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「梓ちゃんってホントに軽音部の事好きだよね!いつも話してくれるよ」 「えへへー照れますなぁ」 夕食を取りながら憂と他愛もない話をする。う~ん、ごはんもおいしいし幸せな時間だなあ。 今日の会話にもあずにゃんが登場。二人の共通の友人だし、よく話題に上るんだよね。 可愛くてちっちゃくてちょっぴり頑固でそんでもって可愛くて…私の初めての後輩。 なんだか最近、あずにゃんの事を考えてばかりいる気がする。文化祭が近づいてきて会える時間も減って、あずにゃん分が足りなくなったのかな。 「この前は紬さんが可愛らしい話だったけど、律さんがご飯作ってくれた話とか―」 「そうそう、りっちゃんのご飯美味しかったんだよ~」 「梓ちゃんの先輩自慢に純ちゃんもたじたじになっちゃってさ。皆さん本当にいい先輩なんだね」 「うんうんそうだよね。澪ちゃんはかっこいいし、ムギちゃんは優しいし、りっちゃんは頼りになるし…ハッ」 「どうしたのお姉ちゃん?」 ここまで話を聞いて私はあることに気付いた。 「私、先輩らしい事してない!」 「えっ、そうかな」 そう、後輩のあずにゃんは私にギター教えてくれたりするけど、先輩である私は抱きついたり怒られたり呆れられたり…。 わ、私ってあずにゃんにどう思われてるのかな。さっきの憂の話にも私の自慢話ってなかったような。 「これはまずいよ!」ガタッ 「ひゃあ!びっくりした」 「決めたよ憂。私、先輩らしくなるよ!」フンスッ 「そっか、頑張ってねお姉ちゃん」 先輩らしくなれば、あずにゃんも私の事褒めてくれるかな。私の事好きになってくれるかな…。 私、あずにゃんにもっともっと好かれたい。なんでだかよく分からないけど…まいっか。先輩のお手本は私の周りにいるもんね。 「よーし、やーるぞー!」 「ふふっ頑張るお姉ちゃんも可愛い」 「ごちそうさま。まずはお皿洗いするよ!」 「えっ!?いいのに」 「任せて任せて~」カチャカチャ 「ああっ危なっかしいよ~」 (ふふっお姉ちゃん、梓ちゃんのこと本当に好きなんだろうな。でもそんなことしなくてもいいと思うけどな) (梓ちゃん、凄い分かりやすいんだもん。お姉ちゃんのこと褒めたりはあまりしないけど、1番お姉ちゃんの事…) 「って、私が言うのも野暮だよね」 「ういーなんか言ったー?」 「ううん、何でもないよっ。私も手伝うねお姉ちゃん!」 放課後部室! 今日は文化祭の練習で私以外遅くなっちゃうみたい。だからこれは私が先輩らしく振る舞うチャンスだよ! あずにゃんが来たら先輩らしさを発揮しなきゃ。それまでは木の練習してよう。時間を無駄にはしないよ。 ガチャッ 「こんにちはー。あれ、唯先輩だけ。やっぱり他の先輩たちは劇の練習ですか」 「…」 「唯先輩?…あ、木の練習か。イスにでも座ってよ」 「…はっ!」 しまった。いつの間にかあずにゃんが来ていた! 「や、やっほーあずにゃん」 「ふふっいいんですか、木の練習してなくて」 あうう笑われてるよ。これは不覚だよマイナスポイントだよ…。 「ううん大丈夫。それより練習する?お茶にする?そ・れ・と・も…」 「えっ唯先輩練習するんですか?」 「舐めてもらっては困るよ。私だってやる時はやるのです!」フンスッ 「そうですか。それじゃあ練習しましょう。今用意しますね!」 うーんあずにゃん嬉しそう。やっぱり練習が好きなんだなぁ。 「それじゃごはんはおかずのイントロから行きましょうか」 澪ちゃんみたいに真面目だったら、もっと尊敬されてたかなぁ。 「って唯先輩、聞いてます?」 「あ、うん。よーしじゃんじゃん行くよ!」 「は、はい!」 そう、今日の私は今までとは違うよ!先輩らしくどんどんあずにゃんを引っ張って行っちゃうんだから! 「…でここがこうなるわけです」 「ほほう」 「でサビの所はこうしたほうが」 「ふむふむ」 あずにゃんのほうが上手だからこれはしょうがないんだよ! ジャカジャカジャン 「フンッ…よっ…」 「…」 ジャカジャ …ジャ… 「あ、あれっ?」 「大丈夫ですか?」 「う、うん」 ジャカ…ジャ 「うう…力が入らなくなってきた…」プシュー 「けっこう頑張りましたし、休憩しましょうか」 「そーだn…」 ってまずいまずい。先輩が先に音を上げるわけにはいかないよ。 「まだいけるよっ!先輩だからね」 「は、はぁ」 「えいやー!」 「…そんなに無理しなくても」 「すいません…」シュン だけど私の体力はもう底をついていて、無理に頑張ろうとしてめちゃくちゃな演奏になってしまった。 合わせてくれたあずにゃんに悪いことしちゃったな。はぁ。 「とりあえず休憩にしましょう。私もちょっと疲れちゃいました」 「…そうだ!」 そうだった。練習頑張るだけが先輩じゃないよ!今度はムギちゃんの代わりをしよう。 「私がお茶入れるよ!ムギちゃんからお菓子も預かってるし、先に食べてていいって!」 「ええっ唯先輩が!?大丈夫なんですか」 「ここは先輩にまかせてまかせて~。あずにゃんは先に座ってるがいいさ」 「はぁ。いきなり元気になっちゃって…まあ唯先輩らしいか」クスッ 「えっと、紅茶はこれを使えばいいんだよね。でもって…」カチャカチャ 「うーん、でも心配だなぁ」ソワソワ なかなかいい調子。えっとお湯沸かしたから、あとは熱湯を注いで三分待つ。あれこれってカップラーメンだっけ?えーと 「うわっ!?」ガシャン 「!!だ、大丈夫ですか!?」 「あっつーい!」 「唯先輩!!」 「…」 「もう、軽い火傷でよかったです」 「…うん…」 「じゃあちょっと待っててくださいね」 やかんを倒して指を火傷してしまった私は、保健室で手当てをしてもらい、いまは部室で座らされている。 あずにゃんは代わりにお茶の用意をしてくれている。私がやると危ないって。あずにゃんが。 私って駄目な先輩だな。改めて思い知ったよ。頑張るって言って迷惑ばかり。 澪ちゃんやムギちゃんのようになんてとても出来なかったし。りっちゃんみたいに頼りにならないし。 あずにゃんに、嫌われちゃうよ…。 「用意できましたよ。唯先輩?」 「…うぅ…ぐすっ…」ポロポロ 「どうしたんですか!?まだ、火傷痛いですか!?」 「ふぇ…うぇぇん…ごめんね…あずにゃん…ぐすっ」 「えっちょ、唯先輩?」 「私…全然先輩らしくないし…えぐっ…迷惑掛けるし…ひっく…」 「…なに言ってるんですか。ちょっと落ち着いてください。ほら鼻でてますよ」 「…うん」チーン そういってあずにゃんは落ち着くまで背中をなでてくれた。 「先輩らしい所を?なんですかそれ」 「先輩らしくなれば、あずにゃんが、もっと…」 「もっと?」 「す…好きになってくれるかなって」 「な///」 「だって!だって私普段からあずにゃんに呆れられてるし、ほかのみんなと違って憂達に自慢されないし…」 「…」 「だから先輩らしくなればって思って。だけど全然ダメで…」 「…もう。今日はなんか変だなって思ったら、そんなことでしたか」 「そんなことって…」 「そんなことしなくても、唯先輩は唯先輩のままでいいですよ」 「ふぇ?」 「だから、唯先輩らしくしてください」 「私らしく…」 「そうですよ。そうじゃないと嫌です。先輩の唯先輩じゃなくて、唯先輩って人が私はすk…」 「す?」 「す、推奨します!」 「…あずにゃん!」ギューッ あずにゃんはくるっと後ろを向いちゃったけど、私は背中から思いっきり抱きついた。 「もう…今日やっと抱きついてくれましたね」ボソッ 「ほぇ?」 「なんでもないです。それに私には、唯先輩もいい先輩なんですからね」 ほっぺたがくっつくくらいの距離で、私はあずにゃんの話を聞く。 囁くくらいの小さな声が、二人だけの部室に響く。 「例えば…皆さんと行く合宿、とっても楽しかったです」 「うん、そうだね」 「だけど私にとってみれば、他の皆さんは年上なわけで」 「もちろん皆さん優しいし、全然構わないんですが、やっぱりどこか気を遣っちゃいそうで」 「でも唯先輩は、私と同じ目線でいてくれました」 「唯先輩がいてくれたから、私は何も気にせず楽しめたんです」 「…そっか。全然気が付かなかったよ」 「それに、唯先輩は無意識にちゃんと先輩をしてくれていますよ」 「無意識に?」 「はい。ちょっとした気遣いや私を思ってくれての事が、数え切れないほどあります」 そう言うとあずにゃんは、あずにゃんを抱きしめる私の腕をそっと握った。 「その度に私は嬉しくて、心が温まって、そんな唯先輩の事をもっともっとすk…」 「す?」 「…」 あずにゃんが俯き、静かになった教室。気が付けば日はだいぶ傾いていて、窓から夕日が差し込んでいた。 すると急にあずにゃんが体をくるっと回し、私と向き合う形になった。 腕はまだあずにゃんの体に巻き付けたままなので、距離が凄く近い。そしてじっと見つめあう。 いつものあずにゃんなら恥ずかしがる所なのに、なんだかおかし― 「好きです」 ………へ?今、なんと? 「好きです。私、唯先輩の事好きです。大好きです」 最初はちょっと信じられなかった。でも確かにそう言った。 私の目の前の、可愛くてちっちゃくてちょっぴり頑固でそんでもって可愛くて…私の大好きな人が。 なんだろう。心が満たされていくってこういうことなのかな。ただ私は、目の前の女の子が、愛しくて愛しくてしょうがなかった。 こんな気持ち初めてで、だけどすぐに分かった。私は、この娘のことが…。 「…私もね。私も、大好きだよ。あずにゃんの事、大好き」 言葉にした瞬間、自然と涙が零れ落ちる。あずにゃんの目にも、同じものが光っていた。 私はあずにゃんを思いっきり抱きしめた。私の好きを全部伝えるため。 あずにゃんも負けじと抱きしめてくれた。ただただ抱きしめあった。 暫くして、あずにゃんが体を離しながら言う。 「…前にも言いましたけど、私、唯先輩とだけは先輩後輩の関係を強調して欲しくはありませんでした」 「前って、もしかして川原で?」 「そうです。唯先輩がへんなユニット名言い出すから」 「ごめんごめん。でも、なんで?」 「だって先輩と…先輩後輩なんかよりもっと特別な関係になりたかったから…」 「あずにゃん…結構恥ずかしい事言うね」 「だ、だって唯先輩が///」 「えへへ、でもなれたね、特別な関係」 「…はい」 「あずにゃーん好きーっ」ギューッ 「もう、唯先輩。それじゃあ今までと変わらないじゃないですか」 「だって好きなんだもん」 「…そういえば特別な人同士は、愛を伝えるとっておきの手段があるみたいですけど、ゆ、唯先輩は分かります!?」 「え、それって…」 「せ、先輩ですから、分かりますよね。先輩ですもん///」 顔を真っ赤にして、眼は合わせないようにキョロキョロさせて、なんていうか可愛い。 それに、そのくらい私解っちゃうよ。だって私 「…先輩だもん。今日1番先輩らしい所見せてあげる」 「あ…」 そういって私はあずにゃんの頬に手を添える。 あずにゃんと顔を見つめると、彼女はそっと目を閉じた。 「好きだよ、梓」 「はい…」 次の瞬間、私たちの距離はゼロになった。 「カットー!」 「ふいー疲れた」 「うう本番まであと少しか…」 「りっちゃんに澪ちゃんも凄く良くなってきたわ!」 「ありがとさん!ところでムギ」 「なあに?」 「髪の毛が一か所ピーンってなってるけど、それ寝癖か?」 「あ、これはね。乙女電波アンテナなの」 「…ふ、ふーん」 おしまい! 二人とも可愛い~ -- (鯖猫) 2012-08-31 17 02 31 ほっこりするね。所々の小ネタもなんか嬉しい -- (名無しさん) 2012-09-06 02 12 17 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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私にはずっと前から気になっていたことがある。 それは──── 私が卒業した後の軽音部のこと………もっと具体的に言えば、来たる軽音部の新入部員、 つまりはあずにゃんの後輩のこと。 「あずにゃん、もしも後輩ができたらどうするの?」 何の前置きもしないでストレートに聞いてみる。こういうのを単刀直入っていうんだっけ。 「えっ?……いや、どうするも何も、一緒に練習してライブをやったり…」 ちょっと戸惑ったようなあずにゃんだけど、やっぱり私が思っていたのと同じような答え が返ってきた。 「…………ふぅん。じゃあさ、あずにゃんがギターとか教えてあげるの?」 「っ……あ、当たり前じゃないですか。」 あずにゃんは、何でそんなことを聞くのかと不思議そうな顔をしている。たしかにそうだよね。 いきなりこんな話されても、あずにゃんからしてみたらあんまり実感がないのかもしれない。 自分が後輩を持つってことに……… それに私達が卒業したら、ギターを教えられるのもあずにゃんだけになる。 あずにゃんが教えてあげれば、きっとみんな上手になるに違いない。それは、とてもうれしいこと だし喜ばしいことで、軽音部のためにもなるはず………なのに……あずにゃんに後輩ができることを、 なぜか素直に受け入れらることができない自分がいる。なんで………どうして……… そんなの分かってる。 私は…………嫌……なんだ。あずにゃんが私以外の子にギターを教えることが……… あずにゃんがちょっぴり恥ずかしそうに、それでも優しい笑顔を浮かべながら一生懸命に教え ている姿が目に浮かぶ………けど、その中に私はいない。あずにゃんが笑顔を向けている 相手は私じゃないんだ。それが嫌で嫌で堪らない………きっと、ギターを教えるとか教えないとかは 建て前で、本当は、あずにゃんが私の知らない子達と仲良くするのが嫌なんだ。 ………そんなモヤモヤした気持ちが私の中でざわついている。胸が苦しい。 「っ……で…もさ、入ってきた子が、あずにゃんみたいにギターが上手な子だったらどう するの?」 そうだよ………。 あずにゃんが教える必要がないくらい上手な子が入ってくれればいいんだ。 「………それは……まあ教える必要のない子だったら、話は変わってくると思いますけど…… …ってどうしたんですか、いきなりそんなこと聞くなんて……」 「………別に。ただなんとなくね……」 私の嘘つき。気になって気になってしょうがなかったくせに。見栄を張って何でもない感じを装ってる。 「でもさぁー、唯みたいにギター初心者の子だったら…っ……」 私とあずにゃんの話を黙って聞いていた律ちゃんが、私が一番考えたくないことを投げ掛ける。 「手取り足取り教えてあげなきゃね♪梓ちゃん」 「ってこら!!ムギぃ、私のセリフ取るなあ!」 そう。ムギちゃんの言う通りだ。律ちゃんの言うようなギター初心者の子が入部してきたら、 一からすべてを教えてあげなくちゃいけない。みんなが、かつての私にしてくれたように……… あ、みんなに教えてもらった私が、こんなこと考えてるなんてバチ当たりなのかな。 「それもそうだな。ギターやベースは、フォームやピックの握り方からしっかりやらないといけない からな。律の言う通り初心者が入ってきたら、梓がしっかり面倒を見てあげてくれ。」 さすが澪ちゃん。私にギターを教えてくれた時も本当に丁寧に教えてくれたよね。でも……ごめんねっ…今の私は……… 「はい!!私、がんばります。」 だめ……がんばらないでよあずにゃん……。 「おおっ、張り切ってんなー梓」 「もちろんです。がんばって私っ………」 「…………がんばらなくていいよ…」 「……へっ?…ゆ、唯先輩…?」 「おいっ、唯。なーに言ってんだよお前は。」 「…どうしたんだ唯?」 「ゆ…いちゃん…?」 ……こんなこと言っちゃだめなのに……私は言ってはいけないことを言ってしまった。 「あずにゃんは……あずにゃんはがんばって教えたりしなくていいの!!……っ」 そう言うと、私はあずにゃんの腰を引いて思いっきり抱き締める。思いが溢れて止まらなくなる。 「な…///……ちょ、ちょっと唯先輩////…やっ………」 「…っ…やだよぉ……あずにゃんが私以外の子にギターを教えるなんて……だめだよ……そんなの…」 「……唯…先輩…ぁっ///」 「……ねぇ……なんであずにゃんなの?なんであずにゃんが教えなくちゃならないの?」 そう言っているうちに、私の中で何かが弾けた。あずにゃんを抱き締める力はそのままで、その耳を ペロリと舐め上げて、首筋にも舌を這わせてみる。 「………そっ……それ…はっ…んんっ……やぁ…………だ…めっ…」 「…っ………あずにゃんは、今までもこれからもずうっっと、私だけに教えてくれれば、それで………」 「……そっ…////そんな…何言ってるんですか///んぁ…っ……そんなこと言われても…… 私っ……困ります……第一…先輩は……私が教えるなんてことしなくても大丈夫じゃないですか…っ…」 あずにゃんは目にうっすらと涙を浮かべながらも、私の言葉に言い返してくる。だけど私に抱き締め られているせいか、顔はほんのり赤く、舌を這わせる度にあずにゃんの体がピクンと動くのが分かる。 「……っ…それに………どうするんですか、先輩方は卒業してしまう…から……っ…だから………私しかいないじゃないですか……」 「……それは私が許さないよ。あずにゃんは可愛いし、ギター弾いてると、とってもかっこいいから……… …あずにゃんに教えてもらったら、みんながあずにゃんを好きになっちゃうよっ…!!そんなの………やだよ……」 「……っ//////……そんなこと…っ……ないですよ///私なんて………」 「ほら……あずにゃんには自覚がないんだよ……」 「…うぅっ……そんなっ………」 「だからね………」 私はそう言うと、あずにゃんの顔を覗き込むようにして言った。 今日の唯先輩はいつもと何かが違う。雰囲気………オーラ?みたいなものが、いつものふわふわして いる感じではなくて、ぴりぴりしているというか。そして、後輩ができたらどうするか、なんて私が予想も しなかったことを聞いてくる。おまけに、今の私は先輩に抱き締められていて……////… ………唯先輩は、私が後輩にギターを教えることを嫌がっていた。………なんでだろう?なんで先輩は…………… ……でも、卒業してしまう先輩方に代わって教えられるのは私しかいない。 だけど、先輩はそれを許さないと言う。 それならば、誰が教えるのかと聞いてみる。すると先輩は……… 「私が教えるよ!!!あずにゃんの後輩に!!」 ………えっ………??先輩が教える……?唯先輩が………後輩に教える……っ……? 「!!!……なっ……っ……そっ……それこそダメですよおぉっ…!!!!」 「……っ?あずにゃん?」 思わず大きな声が出て、自分でもびっくりしてしまう。だって………… ………嫌だ…よ…っ…… 唯先輩が私以外の後輩に教えるなんて……… 私以外の子と仲良くギターをやっている様子を思うと、胸がちくちくする。先輩の笑顔が 向けられる相手は私じゃない。………寂しいよ……っ…そんなの………嫌だよ……っ…!! 「……っ……唯先輩、先輩は卒業……しちゃうんですよ?そんなの……無理です…」 そうだ………… 無理…だ。無理だよ。冷静に考えれば、そんなことできっこない……… 「大丈夫!ちゃんと放課後には音楽室にお邪魔するからさっ。まかせてよ」 !!………っ……自信満々な顔でそう言い切る先輩の姿は、本当にやってしまうんじゃないか……と 私を不安にさせる。唯先輩なら本当にやってしまうかもしれない……と思ってしまう。 先輩………私は嫌なんですよ………っ……唯先輩は………教えなくていいんですっ…!! 「…だからダメです……っ」 「えぇー?」 「唯先輩に教えてもらうなんて絶対に……ダメです…っ……やめて下さいよ……」 「しっ……シドイよあずにゃん……およよよよ………私だって教えられることあるのにぃ。」 あ………先輩は悲しそうな表情を浮かべてしまう。私が技術的な面から、先輩が教えるの は無理だと言っていると勘違いしているようだ。 「あっ………あ、いや、すみません……決してそういう意味じゃなくて………////あのっ…」 先輩に謝ってはみるものの………もうだめだ……っ………自分を抑えられない…っ…… 「あずにゃん?」 「////…っ………い、嫌なんです////…私が……///…………唯先輩が他の子に教えるとか……」 言っちゃった………///言っちゃったよぉっ…////一気に体温が上がるのが分かる。体が震える。 先輩の反応が恐くて俯くことしかできないよ……… 「//////………あっ…あずにゃぁあん」 チュッ ふぇ…////………? いっ……今のって…… …ほっぺに…き…キス…っ……/// 「……/////なっ……あぅっ……唯先輩…っ//」 「あずにゃんも私と同じ気持ちだったんだねっ。うれしいよぉ~♪」 …え…っ………同じ気持ち……?唯先輩も私と同じ…………私は唯先輩がギターを教えるのが嫌…… …先輩が他の後輩と仲良くしていると寂しい……その気持ちと同じ…………ということ…は…… ────……あ………そうだったんだ………。 ……唯先輩も、私が先輩の知らない子と仲良くするのが嫌だったんだ。 だから…っ………あんなに………//// それが分かった瞬間………… 「ん?あれれ?あずにゃんどうしたの?顔が真っ赤だよ。う………っ……あずにゃん可愛すぎだよぉ………////」 「…!?……っ////」 「…ね……だめ…?」 耳元で囁く優しくて甘い先輩の声に、私が抗えるわけがない……… 「………////う…っ…あ……も、もう勝手にして下さい……////」 「あっずにゃぁあん」 「……ぁ…っ……/////…」 これからの私達……… お互いに違う時間を過ごしたり、違う出会いをしたりするかもしれない。だけど、この想いだけは いつ何時も変わらない。今までも、これからも………それを確かなものとして感じることができて、 さっきまでの不安は嘘のように溶けていった。そして、私のすべてが優しく先輩に包まれていった……… ────── 「ったく………完全に2人の世界だなっ。っつうか、唯は無茶言うよ。本当に教えに行くつもりだったのか?」 「/////……っ……唯ならやりかねないな……」 「……うふふふふふ」 「しっかしなぁ………唯と梓があんなんじゃ、後輩ができても、誰も楽器を教えられないんじゃないか……?」 「ふふふ………それは大丈夫よ、律ちゃん」 「ムギ………でも……」 「きっと大丈夫。唯ちゃんも梓ちゃんも、お互いの不安な気持ちをぶつけ合って、新しい気持ちが 生まれているはずよ。今までの不安とはまた違う気持ちがね………。だから大丈夫よ。」 「ムギ………」 「それに、唯梓は最強よ!!!!!私達が心配することなんて何もないわ!!」 「な、なるほど………たしかに演芸大会の唯梓は最強だったよな。2人ともがんばってたし、 いいコンビだよなっ☆」 「唯梓を見てると、本当に目の保養になるわ。うふふふふふ………」 「(ムギと律の会話………微妙に噛み合ってないような………)でもまぁ………… 唯と梓は、ああやって楽しそうにしてるのが一番だな……っ……////ちょ……ちょっと恥ずかしいけど////……」 ~おわり~ 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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ムギワット 分類:でんきゅうポケモン No.3-312-2 タイプ:むし/でんき 特性:ふくがん(技の命中率が1.3倍になる) いろめがね(相手に半減される技のダメージが2倍になる) トンボ HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 タイプ ムギワット 60 65 70 105 80 115 でんき/むし シオカライ 65 60 70 115 105 80 みず/むし アカネウラ 81 50 70 130 100 99 ほのお/むし ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) ほのお/いわ いまひとつ(1/2) でんき/くさ/かくとう/はがね いまひとつ(1/4) --- こうかなし --- 技 ほうでん、りゅうのいぶき、ソニックブーム、じゅうでん、かぜおこし、とんぼがえり、あまごい、シグナルビーム、かみなり、ぼうふう等 その他 ムギワラトンボ+ワット ♀のみ 名前 コメント
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純「へぇ~、梓ちゃんけいおん部に入る事にしたんだ」 梓「うん、文化祭で感動しちゃって…特にギターの唯先輩」 「あれ?中野さんけいおん部に入ったんだ」 純「あ、名無しさん」 「ねぇ、けいおん部の秘密知ってる?」 梓「けいおん部の秘密?」 「これは私の友達の先輩に聞いた話し何だけどね、何でも元々けいおん部には5人いたらしいんだけどケンカして4人になったらしいの」 梓「そ、それでその人は?」 「ふっふっふ、実はね」 純「ねぇ、名無しさん、その話しって」ボソボソ 「もちろん嘘、中野さんって可愛いからイジリがいあるよね」ボソボソ 純「まぁ気持ちはわかるけど」ボソボソ 梓「それでその人はどうなったの?」 「それでね、その人は死体で見つかったんだって」 梓「ほ、本当なの?」 「もちろん嘘にk純「その話しなら私も聞いたことあるよ」 「えっ?」 純「私もその話し聞いたことある」ニヤニヤ 「(なるほど、純ちゃんも悪ノリしちゃって」ニヤニヤ 梓「ねぇ純ちゃん、それ本当なの!?」 純「うん、私も友達の先輩に聞いた話しだけどね」 「純ちゃんもその話し知ってるって事はもしかしてアレも実話なのかな?」 梓「アレって?」 純「けいおん部の人達が殺したかもしれないっていう?」ニヤニヤ 「そうそう」ニヤニヤ 梓「そ、そんなバカな話しがあるわけが……」 「あ、でもこれはあくまで噂だから」ニヤニヤ 純「そうそう」ニヤニヤ 梓「そうだよね……噂だよね」 梓「わ、私そろそろ部活行くね、2人ともバイバイ!」タッタッタッタッ 「ぷっ」 純「ふふっ」ニヤニヤ 「見た?中野さんの体」ニヤニヤ 純「うん、怖いの必死に我慢してプルプルしてたよね」ニヤニヤ 「ふふふ中野さん可愛いな~」ニヤニヤ 純「梓ちゃんってイジリがいあるよ…ふふ」ニヤニヤ 梓「まったく、純ちゃんも名無しさんも私をからかって!」 …… 梓「あんなバカな話しが本当にあるわけないのに」 梓「おはようございます」ガチャ 律「お~す」 紬「梓ちゃんおはよう」 紬「今お茶煎れるわね」 梓「すみません、ありがとうございます」 紬「どうかしら?」 梓「美味しいですムギ先輩」 紬「ありがとうね梓ちゃん」 梓「(どうしよう…純ちゃん達が言ってた話し先輩達に聞いてみようかな、あんなバカな話しがあるわけないってわかってるけど何だか気になるし…)」ジー 律「梓どうした?」 梓「い、いえ何も…」 律「なんだよ~気になるだろ」 紬「私も気になるわ」 梓「それじゃあ言いますね……一年前のけいおん部って5人で活動してましたか?」 紬「梓ちゃんが入る前はけいおん部はy律「5人だよ」 梓紬「「えっ?」」 紬「ちょっとりっちゃん!?」ボソボソ 律「まぁまぁ、ちょっと面白そうだから私にあわせてよ」ボソボソ 紬「まぁりっちゃんったら」ボソボソ 梓「そ、その話し本当なんですか!?けいおん部が元々5人いただなんて」 律「ああ、本当なんだ…元々けいおん部は5人で活動していたんだよ」 紬「そうね」 梓「(ムギ先輩も言ってるみたいだから本当なのかな……でもその人が死んだなんてバカな話しは…)」 梓「それでその人はどうしたんですか?止めちゃったんですか?」 紬「弾けなくなっちゃったの」 梓「弾けなくなった?事故にでもあったんですか?」 紬「ううん、そうじゃなくてね…その人はね………死んじゃったのよ」 梓「えっ!?」ビクッ 律「ムギナイスだ」ボソボソ 紬「ふふっ、ピース」ボソボソ 梓「そ…その話し本当なんですか?」 律「(よ~し私も)」 律「おいムギ、その話しはするなって言っただろ!」 紬「あ!ご、ごめんなさいりっちゃん(これでいいのかしら)」 紬「梓ちゃん、さっきの話しは聞かなかった事にしてね」 梓「はい」ブルッ 紬「や・く・そ・くね」 梓「は、はい」ブルブル 律「ハハハ、あ、梓の奴マジに信じてるんじゃないのか」ボソボソ 紬「ねぇりっちゃんもっとやりましょうよ」ワクワク 律「ムギお前………そうだな!」ワクワク 梓「(ほ、本当だった!本当に純ちゃん達が言ってた通りだった……でも先輩達が殺したなんて話しは嘘に決まってるよね)」 律「それで…埋められたのかよ(梓の奴ビビるかな)」ボソボソ 梓「(埋められた?)」 紬「大丈夫よ、一年前のような失敗はしないわ」ボソボソ 梓「(一年前!?)」 律「まったくあの時は焦ったよな、私達が容疑者に疑われて」ボソボソ 紬「同じけいおん部の子が殺されたんだからしょうがないわ」ボソボソ 梓「(けいおん部の人ってまさか!?)」 律「ムギが大丈夫って言うから任せたのに」ボソボソ 紬「ごめんなさい、でも今度は見つからないように埋めたわ」ボソボソ 律「また死体が上がらないようにしてくれよ」ボソボソ 梓「(い、今確かに死体って…死体を埋めたって!!)」 律「それで…」チラッ 紬「えぇ…」チラッ 梓「…………」ブルブル 律「梓の奴完璧に震えてるぞ」 紬「そろそろ嘘だって教えてあげようかしら」 律「そうだな」 律「梓、実は……」 唯「お~す!」ガチャ 梓「っ!!!!」ビクッ 唯「あれ?あずにゃんどうしたの?」 梓「ゆい…せんぱい」ウルウル 唯「ん?」 梓「唯先輩…唯せんぱ~い」ガシッ 唯「わ!?わ!?あずにゃんから抱きついてくれるなんて」 梓「唯先輩…唯先輩」ギュッ 唯「り、りっちゃんムギちゃんどういう事?」オロオロ 律「さあ、私は知らないぞ…なぁムギ」 紬「りっちゃんったら…そうそう私も知らないわ」 梓「…唯先輩」ギュッ 梓「申し訳ありませんでした!!」 唯「私は全然気にしてないよ~」 梓「…でも」 唯「むしろもっと抱きついてあげるよ~」 梓「わっぷ、は、放してください唯先輩!」バッ 唯「う~…さっきはあずにゃんから抱きついてくれたのに~」 梓「さ、さっきはさっきです」 唯「ぶ~」 梓「そんな顔してもダメです!」 唯「ぶ~ぶ~」 澪「みんなおはよう」ガチャ 律「澪お~す」 澪「あの二人は何してるんだ?」 律「ああ、実はな……」 澪「ダメじゃないか!!」ゴンッ 律「いてっ!!」 澪「後輩をからかったりしたらダメだろ!それにムギも悪ノリするな」 律紬「「ごめんなさ~い」」 澪「はぁ……まったく」 律「で、でもそのおかげで唯は喜んで」 澪「ん?」ギロ 律「イエナンデモナイデス」 唯「あ~ずにゃ~ん」ダキッ 梓「やめてください!」スルッ 唯「あ~ずにゃ~ん」ダキッ 梓「やめてくださいってば!」スルッ 澪「それでずっとあの調子なのか」 澪「唯、そろそろやめてやれ」 唯「澪ちゃん……そうだねあずにゃんごめんね」 梓「いえ、大丈夫です」 澪「みんなもいい加減練習するぞ」 律「え~!」 澪「あ?」ギロ 律「ワーイ、ワタシレンシュウダイスキー」 梓「それじゃあ皆さんお疲れ様です」 唯「あずにゃんおつかれ~」 澪「梓おつかれ」 律「梓またな~」 紬「梓ちゃんまた明日ね」 梓「皆さんさようならです」 梓「………はぁ」トボトボ 梓「今日は大変だったな~いつもより唯先輩に抱きつかれて」 梓「まぁ嫌じゃなかったけど……これも全部律先輩達が…」 梓「っ!!!そ、そう言えば唯先輩も一年前からけいおん部に…」 梓「じゃ、じゃあ唯先輩ももしかして!?」 梓「そんなわけあるわけない!!……唯先輩が…けいおん部の人達がそんな事するわけが」 梓「でも律先輩とムギ先輩の会話が……」 梓「じゃあ本当にけいおん部のみんなが!?」 …… 律「梓が部活に来なくなって3日だな」 紬「梓ちゃんどうしちゃったのかしら」 唯「憂は学校には来てるって言ってたよ」 律「まったく、梓の奴ズル休みか?」 澪「…梓どうしちゃったのかな」 唯「あずにゃんいないと寂しいよ~」 梓「結局気になって部活3日も無駄で休んじゃったな~」 梓「みなさんにちゃんと謝らないと」 梓「みなさんおはようございまさ~す」ガチャ 唯「あずにゃん!」 律「梓!」 梓「あの…3日も無駄で休んでスミマセンでした!」 唯「あ~ずにゃ~ん」タッタッタッタッ 梓「く、苦しいです(でもやっぱり唯先輩あったかい…色々悩んでたのがバカみたい)」 唯「ねぇ、あずにゃん」 梓「…わっぷ、何ですか?」 唯「…嫌だよ」 梓「(あれ?何だか唯先輩いつもと違うような」 唯「もう部活休んじゃ『イヤだよ』」ギロッ 梓「……っ!!」ブルッ 唯「ねぇあずにゃん聞いてる?」 梓「(ゆ、唯先輩の雰囲気がいつもと違う!)」ブルブル 唯「あずにゃん大丈夫?」 梓「はい、だ、大丈夫です…もう勝手に休んだりしません」ブルブル 唯「あずにゃん大丈夫?震えてるよ? 」 梓「触らないでください!!」バシッ 唯「えっ?…あずにゃん?」 梓「あ…す、スミマセン!唯先輩」 唯「ううん、私こそごめんね」 梓「いえ…唯先輩は悪くないです、せっかく心配してくれたのに」 澪「梓本当に大丈夫か?体調悪いなら休んだ方が…」 梓「大丈夫です、3日も休んじゃったのにこれ以上練習をサボるわけできません」 律「よく言った!!」 律「よく言ったぞ梓!!3日もサボった時はクビにするつもりだったが梓がそんなに練習したいなんで私は猛烈に感動している!」 澪「梓がいない間ほとんど練習しなかったくせに」 律「とにかく!休んだ分の練習を取り戻そう!!」 唯紬梓「「「お~!!」」」 澪「律ってば調子いいんだから」 澪「いや~…今日は久しぶりに練習出来たな」 唯律「「つかれた~」」 唯「もうダメ~」 律「一週間分のエネルギーを使い果たしたな」 紬「あらあら2人とも」 梓「………」 澪「梓、本当大丈夫か?」 梓「……すみません、今日はもう帰っていいですか?」 澪「やっぱり体調でも悪いのか?」 唯「あずにゃん大丈夫?」 律「大丈夫か?梓」 紬「大丈夫?」 梓「すみません、ちょっとお腹が痛くなったようです」 澪「じゃあ梓、先に帰るか?」 梓「はい、そうさせてもらいます」 唯「あずにゃん大丈夫?」 梓「はい、心配かけてすみません」 律「まったく、最近の若者は…」 澪「こらっ」ゴン 律「ごめんなさ~い」 紬「ふふふふ」 2
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放送日程 月曜日 18時~19時・20時 火曜日 18時~19時・20時 水曜日 19時~20時 木曜日 18時~19時 金曜日 定休 土曜日 20時~20時半(不定期) 日曜日 18時~19時・20時 臨時放送について けいおん!からの重大なお知らせや、らじおん!最新版うpの際は、金曜・指定時間以外でも臨時で放送を行う場合があります。
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シンの紹介 ◆BNXMyXQAU2氏の作品 ■ ◆BNXMyXQAU2氏のけいおんネタ ├ ◆BNXMyXQAU2のけいおんネタ01 └ ◆BNXMyXQAU2氏のけいおんネタ02 元ネタ別インデックスへ 作者別インデックスへ トップページへ
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194 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/06/09(火) 23 44 27 ID j9dJkK9G 律「よしっ、カラオケにでも行くか!」 澪「へ?何でまた急に」 律「今度のライブで澪が思いっきり歌えるようにだよ」 澪「な、ななななななな…」 唯「あーそだねぇ。新歓の時も澪ちゃん助けてくれたけど照れてたしね」 梓「澪先輩照れてたんですか?遠くてわかんなかったです」 澪「ほ、ほら!梓からしたらちゃんと歌えてたみたいだし、私はもういいよっ」 律「えーでもムギ見てみろよー」 紬「カラオケってアレですよね。個室でみんなでワイワイやるっていう…」 唯「あぁ、ムギちゃんカラオケした事ないんだねー」 紬「ええ、是非やってみたいわ♪」 律「で?澪が行かないから止めるけど…」 澪「くっ…そ、それじゃ行くよ…でも歌わないからなっ」 梓「あ、私は構いませんよ。久々ですし」 律「よっしゃ、じゃあ今度の休みに行くかー」 誰か続けろw 217 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/06/10(水) 00 08 59 ID fcIE6lTq 194こうか? 律「なあ唯、この曲歌える?」 唯「ううーん…サビだけしか覚えてないや」 律「梓は?」 梓「多分この歌聴いたこと無いです…」 律「ムギ…は知らないよなぁ」 紬「ごめんなさい…流行には疎くて」 律「私この歌好きなんだけど コレ、一人だと歌えないんだよなぁー(チラ)」 澪「……(その手は食わないぞ、無視無視…)」 律「(チッ)じゃあアドリブでいいから一緒に歌おうぜ唯ー」 唯「歌えるかなぁ?」 律「大丈夫、大丈夫!この歌 みんな知らないみたいだからトチってもわかんないって」 唯「そっか、じゃあ歌ってみるよー!」 ~律熱唱中~ 律「ほら唯、歌うとこっ」 唯「え?え?ええ~と…」 澪「唯!マイク貸して!」 ~澪律熱唱中~ 唯「わ、すごーい!綺麗にハモってる!」 紬「息がピッタリ合ってるわ」 梓「初めて聴くけど良い曲ですね…!」 律(ニヤ) 澪(くっそ~…) 276 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/06/10(水) 01 07 20 ID psZinmFd 紬「お粗末さまでしたー」 唯「ムギちゃんすごーい!かっこいいー!!」 律「まさか山口百恵とは…」 梓「次は…誰も入れてませんね」 律「澪ー、もっと歌ってくれよ~」 澪「断る。私はいいから好きな曲入れろ」 律「ちぇー、つまんないのー。じゃあ唯!今度こそデュエットしよーぜ~!」 唯「うんいいよー!りっちゃん何歌う~~?」 紬「これなんかどう?」 唯「麦畑?おもしろそうな歌だねぇ」 わいわい 律「梓も歌おうぜー!」 梓「え?わっ私もですか?」 唯「ムギちゃんも歌おーよぉ!」 紬「それじゃあ私も♪」 律「澪~は、あーごめんごめん、歌わないんだよね。じゃウチら4人で盛大にた・の・し・く歌おうZE!!」 澪「………私も歌うー」 律(寂しがり屋な澪なら絶対ノってくると思ったぜ!) 紬「ふふ、りっちゃんたら気配りさんね…☆」 律「よーし!じゃあみんなで熱唱だーーー!!」 234 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/06/10(水) 00 18 54 ID H31KxfTN 律「かわりばんこにペダルをこいで♪」 澪「おじぎのひまわり 通り越ぉして♪」 律「ぐんぐん風をのみこんで♪」 澪「そぉ飛べそーじゃん♪」 律「初めて感じたキミの体温♪」 澪「誰よりも強くなりたぁーい♪」 律「あったかいーリズゥム♪」 澪「2コの心臓がくっつ・い・てー♪」 律澪「くぅ♪」 391 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/06/10(水) 10 27 40 ID 4ozK22i4 234 律「唇と♪」 澪「くちびる♪」 律「目と♪」 澪「めと♪」 律「手と♪」 澪「て♪」 律「神様は何も♪」 澪「禁止なんかしてない♪」 律「愛してるぅ~♪」 澪「愛してるぅ~♪」 律澪「「愛してるぅ~♪」」 出典 【けいおん!】田井中律は蒟蒻可愛い19【ドラム】 このSSの感想をどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る
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数日後・音楽室 ムギ「はい、お茶」 唯「・・・」 澪「・・・」 梓「最近練習全然やってませんね・・・」 律「とてもそんな気になれねぇよ・・・」 唯「本当、この場所が一番落ち着く場所だもんね・・・」 澪「最近人間不信になりそうだ・・・」 ムギ「そういえば皆宝くじのお金使ったの?」 律「私はゲーム買ったよ。欲しかったソフトもいらないソフトもバンバン買ったわ」 唯「私はウォークマンとCD買ったよ~」 律「そう言えば教室いる間ずっと聞いてるな。何聞いてるんだ?」 唯「まぁ色々と」 律「あと聡にカードおごってやったな~唯は憂ちゃんに何かあげたのか?」 唯「え?えーっと・・・」 澪「私全然使ってないや・・・手も出してない・・・」 梓「私もまだ200万ぐらいしか使ってません。全然減らないんですよ・・・」 唯「もうつけ回されるの嫌だよ~!!」 律「これなら買わない方がましだったな、宝くじ」 澪「だから言ったじゃないか、後悔するって・・・」 唯「そうだ!いいこと考えたよ!!!」 唯「もう一回宝くじ買えばいいんだよ!そうしたら一気にお金減るよ!!」 澪「なるほど。それなら一気に減るな。また3億当たるなんて奇跡はそうとう無いだろうし。」 律「いや、それなら募金しろよ・・・」 梓「早く使い切りたいからと言って無駄使いはちょっとどうかと・・・」 唯「この苦しみから解放されるほうがいいよ!!行こう!澪ちゃん!」 澪「あぁ!さっさと使い切ろう!」 そういって2人は宝くじを買いに行った。 唯「えへへ。1万枚も宝くじ買っちゃったよ!」 澪「あっという間に300万使えたな。これなら7500万もあっというまなんじゃないか!?」 唯「そうだね!さっさと解放されたいもん。お金なんてやっぱりほどほどが一番だね~」 澪「その通りだな。どうせこの宝くじも外れるし。当たっても300万以上になることはないだろうな」 唯「そうだね!それに夢をかったんだか300万なんてやすいもんだよ!」 そして抽選日の翌日。 音楽室 ムギ「お茶できたわよー」 律「どうした唯、澪。やけにやつれて。」 唯「ああああ、あのね、りっちゃん・・・!」 澪「え、えっと・・・その・・・」 律「どうした?早く言えよ?」 唯「ま、また3億円、当たっちゃいました・・・!」 律「な、なんだってー!?」 ムギ「あらすごい。」 唯「厳密にいえば私と澪ちゃんで6億なんだけどね・・・」 律「ブーーー!!!」 ムギ「ろ、6億!?」 唯「う、うん・・・」 澪「テレビでは幸運の女子高生とかで家まで取材に来るし・・・」 唯「まさか当たるなんて・・・どんだけ運がないんだろね、私たち」 律「いや、ツキまくりだろ・・・」 澪「唯!競馬だ!競馬で全額賭けて無くそう!」 唯「そ、そうだね澪ちゃん!さっそく競馬場に行こう!!」 競馬場! 澪「競馬場なんて初めて来たよ・・・」 唯「私もだよ~。どのチケット買えばいいのかな?」 澪「よくわからないけどお金無くしたいなら一番人気無いのでいいんじゃない?」 唯「なるほど!流石澪ちゃん!頭いいね!」 澪「そんな・・・よし、そうと決まれば一番人気無い奴に全額投入だ!」 唯「おー!!」 音楽室 律「それにしてもあいつら馬鹿すぎだろ・・・そんなにお金無くしたいなら募金すりゃいいのに・・・」 ムギ(あ、このお菓子当たりだわ。すごくおいしい。) 梓「まぁ競馬なら確実に減りますよ。全ての馬券を均等に買えばすぐに無くなるでしょうから。」 律「もったいないことするなぁ・・・」 梓「まあ、SSですから・・・」 ぷるるるるぷるるるる 唯『もしもし?りっちゃん?ほら見て!ジャーン!』 律「なんだそれ。粗すぎて見えないって」 唯『馬券だよ!生まれて初めて買っちゃった!』 律「へぇ~」 唯『澪ちゃん頭いいんだよ!一番人気の無いの買えばいいって教えてくれたんだ!』 律「どんなの買ったんだ?」 澪『●―○だ。あ、もうそろそろレース始まるみたいだからそれじゃあな』 プツ 梓「生まれて初めてラジオで競馬聞くことになりそうですね・・・」 律「そうだな・・・」 ムギ「おもしろそ~う!」 音楽室 律「ありゃー、唯のやつまた当たっちゃったかー」 梓「どうするんでしょうね。どんどん増えてってますよ。」 ムギ「楽しんでるみたいだからいいんじゃないかしら?」 競馬場 唯「当たっちゃったよ・・・」 澪「どうすんだこれ・・・100億以上あるんじゃないのか・・・」 唯「もうさ、ここまできたら無くさなくていいんじゃないかな?」 澪「え?」 唯「だって私たちもう大富豪だよ?」 澪「唯・・・」 音楽室! 唯「で、結局300億まで増えちゃったわけで・・・」 澪「私たち大富豪の仲間入りしちゃいました。」 律「・・・」 ムギ「300億って・・・」フラッ 梓「ちょっと!ムギ先輩!しっかりしてください!ムギ先輩!」 唯「大富豪になってもいつまでも仲良くしてね」 律「も、もちろんだろ!金で友達への態度がかわるわけないじゃん!」 澪「ありがとう、律・・・」 唯「ほら言ったでしょ!りっちゃんは態度変えるような人じゃないって」 澪「そうだ。律武道館ライブしたいって言ってたよな?」 澪「さっき貸切の予約入れてきたからさ。1週間後には律も武道館デビューだぞ!」 律「え」 唯「わーい!よかったねー!りっちゃんっ!!」 律「え?」 律「いや、いいよ、貸切なんて・・・」 澪「なんでだよ?遠慮なんかしなくても・・・」 律「遠慮とかそんなんじゃなくてさ・・・」 梓「そ、そうですよ!貸切でライブしてもお客さんもいませんし!!それじゃあ寂しいだけですし・・・!」 唯「それもそうだね~。だったら無料開放した方がいいかもね。」 澪「そうだな。当日は無料開放だ。」 梓「そうじゃなくって・・・」 唯「言わないで!あずにゃん!私珍しく空気読めたから!」 澪「唯?」 梓「唯先輩・・・?」 唯「確かりっちゃんはこう言ってたと思うんだよ!」 律『いつか満員の武道館でライブを・・・!』 唯「って。だから満員じゃなきゃだめなんだよ!」 澪「なるほど。だったら来場者全員に1万円プレゼントとかしたらいいんじゃないか?そしたら余裕でky」 律「いい加減にしろっ!!!」 澪「律・・・?」 律「いい加減にしてくれ・・・貸切とか・・・1万円キャッシュバックとか・・・」 唯(キャッシュバックじゃなくてプレゼント・・・) 律「武道館なんて金で行ったところで意味がない場所だろ!」 律「自分たちでつかみとってこその武道館だろ!?」 律「なんで夢を金で買わなきゃいけないんだよ!ふざけるのもいい加減にしろよーーー!!」 シーン 唯「あのさ・・・りっちゃん・・・」 律「・・・」 唯「宝くじもさ・・・お金で夢、買ってるよ・・・ね?」 律「ブチッ」 澪「おー上手いこというなー唯。」 唯「えへへ。今日は頭の回転がいいみたい。」 澪「これもお金の力なのかもな!」 唯「世の中お金だね!」 「はははははははははは」 梓(・・・)チラ 律「・・・」 律「―――――お前らけいおん部から出てけ・・・」 澪「え・・・」 唯「今・・・なんて・・・」 律「けいおん部から出てけって言ったんだよ!お前らみたいなのはけいおん部じゃねえよ!」 澪「な、何言い出すんだよいきなり・・・」 唯「そんな悲しいこと言うのやめて・・・」 律「うるさいっ!荷物まとめて出てってくれっ!!」 唯「・・・」 澪「・・・」 4
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693. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 31 26.96 ID lge1fhYN0 梓「語ります」 梓「こんにちは、今回カンペ読みもとい解説を担当する中野梓です」 律「今さりげなくトンデモなことを言ったな」 梓「スルーして下さい、私も律先輩のことスルーしますから」 律「ひでぇ」 梓「それでは語りに入っていきます、テーマはムギ先輩のカップリングについてです」 694. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 33 15.70 ID lge1fhYN0 ―― 梓「と、いきなりカップリング語りに入る前に、ムギ先輩についての掘り下げを先に行いたいと思います」 律「? なんで?」 梓「前に全カプ語りした人もいますし、ムギ先輩に特化することで差別化を図ろうかと」 梓「それに、後でカップリング語りする時に色々書きやすくもなりますしね」 律「なるほどな」 梓「まあ実際はムギ先輩への愛が溢れただけなんですが」 律「私のなるほどを返せ」 梓「というわけでまず、ムギ先輩が書き辛いと言われる所以についてを取り上げてみようと思います」 律「無視か」 695. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 35 44.66 ID lge1fhYN0 ―― 梓「ムギ先輩が書き辛い、というのは各人を属性分けすると分かりやすいかと思います」 律「属性?」 梓「役割って言った方が正確かもしれません」 梓「基本的に、漫画や小説とかでも各キャラごとに特有の性格とかってあるじゃないですか」 律「まあ、そりゃあそうだな」 梓「で、それによってそのキャラの立ち位置が決まるわけです」 梓「というわけで、ちょっと私たちを四コマ漫画的に属性分けしてみました」 梓「片っ端から書いたので見辛さは否めませんが、こんな感じです↓」 696. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 37 24.28 ID lge1fhYN0 ・唯:ボケ(たまに常識的なツッコミ)、天然、天才、の変人枠 ・紬:ボケ(ツッコミ殆ど無し)、天然、お嬢様、百合好き、超能力有、謎要素多、の変人枠 ・律:ツッコミ比重の多い(?)ボケ兼ツッコミ、の常識人枠 ・澪:ツッコミ(ピュア的な天然ボケもアリ)兼イジられ役、色気担当、の常識人枠 ・梓:ツッコミ兼イジられ役、抜けてるところもあるが真面目、の常識人枠 律「どっちかというと原作よりの分析だな」 梓「それに、書いた人の主観も入っているので100%こうだってわけでもないです」 律「アバウトだなおい」 梓「いいんですよあてにする人なんていないでしょうし」 律「それは言っちゃダメだろ流石に」 697. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 39 37.71 ID lge1fhYN0 梓「とりあえず話を本線に戻しますが」 律「スルーかよ泣くぞ」 梓「話の主軸に持って行く場合、書きやすいのは圧倒的に常識人枠の、常識要素の高いキャラです」 律「つまりツッコミ役のキャラか」 梓「そうです。変人度が上がるほど思考トレス的なことが難しくなりますから」 梓「そういう意味では、理論上は律先輩が一番書きやすいってことになりますね」 律「ん? でも私のこと書き辛いって言う人も割りと見かけたぞ?」 梓「あくまで理論上の話ですし……それに律先輩も100%常識人ってわけじゃないですし」 律「いや、否定はしないけど本人を目の前にしてそれを言うか中野」 梓「あと、逆にある程度変人的な要素がある方が書きやすいって人もいるでしょうし」 梓「まあ、書きやすさなんて人それぞれってことです」 律「それじゃあ今の解説はなんだったんだ」 698. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 42 07.88 ID lge1fhYN0 梓「……後者の人はあくまでそういうパターンもあるってだけですよ」 梓「大多数の人は変人枠の人の動きに悩むと思いますよ、よほどキャラ愛が無い限りは」 律「まあたまに予想もつかない動きするしなあ、唯もムギも」 梓「天才の思考は常人には理解できないとは言いますが、まあ大体そういうことでしょう」 梓「そして私がさっき言ったことを裏返すと、変人要素が強いほど書き辛くなります」 律「今更だけど変人って言い方もどうなんだろうな」 梓「……そこは四コマ漫画的っていう枠内での表現ってことで見逃して下さい」 梓「で、ムギ先輩はと言うと、私たちの中でも圧倒的に変人枠要素が強いです」 律「変人呼ばわりするのは気が引けるけど……まあそうかもな」 梓「私だってそう呼ぶの嫌なんですから愚痴愚痴言わないで下さい!」 律「ご、ゴメン」 699. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 44 30.05 ID lge1fhYN0 梓「……取り乱しました、話を戻します」 梓「ムギ先輩はそれに加えて、明かされていない所謂謎要素も多くあります」 律「家のこととか過去の回想が全然無いこととかな」 梓「その辺りを想像で補うしかないので、そこを使うSSとなると一気に難易度は上がるでしょうね」 梓「百合属性もムギ先輩の大きな魅力の一つですが、本人はどうなのかという扱いづらい側面もありますし」 梓「それに、描写されている会話シーンが比較すると少なめなのも大きいかと思われます」 律「別に、普段からけっこう普通にしゃべってるけどなー」 梓「ティータイムの時に唯先輩と談笑してるシーンとか、探せば色々あるんですけどね」 梓「ただ、描写されていないと一見あまり喋っていないように思えてしまいます」 梓「それ故か実際よりも私たちと距離が遠いように思っている人も多いんじゃないでしょうか」 律「ああ……澪とかその最たる例だな」 梓「澪先輩については、カップリング語りの時にでも突っ込みたいと思います」 700. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 47 52.07 ID lge1fhYN0 梓「……まあ、そんな事情もあってか会話シーンが想像できないなんて人もいそうですね」 梓「ムギ先輩のCPが他の人気CPに圧され気味なのも、この辺りに由来しているんじゃないでしょうか」 梓「そしてまた、一歩扱いを間違えると魅力を大幅に損なってしまうのも敬遠されてしまう理由の一つかと」 律「かわいいのにな、ムギ」 梓「それ放課後ライブでも言ってましたね、律先輩は」 律「何人あのイベントを見てるかは未知数だけどな」 梓「そもそもSS書いてる人の中に何人あのゲームをやってる人がいるんでしょうか……」 梓「とまあ、ゲームの宣伝はともかくですよ」 律「あ、宣伝だったんだこのやり取り」 702. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 50 21.67 ID lge1fhYN0 梓「それとは逆に、扱いに成功したとき他には無い無敵のかわいさを発揮する人でもあるんです」 律「ああ、わかるなそれ」 梓「SSの例を挙げると、『紬「お人形遊び!」』とかでしょうか」 律「あれ読んだときは正直身悶えたなホント」 梓「キモいですね」 律「怒るよ?」 梓「さておき」 律「置くなコラ」 梓「爆発力に優れる反面扱いが非常に難しい、それがSSにおけるムギ先輩だと思います」 梓「なので、書くときは自分の中である程度キャラが固まってからにするのをオススメします」 律「それはどのキャラにも言えることだけどなー」 梓「黙って下さいカチューシャ先輩」 律「誰がカチューシャ先輩だあずにゃん」 梓「……ちょ。ギブ。ギブですから。グフッ」 704. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 53 07.89 ID lge1fhYN0 ―― 梓「さて、そろそろカップリング語りに入っていきたいところですが」 律「長い前置きだったな」 梓「その前に、ムギ先輩がどんな人かについて軽く触れておきたいと思います」 律「まだあるのかよ」 梓「そう言わないで下さい、これを先に言わないとカップリング語りに入れないんですから」 律「まあ、私は別にいいけどさ……読む人のことも考えようよ」 梓「長くても読む人は読みますし読まない人は読みません」 律「いや確かにその通りだけども書いてる側が言っちゃダメだろそれ」 梓「というわけで、ムギ先輩はどんな人かです」 律「強引に突き抜けやがったコイツ」 706. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 55 17.79 ID lge1fhYN0 律「ていうか、さっきやった分析とは違うのか?」 梓「さっきは、ムギ先輩がどうして書きにくいかに焦点を置いて掘り下げましたが」 梓「今度はムギ先輩自身に焦点を置いて話していきます」 律「はあ、分かるような分からんような」 梓「まあぶっちゃけた話、この後のカップリング語りをしやすくするためだけの付け足しの説明ですけどね」 律「ああ、つまりはさっき説明し損ねたのか……」 梓「みなまで言わないで下さい」 707. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 58 18.90 ID lge1fhYN0 ―― 梓「さて、上手い切り出し方も思いつかないのでさっさと言ってしまいますが」 律「酷いなもう」 梓「個人的な解釈ですが、ムギ先輩は『皆以上に皆が大好き』な人だと思います」 律「まあ私たち全員に対して好意的なのは間違いないな」 梓「なので、思われているよりカップリングの難易度は低いはず、であって欲しいです」 律「願望系かよ」 梓「また特殊な属性として、気配り上手で世話好きという『姉属性』と」 梓「無邪気で子供っぽくて世間知らずという『妹属性』を併せ持つ点にも注目したいところです」 律「ほうほう」 梓「さて説明も終わったのでカップリング語りに移行します」 律「いや短っ!本当に付け足しかよ」 梓「だから、そう言ったじゃないですか!?」 律「逆ギレ!?」 709. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 23 03 53.86 ID lge1fhYN0 ―― 梓「それでは改めてカップリング語りに入っていきたいと思います」 律「やっとか」 梓「どんな組み合わせなのか、そのカップリングの魅力そして」 梓「マイナーなカップリングにおいて、こうすればいいのではというのがあったり無かったりします」 律「無かったりてお前」 梓「人間の想像力には限界があるんですよ……」 梓「また、あくまで一例・一つの解釈であって特に絶対ではないので話半分参考程度に留めてほしいです」 梓「あと、前に全カプ語りをやった人と同様にCPにおける名前の前後は別に区別しません」 711. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 23 07 12.29 ID lge1fhYN0 梓「それでは始めます、唯紬・紬唯からです」 梓「某大手お絵かき系サイトでは一番人気のカップリングですね」 律「名前伏せる意味あるのかそれ?」 梓「全カプ語りをやった人も言っていた通りヴィジュアル面での火力も非常に強力ですが」 梓「メンタル面においても、この二人はかなり波長の合ったいいコンビだと思います」 律「(またスルーか……)まあ、二人とも天然だしな」 梓「例を挙げると、コスプレや水着をまったく抵抗なく着るところ」 梓「澪先輩の拒否反応時・律先輩のがに股禁止時のコンビネーションなど、他にも色々ありますね」 梓「SSにおいては他に無いとてもほんわかとした雰囲気を出せるのが最大級の魅力です」 梓「またそんな組み合わせでありながら切ない系やシリアス系の話がいけるのも大きな側面ですね」 712. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 23 10 21.95 ID lge1fhYN0 律「唯紬の長編は名作揃いだよな」 梓「はい、それはもう」 梓「あと、唯先輩がムギ先輩の百合好きに気付いているかいないかで話の展開も変わりそうですね」 梓「そこはアニメ・原作共に一切描写が存在しないので」 梓「新しくSSを書くときにはその辺りなんかに触れてみても面白いかもしれません」 梓「それに本編でも絡みは多いので、そちらから想像を膨らませていっても良しです」 梓「これ書いてる人が一番好きなカプというのもあってまだまだ書きたいことは山ほどありますが」 梓「書き始めたらキリが無い気がするので次に行きたいと思います」 2
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あずにゃんへ 今度の夏祭り、久しぶりに軽音部の皆で行くって約束でしたが、何でも、 澪ちゃんがどうしてもりっちゃんと二人で行きたいと言ってるらしくて、集合は三人に なりました。二人は今おアツいから、許してあげてね。 昨日唯先輩から送られてきた一通のメール。その最下に書かれていた待ち合わせ場所を 三度反芻して、私は家を出ました。今日がその夏祭り当日。先輩方が卒業して以来、 初めての再会です。夏休みの間はずっとこっちにいてくれるからいつでも会えるとはいえ、 それでも再開初日というのは嬉しいような気恥ずかしいような、不思議な気分です。 夕方六時のチャイムが鳴る頃には、青空に赤い影がぼんやり滲んで、じいじいと耳を つんざくような蝉時雨も、まるで川の流れのように滑らかな音色になる、そんな時期に なりました。 風も僅かながらそよそよと穏やかに流れていて、心地良い暑さが夏の終わりを、 ぼんやりと連想させました。 川を越え信号を渡り歩くことおよそ十分。曲がり角を抜けた所、遠目に先輩たちの姿を 確かめることが出来ました。 「あっ、おーい! あずにゃーん!」そう私が気付くや否や、唯先輩も私に気付いたらしく、 こちらを向いて、手を広げながら駆け寄ってきました。 あぁ、懐かしいなぁ。唯先輩はいつも私と会えば、真っ先に駆け寄って抱き着いてきて いました。しかし、今日の問屋は高めの為替。何故なら唯先輩と私の距離は、遠目と言う ほどに離れているわけで…… 「これだけ離れてて、かわせないわけがないです!」 とはいえ、今身体をズラすにはいささかタイミングが早すぎて、もうちょっと近づかせない ことには、唯先輩が対応できてしまいます。もうちょっと近づいてもらわないと。 もうちょっと、もうちょっと…… 「梓ちゃん、久しぶりね~」 「わっ!?」 突然背後から話しかけられ、思わず後ろを振り向きました。声の通り、そこには ムギ先輩がいました。しかし、一体いつから背後に……? 「もう、ビックリしましたよムギ先輩」 「あらあら、ごめんなさい」 「……あの、どうして少し距離を置くんですか?」 「だってここがベストスポットだもの」 「ベスト……?」 言ってる意味はすぐに分かりました。 「あずにゃん久しぶり~! ずっと会いたかったよ!」 「うにゃあっ!?」 いつの間に距離を埋めた唯先輩が、後ろから思いっ切り抱き着いてきたのですから。 「半年ぶりのあずにゃん分だ~! お肌のモチモチもあったかさも変わんないねえ」 「や、やめてください唯先輩ぃ!」 そうやって言う唯先輩も、やっぱり半年前と何も変わらない。でも半年の月日が流れて いたことは確かなだけに、すっかり免疫の無くなった私の心臓は、途端にばくばくと 早鐘を打ちだしまして…… 「ム、ムギ先輩、助けてくださ」 「半年ぶりの唯梓分……! あぁ、どんどん癒されていくわ!」 「それどころじゃないご様子で……」 結局、これまでの空いた穴を埋めるように、私は唯先輩に思う存分味わされたのでした。 「もう。頬ずりまでしたんですから、人前でくっつくのはダメですよ」 「えぇ~。あずにゃんは手厳しいなぁ……」 唯先輩がそう不服そうに呟くのを、隣でムギ先輩が慰めていました。 ……後ろを歩いているお陰で、離れた後でも足が震えてるのはバレてない、 と思いたいです。 「それにしても、あずにゃんが何も変わってなくて良かったよ~。反応は前より可愛く なってたけど」 「う、うるさいです。……でも、唯先輩もムギ先輩も、お変わりないようで良かったです」 「あ、でもねあずにゃん。ムギちゃんは大学生になってからたくさんバイト始めたんだよ」 「え、そうなんですか!?」 ムギ先輩を見ると、そうなのよ~とこくんと頷き、 「社会勉強をしたくてね。レジ打ちとか古本屋さんの棚整理とか、色々始めたのよ」 「いくつも掛け持ちしてるんですか、スゴいですムギ先輩!」 「褒めてもお茶は出ないわよ~」 スゴいと言われて、ムギ先輩はとても嬉しそうでした。お金に不自由なんてしないのに、 自ら進んで働くなんて、ムギ先輩は人がよく出来ています。 「後ね、澪ちゃんとりっちゃんは別のサークルにも入ったんだよ。二人とも同じ 『しいた』同好会なんだって」 「……角度同好会とは、かなりマニアックな集まりですね」 「ぷぷっ。あずにゃん、知ったかぶっちゃダメだよ~」 ムカッ。確かにダメ元で言いましたけど……。 唯先輩は得意気に続けます。 「あずにゃん、『しいた』っていうのはね、この詩のどんな所がいいかを調べたり、 実際に作って見せ合いっこする所なんだよ」 「……唯先輩、その同好会、『しいた』じゃなくて、『しいか』だったりしません?」 「ほぇ?」 ムギ先輩の方を見ると、うんうんと二度首肯してくれました。 「……ま、この位すぐピンときますよ。先輩とは違って」 「あずにゃんが見下した! しどい… …」 「自業自得じゃないですか」 唯先輩がよよ、と泣き崩れるフリをしました。 「しかし、澪先輩はともかく、律先輩もそこに入ったんですね。意外っていうか……」 そう言うと、二人は示し合わせたかのように顔を見合わせて、ふふふと意味深に 笑いました。 「何かあったんですか?」 「うふふ、そこにも健気なドラマがあるのよ。初めは澪ちゃんが、もっと詩の勉強を したいってそのサークルに入ったのだけど、それを律ちゃんが聞いたら、その日の内に 律ちゃんも入っちゃったの。『澪のポエムが暴走したらマズい』とか『人見知りが 暴走して気まずくなった時の為に』って言ってたけど……」 「りっちゃんも素直じゃないよねぇ。二人のことはちゅーの一件で皆知ってるのに」 ねー、とまたまた示し合わせたように、二人が言いました。 「あの、私だけ話がついていけてないんですけど……」 そう言うと、二人の動きがぎくっと静止しました。 「あ、あれ、あずにゃん、何も知らない?」 「思い当たる節はありませんけど……」 「そ、そういえば、梓ちゃんはあの場にいなかったわね」 「澪ちゃんの寮に遊びに行った時のことだもんね。どうしよ……」 「他の人には絶対言うなって言われてるけど、でも梓ちゃんだし別に……」 何をひそひそ話してるんだろう……? そう思っていると、どこからともなく古典風な笛や太鼓の乾いた音色が聞こえてきました。 きっとお神輿が担がれ始めたのでしょう。 「お祭り、始まったみたいですね 「あ、ほ、ほんとだっ! 早く行こうよっ、ね、ねね!」 「そ、そうね。私も久しぶりだし、ちょっとでも長く見ていたいわ!」 「ささ、早く行こあずにゃん!」 「そこまで急かさなくても……」 結局さっきの話題は何だったんだろう、と少し気になりはしましたが、 程なく気にならなくなりました。 私だってお祭り前の訳ない興奮を覚えないはずはなく、殊に二人の先輩と再会して 懐かしさの渦中にいたのもあって、一刻も早く屋台の群れに入りたい気持ちの方が 勝りました。ひょっとしたら、この中で一番私が、今日というこの日を楽しみにしていた のかもしれません。 夕方のふわふわした暖かさが街へ溶け出したからでしょうか、薄灰色だった雲は 目を射差すような橙色に染まり、その日光と盆提灯、屋台からこぼれた白色蛍光が 混ざり合って、その光景はまるで夢や思い出の一シーンのように、全景がぼんやり滲んだ、 とても幻想的な風景でした。 「あずにゃん、たい焼き食べる?」 「ありがとうございま……って、いつの間にそんなに買ったんですか!?」 気付けば唯先輩は持てるだけの食べ物を買ったという風体で、さながら食べ物の 着ぐるみをまとっているかのようになっていました。 「まま、好きなの選んでよ。たこ焼きたい焼きさいきょう焼き、フライドポテトに スーパーポテトもあるよ」 「豊富ですね……」 最後のは商標的に訴えられたりしないでしょうか? 「じゃあ、たい焼きを一つ」 「あいまいど! お嬢ちゃん可愛いからタダね!」 「誰ですか」 そう言って受け取った一尾のたい焼き。紙ごしでも伝わる温かさは、屋台から貰った 出来上がりも同然の温もりでした。 ……もしかして、私が食べると思って、最後に買ってくれたのかな……? 「はむっ……。いつもより甘い気がします」 「ほんと? 買ってよかったぁ」 食べているのは私なのに、まるで自分事のように喜ぶのを見て、思わず私も笑って しまいました。 たい焼きを食べ終わる頃には、唯先輩の手元にはりんごあめしか残っていませんでした。 食べている最中にムギ先輩にも譲っていたのですが、それにしたって尋常じゃない スピードです。 「あずにゃん、そんなにじーっと見てどうしたの?」 「一瞬で食べ物が消えてたらじーっと見たくもなります」 そう言っても唯先輩は依然、小首を傾げて、自分の口元手元に目線をやっていました。 「あっ、分かった! りんごあめも食べたいんだ。欲しがりさんめ~」 見当違いもいいとこです。 「しょうがないなぁ~。はい」 「……はい?」 「私のアメあげるよあずにゃん。二人で分けっこしよ?」 「なっ…………!?」 とっさに私へ差し出しているアメに目を落としました。形はあまり崩れていませんが、 反対側の輪郭はもうしなっと曲がり、所々が濡れて妖しい光を放っていました。いや、 この濡れてるのって、もしかしなくても……! 「い、いらないです! 唯先輩の分が減っちゃうじゃないですか!」 「気にしないよ~。寧ろ食べきれるか不安だったから、あずにゃんに食べてもらえたら ありがたいなぁ」 拒むどころか、大義名分が出来てしまいました。 ど、どうしよう……。でも唯先輩が困ってるって言うなら、助けてあげるべきだよね……? そう、これはあくまで人助けなんです。あくまで唯先輩を助けるために…… 「あ、ムギちゃん。リンゴあめ食べる?」 「いいの? じゃあお言葉に甘えて~」 「あっ……」 悩んでいる間に、あめはムギ先輩の口に入っていき…… 「はい、あずにゃん」 そうしてムギ先輩を経てから渡されたリンゴあめは、何の躊躇いもなく食べることが 出来ました。感謝の気持ち半分、勿体ないことをされた気持ち半分で、私はムギ先輩を 見つめました。 「たくさん食べたし次は遊ぼうよ!」 「もう、ちょっとは休みましょうよ」 「ダメだよ~。お祭りは無駄なく遊ばないと」 ふんすと鼻を鳴らして、唯先輩はゲームの屋台がある左の小路へと入っていきました。 「もう、唯先輩は相変わらずですね」 「そうねぇ。でも、梓ちゃんがいるから、っていうのもあると思うわ」 「私?」 ムギ先輩は頷きました。 「唯ちゃん、梓ちゃんと会えるのをすごく楽しみにしてたもの。久しぶりにあずにゃんに 会える! って事あるごとに言ってたのよ」 「……どうせ、ひっつく相手がいなくて寂しがってただけですよ」 「うふふ、そうね」 そう言うと、雑踏の前から唯先輩の呼ぶ声が聞こえました。 「あずにゃんムギちゃん、人で溢れちゃってるよー……」 唯先輩が退いてきた先では、隙間も無いほどの人の群れ。ちょうど近くで神輿の掛け声が 聞こえるので、きっとそのせいでごった返してしまっているのでしょう。 「これを抜けるのは大変そうね……」 人混みを一目見て、ムギ先輩はそう呟きました。 「う……」 自然、前に進む足が固まってしまいます。どうしよう。もしはぐれちゃったら、二度と 唯先輩と会えないような……。折角、折角また会えたのに…… あーずーにゃん」 ふわっと、手に温もりが重なったような気がして、見ると唯先輩が、私の右手を すっぽりと包んでいました。 「これならはぐれないかなぁ、って思って……。ダメだったかな」 そう言って唯先輩ははにかむように笑いました。さっきの不安なんて霞にしてしまう ような、優しい、照れくさそうな笑顔。固まった身体が徐々にほぐれていく気がしました。 「……私と会いたがってた、って聞きましたから。特別です」 そう言って、より一層手を握る力を強めました。 「えへへ、ありがとあずにゃん。あずにゃんは優しいね」 「……優しいもんですか」 「優しいよ~っ」 ……どうせ鋭いなら、私の不甲斐ない気持ちも、見抜いてくれたらいいのにな。 「じゃ、行くよ。離れないようにしっかり握っててね」 私はそっと頷いて、それを合図にゆっくりと歩き始めます。もう一つの手で唯先輩の 手を掴もうか少し迷って、その手で後ろ髪の片尾をふいと払いました。 「ふぅ、どうにか抜け出せましたね」 「はぐれなくて良かったぁ……。でもムギちゃん、ごめんね、繋ぐ手の余りがなくって」 「大丈夫よ。私には百合の磁力があるもの。二人とは絶対に離れないわ」 「? 綺麗な磁力だねぇ」 人混みを脱した直後だと言うのに、ムギ先輩の呼吸も表情も、一切崩れていませんでした。 「あっ、ムギ~! 唯と梓も!」 一息ついた所で景色が開けると、偶然にも、眼前に律先輩が現れました。 「なんだ、結局放課後ティータイムは一つに集まる運命なんだな」 「運命だなんてっ……。りっちゃんロマンティック~」 「はは、澪の癖があたしにも移っちゃったみたい……」 律先輩は照れ笑いをして頭をかきました。 「そういえば澪ちゃんは?」 「あぁ、澪なら……」 そこで言葉を切り、後ろの方を指さします。澪先輩は、屋台をじっと睨んだまま、 何かを投げるようなポージングで固まっていました。実際何かを手に持っているようで、 それは…… 「あれ、輪投げですか?」 「そっ。だるま落としの方が簡単だって言ったのに、だるまが落ちんのは演技が悪いって 聞かなくて」 そう言ってる内に、澪先輩がさっと手首をスナップさせました。輪っかは手を離れ、 屋台の陰に隠れその所在は知れぬ所となりましたが、澪先輩の強張った表情が解けたと 思うと次にはがっくりとうなだれて、 「外したな」 「外したね」 「そんなに欲しい物があったのかしら」 「財布と電話を出さないでくださいムギ先輩」 やがて澪先輩が、がっくりとしたままこちらへ来ました。 「律ぅ……輪っかは完全に入ってなくちゃダメだってぇ……」 「あー、私もそれで神のカード貰えなかったなぁ」 帰って来た澪先輩は、律先輩の肩にしがみついてそうぼやきます。一方の律先輩は そんな澪先輩の頭を優しく叩いてあげていて……あれ、あれ。 「あの二人、あんなに距離近かったですっけ……」 「……隠すつもりもないみたいだし、もう言った方がいいよね」 「そうねぇ。あのね梓ちゃん、今二人はアツアツなのよ~」 「アツアツ? まぁあれだけ近かったら暑そうですけど……って、唯先輩! なんでそんな可愛いものを慈しむような目で見るんですか!?」 「いや~あずにゃんは初いのぉ、純粋だのぉ。そのまま大人にならないでおくんなまし~」 「だから何キャラなんですかってば」 「もうすぐ花火だって! 折角だから五人で見ようぜ!」 澪のお礼参りと行くか~! という鶴の一声で始まった屋台巡りも一通り堪能した後、 またまた律先輩の鶴の一声で、花火の見える場所まで移動することになりました。 前列の唯先輩達の会話を手持ちぶさたに聞いていたら、 「ぶつ、ぶつ……」 「み、澪先輩……?」 一緒に後ろを歩いていた澪先輩が心なしか、いや明らかにどんよりした様相で歩いて いました。 「あぁ、梓。いや、皆とこうしてまた集まれたのは嬉しいんだけど、今年こそ律と二人で 夏祭りに行こうって意気込んでたから、ちょっと複雑な気持ちで……」 苦笑いをする澪先輩の気持ちが何となく分かるような気がしました。それと同時に、 とても意外な気がしました。 私の知る澪先輩は、こうやって心にひっかかるような、何となく分かる微妙な気持ちを、 自然な会話の流れで口に出来るような人ではなかったはずです。 「澪先輩は、大学生になってから変わりましたね」 「そ、そうかな?」 「そうですよ」ふとさっきのやり取りを思い出して、「特に律先輩関係は、前よりずっと 積極的じゃないですか。何かあったんですか?」 「!? べ、別に何もない! 何もないぞ!」 慌てて手を振って否定する澪先輩でしたが、何か思い直したように、照れくさそうに 頬をかきました。 「……いや、うん。あった。ほんとは。」 「ですよね! 澪先輩と律先輩、今までの幼馴染って感じよりもっと深い関係になってる ような……」 「わーっ! それ以上はダメだぁ!!」 澪先輩は真っ赤になって私の口を押えました。 「……というより、十年一緒にいた今までが変わらなさすぎたんだよ」 紅潮しきった頬を掌で押えて、澪先輩は続けます。 「でも勢いとはいえ、変えるきっかけが出来た。そのチャンスを逃したくなくてさ、 もう少し自然に近づいてみよう、素直になれるよう頑張ってみようって思って」 最近までは凄く恥ずかしかったけどね。とおずおず付け加えます。 「……皆、新しい環境になって、変わっているんですね」 そう呟いた時、お祭りの人混みに飛び込む前にした近況報告をふと思い出しました。 ムギ先輩も律先輩も、澪先輩も変わっていく。成長。それを喜ぶのは至極当然な感情で あるはずなのに、皆が私の知らない所で変わっていく。それがとても寂しくてしょうがない。 いつか皆、葉桜が紅く染まっていくように、私の知らない先輩達となってしまうので しょうか。あの優しくてほんわかと温かい唯先輩も、もしかしたらきっと……嫌。 そんなの、絶対嫌だ……! 身体が震えそうになっていることに気付いて、私は慌てて考えを薙ぎ払いました。 よそう、こんなのただの気の迷いだ。一人で考えるから変な穴にハマるんだ。 私と澪先輩はよく似ている。変わりたいと思えるきっかけを訊けたら、きっとこんな モヤモヤもすぐ晴れてくれる。 「……澪先輩」そう思うが早いか、言葉のまとまらない内に、私は澪先輩の名前を呼んで いました。 「? どうした?」 「あの、みお、澪先輩は……」 それから先の言葉が舌をつかず、澪先輩は首を傾げて私の言葉を待ちます。 「あの、澪先輩はどうして……!」 何でもいいから何か言ってしまおう。後で補足を入れたらいい、 そう思い声を出しました。が、 「おーい! 着いたよーっ」 そう決心した瞬間、唯先輩が大きな声で私たちに呼びかけました。 「ラッキー! ちょうど橋の端っこになったぞー!」 「りっちゃん、それは寒いよ……」 「わざと言ったんじゃないやい」 そう言う内に、前を歩いていた先輩達の歩みが止まりました。ちょうど、何の妨げも なく花火を一望できる場所です。 「ごめん梓、何か言った?」澪先輩が再び私に尋ねます。 「…………花火なら、二人きりで見られるんじゃないですか?」 「……! そうだなっ。おーい、律~!」 クールなイメージと相反して、うきうきと音の出そうなステップで律先輩の元へ 向かって行きました。 「言わなくてよかった……」折角コンプレックスを払拭しようと頑張ってるのに、私の 気の迷いで足を止まらせては申し訳が立ちません。自分の悩みを人に丸投げなんてしては、 解決なんて夢のまた夢です。 「……チャンス、かぁ」 その一語が、余計な重みを持ってのしかかってくるような気がしました。 もし私に変わるチャンスが訪れても、それを受け入れることが出来るだろうか。 ……ただ一人変わらずにいてくれている唯先輩にも、もしその日が訪れたら、私は 笑って見送らなければならないのだろうか…… 「あーずにゃん」 「わっ」 物憂げに星を見ていたら、空っぽになっていた右隣に、いつの間にか唯先輩がやって きていました。 「良かったぁ。一人で見に行っちゃうのかと思ったよ」 「そんなことしませんよ。花火は誰かと見た方が良いに決まってます」 「そうだよね。私もあずにゃんと見る花火が、一番綺麗に見える気がするよ」 「わ、私は別に唯先輩と、とは言ってないです!」 心を見透かされたような気がして、一瞬ヒヤっとしました。お神輿近くの時といい、 唯先輩はその時の気持ちをズバッと見透かしてくるくせに、それがどんな意味を持って いるかには酷く鈍感なのがズルいです。 いっそそこまでバレてくれたら……なんていうのは贅沢な話だよね。 二人とも無言のまま、花火は刻一刻と迫っていきます。心の中で手持ちぶさたを 言い訳に、唯先輩の横顔を眺めました。 「……唯先輩は変わりませんね」 「えぇ~そうかなぁ。私、大学生になったんだよ?」 「じゃあ何か変わったんですか?」 「えーっと……アイスを三口で食べれるようになった」 「あ、それはちょっとスゴいかも……」 憎まれ口を叩きながら、内心ほっとしている自分がいました。 「……あずにゃん、がっかりした?」 唯先輩が不安げに私の方を覗き見ました。 「……何言ってるんですか。唯先輩はその方が良いです。唯先輩は、大学生になっても、 ずっとそのままの方が良いです」 つとめて明るいイントネーションで呟いたつもりでしたが、自信はありません。 「あずにゃんがそう言ってくれるなら嬉しいよ」 唯先輩はほっとため息をついて笑いました。 「私さ、ちょっと不安だったんだ。ムギちゃんはバイトを始めて、りっちゃんも澪ちゃんも 他にやりたいことを一緒に始めて、私だけ何もかも高校生のままで、それでいいのかな、 って。でも、あずにゃんがそのままで良いって言ってくれるのなら、それだけで安心だよ」 「唯先輩……」 それでも、少ししょんぼりしている唯先輩を見ていたら、いてもたってもいられません でした。 「……きっと唯先輩はまだチャンスが来てないだけです。前に進みたいと思う、 その気持ち一つだけで十分素晴らしいです!」 少なくとも、時間に背中を押されて、ただ転ばないように前へ足を出しているだけの 私なんかより、ずっと、ずっと…… 「……あずにゃん、ありがとっ!」 「ぎゃふっ!?」 ぎゅっとまた抱き締められました。さっきは確かめる余裕が無かったけど、唯先輩から 伝わるのは懐かしい温かさ。とても幸せな、だけど何故か切ない温もりでした。 「もう、離してくださいってばぁ」 「ダメだよあずにゃ~ん。花火が始まるまでだよっ」 そう言うや否や、どこかのスピーカーからざらざらした女の人の声が、後五分で花火が 上がることを告げに来ました。 「あずにゃん、もうすぐ花火が上がるって!」 パッと唯先輩の身体が離れました。 「……始まるまでって言ったのに」 「? 何か言った?」 「な、何も言ってないです!」 ほとんど無意識にそう呟いていました。……参ったなぁ。本当に唯先輩への耐性が 無くなっちゃったみたい。 花火のしらせはやがて群衆のざわめきに変わり、それが最高潮になった瞬間、一つの 大きな花にまとまり、ドンとお腹に響く音と共に空へ打ち上げられました。赤や黄色、 緑や青、めいめいの花が咲いては消え、でも夜空を空白のままにしないよう、次々 連なって昇っていきました。 時には二つの輪が半分以上重なり合い、混じって派手な円模様と、多色混合の 彩り豊かな火花が散り、かと思えば次の瞬間、二輪はどんどん離れて行き、ついには 壁でも出来てしまったかのように、妙な距離が出来てしまいました。 あぁ、もっと近づけたなら鮮やかな景色になるのに。寄せては返す花火の距離が もどかしくて、もっと、もっと右に行けたなら……。と思いながら、くい、くいと身体を 右に傾けていたら、こつん、と右手が何かにぶつかってしまいました。 何が当たったんだろうと右を向いた時、唯先輩と目が合いました。 「あっ、ごめんなさい唯先輩」邪魔をしちゃったな、とすぐ悟りました。 そう言うと、唯先輩はくしゃっと顔を崩して、さりげなく、まるでさっきからそこに あったかのように、自分の左手を、私の右手の中へ滑り込ませていきました。 「これなら邪魔にならないよっ」 無垢な笑顔で私にそう言いました。 私は返事代わりに、うつむくように頷いただけでした。 それでも唯先輩は満足げに笑って、再び夜空に目をやりました。私もつられて顔を 上げると、右腕にとん、と唯先輩の肩がもたれかかってきました。 「あずにゃん」 そう呼びかけられなかったら、私はまた横を向いて、何をしてるんですか!? なんて 身構えたかもしれません。ただ、そんないつも通りを過ごすには、唯先輩の仕草が、私に 語りかける、真剣な響き故に小さくなってしまった声が、それが私にしか聞こえない奇跡 みたいな状況が、あまりに特別過ぎました。 「……どうしましたか、唯先輩」 空を見上げたままそう尋ねました。 「あずにゃん、私、やりたいことを見つけたよ」 ほら、こうして良かった。その一言に思わず強張った横顔は、花火が昇る今ならきっと、 唯先輩に見えていないでしょう。 「私、ここに戻って来て、あずにゃんとこうやって一緒に夏祭りを楽しんで、ちょっと 分かった気がするんだ。変わらなかったのは、やりたいことをもう既に見つけてるから じゃないのかな、って。でもそれを始める引き金が、まだ私に無かっただけなんじゃない のかなって。あずにゃん。私はもっとギターをやりたい! 放課後ティータイムとして だけじゃなくて、もっと、もっと!」 どどどん、と一段大きな音がしました。でも、その花火がどれだけ立派だったのか、 私は知る由もありませんでした。だって…… 「だからあずにゃん! 大学生になったら、私と二人で、一緒にギターをしてください!」 その瞬間、唯先輩は私の手を両手に包んで、まるで告白まがいなことを大真面目に言う のですから…… 「な、なな、何をいきなり言うんですかぁ!?」 突然の途方もない誘いを受け入れられる度量も無く、とうとう我慢できず悪い癖が出て しまいました。でも、 「…………唯、先輩……」 慌てふためいた拍子に揺れた身体も、唯先輩にがっちりと包まれた右手だけは微動だに しませんでした。 「あずにゃん、お願い……」 真剣だけど、どこか甘えんぼで哀れっぽい口ぶりと表情。こんな顔されて、私にどうこう 出来るはずなんてないわけで…… 「……もう、唯先輩は勝手です。私の都合なんて知らんぷりであずにゃんあずにゃん、 って……」 「あぅ……」 唯先輩の両手がびくっと引っ込んだ気がしました。違う、こんなのが私の気持ちじゃない のに……。唯先輩が勝手なら、私だってよっぽどワガママだ。 ……でも、同じワガママなら、背伸びでも屈みでもして唯先輩と目線を合わせること だって出来るはずだ。 私は息を一つ吸って、言いました。 「……半年です」 「ほえ?」 「私の受験が終わって、唯先輩と同じ大学に入って、その時にも唯先輩の気持ちが 変わらないなら、また誘ってください。……私の気持ちは、絶対に変わりませんから」 唯先輩の顔に、パッと笑顔の花が咲きました。 「あずにゃん、ありがと~!」 唯先輩がまた抱き着きました。 「ゆ、唯先輩、こんなに人がいる所でっ……」 「だいじょーぶ、皆花火に夢中で見てないよ」 「……もう」 それもそうだなぁ、って納得してしまった私は、余程重症なのでしょう。 変わること、先に進むこと。それはまだどうしようもなく怖い。大切な物がふいになって しまう位なら、ずっと今のままで居続けていたい。 でも、これでまた四年の間は先輩の背中を追いかけていられる。答えは唯先輩と一緒に 見つけていこう。見た事のない世界をたくさん見せてくれた、この人とならきっと見つけ 出せる。 もしその道程で何かが変わってしまっても、その目の前に変わらず唯先輩がいてくれる のなら、大事な物は、そのままでいてくれる。そうに決まってる。 三度、私は空を見上げました。花火は終盤に差しかかったのか、間髪入れず次々打ち 上がり空に咲き乱れて行きます。色とりどりの、輪郭がぼやけた花が空高く咲き乱れ、 その下では菜種色の炎が控えめな花を咲かせ、水面にたゆたう葉のようにはらはらと 花弁を散らしていくのでした。そこに無粋な余白など、どこにもありはしませんでした。 夏が終われば、何かが変わる。そんな移ろう季節の真ん中は、全てが鮮やかに輝いて いました。 あとがき ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました。 楽しんでいただけたら幸いです。 読みづらい文章だったらごめんなさい。これが今のところの、文章力の限界です。 次に投稿する時は、もっと文章力や見せ方を向上させてきます。 再度、ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました! そしてあずにゃん、お誕生日おめでとう! 戻る