約 1,228,860 件
https://w.atwiki.jp/83452/pages/16466.html
「あぁ、そう言えばそうだった!」 放課後の教室に、 中野梓ことあずにゃん。 いやっ、梓の声が響いた。 「いや、梓……アンタ」 「ふふっ、まぁ。特別なことは必要ないと思うよ」 友人二人に軽く笑われつつ、 梓は深く溜息をついた。 (特別なことは必要ない、かぁ) 部活の先輩の妹である平沢憂がそうは言うものの、 何もしないなんてことは駄目だろう。 実は、明日は憂の姉の平沢唯の誕生日。 すっかり忘れていた梓は、 憂に言われ、ようやく思い出した。 「特別じゃないけど、 何か贈り物とか……でも。なぁ」 梓は一人、自室で溜息をつき、 お世話になってないからいいや。 なんて邪念を払い除けつつ、 財布の中身を取り出してみる。 「……」 小銭が数枚床を転がる。 それ以外に音はない。 もちろん、 紙幣があるわけじゃない。 「うわぁぁぁぁん!」 「梓ー何時だと思ってるの!?」 「お金ないよぉ!」 「遊びすぎの自業自得よ! 良いから寝なさい!」 母親に怒鳴られ、 渋々布団に潜るも、寝れるわけがない。 確かに、 なにか為になることをしてもらってるのか? そう聞かれれば梓は間違いなく首を横に振り、 文句を並べ立てるだろう。 しかし、 一緒にいてくれることが、 梓にとってはとても有難い事だった。 何か為になるわけじゃない。 むしろ、抱きついてくるのは暑苦しいの分類のはず。 けど、 唯からのスキンシップであるハグは、 梓にとっては大事な1コマだ。 それがなければ、 梓は学校というものがつまらなく感じてしまうかもしれない。 もちろん、 それだけが大事というわけではない。 「どうしよぉ~」 部屋でいくら嘆こうと、ない金は湧かないし、 時間がもうすでに11月27日の00時になってしまって、 時間が無いことも、変えられない。 「あ」 時計を確認して、 携帯を開き、もう一度時計を見る。 00時10分。 「メ、メール!」 急いでおめでとうのメールを打ち込む。 メールを送信して、 とりあえず安心――は出来ないようで。 「も、戻ってきたぁぁぁぁ」 「梓ぁぁぁ!!」 「お母さん携帯代払ってないじゃん!!」 「忘れちゃったわ。てへぺろ 明日で良いじゃない」 「駄目だよ!」 「今日中に払いたいなら自分のお金でよろしく。 この時間、お母さん達の銀行はATMから下ろせないから」 終った。 母親が部屋のドアを閉めて自室へと消える。 梓は打つ手なし。 「しかたない……休みだし、なにか手作りでいこう!」 梓はそう決心し、 適当に家にある裁縫道具をかき集めた。 「……なに作ろう」 何を作るか、 今度はそれで梓の手が止まる。 それほど裁縫が得意じゃない梓に、 人形を作ったりは無理難題。 それも、1日もない時間で。 「マフラーとかは無理だし。うぅ~ん。 憂とかに……あぁ携帯」 溜息しか出ない。 梓は裁縫を諦め、料理雑誌を手に取った。 これなら、 長くても半日程度で、 お祝いの料理が出来上がる。 材料があれば。の話だが。 目に留まるものは多々あれど、 どうやら材料は皆無であり、梓は結局寝ることにした。 ―――― 「あ゙」 失念。 普段夜更かししない梓は、 つい目覚ましのセットを忘れてしまった。 こうなればもう、 不幸としか言いようがない。 夜更かしに慣れておらず、 体がだるくなってしまうし、 通常通り8時間近い睡眠時間をとってしまう。 寝たのは午前3時。 梓が時計を確認すると、 ちょうど天辺で針が重なった。 「ど、どどどどどうしよう!」 「知るか!」 友人の鈴木純を半ば強引にファストフード店に誘い、 相談するも見事に切り捨てられた。 「大体、唯先輩好きなのに、 誕生日忘れるってどういう神経してんの?」 「……だって、卒業近いから」 「あー……ごめん」 唯達は卒業が近い。 それで、上の空になってることが多い梓は、 すっかり気づかなかった。 それが今回の敗因らしい。 「今からでもお菓子とか作れば?」 「材料ない、お金ない、親いない、お金ない」 「おぉう、絶体絶命」 純の言葉にうなだれつつ、 梓は作戦を練って、 思いついたのかいきり立ち、純を見つめる。 「な、なにさ?」 「お金貸して!」 「ごめん、無い」 なんでファストフード食べたんだろうか。 そんな疑問が梓の頭の中を駆け巡り、 溜息をつく。 「じゃぁ、ね。純」 梓は手を振って、純に別れを 「させるかぁ!」 「は、放してよ鈴木さん!」 「すずっ――金銭の間柄だったの!?」 「……」 「なにか言ってよ!」 「うん」 「えぇ!?」 二人の茶番のせいで、 店長が出てきたことは割愛する。 場所は梓の自宅へと変わった。 「まぁ、真面目にどうしようか」 「いっそ、 プレゼントは私ですってどうよ」 「純をプレゼントしてもなぁ……」 「梓、帰って良い?」 立ち上がった純を止める者は居なかった。 「とめてよ!」 「真面目に答えると、 プレゼントは私です。なんて言っても、 唯先輩は喜んで抱きついてくると思う。 でも、それだといつもと変わらないような気がする」 「そうなんだ、じゃぁ梓から抱きつくのは?」 「なにそれ。愛情こもって無くない?」 「愛情?」 「! え、えっとほら。 気持ちだよ気持ち。尊敬とかそういうさ」 梓はなんとか誤魔化したものの、 純は騙されていなかったりする。 それはさておき、 いつの間にか夕方になっており、 純が帰った後、携帯を開いて見ると、 着信2000件、メール4000件溜まっていた。 「澪先輩達――ってぇ!? お誕生会とか聞いて無いよ!」 携帯見ていないのだから当然である。 因みに、受信着信は0が3つほど余分につけられるので、 実際は2件と4件である。 「い、行こうかな……でも」 なにもプレゼントできない。 梓は何も持っていない、 いや――ある。 梓はいつもの鞄を手に取った。 「待ってて下さい。唯先輩!」 梓は家を飛び出した。 猫のように。 私は猫であr――。 「あっずにゃぁ~ん」 お誕生会の会場、 平沢邸に辿り着いて早々。 梓は抱きつかれ、すりすり、なでなで、もふもふされていた。 もみもみ、は無理。いや辛うじて――いや、やって無いけど。 「梓、連絡つかないからこないのかと……」 「だから言ったろ、梓が来ないわけ無いって」 「あらあら、唯ちゃん嬉しそう」 先輩の田井中律、秋山澪、琴吹紬の3人に見つめられながら、 梓はいつもの鞄―ギターケース―からムスタングを取り出した。 「ゆ、唯先輩!」 「あずにゃん?」 「な、何かしようと思ったけど、 私、何も作れないし、何もあげられるもの見つからなくて、 でも、何もしないって言うのは嫌だから……」 梓はギターを弾きながら、 ふわふわタイムや、ふでペンボールペンを歌い、 最後に誕生日の歌を歌った。 「唯先輩、お誕生日おめでとうございます!」 梓がそう言って微笑み、 唯を見ると微笑んでいて。そして 「あずにゃんありがとぉぉ~!!」 抱きつかれ、 すりすr以下略。された。 その後は普通に誕生会を終え、 梓だけは平沢邸に泊まったのでした。 これで終わりです。 戻る
https://w.atwiki.jp/sangamaki/pages/46.html
ここまでのあらすじ! 健夜(10)とはやり(10)と晴絵(10)、雅枝(10)と愛宕姉妹、そして理沙(10)を養うことになった須賀京太郎 彼は今、とんでもない状況に直面していた! . ヒュンヒュンヒュン! グガガガガガ! ズガガガガガガ! ヒュウッ ドドンッ! 「な、なんだこいつぁ!」 「とても人間とは思えねえ!」 「くそっ、俺の武器が!?」 「やべえ!当たるぞ!」 ドヒュヒュヒュヒュ! アガアアアアア! 善野「ふぅ……こんなところやろか」 「お、お前は何者なんや!」 善野「大人の女には秘密が多いんやで」 ガシュ ドンッ 善野「郁乃ちゃんの解毒剤を探しに来たんやけど、ここには無いみたいやな」 善野「ん、何やこれ?」 『絶対に飲むな!いいか?絶対にだ!』 善野「…………」 『絶対に飲むな!』 善野「…………」プルプル 『絶対に』 善野「…………」コキュッ 善野「んっ……」ゴクゴクッ 善野「なんや、ただの栄養ドリンクやないか」 善野「ふぁーあ、そろそろ帰ろかー」 ドクン 善野「はぁっ!なんや、これぇっ」 ドクンドクンドクン 善野「ぁっ!発作ぁあ……っ……ッ!」 ドクンドクンドクンドクンドクンドクン! 善野「あぁあぁぁぁああぁぁ!」 『残高 1608円』 京太郎「…………」 京太郎「やばい」 京太郎「やばいやばいやばい」 京太郎「もう生活費底ついちゃったよ!」 京太郎「ほんとにどうしよ……」 京太郎「とりあえず絹恵さんに相談しないと……ん?」 「悪いなぁ、嬢ちゃん、嬢ちゃんみたいな子は家族の方がおらんと入れないんや」 善野「こんなんやけど、ぜんちゃん強いんやから、こほっ」 善野「入れさせてーな、けほっ」 「せやかて嬢ちゃん、お母さんかお父さんは?」 善野「知らん……」ズーン 「知らんて……お兄ちゃんかお姉ちゃんは?」 善野「知らん……」ボソッ 「なら諦めるんやな」 善野「そんな……」キョロキョロ 善野「あっ!」 京太郎「目があった!?」 善野「お兄!」 「……あんた、その子の兄ちゃんなんか?」 京太郎「え、えーっと」 善野(話し、合わせて)パクパク 京太郎「ええ、義理の兄妹なんですよ、似てないですよね」 「そうなんか、あんまり離れんようにな」 善野「やった!麻雀や!」 善野「麻雀!麻雀!まーげほっ、げほっ、がはっ!」 善野「はぁ、はぁ、げほっ、けほっ」フラッ 京太郎「おい、大丈夫か?」 善野「だい、じょうぶげはっ!」フラッ 京太郎(血まで吐いてるぞ!) 京太郎(……どうしよ) 「この子、家で看た方がええんとちゃう?」 京太郎「……ですよねー」 京太郎「それじゃ、さようなら!」カツギッ 「お大事になー」 霞「今度は病弱な子を拾っちゃったわけね」 京太郎「……はい」 霞「郁乃ちゃんが看病しなれてるからよかったものの」 霞「あの子も養うの?」 京太郎「親がいないみたいですし」 霞「はぁ……大変ね」 ヨッシャアアアアアア! オネエチャンアブナイデー! ウワワワ! ガララ 洋榎「霞!霞!」 霞「はいはい、なにかしら?」 京太郎「どうしたんですか?」 絹恵「あれ、京太郎くん帰って来てたん?」 京太郎「はい、さきほど」 洋榎「そんなことはええ!あんな、ウチ!六億円当たったんやで!」 京太郎「…………」 霞「…………」 京太郎「洋榎さん洋榎さん」トントン 洋榎「な、なんや」 京太郎「エイプリルフール、まだ半年くらいありますよ」 洋榎「ホンモンや!ホンモン!」 京太郎「あ、本当に当たってる」 洋榎「ウチもただヒモってるだけやない、言うことやな」ドヤッ 絹恵「さすがはお姉ちゃん!」 洋榎「せやろー流石やろー」 というわけで…… 洋榎「増築したで!」 はやり「台所が新しいです!綺麗です!これで絹恵お姉さんにも負けませんよ!」 絹恵「あははっ、楽しみやなー」 理沙「ベッド!ベッド!」プンスカ!プンスカ! 京太郎「理沙、ぜんちゃんが寝てるんだから静かにな」 理沙「むむっ」プンスカ! 善野「すぅ……すぅ……」 雅枝「かわええ寝顔やなー」ツンツン 善野「むふぅ……」プニプニ 晴絵「なーなー風呂はー」 京太郎「ああ、なんでも外に大浴場を作ったとか」 健夜「なにそれ」 洋榎「よーしこれから風呂に入るでー」 咏「いえーい!」 憩「楽しみやなー」 照「うん」 郁乃「気持ちええんやろな~」 霞「大浴場はこっちよ」 京太郎「あれ?男湯は?」 健夜「何言ってるの?」 晴絵「聞いてなかったのかよ、ここ混浴だってさ」 はやり「水着の着用は認められませんっ☆」 京太郎「え゙」 雅枝「ええやん、絹恵姉ちゃんのとか霞姉ちゃんのとかが見れるんやから」 理沙「おまつり!」プンスカ! 絹恵「京太郎くん、今夜は寝かさないで」ボソッ 洋榎「ウ、ウチもやで」ボソッ 京太郎「そ、それはどういう意味なんでしょうか?」 善野「まあまあ、入って入ってー」 その夜、俺がどんな目に遭ったかはまた、別の話である
https://w.atwiki.jp/junchankawaii/pages/185.html
ポケットに入れていた携帯が震えた。メールが来たときの振動だと分かる。 暖まった手で携帯を開く。送り主は純ちゃんだった。 文面は、短く二行。 『結局殺しに来なかったね』 『それじゃあ、本気出すから』 背筋に寒気が走る。 「ただいまー!」 同時、お姉ちゃんが玄関の扉を開けた。 私は玄関へ走って、靴を脱ぎかけたお姉ちゃんの手を掴む。 「お姉ちゃん、急いで! あれがすぐ来る!」 「えっ、えっ?」 お姉ちゃんを片足でぴょんぴょん跳ばせながら、お風呂場へと連れていく。 ためらいもなく制服を剥き、浴場に押し込む。 キッチンへ行くと冷蔵庫から氷を全て取り出し、タライに乗せて持ち上げる。 「う、あああああっ!!」 お風呂場からお姉ちゃんの絶叫が響く。 足に力を込めて、お姉ちゃんのもとへと急ぐ。 「うい、熱い、熱いよぉっ!!」 お風呂場に入ると、タイルの上でお姉ちゃんがぐったりしていた。 真っ赤な肌は、火傷しそうなほどに熱くなっていた。 「お姉ちゃん、しっかりして!」 私はミトンが欲しいのを我慢して、お姉ちゃんを抱き上げて浴槽に座らせる。 タライの氷を流し込み、首や脇の下にすりつけてあげる。 「はぁ、はぁっ……!」 お姉ちゃんの息はまだ上がったままだ。 体温を測るまでもない。お姉ちゃんは命の危機に瀕している。 私はキッチンから食塩を袋で持ってきて、水に振り落とす。 微々たるものではあるが、これでも吸熱効果がある。使わないよりはマシだった。 「う、うい……」 息も絶え絶えに、お姉ちゃんが私の名前を呼ぶ。 「大丈夫、お姉ちゃんは私が守るから」 「うい、大好きだよ……」 お姉ちゃんにはもう、私の言葉は聞こえていないのかもしれなかった。 虚ろな瞳に私は映っていない。 「お姉ちゃん、いまアイス持ってくるから!」 「えへへ……」 昨日の分のアイスは残っている。使えるものは全て使わないと、お姉ちゃんを助けられない。 アイスはまだ20本ある。 私は袋を破って、お姉ちゃんの口にアイスを近づける。 お姉ちゃんの吐く息が手にかかる。肌を灼くような熱さでアイスが溶けていく。 「ほらお姉ちゃん、アイスだよ」 「ん……」 アイスを唇に触れさせると、お姉ちゃんは反応をみせた。 大きく開けた口にアイスを入れてあげる。頬の内側に触れさすと、お姉ちゃんが口を閉じる。 「ん、ふ」 次のアイスの袋を破っておく。 お姉ちゃんの首筋に触れてみるけれど、体温が下がった感じはしない。 「……っ」 私はお姉ちゃんの体を見つめた。 まだ、出来る対処はある。 私はアイスの表面に付いた霜を手で取り、ねっとりと唾で濡らした。 「う、い……?」 「お姉ちゃん、ごめん……」 冷水に手を突っ込み、お姉ちゃんのお尻を持ち上げる。 アイスの先端を、お姉ちゃんの入り口にそっと当てがった。 「あ、うい……やだ、うそだよぅ」 「……ごめん。どうしてもお姉ちゃんを助けたいの」 「うい……」 お姉ちゃんはごくりと唾を飲んだ。 口に入れていたアイスはもう溶けてしまっているらしい。 「わかった、いいよ……私のことは気にしないで」 覚悟を決める。 私はせめてゆっくりと、お姉ちゃんの中へとアイスを沈みこませていく。 「う、ン……」 お姉ちゃんは歯を食いしばって、必死に痛みをこらえていた。 破瓜だけじゃない。塩水がしみて、耐えがたい痛みになっているはずだ。 「く、あ……!!」 「お姉ちゃん、大丈夫!?」 「うん、く……平気。冷たいよ」 どうやらお姉ちゃんの処女膜はあまり傷つけずに済んだらしく、 水の中にはほんの少しばかりの血が漂っているだけだ。 「お姉ちゃん……」 「うい、もっとお願い……」 「……分かった。お姉ちゃん、次のアイスくわえてて」 私は次々とアイスの袋を破り、棒を捨て、お姉ちゃんに上から下から前から後から食べさせる。 お姉ちゃんの体にこもった熱が、少しずつ抜けていくのが分かる。 「……どんな感じ? お姉ちゃん」 「すごい……楽になってきた」 肌は赤いし、息も荒いけれど、最初に比べればかなり落ち着いている。 「……あれ? うい、携帯鳴ってない?」 お姉ちゃんが私のエプロンを見つめて言う。 目をやると、ポケットに入った携帯が振動していることに気付いた。 「メールだ……」 濡れた手で携帯を開く。 もとより携帯の入っていたエプロンもびしょぬれなので、さしたる問題ではない。 メールの送り主は、やはりというべきか純ちゃんだった。 『つかれた』 ……こっちのセリフだ。 「どうしたの?」 「なんでもないよ。純ちゃんからだった」 お姉ちゃんにもメールを見せる。 「あはは、ほんとに何でもないね」 無邪気に笑うお姉ちゃん。疑った様子は見られない。 私は立ちあがると、お風呂場を出てタオルで携帯についた水を拭きとる。 防水機能つきの携帯に買い替えなければ、とは思わなかった。 「お姉ちゃん、そろそろ大丈夫じゃない?」 「あ、そうだね! いつの間にか冷えてきてるよ!」 お姉ちゃんは氷のすっかり無くなった水風呂から立ちあがろうとする。 けれど、腰が抜けているのかよろけてしまって、浴槽のへりにしがみついた。 「……うい、最近私たちなんだか凄いことしてるね」 私は無言でお姉ちゃんの体を浴槽からすくいあげた。 「お姉ちゃん、まずは体を拭かないと……」 「うん、風邪ひいちゃうもんね……」 どうしてだか、お姉ちゃんとの会話が続かない。 しっかり背中も拭いてね、とかそういえばヘアピンついたままだね、とか、 言葉はいろいろ浮かぶのに口から出てこない。 「うい……」 お姉ちゃんが私の名前を呼んだ。 「……私のこと、好き?」 大判のバスタオルが、擦れあってぶつかり合ってバサバサ言っている。 私は息を吸った。 「好きだよ。大好き」 お姉ちゃんはより大きく息を吸った。 「……それは、どういう意味で?」 タオルの擦れる音は聞こえなくなっていた。 耳がきーんとして、お姉ちゃんの息遣いしか聞こえない。 この耳はいま、お姉ちゃんのためだけにあるらしい。 「……なんて言ったらいいのかな」 「いいよ、憂の言葉で言ってみて」 お姉ちゃんの手が私の頭に乗っけられた。 「……私は、お姉ちゃんに恋してる」 「そう……なんだ」 お姉ちゃんは私の耳、頬、首筋と撫でていって、最終的に肩に手を置いた。 「ねぇ、憂……姉に恋するって、どんな感覚?」 「……分かんない。私はお姉ちゃん以外に恋したことがないから、これが恋なんだって思ってる」 「ふうん……」 お姉ちゃんの手が、私の首筋から頬へと戻ってくる。 「憂はずっと私のことが好きだったんだ」 「うん」 幼稚園のころから、おぼつかない恋心を育ててきた。 いつも一緒にいるから、勝手に揺るぎないものになっていただけとも言えるけれど。 「私は……どうなんだろう」 「どう、って」 「けっこう色んな人に恋をしてきたと思う。男の人にも女の人にも」 「それから、妹にも」 お姉ちゃんは私にゆっくりと近づいて、きつく抱擁した。 「私はいま……憂に恋してたときの気持ちを思い出してるような気がする」 お姉ちゃんの声が耳元でする。 今までずっと分からなかった、例のクセの原理が理解できる気がした。 これ、すごくキスしたくなる。 「うい、守ってくれてありがとう」 「憂がいなかったら、私は今頃……」 お姉ちゃんの話は聞いている。 でも、ちょっとまだるっこしいと思った。 「あ、う、うい……」 私はお姉ちゃんの頭を抱きしめて、私と向き合わせた。 目が合ったお姉ちゃんの表情は、困惑したような、興奮したような、分かりにくい表情。 「ちゅ……」 やっぱり、お姉ちゃんみたいに上手には出来ない。 「ん、はぁ……」 唇を離した。すぐに息が苦しくなってしまう。 いつもどんな風にしてもらっていたっけ。 「うい……」 お姉ちゃんの瞳がとろけている。 「あぁ……うい、好きだよぉ。好きになっちゃったよぉ」 「姉妹なのにな……いけないね、こんなの。んぅっ」 大人みたいなことを言いながら、お姉ちゃんは私に口づける。 「ん……」 頭の中で気泡が弾けるかのように、痺れが広がっていく。 やっていることは変わらない気がしたけれど、お姉ちゃんにされると頭がおかしくなる。 「はああぁ……ん、うぅ」 「ちゅ、ちゅぅ……んむ」 要するに私はマゾってことなんだろうか。 なんか納得いかない。 「は、あ……」 思わず舌が出る。 お姉ちゃんは少し驚いた顔をしたけれど、すぐに私の舌を口内に招き入れ、楽しげに舌を絡めだす。 「あ、ふあぁっ!」 私の舌とぐちゃぐちゃ触れ合うお姉ちゃんの柔らかで温かな舌。 否応なしに体が反応してしまう。 「ふむ、ふむぐぅっ! ひゃ、おねえひゃっ」 「憂、おいふぃ」 お姉ちゃんが短く放つ言葉が、脳髄に響く。 私はお姉ちゃんに舌をむさぼられながら、ショーツを愛液でぐしょぐしょにしてしまう。 「かわいいよ、うい……」 優しく髪を撫でられる。 私は吸われつくした舌でお姉ちゃんの唇をべろべろ舐めながら、愛の言葉をつぶやき続けた。 ―――― 深い深い夜。どこかから梟の鳴くような声がする。 私は100円ライターを忍ばせ、街灯が白く照らす道を歩いていた。 向かう先は純ちゃんの家。 私は、殺意という物が本当は静かなのだと感じた。 夜道に私の足音だけが響く。 深夜2時は、私の心と同化していた。 「……」 純ちゃんの家に到着する。 私が移動していることに超能力で気付いたんだろう、純ちゃんの部屋は明かりが点いていた。 門の前で睨みあげていると、玄関の鍵が開けられた。 私は黙って玄関を開けて押し入る。 そしてライターの火を灯し、小さく縮めて隠した。 階段を上がって、純ちゃんの部屋の戸を開ける。 「おっす」 始まったばかりの野球漫画のコミックス1巻を読みながら、だらけた姿勢で純ちゃんは待っていた。 「こんばんは、純ちゃん」 「まぁ座ったら?」 「いいよ。すぐ帰るし、これから私が死なせる人の座椅子を使うなんて嫌だもん」 私は壁に寄り掛かって腕を組む。 「純ちゃん……お姉ちゃんを苦しめたね」 「苦しめるっていうか……私は殺すつもりだったんだけどね」 どっちだろうと大した違いはない。 苦しめようが殺そうが、お姉ちゃんにそんなことをした人間を私は許さない。 「……最後に、なんでこんな事をしたのか聞かせて欲しいんだけど。いいかな。純ちゃん?」 純ちゃんはくすりと自嘲気味に笑った。 「そっか、最後か。それなら話してもいいかな」 ぎしりとベッドを軋ませて立ち上がると、純ちゃんは私の横に並んで壁に寄り掛かった。 「……憂を試したかった。憂が私とお姉さん、どっちを選ぶのか、ね」 「なにそれ?」 「私、憂に憧れてたんだ。天才の憂に」 また、天才。 けれど否定はしない。 私は超能力に目覚めて、とうに完璧に扱えるようになっているから。 純ちゃんが毎日しっかり鍛えていたものを、あっというまに使いこなしてしまったから。 「それと同時に妬ましかった。だから……憂がなんにも出来なくなるように、お姉さんを殺そうと思った」 特別な感慨は湧かなかった。 かつて、純ちゃんを友達と思っていた記憶はない。 人を殺すために越えなければいけない関門。抱かなければならない激情。 私は、殺意と殺人の境界線を踏み越えている。 「純ちゃんってワガママだね」 「……相手が憂じゃなかったら、こんな風には思わなかったよ」 「憂がどんどん遠くに行っちゃうから。このままじゃ憂が私を見てくれなくなる気がしたんだよ」 「バカだね。そんなことしなくても、私は純ちゃんの友達でいたよ」 「へへ……本当にバカだと思う」 「何より、憂にとってお姉さんと私を天秤にかけたときに」 「私の方に傾いてくれるんじゃないかって少しでも期待したあたりがバカだよね」 純ちゃんがほうっと息を吐く。 「そりゃそうだよね……私とお姉さんだったら、憂は絶対に私を殺すって」 「ほんとにバカだった」 5 戻る
https://w.atwiki.jp/83452/pages/5428.html
憂「お姉ちゃんは今日もいつものメンバーと図書館で受験勉強です」 憂「私もそばで手伝ってあげたいけど」 憂「ついつい甘やかしちゃいそうだなー」 憂「そういうわけで今日は梓ちゃんと純ちゃんが遊びに来ます」 憂「お昼ご飯も作ります♪」 ピンポーン 憂「はーい!」ガチャ 梓「こんにちは」 純「ちわーっす!」 憂「二人ともあがってー」 梓純「「おじゃましまーす」」 ブイーン 純「あー、涼しー」 梓「人ん家来て早々それかい」 純「だってー暑いしー」 梓「やれやれ」 憂「今お昼作るね」 純「ところで梓は扇風機派?それともクーラー派?」 梓「いきなり何?」 純「ちなみに私は扇風機派だけどね。」 梓「私はやっぱりクーラーかな」 純「梓は環境破壊に貢献してるね」 梓「う、うるさい!快適なんだもん!」 純「憂はどっち派?」 憂「私は扇風機かな」 憂「お姉ちゃん、冷房に弱いからクーラーはあまり使わないの」 憂「それに扇風機に「あ゛ーー」って声を出すお姉ちゃんすごく可愛いし//」 純「なるほど…」 梓「すごく納得できる…」 憂「お昼ご飯できたよー」 純「おおっ、うまそう!」 梓「憂って本当にすごいよね…そりゃもう色々と」 憂「そんなことないよー私も一人じゃ何もできないし」 梓「そっか、いつもは唯先輩のために家事をこなしてるもんね。それってつまり…」 純「誰かのために頑張ることで何でもできるってことだね!」 憂「えへへ//」 梓「私のセリフ…」 憂「それじゃあ遠慮しないで食べて!」 梓「本当にありがと憂」 憂「どういたしまして」 純「いっただきまーす!」 同時刻 図書館近くのファミレス 店員「キムチハンバーグセットお持ちしましたー」 澪「あ、私です」 紬「澪ちゃん嬉しそうね」 澪「私の大好物なんだ」 唯「…ねえりっちゃん澪ちゃんってまさか」 律「ああ、そのまさかだな…」 澪「コラ、変な想像をするな!(キムチ好きなだけで在日設定!?)」 憂の部屋!! 純「はー食った食った」ゴロリ 梓「食べてすぐに寝ると牛になるよ」 純「もー、そんなことないもん」 憂「それじゃあ食休みでもしようか」 梓「うん」 純「はー、しっかし暇だなー」 梓「…三年の先輩たちがいたら張り倒されるよ?絶対」 純「そうだ!アクエリとコーラある?」 憂「あるよ」 純「よしっ!」 梓「何に使うの?」 純「これからゲームを始めよう!ルールは簡単、たくさんの紙コップにアクエリとコーラを注いで、目隠しして一つずつ飲んでいく」 純「アクエリは1点、コーラは2点、ちなみに一個だけあるメントスコーラはボーナス10点!」 憂「紙コップはあんまりないよ?」 純「えっ」 梓「…一人でやれば?」 純「やっぱダメ?」 梓「でもなんかだるいなー」 純「ねえねえ梓」 梓「今度は何?」 純「魚に関係のある言葉は魚偏が使われているんだよね?」 梓「で?」 純「それじゃあこれはなんて読むのかなー」 憂「?」 純「(ギクッ)そ、そんなんじゃないよーー」 梓「図星か…」 純「そうだよーさかなくんだよー」 憂「へぇーお姉ちゃんにも教えてあげよっと」 純「いや、本気にしないで…」 純「なんかまた暑くなっちゃったね…」 梓「誰かさんが騒ぐから…」 憂「私、飲み物持ってくるね」 梓「私も手伝うよ」 バタン 純「あ」 純「私だけ取り残された…」 純「汗かいちゃったな…」 純「ズボン脱いで…」スルスル 純「…パンツも脱ぐか」ズルッ 純「下半身裸になったわけですが…」 純「なんかムラムラしてきた」 純「ちょっとだけ…」クチュクチュ ガチャ 憂「純ちゃーん、カルピス持ってk…」 梓「じゅ、純何してんの!?(すごい剛毛…)」 純「」 憂「邪魔しちゃまずかったかな…?」 梓「人ん家で下半身露出して何やっとんじゃーーー!!」 純「いや、ついほんの出来心で」 梓「まったく…」 憂「純ちゃん、毛がすごいね…」 純「高校生だからこれくらいは普通じゃないの?」 梓「………」スルリ 憂「梓ちゃんはツルツルなんだね」 純「見事なまでのπパン…」 梓「(ウルウル)」 純「なんていうか…ごめんね…」 憂「なんか私もムラムラしてきちゃった…」 純「じゃあ、三人で…しよっか?」 梓「ちょっと!」 憂「梓ちゃんはしないの?」 梓「わ、わかった!するよ!」 (三人とも全裸に) 純「やっぱり憂っておっぱいおっきいねー」 憂「下のおけ毛は純ちゃんが一番だよー」 梓「そんな二人に比べて私は…」 純「月とすっぽんぽんだね!」 梓「私たちは今確かにすっぽんぽんだけど…」シクシク 純「(ちょっとからかい過ぎたか)」 憂「大丈夫だって!」 憂「梓ちゃんもそのうちおっぱいおっきくなるよ!」 純「そうそう、アソコにちゃんと毛も生えてくると思うよ!」 梓「うん…頑張る」 憂純「「(何かはわからないけど)ガンバレ!」」 梓「まずどうする?」 憂「梓ちゃん、それ貸して?」 梓「これ?」 憂「これを純ちゃんのアソコに…」ドロリ 純「それ、カルピスの原液!?」 梓「これはみごとな白濁…」 憂「ふふっ、今の純ちゃんすごくHだね」 純「///」 憂「私、純ちゃんをいただいちゃうね」ペロペロ 純「あっ、憂っ!」 梓「私は…憂とする!」 憂「んっ、おけ毛もしゃぶってあげる」モフモフ 純「憂、キャラ変わってるっ!」 憂「純ちゃんのお汁もおいしい…」ピチャピチャ 純「ふっ、あんっ!」プシュプシュ 梓「憂のふともも気持ちいいよっ!」ネチャッ 憂「ひっ、梓ちゃんのふとももも気持ちいいよっ!」 純「憂っ、私のおま○こもっと舐めてぇっ!」 梓「そろそろ、イきそう…」 憂「んんっ!(私ももう…)」ギュッ 純「ふぇっ、ちょっとそこは…クリっ!」 梓「あんっ、もうだめぇ!!」プシャァァ 憂「んん、んんんんーーー!!」ピュルッ 純「なんかくるっ、イっちゃうーーーーっ!!」ビクンビクン 梓「はあはあ…」 純「ああああ…」ジョォォォ 憂「んっ…」ゴクゴク 純「う、憂!?おしっこなんて汚いよ?」チョロチョロ 憂「大丈夫だよ、純ちゃんは友達だから」 憂「でも一番飲んでみたいのはお姉ちゃんのかなー」 梓純「」 着替えた後 純「昼間っから何やってるんだろう私たち…」 梓「ホントだよ」 憂「でもたまにはこんな日も悪くないかな?」 梓「うん、ごくたまにでいいから」 憂「今カルピス作るね」 純「ありがと…」 その夜 憂「今日は楽しかったなー色々と」 憂「ん、これは…」 憂「陰毛…たぶん純ちゃんの?」 憂「まき散らされてる…」ヒョイ 憂「こっちにもある…」 ガチャ 唯「ういー」 憂「!お姉ちゃん!?」 唯「ここわかるー?」 憂「あ、そこはこうやって…」 唯「ありがとー」バタン 憂「ふう、危なかった」 憂「純ちゃんの陰毛はこれで全部かな?」 憂「純ちゃんのおけ毛すごかったな…、んっ!」クチュクチュ 憂「この間プールに行ったときには毛がはみでないような水着を選んで着てたのかな…、ふぁっ!」クチャ 憂「純ちゃん、純ちゃーん!!」プシャア 憂「はあはあ…またいつか純ちゃんのアソコ見れるかな…?」 憂「おやすみなさい…」 おしまい!! 戻る
https://w.atwiki.jp/83452/pages/433.html
こんにちは平沢憂です 今日は一人でお留守番です お姉ちゃんは軽音部のみなさんとお出掛けです 最近お姉ちゃんは休日に軽音部のみなさんと遊ぶことが多くなりました、時期的に言うと軽音部に梓ちゃんが入ってからですね 寂しい私は買い物に行くことにしました ――― 憂「今日の晩御飯何にしようかな」 憂「お姉ちゃんの好きなハンバーグにしよう」 そう考えたとき私以外の人と笑って遊んでるお姉ちゃんの姿が頭に浮かんだ 憂「……」 何とも言い難い感情がわいてきた、しかしそれでも私はハンバーグの具材をカゴに入れた お姉ちゃんの笑顔を見たいから…… 憂「……そうだ、アイスも買っておかないと」 ――― こうして私はお店を出た ―――― 買った物を持って家へ帰っていると、前方から何やら悲しそうな猫の鳴き声が聞こえてきた ふと見てみるとそこには3匹の猫がいた どうやらさっきの鳴き声は2匹の猫の後ろをついて歩く猫のもののようだった 必死に二匹の猫に対して『にゃあ』と言う猫に見向きもせずに二匹の猫は歩いていく 後ろを歩く猫の鳴き声はどんどん小さくなっていき、歩く速さも遅くなっていった そして諦めたかのように立ち止まり、鳴くのをやめた 悲哀な雰囲気を出してたたずむその猫を見て私は自分も胸が痛くなった 同情心からくるものではないみたい 二匹の猫に置いていかれて寂しそうにしている姿と今の自分が重なって見えた 私はその猫に近づいていった そして気がついたらその猫に話しかけていた 憂「君も寂しいんだよね」 その猫の頭を撫でながらそう言った その猫は悲しそうな目でこちらを向いた 憂「あの2匹の猫に置いていかれて寂しいんだよね」 ―ナデナデ 猫「にゃぁ……」 憂「よしよし」ナデナデ 猫「にゃあ!」 憂「ふふ、可愛い」ナデナデ 憂「私も1人で寂しいの……最近お姉ちゃんは軽音部のみなさんのことばっかりだし……」 猫「……にゃあ?」 憂「でもお姉ちゃんがそれで笑っていられるなら私はそれでいいかなって……」グスッ 猫「にゃぁ……」 憂「……」グスン 涙が頬を伝って落ちていった、その先には…… 憂「いけない、涙が猫さんにかかっちゃった」 憂「……ごめんね」ダキッ 猫「……にゃあ」 ―ペロッ、ペロペロ 憂「えっ!?」 猫「……」ペロッ 憂「涙……拭いてくれてるんだ……」 猫「にゃあ!」 憂「ありがとね」 憂「何だか元気出てきた」 憂「そうだ、お礼に温かいミルクあげるから家にこない?」 猫「にゃあ!」 憂「喜んでくれてるのかな……」 憂「それじゃあ、行こっか」ニコッ 猫「にゃあ!」 ―――― 憂「どう、おいしい?」 猫「……」ペロペロ 憂「ふふ、舐めるのに夢中みたい」 憂「………」 ―ペロッ 憂「ほぇっ!?」 猫「みゃぁ……」 憂「もうなくなっちゃったんだ……おかわりいる?」 猫「にゃあ!」 憂「可愛いなぁ」ナデナデ その猫はまるで人の言葉がわかるようだった、動物ってみんなこうなのかな ―――― ――憂の部屋 憂「ここが私の部屋だよ」 猫「……にゃあ」 憂「いつもここで1人で寂しくしてるんだ……」 猫「にゃぁ……」ペロペロ 憂「そうだね、今は君がいるもんね」 憂「………」 憂「ねぇ、ずっとここにいない?」 猫「……にゃ?」 憂「1人で寂しいもの同士で仲良くしよ」ニコッ 猫「にゃあ、にゃあ!」 今の私にはそばにいてくれる人が必要……そう思った 憂「ありがと」ニコッ 猫「にゃあ!」 憂「そうだ、じゃあ名前つけないと」 憂「うーん、どんなのがいいかな……」 憂「……ゆいにゃんってのはどうかな」 猫「みゃあ!」 憂「そっかぁ、気に入ってくれたんだ……」 憂「……そうだ、そうと決まれば色々と買わないと」 そう私はこんな時にも真っ先にお姉ちゃんを思い浮かべてしまった ―――― 猫「にゃあ、にゃ、にゃぁ」 憂「よしよし」ナデナデ 憂「ふふ、こんな休日久しぶり」 憂「でもそろそろ晩御飯の準備しないと」 憂「ゆいにゃんは危ないから連れていけないかな」 憂「それに……お姉ちゃんにはゆいにゃんのことを知られたくないし」 お姉ちゃんがゆいにゃんのことを知ったら自分のもののように可愛がって一人占めするだろう それだけは嫌だ お姉ちゃんにはゆいにゃんや私の気持ちなんかわからない そんな人にゆいにゃんを可愛がらせたくない 憂「ゆいにゃん、私は晩御飯の準備してくるね」 猫「にゃあ?」 憂「だからこの部屋で1人で待っててね」 猫「にゃ、にゃあー」ダキッ 憂「ごめんね、ほらご飯だよ」 猫「にゃあ!」モグモグ 憂「ふふ、お願いなんだけど、この部屋にいるときは静かにしといてくれる」 猫「にゃぁ……?」 憂「お姉ちゃんにゆいにゃんがバレると困るの」 猫「みゃあ……?」 憂「だからね、ご飯が終わったらあそこで寝てて」 猫「にゃぁ……」 憂「猫サイズのベッドを用意したの、きっと気持ちいいと思うよ」 猫「……」テクテク ―モフッ 猫「にゃぁ、にゃ、にゃあ!」 憂「気に入ってくれた?」 猫「にゃあ!」 憂「よかった、じゃあ静かにしててね」 猫「みゃあ!」 ―――― 憂「ふー、やっと終わったよ」 憂「あとはお姉ちゃんが帰ってきてからかな」 憂「ゆいにゃん、寂しがってるかな」 ―パタン 猫「……」スースー 憂「寝てる……可愛いなぁ」ツンツン 猫「ふにゃ……」ゴロッ 憂「ふふ」 ―バタン 唯「ういー、お腹すいたよー」 憂「あっ、お姉ちゃんだ……」 ―――― 唯「おいしいー」モグモグ 憂「そっかぁ、よかった」 唯「今日ね、あずにゃんがね~~」 憂「へぇ、そうなんだ……」 唯「それでね~~」 憂「そっかぁ……」 唯「うん、凄く楽しかったんだー」 憂「……よかったね、お姉ちゃん」 唯「うん」ニコニコ 憂「……」 最近はお姉ちゃんとの食事が楽しくない……お姉ちゃんは梓ちゃんや軽音部のみなさんの話ばかりだ 昔は心の底からそんな話を笑って聞いてあげられたのに……今はそれができない…… ―――― ――唯の部屋 唯「あっ、メールがきてる、あずにゃんからだ」 唯「『今日は楽しかったです、今度はお泊まりなんかしたいです』かぁ……」 唯「『いいね、やろうやろう』っと送信」 ―ガタン 唯「おぉ、ギー太が倒れちゃった」 唯「よいしょっと、そうだ、毎日の日課をしないと……澪ちゃんに怒られちゃうよ」 ―――― ――憂の部屋 憂「ゆいにゃん、大丈夫?」 猫「にゃぁ!」 憂「お利口に静かにしてたんだねぇ、よしゃし」ナデナデ 猫「にゃぁ、にゃあ」スリスリ 憂「可愛いなぁ、今日は一緒に寝よっか」 猫「にゃあ!」 憂「ふふ、ありがとう」 ゆいにゃんに救われた気がする そばにいてくれること、こんな風に私を必要としてくれることがなんだか懐かしい…… ―――― ――次の日 唯「憂、まだー」 憂「ごめん、お姉ちゃん、ちょっと先に行ってて」 唯「ほーい」 ――― 憂「ゆいにゃん、ここにご飯とミルク置いとくね」 猫「……」ムニャ 憂「私が帰ってくるまではこの部屋にいてね」 猫「……にゃ」スースー 憂「いってくるね」ナデナデ ―――― 唯「それでねー……」 憂「そうなんだ」 今日もいつも通りのお姉ちゃん 無邪気な笑顔で私に話しかけてくる、気持ちがほんわかする 梓ちゃんや軽音部のみなさんの話じゃないからかな……こんな時間がいつもだったらいいのに…… そんなことを考えていると聞き慣れた声が耳に入ってきた 梓「唯せんぱーい」 唯「あっ、あずにゃんだ、おはよう」 梓「おはようございます、唯先輩」 梓「憂、おはよう」 憂「う、うん、おはよう……」 ぎこちない挨拶になってしまった……そんなことを考えてちょっと俯いていると、お姉ちゃんと梓ちゃんが楽しそうに話し始めていた 唯「それでね……」アハハ 梓「そうなんですか……」アハハ 会話に入れないなぁ……そうして視線を先に移すと、昨日の2匹の猫がいた 唯「あっ、猫さんだー」 梓「本当ですね」 どうやらお姉ちゃん達も気づいたようだった 2匹の猫は昨日と同じように仲良くしていた まるで…… 唯「あの猫さん達仲が凄くいいんだねー、まるで私とあずにゃんみたい」 梓「もう、唯先輩///」 唯「えへへ」 お姉ちゃんの言葉が胸に突き刺さる…… 私はそのまま会話に入ることなく無言で歩き続けた ―――― 中野梓ちゃん……私の親友 可愛いし、とってもいい子だ 私にとっても凄く大切な子……だから憎めない どんなに梓ちゃんがお姉ちゃんと仲良くしても、私とお姉ちゃんの時間を奪ったとしても……やっぱり憎めない だからこそ私の中の寂しさは募るばかりだ 教師「おい、平沢!」 憂「は、はい!?」 教師「さっきから呼んでるだろうが、何ぼーっとしてるんだ、黒板の問題はやく解きなさい」 憂「すみません……」 梓「憂……」 ――― 憂「………」ショボーン 梓「憂、そんなに落ち込むことないよ」 憂「梓ちゃん……ありがとう」 梓「えへへ、それにしてもどうしたの?」 憂「えっ!?」 梓「憂が授業中にぼーっとしてるなんて珍しいから」 憂「そうかな……」 梓「そうだよ、なんか悩み事でもあるの?」 憂「べ、別にそういうのじゃないよ」 梓「そっか、なら安心、でも悩み事があったらいつでめ相談してね」 憂「梓ちゃん……ありがと」 梓「いいよ、私達友達でしょ」 憂「……うん」 梓「えへへ」 梓ちゃんの優しさが心にしみる いい意味でも悪い意味でも…… そうして私の気持ちの逃げ場がなくなっていく ―――― 憂「ただいま」 猫「にゃあー!」 憂「ゆいにゃん、寂しかった?」ナデナデ 猫「にゃ、にゃぁ」 憂「えへへ」 憂「まだお姉ちゃんが帰ってくるまで大分時間があるね……」 憂「よーし、ゆいにゃん、お姉ちゃんが帰ってくるまでは家の中うろうろしていいよ」 猫「みゃあー」タタッ 憂「元気いっぱいだなぁ……」 ゆいにゃんを見て私の気持ちは和らいだ 寂しかったのはゆいにゃんじゃなくて、私の方だったのかな…… ―――― 猫「にゃー」ゴロゴロ 憂「ふふ、お姉ちゃんみたい」 猫「みゃあー」ガシッ 憂「あっ、私とお姉ちゃんの写真……」 憂「ゆいにゃん、これが私のお姉ちゃんなんだよ」 猫「にゃぁ」 憂「可愛いでしょ……私の自慢のお姉ちゃん……」 猫「にゃあ……」 憂「………」 猫「………」ペロッ 憂「ゆいにゃん……!?」 猫「にゃぁー」ペロペロ 憂「……ありがとう、ゆいにゃん、大丈夫だよ」ニコッ 猫「みゃぁー」スリスリ 憂「そろそろお姉ちゃんが帰ってくるから部屋に戻ろうね」ダキッ 猫「にゃあ!」 ゆいにゃんが私を舐めてきた、あの時と、ゆいにゃんの前で泣いたときと同じだ 私が悲しんでるように見えたのかな 私がお姉ちゃんの写真を見て悲しむなんて……そんなことあるわけないのに…… 2
https://w.atwiki.jp/junchankawaii/pages/186.html
「……」 私は純ちゃんの横顔を見た。 「反省、してる?」 純ちゃんが眉をぴくりと動かした。 「ちゃんと反省して、もうお姉ちゃんにあんなことしないなら、私も……」 「……憂。憂がそうやって迷うから、お姉さんは苦しんだんだよ?」 「今日のうちに私を殺さないから、私はどんどん調子に乗った」 そうかもしれない。 「だけど……」 私は頭の隅で思う。 純ちゃんを殺してしまったら、やっぱり後悔することになるんじゃないか。 あんパンの味を思い出す。 「私は純ちゃんを信じたいよ。人殺しなんてしないって」 「……」 「純ちゃん……もう、やめよう?」 私は何を言っているんだろう。 純ちゃんを殺しに来たはずなのに。 私は意志薄弱すぎる。気持ちがコロコロ変わっているのを自覚する。 お姉ちゃんがどれだけ苦しめられたか、忘れてしまったのだろうか。 「殺すとか殺されるとか……おかしいよ」 「まぁ少年犯罪とか増えてるって言うし」 「だからって、私たちがそんなことする必要ないよ。友達でしょ?」 「憂……」 純ちゃんと目が合う。 瞳がきらりと輝いた気がした。 純ちゃんはずるずると座りこむ。 「友達で……いいの?」 「すごく難しいかもしれないけど……私は純ちゃんと友達でいたいよ」 隠しておいた炎がいつのまにか消えていた。 純ちゃんの目がきらきら光る。 「うい……」 私もゆっくりと座りこんだ。 「あんたって、ほんとに……バカだよ」 「純ちゃんに言われたくないなー」 私はくすくすと笑う。けれど、純ちゃんは涙を光らせたまま表情を固くしていた。 「……憂っ、急いで」 「え?」 「お姉さんの温度がおかしいんだ……教えないつもりだったけど、やっぱり……!!」 純ちゃんは涙を散らして、私の体を揺さぶった。 「どういうこと……?」 「分からないよ! けど、憂の家で何かが起こってるのは間違いないんだって」 「私の自転車貸すから、すぐ戻って!」 純ちゃんは迷惑もかえりみずドタドタと机まで走って、自転車のカギを投げて寄越した。 取り落としそうになりながらどうにか受け取って、私は階段を駆け降りる。 状況は飲みこめていなかった。 それでも今はとにかく走る時だと、本能が告げてくる。 外に出て、純ちゃんの自転車に飛び乗った。 お姉ちゃんに触れられた記憶が、焦りの奥でパチパチいった。 自転車をがしゃがしゃ漕いで、私は息を切らす。 だんだん、向かいの空が赤くなってきた。 朝が来る時間じゃない。 私は不安に暴れる心臓を抑えつつ、自転車を漕ぎ続ける。 「……!!」 たどり着いた私の目に飛び込んだのは、炎に包まれた我が家だった。 「憂ちゃん、憂ちゃん」 野次馬の中から、お隣の一文字おばあちゃんがよたよた歩み出てきた。 「外にいたんだね、よかった……」 「お姉ちゃんは……?」 「……分からないよ。でも、もうすぐ消防士さんが来てくれるから」 つまり、中にいるかもしれないってことだ。 私はおばあちゃんを押し退けて、玄関へと駆けていく。 私は手を開いて念じる。 けれど、炎が大きすぎるのか、私の超能力ではコントロールしきれないらしい。 「憂ちゃん、こっち戻っておいで!」 それなら仕方ない。 私は赤熱するドアノブを一瞥すると、息を止めてドアを押し開けた。 「っ……」 熱風が噴きだしてくる。 全体をチロチロと赤い炎が食んでいて焦げ臭い。 息を吸うと喉が焼ける。炎は避けられても熱気は避けられないらしい。 お姉ちゃんは3階の寝室だろうか。 階段はところどころ崩れていたけれど、熱ささえ我慢できれば問題なく上がれた。 舐めてくる炎を払いながら、肌がじりじり灼ける感覚に歯を食いしばりながら、お姉ちゃんの部屋の扉を開ける。 視界が一瞬、金色に光る。 お姉ちゃんの部屋にはびこっていた炎が消え去った。 割れた窓から、2月終わりの風が吹き込んでくる。 私は焼け焦げたカーペットを溶けた靴底で踏みながら、お姉ちゃんのベッドに近寄った。 ベッドの上は、まるで別世界のようだった。焼け痕もなく、お姉ちゃんが苦しげに胸を上下させている。 「お姉ちゃん……」 「……」 炎がガタガタとドアを叩いてやかましい。 お姉ちゃんの声が聞こえなかった。 「何? お姉ちゃん」 ひざまずいて、お姉ちゃんの口元に耳を寄せる。 「うい……来てくれたんだね」 「うん。お姉ちゃん、無事みたいだね」 キスしたい気持ちはさすがに抑えて、私はお姉ちゃんの髪を撫でる。 「でも、なんで……?」 「分かんない……目が覚めたら、もう火の海だったんだけど」 「私のベッドまでは火が上がって来なかったんだよ。どうしてかなぁ」 どうなっているんだろう。 「不思議だね……でもお姉ちゃんが無事ならいっか」 私はお姉ちゃんを撫でようとしてやめる。 今の私はススや火傷だらけで、ひどく汚れているのだ。 「……憂、その手の火傷」 「あ、うん……来る時にちょっと」 さっと手を後ろに隠す。 ただでさえ疲れているお姉ちゃんに、余計な心配をかけさせたくなかった。 「でも全然平気だよ?」 「大丈夫なことないよ、あとでお医者さんに診てもらわないと……げほっげほっ」 お姉ちゃんは表情を厳しくして言うと、突如激しく咳きこみだした。 「お姉ちゃん!?」 「ウ゛ン……焼けはしなかったけど、部屋の中熱くって。ちょっと、喉が……」 「お姉ちゃん、喋っちゃだめだよ。救助が来るまでじっとしてよう」 私はお姉ちゃんの背中を撫でて落ち着ける。 お姉ちゃんはこくこく頷いて、しなだれた。 ―――― あれから数分と経たずサイレンが聞こえ、私たちは屈強な消防隊員に救助された。 外傷のみの私に比べ、喉を火傷してしまったお姉ちゃんはしばらく入院することになった。 「家はほとんど全焼だって」 『それじゃあ憂はどうしてるの?』 「ひとまずお父さんたちが帰るまでは一文字おばあちゃんの家にご厄介になってるんだ」 「お姉ちゃんと一緒に入院したかったけど……しょうがないよね」 『てれますなぁ』 喉を火傷しているお姉ちゃんは会話を禁止されているので、筆談で私と話している。 きゅっ、とマジックペンの筆先がスケッチブックを擦る。 この音とシンナー臭さをお姉ちゃんは嫌がっていたけれど、いまではすっかり慣れてしまったようだ。 たくさんお話ししてるからね。 『うい、だいすき』 「お姉ちゃんてば……」 私は赤面して俯いた。 お姉ちゃんと私は、あの日の夜から結ばれている。 純ちゃんが本気を出したというあの夜だ。 言うなれば、私たちは純ちゃんのおかげで結ばれたわけだ。 だって、あんなことが無ければお姉ちゃんにのしかかってキスされることも、 お姉ちゃんの処女をアイスで奪うこともなかっただろうから。 そしてそれらのことが、お姉ちゃんに私への恋心を思い出させ、熱くさせていったのだから。 いや、お姉ちゃんの言い分はそうじゃなくて、「私が守ってくれたから」なんだけれど。 とにもかくにも、結果的に私とお姉ちゃんのキューピットとなったのは純ちゃんなのだ。 冷静に考えれば、私はそんな大恩人を手にかけようとしていたということになる。 あそこで考え直せていなかったらと思うと恐ろしい。 「もう……怪我人は寝てなきゃだめだよ!」 「む……」 お姉ちゃんが寂しげな目をして、ちょいちょいと手招きする。 「なあに……?」 私は無警戒に、お姉ちゃんの口元に耳を近づける。 お姉ちゃんが呼吸している。空気の動きが聞こえる。 「うい……愛してる」 私はきょとんとして、お姉ちゃんの顔を見返した。 うるうるの瞳。ぷにぷにの頬。つやつやの唇。 理性が抗う隙もなく、私はお姉ちゃんの唇に吸い付く。 「ん、ん……」 三日ぶりのお姉ちゃんの唇。 一心不乱にむさぼりつき、舌を差し込む。 「おねえひゃん、ひたふって、ちゅーってひて」 体面などなかった。 お姉ちゃんの口の中で舌をびちびちと暴れさせ、狂ったようにお姉ちゃんの舌を求める。 びちゃびちゃと唾液が跳ねている。 「ん……」 お姉ちゃんが私のリボンをするっと解いた。 本当に病室でするつもりらしい。 個室とはいえ、いつ誰が来るやら分からないのに。 私は思考とは真逆に、お姉ちゃんと激しく舌を絡ませた。 「んっ、ふ……ずず、ちゅぱ」 馬乗りになって、存分に舌を吸ってもらう。 火傷したところが少し痛むけれど、快感のせいでしびれて分からなくなってしまう。 血が出てしまわなければいいけど。 「憂さーん?」 純ちゃんの声がする。 私はお姉ちゃんの背中に手を入れてぎゅっと抱きしめると、さらに密着したキスをする。 「……終わったころにまた来ます」 「んっ、うん。そうして……あ」 返事をして気付く。 見られた。 ―――― 「いやぁ、押しかけちゃってすいません……」 純ちゃんはケンカを売りたいのか、頭のポンポンを解いて丸椅子に腰かけた。 お姉ちゃんはぷるぷる首を横に振る。 『お見舞いに来てくれるのはうれしいよ』 「いえ、もともと火事になったこと自体、私のせいみたいなものですから」 「えっ……」 お姉ちゃんが思わず声を発していた。 私は少し離れた位置で黙りこくって、動向を見守っていた。 「……唯さんは、超能力って信じますか?」 『あったらいいなとは思うけど、無いんだと思うよ』 「もしあるとしたら、どうします?」 『分かんないなー。あっても多分私には関係ないだろうし』 お姉ちゃんは世間話でもしているような態度だった。 実際、まだお姉ちゃんにとっては友達と話すような面白おかしい話と大差ないんだろう。 「それが関係あるんですよ。非常に密接に」 『私に?』 「はい、唯さんにです。聞き苦しい話だと思うんですけど、聞いて欲しいんです」 お姉ちゃんは顎を指先で揉んで、少し悩んでから頷いた。 『どういう話かわからないけど、聞かせてほしいな』 純ちゃんは頷いて、たっぷり息をたくわえた。 「発端は、10日前です……」 ―――― 純ちゃんは超能力のこと、私たちにあった騒動をお姉ちゃんに話した。 お姉ちゃんは声を上げないようしっかり唇をしめて、一言一句もらさず真剣に聞いていた。 私は途中から廊下に出て待っていた。 私が純ちゃんに抱いた憎しみ。 それから、純ちゃんが私に抱いた憎しみを聞かされるのは、思っていた以上にこたえたのだ。 「……」 夕陽が射す頃になって、純ちゃんがお姉ちゃんの部屋から出てきた。 私は目をそらそうとしたけれど、純ちゃんは顔を覗きこんできて、結局しっかり目が合ってしまった。 「憂、やっぱりあんたは天才だよ」 純ちゃんは私をまっすぐに見つめて言う。 その瞳は、ずいぶん潤んでいるように見えた。 「……お姉さんと一緒でね。最高の天才」 「ありがとう。憂みたいなのが私の友達で……ほんとに嬉しい」 「……」 純ちゃんは床を鳴らし、去っていく。 「……私とお姉ちゃんが、天才?」 私は目を閉じた。 そして、細く長く息を吐く。 「よくわかんないよ……」 私はお姉ちゃんの病室に戻る。 お姉ちゃんは長い話で疲れてしまったのか、スケッチブックを抱いてすやすやと眠っていた。 「……」 私はそっと、お姉ちゃんを起こさないようにスケッチブックを抜き取った。 『たぶんあれは、憂が助けてくれたからなんだ』 『そこにいなくても分かったよ。憂がいるのを感じた』 『これは超能力じゃないと思うけどさ』 お姉ちゃんの言葉を、一枚ずつめくっていく。 『憂はすごくいい子なんだよ』 『天才かぁ。確かに憂に似合うかもしれないね』 『勉強とかお料理とか、その他もろもろでも超能力でもないよ』 『憂は人に優しくする天才なんだと思うな』 私はお姉ちゃんの寝顔を見る。 そして純ちゃんの言葉を思い出した。 「……」 天才扱いも悪くない。 私に宿った、お姉ちゃんを救える超能力と、人に優しくする才能だったら。 ぜひ天才でありたいと思う。 私はベッドに落ちていたリボンを取ると、髪をポニーテールに結びあげた。 私は平沢憂。 お姉ちゃんのひとりだけの妹で、恋人でもある。 そして純ちゃんの親友。 だいたい凡人だけど、人に優しくする天才らしい。 憂という名前が表す通りに、人に優しくなってしまうらしい。 「お姉ちゃん。……でも、才能ってなにもしなかったら潰えるんだよ」 私はお姉ちゃんの髪を撫でて、呟いた。 「ありがとう、お姉ちゃん。……純ちゃん」 おしまい 戻る
https://w.atwiki.jp/p_ss/pages/274.html
「じゃあねー」 のっちが手をブンブン振ってる 「うん。また明日」 何か・・・すっごい普通に帰ってきたんですけど・・・ でもまぁ、こんなもんなのかも またちゃあぽんに話し聞いてもらおう、とか思ってたのに・・・誰も居ない・・・お留守番頼んだはずなのになぁー すると 「ただいまぁー・・・ってあれ?お姉ちゃんのが早かったんだ」 玄関で後ろからちゃあぽんの声がした 「何処行っとったんよ。お留守番頼んだのに」 「ちょっとデートにね」 「でででデートっ!?ちょ・・あ〜ちゃん聞いてないよっ!こら待て!」 ちゃあぽんはズンズン進んで、部屋に入った。あれ?機嫌悪い・・・? 「ちゃあぽん?何か知らないけど、上手く行かなかったの?」 ちゃあぽんの部屋に入って、ベッドに腰掛けた 「いゃ・・・楽しかったんだけどさー」 ちゃあぽんはあたしの隣に座って、足をブラブラさせながら 「欲求不満なのかなぁー」 「よっきゅうふまん?!何言っうわぁ!」 ちょっ!うわぁ!何この体勢!? なんでちゃあぽんがあたしに馬乗りになってるん!? 「ちょっと、がまんして?」 そんな色っぽい声、何処で覚えてきたんだ!・・・って頭は冷静なのに、声が出せない ちゃあぽんの顔が、近づいてくる・・・・あたしはどうしていいか分からなくなって目を硬く閉じた 「・・・・やっぱダメだー」 「ふぁ?」 「お姉ちゃん可愛いけど、何か“みなぎってこない”んだよねー」 ちゃあぽんは言いながら、体を離していく 「きょっ姉妹なんだからあたり前じゃ!!」 「真っ赤になっちゃってーかーわーいーいー」 妹のクセに!姉をからかうなんて・・・ 「てゆーか・・ちゃあぽんは・・・その、そーゆーコト、慣れてるん?」 「ひーみーつー」 うわ・・・何この余裕な表情!あたしなんて、キスもまだなんに 「でも、今日は・・・触れんかった」 「はぁ?」 「あんなに誰かに触りたいと思ったの、初めてだったのに」 ちゃあぽんが、独り言のように呟く 「そっちは、キスくらいしてきたんでしょ?」 ニコっと笑って言う 「・・・・・・・」 「まさか・・・」 「・・・・・・・何も無かったけど?」 「ははははははは・・のっち、ヘタレすぎ!!」 ちゃあぽんは大爆笑した 「お姉ちゃんのっちにメールしといてよ“そろそろ受けに回った方がいいんじゃない(笑)”って」 「?うん」 ちゃあぽんはちゃあぽんなりで何かあるらしいけど、兎に角元気になってよかった・・・
https://w.atwiki.jp/jichoudg/pages/481.html
■キャラクター名:山城ちゃん ■キャラクターの性別:女性 ■学年:その他 ■所持武器:35.6cm連装砲 ■攻撃:13 ■防御:6 ■体力:8 ■精神:3 ■FS:0 ■FS名:運気 ■特殊能力名:敵艦隊発見! 砲戦、用意して! ■特殊能力内容 効果:通常攻撃 対象+範囲:周囲1マス全員 時間:一瞬 消費制約:永続戦線離脱 非消費制約:精神攻撃 主砲による一斉射撃を行う。 とはいえ、バラバラに配置された主砲ではまともに狙うこともできず、まともな判断能力を持つ相手なら簡単に避けることができる。 それどころか、一斉射撃の爆風・衝撃で自分の艦橋等がぶっ壊れる。 なので、攻撃を行った後は大人しくドックに戻るのであった。 ちなみに改じゃないので、そんなには脱げない。 「わたし……大体ドックにいますよね……」 ■発動率 100% ■1ターン目リスク 1ターン目使用可(リスクなし) ■キャラクター説明 扶桑型戦艦の2番艦。妹の方。 最大・最強の戦艦として作られる筈だったが、完成したのは欠陥だらけの戦艦。 欠点が見つかる度に改修を行ったが、それでもやはり新たに欠点が見つかり……の改修ループ。 ついたあだ名が『艦隊にいる方が珍しい艦』。 一応戦艦の条件である「自身の主砲に耐えることのできる装甲」を持っているよ。体力1になるけどね! そんなこんなで超絶不幸娘。 何かある度に「不幸だわ……」と呟き、自分が活躍すると「えっ? 私が活躍したの……? うそ、そんな!? 本当!? 姉さま、見ててくれた!?」と自分が一番驚く。可愛い。 そんな不幸アピールしておきながら、不幸であることをこちらから指摘すると「不幸? 私が? ち、違いますから」と震え声で強がりを言うめんどくさい娘。可愛い。 改装したら航空戦艦になるのだが、大破時にすごく脱げるようになる。可愛い。 ちなみに改造しても性能自体は微妙。可愛い。 事あるごとに姉である扶桑に声をかけたりするのだが、その肝心の姉も欠陥戦艦だったりするので、現実はそんなに頼れない始末。 でも扶桑姉さんは不幸自慢の山城ちゃんと違ってちゃんとお姉さんしてるよ。お姉ちゃんパワーですね。 頑張れ山城ちゃん! いつか航空戦艦に日の目が当たる時がくるさ!(伊勢・日向からは目を逸らしながら)
https://w.atwiki.jp/83452/pages/227.html
梓「そもそもですねー…どうして私が澪先輩の真似なんかしなきゃいけないんですか…」 律「しょうがないじゃん。澪、全然私の相手してくれないし」 梓「そんなの私は知りません…」 律「あー、もう、澪の奴、唯、唯、唯って。なんだよ、唯の何処がそんなに良いんだよ!!」 梓「知りませんよもう!ていうか最初の演技とか何させるんですか!!物凄く恥ずかしかったんですけど…!」 律「この設定結構良くない?実は澪は唯じゃなくて私が好きだったっていうね、えへへ」 梓「何なんですか一体、わざわざ台本まで作って来て…」 律「後、50シチュエーション位あるけど…」 梓(この人、前々から思ってたけど、ば、馬鹿だ…!) 律「そのせいで昨日徹夜してたから眠いわ、ふあぁ…」 梓「もう何処から突っ込めばいいのかさっぱりなんですけど」 梓「それより…私、髪下ろして胸にパッド入れただけでそんなに澪先輩に似てますか?」 律「あぁ、結構似てるよ~。後は身長さえあれば完璧!そしたらもう梓と付き合っちゃうレベル!」 梓「なっ、わた、私と付き合っ…!?」 律「澪もいい加減私の気持ちに気付いてくれたっていいのになぁ…澪の鈍感…」 梓(…期待した私が馬鹿だった。そうだよね、先輩が付き合うって言ったのは、澪先輩の格好をした私だ。) 梓(そんなの…私じゃ、ない) 梓「どっちが鈍感ですか…」 律「え?何か言った?」 梓「何でも…ないですよ」 帰宅途中 律「トイレ行きたくなってきた」 律「家までもつかな…。あ、公園ある。寄ってくか…」 律「え~っと、公衆トイレ…あったあった」 「はっ、あんっ、んん…!」 律(げ…!こ、個室から喘ぎ声聞こえるよ…) 「あ…そこ、いいよっ、もっとして…!」 律(うわ~、もう何なんだよ…) 「りっちゃん…もっと、もっとぉ…!」 律「は!?」 律(あ、やべ!!) 「その声…りっちゃん…?」 律「え、あれ、もしかして…ゆ、唯か?」 唯「っ、ほほほほほんとに、りりりり、りっちゃん!?」 律「あ、え~っと、そ、その、私、聞かなかった事に、する、から…」 唯「ま、待って!!」 ガチャ 律「え?ってわ、唯!?引っ張るな!」 律(唯に引っ張られて入ったけど…個室に二人は狭い…) 唯「…」 律(しかも、超気まずい…) 唯「ねえりっちゃん…私がさっき、何してたか…分かる?」 律「え!?あ、あはは。私馬鹿だから良く分かんないや~」 唯「そう…じゃあ、その、今からさっきやってた事…見せてあげる、から…」 律「え、…ええぇ!?」 唯「私ね、ここの…ん…、トイレで、」 律「ちょ、落ち着け唯!」 唯「いつも、あんっ…、りっちゃんの事を思ってしてる…ぅ…んだぁ…」 律「っは!?」 唯「ねぇ…もっとちゃんと見てよりっちゃん…はぁ…はぁ…」 律「お、おい、唯!?う、嘘だよな?」 唯「まさか…妄想じゃなくてっ…りっちゃん、本人に、見て貰えるなってぇえ…ああっ…」 唯「ねぇりっちゃん…私の胸、揉んでよ…」 律「っそ、そんなことっ」 唯「ほら…あんまりないけど…お願い…」 律「うぁ…やわか…」 唯「ふ、ぁ、ん…凄いよ…りっちゃんが揉んでくれると、いつもよりはるかにきもちい…」 律「私…唯の、胸をっ…」 唯「りっちゃん、イかせてぇ…」 律「えっ、ゆ、唯…」 唯「そのまま揉んでてりっちゃん…はぁあ…お願い…乳首を…」 律「ど、どうすればいい?」 唯「摘んで…んっ…出来るだけ強く…」 律「え、えっと、じゃあ、きゅっと…」 唯「ふわぁ、ふわぁぁぁぁぁぁあ…」 律「唯、体震えてる…」 唯「んうぅ…気持ちいいよぉ…」 律「お姉ちゃん、イったの?」 唯「っ…お姉ちゃんなんてりっちゃんは呼ばないよっ!」 憂「あ、ご、ごめんなさい…」 唯「あ…ご、ごめんねうい、怒鳴っちゃって」 憂「ううん、いいよ。悪いのは私だもん…」 唯「でも憂はカチューシャ付けると本当にりっちゃんに似てるよ~」 憂「…そう、かな…」 憂(あんまり嬉しくないや…) 唯「ほんとほんと、そっくりだよ。ぎゅーっ」 憂「お、お姉ちゃんったら…」 憂(台本まで書いてこんな事までさせられるなんて…お姉ちゃん、どれだけ律先輩が好きなの…?) 憂「羨ましい…」 唯「え?何か言った?」 憂「うっ、ううん。何でもないよ」 憂「ねえお姉ちゃん、そろそろ出よう?」 唯「うん。そーだね。お腹減っちゃった…」 憂「あ、待って。そのまま履いたらパンツびしゃびしゃで気持ち悪いんじゃない?」 唯「おぁ…、そうだね。トイレットペーパーで拭かなきゃ」 憂「わ、私ハンカチ持ってるから拭くよ!」 唯「そう?じゃあお願いうい~♪」 憂(はぁ…はぁ…お姉ちゃんふともも柔らかいな…大事な所も全部綺麗に、お姉ちゃんのお汁拭き取らないとね…) 唯「う、うい?もう大丈夫だよ?」 憂「へ?あ、ご、ごめん。じゃあ履いたら外に出よっか」 唯「うん!」 憂(お姉ちゃんのお汁がたっぷり染み込んだハンカチ…家でゆっくり味わうんだ。楽しみだなぁ…♪) 律宅 律「あーあ…澪は唯が好きなんだよな…」 律「どーにかして、私に振り向かせることは出来ないだろうか…」 コンコン、ガチャ 聡「ねえちゃん、風呂あいたよ~」 律「は?何お前勝手に部屋入って来てるの?」 聡「え…いやだから…お風呂が…」 律「誰がお前の入った後の風呂に入るんだよ、死ねよ」 聡「え…ご、ごめん…」 聡(俺何かしたかな…) 梓宅 梓「ねぇあずにゃん2号…私律先輩が好きなんだぁ…」 梓「律先輩はそれを分かってるのかな?」 梓「きっと分かってないよね、あの人鈍感だから…」 梓「私が澪先輩の真似をしていたら、律先輩とずっとあんな風にしていられるかな?」 梓「そんな訳…無いよね。きっといつかは終わる関係だよね」 梓「このままで…いいのかな…」 澪宅 澪「知ってる…私は全部分かってるんだ」 澪「どうして律がいつも唯の真似をしてくれるのか…」 澪「私は本当に唯が好きなのかな…」 澪「いつまでも、あんな事続けちゃいけない事は分かってる…」 澪「きっと律は、私の事、好きなんだ…」 澪「自惚れかな?実はそんな事全然無かったりして」 澪「…私の本当の気持ちは、何処なんだろ」 平沢宅 唯「憂に作って貰ったりっちゃんの人形かぁいいなぁ」 唯「これ眺めてるだけで一日何てあっという間に終わっちゃうよ」 唯「どうしてりっちゃんはあんなに可愛いんだろ」 唯「可愛いだけじゃなくて、気が利くし、とっても優しくて…」 唯「りっちゃん…りっちゃんのその瞳に映ってるのは私じゃないの…?」 唯「りっちゃんが好きなのは、誰?」 唯「ふぇ…胸が苦しいよぉ…」 … 憂「えへへ…お姉ちゃん汁たっぷりのハンカチ!」 憂「まだ微妙に湿ってる…はぁはぁ、甘い匂いがするよ…」 憂「凄い…ちょっとおしっこの匂いも混ざってて、堪らないよ…」 憂「頭がくらくらするぅ…」 憂「お姉ちゃん大好きぃ…」 紬宅 紬「斎藤!斎藤は何処!?」 斎藤「はっ、何でしょうか紬お嬢様」 紬「何でもないわよもう~!!」 斎藤「はっ、そうでございますか」 紬「どうしてこんなに苛々するのかしら…」 翌日 澪(いい加減はっきりしよう) 澪(昨日一晩悩んだんだ…) 澪(私が本当に好きなののは…!!) 律「おっはよー澪ー!!」 澪「!!あ、お、お、おはよう律!!」 律「何でそんなに動揺してんだ~?あはは、変なみおー」 澪「なぁ律…その、学校に着いたらちょっと私のクラスで話をしないか?」 律「え?何で?」 澪「いいから!」 澪(このペースで学校に着いたら、まだ私のクラスには誰も居ないハズだよな…。よし!覚悟は決めたぞ!) 3
https://w.atwiki.jp/duelrowa/pages/88.html
あらゆる世界から集められた人間たちによる、血なまぐさい殺し合いの舞台となった会場。 その一角にある市街地の道路上に、頭部が鉛筆張りに尖った姿をしたオッサンがいた。 彼の名は校長、本名は『ミュミャリャツァオビュビュンピピュプリャプピフンドシン』という男で、 自分が世界のだれよりもエラくなければ気が済まない男である。 そんな彼は今、とある理由によりこの会場内を歩き回っていた。その理由とは…… 「この戦いを制したものはどんな願いでもかなえられる……、是非とも優勝して世界どころか銀河、いや宇宙一エライ存在になってやるのじゃい!」 「そのためにも、この会場内をうろつきまくっているクソゲロどもをドンドンぶち殺してやるのじゃ――い!!」 この殺し合いに優勝して『宇宙一エライ存在になる』ために、他の参加者を探しているのである。 そうやってこの(クソッタレ)校長が獲物を探していると、ちょうど自身の前方を歩いている女性の姿が彼の目に入ってきた。 牛の耳のような髪飾りを付け、またそれに見合った壮絶な色気と抜群のスタイルを誇った、そんな女性だった。 またその女性の手にはその妖艶さに似合わない、武骨で巨大な斧が握られていた。 校長はそんな姿をした彼女を見つけると、静かに距離を詰めていきながらその後をついていった。 (ワガハイには1億6000万個もの必殺技がある…、故にワガハイの勝ちは見えてるのじゃい……) 彼はまずこの女性を血祭りにあげ、自身の勝利に一歩近づこうとしたのだ。 【※戦えば校長が負けます。】 (それにあのオナゴ、牛の耳みたいな飾りなんぞ頭に付けてる上に胸がメタボになっているし、明らかに鈍重そうじゃい) (しかもあんな武骨で巨大な斧……まともに振り回せるわけないのじゃい!) 【※戦えば校長が負けます。】 何故彼は最初の獲物としてその女性を選んだのかというと、彼は自分の(恐ろしくひいき目に見た)実力、そして相手の身体的特徴や持っている武器などから確実に勝てるだろうと考えたからだ。 【※戦えば校長が負けます。】 「死ねえぇぇぇいっ!!」 【※戦えば校長が負けます。】 そしてある程度距離を詰めたあたりで校長は、女性めがけて勢いよく襲い掛かったが…… 「死ねえぇぇぇ/ /いっ!!」 【※戦えば木/ /交長が負けます。】 大方の予想通りその女性の手にしていた斧によって、テロップごと"お開き"にされてしまうのだった……。 【校長(ミ(以下省略))@絶体絶命でんぢゃらすじーさんシリーズ (お約束通り)死亡 ( ゚∀゚ )ヤーイ、バーカバーカ! 】 一方、襲い掛かってきた校長をアジの開きのように切り裂いた女性はというと…… 「うふふ、もう終わり?もう少し楽しみたかったわ…」 全身が返り血にまみれた状態で、肝が冷えるくらいに美しい笑みを浮かべていた。 彼女の名はカミラ、領土のどこにも光が差さぬ国『暗夜王国』の第1王女である。 そんな彼女は、この殺し合いに乗っていた。 彼女がこの殺し合いに乗った理由、それは明白であった。 「この戦いで勝利を得られれば、きっとカムイは暗夜へと戻ってくるはずだわ…!」 「だから、殺してあげる……みぃんな、殺してあげるわ……今ここで」 そう、すべては愛しの兄弟の一人『カムイ』を自分たちの王国へと連れ戻すために……。 「ああ、カムイ…愛しているの……!あなたがもう私たちの元に戻ってこないときは、あなたを殺して……私も死んでしまうくらいに……!」 こうして、愛深きが故に他者を殺す事も厭わない"姉なるもの"がこの会場に解き放たれたのだった……。 【カミラ@ファイアーエムブレムif】 [状態]:健康、返り血まみれ [装備]:重力の斧-グラール@遊戯王OCG [道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~2、校長のデイパック(基本支給品、ランダム支給品×1~3) [思考・状況]基本行動方針:優勝し、カムイを暗夜王国に連れ戻す。 1:殺してあげる……みぃんな、殺してあげるわ……今ここで。 2:他の兄弟やルーナ、ベルカがいるならば、協力は惜しまない。 3:返り血を洗い流すために風呂に入りたい。 [備考] 参戦時期は少なくとも白夜王国ルートの、いずれかの時間軸。 『支給品紹介』 【重力の斧-グラール@遊戯王】 カミラに支給。効果は以下の通り。 『装備魔法 装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。 このカードがフィールド上に存在する限り、 相手フィールド上モンスターは表示形式を変更する事ができない。』