約 1,288,259 件
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/1251.html
さとり5 Megalith 2012/01/03 ここは地霊殿。 泣く子も黙る……かは置いておいて、地底の一応偉い組織に分類される場所である。 この建物には、名実共に無数の妖怪が生活している。 それこそ人の形を取るものから、動物のままのものまで無数に。 そんな中に、最近一際変わった存在が住み着いた。 それは、所謂男性で。 それは、所謂人間であった。 一月一日、世間的に元旦と呼ばれるその日。 「おっそいな……」 地霊殿で数少ない人間の青年。彼は、壁に背を預けて呟いた。 背後の部屋の中からは、わいわいと楽しそうな声がずっと続いている。 「そんなに時間かかるものかねぇ」 どうやら、室内の人物の出待ちな様子である。 手持ち無沙汰に周囲を見回していると、地霊殿の住人である妖怪が歩いてきた。 「およ? 今日はさとり様と神社行くんじゃないのかい」 「あー。それがなぁ……」 地獄の輪禍、火焔猫燐の言葉に、苦笑と共に背後の扉を指差す。 「まだ着付け終わってないのかい」 「あー。何か、こいしさんが色々と口出してるみたいでさ」 「まあ、気持ちは判らなくも無いけどさぁ」 燐も苦笑を浮かべ、青年と向かい合うように壁に背を預ける。 「せっかくの、さとり様の晴れの日なんだし。あたいでも出来る事がありゃあ手伝いたいさね」 「そりゃ、俺だってそうだけどな」 まさか女性の部屋に入るわけにも行かないだろ、その呟きを耳にして、燐は一瞬動きを止めた。 「……ちょいと待った。お前さんまさか」 燐の言葉を最後まで聞く前に、扉が勢い良く開かれた。 それと同時に、室内から一人の少女が飛び出してくる。 「お待たせー!」 閉じた恋の瞳、古明地こいしは笑顔を青年に向けて続けた。 「やっと決まったよー。これでも苦労したんだからね」 「お疲れ様」 嬉しそうに笑みを浮かべるこいしに、青年は苦笑を浮かべて見せた。 「さあ、では皆さんお待ちかね! 古明地さとりの登場です!」 こいしの声に後押しされるように、部屋からさとりが顔を出した。 「おー」 燐は素直に賞賛を示し、軽く手を叩いて見せる。 青年は、さとりの姿を見て硬直してしまっていた。 「へ、変じゃないかしら」 不安げな表情を浮かべるさとりは、いつもの黒いヘアバンドと、淡い桃色の着物を着ていた。 ラベンダー色の帯も相俟って、中々のコーディネイトである。 「ね、ねえ……きゃっ」 返答が無い青年を不安そうに見上げると、唐突に抱き寄せられたのだ。 「綺麗だよ、さとり」 「あ、ありがとう……」 心からの言葉に、さとりは全身を真っ赤にさせて何とか言葉を紡いだ。 抱きしめたままの青年の腕に身を委ねようとして、はたとさとりは真横から来る視線に我に返った。 「熱いわねーお燐」 「熱いですねー。お空の奴火力調節間違ってるんじゃないですかねぇ」 ぱっと青年の腕から抜け出し、さとりはわざとらしく笑顔を見せた。 「そ、それじゃあ行きましょうか」 「そ、そうだな」 双方顔が赤いまま、廊下を歩き始める。 その後ろ姿を見送りながら、こいしは小さく嘆息した。 「はぁ……。この分だと、手を出すのはまだまだ先になりそうね」 「あ、やっぱりそうなんすね」 苦笑を浮かべ、燐はそれ以上何も言わず彼らを見送った。 ○――○――○――○――○――○――○――○ 場所は移って、ここは守矢神社。 人妖問わず多数の人物が境内を歩いている。 本殿までの通りにはいくつもの出店が並び、新年特有の賑わいを見せていた。 「結構、人が多いですね」 「そうね。山の中だから、麓の神社より少ないかと思ってたんだけど」 入り口から続く人の流れに乗りながら、さとりと青年は本殿を目指して歩いている。 「お。フランクフルト」 「あんず飴ね。懐かしいわ」 「参拝終わったら出店回ってみようか」 「ええ、そうね」 そんな会話を交わしながら、流れに押される形で進んで行く二人。 人込みなので、自然と密着する様な状態になってしまった。 「……もう、そんな事考えないで!」 「あー、えー……ゴメン」 抱き付いてきた腕に当たる感触。青年の思考を読んで、さとりはうなじまで真っ赤になってしまっている。 「かっ、可愛いとか……っ!!」 「やー、でも事実だし」 「……馬鹿っ……」 青年は頬をぽりぽり掻きながら視線をさ迷わせていた。 やがて、本殿の賽銭箱前まで到着し、小銭を用意する。 賽銭箱に投げ入れ、二拝二拍一拝。 参拝を済ませて、隣にあるテントへと視線を向ける。 視線に気付いたのか、見知った人物が会釈して来た。 「おみくじ、か……」 「早苗さん、大変そうね」 挨拶でもして行こうかと思っていたが、参拝客だけで手一杯の様子なので会釈だけで済ませて視線を戻した。 「さて……」 屋台の方を見渡してみる。 本殿が少し高台になっているおかげで、屋台の看板が一望できる場所だった。 入り口で目にしたフランクフルトやあんず飴を筆頭に、いちご大福、焼きとうもろこし、焼きそば、鮎の塩焼き、焼き八目 鰻等が並んでいる。 遊戯で行くと、射的やくじ引きが食べ物の合間に点在していた。 「……って、八目鰻?」 「どうやら本人の様ですよ」 出店から覗く顔ぶれは、夜雀と蛍の妖怪の二人組みだった。それなりに盛況しているらしい。 「そう言えば、焼き鳥が無いのは……」 「……ここがどこか忘れてないかしら」 「あー。天狗か」 鶏の出店が無い理由は、どうやら上からの要望の様である。 「んー……」 そんな屋台を見回しながら、青年が何やら唸っていた。 「……外の世界の定番が無い、ですか」 「ああ、そうなんですよ実は。やっぱ流通が難しいのかなぁ」 軽く頭を掻く青年を見上げながら、その思考を読むさとり。 彼女の脳内に、彼の思い浮かべているイメージが浮かんで来た。 「……タコ焼き、ですか」 「ええ。外の世界に居た頃は、屋台の定番だったんすけどね。あとはイカ焼きもかな」 「イカ焼きは、そのままなのね。どちらも、地底では見掛けた事は無い食べ物ね」 「やっぱそうすか」 青年はどこか寂しげに、出店の往来を見渡している。 「まあ、無いものは仕方ないか。適当につまんで帰りましょう」 「ええ、そうね」 また人込みに戻るのだからと、手を差し出す青年。 さとりは顔を赤く染め、嬉しそうに握り返した。 <余談> 神社を後にしようと鳥居まで辿り着いた頃。 「お二人ともー!」 背後から呼ばれた声に振り返れば、こちらに駆けて来る早苗の姿があった。 「ああ、おつとめご苦労様です」 「新年早々、やっぱり巫女さんは大変だな」 「いやいや。まあ信仰があると言うことは良い事ですね」 ねぎらいの言葉に笑みを返しつつ、懐から小さな包み紙を取り出した。 「せっかく参拝に参られたんですし、守矢神社のお守りをどうぞお納めくださいな」 「ああ、ありがとう」 素直に受け取る青年。 「それでは、私はまだ仕事がありますのでこれで!」 笑顔で去っていく早苗を見送り、青年は包み紙の中を覗き込んだ。 そして、直後その場に崩れ去る。 「ど、どうしたの?」 心配そうに聞くさとりに、座ったまま一先ず袋ごと渡して見上げる青年。 受け取った、さとりは、中のお守りを見て 「安産祈願……!!!」 顔を真っ赤にして硬直した。 覚の手記 1頁目(Megalith 2013/03/01) 語注 インファイター…自分からガンガン相手に攻め込んでいくスタイル。 ステップワーク…フットワークの練習。 ウェルター級…キックボクシングの階級。概ね64kg~66.68kg以下(団体により異なる)。 スパーリング…実戦形式の打ち合い練習。 「覚の手記」 1 私古明地さとりは、しばらく前から変な男を館の住人として迎えている。変といっても、怪しいとかおかしいとかいったマイナスな意味ではない。 一日の決まった時間に、決まった行動を取る。決まった時間に食事を取る。決まった時間に寝る。だから、「変な」と形容した。 来る日も来る日もそうしている。私の与えた仕事は黙々とこなすので、別段文句は無いのだが。 今日も、その決まった行動の時間が始まろうとしていた。男は、まさに今私の見ている傍で体をほぐしている。 体を前に倒しては後ろに逸らしたり、頭の後ろで腕を組み、上半身を横に倒したりとせわしない。 最後に軽く全体の力を抜くことを意識しながら数秒間その場で飛び跳ねる。それが終わるとようやく男の日課が始まる。 「今日も始めるのね。最初は何だったかしら。」 「ステップワーク、です。」 「ああ、そうだったわね…ご苦労な事ね。嫌だとか止めたいとか思った事はないのかしら。」 「や、好きでやっている事ですから。」 男は笑顔で答えた。男の言葉に文字通り嘘は無い。この男は本当にそう思っている。 この男はこの時間を楽しみにしているのだ。自らと向き合うこの時間を。他人の心が読める私には分かる。 「今日も、ご覧になるのですか」 「気を削がれるというのなら、本でも読んでいるけど。」 「大丈夫です。物好きですね。」 男は腕を前方へ曲げたり伸ばしたりしながら笑顔で言った。「物好きですね」の言葉に悪意は無い。 「貴方ほどではないと思うわ。」 初めて会ったとき、男の体に思わず第三の目までが丸くなった。砂時計―男の後姿を見たときに頭に浮かんだ言葉だ。 砂時計に四肢がついている。男を一言で言い表すならば、これが的確な表現だろう。 この男が来てから、私の毎日に少しだけ色が増えた。暗い色に少しだけ、新たな色が混じった。ほんの少しだけ暗色を淡色にする、明るい色だ。 一頻りストレッチを終えた後、男は足を広げ慣れた幅のスタンスを取り若干前傾し、右手を顎につけ、左手を目の位置程の高さ構え、更にそこに頭をしまうように顎を下げた。 インファイタースタイルだと、男は言っていた。構えを保ち、足のスタンスを保ったまま、男は軽快なステップで動き回る。 前後左右に動き回り、それに時折加わる素早い回転の動作。一歩一歩に無駄が無い。我武者羅に動いているように見えて、しっかり相手の動きを意識して動いているのだそうだ。 スピーディーな男の動きを目で追う。仮に男の真似をしてみても、まず同じようには動けないだろう。男がどれ程手馴れているのかが分かる。 私は男がステップワークを行っているそばで、男に初めて出会ったときのことを思い出していた。 2 地底は暗い。地底は狭い。地底はじっとりしている。地底は…言い出せばきりが無い。 景色の変わることの無い毎日を私は地底の館で過ごしていた。来る日も、来る年も。そうして何百年と過ごしてきた。 妖怪であるという事は即ち、冗長な日々を約束されているという事。 物欲は満たされているし、孤独でも無い。暮らしていくという意味の上では何一つ不満は無かった。 ただ、刺激は無かった。それはスリルとかそういったものではなく、平凡な日々を少しだけ非凡にしてくれる何かである―つまりは、興味をそそられるものである。 手の中の本を放り投げて、食事をすることすらも疎く感じさせるような何かである。尤も、そうしたものを欲している訳ではないが。 事の発端は、お燐にあった。 「さとり様、ちっとヘマをしてしまったのですがね。」 私と男が初めて出会ったたあの日、お燐はばつが悪そうな顔をしながら私の部屋に入ってきた。 「どうしたの」 「いや、やたら活きのいい死体だと思って拾ってきたら、あの、生きてたんですよ。死体じゃなかったんです。いきなり立ち上がったんです。」 お燐は悔しそうに言った。自分がするはずのないミスをしてしまい、かなりプライドが傷ついているようだ。 「なら地上に返してあげればいいじゃないの」 「それがですね、その人間、少し変なんですよ。私もどうしたらいいのか分からなくて…とりあえず広間に待機させてるんで、一度お会いになってくれますか。」 「どんな風に変なの」 「うーん…多分ですけど、キオクソーシツってやつです。ここはどこなんだ、とかぼやいていましたから。」 「…分かったわ」 お燐と言葉を交わした後、部屋を後にして広間に向かった。白と黒の回廊を進む足が妙に早くなる。 館のどこに行くにもこの回廊を通らなければならないのだが、私は正直それが嫌だった。 等間隔に置かれたランプの頼りない明るさに加え、距離感の掴めない長さ、響く足音が不気味さをまくし立てる。足音が増えたら、などと思うと恐ろしい。 その時、人の姿は見えないのに、声が頭の中に響いた。 「全く、どこなんだここは。さっきの猫みたいなヤツは何者なんだ。」 聞いたことの無い声が響く。男の声だ。このさきに待ち受けている人間は、男だ。 歩くたびに頭に響く声が大きくなる。男に近づいている。 「また変なのが出てきたらどうしよう。」 変なのとは言ってくれる。ならばお望みどおりに振舞って見せようか。妖怪らしく食ってやる、とでもいきなり告げてみようか。 しかしここは冷静に、館の長らしく振舞うことにした。取り乱されて事がスムーズに進まなくては困る。 目的の広間に近づく度に声は響き渡る。薄っぺらい冷静さが、動揺を包み込んでいる。 針で刺せば、たちまち破裂し冷静さを失う事だろう。無理も無い話ではあるが。 待ち人のいる部屋のドアが段々近づいてくる。 いよいよ回廊の終着点に辿り着いた。目の前の扉を隔てた先に、異端の訪問者がいる。 ノブを握ったその時、大きな声が頭の中に響いた。 「誰か来る」 私はその声に構わずに扉を開けた。敵意どころか怯えすら感じ取ることができたから、こちらが警戒する必要は無かった。 蝶番がゆっくりと軋む音が響く。 「…あ」 ドアを完全に開いた先に、異端の訪問者の姿があった。最初に言葉を発したのは相手の方だった。 『「女の子だ。ああ良かった。でもあの胸の目は何だろう」…見た目で人を判断するのはあまり感心しないわね。』 「え…」 『何で俺が思っていることを。当てずっぽうで言ったのか」…どうでしょうね。すぐにそう思えなくなると思うけど。」 挨拶がてらにいつもの調子で心を読んでみせる。他人の心というものは、川に例えることができると思う。 落ち着いているときは穏やかに、慌てたり、何かを恐れているときは激しく言葉が流れ込んでくるのだ。 「…激流ね。」 男は訳が分からない、と言った表情のままただ立ち尽くしている。目は不安の色に満ちている。 背丈は平均の成人程度で、細いと表現するには少し言葉足らずな体つきをしている。 見た目は細いながらも、細さを作っているのは筋肉だった。捲くったシャツから見える前腕は、筋肉の隆起で凹凸ができていた。 私の白くて細い、筒状で柔らかい腕とはまるで違っていた。まさに男の腕であった。 目が泳いでいる男に言った。 「落ち着きなさい。何もするつもりはないわ。私の質問に答えて。その後でどうするか考えるから。」 「まず貴方の名前は。貴方はどうしてここに来たの。」 「ぼ、僕は…」 男はたどたどしく声を発した。 「僕は○○。ジムからの帰路についているはずだったんだが、何故か気付いたらここにいたんだ。」 「じむ…?」 「僕はキックボクサーなんだ。ウェルター級で戦ってる。まだアマチュアだけどね。」 言っている事は分からないが、さっきまでと違い、男は堂々と答えた。激流が消えた。 「きっくぼくさぁ…うぇるたーきゅう…」 どれも初めて聞く言葉だった。情報網のほぼ絶たれた地底でも(お燐が仕事ついでに地上での出来事を見聞きしてくる程度)、それなりには情報は入ってくる。 私は思考を巡らせた。頭の中でいくつもの仮説が走り回っている。この男は何者なのか、という答えを探して東奔西走している。 沈黙が空間に満ちている。ふと床に目をやると、白と黒のチェックの床が思考を遮る。男は気まずそうな顔をして辺りを見回している。別段可笑しな物は置いていない筈だが。 思考を取捨選択した結果、可能性として考えられるのは、私の頭の中には一つしか無かった。彼は「外の世界」と呼ばれている所から来た人間であるかもしれない。 異界から訪れる人間の話は、時折風のうわさで耳にする。大抵はすぐに元の世界へ戻されるようだが、稀に酔狂な者がいて、こちらに留まろうとする者もいるらしい。 そうした者達の大体は、性質の悪い粗暴な妖怪の餌になったりするが、機転の利く人間は人里で気に入られて里に迎え入れられたりするらしい。 元いた世界を厭う者が、こちらの世界に残りたがると聞く。だとすれば、末路はどうであれ彼らにとっては幸せなのかもしれない。 異界に迷い込んだという時点で、その人間はもう死んだも同然なのだから。 私は死後の世界を見た、などとぼやく人間が外の世界にいるらしいが、そうした人間は恐らくこちらの世界から戻った人間なのだろう。 この男が私の推測どおりに外の世界の人間なのだとしたら、困った事になる。この男に対してしてやるべき処置が取れないからだ。 本来ならば地上まで同伴の上で巫女の所へ返してやるべきなのだろうが、私にはそれが出来ないのだ。地上に行けないことは無いが、行きたくないのだ。 困惑の表情は見せないものの、三つの目で男を見つめたまま沈黙を続けていると、突然男が口を開いた。 「あの、僕は死んだ訳じゃないんですよね」 「死んではいないわ。死んだようなものだけれど。貴方の状況を少しずつ話してあげる。」 「いや、大丈夫です。死んでいなければ。ただ。」 「ただ、何。」 「明日からどこに住んで、練習どうしようかな、と。その、ミットとかサンドバッグ、できるならスパーリングもしたい。」 男は眉をひそめて困ったように笑いながら言った。たいした男だ、素直にそう思った。もう微塵も心に動揺が感じられなかった。男はすんなりと現状を受け入れたのだ。 楽天家なのか、能天気なのか、それとも諦めが良いのか。どれが答えかは分からないが、男は異界に順応しようとしていた。 「貴方が外の世界から迷い込んできた理由は分からないけど、貴方がここに来たのは私のペットのした事だから、それの責任は持つわ。 ここに泊まればいい。寝床ぐらいなら貸してあげる。それ以外は自分で何とかすればいい。」 私は男を適当な空き部屋に案内した。 自室に戻った私は、自分に問いかけた。何故男をここに置く気になったのか、なぜ私が地底に来たのか、忘れてしまったのか。 殺してペット達に食わせてしまう事だってできた筈だ。一端の妖怪ならば、そうするのが正しいようにすら思える。 ただ、あの人間は私の中にある人間の像とは違う、なんとなくそんな気がした。いつも飲んでいる紅茶が、いつもの味ではなかった。 ―捨て犬を拾った。その程度の事だ。そう言い聞かせた。 その夜、私は長いこと書いていなかった日記帳を開いた。最後につけた日記の内容を見返してみる。 日記帳には古ぼけた字面でこう書かれていた。 XX月XX日 今日から地底で新たな生活を始めることにする。これで良かった。私は覚に生まれるべきではなかった。 忌むべきは自分自身であるので、地底に身を潜めることで擬似的に自らの存在を抹消することにした。 その隣の頁に、新たな日記を書いた。罫線の上に秘密の文章を綴ったのは、実に久しぶりの事だった。 XX月XX日 異端の出来事だった。責任とはいえ、人間を匿うなんて私でも考えられない事をした。 何故匿う気になったのだろうか。お燐に言えば巫女の所まで送ってやることもできたのだが。 これでは本末転倒だ。 ―住処を移してから、初めて綴った記録であった。 さとりんに応援されたいという思いが筆を執らせるに至りました。 さとりんの左フック…とってもハートフェルトファンシー… 長くなりそうなので、こちらに区切って投下させていただきます。 書き出しが一番難しいですね…次から本格的に話が進んでいくはず。 用語などは語注をつけて分かりやすく、後半出す予定の試合描写はメインが崩れないように軽めに書きます。 あまりこだわりすぎず読みやすい文章を書けるよう頑張ります。 覚の手記 2頁目(Megalith 2013/03/08) ロードワーク…ランニング。やる人は5~10kmとかやったりする。 3 翌日から、意図せぬ訪問客を迎えての生活が始まった。男には初日から驚かされた。 私はいつも、地霊殿の誰よりも早く起きる。地底には目覚ましの日差しは無いが、長い間同じ毎日を繰り返す内に、自然と決まった時間に起きられるようになっていた。 爽やかな目覚めに鳥の鳴き声と太陽の日差しは不可欠という訳ではない。起きたらまず、ペット達の様子見を兼ねて餌をやる事が、私の朝の日課である。 しつこくまとわりつく眠気を引きずって回廊を歩く私の前に、男が現れた。 「おはようございます」 「…早起きなのね。」 「いつもの習慣でロードワークに行こうとしたんです。でも道が分からなくて。」 男は照れ笑いを浮かべながら言った。通路の隅に目をやると、一匹のネコが丸くなっていた。 「昨日は気づかなかったけれど、随分と動物が多いのですね。」 「皆私のペットよ。ペット達は綺麗だから。」 「僕もね、好きなんですよ、動物。特に犬が。人懐っこいですからね、目が合うと寄ってくる。」 私は男のほうを見た。男は相変わらず笑っていた。手振りで犬の動きを表現しながら、男の言う人懐こさの説明をしていた。 「貴方は、動物に好かれる人間なの」 「好かれているかはわかりませんが、嫌われているかも分かりませんね。喋らないですから、あいつら。」 「喋らないからいいのよ。」 「早起きは三文の徳ってのは本当ですね。ご一緒してもいいですか。他にどんな動物がいるのか見てみたい。」 「好きにすれば。」 ぶっきら棒にそう言うと、男は私の後ろを着いてきた。 結局、全ての動物たちの様子を見終えるまで、男は私の後ろに着いていた。 男は時折私に話しかけてきた。一番好きな動物は何かとか、あれは何という動物なのかとか、純粋に好奇心と興味から来るもの、男の見た目にそぐわない、幼稚なものばかりであった。 それらの質問にそっけなく答えながら、館の部屋一つ一つを見て回った。部屋の数は数えたことは無いが、50は超えているはずだ。 突き放せなかった。また私らしくない事をした。 この男は何なのだろう。やはり私の中にある固定的な人間像に当てはまらない、今まで見たことの無い像を持っている。 黒い人型―これが私の中の人間像である。これに対して、白い人型―先の形に則って男を表現するならば、この表現が相応しい。心が醜くないとも言える。 ヒトとはどす黒い何かを内に宿しながら形を成している。黒色の思念の塊を覆うかのように骨が形を成し、それに肉がついている。これが私の知っている人間なのだ。 なのに、純粋、素直、律儀、純真、実直―男の心の波長からはこのようなイメージしか受け取れ無かった。これはおかしなことだ。 調子が狂う。考えれば考える程に思考の糸が絡まる。 全ての部屋を見て回る頃には、この館で住人と呼べる者達は皆目を覚ましている。朝食は皆で摂る事になっている。 今日からは、椅子を一つ増やしての食事になる。空いているこいしの隣に増やすことになるだろう。 担当のお燐にも、一人分作る量を増やすようにと昨日の内に言っておいた。 「67部屋ですね、全部で。」 「几帳面なのね。次は私たちの食事よ。席、一つ増やしてあるから。」 「良いのですか。食卓にいきなり混ざりこんでも。」 「ええ。」 一人は寂しいから、一人にさせる気は無かった。人間なのに。 「そういえば」 男が思い出したかのように男が言った。 「まだ、貴女のお名前を聞かされていませんね。」 「…さとり、よ。古明地さとり。」 男の目を見ることなくそそくさと名乗った。名前を誰かに名乗るのは、久しぶりの事だった。日記帳の事を思い出した。 「古明地さんですね。」 「…さとりでいいわよ。苗字で呼ばれるとしっくりこないから」 私は男に着いてくる様に言って背を向けると、さっさと歩き出した。意図せずとも、先ほどよりも自然とペースが早まってしまった。 無駄に心拍数が上がる理由は、それだけでは無いが。そこに経験したことの無いやり取りをしたから、と加えても、まだ胸の高鳴りの理由を完全に説明するには至らなかった。 食堂に向かうと、何かを焼いている匂いがした。卵だ。 振り返ると、男は1メートル程後ろを歩いていた。 4 この日の朝食は、トーストと目玉焼きに付け合せのハムと野菜をつけた皿だった。 並んだ皿の目玉焼きの黄身の色は綺麗な黄色から薄いピンクに濃いピンクと様々だった。各々好みが違うので、お燐が焼き加減を調節するのだ。 日差しよりも、トーストの鼻腔を擽る香りが、朝を告げる大切な要素のように私には思える。加えて珈琲が加われば、それは完全に朝を告げるモーニングコールとなる。 朝食の席で、館の住人に男を紹介した。 お燐は改めて男と顔を合わせると、苦笑いで頭を下げて謝罪の言葉を述べたついでに、「野菜、奮発しときましたから」とウインクしながら言った。気さくなお燐らしい対応だった。 お空は新たな住人の登場に大して興味が無いようだった。それよりも早く目玉焼きの黄身を突きたいと言わんばかりにフォークを握る拳を固くさせていた。 5人が席に着いたのを確認すると、一斉に手を合わせた。男に視線をやると、空席に目をやっていた―心を読むまでも無く分かっていた事だが。 「いただきます」 この日、私はまさか一日に二度も驚かされるとは思ってもいなかった。 「目玉焼きを交換して欲しいのかい。構わないよ。」 男が空席に向かって話し出した。まさか、そんなはずは無い。私だけの筈だ。「妹」を常に認識できるのは。 お燐もお空も私に遅れて男の方を見た。二人には見えないが、その空間には確かに私の妹がいるのだ。 「ありがとう、そこのヒト。私ね、半熟が好きなんだ。どろぉーってしてるのが、好きなの。」 空間から嬉しそうな声が聞こえる。男はこいしを認識することができた。三つの目で見た事実だ、疑いようが無い。 私は思わず目を見開いた。動揺で声が上ずってしまうのを抑えきることが出来なかった。人間に驚かされるなど考えたことも無かった。 傍から見ればさぞかし滑稽な光景だろう。 「貴方、どうして…どうして見えるの。」 「見えるって、目の前のこの子がですか。そういえばこの子は誰なのですか。」 こいしと目玉焼きの皿を交換しながら、問い返すように語尾を上げた口調で私の問いに答えた。 こいしはありがとうと呟くと、薄いピンクの黄身を軽く指で突いて見せた。細い指が緩やかな窪みを黄身の山に作る。 適度な柔らかさが気に入ったのか、こいしは嬉しそうに微笑んだ。 「私はこいしだよ、お姉ちゃんの妹の古明地こいし。」 「素敵な帽子だね。」 「ありがとう。お姉ちゃんから貰ったの。とっても気に入っているよ。あ、お空、塩取って。」 私とこいしは然程年が離れているわけでは無いが、こいしは随分と幼さが目立つ。自由気侭という言葉がこいし程似合う者は他にはいないだろう。 銀髪と黒いダービーハット、そして胸の青色の閉じられた第三の目。一際目を引く見た目にも関わらず、彼女は「いない。」 いないが、いる。私の大事な妹である―誰からも認識されないはしないけれども。 私の他にこいしが見えるのは、人間ならば心の綺麗な子供だけの筈だ。なのに、何故この青年にこいしが認識できるのだろう。 驚いたり、戸惑ったり、私らしくない。私はこんなに未知の出来事に対して弱かった覚えは無い。 考え込むと他の事に目が向かなくなるのは私の悪い癖である。 この場で悩んでいては片付け担当のお空が食器を洗えない。今は皿を空にする事に意識を向けて、その後で考える事にした。 紅茶を啜った後で、砂糖を入れていなかったことに気付いた。 朝食の後、私は私の部屋の前で、男に先ほどの質問をもう一度投げかけた。なんとしても納得のいく答えを聞き出したかった。 「さっきと同じ事を聞くけれど、どうしてこいしがいると分かったの。あの子は認識されないの。私と例外を除いてはね。」 「よく分かりませんが、僕は何かを見る事については人一倍敏感だと思います。」 「どういうこと。」 「洞察力と観察力です。ボクサーは、常に相手の動きに神経を尖らせていないといけないんです。そうしないと、攻撃をかわしたり、動きを見切れないですから。」 「分からない。どうしてそれがこいしを認識できることになるの。」 男は黙りこんでしまった。質問の答えを考えているようだ。正確に言えば、答えは出ているのだが、それを表現する言葉を探しているようだった。 しばらくすると、男は再び私の目を見た。それと同時に心が静かになった。 「意識されないから妹さんは見えない。逆に言えば意識できるのなら認識できるということですよね。」 「なら、意識しない方が難しいと思います。妹さん、素敵な笑顔をするじゃないですか。」 男は更に付け加えていった。 「さとりさんは、妹さんを大事に思っているのですね。だから妹さんを認識できるのでしょう。」 「…何を知った風に。貴方に何が分かるというの!」 そう告げると、むきになる私を尻目に男は部屋に帰っていった。取り残された私は、驚きと、熱さと、そこに隠し味程度に焦燥を混ぜた気持ちに必死に向かい合っていた。 見えるという事は意識するということ。見るという事は意識するということ。確かに私はこいしの事を大事に思っているし、心配している。 いつも相手を見透かしている私が逆に男に見透かされたような気がして、急に誰かに背筋を撫でられるような気味の悪さを感じずにはいられなかった。 しかし、包み隠さずに言うのならば、こいしの事を褒められたのは嬉しかった。 むきになってしまったのは当たり前の事を男に言われた事が、恥ずかしかったのかもしれない。あんな事を言われたことは一度も無かったから。 「…あぁもう!」 鏡が無いのが、幸いだった。ノブを握ると、私の体温がノブにもすぐに伝わるのが分かった。少し強めにドアを閉めた。 体が熱くなる訳の分からない気持ちを何かにぶつけたかった。 結局一日中、どこか冷静さを失いながら、その日を過ごした。昼食も夕食も、味がよく分からなかったし、温泉も後に入ってきたこいしより長く入っていた。 その晩私は、昨日と同じように日記帳を開いた。 XX月XX日 一日に二度も驚くことになるとは思わなかった。思い返してみると、途惑う私は我ながらなかなかに滑稽だったのではないだろうか。 お空の呆気に取られた顔を思い出す。今日の事はあまり思い返したくない。枕に顔を埋めたくなるような一日だった。 そういえば、男に私の能力の事をまだ話していない。話したらやはりあの男も「人間らしさ」を見せるのだろうか。 それとも、あの男は違うのだろうか。 もう一つ、記しておかねばならない事がある。男への興味という新たな気持ちが出来上がっている事を、否定できなくなりつつあるということだ。 何故だろうか。こいしが見えたからか。生意気な口をきくからか。それは分からないが、男の事を知りたいと思う私がいることを認めざるをえない。 畢竟、昨日今日と私は変である。 進んでねぇ…ッッ!! ○○にこいしが認識できるのはやりすぎかなぁ、と思いましたが、そこは物体の認識力が高いというだけで、 無意識を操る程度のはバッチリ効くという事でどうかひとつ… ここは幻想郷の地底奥深くにある館、地霊殿。 そこには沢山の動物と心を読む妖怪と外から来た人間が住んでいた。 心を読む妖怪の名をさとり。 外から来た人間の名を○○と言った。 その2人はとても仲が良く、今では恋人同士の関係になっていた。 にゃーにゃー 「・・・○○ー?その餌はそっちの猫にあげてー」 「はいよー」 ○○とさとりは今、地霊殿の広い居間で沢山の猫に餌を与えていた。 ○○はさとりの言うとおりに指定された猫に、指定された餌をあげる。 にゃーにゃー 「・・・ここに何匹くらい、猫がいるんだ?」 「少なくとも70匹くらいはいるわね・・・」 「結構いるな・・・」 ○○はその数を聞き、苦笑いをする。 「そうね、地霊殿には沢山のペットがいるからね」 「因みに地霊殿全体では猫は何匹いるの?」 「500匹くらい?」 さとりは小さな子猫を抱きながらそう言う。 ○○はその数を聞き、思わず吹いてしまった。 「凄いな・・・」 ○○は一通り猫に餌を与え終えると、さとりのもとに行った。 「よし、終わったよ」 「あら、ありがとう」 さとりは子猫の頭を撫でながら、○○に微笑んで言った。 「それにしても、沢山猫がいると温かいね」 ○○は猫を踏まないように座り込んで、子猫を抱いているさとりを後ろから抱き寄せる。 「あ・・・」 「と、ごめん、嫌だった?」 ○○はちょっと申し訳なさそうに、さとりに言う。 「んーん、大丈夫、嫌じゃない・・・」 さとりは○○に身を委ねて、ちょっと恥ずかしそうに言う。 すると猫がにゃーにゃーと鳴きながら、○○とさとりの周りに集まってきた。 「ん、あったかい・・・」 「うん、温かいね・・・」 さとりは○○に向き直ってぎゅっと抱きつく。 ○○もしっかりとさとりの背中に腕を回して抱きつく。 「このまま・・・寝ちゃってもいい・・・?」 「うん・・・寝ていいよ」 ○○はさとりにそう言うと、さとりは○○の膝に頭を埋める。 「○○・・・大好き・・・///」 さとりは紅い顔を上げ、潤んだ瞳でそう言った。 「うん、俺も好きだよ、さとり」 ○○はさとりの頭を撫でて、さとりにそう返す。 そして、一回口付けをすると、さとりは○○の膝に再び顔を埋めた。 「おやすみ、さとり」 ○○はさとりの耳元でそう言った。 にゃーにゃー すると、猫たちがさとりに寄り添って、布団代わりになる。 さとりはとても幸せそうに眠りに入っていった。 うpろだ0056 「はぁ……」 「どうかしたの?溜息なんてついて」 家に帰るなり開口一番がこれじゃ誰もが心配するだろう 「いや、話すだけ無駄じゃないかなぁと」 「話すだけでも気が楽になるわ、貴方の暗い顔をいつまでも見ていられないのよ」 心配そうに様子を窺ってくる、余計な心配をさせてしまったようだ 「……ありがとな、さとり」 「さ、話して頂戴」 ソファーに座るよう促される。話さなければならない空気のようだ 「そこそこ世話になってる人が居てな、その人が俺の事を良く思ってないらしい」 「どんな風に?」 「ん~なんて言ったらいいんだろ、要は俺が親切でやってる事が不満らしい」 「貴方とその方との考えの相違による歪み……って所かしら」 「そんな感じだな。俺としてはそれくらいしかその人に貢献できなくて……だから悩んでるんだ」 「きっぱり言うなら貴方が悪いわね」 無意識的に避けた所を的確に突いてくる辺りは流石と言った所か 「……だよな」 「けれどその方も悪い。嫌なら嫌とはっきり言えば貴方も別の事を考えるんでしょう?」 「まぁな、人がされて嫌な事はしない主義だ」 「どっちもどっちって事ね」 「……分かった、考え直してみるわ。お前に話してみてすっきりしたよ」 「役に立てたのなら幸い、明日からも頑張って頂戴」 ほっとした安堵の表情でそう言いかけてくれた 「あぁ、頑張るよ」 笑顔で言い返す、そしてふと思った事を口に出す 「……お前ってカウンセラーの仕事向いてそうだな」 「この目を使えばもう少し深く探れるわよ?」 第三の目を持ちつつ冗談めかして答える 「あ……すまん、そこを意識させるつもりはなかったんだ」 彼女は最近俺と同じ『人間』として振舞おうと努力している、 要は妖怪の能力を使わないようにしてるってだけだ 「いいのよ、大分目を使わなくても貴方のやって欲しい事は理解できるようになったから」 「不便じゃないのか?」 「前に比べれば相当不便ね、相手の思う事が分からないのは」 「だろ?だから無理するなって言ってるじゃないか」 と言ってももう3年になるのだが 「でも貴方が教えてくれたじゃない、相手の心の汲み取り方」 「あれは出任せと言うか何と言うか……」 ただ単に『相手の会話内容と目に集中していれば考えてる事なんて楽勝だ』と言っただけなんだが 「私は好きよ?純粋で」 こちらを真っ直ぐ見てくる 「貴方は今私に迷惑をかけたんじゃないかと思って別の話題に切り替えた……で合ってるかしら」 「大正解だ。お膝占領券を差し上げましょう」 妖怪ってのはこうも呑み込みが早い物なのか、案外頭が切れるのかもしれない 「よいしょっ……と、お邪魔するわ」 早速膝の上へ、彼女曰く『お気に入りの場所第3位』とのこと 「でも習得早いよなァ……言った本人が言うのも何だが」 「心と体は共鳴しているのよ?慣れれば貴方だっていつか出来るわ」 「いつか……ねぇ」 そう遠くない未来、二人は離れ離れになってしまうだろう、 それまでに俺は何を彼女にしてあげられるだろうか 「俺も頑張ってみますかね、愛しい人が今何をして欲しいかくらい理解できるように」 と、その瞬間さとりがこちらを向く 「いいわ、そんな事に時間を割かなくて」 「俺はお前が望んでいる事をしてあげられなくてもいいのか?」 倒れる様に胸に顔を埋め、彼女は悲しげに言う 「私は貴方と一緒に……」 胸に消えて行った彼女の祈りは聞こえなかった、むしろ聞きたくなかったのかもしれない でも彼女が俺といるこの時間を大切にしている……それは理解できた 「さとり……」 壊れそうな彼女を優しく抱きしめ、俺は心の内で抱きしめる事しか出来ない自分を嘆く 「……ごめんなさい、雰囲気を暗くしてしまって」 うっすらと目縁には涙の後が、すかさずフォローを入れる 「気にするな、さっき帰ってきた時の俺もこんな雰囲気醸し出してたんだしな」 「フフ、これでお相子ね」 彼女は笑顔を取り戻す、何度見ても飽きない美しい笑顔だ 「さて、大分暮れてきた事だし夕ご飯作るわね」 「お、んじゃ手伝うかねぇ」 「え?急にどうしたの?一緒に料理がしたいなんて」 「そうなぁ……お前と居たいからかな」 「!?そ、そういうのは反則よ!……ちょっとドキッとしちゃった」 珍しく照れている、ちょっとクサい台詞だったか 「また惚れ直したか?」 「……うん、大好き」 そんな秋の日 避難所 68 「……さとりではありません。古明地さとにゃんです、にゃ」 「『古明地にゃとりの方が語呂がいい』ですか。参考にしておきます」 「『猫耳付けただけでは』?……スカートに尻尾も付けてますよ」 「というわけで、貴方のお腹の上でお昼寝させてもらいます。 彼女とか猫とかのそうした要望に拒否権はないのです……にゃ」 「――『拒否するつもりなんてないからおいで』、ですか。 それは殊勝な……いえ、素直に言って、嬉しいです」 「やっぱり貴方は温かいですね。それではおやすみなさい……にゃ」 「すぅ…………」
https://w.atwiki.jp/yurupedia/pages/350.html
ちま吉 都道府県 滋賀県 肩書き 大津祭公式キャラクター 公式サイト http //chimakichi.com/nc/ 攻略難易度 ★★★中。大津祭で確実。それ以外にも滋賀県の観光イベントに登場。 名刺の有無 ? 狙い目イベント 大津祭(9~10月) イベント情報
https://w.atwiki.jp/ecovip/pages/568.html
2012/10/24開始 2012/11/14転生 入院中 復帰までちょっと待とね エフィカスする機械になったよ 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 1st おちんぽん イレイザー 37/20 メイン 2nd おちんぽんぽん ファーマー 43/45 きんす 3rd おちんらべ タタラベ 41/43 4th おちん魚 ウォーロック 43/46 次に転生させる奴 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 11/17 エフィカスを覚えた捗る。サブ育成に着手。 転生めでたい -- 名無しさん (2012-11-15 13 10 33) ついにエフィカス奴隷になれるな -- 名無しさん (2012-11-17 11 04 51) またECOVIPから入院者を出してしまったか・・・ -- 名無しさん (2012-12-06 18 02 21) 退院はよ -- 名無しさん (2012-12-10 23 25 46) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/niconicokaraokedb/pages/3954.html
おちぼしP おちほしひい【登録タグ クリエイター 作お】 曲一覧 キリトリ線 コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/neetura2/pages/1148.html
http //neetsha.com/inside/main.php?id=8862 2010 07/02 登録 作者一覧 タイトル 作者 登場キャラクター・作品 逮捕 桑石 妖精で遊ぼう、賭博断罪録 ルカジ、峰騎士早瀬、Happy Life 目指せ夢の甲子園! ティッシュ ちまなこまなこ、ドス恋、SUPERGIRL、夢のなかの現-うつつ-、彼女が欲しい。、いはさき短編集、今を逝きる。、ミスティック・マンション、ニートピ、レバニラ!、Happy Life、妖精で遊ぼう、鳥クロロエチレン、超能力探偵エイヂ、トークン、NMR 新都社ミステリー調査班、COLT、おちんちんタイムきらら、けいおん!に焦がれて、サダケン-さだまさし研究会- 劇場版 ぬごく 仮面ライダーマイ 魂呼びの島、CHAINⅢ、ワンパンマン、ジャス子、空ちんちん、THE PENISMAN 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦!銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴!危険なふたなり!超戦士はねむれない オーシャンまなぶ、COLT、賭博断罪録 ルカジ、密着!帰宅部24時 新都キャラが同じ高校だったらアンソロジー
https://w.atwiki.jp/gurime/pages/90.html
32代目ぺーぺー。管理人。 メガネをかけたその風貌は満点のインチキフェイス。 体が弱い 髪が薄い 影も薄い 飲み会で同じ卓だった人さえも存在を思い出せない マー君と慕われているが、ただのぱしり。 カッション 微妙 グリメピック責任者。あまり覚えられてない。 3男10人名前言ってみろというと必ずまさきは最後に名前が挙がる メカゴルマン相手に3分粘れる 実はドS。 そして真性の変態。 ダイジョブンスカイウォーカー 酔うとダイジョブンベーダーになる。 ドルフィンブルー 裏チキチキバンバンの主役 ネクタイ?。 合宿ではごちそうさま寸前におかわりをする。 二次会の思い出がない 冬合宿のウェアがまさきっぽい まさし まさーしー まーしー 不動の1番 a Boy ~ずっと忘れない~ 名言(迷言) グリーンメイツをよろしくお願いします!! それに対する則武孝樹様のコメント 「グリメ任されたぞ」 1-2(2回言った)
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/1541.html
242 名前:通常の名無しさんの3倍 :2008/12/23(火) 22 18 46 ID ??? ガラッ シャア「アムロはいるか?」 ロラン「シャアさん…兄さんは今、ちょっと……」 ロランの制止を振り切り、奥に入ってゆくシャア。 一番奥の部屋の、隅に、疲れはてて白眼+下着姿のアムロがいた。 アムロ「しゃあ…なにしにきた…ぼくをわらいにきたのかい?」 ロラン「しばらくそっとしてあげ……あっ!」 押し入れに引きこもろうとするのを、無理矢理引っ張り出す。 シャア「君を笑いに来た…と言えば満足か?」 アムロ「シャアっ!」 シャア「元気ではないか……ロラン君、アムロを借りていくぞ」 ロラン「あ、あ、ちょっと……まぁ、シャアさんだから大丈夫かな……」 ------ アムロ「……何の真似だ、シャア?」 シャア「忘れたのか?今日はクリスマスだ」 アムロ「明日じゃないか」 シャア「現実世界では、な」 アムロ「深く気にしたら負けだな……で、何故俺がこんな格好をするんだ?」 妙な帽子を被り、全身真っ白な服。クェスに無理矢理着させられた物だ。 シャアは対称的に、赤の、同じ服を身につけていた。一色ってのは何か不気味だな。 シャア「鈍い奴だな……クリスマスと言えば何だ?」 アムロ「彼女達との複数デート」 シャア「半殺すぞ……サンタクロースだ、サンタクロース!」 言われてみれば、俺達が着ているのはそんな服装だな。 シャア「サンタは赤白の服装……白い悪魔のお前と、赤い彗星の私… サンタに扮してプレゼントを配るのにピッタリと言うわけだ」 アムロ「確かにそうだが…貴様の機体は赤と言うよりはピン シャア「私はサザビーで出る。アムロ、お前はνガンダムで来い」 アムロ「何故お前がνを持ってるんだ!それに、どこに行くんだよ」 シャア「ロラン君に借りて来た。なに、あちこちの孤児施設だ……先に行くぞ」 アムロ「あ、あ、ちょっ……仕方ないな……」 呆れながらパイロットスーツを着込むアムロ。 そこにナナイが入って来た。ナナイはアムロを見、深く礼し、アムロも釣られて礼する。 ナナイ「いきなりの事で申し訳ありません」 アムロ「いいえ…いつもの事ですからね……」 ナナイ「しかし、分かってあげてほしいのです。あの人が何故、こんな事をするのか、を」 アムロ「何故、ですか」 スーツを着込む手を止め、ナナイの話に耳を傾ける。 窓の外では、雪が降り始めていた。 続く 243 名前:通常の名無しさんの3倍 :2008/12/23(火) 22 24 03 ID ??? ナナイ「あの人は今年から、クリスマスに孤児施設にプレゼントをする事を決められました」 アムロ「孤児施設……か。そういえばシャアは小さい頃に実父を…」 ジオン・ダイクン。彼の死には未だ謎が多い。 単なる病死説からザビ一族に暗殺されたのだというゴシップネタまである。 シャアの情婦と言われるこの人なら、シャアから何か聞いているかもしれない。 しかし、アムロは、それはこの話には関係ないな、と脳内から切り捨てた。 ナナイ「はい。ですが、運良く里親が見つかり、孤児施設に入る事はありませんでした…… シャア『私は運が良かった。しかし、めったに親は見つからないのが実情だ』 ナナイ『そうですね…施設の人による虐待と言うのも問題になっていますね……』 シャア『子供の心が傷つくのは、虐待だけではない……親が見つからず… 『自分は世界に要らないのだ、必要ないのだ』と自暴自棄になる子もいるだろう…』 ナナイ『………』 シャア『小さい時から世界に対する、自分に対する希望を捨ててしまってはならない…だから…私は… 私は偽善と言われようと、子供達に『サンタクロースのプレゼント』という形で希望を与えたい… 分かってくれるか、ナナイ?』 ナナイ『私はあなたを信じています。ですから、あなたの決めた事に従うだけです、大佐……』 シャア『感謝する、ナナイ……』 ナナイ『あなた……』 ナナイ「……と言う事なのです」 アムロ「成る程な…それならそうと言ってくれればいいものを…水臭いな」 ナナイ「あの人は素直ではありませんから……多分、恥ずかしいのでしょう」 アムロ「はは、違いないですね」 そう言って軽く笑った時、シャアが再び入って来る。 早く来い、わかってる。ナナイに軽く礼してMS発着場に向かう。 ナナイ「いってらっしゃいませ……ん…今日はホワイト・クリスマスね……」 窓の外を、ABCマントで作ったプレゼント袋を担いだMS二機が飛んでゆく。 粒子の光が美しく、尾を引いて空の彼方に消えてゆく。 雪は相も変わらず、しんしんと降り続けていた。 おしまい。 何故今まではやらなかったんだ?とかは無しで… 後、今までのネタにあったらごめん。
https://w.atwiki.jp/hshorizonl/pages/275.html
【マスター】 松坂さとう 【出典】 ハッピーシュガーライフ 【マスターとしての願い】 聖杯を使い、しおちゃんと永遠に愛し合う 【能力・技能】 美人で人当たりも良く、勉強もできる。 男遊びや叔母との生活を経た経験から人の感情を読むことに長けている。 その一方で自身の愛を邪魔立てするものを排除するためには手段を選ばず、殺人や再起不能級の制裁すら厭わない。 【人物背景】 高校一年生。 愛によって満たされるという感情を理解できず空虚な日々を送っていたが、とある少女との出会いで愛を知る。 少女――神戸しおとの生活を守るためにすべてを尽くしている。 参戦時期は最終巻、マンションで神戸あさひと接敵するよりも前。 【方針】 界聖杯の獲得に向けて動く。 ただ闇雲に殺し回るのではなく、頭を使って確実に勝ちを狙う。 キャスターに対しては激しい嫌悪。
https://w.atwiki.jp/openkotehan/pages/76.html
のコテハン名で活動中。 基本情報 【読み方】 なおちゃん 【トリップ】 【活動開始時期】 【コテ名の歴史】 なおちゃん 【コテを付けた理由】 特徴 特技 出没板 ニュース速報VIP板 自スレ 功績 恥 名言 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ngtinpbs-nakama/pages/31.html
運営の発表の矛盾部屋の問題 第三者委員会 新支配人の発表「また公演に出たい」 事件後の安全対策の件 保護者説明会で虚偽の報告か 今村支配人と半グレ集団?そういう世界? サルオバといなぷぅ 運営が隠蔽する理由とは 運営の発表の矛盾 部屋の問題 1/10スポニチ捜査関係者 「ファンがバスを追っかけて、住所突き止めてから襲った」 ↓ 1/23の運営 「山口の向かいの部屋を実行犯が借りてました」 1/11時点の「県警によると昨年12月、山口さんのファンとみられる男2人が新潟市内の山口さんのマンションを訪れ、~」と1/23以降の「山口さんの向かいの部屋を加害者の男が借りていたことを明らかにし」との矛盾の指摘 https //mobile.twitter.com/GScom_s/status/1091003819125665792 ※警察とNHKは最初の報道で「犯人は同じマンションに住んでいる」とは言っていない→NHK新潟のニュース映像 “被害者の向かいの部屋を加害者が借りていた”報道を不動産屋が検証「文春の報道や運営の発表には不自然なことがあまりにも多すぎる」NGT48騒動について元・不動産会社社員が問題視する2つのこと 「NGT48騒動について元・不動産会社社員が問題視する2つのこと」への補足 第三者委員会 1/23(新潟日報) 松村匠氏「(第三者委員会は)外部弁護士や有識者の5、6人で構成する」 「第三者委員会は週明けに発足予定 」 ↓ 2/1 委員会発足、弁護士(岩崎晃委員長 木内雅也委員 髙山梢委員) 3人のみ しかも週末 西潟が第三者委員会の発表前、復帰宣言の言葉とピースした自分の画像をモバメで送る https //i.imgur.com/270TpHu.jpg 第三者委員会についてミヤネ屋の島田さくら弁護士のコメント有識者も含めて話をする所だったのが弁護士3人になって人数も減ってる 第三者委員会であれば警察の違法だ適法だギリギリセーフだって言う部分だけじゃ無くて 違法じゃなくてもグレーな部分があるのあれば弁護士だけじゃ無くて経営サイドや芸能に詳しい有識者が入れば 改善提案が出来るかもしれないのにそこがまず絞られてる点と 単純に第三者委員会からの発表じゃ無くて一度AKSの内部を通してしまうと都合のいい中身になる可能性がある 新支配人の発表「また公演に出たい」 1/23 早川支配人「“また劇場公演に出たい”という山口さんの思いを直接受け止めた」 記者「山口さんとは直接もうお会いされてますでしょうか?」 早川「はい、一度」 ナレーション「騒動を受け新たに就任したNGT48劇場の早川支配人は、「また劇場公演に出たい」という山口さんの思いを直接受け止めたといいます。」 記者「ご本人の口から言っていたのはお聞きになりましたか?」 早川「はい」 記者「『また出たい』と仰ってましたか?」 早川「そうですね」 ↓ 2/8 山口真帆の一言だけのモバメが突然配信される 「また劇場に立ちたいなんて私は言ってないです」→その後、削除される(アプリ版のみ) 事件後の安全対策の件 1/10「今後はこのようなことがないよう、全グループメンバーへの防犯ベルの支給、各自宅への巡回等の対策を徹底する」 暴行犯が同じマンションに住んでいるのに防犯ベル?巡回? スタッフから「防犯ベルは既に配っているのに」対応として挙げられた事にチクリ 保護者説明会で虚偽の報告か 2/5…5chにメンバーの親族から保護者会の様子がリークが投稿される。 2/27…新潟日報にて1月下旬に保護者説明会があったと報じられる。 引用元https //rosie.5ch.net/test/read.cgi/akb/1549283423/ 今村支配人と半グレ集団?そういう世界? 許永中の甥っ子の許平和が今村支配人のことを語ってる。 辻褄も合ってる。 動画で11分くらいから許平和が今村支配人について語ってるんやけど、裏側知ってそうなおっちゃん。 動画が載ってるまとめられてるURL貼ったからこちらの可能性が高いと思ったら誰かこれとハイタワー相関図に入れてくれ 今村支配人はフジテレビ出身の人間で、元々半グレ集団とはズブズブの関係。 支配人は東京で半グレ集団を使って◯◯坂グループのアイドルを襲わせてた。 襲わせといて助けてやると言って股を開かせていたのが今村。 バレたから新潟に左遷される。 新潟でも同じことをしたが山口真帆に暴露される。 参考動画 サルオバといなぷぅ サルオバ(AKS立ち上げから関わる大物のオバサン)が稲岡と関わりあることが発覚 ①稲岡と戸賀崎 上野の焼肉たむらでツーショット (戸賀崎 元AKB グループ総支配人) https //i.imgur.com/rUIq8fW.jpg ②稲岡のツイッターにサルオバの動画 (サルオバ = 西山恭子 AKS 幹部) https //i.imgur.com/nuYbOam.png 動画 稲岡「ゴリ好きっすか?」(ゴリ 有名な厄介) サルオバ「嫌い!」 https //video.twimg.com/ext_tw_video/1012205063987605504/pu/vid/480x480/0_vtVnzu8Iu8yF7x.mp4 サルオバと戸賀崎が写った写真 二人とも①の写真②の動画と同じ服、かつ②と同じ場所 ついでに右奥に STU 支配人の山本 https //i.imgur.com/xTqLJN9.jpg 運営が隠蔽する理由とは 憶測 別ページ・運営不正疑惑