約 1,039,280 件
https://w.atwiki.jp/25438/pages/919.html
∴ 【ひきこもり2日目】 ひきこもり生活の初日は何事も無く過ぎて行った。 全身を汗だくにしながらも、意外にも唯は扇風機だけで初日を耐えてくれた。 伊達にクーラーが苦手な体質ではないという事らしい。 それはそれで私には願ったり叶ったりだった。 ただ、普段から怠惰に過ごしてる印象の割には、 すぐにこのひきこもりの状況に退屈を覚え始めたらしかった。 唯は私の部屋の本棚にある漫画本を一通り読み終わると、 心底退屈そうに扇風機の前で無意味に声を出して宇宙人の声を再現し始めた。 いえ、実際に宇宙人の声を聞いた事は無いのだけれど。 唯は何とそれを一時間以上続けていた。 流石にこれ以上放置しているのも問題かと思い、 「あんた、普段ゴロゴロしてるのが好きなんだから、 こんな今こそ変な事せずにゴロゴロしてればいいじゃない」 と私が言うと、唯は扇風機から顔を逸らさずに不満そうに返答した。 勿論、宇宙人みたいな声で。 「モー……。 和チャン何モ分カッテナイヨー……。 何カシナキャイケナイ時ニー、 ソレデモゴロゴロスルノガ一番気持チイインダヨー?」 ……まさしくニート予備軍に相応しい発言だった。 軽音部に入った事で少しは改善されるかもと期待していたのだけれど、 あの部活の申請用紙を出す事すら数ヶ月忘れていた部では、願うべくも無い事だったのかもしれない。 そういえば、ひきこもり初日、唯が私の自宅付近に居たのはやはり散歩のためだったらしい。 当然、単なる散歩のためではない。 夏休みの宿題を憂に急かされ、それから逃げるために散歩と言う名目で家から出たのだそうだ。 何て言うか、凄く唯らしい散歩の動機よね……。 私の幼馴染みは順調にニートへの道を歩んでるようだ。 私は肩を竦めて、唯の行動を気にするのをやめた。 この家から外出さえしなければ、唯が他に何をしてくれていても私に不満は無い。 幸い、読まずに積んである小説は二十冊以上ある。 トルストイの『戦争と平和』も全巻ある事だし、時間だけは無駄にせずにいられそうだ。 夏休みの宿題の読書感想文は、この『戦争と平和』についてでいいだろうしね。 数時間経って。 時計が十二時を指し示した頃。 扇風機に向けて喋っていた唯が目に見えて弱り始めた。 一番暑い時間帯に差し掛かり始めて、 室内に極悪と言っても差し支えないほどの熱気が籠っていたからだ。 もっとも、私も唯の事を言えた義理じゃない。 登場人物が五百人を超えると言う『戦争と平和』を読んでいるせいか、 脳内が多くの情報で綯い交ぜになった上に熱気で思考力も低下して……、 簡単に言うと、何をするのも面倒臭くなってきた。 部屋着は私の汗を吸って肌に纏わりつくし、 密着した部屋着に熱がこもって更に気鬱が私を支配しようとする。 唯も扇風機に喋り続けるのが嫌になったのか、 単に飽きたのか、身体中を汗まみれにして畳の上で寝転んでいた。 「あぢゅいー……」なんて言わなくても分かり切っている当然の事を口にして。 暑いのは私も同じだった。 この熱気をどうにかするのは不可能としても、 せめて私の肌に纏わりつく部屋着だけはどうにか出来ないのだろうか……。 新しい服を着てさっぱりするにしても、数には限りがあるわけだしね……。 だとしたら、私がこれから取るべき道は……。 うん、と私は一人で小さく頷く。 私は一つの答えに辿り着いたのだ。 たったひとつの冴えたやり方と称しても問題無いほどの解決策。 誰も損しない圧倒的に冴えた解決策にだ。 そもそも私は夏はいつもそうして過ごしているのだ。 だから、私は畳の上で寝転がる唯に伝えたのだ。 私の辿り着いたたったひとつの冴えたやり方を。 「服を脱ぎなさい、唯。 この熱気に対抗する唯一の手段……、それは全裸になる事よ」と。 ∴ 唯が私から目を逸らして頬を紅く染めている。 恥じらいと言う物を知らない子に見えて、唯は意外な所で恥じらいを持っているのよね……。 中学時代のあの事件を少しだけ思い出す。 あの修学旅行の日も、唯は想像以上に恥ずかしがってしまっていた。 この子、ひょっとして今も……? 一瞬だけそう考えはしたけれど、私はまずはそれを気にせずに自らの部屋着を脱ぎ始める。 「ちょっ……、和ちゃん、本気で……っ?」 唯が動揺した声を上げて視線を私の方に戻す。 自分が脱ぐのは嫌でも、人の脱ぐ姿は気になるらしい。 唯ったら、やっぱり脱ぐ事に関して複雑な感情を持っているみたいね……。 そう考えながらも、私は肌に纏わり付いていた部屋着を一枚ずつ脱いでいく。 ショーツ一枚になった所で、私は唯を決心させるために声色を優しくして呟いてあげた。 「本気よ、唯。 そもそも私が冗談なんてあんまり言わない性格って事は分かってるでしょう? それに私は自分が変な事をしているとは思っていないわ。 この部屋は蒸し暑い。蒸し暑いから脱ぐ。 人間として至れる完璧な帰結だと思うけれど?」 「それは……、そうかもだけど……」 「あんたも知ってるでしょう、唯? 私は家ではいつも薄着だって事を。 実はね、薄着と言うより、私、自宅で寝る時はいつも全裸なのよ。 勿論、あんたの家でのお泊まり会とかでは流石に服を着ていたけれどね。 私、人間が眠る時は全裸が正装だと思っている人間なの」 「やっぱり、そうなんだ……。 和ちゃんが私の家に泊まりに来た時、妙に寝相が悪いのが気になってたんだよね……。 あれは単に寝相が悪いんじゃなくて、 パジャマを着なれてないから寝苦しかったって事だったんだね……」 「そういう事だったのよ。 あんた、意外と鋭いじゃない。 とにかく、そういう事なのよ。 暑い時に服を着るなんて事、私には理解出来ないわ。 他人の目がある時ならともかく、周囲に居るのが身内だけなら、 真夏日は裸こそが人間として取るべき正装だとも思ってるくらいよ」 「それは流石に変だよ、和ちゃん……」 「どうしてかしら? そもそも人間が服を着るのはどうしてか分かってるの、唯? 聖書の時代、人間は常に全裸で過ごしていたわ。 全裸をやめたのは知恵の実を得る事で恥じらいを知り、 裸と言う生物の本質から遠ざかってしまったからなのよ。 つまりね、生物の本質とは裸なの。 人間の文化的な行動を否定するつもりはないけれど、 だからと言って裸という生命の本質を否定するのも愚かな事よ。 特に今の私達は暑さと言う強大な外敵に立ち向かわなければならない状況に追い込まれているわ。 輝かしい未来を掴むためなのだから、恥じらいなんて今は必要無いのよ」 「で、でもでもー……」 ここまで言っても躊躇う唯の姿を見ながら、 私は最後に一枚残ったショーツを脱いで、畳の上に落とした。 扇風機の風が衣一枚纏っていない私の全身をくすぐる。 ああ、何て解放感なのかしら……。 体感温度自体はそう変わってはいないのだろうけれど、 肌に纏わりついていた異物感が消えた解放感だけで随分と違う。 やはり、真夏日の正装は全裸なのだ。 私はそれを深く実感した。 気が付けば私は笑顔になってしまっていたらしい。 私のその解放感に満ちた表情を見ていた唯が、躊躇いがちに自らのシャツに手を伸ばす。 私の様子を見ていて、全裸の素晴らしさを分かりかけて来たのだろう。 少し待っていると、唯はシャツを脱いで上半身裸になった。 中学生の頃から若干成長したように見える唯の乳房が露わになる。 まだ大きめとは言えないけれど、その形のいい乳房は少しだけ羨ましく思える。 唯は恥ずかしそうに胸元を押さえながらも、私の顔を見て少しだけ微笑んだ。 「ホントだ。 シャツを脱ぐだけで結構涼しくなるね、和ちゃん」 「でしょう? 唯に分かってもらえて、私も嬉しいわ。 これから先、自室での睡眠時は全裸をお勧めするわ」 「う、うん……。 考えてみるよ、和ちゃん……」 「でもね、唯。 まだ残ってるんじゃない……?」 そう呟きながら、私は唯のショーツを人差し指で示す。 唯もそこを私に指摘されると思っていたみたいで、 若干怯えた表情を見せながら、手のひらを胸元からショーツ付近に移動させていた。 唯がふるふると頭を左右に振りながら、上擦った声を出した。 「う、ううん! これで十分だよ、和ちゃん! 上半身が裸なだけで私、十分に涼しくなったもん! だから、ね……。もうこれ以上は……」 「そう……ね……。 そうよね……、ごめんなさい、唯」 私は唯から視線を逸らして残念そうな口振りで呟いた。 いくら自分が自室での全裸を好んでいるからとは言え、 その価値観を全て唯に押し付けてしまうのも可哀想だろう。 上半身裸になる決心をしてくれただけでも、私は唯に感謝すべきなのだ。 涼を取る意味では、上半身裸なだけでも十分に過ぎるのだから。 唯が心底安心した表情で微笑を浮かべる。 自分がショーツを脱ぐ事態に追い込まれなかった事がよっぽど嬉しかったらしい。 「よかったー……。 分かってくれたんだね、和ちゃん……」 「ええ、ごめんなさい、唯。 涼を取る意味でこれ以上服を脱ぐ必要は無いわ。 シャツを脱いでくれただけでも、涼を取る意味では私も満足よ。 ありがとう、唯。それと……。 ごめんなさいっ!」 そう言うが早いか、私は油断していた唯のショーツに自分の手を掛けた。 私はそのままショーツを引き摺り下ろそうとしたけれど、 珍しく唯も素早い反応を見せてショーツを握り締めていた。 「ええーっ! もう満足って言ってくれたじゃんかー、和ちゃんー……!」 唯が憎々しげな様子で恨み節の籠った言葉を口にする。 そう言われても仕方が無かったけれど、 私は自分の湧き上がる好奇心を抑え切れなかったのだ。 恥じらいなんてほとんど持っていないはずの全裸への抵抗。 これには確実に何か深い意味があるはずなのだ。 その何かに対する好奇心を止める術を私は有していない。 好奇心……。 それは眼鏡を掛けた人間に共通して見られる特徴だと私は思う。 視力が落ちる原因は暗い所で本を読んだりするから、 という話をよく聞くが、それは単なる都市伝説でしかないという事を私はよく知っている。 そもそも視力が落ちるというという事は、退化というより適応に近い現象なのだ。 溢れ出る好奇心を抑え切れず、本を読み、テレビを鑑賞し、 テレビゲームをプレイし続けた結果、人間は視力が落ちるのだ。 読書をするのに必要な距離に最も適応した視力に落ち着くのだ。 それはつまり、好奇心を抑え切れなかった人間の辿り着く境地と言っていい。 眼鏡を掛けた人間は、そういう人間の集団なのだという事だ。 そして、私もその中の一人なのだ。 「やめてよー。恥ずかしいよ、和ちゃんー……!」 唯がショーツを引き摺り下ろそうとする私に抵抗して悲痛に呻く。 しかし、私としても今更止まるわけにはいかない。 もう戻る事が出来ない以上、前に進むしかないのだ。 「大丈夫よ、唯。痛くしないから。 痛くしないから……ね? だから、安心してショーツを脱ぎなさい、ほら……!」 「目の色が変わってるよ、和ちゃん……! やだよう……! これじゃ、修学旅行の時と一緒だよう……!」 修学旅行の時と一緒……。 この唯とのひきこもり生活が始まる脅迫に使ったあの事件の話だ。 しばらくクラスメイトからからかわれ続けたあの事件の話だ。 唯に言われるまでもない。 こうしながら、私も同じ事を考えていた。 中学の修学旅行の時のあの事件……。 大した事件だったわけではない。 お風呂に入る時、今と同じ様に脱ぐのを嫌がっていた唯の服を私が脱がそうとしただけの事件だ。 それを目撃したクラスメイト達が勝手に大袈裟に騒いだだけなのだ。 丁度唯を押し倒すような体位になっていて、私もほとんど服を脱いでいたから、 そこはかとなく背徳的な雰囲気を漂わせてしまっていたのは、否定出来ないけれどね……。 あの修学旅行以来、長い間、唯と恋人扱いされてしまったのは、私としてもかなり辛い過去なのよね……。 いや、過去の辛い思い出の事はいい。 あの時、唯が執拗なくらいに服を脱ぐのを嫌がってた理由は、ある身体的特徴からだった。 今もあの時と同様に服を脱ぐのを嫌がっているという事は、つまり……。 「あぅんっ!」 妙な声を出して唯がその場に崩れ落ちた。 数秒争った結果、私は唯のショーツを引き摺り下ろす事に成功したのだ。 唯も唯なりに必死だったのだろうけれど、 ただでさえ暑さに弱い唯が全裸になって解放感を得た私に敵うはずがなかった。 私はショーツを投げ捨てると、一息だけ吐いて唯の下半身に視線を向けてみる。 「和ちゃんのいけずぅ……」 半泣きの唯が悔しそうに呟いていたけれど、 私はその唯の下半身の股間付近から目を逸らす事が出来なかった。 予想はしていた事なのだけれど、まさか本当に予想通りだとは思っていなかったのだ。 それでも私は絞り出すように訊ねていた。 「唯、あんたやっぱり……、 高校二年生になったって言うのに、『生えてなかった』のね……」 私の言葉を聞いた唯が畳の上に顔を沈める。 恥ずかしがってるのか悔しがっているのか分からなかったけれど、 その四つん這いの体勢では『生えてない』股間がよく見える事に唯は気付いてないのだろうか。 ……その辺は深く考えない事にしましょう。 中学時代、唯が服を脱ぎたがらなかったのは、生えていなかったからだった。 生殖器付近に生える毛……、即ち陰毛が。 中学生で生えていない子は少数派ではあるけれど、そこまで数が居ないわけではない。 そんなに恥ずかしがる事ではないはずだが、唯としてはいたく恥ずかしい事らしかった。 「だって、憂だって生えてるんだよー!」と、あの日の唯は大声で叫びながら悲しんでいた。 本当に悲しいのは、姉に自らの陰毛の事を暴露された憂の方だと思うのは私だけだろうか。 ……とにかく、中学時代、唯の陰毛は生えていなかった。 完全無欠に産毛すら生えていなかった。 それは単なる成長の遅れと称しても問題は無いはずだった。 でも、高校二年生にもなって生えていないとなると、かなり問題があるかもしれないわね……。 私はもう一度まじまじと唯の女性器付近を眺めてみる。 でも、どう観察してみた所で、唯の女性器付近に陰毛は一本たりとも生えていなかった。 中学時代と同じく、産毛すら生えていない。 当然剃っているわけでもないらしく、青髭の様な短い毛があるわけでもなかった。 生えていないのだ、完全に。 これはもう無毛症と断定しても差し支えは無さそうだ。 唯は……、人知れず、人に言えない悩みに苦しんでいたのだ……。 私は唯の肩に手を置いて、私の方に顔を上げさせた。 その瞳には涙を滲ませていたけれど、私は唯に優しく微笑んでみせた。 幼馴染みの苦しみには真摯に向き合う。 それが真の幼馴染みという物だと私は思う。 悩みを無理矢理暴露させたのは私自身だという事は、今は棚に上げておきましょう。 「顔を上げて、唯。 唯は……、ずっと無毛症に悩んでいたのね……。 これまで気付けなくてごめんなさい……。 でも、そんなに悩む事じゃないと思うわ。 確かに特徴的な体質かもしれない。恥ずかしいと思ってしまうのも当然よ。 それでも……、唯は唯なんだから……」 「でも、恥ずかしいんだよう、和ちゃん……。 妹の憂に毛が生えてるのは、悲しいけど私だって耐えられるよ? でも……! でもだよ! よりによってあのりっちゃんにも生えてたんだよ! あの子供っぽいりっちゃんにもだよ! りっちゃんのくせにずるいよ、りっちゃんのくせに……!」 酷い言い方だった。 律も確かに子供っぽい所はあるけれど、唯ほどじゃないと私は思う。 それにしても、律にも普通に生えていたのね……。 高二なんだから当然なんだけれど、 友達の陰毛の話を聞くのは何とも不思議な感じがするわね……。 いえ、私だって勿論生えているのだけれど……。 「あーあ……。 私、どうして和ちゃんの家で裸になってるんだろう……」 不意に唯が至極道理に適った事を呟いた。 今更だけれど、正論過ぎて私はそれに言い返せない。 唯が遠い目をして続ける。 「合宿……、行きたかったなあ……」 合宿というのは軽音部の合宿の事だろう。 そう言えば夏休みにムギの別荘に合宿に行くという話を聞いた覚えがある。 唯がその合宿に参加出来ないのは、私の責任と言えなくもない。 楽しみにしていただろうに、悪い事をしてしまったと私の胸が少し痛くなる。 謝罪の言葉を掛けようとした瞬間、唯が予想だにしていなかった言葉を口にした。 「あずにゃんと一緒にお風呂に入りたかったなあ……」 「お……風呂……?」 「そうだよ、和ちゃん! お風呂ならあずにゃんも裸になってくれるよね? それで私はあずにゃんに毛が生えてるかどうかチェックしたかったんだ! あずにゃんは小っちゃくて可愛いから、きっと生えてないに違いないよ! あー……、合宿でチェックしたかったなー……! すっごく楽しみにしてたのにー……。 合宿が終わったら、りっちゃんに電話で聞いてみようかなー……」 「……そうしなさい」 私は半分呆れながら呟く。 唯が合宿に参加したかった真の理由は、 梓ちゃんの陰毛の有無を確認したかったから、って、あんたね……。 確かにお風呂くらいでしか、それを確認する機会は無いでしょうけれど……。 唯らしいと言うか……、何と言うか……。 もしかしたら、唯が梓ちゃんを気に入ってた理由の何割かはそれなのかもしれないわね。 小さくて子供っぽいから、陰毛も生えてないんじゃないか。 そう思っているから、唯は梓ちゃんを可愛がっているのかもしれない。 悲しい愛情だけれど、愛と言う物はそういうきっかけで始まる物なのかもね。 唯がそれでいいのなら、私に言える事は何も無いわ。 子供っぽさと陰毛の有無は一切関係無い。という事は唯には黙っておく事にしよう。 「ねえねえ、和ちゃん」 唯が口元に指を当てながら、首を捻って私に訊ねる。 全裸である事に対する恥じらいは一切無さそうだ。 どうやらショーツを脱ぎたがらなかったのは、 単に陰毛が生えていない事を私に知られたくなかっただけらしい。 流石は私の幼馴染みと言えるのかもしれない。 「どうしたのよ、唯?」 私が訊ね返すと、唯は自らの女性器周辺を指で示しながら続けた。 「ここの毛ってどうやったら生えるのかなあ……?」 「さあ……。 私も陰毛について詳しいわけじゃないから……。 逆に唯は陰毛を生やすためにはどうしたらいいと思っているの?」 「実はね、私だって努力してるんだよ、和ちゃん。 ヘアブラシでね、 「目を覚ませー、目を覚ませー」って言いながら、ここを叩いたりしてるんだ!」 「何よ、その育毛剤のCMみたいな行動は……」 「他に思い付かなかったんだもん……。 憂に相談するのも恥ずかしいし、一人で頑張ってたんだよう……」 唯も辛うじて姉としてのプライドは持っていたらしい。 年子とは言え、妹に陰毛の相談をするのは、唯のプライドが許さなかったのだろう。 同じ状況なら、私だって嫌だったに違いない。 私は軽く嘆息してから、過去得た知識を総動員して、陰毛について考えてみる。 多少時間は掛かったけれど、一つの答えを出してから、私は落ち込む唯の肩に手を置いた。 「あんたの行動、意外と間違っていないわよ、唯」 「えっ? ホント?」 「毛が何のために存在するか知ってるかしら? 毛はね、伊達や酔狂やお洒落のために生えてるわけではないの。 ……そういう生物も居なくはないけど、今は置いておきましょう。 とにかく、毛は何のために生えているのか? 当然、弱い部分を保護するために生えているのよ。 腋や性器付近に多く生えるのも、その部分が急所になるからなの。 急所を保護するために毛が生えるのよね。 だとしたら、生やしたい部分に危険や刺激を与え続ければ、 その部分に重点的に毛が生えて来てもおかしくはないはずよ。 微々たる力かもしれないけれど、 生物はそんな風に進化する力があるはずだって私は信じているわ。 その調子で女性器に刺激を与え続ければ、将来的に唯の陰毛が生え揃う日が来るかもしれないわね」 「そんな日が……、来たら嬉しいな……。 私も大人になったら、大人になれるんだよね……? 大人の毛が生えて来るんだよね……?」 「ええ、信じましょう、唯。 信じる力は未来に繋がるはずよ。 それとあと一つ。 陰毛にはホルモンが関係してるって聞いた事があるわ」 「ええー……。 私、ホルモン食べるの苦手なんだけどなあ……。 だって、ぐにゃぐにゃして噛み切りにくいし……」 「第二次性徴で分泌される女性ホルモンが陰毛に関係してるのよ。 ホルモン分泌を無視して、陰毛を語る事は出来ないわ」 「スルーされた……」 「いい、唯? 女性ホルモンは女性的な曲線や乳房の発達、 肌の美しさ、生理、陰毛の有無に関係してくるの。 女性ホルモンを多く分泌させるためには、 俗には恋をすればいいと言われているけれど……、それは置いておきましょう」 「ひどいよ、和ちゃん! 私だって恋の一つや二つくらいしてるんだよー?」 「へえ……」 そう呟きながら、私は複雑な気分になっていた。 小学生みたいな精神構造のままの唯が恋をしてるなんて、 それも一つや二つもしてるなんて、嬉しいような、寂しいような……。 私の複雑な視線に気付いたのだろう。 唯が腰に手を当てて無い胸を張って自信満々に続けた。 「だって、私、あずにゃんの事大好きだし! あずにゃん小っちゃくて可愛いよね! 毛だって絶対生えてないしね! それとね、私、りっちゃんの事も大好きなんだ! りっちゃんと居るとすっごく楽しいし、面白いし、小っちゃくて元気で可愛いもんね! それに生えてるって言ってもちょっとだけだったから、それくらいならいいかなって思うんだ!」 まあ、ある意味予想通りの言葉だから、気にしない事にしましょう。 それにしても、好きな相手が梓ちゃんと律というのはいいとしても、 その基準が自分より小さくて陰毛が生えてなさそうな子というのはどうなのかしら……。 陰毛の有無がそんなにも唯を追い込んでいたなんてね……。 勿論、唯に陰毛が生えて来るのが一番いいという事は、私にもよく分かっている。 でも、世界は儘ならないという事を私はよく知っている。 世界は残酷で、理不尽で、自分の望んだようには動いてくれない。 万事が上手く行くとは限らないのだ。 ……いや、別に私がハワイに行けなかった事を愚痴っているわけではない。 兎にも角にも、世界は儘ならない。 唯にはそれを受け入れる覚悟もしておいてもらった方がいいと私は思った。 私は出来る限り優しい声で唯にそれを伝える。 「ねえ、唯……。 今後ね、陰毛が生えて来なくても気にしない方がいいと思うわ」 「ええっ、いきなり酷いよ、和ちゃん! 私はやっぱり生えて来てほしいよう……」 「無毛症は希少価値があるのよ、唯。 世界的に見ると陰毛は生えてない方が美しいという見方も多いみたいよ。 陰毛が生えていようと生えていまいと唯は唯。 それは個性であって、恥じる事ではないわ。 辛い事かもしれないけれど、生えていない自分を受け入れるのも大切な事だと思うの」 「私の……個性……? でも……」 「思い出して、唯。 中学の頃の修学旅行、一緒のグループだった近藤さんの事を」 「朋子ちゃんの事? 朋子ちゃんって言えば……、あっ!」 「思い出したみたいね、唯。 近藤さん、陰毛を綺麗に剃り上げていたわよね。 生えていないわけじゃなくて、剃っているのは一目瞭然だったわ。 見るからに不自然に短い陰毛が生えかけていたものね。 ねえ、近藤さんのその陰毛を見て、唯はどう思ったかしら?」 「私……は……」 唯が口ごもる。 その様子が全てを物語っていた。 無邪気で元気な唯に、人の悪口を言う事は出来ないのだろう。 こう言うのも申し訳ないけれど、それくらい近藤さんの陰毛は酷かった。 近藤さんにどんな事情があったのかは私も知らない。 彼氏に指示されたのか、剛毛な陰毛が恥ずかしかったのか、 その彼女の心の内を完全に理解する事は不可能だと思う。 でも、これだけは確実に言える。 無理矢理剃って女性器周辺に青髭のように残った生えかけの陰毛の様子は酷かったと。 壮年の男性の顎を見ているようだったと。 見るに堪えなかったと。 だからこそ、唯は私の言葉に頷いてくれたのだ。 「分かったよ、和ちゃん……。 毛は生えてほしいけど、個性って思えるか分からないけど……、 それでも朋子ちゃんよりマシ……じゃなくて、 生えて来なくても、それが私だって思えるように頑張るよ!」 「ええ、それが一番いいと思うわ。 いい子ね、唯……」 そう言って、私は汗に濡れる唯の頭を撫でた。 今後、どんなに苦しい事があっても、唯は前向きに生きてくれる事だろう。 私自身も、悩める幼馴染みを救えて、とても嬉しい。 猛暑日、こうして私達幼馴染み二人は絆を深める事が出来たのだった……。 「そういえば、和ちゃん」 「どうしたのよ、唯」 「和ちゃんの毛、凄いね! 綺麗な三角になってるよ! 自分でやってるの?」 「逆三角形と呼んでほしいわ。 あんたには分からない事だけど、陰毛の処理は大変なのよ……。 あの時、突然、見せる事になったら大変でしょ?」 「あの時……? あの時……! あの時ですか、和ちゃんっ! 駄目だよ、和ちゃんー! 和ちゃんは私のお婿さんになるんだからー!」 「いつ決めたのよ。 ……そういえば、幼稚園の頃からよく言ってたわね。 でも、駄目よ、その意見は却下するわ、唯。 私は郊外の瀟洒な家でミートローフ焼いて家族の帰宅を待つ素敵なお嫁さんになるんだから」 「そっちっ?」 3
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/3098.html
突然大きく息を吸い込んだかと思ったらそう叫んだ彼女。 そしてその海を眺めながら冷静に言う私。 「……見ればわかる」 誰がどうみても海だ。Seaだ。 言い返してきた彼女。 「だって澪!海だぞ海!海を見たら叫びたくなるだろ!?」 「いや、別に」 …でもそう言われるとちょっと叫んでみたいかもしれない。 「なんだよー、みーおー、一緒に叫ぼうよー」 潮の香りがする風が私と彼女の髪を揺らした。 「…私はいい」 ちぇっ。じゃあいいよ、私一人でもっかいやるから そう言って彼女はまた息を大きく吸い込んだ。 スゥーー… 「「海だぁぁあああ!!」」 つい私もやってしまった。 ああ、やっぱり。 数秒の驚きの表情の後、彼女の顔にはニターッとした人を小馬鹿にした笑みが張り付いていた。 「あ~れ~?澪しゃんは別にやりたくなかったんじゃなかったっけ~?」 「…気が変わった」 「またまた~強がっちゃって~! なんだよやりたいならやりたいって言~え~よ~。私寂しかったぞ?」 「う、うるさい!というか何で海なんだ!まだ五月だろ!?」 喋り方と表情にイラッとした私は話を逸らし、今日は何故こんなとこに連れてきたのかという理由を聞こうとした。 彼女には何も聞かされず家から引っ張り出され、切符を買わされ、電車に乗せられ、駅からここまで歩かせられた。 彼女は真面目な表情になり海に来た理由ではなく質問を私に返してきた。 「…澪、今日が何の日か知ってるか…?」 今日…?五月八日か…確か朝、テレビで観たのは… 「世界赤十字デー?」 「ちがーう!んなわけあるか!何の日なんだよ!」 こっちが聞きたい。今日は何の日なんだ。 私も彼女も誕生日は五月とは無縁だ。 他に思い当たる人物もいない。 答えの見当もつかない私に彼女は溜息をついた。 「…ハァ…今日はゴールデンウイークの最終日だろ?」 「なんだそんなことか…」 もっとちゃんとした答えを期待していた。 「そんなことってなんだよ!連休今日で終わっちゃうんだぞ!?」 「だからそれがどうしたんだ。連休最終日と海になんの関係がある」 私がそういうと彼女は顔を下に向けて黙ってしまった。 ちょっと今の言い方はキツかっただろうか… 「………思い出作りだよ」 「思い出作り?」 ちょっと拗ねた声で海に来た理由をやっと明かした彼女。そして聞き返す私。 「…だ、だって今年はあんまりみんなと遊びに行けなかっただろ?」 「練習もしてないな」 「と、とにかく!高校生活は今年で最後なんだぞ!」 「まあ確かにそうだな…」 思い出作りなんて事を彼女が考えていたなんてちょっと意外だ。 彼女の言う通り私たちの高校生活は今年で最後。 運動部の子たちは夏頃にはみんな引退だし、私たちだって文化祭が終わったら引退なんだろう。 「でも思い出作りなら今日は他の皆も誘えば良かったんじゃないか?」 「ま、まあそうなんだけど… 今日は澪と二人で来たかったの!」 ……今日の彼女は何を考えているのかいつも以上によくわからない。 私と来たかった…? 「でもやっぱりみんなと来た方が良かったろ」 「いいのっ!今年はやっと澪とおんなじクラスになれたわけだし。 それに他のみんなとはどうせ夏合宿でまた海に行くからさ!」 「それでいいのか?」 考えているんだか何も考えていないんだか… 「いいんだよ!ほら澪!あの夕日に向かってダッシュだ!」 彼女はそう言って私の肩を叩き、まだまだ空高く昇っている太陽に向けて指を指した。 今日も彼女は元気なようだ。 「まだ夕日じゃないぞ」 「行くぞ澪!」 そう言うと本当に走り出した。 私の言葉は聞いていないようだ。 私も砂浜の上の彼女の後ろ姿を追いかけようとする。 って、あれ?もうあんな遠くにいる。 「ま、待って!置いてくな!り~つ~!!」 突然走り出した時と同じように、彼女は突然立ち止まって私を待っていた。 横髪が汗で顔にくっついている。 「ハァ…ハァ…ったく…なんでいきなり走り出すんだよ……」 私たち以外誰もいない砂浜。 そしてそこで肩で息をしている私。 「だってさ夕日を見たら走りたくなるだろ?」 海を見たら叫びたくなるの次はこれか。 「別にならない!っていうかまだ夕日じゃない!」 「怒るなよ澪」 「べ、別に怒ってるわけじゃ…」 つい怒鳴ってしまったが怒っているわけじゃない。本当だ。 彼女だけにはどうも強くでてしまう。 「本当かぁ?溜め込むのはお肌に悪いぞ澪」 言いながら彼女は履いていた靴と靴下を脱いでいた。 「ほら、澪も脱げよ。海入ろうぜ」 「いや、私もお前も水着持ってきてないだろ?」 それに五月の海は泳ぐにはむいていないだろう。 「誰も泳ごうだなんて言ってないだろ。歩くだけだよ」 ズボンの裾を捲り上げつつ彼女はそう言った。 「なんだ、そういうことか」 私も彼女に倣って裸足になった。 砂を踏みしめる感触が気持ちいい。 最近元気になってきた太陽の暑さと走った時に身体に溜まった熱が足下から五月の海に流れ出す。 海面は太陽の光が反射してキラキラしている。 素敵な景色だなと思っていると彼女が声をかけてきた。 「なあ、最近どう?」 「まあぼちぼち…かな」 こういう問いかけにはなんて答えるのがいいのだろう。 新学期になって一ヶ月程度。 別段変わったことはないのでとりあえずこう答える。 「そうか…なら良かった」 何が良かったんだろう。 脱いだ靴を手に持って彼女と二人で海岸沿いを歩く。 歩きながら波の音に耳をすませていると前を歩く彼女が私の方を振り返らずに言った。 「私達って今年三年生じゃん?」 「まあそうだな」 「だから私らもうすぐ卒業じゃん?」 「…そうだな」 今まであまり卒業のことなんて考えないようにしていたが彼女の方からこの話題を出してくるとは。 「…私らが引退して卒業したら梓は一人になっちゃうんだよな」 ……… 私は黙ってしまった。 私だって来年の軽音部の事を考えた事がないわけじゃない。 三年生の私たちがいなくなったらあの部室に一人になってしまう後輩。 「梓のために私たち何ができるんだろうって、最近ずっと悩んでてさ」 そう言って彼女は水平線の方を見た。 その横顔は弱々しくて、なんだかとっても彼女らしくない。 彼女がそんな事を悩んでいたなんて。 一番近くにいるつもりだったが気がつかなかった。 ここは私が何か言わなくちゃいけない。 一人で悩んでいた彼女の力になりたい。 私は立ち止まって彼女の背中に向かって言った。 「まだ時間はあるさ!!」 つい声が大きくなった。 「え?」 突然大声を上げた私に、驚いた表情で振り向いた彼女。 「そうだよ…まだ時間はあるじゃないか…だからさ、ゆっくり考えよう?私たちみんなでさ!」 前半部分は彼女というよりは自分に言いきかせているような言葉だ。 彼女はそれに少し考えるような表情をしてから彼女も大声で私に言い返した。 「……ああ、そうだな!!」 負けじとより大きな声で叫ぶ私。 「絶対成功させよう!!文化祭!!」 とにかく梓の為にも私たちの為にも… 「ああ、そうだな!!」 そう言った彼女の顔は明るかった。 やっぱり彼女に悩み事は似合わない。 そう思いながら彼女に歩み寄る。 「いきなりどうしたんだよ、澪らしくない」 彼女に追いついたところで彼女が言う。 私にもよくわからない。なんでだろう。 「海だから……かな?」 「どういう事だよそれ」 そう言って彼女はケラケラと笑った。 私もつられて笑う。 その後も海岸沿いを裸足で歩きながらいろんな話をした。 後輩の事、部活の事、受験の事、連休中の事、音楽の事、最近夢中になっている事。 二人でこんなに話したのはいつ以来だろう。 いつも一緒にいた気がしたけど私が思っていた以上に私は彼女の事について知らなかった。 彼女と一緒にいることが多いというよりも部活の皆と一緒にいるという方が正しいのかもしれない。 「あっ!澪、サメだ!」 唐突に彼女が言った。 「ひぃ!どっ、どこ!?」 慌てて浜に逃げる私。 「嘘だよ、サメなんているわけないだろ」 そう言って彼女はまたケラケラと笑った。 むぅーと頬を膨らませて彼女を睨む。 いじけた私はその場にしゃがみ込んでもう疲れた歩けないと主張した。 彼女は辺りを見渡すと、上の道路から海岸へ下るコンクリートの階段を指差して言った 「あそこにちょっと座るか」 2
https://w.atwiki.jp/asagaolabo/pages/2629.html
勇者ああああ《チェンジカード版》 勇者ああああ《チェンジカード版》 関連リンク 王様「勇者ああああ よっ! 最強の装備をそろえたからいい加減にして 冒険に旅立つのじゃ!ハリア~ップ!!」 「・・・・(めんどい)」 ポップンミュージック Sunny Parkのポップンミュージックカード第2弾に登場したチェンジカード。 王子姿のああああだが、「ゆ」の文字が入っているのは相変わらず。 RPG風に「勇者は伝説のトングを手に入れた!」がウィンドウ表示されている。 トングで掴んだものはまんじゅうだろうか? 裏面のアイコンはポップン20版のものが使われている。 このチェンジカードに使われている文章が何故かそのまま、ラピストリア第3弾で登場したノーマルカード「勇者ああああ」のキャラクター紹介文になっているというミスが存在する。 カードに記載された担当曲 コンビニサーガ 関連リンク 勇者ああああ チェンジカード ポップンミュージックカード/ポップンSunny Park/Vol.2 カードリスト(ポップンミュージックカード)
https://w.atwiki.jp/llss_ss/pages/554.html
元スレURL かのん「ありあに恋人がいだああああああ!!」 概要 姉仲間のすみれに愚痴るかのん タグ ^澁谷かのん ^平安名すみれ ^澁谷ありあ ^短編 ^コメディ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/theyarelies/pages/20.html
間違い電話 購入以来、あまり持ち歩いても使ってもいない携帯に着信があった。 電話より対面での会話で済ませるし、メールはタイミングが難しいのであまり使わないのに。 普段は、気付かないでいて、電話もメールも後で連絡し返すことが多くなっているが、珍しく気がついたので手に取った。 「沖野さまでいらっしゃいますか」 あんた誰?俺は沖野じゃない。 「間違い電話ではありませんか。わたしは沖野ではございません」 「失礼いたしました」 たまに取るとこういうのしかないんだな。全く。 ちなみに、言われた名前は忘れたので、沖野というのはでっち上げだ。 やはり携帯電話は、放置すべき物か。 ああ、それじゃあ『携帯』じゃないな。ただの『電話』だ。 戻る
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/7477.html
【検索用 あんまん 登録タグ 2009年 KAITO VOCALOID あ ベース缶P 曲 曲あ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ベース缶P 作曲:ベース缶P 編曲:ベース缶P 唄:KAITO 曲紹介 兄弟仲良しって……いいよね。 曲名:『あんまん』 歌詞 もう真っ暗な冬の6時を 君と二人で並んだ帰り道 赤く染まった 膝小僧とか 鼻とほっぺたが とても寒そうで あったかいものが食べたいな この先のコンビニ 寄っていこうか あんまん 1つ買って帰ろうか ポケットの中が少なくて 二人ではんぶんになるけど 大きい方は君にあげるから 歩幅の違う君と一緒に ゆっくり時間をかけた帰り道 広い歩幅に追いつきたくて 僕はこっそり早足で歩いてた 猫舌な君を待ちながら そろそろあんまん食べようよ あんまん やっぱちいさいね でもいつもよりも満足で 風の寒さも忘れるくらい あったかかった帰り道 あんまん雪みたいに白い 寒いけど雪は降らなそうだよ あんまんみたいにあったかい みんなのいる家に帰ろうよ コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/83452/pages/13552.html
律「うるせえ!」 澪「お前こそうるさい!」 ゴツン 律「いたっ」 律「何故殴る」 澪「私の苦悩も知らないで!お前は!」 律「梓のこと好きなんだろ、澪」 澪「うん」 律「梓、可愛いもんな」 澪「頑張り屋だし、しっかり者だし、素直だし」 律「澪にはお似合いだと思うよ」 澪「えへへ、ありがとう」 律「なのに、どうしてフっちゃったの?」 澪「聞きたい?」 律「気にはなるよ」 澪「でも教えない」 律「……梓、泣いてたぞ」 澪「知ってる」 律「私は澪がよく分からなくなったよ」 澪「私だって自分のことなんか分からないよ」 澪「分かるもんか!」 律「何怒ってるんだ」 律「梓は好きだけど付き合うのは嫌なの?」 澪「いやじゃないよ。付き合いたいよ」 律「だよなあ」 澪「デートしたい。梓と公園デートしたいな」 澪「え、梓お弁当作って来てくれたの?」 澪「当然ですよ!楽しみにしてた澪先輩とのデートですから!」 澪「かわいいなぁ梓は。ちゅーしてあげよう」 澪「だ、駄目ですよ澪先輩!こんなとこでっ」 澪「ふふっ。梓可愛い、大好きだよ」 澪「や、やだ!やめてぇ!澪先輩やめてええええ!」 律「本当にやめろ!」 澪「梓が好きで好きでどうにかなってしまいそうだ」 律「頭の天辺からXXXの奥まで余さずどうにかなってるよ」 澪「そんなわけで助けて律」 律「やだよ。お前が梓をフったりしなきゃ良かったんだろ」 澪「このままじゃ私も梓も死んじゃう」 メソメソ 律「死なない死なない」 澪「梓はまだ私のこと好きでいるのだろうか」 律「さーな。その内唯にでも取られちゃうかもよ」 澪「そんなの駄目だ!梓は私の物だ!」 律「じゃあ謝って告白してこい」 澪「恥ずかしい……」 律「じゃあどうするの?」 澪「梓がもう一度告白してくれるのを待つ」 律「いや、無いだろ」 澪「そうかな」 律「一度フられた相手にもう一度告白すると思うか?」 澪「うーん…無いよな」 律「やっと澪が少しまともになってきた」 澪「ごめんな律。殴ったりして」 律「うん。慣れてるよ」 律「とにかくお前は一度梓と話すべきだ」 澪「なんて」 律「この間は素直になれなくてごめん、本当は梓と付き合いたいって」 澪「私はいつも素直だ」 律「はいはい」 澪「でも話さなきゃ進展しないよな」 律「そうだよそうだよ」 澪「じゃ、明日梓と会って話すよ」 律「うん」 澪「だから…律も付き添いで来てくれ」 律「いやいやいや」 澪「駄目なのか?」 律「ダメに決まってるだろ。2人だけで話すべきだ」 澪「でも、緊張するよ」 律「そうかもしれないけどさ」 澪「ねえ律」 律「2人で話せ。梓だってそうしてほしいはずだ」 澪「分かった、分かったよ。でも、こっそり付いてきてくれ」 律「こっそりって」 澪「遠くで見守っててよ……そうすれば安心するからさ」 律「……いいけどさ」 澪「ありがとう」 翌日 澪「律、桜高行こう」 律「ああ、そろそろ部活始める頃だな」 澪「梓にハッキリ私の想いを伝えるんだ!」 律「気合入ってるな。応援してるよ」 澪「うん、ありがとう」 桜高 梓「今日も練習頑張ろうね」 菫「はーい」 ガチャ 律「久しぶりー!」 澪「こ、こんにちは」 憂「律さん!澪さん!」 梓「……!」 澪「あっ」 純「こんにちは澪先輩」 澪「ああ、こんにちは」 律「私には挨拶しないの?」 憂「1年の子、入ったんですよ」 菫「宜しくお願いします」 律「斎藤菫さんだっけ?唯から聞いてるよ」 澪「おかげで廃部にならずに済んだよ、ありがとう」 菫「あ、いえ、こちらこそ。軽音部のOGにお会いできて嬉しいです!」 梓「で、今日は何かご用ですか?」 澪「……」 律「ほら、澪」 澪「あ、梓にちょっと、話が……」 梓「……なんですか?」 澪「えっと…」 律「話しにくいことなら場所変えたら?」 澪「う、うん。梓、ちょっと来てくれる?」 梓「いいですけど」 澪「図書室、行こっか」 梓「はい」 憂「澪さんと梓ちゃん、何かあったんですか?」 律「いや、ちょっとな」 純「これは恋愛沙汰の匂いがプンプンするぞ」 憂「純ちゃん……」 律「まあ、あんまり詮索しないでやってくれ、私も図書室行ってくる」 憂「行っちゃったね」 純「うん」 菫「しかも梓先輩が……」 憂「終わるまで待ってようか」 菫「はい」 図書室前 律(澪、しっかりやれよ) 『梓……』 『…なんですか?』 『この前の…ことだけど』 『いいんです。もう』 『そっか。それならいいんだ』 律(よくないだろっ!) 『じゃなくて、私が駄目なの!』 『意味が分かりませんよ。澪先輩がフったのに』 『だからさ、確かにあの時は断っちゃったけど』 『……』 『やっぱりその……』 『……』 『……』 『……』 律(会話が途切れた) 律(仕方ない、助けてやるか) ピポパポ ヴーン ヴーン 澪「あっメール」 梓「……」 澪「携帯開いていいかな?」 梓「どうぞ」 ── まずは謝れ! 謝って本当の気持ちを伝えろ! ── 澪(律……) 澪「あ、梓」 梓「はい」 澪「あのさ、ごめん!」 梓「どうして謝るんですか?」 澪「いや、だってまずは謝れって」 梓「は?」 律(バカヤロウ!) 澪「あ、じゃなかった。その、フっちゃってごめん」 梓「そんな風に言われたら…余計惨めじゃないですか」 澪「いや、そんなこと無いぞ!梓は惨めじゃない!かっこいい!」 律(致命的にフォローが下手糞だコイツ) 澪「あのときはフっちゃったけど…その、私は梓を……」 梓「先輩……。先輩は私の事、好きじゃないんですよね」 澪「いや、何を言ってるんだ!私は梓が大好きだぞ!」 律(良く言った!) 梓「それは2年間一緒に軽音部やってきた仲間として、ですよね」 澪「うん、まあね」 律(本当に馬鹿野郎!) 梓「私は、そうじゃなくて……澪先輩と本気で付き合いたいなって」 梓「そう思ってたんです」 澪「思ってた?過去形?」 梓「はい。終わった恋をいつまでも引きずるのも馬鹿馬鹿しいですし」 律(おいおいマズいぞ澪!早く本音をぶちまけろ!) 澪「よく吹っ切れたな!流石だぞ梓!」 律(お前は何やってんだよ!?) 梓「……そんな言い方って無いですよ」 澪「え?ごめん」 梓「澪先輩はそんなこと言うために私に会いに来たんですか?」 澪「いや…そうじゃなくて……だから、その!」 律(イライラしてきた。またメールしてやるか) ピポパポ 澪「あ、またメール……」 ─── 変なことばっかり言ってないで早く告白しろ! ─── 澪(律……分かったよ) 澪「あ、梓ァ!!」 梓「はいっ!?」 律(行け!澪!) 澪「梓、私は!梓がっ!」 澪「梓が……す、す、す、」 梓「酢?」 澪「す、すっごく嫌い!」 梓「」 澪「です!」 梓「……」 ジワッ 梓「酷い……」 律「澪ォォォォォォォオオオオ!!」 ダッ 澪「うわぁっ」 梓「律先輩?なんで!?」 律「馬鹿澪!もう一度梓泣かしてどうすんだ!」 澪「そ、そんなこと言ったって……難しいんだからしょうがないだろ!」 律「何が難しいだ!お前ふざけてるのか?」 澪「私は真剣だ!」 律「嘘つけ!」 澪「律こそメール変なメールよこして!」 律「お前があまりにダメダメだから助け舟を出してやったんだろ」 梓「2人して……」 澪律「えっ?」 梓「2人で私をからかってたんですね……」 澪「えっ」 律「おい、それは違うぞ梓!」 梓「最低です」 梓「もう部活戻ります、さよなら」 タッタッタッタッタッタッ 律「あっ……あっ……」 澪「さすが梓。足音まで可愛い」 律「そんなこと言ってる場合じゃないだろ」 澪「うん」 律「はぁ」 澪「ごめん律」 律「許さん」 澪「律がくれたチャンスも無駄にして……しかもその律に当たったりして」 律「ホント何やってるの」 澪「分かんない」 律「もうちょっとだったのに」 澪「梓……」 律「本当に梓が好きなのかよ」 澪「そりゃそうだ。大好きだよ」 律「分からん」 澪「じゃあ教えてやるけど」 律「何を」 澪「梓とラブラブHAPPY ENDを望む私と」 澪「梓に嫌われるBAD ENDを望む私がいるんだ」 律「お前頭打ったの?」 澪「そんな言い方ないだろ?律には分からないか?こういう気持ち」 律「分からないね」 澪「恋をすれば分かるよ……フフッ」 律「もう助けてやんない」 澪「ごめん!嘘だよー助けてよ律ー!」 律「だから許さないってば」 澪「そんなこと言うなよー」 律「梓に告白したら許してやる」 澪「かっこいいこと言ったつもりか」 律「怒るぞ」 澪「てへぺろ」 澪「律の前に梓に許してもらわないとな……」 律「ちゃんと謝れよ」 澪「無理だよ」 律「無理無理言うなよ」 澪「私は律と違って良い子だから謝り慣れてないんだ」 律「梓に嫌われてしまえ」 澪「それを望む私もいるんだ」 律「ばーか」 純「ばーか」 憂「ばーか」 澪律「居たの?」 2
https://w.atwiki.jp/matsumura0ma/pages/76.html
3章ソフトバンク・ボーダフォンの事例からみたM&A ソフトバンクは2006年3月17日、英Vodafone Groupから日本法人・ボーダフォンを買収することで合意したと発表した。買収総額は1兆7500億円。ソフトバンクは固定電話、携帯電話の両事業を抱え、売上高2兆5000億円規模、提供回線数約2600万回線の総合通信事業者としてNTTとKDDIに対抗する。ソフトバンク全額出資で設立する子会社を通じ、1~2カ月中にボーダフォン発行済み株式の97.7%を取得する。ソフトバンクは2000億円、ヤフーは優先株1200億円を出資。さらに1.1~1.2兆円を、買収先の資産を担保に資金を借り入れるレバレッジド・バイ・アウト(LBO)によるノンリコースローン(非遡及型融資)で調達する。Vodafoneグループもソフトバンク子会社に対し3000億円相当の優先株式新株予約権と、1000億円相当の劣後債を通じて投資する予定で、合計4000億円は買収の支払いに充当する見込み。ヤフーは、携帯電話向けポータルサイトとして全面的にサービスとコンテンツを提供。PCとモバイルでシームレスな環境を構築し、革新的なモバイルサービスの提供が可能になるとしている。 (IT media NEWS 2006年03月17日 17時51分) この記事が世に流れ1年と半年が経過した今日、われわれが考える2章で記述したM&Aの本質からアプローチし分析・検証していくことが本章の目的である。 まず今回このソフトバンク・ボーダフォンの事例を検証しようと考えた背景に、ソフトバンクにとって自身の存続、命運を握るM Aであると考えたことが大きな要因のひとつである。LBOのM A案件としては日本最大の買収金額であり、ソフトバンクの当時の時価総額3兆810億円(2006年3月)から考慮してもかなりリスクの高い案件であると考える。よって、ソフトバンクの財務・株価にこのM Aが大きな影響を与えることは必至である。しかし、長期的な視点でみなければM Aの成否について論ずることは困難でありこの事例はふさわしくないと考えるのが一般的であろう。ただこれはひとつの見解として私たちが考える基本理念と照らし合わせることを目的としており、また今後の展望も踏まえて検証したいと考える。以上の点から分析サンプルとしていい事例であると考えこの事例を選ぶことに至った。 Ⅰ カネの算定 ―時価総額評価 まず、株価の時価総額の観点からボーダフォンの日本携帯事業を評価してみる。ボーダフォンのデータは、発行済株式数:5,427,946株(ボーダフォングローバルが 5,303,288株保有) 上場廃止日の株価:249,000円 となっている。このデータから、上場廃止日の株価を基に、ボーダフォングローバルが持つ株の時価総額は 250,000円 x 5,303,288株 = 約1.32兆円 となる。プレミアムの定義は、公開買付発表日直前取引日の株価終値(a)と公開買付価格(b)との差とする。この差異が(a)に対してどの程度の水準にあるかを、ここではプレミアムとしたいと思う。即ち、算式で捉えると次のとおりになる。 プレミアム = (b-a)÷a 1.75兆円の買収額は、時価総額と比べ約4300億円のプレミアム、つまり32.6%のプレミアムをボーダフォンの株主はもらえることができることを意味する。市場価格に対するプレミアムは2006年の平均で約25%。米国の平均的なプレミアムは3割といわれているが、日本もこの水準に近づきつつある(参照RECOF)。安易にこのデータから比較するとするならば、日本平均よりも割高であり、米国の平均水準とほぼ同値であるということがわかる。 事実 ソフトバンクは純資産(株主資本に相当)が七千億円台前半のボーダフォンを1兆7500億円で買収する。PBR(株価純資産倍率)を2.4倍としてボーダフォンの価値をはじき出したわけだ。一方、ライバルのNTTドコモのPBRは2倍。ボーダフォンがソフトバンク傘下に入ることで、ドコモ以上に高い収益力を上げるようになる場合だ。これまでボーダフォンはじり貧だっただけに厳しい見方をするアナリストは多い。(日本経済新聞2006年04月13日 夕刊002ページ) また、これだけの大型案件なのにすべて現金による買収であること。世界的に見ても、兆円単位のM&Aは買収対価として自社株を使う株式交換が一般的だ。オーナーである孫正義社長の持ち株比率の維持を意識し、株式交換による買収を見送り、現金で買収資金をまかなうことになった。投資資金の回収は事業活動で生じるキャッシュフローに頼る。またボーダフォン買収を狙っていたのはソフトバンクだけではなかった。海外投資ファンドなども対抗提案を進めていたもようだ。駆け引きの末、買収額は1兆7,500千億円に膨らんだ。 高値買いかどうかは「今後どれだけ利益を出せるかにかかっている」(JPモルガン証券の勝間和代アナリスト)。 ソフトバンクは20年間で均等償却する方針。06年度は535億円の減益要因となったが、携帯電話部門の業績は好調で、これを上回る営業利益を稼いでいる。 ソフトバンクののれん代は1兆329億円。大部分は英ボーダフォンから買収した携帯電話事業(現ソフトバンクモバイル)によるもので、前年度の455億円から急増した。 【表】2006年度のれん代ランキング 順位 企業名 のれん代(百万円) 1 ソフトバンク 1,032,927 2 松下電器産業 379,324 3 セブン&アイ・ホールディングス 375,301 4 日本たばこ産業 360,681 5 花 王 256,326 6 ダイキン工業 210,505 7 日本板硝子 204,883 8 豊田通商 132,882 9 国際石油開発帝石ホールディングス 132,105 10 豊田自動織機 101,102 11 キリンホールディングス 96,853 12 NEC 89,566 13 日産自動車 83,705 14 富士通 82,887 15 コニカミノルタホールディングス 82,074 16 USEN 80,850 17 伊藤忠商事 79,886 18 オリンパス 78,718 19 リコー 72,048 20 双 日 69,925 【表】経常利益に対してのれん代が多い企業 順位 企業名 のれん代が経常利益の何倍あるか(倍) 1 ディーワンダーランド 79.8 2 タカラバイオ 44.3 3 ユージン 34.8 4 オーエー・システム・プラザ 28.8 5 日本板硝子 25.6 6 ジャパン・フード&リカー・アライアンス 23.5 7 ITX 21.8 8 省電舎 12.8 9 フェイス 12.1 10 ニチモウ 11.9 11 シャクリー・グローバル・グループ 11.0 12 機動建設工業 10.7 13 アマナ 9.3 14 スリープログループ 9.2 15 メディカルシステムネットワーク 8.4 16 精工技研 7.7 17 コロワイド 7.7 18 LEOC 7.1 19 フュージョンパートナー 7.0 20 ソフトバンク 6.7 企業価値評価の流れ 企業価値評価 M A対象企業(上場、未上場)の企業価値、事業価値、株式価値をはじめ、さまざまな価値評価を実施する。種類株式(優先株式、新株予約権、転換社債など)の価値評価も含む。 無形資産/有形固定資産/債権の価値算定 顧客リスト、ブランド価値、特許権などの無形資産/知的財産の評価、有形固定資産の減損会計、米国基準SFAS(Statement of Financial Accounting Standards)141/142による営業権の減損会計に関する評価、金融事業に関わる債権の評価を算定。 評価方法のレビュー 会社が具体的なM A案件について企業価値や統合比率を算定するに際しての評価方法、評価の考え方、評価結果の意味づけなどについてアドバイス/サポート。 企業価値評価法 WACC(加重平均資本コスト) WACCとは企業が株主と債権者に支払わなければならないコストの加重平均である。別の言い方をすれば、資本提供者の要求に応えるために企業が手元の資産を活用して生み出すべき最低限の収益率といえる。そして企業は、株主と債権者双方に対するこのWACCを上回る利益を上げてはじめて、企業価値を高めることができる。 WACC=[E/(E+D)] *re + [D/(E+D)]*rd*(1-Tc) ただし、 re・・・株主資本コスト rd・・・有利子負債コスト D・・・有利子負債総額 E・・・株主資本 Tc・・・実効税率 で得られる。 株主資本コストは E[re]=rf+β[E(rm)-rf]で求められる。ただし、 rf:リスクフリー・レート [E(rm)-rf]:マーケット・リスクプレミアム(日本では5~5.5%とすることが多い) とする。 FCF=EBIT[1-税率]+減価償却-設備投資-ワーキング・キャピタル増加額 注:EBIT(利払前税引前当期純利益) ワーキング・キャピタル= 売上債権(売掛金・受取手形)+在庫-支払債務(買掛金・支払手形) 企業価値(Enterprise Value EV)= 株式時価総額+ネット・デット(実質有利子負債=有利子負債-現金および現金同物) 継続価値・・・収支予想期間の最終年度での会社の価値のことを言う 予測期間の翌年のFCF 継続価値=----------------------------------- WACC-FCFの成長率 DCF法 DCF法は、事業の価値は企業が将来生み出すキャッシュフローの現在価値の合計に等しいとする方法である。割引率はWACCを使う。これはM Aにおける適正市場価値の評価を行う際に、最も頻繁に使用される評価方式である。しかし価格算定には算定をする人の主観的判断が入ってしまうため、1つの算出価格が正しい価格と言い切ることは難しい。 DCF法手順 ①WACCを計算 ②FCFを予測 ③継続価値を求める ④FCFと継続価値をWACCで現在価値に割り引き、事業価値を求める ⑤非事業価値を求める ⑥④+⑤ ⑦企業価値から負債額を控除して株式時価総額を求める ⑧発行済み株式数で割り理論株価を計算 ROIC(投下資本利益率)=NOPAT(税引後営業利益)÷投資資本 EVA(経済的付加価値)=(ROIC-WACC)×投下資本 EVAを高めるためにはWACCを上回るROICをもたらす事業にのみ投資することが大切である。企業経営とは、できるだけ投下する資本をなくし、ROICとWACCの差を最大化するということに尽きる。 また、企業のROICを正確に測るためには、その分子にNOPATという指標を使う。NOPATとは、「税引後営業利益」のことで、本業で稼いだ利益からみなし税を差し引いた値を用いる。また分母には、上記の通り「有利子負債と株式」の合計を使う。以上から、企業の場合の経済価値創造は、 「ROIC > WACC」 の場合にのみ行われると言うことになる。ちなみに、「ROIC < WACC」の場合の価値破壊は、すべて株主が時価総額の下落という形で負担し、「ROIC > WACC」の場合の価値創造は、すべて株主が時価総額の上昇という形で受け取る。つまり調達と運用の両側面を見なければ経済価値が破壊されたのか創造されたのか・・・つまり株主価値が上昇するのか(≒時価総額が上昇するのか)、下落するのかはわからないということになる。『道具としてのファイナンス』 実際のソフトバンク・ボーダフォンの評価 以上の有利子負債による新規資金調達および既に同社が調達している有利子負債および株式による同社の現時点でのWACCは、 (CAPMベースで)およそ6%となります。 株主資本コスト 8.7% 国債リスクフリーレート 2.0% マーケットプレミアム 5.0% ベータ 1.34(←ブルームバーグより) 負債コスト(税前) 3.6% (↑上記の複数の有利子負債による資金調達のコストおよび既に調達している有利子負債のコストを加重平均した結果) 負債コスト(税後) 2.2% (↑税効果を考慮した有利子負債加重平均コスト) 時価総額 3兆810億円 55.6% 負債総額 2兆4,600億円 44.4% (↑この二つの数値の比率がDE比率) WACC 5.8% (↑ソフトバンクの現時点でのすべての資金調達コストの加重平均値) 企業価値の補正処理 M{ A後の時価総額(補正後)= M A後の時価総額 M A後のTOPIX M A前の時価総額×----------------------------------- ÷-------------------------------- M A前の時価総額 M A前のTOPIX 企業価値指数 企業価値指数とは企業活動を総合的に評価するための有効な指標 企業価値指数= M A後の時価総額(補正後) + M A後の有利子負債 ----------------------------------------------------------------------------------- ×100 M A前の時価総額 + M A前の有利子負債 Ⅱ モノの融合 ボーダフォンは日本国内1,500万ユーザー(全世界5.1億ユーザー)で、そのままこれらのインフラ、さらに人材やノウハウをソフトバンクは入手するが、逆にコンテンツ数でiモードやEZwebに遅れをとるボーダフォンにとって、322億ページビュー/月のヤフーの集客力は魅力的だった。また、家電量販店やネット販売での営業網をもつソフトバンクと、ボーダフォンショップや街頭販売を進めるボーダフォンとで販売拠点拡大・取扱商品の相互拡充といった、新たな販売機会の拡大がお互いに望めるのも大きい。なによりも、携帯事業への早期参入が“悲願”となっていたソフトバンクにとって、ボーダフォンの顧客基盤、ネットワークインフラ、端末調達能力、人材・ノウハウは魅力的だったろう。(RBB 2006年3月17日 22 10)つまりネットサービスと携帯電話での総合通信サービス事業を展開しようと考えているわけである。実際に1年あまりでまだシナジー創出の過程の段階ではあるが、以下それぞれどのようなサービス融合努力を実行しているのか項目ごとに分けてみていく。 商品企画 ソフトバンクのyahooとボーダフォンの携帯端末の融合により携帯電話をパソコンに近づけることを実現化。パソコンでインターネットを縦横無尽に利用できるのと同じ水準の環境を、携帯電話にももたせることをこれからの基本戦略としている。具体的に、「Y!」ボタンを押すだけで「Yahoo! JAPAN」の様々なコンテンツを楽しむことができるポータルサイト「Yahoo!ケータイ」を、2006年10月より開始。また、小学生を対象とした、安心して楽しめるコンテンツのみを提供するポータルサービス「Yahoo!きっず」を、2007年2月より開始。引き続きヤフー(株)との関係を強化するとともに、コンテンツプロバイダーと協業して、携帯コンテンツの拡充に取り組んでいる。 契約数 2006年度末におけるソフトバンクモバイル(株)の全契約数は、前年度末から69万8,600件増加して累計で 1,590万8,500件となり、シェアは16.4%。新規契約から解約を差し引いた月間の純増数は、2007年1月から3月まで3カ月連続で10万件を超え、2006年度第4四半期において41万2,000件増加。また、3G携帯電話の契約数は、前年度末から462万2,500件増加して累計で766万100件となり、全契約数に占める割合は48.2%へ上昇。なお、2007年4月末時点の集計で、その割合が50%を超えた。 営業体制の充実 営業体制の充実を図るため、ソフトバンクショップの展開を拡大。その結果、2006年度 末における全国のソフトバンクショップ数は2,075店となり、前年度末から217店増加。 求められるシナジー効果 FMC*など次世代通信サービスの展開。ソフトバンクモバイルとソフトバンクテレコムの携帯電話サービス事業と固定電話サービス事業との融合によって更なるシナジーの創出。 注:FMC:(Fixed Mobile Convergence) 移動体通信と固定通信の融合 参考文献 ソフトバンクHP 道具としてのファイナンス 石野雄一 日本実業出版社 不思議の国のM A 牧野洋 日本経済新聞出版社 MARR レコフ 議決権行使と買収防衛策 西山賢吾著 野村證券金融経済研究所投資調査部 わが国M Aの課題と展望 落合誠一著 商事法務 三角合併がよ~くわかる本 アビームM Aコンサルティン著 秀和システム 企業価値向上のためのファイナンス入門 松村勝弘著 中央経済社 無形資産の評価実務 デロイト・トーマツFAS著 清文社 銀行実務5月号 M A時代 企業価値のホントの考え方 保田隆明 田中慎一 ダイヤモンド社 2007年 中小企業のためのM A徹底活用法 分林靖博 PHP ??? 図解雑学M&A 小川好澄 ナツメ社 2000年 M&Aとガバナンス 渡辺・井上・佐山 中央経済社 2007年 http //business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070619/127770/(2007/07/13) http //business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070615/127550/(2007/07/13) http //d.hatena.ne.jp/ktdisk/20070430/1177935005(2007/07/16) http //r25.jp/index.php/m/WB/a/WB001120/id/200504271103(2007/07/16)
https://w.atwiki.jp/hatsusuke/pages/206.html
@メニュー 新規ページ作成 新規ページ作成(その他) このページをコピーして新規ページ作成 このウィキ内の別ページをコピーして新規ページ作成 アップロードファイルから新規ページ作成 他のホームページから引用して新規ページ作成 スレッド式掲示板から引用して新規ページ作成 アットウィキで新規ウィキ作成 編集 ページ編集 メニュー非表示でページ編集 ページ名変更 ページの閲覧/編集権限変更 ページの編集モード変更 このページにファイルをアップロード このウィキにファイルをアップロード メニューを編集 表示 最新版変更点 (差分) 編集履歴 (バックアップ) リンク元 トラックバック このウィキの全ページ一覧 編集履歴のあるページ一覧 このウィキのタグ一覧 このwikiの更新情報RSS このwikiの新着ページRSS ツール このウィキ内を検索 このウィキの管理者に連絡 @wikiパーツ @wikiパーツ:あなたのサイトにWikiデータを簡単表示! 最近更新したページの一覧を表示する 最近作成したページの一覧を表示する このwiki内を検索するフォームを表示する このwikiのタグクラウドを表示する 自動リンク辞書を利用する @wiki便利ツール @wikiパーツ:あなたのサイトにウィキデータを簡単表示! まとめサイト作成支援ツール RSSかんたん作成 興味キーワードをチェック!!(RSSナビ) いろんなblogのRSSかんたん作成ページ アマゾン商品検索(簡単アフィリエイト) ウィキに株式情報(日本)を表示 ウィキに株式情報(中国)を表示 かんたんHTML直接入力 Q Aサイトかんたん連携作成 ウィキに為替情報を表示 はてなアンテナと簡単連携 @wiki ホットワード @wiki 全体検索 このページを通報・違反報告する ヘルプ ご利用ガイド ワープロモードご利用ガイド 初心者ガイド @wiki助け合い掲示板 wiki(ウィキ)って何? 良くある質問集 プラグイン一覧 編集モードの違いについて 不具合や障害を見つけたら 管理・設定マニュアル hatsusuke 設定 ログアウト 2015年6月全体 6月 発売日 機種 ジャケット タイトル ジャンル 15日 熟語 速引辞典 教育 (詳細) 22日 ワールドサッカー ウイニングイレブン 2014 蒼き侍の挑戦 サッカー (詳細) 28日 スター★シリーズ:3Dサッカー (ダウンロード専用ソフト) サッカー (詳細) ツイート 発売時期別 2015年 2016年 20xx年 タイトル五十音別 発売済みタイトル ~2014~ 3DS メニュー トップページ プラグイン紹介 まとめサイト作成支援ツール メニュー メニュー2 リンク @wiki @wikiご利用ガイド 他のサービス 無料ホームページ作成 無料ブログ作成 2ch型掲示板レンタル 無料掲示板レンタル お絵かきレンタル 無料ソーシャルプロフ ここを編集 RSS1.0 @Wiki(あっとうぃき) PR | まとめアットウィキ | 新着ゲームの事前予約-予約@ウィキ | @wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー | リンク元 | トラックバック
https://w.atwiki.jp/mindmaster/pages/12.html
sss