約 3,953,123 件
https://w.atwiki.jp/ffdqchat/pages/44.html
ククール マイエラ修道院の聖堂騎士団一の問題児。 聖職者でありながらイカサマポーカーで荒稼ぎしたり、女性をナンパしたりするのが好き。 虐げられ続けた幼少時代がありながら、腹違いの兄のことを常に心配している。 ネタ中では、兄のマルチェロやクリフトによく振り回されている。 DQキャラが雑談スレでは、ガンダムネタ-特に赤い彗星の話題がでることが多い。ククール自身も、赤い服を着ているからだろうか。
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/409.html
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/563.html
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/329.html
https://w.atwiki.jp/itaspo/pages/7.html
01 ドラキー 方向てんかんできる 02 ベビーパンサー もう1回すすむ! 03 キメラ チャンス以外の好きなところにワープ 04 ベホマスライム だれかに100Gあげる! 05 ホークマン 好きなお店か空き地に行ける! 06 ドラゴンライダー 好きなチャンスに行ける! 07 じごくのハサミ 大ラッキー!お店の値段が7%アップ! 08 キラーパンサー 全店3割増しデー!もう1回すすむ! 09 きとうし 全店にラリホー! もう一回すすむ! 10 ゴースト 全店半額デー!もう1回すすむ! 11 キングスライム いただきチャンス 出た目の11倍みんなからもらう!! 12 メタルスライム 増資チャンス!好きなお店に増資できます! 13 りゅうおう ちょー悲惨! お店の値段が13%ダウン! 14 ホイミスライム 悲惨! みんなに30Gずつあげる!! 15 キングスライム いただきチャンス 出た目の50倍もらえる! 16 メタルキング 景気回復!3エリアの景気が回復します。 17 おどるほうせき ボーナス!賞金の半分がもらえます! 18 きりさきピエロ ぎんこう城に2倍の値段でお店を売る! 19 よるのていおう 深夜料金! 20 ラムウ ポーション!好きなお店の値段が20%アップ! 21 ビスマルク どこかの株を20株もらえる! 22 ゴブリン 2倍で払いもどしチャンス! 23 ジハード ハイポーション!好きなお店の値段が50%アップ! 24 サンドウォーム ぎんこう城に値段+200Gでお店を売る! 25 オーディン アンラッキー!お店の買い物料が半額! 26 ケット・シー 超ラッキーチャンス!分け前がいっぱいもらえます! 27 マディン 特別収入!どこかお店一軒につき27Gもらえる! 28 トルネコ トルネコがやってきた 29 シルバーデビル ほかの 人のいる好きなところへワープ 30 ブリザード 国民の100Gきんいつデー。もう1回すすむ。 31 はぐれメタル どこかのエリアのお店の値段が10%値上がり 32 ギガンデス どこかのエリアのお店の値段が20%値上がり 33 どろにんぎょう 3倍で払いもどしチャンス 34 ミミック あまいいき!いきなり休日! 35 カンダタ 好きな株を35%高く売れる 36 ゴールドマン 増資チャンス!100G払って増資できます! 37 グリズリー どこかのエリアのお店の値段が30%値上がり! 38 ケフカ 好きな株を10%高く買える。 39 プリン だれかに50Gあげる 40 リヴァイアサン リヴァイアサン!大洪水が発生! 41 アルミラージ どれかの株が10%値下がり! 42 くびかりぞく どれかの株が20%値下がり! 43 ばくだんいわ 資産税!持ち株x2G払う! 44 アークデーモン イオナズンをとなえた! 45 さまようよろい 事業税!お店1軒につき20G払う! 46 くさったしたい 臨時支出!150Gの支払い。 47 ヘルバトラー パルプンテをとなえた! 48 スライムナイト どこかのエリアのお店の値段が10%値上がり! 49 ドラゴン どこかのエリアのお店の 値段が 20%値下がり! 50 アーリアン いますすんだ数だけもう1回すすむ! 51 サハギン あと1つすすむ! 52 ズー あと2つ すすむ! 53 魔列車 ぎんこう城へワープ! 54 キマイラ 現金100Gでぎんこう城に行ける! 55 コカトリス 無料招待サービスつきでもう1回すすむ! 56 まどうアーマー 半額割りびきサービスつきでもう1回すすむ! 57 サボテンダー 好きな場所へワープ 58 ティポーン 現金100Gでチャンス以外へワープできる! 59 アダマンタイマイ 好きな株を10%安く買える! 60 モルボル どれかの株が10%値上がり 61 ボム 株に10%の配当がつきます! 62 マザーボム 株に20%の配当がつきます! 63 カーバンクル どれかの株が20%値上がり 64 アルテマウェポン どれかの株が30%値上がり! 65 クアール 5倍買いチャンス! 66 タイタン 一番高い 株を 10株 もらえる! 67 しんりゅう 好きな 株が 買える! 68 ブラウニー スーパーハイテンション! 69 ゴーレム 好きな株を20%高く売れる! 70 バハムート いきなりレベルアップ!賞金がもらえます! 71 イフリート 臨時収入! 72 キリン 援助金!お店1軒につき20Gもらえる! 73 オメガ お店買い取りチャンス! 74 キラーマシン 自分のお店を2倍の値段で競売に出す! 75 キングレオ 2倍の値段でお店買取チャンス! 76 わらいぶくろ お宝を発見!500Gで売れました! 77 ブオーン すべてのエリアの株を5株ずつもらえる! 78 ももんじゃ +200Gでお店買取チャンス! 79 やまたのおろち 3倍買いチャンス! 80 かまいたち 建設ラッシュ! 81 きめんどうし メダパニをとなえた! 82 いたずらもぐら なんとラックのたねを見つけた! 83 ヘルコンドル バシルーラをとなえた! 84 ベヒーモス メテオをとなえた! 85 デブチョコボ 超いただきチャンス!出た目の100倍もらえる! 86 マジックポット むりやりプレゼント!みんなから100Gもらう! 87 ユニコーン お店の値段トリプルスロット! 88 オルトロス テレポをとなえた! 89 アレクサンダー どこでもカード台風 90 トンベリ 全店深夜料金! 91 エーコ エーコ登場! 92 ベビーサタン ベビーサタンがあらわれた! 93 シヴァ 株の値段トリプルスロット 94 てつきょじん 建築王! 95 ギルガメッシュ パーティするから全員集合! 96 アトモス 自分以外のだれかのところへ緊急集合! 97 フェニックス 好きなエリアの株を20%上げる! 98 シルドラ 4倍買いチャンス! 99 メーガス三姉妹 ラッキープレゼント!中身はな~に? 100 チョコボ どこでもカードを1枚もらえる!
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/318.html
ゼシカを抱えて部屋に戻ってきたククールは、腕の中で泣き疲れてぐったりとしている彼女を そっとベッドに乗せ、背もたれにもたれさせるようにしてやった。 うつむいたまま、ゼシカは身動き一つしない。チラリと見えた濡れた目元は、真っ赤に染まり、痛々しい。 ククールは宿屋の主人から氷水とタオルを借りると、ベッドに腰掛け顔をのぞきこんだ。 頬に触れ、顔を上げさせようとすると、ゼシカは子供のように顔をイヤイヤと振った。 「冷やさねぇと腫れるだろ」 それでもしばらくククールの手を拒んで小さく暴れていたが、やがてまた力を失ったように動きを止めた。 顔を上向かせると、ゼシカは眉根を寄せてギュッと耐えるように目をつぶる。 ククールは赤くなった目元を拭き、冷たいタオルをしばらくそこにあてがって熱をとる行動をくり返した。 その間も、されるがままでありながらもゼシカはキツく瞳を閉じたままで、 決して目の前のククールを見ようとはしなかった。 一通りの処置が済むと、ククールは頬に触れた手はそのままに、優しい声音でゼシカ、と名を呼んだ。 ゼシカの身体が震えた。ククールは彼女が反応するまで、何度も何度も呼びかける。 やがて、ゼシカは突然横を向き、頬に触れている手を離し ひじでククールを押しのけた。 そして再びうつむき、右手を胸元で握り、もう片手でシーツを強く掴んだ。 「………。―――どう…して」 あんなこと、と。 ほとんど聞き取れないほどの掠れた声に、ククールは少しだけ黙り、静かな表情のまま答える。 「ホントにわからないか?」 その声がとても穏やかで優しく聞こえて、ゼシカは自分がいけないことを聞いてしまったような気持ちになった。 「………わかる、けど」 でも、と、握る手に力をこめる。 「…どうしてあんなに怒ったのか…わからない」 「今も怒ってるよ」 ゼシカは思わず顔を上げてククールを見た。しかし言葉とは裏腹に、彼の表情は風のない波のように静かで。 「………どうして…?」 混乱しているのは自分ばかりで、ゼシカは彼に置いて行かれたような気がして泣きそうになる。 ククールはそんなゼシカをじっと見つめていた。そして、やがて小さな誓いを立てるように、厳かな声で告げた。 「―――ゼシカが大事だからだ」 あまりにストレートな口説き文句にふいうちをくらい、一瞬の間を置いて、ゼシカの頬がボッと赤くなる。 ククールはそんな幼いゼシカに、小さく苦い笑みをこぼした。 「………お前が大事すぎて、大事すぎて、自分でも戸惑ってる」 まっすぐゼシカの目を見つめながら、ククールはゆっくりと己の胸の内を吐露する。 「こんな感情はじめてだからさ。どうしたらいいのか持て余してる」 今まで女の子に対して、守るだの大切だの好きだのと散々口にしてきたものの、 本気でそう思ったことなど一度もなかった。己の存在が常に倦厭されていたあの修道院の中で、 いつでも心を冷たく低い位置に置いて、感情を荒立てたり表に出すことなど、滅多にしなかった。 こんなに心が振り回され制御すらできなくなるなんて、自分でも信じられないくらいだ。 「ゼシカが薄汚い連中に触れられると思っただけで、簡単に理性なんかふっ飛ぶ」 そう言ったククールの目に、ふいに激しい色が宿り、ゼシカはビクリと身体を強ばらせた。 脳裏に急激に蘇る、今とはまるで別人のように自分を手荒く扱った彼の顔。ついさっきのことだ。 思い出すだけで血の気が引くくらい脅えてしまう。 「………でも」 ゼシカは力無く目を伏せた。 「でも、大事だからって………―――あんなことして、いいの?」 その言葉にククールの動きが止まった。 手元のシーツを色を無くすほどに握っているゼシカの指。全身が細かく震えている。 ククールはすっと目を細めた。こんな彼女を見ても、罪悪感のわかない自分が不思議だった。 「………怖かった?」 「………………こわかった………」 当たり前じゃない、という弱々しい呟きに、ククールは自分が彼女にした酷い行いを思い起こした。 謝ってしまえば、いいのだろう。ごめんごめん、なんか我を忘れちまってさ。なんでもするから許してくれよ。 そんな風にいつも通り、手の早い軽薄な男を演じれば、丸く収まるのはわかっていた。 ゼシカも本当はそれを望んでいた。謝ってくれればそれでいいのに。彼が謝って自分は怒り彼にお仕置きして、 それでいつもの2人に戻れる。元通りの自分達に戻れればいいだけなのに、と。 ―――わかっていてもククールは、謝る気にはならなかった。 「………ゼシカが感じた、恐怖とか。脅えとか。それは、オレがいつもいつも抱えてるものだよ」 「え…?」 「お前がいつ危ない目にあうか、ひどい目にあうか、オレ以外の男にカンタンに触られてないか。 お前がそのかわいい顔で、お色気振りまいて街歩くたびに―――オレは怖くて怖くてたまらねぇんだよ」 それを伝えたかった。だからあんなことをした。100回言うより、一度体験した方が身に沁みてわかるだろう、と。 ゼシカが大きく目を見開く。今にも泣きそうに見えて、ククールはそっと目を逸らした。 非道いことを言ったのはわかっている。しかし敢えてそう告げたのは、それが本心に違いないからだ。あの時 月光の下で暴走した自分の心情は今となってはよくわからないが、多分心の底で確かにそう考えたのだ。 他の男の手でわからせるくらいならオレが―――と。 「………嫌ってほどわかっただろ?男と女の力の差が。自分がどれだけ過信してたのか」 ゼシカは歯をくいしばり、俯いた。 ククールは無言で彼女に手を伸ばす。あからさまにビクッと反応し、反射的に引いた身体を許さず、 未だ握りしめられている彼女の手を強引に掴んだ。 袖をまくると、細い手首にうっすらと残る、自分の遺した跡。そこにそっと触れ、慈しむように撫でる。 そこからゼシカの体温が急激に上がったのがわかった。そして、当然のようにククールはその跡に口づけ、 「………『ホイミ』」 肌の上に唇を滑らせながら呪文を唱えると、ほのかな光が拡散し、痛々しい痣が消えていった。 ゼシカは真っ赤な顔でそれを見つめている。 どうしようもなく戸惑っている眼差し。怒るべきなのか、どうすればいいのか、わからないのだろう。 ククールは静かに立ち上がった。ゼシカがハッと見上げる。じゃあな、と告げる背中に、ゼシカは思わず叫んでいた。 「ヤだ…ッ、………ククール!!」 こんなに混乱しているのに、一人にしないで。ゼシカの心は不安と心細さで一杯だった。 しかし、ククールはとても切なそうな微笑を浮かべて彼女を振り返る。 ベッドの上で、自分にすがるような目を向けるゼシカ。 このオレに。―――君に乱暴した、この男に、だ。 あり得ねぇよゼシカ。ククールは心の中で、諦めたように笑いをこぼす。 「………ゼシカをこれ以上傷つけたくないんだよ」 ゼシカは何か言いたそうに口唇を開いたが、ククールは再び背を向け、部屋を出ていった。 取り残されたゼシカは、そっと手首に触れた。今自分が彼に何を言おうとしたのか、自分でもわからない。 ククールに噛まれた首筋がチクリと痛み、瞳を歪めた。
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/313.html
栄えている街とはいえ、大通りを外れた裏路地はやっぱり人通りもないし、いい雰囲気ではない。 でも宿屋までの道はこっちが近道だから、と、ゼシカはその薄暗い路地を足早に歩いていた。 ―――何気なく視線を上げた瞬間、狭い道の先に立ちはだかる人影にギクリとして立ち止まる。 どんな明るい街にだって、悪い連中は必ずいる。陽も落ちて、しかもここは民家とは離れたさびれた路地裏。 声を上げても誰にも聞こえないかもしれない。どうしよう、ゼシカは焦った。どうしてこんな時に限って。 影が、無言でザッと足音を立てて近付き、反射的に身体がビクッと震えた。 さらに一歩。ゼシカの足も、それと同時に後ろにさがる。しかし恐怖が先に立ち、逃げ出すことすらできない。 凍り付いたように動けなくなったゼシカをよそに、影は最後の一歩を大きく踏み出しゼシカの目前に迫った。 「………………ククール?」 呆然とその名を口にする。ろくな明かりのない路地ではその赤い制服が漆黒に見えて逆に恐怖心を煽ったが、 近くで確認すれば見間違えるはずもない、それはククールだった。一応は、ゼシカにとっての騎士である。 ゼシカははーーっと大きな息をはいた。 「驚かさないでよもう…心臓止まるかと思ったじゃない」 怒るより安堵が先にきて、文句を言いながらも胸をなで下ろす。 と、下げた視線の先、ククールの左手に握られたレイピアを見てぎょっとする。 ―――血が。 「なに…どうしたの?モンスターでもいたの?」 怪訝な顔で尋ねるゼシカに、ククールは薄い笑みを浮かべたまま あぁ、と呟いてレイピアをヒュッと空中で切った。 小さく飛散する血痕を気にもせず、それを鞘に戻す。ゼシカは不穏なものを感じて無言で彼を見上げた。 「…別に?」 ククールは笑ったままだ。 なんだろう…何か、変だ。このタイミングでククールが現れてくれて、これ以上の安心はないはずなのに。 未だに不安感が去らないのは。 ゼシカは理由のわからない居心地の悪さに耐えきれなくなり、意を決してククールの脇を通り抜けようとした。 「………何もないなら帰りましょう。いつまでもこんな―――」 しかし言いかけた言葉と同時に、ゼシカの足が突然止まった。 ククールがゼシカの腕を捕らえ、両肩を押さえてあっと言う間に壁際に押しつけたからだ。 余りにもいきなりすぎて声も出ないゼシカ。微笑を崩すことのないククール。 しばらくそのままで、お互い身じろぎひとつしなかった。 見慣れているはずの彼の笑みが、今のゼシカには凄味をたたえた悪魔の笑みに見える。ゼシカの喉がゴクリと鳴った。 「………………ゼシカ」 「………………ゃ、やだ、なにクク―――」 「お前武器は?」 え?と声がもれる。脈絡のない問いに、震えそうな声をなんとか抑えてゼシカは答える。 「武器…は、置いてきた、わ。宿に」 「ふぅん」 自分で聞いておきながらどうでもいいような返事を返したと思ったら、何の前ぶれもなくいきなりククールは ゼシカの口唇を奪った。しかもなんの気遣いも優しさも技巧もない、力任せの強引な。 あまりの衝撃に一瞬頭が真っ白になっていたゼシカは、ハッと我に帰り渾身の力をこめて彼の頬を張った。 「―――なにす………!!!!」 「メラしねぇんだ」 沸騰しそうな怒りをサラリと流して、ククールはからかうようにそう言った。ゼシカが目を見張る。 彼の言いたいことが見え、わなわな、と拳が震えた。バカにされているんだ。 「………おあいにく様。MPなら少しは残ってるわ、―――アンタみたいな男を撃退するためにね!!」 怒りの余り抑えつけられた肩を引きはがして、ゼシカは指に炎を灯した。 一発のメラくらいならまだ撃てる。間近で黒焦げにしてやる。 しかし、その時ククールが素早く唱えた呪文は。 向けられた手の平がかすかな光を放ったと思った瞬間、ゼシカの炎はたちまち消滅した。 そして、なぜか凄まじい脱力感がゼシカを襲う。支えをなくしてフラ、と倒れかけたところを、 再びククールに捕らえられてしまう。今度は両手首を押さえられ、両足の間に下半身を挟まれる形で。 さっきよりももっと身体を密着させられて、ゼシカは怒りと羞恥で顔を赤く染めた。 「…ッ、なんなのよ…ッ、離しなさいよ!!」 なんて力なんだろう。いつものヘラヘラした、そしてフェミニストな彼からは想像もつかないほど、 容赦なくギリギリとこめられる力。まるで憎まれているようだ、とすら思う。 ゼシカが藻掻くのを楽しんでいるかのようなククールの表情に、ゼシカの心にまた不安が蘇ってくる。 ―――やっぱり、いつもとちがう。 「………ゼシカちゃん、思いっきし力こめてさっきのビンタ?」 ククールが耳元でおかしそうに囁く。 「全然痛くねぇよ、ゼシカ」 「………ッククール!!」 ついにゼシカは弱音をもらすように彼の名を叫んだ。どうしちゃったの?しかしククールは薄笑いをやめない。 「武器もなくて、女の細腕で殴ったってあんな程度で、おまけに頼みの綱の魔法も…取られちまったしなぁ?」 ハッと気付く。さっきかけられた魔法は、あれは…マホトラだ。わずかに残しておいたMPを吸い取られたのだ。 ―――どうしてそんなことするの? どうしてそんなことまで。 ゼシカの瞳に今度こそはっきりと恐怖が浮かぶ。そして脅えが。 途端、ククールの手が、折れそうな強さでゼシカの手首を強く握った。 「―――何フラフラしてんだよこんな所で!?武器も持たねぇで何やってんだよお前は!?!?」 まさに堰を切ったように。 ククールの秘められていた怒りが一気にゼシカにぶつけられる。ゼシカは驚きすぎて声も出ない。 「…オレは前から言ってるよな、てめぇの無自覚さ自覚しろってさ。もっと用心して警戒しろって。 世の中には腕の立つ奴も、ある程度魔法が使える奴も、呆れるくらい悪知恵の働く奴もいくらでもいるんだよ」 ますます強められる手の力に、ゼシカは本気で顔を歪める。 「なのにコレかよ。なんでそうなんだよ。馬鹿かお前は。オレがどんだけ」 「…ッ、………クク…」 ククールの本心を知っても、ゼシカの胸から不安はぬぐい去れなかった。 いつもとちがう。その感覚だけは今も感じている。ククールが、追いつめられているみたいに余裕がない。 だって、だって、来てくれたじゃない。そうでしょ?だからもういいじゃない。 なのにどうしてそんなに怒るの? そう、彼はものすごく怒っている。今まで見たことがないレベルで、本気で。 ゼシカの鎖骨あたりに額をつけ、脱力して凭れかかっているのに手首を拘束する力だけは強くなる一方で… とにかく、ごめんなさい、とか細い声を出すことしかできなかった。確かに悪いのは自分だ。 しかし次の瞬間肩に走った痛みに、ゼシカは小さく悲鳴を上げた。そしてそのまま強く吸われる感触。 肩口を噛まれ、そして跡をつけられたのだ。 混乱するばかりのゼシカの耳に直接、ククールの低い低い囁きが注ぎ込まれる。 「―――オレを、知らない男だと思えよ。そうしたらわかるだろ?自分の愚かさが」 それはゾッとするほどに甘い声で。 全身に鳥肌が立った。 獰猛な目をした彼の背後に、突き刺すような光を放つ満月が、異様な大きさで存在している。 もうゼシカには、今自分を蹂躙しようとしている目の前の男が、まさに見知らぬ暴漢にしか見えなかった。
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/325.html
362名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/05(月) 01 07 29 ID 25K+XBZa0いやあ平和だねえ… , -=- 、 ,、 ,ヘ ,i", -v-w} ,「"^ ヘ ケ、 ,'メ" ´∀`) <,,r'´メ゚Д゚)兄貴、ゼシカの姉ちゃんが ( つ旦O ( つ旦O ククールのやつにさらわれてったでげす と_)_)マターリと_)_) , -=- 、ズズ…| -∧,、 ,i", -v-w} ,ヘ,(7ヾ> ,'メ" ´◎`) (゚Д゚メ'ノ ( ゙ノ ヾ (つ旦と) ,と_)_) と_)_) ほっとこう , -=- 、 ,、 ,ヘ ,i", -v-w} ,「"^ ヘ ケ、 …そうでがすな ,'メ" ´∀`) <,,r'´メ゚Д゚) ( つ旦O ( つ旦O と_)_) と_)_)
https://w.atwiki.jp/itaspo/pages/5.html
現在のところ判明しているBGM ★メニュー DQ2 LOVE SONG探して(復活の呪文のBGM) ★コレクション FF11 Mog House(モグハウスの曲) ★景品交換所 SFC版DQ3 ブギウギ(すごろく場の曲) ★バトルロード DQ8 対話(街のBGM) ★順番決めスロット、競売 FF9 ジタンのテーマ ★株購入時 FF7 ケット・シーのテーマ ★チャンスカード FF4 飛空艇 ★カジノ ☆VSメタル DQ4 栄光への戦い(通常戦闘曲) ☆いただきスロット DQ4 楽しいカジノ(カジノの曲) ☆チョコボの森 FF2 イタすとdeチョコボ ☆バトルコロシアム FF4 バトル2(中ボス戦闘曲) ★ラダトーム城 DQ1 ラダトーム城 DQ1 戦闘~竜王(通常戦闘曲~最終戦闘曲) ★ラーミア DQ3 おおぞらをとぶ(ラーミアの曲) DQ8 おおぞらに戦う(最終戦闘曲) ★クリスタルタワー FF3 悠久の風(フィールドの曲) FF3 バトル1(通常戦闘曲) ★古代図書館 FF5 古代図書館(古代図書館の曲) FF5 バトル2(中ボス戦闘曲) ★世界樹 DQ5 地平の彼方へ(フィールドの曲) DQ5 戦火を交えて(通常戦闘曲) ★聖風の谷 DQ3 街(街の曲) SFC版DQ3 戦いのとき(バラモス戦の曲) ★魔列車 FF6 幻獣を守れ!(イベント曲) FF6 決戦(中ボス戦闘曲) ★リーザス像の塔 DQ8広い世界へ(フィールドの曲) DQ8 雄叫びをあげて(通常戦闘曲) ★オペラ劇場 FF6 アリア(オペラ劇場でセリスが歌う曲) FF6 戦闘(通常戦闘曲) ★ビサイド・キーリカ FF10 ザナルガンドにて(FFXメインテーマ) FF10 召喚獣バトル(ラスボス2戦目) ★空中都市ビュエルバ FF12 東ダルマスカ砂漠(東ダルマスカ砂漠の曲) FF12 ボス戦(中ボス戦の曲) ★ダーマ神殿 DQ3 冒険の旅(フィールドの曲) DQ3 勇者の挑戦(ゾーマ戦の曲) ★飛空艇 FF9 飛空艇ヒルダガルデ(飛空艇の曲) FF4 バトル1(通常戦闘曲) ★聖地ゴルド DQ8 大聖堂のある街(サヴェッラ大聖堂の曲) DQ8 難関を突破せよ(中ボス戦闘曲) ★優勝決定 DQ1 フィナーレ(エンディング曲) ★トーナメントリザルト FF11 Unity(プロマシアの呪縛タイトル画面の曲) ★エンディング プレリュード(FF)~そして伝説へ(DQ3エンディング曲)
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/320.html
医者は、過度の貧血と食べていなかったことによる体調不良、そこから少し風邪をひいたのだと診断した。 栄養と休養をしっかりとれば心配はいらない、と言われ、一同はホッと息をつく。 ゼシカが倒れたとのトロデの叫びに、誰よりも早くその場にかけつけたのは血相を変えたククールだった。 しかし今は部屋の壁際で、腕を組んで突っ立ったまま、眠る彼女に近付こうとはしない。 「………熱があるね…」 エイトがゼシカの額に手を置いて、かわいそうに、と呟く。よく冷えたタオルをしぼって、額にのせる。 ゼシカの口から、か細い息がもれた。隣でヤンガスも心配そうに眉をひそめている。 しばらくしてエイトは、彼女をここに運び込んでから一度も口を開いていないククールを振り返った。 「―――ほらククール、いつまでうらやましそうに見てるのさ。ここからは君の仕事だろ」 「………誰がうらやましいって………」 「いいからつべこべ言わない。それよりゼシカに言うべきことがあるだろ。 ぼくらは出るから、一睡もせずにちゃんと看病するんだよ。いい?」 エイトの容赦ないパキパキした物言いに、険悪な表情をのぞかせたククールは思わず押し黙った。 こんな時のエイトに逆らってはいけないのはわかってる上に、明らかにこちらの劣勢だ。言い訳の余地はない。 用があったらいつでも呼んでとだけ言い置いて、エイト達はぞろぞろと部屋を出て行った。 ククールは溜めこんでいた息をはぁっと吐き出した。 そっとベッドの傍に寄る。今は落ち着いているのか、少し息は荒いものの穏やかに眠るゼシカの顔を覗き込む。 触れることに怯えている自分がいた。少しでも自分の手が彼女に触れれば、彼女を汚してしまう気がして。 伸ばした手が震える。一度引っ込めた手を、もう一度おそるおそる頬に伸ばした。 ふぅ…と、ゼシカが息をもらす。 ククールは無意識のうちにベッドの端に腰掛けると、両手でその頬を包み込んでいた。 「………ゼシカ………」 閉じられたまぶたに口づける。 熱で汗ばんだ彼女の両手を握りしめ自分の額に押しつけながら、祈るように呟いていた。 「――――好きだ」 * 眠っているわけではないのに意識が朦朧として体の自由がきかない。 あぁ、風邪で倒れるなんて何年ぶりだろう…ずっと小さい頃に雪遊びしすぎて高熱出したなぁ… あのときは…サーベルト兄さんが… ―――かわいそうに――― (兄さん?) ふわりとおでこに何かが触れた。冷たくて気持ちよくて優しくて、懐かしくてたまらない手の平。 あの時も兄さんは、こんな風にずっと傍にいて看病してくれた。 そうだ、私は知っている。私を愛してくれる、男の人の大きな手を。 その力強さは私を怖がらせるものではなく、私を守ってくれるためにあったのだと、ふいに思い出した。 そして――― 次に頬に触れたのは、やっぱり、大きくて、優しくて、冷たいのに熱い手の平。 そしてこの手は、父さんでも兄さんでもない。私を護ってくれる―――騎士の手。 「………ゼシカ………」 名を呼ばれ、意識が徐々に浮上する。 まぶたに熱いものが降り、両手を握られたのがわかる。 「――――好きだ」 そう告げられた瞬間、急速に眠りから覚醒した。 * 目が合った瞬間、ククールは思わずぎょっとして、握っていたゼシカの手を放した。 ゼシカは熱で潤んだ瞳を、まっすぐにククールに向けていた。ククールは無言でそれから目を逸らす。 突然放り出された手をゆっくりと伸ばして、ゼシカはシーツの上の彼の手にそっと手の平を重ねた。 「………ククール」 掠れた声で、それでもしっかりと意志をもって名を呼ぶ。 ククールは突然立ち上がり、「宿の人呼んでくる」と言った。ゼシカは思い切り不満そうに眉をひそめる。 「…どうしてよ」 「…オレじゃない方がいいだろ」 「逃げないで」 ぐっと言葉を詰まらせたのをごまかしきれず、しばらくの躊躇ののち、ククールは諦めて再びベッドに腰かけた。 ゼシカもそろりと起き上がり、もう一度ククールの手に触れた。 「……ククールがいいの」 いつもの強がりな態度など微塵も感じさせない、静かで素直な声音。 ククールはその言葉を嬉々として受け止められず、静かに手を振り払い、片手で顔を覆って大きなため息を吐いた。 「―――お前はオレを信用しすぎてるんだよ」 「…それじゃいけないの?」 「お前、オレに何されたか忘れたの?」 「…忘れるわけないじゃない」 「…ッ、だったら!オレが今ここで、あの時とおんなじことするかもとか 思わねぇの?」 「そんなこと―――」 突然ククールが振り向き、覆いかぶさるようにしてゼシカをベッドに押し倒した。 安ベッドが軋んだ音を立てる。咄嗟に目をつぶるが、そっと見上げた彼の顔は、苦しそうに歪められていた。 「――-オレを、怒れよ。お前を傷つけたオレを怒れ。でないと意味がない。頼むから……」 顔の脇に突かれた両手がかすかにわななき、キツくシーツを掴んでいる。 ゼシカの視線から顔を背けるように、ククールがガクリと頭をたれた。 「――-………オレを、許さないでくれ」 自分がしでかしたことを間違いだったとは思わない。思いたくない。 だからオレは謝らない。謝らなければゼシカもオレを許さない。許されなければこの距離は保たれたままで、 もうあんな狂気じみた真似はしないでいられる。あんな凄まじいまでの欲―――独占欲は、もうたくさんだった。 ゼシカが大切だ。それは変わらない。でも、心乱されるのが怖かった。自分が自分でいられなくなるあの瞬間が。 これ以上傷つけたくない。二度とあんな思いはさせたくない。壊してしまうのが怖いんだ、だから。 頼むから―――オレを、信じないでくれ。 そして、唐突にゼシカは理解した。 ククールを許せないのはククール自身なのだと。ククールが怒っているのは私じゃなくて、自分なのだと。 ククールを信じられないのは、ククールだ。 そして、私の気持ちは――― ゼシカは手を伸ばして、ククールの頬に触れた。 「…ククール。信用してるとかしてないとか関係ないよ。私は自分の甘さとか軽率さとかが、まだわかってない わけじゃないの。誰にでもこうなんじゃないのよ。…ククールだから。あなただから…信じてるの」 ククールが顔をあげ、複雑な表情でゼシカを見る。 「ゼシカ…」 「許してるわ―――最初から」 ククールの顔が泣きそうにゆがんだ。ゼシカはそれを見て、優しく微笑む。 「私本当は、怒ってないし、傷ついてなんかいない。言いたいことはひとつだけなの。やっとそれがわかった」 ゼシカはククールの身体を押し戻しながらゆっくりと起き上がり、 戸惑いを隠せなくて苦しそうな表情の彼の胸元に両手を当て、そっと額をくっつけた。 ククールが驚いているのがわかる。心臓の音が聞こえるくらい、お互いドキドキしている。 ゼシカはぎゅっと目を瞑り、小さな声で、せがむように告げた。 「――-もう、あんな怖い顔しないで。…あんなの、私の知ってるククールじゃ、ないもの…」 ゼシカは最後に、おねがい、と言って、ククールの胸に顔をうずめたまま、黙り込んだ。 そのたったひとつの“お願い”に、抑えてきた感情が一気に溢れ出るのをククールはもう止められなかった。 加減など全然できないくらい彼女がかわいくてかわいくて愛しくてたまらなくて、力の限りに抱きしめる。 自分のしたひどい行いも、かっこ悪い姿も、醜い欲望も、全てを彼女は許してくれた。 そんなことどうでもいいことだとでもいうように、笑ってククールを信じてくれた。 彼女を怯えさせたのは“いつもと違うオレ”だった。ただそれだけだったんだ。 「………………ごめん」 頑なに口にするのを拒んでいた言葉が、簡単に滑り落ちる。ごめん、ごめんな、と うわごとのように囁くと、ゼシカが胸の中で小さく震えて、「やっと謝った」と笑った。 ―――もうダメだ、とククールは思った。 こいつはオレを甘やかしすぎた。この想いに歯止めをかける理由を見失ってしまった。 ゼシカ。オレはもう、お前に対して欲のカタマリになる、間違いなく。 わかってるか?お前のせいだぞ。やっぱりお前が悪い。お前がそんなにかわいいから。 ちくしょう、ああもう知らねぇからな。覚悟しろよ。 ククールは心を満たしていく際限のない幸福感に酔いしれながらも、 まだ事態に追いつけず混乱する心中で、延々とそんなことを考え続けていた。 「…クク…いたい」 背中がしなるくらいキツく抱かれて、ゼシカは顔を真っ赤に染め、心底困った声で訴えた。 しかし半ば茫然自失状態のククールは聞く耳を持たず、わずかにでも身じろぎする ゼシカの身体を逃すまいと、抱きしめる腕にさらに無意識に力をこめてくる。 ゼシカは戸惑いながらも、自分もおずおずと彼の背中に手を回した。 ククールはただごめん、と言いながらちっとも離そうとしてくれないので、 私の言いたかったことちゃんと伝わったのかしら?と思いながら、ゼシカはふと思い出して尋ねてみた。 「ねぇ、ククール。さっき言ったこと、本当?」 「……………さっき?」 「私が起きる直前に言ったこと」 ―――数秒ののち、突如ピキ…ッと音をたてて、ククールが固まったのがわかった。 抱きしめられているゼシカには見えないが、一瞬にして我に返った顔は、明らかにひきつっている。 「…おま…今、それ言うか…」 「なによ、いけないの?」 「いや、その、なんつーか…」 「もう一度言って」 「…………言うと思った…」 「言えないの?」 「そんなことねぇよ。………。………………好きだよ、ゼシカ」 「ちゃんと目を見て言って」 納得がいかない、といった風に、ゼシカは不満な声をあげる。 ククールは額に手を当ててはーーっと大きなため息をつき、それから静かにゼシカの背に回した腕を解いた。 左手は彼女の頬に、右手でそっと手を繋ぐ。自分で言っておきながら、ゼシカは思わず頬を紅潮させた。 ククールの端正な顔。今まで見たことがないくらいの真剣な瞳。 「――-――-好きだ」 青い眼に魅入られ、その言葉を頭の中で反芻しないうちに強く腕をひかれ、口唇が重なった。 ほんの刹那。すぐに離されたその口唇で、ククールは低い声で囁く。 「………お前は?」 恥ずかしさに我に返り逃げ腰になるのを許さず、ククールの腕は再びゼシカの腰を抱き込んでいる。 息がかかるほどの距離で、ゼシカは彼の瞳から目を逸らせなかった。 「…わたし、も」 「…わたしも?」 「好き………」 ポツリと呟かれた答えに、ククールが優しく微笑む。むしろそれは安堵の笑みかもしれなかった。 しばらく放心したようにククールを見つめていたゼシカは、彼の手が自分のブラウスのボタンを 外しているのに気づいて、きゃあ!と悲鳴を上げた。慌ててその手を押しとどめるが、 「じっとしろ」 「だ、だ、だって、あのね、だからってそんないきなり…っ」 「違う…」 ククールは冷静な動きでゼシカの抵抗を押さえ、上から1つしか外さなかったブラウスの首元に手を差し入れた。 長い指が首筋を撫でる感覚に、ゼシカは体を震わせる。そのうちククールが、あった、と呟く。 「ごめんな…」 「………え…?」 指が、ある一点を何度も何度も往復している。くすぐったさとかすかな痛みが沸き起こり、 ゼシカは顔を真っ赤にしながら、やっとそこに何があるのか気づいた。 ここ数日、鏡で見るたびにあの夜のことを思い出した、小さな傷痕。 少し腫れて盛り上がり、さらに強く吸われたことで今では赤味から紫がかってしまった―――彼の噛んだ跡。 「綺麗に消してやるから」 ククールはそう言って、回復呪文を唱え始める。 それを拒否するために、自分でも理解できないまま、ゼシカは咄嗟に傷に触れている彼の手をぎゅっと掴んでいた。 「…ゼシカ?」 「いいの…」 小さく首を振る。 見つめあったまま、握り合った手にお互い強く力を込める。 「いいの。消さないで」 ゼシカは、熱のせいではなく潤んだ瞳で、そう告げた。 ククールにとっては、キスマークでは足らず、噛み跡までつけて独占欲を満たそうとした蛮行の跡だ。 それをゼシカは残していいと言った。 そしてククール自身も、本当は消したくなかったのだと気付かされた。 ククールが吸い込まれるようにその首元に顔を埋め、傷跡に口付け、あの時よりもさらに強く吸い上げる。 ゼシカは彼の背中に腕を回した。まるで、もっと、とでも言うように。 そして再び重なり合った口唇は、長い間離れることはなく。 ようやく得られた大切なものの存在を全身で感じながら、ただ無心に求め合う2人を、 三日月のほのかな光だけが照らしていた。