約 457,316 件
https://w.atwiki.jp/1224134/pages/12.html
放送日程 月曜日 18時~19時・20時 火曜日 18時~19時・20時 水曜日 19時~20時 木曜日 18時~19時 金曜日 定休 土曜日 20時~20時半(不定期) 日曜日 18時~19時・20時 臨時放送について けいおん!からの重大なお知らせや、らじおん!最新版うpの際は、金曜・指定時間以外でも臨時で放送を行う場合があります。
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/2552.html
数日後・音楽室 ムギ「はい、お茶」 唯「・・・」 澪「・・・」 梓「最近練習全然やってませんね・・・」 律「とてもそんな気になれねぇよ・・・」 唯「本当、この場所が一番落ち着く場所だもんね・・・」 澪「最近人間不信になりそうだ・・・」 ムギ「そういえば皆宝くじのお金使ったの?」 律「私はゲーム買ったよ。欲しかったソフトもいらないソフトもバンバン買ったわ」 唯「私はウォークマンとCD買ったよ~」 律「そう言えば教室いる間ずっと聞いてるな。何聞いてるんだ?」 唯「まぁ色々と」 律「あと聡にカードおごってやったな~唯は憂ちゃんに何かあげたのか?」 唯「え?えーっと・・・」 澪「私全然使ってないや・・・手も出してない・・・」 梓「私もまだ200万ぐらいしか使ってません。全然減らないんですよ・・・」 唯「もうつけ回されるの嫌だよ~!!」 律「これなら買わない方がましだったな、宝くじ」 澪「だから言ったじゃないか、後悔するって・・・」 唯「そうだ!いいこと考えたよ!!!」 唯「もう一回宝くじ買えばいいんだよ!そうしたら一気にお金減るよ!!」 澪「なるほど。それなら一気に減るな。また3億当たるなんて奇跡はそうとう無いだろうし。」 律「いや、それなら募金しろよ・・・」 梓「早く使い切りたいからと言って無駄使いはちょっとどうかと・・・」 唯「この苦しみから解放されるほうがいいよ!!行こう!澪ちゃん!」 澪「あぁ!さっさと使い切ろう!」 そういって2人は宝くじを買いに行った。 唯「えへへ。1万枚も宝くじ買っちゃったよ!」 澪「あっという間に300万使えたな。これなら7500万もあっというまなんじゃないか!?」 唯「そうだね!さっさと解放されたいもん。お金なんてやっぱりほどほどが一番だね~」 澪「その通りだな。どうせこの宝くじも外れるし。当たっても300万以上になることはないだろうな」 唯「そうだね!それに夢をかったんだか300万なんてやすいもんだよ!」 そして抽選日の翌日。 音楽室 ムギ「お茶できたわよー」 律「どうした唯、澪。やけにやつれて。」 唯「ああああ、あのね、りっちゃん・・・!」 澪「え、えっと・・・その・・・」 律「どうした?早く言えよ?」 唯「ま、また3億円、当たっちゃいました・・・!」 律「な、なんだってー!?」 ムギ「あらすごい。」 唯「厳密にいえば私と澪ちゃんで6億なんだけどね・・・」 律「ブーーー!!!」 ムギ「ろ、6億!?」 唯「う、うん・・・」 澪「テレビでは幸運の女子高生とかで家まで取材に来るし・・・」 唯「まさか当たるなんて・・・どんだけ運がないんだろね、私たち」 律「いや、ツキまくりだろ・・・」 澪「唯!競馬だ!競馬で全額賭けて無くそう!」 唯「そ、そうだね澪ちゃん!さっそく競馬場に行こう!!」 競馬場! 澪「競馬場なんて初めて来たよ・・・」 唯「私もだよ~。どのチケット買えばいいのかな?」 澪「よくわからないけどお金無くしたいなら一番人気無いのでいいんじゃない?」 唯「なるほど!流石澪ちゃん!頭いいね!」 澪「そんな・・・よし、そうと決まれば一番人気無い奴に全額投入だ!」 唯「おー!!」 音楽室 律「それにしてもあいつら馬鹿すぎだろ・・・そんなにお金無くしたいなら募金すりゃいいのに・・・」 ムギ(あ、このお菓子当たりだわ。すごくおいしい。) 梓「まぁ競馬なら確実に減りますよ。全ての馬券を均等に買えばすぐに無くなるでしょうから。」 律「もったいないことするなぁ・・・」 梓「まあ、SSですから・・・」 ぷるるるるぷるるるる 唯『もしもし?りっちゃん?ほら見て!ジャーン!』 律「なんだそれ。粗すぎて見えないって」 唯『馬券だよ!生まれて初めて買っちゃった!』 律「へぇ~」 唯『澪ちゃん頭いいんだよ!一番人気の無いの買えばいいって教えてくれたんだ!』 律「どんなの買ったんだ?」 澪『●―○だ。あ、もうそろそろレース始まるみたいだからそれじゃあな』 プツ 梓「生まれて初めてラジオで競馬聞くことになりそうですね・・・」 律「そうだな・・・」 ムギ「おもしろそ~う!」 音楽室 律「ありゃー、唯のやつまた当たっちゃったかー」 梓「どうするんでしょうね。どんどん増えてってますよ。」 ムギ「楽しんでるみたいだからいいんじゃないかしら?」 競馬場 唯「当たっちゃったよ・・・」 澪「どうすんだこれ・・・100億以上あるんじゃないのか・・・」 唯「もうさ、ここまできたら無くさなくていいんじゃないかな?」 澪「え?」 唯「だって私たちもう大富豪だよ?」 澪「唯・・・」 音楽室! 唯「で、結局300億まで増えちゃったわけで・・・」 澪「私たち大富豪の仲間入りしちゃいました。」 律「・・・」 ムギ「300億って・・・」フラッ 梓「ちょっと!ムギ先輩!しっかりしてください!ムギ先輩!」 唯「大富豪になってもいつまでも仲良くしてね」 律「も、もちろんだろ!金で友達への態度がかわるわけないじゃん!」 澪「ありがとう、律・・・」 唯「ほら言ったでしょ!りっちゃんは態度変えるような人じゃないって」 澪「そうだ。律武道館ライブしたいって言ってたよな?」 澪「さっき貸切の予約入れてきたからさ。1週間後には律も武道館デビューだぞ!」 律「え」 唯「わーい!よかったねー!りっちゃんっ!!」 律「え?」 律「いや、いいよ、貸切なんて・・・」 澪「なんでだよ?遠慮なんかしなくても・・・」 律「遠慮とかそんなんじゃなくてさ・・・」 梓「そ、そうですよ!貸切でライブしてもお客さんもいませんし!!それじゃあ寂しいだけですし・・・!」 唯「それもそうだね~。だったら無料開放した方がいいかもね。」 澪「そうだな。当日は無料開放だ。」 梓「そうじゃなくって・・・」 唯「言わないで!あずにゃん!私珍しく空気読めたから!」 澪「唯?」 梓「唯先輩・・・?」 唯「確かりっちゃんはこう言ってたと思うんだよ!」 律『いつか満員の武道館でライブを・・・!』 唯「って。だから満員じゃなきゃだめなんだよ!」 澪「なるほど。だったら来場者全員に1万円プレゼントとかしたらいいんじゃないか?そしたら余裕でky」 律「いい加減にしろっ!!!」 澪「律・・・?」 律「いい加減にしてくれ・・・貸切とか・・・1万円キャッシュバックとか・・・」 唯(キャッシュバックじゃなくてプレゼント・・・) 律「武道館なんて金で行ったところで意味がない場所だろ!」 律「自分たちでつかみとってこその武道館だろ!?」 律「なんで夢を金で買わなきゃいけないんだよ!ふざけるのもいい加減にしろよーーー!!」 シーン 唯「あのさ・・・りっちゃん・・・」 律「・・・」 唯「宝くじもさ・・・お金で夢、買ってるよ・・・ね?」 律「ブチッ」 澪「おー上手いこというなー唯。」 唯「えへへ。今日は頭の回転がいいみたい。」 澪「これもお金の力なのかもな!」 唯「世の中お金だね!」 「はははははははははは」 梓(・・・)チラ 律「・・・」 律「―――――お前らけいおん部から出てけ・・・」 澪「え・・・」 唯「今・・・なんて・・・」 律「けいおん部から出てけって言ったんだよ!お前らみたいなのはけいおん部じゃねえよ!」 澪「な、何言い出すんだよいきなり・・・」 唯「そんな悲しいこと言うのやめて・・・」 律「うるさいっ!荷物まとめて出てってくれっ!!」 唯「・・・」 澪「・・・」 4
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/1116.html
なんだろう、この気持ち… あったかくて、ちょっぴりせつないこの気持ちは? 私はあの子が好きだ。 小っちゃくて可愛い、私の後輩。 あの子が笑うと私も嬉しい。 あの子が泣くと私も悲しい。 あの子が他の子と仲良くしてると、ちょっと悔しい。 ずっと不思議だったこの気持ち。 その気持ちの正体が今日やっとわかった。 そう、私はあの子に恋をしてたんだ。 「あずにゃんだ~」 朝、教室へと向かう途中。見慣れた黒髪の女の子を見つけた。 「あ~ず…」 いつもの様に抱き締めようと掛けた声がそこで止まる。 視線の先には知らない誰かと話しながら嬉しそうに笑うあの子。 普段はあまり見せる事のない楽しそうなその顔に 私は掛ける言葉を失くしてしまった。 最近、何度か同じ痛みを感じる事があった。 何だろう、この気持ちは…もやもやして凄く気分が悪い。 「すーはー」 こんな時は深呼吸。 何度か息を吸ったり吐いたりしている内に少し気分が落ち着いてきた。 ふと、あの子の方へ視線を向けると さっきまで話していた誰かは既にその場を離れていた。 気を取り直し、私はあの子に向かって声を掛けた。 「あずにゃ~ん♪」 「にゃうん!?」 「えへへ~、あずにゃん何してるの~」 「もう、唯先輩!いきなり抱きつかないでっていつも言ってるじゃないですか!」 「あはは、そんな照れなくても良いのにぃ」 「照れてなんかいません!」 「あずにゃんは意地っ張りさんだね」 「もう、良いです!私は教室に戻りますから離して下さい」 いつもの私なら笑って離れる所なのに、何故か今日の私は違っていた。 「…やだ」 あずにゃんを抱き締めたまま俯いてそんな言葉を発する。 「え…?」 「…」 「な、何を言ってるんですか唯先輩… もうすぐ始業のチャイムも鳴っちゃいますよ」 「さっきの…」 「え?」 「ううん、何でもないよ…ごめんね」 言いかけて、私は言葉を濁す。 何故、こんなにも胸が痛むんだろうか? 「唯先輩?」 「それじゃあね、あずにゃん!また放課後ね~」 私はそう言って、逃げるようにその場を後にした。 「…唯先輩」 「…何で、あんな事を言っちゃったんだろ?」 「いつもはこんな事ないのに、どうして…」 キンコンカンコン 「あ、チャイム!」 答えが出ないまま、私は自分の教室へと急いだ。 それから、数日が過ぎた。 あの一件以来、私はあずにゃんに抱きつけなくなってしまっていた。 何故かはわからないけれど あずにゃんを目の前にすると体が強張る様になった。 挨拶をしたり会話をする分にはそう問題は無い。 けれど、あの子の体に触れようとすると途端に体が動かなくなる。 「どうしちゃったんだろ、私…」 呟いてみても答えは出ない。 私は小さく溜息を吐きながら部室のドアを開けた。 「こんにちは、唯先輩…あれ、他の皆さんは?」 「澪ちゃんは日直、りっちゃんは部長会議で遅れて来るって」 「ムギ先輩は?」 「ムギちゃんは、私より先に教室を出たはずなんだけど…」 「珍しいですね、ムギ先輩が遅れるなんて」 「うん、だからお菓子とお茶はもうちょっと我慢してね」 「いえ、それは唯先輩にこそ言いたいです」 「てへ」 いつもと変わらぬ、他愛のないそんな会話。 「…じゃあ、皆さんが来るまでギターの手入れでもしておきますかね」 「そだね」 「…」 「…」 あずにゃんと一緒にギターの手入れをする。 今の私は凄くご機嫌だ。 さっきまでのもやもや気分がまるで嘘のようだ。 改めて思う。 やっぱり、あずにゃんと居ると楽しい。 「唯先輩」 「どうしたの、あずにゃん?」 「この間の事なんですけど…」 「この間?」 「はい、廊下で私に抱きついて来た時に、やめて下さいって私が言ったら「やだ」って突っぱねましたよね」 あずにゃんのその言葉で、ほんのちょっとだけ胸がチクッとした。 「…そんな事もあったかな」 「何だか普段と違う感じがして気になってたんです」 「別に何でもないよ…ちょっとあずにゃんを困らせてみたかっただけだよ」 「本当ですか?」 「…」 「それと唯先輩…ここ最近、私に抱きつかなくなりましたよね?」 「!」 あずにゃん、気付いてたんだ。 「私、何かしましたか?」 「え?」 「私、唯先輩に嫌われるような事をしたんですか?」 よく見るとその目尻には涙の粒が光っていた。 「あ、あずにゃん…」 「私、私…」 「ち、違うよ!あずにゃんは何も悪くない!」 「唯先輩…」 「悪いのは私なんだよ」 「…どう言う事ですか?」 「あの時、あずにゃんが知らない誰かと話してて、凄く嬉しそうに笑ってる顔を見てたら何だか胸が痛くなったんだ」 「…」 「それで、あずにゃんに離れてって言われた時に、どうしても離したくない気持ちになってあんな風に言っちゃったんだ」 「…そうですか」 「その時から色々考えるようになって… 何でか理由はわかんないけど、あずにゃんに抱きつこうすると体が強張って動かなくなるんだよ」 「…」 「だから、あずにゃんは何も悪くないよ」 「ねぇ、唯先輩」 「なぁに、あずにゃん?」 「その胸の痛みって、その時が初めてですか?」 「ん、よくはわからないけど…それまでにも何度か似たような事はあったかも」 私はここ最近の事を思い出しながらそう言った。 「…」 「もしかして、何かの病気とかなのかな?」 「…病気、と言えば病気かも知れませんね」 「えぇ!?」 「心配しなくても大丈夫ですよ」 「え、でも病気なんでしょ?」 「病気は病気でも体に害はないですから」 「そうなんだ」 「はい、実は私も同じ病気に掛かってるんです」 「あずにゃんも?」 「私もね、たまにあるんですよ胸がチクッと痛んだり、締め付けられたりする事が…」 「それって、どんな時?」 「そうですね、唯先輩が私以外の人と楽しそうに話してたりするとチクッと来ます」 「ふむ」 「あと、誰彼かまわずに抱きついたりしてるのを見ると胸が締め付けられる感じがします」 「なるほど」 「…ここまで言ってもまだわかりませんか?」 「へ?」 「もう、特別ですからね」 そう言って、あずにゃんが私の肩をグッと掴む。 「あず…?」 戸惑う私を抱き寄せ、あずにゃんがそっと唇を重ねてきた。 『…』 「あずにゃん、何で…」 「…唯先輩の胸が痛む時は、どんな時ですか?」 私の言葉を遮り、あずにゃんが問い掛けて来る。 「えっと、あずにゃんが私以外の誰かと楽しそうにしてる時とか…」 「他には?」 「んと、あずにゃんが私にそっけない態度をした時とかも…」 「…そこから導き出される答えは?」 「あずにゃんのせい」 「50点です、私のせいだと思う理由は?」 「…」 「どうして、私のせいで唯先輩がそんな気持ちになるんですか?」 「あずにゃんが他の人と仲良くするのが嫌だから…」 「どうして嫌なんですか?」 「だって、あずにゃんは私の…」 「私の…なんですか?」 「私の…あ!」 「後輩にここまで言わせないで下さい…私だって、こんな気持ちになったの初めてなんですからね」 「ごめんね、あずにゃん」 「謝罪よりも先に聞きたい言葉があります」 「…うん、そうだね」 「教えてください、唯先輩の気持ち」 「うん、私はあずにゃんの事が好き…大好きだよ」 「奇遇ですね、私もです」 「あずにゃん、何か言い方がずるくない?」 「人にキスまでさせておいて何を言ってるんですか」 「じゃあ、次は私から…」 「ノーセンキュー」 「な、なんでぇ~!?」 「何日も唯先輩分をオアズケさせられたんですよ?唯先輩にも同じ目に遭って貰わないと私の気が済みません」 「それは、私だって同じだよぉ~もう、ずっとあずにゃん分を補給してないもん」 私は泣きそうな声で駄々を捏ねる。 そんな私を見て、あずにゃんはやれやれと方を竦めた。 「だから、ね…唯先輩?」 蕩けそうな甘い表情。 「なぁに、あずにゃん?」 あずにゃんは両手を広げ、私に向かって囁いた。 「イッパイぎゅ~ってしてくれなきゃ、許しませんから♪」 「うん♪」 私達の恋はまだ始まったばかり。 いつか蕾が花咲くようにゆっくりとこの恋を育んでいこう。 そんな、ちいさなこいのうた。 おしまい! ムギはどこに隠れてる -- (名無しさん) 2011-02-27 00 16 19 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/keionbu/pages/93.html
著 者:かきふらい (Kakifly) 出版社:芳文社 (まんがタイムきららWeb) 目次 アンソロジーコミック ストーリーアンソロジーコミック イラスト集 ガイドブック アンソロジーコミック 「けいおん!」アンソロジーコミック みんなでうん☆たん 2009年9月9日発行(「まんがタイムきらら2009年9月号」付録) ◎参加者 かきふらい 大沖 / かにかま / カヅホ / 菅野マナミ / 三上小又 / あどべんちゃら / 勇人 / 比村奇石 牛木義隆 / ニリツ / なかま亜咲 / Ixy / 鈴城芹 / ととねみぎ / えれっと けいおん!アンソロジーコミック 第1巻 2009年12月12日発行 (2009年11月27日発売) ◎内容紹介 (まんがタイムきららWebより) ついに「けいおん!」アンソロジーコミックが登場!4コマだけでなく、イラストやストーリーで繰り広げられる様々な「けいおん!」をお楽しみに!!執筆陣はここのか、石見翔子、大沖、カヅホ、三上小又、むらたたいち他。 ◎主な参加者 ここのか / ほっぺげ / ととねみぎ 石見翔子 / 双 / まりも / シバユウスケ / むらたたいち / かにかま 三上小又 / カヅホ / 大沖 / 桜はんぺん / 爆天童 / 鈴城芹 / リサリサ 荒木風羽 / シガタケ / ms / 玉岡かがり / 榛名まお / 野々原ちき ◎仕様 ページ:120P サイズ:A5判 定 価:860円 (税込) ISBN:978-4-8322-7866-0 ◎芳文社公式 作品紹介ページ リンク:まんがタイムきららWeb けいおん!アンソロジーコミック 第2巻 2010年5月12日発行 (2010年4月27日発売) ◎内容紹介 (まんがタイムきららWebより) 『けいおん! アンソロジーコミック』Vol.2、いよいよ発売!! 前巻では超豪華な作家陣が話題になりましたが、今回もご期待は裏切りませんよーぅ!目印は牛木義隆&POP両先生による超美麗カバー。中身は読んでのお楽しみですっ!! ◎主な参加者 牛木義隆 / POP / 荒井チェリー 黒田bb / しまどりる / しろ / ほた。 / 蛇足せんたろう / カネコマサル / ニリツ 未影 / 仏さんじょ / ほっぺげ / kashmir / 東風実花 / コバヤシテツヤ ぷらぱ / 志摩時緒 / 桜はんぺん / 原悠衣 / ねことうふ / 小林徹郎 ◎仕様 ページ:120P サイズ:A5判 定 価:860円 (税込) ISBN:978-4-8322-7908-7 ◎芳文社公式 作品紹介ページ リンク:まんがタイムきららWeb けいおん!アンソロジーコミック 第3巻 2010年9月10日発行 (2010年8月26日発売) ◎内容紹介 (まんがタイムきららWebより) 「けいおん! アンソロジーコミック」大好評にお応えしていよいよVol.3が登場!! カバーイラストからいきなりごとP先生&とりしも先生という超豪華仕様でお届けします! カバー&表紙で早くも大満足の予感!? もちろん本文もファン垂涎の作品ばかり!! きららMAXで掲載された各作家2ページのショートアンソロジーも収録し、完全無欠の第3弾!! ◎主な参加者 (カッコ内の数字は初出の号数) ごとP / とりしも / ととねみぎ CUTEG / ms / eco* / ふゆの春秋 / 羽鳥にわとり / 真未たつや / 原悠衣 石見翔子(6) / 玉岡がかり(6) / 鈴城芹(6) / セレビィ量産型(7) / こむそう / 守姫武士(7) 湖西晶 / はしもとしん(8) / 玉置勉強 / 珍獣モリリン(8) / ぷらぱ(7) / みそおでん(8) hajime / 蛇足せんたろう / よしむらかな / 源五郎 / Shige / なぐも。 ◎仕様 ページ:120P サイズ:A5判 定 価:860円 (税込) ISBN:978-4-8322-7936-0 ◎初出一覧 ● まんがタイムきららMAX H22/6月号~8月号 ● 描きおろし ◎芳文社公式 作品紹介ページ リンク:まんがタイムきららWeb けいおん!アンソロジーコミック 第4巻 2011年6月11日発行 (2011年5月27日発売) ◎内容紹介 (まんがタイムきららWebより) 「けいおん!アンソロジー」の第4巻がついに登場!表紙イラストは、きららフォワードで「となりの柏木さん」を大人気連載中の霜月絹鯊先生! きららレーベル初登場のむりりん先生や道満晴明先生をはじめ、未影先生、大沖先生、茶菓山しん太先生、ほた。先生 and more…!総勢29名の超豪華ドッキドキ執筆陣でお贈りする第4巻です!! ◎主な参加者 (カッコ内の数字は初出の号数) 霜月絹鯊 / むりりん / 大沖 / 道満晴明 日向あずり / フジシマ / 菅野マナミ / まご / ドア / さくやついたち / ニリツ 茶菓山しん太(11) / ほた。 / 水あさと / 博 / りおし / 柚木ガオ / BeLL シバユウスケ / Koi / 美月めいあ / 樹人(9) / くろば(9) / 榛名まお(9) 小林徹郎(10) / 仏さんじょ(10) / 白雪しおん(10) / 真田一輝(11) / 未影(11) ◎仕様 ページ:120P サイズ:A5判 定 価:860円 (税込) ISBN:978-4-8322-4032-2 ◎初出一覧 ● まんがタイムきららMAX H22/9月号~11月号 ● 描きおろし ◎芳文社公式 作品紹介ページ リンク:まんがタイムきららWeb けいおん!アンソロジーコミック 第5巻 2011年10月12日発行 (2011年9月27日発売) ◎内容紹介 (まんがタイムきららWebより) 「けいおん!」アンソロジー早くも第5巻が登場!カバーイラストの小波ちま先生&Ixy先生をはじめとする気鋭の作家陣が、唯たちのふわふわティータイムから大胆ギャグまでを描きます。進化する「きらら」のおくる最新アンソロジーを見逃すな! ◎主な参加者 ■表紙 小波ちま / Ixy / 鈴城芹 ■イラストギャラリー nauribon / すばち / 娘太丸 / パインパ / 鳩春 / モスコ / あさぎり ■漫画 原悠衣 / タチ / 西瓜割 / やとさきはる / 筋肉☆太郎 / あらた伊里 / 武シノブ / 鴻巣覚 うすめ四郎 / かにかま / 松田縞 / 鴨鳴 / のぞ美 ◎仕様 ページ:120P サイズ:A5判 定 価:860円 (税込) ISBN:978-4-8322-4065-0 ◎芳文社公式 作品紹介ページ リンク:まんがタイムきららWeb まんがタイムきららいちまるまる 100にまつわるエトセトラ 一富士二鷹三なすび 百ムギ 収録 2012年3月9日発行(「まんがタイムきらら2012年3月号」通巻100号 別冊付録) ストーリーアンソロジーコミック けいおん!ストーリーアンソロジーコミック 第1巻 2011年12月11日発行 (2011年11月26日発売) ◎内容紹介 (まんがタイムきららWebより) 大人気作品「けいおん!」のストーリーアンソロジーが発売! 1・2巻同時発売の第1巻は、「まんがタイムきらら」にて大好評連載中の唯たち大学生組が中心! カバーは牛木義隆、そして霜月絹鯊、浜弓場双、卯花つかさ、ととねみぎら豪華執筆陣によって描かれるストーリーアンソロジーならではの「けいおん!」ワールド、必見です! ◎仕様 ページ:120P サイズ:A5判 定 価:860円 (税込) ISBN:978-4-8322-4085-8 ◎芳文社公式 作品紹介ページ リンク:まんがタイムきららWeb けいおん!ストーリーアンソロジーコミック 第2巻 2011年12月11日発行 (2011年11月26日発売) ◎内容紹介 (まんがタイムきららWebより) 「けいおん!ストーリーアンソロジーコミック」第2巻はきららキャラットで連載中の梓たち高校生組のアンソロジー!CUTEG、ゆーげん、ハノカゲなど豪華執筆陣!楽しさいっぱい「けいおん!」アンソロジーワールド、どうぞご覧あれ! ◎仕様 ページ:120P サイズ:A5判 定 価:860円 (税込) ISBN:978-4-8322-4086-5 ◎芳文社公式 作品紹介ページ リンク:まんがタイムきららWeb けいおん!ストーリーアンソロジーコミック 第3巻 (2013/2/27発売予定) ◎内容紹介 (まんがタイムきららWebより) 映画も大好評の「けいおん!」に、待望のストーリーアンソロジー第3弾が登場! 執筆陣には浜弓場双、モタ、しらび、草野紅壱など、人気作家が勢ぞろい。放課後ティータイムの5人はもちろん、「college」「highschool」のメンバーも活躍します。お見逃しなく! ◎仕様 ページ:120P サイズ:A5判 定 価:860円 (税込) ISBN:978-4-8322-4266-1 ◎芳文社公式 作品紹介ページ リンク:まんがタイムきららWeb イラスト集 けいおん!超イラストレーションズ! Vol.1 2010年2月11日発行 (2010年1月27日発売) ◎内容紹介 (まんがタイムきららWebより) 大ヒット作品、「けいおん!」の超豪華イラスト集ついに発売!表紙は、かきふらい先生描き下ろし!「まんがタイムきらら」2009年1月号から12月号までの表紙を飾った、かきふらい先生のイラストを完全収録!牛木義隆、尾崎弘宜、武田すん、かんざきひろ、魚、高橋てつや、瀬口たかひろ、東雲太郎、E=MC2、原田たけひと、藤真拓哉、絶叫(敬称略)…など、総勢40名の超豪華クリエーター陣によるトリビュートイラスト!フルカラー折り込みピンナップも付いて、総ページ数120ページ!全ての「けいおん!」ファンに贈る、待望の一冊! ◎主な参加者 牛木義隆 / 尾崎弘宜 / 武田すん / かんざきひろ / 魚 / 高橋てつや / 瀬口たかひろ / 東雲太郎 / E=MC2 / 原田たけひと ◎仕様 ページ:120P サイズ:A4判 定 価:2500円 (税込) ISBN:978-4-8322-7881-3 ◎芳文社公式 作品紹介ページ リンク:まんがタイムきららWeb ガイドブック けいおん!テレビアニメ公式ガイドブック ~桜高軽音部活動日誌~ 2010年1月2日発行 (2009年12月18日発売) ◎内容紹介 (まんがタイムきららWebより) テレビアニメ「けいおん!」の唯一の公式ガイドブックが遂に登場! 初公開の絵コンテを交えた詳細な各話解説や、スタッフ・キャストインタビューなど、ビジュアルも記事も盛りだくさんの内容でお届けします! ◎仕様 ページ:128P サイズ:A4判 定 価:2500円 (税込) ISBN:978-4-8322-7870-7 ◎芳文社公式 作品紹介ページ リンク:まんがタイムきららWeb けいおん!!テレビアニメ公式ガイドブック ~桜高軽音部メモリアムアルバム~ 2011年3月5日発行 (2011年2月18日発売) ◎内容紹介 (まんがタイムきららWebより) TVアニメ「けいおん!!」の唯一の公式ガイドブックがついに登場!絵コンテや監督コメントを交えた詳細な各話解説の他、スタッフインタビュー、キャストインタビューなどの記事も大充実。「けいおん!!」の魅力を余すところなく伝える、ファン必携の一冊です! ◎仕様 ページ:224P サイズ:A4判 定 価:3000円 (税込) ISBN:978-4-8322-7994-0 ◎芳文社公式 作品紹介ページ リンク:まんがタイムきららWeb 映画「けいおん! 」公式ガイドブック ~桜高軽音部 Travel Diary~ 2013年1月10日発行 (2012年12月26日発売) ◎内容紹介 (まんがタイムきららWebより) 映画「けいおん!」の唯一の公式ガイドブックがついに登場!印象的なシーンの数々を豊富な場面カットと詳細な解説を交え、徹底的に掘り下げます。キャスト、スタッフへのインタビューも大充実。ファン必携の一冊です! ◎仕様 ページ:128P サイズ:A4判 定 価:2500円 (税込) ISBN:978-4-8322-4246-3 ◎芳文社公式 作品紹介ページ リンク:まんがタイムきららWeb ページの先頭に戻る
https://w.atwiki.jp/83452/pages/10638.html
唯「…どこいくの?」 唯ちゃんが小さく呟くのとほぼ同時に、目的のお店が見つかりました。 紬「あ! あったわ!」 唯憂『わあ~~~~…』 紬「ここは駄菓子屋さんよ」エヘン 以前律ちゃんに連れてきて貰った駄菓子屋さん…その時のワクワクした思いを二人に感じて欲しくて連れてきました。 二人は雑然と並べられた駄菓子に興味深々です 憂「これ何ですか?」 紬「えっとね…水飴よ」 憂「水飴」 紬「やってみる?」 紬「んとね…割り箸を…こう」 グニグニグニグニ… 紬「にょーん と」 ニョーーーーーン 憂「ふわあ…んしょ…」 グニ グ ニ グ ニ 憂「…うまくできない」 紬「ちょっと難しいかしら~」 憂「わあっ! おねえちゃんすごーい!!」 唯「ん ん ん ん ……」 グニグニグニグニグニ 唯「んーーーーーっ!!!」 ニョーーーーーーン! 紬「ほんと!唯ちゃん上手ぅ~」パチパチパチ 唯「………///」テレテレ トロー 憂「あ! 垂れちゃう!」 唯「あ…」 紬「唯ちゃん!パクって!」 唯「!」パク 紬「…おいしい?」 唯「…うん あまい…」 紬「ふふふ 良かった!」 トテテ… 唯「…これ 食べたい…」 憂「キレイな色だね」 紬「んっと あんず飴ね ちょっとすっぱいかもしれないわ…平気?」 唯「…うん…平気…」コクコク 紬「…はい! あんず飴で~す」 憂「わあ ありがとう!」 唯「……ぁ ぁりが…と…」 紬(………) 憂「?ムギおねえさん?」 紬「…あ!ごめんなさい ぼ~っとしちゃって」 憂「?」 紬「じゃあ!いっせいのせで食べようか」 憂「うん」 唯「……」コク 紬「…せーの…」パク 唯「……」パク 憂「……」パク 唯憂『~~~~*』 紬「あらあら~ 二人とも大丈夫?」 憂「うん すっぱいけどおいしい」 唯「……うん…おいし…」 紬「うふ よかった」 紬「うふ ほらほら~」べー 憂「わ まっか」 唯「…ういも」 憂「おねえちゃんもだよ」 紬唯憂『…………』 紬憂『………ぷ あははは』 唯「……えへへ…」 紬「あ 初めて笑ってくれたね」 それから公園に戻って、鬼ごっこです。 紬「よ~し、捕まえちゃうぞ~」 憂「きゃー♪」タタタ 唯「……にげる」タタタ 紬(……唯ちゃんは…) 駄菓子屋さんで少しだけ見せてくれた笑顔は、公園で遊んでいる間、見せてくれませんでした。 …そして… 『…5時になりました。よい子の皆さんは 暗くなる前におうちに帰りましょう…』 公園に設置されたスピーカーからの音声が、児童の帰宅を促します。 紬「寒くなってきたね」 この時期だとこの時間、お日様は沈み、ぐっと気温が下がります。 紬「…そろそろ バイバイだね」 憂「…はい 今日はありがとうございました」ペコリ 丁寧にお辞儀をする憂ちゃん。その傍らでモジモジと何かいいたげな唯ちゃんです。 唯「………やだ」 紬「ん?」 唯「やだ…もっと あそぶ…」 そう言うと、今にも泣き出しそうな顔で私のスカートの裾を離してくれません。 紬「あらあら…」 憂「わがまま言っちゃダメだよ おねえちゃん…お父さんお母さんに怒られちゃうよ…」 唯「やだ!もっとあそぶの!」イヤイヤ 憂「おねえちゃん…あ…」 …雪が降ってきました… 憂ちゃんが声を上げ、見上げた空から白い雪が降ってきました。 唯「…ゆき……は…はっくしょん!」 私は唯ちゃん目線の高さにかがみ、優しく抱きしめます。 ギュッ 唯「あ…」 紬「抱きしめてあげると…どちらも幸せな気分になるの…あったかい?」 唯「…うん」 いつもあなたがしている事よ…そう思いながら優しく抱きしめます。 紬「…風邪ひいてお熱出ちゃうから…今日はもう帰りましょ…ね?」 唯「う ぐす…や…やぁだ…」グス 紬「…また会えるから…その時は…また遊びましょう」 唯「…ほんとに…グスン…また…うぐ…会える…?」グスグス 紬「うん!きっと」ニコ 唯「………わかた」コクコク 少し考えて唯ちゃんは頷いてくれました …きっと会えるわ。 途中のコンビニで少し大きめの傘を買って3人で入ります。 憂ちゃんと色々な話をしましたが、唯ちゃんは何もしゃべってくれません… 紬「あ この角曲がればおうちかな」 憂「えっ…ムギおねえさん おうち知ってるんの?」 紬「ムギおねえさんは何でも知ってるの~」 これが夢でも…不思議な現実でも…もうすぐお別れです… 唯「へぐ…い いっちゃやあ だあぁ」 紬「…さっきも言ったけど、きっとまた会えるから…」 唯「あ あじだ?」ヒクエグ 紬「うーん…いつかは分からないけど、必ず会えるわ」 唯「ひぐ…………」 紬「きっと……約束するわ」 じっと私の目を見つめる唯ちゃん…涙を溜めたその瞳は街灯の灯りを受けて、キラキラしていました。 唯「…わかた…」グス ギュッ 私はもう一度唯ちゃんの小さな身体を抱きしめます。 紬「…ムギおねえさんのお友達にもね、唯ちゃんているのよ」 唯「……」 紬「その子はいつも笑顔で…がんばりやさんで…暖かくて…優しくて…」 唯「……」グス 紬「そんな唯ちゃんが私大好きなの…とても大切なお友達よ」 唯「……ゆいも…」 紬「ん?」 唯「…ゆいもそうするから…だから…」 紬「……」 唯「ムギおねえさんの大切な友達に…してくれる?」グス ギュッ 紬「もちろん!約束!」ニコ いじらしくて…思わず目頭が熱くなります…でも泣いちゃいけない 紬「ほらほら~唯ちゃん 笑って」 唯「(グシグシ)…うん!」ニコ 傘は憂ちゃんが持っていたのでお互いにうっすらと雪が積もり、辺りは一層冷え込んでいたけど… 心が暖かくなるような… 一番の笑顔でした 紬「じゃあね 唯ちゃん 憂ちゃん」 憂「色々ごちそうさまでした」ペコ 唯「ぜったいだよ!ぜったいまた会おうね!」 軽く頭を下げる憂ちゃん。 ぶんぶん手を振る唯ちゃん。 角を曲がる二人の姿を見送りながら…雪が振り続ける路上で1人手を振ります。 紬「…1人になっちゃった…どうしようかな…」 誰かと一緒というのはとても暖かくて…優しくて…だから途端に1人になるととても寂しくなります。 紬「…家に行ってみようかしら?…でも過去の世界なら幼少期の私がいるはずだから…」 そんな事を考えながら、とりあえず駅へ向かいます。 「家に行けば何とかなる」 そう決めた私は閑散としたホームで電車を待ちます。 程なくして、 乗り慣れたカラーリングの車両がすべりこんで来ました。 紬「…あら?」 この時間の割にほぼお客さんが乗っていない事に違和感を覚えながら、座席に腰かけます。 紬「ふう…」 紬「…小さい唯ちゃんと…憂ちゃんと会って…遊んで…」ウトウト 紬「…ふふ…」 今日の出来事を思い返すと、自然と笑みがこぼれます…でも… あの子は…唯ちゃんは… あの後笑ってくれるかしら… 切なくて… 少しだけ涙がこぼれました。 …そして、また夢の中へ 紬「夢の中で…また夢をみるのかしら?…それとも…」 「……ん……ちゃん……て!…」 紬「……ん……うん?」 唯「あっ!ムギちゃん起きた!エヘヘおはよう」 紬「…唯ちゃん?あら?」 そこは見慣れた音楽室でした。そして見慣れた大切な人達の顔… 唯「ムギちゃん平気?怖い夢でも見たの?」 律「なんだ?自分の人生が逆転する夢でも見たのか?」 とても楽しい…ちょっとだけ悲しい夢だったような気がするけど… 思いだせません …でも…なぜか私は泣いていました… 紬「ごめんね律ちゃん…どんな夢だったか…よく覚えてないの」 唯「はい!使って!」 いうと唯ちゃんはハンカチを差し出してくれました。 紬「ありがとう……あ…」 唯「ん?どうしたのかな?古いハンカチだけど汚くないよね?」 紬「ううん 違うの …ただこのハンカチを見た時…すごく不安で…でも嬉しくなって…なんでだろ…」 唯「そっかー…でもきっといい事なんだよ!」ニコ 紬「…クス…そうね」 律「よっし!ムギも起きた事だしお茶にするべ!」 梓「はあ…練習しましょうよ…」 紬「うふふ 梓ちゃんも 美味しい紅茶いれるから~♪」 梓「は はい」 澪「なんだ?起きたと思ったら随分ご機嫌だな」 紬「うん!なんかね!大切な人との約束をお互いがちゃんと守れたような気がするの!こんな素敵な事ないもの~」 澪「??」 やっぱり夢の中のお話は思い出せないけど… 私は夢の中で出会った誰かと 約束をお互い守って… それぞれが笑って過ごしている… そんな気がします。 唯「ムギちゃんの煎れた紅茶は今日も至極の味だね♪」ニコ 紬「うふ ありがとう」ニコ 終わり 戻る
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/2554.html
次の日 音楽室 澪「この通りだ!許してくれ律!」 律「お、おい!なんだよ澪!頭あげろって!!」 澪「昨日の私はどうかしてたよ!平民どもを見下すなんて!本当にごめん!」 律「わかったから!わかったから頭あげてくれ!」 澪「許してくれるのか・・?」 律「もちろんだよ。あたしら親友じゃないかよ!」 澪「律・・・ありがとう・・・」 律「それに私はしってたんだぞ?お前がベース置いていった時からきっと帰ってくるって!」 澪(あ、忘れてたよベース・・・) 律「まぁ、これからも変わらずによろしくな」 澪「もちろんだよ。」 唯「これでけいおん部も元通りだねー!」 梓「唯先輩・・・実はそれが元通りじゃないんです・・・」 唯「えっどういうこと?」 梓「じつは・・・ムギ先輩ー!出てきてください、ムギ先輩ー!」 ムギ「は、はじめまして・・・」 唯「は・・・」 澪「はじめまして・・・?」 律「実はムギが記憶喪失になってしまったんだよ・・・」 ムギ「・・・」 唯「そんな・・・私のこと覚えてないの!?」 ムギ「コクリ」 澪「私は!?私の存在感なら忘れたくても忘れられるわけが・・・」 ムギ「すみません・・・」 唯「そんな・・・来週から修学旅行なのに・・・こんな状態ってかわいそうすぎるよ・・・」 澪「キーボードは!?弾けるのか!?」 律「キーボードは弾けたよ。基本は日常生活には支障は無い。」 澪「よかった・・・ムギのキーボードが欠けたらHTTじゃなくなるしな・・・」 澪「修学旅行までに治るといいな」 ムギ「ありがとうございます。」 唯「無理しちゃ駄目だよ?病人なんだから・・・」 そして部活終了後 唯「帰るかー!」 澪「あ、ごめん。私と律はちょっと残るからさ、先にかえっててくれ」 律(え・・・///) 梓「わかりました。」 唯「じゃあムギちゃんは私たちが送ってくね!」 ガチャ 律「な、なんだよ・・・いきなり残るなんて聞いてないぞっ?」 澪「私昨日からずっと律に悪いことしちゃったなって思っててさ・・・」 律「だ、だからあれはもういいって!!許したからさ!!」 澪「私律を傷つけちゃって・・・どうやって責任取ろうか・・・ずっと考えてて・・・」 律「せ、責任なんて!!何言ってんだよ!友達だろ?」 澪「だったら、私のほんのちょっとの気持ちを受け取ってほしいんだ。」 律(え・・・///) 澪「受け取ってくれるか?」 律「気持ちって・・・なんだよ・・・?それによる!!」 ぎゅっ 澪がそっと律の手を握る 律「澪・・・///」 澪「・・・ありがとう。受け取ってくれて。」 律の手には1枚の小切手が握られていた。 律「なんだこれ・・・」 律(紙?ラブレターでもなさそうだし・・・) 澪「私のほんの気持ちだ!」エヘン 小切手「¥30,000,000」 律「・・・」 澪「大好きだよ、律。」 律「お前・・・」 澪「ん?」 律「やっぱりまったく反省してないな・・・土下座の時から平民どもとかいったりおかしいとは思ってたけど・・・」 澪「な、何言ってんだよ律・・・そ、そうか!足らなかったんだな!だ、大丈夫!こうやって0を一つ足せば・・・ああぁぁ!!『,』がズレたぁぁ!!」 律「だいたいベース忘れてく時点で軽音楽に未練ないの見え見えなのに・・・」 律「なんで戻って来たんだよ?」 澪「み、みんなでけいおん部・・・やりたくて・・・」ウルウル 律「おうおう。これからは履歴書の特技の欄に“嘘泣き”って書けるなぁ澪ちゃん!」 澪「・・・」 澪「ギロ…」 律「ひっ」 澪「まったく・・・友達だと思ってたのにさ・・・」 澪は手にある小切手をビリビリと破り捨てた。 澪「どうしても仲良くできないのか?」 律「ああ、無理だね。」 澪「ムギがあんな状態なのに・・・友達の事もう少し考えたらどうだ!」 律「答えはさっき言ったぞ。こんな成金ごめんだね!」 澪「・・・」 澪「成金だとォ・・・?」ギロ 律「ひっ」 澪「お前・・・私に向かって成金だと・・・」 律「じ、実際そうだろ!宝くじ当てただけじゃねえか!!」 澪「大富豪の私に向かってどの口がそんな事をほざきやがったアアアア!?」 澪「この私が土下座までしてっていうのに!つけあがるな!私の傷ついた心を返せ!」 澪「謝罪しろ謝罪!!」 律「お前ちょっとおかしいだろ!?怒りを通り越して心配になってきたぞ・・・」 澪「平民のくせに私をキチ呼ばわりするなあああ!!」 律「お、おちつけ澪!別にキチ呼ばわりなんかしてないって!」 澪「したじゃないか・・・私をキチ扱いした目で見たじゃないか・・・」 律「きのせい!それは気の所為だ!まずは落ちつけ!な?」 澪「はぁ・・・はぁ・・・」 律「お前は大金を手にしておかしくなってるだけだ。だからまず冷静になってくれ。」 澪「おい、今私のこと池沼だって思っただろ。」 律「思ってないから!それに池沼は唯一人で十分d」 ガララ 唯「・・・」 律「唯!?」 唯「りっちゃん・・・今何の話をしてたのかな?」 律「えっと・・・その・・・」 カチッ 『思ってないから!それに池沼は唯一人で十分d』 カチッ 律「ボイスレコーダーだって・・・?澪、お前なんてもの持ち歩いてんだよ・・・」 澪「私会話を24時間記録してるんだ。」 律「なんだよそれ・・・完全に人間不信じゃんかよ・・・」 澪「あ、私は唯の悪口言ってないぞ。こいつで証明できる。1億賭ける」 唯「やっぱり私の悪口言ってたんだね、りっちゃん・・・」 律「えっと唯、これは誤解なんだ!言葉のあやというか・・・」 唯「なにが言葉のあやだよ!りっちゃん私の事池沼だって思ってたんだ!」 律「いや、ち、違・・・」 澪「違くないだろ。いい加減認めろよ、律。」 律「澪・・・」 唯「・・・」 律「唯!信じてくれ!私お前のこと本当に友達だって思ってるんだよ!?」 澪「“思ってた”の間違いじゃないの?」 律「澪ォ・・・」ギリッ 澪「なんだよその目は。」 律「一回信じた私が馬鹿だったよ。お前はもう完全に芯まで腐っちまってたみたいだな・・・!」 澪「ほざけ、平民が!」 唯「もうけいおん部もおしまいだね・・・人間関係ぐっちゃぐちゃだよ・・・」 澪「一部の狂った奴のせいでな。」 律「あぁ、それに関しては同感だな・・・!痛ぇっ!」 唯「あずにゃんがかわいそうだよ・・・」 律「それにも同感だな・・・!痛ぇぇ!!」 そして、修学旅行の日がやってきました! 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/05/04(火) 21 23 14.73 ID Gnyi7ZPWO 律は何を痛がってるんだ? 57 指を踏まれてます。 6
https://w.atwiki.jp/83452/pages/9338.html
戻る 素晴らしい。 -- (はいごちそうさまー!) 2010-11-26 01 08 37 夜中にラーメンの話読んじゃいけないね。 近所にラーメン屋あるだけに余計行きたくなる。 -- (名無しさん) 2010-11-26 01 20 57 唯のゲーロが食べたい -- (名無しさん) 2010-11-26 01 34 08 腹一杯になりそうだ。 -- (通りすがり) 2010-11-26 06 50 11 なんか泣けた。 イリヤはこの話だけ浮いてるけどなw -- (名無しさん) 2010-11-26 09 27 04 非常に感動した。 -- (名無しさん) 2010-11-26 09 41 13 元ネタ知らないけど面白かった -- (名無しさん) 2010-11-26 18 37 10 元ネタ懐かしいな… この話が前振りなんだよな… -- (名無しさん) 2010-11-26 21 49 18 感動しますた -- (名無しさん) 2010-11-27 19 43 38 元ネタ知らなかったけど元ネタ知ってたら面白くなさそうだな -- (名無しさん) 2010-11-27 20 29 08 如月十郎かっこいい -- (名無しさん) 2010-11-29 00 48 57 元ネタ知ってると余計に楽しめるぞ 使い方がうまい -- (名無しさん) 2010-11-29 00 57 10 元ネタ懐かしすぎるww -- (名無しさん) 2010-12-01 15 12 36 感動した 読むだけで腹いっぱいになるなこれ -- (水素ポケガイ) 2011-02-24 05 09 35 元ネタ知らなかったけど面白かった。 なんか無性にラーメンが食いたくなってきたw -- (名無しさん) 2011-02-24 15 58 48 結構楽しめたんだけど -- (名無しさん) 2012-05-31 23 19 18 馬鹿馬鹿しい話だし、元ネタも知らんが照明器具に頭を突っ込むおっさん等表現に笑いと迫力がある。 なかなか面白かった。 -- (名無しさん) 2012-06-18 12 46 17 唯の「ごはんはおかず」への拘りワラタ -- (名無しさん) 2012-06-21 14 28 36 何度見ても腹が減る -- (名無しさん) 2012-07-04 05 17 27 唯律澪の感動した! あのラーメン屋いってみたくなった -- (おすし!) 2012-08-25 22 29 49 普通に面白かったぞ -- (名無しさん) 2012-09-24 01 43 08 律唯かっこよすぎ -- (名無しさん) 2013-04-12 11 04 35 こいつら体重… -- (名無しさん) 2014-04-04 11 51 17 これ、結構好きだ。 たまに見てしまう。 -- (名無しさん) 2014-04-05 01 48 00 懐かしく読めて楽しかった 途中から原作ママの部分があるのは大丈夫なんだろうか…… -- (名無しさん) 2014-04-05 02 46 51 何も考えずに読めるのがいいね。 たまに訪問します。 -- (名無しさん) 2014-07-22 01 16 46 食べても太らない体質が大苦戦するラーメンって一体…。 -- (タコヤキボール) 2014-08-03 14 14 05 これ、割と好きなんだよなぁ。 個人的には介抱するムギに魅かれた。 -- (名無しさん) 2015-03-12 20 53 04 最後の唯と律の一騎討ちのシーンが好きだなぁ。 -- (名無しさん) 2015-03-14 15 41 12 面白いなこれwww -- (桜) 2015-03-15 18 34 54 これは面白い。 澪ちゃんが意外に頑張る。 -- (名無しさん) 2016-02-07 22 11 26 圧倒的に面白い -- (名無しさん) 2016-06-01 15 49 25 元ネタ=このssって感じの認識だ。 それだけ面白いし好きだ。 -- (名無しさん) 2016-06-26 23 18 51 正直元ネタより好きだったりしますハイ ラストが好きだなけいおんらしくて -- (名無しさん) 2019-06-30 20 18 47
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/14.html
風邪薬 fQRCEwGZ 梓にとって最高の薬は 「はぁ・・・、今日も唯先輩に冷たく当たっちゃったかな・・・」 pwLIA/pU 突然訪れてきた唯に梓は 唯の不満は… 4RCQEXZv 付き合い始めた梓への唯の不満とは 「やっほ~・・・って、あ!あずにゃんいたー!」 a/puQX1V 一緒にとある漫画を読むことが習慣となっている二人 梓「ん…あれ…?」 AgPLWSrN 学祭の後目を覚ました二人は 愛のままにわがままに私は君だけを傷つけない MSgJ/teo 恋人の唯を待つ梓が目にした光景は あずにゃんペロペロ QojdezKV 唯梓と律澪と和憂 唯『私…あずにゃんのことが好き。ずっと、ずっと大好きだった…だから、私と…付き合ってください』2Ui6O3Zp 時間を経て本当の想いに気がついた梓は Strange Dream Or2s1Gdl 梓が見た夢と、その不安 梓と唯のデート(リレー?連作?) 唯と梓のラブラブデート 憂「丸一日書き込みないとか終わりが近付いて来てるね」 AF7duk8C その日は木枯らし一号が記録されるほど冷え込んだ日だった。 po9m4ons ホカにゃん あなたにとっての一番 5yXzl/32 望むことと望むと思うこと ある冬の朝 4uRKgXUf 早朝お迎え唯 うらおん!のうら uwtLijiD 唯梓@うらおん無人島 今日は11月27日。それは世間一般ではいつもとなんら変わらない平日。 m0pc2BfR とっておきのプレゼント 寝誕生日 tMlZjWxy いちゃらぶえっち 唯あずの戯れ nYA7QURz 部室でいちゃいちゃ 紬「唯ちゃんケーキよ、あーん♪」 Uq9wlniE 嫉妬あずにゃん 赤橙 zWqK1C6r 一人になった軽音部で、二人 5年越しの… Z+xdJpsn 数年ぶりの再会から… 女神の微笑 dtfaAOIj ムギちゃんマジ女神 天使の微笑 Z+xdJpsn(上の続き的) 唯梓マジ天使 一足早いプレゼント 6Akr1vyV 総受け律と唯梓 律澪、唯梓合同SS z3tA9Y8t(律×澪スレにも同時投稿品) 唯梓と律澪 大きさ≠愛 SWyRooUS おっぱい星人疑惑 さすが!総帥はすごかった 1aoD37D6 髪を下ろした梓に唯は・・・ ゆいあず、あーんネタ、からの f0dy9yMz 突然のあーん ささやかなプレゼント bhdNbPkB なし崩しとんとん拍子 ポッキーの日 CA6Hftkg 唯わん×あずにゃん NPyt3xGX 素直になれない lwdVV6Fz(別ENDあり*おそらく書き手は別2ONgGNLI) 好きか嫌いか oODPkcOa クリスマスの終わりに VCp1OMvT 唯の支えに ZVSl/WkS 君を見てるといつも… VX2Q7L9O こんにちは中野梓です。1vK9ajJL 唯☆梓☆初詣 lmMduaBw 年越しパーティー! gbb53RZz 愛し合う二人 TSClDanO すべり台ゆいあず EZ7MbPUo (これ発祥) すべりだいゆいあず kpeETcyy(これ発祥) I love you,you love me? m9rtAlJh 想い uOndU2Mj は~やく明日にな~れ qBKZvmKu 甘えられるより 甘えたい ImgJJSAq ゆいあず、あずにゃんモチ焼きネタ ls7RVoUB 愛しのあの人とデートなのですから cTmlK/5s 【軽音部熱愛スクープ】1L8yvQ3AO 想い(続編) RtT7utgkO その背中 Lovg7Djn0(14話のこたつシーン発祥) 私の方こそ数えきれないほどのものを貰っています ZpZcKqWX0 飲み過ぎは禁物です Zp745EjWO おくれてきたもの oWpNIQK60(スレ5つながりあうものに続く) MUSIC GIRL bek0WS7JO ウメネタ3 nM/plX9Z0
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/2019.html
「リンゴと苺とバナナ…。うーん、果物はこれくらいでいいかな?」 本日は全国的に2月14日のバレンタインデー、事の発端は約2週間ほど前へと遡る。 2月にも入るとテレビでは毎年恒例のバレンタインデー特集がどの番組でも組まれていた。 たまたまその時見ていた番組で取り上げられていたのは噴水状のチョコレート、 いわゆるチョコレートファウンテンという奴だった。 それを隣で見ていた恋人が今年はこれをやりたいと言い出した。 最初は面倒臭そうなので断ろうとしていたけど、結局最後は私が折れる事になった。 付き合い出してから結局いつも肝心なところでは弱いんだよね。 これも惚れた弱みって奴なのかな? という訳で、本日の予定はそのチョコファウンテンを使った二人っきりのバレンタインパーティー。 そして今はその準備の買い物中な訳なのだ。 「えーと、マシュマロはお菓子コーナーだから…」 買い物カゴの中身と手元のメモを確認して次の売り場へと向かおうと思ったその時、 何やら背後に不穏な気配を感じた私はそっと振り向いた。 「あ…」 こっそりとアイスを買い物カゴに入れようとしていた今回の言い出しっぺは「バレちゃった?」みたいな顔で笑ってる。 「唯先輩…、何してるんですか…?」 「えっと、あ、アイスも食べたいなーって!」 私の冷たい口調に彼女は目を逸らし慌てて答える。 「駄目です!今日はチョコレートがあるんだからアイスはいりません!」 「えー、アイスも美味しいよ?」 「そういう問題じゃありません!そもそも家に帰ればこの間買ったカップアイスが残ってるじゃないですか!」 「だって…、アイスにもチョコかけてみたかったんだもん…」 「だってじゃないです、ちゃんと戻してきて下さい」 「ぶー、あずにゃんのケチー」 唯先輩はしょんぼりした姿でアイスを元の場所に戻しに行こうとする。 「…一つだけですよ。溶けちゃうからアイスは最後に買いましょう」 私ってホントに弱いなぁ…。 「あ、あずにゃーん!!」 「ちょ、ちょっと!!こんなとこで抱きつかないで下さい!!」 人目も憚らずに私をぎゅっと抱きしめてきた唯先輩を慌てて引き離す。 「あ、でも一個じゃ駄目だよ二個買わないと!」 「え、なんでですか?」 「だって、あずにゃんの分も買わないと!」 ああ、ホントのホントに弱いなぁ…。 ちょっとそんな事言われただけで堪らなく嬉しくなっちゃうくらい、 どうしようもない程に私は恋している。 買い物を済ませ帰宅し、早速準備へと取り掛かる事にした。 とりあえず材料を取り出してキッチンに二人並んで下拵えをする。 買ってきたフルーツをそれぞれ小さく一口大にカット、 トーストはキツネ色になるまで焼いてサイコロ状に切っていく。 「唯先輩、つまみ食いしちゃ駄目ですからね?」 「ぎくっ!み、見てた?」 「見てなくても唯先輩のする事くらい分かります!」 どれだけ私が貴女のことを見てきたと思ってるんですか。 「ま、まぁまぁ、あずにゃんも一口どうぞ」 そう言って苺を摘んで私へと差し出す。 「そんなんで誤魔化されま…むぐむぐ」 なんだかんだで大人しく食べさせられて誤魔化されてしまった私。 今日はなんだかこんなのばっかりだなあ。 そうこうしている内に準備も一通り揃ったのでいよいよ本番開始だ。 テーブルの中央に鎮座しているチョコファウンテンの周りに先ほどのフルーツやお菓子、トーストを並べる。 ファウンテン自体は通販で家庭用のものは意外にも手頃な値段で購入する事ができた。 まぁ、今後これを使う機会があるかというとかなり疑問ではあるのだけれども。 「いよいよだね!」 唯先輩がじっと見守る中、液体状のチョコレートを機材に注ぎ込む。 ちなみにこれは話を聞いたムギ先輩が譲ってくれたものだったりする。 という事は、琴吹家では普段からこういうのを使ったパーティーを開催しているという事なんだろうか。 うーむ、時々忘れそうになるけどムギ先輩って本当に冗談抜きのお嬢様なんだよね。 「じゃ、じゃあスイッチ入れますよ」 カチリとスイッチをONに入れると小さなモーター音と共にチョコレートが流れ始めた。 「おぉー!」 「おぉ…」 隣で唯先輩が目をキラキラさせながら感嘆の声をあげ、私も釣られて声を出してしまった。 「あずにゃん!凄いよ!テレビで見たのと同じなんだよ!」 「テレビでやってたのよりはちょっと小さいですけどね」 嬉しそうにはしゃぐ唯先輩が感謝の言葉と共に抱きついてきた。 「私がワガママで言った事なのにこうやって本当にやってくれたんだもん。色々準備してくれてありがとうね」 「別にそんなに感謝される程の大した事はしてませんって」 だって私はあなたの恋人なんですから、喜んで貰えるならこれくらい容易い事なんです。 「ううん、本当に嬉しいよ。あずにゃんみたいな素敵な恋人とこんなバレンタインを過ごせるんだもん」 もう、この人は素面でそういう事を平気で言うんだもん。 「わ、私もです…」 上手く言葉に出来なかった分の想いは回された腕をぎゅっと抱きしめて伝える。 「うん。よし、それじゃあ食べよっか!」 「そうですね、唯先輩はどれから食べます?」 「じゃあ、苺から!」 「あ、それじゃあ私も同じのにします」 付属の串に刺した苺をタワーから流れるチョコの滝に潜らせて口に運ぶ。 「美味しい!!」 「甘くて美味しいですね」 苺の酸味とチョコの甘さが絶妙な調和となって混ざり合っている。 というか、多分これムギ先輩から貰ったチョコがめちゃくちゃ良いんだと思う。 濃厚な甘さとまろやかさ、それでいて後を引かないこの品質、 ひょっとしてどこかの王室御用達とかそういうレベルなんじゃ…。 こ、怖い!私たち一体お値段いくらのものを使ってるの!? 「あずにゃん!こっちのバナナとマシュマロも美味しいよ!」 「プチシューも美味しいですし、トーストでも美味しかったです!」 しかし、そんな危惧とは裏腹に一度刺激された食欲は留まる事は無く、 次から次へと私たちは手と口を動かすのだった。 結論として、あれだけあった品数もわずか30分程度で残さず全て私たちの胃袋に収まる事になった。 「いやー!美味しかったねー!!」 「はい、流石にお腹いっぱいです」 「うん!でもチョコがとっても美味しいからなんだかまだ食べれそうな気がするよ!」 「これ、あとでムギ先輩にちゃんとお礼しないと駄目ですね」 とは言ったものの実際何でお礼して良いものやら…。 いちおうバレンタインプレゼントとして貰ったものとして、 とりあえずはホワイトデーには何かちゃんとお返しをしないと駄目だなぁ。 などと考え事をしている私の隣で唯先輩は何やら真剣な顔をしている。 電源は入ったままなので未だ流れ続けてるチョコを見つめながら何やら考え事でもしてるようだ。 「唯先輩?」 「えい!」 私が声をかけるのと同時に唯先輩は掛け声と共に人差し指を流れるチョコに突っ込んだ。 そして、高級チョコにコーティングされた自分の指を口元へともっていきペロリと舐める。 「唯先輩…、お行儀悪いですよ…」 「あずにゃんも舐める?」 そんな子供みたいな行動にぼやく私に唯先輩は悪戯っぽく笑いながら応じる。 正直な気持ちではもうちょこっと食べたい気持ちもあるけれども、 流石に唯先輩みたいな食べ方は自称常識派としては許容できない。 「私はいいですよ。そんな風にお行儀悪い食べ方はしません!」 「はい、あずにゃん。あーん♪」 ハッキリと断りの言葉を告げたにも関わらず、 唯先輩は再び指にチョコを絡めると私に差し出してきた。 えっと、これは、つまり、舐めろと…? 私が?その指を? 「ほら、あーんだよ♪」 困惑する私を促すように声をかけられる。 これはもう行儀が悪いとか悪くないとかそれ以前の問題だ。 なのにそんな気持ちとは裏腹に私はおずおずと口を開くとそっとその指を咥えた。 「はむっ…、んっ…、ちゅ…、ちゅぱ…」 甘いチョコの奥に唯先輩の匂いを感じると背筋をぞくぞくしたものが駆け上がる。 そのまま私は指の形をなぞるよう丁寧に丁寧に舌を動かし続けた。 「んっ…、んふっ…、はぁ…、ちゅぱっ…ちゅ…」 「…美味しい?」 既にチョコは全て舐め取り終えたにも関わらず、 未だ必死に舐め続けていた私は慌てて口を離した。 「す、すみません…」 先ほどのまでの自分の恥ずかしさで頬が熱くなる。 いつもの他愛もないコミュニケーションだったはずが、 まるで発情したかのような行為をとってしまっていた。 そんな私を眺めながら唯先輩は三度チョコを指に絡ませる。 「もっと欲しい…?」 その蠱惑的な誘惑の前に理性や羞恥などはもはや意味を成さず、 私はただコクリと小さく頷く事しかできなかった。 「じゃ、あずにゃん。…あーんしてごらん?」 私はただ言われるがままにだらしなく口を開き、 ゆっくりと近づく指に期待しながら目を閉じた。 「ふぇ…?」 しかし、そんな期待を裏切ってその指は腔内へと到達する前に唇で止まる。 そしてそのままルージュを塗るかのようにそっと私の唇をなぞっていくのだった。 「唯…、先輩…?」 戸惑う私に唯先輩は艷めいた笑みを浮かべ小さく呟く。 「ふふ…、いただきます…」 そうして、チョコレートよりも甘い時間が始まった。 Fin- 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/432.html
「好きです、唯先輩」 夕暮れの帰り道、私は唯先輩にそう告げた。 全く緊張しなかったと言えば嘘になるが、意外にあっさりと自分の気持ちを伝える事が出来た。 「どうして…」 つい先刻までの笑顔が消え、唯先輩は悲痛な声で呟いた。 「どうして、そんな事を言うの?」 唯先輩は今にも泣き出しそうな顔をしていた。 その悲しげな表情に思わず臆しそうになる私だったが、その気持ちを振り払うように強くはっきりと告げた。 「どうしても何もこれが私の気持ちだからです」 私の言葉に、唯先輩は顔を伏せ静かに首を振る。 「駄目だよ、あずにゃん…私、私は…」 「唯先輩…」 私の告白のせいで唯先輩が苦しんでいる、その事実に私の胸は張り裂けそうになる。 けれど…。 「何度でも言います、私は唯先輩が好きです」 私は言葉を紡ぎ続けた。 私の愛する人の為に、私を信じて送り出してくれた人の為に、そして私自身の為に。 ―それは、一昨日の事だった。 その日、私は学校の屋上にいた。 授業が終わる頃、大事な話があるからと私は憂に呼び出されていた。 「…」 今、私の目の前には憂が居る。 こちらに背を向けたまま、夕暮れが迫る空をぼんやりと見上げていた。 「…」 暫くそうして空を見上げていた憂だが、やがて何かを決心した様に私の方へ向き直り口を開いた。 「ねぇ、梓ちゃん」 「ん…どうしたの、憂?」 「梓ちゃんってさ…お姉ちゃんの事、どう思ってる?」 いきなりの問い掛けに、私の心臓はドクンと音を立てて飛び跳ねた。 「ど、どうって…ちょっとだらしない所もあるけど、良い先輩だと思ってるよ」 私は少し焦りながらそう答えた。 「そう言う意味じゃなくて…ね、わかるでしょ?」 「そ、それは…」 急速に顔が熱くなっていくのが自分でもわかる。 確認はできないが、きっと私の顔は茹蛸の様に真っ赤になってるに違いない。 「あはは… うん、その反応でわかっちゃったよ」 全てを見透かした様に憂がそう言った。 「憂…恐ろしい子」 「…でね、梓ちゃんにお願いがあるの」 「お願い?」 私が聞き返すと、普段はあまり見せない真剣な表情でこう言った。 「その気持ちが本物なら告白して欲しいの…お姉ちゃんに」 「え…」 憂の突拍子もない言葉に私は一瞬、唖然となる。 「な、何の冗談よ?」 「私、真剣だよ」 変わらず真剣な表情でそう言い放つ。 その表情を見れば、先刻の言葉が冗談ではないのは明白だった。 何よりも憂がそんな冗談を言う筈がない事は、私が一番良く知っていた。 だって、憂は…。 「憂…だけど良いの?」 「何が?」 「何がって、憂は唯先輩の事…」 「うん…私も好きだよ、お姉ちゃんの事」 当然の様にさらりと言う。 「なら、どうして?」 「私の好きは…梓ちゃんの好きとは違うものだもん」 「…違うの?」 「違うよ、お姉ちゃんの事は大好きだけど、キスしたいとかエッチしたいとかは思わないもの」 「エッ…!わ、私だってそんな事…!」 「考えた事ない?」 「うっ…」 「ふふふ、梓ちゃんって本当にすぐ顔に出ちゃうよね」 憂がニコニコしながら言う。 「む…悔しいけど反論出来ないのが痛い」 「そう言う事だからお願い…ね?」 口調は軽いが、その表情は先程の真剣なものに戻っていた。 「ちょ、ちょっと待って… 憂の気持ちはわかったけど、だからって何で私が唯先輩に告白しなきゃいけないの?」 「…」 私の反論に憂は無言のまま顔を伏せる。 「憂?」 「…時間がないの」 今にも消え入りそうな小さい声で、憂がそう呟いた。 「え?」 「ねぇ、梓ちゃん…」 「憂?」 「手が届かなくなってからじゃ遅いんだよ?」 その言葉の意図が掴めない。 手が届かなくなってからじゃ遅い?一体、何の事を言ってるんだろうか。 「憂、それって一体…」 「お姉ちゃん」 私の言葉を遮り、俯いたままで憂が言う。 「お姉ちゃんには、もう時間がないの」 「時間がない?」 唯先輩に時間がない?一体、どう言う意味だろう? 卒業の事を言ってるのだろうか?それとも、まさか何処かへ転校してしまうとか? 色々な憶測が私の頭を駆け巡ったが、どれも今一つピンと来なかった。 「ねぇ、憂… 唯先輩に時間がないってどう言う事なの?」 「…」 憂は無言のまま顔をあげる、その表情は悲愴な色に満ちていた。 「お姉ちゃんね、もうすぐ何もかも忘れちゃうかも知れないの」 「!?」 「先天性のものらしいんだけどね…」 再び顔を俯かせ、憂が静かに話し始めた。 「お医者さんが言うには、恐らく卒業するまで持たないだろうって…」 「何よそれ…」 「脳の萎縮が急速に進んでるらしいの… 少しづつ、だけど確実に、お姉ちゃんの記憶が失われていくって…」 あまりにも突然の告白に私の頭は混乱する一方だった。 「どうする事も出来ないの?」 私の問いに、だが憂は首を横に振る。 「ただ黙って見てるしかないって言うの!?」 憂は答えなかった。 「唯先輩がまさかそんな…」 「…」 「酷いよ…あんまりだよ…!」 「仕方ないんだよ、私達にはどうする事も出来ないんだから」 「仕方ないってそんな言い方…!」 ないじゃない! そう言い掛けた私だったが、憂の顔を見て言葉を失った。 「…」 必死で涙を堪える憂。本当は泣き出してしまいたい筈。けれど泣かない。 それは、私に伝える為。泣いても仕方ない。今、私達がやるべき事はそんな事じゃない。 憂の表情が私にそう言っていた。 「ごめん、憂…」 「ううん、良いんだよ」 「憂…」 「梓ちゃんが怒ってくれて嬉しいよ… だって、それだけお姉ちゃんを想ってくれてるって事だから」 涙交じりの笑顔でそう言った。 「だけど、唯先輩の知らない所でそんな事になってるなんて…」 「知ってるよ」 「え?」 「お姉ちゃんは全部知ってるんだよ… もうすぐ自分が記憶を失ってしまう事も、それを止める方法がない事も」 「嘘…でしょ?」 「…」 憂は答えなかったが、その表情はそれが真実である事を語っていた。 「じゃあ、何? 唯先輩は自分がそんな状態だって知りながら、いつもあんな風に明るく笑ってたって言うの?」 「うん…それが、お姉ちゃんなんだよ」 「いつから知ってたの?」 「三年前かな、高校に入る少し前だよ」 「…」 言葉が出て来なかった。 私の記憶の中の唯先輩はどんな時も笑って、そんな様子など億尾にも出さなかったから。 「お姉ちゃんね、いつも口癖の様に言ってた事があるんだ」 「唯先輩…何て言ってたの?」 「例えどんな結末が待っていても逃げたくない…って」 「…」 その言葉にはどれ程の決意が込められていたんだろうか。 「でもね…逃げちゃったんだよ、お姉ちゃん」 「逃げたって、何から…?」 「梓ちゃんだよ」 「わ…たし?」 「お姉ちゃんは梓ちゃんの事が好きなんだよ」 「え…」 その言葉で、私の思考は瞬間的に停止した。 「勿論、それは…私のお姉ちゃんに対する『好き』じゃなくて、梓ちゃんがお姉ちゃんに対して抱いてる『好き』って気持ちの事だよ」 憂がそう言って念を押す。 「唯先輩が私を…?」 「だけど、お姉ちゃんからはその気持ちを絶対に伝えない、伝えられないの…何故かはわかるよね?」 唯先輩は自分の置かれている状況を理解している。 つまりは近い将来、自分がどうなってしまうかを知っていると言う事だ。 「唯先輩…」 「私が梓ちゃんにお願いしたのは、つまりそう言う事なんだよ」 「…」 「このままじゃお姉ちゃんは絶対に後悔する… その事自体いずれ忘れてしまうとしても、私はお姉ちゃんにそんな後悔をして欲しくないの」 「憂…」 「梓ちゃん… 私のお願い、聞いてくれないかな?」 そう言って、憂は私を見つめる。 今にも泣き出しそうな、けれど強い意志をその瞳に宿して。 「答えは一つしかないよ」 そう言いながら、私は憂の体をそっと抱きしめた。 「えへへ… 抱きしめる相手が違うよ、梓ちゃん」 「良いんだよ、憂… これは、今までずっと頑張って来た憂へのご褒美だから」 「梓ちゃん…」 「後は私に任せて…ね?」 「梓ちゃん、お姉ちゃんを幸せにしてあげてね」 「うん、約束するよ」 私は静かに目を閉じ、その意志を固めた。 「唯先輩」 私の呼び掛けに、俯いて黙り込んでいた唯先輩が顔を上げる。 「ずっと、我慢してたんだよ? 諦めようとしてたのに…どうして?」 そう言って、唯先輩は悲痛な表情で私を見つめた。 「悲しませてごめんなさい… だけど、この想いだけは絶対に譲れません」 「唯先輩、貴女が好きです」 三度目の告白。譲れない。諦めない。絶対に。 「ずるいよ、あずにゃん…」 「好きな人にそんなに求められたら… もう我慢なんて出来ない、諦める事なんて出来ない」 そして、唯先輩が一際大きな声で叫ぶ。 「私だって、大好きなんだもん!」 それはきっと魂からの叫び、唯先輩がずっと抑えてきた想いを解放した瞬間だった。 「我慢する必要なんてないですよ」 私は唯先輩の震える肩に手を掛け、そしてゆっくりと抱き寄せた。 「あずにゃん…」 気付けば、お互いの息が掛かりそうな距離。 間近で見る彼女の顔は、いつも以上に綺麗に見えた。 「唯先輩…」 彼女の全てが私を釘付けにする。 そっと彼女の頬に手を触れる、そして引き寄せられる様に唇を重ねた。 『…』 唯先輩は少しも抗う事なく、私のキスを受け入れてくれる。 『ん…』 実際には数秒の事かもしれないが、私には永遠に感じられたその時間。 私達は唇を離し、無言のまま見つめ合う。 『…』 そして、どちらからともなく再び唇を重ね合わせた。 「あずにゃん、今日の事は忘れてくれないかな」 二度目のキスを交わした少し後、唯先輩が徐にそう言った。 「そんな勝手な言い分を私が許すとでも思いますか?」 「ですよね~」 私の答えに唯先輩は苦笑する。 「折角、こうして想いが通じ合ったのに… 唯先輩、本当は私の事あまり好きじゃないんですか?」 「ううん、大好き」 見事に即答だった。 「それなら、何も問題ないじゃないですか」 「…」 唯先輩は答えない、先刻の様に黙って俯くだけだった。 「唯先輩」 私は唯先輩をそっと抱きしめ、自分の決意を口にした。 「絶対に忘れさせませんから」 私の言葉に唯先輩が呆然と呟く。 「あずにゃん、何で…?」 「病気の事、憂から聞きました」 「そっか… 知ってたんだ、あずにゃん」 唯先輩はそう呟くと、ゆっくりと私から離れようとした。 「唯先輩?」 それを追って手を伸ばすが、唯先輩は拒絶する様にその手を振り払う。 「ありがとう、あずにゃん…だけど、やっぱり駄目だよ」 「何が駄目なんですか?」 「あずにゃんを悲しませたくないもん」 「…」 「嬉しかったよ、あずにゃんが好きだって言ってくれて」 「…」 「今、すっごく幸せな気分… だからね、このまま終わりにしよ?」 「…」 「私達にとって、それが一番幸せな事なんだよ」 「…」 「だから…」 「幸せですか?」 「え…?」 「唯先輩は本当にそれが幸せだって言うんですか?」 「うん、幸せだよ」 「じゃあ、どうして唯先輩は泣いてるんですか?」 「え…」 私の言葉を受け、反射的に頬を拭うがもう遅い。 唯先輩は泣いていた。 私を必死に諭す間、ずっとずっと泣いていた。 「本当に嘘が吐けない人ですね、唯先輩は…」 「こ、これは嬉し涙だよ!」 「流石にそれは苦しいです」 「うぅ…」 「そんな悲しそうな泣き顔で『幸せ』を連呼されたって、全く説得力ないですよ」 「…」 唯先輩は返す言葉を失くし黙り込む。 「唯先輩」 「なぁに、あずにゃん?」 「私の一番の幸せは唯先輩とずっと一緒に居る事です」 「あずにゃん、ずるい」 「ずるくて良いんです! 信じてください、私は絶対に悲しんだりしませんから」 「私があずにゃんの事を忘れちゃっても?」 「忘れさせないって言ったでしょ?」 「無理だよ、絶対に忘れちゃうよ」 「忘れたら憶えさせますよ」 「また忘れちゃったら?」 「そしたら、また憶えさせます」 「堂々巡りになっちゃうよ?」 「堂々巡りでも良いんです」 ここまで来たら意地の張り合いだ。 「もぉ…あずにゃんってば頑固なんだから」 頬を膨らませながら唯先輩が言う。 「頑固で良いんです、私は私の道を行くんです!」 負けじと私も言い返す。 暫くおかしな睨み合いが続いていたが突然、唯先輩が頬を綻ばせた。 「…ぷぷ」 「唯先輩?」 「あ~ずにゃ~ん!ありがと、大好きだよ♪」 そう言って、抱きついて来る唯先輩を私も優しく抱き締め返す。 「私も大好きですよ」 「覚悟しててよ、あずにゃん…こうなったらもう、手加減無しで愛しちゃうからね!」 「望むところです、唯先輩♪」 夕暮れの帰り道に、寄り添いあった二つの影が伸びていた。 病気設定がいかせてない 発祥後の話がないと茶番 -- (名無しさん) 2010-12-29 15 16 17 ↑正論だが・・・細けぇこたぁどうでもいいのよ -- (ダメですぅ~) 2011-01-04 23 06 27 長編だったら良かった… -- (名無しさん) 2011-12-13 21 48 24 これの動画版見て泣いたなぁ…動画の方はハッピーエンドだったけど -- (名無しさん) 2012-09-03 21 28 03 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る