約 314,605 件
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/145.html
#freeze 佐飛通俊 contents #contentsx 書籍情報 plugin_html is not found. please feed back @wiki. 著者 : 佐飛通俊 発行元 : 講談社 新書版発行 : 2006.8 佐飛先生の第2弾。 自称作家の素人探偵、ザナドゥ鈴木が活躍する、スラップスティック風味のミステリ。 あらすじ 以下 新書版裏表紙より引用 ――あれは自殺ではない。アインシュタインの手記に残された不可解なメッセージ。謎の解明を依頼された自称作家・ザナドゥ鈴木は、アインシュタインの秘蔵手記が眠る老舗ホテル・萩屋へと向う。そこに集まるのは遺産狙いの狡猾な人間たち。相続争いはやがて大時代的な屋敷を恐怖に陥れる奇妙な殺人事件へと発展!手記の真相と不可能犯罪に素人探偵が挑む!! 引用終わり 書評 ちょっと { {間違った方向に };頑張りすぎな迷作 }; うーむ。 着想はよいと思うんですよね。 アインシュタイン博士が来日時に出会った、不可思議な殺人事件。 博士がその事件について自らの推理を記した手記の存在。 そして、その手記を求めてザナドゥ鈴木がやってきた老舗旅館で起こる殺人事件に、その被害者の父親の数十年前の不可解な死。 時を超える3つの死にザナドゥ鈴木が挑む。 なかなかこだわりの一品ではないですか。 しかし、残念なことにそのそれぞれの要素のつながりが表面的なものであるために、単ある詰め込みにも見えてしまいます。例えば南無井存在(←名前ですw)の死と、その父親の30年前の死の状況は、明らかに似通った要素を持つように描かれているのに、結局そこについて語られることはなかったり、アインシュタイン博士が出会った事件と南無井存在の事件も、手記の存在を仲介として、探偵役のザナドゥ鈴木が事件に絡む要因にこそなっているものの、ただそれだけ。 実際全250ページの物語で、これらの時間をまたいだ事件のつながりを深く書くこと自体なかなか難しいと思うのですが、メインの存在氏の事件が発覚したのが170ページだった時点で、わたしはヤヴァイと思いました。結局読後に残った印象は「薄い話だな」といったところです。 また、新書版の表紙の折り返しで、佐飛先生が「もう一つのテーマは、笑いです。」と書かれたのを、本編を読み始めてしばらくした時点で気付いたのですが……これも、見た瞬間いや〜な予感を感じさせました。 なぜって? その時点でわたしは数十ページを読んでいたのですが、すでになんだか笑うに笑えない、露骨な荒唐無稽さを感じていたからなのです。ちょっと狙いすぎです。先の折り返しには「スラプスティック・ドタバタ・コメディ風」と書かれていらっしゃるのですが、なるほどスラップスティックコメディ風(身体を張った分かり易い笑いを目的とするジャンル。一般的にはチャップリンなどがその代表格のようにいわれますが、日本でいうと、独断ですが、ドリフの8時だよ全員集合のはじめのちょっと長めのコンとのような感じかな?)ですから、いわゆる分かり易いタイプのギャグの缶詰を狙われたのかも知れませんが、その世界を文章で表現しようと執着するあまり、とにかく露骨な嫌らしさが前面に出てしまったような気がします。特に登場人物たちの話し言葉が一部、もう無茶苦茶で、かつ、下品なものですから、笑う以前に完全に引いてしまいました。 チャップリンの演技は、オーバーアクションで、分かり易いギャグが満載ですが、いやらしさや下品さはないですよね? ただ、作品の終盤になり、謎解きの部分に来ると、そのような無茶なギャグはなりを潜めて来て初めて気付くのですが、実に整然とした文章を書かれます。まあ、それが作家の文章として魅力あるものかどうかは人それぞれの判断だと思うのですが、おそらくそのような文章が佐飛先生の実体ではないかと感じました。少なくとも自然に読めましたしね。 そして、この作品には全体を通してある種衒学的な趣を感じるくらいいろんなジャンルの知識が登場人物たちによって披露されています。この辺は本筋には関係ない部分なので、人によっては無駄に感じてしまう部分かも知れません。しかし、わたしはこのような無駄は好きですし、なんといっても最近ペダントリーの代名詞、あの、「黒死館殺人事件」を読んでいますから!! もうかわいいもんです。 あっはっは。 というわけで、ネタバレ前の総括ですが 正直言って、全体的に言って満足できたとは言えません。 が。 佐飛先生の作品を、もう読みたくないか? といわれれば、答えはNoです。 今作はいろんな意味で挑戦されたような印象を受けます。 そして、わたしの個人的な印象としては、その挑戦は成功したようには見えないのですが、もっとご自身の持たれている素養を素直に活かして、深めるという方向に挑戦された作品を読んでみたいと思います。 {以下、ネタバレありです。未読の方はご注意を }; メイントリックですが、あえて良し悪しはよいとして…… この作品を読む直前に、某理系ミステリと言われる作品を読んでおりまして……。 一緒やんか……。 しかもその某作の方が、そのトリックに気付く過程を緻密に書かれている分、とってもちゃちに見えてしまいました。 今や無数にあるとも言うべき推理小説、そしてトリックですから、似てしまうのは仕方のないことで、佐飛先生には文句ないのです。 ……。 ……お〜い。講談社〜。ちゃんとせ〜よ〜。 その某作品。 同じ講談社の、しかもメジャーどころやんかぁ。 まったくもぉ。 感想・書評投稿 ぜひ、この書評に対するあなたのコメントをお願いいたします! こちらからどうぞ あなたもこの本についての書評を書いてみませんか? 短いものでもけっこうです。 こちらからどうぞ
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/118.html
edit TOP ご案内・Contents 書評 推理小説の本棚 散らかった本棚 plugin_html is not found. please feed back @wiki. ゲームレビュー レトロゲーム その他PCゲーム 同人系ゲーム plugin_html is not found. please feed back @wiki. plugin_html is not found. please feed back @wiki. Blog etc. SIDE_FLIP blog Mixi My Page 管理人について plugin_html is not found. please feed back @wiki. #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 plugin_html is not found. please feed back @wiki. 過去2日間人気ページ #popularx
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/139.html
#freeze その他PCゲーム contents #contentsx ゲーム情報 plugin_html is not found. please feed back @wiki. メーカー : 日本ファルコム 発売日 : 2007/06/28 ジャンル : RPG 「英雄伝説 空の軌跡」シリーズ第三弾。 前作までの主人公、エステルとヨシュアから主人公を、七耀教会の巡回神父にして星杯騎士団に所属する騎士である「ケビン・グラハム」と、七耀教会のシスターにして星杯騎士団に所属する従騎士である「リース・アルジェント」に変えて綴られる、英雄伝説?へとつながる物語。 おなじみのキャラも総出演で、前作までプレイされている方には欠かせない作品です。 ファルコム公式サイト PCゲームメーカーの大御所のひとつ「日本ファルコム」のHPです。 STORY 以下日本ファルコムHPより転載 浮遊都市《リベル=アーク》崩壊より半年後── エレボニア帝国東部、クロイツェン州の中心都市バリアハート。その郊外にある飛行船 発着場に、風変わりな一人の青年の姿があった。 彼の名は、ケビン・グラハム。 七耀教会の神父であると同時に、古代文明の遺産《アーティファクト》の調査・回収・関連事件の処理を行う《星杯騎士団》に所属する騎士である。 「《ルシタニア号》…… ラインフォルト社が満を持して世に送り出した豪華飛行客船か。」 「は〜、これで任務やなかったら 思う存分、大空のバカンスと洒落込むところなんやけど。」 各地の貴族や成り上がりの大金持ち。 大枚をはたいて二等客室のチケットを買い求めた市民たち。 ──浮き立ちざわめく乗船客に混じって、長いタラップを渡るケビン。 ラインフォルト社製の大型エンジンが重低音を響かせ、全長120アージュの巨船が、ゆっくりと大空に浮かび上がる。 それが──新たなる冒険の始まりだった。 転載終わり 評価 グラフィック A 音楽 A システム A キャラ A+ ハマリ度 B- おすすめ度 B+(前作未プレイ時C-) 備考 前作までのプレイはほぼ必須 レビュー 今回の英雄伝説は、巷でよく言われているように、ほとんどファンディスクのノリですな。もちろんボリューム自体はかなりあります。私はプレー時間現在38時間にしてまだ終わらなさそうですし。それでもファンディスク?と思ってしまうのは… ダンジョンマップこそ新しいものがあるものの、ほとんどのマップは前作の使い回しである。それは舞台が同じということでまだよいとしても、設定上、(回想シーンで自分で操作すときを除いては)どのマップも完全な無人状態で、ただの戦闘フィールドになってしまっている。 いきなりレベル100くらいからスタートする。 イベントのほとんどが、いわゆる回想シーン(といっても前作までのストーリの語られざる部分だったり、後日談だったりするので前作のシーンがそのまま出てくるわけではない) 今作独自のストーリーがあるようでほとんどない。というと少々語弊があるだろうが、要するにダンジョンをクリアするごとに少しずつ謎が明らかになり、操作できるキャラが増えていくだけで、戦闘以外の冒険がない。そのダンジョン自体もしっかりしたシナリオの流れに乗ったものではなく、「このダンジョンをクリアしたら、次のダンジョンへの道が見つかったからとりあえず行ってみましょう」てな感じでダンジョンのストーリー上における必然性が感じられない。どちらかというとダンジョンの連続というシステムに無理やりストーリーを乗っけてあるという感じ。 ミニゲームも楽しいけどいかにもファンディスクっぽい。 こんな感じで、前作までの既存のコンテンツをふんだんに使い、かつ、前作未プレイの人は全くついてこれそうにない内容、とどう見てもファンディスクとしか思えないのであります。 とはいえ、やっぱり面白いんですよ。 戦闘システムが相当練りこまれているので飽きがこない。そして前作プレイ済みの人なら、回想シーンをはじめとしてとても楽しめるでしょう。ボリュームも値段なりのものはあります。 しかし、ここまで未プレイ者を置き去りにする内容で、なおかつ前作までのコンテンツを使いまわしまくるのであれば、やはりファルコムさんはユーザーのためにも「ファンディスク」であると堂々と宣伝しておくべきだったと思うのですよ。 この際前作未プレイの方々の事はおいとくとしても、「英雄伝説」シリーズの続編と謳うのであれば、そのシリーズの最大の魅力である「主人公が戦闘だけではなく、さまざまな人とのかかわりを通じて成長してゆく姿を描く」という点(ガガーブ三部作から続く伝統みたいなものですよね)を省いてしまうのはかなり無茶だと思います。これでは「商業主義」といわれてもやむをえないところではないでしょうか? ザナドゥのころからずっと大好きな会社であり、RPGの中で最も好きなシリーズであるだけに歯がゆいです。 まあ、次作は「英雄伝説 ?」ということですので期待したいと思います。 でも、しつこいですが、ファンディスクとしてならとても良いできですよ。前作プレー済みの人は「買い」です。
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/186.html
推理小説の本棚 森博嗣 (もり ひろし) 以下 「森博嗣」(最終更新 2008年6月26日 (木) 04 25 最終更新分) フリー百科事典 ウィキペディア(Wikipedia)より引用 1996年、国立大学の助教授として「粘塑性流体の数値解析手法」の研究を続ける傍ら、小説を執筆。処女作『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞。大学や研究所等が舞台となることが多く、作風も相まって理系ミステリと評され、話題を呼んだ。広義の推理小説と呼ばれるジャンルを中心として執筆していたが、近年は、恋愛小説、絵本、詩集といった他分野にも進出している。以前の著者プロフィールでは「国立N大学助教授」、または「某国立大学の工学部助教授」とあったが、大学を退職した現在は工学博士としている。数学者と認識されることが多いが、専攻は建築学である。これは建築家であった父の影響が少なからずあると思われる。実家は工務店。大のブライス好き。 引用終わり 関連リンク 森博嗣の浮遊工作室 森博嗣先生の公式サイトです。しかし小説関連のコーナーも充実はしているものの、たくさんあるコンテンツの一部に過ぎません。多趣味ぶりに脱帽です。 MORI LOG ACADEMY 森博嗣先生の日記サイトです。学科別のカテゴリに分けられています。 PRAMM 森ぱふぇHP 森博嗣先生公認ファンクラブ「森ぱふぇ」(森ミステリィ・パーフェクト読者の会/Perfect Readers Association of Mori s Mysteries)のHPです。オンラインで会員登録もできますよ。 読んだ作品リスト S&Mシリーズ すべてがFになる The Perfect Insider 冷たい密室と博士たち Doctors in Isolated Room 笑わない数学者 Mathematical Goodbye 詩的私的ジャック Jack the Poetical Private 封印再度 Who Inside Vシリーズ 黒猫の三角 Delta in the Darkness? 人形式モナリザ Shape of Things Human? 月は幽咽のデバイス The Sound Walks When the Moon Talks? 夢・出逢い・魔性 You May Die in My Show?
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/131.html
#freeze #norelated 2008-07-27 (日) 15 23 29 - WikiWikiWeb? 2008-07-27 (日) 15 22 50 - FrontPage? 2008-07-27 (日) 15 22 20 - PHP? 2008-07-27 (日) 15 22 01 - YukiWiki? 2008-06-21 (土) 23 33 51 - SIDE_FLIP%20%A4%A2%A4%AB%A4%BA%A4%CE%BD%F1%BA%D8? 2008-06-21 (土) 23 33 40 - SIDE_FLIP -Test-? 2008-06-21 (土) 23 33 29 - SIDE_FLIP てすと中?
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/6.html
アーカイブ @wikiのwikiモードでは #archive_log() と入力することで、特定のウェブページを保存しておくことができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/25_171_ja.html たとえば、#archive_log()と入力すると以下のように表示されます。 保存したいURLとサイト名を入力して"アーカイブログ"をクリックしてみよう サイト名 URL
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/207.html
推理小説の本棚 樋口有介 (ひぐち ゆうすけ) 樋口有介. (2008, 7月 19). Wikipedia, . Retrieved 07 23, 10月 25, 2008 樋口 有介(ひぐち ゆうすけ、1950年7月5日 - )は日本の推理作家。 群馬県前橋市に生まれる。群馬県立伊勢崎東高等学校卒。國學院大學文学部哲学科中退後、世界各地を放浪。劇団員、業界記者、青焼工など様々な職業を経てフリーとなる。昭和63年(1988年)『ぼくとぼくらの夏』で第6回サントリーミステリー大賞の読者賞を受賞し、作家デビュー。平成2年(1990年)『風少女』で第103回直木賞候補、平成19年(2007年)『ピース』で第60回日本推理作家協会賞候補となる。 関連リンク ぼくと、ぼくらの春夏秋冬 はせべんさんが運営する樋口先生の情報サイトです。……が、しばらく更新が停滞している模様です。(2008年10月現在) 読んだ作品リスト 木野塚佐平シリーズ 木野塚探偵事務所だ? 木野塚佐平の挑戦だ
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/198.html
推理小説の本棚 津原泰水 (つはら やすみ) 津原泰水. (2008, 7月 29). Wikipedia, . Retrieved 11 53, 10月 11, 2008 津原 泰水(つはら やすみ、1964年 - )は日本の作家、ホラー作家。 経歴 広島県広島市生まれ。広島県立広島観音高等学校、青山学院大学国際政治経済学部卒。在学中は推理小説研究会に所属。 1989年『星からきたボーイフレンド』(津原やすみ名義)で少女小説作家としてデビュー。ペンネームや作品ジャンルから女性作家と間違えられることも多かった。また代々木アニメーション学院にて講師も勤める。 1996年『ささやきは魔法』を最後に少女小説から引退。長編『妖都』をもってホラー作家へと転身し、ペンネームを"津原泰水"に変更する。 2000年『蘆屋家の崩壊』が「このミステリーがすごい」で14位を獲得。 2006年、自身広島での高校時代、吹奏楽部をモデルとした『ブラバン』が話題を呼ぶ。 上記wikipedia引用部分には「ホラー作家」とありますが、ミステリ系、幻想系、どのジャンルにもはまりきらない「ジャンルミックス」と評する人も多い不思議な作風の作家さんのようです。 関連リンク aquapolis 津原先生の実の弟さんが運営する、津原先生の公式サイトです。一通りの情報は当然網羅されていますが、ご本人の書き込みもたくさんの掲示板や、無料で読める津原先生作のインターネット連載小説へのリンクや「展示室」などのコンテンツもあります。 ラヂオデパートと私 ロックバンドのギタリストとしての津原先生のブログです。とにかくどんな文章でも、そのセンスを感じずにはいられません。 読んだ作品リスト ルピナス探偵団の当惑 ルピナス探偵団の憂愁?
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/208.html
#freeze 森博嗣 contents #contentsx 書籍情報 plugin_html is not found. please feed back @wiki. 著者 : 森博嗣 発行元 : 講談社 新書版発行 : 1997.4 文庫版発行 : 2000.3 犀川助教授と西之園萌絵のコンビが活躍するS Mシリーズの第5弾。 シリーズ前半の締めくくりとも言える作品。 あらすじ 以下 文庫版内容紹介より引用 50年前、日本画家・香山風采(ふうさい)は息子・林水(りんすい)に家宝「天地の瓢(こひょう)」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。2つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。 引用終わり 書評 犀川先生!あなたはお子様ですか!? 50年前、日本画家の香山風采は、内側から鍵のかけられた部屋で謎の死を遂げる。 密室で胸を刺されて死んでおり、凶器も見つからなかったが、その現場の状況から自殺と判断された。 そして50年後、その息子、林水も死体で発見された。 その二つの死をつなぐのは、家宝である鍵付きの小箱「無我の匣」とその小箱の鍵らしきものが封じられた壺「天地の瓢」の謎だった。 という感じなのですが、前作「詩的私的ジャック」では事件の構造自体はそれほど複雑ではなかったのに対し、今作は50年前の「いかにも」密室ものと言わんばかりの事件と、同じく室内で殺害されたらしいにもかかわらず、戸外で死体が発見された現在の事件の対比。そして、それをつなぐ現場に残された小箱と壺。小箱には凶器が隠されている可能性があるように見えるのに、肝心の箱の鍵は壺の中から取り出しようがない状況。 このように凝った設定の上に、今作ではアリバイ、動機も謎解きの核心に絡む構成になっており、非常に読み応えがあります。 本格ミステリの骨格としてこれほど骨太な作品は、森ミステリィの中でも初めてではないでしょうか。(作品の出来の良さという意味ではなく、作品の中に網羅された本格ミステリとしての要素の多様さについての話です) しかも、その多様な要素が「無我の匣」「天地の瓢」を中心に据えることで、すっきりまとまっています。数多くの材料が単なるごった煮ではなく、一つの料理として仕上がっているような感じでしょうか。 また、物語としてもS Mシリーズ前半の締めくくりにふさわしく、登場人物達がよく動きます。久々に再登場の儀同世津子、やっと「らしく」なってきた鵜?刑事に、まさかまさかの諏訪野マジック。そして、ついに登場、萌絵嬢に権力という名のドーピングを施したかのような「女帝」佐々木睦子女史。 彼らの存在が、犀川先生と萌絵嬢、二人の物語を大いに盛り上げてくれます。 ある意味、この作品にいたって本当の意味で主人公達が活きてきたとも感じられます。 それにしても、犀川先生。 前作「詩的私的ジャック」からその片鱗があったのですが。 ちょっとすっとぼけが過ぎますぞw 文庫版73ページから抜粋 萌絵「ねえ、先生、クリスマスは?」 中略 犀川 {「質問の意味がよくわからないけど」 }; お〜い……。 先生がクリスマスに特別な意味を感じていないにしても、わかるでしょ? ほんとに……好きな女の子にわざとつっけんどんな態度をとる、相手の気持ちをわからない振りをする……そんな子どもがいますよ。 小説でなかったら、嫌われてますよ? センセイ? まあ、その分、新「S Mコンビ」がやってくれたので良しとしましょう。 誰かって? それはもちろん…………。 ね?(答えはネタバレコーナーで) というわけで、未読の方向け、ネタバレ前の総評を。 今作はミステリィとしても、物語としても、なかなか楽しめました。「なかなか」としたのは、事件の真相の一部にちょっと拍子抜けした感もあったからです。納得できる形には収まっているものの……。 また、いわゆる伏線みたいなものがあったりするのですが、その伏線の張り方はもちろんですが、その伏線の活かし方が絶妙で素晴らしいなぁと思いました。 ラストまで気を抜くな! {以下、ネタバレありです。未読の方はご注意を }; 新「S Mコンビ」とは、むろん「諏訪野&萌絵」で決まりですw まあ、読んだ方には無用の解答でしたね。 また、上記総評で触れました「伏線」とは、マリモさんが見た夢の描写です。夢の描写と言うことで、細切れの言葉で綴られた一節ですが、わたしは、これが伏線くさいな〜と思いながら終盤にいたり「これはビンゴか?」と一人ほくそ笑んでおりましたのです……が、もちろんそれを更に逆手にとられてしまったわけでした。 おれの負けだよ。 感想・書評投稿 ぜひ、この書評に対するあなたのコメントをお願いいたします! こちらからどうぞ あなたもこの本についての書評を書いてみませんか? 短いものでもけっこうです。 こちらからどうぞ
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/165.html
#freeze 西澤保彦 contents #contentsx 書籍情報 plugin_html is not found. please feed back @wiki. 著者 : 西澤保彦 発行元 : 講談社 単行本(ソフトカバー)発行 : 1995.1 文庫版発行 : 1997.12 匠千暁シリーズの第1作にして、西澤先生のデビュー作。 広義のバラバラ殺人事件ばかりを集めた異色の短編集。 収録作品 第一因 解体迅速 第二因 解体信条 第三因 解体昇降 第四因 解体譲渡 第五因 解体守護 第六因 解体出途 第七因 解体肖像 第八因 解体照応 推理劇 『スライド殺人事件』 最終因 解体順路 あらすじ 以下 文庫版裏表紙より引用 6つの箱に分けられた男。7つの首が順繰りにすげ替えられた連続殺人。エレベーターで16秒間に解体されたOL。34個に切り刻まれた主婦。トリックのかぎりを尽くした9つのバラバラ殺人事件にニューヒーロー・匠千暁(たくみちあき)が挑む傑作短編集。新本格推理に大きな衝撃を与えた西澤ミステリー、待望の文庫化第1弾。 引用終わり 書評 ああ……もう腹一杯です。バラバラは。 これでもかと切り刻まれます。 最高一人が34個に切り分けられます。 描写があっさりしているのが救いです。 二階堂黎人先生張りの描写でこの作品を書いてしまったら、ちょっと発売できないかも。わたしなんて、この作品を読んでからバラバラ殺人の夢を見るようになってしまったじゃありませんか。 何とかしてくださいw そうはいっても、ミステリマニアならば「バラバラ殺人」と聞くとどこか闘志が湧いてくるのも事実。 と言うわけで内容ですが。 これは匠千暁(タック)シリーズなんですね。 わたしは今回再読なのですが、タックシリーズだという印象は完全に忘れ去っていました。それほど人物のイメージがのちのシリーズのそれと異なっています。まあ、これはデビュー作ですからそこを捕まえてどうこう言うつもりはありませんが。 それでも、ボアン先輩はボアン先輩でしたのでひと安心です。 また、今作はタカチは第五因1作のみの登場で、ウサコも登場しませんし、タックとボアン先輩の知り合い同士という設定はあるものの、作中では顔を合わすことすらありません。 それでも、タックシリーズですから謎解きは、良く言えば安楽椅子探偵スタイル、悪くいえば「妄想が暴走して解決」スタイルです。 今回は主に「バラバラにした理由」を中心的な謎として物語が展開します。さすがに、事件自体が非現実的な香り漂うものが多いので、謎もかなり無茶な感じのものが多いです。しかし、この妄想力こそがタックシリーズの、ひいては西澤先生の魅力なのでしょう。そして、話が続くにつれ、なんだか妙につながっている感じがするのですが、最終因で見事に話をつなげてみせます。 何らかの仕掛けは予想していたので、意表を突かれたという感じはありませんでしたが、強引なまでのパワーを感じました。綺麗な論理というよりは、力尽くでもパズルのピースをはめ込んでやる、という勢いを感じましたね。 この作品では、個々の短編における細部の矛盾などをつつく必要性が、そもそもないと思いますのでやめておきますが、全体的に見たときに、第八因の長さに少しだれてしまいました。この第八因はシナリオ形式で綴られるのですが、このような形式は本来、小説として読ませるのに向いた形だとは思いません。もちろん、ストーリー上の必然性や、読者に与える独特の印象などの効果は否定しませんが、いってみればほとんど台詞のみが語られるという単調さがあるのは事実です。本作の場合、更に起こる事件までが単調な繰り返しであり、またその他の話に比べて極端に長いこともあり、ちょっと読むのが大変でした。 それにしても西澤先生はエロですね。 別に性交の描写があるわけではないのですが、生々しい。 本作のバラバラ殺人がもう少し生々しく描かれていれば、デビュー作にして立派なエログロ作家となられたことでしょう。 このような部分も含んで思うのは、人のどろどろした部分をストレートに書かれる作家さんだなということです。結構後味の悪い作品も多いです。(この本に限らず) なのに、このタックシリーズも全体的にはほのぼのした雰囲気ですし、チョーモンインシリーズもあのかわいらしいイラストですから、その雰囲気と物語のラストの後味の悪さのギャップにちょっとついていけないことはあります。 なんにせよ、この作品は西澤先生の人格から作風までを語る上で欠かせない1冊であることには変わりないようです。 感想・書評投稿 ぜひ、この書評に対するあなたのコメントをお願いいたします! こちらからどうぞ あなたもこの本についての書評を書いてみませんか? 短いものでもけっこうです。 こちらからどうぞ