約 1,716,262 件
https://w.atwiki.jp/yu-gi-oh-dialog/pages/738.html
マーダーサーカスゾンビに、鎧武者ゾンビ、ドラゴンゾンビ…。 デュエルモンスターズか!なら!! ……で、どうすりゃいいんだ? 攻撃命令すりゃいいのか。 しつこいぜ! 行けぇ!炎の剣士!!闘気炎斬剣! えぇ? 炎の剣士が! あぁ!そうか、ゾンビ達の守備力は、ゼロ! 発動!右手に盾を、左手に剣を! よっしゃぁ!今だぜ! ライフポイントが、戻ってねぇ! クソッ!ゼロになったら、どうなっちまうんだよ! あぁ、うん……? ゲームに出てくる妖精ってのは、何かヒントを握ってんだ! んん?おい、待て! ハァ、ハァ……。あれ?見失っちまったぜ。 街だ…。 ん?ゲッ、ここじゃこんなモン食うのかよ。 あ? おぁぁ!!超レアカード! 買ったぁ! あぁ?2000…ゴールド? さっきモンスターを倒して手に入れたカード、たったの5!? ダメじゃん……。 うぅ、よし、手分けして情報を集めようぜぇ。 いやぁ、全然ー。 誰かって、海馬か? 渡るったって…。 あぁ!(遊戯と) えぇ、ちょっ、おい!! こりゃ無理だぜ! あっ?何だぁ? う、く……うわあぁ!(遊戯・モクバと) 遊戯、遊戯。大丈夫か?遊戯! じいさん!何か、知ってるのか? 「コケ」?あぁ!こんなカードだ。(デブチョコボみたいなの) うへぇ、それはさっき、聞いたって。 ゲファッ、同じセリフしか喋らねぇ…! ん?(遊戯と) ダメだぁ。どこにも置いてねぇぜ。 まさかバグじゃねぇだろうな? どうした?遊戯! 何!? おっしゃあ!見つけたぜ! 俺が出る! ライフがゼロになったら、この世界から帰って来れる保証はねぇ。 馬鹿野郎、俺なんていてもいなくても大した違いはねぇが、 お前ぇがいなくちゃ、ゲームをクリア出来ねぇだろ? とやかく言うな!俺はもう、出る事に決めたぜ! な、何だかヤバイ雰囲気だぜ。 チャンプって、女!?
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3490.html
殺さなければ、殺される 自分が殺されなくとも、どこかで誰かが殺される それがわかりきっているならば、放置するなどできるはずもない もう、自分は後戻りなどできないのだから 護るべき者を護る為ならば この手で他者の命を奪う事に、躊躇などしない 「…あれ?翼の兄ちゃん?」 「ん?……あぁ、裂邪、ミナワ」 それは、世間一般の学校の夏休みが、終わりに近づいていた頃の事 「プールの時以来だな。元気だったか?」 「元気だったぜ。な、ミナワ」 「はい!宿題が、ちょっと大変そうですけど…」 「うっ!?…ミ、ミナワ、それは言わない約束だぜ?」 それは、日常の一幕 平和のカケラ 「あぁ、そうか。そろそろ夏休み終わりの時期か…」 「翼の兄ちゃんは?」 「へ?俺、大学通ってる訳でもねぇし、課題とかはねぇけど」 「え?」 「あれ?」 …されど 「…あれ、翼の兄ちゃん、歳は…」 「22」 「既に成人済みだった!?」 「ご、ご主人様、そこまで驚かれなくとも…」 「待て、俺、いくつに見られてたんだよ!?」 その、カケラは あっけなく、砕かれる --ぶぅん 「…ん?」 聞こえてきた小さな羽音に、翼は顔を上げた 裂邪達も、一歩遅れて、その音に気付いたようだ そして 「都市伝説の、気配?」 そう 聞こえてくる羽音は、明らかな都市伝説の気配を纏っていて ……直後 四方八方から現れた黒い蝿の群れが、三人を包み込んだ その小さな、しかし、鋭い牙が、三人の皮膚を破り、その肉を食い荒らそうとして… されど、その牙は三人には届かない ミナワが生み出したしゃぼん玉が、三人を包み護り 翼の「日焼けマシンで人間ステーキ」の能力が発動し、視界に入り込む蝿を、片っ端から焼き殺していく 「っちょ、何だよいきなりこれはっ!?」 「スパニッシュフライ……じゃ、ねぇな。となると、蝿関係の都市伝説っつーと…」 裂邪とミナワを護るように、襲い掛かってくる蝿達を睨みつけ続ける翼 その黒い蝿達は、焼けこげた姿で飛び回っている訳でもない点から見て、学校街で自然繁殖しやがったスパニッシュフライ、と言う訳ではなさそうだ そもそも、あれは攻撃能力はないはずであるし と、なると、他の蝿絡みの都市伝説は… ……考えている、間に 蝿に混じって、別の生物が混ざりだし、襲い掛かってくる それは…黒い悪魔とも呼ばれる存在 1匹見かけたら30匹はいると思え、キッチンの天敵、ゴキブリだ 蝿達と同じように殺気を纏いながら、都市伝説の影響下にあると思われるそれらは激しく襲い掛かってくる 「……ッ黒いキューピー人形か!?」 「え!?あれって、人襲うタイプの都市伝説なの!?」 翼の言葉に、やや意外そうに口を開く裂邪 確かに、語られている内容には、黒いキューピー人形が人を襲う、と言う話は含まれて居ない だが…いくつものバリエーションが存在する、その話 中には、意図的に置き去りにされた赤ん坊が死亡して…というパターンもない訳ではない そのパターンから生まれた「黒いキューピー人形」であった場合は、恨みから人を襲う存在になっている可能性もある 「ご、ご主人様!契約者の気配もします!」 「!」 「あ、なるほど、契約者持ちか」 ミナワの言葉に、納得した様子の裂邪 契約者が存在する都市伝説ならば…人に攻撃してくる可能性はある そうなると、問題は、何故、自分達が攻撃されているのか? そこに焦点が当たる事となる 「契約者の気配は、一人か?」 「え?あ、はい」 「あぁ。俺と翼のにーちゃん以外、この辺りからは他には一人しか気配を感じねーけど」 そうか、頷く翼 …翼の様子が、変わったように そう、裂邪は感じた 鋭い殺気、警戒感 それが、にじみ出ている …それに…何だか、少し…暑いような… ……翼を、中心として 温度が、あがっているような、錯覚 「そいつ、どこにいる?」 「あ……あっち」 「……わかった」 飛び掛ってくる蝿を、ゴキブリを、睨みつけ続けている翼 …ミナワのバリアから、一歩、踏み出る 「ぁ、危な…」 「…すぐ、終わらせてくるから。そこ、あんまし動くなよ?」 裂邪とミナワに、振り返りもせず、そう告げて 翼は、ミナワの張ったシャボン玉のバリアから飛び出した すかさず飛び掛ってくる黒い群れは、翼の視線で焼かれいって 視線が届かぬ、死角から飛び掛っていった群れも、また……翼に近づいた瞬間、高温に達しているその体温が周囲の温度すらあげていて、それによって焼き殺されていく 裂邪とミナワの視界は、黒い群れによって、あっという間に塗りつぶされてしまって…翼の後姿は、すぐに見えなくなってしまった 真っ白なお包みを抱いた女が、くすくすと笑っている お包みの中にいるのは、赤ん坊…の、形をしたもの 黒い、真っ黒に見える…赤ん坊に、蝿とゴキブリが群がっているかのような、酷くグロテスクな物体 そんな「黒いキューピー人形」の契約者である女は、その能力でもって、自らが抱く「黒いキューピー人形」から無限に湧き出す蝿とゴキブリを操っていた 「さぁ、そろそろ死んだかしら?惨めに無残に残酷に、みっともなく死んだかしら?」 くすくすころころ 黒いキューピー人形を、赤ん坊をあやすようにしながら、女は笑う 攻撃を仕掛けた青年や少年、少女に対し、女は恨みも何ももっちゃいない ただ、見かけたから 殺したいから、殺す ただ、それだけだった この黒いキューピー人形と契約して 女は、自在に人を殺せるようになった それが、楽しくて楽しくて、面白くて仕方なくて 特に、子供を殺すのが、楽しくって仕方ない 怖がる悲鳴を聞いていると、ゾクゾクして、恍惚感すら感じるのだ 「…あら?」 そう言えば 少年少女を襲ったのに 悲鳴が、聞こえなかったような…? 「……てめぇか!!」 聞こえてきた、怒号 え?と振り返ると…そこには、日焼けした肌に金髪、じゃらじゃらとシルバーアクセサリーを身に付けた青年の姿があった 女が、黒いキューピー人形で攻撃を仕掛けたはずの、相手 それが、無傷でそこに立っていた 「あらら?変ね、おかしいわ?どうして無傷なのかしら?惨めに無残に残酷に、見るに絶えない姿で転がっているはずなのに?」 首をかしげながら、女は蝿とゴキブリの群れを、青年にけしかける しかし、それは青年に届かず、全て焼け焦げて死んでいった じゃらり、青年が身に付けているシルバーアクセサリーが音を立てる 腰から下げていたチェーンベルト……そのうちの一本を、青年は何時の間にか、手にとっていて じゃらんっ!!と それが、女の手首に、巻きついてきた じゅぅうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう 「っぎゃ!?」 悲鳴をあげる女 ぼとん!と黒いキューピー人形を落としてしまった 熱い 熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱いぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!???? 巻きついてきたチェーンベルトは、激しい高温を伴っていた 溶け落ちないのが不思議なほどの、高温 それが女にの手首に巻きついて、火傷を負わせてくる 「…どっちが、狙いだ?」 「……?」 「俺と、裂邪達…………どっちを狙ってきたんだ?」 火傷の痛みに悶え苦しむ女を、鋭く睨みつけてくる青年 …くすりと女は笑う 「両方、でも、あえて言うなら、子供の方。だって、子供の方が殺す時、怖がってくれて楽しいんですもの」 「………ってめぇ、そんな理由で……!」 「何か悪いの?」 怒りを隠そうともしない青年に、女は笑って見せた そうだ 何が悪いと言うのか? 「子供なんて、世界各地、毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日た~~~っくさん死んでるでしょ?一杯一杯殺されてるでしょ?私がちょっとくらい殺したっていいじゃない。性的暴行してないだけいいじゃない??」 自分は悪くないではないか あのネット上で騒がれた、ハーメルンの笛吹きよりはまだ殺してない いいじゃないか、これくらい このストレス社会に、自分は押しつぶされそうなのだ それを発散するために、弱い者をいたぶって何が悪い? こんな状況に陥っていても、女は反省する様子などなかった まだまだ、子供を殺し続けるつもりで一杯だった 今、ちょっと酷い火傷を負ってしまったけれど、大丈夫 黒いキューピー人形を落としてしまったけれど、大丈夫 まだまだ蝿もゴキブリも操れている な~~~んにも、問題ない 火傷をして痛かったから、今日はその鬱憤晴らしに、後でもうちょっと殺そうかな それくらいしか、考えていなかった だから、気付かない 自分が、日焼けしだした事を だから、気付かない もう、手遅れだということを 「っぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!??」 聞こえてきた、断末魔のような絶叫に、裂邪とミナワは顔をあげた 襲い掛かってきていた蝿とゴキブリ達が…わっ、と四方八方に飛び散りだす 統率が、取れなくなったのだ 都市伝説能力影響下から、解放されたように 顔を見合わせ、裂邪とミナワは、契約者の気配を感じていた方向に 翼が駆け出していった方向に、駆け出す 角を曲がった先の、路地裏 そこに 「……翼の、兄ちゃん?」 後姿の翼と 黒い、黒い……人の形をした、炭のような、物体と 真っ白なお包みに包まれた………黒い、キューピー人形の姿があった 「ぁ………ぁ……」 辛うじて、命を保っている、炭と化していく黒いキューピー人形の契約者 しかし、それは静かに力尽き……ただの、炭となった 契約者を失った、黒いキューピー人形が 契約者の死に引きずられて……光の粒子と化していく 「…………」 蝿とゴキブリに群がれた姿 …その、口元が かすかに露出し、言葉を形作る ア リ ガ ト 契約者の狂気に引きずられ、意志に反して殺人の手伝いをさせられていた、黒いキューピー人形は その苦行から解放されて………満足して、消えていく 「…翼の、兄ちゃん…?」 恐る恐る、翼に声をかける、裂邪 ゆっくりと、翼が振り返ってくる 「あ…お前ら、大丈夫か?怪我、してないか?」 裂邪達の姿を確認し、心配そうにそう言ってくる翼 その様子は、プールでの騒動の時、裂邪達を心配してきた、その時の様子と何ら変わりはない つい、先ほど 人一人殺した事実など、まったく、感じさせない 「…こ……殺したん、ですか…?」 怯えた様子のミナワ そんなミナワの様子に、翼は少し、ばつの悪そうな表情を浮かべた 「………あぁ」 だが はっきりと、その事実を認める その事実から、逃げる事はしない 「女子供をいたぶるような奴、「首塚」として見逃す訳にはいかないからな」 「……に、兄ちゃんは…そうやって……契約者も、殺してきたのか?」 「まぁな」 人間も 都市伝説も ……かなり、殺してきた 「…都市伝説と契約した以上、人の道はずれちまった契約者とも、戦わざるをえない状況に陥る事は、ありえるからな」 「…………」 …考え込んでいる様子の、裂邪 ミナワが、心配そうに裂邪を見つめている 「…けどよ」 「……?」 「お前は、まだ、殺した事ないんなら…なるべく、殺さないようやっていけばいいさ」 苦笑して見せる翼 場合によっては、躊躇なく手を下すべきだ それは、わかりきっている けれど 「もし、お前が、殺すしか道がないような、どうしようもない悪党と遭遇しちまったら、俺が代わりに殺してやるから」 「け、けど」 「お前は、まだ殺してないんだったら。後戻りはいくらでもできるからな」 「…けど、兄ちゃんは」 「………俺は、とっくに後戻りなんざ、できないからな」 「日焼けマシンで人間ステーキ」と契約して、すぐの頃 小学校低学年だった頃に……自分は、半ば能力を暴発させるようにして、人間を殺している だから 自分はとっくに、後戻りなどできないのだ …しかし 目の前の少年達が、まだ、人の命を奪ったことがないと言うのなら …その手を、血で汚させたくはないのだと そう、考えずにはいられないのだ fin 前ページ次ページ連載 - 首塚
https://w.atwiki.jp/moemoequn/pages/321.html
唯「だいたいさぁ、バレるのが怖いならあんなところでしなければいいと思うんだ?」 律「・・・まさか、澪から聞いたのか?」 唯「うん、澪ちゃんはりっちゃん達が何してたのかわかってないみたいだったけど」 律「・・・」 唯「詳しく状況聞いたら明らかなんだもん」 憂「そう、ガチ」 唯「憂、静かに」 律「・・・あの日、澪ももうちょっと遅くなるって聞いてたんだよ」 唯「そんな言い訳私にされても困るよ」 律「それもそうだな」 唯「で、話って?」 律「・・・えっと」 憂「あ、私これからご飯支度あるんで。お姉ちゃん、お部屋でお話したら?あとで呼びに行くよ」 唯「そう?わかった、それじゃあとでね」 唯の部屋 唯「・・・で?」 律「・・・澪、なんて言ってた?」 唯「気になる?」 律「・・・焦らすなよ」 唯「焦らしてないよ」 律「は?」 唯「焦らすっていうのは違うよ。私はりっちゃんに澪ちゃんがどう言ってたか教えてあげる気ないもんね」 律「・・・このやろ」 唯「気になるなら自分で聞けば?」 律「・・・」 唯「私、梓と付き合うことになったんだけど、どう思う?って。簡単でしょ」 律「お前なぁ・・・」 唯「なんでも話し合えるのが親友でしょー?頑張りなよ」 律「一つ誤解してるけど、別に付き合ってないぞ?」 唯「へー?じゃあやましいことは何もしてないのかな?」 律「・・・」 唯「してるんだ。なんで付き合ってないの?」 律「・・・別に、お互いにそういうこと言い出さないから」 唯「めんどくさいなぁ、例え口約束がなかったとしてもやることヤッてんだから付き合ってるんじゃないの?」 律「お前、結構言うな」 唯「焦れったいんだよ、三人を見てると」 律「私と梓と澪のことか?」 唯「他に誰がいると思う?」 律「・・・いない、な」 唯「私もムギちゃんも、気持ち悪いとか言わないから。コソコソしないでいいんだよ」 律「澪もコソコソしてた・・・?」 唯「昨日寝ようと思って布団めくったら澪ちゃんが全裸で寝てた」 律「何してんだあいつ。っていうかそれコソコソじゃないだろ、ある意味堂々としてるだろ」 唯「りっちゃんが構ってくれなくて寂しい、だってさ」 律「へぇ、そんなこと言ってたのか」 唯「ほら、澪ちゃんがなんて言ってた教えてあげたんだから、あとは自分で頑張りなよ」 律「そんな邪険にしなくてもいいだろー?」 唯「別に邪険にはしてるよ」 律「その急カーブで私の心にダメージ与えるのやめろよな」 唯「りっちゃんは澪ちゃんのコト好き?」 律「え?うん」 唯「恋愛対象として?」 律「えぇ・・・?難しいなぁ」 唯「なんで難しいの?」 律「エッチはできると思う」 唯「澪ちゃん逃げてー」 律「あー、でも唯とも出来る、かな。うん」 唯「私ちゃん逃げてー」 律「私ちゃんってなんだよ」 唯「あずにゃんのこと好き?」 律「・・・多分な」 唯「ふーん、それなりにマジなんだ」 律「あ、お前今馬鹿にしただろ」 唯「してないよーしたけど」 律「おい急カーブはやめろとあれほど」 唯「できればもうちょっと澪ちゃんも構ってあげて欲しいなー」 律「構ってるっていうか、別に何か態度変えたつもりはないけど」 唯「電話、出てあげてよ」 律「あぁ・・・そういや昨日電話来てたな」 唯「あずにゃんと話してた?」 律「・・・あぁ」 唯「そういうのが澪ちゃんは寂しいんだよ、わっかんないかなぁ。せめてあとから連絡してあげてよ」 律「それもそうだな・・・っていうか」 唯「なに?」 律「やけに澪の肩持つじゃん。唯って澪のこと好きだったり?」 唯「あんまり冗談言ってると1~2本歯抜けるかもよ」 律「怖ぇよ」 唯「あのね、りっちゃんが澪ちゃんにそういう態度を取ると私のベッドが占領されるの、わかるでしょ?」 律「あぁ・・・そういうことか」 唯「そ。だから優しくしてあげてね。そんなことでいちいちあずにゃんも怒らないでしょ?」 律「あぁ、あいつはそういうタイプじゃないよ」 唯「でしょ?じゃあ決まり。はい帰って」 律「寂しいなぁ!!」 唯「もーっ、他に何かある?」 律「んー、私も唯に一個聞きたいことがあったりなかったり」 唯「どっちだよ」イラッ 律「あります、ごめんなさい」 唯「・・・なに?」 律「・・・お前さ、最近付き合い悪いよな?」 唯「・・・へぇー」 律「なんだよ、その反応」 唯「意外だったんだよ、りっちゃんはあずにゃんにかまけてそんなこと気付いてないと思ってたから」 律「んな、なんだよ、それ。それくらい気づくだろ」 唯「へぇ、ちなみに澪ちゃんは気付いてなかったよ」アハハ 律「えー?だって明らかに・・・」 唯「うん、寄り道しなくなったよね」アハハ 律「だよなぁ?」 唯「でも、それがどうしたの?」 律「私はこう見えて心配してたんだ」エッヘン 唯「いらんお世話だけどね」 律「だから泣くって」 唯「だって心配って言われても・・・」 律「それで、梓にその話をしたんだよ」 唯「・・・」ピクッ 律「そうしたら」 唯「もういいよ」 律「え?」 唯「結論から言って?」ニコッ 律「・・・」 唯「なんで黙るの?」 律「・・・これ、外れてたらきっと1~2本歯抜けるんだろうな、と思って」 唯「そのくらい失礼なこと言おうとしてるんだ?」アハハ 律「・・・お前さ、憂ちゃんと」 ガチャ 憂「お姉ちゃーん、ご飯できたよー」 唯「あ、ホント?行く行くー」 律「・・・(タイミングぅぅぅ!)」 憂「律さんも食べてってくださいね」 律「へ?いいのか?」 憂「はい、嫌だって言っても帰しませんよ?もう3人分作っちゃったんで」アハハ 律「憂ちゃん、ええこや・・・!」 憂「それじゃ、私先に行ってるんで」 唯「うん、すぐ行くよ」スクッ 律「・・・話の続きはまたあとで、だな」 唯「うん、ほら早く行こ?」 律「だな、腹減ったー」バタンッ 唯「あ、それとさ」 律「んー?」 唯「さっきりっちゃんが言おうとしてたこと、正解だと思うよ」ボソッ 律「・・・はは、マジかよ」 唯「あはは、笑っちゃうでしょ?」 律「・・・むしろ笑えないから無理矢理笑ったんだけどな」 唯「え?笑えない?爆笑ものじゃない?」 律「お前なぁ・・・」 唯「別に誰かに教える気なんてなかったけどさぁ」 律「うっ・・・悪かったな」 唯「いや、まさか勘づかれると思ってなかったから」 律「・・・まぁ、確かに。私も梓に聞かなかったらわからなかったな」 唯「あずにゃんは?」 律「私よりも早く疑ってたよ」 唯「・・・ま、当然といえば当然だよね」 律「毎日お前と憂ちゃんと会話してるんだ、梓も馬鹿じゃないし」 唯「・・・あーあ、お腹減った」 律「・・・だな」 憂「あ、きたきた」 唯「お待たせー」 律「おぉ、やっぱすげぇ」 唯「でしょー?」エヘヘ 律「お前が作ったんじゃないだろっ」 唯「いいじゃん、減るもんじゃなし」 憂「お姉ちゃん、ご飯は食べたら減るよ」 唯「揚げ足とらないで」 律「へへ、いっただきまーす」 唯「憂、りっちゃんはご飯少な目でいいってさ」 律「言ってねぇよ!?」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 律「あー、美味しかった」 憂「そうですか?ありがとうございます」 律「いやー憂ちゃんはいいお嫁さんになるよ」 唯「・・・ん?」 律「なんてな」ニヤニヤ 唯「・・・今のちょーっとムカついたかも」 律「そうか?」カチャカチャ 憂「あ、いいですよ!座っててください、片付けは私がやるんで」 律「えー?これくらい手伝わせてくれよ」 憂「だめですよ、お客さんなんだから」 律「そんな、お客さんっていうか友達じゃん?」 憂「お姉ちゃんの友達はお客さんですよ」ニコニコ 律「えー?私と憂ちゃんは友達じゃないのかー?」 憂「はい♪」 律「・・・」グスンッ 唯「憂とりっちゃんが友達とかやめてよ・・・こわっ」 律「なんでだよー!」 唯「あはは、冗談冗談」 律「いーや、今目がマジだった」 唯「りっちゃんが思うならそうなんじゃない?」 律「ひどいヤツだな」 唯「そういえば、もう結構遅いけど怒られないの?」 律「あぁ、今日はもしかしたら泊まりになるかもって言ってきたから」 唯「そういうところ澪ちゃんと似てるよね」 律「ま、まぁ、ほら、親友だしな///」 唯「褒ーめーてーなーいー」ムニッ 律「いへっ!?ほっへひっはうな!」 唯「あはは、何言ってるか聞こえなーい」 律「いらいいらい!!」 ニャラランニャララン♪ 唯「?誰かケータイ鳴ってるよ」 憂「私じゃないよー?」 律「・・・私だ」 唯「メール?」 律「電話」 唯「じゃあ出なよ」 律「澪からだ」 唯「出て」 律「・・・」ニヤニヤ 唯「ちょっと、さっき言ったでしょ?澪ちゃんは」 ニャララ♪・・・ 唯律「・・・」 律「おーっと、切れちゃった♪残念だなぁ~」 唯「歯ぁくいしばれぇー」 律「今のお前なら本気でやりそうで怖い」 唯「もー、するわけないでしょ?女の子はそういうことしちゃ駄目なの」 律「さっき私に殴るぞって遠まわしに言ったくせに・・・」 唯「なんで出なかったの?」 律「え?」 唯「だからなんで出なかったの。やだよ、二日連続で布団に澪ちゃんが潜り込んでるなんてやだよ」 律「そんなこと言ってやるなよ」 唯「言うよ、しかも澪ちゃん寝ながら服脱ぐんだから」 律「あぁ、それは不安なことがある証拠だな」 唯「なにそのサイン」 律「悲しいことや心配事があるとき、澪は寝ながら脱ぐんだ」 唯「知らないよ」 律「そっかー、澪のやつ・・・唯の家であれやっちゃったかー」アハハ 唯「いや、笑い事じゃないから。お布団に澪ちゃんの匂いついてるんだから」 律「でもいい匂いだろ?」 唯「うん、それは認める」 律「隣で脱がれてムラムラした?」 唯「やめてよ、りっちゃんじゃないんだから。っていうか一緒に寝てないし」 律「あぁ、澪じゃなくて憂ちゃんにムラムラしちゃった系か」 唯「ホントに殴るよ」 律「でも図星だろ?」 唯「まぁね」 憂「二人ともなんて話してるの」 唯「あ、憂。おかたし終わった?」 憂「うん。ねぇ、あの・・・」チラッ 唯「あぁ、この人いつ帰るの?って?大丈夫だよ、そろそろ帰らせるから」 律「うわ、泣く、今の絶対泣く」 憂「そうじゃないよ、お姉ちゃん!」 唯「え?違った?」 憂「もう、わかってるでしょ?さっきから気になってるんだけど、律さんって・・・」 唯「あぁ、うん。・・・バレちゃった」アハハ 憂「・・・」 律「この世の終わりだ、みたいな顔すんな」 憂「だって、よりによって律さん・・・」 律「そんなに信用ないか」 憂「・・・」ゲッソリ 律「無言の肯定ですね、わかります」 4/6
https://w.atwiki.jp/worldofinside/pages/39.html
赤ずきんが完結するのとぬいぐるみとケーキが出来上がるの、どっちが早いかしら……… 「うーん、やっぱり気持ちだけでいいわ」 あんまり遅くなると、お婆ちゃんやお母さんにも心配かけちゃうし。 「そうか?」 「うん!えっと、ありがとうございます!」 「いや……どういたしまして」 2号さんはちょっと残念そうだけど、それでも笑いかけてくれた。 うん、初めて会ったのにこんなに優しいんだもの。やっぱり良い人なんだわ。 「なぁ、もしかして何処かに行く途中だったのか?」 良い人狼のお兄ちゃんが、私の抱えていたバスケットを指さして言う。 「うん!お婆ちゃんのお家まで、お見舞いに行くのよ」 「…………婆さん?」 あれ?お兄ちゃんの顔、なんか引き攣ってる? 「そうよ、お薬にとっても詳しいの!ちょっと気難しいところもあるけれど、本当はとても優しい人なのよ!」 「………………」 急に何かを考えるような顔で、人狼のお兄ちゃんは黙り込んだ。 なんだか顔色もどんどん悪くなって……… 「お兄ちゃん?どうしたの?具合悪いの??」 「いや……平気だ。何でもない」 人狼のお兄ちゃんはそう言って首を振る。 でも、やっぱり顔色悪いよ………本当に大丈夫かな? 「ほら!それより見舞いに行くんだろ?時間取らせちまったし、近道教えてやるよ」 「近道?」 「そ、近道」 人狼のお兄ちゃんは、背負っていた1号さんを顔をぶつけた木の側に下ろして、近くに落ちてた小さな小枝を拾ってきた。それから目の前にしゃがみ込んで、地面に絵を書きはじめる。 「あーっと、今居んのがこの辺だから……」 ―― 数分後 ―― 「お兄ちゃんありがとー!」 「おう!気ィつけてな!」 手を振りながら去ってゆくアイツに、俺もひらひらと適当に手を振る。 (扱いやすくて助かった……) さて次は。 「……兄貴?」 「……………」 言葉こそ返してこないが、微妙に張り詰めた気配が後ろから伝わってくる。 俺はもう一度、声をかけた。 「兄貴」 「………ぐー」 「ンなイビキかく奴いねーよ」 まったく、ため息しか出てこない。 (なんでコレが『兄貴』なんだ……) そう思いながら木の幹に寄りかかった格好の兄貴を見ると、何故か睨まれた。 「………スコールは……ずるい」 「は?何がだよ?」 言ってる意味が分からない。 「俺だって!赤頭巾と話したかった!!」 そうだ、こういう兄貴だった。 「………………あぁ、そう」 俺が目を逸らした事が気に入らないのか、兄貴が更に睨んでくる。 俺にどうしろと。 「あぁそう?何だよ!あぁそうって!!だいたいお前は昔か……ら………」 兄貴の声が途中から小さくなって、遂に途切れた。 なんだ?まさか泣き……!? 「……兄貴?」 兄貴は俺が地面に書いた地図を見ていた。 それはもう、穴が開くほどに。 ………………頼むから見んな。どうせ俺は絵が下手だよ。 しかし兄貴の言葉は、俺が危惧しているようなものじゃなかった。 「スコール、この道……あの子に教えたの?」 「ん?あぁ」 だって婆さん家までの近道だし。 悪戯を仕掛けるために俺が通ってた道だ。間違えるはずは無い。 「この道ってさぁ、お婆さんが研究してた薬の材料の……アレが群生してなかったっけ?」 (アレ、ねぇ……チッ、気付いたか) 確かにいた。 臭くてでかくてウネウネしてて、気持ちの悪い………花が。 (確か食虫花だっけ?) あんなでかい口で、一体どんな虫を食べるというのか。 まぁ目標が人では無いのだから、大丈夫だろう。 が。 それを兄貴に言っても意味はなさそうだし……… 「んー……そうだったか?」 適当に誤魔化しておこう。 「そうだよ!少し前にお前が滅茶苦茶にして怒られたばかりじゃないか!!」 「いや、だってあれは……」 兄貴が虫と間違えられて食われそうになってるのかと…… だって薬の材料集めで、その対象(植物)に襲われるとか聞いたことねぇよ。 「とにかく!あんな危ない道教えるなよ!!」 「いや、アイツなら大丈夫じゃねぇ?婆さんの孫だし」 そう、アイツは兄貴を引き付けて走ってた時も中々の走りだった。 機転も利くようだし、何事も無ければ良いが……正直アイツの将来が恐ろしい。 しかし兄貴はそれに全く気付いてないらしく、親が子を心配するが如く焦っている。 「あんな小さいのに大丈夫なわけ無いだろ!?もういい!行くぞ!!」 ガシィッ 兄貴は俺の腕を掴むと、アイツが消えた道へ走り出す。 「…………俺も?」 「当たり前だ!」 「……………ハァ」 (面倒くさい……) だいたい、何で兄貴を取られるかもしれない相手を、俺が助けに行かなきゃならないんだ。 (そんなモン兄貴がひとりでやれば………) いや、でも……また兄貴が食われかけるなんて、俺は御免だ。 あの時は本当に心臓が止まるかと思った。 それに比べたら、猟師に撃たれたときの痛さなんて、比にもならない。 (仕方ない。面倒だし、アイツのお守りも嫌だけど、兄貴の為だしな……) 兄貴が心配だから、手伝うんだ。 兄貴と一緒に居たいからじゃない。 一緒に居たいからじゃないんだからな! (弟視点は家族愛だと自分に言い聞かせて書いてます) 続きは本編で。←鬼
https://w.atwiki.jp/83452/pages/17543.html
帰り道 唯「澪ちゃん。大丈夫?」 澪「うん、もう大丈夫だよ」 梓「澪先輩。病み上がりなんですから、無理しないでくださいね」 澪「ありがとう、二人とも」 唯「あのね、澪ちゃん。もしかして、りっちゃんと何かあった?」 律の名前が出て、ドキっとしてしまった。 言葉に詰まる。 梓「また律先輩が何かしたに決まってます!」 梓「澪先輩、気にしないでくださいね。」 梓「今日なんて廊下を歩いてたら、律先輩に後ろから膝カックンされたんです。」 梓「膝がカクってなった拍子に持っていた教科書を律先輩の足に落としてしまって。」 梓「そしてら律先輩『いってえええええええ!! 絶対血ぃ出た!」 梓「絶対血ぃ出た!』って騒ぐから、私ビックリしちゃって、」 梓「ゴメンナサイゴメンナサイって謝ったんです。」 梓「それで律先輩が廊下で靴下脱いで足を確認したら血なんて一滴も出てなくて、」 梓「血、出て無いですねって言ったら、」 梓「律先輩『そういやそれほど痛くないやwwwwww』」 梓「って言って、そのまま走って行っちゃったんですよ!?」 梓「気が付くと周りは私にすっごく注目してて、」 梓「本当に恥ずかしい思いをしたんですから!」 唯「あはははは!!! りっちゃん面白い!!!」 梓「笑いごとじゃないです! 同じクラスの子には漫才部にでも入ったのかって言われるし!」 休み時間になると教室から出て行っちゃうから、 どこで何をしていたか分からなかったけど、そんなことをしていたのか。 律らしいというか、なんというか。 律に避けられてるのにそれでもこういう話を聞くと嬉しく思ってしまう私は、 もう色んな意味で手遅れなのかもしれない。 梓「だから、きっと澪先輩は悪くないです!」 梓「律先輩が何かしたに決まってます!」 これは梓の優しさ。 きっと私を元気づけようとしてくれてるんだ。 澪「ふふ。ありがと、梓。でもな、律は悪くないんだ」 唯「あ! 笑った! 今日初めて澪ちゃんの笑顔を見たよ」 唯「澪ちゃんを泣かせるのも笑わせるのも、りっちゃんなんだね!」 澪「え!? ちちち違う! そんなんじゃない!!」 澪「私が具合悪かっただけで、何でもないから!!」 唯「そっか、何でもないのかぁ」 唯「休み時間になるとどっか行っちゃうし、」 唯「澪ちゃんの涙を見ても何もしないなんてりっちゃんらしくないと思ったんだけど、」 唯「澪ちゃんがそう言うなら、きっとそうなんだね」 これは唯の優しさ。 澪ちゃんが言いたくないなら、もうこれ以上は聞かないよって。 そう言ってくれているんだろう。 私、みんなに甘えてばかりだ……。 澪宅 澪「ただいま」 澪ママ「おかえりなさーい。早かったわね?」 澪「うん。まだ本調子じゃなくてさ。部活しないで帰ってきちゃった」 澪ママ「そうだったの。あら? りっちゃんは?」 澪「え? 律? 居ないけど?」 澪ママ「澪が具合悪い時はいつも送ってくれていたから、一緒だと思ったわ」 澪ママ「お夕飯になったら呼ぶから、それまで少し休むといいわ」 澪「うん、そうするよ」 ここでも律か。 私の中は律で溢れてると思ってたけど、 私の周りも律で溢れてるんだな。 嬉しいな。 でも、胸が痛いよ。 今日はたくさんみんなに心配かけて、たくさん甘えちゃったな。 みんなごめんね。 でも、もう大丈夫。 私決めたから。 律が好き。 やっぱり律がいないと私、上手く笑えないんだ。 だから、どんな形もでいいから、律の傍にいさせて。 翌日 律視点 朝。 洗面所の鏡の前に立ち歯を磨く。 あぁ、寝不足だ。 眠い。 澪があんな涙みせるから、眠れなくなっちゃったじゃないか。 澪と唯と梓が帰った後の教室に残された、私とムギ。 律「さて、二人じゃあ練習にならないし、私達も帰るか」 ムギ「りっちゃん。澪ちゃん、泣いてたね」 律「あぁ、そうだな」 ムギ「なんで泣いてたのかな?」 律「具合が悪かったからじゃないのか?」 ムギ「そうね」 沈黙が流れる。 あぁ、きっともうみんな気が付いてる。 何があったかまでは分からないだろうけど、 私と澪の間に何かあったってこと、気が付いてるんだ。 ムギ「りっちゃん」 律「ん?」 ムギ「私ね、最初、合唱部に入ろうと思ってたの」 律「あぁ、そうだったな」 ムギ「でも、軽音部に入った」 律「ありがとな、ムギ」 ムギ「ううん。私ね、りっちゃんと澪ちゃんを見て、楽しそうだなって思ったの。」 ムギ「それから、羨ましいなって思ったの」 律「私、ゲンコツされてたのに?」 ムギ「うふふ。そうよ、それが羨ましいなって思ったの」 律「ムギ、あのゲンコツはゲンコツなんてもんではなく、鉄拳制裁だぞ?」 律「こう、タンコブなんてぷくーって膨らむし、頭の芯まで痛むしぃ……」 ムギ「でも、りっちゃんは嬉しそうだったよ?」 律「いやいやいや!! 私、そういう趣味無いから!」 ムギ「趣味? 趣味でそういうことをやってる人がいるの?」 ムギ「ちょっとその話、詳しく聞かせてもらえないかしら?」 律「知らん! 私は知らないぞ!! そんな所に食いつくなよぉ!」 ムギ「うふふ、冗談よ。でも、羨ましいって思ったのは本当。」 ムギ「イタズラされても、ゲンコツされても、」 ムギ「それでも二人は仲良しでしょ?」 ムギ「それはね、お互いのことを知ってて、信頼し合ってなきゃできないと思うの。」 ムギ「許すとか許されるとかじゃない、もっと固い絆で結ばれてるって感じね。」 ムギ「私は、そんな二人が大好きなの」 律「……」 ムギ「りっちゃん、何かあったらいつでも相談に乗るから、」 ムギ「私達に出来ることがあったら何でもするから、」 ムギ「無理しちゃダメよ?」 ムギは優しくほほ笑んだ。 私は、涙をこぼさないようにするのが精いっぱいだった。 ―――― 気が付くと聡が私と鏡の間に割って入っていた。 律「邪魔だからあっちに行け」 聡「姉ちゃん、いつまで磨いてんだよ!」 聡「そんなに磨いても美人にはならないんだからな!」 全く生意気なヤツめ。 聡が左手に持ってるコップの水を口に含み、うがいしてやった。 聡「あ! きったねぇ! 自分のコップ使えよ!」 朝からテンション高くて、小学生かっつーの。 準備をすませ、家を出る。 律「いってきまーす」 律ママ「あ、律! 午後から雨降るらしいから、傘持って行きなさい!」 律「いらなーい。降ったら澪の傘に入れてもらうから」 言って、自分でハッとした。 そうだ。 今は澪を避けなくちゃいけないんだった。 律「やっぱり傘……」 律ママ「まったくアンタは澪ちゃんにお世話になってばかりなんだから!」 律ママ「澪ちゃんが居なかったらどうするのよ!」 律「あはは。行ってきまーす」 通学路。 あの先の角を曲がれば、いつも澪が待っていた。 今日は……さすがに居ないかな。 角を曲がると、見慣れた背格好の女子高生が立っていた。 澪しゃん、健気過ぎだろ!! 昨日あからさまに澪を避けてあんなに泣かせたのに、 それでもこんな私を待っていてくれるのか? 『彼氏が出来るまで、私に近づくな』 あれ、撤回しようかな。 さすがの澪でも、そんなすぐに彼氏できるわけないし。 親友でいても、きっといつか澪には良い彼氏ができるよな。 澪は私に気が付くと走り寄って来た。 澪「律! おはよ。あのさ、私、か、か、かかか彼氏が出来たんだ!」 律「おはよ、あぁ、彼氏ね……ええええええええええええええ!!!!!」 澪「きゃあ! 急に大声出すな! びっくりするだろ!」 律「澪、今、なんて言ったの?」 澪「だから、えっと、そのぉ、私、彼氏が出来たんだ」 はぁ、びっくりした。 なんだ嘘か。 澪、目が泳ぎまくってるじゃんwwwwww バレバレだぞwwwwww 面白いから、からかってやろーっと。 私達は歩きながら話した。 律「んで、どこで知り合ったんだ?」 澪「えっと、去年の夏期講習で知り合ったんだけど、」 澪「先月の三月にやってた春期講習でまた会ったんだ」 律「ふーん」 澪「えっと、それで、昨日、告白されてさ。」 澪「良い人だったし、その、OKしたんだ」 律「そっか。んで、彼氏が出来た御感想は?」 澪「え? えっと、えっとぉ、昨日の今日だから、まだ実感湧かないっていうか……」 律「んで、澪は今、幸せ?」 澪は私の目を真っすぐに見つめて言った。 澪「うん。幸せだ」 その真っすぐな目は自信に溢れ、 そのしっかりとした声は嘘が混じる隙も無い程だった。 それは、いつもの澪だった。 さっきまできょどってた不安定な嘘っぽい澪なんかじゃなく、 自信のある時の澪そのものだった。 そして今、澪の口元にたたえる微笑。 もはや疑う余地など無かった。 澪に彼氏が出来たんだ。 あぁ、良かった。 これでもう澪を避けなくてもいいんだ。 これでもう澪が泣くこともないんだ。 これでもう私の恋が叶うことはないんだ。 良かった…、 良かった……。 放課後 今日はほとんど寝て過ごした。 授業も、休み時間も。 いや、本当は寝てなんかいない。 寝たフリをしていただけなんだ。 澪に彼氏ができたことに、私は想像以上にショックを受けていた。 私ってバカだなぁ。 自分で言ったんじゃないか。 『澪に彼氏ができるまで、私に近づくな』 まいっちゃうよなぁ。 澪を幸せにするのは私じゃないって。 これでいいんだって。 いっくら言い聞かせても、ちっとも心がついてこないんだ。 あぁ、部活行きたくないなぁ。 そうだ、ちょっと遅れて行こう。 暇潰しにクラスメイトとおしゃべりでもすっかな。 律「よっ! いちご!」 いちご「何?」 律「今日も体操服姿がかわいいね!」 いちご「律……」 律「ん?」 いちご「キモイ……」 律「」 いちご「早く秋山さんと仲直りしなよ。じゃ」 暇潰しにならなかったwwwwww ってか、なぜかダメージ喰らったwwwwww はぁ……。 やっぱ帰ろっかな。 のそのそ準備。 廊下をダラダラと歩く。 立ち止まり窓の外を見ると、雨が降り出していた。 あちゃー、本当に雨降ってきちゃったよ。 傘持ってないなぁ。 突然膝に衝撃が走る。 そのまま膝から崩れ落ちそうになるのをなんとか堪えた。 梓「ぷくく。見事にカックンってなってましたね。ぷくく」 律「梓! コラ!」 梓「きゃーっ!」ダダッ! 律「あ! 待てーーー!!!」 なんて追いかけてたら、ついつい音楽室まで来てしまった。 今なら引き返せる。 よし、帰ろう。 音楽室の中から梓の声が聞こえる。 梓「律先輩来ましたよ」 手遅れだったwwwwww 音楽室に入り、しぶしぶ澪の前に腰かけた。 澪「遅いぞ! 律。何してたんだ?」 律「あぁ、ちょっとな」 梓「律先輩は廊下で雨を眺めていましたよ」 唯「りっちゃん、雨は食べられないよ?」 律「食べんわい! 唯と一緒にすんな!」 唯「ヒドイ!!」 ムギ「あらあら」 澪「律。傘忘れたんだろ?」 律「う……うん」 澪「仕方ないなぁ、律は。帰りは私の傘に入ってきな?」ニコニコ 律「う……うん」 澪のヤツ、やけにニコニコしやがって。 彼氏ができたことがそんなに嬉しいのか。 なんか分かんないけどイライラする。 澪「律、今日の授業寝てただろ?」 唯「そうそう。一番前なのによく眠れるね」 ムギ「あら、唯ちゃんもよく寝てたわよ?」 唯「でへへ」 梓「律先輩も唯先輩も受験生なんですよ? そんなことで大丈夫なんですか?」 唯「大丈夫だよ! なんてったって三年生は始まったばかりだからね!」 みんなが喋っている中で、澪が目配せしてきたので小声で話す。 律「なんだよ」 澪「ノート、貸そうか?」 なんなんだ、なんなんだ、いったいなんなんだ!! 澪からノート貸してくれるなんて、有り得ない!! これが、彼氏ができたヤツの余裕なのか!? 余裕って言うヤツなのかあああああああ!? 律「ムギ! 悪いんだけどさ、ノート貸してくんない?」 ムギ「えぇ、いいわよ」 ムギが長椅子に置いたバッグから、今日受けた授業のノートを貸してくれた。 律「うわあー!! ムギの字は綺麗だな!!」 唯「見せて見せて! わあ! 綺麗!」 梓「あ、私も見たいです。本当だ、綺麗ですね。それに、なんだか良い匂いもします」 ムギ「そんな、恥ずかしい……」 律「これはラベンダーの香りかな?」 唯「えぇ、フローラルだよ!」 梓「え? 私はローズだと思いましたけど」 律「バラバラじゃん!!」 ノートを急いで写す。 ついでに隣りに座ってる唯もムギから借りたノートを写していた。 澪「律、それ終わったら練習するからな」 私は澪の目も見ずに、生返事を返した。 5
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/686.html
「やっぱりこっちが良いんじゃない?」 「えぇ~、ちょっと……派手じゃない?」 「このくらいの方が可愛いって~」 「そうかなぁ……」 「あ、すみませーん。ちょっとフィッティングお願いできますか?」 「かしこまりました。では、サイズを測りますのでこちらへ……」 うぅ……知らない人に胸のサイズを測ってもらうのって嫌なんだけど……仕方ないか……。唯やさわちゃんなら構わないのに……。 はぁ、クーラーさえ壊れなければ、今頃みんなと海で遊んでたのになぁ……。 ♪My Favorite 『○○』♪ 「あ~ちゅ~い~」 フローリングに寝転がって、唯がそんな事を言っている。 「ねぇ~、あずさぁ~、電気屋さんっていつ来るの~?」 「ん~?わかんな~い……出来るだけ早く来るって言ってたけど……」 そう言う私も、唯と同様フローリングに寝転がっている。……だって、暑いんだもん……。 「はぁ~、今の温度ってどんくらいなんだろ……あずさぁ~」 「ん~?ここからは見えないよぉ~。ゆいのところからならよくみえるでしょ~……」 「あ、そっかぁ~。どえどれぇ……うぉっ!38℃!!……はぁ、見るんじゃ無かった……」 暑さの原因はクーラーが壊れてしまったから。 洗濯を終えて窓を閉め、出かけるまで室内バカンスを楽しもうと思ったら……。 「まさか、あのタイミングで壊れるとはねぇ……」 主電源を入れ直しても、コンセントを抜いてしばらくしてから同じ事をしても、クーラーからの返事は全く無かった。 「『アイス片手にバカンス気分を先取り!』の予定だったからねぇ~。……お!そうだよ!アイス!!アイス食べようよ!!それで少しは涼しくなるよ!!」 あ……そうかも……。 「じゃぁ、アイス持ってくるね~」 私はノロノロと身体を起こし、冷蔵庫へと向かった。 ★ 「お待たせ~」 冷蔵庫には悪いけど、冷気で少し暑さを紛らわしてからグラスに盛りつけたアイスを手に居間へと戻った。 唯はさっき居た場所から少しだけズレてフローリングの『ひんやり感』を味わって……あぅ……。 「ゆーいー、その恰好はどうかと思うんだけど……」 「ほえっ?」 多分、涼しい場所を求めて転がりまくったんだろう。スカートがはだけて下着が丸見えだ。 「……水色のパンツ、丸見えだよ」 「えっ!?あっ!……いやん、梓のエッチ……」 なっ!? 「エ、エッチって……唯がそんな恰好で居るから見えちゃったんでしょう?」 「そりゃ、まぁ、そうだけど……」 全く……自分がいけないのに、そんな事言うなんて……。そうだ! 「じゃぁ、今のは唯が悪いって事で、アイスは没収ね」 「そ、そんな!」 ふふっ、折角アイスを持ってきたのにそんな事を言った罰だよ。 「いただきまーす……んー!ヒンヤリしてて美味しい!」 唯はというと、指をくわえて恨めしそうにこちらを見ている。……ちょっと、かわいそうかな? 「あずさぁ~、もうあんな事言わないから~」 「……本当に?」 「うん!約束します!」 はぁ……まぁいいか……。あんまりやると後で色々と言われるし……。 「しょうがないなぁ~。約束だよ?はい、どうぞ」 「おぉ~!アイス~!ありがとう~!!……はぁ~、ヒンヤリするねぇ~」 唯はアイスの入ったグラスを両手で包み、ヒンヤリ感を楽しんでいた。 「唯……溶けちゃうよ……」 「はうっ!早く食べてあげないと……あれ?スプーンは?」 ん?……あ! 「ごめん……忘れてた。今持ってくるね」 ★ 「持ってきたよ~。……って、何してるの?」 唯お気に入りの『くまちゃんスプーン』を持って居間に戻ると、唯は床に寝転がったまま、目の前に置いたアイスを見つめていた。 「……アイスが『溶ける前に早く食べてー』って言ってる感じがするから、『スプーンが来るまで頑張れ!』って念を送ってるの」 ……はぁ……なんだかなぁ~。 「……で、アイスは溶けずに済んでるの?」 「えへへ~、やっぱり無理みたい」 私の問いに、いつものほんやりとした笑顔で答えた。 ……いつ見ても、この笑顔には癒されるなぁ~。 「あずさ~、スプーンは~?」 はっ!!いけないいけない。唯の笑顔に見惚れててスプーンの事忘れてたよ。 「はい、どうぞ……って、受け取る時位立ち上がってよ~」 「別にいーじゃん、ありがと。……ん?」 「な、何?このスプーンじゃないほうが良かった?」 スプーンを受け取った唯は、そのままの姿勢で私をジーッと見ている。 「ど、どうしたの?」 アイスが溶けるのも構わず、上半身を起こした姿勢のままで。 「梓……あのさぁ」 「な、何?」 えっ?一体何を言われるの?実はバニラアイスじゃなくてチョコアイスが食べたかった? 私があれこれと考えを巡らせていると、唯は私の顔を見つめて意外な言葉を発した。 「その恰好ってさ、もしかして……『私のイチゴもトッピングしてね』って意味?」 ∵ ……一瞬思考がフリーズしていたらしい。 「ご、ごめん。よく……わからないんだけど……」 「えぇ~、あんな恥ずかしい台詞をもう一回言うの~?」「あ、台詞もそうだけど恰好って……そんなに変かな」 「えー、だってさぁ……」 そこまで言うと、唯は再び私を見つめた。 私の恰好ねぇ……。変な所、あったっけ……? 「別に何時もと同じ恰好だけど……へっ!?あっ!!にゃぁぁぁ!!!」 この時期、家事をこなすと必ず汗をかく。 汗をかいたら気持ち悪いので、必ずシャワーを浴びる。 だから、当番の日の朝は、ほぼ必ず『ノーブラ』&『動きやすい服』だ。 因みに今朝はかなりゆったりサイズのTシャツと短パンを着用している。 その恰好で前屈みになったのだから……。 「うーん……良い眺めだねぇ~」 私は慌ててシャツの胸元を押さえ、しゃがみ込んだ。 「も、もぉ!唯の方がエッチじゃない!」 「まぁいいじゃん、おあいこって事でさ……よっと」 唯は掛け声と共に起き上がり、床に座り込んだ。 「『おあいこ』って……下着と生身じゃ釣り合わないじゃん……」 「ほらほら~、ぶつくさ言ってないでさ、溶ける前にアイス食べちゃお。電気屋さんも来るだろうし」 「……むぅ……」 私は不承不承ながら唯の言葉に従った。 「なーに?不満そうな顔しちゃって……」 そりゃ、不満だよ。当たり前じゃないの。 私がむくれていると、不意に唯が顔を近づけ耳元で囁いた。 「じゃぁ、デザートに『さくらんぼ』、食べてみる?」 「んなっ!!!」 な、何をいきなり……。 てか私がむくれていたのは『下着』と『生身』が釣り合わないって思っていたからなだけで。 別に『さくらんぼ』が食べたいって訳じゃなくて、でも食べられるなら食べたいなぁー。 あ、でもまだ昼間だよね、やっぱり明るいうちからってのはまずいよねぇ。んー、でも明るいと色々と見ることが出来てそれも良いかも。 「唯の『さくらんぼ』自然の光だといつも以上に美味しそう」「梓の『イチゴ』も同じくらい美味しそうだよ」とか言ったり。 「唯、『あずき』には蜜をたっぷりかけて食べてね……」「梓……美味しく食べてあげるからね」とか言っちゃったりして……。 あ、でも部屋だと暑いからお風呂場ってのも良いかもね。 お互いにシャワーをかけながら「ほら、梓の『イチゴ』が水に濡れて美味しそう」「唯の『さくらんぼ』だって、今すぐ噛み付きたいくらいだよ」なんて耳元で囁きあったり。 ぬるいお湯を張った湯舟に入って「あ、『さくらんぼ』が浮かんでるよ」「『イチゴ』は沈んだままだねぇ」「……イジワル……」「でも、触って軟らかさを確かめる事はできるよ」 なーんて、なーんて!むきゅー!ひゃぁー!うきゃー! 「あの~、梓さん?……アイス、食べないんですか?」 「はっ!!!」 しまった……妄想が大暴発してた……危ない危ない。 「……大丈夫?」 「あ、あぁ、うん。大丈夫……だよ……あはは……」 「そぉ?なら良いんだけど……ほら、溶けてきてるよ」 その言葉にグラスを見ると、アイスが半分位溶けて下に溜まっていた。 「私のアイス……。もぉ……唯が変なこと言うからだよ」 「変な事って……確かに言ったけど、その後の『妄想』は梓が勝手にしてただけじゃん」 ……へっ!? 「エット……ワタシ……ナニカイッテマシタカ」 「んもぉ……別に何も言っていないよ。……ただ……」 「……ただ!?」 「ただ……真面目な顔だったのが、急ににやけだして、かと思えばボーッとなって、次の瞬間には『にへ~』って笑って、おまけによだれまで口の端に浮かべてたら……」 「はい!OK!わかったから!それ以上は言わないで!お願い!!」 「まぁ……妄想するのも悪くはないけど……アイス溶ける程に妄想し続けるのはどうかと思うよ」 「はい……以後、気をつけます……」 はぁ……自業自得とは言え……恥ずかしい……。 「……で、どうする?」 一足先にアイスを食べ終えた唯が変な問いかけをしてきた。 「どうするって……何を?」 僅かに残った『固形』のアイスを食べつつ、質問を返す。 「え~、……電気屋さん、まだ来ないよね」 「……多分ね」 すると唯はグイッと私に顔を近づけて、こんな事を言ってきた。 「じゃぁさ……『デザート』、食べない?自然の光に照らされた『イチゴ』って、……美味しそうな気がするんだよねぇ……」 !!!!?な、な、何をいきなり……!? 「ねぇ……梓は……どうする?」 そ、そんな、艶っぽい声色で言われたら……。 はっ!!ダメダメ!!これは唯の作戦よ!!引っ掛かってなるもんですか!! 「そ、そんな声で言ったってダメだよ!暑いんだし、電気屋さんが来る前にシャワー浴びて着替えるんだから!」 私はそう言い放つと、二人分のグラスとスプーンを手に持ち台所へと向かった。 「シャワーねぇ……。あ……濡れた『イチゴ』ってのも美味しいかも……」 ……その一言に動揺して、ドアのレールに足を引っ掛けて転んだのに、持っていたグラスを落として割らなかった私を、誰か褒めて下さい……。 # 「では、失礼致します」 『ありがとうございましたー』 あの後、取り敢えず唯に『ウメボシの刑』を与え、シャワーを浴び、新しい服に着替えて……勿論ブラも着けて……少ししたら電気屋さんがやってきた。 どうやら原因は電源部の基盤にあるらしく、そこを交換したらすぐに動き出した。 「電気屋さんも大変だねぇ~」 「そうだね~」 汗だくになっていたので、冷えた麦茶と一口チョコを幾つかお盆に乗せて持って行ったんだけど……。 「やっぱり、この猛暑で故障が相次いでいるみたいだね~」 この後何件か設置と修理に行かなくちゃならないと言って、麦茶だけ一気飲みをして慌ただしく車に戻っていった。 「で、これからどうする?」 居間に戻り、手をつけなかったチョコを食べながら、唯がそんな事を聞いてきた。 「どうするって……特に予定は……晩御飯の買い物くらいかなぁ~」 「そっか~。あ~あ、クーラーが壊れてなければ……」 唯が残念そう呟いた。そうだよね……今頃は海で思いっ切り遊んでいたはずだもんね……。 「むぅーん……お!そうだ!ねぇ、買い物行こうよ!」 「へっ!?今から晩御飯の買い物に行くの?」 「そうじゃなくて……まぁ、それも買うけど……。梓、最近ブラがきつくなってきてない?」 「んー、そうじゃないのも有るけど……きつい方が多いかな?……ってなんでわかったの?」 「えー、だって……着けてあげる時、たまにきつい感じがするから……」 「それもそっか……って!恥ずかしい事を素で言わない!」 「別に良いじゃ~ん、誰も居ないんだし。よし!という訳で、これからブラを買いに出かけるよ!ついでにランチも食べに行こう!ブラ&ランチ、略して『ブランチ!』」 「……別に通販で良いじゃん……てかその略し方はどうなの……?」 ブラとランチが逆じゃん……という言葉は敢えて飲み込んだ。 「通販も悪くはないけどさぁ、たまにはちゃんと測って買うのも良いよ~。絶対に『着け心地』が違うから~」 『着け心地』ねぇ……。 「……それにしても珍しいよね。唯がこんなに外出したがるのって」 「……だってさ……今日は朝から『外モード』だったから……」 それもそうか、みんなと遊ぶのをあんなに楽しみにしてたんだもんね……。 「よし!じゃぁ、行こうか!あ、そのかわりランチは唯のおごりね」 「オッケー!任せといて!この間食べて美味しかったお店があるんだよ。次は梓と一緒に行こうって思ってたんだ~」 「それじゃ、エスコートお願いしますよ、ゆ・い♪……ふふっ」 「かしこまりました。梓様!……えへへ」 ……二人でランチかぁ~、久しぶりだなぁ。 # 「美味しかった~、ごちそうさま」 「どう致しまして。ね、良いお店でしょ?そんなに込んでないし」 「そうだね~。また来たいなぁ~」 良かった……『私のお気に入り』、気に入ってもらえたみたい。 「さて、じゃぁ次は……買い物……かな?」 「そだね~。んーっと、こっちだよ~」 さて、次の『私のお気に入り』はどうかな?梓も気に入ってくれるかな? ★ 「いらっしゃいませ……あら唯ちゃん、久しぶり~」 「店長さん、お久しぶりです~」 「丁度良かったわ~。唯ちゃんの好きそうな新作が、先週出たばかりなのよ~。ねぇ試してみ……あら?……唯ちゃん、あそこでこっちをジーッと見ているのって……」 店長さんが指差す方向を見てみると……おぅ、本当だ。……誰かさんがディスプレー棚の陰に隠れてこっちを窺ってる。 「あずさぁ~、そんな所に居ないでこっち来なよぉ~」 私の呼び掛けに、「う……うん」と小さく返事をして、トコトコとまるで子供のような足取りで歩いてきた。 「あ、やっぱり梓ちゃんだ。初めまして、店長の水野です」 「は、初めまして。えと、中野梓です。今日はよろしくお願いします」 「よろしく……?あ、じゃぁ今日は唯ちゃんじゃなくて……」 「そぉでーす。今日は梓の下着を買いに来ましたー」 「へぇ……梓ちゃん、こういったお店は初めて?」 「はい……高校生の頃から通販で済ませていたので……」 「んー、通販も悪くは無いんだけどね~。出来ればきちんと測って自分に合った物を着けた方が良いわよ。着け心地の良さだけじゃなく肩凝りが良くなったりするんだから」 「唯にも同じ様な事を言われたんですが、やっぱりそうなんですか」 「そうよ~。それじゃ、まず始めに梓ちゃんのカルテを作るわね。えっと……ここに腰掛けてもらって……この用紙に氏名・生年月日・住所・電話番号……」 梓がカルテに記入し始めたので、私は店長が言ってた『新作』をチェックし始めた。 おぉ、ピンクの花柄……カワイイなぁ、こっちは……レース付きのライトブルーか……ちょっと派手かなぁ……ん?これは……。 「店長さーん、やっぱり私も買いますね~。フィッティングお願いしま~す」 私がそう言うと、梓の相手を他の店員さんに任せて私の方へやってきた。 「あらそう、気に入ったのが有ったの?」 「はい、これなんですけどね……なんだか、気に入っちゃって……ほら、前に店長さんが『これだと思った時が買い時』って言ってたじゃないですか」 「よく覚えてたわねぇ、そんな事……。それじゃ、フィッティングしましょうか」 そう言うと、店長さんは私の選んだブラをチェックしてフィッティングルームに向かった。 「あずさぁ~、先にフィッティングしてるから~」 「わかった~」 ★ フィッティングを終えて部屋を出ると、梓がブラの選定をしていた。 「お待たせ……どぉ?気に入ったの有った?」 「うーん……いっぱい有りすぎて目移りしちゃうよ……はぁ~、どんなのが良いんだろ……」 「そうだなぁ~、やっぱりこういったのは『これだ!』って感じた物を選べば良いんじゃない?」 「それが難しいんじゃない……。むぅ……」 随分と悩んでいるなぁ……あ、でも私も最初はそうだったなぁ~。よし!ここは一つ見立てでもしてみますか。 「これなんかどうかなぁ」 私が選んだのはクリーム地に苺柄でフリルが付いている物。私の見立てではかなり梓に似合うとおもう……けど……。 「うーん……私って、そんなイメージ?」 「うん、こんな感じだと思うんだけど……じゃぁこれは?」 次に選んだのは白の総レース。薔薇の柄が大人っぽさを醸し出している。 「総レースは……ちょっと……恥ずかしいよ……」 「んじゃ、これならどぉ?」 私のお気に入りでもあるライトブルーのシンプルなブラを差し出した。 「……これって、唯が持ってるのと一緒じゃん……」 「あ、ばれた?下着で『ペアルック』ってのも良いかなぁ~って思ったんだけど」 「……流石に、それは、どうかと……」 そっか……じゃぁ。 「やっぱりこっちが良いんじゃない?」 そう言って差し出したのは、最初に選んだ物。 「えぇ~、ちょっと……派手じゃない?」 「このくらいの方が可愛いって~」 実際、梓によく似合うと思うんだけどなぁ~。 「そうかなぁ……」 よし、それじゃぁちょっと強引に……。 「あ、すみませーん。ちょっとフィッティングお願いできますか?」 「かしこまりました。では、サイズを測りますのでこちらへ……」 不承不承ながら、梓は店員さんの後をついていった。 どうかな~、気に入ってくれるかな~。 ★ 「あ、支払いはカードでお願いします」 「かしこまりました」 ふふっ……やっぱり私の見立ては間違っていなかったみたい。 「それでは、商品はこちらになります。お手入れの仕方を書いた紙もいれておきますね……。お買い上げ、ありがとうございました」 梓が購入したのは私が最初に選んだ物だった。フィッティングルームで実際に着けてみて、自分に似合っている事を実感したみたい。 「それじゃ、唯ちゃん、梓ちゃん、また来てね……っと、いけないいけない。それでは、またのご来店をお待ちしております」 「店長さ~ん、わざわざ言い直さなくても大丈夫ですよ~。私達相手なんですから~」 「あら、そうはいかないわよ。『一応』お客様なんだし……」 『一応って言われた!?』 あぅ……酷いよ店長さん……思わず梓とハモっちゃったじゃない……。 「ごめんごめん……でも、けじめとして最後はきちんとしないとね」 店長さん……変にこういった所で真面目なんだよなぁ~。ま、そのギャップのおかげでこのお店が人気なんだけどね~。 「んと、じゃぁ、また……来ますね」 「おぉっ!梓、今の本当!?」 「うん。お店の雰囲気も良いし、店長さんだけじゃなく店員さんも良い人ばかりだからね~」 「そ?ありがと。じゃぁ改めて……。本日は、お買い上げいただきありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。……それじゃ、またね」 『はい!』 ★ 「ねぇ、梓。さっきのって、本当?」 「さっきの……?何の事」 お店を出てしばらく歩いたところで、梓にお店の事を聞き直してみた。 「さっき、お店を出る時に『また来ますね』って言ってたでしょ?それの事」 「あぁ、それね……。うん、本当だよ。……唯に感謝しなきゃ、あんなに良いお店を紹介してくれたんだから……、ありがとね、唯」 「えへへ……どういたしまして」 良かった……また一つ、『私のお気に入り』を気に入ってくれたみたい……。 「あ、所でさぁ、唯は一体どんなのを買ったの?」 「……見たい?」 「な、何を……こんな所で見るわけにはいかないでしょ?」 「まぁね~。買ったのはね……サクランボ柄のブラだよ。帰ったら見せてあげるね」 「いや……別に……見たいわけじゃないんだけど……」 ふふっ……あんなに顔を赤くしちゃって……あ!そうだ!赤くなるついでに……。 私は梓のそばに近づき、近くに人が居ない事を確認して小声でこう伝えた。 「なんなら……私の『さくらんぼ』も、見せてあげるけど?」 「なっ……こっ……こんな人通りのある道の真ん中でそんな事言わないの!」 「別にいーじゃーん、聞いてる人なんか居ないんだし。……さ、次は晩御飯のお買い物にレッツゴー!」 さーてと、今日の晩御飯は何をつくってもらおうかな~。……あれ?梓は? 不思議に思って振り向くと……。 「ゆーいー!そっちじゃないよー!!もぉ……先行ってるからねー!!」 あれ?もしかして……間違えた!? 「あぁん……待ってよぉ~!!」 私の叫び声が、午後の町中に響き渡った……。 ★ 「ふぅ、おなかいっぱーい……ごちそうさまでしたぁ~」 晩御飯を食べ終えた私はソファーに横になった。 「はい、おそまつさまでした」 今夜のメニューは梓特製の『ハヤシライス』。……これも、『私達』のお気に入りだったりするんだけどね。 「ゆーいー、お腹落ち着いたら先にお風呂入ってて良いよ~」 「そ~お~?……じゃぁもう少ししたら入るよ~」 珍しいなぁ……何時も必ず先に入るのに……。 ★ 「ふぃ~、気持ち良いなぁ~」 今日は朝から色々と大変だったからねぇ~。しっかりと身体をほぐして疲れをとらないと……ん? 湯舟に浸かってリラックスしていると、磨りガラスになっているお風呂のドアに人影が見えた。 「……梓?どしたの?」 「……」 梓からの返事は無かった。代わりに、服を脱ぐ衣擦れの音がお風呂場に響いている。 「ねぇ~、あずさぁ~」 「ゆ、唯……入る……ね……」 そう言って入ってきた梓は、どことなく色っぽくって……普段と変わらないはずなんだけど、何故かそんな雰囲気を漂わせていた。 「梓……ど、どうした……の?」 思わず私は上半身を湯舟から乗り出してそう聞いた。 「あのね……朝、唯が言ったでしょ……『じゃぁ、デザートに『さくらんぼ』、食べてみる?』って……。私……その時から……おなか……すいちゃってたみたい……」 「え、あ、確かにそう言ったけ……んむっ」 私の抗議の声は、梓の唇によって中断させられた。 湯舟の中と湯舟の外、今までに無かったシチュエーション。 今、私の身体が熱いのは、きっとお湯に浸かっているから……だよね……。 「ねぇ……わたし……『さくらんぼ』……食べたい……な……」 唇を離した梓は……そんな事を言っている……みたい。なんだか……身体が……ふわふわしてきた……。 「水に濡れて美味しそう……ねぇ……唯……良いでしょ……?」 「んぁっ……」 私が……良いって言う前に……梓……『さくらんぼ』……たべはじめちゃった……。 「……おいしいよ……唯……」 「んふぅ……ふぁ……」 ふわふわ……ふわふわ……なんだか……ボーッとしてきたな……。 でも……私も梓に……言いたい事が……あるんだよね……。 「んんっ……あ、あずさぁ……」 「……な~に?」 「わたしも……おなか……すいちゃっ……た。……『いちご』……たべたい……な……」 「……良いよ……じゃぁ……お風呂出たら……たべよっか……」 「……うん……」 その晩……私達の寝室からは……。 「ぅん……『さくらんぼ』……おいしい……」 「ひぁっ……ぁあっ……い……『いちご』……も……おい……しい……よぉぉっ!」 そんな声だけが……響いていた……。 # 「ただいまー」 「おかえりなさーい……あら?お土産?」 「うん、スタッフの人に、絢音がウチに来て丁度一年だって言ったら、絢音にプレゼントだって~。……ところでその当人は?」 「あ、歯磨きしてるよ」 ほぅほぅ、それは好都合……。 「あーやーねっ!」 「あ!ママ~!おかえりなさーい」 「ただーいま。……歯磨きは終わったかな?」 「うん!今終わったよ!……な~に?手に持っているの……?」 「絢音へのお土産、歯磨き終わったのなら、食べても良いよ~」 「あ、イチゴだ~。ママ、ありがと~」 「どういたしまして……。食べたらちゃんと寝るんだよ」 「はぁ~い」 ★ 「よく寝てるよ……。疲れているのかなぁ?」 「あぁ、そう言えば帰ってきていきなり『はぁー、今日は体育で疲れたー!』って言ってたから、そうかもしれないわね」 ふぅん……。じゃぁ、今夜は目を覚ます事、無いよね……。 「ふぁ……私もちょっと眠いかな……。唯は?まだ起きてるの?」 「ん?あぁ、私も寝るよ……歯磨きして、苺を食べてからね」 「あ、私も歯磨きしたら食べておこーっと」 ★ 「お休み、唯……」 「お休み、梓……」 寝る前には必ず、梓にお休みのキスをしてから眠る……んだけど……今日は……特別に……。 「ん……ちゅ……んむ……」 「んん……ぷはぁ……。ど、どうしたの?唯……」 「梓……『いちご』が食べたいんだけど……良いよね……」 「え?あぁっ……ん……んんっ……」 「『いちご』……おいしいよ……。ねぇ……『さくらんぼ』……食べる?」 「ふぁっ……はぁっ……んくぅっ……た……んあっ……たべ……たい……な……ぁあんっ……」 ふふっ……じゃぁ…… 「一緒に……『デザート』……食べよう……ね……」 おしまい!! 何この隠語の群れw -- (名無しさん) 2010-08-24 19 13 23 この〜子持ちのラブラブ妻妻め! -- (あずにゃんラブ) 2013-01-17 19 32 12 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/shineoflife/pages/267.html
医務室 紫竜「大丈夫だよ、心配いらねえ」 クロ「悪いな、せっかく救援に来たのに全く力になれなかった」 ミナト「いやー、助かったよ」 翔平「さっきの女の人は?」 ミナト「どっか行っちゃったよ、まぁまた海に出たんでしょ」 クロ「・・・本当にすまない・・・まさか猛が・・・」 ケイ「お前が謝る必要はないだろ、見つけられなかった責任があるのは俺らも一緒だ」 伝氏「兵はかなり失ったみたいだな」 翔平「まぁ・・・ここでじっとしてても仕方ねえ、さっさと行こうぜ」 シオン「え、お前らどっか行くの?」 デルタ「あぁ、猛や夏希含む敵の正体がある程度割れたんでな、それの作戦会議を北極でやるんだ」 翔平「お前らも来るだろ?」 ミナト「あぁ、もちろんだ」 船 ミナト「あれ・・・ベル?」 ベル「船長さん‼‼‼‼」 ケイ「これは驚いたな・・・何で翔平達の船に・・・」 レナ「海で拾ったの」 紫竜「なるほど、しかし何でわざわざ北極に行くんだ?」 竜「敵の力が北極では使えないらしい、要するに奇襲される心配が無いんだと」 ミナト「っしゃ‼‼‼じゃあ出航すっか‼‼‼‼」 伝氏「おう‼‼‼」 デルタ「北極までどれくらいだ?」 レナ「んー、北の方は吹雪だろうし、氷砕きながら進むから分かんないけど1日くらいかな」 N・B機関、北極支部 アーク「ハァ・・・」 カチャ セレナ「いけませんね・・・未成年が晩酌ですか?」 アーク「10日前で20歳だ」 セレナ「この基地に来て3日・・・寝てないんですか?」 アーク「あぁ・・・どうにも寒い気候には馴染めなくてな」 セレナ「ウソ言ってもムダですよ、チームメイトが心配で眠れないのでしょう・・・」 アーク「・・・俺には医学の知識が全くない・・・あいつに何をしてやれるのかが分からないんだ」 セレナ「SEASの方々が明日到着します、心配いらないでしょう」 アーク「だが・・・」 セレナ「そんなに心配ならいってみます?部屋の前まで」 アーク「あ・・・ヒナ‼‼‼‼」 陽菜「アーク・・・」 アーク「お前大丈夫なのか・・・」 陽菜「・・・まだ・・・立ってるのがやっと」 セレナ「なのになぜ廊下に?」 陽菜「いや・・・起きたら部屋で・・・とりあえず外で寝息が聞こえたから出て来たの・・・あれ」 アーク「・・・・・・タイガ?」 大雅「・・・ZZZ」 セレナ「なるほど、2人ともあなたが心配で仕方なかったようですね」 陽菜「あなたは?」 セレナ「セレナです、今は10代目候補の教育係をしています」 アーク「まぁ寝ろ、まだ体調は優れないだろ?」 陽菜「うん、おやすみ」 翌朝 大雅「ふぁ~~・・・おはー」 ナギ「おはようございます、第3モニターにSEASの船を発見しました」 リキ「氷に嵌っちゃったみたいだな・・・」 大雅「第3モニターって遠くね?」 ナギ「今セレナとアークさんが砕氷船で向かってます」 第3モニター地点 翔平「あー進まねえ‼‼‼‼」 鬼鮫‼‼‼‼‼‼‼‼‼ 竜「ったく・・・キリがねえぜ」 レナ「んー、春だからもう氷少なくなってると思ってたけど、甘かったかなぁ」 獅王波‼‼‼‼‼‼‼‼‼ ブレード・シュート‼‼‼‼‼‼‼‼‼ 紫竜「ち」 ケイ「どうすんだよー、これじゃ日が暮れるぜ?」 エレン「北極は夜無いっしょ」 ケイ「どーでもいいんだよ、んな事は‼‼‼‼」 ミナト「やっぱ船浮かせて基地まで持ってけばいいんじゃねえの?」 シオン「もし基地の周りが氷しかなかったら船どこに置くんだよー、その前にお前力尽きるだろー?」 エミ「あれ・・・何か船来るよ?」 ミナト「あれは・・・セレナだー‼‼‼‼」 セレナ「わざわざご苦労さまです、砕氷船と来たので後をついてきてください」 アーク「SEAS本部隊も合流か、心強いな」 ケイ「お前・・・神速部隊の‼‼‼」 紫竜「あの時の・・・」 アーク「今回は味方だ、恐らくな」 セレナ「あれ、知将さんがいらっしゃいませんね」 翔平「あー、寒いだろ、あいつ弱いんだよねそれ」 北極支部 拓海「あ、どもー」 翔平「あれ、そっか、N・B機関の部隊も合流してるんだよな」 ケイ「結構広いんだな、兵はいないのか?」 ナギ「えぇ、全員ハワイ支部の復旧に行かせました」 竜「そっちは大丈夫だったか?」 ナギ「まぁ・・・大丈夫ではなかったですね・・・そちらは?」 ミナト「そーね・・・まだ紫竜は本調子じゃないっぽいし・・・」 アーク「来てもらって早々悪いんだけど、うちのチームメイトの怪我見てもらってもいいか?」 クロ「あぁ、そうだった、頼むわケイ、デン」 ケイ「うーい」 ケイ「・・・女じゃん‼‼‼‼かわいー‼‼‼‼」 伝氏「だろー」 ゴッゴッ クロ「マジメにやれ」 ケイ「分かったよー」 伝氏「はいはい」 ケイ「んー・・・外傷も酷いし体力をかなり消耗してる」 伝氏「まぁそりゃあれだけやられてたしな・・・手術は俺が請け負おう」 ケイ「じゃあ薬の調合してくる、この基地にある薬はこれで全部か?」 ナギ「えぇ、ここが医務室なので」 ミナト「あいつら俺らに有効な薬みたいなの持ってんだよ」 セレナ「それは私も感じました」 ミナト「Vセッテの呪いは解除されたんじゃなかったのかよ」 志保「力を解放されただけって事ですか?」 セレナ「そう考えるのが妥当でしょうね、確かに彼と戦い始めてから体が動きづらくなりましたし」 ミナト「じゃあ俺ら結局戦えねえじゃん」 セレナ「まぁ、確かに戦力は大きく減りますが、その分サポートに全力を尽くせる」 カチャ リキ「会議中失礼、BLOODのヘリが第5モニター付近に来たんで」 セレナ「ヘリですか、よくエンジンが耐えきりましたね」 カチャ レイン「よぉお前ら」 ミナト「早‼‼‼」 リキ「驚いた・・・まぁ第5モニターは近いしな」 鮫島「またお前らとか・・・」 ミナト「疾風は?」 レイン「UBは捕まらなかったんだよねー、何か遠くに行っちゃってるみたいで」 志保「あと・・・亜門さんいらっしゃいませんね」 鮫島「ま、あの変人は放っておいていいだろ」 プルルルルルル セレナ「ミナト、電話なってますよ?」 ミナト「あぁ・・・もしもし・・・亜門‼‼‼」 レイン「何‼‼‼‼?」 ミナト「モニター?あぁ、セレナ、この部屋のモニターに俺のケータイつながる?」 セレナ「えぇ・・・出来ますけど・・・」 カチャ 亜門「久しぶり諸君、お願いと言うか報告があるんだ」 レイン「研究の対象ならお断りだ」 亜門「またタイムワープの研究を再開したんだ、お前らに迷惑がかかる可能性が少しあるので報告だ」 鮫島「前の時みたいに誰かがワープするのか?」 亜門「可能性の話をしている、まぁ前の黒綱の時のような事はないと思うがな」 部下「先生‼‼機械の故障です‼‼」 亜門「と、いうわけだ、忙しいので切るぞ」 プツッ レイン「相変わらず一方的だな」 セレナ「いつもそうじゃないですか」 志保「あの・・・前って・・・」 ミナト「俺も知らねえ、何?」 鮫島「そういやお前ら知らないんだったな」 レイン「俺やシン達は一度未来へ行ってある敵と戦ったんだ、その記憶を戦闘に関わったこの時代の全員に渡した、志保以外のな」 志保「何で私だけ・・・」 レイン「お前の母は、この時代のお前にそんな事を知って欲しくなかったんだろうな」
https://w.atwiki.jp/niko2/pages/235.html
けだものとのそうぐう ◆lbhhgwAtQE (非登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル チーターマンⅡ ニコロワ初の脱出者 勿 第九十五話⇔第九十六話 第九十六話⇔第九十七話 「……アリスよ」 彦麿が立ち止まって私に声を掛けてきたのは唐突だった。 今まで黙々と、歩いていたというのに急にどうしたのだろう? 「何よ?」 「山には古来より神が棲んでいると言われている」 「……そうね」 「そして、それと同時に、山には魑魅魍魎も潜んでいるのだ」 その通り。 というか、それは幻想郷は当たり前のことだ。 ついこの前も、魔理沙や霊夢が山の神やら天狗やらに会ってきたとか、そんな話をしていたし。 でも、それが今の状況とどういう関係にあるのだろう? 「魑魅魍魎は、我らに害をなそうとする存在。つまり、山に入ってきた我らに様々な悪さをしてくるのだ」 「まぁ、そうでしょうね」 「そして、今! 我々はその魍魎共から知らず知らずのうちに悪事を受けてしまったようだ!」 もう何が何やら。 そんなこと大声で言われも、私には何のことやらだ。 「……で、つまりはどういうことなの?」 私は、ついに耐えかねて、そう尋ねてしまう。 すると、彦麿は一言で、こう言った。 「……道に迷った」 ……私は、深く溜息をついた。 思えば最初から不安だった。 ストーム・ワンなる老人の頼みを引き受けた彦麿は、頼みである老人の仲間の捜索に躍起になっていた。 そして、躍起になりすぎた為か、彼はやや奇妙な行動に出たのだ。 ――「む、彼らがいるのは、こっちか!?」 ――「どうして分かるのよ……」 ――「心の闇に怯える者の声がかすかに聞こえたのだ」 と、こんな感じで彦麿は、時には道なき道を歩きながらも、私(と涼子)を先導していった。 そして、そうすること数十分。 その結果はこれだった。 「……で、どうするの? このままじゃ山を下ることすらままならないんじゃない?」 「うむ、その通りだ。アリスよ」 「って、迷っておいて妙に落ち着いているわね」 「私は闇を祓う陰陽師。いつ何時も平静であるべきなのだ」 ……だったら、山道を歩く時ももっと落ち着いてきちんとした道沿いを歩いて欲しいのに。 やはり、黒い帽子を被った人間には碌なのがいない。 このままじゃ、老人の仲間が持つという人形を見れないどころか、遭難すらしてしまいそうだ。 「…………はぁ」 「アサクーラ…………」 私が改めて溜息をつくと、そんな私の顔を見たのか、涼子も太い眉をハの字にしてショボンとしていた。 単に私の顔を真似しているのか、操り主である私の気持ちを察してくれたのか。 後者であるなら、やはりその自我は私の理想の終着点に近いものだろうな、と考えていると。 「……む、何かが聞こえるぞ」 いきなり、彦麿は明後日の方向に向き直った。 「聞こえる……って、また心の闇を持つ人間の声とかいうやつのこと?」 「うむ、その通りだ。……だが、これは怯える声とは少し違う。これは…………歌か?」 怯える声の次は歌声? 冗談も程ほどに……と思う私であったが、その時それは私の耳にも届いた。 「本当。……歌声がかすかに聞こえる」 木の枝を揺らす風に乗って、かすかに聞こえる歌っているような女性の声が聞こえてくる。 しかし、その歌声に私は何か違和感を感じた。 「ねぇ。あれ、何だか音が外れていない?」 「うむ、そのようにも思えるな。……恐らくは、歌っている者が闇に怯えながらも、助けを求める為に歌っているのだろう。だから外れているのだ」 「なるほどね……」 「どちらにしても、向こうにそのような者がいるなら助けねばならない。それが陰陽の道であるのだからな!」 再び彦麿は躍起になった。 ……というか、最初からずっと躍起だったのかもしれないけど。 自ら進んで動くことをあまりしない私からすれば、その行動原理はあまりに不可解。 だけど、今はそんなことを言ってられないだろう。 どのみち、私達だけで行動してたら、山中で無駄に時間を浪費しそうだし。 もしかしたら、歌声はストーム・ワンの仲間のもので、人形を見つけられるチャンスなのかもしれないし。 「そういうわけだ。行くぞアリス!」 「ま、そうする他なさそうね」 私は、歌声のする方角へ足を進める彦麿の後についていくように歩き出した。 その横に、涼子を引き連れて。 ……だけど、この時は夢にも思わなかった。 まさか、この直後にあんなことになるなんて。 ◆ それは、迷える歌声のする方向へ歩き出して間もなくの事だった。 「……何、これ?」 アリスは驚いたような、呆れたような声を出した。 無理もない。 何故なら、今私達の目の前には、目を疑いたくなるような物体がいたのだからな。 「うむ、あれは猿の仲間か何かのようだな」 「いや、それは何となく分かるけど……どうみてもただの猿じゃないでしょ、あれ」 その通り。 目の前にいるソレは、ただの類人猿には見えなかった。 二足歩行しているところ、しかもその二足で珍妙なステップを刻んでいるところ、そして何より、その凶暴な顔つき。 そう、それはまるで―― 「魑魅魍魎だ」 「……え?」 「あれこそが魑魅魍魎、人の心の隙間に入り込む物の怪の類よぉ!!」 そもそも、この殺し合いとやらをするように命じたのは、ピエロのような二匹の悪霊。 ということは、今目の前にいるような物の怪を、この場に送り込んできていても何ら違和感は無い。 そうやって奴らは、我々を怯えさえ、心を容赦なく闇に染めようとしているのだろうからな! 「というわけで、アリス。ここは私に任せておけ。奴を退散するのはこの陰陽師の使め――」 「って、彦麿、前! 前!」 私がアリスを後ろに下がらせようと彼女の方を振り向いた時だった。 彼女が何やら慌てたように指差すものだから、私はその猿の物の怪の方へ首を向け直した。 すると―― 「――ぬぁに!?」 振り返れば、そこには奴がいたではないか。 何故だ? 先ほどまである程度の距離があったはずなのに……! だが、そのような思考をしている間に、私は何らかの措置を講じておくべきだったのだ。 奴は、硬直した私目掛けてその腕を振り落として―――― ◆ 「彦麿!!」 涼子を操ろうとした時には遅かった。 彦麿は、猿の怪物の振り下ろした腕に殴りつけられ、横に吹き飛ばされていた。 飛ばされた彦麿は近くの樹にぶつかり、そのまま動かなくなる。 猿、彦麿、私と涼子。 この順に並んでいたところで、猿が彦麿を除去したとなると、奴が次に目を付けるのは確実に私だ。 だけど、私も猿如きにただやられるだけなんて真似は勘弁願いたいところ。 だから私は命じる。 横にいる新たな人形に。 「涼子! 防壁をお願い!!」 「コ-セ-ノーバクアップー!」 涼子は、迫り来る猿と私の間に割り込むと、すぐに見えない光の壁を構築する。 すると、猿はその壁に激突、後退を余儀なくされる。 ……よし、間合いは広げた。 近接戦にならなければ、あの猿の脅威も薄れるはず。 私は、そのチャンスを狙い、涼子に更なる命令を出す。 「涼子、次! 礫符『ストーンダストレヴァリエ』!」 「マユゲー!」 涼子は、命じられると周囲にあった無数の小石を小さい弾に変換し、猿へと飛ばした。 それは、彦麿と同じように身勝手な彼女の得意とする弾幕の一つから名前を借りたスペル。 まぁ、彼女だって私の本を今まで散々借りていってるんだし、少しくらいこっちが名前を借りても罰は当たらないわよね? ――と、それはともかく。 その無数の小弾による弾幕は、猿目掛けて正確に飛んでいった。 しかし。 「う、嘘ぉっ!?」 猿の能力は私の予想の斜め上を行っていた。 なんと、奴は絶対回避できないと思っていたその弾幕を、奇妙で、しかも素早いステップで全て避けきったのだ。 カスりすぎってレベルじゃないわよ!? そして、猿はそのまま私へ近づいてゆく。 このままでは、再び近接戦に持っていかれてしまう――それを回避するべく私は、次の命令を涼子に。 「槍符『スピア・ザ・ブランチ』!!」 「デカタヲミルー!」 落ちていたいくつかの枝を拾い上げ、槍状に変換すると、涼子はそれを猿目掛けて投擲する。 しかし、それらも悉くチョン避けされてしまい…… 「な、何なのよ、あの運動性……!」 と、呆気に取られている場合ではなかった。 猿は僅かな間にどこまでも間合いを詰めて迫ってきている。 私は涼子に再び防壁を作らせようとする。 だが。 「コユビデギュ-!」 それより前に、涼子は私の前へと飛び出していた。 それは主である私を守ろうとする本能からくる行動だったのだろう。 だけど、私が特別に命令を出していない以上、彼女は基本的な動作でしか動けないはずで―― 「アラクーラッッッ!!」 予想通り、猿のその豪腕により、涼子は彦麿同様に横に飛ばされてしまった。 ……これで、私と猿を遮るものは何もなくなった。 さて、どうするか? このまま逃げる? ……いや、この猿の素早さを考えると無謀。 ならば、戦って、撃退するなり倒したりするしかないだろう。 近接戦は苦手だけど、一応、私個人でも弾幕は作れるし、鬼が起した霧の騒動の時はそれなりに頑張った。 だから、今回だって……。 「おいで猿男……遊んであげる」 私は迫り来る猿を見据えて、身構える。 そして、猿がその腕を三度振り上げながら飛び掛ってくると―― 「悪霊退散! ぶるぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 「……へ?」 突如そんな叫び声が聞こえてくると、その直後。 ――コイーン! そんなマヌケな音が鳴ったかと思うと、猿はその腕を私に振るうことなく前のめりに倒れた。 そして、倒れた猿の向こうから姿を現したのは…… 「大丈夫だったか、アリス!」 そこにいたのは片手に濃茶のブロックを持つ黒衣の胡散臭い男。 先ほど吹き飛ばされたはずの陰陽師、矢部野彦麿その人であった。 ◆ 猿の物の怪の一撃で倒れてしまうなど、陰陽師として一生の不覚だった。 物の怪を祓うことがあっても、逆に返り討ちにされてしまうなど……琴姫や僧侶たちに知られたら笑い者にされてしまう。 ……いや、私が笑われるだけなら別に構わない。 だが、私が倒れてしまった後、悪霊に苦しむ人々はどうすればいいのか? 奴らが科学で解明できない存在である以上、陰陽師である私が何とかしないといかんというのに。 そう、このようなところでいつまでも倒れているわけにはいかないのだ! 私がそのような思いを胸に目覚めると、まさにアリスが物の怪に襲われそうになっていた。 そして奴は彼女の使役する朝倉を弾き飛ばすと、アリス目掛けて腕を振り上げていた。 ……それを見て、私の体はごく自然に動いていた。 アリスが人間ではない別の存在であろうと関係ない。 心に闇を持たぬ者を魑魅魍魎が襲うのであれば、私はそれを討ち祓うのみ! 私は持っていたブロックを振り上げると、奴の背後に一気に迫り、そしてそれを頭部目掛けて振り下ろす! 「――というわけだったのだ」 「なるほど……ね」 物の怪を気絶させてすぐに、私達は奴から離れた場所に移動し、木陰で先ほどの戦闘で出来た傷の手当をしていた。 傷の手当を受けるのは私、治療するのはアリスだった。 また、物の怪の攻撃を受け、気絶したままの朝倉も私の横で寝ている。 「しかし、あの物の怪……私の力で祓えぬとは、一体どういうことなのだ?」 「さぁね。そっちに関しては私は専門外だしさっぱり。……というか、殺しておいたほうが良かったんじゃないの、あんな厄介な敵なら」 「物の怪は単純に殺しただけではすぐに転生する。その悪しき魂を清め、祓うことが大事なのだ」 本来なら、祓っておきたかったというのに、あの物の怪は退治することが出来なかった。 あれはやはり、私の修行不足のせいなのだろうか? だとしたら、あの猿を祓う為にも、この地にて一層の修行を積まなくてはならない。 そうしなければ、奴は再び人を襲うだろう。 それだけは、何としても避けなくてはならないのだ! 「アリスよ。私が物の怪の一撃ごときで倒れたせいで、お前を危険な目にあわせてしまったようだ。すまない」 「べ、別に危険な目には遭ってないわよ。あの時もあなたが来なくてもきっと何とか――」 「私は一層精進しなければならないようだ。あの猿を祓う為にも、他の人々の心を救う為にも、この殺し合いを考えた悪霊どもを退散する為にも、そしてお前を守る為にも!」 私がそう高らかに宣言すると、アリスは何故か顔を少し赤くした。 「……どうした、アリス? 熱でもあるのか?」 「な、何でもないわよ!」 ……一体どうしたというのだ。 私がアリスの様子を訝しんでいると、横で寝ていた朝倉が目を開いた。 「あ、涼子も目が覚めたのね」 「……アサクーラ?」 「うん、問題はなさそうね……。とりあえず一安心ってところかしら」 朝倉の体を調べながら、アリスは笑みをこぼす。 ふむ、朝倉の意識が戻ったのなら、そろそろ動くべきだろうな。 「……では、行くとするかアリス」 「え? あ、あぁ、あの歌声の方向にってこと?」 「そうだ。物の怪に邪魔をされて時間は経ってしまったが、まだ彼女らがいる希望はある。何としても合流するのだ!」 「そ、そうね……」 歌声の聞こえた方向には、闇に怯える人間がいる。 私には、あの物の怪は祓えなかったが、人間の心を闇から救うことは出来るはずだ。 だから、行かなくてはならないのだ、何としても。 「……ところで、さっきの猿、あんなに大声上げてたのに何で気付かなかったんだろう。 正面からの攻撃はあんなに機敏に避けてたのに……」 「ふむ……。正面に注意が向く余り、背後に関しては無防備なのかも知れぬな」 【C-3 山道/一日目・昼】 【矢部野彦麿@新・豪血寺一族 -煩悩解放 - レッツゴー!陰陽師】 [状態]:全身に打撲によるダメージ(中) [装備]:孔明ブロック(小)(使用済)@スーパーマリオワールド(友人マリオ) [道具]:支給品一式、ネギ@ロイツマ、孔明ブロック(中・大)@スーパーマリオワールド(友人マリオ) 、長門の首輪 コイン@スーパーマリオワールド [思考・状況] 基本.主催を含む悪霊退散 1.ストーム1の仲間達を探す。ひとまず歌声の聞こえた方向へ 2.琴姫を探す 3.悪霊退散の為の修行を積む 4.猿の物の怪を改めて退散する 【アリス・マーガトロイド@東方Project】 [状態]:健康、魔力中消費 [装備]:朝倉涼子 [道具]:支給品一式、プラスパワー*6@ポケットモンスター レヴァンティン@くらっとけ!スターライトブレイカー(魔法少女リリカルなのはシリーズ) [思考・状況] 基本.しょうがないので異変解決 1.彦麿と一緒にとりあえず歌声の聞こえた方へ 2.涼子のため……じゃない、生き残るために少しやる気を出す 3.涼子の力でブレインな弾幕を作る方法を考える 4.いさじという人から人形を貰う 5.お気に入りの人形とグリモワールオブアリスを探す 6.レヴァンティンは……使うことも考える ※春香の歌声は聞こえましたが、彼女らのいる洞窟の位置が正確に分かった訳ではありません。 【朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱】 [状態]:人形、ダメージ小 [装備]:なし [道具]:支給品一式 [思考・状況] 1:アサクーラ 2:マユゲー 3:コーセーノーバックアーップ ※朝倉涼子 死亡扱いです。首輪はついています。 命令がなければアリスを自動で守ります。 アリスの魔力が尽きない限り、表情もあり、人間と区別がつきません。 魔力が尽きた状態で数時間放置すると死体になり、二度と操れません。 朝倉涼子の情報改変能力は、暗黒長門の半分以下まで落ちています。 ※弾幕について 【礫符『ストーンダストレヴァリエ』】 地面に落ちている小石を情報改変し、小さい弾にして弾幕を張る。 規則性は無く、ばら撒き系の弾幕に位置づけられる。 魔力の消費量によって、弾幕の厚さ(easy~lunatic)は決定する。 【槍符『スピア・ザ・ブランチ』】 地面に落ちている木の枝を情報改変し、槍にして飛ばす。 槍はビーム状の弾の類となり、弾幕の形は自機狙いの奇数弾。 魔力の消費量を増やすことで、槍の数が増えたり、周囲にばら撒き弾を発生させることが出来る。 ◆ 殺し合いという名のゲームが続けられている中。 そのゲームを管理している者達が根城にしている地にて。 「……おいマルク」 ピエモンがマルクの背後から声を掛ける。 「何なのサ?」 「先ほど監視装置の映像を見たのだが……何なのだ、あの低脳そうな猿は」 「あぁ、あれ? 結構面白いと思ったんだけど――」 「そうではない。あれは、私が呼び出したデジモンとは違う存在のようだが……」 その顔には不満そうな表情が浮かぶ。 自分の知らないところで、イレギュラーな存在を発見したことが癇に障ったのだろう。 「……何故だ? デジモンだけでは不満か?」 「そういうわけじゃないサ。でも、偶然拾ったから、使わない手はないかなぁ、と思ったのサ」 「偶然拾った……だと?」 マルク曰く、あの猿は参加者を見繕っている途中、時空の狭間で身動き取れずにいたのを回収したものらしい。 「参加者にしようにも知能が低いからねぇ、監視役に使ったのサ」 「しかし……役に立つのか? 知能が低くては監視など……」 「まぁ、仕事はあいつに埋め込んである監視用のカメラが勝手にしてくれるサ。 というか監視っていうよりも、あいつが暴れて参加者達を驚かせるのが本当の目的だったりするのサ!」 そう言ってキャハハハと笑うマルクに、ピエモンは呆れる。 「下らないな……」 「まぁまぁ。アイツらも団結したりしてるし、その輪を掻き乱す為にもいたほうが便利なのサ。 ――と、こんな事を離してる間にもうすぐ時間なのサ! 放送の準備準備~♪」 マルクはそう言うとせわしなく走り去っていった。 時間を見れば、確かにそろそろ2回目の放送をする予定の12時になろうとしていた。 「やれやれ……せわしない奴だ」 ピエモンは呆れたようにそう言うと、その場を離れた。 一方その頃。 猿はといえば、目を覚まし、活動を再開していた。 彼は得意のステップを刻みながらひたすら前へ前へと歩いていった。 その歩みを止める者は誰もいない。 そして…… 気付けば、彼は殺し合いの舞台として用意された地から消え去っていた。 まるで最初からいなかった如く。 【エイプマン@チーターマンⅡ 脱出】 sm95:ぼくんちのニコロワ(後編) 時系列順 sm97:Traumatize sm95:ぼくんちのニコロワ(後編) 投下順 sm97:Traumatize sm83:STORM 矢部野彦麿 sm117:震える山~歩くような速さで~ sm83:STORM アリス・マーガトロイド sm117:震える山~歩くような速さで~ sm65:貴女は奈落の花じゃない マルク sm131:黒の預言書 sm00:本日は──動画にごアクセス頂き ピエモン sm104:第二回定時放送
https://w.atwiki.jp/p_ss/pages/2365.html
Side A 休みも終わって、テレビ番組の収録で久しぶりに三人が顔を合わせる 数日会わないだけで、二人に話したいことは山ほど 三人でいるときは、今までと何も変わらない この距離感が安心する ちょっと気になるといえば、ゆかちゃんからのメールが減ったこと まぁ、あたしのことを気に掛けてくれて、それでくれてたものだから のっちと付き合えることになったから、安心してくれたんだろうけど… 何気に楽しみにしてたから、ちょっと寂しいな… なんだかんだで、年末へ向けてテレビ出演も増えてくるころ 12月に発売されるライブ写真集の話を、ラジオでさせて貰って それぞれお気に入りの写真は?って話で、のっちはウィンクとか言うし… まぁ、いつものことといえばいつものことなんだけど… しかものっち、この日用があるって早く帰っちゃうし… あたいもトイレ行ってから帰ろうと、部屋に戻ってくると ゆかちゃんがまだ居た。あたしには気付いてなくて テーブルに向かって雑誌でも読んでるのかなぁ?とこっそり後ろから近づいて… 「わっw」 「うにゃww」 ぽんっとゆかちゃんの肩に手を置いて驚かすと 絵に描いたようにびくぅwとして声を上げるゆかちゃん 「あ〜ちゃwんwめっちゃビックリしたわねw」 「へへw何見てたん?」 「ん?ああ、写真集w」 ゆかちゃんの手元にあったのは、さっきの収録で使った写真集 ゆかちゃんの後ろから覗き込むと、ちょうどあたしのソロショットのページ そのままゆかちゃんの隣に腰を降ろして、会話を続けていく 「この時めっちゃ寒かったわぁ。でも、なかなか良いよねー、傘差しながら撮るなんて、あんま無いもんw」 「そうじゃよね?でもさ、雨が降っとっても、あ〜ちゃんが笑っとるとそれだけで心は晴れるんよねw」 「ぇえ?なんソレ?」 「あ〜ちゃんの笑顔は、周りを幸せにしてくれるってことw」 「そんなことないじゃろw?」 「そぉんなことあるんよぉwほら、アリーナ最終日のサプライズ。あん時のPerfume、A-chanのとこで周りのみんな一番笑顔んなっとったもんw上から聞こえたお客さんの歓声もさ、そこ一番おっきかったって思うし」 「少なくとも、あ〜ちゃんが幸せでいたら、私は幸せって思う…」 優しく微笑むゆかちゃん …? あれ? なんだろう? 聞き覚えのある言葉… 『…その人が幸せでいてくれることが、私の幸せなんよ』 あれ?これってゆかちゃんが言ったんだっけ? そうだ。ゆかちゃんがあたしに『幸せ?』て聞いてきた二度目の時だ ぇ…ちょ、っと、待って? それって? どういうこと? 要領の悪い頭を必死に回転させて、その答えを探し出す 「ゆかちゃんは…」 「?」 「あたしが、幸せだと、幸せ、なの?」 「うんw」 「ゆかちゃんの幸せって…」 あたしが言いかけると、嬉しそうに答えたゆかちゃんの顔が、何かに気付いたように、あ、ってなった 「ゆかちゃんの好きな人って…?」 「…」 嫌な、予感… もしかして… 「あたし、なの?」 あたしの質問に甘い笑顔で返された言葉は 「…ヒミツ、、だよ」 それは否定でも肯定でもなくて でも、違うならハッキリ違うって、言ってくれるはずでしょ? だとしたら、その答えは、肯定でしょ? ずっと側にいたのに ずっと感じていた優しさも、時々感じた切なさも ゆかちゃんの想い、、だったんだ… あぁ… 何で、気付かなかったんだろう? Side K 何で、気付いちゃったんだろう? 何で、あなたなんだろう? 気付かなければ良かった あなたでなければ良かった 気付かなければ、こんなに苦しくなかった あなたでなければ、こんなに辛くなかった 好きだと思っていた人は 好きだけど、ただ甘えていたことに気付いた 心が動揺するのは… 愛しいと感じたのは… あ〜ちゃん、だった… その気持ちに気付いたのは、いつだっけか …あぁ、そうそう あれは、2年前…? あの時、だ —つづく—
https://w.atwiki.jp/dmps_fun/pages/148.html
PREV:第10話 人知が為の対旋律 NEXT:第2話 新米レンタルデュエリスト ストーリー ゲートを開けてくれだってぇ~? アーク ああ……どうしても、向こうに残してしまった仲間をこちらに連れてきたいんだ…… ダピコ 私にできることなら何だってするだから、頼む! ダピコ 何でもって、例えば? アーク 下働きでも何でもするぞ! ダピコ あとは……そうだ向こうの世界の情報も提供する! どうだ? ダピコ にひひひひひ! アーク いやあ、お話にならないね~まったく アーク な……! ダピコ 僕に何一つ得がない話じゃんいいかい? 地下の神殿はわざわざ綺麗に爆破したんだ アーク 瓦礫を撤去するのに一体いくらかかると思う? アーク そ、それは、当然私達も手伝う……! ダピコ 君ら数人が加わったところで多額の人件費のほんの一部が削れるだけさ アーク 人を動かすのはタダじゃない何事にも金、金、金!ドゥーユー・アンダスタン? アーク う、うぅ………… ダピコ まったく……交渉に値する対価が何かあるのかと思ったら……身一つで来るとはびっくりだよ アーク それはしょうがないですよこちらの世界に来るときは皆その……すっぽんぽんですし ルピコ 無理して話に入ろうとしなーい アーク ルピコ……お姉ちゃんは大事な話をしているからあっちで遊んでるんだ ダピコ 扱いがぞんざいですよ!?ヒドイと思いませんか【プレイヤー】さん! ルピコ え? あっちで一緒に遊ぶ?わーい ルピコ ……それで、話を戻すよそもそもゲートは一瞬開くのにも膨大な量のデュエ粒子が必要だ アーク それもどうせ、ぜーんぶ僕に調達させるんでしょ~?あ~、これまた人件費が膨大だぁ アーク 金は、いずれ工面する……!だから……!! ダピコ はいはい、そういうのはボランティア団体にでも熱く訴えてね~ アーク 光の守護者とかなら親身になって聞いてくれるよたぶん アーク そういう熱意やら気持ちやらで動く人間もいるらしいけど残念だが、僕はそうじゃない アーク うぐ……む、向こうの世界の情報は!?欲しくないのか! ダピコ 昔は僕だって向こうで暮らしてたんだ大抵のことは君より詳しいさ アーク まあ、最新の情勢が知りたくはあるけど、ゲートを開けてまで知りたい情報じゃないね アーク 君らの親玉にも興味はあるけど、部下の君らを見るにどうせただのアホでしょ アーク な!? ま、待て!奴はそんなに甘い存在じゃない! ダピコ それに! 仕方なく仲間のフリをしていただけだ!訂正しろ訂正! ダピコ あのねぇ、甘い存在じゃないならなおさらゲートを開けるわけにはいかないじゃないか アーク そ、それは…… ダピコ それに君が仲間じゃなくその親玉を呼び寄せようとしてるかもしれないし? アーク バカな!そんなことするわけがない! ダピコ 口だけじゃあ、証明にはならないね~ アーク うう…… ダピコ ま、要するに君の提案は交渉にすらなってないってことだね アーク 僕にプレゼンするならもっと話を練ってくること以上! アーク そ、そんな…… ダピコ 話は終わり~帰った帰った僕は色々と忙しいんでね アーク ………… ダピコ …………はぁ ダピコ ダピコお姉ちゃん…… ルピコ …………ルピコすまんな、不甲斐ない姿を見せて ダピコ いえその……こんな時に申し訳ないんですけど…… ルピコ なんだ? どうしたんだ? ダピコ アークさんから追加連絡でお姉ちゃん達が街でやんちゃした修繕費とかまだ残ってるぞって ルピコ うぐあぁぁ!ここでもお金か……! ダピコ ……はぁ、しかしそうだなあれは全面的に私が悪い早く清算しないと…… ダピコ とりあえず働かねば…… ダピコ あの……何か手伝うことがあったら言ってくださいね! ルピコ ありがとう、ルピコ……だが、私がやらねば…… ダピコ 【プレイヤー】さんその……お願いがあるのですが…… ルピコ 少しでもいいので、お姉ちゃんが困っていたら助けてもらっても良いですか? ルピコ 一人で抱えそうな気がして、心配で心配で…… ルピコ ……いいんですか!【プレイヤー】さんありがとうございます! ルピコ おっ! 我がライバル、奇遇だなこんなところで 忍者 コタロウ 調子はどうだ?俺は……少し暇だな 忍者 コタロウ ……実は最近、クロとポゴが配達の仕事をやり始めたらしくてな 忍者 コタロウ それが仕事が早くて、中々評判がいいそうなんだ、あいつらも頑張ってるよな! 忍者 コタロウ ……まぁそのおかげか、忍者イーツの仕事が、あんまり来なくなってなぁ 忍者 コタロウ だから最近、新しい仕事を始めたんだよレンタルデュエリスト! 忍者 コタロウ デュエルをしたい奴がいたらそこにレンタルされてデュエル! 忍者 コタロウ 文字通りレンタルデュエリスト!大会で人数合わせが必要な時とかレンタルされるし結構幅広くてな 忍者 コタロウ これでも俺、結構売れっ子のレンタルデュエリストでな結構稼がせて貰ってるぜ! 忍者 コタロウ レンタルされてデュエルしたら自信が持てました! とか初勝利をありがとう! とか 忍者 コタロウ 結構評判良いんだ! 忍者 コタロウ ライバルも利用した事あるか?レンタルデュエリスト!……何? 存在すら知らなかった? 忍者 コタロウ 結構便利なんだぜ!やり方も簡単で、まずこのアプリを入れて…… 忍者 コタロウ ……ほら! これでできるぜ!ここからレンタルできる相手を見つけたりするんだ 忍者 コタロウ おっ、早速レンタルできる相手が新しく入っているな、名前はダピコ……? 忍者 コタロウ ダピコって確か……クロの仲間の?登録してたのか 忍者 コタロウ ……ん? どうしたライバル?そんなに悲しそうな顔で 忍者 コタロウ ……なるほど、あいつ金に困っているのか世知辛いな…… 忍者 コタロウ しかも仲間がまだ揃ってなくてすごい凹んでる?めっちゃ大変じゃん…… 忍者 コタロウ ……ん? レンタルの方法?それならここをタップして……そうそうそれでできるぞ 忍者 コタロウ おお! 早速ダピコをレンタルするのか、しかも今日? 忍者 コタロウ さすがのフットワークの軽さだなお前、デュエルだけじゃなくサッカーも上手いんじゃないか? 忍者 コタロウ それとさ……我がライバルちょっと懐に余裕があるようだし俺もレンタルしてみないか? 忍者 コタロウ いや、稼いでいるとは言ったけど散財しちゃって……世知辛いんだよ……世の中って 忍者 コタロウ おっ! いいのか毎度あり!それじゃあ……デュエル! 忍者 コタロウ 勝利時 流石は我がライバル!ここまで鮮やかに勝たれるとは、……もう何も言うことはないな 忍者 コタロウ ……と言いつつ、もう一戦やんねぇ? 忍者 コタロウ え?ダピコのレンタル時間が近い?あぁ、それは仕方ねぇか…… 忍者 コタロウ それじゃあまたな!レンタルしてくれてサンキュー! 忍者 コタロウ 敗北時 おお!? 勝った……のか? 忍者 コタロウ ライバルよ……どうしたんだ?デュエル中、何だか調子が悪そうだったが 忍者 コタロウ ……何? お腹が空いてた?デュエルも大事だけど食事も大事だぞ? 忍者 コタロウ だったら、俺が忍者イーツしてきてやるよ!んで、食った後またデュエルな! 忍者 コタロウ え? 食事は他に予定がある?でも悔しいからメシを食わずにもう一回レンタルだと!? 忍者 コタロウ フッ、舐められたもんだぜ……!空腹で負けたのにそれを解消しないとは……! 忍者 コタロウ でも、それならそれでまた勝てそうだし、全然OK~! 忍者 コタロウ よーし、勝ちまくってレンタル料10回はいただくぞ~! 忍者 コタロウ PREV:第10話 人知が為の対旋律 NEXT:第2話 新米レンタルデュエリスト