約 3,270,952 件
https://w.atwiki.jp/yuuki_asami/pages/4.html
ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 真女神転生5攻略Wiki|メガテン5 - AppMedia(アップメディア) ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」(2021年12月6日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - PR TIMES 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) アイプラ攻略Wiki|アイドリープライド - AppMedia(アップメディア) 「Wiki」創設者のPC 競売に - auone.jp 篠原悠希×田中芳樹が明かす「歴史ファンタジー小説ならではの悩み」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【Apex Legends】ヴァルキリーの能力と評価【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) モンハンライズ攻略Wiki|MHRise - AppMedia(アップメディア) 白夜極光攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【ひなこい】最強ひな写ランキング - ひなこい攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ウインドボーイズ】リセマラ当たりランキング(最新版) - ウインドボーイズ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【テイルズオブルミナリア】リセマラ当たりランキング - TOルミナリア攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) メトロイド ドレッド攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) Among Us攻略Wiki【アマングアス・アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】チャンピオンズミーティングの攻略まとめ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ナリタブライアンの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【シャーマンキング】リセマラ当たりランキング【ふんばりクロニクル】 - ふんクロ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) サモンズボード攻略wiki - GameWith 【まおりゅう】最強パーティー編成とおすすめキャラ【転スラアプリ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スタオケ】カード一覧【金色のコルダスターライトオーケストラ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】ソラのコンボと評価【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ブレフロレゾナ】リセマラ当たりランキング【ブレイブフロンティアレゾナ】 - ブレフロR攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】サーナイトの評価と性能詳細【UNITE】 - Gamerch(ゲーマチ) 仲村トオル、共演者は事前に“Wiki調べ”(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ENDER LILIES】攻略チャートと全体マップ【エンダーリリィズ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】あんしん笹針師の選択肢はどれを選ぶべき? - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】アップデート情報・キャラ調整まとめ - ポケモンユナイト攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【Apex】シーズン11の新要素と最新情報まとめ【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) ロストジャッジメント攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【Among us】新マップThe Airship(エアシップ)の解説【アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) ハーネスについて小児科医の立場から考える(坂本昌彦) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ゼルダ無双攻略Wiki|厄災の黙示録 - AppMedia(アップメディア) ウマ娘攻略Wiki - AppMedia(アップメディア) ゲトメア(ゲートオブナイトメア)攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【白夜極光】リセマラ当たりランキング - 白夜 極光 wiki - Gamerch(ゲーマチ) お蔵入りとなった幻の『スーパーマリオ』 オランダの博物館でプレイ可能?(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が「ITreview Best Software in Japan 2021」のTOP50に選出 - PR TIMES 【B4B】近接ビルドデッキにおすすめのカード【back4blood】 - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンスナップ攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 富野由悠季「ブレンパワード」作り直したい!ファンを前に意欲(シネマトゥデイ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ウマ娘】査定効率から見た取るべきスキルとおすすめキャラ【プリティーダービー】 - Gamerch(ゲーマチ) ナレッジ共有・社内wiki「NotePM」が「ITreview Grid Award 2021 Fall」で、チームコラボレーションとマニュアル作成部門において「Leader」を5期連続でW受賞! - PR TIMES メモ・ドキュメント・wiki・プロジェクト管理などオールインワンのワークスペース「Notion」が日本語ベータ版提供開始 - TechCrunch Japan 【ギアジェネ】リセマラ当たりランキング【コードギアス】 - ギアジェネ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) モンスターファーム2(MF2)攻略wiki|アプリ・Switch移植版 - AppMedia(アップメディア) 【ブラサジ】最強キャラTierランキング【ブラックサージナイト】 - Gamerch(ゲーマチ) 【パワプロ】鬼滅の刃コラボ情報まとめ - Gamerch(ゲーマチ) 【SPAJAM2021】第3回予選大会は「クイズ!WIKIにゃんず!」を開発したチーム「かよちゃんず」が最優秀賞! | gamebiz - SocialGameInfo 検索結果における「ナレッジパネル」の役割とは・・・ウィキメディア財団とDuckDuckGoの共同調査 - Media Innovation ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が「BOXIL SaaS AWARD 2021 Autumn」にて「コラボレーション部門」を受賞! - PR TIMES Wikipediaが「中国人編集者の身の安全を守るため」に一部の編集者アカウントをBANに - GIGAZINE 【ドッカンバトル】3.5億ダウンロードキャンペーン最新情報 - ドッカンバトル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) BTS(防弾少年団)のV、8月のWikipedia閲覧数が韓国アーティストで1位!グループでは4ヶ月連続トップ - Kstyle 【イース6オンライン】リセマラ当たりランキング|召喚ガチャの開放条件は? - Gamerch(ゲーマチ) BacklogからNotePMへwiki情報を自動API連携する「Backlog to NotePM」をSaaStainerに掲載開始 - PR TIMES ライザのアトリエ2攻略Wiki - AppMedia(アップメディア) 真女神転生3リマスター攻略Wiki|メガテン3 - AppMedia(アップメディア) ガーディアンテイルズ(ガデテル)攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) タスクも文書もWikiもデータベースもまとめて管理できる「Notion」とは? - ASCII.jp ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が、見るだけ専用ユーザー『無料』の新プランを発表! - PR TIMES 【かのぱず】リセマラ当たりランキング【彼女お借りします】 - Gamerch(ゲーマチ) 【乃木フラ】リセマラの必要はある?【乃木坂的フラクタル】 - Gamerch(ゲーマチ) 【パワプロ】生放送まとめ|パワフェス2021 - パワプロ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】サーナイトのおすすめビルド(わざ・持ち物) - Gamerch(ゲーマチ) ルーンファクトリー5攻略wiki|ルンファク5 - AppMedia(アップメディア) 空気清浄機能などが搭載された“光るゲーミングマスク”、ベータテストがスタート(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 簡単操作で自分専用Wikiを構築できるMarkdownエディタ「Obsidian」のモバイル版を使ってみた - GIGAZINE 情報マネジメントツール「Huddler」がwiki機能を刷新 - PR TIMES シェアエコ配送アプリ「DIAq(ダイヤク)」のアンカーアプリで、高層ビル・商業施設の入館方法などお役立ち情報をまとめた「DIAqwiki」を公開 - アットプレス(プレスリリース) 異常熱波のカナダで49.6度、いま北米で起きていること(森さやか) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ツイステ】マスターシェフの攻略~辛味のふるさと~【料理イベント】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ラグナロクオリジン】リセマラは不要?おすすめ職業は?【ラグオリ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【バイオミュータント】2.02アプデ|アップデート1.4情報 - バイオミュータント攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ひな図書】リセマラ当たりランキング【日向坂図書館】 - Gamerch(ゲーマチ) ニーアレプリカントリメイク攻略wiki|ver.1.22 - AppMedia(アップメディア) 【ウマ娘】ゴルシウィークはいつから?キャンペーン情報まとめ - Gamerch(ゲーマチ) シーズン66 - 【超速GP】ミニ四駆 超速グランプリ攻略まとめwiki - 電撃オンライン 乃木坂的フラクタル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 「こんなことになるとは…」13年前のエイプリルフールについた“嘘”がネットで… ある男の告白(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 整理不要の情報共有ツール(社内Wiki)「Nerve」シードラウンドで総額約3500万円の資金調達を実施 - PR TIMES 【ウマ娘】隠しイベントの発生条件と効果まとめ - Gamerch(ゲーマチ) Nerve - 整理不要の情報共有ツール(社内Wiki) ローンチカスタマー募集開始のお知らせ - PR TIMES パニシンググレイレイヴン(パニグレ)攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) 稲作アクションRPG『天穂のサクナヒメ』における「農林水産省攻略wiki説」は本当なのか? - AUTOMATON スタスマ攻略Wiki【スタースマッシュ】 - Gamerch(ゲーマチ) 無料とは思えない多機能っぷりなWikiインフラ「Wiki.js」レビュー、自前でホスト&外部サービスと連携可能 - GIGAZINE Microsoft Teamsの基本と活用(24) TeamsのWikiを使う - マイナビニュース 『ゲーミングお嬢様』での提起が話題に “企業系wiki”に横たわる問題点とは - リアルサウンド 「エイリアンのたまご」,自動周回機能と公式wikiが登場 - 4Gamer.net 【リゼロス】Re ゼロから始める異世界生活 Lost in Memories攻略まとめwiki - 電撃オンライン パワプロ2021/2020攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ヌーラボ、「Backlog」の絵文字入力の補完機能やWiki編集の自動マージ機能を改善 - CodeZine(コードジン) ヌーラボ、プロジェクト管理ツール「Backlog」の絵文字入力の補完機能・Wiki編集の自動マージ機能を修正改善 - PR TIMES Backlog、Wikiにファイル添付が容易にできる機能をリリース -- グローバルバーの視認性改善なども実施 - PR TIMES GK川島、パンチング失点でWiki書き換え炎上 「セネガル代表」「プロボクサー」... - J-CASTニュース Wikipediaで「ヒト」を象徴する画像が、タイの男女に決まるまで 5年の激論を経て選ばれた「1枚」の物語 - WIRED.jp
https://w.atwiki.jp/25438/pages/3644.html
第3話「サムデイ イン ザ レイン」 瞼を開けば眩しい光と共に透き通ったブルーの青空が…なんてそんなわけはなくて、 むしろさっきよりも勢いを増した雨粒が、激しく窓を打ち付けている。 天気予報では曇りと言っていなかったっけ。 町をゆく人の中には鞄から折りたたみ傘を取り出している人もいたので、 予報が外れたのではなくて、きっとわたしの勘違い。 今日はもともと雨の降る日だったのかもしれない。 わたしは行きがけのコンビニで買ったビニール傘を片手にぶらつかせ、 3ヶ月前に潰れたラーメン屋の軒先で、しばらく雨が止むのを待ち続けた。 潰れる前に一度だけ、梓ちゃんと一緒にこの店に来たことがある。 「やめておきましょうよ。ゼッタイおいしくないですよ」 「いいじゃない。マズイならマズイで話のタネになるんだし♪」 「…無駄ですよ。お金をドブに捨てるようなもんです」 文句を言う梓ちゃんを引っ張って、わたしたちは店に入った。 二次会帰りで時間は0時を回っていたせいか、ガラガラの店内。 床には油がこってりテカテカとまとわりつき、歩くだけで少し不快になる。 女の子ふたりが入ってくることなど滅多にないのだろう、 熊のようなもじゃもじゃの髭が生えた店長の、 こちらをじろじろと眺めていた黒目がちなふたつの瞳を思い出す。 黒々としたスープ。 太いんだか細いんだか、硬いんだか柔らかいんだかわからない麺。 妙にパサついたチャーシューが2枚。 モヤシだけはやたらと載っていてボリュームをごまかそうとしてるのが丸分かりだった。 一杯700円。 うーん………。 梓ちゃんは、【ご自由に】と書かれた瓶から、 これでもか、というくらいニンニクを取り出してラーメンにかけている。 「すみません。生中ひとつ」 「飲むんですか?じゃあわたしも」 こうなったらビールでごまかそう。 それから何杯、飲んだんだっけ? そういうわけで、この店のラーメンの記憶をビールに書き換えることに成功している。 記憶の中で印象的なのは、所狭しとテーブルに並んだ、星マークの入ったビールジョッキ。 ちなみに最初文句を言っていた梓ちゃんは「意外にイケましたね。今度他のみなさんも誘ってきましょうか」なんて言っていた。 梓ちゃんに出すケーキと紅茶のグレードは、落としてもバレないな。 そう思った。 店を出て、口直しにアイスを買おうとコンビニに寄る。 ガリガリ君の梨味が、そのころのマイブームだった。 梓ちゃんが食べていたのはいちごアイス。 最後に残ったひとつを見つけた梓ちゃんは、嬉しそうに笑った。 それ以来、このラーメン屋には来ていない。 あの後梓ちゃんはふたりでお店に来たりしたのかしら。 目の前を自転車が走って行った。気がつくと雨はおさまっている。 わたしは軒先から出て歩き出した。 スーパーの閉店時間を過ぎた商店街には、人影が見当たらない。 雨が降っていたし、みんなもう、おうちに帰っているんだろう。 どこかしらからか、カレーの匂いが漂ってきた。 お腹がグゥと音を鳴らしそうなのを我慢する。 う~ん… ラーメンよりはカレーかな。HTTにもカレーの曲はあるけど、ラーメンの曲はないし。 こんど、作ってみようかな。 チャルメラみたいになっちゃったりして。 澪ちゃん、どんな歌詞書くのかな。 ラーメンで恋の歌とか書けるのかしら……。 そもそも書いてくれるかどうかもわかんないけど。 最近、曲作ってないなぁ…。 ビニール傘をくるくる回したり、 地面にトントン打ち付けてリズムをとったり、 メロディ降ってこないかなーって空を見上げたり、 けれどぐるぐると頭の中でエンドレスで流れるチャルメラを追い出すことができなくて、 諦めたわたしはチャルメラのメロディを口ずさみながら歩いた。 雨に濡れた道路わきには店内の灯りが漏れている。 店の外に出された棚には、雨よけの透明なビニールカバー越しに音楽雑誌が並べられているのが見えた。 静かに扉を開けてお店に入る。 予想していた通り、雨の日の本屋には人が少なくて、先客は一人だけ。 ゆっくりとお店を回りながら、またあのラーメン屋のことを思い出していた。 ぼぉんぼぉんぼぉん、と古い時計が鐘を鳴らす。 わたしは昔子どものころに読んだことのある文庫本を見つけると、 棚からすっと取り出して、レジに持って行った。 「…これ。くださいな」 「ありがとうございます…って、ムギ。来てくれたんだな」 「うん。この近くでちょっと用があったから。そのついで」 「そっか。いつも悪いな」 「ううん。本読むの好きだから。澪ちゃん、バイト、何時まで?」 「うん。20時までだからもうあがり。せっかくだから一緒に帰ろう」 「うん。じゃあ、待ってるね」 店の外で澪ちゃんを待とうと扉を開けると、 道路の湿り気が増している。 「あれ。いま雨降ってる?さっきやんだと思ったのに…」 遅れてやってきた澪ちゃんが夜の闇を見て呟いた。 「もしかして澪ちゃん、傘持ってないの?」 「うん…ほら。天気予報では曇りって言ってた気がしたから…」 「あっ、あの、わたしね…」 「ゴメン。ムギ。もうちょっと待っててもらっていい? わたし、お客さんが忘れてった傘、借りていくことにするよ。 お店に結構、残ってるんだ」 そう言って澪ちゃんは傘を取りにもう一度店の奥に戻って行った。 わたしは黙ったまま、半分くらい開きかけたショルダーバッグのチャックを閉じなおした。 「じゃあ、行こうか」 「うん」 澪ちゃんが持ってきたのは、可愛らしい水玉模様の傘だった。 よかった。黒くて地味な折りたたみ傘なんか出さなくて。 「かわいいね、それ」 「だろ。でもこれ、壊れてるんだけどな」 確かに骨が一本折れていて、いびつに歪んでいる。 「壊れちゃってるから、店に捨てていったんだよ。たぶん」 「捨てないの?」 「うん…だって柄がかわいいし…なんだか捨てられなくて」 「そっか…じゃあ、せっかくだから修理屋さんに出してみる?」 「そうだな…せっかくだからそうしようかな」 「あのね…じつはわたしも…」 「?」 「傘……壊れちゃってて」 買ってものの5分もしない間に、 突風に煽られて反転したビニール傘。 無理に力を入れて戻したら、骨が何本か折れちゃった。 霧雨の中、暗い夜道をふたりで帰る。 壊れた傘をさしながら。 ビニール袋越しに見上げた夜空は、半透明に濁って見えた。 「ふたりだと恥ずかしくない気がする」 「ホント?人がいないからそんなこと言えるだけじゃないの?」 「…それもそうだな」 「街中で壊れた傘差してたら、ちょっと目立つものね」 突然前が明るくなった。 後ろからきた車のヘッドライトがわたしたちを照らし、 あっという間に追い越して行った。 「…」 「…」 「…車の運転してた人には」 「…見えてただろうね」 「…急に恥ずかしくなってきた」 「…じゃあさ」 わたしは傘をたたむと澪ちゃんのそばに寄って、右腕を掴んだ。 「ム、ムギっ…//」 「相合傘したらどう? ふたつとも傘が壊れてたら恥ずかしいけど、 ひとつだけなら恥ずかしさも半分よ~♪」 「あ、……うん//」 ぴたりとくっついた右腕から体温が伝わってくる。 でも、もともと霧雨だった雨は、降っているのかどうなのかもわからないくらい。 もう傘は要らないのかもしれない。差さなくたって大して濡れないのかもしれない。 「傘、わたしが持つよ。入れてもらってるし」 「あ、ありがと」 そんな雨の様子なんかちっとも気がつかないフリをして、 左手で受け取った傘を、少し左に傾ける。 「そんなに傾けたら、ムギが濡れちゃうだろ」 「大丈夫よ。だって最近、2kg痩せたのよ~」 「なにーっ!ム、ムギは仲間だと思ったのに…… ってそうじゃなくて!」 「だいじょうぶだいじょうぶ♪ わたし、濡れてないから」 澪ちゃんは雨の様子に気がついていないんだろうか。 少しでも雨に濡れたくないから傘を差してるんだろうか。 何かを期待してしまいそうになる自分と、 期待してそれが失望に変わるのを怖がる自分が、 入れ替わり立ち替わり現れては消えて、 「雨、やんだみたいだな」の一言を聞くのが怖くて、 わたしはとにかく何か喋り続けた気がする。 何を喋ったかはあんまり覚えていない。 寮の近くのコンビニの側まで来たときに、 店を出て行く男性客が傘を差さずそのまま走っていくのを見て、 「雨、やんだみたいだな」 って澪ちゃんは言った。 「そうだね」 とだけ答えて、わたしは掴んでいた澪ちゃんの右腕を離すと、傘を下ろしてたたむ。骨が曲がってたたみにくいけれど、今度は無理に力を入れすぎないように、気をつけて。慎重に。 そのうちに、自分の右肩がしっとりと濡れていることが気がついて、 さっきまでのことは夢じゃなかったんだ、って思った。 左腕には雨に濡れた澪ちゃんの匂いが残ってるみたいで、 鼻をすんすんとさせてみると、ああ、これインクの匂いだ、って気がついた。 「昔もこんなことがなかったっけ?」 閉じた傘を澪ちゃんに手渡して、わたしたちはまた歩き出した。 「そうだっけ?」 「ムギとふたりで雨の日に相合傘して帰ったこと。あったろ。高校の時」 「…ああそういえば。あったね。なつかしいね」 覚えててくれたんだ……。 「あのときのムギ、すっごく濡れてたよな。 あのあと風邪…引かなかったのか?」 「…うん。大丈夫だったよ」 「そういえば、学祭ライブの前日にふたりで夜の学校を歩いたこともあったよな」 「…うん」 「あのときはさ。明日のライブがみんなと演奏する最後かも、って思ってた。 高校を卒業したらみんなと離れ離れになっちゃうんだって思ってた」 わたしもそう思ってたよ。 「学祭ライブが終わってさ。いろいろわたしなりに考えたんだ。 それで思ったんだ。離れたくないって。絶対離れたくないって」 「わたしたちが今こうしていられるのは澪ちゃんのおかげだね。 ありがとう、澪ちゃん」 「…そんなことないよ。きっかけにはなったかもしれないけどさ。 受験勉強を頑張ったのはみんな一緒だろ?」 「…うん。でもね。澪ちゃんがあのとき『みんな一緒の大学へ行きたい』って、言ってくれなかったら…わたしたちは今ここにいなかったと思うの」 わたしには言えなかった。 一緒にいたいなんて。すっごく一緒にいたいと思ってたのに。 わたしが言うと駄々っ子のワガママにしかならないような言葉も、 澪ちゃんが言えばそれはわたしたちを照らす光になった。 月も星も浮かんでいない曇り夜空の帰り道を、街灯が明るく照らしている。 でもその光は、さらにこれから先、わたしたちが進む道も照らしてくれるわけじゃない。 光が届かない道を歩かなくちゃいけないときは、もう近くまできている。 チカチカと切れかかった街灯を見て、最近めっきり調子の悪い部屋の電球のことを思いだした。 「今度こそみんな、離れ離れだね」 「…そうだな。律と唯は就職組だもんな。それにわたしたちも寮は出なくちゃいけないし。 そんなに遠くにいくわけじゃないけど、今までのようにはいかないよな」 「でも放課後ティータイムはずっと放課後だからね」 「それ、意味わかんないから」 「うそ。なんとなくわかるでしょ」 「…まあ、そう…かも。うん。なんとなく、だけど」 反対方向から走ってきた車のヘッドライトが、澪ちゃんの笑顔を照らした。 「澪ちゃんは、将来のこととか考えてる?どんなお仕事したいとか」 「ん。まぁそれなりには」 「へぇ。どんなお仕事?」 「…あくまで希望だけど…本に関係する仕事ができればなって思ってる」 少し恥ずかしそうに、頬を赤らめて俯きながら澪ちゃんは続けた。 「自分で書いたり…自分がいいなと思う本を人に紹介できたり…たくさんの人が素敵な本に出会えるきっかけを作れるような仕事ができたらいいなっ…って」 「…ステキね」 「あっ、みんなにはナイショにしてくれよ!恥ずかしいから…」 「ウフフ。わかったわ。じゃあふたりだけの秘密♪」 「…そうだな」 本屋さんでアルバイトしてること、図書館司書課程を履修してること、たまに自作小説を文芸誌に投稿してること…はみんな知ってるんだけどね。 「…ムギは?」 「……え」 「将来のことだよ。やりたいこととか。つきたい仕事とか」 「……そうね」 「ああ、家の仕事を手伝うのか?もしかしてゆくゆくは社長に…」 「まさか、わたしは社長なんてガラじゃないよ。 まずは親に頼らずにちゃんと自分で生活するところから始めたいな」 「でも兄弟いないんだろ?家のことはどうするんだよ」 「……そうだね。 先のことはわからないけど、いつかは家の仕事を手伝うことになるかもね。 でも年上の従兄弟がいて、そのひとが父の会社の手伝いをしてるから、 絶対にわたしが継がなきゃいけないってわけでもないの」 「…ふぅん、従兄弟かぁ」 「うん」 「…どんなひとなんだ?」 「やさしいひとよ。お兄ちゃんみたいな人。5つ年上なの。昔はよく遊んでもらったわ。 わたしの知らないこといっぱい知ってる人だった。それと…ピアノがとっても上手な人だったの。 わたし、その人を見てピアノをやろうと思ったの。 ……今はヨーロッパで働いてるから何年も会ってないけど」 ひさしぶりに彼のことを思い出した。ピアノは続けているだろうか。 「そっか。きっと、素敵なひとなんだろうな」 「さぁ…どうだったかな」 澪ちゃんに言われるまでもなく、家のことは気になっている。 でもまずは一人で生活できるようになりたい。 自分の足でしっかりと立って、自分で考えて進む道を決められるようになりたい。 家のことはそれから。 「引っ越し先は決まった?」 「まだ。いざとなると迷っちゃって。家賃のこともあるし」 「そうよね。わたしもまだ決まってないの。 今度こそ自活するつもりだし。家賃も節約しなくっちゃ」 四年間、こつこつと学費を貯金してきたからね。 「エライなぁムギは。でもあんまり無理するなよ」 「うん、大丈夫」 「そっか。わたしもバイトの量、増やそうかなぁ…」 「じゃあさ…それならいっそ節約も兼ねて………」 『いっしょに住んじゃう?』 頬に冷ややかな感触、 街灯が照らす光の中に、雨粒が見えた。 澪ちゃんはゆっくりと傘を開き、右側に立つわたしのほうに傾けるように差す。 したたかに傘を打ちはじめたささやかな雨粒の音が、耳の奥に響いた。けれど、 『それも、いいかもな』 あなたが言ったひとことを最後に、音がやんだ。 まるでこの壊れかけた傘が、 雨の音も、 お互いの息遣いも、 車のクラクションも、 横断歩道の交通信号機から漏れるとおりゃんせも、 遠くから聞こえていた踏切の警報音も、 なにもかも、 外の世界の音を遮ってしまったかのように。 わたしたちふたり、無言。 ただただ頭の中にはひとつの言葉だけが響いていた。 わたしは目を閉じた。 目を閉じて、音の失われた世界で最後に聞いた言葉を繰り返し、 繰り返し、胸に刻んでいた。 ー第3話 おわりー 4
https://w.atwiki.jp/wiki6_ken/pages/6.html
https://w.atwiki.jp/wiki6_ken/pages/2.html
メニュー ホーム リンク集 リンク集2
https://w.atwiki.jp/wiki6_ken/pages/4.html
https://w.atwiki.jp/henroy/pages/506.html
黒岩、死す!勝利のいちご牛乳(後編) ◆gry038wOvE 「くっ……」 ガウザーは、いや、黒岩省吾は立ち上がる。 いま腹部に受けたダメージは、確かに黒岩の体を吹き飛ばすほどの衝撃であった。 しかし、致命傷には至らない。黒岩を何とか生存させていたし、歩くのも動くのも容易であった。 「ひ、卑怯な……」 「卑怯じゃないぜ。俺はあらかじめ、一対一の勝負だと言った。だから、邪魔者が来る事はありえないんだ。……だから俺はただ、適当な名前を叫んだだけなんだぜ? ……俺はお前との戦いを絶対に邪魔させない。それがお前の言う美学って奴だろ。……でも俺は、お前が俺を信じないと思った。俺の事なんてお前は信じないと、俺は信じた。そして、お前は俺が卑怯な手を使うと信じて、負けたんだ」 ……確かに、超光騎士が来ると思って、空を見上げたのは黒岩の方であった。 暁を信じなかった黒岩の敗北であるともいえる。 「……フン。確かに今の一撃は、そうだな。……ライバルである貴様を信じなかった、この俺の敗北。……だが、決闘はまだ終わっていない。死刑ならばそう、どちらかが死ぬまでが戦いだッ!! ここでは終わらん、俺が得た新しい力を、存分に受けるがいいっ……!!」 黒岩は、再び立ち上がると、今度はダークエボルバーを取り出した。 黒岩の手に握られた細長い物体は、彼がこの殺し合いで得た新たなる力が込められている。 「な、なんだありゃっ……!?」 ダークエボルバーを初めて見るシャンゼリオンは戦慄した。 「俺は、俺は生きる……。貴様を倒して生き残る……。もはや、貴様を倒す事が俺の最後の生きがい。俺がこの殺し合いの場で手に入れた新しい力だっ! キサマを殺すために今、使わせてもらう……ッ!!!」 そして、黒岩は、ダークエボルバーを抜き、ダークメフィスト・ツヴァイへと変身を果たす。その姿は、異形ではあるもののダークザイドのものとは全く異なるものであった。 赤と黒に塗れた体や、銀色の頭の怪物。──右手には、シャイニングクローのようなかぎづめを持っている。 必殺技の充実度もさることながら、純粋なパワーにおいてもダークザイドの姿よりも上手。 更なる力として、黒岩はそれを使う事にした。 「死刑執行の時だ、シャンゼリオン……! ハァッ!!」 右腕から火炎状の光弾・ダークフレイムが放たれる。 棒立ちしていたシャンゼリオンのもとに、ダークメフィスト・ツヴァイの一撃が命中、彼の体は吹き飛ぶ。 「うわあああああああああああっっ!!」 想像だにしない威力に、シャンゼリオンは起き上がれなくなった。 悲鳴とともに、彼は石堀とラブの前で崩れ落ちる。彼らは結構距離の離れた場所で傍観していたはずだが、まさかその距離を一瞬で詰める威力とは。 「暁さんっ……! だいじょう……」 「近寄るな! ちょっと痛いだけだ……」 シャンゼリオンは、ラブに心配され、何とか立ち上がろうとしたが、それでもまた膝を落とした。 ダークメフィスト・ツヴァイの方を、シャンゼリオンは睨んだ。 「フッハッハッハ……感じるぞ……新たな力を……ダークメフィストの力を……。もはや、一対一などどうでもいい、貴様ら纏めて片づけてくれる……ッ!!」 そう、ダークメフィスト・ツヴァイは暴走を始めていた。 闇と力が、彼の心を変異させる。自分の敵は全て排除。シャンゼリオンとの決着も、もはやついたも同然。残る敵は全て皆殺しで構わないはずだ。 暁たちによる精神攻撃や、ガドルに大敗した怒り……全てが彼を怒らせる。 「ハァッ!!」 メフィストクローからメフィストショットが放たれる。 その行き先は、石堀、ラブ、シャンゼリオンの三人の元だ。 「危ないっ!」 「きゃーっ!」 石堀は咄嗟にラブを庇い、シャンゼリオンが二人の前の壁となるため、立ち上がる。そのまま、シャンゼリオンはメフィストショットの直撃を受けた。 「ぐっ……あああああっ!!」 しかし、何とか吹き飛ばされず、シャンゼリオンは全エネルギーを胸元に集中して、そのエネルギーを弾き返す。弾き返された光弾は、地面へと跳ね返され、砂埃を舞わせた。 それでも、シャンゼリオンが負ったダメージは巨大だった。 シャンゼリオンの胸元に走った衝撃に耐え切れず、再びその場に崩れ落ちる。 「くそ……っ」 あまりの厖大なダメージに、クリスタルパワーは拒絶反応を起こし、シャンゼリオンの変身が解け、涼村暁の姿になる。 暁は脇腹を出血していたが、それ以上に、いま受けた胸の痛みが生半可なものではない。 それでも尚、ダークメフィスト・ツヴァイを睨んでいた。 「……黒岩、てめえ」 「フッハッハッハッハッハッハ!!」 ダークメフィスト・ツヴァイは高笑いをしながら、暁たちの姿を眺めていた。 暁は、立ち上がれない。もはや、敵に勝ち目はなさそうだと、ダークメフィスト・ツヴァイは踏んでいた。 「力を貸すか、……暁。奴はもう、一対一で戦う気はないらしい」 石堀が言う。その手には、アクセルドライバーとアクセルメモリを既に装備している。 しかし、暁はそれを拒絶した。 「いらねえっ……! 絶対に使わねえ……っ!! あいつを倒すのは俺だ、何としてもな……!!」 暁は我が儘であった。そして、この時ばかりは妙に頑なであった。 何が彼をそうさせるのかはわらかない。 それでも、石堀の力も、ラブの力も借りずに、ただ黒岩をブチのめしたい感情が暁を支配する。 「なら、このアクセルドライバーをお前に貸してやる。シャンゼリオンの力は今は──」 石堀はアクセルドライバーを暁に差し出した。それをまた払いのける。 「いらねえッッ!! 俺は誰の力も借りずにアイツをぶちのめすッッ!! 俺は超光戦士シャンゼリオンなんだよ……ッッ!!」 アクセルドライバーの力もいらない。 しかし、暁は生身だ。生身でダークメフィストに立ち向かうなど、馬鹿げているなどという次元を超えているはずだ。 暁は、胸を押さえながらも、一歩、ダークメフィスト・ツヴァイに近づく。 「なんだかわからないけど……黒岩、てめえ、ダークザイドの誇りとかいうのはどこに行ったんだよッ……!」 ダークメフィスト・ツヴァイは、メフィストクローを暁に向ける。 ラブと石堀が心配で、一歩前に出ようとするが、暁はそれを拒絶する。 「黒岩、確かにお前は最低のバケモノだ……! だが、最低のバケモノは、もっと最低のバケモノにはならないと思っていた……!」 最低の遥か下にある最低。 そこに黒岩は行ってしまったのだと、暁は思った。 怒りが暁の感情を支配していく。 メフィストクローは、今度こそ一撃で彼を吹き飛ばすために、闇のエネルギーを周囲から吸収し、更なるエネルギーを高めようとしていた。 「今のお前は、最低中の最低のバケモノだ……。お前が言っていた美学とかいうのは、どこに消えちまったんだよ……! 今のお前には美学も誇りもねえじゃねえか……!」 暁はまた一歩前に出る。 闇のエネルギーは、まだダークメフィスト・ツヴァイの腕で装填される。 邪魔者がいない限り、そのエネルギーはより膨大になっていく。 「お前は……ダークメフィストじゃねえ……そうだろォッ?」 暁は、それでもまだ、前にいる敵に怒りを向け続けた。 そう、死ぬかもしれない。しかし、それは負けじゃない。黒岩は黒岩としての誇りを取り戻さない限り、死んだも同然なのだ。 それなら、暁の勝ちになる。 暁のモットーは、「太く短く生きる事」だ。一時の楽しみのために残りの人生を犠牲にするくらい造作もない。楽しければいい。そして、ムカつく奴に勝てるだけでも、いいのかもしれない。 ダークメフィスト・ツヴァイのエネルギーの充填が完了する。後は、放つのみ。しかし── 「……お前が俺のライバルを名乗るなら、お前はダークザイドの……ダークザイドの暗黒騎士、ガウザーって事だろッッ!!」 その言葉が、──闇のエネルギーを溜める腕に、少しの迷いを生じさせる。 エネルギーの充填は足りている。しかし、放てない。 いや、放つ事ができるはずなのに、意識のどこかが邪魔をしてそうさせない。 自分の事を忘れ、そのエネルギーをどうする事もなく、ダークメフィスト・ツヴァイは頭を抱えた。 (くっ……何故、こいつは……) この暁が今、どうしようもないほどに強く見える。 身体的には弱い。そこを突き詰めれば勝てる。 だが、何故か──そこを倒してはいけない気が、黒岩にはしていた。 「この俺のライバルは、暗黒騎士ガウザーだ!! ダークメフィストなんかになっちまったお前に、この俺の……超光戦士シャンゼリオンの、ライバルを名乗る資格はねえッッ!!!! お前に倒されても、俺は負けを認めねえッッ!!」 それはかつて、ガウザーが聞いた言葉。そして、三人の闇生物がその言葉通り、シャンゼリオンのライバルたる資格をはく奪された瞬間の言葉だった。 暁はその言葉など知らない。しかし、ここにいるのも、将来黒岩が会う事になるのも、同じ暁だ。口から出てくる言葉は同じ。 憎たらしい言葉も、黒岩を奮い立たせる言葉も……。 「ぐっ……ぐおおおおおおおおおおっっ!!」 そう、俺は超光戦士シャンゼリオンのライバル、暗黒騎士ガウザーだ。 シャンゼリオンのライバルを狙った四人の闇生物の中で、唯一、暁が認めた男。 この暁も変わらない。いずれは反発し合う光と影となるはずだった。 暁は、ここでも、しばらく黒岩といた事で、その想いを確信したに違いない。 だが、今黒岩は──その資格を自ら溝に捨てようとしてしまったのだ。 「シャン……ゼリ……オォォォォォォォンッッ……!!」 ダークメフィスト・ツヴァイのマスクが割れる。 闇の力を打破するだけの意思、誇り、強さ、そして美学。 黒岩省吾を縛っていた闇の力が解き放たれていく。 シャンゼリオンを倒すのが、彼の目的。それは生きがいではあるが、卑怯な真似を使うわけでもない。 黒岩省吾と、暗黒騎士ガウザー以外の力で手に入れるわけにもいかない。 黒岩省吾。 暗黒騎士ガウザー。 ダークメフィスト・ツヴァイ。 三つの姿に、交互に彼の体に幻影が重なる。 いずれがホンモノか──それは、暗黒騎士ガウザーに決まっている。 しかし、黒岩省吾としての姿もまた、彼の真実。 唯一のニセモノは── 「はああああああああああああああああああっっ!!」 ──ダークメフィスト・ツヴァイ、今の自分の姿。 偽りの自分を取っ払い、全てを「己」に近づける。 闇の力さえ、今の自分にはいらない。それを手放し、己を己として戦うのが、暗黒騎士ガウザーとしての誇りだ。 (あ、ありえない……自力でメフィストの闇を振り払っている……) 石堀は、己のもとに闇の力が返ってくるのを感じていた。 少しずつだが、確かに全て、それは石堀のもとへと返還されている。 それだけの意志、それだけの誇り……。 「闇の力よ、消え失せろ……ッッ!! そうだ、……俺は……俺は、ダークメフィストなんかじゃない……ッッ!! 俺は、暗黒騎士ガウザー、黒岩省吾……!! 超光戦士シャンゼリオン──涼村暁のライバルだ!!」 そう、彼の心は、闇の力を打ち消すほどであった。 △ そして、再び、二人の男が対峙する。 一人、涼村暁。涼村暁は私立探偵である。 一人、黒岩省吾。黒岩省吾は東京都知事である。 二人は互いの目と目を見る。その瞳は、怒りに満ちていたが、同時に、不思議な喜びにも満ちていた。 「……暁、どうやら今の一撃でかなりボロボロのようだな。これを使え」 黒岩は暁に、小さな銃を渡した。暁は、黒岩から直接手渡されたその銃を、訝しげに見つめた。それはデリンジャーと呼ばれる銃だったが、暁は知らない。 「なんだよ、これ……」 「俺は卑怯な手を使って貴様を攻撃した。その傷は、その時のものだろう。……ならば、今貴様がそれを俺に放つ事で、この戦いは初めて平等となる。弾丸は二発、さあ……好きな所に命中させてみろ!」 黒岩は両手を広げた。 暁は、手元のデリンジャーを強く握りしめた。 そして、よく狙いを定め、引き金を引く。 二発の弾丸は、見当違いのところに当たった。黒岩を狙う気があったとは思えない。 「……悪い、両方外れたわ」 「……何をやっている、暁」 「いや、なんかさ。こういうのは俺の好みじゃないっていうか。どっちにしろ、俺が勝つんだし……いいじゃん」 暁は、弾丸も入っていないデリンジャーを校庭に捨てた。 どうやら、わざと外したらしい事は明らかである。 「そうか……。ならば、いつまでもこんな姿で戦うワケにはいかないな。蹴りをつけるぞ、シャンゼリオン」 「そうだな……ダークザイドのバケモノ! 暗黒騎士ガウザー!」 二人はお互いの姿を見ながら構えた。 「燦然!」 ──燦然、それは涼村暁がクリスタルパワーを発現させ、超光戦士シャンゼリオンとなる現象である。 「ブラックアウト!」 ──ブラックアウトとは、黒岩省吾がダークパワーによって、暗黒騎士ガウザーに変身する現象である。 「シャイニングブレード!」 「ガウザニングブレード!」 わけのわからない剣の名前を叫びながら、二人は激突する。 互いの剣が、お互いの体を斬りつけ合う。その痛みさえ感じない。その痛みさえ心地よい。 どういう原理かわらかないが、二人の体から火花が散る。もはやその原理もどうでもいい。 この戦いの行方は誰も知らない。 「もはや今回のタイトルなど関係ない……この法則全てを超えて俺が勝ってもおかしくはないな、シャンゼリオン!」 「いーや、おかしい。何故なら俺はスーパーヒーロー、シャンゼリオンだからだ!」 無情なタイトルさえ、彼は打ち破る気でいた。いや、打ち破った。どちらが死ぬとしても、それは表題のせいでも運命の仕業でもない。それは、暁と黒岩自身の力で勝ち取る結末だ。 シャンゼリオンに勝利する。それ以外はもはや、彼も何もいらない。 ガウザーに勝利する。それ以外は、どうなってもいい。 「その法則さえ打ち破る! それがこの俺、暗黒皇帝、ガウザーだからだ!」 「やってみろよ! タイトル詐欺なんざ、お前には一万光年早いんだ! そういうのは90年代初頭の戦隊ヒーローがやるものなんだっ!」 どちらが勝利するのか、行方は誰にもわからなかった。 黒岩が勝ってもおかしくない。黒岩は死なず、暁が死んでもおかしくはない。 もともと、シャンゼリオンのタイトルは脚本家が適当に決めているのだ。 そのくらいの壁は、彼らならばいつでも打ち破れる。 そう、今の彼らならばメタ的な法則など、全て打ち破ってでも勝てる気がしていた。 「来週から、『超光戦士シャンゼリオン』は『暗黒騎士ガウザー』へとタイトルを変える! そして、俺は皇帝へと上り詰める!」 「いや、来週からはテコ入れで新しいライバルが出てくるね……っ! お前はまるでいなかったように普通に物語を進行させてやる!」 ちなみに、この辺りの言葉は全てイメージだ。実際は、「お前を倒す! そして、俺は皇帝へと上り詰める!」、「いや、俺は負けない! お前の事は忘れてやる!」とか、そんな会話が繰り広げられている事だろうと思う。ここまでの会話は実際、殆どそんな感じだろう。あるスーパー戦隊が外道衆を倒す時に映画とテレビ版で全く別の台詞を言っているのと同じ理屈だ。 剣と剣がぶつかり合う。 正義と悪とがぶつかり合う。 ライバル──その言葉は、どちらが勝ってもおかしくはない、不思議な言葉。 二人は、互いに距離を取った後、離れる。 トドメの一撃が繰り出される瞬間だ。 「シャイニングアタック!」 遠距離からの攻撃、そしてトドメはシャイニングアタックに決まっている。 クリスタルのエネルギー体はガウザーの胸元に向けて進んでいく。 「ガウザーラッガー!」 ガウザーの頭部の斧から、闇のエネルギー体が現れ、その頭部と同じ形の鋭利な攻撃を放つ。ガウザーは、制作スタッフが最後まで使うかどうか悩んだと言われる攻撃を繰り出していた。 シャイニングアタックのエネルギーに向かって、ガウザーの頭の形をしたエネルギー体が飛んでいく。 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!」 「はああああああああああああああああああああああああっっ!!」 両者は激突する。 そして── 「何っ──!?」 ──ガウザーラッガーが、シャイニングアタックに弾かれ、そのままシャイニングアタックのエネルギーがガウザーの体を貫通した。 「ば、かな……っ! くっ……!」 △ ……星空が輝く。 ここに来た時と同じ、満点の星空だった。 星の数を数える。ひとつ、ふたつ、みっつ……四十八まで数えたが、まだ星はあるので、やめた。 星空が見える校庭で、黒岩は倒れていた。そして、星の数を数えていた。きっと、からっぽの星ではない。そこにはいくつかの物語が刻まれている。 あの星の数だけ、世界があるとすれば、黒岩がシャンゼリオンに倒されずに逝く世界もあったのだろうか。 ……いや、きっとある。 誰も知る由はないが、本来の歴史の黒岩省吾は、涼村暁との戦いではなく、自分に叛逆した子供に撃たれ、命を落とすはずだったのだ……。 「暁……」 敗北し、倒れた黒岩のもとに、暁が。別方向から、石堀とラブが駆け寄ってきた。 黒岩省吾は、その姿を目に焼き付ける。最初にそこに辿り着いたのは暁だった。 「……黒岩」 「暁、どうやら俺の完敗のようだ。……だが、俺とお前はお互い、全力を尽くして戦った。これは他の誰が強要した運命でもない。どちらが勝つも、どちらが負けるも……全て決めるのは俺たち自身だった。そして、お前が勝った……これはシナリオ通りの結末じゃない……誰にも操られない、俺たちの戦いだ」 たとえ、この物語のタイトルで黒岩の死が予言されていたとしても、死亡者の名前として載るのは涼村暁だったかもしれない。それほどの激戦だった。この戦いは、何事にも左右されず、ただ当人たちの力だけで戦い、決着したのである。 そう、誰の介入もなく、ただ、お互いの力の差だった。そんな戦いだった。 「そうだな……」 「そうだ、罰のいちご牛乳は、貴様にくれてやる。いいか、味を想像しろ……。あかねっ娘の美味いいちご5、自然放牧の牛から取れた最高級の牛乳5……そんないちご牛乳だ……どうだ、美味いか……」 黒岩にはもう、いちご牛乳を奢る力などない。 視界もぼやけ始めていた。体は消え始めている。 暁の口に、いちご牛乳など流れ込んでは来ない。しかし、暁は、虚勢を張るように答えた。 「ああ、美味い……。こんなに美味いいちご牛乳は生まれて初めてだ。……やっぱり、いちご牛乳はいちご5、牛乳5に限るな。……じゃあ、俺はお前に、死ぬ前に特別にコーヒーを奢ってやる。どうだ、美味いか……」 暁の言葉は、黒岩の耳に辿り着いた。 その言葉で、黒岩は自分が思う最高のブレンドのコーヒーとして流れ込む。 「……ああ、確かに美味い。どんな秘書が作ったものよりもな」 暁と黒岩は、このひと時の戦いを楽しんだ。その満足感が、互いに飲み物を奢るのと変わらないほどの、ときめきを与えた。 それでいい。お互いに、それで充分だ。 「黒岩さん……」 「桃園ラブ、いや、女といえど君も戦士か。キュアピーチと呼ぼう……。キュアピーチ……君は、暁に何か言ったのか……」 「……えーと……」 そう、確かにラブは、暁に依頼した。 必ず勝てと、そう暁に依頼した。デート一回と引き換えだった。 悩んだラブを前に、黒岩は察した。 「……コイツは相当の女好きだ。女の言葉だけは裏切らんだろうな。君が生きろと言えば、コイツは何をしても生きる。……なるほど、それが俺の敗因か……こいつの女好きには敵わん」 黒岩は冗談のように笑った。 「すまないが、二人は行ってくれ。……最後に話すのはコイツで在りたい。こいつこそ、本当の、終生のライバル……最後の時もまた、俺たちは二人、言葉をぶつけあって戦う存在でありたい」 黒岩は、ラブと石堀にそう言った。 石堀とラブは、少し躊躇った後、黙ってどこかへ消えた。 △ 「……暁」 「なんだよ、夜に男と二人きりなんて、つまんねえ夜だぜ、本当に……」 「同感だ」 暁と黒岩は、そう言ったが、別に悪くはないと思っていた。 この黒岩省吾だけは認めてもいい。この涼村暁だけは認めてもいい。 だが、黒岩は別に男二人の夜を満喫したくて彼以外を立ち退かせたわけではなかった。 「暁、聞け。俺を、ダークメフィストにしたのは、あいつだ……」 「あいつ?」 そう、彼はダークメフィストとなった理由を打ち明けなければならない。 人間を闇に飲み込ませる能力を持っているのは、あいつだ──。 「……石堀光彦だ。奴に気を付けろ……」 その名前を知った時、暁の中に悪寒がした。 今までずっと傍にいた人間が、誰かを悪の力に飲み込ませたというのである。 「……おい、マジかよ。最後までインチキじゃねえだろうな」 「おそらく……間違いない……」 メフィストの力が消え去った今、黒岩は記憶操作の影響を受けない。メフィストになる直前の記憶を思い出しており、それを確信できる。 メフィストである時は曖昧だった記憶も鮮明になる。 石堀は他人の記憶が制限できるが、この場において、石堀の記憶制限は効果がないのだ。予知はできても、他者の記憶に干渉する事はできない。つまり、黒岩は石堀の行動を一瞬でも知っている。 だから、黒岩はこうして、暁に石堀の真実を打ち明けられた。 「奴をよく、見張っておけ……。奴に欺かれるフリをして、いつでも奴の裏切りに対応する準備をしておけ……。奴はおそらく、今は危害を加えない。きっと、その時が来るのを待っている。その時まで、奴を逆に見張れ。そして、その時が来たら……女を、守れ。俺の道具は、全てお前に預ける」 暁は、黒岩の言葉に頷いた。 そして、全てを託したら、あとは勝者を讃えるのみであった。 「シャンゼリオン、お前は見事だった……。やはり戦士だな」 「お前もそう……見事さ。最後、お前に一撃受けたパンチが、今も効いてるぜ」 パンチ──。 黒岩は、そんなものを放った覚えはなかった。しかし、確かに暁の頬には痣ができている。 いや、そうか──。シャイニングアタックの直撃の際、無我夢中で、ガウザーはシャンゼリオンに一撃でも浴びせようと、拳を突き出したのだ。 己の中にあった戦士の血が、ガウザーをそうまでさせたらしい。 なるほど、自分が想像した以上に良い勝負、そして良い執念であったのだ。 「暁、最後に一つだけ言っておく事がある」 「……言ってみろよ。まあ、聞いてやらない事もないぜ」 そして、黒岩はいつも薀蓄を披露する時のように得意げに、言葉を紡いだ。 「知っているか……! 世界で最も素晴らしい決闘は、日付さえもどこにあるのかさえもわからない……この時、この場所で、超光戦士シャンゼリオンと暗黒騎士ガウザーによって刻まれた……! だが、この戦いはいずれ誰からも忘れられる……記録に残らず、やがて忘れられ、この一戦は誰にも知られる事なく、朽ち果てる! それでも尚、広い世界の片隅で……記録さえできない場所でひっそりと輝くだろう……! そう、それこそが俺が見つけ出せなかった、俺の過ちだ……! 本当に素晴らしいものは記録ではない、記憶に残り続けるものなのだ……!」 世界で最初、世界で最高──そんなものは、広い世界のごく一部でしかない。 誰にも見えない場所があるというのに、そんな言葉に何の意味があるというのだろう。 黒岩は、自分の薀蓄の誤りが、一体どうして生まれたものなのか知った。 記録に残っているそれを、記憶には残さなかった。どんな偉業も、データとして見ていた。それだけなのだ。だから、しっかりと細部まで覚えられなかった。 その記録を、想いも全ても記憶に残せば、間違ったデータなどにはならなかっただろう。 「さあ行け……。俺も戦士だ、ライバルに最期の姿を見られたくはない……」 黒岩は、最後に暁をそう急かした。 ヒーローは、悪役に背中を向けて、それで去ればいい。 そのまま画面に向かい、フェードアウトすればいい。 いや、ガウザーが勝ったとしても、きっとそうする。 青臭いひと時を終え、けじめをつける時が来たのだ。 「……わかった」 暁は、そう言って黒岩の視界から姿を消した。 仲間のもとへと、そして、仲間の皮を被った敵のもとへと、奴は向かっているだろう。 まだ戦いは続く。まだあいつには戦士としての使命がある。 暁は、一度だけ振り向いたが、それでも、またラブと石堀の元へと向かった。 (そうだ……誰より輝け、お前はこの俺に……皇帝に勝った戦士だ……) 黒岩の体が消えていく。 (時を越えて、輝き続けろ……!) 暁はもう、振り向く事なく過ぎ去っていく。 「──俺ってやっぱり、決まりすぎだぜ!」 暁の声が聞こえる。 お互いの心には、もはや一欠片の不安も、不満もない。 奴は勝った。勝者の叫びだ。あれほど憎たらしい声をあげるのであれば、この先も過ちを犯したダークザイドを躊躇なく葬っていけるだろう。そんな後ろ姿に安堵する。 安堵して、戦士としての役割を終えた。 これで暁との因縁は決着したのだ。あとは、完全に消えるまでの間、ライバル以外の事を考えても良い、自由な時間がある。 ──とはいえ、それは少ないが。 「エリ……」 僅かであっても、戦士としての役目を終えた男は、愛しい女の名前を呟く事を許された。 人間界でできた恋人──自分に惚れた女のラームを吸う黒岩にとって、唯一そのラームを吸う事ができない相手、それが南エリだった。 彼女の笑顔が、最後に、彼の瞼の裏にあったのかもしれない。 【黒岩省吾@超光戦士シャンゼリオン 死亡】 【残り18人】 △ 暁と、ラブと、石堀は保健室にいた。この保健室は誰かが使った形跡があり、おそらくずっと前に誰かが利用したであろう事は明白であった 間もなく、22時に差し掛かろうとしている。暁は、そこにあるものを適当に使って、石堀に消毒してもらっていた。 しかし、そんな暁はきっと、石堀の横顔を疑っているに違いない。 ──彼は何かを企んでいる。今は大丈夫だと言われたが、そうらしい。 それが真実だというのなら、暁はラブが殺される前に守らなければならない。 「……どうやら、こちら側には誰もいないみたいだな。……どうする? 警察署に向かうしかないが、そのためには遠回りをする必要があるかもしれない」 「あ、ああ……」 石堀は、何ら変わらぬ姿であった。暁が石堀を疑っている事にも気づいていないようである。綿密に、普通の人間としての作戦を立てている。 「禁止エリアっていうのがどういうものなのかにもよる、よな……」 暁は、本当に何事もないように話しかけた。石堀を警戒しながら。 しかし、どこか黒岩の言葉も信じきれないまま。 『9.6秒、か。…………暁、それを言うなら『俺達は』だろ』 不意に、暁の脳裏に浮かぶ、ダグバを倒した時の一言。 本当にこいつが……。 たまに冗談を言ってくる、この普通の冴えない男が、黒岩を操るほどの力を持っているのか……。 そして、いつか機を見て、ラブに教えなければならない。 ────そうだ。 そのうち、二人きりになるチャンスがある。 それは今じゃないかもしれないが、いつか、そう「デート」という権利が残っている。 それを使う時がいつか来る。ただのデートじゃない。石堀光彦の不穏さを教えるひと時だ。 デートは誰にも邪魔されない。特に、男にそれを邪魔する資格はない。 いずれにせよ、暁は体を治療すると、立ち上がった。 それから、警察署に行く方法。 これは、禁止エリアを避ける場合、F-6の橋を通って、また森を抜けて警察署に向かわねばならないわけだが、果たしてどうするべきか。 もしかすれば、G-8とF-9の僅かな道を抜ければ、辛うじてすぐに向こうに行けるかもしれない。しかし、首輪が爆発するタイミングがわからない以上、そこを通るのは危険だ。 そもそも、もう22時に近い。ラブも欠伸を始めている。そんな中で、わざわざそこに向かう必要があるのだろうか。 彼らがどう決断するのか──それは── 【1日目 夜中】 【G-8/中学校・保健室】 【備考】 ※同エリアの市街地にある東せつなの遺体のもとには、カオルちゃん特製ドーナツ@フレッシュプリキュア!が供えられました。 ※黒岩省吾の遺体は消滅しました。付近には彼の所持品のデリンジャーがありますが、全弾使用済です。 【涼村暁@超光戦士シャンゼリオン】 [状態]:疲労(中)、胸部に強いダメージ(応急処置済)、ダグバの死体が軽くトラウマ、脇腹に傷(応急処置済)、左頬に痛み [装備]:シャンバイザー@超光戦士シャンゼリオン、モロトフ火炎手榴弾×3 [道具]:支給品一式×8(暁(ペットボトル一本消費)、一文字(食料一食分消費)、ミユキ、ダグバ、ほむら、祈里(食料と水はほむらの方に)、霧彦、黒岩)、首輪(ほむら)、姫矢の戦場写真@ウルトラマンネクサス、タカラガイの貝殻@ウルトラマンネクサス、八宝大華輪×4@らんま1/2、スタンガン、ブレイクされたスカルメモリ、ランダム支給品0~5(ミユキ0~2、ほむら0~1(武器・衣類ではない)、祈里0~1(衣類はない)、黒岩0~1) 、スーパーヒーローマニュアルⅡ [思考] 基本:加頭たちをブッ潰し、加頭たちの資金を奪ってパラダイス♪ 0:石堀を警戒。石堀からラブを守る。表向きは信じているフリをする。 1:石堀やラブちゃんと一緒に、どこかに集まっているだろう仲間を探す。 2:別れた人達が心配、出来れば合流したい。 3:あんこちゃん(杏子)を捜してみる。 4:可愛い女の子を見つけたらまずはナンパ。 5:変なオタクヤロー(ゴハット)はいつかぶちのめす。 [備考] ※第2話「ノーテンキラキラ」途中(橘朱美と喧嘩になる前)からの参戦です。 つまりまだ黒岩省吾とは面識がありません(リクシンキ、ホウジンキ、クウレツキのことも知らない)。 ※ほむら経由で魔法少女の事についてある程度聞きました。知り合いの名前は聞いていませんでしたが、凪(さやか情報)及び黒岩(マミ情報)との情報交換したことで概ね把握しました。その為、ほむらが助けたかったのがまどかだという事を把握しています。 ※黒岩とは未来で出会う可能性があると石堀より聞きました。 ※テッカマン同士の戦いによる爆発を目にしました。 ※第二回放送のなぞなぞの答えを知りました。 ※森林でのガドルの放送を聞きました。 ※第三回放送指定の制限解除を受けました。彼の制限は『スーパーヒーローマニュアルⅡ』の入手です。 ※リクシンキ、ホウジンキ、クウレツキとクリスタルステーションの事を知りました。 【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、左肩に痛み、精神的疲労(小)、決意、眠気 [装備]:リンクルン@フレッシュプリキュア! [道具]:支給品一式×2(食料少消費)、カオルちゃん特製のドーナツ(少し減っている)@フレッシュプリキュア!、毛布×1@現実、ペットボトルに入った紅茶@現実、巴マミの首輪、工具箱、黒い炎と黄金の風@牙狼─GARO─、クローバーボックス@フレッシュプリキュア! 基本:誰も犠牲にしたりしない、みんなの幸せを守る。 1:どこかに集まっているだろう仲間を探す。 2:マミさんの遺志を継いで、みんなの明日を守るために戦う。 3:プリキュアのみんなと出来るだけ早く再会したい。 4:マミさんの知り合いを助けたい。もしも会えたらマミさんの事を伝えて謝る。 5:犠牲にされた人達のぶんまで生きる。 6:ダークプリキュアとと暗黒騎士キバ(本名は知らない)には気をつける。 7:どうして、サラマンダー男爵が……? [備考] ※本編終了後からの参戦です。 ※花咲つぼみ、来海えりか、明堂院いつき、月影ゆりの存在を知っています。 ※クモジャキーとダークプリキュアに関しては詳しい所までは知りません。 ※加頭順の背後にフュージョン、ボトム、ブラックホールのような存在がいると考えています。 ※放送で現れたサラマンダー男爵は偽者だと考えています。 ※第三回放送で指定された制限はなかった模様です。 【石堀光彦@ウルトラマンネクサス】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、21時半ごろから2時間予知能力使用不可 [装備]:Kar98k(korrosion弾7/8)@仮面ライダーSPIRITS、アクセルドライバー+ガイアメモリ(アクセル、トライアル)+ガイアメモリ強化アダプター@仮面ライダーW、エンジンブレード+エンジンメモリ+T2サイクロンメモリ@仮面ライダーW 、コルトパイソン+執行実包(2/6) 、ロストドライバー@仮面ライダーW [道具]:支給品一式×3(石堀、ガドル、ユーノ、凪、照井、フェイト)、メモレイサー@ウルトラマンネクサス、110のシャンプー@らんま1/2、ガイアメモリ説明書、.357マグナム弾(執行実包×18、神経断裂弾@仮面ライダークウガ×4)、テッククリスタル(レイピア)@宇宙の騎士テッカマンブレード、イングラムM10@現実?、火炎杖@らんま1/2、血のついた毛布、ランダム支給品2~8(照井1~3、フェイト0~1、ガドル0~2(グリーフシードはない)、ユーノ1~2)、暁が図書室からかっぱらってきた本 [思考] 基本:今は「石堀光彦」として行動する。 0:「あいつ」を探す。そして、共にレーテに向かい、光を奪う。 1:今は暁とラブの二人を先導しながら街を進む。 2:どこかに集まっているだろう仲間を探す。 3:周囲を利用し、加頭を倒し元の世界に戻る。 4:孤門や、つぼみの仲間、光を持つものを捜す。 5:都合の悪い記憶はメモレイサーで消去する 6:加頭の「願いを叶える」という言葉が信用できるとわかった場合は……。 7:クローバーボックスに警戒。 [備考] ※参戦時期は姫矢編の後半ごろ。 ※今の彼にダークザギへの変身能力があるかは不明です(原作ではネクサスの光を変換する必要があります)。 ※ハトプリ勢、およびフレプリ勢についてプリキュア関連の秘密も含めて聞きました。 ※良牙が発した気柱を目撃しています。 ※つぼみからプリキュア、砂漠の使徒、サラマンダー男爵について聞きました。 ※殺し合いの技術提供にTLTが関わっている可能性を考えています。 ※テッカマン同士の戦いによる爆発を目にしました。 ※第二回放送のなぞなぞの答えを知りました。 ※森林でのガドルの放送を聞きました。 ※TLTが何者かに乗っ取られてしまった可能性を考えています。 ※第三回放送指定の制限解除を受けました。予知能力の使用が可能です。 ※予知能力は、一度使うたびに二時間使用できなくなります。また、主催に著しく不利益な予知は使用できません。 ※予知能力で、デュナミストが「あいつ」の手に渡る事を知りました。既知の人物なのか、未知の人物なのか、現在のデュナミストなのか未来のデュナミストなのかは一切不明。後続の書き手さんにお任せします。 【支給品解説】 【スーパーヒーローマニュアルⅡ@オリジナル】 ゴハットが新たに制作した、スーパーヒーローマニュアルの第二作。 涼村暁に手渡されたこのスーパーヒーローマニュアルは、平成のヒーローっぽい名言やポーズが記されている(ヒーローの名前や姿は記されておらず、あくまで、あのヒーローやあのヒーローっぽい台詞などが載っているだけ)。その点では基本的に「Ⅰ」と同じであるものの、少しスタイリッシュでクールな新時代のヒーローの台詞などが描かれている。 また、シャンゼリオンのスペックも特別に掲載されており、リクシンキ、ホウジンキ、クウレツキの呼び方が書いてある。 【施設紹介】 【クリスタルステーション@超光戦士シャンゼリオン】 A-10エリアの海上に出現。 リクシンキ、ホウジンキ、クウレツキの三体の超光騎士を内蔵したS.A.I.D.O.C.の秘密基地。 ただし、初登場時と同じく、電気が通っていないので、何らかの手段で高圧電流を流さなければ不可能。 本当に最終回までに超光騎士を呼べるのか…?大いに疑問。 【忘却の海レーテ@ウルトラマンネクサス】 F-5エリアの山頂に出現。 来訪者たちの技術で作られた大型記憶消去装置。スペースビーストの記憶が更なる災厄を招かないよう、世界中の人間のウルトラマンとビーストの記憶を消し去り、その恐怖の記憶を封印した場所である。人々のマイナスエネルギーを溜めこんでいるため、ここを媒介として、石堀はデュナミストの憎しみを利用して光を奪い、闇に還元する事ができる。 ポテンシャルバリアーと呼ばれる防御壁があり、それが市街地にビーストを出現させる事を防いでいたが、今回のポテンシャルバリアーの状態は不明。どちらにせよ、今回は突破されてもビーストは出現しないかもしれない。 時系列順で読む Back 黒岩、死す!勝利のいちご牛乳(前編)Next 壊れゆく常識 投下順で読む Back 黒岩、死す!勝利のいちご牛乳(前編)Next 壊れゆく常識 Back 黒岩、死す!勝利のいちご牛乳(前編) 涼村暁 Next ラブのラブレター! 驚きの正体!? Back 黒岩、死す!勝利のいちご牛乳(前編) 桃園ラブ Next ラブのラブレター! 驚きの正体!? Back 黒岩、死す!勝利のいちご牛乳(前編) 石堀光彦 Next ラブのラブレター! 驚きの正体!? Back 黒岩、死す!勝利のいちご牛乳(前編) 黒岩省吾 GAME OVER Back 黒岩、死す!勝利のいちご牛乳(前編) 加頭順 Next 第四回放送Y(前編) Back 黒岩、死す!勝利のいちご牛乳(前編) ゴハット Next 怪奇!闇生物ゴハットの罠
https://w.atwiki.jp/momoiroichigo/pages/2.html
メニュー トップページ? メニュー メニュー2
https://w.atwiki.jp/midrex/pages/10.html
関連ブログ @wikiのwikiモードでは #bf(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するブログ一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_161_ja.html たとえば、#bf(ゲーム)と入力すると以下のように表示されます。 #bf
https://w.atwiki.jp/yuuki_asami/pages/5.html
まとめサイト作成支援ツールについて @wikiにはまとめサイト作成を支援するツールがあります。 また、 #matome_list と入力することで、注目の掲示板が一覧表示されます。 利用例)#matome_listと入力すると下記のように表示されます #matome_list
https://w.atwiki.jp/midrex/pages/6.html
更新履歴 @wikiのwikiモードでは #recent(数字) と入力することで、wikiのページ更新履歴を表示することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_117_ja.html たとえば、#recent(20)と入力すると以下のように表示されます。 取得中です。