約 1,198,823 件
https://w.atwiki.jp/minnasaba/pages/692.html
間章 グレート・ハーロット陶酔――大淫婦の告白 必然です。それ以外にいいようがありません。決定しているのです。 私によってもたらされる死は必然です。神になった気さえします。 殺人は生きた肉体を一瞬のうちに物体に変える行為です。 人の夢も希望も思考も永遠に消し去ります。人外、まさに神の領域なのです。 私はこの地で多くの人を殺しました。すべて私が殺したのです。 この事実に気づいている者は誰もいません。 冬木にはもちろん日本中でもいない筈です。彼女(マスター)は疑ってさえいない。 サクラは優秀だといいます。その通りでしょう。優秀すぎるのかもしれません、 私のような悪女はかえってやりやすいです。 私のような悪。非常識で発作的でありながら、なおかつ計画的で慎重。そのうえ破廉恥(はれんち)。 私は普通の生活を営んでいます。男か女か、いわぬが花というものでしょう。 年齢もしかり。冬木市で皆と同じように食べて寝て遊んで、働いてまたは勉強して毎日を過ごしています。 ただし、いわゆる普通の社会人からは少しずれているかもしれません。 会社勤めのサラリーマンやOLではなく、警察や教員などの公務員ではありません。 「全体の奉仕者」たる公務員など虫酸(むしず)が走ります。 「全体」って何でしょう。 国民全体か、社会全体か。しかし……社会等というものが今の日本にあるのでしょうか。 かつての日本はムラ社会だったといいます。知り合い同士の社会。そこでは人間関係が最も重要でした。 今はどうでしょう。関係などというものが基本に存在していますか? 他人との関係どころか自分のテリトリー、「場」さえ確保できないのが現代なのではないでしょうか。 私の……私だけの場所などどこにもない……許されているのは、生きるのに精一杯の身の回りだけ。 最小限。でも、守らねばならない。でないと生きていけません。 自分だけの極小の場所に他人が入ってはいけないのです。不可侵領域があるのです。 鈍感な人間が入ってくるとたちまち爆発する。地雷です。私たちは身の回りに地雷源を持っているのです。 日常生活を送る見慣れたこの平地は、実は地雷に満ちているのです。 私があなたの……あなたが私の……地雷を踏まないと、誰が保証してくれるでしょうか。 あなたは既に、私の地雷を踏んでいるのかもしれませんよ。 私には時間があります。暗い空想を広げ、甘美で残酷な妄想を育て上げるのに十分な時間を持っています。 私は常に悪行を夢見ます。被害者が死に悶える一瞬を思い描くのです。陶然としてしまいます。 気持ちいいんです。犠牲者の日常生活を調べあげ、計画を練り、準備する期間さえ楽しくて仕方ありません。 気分を盛り上げていくと、ある臨界点に達します。決行の時です。一種突発的な瞬間、発作みたいなものです。 他人には無計画に見えることでしょう。だから理解されないのです。 犯すこと、それは快楽です。 気持ち良さに気づいたのはいつのことだったでしょう。 死のダンスです。人肉の臭いがたまらない。脳が焼けて、とてもいい気分でしょう。 こんなに可愛がっているのに、人間は意外と早く死にます。少し物足りなく、寂しい。 だからなんだというわけではないんですが。 私はおかしいんでしょうか? その通り、私は異常です。断言します。 私は異常、わかっているのです。自分の異常に気づいていれば、その人は異常者ではないといわれることがあります。 嘘です、俗説です。その証拠がこの私です。自覚があろうがなかろうが、異常は異常、悪女は悪女なのです。 私にしても殺人が罪悪であることは知っています。それなりの頭脳を持ち、日常生活を営んでいるんですから。 しかし……殺人は本当に罪悪なのか……あなたはどう思いますか? 人類は外国との戦争を行い、多数の異国民を殺してきました。 掠奪、強姦、虐殺を有史以来繰り返してきたのです。 何故でしょう。それは自分の文化圏に属さないものは「ヨソモノ」だからです。 よそ者、異人、ひょっとしたら、異物。人は違う階層、異なる文化の人間に対しては、いくらでも冷酷になります。 例えばキリスト教とイスラム教の対立、同じ宗教上の正統と異端、これらは数限りない争いを生み出しました。 人々は神の名のもとにあまたの死者を出してきたのです。 人類、国、文化、宗教などの壁を越えることは非常に困難なことです。 それどころか自分と他人の壁さえ、私たちは越えられないではないですか。 自分以外はすべて異物。異物と異物が共存し、バラバラに散っているのが現代です。 このような状況では殺人は殺物にしかなり得ない。むろんどんな生物にも生きる権利はあります。 そして、どんな人間にも。すべての人間には生きる基本的人権が保障されます。 これは社会の原則です。何故そんなものが必要なのか。 自分の生きる権利を守るためです。共同幻想を利用するんです。 でないと、真実が浮上してしまいます。 生存可能な、生存に適した、強い生物だけが生きていける、という自然の鉄則が。 もはや社会の原則や共同幻想は崩壊し、ヒトは原初の状態に戻りつつあるのかもしれません。 だから殺人も許される……とはさすがに私もいいませんよ。 殺人は被害者の人権を奪い、未来を消し去ってしまいます。 周囲の人々を悲しませ、時には恐怖を与えます。社会の歯車を狂わせることもあるでしょう。 むろん法で罰せられます。人が人を殺すなどということは許されません。禁じられているのです。 絶対に許されない。殺人が罪悪であることは間違いないんです。 ただし……ただし、楽しいのです。快楽なのです。人は快楽を求めます。 他人の快楽を奪っても、自分の快楽を求めるのです。当たり前です。私だけが例外ではないですよね。 ジル・ド・レエ、憧(あこが)れます。 ジャンヌ・ダルク麾下(きか)の元帥にして幼児殺戮者。ユイスマンスやバタイユが彼について書いてます。 ジルは若くして戦功を立てましたが、錬金術に凝り悪魔を礼拝し、嬰児(えいじ)を虐殺して、処刑されました。 死刑になるまでの八年間に、百四十から二百、あるいは八百もの子供を殺したんです。 彼は幼児の腹を割き、手足をばらばらにし、目をえぐり、頭蓋骨(ずがいこつ)を打ち砕いたといいます。 断末魔の苦悶(くもん)と痙攣(けいれん)を楽しみ、瀕死の被害者に向かって射精したとか。 若かりし頃に少女将軍にかしずいた彼は、今度は子供をかしずかせたくなったのかもしれませんね。 本当にゾクゾクする。 きっと彼とは、良い酒が飲めるに違いありません。 むろん私は快楽のためだけに他人を犯すわけではありません。 私は異常だが狂ってはいない、……いないですよね? 悪行に理由がないわけではないんです。 でも本来、動機なんてなくてもかまわないのかもしれません。 私の動機は積み重ねによって徐々に出来上がりました。 一言でいってしまうことも可能でしょうが、――憎悪、復讐、嫉妬、利欲、信仰……言葉に置き換えたとたんに、 何かが失われてしまうような気がします。 悪行の動機はジグソーパズルです。 一つ一つのピースは特別重要ではありませんが、それが百、千と組み合わされることによって、明快な画像を結びます。 出来上がった全体の絵がや「憎悪利欲」という言葉に当てはまるのだと思います。 しかし、動機の実態は、常に一つ一つのピースそのものなのです。 ところで私は今、二千ピースのパズルをやっています。 パズルは目の前のテーブルに置いてあります。たくさんのピースが散らばっている。 台紙の四隅の方から、およそ四分の一が埋まってきているんです。 当てはまるピースを捜します。画面左下の部分ならすぐに見つかるでしょう。 人物の一団がいます。ここに、ピースがありました。 王の顔です。ニムロデ王なんでしょう。彼はバベルの塔の建造を命じたといわれています。 私は今、「バベルの塔」のパズルで遊んでいるんです。 意味不明の断片を組み合わせながら、徐々に塔の形が露(あらわ)になっていくのを見ています。 塔そのものを建てているような気分です。レンガを一片ずつ積み重ねるようにピースを組んでいくのです。 やがて塔は完成するでしょう。 パズルを買った時、私は十人騙した。 パズルを始めた頃、二十人目を犯した。 パズルを続けながら、五十人目も殺した。 五十人目を殺したのが二月八日。もう2週間が過ぎました。 私はまた一人侵すでしょう。 あっ、船のピースがありました。どこに当てはまるんでしょう。 右の、ここか? 違う、合いません。ピースを放り投げました。ぼんやりと思いを巡らします。 ……そうです。 始まりの犠牲者。 子供、女の子、少女。私のもの。 舞台は、聳え立つ螺旋状の涜神の塔でいかがでしょうか?
https://w.atwiki.jp/bokurobo/pages/93.html
《ID.01-203》 【対外脅威首都防衛(たいがいきょういしゅとぼうえい)ロボ 東京(とうきょう)リーサルウェポン】 中央線、総武線、京浜東北線、京王線、小田急線、埼京線、京葉線、常磐線がドッキング バズーカーをぶっ放したり東京タワーをぶん回して闘う。 カテゴリ: 〈分類のないロボ〉 戻る
https://w.atwiki.jp/bokurobo/pages/91.html
《ID.01-195》 【ゼファー(Z-FOUR-Action)ガンダム】 機体 バスターファンネルを二基装着、ビームライフル、ビームサーベル、コネクト・ランチャーを装備 ゼファーシステム搭載このシステムはパイロットと機体の危機をコンピュータが察知した時のみ発動するニュータイプでなければ発動しない 尚、Zは宇宙世紀0087年にエゥーゴが開発したZガンダムから由来する パイロット ヴァニア・ナイツ(女・16歳) 農業地ハーリアで母親と仲むつまじく暮らす女の子父は幼い時に死亡 畑を耕し野菜を育て二人で決して裕福ではないが幸せな日々を送っていた しかし、ある日突然近くの空域でMS同士の戦闘が発生その戦火はハーリアまで及びその時母親が巻き添いをくらい死亡悲しみにくれるヴァニアだったが持ち前の気丈さでどうにか立ち直りその後も一人母親が残してくれた畑を耕して生計を立てていた その数年後のある日畑を耕すヴァニアの目の前に空から突然ガンダムが落ちてきた そのガンダムを追って三機のMSがヴァニアと母親が大切にしていた畑を無神経にメチャクチャにしてしまう あまりの理不尽さに憤りを覚えたヴァニアはまだ誰も座っていないガンダムのコクピットに座ってしまい三機のMSに戦闘を仕掛ける 今ここに新たなガンダムの歴史が始まる ヴァニア・ナイツ「そこは私と母さんが耕した畑なんだからー!」 ブロント・ブロン「何だ!?あの嬢ちゃんの声!?畑で怒るのか!?」 ヴァニア・ナイツ「そりゃ怒るわよ!」 備考 カテゴリ: 〈ガンダム〉 戻る
https://w.atwiki.jp/bokurobo/pages/342.html
ついに敵の親玉自らが出撃してきた!その名も、クライシス! 最強の敵を目の前に、最後の戦いへと臨む星王!! しかし、敵の強大な力の前についに星王は崩れ落ちてしまった! 人類はこのまま悪に蹂躙されてしまうのだろうか?! 最終回 涙星 「…」 大地に立ち尽くす星王。目の光は失われ、体の至る所から煙が噴出し、血のようにオイルが流れていった。 「ハハハ!!勝った!!勝ったぞ!!やはり望みをかなえる隕石は私が使ってこそ生きる!」 高らかに勝利宣言し、崩れ落ちる星王へと歩み寄るクライシス。 「くそっ!頼む星王!あと少しだ!あと少しでいい…」 いくらシンイチが呼びかけても星王はうな垂れたまま答えなかった。 ただ…、投げ出された右腕がわずかに動いた。 「…なぜだ」 クライシスが突然歩を止めた。 「なぜこいつは元の姿に戻らん?!ロボットとしての機能が停止したのなら、元の隕石の姿へと戻ってもいいはずだ!!」 「…教えてやろうか…?」 「なにっ?」 クライシスへと通信が入る。その通信は完全に機能を停止したはずの星王からであった。 「!!この死にぞこないがぁぁぁ!!!」 一気に間合いをつめ、星王へと殴りかかるクライシス。 すさまじい力が星王へと襲いかかる。 辺りに砂埃が舞い上がり、二体のロボットの姿を隠した。 確かに手ごたえがあった。クライシスは勝利を確信していた。 だが、星王を無事だった。 それどころかクライシスの腕を片腕で受け止めている。 「なっ…?!」 腕に力を込めても、星王はビクともしない。 それどころ星王の腕には力が戻ってきている。 「ばっ馬鹿な?!なぜ動く?!なぜ動ける?!」 「流星は持ち主の願いをかなえる…」 星王より再び通信が入る。その通信を聞いてる間にも星王の腕にはどんどん力がみなぎっている。 「つまり、俺が平和を願い続ける限り、星王はお前たちのような悪には決して負けはしない!!」 クライシスの腕をもぎ、握り砕く星王!目には光が宿る! 「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!なにが平和だぁ?!」 もがれた片腕を抑えながらふらふらと空へ舞い上がるクライシス。 「星王!いけるな!」 「勿論!!」 地を蹴り、空へと羽ばたく星王。その背中には赤く燃え上がる翼が広がっていた。 「ハァハァ…おのれこうなったら…!」 高速で飛ぶクライシスの体から火花が散る。 「すべて破壊し尽くしてやる…!!」 クライシスの体が青く青く燃え上がっていく。 青い炎に包まれながらも、クライシスは高く高く飛び上がっていった。 「星王!あれは…」 ようやく星王はクライシスへと追いついた頃、クライシスは巨大な青い太陽と化していた。 「ハハハハハ!!星王!今から俺は地上へと落下する!!!」 「なにっ?!」 「ハハハハハ!!貴様の望む平和とやらは粉々だ!俺の野望達成が不能となった今!この世界など存在する価値などない!!」 「くそっ!お前なんかにこの世界を壊させてたまるか!!」 星王はありったけの武器をクライシスに撃ちこんでいく。だがクライシスの落下速度は緩むどころかじょじょに加速している。 「…こうなったら…」 「なにか打つ手があるのか星王?!」 「ああ…しかし…」 「頼む星王!俺は…みんながいるこの世界を守りたい!」 「わかった…」 星王の体が金色に光りだした。 そして、すごい勢いで雲を突き抜けたかと思うと、今度は先ほど以上のスピードでクライシスへと向かっていった。 その凄まじい急上昇急降下でシンイチは気を失ってしまった。 「シンイチ…シンイチ…」 星王がシンイチの意識へと呼びかける 「シンイチ、私の体は先ほどの戦いでぼろぼろだ。残念ながらここでお別れだ」 「どういうことだ?!星王!!」 「私は自らの体を光の矢と変え、クライシスを貫く。この体が砕け散る前に。だから、さらばだシンイチ」 「星王!!」 シンイチの体が徐々に薄くなっていく。 「星王!お前は持ち主の願いをかなえるんだろ?!だったら帰って来い!!かならず!!」 「さよなら、シンイチ」 凄まじい轟音に気がついたとき、シンイチは戦場から少し離れた野原に、仰向けに倒れていた。 「ここは…」 目を覚まし、空を見る。 そこに広がっていたのは、幾千もの流れ星、砕け散った星王とクライシスの破片。 「星王…っ、持ち主の願い事は必ず叶えるんじゃなかったのかよ…!」 星王との思い出の数々がシンイチの頭の中を駆け巡った。 その夜、家に帰ってからシンイチは一晩中泣き続けた。 星王が、ジエンドともに散った夜、シンイチは一睡もしないまま朝を迎えていた。 一晩中泣き続けて瞼は腫れ、寝不足からか目の下にはクマができていた。 しぶしぶする目をこすり、テレビをつけてみる。 ナレーターが昨日の流星群についてコメントしていた。 「星王…っ!」 星王との別れを思い出す。さんざん泣いたはずなのに、また涙が溢れ出してきた。 エピローグ かなえ星 「いってきます…」 「シンイチー、朝ごはんはー?」 「いらない…」 母親には心配をかけたくない。 力なく母親に答える。なんとか泣いていたことはばれなかったようだ。 ふらふらと門を抜け学校を目指す。 通学路では昨日の流れ星が話題になっていた。 「ねぇー、見たー?昨日の流れ星」 「見た見た!チョーキレーだったー」 「お前昨日何祈った?!俺は腹いっぱい鯖味噌食いたいってのと、あと、頭よくなりますってのと…」 「ははは、その様子じゃ二番目の願いはかないそうもないな」 女子も男子も昨日の流星群の話題で持ちきりだった。 「よぉ、シンイチ!昨日の流れ星見たか?すごかったよな」 校門近く、後ろから声をかけられる。…こいつはまたギリギリまでテレビを見ていたのか。 「…見てないよ。」 今ここで見たと答えたら、なにかしつこく話が続きそうで嫌だった。 たとえ親友でも、今は話をしたくなかった。 星王のことはしばらく思い出したくない。 「何だよ、お前あれ見てないのかよ。ニュースでも騒いでたぜ。今世紀最大の流星群だって」 「…そうなんだ。俺テレビ見てたよ」 「勿体ねーな。今日だって美人のナレーターが…」 「ふーん…うわっ」 寝不足のせいか足元がふらふらしていた。それに朝ごはん抜きだ。 なにかに躓き、転んでしまった。 「っ痛ぇ…なんだ…?」 「おいおい大丈夫かよ?」 振り返り、自分を転ばしたものを見る。 「あ…」 …涙が出てきた。痛みからじゃない。 そこにあったのは、きらきらと緑に光る小さな石だった。 多少大きさは変わってしまったが、シンイチにはそれがなんだかわかっていた。 「お帰り…星王」 シンイチに答えるように、緑の石が一層強く光った。 「おーい、どうしたー?」 声をかけられ、緑の石をあわててポケットに押し込む。 「いや、うん。ああ…、大切なものが見つかったんだ」 「ん、落し物かなんかか。良かったな。今朝のニュースで言ってたとおりだよ」 「ニュース?」 「ああ、流れ星特集の最後、ナレーターのおねーさんが言ってたよ。」 そう言って笑顔であいつは答えた。 「この流れ星は多くの人に希望と幸せを与える、夢の流れ星…ってな」 完 お願い!お星様!!・SSに戻る
https://w.atwiki.jp/minnasaba/pages/981.html
小角「のぅマスター。山登りに行かんか?」 イリヤ「何言ってんのよキャスター。聖杯戦争までもう日はないのよ?」 小角「むぅ……」 前鬼「爺さんまたやってんのかぃ?」 小角「おぉ前鬼、御主からも言ってやってくれ。山はいいぞぉー」 前鬼「ったく…霊体になったって変わらねぇよな、アンタは」 前鬼「だってんだけどさ、どうするべ後鬼よ」 後鬼「マスターのマスターの命令には従えないさね。ほら、花壇整備手伝ってよ」 前鬼「…セラさんって、美人で趣味も可愛らしいのに勿体ないよなーってイテテテごめんなさい!!」 後鬼「うちのマスターが、マスターのマスターにご迷惑をおかけしているようで…」 セラ「全くです、あの子は肉体的には頑丈な子じゃないのに!トレッキングだなんて…ブツブツ」 後鬼「(…マスターがこっそり置いてった山岳パンフはチェック済みなのね)」 セラ「あのサーヴァントにも困ったものです。こんな危ない所に散歩だなんて…おぉ…」 リズ「……でも。イリヤ、本当は行きたがってる」 セラ「…おぉ…フォオール!」←『岳』熟読中 リズ「キャスター、お願い」 小角「お、なんじゃぃリズちゃん。この雲に乗せて欲しいんかの?」 リズ「……コクリ」 イリヤ「リズの嘘つき…誰も雲に乗せてなんて行ってないのに…」 小角「ほっほっほっほぅ!円蔵山とやら、まぁまぁの景観じゃのぅ」 イリヤ「…知らない」 小角「フム、中々じゃった。偶然出くわした士郎とやらも好い男児じゃったし」 イリヤ「なんでアンタそんなに敵意ないのよ…知ってるんでしょ、夢で…?」 小角「…マスターはもうちょい自分に素直になることじゃな。さて、頂き物の茶菓子が楽しみじゃわい」 小角「また登ろうぞマスター。今度は皆で、あの男児も交えて。あの男の墓参りも兼ねたりしてな?」 イリヤ「……気が向いたら…“いつか”ね」 小角「よしっ、楽しみに待っとるからな!儂らはいつだって、マスターが―――」 end
https://w.atwiki.jp/bokuserve/pages/2346.html
【元ネタ】史実 【CLASS】ライダー 【マスター】 【真名】ロバート・E・リー 【性別】男性 【身長・体重】184cm・80kg 【属性】秩序・善 【ステータス】筋力D 耐久E 敏捷D 魔力E 幸運B 宝具D 【クラス別スキル】 対魔力:E 魔術に対する守り。 無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。 騎乗:C 騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、 野獣ランクの獣は乗りこなせない。 【固有スキル】 軍略:B 一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。 自らの対軍宝具の行使や、 逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。 カリスマ:C 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。 カリスマは稀有な才能で、軍の司令官としてはCランクで十分と言える。 組織の緩衝材:B 組織間の軋轢を軽減し円滑に組織を運営するために欠かせない能力。 自陣営の運営のほか、陣営同士の同盟の中核に立っての舵取りにも長ける。 あまり頼りすぎると、彼の存在が組織のアキレス腱となってしまうので注意が必要。 【宝具】 『わが教え子(トラベラー)』 ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:- リー将軍の愛馬たる軍馬。 軍馬の理想像とされるこの名馬の体力と賢明さは、 主たるライダーの将たる心構えを間近で学ぶことで獲得しており、 同時に将軍・参謀としての資質をも備えた英雄馬となっている。 ライダーはスキル「動物会話」を保有していないが、 長年連れ添った愛馬の声なき進言を心で聞くことが可能となっている。 『その大望(リべレーション)』 ランク:D+ 種別:対軍宝具 レンジ:- 最大捕捉:1000人 リー将軍が語った奴隷制に対する姿勢を攻撃的に解釈した宝具。 奴隷制を是とする対象の道徳心を一時的に消滅させて、文明社会の敵と仮定、その属性を付加。 道徳心を持たない者に対しての攻撃クリティカル率は、通常よりも大幅に上昇する。 (ただしそれは道徳心を持つ者が攻撃を行えばの話である)。 奴隷制が当たり前であった時代の英雄にも効果はもちろんあるが、ライダーが生きた時代に近い英雄のほうが効果は大きい。 【Weapon】 『エンフィールド銃』 南軍の標準武装の一つ。 命中精度では北軍のスプリングフィールド銃に勝っている。 『銃剣』 使おうと思えば使えないこともない。 【解説】 南北戦争期のアメリカ連合(南軍)の武将・教育者。 ウエストポイント士官学校卒業後は米墨戦争に従軍して武功を立て、 南北戦争が勃発すると、リンカーン大統領によって北軍司令官に推挙されるものの、 故郷バージニアへの忠誠のためにこれを蹴り、南軍へ参加。 北軍に対してその能力をいかんなく発揮して多くの戦術的勝利を勝ち取るが、 物資面で勝る北軍を相手に、戦略的勝利をつかんで大局を覆すことはできなかった。 終戦後は恩赦を受け、バージニア州はワシントン大学学長に就任し教育者となった。 南軍には珍しく良識的で穏やかな性格の持ち主で、奴隷制にも反対の姿勢を示していた。 このような清廉な人格からか采配の妙からか、敗軍の将であるにも関わらず米国屈指の名将と評されている。
https://w.atwiki.jp/minnasaba/pages/2101.html
【元ネタ】史実、『椿説弓張月』など 【CLASS】アーチャー 【マスター】 【真名】源為朝 【性別】男性 【身長・体重】232cm・190kg 【属性】中立・中庸 【ステータス】筋力A 耐久B++ 敏捷B 魔力D 幸運EX 宝具A 【クラス別スキル】 対魔力:C 単独行動:B 【固有スキル】 鎮西八郎:A 為朝が号した異称。 追放された先の九州で暴れ回り、数々の逸話を残した。 常人では扱えないような大きさの弓と矢を使って、敵を二人纏めて仕留めた……という伝説もあるほど。 不屈の弓射:B 保元の乱で敗北した際、為朝は腕の腱を切られたが、不思議なことに復活。 一説によれば腕の油圧ケーブルを交換したのだと伝えられている。 いや伝えられていない。 メカニカル弓術:EX 発射シークエンスの一例は以下の通り。 ムーンシャフトチェック バスターアローシステム 96%充填 パイルドライブフットロック 接続 ……仕留める! 敵性反応を探知、ロックオンして自動追尾システムを起動。 あるいは最大効率の殺傷力を発揮できる場所に矢を放つ。 紛れもなく弓術である。 【宝具】 『轟沈・弓張月(ごうちん・ゆみはりづき)』 ランク:B+ 種別:対艦宝具 レンジ:5~50 最大捕捉:一隻(便宜上) ごうちん・ゆみはりづき。 わがゆみはりづきのもとにかんしずめたり、とも。 ただの一矢で敵方の船を沈めた逸話の再現。 なお、木造船であった頃はまだ本気を出していなかったが、サーヴァントとなった状態ではむしろ全力を出す。 また、海(水上)では神秘が増すため、現在においてはイージス艦といえども一撃で致命傷を負わせ、原子力潜水艦ですらも矢から逃れることが難しい。 宝具の連続使用にはかなりの負担と時間が必要とされるが、合間合間に連射による牽制、あるいは三本に分割しての使用など、創意工夫を凝らして相手を寄せ付けない。 【解説】
https://w.atwiki.jp/minnasaba/pages/1815.html
【元ネタ】明史 【CLASS】ランサー 【マスター】 【真名】秦良玉 【性別】女性 【身長・体重】166cm・46kg 【属性】秩序・善 【ステータス】筋力C 耐久B 敏捷A 魔力D 幸運A 宝具B 【クラス別スキル】 対魔力:C 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。 【固有スキル】 忠士の相:B マスターに忠誠を誓い、同時にマスターからも信頼を寄せられる。 無実の罪で夫が投獄されたにも拘らず、彼女は明に忠義を尽くし、当時の皇帝である祟禎帝も彼女に絶大な信を置いた。 盗賊打破:B 城主として数々の盗賊を打ち破った逸話の昇華。 反英霊、特に海賊や盗賊の経歴があるサーヴァントに対して、有利な戦闘ボーナスを獲得する。 戦闘続行:C 往生際が悪い。一度一度の戦闘ではなく、籠城戦などの長期化した戦いにおいて士気向上などの優位性を保つ。 【宝具】 『崇禎帝四詩歌(むよくにしてちゅうぎのうた)』 ランク:B 種別:対人宝具(自身) レンジ:0 最大捕捉:1人 秦良玉に対し、時の皇帝崇禎帝が送った四つの詩歌。 都に召喚された秦良玉は、盗賊征伐の失敗の責任を取るものと考え、部下に私財を与えて覚悟を決めたが、彼女に贈られたのは恩賞と皇帝自らが作ったという彼女を讃える四つの詩歌であった。 なお、異聞帯での生者としての彼女はこの宝具を持たない。 『儒』は民にはあってはならないものという始皇帝の考えを絶対順守する彼女は、自らが詩に興じるという考えを持たない。 サーヴァントとして召喚された、汎人類史での彼女が持つ宝具である。 『白杆槍(はっかんそう)』 ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:2~5 最大捕捉:1人 部下と共に愛用したといわれるトネリコ製の槍。 反英雄のサーヴァントをやや畏怖させる効果を持つ。 スキルとしてのランクはBだが宝具としてのランクはD。 【解説】
https://w.atwiki.jp/bokurobo/pages/376.html
国内某所にある教会の地下で、黒いローブ姿の数人の人間が話し合っていた。 彼らの会話は地球人の可聴領域よりも波長が短い、いわゆる超音波なので聞き取ることは出来ないが、あえて日本語に訳すと次のようになる。 「クレリッカが倒された。それも実に惨たらしいやり方で」 「何ということだ。この星の人間も主の教えを説くに値しないのか」 「所詮はバンパイオーの訪れる星か」 「邪教徒は討ち滅ぼさねばならない」 「邪教徒は討ち滅ぼさねばならない」 「邪教徒は討ち滅ぼさねばならない」 邪教徒は―― 第二十三話「聖者の行進」 自衛隊の病院。抜人の病室にヤブルとダンがやってきた。 ヤブル「オース、抜人。元気そうじゃねえか」 抜人「ヤブルさん。俺はもう健康ですよ。なのになぜか退院できなくて」 言いながら抜人はダンの方を見た。目を逸らすかと思っていたが、ダンは静かに抜人を見返してきた。 ヤブル「どういうことなんだ、ダン?だいたいこの部屋、個室だし、壁に変なマットが貼ってあるし。 考えてみりゃわざわざ軍の病院ってのもおかしいぜ?」 鋭くなった。ヤブルの成長を感じながらもダンははぐらかす。 「何もおかしくは無い。退院できないのは急に貧血を起こす理由がまだわからないからだし、壁のマットは抜人が 発作を起こして暴れることがあるから、自傷防止だ」 マットに関しては本当だ。とはいえ、どうやら納得しているらしいヤブルの様子に、ダンは苦笑した。やれやれ、まだまだか。ダンは続ける。 「そしてこの病院に入れたのは、俺のコネが効くからだ。実際、待遇いいだろう?」 抜人は肩をすくめ、病室の入口に目をやりながら応えた。 「確かに、24時間軍人さんが入り口を固めてくれていますね。トイレにまでついて来てくれるんですよ」 ダン「だろ?軍人だって暇じゃねえ、こいつは破格の待遇だぜ」 抜人の皮肉も、ダンはさらりと受け流した。 ダン「じゃ、俺はちょっと人と会ってくる。待っててくれ」 山村「久しぶりだな」 ダン「おう、すっかり偉くなっちまったようで」 山村「階級なんか羨むガラか。仕事といえばガキのお守り、それに引き替えお前は基地の仕事、充実してるって 顔に書いてある」 ダン「ン……まぁな。若い奴ら見てると、失くしたモンを思い出すっつーか」 山村「お前が何を失くしたって?あの頃のまんまじゃねえか」 ダン「いやいやこれがそうでも……んなこたぁいいんだよ。どうなんだ、経過は?」 山村「どうもこうも、腹が立つくらいお前の読み通りだ」 ギリギリ遊園地に帰る車中。抜人の前では続けづらかった話題を、ヤブルは蒸し返してみた。 「でも、やっぱりおかしくないか?コネだけで一般人が軍の病院に入るなんて」 ダン「……本人に黙ってさえいれば、教えてやってもいいが」 ヤブル「なんだ、やっぱり何かあんのかよ?」 ダン「ああ、そろそろ知らせといたほうがいいとは思っていたんだが、実はな……」 ヤブルは真実を聞かされた。 抜人と吸血機との関係が疑われていること。異星人が現れるたびに疑いが濃くなっていること。 ヤブル「まさか。あんな普通な奴が」 ダン「言いたいことは何となくわかるが、別にキャラが濃いことはロボット乗りの条件じゃ無えぞ」 ヤブル「そうじゃ無えよ。なんか、なんかな……」 ダン「何だ、吸血機は味方だって言ってたのお前じゃねえか?」 ヤブル「そりゃあ、そうなんだが……」 確かに味方だと思えたあの瞬間。あの感覚が間違いだったとは思わない。しかし、それが吸血機の全てではないとわかっている。例えば治水市で出会ったときの禍々しさを、抜人と結び付けたくはなかった。 ダン「まあ、いい。抜人には黙ってろよ?」 ヤブル「心配しなくても、言えるかよこんなこと」 その夜妙に小森抜人のことが気にかかったのは、久しぶりに赤井と会ったからだろう。 抜人の病室に向かった山村は、扉に貼られたメモを見つけた。「屋上」とあった。 屋上に出る扉を開けると、すぐ脇にいた見張りの兵士が慌てて敬礼をした。問題の少年は、屋上の真ん中で床に倒れている。何があったのか、と兵士に問い質そうとしたとき、起き上がってこちらを見た少年と目が合った。寝転がっていただけらしい。 抜人「あなたは……確か偉い人ですね?」 山村は少年に歩み寄りながら、補足した。 「山村だ、覚えておけ。で、君は何を……してる?」 抜人「星、見てるんですよ」 山村「星か。好きなのか?」 脚を投げ出して座っている少年の横に腰を下ろす。 抜人「ええ。俺の素性……知ってるんですよね?」 山村「ああ」 抜人「宇宙人のロボットが落ちてきたとき、俺、星を見てたおかげで助かったんですよ。そんで俺だけが、 助かっちまった(※)」 山村「……」 どうして星を見ていると命が助かるのか、山村は怪しんだが、それ以上尋ねることはしなかった。 全てを失った日のことを自ら語りだした、この少年の心をもう少し開かせてみたい――打算半分、興味半分でそう思ったのだった。 抜人「でも、ここは駄目ですね。明るすぎて、夜中だってのにろくに星も見えない。俺の町だって満天の星って 訳じゃないけど、もう少し見えましたよ」 山村「あそこは周りが山だからな」 少年は黙って頷いた。 これ以上故郷の話をさせて、少年を傷つけずにいるのは難しそうだ。山村は退散することにした。 山村「風邪、ひくなよ」 抜人「平気ですよ」 生意気な、と思いながら監視を兵士に任せ、山村は階段を降りていった。 ※ 省略された第4話「関係なくない!」で、星を見ているとき山に落ちた隕石(正体はバンパイオー)を目撃した 抜人は翌早朝山に入った。そのためにクロイツの最初の襲撃を免れ、生き残ったのである。 「邪教徒め」 「今こそ討ち滅ぼさん」 「目覚めよ、同胞たち!」 街中の地下に隠されていた数十機のクレリッカが一斉に起動し、次々に地上に出現していく。 ――クレリッカ! それは病室に戻り、ベッドに横になろうとした刹那だった。抜人の頭の中にバンパイオーの声が響き、いつものように頭痛が抜人を襲う。 抜人「うう、うぅああ――――――――っ!?ぎゃああぁ―――――――っ!!」 だが、その痛みはこれまでの比では無かった。頭を抱え、目を見開き、口からは泡を吹きながら絶叫した抜人は、すぐに意識を失った。 兵士「おい、大丈夫か!」 絶叫を聞いて病室に飛び込んできた兵士も、もう慣れたものだ。その苦痛がいかばかりのものかは知らないが、少なくとも命に関わることは無いと、高を括っていた。しかし彼の見た光景は、そんな予測をはるかに超えていた。 兵士「あれ……?」 そこに抜人はいなかったのだ。もぬけの殻の病室は、外で聞いた絶叫が嘘だったかのように、静まり返っていた。 益子「N市で神父ロボが大量出現。この前テッケンオーが倒したタイプよ!」 ダン「ああ、小森抜人が特に反応したっていう奴だな」 わざとらしく言いながらダンが机の上に何か置く。ヤブルはその、15cm四方程度の黒い金属の箱を見つめた。 ヤブル「……これ、持ってっていいか?」 ダン「おう、持ってけ」 つかえ「秀一さま、敵が多いそうです。お気を付けて」 秀一「心配はいらない。出撃自粛の間、ヨユウダーの徹底的な調整をしてくれていただろう?」 つかえ「それは、そうですが……」 秀一「だから、全然余裕さ!」 つかえ「秀一さま……」 秀一がウィンクしてみせると、つかえは頬を赤らめた。 テッケン「またあの神父ロボかよ!」 乙女「主を冒涜するものは……」 テッケン「っと、ちょっと待った。乙女、俺たちが戦うのは、神様のためか?」 乙女「え……ごめんなさい。そうじゃないわ」 テッケン「謝るなよ。ちょっと確認しときたかっただけだ。俺たちが戦うのは」 乙女「今、生きている人たちのため」 テッケン「よし、なら行こうぜ!合体、スーパーテッッケンオォォォォ!!」 じいや「坊ちゃま、政府より正式に出動要請がございました。出動自粛はこれまでにございます」 リュウ「フッ、元より自粛など気にしていなかったが、要請まで受けて動かなかったとあっては乙女さんに 嫌われてしまうな」 じいや「左様にございます」 白目を剥いていた目が戻ったとき、抜人はバンパイオーの中にいた。ただし、その意識は既に抜人ではない。 抜人「クレリッカ……俺の敵。滅ぼす」 目を充血させて抜人が呟くと、バンパイオーは戦場に向けて飛び去った。 山村「何?あのガキが消えた?」 ただ少年を見張るだけの任務でまさかミスを犯すとは思わなかったのであろう、報告に来た部下は顔面蒼白となっている。山村はまず情報局に問い合わせ、異星人の出現を確認した。 山村「……ほう、これまでにない大部隊の出現か……なるほどな」 受話器を置くと、現場である病室に向かった。病室の前では、報告に来た兵士の相方が山村を待っていた。 山村「――窓は嵌め殺しか。後は……例えばこう、開いたドアの陰に隠れて、お前が部屋の中を見ている隙に……」 相方の兵士「それはありません。彼が中に入ったとき自分は外で待機していましたが、少年は出てきませんでした」 山村「冗談だ。プロである俺たちがそんな手で出し抜かれるものか。では残る可能性は一つだ。あの少年―― 小森抜人はやはり、消えてしまったんだよ」 兵士「は……隊長?」 元はといえば自分が言い出したことだが、あまりの唐突さに兵士は困惑した。 山村「あり得ない事ではないぞ?例えばセイカイオーの行征剣だ。あれは総理が使おうとすると、国会の地下から 転送されてくるのだという」 兵士「しかし、それなりの設備が要るのでしょう?それに現在では仕組みもわからない失われた技術だとか……」 山村「この世に瞬間移動は起こり得る、ってだけで十分なんだよ。こんな言葉知ってるか、あり得ない可能性を全て 削除して最後に残った可能性は――」 兵士「は、それは存じていますが……」 山村「だったらこの件は終了だ。俺はお前に落ち度は無かったと言ってるんだ。安心しろ。 じゃ、俺はちょっと連絡しなきゃならん所があるんで外すぞ。後は任せる」 兵士「は……はっ!」 病室を出て行く山村を、兵士は敬礼で見送った。 スーパーテッケンオーが飛来する! 上空の飛行船からヨユウダーが降下! 地中からはテンサイダーが! 走ってきたゲンカイザーが到着し、今4機のスーパーロボットが並び立つ。向かうはクレリッカの大軍団! ヤブル「こんだけ揃うのも久しぶりだな」 テッケン「リュウ、奴らのガス榴弾は俺たちの機体にはすげぇ効く。気をつけろ。 前みたいにすぐやられちまうんじゃねえぞ?」 リュウ「フッ、それはこちらのセリフ……って何だテッケンその羽根は。まさか……」 乙女「私ですわ」 リュウ「なっ、乙女さん!?テ、テッケン貴様ぁっ!!合体などと何と破廉恥なっ!!」 ヤブル「何だと?おい、合体ロボの何がハレンチなんだよ!?」 秀一「あー……諸君、萎縮している様子がないのは非常に結構なのだが」 益子『後ろからも次々に敵が出現しています。もう囲まれてしまっているわ!』 秀一「これでは戦術など考えている暇はないな。各個撃破。いくぞ!」 ヤブル・テッケン「おう!」 リュウ「やい涼茂、なぜ貴様が仕切る……ええい!」 4機のスーパーロボットは散開した。 ダン「もう難しい話はいらん。互いの力を信じ合え、それだけだ!」 電話が鳴る。 ダン「はい、こちらゲンカイザー秘密基地。……おお、山村。……消えた?煙のように?……わかってる、恩に 着るって。……ああ、機会があったらな。」 ダンが電話を切る。 益子「山村隊長がこんな時に、何です?」 ダン「うむ……おいヤブル聞こえるか。小森抜人が病院から姿を消した。奴が来るぞ」 ヤブル「へっ、俺はお前の話なんか信じてねえよ。本当に来てから考えようぜ!」 ダン『それでいい。敵はまだまだ出てくるぞ。エネルギーは温存していけ!』 おう、とヤブルが返そうとしたその時、激しい突風が吹いた。 夜空の闇に、ひときわ黒い影が見える。翼をもつ人型をしたそれはぐんぐんと近づいてき、やがて紅く光る二つの眼が確認できた。 ヤブル「マジかよ……」 まぎれもなくそれは、吸血機。 抜人「ハァァァァァァァァッ!!」 銃撃をかいくぐりながら一機のクレリッカの直近に着地したバンパイオーは、瞬間的にブラッディブレードで凪いだ。 クレリッカが上下に両断される。 その間にさらに2機のクレリッカが背後から斬りつけたが、バンパイオーはマントを翻して1機を弾き飛ばし、それに視界を塞がれたもう1機に左手の爪を突き刺した。 抜人「しゅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」 捉えられたクレリッカは痙攣しながら白化していき、突然灰になって散ってしまった。 抜人は目をさらに真っ赤にして、何者かの意志を口にする。 「我が敵たちよ……我に血を差し出せ!」 そんな抜人の様子を、誰にも見えないところから見ている者がいた。いや、あったというべきか。 (バンパイオーに意識を乗っ取られたのか、少年) 吸血機は次々にクレリッカを斬り、刺し、灰にしていった。結果だけ見れば、それは心強い助っ人ではあった。 リュウ「ほぉ、なかなかやるではないか。少しだけ評価してやるぞ」 だがヤブルには、事実をそう受け止めることはできなかった。それには今の吸血機の姿は凶暴すぎる。 ヤブル「やっぱり嘘だ。あれが、あんなのがアイツのはず無えよ……」 リュウ「そのナイスファイトを讃えて貴様の本名を聞いてやろう。吸血機はこちらで付けたニックネームだろう。 本当のを言ってみろ。ん?」 テンサイダーがバンパイオーに歩み寄る。 ヤブル「……!よせっ、雷場!」 抜人「俺の、俺の、敵ィィィィィィィッ!!」 リュウ「!?」 バンパイオーは一瞬、腰を落としたかと思うとテンサイダーに向かって飛びかかり、ブラッディブレードを振り下ろした! これをかわしたテンサイダーに、今度は左手の爪が伸びる。それもかわすが、攻撃は容赦なく続く。 リュウ「な、何だ!味方という話ではなかったのか!?」 テッケン「そういやお前、前にこいつに手ェ出したことあっただろ。それでお前だけ敵なのかも……」 リュウ「クッ、この愚かな化け物ロボットめ!ならば望みどおり相手をしてやろう!」 テッケン「よせって。そんな場合じゃねえだろ」 とはいえ、バンパイオーはテンサイダーへの攻撃の手を緩めない。 抜人「滅ぼす、俺の、敵……」 ヤブル「やめろ!」 ゲンカイザーが後ろからバンパイオーを羽交い絞めにする。 ヤブル「雷場、離れろ!……吸血機、お前はあの時俺を助けてくれて、一緒に戦った。だから俺、信じてる、 いや、信じてぇんだ!何か訳アリでも、お前は味方だって、俺たちの仲間だって……」 ザクッ。 羽交い絞めを振りほどいたバンパイオーは向き直り、ゲンカイザーの腹に爪を突き立てた。 ヤブル「な……?」 テッケン「ヤブル!」 秀一「ヤブルゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」(つづく) スーパーぼくロボ大戦Winner’s Hand・SSに戻る next back
https://w.atwiki.jp/minasava/pages/809.html
<プロローグ> 早朝。冬木教会の中で熱心に祈りを捧げている男の姿があった。 2m近い巨躯と滝のような銀色の髭を携えたその男こそ聖堂王、あるいは大聖帝。 西欧を作ったと称えられるもう一人の騎士王、カール大帝その人である。 カール「エイメン・・・ふむ、今日もつつがなく祈りは是無事に完了せり・・・。 聖杯戦争も終わってはや幾日、世は平和で大変結構。 さてさて、今日一日はどのように過ごすべきか・・・」 そのときである。カール大帝の元に、大天使ガブリエルからの信託が唐突に降りてきた。 その内容とは・・・ ガブリー「あ、シャルル?最近冬木で温泉湧いたって知ってる?あ、知らないっぽい?情弱乙www 聞くところによるとさー、その温泉結構効能いいらしいのよー。でさ、その温泉近くに教会建てて布教活動とかしてみようぜー」 ※・・・実際の信託内容はここまで砕けておりません、念のため。 カール「温泉・・・温泉か・・・。よいな、温泉!実によい! アーヘンの湯もなかなかであったが、思えばここは日本。温泉が心の故郷という国ではないか。 日本に来て温泉に入らぬなど、あって良い話ではないではないか! たっはーっ、うっかり!さっそく温泉に向かWA☆NEVER!」 <中ボスステージ> ???「■■■■■ーーーーーっ!!」 カール「うぉ、いきなり化け物か!悪霊退散ーっ!」 ???「■■■■■ーーーーーっ!!」 カール「うむ、一日一膳エクソシズム。怨霊物の怪困った時は、陰陽師なんぞではなく神父に助けを求めるべし。 しかし一体これは何ぞや・・・日本の悪魔、いわゆる鬼という奴か?」 ???「って、いきなり殺すとは何ごとじゃーっ!!!?」 カール「おお、生きておった・・・我が聖剣で死なぬとは中々どうして見上げた怪物よ。 ああ、安心せい、すぐにとどめを刺し・・・って何コイツ、ちょ、酒臭っ!?」 酒呑「いや、そりゃ酒呑童子だし・・・今朝も酒かっ食らったからな。 これで酒臭くなきゃおかしいっしょ」 カール「何堂々とダメ人間宣言じみたことしてくれてんの!?あ、人間じゃなかった・・・まぁいいや。 儂は酒とか超苦手なんですけど。近寄るな、酒臭い。近寄るな、酒臭い」 酒呑「何このひどい言われよう。何お前、そんな威風堂々な外見のくせに下戸なの?マジウケるww まぁ、こっちも先を急いでるんだ。近づくなっつーなら近づかないよ。 えっと、ヴァルハラ温泉はこっちの道で合ってるな・・・っと」 カール「よーし、悪魔は去った・・・って、ちょい待ち。今ヴァルハラ温泉とか言いました? いかん。いかんな・・・このままではせっかくの温泉が酒臭さMAX・・・あ、これ地獄だわ。阻止せんと」 酒呑「いやいや、温泉で酒をこうグイっと飲むのがいいんですよ?」 カール「認めません。う、想像しただけで気持ち悪くなってきた・・・」 酒呑「下戸すぎるだろ、アンタ。ま、阻止するってんなら相手になるぜ?さっき殺されかけた恨みもあることだしな」 カール「はっ!よかろう、悪魔退治飲酒廃止といこうではないか」 <ラスボスステージ> ガコン!ガコン!ガコン!ガコン! カール「・・・・・・なんじゃこりゃ。温泉に着いたと思ったら、なんかどんどん妙な建物ができとる」 ネブ「は!はは!ははははははは!!良い・・・実に良い! 温泉よりほのか立ち上る湯煙の中に我が空中庭園にて薄く白く濁る湯が噴水のごとく花と咲かせている! 辺りは純白の雪!それが湯の熱でわずか溶け陽光を反射して、見よあの煌めきを!神殿が輝いている! 湯が覚めようとも我が黄金の贄壇たる像が灼熱をもって温め直せばご覧の通りに再び湯となりて、まさに永久機関のごとし! 嗚呼!嗚呼っ!!!ここに、偉大にして優雅にして繁栄の頂たるバビロンは再現されるのである!!!」 カール「・・・うわぁ(どん引き」 ネブ「む・・・なんだヒゲ面。誰の許しを得て、我が第二のバビロンたる此方に来ている。 表に『工事中につき立ち入り禁止』の看板が立っていたであろう。とくと出てゆけ」 カール「いや・・・何しとるん?」 ネブ「見て分からんとは・・・いや、よく見れば貴様、相当に年老いているようだな。 となれば、頭の方も相当にボケているのだろう。なるほど、では見ても分からんのは仕方あるまい。 心して良く聞くがよい。王の言葉であるがゆえに! 今、温泉宿を作っているのだ」 カール「阿呆だ。阿呆がおる。 ふむ、しかし貴様今しがたバビロンとか言っておったな。 空中庭園やら何やらを建てて、揚句王?・・・なるほど、貴様ネブカドネザルか」 ネブ「いかにも!さぁ、我が偉名を知ったのであれば、とく平伏すがよい。そして速やかに老人ホームへ帰るが良い。 このバビロン温泉ランドが完成するまであと2日。完成した暁には、ここで会ったも何かの縁、特別優待券をプレゼントしてやろう」 カール「いらんわ!もとよりこの温泉には教会を建て冬木布教の第二の拠点とすべく天使より信託が下されておるのだ。 それを勝手にわけのわからんものを建ておってからに・・・。 神の御名の下に、この温泉を速やかに明け渡せい!」 ネブ「横暴・・・なんという横暴か!我が神殿を、我が聖域を、我が国境を侵し犯すか! 偉大なるナブー神よ!我が温泉宿を守り給え!」 <エピローグ> ローラン「大変だ!ルノーがまた行方不明になっちまった!」 アストルフォ「どうやったら温泉宿の中で迷子になれるんだろうね?」 ローラン「この前は確か、ボイラー室にいたよな。扉には鍵がかかってたのに」 チュルパン「ある種の奇跡ですよねぇ、彼の迷子は・・・」 カール「まぁ、ネブカドネザルの神殿をそのまま教会に作りなおしたせいで、馬鹿みたいなでかさじゃからのー。 ルノーでなくとも、迷子になりかねんだろう。実際、昨日きた衛宮の小倅も迷子になりかけておったしな」 アストルフォ「確かに。僕もまだこの教会の全貌は把握できてないし・・・ よーし、ローラン!ルノー探索ついでに、探検といこうじゃないか!」 ローラン「乗った!」 チュルパン「教会というか、すっかり『不思議なダンジョン』ですね。いいんでしょうか」 カール「ローランが楽しそうだからよし! さて、大司教よ。一緒に温泉に入らんか?この国では互いに背中を流し合うのが鉄則なのだそうだ」 チュルパン「では、お供しましょう。その前に祈りの時間をば」 カール「うむ。今日も冬木が平和でありますように」