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武将名 せんのりきゅう 茶鬼 豊臣家 SS千利休 わび茶の完成者であり、「茶聖」と称される数奇者。凄まじい業の持ち主であり、理想の数奇に基づく国を築くためには手段を選ばず、織田信長暗殺の影の首謀者となった。その後豊臣政権の筆頭茶道になるが、秀吉との関係の悪化などが原因となり切腹して果てた。「華は咲き乱れるのでなく、 一輪あればよいのです」 出身地 和泉国(大阪府) コスト 2.0 兵種 足軽 能力 武力7 統率8 特技 魅力 豊国 計略 末期の茶席 【日輪 3段階強化/発動後増加】(計略発動時、計略ボタンを押すことで日輪ゲージを消費する)味方の武力と兵力が上がる。計略発動後に自身は撤退する。3消費 さらに統率力が上がる 必要士気5 Illustration 山田芳裕 計略効果 カテゴリ 士気 日輪消費 武力 統率 速度 兵力 効果時間 その他 日輪采配 5 0 +3 - - +30% 7.9c(統率依存0.2c) 効果発動後、日輪ゲージ+2自身撤退 1 +4 - - +35% 2 +5 - - +40% 大絢爛 3 +6 +4 - +50% 8.3c(統率依存0.2c) 範囲は直径が戦場縦幅の1/2程度の、自身を含むやや前方の回転可能な円形。 (以上3.10H) (最終修正3.10H) 解説 2コスト7/8魅力・豊国はかなり高いスペックだが、兵種が足軽なのでおいそれとデッキに入る存在ではない。 計略は範囲内の味方武将の武力と兵力を上昇させる全体強化。効果発動時に自身は撤退する。 消費した日輪の数で武力と兵力の上昇値が異なる。 日輪3消費で大絢爛となり、采配ムービーが追加される。追加効果として統率が上昇する。 日輪ゲージを消費すれば士気5としてはかなりの効果を発揮し、効果時間も並の采配程度にはあるが、自身が2コストの足軽であることと計略使用時にそれが撤退するというリスクは決して軽くない。 総じて使いどころが非常に難しい計略。 備考 「へうげもの」より参戦。 カードイラストはコミックス8巻で天下三代肩衝の一つ『楢柴』を秀吉の目の前でわざと落として割る場面より。 Ver2.1の際に計略変更がなされており、豊臣家以外の武将も効果を受けるようになった。 「豊臣家が対象」が脱落していた計略テキストに実際の効果を合わせたというのが正しいか。 2.01C 効果時間延長(5.0c→6.7c、大絢爛5.8c→7.1c) 2.10A 豊臣家限定→全武家対象 2.12B 【日輪0~1】兵力回復量増加(+20/+30→+30/+35)、【日輪0~3】効果時間延長(6.7c→7.1c、大絢爛で7.1c→7.5c) 2.12D 【日輪0~3】効果時間延長(7.1c→7.9c、大絢爛で7.5c→8.3c) 3.10H 【日輪3】統率力上昇値増加(+3→+4) 台詞 \ 台詞 開幕 真の侘び数奇を世に広めたく 計略 これよりが末期の茶席ぞ タッチアクション 実に面白き創意 撤退 痛うございます、はよう 復活 見事なお手前 伏兵 - 虎口攻め この利休、一世一代の賭けにございます └成功 手先に迷いなく、会心の出来ぞ 攻城 落城 黒く侘びた星(よ)がいまここから誕生いたします 熟練度上昇
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所持武将 SS千利休 (画像) 必要士気 5 効果時間 統率時間 計略内容 【日輪 3段階強化/発動後増加】味方の武力と兵力が上がる。計略発動後に自身は撤退する。3消費 さらに統率力が上がる。 詳細 【日輪0】武力+3、兵力?%回復【日輪1】武力+4、兵力?%回復【日輪2】武力+5、兵力?%回復【日輪3】武力+6、兵力40%程度回復、統率+3効果時間6.7c 【日輪3】7.1c 統率依存0.2c (2.01C) 用法 攻め上げたあとの最後の一押しに使う。 対処法 ・・
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これより延長戦 ◆NIKUcB1AGw 主催本部。監視モニターを見ながら、3DSは大きく溜息を漏らした。 「スイッチ……。1ミリも役に立ちませんでしたね……」 もったいつけて登場した割にあっさり死んでしまった同僚に対し、厳しい言葉が漏れる。 もっともスイッチの行動のおかげで桃鉄DXという強敵を始末できたのだから、さすがに1ミリも役に立たなかったというのは言いすぎである。 そんな感じでいちおう弁護してみたものの、3DSにとっては誤差のようなものだ。 グルグル2の死により、殺し合いを完遂しようとする参加者は全滅した。 残っているのは主催者……すなわち自分を倒そうとするゲームのみだ。 あちらに内部情報を持つスーパーデラックスが合流している以上、この拠点に乗り込んでくるのは時間の問題だろう。 もはや、戦いは避けられない。 「無駄なあがきかもしれませんが、やれることはやっておきますか。 会場にいる間に、一人でも仕止められたら御の字です……」 そう呟くと、3DSは通信を行う。その相手は、はるか上空にいるサテラビューだ。 「どうした、3DS。放送はさっきしたばかりだろ」 「事情が変わりました。もう放送の必要はありません。 ただちにコードWARIOを発動してください」 「あれを……? あれはほんのおまけというか、俺のアバターを設定したら勝手についてきたやつだろう?」 「いいから、命令に従ってください。あれが必要なんです」 「……わかった」 簡潔な返答と共に、通信が切れる。 「そう簡単に僕の首を取れると思わないでくださいよ、ロートルの皆さん……」 顔をこわばらせながら、3DSは乾いた声で呟いた。 ◆ ◆ ◆ 一方、こちらは会場内。グルグル2との死闘を終えた戦士たちは、満身創痍で街の中に転がっていた。 「みんな、聞いてくれ。戦いが終わったばっかりだが、話がある」 そう切り出したのは、スーパーデラックスだった。 「これで参加者同士の戦いは終わった。ここからは、主催者である3DSとの戦いになる。 やつの居場所への行き方は、俺が知っている」 「おいおい、ちょっと待ってくれ」 スーパーデラックスの言葉を、コロコロカービィが遮る。 「そういう大事な話は、もうちょっと落ち着いてからの方がいいんじゃねえか? 今の俺たちは、体力的にもダメージ的にもボロボロだ。 休んで集中力諸々を回復してからの方が、作戦会議もはかどると思うんだがな」 「その気持ちはわかるが、時間に余裕がない。3DSも、殺し合いが完全に破綻したことはすでにわかっているはずだ。 ルールを守る必要がなくなった以上、どんな方法で俺たちを排除しようとするか……」 スーパーデラックスがそう口にしたその時、まさに彼の言葉を実証するような出来事が起きた。 「みんな、避けて!」 最初にそれに気づいたのは、星のカービィだった。 彼女の言葉に反応し、全員がその場から飛び退く。 その数秒後、空から落ちてきた何かがアスファルトにめり込んだ。 「これは……爆弾?」 落ちてきたものを確認したスーパーデラックスは、そう呟く。 そこにあったのは、黒い球に導火線がついたフィクションでおなじみの形状をした爆弾だった。 「爆弾ってことは……スーパーボンバーマン? まさか、今になってみそボンかよ!」 コロコロカービィが、そう叫ぶ。 「みそボン」とはボンバーマンシリーズの対戦モードに存在するシステムで、 早期に脱落したプレイヤーがフィールド外から爆弾を投げ込んで残っているプレイヤーを妨害できるというものだ。 「いや、おそらく違う……」 しかしコロコロカービィの考えは、マリオワールドに否定される。 「名簿の記述を見るに、この戦いに参加していたスーパーボンバーマンは初代だ。 初代ではまだ、みそボンは実装されていない。それに……」 マリオワールドの視線は、上空に向けられていた。 そこには、爆弾と共に次々と降下してくるクリーチャーの姿があった。 「はっきり言ってすごくマイナーだが、マリオシリーズである私にはわかる。 あのキャラ達が登場するゲームは、ワリオの森だ!」 『ワリオの森!?』 マリオワールドの発言に、カービィトリオは声を揃えて驚く。 「いや、でも……。ワリオの森って、ファミコンソフトじゃない! なんで出せるのよ!」 星のカービィの言うとおり、ワリオの森はファミコンソフトだ。 それも、任天堂が発売した最後のファミコンソフトである。 (ちなみにファミコンソフト全ての中で最後に発売されたのは、ハドソンの「高橋名人の冒険島V」だ) この場において、ファミコンソフトは実体化できないはず。 だがマリオワールドが言っていることも、決して間違いではない。 「そうか、サテラビューだ!」 気づいたのは、主催側の情報を持っているスーパーデラックスだった。 「さ、サテラビュー?」 「3DS達は、放送を流すためにサテラビューを使ってたんだ。 ワリオの森はたしかに単体ではスーファミに移植されてないけど、サテラビューを通して配信されていたことがある。 『ワリオの森 爆笑バージョン』として!」 『ワリオの森 爆笑バージョン』。 それはサテラビューを利用することでダウンロードできたゲームの一つで、ゲーム中に爆笑問題が登場するワリオの森のマイナーチェンジ版だ。 もっとも、爆笑問題の二人はただ出てくるだけでゲーム内容にはほぼ影響を及ぼさないのだが。 その点では、「スーパーマリオブラザーズ オールナイトニッポンVer.」などに近いものがある。 まあそんなことはどうでもよく、重要なのは「ワリオの森」がSFCでもプレイできたという事実だ。 「広範囲への無差別爆撃……。やはりなりふり構わず俺たちを殺しに来たか、3DS!」 「おい! どうするんだ、これ!」 「おそらくこの攻撃からは、会場のどこにいても逃げられない! 一刻も早く脱出するしかない! 来い、ワープスター!」 コロコロカービィに答えると同時に、スーパーデラックスは人数分のワープスターを召喚する。 「行こう!」 「いや、行くってどこに!」 「B-6! 池エリアだ!」 ◆ ◆ ◆ 落ちてくる爆弾やモンスターをかいくぐりながら、一行は池へと向かった。 もっとも爆弾もモンスターも落下ペースはあくまで常識的だったため、当初思っていたほどの脅威にはならなかった。 しかもモンスターは別に襲いかかってきたりせず、ただジッとしているだけなのだからなおさらである。 3DSがあまり期待していなかったのも、その辺の仕様を理解していたからだ。 そんなわけで、一行はダメージを増やすこともなくB-6にたどり着いた。 そこで彼らを待ち構えていたのは、きらきらきっずの死体だった。 「…………」 「ちっ……」 同族の亡骸を見てショックを受ける、星のカービィ。 一方、きらきらきっずを殺した張本人であるコロコロカービィは居心地が悪そうに顔を背ける。 スーパーデラックスはそんなコロコロカービィに何か言いたそうだったが、あえて口をつぐんだ。 「これは……ダイイングメッセージか」 そう呟くマリオワールドの視線の先には、きらきらきっずが最期に残したブロックがある。 「池、モンスター、宝……。この意味がわかるか、スーパーデラックス」 「ああ。俺も全ての情報は手に入れられなかったが……。 どうやらこの池の底に置かれた宝箱には、会場を脱出できるアイテムが入っているらしい。 本来は優勝したゲームをここへ誘導し、宝箱を開けさせる段取りになっていたみたいだ。 そしてゲーム終了まで参加者に宝を入手させないため、ポケモンが宝箱を守っているらしい。 きらきらきっずは、それを目撃したんだ」 「なるほど。しかし、わからんな。 なぜそんな面倒なことをしてまで、アイテムを会場内に置いた。 ゲーム途中で入手されてしまうかもしれないというリスクを冒すくらいなら、 3DSの方で参加者を自分のところへ呼び出せるアイテムを使った方が話が簡単だろう」 「この手はずを整えたのは、Wii Uだ。彼は内部からこの殺し合いの打破を目指してた。 だから露骨にならない程度に、参加者を助けられるギミックを用意したんだ」 「そういうことなら、納得できるな」 「Wii Uも無事だといいんだけど……」 すでにWii Uが殺されていることを知らないスーパーデラックスは、視線を下げてそう呟いた。 ◆ ◆ ◆ その後一同は、作戦会議の末に二手に分かれることになった。 まずは池に潜り、番人のポケモンを倒して宝をゲットするチーム。 こちらはマリオワールド、コロコロカービィ、スーパーデラックスの3人。 水中戦に対応できるマリオワールドとスーパーデラックスが前衛となり、コロコロカービィは放置されていたマリンポップ号に乗り援護に回る布陣だ。 一方、ハム太郎2と星のカービィは上空からの攻撃に対処しつつ、陸上で待機。 ハム太郎2は水中戦を行うには身体能力的に無理があり、星のカービィは胸の浮き袋のせいで深く潜るのが困難なためである。 「潜るより安全とはいえ、3DSが新たな攻撃を仕掛けてくる可能性もある。 気を抜くんじゃないぞ」 「ええ、わかってるわ」 「がんばりん!」 スーパーマリオワールドの言葉に、星のカービィとハム太郎2は力強く頷く。 「それじゃ、行こうか」 「ああ!」 「やってやるぜ」 そして敵地へ乗り込むための鍵を手に入れるべく、三人の男は池の中に消えていった。 【B-6 池】 【星のカービィ】 【状態】疲労(中)、ダメージ(小) 【装備】「参加者の能力をコピーする」能力の☆、す~ぱ~ぷよぷよの☆ 【道具】支給品一式×4、不明支給品×3、斧、サバイバルキッズの☆、サンリオタイムネット未来&過去編のミックス☆、ポケットモンスター緑の☆ 【思考】 1:今までの償いの為に戦う ※外見はほしのあきに似た女性です。 ※ 「飲み込んだ相手の能力をコピーする」能力と「ワープスターを操る」能力は「別の能力のスターを飲み込むと元々持っていた能力のスターを吐きだす」という仕様上、同時併用できないので「ワープスターを操る」能力発動中はコピースターを取り込めません。 【とっとこハム太郎2】 【状態】疲労(中)、ダメージ(中) 【装備】なし 【道具】支給品一式、ハム語辞書@とっとこハム太郎2 【思考】 1:仲間と一緒に頑張る ※外見は5歳くらいの男の子です ※とっとこハム太郎2内で出てきたハム語以外の言葉をしゃべることができません 【コロコロカービィ】 【状態】疲労(大)、ダメージ(大) 【装備】マリンポップ号@スーパーマリオランド 【道具】支給品一式、不明支給品、モンスターボール(ピッピ)、コピーのもとDX(プラズマ)@星のカービィスーパーデラックス 【思考】 1:星のカービィ達に協力し、主催者を倒す 2:宝を手に入れる ※外見は丸々とした体型の巨漢の男です。 ※身体を丸めて転がることで超スピードでの移動が可能で、さらに跳ね上がることで周囲にいる者を跳ね上げて転ばせることができます。 転がるスピードと破壊力は連続して転がり続けることにより上がっていきます 【星のカービィスーパーデラックス】 【状態】疲労(中)、ダメージ(中) 【装備】『ワープスターを操る能力』の☆ 【道具】『全てを0にする』能力の☆ 【思考】 1:参加者を主催本部へ連れて行く 2:宝を手に入れる 【スーパーマリオワールド】 【状態】ちびマリオ、疲労(大)、ダメージ(大)、 【装備】ラミアスの剣@DQ6 【道具】支給品一式×3、まほうじんのつえ@魔法陣グルグル2、きぬのローブ@DQシリーズ 【思考】 1:この殺し合いを止めたい 2:宝を手に入れる ※外見はスーパーマリオです。 ※スーパーマリオ、ファイアマリオ、マントマリオに変身する能力、またその状態なら致命傷を受けてもちびマリオになるだけで命に別状はありません。 085 決戦!VS魔法陣グルグル!へ 087 独りじゃない、みんなの戦いへ
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〈三三三三三三三三三三三三三三三三三三 }ニ/寸三三三三三三三三三三三三三三三ニ }/ --==ニ三三三三三三三三三三三三 / ‐- ‐- -=ニ三三三三三三三三三 /ゝ、 ‐- ‐- ___ -=ニ三三三三三 ,州///=- ‐- 〈 l.l.l 〉''‐ -=ニ三三三 i州////////=- ‐- ¨'''' ‐- -=ニ / //{////////////=- ‐- ‐- / // ∨////////////////=- ‐-. { /イ ト、////////////////////=- ─── ≠ ハ { i { 从 `"o寸///////////////////////////ァ=──<_,,,,/´ } ./i i} `丶、,,__ヾ≪//////////////////////// __..-'゚ / ,イ,' i ,'  ̄三彡三ニ-≪//////////////////イ /. { { i i { i, Y//⌒ヾ三≪´ ̄ O ''≪三三j州 ∥ { ',ニ\!___ // `ヾ`ゝ、 マ=三}州 {{ {. 寸ニニニニニ/ // `¨¨¨彡´==ミ州 {{ {. 寸ニニニ/ /イ '‘ /イ/イ }}} ',. 寸ニア ヾム ‘' " ''. / {{ {{{ ', マ{ _ ゞ=仍 ノ {{ {{{ ', マ、 ‘  ̄ 、 〃 ''"´{{. マム ', マム 、 `''- 、 ,イ〃___,イ{{ マニヘ ム マム ゞ=- `'' 、 /\ /ニニニニ/{{ マ.ニニム マ三ニ=zzzzzzzx__‘_ノニニニニニニニニ/ /{{ マニニム マニニニニニニニニニニニニニニニニニニ=-''"{{ 寸ニニヘ ',ニニニニニニニニニニニ=-''"三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三 カード名 . ..: 末期の刃 恐怖 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ レアリティ...: R≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ 汎用スキル...:≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ カードスキル : このアルマがある限り[反響][残響][絶叫]は無効化される≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ 武装化 : コスト 3 [AP+4][RP-3]≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ステータス. ....: AP:04 / RP:03 / CP:04≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ フレーバー : これより先にお前は残さぬ。災厄よ、ここで消えろ――決死の暗殺者三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三 +黄川人、プッチ ____ _,,..-‐'' ` 、 /" \ / ヘ---、 i ヘ "'--、_ | .|ヽ ヘ ”-、 / i .| ∧_,----' ̄ ̄ヽ ,/ ̄\ ---) / , i , -| .∧ i | >〃 i / i ヽ Y;;;;;;| ∧;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i | (\I--' // i .ヽ {;;;;;;;|.', .ヤ;;(_゚ノ;;;;/;;;;;;; ヽ-^-'. 7 / / `' -、ヽ;;;| ', ,キ;;;;;;;;;;;, -'、 / /,/ ,- " ヽ."| ',' キ,-'" /~ -'" ./ i〃 / | ', .i Z .| i 〃 ,-- | l .| -" /i i / //--__j l i ヽ---、 / i ,i / // ,-" ./ l j `゙'ー=、7_ | ,i i / // ( ./ /, ' / 、-'" | i ,ヽ i i ヤ ヤ / ./ ヽ | i ヘ / i .ヤ ヤ /ヽ \ キ | i ヘ i ヘ ヤ ∨/ | 7 \ | i ヘ ヽ \___ノ ヽ \ +衣玖 _,..-‐≦;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ゙i | -=''゙´-‐ぇ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ゙i ,.'. x<;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;; ;;;;;;;;;;;;;; ;;; |‐´ /; -ァ;;;;;;;/;/ ;;;/;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l. /'´/;;;;;;;;/;/ ;;;/;;;;;;;;;/ i;;;/!;;;;ii;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;! / ./;;;/;;;;;Ⅳ;;;;イ;;;;;/;/ .l;;l l;;;;||;iヾ;;;;;/;il;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|. ///;;;;;;;;l/∨;i ;;/;/ l;;l |;;i;| || lⅣ;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;! ;/ ./;;;;;;;;;;;i /\/;ハ、 ハ;| Ⅶ| |! l!>'゙li;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i|. | ./;;;;;;;;;;;;;}/ / i\ ( ||_,..斗匕| _,,,|l;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ̄∨‐-、 /;;;;;;;;;;;;;;;ハ / l ;ハ __斗-‐'代戓゙´/||;;;;;;;;;;;;;;;;i/ |_y__)__./⌒V;;;;;{ / ,. リ ⌒`ト |-‐=∀ |l;;;;;;;;;;;;;;;;;| ,ノ l\ ./ /⌒ヽ , / l| ll ∧ !!;;;;;;;;;;;;;;γ /; ノ∨ / /⌒ヽ; 〈 l |! / ll;;;;;;;;;;;;;;;/__/. / / / /⌒ヽ、___| | / l!;;;;;;;;;;;;;// { ,/ / ,____ ,ノ、 ,/ !!;;;;;;;;;;;/'. \ ゙ ' / / \ /l!;;;;;;;/;;;;. \ ゙ ,イ />... \,斗;;;;;;;;;;;/ V; \ ゙ ./ / >.. \;;;;;;/ ̄ ̄∨ /\ | / >... \ / ̄ ̄∨. ′ \ ≧=-......... >.. \ ∨ +口上 ―― 緋色の刃携えし者よ。その身、その魂を賭して、慈悲振り下ろす刃よ、ここに!ノーマリィルード・リアライズ。[末期の刃]ァ――――!by東雲半月
https://w.atwiki.jp/projecter/pages/929.html
番号 KD07095 名前 これより蘇生式に入る 読み これよりそせいしきにはいる Lv 5 スター 種別 ストラテジー 【――マグニデア・プール表層部1到達(表層部ルビ:サーフェス)】○自分の山札の1番上のカードをエネルギーゾーンにフリーズして置く。自分のエネルギーゾーンにあるカードを1枚選び、山札の1番上に表向きで置く。○経験20(捨札が20枚以上なら能力を得る)『山札の1番上に表向きで置く時、かわりに手札に加えてもよい。』 ブロック 角川書店2.0 作品 薔薇のマリア レアリティ U 経験が発動していないと、乱崎千花の劣化版のような効果を持つストラテジー。経験が有効である時は、夢無しエネブ付きゲーマーズ。 レベル・色・★の有無など、対象に制限が無いこと、経験で得られる効果が魅力的なカードと言える。 効果と経験の発動条件から幸運とは相性が良い。
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ジャンプコミックス「花の慶次 -雲のかなたに-」(コミックス10巻)より。 佐渡島での本間一族の内紛を機に、佐渡平定を行おうと合戦を仕掛ける上杉軍。しかし、上杉方に協力的な姿勢を見せていた本間佐馬助の真意は時間稼ぎであり、佐馬助の仕掛けた罠によって直江兼続率いる部隊は壊滅の危機に陥ってしまう。 そこに現れ上杉の危機を救ったのが、莫逆の友である兼続を追って佐渡入りした前田慶次であった。 慶次は本間一族同士が手を抜いて合戦していると看破、強襲による短期決戦を提案し上杉軍から兵を借りようとするも、上杉方は「我が藩士に死んでも惜しくない者など一人もおりませぬ」と頑なに兵を動かす事を拒否する。 そこで慶次は自軍を囚人(軍令違反を犯した元兵士)や、河原田城に子や孫を捕らえられた老いた百姓のみで編成、統率し、更に奇策を用いて佐馬助の軍を強制的に味方につけて河原田城へと攻め入った。 その時の慶次のセリフが以下のものである。 「これより我ら修羅に入る! 仏と会えば仏を斬り! 鬼と会えば鬼を斬る! 情を捨てよ!!ただ一駆けに攻め入れ!! めざすは―――――河原田城ーっ!」 本編では河原田城がニコニコ中枢部に変わっている。 余談だが、原作に当たる「一夢庵風流記」とでは、慶次が佐渡入りする経緯が異なる。 更に「花の慶次」では複数のオリジナルキャラを登場させたため、佐渡攻めのエピソードは河原田城突入前後とも時間をかけて描かれてあるが、「一夢庵風流記」では慶次が軍議に参加してから河原田城が落ちるまで、僅か6ページで終了している。また、「これより我ら修羅に入る!」のセリフも登場しない。
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何の変哲もない道路。 そのザラザラのアスファルトの上に、真上に昇った太陽と相対する様な真っ黒な環がある。 カタコトカラカラ……カトコトカラカラと鳴くそれは、正体を明かしてみれば只のマンホール。地下への入り口。 勿論、濁り溜まった腐臭のする闇への扉は、同時に染み一つない青空のキャンバスへの覗き穴でもある。 ――カタコトカラカラ……カタコトカラカラ……ゴン、コロン、コロコロ……。○い口が鳴くのを止める。 開きっぱなしになった歯の無い口から這い出てくるのは黒い小人の行列――ではなく、一柱の魔王。 それは――混沌の仕掛け人にして、万能の代名詞。 最も慈悲深き悪魔にして、最も罪深き天使。短気にして寛大。鷹揚でありながら卑屈。学者の目聡さと怠慢さを併せ持つ男。 彼の名前は……、彼を呼ぶ際に必要とする言葉の組み合わせは……、その音の連なりが織り成す言霊は……、 ――速筆魔王LX。それが、彼の、此処での、名前、だ。 ◆ ◆ ◆ 「――うーん。やっぱりお日様は偉大だなぁ。僕をこんなにも安心させてくれる」 道路の真ん中。マンホールの隣り。そこに立った速筆魔王は大きく伸びをしながらそんなことを言う。 それにしてもこの男。どうして、マンホールの中から飛び出すなどという意味不明を実行したのか? 「変わったシチュエーションに飛び込めば、イベントの一つも起きると思ったけど……」 そう。殺戮競争開始の合図より一日の四半分を過ぎても、一向に死神は自分の首を刈り取りにやってこない。 見つけたのは後姿の少女だけで、得られたのは彼女がぬくもりを残した縞々の絶対防衛線のみ。後、首輪。 だったら、自ら死地に飛び込んでやろうと、奈落の底。吸血鬼の首を刈る断頭台の上へと頭を乗せに往ったのだ。 だが無人。無風。……彷徨えど狂王の迷路の内には誰も居らず、どの扉の向こう側にも驚きはなかった。 指を咥えて地上のパレードの喧騒を頭上に聞くだけ。そこで魔王一人の冒険は終わってしまったのである。 「……でも、トンネルの向こう側としては、ここは悪くないかな?」 彼が踏みつける道路。黒いのはアスファルトだからという訳ではない。炭の様に黒いのは言葉通り炭が積もっているからだ。 目の前にあるのは、天まで届きそうな漆黒のジャングルジム。今まさに落ちかけんとするバベルの塔。 正解は――F-3のホテル。無責任な首領が残していった死者の為のキャンプファイヤーである。 「もう大きなイベントは終わったっぽいけど、まぁさすがに話の一つぐらいはできるでしょう」 未だ火勢の衰えない危険な其処。未だ燻り続ける危険な底へと、魔王は喇叭を吹きたった一人の軍勢を進める。 五月の雨の様に降りかかる火の粉をなんともとせず、地面に散らばった炭の塊をタップで鳴らす楽器にして歩を刻む。 肌に感じるのは熱気。そして熱気から熱病。熱病から死病を連想し、足踏みを連ねる。ザッザッザッザッ……ザ。SE.by DQ. 「さっそく発見-♪」 でも、やはり無人。何故ならそれは『ヒトノカタチヲシテイナカッタ』のだから。無形のそれは人とは数えられない。 頭が一つ。頭が二つ――だ。計二つ。それ以外はもう数えられる様な形を訴えていなかった。故に魔王は無視する。 とりあえずは拾い上げて検分。鑑識に回す。三日掛かったが、その日の内に解ったことにした。改竄は得意である。 「モトロフ……ってことは、多分トウカリョウさんかな? こっちのルイズは……僕?」 胴体の代わりにぶら下っていた銀色の名札を確認して、魔王はそれを知り、そして苦笑する。おねーさんもびっくりだ。 もう一人の自分。ドッペンゲルガーではなく、遠い日から呼び起こされたペルソナ。それが、るるる……とは。 しかも! とてもとても素敵な笑顔を浮かべて終わっている。こちらは全く碌なこともなかったと言うのに。 「羨ましいね。僕の兄さん。――いや、この場合は姉さん? いやまてよ。妹になるのかな?」 まぁどっちでもよい。文字で綴られている分には意味は無い。それよりも、それならば――合体だ。 ♂と♀と言うのならば丁度都合がよい。あなたの凸とわたしの凹。丁度よいところを組み合わせましょう。 なぁに、やり方は解っている。プラモデルと一緒だ。穴に差し込むだけだ。さぁ、諸君。合体を望むか? >回答欄「 」 「ぱいるだ~……、オン!」 るるるの目玉を片方奪い彼女をゲゲゲにしてしまう。しかし間違えてしまった。取ったのは右目だ。だが手遅れだ。 ともかくとして、掌の上で転がる目玉を今度は自身の右目へと移植する。無許可の医療行為だが咎める者はいない。 いやそもそも医療行為ですらなかった。只の無理矢理だ。ならば、今後も裁判の心配はしなくてよいだろう。ホッ。 「――痛っ! さすがに痛いね。でも、これはちょっと面白いぞ」 俄かに持ち上がった右目消失ミステリー。彼の眼窩にあった元々の右目はどこに? 答えは次の行↓ アンサー。答えは簡単。るるるの右目を入れる前に、自ら抜き取ったのだ。ものすごく痛いが理論上は間違っていない。Q.E.D。 疑問が氷解したところで次のシーンへと移ろう。その右目には何が映るのか? これから何が写るのか? 「これが、姉さんの……るるるのルイズが見ていた世界なのか?」 姉さん。それが彼の妥協点であったらしい。まさしく妥協としか言えない着地点ではあるが、仕方が無い我々も妥協しよう。 それはさておき、今彼の脳内には二つの世界が送信されている。全くブレきった世界。立体映像にもならない世界。 生来の左目が見るのは今まで通りの普通?の世界。るるるの右目が見るのはるるるの世界。説明はできない。 「……おや? 何か見えるね。綻びが、取っ掛かりが……面白そうだ」 真っ赤な炎を舌の代わりにベロベロと振り回しているホテルの入り口。そのお歯黒の中に何か別のものが見える。 真っ青な水に満たされたアルカリ性っぽい25メートルプール。波は無し。ただ誘うようにツンと澄ましている。 これに対する選択肢は3つある。A:「飛び込む」 B:「飛び込む」 C:「飛び込む」 ――つまり、選択の余地はない。 「はたして、鬼が出るか蛇が出るか……?」 魔王は水も浴びずに炎の中へと飛び込んだ。尤も、水はこれから被りにいくのだから問題は無い。結果論ではあるが。 傍から見れば自殺行為に見えたかもしれない。そんなに大事な物が火事場にあるのかと泥棒に期待させるかもしれない。 でもまぁ、私は思う。速筆魔王LX氏を知っている私はこう思うよ。――『彼ならやりきるだろう』と。些か無責任ではあるが。 ◆ ◆ ◆ ※)これより、当SSはステレオ放送でお送りします。一緒に読んだ方が愉快なのでオススメ♪ ※)←が魔王視点。→がるるる視点。↑が神視点(嘘)。↓が紙視点(嘘)です。 「――……これは、閉鎖空間? まいったな完全に罠だ」 /『わあ、なんておいしそうなんでしょう。でも名前はどこに記せばよいのかしら?』 そこは真っ白な空間だった。サイコロの内側……と言えば解り易いだろうか? どうだろうか? 出たとこ勝負な点では合っていると思う。転がれば進むと言う点においても……。 しかし、潔癖な空間ではあったが清潔ではなかった。腐った何かがそこに立っていたからだ。 /真っ赤なビロードの包みを開くと、そこはとっても可笑しいお菓子のお家でした。 /屋主が亡くなったので、記帳しなければいけないんだけど。不可思議なことに文字が読めません。 /仕方が無いので黄緑色のコオロギに詩の意味を聞いてみました。 「クハハハ――! 閉じ込めておいても餌は出るのか! 安心したぞっ! ムカツクがなっ!」 /『特売セールは午後5時からだよ。でもお嬢ちゃんは特別サ! この金の卵をあげよう』 立方体の一面を垂れる汚物でペイントしていた男は、飛び込んできた生餌に舌鼓を打つ。 ぐるるぅ……と凶暴な音を立てる腹を持っているからには、それはそれは腹ペコだったのであろう。 そう言えば、今更ながらに思い出した。魔王はコンビニを探していたんだ。これは失念☆(※大嘘である) /奥の壁に立てかけられていた柱時計がボーンボーンと鐘を鳴らし開始の知らせを告げます。 /たいへんです。はやくバイキングに参加しないと、お菓子が全て食べられてしまう。 /チョコレートの床の上に金の卵を転がし、私は一生懸命走りました。記帳は後にします。 「えっと……、どういう展開だろう? と言うかあなたは誰ですか?」 /『待って下さい! 私もその列車に乗ります。どうか置いてゆかないでっ!』 アリス・イン・ザ・ワンダーランド・オン・ザ・ホワイトジャングルとは意味不明にも程がある。 四角いマットの上でモンスターとタイマンさせられるなんて、パロロワの常識には無い。 パロロワ最強が、世界最強なのか? 別に興味はないが、男の子だったら妄想ぐらいはしただろう。 /蜂蜜色の練り飴でできたレールの上を行くビスケットの列車へとわたしは飛び乗ります。 /ああなんとか間に合った。綿菓子の煙突雲が入り込んでくるので窓は閉めておきましょう。 /後は白パンのソファの上でまどろみに揺られていれば……と、ノックの音がします。 「名前は無い。名乗る意味も無い。だが、まぁ、便宜上ここではnanasinnと呼ばれている」 /『お嬢さん。君はこの列車でどこまでゆくんだい? ところで、切符を拝見……』 餌に向ってはバカ丁寧すぎるかと、無名はバカ受け。△を折り、■を打って馬鹿笑いする。 この男。人の形をしてはいるものの、どこがどこだか解らない。ちっとも描写できない。 名前まで無いとはどういう了見だろうか? しかしまぁ、よい。フォローは簡単よ。 /赤い蝶ネクタイの箒は、車掌さんでした。しかし、なんということでしょう! /わたしが切符を持ってないと知ると、片手に下げたバケツからベリージュースを撒き散らします。 /見る見る間に赤い液体は部屋を満たしてゆき、わたしは溺れそうになりました。 「名も無き怪物……ですか? 全く持って、ますます罠ですねコレは」 /『その名はレイルトレイサー! 嘘つく子供は食べちゃうゾ!』 名状しがたきソレに魔王は自分が嵌められたのだと勘違いする。選択肢はあったのだ。 と言っても表情は余裕のソレ。いやむしろ、嬉々としている。決して危機とはしていない。 ゴングの音は聴き逃したらしい。気付いた次の瞬間には化物の手が目の前にあった。 /わたしは逃げます柊の生い茂る道を――ああ、なんてツンツン! デレはどこかしら? /銀色のカタツムリの上を跳び越し、煉瓦の上に敷かれた兎の皮を踏みつけ走ります。 /でもそれは追いかけてきます。赤と白の糸で縫い合わされた金管楽器の群れ。 「さぁっ! お前の苦し紛れを見せてみろ。それが最高の調味料になる――!」 /『カンラ――カンラ♪ 誰だ誰だ。私の歌にケチをつけたのは、もう一度聞いてもらおうじゃないか』 挨拶代わりの一撃を避けた生贄に、グチャグチャの塊はソースを要求する。かなりの横暴だ。 入ってきた客にもてなしを強いるとは、つくづく我侭な料理人である。でもまぁ、都合がよい。 つまりは、味付けは自由だと言ってくれているのだから。せっかくだからハバネロ味にしてやろう。 /金の管と銀の管。金の歯車と銀の歯車。金の鍵盤と銀の鍵盤。金の弦に銀の弦。 /煌びやかなそれは、ガチャラン、ガチャラン――♪ と、わたしを追いかけてきます。 /水色の蓮の上を走り、紫色の蔦を滑り、どこまでもわたしは逃げます。 「――フ。成る程。ボクの実力を見せ付けるには丁度都合がよさそうだ」 /『ああ。どうしてこんなことになったのかしら? どうしてあの人は怒っているのかしら?』 子安の声で魔王はそんなことを言う。子安と書いても母の様な声ではない。むしろ子供は泣く。 背負った鞄から抜き出したのは一本のバンブーブレイド。簡単に言えば竹刀。しかも虎柄の。 それを右手からぶら下げ子安――ではなく魔王は思案する。調理法は焼くか煮るか……? /どこからともなく子守唄が聞こえてきました。耳を澄ませば、すぐ近くの様です。 /ああいけない。右足にはいた赤い長靴が居眠りを始めました。彼はここにおいていきましょう。 /左足にはいたオレンジのサンダルは頑張り者。でもやっぱり少しは眠いみたい。 「ゲハハッ! そんな玩具で俺と立ち向かう!? いや、いいぞ。『ソレ』がいい」 /『道場では靴を脱がんか! さぁ、パンを焼くぞ。小麦粉をまな板の上に広げろ!』 名前で呼んでもらえないソイツは下品に喜ぶ。相手がこれから足掻くその様を想像して。 だが、残念なことに君には想像力が全然足りなさ過ぎると忠告してやらねばならないだろう。 ほうら。竹を束ねただけの刀で◎が落ちた。◆も落ちた。次はどこだ? ▼か? ○か? /粗相を怒られてしまいました。知らない国の知らない規律。正義は立場によるのね。 /ピカピカのレインコートを羽織って、わたしは一生懸命小麦の袋を引き摺ります。 /これをあの水玉毛皮の虎の口に入れれば、晴れて私の罪は許されます。 「ボクは別に特殊な能力は持っていないけど、それは弱いって意味じゃあない……」 /『さぁ、芽を出してのびてゆけ! 天まで届け、ジャックの豆の木!』 竹を振るうだけで肉の包みが破れ、骨の籠が砕ける。膿の血が零れて、鬼の泣声が轟く。 打ち鳴らされ箱の中に響く音は、あくまでパシンパシンという威力に相応しくない竹刀の音。 魔王は無造作に竹刀を振っているだけだ。剣道の真似事さえしていない。 /金平糖の畑に蒔かれた白い種が芽を吹き出し、萌え萌えと金管楽器に絡んでゆきます。 /豆色のそれはあっというまに意地悪者の姿をかき消してしまいました。 /さぁ、逃げよう。まだ練り飴のレールが溶けきるまでには時間があるから。 「ギッ! ……ざああッ――ま”ああ”あ”ああぁぁっ!」 /『柿の木の占拠は独占禁止法違反なので、栗の木の蜂が当たりますよ!』 勿論手足がバラバラになったぐらいでは化物にとってダメージにならない。それが化物だ。 落ちたあれの代わりになるこれを突き出して怪奇な存在は魔王に反撃する。 だが再びそれは回避される。技術があるわけでも、幻惑されているわけでもない。 /蟹の泡が落ちた黄金の踏み石をわたしは時計を片手に必死に走ります。 /S字カーブをアウトインアウト――で、コースアウト。ガードの外はまっ黄色の薔薇園でした。 /トゲトゲの棘がとっても痛いけど、わたしの零した赤色で薔薇さんが喜んだので結果オーライ。 「速筆魔王――自己紹介が遅れたけれど、ボクの名前は速筆魔王LXだ」 /『あぁ、なんということでしょう。薔薇の棘に名前を奪われてしまったわ!』 これこそ不要だったと魔王は笑う。そして動く――速く――速く――速く――速く! 速さを取り得にしている書き手は他にもいる。なので、ただ早いだけでは個性にならない。 彼の場合は速いだけでなく――強い――強い――強い――デタラメに強い! /道程は振り出しに巻き戻ってしまいました。じゃあ今度は強くてニューゲーム。 /サイコロ振って――振って――振って――振って――振って――振って――振って! /大丈夫。この調子なら、すぐに元のところまで戻れる。 「……ッズア”ぁ! ジュア――ィィイイエア”アアァァァア――!!!!」 /『パンパカパーン! パ、パ、パ、パンパカパーン♪ パパーン!』 言葉を忘れた怪奇の反撃を魔王は宙に舞い避ける。無防備な宙。追い詰められたかと思えたが、彼は走った。 真っ白だったために気付かなかっただけでそこに壁があった。そこを彼は走る。 尤も、壁の上を走るというのも尋常ではない。初めてやったのだとしたら拍手喝采ものだ。 /ゲートを潜って、わたしは螺旋階段を駆け足で上ります。一等賞は苺のタルト♪ /牢塔の頂上で眠り姫を押しのけベッドから白い空へとダイビング。 /レモンイエローの蝙蝠傘を落下傘代わりに100メートルを自由落下。ゴールは近い! 「――後ろだよ。耳が聞こえないのか? ――後ろだって。耳がないのか?」 /『シャンパンを用意して! 表彰台の一番上はわたしの指定席よっ!』 壁を蹴って跳躍。左手を添えたシュートの様に丁寧に魔王は汚物の死角へとインする。 そして、汚物がぐるりと半周するに合わせて自身も半周。勿論、声をかける度に一撃をくれている。 後ろ。後ろ。後ろ。後ろ……と、亀をいじめる漁村の子供の様に、魔王は竹刀を振るう。 /最終コーナーを曲がり――ああ、やっと追いついた! まだ列車は走ってる! /苺マシュマロの崖を上り、一足先に先回り。そこから綿菓子の煙に飛び降りれば……、 /やった。わたしはお客様よ♪ 「!!! ――ッ! !!?! ――――――ァ”!?!! !!! ――!?」 /『何か大きな音がしとるようだけど、このまま列車を走らせてもよいんかい?』 残っていた目に映った魔王の姿にグロテスクなそれは目を見張った。 手前と遥か後方に二人の魔王? 見間違いだということは次の瞬間に解った――アレは残像だ。 目から消える前に魔王は動く。考えれば、一番新しい像が本物だ。しかし解っても間に合わない。 /半分半分の身体でできた二人の老人が氷砂糖の石炭を火にくべている。 /答えはもちろんイエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、……オーマイゴッド。 /氷砂糖だけじゃ足りないわ。ラムネも一緒にくべましょう♪ 「……フフ。面白い。これは実に面白い」 /『ああ。間に合った。さぁ、みんでお菓子を食べましょう☆』 サディストという訳ではないが、魔王はこの状況に歓喜していた。 やはり腕を振るってこその料理人である。食材をメッタメタにしてこそ料理人だ。 しかし食材も黙って調理はされない。食材としての最低限のプライドがある。 /一番大きなテーブルの上にのっているのは砂糖で作られた不夜城。 /虹色のねばねばを吐く蟻も、千代紙で折られた蜜蜂もこぞって頂上を目指している。 /わたしももちろんそれに参加するわ。ああ、蜂蜜の匂いがもう我慢できない♪ 「ズギャアアァァァアァァアアアァァアアアァァァァァアアァァ――ッ!!」 /『さあひょうしょうしきだ! なにぃっ リュウがいない――?』 抑えられないグロ描写衝動――そんな名前をつけられた必殺技。それを化物はぶちまけた。 魔王を狙ってか? いや、当てられるはずもない。だから真上に。絶頂するかのようにそれを天井に叩きつけた。 若さ溢れるその粘液は最悪の雨となって部屋中に降り注ぎ、事後の匂いを充満させてゆく。 こうすれば本人とて無事には済まないが、元々誰も無事には済ます気はないのだからそれは一緒だ。 /彼はどこにいったのかしらね? でもいいわ。さぁ、みんなでシャンパンを振りましょう。 /一等賞。二等賞。三等賞――全部わたし。大変ね、わたしの足は二本しかないのに。 /スコールがお菓子の部屋にまんべんなく降り注ぐ。まるでいっぱいの箒星。 /ああ楽しかった。さぁて、金の卵に書かれていた数字は何番だったかしら? サイコロは転がり終えた。こちらの出目は――『●』 /サイコロは転がり終えた。こちらの出目は――『●』 ――『●』『●』:スネーク・アイズでゲーム終了。親の総取りです。 ◆ ◆ ◆ 壁に背を預け、残った四肢で身体を支えながら名無しの化物は再び真っ白へと染まった部屋を見ていた。 白と言っても、青臭く咽る様な死臭を撒き散らす嫌悪すべき白である。 何もかもをも溶かしてしまうその白濁液は、彼の身体の半分も溶かしていたが、その顔に浮かぶのは安堵の笑みである。 自身を数に入れても最早この部屋の中に動くものはいない。彼を打ちのめした男の姿も見えなくなっていた。 その死に様を描写できないことだけが心残りだが、道連れなら悪くない。そう怪物が考えた時――、 「悪いけど、死んでませんよ」 ――魔王の声が壁の『後ろ』から聞こえた。 ◆ ◆ ◆ 「いやあ、まったくたまんない特技を持っていますね。毒がないとしても、さすがにアレは喰らいたくない」 魔王は、壁の中にいる名前の無い何かを見てケラケラと哂う。それは今まで死闘を演じていた者のそれではない。 翻って化物の方は信じられないといった表情である。先程までの威圧感溢れる狂相は見る影も無い。 「それだけ驚いているところを見ると、あなたは本当にそこから出られないんですね」 声だけを頼りに彼を探す怪奇に、魔王はクスリと息を零す。そう、最初から勝負などではなかったのだ。 るるるの魔眼で不可思議な眼力を手に入れた魔王には、この結界の出入り口が見えていると言う、それだけの話。 「じゃあ、ボクは一足先に戻らせてもらいます。あなたも此処から出られるとよいですね」 ――返事はない。只の屍のようだ。 ◆ ◆ ◆ 焼け落ちるホテルを背後に、魔王は至極真っ当な道路の上を闊歩する。次こそはコンビニだ。 爛々と輝く両目。しかし、右目が見せてくれる世界はあまりにも頭が痛い世界。――じゃあ、ウィンクしよう。 「いやしかし、探せば面白いこともあるもんだ」 片目を瞑り、両手を振って魔王は真昼の街を往く。 いやしかし、『面白いこと』で済ませるのかよこの男は。そうなのだ済ませるのだ。これが筆頭の貫禄である。 その普通の振る舞いが異次元。キャッチボールで魔球を全力投球。異世界から来た男。それが――、 ――速筆魔王LX。アニロワ2nd最強の存在のその有様なのである。 【nanasinn@テイルズロワ 死亡】 【昼】【F-3 市街地】 【速筆魔王LX@アニロワ2nd】 【状態】:モードゲアス・反転のるい~ず、疲労(小)、空腹 【装備】:虎竹刀with千年パズル、蟹座氏のパンティ(紺と白のストライプ) 【道具】:支給品一式、首輪×3(ボイド@漫画ロワ/美形元帥@アニロワ/激動のトウカリョウ@アニロワ2nd) 【思考】 基本:バトルロワイアルを満喫しよう 1:今度こそコンビニだな。ランチ&放送だ♪ 2:誰も見つからないなら、首輪を解析して暇を潰そう 3:別に何エンドでもいいんだけどね ※容姿は相羽シンヤ@テッカマンブレード。もちろんCVは子安。 ※特殊能力はないけど、人類最強。 ※蟹座氏の秘部を見ましたが、紳士なので公言しません。 【虎竹刀with千年パズル】 今までパロロワに参加したことのある作品の原作で登場、紹介された全てのゲームを召喚できる。 ただしこちらから選択はできない。賭ける対象は武器使用者が選ぶ。合意は不必要。 【モードゲアス・反転のるい~ず】 右目にはめ込んだるるるのるいずの眼を開くと、世の中が違って見える。 常人には見えない何かが見えることもあるらしいです。
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これより先怪物領域 ◆OQO8oJA5SE 「ブオォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ オォォォオオオオォォォオオオオオオオオオオヲヲオオ オォォォオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!!」 怪物の絶叫が夜の静寂を引き裂く。 場所は森林。多種多様な樹木が月明かりすら遮断し、深い闇を形作る。 その場所(ステージ)でチョッパーの巨体は生い茂る木々を薙ぎ倒しながら、クレアに襲い掛かる。 その姿はまるで神話に出てくる魔獣だ。 怪物たちを統べ、人々の安寧を破壊する悪夢の象徴。 物語からそのまま出てきたような怪物に対し、クレアは冷静にオートマグの引き金を引く。 マグナム弾を食らっても巨獣は怯みもしないが、そんなことはクレアも百も承知だ。 狙いは僅かに殺がれたその勢いにある。 銃撃によってできた一瞬の隙を突いて、赤毛の男はチョッパーに肉薄する。 「――スタープラチナッ!」 『オラオラオラオラオラオラオラオラッ!』 スタープラチナの突き(ラッシュ)。 一撃でも常人を撲殺して有り余るほどのパワーを、連続して巨体に叩き込む。 「何ッ!?」 だが、クレアがその攻撃で得たのは手ごたえではなく困惑だった。 手になじんだあるべき感触――肉を叩き、骨を砕く感触が微塵も伝わってこない。 そしてその正体を瞬時に察知した。 厚い毛皮と分厚い筋肉。二重構造の鎧が突き(ラッシュ)の衝撃を全て殺していたのだ。 そしてその隙を逃すチョッパーではない。 「……オオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」 絶叫が大気を震わせ、丸太よりも太い腕が唸りを上げてクレアを襲う。 「チッ、"時よ止まれ"ッ!」 時間停止は僅か一瞬。 その刹那にまるでサーカスの軽業師のように身を翻し、距離をとる。 空を切るチョッパーの攻撃を尻目に、空中でディバックを漁り、着地と同時に構える。 その手に握られたのはスーツケースとは名ばかりのウェポンラック。 クレアからしてみれば未来の超兵器だが、あの馬鹿げた重量の十字架に比べればまだ常識的なシロモノだ。 内蔵された兵装のうちロケットランチャーを選択し、構える。 「さぁて、これはどうだ?」 放たれたロケット弾は白煙の尾を引き、獲物を狙う。 対するチョッパーはただ腕を振い、ロケット弾を叩き落した。 だがあまりに速く振るわれた腕は爆発するより速くロケット弾を弾き飛ばした。 「――ほう。なら、これはどうだ?」 怯むことなくロケット弾を連射するクレア。 それに対してチョッパーが行ったのは先ほどと同じ圧倒的質量と速度による力任せの回避運動。 なぎ払ったロケット弾同士が偶然、ぶつかり合い、空中で爆発する。 熱と炎が空気を伝わり、彼らの肌を焼く。 だがそれもこの怪物の前では大した意味を持たない。 巨獣は爆炎を掻き分け、そのまま攻防一体の突撃を仕掛ける。 「チッ」 舌打ち一つ。迫り来る豪腕をかわす為、体を倒す。 だがクレアの想像よりもわずかに速く振るわれた腕に、肩がわずかに触れた。 たったそれだけだ。それだけなのにクレアの体は弾き飛ばされる。 圧倒的な質量差が、明確な凶器となってクレアを襲う。 「くっ……!」 体勢を崩しながらもスーツケースから放たれる徹甲弾。 胴体に炸裂――だがなんと言う耐久力だろうか。 人の体を吹き飛ばす鉄鋼弾を受けても、目の前の怪物はなお突進してきた。 この距離では時間停止しても間に合わない。 「守れ!」 とっさに出現させた幽波紋の腕を交差させ、防御体勢をとる。 スタープラチナの剛力とクレアの体術。 その二つを合わせれば怪物の拳を受け切ることなど造作もない。 相手が相手が常識内の存在であれば、だが。 そして今、クレアが相対しているのは、正真正銘の規格外のバケモノだった。 「ブオオオオオオオオオオオォォォォオオオオオオオオオ……!」 汽笛のような嘶きと共にクレアの予想を超えた超スピードで腕が振るわれる。 「ガッ……!?」 ダメージを受け流すタイミングを完全に外された。 超人技とも言うべきクレアの技量すら無効化するほどの圧倒的なパワーとスピード。 真正面から振るわれた腕はクロスガードを易々と貫通し、凄まじい衝撃をクレアの体内に叩き込む。 有り余るエネルギーはそれだけに留まらず、まるでクレアの体はゴミのように吹き飛ばされる。 そしてそのまま生い茂る木々に叩き付けられた。 「カ、ハッ」 肺から無理やり空気が搾り出される。 一瞬形飛んだ意識を回復させた次の瞬間、クレアが目にしたのは迫りくる魔獣の爪。 鉄の味がする液体を口から吐き出しながら、迫る追撃を危ういところでかわす。 だが追撃は終わらない。チョッパーの腕が連続して振るわれる。 嵐のような猛攻を紙一重のところでかわしながら、クレアは思う。 ここに着てから変な奴らと散々戦ってきた。 変な力を使う白髪頭。 スタンドを使う妙な髪型の男。 二丁拳銃を構えた凶暴女。 けったいな拳を持った野獣のような男。 赤目と黒目の吸血鬼もどき。 妙な獣どもを操る金髪の子供。 異常なほどに戦い慣れしたけったいな言葉遣いの男。 だが目の前にいるモンスターはそのどれとも違う、文字通りの人外であると。 その存在自体がクレアの知る常識を超越した存在なのだと理解した。 (――だったらさて、どうする?) クレアは再び思考する。 目の前の化け物は技量を無効化するほどのパワーとスピード、 そして銃弾程度はものともしない圧倒的な防御力を持っている。 如何にクレアが超人的な身体能力をもっているとしても、生身の男が勝てる理屈などありはしない。 一方でコンディションも最悪だ。 馬鹿力で叩きつけられ、恐らく肋骨には皹が入っている。 さらに先程額を切ったようだ。左の視界が赤く染まっている。 どう見ても絶体絶命。ならばどうするか。 方法は一つ、 「少し、本気を出すか」 つぶやきと同時、スタープラチナが大きく振りかぶる。 いかにスタープラチナといえど目の前の怪物に打撃は通じない。 その目標は――地面。 近距離パワー型の怪力は反動でクレア自身の体を宙へと放り投げた。 さらに迫る追撃。だが今度は防御せず再び拳を振り上げる。 「おおおおおおおおおっ!」 「オオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」 ぶつかり合う拳と拳。 強度は互角だが体重差でクレアは弾き飛ばされる。 だがこれこそが彼の逃走経路。 チョッパーの力を利用し、更に距離を稼ぐ。 しかし稼げた時間はたったの数秒。それほどまでに目の前の怪物は非常識な身体能力をしているのだ。 だがそれだけでクレア=スタンフィールドには十分であった。 「ああ、単純なことだ。 足りないのならばたせばいいだけのことなんだからな」 刹那、空中のクレアのシルエットが膨れ上がる。 その正体は彼がディバックから取り出したのは複数の銃器だった。 右手にカラシニコフ、左手にロベルタのスーツケース。 そしてスタープラチナの両手に構えられた二重牙(ダブルファング)。 クレアが選択したのは、四本の腕による四門の重火器操作。 二挺拳銃使い(トゥーハンド)、三本腕の処刑人(トライパニッシャー)に続く四門の破壊者(フォースデトネイター)がそこにいた。 「これに耐えられるか、怪物(モンスター)?」 言葉と同時、トリガーが引かれ4つの銃口が一斉に火を噴いた。 それは実質時間にしてみればたったの数秒。 だがマズルフラッシュだけで周囲がはっきり映るほどの超連射にはそれだけで十分だった。 例え優れた筋肉の鎧があろうとも、皮を、肉を、骨を削ぎ、一片の肉塊に変えてしまう鉄の嵐が巻き起こる。 回避不能の面攻撃に対し、チョッパーがとった行動は、更なる加速だった。 今のチョッパーに知性はない。 だが意識を超えた超直感――野性と呼ばれるそれは危機を前にして最善の方法を選択した。 つまり彼は左手を盾として、更に加速したのだ。 結果、鉄の豪雨にさらされ、左腕は抉られ骨まで粉々になっていく。 だが、それだけだった。 左腕破壊に費やされた数秒。その数秒があれば今のチョッパーには事足りる。 強化された脚力の前にはこの程度の距離は意味を成さないのだ。 目の前の敵を叩き潰す。ただそのためだけに残された右腕が振り上げられ、 「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォオオオ!」 絶叫とともに叩きつけられた。 ドンという大きな音とともに、粉々に砕かれ、ごちゃごちゃした中身がぶちまけられる。 少し前まで機能していた"それ"は、あまりにもあっけなく意味を成さないものへと変貌した。 「残念だったな」 ――クレアの持っていた、スーツケースが、だ。 銃弾の雨をかいくぐったチョッパーに対し、弾丸の残っていたスーツケースを惜しげもなく投げ捨てた。 更に一瞬の隙を作るために。 その目論見は成功し、クレアは一瞬の好機を得る。 飛び散る残骸の中を一直線に、まるでロケットのように飛び出すクレア。 その奇術のタネはクレアの足に踏みつけられた奇妙な貝殻。 そう、クレアは噴射貝(ブレスダイアル)の上に立っていた。 超人的なバランス能力を持つクレアにしてみれば朝飯前の芸当だ。 「――穿て、スタープラチナ」 スタンドの指を突き出した。 流星指刺(スターフィンガー)とも呼ばれるスタープラチナの指による刺突。 それに噴射貝(ブレスダイアル)の推進力が合わさり、クレアは一発の弾丸となった。 ダイアルの加速、スタンドのパワー、クレアのスキルが合わさった一撃。 更にそこにチョッパー自身の相対速度も加わり、魔獣を仕留める必殺の魔弾は狙い違わず魔獣の左胸に突き刺さる。 「ガァ……ッ! あああああああああああああああああああああああああ!」 だが、それでもチョッパーは腕を振り上げる。 スタープラチナの指は人間と同じ程度。 その程度の長さでは肥大化した筋肉に阻まれ、心臓まで到達していない。 その数秒さえあれば、むしろ懐に飛び込んできたクレアは格好の獲物に他ならない。 「その生命力は素直に尊敬するな。だが俺には勝てん」 だがクレアはすでに次の行動に移っていた。 クレアの手にいつの間にか握られたのは先ほどまで手にしていた拳銃、オートマグ。 その銃口が向けられるのは、穴。 既に消したスタンドの残した赤黒い穴。 その一点に口付けるような繊細さで、銃口をやさしく重ねる。 「お前は強かった――だが、これで終わりだ」 引き金が引かれ、銃弾は怪物に止めを刺す杭のように心の臓を穿った。 どんな防御も無効化する一撃を食らい、ついにチョッパーの巨体は崩れ落ちた。 * * 「ク……ハァ……」 クレアは苦しげに息を吐く。 連続して時間を止めたせいか疲労が激しい。 あの回復薬には頼れない以上、どこかで一旦休憩をとらなければいけないだろう。 それに銃弾も一気に使った。できれば補充しておきたいところだが…… 「……まぁ、無いモノねだりをしてもしょうがないか」 周囲にあるのは破壊された森だったものしかない。 さっきの場所まで戻ればあの飛び散ったガラクタの中に何かあるかもしれないが、そこまでしてなかったら飛んだ無駄骨だ。 だがそのとき、周囲を見回していたクレアの鼻は異常を嗅ぎ取った。 (……焦げ臭い?) 今はまだ僅かではある……、が確かに火の臭いがする。 恐らくは先ほど爆発したロケット弾が森に着火したのだ。 何時になるかはクレアにもわからない。だが少なくともここは火に包まれるだろう。 ならばこの森に長居する意味は無いと判断し、踵を返す。 「ま……て……!」 だがそんな彼を引き止める声があった。 振り向けばそこには小さい獣人が、地面に這いつくばったままこちらを睨んでいた。 「まだ生きていたか。本当に面白いな、お前」 体内に直接弾丸を叩き込んだのだ。 普通なら即死だというのにまだ動いている。本当に驚くべき生命力だ。 ……だが、自分が手を下すまでも無くもうすぐその命も尽きる。 凄腕の殺し屋"葡萄酒(ヴィーノ)"にはそれが感覚で理解できた。 戦いはまだ続く。銃弾を消費する必要も無い。 「動くと辛いだけだぞ。お前はもう――」 「そんなの、医者である俺が一番わかってる!」 叫ぶごとに血を吐き出す。血と一緒に命まで吐き出されていくようだ。 だがチョッパーにとってそれは些事でしかない。 問いたださねばならないことがあるのだ。 「なんでだ! なんでなんだよ! レッドは……俺たちの仲間は! フィーロって奴に助けられたんだ! そのフィーロが言ったんだ! クレアって奴は信用できるって! なのに……なのにお前は!」 仲間の遺志を継ぐチョッパーにとって、友達(なかま)の信頼を裏切り続ける男は許せないものだった。 一方でその言葉でクレアは彼らの持つフィーロの情報を理解した。 そして彼がこの大地で、どのように行動していたかも。 「……ああ、そうだな。アイツなら口ではどういうか知らないが、見ず知らずの人間を助けるぐらいやるだろう。 それこそ何でもないことのようにな。だが ――」 言葉が切れる。 「――だが、死んだ。こんな場所で、誰かに殺されてな。 フィーロが死んだ今、ガンドール兄弟は何があろうと助けなきゃならない。 そのためにはこんな訳のわからない場所で足踏みしている場合じゃない。 俺は二度も同じ失敗を繰り返せるわけがない――繰り返させるものか」 チョッパーは気づく。その瞳に浮かぶ色に。 そこには色々な色が渦巻いていた。 もう取りこぼさないという決意があった。こんな現状に対する怒りがあった。 そして何よりも――悲しみの色があった。大事な物を失った、まるで親鳥を失った雛のような埋めようのない喪失の悲しみが。 「……そのためなら、俺は怪物でかまわないさ。 "線路の影をなぞるもの(レイル・トレーサー)"……いや、名なんていらないな。ただの"怪物"で問題ない」 目の前の男は涙なんて流していない。 でもその顔にかかった血が描く軌跡は、まるで――。 「じゃあな、ご同類(モンスター)。お前は俺を少しは本気にさせた。そのことは十分に誇っていい」 言葉を最後に、靴音が遠ざかる。 その冷たい響きがここにはもう用がないと雄弁に語っていた。 たった一人森の中に残されたチョッパー。 傷だらけのその体は最早何も出来ることがない。 ――いや、 「まだ……だ……」 震える腕を意志だけで動かし、土に何かを書き残す。 書ききれているのか、それすらも曖昧なままで。 この行為に意味があるかどうかもわからない。 誰かが見るのかもわからないし、この場所に誰か来るのかもわからない。 でも最後の一瞬まで足掻きたかった。 ――書ききった。 そう思った瞬間、全身から力が抜けた。 もう指一本も動かす力も残っていない。 徐々に遠くなる意識の中、脳裏に次々と人の顔が浮かぶ。 ……ヒルルク、くれは 俺を俺として育ててくれた人たち。 ……ルフィ、ゾロ、サンジ、ナミ、ウソップ、ロビン、フランキー 大好きな海賊団の仲間たち。 ……レナ、グラハム、レッド、ライダー、リカ、ウルフウッド…… この世界で出会った仲間たち。 大事な、大切な人の顔が次々と浮かんでは消えていく。 でも最後にぼんやりと浮かぶのはあの怪物の目だ。 ――寂しそうだった。まるで、あのときの俺みたいに。 大事な人を失った目だった。必死に足掻いている目だった。 ああ、もし俺がもしヒルルクみたいにすごい医者だったら、あの怪物の心も癒してあげられたのかな。 あの時、全部の憎しみや悲しみから救ってくれたドクターやくれはやルフィみたいに。 怪物を友達を失った悲しみから助け出てあげれたのかな。 真っ赤な涙を流す、赤い髪の怪物を。 でもやっぱりできなかった…… ああ、やっぱり俺は、未熟だったよ……。 (チクショウ……悔しいな……助けられないのは、悔しいよ……ルフィ……ドクター……) その思いを最後に、ガフ、と小さく血を吐いて、その小さな体は二度と動かなくなった。 【トニートニー・チョッパー@ONE PIECE 死亡】 【残り14人】 * * * "もしも"の話をしよう。 "もしも"、彼の隣に黒髪の少女がいたとしたら。 "もしも"、彼が金髪の少女と親しくなっていたとしたら。 "もしも"、彼がこの場所で幼馴染の少年と再会していたとしたら。 "もしも"、彼の隣に誰かいたならば、彼は人の領域にいたかもしれない。 無茶苦茶で、嵐のようで、でも誰かを確かに愛していて。 主人公たちのハッピーエンドに花を添えるような少しお茶目な世界の中心だったかもしれない。 だがここにいる彼は一人だった。 笑いあう友人も、その心を知る女もここにはいない。 たった一人きりの世界にいるのは、ココロを閉じ込めた怪物だった。 怪物(クレア)は戸惑わない。 故にその歩みは止まらない。 彼の歩む先に広がるのは大舞台。人の領域を超越した怪物たちのオンステージ。 ああ、これより先――怪物領域。 【H-2/1日目 真夜中】 【クレア・スタンフィールド@BACCANO!】 [状態]:疲労(中)、全身に打撲 [装備]:スタンドDISC『スター・プラチナ』@ジョジョの奇妙な冒険、スプリングフィールドXDの弾丸×7、拳銃の予備弾×30 二重牙@トライガン・マキシマム(20%、70%)、AMTオートマグ(0/7 予備弾×15) [道具]:支給品一式×5<クレア、一方通行、レヴィ(一食消費、水1/5消費)、クリストファー、カルラ>、未確認支給品(0~1) クリストファーのマドレーヌ×8@バッカーノ!シリーズ、ミカエルの眼の再生薬×3@トライガン・マキシマム 噴風貝(ジェットダイアル)@ONEPIECE、応急処置用の簡易道具@現実、痛み止め パ二ッシャーの予備弾丸1回分、ロケットランチャーの予備弾頭2個 ○印のコイン、AK47カラシニコフ(0/40、予備弾40×3)、蓮の杖@とある魔術の禁書目録 [思考・状況] 基本行動方針:優勝し、ギラーミンから元の世界へ戻る方法を聞き出す。 1:優勝のために他の参加者を殺す。迅速に、あらゆる可能性を考慮して。 2:フィーロを殺した相手が分かったら、必ず殺す。 3:スター・プラチナに嫌悪感はあるがある程度割り切っている。 【備考】 ※参戦次期は1931~特急編~でフライング・プッシーフット号に乗車中の時期(具体的な時間は不明) ※ほんの一瞬だけ時間停止が可能となりました。 ※梨花が瞬間移動の能力を持っていると思っています。 ※名前を聞いていなかった為、カズマとクリスの死を知りません。 ※もう一度ミカエルの眼の再生薬を服用すれば、命に係わるかも知れないため使用しないほうがよいと思っています。 ※○印のコインの意味は不明です。使い道があるのかもしれませんし、ないのかもしれません。 ※【H-2】の森には火が回り始めています。 ※【H-2】にチョッパーの書置きが残されています。内容は不明で、読めるかどうかも定かではありません。 時系列順で読む Back 哀愛逢ドリーマーズ Next 貴方を瞼が憶えている 投下順で読む Back 哀愛逢ドリーマーズ Next 貴方を瞼が憶えている Back Next かいぶつのなく頃に~讐たり散らし編~(後編) クレア=スタンフィールド ハロー・モンスター かいぶつのなく頃に~讐たり散らし編~(後編) トニートニー・チョッパー 死亡
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◇===================================== カード名 . ..: 末期の奉仕 悦楽 [奉仕者]≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ レアリティ...: C≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ カードスキル : 自[奉仕者]を忘却。【悦楽】以外のアルマを手札から[反響]無効化・[CP+2]付与でMサークルへリアライズし、デッキから1枚ドロー。≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ステータス. . : コスト:2 SP:1 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ フレーバー .: これがあなた様に捧ぐ最後のご奉仕。=====================================◇
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これより先怪物領域 ◆LXe12sNRSs 「…………ぶーん……ぶーん……ぶーん」 暗い、とても暗い闇の中だった。 両腕で飛行機の翼を形作った少年が、軽快に闇の中を走り回っている。 少年は闇に溶け込むように、座りながらそれを眺めていた。 「ねぇ、君はだれ?」 「私か? 私は……そうだな。トーマスとでも呼んでくれ」 走り回っていた少年が尋ね、座っていた少年が答えた。 「ねぇ、ここはどこなの?」 「腹の中。胃袋の中さ。喰われた人間が運ばれる場所だよ」 「えぇ~!? じゃあボク、食べられちゃったの?」 「ああ。そういうことになるな」 二度目の問答を終え、二人の少年は向かい合う。 「嫌だよ! ボクこんな暗いところになんかいたくない! ねぇ、みんながいるところに帰してよ」 「それは無理だ」 「どうして?」 純粋な眼差しを投げる少年に、少年は自嘲するような笑みを乗せて答えた。 「喰われた人間は、二度と元の世界には戻れない。 食われるということはつまり、死と同義だからだ。 言ってみれば、おまえは死人なわけさ」 淡白に告げて、見る見るうちに蒼白になっていく少年の顔色を観察する。 子供らしい、未知に怯える顔だった。 「そんなの嫌だ! 暗いの怖いよ! 一人は寂しいよ! 君もそうじゃないの?」 少年は焦燥の混じった声で、少年に助けと賛同を求めた。 しかし少年は、それを見て嘲笑う。 「ククク……これしきの闇が、苦痛か。子供だな」 少年は立ち上がり、自分とまったく同じ背丈の少年に視線を合わせた。 「焼けた火箸を目に突きつけられたことはあるか? 酸の風呂に浸けられたことはあるか? 生きたまま暖炉の中に放り込まれたことがあるか?」 唐突な告白だった。 少年は自らの半生、その中でも特に凄惨だった辛い過去を、質問のような形で少年に語る。 答えは、当たり前のように返ってこない。 「私は自分の信じていた人間に毎日そんな痛みを与えられて生きてきたんだ。 おまえなんかとは苦痛に対する覚悟が違う……これしきの闇に怯える、おまえとはな」 少年は少年でありながら、少年を逸していた。 これしきの闇など、苦痛の範疇ではない。 少年にとって、痛みは苦ではない。 無論、孤独も。 「そんなの、趣味の範囲だよ」 少年の大人びた瞳と、少年の子供らしい無邪気な瞳が、対立した。 少年の身が、僅かに退いた。 少年の身が、僅かに迫った。 「生きたまま腕の肉を丁寧に剥がされたことはある? そのまま腕の骨に彫刻を掘られたことはある? 中国の処刑法や日本の拷問は知ってる?」 少年の口から、思わぬ台詞が飛び出した。 声調はとても子供らしく、しかしその内容は酷く子供らしくない。 「――走行中の列車の外に吊り出されて、全身を削られたことはある?」 スーッと。 少年の顔から、血の気が引いた。 「ボクは知ってるよ。君よりももっと多くの痛みを。でもボクは、この闇のほうがもっともっと怖い」 二人の少年は、同じであるはずだった。 年齢も、背丈も、経験も、生きた時間も。 なのに少年は、先人気取りでものを語る。 「君は、自分の信じていた人間に痛めつけられながら生きてきたって言ったね? 実を言うと、ボクもそうだったんだ。でも、今は違うよ。ボクはいま、とても幸せな生活を送ってる。 優しい人、おもしろい人、ボクの手を引いてくれる人……たくさんの人に囲まれながら、ボクは生きている。 そうそう、つい最近お姉ちゃんもできたんだ! エニスって言うんだけどね」 少年は少年であって、少年ではない。 少年は今さらのように気づき、焦燥混じりの声で尋ねる。 「エニス……お姉ちゃん、だと? 誰だ……いったいそいつは何者なんだ?」 少年には、エニスという名に覚えがなかった。 しかし少年は、エニスという名をよく知っていた。 「エニスはエニス、ボクのお姉ちゃんだよ。チンピラから『二人』を助けてくれた、強くて優しい女性さ。 ボクは『二人』に紹介されて、エニスの弟になったんだ」 少年が語る身の上話は、エニスという存在を知らない少年にとって、どうでもいい事柄だった。 なのに、無視することができない。 「知らない……私は、エニスなどという女は知らない……!」 自分は少年とは違う……似て非なるものだという断定を、下す。 しかし少年は、不思議そうな顔をして首をかしげた。 「そっか、知らないんだ。じゃあ、モルサ・マルティージョは? カンシチロウ・ヤグルマは? ロニー・スキアートは? ランディは? ペッチョは? キース・ガンドールは? ベルガ・ガンドールは? ラック・ガンドールは? フィーロ・プロシェンツォは?」 全部、少年の知らぬ名だった。 「――――マイザー・アヴァーロは?」 唯一聞き覚えのある名を耳にし、少年は声を荒げた。 「マイザー……マイザー・アヴァーロだと? なぜだ、なぜおまえがマイザーの名を知っている?」 マイザーというのは、かつての同胞の名であり、少年が敵と認識していた者の名だった。 手紙を貰い、これから列車で会いに、そして『喰らい』に行くつもりだった相手の名だ。 「君は既に答えを得ているはずだよ、トーマス。いや……ここではドモン・カッシュと呼んだほうがいいのかな? もっとも君がフライング・プッシーフットで使った偽名も、彼の地で使った偽名も、『二人』の前では無意味だったけどね」 脳裏を、様々な光景が過ぎる。 刺青の男が、少年に謝っていた。 眼帯の女が、少年に微笑んでいた。 貴婦人が、少年に穏やかな顔を見せて、 貴婦人の娘が、少年に手を差し伸べて、 「おまえは……いったい何者だ!? それに、『二人』とはいったい誰のことを言っている!?」 あと二人、陽気な誰かと誰かの記憶がすっぽり抜け落ちていることに、気づく。 「ボクの名前はチェスワフ・メイエル――チェスって呼んでください!」 少年の名乗りで、すべてを思い出した。 思い出したところで、少年は泣いた。 泣く少年を見て、少年は微笑んだ。 少年は、涙が止まらなかった。 「ボクは、痛みなんかよりもこの闇のほうが怖い。また一人になって、怯える生活を送るのが怖い。 でも君はかわいそうだね。だって、君の未来には闇しかないんだもん。 ボクに光を与えてくれた、くれるはずだった『二人』は、君が」 涙を流すだけでは、足りなくなった。 この絶望感を洗い流すには、涙だけでは足りない。 仕方なく少年は自壊を選択し、その場に崩れた。 少年は終わりを迎えたかったのだ。その本心では。 ただし、それは叶わぬ願い。 悪魔の定めたルールを思い出し、少年の身は再生された。 少年の心は、生きながらに死んでいた。 「――『喰って』しまったんだから」 少年は呪った。 己の愚かさを、 己の無様さを、 己の醜悪さを、 己の無力さを、 己の矮小さを、 後悔という形で。 そして少年は、放送によってその過ちを再認識した。 不死者である少年が絶望を表現する方法は、涙しかなかった。 ◇ ◇ ◇ どことも知れぬ小道の脇に、チェスは蹲っていた。 膝を抱えた体育座りの体勢で、頂点に上り詰めた太陽を疎ましげに睨む。 多量の涙で赤く充血したチェスの瞳に、空から照射される太陽光は眩しすぎた。 「十六人……玖我なつきやジャグジー・スプロットも、どこかで死んだのか」 虚ろな瞳を両腕で覆い、視界を闇に浸す。 ついさっき流れた放送の内容を反芻しながら、忌避したい事実をもう一度確認する。 アイザック・ディアンが死んだ――正確に言えば、『喰われた』。 重要なのはそれだけで、仮初の関係者二人に特に感傷は抱かない。 夢や幻ではなく、これだけは確かな現実なのだと、認めざるを得なかった。 「不死者に殺し合い……当初は馬鹿なものだと思ったが、なるほど。螺旋王もどうしてどうして……策略家じゃないか」 数分前、あるいは数十分前――アイザック・ディアンを飲み込んだ右手。 それを恨めしそうに眺め、チェスは自嘲した。 「私という存在がいるんだ……不死者とて無敵じゃない。そういうことか」 涙が枯れ果てた今だからこそ、冷静に分析できる。 悪魔が定めたルールに則り、チェスはアイザック・ディアンを『喰い』、彼の知識や記憶、技能を吸収した。 不死者は、喰らった不死者の持つありとあらゆるものを収得することができる。 長年積まなければならないような経験も、常人には理解しがたい学術的な公式も、思い出すらも、我が物にできる。 その代わり、喰われた不死者は消える。自我を失い、姿を失い、存在を抹消され、この世から消滅する。 この『喰う』という行為は、不死者が唯一、永遠の生を終えることができる方法でもあった。 故にアイザックを喰ったチェスは、彼のすべてを知り、我が物とした。 これは共有ではない。独占だ。 不死者や喰うという行為の概念はどうあれ、放送で螺旋王がそう告げたように、確固たる事実として。 アイザック・ディアンは、死んだ。 それがたまらなく、辛い。 「……」 後悔という重圧が、チェスの身に重くのしかかる。 客観的に見れば、怯えと疑念が生んだ、不幸な事故のようなものだった。 チェスに悪意など微塵もない。彼はただ恐怖に駆られ、自己を守るため、先手を打っただけだ。 それが大きな間違いだったのだと、改めて思い知る。 しかし、それももう遅い。 「…………」 鼻から垂れた水を乱暴に拭い、チェスはさらに深く蹲った。 小さな体をだんご虫のように縮こまらせ、矮小な自分を、より小さく見せようとした。 スン、という鼻を啜る音だけが、物静かな小道に悲しく響いた。 「………………」 錬金術師たるチェスからしてみれば、アイザックから得られた知識など、欠片の役にも立たないものばかりだった。 外国についての雑学はなぜか豊富であったが、そのどれもがどうしようもなくくだらないもので、かつ曖昧だった。 知能や学力の面で言っても、凡人以下のレベル。記憶力も薄い。なのに、 「……みんなを心配させないように、そんな嘘をついていたなんて……」 かつて、『線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)』に襲われたらしいチェスに投げかけた言葉や、 「……だからね、もう笑ってもいいんだよ……」 相棒であり恋人でもあるミリアの言葉、 「マイザー……会いたかったよ、マイザぁぁぁぁぁ…………」 彼の中のチェス『くん』の言葉など――知人たちとの思い出に関しては、なぜか鮮明に残されていた。 アイザックという男がどれだけ交友関係を重んじていたかが、痛いほどよくわかる。 無知だが、無知だからこそ、アイザックはとてもいい人間だったのだ。 セラードやフェルメートなんかとは違う。彼は己が不死者であることも、チェスが不死者であることも知らなかった。 邪な願望もなにも持たず、『線路の影をなぞる者』からチェスを救い出してくれた。 保身のためについた嘘を、誰もがハッピーになれる形に解釈してくれた。 家族のいなかったチェスに、新しい家族を作ってくれた。 アイザックは、アイザックは……アイザック・ディアンは、 とても、とても……とても、 「……アイザックさん……いい人、だったの、に……ごめん、なさい。ごめん、なさ、い」 疾うに枯れ果てたと思っていた涙が、またあふれ出した。 悲しみがチェスの視界一面を満たし、歪める。 いくら泣いても、いくら謝っても、チェスの気持ちは満たされなかった。 アイザックならきっと笑って許してくれる。そう思う。 だけど、チェスは自分を許すことができなかった。 憤怒、敵意、憎悪、ありとあらゆる負の感情が、アイザック喰う以前の自分に向けられる。 なんで、あんな馬鹿な真似をしたんだと。泣きながら叱った。 「ぐすっ……あくまよ! 聞こえるか!?」 泣き顔のチェスが、ぐじょぐじょになった目元をそのままに、天に向かって語りかける。 「ふひしゃを……不死者、を! 喰った不死者を吐き出すことはできないのか!?」 いつかの時、船上に降臨した悪魔に問いかける。我ながら、荒唐無稽な行為だと思った。 「喰うことができる、なら! 吐き出すことも、できるんじゃ、ないの、か!? 答えてくれ! 悪魔よ!」 いくら叫んでも答えは返ってこない。返ってくるはずがないと、頭では理解していた。 「お願い、だよ。お願い、だから。おね、がい……やりなおしたい、んだ。もう、いちど」 顔を俯かせ、唱えるように呟く。精神はもう、叫ぶ体力を失わせるほど磨耗していた。 「もう、あんなことはしないから……アイザックさんを……アイザックさんを……返して……」 地に両手と両膝をつき、チェスはその場に泣き崩れた。絶望が押し寄せる。 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…… だから、だからだからだから…………アイザックさんを、返して……お願いだよっ」 ――人は痛みによって、初めて自分の愚かさを知る。 それは歴史上の偉人たちに関しても言えることだった。 自分を神と信じた者は、上に立つ者に罵倒され、己の立ち位置を知る。 兵器を作り出した国家は、自らの兵器を持って自国を滅亡へと導いた。 天才は数多の挫折を味わい、乗り越え、やっと努力家を越える。 過ちを犯した罪人は、被害者の涙を見て、ようやく慙愧の念を抱く。 「悪魔……螺旋王……誰でもいい……ボクに、ボクにやりなおすチャンスをください……」 いつしかチェスは、自分の保身についてなど微塵も考えないようになっていた。 我が身のかわいさで、とても大切なものを失ってしまった。 その苦しみを、理解したから。 「『線路の影をなぞる者』に襲われて……アイザックさんとミリアさんに助け出されて…… エニスって人の弟になって……マイザーと再会して……ボクも、ボクも…… …………アイザックさんの記憶の中にいた、チェス『くん』になりたいんだよっ!」 なるはずだった自分の姿。未来への憧れ。または執着心。 薄汚いチェスワフ・メイエルの存在を保守するよりも、もっと大事なこと。 チェスの目的と願望は、アイザックの記憶の中にあったチェスくんによって、淡く塗りつぶされていた。 「……………………ひっく」 当然のことだが、いくら待っても答えはなかった。 錬金術師に不死の酒を与えた悪魔も、この地に二人の不死者を呼び寄せた螺旋王も、チェスに施しを加えはしなかった。 かつてのチェスワフ・メイエルなら、それでも這い上がれただろう。 逆境に立ち向かう意志を見せ、怯えながらも勇敢に戦っただろう。 だが、違う。 そもそもこれは、逆境なんかじゃない。 時間を巻き戻したり、不死者を吐き出したりしなければ覆せない、 絶対的な、絶望なのだ。 ◇ ◇ ◇ チェスはやりなおしを望んだ。が、それは叶わぬ悲願に終わった。 でも、ひょっとしたらまだ……希望あるんじゃないかと、しつこく縋った。 螺旋王。あの主催者ならば、時間や悪魔のルールすら超越して、アイザックを生還させることができるのではないだろうか。 チェスが喰ったアイザックには、列車強盗事件の数日先……チェスにとっての未来の記憶があった。 それはつまり、アイザックがチェスより先の未来から、この地に召集されたということだ。 方法など考えつかない。時間跳躍などSFの域だが、既にジェットという前例もある。 螺旋王が持つ技術、もしくは能力なら……この悲願が叶うかもしれない。 だが螺旋王はランプの魔人ではない。チェスの望みなど、耳も貸さないだろう。 ならば、素直に螺旋王が望むこと――殺し合いに興じ、優勝して彼に願いを聞いてもらうか? ……まさかっ。それこそ本末転倒だ。チェスはもう、かつてのような臆病者には戻りたくなかった。 アイザックなら、もっと楽しい結末を望むはずだ。彼の相棒のミリアにしたって、それは同様だろう。 だからチェスは、アイザックとミリアが信じたチェスくんならどうするだろうかと考えた。 考えて、ある一つの答えにいたった。 それはとてつもなく滅亡的で、しかし不死者であるチェスだからこそ目指せるものだった。 チェスワフ・メイエルは死を恐れ、周囲を敵と見なしていた。 チェスくんは孤独を恐れ、周囲は味方も多いんだと知った。 ここにいるチェスは、このまま後悔に溺れ、なにも成せないことだけが恐ろしかった。 ◇ ◇ ◇ 未知なる道を、ひた歩く。 この先に待つであろう人物に会うため、ただ歩く。 彼女との接触は、たぶんとても恐ろしいことなのだろう。 一歩一歩の歩みが重い。明らかに恐れている。でも、進まないわけにはいかない。 腹は括った。彼女がどんな顔で『ボク』を迎え入れようとも、やるべきことは変わらない。 たった一つの希望を掴むため、アイザックさんが望むやり方で、彼女とともに。 ………………ううん。できるかぎり、彼女とともに。 歩もう。ボクは歩むんだ。 不死者のチェスワフ・メイエルでも、狐の皮を被ったトーマスでも、二人が知るチェスくんでもない。 ただの、決められた制限下で目的を果たそうと頑張るチェス。 これが、ボクのここからの、本当の勝負だ。 「…………く~ん…………お~い…………」 行く先の道で、ブロンドの長髪を靡かせた女性が手を振っている。 遠くから見た限りでは、その顔はとても穏やかだ。 ……いや、違った。 その姿が近づくにつれ、彼女の瞳に涙が浮かんでいるのがわかった。 泣いている、というほどではない。潤んでいる、泣く寸前のような表情。 ボクは、その理由を知っていた。 知っていたからこそ、笑顔で彼女と向き合った。 向き合わなきゃいけないんだ。 「チェスくん、心配したんだよ~! あのね、アイザックとチェスくんが消えちゃって、 それでさっきの放送でアイザックが呼ばれて、しかもカフカまで呼ばれちゃって、 それで、それでね、えと……わたし、わたし……」 声は、いつものように惚けていた。だけど今ならわかる。 彼女の内を満たしているのは、不安と混乱と、悲しみだ。 そしてその元凶は……ボク。 わかってる。でも今は、謝るときでも、説明するときでもない。 ボクは、 「安心してお姉ちゃん。アイザックさんはね、死んじゃったわけじゃないよ」 くしゃくしゃになった彼女の顔を、精一杯の笑顔で満たしてあげようと思った。 記憶の中……『線路の影をなぞる者』に襲われたボクに、彼女らがそうしてくれたように。 「アイザックさんはね、お父さんであるポロロッカ王に連れ去られちゃったんだ! 内緒で結婚の準備を進めていたことが、バレちゃったんだよ」 ◇ ◇ ◇ ――そっか~、じゃあアイザックは、お父さんに軟禁されてるんだね! ――うん。わからず屋の息子はお仕置きだーって、ボクの前から連れていっちゃったんだ! ――どうやって連れていったの? ――それは……消しちゃったんだ! 手品みたいに、ボクの目の前からパッて! ――すっご~い! ミステリーだね! イリュージョンだね! ――うん。ボクもすぐに追いかけようと思ったんだけど、お父さんはそれはそれはすごい手品師で…… ――いきなり目の前から消えちまったねぇ……どうよアレンビー。信じられる? ――信じるもなにも、チェスくんがそう言うんならそうなんでしょ。 ――おいおい知らないのかい? 最近のガキの言うことなんてのは、大半がウソなんだぜ。 ――馬鹿キール! チェスくんが嘘ついてるとでも言うの!? それならどうしてアイザックさんの名前が呼ばれたの? ――んー、まぁあの男が死なないことは実証済みだしぃ。そりゃ俺にもわかんねぇけどよぉ。 ――なら文句言わない! それにしても、ついにお父さんが動いたのか……くー、なんか燃えてきた~! ――ひょっとして、チェスくんも手品ができるの? ――うん! 二人の結婚式の日になったら、ミリアさんにも見せてあげるよ! ――本当? やった~! 楽しみにしてるね! ――うん。そのときは、きっと、アイザックさんも。 ――うん、アイザックと。 ――――みんなで一緒、だね!! いなくなったチェスを見つけた後、ミリアたちはそんな会話をしていた。 たが一人だけ、その場にいながらこの会話に参加しなかった者がいた。 ジェット・ブラックである。 ◇ ◇ ◇ アイザックは父親であるポロロッカ王(螺旋王)に拉致された。 放送で名前が呼ばれたのは、恋人であるミリアに揺さぶりをかけるためだろう。 チェスから説明を聞いたミリアたちは、わからず屋のお父さんからアイザックを救い出すため、改めて立ち上がった。 アイザックとミリアの結婚式を開き、パーティーでお祝いして、ハッピーエンドを迎える。 みんなの思いは、重なっていた。 「じゃあ、アタシとキールは一を見つけしだい合流するよ。オジサンたちは先に船のほうへ行って。ガッシュたちがいるはずだから」 「探し人が野郎ってのが気に食わねぇが、愛しのアレンビーの頼みなら仕方がない。俺の翼がまた煌くときがきたみたいだな」 「俺としては、さっさとまともなメシにありつきたいんだがな」 「ダメ! このブリはみんなが揃ったときのため夕飯! メインディッシュ! それまではお預けだよオジサン」 「でも大丈夫? アレンビー、キンダイチくんの顔知らないんでしょ?」 「大丈夫大丈夫! 一の話は剣持のオジサンからも聞いてるし、キールっていう『目』と、ミリアに貰ったとびきりの『声』があるからね」 「あー……一応忠告しとくが、むやみやたらにそれで叫んだりするなよ。誰が聞いてるかわからんからな」 「そのときは、アタシとキールの必殺ノーベルロワイアルで撃退だよ!」 「そうだぜオッサン。俺という勇敢なる騎士がついてるんだ。心配は無用、いやむしろ侮辱に値するぜ」 「カフカって子が本当に現実に帰っちゃったかどうかは一に聞くとして、ミリアたちは船で待っていてくれればいいからさ!」 「そうそう。なんたってミリアちゃんは、後に控える『愛の奪還作戦』の主役だからな。おい野郎ども、ちゃんとミリアちゃんを守ってやれよ!」 「アイザックはポロロッカ星の王子だけど、ミリアはアタシたちと変わらない地球人なんだからね!」 「うん! うっかり殺されて、現実の世界に帰らされたら、アイザックさんとの結婚もパーになっちゃうもんね」 「ま……女一人と子供一人の身辺警護なら、仕事としては楽な部類だしな」 「それじゃあ……次に会うのは、あの『でっかい船』で、だね!」 アイザック奪還作戦――螺旋王が一筋縄ではいかない相手だと知った一同は、強硬手段での説得を試みることにした。 螺旋王のアジトを突き止め、軟禁されているアイザックを救い出し、力ずくで螺旋王に結婚を認めさせる。 そのための戦力集めとして、今は別行動中の一、豪華客船に向かったガッシュと剣持、 そしてそこで人集めをしている高遠、高遠の呼びかけに集まる人たちも、まとめて仲間に加える。 アイザックの拉致事件で色々疲弊しているであろうミリア、チェスはジェットとともに先にベースとなる豪華客船へ。 鳥という特性ゆえに人探しに便利なキール、そしてアレンビーはミリアの拡声器を持って金田一一を探しに行く。 ブリを食べるのはみんなが揃ってから。みんなが揃ったら、アイザックを助けにレッツゴー。 ――それが、チェスの立てた今後の方針だった。 これに手放しで賛成したのが、ミリア、アレンビー、キールの二人と一羽。 そして賛成の意も反対の意も示さなかったのが、ジェット一人。 多数決によりチェスの案は可決され、三人は南へ、一人と一羽は北へと道を別った。 「行こう、お姉ちゃん! ボクたちみんなで」 「アイザックを、助け出すんだね!」 チェスと並んで前を行くミリアの表情は、かつての能天気な笑顔そのものだった。 放送でアイザックの名が呼ばれたときは、動揺と混乱で酷く荒れていたのだが……今はその面影はない。 喜ばしいことではある。が、隣で無邪気な笑顔を浮かべている少年が狐を演じている可能性を考えると、素直に喜べなかった。 チェスとミリアの後ろを歩く今となっても、ジェットはまるでポロロッカについて信用していない。 風浦可符香の言は妄言、アイザックの不死はトリック、アイザックの死は真実で、チェスの証言は嘘であると見なしている。 ジェットには確信があった。チェスが嘘をついているという、確かな根拠を握っていたのだ。 ジェットはズボンのポケットに手を突っ込み、二人には見つからないようにある金属片を取り出す。 それは輪の形状をしており、銀の色を纏っており、そして『Issac Dian』の名を刻んでいた。 アイザックを捜す際、ごみ山で発掘した、アイザックの首輪である。 側には、アイザックのパンツと荷物らしきものも見つかった。 混乱を防ぐためミリアたちには内緒にしているが、これは『アイザックが首輪を残して死んだ』という確たる証拠なのだ。 だが、死んだにしてもこれは少々不可解だ。 首輪が外れているということは、アイザックの首は体と分断されている可能性が高い。おそらく死因もそれだろう。 だというのに、この首輪にはまるで血痕が見当たらない。首輪が落ちていた周囲にも、それらしきものはなかった。 血を首輪に付着させずに、首輪だけをアイザックから取り除いた? どこか別の場所でアイザックを殺し、首輪を回収し、付着した血を洗い流してからごみ山に埋めた? それともジェットの考えつかないようなまったく未知の手段を持ってアイザックを殺し、結果として首輪が残った? 方法は? 意味は? 必然性は? 真犯人は? チェスが犯人である可能性は? チェスが嘘をつく理由は――? なにからなにまで、わからないことだらけだった。 ジェットは混乱する頭を抱え、楽しそうに歩く二人を見やる。 ミリアの笑顔はいい。彼女という人間を知らぬジェットでも、その笑みが天然のものであるというのがよくわかる。 対してチェスのほうは――見るからに無理をしているような、どこかやつれた、人口的な笑みだった。 「チェス」 このまま悩んでいても仕方がない、と、ジェットは意を決してチェスに声をかけた。 「なにか、俺たちに話し忘れてることがあるんじゃないか?」 ただし単刀直入にとはいかず、遠まわしな台詞で、まずは反応を窺う。 変化は、すぐに訪れた。ジェットの言葉を受けたチェスの表情は一瞬だけ凍り、不自然だった笑顔をさらにいびつにする。 やはりなにか隠しているのだろうか。そう思いジェットが顔を顰めた次の瞬間、チェスは走り出し二人の前方に躍り出た。 振り向き様、ジェットとミリアの二人に向かって言葉を放つ。 笑顔は、さっきよりも辛そうだった。 「敵わないな、ジェットおじさんには」 どこかおどけたような口調で、チェスは話す。 「うん……そうだね。なにか、とても大切なことを話し忘れているような気がする。でもごめん、思い出せないや」 「思い出せないって、おまえ」 「チェスくん? なにか心配事でもあるの?」 さすがのミリアもチェス異変に気づいたのか、心配そうな眼差しを傾けている。 ジェットはチェスの本心が未だ掴みきれず、警戒心は解かないまま次なる言葉を待った。 チェスは、意地でも貫くみたいに笑っていた。 「でも安心して! それはきっと、ミリアお姉ちゃんやジェットおじさんが心配するようなことじゃないから。 いつか……そうだね、いつかきっと。それを思い出したら話すことにする。だから、それまで待っててほしいんだ」 並びのいい白い歯を覗かせて、和やかに眉を緩めて、ふっくらと頬を弛緩させて、チェスは精一杯の笑顔を浮かべていた。 ジェットは、それが作り笑顔であることに気づいていた。 ミリアもまた、その笑顔が本当の、楽しいときに出る自然な笑顔でないことを、薄ら感じていた。 「それにね、今まで内緒にしていたんだけど、ボクこれでもとっても強いんだよ! 力はないけど、体はかなり頑丈なんだ。だから、いざというときは二人の盾にだってなれるよ」 破滅的な笑みだった。他人の浮かべる愛想笑いのほうが、まだ親近感を覚える。 ジェットもミリアも、こんな破滅的な笑顔を見せる子供を見たことがなかった。 「ねぇチェスくん、本当に、本当に大丈夫? つらいことがあるなら、無理しないで私たちに話してね?」 「だいじょうぶだよ。ボク、とっても元気だから! それよりもほら、早く船に行こう。 一秒でも早くアイザックさんを助け出して、みんなでパーティーを開くんだから!」 ――馬鹿野郎。ガキがなんて顔してやがる。 結局、最後まで胸に溜まった言葉を吐けず、ジェットはチェスへの言及をやめた。 チェスの嘘を暴いてしまうことが、破滅への引き金となるような気がしてしまったから。 「パーティー……そうだね! うん、そうだよね! 私たちみんなで、アイザックを救い出すんだよね!」 「うん、そうだよ! ボクたちみんなで力を合わせて、アイザックさんを救い出すんだ!」 いつの間にか、チェスの印象は無邪気な子供のものに戻り、ミリアもまた常のペースに戻った。 ジェットの胸中にだけ、靄のような違和感が残った。 ◇ ◇ ◇ 螺旋は加速する。 後悔という名の重石を背負った不死者は、 アイザックが望むことを、ミリアが望むことを、彼らの知るチェスが望むことを、 アイザックのためになることを、ミリアのためになることを、彼らの知るチェスのためになることを、 選択肢として選んだ。 代償として、不死者自身の幸福は捨てた。 安心も、命も、将来も、心さえも―― なにかを得るためには、同等の代価を支払わなければならない。 即ち、等価交換の原則。 錬金術師の一端である不死者は、世の理を知っていた。 だから、願った。 ――不死の体などくれてやる。 ――だから貰うぞ、螺旋王。 ――貴様の持つ法、術、叡智、すべてを。 ――いいか、必ずいただくぞ! ――そして、あの二人の、二人の知るチェスの幸せを! ――絶対に、取り戻す! 背負った後悔という名の重石を取り除くため、不死者はやり直しを望んだ。 代価は、自分自身。 得たいのは、やり直す術。 それを握るのは、螺旋の王。 錬金術師であろうと、不死者であろうと、結局は螺旋に行き着く。螺旋を目指す。 だからまた、螺旋は加速する。 【D-3北部/高速道路/1日目-日中】 【アレンビー・ビアズリー@機動武闘伝Gガンダム】 [状態]:健康 [装備]:ブリ@金色のガッシュベル!!(鮮度:生きてる) [道具]:デイバック、支給品一式、爆弾生物ポルヴォーラ@王ドロボウJING、注射器と各種薬剤、拡声器 [思考] 1:金田一一を捜して合流。その後豪華客船に向かいミリアたちと合流する。 2:仲間を集め、螺旋王からアイザックを救い出す。そして目指せ結婚式! 3:豪華客船へとゲームに乗っていない人間を集める(高遠の伝言) 4:悪いヤツは倒す!(悪くなくとも強い人ならばファイトもしてみたい……) [備考] ※キールロワイアルのアレンビーver.「ノーベルロワイアル」を習得 ※参加者名簿はまだ確認していない ※シュバルツ、東方不敗はすでに亡くなっている人として認識している ※ガッシュ、キール、剣持、アイザック&ミリア、ジェットと情報交換をしました ※高遠を信用できそうな人物と認識しています ※チェスの証言を全面的に信用しています。 【キール@王ドロボウJING】 [状態]:健康 [装備]: [道具]:デイバック、支給品一式、ジンの仕込みナイフ@王ドロボウJING [思考] 基本:可愛い女の子についてゆく(現在はアレンビー) 1:金田一一を捜して合流。その後豪華客船に向かいミリアたちと合流する。 2:他のことは……まぁ、あんまりどうでもいい 3:女性は口説く! 野郎? 別に興味ない [備考] ※参加者名簿はまだ確認していない ※ガッシュ、キール、剣持、アイザック&ミリア、ジェットと情報交換をしました ※高遠を信用できそうな人物と認識しています 【D-3南部/高速道路/1日目-日中】 【チェスワフ・メイエル@BACCANO バッカーノ!】 [状態]:精神衰弱、激しい後悔 [装備]:アゾット剣@Fate/stay night [道具]:デイバック、支給品一式、薬局で入手した薬品等数種類(風邪薬、睡眠薬、消毒薬、包帯等) [思考] 基本:アイザックを取り戻す。ミリアの命を最優先に考える。 1:アイザックの記憶の中のチェスくんとして振舞う。 2:なんらかの方法で螺旋王と接触し、アイザックを取り戻す術を得る。 3:豪華客船へ向かい、ガッシュと剣持と高遠と合流。アレンビーたちの帰りを待つ。 4:仲間が揃ったら、螺旋王の元へ向かいアイザック奪還。 5:いざとなったら身を盾にしてでもミリアや仲間の命を守る。 [備考] ※アイザック・ディアンを「喰って」その知識や技能を得ました ※ミリアが不死者であることには気付いていません ※なつきにはドモン・カッシュと名乗っています ※不死者に対する制限(致命傷を負ったら絶命する)には気付いていません ※チェスが目撃したのはシモンの死に泣く舞衣のみ。ウルフウッドの姿は確認していません ※ジェット、アイザック&ミリア、アレンビー、キールと情報交換をしました ※監視、盗聴されている可能性を教えられました。 ※無意識の内に急激に進化する文明の利器に惹かれつつあります。 ※螺旋王ならアイザックを元に戻せると信じ込んでいます。 ※自己犠牲の精神が生まれつつあります。 【ミリア・ハーヴェント@BACCANO バッカーノ!】 [状態]:健康 [装備]:安全メット、スコップ、珠洲城遥の腕章@舞-HiME [道具]:デイバック、支給品一式、ガラクタ(未識別)×1~3 [思考] 基本:アイザックを取り戻す。 1:豪華客船へ向かい、ガッシュと剣持と高遠と合流。アレンビーたちの帰りを待つ。 2:仲間が揃ったら、螺旋王の下へ向かいアイザック奪還。 3:剣持、明智、高遠、ドモン、清麿、ジンを探す。 4:パーティー楽しみだねアイザック! だから待っててね……きっとみんなで助けに行くから! [備考] ※可符香とアイザックとチェスの話を全面的に信用しています ※殺し合いの意味を完全に勘違いしています(アイザックに課せられた試練で、終了条件は全員に手品で殺される事) ※アイザックはポロロッカ星の王子で、螺旋王は彼の父親。それを記憶喪失で忘れていたと思い込んでいます ※この世界は死ねば元の世界に帰還。生き残ればポロロッカへご招待されると勘違いしています ※少なくとも「悲恋湖伝説」「雪夜叉伝説」「瞬間消失の謎」については把握済み。(金田一の事件簿) ※可符香、金田一、アレンビー、キール、ジェットと情報交換をしました 【ジェット・ブラック@カウボーイビバップ】 [状態]:健康、空腹 [装備]:コルトガバメント(残弾:6/7発) [道具]:デイバック×2、支給品一式×2(ランダムアイテム0~1つ 本人確認済み) テッカマンブレードのクリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード アンチ・シズマ管@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日- 賢者の石@鋼の錬金術師、カウボーイ風の服とハット、アイザックのパンツ、アイザックの首輪 アイザックの掘り当てたガラクタ(未識別)×1~3 [思考] 基本:情報を集め、この場から脱出する 1:チェスに疑心。同時に心配。当分は彼から目を離さないよう行動する。 2:情報を集めるために各施設を訪れる。(とりあえず次は豪華客船。機会があればゴミ処理場も調べなおしたい) 3:出会えればティアナを保護 4:謎の爆弾魔(ニコラス)を警戒 5:仲間(スパイク、エド)が心配 6:明日の正午以降に博物館に戻ってくる [備考] ※テッカマンのことをパワードスーツだと思い込んでいます ※ティアナについては、名前を聞き出したのみ。その他プロフィールについては知りません ※チェス、アレンビー、アイザック&ミリア、キールと情報交換をしました ※監視、盗聴されている可能性に気づきました しかし、それは何処にでもその可能性があると考えているだけで、首輪に盗聴器があるという考えには至っていません ※チェスの証言を嘘だと見抜いています。また、アイザックは不死者などではなく本当に死亡したと考えています。 時系列順で読む Back 好奇心は猫をも殺す Next ヴィラルシャマルの事情 投下順で読む Back 召喚 Next ヴィラルシャマルの事情 161 ランチタイムの時間だよ チェスワフ・メイエル 195 刑事と婦人と不死の少年は三人の奇人を前に沈黙する(前編) 161 ランチタイムの時間だよ ジェット・ブラック 195 刑事と婦人と不死の少年は三人の奇人を前に沈黙する(前編) 161 ランチタイムの時間だよ ミリア・ハーヴェント 195 刑事と婦人と不死の少年は三人の奇人を前に沈黙する(前編) 161 ランチタイムの時間だよ アレンビー・ビアズリー 185 黒き鳥は空を舞う 161 ランチタイムの時間だよ キール 185 黒き鳥は空を舞う