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「ふたば系ゆっくりいじめ 1265 きょーてい/コメントログ」 手抜きだなあ。 -- 2010-06-21 03 53 05 けど解りやすいよ、自分達は力があると思い込んだ愚者の末路だね -- 2010-07-20 03 55 30 手抜きの何が悪いか -- 2010-08-19 13 30 09 >手抜きだなあ。 知能が抜けてるあなたの頭の方を心配した方がいいと思うよ -- 2010-09-27 03 05 16 シンプルであることと手抜きを勘違いしているんだろ 少ない行数で状況と起承転結をうまく表現していると思わなかったのかな? シンプルだけど足りない部分の無い、必要十分な文章だと思うよ -- 2011-07-17 17 10 29 これが手抜きという人は『短編』というたぐいのものを読んだことがないんだろうね。 話の長さの割にちゃんと流れがわかりやすくて、変に冗長な話よりも面白いじゃん。 もしかしてドスのその後を書いていないことに対して手抜きというのなら、ただのバカだな。 -- 2011-10-30 22 08 52 ドスから協定を迫られても与える食料に毒でも盛っときゃ何の問題も無いな -- 2011-11-26 10 32 32
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(夢) れいむは夢を見ている。不思議な感覚である。夢の世界に自分がいて「これは夢だ」と認識している。 れいむは電車に乗っている。猿が運転する小さな列車。イベントなどで見る事ができる、俗に言うお猿の電車。 れいむは周りを見渡す。一面白一色の世界。夢にありがちな光景。特に不審に思ったりはしない。 ゆっくりだって夢を見る。夢の中では何だって起こる。だから多少おかしな事が起こっても納得してしまう。 これはこういう物なのだと。特に今回はなぜか「これは夢だ」とはっきり自覚しているのだから。 そういう訳でれいむは電車に乗り続けている。夢ならばいつか覚めるだろう。なにせ夢なのだから。 お猿の電車は5両編成。1両に1匹ゆっくりが乗っている。れいむの車両は一番前。 自分以外の乗客のゆっくりは、皆一様に青ざめた顔をして前方の一点を注視している。身動き一つしない。 れいむも自然と前を見つめる。何も感じない。何も不思議に思わない。夢では良くある事。 真っ直ぐ何処までも続く線路。どれ程進んだ頃だろうか。不意に猿の車掌が声を上げる。 「次はぁー、串刺しー。串刺しー。」 電車は駅に滑り込む。プラットホームが一つだけ。屋根もベンチも何も無い。殺風景な狭い駅。 駅に着いたのに誰も降りようとはしない。れいむもそのまま。電車から降りない。夢とはそういう物。夢とはそういう物。 その時、不意に現れた4匹の猿。駅員の格好をしている。 猿の駅員は最後尾の車両に行くと、乗客のゆっくりを電車から引き摺り下ろす。 乗客を囲む猿。瞬き一つしないゆっくり。そして次の瞬間。 「ゆぎゃああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 辺り一帯にゆっくりの断末魔が響き渡る。ゆっくりを囲んでいた猿達がふっと煙の様に消え、 後に残ったのは全身を針金で串刺しにされたゆっくり。 白目を剥き、刺された所から餡子を流し、ゆ゛っゆ゛っゆ゛っと唸りながら痙攣している。 普段のれいむならば失神するか恐怖で我を忘れ泣き叫んでいたであろうが、これは夢である。 恐ろしいと思いながらもどこか冷めた目で現状を観察していた。 やがて電車は何事も無かったかの様に走り出す。 またしばらく行くと、猿の車掌が案内をする。 「次はぁー、切り裂きー。切り裂きー。」 電車は駅に止まり、一番後ろの乗客が引き摺り下ろされる。そして響き渡る悲鳴。 「ゆぎゃああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 駅員が消えた後に残されたのは、全身を無残に切り刻まれたゆっくり。 至る所から餡子を垂れ流し、びくんびくんと痙攣している。 瀕死のゆっくりと目が合う。何かを訴えかける目。彼女の呟きが小さく聞こえてくる。 「はやく・・・はやく・・・はやく・・・」 そして電車は走り出す。2匹のゆっくりが惨殺されるところをみたれいむはすっかり怯えてしまっていた。 しかしれいむは逃げ出さない。なぜならこれは夢だから。ただの怖い夢だから。だたの悪い夢だから。 「次はぁー、焼き鏝ー。焼き鏝ー。」 また1匹乗客を降ろした電車は、次の駅を目指して走り出す。 次?次の駅?次の駅でもまた乗客が一人降ろされるのだろうか? 誰が?今、この電車に乗っているのはれいむとれいむの後ろに乗っているゆっくりだけ。 順番で行けば次は後ろの子の番?ではその次は? 俄かに引き攣るれいむの顔。だが大丈夫これは夢だ。自分に言い聞かせる。 大丈夫。大丈夫。大丈夫。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。 しかし、震えは止まらない。全身を焼かれ、炭になったゆっくりの呟きが耳から離れない。 「おきないと・・・おきないと・・・おきないと・・・」 お猿の電車は走り続ける。たった2匹になった乗客を乗せて。 終点は?終点はどこだ?この夢の終わりは?悪夢の終了は? 大丈夫。きっともうすぐ目が覚める。目が覚めたらきっとまたゆっくりできる。 だってこれは夢なんだから。だってこれは悪い夢なんだから。 やがて電車は減速し、プラットホームが見えてくる。 れいむの願いを打ち砕く、車掌の非情なアナウンス。 「次はぁー、押し潰しー。押し潰しー。」 れいむは見てしまった。一部始終を。猿の駅員に引き摺り下ろされたゆっくりは、大きな万力にセットされる。 ゆっくりと回るハンドル。締め上げられるゆっくり。歪んだ顔から漏れ出す餡子と悲鳴。 無残に潰されたゆっくりを背に、静かに走り出す電車。風が彼女の最後の言葉を運んでくる。 「ほんとうに・・・ほんとうに・・・ほんとうに・・・」 いよいよ、最後の乗客になってしまったれいむ。早く起きないと。早く起きないと。 死んでいった仲間達。初めて見る家族以外のゆっくり達。 一緒に遊びたかった。一緒にゆっくりしたかった。 また今度会いましょう。違う夢で。また今度会いましょう。楽しい夢で。 だから今は、お願い早く目覚めて。夢から覚めて。夢から覚めて。 彼女達が残した言葉。早く、起きないと、本当に・・・死・・・ 「次はぁー。撲殺ー。撲殺ー。」 車掌の声。駅のホーム。猿の駅員。手には棍棒。 起きないと!起きないと!起きないと!起きないと! 引き摺り下ろす駅員。抗うれいむ。抵抗は空しく、れいむは床に固定される。 早くしないと!早くしないと!早くしないと!本当に! 振り上げられる棍棒。こびり付いた餡子のシミ。どれほどのゆっくり達を屠ってきたのだろう。次はれいむの番。 早く目覚めろっ!悪夢よ去れっ! (現) 「ゆううううううううううううううううううう!!!!!」 絶叫と共に目覚めるれいむ。体中汗びっしょり。はぁはぁはぁ、と全身で息をする。 「どうしたの?こわいゆめをみたの?うなされてたよ。」 母の声。れいむを案じて体を寄せ、ほっぺたにすりすりしてくれる。 母の体温が心地良い。良かった・・・夢から覚めた・・・これでゆっくりできる・・・ 心配する母に「へいきだよ。もうだいじょうぶだよ。」と返事をし、辺りを見回す。 いつもと変わらぬ景色。四面を囲う茶色の壁。母と幼い妹達。 1分もかからず1周できる狭い世界。小さな小さなれいむの世界。 良かった。戻ってこれた。現実の世界に。夢は終わった。 悪夢の事などすっかり忘れ、家族と一緒にゆっくりする。 跳ねまわり、歌を歌い、昼寝をし、すりすりする。 家族の他に仲間はいないが、そのかわり天敵もいない。餌を探さずとも、ご飯は定時に空から降ってくる。 とてもゆっくりと流れる時間。時間が止まったらいいのに。この時がいつまでも続いたらいいのに。 しかし無情な時の流れは、何時までもれいむをゆっくりとはさせてはくれない。 突然現れた黒く大きな影。長く延びた2本の腕。れいむ達に向かってくる。 「ゆっ!どこにいくの!かえしてね!れいむのかわいいあかちゃんをかえしてね!」 2本の腕はれいむの一番幼い妹を連れ去った。母が半狂乱になりながら叫ぶ。 やがて聞こえてきた赤ゆっくりの悲鳴。その大きな悲鳴が、だんだん力なく小さくなっていく。 「ああああ!あかちゃん!まっててね!おかあさんがいまたすけにいくからね!!!」 壁に体当たりを繰り返す母。そこへ空から何かが降ってくる。 漂う甘い香り。穴から黒い何かを流している。物言わぬ物体。白くモチモチとした小さな死体。 「ゆぎゃあああああああああ!!!れいむのあかちゃんがああああああ!!!!!!」 目に映ったのは、針金に全身を貫かれた幼い妹の変わり果てた姿。れいむは気を失った。 (夢) れいむが目を開ける。そこに広がっているのは白一色の世界。そして猿の電車。 夢・・・また同じ夢の世界に来てしまった。 早く目覚めなければ。早く・・・早く・・・ 必死に「おきろ!おきろ!」と唱え続けるれいむ。 しかし、一向に目が覚める気配はない。そして聞こえてきた車掌の声。 「次はぁー、切り裂きー。切り裂きー。」 繰り返される悪夢。この前と同じ展開。待っているのは、おそらく同じ結末。 れいむの後ろの乗客たちは、切り裂かれ、焼き鏝を当てられ、万力で押し潰される。 あああ・・・次はれいむ・・・れいむの番・・・ 車掌のアナウンスが聞こえ、遠くに駅が見えてくる。 早く起きないと!早く起きないと! 電車が止まり、れいむに寄ってくるのは棍棒を持った死刑執行人。 れいむは目を閉じひたすら念じ続ける。 覚めろっ!覚めろっ!覚めろっ! (現?) 再び目を開けると、そこにあるのは茶色の世界。戻ってきた。現実の世界。 しかし、そこには何時ものゆっくりとした時間は流れていない。 我が子を失い打ちひしがれている母。黒い影に怯える妹達。 黒い影はまたやって来た。2本の長い腕がれいむの妹ににじり寄る。 逃げる赤れいむ。しかし、ここは四辺を茶色の壁で囲われた狭い世界。あっと言うまに追いつめられる。 「やらせないよ!やらせないよ!」 おかあさん!子供達が叫ぶ。伸びてきた手に体当たりをする母。黒い影が一瞬たじろぐ。 既に一人子を失った。この子までもやらせはしない。母は憤怒の表情で長い腕の前に立ち塞がる。 黒い影の標的が子から母へ変わる。その大きな左手が母れいむを床に押さえつける。 「おかあさん!!!」 「だいじょうぶ!おかあさんはへいきだよ!みんなははやくにげてね!」 逃げる?いったい何処へ逃げると言うのだ?壁に囲まれた小さなこの世界で。 母の言葉を真に受けて、壁に向かって体当たりを続ける妹達とは違い、 れいむは床に押さえつけられた母を、静かにじっと見続けていた。まるで夢でも見ているかの様に。 なぜだろう?これが現実であると言う実感が湧かない。どうしてれいむ達がこんな目に遭うの? 自分達はゆっくりだ。ゆっくりする為にうまれ、日々をゆっくりと過ごす。こんな目に遭う為うまれた訳じゃない。 なぜこんな目に遭う?理由は?・・・理由?ひょっとして理由なんて無いんじゃ? 理由が無い・・・理不尽な仕打ち・・・この感覚・・・何処かで・・・ 夢?これはひょっとして夢なんじゃないか? れいむがそんな事を考えている間も、黒い影は休む事無くその腕を動かし続けた。 母を目がけて伸びてゆく右手。握られているのは鈍い光を放つ鋭利なナイフ。 その鋭い切っ先が母の体を切り刻む。流れ出る餡子と悲鳴。 妹達は気も狂い、訳の解らない言葉を発し、泣き叫びながら壁に体当たりを続ける。 れいむは動かない。薄れゆく意識。こんなのゆっくりじゃない。こんなのが現実なはず無い。 (夢?) 目を開ける。見えてきたのは白い世界。夢の世界。怖い怖い悪夢の世界。 聞こえてきた、車掌の声。聞きたくもない、あの言葉。 「次はぁー、焼き鏝ー。焼き鏝ー。」 繰り返される悪夢。耳から離れない悲鳴。こんなの嫌だ!誰か助けて! 再び現実。茶色の世界。次の犠牲者。幼い妹。 伸びる黒影。手には焼き鏝。焼かれる幼子。消えない悲鳴。 いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ 夢?現実?区別がつかない。ここは何処? 目の前にあるのは万力。挟まれているのはれいむの妹。 長い腕がハンドルを回すたび、赤ちゃんの悲鳴が世界に響く。 「たすけて・・・おねえちゃん・・・」 何もできない。どうする事もできない。ただ見てるだけ。黙って見てるだけ。 万力に締め上げられたその小さな体は、裂け目から涙の様に餡子を流す物言わぬ唯の物体に。 こんなのゆっくりじゃない。こんなのゆっくりじゃない。 ゆっくりはゆっくりしているべきもの。ゆっくりしていないのはゆっくりじゃない。 れいむはゆっくりだ。だからゆっくりするべきだ。 ゆっくりする。だかられいむはゆっくりする。でもできない。なぜ?せかいがゆっくりさせてくれない。 どうしてゆっくりできない?ゆっくりはゆっくりするはずなのに。なぜせかいがじゃまをする? せかいはまちがっている?だからゆっくりできない?ここはれいむのいるべきせかいじゃない? そうだこれはゆめなんだ。そうだこれはゆめなんだ。 だかられいむはゆっくりできない。そうだ。わるいゆめだからゆっくりできないんだ。 (夢。これは夢。全部夢。悪い夢。) れいむを見下ろす大きな黒い影。2本の長い腕がれいむに迫ってくる。 持ち上げられたれいむ。わぁ、おそらをとんでるみたい。まるで夢の様だ。 眼下に見えるはれいむの世界。さよならさよなら悪夢の世界。小さな小さな茶色の世界。大きな大きな段ボール。 机の上に下ろされたれいむ。れいむの上に振り下ろされた棍棒。 痛い。痛い。痛い。痛い。 だんだん意識が遠のいていく。痛みがだんだん消えていく。 やっぱりこれはゆめだったんだ。こわいこわいゆめだったんだ。 その証拠に夢の住人の声が聞こえてくる。次の行先。れいむの現実。 「次はぁー。fuku****.txt。fuku****.txt。」 ネタ元:猿夢 end 作者名 ツェ? 今まで書いたもの 「ゆっくりTVショッピング」 「消えたゆっくり」 「飛蝗」 「街」 「童謡」 「ある研究者の日記」 「短編集」 「嘘」 「こんな台詞を聞くと・・・」 「七匹のゆっくり」 「はじめてのひとりぐらし」 「狂気」 「ヤブ」 「ゆ狩りー1」 「ゆ狩りー2」 「母をたずねて三里」 「水夫と学者とゆっくりと」 「泣きゆっくり」 「ふゅーじょんしましょっ♪」 「ゆっくり理髪店」 「ずっと・・・(前)」 「ずっと・・・(後)」 「シャッターチャンス」 「座敷ゆっくり」 「○ぶ」
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Can ゆー defend? 後編 30KB 虐待-普通 悲劇 理不尽 赤子・子供 現代 虐待人間 今までで一番長いです。 書いた人 ヤリまむあき 書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 703 ゆー具 ふたば系ゆっくりいじめ 708 売ゆん婦 ふたば系ゆっくりいじめ 717 売ゆん婦2 ふたば系ゆっくりいじめ 723 売ゆん婦3 ふたば系ゆっくりいじめ 730 ゆー具 鬼畜眼鏡編 ふたば系ゆっくりいじめ 772 情けはゆっくりの為ならず ふたば系ゆっくりいじめ 798 売ゆん婦4 ふたば系ゆっくりいじめ 867 Can ゆー defend? 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 960 Can ゆー defend? 中編 ふたば系ゆっくりいじめ 962 他ゆん事 『Can ゆー defend? 後編』 一、 地面に染み付いた黒い餡子となった子れいむ。 生前の愛らしい姿は土と混ざり、何処がどの部位だったか、最早皮以外区別がつかない。 まりさの耳には、子れいむのゆっくりできたおうた、そして死ぬ寸前の濁った声が残っていた。 (なんで? おちびちゃんのおうたはとってもかんどうできたのに、なんでにんげんさんはおちびちゃんをあんなひどいめにあわせたの? どうしておちびちゃんがころされなきゃいけないの?) どうしてあのおうたが少年達の心を揺さぶらなかったのか。 まりさなりに考えた結果、結論を出した。 「わかったよ……」 「分かった? 何が?」 顔を上げたまりさの顔は、理不尽に心優しい我が子を奪われた憎しみに染まっていた。 憎しみで相手が殺せたら、と思っているであろう。 「……にんげんさんたちは、どうしようもないげすなんだね!!」 「ゲス?」 「にんげんさんは、あんなにゆっくりしてたかわいいおちびちゃんがうたったとってもじょうずなおうたをきいたのに、もうひとりのおちびちゃんをはなしてくれなかったよ!! ありすにあやまらなかったよ!! それどころかおちびちゃんのおくちをちぎって、おちびちゃんがおうたをうたえないようにして、こ、ころしちゃったんだよ!! これがげすじゃなかったらいったいなんなのぉおおおおお!? どうみたってげすでしょぉおおおおおお!!!」 興奮しているせいで大変聞き取りにくい話だったが、内容を整理するとこういうことだ。 良心の呵責があるならば、あんなに感動的な歌を聴いておいて悔い改めない筈が無い。 すぐさま子れいむの要求を呑み、これまで一家や群れの仲間達に対しての罪を謝罪するのが当然だ。 それなのに少年達は、寛大にも彼等を許そうとした子れいむを惨殺した。 これが鬼畜の所業でなかったら一体なんだと言うのか。 一応、話の筋が通っていないというわけではない。 「ふうん、そんなこと考えてたんだ」 「わかったらおちびちゃんをかえしてよぉおおおおお!! できないでしょ!? ゆっくりはね、しんじゃったらずっとゆっくりしたままなんだよ!? おちびちゃんでもそんなことしってるのに、にんげんさんはわからなかったのぉおおお!?」 「れいむがぽんぽんをいためてうんだのにぃいいいい!!」 「れいみゅのおうたはすごかったんだよ!! あのおうたがもうきけにゃいなんて、しぇかいのそんしつだよ!!」 「ゆぇえええええええええん! おにぇーちゃぁああああん!!」 まりさ一家が拙いながらも死んだ子れいむの命の尊さを少年達に訴えかける。 人間にとってまりさ達ゆっくりの命など、羽のように軽いということにまだ気がついていないのだろうか。 「いや、俺達だって知ってたけど」 「しってておちびちゃんをころしたの!? だったら、にんげんさんはくずだよ!! あくまだよ!! ゆっくりでなしだよ!!」 「当然だ、ゆっくりじゃないからな」 少年達は、命が一度失われたら二度と戻らないことを理解していた。 理解してやったというなら、彼等は救いようの無い極悪人だ。 許してはおけない、しかし、先程自分の攻撃がまったく少年達に通用しなかった事を考えると、どうしても彼等に制裁を加えることに対し二の足を踏んでしまう。 そうなっては無駄死にだ。 (ごめんね、おちびちゃん。まもるっていったのに……。おちびちゃんのかたきもとれないまりさは、だめなおとうさんだよ……) こうなっては、できるだけ下手に出て残りの家族だけでも守るしかない。 腹に据えかねても、まりさは彼等に勝てないのだから。 「に、にんげんさん。まりさたちのだいじなかわいいかわいいおちびちゃんをころしたことは、ゆるしたくないけどゆるしてあげるよ」 「まりさ!?」 れいむがまりさの言葉に驚き声を荒げる。 「れいむはだまっててね! ……まりさだって、ほんとはこんなげすゆるしたくないけど、みんなをまもるためなんだよ!!」 「ゆぅ……」 全身の震えからまりさの苦渋が見て取れる。 屈辱や憎悪を押さえ込み、奥歯を噛み締めていた。 「だから、だからもうまりさたちにかまわないでほしいよ!! まりさたちは、ここでゆっくりしてただけなんだよ!! むしさんやおはなさんをたべて、しずかにくらしてただけだったんだよ!! にんげんさんにめいわくなんてかけてなかったよ!!」 事実上の敗北宣言だった。 「おとーしゃん、こんなのってないよ……」 子まりさは少年の掌の中で悔し涙を流す。 その感触は握っていた少年を不快にさせ、ほんの少しまた力が込められた。 「ゆぎいいいいいい!!」 「おちびちゃん!! まりさは、まりさたちにひどいことしないでっていったよ!! ゆるしたくないけどゆるしてあげるっていったよ!! だからさっさとおちびちゃんをはなしてね!!」 まりさ達からすれば認め難い条件を呑んでやるというのに、なぜこの人間達はまだおちびちゃんを解放しないのだろう。 そういう肝心な所で上から目線な態度が更に状況を悪化させているのに、それを止めようとしない。 「クロボウシ、お前の話には間違いがある。一つは、あのチビ赤リボンのおうたとやらが騒音だということを理解していないことだ」 別の少年が赤ゆ達に近づき、傍にいたれいむが反応できないほどの速度で彼女達を奪い去る。 気がついた時には、赤ちゃん達は少年の手の中にいた。 「「おしょりゃをとんでりゅみちゃい!!」」 「「おしょりゃをとんでりゅみちゃい!! ……ここきょわいよぉおおお!! おろしちぇええええ!!」」 急に高所に持ち上げられて視線の高さ驚き、状況も理解できず暢気に喜んでいる赤れいむ二匹に怯える赤まりさ二匹、危機感は赤まりさの方が強いようだ。 「あかちゃぁああああん!!」 「れいむのあかちゃんかえせぇえええええ!!」 これで子供達全員がゆん質にされてしまった。 それより、子れいむのおうたが雑音だというのはどういうことか。 ゆっくりしていない人間は芸術に対する感覚すら狂ってしまっているのかもしれない。 「あんなものが歌なら、それこそ鳥の鳴き声の方がましだぜ」 「にんげんさんのおみみはくさってるの!?」 まりさは子れいむの名誉のために少年に反論する。 あれは、確かにゆっくりできたおうただったのだから。 「じゃあ、お前等が言う上手な歌の基準はなんだ?」 「かわいいおちびちゃんがうたったおうたがへたなはずないでしょ!! とりさんなんかといっしょにしないでね!!!」 それはまりさ達にとっての確定事項。 多少親馬鹿の贔屓目もあるが、ゆっくりにとって自分達がゆっくりした生活をしているということは存在意義にも関わることで、おうたはいわば“文化”なのだから。 時々聞こえる鳥さんのおうたは、五月蝿いだけでちっともゆっくりできない。 「おもいっきり身内贔屓じゃん。それを言うなら、お前等ナマクビマンジュウごときが出す雑音と歌を混同するなよ」 少年は赤れいむの一匹の左右のもみあげをつまみ、振り子のように揺らし始める。 前後への運動を加えらることで赤れいむのもみあげには自身の全体重が掛かるが、双方のもみあげを掴んでいるので負荷は分散されすぐに千切れるほどではなく、長く悲鳴と痛みに耐える表情を楽しめる。 主にれいむ種とぱちゅりー種に使われる緩めの虐待方法だ。 「いぢゃいいいいいいっ!! れーみ゛ゅのもみあげしゃんちぎれちゃぅううううう!!! おにぇがいだからはにゃしちぇえええええ!!!」 「手、離してやってもいいけどさ。そしたらお前落ちるぞ? 痛いぞ? それでもいいって言うんなら離してやるけど」 赤れいむは尻をぷりんぷりんと振って痛がる。 自慢のゆっくりしたもみあげは、今や己を苦しめる枷となっているのだ。 そして、言われたように少年の手から落ちたらどうなるだろうか? (ちにちゃくにゃい!! れーみゅはおにぇーちゃんみちゃいにちにちゃくにゃいよ!!) 姉のように、ぐしゃぐしゃに潰れてしまうのだろう。 赤れいむも己の危機に気がつき、少年に命乞いをする。 「はにゃさにゃいでぇえええええ!! おちたりゃれーみゅちんじゃうよぉおおお!!」 「ほほう、ならばもっと強く、落ちないように引っ張ってやろう」 ぐいっ、とさらにもみあげが引っ張られる。 髪の根元が何本か抜ける感触がした。 「ゆびぃいいいいい!!」 「おお、いい声だ。お前、お姉ちゃんなんかよりよっぽど歌上手いんじゃね? 俺等はこっちの方が好みだぞ」 赤れいむの悲鳴は、少年達にとっての音楽。 少なくともおうたのような雑音より楽しめることは間違いない。 「いたがってるよ!! やめてあげてね!!!」 「あかちゃんがないてるでしょぉおおおおお!! それのどこがおうたなのぉおおおおお!?」 まりさとれいむの訴えは通じない。 やがて、耐久力の限界に達したもみあげが遂に音を立てて両方とも千切れた。 「ゆ゛ぅううっ!!!」 赤れいむは宙を舞う感覚を一瞬味わい、柔らかい背中から地面に落ちた。 ぺしゃっ、という軽い音だが、赤れいむにとっては体内の餡子が全て吐き出されそうなほどの衝撃である。 その口の端からは黒い餡子が流れ始めた。 子れいむのもみあげを持った少年は、まるでゴミのようにそれらを放り捨てる。 「あかちゃぁああああんっ!!! なおってね!! ゆっくりしないでなおってね!!」 まだ赤れいむには息がある、手遅れではない。 今度こそ可愛い子供を死なせるものか。 「れいむはあかちゃんをぺーろぺーろしてなおしてあげてね!! まりさはそっとあかちゃんをひっくりかえすよ!!」 「わかったよ!!」 少年達はまりさ達の行動を阻みはしない。 無力なゆっくりがどこまで希望を捨てずにいられるか楽しんでいるのだ。 それゆえまりさとれいむだけはあえて捕獲しておらず、自由に動けるようにしている。 一応ゆん質がいるのだから無謀な行動はしないだろうし、逃げたら逃げたで楽しめるのだ。 「まりさのあかちゃん!!! まりさがたすけてあげるからね!!!」 まりさ達には家族愛という概念があるのか、子供を見捨てるようなことはせずひたすら傷ついた赤ちゃんを助けようとしている。 親としてはそれでいいのかもしれないが、さっさと見捨てて逃げ出して、また新しい子供を作った方が生存率が高い。 どうしようもなく貧弱なナマモノとしては、自分達の能力を弁えていない間違った生き方だ。 「おちょー、しゃ、れーみゅ、いちゃい……」 「あかちゃん!! いたいのいたいのとんでけー、だよ!!!」 「ぺーろぺーろ!!! あかちゃんのせなかさんはゆっくりしてね!!!」 もみあげを失い、すっかりゆっくりできない風貌になった赤れいむ。 そんな子にも変わらぬ愛情を示すまりさ達。 「間違い二つ目。お前等ちっとも可愛くないから」 「ふざけたこといわないでね!! まりさとれいむのおちびちゃんたちはみんなかわいいんだよ!!!」 「ふーん。なら、今そこに転がってる汚いのは本当に可愛いのか?」 「「ゆっ!?」」 少年の問いに即答できなかったまりさとれいむ。 確かに、今の赤れいむはぼろぼろでとても可愛いとは言えない。 もみあげはなく、飾りも汚れてしまっている。 だがここで即座に否定しないということは、少年の言葉を認めてしまっているのと同義。 「……れーみゅ、きゃわいくにゃいにょ? ……れーみゅ、いらにゃいこにゃにょ?」 赤れいむは何も言わない両親に縋るような瞳を向ける。 ここで自分の存在を認められなかったらどうしようと、その瞳は不安で涙に濡れていた。 「そ、そんなことないよ!! ま、まりさのあかちゃんがかわいくないなんてことないよ!!」 「も、もみあげさんがなくてゆっくりできなくなっちゃったけど、それでもれいむのあかちゃんなんだよ!!」 「俺は、こいつが可愛いかどうかを聞いたんだ。もう一回聞くぞ、本当に可愛いのか?」 両親は必死に少ない語彙の中から言葉を捜し、場を取り繕おうとする。 だが、少年は灰色の回答を許さなかった。 あくまでも今の赤れいむが可愛いかそうでないかということだけを尋ねる。 「ゆぅ……」 「可愛くないとは言いたくない、けど、どう見ても可愛いとは言えないんだな。 よかったな、ちび赤リボン。お前が可愛くないことはお前のお父さん達のお墨付きだぞ。自分が可愛くない事が分かっただろ? そんなお前は、生きる価値が無いんだよ。りきゃいできりゅ?」 ストレートな悪意はそのまま赤れいむへの害となり、未熟な精神を傷つけた。 大好きな両親に自分の存在を肯定してもらえず、瞳からは生気が失われる。 生きようとする意志が感じられなくなり、 「あかちゃぁあああん!! おねんねしちゃだめだよ!! いまおねんねすると、ずっとゆっくりしちゃうんだよぉおおお!?」 赤れいむはゆっくりと瞼を閉じていく。 眠くてしょうがないのだ。 それに、さっきから背中から熱い何かが漏れ出していた。 「まりさ!!! おちびちゃんのあんこさんがとまってくれないよおおお!!!」 たたでさえ薄い赤ゆの皮は、衝撃ですっかり脆くなっていた。 そんな部分を懸命に舐めたらどうなるか、れいむは我が子を救おうと必死だったのだろうが、それは赤れいむの命を縮めるだけだった。 唾液が皮をふやけさせ、舌は皮を破ってしまったのである。 「れーみゅ、おねんね、しゅるにぇ……」 少しの間寝息を立てた後、赤れいむは静かに逝った。 その死に顔は、本来自分を優しく包み込んでくれる筈の両親から否定されたことによる諦観がはっきりと現れていた。 二、 赤れいむが死んだことを認められないまりさとれいむは、その亡骸の前で呆然としていた。 「こいつ等自分で子供に止め刺してやんの!」 「可哀想だねー」 何を言う、赤ちゃんに大怪我をさせたのはお前達じゃないか。 あんなに痛そうに泣いて、もみあげだってお前達が奪ったんじゃないか。 「ゆがぁあああああああああっ!! あかちゃんがしんだのはにんげんさんたちのせいでしょぉおおお!? まりさとれいむは、あかちゃんをたすけようとしただけだったのに!!」 肉体的な死因は主に少年達によるものだが、赤れいむが真に絶望したのは両親からの否定だったことをあくまでも理解しようとしない。 もう少し思い知らせてやる前に希望を与えてやろうと、少年達は子まりさを解放することにした。 「ほれ」 「ゆ? おとーしゃぁああああん! おかあしゃぁああああん! まりしゃこわかったよぉおおお!!」 そっと地面に降ろされた子まりさは、振り返ると両親の元に跳ねていった。 よほど怖かったのだろう。 「おちびちゃん! よしよし、よくがまんしたね!」 「おとーしゃん、れいみゅが、まりしゃのいもうとがぁああああ!!」 子れいむと赤れいむの死を悼む子まりさは、れいむのもみあげに撫でられながら嗚咽を漏らす。 自慢の俊足が敗れ、二人の妹達は殺されてしまった。 でも、絶対に人間には敵わないのだ。 純粋なスピードだけなら負けないのに。 「おい、小さいクロボウシ。ゲームをしよう」 「ま、まりしゃになんのようなにょ?」 「お前、俊足が自慢なんだってなぁ? だったらご自慢のスピードでこいつを助けてみろよ」 少年達の一人が子まりさを指名する。 その指先には、一緒に追いかけっこをして遊んだ妹の赤まりさが握られていた。 「おにぇーちゃぁあああん!! まりちゃをたちゅけちぇにぇえええええええ!!!」 「いもうとをいじめないでにぇ!! まりしゃにできることならするから、はやくたすけてあげてにぇ!!」 「まあまあ、話を聞けよ。ルールは簡単だ、こいつを落とす。それをお前が受け止めればこいつは返してやる。 でも、落ちる前にお前が受け止められなかったらそのまま地面に激突。単純だろ?」 子まりさは今度こそ自分の土俵で勝負できると思った。 なるほど、これなら勝敗を決めるのは純粋にスピードのみでそこに何らかの不正が介入する余地は無い。 人間の恐ろしいほどの力だって関係ないのだ、勝つ可能性は充分にある。 でも、もし間に合わなかったら妹は死んでしまうのではないか? 「ちなみに、勝負から逃げたらこいつはすぐ潰す。ゆっくりと、じわじわ苦しめて潰す」 「ゆぴぃ!?」 子まりさの逡巡を見抜いたかのようなタイミングで少年が話を続ける。 赤まりさは明確な処刑宣告に悲鳴を上げ、それが子まりさに決断をさせた。 「わかったよ! まりしゃ、やるよ!! にんげんしゃんにかっていもうとをとりもどすよ!!」 「そうこなっくっちゃ」 「おちびちゃん! まりさがかわるよ!!」 「駄目駄目、親の介入は禁止」 見かねたまりさが代わりに勝負を受けようとするが、それは不可能である。 これは、子まりさ自身が持つ“俊足”に対する自信をぶち壊すための遊び(ゲーム)なのだから。 「いいか、この線の後ろからスタートしろ」 「わかったよ!」 少年は地面にバットで一本の線を引き、スタートラインを作る。 そこと赤まりさの落下点と思われる場所はそう距離があるわけではなく、そんなに無茶な条件ではないと感じられた。 「俺が腕を振り上げたらスタートしていいぞ」 「かんたんだにぇ! にんげんしゃんに、こんどこそまりしゃのしゅんそくのしんかをみせてあげるよ!!」 子まりさは自信満々で、赤まりさにも笑顔を振り撒く。 「もうちょっとまっててにぇ! おねーちゃんのおぼうしさんでやさしくうけとめてあげりゅよ!!」 「ゆゆーん! おにぇーちゃんありがちょー!!」 赤まりさは大好きな姉に全幅の信頼を向け、自分が助かると疑ってすらいない。 「おちびちゃんならできるよ!」 「がんばってね! れいむたちがついてるよ!!」 まりさとれいむも、ゲームの条件が酷い物ではないと思ったのか、子まりさに全て任せる事にしたらしい。 自分達がしゃしゃり出て人間の機嫌を損ねたらいけないと判断したようだ。 「それじゃ、いくぞ」 少年が腕をゆっくりと振り被って赤まりさを自分の頭上まで持ち上げようとする。 赤まりさは先程よりさらに高くなった視界から見える世界に驚くが、これも姉が自分を助けてくれるまでの辛抱だと思って楽しむことにしたようだ。 (しゅっごくたかいにぇ!!) またスタートでの加速のために身体を曲げていた子まりさも、妹達をこ全ての方法で助け出してみせる、と考えていた。 自分が勝ったら人間さんは悔しがる筈、その後に挑発すれば、自分に有利なこのゲームを継続させる事ができる、と。 「ゆぅっ……!」 遂に少年の腕が頂上に達する。 それがスタートの合図となり、ほぼ同時に子まりさは走り出した。 フライングではなく、ほぼ完璧なスタート。 このまま順調に行けば、赤まりさが落ちてくる前に落下予測地点へと先回りできて悠々と妹を受け止められる。 だが、 「大地にっ、還れぇえええええええっ!!!」 「おしょりゃびゅっ!?」 少年は全力で赤まりさを握った腕を振り下ろし、彼女を落下予測地点へと寸分の狂いもなく投げた。 それは、もう投げるどころか叩きつけると言った方が正しかっただろう。 ゆっくり程度の反応速度では追いつくことすら許されず、赤まりさは地面に餡子色の花を咲かせ、数テンポ遅れてそこに到達した姉の顔にべったりと中身を付着させた。 風圧で、赤まりさのものだった帽子がやや離れた場所に落ちる。 「綺麗に弾けたな」 「ゆ? ま、まりしゃのいもうとは……?」 確かに妹は少年の手から離れた、それは分かっている。 なら、ここにいなくてはいけない赤まりさは一体何処に消えてしまったのか。 子まりさはきょろきょろと前後左右にせわしなく顔を向ける。 それは、赤まりさが潰れた瞬間を視認してしまったことを誤魔化す為の虚しい行為であった。 「あ、あかぢゃんがぁあああああ!?」 「ひどいぃいいいいい!! またしんじゃったよぉおおおおお!!!」 後ろから見守っていたまりさとれいむは、三匹めの我が子が殺されたことを嘆く。 両親の言葉を聞いた子まりさも、赤まりさが死んだことをようやく認めた。 「まりしゃは、しゅんそくで……。はやくて……。いもうともたすけて……」 自分の俊足は、肝心な時に何の役にも立たなかった。 なら、こんなあんよに何の意味があるのだろう。 妹一人すら救えない、こんなあんよに。 「何が俊足だよ。全然駄目じゃん」 「……ゆぐっ」 「そんなスピードでよく助けるだとか守るとか言えたもんだ、笑わせる」 「ゆぇええええええん!!!」 恥も外聞もなく、子まりさは泣き叫んだ。 信じていたものが、誇りが、思い上がりが打ち砕かれ、後には何も残らない。 「そんな役立たずな足は……」 「ゆえっ?」 少年の一人が子まりさを摘み上げると、そのあんよと顔の境目にハサミの刃を滑らせる。 「ゆひぃっ!!」 冷たい金属の感触は無機質な恐怖感を与えるものだった。 その刃にはクリームがついていてべとべとしており、子まりさの前にも誰かゆっくりがゆっくりできない目に遭わされたのだろうと分かってしまった。 そして、勢い良く刃は子まりさのあんよを切断する。 「ゆ゛ぎゃぁああああああっ!!!」 ざくっ、と小気味良い音がした後には、子まりさのあんよは体から離れていた。 「まりじゃの、まりじゃのがもじかのようなびぎゃぐがぁあああああ!!!」 己の命とお飾りと、同じくらい大切なあんよ。 それは永遠に子まりさから奪われた。 「いらないよなぁ?」 あんよは地面に投げ捨てられると、少年に踏まれ執拗なまでに磨り潰される。 よほどゆっくり風情に速さが足りないと侮辱されたことが頭にきたのだろう。 「まりざゆずりではんざむなおちびぢゃんの、ずまーどなあんよぐぅぁあああああ!!!」 「どぼじでごんなごどずるのぉおおおおお!?」 「勝負に負けたから罰ゲーム」 「そんなごどぎいでないよぉおおお!?」 「そりゃそうだ、今初めて言ったんだから」 両親の相手はほどほどに切り上げ、子まりさの餡子が零れ落ちないように地面に降ろす。 その際に、中身が直に地面と接触するような置き方をし、子まりさに苦痛を与える。 「い゛っ! い゛っ!!」 人間で言うなら、腰から下を切り落とされて臓器が露出したものを何の手当ても受けず、雑菌だらけの地面に置かれると言った方がその痛みの程度が伝わりやすいだろうか。 気が狂いそうな痛みが断続的に続き、今にも体を揺すって暴れたくなる衝動を必死に抑える子まりさ。 中身が失われたら、それは己の死に繋がることを本能的に分かっているのだろうか。 「でかいのに忠告するぞ。そいつ、下手に動かすと死ぬから」 「「ゆ゛うっ!?」」 まさに子まりさへと駆け出す寸前だった両親は、少年の忠告を聞いて思い止まる。 さっき赤れいむを過失によって死なせてしまったばかりなのだ。 「じゃあどうすれば……」 「放っておけば?」 自分がしておいて実に無責任なことを言う。 しかし、子まりさを少しでも長く現世に留めておきたいならば放っておく事が一番だった。 ゆっくりの治療などではかえってずっとゆっくりさせてしまうことになりかねないからだ。 ただ、それが本当に子まりさへの愛情になるかは疑問が残る。 一刻も早く楽にしてあげたほうが良いのかもしれない。 「そうそう、間違い三つ目。お前等、俺達に迷惑掛けてないって言ったな?」 「そ、そうだよ!! なのにどうしてこんな」 「生きてるだけで迷惑なんだよ。俺達だけじゃなくて、この地球上の生き物皆にとって」 「「ゆゆゆっ!?」」 それを言うなら人間もある意味ゆっくりと同じ部類に分類されるかもしれない。 だが幼い少年達は、まるで何処かの国のように彼等だけの理屈を強引にまりさ達へと押し付ける。 「そうだ、今俺達地球防衛軍ごっこやってるんだよな」 「うん。やっぱりこいつ等駆除するのって、地球の為になるんだね」 「善は急げだ、他のも手っ取り早く始末しよう」 のた打ち回って苦しむ子まりさを尻目に、少年達は淡々と“遊び”の続きの為の準備を始めた。 三、 五体満足な子供達は、赤れいむと赤まりさが一匹ずつ。 少年達は二匹を見比べると、赤れいむをチョイスした。 「赤リボンにしよう。さっきの奴の雑音がまだ耳に残っててすっげーむかつくから」 「どうちてぇえええええ!?」 子れいむの渾身のおうたは、赤れいむに八つ当たりの矛先を向けさせてしまった。 とんでもないとばっちりである。 「きゃわいいれーみゅがこまってりゅんだよぉおおお!!! おちょーしゃんもおかーしゃんもどーちてたちゅけてくれにゃいにょぉおおお!?」 他力本願だが、無力な赤ゆにとって両親はこの場で唯一頼れる存在なのだ。 姉達の内一人は死に、もう一人はかろうじて生きてはいるが動けない状態とどうしようもない。 「おねがいです!! れいむににたおちびちゃんはもう、そのあかちゃんしかいないんですぅううう!!! だからころさないでくださいぃいいい!!!」 自分に似た可愛い娘はもう赤れいむしかいない。 必死で何度も土下座をするれいむ。 上から目線だった言葉遣いも敬語になり、今までとは違う。 「分かったよ。殺さなきゃいいんだな?」 「はい! ありがどうございまずぅううう!!!」 「何勘違いしてやがる」 「ゆ?」 少年は正義の味方というより悪人らしい笑顔を浮かべると、赤れいむを持って近くに生えている木まで近付く。 「にゃにしゅるにょ!?」 「お前のお母さんが泣いて頼むもんだから、死刑だけは勘弁してやるよ」 丁度良い細さの枝を探し当てると、 「奥義、百舌鳥の早贄!!!」 「えげぇえええええっ!!!」 赤れいむの口を枝が貫く。 少年が強引に赤れいむを枝に突き通したのだ。 傷ついたのは口と、貫通した背中の傷だけなので餡子は漏れず、すぐに死に至ることはない。 モズは獲物を食べもせず木の枝に突き刺したままにすることがあるという。 この光景はまさしくそれに近いものがあるだろう。 もっとも、残酷さはそれを軽く上回っているが。 「一瞬で殺してやることもできたんだけどな、お前のお母さんが余計なこと言うから」 「れ、れいむのせいなの!?」 「ああ、可哀想に」 棒読みで少年がれいむを非難する。 「れ、れいむはあかちゃんを……」 「次はクロボウシな」 悲嘆に暮れるれいむを無視し、最後の赤ちゃんが標的にされた。 「もう、やめでぇえええ!!!」 「嫌だね」 もう何度懇願しただろう、まりさの願いはまたも黙殺される。 赤まりさは、夫婦にとっての最後の希望なのだ。 唯一五体満足で、少年達が思い止まればこれからもゆっくりできる可能性がある。 子まりさはあんよをうしなってもう動けないし、木の枝に縫いとめられて奇妙なオブジェと化した赤れいむはもう助からない。 だから、この赤ちゃんだけは……! 「痛いことはしない、でも、じわじわ苦しめてやる」 「ひゃみぇひぇひぇ! ひゃいひゃひょおひゅひ!!」 (やめちぇにぇ! まりちゃのおくち!!) チューブのようなものを咥えさせられ喚く赤まりさ。 抵抗していると、チューブの中から苦い液体が放出された。 形容し難い味が口内いっぱいに広がっていく。 (にぎゃいぃいいい!!! まじゅいぃいいい!!! こりぇどくはいっちぇりゅ!!!) 甘味を好むゆっくりの味覚にとって絶対に受け付けない味。 いや、およそ生きとし生けるものにとって、その味を好む物は存在しないだろう。 (こんにゃまじゅいもにょまりちゃにのましゃりゅなんちぇ!!) 文句を言ってやろうと口を開けようとすると、違和感を感じる。 (ゆ!? ゆゆ? ゆゆゆ!?) どうやっても口が開かないのだ。 「成功したか」 赤まりさが口に入れられたもの、それは瞬間接着剤。 口が小さい赤ゆに対してならそんなに多くの量を消費せず、容易に口腔を接着できるのだ。 これで、赤まりさは一生口を開く事ができなくなった。 それは、食事もできないということであり、死を意味する。 「ほれ」 「あかちゃん!!」 まりさの目の前に赤まりさが返還されるがうんともすんとも言わず、ただ涙を流し続けるだけだった。 「あかちゃん! しゃべれないの!?」 こくり、と体を前に倒す赤まりさ。 我が子達に待ち受ける暗い運命に、まりさは呻いた。 四、 これで、今生きているまりさの子供達の中で無事な者は誰一人いなくなった。 「よくも……」 落ち込んでいるまりさの耳に、これまでに一度も聞いた事が無い程低いれいむの声が聞こえた。 「よくも、れいむのかわいいかわいいおちびちゃんたちをぉおおおおおおっ!!!」 れいむが少年達に向けて特攻していたのだ。 人間に勝てないことはこれまでのことで分かっている、しかし理性を感情が上回ったのだ。 憎しみが導くままに、歯を剥き出しにして少しでも彼等に手傷を負わせてやろうとしたのだ。 おちびちゃん達の苦しみを、少しでも! こんなゲスにおちびちゃん達は理不尽に殺されて、傷つけられたんだ! 「だめだよ……」 まりさは、この次に起こる事を半ば予想していた。 「まって……」 少年がバットを流れるような動作で構えて、れいむが地面を蹴って飛び上がった。 「おねがいだから……」 少年の上半身が捻られ、バットがれいむ目掛けて襲い掛かる。 「やめてぇえええっ!!!」 それは、どちらに向かっての言葉だったのだろうか。 愛するれいむか、はたまた憎き少年か。 いずれにせよ手遅れだった。 「げべぇええええええっ!!!」 吸い込まれるように、れいむの体に少年のバットが直撃した。 上顎から上は衝撃で吹き飛び、後方にいたまりさと赤まりさに餡子や皮がまるでシャワーのように降りかかる。 勢いを失って落ちた下顎はしばらく舌をびくびくと痙攣させていたが、やがてその動きも止まった。 「れいむぅうううううううううううっ!!!」 たった今れいむを撲殺した少年は額を拭う仕草をして、 「正当防衛だからな」 と言った。 まりさは、結局家族を誰一人守れなかったのだ。 「あ……。ゆぁあっ……!」 呆然としている間に帽子が奪われ、ハサミで切り刻まれる。 「これで、お前はもうゆっくりできない」 「……して」 「え?」 「まりさを、まりさたちをころしてください……」 家族を誰一人守れない父親は、存在価値が無いのだ。 子まりさ、赤まりさ、赤れいむも長くはあるまい。 寧ろ、もう生きていたくないのだ。 早くあの世に行ってまた家族で皆仲良く暮らしたい。 今のまりさの願いはそれだけだった。 「どうする?」 「ん~」 少年達は考えながら時計を見て、 「却下」 それだけを告げた。 「……なんで? にんげんさんなら、まりさたちをころすなんてかんたんでしょ!?」 頼みもしないのに散々まりさ達を傷つけて殺したくせに! 「もう疲れた」 「それに、自分から殺してって言われたから萎えた」 「ていうか、飽きた」 「腹減ったし」 子供は飽きっぽいのだ。 勝手な理由で行動し、勝手な理由でそれを止める、自由気儘な存在。 その行動の対象が、今回偶々まりさ達一家やその所属していた群れだっただけの話。 ゆっくりにはどうしようもない、天災みたいなものだ。 「じゃーな」 「生きてたらまた会おうぜ」 「元気でなー」 「楽しかったぜ」 遊ぶだけ遊ぶと、少年達は足早に立ち去って行った。 彼らは家に戻り、暖かい夕食を食べて心地良い疲れと共に熟睡することだろう。 「……ゆ、ゆがぁああああああああああああああああああああああああっ!!!」 後には、ほんの少し前までとてもゆっくりしていたまりさ一家の成れの果てが残された。 五、 緩慢な動作でまりさは動き始めた。 「おちびちゃん……」 子まりさは、蟻に群がられていた。 自慢の俊足もあんよが失われていては逃げられず、餡子が漏れないように体を僅かに揺らすしか抵抗手段はない。 それなのに、蟻は小さい体を生かして地表から直接子まりさの体内に潜り込んで餡子を奪っていくのだ。 「ありざんやめでぇえええ!! まりじゃのあんごもっでがないでぇえええっ!!」 普段は遊び感覚で獲物としていた蟻、そんな矮小な存在に、今自分が捕食されようとしている。 「もうありざんたべまぜん!! だからやめでぇええええ!!!」 内側から侵食される恐怖を味わう子まりさを、まりさは救う事ができない。 子まりさ目当ての夥しい数の蟻から、赤まりさを守ることで手一杯だったのだ。 「おとーじゃんだじゅけでぇえええ!! なんでたじゅげでぐれないのぉおおお!! おがーじゃあああん!! れいみゅぅううう!!」 もう意識が混濁して喚き散らすことしかできず、子まりさは蟻達の栄養となるしかなかった。 真っ黒な塊と化し、声さえ出せなくなりながらも死ぬまでには翌日までかかり、貪られ続けたのである。 「ごめんね……」 赤れいむは、夕暮れ近くになってやってきたカラスにその身を啄ばまれていた。 何でも食べるカラスにとって赤ゆっくりはご馳走である。 「からすさんはおちびちゃんをたべないでね!! ぷくぅううううううっ!!!」 痛む体に鞭打って威嚇をするが、地面から見上げるだけでは当然カラスに太刀打ちできず、赤れいむがカラスの胃に収まるのを黙って見ているだけだった。 「……」 赤まりさを口に入れて巣の中に帰り、眠りにつく。 ご飯を食べる気分ではなかったし、食事ができない赤まりさの前で一人だけ夕食をとるのは憚られたからだ。 そうすれば、今日の事は悪夢で、目が覚めればまたゆっくりした家族の顔があるのだと儚い希望を抱きながら。 六、 目が覚めたまりさはおうちの中を見渡すと、そこには赤まりさしかいなかった。 現実は厳しく、夢ならばどんなによかったか。 「おはようあかちゃん……」 「……」 赤まりさは返事ができなかったが、目線を返す。 やはり食事をしていないから弱っているようだ。 「おとうさんは、だれかいきてるゆっくりがいないかみてくるよ。いいこにしててね」 「……」 外に出ると、昨日の惨劇の爪痕が色濃く残っていた。 れいむと子供達の死体は捕食されて幾らか減ってはいたが、それでも凄惨な光景だった。 「ゆ、ゆげぇえええっ!!!」 まりさはあまりの気分の悪さに餡子を吐き出し、荒い呼吸をする。 ありすの死体も、虫が集って直視できない状態になっていた。 その場から逃げ出すように急いで広場へと向かう。 「みんな、いない……」 そこも似たような有様で、息をしているゆっくりは一匹もいなかった。 比較的まともな形で死んでいるものはまだ良い方だったぐらいだ。 「……」 ありすのおうちだったところにも足を運んでみたが、やはりそこにも絶望しか残っていなかった。 ぱちゅりーは死んでいて、その付近には、彼女とありすの一粒種になる予定だった筈の赤ちゃんらしき死体が転がっているだけ。 これで、まりさの知り合いは皆死んでしまった事になる。 「ただいま……」 とぼとぼとおうちに帰ると、赤まりさは目を閉じていた。 「あかちゃん、おねむなの?」 舌で舐めると、こてん、と転がったまま微動だにしない。 「あかちゃん? おとうさんだよ?」 呼びかけても一向に起きない。 赤まりさは、餓死したのだ。 「みんな、しんじゃったよ……」 おうちは、相変わらず立派だった。 でも、大切な物は。 「れいむも、おちびちゃんたちも、ゆっくりぷれいすもなくなっちゃったよ」 家族や群れのゆっくりした仲間がいてこそのゆっくりプレイス。 「まりさは、なにもまもれなかったよ。やくそくしたのに、まもれなかったよ……。まりさは、まりさは……」 広くなったおうちの中で、まりさの呟きだけが何時までも聞こえていた。 七、 一方、まりさ一家を悲しみが襲った日、家に帰った少年の一人は用意されていた夕食を母親と食べていた。 「今日お父さん遅くなんの?」 「そうみたいね」 「今日はな、俺、地球を守ってたんだぜ」 「この子は訳分からないこと言って……」 溜め息をつく母親に、誤解されないよう分かりやすく説明する。 「えーと、地球防衛軍ごっこだよ。森入ってゆっくり殺して遊んでたんだ」 「何だ、いつもと似たようなことしてただけじゃないの。また大袈裟な」 人間にとって、このようなことは日常茶飯事なのであった。 餡庫始まってもう一年になるんですね。 この道に興味持って半年未満の自分ですが、おめでとう、とだけ言わせて貰います。 ふたば系ゆっくりいじめ保管庫見たら売春婦4に新しい挿絵が! 儚いあき様、有難うございます!! Can ゆー defend? 中編の子れいむのマクロスの奴パクったおうた、あれ自分で口ずさみながらチェックして書いてたんですが、親に聞かれて恥かいたのは黒歴史。 ヤリまむあきでした。 ヤリまむあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る この世にゆっくりが居れば罪のない虫が殺される事もないと思った作品でした -- 2012-02-07 14 08 23 す、す、すっきりーー!!!!めっちゃ最高だよ!!!パネェQNQNだよ!!! あー面白かったww子供の虐待は明るくて後味が爽やかでいいよね! やっぱり変にこった設定や虐待方法がなくても丁寧に心を壊していく虐待は最高だね 話や構成もとても丁寧かつしっかりと練りこまれていて奇抜さ無いけどとても重厚な読み心地でしたw ゲス制裁も面白いけど、やはり私はゆ虐の王道たる善良理不尽虐待が大好きです♪ -- 2011-11-16 06 19 24 鬼威家の親戚の子かな? -- 2011-08-11 19 12 22 ↓中国行ってスナッフビデオでも見てろよエイユウ志望様 -- 2011-07-20 15 33 27 どっちもゲス 人間のクソガキを鬼意山がブチ殺して「お前らクソガキもゆっくりも同じゴミなんだよ!」とか、そういう面白い展開無いかな -- 2011-03-11 19 25 56 子供達がマクロスを汚すなとか言ってるけど、その年齢でマクロスを網羅してるのか?しかも三人とも? にわかのガキがマクロスFだけ見て言ってるんだったら腹立つな。 -- 2011-01-21 21 58 24 ゆっくりできたよー! 童心の遊びってこんな感じか。 昔苛めた虫も喋れればこういう事を言ってたのかな? …いやゆっくりと比べたら虫に失礼か -- 2010-12-05 22 19 35 これは嫌だ -- 2010-10-13 18 30 42 子供たちは善良を自称するゲス饅頭軍団から森の生き物たちを守ったんだよ…… 食べ物がいくらでもあるとのたまう饅頭どものことだ、調子にのって無計画に森の生き物を食い尽くすに違いない 行き詰まった宇宙生物どもはやがて必ず人間の街を侵略するだろう。その危機を未然に防いだんだ -- 2010-09-22 00 34 50 ゆっくりに守れるものなんてあるの? -- 2010-08-31 10 31 21 「あかちゃん! しゃべれないの!?」 何でか解らないけどこういう台詞が凄くゆっくりできる ピンチのゆっくりが感傷的な台詞を言うのは余裕ありそうで嫌だが、必死な状況確認は胸が熱くなるな 「あかちゃん」というのもGOOD -- 2010-08-18 10 04 16 ゲスいじめは悪をこらしめるってゆーいわゆる勧善懲悪ってかんじだけど善良なゆっくりいじめはほんといじめてる感がある。 -- 2010-08-17 10 15 49 善良なゆっくりのほうが虐待しがいがあると思うな。いかにもいじめてますってかんじがいい。 -- 2010-08-06 10 54 51 ガキうぜぇw 鬼意山の無慈悲な虐待のほうが面白いな -- 2010-08-05 22 30 27 子供って、こういう昆虫を面白がって殺したりするの 一回はやるものですよね。面白かったです。 ゲスなゆっくりだったらもっと良かったかも。 -- 2010-07-23 02 43 17 いいお話でした。ゆっくりー。 -- 2010-07-10 12 11 39 ゴミ掃除くらい誰でもするでしょ -- 2010-06-30 00 44 17 日常茶飯事ってw -- 2010-06-22 16 26 02 ゆっくりできたよ -- 2010-06-14 03 30 16 ゆっくりはどうでもいいけど、このガキがむかつきすぎてゆっくりできないぃいいいい -- 2010-04-17 04 20 52
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虐待 差別・格差 赤ゆ 捕食種 ☆話の筋がめちゃくちゃです。 ☆ストーリーなんてものはありません。 ☆自分設定のオンパレードです。 ☆ぱちゅりーがやたらと強い。 ☆ゆっくりを様々な方法で虐待し続けるというひねりも何もない話です。 『ゆぅ…ぅ…ぼうやべでぇ…』 『おきゃーしゃ、ゆっくちして!』 『ゆわぁぁぁ…みゃみゃぁぁ!!』 うめき声を上げる親れいむに駆け寄り、心配する子ゆっくり。 すかさず男が1匹の子ゆっくりをひょいとつまみあげる。 『ゆゆ、おしょらをとんでりゅみ…ゆぅぅぅぅぅ!!!』 そしてその子ゆっくりのもみあげを引っこ抜く。 ブチリ、と小気味良い音がした。 『ゆぎゃぁぁぁぁ!!!れーみゅのもみあげしゃん…ゆびぃ!!』 男はもう片方のもみあげも引き抜いていく。 先ほどとは違い、ゆっくり、じわじわと。 『ゆびぃぃぃぃ!!いぢゃい、いぢゃ、ゆぅぅ!!!』 『おにいさん…おちびちゃんをいじめな…でくださ…』 親れいむが抗議するが男はまるで聞こえていないように子れいむをいたぶっていく。 『ゆぅ、やべちぇ、ゆぅ…ゆ゙ぅぅ!!!!!……ゅっぐ…ゆっぐ…』 男はやっともみあげを抜き終え、隣のホットプレートの電源を入れた。 『やべでぐだざい!!!おぢびぢゃんをぼう!!いじめないでぐだざい!!がわりにでいぶがやりまずがらぁ!!!』 親れいむはこれから何が起きるのか分かっているようだ。 『お前がこのチビ饅頭の代わりになるのか?』 『でいぶががわりになりばず!!!だがらおぢびぢゃんにはなにも…』 『却下。』 男はそう言うとすっかり温まったホットプレートの上に手の上の子れいむを乗せ、軽く押し付けた。 『おしょらを…ゆぎゃぁぁぁぁぁぁああ!!!!!あぢゅいよおおおお!!!ゆびいい!!!あぢゅいよお!!!みゃみゃ、だじゅげでぇぇぇ!!!』 『おぢびぢゃあああ…どぼじで…おにーざん!!やべで!!!おぢびぢゃんをたすけ…ゆびぃ!?』 親れいむは蹴られてコロコロと2,3回転しながら餡子を吐いている。 『ゆぎゃあああああ!!!!だぢゅけでえええええ!!!!』 子れいむの底部とプレートの間にフライ返しを差込み、地面に叩き落とし、底部焼きゆっくりの完成。 『ゆっぐ…いぢゃい…ゆ…?あししゃん、うごいちぇね!!!はやくうごいちぇね!!!』 『ゆ…おちびちゃん…!!!』 『おねーしゃん、どうちたにょ?』 『…どぼじであししゃんうごいちぇぐれにゃいのぉ!?どぼじでぇぇ!!!れーみゅのあししゃん!!!!』 男は動けずに悶え苦しむ子れいむの上に親れいむを持ち上げる。 『おそらをとんでるみたぃ…ゆべぇ!!!!』 そこから親れいむを落とす。 『ゆ……いだいいい…』 『おい、饅頭。下見てみな。』 『ゆぅ…?…!!!!おぢびぢゃああああああああああああ!!!!!!どぼじでええええ!!!』 親れいむの下敷きになっているものは餡子と皮と、それから我が子のリボン。 『どぼぢでおぢびぢゃんがああああああああああああ!!!!!!』 今この部屋にいるれいむは3匹。 男が路地裏のゆっくり一家を菓子の類で釣って連れてきた。 『前と比べてゆっくりの数が減っちゃったな、れいむ。何でだと思う?』 『おにーざんがおぢびぢゃんだぢをゆっぐりざぜないでいっぱいごろじだがらでじょお?!!』 『おお、こわいこわい。ま、また殖やせばいいじゃねえか。』 男の手にはいつのまにか4つの透明な箱が抱えられていた。 中にいるのはれいぱーありす。 男はありすを箱から取り出し、地面に置いた。 『んほおおおおおおお!!!れいむだわあああああああああ!!!!』 『こっちにもちいさなれいむがいるわああああああああ!!!!』 2匹の子れいむは透明な箱に入れられて、親が犯される様を見せられている。 『れいぱーはゆっくりできないんだよ!!!!』 『あっちへいってね、ぷくー!!!』 『んほおおおおおお!!!!つんでれなれいむなのねええええ!!!!』 2匹の子れいむのもとへ跳ね寄っていくありすだが、ガラスのせいですっきりできないことが分かると親れいむの元へ跳ね寄っていった。 『やめてね!れいぱーありすはゆっくりできないよ!!やめてね、こないでね!!』 『んほおおおおおお!!!ありすはつんでれなれいむもだいすきよおおおおおおお!!!』 『ありすたちがとかいはなあいをあげるわあああああ!!!!』 『れいむかわいいわよおおおおおおおお!!!!』 『んほおおお、とかいはなれっすんをしましょうねええええ!!!』 1匹は親れいむのまむまむにぺにぺにを挿入し、2匹は両頬に自分の頬を擦りつけ、残る1匹は親れいむの背中ですーりすーりをしている。 『れいむのなかはすごくきもちがいいわああああああああ!!!!』 『んほおおおおおおおおおお!!!』 『やべでえええええ!!!にんっしんじだぐないいぃぃぃぃ!!!!』 『『『『すっきりーーーーーー!!!』』』』 『やべてえええええええ!!!!』 一部始終を見せられていた子れいむは餡子を吐き、黒ずんでいた。 頭から7,8本の茎を生やした親れいむはぐったりとしていた。 この親れいむは絶対に死ぬことは無い。 男はゆっくりの中枢餡を分厚い膜で覆う薬を開発した。 ゆっくりの中身を全て抜き取らない限り、この薬を打たれたゆっくりは決して死なない。また、死ねない。 男はその薬の売り上げだけで働かなくとも食べていけるのだ。 『おい、れいむ。あれを見てみろ。』 男は透明の箱の中で黒ずんでいる2匹の子れいむを指差した。 『ゆぅ!!!?どぼじでえええええ!!!』 『まぁ、1日もしたら新しいのが増えるだろ。それと、今日死んだやつがお前の飯だ。』 『おぢびぢゃんなんでだべられるわげないでじょおおおおお!!!』 『俺は今日生ゴミなんて上等なもの食わせないぞ?』 『ゆっぐ…ゆ…』 『わかったらさっさと食えよ糞饅頭が』 男はリビングからぱちゅりーとまりさをつれてきた。 それぞれの帽子には金色のバッジが光り輝いている。 男は親れいむを透明な箱に押し込み、3匹の子れいむの死骸も投げ入れた。 『もう一度言うけど、それがお前の飯だからな。お前に潰された赤ちゃんと、お前の無様な姿を見て死んでしまった…』 『おにーさん、やべでええええ!!!ぢゃんどぜんぶだべまずがら!!!おぢびぢゃんのごどはいわないでえええええええ!!!!!』 『あ、全部食べてくれるのか!!!おにいさんはそこまで言っていないけどね!!!でも嘘をついたらぶっ潰すからね!!!』 『ゆわあああああああ!!!!ぼうやべてええええええ!!!!』 『ぱちゅりーとまりさにはおいしいおやつを用意してあるよ。』 『ゆっ!!おにーさんいつもありがとうなんだぜ!!』 『あまあまさんがたべられないれいむはかわいそうね、むきゅきゅ!!!』 『ほんと、かわいそうなんだぜ!!!』 『ぼうやべてえええええ!!!!』 オレンジジュースとカステラとクッキーが並べられたトレーにまりさとぱちゅりーは跳ね寄り、行儀よく食べ始めた。 『むきゅ、このくっきーさんはおにーさんのてづくりね!とってもゆっくりできるわ!』 『かすてらさんもすごくゆっくりできるんだぜ!!!』 『むきゅきゅ、れいむもたべたいの?』 ぱちゅりーは涙目で我が子の死骸をちびちびと齧っているガラス越しのれいむに話しかけた。 『たべたいにきまってるでしょおおおお!!!ばかにしないでねええええ!!!』 『ゆゆっ、こんなおいしいものはくずなれいむにはもったいないんだぜ!!!』 『ゆわあああああああ!!!!どぼじでぞんなこというのおおおお!!??』 『おお、きもいきもい』 『むきゅきゅきゅ〜〜!!!』 『『ごちそーさま!!!!』』 十数分でトレーの上のお菓子は全て無くなり、2匹はわざとれいむに聞こえるように大声で挨拶をした。 『お、まりさもぱちゅりーも全部食べたのか、偉いなー!!』 『ゆっへん!おにーさんのおやつがおいしいからなんだぜ!!』 『おにーさんのおやつはほんとうにゆっくりできるわ!!!』 『いやぁ、照れるなー』 『あのれいむはじぶんのあまあまさんをぜんぜんたべていないんだぜ!!!まったくくずなんだぜ!!!』 『むきゅ、あのれいむはじぶんのこどもをころしたのね!!!ほんとうにげすなれいむだわ!!!』 『全く困ったれいむなんだよ…。そうだ!まりさとぱちゅりーに頼みたいことがあるんだ。』 『むきゅ、なにかしら?』 『れいむに"お仕置き"をして欲しいんだ。俺が夕飯作っている間、お願いするよ。』 『がってんしょーちなんだぜ!!!』 『ゆっくりりかいしたわ!!!』 『ここにある道具を使っていいから。じゃ、頼んだよ。』 まりさとぱちゅりーは透明な箱を傾け、乱暴にれいむを箱から出した。 れいむは箱から転げ落ちた。 『ゆ…ゆっくりやめてね!!!あたまにはおちびちゃんがいるんだよ!!』 『うるさいれいむね。おにーさんがてをやくのもわかるわ。』 『まりさたちがれいむをおしおきしてやるんだぜ!!!』 『やべでっでいっでるでじょおおおおおお!!??』 『『おお、こわいこわい』』 『やべでえええええええええええ!!!!!』 『ゆびいいいいいいい!!!!いだいいいいい!!!』 頭に針を刺されてそこらを転げまわるれいむ。 『おお、ぶざまぶざま』 『むきゅ、もういっぽんさしてみるわね!!まりさ、おさえてて!!』 『ゆっ!りょーかいだぜ!!』 『ゆわあああああああ!!!!やべでえええ!!!どっでええええええ!!!』 まりさは騒ぎたてるれいむの髪の毛に噛み付き、組み伏せるようにれいむの上にのしかかった。 『むきゅきゅ♪』 ぱちゅりーはカラフルな待ち針をくわえ、楽しそうな鳴き声をあげている。 ぶすり。 『いだいいいいいいい!!!!やべでええええ!!!!ぼうやべでえええ!!!あがぢゃんがいるんでずううう!!!!!』 『うごくななんだぜ!!!じたばたしないでほしいんだぜ!!!』 『さんぼんめいくわ!!!』 『ぼうやべでええええええ!!!!!』 結局れいむは十数本の針を頭に突き刺されることとなった。 『ゆっぐ…ゆっぐ…いぢゃい…よぉ…』 すると突然れいむの頭から生えている茎がユサユサと揺れはじめた。 茎の先から小さなものが落ちてきて、 『ゆっきゅりちていってにぇ!!!』 と合言葉のような台詞を口にした。 呆然としているれいむをよそにたくさんの赤ゆっくりが落ち、テンプレじみた言葉を発していく。 『ゆ…れいむのおちびちゃん!!!ゆっくり!ゆっくりしていってね!!!』 『『『『『ゆっきゅりちていってにぇ!!!』』』』』 『おなかがすいたよね!!!おかーさんのくきをたべてね!!!』 たとえ強い痛みに襲われていても、望まない子供でも可愛がるのは母性の強いれいむ種ゆえか。 『ゆゆーん♪れいむといっしょにゆっくり…』 『ぱちゅりー、まりさ。夕飯ができたぞ!!…お?』 れいむたちの目の前のドアが開き、男が入ってきた。 『全部で38匹も生まれたのか…。こりゃすごいな。』 普通ならあの勢いと回数ですっきりの相手をすればあっけなく死んでしまうだろう。 親れいむは我が子をあの男から必死で遠ざけようとする。 『おちびちゃん、おかあさんのおくちにかくれてええええええ!!!!』 『『『『『ゆっくちりきゃいちたよ!!!』』』』』 しかし、もう遅かった。 男は1匹の赤れいむをつまみあげ、ぱちゅりーの前に落とした。 『おちびちゃあああああ…ゆべぇ!!!!』 突然喚きだした親れいむをまりさが体当たりで沈める。 『くずれいむはだまってるんだぜ!!!』 『ぷきゅー!!!みゃみゃはくじゅじゃ…ゆぐっ!!』 『うるさいんだぜ!!!!』 一方、ぱちゅりーの目の前に落とされた赤れいむは女性的なゆっくりとして信頼できる面があったのだろう、 ぱちゅりーに助けを求めた。 『ぱちゅおにぇーしゃん、れーみゅをまもっちぇ…ゆびぃぃ!!!』 ぱちゅりーは、左右に束ねた紫色のやわらかな髪の毛をふりまわし、赤れいむの肌を痛めつけた。 『ゆううううう!!!いぢゃいよおおおおお!!!みゃみゃああああ!!!!』 『まったくうるさいわね!!!すこしはみのほどをしりなさい!!!!むきゅん!!』 赤れいむの体からは餡子がうっすらとにじんでいる。 『やべちぇええええ!!!いぢゃああああっ!!!ゆううう!!!』 パシン!!という乾いた音と赤れいむの悲鳴、親れいむの叫び声とそれに続くまりさの罵声が部屋に響いた。 『よし、そのへんでいいぞ。2匹とも。』 男はまりさとぱちゅりーを足元に呼ぶと、先ほどぱちゅりーに叩かれた赤れいむをつかんだ。 『生まれたばかりの饅頭には理解不能かもしれないが…』 手に持っている赤れいむを床に叩きつけ、まりさが踏み潰す。 『ていのうなくずれいむはぜんいんこうなるんだぜ!!!』 『もちろんこの死体はお前らが”処理"しろよ。』 足元にいるぱちゅりーとまりさをかかえ、男は楽しげに話している。 『今日はオムライスだぞ。まりさもぱちゅりーもすきだろ?』 『むきゅ、おにいさんのおむらいすさんはとってもゆっくりできるわ!!』 『ごはんさんのあとはぼーるさんであそぶんだぜ!!』 『ぱちゅはごほんがよみたいわ!!』 男はまりさとぱちゅりーとともに部屋を出て行った。 1人と2匹の笑いあう声がれいむ達にはまだ聞こえていた。 『おきゃーしゃん、おなかしゅいちゃよ…。』 『あのおにーしゃんはゆっくちできにゃいにょ…?』 『まりさとぱちゅりーはゆっくちできにゃいにょ…?』 生まれたばかりの赤れいむたちはあまりにも理不尽な出来事が続いたために親に様々な質問を投げかける。 それに対し、親れいむは自分の知っている事を一つひとつ教えてやった。 食料は死んだ仲間や生ゴミなど、とてもゆっくりできない物であること。 お兄さんは自分たちがゆっくりできないようなことをすること。 まりさとぱちゅりーもゆっくりできない存在であること。 ただ、最終的には全ての赤れいむがゆっくりできない方法で死んでしまうことはどうしても話すことができなかった。 『じゃあ、さっきのおちびちゃんをむーしゃむーしゃしようね…。ごべんね、おぢびぢゃ…』 『どうちてみゃみゃがあやまりゅにょ?』 『みゃみゃはなんにもわりゅいことちてにゃいよ!!』 『みゃみゃはとってもゆっくちできりゅよ!!』 『みゃみゃはとっちぇもとかいはよ!!』 自分の子として生まれたせいで、と続けようとした親れいむの言葉をさえぎるように、赤れいむたちは次々母親に賛辞を述べた。 『おぢび…ぢゃ…』 先ほどの涙とは違い、嬉し涙を流す親れいむ。 そんな親れいむの目の前のドアが開き、男が入ってきた。 『赤ゆっくり37匹のうち、31匹がれいむ、残りがありすか…』 男は何やら呟きながら赤ありすだけを手に持っていた袋へ詰め込んでいく。 『はにゃせ、いなかもの〜!!』 『とかいはじゃにゃいわ!!!』 6匹の赤ありすが入った袋を持って、男は部屋を出て行った。 『まってください!!!おちびちゃんをつれていかないでえ!!!』 『いもうちょをかえしちぇね!!!』 数分後、男は紙食器に盛られた何かを持ってきた。 『みんなにおいしいものを持ってきたよ。』 口調は優しく、妙にニコニコしている。 『おにいさん、おちびちゃんをかえして!!!』 『あいつらは下の階でゆっくりしてるよ。』 親れいむは何か言いたげだったが、 『まりさ達とは別の部屋だから安心して。』 と言うと、安心したようだ。 『おにーしゃん、ゆっくちできりゅごはんしゃんはどこ?』 『お、好きなだけ食えよ。』 男は皿を床に置いた。 クリームのようなものがこんもりと盛られている。 30を超える数のゆっくりたちには量が少なすぎるが、それでも分けあって食べていた。 『むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー!!!』 『あまあまさんはゆっくちできりゅよ!!!』 『おちびちゃん、ゆっくりたべてね!!!』 皿の上のクリームはものの数分で食べつくされた。 『ありすおにぇーちゃんもむーちゃむーちゃできればよかっちゃにょに…』 1匹の子れいむがボソリとつぶやいた。 『ありすって…』 男はポケットからビニールの袋を取り出した。 潰れたような何かが入っている。 男は袋のチャックを開け、中身を床へぶちまけた。 6つの物体がベチャッという音を立てて床にへばりつく。 男はそのうちのひとつをつまみ上げ、れいむ達の前に落とした。 『ありすって、こいつのことか?』 中身だけを吸い上げられ、ただの皮になっている6匹の姉妹を目の前に、赤れいむ達は半狂乱状態だった。 『れーみゅのいもうちょがあああああああ!!!!』 『ありしゅおねーしゃああああああああああ!!!!』 ジタバタと跳ね回り、もみあげをピコピコさせ、甲高い声で泣き喚く。 『やっぱりおにーしゃんはゆっくちできにゃいね!!!』 『どうちてこんにゃことちゅるにょおおおおお!!?』 『おにいさん、どぼじでええええええ!!!』 『まあ、ちょっと待て。』 男が先ほどとは全く変わらない顔でれいむたちを見渡す。 『お前らがさっき食ったの、なんだか分かるか?』 『あみゃあみゃしゃんでしょおおお!?!ばかにしにゃいでにぇええええ!!!!』 『そのあまあまさんは、』 男はありすの死骸にわずかに残っているカスタードを指ですくい取り、先ほどの紙食器の上に置いた。 『こんな色だったよな?こんな匂いだったよな?』 先ほどと同じで、クリーム色で甘い香りのする物体。 『ゆ…じゃあ、さっきのあまあまさんは…』 『自分の家族はおいしかった?もっと食べたい?』 『ゆわああああああ!!!どうちてええええええ!!!!』 『ゆぶぶぶぶぶ!!!ゆげ…ぇ、ぶぶぶぶぶぶ!!!!』 数匹が泣き喚き、数匹が餡子を吐き出し、大半のゆっくりは石のように固まっていた。 『"ゆっくり殺し"のれいむ達にはその身をもって償ってもらわなきゃな。』 男はもう、いつもの表情に戻っている。 『おっと、お母さんのれいむには自分の子供の最後を見届ける義務があるからね!!!』 そう言って、親れいむの口にガムテープを貼り付け、透明な箱に押し込んだ。 親れいむの入った透明な箱を部屋の中央に置くと、男は押入れの中から鍵付きの透明な箱を取り出した。 中に入っているのは胴付きふらん。 『うー、ゆっくりしね!!!』 『ゆわああああああ!!!!ふらんだあああああ!!!!』 『おきゃーしゃんたしゅけちぇぇぇぇぇぇ!!!』 男は鍵を外し、ふらんを抱え上げ、床に降ろした。 ふらんはドタドタとれいむたちを追いかけ回す。 『こっちこにゃいでええええええ!!!!』 『ゆっくりしね!!!』 『ゆゆっ?おしょらをとんでりゅみちゃい!!!』 その中でも特別動作の遅い赤れいむがふらんに捕まった。 『うー!!』 ふらんは両手で赤れいむの両頬をつねると、そのまま横へ引っ張る。 『ゆぅぅぅぅぅ!!!!ぢぎれぢゃああああ!!!』 『ゆっくりしね!!!』 赤ゆっくりの肌の柔らかさが気持ちいいのか、伸び縮みをさせて楽しんでいる。 『いぢゃあっ、やべでぇええええ!!!ゆうぅ、ゆぐぅうううっ!!!』 やがて強制的に”お食べなさい”状態になり、ふらんはその赤れいむを皮ごと食べつくした。 ふらんは次に、そばに落ちていた金串を片手に3匹の赤れいむを捕まえた。 まず1匹を金串に頭からぶっ刺していく。 『ゆぎゃあああああっっ!!!あぢゃまがいぢゃああああっ!!!!』 続いて2匹目。 『ゆべええええええええええ!!!』 最後の1匹。 『やべでえええええええええっ!!!!』 ふらんは自家製のゆっくり団子をおいしそうに頬張った。 次に捕まえた赤れいむには牙を突き刺し、中の餡子をジュースのように吸い上げる。 『ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙っ…』 『うー!!!うまうま〜☆』 次のれいむは目玉を穿りかえし、コリコリした食感を楽しんだ。 『おみぇみぇがみえにゃああああ!!!』 『ゆっくりしね!!!』 『ゆぐうううっ!!!!こっちこにゃいでにぇええ!!ふらんはゆっくちできにゃいよおおおお!!』 男はデジタルカメラで赤れいむが食べられる様を撮影している。 真っ二つに引き裂かれる赤れいむ、団子のように串刺しにされる赤れいむ、中身を吸い上げられる赤れいむ、目玉を抉られる赤れいむ…。 そして寝室から持ってきたノートパソコンへ写真を読み込み、ゆ虐SNSの『ゆクシィ』へアクセス。 マイページを開き、先ほど撮った写真を貼り付け、新記事を書く。 『今日は…赤れいむを虐待した…と。』 男は記事を書き終えると大きく伸びをし、パソコンを脇に抱えて立ち上がる。 『明日にはどうなっているかな…。』 男はふらんとまだ生き残っている20匹弱の赤れいむを残し、部屋を出た。 鍵をかけている間も赤れいむの悲鳴が聞こえてくる。 『やべでえええええええ!!!づぶれぢゃああああああ!!!』 『ぼうやべでえええええええ!!!』 男は笑みを浮かべ、 『明日も楽しませてもらおう…』 と呟いた。 あとがき はじめまして。 これが初めての投稿になります。 さっそくですが、テーマを1つに絞ったほうがよかったかな…と反省しております。 あとは成ゆっくりをもっと虐待したかったです。 今後は制裁系も書いてみたいな…と思っています。 ぱちゅりーの虐待モノもいつか挑戦したい…。 最後までお読みいただきありがとうございました。 byしまねこ このSSに感想をつける 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「ふたば系ゆっくりいじめ 292 時をかけるまりさ 前編/コメントログ」
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桜 54KB 悲劇 理不尽 差別・格差 群れ 自然界 ドスは登場しません… 『桜』 序、 「ゆゆっ!! ゆっくりできないゆっくりがいるのぜっ!!」 まりさの声を皮きりに数匹のゆっくりが集まってくる。その数は五匹程度のものだったが中央ですすり泣くゆっくりの体の大 きさとは比較にならず、その威圧感たるやまるで襲いかかってくる壁のようにも感じる。 「やめちぇにぇっ!! やめちぇにぇっ!!! こっちこにゃいでにぇっ!!!」 コロシアムの中央で怯える死刑囚のようにキョロキョロと辺りを見回しながら涙声を上げるのは、ピンポン玉サイズよりも少 し大きくなったくらいの赤ちゃんゆっくり。ボロボロの赤いリボンに泥で汚れた顔。赤れいむは警戒しながら同じ場所をくるく ると回転していた。 「おめめがみえないなんて、ぜんぜんゆっくりできてないのぜ!!」 「おお、あわれあわれ」 赤れいむは盲目だった。人間社会であればそれを理由に迫害するなど言語道断であるが、ゆっくりの社会ではありふれた日常 のワンシーンだ。 「やめちぇよぉぉぉ!! いちゃいことしにゃいでぇぇぇ!!!」 草の中に身をうずめてぷるぷると震える赤れいむのリボンをまりさが咥えて持ち上げる。 「ゆんやああああああ!!!!!」 あんよを右に左にくねらせ抵抗するも、まりさの捕縛から逃れることはできない。まりさは赤れいむのリボンを咥えたまま、 「ゆっくりできないゆっくりは……っ!」 「やめちぇえぇぇぇぇぇ!!!!」 「ゆっくりしねっ!!!」 唐突に叫んで赤れいむを草むらに叩きつける。これが都会だったら赤れいむはコンクリートに叩きつけられて致命傷を負うか、 最悪の場合即死していたとしても不思議ではない。 「いちゃいよぉぉぉぉぉ!!!」 柔らかい草むらの上で赤れいむが転がりながら泣き叫ぶ。見た目よりも赤れいむのダメージは大きなものではない。痛いのは 体ではなく心のほうだ。 まだまだ小さな赤れいむに理不尽な暴力を振るうのは事もあろうに群れの成体ゆっくりたちである。飾りを失ったゆっくり。 体になんらかの障害を負ったゆっくり。そういう状況下に置かれてしまったゆっくりは例外なく他のゆっくりから迫害を受ける。 「やめてねっ!! やめてねっ!!! れいむのかわいいちびちゃんをいじめないでねっ!!!」 盲目の子れいむが自身を唯一守ってくれる存在である、母れいむの声を聞きつけて大声で泣き出す。 「おきゃああああしゃああああああん!!!」 「ゆっくりやめてねっ!! ちびちゃんがいやがってるよっ!!! ぷっくうぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」 我が子の痛々しいまでの声に怒りを露わにする母れいむ。一対五であるにも関わらず、母れいむに飛びかかろうとするゆっく りは一匹もいない。母れいむを恐れているわけではなく、“同じゆっくり”に対して攻撃を仕掛けようとするのを躊躇している だけだ。 「れいむ! そんなゆっくりできないちびちゃんはさっさとすてて、まりさたちといっしょにゆっくりくらすのぜ!!」 捨て台詞を吐き、連れだって森の奥へと跳ねていく五匹のゆっくり。母れいむはその後ろ姿が視界から消えるのを確認したの ち、すぐさま赤れいむの元へと駆け寄って頬を舐めてやる。 「ちびちゃん! ぺーろぺーろ……」 「ゆーん……ゆーん……」 「ちびちゃん、もうだいじょうぶだよ! ちびちゃんをいじめるわるいゆっくりは、おかあさんがおいはらったよ」 安心させようと母れいむが声をかけるが赤れいむはなかなか泣き止まない。おろおろとし始める母れいむのいる方向に向かっ て赤れいむが口を開いた。 「おきゃ……しゃん……っ!!!」 「なぁに? ちびちゃん。 こわかったんだね? でも、もうあんしんしていいよっ!!」 「れーみゅを……しゅてにゃいで……」 「…………っ!!」 捨てるわけがない。こんなに可愛くて優しい愛する我が子を捨てたりするものか。母れいむはそれを言葉でなく心で伝えよう と赤れいむに対して力強く頬をすり寄せた。 その少し荒っぽくも温かい母れいむのすーりすーりに赤れいむがようやく涙を止める。まだ、ぐずってはいるものの落ち着い てきたようだ。 「ゆぐっ……ひっく……ゆぇ……」 「ごめんねっ! ごめんねっ! ずっとちびちゃんのそばにいてあげなかった、おかあさんがわるいよ!」 「ゆぅ……れーみゅ……ゆっくち……、ゆっくちしちゃいだけにゃのにぃ……」 先刻の叫び声よりも、その言葉は母れいむの心の奥を深く抉った。 母れいむは赤れいむを器用に頭の上に乗せると、ずりずりとあんよを這わせて森の入り口付近にある巣穴へと向かって行った。 その道中においても森のあちらこちらから他のゆっくりの視線を感じる。赤れいむもそういったものには敏感なのか、身をすく ませている。 (おめめのみえないちびちゃんは、ゆっくりできないよ) (あんなのがむれにいるなんて、ぜんぜんゆっくりしてないのぜ) (とかいはなありすに、いなかものがうつってしまうわ) (むきゅきゅ……はやくむれからでていけばいいのに……) ゆっくり界の差別は激しい。蔑まれる対象に対して感情を露骨にぶつけるため、人間のそれよりもタチが悪い。 このゆっくりの行動理由には諸説ある。“単に弱いものいじめが好き”とされる説などがそれに当たるが詳しいことは分かっ ていない。一説には“群れの秩序と安寧を守るための本能による行動”とするものもあるが、お世辞にもゆっくりがそれほど高 尚な思考を持って動いているとは到底思えない。 そう。到底、思えない。 一、 早朝。 まだ群れのゆっくりがどれ一匹たりとも起きていない森の中、白い息をぽつぽつと吐きながら土の上を這う母れいむの姿があ った。母れいむは余程のことがない限り跳ね回ったりしない。 ゆっくりにとって跳ねるという行為は体内の餡子を多く消費してしまう。そうなれば集める食料を増やさなければならない。 母れいむは効率よく狩りを行うことができなかった。まりさ種は帽子の中に食料を入れることができるし、ありす種は器用な舌 先で草を編んだ籠を作ったりする。ぱちゅりー種は他のゆっくりが知らないような食べ物を選定することができた。 しかし、れいむ種にそう言った類のスキルは皆無である。弁護するならば、れいむ種は“けっかいっ!”と呼ばれる巣穴のカ ムフラージュを得意とするがその力が発揮されるのはパートナーがいてこそである。 母れいむには、まりさ種のつがいがいた。そのまりさは人間によって面白半分で痛めつけられ最後には殺されてしまった。そ れはつい一週間前の出来事である。その時、まだ赤れいむは母れいむの頭から伸びる茎にぶら下がってゆらゆらと揺れていた。 母れいむ、母まりさの両者ともがこれから産まれてくる数匹の赤ちゃんゆっくりと一緒に幸せに暮らす日々を夢見ていた。 そんな儚い夢は本当に一瞬で消えてなくなってしまったのだ。 つがいであるまりさを殺され、茎に実った赤ゆは次々に潰されていった。人間たちは笑っていた。目の前で赤ちゃんを潰され 泣き叫ぶ母れいむを見て。転げ回るぐらいに笑っていたのだ。最後に残った赤れいむはシャーペンの先端を両目に刺されて放置 された。 小学生たちのストレス発散がゆっくりに向けられるような時代である。わざわざ森の中に入ってきてまで野生のゆっくりを潰 して遊ぼうとするのだ。恐ろしい世の中である。 赤れいむの目は生まれながらに見えなかったわけではない。それならば不謹慎ではあるが諦めがついた。何一つとして落ち度 がないにも関わらず奪われた我が子の光を思うと、怒りや悔しさを通り越してただ涙だけが溢れてくる。 「ゆっくり……ごはんさんをあつめるよ……!」 不器用な母れいむが見よう見まねで編んだ草の籠はボロボロである。何度やっても失敗ばかりでようやくそれらしく編むこと ができた籠も、籠と呼ぶにはおこがましいような酷い出来栄えのものばかりであった。 季節は晩秋。 来るべき冬に向けて越冬のための食料を少しでも多く集めなければならないこの状況下で、母れいむの抱えたビハインドはあ まりにも大きく心のどこかでは既に諦めかけてさえいる自分もいた。僅か一週間足らずで激変してしまった生活に慣れるには、 母れいむにとってあまりにも大きな難題だったのである。加えてゆっくりにそれほどの順応性などない。 「れいむ……」 不意に後ろから話しかけられた母れいむがびくん、と体全体を震わせながら恐る恐る振り返る。そこには金髪に赤いカチュー シャをつけた成体のゆっくり―――ありすがいた。母れいむとありすは幼馴染である。あの忌まわしい事件以来、こうして会う のは初めてだ。 「ありす……」 「れいむ! これをつかっても……いいのよ?」 ありすの上から目線はいつものことだ。幼いころからありすがそういう性格だったことを知っている母れいむは、そんなあり すのもの言いに対して腹を立てたりしない。それどころか幼馴染の自分に対する気遣いに心の奥がじんと熱くなるのを感じた。 目の前に置かれた草で編まれた籠は、隙間なく編み込まれている。口で咥えるための取っ手までついていた。 「ふ……ふんっ! そんないなかものな“かごさん”じゃ、あつめられるごはんさんもあつめられないわ!」 普段ならここでそっぽを向いて走り去っていくありすだが、母れいむを見つめたままだ。母れいむがぽろぽろと涙をこぼす。 ありすは泣いていた。母れいむのまりさを失った悲しみを汲んで泣いているのだ。 「ありす……っ!! ありすぅぅぅ!!!!」 「このいなかものっ! れいむがないてばかりいたら、ちびちゃんがかわいそうよ!」 頬をすり寄せながら涙を流す二匹。聞けば、ありすは母れいむのことをずっと心配していたらしい。群れのゆっくりから迫害 を受けていたことも知っていた。なんとか助けてあげたかったが、他のゆっくりにいじめられるのが怖くてあんよが動かなかっ たそうだ。“――――ありすは、とかいはじゃないわね……”と言葉を結び、少しだけ苦笑してみせた。それから一言だけ謝る。 母れいむもありすも、群れがどういう組織でゆっくりがどういう生き物かは十分に理解している。二匹とも、自分と深い間柄 にないゆっくりが群れから迫害されていたら、傍観者に徹していたか一緒になって差別をしていたかも知れない。それを分かっ ているからこそ、母れいむは群れのゆっくりたちに何も言うことができないのだ。 「ありす……ゆっくりありがとう。 でも、はやくおうちにかえったほうがいいよっ」 言葉の意味するところはありすにも理解できた。二匹のやり取りを見ているゆっくりがいれば、ありすまで差別の対象とみな されてしまう危険がある。 「れいむ……! こまったことがあればいつでもいいなさいっ!」 そう言ってぴょんぴょんと跳ねて去っていくありすの後姿を見て、母れいむはまた一筋涙をこぼした。 巣穴に戻ってきた母れいむの視界にまだ眠っている赤れいむの愛らしい寝顔が映る。“ゆぴぃ……ゆぴぃ……”と寝息を立て るその様子は障害なんてどこにもないかのように思えてしまう。母れいむは赤れいむを起こさないようにゆっくりゆっくり巣穴 の中を這って、集めてきた食料を奥に敷いてあった葉っぱの上に並べていった。 芋虫や花、木の実などが備蓄されていく。しかし、冬を越すには到底足りるような量ではない。母れいむと赤れいむの二匹だ けとは言え突き付けられた現実はあまりにも厳しいものであった。 (ゆっくり……どうしよう……) ありすの編んでくれた籠は少し大きめに作ってあった。これで食料集めの効率も少しは上がるだろう。それでも冷たい北風は 冬の足音がもうすぐそこまで来つつあることを告げている。時間的に間に合わない可能性が高いのだ。母れいむが溜め息をつく。 「ゆ……くち……」 赤れいむがもぞもぞと動きだす。瞼を開くと灰白色の瞳が現れた。その目に光は届いていないのだろう。赤れいむは体を一瞬 だけぶるっ、と震わせると、 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇっ!!」 元気よく朝の挨拶をした。 「ゆっくりしていってね!!!」 それに応える母れいむ。 「にょーびにょーびしゅりゅよっ!」 そう言ってゆんゆんと体を伸ばし始める。同じ姿勢のままでいると体内の餡子と皮が固まってしまい、動きづらくなってしま う。のーびのーびはそうならないように体を伸縮させて中身を流動させるための、朝の体操のようなものだ。 「ちびちゃん、あさごはんさんをいっしょにむーしゃむーしゃしようね!」 「ゆっくち~~~~♪」 母れいむが赤れいむの頬に自分の揉み上げを当てる。“こっちだよ”という合図だ。ずりずりと懸命に這いながら母れいむの 元へとやってくる。赤れいむの顔に小さな芋虫が触れた。舌を出して器用に芋虫を口に運ぶ。 「むーちゃ、むーちゃ……しあわちぇぇぇ!!!」 屈託のない笑顔。母れいむはこの笑顔を見るためだけに必死で生きていた。せめてもの救いは赤れいむが少食であったことだ ろう。暴飲暴食をしない赤れいむは育てやすいちびちゃんであった。 食事を終えた赤れいむに、母れいむがお歌を歌ってやる。赤れいむはその歌声に頬を緩ませ幸せな気分で満たされていった。 昨日は日向ぼっこをしに外に出たのがまずかったのだろう。母れいむもつい食料集めをしてしまった。反省の意を込めて、今日 は赤れいむとずっと一緒にいてあげるつもりだった。 「ゆゆ~ん♪ おきゃあしゃんのおうたしゃんは、ゆっくちできりゅにぇ」 「ゆゆっ……♪ ゆっくりうれしいよ……っ!!」 互いの頬を寄せ合い仲良く過ごす二匹の巣穴に来客者が訪れる。 「れいむ……はいってもいいかしら?」 突然の声に震えだす赤れいむ。母れいむも赤れいむの前に立ちはだかり警戒心を露わにする。入り口には“けっかいっ!”を 張っているはずである。並みのゆっくりであればそれを見破ることなどできないはずだ。母れいむの頬を冷や汗が伝った。 「むきゅぅ……なかなか、いいおうちね」 巣穴の中に入ってきたのはぱちゅりーだった。最近、群れにやってきたばかりの元・飼いゆっくりである。事情はよくわから ないが飼い主に捨てられ森を彷徨っていたところ、この群れにたどり着いたらしい。人間と関わった時間が長かったのか、ぱち ゅりーの知識は豊富で群れ中のゆっくりに歓迎された。虚勢を施されているため赤ちゃんを産むことはできないが、群れの参謀 としてリーダーまりさと共に暮らしている。 そんな本物の“森の賢者”であるぱちゅりーの前に母れいむの“けっかいっ!”は何の意味も成さなかったのだろう。 「むきゅっ。 ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇっ!!!」 穏やかな口調で挨拶をするぱちゅりーに親子ともどもお決まりの挨拶で応える。 「こんなところにおうちがあるなんて、ぜんぜんきづかなかったのぜ……」 そんな事を言いながら巣穴の奥に入ってくる別のゆっくりの這う音が聞こえてくる。母れいむが再び緊張した面持ちになる。 ぱちゅりーは笑って母れいむに“心配はいらない”と呟いた。 れいむ親子の巣穴に入ってきたのは群れを束ねるリーダーまりさだった。体格は並みの成体ゆっくりと変わらないが、群れの ゆっくりを想う行動や姿勢が仲間の信頼を集め、数代に渡って受けつがれてきたゆっくりぷれいすの若きリーダーとなっている。 特に喧嘩が強いわけでもなく、“けっかいっ!”を見破るほどの洞察力もないが、みんなリーダーまりさの事が大好きだった。 「れいむ……ゆっくりごめんなさいなのぜ……」 母れいむの前に現れたリーダーまりさが俯きながら口を開く。母れいむには目の前のリーダーまりさが何を謝っているか皆目 見当がつかなかった。ぱちゅりーがリーダーまりさの横で説明を始める。 ありす同様、リーダーまりさもぱちゅりーもれいむ親子の不幸を知っていたこと。それにより、れいむ親子が群れから迫害を 受けていること。ここまでは先刻のありすの言葉とほぼ同じである。 「むきゅぅ……まりさとぱちゅのふたりで、なんとかしてむれのみんなにやめさせようとしたのだけれど……」 その場では頷いていても、れいむ親子への迫害がなくなることはなかったのだと言う。群れのリーダーと参謀は、その事を謝 罪するためにれいむ親子のおうちへとやってきたのだった。 「それで……れいむはどうなるの……?」 悪い予感を感じる。母れいむは自分が群れから出て行くように言われるのだと思っていた。自然に涙が溢れてくる。泣きじゃ くる母れいむの元にリーダーまりさが跳ね寄る。 「れいむ! かんちがいするんじゃないのぜっ! れいむもそこのちびちゃんも、ぜったいにむれからおいだしたりしないのぜ!」 母れいむが涙を流しながらリーダーまりさに目を向ける。力強い視線が母れいむを捉えて離さない。 群れのリーダーとは言え思考が並みのゆっくりであれば、母れいむはすぐにでも群れを追放されていただろう。しかし、この リーダーまりさは違った。群れの中にいる全員のゆっくりがゆっくりできるようなゆっくりぷれいすを目指しているのだ。当然、 その中には障害を負わされてしまった赤れいむも、それを一生懸命育てようとしている母れいむも含まれている。 「ゆっくち……できりゅ?」 不意に赤れいむが尋ねる。その質問に対してはぱちゅりーが答えた。 「むきゅん! かならず、ゆっくりさせてあげるわ!!」 その一言に表情を輝かせてその場でたむたむと小さく跳ね始める赤れいむ。 「ゆっくち! ゆっくち!!!」 嬉しそうにはしゃぐ赤れいむの頬を母れいむが泣きながらぺーろぺーろしてあげている。 リーダーまりさとぱちゅりーは、当面やがて訪れる冬に向けてれいむ親子の分の食料もなんとか集めてみると約束して巣穴を 出て行った。 「ありがとう……! ありがとう……っ!!!」 感謝の言葉はいくら口に出しても途絶えることはない。母れいむはあの日以来初めて“悔しい”とか“悲しい”以外の感情で 涙を流していた。 二、 ゆっくりぷれいすで最も広い場所。そこに群れ中のゆっくりたちが集められた。円を描くように待機しているゆっくりの数は 百には満たないものの、その数の多さを感じさせるには十分である。 「ゆ……ゆゆゆ……」 その中央でがたがた震えているのは母れいむ。どのゆっくりとも目を合わせないように視線を泳がせている。傍らにはリーダ ーまりさが控えている。 「いったいなんなの……?」 「れいむをいじめているのがばれたのかしら……?」 「むのうなおやこを“せいっさいっ!”するのかもしれないわ……むきゃきゃ!」 ぼそぼそと小声で話をしているのが母れいむにまで届く。何を言っているのかはわからないが、自分たちのことを何か言われ ているのは間違いないようだ。あんよが震える。 「みんなっ!! ゆっくりきくのぜっ!!!」 リーダーまりさが母れいむの一歩前に出て叫ぶように口を開いた。鶴の一声でそれまで口々に騒いでいたゆっくりたちが一斉 に静まり返る。 「ここにいるれいむは、いっしょにくらしていたまりさと……もうすぐうまれるはずだったちびちゃんを“にんげんさん”にこ ろされたかわいそうなゆっくりなのぜ!!!!」 その事を知っているゆっくりもいたが、知らないゆっくりもいた。群れがざわつき始める。 「そんなれいむを……よってたかっていじめて……それでみんなはゆっくりできているのぜッ??!!!」 リーダーまりさが怒鳴りつけるように問いかけた後、反応を示さないゆっくりたちに向かってそのまま言葉をつなぐ。 「まりさには……みんなのほうがよっぽどゆっくりできていないようにみえるのぜ!!!!」 睨みつけるリーダーまりさの目は真剣そのものだ。どのゆっくりも下を向いたまま動かない。リーダーまりさの言葉は群れの ゆっくりたちにとって重くのしかかる。リーダーまりさに全幅の信頼を寄せていればこそだ。一匹一匹がリーダーまりさの問い かけに思考を巡らす。 リーダーまりさが深く呼吸をした。 「れいむのことをほかのゆっくりよりもだいじにあつかえとはいわないのぜ……」 その言葉に母れいむを含めた全てのゆっくりがリーダーまりさに視線を向ける。 「ただ……。 せめて、むれのなかまのゆっくりの、あんよをひっぱるようなまねだけは――――するななのぜ!!!!」 群れ中のゆっくりたちが目を閉じてリーダーまりさの叱責に怯える。母れいむはリーダーまりさに対しても、群れのゆっくり たちに対しても申し訳ない気持ちでいっぱいだった。自分のせいでリーダーまりさを怒鳴らせてしまい、群れのゆっくりたちが 怒られてしまう。そう思いながらもどうすることもできない母れいむは唇を噛み締めて俯いているしかない。 「……まりさのはなしはおわりなのぜ。 みんな! もうすぐふゆさんがくるから、たべものをしっかりあつめて“えっとう” にそなえるんだぜ!! ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!! ゆっくりりかいしたよ!!!」×87 ぴょんぴょんと散っていくゆっくりたち。 リーダーまりさの心配そうな表情は変わらない。その場の返事だけはいいのがゆっくりだ。自分も含めて群れの仲間もそうい うものだということをリーダーまりさは理解している。 「まりさ……」 不安そうに母れいむが寄ってくる。リーダーまりさも軽率な返事は返さない。今回の一件がある程度の抑止力にはなるだろう。 しかし冬が終わり、やがて春が訪れた時にれいむ親子への迫害が完全に無くなっているかどうか、と問われれば答えはノーだ。 喉元過ぎれば何とやら。それが特に顕著なゆっくりであればなおさらの話である。 「れいむ……。 もしよければ、ちびちゃんをぱちゅりーにあずけるのぜ……?」 これからごく僅かな時間で越冬に備えた食料を蓄えねばならない。盲目の赤れいむの世話をしながらではその作業がままなら ないのではないか。それを懸念しての意見である。当然、母れいむは顔を横に振った。 「そこまでめいわくはかけられないよ……」 「……じゃあ、どうするのぜ? いまのままじゃ――――」 その時。 どこからともなく聞こえてくる優しいメロディが風に運ばれて二匹の元へと届いた。温かく、でもどこか寂しげな……お歌。 「……ちびちゃん……」 母れいむが呟く。その言葉にリーダーまりさは驚きを隠せない。思わず質問する。 「この、おうたは……れいむのちびちゃんがうたっているのぜ……?」 無言で頷く母れいむの姿を見て、リーダーまりさは自分の巣穴を凝視する。確かにお歌はその中から聞こえてきているようだ。 生後一週間とはとても思えない声量と歌唱力。才能の片鱗を見せつけるかのような透き通った歌声に、先ほど散っていったはず のゆっくりが数匹きょろきょろと辺りを見回しながら戻ってくる。 しかし、そのお歌はすぐに終わってしまった。がっかりしたような表情で広場から去っていくゆっくりたち。 「ちびちゃんは……あんまりながくはうたえないんだよ……」 「どうしてなのぜ?」 「うたのつづきが……おもいうかばない、っていってたよ……」 リーダーまりさは驚きを隠せないでいた。あれほどのお歌を即興で歌っていたというのだろうか。思わず身震いしてしまう。 光を奪われたことによって瞼は常に閉ざされたままだが、赤れいむは容姿端麗なゆっくりであった。成長すれば群れの花とし て他のゆっくりたちが放ってはおかなかっただろう。群れ一番の歌姫となれる資質を秘めていたかも知れない。 母れいむとリーダーまりさはずりずりとあんよを這わせながら赤れいむとぱちゅりーの待つ巣穴の奥へと向かった。巣穴の中 で楽しそうにぱちゅりーと遊んでいる赤れいむを見て、母れいむが思わず安堵の溜め息を漏らす。 「むきゅ! とってもきれいで、ゆっくりしているのよ」 「ゆゆーん! れーみゅも、さくらしゃん……みちゃきゃったよ!!」 リーダーまりさが備蓄してあった食料の中からキノコと芋虫を取り出して、れいむ親子に振舞う。その準備をしながら二匹の 会話に混ざる。 「なんのおはなしをしているのぜ?」 「むきゅきゅ……。 れいむとおちびちゃんがすんでいるおうちのちかくに、きれいなさくらがさくのをおしえてあげたのよ」 「さくら……?」 初めて聞く単語に母れいむが顔をかしげる。 ぱちゅりーは飼いゆっくりとして二年間も人間と同じ時を過ごしていた。銀バッジを取得していたぱちゅりーは頭も性格もよ く、厳しく躾けられてもいたため飼い主と仲良く暮らしていたそうだ。ぱちゅりーとその飼い主は群れのある森の近くで暮らし ていたため、一人と一匹でよくこの辺りまで散歩にきていたらしい。 そのとき、満開になった桜を初めて見たのだ。あまりの綺麗さに言葉を失っていたぱちゅりーに飼い主が桜の話をしてくれた。 春になると咲くこと。それを見ながら気の合う仲間と一緒に美味しい物を食べたりするのを“お花見”ということ。 飼い主がぱちゅりーに教えてくれた事はたくさんあったが、桜に心を奪われていたぱちゅりーにとってはこの話が一番記憶に 残っている。 話をするぱちゅりーの表情も、話の内容も楽しそうで母れいむは思わず笑顔になった。久しぶりにゆっくりした時間を過ごし ているように思える。リーダーまりさはそんな母れいむの横顔を見て少しだけ安心した。 まだ“れいむはちゃんと笑えるんだ”と分かっただけでも嬉しくなった。同時に、リーダーとしてこの笑顔を自分が守ってみ せなければならないことを強く決意する。 「それにしてもおちびちゃんは、おうたがじょうずね。 ぱちゅ、びっくりしちゃったわ」 「おきゃあしゃんが、いつもれーみゅにうちゃってきかせちぇくれりゅおうたしゃんのほうがじょうずだよっ」 母れいむが恥ずかしそうに頬を染める。ゆっくりのお歌は一子相伝であり親ゆっくりの歌ったメロディを子ゆっくりが覚えて、 それを自分なりにアレンジしていくことで新しいお歌となる。ゆっくり界において、一つとして同じ歌はないのだ。れいむ親子 のお歌のメロディも、母れいむの母親の。そのまた母親の代からずっと続いてきたものである。余談ではあるが、母れいむをつ がいに選んだ母まりさも、母れいむの歌に聞き惚れて恋に落ちたのであった。 「ゆ! それじゃあ、はるさんがきたらみんなで“おはなみ”をするのぜっ!!」 リーダーまりさの提案に表情を輝かせるのは赤れいむである。ぱちゅりーから聞かされた、とても楽しそうでとてもゆっくり できそうな“お花見”を自分たちもできるかも知れない。それを想像するだけで心が躍り出す。そんな嬉しそうな表情を見せら れては、母れいむもぱちゅりーも承認せざるを得なかった。元より、反対するつもりなどなかったのだが。 三、 ありすから貰ったかごを口に咥えた母れいむがその中に食料を入れていく。ここ数日はぱちゅりーが食料を分けてくれていた ので、狩りに向かう前にしっかりと朝食を食べることができるようになっていた。おかげで狩りの効率も上がり、巣穴の中に貯 められた食料は少しずつではあるが増えてきている。 (さむいけど……ゆっくりがんばるよ!) 冷たい風が容赦なく母れいむの頬を刺す。群れのゆっくりたちは食料集めが終わったのかほとんど外に出ていない。 朝夕は特に冷え込みが激しくなってきた。ゆっくりは皮や中身の餡子が寒さで固まってしまうと動けなくなる。動きが鈍くな ってしまう前に巣穴に戻らねばならないのだ。そのため狩りの時間は限られてしまう。 陽が高いうちに少しでも多くの食料を集めねばならない。母れいむはぴょんぴょんと飛び跳ねて巣穴まで戻ってきた。かごに 食料が入りきらなくなったのだ。 「ゆあ……」 母れいむが立ち止まる。巣穴の“けっかいっ!”が壊されていた。咥えていたかごを草の上に落とす。 「やめちぇよぉぉ!!! れーみゅたちのごはんしゃんがあぁぁぁぁ!!!」 巣穴の中から赤れいむの悲痛な声が聞こえてきた。母れいむが巣穴の中に飛び込む。そこには数匹のゆっくりがいた。事もあ ろうに母れいむが死ぬ思いで集めた食料を食い散らかしている。 「どぼじでごんな゛ごどずる゛の゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ッ!!!!!!」 母れいむが巣穴の中で叫ぶ。赤れいむは無事のようだった。母れいむの声のした方向に向かって跳ねてくる。 「れいむたちばっかりずるいのぜ!」 「りーだーからたすけてもらってばかりなんて、とかいはじゃないわ」 「やめてえぇえぇえぇえ!!!! ごはんさんをむーしゃむーしゃされたら、ふゆさんをこせなくなっちゃうよぉぉぉ!!!」 「だまるのぜ! ゆっくりできないちびちゃんも、むのうなれいむも、ゆっくりできなくなればいいのぜ!!!」 「わかるよー! れいむたちがいなくなっても、ちぇんはこまらないんだねー!!!」 言葉の暴力によって心が打ちひしがれる。母れいむは悔しさのあまり涙を滝のように流していた。赤れいむも声を上げずに泣 いている。 「ぱちゅりーのあとをついていって、せいかいだったんだねー」 「うっめ! これめっちゃうっめ! ぱねぇ!!」 「あんまりたべてばっかりじゃだめよ。 すこしはもってかえらないと」 必死になって集めた食料がどんどん消えて無くなっていく。狭い巣穴の中で喧嘩をするわけにはいかない。巻き込まれた赤れ いむがケガをしてしまう可能性がある。それ以前に、三匹の成体ゆっくりを相手に喧嘩を挑んでは自分の身すら危うい。目の前 で繰り広げられる略奪行為をただ眺めることしかできなかった。 「ゆ~! いっぱいたべたからうんうんしたくなってきたのぜ! ……すっきりー!!」 「もう! まりさったらとかいはじゃないわ!!」 巣穴の中央でうんうんを捻り出すまりさの顔はあまりにも醜悪なものであった。悪臭が漂い始める。赤れいむは母れいむの髪 の中に隠れた。母れいむは涙を流すのみである。 「こんなくさいおうち、はやくでていくんだねー……」 ちぇんの言葉を皮きりに三匹はぞろぞろと巣穴の入り口へと這って行った。 「ゆふん!」 「……っ!」 すれ違い様、母れいむの顔に唾を吐きかけるまりさ。それを見て三匹はゲラゲラと笑っていた。 巣穴の中を静寂が包む。食い荒らされ、奪われた食料の残りに目を向ける。 「……ゆぐっ……」 思わず唇を噛み締め嗚咽を漏らす。母れいむは悟った。もう絶対に冬を越すことはできない。二匹に春は訪れない。 普段なら赤れいむに心配をかけまいと気丈に振舞うことのできる母れいむだったが、今日に限っては涙が止めどなく溢れてく る。悔しさのあまりに全身の震えが止まらない。それは赤れいむにも伝わっていることだろう。抑えようにも嗚咽を止めること はできない。本来なら赤れいむの前で母親である自分が泣きだすなどあってはならないことだ。赤れいむの不安を取り除いてあ げるのが自分のやるべきことではないのか。自問自答しながら、母れいむはただひたすらに泣いた。自分の無力さを嘆いて。あ まりにも理不尽な仕打ちを呪って。誰にぶつけることもできない冷たく暗い感情を涙に変えて流すことしかできなかった。 「どうして……ッ?! れいむたちなんにもわるいことしてないのにっ!!!! みんなひどいよっ!! どうしてれいむたち ばっかりこんなめにあわないといけないのっ?! ……もうやだぁっ!!! おうちかえる!!!!!」 そんなことを喚き散らしながら泣き狂う母れいむ。赤れいむはそんな母親の悲痛な声を聞いているのが辛くて堪らなかった。 「おきゃーしゃ……。 おきゃーしゃん!! ゆあああん!!! ゆっくち! ゆっくちぃぃぃ!!!!!」 赤れいむは何とかして母れいむに落ち着いてもらいたかった。しかし母れいむの位置を知る手掛かりは泣き声しかない。下手 に近寄れば踏み潰されてしまう危険すらある。ただひたすらにおろおろするばかりだった。そんな赤れいむの姿が母れいむの視 界に入る。小さな体。閉ざされた目尻からは涙が細く伝っている。自分を心配してくれている事が痛いほど理解できた。 (ちびちゃん……っ! ごめんねっ!! ごめんねっ!!! ゆっくりさせてあげられなくてごめんねっ!! ごめんねっ!!!) 赤れいむの姿が滲む。顔全体を左右に振ってきょろきょろと母れいむを探し続ける様子が痛々しい。母れいむの呼吸が少しず つ荒くなっていく。 ――――そんなゆっくりできないちびちゃんはさっさとすてて、まりさたちといっしょにゆっくりくらすのぜ!! いつか聞いた言葉。その言葉がまるで囁かれるかのように母れいむの記憶に蘇る。 「おきゃーしゃあん!! どきょぉ? どきょお?!」 母れいむが泣きじゃくるのをやめたせいか赤れいむには母親がどこにいるかわからないらしい。母れいむは虚ろな視線を赤れ いむにぶつけたまま切れ切れに呼吸をしていた。冷や汗がだらだらと頬を伝う。赤れいむに向けられた慈悲の瞳はまるで無力な 自分自身の姿を覗きこんでいるかのようだ。その瞳が狂気の色に染まってゆく。 泣きじゃくる赤れいむ。自分自身。 何も見えずにその場で右往左往するしかない赤れいむ。自分自身。 それでもなお必死に生きようとする赤れいむ。 ……生きようとした、自分自身。 そこに鏡があるから、映し出された自分の心を見て辛い思いをするのだ。ならば、その鏡を壊してしまえばいい。涙が一粒、 二粒頬を伝い落ちる。 (――――ちびちゃん……。 えいえんに……ゆっくりしていってね……っ!!!!!) あんよに力をかける。 「おきゃああああしゃああああああああん!!!!!!!!!!」 その小さな体のどこから今の声を出したのだろうか。歌姫の資質を持っていた赤れいむは、幼いとはいえ成体ゆっくり顔負け、 あるいはそれ以上の声量を誇る。凄まじい音の衝撃が巣穴の壁に反響して母れいむの体を……いや、心を震わせた。 「れーみゅ……っ!! ごはんしゃん、むーしゃむーしゃできなくちぇもいいきゃらっ!!! おにゃかがすいちぇもがまんで きりゅよっ!!!! もっちょがまんしなきゃいけにゃいなら、もっちょがまんしゅりゅよっ!!!」 母れいむが言葉を失う。今、この赤れいむは何と言ったのだろうか。聞き違いでなければ“もっと我慢しなきゃいけないなら、 もっと我慢する”……そう言ったように聞こえる。文字通り目を丸くした母れいむが赤れいむに尋ねた。 「ちびちゃん……? どういうことなの……?」 赤れいむがその母れいむの声のする方に顔を向ける。 「もっと、むーしゃむーしゃ……したかったの?」 「ゆぐっ……ひっく……、ゆ……ゆんっ……!」 頷く赤れいむ。母れいむは瞼を閉じたまま泣き続ける赤れいむに釘づけである。二の句を継げないでいる母れいむに赤れいむ が恐る恐るといった様子で言葉を続ける。 「おきゃーしゃん……ごはんしゃん……たくしゃんとっちぇくりゅのは……たいへんだちょ……おもっちぇ……しょれで……。 しょれで……っ!! ごめんなしゃい!! れーみゅ……れーみゅ……ほんちょは……もっちょ、むーちゃむーちゃしちゃくて ……っ!!!」 恐らく、赤れいむはこんなことを言うつもりではなかったのだろう。表情の端々から後悔の念が汲み取れる。 少食などではなかったのだ。それは母れいむの“思い込み”だった。しかしそれは仕方のない事でもある。生まれて一カ月も 経たない赤ちゃんゆっくりが母親ゆっくりに対してそんな気遣いをできるわけがないはずだ。母れいむの目から涙が更に溢れて くる。本当に申し訳なさそうに泣いている赤れいむを見ると心がギシギシと音を立てて軋む。気付かなかったのだ。赤れいむの 優しさに。赤れいむを何とかして育てることしか頭になかった……、あるいは考える余裕がなかった母れいむにその健気な姿を 見ることはできなかった。 日々の辛い生活。群れの仲間からの過酷な仕打ち。最愛のまりさの忘れ形見であるたった一匹の我が子。 それらすべてが、母れいむを盲目にさせていた。こんなに近い場所にいる赤れいむの親を想う強い気持ちにさえ、気づいてあ げることができなかった。 「おきゃーしゃ……」 赤れいむの元に駆け寄り頬をすり寄せる。赤れいむがどんな表情をしているかはわからない。わからないが、そうせずにはい られなかった。心の奥から流れ出す数多の想い。感謝と、懺悔と、後悔と……その全てが入り混じったような複雑な気持ち。 「ゆゆーん……しゅーり……しゅーり……」 母れいむのすーりすーりに応えるように頬を動かし始める赤れいむ。母れいむの愛情が赤れいむに浸透していく。その想いが 旋律となって赤れいむの口から流れ出した。 泣きながらその“お歌”を聴いている。親子ともども泣き疲れて眠るまで……赤れいむの優しく儚い……“お歌”は続いた。 四、 「おきゃーしゃあああん!!! おきゃーしゃあああん!!! やじゃ……っ!! れーみゅは……おきゃーしゃんといっちょ にゆっくちしちゃいよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」 リーダーまりさの巣穴の奥から赤れいむの叫び声が聞こえる。母れいむは決して良くはない頭で一生懸命考えた。赤れいむを どうするか。もはや自分一人ではどうすることもできなかった。それでも、母れいむは赤れいむと一緒にゆっくりと生きていた かった。どれだけ辛い目に逢おうとも、赤れいむと一緒であれば絶対にゆっくりすることができる。そう信じて、赤れいむをリ ーダーまりさとぱちゅりーに預けたのだ。 「れいむ……はるさんがきたら、ちびちゃんといっしょにむかえにいくのぜ……」 「ゆっくりりかいしたよ……」 振り返らずに答える母れいむの後姿を見てリーダーまりさは何か声をかけようとしたが、言葉にならなかった。ずりずりとあ んよを這わせてその場を去っていく母れいむを見ていることしかできないリーダーまりさは、自分の無力さを呪っていた。 「おきゃーしゃん!! おきゃーしゃん!!! ゆんやあああああ!!!!!」 赤れいむの声が聞こえなくなるまでは絶対に振り返らない。母れいむはそう決めていた。そうしなければ、すぐにでもリーダ ーまりさの巣穴の中に飛び込んで、赤れいむを咥えて自分たちの巣穴に逃げ込んでしまうような気がしていたから。そんな事を 思いながら、泣くのを堪えながらあんよを動かしているのに。赤れいむの悲痛な声はいつまで経っても聞こえなくなることはな かった。 ようやく。赤れいむの声が聞こえなくなったときはもう自分の巣穴の傍まで来ていた。振り返る。ぼろぼろと涙が溢れだす。 (あいたい……っ!! ちびちゃんにあいたい……っ!!!!) 「じぶんでそだてられないからって、りーだーにちびちゃんをあずけるなんて……さいていのげすゆっくりなのぜ」 「?!」 気がつくと数匹のゆっくりに囲まれていた。 「りーだーはみんなをゆっくりさせるためにがんばっているのに、ふたんをふやすなんてとかいはじゃないわ!」 「れいむ! あんなゆっくりできないちびちゃんなんかいらないのぜっ!!! おめめがみえないんじゃなんにもできないのぜ! ごはんさんだってじぶんであつめられないし……そんなやくにたたないゆっくりと、ずっといっしょにゆっくりしたいなんてい うゆっくりもいないのぜ!!」 「むきゅ! もりのけんじゃのぱちゅがおしえてあげるわ! あのちびちゃんには、ゆっくりさせてあげるひつようなんてない のよ! だって、だれもゆっくりさせてあげることができないんだもの!!」 辛辣な言葉が雨のように降り注ぐ。その“雨”に打たれながら体を震わせ涙をこぼす。言いたいことはたくさんあった。たく さんあるのにそれを言葉に出すことはできない。余計な体力を使うのは惜しまれる。そんな言い訳を頭の中で巡らせながら、何 事もなかったかのようにその場を立ち去ろうとする母れいむ。ゆっくりたちはそれを許さなかった。 「むしするななのぜぇぇぇぇぇ!!!!」 一匹のまりさが体当たりで母れいむを弾き飛ばす。ごろごろと転がった母れいむが木にぶつかって止まった時には、ゆっくり たちによるリンチが始まっていた。 「りーだーをゆっくりさせないゆっくりはしねっ!!!!」 ちゃちな大義名分である。本音は抵抗するだけの力もなく、仕返しを企てる仲間もいないゆっくりに対して一方的な暴力を振 るっていたいだけのくせに。それで自分は強いと……正しいと思い込みたいだけのくせに。繰り返される体当たり。それでも致 命傷を与えないようにだけは気をつけているのが理解できる。同族殺しはゆっくりできないのだ。それが“せいっさいっ!”で ないことを窺わせている。弱者を虐げることで、一時の“ゆっくり”に酔っているだけのことなのだ。 母れいむが解放されたときは山の向こうに夕日が沈みかけていた。気温がぐんぐん下がっていく。それに比例するかのように 母れいむの体温も下がっていった。自分の体の内側が……外側が思うように動かなくなっていくのが理解できる。それは恐ろし いことだった。だが同時に安心している自分もいた。このまま目を閉じていれば、永遠にゆっくりすることができるだろうか。 誰にも迫害されずに、日々を生き抜くためにゆっくりできなくなることもなく、幸せな時を過ごすことができるようになるのだ ろうか。それはあまりにも甘美な誘惑。全てに疲れ果てていた。母れいむのゆん生をまるっきり変えてしまったあの日から時間 は決して経ってはいない。しかし、この過酷な日々はゆっくりにとっては地獄そのものであり、延々と続く迫害は母れいむの居 場所さえも奪っていった。 「れいむ……。 もう、えいえんに……ゆっくりしたいよ……」 願いを呟く。それは誰に対しての願いだったのだろう。殺されたつがいのまりさか、育ててあげられなかった赤れいむか。寒 さは体力を奪い母れいむの意識を徐々に掻き消していく。 「もっと……ゆっくりした、か……――――」 「れいむ!!! れいむ!!! ゆっくりしていってね!!! ゆっくりしていってね!!!!!」 薄れゆく意識の片隅。懐かしい友の声が聞こえる。夢か現か。今の母れいむにとってそれはどうでもいいことだった。閉ざさ れてしまった瞳には何も映らない。 「れいむ!! とかいはじゃないわっ!!! はやくおめめをあけなさい!!!!」 叫びながら母れいむを揺するありす。返事をしない母れいむの揉み上げを咥えて引っ張る。ありすは独身ゆっくりだ。巣穴の 中に母れいむをかくまっても文句を言うような輩はいない。 「……れいむっ!! れいむっ!!!」 「ゆ……く、り……」 「とかいはだわっ! はやくありすのおうちにきなさいっ! ごはんさんくらいなら、むーしゃむーしゃさせてあげてもいいの よっ?! なにかってにえいえんにゆっくりしようとしてるの?! ばかなの? しぬのっ?! し、しなせたりなんかしない んだからっ!!!!」 矢継ぎ早に激励しているのか罵倒しているのかよく分からない口調でまくし立てる。ありすはべそべそ泣いていた。母れいむ の目から涙がこぼれる。自分のために泣いてくれる相手がいるということがどれほど嬉しくて幸せなことか。視界の中にありす を入れたことで安心したのか、母れいむはそのまま深い眠りに落ちてしまった。ありすは気を失ったかのように眠り続ける母れ いむを自分の巣穴まで運ぶと、頬をすり寄せたりぺーろぺーろと舐めたりしながら看病をした。母れいむが目覚めた後、すぐに 食事を与えることができるように葉っぱの上に芋虫やキノコを並べていく。ありすにとって母れいむは幼馴染だ。他者と付き合 うことが苦手なありすが心を許せる数少ない存在。 「ゆ……ゆ……ゆ……」 苦しそうにうめき声をあげる母れいむ。うなされているのだろう。ありすは何とかしてその苦しみから母れいむを救ってあげ たいと願ったが、夢の中にまで手を差し伸べてあげることはできない。巣穴の中。母れいむの隣。冷や汗をかきながら辛そうに 眠る母れいむを見ていることしかできなかった。 母れいむが目覚めたとき、すぐ傍にありすがいた。泣き疲れて眠ってしまったのか寝息を立てている。ありすの巣穴は入り口 からの距離が比較的短い。月明かりが母れいむの周囲を照らしていた。葉っぱの上に置かれた芋虫やキノコ。ありすが用意して くれたのだろう。母れいむはそれに口をつける気にはなれなかった。不意にこれまで少ない食事を我慢して自分を気遣っていた 赤れいむのことを思い出したからだ。 「ちびちゃん……きづいてあげられなくて、ごめんね……」 「れいむ……?」 母れいむのつぶやきにありすが目を覚ました。ぐいっと顔を近づける。虚ろな眼差しでありすを見つめる母れいむ。ありすが 安堵の表情を浮かべた。疲れ切ってはいるが、母れいむの瞳はまだ生きている。それが嬉しくてまた泣きそうになってしまうが、 それよりも先に言っておきたいことがある。 「れいむ。 ちびちゃんをりーだーにあずけた、っていうのはほんとうなのかしら……?」 「ほんとうだよ……」 「そう……」 「……ありも、れいむのことをゆっくりできないゆっくりだっていいたいんでしょ……?」 「ち、ちが……」 「れいむだって! ちびちゃんといっしょにゆっくりしたいよ!! でももうごはんさんをちびちゃんのぶんまであつめられな いんだよっ!! せっかくあつめたごはんさんもほかのゆっくりにむーしゃむーしゃされてなくなっちゃったよ!!! それな のに、ぜんぶれいむがわるいの?! どうして? どうしてれいむばっかりがこんなめにあわないといけないのっ?!!」 「れいむ! おねがいだからおちついて!!!」 「ゆあああああん!! もうやだ!!! れいむも、ちびちゃんも、えいえんにゆっくりしちゃえばいいんだあああ!!!!」 鋭い音が巣穴の中に響いた。母れいむが自分の身に何が起こったのかを理解するのに一瞬のタイムラグが生じる。頬と後頭部 に鈍い痛みが感じられた。ゆっくりと視線をありすに向ける。ありすは震えながら、泣きながら、母れいむのことを睨みつけて いた。母れいむの顔が青ざめていく。違うのだ。ありすにこんな事を言うつもりはなかった。 「どおしてそんなこというのっ?!」 言葉を失う。ありすの問いかけに対して何も答えることができない。巣穴の中を静寂が包んだ。 「れいむ。 あなたにはきこえないのかしら?」 「……ゆ?」 母れいむが意識を巣穴の外に向ける。静まりかえった森の向こう側。乾いた空気に乗って微かに何かが聞こえてくる。母れい むが巣穴の外に這い出た。夜の風が頬を撫でる。 ……ゆー、ゆー……ゆぅ……♪ 歌声だった。忘れるわけもない透き通った声と聞き慣れたメロディ。この歌を歌っているのは赤れいむだ。リーダーまりさの 巣穴からここまでどれほどの距離があったであろうか。巣穴の外で歌い続けているのかも知れない。まるで、自分の傍から離れ てしまった母れいむに歌で呼びかけているかのように感じた。人間には決して理解することのできないゆっくりのお歌。しかし、 ゆっくりはその歌詞を理解することができる。冷たい草むらに突っ伏し母れいむは声も出さずに泣き続けた。 「れいむ。 おねがいだからもうあんなこといわないで。 あなたがいなくなったら、ありすもちびちゃんも……りーだーだっ てかなしむわ……。 あなたをわるくいうゆっくりもたくさんいるけれど、あなたのことをだいすきなゆっくりもいるっていう ことを……ゆっくりりかいしてね?」 「ゆぐ……ぅ、ゆぇぇ……ゆ……く、り……りかい……したよ……」 ありすは少しだけ口元を緩めると母れいむの頬にすーりすーりをした。 (れいむのちびちゃん……あなたのきもちは、きっとおかあさんにとどいているわ) 次の日も。そのまた次の日も。赤れいむのお歌が聞こえてきた。 ありすづてに聞いた話によると、赤れいむがお歌の練習をしたいと言い出してぱちゅりー監督のもと巣穴のすぐ近くで歌い続 けているらしい。最近では赤れいむの歌声を聴くために姿は見せないものの群れのゆっくりがやって来ているそうだ。そのお歌 は、赤れいむから母れいむへ送るこの世に一曲しかないお歌だった。群れのゆっくりたちもまた、ゆっくりの子である。今はも う永遠にゆっくりしてしまった母親ゆっくりへの思いを馳せてしまうのか、涙するゆっくりが多いと聞く。 真冬になっても赤れいむは歌い続けた。今頃は成長して子ゆっくりぐらいの大きさになっているかも知れない。そんな久しく 会わない愛しの我が子の姿を瞼の裏に浮かべては小さくすすり泣く日々。この地域は冬と言っても昼の間はそれなりに気温が高 くなる。おかげでこのわずかな時間を狙って狩りに出れば、効率は悪いものの一日を何とか生きていくぐらいの食料を集めるこ とはできた。 赤れいむはお歌を歌い続けることで群れのゆっくりたちにその存在を認められつつあった。 毎日、毎日、歌い続けた結果であろう。少しずつ認識が変わっていったのだ。いや、赤れいむ自らが変えていったと言うほう が正しいのかも知れない。自分の力で道を切り開いていこうとする赤れいむに応えるかのように、母れいむもまた一匹だけで冬 を越すことを望んだ。ありすに冬の間だけでも一緒に暮らしてはどうかと誘われたが断った。事情を聞いたありすは少しだけ悲 しそうな顔をして嬉しそうに「れいむはとかいはなゆっくりだわ!」と言ってくれた。 母れいむ。赤れいむ。ありす。リーダーまりさ。ぱちゅりー。 それぞれの思いを乗せて季節は少しずつ巡っていく。春の足音が聞こえてくるようになっても、赤れいむはお歌を歌い続けて いた。暖かくなってきたある日。母れいむの巣穴の前に芋虫や木の実、草やキノコが置いてあった。ころころと笑いながらあり すが説明をする。この食べ物は群れのゆっくりたちが置いていったらしい。母れいむは本当にうっすらと笑みを浮かべた。 (……ちびちゃんの、おかげだね……) 助けなければならない。自分の命に替えてでも。そんなことを思いながら赤れいむと過ごしてきたつもりだったが、助けられ たのは自分のほうだった。群れのゆっくりの心にも届いたのだろう。赤れいむが母れいむを想う気持ちの深さや、強い絆を。母 れいむが一匹だけで冬を越そうとしてる話もまた、リーダーまりさたちの周りにまで届いていた。 (ちびちゃん……) (おかあさん……) ((ゆっくり……あいたいよ)) やがて……森に春が訪れた。 五、 ある日、母れいむの巣穴にぱちゅりーがやってきた。相変わらず母れいむの結界は見破られているようだ。 「れいむ……はるさんがきたら、おはなみをするっていうはなしをおぼえているかしら?」 「ゆっくりおぼえてるよ」 「もう、さくらがさいているわ……ちかいうちにおはなみをしようとおもうのだけれど、そのときあずかっていたちびちゃんを れいむにかえすわね」 「ゆっくり……りかいしたよ」 「むきゅ……もしかして、こわいのかしら?」 「…………」 「だいじょうぶよ。 ちびちゃんはれいむのことをおこったりなんてしてないわ。 はやくおかあさんにあいたい、ってそれば っかりよ」 「ゆぁ……」 「むきゅきゅ……ぱちゅもちびちゃんがいたら、れいむのきもちがわかるようになるかもしれないけれど……」 ぱちゅりーは元飼いゆっくりだ。ペットショップで避妊と去勢を行われているため、赤ちゃんを作ることはできない。ぱちゅ りーは母れいむに向かって「あなたはしあわせなゆっくりだわ」と言っていた。赤れいむにあんなにも愛されて。赤れいむをこ んなにも愛することができて、幸せだと。どんなに離れていてもお互いに親子として生きていけることが羨ましくて仕方がない と。 ゆっくりに暦の概念はないが四月に入った。桜の花が咲き乱れている。母れいむはそれをぼんやりと眺めて「あれがぱちゅり ーのいっていたさくらかな」などと想いを巡らせていた。風が吹くと桜の花びらが宙を舞う。 「ゆっくり……きれいだよ」 リーダーまりさが母れいむの巣穴にやってきた。今日は兼ねてから計画のあった花見の日だ。花見をする予定の場所は比較的 母れいむの巣穴の近くにあったため、先にやってきたリーダーまりさが迎えにきたのだ。母れいむは、まるでマリッジブルーの 花嫁のような面持ちで巣穴の外に出た。春の陽気が母れいむを包む。 「れいむ……ほんとうによくがんばったのぜ」 「……ちびちゃんのほうが、もっとがんばっていたよ」 「それじゃあ、ふたりともがんばっていたのぜ!」 嬉しそうに笑うリーダーまりさにつられて笑ってしまう。一呼吸置いてから、言葉を返す。 「ゆっくり……ありがとう」 連なってぴょんぴょんと飛び跳ねる二匹。花見の会場にはまだ一匹のゆっくりもたどり着いてはいなかった。原っぱの真ん中 で立ち止まった母れいむとリーダーまりさは、澄み切った青空を見上げていた。リーダーまりさが呟く。 「れいむ……いままでつらいおもいをさせてごめんなさいなのぜ……」 「……りーだーはわるくないよ」 「むれのみんなをゆっくりさせてあげるために、りーだーになったのに……まりさひとりじゃなにもできなかったよ……。だか ら……ゆっくりごめんなさいするのぜ」 少し背の高い草が風に揺られて二匹の頬をくすぐる。春が二匹に「もっと笑って」と言っているように聞こえた。しばらくし て、ぽつりぽつりと群れのゆっくりが森の中から出てきた。どのゆっくりも幸せそうな顔をしている。長く辛い冬を乗り越えた 喜びをわかち合っているかのようだ。母れいむは思わず目を背けてしまう。リーダーまりさが力強い声で、 「れいむ。 どうどうとしているのぜ」 「で……でも……」 微かに震える。リーダーまりさが頬を押しつけてそれを阻む。 「ゆわぁ……とってもきれいだね……!」 数匹のゆっくりがはしゃぎながら二匹の元へとやってくる。去年の春も桜を見ていたゆっくりはいたが、今年の桜は格別美し く見えた。きっとぱちゅりーから色々な話を聞かされていたからだろう。少し離れた位置からありすもぴょんぴょんと跳ねてく る。リーダーまりさの指導の賜か群れのゆっくりは全員越冬に成功していた。群れの規模が大きすぎないことも要因の一つとし て挙げられるかも知れない。何ヶ月ぶりかに再会した群れの仲間たちは思い思いにゆっくりしていた。久しぶりに動かした体を 伸ばしてみたり、日差しで暖められた草の上をころころと転がったり。幸せなゆっくりぷれいす、ここにありと言わんばかりの 光景が目の前に広がっている。花見のために群れのゆっくりたちが持ってきたのは越冬時の残りや、ここ数日で集めてきたたく さんの食料。花見の席でミミズを見つけたゆっくりはそれを食べるのに夢中になっていた。 「むきゅ……」 「…………!!」 母れいむの視界の中央。運動は得意でないぱちゅりーがゆっくりとこちらに向かって這ってくる。そのすぐ横。バレーボール ぐらいの大きさに成長した子ゆっくり。まだ成体と呼べるサイズにまでは達していない。 ぼろぼろと涙が溢れてくる。群れのゆっくりたちも無意識のうちに母れいむとぱちゅりーの間に道を空けていく。まるでヴァ ージンロードだ。その道の真ん中。自分の元へと向かってくる子れいむ。体が大きくなっても、あの頃のままだ。ずりずり、ず りずり。あんよを這わせて少しずつ進む。母れいむとの距離が縮まっていく。やがて、子れいむがぴたりとあんよを止めた。 「おかあ……さん?」 舌足らずな口調が抜けた子れいむが口を開く。泣きたくなるのを必死に堪えていた。ぱちゅりーがれいむ親子ににっこりと微 笑んだ。 「ちびちゃん。 おかあさんは、あなたのめのまえにいるわ」 「おかあさん……! おかあさん……っ!! ゆぁ……ゆぅ……っ!!!」 「ち……ちびちゃ……」 言い終えるか終えないかのうちに母れいむが飛び出す。群れのゆっくりたちはその様子を固唾を飲んで見守っていた。ありす は目にうっすらと涙を浮かべていた。リーダーまりさは穏やかな笑みを浮かべていた。ぱちゅりーは三カ月近く一緒にいたちび ちゃんが母れいむの元に帰って少し寂しそうだが、嬉しそうだった。 「おかあさん!!! おかあさん!!! れいむはれいむだよっ!!! ゆっくりしていってねっ!!!!」 「ちびちゃん!! ちびちゃんっ!!!!」 「おかあさん……っ!! れいむ……さびしかったよぅ……っ!!! ゆーん……ゆーん……っ!!!」 子れいむの涙がぼろぼろと頬を伝う。それをぺーろぺーろと舐め取りながら頬をすり寄せる母れいむ。子れいむの涙は懐かし い味がした。本当は群れのゆっくりたちも二匹の再会を祝福してあげたいところだったが、これまで自分たちが行ってきた仕打 ちを思うと素直に駆け寄ることができない。しかし、れいむ親子にとってそんなことはどうでもよかった。長い長いすーりすー り。冬の間中行うことができなかったすーりすーりをただひたすらに繰り返す。二匹の表情はとてもゆっくりしていた。 だが。 「ゆゆっ?! にんげんさんっ!! ここはまりさたちのゆっくりぷれぶりゅびゅあっ!!!!!!」 突然の悲鳴に全てのゆっくりが一斉に振り返る。 「……ゆ? ……ゆゆ?」 一匹のまりさが潰されて死んでいた。そこから視線を少し上にずらすと十数人の人間たちが見える。 「事前調査の報告書よりも多くないか?」 「野生ゆっくりの一斉駆除なら業者に任せて欲しいもんだぜ……」 「業者は手が回らないんだろ。 町の中心部の野良ゆっくり狩りで忙しいだろうからな」 ぱちゅりーが青ざめた表情を浮かべる。リーダーまりさも危険を感じ取っていた。人間たちは市役所の職員である。手にはバ インダーが握られていた。それに挟まれた紙には“桜祭り計画案”との文字が見える。人間たちはこの場所で夜桜を見ながらの 祭りを計画していたのだ。冬の間に計画が固まり、何度か現地に足を運んでいた。まだ群れが本格的に越冬を始める前の話であ る。ゆっくりの群れが付近に棲息していることは調べられていた。 「みんなっ! ゆっくりしないでにげるのぜっ!!!!」 リーダーまりさが声をかけたときにはもう遅かった。数人の男たちが一斉に動きだして巨大なグリーンネットの中にゆっくり たちを閉じ込めたのだ。網のそこかしこから、自由を奪われたゆっくりたちの泣き叫ぶ声が聞こえてくる。 「ゆあああっ!!! やめてねっ!! やめんぎゅびゅぇっ!!!!!!」 そこから一匹一匹丁寧に潰されていく。パニックに陥ったゆっくりたちにこの網から逃れる術はなかった。そんな阿鼻叫喚の 地獄絵図の片隅でれいむ親子はがたがた震えていた。目の見えない子れいむはぴったりと母れいむに寄り添って離れない。次々 と潰されていく群れのゆっくりたちを見て、リーダーまりさとぱちゅりーはおぼろげながらに理解した。もう、この群れは終わ りだ、助からない……と。 「おかあさん……? どうしたの……? ゆっくりできない……?」 「だいじょうぶだよっ!! ちびちゃんっ!!! おかあさんがそばにいるからねっ!!!」 震える子れいむに力強く頬を押し当てて誰へ向けるともなく頬に空気を溜める。既に群れの三分の一ほどのゆっくりが潰され ていた。リーダーまりさが叫ぶ。 「にんげんさあああんっ!!! まりさが、このゆっくりたちのりーだーなのぜぇぇぇぇぇ!!! まりさたちはここでおはな みをしようとしていただけなんだぜぇぇぇぇぇぇッ!!!!」 「こりゃ驚いた。 もともとこの辺にお菓子かなんかをばらまいて集まったところを一網打尽にする計画だったが、お前らの方 から集まってきてくれるとはな。 それはともかくゆっくり如きが花見だとは笑わせる。 お前らなんかに見せる桜なんてねー よ。 一生穴ん中で暮らしてろ」 「どぼじでぞんなごどい゛う゛の゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ??!!!」 複数のゆっくりたちが人間のもの言いに叫び声を上げるが片っぱしから潰されていく。ゆっくりたちの話を聞くつもりはなさ そうだ。当然だろう。桜祭りの最中に屋台の匂いにつられてふらふらと入り込んでもらっては困る。さすがに会場の中で駆除を 行うわけにはいかない。あくまで、桜祭り当日までに群れを殲滅させる必要があるのだ。また、それが市長からの指示であった。 「あぁ……まりさの……むれが……。 ゆっくりぷれいすが…………っ!!!」 泣き続けるリーダーまりさの前に人間が立ちはだかる。がたがたと震えているリーダーまりさの後ろから優しいメロディが聞 こえてきた。 「ゆ?」 「何だ……?」 ゆー……ゆぅゆーーーゆぅ……ゆうゆゆゆうぅ~~♪ 「ちびちゃん……?」 母れいむの隣で、子れいむがお歌を歌い始めた。目が見えていないので群れがどういう状況にあるかを分かっていないのだろ うか。そんなことはないはずだ。潰されて泣き叫ぶゆっくりたちの悲鳴は聞こえているはずである。 「むきゅっ……ちびちゃん……もしかして……」 ぱちゅりーが呟く。子れいむは自分のお歌を聴いてもらって人間たちにゆっくりしてもらおうと考えていたのかも知れない。 あるいは、既に死を悟り、お歌に込めたメッセージを母れいむに伝えようとしているのだろうか。 「あっははははは!!!! なんだそりゃっ!! これがゆっくりのお歌ってやつかっ! 想像以上に酷いな!!! こんな雑 音聴きながら食べ物食い散らかすのがお前らの花見かっ!!! これだから、ゆっくりってやつは!」 人間たちの言葉は難しくてゆっくりたちにはよく分からない。だけれども、子れいむのお歌を馬鹿にされていることだけは理 解できた。それが悔しくて仕方がない。ゲラゲラと笑い続ける人間たちの雑音で子れいむのお歌がよく聴こえないのも癇に障る。 「ちびちゃんのおうたをばかにするななのぜええええええ!!!!!!!」 リーダーまりさの叫びを号令に群れのゆっくりたちが一斉に反撃を試みた。それでも形勢が逆転するようなことはない。次々 と餡子を飛び散らしていくゆっくりたち。叩き潰され、踏み潰され、ただの一匹たりとも人間に一矢報いることはできなかった。 一番槍を買ってでたリーダーまりさも潰されていた。幼馴染のありすはどこにいるか分からないが既に潰されていることだろう。 半数が壊滅してしまった群れのゆっくりたち。絶叫が響く地獄の中で、子れいむはお歌を歌い続けていた。その傍らでぱちゅ りーが泣き崩れている。嗚咽混じりの涙声で、 「ぱちゅが……ぱちゅが、おはなみのはなしなんてしたから……っ!!!」 人間がれいむ親子の前に現れた。母れいむは泣きながら威嚇をしている。姿形は違えど、目の前にいるのはかつて最愛のまり さと子れいむの姉妹を永遠にゆっくりさせて、子れいむから永遠に光を奪った憎き人間。 「ちびちゃんにはゆびいっぼ――――ッ??!!!!!!」 飛びかかろうとした母れいむの脳天に先の尖ったスコップが振り下ろされ、真っ二つに顔がちぎれ飛ぶ。あまりにも一瞬ので きごとであった。いつのまにか生き残ったゆっくりたちは人間に包囲され、徐々にその数が減っていく。母れいむはぶるぶると 震えながら子れいむの元に這い寄ろうとする。 「ち……びちゃ…………」 切れ切れに呼吸をしてた母れいむも、剣スコで何度も顔を突き刺されてようやく物言わぬ饅頭となった。既にぱちゅりーも殺 されていた。お歌を歌い続ける子れいむに男たちが近寄る。それでも臆することなくお歌を歌い続ける子れいむを見て人間たち が気付いた。このゆっくりは目が見えないのだと。だから、どうだというわけでもなく、ひと思いにスコップを振り下ろす。 子れいむは顔の形を崩されて中身を爆散させる最後の一瞬まで、お歌を歌い続けていた。 ――お母さん、いつもれいむの傍にいてくれてありがとう。 ――ごめんね。 れいむはお母さんのお顔を思い出せないよ。 ゆっくりできないゆっくりて言われるのも仕方がないね。 ――でも、お母さんのお顔を想像することはできるよ! ――れいむが苛められて泣いてるときに柔らかいほっぺたで、すーりすーりしてくれたよね? ――れいむの流した涙を温かい舌でぺーろぺーろしてくれたよね? ――れいむが寒いってわがまま言ったときは髪の毛の中に入れてくれたよね? ――おうちの中でもお外でも、お母さんはずっとれいむに笑いかけてくれてたんだよね? ――お友達は一人もいなかったけど、お母さんがいてくれたから……ちっとも寂しくなんてなかったよ! ――ねぇ、どうして? ――どうしてお母さんはれいむを捨てようとしなかったの? ――お母さん一人だったら群れのみんなだって仲良くしてくれたと思うよ。 ――それでもれいむはお母さんと一緒にいたかったら、“捨てないで”なんて言っちゃったよ。 ――わがままなれいむを許してね? ――お母さん。 ――れいむのことを好きでいてくれてありがとう。 ――れいむはおめめが見えないから、お母さんが永遠にゆっくりしちゃったら生きていけないね。 ――だからそのときは、れいむもお母さんと一緒に永遠にゆっくりするよ。 ――こんなことを言ったら怒られるかな? ――お母さん。 ――れいむの優しいお母さん。 ――れいむを一人で育ててくれた強いお母さん。 ――ゆっくりしていってね……!!! ――お母さん……大好きだよ。 第一回の桜祭りは地元住民の協力もあって大いに盛り上がり、大成功を収めた。その日は夜遅くまで音響設備を使ったカラオ ケ大会や催し物が行われた。発電機の凄まじい音を掻き消すかのように楽しそうにはしゃぐ来場者。飲み、食い、歌い、踊り。 思い思いに花見を楽しんでいた。 その翌朝。 桜祭りの会場に投げ散らかされた数多のゴミを回収する地元住民たちはそれぞれ悪態をついていた。 「まったく……。 昨日はカラオケがうるさくて夜も眠れんかったわい……食べ散らかすだけ食べ散らかしておいて、ろくに片 付けもしやせん……。 これだから最近の連中は……」 おわり 日常おこりうるゆっくりたちの悲劇をこよなく愛する余白あきでした。 余白あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 話自体は面白かったけど最後の取って付けたような人間批判が微妙だった 人間側の醜さを強調することでゆっくり側の美しさを引き立てる演出だとはわかってるけどね -- 2014-03-21 07 23 35 人間がゴミそのもので萎えた -- 2013-08-02 10 49 08 いいね ゆっくりがお花見だとか歌姫だとか、親子愛だとか気持ち悪いとしか思えなかったので そんなの関係ねえって感じでサクサク殺されていく様が爽快だった -- 2013-05-29 03 30 59 救いはないと思ったが、無常にも一気に収束する流れは素晴らしかった ありすも既に叩き潰されているだろう、はゾクっとした -- 2012-10-26 15 11 17 くっそおおおおクズ人間を殺したくなったああああああ -- 2012-07-31 20 31 29 はーいゲスも非常識人間もしまっちゃおうね~ -- 2012-05-05 16 33 24 中盤の親れいむの巣を襲撃したゲス共が制裁されてないのはおかしい。報告せずに泣き寝入りしたのだろうか。最終的に全滅したので良かったが。 -- 2011-09-21 01 20 31 良くも悪くも本能に忠実、か・・・ -- 2011-03-02 01 08 41 ↓なんかすごく真をついた言葉だな・・・そうだよな・・本能ってそうなんだよな・・・うまく言えんがとてもハッとしました。 -- 2010-12-17 22 54 00 本能は思考ではない -- 2010-12-17 08 28 11 子れいむが潰される描写も見たかったな。セリフ付で。 -- 2010-12-12 11 46 41 こんな屑の集まりじゃほっといても簡単に滅びそうなもんだがな -- 2010-09-28 19 23 38 何の前触れも容赦もなく殺されるのがゆっくりの日常。人間登場の結末は良かった -- 2010-09-07 17 30 27 ゆっくり共には幸せになる資格も権利も一切無い。不幸=ゆっくりだ。 -- 2010-09-06 14 21 54 いーや、絶対に糞饅頭共は虐殺!!ハッピーエンドなんてありえない!!でも人間もゴミはきちんともちかえろうよ。マナーは守んなきゃな。 -- 2010-08-31 08 46 16 無理にバッドエンドにすることもないと思うがね -- 2010-08-31 02 16 30 人間の駆除が余計だったという意見が多いようだけど俺はあったほうが断然いいなあ。 -- 2010-08-16 13 05 41 ゴミはきちんとかたずけような。 -- 2010-07-29 21 44 58 所詮野生≒ゲスだな -- 2010-07-27 17 53 25 人間はなかったほうがよかったかもね。 でもおもしろかった -- 2010-07-25 10 36 12
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「ふたば系ゆっくりいじめ 955 ゆっくりの進化 一 前半/コメントログ」 胴付きれいみゅは萌え禿げる あ れいみゅ限定だよ! 赤れいむなれいみゅね! -- 2012-07-26 10 41 52 変換ミスに注意 ふらんたん可愛いよふらんたん♪ ゆっくりの超差別主義の話なのかな? -- 2018-01-26 01 58 15
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「ふたば系ゆっくりいじめ 439 ゆっくりほめ/コメントログ」 こんなクズ野郎にふらんちゃんは渡さん。 -- 2010-06-29 23 22 40 ↓世界中のふらんを買い占めれる財力を手に入れてから言いたまえ。 -- 2010-09-15 02 04 56 というかなぜ十四代目まで我慢したんだよ愛で太郎w あと七孔噴餡は是非みてみたいなw ただゆっくりには耳の穴と鼻の穴がないから七孔は難しいだろw -- 2010-11-01 05 37 46 ふむふむ江戸か…… って思ってたらいきなり火炎放射器とか言いだすから噴いたw 出すなって意味じゃないよ決して -- 2011-04-25 15 19 01 ↓2 穴を増やせば良いではないか -- 2011-12-31 13 22 30 ↓頭やわらかいね -- 2012-06-17 00 29 13
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「ふたば系ゆっくりいじめ 778 れいむ文明/コメントログ」 でいぶは滅ぼすべき -- 2010-06-23 00 03 54 文明?これが? -- 2010-07-15 23 00 33 遺跡のひとつも残さず滅びた文明というのは他にないな -- 2010-08-22 07 37 38 文明の名をつけるのもおこがましいな -- 2010-11-03 21 05 00 最初のクズどもは好き勝手幸せに生きたと思うと…… -- 2011-06-07 00 46 59 ↓書いた者だがごめん良く読んでなかった 3か月じゃそいつらも共食い参加してるよね…… -- 2011-06-07 00 49 44 後半は余分だな -- 2011-08-16 00 37 38 前置きが長くてそれだけで読む気を削ぐな -- 2011-08-31 20 45 40 恐竜の絶滅はれいむ種が原因だったんだよ! -- 2011-09-01 15 39 04 つまんねーなコレは -- 2012-03-11 00 33 51 つまらんつまらん言うだけの人ってなんなの -- 2012-10-03 15 24 15 滅べやんな文明と思ったら 文明じゃないなこれwwwwそのまま絶滅すりゃよいのに -- 2014-08-01 20 53 13
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1082 陽炎 02/コメントログ」 よかった。 -- 2010-06-18 02 15 49 面白かった -- 2010-07-10 02 33 57 すばらしい、、、、 ラストが特に、因果応報は最高です。 -- 2010-07-25 22 30 15 ↓おいおい因果応報って…あんたな… -- 2010-09-04 09 01 20 れいむまりさ如きがおりん種に危害を加よう等とはおこがましいにも程がある しかも親の仇だとあたかも自らの悪行を正当化する様な思考、正に万死、いや億死に値する -- 2010-09-23 18 14 01 因果応報というよりは、「おりんという種ゆえの業」という感じだな いや、面白かった -- 2010-10-31 01 12 59 種でゆっくりをひいきしない世界観はゆっくりできる。 -- 2011-01-09 18 34 18 これは…ひどい… -- 2011-01-19 23 35 58 ああ無情、おりんだからこその苦悩と受難、そしてゆっくり全体に言える理不尽さ。 辛いところだなあ。 -- 2011-09-06 22 12 58 にゃーん…にゃーん… -- 2013-08-29 11 56 30 待てよ。 チリソースかかった時点でゆっくりまりさが「ぼっど…ゆっぐり…じだがっだ」ってなりそう。 *ゆっくりは辛いものを食べると死にます。 -- 2014-09-26 00 00 15 ↓せっていさんだよ!ばかなの?しぬの? -- 2016-01-10 23 51 44