約 106,093 件
https://w.atwiki.jp/runner7novel/pages/63.html
「もうこんな時間か」 俺は思わず時計を見る。時計の針は「7時」を指していた。 あの試合が終わって、2回目の夜が過ぎ、現在9月28日。一睡も出来ない。 ここまで俺の心は弱いとは思わなかった。 「英雄! いい加減学校行きなさい!」 下の階から、母親の怒号が聞こえる。 確かにそろそろ行かなければ…。重たい体を起こし制服へと着替える。 久しぶりに感じる日の光。今までカーテンを閉め切った部屋に居たからだろう。久しぶりに光を浴びた気分になる。 重たい体を強引に学校へと向ける。 学校に到着し、クラスへと向かう。 俺の顔を見ていく生徒。なんだ? 俺の顔になんか付いているのか? 教室に入ると、俺を皆が見てくる。 なんだ? 俺をあざ笑うつもりか? 「よぉ英雄! ってかてめぇ! なんで負けんだよ! これじゃあ延期した意味ねぇだろう!」 友人が俺に突っかかってくる。どうみても冗談交じりの態度だ。 いつもなら冗談で言い返せた俺。ってか言い返せたはずなのに、俺は鞄を地面に投げ捨て、いつの間にかそいつの胸倉を掴んでいた。 「うるせぇ!!! こっちだって好きで負けたんじゃねぇよ!!」 俺はそいつの胸倉を掴んだまま怒鳴る。 教室がシーンと静かになる。 「お、おい英雄! 冗談だって!」 「黙れよ!! 冗談だろうが、なんだろうが、こっちは、自分のゴミみたいな精神にイライラしてんだよ!!」 そいつの胸倉を掴む腕が強くなっていく。 「英雄!!」 ここで哲也が、俺に飛び掛って抑え付ける。誉も手伝い、俺とそいつから体を引き離した。 どこから現れるのか分からない怒りの矛先は、物へとぶつけられた。 上半身は、哲也に押さえつけられている状態で、俺は足だけで机を蹴飛ばす。 女子の悲鳴が教室にこだまする。 「止めろ英雄! 落ち着け!」 誉と哲也が、必死で俺を引き止める。 「糞野郎が!!」 哲也と誉を体から引き離すと、思いっきり教卓に頭を何度もぶつける。 悔しさや恥ずかしさ、自分の未熟さを忘れたいと願いながら、何度も何度もぶつける。 願わくば、このまま意識を失い、目覚めたとき、記憶喪失になることを願いながら。 「うおっ! 英雄なに教卓にヘディングしてんだ! ゴールは教室にねぇぞ!」 ここで現れた佐和ちゃん含む数名の教師に掴まれる。 だがそれでも暴れる俺。何発か教師を殴った気がする。 結局、さらに数名も追加し、暴れても動けない状態のまま、俺は指導室へと連れて行かれた。 まともな思考に戻った時、俺は指導室で、佐和ちゃんと対面で座っていた。 「天才は打たれ弱いって、前にお前が言っていたが、まさにその通りだな」 「………」 対面に座る佐和ちゃんが、そう真面目に話す。 「…俺は天才でも、怪物でも無いですよ…。少し実力があったからって、調子に乗ってた凡人なんですよ」 「そうか…」 そう言って佐和ちゃんは言うと、二人とも黙り込む。 「まったく、お前がそんな態度じゃ、まったく噛み合わないな。もうちょい、唯我独尊って感じでいけないのか?」 「俺は…凡人以下ですから…」 「おいおい、さっきよりランクダウンしてんぞ」 佐和ちゃんの軽口でさえ、今の俺には腹が立った。 だけど、腹立つ権利さえ、俺にはないと勝手に思い込み、怒号を喉の奥へと押し込んだ。 「まぁこのまま、日ごろの恨みをこめて、お前にグチグチいうのも悪くねぇが、一応俺は生徒指導の担当だからな。さっそく本題に入ろうか。今回のお前の指導だが…」 そう佐和ちゃんは指導について話していく。 ≪前 HOME 次≫
https://w.atwiki.jp/kmpnote/pages/90.html
うたかたの日々 ハヤカワepi文庫 ボリス・ヴィアン著 伊東 守男訳 早川書房 主人公コランは金持ちで気ままに暮らす御曹司だ。こう言ってしまうとすごく自分がコンプレックスを抱いている様だが、実際にそうかもしれない。しかし「気ままに」と言ったところで、彼にとっては恋愛が何よりも人生をリアルにさせる主体であって、全てのエネルギーの源であるのだから、全く気の抜けない一大事ばかりの連続でもあったのだろう。そう思うと自分の抱いたものは「気ままさ」でなく、その「全力さ」だろうか。全力でぶつかっていく彼の姿が余りにも明快で辛辣ですらある。その強い態度に何か敵わない思いを抱かされたのだろう。 全てのことに対して先験的な判断を下し、個人が常に正しく、そこから行動の指針を引き出す。そんな作者の言葉とともにコランは激しく「自由に」行動を起こしていく。 それにしても恋人そして妻であるクロエは肺の中で睡蓮が生長するという何とも奇妙な病気にかかっている。それが二人の幸せを徐々に奪っていくのだ。どうして幸福の絶頂にある人間は臆病になるのだろうか。コランもまたよからぬ想像を膨らますのであった。この幸せが終末をむかえるときを頭の中で描く。それは少しでも衝撃を和らげようとあがいている自己防衛なのだろうか。そのためにかえって、良心の呵責に苦しめられながらも?。人間はそうやって不毛なことを繰り返していかなければ、幸せに向き合えないと言うのだろうか。 この小説の素晴らしさは、不幸を描くなかに美学をも打ち出しているところではないだろうか。肺に花が咲く、そしてその花を枯れさせるために部屋を花でいっぱいにする。膨大な花の中で美しいく、はかない男女が嘆き悲しみ、その言葉の中にも軽やかにユーモアを混ぜ、ただおちて行くばかりでない「華麗」な姿ですらある。そしてそれは悲劇と喜劇の等価な扱いにも見える。 無邪気に喜び幸せを分かち合っている人間の姿。それぞれが向き合う悲劇はいつもそんな姿などお構いなしに背後にピッタリとついている。屈託無く笑う背後で同じように屈託無く近寄っていた死。この小説の半分以上は悲劇の連続でもあるのに、それが深刻に見えてこないのは、そのような等価な表現によるものだろう。 お金に執着のない生活を送ってきたコランが向き合った貧困。人生における労働の無意味さを謳歌しながらも、自らの困難を救うものがお金であり、彼の幸福な生活を支えていたのもそんな有限なものでしかなかった。その簡単な事実に立ち向かいやがて訪れる終末。最後には貧困を背負ったことをあざ笑うかのような展開だ。 軽やかにカクテルをつくる冒頭の姿と同様な意匠で友人が死に、パルトルというカリスマが死に、そしてクロエが・・。最後には飼っていたネズミが「頭をおれの口に入れて待ってろよ」と猫に「自殺」を依頼する姿も同様な「軽やかさ」で描かれていた。それが全ての締めくくりなのだから、なんとも等価な意匠で激しい振幅を流れている「記号の戯れ」のような小説である。 2002.07.05k.m コメントをぜひ k.m zzzさんの興味深い書評● zzz フランスでも映画化されたけれど、忠実に映像化しようとしてうまくいってなかったような記憶があります。個人的にはいつかデューク・エリントンを奏でてできたピアノカクテルを飲みたいと思っているのですが、生きているうちに製品化されるといいな。2003-06-18 (水) 21 37 28 k.m コメント有難うございます!。フランスの映画化は知りませんでした。それにしても映像化は難しいですね。先日見た小栗監督のNHK人間講座ではちょうどそんな話題をやっていて、とても参考になりました。そのうちまとめたいです・・。2003-06-18 (水) 22 41 13 名前 コメント カテゴリー-小説 関連リンク ソネアキラ
https://w.atwiki.jp/saikyouryodan/pages/198.html
第二十一話 大切なもの、大切な時間 ──バキッ 乾いた音が響き渡り、喪失感が身を襲う。 どこかで、消えていった。 震える魂と、朽ちていく鼓動。 永遠などないと、物語っている。 『ごめんね・・・』 ◇橋◇ 桜「うぁぁ・・・・・・・・・・・」 ひざが震える。 顔を背けたくなる。 でも、それは現実から逃げることになるから。 花城「っ・・・・・」 さゆり「そ・・・・・そんな・・・・・」 その場にへたり込んでしまった。 あまりに唐突すぎて、受け入れられない。 茨『貴様ぁぁ・・・・・・』 雛菊『茨・・・・・』 茨『っち・・・』 もう、見る影も無い。 椿月「あっけない終わり方です。 もっと、張り合いがあるかと思ったのに」 さっきの狙撃銃を撃った女性があざ笑うかのように雪鎖を見下している。 その視線からは、『無様だな』というようなものさえ読み取れる。 ??「黙れよ、馬鹿が」 その時、後ろの方から声が響いた。 さらに── ??「ふざけてんじゃねぇ!馬鹿野朗がぁぁ!!」 ──ドォンッ 椿月「っぐぅ!!」 眼にも留まらぬ速さで女性の後ろに移動し、背中に回し蹴りを当てていた。 桜「ふぇ・・・・」 あまりに突然すぎて、間抜けな声が出てしまう。 ??「おいおい、この程度かよっ!」 さらに、続けて腹部への<硬突き>。 おそらく、高速型の能力者だろう。 椿月「だ・・・れ・・・だぁ・・・・」 ??「名乗るかよ、馬鹿」 あれは、もしかして・・・ ◇砂浜◇ 月夢「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」 あれからおよそ、10分。 月夢は、全ての敵機を撃墜し、ひざを突いて呼吸を荒くしていた。 その隣には、眞之が眠っている。 光李「月夢・・・」 あの能力は、何なんだ・・・。 <ライトサボタージュ>。 内部破壊に特化した打撃術、といったところか。 真「眞之、眞之!」 ゆら「ノックを一撃で・・・」 こいつの能力は、<治癒魔法>と<星使い>のはず・・・。 なぜ、近接戦闘型の攻撃が・・・。 月夢「<デスボディ>」 光李「なっ!?」 アンデット・・・・黒魔法だと? 多重能力・・・だと・・・ こいつ、何者なんだ・・・。 小雨「会長、あれは・・・」 光李「ああ、妙だな・・・」 青魔法、空魔法、打撲術、黒魔法・・・。 4つの能力を司る多重能力・・・。 2つでも珍しいってのに・・・。 光李「パーソナルリート・・・・か」 ◇学園◇ 白虚「空が綺麗だよ」 雨針「そうだね」 寂弥「綺麗だね」 屋上から見える星空は、ため息をつきたくなるほどに綺麗で、 今起きていることなんて、まるで夢なんじゃないかと思えてくる。 白虚「久しぶりの再開が、こんな状況だなんてな」 雨針「そうよね。もっと、ゆっくり話でもしたかったね」 雨針は、寝転んだままでこちらに見やる。 白虚「ん?」 雨針「ほんと、大人になったね」 雨針のむこうで、寂弥が笑っているのがわかる。 白虚「何がおかしいのよ」 寂弥「んー? べっつにー」 明らかに、この状況を楽しんでいるのが分かる。 まあ、こいつも笑えるようになってよかったと思う。 白虚「なにが、べっつにー、よ。明らかに面白がってるじゃない」 雨針「ふふふ」 寂弥「あはは」 二人して笑っている。 こんな時間が、とても大切なんだと思う。 白虚「ぷっ、ぷふふ、あはははは!」 ついつい、つられて笑ってしまう。 雨針「あははは」 雨針と、 寂弥「あははははは」 寂弥と、 白虚「あははははは」 私と。 こんな時間が、ずっと続いたらいいな、と、思う。 前の話 次の話
https://w.atwiki.jp/tohonktkt/pages/428.html
「あの時の問いを、今一度あなたに向けるわ。」 何も無い場所に、2人の少女が対峙していた。 背格好は小さく、服装こそ体操着にブルマと言うふざけた格好ではあったが、 両者の眼差しは、それだけを以ってして人を殺せそうな程に研ぎ澄まされていた。 「あなたは――」 2者の片方、傘を持つ無傷の少女が、その傘を前に向ける。 傘としての機能を全うすべく造られたその直線の先―― 傘としての機能には何ら影響しない、 洒落た時計の針の先のような装飾の切っ先には、傷だらけで方膝をつく少女が居た。 「……あなたは」 傷だらけ、と言う表記は聊か生易しいかもしれない。 既に少女に振るう腕は無く、背中には焼かれた木の枝のようなものしか生えていない。 本来であれば少女の背中に“焼かれた木の枝のようなもの”が生えているのはおかしな話であるが、 彼女―― ふらん☆ を知る者であれば、“それ”を見て直に気付くであろう。 ――“これ”の本来の姿が、宝石のように美しい彼女の“羽根”であったのだと。 「……。」 誰がどう見ても絶望的な状況であった。 だが腕も羽根も失った彼女は、それでも瞳の輝きを失ってはいなかった。 「あなたは、何になりたいの?」 傘の少女が問う。 ふらん☆の身体が小さく震える。 「私は――」 傘の少女に聞こえたのはそこまでだった。 血にまみれた小さな口から放たれた言葉は、 大気を僅かに震わせただけで、誰の中に入っていく事もなかった。 「自信が無いの? ……まあ、そのざまじゃあね」 暫しの沈黙の後、傘の少女はあざ笑う。 惨めな姿のふらん☆を見下しながら、今まで動かさなかったその足を一歩踏み出した。 「いいわわ、あなたにはもう無理でしょう。 今ここで楽にしてあげる。 ……安心しなさい、三連星は私が」 「私はッ!!」 “三連星”と言う言葉が出た瞬間、完全に消えていた炎が突如息を吹き返したかのように、 ふらん☆は顔を上げ、そして叫んだ。 「私は――」 そのままの勢いで、大地を蹴り駆ける。 「なッ……」 一瞬の油断が、驚きと共に大きな隙を生む。 その隙が消えるよりずっと前に、傘の少女の鳩尾にはふらん☆の頭がめり込んでいた。 「がはっ!」 勢いを受けて後ろに大きくのけぞる。 そのまま地面に倒れはするが、油断はここまで。 すぐに起き上がり今度こそ傘で心臓を貫き、ふらん☆の息の根を止める―― ――筈だった。 「私はああああッ!!」 しかし、ふらん☆はそれを許さない。 抉りこむようにして打ち込まれた突進からの頭突きだが、 横への力もさる事ながら、上への力が異様に強かった。 即ち―― 「バカな……!」 傘の少女の身体が、大きく浮く。 「うおおおおおおおおおおおっ!!」 落ちて来たところを、ふらん☆が再び頭突きで打ち上げる。 それを何度も、何度も繰り返し―― 「今一度言うわ!」 気付けば明らかに優劣が逆転していた。 空中で逆さまにされた傘の少女の足は、頭と同じ高さにあった。 決してあり得ない方向に折れ曲がっている訳ではない、しかし。 「私は……!!」 その上に乗るふらん☆の姿が、この戦いの結末を、傘の少女の末路を物語っていた。 「私は三連星であり続けたい! こいし☆と、ぬえ☆と一緒にッッ!!」 大地が粉砕される。 五体満足の傘の少女の瞳からは、光が消えていた。 ふらん☆は動かなくなった宿敵をその場に捨て置き、何も無い場所から立ち去る。 仲間が待っている――
https://w.atwiki.jp/atogefan20110504/pages/199.html
一瞬の空白時間を得て、二人が到着したのは特に珍しくもない小さな田舎町だった。 「……ここが?」 レオルスが家の扉や屋根から飛び出る煙突を見ながら呟く。 「<秘境の魔女>とは、よく言ったものです。あの木々は結界。この小さな町が魔女たちの住処です」 周辺には何件もの民家が立ち並び、町の周りにはこの場所を守るように木々が囲っている。 結界を越えるまで何の存在も感じなかったことから、その一本一本がこの町の魔力を外に漏らさないような特別な力を持った木なのだろう。 レオルスが何となくそんなことを予想してから、思いついたようにクレイルに話しかける。 「じゃあ、ここにお前の母親の……って、おい! 囲まれてるぞ!」 「言われなくても」 レオルスが言葉を発した時点で違和感に気付いたのは言うまでもない。 二人は一瞬にして、とてつもない量の魔力に囲まれていたのである。 レオルスも合成師の中では比較的強い魔力を持っている方だが、その魔力をあざ笑うかのように、周辺を力強い魔力の流れが通過していく。 彼の身近な存在で、自分の父親とクレイルは自分よりも魔力量が多かったことを認めている。 それ故に、自分よりも魔力量があるクレイルに対抗心を持つ。 彼がクレイルをライバル視する理由の一つだった。 ところが、クレイルと同等、もしくはそれ以上の魔力量の存在に周りを取り囲まれているこの状況は、レオルスにとって初の体験であり、今までにない緊張感を彼に与えていた。 左右を警戒しながらも、圧倒的な魔力に思わず息を飲むレオルス。 空間を移動して到着したこの場に、出口はなく、前にも後ろにも地面が続いているだけで今の彼らに逃げ場はない。 そんなレオルスの前で、クレイルは平然とその魔力に立ちはだかる。 「…………」 自分では太刀打ちできない魔力同士の衝突を目の当たりにするレオルス。 それは悔しくも、今の自分には到底敵わない、クレイルという男との力の差なのである。 一方、クレイルは押しつぶされそうな魔力量に対して引け目をとることもなく、身を守るように抵抗魔力を放って辺りを見回していた。 先に動いたのは二人を周りを取り囲んでいたその<存在>たちだった。 音もなく一瞬のうちにして、彼らの前に姿を現す。 大きな帽子で頭部を隠し、その頭部から流れるように長く美しい髪が地に垂れている。 胸元と肩は露出し、女性らしさを演出しているが、代わりに下腹部から脚部へ向けて大きく広がる重厚なドレスがその女性らしさをかき消して、見る者を威圧する。 手に持つ魔力を帯びた箒が相乗して、彼女たちの存在感をより一層引き立てていた。 姿が確認できているのは、赤・青・白・緑・黒の五人の魔女。 クレイルがここに来る目的だった存在――色によって自身の力を区別している、秘境の魔女たちである。 「――ッ!」 魔力は、使い手によっては不可視の力で対象にダメージを与えることも可能である。 魔女たちはクレイルとレオルスを侵入者として構え、完全に排除する対象として魔力を放っている。 何の構えもなしにその場にいたレオルスが気圧されるのも仕方がない。 動じないクレイルに対し、魔女たちがその力をさらに強めようとしたその時―― 「待って」 魔女の一人、五人の真ん中にいた白い魔女が片手を挙げて他の魔女を制止した。 その合図で放たれていた魔力が収まり、レオルスはようやく呼吸を正常に戻す。 合図を送った白い魔女が、一歩一歩静かにクレイルに近づく。 「あなたまさか、クレイル?」 その問いかけに、クレイルは片膝を地面につき、ゆっくりと頭を下げて言った。 「初めまして……ティファレット叔母様」
https://w.atwiki.jp/naianakikaku/pages/2180.html
<彼の存在意義。> 「お…掟破りのテクニックを使っても、離れねぇだと!?」 男は焦っていた。 「相手は軽のカプチーノじゃねーか!なぜだ…どうして俺のランエボで引き離せねぇ!」 とある峠道、下り。ここはつい先日から男が走り込んでいる道で、地元の走り屋を文字通り捻り潰して走り込んでいた。 が、しかし。 「なんなんだあのカプチーノ!・・・待てよ、ありゃこの前崖からすっ飛んでった、奴のじゃねーのか…!?」 数十分前に時を巻き戻す。 「アレか?」 峠を往復し獲物を探す事数時間、ついに捕えた。 『ハイ…あの男に復讐を。それも出来るだけの絶望感と敗北感を。』 モトの問いに、「モトになった思念」の女が答えた。 モトを形成するのは、交通事故や事件に巻き込まれた者達の思念である。 その中に先日加わった女が強く望んだ事が、男への復讐であった。 車は女が元々乗っていたモノを記憶を元に具現化し、モトが乗りこんでいるのである。 「しっかしおみゃーさんもカプチーノで4WDに喧嘩売るたぁー大したタマやったんやのー。」 『…元々レーサーの端くれでしたの。大会にも何度か出てましたし、早かったんですのよ。』 そうこうしている間にどんどん標的のランサーエボリューション、略してランエボとの距離が詰まってゆく。 『貴方は私よりも数段早いみたいだけれど。』 「そんなこたぁ無か。ワレの技術と感覚、経験を使っとるんじゃけんの。」 『あら、嬉しいわ。あいつにこれで…。』 「よし、喰らいついたで。もう離さへん。」 そして今のカーチェイスに至る。 「ま・・・間違いねぇ、あのステッカー…この前抜かれた腹いせに突き落としてやった奴だ…なんで生きてやがる…」 男は器が小さかった。その癖にプライドだけは大きかった。性能のいいランエボに乗り、 貧乏な走り屋をあざ笑うかの如き運転を行い、挙句の果てに気に入らない相手の後ろをぶつけ、先日一人崖の下に落とした。 相手は美人の女だった。峠の上でナンパし、断られた腹いせに勝負を仕掛けたら抜かれそうになり、 本人曰く「ついうっかり」後ろからぶつけ、ガードレールを突き破って落としたのである。 「クソが…なんで軽如きに追いつかれんだ…こっちはランエボだぞ…4WD、排気量だってこっちが上だってのに…!」 ストレートでは確かに引き離すのだが、カーブを抜けるともう鼻先まで迫ってくる。男には全く理解が出来なかった。 いや、否定したかったのかもしれない。 「い…イカレてやがる!あんな速度でカーブを抜けてくるなんて正気の沙汰じゃねぇ!」 そう、タイヤのグリップが効くギリギリまでしかスピードを落とさず、迷わずキレイなカーブのラインを描いていくのである。しかも、理想ラインをほぼズラさずに。 細かい技術の蓄積は、車の性能比を埋めていた。 そして峠最後のヘアピンカーブ。 第二コーナー、女が落とされたのと同じ所でモトの運転するカプチーノが外側から男のランエボを抜いた。そして男がカプチーノへ自らの車をぶつけようとした瞬間に。 「格の違いを噛み締めて死になさい、悔いなさい…!」 フロントガラスに女が映り、男の耳には女の声と赤ん坊の泣き声が響いた。カプチーノが衝突を避けたため、力の行き場を無くしたランエボはガードレールに突っ込み落ちていった。 女によると、最後の悲鳴は『畜生がぁぁぁぁぁ!』だったらしい。 『ありがとう…これで私と私のお腹にいた赤ちゃんを殺した奴に復讐出来たわ…。』 モトはタバコを咥えるとニヤリと笑う。 「よかよか。ワシの仕事だっぺ。」 傍から見ると独り言をつぶやく時代遅れのヤンキーだ。しかし、そうではない。 モト。彼は交通事故によって亡くなった者の思念が集まって出来たモノ。 彼の存在意義。 それは悲劇を戒めるため。 それは復讐を遂げるため。 それは――――――――。 カプチーノの具現化を解き、新たに具現化したバイクに跨ったモト。ライターでタバコに火を付けたその時、背後に気配を感じた。 「…誰や。」
https://w.atwiki.jp/zgok0079/pages/283.html
宇宙都市シリーズ 757 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 04/09/10 23 05 13 ジェイムズ・ブリッシュ「地球人よ、故郷に還れ」 名作の誉れ高いので期待したが、あまりにも酷かった。 特に前半がひどすぎる。ストーリーが行き当たりばったりで めちゃくちゃだし、キャラは没個性だし、特に主人公の行動が 基地外じみていて虫酸が走る。 終盤で、マゼラン星雲に逃げて降りた星で現地人を見て、 自分の行動の罪深さを悔い改めた後は、少しマシな行動をとるが、 結局自己満足の域を出ない。 それに一個の長編としてみると、終盤だけとってつけたように 作風が変わったような感じでバランスが悪く、読後感が非常に悪い。 50年代初期の中編を寄せ集めただけの本らしいので、 しょうがないか…… 本書の終盤やプロローグなどを読むと、シリーズ全体としては 科学技術が進歩してもいっこうに帝国主義から抜けられないまま 滅んでしまう愚かな人類の歴史を傍観して、哀れむないし あざ笑うといった大きなテーマがあるような感じはするが、 仮にそうだとしても、そういうテーマ設定自体が既に時代遅れで、 今更読んでもねえって感じもしないでもない。 ともあれ、これより後に書かれたシリーズの他の3作は多少ましに なっていることを期待したいです。 前半 0点 後半 5点 総合 2点 764 名前: でへ 04/09/11 22 33 52 宇宙都市シリーズ ジェイムズ・ブリッシュ ハヤカワSF 1.宇宙零年 2.星屑のかなたへ 3.地球人よ、故郷に帰れ 4.時の凱歌 全4冊 (西暦2000年(人類の太陽系外への拡散)~西暦4000年(宇宙の終焉)まで) ジェイムズ・ブリッシュは当時のハードSF作家です。 彼は当時の冷戦時代の政治状況をふまえて、次のような物語(宇宙都市シリーズ)を作りました。 ソビエトと合衆国は冷戦を限りなく続けて行き、双方とも官僚独裁制と言うべき政治形態となる。 (オーウェルの1984年みたいですね。) 両勢力は手詰まりに陥っており、最終的には自殺的な戦争(第3次世界大戦)をおこし共倒れになる可能性が高い (1950年代に書かれた話ですから、、ディックも同様な話が多い) 人類が生き延びるには、両勢力の力が及ばない地球外(太陽系外)にでる必要がある。 そこまで見込んだある人物が(科学まで統制がされた)世界で、なんとか新しい技術を開発し、恒星系へ出る手段を見つけようとする。 彼は対抗勢力を圧倒できるような兵器の開発をしているふりをして予算を獲得し、2つの手段を開発する ひとつは光速の何倍かで移動できる推進手段(スピンデイジー、ブラケット・ディラックの方程式による)、 もうひとつはそれでも何百年もかかるような航行が一人の人生で行えるための寿命延長手段(ゲルマニウム、抗生物質) このシリーズはこのような経緯で人類が銀河系に広がってゆき、銀河の覇権をとり、最後にはビッグバンの終焉とともに、、、 というスケールのでかい話です。 バクスターみたいでしょ、小説の下手糞さも似ている。(ry) 9点 ブリッシュは不遇な作家なんですよ。彼が脚光を浴びたのはスタートレックのノベライズぐらいです。 時の凱歌 113 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2008/05/10(土) 19 10 22 ジェイムズ・ブリッシュ「時の凱歌」 宇宙大作戦のカーク船長みたいなニューヨーク市長が宇宙的な危機に立ち向かう! というお話。 本筋と娯楽要素のアンチシナジーが凄まじい。ダン・シモンズが偉大な人物に思える酷い出来だった。 反物質宇宙研究と「ヘラクレスの網」のアイデアは面白かっただけに残念。 7点
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/1960.html
ぐそくむしゃ【登録タグ KAITO VOCALOID く わんだらP 曲 殿堂入り 神威がくぽ】 作詞:わんだらP 作曲:わんだらP 編曲:わんだらP 唄:KAITO(KAITO版)、神威がくぽ(がくぽ版) 曲紹介 VN北海道提供曲。 後になってKAITOとがくぽの合わせ版が投稿された。 そしてKAITOとがくぽの合わせ版が殿堂入り。 2016年には「愚足武者・改」とV3 English ver.が投稿された。歌詞英訳は Korowan氏。 歌詞 難攻不落な問いの壁 いくつ行く先を阻もうと なりふりあとさき構わずに 真正面から体当たる 答えがないのが答えだなんて 逃げるが勝ちのあきらめは 嘆きの過去が打ち鍛えた 熱い刃で叩き斬れ 進撃をためらうな 悔やまないように 振り返らずひたすら 前を見据え 無謀など 立ち止まる理由にならない 百も承知の弱さ さらけ出して 走れ 完全無欠の愚か者 賢く生きるつもりはない いつの日か燃え尽きようとも 全力を賭けたその価値は 他に変えがたいものだから 戦わなければ負けないなんて 平和を装う甘さは ゆずれぬ意思を握りしめた 硬い拳でぶち破れ 玉砕を恐れるな 砕けて散るのは 己を縛る 馬鹿げたプライドだ 死なずにすむ事だけを 考えていては 死んでいるようにしか 生きられない 挑め 天下無敵の愚か者 傷の絶えぬ生き様 打ちのめされても 何度でも立ち上がり 先へ向かう あざ笑う傍観者どもを尻目に 不名誉な称号を 勲章に変え 目指せ 世界最強の愚か者 コメント 男が男らしく歌ってカッコイイので嬉しい -- 名無しさん (2009-03-06 23 38 37) カラオケ配信おめwww -- 名無しさん (2009-04-01 08 17 02) 配信決定おめでとーーーーっ ガンガン歌うよ!!! -- 名無しさん (2009-04-03 13 45 02) カラオケ配信おめでとうございます!!絶対歌います!! -- 名無しさん (2009-07-01 20 31 26) この曲かっこいいな//// -- コスモス (2009-09-12 18 23 30) 男らしい曲はボカロでは貴重だと思う。こういう曲がもっと増えてくれないかな -- 名無しさん (2009-10-02 23 15 09) 耳が痛い曲だよ… -- レンニゲウス (2009-10-21 23 29 34) この曲好き過ぎる。 -- 名無しさん (2009-10-29 17 03 57) KAITOとがくぽの合わせ版、殿堂入りおめ! -- 名無しさん (2009-12-04 01 23 08) 初めて聞いた時、時代劇の曲かと思った(← でも歌詞好き過ぎる -- 下弦 (2010-04-06 08 19 23) この詞のように生きるにはまだ遠いけれど、勇気と力をもらえました。わんだらP様に感謝してます。 -- 名無しさん (2010-06-12 00 54 17) KAITOとがくぽの声が………!!エロかっこいいってこういうことか! -- この曲は俺のバイブル (2010-08-27 14 47 10) よし。世界最強の愚か者を目指す。 -- 名無しさん (2010-08-27 14 49 44) KAITOとがくぽ、殿堂おめでとう!! -- 名無しさん (2010-12-07 22 05 27) ここ最近ずっとこの曲聞いてる がくぽと兄さんかっこよすぎる!! -- たんたん (2010-12-12 08 39 24) 最近この曲を知りました…なんてカッコイイ曲なんだ…!! -- haneru (2011-10-09 13 44 08) 受験生なんでこの曲聞きながら頑張ってます -- 名無しさん (2011-11-05 17 54 10) 久々に聞いたら耳が幸せになった -- 名無しさん (2012-03-30 13 28 36) いっつそーくーる! -- 火縄兵 (2012-07-13 14 49 57) カッコいい!!!!!歌詞が深い!!!! -- 名無しさん (2012-10-21 13 41 56) かっこいいよ兄さん!!! -- 名無しさん (2012-11-27 19 47 26) この曲でがっくんが好きになった! -- がっくん廃 (2013-09-22 11 10 20) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nicomment/pages/231.html
中華一番 ※周回者によるネタバレコメがあるかもしれません 第1話 「天才料理少年マオ」 第2話 「幻の麻婆豆腐対決」 第3話 「めざせ!特級厨師」 第4話 「非情!陽泉酒家の掟!!」 第5話 「伝統を打ち破れ!打倒・陽泉酒家」 第6話 「火炎料理人・餃子兄弟」 第7話 「卑劣な罠!追いつめられたマオ」 第8話 「対決!ドラゴン餃子!!」 第9話 「夢への挑戦!特級厨師試験」 第10話 「究極の技!国士無双の麺」 第11話 「最終決戦!伝説の闘味場」 第12話 「宿命の天才 美少年料理人フェイ」 第13話 「完成ナマズ麺!運命の判定」 第14話 「勝者の証 栄光の紋章」 第15話 「天才料理少年!? シロウ?」 第16話 「超ボイン! 美人に注意甘い罠」 第17話 「甦れ! 幻のおこげ料理」 第18話 「赤の恐怖 幽霊屋敷の秘密」 第19話 「愛の架け橋 銀河麺」 第20話 「不幸をよぶ 黒い鶏」 第21話 「大陸一の男 陽泉酒家への挑戦」 第22話 「撃墜王! 標的にされたマオ!」 第23話 「輝け! 大宇宙焼売」 第24話 「謎の招待状 仮面料理人の罠」 第25話 「引継がれた魂 異人館の血戦!!」 第26話 「最後の切り札! あざ笑う悪魔」 第27話 「壮絶! 復讐の最終楽章!」 第28話 「友情の野外料理」 第29話 「裏からの刺客 冷血の天才レオン」 第30話 「魔性の切れ味! 妖刀七星刀!」 第31話 「四大中華を閉じ込めろ! 真鯛大陸封」 第32話 「氷と炎! 激突!! 料理人魂」 第33話 「伝説の厨具! 永霊刀の秘密!!」 第34話 「魔都上海! 裏からの宣戦布告!!」 第35話 「水上大闘味場! 鉄腕スープの魔力」 第36話 「サンチェ特製! 冷製煮こごりスープ」 第37話 「面点王ラコン 千六百年の鎮魂饅頭」 第38話 「スーパー点心大激突! 究極の裁定!!」 第39話 「もうひとつの七星刀! 謎の美女シャン」 第40話 「目覚めよレオン! 料理人の宿命」 第41話 「邪剣を砕け! 魂の七星刀!!」 第42話 「復讐鬼ショウアン! 因縁の結末」 第43話 「マオの実力! 大魔術熊猫豆腐」 第44話 「衝撃の判定! 仙女の手のひら」 第45話 「長江炎上! ショウアン大海に死す」 第46話 「シェルを救え! ?のあらし!!」 第47話 「魔神降臨!? 奇跡の魔聖銅器」 第48話 「天かける星! 特製彗星炒飯」 第49話 「闇の迷宮! 心をつなぐ一杯の粥」 第50話 「帝都北京! 牙をむく裏料理界」 第51話 「天才フェイの秘策! ネオ満漢全席」 第52話 「大逆転! 栄光の勇厨師たち」 第1話 「天才料理少年マオ」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2342632 23 08 11788 2627 第2話 「幻の麻婆豆腐対決」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2345851 23 09 7264 1671 第3話 「めざせ!特級厨師」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2350783 23 07 5514 976 第4話 「非情!陽泉酒家の掟!!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2351437 23 09 5110 1283 第5話 「伝統を打ち破れ!打倒・陽泉酒家」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2352612 23 10 5645 1512 第6話 「火炎料理人・餃子兄弟」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2354014 23 09 5050 1071 第7話 「卑劣な罠!追いつめられたマオ」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2361664 23 08 4998 1140 第8話 「対決!ドラゴン餃子!!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2362099 23 12 5326 1425 第9話 「夢への挑戦!特級厨師試験」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2362840 23 13 4741 1263 第10話 「究極の技!国士無双の麺」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2363047 23 14 5045 1475 第11話 「最終決戦!伝説の闘味場」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2363775 23 13 5758 1649 第12話 「宿命の天才 美少年料理人フェイ」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2364023 23 12 5356 1371 第13話 「完成ナマズ麺!運命の判定」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2365161 23 13 5418 1548 第14話 「勝者の証 栄光の紋章」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2365870 23 14 5468 1457 第15話 「天才料理少年!? シロウ?」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2366378 23 13 5517 1690 第16話 「超ボイン! 美人に注意甘い罠」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2372041 23 14 4912 1073 第17話 「甦れ! 幻のおこげ料理」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2372226 23 10 4644 1317 第18話 「赤の恐怖 幽霊屋敷の秘密」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2372558 23 09 4377 899 第19話 「愛の架け橋 銀河麺」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2373353 23 13 4083 1417 第20話 「不幸をよぶ 黒い鶏」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2373722 23 11 4549 1571 第21話 「大陸一の男 陽泉酒家への挑戦」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2376249 23 11 4714 1264 第22話 「撃墜王! 標的にされたマオ!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2377121 23 14 4716 1790 第23話 「輝け! 大宇宙焼売」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2381225 23 14 4695 1272 第24話 「謎の招待状 仮面料理人の罠」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2381852 23 15 4992 1004 第25話 「引継がれた魂 異人館の血戦!!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2389604 23 15 4204 1188 第26話 「最後の切り札! あざ笑う悪魔」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2389790 23 15 4200 1014 第27話 「壮絶! 復讐の最終楽章!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2390019 23 15 4453 1228 第28話 「友情の野外料理」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2390769 23 15 4500 1202 第29話 「裏からの刺客 冷血の天才レオン」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2391088 23 15 4495 646 第30話 「魔性の切れ味! 妖刀七星刀!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2398988 23 15 4135 725 第31話 「四大中華を閉じ込めろ! 真鯛大陸封」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2399787 23 16 4138 877 第32話 「氷と炎! 激突!! 料理人魂」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2400115 23 15 4307 905 第33話 「伝説の厨具! 永霊刀の秘密!!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2401295 23 15 4535 1328 第34話 「魔都上海! 裏からの宣戦布告!!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2407933 23 12 4090 1023 第35話 「水上大闘味場! 鉄腕スープの魔力」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2408294 23 15 4197 1103 第36話 「サンチェ特製! 冷製煮こごりスープ」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2410075 23 15 4305 1154 第37話 「面点王ラコン 千六百年の鎮魂饅頭」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2410523 23 15 4254 1195 第38話 「スーパー点心大激突! 究極の裁定!!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2411919 23 15 4365 1139 第39話 「もうひとつの七星刀! 謎の美女シャン」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2412549 23 15 4556 1054 第40話 「目覚めよレオン! 料理人の宿命」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2419012 23 15 3712 754 第41話 「邪剣を砕け! 魂の七星刀!!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2419533 23 15 3835 807 第42話 「復讐鬼ショウアン! 因縁の結末」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2419914 23 15 3823 866 第43話 「マオの実力! 大魔術熊猫豆腐」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2420307 23 15 4332 1110 第44話 「衝撃の判定! 仙女の手のひら」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2420770 23 15 4611 1035 第45話 「長江炎上! ショウアン大海に死す」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2429820 23 15 3813 905 第46話 「シェルを救え! ?のあらし!!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2430247 23 15 3773 736 第47話 「魔神降臨!? 奇跡の魔聖銅器」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2430434 23 15 3506 773 第48話 「天かける星! 特製彗星炒飯」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2431168 23 15 3801 824 第49話 「闇の迷宮! 心をつなぐ一杯の粥」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2431369 23 14 3708 1115 第50話 「帝都北京! 牙をむく裏料理界」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2431860 23 15 4509 659 第51話 「天才フェイの秘策! ネオ満漢全席」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2439041 23 15 3598 787 第52話 「大逆転! 栄光の勇厨師たち」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm2439749 23 15 4539 1963
https://w.atwiki.jp/streetpoint/pages/760.html
はなもあらしも ともえが連れられてきたのは、道場から少し行った場所にある演劇場だった。 街灯などないこの時代、劇場の周囲は昼のように提灯が飾り付けられていて明るい。 「うわあ、すごい人!」 娯楽の少ない中、人々は夜の楽しみの一つとして演劇場で寄席を楽しんでいた。今晩の演目は人気の噺家が何人も出るらしく、あちこちで人々が盛り上がっている。 先ほどまでの物思いに耽った表情はどこへやら―――そこはやはり年頃の女の子である。新鮮な風景に瞳を輝かせるともえを、垂司はさも愛しそうに見下ろしていた。と、その時だ。 「あら、この華やかな街には似つかわしくない田舎者が厚顔無恥にも歩いていらっしゃると思えば、どこぞの田舎道場の弓道家さんじゃあありませんの」 演劇場の入り口に近づくと、いきなり信じられない程の厭味をぶつけられた。何事が起こっているのか、脳が追い付かないような状況で声のした方を見れば、そこには笠原道場の橘雛菊が立っていた。その隣には同じく笠原道場の氷江雪人が並び、こちらに冷たい視線をあびせていた。 「おや、橘の姫君じゃないか」 そんな橘に声を荒げるでもなく、垂司はすっと前に出た。 「垂司さん……。あなたがそんな田舎娘のお相手をなさるだなんて、なんの気まぐれですの?」 「気まぐれなんかじゃないよ」 「あら、じゃあお遊びですかしら」 ほほほと橘は愉快そうに目を細めて笑ったが、ともえは反論する事すら出来ない。悔しくて辛くてたまらないのに、橘の言う事を真っ向から否定する事も出来ない。 「遊びはもうやめようかと思ってね―――なんて言ったら、君は信じるかい?」 「まさか! ほほほ、あの垂司さんがそんな事を思うはずがありませんわ! まして相手がその子では説得力にかけるというもの」 橘のあざ笑う声がともえの心を浸食する。 「いや、でも良かったよ。姫君にはちゃんとした王子がいるようだから」 「「なっ!」」 垂司の言葉に橘と氷江の両名が驚きを隠せなかった。 「なっ、なにを仰るんですの!? 私と雪人さんはそんな関係では……!」 「そうです! 大体垂司さん、あなたと言う人は!」 そんな二人の抗議をものともせずに、垂司はともえの肩を抱くと演芸場の中へと歩みを進めた。 「お待ちなさい!」 そんな垂司とともえの背中に橘が鋭い声を投げた。 「なにかな?」 やんわりと振り返った垂司だったが、ともえの肩から手を放そうとはしなかった。 「……あなたはその方の王子だとでも仰るんですの?」 「そうなりたいと思ってるよ」 さらりと垂司はそう答える。垂司を見つめる橘の瞳に映ったのは、嫉妬か憎悪か、それとも愛情なのか―――垂司の隣で身を固くしているともえには、判別のしようもなかった。 「…………では最後にもう一つだけ。あなたが先ほどからその子の肩に手を置かれるのは、その子が足を負傷していらっしゃるから?」 「おや、良く分かったね。少し前に暴漢に襲われてしまってね。君も気をつけるんだよ」 「暴漢―――? ……そんな事より垂司さん、お答えください。その子が怪我をしているから、そんな風に肩を抱かれるんですか?」 垂司がなんと答えるのか、ともえは内心動揺していた。心臓は早く脈を打ち続けている。 「これはただの趣味だよ」 垂司はあっさりそう言うと、今度こそ劇場内へと足を踏み入れた。 橘と氷江はその答えに呆然と立ち尽くし、二人が去るのを見送るので精一杯だったようだ。 →休息の時(垂司)No.3へ 垂司編トップへ戻る ブラウザを閉じてお戻りくださいv はなもあらしもトップへ戻る