約 3,515,174 件
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2430.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 1162 臭いつき/コメントログ」 ユンギャー・シシュテマが欲しいな。 -- 2010-12-23 22 21 58 ユンギャーシシュテマwwwwwwwww -- 2011-05-14 21 50 48 この助手最低だな、試験用を虐待して楽しむとか はっきり言って仕事場のデスクをぼこぼこにして楽しんでるバカと同じか それ以下の価値しかない人間だ さっさと解雇されてNEETにでもなれよクズ助手 -- 2011-09-16 16 37 10 ↓売れる商品作ってるのにか? -- 2011-11-02 05 26 34 ユーンギャー・シシュテマー♪ -- 2012-04-06 19 32 51
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1848.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 884 ゆ 前編/コメントログ」 ktkr -- 2010-06-08 03 45 15 姐さん…? -- 2010-07-13 00 31 58 KI・TA・KO・RE 姉御ー! -- 2016-05-02 16 46 42 肩こ……………… -- 2016-05-05 02 22 27 極めてまあまあ -- 2016-12-19 16 58 13 ゆうぎ姐さんだと!? -- 2017-03-16 17 39 20
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1632.html
ぬるいじめです 「ふんふんふふーん♪」 「…」 「よし、出来た!!!」 今俺の目の前には四角い弁当箱。 ご飯に醤油をつけた海苔を乗せ、おかずには卵焼きウインナー、ブロッコリー等々。 これは自分で食べるために用意した訳じゃない。 休日もせかせか働きに行く妹のために拵えたんだ。 「えっと、ハンカチハンカチ…」 「ゆ? いいにおいがするよ!!!」 「たべものさんのにおいなんだぜ!!!」 弁当箱を包むハンカチを探していると、弁当の周りをうろうろする饅頭二匹。 我が家で飼育しているゆっくり。れいむとまりさ。 「よくわからないけど、おいしそうなんだぜ!」 「おにいさん、これなぁに?」 「これはお弁当だ。あ、今起きたのか、おはよう」 「…ん~、おはよう…」 目を閉じたまま返事をする我が妹。 「おべんとうってなに?」 「たべていいのかだぜ?」 「お弁当ってのは持ち運びするごはんの事だ。食べちゃダメだぞ。妹のために作ったんだから。」 「れいむもおべんとうほしいよ!」 「まりさも、まりさもほしいんだぜ!」 「アホか。何でいつも家にいるお前らのために作らにゃいかんのだ」 二匹を軽くいなしながら弁当箱を包む。 「…これでよし」 「ん~、あ、兄ちゃん弁当作ってくれたの? ありがとお。」 弁当包みをバッグに入れ、のろのろと玄関に向かう妹。 「おねえさん、れいむたちもおべんとうさんたべたいよ!」 「まりさも、まりさもたべたいんだぜ!」 俺に言っても仕方ないと悟ったのか、妹におねだりする二匹。 「ん~、兄ちゃん、れいむとまりさにもつくってあげてくれない?」 「えっ、何で?」 「えへへ…、兄ちゃんたのむよ~」 「あ、ひっつくな、こらやめろ! …はぁ、しょうがない。今回だけだぞ」 我が妹は特に意味もなく頼み事をするときにじゃれついてくる癖がある。 別にたいした頼み事でもないので毎回頼み事を聞いている。 今回も、俺の負け。二匹に弁当をつくってやらなきゃならない。 「兄ちゃん、ありがとね~、いってきまーす。」 時間に余裕を持って行動しているため、のんびりと駅に向かう我が妹。 何でもかんでも言うこと聞いてやって、すこし甘やかしすぎかな。 「おにいさん! れいむおなかすいたよ! はやくおべんとうさんつくってね!!!」 「まりさも! まりさもおなかすいたんだぜ!!!」 ぴょんぴょんと足下を跳ねる二匹。 こいつらも結構甘やかしてるからなぁ…。 そのうち全員まとめて説教してやろうかしら。 まぁ、いいや。適当に作って食わせておしまい。 [キラキラ] ……………… [キラキラ] …………… [キラキラ] ………… [キラキラ] ……… [キラキラ] …… [キラキラ] … よほど待ち遠しいのか、キラキラした目でじっと俺を見つめる二匹。 「そんなに見られるとやりづらいんだが…」 「ゆ!? ごめんね! ゆっくりあっちにいくね!」 「おべんとうさんができたらよんでほしいんだぜ!」 ぴょんぴょんと部屋の方に向かう二匹。 [キラキラ] ………… 壁から半身だけ出してこちらを伺うれいむ。 まりさはれいむに乗って同じように半身だけ出してこちらを伺っている。 …何だこの状況? なんか、こう、見られてるときちんとやらなきゃって思ってしまう。 [キラキラ] ……… 「ふぃ~、まず一個…」 [キラキラ] ……… 「これでよし、と。」 ついつい気合いを入れて作ってしまった。 「できたの!? おべんとうできたの!?」 「おなかすいたんだぜ! おなかすいたんだぜ!」 一段落すると二匹とも、出来上がったことを察知したのか、こちらに向かってぴょんぴょん跳ねてきた。 カシャ! カシャ! 二匹に食わせる前にデジカメ撮影。 出来がいいから後でブログにでも載せるのだ。 「ゆ? おにいさんなにやってるんだぜ?」 「え、カメラに収めてるの」 「かめら? なにそれゆっくりできるの?」 「出来がいいからな。写真に保存しとくのさ」 「「?」」 二匹には理解できなかったようだな。 ま、いいや。 とりあえず、俺の自信作に腰を抜かしてもらおうか。 「とりあえず。ほれ、お前らの弁当」 「ゆー! れいむがいるよ!!!」 「すごいんだぜ! まりさがいるんだぜ!!!」 おー、二匹とも食い入るようにじっと見つめてら。 俺が二匹に用意したのはいわゆる「キャラ弁」 れいむにはれいむを摸したものを、まりさにはまりさを摸したもの。 どちらも吹き出しで「ゆっくりしていってね!!!」を入れているのもポイントだ。 「おにいさん! すごいよ! おべんとうさんのなかにれいむがいるよ!!!」 「ゆーん! すごくゆっくりしてるんだぜ!!!」 俺の予想以上に気に入ってくれたみたいだ。よかったよかった。 「それは重畳。冷める前に食いな」 「「はーい!!!」」 「………」 「「………パァァァ」」 「………」 「「………パァァァ」」 さっきから顔を煌めかせて見入ってはいるが、いっこうに食べようとしない。 ってか、腹減ってるんじゃなかったのかこいつら? 「お、おい、お前ら…」 「ゆ? ゆ、ゆ! すっかりゆっくりしちゃってたよ!」 「たべるのがもったいないんだぜ!」 そこまで気に入ってももらえるのはうれしいが…。食わないつもりかこいつら? 「れいむのおべんとうさん、ゆっくりあじみさせてほしいんだぜ!!!」がぷっ! 「ゆー! まりさなにするの!」 「むーしゃ、むーしゃ、めちゃうまー!」 ありゃ、まりさがれいむの分の弁当にかじりついちゃったよ。 「ゆわーーー!!!」 「なんだなんだ?」 「れいむのれいむがー!!!」 何事かと思い見てみる。 何のことはない、れいむ弁当のれいむの頬の部分に穴が開いてそこから鳥そぼろが見えているだけだ。 「れいむ! あんこさんがでてるよー!」 …なるほど、鳥そぼろを餡子と勘違いしただけのようだ。 「ひどいよまりさ! れいむのれいむがー!!!」 「ゆー、ごめんねれいむ…」 れいむがぽいんぽいんと跳ねる。まるで癇癪を起こした子供だな。 「あ」 がつん! れいむ弁当がれいむにはじき飛ばされた。 幸い弁当はひっくり返ってなかったが… 「ゆぎゃー!」 れいむが叫ぶ。 そこには中身がぐちゃぐちゃになり、スプラッタ状態のれいむ弁当が。 ……まるで死体だな。れいむの死体弁当。 「ゆわーん! ゆわーん!」 「悪い子にはぁ………おしおきィ!」 どむっ! 「ゆぶっ!」 まぁ、どんな理由があるにせよ、食事中に暴れ回って弁当を台無しにした罪は重い。 俺はれいむにチョップをお見舞いしてやった。 「ご飯の時は騒ぐなって言ってるだろ!!!」 「ごめんなさいー!」 と、まぁれいむをしかっている最中にまりさが自分用のまりさ弁当を食べ始める。 「ゆ! すごいんだぜ! まりさのほっぺさんたべたらあんこさんが出てきたんだぜ!!!」 まりさ弁当のまりさは中身が海苔の佃煮だ。こしあんらしいのでそれを再現したのだ。 まりさはれいむと違い、夢中になって弁当にがっつく。 れいむはめそめそしながら弁当をもそもそ食べる。 れいむ種は物に対する執着心が強くて、まりさ種はそんなに強くないと見た。 「ごちそうさまなんだぜ!!!」 「ごちそうさまだよ…」 まりさは幸せいっぱいの表情、れいむはいかにも不幸せな感じ。 「れいむ、ごはんたべたからいっしょにあそぶんだぜ!!!」 「ゆ、わかったよ!!!」 遊ぶ。といっ瞬間にれいむはまたニコニコ笑顔に戻った。単純なやつ。 さて、俺は料理の後片付けとかしないとな。 ふぅ、とりあえず終わった。 「……!…!」 ん、なんか騒がしいな。 俺はれいむたちが居る部屋のドアを少しだけ開けて中の様子を見てみた。 「ごるああぁぁ!!! てめぇなにアタイのメシよこどりしとるんじゃ、このぼげええぇぇぇ!!!」 「ゆー! ごめんなざい! ごめんなざいいいぃぃぃ!!!」 「てめぇのせいであにさんになぐられたじゃねぇか、このスカタンがああぁぁぁ!!!」 「ずいまぜんんん!!! できごころだっだんでずううぅぅ!!!」 普段の温厚なれいむからは想像だにできない迫力でまりさに体当たりするれいむ。 なんだ! あいつ、やれば出来る子だったのじゃあないか。 その後、昼飯時になると、二匹はさっきの喧嘩が嘘であったかのようにいつも通り仲良く食卓に並んだ。 ただ、まりさだけひどく怯えていたように見えたが…気のせいだろう。 おわた ドスまりさとゆうかを書いた奴 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1406.html
前 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていくね」 子供らしい素直さで男を迎える子まりさだが、持ち抱えられるときょとんとした顔で男を見る。 「ゆー? おじさん、なにするの?」 「ごめんね。お母さんはまだ赤ちゃんを産まなくちゃいけないんだ。だから、おじさんとゆっくりしようね」 「ゆっくりするね!」 またしても、男は母れいむの前に座ると子まりさに床に落ちているものを拾って、目の前に差し出す。 「ほ~ら、おいしい食べ物だよ。餡子って言うんだ」 二度目のやりとりを繰り返す。今度の場合は餡子の外側の部分が違うだけである。先ほどの子れいむの中身を食べさせているのだ。 子まりさ側からは餡子しか見えないが、母れいむ側からでは死んだ子れいむの顔がよく見えることだろう。 子まりさはそんなこととは露知らず、「おいしーい!」などと言いながら、姉の中身を食べ尽くそうとしている。 「ぎい゛ぃぃぃぃ!!?? だべな゛いでぇ! だべぢゃだべぇぇっ!!」 「ゆゆ? どーしたの!? ゆっくりなかないでね!?」 「お母さんはね、君だけおいしいものを食べているのが許せないのさ。全部、自分にくれって言いたいんだ」 「ゆーっ!? だめだよ! このおいしいあんこはまりさのものなんだから! プンプン!」 母れいむがいくら制止しようとしても、子まりさは止まらない。 逆に止めようとしているからこそ、『おかーさんにあんこをとられる』と思って、さらに食べようとしているのかもしれない。 やがて最後は吸うようにして、子まりさは餡子を食べ終えた。 「ごっくん! しあわせー! ……ゆ?」 餡子が乗せてあったものに三つほど穴が開いている気がつく子まりさ。 男はそれを察して、無言で皮を裏返した。 子まりさは一度「ゆ゛!?」と鳴き、必死で目の前のものが何なのか理解しようとする。 しかし、頭が餡子では思考が現実に追いつかない。いや、現実を否定しようとする。そうでなければいけない。 解ってはいけない。何故なら、それは自分の仲間であるからだ。 突然、皮がべちょりと子まりさの顔に張り付いた。男が手で押したのだ。 「い゛、い゛や゛あ あああ! やべでやべでぇっ! ぐっづがないでぇ!! はな゛……ぎっ!?」 男がここぞとばかりに噛み付く。右手で皮ごと子まりさを抱え込みながら、咀嚼を繰り返す。 子れいむと比べると、種類のせいなのか状況のせいなのか子まりさの餡子はいくらか違う。 子まりさの餡子はさっぱりとして口の中に甘さが残らず、何度でも食べられるような甘味だった。 「あ゛がぢゃあ゛あ゛あん! だべる゛の゛やべでぇぇぇっ!! い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃっ゛っ!!!」 母れいむが叫びながら、激しく震え始める。歯を食いしばりながら、涙もぼたぼたと流れていた。 まさか、と男は驚愕した。これほどの短時間で次の子供を生もうとするとは見上げた精神力である。 おそらく、男が子まりさを食べている間に次の子供を生んで、その子だけはどこかへ逃がそうという魂胆だろう。 顎の穴が徐々に広がり始めたのを見て、男はある決断をする。 「見えるかい? お母さんは君を見捨てて、次の子供を生もうとしている。君は食べられちゃってもいいんだってさ」 「お゛があ゛ざん!? だずげで! ま゛り゛ざをだじゅ!? ぱぴぃ! ぺぽぉ! ぱぴぺてぽぉ!!」 助けを呼ぼうとする合間にも食べられているため、言語がおかしくなってきている。 最早、子まりさ何を言おうとしているのかは誰にも分からない。その意図は伝わっていたとしてもだ。 母れいむは半狂乱の装いを見せながらも、、必死で最後の子供を生もうとしていた。 既に母れいむの中では、子まりさは死んだものとして扱われている。 「ゆっぐりうまれでね!? はやぐうまれでね!?」 自らの身体を揺さぶりながら、矛盾する言葉を吐く母れいむ。 その振動で中にいる子ゆっくりは幾らかの恐怖を感じたが、母の胎内にいる限りは大丈夫だ、という根拠の無い自信があった。 やがて、めりめりと出てくる子ゆっくり。れいむ種である。 男はそれを確認すると、食いかけの子まりさを手に持ったまま、母れいむへと近づいていく。 「ゆっ!? ゆっぐりごないでね! ゆっぐりあがぢゃんをたべででね!?」 「ゆっくり……していってね!」 「ゆ゛っ、ぶぐぉ!?」 顎の穴に目掛けて思い切り、子まりさを捻じり込む。中の子れいむと手の子まりさの顔が触れ合うような形で押し込む。 中からはくぐもった悲鳴が聞こえたような気がするが、男はまったく気にしない。 「いい゛いい゛いい゛い!!?? な゛に゛ずるのぉ!? う゛、う゛まざぜで! あがぢゃんだざぜでぇっ!」 母れいむは出産を中断させられた痛みで絶叫する。口からは泡のようなよだれを振りまいていた。 男は持ってきていた籠の中から、縄を取り出して母れいむの周りを囲むように置く。 次に母れいむの頬の皮を寄せてあげるようにして、顎の穴を無理やり塞ぐ。 「あがっ!? やべで! あがぢゃんでるどご、うめないべぇ!?」 「よいしょっと」 当然、このままでは元に戻ってしまうので、先ほどの縄で母れいむを思い切り縛り上げた。 皮に食い込むほどに力を入れているが、縄が皮を破ることはなかった。男の熟練した技の賜物である。 中から子れいむが出ようとする圧力と、外から縛り上げられる力で母れいむの身体からぎちぎちという音が鳴る。 子供が生めない、子供が死んでしまう、縄が擦れて痛い、人間が怖い、まりさがいない。 それら様々な感情が母れいむの中で渦巻く。やがて、ぷつん、と何かの糸が切れてしまった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! ま゛り゛じゃぁぁぁっ!! だずげでま゛り゛じゃ゛ぁ゛ぁぁぁっ!!」 狂ったようにゆっくりまりさの名を呼ぶ母れいむ。本当に狂ってしまったのかもしれない。 男はそん母れいむの様子を見て尋ねた。 「そんなに、ゆっくりまりさに会いたいかい?」 「あ゛い゛だい゛! ま゛り゛じゃに゛あばぜでぇ゛ぇ゛ぇっ!!」 その言葉を聞くと男はよし、と頷いて、持ってきた籠の中に手を入れる。 その中から何かを取り出して母れいむに見せてやる。 「ま゛り゛じゃ゛ああ゛あ゛あ゛ぁぁぁっ!!?? な゛ん゛で、そ゛ん゛な゛どごろ゛にい゛るの゛ぉぉぉぉっ!!??」 それは餡子が抜けて、半分潰れたような状態になっているゆっくりまりさであった。 ゆっくり魔理沙は傷ついていた。体中に穴が開いており、そこから餡子がはみ出していた。 なんでこんなことになったのだろう、とぼやけた頭で振り返る。 今日はゆっくり霊夢が子供を生みそうなので、簡単に食べ物を探してすぐに帰ろうと思っていた。 子供が生まれる時は一緒にいてあげたいからだ。 その途中で、いつも食べ物をくれるおじさんに出会った。 「おじさん、こんにちは! あのね、そろそろあかちゃんがうまれそうなんだよ! だから、たべものちょうだい!」 ゆっくり魔理沙は嬉しいのと、いつものお礼の気持ちを込めて子供のことを話していた。 おじさんならゆっくりできいてくれて、たべものもくれる、と思っていたのだろう。 そもそも、このゆっくり魔理沙は一度、この男の家に食べ物を探しに入って捕まったことがあるのだ。 その時、ゆっくり魔理沙は泣きながら事情を話した。 「れ゛いむ゛がぁ! あ゛かぢゃんうむがら、い゛っばい゛だべものがぼじがっだんでずぅ!」 そうすると、男は納得して助けてくれた。そしてこんなことを言ったのだ。 「いいかい? もう、人間の家に入っちゃ駄目だよ。食べ物なら私があげるからね」 そう言われて、最初は疑っていたがちゃんと食べ物をもらえたので、ゆっくりできるひとだ、と安心できた。 これ以降、男は基本的には野菜の葉っぱや皮だったが、毎日食べ物をくれた。 そんな食べ物でも、ゆっくり霊夢とずっと一緒にいたいゆっくり魔理沙には、食べ物を探す時間を減らせるのでとてもありがたかった。 そして、たまに貰える餡子が一番楽しみだった。自分一人で食べてしまいたい誘惑を堪えるのに必死なぐらいである。 ゆっくり霊夢も餡子が大好きで、二匹でいつもおいしく食べていた。 出産のためには住む場所を変えた方がいい、と教えてくれたのも男であった。 ゆっくり霊夢には内緒だったが、住むのに適した場所を見つけ、穴を掘るように指示と手伝いもしてくれた。 新しい家にゆっくり霊夢を招待した時は、見栄を張って自分一人で掘った、と言ってしまっている。 それを悪いことだ、と思っていたゆっくり魔理沙は恩返しと罪滅ぼしの意味を込めて、子供のことを話していた。 男はそれは良かった、と頷くと、持っていた籠のようなものを地面に下ろした。 「赤ちゃんが生まれるなら、お祝いをしてあげないとね」 「ゆっゆっ! おいわい! なにをしてくれるの!?」 男が籠の中から何かを取り出そうとしているのを、興奮気味に見ているゆっくり魔理沙。 またおいしいあんこをもらえるかもしれない、などということを思っていた。 「はい、お祝いだよ」 「ゆ、ぐりぃ!?」 勢いよく取り出されたバールのようなものが、ゆっくり魔理沙に振り下ろされた。 どずん! という鈍い音を立てて、ゆっくり魔理沙の穴が開けられる。 「ぎぃい゛いい゛い゛いっ!!?? い゛だい゛ぃ! な゛に゛ずる゛の゛ぉ!?」 突然の凶行に泣き叫ぶゆっくり魔理沙。男はさらに凶器を振るう。 「ほら、ほら、ほら、ほら、お祝いだよ」 「ゆぶっ!? ゆげ!? ゆぎゅ!? ゆあ!? ぶぎ!?」 言葉を発する度に凶器は振るわれる。それは的確にゆっくり魔理沙の身体に穴を穿ち、そこから命の源である餡子が漏れていく。 しかし、完全に死ぬ所まではいかない。男がそう調整しているのだ。 身体にいくつもの穴が開き、餡子が流れ出して段々と平らになっていくゆっくり魔理沙。 これ以上餡子が出ると死んでしまう、という所でようやく暴力は止められた。 「ふう……君たちみたいに言うと、すっきりー! という所かな?」 「どぼっ……じでぇ……なんで、ごんなごどずるのぉ……」 「なんでどうして、ときたか。月並みな言葉だけどね、君たちはもう少し他人を疑った方がいいよ」 心にも無い言葉をかけながら、背負った籠のようなものにゆっくり魔理沙を入れる。 それ以上、餡子が出ないように薄皮一枚分の手当てだけはしたが、そんなものはすぐにでも破れてしまいそうだった。 動けない身体だけどゆっくりしていればだいじょうぶ、と真っ暗な中で耐えるしかなかった。 しかし、それでも自分が長くはないことを、悪い人間に捕まってしまったことも悟っていた。 おじさんが何故こんなことをしたのか、ゆっくりまりさには分からない。 暗闇の中でただひたすらに、れいむがげんきなあかちゃんをうめますように、とまりさは願っていた。 どのくらい経ったのだろうか。ゆっくりまりさには判断がつかなかったが、何度か上の方が明るくなったりしていた。 ゆっくりれいむの声が聞こえたような気もしたが、ゆっくりまりさにはよく分からない。 周りにあるものが色々と上の方に持っていかれていたが、それを追う気力も体力も無かった。 そうやってじっとしていると、ようやくとでも言うべきだろうか、ゆっくりまりさの身体が持ち上げられていた。 急に暗い所から出されたため、眩しくて目を細めていると、聞き覚えのある懐かしい声が聞こえた。 「まりじゃあぁぁぁっ!! あいだがっだよ! まりじゃぁぁぁぁ!!」 母れいむは大好きなゆっくりまりさを見て、歓喜の声をあげる。その言葉だけ聞くと、ほとんどゆっくりありすのようでもある。 ゆっくりまりさの方は餡子が抜けてしまっているため、大きな反応は出来なかったが、それでも力無く笑ってみせていた。 それは、消えかけの蝋燭が最後に精一杯燃え上がろうとしている様に似ていなくもなかった。 「ようやく、お友達に会えて嬉しいかい?」 「ゆ゛っ! まりざからてをはなしてね! ごごはれいむとまりざのおうぢだよ! ゆっくりでていってね!!」 いくらか持ち直したのか、言葉から濁りが少なくなる母れいむ。ゆっくりまりさと出会えたことで色々と記憶が吹っ飛んだのだろう。 もちろん、子供のことすら半分以上忘れてしまっている。 今、母れいむが考えているのはまりさとゆっくりしたいということだけだった。 身重の体を無理やり動かしてでも、ゆっくりまりさに近寄ろうとしている。 男はそれを見て、母れいむの前にゆっくりまりさを置き、それと同時に手早く母れいむの縄も解いておく。 「ゆゆ? おじさんもようやくわかってきたね。さっさとれいむたちのまえからゆっくりきえてね!」 母れいむはケタケタと身を揺らして笑っている。男の行動から、自分が優位に立っていると感じているのだろう。 男は何も言わずにただ笑顔でいる。母れいむの言葉にも怒りを表さず、何かを楽しみに待っているようだ。 母れいむが忘れている存在を、男は覚えているのだ。 「まりさ、はやくふたりでゆっくりしようね! ふたりでゆ゛っ! ぐ、り……!?」 母れいむが大きく震える。震えは止まらず、「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ!?」という声と一緒にめりめりという音が聞こえてくる。 縄で閉じられていた顎の穴が再び開き始めているのだ。 ゆっくりまりさは何が起こっているのかよく分かっていない。既に理解できる程度の理性も失いかけている。 「い゛だいいぃぃぃ! ひぎぃ! なに゛!? な゛に゛がでる゛ぅぅぅっ!!??」 「なにって、決まってるだろう? 君の子供さ」 男が親切に説明してあげる。母れいむはその言葉で目を見開きながら絶句する。この瞬間まで、子供の存在は忘却の彼方にあったのだ。 楽しいことは覚えていても嫌なことや痛いことはすぐに忘れてしまうという、ゆっくりの独自の脳構造故だろうか。 一方、ゆっくりまりさは子供と聞いて、弱った身体にわずかばかりの力が戻った。 「ゆっ……? あかちゃん、まりさたちのあかちゃん……」 最早、目も虚ろでかなり弱っていたが子供のことは覚えていた。 母れいむと違って、子供によって痛い目にあっていないからである。 「あかちゃんあかちゃん……」と呟きながら、母れいむの方へ這いずって行く。 ちょうど、顎の穴に向かって進んでいっている 「い゛ぎぃ! い゛だい゛い゛だい゛! はやぐお゛わ゛っでぇっ! ゆ゛う゛っ!!!」 ぐちゃ、っと顎の穴から餡子の塊が吐き出される。男が突っ込んだ子まりさの死骸であった。 その死骸は穴の近くにいたゆっくりまりさに当たった。 「ゅぎゅ! ぶえぇっ!」 子まりさは既に半分以上が食べられており、ゆっくりまりさと比べても四分の一程度の大きさしかなかった。 しかし、その程度であっても勢い良く吐き出されると、ゆっくりまりさには耐えられない衝撃だった。 顔の正面に当たった結果、身体の各所から餡子がはみ出る。 ゆっくりまりさはわずかに呻く程度で、もうその場から動こうとはしない。動けないのだ。 母れいむはその様子を見て、子供を生むとどうなるかを思い知る。 あのぐらいの大きさでもゆっくりまりさが動けなくなってしまうのであれば、子供が当たったらどうなるのか。 「どいで! まりじゃ、そごどいでぇ! ゆぎぎぎぎぃ!! でぢゃう゛! あがざんでぢゃう゛!」 自分が動こうとしても、出産の痛みで動くことができない。無理に動けば、身体が裂けてしまうかもしれない。 完全に行き詰っている。この状態で何とか出来るものがいるとすれば、一人しかいなかった。 「おじざん! たずげで! まりじゃどがぢで! はやぐぅ! ゆっぐぅ!」 出産の痛みに必死で耐えながら、現在助けを求められる唯一の相手に何度も助けを請う。 それでも、男は動こうとせずに見守っている。 「出て行って欲しいんじゃないのかな? 消えて欲しいんじゃないのかな?」 笑いながら、母れいむの言葉を繰り返す。勿論、ゆっくりの頭ではそんなことは覚えていない。 「なんでもじまずぅぅぅ!! なんじぇもじまずがら! ま゛り゛じゃをどがじであげでぇぇっ!!」 「一生のお願いっていうのなら、どかしてあげてもいいよ」 「いっじょうのおねがいでずぅ! いっじょうのおねがいだぎゃりゃ!? ゆぉほう! なががらでりゅ!?」 そこまで言った所で顎の穴から再びめりめりという音が鳴る。 奥の方から徐々に顔をみせつつある子れいむ。母れいむからしてみたら、それは死の予兆以外の何者でもない。 母れいむの思考は「ゆっくりまりさ>あかちゃん」という図式であった。優先するべきはゆっくりまりさである。 あと一人生めばこの痛みから解放される、という抗いがたい誘惑に負けそうになりながらも必死の形相で耐える。 「んほおおおおおお!? お゛ね゛がい゛ぃぃ!? じま゛じゅうぅぅ!! ま゛り゛じゃを゛おごおぉぉ!?」 間断無く襲い来る傷みに耐えながら、出来うる限りの懇願を繰り返す。 本来ならば、ゆっくりは母性によって出産の痛みに耐えるのだが、既に母れいむは子供に対する愛情がなくなっていた。 そうなると、痛みもただ辛いだけのものに過ぎない。 「一生のお願いなら仕方ないね。よいしょっと」 母れいむの必死さと比べると、はるかに軽い様子で男が動く。 ゆっくりまりさの所まで行き、両手で持ち上げる。 「あ゛り゛がどぅ゛! ゆ゛っぐりどがじでぐれで、あ゛り゛がどね゛え゛えぇぇぇ!?」 礼を言おうとした母れいむの顔が一気に引き攣る。男はゆっくりまりさを母れいむの前に置いただけだった。 それも顎の穴の真正面、子れいむが出てくる場所に向かって置き直しただけである。 「あぎいいいいい!! な゛、ん゛、で!? ど、い゛、で! ぞご、ど、が、じ、で!!!」 「このゆっくりまりさを『どかして』あげただろう? 『どこ』かまでは言われなかったから、君の目の前に置いてみたよ」 男は笑顔で言う。母れいむは一度気を抜いてしまったせいか、完全に限界が来ていた。 言葉を喋ることが困難になってきている。呼吸すらも難しくなっているだろう。 やがて、それは決壊した。 「ゆ゛ぶっ!! う゛びゅ!! でりゅ……! ぎぶう゛う゛う゛ううう゛ぅ゛ぅぅっ!!!」 ぽーん、と子れいむが排出される。子れいむには穴の奥から外の状況は見えていた。 見えていたが、皆が何を言っているのかはよく分かっていない。 きっと、どうやってゆっくりするのかきめているんだ、などと夢想していた。 めのまえににいるゆっくりまりさはきっとおとーさんで、れいむがうまれるところをみててくれているんだ、と勘違いもしている。 だから、真っ直ぐに親の胸へ飛び込むように、ゆっくりまりさの所へ向かっていった。 「だべえ゛え゛え゛え゛え゛ぇ゛ぇぇぇっ!!! 母れいむは一瞬だけ歓喜の表情を浮かべていたが、すぐにそれも消え去って、思い切り叫ぶ。 だが、その叫びを聞いても子れいむは止まらないし、止まれない。 そして、ゆっくりまりさも目の前に迫り来る自分の子供に対して、回避する手段を持たなかった。 状況もろくに判断出来ていないが、その顔は生まれてくる子供を祝福するように微笑んでいる。 ゆっくりまりさの顔に子れいむが直撃する。何か言葉を出すことすらなく、餡子が辺りに飛び散った。 「………………」 「ゆゆゆ……ゆっくりしていってね!」 母れいむは呆然としていた。愛しいゆっくりまりさがいれば、他には何もいらなかったのに。 出産に伴う痛みも無くなったため、母れいむは何も感じなくなっていた。 逆に子れいむは初めて外の世界に出れて、思う存分ゆっくりしていた。 先ほどぶつかった「おとーさん」がなんだか平べったくなっているのが気になったが、大丈夫だろうと思っていた。 「ゆっゆっ♪ おかーさん。おかーさん♪ ゆっくりしようね!」 ニコニコしながら、母れいむに身体をすり寄せる子れいむ。母れいむは呆然としたまま、そちらを見る。 子まりさとゆっくりまりさから、餡子を浴びたゆっくりがそこにはいた。 「!? あっぢにいっでね! まりじゃのあんこをたべぢゃっだわるいこはじね゛!!」 身体を思い切り揺らして、子れいむを引き剥がす。 事実はそうではないが、母れいむにはゆっくりまりさを食べてしまったようにしか思えなかった。 もしくは、子れいむがいたからゆっくりまりさは死んでしまったとまで感じている。 「ゆにっ!? どーしたの、おかーさん? ねぇねぇ、どうしたの?」 「ゆっぐりぃ!!」 再び寄って来る子れいむを思い切り吹き飛ばす。 餡子まみれになりながら、純真とすら言える笑顔で迫ってくる様子は母れいむにとって恐怖以外の何者でもなかった。 吹き飛ばされた子れいむは、まさかそんなことをされるとはまるで思っていなかったらしく、びぃびぃと泣き始める。 「おがーざーん!! どうぢでこんなことするのぉ! いっじょにゆっくりしようよぅ!」 母れいむの周りを飛び跳ねながら訴える。その姿は愛らしくもないのかもしれない。 それに対して、怒号をもって母れいむは応えた。 「あっぢにいげぇ!! まりじゃをごろじだやづは、ゆっぐりじね!!」 「ゆっっぶ! ゆぐぅ……」 弾き飛ばされた子れいむが家の内壁に当たった。そのまま、気絶してしまったようである。 母れいむはそれを見て、泡を吹きながら喜ぶ。 「ふへっ、ゆへへへへへへへ! まりぴゃのかちきはとったよ~。みんな、み~んなやっつけてやったじょう!」 「今、吹き飛ばしたのって君の子供、赤ちゃんだよ」 間髪入れずに男が口出しをする。狂ってしまった母れいむにも分かるよう、赤ちゃんという言葉を使う。 「ゆぎっ? こんなのれーむのあかちゃんじゃ、ないよー? なに、いってるんだろーね、おかしーよ」 母れいむは呂律が回らないという状態ですらなく、言葉の発し方が不自然になっていく。 それほどに可笑しいのか、身体全体を激しく震わせるようにして耳障りな音を発しながら笑っている。 「その赤ちゃんを生んだのは君で、生んだせいで君のお友達のゆっくりまりさも死んじゃったんだよ」 「ゆぴきききき! ぞんな、ごど、あるわげないびょ? ゆふぇふぇふぇ!」 最早、笑い声なのかどうかすら良く分からなくなっている。それでも、男はさらに続ける。 「君のせいで、ゆっくりまりさは、死んじゃった」 「ゆ゛いいいぃぃぃい゛っぃぃい゛い!! うるざい! も゛う゛い゛い゛! ざっざどでべっでね゛!」 「駄目だ……完全に壊れちゃったか。ま、しょうがないかな」 やりすぎたなぁ、と独り言を呟きながら、母れいむの口に大きい針のようなもので穴を開ける。 「ぶぎっ! な゛に゛ずるびゅ!」 痛みを訴えるが、無視してその穴に縄を通していく。勿論、煩いので喋らせないようにするためである。 「餡子の量も減ってるみたいだし、これなら持って帰れるかな……」 軽く持ち上げたりして、重さを量る。無理だったら引きずればいいだけのことでもある。 これだけ成熟したゆっくりならば、胎内出産にも蔦出産にも耐えられるだろう、と男は判断している。 先ほど食べた餡子の味を再び味わうためにも、この母れいむを持ち帰る気なのだ。 気が狂っていても餡子を生むことは出来る。このまま、男専用の饅頭生産機にする気であった。 「おっと、こっちも忘れないように……」 壁にぶつかって気絶している子れいむも籠の中に放り込んでおく。 明日、食べるために取っておくか、それとも種馬として躾けてもいいかもしれない。 親と子供を交配させるとどうなるのだろう、と素朴な疑問を試すのも手である。 「それじゃ、ゆっくり一緒に帰ろうか」 「…ゅ……ゅっ! ……ゅ……っ!」 何か喋ろうとしているがよく分からない。狂ってしまった者の言葉など聞いても意味がないだろう。 男が話しかけたとしても、それはほとんど独り言に近い。一方的に用件を伝えているだけだった。 これからはおいしい餡子が食べられる、と思うと男の足取りは自然と軽いものになっていた。 狂った母れいむは何がどうなったのか、良く分かっていない。分かろうともしない。 男の家に連れてこられても、鎖で繋がれても、どこにいようと意味が無かった。 母れいむはゆっくりまりさがいる幸せな幻想の中で、いつまでも過ごしていたからだ。 子供を生んでも、子供に交尾されても、幻想の中でゆっくりしていた。 子供が生めなくなったために捨てられても、ずっとずっと変わらずにゆっくりしている。 口の縄を外されたので、喋れるようにはなっているが、それもまったく意味が無い。 捨てられた場所はゴミが集められている所で、とても汚くて臭いが、それも母れいむに変化をもたらすことはない。 「ゆび……ゆぎいひひひ……まりじゃ、まりじゃぁ……」 今日も今日とて、母れいむは汚濁の中で『幸せ』に浸っているのであった。 餡子が尽きるその日まで。 めでたし、めでたし 後書き AAの「出産しているゆっくり」があまりにもウザかったので書いてみました。 けっこうすっきりできたよ! 後半、というかオチの付け方にはかなり迷った結果、完成にかなり時間がかかったなぁ…… そして、色々な出産系のSSが多くて投下するタイミングを見失ってました。 というか、書こうとしてたことがAAでも再現されてたのはビックリ。職人すげえ。 一応、書いたSSをまとめておきます。 ゆっくりいじめ系110 「髪飾り」 ゆっくりいじめ系136 「働きゆっくり?」 ゆっくりいじめ系137 「ゆっくりまんじゅう」 ゆっくりいじめ系153 「ゆっくり調教師 前編 」 ゆっくりいじめ系154 「ゆっくり調教師 後編」 名前はゆっくりまんじゅうの人でお願いします。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1611.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 767 短編集/コメントログ」 よくある話の寄せ集めって感じか。 でも面白かった。 -- 2010-08-18 21 59 41 ふむ、最初のはツイスターゲームっぽいなw 頭の汚れも拭かないと…w -- 2010-11-02 17 59 57 1.AQNじゃんww 2.村を囲うほどって広いな。でもいい方法だな! 3.もっと見せ付けながらでok 4.餡子って字が書けるほど滑らかでは無いけどね~ 5.蒸すには水分が足りない。焼き饅頭だろ?(しかもパサパサで不味い) -- 2018-01-04 14 41 24
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/420.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 188 ユグルイ その5/コメントログ」
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/426.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 191 屠殺/コメントログ」 食欲失せる -- 2010-08-25 20 28 11 喰いたくねぇ…ww 首吊りは悲惨な死に様だからしない方が良いな -- 2010-09-30 21 03 08 絶景だな~~ -- 2011-11-17 14 51 01 ヒャッハーww最高だぁぁぁwwwww 外敵がいなくて増長しまくったゲスゆっくりが死ぬのは最高だねぇ!!! -- 2011-12-27 04 57 58 やめてくれ!ぜんざいが食えんくなる! -- 2012-03-13 19 31 24 あれ、でもゆっくりってそもそも息しないんじゃ・・・? -- 2012-07-02 11 15 28 俺今饅頭食べているんだが…まさか!? -- 2013-02-23 18 24 09 ゆっくりか・・・たまには感謝して見るのもヒャッハー!ゆっくりは虐待ダァー!ウボァー! -- 2015-10-10 02 20 15
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/101.html
暇人二人の旅行 11KB 「ユ゙ッユ゙ッユ゙ッ!」 「…………」 「ユ゙ッユヅッ!?」 「…………」 「ユ゙ッ!?ユ゙ア゙ア゙アゲ!?」 俺の目の前には、うめき声をあげる奇怪な針の山があった。 この針の山の正体はゆっくりありす。目以外の場所には裁縫針が隙間無く埋まっていて一種の剣山になっている。 針刺し――使い古された虐待法だが、一刺し毎に苦痛の叫びを挙げるゆっくりを見るのは飽きる物ではない。 寝食を忘れてのめり込める遊戯……ゆっくり虐待はどんな物でも時間を忘れられるが。 次に刺す場所は何処が良いかな?と考えながら手の中の針を弄くっていると。 「ふあー……おはよー」 気だるげな友人の声が聞こえた。 「おー、おはようさん」 そして気づいて見ればもう朝の八時。 どうやら10時間以上も休み無く、針を刺したり抜いたりしていたようだ。 ここで小休止とするのも良いかもしれない。 ソファから起き上が――ろうとして転げ落ちた友人を尻目に、冷蔵庫からオレンジジュースを取り出した。 トクトクトクトクと音立てながらありすに注いで数秒。 棺桶に全身を突っ込んだようなありすの目が、死んだ魚のような目に回復した。 さすがオレンジジュース。ゆっくりの応急処置としてはピカイチの飲料だ。 「よお、ありす。元気になったか?」 「……はやぐありずをごろじでぐだざい」 うん、元気になったようだ。これなら反応も楽しめるだろう。 針刺しの続きを始めよう。 「そういやまだ口の中が残ってたな。よし、ありす。口の中をチクチクしてやるぞ」 「ごろじでよぉぉぉぉ゛゛゛゛」 「飽きたら殺してやる、って何回も言ってるだろ?」 絶望の表情で口をわななかせるありす。 ぷるぷる震えるのどちんこにまずは一刺し、とやろうとした所で。 「何やってんのさ?出掛ける時間だよ?」 顔を洗ってきたのか、タオルで顔を拭っていた友人が声を掛けてきた。 出掛ける?今日にそんな予定あったっけ? そう考える俺に、呆れた表情でため息をつく友人。 「ああもう…昨日言った事忘れたの?」 「ああ!悪い悪い忘れてたごめん!すまんありす!もっと楽しみたいけどここでお別れだ!」 自画自賛してしまう程に見事なフォームで、ゆっくりコンポストにありすを放り投げる。 「ユワァイ!ゴハンサンガヤッテキタヨ!」「ハリサンハマズイケドガマンシテタベヨウネ!」 などと聞こえてくる、時間が迫っているので手早く準備しないと…… 「まだぁ?」 「待って!後2分!」 …………………… がたんごとん、と電車で揺られながら目的地に到着した俺達。 寂れてはいないが活気づいてもいない、全国何処にでもあるような地方都市の一つ。 駅を出て道をつらつら歩きながら一つの事に気付いた。 「ふむん、野良ゆっくりが居ないな」 野良ゆっくりが居そうな路地の隙間を見ても何も居ない。 野良ゆっくりの根絶を政策にでも進めてる街なのか? 「何かおかしいの?すっきりして良いじゃない?」 「……ま、それは置いといて。何処に行くんだ?俺何も聞いてないんだけど」 「第一被害者の所だよ」 「いやそういう事じゃなくてな……何の理由でこの街に来たんだ?と聞きたいんだが……」 「それは後で話すよ」 ポケットから取り出した手帳をパラパラ広げる友人 その様だけを見ると、とても探偵らしく見える。 俺と同じ毎日が日曜日な奴とは思えない。 「何か言った?」 「別に何もォ?」 …………………… 「……気付…時に………既に……」 「…誰か…恨……無いと……」 閑静な住宅。 ガラス一枚に遮られて微かに聞こえてくるだけのBGMを背に、ゆっくり小屋がある庭を調べていた。 俺もソファに座っていたかったが、庭を調べていろと所長命令があってはしょうがない。 しかし、素人の調べ方では何も分からない。 辛うじて分かるのは、小屋の中で何か大量の餡子が飛び散ったぐらい。とにかく暇だ。 「どうもありがとうございました。」 空の雲を数えていると、友人がこの家のドアから出て来た。 声を掛けようとしたら渋い顔が目に入る。 「どうした?」 「いや、何でもないよ……ちょっと公園で話そう」 どうせ、家の中で飼っていたゆっくりの話に不満が溜まったのだろう。 過剰な可愛がりはしてない家主だとは思うが……相変わらずゆっくり嫌いが徹底している奴だ。 そんなに幸せなゆっくりが憎いのか。 ある意味可愛いと言えるし、絶望に突き落としてやった時の反応は格別な面白さだと思うが……いかん私情が入った。 …………………… 公園にも野良ゆっくりは居なかった。 どんなに少なくても確実に1,2匹は居るはずだが…… 「この街に来た理由を知りたいんだよね?一昨日のニュース憶えてる?」 「何だっけ?」 テレビは見ない方なので良く分からん。と答えようとしたら、友人が溜息を一つして新聞を放り投げてきた。 どうやら来る途中で買った物のようだ。 「マジックで線を塗った所見てみて」 「どれどれ」 飼いゆっくりが野良ゆっくりに食い殺される事件が多発、食い殺してるゆっくりは見付かっていない。 小学生が野良ゆっくりに噛まれて数針縫う怪我、噛み付いた野良ゆっくりは逃亡。 野良ゆっくりの行進。大勢で押し寄せられ、道を歩いていたお年寄りが転倒して怪我。 掻い摘んで言えば以上の事が新聞に書いてあった。 「この事件で誰かが依頼を?……っても、事務所は年中休業だったはずだよな?」 「僕の個人的な好奇心からだよ」 唐突な行動をする奴だ。 事務所に一人残って針刺し続けてりゃ良かったなぁ。 「あっ、そう……で、あの家の人の話を聞いて何か分かったか?」 「特に何も」 「おいコラ」 「まだまだ聞き回るんだから、そう簡単には答えは出せないよ」 警察か保健所にでも任せようと言う意見は所長命令で封殺され。 俺と友人は街の中を駆けずり回ったのだった。 …………………… ここはホテルの一室。 足が痛い。寝ていたベッドから起き上がりながらそう思った。 ゆっくりを追い掛け回す時なら苦にもならない事だが。 無駄足としか思えない聞き込みを続けていると精神的にも肉体的にも非常に疲れた。 「なるほど」 一足先に起きた友人は、手帳をペラペラ捲っては一人でうんうん頷いている。 「何か分かったんか?」 「うん、件の野良ゆっくりは並みのゆっくりじゃないって事だね」 はぁ? 「それぐらい新聞見れば分かるだろ?これだけ色々やってて未だに捕まってないんだから、普通のゆっくりじゃないって事ぐらいアホでも分かるわ」 「そうだね、件の怪我させられた少年の話も聞いたけど、身体能力がゆっくりにしては異常なんだ…………知能はかなりお粗末だけどね」 「そりゃあなぁ。これだけ無法を働いたら、本気で駆除される事になるぐらいは少し考えりゃ分かるからな」 五月蝿いだけのゴミ虫だと思ってた蚊。 その耳元を飛び回る蚊がマラリアを媒介してると知ったら? 他の蚊もマラリアを媒介しているかもしれないと思ったら? 件の野良ゆっくりもそれと同じ。 ……道理で街を歩いていても、野良ゆっくりが見付からない訳だ。 「まさか本当に全部駆除されていたとはな」 「件の野良ゆっくり一匹だけの行動ならまだしも、それを模倣したその他大勢の野良ゆっくりがやってしまったらね……綺麗な街になったから結果オーライかな」 動く饅頭だと思ってたら、実は鋭い牙を隠してましたー、子供や飼いゆっくりやお年寄りが襲われましたー、と。そりゃ人間も本気出す。 「それで発端の野良ゆっくりはどうなったんだ?とっくの昔に駆除されてんじゃねーのか?ゆっくりの見分けなんて普通つかんし」 「いや、それは無いよ。少年の話だとかなり特徴的な形しているようだから、一目見ればすぐに別ゆっくりだって気付くってさ」 「つまり、今現在この街のどっかに隠れてると?」 「そうだね。駆除が激化し始めてから、件の野良ゆっくりの被害が消えたように無くなったんだ」 それでもうこの事件は終わったようなもんだ。 後はその隠れてる野良ゆっくりが寿命で死ねば、全てが終わるだろう。 「じゃあ、とっとと事務所に帰ろうぜ。この街に野良ゆっくり居ないし俺もう疲れたよ」 「へ?何言ってんの?発端の野良ゆっくり捕まえてないじゃん?」 「えー、隠れてるんだから見付かるわけないじゃんか」 「所長命令です。市や被害者の家族から賞金も出てるんだし、働いてる気分も味わえて良い事尽くめじゃないか」 「最後のそれを、お前に言われるとそこはかとなくムカつくな……」 …………………… 金と暇だけは大量にある男二人の探し物。 結論から言うと、件の野良ゆっくりは見付かった。 「あれがそうかね?」 「そうみたいだね」 最後に被害にあった家の周辺を二人で捜し回ったその矢先。 誰も使ってないと思われる廃屋の排水溝に、そのゆっくりは居た。 元は何のゆっくりなのか? その頭に元々生えていた毛は全部刈り取られ、代わりに人形の毛だろうか?それが疎らに植付けられている。 目がいっぱいある――何かの比喩では無い。本当にいっぱいあるのだ。前面に数えられるだけで8個以上。しかもその幾つかが焼印で潰されている。 帽子は……まりさ?ぱちゅりー?みょん?ちぇん?全部混ぜた後に子供が適当に造形したかのような形状。 赤青緑と多種多様な色のペンキをぶちまけたかのような肌の色。 塵も残さないような徹底的な破壊と雀の涙程度の再生。 これを作った人間は相当な好き者である事が分かった。 「ひゃー、これは凄いな」 俯いた顔を挙げてこちらを見る魔改造ゆっくり。 どうやら声に気付かれたらしい。まあ隠す気は一切無かったが。 「どうやらこっちに気付いたようだよ」 「アレに逃げる気は無いと思うがね。逃げたとしても――」 何処の世界にアレの居場所があると言うのだ? 「やぁ!お前が街で話題のゆっくりか?」 「………………」 話し掛けても何も言わない。 何を思っている?何を考えている?全く分からない。 「もしもーし?聞こえてますかぁ?」 「……何しにきたの?」 やっと答えたと思ったら、その声も酷い物だった。 ガラガラにしわがれたその声、肺を冒された老人でもこれと比べれば元気がある声を出せると言える。 喉が薬で焼かれたんだろうか?と考えていると友人がその魔改造ゆっくりに声を掛けた。 「餡子脳が腐ってるの君?じゃあ逆に聞くけど、何でゴミみたいにこんな所に隠れてるのさ?」 「私達を捕まえにきたんだね?」 「それぐらい分かれよド低能。って私達って何?君一匹しか居ないのに数も数えられないの?本当に餡子脳腐ってるんだね?」 「………………」 「こいつは放っとくとして、お前は何てゆっくりだ?」 「……分からないよ」 「いや分からないって事は無いでしょ?何?自分探し?ポエマー気取りな「お前が喋ると話しが途切れるから邪魔すんな!」 不満そうな友人を脇に押し退ける。 でも、分からないとは何ぞや?どういう事だ? 「何で分からないんだ?」 「……私達をお兄さんがまぜたから」 「あー、なるほど。そう言う事か……」 れいむ、まりさ、ぱちゅりー、ありす、ちぇん、など等。 中身を掻き出し混ぜ合わせ圧縮して皮に詰め込む。 ゆん格が混じり合って、殆どが発狂し果てるが、ごく稀に新たなゆっくりとして完成する時がある。 昔――今もだが何回もやっているから俺にはよく分かる。 それにしても作った芸術品を道端に捨てるのはよくない事だと思う。責任もって秘密裏に処分すべきだな。 「で、お前は何で飼いゆっくりを殺したんだ?」 「…………私達より幸せそうだったから」 「ああ、逆恨みか。小学生のガキに怪我させたのは?」 「……公園に住んでたれいむを虐めてたから」 「守ってやったのね。ゆっくり大行進は?」 「それを見てた公園のれいむ達が……」 「人間にも勝てると、勘違いしたお気楽な餡子脳が暴走したんか。何でここに居るんだ?」 「……虚しい……もう疲れたよ」 聞きたい事は全て聞いてスッキリした。 後にやる事は――― 「散々やらかしたツケは払うべきだが……こいつを鞄に詰め込むぞ」 「えぇ!?何で!?」 …………………… 鞄に詰め込む時にに一瞬だけ体が硬直したが その魔改造ゆっくりは最後まで大人しかった。そう――「最後」まで。 …………………… 「ユ゙ッユ゙ッユ゙ッユ゙ッ」 「コンポストの中で生きていて嬉しいぞありす、お礼に俺が飽きるまで針刺しをやってやるよ」 嘘も付いていないのにハリセンボンを飲まされたありす。 次は、体中の針を抜き取った後に塩水と小麦粉を塗りこんでもう一回針刺しだ。 と意気込んでいると。 「何で引き渡さなかったのさ?」 テレビを見ていた友人が声を掛けてきた。 あの事の話か、こいつも聞きたがりだね。 「俺が困るからだ」 「答えになってないよ。ねぇ何で引き渡さなかったのさ?君はゆっくりに甘い人じゃないでしょ?」 「馬鹿言え、俺みたいにゆっくりにだだ甘な奴は、そんじょそこらに居ないぞ?」 「悪い冗談だね。ねぇ何であのゆっくりを殺してやったんだい?唐突に情が湧いた訳じゃあるまいし」 「あのゆっくりが普通の容姿なら市や被害者家族に引渡したさ」 「?どういう事?」 「あのゆっくりが世間様の目に触れたらどうなると思う?」 「…………出来るだけ苦しめてから、殺処分じゃないの?」 「お前に聞いた俺が間違っていたが………同情される可能性があるんだよ」 幼少期に心的外傷を残すような虐待を受けた犯罪者に同情するような人間が居る。 あのゆっくりはその姿と、悲惨な過去から世間の同情を買う確率が高いのだ。 何でこのゆっくりがあんな事をしなければならなかった?本当に悪いのは誰? そんな詮索がされる前に死人にクチナシ、表舞台に立つ前にこの世からご退場を願ったわけだ。 「……分からないな、ゆっくりに同情する奴って居るの?」 「分からない事では無いと思うがなぁ……さーて、ありす?放っといて悪かったな、続きをしようか?」 「ユ゙ッャ゙ァァ゙ッ」 今日も事務所では鬼意山二人とゆっくり一匹が仲良く過ごしましたとさ。 めでたしめでたし。 前作 『ふたば系ゆっくりいじめ 79 暇人二人のゆっくりいじめ』 『ふたば系ゆっくりいじめ 64 酷い暇潰し』 【ふたば系ゆっくりいじめ 58 ドスまりさがぶっ殺される話】 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 同情するしないは勝手。 同情しても結局何もしなかったり、根本的解決をしなかったり、そういう奴こそ只の偽善者。 ハッキリ言って無関心よりタチが悪い。それを理解せずに、正義ぶってる奴が多すぎるのも問題やな~。 ※このシリーズ大好きです! -- 2018-01-24 14 08 35 ゆっくりに同情するモノ、味方するモノは例外無く死刑にすれば大丈夫だよ! -- 2015-07-30 00 36 39 このゆっくりを作った奴はきっと捜索されるだろう、被害も出てるし、その調査上に虐待鬼威惨の存在が 浮上するのは当たり前だから、さっさと処分した方が良いだろうな -- 2012-12-12 21 21 24 社会の中でゆっくりへの同情が強まれば虐待お兄さんである自分にも都合が良くない、というわけか…。 -- 2010-10-09 19 02 30 コンポストの中でよく生きてたなありすw 針だらけだったせいで助かったんだろうか -- 2010-09-06 02 46 10 ゆっくりに同情か・・・いるよねそういう無意識に自分より格下のモノに偽善的な感情を持つやつって。 -- 2010-08-01 14 07 06
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1653.html
七罪 26KB 虐待-普通 悲劇 自業自得 現代 ネタかぶりしてないことを祈りつつ ■罪源 冬の長さを示すような根深い雪を踏みしめ、私は歩く。 肩をすくめて寒さを耐え忍び、我が家への帰路を歩く。 口元に漂う白い息を見ていると、心まで冷たくなってゆくようだ。 「おにいさん、れいむをゆっくりさせてね!」 緩やかな風に流れる灰色の曇り空は、日の光も通してはくれない。 雪を落としてこないのが、せめてもの救いだろうか。 両の耳などは、恥ずかしいぐらい真っ赤になっているのだろう。 指で擦ってみると、まるで自分の身体ではないかのように冷たくなっていた。 「あと、あまあまちょうだいね!」 コンビニ袋を持っていなければ、両手ともポケットに突っ込みたいところだ。 それでも今の私には、わずかな温もりがありがたい。 片手だけを上着のポケットへねじ込み、私は身を縮ませた。 閑散とした、見慣れた住宅街が周囲に広がってくる。 人通りも少なく、聞こえてくるのは自らのコンビニ袋が擦れる音だけだ。 この先には、貧しいながらも暖かい我が家が待っているはすだ。 「ゆ? ここがおにいさんのおうち?」 足を止め、ズボンのポケットから鍵を取り出す。 このドアの向こう側は、どれだけの暖かさを与えてくれるのだろう。 想像するだけで、寒く辛かった道のりも全て癒される気がした。 「きにいったよ! ここをれいむのゆっくりぷれいすにするよ!」 私は鍵を取り出す手を止め、足元に視線を移した。 ■強欲 「ゆぶげっ!」 振り下ろした足の下で、潰れたバレーボールのようなものが悲鳴を上げる。 悲鳴に合わせて、黒髪と赤いリボンがわさわさと蠢いていた。 想像以上に心地良い弾力が、足の裏から伝わってくる。 私は、力を抜いたり入れたりを何度も何度も繰り返した。 「ゆぶっ! ゆびっ! ゆぶっ!」 バレーボールが、歪な変形を繰り返す。 寒さも忘れてしまいそうなほど、私はその行為に熱中した。 「い、いたいよ! いますぐやめてね!」 私はハッとなり、コンビニ袋に目をやった。 とんでもない失敗に気が付いたのだ。 貴重な時間を使い過ぎてしまったことに。 慌てて袋から中身を取り出す。 手に取ると同時に、私はひどく安堵した。 「ゆゆっ! あんまんさんだよ!」 暖かさが保たれていたことに、心から感謝する。 かすかな湯気を放つあんまんが、輝いて見えるかのようだ。 「はやくちょうだいね! たくさんでいいよ!」 それは、とても感動的な暖かさだった。 寒さにかじかんだ指は思うように動かない事を忘却するほどに。 「ゆ!」 柔らかい、とても柔らかい音と共に、あんまんが地面に接する。 一瞬の油断が命取り、と語ったのはどこの誰だっただろう? なんの打開策にもならないことを悩むほどに、私は激しく動揺していた。 「むーしゃむーしゃ!」 心が平静を取り戻す頃には、全てが終わっていた。 落下したあんまんは、跡形も無くなっていたのだ。 「おかわりちょうだいね! ぜんぜんたりないよ!」 私はしばし、思慮にふける。 無くなってしまったものは、もう戻ってはこない。 ならばこの状況、私が取れる最善とは一体なんなのだろうか? 答えは、思いのほか簡単に導き出された。 あんまんは、無くなったわけではなかったのだ。 「あと、あまあまちょうだいね! ゆっくりぷれいすもちょうだいね!」 あんまんは、この中にある。 「ゆゆっ! おそらをとんでるみたい!」 両の手で、頬のあたりをしっかりと掴み持ち上げる。 指の先まで強い意志を込め、決して落とさないように。 「れいむとんでる! おそらもれいむのものだよ!」 頬を紅潮させ、だらしなく涎を垂らすバレーボールと向き合う。 目を背けたくなるような光景だが、これもあんまんのためだ。 私は、ゆっくりと掴む力を強くしていく。 「ゆんゆゆ~♪ ……ゆっ? ちょっといたいよ!」 力を込めたことで、わすかでも体温が上がったのだろうか。 かじかんでいたはずの指も、自由に動かせるようになってきた。 私はゆっくりと、両の手を左右に広げてゆく。 「いたいっ! ちぎれちゃう!」 ミチ……ミチ……という音が、指のあたりから聞こえてきた。 バレーボールの頬に亀裂が入り、薄っすらと黒い餡子が見え始める。 ほんの少し前まで笑顔に満ちていたものは、もう見る影もなかった。 横幅は2、3倍に引き伸び、どんな表情なのか判別できなくなっている。 どれほど出来の良い福笑いでも、ここまで面白い顔にはならないだろう。 「やめてね! やめてね!」 この状態でも言葉を発っせられることに、ほんの少しだけ感心する。 私は敬意を表して、左右へ引く力を更に強くした。 「ゆ、ゆんやあぁ~っ!」 頬だけではなく、身体のあちこちに亀裂が入り始める。 最初は滲む程度だった餡子も、亀裂から漏れ落ちて床に染みを作っていた。 大変見苦しいので、足の裏で丹念に踏みにじる。 「れいむのあんこさん、ふまないでね!」 他人の所有物、誰の所有物でもないもの、何もかも全て。 どれだけの物を欲すれば、気が済むのだろう。 あんまんも自分のもの、家も自分のもの、大空も自分のもの。 「もっと、ゆっくり……したかったぶぎゅ!」 自問自答をしているうちに、目前では餡子の花が咲き乱れていた。 床に飛び散る、餡子に混じった何か。 それはあんまんではなく、ただの生ゴミだった。 ■色欲 「ただいまー」 帰宅を告げながら、横着して手を使わずにつま先で靴を脱ぐ。 玄関を上がったあたりで、廊下の向こうからポヨンポヨンと間抜けな効果音が聞こえてきた。 「おにいさん、ゆっくりおかえり!」 金色の髪に黒い帽子を被った球体が、不敵な笑顔で飛び跳ねてくる。 あまりに激しく跳ねるものだから、帽子が徐々にずれてきているようだ。 「おい、そんなに跳ねると……」 「ゆゆっ!?」 案の定、帽子が床にずり落ちてしまった。 慌てて振り向き行方を追うが、ゆっくりは急に止まれない。 「まりさのすてきなおぼうしがぁー!」 「前見ろ、前」 ポヨヨン! 「ゆぴっ!」 見事、私の足元へ正面衝突だ。 大きな目に涙を一杯に溜め込み、仰向けに転がってしまう。 「ゆっぐ……えっぐ……」 コンビニ袋を床に置き、両手を使って元の体勢に直してやる。 瞬く間に、不敵な笑顔が戻ってくる。 「ゆっくりもどったよ!」 「ああ、よかったな」 「……ゆ!? まりさのすてきなおぼうしがないよ!?」 キョロキョロと、せわしなく左右を見回す。 落ちた帽子は遥か後方なので、いくら前方を探しても見つかるわけがない。 私は仕方なく帽子を取りに移動し、持ち主の元へ返してやる。 「ゆ! おぼうしさん、ゆっくりおかえり!」 よほど嬉しかったのか、鏡も無いのに身体をクネクネさせてモデル気取りだ。 満足げな顔を見届け、私は廊下の奥へ歩き出す。 玄関先の餡子の染みを思い出すと、少し気分が憂鬱になる。 しかし、放置しておいて虫でも集まられたらたまらない。 私は物置部屋に入り、掃除用具……箒に塵取りを取り出した。 「んほおおぉぉぉ!」 嬌声が響き渡ったのは、その瞬間だった。 「ゆんやああぁぁぁ!?」 掃除用具を手にしたまま、慌てて玄関へ戻る。 そこには、とても言い知れない光景が広がっていた。 「とっても、とかいはなまりさだわ! んほ! んほ!」 「やめてね、やめてね!」 嬌声の主は、金髪にカチューシャをつけた丸い球体だった。 何かの液体で濡れているのか、表面は妙な光沢を発している。 先程までクネクネしていたのは、モデル気取りの帽子の主だった。 しかし、今クネクネしているのは金髪カチューシャの方だ。 モデル気取りに押しかかり、腰のあたりを激しく動かしている。 生理的な嫌悪が、身体をかけずる。 反射的に、手にしていた箒を金髪カチューシャに振り下ろした。 「ゆぎぃ!?」 濁ったうめき声を上げて、金髪カチューシャは動きを止めた。 ほんの、一瞬だけ。 「……ゆふ、ゆふんほほおぉ!」 「ゆんやぁー!?」 金髪カチューシャが、再び腰を動かし始める。 箒で叩いた部分が歪に凹んでいるのも、おかまいなしだ。 「くそっ! このっ!」 私は何度も何度も、箒を振り下ろす。 叩いた箇所から金髪カチューシャの皮が裂け、クリームが漏れてくる。 それでも、腰の動きを完全に止めることは出来なかった。 「きんもちいいぃぃぃ! まりさのまむまむ、さいこうだわああぁぁぁ!」 「す、すっきりしちゃう~!?」 気が付けば、涙と謎の液体で両者ともヌルヌルテカテカだ。 猶予が無さそうな状況に、私は覚悟を決めた。 「ゆぎゅっ!」 モデル気取りを足で踏みつけ、金髪カチューシャに両手を添える。 「いくわよまりさ、いく、いくうぅぅぅ!」 スポーン! 金髪カチューシャがモデル気取りから外れ、腰の突起物が露になった。 そのまま、玄関外へ放り投げる。 手のひらには、ねっとりとした最悪の感触が残っていた。 「すっきりいぃぃぃ!」 金髪カチューシャが嬌声を上げながら、放物線を描く。 腰の突起物からは、謎の液体を放出しながら。 「ゆぶっ!」 モデル気取りから足を離し、玄関外へ飛び出す。 金髪カチューシャは既に体勢を整え、起き上がろうとしていた。 「ぶっかけもよいけど、なかにもださせてねええぇぇぇ!?」 ご近所さんにとんでもない誤解を招きそうな絶叫に、私は顔をしかめる。 狭い玄関では躊躇していた分を取り返すべく、思い切り箒を振り上げた。 「こんやは、ねかさないわよおおぉぉ!」 渾身の力で、箒を叩きつける。 あまりの勢いに箒が折れてしまうのではないか、といわんばかりに。 「んほぶっ!」 盛大に謎の液体を撒き散らしながら、金髪カチューシャはやっと動かなくなった。 性欲の塊が、クリームの塊に変化したのだ。 私は目をつぶり、とても深い溜息を漏らす。 処理が終わった安堵感と、掃除対象が増えた無念感からくるものだった。 ■嫉妬 「ゆっぐ……えっぐ……」 モデル気取りも今は昔。 こんなに腹をぷっくりと膨らませては、引退も止む無しだろう。 「まりさ……にんっしんっ! しちゃった……」 いくらおさげで目元を抑えても、溢れる涙は止まらない。 膣外射精は避妊法じゃないから……などと説明した所で、慰めにもならないだろう。 掃除があるからと横着して、玄関ドアを開け放しにすべきではなかった。 私だって、通りすがりに絶世の美女がクネクネとポーズを取っていたら……。 ……いや、それでも突然レイプはしない。 そもそも、こいつは美女なのだろうか? 「ゆわぁ~あ。よく寝たよ!」 間延びした声に顔を向けると、廊下の奥からズリズリと球体が這いずってきた。 元モデルも気が付いたらしく、這いずる球体の方を見つめている。 球体の黒髪は寝癖だらけで、赤リボンも変な角度に曲がっているようだ。 三六〇度どこから見ても、完璧な寝起きである。 その腹のあたりは、元モデルに負けず劣らずぷっくりと膨れている。 「れ、れいむ……」 「ゆゆっ!? まりさ、なんなのそのおなか!」 寝癖リボンが、元モデルへ向かって物凄い勢いで跳ねてくる。 身篭っているとは思えないぐらいの跳ねっぷりだ。 鬼のようにつり上がった眉毛に、血走った目、歯茎むき出しの口元。 その表情は、とてもじゃないがゆっくりしたものとは程遠かった。 「これはね、れいぱ……」 「うわきしたんだね、まりさ!」 さすが耳が無いだけあって、聞く耳も持たない。 「ちがうよ! だからこれは、れいぱーに……」 「れいむというものがありながら!」 一方的に責め立てる寝癖リボン。 元モデルがあまりに忍びないので、私は助け船を出してやることにした。 「おい、これは事故で……」 「おにいさんはだまっててね!」 ドムン! 会心のトゥーキックが、寝癖リボンに鋭く決まった。 寝癖リボンが壁で反射しながら、廊下の奥へ飛んでゆく。 もしかしたら、風圧で寝癖も直るかもしれない。 「ど、どぼじでこんなことするの……」 「急にボールが来たんで、つい……」 前歯が何本が無くなっているようだが、大きな問題は無いだろう。 この程度は日常茶飯事なので、気にする必要はない。 「まぁ、こいつの話も聞いてやれよ」 「ゆ! いいわけなんてきかないよ!」 寝癖リボンの目前で、もう一度トゥーキックの体勢を取る。 「まりさ、ゆっくりせつめいしてね!」 平和的に示談が始まったようなので、あとは当人達に任せることする。 「れいぱーに、すっきりされたんだよ!」 「れいぱーなんて、どこにもいないよ!?」 「おにいさんが、せいっさいっしたんだよ!」 「てきとうなこといわないでね!」 「ほんとうだよ! ゆっくりしんじてね!」 「……でも、すっきりしたんでしょ!」 「すっきりしたよ!」 「きもちよかったんでしょ!?」 「そんなことないよ!」 「まりさのうわきもの! れいむのばーじんかえしてね!」 初めてのことを気にしているとは、思わなかった。 年中盛っているイメージがあったので、意外だったのだ。 「まりさだって、ばーじんだったんだよ!」 「ばーじんをれいぱーにあげるなんて、どういうことなの!?」 「あげたくてあげたんじゃないよ! ゆっくりりかいしてね!」 「ほんとうなの!? まりさからさそったんじゃないの!?」 「ひどいこといわないでね!」 「まりさは、いんらんだよ! めすぶたってよんであげるよ!」 「どぼじでそんなこというのー!?」 「れいむのいうことがきけないの!?」 「まりさのいうこともきいてよ!」 元モデルの顔は涙でグシャグシャになり、確かに豚顔のようにも見える。 しかし、あまりにあまりなやり取りである。 「あのな……」 思わず口を挟むと、寝癖リボンが般若のような顔で見上げてきた。 目は血走り、口元からは涎が吹き出している。 「じじぃはだまっててね!」 「おい、話を聞けよ」 寝癖リボンは鼻も無いのに鼻息荒く、元モデルに向き直る。 「もう、はなしてもむだだね!」 「ゆんやぁー!」 「ゲスなまりさは、せいっさいっしてやるよ!」 寝癖リボンが飛び上がり、空中に浮かぶ。 「ゆっくりしね!」 ドムン! 会心のボレーキックが、寝癖リボンに鋭く決まった。 廊下の一番奥まで吹っ飛び、壁に激突してずり落ちる。 気絶してしまったのか、ピクリとも動かない。 餡子を少し吐いているようだが、あの程度なら命に別状はない。 後でオレンジジュースでもかけてやれば、寝癖も一緒に直るだろう。 元モデルの方を見ると、いつもの不敵な笑顔に戻っていた。 膨らんだ腹のせいかもしれないが、踏ん反り返っているようにも見える。 「ゆふふ、いいきみだよ」 「……チッ」 元モデルの呟きに、眉をしかめて舌打ちする。 会心のキックが決まったというのに、不満げな気持ちが込み上がる。 掃除するものが増えたから……それだけが理由ではないような気がした。 ■怠惰 部屋の真ん中には、腹を大きく膨らませた饅頭が二つ鎮座していた。 「すーやすーや……すーやすーや……」 寝癖の直らない赤リボンの方は、熟睡を示す寝言を喋りながら夢の中だ。 ついさっきまで修羅場だったとは、とても思えない。 幸せそうな笑顔で、膨らんだ腹に両のもみあげを置いている。 生まれてくる赤ん坊の夢でも見ているのだろうか。 「まりさのかわいいおちびちゃん、ゆっくりうまれてね!」 元モデルの方も、すっかり母性に目覚めたようだ。 こちらも膨らんだ腹をおさげで擦り、満足げに微笑んでいる。 「というか、産むのか?」 元モデルの目前に座り込み、私は問いかけた。 強姦されて出来た子……多少でも葛藤はないのだろうか。 「かわいいまりさのおちびちゃんだから、きっとかわいいよ!」 「ああ、そう……」 問題は、もう一つあった。 寝癖リボンが身篭った時に、元モデルと約束を交わしていたのだ。 「しかし、そんな身体でコイツの面倒見られるのか?」 問いかけながら、寝癖リボンを指差す。 身篭ってからというもの、寝るか食ってるか二択の生活だ。 最近では、まともに動こうともしない。 だからこそ、元モデルが世話をする約束が必要だったのだ。 「まりさはにんっしんっしたんだよ!」 「知ってるよ」 「だから、おにいさんがれいむのめんどうをみてね!」 「断る」 「どぼじでそんなこというの!?」 子を産むことに反対こそしなかったが、これ以上手間をかける気もなかった。 当人達の望みなのだから、当人達で責任を取れと約束したはずだ。 「じゃあ、れいむはどうでもいいよ!」 「そうなのか」 「かわりに、まりさのめんどうをみてね!」 「断る」 「どぼじでそんなこというの!? まりさはだぶるまざーなんだよ!」 産まれた後のことも、頭が痛い。 倍の数を面倒見るつもりは毛頭無いが、わざわざ間引くのも面倒くさい。 「全部殺すか」 「こわいこといわないでね!」 情けない涙顔で見上げる元モデルの頭を、帽子越しに撫でてやる。 「ははは、半分冗談だ」 「ゆふー! びっくりしたよ!」 元モデルが嬉しそうに、餡子が一杯に詰まっているであろう腹をプルプルさせる。 ふと玄関にあんまんが置きっぱなしだったことを思い出し、立ち上がった。 「……ゆ? はんぶん?」 元モデルの呟きが背中越しに聞こえた気がしたが、私は無視して玄関へ向かった。 ■暴食 今度こそ玄関の戸締りを確認し、床のコンビニ袋に手を伸ばす。 部屋に戻ってみると、鎮座した二つの饅頭は仲良く寝息を立てていた。 元モデルも、寝るか食うかの二択生活になってしまったようだ。 私は目前に座り込み、コンビニ袋を床に置く。 あんまんを一つ取り出した所で、飲み物が無い事に気がついた。 台所へ向かおうと、立ち上がった瞬間……。 「……ゆゆっ!?」 熟睡していた筈の饅頭達が、カッを目を見開いた。 「あまあまだ!」 「はやくちょうだいね!」 一目散に、饅頭達がコンビニ袋へ向かう。 慌てて私も手を伸ばすが、一度立ち上がろうとしたために反応が遅れてしまった。 「がーさがーさ! がーさがーさ!」 「ゆゆゆっ! あまあまがあったよ!」 「むーしゃむーしゃ! むーしゃむーしゃ!」 「うめっ、これめっちゃうめっ!」 「しあわせーっ!」 透明度の低い袋なので、中の様子は良く見えない。 しかし、何が行われているのかは明確に予測できた。 思えば、寝癖リボンはともかく元モデルは身篭ったばかりだ。 懐妊祝いというわけではないが、今回は自由に食わせてやろう。 私はそんなことを考えながら、あらためてあんまんを頬張ろうとした。 「ゆびぃっ!?」 突然、コンビニ袋の中から悲鳴が聞こえてきた。 声だけでは、どちらの饅頭が発したものなのかはわからない。 「むーしゃむーしゃ、それなりー?」 「いたいよ! すぐにやめてね!」 コンビニ袋に手を差し込む。 しかし、どれがあんまんでどれがそれ以外なのか、感触だけでは分からなかった。 「このあんまんは、あまりおいしくないよ!」 「ひどいこといわないでね!」 「でもまりさはたべてあげるよ! ゆっくりかんしゃしてね!」 「ゆんやぁー! れいむのたまのはだがー!」 引っ張り出すのをあきらめて、コンビニ袋を逆さになるよう引っ張り上げる。 何かが引っかかっているのか、なかなか中身は出てこない。 「がーつがーつ! がーつがーつ!」 やがて、ポテポテッ! という音と共に、二つの球体が床に落ちる。 元モデルは無傷のようだが、寝癖リボンは重傷だった。 身体のあちらこちらが食いちぎられ、穴だらけになっている。 「ゆぐっ……れいむの……おちびちゃんが……」 寝癖リボンの腹が裂けて、漏れた餡子に混じって何かが見えた。 小さな目と口がついた、ピンポン玉のような塊だ。 寝癖リボンを掴み上げ、台所へ向かう。 流し台にそっと置いて、オレンジジュースをたっぷりと振り掛けた。 「ゆゆっ!? まりさのあまあまはどこ?」 声に背後を振り返る。 そこには、帽子を被った食欲の塊が、頬を紅潮させ満面の笑みを浮かべていた。 食欲の塊が、キョロキョロと周囲を見渡す。 よく見ると口元には餡子だけでなく、癖のついた黒髪が纏わり付いていた。 「お前、何してんだ……」 私の心に怒りや恐怖はなく、ただひたすらに呆れていた。 この食欲の塊は、自分と甘味以外の存在をこの世から打ち消していたのだ。 「ゆっ! あまあまだ!」 食欲の塊が、私が手にしていたオレンジジュースに顔を向ける。 そのつぶらで大きな瞳には、もう私の存在も映っていないのだろうか。 全くゆっくりしていない反応で、食欲の塊が手元向かって飛び跳ねてきた。 しかし私は手を避けることはせず、逆に振り下ろす。 「ゆびっ!?」 空中衝突した食欲の塊が勢いを失い、床に落下する。 「ゆうぅ……まりさはしんぐるまざーなんだよ!」 ……食欲の塊は、先刻確かに『ダブルマザー』と言ったはずだ。 強姦魔は、既に亡き者となっている。 ならば『シングルマザー』の方が正しいといえば正しいのだが……。 それを言い直したということは、つまり。 私の中の呆れが、嫌悪に変わってゆく。 最初はどうだか分からないが、少なくとも現時点では確信しての行動だったのだ。 「だから、えいようとらなきゃだめなんだよ!」 再び、食欲の塊が私へ向かって飛び込んできた。 「あと、あまあまちょうだいね!」 私は、オレンジジュースを持っていなかった方の腕を振り下ろした。 思いきり振りかぶり、渾身の力を込めて。 「ゆぶぎゅっ!?」 食欲の塊が床に叩きつけられ、歪に変形する。 私は行く末を見届けるまもなく、繰り返し拳を叩き込む。 「ぎゅぶっ!? やべちぇぶっ!?」 食欲の塊からは、既に意味不明の言葉しか聞こえなくなっていた。 もちもちだった肌は亀裂だらけになり、衝撃の度に餡子がばら撒かれる。 つぶらで大きな瞳があった場所も、不敵な笑みを浮かべる口元も。 もはや、何処にあったのか判別できない。 凄惨な光景とは裏腹に、不思議なほど私の心は落ち着いていた。 何度も拳を振り下ろしながら、他のことまで考える余裕さえあった。 後の掃除のこと、マンガの単行本を買い忘れたこと……。 ■憤怒 「どぼじで、いうことがきけないの!?」 寝癖リボンの怒声が響き渡る。 その目前では、ピンポン玉ほどの塊が目に涙を一杯に溜めこんでいた。 黒い帽子を目深に被り、小さな身体をプルプル震わせ俯いている。 まるで、今にも消えてなくなってしまいそうだ。 「まだ赤ん坊なんだから、仕方ないだろ」 私が横から声をかけると、寝癖リボンの眉毛がキリリ! とつり上がった。 小麦粉の補強跡を気にする素振りもなく、身体を大きく踏ん反りかえさせる。 「まったく、できのわるいおちびちゃんだよ!」 「だって……まりしゃ……まりしゃ……」 「くちごたえしないでね!」 寝癖リボンが身体を捻って、もみあげを振り回す。 ピンポン玉は弾き飛ばされ、テン、テン、と転がっていった。 「ゆぴぃ~! ゆっくちできない~っ!」 滝のような涙を流して、ピンポン玉が泣き叫ぶ。 それを見て寝癖リボンは、例によって鼻もないのに鼻息を荒くした。 「これは、あいのむちなんだよ! ゆっくりりかいしてね!」 「もうやじゃ~! ぴゃぴゃ、たしゅけちぇ~!」 父親を呼ぶ言葉を聞いて、寝癖リボンの身体が朱に染まってゆく。 ピンポン玉の目前まで跳ねてゆくと、大きく息を吸い込んだ。 「あんなゲス、ぱぱじゃないよ! ぷくーっ!」 「ゆんやぁ~っ!?」 人差し指を伸ばし、寝癖リボンの頬を突く。 「ぷしゅるるるる!」 口から空気が抜けたことが、万人に分かるよう宣言される。 私は寝癖リボンの頭に手を置き、顔をこちらに向かせた。 「それぐらいにしろよ」 「お、おにいさん……」 オレンジジュースの効果は絶大だったらしく、親子饅頭は見事息を吹き返した。 減っていた餡子は食欲の塊だったものから拝借したが、特に問題もないようだ。 一刻も経たないうちに、こうして言い合うほどに元気になるとは思わなかったが。 今さらだが、つくづく不思議なナマモノだ。 しかし、余程に元モデルとの出来事が腹に据えかねたらしい。 寝癖リボンはピンポン玉の一挙一動に難癖を付け、説教と体罰を繰り返していた。 金髪に黒帽子で産まれてきたことも、気に食わないのだろう。 「あんなゲスにならないよう、れいむがきょういくしないとだめなんだよ!」 「まりしゃゲスじゃないよ!」 「だいたい、そのぼうしがきにくわないよ!」 「まりしゃのすてきなおぼうちさんは、ゆっくちできるよ!」 「かみのいろも、ゆっくりしてないよ!」 「しゃらしゃらのきんぱつしゃんは、ゆっくちできるよ!」 「そもそも、れいむにぜんぜんにてないよ!」 「まりしゃはまりしゃだよ! ゆっくちりかいしちぇね!」 しかし、聞けば聞くほど、どうしようもない理由ばかりだ。 「なまいきいうんじゃないよ!」 寝癖リボンの体当たりで、ピンポン玉が弾き飛ばされた。 再びテン、テン、と転がってゆく。 「い、いじゃい~! ゆっくちさせちぇよ~!」 「ゆん! やっぱりゲスのこはゲスだね!」 「どぼじでそんなこちょいうにょ~!?」 「またくちごたえしたね! もうゆるさないよ!」 私は溜息をつき、寝癖リボンの眼前に手を開く。 寝癖リボンは視界を塞がれ、動きを止めた。 「あんまん、もう一度買ってくるよ。マンガも買い忘れてたしな」 「あんみゃん?」 「おちびちゃんは、だまっててね!」 「ああ、とっても甘くて美味しいぞ」 「あみゃあみゃ! あみゃあみゃ!」 「ゆぐっ……」 「だから、おとなしく待ってるんだぞ」 私はできるだけ静かな口調で、語りかけた。 寝癖リボンには手のひらで、ピンポン玉には指先で、頭を撫でてやる。 「わ、わかったよおにいさん……」 「はやくあみゃあみゃちょうだいにぇ!」 嬉しそうにピョンピョン跳ねるピンポン玉を見て、寝癖リボンの眉間にしわが寄る。 あの食欲の塊への怒りが消えないのはわかるが、子供には罪は無い。 今日は一段と寝癖リボンのヒステリーが酷いが、根はのんびりした性格だ。 もう少し時間が経てば、きっと怒りも静まるだろう。 再び外に出るのは億劫だが、暖かいあんまんのため……いや、親子団欒のためだ。 そう信じて、私は家を後にした。 ■傲慢 「ただいまー」 私が帰宅を告げると、いつも最初に跳ねてきたのは黒帽子の元モデルだった。 今にして思えば、帰宅時は何かしら食い物を買ってきていた。 目的はそこだったのかと思うと、悲しくはないが情けない気持ちになる。 玄関を上がって廊下を歩く。 あんなに騒がしかった親子の喧噪も、全く聞こえなくなっていた。 疲れて、昼寝でも始めたのだろうか? 饅頭達が居るはずの部屋に入るべく、私はゆっくりとドアを開ける。 「おまた……せ……」 手にしていたコンビニ袋を、床に落としてしまう。 すぐに我に返り拾い直すが、何とも不思議な感覚だ。 こんなリアクションなんて、ドラマやマンガの中だけだと思っていたのに。 身体の力がスッと抜け、自分でも気付かぬうちに指を離していたのだ。 しかし、ショックを受けて……というのとは、少し違うようにも思えた。 心のどこかでは、この光景を予想できていたのかもしれない。 やはりこうなってしまったか、思ったとおりだ、という脱力感。 「むーちゃむーちゃ!」 寝癖リボンの姿は、どこにも見当たらなかった。 代わりに、赤いリボンと癖のついた黒髪が、餡子の海に広がっている。 その中心に佇む、なすび型に膨らんだ醜い何か。 一心不乱に咀嚼を繰り返すその姿は、新種のエイリアンか何かのようだ。 私に気づく様子もないエイリアンに、近づきしゃがみ込む。 「美味いか?」 「ゆゆっ?」 私を見ても逃げる様子もなく、悪びれた様子も無い。 「おいしくにゃいよ!」 エイリアンが、つぶらな瞳をキラキラさせる。 その顔には、親そっくりの不敵な笑みを浮かべていた。 「でもまりしゃはたべてあげるよ! ゆっくちかんしゃしちぇね!」 少しだけ周囲を見渡してから、あらためてエイリアンに向き直る。 「何をしたんだ?」 「ねてるすきに、りぼんをぼっしゅうっ! したんだよ!」 確かにあれは、ゆっくりにとってはかなり大事なものだ。 洗濯する度に暴れて大変だったことを思い出す。 赤ん坊の身体でよく外せたものだが、寝相の悪さで取れかかっていたのだろうか。 「そしちゃら、ごらんのありしゃまだよ!」 圧倒的に説明不足だが、周囲に散らばっている掃除用具や家具を見れば想像はついた。 リボンを探して暴れたあげく、掃除に使っていた箒やその他に追突したのだろう。 二次災害で更に色々と倒れ込み、見事潰れてしまったわけだ。 今日はすっかり、掃除三昧になってしまったな……。 そんなことを考えていると、エイリアンがじりじりと移動を開始した。 すぐ横にあった、一際大きく盛り上がった餡子の塊に向かっている。 「しょくごのうんどうをしゅるよ!」 エイリアンは、私の目の前で腰を降り始めた。 「んほおおぉぉぉぉ!」 強姦魔に犯された餡子を、治療に使ったためなのだろうか? エイリアンは何かに取り憑かれたかのように、餡子に腰を叩きつけている。 「にゃ、にゃんだか、きもちよくなってきちゃったよ!」 私は、それを尻目に掃除用具や家具を片付け始める。 「しゅっきり~っ!」 行為が終わったようだ。 片付けを中断し、あらためてエイリアンと向き合う。 「ゆゆっ! まりしゃにみとれてりゅの?」 「ゆっくりできたか?」 「もっと、ゆっくちさせちぇね!」 「まだ足りないのか」 「まりしゃは、せかいでいちばんゆっくちするんだよ!」 「親が死んだんだぞ?」 「まりしゃはゆっくちしてるよ!」 「部屋も、こんなに散らかってしまった」 「まりしゃがゆっくちできれば、それでいいよ! ゆっくちりかいしちぇね!」 私は、拳を握り締める。 「理解出来ねぇよ」 床に叩きつけた拳を中心に、餡子その他が激しく飛び散る。 「ゆぴぃっ! いちゃい、いちゃいよ!」 エイリアンは半身を失いながら、悲鳴を上げ続けていた。 裂けた所に皮が張り付き、餡子の流出は最小限に留まっている。 餡子が潤滑材となったのか、叩きつけられたエイリアンの身体が滑ったのだ。 「おいじじぃ! どりぇいにしてやるから、まりしゃをたしゅけちぇね!」 半身を奪った張本人に対して、救助の申し込みだ。 返事の代わりに、手のひらでエイリアンを持ち上げる。 「ゆゆっ! おそらをとんでるみちゃい!」 エイリアンは、あっという間に上機嫌になった。 痛みも忘れたのか、手の上でキョロキョロとせわしない。 自分の不幸に何の疑問も持たない、純粋無垢の笑顔が輝いている。 「やっぱりまりしゃは、とくべちゅなんだにぇ!」 空いた方の手を構える。 「かわいくっちぇ、ごめんにぇ!」 パン! と手を合わせる甲高い音が、餡子まみれの部屋に鳴り響いた。 隙間から流れ落ちる餡子も気にせず、私はそのまま合掌した。 何を拝むわけでも、なく。 ■贖罪 掃除が一通り終わった時に、私はやっとあんまんのことを思い出した。 コンビニ袋をテーブルに載せ、買い物してきたものを取り出してゆく。 あんまん、ジュース、マンガの単行本……。 そこで目が留まり、単行本の表紙を見つめる。 それは『七つの大罪』がストーリに絡んでいるマンガだった。 なぜか今日の出来事全てが、私の頭の中に蘇ってくる。 ――あらためて思えば、いつもそうだった。 ゆっくりの言動は単純だ。 ほぼ、どれかに当てはまる。 強欲・色欲・嫉妬・怠惰・暴食・憤怒・傲慢。 『ゆっくり』が示したもの。 『人間』を罪に導くと言われるもの。 それが、何を意味しているのか。 『ゆっくり』が『人間』に示しているものは、何なのか。 「………………」 答えを口にすることが出来なかった。 答えがあるかどうかさえも、分からなかった。 代わりに私は、あんまんを口にした。 あんまんは、すっかり冷え切っていた。 ‐‐‐‐‐‐‐‐過去作‐‐‐‐‐‐‐‐ ふたば系ゆっくりいじめ 776 ゆっくりたたき ふたば系ゆっくりいじめ 769 ゆっくり採集~つかまってごめんね!~ ふたば系ゆっくりいじめ 766 まりさがまりさだよ! ふたば系ゆっくりいじめ 761 ゆっくりした週末 ふたば系ゆっくりいじめ 755 まりさもみもみ ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓×5 希少種が持てはやされるのは、 ・高い知能(人間との力量の差を理解している) ・ゲス化しにくい餡統 ・物珍しさ(希少性) が由来だからだね。 動物でも「言う事を聞かない・部屋を散らかす・大声で鳴く・躾を守らない」のは嫌だろ? まぁそこで更に「自分>赤ちゃん>ルール>人間」であるゆっくりはペットには向かないな。 -- 2018-01-17 06 02 29 ↓間違えた。もう1つ下です -- 2016-02-21 11 41 12 ↓2うるさい -- 2016-02-21 11 40 27 ハガレンかなぁ。 -- 2012-03-19 17 24 47 クズがつぶれてすっきりー! 合掌なんてまるで神への祈りじゃないか 饅頭に神はいないが -- 2011-06-08 14 58 52 どいつもこいつも希少種希少種と… -- 2011-01-18 15 59 29 もうちょっと餡の良い奴等を買うべきだったねー お兄さん勉強するべきだよー -- 2010-11-04 14 19 22 通常種の中でもありすほど善悪で可愛差の出る種類はない -- 2010-09-14 21 35 02 基本種は絶対ダメだな。とくにででいぶとまりさ 虫唾が走る -- 2010-06-29 02 04 16 ゆっくり飼うなら、高くついても賢い希少種だな。 -- 2010-06-23 09 06 57
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1362.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 646 似非/コメントログ」 設定は面白かったし内容も面白かったけれど 最後のオチが・・・ 仮にも実験体を観察する観察者が 「ぬいぐるみに怯えている」ことに気がつかないなんてありえない ましてや赤ゆっくりの方は赤ゆっくりがショックを受けていることがわかっているのに それを「ぬいぐるみの方に情がうつったんだな」っておかしい、 矛盾している それさえなければ良作だった -- 2010-03-19 13 41 34 ↓わざとでは? -- 2010-07-16 18 20 53 非ゆっくり症になってしまいそう。 -- 2010-07-20 23 03 28 これはwww声出してワロタww -- 2010-09-23 06 39 24 SSもオチも非常に良かった ただこいつらもう少しまともな研究しろよwwwテラ穀潰しwww -- 2010-09-23 23 21 31 赤ゆへの虐めが足りな過ぎ -- 2011-05-26 07 58 17 飾りにくっついてるのワロタwww -- 2012-07-22 00 10 42