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まえがきという名の弁解 ゆっくりを全然いじめてない上につまらないです 後半と前半でテンションがまるで違います ゆっくりらしい台詞はほとんど出てきません 一応ドスものです それでも構わんという心の広い人だけ読んでね 見ただけで気が触れそうな満月の夜。 人も近づかない、近づけないような森の奥深くを、ゆっくりと丸い巨体が進んでいく。 そのまん丸い巨体の頭頂部にのった巨大な黒いとんがり帽子。 ドスまりさだ。 しかし彼女はどうやら普通のドスとは様子が違った。まず髪に信頼の証の飾りがなく、 いつでも楽しそうなゆっくりと違い、一言も喋らず、やや物憂げな顔で歩みを進めている。 帽子の中にいくばくかの必需品はあるが、他のゆっくりなど一匹も入っていない。 このドスは他のゆっくりから信頼されていないのか? いや、違う。どのドスよりもこのドスは信頼されていたし、このドスもそれを自覚していた。 だからこそ、権威をふりかざすような真似に必要性を見出せず、飾りをつけようとするゆっくりをやんわりと断っていた。 帽子の中に他のゆっくりを格納しないのも、他のみんなに自分に守られるだけの存在になってほしくなかったからだ。 このドスはかなりの過酷な経験をしてきた。普通のゆっくりの時も、壮絶な生を生き抜き、ドスになれた。 ドスになり、群れを作った。その頃は飾りもつけ、帽子の中にゆっくりを入れて運んだり、遊んでやり、普通の標準的なドスだった。 いつまでも群れの幸せが続くと思っていた。しかし、それは間違いで。 やはり標準的なドスの群れのように、群れはゆっくり崩壊に近づき、やがて自分だけが生き残る。 生き残り、また群れを作った。また崩壊させた。 ある時は人間に騙され、ある時は反乱勢力が台頭し、ある時は自分たちを捕食するものに襲われ、ある時は… そうした繰り返しの中、幾度も守るべきものを奪われ、それでも崩壊しそうな理性をつなぎ留め、歯を食いしばり、目から餡子を流しながらこのドスは生きてきた。 そうしてようやく気づいた、自分がゆっくりを守るだけでは駄目なのだと。 己を己が守れるようにしてやり、自分はそれを精いっぱい手助けする。それこそが崩壊を防ぎ、群れを長続きさせる最善なのだ。 強烈な一つの個ではなく、小さな個を集めて強大な一つとする。それがこのドスのたどり着いた結論。 そのための群れの掟や、制度、システムを、実験を繰り返しながら練り上げた。 その途中で、人間という存在は自分たちと切り離された。彼らとは、出来るだけ関わらない方がいい。 そして、人間も滅多に入り込まぬ森に居住区を移した。 リスクはあった。外敵の存在、人すらあまり手をつけない自然環境。 しかし、それは普通のゆっくりに限った話。このドスになら、人間を含む、大抵の外敵は相手にならなかったし。 多少の危険な場所も、乗り越えていく強靭さがあった。 そしてその場所の下見を存分に終え、普通のゆっくり視点での対処法や生活方法を編み出し。 それを根気よく教育した。教育し、そして多少の手助けはするものの、決して全面的に支援することはなかった。 巣はあくまで自分たちで個別に作らせた。ドスを中心とした一つの巣は、ドスに対する甘えを呼ぶ。 そして自分たちで開拓させることにより、自分たちはこの環境に勝てるという意識を植え付ける。 普通のゆっくりでは無理だろうと思えるようなことだけは手伝ったが、他の事は一切手伝わなかった、指示も出さなかった。 それは普通のゆっくりなら、群れのボスとしての仕事を放棄した怠慢だと思ったかもしれない。 事実そう思ったゆっくりもおり、公然とドスを批判する者もあった。 「ドスはなんでまりさたちをてつだってくれないんだぜ!?みんなでたすけあってこそのむれだぜ!」 だがドスはそんな意見には取り合わず 「不満があるなら出て行っていいよ、ここよりゆっくり出来ると思うところがあるなら」 その言葉に憤慨し、出て行ったゆっくりも少なくない。だがドスは気にしなかった、残ってくれたものがいるのだ。 しかし、中には多くのゆっくりを言葉巧みに扇動し、少しでも大きな群れにして出ていこうとするものもいた。 そういうゆっくりだけは、秘密裏にドスは殺した。 普通のドスは群れのゆっくり、いやすべてのゆっくりの命に対して強い執着と保護心を持つものである。 まれにドゲスという命をなんとも思わないものもいる。 しかしこのドスは、あまりに多くの死に触れたため、すでにこのどちらでもない精神をもっていた。 自分はこの弱きもの達の圧倒的上位にいるのだから、管理せねばならない。 それは、動物の生息地をなるべく自然の状態で保護する研究者や、植物などを植え育て、森などを作る人間のようなそれであった。 管理者。そう、自分は群れのリーダーではない、管理者だ。 群れを崩壊に導きそうな悪い芽は潰す。そこには命を奪う快感も、罪悪感も、後悔も、何もなかった。 慈悲もなく、許容もない。 次に食べられる植物や生物などの教育を終え、ある程度生活環境が整い始めたら、外敵に対する対処を教え始めた。 いや、それは教えなどではなく、訓練であった。 狩りに出向ける個体に、ゆっくりでも協力すれば倒せる外敵に対しての戦闘方法を訓練させた。 チームワークを教え、何度も仮想敵に対する訓練を行う。 そのハードすぎる訓練に、脱落するゆっくりも少なくなかった。 その中で、本当についていけなかったものは訓練をやめさせ、別の仕事につかせることにした。 そういうゆっくりは元来こういう仕事に向いていないものなのだ。なので、子守や安全な地域の植物採取などを行わせる。 中には、ダルイ、ゆっくりできないなどの理由で訓練を放棄するものもいた。 その中で本当に疲れたふりをして訓練を抜けようとするやつは、戻らせて徹底的にしごいた後に、他の狩りゆっくりに命令を下す指揮官の教育を施す。 単純にゆっくりできないから反抗しているものは、大半は軽めの体罰をつけて戻らせた。 中にはそれに対してすら徹底的に反抗するものもおり、そういうものは群れから出てもらった。 ここでの振り分けはこうだった。まず普通に訓練を続けるゆっくり、こいつらは特に問題もない普通の狩りゆっくりになるだろう。 次に騙してサボろうとするゆっくり、こいつらは多少知恵の回る奴らだということで、生き残るためなら存分に知恵をしぼりだすだろう。 次に反抗するゆっくり、体罰を受けて戻るなら、それは自分本位ながらも多少の状況は判断できるということだ、どうにもならない状況なら自分のためにがむしゃらに生き残ろうとするだろう。 そして最後まで反抗したゆっくり、そこまで嫌ならこいつらの性根はそれまでである、頭も回らず自分の嫌なことにただ拒否するだけ。こういうのは危険にあっても状況がわからず、みじめに叫んで死ぬだけだ。 そうしてゆっくりをふるい分け、最終的な訓練卒業として外敵との実戦に移ってもらう。ある数の部隊にわけ、一つずつこれを行った。 この時、ドスは後ろでその光景を眺めていた。 戦闘が始まり、ある部隊は快勝を続けた。ある部隊は窮地におちいる。その中で、自分たちで奮起し、何とか勝利をおさめる部隊もあった。ある部隊は後ろで見ているドスに助けを求めた。 だがドスはどれだけ助けを請われようと、どれだけ惨たらしく群れの仲間が目の前で殺されようと、決して手を出さなかった。 ある部隊はドスが絶対に自分を助けてくれないだろうことに途中で気づき、絶望的ながら辛くも勝利をおさめた。ある部隊は最後までドスに助けを求めながら全滅した。 実戦が終わると、ドスは部隊の成績によって役割を与えた。前線で狩りをする部隊、狩りをしながらその部隊を護衛する部隊、居住区に残り守る部隊。 それはあたかも人間の軍隊のようであった。 中には教育や訓練をドスが任せるゆっくりもいた。いつまでも自分がやるわけにはいかないのだ。 そうして狩りの教育を終え、食糧が潤沢になってきたところで、食糧制度に手をつけた。 本来ゆっくりは冬以外に食べ物をため込むことはない、取ったら取っただけ、食べられるだけ食べる。 そして普通のドスの群れはそういう事態を憂い、食糧を一か所に集め、管理し、食べない分を非常用として保管する。 だが、それが一部のゆっくりの不満や懐疑を招き、結局反発され、群れが崩壊した例も少なくない。 では、どうするか。ドスはこれに大いに悩んだ、何せ食糧管理は反発を招く恐れもあるが、食料供給の安定した維持にこれ以上の手段はない。 そこでドスは食糧管理の仕事をわけることした。 つまり、食糧を集めるゆっくり達、集められた食糧の量を管理するゆっくり達、その食料の量を聞き分配するゆっくり達。 これによって相互をある種の緊張状態にし、互いに監視させ、一部の独走を阻止しようとしたのだ。 すなわち、食糧調達部隊は、その食料を献上しなければ、食糧管理部隊にすぐさま疑われる。 次に食糧管理部隊は、その食料を正確に管理しなければ、分配部隊に疑われる。 そして分配部隊は、それを正確に分配しなければ、たちまち分配される皆から疑われる。 多少の歪みは出るかもしれないが、致命的な崩壊には繋がりにくいとして、ドスはこの方法を選んだ。 そして、管理、分配の仕事はなるべく頭の良く、公平性があって信頼されているゆっくりでなければならない。 故にこの仕事につくゆっくりを、ドスは皆の推薦による選出と投票で選ぶことにし、もし選ばれたゆっくりに不満があるならば、一定数の投票で辞めさせられることにした。 そしてさらに、一定のサイクルで浄化するために、ある期限ごとに管理分配の仕事につくゆっくりを全員一旦やめさせ、もう一度選びなおす制度も導入した。 それはゆっくりによって形成された、未熟な政治制度のようなものであった。 ドスはゆっくりと色んな制度を導入し、根気よく教え込んだ。 そしてドスの手を借りずにそれが運営されていくようになると、後は全てを任せて手を引いた。 群れの運営がスムーズになり始めてから、遠くの地からドスが直接頼み込み、ゆうかりんを連れてきて農耕制度を作った。 さらに月日が流れ、世代交代にさしかかる頃には、教育制度を狩りの教育や、管理分配の教育、農耕の教育などにわけ、色んな仕事を選べるようにした。 すでに自分の手をほぼ離れて歩いて行く群れをゆっくり眺めながら、ドスは満足していた。 ようやく、自分の理想郷を作ることが出来た、と。ゆっくりがゆっくり暮らしていける理想郷を……。 そこはまさにゆっくり郷とも呼べるものであった。 だが最後に一つだけ、ドスは群れの中で自分だけが行う仕事を持っていた。 すなわち、罪を犯したゆっくりに対する、裁きと罰の執行を……。 夜の下を行くドスが、ある巣の前で止まった。 目的地だ。 その巣の中から、悲鳴のような声と耳が腐るような嬌声が聞こえてきている。 ドスがため息をつく、が、それには何の感情もこめられていなかった。 そしてゆっくりと、気づかれないように中を覗き込んだ。 中には一匹のゆっくりまりさとゆっくりアリス、そしてゆっくりれいむの親子がいた。 だがれいむ親子の様子はおかしい、親と比較的大きいれいむは動けないように痛めつけられ。 まだ交尾に耐えられないと思われる小さなれいむは、アリスによる一方的な性的暴行を受けていた。 「いやあああああああやめじぇええええええいじゃいよおおおお!!!」 「はぁっ!はぁっ!いやぁぁぁぁんかわいいいぃぃやっぱり犯すならちっちゃいゆっくりだわぁぁぁ!!」 親や他のれいむは涙を流しながら「やめてぇ…」「こどもだけはたすけて…」などと弱々しい声で呻いている。 「ゆっへへへ、やっぱりアリスのこうびをつまみにたべるのはさいこうだぜ!!」 そしてまりさはその隙に巣にあった食料をむーしゃむーしゃと食べていた。 押し込み強盗である。 実はこの二匹、最近この郷では有名な犯罪ゆっくりであり、すでに二件の被害報告が届けられている。 どの一家も無残に惨殺され、巣を荒らされていた。 さっき言ったように、ドスはゆっくりに対する裁きを行ってはいたが、それは普通のゆっくりには手に負えないと思われるものだけであった。 このドスの郷には、警察のような役割をもつゆっくりも、裁判もちゃんと存在する。 だがそれでは立ち行かないものがある……。法の手をすり抜け、悪事を続けるゆっくりは後を絶たなかった。 そんなゆっくりを、ドスは心底憎んだ。自分の作ったこの郷を、荒らすものだけは絶対に許さなかった。 ギリギリまで事件解決を見守っていたが、一向にゆっくり郷の警察ゆっくりでは犯人が捕まりそうな様子はない。 長く生きた知恵か、この二匹が次にどこで犯行をするかを予測したドスは、自分だけで制裁を加えるために動いた。 ドスは中の様子を確認した後、そこに向かって「出て来い」とだけ、ただ一言だけ言った。 それだけで十分だった。 色の変わらない体表が本当に青くなるんじゃないかというような顔をして出てきた二匹は、 ドスにすがりつき、必死に言い訳を始め、媚びへつらった。 「ゆるしてほしいんだぜ!まりさたちのいえにはたべものがたりなかったんだぜ!」 「そうなのよ!ついでにすっきりできるゆっくりもたりなかったわ!」 「ゆっ!これはきっとかんりふやぶんぱいふのやつらがわるいんだぜ!」 「そうよ!そうよ!それにどすといえどもむれのゆっくりをころしたりはしないわよね?」 「そうだぜまりさたちはなかまのはずだぜ!ゆるすべきなんだぜ!」 それは聴くに堪えない理屈だったが、ドスはしゃべり終えるまでじっと押し黙ったままであった。 そして何の反応も返さないドスに二人が不思議がっていると、ドスがようやく口を開いた。 「死ね」 そのまま開いた口から溢れる光が、二匹の見た最後の光景だった。 その二匹だけを焼き尽くすために威力を調節したドスパークの照射が終わると、ドスは巣の中に話しかけた。 「大丈夫、れいむ?動ける?」 「ゆぅ…なんとかうごけるよ…」 弱々しいながらも返事が返ってきて、しばらくしてから親れいむの三匹の子供がよろよろと這い出てきた。 「今から病院の方に行って、治療を受けるといいよ。まだ開けとくように言っておいたし、警察もそこに待機させてあるから、事情を説明して」 ドスがそう言うと、口の中に弱った子供を入れているのか、親れいむ達はうなずいてずりずりと這って行った。 れいむ達が行ってから、ドスは大きくため息をついた。 あきれしか出てこない。悪事を犯して、悪びれもせず許しを乞うあの二人。 驚くことにあれが普通のゆっくりなのだ。 わかっている、この郷のゆっくりは、もはや普通ではない。 人間のまねごとのようなものだが、決まり事を順守して生活を営むなど、昔では考えられなかった。 いや、今でも普通のゆっくりには考えられないだろう……。 何で自分たちはこうなんだ。なぜゆっくりは……。 知らず、月を眺める。 最近月を眺めていると、なんだか体の底から力が湧いてくるのだ。 これを活力にして、明日からも頑張ろう。 そう思っていた矢先である。 「はぁい」 それは、何もない空間を割いて、ぬるりと現れた。 妖しく光る髪と、鮮やかな紫の衣装艶めかしく。 「こんばんわ」 絡みつくような声を発し、出てきた裂け目に腰かけていた。 ドスは一瞬で敵だと判断した、それも自分でしか対応できないような。 「あんた誰だ?」 警戒しか含まない問いに、女は目をにこやかに細めると、 「やだ怖い」 口も吊り上げ、 「怖いから」 細めた目を開いて、 「私も怖くなっちゃおうかしら」 その場の何もかもが一変する。 肌を刺した空気で、一瞬で支配された場の雰囲気で、勝てない相手だとわかった。 ドスはため息をついた。このような相手がいつか来ることは、前々から何となくわかっていた。 自分が作った郷は、異常だ。考えの回るこのドスの目は、他の視点から自分達を見ることもできた。 こんなものは、人間からしたら恐怖でしかない。 わかっていた、でもやらずにはおれなかった。なぜ人間に許されることが、ゆっくりには許されないのか。 だから、それでも。 「ここを……潰しにきた?」 ほぼ諦観と、疑問を少しだけ含ませて問う。 人間の上位の存在、人を守るもの、調停者。この郷に対する自分のようなものが人間にも存在すること、それは容易に想像できる。 それが目の前のこの女なのだろう。 女は少しだけ意外そうな顔をすると、すぐに首を横にふった。 「まさか」 そして片手に持った扇子で口を隠し、 「でも、予想以上。そんな考えもできるのね」 そこから出る感情を見せないように呟いた。 「なら何を?」 今度は疑問だけで問うと、 「話をしに」 そう言って、今度は優しく微笑んだ。少し、安心できる笑顔だった。 女は隙間から地面に降り立つと、ドスと向かい合うように座り込む。 「そうね、じゃあまず最初、あなたはゆっくりって何だと思う?」 ようやく話し合いの場が整って、女は最初にそう問うた。 「……」 ドスは難しいと感じた。自分の存在は何だと問われているのだ、何と答えるか……。 「まぁ、難しいわよね。逆の立場なら私も言葉を濁す……一般的な定義を私が言いますわ」 女は返答を待たずつらつらと、 「そうね、饅頭の体を持ち、人語を操り、畑や民家を荒らす頭の悪い汚い野生生物……これが一般的なゆっくり」 挑発するようなその物言いだが、ドスは何も言い返さなかった。 「あら、怒らないのね」 「大方その通りではあるよ」 そう、と女は呟き、 「でも、それは悪いことではないわ。むしろ野生生物の本懐。これより傲慢で、危険で、自分本位な生き物はたくさんいるわ。人間だってそう」 そして、 「普通のゆっくりなら、先の発言には醜く憤慨すべき。それがゆっくりの在り方」 ドスは驚いて女を見つめた。この女は人間に嫌われるゆっくりの性質を何と言った? 「そう在るべきと言いました。多少の程度はあれど、ゆっくりがゆっくりらしく生きること、それこそがゆっくりの在るべき理由」 謳うように続ける、 「憎まれることも、慈しまれることも、虐められることも、世話されることも、全てがこの世界におけるゆっくりの在り方」 理解できない、いや、理解したくない。この女が真顔で今述べていること、それは。 「じゃあ、いつもどこかで繰り返されている、ゆっくりの悲劇……その全てが」 「そう、ゆっくりの生きる理由」 そのためにゆっくりは生きている。 「人間の……ために……」 女はふう、と息をつくと、 「ゆっくりの理由……ここまではいいかしら?」 衝撃から、ドスはまだ立ち直れなかった。 自分たちは言うなれば、人間のおもちゃとして生まれてきたのだ。それが自分たちの本来の在り方なのだと。 「あなた達はおよそ自然環境のどの役割も担っていないのですもの、そうとしか言えないわ……まぁ、これ以上ゆっくりについて議論する気はございません」 女はまだ話を続ける、 「そして次、次はあなた。あなたは果たして……」 あなたは、ゆっくり? 「!?」 問われた。自分はゆっくりか?当然だ、でなければ自分はなんなんだ。 「当たり前だ!」 声が荒れる。 「……あなた、自分を何て呼ぶ?」 女は少し息をついて、 「私……」 「その呼び方はいつから?なぜ?」 「いつからかは覚えていない。何故かは……この方が、らしいと思った」 「普通のゆっくりは、絶対に自分をそんな呼び方はしない」 心にザクリと矢が撃たれた、 「普通のゆっくりは、そんな言葉づかいもしない」 二発目。 「あなた、ゆっくり出来てる?」 「出来てるよ。毎日、郷の管理で、みんなの生活を見守るのが私のゆっくりだ」 「それはゆっくりじゃないわね」 「違う!それが……!」 「他人のための行為はゆっくりではない、ゆっくりの価値観に照らし合わせるならね」 三発目。 「御希望なら、この他にも理由を計上してあげましょうか?子供でも指摘できるものがまだまだあるわ」 荒々しく首を振った。三発。たった三発で、ドスの脳は理解した。 「……私を否定して、何が楽しいの?」 問いは、悲しみと怒り。 「……そうねぇ。あなたはゆっくりの在り方を外れている、ここまではいい?じゃあ次は、人間とゆっくり以外のもう一つの種族の話」 答えず、女は話を進める。 「妖怪の話」 「あなたは妖怪を知ってる?」 「……とても強い生き物。ゆっくりよりも、人間よりも」 投げやり気味にドスは答えた。 「正解。じゃあ、妖怪の種類。そこまではあなたも知らないわよね」 「……?」 女は師が生徒に教えを説くように話し始めた。 「まず、私は妖怪。わかるわね?」 「へぇ……」 ここに来て初めて女の正体が明かされたが、別段驚かなかった。 「私は同族もない、どうやって生まれたかも秘密のワンオフ妖怪よ。こういうのはそれほど数もいないの、さびしいわ」 女は泣き真似の仕草をしたが、ドスは冷やかな視線でそれを見ていた。 「いやん、ツッコミが欲しかったのに……まぁ、気を取り直して次」 女は小芝居をやめると話を再開する。 「次はメジャーな種族に属する妖怪。鬼、天狗、河童、吸血鬼……こういうのは結構な同族がいて、蛮行が広く知られているからカテゴライズされている」 「名前だけは何となく聞いたことあるよ。湖の館……妖怪の山……」 「大正解。ゆっくりにまで知れ渡っているなんて、中々……いや、あなただけでしょうねきっと」 「?」 「なんでもないわ、続けましょ」 女はコホンと小さな咳をすると、 「次は妖獣、これは強大な力を持った獣が、それ故にその生き物の枠を離れて妖怪になってしまったもの」 「動物が?」 「私の式達もこれね、竹林の兎達もそう。これが幻想郷には中々多い……自然が残ったままだからかしら」 ここで女は教鞭を振るう笑顔から、真顔に戻った。 「そう、人間を超える力を持って、その生物の寿命を超えた長い時間を生き、ついにはその定義から弾かれる……」 ドスも気づいた。いや、それはかつて、ドスだったもの。 「まるであなたのことね」 「違う……」 否定する声は、聞き取りがたいくらいにか細い。 「あなたはもう普通の人間より遥かに強いわね」 「違う……」 「あなたは今で何年生きた?普通のゆっくりの寿命は平均五年、巨大種なら十年ってとこかしら」 女は辺りを見回し、 「この郷、ここまでするのに少なくとも十年以上はいるわよね」 「違う……」 「定義から外れる、これはさっき散々説明したから言うまでもないわね」 「違う!!」 違う、違う。私は、私は…… 「あなたは、妖怪よ」 「正確にはゆっくりと妖怪の境界線……その上に今のあなたはいるわ」 その言葉に、うつむいていたドスは少しだけ期待をこめて見上げた。 「でも、その境界がゆっくりに傾くことは決してない」 絶望を、女は吐く。 「これからあなたは、ゆっくりと妖怪になっていく……いや、今でも弱い妖怪程度ならいい勝負をするでしょうね」 「……」 妖怪は応えなかった。もう何も応える気もなかった。 「ゆっくりが、この幻想郷に誕生してもう何年経ったのかしら……そろそろだとは思っていたけれど、私が見つけたのはあなたが初めてよ」 女は、満月の空を見上げ、 「永琳に改造されたわけでもなく、自然に生まれ、自然に生きてきたあなた。ここまでの生、私は敬意を表します」 そして、再びその妖怪へ視線を向けると、 「そして、幻想郷はあなたを受け入れます」 「……そう」 妖怪も女を見つめ、ただそれだけを呟いた。 女が軽く扇子を振ると、空間の隙間は再び開いた。ゆったりと浮き上がりその中に下半身を入れる。 「では、ごきげんよう。これからあなたがどんな選択をして、どう生きるのか。少しだけ楽しみにしてますわ」 上半身だけを出してそう言った後、女は隙間に消え、何事もなかったかのように閉じて元に戻った。 後には月を見つめる妖怪だけが残された。 それから、ゆっくりの郷からドスは姿を消した。 ゆっくり達は思った、ドスがついにすべてを自分たちに任せてくれたのだ、と。 ドスが、自分たちで何かが成せるようになると、必ず身を引いたのをゆっくり達は世代が代わっても覚えていた。 その郷の歴史に、偉大なるドスの名が刻まれ。 後にはゆっくりと続いていくだろう、理想郷だけが残された。 あとがきという名の言い訳 今回はゆっくりいじめ作品としては駄作極まりないと思われる本作を読んでいただきありがとうございます。 ゆっくりいじめに憧れていました。色んな作品を読み、深く感銘を受けました。 自分もこんな作品を書いてみたい、彼の憎き饅頭を虐め抜きたい、そう強く願い、ようやく実行に移った次第ではありますが 出来上がったのはこんなものでした。皆さんのような、加虐心に油をドンドコ注ぐゆっくり語や、醜い物言い、くさった饅頭心。 何もかも自分の実力では描けない、難しいものでした。才能のなさが恥ずかしいです。修行の足りなさを実感しました。 まあ自虐はこれまでにして、本編の補足です。 今回のゆっくりの生活制度はまったく人間のそれのパクリです、そして世界はこんなに簡単ではありません。多分。 本当はドスに反発して「ゆ゙っぐり゙でぎな゙い゙い゙い゙い゙!!」と叫ぶゆっくりの描写をふんだんに取り入れてみたかったのですが、どうにも力不足でした。 後半の会話にいたっては雰囲気がまったく前半と違ってしまい申し訳ないです。これではただの東方SSです。本当に(ry それにしても、ドスはこれほどまでにならなくても、人間を殺せる時点で十分妖怪だと僕は思いました。 最後に、こんな作品とやたら長い言い訳を最後まで読んでくれた方にもう一度お礼を。また修行して今度は上手く書けるように目指したいです。それでは。 このSSに感想を付ける
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「ふたば系ゆっくりいじめ 845 こいするれいむとゆめのくすり/コメントログ」 幻想郷設定はあまり書かない方がいいっすよ。 原作側がゆっくりとは無関係と公言しているので。 -- 2018-03-21 19 36 42
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2653.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 1270 あなたが妬ましい/コメントログ」 「!」や母音使いすぎ。テンション押さえて。 -- 2010-06-21 04 12 59 結局ぱるしぃはなんのためにでてきたのか(´Д`) -- 2011-08-09 16 56 13 ぱるしぃのライフワークがまさに なににも影響しない空気っぷりがマジでパルパルパル -- 2012-09-04 18 35 30 ぱるしぃを飼えるなんてああ、妬ましい妬ましい -- 2023-04-15 16 59 29
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「ふたば系ゆっくりいじめ 909 ちょっとした憂さ晴らし/コメントログ」 ゆ虐開運法? -- 2010-07-09 21 42 41 良かったね!良い事すると良い事が返って来るものなのですよ、ゲスのしんぐるまざー(笑)駆除お疲れ様でした 出来れば子ゆと赤ゆも壮絶に虐待して欲しかったです -- 2010-08-06 03 00 31 子れいむが静かすぎるのが気になった -- 2010-08-06 12 58 13 騒がしくしてても食べ物を前にしたゲスシングルマザーには聞こえないだろうな -- 2010-09-11 04 50 11
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(まりさの優しさ) せっかく昼休みにゆっくりをして幸せな気分になったのに、午後の出来事はそんな気持ちを吹き飛ばしてしまった。 あの後まりさは、Aがまりさの見ている前で窓の外に投げ捨てた鉛筆を探し、校庭を二時間も歩き回った。 やっと見つけた時にはすでに日も暮れ始め、体には生垣で引っかけてできた傷跡が。 ぴょこ、ぴょこ、と足取りも重く家路に就く。一跳ね毎に進む距離が登校時とは明らかに違う。 今朝は初めて通う学校が楽しみで楽しみで、人間ならスキップしている様な感覚で元気に跳ねていたのに。 今は俯きながらぴょんと一歩踏み出す毎にため息を吐く。 たった数百メートルの距離を歩くのに、こんなに時間がかかったのは初めてだ。 家に着いた時には既に日はすっかり暮れていた。社長の家から家政婦のおばさんが出てきた。 「あら、まりさちゃんお帰り。どうしたの、随分遅かったじゃない。」 「ゆ。おばさん、ただいま。」 「あんまり帰ってくるのが遅いからねえ、探しに行こうとしてたとこだったんだよ。」 「ありがとう。しんぱいかけてごめんね。」 「友達と遊ぶのが楽しいのはわかるけど、あんまり遅くなっちゃ駄目だよ。お母さん達が心配するからね。 あら、あんた怪我してるじゃないの。こっちおいで、手当してあげるから。」 おばさんに連れられて台所へ。おばさんはまりさの傷をタオルで拭ってきれいにし、水で溶いた小麦粉を付け 傷を覆ってくれる。水仕事で荒れたおばさんの手から優しさが伝わってくる。 おばさんの手の温もりがまりさの体の傷を癒す。傷はみるみるうちに塞がっていく。 しかしまりさの心の傷は容易には消えなかった。 おばさんが用意してくれた晩ごはんを食べ終え、庭の犬小屋で今夜も帰りの遅い両親を待つ。 まりさが一日の中で一番嫌いな時間。真っ暗なおうちの中で、心細い思いをしながら両親の帰りを待ち続ける。 普段なら歌を歌って気を紛らわしたり、その日あった楽しかった事を思い出して過ごすのだが 生憎と今日はそんな気分にはなれなかった。 しばらくして、家の前に一台の車が止まる。聞こえてきた声。大好きなお母さん達の声。 「今日も一日ご苦労さん。遅くまで仕事させて悪かったなあ。」 「ゆ!おつかれさまでした!」 「おにいさんこそ、おつかれさま!おうちまでおくってくれて、ありがとうね!」 「いいっていいって、気にすんな。どうせ帰り道の途中だしな。 明日の朝も今日と同じ時間に迎えに来るから。明日も頼むぜ。」 「わかったよ!ゆっくりきをつけてかえってね!」 「おやすみなさい、おにいさん!」 「おう。」 両親がおうちの中に入ってきた。一生懸命働いて溜まった一日の疲れも、可愛いまりさの顔を見ればすぐに吹き飛ぶ。 だからまりさは精一杯の笑顔で両親を迎える。たとえそれがカラ元気でも。 「まりさおかあさん、れいむおかあさん、おかえりなさい!」 「ただいま!ゆっくりかえったよ!」 「おそくなってごめんね。ゆっくりしすぎたね。さみしかったでしょ。」 「ううん。へいきだよ!」 両親が遅い晩ごはんを食べ終わると、三匹はお互いにぺーろぺーろと舐めあって一日の体の汚れを落とす。 それが終わったら後は寝る時間。本当は両親に遊んでもらいたいのだが、まりさは我慢する。 お母さん達は疲れているし、明日の朝も早いのだ。 親子三匹一塊りになってタオルに包まる。右の頬と左の頬に感じる両親の温もり。 両親はいつもの様にまりさに今日あった事を聞く。 「がっこうはどうだった?たのしかった?おともだちはできた?」 「おかあさんたちはしんぱいだったよ。まりさがみんなとうまくやっていけるのかなって。」 「たのしかったよ!おともだちもたーーーっくさんできたの!」 嘘。まりさがうまれて初めて吐いた嘘。両親を心配させまいとする健気なまりさの優しさ。 両親の安堵と喜びが頬を通して伝わってくる様だ。痛い。とても痛い。 「あしたもはやいからもうねようね。」 「ゆっくりおやすみなさい。あしたもゆっくりとしたいちにちでありますように。」 「おやすみなさい・・・」 (出口の無い悪夢の様な日々) 朝の眩しい日差しがまりさを現実の世界へ引き戻す。楽しかった夢の時間の終わり。憂鬱な月曜の朝。 本当ならばゆっくり達のゆっくりとした一日を祝福してくれる太陽の恵みの筈なのに、 今のまりさには現実世界の象徴である無慈悲な太陽の光が恨めしかった。 永遠に朝が来なければいいのに・・・永遠に夢から覚めなければいいのに・・・ まりさが学校に通いだして一週間が経っていた。状況は相変わらず。 まりさに対するイジメは終わらない。理由無き理不尽な仕打ちにまりさはひたすら耐え続けていた。 火曜日。まりさは皆に笑い物にされた。 なぜか自分の後ろからクスクスと笑う声が聞こえる。 なんだろう。振り返って見ると笑っていた人達は一斉にそっぽを向く。 誰もまりさと目をあわせようとはしない。 また歩き始めると、再び笑い声が。自分が笑われているのは何となく判った。 でも何で笑われているんだろう。廊下に掛けられた全身鏡で自分の姿を見てみるがどこもおかしな所は無い。 一人の男子生徒がまりさの背後に近付く。そして手に持った鏡をまりさの後頭部に近づけた。 その鏡に映ったまりさの後姿。いつの間にか紙が貼られていた。何か文字が書いてある。 まりさも平仮名なら一応読む事ができる。そこに書かれていたのは三文字の卑猥な言葉。 「ゆーっ!ゆーーっ!ゆーーーーーーーーーっ!!!!!!」 まりさは真っ赤になって貼り紙を取ろうとする。しかし手を持たぬゆっくりである。 後ろに貼られた貼り紙を取る術など無い。それでも懸命に舌を伸ばして紙を取ろうとする。 まるで自分のしっぽを追いかける犬の様に、その場でくるくる回り続けるまりさ。 「とってね!だれかうしろのかみをとってね!!!」 それを聞いて助けてくれる者など誰もいない。皆、まりさの困っている姿を見てニヤニヤ笑っている。 紙は取れない。走ってみても、跳ねてみても、壁に後頭部をごしごし擦りつけてみても取れなかった。 やがてチャイムが鳴り皆教室に戻る。まりさも仕方なくそのまま自分の机へ。 恥ずかしい姿のまま机の上に乗ったまりさ。顔を真っ赤にして俯く。 そんなまりさに手を伸ばす隣の席のA。まりさの後頭部に貼られた紙をはがす。 え、まりさをたすけてくれたの?どうして? Aが紙を自分の机に仕舞うのを見て、彼が紙をはがしてくれた事を知る。 A君がまりさを助けてくれるなんて信じられない、といった表情のまりさ。 勿論助けた訳ではない。何のことはない。教師に見付からぬ様、授業が始まる前に紙を隠しただけだった。 そして授業が終わり教師が退室すると、まりさの後頭部には二枚の紙が貼られた。 水曜日。まりさは粉まみれにされた。 この日まりさは日直をやる事になった。 もう一人の日直は隣の席、まりさをイジメる者達の主犯格A。 先生に「二人で協力して日直の仕事をして下さいね」と言われたまりさとA。 授業が終わると黒板をきれいにするのが日直の仕事の一つ。 手の無いまりさにはできない事。きっとAが一人でやるんだろうと思っていたまりさ。 「咥えろ。」 「え、なんで・・・」 「聞こえねえのか?あ゛?」 「ゆ・・・ぅ」 Aが目の前に黒板消しを差出し、まりさに咥える様命令する。 まりさが黒板消しを咥えると、Aはそのまままりさを持ち上げ黒板を拭き始めた。 「ゆ!いだい!はなして!」 「喋るんじゃねえよ。お前は黙って黒板消しを咥えてればいいんだよ。」 わざと爪を立ててまりさを持ち上げたA。尖った爪がまりさの柔らかい肌に食い込む。 更に過剰な力を掛けて黒板を拭く。黒板に押し付けられたまりさの顔が歪む。 黒板をきれいに拭き終ると、Aは黒板消しを咥えたままのまりさを窓の縁に仰向けに置く。 そしてどこからか持ってきた棒で黒板消しを叩き始めた。 黒板消しから出てきたチョークの粉がまりさに降りかかる。 目が痛い。息が苦しい。まりさは逃げようともがくが、Aの左手がしっかり押さえてそれを許さない。 「けほっ!けほっ!けほっ!」 「動くんじゃねえよ。あんまり暴れると下に突き落とすぞ。三階から落ちて生きていられるとでも思ってんのか?」 やっとAの拘束から放たれた時、まりさは上から下までチョークの粉まみれで真っ白になっていた。 まりさのトレードマーク、命の次に大事な黒い「すてきなおぼうし」も真っ白に。 まりさは泣きながら帽子のつばを咥え、壁に叩きつけて粉を落とす。 体に付いた方は、チョークの粉まみれのまりさに気付いた先生に取ってもらった。 どうしてこんな事になってしまったの、と聞かれても正直に答える訳にはいかない。 Aがこちらを見ている。仕方が無いから嘘を吐く。 「まりさね、ひとりでやろうとしたの。そしたらしっぱいしちゃった。」 「まあ、そうだったんですか。まりささんは頑張り屋さんですね。 でも時には人に頼る事も大事ですよ。人間誰でも完璧なわけではありません。当然できない事もあります。 だから人は一人でなく家族や仲間達と一緒に生活をするんです。」 「人には一人ではどうにもできない欠けたところがあるから、だから皆で助け合い補い合うんです。 お互い支えあうからこそ生きていけるんですよ。まりささんもきっと誰かの支えになれる筈。 だから困った時は人に頼ってもいいんですよ。困った事があったらクラスの皆に何でも相談してくださいね。」 まりさは先生の言葉に何と応えてよいかわからず、ただただ俯くしかなかった。 木曜日。まりさは倒れるまで走らされた。 昼休み、いつもの様にゆっくりぷれいすでゆっくりしようとしたまりさ。 廊下をぴょこぴょこ歩いていると、不意に後ろから伸びてきた腕に掴まれる。 「ゆ!なにするの!はなしてね!」 まりさを持ち上げた生徒は何も言わずに歩き出す。ゆっくりの力ではいくら暴れても逃げられない。 連れてこられたのは体育館。待っていたのはまりさのクラスの男子生徒達。当然Aもその中心にいる。 まりさは帽子を取り上げられ、体育館の床に放り投げられた。 「かえして!まりさのすてきなおぼうしをかえしてね!」 帽子を盗った生徒に詰め寄るまりさ。するとその生徒は数メートル離れた仲間に帽子をパスする。 慌てて帽子を追いかけるまりさ。ぴょんぴょんぴょんぴょん走って行く。 やっと帽子の元まで辿り着き、「すてきなおぼうしかえしてね!」と言おうとした瞬間、帽子はまた次の人へ。 フリスビーの様に帽子を投げ合って遊ぶ生徒たち。まりさはその間を必死に駆け回る。 「やめてね!まりさのすてきなおぼうしであそばないで!」 「かえしてね!まりさのおぼうしかえしてね!」 「おねがい!おぼうしかえして!それがないとゆっくりできないの!」 まりさは必死に頼み続けるが当然聞き入れられない。生徒たちはニヤニヤ笑いながら帽子を投げ合うだけ。 結局まりさは疲れきって動けなくなるまで走り続け、やっと帽子を返してもらった時には既に昼休みは終わっていた。 金曜日。まりさは唯一の楽しみを奪われた。 その日は朝から具合が悪かった。原因は校門の前にできていた水溜り。 ゆっくりは水に弱い。雨が降っていたなら学校を休むのだが、天気は快晴。まりさは普通に登校した。 何の問題も無く学校まで来たが、校門の前でまりさは立ち尽くす。 校門の前に大きな水たまりができていた。どうして・・・あめなんてふってないのに・・・ 原因は明白。まりさをイジメている生徒達がやったのだ。 今から裏門まで回ったのでは遅刻してしまう。ここを通るより他に方法は無い。まりさは意を決めて水に足を入れる。 「ゆっ!」 まりさの肌が水たまりの泥水を吸い上げる。早くしないと、ぐずぐずしてたら皮がふやけて破れてしまう。 まりさは急いで、しかし着地の衝撃で皮が破けぬ様慎重に水たまりを渡る。 なんとか無事に渡りきったが随分水を吸ってしまった。 体が重い。体の中に異物が入り込んでいる様な感覚。気持ち悪い・・・ たぷんたぷんと揺れる体を何とか引きずって教室まで辿り着く。 具合が悪い。頭がぼうっとする。人間で言ったら高熱を出している様な状態。 まりさは体の餡子を吐き出してしまいそうになるのを何とか堪える。 そして昼休み。まりさは急いで校庭のゆっくりぷれいすへ向かう。 体の外側は乾いたが、体の芯にはまだ水分がたっぷり残っている。 これを除くにはゆっくりぷれいすで太陽の光をたっぷり浴びてゆっくりするしか無い。 「ゆゆーーーっ!どうしてえええええええ!!!」 ゆっくりぷれいすの前でまりさは立ち尽くした。ゆっくりぷれいすが荒らされている。 散乱するゴミ。空き缶、紙屑、残飯、お菓子のカラ。これではゆっくりできない。 まりさのゆっくりぷれいす。大事な大事なゆっくりぷれいす。校内で唯一心安らげる場所。今では見る影もない。 まりさは泣きながらゴミを片付ける。残飯の放つ悪臭に耐えながら、ゴミを一つ一つ口で拾って遠くへ捨てる。 ようやく自分ひとりがなんとかくつろげるスペースを確保した頃には、すでに昼休みは半分終わっていた。 まだまだ周りにゴミはあるが仕方ない。まったくゆっくりできないよりはマシだろう。 まりさが目を閉じゆっくりとし始めたその時。 ドッ ゆ?なんだろう。なにかうえからおちてきたよ? ゆっくりと目を開けるとそこにあったのは・・・丸々と太ったネズミの死体。 「ゆーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」 更に頭の上に何かが降ってくる。まりさの帽子にあたって地面に落ちた黒い物の正体はゴキブリ。 まりさは真っ青になって逃げ出す。まりさの聖域、ゆっくりぷれいす。まりさは唯一の居場所も奪われた。 まりさはとぼとぼ歩きだす。この学校にゆっくりできる場所なんて他に無い。 まりさの行き先は一つしかない。教室。まりさをイジメる生徒達のいる教室・・・ 土曜日。まりさは机を舐めさせられた。 平日と違い土曜日は半日授業。午前中さえ耐えきれば、地獄の様な一週間の終わり。 まりさは祈る様な気持で教室に入るが、当然平穏無事に過ごせる訳がない。 自分の机に上ったまりさの目に飛び込んできたのは、机一面にチョークで書かれた落書き。 机に書かれた罵詈雑言。御丁寧にもまりさに理解できる様すべて平仮名で書いてある。 まりさは静かに泣きながら机の落書きを消していく。 人間なら雑巾を使って消すのだろうが、手を持たないゆっくりにそれはできない。 舌でチョークの粉を舐めとって、少しずつきれいにしていく。 いくら雑食のゆっくりとはいえ、チョークなんか食べられる筈もない。 しかしこれしか方法が無い。気持ち悪いのを我慢して黙々とチョークの粉を舐めていく。 「ゆぎゃあああああああああああ!!!!!」 半分ほど終わった頃だろうか。まりさが突然奇声をあげて飛び上がる。 だれかがまりさの机に練りからしを塗っていたのだった。 ゆっくりにとって辛い物は毒。早く舌を水で洗わないと死んでしまう。 急いで水飲み場に向かうまりさ。しかしこんな時に限って誰も水道を使っていない。 当然まりさの力では水道の蛇口を捻ることができない。ひりひりする舌を伸ばして回そうとしてみてもビクともしない。 まりさは必死に走り回って水のある場所をさがす。 プール。駄目。今は水が抜かれている。校庭の池。駄目。周りに柵があって近寄れない。 「どうした?水が欲しいのか?」 頭上からの声。一番聞きたくない奴の声。まりさをイジメるAの声。 「黙ってちゃわかんねえぜ。まあいい。こんな事で死なれてもつまんねえしな。」 そう言うとAは近くに置いてあった花瓶を傾け、中の水を廊下に垂らす。 まりさはその水に飛びつく。何でAがこんな事をするのか解らないが、今はそんな事を考えている余裕は無い。 まりさが廊下に溜まった水をぺーろぺーろと舐めていると、自分のすぐ真後ろで大きな音がした。 ガッシャーーーン! 「ゆゆっ!」 花瓶の割れる音。辺りに響き渡る。飛び散った破片。音を聞き駆け付けた教師。 「こらあ!何やってるんだお前!!!」 大声で怒鳴られるまりさ。当然Aは消えている。まりさは犯人にされてしまった。 割れた花瓶を片付けさせられた後、怖い生徒指導の教師にみっちりと説教された。 日曜日。まりさはひとりぼっちだった。 長い一週間が終わり、やっと訪れた休みの日。学校に行かなくてもいい日。おうちでゆっくりしていていい日。 本当なら両親に遊んで欲しかった。舌で優しく舐めて慰めて欲しかった。 でも両親はいない。隣県に出張中。ダム建設予定地に住むゆっくりへの住民説明会の為、来週の週末まで帰ってこない。 ゆっくりは孤独が苦手な生き物である。だから子供をたくさんうむ。 しかしまりさに姉妹はいない。雇用主にあてがわれたおうちは親子三匹が住むのがやっとの広さ。 だから両親はまりさの妹達をうむのを泣く泣く諦めた。 それでも今までまりさの両親が共働きをできたのは、近所の小さい子供達がまりさと一緒に遊んでくれたからだった。 すぐ近くにある公園に行けば、まりさを仲間に入れて仲良く遊んでくれる人間の子供達がいる。 しかし今のまりさには近くの公園に遊びに行く事すらできなかった。 朝目が覚めて公園に遊びに行こうとしたまりさ。その目に飛び込んできたのは遠くを歩くまりさのクラスメイト達の姿。 すぐにおうちに逃げ戻ったので気付かれる事はなかったが、まりさはおうちから一歩も出られなくなってしまった。 日曜日。みんな休みの日。当然クラスメイト達も。家の外を歩いているかもしれない。 怖い。もし見つかったら。イジメられる。外に出られない。 おにわで遊ぼうか。駄目。誰が見ているかわからない。誰かに見られている気がする。 怖い。怖い。怖い。ゆっくりできない。ゆっくりできない。ゆっくりできない。 おかあさんたすけて!おかあさんたすけて!おかあさんたすけて! でも両親はいない。 夜。ゆっくりは闇を恐れる。暗闇がまりさの孤独を更に煽る。 一日中遊び回ってくたくたになるまで疲れていたならぐっすり寝られるのに。 怖くて家から一歩も出られなかったまりさ。目が冴えてしまって寝られない。 こんな時、いつもなら両親が子守唄を歌ってくれる。おかあさんの歌う優しい子守唄。 とてもゆっくりできる子守唄。おかあさんが隣にいてくれたら安心してゆっくり眠れる。 でも両親はいない。 「ゅ~~~。ゅ~~~。ゅ~~~。」 まりさはか細く鳴く。両親を呼ぶ鳴き声。 「ゅ~~~。ゅ~~~。ゅ~~~。」 ゆっくりの赤ちゃんの鳴き声。これを聞けば親はすぐに駆けつける。 「ゅ~~~。ゅ~~~。ゅ~~~。」 まりさは鳴く。両親を求めて鳴く。届く筈もないのに鳴く。聞える筈もないのに鳴く。 「ゅ~~~。ゅ~~~。ゅ~~~。」 「うるせええええええええええええええええええ!!!!!」 「!!!!!」 突然響いた表を歩く酔っぱらいの怒声。別にまりさの鳴き声を聞いて怒鳴った訳ではない。 何か気に入らない事があって発せられた言葉なのだろうが、それはまりさに向けられたものではない。 しかしまりさは自分が怒鳴られている様に感じた。 酔っぱらいはさらに何やら大声で独り言を発している。呂律が回っていない。意味不明な言葉。 しかしまりさには自分をイジメる相談をしている様に聞こえた。 怖い・・・怖い・・・。まりさは頭からタオルを被り、ぷるぷる震えながら長い夜を過ごす。 いつのまにかまりさは眠っていた。まりさは夢を見る。 楽しい夢。幸せだった頃の夢。たった一週間前の事。今では遠い昔の事のよう。 両親は久しぶりの休みを貰い、家族三匹水入らずの休日。 近所の花畑にお花見に行く。きれいに咲き誇る花々の間を三匹並んでゆっくりおさんぽ。 お昼ごはん。母まりさが帽子の中から取り出したのは、まりさが大好きなクッキー。 口一杯に頬張って「むーしゃむーしゃ、しあわせー♪」と笑う。 お昼を食べ終えたらおひるねの時間。暖かな風がまりさの肌をやさしく撫でる。 太陽の恵みをたっぷり浴び、幸せそうに眠るまりさを見て微笑む両親。 歌を歌い、追いかけっこをし、かくれんぼをし、ゆっくりする。 楽しかった思い出。楽しい夢。しかし、所詮は夢。いつか必ず覚めてしまう。 朝の眩しい日差しがまりさを容赦なく照らす。まりさは現実に引き戻された。 今日は月曜日。新たな一週間の始まり。終わりの無い、地獄の様な一週間。 永遠に朝が来なければいいのに・・・永遠に夢から覚めなければいいのに・・・ 家政婦のおばさんが用意してくれた朝ごはんがおうちの前に置いてある。 食べたくない。食欲が無い。まりさはそのままとぼとぼと学校へ向かう。 しばらくして普段と様子が違う事に気が付く。歩いている人が少ない。登校中の生徒がいない。 学校に着いてやっと状況を理解した。授業がすでに始まっている。まりさは遅刻してしまったのだ。 朝はいつも両親に起こしてもらっていたまりさ。盛大に寝坊していたのだった。 校門は閉まっていた。他の生徒達なら自分で開けて中に入れるのだろうが、まりさにはどうする事もできない。 学校には入れない。それに、どうせ学校に入ってもイジメられるだけだ。 まりさは開き直って学校をサボる事にした。 しかし、学校をサボってしまった後ろめたさからか、そのままおうちに帰る気にもなれない。 まりさは当てもなく町をぴょこぴょこ歩いて行く。 まりさをイジメる人達は今、皆学校の中にいる。夕方まで出てこない。まりさは今自由だ。 久しぶりにゆっくりできる・・・筈だった。イジメる人はいない。ゆっくりできるはずなのに・・・ なぜか落ち着かない。なぜかゆっくりできない。人の視線が気になる。 道行く人達。誰もまりさの事など気にも留めない。なのになぜか彼らに見られている様な気がする。 知らない人達。誰もまりさをイジメるはずなどない。なのになぜか彼らの一挙手一投足にビクビクする。 怖い・・・人間が怖い・・・ まりさは人のいない方へ人のいない方へと歩いて行き、気が付くと町の外れの原っぱにポツンと立っていた。 ここなら誰もいない。怖い人間はいない。ここならゆっくりできる・・・ 「ゆっくり・・・」 まりさはゆっくりしようとした。いつもの様に。そうすれば嫌な事はすべて忘れられる。忘れられる筈なのに・・・ なぜかゆっくりできない。 この一週間まりさが受け続けたイジメ。まりさの小さな心には余りに大きすぎた負荷。 蓄積された心の傷が既に一線を越えてしまっていたのだ。ゆっくりにとって一番大事なところを壊された。 まりさはもう二度とゆっくりできない。 まりさは目から涙を流しながら「アハハハハハハ」とゆっくりらしからぬ乾いた笑い声をあげる。 まりさは泣いた。ひたすら泣いた。 涙が枯れもう何も出なくなると、最後にぽつりと呟いた。 「どうしてまりさがこんなめにあうの。」 「どうしてゆっくりできないの。」 「まりさはなんにもわるいことしてないのに。」 「おかあさん、まりさはゆっくりだよね。ゆっくりするのがゆっくりだよね。」 「まりさ、ゆっくりできなくなっちゃった・・・」 「ゆっくりできないゆっくりなんて・・・ゆっくりできないゆっくりなんて・・・」 「おかあさん、ありがとう。ごめんなさい・・・」 まりさは歩き出した。行く当ても無く。そして二度と戻って来る事は無かった。 この町では特別珍しい事でもないゆっくりの失踪。今日もまた一匹のゆっくりが消えた。 今までに消えていったゆっくり達と同じ言葉を残して・・・ 「もっとゆっくりしたかった・・・」 end 作者名 ツェ 今まで書いたもの 「ゆっくりTVショッピング」 「消えたゆっくり」 「飛蝗」 「街」 「童謡」 「ある研究者の日記」 「短編集」 「嘘」 「こんな台詞を聞くと・・・」 「七匹のゆっくり」 「はじめてのひとりぐらし」 「狂気」 「ヤブ」 「ゆ狩りー1」 「ゆ狩りー2」 「母をたずねて三里」 「水夫と学者とゆっくりと」 「泣きゆっくり」 「ふゅーじょんしましょっ♪」 「ゆっくり理髪店」 「ずっと・・・(前)」 「ずっと・・・(後)」 「シャッターチャンス」 「座敷ゆっくり」 「○ぶ」 「夢」 「悪食の姫」
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1011 Can ゆー defend? 後編/コメントログ」 ゆっくりはどうでもいいけど、このガキがむかつきすぎてゆっくりできないぃいいいい -- 2010-04-17 04 20 52 ゆっくりできたよ -- 2010-06-14 03 30 16 日常茶飯事ってw -- 2010-06-22 16 26 02 ゴミ掃除くらい誰でもするでしょ -- 2010-06-30 00 44 17 いいお話でした。ゆっくりー。 -- 2010-07-10 12 11 39 子供って、こういう昆虫を面白がって殺したりするの 一回はやるものですよね。面白かったです。 ゲスなゆっくりだったらもっと良かったかも。 -- 2010-07-23 02 43 17 ガキうぜぇw 鬼意山の無慈悲な虐待のほうが面白いな -- 2010-08-05 22 30 27 善良なゆっくりのほうが虐待しがいがあると思うな。いかにもいじめてますってかんじがいい。 -- 2010-08-06 10 54 51 ゲスいじめは悪をこらしめるってゆーいわゆる勧善懲悪ってかんじだけど善良なゆっくりいじめはほんといじめてる感がある。 -- 2010-08-17 10 15 49 「あかちゃん! しゃべれないの!?」 何でか解らないけどこういう台詞が凄くゆっくりできる ピンチのゆっくりが感傷的な台詞を言うのは余裕ありそうで嫌だが、必死な状況確認は胸が熱くなるな 「あかちゃん」というのもGOOD -- 2010-08-18 10 04 16 ゆっくりに守れるものなんてあるの? -- 2010-08-31 10 31 21 子供たちは善良を自称するゲス饅頭軍団から森の生き物たちを守ったんだよ…… 食べ物がいくらでもあるとのたまう饅頭どものことだ、調子にのって無計画に森の生き物を食い尽くすに違いない 行き詰まった宇宙生物どもはやがて必ず人間の街を侵略するだろう。その危機を未然に防いだんだ -- 2010-09-22 00 34 50 これは嫌だ -- 2010-10-13 18 30 42 ゆっくりできたよー! 童心の遊びってこんな感じか。 昔苛めた虫も喋れればこういう事を言ってたのかな? …いやゆっくりと比べたら虫に失礼か -- 2010-12-05 22 19 35 子供達がマクロスを汚すなとか言ってるけど、その年齢でマクロスを網羅してるのか?しかも三人とも? にわかのガキがマクロスFだけ見て言ってるんだったら腹立つな。 -- 2011-01-21 21 58 24 どっちもゲス 人間のクソガキを鬼意山がブチ殺して「お前らクソガキもゆっくりも同じゴミなんだよ!」とか、そういう面白い展開無いかな -- 2011-03-11 19 25 56 ↓中国行ってスナッフビデオでも見てろよエイユウ志望様 -- 2011-07-20 15 33 27 鬼威家の親戚の子かな? -- 2011-08-11 19 12 22 す、す、すっきりーー!!!!めっちゃ最高だよ!!!パネェQNQNだよ!!! あー面白かったww子供の虐待は明るくて後味が爽やかでいいよね! やっぱり変にこった設定や虐待方法がなくても丁寧に心を壊していく虐待は最高だね 話や構成もとても丁寧かつしっかりと練りこまれていて奇抜さ無いけどとても重厚な読み心地でしたw ゲス制裁も面白いけど、やはり私はゆ虐の王道たる善良理不尽虐待が大好きです♪ -- 2011-11-16 06 19 24 この世にゆっくりが居れば罪のない虫が殺される事もないと思った作品でした -- 2012-02-07 14 08 23
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「ふたば系ゆっくりいじめ 42 今と昔.TXT/コメントログ」 考察系SSか…ジェノサイド分もっとよこすんだぜ! -- 2010-09-04 19 52 29 積みじゃなくて詰みだよ!ゆっくりりかいしてね! -- 2011-08-22 09 16 49 そうか、ゲスはおれらのせいでうまれたのかー そーなのかー -- 2011-09-19 10 58 21 これはこれでイイな。こういうの好きだなー。 -- 2013-08-16 18 14 29
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1080 違うありす/コメントログ」 いい話でもあり面白い話でした ありすが幸せになって良かった -- 2010-08-13 18 09 19 糞まりさと糞でいぶに糞赤ゆはもっと苦しんで死んで欲しかった… -- 2010-12-06 00 30 51 おじさん二人も良い事するじゃないか… イイハナシダナー;; 糞饅頭ざまぁww -- 2010-12-15 15 28 25 これメガテンのアリスネタだろwww -- 2011-05-08 05 55 44 面白かった。 -- 2011-07-13 13 43 06 いい…話だな…(現状涙目) -- 2015-02-21 23 52 15 「ありす」でも助けるのか。 って言うか、胴付きでも顔は完全にゆっくり饅頭なんだから気付くやろ! -- 2018-03-26 23 03 18
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「ふたば系ゆっくりいじめ 589 喋るな/コメントログ」 薄い。 -- 2010-06-09 01 05 13 うーん -- 2010-06-20 00 24 58 微妙ぉー -- 2010-06-30 21 35 03 わかるよー。 3日間、不眠で仕事➝やっと帰宅できた➝風呂➝布団へGO➝近所のガキがうるさくて眠れない。 うん。殺したくなるよ。安眠妨害は生存権の侵害だよ。 -- 2010-07-15 17 48 48 眠ってるとこ起こされたにしてはやさしいね。 -- 2010-08-12 07 02 08 ふむ…親まりさかしこいじゃないかw そこかしこさが何処まで持つか楽しみだな。 -- 2010-10-17 21 58 45 とてもゆっくりできました!大変面白かったです! いろいろ凝った設定や独創性溢れるSSも面白いですが 私はいわゆるテンプレ展開のSSが一番好きです テンプレとは優れているからこそ残っている先人の英知の結晶ですから また同じテンプレ展開であっても 作者様のクセ、表現、嗜好が違えば全く別作品として楽しむ事が出来ます -- 2011-03-01 12 14 09 もっとヒャッハーしようぜ -- 2011-03-24 03 35 13 後片付けが大変そうです -- 2011-05-10 02 14 52 これはwww 床が大変そう…www -- 2011-06-04 06 13 04 これは仕方ない当然 いい作品グット!! -- 2012-07-22 16 08 36 あっさり系か -- 2014-07-21 16 32 29 まりさこれは仕方がない -- 2016-01-07 22 53 44 根拠はなくても、まあ大体れいむが悪いよね -- 2016-02-29 01 12 54
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ゆっくりブリーダーの訓練所では、今日もゆっくりのエリートと呼べるほどの良いゆっくり達を作り出す訓練が行われている。 「ゆっくりしていってね!」 その部屋は、人工的だが、どこか温かみがあり、そのまま眠ってしまいたくなる様な風情がある。 ゆっくり達の部屋は、これから続く長い訓練の日々に耐えられる精神を身に付けるためにも、ゆっくりにとって本当にゆっくり出来る場所となっているのである。 そんな部屋に、一人の男が、ゆっくりれいむを置いた。 「ゆっくりしていってね!」 このれいむは、どうやら新しく訓練を受けるゆっくりらしい。そのふてぶてしい面構えから見るに、野生のゆっくりのようだ。 「ゆっくりしていってね! ここはれいむのいえだから、おじさんはさっさとでてってね!」 ゆっくりれいむは身勝手な事を言い、環境の良さからここを自分の住みかだと言い張った。 最初、ゆっくりはこの場所の居心地の良さから、必ずこういう態度をとる。 そんなゆっくりを、当然だがブリーダーは即座に叱る。 だが、その言葉は非常に穏やかなものである。 「ここは君の家か……じゃあ、出て行く事にしよう」 そう言い残して、部屋に鍵をかける。数日間の絶食の始まりだ。 「ゆ……ごはん……おなか……すいた……」 「まだご飯をあげるわけにはいかないな、君はまだまだ死なない」 数日前、まるまると太っていたゆっくりれいむが、見る影もなくやせ細っている。 もはや動く事も出来ない様子で、ブリーダーの姿を見ても哀れさを誘うほどの小さな声で訴える事しかしない。 だが、ブリーダーはその様子を見ても眉一つ動かさない。 本当に餓死直前のゆっくりは、言葉を発する事も出来ないし、やせ細るどころかアンコが透き通って真っ黒に見えるほど皮が薄くなるからだ。 ちなみに、この状態のゆっくりに僅かでも食事を与えてしまえば、もう絶対に言う事を聞かない。 例え瀕死になっても、哀れに振舞えば助けてくれる。それを知ってしまえば、ブリーダーの言う事など聞く必要を感じないからだ。 ブリーダーが部屋を出て行こうとすると、ゆっくりは凄まじい勢いで飛び掛ってきた。 「ま”っでえ”え”え”え”え”ぇぇぇぇぇ! ぼん”どに”お”な”がずい”だの”お”お”お”ぉぉぉ!!!」 顔をぐしゃぐしゃにして、みっともなく訴えかけるゆっくりを叩き落し、ブリーダーは部屋を後にした。 「そろそろかな……」 更に数日後。 全身が真っ黒になり、何かを要求するどころか、眼球すらまともに動かないゆっくりれいむを前に、ブリーダーは呟いた。 「これが食事だ。これまで散々自分だけでゆっくりした分を差し引いてる。食べられるだけありがたく思うんだぞ」 こんこんと諭してから、一口分のスープをゆっくりれいむの口元に持って行く。 「おいしい……ゆっくりできるよ……!」 一口でも、僅かに回復したらしい。しみじみと、スープを惜しむ様に味わい続けている。 「これからも、自分だけでゆっくりするとこうなる。わかったら、もう二度と自分だけでゆっくりするなよ」 「わかりました……だから、もっとちょうだい……」 あえぐ様に訴えるゆっくり。だが、ブリーダーはそのまま部屋を出ようとした。 「ま”っでよ”お”お”お”ぉぉぉ! も”っどぢょう”だい”い”い”い”ぃぃぃ! ゆ”っぐり”でぎな”い”ぃぃぃぃぃ!!!」 ドアを閉めた直後、泣き叫ぶゆっくり。どうやら、このゆっくりはまだまだ元気だったらしい。 ブリーダーはため息を一つこぼし、限界を見極める腹を固めた。 「今度はどうかな……」 数週間後、全身が真っ黒になり、もはや生死すら分からないゆっくりの前で、ブリーダーが呟く。 「ご飯をあげる前に、一つだけ言っておく。今回が最後のチャンスだ。これでダメなら、加工所送りにする」 数週間前と同じ様に、だが厳しい顔つきで宣言するブリーダー。 そのままゆっくりにスープを与えると、僅かずつ飲み込んでいく。 「ゆ……ゆ……」 僅かに眼球が動く。哀れがましいその動きを見て、ブリーダーはため息をついた。 「残念だが、君は加工所送りだ。恨むなら恨んでも良いけど、自分が何をしたかゆっくり考えてみるんだな」 そのままゆっくりれいむを抱えて、部屋を後にするブリーダー。 ゆっくりれいむは、なぜかと訴える様な眼差しでブリーダーを眺めていた。 ――ゆっくりの訓練方法、その一。 ――特に野生のゆっくりは、哀れがましい動きをして、何とか同情を誘おうとする。 ――そのため、まずは餓死直前まで追い込む事で自分の立場を理解させ、それでもダメならば加工所へ送る。 ゆっくりブリーダーの話が出てきてあまりにも嬉しかったので、書いてみました。 この後もいくつかありますが、イジメ系ではないので削除させていただきました、ご了承下さい。 下記は、訓練方法そのニ~五です、ゆっくりに本気で訓練施すとなると、多分こんな感じになるのではないかなぁと思います。 ――ゆっくりの訓練方法、そのニ。 ――他の者の苦しみを無視する、自分だけ食事を摂ろうとするなど、自分勝手な行動に出たゆっくりは叱る。 ――どれだけ優秀でも、自分勝手な行動だけは決して許されない事を頭に叩き込む。 ――ゆっくりの訓練方法、その三。 ――ゆっくりを叱る時は、他のゆっくりから見えない影で、諭す様に叱る。 ――ゆっくりにもプライドは存在する。それを崩さない事を念頭に置く。 ――ゆっくりの訓練方法、その四。 ――一度でも人間やその係累に危害を与えたものは、加工所送り。 ――周囲のゆっくりに聞こえる様に加工所送りを宣言する事で、絶対にやってはいけない事を頭に叩き込む。 ――ゆっくりの訓練方法、その五。 ――ゆっくりを褒める時は、他のゆっくりが見える様な状況で、可能な限り褒める。 ――ただし、褒めすぎて調子に乗らない様注意する事を念頭に置く。 by319 このSSに感想を付ける