」ムニムニムニ コチョコチョコチョ 律「ぷっははははは! ちょっと、やめ、ぷはははは!!」 菖「どうだー!!」コチョコチョコチョ 律「だーー!!!やめい!!」スパーン!! 菖「いだっ!?」 律「ぜぇぜぇ……余計疲れたわ……」 菖「ゴメンゴメン、つい楽しくなっちゃってさー」 律「本来の目的忘れてるだろ……ぷ、ふふ、ぷははははは!」 菖「どうしたのりっちゃん!? くすぐりすぎた!?」 律「いや、なんか、深夜テンションってやつ? く、くく……」 菖「あ、そうこうしてるうちに日付変わっちゃった」 律「結局笑い疲れただけじゃねーか!」 菖「ごめんねー、じゃぁ明日のお昼おごってあげるから!」 律「お、いいな! そりゃありがたい」 菖「フフ、じゃ明日起きたらメールするね!」 律「おう! じゃ私は部屋に戻るよ、おやすみ」 菖「おやすみ~!」 短いですが終わりです 戻る
https://w.atwiki.jp/kachan/pages/108.html
2008/06/08 【料理長】 今日の朝ごはんは、かっちゃんが作ります。 料理長はパジャマ姿です。 ソーセージのソテーと、スクランブルエッグ?炒り卵??ができあがりました。 午後からは、フルーツ公園へお散歩。 携帯のカメラじゃ、流し撮りは無理?? でも、ゆっきーの写真は綺麗に撮れました。 2008/07/05 【参観日】 久しぶりの授業参観に行ってきました。 かっちゃんの通う小学校には、こんなポストが置いてあって、とっても懐かしいです。 観察日記や・・・ 遠足の楽しかった様子を窺うことも出来ました。 授業の様子は・・・ 自慢げに発表する息子は、なかなか立派なものでした。 2008/07/08 【くわがたがやってきた】 とうちゃんがベランダで一服していると、何やら黒い物体が。。。 こくわがたです。 右後ろの足が折れていて痛々しい。 かっちゃんは名残惜しそうでしたが、逃がしてあげることにしました。 2008/07/13 【チロルの森】 毎日暑くて、もうくたくた。避暑地にでもドライブしますか? 向かったのは、塩尻市にあるチロルの森。 思ったほど涼しくなかったけど、お目当てのゴーカートに乗って御機嫌です。 木の枝から、あおむしがぶらーん。 おもしろ自転車に乗ってみました。 何となく動きがぎこちなかったけど・・・ 1週もしないうちに慣れて、すいすい乗り回しています。 おーい。どこへ行っちゃうんだー? こいつを乗りこなすのには、ちょっと時間が掛かったけど・・・ 調子づいて手離しかい! こけるぞ!! また裂きマシーン・・・ カミナリが鳴って来たからもう帰るヨ! どう? 楽しかった? お二人とも楽しかった様子で、大変結構です。 とうちゃんと、かあちゃんは、蒸し暑くて疲れちゃいました。 また来る・・・? 2008/07/19 【第2回コズミックカレッジ】 今回も参加しました。今日のテーマは「熱気球を作ろう!」 宇宙のお話を聞いて、気分を盛り上げます。 みんなで協力して頑張ろう! よその学校の子も一緒に・・・ 熱気球が浮かぶ仕組みを真剣に聞いています。真剣に・・・聞いてるよね? バーナーを使って熱風を送り込みます。結構本格的! だんだん膨らんできたぞう。 太陽の光を浴びながら、どんどん高度を上げていきます。。。 と思ったら、係留用のテグスが切れちゃって・・・ あーあ。行っちゃった・・・ かっちゃんはお友達とバッタ取りを始めました。 遠くに飛んでいった気球が写っています。 すっごいおもしろかったね。 どたばったん。 で、お部屋にみんなで戻って終了!だと思ったら、「感想文」を書くお勉強が待っていました。 ははっ。頑張れよー。子供たち! かっちゃん7 子供たちメニュー かっちゃん9
https://w.atwiki.jp/ikenumayui2/pages/49.html
でんちゃっちゃ ――とある日の昼下がり―― 唯「うー、うー?(^q^)」 唯はテレビの前で一人唸っていた。画面には線路を走る電車の姿が映っている。 重度の池沼である唯は、当然ながら一人で電車に乗ることはできない。また、ホームとの間にある溝に落ちることを危惧して、憂は唯を連れて電車に乗ることは一度もなかった。 つまり、唯は今まで電車を見たことがなかったのだ。 唯「う゛ー('q')」 ぴかぴか光る車体が、物凄い速度で走っている。 豆粒より小さい唯の脳内は、『あれはなんだろう』という疑問と、『すごい! かっこいい!』という感想で一杯になった。 唯「うーい! うーい!(^q^)」 憂「はいはい。なあに? お姉ちゃん」 庭で洗濯物を干していた憂は、姉が自分の名を呼ぶのを聞いてすぐ様駆け付けた。日々の介護で心なしかやつれている。 唯「うーい!(^q^)こえ、なんでつか!?(^q^)」 憂「これ? これはね、電車っていうの。乗り物だよ」 唯「でんちゃ、でつか?(゜q゜)」 憂「うん。電気で動く乗り物だよ」 唯「ぶーぶーでつか?('q')」 憂「似たようなものだよ」 唯「うー?(^q^)」 憂の言葉を聞いて、唯は一瞬だけ黙り込んだ。 あ、これは面倒なパターンだ、と憂の感が警鐘を鳴らす。 憂は大きくため息をついて、脇に抱えた空の洗濯籠を床に放り投げた。 唯「ゆい、でんちゃ、あうでつ(^q^)!」 憂「危ないわよ」 唯「う゛―う゛(`q´)」 憂「お姉ちゃん、やめよう?」 唯「ゆいのいうこときかない、ういわるいこでつ(`q´#)」 憂「私はお姉ちゃんの安全のために――」 唯「わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!(`q´#)」 怒り狂った唯はすぐ側に置いてあったテレビに体当たりをした。 台の後ろへ倒れこんだテレビは、上に乗りかかってきた唯――体重100キロを超えるデブ――に耐えられずに大きな穴を空ける。 唯「びえーーんゆいいたいーーーー!( q )」 憂「あああああ泣き止んでお姉ちゃん! わかったわかった、連れてくから! でも見るだけよ?」 唯によって破壊されたテレビは、日々の疲れを癒すために買ったもので、細やかながら憂の生きる糧となっていたものだ。 それを破壊されて憂は泣き出したくなったが、持ち前の精神力でなんとか堪える。これ以上物を壊されたらたまらないので唯を宥める必要があり、泣く余裕もなかった、というのもあるが。 唯「あああああああでんちゃたんちじゃたでつ!!( q )ひっく……びえええええええん……(TqT)」 テレビの画面から電車が消えたことで『でんちゃたんがいなくなってしまった』と思い込んだ唯が泣き止むまで、憂はしばらく唯の機嫌をうかがわなければならなかった。 憂「ついたよお姉ちゃん。ここが踏切」 唯「ふーきーたんでつか('q')」 壊れたテレビもそのままに憂がやってきたのは、最寄にある駅だ。桜ヶ丘へ向かう通学路とは反対方面の駅である。 唯「でんちゃたん、いないでつ(‘q’)」 憂「あと数分で来るよ」 唯の方を見向きもせず、あらぬ方向に視線を向けたまま憂は答えた。 少女A「もう、お姉ちゃんったら……」 少女B「えー、だってさ、あの時の……」 唯「ほーげー(°q°)」 憂「………………………………」 踏切の前で立ち尽くす平沢姉妹の横を、学生服で身を包んだ、部活帰りと思われる二人の少女が通過していった。 憂(あ、あの人たち、姉妹なのか……) 憂の目に、仲睦まじい様子の姉妹の姿が映る。羨望の眼差しでそれらを見つめた後、隣りでボーっとする唯を見てため息をついた。 もし唯に障害がなかったら、自分もああいう風に楽しく暮らせたかもしれない。 介護に追われて疲れ果てることもなかったかも……。 しかし、そんな想定は無意味だ。憂の姉は相変わらず最重度の池沼だし、憂の肩には介護と家事が子泣き爺の如き重さで伸し掛かっている。 あまりにも惨めな自分に、憂は泣きたい気分に襲われた。 「う?(^q^)」 ガタン、と音が聞こえた。黄色と黒で塗られた遮断機が下りてくる。電車が走ってきたのだ。 唯「わ゛ーわ゛ー!!\(^Q^)/でんちゃたん!でんちゃたん!(^Q^)」 唯のテンションが急激にあがる。だらだらとよだれを垂らして喜ぶ唯は、電車の前に躍り出た。知能が低い池沼故の行動である。 唯「でんちゃでんちゃでんちゃっちゃー!!(^q^)」 憂「あっ! 危ない!」 普段なら決してこういった行動を許す憂ではないのだが、考え事に浸っていてつい行動が遅れてしまった。慌てて唯の腕を掴んで線路の外へ出そうとするが、憧れの電車を前にした唯はなかなか強く抵抗してくる。 憂「あっ……」 この時――憂の脳裏の、ほんのわずかなところに、とても恐ろしい考えが浮かんだ。 いや、考えというより、ほんの一瞬の気の迷い。悪魔の誘いと言ってもいいかもしれない。 もし憂に正常な判断をする余地が残っていたなら、こういう結果にはならなかっただろう。しかし、身心ともに摩耗しきった憂には、正常な判断能力などあるはずもなかった。 憂はあらゆる分野において発揮する恵まれた才能を生かして、一つの演技をした。 知的障害を持つ姉の暴走を抑えきれずに手を放してしまい、突き飛ばされるという『演技』だ。 憂の手から放たれた唯は、満面の笑みを浮かべて『でんちゃたん』へと向かって行く。 その結果は――言うまでもない。 轟音と、周囲に広がる血と肉の臭い。 憂「あ、――お、お……おね……」 頬に赤い液体を感じた憂が我に返った時には唯の姿は見当たらなくなっていた。その代わりに 転がっている肉塊――。 憂「お姉ちゃん……」 真っ青になった憂が近付こうとする。周囲にいる人――憂の演技に騙された善良な人たちだ――が、肉親を失ったばかりの哀れな少女が傷つかないように引き留めようとする。 見ない方がいい! 俺は救急車に電話するから、お前は鉄道会社に! そんな……肉親の目の前で……こんな事故が……。 憂「事故じゃないんです……違います……。私が……」 もういい! 君は悪くない。何も言うな! 憂「私が……わ、私が、ころ……した……」 この子をどこか遠くの場所へ! 憂「ごめんね……! お姉ちゃん、ごめんね……! う、うわああああああああんッ!」 おわりでつ(TqT)ゆい、ちじゃいまちた('q') 池沼唯SS第一保管庫に戻る
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/1266.html
朝早く、私は最近の日課となっている「二人分のお弁当作り」に今日も励んでいる。 あれだよ。ほら、良く出来た幼なじみが、うだつの上がらない主人公の為に毎日お弁当を作ってあげてたりするじゃん? 私もね、色々と目覚めちゃうまでは、「なんでこの手の幼なじみは、こうもまあ甲斐甲斐しいのかね~」と二次元相手に突っ込んだりもしてたけど、今なら、その幼なじみの心境という物も何となく分かるような気がするね。 うん? この例えだと、私の相方に対して失礼かな? いやいや、他の面ならともかく、家事に関しては私の方に分があるんだし、それくらいは胸を張っても良い筈だ。 ……まぁ、私に胸なんか無いんだけどさ! そんな自虐ネタも織り交ぜつつ、私は愛情をたっぷり詰め込んだお弁当箱のフタを閉めた。 時計を見ると、時刻は間もなく午前7時に差し掛かろうとしていた。 なんたって今日は腕に揮いをかけて、おかずを全部手作りにしたからねっ! かがみ、喜んでくれるかなぁ……? とても喜んだ時のかがみの可愛らしい表情を想像して、私は思わず格闘技で培ったパンチとキックを誰も居ない台所相手に披露したのだった。 ……ふぅ。いつも思うんだけど、徹夜明けってなんてこんなにテンション高いんだろうね? ☆☆☆☆☆ 「……ぉ、おはよう、かがみ……」 それから約一時間後、いつもの駅前の待ち合わせ場所には、すっかり先程までのハイテンションも抜け切って、眠気とダルさで少しばかりボロボロになっていた私がそこに居た。 「なんだ、また徹夜したのか?」 「寝る前に、なんとなくパソコンのフリーゲームを落としてプレイした結果がこれだよー」 「ホント、あんたも懲りないわね」 先に待っていたかがみは、私の様子を見聞きして、呆れながらもどこか優しげな微笑みで私を迎えた。 「それで、終わった頃にはもう5時過ぎだったからさ、下手に寝るよりいっその事起きてようと思って、気合を入れて今日のお弁当はかがみの好物を手作りしたんだよ~」 そう言って、私は二人分のお弁当の入った鞄を少し誇らしげに掲げる。 「あっ、そうなんだ……。ありがとう……」 頬を紅く染めたかがみは、目を伏せながらそう私に呟く。 昔の私なら、ここで「んー? 食いしん坊のかがみんはもうお腹が空いてるのかなー?」等とニマニマしながらからかっていたのかもしれないけどね……。 今の私に、このかがみの仕草は致命傷そのものだった。 「あー、かがみんや?」 「な、何よ……?」 「……ここでさ、ぎゅってして良い?」 私がそうお願いすると、かがみの顔はよりいっそう真っ赤になった。 「こ、ここで!? そ、それはさすがにヤバイって!」 「そんな事言ったって、かがみが可愛すぎるのが行けないんだよー! そんな顔されたら私の理性が幾らあっても足りないんだよ!」 早朝からだとか、公共の場だとか、そんなのは最早関係無かった。 有無を言わさず、かがみを抱きしめようとした私の前にかがみの鞄が立ちはだかった。 「待て待て待てっ! そんな事したら今日一日、口聞いてやんないからねっ!」 さすがにそこまで言われて拒否されると、抱きつくに抱きつけなくて、暴走する私に急ブレーキがかかった。 それに、一日口を聞かないとなると、私もかがみも寂しすぎて死んじゃう恐れがあるしね……。 「釣れないなーかがみは。ちょっとばかりぎゅーっと抱きしめるだけじゃん……」 「あんたの場合は、“ちょっと”じゃ済まないから言ってるんでしょうが……。もうすぐバスが来るんだし、さすがにここでは自重しなさい」 「むぅ~」 確かにかがみの言う事には一理あるので、私もここは渋々引いておく事にする。 一応、朝のラッシュということで大勢の人々が、こちらをチラ見しては通り過ぎていくけれど、今更そんな些細な事を気にするような私達ではない。 一旦離れたとはいえ、怨めしくかがみを見つめていると、相変わらず顔を真っ赤にしたままのかがみが、 「とりあえず、手ならいつでも握ってあげる。それに、徹夜明けで眠いでしょ? バスの中だけなら肩貸しておいてあげるから」 と言って、私の方を見つめながら手を差し出して来た。 ……そういう事を素でしてくるから、気が抜けないんだよね。かがみんは! 主に理性的な意味でだけど。 ☆☆☆☆☆ かがみの髪はいつも良い匂いがする。 香水では出せない、世界でかがみしか出す事の出来ない唯一無二の甘い香り。 二人分の座席に腰掛け、さっきの約束通りに、かがみの肩に頭を乗せ目を閉じてみれば、暖かな手が私の髪を撫でてきた。 たった、これだけで私の心は幸せ一色に満たされてしまう。 付き合い始めてから、私とかがみは大きく変わった。 かがみは一言で言い表すなら――とても優しくなった。 それまでも、なんだかんだでツンデレキャラだったけど、今では完全に「ツン」と「デレ」の比率が1:9ぐらいに変化しているのだ。(泉こなた調べ) まぁ、あくまでも私限定で、だけどね。 この間、この調査結果を元に本人をからかってみたら「あんたの好きなツンデレ風に説明するなら、『べっ、別に、あんたの為にやってるんじゃないからねっ! 私がそうしたいからそうしてるだけなんだからっ!』って事かしらね。要するに、私がそうなるぐらいこなたを愛してるって事よ」と、さも楽しそうに答えられた。 無論、その日はかがみを家には帰さなかったんだけどねっ! で、素の状態でもオーバーキル気味に愛しいかがみに、こうもデレ全開で来られると、本当に私の理性が持たないんだよねー。 おかげで、今では「私の方が常に暴走してる~」みたいなレッテルが貼られてて、「どことなくクールなオタク」を標榜していた私にとっては非常に不本意というか、まさにキャラ崩壊の危機的状況な訳ですよ。 まぁでも、当のかがみは、私のそういう部分も満更では無いみたいで、結局、お互い今の状況に満足してるんだけどね。 「……ホント、かがみとコンビニがあれば生きていけそうな気がするよ」 「はいはい」 目を閉じたまま私がそう呟くと、苦笑交じりのそんな声が聴こえた。 ☆☆☆☆☆ バスの車内で十二分に傷ついた体と心を癒され、朝の授業を八割近く居眠りで過ごした私は、昼休みにはすっかり再起動して、いつものように屋上にビニールシートを設置して、かがみと二人で特製のお弁当を食べる事にした。 今頃、中庭のベンチではつかさとみゆきさんが、こちらと似たような雰囲気を醸し出しながらお昼を食べている事だろう。 それにしても、まさか私達よりも先に、あの二人がフラグを立てていたとは、今でも信じられないよね。 というか、あの二人は天然過ぎて、逆にそれらしい反応が無かったんだけどね。 今でこそ、「ああ、ちゃんと好き合ってるんだな~」と分かるぐらいにお互い積極的になった――登下校を別々にしたいと言い出したのもつかさからだったっけ――けど、肝心のかがみは早い段階で気づいていたって言うんだから、やっぱり双子の姉妹って凄いよね。 ちょっと、ジェラシー感じちゃうなぁ……。 「お~い、急に手が止まったけど、どうしたんだ?」 おっといけない、お腹を空かせた怪獣かがみんが凶暴化しない内に、お弁当を広げないとね。 ごめんごめんと笑って謝りながら、私は二人分の料理は余裕で入るぐらいの大きな重箱の蓋を開けた。 今日のお弁当の中身は、過去にかがみが美味しいと褒めてくれた私の手料理ばかりだ。 さて、今回も褒めてくれるかな。かがみんは? 「おおー、今日はやけに頑張ったじゃない。いつもは寝坊したとかで、冷凍物のお惣菜ばかり入ってるのに」 「むぅ……後半の一言が余計だよ。かがみん」 「だって、実際問題、毎日お弁当を持ってきてくれてる割に、本当にあんたの手料理を食べる機会が少ないんだもの。酷い時にはコロネ二人分で済まそうとするし。……私はもっとこなたの作った物が食べたいのに……」 そこまで言って、拗ねたようにそっぽを向いてしまうかがみ。 うわっ、完全に薮蛇引いちゃったよ……。でも、拗ねたかがみは死ぬほど可愛いなぁ。 「ご、ごめん、かがみ。今度からはもうちょっと頑張るからさ……。今日みたいなのはさすがに毎日は無理だけど」 「……とりあえず、コロネだけってのはやめてくれない? お弁当楽しみにしてるのにあれが出てくると凄くがっかりするんだからね! ……それに、あれだとすぐにお腹が空いちゃうし」 ……それって、どっちかというと後者の理由の方が大きいんじゃない? と思ったけど、それを口に出すと今度はスネークじゃなくてドラゴンが飛び出してきそうな雰囲気なので、黙っておくことにしよう……。 だけど、その時の私は、ここでは全く関係の無い――ただ単純にかがみとやってみたくなった――妄想が化けて出てきて、 「あー、でもさ、かがみ。コロネはコロネでポッキーゲームみたいに端と端から食べ合いっコしたら、一つで二度甘いっていう裏技がだね――」 「そういうのは、おやつの時でも出来るから。その時にやりなさいよっ!」 「えっ、じゃ、じゃあ、今度からはおやつ用にチョココロネを持ってくるから、そうしたらそういう事もやってくれるって事だよね!?」 「うん。それなら毎日持って来ても許してあげるわ」 ひょんな事から私の欲望がみなぎった所で、かがみのお腹が「きゅ~っ」っとなんともまあ萌えな声を上げた。 途端に顔を真っ赤にして、両手でお腹を押さえるかがみにも萌えたけど。 「色々と話が脱線しちゃったけど、かがみ様のお腹ももう待ちきれないみたいだし、食べよっか?」 ニヤニヤしながら私がそう聞くと、すっかりしおらしくなったかがみがコクリと首を縦に落とした。 ☆☆☆☆☆ 今日の5時間目は体育だ。 ウチの学校、体育や家庭科はいつもクラス合同でやるから、これだけはかがみと一緒に授業を受ける事が出来るんだよね。 そんな訳で、「二人組を作れ」という先生からの指示が出ると、いつも私は真っ先にかがみの元に駆け寄る。 別々のクラスだから、こういう貴重なイベントは全部潰して行かないとね。 今の私は、かがみとの思い出をフルコンプする事に対して手段を選ばなくなっている。 「位置についてー、よーい!」 だから、かがみと数百メートル離れたスタート地点から、一秒でも早くかがみの元へ辿り着けるよう、私は風を切るようにしてトラックを駆け抜けた。 「やっぱり、あんたは速いわねー」 ゴールした後、私のタイムを計っていたかがみがストップウォッチを眺めながら、感心していた。 「前につかさも言ってたけど、ホントに陸上部とか入ったら大活躍出来るのに、勿体無いわね~」 「だって、部活に入るとさ――」 ――ゴールデンタイムのアニメが見れないじゃん。 昔の私なら臆面も無くそう答えていただろうね。 でも、今の私なら、全く別の答えを微笑みと共に用意する。 「四六時中かがみとイチャイチャ出来ないじゃん!」 「なっ! な、何言ってんのよ。バカ、恥ずかしいじゃない……」 だってさ、こうやって、言葉とは裏腹に満更でもない表情のかがみを見てたら、他のどんなアニメも味気なくなっちゃうんだよ? だから、“かつての楽しみを奪った”かがみにはこれからも責任を取って貰わないとね――。 かがみと共にある日常。 私はそれだけで毎日が幸せだ。 週末は久しぶりにかがみをデートに誘おう。 別に場所はどこでもいい。 かがみと一緒ならどこだっていい。 ――そういえば、最近暖かくなってきたし、天気予報が晴れだったら広い公園にでも出掛けようかな? 私が早起きして、また手作りのお弁当を作って、そのご褒美に膝枕して貰って、またあのかがみの匂いに包まれながらうたた寝をして――。 まだ相談してもいないのに、それだけで私の心は羽が生えたように軽くなる。 そうなるぐらい、私はかがみが好きなんだ。 ……さて、そうと決まれば早速、まだ私の隣で顔が綻んだままの恋人に声を掛けてみよう。 でも、その前に、今どうしても言いたくなった言葉がある。 「ねぇ、かがみ?」 「なぁに、こなた?」 「――大好きっ!」 コメントフォーム 名前 コメント おぉう…。何て幸せなこなかが話だ。 -- 名無しさん (2013-02-14 16 43 51) 甘い! 甘すぎるわっ!! -- 名無しさん (2010-04-30 17 04 20) GJっす -- 白夜 (2010-04-08 22 55 48) ホットミルクのようなssですわね。 あったかくて甘い。 -- 白夜 (2010-04-08 22 55 11) やっぱり、カローラ氏のssは読んだら幸せな気分になれます。 ありがとう。 -- 名無しさん (2010-03-31 00 45 50) すっかりこなたもリア充だなw w w だがそれが良い。 -- 名無しさん (2010-03-29 21 24 18) いいですねぇ…このほのぼので甘々でラヴラヴは。 そしてみゆつかも幸せそうでGJ! きっと学校のどこかではみなゆたが同じような雰囲気を醸し出してるんだろうなぁ… こんな陵桜なら学生生活をやり直してみたい… -- こなかがは正義っ! (2010-03-29 12 40 19) (*´Д`*)あ、甘ーい! -- 名無しさん (2010-03-29 03 51 43) うほっカローラ氏の新作キタコレ この設定だとみゆつかに先を超されてるのねww やっぱりこういうほのぼの甘々が良いと思いますgj -- 名無しさん (2010-03-29 01 27 01) 読んでいて温かい気持ちになりました。gj -- 名無しさん (2010-03-29 00 35 52) ラブラブな日常が伝わってくるな~。読んでてにやけてる俺に気付いた今日この頃。GJです!! -- kk (2010-03-28 20 45 44) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)