約 3,438,349 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3659.html
※ゲスっぽい人間が出てくるよ 協定とジャガイモ あるゆっくりの群れ。 この群れは近くの里と協定を結んでいた。 協定の内容は人にも村にもわかりやすく、無理なものではなかった。 にんげんさんはゆっくりをみつけてもゆっくりする。 にんげんさんがゆっくりをいじめたり、ずっとゆっくりさせたばあいはおやさいさんをゆっくりにあげる ゆっくりはにんげんさんのむれにはいらない にんげんさんのむれにはいったゆっくりはにんげんさんにずっとゆっくりさせられてもよい 「はやくそんちょーさんをよんできてね!」 しかし協定は3日で破られてしまった。 村の青年が森を歩いている時にゆっくりを踏み潰してしまったのだ。 そして村にはドスと子ゆっくりの母親まりさ、そして群れの若ゆっくり衆が集まっていた 「すまんな、村長さんは外出中でいないけど、代わりに俺が対応するよ」 「おにーさんはだれなの!?」 「あー…そうだな、ドスの隣にいるぱちゅりーみたいなもんだ」 彼は青年団のリーダーで、村の若者を中心にそれなりに発言力がある。 特にゆっくり関係の事件に携わることが多く、村長から今回の対応も頼まれた。 「おにーさん!おにーさんのむれのおにーさんがまりさのおちびちゃんをずっとゆっくりさせたんだよ!」 「そうだぜ!まりさのかわいいおちびちゃんをどうしてくれるんだぜ!?」 「なるほどな、協定は……あーどうなってたっけ?」 「おやさいさんをわたしてね!」 「あー…そんな協定だったな」 彼は後ろの若い衆から袋を受け取ると、中からジャガイモを一つ取り出し、ドスに向かって投げた。 「ほらよっ」 「ゆべっ」 眼球に命中する。 失明するほどではないが、生物の弱点ゆえそれなりに痛みは発生する。 「いだいっ!!」 「ゆゆゆっ!?ドスになにするんだぜ!」 「お野菜さんとやらをあげたんだ、さっさと帰れ」 痛む目を堪えながらドスは足(?)元のジャガイモを見つめる。 そこにはジャガイモが一つだけ転がっていた。 「なにいってるの!こんなのじゃぜんぜんたりないよ!」 「そうだぜ、まりさのおちびちゃんがこんなおいもさんいっこのわけないんだぜ!」 「そうだな、俺もまりさのおちびちゃんはもっと沢山のお野菜さんの価値があると思うよ(棒読み)」 「ゆ!だったら「でもな」」 そう行って青年は協定書を取り出し、ドスとまりさに見せ付ける。 「野菜をいくつ渡す。とは書いてないよな?」 「「ゆっゆーん!?」」 ドスとまりさは驚きのあまり口が開いたままで硬直してしまった。 「なんなの、れいむたちはじゃがいもさんいっこのかちなの!?」 「どすはほんきでそうおもってるの?ばかなの?しぬの?」 「とかいはのありすとじゃがいもさんいっこなんてありえないわ!」 「わからないよー!!」 取り巻き達も潰された子ゆっくりを餌に、多くのおやさいさんが貰えると思っていたために騒ぎ出した。 騒ぎが大きくなるにつれ、村の若い衆は顔をしかめていく。 「っるせぇな…」 「リーダー、そろそろいいんじゃないか?」 「そうだな、取り合えずドスともう少し話をするから勝手に始めててくれ」 そうこなくっちゃ。そう言って村の若い衆は… パァンッ!! ゆっくり達を踏み潰しだした。 「ゆっ!?なにやって(パァンッ!)」 「れいむのばりざがつぶれたぁぁぁぁぁぁ!!」 「れいむ、ほらよ」 まりさを潰した青年はれいむにジャガイモを1つ渡す。 「ひゃっはー!めんどくせぇからジャガイモシュートだぁぁぁぁ!」 「ゆっくりやめブベッ!!」 別の青年はジャガイモを投げる。 貫通したまりさはもちろん即死だ。 「やめてね、おちびちゃんをはなしてね!」 「はい、これおちびちゃんの分のジャガイモさんね、お母さんはゆっくり受け取ってそこで見ていてね」 「おきゃぁしゃぁぁぁぁぁあああああん!!(ブチッ!)」 「おちびちゃん!?」 「おちびちゃんの分もゆっくりジャガイモを味わってね♪」 親にジャガイモを数個渡し、その数だけ子ゆっくりを潰しだした。 「な、なにやってるのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「何って…まぁなんだ、協定通りゆっくりと一緒にゆっくりしているな」 「ぜんぜんゆっくりしてないでしょぉぉ!!」 「してるよ、これがみんなのゆっくりなんだよ」 「どぼじでぞんなごどずるのぉぉぉぉ!ずっとゆっくりさせたらきょうていいはんだよぉぉぉぉ!!」 「うん、だから対価…じゃなかった、野菜を支払って…でもない、賠償してるだろ?」 青年の発言は間違っていない。 協定には【ずっとゆっくりさせたばあいはおやさいさんをゆっくりにあげる】と書かれているだけで【ゆっくりを意図的に潰してはいけない】とは書いていない。 あくまで弁償を約束するだけだ。 「こ、こんなきょうていはずるいよ!」 「そうだな、俺もずるいと思うが…何しろ最初に結んだ協定だしな、改定するか?」 「あたりまえだよ!」 『ゆぎゃぁぁぁぁぁ!』 また別のゆっくりの叫び声が聞こえる。 「はやくやめさせてね!」 「んな事を言っても、止めさせる理由がないよな、ちゃんと野菜を渡して弁償してるし、協定書に書いてあるし」 「じゃあはやくへんこうするよ!」 「はいはい、ゆっくり改定しような」 「ゆっくりしないでねッ!!」 青年はゆっくりと協定書の改定書と改定内容について説明しだした。 それはもうゆっくりと。 「じゃあ…なんだ、ゆっくり一匹につきジャガイモ5個でどうだ」 「そんなのダメにきまってるでしょぉぉぉぉぉ!!」 「なかなか商売上手だな、じゃあ7個、これが限度だな」 「かずじゃないのぉぉぉおおおおお!!」 「じゃあどうしたいんだよ」 「みんなをずっとゆっくりさせないおやくそくだよぉぉぉぉ!!」 「わかった、じゃあもし事故や何かで潰してしまったらどうしよう?」 「ゆぅ!?」 「道を歩いていてゆっくりが飛び出して踏んでしまう事もあるだろ、そんな時はどうすんの?」 「ゆゆゆ!?そ、それはおやさいさんを…」 「6個な」 「ちがうでしょぉぉぉぉぉ!!」 そしてかなりの時間、協定会議と言う名の交渉が続き… 「個数がダメならどうするんだよ!」 「ゆゆゆっ!だからずっとゆっくりさせないでね!」 「それはわかったって、虐待お兄さんとかには無闇にゆっくりを捕獲させない、ただ事故はどうするんだよ?」 「ゆー…」 このドスは賢くはないが馬鹿でもない、つまり中途半端だ。 そんな中途半端な餡子脳で必死に、ゆっくりを野菜で賠償する(売買扱いされている事には気づいていない)方式ではなく、ゆっくりの保全を求めていた。 しかし青年の言う通り、事故に対する対応方法がわからないのだ。 「じこさんはゆっくりできないからやめてね!」 「防ぎようがないから事故って言うんだよ」 「じ、じゃあじこさんのばあいはあきらめるよ…でもおにーさんたちがわざとずっとゆっくりできなくさせるのはやめてね!」 「…んーわかった」 「わざとふんで『じこだったよ、てへっ』ってのもなしだよ!!」 「…チッ」 流石にちょっとは学習したようだ。 もはや協定と読んでいいのかどうかわからないが、新しい協定はこうだ。 にんげんさんはゆっくりをいじめない にんげんさんはゆっくりをわざとずっとゆっくりさせない 事故の場合はゆっくりがゆっくり諦める ゆっくりはにんげんさんのむれにはいらない にんげんさんのむれにはいったゆっくりはにんげんさんにずっとゆっくりさせられてもよい 事故でもにんげんさんのむれにはいったらずっとゆっくりさせられてもよい 違反したにんげんさんにはリーダーお兄さんが処罰を与える 「これでいいんだな?」 「ゆぅ…りょうかいしたよ」 「じゃあ調印だな……っとほら、拇印を押したぞ」 「わかったよ、まりさもゆっくりぜついんをおすよ…」 舌印、手足のないゆっくりができる拇印のようなものだ。 これで協定の改定も無事に完了した。 「よし、この協定の効果はたった今より発動される」 「うん、ゆっくりしていってね!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 「じゃあみんな、ゆっくりおうちにかえるよ!……ゆっ?」 ドスは辺りを見回すが、そこにゆっくりは1匹たりともいなかった。 残っているのは地面に広がる餡子の染みと、それをついばむ小鳥の群れだけ。 「なんでみんないないのぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「そりゃまぁあんだけ時間かけて調印してりゃ、虐待お兄さん4人にはありあまる時間だわな」 「ゆっ…ゆぐっ、ひどいよぉぉぉぉぉ!!」 「ああ、これは酷いな…だが今度の協定ではこんな悲しい事件も起こらないだろう…お前もドスらしく次はしっかり群れを維持しろよ」 「ゆ…ゆっくりわかったよ…」 絶望の中、ドスはゆっくりと帰っていった。 『一応、改定前の規約に則り、全滅したゆっくりの分のジャガイモだ』とリヤカー一杯のジャガイモを受け取った。 リヤカーは選別だそうな。 帰り道の崖で落石が起こり、直撃でドスは破砕した。 不自然な落石で、リヤカーとジャガイモは無傷だったそうな。 その日の晩に一部のお兄さんはこう言った。 「事故だったよ、てへっ☆」 改定後の協定通り、リーダーお兄さんは該当のお兄さんに処罰を与えた。 処罰の内容は… 『残ったリヤカーとジャガイモをお兄さん全員で村まで運搬する』 改定後の協定書には、処罰の内容は言及されていなかった… あとがき 驚くほどスラスラと出来上がってしまいました。 核ぱちゅりーの続編はゆっくりしすぎているのに。 文章力が低いのは当然として、書いててドスっぽくないなと気づきました…後半普通のまりさじゃないか。 ドスってどんなに理不尽でも「協定」には従う気がしませんか? 「理不尽」が理解できればこうはならなかったのにね。 そう考えると冒頭の注意書きは間違いで、お兄さん達はゲスではなかったのかも知れません、だって約束は守ってるしね。 書いた作品 ゆっくり信仰していってね! ゆっくり新技術を導入していってね! ゆっくり体調管理をしていってね! 虐待理由
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2557.html
『ほんとうのうえ 前篇』 31KB 観察 自業自得 差別・格差 仲違い 妬み 飾り 実験 妊娠 追放 同族殺し 共食い 番い 赤ゆ 希少種 現代 なかとそとの人です はじめに この作品は・・・ 希少種が登場します 一部の希少種が傷ついたり死んだりします 基本的には基本種への虐待です 人間は直接虐待を行いません 以上の点に注意してお読みになるようお願いします 1 四方を壁に囲まれたそれ程広くない空間 長方形の部屋の真ん中には柵があって自由に行き来はできないが、向こう側の様子を窺うことはできる どちらの側にも数匹ずつゆっくりがいて、その数は同じではない 片方の部屋には二十匹、もう片方の部屋には十匹 大きさが同じために人数の多い方の部屋は狭く居心地が悪い もう一方の人数の少ない部屋はスペースに余裕があり、のびのびと生活することができる そして、もうひとつ大きく違う点が一つ 与えられる食事の量だ 日に二回、壁の一部が開いてそこから餌が落ちてくる 与えられる食事は量に差異があった 少ない人数の部屋には二十匹分の甘くておいしい餌が 多い人数の部屋には十匹分のパサパサした味気ない餌が与えられる 水だけは十分に与えられていたものの、餌の量はきっちりと決まってた 少ない人数の部屋では沢山の餌を与えられて思う存分食事をとることができる 多い人数の部屋ではわずかな餌を分け合ってひもじい思いをしてなんとか食いつないでいた これは、そんな小さな世界の小さな物語 2 人数の多い部屋には沢山の種類のゆっくりがいた れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちぇん、みょんなどの基本六種に加え めーりん、さくや、ゆうか、らん、さなえなどの希少種が一匹ずつ 仮にこの部屋にいたのが基本種ばかりだったら、直ぐに殺しあいが起きていただろう そうならなかったのは希少種達が餌の配分を公平に行って秩序を守ったからだ 希少種達は基本種の餌を少なく配ったりすることはなく、むしろお互いに励ましあって仲良く暮らしていた 一方、人数の少ない部屋にはまりさとれいむの基本種のみがそれぞれ五匹ずつ 大量に降ってくる余りある食事を無分別に貪り食っていたため、どれも醜くまるまると肥えている 「ハフハフ!むしゃむしゃ! これうめ! めっちゃうめ!」 「ガツガツ! げえええええっぷ! うますぎる! ガツガツ!」 「ゆぅ・・・ いいね、あっちは。 いっぱーむーしゃむしゃできて・・・」 「れいむ・・・ いちどでいいからあれくらいむーしゃむしゃしたいよ・・・」 柵の向こうでれいむとまりさが一心不乱に餌に食らいつく様子をみて寂しそうに見つめる基本種達 そんな彼女たちにさなえが話しかけた 「みなさん! そんなところでボーっとしてないでこっちに来てください!」 「ゆぅ・・・? さなえ?」 「きょうもみんなでたのしくあそびましょう!」 「ゆ・・・そうだね・・・ たのしくあそぼうね・・・」 「はい!ではみんさんあっちのほうへ・・・ おや?れいむさん?どうしたのですか?」 部屋の隅っこでうずくまっているれいむを見つけて近寄るさなえ れいむは身体をくの字に折り曲げて、自分のお腹に顔をうずめていた 「こうしやっておなかをはみゅはみゅするとむーしゃむしゃしてるようにかんじるんだよ・・・」 「そうですか・・・ そんなことよりれいむさん! みんなにれいむさんのおうたをきかせてください!」 「・・・れいむのおうた?」 「はい! みんなたのしみにしてるんですよ!」 「そうなの・・・? れいむおうたそんなにじょうずじゃないよ・・・」 「そんなことありません! さなえもれいむさんのおうたがだいすきです!」 「ゆふふ。 おせじはいいよ。 でもなんだかげんきがでてきたよ、ゆっくりありがとう・・・」 「はい!ではいっしょにいきましょうか!」 さなえは率先して基本種達を励まし、集団の輪から外れるものがあれば話しかけて内へと引き込んで行った そんなこんなで何とか種別の違いを乗り越えて彼女たちは上手くやっていた 3 「それではまあるくならんでください!」 さなえの合図で部屋いっぱいに広がり円形に並ぶ 綺麗に円形にとまではいかないが、等間隔でそれなりに形よく並んでいる 「じゃおおおん! じゃおじゃお!」 「はぁ、めーりんあなたはいつもげんきなのね・・・」 円の中心にめーりんが躍り出て、その後にさくやがとぼとぼと続く 「きょうこそまりさのしゅんっそく!でめーりんをまかしてやるのぜ!」 「まりさ・・・ あんまりむりしないでね?」 続いてライバルのまりさとその番のありすが円の中心にやってくる めーりんとまりさはお互いに視線を合わせて軽く抱擁する これは人間でいう握手のようなものと思ってもらえればいいだろう 「それではいちについてください!」 「じゃおおおおおおおおおおおおおん!」 「がってんしょうちのすけさんかくさんなのぜ!」 さなえのいる位置に両者並んで待機する 円形に並んだゆっくりを運動場のトラックに見立ててかけっこをしようというわけだ 「あなた、あのまりさがうちのめーりんにかてるとおもって?」 「ゆふん! いずれそのかちほこったおかおにどろをぬってやるわ!」 にらみ合って火花を散らすさくやとありす この二匹は決して仲が悪い訳ではないが、それぞれパートナーにぞっこんなため 番のこととなると絶対に譲れないのだ 「いいですか・・・? よーい、すたーとです!」 「じゃおおおおおおおおおおお!」 「いくのぜええええええええええ!」 小さなトラックを精いっぱいかける二匹 若干めーりんのほうがリードしているが、まりさも何とかその後ろに食らいついている あっという間にトラックを一周してさなえの立つスタート地点が近づいてくる スタート地点がそのままゴールとなるので先にさなえのところまで行った方が勝者となる 「じゃおおおおおお! じゃおじゃお!」 「ゆぎぎぎぎ! まけってたまるかなのぜえええええええええ!」 まりさはラストスパートをかけてめーりんに肉薄するが逆転するには至らなない しかし、ゴール手前でめりーんは転んでしまい、そのまままりさがゴールして勝者となった 「ゆひぃ・・・ ゆひぃ・・・ かった・・・かったのぜ! まりさはめーりんにかったのぜえええええ!」 「じゃおおお・・・ じゃお・・・」 「ああ、まったく・・・ まけてしまうとはなさけない」 「まりさああああ! とってもとかいはよおおおおお!」 勝利を喜ぶまりさとありす さくやは敗者となっためーりんに厳しい言葉をぶつけているが、心配そうに頬を寄せている 「おめでとうございます! きょうのしょうりしゃはまりささんでした!」 さなえが宣言すると周りからは一斉に歓声が上がる このゲーム、別に勝ったから食料がもらえるとかそういう特典は無い ただ早く走って勝敗をつけるだけという一見何の意味もないゲームである こういった娯楽を取り入れることで空腹から来るストレスを紛らわせているのだ 「つぎはれいむさんのおうたです! れいむさんおねがいします!」 さなえは元気に声を上げて次のプログラムの合図をした 4 「うめえ! これめっちゃうめえ! ハフハフ!むしゃむしゃ!」 「ゆげええええええっぷ! でいぶはもうおながいっばいだがらずーやずやずるよ」 こちらは飢えることを知らないゆっくりたちの部屋 うず高くチョコレートやクッキーなどのあまあまが積み上げられている 与えられる餌が多すぎるため食べきれず、部屋の中があまあまだらけになってしまったのだ こちら側にいるゆっくりたちは基本的に食べるか寝るかどちらかしかしていない たまに思い出したようにすっきりをするが身体がうまく動かないので大抵失敗してしまう 壁に天井まで縦に伸びた穴があり、そこに排泄物を捨てればいいので餌が汚れることはない なにも無い食べるだけの虚しい毎日と思えなくもないが 柵の向こう側で飢えているゆっくり達を眺めながらする食事は最高に旨いのだ それだけあればこちら側のゆっくりたちは満足だった ただ一つ気に入らないのは、向こう側で行われているゲームだ 走ったり飛んだり跳ねたり歌ったりと、見ているだけで疲れるようなことを毎日のように繰り返すのだ 何の意味もない筈なのにとってもゆっくりしている向こう側の連中をみると無性にいーらいらしてくる まるで自分達は不幸ではなくしあわせーなのだと必死にアピールしているかのようだ こちらの方がはるかにゆっくりしていると言うのにその現実を受け入れず虚構に走る まったくもって愚かなやつらだ 「ゆゆ! でいぶいいごどおぼいずいだぼ! おじびじゃんぼずぐればいいんだぼ! ゆーん! おじびざんばうっぐぢでぎるね! でいぶはでんざいだね! ざっぞぐづぐるよ!」 巨体をのそのそと動かして、一番近くにいたまりさににじり寄るれいむ そのまりさはお腹いっぱいに餌を詰め込んで気持ちよくお昼寝を始めたところだった 「までぃざー! でいぶどがばいいおじびじゃんぼずぐろうね! いばずぐでいいぼ!」 「・・・ゆぴー までぃざばもうだべらべないのべ・・・」 「ゆぎぎぎぎ! でいぶをむじずるなああああああ! おぎろおおおお! このまぬげえええええええええええええ!」 「ゆぴーゆぴー・・・」 れいむの呼びかけに一向に反応しないまりさ 手に余ったれいむはぺにぺにを寝ているまりさに無理やり挿入して交尾に及んだ 「ごうなっだらじがだないぼ! ぼんどうだらでいぶがにんっじん!ずるはずだったげど、おぢびぢゃんがでぎべばぞででいいぼ!」 「ゆぴー・・・ ゆふふふふ。 までぃざはみんだのあいどどぅだぜ・・・ ゆぴー」 鼻ちょうちんを作っているまりさの額からは、実ゆっくりが鈴なりに実った茎が生えてきた どの実ゆっくりもまりさから餡子を沢山吸ってまるまると肥えている 「ゆーん! おちびぢゃんばゆっぐぢでぎるぼ!」 おちびちゃんを見てご機嫌のれいむ 他にも同じように考えていた者がいたようで、茎を生やしたゆっくりが何匹か見られた おちびちゃんが生まれたらもっとゆっくりして柵の向こうの連中に見せつけてやろう れいむはおちびちゃんの誕生を心から待ち望んでいた それは母性からくる感情ではなく、虚栄心からくるものであった 5 「またそんなところでおなかをはみゅはみゅしているんですか?」 「・・・わるい? これはれいむのしゅみなんだよ」 以前声をかけたれいむは、いつもひとりでおなかをはみゅはみゅとあまがみしている 他のれいむはまりさやみょんとつがいになっていると言うのに このれいむだけはいつも一人ぼっちで過ごしている 他にやることはないのかと突っ込みたくなる気持ちを抑えてさなえは優しく語りかけた 「そんなことをしていたら、おなかにあながあいてゆっくりできなくなってしまいますよ」 「ゆん。 わかってるよ・・・ でもやめられないんだよ・・・」 「どうしてですか? ゆっくりできるからですか?」 「それもあるけど・・・ふあんでしょうがないんだよ・・・」 「・・・ふあん?」 「そうだよ・・・さなえはかんがえたことない? ここでずーっとおなかがすいたままゆんせいをおえるなんて、さきのことをかんがえるとこわくない?」 「たしかに・・・」 さなえは今まで考えたことが無かった この先のこと、未来のこと、自分のゆん生のこと・・・ 確かに、言われてみれば不安にならなくもない 「たしかにふあんにおもうことはありますよ・・・ でも、れいむさん・・・ こうやってだれかとはなしているあいだは、ふあんもすこしだけいないいないするんじゃないですか?」 「・・・ゆぅ? たしかにそうだね・・・ れいむはさなえとおはなしするときは、おなかをはみゅはみゅしなくてもへいきだよ・・・」 「そうでしょう? きっとだれかといっしょにいればたのしくなって、ふあんさんもふきとびますよ!」 「ゆん! さなえのいうとうりだね それにしても・・・れいむはいつもさなえにたすけられてばかりだね・・・」 「そんなことありません! れいむさんのおうたにはいつもゆっくりさせてもらってますから!」 「ゆふふふふ。 またそんなこといって・・・ でも、ゆっくりありがとう」 れいむが元気になったのを見て、さなえはその場を去った まったく・・・少しでも目を放すとこれである 基本種達はこまめに面倒を見てやらないと簡単に死んでしまうだろう そうならないために私が頑張らねば・・・ さなえは基本種達を支えることを使命と感じ それに尽力すること自体が、彼女の精神的支柱となっていた 「はぁ・・・みなさんにももっとしっかりしてほしいものです やれやれですよ・・・あ・・・れ?」 急に頭が重くなり、顔がぼおっと熱くなる 身体を支えられなくなりその場に倒れこむさなえ 「どぼじだのおおお!? じっがりじでよざなえええええええええ!」 混濁する意識の中、さなえはれいむの声を聞いたような気がした 6 「ゆぅぅ・・・ さなえぇ・・・しっかりしてねぇ・・・」 「どぼじでごんなごどにいいいいいいいいいい!」 「もとわといえばおまえたちがさなえをこきつかったせだぞ! おまえたちのせいでこうなったんだ!」 「みょおおおん!? どーじでみょんだじのぜいになるんだみょおおおおん!?」 「わがれよー! らんしゃまのいうことはぜったい!なんだよー!」 さなえは体調を崩してしまい複数のゆっくりが取り囲んで丁重に看護している 毎日のように皆で仲良くできるように気配りをし続けたため、栄養失調も相まってダウンしてしまった さなえがダウンしたことでパワーバランスに微妙な変化が表れ始める らんを中心としたちぇんのグループと他の基本種のグループとが対立し始めたのだ 数でいえばらん派はらんとちぇん三匹の計四匹 もう一方はれいむとまりさが三匹ずつ。 ありす、ぱちゅりー、みょんが二匹ずつの計十二匹 圧倒的に基本種グループの方が数が多い だが、らんは戦闘能力が非常に高く、基本種十匹程度なら簡単に皆殺しにできてしまう そのため数で勝っていてもらんに歯向かうことはできなかったのだ 「おい、ゆうか! いっしょにこいつらをころしてしょくりょうをやまわけしないか? そうすればいまよりもちゃんとしたせいかつがおくれるぞ!」 らんは同じ希少種のゆうかに応援を呼び掛けた とたんに基本種達の顔がみるみる青くなる ただでさえ戦闘力に差があるのに、ゆうかが加勢すればその差は絶望的なものになる 戦っても戦わなくても残された道は死 基本種達は全滅するしかない しかし、そうはならなかった 「わかったわ、でもじょうけんがあるわ あなたにまとわりついてるそのいまいましいねこみみどももころしてちょーだい そいつらうるさくてかなわないのよ」 「ふざけるな! ちぇんのどこがふまんなんだ! こんなにゆっくりしてるじゃないか!」 「「「そうだよー! わかれよー!」」」 「ふぅん・・・ ならわたしはこっちにつくからそれでいいわね」 「なんだと! しょうきなのか!?」 基本種達の方へと歩み寄ってらんの方を向くゆうか らんと同等の戦闘力を持つゆうかが加わったことで数で勝る基本種達が有利になった 「さぁ? どうするの? たたかう? しぬ?」 「ゆぎいいいいいいい!? どういうことだあああああ! せんたくしが“たたかう”と“しぬ”しかないぞおおおお!?」 「どういうことって・・・わかるでしょ?」 ゆうかはそう言ってぺろりと舌で唇をなめた 次の瞬間、らんがゆうかに飛びかかり他のゆっくり達も加勢する それから行われたのは戦闘と言うより、一方的な処刑だった ゆうかともみ合っている際にらんは基本種達から一斉に攻撃された 反撃しようにも、目の前のゆうかから目を放せばあっという間に殺されてしまう 助けを求めたがちぇんたちは震えているだけで戦いに参加しようともしない ある程度らんを弱らせると、ゆうかは基本種達を下がらせ一本ずつ自慢のしっぽを引き抜いて行く らんは泣き叫びながら命乞いをしたがゆうかは聞く耳を持たない 目の前でちぇん達を基本種達に綱引きの要領で引き裂かせたあと らんも同じようにして殺してしまった 不穏な空気を感じ取ったのか、柵の向こうでは新しいおちびちゃんの誕生をこれ見よがしに祝っていた 「おじびじゃんばがばびびねー! ゆっぐぢぢないでばやぐうばれでね!!」 「どぼじでばでぃざのあだばにぐぎざんがばべでるのぜー!?」 7 らんとちぇんが死んで食料に若干の余裕が出た 余った分は一緒に配ってしまうのではなく、貯蓄しておく分と倒れたさなえに特配する分とに分けることにした これを提案したのはさくやだ さくやは食料管理を任されており、その管理能力はかなりのものだった 寸分たがわぬまでに平等に分けたので、誰も文句を言うことができなかった そんなさくやもさなえの存在感の大きさを痛感していた らんが基本種を殺そうと言った時、さくやは何もできなかった 基本種の連中はどうでもよかったが、一度殺せば次がある ちぇんを溺愛するらんは次は弱っているさなえを狙っただろう そう懸念しながらも、自分可愛さのあまりなにもできなかった・・・いや、しなかったのだ だからせめてもの償いとして、さなえに早く良くなってもらおうと食料を大目に回すことにしたのだ 意外だったのは基本種達がこのことに賛成したということだ 「さくやのいうことはもっともなんだぜ! まりさはさくやにさんっせいするのぜ!」 「ありすもさんっせい!するわ! さくやのいっていることはもっともよ!」 いつもめーりんとかけっこをしているまりさとその番のありすが賛成にまわって他の基本種を説得してくれた さくやはそれを食料管理を担当している自分へのご機嫌取りのように思えてならなかった 所詮は基本種である 考えていることなどたかが知れている 最終的に基本種達の意見はさくやの提案に概ね賛成ということでまとまった 勿論、一部は反発して不平不満を述べた者もいたが・・・ 彼らにとってもさなえの存在が大きいものになっていたということなのだろう 貯蓄は一か所に集めて夫のめーりんに番をさせている こちらは新しくおちびちゃんを作った時の蓄えということでうまく丸めこむことができた しかし、このことが後に大きな誤算となることを彼女はまだ知らない 隣の部屋では茎から赤ゆが生まれおち、まりさの額には新しい茎が生えていた 「おびびばん!でいぶどいっじょびゆっぐぢぢでいっでべ!」 「「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」」」」 「どぼじべまだぐぎざんがはえでるのおおおおおお?!」 8 「ゆんやあああああああ! れいむしっかりしてええええええ!」 一匹のまりさが叫んだ 番のれいむの額には茎が生えていて、げっそりとやつれている 既に周りを複数の基本種が取り囲んでおり、さくやはそれを押しのけるようにして前に出た 「いったいなにをやってるの!? おちびちゃんをつくるなんてどうかしてるわ! そもそも、たべるものがないのにどうやってそだてようというの?」 「ゆっ・・・ぞんだ・・・ごどない・・・ ごはんなら・・・ある・・・よ」 「さくや!れいむにごはんをむーしゃむしゃさせてあげてね! すぐでいいよ!」 まさか、貯蔵している食料を当てにしてすっきりに及んだと言うのか? だとするならば、あまりに無分別である さくやは切り捨てるように言った 「だめよ。 もしそんなことしたらみんなですっきりしてこどもをつくりだすわ ためておいたごはんもすぐになくなってしまう。 ゆっくりあきらめなさい・・・」 「ふ・・・ざけ・・・る・・・な・・・!」 「そんなのひどいよ! このままじゃれいむもおちびちゃんもしんじゃうんだよ!?」 「わかったわ・・・ ほかのみんながおちびちゃんをがまんして、れいむにごはんをわけてもいいっていうのなら ためておいたごはんをれいむとれいむのおちびちゃんにわけてあげましょう」 「・・・みんな? ・・・いい・・・よね? れ・・・いむに・・・ごはん・・・くれる・・・よね?」 「おねがいじばず! どっでもゆっぐぢじだゆっぐぢにぞだでまず! だがら・・・だからあああああああ!」 基本種達に何度も額を床に打ち付けて懇願するまりさ だが、周囲からの反応は冷たいものだった 「なにいってるの? じょうだんもやすみやすみさんだよ」 「じぶんたちだけおちびちゃんをつくるなんてじこちゅーなんだぜ!」 「まったく、はじしらずないなかものね・・・」 「むきゅん・・・どうじょうのよちはないわね」 「きまりみょん! ぜんかいいっちできょひけんをこうしするみょん!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!? このままだとでいぶがしんじゃうんだよおおおおおおおおおおおおおおお!?」 どんなに頼んでも首を縦に振らない基本種達 番のまりさがどんなに頼んでも相手にすらしようとしない 「・・・みなさん! まってください!」 そこにさなえが身体を引きずりながらやってきた 誰に言われるでもなく道を開ける基本種達 集団は二つに分かれ、さなえの前には道ができた 「れいむさんにはわたしのぶんのごはんをたべてもらいます! だから、みなさんにはけっしてめいわくはかかりません!」 「ゆぅ?! いいの? ゆわーい! れいむよかったね!」 「・・・とうっぜん!・・・だよ おちびちゃんは・・・ゆっくり・・・できるんだよ」 願ってもないさなえの提案に喜ぶれいむとまりさ 二匹は安どの笑みを浮かべ、周りの基本種達は不満そうにしている 「だめよ。 そんなことしたらほかのみんなもおちびちゃんをつくってしまうわ」 間に止めに入ったのはゆうかだった さなえは不安そうな顔をして尋ねる 「でも、もしこのままほうっておいたら、れいむもおちびちゃんもしんでしまいます!」 「あなたがわけようとしているのは、みんながあなたのためにあつめたごはんよ かってにほかのゆっくりにあげたりしたら、みんながなっとくいくはずないでしょう?」 「でも! みすてるなんてことできません! ゆうかさんがなんといおうとわたしのけついはかわりません!」 「・・・わかったわ。 なら、あたらしい“るーる”をつくりましょう」 「“るーる”・・・?」 ゆうかが告げたルール それはとても残酷なものであり、誰も不幸にならない唯一の方法だった 9 「おびびびゃんはがばいいべー! どんどんむーじゃむじゃじでねえええええ!」 「「「「「ゆっぎゅじりびゃいじびゃぼ!」」」」」 「ゆんやああああ! どぼじでぐぎざんがにぼんもばえでぶのおおおおお!?」 柵の向こう側で家族そろってご飯をおいしそうに貪るゆっくりたちを 額に茎を生やしたれいむは恨めしそうに眺めていた 向こうのおちびちゃん達はまるまると肥えていて、とても赤ゆっくりには見えない なぜかまりさの額ばかりに茎が生えるような気がするが気のせいだろうか? 結局れいむは貯蔵しておいた分とさなえの特配分から特別に食料を分けてもらえることになった だが、それにはとても納得できない条件がついていた 生まれたおちびちゃんは柵の向こう側へ追放しなければならないという条件だった 柵の隙間は成体のゆっくりが通るには狭すぎるが、赤ゆっくりなら何とか通れる広さたった その隙間から食料が豊富な向こう側へと追いやって食いぶちを減らそうというのだ この決定にれいむと番のまりさは当然反発したが ゆうかの死ぬか殺されるかの二択を恐れて最終的には受け入れてしまった 既に向こう側のゆっくり達とは話がついており 食料はこれっぽっちも分けてくれないものの、おちびちゃんの受け入れには快諾してくれた 「ゆーん! あんっじん!じでべ! むのうなでいぶのかわりにりっばなゆっぐぢにぞだでであげるぼ! はやぐうばれるどいいね! でいぶだぢががわりにゆっぐぢぢであげるぼ!」 肥満体のでいぶ達はニタニタと不潔な笑みを浮かべてれいむに声をかける 茎に実った三匹の実ゆっくり達は、これからの運命を知らぬまま安らかに眠っていた 10 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」 「「ゆっくりしていってね!!」」 ついに出産の時を迎えた実ゆっくり達 一番先についていた赤まりさが生まれおちて元気に挨拶をした 「ゆうううううううう! れいむのおちびちゃんかわいすぎるよおおおおおお!」 「よかったねれいむ! つぎのおちびちゃんもうまれそうだよ!」 我が子の誕生に感涙するもつかの間、つづいて赤れいむが二匹同時に生まれおちる 「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」」 「「ゆっくりしていってね!」」 自分そっくりの赤れいむにまたまた涙するれいむ 一匹ずつ舌で綺麗に身体を拭いてやり、額の茎をまりさに引きぬいて貰ってそれを与える 「ゆぅ? これむーちゃむちゃしちぇもいいにょ?」 「ゆわぁ・・・にゃんぢゃかちょっちぇもおいししょうだよ・・・」 「れいみゅおなかしゅいちゃ! これちゃべちぇいい?」 「いいよ! いっぱいたべてはやくおおきくなってね!」 「「「ゆわーい!」」」 生まれて初めての食事にとびっきりの笑顔を見せる赤ゆ達 しかし、涎を滴らせて茎に食らいつこうとした瞬間 さくやが茎を奪い取って、柵の向こうへと放り投げてしまった 「ゆぅ? まりしゃにょくきしゃんぢょこいっちゃにょ?」 「れいみゅにょ・・・ぎょはんが・・・・・にゃんぢぇ?」 「ごはんぎゃにゃい・・・れいみゅにょ・・・ぎょはん・・・」 「「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおおお!?」」 あっけにとられる赤ゆ達 激怒するれいむとまりさにさくやは冷たく言い放った 「くきなんかたべたらさくのすきまがとおれなくなるかもしれないでしょ? やくそくどおり、さっさとむこうがわへおいだしてちょうだい」 「そうだぜ! むこうにいけなくなったらみんながむーしゃむしゃできなくなるのぜ!」 「じぶんかってないなかもののおちびちゃんはさっさとむこうへいってね! すぐでいいわ!」 「すぐについほうするみょん! そくじつしっこうだみょん!」 さくやに続いて基本種達も追放を迫る 一家に味方するものは誰もいないかのように思われたが、さなえがやって来て以前と同じように一家をかばった 「まってくださいみなさん! うまれたばかりのおちびちゃんをおやからひきはなすのははやすぎます!」 「そうだよ! さなえのいうとおりだよ! おちびちゃんがかわいそうだよ!」 「れいむのおちびちゃんはれいむがそだてるんだよ! ゆっくりりかいしてね!」 「だめよさなえ。 そんなことをいっていたら、きょうのよていがあすになり、あすがあさってになって いつまでもついほうしないままここにとどまってしまうわ」 さくやが優しく諭すものの、さなえはおちびちゃん達の前に立ちはだかって動こうとしない たとえ実力行使にでたとしても、彼女は最後まで抵抗するだろう 一家とさなえを基本種とさくやが取り囲んだまま、こう着状態に陥ろうとしていた 「さなえ・・・ちょっといいかしら?」 「ゆうか・・・さん?」 ゆうかが前に出ると一家の顔が凍りついた さなえは微妙に距離を置きつつ、ゆうかのほうへ近づいて行く 「ゆうかさん・・・まさかあなた・・・」 「そのまさかよ。 いまここであのかぞくには“し”か“りべつ”かをえらばせるわ もし“し”をえらんだばあい・・・わたしがてをくださなくてもほかのゆっくりがゆるさなでしょうね」 「そんな!おねがいです! みなさんもうすこしよくかんがえてみてください!」 「むだよ。 みんなのあたまのなかには そいつらをころしてじぶんのおちびちゃんをつくることしかあたまにないわ」 「そ、そんなことないんだぜ! なぁ、ありす?」 「え?ええ、そ、そうね! そんないなかものみたいな・・・」 近くにいたまりさとありすの目が泳ぐ 他のゆっくり達もバツが悪そうにうつむいている 「・・・・・これでわかったでしょう? そのおちびちゃんをたすけたらほかのゆっくりがゆっくりできなくなってしまうのよ」 「それならいちにちだけでも・・・」 「わかれがつらくなるだけよ・・・あなたのきもちもわからなくはない けれど、ふよういなどうじょうは、ときとしてよりふかくこころをきずつけてしまうわ」 「・・・わかりました」 「どぼじでぞごであぎらめじゃうの!? ぞごでえええええええええ!!」 「いやぢゃああああ! でいぶのおじびじゃんはでいぶがぞだでるううううううう!!」 さなえはゆうかに説得されて身を引いた 両親はおちびちゃんを連れて行かれまいと、お口の中に隠そうとしたが その前に、さくやとゆうかが取り押さえて引き離した 「やめちぇにぇ!? おとーしゃんちょおかーしゃんのちょこりょにいかしゃちぇにぇ!?」 「ゆんやああああああああああ! ゆんやあああああああああああ!」 「どびょじちぇこんにゃこちょすりゅにょおおお!? れいみゅをゆっくちさせちぇよおおお!!」 基本種達に無理やり柵の向こうへと連れて行かれるおちびちゃん達 柵の向こうへとつきだされると、待ち構えていたでいぶたちが口にくわえて奥へと連れて行ってしまった 「がばびびおじびじゃんだべー! でいぶがゆっぐぢがばいがっであげるぼ!」 「「「ゆんやああああああああ!」」」 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおお!? までぃざだじなんにもわるいごどじでないのにいいい!」 「でいぶのおちびちゃんがああああああああああ! ゆんやああああああああああああああああああああ!」 「・・・れいむさ『やめときなよ』・・・ゆうかさん?」 「いまなぐさめたってつらいだけよ、ほうっておいてあげましょう」 泣き叫ぶれいむとまりさに声をかけようとしたさなえを、ゆうかがそっと引き留めた 11 「ゆーん! おじびじゃんだじ! だーぐざーんむーじゃむじゃじでいいがらで! でいぶはいぐじぼおぎじだむのうなでいぶどはじがっで、がんっだい!なんだぼ!」 「ごれがりゃでいびゅだぢぢょゆっぐぢぢでいっじぇにぇ!」 「まりじゃばぢゃいがんげいにゃのじぇ! ゆっぐぢじぢぇいっぢぇべ!」 「「「・・・・・・・」」」 柵の向こうへと追いやられたおちびちゃん達は三匹ではとても食べ切れない沢山の餌を山盛りにして与えられた こちら側の赤ゆは自分たちよりも二回りも大きく、生まれたばかりの彼女たちからしたら相当な威圧感がある 「まりしゃ・・・おきゃあしゃんがくれちゃくきさんをむーちゃむちゃしちゃいよ・・・」 「れいみゅもくきしゃんがいいよ・・・ぢょこにありゅにょ?」 「ゆぅぅ・・・ おきゃあしゃん・・・おちょうしゃん・・・」 親を恋しがっているのか、なかなか餌に口をつけようとしない 欲しがっている茎は先ほど誰かが勝手に食べてしまったためもうない でいぶはちょっとだけ恐い顔をして、おちびちゃん達に言った 「わがばばいばないでべ! いうごどぎがないわるいごはぜいっざい!だがらね!」 「「「ゆぴいいいいいいいいい!」」」 予想以上に怯えるおちびちゃん達に戸惑いながらも、何とか餌を食べさせようとするでいぶ 食べるか寝るかしかしてこなかったでいぶは、世話をするといっても思いつくのは食事のことくらいだった とりあえず近くに落ちていたチョコレートを適当に噛み砕いて口移しで無理やり長女まりさの口に流し込んだ 「ゆぶぶぶぶぶ! ぶっべっは! ゆーん! おいじぐむーじゃむじゃでぎだ?」 「げっほげほ!ごげええええ! ひゃぁ・・・ひゃぁ・・・ あみゃあみゃ・・・? こりぇ、あみゃあみゃぢゃよ! ゆっくちできりゅよ! ゆっくちー♪」 長女まりさは口の周りについた残滓をぺロりと舐めて目を光らせる それを見た次女れいむが舌を出して餌を要求し始めた 「ゆぅ? ゆっくちできりゅにょ? れいみゅも・・・れいみゅもたべちゃい!」 「まっででね!ごはんばだっぶりあるがらね! もぎゅもぎゅ・・・ぶちゅー!!!」 「むぐぐ!もごもご!ぶはぁ! げほげほ・・・ゆぅ? こりぇ・・・ゆっくちできりゅ! むちゅむちゅぷはぁ! もっちょ!もっちょちょーらい! もっちょもっちょ!」 次女れいむは唇を何度も口の中に巻き込んでチョコレートの甘みを味わっていた 生まれて初めて味わう至高の食事 彼女たちを親との離別の悲しみから立ちなおらせるには十分だった 「ざぁ! ざいごのおじびじゃんぼ、むーじゃむじゃじよおね! おぐじぼひらいでね! あばあばざんぼだーぐざーんあげるぼ!」 「・・・・・れいみゅ、いらにゃい。 あみゃあみゃよりくきしゃんがたべちゃいよ」 「ゆーん!? どぼじでぞんなごどいうのがな? いうごどぎがないごはぜいっざい!っでいっだよね!?」 「れいみゅ・・・れいみゅは・・・ヒッグ! おぎゃあじゃんにょ・・・エッグ! ぐれじゃぐぎじゃんが・・・・ ぐぎじゃんがだべちゃいじゃいいいいいいい! あみゃあみゃにゃんかほじぐないいいいいい!」 「ゆぎぎぎぎぎ・・・ ごっじがれいぎだだじびおどなのだいおうじでればじょうじにのりやがっで・・・」 泣き出してしまった末っ子れいむに苛立ちを隠せないでいぶ 他の兄弟も頑なにあまあまを拒否する末っ子に不快感を覚え始めた 自分たちがおいしいと感じた物を食べたくないと拒否されれば当然だ 「わがままいっちぇちゃらおおききゅなれにゃいよ! ゆっくちはんしぇいしちぇにぇ!」 「しょんなこちょいっちぇちゃら、なにみょたべられにゃいでしょ! ぴゅんぴゅん!」 「やぢゃやぢゃ! ぐぎじゃんがいい! ぐぎじゃんがだべだいいいいいいいいい!」 「ぞんなにわがばばいうんだっだらもうじらないよ! がっでにじでね!」 末っ子れいむは何と言われようと、決してあまあまを口につけようとはしなかった でいぶ達はそんな末っ子を完全に見放し、長女まりさと次女れいむにつきっきりであまあまを与え続けた 12 「ハフハフ!むしゃむしゃ! うめえ! これめっちゃうめえ!」 「ガツガツ!もぎょもぎょ! ゆぷううううう! でいびゅもうだべらでにゃい!」 長女まりさと次女れいむは豊富な食料を食べ続けて順調に肥え、体積は軽く十倍近くまで膨れ上がっている 身体が大きくなりすぎたためほとんど自分で動くことができず、でいぶ達にありとあらゆる世話をしてもらっていた 一方、末っ子れいむはとある理由から餌をほとんど口にせず、全くと言っていほど身体は成長していない その理由というのが・・・ 「おきゃあしゃーん! おちょーしゃーん! れいみゅ、まちゃきちゃよ!」 「おちびちゃああああああああああああん! すーりすりしようね! ぺーろぺろしてあげるね!」 「ゆわわわわ・・・ こっちにきちゃだめだよ!」 親に会いたいがために、柵の隙間を通り抜けられるよう最低限の食事しかとっていなかったのだ 他の基本種達はそれを見ていい思いをするはずがなく 末っ子れいむが侵入するたびに全ゆんからの白い視線を浴びる羽目になる それでも親れいむは可愛い我が子と一緒に過ごせるだけでゆっくりできたので末っ子れいむを叱るようなことは無かった 「またきたのね・・・ はやくむこうへもどりなさい」 「ゆ、ゆうか!? やめでね!? おちびじゃんにひどいごどじないでね!?」 ゆうかが近づくと、親れいむは末っ子を後ろに隠した 連れて行かれないようにするためだが、基本種達に囲まれていつも同じように引き離されてしまう 「おきゃあしゃあああああああん! ゆんやああああああああああああ!」 「でいぶのおじびじゃんがらでをはなぜええええええ! おじびじゃんをがえぜえええええええええ!」 いつものように柵の向こうへと叩きだす しかし、向こう側のでいぶ達は末っ子れいむに興味を失っており、奥につれて行こうともせず 直ぐにまたこちら側へと戻って来てしまう 基本種達が柵の前に立ちはだかり何とか向こうへと押し出そうとするが しつこく何度も間を縫って侵入を試みる末っ子れいむ そんなやり取りを見て、居てもたってもいられなくなったさなえはゆうかに話しかけた 「・・・ゆうかさん。 このこだけならうけいれてもいいのではないでしょうか おちびちゃんひとゆくらいならよゆうがありますし・・・」 「・・・まだそんなことをいっているの? あなたは“ごうまん”なゆっくりね」 「ゆん!? あのおちびちゃんをたすけてあげるのが、どこが“ごうまん”だというのですか!?」 「あなたはすべてのゆっくりを、じぶんがすくえるとおもいこんでいるわ でもそれはまちがいよ。 あなたもしょせんゆっくりなのだから・・・ みのほどをしるといいわ」 「なっ!? そんなことおもっていません! ただ・・・ただわたしはっ・・・!」 「いいかげんじぶんをしりなさい しょせんこのちいさなおりからでられない、ただのゆっくりだということを・・・」 「それくらいわかっています! あなたにいわれなくてもそれくらい・・・」 「わかってないはずよ あなたはこころのどこかでれんちゅうのことをみくだしているのよ じぶんがたすけてあげなくちゃいけない“かわいそうなゆっくり”だってね」 「そんな・・・ わたしはそんなことは・・・」 「どうやらずぼしみたいね。 わかったらこれいじょうむだなどうじょうはよしなさい」 「・・・・わたしは ・・・・わたしは」 ゆうか論破されたさなえは、虚ろになって何かをぶつぶつと呟き続けた さなえは、ゆうかの言った通り基本種達をどこか見下してみていた節があった 自分がゆっくりすることしか考えず、仲たがいを起こして簡単に殺しあってしまい お飾りをなくしたゆっくりや、めーりんのような特定の種を迫害する基本種 そんな彼女たちを管理して秩序を保つことが、さなえにとってのアイデンティティーとなり 同時に自分の虚栄心を満たす、さなえにとっての“ゆっくり”だった この関係が成立するには、基本種とさなえの間には能力的な格差が存在することが前提であり 相手を見下していなければ“さなえ”の役割は成立しない 何故なら、“かわいそうなゆっくり”を“助けることができる自分”という図式が出来上がらないからだ そのことに気づいてはいたものの皆の為だと自分に言い聞かせ 他ゆんをゆっくりさせる“さなえ”を演じて心の隙間を満たしていた その関係は今、破綻を迎えようとしているのだ 身勝手なすっきりで生まれてしまったおちびちゃんを庇おうとすれば他の基本種に示しが着かない かといって、見捨てたとすれば“さなえ”の役割は果たされたことにならない 大きな矛盾を抱えて、さなえは自分自身が生みだした因果に苦しめられていた 後編へ続く
https://w.atwiki.jp/hutaba_ranking/pages/39.html
家族を作るということは、ゆっくりにとって最上の生存目的である。 人間と同じく、身体的精神的な快楽を求めて生きるのがゆっくりだが、 その中でも、つがいを見つけて子供を作り、家族で団欒する幸福は、 大多数のゆっくりにとっては、ゆん生において何よりもゆっくりできる至高の幸せだ。 愛しい夫と、妻と、愛の結晶である子供を成し、 互いに愛を確信しながら、身を寄せ合って共に生きる。 少なくとも、あまあまも玩具も知らない野生のゆっくりにとっては、 それ以上のゆっくりは想像できないのが通常だ。 飼いゆっくりを訓練する際も、 「家族を作る」という目的意識を「人間をゆっくりさせる」にすり替える過程において、 大多数の時間と労力が費やされる。 実際のところは、こうしたゆん生観の大転換が成功するほうが稀であり、 ほとんどのゆっくりが、ゆっくりとしての本能を捻じ曲げることに失敗して他の用途に回される。 ゆっくりショップに並んでいるような、多種の生物である人間の幸福を望み奉仕するゆっくりのほうが異常な洗脳饅頭なのだ。 それでさえ、多くは飼われているうちに種族の本能がぶり返して自分の子供を作ろうとし、 その結果人間に「ゲス」と呼ばれ、処分されることになる。 それほどにゆっくりにとって、自分で作る家庭とはかけがえのないものなのだ。 今、両親にとってその家庭は地獄そのものだった。 自らの手で、せせら笑いながらゆん生をズタズタにしたわが子が、 家族から離れて佇み、いつも氷のような視線で自分たちを見つめていた。 帽子と左目のない、全身傷だらけの子まりさは、 いつも意思とは無関係にうんうんとしーしーを垂れ流し、そこらに打ち棄てていた。 「おちびちゃん……きれいきれいしようね……」 垂れ流される便を、両親はかいがいしく処理した。 丹念にぺーろぺーろして床の便をかき集めて庭に捨て、子まりさの体表にこびりつく汚れを舌で落とした。 かつて赤ゆっくりだったころにもそうしてあげていたものだが、 「お前らが原因なんだから当然だ」というように、無表情でされるがままになっている子まりさの介護は、 とてもかつてのように心楽しいものではなかった。 両親のどちらかが近づくたびに、子まりさはナイフのような言葉で心をえぐってきた。 「やっちょころしちぇくれりゅの?」 「きょんどはみぎのおめめもとりゅの?」 「ぷーすぷーすしゃんはもうあきちゃの?」 その度に、両親は何度も何度も詫びるのだったが、子まりさは聞きもしなかった。 ただ死を望むばかりだった。 食事は日に二度、お兄さんが持ってきてくれた。 持ってくるのは二度だが、ゆっくりは通常、日に四、五回ほど食事をする。 充分な量の食事を、両親がきちんと配分して分配した。 もちろんのこと、子まりさにも平等どころか、むしろ多めに分配した。 持っていくたびに、生きる気力のない子まりさに両親は頭を下げて何度も食事するよう懇願し、 もはや家族を責め立てることにしか生き甲斐を見出していないらしい子まりさは、そうしてようやく口をつけるのだった。 楽しかるべき家族の食事はもはや団欒のときではなく、 こちらを睨みながら隅で佇んでいる子まりさに気兼ねしながら耐える苦痛のときでしかなかった。 自分達でずたずたにした我が子の前で、呑気に「しあわせーっ」などと叫ぶことなどできるはずもない。 食事時に「しあわせ」と発声できないことは、ゆっくりにとって想像以上のストレスである。 憎悪の篭った視線に射られながら口に運ぶ食事に味はなかった。 必死に詫び、乞い、なだめ、すかし、 両親は子まりさを家族の輪に入れようとしたが、 「またぷーすぷーすしゃんすりゅの?」 「まりちゃをこんにゃにしちゃゆっくちたちと、にゃにをしゅればいいにょ?」と言われては、 それ以上強いることもできなかった。 確かに、ゆん生がめちゃくちゃになるほどの暴行を受けた相手に囲まれ、さあ仲良くしろなどとは言えない 子供たちも、最初の頃こそ子まりさに詫びて泣いていたが、 子供は正直なもので、はっきりと口にこそ出さないものの、 時間がたつごとに便にまみれて臭気を放つようになった子まりさを疎んじる素振りが見えはじめた。 今では親以外、子まりさを食卓に誘う気配は見えない。 それどころか、言葉の端々に不穏なものが見え隠れしはじめた。 「じびゅんでこにゃいっていっちぇるんだから、あんにゃのほっといちぇいいのに……」 「おきゃーしゃん、まりちゃのごひゃんしゃん、おおしゅぎにゃい? どうしぇじぇんぶたべにゃいよ」 「おわっちゃこちょはしょうがにゃいよ!もういいきゃら、れいみゅたちだけじぇゆっくちちようよ!!」 そんな些細な失言にも、両親は強くたしなめ、叱りつけた。 善悪の道理の感覚がまだまだ薄く、贖罪の覚悟がない子供たちは、 両親のそんな叱責を窮屈に感じ、常時ふてくされ気味の態度で、 両親と子まりさから離れて子供たちだけで遊ぶようになっていった。 ベランダの隅から憎悪の視線を向けてくるうんうんまみれの子まりさ。 食事の時以外は両親から離れ、逆側の隅で身を寄せ合ってぼそぼそ喋っている子供たち。 子まりさに対して詫び、他の子供たちを叱りつける以外の会話はほとんどなくなった両親。 あんなに仲睦まじかった家族が、どうしてこんな事になってしまったのか。 夜毎に両親は身を寄せ合い、涙した。 誰を恨むこともできない、全面的に自分たちのせいであり、 あの子まりさがいる限り、家族のゆん生には贖罪しか残されていなかった。 当然、そこに一片のゆっくりもあろうはずはない。 あの時、お飾りのないゆっくりをあれほどに苛めなければ。 せめて目を潰さなければ、ぺにぺにを潰さなければ、まだ子まりさは許してくれたのかもしれない。 いや、きっと許してくれた、あんなにゆっくりできるいい子だったから。 親のまりさとれいむは歯噛みし、涙にくれて後悔しながら、 今は遠い彼方のものになってしまったゆっくりを偲ぶばかりだった。 しかし、それでも救いはあった。 少しずつバラバラになっていく家族の中で、 末っ子の子れいむだけが、根気強く家族を繋ごうとしていた。 姉妹たちに煽られて仕方なしに流されていた末れいむだったが、 この状況に耐えられなかったようで、必死に改善の努力をしはじめた。 両親と一緒になって、子まりさの排便の面倒を見ようとした。 ゆっくりできないうんうんの臭いは末れいむにとって涙が出るほど辛いものだったが、 誠意を見せたい一心で、懸命に口の中にうんうんを詰め込んで運搬した。 両親は止めたが、子れいむは毅然として言った。 「おねーしゃんはもっちょもっちょゆっくちできにゃいよ!! れいみゅのしぇいだきゃら、れいみゅがゆっくちできにゃくてもいいんだよっ!!」 子まりさは何も言わなかったが、 末れいむが自分の世話に参加するようになってからは、両親を責め立てる口数が心なしか減っていった。 姉妹たちと遊びながら、末れいむはこまめに子まりさの方にも顔を出した。 今日はこんなことを話した、こんな面白いことがあった。 返事をしない子まりさに向かって、末れいむは懸命に楽しい話をした。 他の姉妹も、強いて赤れいむを止めようとはしなかった。 通常、こうした目立った単独行動に出る仲間がいれば、 何も行動しない自分たちの後ろめたさを糊塗するために、 「いい子ぶっている」という理屈で攻撃性を剥き出し、苛めの標的にするケースが多いのは人間もゆっくりも同じだ。 しかし、元々性根が家族思いのこの姉妹にはそのようなことはなく、 引け目を感じながらも、子まりさの元に跳ねていく末れいむを黙って見送るにとどまった。 「あのにぇ、あのにぇ、きょうはにぇ、れいみゅおねーしゃんがね……」 「………れいみゅはゆっくちちてていいにぇ」 「ゆっ!?ゆゆっ、ゆっくちちてりゅよ!!まりちゃおにぇーちゃんも…」 「まりちゃのおめめとぺにぺにをつぶちて、みんにゃとゆっくちちちぇ、たのちいよにぇ」 「ゆぐっ…………」 ごく稀に子まりさが口を開いたかと思えば、辛辣な皮肉だった。 その度に末れいむは涙を浮かべて黙り込み、すごすごと引き下がるのだが、 それでも次の日には、また子まりさの元へ跳ねていく。 「おにぇーしゃん、しゅーりしゅーりちていい……?」 「……………」 「……しゅーり、しゅーり………ゆっくち、ゆっくちぃ……」 懸命になって子まりさを元気づけようとする子れいむを、両親は涙を浮かべて見守っていた。 あんなにゆっくりしている子がいれば、子まりさの心の氷もいつか溶けるのではないか。 この家族も、いつか、いつかきっと昔のようにゆっくりできる。 子まりさの心を氷で閉ざしたのはいったい誰なのか、 それは努めて考えないようにし、両親はかすかな希望にすがった。 「しゅーり、しゅーり……ゆぅ、おにぇーしゃんのおはだしゃん、ゆっくちしちぇるにぇ………」 「ゆっくちしちぇにゃいよっ!!」 子まりさが叫んだ。 「こんにゃにきじゅだりゃけでっ!!うんうんまみりぇのおはだしゃんが、ゆっくちしちぇるわけにゃいでしょっ!!」 帽子を捨てて以来初めて、子まりさが感情を剥き出しにしていた。 鬱屈した感情を正面からぶつけられ、末れいむは涙をこぼし、悲しげに目を伏せ、それでも答えた。 「ゆっくち………しちぇるもん……… まりちゃおにぇーちゃんの、おはだしゃん………きじゅだりゃけでも、うんうんでも……ゆっくち、しちぇるもん」 「うしょつくにゃ!!うしょちゅき!! だっちゃられいみゅもぷすぷすしゃれてみちぇよ!!ぺにぺにしゃんつぶちちぇよ!!おかじゃりしゅててよ!!」 「ゆ、ゆ………?しょんにゃ………」 「できにゃいよにぇ!!しょんにゃゆっくちできにゃいこちょ、じぇったいできにゃいよにぇ!! しょんにゃゆっくちできにゃいきゃらだになっちゃら、もうだりぇもいっちょにゆっくちちてくれにゃいもんにぇ!! まりしゃのこちょもゆっくちできにゃいっておもっちぇるくちぇに、ちらぢらちいよっ!!」 「………おにぇー、しゃん………」 末れいむはうなだれ、しばらく黙っていたが、 やがてゆっくりを向きを変えて家に向かっていった。 「もうきょにゃいでにぇっ!!」 子まりさは捨て台詞を吐いたが、その目には何日ぶりかの涙が浮かんでいた。 「おぢびぢゃん!!なにじでるのおおぉぉ!!?」 「やべでっ!!やべでね!!ゆっぐりがんがえなおじでね!!ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛だべえええええ!!!」 ボール箱で作られた我が家のほうから悲鳴が聞こえてきた。 何事かと子まりさが顔をあげると、あの末れいむが家族の制止を振りほどいてこちらへ向かってきているところだった。 その口には、あのぷすぷすさんが咥えられていた。 急速に冷めていく感情を視線に込め、妹の歩みをじっと待つ。 ぴょんぴょんと跳ねながら目の前にたどり着いてきた妹の顔とぷすぷすさんを交互に見て問う。 「しょれが、れいみゅのこちゃえ?」 「ゆっ!しょうだよっ!!」 「………わかっちゃよ。もう、どうでみょいいよ。はやきゅしちぇにぇ」 「ゆっ?ゆーっ、れいみゅ、できにゃいよ」 「……いましゃらにゃにいっちぇるの?」 「れいみゅ、じびゅんをぷーすぷーすできにゃいよ。おにぇーしゃん、おにぇがいにぇ!」 「ゆ?」 子れいむはそう言い、ぷすぷすさんを差し出してきた。 この妹は何を言っているのだ? 自分をぷすぷすして殺すのではなかったのか? それどころか自分に向かって、己を傷つけてくれと頼んでいる。 「れいみゅ、おにぇーちゃんといっちょがいいきゃら。 おにぇーちゃんといっちょにゆっきゅりしちゃいきゃら、ぷすぷすしちぇにぇ。 いっぴゃいぷすぷすしちぇ、おめめちょぺにぺにをちゅぶしちぇね」 「…………!!」 キラキラと目を輝かせ、笑顔で末れいむはぷすぷすさんをもう一度自分のほうに押しやってきた。 こいつはわかってない。 ぷすぷすさんがどれほど痛いのか、赤ちゃんを生めなくなることがどれほどの絶望かわかってない。 だから気軽にこんなことが言えるのだ。 思い知らせてやる。子まりさはぷすぷすさんを取り上げた。 しかし、できなかった。 ぶるぶる震えるぷすぷすさんの先を末れいむに向けながら、どうしてもあんよを踏み出すことができなかった。 「……おにぇーちゃん?どうしちゃにょ?」 「……………………」 「………なんぢぇ、ないちぇるの?」 「おぢびぢゃああああああん!!!」 両親が、姉妹たちが、駆け寄ってきていた。 「やべでっ!!おぢびぢゃんはいいがら!! ばりざおぢびぢゃんっ!!でいぶを、でいぶをぷすぷすしでねえええ!!」 「ごべんねっ!!ごべんねっ!!いままできづかなくてごべんねっ!! おどうざんが、いうべきだったのに!!おとうさんが!!ごうじでづぐなうべぎだっだのに!! ゆ゛ぐっ、おぢびぢゃっ!!おどうざんをずぎにじでいいよ!!ごべんねええええ!!」 「おねえじゃーっ!!でいびゅをぷずぷずしちぇえええ!!」 「ばりじゃも!!ばりじゃもおおお!!!」 家族全員が、子まりさに向かって腹を突き出す。 そして口々に、自分を傷つけてくれ、お前と同じようにしてくれと願った。 それを聞くうち、子まりさの口からぽとりとぷすぷすさんが落ちた。 「………お、とーしゃ………おきゃー………しゃ………」 「ハイハイハイ、ご立派!!お見事!!!」 お兄さんの声がした。 「いやあ、すばらしい家族愛でした。スバラシイッ! 償いのために、自らの体を差し出す自己犠牲の精神。ウツクしい。マネできない。 君たちのうるわしすぎる愛情に、お兄さん、涙がとまらないよ」 目元をハンカチで押さえながら、お兄さんは震える声で褒め称えてくれた。 お兄さんの前に並ぶ家族は、互いに視線を交わしながら「ゆふふ」と笑いあう。 子まりさも、まだ表情は硬かったが、一応は両親の傍に並んでいる。その傍らで末れいむがすーりすーりしていた。 「お帽子をなくして、傷だらけになってゆっくりできなくなった子まりさに対して、 決していじめたりせず、分け隔てのない愛を注ごうとする君たちの心根はホンモノだ。 認めざるをえないようだね………今の君たちは、弱い者苛めなどしない、本当にゆっくりしたゆっくりだ!」 「「「ゆゆーっ!!」」」 お兄さんに認められ、一同は満面の笑顔でもみあげやお下げを上げてガッツポーズをした。 「約束どおり、君たちを苛めることはもうしない。 こんな美しい家族を苛めるなんてできるはずがないじゃないか。 明日、森に返してあげよう。沢山のあまあまもお土産に持たせてあげよう。 今日はもう遅いから、あと一晩だけそこでゆっくりしていってくれ」 「ゆっくりりかいしたよっ!!」 「おにいさん、ありがとう!!」 「お礼なんて。むしろお礼を言うのは僕のほうさ。 こんなに心温まる家族愛を見せてもらってとってもゆっくりできたんだからね!」 「ゆーっ!それほどでもあるよっ!」 「おちびちゃん、それをいうなら「ないよっ」でしょ!ゆふふ」 試練を乗り越え、家族たちはこのうえなくゆっくりしていた。 これで家に帰れる。しかも沢山のあまあまを携えて。 子まりさはこんな体になってしまったが、そのおかげで、家族たちのつながりはより強固なものになったのだ。 子まりさを囲んで、これから沢山ゆっくりしよう。愛を交わそう。 両親のれいむとまりさは、万感の思いを込めて頬を交わした。 その夜は、久しぶりに子まりさを家に迎えて、みんなで語り合ってからゆっくりと眠った。 子まりさはまだ口数が少ないが、たっぷり時間はある。ゆっくりと仲直りしよう。 両親は寝る前に、子まりさと、そして末れいむを特別いっぱいぺーろぺーろしてあげた。 皆が寝静まった頃、親まりさはただ一匹、空のお月様を見上げていた。 お月様はまんまるさんだった。それは、今の自分たち家族を象徴しているようだった。 「ゆっくりしていってね………」 親まりさは穏やかな笑みを浮かべて、お月様に挨拶をした。 「「「ゆっくちおきちゃよっ!!」」」 「ゆふふ、おちびちゃんたちはおねぼうさんだね!」 ボール箱の家の中で、目を覚ましたおちびちゃんたちをぺーろぺーろしてあげる。 くすぐったそうに笑うおちびちゃんたちの表情に陰はない。 子まりさは強張ってはいるが、抵抗はしない。 この家で暮らすのも今日で最後だ。 終わってみれば、雨風はしのげるしご飯はお兄さんが持ってきてくれるしでなかなか快適な家だったが、 やっぱり、自分達で狩りをしてこそのゆっくりできる家族だ。 森へ戻れば、沢山の仲間達がまた迎えてくれるだろう。心配をかけちゃってごめんね、ぱちゅりー。 家族は箱を出て並び、お兄さんが出てくるのを待った。 出立が待ち遠しい。 帽子の内側を払ったりしながら、どれだけあまあまを運べるかの胸算用をする親まりさを見て、 親れいむが「ゆふっ」と笑った。 そうこうするうちに引き戸が開いた。 全員がそちらに向き直り、お兄さんに朝の挨拶をする。 「「「「「ゆっくりしていって「じゃおーん!」 「「「「「「ゆゆっ?」」」」」 出てきたのはお兄さんではなかった。 人間さんの頭部に合わせて見上げていた視線を、床すれすれに下げる。 「じゃおーん!じゃおーん!」 少しだけ開けられた引き戸の隙間から現れ、 鳴き声を上げながらこちらに跳ねてくる小さなゆっくり。 「ゆゆっ!ぐずのめーりんがいるよっ!!」 ――――――― 「じゃおーん!じゃおーん!」 「ゆーっ!!めーりんはゆっくりしてないね!!ぐず!!」 「じゃおーん!じゃおーん!」 「れいみゅのぷーすぷーすによいしれちぇいっちぇね!!」 「じゃおーん!じゃおーん!」 「それしかしゃべれないの?ぐず!!のろま!!ゆっくりしね!ゆっくりしね!!」 「じゃおーん!じゃおーん!」 「ゆーん!おちょーしゃん、ちゅぐにきょろしちゃもっちゃいにゃいよっ!! まりちゃ、いっぴゃいあちょびちゃいよ!!」 「じゃおーん!じゃおーん!」 「ゆゆっ、そうだね!おとうさんうっかりしちゃったよ!! ことばもしゃべれないのろまはたっぷりあそんであげないとね!!」 「じゃおーん!じゃおーん!」 「ちゃべれにゃいにゃらおくちにゃんかいらにゃいよにぇ~~? ゆーっ!こうぢゃよ!!ゆーっ!!ゆーっ!!」 「じゃおーん!じゃおーん!」 ゆっくり共が、小さなゆっくりを取り囲んで罵詈雑言を吐き、執拗に痛めつけている。 傷を負ったあの子まりさを除き、八匹全員がリンチを楽しんでいた。 親れいむが子めーりんのもみあげを噛んで持ち上げ、びたんびたんと床に叩きつける。 執拗に口を狙っていた。 「ゆっ!ゆっ!ゆっくりしね!!ゆっくりしね!!」 「ことばもしゃべれないぐずめーりんなんかしかいにはいってこないでねっ!! こどものじょうそうっきょういくっにわるいよ!!」 「「「ぐーじゅ!!ぐーじゅ!!」」」 「じゃおーん!じゃおーん!」 「おめめしゃんぷーす!ぷーす!!ゆっくちくるちんでいっちぇね~♪」 「じゃおーん!じゃおーん!」 子めーりんの両目に爪楊枝が差し込まれ、砂糖水したたる眼球が一気に両方ともえぐり出される。 眼球でサッカーをしながら子ゆっくり共はゆきゃきゃと歓声をあげた。 ふと、親まりさが気づき、爪楊枝を咥えて子まりさのもとへ跳ねていった。 「ゆっ!おちびちゃんもいっしょにあそぼうね!!」 「…………やぢゃ」 「ゆーっ?どうして?とってもたのしいよっ!!」 「………いじみぇて、たのちいの?」 「ゆん!とってもたのしいよ!!おちびちゃんもいっしょにあそぼうよ!!」 「………まりちゃ、やぢゃ。いぢめちゃく、にゃいよ」 「ゆゆぅ?どうしてぇぇ?! おとうさんも、おかあさんも、おちびちゃんといっしょにあそびたいよっ! みんなでいっしょにあそぶからゆっくりできるんだよっ!!」 「そうだよ、おちびちゃん!」「「おにぇーちゃん!」」 親れいむと姉妹たちも、子まりさに駆け寄って必死に誘う。 「ね、いっしょにあそびましょう?おちびちゃんにも、ゆっくりしてほしいの」 「………………たのちくにゃいもん」 「ど、どうして?まえはあんなにたのしく………」 「まりちゃ、やぢゃ!なんかやぢゃ」 「ゆぅぅ………ね、いもうとたちも、おねえちゃんとあそびたがってるよ」 「ゆーっ!おにぇーちゃん、いっちょにゆっくちちようよ!!」 「いぢめ、やぢゃ……わるいこちょだよ……」 「ゆー、れいむ………」 「ゆ、そうだね………かんちがいしちゃったんだね。 ね、おちびちゃん。ゆっくりよくきいてね。 もちろん、よわいものいじめはゆっくりできないことだよ。 おぼうしがなくてゆっくりできないゆっくりだって、いじめちゃいけないよね。 おとうさんもおかあさんも、とってもはんせいしてるんだよ。 でもね、おちびちゃん。むずかしいかもしれないけど、よくきいてゆっくりりかいしてね。 あのね、ぐずのめーりんはれいっがいっ!なんだよ。 のろまで、ことばもしゃべれないめーりんが、だれをゆっくりさせられるの? いきててもめいっわくっしかかけないでしょ?じゃあなんのためにいきてるのかな?かんがえてみようね。 ね、おちびちゃん。あれはいきものじゃないの。おもちゃなの。 めーりんがやくにたつことといったら、みんなのおもちゃになることだけじゃない? だから、めーりんをおもちゃにしてあげることは、とってもゆっくりできることなんだよ!!」 「ゆーっ!!しょうだよっ!!」 「おにぇーちゃん!!いっちょにあちょぼ?」 「ね、おちびちゃん………」 「…………やぢゃ!!やぢゃやぢゃやぢゃああ!!ごわいいいいいぃぃ!!」 「お、おちびちゃん…………」 ついに泣き出した子まりさを囲み、オロオロしだす家族。 僕はそこで出ていくことにした。 「おい、お前ら」 「「「「ゆゆっ?」」」」 一斉にこちらを向き、にぱっと満面の笑顔を浮かべて挨拶してくる。 「「「「ゆっくりおはようっ!!ゆっくりしていってね!!!」」」」 あの時と同じだった。 全く後ろめたさのない、真っ直ぐな瞳。 自分達のする事に一片の疑問ももたず、家族愛に自己陶酔して満ち足りた表情。 吐き気がした。 「いいお目覚めだな」 「ゆーっ!!やっともりにかえれるひだよっ!!きぶんそうかいっ!!だよっ!!」 「あー、その件だけどな、取り消しだ」 「ゆ?……………ゆゆゆゆゆゆゆううぅぅぅぅ!!!?」 不穏な台詞に、ゆっくり共が叫ぶ。 「なんでっ!?なんでなんでなんでええぇぇ!!?やくそくがちがうよおおぉ!?」 「おにーさんっ!やくそくまもってねっ!!うそつきはゆっくりできないよぉ!!!」 「僕は何も約束を破っていない。 言ったはずだ、お前らが弱い者苛めをしないゆっくりになったら、ってな」 「そうだよっ!!まりさたち、もうよわいものいじめなんてしないよっ!!」 「れいむたちをうたがってるのおぉ!?」 「じゃあ、それは何だよ?」 両目をえぐり出され、やはり全身に爪楊枝を突き立てられている子めーりんを指差す。 そんな姿でも、まだ「じゃおーん」と鳴き続けている。 「ゆゆっ?」 きょとん、と子めーりんを見つめる家族。 二回目ともなるとすぐに僕の発言が飲み込めたようで、すぐに難詰してきた。 「ゆゆーっ!!まさか、おにーさんっ!!これもよわいものいじめっていうきなのおぉ!?」 「当たり前だろ………」 「いいがかりだよおぉ!!むちゃくちゃだよおおおぉ!!! こんなのまでいじめちゃいけないのぉ!?なかよくしなきゃいけないのおおぉ!!? だったらっ!!いしさんだっておはなさんだってうんうんとだってなかよくしなきゃいけなくなっちゃうよぉ!! おにーさんっ、きょくたんすぎるでしょおおおぉぉ!!?」 「極端かい?」 「じょうっしきっ!!でかんがえてね!! いじめはよくないけど、こんなのまでだいじにしてたら、ゆっくりいきていけないよっ!!!」 「僕だって生類哀れみの令を発布したいわけじゃない。 同じゆっくりを、苛めるなと言うのが、どうしておかしいんだ?」 「ぐずめーりんなんかゆっくりじゃないでしょおおおぉ!?」 「こんなのゆっくりじゃないよっ!!ごみくずだよ!!! ことばもしゃべれないで、じゃおじゃおいってるだけのごみく――」 僕はそれに被せていた帽子を取り上げ、本来の――末れいむのリボンを取り付けてやった。 「ゆえっ?」 状況を認識するまでに十数秒。このとろさでよく野生で生きているものだ。 いや、死亡率はそうとう高いらしいから妥当か。 「ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!」 「………あ゛………あ゛………あ゛…………あ゛………………!!!」 「おでえぢゃあああああああーーーーーーーーーっ」 あとは前回の再現だった。 末っ子れいむの惨状にながながと悲鳴を上げ、パニックを起こし、嘆き、詫び、 ぺーろぺーろできないだのおにいさんなおしてくださいだのと連呼した。 「どうしてわからないんだ、お前らは」 「ゆぐじでっ!!ゆぐじでぐだざいいいいいい!! ばりざが!!ばりざ!!まだいじべばじだああああ!!いじべでじばいばじだああああああ!!!」 「でいぶをごろじでぐだざいいいい!!おじおぎじでぐだざいいいいいい!!!」 「じゃおーん!じゃおーん!」 両目を失ってぴくぴく痙攣している末れいむを持ち上げ、見せ付ける。 「いいか。お前らがこいつをめーりんだと思ったのは、この帽子があるからだな」 緑色の小さい帽子を、もう一方の手でひらひらさせる。 ペットショップで購入した子めーりんの帽子を、ちょっと拝借してきたものだ。 「そして僕が細工した。こいつの口をテープでふさいだんだ」 末れいむの口に貼り付けたマスキングテープを、慎重に引き剥がす。 どうにか唇を破らずに済んだが、執拗に攻撃された口内は歯茎がずたずたに砕け、 ほとんど全て粉砕されたらしい歯の破片が大量に、きらきらと光りながらこぼれ出した。 「……ゆ゛……ぐ…………ゆ゛げぇ……」 「あ゛………あ゛………あ゛あ゛あ゛あ゛…………あ゛………お゛……ぢび、ぢゃ……」 「じゃおーん!じゃおーん!」 めーりんの帽子をひっくり返し、中に仕込んでおいた超小型のボイスレコーダーを見せる。 「じゃおーんの鳴き声は、このレコーダーに記録してループ再生させたものだ。 それだけで、お前らはこの黒い目黒い髪の、しかも我が子をめーりんだと思い込み、虐待した」 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁ………ごべ………ごべんだざ………」 「ぐずのめーりんはれいっがいっ!だってな? 喋れないからゆっくりできない、だから苛めてもいい。そう言ってたな。 じゃあ、もう喋れないこのれいむも潰していいわけだ。さ、いっくぞー」 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!! ぢがいばずっ!!ぢがいばずううううう!!!べーりんもいぎでばずっ!!ゆっぐじでぎばずうううう!!! じゃべれだぐでぼいぎでる、おなじゆっぐじでずううううううううごべんだざああああいいいいいい!!!!」 「でいぶをごろじでぐだざい!!おでがいじばず!!ぜいっざいじでぐだざい!!おでがいじばず!! でいぶはいぎるがぢのないげずでずっ!!おぢびぢゃんは!!おぢびぢゃんはあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「いい加減にしろよ、お前ら」 僕に帽子を投げつけられ、びくんと震える家族。 「弱い者苛めはゆっくりできない。ただし帽子のないやつは「れいっがいっ」。 で、子供を苛めてしまい、反省したと思ったら今度は喋れないやつは「れいっがいっ」。 今回のことでもうめーりんは苛めないのかもしれんが、また理由つけて他の「れいっがいっ」で遊ぶんだろう。 髪の色が変だ、目の色が変だ、喋りが変だ、飾りが変だ、いくらなんでもこいつは、いくらなんでもこいつは。 なんとか理由を見つけて苛めを楽しむわけだ、本っ当に苛め好きだなあ、お前ら。 人間の中には虐待お兄さんってのが少なからずいるが、 お前らゆっくりは全員が虐待趣味抱えてんだなあ。まったく、頭が下がるよ」 「………ゆ゛ぐっ………………う゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅ……………!!!!」 「詰みだよ、お前ら。たっぷり時間をかけて制裁し、惨たらしく殺してやる。全員な………あ、一匹だけは助けてやる」 「ゆ゛っ!!?」 満身創痍の妹を見つめながら震えている傷だらけの子まりさを取り上げてやる。 「こいつだけは助けてやる。こいつはめーりんを見ても苛めなかった。 自分の身にならなきゃわからなかったとはいえ、なかなか立派なものだ。 こいつだけはもはやゲスじゃない。助けてやろう。 あ、そこの末れいむも検討の価値はあるかな?」 「ゆ゛っ………あじがっ……おに、おにいざ……」 「何だよ」 「おねがい、じばず………ほがの、ほかの………おぢびぢゃんも………」 「駄目だ。見てなかったのか?大喜びでぷーすぷーす。弱い者苛め大好きゲスゆっくりだ。制裁すべきだな」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛おでがいじばずおでがいじばずおでがいいいいいいい!!! おぢびぢゃんだげは!!ばりざだぢがぜんいんぶんぜいっざいざればず!!おぢびぢゃんだげはああああ!!!」 「いくら子供思いの親アピールされたって、こいつとそいつをここまで痛めつけたのお前らだしなあ」 「あ゛ーーーーーーーーーーっ!!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーーーーーーっ!!!!」 完全に八方塞がり、しかも全面的に自分達で退路を断ったその状況に追い込まれ、 両親はもはや泣きながら絶叫するしかないらしかった。 ――――――― 「…………ゆっくり……おはよう……」 目覚め、家族を見回してから挨拶する。 返事は返ってこない。 ただ、疲れきった視線がひととき自分に集まるだけだ。 今日も目覚めてしまった。 もっと長く眠っていたかった。 眠りのまどろみから浮き上がった今、また現実をその目に映さなければならない。 「ゆぅ…………」 親れいむだけが、呻きで反応を返した。 それきり家族の視線は離れ、別の一点に改めて集中する。 「はふっはふっ!!うっみぇ!!まじうっみぇ!!ぱにぇぇ!!」 「まじやべっ!!うみぇっ!!とみゃんにぇっ!!あみゃあみゃ!!あみゃあみゃ!!」 家族が食い入るように見つめるその先では、二人の子ゆっくりが山盛りのあまあまに顔を埋めている。 ベランダには一日かけても食べきれないような量のあまあまが山積みになっていた。 クッキーやチョコレートやプリンを食べ散らかし、一口ごとにあまりの旨さにうれちーちーを漏らす子まりさと末れいむ。 かたや左目とまむまむを失い、かたや両目を失った状態だったが、 極上のあまあまの快楽に脳髄を痺れさせた今、もはや悲壮感は全くなく、 この世の栄華を極めたがごとき恍惚の表情を浮かべていた。 末れいむの砕けた口と歯はお兄さんが再生していた。 「こいつにはお前らにたっぷり言いたいことがあるだろうからな」、それが理由だった。 少しでもあまあまが減れば、お兄さんがすぐに追加する。 二人は昼夜の区別なく、のべつまくなしにあまあまを咀嚼する。 一方、残りの家族は、狭い水槽に閉じ込められていた。 透明な壁が四方を遮る空間に八人のゆっくりがみっちりと詰め込まれ、ほとんど動く余地はない。 あの日から、食事は一切与えられなかった。 唯一、子まりさと末れいむのうんうんとしーしー以外は。 「ゆぷー☆きゃわいいまりしゃがうんうんしゅるよ!!」 「れいみゅのしゅーぴゃーうんうんちゃいみゅだよっ!!きゃわいしゅぎてごみぇんにぇ!!」 子まりさと末れいむはそう宣言すると、わざわざ家族のいる水槽まで這いずっていき、 水槽に向けて尻を上げた。 透明な壁に向かって、二人のしーしーが叩きつけられ、うんうんがひり出される。 子まりさの方は常時うんうんとしーしーを垂れ流している状態だが、 意識して排出すると、こうして勢いよく噴出すのだった。 「おい、どれい!!ごみくじゅどみょにごひゃんしゃんをめぎゅんであげちぇにぇ!!」 「はい、ごしゅじんさま」 二人の傍に常時侍っているのは、ゆっくりさくやだ。 舌ともみあげでスコップと雑巾を器用にてきぱきと使い、専用の容器にうんうんとしーしーを集めていく。 「やしゃちいれいみゅのほどきょしだよっ!!ありがちゃくおもっちぇにぇ!!」 「なんちょかいえ!!ごみくじゅ!!」 二人の罵声に涙を浮かべながら、それでも家族は答えた。 「「「「あり………がどう、ございば……ず………」」」」 「ゆふんっ!!ゆっくちちてにゃいよ!! しょんにゃきょきょろのこもっちぇにゃいおりぇいで、ほどきょしはあげられにゃいよっ!!」 「どれい!!ごひゃんしゃんはぬきぢゃよ!!しゃげちぇにぇ!!」 「ゆ゛あああああ!!ありがどうございばず!!ありがどうございばず!! ばりざざまとでいぶざまのおがげで、ぎょうもごみぐずだぢはゆっぐじでぎばずっ!!!」 家族の懇願を聞きながら、二人の子ゆっくりはにやにやと笑みを浮かべる。 「しょんにゃにうんうんにゃんてたべちゃいにょ?ゆぷぷぅ~~☆」 「うんうんずきのごみくじゅにゃんてゆっくちできにゃいにぇ~~☆」 「ゆ゛ぐう゛う゛う゛う゛ぅ……………!!」 ひとしきり罵倒され、嘲笑され、それをじっと黙って耐えてからようやく食事が与えられる。 さくやが水槽の上部からうんうんとしーしーを一緒くたにして流し込み、 極度の空腹を抱えた家族がそれにかぶりつく。 「うんうんたべちぇるよ!!ごみくじゅがうんうんたべちぇるよぉ!!ゆぴゃぴゃぴゃぴゃ!!」 「くちゃいくちゃい~~♪こんにゃすがちゃでよくいきちぇられりゅにぇ~~☆」 始めの頃は、子供たちが泣き、怒り、反抗したが、 少しでもこの二人に逆らおうものなら、お兄さんの制裁が行われた。 『お前らに怒る権利があるのか、え? 弱い者を苛めて喜ぶゲスのゴミクズに、なんの権利があると思うんだ? こいつが子供を作れないのは誰のせいだ?こいつの目が見えないのは誰のせいだ? お前らがこいつらに向かって、いったいなにを要求する権利があんだよ。言ってみろ』 『ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ごべんだざい!!ごべんだざい!!ごべんだざい!!ごべんだざい!!』 『お前らが自分で言った通り、本当のゴミクズに生きる価値はない。 そんなゴミクズはせめて他のゆっくりのオモチャになったほうが幸せなんだろ? 幸せって言えよ、コラ』 『ゆぶぎゃばああああ!!じ、じあばっ!!じあばぜぇ!! ごんだごびぐずでだのじんでぐれでっ、あじがどっ、ごじゃばじゅうう!!がんじゃじばじゅうううううやべぢぇえええ!!!』 家族の体には、多くの傷が刻み込まれている。 ぷすぷすさんで刺された傷、あつあつさんで焼かれた傷、ぺちぺちさんで皮が破れるまで叩かれた傷。 体表がでこぼこになるほどに傷だらけになった家族は、 今日もお兄さんの制裁に怯えている。 ベランダには数々のゆっくりできる玩具が転がっており、 奴隷としてお兄さんがあてがったゆっくりさくやが、子まりさと末れいむの世話をなにからなにまでしてくれる。 ふかふかしたクッションに横になりながら、二人はさくやの子守唄を聞いて寝息を立て始めた。 うんうんを咀嚼しながら、家族は枯れる気配のない涙をまた一筋流した。 〔続〕
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3910.html
『れいむの超母性』 20KB いじめ 虐待 愛情 赤ゆ 透明な箱 幻想郷 現代 虐待人間 うんしー ぺにまむ 虐待です 初です れいむの超母性 現代?幻想郷?気にしないで!とりあえず妖怪はいます 既存の設定を無視してるかもしれません、っていうか多分してます ゆっくり虐待です オリジナルな設定があります。 以上を気にしちゃう人は離脱してくだしぃ 『ふぅ、こんなものかな』 一仕事終えた鬼威さんは顔の汗を拭う。 妖怪虐待鬼威さんは【ゆっくりを虐待する程度の能力】を持っており、ゆっくり虐待やそれに関するアイテム作成については大妖怪クラスの能力を発揮できる…らしい。 また、人間にゆ虐を教えてくれたりするので、多くの虐待お兄さんは己のレベルアップやゆ虐を見るために鬼威さんを尋ねるのだ。 そして俺もその一人、鬼威さんのゆ虐を見るためにやってきたのだ。 『鬼威さん、これで完成ですか?』 加工所印のお汁粉缶【ゆん汁】を手渡しながら労いの言葉をかける。 目の前には透明な箱2つを透明な筒でつなげたような装置がある。筒は長く20m近くはある。 箱の片方は木製の台座の上に置いてやや高い位置に、もう一つは地べたに直接置いている。 まるで流しそうめんの滑り台のようだが虐待鬼威山が作ったのだ、見た目ほどシンプルではないだろう。 鬼威さんは【ゆん汁】をごくごくと飲み口を開く。 『ああ、ゆっくりは準備できてるな?』 その質問に対し、俺は透明な箱を持ち上げてみせた。 中にはサッカーボール大の成体れいむとゴルフボール大の赤れいむが入っている。 鬼威さんがいうには今回は母性の強い母れいむとそのこどもを使うつもりらしい。 「おねがいしますうぅぅぅう!!このこをかいゆっくりにしてあげてくださぃぃぃい! もうこのこしかいないんですうぅぅう。おっとのまりさもほかのこたちもえいえんにゆっくりしてしまいましたああああ! れいむはどうなってもいいですからぁぁああ!ちゃんとしつけてありますからぁぁあああ!!!おといれのばしょもわかりますぅぅう! にんげんさんにめいわくかけませんんん!」 「ゆゆーん!きゃわいきゅってぎょめんにぇぇぇえ! れいみゅのうんうんみしぇてあげるにぇ!うんうんでりゅよっ!いっぱいでりゅよっ!うんうんしゃんもっおでかけしゅるよっ! しゅっっっきり~!れいみゅのうんうんながめりゅなんてとんっだへんたいしゃんだにぇえええ! でもかんっようなれいみゅはそんなへんたいくそにんげんでもどりぇいにしてあげてもいいよ!れいみゅってやっちゃちぃぃぃい! しゃっしゃとたくしゃんあみゃあみゃもっちぇきょい!しゅぐでいいよ!しょしちゃら ゆっくちちにゃいでしんでにぇえぇぇえ!!」 『ヒャア!虐…』 『鬼威さんちょっと待って!今潰しちゃ駄目ですって!』 『おっとあぶない…すまんな、あまりのゲス饅頭っぷりに…』 『いえいえ…では、さっそく…』 鬼威さんは頷き、れいむに声をかける。 『おい、れいむ、お前とそっちのチビを条件次第で飼いゆっくりにしてやってもいい』 「ゆゆーーん!ありがとうございますうぅぅぅう!!いっしょうけんめいかいぬしさんをゆっくりさせますぅぅぅう!おうたもおどりもできますうぅぅう!」 「やっちょれいみゅのかわいしゃにめりょめりょににゃったんだにぇ!ゆっくりしないであまあまもっちぇきょい!くそどりぇい!しょちてちね!」 あの親れいむは赤れいむの言葉遣いになんとも思わないのだろうか…あ、鬼威さんの握りしめた拳から血が滴ってる。 『まあまてよ、条件があるんだ。母性の鏡のようなゆっくりとそのおちびちゃんしか飼うつもりないんだよ』 「れいむはぼせいありますぅぅう!おちびちゃんをたいっせつにそだててきましたあああ!」 「なにぐずぐずしてるりゅ!くそどりぇい!しゃっしゃちょもっちぇきょい!」 大切にはしてたんだろうな。このゲス赤れいむっぷりを見れば分かる。が、例えトイレの場所を覚えられたとしても、こんなゲス要らんだろ。 『じゃあ、今から母性のテストをする。それに合格したら飼ってやるよ。』 それの言葉を合図に、俺は親れいむを上の箱に入れる。 「おそらをとんでるみたーい!おちびちゃんといっしょにいさせてね!ゆっくりさせてあげられないよ!」 鬼威さんは赤れいむを下の箱に… 「こにょおしょりゃはりぇいみゅのもにょだよっ!ゆべっ…きゃわいいりぇいみゅになにしゅるんだあああああああ!!あみゃあみゃもって…ゆぴっ!くしゃいいいいいい!!」 投げ入れ、ついでにさっきしたうんうんを顔面に叩きつけていた。 鬼威さん、相当ビキビキきてたんだろうなぁ。 鬼威さんは両手をパンパンと叩いき言う 『これより試験を始める!』 そして親れいむの箱を覗き込みながら壁の一面を指さす、そこには管がつながっていて下の箱まで向かうことができる。 『そのトンネルをくぐっておちびちゃんのところに行くといい。おちびちゃんのところまで辿りつけたら飼ってやるよ。毎日ケーキやチョコレートを沢山あげよう。』 「けーきさんやちょこれーとさんはゆっくりできるよ!ゆっくりいそいでいくよ!」 どっちだよというつっこみはしない。 「おきゃあしゃんがんびゃれーーー!」 『まあまてよ。もし、途中でリタイア…つまり、もうやめるって言ったら母性が無い上にうそつきゆっくりとみなして、お前を永遠にゆっくりさせる。 そしておちびちゃんも苦しめた末に永遠にゆっくりさせる』 「どぼしてそんなこというのおぉぉぉお!永遠にゆっくりだなんてゆっくりできないよぉぉお!!!」 どっちだよ。 『母性の強いれいむなら大丈夫だろ、おちびちゃんのところにいくだけで飼いゆっくりだぞ!』 「ゆっ!そうだね!おちびちゃんのところにいくだけだもんね!おちびちゃんまっててね!」 飴と鞭を交互にちらつかせて言うことを聞かせるといいのか、俺はメモをした。 れいむは透明な箱から透明なトンネル(筒)へ足をゆっくり踏み出す。 「そろーり…そろーり…」 透明な足場に不安感があるのだろう。そろーりそろーりとトンネル内部を下っていく。 『で、鬼威さん、どうなるんですか。ただの透明トンネルってわけじゃないんでしょう?』 『そりゃそうだ。単純に見えてギミックはちゃーんと仕込んでいる。ほれ、そろそろ』 「そろーりそろーり…ゆっ?とんねるさん!れいむのかみのけにさわらないでね!やめてね!」 傍から見るとれいむの髪の毛が壁面や天井にひっついている。 『なんか粘着性のトラップですか?』 れいむは体をぷるんぷるんゆすって剥がそうとしているが 『細かな溝や出っ張りがあってな。ゆっくりが動けば動くほど、触れれば触れるほど髪の毛が引っかかるんだ。』 細かな溝や出っ張り…そんなものがあるなら一目で分かると思うんだが…わからない。どう見ても透明な筒だ 光の屈折率まで考えてあるのか、まさに匠の業だ。 「ゆぎぃぃぃい!おにいさんたすけてええええええ」 『いいのか?そんなところで諦めるのか?お前の母性はそんなものなのか?そこで諦めるならお前らを永遠にゆっくりさせなきゃならんのだが』 「ゆっ!それはゆっくりできないよ!おにいさんは手を出さないでね!」 じたばた暴れるれいむ、髪の毛がどんどんひっかかっては千切れ、あるいは根元から抜けていく。 「ゆっやべて!とんねるさんやべてえええ!」 と、突然ぶちんぶちんと二房ほどごっそり抜け、斜傾したトンネル内部を少し滑り落ちる。 その勢いで細かな髪の毛も引っかかってはブチブチ音を立て千切れ、れいむはようやく自由を取り戻した。 が、すでにれいむの頭は所々禿げ上がってしまったし、中途半端にちぎれた部分もあり不揃いになってしまう。 「ゆわあああああ!!れいむのかみのけがあああああ!ゆっくりできないぃぃぃい!」 『おいおい、髪の毛がなくなったぐらいで騒ぐなよ。トンネル抜ければあまあま食べ放題だぞ!』 「ゆぅうぅぅ…そうだよ…れいむはっれいむはとんねるさんをぬけるんだよ…ひっく…」 ひとしきり泣き叫び、再度トンネル進む 「ゆっ…?くしゃいぃぃぃいぃいい!!!なんなのこれええええええええええ!!ゆ゛ごっ…ぐぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ」 れいむが餡子を吐き出しそうになるが、吹き出すのを我慢しまるでぷくーしているように膨らむ。 目を白黒させるレベルでは無い。眼球が左右バラバラの動きを始めぐるんぐるんと回転する。 顔色が悪くなったどころでは無い。「体の内側に何かがいて出てこようとしてるのではないか」と思わせるほどに、ぼこんぼこんとこぶができてはひっこむのを繰り返している。 体中から砂糖水の汗を滝のように垂れ流す。 最初の仕掛けで無事だった髪の毛もしなびてパリパリになり、多くが抜け落ちていく。残ったのは両のピコピコとおりぼんがひっついてる部分だけであるがそれすらも白くなりゴワゴワだ。 しーしー穴からも絶えずちろちろとしーしーが垂れ流しである。 『何がおこったんですか?』 『ああ、あの部分はゆっくりぱちゅりーを10年間延命させながら苦しめ続けて殺し、その記憶餡から抽出した特性のエキスを20倍に薄めたものを塗布してある。その死臭を嗅いだゆっくりは記憶餡にぱちゅりーの記憶が書き込まれるんだ』 ゆっくりは死にやすく愚かな生物(なまもの)だ。だから種を保存するためか永遠にゆっくりしたゆっくりは、「その場所は危険だ!」というサインを【死臭】という形で遺すらしい。らしいというのは人間には感じられないからだ。 酷い潰れ方をした場合それだけ強い匂いが残るし、強い匂いであれば【なにが原因で死んだか】までわかるそうだ(もっとも、すぐ中身を吐き出すなりうんうんしーしーとして外に出すなりパニック起こして自分の都合の良い記憶に改竄して忘れるのでこの能力は無駄になっている)。 またゆっくりの寿命は平均2年である。体の弱いぱちゅりー種は1年6ヶ月程度が平均か。そんなぱちゅりーを延命させながら10年間苦しめたと鬼威さんは言ったのだ。 というか、そんなことどうやったのだろう。さすが虐待鬼威さんそこに痺れる憧れる。 『20倍ですか…原液をぶっかけたらどうなるんですか?』 『爆発するよ、木っ端微塵になる。20倍に薄めてても赤れいむだったらお陀仏、成体でも貧弱なゆっくりは耐えられないな。あのれいむは母性と根性で耐えてるようなものだ。』 『はぁ…爆発…ですか…。あとで少しわけてもらえます?』 『いいとも』 そうしてるうちにれいむの様子が変わってきた。ぼこぼこ現れては消えるコブの動きがよりいっそう激しくなる。れいむは両目をきゅーーーっと瞑り眉を寄せ必死に耐えている(もっとも眉毛なんざとっくに9割以上抜け落ちてしまったが)。 瞬間 「ゆ゛っごぉ゛っ…ブバッ」 片目の瞼がボコンッと音を立てて膨らみ…しぼんだ。 叫び声を上げたときにわずかに開いた口から霧状の餡子が吹き出しトンネルを汚す。 『これ終わっちゃうんじゃないですか?』 『いや、そろそろ、3・2・1…』 鬼威さんがゼロと言った瞬間、爆ぜた。 れいむのあにゃるとまむまむがだ。 まさかゆっくりが「ボシャアアアッ」なんて良い音を立てて水っぽくなったうんうんを放射するのを見ることになるとは思いもしなかった。 その勢いでれいむはトンネルの中を3mほど前方に吹き飛び、匂いポイントは抜けることができた。 れいむが今まで歩いてきた約7mのトンネルと透明な箱が水っぽい餡子まみれになってしまっているし、スタート地点の透明な箱の壁面にゆっくりの尻の皮が張り付いている。 『なにがおこったんですか?』 さっきからこればっかり言ってる気がする。 『ゆっくりがゆっくりできない記憶とともにうんうんを出すのは知ってるだろ?それの激しいバージョンだと思えばいい、同時にまむまむからも餡子吹き出したな。もうあのれいむはおちびちゃんをつくれない』 『水っぽいのは?』 『素早くうんうんを出すためと、遠くにうんうんを処分しようとして激しい反応が起きたんだ』 動画で色々なゆ虐を見たつもりだが、水を飲ませるようなゆ虐以外でこんなうんうんを出すなんて見たことがない。 これほどのゆっくりできない記憶…おそらくこの世でしらない方がいい情報のトップ5に入るのではないだろうか。 「ゆんぎゃあああああああああああ!!れいぶのまむまむがあああああ!!あにゃるがああああ!!おべべがあああああ!まりさあああぺーろぺーろしてえぇぇええ!」 すでに永遠にゆっくりしたまりさに助けを求めるほど錯乱している。 一気に水分が抜けたからか体表はカサカサ。 左目からぐちゃぐちゃの寒天目玉の残骸がだらりとはみ出ていてすごくエグい、まぶたが膨らんだ時に破裂したのだろう。 あにゃるやまむまむが爆破拡張され皮が千切れ吹き飛び、一つになってしまった。破れた部分から中身の餡子が見える。 なんとなく尻がキュンっとなった。 ずっと噛み締めていたのであろう飴細工の歯は、噛み締めすぎてどれもがひび割れている。 「おきゃあしゃああああああああああああああん!!ゆっくりしちぇね!ゆっくりしちぇね!!」 さすがのゲス赤れいむも親がただごとではない状況であると思ったのだろう。というか、こいつさっきの破裂音まで涎垂らして寝てたし何様のつもりなんだか。 とうとうれいむのあんよが止まりびくんっびくんっと痙攣しつづける。 「ゆ゛っ…ゆ゛っ…ゆ゛っ…ゆ゛っ」 『もう駄目っすかね?おーいれいむーれいむー』 『ふむ、まかせてみろ。おいれいむ。お前が死んだらおちびちゃんも永遠にゆっくりすることになるぞ!お前はおちびちゃんを飼いゆっくりにするんじゃなかったのか?おまえの母性はそんなものなのか?』 鬼威さんの言葉と赤れいむの声援によってれいむの目に、生気が戻った。 「そう…だよ…れいむは…おちびちゃんを…しあわせーにして…あげるんだよ…。だって…おかあさんなんだから…。ゆ゛っ」 そう言い、再度ずーりずーりならぬずりっずりっと動き始める。 『なるほど、母性を刺激したんですね』 『そうだ、ゲスゆっくりだとここで『おうちきゃえりゅうぅうぅ』とか言って終了だったな』 全体の4分の3に差し掛かったころだろうか。 「ゆぅ…なんだかねむいよ…すこーしだけ…すーやすーや…するよ…」 『あれっ寝ちゃいましたよ。』 『問題ない、あのポイントはラムネ成分が含まれてるんだ。まぁ見てろ、ゆっくりと、な』 『はぁ』 にやりと笑う鬼威さんの言葉に間抜けな返事を返すしかなかった。 「おきゃーしゃんいにぇむりしゅるにゃああああ」 赤れいむが大騒ぎするが、れいむは目覚めない。これまでのゆっくりできない経験で疲れきっているからだろう。 少しの間待つとトンネルの中がおかしくなってきた。 『なんか煙ってません?』 『そろそろだ』 『あっ』 「ゆっ…なんだかあついよ…ゆっ?ゆわああああああああああああああ!!!!ひさんだあああああああああ!!れいむのおりぼんからはなれてねええええええええええええ!!」 「ひしゃんはおきゃあしゃんからはにゃれりょおおぉおおお!!ぷっきゅぅぅうぅぅう!!」 れいむのりぼんに火がついた。赤れいむはプクーしてる。 『自然発火…ですか』 『そうだ。あの部分は光を集めやすいように設計してある。』 鬼威さんの技術力には全く舌を巻く。 「ひさんやめてねえええええええええ!!あついよっ!!ゆっくりできないいいぃぃぃいい!ごーろごーろしてけすよっ!ごーろごーろできないいいぃ!」 水を使わない消し方の知識はあったようだが、狭いトンネルでは上手くできない。火はれいむのおりぼんをゆっくりと燃やしていく 「ゆぴぃぃぃいいい!!!!ひさんれいぶのおりぼんたべないでねええええええええ!」 こちらは比喩的表現ではなく、火が意識を持って物を食べてると思ってるらしい。ゆっくりんぴーすの阿呆どもは「ゆっくりは詩人だ」とか勘違いしてるようだが。 「ゆべっ!ひさん!ゆっくりしないできえてねっ!ゆぶっ!」 トンネルの天井や壁面に体をぶつけ、あるいは擦りつけて消火をしようとするがなかなか消えない。 集光のための凹凸があるようで、それにぶつかっては体の所々に痣をつくっている。 結局消火(酸素濃度が低くなったからなのかれいむのがんばりの所為なのか定かでないが)できた時にはおりぼんの半分以上ともみあげの片方が灰になり体の大部分が火傷でケロイド状になってしまった。 「れいぶのゆっくりしたおりぼんがああああ…つやつやのもみあげさんがあああ…ゆ゛っ…ゆ゛っ…」 「おぎゃぁじゃぁぁああんゆっぎゅりじでええええええ!!!ゆっぎゅりいぃぃい!!!」 親が火だるまになる後継は赤ゆっくりには刺激が強かったようだ。一心不乱に「ゆっくりして」と叫んでいる。 その言葉に力をもらったのか、れいむは再度ずーりずーりと前進を再開する。 母性ってすごい。 『もう数メートルでゴールですけど・・・まだ仕掛けはあるんですか?』 『もうラストだ。滅多に見られない物を見られるぞ。』 今までのもすごかったが、これ以上にか…なんだろう。 「ゆっ?なんだか狭いよ!」 狭い?どういうことなんだろう。鬼威さんを見るとニヤニヤしている。視線をれいむに戻し観察すると、なるほどゴールに近づくほど内部のトンネルが狭く先細りになっているのか。 だが、いくらなんでもそこを無理矢理通ろうとして圧死…なんてゆっくりでもあり得ない。ゆっくりは痛みに弱いんだから…。 「ゆぎぃぃいい!おにいさん!とんねるさんがちいさすぎるよ!こんなのずるっこだよ!」 ほらね。ぴーちく言い出した。 「ちょっとおにいさんきいてるの!?ここまでがんばったんだからいいでしょ!れいむとおちびちゃんをかいゆっくりにしてね!」 鬼威さんは立ち上がりこう言った。 『何言ってるのお前、バカなの?死ぬの?』 「ゆっ!!だってとんねるさんがせまくてとおれないでしょ!!」 『へー約束破るんだ、じゃあ両方死刑だな』 「ゆっ?」 『いや、だから、お前がおちびちゃんのところまでいけたら、お前もおちびちゃんも飼いゆっくりにしてやる、でも無理だったんだから、潰すしかないわな』 「でもっでもぉぉぉおお!!」 『でもじゃないでしょ。あー、やっぱれいむには【母性】なんてなかったんだね。おちびちゃんが苦しんで死んでもいい程度の【母性】しかなかったんだー。 へー、れいむはおちびちゃんの1ゆんも育てられないのかー大した【母性】だねー、そんなので子育て得意なれいむ(笑)とか言ってるのかー」 おもいっきり母性を強調して挑発 「ゆがあああああああああああああああああああ!!!れいむはこそだてがじょうずなんだああああああああああああ!!!」 『でも、それに失敗して、人間さんに頼みに来て今こんな目にあってるんだよね?じゃあさ、もうこのトンネルを抜けるぐらいのことはしようよ?な?そしたらおちびちゃんもお前もしあわせー!完璧なこそだてができるよ!』 「ゆぐぐぐぐぐ!!」 『それとも、トンネルを抜ける程度のこともできないの?こそだてよりよっぽど簡単でしょ?もしかしてれいむの【母性】ってトンネルをずーりずーりして抜ける事もできない程度なの?」 「れいむはああああああああああああああ!!!ぼせいがあるんだあああああああああ!!こそだてもじょうずなんだあああああああ!!!!!とんねるさんをぬけるぐらいかんっったんだよおおおおお!!!」 軽い挑発でノせることができた ほんとゆっくりって、餡子脳だね! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― とんねるさんどいて!ゆっくりできない!どうしてれいむのじゃまするの! なんでれいむがこんなくろうさんをしなきゃいけないの!? とんねるさんがせまくてくるしいよ!とんねるさんゆっくりしてね!れいむがとおれないよ! もうむりやりとおるからね!いたいいたいになってもゆっくりはんせいしてね!ゆっ!!ゆゆゆゆゆゆーーー!!! きちゅいぃぃぃぃぃぃぃいい!!しぇまぃぃぃぃぃい!!!ゆ゛ごっっ!!!!!!!!!!!! あtaまsaんのなkaでなんkAごりってsiたよ! ゆ゛っ!でぐちさnまでもうすksだね あそkOおまdeいkばkaいうくりだne ??????kaiいうくりっtなndっk? reいmはおttititiちゃんをkaiうくりにsuるんだよ reいmて…daれなの? おtititiびちゃんtなんだっけ なndっけってにゃn… ゆぴっゆpiっゅぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― とうとう出口だ。おめでとうれいむ!れいむの体がトンネルから出てきた時、赤れいむが叫ぶ。 「にゃにきょりぇええええええええ!!!きょわいいいいいいい!!!おもにぜんぶきもいいいいぃぃい!!」 ペットボトルの口程度の大きさの出口から、れいむが・・・いや、もはやゆっくりとは思えないモノが頭を出していた。 饅頭を細長く伸ばしたような細長い胴体に口と目玉がひとつ、その口からは奇声が絶えず発され、隙間から割れた歯が見え隠れしている。 体には髪の毛やおりぼんの残骸がめり込んでいる。 人間の俺から見てもキモい、夢に出そうだ。目玉なんてぐりんぐりん動き、瞳が大きくなったり小さくなったりで忙しない。 『れいむちゃーん!あとちょっとだよーおしりをトンネルさんからぬこうねー!』 れいむのトンネルから出た部分だけがびくんびくん痙攣している。 「ゆ゛っ…ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 赤れいむがおそろしーしーだけでなくうんうんを漏らす 「きょわいよぉぉぉお!!!」 『おいおい、さっきから怖いだのきもいなんて酷い糞饅頭だな。おまえのおかあさんじゃないか!ほら、ここにおりぼんがあるだろ!』 「ゆわぁぁああ!?おきゃーしゃんにゃの!?ゆっくち!ゆっくちしてええええええ!」 『中枢餡の圧迫・変形で障害を起こしてるんだ、もう長くないし治療もできない、俺の能力を使えば別だがね』 『自ら中枢餡にダメージを与えてでも…なんて、大した母性ですねー』 「にゃにぶつぶついってんだああああああ!!!くしょにんぎぇえええええええええん!!おきゃーしゃんをもちょにもどょせええええええええええ!!」 『でもさー』 鬼威さんが赤れいむに顔を近づけて言う。 「でもじゃにゃいいいいい!!はやきゅしりょぉぉおお!!! 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 痙攣の速度がどんどん早くなってきている。そして…それは… 『面倒くさいじゃん?』 唐突に…停まった。 『はーい、れいむちゃーん チャレンジ失敗!またきてね!またなんて無いけどさ」 「おきゃあしゃぁぁあああああん!!!!ゆわああああああああああん!!」 言いながらすーりすーりをしようとするがその前に鬼威さんが人差し指と親指でつまみ上げる 「おしょらをとんでりゅみちゃーーーい!!ゆわあああああああああ!はにゃしぇくしょにんぎぇえええええん!!」 『お前、死刑だから』 「ゆっ…!?」 『いや、だから、死刑、潰すってこと、お前ら風に言えば永遠にゆっくりさせるの』 「ゆゆっ…!?」 『ゆゆっじゃねえよ!』 「ゆっぴいぃぃぃいい!!やびぇりょ!れいみゅにいちゃいこちょしゅりゅにゃぁあああ!」 指に力を込めて締め付ける、赤れいむはぐにぃぃっと変形していく。そして…力を抜く。 「ゆぴぃっゆぴぃっやみぇっりょっ…!ゆぴっ…」 力を入れる。抜く。入れる。抜く。入れる。抜く。 赤れいむは非常に痛がりかつ中枢餡も柔らかいので中枢餡に障害をもたせないギリギリを狙うのは本当に難しい。 赤れいむは素人目にはやばいぐらい変形しているが、そこは鬼威さんの匠の業、本当にぎりぎりを狙っている。 そして今までより長い時間力を込め続けると… 「ゆびぃぃぃ!りぇいみゅ…ちゅぶっ…ちゅぶっ…ちゅぶっ…」 お…!お…!!お…!!!キタ!?キタよな!?絶対クるよな!!? 鬼威さんと目が合う、互いにニヤリと意思疎通。 さあ、みなさんご一緒に!! せーーーーーのっ 「『『ちゅびゅれりゅぅぅぅぅぅぅぅうう!』』」 ちゅびゅれりゅーいただきましたー! 赤れいむを宙に放り上げ 「おしょりゃを…」パアーーーーーン!!! 鬼威さんとハイタッチ!その手と手の間には赤れいむちゃん!赤れいむちゃんもハイタッチ! やったね!2人と1ゆんの気持ちがひとつになったんだ!もう赤れいむちゃんいないけど!! 『今日はありがとうございます鬼威さん。いい体験できました。それにおみやげまでもらっちゃって・・・』 『なんのなんの。またいつでもきてくれよな。新しいアイテムも作っておくからさ。』 『こんど俺がなにかごちそうしますよ、ではまた。』 俺の片手には例の【鬼威さん印のぱちゅりーエキス10年モノ】の入った小さなツボ、もう片手にはぴーぴー騒ぐ赤ゆっくりがみっちり入ったバケツがある。 こいつらでどんな虐待をしてやろうかと思うと、ワクワクが止まらない。 俺は家路を急いだ。 あ、そうそう、潰したれいむと赤れいむだけど、舐めただけで糖尿病にでもなりそうな甘さだったから野良のゆっくりにあげたよ! 俺ってやっさしーい、アイツらもうチョコレートやケーキ食っても「げろまずー」って言うんだろうな! あとがき 初SS初投稿という。 ゆっくりが「自分の力で圧死する」のを見たくて書きました。 なんかキャラクターのしゃべりが安定しないような…途中のれいむが自力圧死していくところのれいむ視点、もっと良くできんもんかねw byトンネルあき …とでも名乗っておきますか
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4515.html
『Stray 1 ~れいむは地域ゆっくり~』 21KB 観察 不運 日常模様 都会 現代 おひさしぶりです。 かすがあきです。 注意 連続物です。 「」はゆっくりの発言です。 『』は人間の発言です。 死なない ゆっくりがいます。 善良(?)なゆっくりが酷い目にあいます。 Stray 1 ~れいむは地域ゆっくり~ 駅・繁華街・住宅街に隣接する形で存在する大きな公園に れいむは住んでいる。 「ゆ!たばこの すいがらさんが おちてるよ!ゆゆ!こっちにも!」 亜成体の れいむが、公園に落ちているゴミを拾い、ゴミ袋にいれる。 「まりさ、あきかんさんがあるよ。そっちのごみぶくろさんに いれさせてね。」 「ゆ!まつのぜ。あのあきかんさんは まりさが ひろうのぜ!」 れいむの側にいる亜成体のまりさがそう言うと、舌で空き缶を持ち上る。 まりさの側においてあるゴミ袋(燃えないゴミ用)に空き缶が入れられる。 れいむは今、公園の清掃をしている。 公園には沢山のゆっくりがおり、彼女達は公園やその周辺を掃除している。 彼女達は俗に地域ゆっくりと呼ばれる存在である。 人間に迷惑をかけず、清掃やゲス野良の排除などをすることで一応生存が認められている存在である。 れいむが所属している群れは、公園の管理者(市)と協定を結んでおり、 清掃・ゲス野良の排除・花壇の手入れ・出産制限(子供は1家族2匹まで)などを条件に、 食料(ゆっくりフードそれなり味)・住居(ダンボール箱)・家具(タオル等)の提供を受けている。 「ゆ!…………まりさ……… こっちに きてほしいよ………」 れいむが元気なく言う。れいむの視線の先には、ありすと ぱちゅりーの死骸がある。 この2匹は れいむたちより少し年上の幼なじみで、先日結婚したばかりの2匹である。 「ありす、ぱちゅりー………きのうから いなくなってたから もしかしたらって おもってたけど…… ゆぅ………ありす、ぱちゅりー いままで おつかれさまだよ。 おそらの ゆっくりぷれいすで、いっぱい ゆっくりしていってね………」 まだ子供だった頃、れいむは2匹遊んでもらったことがある。 とても優しく、ゆっくりした ゆっくだった。 「ありす、ぱちゅりー。ゆっくりごめんだよ。 でも、おかざりは おさを つうじて おかーさんたちに わたすから あんっしんしてね。」 れいむは2匹と遊んだことを思い出しながら、死臭がするお飾りをとる。 お飾りは後ほど長を通じて遺族に渡されるのだ。 「れいむ……。つらいけど、はやくするのぜ。 きれいにしないと あとで しかられるのぜ。」 「ゆっくりりかいしているよ。まりさ……」 2匹は暗い顔をしたまま、口を大きくあけ、ありすと ぱちゅりーの遺体に歯をあてる。 成体ゆっくりの遺体は大きいため、ゴミ袋に入らない。 そのため、口や使って 遺体を小さくしてからゴミ袋に入れるしかない。 同族の遺体の片付けをするのは何度してもなれない。 れいむたちは襲ってくる吐き気と戦いながら、黙々と作業を続ける。 地域ゆっくりといっても、野良であることには変わりがなく、また区別も興味がない人間では難しい。 (自治体によっては、地域ゆっくりを示すバッチを提供してる所もあるが、ここではしていない。) 時には人間の気まぐれで殺されることもある。 しかし、彼女達に怒る権利はない。 仮にあったとしても、人間に怒ることはできない。 人間に反抗的な態度をとれば、一斉駆除で群れが全滅することを彼女達は知っている。 自分たちと人間との間にある決定的な力の差を彼女達は理解しているのだ。 そして、その力の差を埋める手段がないことを彼女達は知っている。 地域ゆっくりには ゆっくりできない労働の義務がある。 が、それに対して決して文句は言わない。 労働の義務を果たせば、食事には一応ありつけるからだ。 住む家・家具も一応与えられている。 公園の外で暮らす野良に比べれば、はるかに恵まれている。 彼女達はそう自分で自分に言い聞かせ、毎日を生きている。 いつの日か、もっと ゆっくりできる日がくると信じて。 ------ ゴミ袋を所定の場所まで運び、今日の清掃を終えた れいむと まりさは長の家へと向かう。 「おさ、おそうじ おわったのぜ。」 「むきゅ。まりさ、れいむ。おつかれさま。」 「おさ、これを……ありすと ぱちゅりーの かたみさんだよ………」 れいむが悲しそうに言う。 「むきゅ。…………ありすと ぱちゅりーが…… かなしいことだけど、しかたのないことよ。」 「ゆっくりりかいしているよ……」×2 れいむは長である ぱちゅりーに ありすと ぱちゅりーのお飾りを渡す。 長ぱちゅりーの家には、人間から支給されている死臭消しのスプレーがあり、 このスプレーで死臭を消してからお飾りは形見として遺族に返される。 長ぱちゅりーは悲しい顔をしたまま れいむたちに労働の対価、ゆっくりフードそれなり味を渡す。 「ありがとうなのぜ、おさ。」 「ゆっくりありがとうだよ、おさ。」 2匹は礼を言いながら ゆっくりフードを受け取り、自宅へと戻る。 夕方、れいむは公園の奥である雑木林の中へと入っていく。 雑木林の中にはダンボールがたくさんあり、そん中の一つが れいむの家である。 れいむは自宅であるダンボールハウスで、両親(父まりさ・母れいむ)と一緒に夕飯を食べる。 食事は ゆっくりフードと、公園で狩った雑草とセミである。 「むーしゃむーしゃ……ごっくん……しあわせー!!」×3 3匹は飲み込んでから味の感想を言う。 この群れの ゆっくりの殆どは食事のマナーを知っており、それを実践している。 飼いゆっくりでもない彼女達が食事のマナーに気をつかうのには当然だが訳がある。 稀ではあるが、この群れの ゆっくりを引き取る人間がいるのだ。 労働の義務も、人間の脅威もなく、今よりも快適な家と食事が保証される飼いゆっくり。 そんな飼いゆっくりになる僅かな可能性を信じて、この群れのゆっくりは行儀のよく食事をしているのだ。 「ゆぅ………もう おなか ぽんぽんだよ……」 「ゆぷぷ。おちびちゃん、きょうも いっぱい ゆっくりできない おしごとを したからね。 おなかが いっぱいに なったら、いっぱい いっぱい ゆっくりしよーね。」 「おちび、おさから きいたのぜ。 ありすと ぱちゅりーのことは ざんっねんだけど、ふたりのぶんまで みんなで ゆっくりするのぜ。」 「ゆっくりりかいしてるよ!」 3匹は互いに頬を合わせ、一時の安らぎをえる。 「ゆぷぷ。おちびちゃんと すーりすーりを すると、とっても ゆっくりできるね。」 「ほんっとうなのぜ。みんなで すーりすーりを すると、 ゆっくりできないことなんて ぜんっぶ わすれれるのぜ。」 「ゆん。ほんっとうだね。でも……」 れいむの笑顔が曇る。 「いもーとは にんげんさんの おうちで もっと ゆっくり しているのかな?」 ------ 母れいむの額から実ゆっくりが2つなった茎が生えている。 「ゆ!おちびちゃんが うまれそうだよ!おちびちゃん、ゆっくり うまれてね。」 「おちび、がんばるのぜ。ゆっくり うまれるのぜ。」 先端についている実ゆっくりが震えだし、両親が不安と期待に満ちた顔で実ゆっくりを見つめる。 やがて、先端についていた実ゆっくりが地面に落ちた。 「ゆっくりちていってにぇーー!!」 産まれたばかりの れいむが元気よく叫ぶ。 「ゆーん。とっても かわいい おちびちゃんが うまれたよ! れいむの はじめての おちびちゃんだよ!おちびちゃん、ゆっくりしていってね! ぺーろぺーろ……ぺーろぺーろ……」 「おちび、ゆっくりしてってね! おとーさんも おちびに ぺーろぺーろするのぜ! ぺーろぺーろ……ぺーろぺーろ……」 両親が笑顔でれいむの頬を舐める。 「ゆきゃわぁー。く、くしゅぐったいよ。 ゆ!おかーしゃん、れいみゅの いもーちょが うまれしょーだよ!」 れいむは笑顔で、茎についている実ゆっくりを舌で指す。 「ゆ!ほんっとうだね!ぷるぷる ふるえだしたね。 おちびちゃん、ゆっくり うまれてきてね!」 「おちび、いもーとが うまれたら ごはんさんに するのぜ。」 「ごはんしゃん!ゆーん、れいみゅ おなかが すいちゃよ! きゃわいい きゃわいい れいみゅの きゃわいい いもーちょ。 ゆっくり うまれてね!すぐで いいよ!」 れいむの声が届いたのか、実ゆっくりが落ちた。 「ゆっくりしていっちぇくだしゃいね!」 「ゆっくりしていってね!」×3 産まれた ゆっくりは さなえだった。 産まれたばかりの末っ子に家族は笑顔で挨拶をする。 「さ、かわいい おちびちゃんたち。ごはんさんに しよーね。」 母れいむは額の茎を折り、咀嚼し柔らかくした物を れいむたちに与える。 「むーちゃむーちゃ……ちあわちぇー!!」×2 れいむと さなえは初めての食事に喜びの声をあげた。 そんな2匹を、父まりさと母れいむは目を細めて眺める。 通常、まりさ種とれいむ種の番から産まれる子供は まりさ種と れいむ種である。 だが、極々稀に、両親とは違う種族の子供が産まれることがある。所謂チェンジリングだ。 群れでは出産制限があり、子供は2匹までである。 父まりさと母れいむは話し合いの末、チェンジリングは幸運を招くいう噂を信じ、 さなえと、姉妹の中で一番大きい実ゆっくりであった、れいむを残した。 数日後。 「むーちゃむーちゃ……ごっくん……ちあわちぇー!」 「ゆーん。れいむにの おちびちゃん。 ちゃんと ごはんさんを のみこんでから しあわせーができたね! ゆっくりできるよ!ぺーろぺーろ してあげるね。ぺーろぺーろ……ぺーろぺーろ……」 上手にご飯を食べることができた れいむを母れいむは過剰なほどに褒める。 ゆっくりの本能に逆らうことをさせているのだ、過剰に褒めなければ食事のマナーは習得できない。 「さ、つぎは おちびちゃんの ばんだよ。ゆっくりがんばってね!」 母れいむが笑顔で さなえに言う。 「ゆっくりりきゃいちましたわ。 むーちゃむーちゃ……ちあわちぇー!」 れいむと違い、飲み込むまえに歓喜の声をあげてしまう さなえ。 さなえの口内から食べ物が飛び散り、ダンボール箱の中が汚れる。 「あらら、しっぱい しちゃったね。おちびちゃん、だめだよ。 しあわせーは ちゃんと のみこんでから しないと。」 「ゆぅ……おかーしゃん、ゆっくち ごめんにゃさい……」 母れいむに注意され、さなえが素直に謝る。 「おちびちゃん。あきらめたら だめ だよ。 がんばって、のみこんでから しあわせーが できるように なろうね。」 「ゆっくりがんばりましゅ。」 「いもーちょ、がんばっちぇね!こうやりゅんだよ! むーちゃむーちゃ……ごっくん……ちあわちぇー!」 「おねーしゃん、すっごいでしゅ。さなえも がんばりまちゅね!」 「ゆぴゅぴゅ。そ、それほどでも ありゅよ。 もっと ほめちぇいいよ。そんっけいちてにぇ!!」 さなえに尊敬の眼差しで見られ、れいむは笑顔になる。 無能の代名詞である れいむ種だが、例外的にも れいむは優秀であった。 食事のマナー、おねしょの卒業時期、かけっこ、ボール遊び等、 どれも さなえよりもはやく憶え、また、さなえよりも上手であった。 「さっすが おねーしゃんでしゅ。さなえは おねーしゃんを そんっけい ちていましゅ! おねーしゃんにゃら、きっちょ すぐに かいゆっきゅりに なれましゅね! そちたら、さなえも かいゆっきゅりに してもらえりゅよう、 にんげんしゃんに おねがいちてくだしゃいにぇ!」 れいむは妹である さなえから尊敬され、優越感に浸れる幸せな日々を過ごしていた。 れいむのそんな生活はある日、唐突に終わりを告げる。 『お、さなえがいるじゃん。 気まぐれで覗いて さなえを見つけるだなんてラッキー。』 ゆっくりを飼おうとしていた人間が、 ペットショップに行く前にたまたま地域ゆっくりの群れを覗き、さなえを見つけたのだ。 父まりさと母れいむは、一家全員を飼うように頼んだが、 『通常種はいらない。仮に飼うとしてもペットショップで教育済みのを買うしな。』 と断れた。 「ゆぅ………しかたがないのぜ。 にんげんさん、さなえは まりさたちの だいっじな かぞくなのぜ。 ぜったいに しあわせーに してほしいのぜ。」 「やくっそくだよ。おちびちゃんを しあわせーにしてね。 あと、だいっじな おちびちゃんと はなればなれになって かわいそうな れいむたちに あまあまを ちょうだいね。とくもりで いいよ!」 一家全員が飼いゆっくりになれないのは残念だが、自分の子供が飼いゆっくりになれるのだ。 子供の幸せは嬉しいし、子供を渡すことで菓子が貰えるかもしれない。 自分の子供が飼いゆっくりになったことで、群れの中で自慢ができるようにる。 また、今後さなえが菓子をもって来るようになるかもしれなし、 人間を説得して自分たちを飼いゆっくりにしてくれるかもしれない。 そんな打算的な考えもあり、両親はさなえを人間に渡すのを承諾した。(拒否権などないが。) 「ねぇ、にんげんしゃん。 いもーちょよりも れいみゅのほうが ゆうっしゅうで ゆっくちしてるよ! だから、れいみゅも かいゆっくりに ちてにぇ!」 両親と違い、れいむは妹だけが飼いゆっくりになることは納得ができなかった。 自分は妹よりも優秀で ゆっくりしていると考えているからだ。 『は?無能の代名詞の れいむが稀少種の さなえより優秀なハズないだろ?』 「にんげんしゃん。おねーしゃんは さなえよりも ゆうっしゅうなんでちゅよ。 だから おねーしゃんも いっしょに かってくだちゃい。」 『お、さっすが さなえ。優しい性格をしてるな。 でもな、れいむは飼えない。もし本当に れいむが優秀だとしてもな。 だって、俺は通常種に興味がないから。 そんなわけで優秀な れいむは他の人間に飼われるよう努力してくれ。 ほら、これは さなえを貰うお代だ。ゆっくり食べてくれ。』 人間は駄菓子を れいむたちの前に てきとうにバラ撒き、さなえを連れて行った。 両親は駄菓子を喜んで食べるが、れいむは食べる気がしなかった。 妹だけが人間に選ばれたのがショックだったのだ。 「おちび、きに することないのぜ。あっちの おちびは きしょうしゅなのぜ。 ものめずらしい きしょうしゅだから にんげんさんに えらばれただけなのぜ。」 「そうだよ。あっちの おちびちゃんも ゆっくりしているけど、 れいむにの おちびちゃんのほうが もっと もっと ゆっくりしているよ。 だから、おちびちゃんも きっと すぐに かいゆっくりになれるよ。 げんきを だしてね。いっしょに あまあまを たべようよ。とってもゆっくりできるよ。」 「…………ゆぅ…… そ、そうだよにぇ。れいみゅのほうが いもーちょよりも ゆっくりちていりゅもんにぇ。 いもーちょが かいゆっくりに なれちゃんだから、れいみゅも すぐに かいゆっくりなれりゅよね。 ゆ!あんっちんしたら、おなかが ぺーきょぺーきょになってきたよ。 れいみゅも あまあまを たべりゅよ!……むーちゃむーちゃ……ごっくん……ちあわっちぇー!!」 両親に慰められ元気を取り戻た れいむは菓子を頬張る。 飼いゆっくりになれたのは、妹が自分より優れているからではない。 ただ、さなえ種という稀少種だからだ。 自分は通常種だが、とてもゆっくりしている。だからすぐに飼いゆっくりになれる。 子供のれいむは飼いゆっくりになった自分を想像しながら、笑顔になった。 しかし、現実は違う。れいむを飼いゆっくりにしたいという人間は現在まで現れていない。 亜成体にまで成長した れいむは、毎晩考える。 なぜ妹よりも優秀な自分が飼いゆっくりになれないのかを。 そして、あの日の父まりさの言葉を思い出す。 「ものめずらしい きしょうしゅだから にんげんさんに えらばれただけなのぜ。」 稀少種だから妹は選ばれた。自分は通常種だから選ばれなかった。 「ゆぅ………ひきょーだよ…… きしょうしゅ だから かいゆっくりに なれるだなんて…… きっと いまごろは にんげんさんの ところで おいしーものを いっぱい むーしゃむーしゃ しているんだよ……。」 毎日自問自答し、悔し涙を流す。 「おちび……すーりすーり……すーりすーり…… おちびは おとーさんににて ゆうっしゅう なのぜ。いつか きっと かいゆっくりに なれるのぜ。」 「そうだよ、おちびちゃん。いっしょに かいゆっくりに なれるまで、ここで ゆっくりしよーね。 すーりすーり……すーりすーり……」 そんなれいむを、両親は毎晩慰める。目から涙を流しながら。 このような光景は珍しいものではない。 どのゆっくりも飼いゆっくりになりたいのだ。 しかし、飼いゆっくりになれるものは少ない。 優秀だと思っている自分が飼いゆっくりになれない現実に涙し、 家族で互いに慰め、励ましあう光景は毎晩この群れのいたるところで見ることができる。 ------ 翌日、れいむは昨日と同様にゴミ拾いをしている。 今日は公園の駐車場の側にある生垣の中を まりさと一緒に掃除をしている。 「ゆぅ……きょうも あついよ。」 揉み上げで汗を拭きながら れいむが言う。 ふと駐車場の方を見ると、れいむの両親が駐車場で掃除をしていた。 「ゆ。おとーさんと おかーさんだ。 ゆゆ?えださんを くわえて あすふぁるとさんを こすってるよ? そっか。がむさんが ついているんだね。ゆぅ……がむさんは ゆっくりできないよ……」 れいむの言う通り、れいむの両親はアスファルトにコビリ付いたガムを剥がそうとしている。 「ゆ!ゆ!なかなか がむさんは とれないのぜ……」 「ほんっとうだね。でも、きれーに しないと だめなんだよ。 まりさ、ゆっくり がんばろうね!」 父まりさとは少し離れた場所で、母れいむが笑顔で言う。 「まっかせるのぜ!さいっきょうの まりささまが ほんきを だせば、がむさんなんて いちっころなのぜ!」 2匹は枝でアスファルトを夢中で擦る。 父まりさのすぐ後ろで停車中の車のエンジンがかかったことに気がつくことなく。 「あぶない!!!」 れいむが叫ぶがその声は両親には届かなかった。 「げすな がむさんは さっさと こうっさんす っぐっべぇえええええ!!!!」 父まりさはバックで動きだした車の後輪に潰され、ゆっくりすることのない生涯を終えた。 「ゆ?なんだか くさいよ?それに すぃーの おとが するよ。 まりさ、ゆっくり きをつけ……ゆ?っば!ばりざぁあああ!!! ど!どぼじでぇええ!!??どぼじで ずぃーが うごいでるのぉおおお!!??」 死臭と、自動車がバックする警告音に反応した母れいむは父まりさの死骸をみつけ、泣き叫ぶ。 そして、泣き叫びながらも、自動車から逃げようとする。 母れいむが跳ねた方向は駐車場の出口。つまり、自動車が向かう方向である。 「っだ!だずげでぇえええ!!」 運転手は母れいむの存在に気がついていたが、駐車場は狭く、母れいむを避けて走らせるスペースがない。 加えてこの運転手は時間に余裕がないため、母れいむが退避する時間を惜しんでいる。 不幸にも、運転手は ゆっくりを潰すことに罪悪感を感じないタイプの人間であった。 父まりさを轢き殺したことも運転手は気にしていない。 車体が汚れることになるが、後日洗車予定がある為、運転手は母れいむを気にすることなく車を走らせる。 「だずげ!だっずげ!!だっずげっでぇえええ!!!!!」 母れいむは必死に跳ねて逃げる。 が、どれだけ必死になっても、所詮は ゆっくりである。 自動車の徐行速度には敵わない。 「だっずっげ っゆっぎゃぁああああぁぁああああああああああああああああああ!!!!!!!」 母れいむは自動車に尻の部分を轢かれた。 「おどぉざぁぁん!!おがぁあざぁぁあん!!!」 両親が轢かれる光景を見た れいむは泣き叫びながら、母れいむの側へとかけよる。 父まりさは頭から潰されており、すでに絶命しているが、母れいむはまだ生きているからだ。 「おがぁざん!!ゆっぐりじで!ゆっぐりじでねぇ!!」 尻から下を失い、餡子が溢れ出ている母れいむに れいむは泣きながら声をかける。 「お……おぢびじゃん……… ごべんね………おがーざん、ぼう だめびだい。 おぢびじゃんは ゆっぐりじでね。がいゆっぐりに なっで、いっばい ゆっぐじずるんだよ……」 「ゆっぐりりがいじだよ!だがら ぼう しゃべらないでぇええ!! おがぁざん!!ゆっぐりりがいじだがら!だがら ゆっぐり なおっでよ!!おでがいだよぉお!!」 泣きながら れいむは母れいむの身体を舐めるが、餡子の流出は止まらない。 「………ごべんだよ……おぢびじゃんを ぎじょうじゅに うんで あげれなぐで…… ぼじ、おじびじゃんが きじょうじゅ だっだら…… あの おぢびじゃんびだいに すぐ がいゆっぐりに なれだのに……」 「おがぁざん!ぼう じゃべっじゃだべだよ!! あんござんが!あんござんが!あんござんがぁあああああ!!」 母れいむは涙を流しながら、揉み上げで れいむの頬を撫でる。 死が間近だというのにその顔は穏やかだ。 母れいむは最愛の娘に看取られて逝ける事に満足している。 「だべだよ……おちびじゃん……ないでだら ゆっぐりでぎないよ…… ゆっぐじ じでないごは……がいゆっぐりに なれないよ…… だがら…ながないでね…… いづか……ぜっだいに……かいゆっぐりになっで……もっどもっど……ゆっぐりじでね…… ………もっど ゆっぐじじだが………だ………」 母れいむの揉み上げが暑いアスファルトに落ちる。 「!!お!!おがぁざぁああああああああああああああああああああああああああん!!」 れいむが絶叫をあげる。愛する両親を目の前で失った。 父まりさが頭から潰されるところを見た。 母れいむが静に息を引き取る際、何もできなかった。 れいむは何もできずに、両親を失った。 「っゆっがぁぁあああああああああああああ!! っど!どぼじでぇええ!?なんでぇえええ!!おどぉざんぼ!おがぁざんぼ!! なんで れいぶだぢが ごんな め゛にあうのぉおおおおおおおおおおおお!!! ごんなの!ごんなの ゆっぐり゛でぎなぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」 れいみは我を忘れて泣き叫んだ。母れいむの遺体に顔を埋めながら。 「ゆっぐ………ゆっぐ………」 暫くして、れいむが大声で泣くのを止めた。 泣き叫んだことで、少しだけ落ち着きを取り戻せたのだ。 「………れいむ……その……… いいにくいけど…………おそうじ しないと だめ なのぜ………」 まりさが申し訳なさそうに声をかける。 「……ばりざ……わがっでるよ………」 母れいむの遺体に顔を埋めたまま れいむが言う。 「れいむ。きょうは もう やすむのぜ。 あとのことは、まりさや むれの みんなで するのぜ。」 「…………いいよ……」 「ゆ?」 「れいむが するから……いいよ……」 「で、でも、れいむ。その、おかーさんなのぜ?おとーさんなのぜ? れいむの おとーさんと おかーさんの いたいさんを………」 「できるから!れいむが するから いいよ!! おどーざんの ぼうも れいぶが ずるがら!!! ぜっだいに ざわらないでね!ゆっぐりりがいじでね!!!」 れいむはそう叫ぶと、泣きながら、母れいむの遺体に歯を立てた。 成体ゆっくりの遺体を丸々ビニール袋にいれることは ゆっくりの力ではできない。 そのため、遺体は小さく噛み千切りながら捨てるしかないのだ。 「おがぁざん……ごべんね…… でぼ、でぼでぼでぼ、おがぁざんの がらだを…… ぼがの だれがに きずつけざぜだぐないんだよ……」 れいむは泣きながら、母れいむに謝りながら、母れいむの遺体を小さくしていく。 母れいむの遺体をビニール袋にいれ終えたところで、 れいむはアスファルトに飛び散った死臭のする餡子を舐めとる。 母れいむの方の処理が終われば、次は父まりさの遺体だ。 「おどうざん。まだぜで ごべんね。」 涙を溜めた目で れいむは父まりさの遺体に謝り、そして処理を始める。 れいむの口内に父まりさの死臭が広がる。 体内にある母れいむの餡子から発せられる死臭と、父まりさの死臭が混じり、強烈な吐き気が れいむを襲う。 だが、れいむは決して餡子を吐かなかった。 大好きな両親の餡子なのだから。 もし吐いてしまえば、自分は両親を愛していなかったと勘違いをしそうだから。 吐き気と必死に戦いながら、必死に父まりさの遺体の処理を続ける。 その瞳からは、涙がとまることなく流れている。 「れいむ……………」 れいむのまわりに数匹のゆっくりが集まる。 彼女達は、家族の遺体を必死に片付けている れいむに対して何も言えず、 ただ見ていることしかできなかった。 同族の遺体の片付けは辛いことだ。 それが家族の、しかも目の前で亡くなった家族のものであれば、その辛さはいつも以上のものになる。 れいむの周りのゆっくりたちも目から涙を流す。 れいむに同情したこともあるが、いつ自分が同じ目にあってもおかしくない事を理解しているからだ。 飼い主という保護者いない彼女達は、地域ゆっくりといっても野良と変わりない。 常に死と隣り合わせなのだ。 数時間後、広くなってしまった家の中で れいむは独り泣いている。 もし両親が飼いゆっくりならば、あんな風に死ぬことはなかったハズだ。 飼いゆっくりでない自分たちが悲しくて悲しくて、れいむの瞳から涙が止まることはない。 「……るよ……なってびぜるよ! れいぶはぁああ!!れいぶはぁあああああ!! ぜっだいに!ぜっだいに がいゆっぐりに なっでびぜるよぉおおお!!!」 れいむは決意を叫ぶ。 「だがらぁあああ!!だがら おぞらの ゆっぐりぶれいずで! てんっごくで み゛ででね!! おどうざぁああん!!おがぁあざん!!!! いぼうど だっで なれだんだよ!! れいぶだっで なれる ばずだよぉおおお!!! ぜっだいに ぜっだいに がいゆっぐりに なっでびぜるよぉおおおおおおおお!!!!」 近所の ゆっくりは れいむの声を黙って聞いた。 皆同じなのだ。飼いゆっくりになりたいのは。 今夜も公園のいたるところで、 ゆっくりたちは飼いゆっくりになれない自分に涙を流し、互いに慰めあってる。 つづく あとがき 野良よりはマシとはいえ、地域ゆっくりの生活も厳しいのかなと思い書き始めました。 子ゆっくりの言葉が読みにくいというご指摘ありがとうございました。 以後、気をつけます。 過去作品 http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/3986.html
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1988.html
「そ~らたかいたかーい♪」 「おねーしゃんしゅごーい♪」 「おねーしゃんだいしゅきー♪」 「だすげでえええええ!」 一年で最も過ごしやすいと言われる秋の昼下がり。まりさが妹たちと遊んでいると、友達のれいむの助けを求める声がした。 「ゆゆ!れいむどうしたの!けがしてるよ!」 「れいむおねーしゃんだいじょうぶー?」 「いちゃいのいちゃいのとんでいけー!」 「むきゅん!まりさはおちびちゃんたちをさがらせてね!」 傷つき餡子が流れ出しているれいむを介抱していると、長のぱちゅりーの指示が飛んだ。 指示どおりに妹たちを遠ざけて、囲いとなりだした集団へと戻ると、驚くほど白くなったれいむが息絶えるところだった。 「れいむぅぅ!」 「もっとゆっくり……したかっ……た……」 「どうじてえええ!」 「むきゅー……、れいむはいいつけをやぶってにんげんのところへいったのよ」 ぱちゅりーによるとれいむが話した事情は以下の通りだった。 群れの中でも問題児のまりさが人里で野菜を食べようと誘った。自分ともう一人のれいむがそれに乗った。 野菜を食べていると人間がやってきていじめた。自分は、もう一人のれいむが手助けしてくれたおかげで逃げられた。 捕まっている二人を助けてほしい。 誘ったとみられるまりさは群れのルールを守らず、悪知恵が働き行動力旺盛な、ゲスと呼ばれる部類のまりさだった。 規律ある集団生活には有害だが、未踏の危険地帯を開拓していくことで、問題児ながらも若ゆっくりからは人気があった。 いいところもあったが、人間に捕まってはしょうがない。自業自得だ。群れのメンバーに諦めムードが漂う。 「れいむは?れいむはどうするの!?」 紛らわしいがここで問題にしているのは捕まっているほうのれいむである。まりさはそちらのれいむが好きだった。 「むきゅん。ざんねんだけどあきらめるしかないわ。せめて……このむれにどすがいたら……」 人間には同じように「れいむ」と聞こえるのだが、きちんと意図を汲み取って答えるぱちゅりー。 なにがしかのアクセントの違いがあるのかもしれない。 「そんな……みんながたすけないなら、まりさだけでもたすけにいくよ!」 「むきゅん!だめよまりさ!にんげんはおそろしいのよ!」 制止も聞かず、まりさはそう言って人里へと向かう。 『人里は餡外魔境』 (まっててねれいむ。まりさがだいすきなれいむをたすけてあげるからね!) 頭に広がるは成功のイメージ。人間は自分たちを食べたりいじめたりすると聞く。 だから食べられる前に、まりさたちが木の実を巣の奥に溜め込むようにして閉じ込められているれいむを、助け出すつもりだった。 捕まっているれいむをこっそり逃がして、頬ずりをして無事を喜び合う。 れいむもまりさのことを見直して、人気者のまりさよりも自分のことを好きになってくれる。 『れいむ!もうだいじょうぶだよ!』 『まりさ!』 『こっそりついてきてね!』 『ぶじににげられたよ!ありがとう!』 『れいむにはまりさがついてるからあんしんだよ!』 『まりさ……』 『れいむ……』 そこには根拠のない自信と、れいむをデートに誘いだせたゲスまりさへの嫉妬があった。 坂を下り茂みを越え、動き始めたれみりゃから隠れながら里についたのは、日が暮れようとする時分だった。 黒々と闇が落ちた村の外れに、赤々と灯る松明。その明りの下、男たちが丸い物を蹴りまわしている。 目を凝らしてもよく見えず、 「そろ~り、そろ~り」 と小声で言いながら近づくまりさ。 「ゆぎゃあああああああ!」 蹴りまわされるものの正体を見極める前に、身を引き裂くような絶叫を耳にしてそちらを向いた瞬間、視線が釘付けになった。 自分と同じ顔をしたものが足を焼かれている。ブスブス焦げる匂いが風に乗って流れてくる。 これはゲスまりさが 「ごめんなさい!ごめんなさい!にんげんさんのものだってしらなかったんですぅぅ!」 一度は殊勝に謝っておきながら、 「まりさはおいしくないんだぜ!たべるんならこっちのれいむにするんだぜ!」 許されないと知った瞬間に仲間を売ったことに対する、調理を兼ねた制裁である。 「ばりざがわるがっだでずうううう!あやばるがらばりざのあ゛んよ゛やがないでぐだざいいい!」 「何が悪かったのかなー?」 「にんげんざんのおやざいだべでごべんなざいいい!」 「分かってねえなあ」 「ばりざのおぼうしがああああああ!?」 相手をしていた男は、ゲスの帽子を取ると手にしている松明にかざした。優美なぐらい緩やかに燃え上がる。 悪知恵が働くとはいえ、知能の絶対値が低いので人間には即行でばれる。 「かえすよ」 「ゆぎゃああああああ!あづいいいいい!」 緋色に輝く帽子を頭にのせると、ゲスは大声をあげてとても喜んだ。 「こいつもこんなもんでいいよな?」 「おう、いいよ」 「何か」を蹴っていた男たちが蹴っていたものを鉄板の上に置く。赤々と照らし出されたのは変わり果てたれいむの顔で。 (あくまでもゆっくり視点で)整っていた顔は間断なくめり込んだ足で歪み、砂糖菓子で出来たリボンはところどころ欠けている。 「あづいいいいい!ゆっぐりでぎないいいい!」 「ん?そいつは?」 「あ?なんだお前」 男たちが気づいてまりさを掴み上げた。 「飼いゆっくり?」 「バッジないから違うだろ」 「まりざああ!ばりざとがわるんだぜええ!」 「ま……りさ?……!だずげでえええええ!」 「あ、知り合い?」 まりさは答えない。答えられない。 「みでないでざっざどだずげろおおおお!」 「だずげないならまりざなんがゆっぐりじねええええ」 男の一人が二匹の餡子を掬い取って、OKサインを出した。 「甘みは十分だから全体焼こうぜ」 「けど片方足で蹴ったからそのまんま食いたくねーよ」 「じゃあこいつらに子供産ませてそれ食おうぜ」 「折角手間かけたのにもったいなくないか?それ」 「ストレス解消になったからいーじゃん。それに赤ん坊のほうが旨いらしい」 「どうやって産ませるんだ?」 まりさは目の前の光景を受け入れられずにいた。 変わり果てた姿の人気者のまりさとれいむ。信じられないほど痛そうな仕打ちと嫌な臭い。 助けにきた自分を罵倒する、優しかったはずのれいむ。 「「せーのっ」」 鉄板から引きはがされた二匹が、人間の手で強制的に擦りつけられる。 「すっぎりじだぐないいい!」 「ずっぎりじだらしんじゃうううう!」 「あはは間抜け!」 「いっそこうしたほうが楽じゃね?」 「だはははは!」 男たちはゆっくりの悲鳴なぞ頓着せず、手に持って擦り合わせるのも面倒なので、股に挟んで腰使いの真似などをして笑い転げる。 「い゛や゛だあああ!もっどゆ゛っぐり、じだいいいい!……ゅっゅっ」 「もうゆるじでええええええ!……ゅっゆぅぅ」 「うわ汚ね!」 焦げた二匹の体が粘液で包まれ、今までの苦悶の声から甘く、押し殺したような声に変わる。 「れいむ……れいむ……」 まりさはそんな二人を呆然と見ている。嫌悪感が湧くのに、目を逸らせない。ぬるぬるのれいむ。聞いたことのない声。 「「んほおおおおおおおおおおお!すっきりー!」」 嬌声を上げて二匹は絶頂に達した。見る間に茎を生やし黒ずんでいく。 それを見た瞬間、まりさの何かが切れた。 「いやだああああ!おうぢがえるううう!」 「うおお!?」 おとなしかったゆっくりが突然暴れ出したので思わず取り落とす男。その隙にまりさは灯りの届かない闇へと消えて行った。 「もったいねー」 「うっせ」 「誰か醤油持ってない?」 男たちはあえて追わず、出来立ての赤ちゃんに舌鼓を打った。 まりさが逃げ去ったのは、帰るには見当違いである、村の方向だった。 「ゆ゛ぅぅ……、ゆっぐ……、ゆっぐ……」 泣きながら物音におびえ、目についた隠れられそうな物影に飛びこむ。 「あんなのれいむじゃないよ……あんなきたないのれいむじゃないよ……」 年長のれいむはまりさにとって憧れの存在だった。優しくてきれいだったのに。大好きだったのに。 「ゆー……だれかいるの?」 「ゆゆ!?」 声がしたほうを振り向くと、皮の張り、毛づや、その他どこをとっても素晴らしい、成体の美れいむがいた。 月明かりを浴びたその姿はたおやかで、まりさは一目で心を奪われてしまう。 「ここはおにいさんのおうちだよ。わるいこはゆっくりしないででていってね」 「まりさはわるいこじゃないよ!」 「じゃあゆっくりしていってね!」 「ゆ、ゆっくりしていってね!」 「ゆー、おねえさんはとってもきれいだね!」 「おにいさんがとってもかわいがってくれるからだよ!」 「ゆ!にんげんはこわいよ!れいむが……れいむがあああああ!」 「なかないでね、なくのやめてね。まりさがかなしいとれいむもかなしいよ」 そう言って美れいむは泣きだしたまりさの涙を舐めとる。その親愛の情がうれしくて、いい匂いにどきどきして。 「ゆー……くすぐったいよ」 「まりさはわらってるほうがかわいいよ!」 そう言って頬を擦り合わせる。まりさは先程の光景を思い出して体が強張るが、それも伝わってくる優しさがほぐしていく。 「れいむ……」 「なぁーに?」 「まりさはれいむのことがだいすきだよ」 このれいむこそがほんとうのれいむなんだ。まりさがすきだったやさしくてきれいなれいむはこのこなんだ。 このことおうちにかえろう。これからはふたりでおいかけっこしたり、ちびちゃんたちにおうたをうたったり、ひなたぼっこするんだ。 「れいむもまりさのことがすきだよ」 すりすりすりすり。 伝わってくる振動が、変わった。 「くすぐったいよれいむ~♪」 「……ゅ……ゅぅ……」 「……れいむ?なにか……へんだよ?」 さっきも聞いた声、れいむが出すとは思えなかった声。 「れいむにまかせてね。れいむがきもちいいことおしえてあげるね」 「やめて、やめてね。なにかまりさのからだおかしいよ?」 「れいむといっしょにすっきりー♪しようね」 「!」 実はこのれいむはHENTAIお兄さんに売り込むべく調教されていた、百戦錬磨のエロれいむだったのだ。 「いやだああああ!ずっぎり、ごわいいいい!」 「だいじょうぶだよ。とてもゆっくりしたきぶんになれるよ」 「どぼじでごんなごどするのおおお!?ぎれいなれいむがぞんなぎだないごどしちゃだめでしょおおお!?ごんなのゆっくりじゃないよおおおお!」 「すっきりをわるくいうこにはおしおきだよ!ちょっとほんきだすね!」 当然、その価値観も通常と違い、性行為に対して羞恥心がなく、ゆっくりできる最高の手段だと思い込んでいる。 「ゆふぅ……!」 駆け抜ける快感突き抜ける有頂天。れいむの愛撫で、急速に自分の中で何かが育っていく。 「じぬううう!すっぎりじだらしんじゃうううう!」 「こんなにおおきいのにまりさはなさけないね!」 れいむは取り合わない。人工的な環境で鍛えられたため、成体かどうかの微妙な差異は分からないのだ。 そのため、単なる快感への怯えと判断して更なる刺激を与えていく。 「ごわいよおおおおお!おがあざああああん!」 「「すっきりー!」」 茎を生やして黒ずんでいくまりさ。いくつかの実をつけるも熟しきるには至らない。 「あ゛あ゛あ゛あ゛まりざどおじてえええええええ」 変わり果てたまりさに号泣するれいむ。 「うー醤油醤油」 そこに飼い主である男が戻ってきた。 「おに゛いいざあああん!まりざが、まりざが、すっきりじだらじんじゃったあああ!」 「ん?そいつさっき入り込んだゆっくりか?仲間も黒ずんだし、まだ子供だったんだろ。 未熟なうちにすっきりしたら、産まれる子に餡子とられて死ぬよ」 「ながよぐゆっぐりじだがっただけなのにいい!」 れいむは声を張り上げて泣いた。 翌日。日差しの柔らかな草原で、子ゆっくりが保育役のゆっくりに問いかける。 「まりしゃおねーしゃんまだー?」 「おちびちゃんたちゆっくりきいてね。まりさとはもうあえないよ」 「そんなのうしょだよ!」 「うしょつかないでね!ぷんぷん!」 「ぷかぷかうかんであそぶーってやくしょくしたもん!」 「まりしゃおねーしゃんはいっちゅもやくしょくまもるよ!」 責任感が強く世話好きで、いつもニコニコしていたまりさ。そのまりさが約束を破るはずがない。 「ゆっくりりかいしてね……」 悲しげな説明も耳にせず、その日一日、子ゆっくりたちはまりさの帰りを待ち続けた。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4772.html
ほんのりと俺設定注意 車を走らせ馴染みのコンビニへと向かう。 途中ゆっくりが飛び出してギリギリかすめて通過。セーフ。 車が汚れなくて良かったとひと安心。 駐車場でに着いてドアを開けると不快な熱い外気、と、 「ゆっふ!ゆっ!ゆーふっ!!」 不快な声が耳に響く。 店の前に設置しているゆっくり専用ゴミ箱から聞こえてくる。 その前を通りすぎる際にゴミが話しかけて来た、 「ゆっ!?おにいさん!れいむをたすけてねっ!」 無視。 「どぼじでむしするのぉ!?」 自動ドアから店の中に入る。冷房が効いていて最高の環境だ。 お目当ての弁当と飲み物を買ってから週刊誌を立ち読みする。 そのあと、気に入った雑誌を追加購入して店を出た。 「おにいさん!かわいいれいむをたすけにきてくれたんだねっ!」 (まだ居るのかよ……。) れいむは、ゴミ箱の淵をもみあげで掴み踏ん張っている。 体は半分穴に埋もれていて、自力での脱出は厳しそうだ。 「れいむはとってもゆっくりできるんだよーっ!」 滅茶苦茶必死の形相。凄く暑苦しい。 全然ゆっくり出来て無いじゃん。 「はやくたすけてねっ!このままじゃおちちゃうよっ!?」 唾を撒き散らし喚く。 こんなゆっくり誰も助けたいとは思わない。 「かわいいおちびちゃんをみせてあげるから れいむをたすけてねっ!」 「…おちびちゃんはどこに居るんだ?」 「おにいさんのあしもとにいるでしょうっ!おめめがみえないのっ!?」 足元? 下を見ると確かに居た。 虫の息だったが。 「おちびちゃんたちはかわいいでしょっ!?ゆっくりれいむをたすけてねっ!」 「可愛くないから助けなくていい?」 「どぼじでぞんなごどいうの゛ーーっ゛!?」 号泣。本当に暑苦しい。 下に落ちている赤ゆを摘みあげれいむに見せる。 驚愕の眼差しの後、「ひどいことするにんげんはゆっくりしねっ!」と喚きだす。 ただ拾っただけだっつーの。 「れいむ口開けて。」 「ゆっ!そうだねっ!れいむのおくちのなかにゆっくりかくれてねっ! やばんなにんげんさんはゆっくりできないよっ!」 赤ゆ達を放り込む。 勝ち誇った顔がまたムカツク。何も好転してねーよ。 「おちびちゃんたちをきずつけた いしゃりょうをせいきゅうするよ!」 チラチラと手に下げた袋を見ながら催促をして来る。 口に赤ゆ詰め込んで流暢に喋るその無駄な技術。何げに凄くね? 「はいはい。わかりましたー。」 「なかなかいいこころがけだよっ!」 戯れにパックのジュースを飲ませてみた。れいむは至福の顔でとろけている。 普段口に出来ない甘みに感動しているようだ。 ゴックンと喉?を大きく鳴らす。 「もっといしゃりょうをちょうだいねっ!こんなんじゃたりないよっ!」 大口を開けて追加を要求する。 そこで先程放り込んだ物体が無いことに気づいた。 「……赤ゆは?」 「ゆゆっ?」 口を閉じて、もごもごと動かした後、れいむは固まった。 信じられない…。と言う顔をして、また口中を舌で探る。 いや、居ないから。明らかにお前が飲んだから。 「うっ!うわぁぁぁぁぁぁぁっ゛!!?あかちゃんがぁぁぁっ!」 「あーあ。お前アホだろ?」 「じゅーすをいっぱいおぐぢにいれるからでしょぉぉぉっ゛!?」 また言いがかりですか。 もう付き合いきれん。というか暑いからそろそろ帰りたい。 「ゆっくりはんせいしたなら れいむをひろってかわいがってねっ!? いっぱいかわいいあかちゃんうんであげるよっ!かんしゃしてねっ!?」 自信に満ち溢れた声を張り上げる。 可愛いからジュースを貰えたし、ゆっくりプレイスにも連れて行ってくれる。 お嫁さんといっぱいすっきり~っ!してあかちゃんを作るよっ! 都合の良い妄想で未来を作り出している最中に、人間の手がゆっくり迫ってきた。 それを見てれいむは最高の笑顔で声を張り上げる。 「れいむをゆっくりさせてねっ!にんげんさん!」 薄暗い穴の底で蠢く物体が二つ。 ゆっくり出来る環境では無い事は確かである。 臭い,狭すぎる,暑い。まさに地獄。 「ぐぞにんげん!れいぶをおどしだなーーーーっ!?」 油断していたれいむはあっさり落ちた。 箱の中で運悪く逆さまに落ちて身動きが取れなくなっている。 「ゆ゛ーーっ!ぜっだいゆるざないよーーーっ!!」 マヌケな姿で強気に吼える。 体を震えさせ起き上がろうと試みるが、スペースが狭すぎて思うようにいかない。 そこで不安からちょっと弱腰になってしまい、 「いまたすけてくれたらゆっくりゆるしてあげるよっ!」 あっさり和平交渉に入った。 「きこえてるんでしょぉぉぉぉっ!おみみがわるいのっ!?」 『…ユッ』 「かわいいれいむがこまってるんだよっ!ばかなのっ!?」 『ユフッ。コフーッ!』 「しぬのっ!?……ゆっ!?じゃましないでねっ!せなかがあついよっ!」 れいむは背中に熱い風がかかるのが気になった。 人間さんを説教してる時に邪魔するなんてゆっくりできないよ! さらに声を張り上げて話を続けようとした時、 『アマアマッ!イタダキマァァァスッ!』 後頭部に鋭い痛みが走った。 次は頬っぺたが引っ張られる感触。 そしてブチブチと千切れて何かの口に収まる。 「いだいーーー~っ゛!どぼじでっほっべざんがいだいのっ゛!?」 髪ともみあげが無理矢理毟られ 頬からは餡子がボタボタと床に落ちる おりぼんが軽快な音を立てて砕けた 硬い物がれいむの体を削り取っていく 『ウッメッ!メッチャウメーーー~ッ!!』 「やべでーーっ!?ゆっぐぢでぎない゛ぃぃぃぃっ゛!!」 許しを願っても全く辞める気配を感じない。 自分の餡子が急激に減っている事が嫌でもわかる。 このままではれいむが死んじゃう! にんげんさんっ!にんげんさんっ!おねがいっ! 「にんげんざん゛っ!だずげでっ!れいぶだべられぢゃうよっ!」 『ムーシャ!ムーシャッ!!』 「おでがいだがらっ!ゆっぐぢざぜでーー~っ!?」 『ウンメッ!マジパネェッ!!』 「うっ゛ぎゃぁあぁぁぁぁぁぁ!?」 このゴミ箱は水流式ではない。 コンビニでは回収作業が定期的に行われるので、投下式を設置していた。 この最新のゴミ箱は、転倒防止機能と這い上がりが出来ない構造に作られている。 回収作業を容易に行える様に、箱の底には棘状の突起物は無い。 その為、生きたまま投入されるゆっくり達は、そのまま底で生存する確率が高い。 餌の代わりに他のゆっくりを共食いして、生き残るのも珍しい事ではなかった。 そして、れいむはゴミ箱に居た主の糧となり死んだ。 食われる少し前にジュースを大量に飲んだ為なのか、 生命維持活動が活発になってしまい、なかなか絶命する事が出来なかった。 どこまでも不幸なれいむである。 「やっぱり野良は可愛く無いな。」 残りのジュースを飲みながら結論を述べた。 あの自信満々な声で喚いているのを聞いていたら、いつの間にか突き落としていた。 野良は人をイライラさせる何かがある。 やっぱり躾が行き届いて可愛いゆっくりの方が良い。 「そのあまあまをまりさによこすんだぜっ!」 「まりさっ!かっこいいっ!」 「ぴゃぴゃ!ぎゃんばれっ!」 「いちゃいめみりゅまえに こうちゃんしてにぇっ!」 とか思ってるとまた野良ゆっくりだよ。 全然ゆっくりできない。 「さっさと…」 「はいはい。ゆっくりゆっくりーっ。」 ポイポイと捨てる。 手際のよさに呆気を取られ、親達は何の反応も見せずゴミ箱の中へと消えた。 「…ぴゃぴゃとみゃみゃがぁー~っ!?」 「うぅ?にゃんでぇぇぇぇっ゛!?」 煩く騒ぐ赤ゆも例外なく放り込む。 片方の赤ゆを放り込んだ所で、残りの1匹が、 「…お、おにいしゃんのこじょもになりゅよ!」 早い、早いよ!裏切りが。 この赤ゆは優秀だ。生き残る術を知っている。 「ゆゆー~ん!きゃわいく…。」 でも残念ながらゴミ箱にIN! 汚いし可愛くも無い。それに簡単に家族見捨てるのは良くないよ? みんなに会わせてやるから謝ってきな。 片道キップでの送迎になっちゃったけどね。 ……すっごくガタガタ揺れてるよ。喧嘩でもしてるのか? まぁ、なにはともあれゆっくり仲良くしていってねーっ。 家族の幸せを適当に願いつつ帰宅する事にした。 「ゆあっ゛!?ゆっぐぢやべでっ!まりざはづよいんだよっ! あ゛ぁー~っ゛!?」 「れいぶはおいじぐないよっ!だべるならおちびぢゃんをたべてねっ!?」 「「ぢょぼじでじょんなごぢょいうにょー~っ゛!?」」 『ムーシャ!ムーシャッ!シッ…シアワセーーー~ッ!!!』 「「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ゛!?」」 食欲旺盛にモリモリと食らう。 親ゆの大半を食らった後、隅に逃げた赤ゆを追い詰めていく。 「りぇいむはおいちくにゃいよ!おにぇちゃんのほうがおいちいよ!」 「いみょうとのほうがまろやきゃでおいちいよ!だきゃら……ゆびゃぁ!?」 「ゆっふゅふゅ!れぇいみゅはえりゃばれたんだにぇ!しゅーりりゅーりすゆよ! ゆ…?おくちしゃんあけてにゃにするの?」 一口で絶命した。……ら幸せだったのに。 紙一重で生きていたが擦れ声を上げたのは大失敗。再度大きな口が迫ってくる。 もう一度容赦なく噛まれる恐怖を味わいながら、赤ゆは天に召された。 租借しながら狂ったように歓喜の声を上げ続ける主。 環境のストレスから食べる欲求のみが色濃く表面化して、完全に壊れていた。 この主も夕方の回収を待たずに死ぬだろう。今からまだまだ暑くなる。 じっくり蒸されてこの世にお別れをするのは時間の問題だ。 ひと時の幸せを求めて哀れな主は腹に同胞を詰めていく。 帰り道の途中で路上に転がる、ゆっくり家族の変り果てた姿が視界に入った。 (さっきのが餌を狩った後に戻ろうとして轢かれた。のかな?) ゆっくりの固体判別は難しい。 外見個性が乏しすぎる。 そこに加えて現状はただの餡子の塊が数箇所に点在するのみ、 詳細な判別はほぼ不可能。 「こういうのは誰が片付けるんだろ?」 疑問を呟きながら、塊を避けるのは対向車が接近してる為にちょっと厳しいと判断する。 洗車を覚悟しながら、愛車で餡子に新しい轍を刻み込み走り去った。 終 「れいむとまほうのいた」 「金バッチ品質保障証」 「まりさは優秀な劇団員」 「ぬし」 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1152.html
対決!? あかばえでいぶ 21KB 制裁 ギャグ 自業自得 仲違い 飾り 自滅 家族崩壊 同族殺し 駆除 ツガイ 野良ゆ 赤子・子供 ゲス 都会 現代 れいむ編 ※今度はれいむと戯れます ※現代の何処かの公園です ※野良の家族と人間さんが出ます。 1. 都内の某公園。 隣接した通りでは複数車線の交通網が激しく行き来している。 そんな都会のド真ん中でも、豊かな緑に囲まれるこの公園まで喧騒は届いていなかった。 「こーそ! こーそ!」 それは物陰から誰にも気づかれない様、慎重に様子を伺っていた。 自動販売機の裏から怪しい瞳を灯らせて。 「こーそ! こーそ!ゆふふ…」 その視線の先。 ずーりずーり…。 公園を這っているのは野良の子ありすだ。 周りには姉妹も親も見当たらない。一匹だけだ。 本来金髪である頭は鈍く色あせている。 そして疲れきったその表情から、子ありすが孤児であるのは誰にでも分かった。 この厳しい都会の中で生きる野良ゆっくりの中では特に珍しいことでもない。 「…」 子ありすは当てもなく公園の敷地を這っていた。 親を探しているのだろうか? それともゆっくり出来る場所を探しているのだろうか? 真夏のコンクリートに這い擦るミミズの様に消えかかる命が何処かへ向かう。 人間…青年がいた。 ベンチのゴミ箱の前に立っていた青年がありすの目に入ると 足元までゆっくりと這い寄り、そして弱々しく話しかけた。 「おにいしゃん…それ…すてちゃうの?」 『ん? 野良のゆっくりか…ああ、ちょっと甘すぎてな、食えないんだ』 青年が捨てようとしていたのは 粉砂糖を満遍なく振り掛けたとても甘そうな菓子パンだ。 「ゆぅ…」 青年の話をちゃんと聞いているのかは分からない。 子ありすは青年の手元をただじっと見つめていた。 『ん? 食うか? 食べ掛けでいいならやるぞ?』 思いもよらない持ち掛けに曇っていたありすの顔が喜びに変わった。 「ほんちょう!? ありしゅに くれりゅの?」 青年は菓子パンを小さく千切ると、少しずつ子ありすに食べさせてあげた。 子ありすはかぶりつきもせずに青年が千切り渡すパン切れを何度もお礼を言いながら咀嚼した。 「むーちゃ!むーちゃ! ちあわしぇえ~♪」 笑顔を取り戻した子ありすは、宝物だと言うコインを青年に渡して何処かへ跳ねていった。 青年は手のひらの500円玉を見つめると、なんだか悪い気がしつつも財布に収めた。 2. そんな一部始終を物陰から見ていたのは、先ほどの怪しいゆっくり。 自販機の陰には物々しく黒くて丸いシルエットがいた。 そいつは誰にも聞かれない様に、考えている事を心の中で反復していた。 「ゆゆっ! にんげんさんは ゆっくりできないくずだと おもってたんだけど あんなくずれいぱーの いいなりになっちゃうなんて よわむしだったんだね! ゆふふ れいむも あまあま むーしゃむーしゃして しあわせーするよ!!!!」 と大声で叫ぶと 辺りを用心深く観察してから成体の野良れいむが自販機の裏からのっそり出てきた。 すると黒い帽子を被った同じくらいのゆっくりと 大きな二匹に良く似た小さいゆっくり達も続いて這い出てきた。 「まりさ! ちびちゃんたち! わかってるね!」 大きなれいむが声をかけると、大きなまりさと子供達が返事をした。 「わかってるんだぜ! まりさに まかせるんだぜ!」 「まりしゃも あみゃあみゃを たべちゃいんだじぇ!」」 「れいみゅも あみゃあみゃ!あみゃあみゃ!」 子供達はひらっきぱなしの口から排泄口まで涎をだらだらと垂れ流し 短いモミアゲと三つ編みを振り乱しつつ小躍りをしている。 「ゆっへっへ… いうこときかなかったら まりさが げふんと いわせてやるのぜ!」 「まりさ まかせたよ!!! れいむは おちびちゃんを つれていくよ!!! こんどこそ あまあまを れいむに たべさせてね!!!」 そして父親であるまりさが準備を整えると、野良の家族は青年の元まで跳ねて行った。 「ゆふふ……」 れいむは青年の所へ跳ねながらも、にじみ出る笑みを堪え切れなかった。 あまあま、それは野良ゆっくりが同族で殺しあうほどの至高の宝物だ。 野良の口にする食べ物と言えば、腐った生ゴミや店の残飯などが殆どだ。 草や木の実を食べている山のゆっくりと比べたら、一見豪華なのではと思われるが ゴミ箱で手に入れられる人間の食べ物は しょっぱかったり辛かったり、下手すると死んでしまう恐ろしい劇物なのだ。 しかし生きていく為には例え吐いてでも、それらを沢山食べなければならない。 もちろんそんな味の濃い生活に慣れてしまった野良ゆっくり達は もう苦いだけの草花などは食べられなくなってしまっていた。 そんな地獄のような暮らしの中で手に入れられる甘い食べ物は、もはやドラッグに近い存在となっていた。 殺伐とした食料と住居事情の中で「しあわせー」と言える瞬間。 それは本能が欲っする"ゆっくりする事"を取り戻せる唯一の娯楽だ。 たった一個の飴玉で殺し合いが始まり、地面に溶け行くアイスクリームを取り合い 実の親子の縁がなくなる場合もある。 そんな熾烈な奪い合いの中でれいむは育ち、そして親を失くしたのだ。 れいむはあまあまを拾った親の目を盗んで、一度だけ食べた事があった。 それは普通の野良からしたら、飼いゆっくりに拾われるような貴重で幸せな事だった。 子供のれいむには衝撃的な甘さだった。れいむはその味を忘れることが出来ず 毎日の不味い食事の中で、美味しいあまあまを食べたい、しあわせーしたい衝動に狂おしく悩まされていた。 あまあまを沢山手に入れる事、それがれいむのゆん生を捧げる絶対の夢だったのだ。 そんな苦しみの毎日も今日で終わる。 あの弱虫で、お人好しそうな人間から奪…貰えばいいのだ。 3. 『おや?』 青年は食後のコーヒー牛乳を堪能していると 再び現れた野良のゆっくり達に囲まれた。 先ほどの孤児とは違い随分イキがいい。 大きくて赤いのが体を揺らして喋る。 「かわいい れいむたちに おいしい あまあまを よこしてね! いますぐにだよ! なにしてるの? はやくしてね!」 『え? ええ!?』 同じ形のミニサイズ達は 「はやきゅ れいみゅに よこしぇ!」 「まりしゃに よこしゅんだぜ! いちばんしゃき だじぇ!」 『な、なんだ こいつら…』 親れいむ、親まりさ、子れいむ、子まりさ。 いかにも醜悪な見た目と汚らしい言動を放つ野良ゆっくり達が青年の足元で飛び跳ねていた。 「れいむのいっていることが わからないの? ばかなの? しぬの? しぬなら はやくしんでね! でも あまあまを れいむによこしてから しんでね! ゆっくりしなくていいよ!」 「ゆっくちちないで ちね!」 「にんげんは ばきゃなの?」 ある程度はテレビの番組などで いわゆるゲスな野良ゆっくりがどんなモノかは知ってはいたが 青年は予想以上の生々しい姿と暴言の嵐に面食らってしまっていた。 『お前らは なんて口が悪いんだ… そんな奴らには 甘々なんて一つもやれねーよ!!! 早くどっかいけ! シッシッ!』 青年は足で纏わり尽くゆっくり達を払うが、親れいむと親まりさは全然動じる様子はない。 あんな小さなれいぱーの言う事を聞いてしまう人間なんか何一つ怖くはないし くれと言えば食べ物を寄こす、お人良しなのだと思っていた。 「だから あまあまが ほしいって いってるんだよ! じじいは あたまが ざんねんな にんげんなの? きっと こそだてが へたな おやに そだてられたんだね! ゆぷぷっ」 「つべこべいわないで あまあまをよこすんだぜ! いたいめにあわないと わかんないのかぜ? ばかなの? し― グ シ ャ リ 親まりさは定型句も言えずに果てた。 4. 「ゆ?……ゆゆ? ばでぃざああああああああああ!!!!!!」 「おとうしゃんんんんん!?」「ゆぴぃいいい!!!!」 まりさは一瞬で丸型からピザ生地の成り損ないのような形状へと潰れ ぶち破れた穴から餡子を勢いよく噴出した。 とても綺麗な黒い花を咲かせたまりさの亡骸に家族は寄りすがった。 「ゆがぁあああああ!!! よくも かわいい れいむの まり…さ…を…………ゆっくりしていってね!」 れいむが見上げると青年の表情は、さっきの子ありすに向けた顔とは全く別物だった。 出会ってはいけないタイプの人間と同じ恐ろしいツラをしている事に気がついた。 見誤った?殺されるか?いいや、まりさの態度が悪かったんだ。 あんなありすに施す弱虫だと思っていたが、やはり人間は人間だった。 けれど自分達を皆殺しにはしないし、やはりれいむのまりさに問題があったのだ。 『で、なんだっけ? 甘い食べ物がほしいんだっけか?』 青年はベンチに腰掛けると足を組んだ。 れいむは足を組む時に振り上げられた靴底にビクッとするが 正しい対処法が瞬時に思い浮かばず硬直していた。 『あーあ… そんな口の利き方じゃなければ たーくさん甘々をプレゼントしてあげたんだどなぁ~ お兄さんは さっきのお前達の暴言で機嫌がわるくなってきたよ…イーライーラ♪』 「た、たくさん!? あまあま たくさん れいむに くれるの!?」 青年は持っていた夜食用の菓子パンを揺らし、わざとらしく袋を鳴らした。 その音から親れいむはふんわりして美味しそうな菓子パンを想像して涎を飲み込んだ。 「れ、れいむに あま―」 「あみゃあみゃ!?」「あみゃあみゃ!?」 即座にくれくれ宣言しそうになったが、先ほどの子ありすのやり取りと まりさの死体、そして人間の強さを踏まえ れいむは言葉を飲み込んで堪えた。 野良で家族を持てるほど生きた賢い自分だ。まだ焦る時間じゃない。 馬鹿な人間の同じ"程度"に合わせてあげて、全てのあまあまを奪いとらなければ。 「じじ……お、おにいさん? れいむの あまあまを ゆっくりしないで くださりやがれ?」 『丁寧なんだか脅しているんだか、どっちだよ』 「ありすにだって あまあまを あげたでしょ!」 『ありす? ああ、だからか』 「なんでもいいから れいむにも ちょうだいね! おちびちゃんたちも ほしがってるよ!」 「れいみゅに ちょーらいね!」「まりしゃに いちばん いっぱい ちょーらいね!」 父親の無残な姿も甘い食べ物の前では全てが上書きされたのか 先ほどのように親れいむの傍で跳ね踊っていた。 「はやく れいむに あまあま よこしてね! むーしゃ!むーしゃ!させてね!!!」 『んー つかさー…』 可愛い子供達がいるなら勝てる!そう踏んだ親れいむだったが… 『俺は、まりさってヤツが大嫌いでさ、見てると虫唾が走るんだ』 「ゆ?」 『だからまりさを潰したんだよ、あーあ胸糞悪かった』 青年は嫌そーな眼で れいむ達に視線を向けている。 『ほらだってお前、ふてぶてしい面構えの子まりさなんかいるじゃんか そんなまりさの子供がいる れいむになんか 甘くて美味しい食べ物なんて絶対にあげたくないな』 「ゆゆ!?」 「まりしゃは かわいいんだよ! おめめがくさっちぇる じじいはちね! あちょ あみゃあみゃは まりしゃにだけ ちょーらいにぇ!」 驚くれいむの傍では子まりさが怒り喚いて跳ねている。 そして子れいむはニヤニヤと姉まりさに視線を送り、美味しいあまあまの想像に舌なめずりをし始めていた。 『あーあ…こんなに美味しいのにさー きっと一生食べれないで れいむは子供と一緒に雑草とか食べて飢えて死ぬんだろうなぁ 可哀想だなー』 「ゆ………ゆぐぐ……」 まりさを殺されて、ここで引き下がっては無駄死にだ。 とにもかくにもあまあまを食べたい。 まりさはあまあまを毎日獲ってきてくれると言い可愛いれいむと一緒になったが、結果はどうだ。 なんだかんだ息を巻いても人間に潰されただけだ。 まりさはいつも口だけで本当に役立たずだ。 やっぱりまりさというのは駄目なんだ。 狩りが上手い?笑わさせてくれる。全然ゆっくりさせてくれないクズだ。 「まりしゃの あみゃあみゃを はやきゃよこしちぇね! ばかづらしにゃいで はやくしちぇね!」 親れいむは自分の子まりさを見た。 親のまりさが殺されたと言うのに 可愛い自分の相方が殺されたと言うのに どうしてこの子まりさは、人間に向かって暴言を吐き続けているのか? 人間の機嫌が悪いのが分からないのか?。 こんなお人よしでも意地悪をされたら 持っている全てのあまあまを手に入れられなくなるじゃないか。 れいむのまりさもクズなら、まりさそっくりのコイツも同じだ。 こんなのにれいむのあまあまを分けてやるなんてありえない。 もう、まりさは、いらない。 いらない。いらない。 『あの子ありすも 独りぼっちで寂しそうだったけどさ 野良では絶対食べれない甘くて美味しいご飯を食べれたから きっと誰よりも幸せだったろうなあ… ああーしっかし お前の子供はうるさいな 早く連れて帰れよ 俺は帰って甘いパンを食べるんだよ』 「ゆ…」 「おかーしゃん! くそじじいなんか ぼこぼこにしちぇ まりしゃに あまあまを ちょうらいにぇ!」 親れいむは大いに悩んだ。 『あー うるせー イライラする あまあまなんてやらねーよ どっかいけよお前ら』 「はやく まりしゃに あまあま よこしゃないと おかあしゃんが じじいにゃんか ぼっこぼ― 悩みは終わった。 ガ ブ ゥ ! ! ! ! ! ! ! 親れいむは子まりさを全力で食いちぎった。 「ゆぴぃいいいいいいいいいい!!!!! なにちちぇるのお!? おかあしゃん まりしゃを かぶがぶしにゃいでええええ!!!!」 子まりさの破けた部位からは、とめどなく黒い中身が漏れ出した。 親れいむは子まりさの叫びも聞かずに高く咥え上げると グリングリンと円を描いて振り回した。 「ゆぴぃいいいいいい!!!!ゆぴぃいいいいいい!!!!」 スプリンクラーの様に餡子がれいむの周りに飛び散っていく。 「やめじぇええええ!! ゆんやぁああああ!!! もう おうちかえるぅぅううう!!!!!」 作業は子まりさがペラペラになることで終わった。 そして親れいむは何事もなかった様に青年へ向き直った。 5. 親れいむは割とすっきりした顔で青年と向き合った。 さっきまではしゃいでいた子れいむは いくらなんでも予想だにしなかった母親の凶行に身をこわばらせていた。 「れいむに まりさの おちびちゃんなんて いないよ? さあ おにいさん! かわいい れいむに あまあまを ちょうだいね!」 「まりしゃ おねえしゃんは わ、わりゅいこだったの? れれれれれれいみゅはいいこだよ!?」 子れいむは突然の親の暴行を理解できていなかった。 ただ人間が言っていた事と容赦ないお仕置きを見て ひたすら謝ればいいと青年と親の顔色を何度もうかがっていた。 『おやおや? ゆっくりれいむだけになったか いやー まりさは大の大嫌いだったんだよな!』 青年は晴れ晴れとした顔で喜んだ。 「まりさなんて どこにもいないよ! あまあまだよ! れいむに はやくちょうだいね! いっぱいちょうだいね!」 『でもなぁ』 「…ゆ?」 『やっぱりなー…』 「ゆっ…がああああ!!! くさいくちを ひらくまえに さっさとあまあまを― つっかかるれいむを無視して、青年は渋い顔で子れいむを見た。 『お前ってば 小さい子供が いるじゃないか 子供がいるなら どんなに辛くても生きていけるだろ? 可愛い子供がいればゆっくりできるって よく言うじゃんお前達ってさ』 「ゆ?ゆゆ?れいむの おちびちゃんは すんごく かわいいよ! すーりすーりすると とっても ゆっくりできるよ!」 「おきゃーしゃん れいみゅは いいこにゃの? いちゃいことしにゃい?」 『だろう?』 「で でもっ もっとゆっくりしたいんだよ?」 可愛いれいむの子れいむが、飛び切り可愛いのは当たり前だ。 しかしそれだけではゆっくり出来ない。 あまあまを手に入れる。それがれいむの生きがいだ。 「おちびちゃんが なんなの? かわいくてごめんね! だから あまあま― 『んー… 子供もいない独り身だったらさ 可哀想だから思わず甘々をいーーーーっぱい あげたんだけどなぁ』 「……ゆ?…………………いっ………ぱ…………い?」 『お前は独りぼっちじゃないもんなぁ…』 親れいむは子れいむを見た。 子れいむは親の考えている事を見抜いたわけではないが 「それはぜんぜんゆっくりできなくなる」 そんな本能からくる警報を受け取って小さい体で駆け始めた。 そしてゆっくりしない全速力で遠くへ逃げ始めた。 青年は子供を追い掛け回す親れいむをしばらく眺めていた。 「おがあじゃん ごっぢごなぃでぇええええええええ!!!!!!」 「までぇぇぇええええええええ!!!! にげるなぁあああああああああああ!!!!」 親れいむは後ろから子れいむを捕まえると 大きなあんよでがっちりと体重を掛けて押さえ込んだ。 「ゆぁあああああ!!! ゆんやぁあああああ!!! れいみゅ もっと ゆっくちちたいぃいいいい!!!」 子れいむは親れいむの足から なんとかはみ出た上半身を前後左右へ必死に振っている。 「ゆぴっ!?」 おもむろに子れいむの頭に噛み付いた親れいむは お飾りの赤いちっちゃなリボンを引き千切った 「れ、れいみゅのおりぼんしゃん!?ゆぁぁぁ!!ゆわぁぁああああ!!!!」 本来自分の頭についているはずのリボンが 地面にビリビリに引き裂かれて落ちている。 子れいむから流れる涙は地面を濡らし続けていた。 「おりぼんしゃん れいみゅの ところに もどっっっっっっっっぴょぴょぴょぴょぴょ!!!!」 なんとか親れいむから抜け出そうと 一生懸命に自分のリボンが落とされた場所へ体を伸ばしていたが 親れいむが子れいむの脳天に噛り付くやいなや、ズゾゾゾゾゾと中身を吸い始めた。 「おぴょぴょぴょぴょぴょぴょ!!…ぴょぴょぴょ!…ぴょぴょ!…ぴょ!………………………………ゅ…」 子れいむの大事な部分は、ものの数秒で親れいむの頬に溜まった。 親れいむは子れいむが動かなくなるのを確認すると押さえつけるのを止めて 口内に溜めていた液体を「ゆっぺ!!」子れいむの皮だけの死体の上に吐き出した。 「れいむは…あまあまを…たべるんだよ…ゆっくりするんだよ…ゆふふふふふ…れいむだけの…あまあま…ゆふふふふふふ…」 6. 「こどもも いなくて ひとりぼっちで さびしい れいむに おいしい あまあまを ちょうだいね!」 親れいむの口元は餡子でべったりと汚していた。 そして満面の笑顔と期待を込めた瞳を青年に向けている。 『たしかに一匹だけどさ お前見たところ、結構元気じゃないか ちゃんと餌とか自分で取れそうだ だったら俺が恵んであげなくても大丈夫なんじゃないか?』 と青年は告げた。 子れいむを制裁し、もうコレであまあまは全部 自分の物だと確信していたれいむはうろたえた。 「れいむは ごはんを みつけられるよ!? で、でも あまあまさんは みつけられないよ! あまあまさんは にんげんさんにしか かりができないんだよ!!」 『まあ、おちつけ』 「もうなんでもいいから ゆっくりしないで あまあまを れいむに ちょうだいね! いいかげんにしないと れいむ おこるよ ぷくー!!!!」 れいむは頬を膨らまして拗ねた表情だ。 『怒るくらい元気だったら 甘々なんていらないだろう?』 「なにいってるの? いるよ! たくさん いるんだよ!! あまあまがないと ゆっくりできないよ!」 『でもなー 必要なさそうだしなー』 「れいむは ひとりものだよ! さびしいよ! あまあまを もらわないといけないんだよ!!!」 『いやもっと…そう、ボロボロで傷ついた可哀想なゆっくりだったら… お兄さんは思わずクッキーでもケーキでもクリームパンでもなんでもあげちゃうかもなー こんなに甘くて美味しいお菓子を、野良ゆっくりが食べたらゆっくりしすぎて天国に行っちゃうかもっ』 野良の間では伝説とも言われるあまあまの名前達。 れいむは餡子の芯から来る衝動に震えた。 「あまあまぁああ! あまあまぁああああ! れいむに たべさせてぇええええ!! あまあまぁあああ!!!!」 『でも だってさー れいむはものすごい勢いでx何処かへ跳ねていった。 7. 「お、おにいさん! れいむは ひとりぼっちで さ、さびしいれいむだよ! し、しかも おめめも はんぶんみえなくて と、とっても かわいそうだよ! だから あ、あまあま!あまあま!あまあま!あまままま!!!!!!」 片目が無残に潰れた野良れいむが青年にたかっている。 残った眼は真っ赤に血走り、口元からは涎が絶え間なく流れ続けている。 『おやまあ、そんな姿じゃ生きていくのも大変そうだな』 「かわいそうな れいむに はやく あまあまを あまあましてねぇぇえええ!!!!」 『でも』 「あまま!?」 『お前はあんよもしっかりしているし飾りも立派でさ 俺じゃなくても仲間のゆっくりが ご飯くらい助けてくれるんじゃないか?」 「いいがら あまあまを だせぇええええええええ!!!!!!!!」 『うん 大丈夫だ それだけ元気な お前ならさ 自分で素敵な甘々をいつか見つけられるさ この甘々はもっと不幸そうなゆっくり達にあげるとするかな』 れいむは一心不乱に青年の足に体を擦り付ける。 それは甘えでも暴力でもなく甘々への執着から来たもので もはや禁断症状とも言っていい現われだ。 『くっつくな 騒ぐな 纏わりつくな 駄目だって そんなに我侭を言っても上げないぞ 人間はお前たちよりも強いし、ましてや仲間でもないんだ お前の気持ちだけでは俺は動かないぞ?』 8. リボンは木に何度も擦り付けたせいで破れている。 前歯は石を噛み砕いたせいで所々なくなっている。 噴水に出たり入ったりした底部は変な形に固まっている。 髪の毛はグシャグシャ、モミアゲは足りない、肌は泥だらけだ。 それでも辛うじてれいむ種と分かる野良れいむが青年の前にいた。 『うっわ キモ! 本当にみすぼらしいゆっくりだなあ だいぶ苦労して生きてきたって感じだ』 「れ、れいむ…は つらい…んだよ ふしあわ…せなんだ…よ だから…れいむに…あま…あま…ちょうだい…ね いっぱい…あっても…いいよ…はやく…ゆっくり…させて…ね」 蝿でもたかりそうな赤黒いのが懇願する。 『でもなぁ』 「あ あ あ あ あ あ あ あ あまあまを よごぜぇええええええ!!!!!」 と声を荒げるが 底部が気味悪く変形してしまったれいむには、もう青年に突っかかる事も出来ない。 『…うーん』 「ゆっぐりざぜろぉおおお!!! かわいぞうな でいぶは やざじぐじないど いげないんだぁああああああ!!!!」 涎なのか汗なのか泥水なのか、何か触りたくない者を振り乱しつつ薄汚れた物体が喚いている。 『でもさー』 「ゆっがぁああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」 『俺は ありすだけが 好きなんだよ』 「……………………………………………………ゆ?」 『お前がれいむじゃなかったら 甘々なんてすぐにいくらでもあげたんだけどね~ 別にれいむなんてコレっぽちも興味ないしさ』 「…」 『ん?どうした? お前がれいむじゃなかったら 甘いお菓子でも甘いジュースでも上げるって言ってるんだが? お前はありすか? 違うだろ? な、れいむ』 「れいぶぅう! でいぶは でいぶだびょおお!!! !!!!」 『見れば分かるって』 「でいぶは かわいぞうで ひとりぼっじで こどもがいなくで ぜんぜんゆっぐりできでないんだよぉおおおお!!!!」 『そうか、がんばれ、じゃあな』 「あまあまぁあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」 9. ボロれいむが喚きながらスライムみたいにクネクネしていると 青年の近くの茂みから野良ゆっくりの家族が出てきた。 「おかあしゃん ないてる れいみゅ いたよ!」 「ゆ? ゆっくりしていってね にんげんさん…」 親れいむ、親まりさ、子れいむ、子まりさ。 薄汚れた体と弱弱しい声で野良ゆっくりが青年の足元を通る。 「じゃまして ごめんなさい…れいむたちは すぐにどこかへいくね」 ボロれいむの声を聞いて助けに来たのだろうか。 しかし人間が関わっていると知って、この場を直ぐに離れようとしていた。 『ちょっと待てお前ら…』 「れ、れいむたち なにか わるいことしたの にんげんさん? もしも にんげんさんを おこらせたなら どうか おちびちゃんたちだけは みのがしてください…おねがいします」 「ま、まりさが わるいんだよ! にんげんさん まりさが ここにのこるから どうか れいむたちを…」 『うんうん 仲の良さそうな家族だな ほら美味しいあまあまだ 全部持っていっていいぞ! 元気に暮らせよ! 』 青年は夜食の菓子パンを袋ごと親れいむに渡した。 親れいむは親まりさに渡すと大事に三角帽子に収めた。 そして親も子供達も揃って頭を下げて青年に感謝を告げた。 「あ、ありがとう にんげんさん! れいむたち これで ゆっくりできるよ!」 「まりさも いっぱいかんしゃするよ! にんげんさん ゆっくりしていってね!」 『じゃあなー 盗られないように 今晩全部食べとけよー』 何度も振り返ってお礼を言う野良の家族は、公園の奥へと消えていった。 「…ゆ?」 そして理解が尽いていけず、でいぶは何も言えなかった。 『ん どうした? 俺は【れいむなんて大嫌い】だが 【物を欲しがらないれいむ】には あまあまを上げたりするんだ』 青年はベンチに腰をかけて煙草を取り出した。 「ゆ…ゆへへ…ゆへへへへへへ…」 ベンチで一服する青年の元まで、ずーりずーりと汚いものが這う。 そして媚びへつらう笑顔を作って話しかけた。 「で、でいぶも あまあま なんて ほしくないよ!!!」 『あっそ じゃあやらねーよ じゃあな』 青年は煙草の火をれいむのつむじで擦り消すと公園を後にした。 「…あ…あま…あま…」 れいむの傍には もちろんあまあまなどは、ない。 あまあまを拾って来ないといつも叱っていたのに、それでも自分を愛してくれたまりさは、いない。 人間に取り入るために産んでみたが育ててみれば可愛かった子供達も、いない。 れいむには、あまあまがない 赤くて素敵なおリボンも 丸くて綺麗な瞳も もちもちの肌も 何もかも ない。 by キーガー・フレテール 挿絵 byM1 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る お兄さん上手いなwww -- 2019-03-13 12 23 21 お兄さんいい意味で意地悪www -- 2012-12-09 15 41 59 クソデイブもゲスも、はたまた 善良もそれぞれに需要があってなによりだ。 -- 2012-08-18 00 03 24 ゆうか可愛い最高 -- 2012-07-28 19 34 40 すげえ面白かった -- 2012-05-19 20 57 52 ありすかわいいよありす -- 2012-03-25 20 13 11 ↓18 得たものあるよ 絶望 -- 2012-01-09 00 14 33 ↓×5ありますよ道徳 by鼻水垂れ小僧 -- 2011-04-22 01 30 28 ありすがんばれYO -- 2011-03-01 01 55 13 ↓俺は…ありすでもなる -- 2011-01-27 08 05 51 可哀想な子ありすがいたら助けたくなるのに それが子まりさや子れいむだったら じゃあもっと地獄を見せてやるよヒャッハー!てなるのはなんでだろうw -- 2010-12-23 16 50 31 まあゲスはゲスだったってことだ -- 2010-10-15 16 36 58 道徳的だなぁ。良い話だ -- 2010-10-14 21 49 56 これ道徳の教科書に載っててもおかしくないくらいの話だなww 今道徳なんて授業あるかどうかわからないけど -- 2010-09-25 08 49 04 道徳的だなあ このお兄さん、神として何代か後のゆっくりに崇拝されるんじゃないだろうかw -- 2010-09-22 15 57 09 善良なありすはホンと可愛いな -- 2010-09-15 18 32 03 キガフレさんのSSは毎回教訓的で面白い。 -- 2010-09-13 23 42 21 道徳の時間ですね 最高に面白い -- 2010-08-09 05 12 44 とてつもなくゆっくりできるSSだったぜーーー!! -- 2010-08-09 01 15 28 おお、でいぶでいぶ。 -- 2010-07-20 13 10 07
https://w.atwiki.jp/8103nton/pages/15.html
以下は、http //engawa.2ch.net/test/read.cgi/sports/1358299533/l50から引用 かわいいバドミントン選手を語るスレ 1 :アスリート名無しさん 2013/01/16(水) 10 25 33.09 ID 2vDmJkVi 貴方がかわいいと思う選手について語るスレ その選手について情報、画像、動画などお寄せください かわいいかどうかはあなたの主観でok 2 :アスリート名無しさん 2013/01/16(水) 10 31 15.75 ID 2vDmJkVi 総合スレからとりあえず福島由紀 http //cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/H/HRHM/20120628/20120628152918.jpg http //cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/H/HRHM/20121229/20121229115956.jpg http //pa.dip.jp/jlab/e/s/pa1357898713371.jpg 3 :アスリート名無しさん 2013/01/16(水) 13 38 58.68 ID uNGGzEWu 本当に立てたのかw乙 バレーボール板みたいな感じだな 4 :アスリート名無しさん 2013/01/16(水) 18 14 40.64 ID ZB1UmYVH またいちいち専スレ立てやがって バドミントンやってる奴ってのは脳みそ腐ってるみたいだな? 5 :アスリート名無しさん 2013/01/16(水) 18 26 23.89 ID hGDfUAz5 いいぞ1乙 バドスレ多くて目障りだから 専用板をもらってこの板出てけって言われるようになろうぜ 高橋沙也加たんマレーシア・オープン頑張ってー 6 :アスリート名無しさん 2013/01/16(水) 21 47 18.48 ID FIeuS0WS 松友美佐紀好き 小柄で女子アナの大木優紀に似てる 7 :アスリート名無しさん 2013/01/16(水) 21 55 21.73 ID hGDfUAz5 うむ。このカメラに向かってニッコリの松友かわいすぎる。 そのあとの米元も。 http //www.youtube.com/watch?v=kNlJ0glfJEg#t=2m 8 :アスリート名無しさん 2013/01/16(水) 22 09 32.08 ID FIeuS0WS 動画の松友可愛いな http //livecap.info/sports29/pipipiga.php http //www.smash-net.tv/topics/details/id/276 http //photo.news.livedoor.com/detail/16155 9 :アスリート名無しさん 2013/01/16(水) 23 36 52.25 ID hGDfUAz5 高橋負けたorz 10 :アスリート名無しさん 2013/01/17(木) 00 44 08.63 ID PGp55bfV 先週の浦谷選手かわいかった気がする 11 :アスリート名無しさん 2013/01/17(木) 19 21 46.34 ID 62MVm7Ek ボドミントンワールドマガジンのオープニングで廣瀬と潮田 潮田がおいしいところ持っていったw http //www.youtube.com/watch?v=XWJNA8f_Km0 12 :アスリート名無しさん 2013/01/17(木) 23 25 37.48 ID g7lNC6Q5 松友?高橋?お前等正気か? 浦谷?誰だそれ? 13 :アスリート名無しさん 2013/01/18(金) 04 12 07.12 ID cdRpO1k5 知らなすぎだろ 14 :アスリート名無しさん 2013/01/18(金) 05 35 24.89 ID /RCZlWon 由紀ちゃんオタは来てないのか あいつのために立ったようなものなのにこのスレ 15 :アスリート名無しさん 2013/01/18(金) 22 08 32.92 ID bZALXQfs http //d.hatena.ne.jp/HRHM/archive?word=%2A%5B%A5%D0%A5%C9%A5%DF%A5%F3%A5%C8%A5%F3%5D ここのバド画像いいね 打田がエロかわええ 16 :アスリート名無しさん 2013/01/18(金) 22 54 11.11 ID KfwOO5Qy あーあ、リンク貼っちゃった もう載せてくれなくなったらどうしようw それにしても、昔から、バド画像サイトは女子バレーを兼ねてる所が多いね 17 :アスリート名無しさん 2013/01/18(金) 22 56 57.29 ID bZALXQfs いかんかったか 写真はご自由にって言ってるくらいだから リンクもいいだろうと思ったが 18 :アスリート名無しさん 2013/01/19(土) 01 01 04.73 ID kZ8oWY0t 海外選手とかでもいい? インドのアシュウィニ・ポンナッパ http //actresspadam.com/wp-content/uploads/2012/08/Ashwini-Ponnappa-3.jpg http //lite.epaper.timesofindia.com/Repository/TOIH/2012/02/26/27/Img/Pc0270600.jpg http //www.london2012.com/imgml/athletes/xl/1239358.png http //www.mid-day.com/imagedata/2012/aug/jwala-ponappa1aug.jpg http //newindianexpress.com/incoming/article578512.ece/ALTERNATES/w460/Jwala_aswini_PTI.JPG 19 :アスリート名無しさん 2013/01/19(土) 07 37 51.56 ID vDi0nzSh 16 17 ブログのカテゴリーがバド・バレー・バスケット・サーキットと幅広いがどれが本命かな? 20 :アスリート名無しさん 2013/01/19(土) 08 06 21.98 ID 7BTWLMfL 今SMASH and NET TVで写真を撮ってる人も、元々は栗原恵オタ 21 :アスリート名無しさん 2013/01/19(土) 21 41 43.03 ID H/IDri5q 由紀はんが大好き 22 :アスリート名無しさん 2013/01/22(火) 02 00 47.39 ID h5HRBYLO 18なかなか通ですな 23 :アスリート名無しさん 2013/01/22(火) 02 11 23.79 ID h5HRBYLO 右下の女の子がきょぬー。名前わかる? http //ec2.images-amazon.com/images/I/51h7ayTKYJL._SS500_.jpg 24 :アスリート名無しさん 2013/01/22(火) 03 36 12.47 ID JKY0+yPY 三谷が好き 25 :アスリート名無しさん 2013/01/22(火) 07 39 18.45 ID 5X1hC2j/ 23 いまはもっと痩せてるけど福万かなあ ピンクと黄色は高橋松友だよな 26 :アスリート名無しさん 2013/01/23(水) 22 54 47.94 ID 0z5or42r 24 色白&小動物的なかわいさだな 最近強いし 27 :アスリート名無しさん 2013/01/23(水) 23 24 02.61 ID UrwKB8WD 三谷選手の金沢向陽時代のダブルスパートナーの平野さんも素朴で可愛くて好き 28 :アスリート名無しさん 2013/01/24(木) 00 26 53.37 ID 5DtYHeu2 27 その子は今三菱電機にいる子だよね? その子と組んでる中村さんもかわいいよね 29 :アスリート名無しさん 2013/01/24(木) 00 49 04.84 ID zFJ02Hgt 28(君と握手) 30 :アスリート名無しさん 2013/01/24(木) 08 33 30.73 ID mxhxcmfK マイナーすぎて誰かわからん 31 :アスリート名無しさん 2013/01/25(金) 23 55 07.39 ID PMkB13aB 松友 32 :アスリート名無しさん 2013/01/26(土) 00 36 26.03 ID 1vu26Juz 某海外フォーラムでも 日本人選手では松友のスレが一番伸びてるなw 33 :アスリート名無しさん 2013/01/27(日) 18 01 43.53 ID kKXH2eWV BS朝日 SPORTS X オグシオ・小椋久美子絶賛!!日本一サウスポー美少女エンジェル!! 2013年2月3日(日) 17時30分〜18時00分 34 :アスリート名無しさん 2013/01/27(日) 18 41 45.53 ID u2VRWnO+ 大堀彩たんのことかえ 35 :アスリート名無しさん 2013/01/27(日) 21 52 08.31 ID amyJvcKQ 33 中西貴映だって 知らんわ 36 :アスリート名無しさん 2013/01/29(火) 03 41 03.02 ID pEhvS91+ BS 37 :アスリート名無しさん 2013/01/29(火) 19 00 15.82 ID 5QxSTykQ 大堀彩さん強いしかわいい。試合が始まるとたくさんのビデオカメラがまわりだす。ときにはオタク系がカメラを連写してることも。 38 :アスリート名無しさん 2013/01/30(水) 15 32 48.82 ID 81xLboBR 37ホントかよ?見たの? 39 :アスリート名無しさん 2013/01/30(水) 18 03 22.20 ID u4xbUPA/ 陣内貴美子・元バドミントン選手のコメント (日テレ news everyより) ↓ 「告発文が出たのは残念なこと。この後、選手と監督の関係は変わってくる。 選手(の立場)が強くなる可能性がある。 そうなった時に指導しようとする人が少なくなってくるかもしれない。 そうなると強いニッポンがなかなか作れなくなるんじゃないかという危惧がある。 私も現役の時は指導者の手が飛んできた。 でもあの時はなぜ手を出すのかっていう指導者の理由がしっかり伝わったし、 何より指導者との信頼関係があった」 40 :アスリート名無しさん 2013/01/30(水) 18 35 10.09 ID 81xLboBR ま、結果が付いてきた人はそう言えるよね 41 :アスリート名無しさん 2013/01/30(水) 21 23 39.42 ID cF2EEbvF 大堀さんは会津若松の出身だからならぬことはならぬとか言ってたの? 42 :アスリート名無しさん 2013/01/31(木) 16 42 30.10 ID i6xMozJa 39 カス・ダマト エディ・タウンゼント フレディ・ローチ この辺が鉄拳制裁しながら、選手を育てたって話は聞かないぞ パッキャオやタイソンを殴って言うこと聞かせるシーンなんざ想像できんが・・・ 43 :アスリート名無しさん 2013/01/31(木) 19 43 34.79 ID bKIKyZIJ そりゃエディは「ハートのラブ(笑)」だろ グリーンツダの竹刀全部片づけさせたとかは有名だよな でも親が子供殴るのは良くて、先生はダメって線引きはおかしいんだぜ どちらか認めるなら両方認めなければダメだし、そうでないなら両方否定しなければダメ 44 :アスリート名無しさん 2013/02/01(金) 22 26 15.68 ID f7a3SIzL スレチだからよそでやれ 45 :アスリート名無しさん 2013/02/03(日) 03 06 15.33 ID DIs8pV+Z 得意げにageるなバカ 46 :アスリート名無しさん 2013/02/04(月) 09 16 01.19 ID gWm86/cW バドマガ2月号は65ページの新井田楓ちゃんがかわいい 47 :アスリート名無しさん 2013/02/10(日) 21 21 29.39 ID T+owHzSP ユニシスインドネシアリーグ準優勝 https //twitter.com/ayataka419/status/300169097214300161/photo/1 大蛇に絡まれる内藤と廣瀬 https //twitter.com/HrsErk0316/status/300053476694708225/photo/1 48 :アスリート名無しさん 2013/02/12(火) 10 23 52.41 ID lGwi9YgI 内藤さんいい顔してるね 49 :アスリート名無しさん 2013/02/17(日) 20 38 40.10 ID 8t0y9ivc twitterやってる女子選手多いよね。フォロワーつながりでどんどん見つかる。 50 :アスリート名無しさん 2013/02/19(火) 21 45 08.04 ID 0v7EZW8w 47 ワロタw 51 :アスリート名無しさん 2013/02/20(水) 23 20 49.84 ID V16HFA6e 47 松友可愛い テイラースィフト的な可愛さがある 52 :アスリート名無しさん 2013/03/03(日) 09 48 30.53 ID IxKdIl3J 松友さんめっちゃかわいい 53 :アスリート名無しさん 2013/03/05(火) 16 48 12.89 ID OCAfOHGg 2013ドイツOP WSSF 高橋沙也加とユリアナシェンク http //youtu.be/aR3XKbgSzqo 54 :アスリート名無しさん 2013/03/05(火) 21 51 53.91 ID Bf9l2oNP 画質いいな リ・シュエリに勝った試合もあった http //www.youtube.com/watch?v=cXkXR3MCTU4 55 :アスリート名無しさん 2013/03/17(日) 20 27 27.60 ID FjrQSfxg 作山選手かわいい 56 :アスリート名無しさん 2013/04/09(火) 22 35 16.06 ID 41xW8TxH 倉敷中央高校の加藤美幸がかわいい 57 :アスリート名無しさん 2013/04/09(火) 23 24 40.02 ID JhsSHdv5 、 58 :アスリート名無しさん 2013/04/09(火) 23 25 23.58 ID JhsSHdv5 56 分かる 岡山県の星だわ、あの娘は 59 :アスリート名無しさん 2013/04/10(水) 16 34 44.64 ID 4Ii8dnPp 加藤と今回の選抜女子シングル優勝した星って顔の輪郭似てるよね。 60 :アスリート名無しさん 2013/05/02(木) 20 46 02.05 ID CEQvL3/3 ぎ 61 :アスリート名無しさん 2013/05/24(金) 17 35 12.75 ID ew9zSZpy w 62 :忍法帖【Lv=12,xxxPT】(-1+0:5) 2013/05/25(土) 22 32 42.55 ID FS2R6DcC a 63 :アスリート名無しさん 2013/05/26(日) 14 24 59.83 ID LaioFGAS 大堀彩が台湾でかわいいって言われてたらしい http //blog.livedoor.jp/chris06-article/archives/27048489.html 64 :アスリート名無しさん 2013/05/26(日) 18 59 13.15 ID Qw9FZhZo 台湾は情報が早いな 65 :アスリート名無しさん 2013/06/24(月) 13 52 45.89 ID HwEARmVj age 66 :アスリート名無しさん 2013/06/26(水) 19 34 35.48 ID ApNNQUXg ようつべで富岡高校のバド部紹介されてた。 彩ちゃんかわいいわ。 https //www.youtube.com/watch?v=kY0Rb1oy22w 67 :アスリート名無しさん 2013/06/27(木) 09 18 14.82 ID nI+M2jlv かわいい 68 :アスリート名無しさん 2013/07/23(火) 19 35 02.58 ID EnXQBJQ9 インターハイで可愛い子探すぞ 69 :アスリート名無しさん 2013/07/24(水) 15 01 40.52 ID tEbtbh8t アジアユース優勝の大堀彩が帰国「素直にうれしい気持ち」 http //www.sponichi.co.jp/sports/news/2013/07/16/kiji/K20130716006228880.html 70 :アスリート名無しさん 2013/07/25(木) 19 51 22.17 ID usBpX710 スッピンでも可愛いってすごいよなぁ。しかもバドミントン強いし 71 :アスリート名無しさん 2013/07/25(木) 20 19 25.77 ID usBpX710 楠瀬・米元選手の会見動画 https //www.youtube.com/watch?v=vaCo9pxPGUw 72 :アスリート名無しさん 2013/08/04(日) 14 18 40.03 ID AdcStsr1 「私が選びました」美人バドミントン選手 BEST5 http //matome.naver.jp/odai/2133912798647677901 73 :アスリート名無しさん 2013/08/26(月) 14 38 55.88 ID R9IW5Eqo 前田美順 http //sports.renesas.com/badminton/member/maeda.html 74 :アスリート名無しさん 2013/08/29(木) 14 08 17.11 ID nTPEvEcO 由果里がかわいい 75 :アスリート名無しさん 2013/09/07(土) 07 59 19.00 ID ID4pLkNI 高橋 沙也加 http //www.unisys.co.jp/badminton/w/team/sayaka.html 76 :アスリート名無しさん 2013/09/18(水) 19 04 55.40 ID AlV9plZw うむ、さやかは今日もかわいかった 77 :アスリート名無しさん 2013/09/18(水) 21 33 09.45 ID kZawokGH 藤井ちゃんだなw 78 :アスリート名無しさん 2013/09/19(木) 18 01 10.65 ID wWg+le3g 内田一択 79 :アスリート名無しさん 2013/09/19(木) 19 00 58.26 ID /KJvfLkJ http //youtu.be/j22TKCWIMeU 80 :アスリート名無しさん 2013/09/19(木) 21 16 02.03 ID RILh6VyN うっちー今日も勝ったね 81 :アスリート名無しさん 2013/09/19(木) 21 56 07.63 ID CIWnDfSh 打田しづかのブラチラ画像でハアハア 82 :アスリート名無しさん 2013/09/20(金) 16 13 40.93 ID VIe5t1wu うっちー今日も勝ったぞ 83 :アスリート名無しさん 2013/09/20(金) 21 48 38.10 ID H+2nwwVe メディアもかわいかったら飛び抜けた成績じゃなくてもメジャー競技じゃなくても取り上げてくれるもんね 84 :アスリート名無しさん 2013/09/20(金) 21 59 28.88 ID /Gy+wIhY ?橋沙也加はバドやってるときはカッコいいけどtwitterではアホの子 打田はエロかわいい 85 :アスリート名無しさん 2013/09/20(金) 22 24 57.28 ID 3n3VA0Im うっちーは体幹があまりしっかりしてなくて女の子ぽいところがかわゆい。 86 :アスリート名無しさん 2013/09/21(土) 15 08 22.42 ID GAVZRYAi 俺のうっちーがワンイーハンに勝って決勝進出 87 :アスリート名無しさん 2013/09/21(土) 18 34 20.99 ID lr9OFSZd あれ、おれのうっちーじゃなかったっけ? 88 :アスリート名無しさん 2013/09/21(土) 23 18 19.23 ID SCfayCF8 いや、俺のだろ ぜひ明日勝って優勝してほしいわあ 日本選手同士だけど、このスレの住人ならうっちー一択でしょ 89 :アスリート名無しさん 2013/09/21(土) 23 33 10.37 ID I6AeJn2B 今日、ウッチーの応援現地でしてました。かわいいのはもちろんだけど、男前プレーにも惚れ惚れしました。マスコミも注目するでしょう。 90 :アスリート名無しさん 2013/09/22(日) 00 06 39.73 ID RrkdNZS2 今日のうっちー http //iup.2ch-library.com/r/i1011347-1379775943.jpg 91 :アスリート名無しさん 2013/09/22(日) 06 10 35.59 ID lToLKIh3 やっぱ彩ちゃんが1番 92 :アスリート名無しさん 2013/09/22(日) 11 56 57.39 ID yCRwTcZ1 90 ナイス 日本代表メンバーじゃないから、いつもの日本ユニシスのウェアなんだね 93 :アスリート名無しさん 2013/09/22(日) 13 13 23.52 ID j0sAguj+ おれのうっちー頑張ってる。 94 :アスリート名無しさん 2013/09/22(日) 14 23 18.76 ID r4YRLtgO お前らのうっちー残念 95 :アスリート名無しさん 2013/09/22(日) 14 45 46.81 ID yCRwTcZ1 うっちーお疲れ 線審ゆるさん 96 :アスリート名無しさん 2013/09/22(日) 19 20 32.10 ID RrkdNZS2 うっちーはこっちに貼ってみる。 ほんと女の子打ちだよね。 よく国際試合で頑張ってるよ。 http //iup.2ch-library.com/i/i1012020-1379844949.jpg http //iup.2ch-library.com/i/i1012021-1379844983.jpg http //iup.2ch-library.com/i/i1012022-1379845012.jpg 松友もこんな打ち方だと思っていたらいつの間にかがっちりして高橋と大差なくなってるし、、、 97 :アスリート名無しさん 2013/09/22(日) 22 36 14.05 ID LjcGQqNf うっちーの腋エロかったよね 98 :アスリート名無しさん 2013/09/23(月) 00 53 03.61 ID WDPchxla うっちーは俺の嫁 99 :アスリート名無しさん 2013/09/29(日) 17 23 27.60 ID eLQm1HYz 試合見たけど、山口選手は実力的にもビジュアル的にも今後は伸び悩みそうな印象。 大堀選手との試合で比較すると、足の太さ、長さ、ビジュアル、センスなどなど…僕は何てことをいっているんだ。 クズ野郎だ。 うっちーが好きです。 100 :アスリート名無しさん 2013/10/07(月) 10 21 37.10 ID xtCE1v3V 脇田侑 101 :アスリート名無しさん 2013/10/08(火) 18 56 32.31 ID c4ctaxBh 日本橋女学館の仲井ちゃんが可愛い 102 :アスリート名無しさん 2013/10/21(月) 16 12 30.31 ID ztw9Eim1 打田しづか http //matome.naver.jp/odai/2131293980746292701 103 :アスリート名無しさん 2013/10/23(水) 11 30 36.52 ID GnhDmr+/ 今別府香里とセックスしまくりたい!!!!! 104 :アスリート名無しさん 2013/10/23(水) 12 09 26.07 ID Zq11Qm5c 今別府、むかし筋肉番付でてて最初のダッシュが他の選手と違ってロベカルみたいなダッシュかましたからドン引きして受け付けなくなった。 ソッコー池に落ちたし。 アイドル路線いきたくてテレビ出てみたのかな。 俺のなかでは一生、ロベルトカオリだからな。 105 :アスリート名無しさん 2013/10/23(水) 13 28 29.16 ID GnhDmr+/ 僕は今別府香里に超メロメロです。 今別府香里は世界で一番好きです。 今別府香里は世界一美しい女性です。 香里さんの為なら死んでもいいです。 106 :アスリート名無しさん 2013/10/23(水) 15 44 39.33 ID GnhDmr+/ 今別府香里さん・広瀬栄理子さんと3Pがしたい!!!!! 2人とも超カワイイです。 107 :アスリート名無しさん 2013/10/23(水) 15 45 35.28 ID ZKRRXWa3 今べッパー多いな 108 :アスリート名無しさん 2013/10/23(水) 20 21 42.88 ID sl8SIdXg ?橋沙也加でしょ 109 :アスリート名無しさん 2013/10/24(木) 08 42 55.59 ID HlK+iIAY 香里のオッパイ舐めたい!!!!! 香里が欲しい!!!!! 110 :アスリート名無しさん 2013/10/25(金) 08 12 22.27 ID 2Zl0qPqb 香里の太股、舐めたい!!!!! 香里のお尻、舐めたい!!!!! 111 :アスリート名無しさん 2013/10/25(金) 10 37 04.93 ID kHzp3AYG 今別府姉妹も?橋姉妹も妹のほうが可愛いな 112 :アスリート名無しさん 2013/10/25(金) 12 20 27.50 ID bztFpBNU どっちも興味なし。 113 :アスリート名無しさん 2013/10/25(金) 17 53 27.10 ID 2Zl0qPqb 香里さんはメッチャ素敵な女性です!!!!! 僕は香里さんを思って毎日オナニーしています!!!!! 香里さんの為なら死んでもいいです!!!!! 114 :アスリート名無しさん 2013/10/26(土) 11 44 01.84 ID ktboeT12 やっぱり打田しづかでしょ! 高校時代、試合会場で見たのはいい思い出。 115 :アスリート名無しさん 2013/10/26(土) 19 06 24.34 ID OUnf7z8u バドミントンって会場で出待ちとか出来るのかな バレーボールだと出待ちでサイン貰ったりしてるけど 116 :アスリート名無しさん 2013/10/28(月) 14 46 21.33 ID Q4XuGl4J 今別府香里さん以外は全員ドブス。 香里さんは全てが完璧な女性です。 117 :アスリート名無しさん 2013/10/29(火) 08 02 00.45 ID OW8fNkwT かわいいランキング 1位・今別府香里 後は語る価値なし。 118 :アスリート名無しさん 2013/10/29(火) 09 53 51.49 ID Lj0GeLVD 打田vs今getyouの試合をようつべで見てしまった 119 :アスリート名無しさん 2013/10/29(火) 12 27 03.87 ID OW8fNkwT 打田なんかより今別府さんの方が断然カワイイです。 打田はドブス。 120 :アスリート名無しさん 2013/10/30(水) 09 02 20.33 ID ibIvYAtI かわいいランキング 美人ランキング 1位・今別府香里 後は語る価値なし。 121 :アスリート名無しさん 2013/10/30(水) 10 41 53.59 ID Ddw44oRx いまべっぷの価値がどんどん下がってるなぁ… 122 :アスリート名無しさん 2013/10/30(水) 11 23 24.48 ID ibIvYAtI 今別府さんの価値は上がる事はあっても下がる事は絶対 ありえないです。 今別府香里さんは絶世の美女です。 123 :アスリート名無しさん 2013/10/30(水) 12 35 51.84 ID Rc4djmNQ 引退したけど赤尾亜希が一番かわいい 124 :アスリート名無しさん 2013/10/30(水) 20 58 14.12 ID PQZOH7dk 赤尾もかわいいねぇ いまは福島ちゃんとか、西山ちゃんもいいね
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4375.html
『まりさは飼われゆっくり7』 26KB 観察 差別・格差 日常模様 群れ 野良ゆ 現代 続けて失礼します ※「anko4326 まりさは飼われゆっくり6」の続きです。 奇妙な胴付きはそれからも自然公園に留まり、要らぬとまでは言わないが特別ありがたいものでもない、まさしく「それなりー」なお節介を焼き続けた。 その活動範囲は自分たち親子に止まることなく、すぐにこの自然公園に住み着く群れのゆっくりたちにまで広がっていく。 群れから胴無しのあんよでそれなりに離れた位置にあるダンボールハウスにそのまま居を構えることにしたれいむは、半分群れから独立して生活しながらも時たま訪れる長を初めとした群れのゆっくりと交流し、あるいは飽きずにやって来る胴付き自身から直接えーゆーたんっ!を聞いて、その動向に関する情報を得ていた。 あの胴付きまりさは自称英ゆんまりさの子孫だそうで、「まりさも、みんなをゆっくりさせるためにがんばるよっ!」と最初にわざわざ宣言したらしい。 本当に捨てゆなのかただの迷いゆなのかは判別できないが、少なくとも元々かなりいいところで飼われていた愛玩ゆに違いない身にしては、薄汚い野良に対して極めて寛容で、身体の汚れにもお飾りの欠損にもケチをつけない。 衣食住すべてが劣悪な野良生活に苦労はしているようだが、それに対して文句も言わない。 何より、そんな中でも自分を二の次にしてまで他ゆんのために尽くすほどの殊勝な子である。 だが、殊勝なだけで許されるほど世の中もゆっくりも甘くない。 お遊戯の世界でない確固たる現実を生きている野良の身にとっては、最終的に出される結果こそが大きな意味を持つ。 そしてこの胴付きまりさの場合、結果に関しては壊滅的なまでに「それなりー」なのであった。 …………。 子れいみゅと子まりちゃの反応がよっぽどショックだったらしい胴付きは、群れのゆっくりのためのご飯さんとして、生ゴミさんを「狩って」くるようになった。 胴無しの身ではお山の自然公園から出て、ゴミ捨て場からゴミ袋を持ち去り、再び戻ってくることは到底出来ない。 そういう点では胴付きの行為は確かにありがたい。 だが、あの時と同じように「しあわせー!になってねえ!」というような満面の笑みで提供されるそれらは、かつての懐かしきあまあまでもゆっくりフードでもなく、所詮は生ゴミ。 お野菜さんの切れ端を初めとしたまともにゆっくりできるものも含まれているが、完全に腐っているもの、ゆっくりにとって毒になる辛いもの、苦いものなどの方がむしろ多い。 そして、それを見分ける術を奇妙な胴付きはまたしても持ち合わせていなかった。 「むーちゃむーちゃ……ゆっぎぇええ!! こりぇ、どくはいっちぇりゅううう!! えれえれえれえれええ!!」 「れいみゅのも しゅっぴゃいよっ! くさっちぇりゅよぉぉお!!」 「ゆゆっ! どうつきさんっ! おやさいさんは どこなのっ!? ゆっくりしないで だしてねっ! たくさんでいいよっ!」 「ゆぁ~ん、これだけなのぜぇ? ……もしかして、ひとりっじめ!してるんじゃないのぜぇ? しぬのぜえ!?」 群れの並みの餡子脳たちにそうやって罵倒されるたび、胴付きは例のおちびちゃんのような顔で泣くらしかった。 気持ちは必ずしも分からないわけではない。 大体群れのゆっくりの方も、それほど賢かったり善良だったりするわけではないようで、胴付きまりさがゆひぃゆひぃ言いながら運んでくる大量の生ゴミに遠慮なく群がり、そこに生えてきたとでも言わんばかり、当然のようにおうちに持ち帰っていく。 「むれいちばん さいっきょうっ!のおとーさんが、ゆっくりかりにいってきたのぜえっ!」 などと家族に虚栄を張るために利用している小ゆん物の惨めな雑魚まりさまでいるとのことだ。 それはさておき、調子に乗っただぜだぜ饅頭等などにいじめられて大泣きを始める胴付きまりさを慰めるのは、長であるぱちゅりーとその番であるありすの仕事。 あなたはゆっくりしているわっ。 みんな、まりさにかんしゃしてるのよっ。まりさは、とってもとかいはよっetc.etc. まるでおちびちゃんの面倒を見ているみたいだわ、という長ぱちゅりーの愚痴にれいむは同意し、同情した。 今ではぱちゅりーとありすが先立って生ゴミの選別を行った上で配給を行っているとのことだった。 …………。 ある日、胴付きは群れのゆっくりやおちびちゃんたちを連れ、自然公園内にある花壇の近くにまで行った。 人間さんにとってはせいぜい丘程度であるこのお山の自然公園には水道が引かれており、人間さん用のトイレもあるし、花壇に水をやるために屋外の水道もあるのだ。 自慢のお手手できゅきゅっと蛇口を捻った胴付きまりさは、怖がるおちびちゃんを無理やり掴み、「しゃわーさんだよっ!」と冷たい流水の中に晒した。 「おみずしゃんは、ゆっくちできにゃいいいい!! とけちゃうよぉおおお!!!」 と怯えて垂れ流されるおそろしーしーも、あにゃるにこびりついているうんうんと一緒に流されていく。 さらに、地面の土や砂埃で全体的にくすんだ色をしていて、親ゆっくりの唾液や自身のうんしーでべっとべとだったおちびちゃんの肌が、本来のきれいですべすべなものになっていく。 責め苦とも言えなくないシャワーさんを終えて胴付きの手に乗せられたおちびちゃんを見て、周囲のゆっくりたちは 「れいむのおちびちゃん、とってもはんっさむ!だよぉお!!! きまってるよぉおお!!」 「ゆゆーっ! まりちゃって、そんなに びゆっくりだっちゃにょ!?」 と歓声を上げ、泣いていた子まりちゃおちびちゃんも、「ゆわぁ……」と笑顔を取り戻す。 そして、地面に置かれた瞬間、まだ乾いていない身体とあんよに土がべったりと付き、一瞬で前より酷い泥団子に戻るのだった。 汚れるだけならまだしも、水気を取る手段も発想もないのにゆっくりを水に濡らすという行為は、さらに酷い結果を引き起こした。 熱い太陽さんが輝く真夏でなくても、体表の肌なら自然乾燥でいくらでも乾く。 じめじめした梅雨さんも過ぎているので、よっぽどじっとしているのでない限り、下部になるあんよがカビるということもない。 しかし、細かい糸のような砂糖細工が何本も織り込まれている髪の毛さんは別だ。 砂まみれでぐしゃぐしゃになった髪の毛にきゅーてぃくるっ!を取り戻してあげようと、おちびちゃんたちのうち数ゆんが冷水だけのシャンプーさんを決行され、後日頭皮をゆカビに侵されることとなった。 「まりちゃのあちゃまが かゆいかゆいだよぉおお!!」 「むーじゅむーじゅしゅるのじぇええええ!! ゆんやあああ!!」 「かいてにぇえええ!! ゆっくりかーりかーりごーしごーししちぇええええ!! しゅぐでいいよおぉお!!」 もったんもったん跳ねて暴れ回り、逆さになって地面に頭を押し付けても、それは小さな饅頭がころんと転げただけに過ぎず、頭皮には緩い一様な圧力しか感じない。 自身あるいは親ゆっくりがお下げや揉み上げで頭を掻こうとしてもふさふさと表面をむず痒く撫でることしかできない。 最終的に、尖った木の枝で「しゅじゅつっ!」を試みた親ゆっくりによって子まりちゃが体を貫かれて永遠にゆっくりし、子れいみゅは髪の毛を毟り取られて禿げ饅頭となった挙句、非ゆっくち症でやはり永遠にゆっくりした。 親ゆっくりたちは胴付きが元凶だと責め、せいっさい!だと騒ぎ立てたが、長ぱちゅりーが胴付きの持つあまあまによる示談を提案すると飛びつくように同意し、事件はともかく一件落着となった。 その後、自分のおちびちゃんにシャンプーさんをして欲しいという親ゆっくりが何ゆんか現れたが、長ぱちゅりーに止められた胴付きまりさがそれに応じることはなかった。 …………。 名誉挽回を図る胴付きは、近づくだけで怖がるような仕草を見せるようになっていたおちびちゃんたちを再び無理やり連れ出し、今度は飼いゆ専用プレイス「ゆっくりプレイス」に赴いた。 毎日子ども達が遊びに来るほど繁盛している公園ではないが、ここにも柔らかな芝生と硬い植垣からなる「ゆっくりプレイス」が設けられており、休日になればクソ飼いゆとクソ飼い主が遊びに来ているらしい。 野良にとっては禁じられた領域とでもいうべき「ゆっくりプレイス」に、胴付きまりさはずんずんと入っていく。 汚い胴無し野良ゆっくりがナメクジのような速度でゆったんゆったん入っていこうとすれば、その丸い体を脚で蹴飛ばされるか、小さなおちびちゃんなら摘み上げられてぽーい!される。 ゆっくりに愛護的な人間さんなら乱暴まではせずとも、少なくとも中には入れさせてくれない。 おちびちゃんたちが中に入れるのは、一般的に保護の対象とされている胴付き形態のまりさがいるからだ。 「まりさたちも ゆっくりなかまにいれてねっ! まりさが おちびちゃんたちの ほごしゃさんだよっ!」 珍しいものを見たとばかりに目を丸くし、「ゆっくりしていってね……?」と挨拶までしてくれる愛で人間さんの横を胴付きはゆっへん!と胸を張って通り過ぎる。 一方で帽子に乗ったり、胸に抱えられていたりするおちびちゃんたちが、大きな人間さんを見て「ゆぴぃぃ……」と鳴く。 「さあっ、おちびちゃんたちっ! ここがおちびちゃんたちの ゆっくりぷれいすっ!だよっ!! たくさんぴょんぴょんしても、ずーりずーりしても、ぜんっぜん!いたくないでしょ? ゆっくりできるあそびばさんで、いーっぱいいーっぱい!ゆっくりしていってねぇっ!!」 「ゆぅぅぅ……ぴょん、ぴょん……ふーかふーか……」 「ゆっくち、できりゅのじぇ……ゆわーいぃ」 人間さんや飼いゆっくりの目を気にしてびくびくそわそわとしながらも、人間さんと同じく自分たちをどうにでも出来る力をもつ恐ろしい胴付きまりさの管理下にいる手前、言われたとおりに「ゆっくり」しなくてはならない。 「くしょのりゃ!!」 「「「ゆひぃっ!」」」 隅の方でおずおずと蠢いていた野良おちびちゃんたちのところに、毛糸のお洋服を着た飼いゆの子れいみゅが跳ねてくる。 その後ろには家族と思しき成ゆんれいむ・まりさと、子まりちゃが付いてきていた。 「にゃんで こうきっ!なれーみゅのゆっくちぷれいしゅに、ぶさいくな くしょのりゃがいりゅにょ!? にゃんなの? そのごみくじゅみちゃいなおかざりは? れいみゅたちゆっくちを、ばかにしちぇりゅにょ? じぇんじぇん!ゆっくちできにゃいにぇえ!! いましゅぐ ちんでにぇ! そしちゃら、きえちぇにぇ!」 「なに かっちぇに まりちゃしゃまをみてりゅのじぇっ!! なまいきなのじぇっ! ずがたかいのじぇっ! げしぇんなのらゆっくちは、くっしゃいうんうんにかおをつっこんでてにぇ! ずっとでいいのじぇっ!!」 「「「ゆぴぃぃぃい……!!」」」 「れいむのかわいいおちびちゃんたちっ! だめだよっ、のらゆっくちにちかづいちゃ……!」 「ゆっくりこっちにもどってくるのぜぇっ! きょういくっ!にわるいのぜえっ!!」 親ゆっくりが汚物を見るように顔をしかめて、野良おちびちゃんたちを見下す。 可哀想なおちびちゃんたちは、自分たちよりはるかに大きなおとなっ!のゆっくりが近付いてきたことでさらに震え上がってしまう。 ゴツゴツのゴム底お洋服を履いた親まりさや親れいむが少し動くたび、ぷしゃっ!とおそろしーしーを漏らしている。 「でみょでみょ、おきゃーしゃっ! おとーしゃっ! こいつりゃ、じぇんっじぇん!ゆっくちしちぇにゃいのじぇっ! むーかむーかしゅりゅのじぇっ!」 「きちゃにゃい くしょのりゃとは ゆっくちできにゃいよっ! くじょっ!しちぇにぇっ!」 「ゆゆぅぅ……たしかにくそのらは ゆっくりしてないのぜ。それなら、さいっきょう!のまりさが ゆっくりせいっさい!してやるのぜ……?」 「まりさまで、だめだよっ! のらゆっくりは、ゆっくりしないでいきてるんだよっ!? がいっちゅう!のうんうんゆっくりなんだよっ!? みてっ! あのぶっさいくなおかおっ! きっとじぶんのうんうんさんをたべてるんだよぉ……!! ゆげぇ! そこらへんのなまごみさんより、ずーっと!きたないよぉ……ゆかびがうつっちゃうよぉぉ……!!」 「ゆゆ~ん、のりゃゆっくちは うんうんゆっくちぃ~♪ まりちゃしゃまの かりぇいな あにゃるふーりふーりだんすっ!で、しっしんするがいいのじぇっ! それぇっ! もりゅん もりゅんっ!もりゅりゅりゅーんっ! ゆきゃっ!うんうんでりゅっ!!」 「れいみゅのうんうん、たべちぇもいいよっ! いっぴゃいあげりゅにぇえっ! ゆんゆんゆーんっ!! ゆぅぅん、れーみゅは まるで てんししゃんぢゃよぉぉおっ! やさししゅぎて ぎょめんにぇえええ!!」 「ゆぅぅぅ!! ゆっくりやめてねっ!!!」 飼いゆっくりがゲスな本性を丸出しにし、ゆっくり特有の間延びした口調で野良おちびちゃんたちへの罵倒の文句を垂れ終わってから、胴付きまりさは颯爽と両者の間に立ちはだかった。 飼いゆから向けられる悪意に野良おちびちゃんたちは完全にやられ、ぴーぴー鳴いておそろしーしーおそろうんうんを垂れ流し、ゲス飼いゆたちの言うとおりのうんうんゆっくりになってしまっている。 「のらゆっくりだって、ゆっくりだよっ! れいむたちとおなじで いきてるんだよっ!! ゆっくりしたいんだよっ!! なのに、どーして なかまはずれにするのっ!? どーして、いじめたりするのっ!? かいゆっくりと のらゆっくりで、なにがちがうっていうのおおお!!?」 「ゆぁ~ん? なにいってるのぜぇ……のらゆっくりは ゆっくりしてないのぜ。ぜんっぜん ちがうのぜ」 「しょんなことも わからにゃいにょ? ばきゃにゃにょ? ちぬの?」 「あんこのうにゃのじぇっ!」 「あんこのうじゃないよっ! まりさは、えいっゆん!なんだよっ! おなじゆっくりとゆっくりできないまりさたちのほうが、よっぽどあんこのうで、ぜんっぜん!ゆっくりしてないよお!!」 胴付きまりさは眉をキリッ!と立てて、両の手を広げて庇うように立ちはだかる。 顎を突き上げてゲスな表情を丸出しにしている小さめのバランスボール大の飼いまりさも同じく、おちびやれいむの前に一歩踏み出した。 「ゆぁ~んっ? どうっつき!だからって、ちょーしのってるんじゃないのぜぇ? げすなくそどうつきは、まりさまのぷくぅ!で いますぐしぬのぜえ!! ぷぅぅっくうううう!!!」 「ゆんっ! なんなの? そんなのぜーんっぜん!!こわくないよっ! ゆっくりしてないよっ! まりさがなーでなーでしてあげるから、ゆっくりしてねっ! そしたら、おちびちゃんたちにあやまってねえ! ほら、なーでなーでぇ!!」 「ゆゆっ! や、やべろおおっ!!! まりざ、おちびちゃんじゃだいんだぞぉおお!! ゆっがあああ!!! やせがまんっ!しないで、さっさとしねえええ!!! ちーちーもらせえええ!! ぷくぷくぷっくうぅぅう!!」 飼いまりさが必死な顔でふくれっ面をし、胴付きまりさがひたすらその頭を撫でる。 次第に飼いまりさはプライドが折れて涙目になり、一方の胴付きまりさもいつまでも「はんっせい!」してくれない飼いまりさの態度にオロオロし始める。 おちびに「おとーしゃんは ざこゆっくりだったんぢゃにぇっ!」と馬鹿にされた飼いまりさが 「ちに゛ぇ ちにぇ゛え゛え゛!! どぼじぢぇ、まりぢゃのしゃいきょーな たいっあちゃり!でちにゃにゃいにょじぇええ!! ゆぴぃぃい……!!」 と胴付きまりさにじゃれ付き始めるが、紛いなりにも上半身の体重をしっかりと支えるほど丈夫な胴付きのあんよに大した効果はない。 「いたくないよっ!」「かんじないよっ!」と胴付きがそれを受け止め始めてからやっと、飼いまりさの飼い主がやって来た。 両者とも「なんにもわるいことしてないっ!」と確信していただろうその場は、英ゆんまりさ曰く飼いまりさが飼い主さんに叱られ胴付きの方は立派な――間違いなく何かの勝手な解釈だろうが――ゆっくりだと褒められて、収められた。 調子付いた胴付きは、ペットの漏らしたクソを片付けている最中の飼い主さんに向かって 「おねーさんっ! かいゆっくりのしつけっ!はちゃんとやってねっ! そのこたち、げすになっちゃうよっ!」 と苦言まで呈したそうだ。 それでもおちびちゃん含め全ゆん無事帰ってきたということは、その人間さんはよっぽど心の広い愛で人間だったのだろう。 あるいは増長した飼いゆにすら強く出られない弱気コミュ障な真性奴隷なのかもしれない。 ぶつくさと負け惜しみを言いながら遠ざかっていく親れいむと飼いおちびちゃんたち、その後ろを必死にぴょんぴょん付いていく涙目の親まりさ。 飼い主のお姉さんになーでなーでしてもらい、ご機嫌直しにあまあまを与えられている。 遠めに胴付きたちの方をちらりと見やり、お前ら野良はこんなあまあま食べられないだろう? といやらしい視線を送ってくる。 親まりさに至っては先ほどの腹いせか、口を大きく開けて麦チョコをくっちゃくっちゃ噛み砕いている様を見せつけ、まだ震えていたらしい涙声で「じーああばせええ!!」と大きく叫んだそうだ。 おちびちゃんたちが羨ましそうな、それでいて絶対に手に入らないことを悟っている表情で、そちらを見る。 胴付きまりさはそんなおちびちゃんたちにそっと寄り添い、飼いゆたちを負けじと睨み返し、自らのお帽子に手をかけた。 うぞぞぞぞぞぞ…… 「ゆんっ! おちびちゃんたちぃっ! まりさたちも、おやつにしようねぇ!」 そう言って胴付きが山盛り取り出したのは、れいむや長ぱちゅりーが教えてやったお山で取れる極上の食べ物――芋虫さんや蝶々さんである。 こちらを見ていた飼いゆや飼い主の人間さんたちが、「まりさたちのおやつがあまりにゆっくりしていた」ためにびっくりして、一斉にうげえええ!と顔をしかめる。 「さあっ! ゆっくりめしあがれっ!」 おちびちゃんたちが震えて身を寄せ集まっている方に、芋虫の山をざーっと寄せる。 恐らくおちびちゃんたちはぐぐっと後ずさりするように身を反らしただろう。 飼いゆとしての教育も経験も受けていない生粋野良のおちびちゃんにとって、胴無しの親が極々たまに取ってくる芋虫さんは確かにごちそうであった。 が、目の前で飼いゆたちが食べている本当のあまあまを実際に見てしまった今ではどうか。 きれいなお洋服とお飾りの”ゆっくりした”人間さんや飼いゆたちが見るからに気持ち悪がっているものを、どう思うのか。 胴付きの手によって引き寄せられ、うねうぬうねええ!!と激しくのたうつこれらは、本当にゆっくりしていると言えるか。 「ゆぅぅ……れーみゅ、いらにゃい……」 「おにゃか、すいちぇにゃいのじぇ……ゆっくち……」 「ゆゆーっ! えんりょ!しなくていいんだよぉっ! おちびちゃんたちのためにとってきたんだからねっ! いっぱい むーしゃむーしゃしようねぇっ! ほーら、いもむしさん、こんにちわあっ!」 「ゆゆぅぅぅ……!!やめちぇにぇ、やめちぇにぇええ!! れーみゅ、いらにゃいっていっちぇりゅにょにぃぃい!!」 「ゆふふー、ほらー、むーしゃむーしゃっ! しあわせ? しあわせえーっ? ゆわわーい!」 「ゆびゅびゅぶぅぅう……むーぢゃむーぢゃぁあ……!! ゆぇぇぇ……!!」 「い、いいのじぇっ! まりちゃはおにゃかいっぴゃぃ……ゆ、ゆぁぁあ……ゆ、ゆんやあ゛あ゛ばばば!!」 小さな体を掴まれた子れいみゅ子まりちゃが、叫んで開いた口に無理やり芋虫を詰め込まれていく。 肉厚でじゅーしー!な芋虫さんたちがたくっさん!お口に飛び込んでくるのは、かつてのおちびちゃんたちにとっては夢にまで見るようなしあわせー!だっただろう。 それなのに、今は何故か目から涙が溢れ、口の中でもぞもぞもぞぉぉ!と蠢く芋虫たちに吐きそうな気持ち悪さまで感じてしまう。 その様子を遠くで見ていた飼いゆたちは、普段の都会派な暮らしとはかけ離れたグロテスクさに驚愕し、お下げや揉み上げで目を覆い、あるものはゆっぷ!えれえれと軽く吐餡してしまう。 何より人間であるクソ飼い主たちが、仮にも自分たちが愛でているものと同じ形をした生物のそんな生々しい姿を見せ付けられて何を思ったのか、想像に難くない。 直後に「らんちさんをたべにかえった」という人間さんたちは、多分二度とここに来ないだろう。 --------------------------------------------------------- 「――ってねっ! おちびちゃんたち、しあわせーしあわせー!っていってくれるんだよっ!! ゆゆぅぅん!! ゆんっ! こんどあのまりさたちがきたら、まりさのいもむしさんをゆっくりごちそうしてあげるんだよっ! ……ゆゆっ! だいじょーぶ!だよっ! おちびちゃんたちっ! またまりさたちがいじわるしてきたら、まりさがゆっくりまもってあげるからねぇ!!」 「ゆはぁ…………」 今現在ダンボールハウスの隣に座り、えーゆーたん!をとうとうと語る胴付きまりさを見て、苦悩多き野良れいむの気分は限りなく重たかった。 胴付きのお帽子のツバに乗せられたおちびちゃんたちが、胴付きが興奮してゆん!ゆん!と動くたび、転げ落ちそうになって「ゆぴぃい!!」と鳴いている。 今日もまた飼いゆ専用ゆっくりプレイスに”遊びに”行くそうだ。 「はぁ……まりさ、もっとゆっくりしたらどうなの。 なんでそんなにあくせくしてるの? しぬの?」 「ゆゆー?」 れいむは自分のおちびちゃんたちを隠すようにダンボールハウスの奥、自分のお尻の下に挟んで、胡乱な目で胴付きを見上げた。 「だって、まりさはえいっゆん!になりたいんだよっ……みんなに、ゆっくりしてほしいんだよっ……! きょうもねっ、むれのみんなが『おちびをよろしくのぜっ!』『あそんであげてねっ! ゆっくりでいいよっ!』 っておねがいしてくれたんだよっ! まりさは、ほいくゆんなんだよっ! ゆっへんっ!」 「ゆっはぁぁぁ……すくいようがないね……」 れいむは既に大体予想できていたことが確認され、諦めの気持ちをより強くした。 「みんなをゆっくりさせるため」という錦の旗を振りかざして行動する胴付きまりさ。 その志や立派かもしれないが、何をしても「それなりー」にしかならないことに焦り、こいつは節度を失っている。 例えば先のおちびちゃんゆカビ事件もそうだし、生ゴミを狩ってくる行為にだって様々な二次的リスクが付きまとう。 「ゆっくりプレイス」でついに飼いゆや人間さんにまで接触し始めた胴付きに、長ぱちゅりーやありすも危機感を募らせているそうだ。 お山の麓まで何往復もして持ち込まれたダンボールハウスでいっぱいになった群れの中心部で、同じくぷれぜんとっ!された特別ふーかふーかな羽毛布団の端にちょこんと埋まりながら、長ぱちゅりーもありすも胴付きに説得をしているとのことだった。 「もっとゆっくりしたら?」と。 しかし、そう言うぱちゅりーたちも、自分たちの放つ言葉が詭弁に過ぎないことをよく理解しているはずだ。 大人しくゆっくりしていろとは言っても、胴無しの群れに胴付きがただ佇んで、どうゆっくりすればいいのか。 胴無しゆっくりと一緒のおうちには入れない。 すーりすーりと頬と頬を合わせ、互いに信頼しあった目線を交わすことも難しい。 番になってくれるものも当然いない。 養子になりたいといってくれるおちびちゃんすらいない。 そもそも成ゆんの方にも胴付きまりさを本当に慕っているゆっくりなど、いないかもしれない。 胴付きまりさのおかげで日々の家事や労働が一気になくなったゆっくりたちは、ひたすらおうちに篭って文字通りゆっくりしたり、すっきりしたりしている。 以前は狩りやその他共同で行わざるを得ない仕事を通じて多少は交流があった群れは、今やただの集合住宅状態。 その中で唯一ゆっくりせず働く、自分たちとは微妙に違う異質な存在。四肢のあるその姿。 同族として認識しないといったことこそなけれど、さて、そのような”ゆっくりしていない”存在、自分たちのためにひたすら奉仕する存在を、ゆっくりたちは一般に何と呼んでいたか。 まりさの帽子の上から、ちっちゃなれいみゅが縋るような目で同種たるれいむを見る。 それはれいみゅの下にある胴付きの暢気な顔と対照的で、その対比にれいむは再び重苦しい気分になった。 英ゆん改め保育ゆんを自称し、おちびちゃんたちの面倒を見ているつもりのおめでたい胴付き。 その”ほいくえん”の実態は、うんうん製造機の厄介払いに過ぎない。 あんよの弱い子ゆっくりが枝や石だらけの群れの中心部で遊びまわるわけにも行かず、昼も夜も狭いダンボールハウスに一家がぎゅうぎゅう詰めになる。 土や埃で薄汚れ、緩いあにゃるまみゅまみゅから常にうんしーを垂れ流して悪臭を発する子ゆっくりは、実ゆっくりのように見ているだけでゆっくりできるような都合のいい存在ではない。 常に何かしらゆっくりできない・ゆっくりしたいと、自分たち親のプライドを傷つけるようなことを呟く。 すっきりーの邪魔にもなるし、生えてきた茎をその場で間引く場合にもやはりおちびがいては気が引けてゆっくりできない。 そんなうざったいだけの、かつ殺せば殺したで群れの掟に違反してしまうわ死臭はしてしまうわの何とも面倒くさい存在を、日中ぐらい胴付きに引き取ってもらえれば都合がいい。 胴付きはおちびちゃんをゆっくりさせる気満々なようだし、きっと楽しくやってる。子育て上手でごめんね!というわけだ。 そういう親ゆっくりのエゴに振り回されている子ゆっくりたちは――食われずに生きているだけしあわせ、かどうかもよく分からないが――何とも可哀想だ。 せめて胴付きがまともな”ほいくえん”をやってくれればいいのに。 「ほいくえんがやりたいなら、せんようのだんぼーるでもよういすれば? それで、しねば?」 と提案したれいむに対して、胴付きは眉をひそめたムカつく泣き顔で 「そんなの だめだよっ! れいむたちにもわるいけど……だんぼーるさんなんかじゃ、おちびちゃんたちのあんよは、ぜんっぜん!ゆっくりできないよっ!」 と反論してきた。 独善ここに極まれり。何が「あんよがゆっくり」だ。 部分に目を捉われていて、大切なことを見失っている。 おちびちゃんたちが嫌がってるのだとストレートに言ってやっても、全然聞かない。 下手におちびちゃんたちが利口でイイ子に「ゆっくちできりゅ……」と振舞っている、振舞わざるをえないのが厄介だ。 一体こいつの目におちびちゃんたちの姿は本当に映っているのだろうか。 何故おちびちゃんたちが泣きそうな顔をしているのが分からないのだ。 いっそのことぱちゅりーが長の権限を以って「ついっほう!」してくれればいいのだが、そうもいかない。 ぱちゅりーは長といってもこんな小規模な群れでは実質的な権力など持たない、ただの意見調整役の知恵者に過ぎない。 それに中身はともあれ胴無しに比べて圧倒的な身体スペックを持ち、自分たちに好意を寄せて献身的に尽くしてくれる胴付きまりさを、生きる上で何が起こるか分からない野良の群れが容易く手放せるわけがない。 群れの多くのゆっくりが都合のいい労働力としての胴付きに「ここでゆっくりしていって」ほしいと思っているだろうし、群れを統べる長の身としては尚更だ。 この奇妙で危なっかしい胴付きに飼い主さんのところに帰ることを促しているのは、恐らく自分だけだろう。 「――いむっ! れいむぅっ! きいてるのっ!? ゆっくりーっ!!」 「ああ、はいはい、ゆっくりゆっくり。れいむのおちびちゃんたちは、きょうも れいむとゆっくりするよっ どうつきさんは きえてねっ……。そしたら、しんでねっ……!」 毎回「れいむのおちびちゃんたちもっ!」と誘ってくるのを、れいむはそのたび突っ返していた。 ゆふーやれやれと立ち上がる胴付きまりさのお帽子から、先ほどの脱力して潰れかけた子れいみゅが依然寂しそうな目を送ってくる。 可哀想なのは、そう、まさにこのおちびちゃんたちだ。 母性というものがあるのだろうれいむの胸に、哀しく熱い感情がこみ上げてきてしまう。 れいむ自身もこの腐敗した世界にわが子を生み堕としてしまったことに何度も懺悔と後悔の念を抱いたが、この自分勝手な胴付きに囚われたおちびちゃんたちこそ、本当に何のために生まれてきたのか。 親ゆっくりにとっては都合のいいときに愛でるだけの憂さ晴らしの愛玩奴隷および非常食。 胴付きまりさにとっても己の英ゆんっぷりを発揮するための道具に過ぎない。 そして、そんなエゴだけで自分たちを好き勝手振り回す存在は、どちらも小さな饅頭にとっては抗えるべくも無い強大さを持っている。 大きさが5倍も6倍も違う成ゆんと、それよりさらに巨大で手足まで備えている胴付き。 何より厄介で泣きたくなる事実として、おちびちゃんたちは親ゆっくりあるいは胴付きの庇護の下にいなければ決して生き延びられないということだ。 危険な地面さんを移動することも出来ないし、ご飯さんも狩ってこれない。 自分だけでは最低限の清潔も保てないので、うんしーするたびにゆカビ感染のリスクが上がる。 下手すると蟻やその他の小さな昆虫にだって捕食されてしまいかねない脆弱な存在。 自分の無力さをこれ以上なく知り尽くしている哀れで醜い可愛い小饅頭たちは、動くものの最底辺にいるゆっくりのさらに最底辺にて虐げられながらも、卑屈になって必死に無価値な生にしがみついているのだ。 しかし、そう嘆くれいむ自身も所詮は無力な饅頭。 草の間をかき分けて颯爽と去っていく胴付きまりさの背を、ただ見送ることしか出来なかった。 --------------------------------------------------------- 「ゆっくりプレイス」についたまりさとおちびちゃんたち。 ある程度近くに来た時点で人間さんの姿も見えず、飼いゆが発する例の特徴的な声も聞こえなかったが、果たしてこの日の「ゆっくりプレイス」は初めてまりさたちの貸切だった。 おちびちゃんたちの顔にわずかに笑顔が宿る。 自分たちより圧倒的にしあわせー!で”ゆっくり”しており、それなのに自分たちをいじめてくる飼いゆや人間さんたちがいなければ、ここは確かにふーかふーかひーろびーろしてゆっくりできる場所なのだ。 「ゆゆんっ! きょうはまりさたちだけだねっ! おもいっきり、ゆーっくり!あそぼうねぇ!!」 「「「ゆ……ゆゆーん♪」」」 小さなおちびちゃんたちが、拙いあんよでもったんもったんとかけっこ!をする。 街にいた頃も今のおうちでも「うるさいよっ!」と禁止されているおうただって、好きなだけ歌って、好きなだけ姉妹やお友だち、そして胴付きさんに褒めてもらえる。 見上げられないほど身体の大きな胴付きさんがやってくれる「たかーいたかーい」は、まさしく「うちゅうっ!」まで飛び上がるほどの高揚感だ。 飼いゆたちの食べているものと比較されなければ、胴付きさんが出してくれる芋虫さんは、ああほら、やっぱりゆっくりしている。 こんなにたくさんのごちそうを、いつもいじめてくるクソ親のいないところで、大好きな姉妹やお友だちたちとゆっくりむーしゃむーしゃし、存分にしあわせー!を分かち合う。 この充実感。この開放感。 まさにここはゆっくりプレイスであり、胴付きさんは英ゆんだ。 「ゆゆ~ん……おちびちゃんたち、とーってもゆっくりしてるよぉ」 おちびちゃんたちの姿を笑顔で見守るまりさの方も、胸がいっぱいになるような温かさを感じていた。 迎えにも探しにも来ないところを見るとまりさを捨てたのであろうお兄さんだが、きっと最後に餞別として、まりさにただのおとーさんに留まらない真の英ゆんになれるチャンスを与えてくれたのだ。 街中や加工所でなく、いつもの小さな自然公園でもない、他ならぬこのお山の自然公園に置いていかれたからこそ、まりさは多くのことを学ぶことが出来た。 野良ゆっくりのことをよく知れたし、他人および他ゆん任せでなく自立的に行動することも出来る。 自分は、やっとほんっとう!のおとなっ!になったのだ。 胸に手を当てて、ぽーかぽーかする達成感を噛み締めていたまりさは、しかし、気付けなかった。 あるいは気付いていたとしても、意味はなかったかもしれない。 貸切の「ゆっくりプレイス」の入り口に立てられた案内の看板。 れいむとまりさのイラストが描かれたそこにはいつもどおりの魔術文字――ここは飼いゆを遊ばせるところです云々といった説明――の他に、真新しいスクロールがもう一枚。 「 一 斉 駆 除 の お 知 ら せ 」 範囲を示す地図と文字だけがプリントされたその殺風景な紙を、まりさは読むことが出来なかった。 つづく ---------------------------------------------------------