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2013年6月19日 それぞれの賞についての詳細は「翻訳ミステリー大賞シンジケート」に寄稿した以下の記事をご覧ください。 非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると 第4回 北欧その1 スウェーデン編 (2013-07-18) 非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると 第5回 北欧その2 デンマーク編 (2013-07-25) 非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると 第6回 北欧その3 ノルウェー編 (2013-08-22) 非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると 第7回 北欧その4 アイスランド・フィンランド編 (2013-09-19) ※北欧5か国の作品を対象とする「ガラスの鍵賞」についてもこの回で扱った Index 各推理作家団体の公式サイト スウェーデンのミステリ賞(1)スウェーデン推理作家アカデミーの賞 (2)スウェーデンのその他の賞 デンマークのミステリ賞(1)デンマーク推理作家アカデミーの賞 (2)デンマークのその他の賞 ノルウェーのミステリ賞(1)リヴァートンクラブの賞 (2)ノルウェーのその他の賞 アイスランドのミステリ賞 フィンランドのミステリ賞 ガラスの鍵賞 スウェーデン推理作家アカデミー最優秀翻訳ミステリ賞を受賞した非英語圏作品 デンマーク推理作家アカデミー パレ・ローゼンクランツ賞を受賞した非英語圏作品 他言語圏のミステリ賞を受賞した北欧ミステリ 各推理作家団体の公式サイト スウェーデン推理作家アカデミー(Svenska Deckarakademin) デンマーク推理作家アカデミー(Det Danske Kriminalakademi) ノルウェー リヴァートンクラブ(Rivertonklubben) アイスランド推理作家協会(Hið íslenska glæpafélag) フィンランド・ミステリ協会(Suomen dekkariseura) どのサイトも過去の受賞作一覧あり。 スウェーデンのミステリ賞 (1)スウェーデン推理作家アカデミーの賞 スウェーデン推理作家アカデミー 最優秀長編賞《受賞作一覧(公式サイト)》 受賞作の邦訳(10作)1991年 - ヘニング・マンケル『殺人者の顔』(柳沢由実子訳、創元推理文庫、2001年1月) 1993年 - シャスティン・エークマン『白い沈黙』(澤村灌訳、講談社文庫、1998年8月) 1994年 - ホーカン・ネッセル『終止符(ピリオド)』(中村友子訳、講談社文庫、2003年5月) 1995年 - ヘニング・マンケル『目くらましの道』(柳沢由実子訳、創元推理文庫、2007年2月) 1998年 - インゲル・フリマンソン『グッドナイト マイ・ダーリン』(佐宗鈴夫訳、集英社文庫、2011年7月) 2004年 - オーサ・ラーソン『赤い夏の日』(松下祥子訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2008年10月) 2005年 - インゲル・フリマンソン『シャドー・イン・ザ・ウォーター』(佐宗鈴夫訳、集英社文庫、2011年8月) 2006年 - スティーグ・ラーソン『ミレニアム2 火と戯れる女』(ヘレンハルメ美穂、山田美明訳、早川書房、2009年4月 / ハヤカワ・ミステリ文庫、2011年11月) 2008年 - ヨハン・テオリン『冬の灯台が語るとき』(三角和代訳、ハヤカワ・ミステリ、2012年2月) 2009年 - アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム『三秒間の死角』(角川文庫、2013年10月) その他の受賞者1988年 - ヤン・ギルー(ヤン・ギィユー) 1989年 - K=O・ボーネマルク(シェル=ウーロフ・ボーネマルク) 2011年 - アルネ・ダール 2014年 - トーヴェ・アルステルダール(Tove Alsterdal)(◆作品の邦訳予定あり) 2015年 - アンデシュ・デ・ラ・モッツ 最優秀長編賞の複数回受賞者3回 - ホーカン・ネッセル(1994年、1996年、2007年)、Leif GW Persson(1982年、2003年、2010年) 2回 - ヘニング・マンケル(1991年、1995年)、インゲル・フリマンソン(1998年、2005年)、オーサ・ラーソン(2004年、2012年)、Staffan Westerlund(1984年、1986年)、Jean Bolinder(1985年、1990年)、Åke Edwardson(1997年、2001年) スウェーデン推理作家アカデミー 最優秀新人賞《受賞作一覧(公式サイト)》 受賞作の邦訳(5作)1982年 - K=O・ボーネマルク『さらば、ストックホルム』(平賀悦子、柳沢重也訳、中公文庫、1987年7月) 1998年 - リサ・マークルンド『爆殺魔(ザ・ボンバー)』(柳沢由実子訳、講談社文庫、2002年7月) 2003年 - オーサ・ラーソン『オーロラの向こう側』(松下祥子訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2008年8月) 2007年 - ヨハン・テオリン『黄昏に眠る秋』(三角和代訳、ハヤカワ・ミステリ、2011年4月 / ハヤカワ・ミステリ文庫、2013年3月) 2010年 - アンデシュ・デ・ラ・モッツ『監視ごっこ』(真崎義博訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2014年7月) その他の受賞者1993年 - ホーカン・ネッセル 最優秀新人賞と最優秀長編賞の両方を受賞した作家連続受賞(3人)ホーカン・ネッセル(1993年 / 1994年)『Det grovmaskiga nätet』(未訳)、『終止符(ピリオド)』 ※その後1996年と2007年にも最優秀長編賞受賞 オーサ・ラーソン(2003年 / 2004年)『オーロラの向こう側』、『赤い夏の日』 ※その後2012年にも最優秀長編賞受賞 ヨハン・テオリン(2007年 / 2008年)『黄昏に眠る秋』、『冬の灯台が語るとき』 それ以外(4人)Ulf Durling(1971年 / 1983年) K=O・ボーネマルク(1982年 / 1989年) Åke Edwardson(1995年 / 1997年、2001年) Kjell Eriksson(1999年 / 2002年) アンデシュ・デ・ラ・モッツ(2010年 / 2015年) スウェーデン推理作家アカデミー 最優秀翻訳ミステリ賞《受賞作一覧(公式サイト)》 スウェーデン推理作家アカデミー 巨匠賞《受賞者一覧(公式サイト)》 国内外のミステリ作家の生涯の功績をたたえる賞。1972年の最初の受賞者はアガサ・クリスティーとエラリー・クイーン。翌年にはジョン・ディクスン・カーとレックス・スタウトが受賞。スウェーデンからの受賞者には、1997年受賞のヤーン・エクストレムや2009年受賞のK・アルネ・ブルムらがいる。 (2)スウェーデンのその他の賞 シャーロック賞(1955年~1986年) 1968年 - シューヴァル&ヴァールー『笑う警官』 1971年 - オッレ・ヘーグストランド『マスクのかげに』(この作家は1975年にも受賞) 1974年 - K・アルネ・ブルム『真実の瞬間』 1982年 - K=O・ボーネマルク『さらば、ストックホルム』 ほかにシャスティン・エークマンが1961年に、ヤーン・エクストレムが1963年に受賞。 ポロニ賞 (Polonipriset) 1998年 - リサ・マークルンド『爆殺魔(ザ・ボンバー)』(柳沢由実子訳、講談社文庫、2002年7月) 帯「爆破殺人! テロか怨恨か ポロニ賞(スウェーデン推理作家協会)受賞」 表紙見返しおよび奥付けの著者紹介「『爆殺魔』で1998年のスウェーデン推理作家協会のポロニ賞を受賞。」 裏表紙の内容紹介「スウェーデン推理作家協会ポロニ賞受賞のクライム・ノベル。」 巻末の「訳者のあとがき」に「リサ・マークルンドは一九九八年、この『爆殺魔(ザ・ボンバー)』で彗星のようにスウェーデン推理小説界に現れ、同年の推理小説アカデミー新人賞と新人女性推理作家に贈られるポロニ賞を同時受賞している。」 『爆殺魔(ザ・ボンバー)』は上記のように、邦訳出版された際の帯に「ポロニ賞(スウェーデン推理作家協会)受賞」とあり、裏表紙でも「スウェーデン推理作家協会ポロニ賞受賞のクライム・ノベル」と紹介されてしまっているが、ポロニ賞は優れた新人女性推理作家に対してスウェーデンのミステリー雑誌『Jury』が授与していた賞である。『爆殺魔』は『Jury』のポロニ賞と、スウェーデン推理作家アカデミーの最優秀新人賞の両方を受賞している。 デンマークのミステリ賞 (1)デンマーク推理作家アカデミーの賞 デンマーク推理作家アカデミー ハラルド・モーゲンセン賞 (「ハラルド・モゲンセン賞」とも)《受賞作一覧(公式サイト)》 受賞作の邦訳(4作+予定1作)2009年 - レナ・コバブール&アニタ・フリース『スーツケースの中の少年』(土屋京子訳、講談社文庫、2013年7月) 2010年 - ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q―Pからのメッセージ―』(吉田薫、福原美穂子訳、ハヤカワ・ミステリ、2012年6月) 2012年 - エーリク・ヴァレア『7人目の子』(長谷川圭訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2014年10月) 2015年 - トーマス・リュダール『楽園の世捨て人』(木村由利子訳、ハヤカワ・ミステリ1915、2017年1月) 2016年 - Ane Riel "Harpiks"(早川書房より邦訳出版予定) その他の受賞者(受賞作は邦訳なし)ミケール・カッツ・クレフェルト(2013年受賞) カタカナ表記がまったく違うが、レナ・コバブールは早川書房からファンタジー小説『秘密が見える目の少女』、『ディナの秘密の首かざり』が刊行されているリーネ・コーバベルと同一人物。 デンマーク推理作家アカデミー 最優秀新人賞《受賞作一覧(公式サイト)》 受賞作の邦訳(1作)2011年 - A・J・カジンスキー『ラスト・グッドマン』【上下巻】(岩澤雅利訳、ハヤカワ文庫NV、2012年6月) その他の受賞者(受賞作は邦訳なし)2000年 - グレーテリース・ホルム - 邦訳は児童書の『マリアからの手紙』。ミステリの邦訳なし。 2005年 - サラ・ブレーデル - 邦訳は『見えない傷痕』(高山真由美訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2012年8月) 2008年 - ミケール・カッツ・クレフェルト 2014年 - Ane Riel デンマーク推理作家アカデミー パレ・ローゼンクランツ賞《受賞作一覧(公式サイト)》 パレ・ローゼンクランツ賞を受賞したデンマークの4作品 1989 デンマーク Leif Davidsen Den russiske sangerinde 1990 デンマーク Erik Amdrup Renters rente 1993 デンマーク ペーター・ホゥ Frøken Smillas fornemmelse for sne 『スミラの雪の感覚』 2005 デンマーク Henning Mortensen Den femte årstid +パレ・ローゼンクランツ賞 受賞作一覧 パレ・ローゼンクランツ賞 受賞作一覧 1987 ノルウェー Frederik Skagen Viktor! Viktor! Viktor! Viktor! 1988 英国 P・D・ジェイムズ Indviet til mord A Taste for Death 『死の味』 1989 デンマーク Leif Davidsen Den russiske sangerinde 1990 デンマーク Erik Amdrup Renters rente 1991 ノルウェー Gunnar Staalesen Faldne Engle Falne engler 1992 英国 ジョン・ル・カレ Den hemmelige pilgrim The Secret Pilgrim 『影の巡礼者』 1993 デンマーク ペーター・ホゥ Frøken Smillas fornemmelse for sne 『スミラの雪の感覚』 1994 英国 ルース・レンデル Som fuglen i krokodillens gab The Crocodile Bird 『殺意を呼ぶ館』 Kong Salomons tæppe King Solomon s Carpet 『ソロモン王の絨毯』(バーバラ・ヴァイン名義) 1995 スペイン アルトゥーロ・ペレス=レベルテ Dumas-klubben eller El club Dumas 『呪のデュマ倶楽部』、改題して『ナインスゲート』 1996 英国 コリン・デクスター Vejen gennem skoven The way through the woods 『森を抜ける道』 1997 英国 レジナルド・ヒル Regnskabets dag Pictures of perfection 『完璧な絵画』 1998 米国 ケイレブ・カー Sindssygelægen The Alienist 『エイリアニスト 精神科医』 1999 ノルウェー Kim Småge En kernesund død En kjernesunn død 2000 米国 ダナ・レオン Mord i fremmed land Death in a strange country 『異国に死す』 2001 英国 イアン・ランキン Fortids synder Black and blue 『黒と青』 2002 英国 ミネット・ウォルターズ Syreparken Acid row 『遮断地区』 2003 米国 キャロル・オコンネル Judasbarnet Judas child 『クリスマスに少女は還る』 2004 スウェーデン アルネ・ダール Europa blues Europa Blues 2005 デンマーク Henning Mortensen Den femte årstid 2006 英国 ピーター・ロビンスン Kold er graven Cold is the grave 『エミリーの不在』 2007 スウェーデン ホーカン・ネッセル Skyggerne og regnen Skuggorna och regnet 2008 スウェーデン カーリン・アルヴテーゲン Skygger Skugga 『影』 2009 米国 ドン・ウィンズロウ Franke Machines vinter The winter of Frankie Machine 『フランキー・マシーンの冬』 2010 ノルウェー ジョー・ネスボ Panserhjerte Panserhjerte 2011 フランス ジャン=クリストフ・グランジェ Forbarm dig Miserere 2012 スウェーデン Leif G.W. Person Den døende Detektiv Den döende detektiven 2013 米国 ジェイムズ・エルロイ Den røde gudinde Blood s a rover 『アンダーワールドUSA』 2014 英国 フィリップ・カー En mand uden åndedræt 2015 スウェーデン ホーカン・ネッセル Levende og døde i Winslow 2016 ノルウェー Gard Sveen Den sidste pilgrim デンマーク推理作家アカデミー パレ・ローゼンクランツ名誉賞 2003年 - アーナス・ボーデルセン (パレ・ローゼンクランツ名誉賞が授与されたのはこの一度きり) デンマーク推理作家アカデミーの特別賞を受賞した主な作家・編集者 1990年 - ターゲ・ラ・コーア 1992年 - アーナス・ボーデルセン 1993年 - ハラルド・モーゲンセン 特別賞受賞者一覧(公式サイト) (2)デンマークのその他の賞 デンマーク推理作家アカデミーができる以前、デンマークにはエドガー・アラン・ポーの名を冠したポー・クラブ(Poe-klubben、1964年設立)という団体が存在しており、各種の賞を授与していたらしいのだが、その詳細は分からない。『沈黙の証言』が訳されているポウル・ウロムはこのポー・クラブの賞を何度か受賞しているようである(『沈黙の証言』裏表紙には「デンマークのポオ賞受賞者」との紹介がある)。 アーナス・ボーデルセン『殺人にいたる病』(1971)の作中作の主人公(推理作家)やそのライバルは「ポー協会」の会合に出席しているようだが(p.48, p.74)、これはまさにPoe-klubben(ポー・クラブ)のことかと思われる。 ノルウェーのミステリ賞 (1)リヴァートンクラブの賞 ゴールデンリボルバー賞(あるいは単に「リヴァートン賞」)《受賞作一覧(公式サイト)》 受賞作の邦訳(4作)1994年 - アンネ・ホルト『土曜日の殺人者』 1996年 - カリン・フォッスム(カーリン・フォッスム)『湖のほとりで』 (カーリン・フォッスムは別の作品で2014年にも同賞を受賞している) 1997年 - ジョー・ネスボ『ザ・バット 神話の殺人』 2012年 - ヨルン・リーエル・ホルスト『猟犬』 その他の受賞者(受賞作は邦訳なし)ユン・ミシェレット(1981年、2001年受賞) - 邦訳は『北海の狩人』 トム・エーゲラン(2009年受賞) - 邦訳は『狼の夜』 リヴァートンクラブ名誉賞《受賞者一覧(公式サイト)》 主な受賞者1973年 - ベルンハルト・ボルゲ 1990年 - ターゲ・ラ・コーア(デンマーク) 2012年 - ヴァルグ・ヴェウム(ノルウェーのGunnar Staalesensが生んだ架空の私立探偵) 2016年 - ジョー・ネスボ ゴールデンリボルバー賞(リヴァートン賞)は日本では「ノルウェー・ミステリー大賞」とされることもある。アンネ・ホルト『土曜日の殺人者』の帯には「ノルウェー・ミステリー大賞受賞作品」、訳者あとがきでは「リバートン賞(ノルウェー・ミステリー大賞)」。 (2)ノルウェーのその他の賞 マウリッツ・ハンセン新人賞(Maurits Hansen-prisen – Nytt Blod) 受賞作家に邦訳がある作家は今のところいない。 アイスランドのミステリ賞 血の滴賞(アイスランド推理作家協会)《受賞作一覧(公式サイト)》 主な受賞者(受賞作は翻訳なし)2008年受賞(2007年の作品が対象) - アーナルデュル・インドリダソン 2011年受賞(2010年の作品が対象)、2015年受賞(2014年の作品が対象) - イルサ・シグルザルドッティル フィンランドのミステリ賞 以下の4賞はすべてフィンランド・ミステリ協会の賞 推理の糸口賞 受賞作の邦訳(2作)1997年 - レーナ・レヘトライネン『雪の女』 2014年 - ティモ・サンドベリ『処刑の丘』 その他の受賞者(受賞作は邦訳なし)ペンッティ・キルスティラ(1987年、1993年) マッティ・ロンカ(2006年) 外国作家賞 最優秀新人賞 ホルナンリンナ名誉賞 受賞者一覧2005年 - ピルッコ・アルヒッパ(Pirkko Arhippa)(ミステリ作家 ※邦訳なし) 2009年 - マッティ・カッシラ(Matti Kassila)(映画監督) 2010年 - Eeva Tenhunen(ミステリ作家 ※邦訳なし) 2014年 - Outi Pakkanen(ミステリ作家 ※邦訳なし) この賞の名称はフィンランド最初の探偵小説『時計の秘密』(Kellon salaisuus)(1910年)を書いたリクハルド・ホルナンリンナ(Rikhard Hornanlinna, 1889-1957)に由来するものだと思われる。この作品はホームズ風の紳士探偵マックス・ルドルフ(Max Rudolph)が登場。マックス・ルドルフはもう1編、1910年の『Lähellä kuolemaa』でも活躍。 ガラスの鍵賞 受賞作の邦訳(15作+予定1作)1992年:スウェーデン - ヘニング・マンケル『殺人者の顔』 1993年:デンマーク - ペーター・ホゥ『スミラの雪の感覚』 1997年:ノルウェー - カリン・フォッスム(カーリン・フォッスム)『湖のほとりで』 1998年:ノルウェー - ジョー・ネスボ『ザ・バット 神話の殺人』 2001年:スウェーデン - カーリン・アルヴテーゲン『喪失』 2002年:アイスランド - アーナルデュル・インドリダソン『湿地』 2003年:アイスランド - アーナルデュル・インドリダソン『緑衣の女』 2005年:スウェーデン - アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム『制裁』 2006年:スウェーデン - スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』 2008年:スウェーデン - スティーグ・ラーソン『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』 2009年:スウェーデン - ヨハン・テオリン『冬の灯台が語るとき』 2010年:デンマーク - ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q Pからのメッセージ』 2012年:デンマーク - エーリク・ヴァレア『7人目の子』 2013年:ノルウェー - ヨルン・リーエル・ホルスト『猟犬』 2015年:デンマーク - トーマス・リュダール『楽園の世捨て人』 2016年:デンマーク - Ane Riel "Harpiks"(早川書房より邦訳出版予定) 受賞作自体は邦訳されていないが、スウェーデンのホーカン・ネッセル、フィンランドのマッティ・ロンカもガラスの鍵賞の受賞者である。 ガラスの鍵賞ノミネート作の邦訳スウェーデンシャスティン・エークマン『白い沈黙』(1994年) ホーカン・ネッセル『終止符(ピリオド)』(1995年) ヘニング・マンケル『目くらましの道』(1996年) リサ・マークルンド『爆殺魔(ザ・ボンバー)』(1999年) カーリン・アルヴテーゲン『裏切り』(2004年) アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム『三秒間の死角』(2010年) デンマークレナ・コバブール&アニタ・フリース『スーツケースの中の少年』(2009年) アイスランドヴィクトル・アルナル・インゴウルフソン『フラテイの暗号』(2004年) フィンランドレーナ・レヘトライネン『雪の女』(2002年) レーナ・レヘトライネン『氷の娘』(2003年) スウェーデン推理作家アカデミー最優秀翻訳ミステリ賞を受賞した非英語圏作品 1981年 フランス セバスチアン・ジャプリゾ Vedergällningen L été meurtrier 『殺意の夏』 1983年 フランス ピエール・マニャン Guldsvampen Le commissaire dans la truffière 1987年 フィンランド マッティ・ウルヤナ・ヨエンスー(Matti Joensuu) Plågoandarna Harjunpää ja kiusantekijät 1989年 デンマーク アーナス・ボーデルセン Mörkläggning Mørklaegning 1991年 ドイツ Doris Gercke Du skrattade, du ska dö Weinschröter, du musst hängen 1992年 スペイン マヌエル・バスケス・モンタルバン Döden i Barcelona Los mares del Sur 『楽園を求めた男』 1993年 オランダ ティム・クラベー De försvunna Het gouden ei 『失踪』 1994年 オランダ Maarten t Hart Om så hela världen rasar Het woeden der gehele wereld 2002年 ノルウェー カリン・フォッスム(カーリン・フォッスム) Svarta sekunder Svarte sekunder 2005年 アイスランド アーナルデュル・インドリダソン Änglarösten Röddin 2006年 フランス フィリップ・クローデル Grå själar Les âmes grises 『灰色の魂』 2008年 ドイツ アンドレア・M・シェンケル Mordbyn Tannöd 『凍える森』 2010年 南アフリカ デオン・メイヤー Devils Peak Infanta(英 Devil s Peak) デンマーク推理作家アカデミー パレ・ローゼンクランツ賞を受賞した非英語圏作品 デンマークの作品は除く 1987 ノルウェー Frederik Skagen Viktor! Viktor! Viktor! Viktor! 1991 ノルウェー Gunnar Staalesen Faldne Engle Falne engler 1995 スペイン アルトゥーロ・ペレス=レベルテ Dumas-klubben eller El club Dumas 『呪のデュマ倶楽部』、改題して『ナインスゲート』 1999 ノルウェー Kim Småge En kernesund død En kjernesunn død 2004 スウェーデン アルネ・ダール Europa blues Europa Blues 2007 スウェーデン ホーカン・ネッセル Skyggerne og regnen Skuggorna och regnet 2008 スウェーデン カーリン・アルヴテーゲン Skygger Skugga 『影』 2010 ノルウェー ジョー・ネスボ Panserhjerte Panserhjerte 2011 フランス ジャン=クリストフ・グランジェ Forbarm dig Miserere 2012 スウェーデン Leif G.W. Person Den døende Detektiv Den döende detektiven 他言語圏のミステリ賞を受賞した北欧ミステリ 英国推理作家協会賞 スウェーデンの作家のゴールド・ダガー賞受賞・候補歴受賞:2001年 - ヘニング・マンケル『目くらましの道』(ゴールド・ダガー賞) スウェーデンの作家のインターナショナル・ダガー賞受賞・候補歴候補:2006年 - ホーカン・ネッセル『終止符(ピリオド)』 候補:2007年 - カーリン・アルヴテーゲン『恥辱』 候補:2007年 - オーサ・ラーソン『オーロラの向こう側』 候補:2008年 - スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』 候補:2009年 - カーリン・アルヴテーゲン『影』 候補:2009年 - スティーグ・ラーソン『ミレニアム2 火と戯れる女』 候補:2009年 - ヨハン・テオリン『黄昏に眠る秋』 - この作品は同時に英国推理作家協会ジョン・クリーシー・ダガー賞(最優秀新人賞)にもノミネートされ、そちらの方は受賞している 受賞:2010年 - ヨハン・テオリン『冬の灯台が語るとき』 候補:2010年 - スティーグ・ラーソン『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』 受賞:2011年 - ルースルンド&ヘルストレム『三秒間の死角』(英題 Three Seconds)(原題 Tre sekunder) 候補:2012年 - オーサ・ラーソン "Until Thy Wrath Be Past"(Till dess din vrede upphör) 候補:2013年 - ルースルンド&ヘルストレム "Two Soldiers"(Två Soldater) ノルウェーの作家のゴールド・ダガー賞受賞・候補歴候補:2005年 - カリン・フォッスム(カーリン・フォッスム) "Calling Out for You" ノルウェーの作家のインターナショナル・ダガー賞受賞・候補歴候補:2007年 - ジョー・ネスボ『コマドリの賭け』 候補:2009年 - ジョー・ネスボ "The Redeemer" 候補:2012年 - ジョー・ネスボ "Phantom"(Gjenferd) デンマークの作家のゴールド・ダガー賞受賞・候補歴受賞:1994年 - ペーター・ホゥ『スミラの雪の感覚』(シルバー・ダガー賞 ※次点に与えられる賞) デンマークの作家のインターナショナル・ダガー賞受賞・候補歴候補:2007年 - Christian Jungersen "The Exception" アイスランドの作家のゴールド・ダガー賞受賞・候補歴受賞:2005年 - アーナルデュル・インドリダソン『緑衣の女』(ゴールド・ダガー賞) アイスランドの作家のインターナショナル・ダガー賞受賞・候補歴候補:2009年 - アーナルデュル・インドリダソン "Arctic Chill" 候補:2010年 - アーナルデュル・インドリダソン "Hypothermia" イギリスのその他の賞を受賞した北欧ミステリ ペトローナ賞(Petrona Award)(イギリスで英訳出版された北欧ミステリの年間最優秀作に与えられる賞、2013年創設)2013年 - リサ・マークルンド『ノーベルの遺志』 ペトローナ賞については以下のサイトを参照のこと。 Euro Crime, The Petrona Award for Scandinavian Crime Fiction (2013-03-11) Euro Crime, Remembering Petrona Needs You! (2013-02-18) Petrona Remembered アメリカ探偵作家クラブ エドガー賞 北欧作家のエドガー賞最優秀長編賞 受賞・候補歴受賞:1971年:スウェーデン - シューヴァル ヴァールー『笑う警官』(原著1968年) 候補:1994年:デンマーク - ペーター・ホゥ『スミラの雪の感覚』(原著1992年) 候補:2009年:スウェーデン - カーリン・アルヴテーゲン『喪失』(原著2000年) 候補:2010年:ノルウェー - ジョー・ネスボ "Sorgenfri" (英題 Nemesis)(原著2002年) 候補:2012年:ノルウェー - アンネ・ホルト "1222" (英題 1222)(原著2007年) アメリカのその他の賞を受賞した北欧ミステリ バリー賞最優秀長編賞2009年:アイスランド - アーナルデュル・インドリダソン "Kleifarvatn"(英題 The Draining Lake) 2012年:デンマーク - ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q―檻の中の女―』 最優秀英国ミステリ賞2009年:スウェーデン - スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』 Mystery/Crime Novel of The Decade(過去10年間の最優秀ミステリ)2010年:スウェーデン - スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』 マカヴィティ賞2009年:スウェーデン - スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』(最優秀新人賞) アンソニー賞2009年:スウェーデン - スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』(最優秀新人賞) ディリス・ウィン賞1994年:デンマーク - ペーター・ホゥ『スミラの雪の感覚』(原著1992年) ガムシュー賞 最優秀ヨーロッパ・ミステリ賞2005年:スウェーデン - ヘニング・マンケル『タンゴステップ』 2007年:ノルウェー - カリン・フォッスム(カーリン・フォッスム) "Djevelen holder lyset"(英題 When the Devil Holds the Candle) ロサンゼルス・タイムズ文学賞2007年度(受賞は2008年):ノルウェー - カリン・フォッスム(カーリン・フォッスム) "Elskede Poona" (英題 Calling Out For You、米題 The Indian Bride) フランスの賞を受賞した北欧ミステリ フランス推理小説大賞1971年:デンマーク - アーナス・ボーデルセン『轢き逃げ人生』 2007年:アイスランド - アーナルデュル・インドリダソン "Röddin" 2008年:スウェーデン - カミラ・レックバリ『氷姫』 ミステリ批評家賞2000年:スウェーデン - ヘニング・マンケル『目くらましの道』 2006年:アイスランド - アーナルデュル・インドリダソン『湿地』 813協会賞2003年:スウェーデン - ヘニング・マンケル『リガの犬たち』 2007年:アイスランド - アーナルデュル・インドリダソン"Röddin" フランス冒険小説大賞1969年:フィンランド - マウリ・サリオラ『ヘルシンキ事件』 コニャック・ポラール・フェスティヴァル賞2008年:スウェーデン - カミラ・レックバリ『氷姫』 ドイツの賞を受賞した北欧ミステリ ドイツ・ミステリ大賞1995年 2位:デンマーク - ペーター・ホゥ『スミラの雪の感覚』 1999年 2位:スウェーデン - ヘニング・マンケル『五番目の女』 2001年 3位:スウェーデン - ヘニング・マンケル『背後の足音』 2005年 2位:スウェーデン - アルネ・ダール "Upp till toppen av berget" 2006年 3位:スウェーデン - アルネ・ダール "Europa Blues" 2008年 3位:フィンランド - Matti Rönkä "Tappajan näköinen mies" スウェーデンの賞を受賞した北欧ミステリ(スウェーデン作品を除く) スウェーデン推理作家アカデミー 最優秀翻訳ミステリ賞1987年:フィンランド - マッティ・ウルヤナ・ヨエンスー(Matti Joensuu) "Harjunpää ja kiusantekijät" 1989年:デンマーク - アーナス・ボーデルセン "Mørklaegning" 2002年:ノルウェー - カリン・フォッスム(カーリン・フォッスム) "Svarte sekunder" 2005年:アイスランド - アーナルデュル・インドリダソン "Röddin" デンマークの賞を受賞した北欧ミステリ(デンマーク作品を除く) デンマーク推理作家アカデミー パレ・ローゼンクランツ賞1987年:ノルウェー - Frederik Skagen - Viktor! Viktor! 1991年:ノルウェー - Gunnar Staalesen - Falne engler 1999年:ノルウェー - Kim Småge - En kjernesunn død 2004年:スウェーデン - アルネ・ダール - Europa Blues 2007年:スウェーデン - ホーカン・ネッセル - Skuggorna och regnet 2008年:スウェーデン - カーリン・アルヴテーゲン - 『影』 2010年:ノルウェー - ジョー・ネスボ - Panserhjerte 2012年:スウェーデン - Leif G.W. Person - Den döende detektiven フィンランドの賞を受賞した北欧ミステリ作家(フィンランド作家を除く) フィンランド・ミステリ協会 外国推理作家賞1995年:スウェーデン - シャスティン・エークマン - 『白い沈黙』 1998年:スウェーデン - ヘニング・マンケル - ヴァランダー警部シリーズ 2000年:ノルウェー - カリン・フォッスム(カーリン・フォッスム) - セーヘル警部シリーズ 2002年:スウェーデン - ホーカン・ネッセル 2007年:ノルウェー - ジョー・ネスボ - ハリー・ホーレ刑事シリーズ 2009年:アイスランド - アーナルデュル・インドリダソン 2012年:スウェーデン - Leif G.W. Persson 関連ページ 北欧ミステリ邦訳一覧 フランスのミステリ賞 非英語圏ミステリ各種リスト
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2010年10月30日ページ作成、随時更新 2011年11月26日 整理、ページ名変更 目次 長編 短編 補足 「ミステリ」はかなり広義に取っている。 長編 莫言『酒国 ―特捜検事丁鈎児の冒険』 (藤井省三訳、岩波書店、1996年10月)(原著刊行19XX年、『』) 張平(ジャンピン)『凶犯』 (荒岡啓子訳、新風舎文庫、2004年8月)(原著刊行1992年)現実の事件に題材をとった小説。 張平(ジャンピン)『十面埋伏(じゅうめんまいふく)』(上下巻)(荒岡啓子訳、新風舎、2005年11月)(原著刊行1999年)ロシア文学者の米原万里が雑誌で書評を書いたこともあり話題になった(書評は現在は米原万里『打ちのめされるようなすごい本』に収録されている)。 『蝶の夢 乱神館記』 水天一色(すいてんいっしき、1981年生、女性) 2009年11月 講談社〈アジア本格リーグ〉 訳:大澤理子原書房『2011 本格ミステリ・ベスト10』 海外本格ミステリ・ランキング 14位! (ランキングの詳細は→ 2011本格ミステリ・ベスト10 海外本格ミステリ・ランキング) 『乱神馆记系列之蝶梦』(2006年)の翻訳 海岩『玉観音(ぎょく かんのん)』 (池澤滋子訳、実業之日本社、2011年10月) 短編 『新青年』掲載の忘れられた四短編呂侠(ろきょう) 「絶命血書」 (チュエ ミン シェー シュ)、 「白玉環」 (はくぎょくくゎん) 張慶霖(ちょう けいりん) 「無名飛盗」 (ウー ミン フェイ タオ)→当サイトで公開中 幸福斎(こうふくさい) 「賭場母女」 (トゥ チャン ムー ヌー) 『探偵実話』柯藍(コーラン) 「鴉の告発」 (1952年第2号) 『サンデー毎日』艾国文(がい こくぶん)、黄偉英(こう いえい) 「人民公社殺人事件」 (1981年6月14日号~7月19日号、全6回) 「謀殺」 畀愚(ビイユ、1970年生、男性) 光文社『ジャーロ』7号(2002年春号)掲載 訳:新吉楽図(シンジルト) 交通事故を起こした夫が妻に言った。 「向こうが悪いんだ。勝手にぶつかって来て、死んだんだ」 しかしその日、夫は四年の実刑判決を受けた―― (小説の冒頭ページにつけられたあおり文句) 光文社のミステリ雑誌『ジャーロ』の企画「世界のミステリーを読む」の第7回。イラストを除いて全9ページの作品。 『上海文学』(上海文学雑誌社)2001年7月号(通巻285号)掲載の「谋杀」の翻訳。もともとミステリ誌に掲載されたものではなく、ミステリっぽい作品でもない。 補足 「陽羨鵝籠」(ようせんがろう) 呉均(ごきん) 早川書房『ミステリマガジン』1991年8月号(幻想と怪奇特集) 訳:井波律子 「少女軽業師の恋」 宣鼎(せんてい) 早川書房『ミステリマガジン』1993年8月号(幻想と怪奇特集) 訳:井波律子 『ミステリマガジン』に掲載された中国の作品。どちらも未見。現代の作品ではない。 呉均(469年~520年)のこの作品は、三省堂の教科書『高等学校古典Ⅰ』にも掲載されている。原題同じ。現在の中国での表記は「阳羡鹅笼」(吴均)。 後者は、宣鼎(1832年~1880年)の短編集『夜雨秋燈続録』(夜雨秋灯续录)(1880)に収録の「秦二官」の翻訳。 翻訳者の井波律子さんは、『中国ミステリー探訪』で第4回(2004年)の本格ミステリ大賞の候補にもなった人。 関連記事 台湾ミステリ 読書案内 韓国ミステリ 読書案内 中国ミステリ紹介 目次へ
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2009年11月 作成 2010年5月 『季刊ミステリ』20号(2008年夏)「日本に紹介された韓国ミステリ」を参考にして増補 2011年11月26日 整理、ページ名変更 目次 単行本キム・ソンジョン(金聖鍾、1941年 - ) キム・ヨンハ(金英夏、1968年 - ) イ・ジョンミョン その他 アンソロジー 雑誌掲載ミステリマガジン(早川書房) ジャーロ(光文社) 金来成(キム・ネソン)の作品 単行本 キム・ソンジョン(金聖鍾、1941年 - ) 金聖鍾(キム・ソンジョン)『ソウル 逃亡の果てに』 (祖田律男訳、新風舎文庫、2005年4月)(原著刊行1981年、『나는 살고 싶다』→1996年版) 金聖鍾(キム・ソンジョン)『最後の証人』(上下巻) (祖田律男訳、論創社、2009年2月)(原著刊行1977年、『최후의 증인』→2003年版) キム・ヨンハ(金英夏、1968年 - ) キム・ヨンハ『光の帝国』 (宋美沙(ソン・ミサ)訳、二見書房、2008年12月)(原著刊行2006年、『빛의 제국』(→2010年版)) 金英夏(キム・ヨンハ)『阿娘(アラン)はなぜ』(森本由紀子訳、白帝社、2008年12月)(原著刊行2001年、『아랑은 왜』(→2010年版)) イ・ジョンミョン イ・ジョンミョン『風の絵師』(2分冊) (米津篤八訳、早川書房、2009年5-6月)(原著刊行2007年、『바람의 화원』) イ・ジョンミョン『景福宮(キョンボックン)の秘密コード』(上下巻) (裵淵弘(ベ・ヨンホン)訳、河出書房新社、2011年9月)(原著刊行2006年、『뿌리깊은 나무』) その他 李文烈(イ・ムニョル)『ひとの子 ――神に挑む者――』 (安宇植(アン・ウシク)訳、集英社、1996年4月)(原著刊行1979年、『사람의 아들』(→2004年版)) 朴商延(パク・サンヨン)『JSA 共同警備区域』 (金重明(キム・ジュンミョン)訳、文春文庫、2001年5月)(原著刊行1997年、『DMZ』) ※映画の原作小説(映画のノベライズ本ではない) 李垠(イ・ウン)『美術館の鼠』 (きむふな訳、講談社 アジア本格リーグ3、2009年11月)(原著刊行2007年、『미술관의 쥐』) イ・イナ『永遠なる帝国』 (武田康二訳、文芸社、2011年12月)(原著刊行1993年、『영원한 제국』(→2006年版)) アンソロジー 『コリアン・ミステリ 韓国推理小説傑作選』 (祖田律男ほか訳、バベル・プレス、2002年5月) 短編13編収録。韓国推理作家協会編、1998年版『今年の推理小説』の翻訳。「キム・ソンジョン」の漢字表記が、上記の単行本の時と微妙に異なる。 「本当の復讐」 黄世鳶(ファン・セヨン、1968年生) 「訪問者」 金楠 (キム・ナム、1944年生) 「平倉洞(ピョンチャンドン)の殺人陰謀」 崔鐘澈(チェ・ジョンチョル、1949年生) 「血統」 金容相(キム・ヨンサン、1942年生) 「疑心の代償」 黄美英(ファン・ミヨン、1957年生) 「失踪」 金聖鐘(キム・ソンジョン、1941年生) 「敵と同志」 柳禹提(ユ・ウジェ、1955年生) 「地獄への道行き」 李祥雨(イ・サンウ、1938年生) 「隠しカメラ」 李勝寧(イ・スンヨン、1963年生) 「標的」 林紗羅(イム・サラ、1963年生) 「いとしのシンディー・クロフォード」 金尚憲(キム・サンホン) (注:目次では「いとしのシンディ・クロフォード」) 「ブラック・レディ」 魯元(ノ・ウォン、1931年生) 「月夜の物語」 李秀光(イ・スグァン、1952年生) - 韓国推理作家協会会長(2011年現在) 雑誌掲載 ミステリマガジン(早川書房) 『ミステリマガジン』2000年10月号 (特集 コリアン・ミステリ・ナウ)「その夜は長かった」 李秀光(イ・スゴァン(「イ・スグァン」が普通)、1954年生)――霊魂となって現世を彷徨う男の悲哀 「天の定めた縁」 黄世鳶(ファン・セヨン、1968年生)――妻が盗み見た、殺人計画を綴った夫の小説 「精神病を引き起こす脱毛剤」 白恷(ベク・ヒュ(「ペク・ヒュ」が普通)、1960年生)――画期的新薬の恐るべき副作用とは!? 「妻を守るために」 李源斗(イ・ウォンズ(「イ・ウォンドゥ」が普通)、1938年生)――癌ノイローゼの男を待ち受ける皮肉な運命作品に付したあおり文句は目次より引用したもの。韓国推理作家協会が自ら翻訳した短編4作品が掲載されている。 『ハヤカワミステリマガジン』2009年1月号 (特集 世界のミステリ雑誌)「そして誰もいなくなった」 ソル・インヒョ(米津篤八訳)ソル・インヒョ(1975年生)。短編「催眠」で季刊ミステリ新人賞受賞(『季刊ミステリ』18号(2007年冬号)に掲載)。「そして誰もいなくなった」は2作目。10ページほどの非常に短い作品。名前は「ソル・イニョ」とも表記しうる。 『ハヤカワミステリマガジン』2012年2月号 (特集 アジア・ミステリへの招待)「親友」 ソン・シウ(米津篤八訳)ソン・シウ(1979年生、女性)。短編「親友」(좋은 친구)で季刊ミステリ新人賞受賞(『季刊ミステリ』22号(2008年冬号)に掲載)。ほかに短編「善きサマリア人の法」(착한 사마리아 인의 법)がある。 ジャーロ(光文社) 『ジャーロ』4号(2001年夏号)「帰ってきた死者」 金聖鍾(キム・ソンジョン)(金容権(キム・ヨングォン)訳) - 日本の読者に向けた書き下ろし 「わな」 金且愛(キム・チャエ)(鄭泰原(チョン・テウォン)訳) 金来成(キム・ネソン)の作品 韓国推理小説の草分け的存在である金来成(キム・ネソン)は1935年に日本の探偵雑誌でデビューしており、短編探偵小説2編とユーモア掌編1編を日本語で発表している。 楕円形の鏡(初出:『ぷろふいる』1935年3月号)『新作探偵小説選集』(1936年10月、ぷろふいる社) 『近代朝鮮文学日本語作品集 1901~1938 創作篇』(緑蔭書房、2004年6月、全5巻)の第3巻 探偵小説家の殺人(初出:『ぷろふいる』1935年12月号)『幻影城』第5号(1975年6月号) 『近代朝鮮文学日本語作品集 1901~1938 創作篇』(緑蔭書房、2004年6月、全5巻)の第3巻 綺譚・恋文往来(初出:『モダン日本』1935年9月号(第6巻第9号))当サイトで全文公開している。→「綺譚・恋文往来」 金来成が韓国語で発表した作品の邦訳はない。 「霧魔」(拙訳) 関連記事 台湾ミステリ 読書案内 中国ミステリ 読書案内 韓国ミステリ紹介 目次へ
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ゴーレム・アーマー。 百年戦争の最中、《神族》の《無法》に対抗するため人々が作り出した魔導器の一つ。 人間が乗り込み、魔力を用いて操るタイプの人型魔導兵器。 全長は5~7m級が主流。操縦席は胸部。 心臓部に「聖堂炉」と呼ばれる動力機関が組み込まれており、搭乗者の魔力を注ぐ事で同機関が高密度魔導言語による自動詠唱を開始する。これによって魔法へ昇華される直前の高純度魔導量子が生み出され、それを原動力として稼動する仕組み。 そのため搭乗者は常時魔力を放ち続ける必要があり、魔力供給が途絶えるとその場で直ちに機能停止へ陥ってしまう。 並みの乗り手では15分~20分程度で全魔力を消費してしまうため、非常に燃費が悪い。 しかし魔力を注いでいる間は搭乗者の意思を直接反映した俊敏自在な機動が可能なうえ、堅牢な装甲と絶大な馬力に因る攻防力の増強が得られる。 外付けの強大な戦力を兵員に与えられることから、国境要塞など重要拠点の防衛や城攻戦の切り札として用いられた。 3m級の巨大剣(ハンデッドソード)や極重槍、多層シールドなどの大型専用武装がある。 その起源は古代遺跡から発掘された太古の戦闘兵器『古き巨人の鎧』。これを参考にして、大戦期の魔導技術者達が開発した。 整備・調整に手間が掛かり、改修素材が高価なため維持費が嵩む。その所為で個人所有者は少なく、貴族や国家による保有例が一般的。 百年戦争終結後は、国境警備や神骸獣など大型の魔物討伐に運用されている。
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韓国のミステリ雑誌『季刊ミステリ』 目次日本語訳 2010年4月22日 韓国推理作家協会が刊行する、韓国唯一のミステリ専門誌『季刊ミステリ』の目次の(一部の)日本語訳です。 季刊ミステリ?号 (2003年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000082885 季刊ミステリ?号 (2003年冬) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000106903 季刊ミステリ8号 (2005年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000149693 季刊ミステリ9号 (2005年秋) 綾辻行人「館シリーズ」特集 季刊ミステリ10号 (2005年冬) 連続殺人とプロファイリング特集 季刊ミステリ11号 (2006年春) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=6000179744 季刊ミステリ12号 (2006年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000191334 季刊ミステリ13号 (2006年秋) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=6000197803 季刊ミステリ14号 (2006年冬) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000206688 季刊ミステリ15号 (2007年春) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000220896 季刊ミステリ16号 (2007年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000231029 季刊ミステリ17号 (2007年秋) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000240590 季刊ミステリ18号 (2007年冬) 季刊ミステリ19号 (2008年春) 季刊ミステリ20号 (2008年夏) 特集 日本の推理小説 季刊ミステリ21号 (2008年秋) 特集 推理小説の黄金時代 季刊ミステリ22号 (2008年冬) 特集 2008年推理小説総まとめ 季刊ミステリ23号 (2009年春) 特集 世界のミステリ文学賞 季刊ミステリ24号 (2009年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000366813 季刊ミステリ25号 (2009年秋) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000366818 季刊ミステリ26号 (2009年冬) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000403702 季刊ミステリ27号 (2010年春) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000403704 季刊ミステリ28号 (2010年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000414250 季刊ミステリ29号 (2010年秋) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000437857 季刊ミステリ30号 (2010年冬) ?? 季刊ミステリ31号 (2011年春) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=6000454161 季刊ミステリ32号 (2011年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=6000477291 韓国ミステリ紹介 目次へ
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2014年9月3日 ※作成中 Index トルコ イスラエル(1)ヘブライ語作家 (2)ヘブライ語/英語作家 レバノン エジプト アルジェリア トルコ オルハン・パムク『わたしの名は赤』【上下巻】(宮下遼訳、早川書房 ハヤカワepi文庫、2012年1月)旧訳:『わたしの名は紅(あか)』(和久井路子訳、藤原書店、2004年11月) 関連記事 トルコの古典探偵小説と現代ミステリ (Togetter) イスラエル (1)ヘブライ語作家 バチヤ・グール『精神分析ゲーム』(秋津信訳、イースト・プレス、1994年12月) 『教授たちの殺人ゲーム』(堀たほ子訳、イースト・プレス、1996年2月) シュラミット・ラピッド『「地の塩」殺人事件 女記者リジー・バドゥヒ』(母袋夏生訳、マガジンハウス、1997年9月) (2)ヘブライ語/英語作家 マイケル・バー=ゾウハーヘブライ語作品『過去からの狙撃者』 『二度死んだ男』 英語/ヘブライ語作品『エニグマ奇襲指令』 『パンドラ抹殺文書』 『ファントム謀略ルート』 『復讐のダブル・クロス』 『真冬に来たスパイ』 『無名戦士の神話』 『悪魔のスパイ』 『影の兄弟』 『ベルリン・コンスピラシー』 関連記事 A short history of crime fiction in Israel, Part I (Detectives Beyond Borders) A short history of crime fiction in Israel, Part 2 (Detectives Beyond Borders) レバノン エドワード・アタイヤ『細い線』(文村潤訳、ハヤカワ・ミステリ、1954年 / ハヤカワ・ミステリ文庫、1977年5月) ※英語作品 エジプト タウフィーク・アル・ハキーム(1898-1987)『田舎検事の手記』(堀内勝訳、アジア経済研究所《中東総合研究資料 no.2》、1975年) ※アラビア語作品 関連記事 アラビア語圏のミステリー小説! (Togetter) アルジェリア ヤスミナ・カドラ『テロル』(藤本優子訳、早川書房、2007年3月) ※フランス語作品 関連ページ 北欧ミステリ邦訳一覧 南欧ミステリ邦訳一覧 ドイツ語圏ミステリ邦訳一覧 オランダ語圏ミステリ邦訳一覧 ロシア・中東欧ミステリ邦訳一覧 中南米ミステリ邦訳一覧 東アジアミステリ邦訳一覧 東南・南アジアミステリ邦訳一覧 アフリカミステリ邦訳一覧 非英語圏ミステリ各種リスト
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2013年6月17日 昨日公開した「北欧ミステリ邦訳一覧」の姉妹ページです。 その後「ドイツ語圏ミステリ邦訳一覧」も作成しました(2013年7月22日)。 「ロシア・中東欧ミステリ邦訳一覧」も作成しました(2014年8月18日)。 スペイン語・ポルトガル語のミステリについては、「中南米ミステリ邦訳一覧」もご覧ください。 Index イタリア(1)1940年代~50年代の邦訳 (2)1970年代の邦訳 (3)1980年代の邦訳 (4)1990年代の邦訳 (5)2000年以降の邦訳 スペイン(1)戦前の邦訳 (2)1980年代の邦訳 (3)1990年代以降の邦訳 ポルトガル ギリシャ イタリア 日本での邦訳紹介の順に並べている。以下の「1940年代~50年代」、「1970年代」などの区分は作品発表時期による区分ではないことにご注意ください。 (1)1940年代~50年代の邦訳 エツィオ・デリコ(Ezio D Errico、1892-1972)『悪魔を見た処女』(江杉寛[渡辺芳夫]訳、未来社 《世界傑作探偵小説集》、1946年11月)雑誌再録『悪魔を見た処女』(『別冊宝石』71号[世界探偵小説全集27]、1957年10月) 雑誌『中学時代二年生』付録 中二ライブラリー『悪魔を見た少女』(原作:デリコ、文:白木茂)(旺文社の雑誌『中学時代二年生』1963年9月号の付録小冊子) マリオ・ソルダーティ(Mario Soldati、1906-1999)中編「窓」(飯島正訳)(東京創元社《現代推理小説全集》第14巻『牝狼・窓』、1957年、この本での表記は「マリオ・ソルダアティ」) 『中学時代二年生』付録のデリコ『悪魔を見た少女』は現物未見。おそらくは邦訳の『悪魔を見た処女』をリライトしたものだろう。 マリオ・ソルダーティ「窓」についての訳者の飯島正の見解→「「窓」はもちろん本格的な推理小説ではないし、本当は推理小説というレッテルは冠することが無理かも知れない。しかしだんだん秘密をときほごして行くうまさや、どうなるかとおもわせるサスペンスは、推理小説とは別の意味で、これはまことに貴重なものだとおもう。」「たとえ諸君がコチコチの本格推理小説のファンであっても、その親類つづきにこういうおもしろい小説があるということは、知っておいても損のないことだとぼくは信じる。」(巻末解説より) 「窓」と同時収録の『牝狼』はフランスのボアロー&ナルスジャックの作品。マリオ・ソルダーティの邦訳はほかに長編『偽られた抱擁』(清水三郎治訳、講談社、1959年)と短編「雪の上の足跡」(大久保昭男訳、『現代イタリア短編選集』白水社、1972年)がある。『偽られた抱擁』は訳者あとがきによれば「奇異な環境と複雑な事件を巧みにおりまぜながら、主人公ハリー青年と妻ジェーンの心理を微妙に、しかもリアルに描いて罪の観念を鋭く追及」した作品だそうだが、未読なのでミステリと呼べる作品なのかは分からない。「雪の上の足跡」はミステリではない。 (2)1970年代の邦訳 ルドヴィコ・デンティーチェ(Ludovico Dentice、1925- ??)『夜の刑事』(千種堅訳、ハヤカワ・ミステリ1110、1970年5月) カルロ・エミーリオ・ガッダ(Carlo Emilio Gadda、1893-1973)『メルラーナ街の怖るべき混乱』(千種堅訳、早川書房『現代イタリアの文学』第1巻に収録、1970年、著者名表記「カルロ・エミリオ・ガッダ」)新訳『メルラーナ街の混沌たる殺人事件』(千種堅訳、水声社、2011年12月、著者名表記「カルロ・エミーリオ・ガッダ」) ジョルジョ・シェルバネンコ(Giorgio Scerbanenco、1911-1969)『裏切者』(千種堅訳、『世界ミステリ全集』第12巻[早川書房、1972年]に収録) - 1968年フランス推理小説大賞 カルロ・フルッテロ(Carlo Fruttero、1926-2012)&フランコ・ルチェンティーニ(Franco Lucentini、1920-2002)『日曜日の女』【上下巻】(千種堅訳、河出書房新社、1973年) - 「ドイツ語圏のミステリファンが選ぶミステリ・オールタイムベスト119(1990年)」に選出されている レオナルド・シャーシャ(Leonardo Sciascia、1921-1989)『権力の朝』(千種堅訳、新潮社、1976年) 『マヨラナの失踪 消えた若き天才物理学者の謎』(千種堅訳、出帆社、1976年) - 実在の物理学者の失踪事件を元にした小説 『真昼のふくろう』(竹山博英訳、朝日新聞社、1987年4月) - 「ドイツ語圏のミステリファンが選ぶミステリ・オールタイムベスト119(1990年)」に選出されている 『ちいさなマフィアの話』(武谷なおみ訳、白水社、1994年11月) - 長編2編収録(『ちいさなマフィアの話』、『人それぞれに』) 短編「マフィア・ウェスタン」(千種堅訳)(ジェローム・チャーリン編『ニュー・ミステリ ジャンルを越えた世界の作家42人』早川書房、1995年10月、この本での表記は「レオナルド・シャッシャ」) ジョルジョ・シェルバネンコはイタリア国産ミステリの父とされる人物。その名は現在、イタリアの公募ミステリ賞の名称にもなっている。レオナルド・シャーシャは1989年に、フルッテロ&ルチェンティーニは1994年にイタリアのレイモンド・チャンドラー賞を受賞している(イタリアのミステリ祭でミステリ作家の生涯の功績に対して贈られる賞)。レオナルド・シャーシャの邦訳はほかに、イタリアの元首相アルド・モーロの誘拐殺害事件の真相を追った『モロ事件 テロと国家』(千種堅訳、新潮社、1979年4月)がある。 ガッダの『メルラーナ街の混沌たる殺人事件』はミステリとしては破格だが、イタリアでは「偉大なジャッロ(ミステリ)」と呼ばれているという。ガッダはほかにも非ミステリ作品の邦訳あり。 (3)1980年代の邦訳 L・G・ブッファリーニ(ルイージ・グィーディ・ブッファリーニ)(Luigi Guidi Buffarini)『〈吸血鬼(ピオヴラ)〉の影』(大久保昭男訳、角川文庫、1985年5月) マルコ・パルマ(Marco Parma、1940- )『ドレスの下はからっぽ』(千種堅訳、集英社文庫、1985年8月) ロリアーノ・マッキアヴェッリ(Loriano Macchiavelli、1934- )『『バラの名前』後日譚』(谷口勇、ジョヴァンニ・ピアッザ訳、而立書房、1989年6月) - 『薔薇の名前』を踏まえた作品だが、『薔薇の名前』よりも先に邦訳された ジェズアルド・ブファリーノ(Gesualdo Bufalino、1920-1996)『その夜の嘘』(千種堅訳、早川書房、1989年7月) (4)1990年代の邦訳 ウンベルト・エーコ(Umberto Eco、1932- 、Wikipedia)『薔薇の名前』【上下巻】(河島英昭訳、東京創元社、1990年1月) - 1984年アメリカ探偵作家クラブ(MWA)エドガー賞最優秀長編賞ノミネートほかに小説では 『フーコーの振り子』、『前日島』、『バウドリーノ』が邦訳されている P・フェラーリ(ピヌッチャ・フェラーリ)(Pinuccia Ferrari、1943- )&S・ジャチーニ(ステファーノ・ジャチーニ)(Stefano Jacini、1939- )『ミラノ殺人事件』(武田秀一訳、扶桑社ミステリー、1990年11月) レナート・オリヴィエリ(Renato Olivieri、1925-2013)『呪われた祝日』(伊知地小枝訳、近代文芸社、1995年1月) 『コドラ事件』(伊知地小枝訳、近代文芸社、1995年6月) パオロ・マウレンシグ(Paolo Maurensig、1943- )『復讐のディフェンス』(鈴木昭裕訳、白水社、1995年1月) 『狂った旋律』(大久保昭男訳、草思社、1998年12月) アンドレア・カミッレーリ(Andrea Camilleri、1925- )『モンタルバーノ警部 悲しきバイオリン』(千種堅訳、ハルキ文庫、1999年12月) - 邦訳はこちらが先だが、発表順&時系列順に従って先に『おやつ泥棒』を読むことをお勧めする 『おやつ泥棒 モンタルバーノ警部』(千種堅訳、ハルキ文庫、2000年7月) 短編「モンタルバーノ刑事の元日」(大條成昭訳、『ミステリマガジン』1999年3月号) 「芸術家肌」(大條成昭訳、『ミステリマガジン』1999年10月号) 「ふたりのモンタルバーノ」(大條成昭訳、『ミステリマガジン』2001年2月号) 「匿名の手紙」(北代美和子訳、『ジャーロ』3号[2001年春号]) 「略号」(北代美和子訳、『ジャーロ』3号[2001年春号]) アンドレア・カミッレーリは2012年の英国推理作家協会(CWA)インターナショナル・ダガー賞(最優秀翻訳ミステリ賞)受賞者。それ以前にも同賞に4度ノミネートされている。また、2011年にはイタリアのレイモンド・チャンドラー賞を受賞した。 この時期に邦訳された作品では、ダーチャ・マライーニ(Dacia Maraini、1936- )の『声』(大久保昭男訳、中央公論社、1996年)、アントニオ・タブッキ(Antonio Tabucchi、1943-2012)の『ダマセーノ・モンテイロの失われた首』(草皆伸子訳、白水社、1999年)もミステリ仕立ての作品だとのこと。 (5)2000年以降の邦訳 ※ミステリの周辺領域の作品も一部含みます ニコロ・アンマニーティ(Niccolò Ammaniti、1966- )『ぼくは怖くない』(荒瀬ゆみこ訳、ハヤカワepi文庫、2002年12月)ほかの邦訳に『孤独な天使たち』(中山エツコ訳、河出書房新社、2013年2月、著者名表記「ニッコロ・アンマニーティ」) マルチェロ・フォイス(Marcello Fois、1960- )『弁護士はぶらりと推理する』(草皆伸子訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2004年1月)中編(短めの長編)2編収録(『いかなるときでも心地よきもの』、『空から降る血』) - 『いかなるときでも心地よきもの』 1998年シェルバネンコ・ミステリ大賞受賞、2003年英国推理作家協会(CWA)エリス・ピーターズ賞ノミネート ジュゼッペ・ジェンナ(Giuseppe Genna、1969- )『イスマエルの名のもとに』(荒瀬ゆみこ訳、角川書店、2004年6月) カルロ・ルカレッリ(Carlo Lucarelli、1960- )デルーカの事件簿1『白紙委任状』(菅谷誠訳、柏艪舎、2005年1月) デルーカの事件簿2『混濁の夏』(菅谷誠訳、柏艪舎、2005年3月) デルーカの事件簿3『オーケ通り』(菅谷誠訳、柏艪舎、2005年5月) - 1996年シェルバネンコ・ミステリ大賞 ジュゼッペ・ペデリアーリ(Giuseppe Pederiali、1937- )『霧に消えた約束』(関口英子訳、二見文庫、2005年4月)ほかに児童書『ぼく、ママのおなかにいたいの…』の邦訳あり アレッサンドロ・ペリッシノット(Alessandro Perissinotto、1964- )『8017列車』(菅谷誠訳、柏艪舎、2005年9月) 『僕の検事へ 逃亡殺人犯と女性検事の40通のメール』(中村浩子訳、講談社、2007年6月) ジャンリーコ・カロフィーリオ(Gianrico Carofiglio、1961- )『無意識の証人』(石橋典子訳、文春文庫、2005年12月) 『眼を閉じて』(石橋典子訳、文春文庫、2007年2月) マリオ・スペッツィ(Mario Spezi、1945- )『連続殺人「赤い死神」』(仲西えり訳、扶桑社ミステリー、2007年2月)ほかにジャーナリストの島村菜津との共著のノンフィクション『フィレンツェ連続殺人』(新潮社、1994年10月)が出版されている ジョルジョ・ファレッティ(Giorgio Faletti、1950-2014)『僕は、殺す』【上下巻】(中田文、村上圭輔訳、文春文庫、2007年4月) ルカ・ディ・フルヴィオ(Luca Di Fulvio、1957- )『ディオニュソスの階段』【上下巻】(飯田亮介訳、ハヤカワ文庫NV、2007年9月) - 2007年『IN☆POCKET』文庫翻訳ミステリー・ベスト10「作家が選んだベスト10」第10位(2007年11月号) ディエゴ・マラーニ(Diego Marani、1959- )『通訳』(橋本勝雄訳、東京創元社、2007年11月) ジュリオ・レオーニ(Giulio Leoni、1951- )『未完のモザイク』(鈴木恵訳、二見文庫、2009年2月) エンリコ・ソリト(Enrico Solito、1954- )『シャーロック・ホームズ 七つの挑戦』(天野泰明訳、国書刊行会、2009年9月) シルヴァーノ・アゴスティ(Silvano Agosti、1938- )『罪のスガタ』(野村雅夫訳、シーライトパブリッシング、2009年11月)ほかの邦訳に『1日3時間しか働かない国』(マガジンハウス)、『見えないものたちの踊り』(シーライトパブリッシング ※オンデマンド出版)がある アンドレア・ヴィターリ(Andrea Vitali、1956- )『オリーブも含めて』(久保耕司訳、シーライトパブリッシング、2011年8月) 『レモンの記憶』(久保耕司訳、シーライトパブリッシング、2012年4月)※オンデマンド出版ほかの邦訳に『ブティックの女』(久保耕司訳、シーライトパブリッシング、2011年10月、オンデマンド出版)がある ドナート・カッリージ(Donato Carrisi、1973- )『六人目の少女』(清水由貴子訳、ハヤカワ・ミステリ、2013年1月) - フランス国鉄ミステリ大賞ヨーロッパ部門など受賞 『ローマで消えた女たち』(清水由貴子訳、ハヤカワ・ミステリ、2014年6月) ルーサー・ブリセット(Luther Blissett)『Q』【上下巻】(さとうななこ訳、東京創元社、2014年4月) ◆短編のみ邦訳 ラーウラ・グリマルディ(Laura Grimaldi、1928-2012)「父親と娘」(千種堅訳)(ジェローム・チャーリン編『ニュー・ミステリ ジャンルを越えた世界の作家42人』早川書房、1995年10月) カルメン・アイレーラ(Carmen Iarrera、1950- )「助け」(『ミステリマガジン』1999年3月号) 『ニュー・ミステリ ジャンルを越えた世界の作家42人』にはほかにイタリアの作品ではレオナルド・シャーシャの「マフィア・ウェスタン」、イタロ・カルヴィーノの「都市と死者」が収録されている(どれも数ページの掌編)。 ◆未刊に終わったイタリア古典探偵小説 未来社の《世界傑作探偵小説集》ではエツィオ・デリコの『悪魔を見た処女』(江杉寛[渡辺芳夫]訳、1946年11月)のほか、ジョルジョ・シェルバネンコの『盲目の人形』(La bambola cieca)も出版される予定だったがこれは未刊に終わった。 また、全30巻のラインナップが予告された1947年創刊の《現代欧米探偵小説傑作選集》(オリエント書房)ではイタリア・ミステリが8冊入っていたが、この叢書は第1巻のカルロ・アンダーセン(デンマーク)『遺書の誓い』(遺書の誓ひ)(吉良運平[渡辺芳夫]訳、1947年1月)のみで中絶してしまった。未刊に終わったイタリア・ミステリの8冊は以下の通り。(全30巻の予告ラインナップはこちら) エツィオ・デリコ第9巻『動物園殺人事件』(Plenilunio allo Zoo)(1939) - 『ROM』135号(2010年10月31日)にROM氏によるレビュー掲載 第13巻『犯人なき殺人』(L affare Jefferson)(1940) 第14巻『モレル家の秘密』(La famiglia Morel)(1938) ジョルジョ・シェルバネンコ第26巻『ルシアナ失踪』(L antro dei filosofi)(1942) 第29巻『六日目の脅迫』(Sei giorni di preavviso)(1940)2冊とも警察職員アーサー・ジェリング・シリーズ。「シャーロック・ホームズの異郷のライヴァルたち(3) ヨーロッパ諸国編」参照。 アウグスト・デ・アンジェリス(Augusto De Angelis、1888-1944)第6巻『宿命のC』(Il do tragico)(1937) - 『ROM』135号(2010年10月31日)につずみ綾氏によるレビュー掲載 第12巻『チネチッタ撮影所の怪事件』(Il mistero di Cinecittà)(1941) - 『ROM』135号(2010年10月31日)にROM氏によるレビュー掲載 第23巻『三つの蘭花』(Il mistero delle tre orchidee)(1942) - 『ROM』135号(2010年10月31日)につずみ綾氏によるレビュー掲載 スペイン (1)戦前の邦訳 ペドロ・アントニオ・デ・アラルコン(Pedro Antonio de Alarcón、1833-1891)短編「釘」『世界短篇小説大系 探偵家庭小説篇』近代社、1926年、谷口武訳 博文館 世界探偵小説全集第1巻『古典探偵小説集』、1930年、訳者不明 ← 当サイトで全文公開中 スペインのミステリ史を扱ったパトリシア・ハート(Patricia Hart)の『The Spanish Sleuth The Detective in Spanish Fiction』(1987年)によれば、スペイン最初の探偵小説はペドロ・アントニオ・デ・アラルコンが1853年に発表した「釘」(原題 El clavo)だとするのが通説だという(ポーの「モルグ街の殺人」は1841年発表)。 ほかに、邦訳のある長編『醜聞』(1875年)も探偵小説的手法を使った作品だそうだ。岩波文庫版(高橋正武訳、上巻1952年12月、下巻1953年2月)の訳者あとがきから引用する。 そして、いくぶん探偵小説的な手法を使い――ごく初期の『釘』 El Clavo, 1855 など、短篇のうちで出色のひとつと思いますが、これなんかにも同様な手法が見うけられます――、多少のメロドラマティズムがなくはありませんが、全体の構成を単純に見せながら、実はモザイク的に複雑な事件を組みあわせて、これを自然に展開し、激しい場面をつぎつぎと連続させていきます。 引用中では「釘」の初出が1855年となっているが、岩波文庫版『醜聞』下巻に収録された「ペドロ・デ・アラルコン略年譜」では1853年の作品とされているので、ここで1855年となっているのは誤植だろう。ペドロ・アントニオ・デ・アラルコンは「釘」や『醜聞』以外にも邦訳が何作品かある。『新青年』1928年新春増刊号(9巻3号)掲載の短編「二種の栄光」はルーベンスを扱った宗教的小話で探偵小説ではない。その他の邦訳作品の中に探偵小説(的な作品)があるかどうかは未調査。 では、イタリア最初の探偵小説はなんなのだろうか。ネット上をざっと見てみると、以前はエミリオ・デ・マルキ(Emilio De Marchi、1851-1901)の1887年の作品『司祭の帽子』(Il cappello del prete)がそうだとみなされていたようだが、ミステリ作家のマッシモ・シヴィエロ(Massimo Siviero、1942- )は、フランチェスコ・マストリアーニ(Francesco Mastriani、1819-1891)の1852年の作品『私の死体』(Il mio cadavere)こそがイタリア最初の探偵小説だという説を提出したらしい。こちらの説が一般にどれほど受け入れられているのかは分からない。 (2)1980年代の邦訳 ガルシア・パボン(García Pavón、1919-1989)『雨の七日間』(中平紀子、高井清仁訳、西和書林、1984年5月) マヌエル・バスケス・モンタルバン(Manuel Vázquez Montalbán、1939-2003)《私立探偵カルバイヨ》シリーズ『楽園を求めた男』(田部武光訳、創元推理文庫、1985年8月) - 1981年フランス推理小説大賞、1992年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀翻訳ミステリ賞 『中央委員会殺人事件』(柴田純子訳、西和書林、1985年11月、著者名表記「マヌエル・バースケス・モンタルバン」) - 1986年ドイツ・ミステリ大賞第3位 『死の谷を歩む男』(田部武光訳、創元推理文庫、1986年4月) 長編の一部分のみ翻訳「刺青(いれずみ)」(市川秋子訳、『ジャーロ』8号[2002年夏号]) ガルシア・パボンはほかに非ミステリの短編「透明の世界」(東谷穎人編訳『笑いの騎士団 スペイン・ユーモア文学傑作選』、白水社、1996年7月)が日本語で読める。マヌエル・バスケス・モンタルバンの邦訳はほかに短編「少年と犬」(芹沢恵訳)(ジェローム・チャーリン編『ニュー・ミステリ ジャンルを越えた世界の作家42人』早川書房、1995年10月)がある。 ガルシア・パボンの出身地であるトメジョーソ市(Tomelloso)はガルシア・パボンの名を冠した長編ミステリの公募賞「ガルシア・パボン賞」を主催している。毎年7月に受賞作が発表され、10月に出版される。 バルセロナのミステリ祭《BCNegra》では2006年から、モンタルバンの生んだ私立探偵の名を冠した「ペペ・カルバイヨ賞」が毎年授与されている。国内外のミステリ作家の生涯の業績に対して贈られるもので、日本で知られた作家ではヘニング・マンケルやP・D・ジェイムズ、マイクル・コナリー、イアン・ランキンらが受賞。今年(2013年)の受賞者はスウェーデンのマイ・シューヴァル。スペインの作家ではフランシスコ・ゴンサレス・レデスマとアンドレウ・マルティンが受賞しているが、2人とも邦訳がない。 (3)1990年代以降の邦訳 ※ミステリの周辺領域の作品も一部含みます アルトゥーロ・ペレス・レベルテ(Arturo Pérez-Reverte、1951- )『フランドルの呪画(のろいえ)』(佐宗鈴夫訳、集英社、1995年10月 / 集英社文庫、2001年5月) - 1993年フランス推理小説大賞 『呪(のろい)のデュマ倶楽部』(大熊栄訳、集英社、1996年11月) - 映画化に合わせて『ナインスゲート』に改題して文庫化(集英社文庫、2000年4月) - 1995年デンマーク推理作家アカデミー パレ・ローゼンクランツ賞(国内外最優秀長編賞)、1999年フィンランド・ミステリ協会外国推理作家賞 『サンタ・クルスの真珠』(佐宗鈴夫訳、集英社、2002年10月) 『ジブラルタルの女王』【上下巻】(喜須海理子訳、二見文庫、2007年8月) 『戦場の画家』(木村裕美訳、集英社文庫、2009年2月)ほかに少年向け歴史小説シリーズ《アラトリステ》の邦訳もある(《アラトリステ》邦訳版公式サイト) ハビエル・マリアス(Javier Marías、1951- )『白い心臓』(有本紀明訳、講談社、2001年10月) ホセ・カルロス・ソモサ(José Carlos Somoza、1959- )『イデアの洞窟』(風間賢二訳、文藝春秋、2004年7月) - 2002年英国推理作家協会(CWA)ゴールドダガー賞(最優秀長編賞)、2005本格ミステリ・ベスト10第7位 『Zig Zag(ジグザグ)』(宮崎真紀、山田美明訳、エンターブレイン、2007年11月、著者名表記「ホセ・カルロス・ソモザ」) フリア・ナバロ(Julia Navarro、1953- )『聖骸布血盟』(白川貴子訳、ランダムハウス講談社、2005年9月) フアン・ボニージャ(Juan Bonilla、1966- )『パズルの迷宮』(碇順治 監訳、沢村凛、ITT訳、朝日出版社、2005年11月) カルロス・ルイス・サフォン(Carlos Ruiz Zafón、1964- )『風の影』【上下巻】(木村裕美訳、集英社文庫、2006年7月) - 『このミステリーがすごい!』2007年版 第4位 『天使のゲーム』【上下巻】(木村裕美訳、集英社文庫、2012年7月) - 『このミステリーがすごい!』2013年版 第9位 サンティアーゴ・パハーレス(Santiago Pajares、1979- )『螺旋』(木村榮一訳、ヴィレッジブックス、2010年2月) 『キャンバス』(木村榮一訳、ヴィレッジブックス、2011年12月) イルデフォンソ・ファルコネス(Ildefonso Falcones、1959- )『海のカテドラル』(木村裕美訳、RHブックス・プラス、武田ランダムハウスジャパン、2010年5月) エステバン・マルティン(Esteban Martín、1956- )&アンドレウ・カランサ(Andreu Carranza、1957- )『ガウディの鍵』(木村裕美訳、集英社文庫、2013年10月) トニ・ヒル(Toni Hill、1966- )『壊れた玩具たちの夏』(宮崎真紀訳、集英社文庫、2014年9月◆予定) 関連書籍 スペインのSF小説、フェリクス・J・パルマ『時の地図』【上下巻】(宮崎真紀訳、ハヤカワ文庫NV、2010年10月)は『IN☆POCKET』2011年11月号の「文庫翻訳ミステリー・ベスト10」で第7位。続編の『宙(そら)の地図』【上下巻】(宮崎真紀訳、ハヤカワ文庫NV、2012年11月)も刊行されている。 フランシスコ・アヤラ『仔羊の頭』(松本健二、丸田千花子訳、現代企画室、2011年3月)に収録の短編「言伝(メンサヘ)」はミステリの手法を使った作品だという(参照:逢坂剛による書評「スペイン内戦の悲惨 鋭く描く」朝日新聞2011年5月29日)。 スペインの非スペイン語ミステリ スペインではいわゆる「スペイン語」だけが使用されているわけではない。スペイン語(カスティーリャ語)はスペイン全域の公用語となっているが、それ以外にも、スペイン語によく似た言語であるカタルーニャ語とガリシア語、そしてスペイン語とはまったく系統の異なる言語であるバスク語などが地方の公用語となっている。そして地方公用語であるカタルーニャ語やガリシア語でもミステリが書かれている(バスク語で書かれたミステリもおそらくあるだろう)。 カタルーニャ語で書くミステリ作家の作品の邦訳は、マリア・アントニア・オリベール(Maria Antònia Oliver、1946- )の短編「どこにいるの、モニカ」(サラ・パレツキー編『ウーマンズ・アイ』下巻、ハヤカワ・ミステリ文庫、1992年9月)がある。この邦訳書での著者名表記はマリア・アントニア・オリヴァー。 ポルトガル ルイス・ミゲル・ローシャ(Luís Miguel Rocha、1976- )『P2』【上下巻】(木村裕美訳、新潮文庫、2010年6月) 『P2』は、「『ダ・ヴィンチ・コード』をも凌ぐ迫力。ヴァチカン、そしてフリーメーソンを侵蝕する闇の勢力。世界が震撼した歴史的大事件の真実を暴く!」という作品(新潮社公式サイト 書籍紹介ページより)。 また、ノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの『複製された男』(阿部孝次訳、彩流社、2012年10月)は、出版社の紹介文によれば「孤独な現代人の苦悩とアイデンティティの危機をミステリー仕立てで描いた」作品。 ギリシャ アンドニス・サマラキス(Αντώνης Σαμαράκης、1919-2003)『きず』(小池滋訳、筑摩書房 世界ロマン文庫18、1970年 / 改装版 筑摩書房 世界ロマン文庫3、1977年12月 / 創元推理文庫、1987年10月) 『きず』は1970年のフランス推理小説大賞(翻訳作品部門)受賞作。 ギリシャのミステリとしてはほかに、ソポクレスの『オイディプス王』を挙げてもいいかもしれない。紀元前の作品だが、この作品はミステリの源流と見られることもあり、フランスのミステリ叢書《セリ・ノワール》に収録されていたりもする。邦訳は岩波文庫(藤沢令夫訳)など。 更新履歴 2013年6月17日:イタリア最初の探偵小説についての記述を追加。ポルトガル、ジョゼ・サラマーゴ『複製された男』追加。 2013年6月23日:スペイン、ペドロ・アントニオ・デ・アラルコン『醜聞』について追加。 2014年8月11日:スペイン、ハビエル・マリアス『白い心臓』(邦訳2001年10月)、イルデフォンソ・ファルコネス『海のカテドラル』(邦訳2010年5月)追加。 関連ページ 非英語圏ミステリ2014年の邦訳出版一覧 北欧ミステリ邦訳一覧 ドイツ語圏ミステリ邦訳一覧 オランダ語圏ミステリ邦訳一覧 ロシア・中東欧ミステリ邦訳一覧 中南米ミステリ邦訳一覧 東アジアミステリ邦訳一覧 東南・南アジアミステリ邦訳一覧 中東ミステリ邦訳一覧 アフリカミステリ邦訳一覧 フランスのミステリ賞受賞作の邦訳一覧 フランス・ミステリ必読30冊(『ミステリマガジン』2003年7月号) フランスミステリベスト100 ポケミス非英語圏作品一覧 創元推理文庫海外ミステリ非英語圏作品一覧 年間ミステリランキング 非英語圏作品一覧 イタリアイタリア推理小説略史 イタリア語に翻訳された日本の推理小説/ミステリ スペイン・ポルトガルスペイン語圏・ポルトガル語圏推理小説略史 スペイン語・ポルトガル語に翻訳された日本の推理小説/ミステリ 非英語圏ミステリ各種リスト
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2009年11月10日ページ作成、随時更新 2011年9月1日 (2)と(3)を追加、ページ名変更 目次 (1)台湾ミステリの邦訳一覧長編 短編 アジア・ハードボイルド(?) (2)20世紀前半の台湾探偵小説(日本語作品)座光東平 小島泰介 福田昌夫 金関丈夫(かなせき たけお) 葉歩月(よう ほげつ) その他の創作探偵小説 探偵実話 (3)20世紀前半の台湾探偵小説(日本で復刻されている中国語作品)漢文(文言文) 白話文 (1)は邦訳された台湾ミステリのリスト。 (2)と(3)は、現代の日本で容易に購入できるもの、図書館等に行けば容易に読めるものを掲載する。 (1)台湾ミステリの邦訳一覧 長編 藍霄(ランシャウ)『錯誤配置』(講談社 アジア本格リーグ1、2009年9月)(原著刊行2004年) 寵物先生(ミスターペッツ) 『虚擬街頭漂流記(きょぎがいとうひょうりゅうき)』 (文藝春秋、2010年4月)(原著刊行2009年) 第1回(2009年)島田荘司推理小説賞受賞作 短編 余心樂(よ しんらく) 「生死線上」 『有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー』(角川文庫、2001年8月)(初出:台湾の雑誌『推理雑誌』64号、1990年) 凌徹(リンチェウ) 「幽霊交叉点」 ( 『ミステリーズ!』Vol.29、東京創元社、2008年6月)(初出:台湾の雑誌『MYSTERY』1号、2006年) 寵物先生(ミスターペッツ) 「彷徨えるマーク・ガッソン」 (『ジャーロ』41号、光文社、2011年3月)(邦訳版が初出/中国語版は未発表) アジア・ハードボイルド(?) 台湾の武侠小説作家の古龍(こりゅう)の作品は、小学館文庫では「アジア・ハードボイルド」と銘打たれて刊行されている。 (ここでは小学館文庫から刊行されているもののみを挙げる。古龍の作品はほかにも邦訳が出ている) 『楚留香 蝙蝠伝奇(そりゅうこう こうもりでんき)』(小学館文庫、1998年12月、上中下巻) 『陸小鳳伝奇(りくしょうほう でんき)』(小学館文庫、1999年2月、全1巻) 『辺城浪子(へんじょう ろうし)』(小学館文庫、1999年6月、全4巻) 『陸小鳳伝奇(りくしょうほう でんき)』はのちに早稲田出版より『陸小鳳伝奇1 金鵬王朝(きんほう おうちょう)』(2006年5月)として刊行。続編の『陸小鳳伝奇2 繍花大盗(しゅうか たいとう)』(2006年5月)、『陸小鳳伝奇3 決戦前後』(2006年11月)も刊行された。 (2)20世紀前半の台湾探偵小説(日本語作品) 作家別、年代順。 座光東平 『日本統治期台湾文学集成9 台湾探偵小説集』(緑蔭書房、2002年11月)厳格な家の娘(1923) 人間の裁判(1923) 強い娘(1924) 是耶非耶(1924)(未完) 謎の夫婦情死(1924) 聖僧の庫裡(1924) 露と消ゆる四つの命(1924) 凄い切味の女(1924) 女落語師の死(1924) 天遣を蒙る人(1924) 自縄自縛(1924) 白金坩堝の行衛(中編)(1924-1925) 小島泰介 『日本統治期台湾文学集成7 台湾通俗文学集 一』(緑蔭書房、2002年11月)「屍婚」(1934) 「屍婚」は乱歩や夢野久作を思わせる変格探偵小説の佳作。 福田昌夫 『日本統治期台湾文学集成21 「台湾鉄道」作品集 一』(緑蔭書房、2007年2月)「二将軍の壁画」(1935) 「港町の殺人事件」(1935) 「魔の椅子事件」(1935) 「山は裁く」(1936) 金関丈夫(かなせき たけお) 金関丈夫の探偵小説は以下の2冊ですべて読むことができる。金関丈夫はいくつかペンネームを使ったが、探偵小説は『南風』(蘇文石名義)以外はすべて林熊生(りん ゆうせい)というペンネームで発表した。 林熊生『日本植民地文学精選集38 〔台湾編13〕 船中の殺人/龍山寺の曹老人 第一輯・第二輯』(ゆまに書房、2001年9月)中編「船中の殺人」(1941) 短編「指紋」(1943) 《龍山寺の曹老人》シリーズ「許夫人の金環」(1943) 「光と闇」(1943) 「入船荘事件」(1943) 「幽霊屋敷」(1945) 「百貨店の曹老人」(1945) 金関丈夫『創作集 南の風』(法政大学出版局、1980年6月)《龍山寺の曹老人》シリーズ「許夫人の金環」(1943) 「入船荘事件」(1943) 「幽霊屋敷」(1945) 「謎の男」(1947) 「観音利生記」(1947) 未完長編『南風』(1942-1943)(蘇文石名義で発表。当初はリレー小説として計画されており、執筆された全17回のうち第2回と第4回は立石鉄臣(伴三果名義)が執筆したものである。立石の執筆回は『創作集 南の風』に収録されていない) 短編「DU14放棄顚末」(1959)(※日本で発表した作品) 《龍山寺の曹老人》シリーズ(短編全7編) 収録状況 # タイトル 『日本植民地文学精選集38』 『創作集 南の風』 1 「許夫人の金環」(1943) 〇 〇 2 「光と闇」(1943) 〇 3 「入船荘事件」(1943) 〇 〇 4 「幽霊屋敷」(1945) 〇 〇 5 「百貨店の曹老人」(1945) 〇 6 「謎の男」(1947) 〇 7 「観音利生記」(1947) 〇 葉歩月(よう ほげつ) 『日本統治期台湾文学集成19 葉歩月作品集一』(緑蔭書房、2003年7月)中編「白昼の殺人」(1946) その他の創作探偵小説 『日本統治期台湾文学集成21 「台湾鉄道」作品集 一』(緑蔭書房、2007年2月)臍皮乱舞・大舌宇奈児・無理下大損・正気不女給 リレー小説「連作怪奇探偵小説 木乃伊の口紅」(1934)名前の読みの推定:「へそがわ らんぶ」、「おおした うなる」、「むりした おおぞん」、「まさき ふじょきゅう」 言うまでもなく、江戸川乱歩、大下宇陀児、森下雨村、正木不如丘をもじったものである 『日本統治期台湾文学集成9 台湾探偵小説集』(緑蔭書房、2002年11月)下村四郎「渦巻」(1934) 松浦泉三郎「甲板の妖人」(1935) 河原崎純「呪われた女身」(1935) 渥美順「暁の非常線」(1936) 美川紀行・梶雁金八・渥美順 リレー小説「姿なき犯罪」(1937) 探偵実話 『日本統治期台湾文学集成9 台湾探偵小説集』(緑蔭書房、2002年11月)飯岡秀三士林川血染船(1914) 奇代の兇賊台北城下を騒す(1920) 野田牧泉阿緱のばらばら事件(1933) 枯れた唐辛子の木 ―お岩後家殺し事件―(1933) 芝川武腕の伝蔵(1938) 山下景光亭主に殺された食菜人(1938) 或る変態性欲者の犯罪(1938) 基隆のバラバラ事件(1941) 三谷祥介おつたの死(1941) 小南堂居万久殺し(1942) (3)20世紀前半の台湾探偵小説(日本で復刻されている中国語作品) 漢文(文言文) 『日本統治期台湾文学集成25 台湾漢文通俗小説集 二』(緑蔭書房、2007年2月)魏清徳長編「傾国恨」(1917-1918)(スパイ小説) 短編「歯痕」(1918)(モーリス・ルブランのルパン物『虎の牙』の翻案) 謝雪漁中編「日華英雌伝」(1937-1938) 短編「小学生椿孝一」(1937) 白話文 『日本統治期台湾文学集成25 台湾漢文通俗小説集 二』(緑蔭書房、2007年2月)蔚然(陳蔚然)「他的勝利」(1941) 関連記事 中国ミステリ 読書案内 韓国ミステリ 読書案内 台湾ミステリ紹介 目次へ
https://w.atwiki.jp/mystery2ch/pages/20.html
2010年10月11日作成 最終更新:2010年10月20日 この「ミステリー板@wiki」は、2010年9月7日のサーバーダウン時に消滅してしまったミステリー板のスレッドを見やすい形で整理しておくことを目的としたものだが、それとともに、2010年2月で10周年を迎えたミステリー板の歴史をまとめた記事も作成することにした。私自身は、2002年の秋ごろにミステリー板を見るようになったので、ミステリー板設立時のことやそれ以前のことはまったく知らない。また、一部の特定のスレッドしか見ていなかったので、ミステリー板を見るようになって以降も、必ずしも板の全貌を把握していた訳ではない。「ミステリー板@wiki」では、誰でも見ることのできる過去ログを用いて、ミステリー板の歴史を実証的に記述する。 「ミステリー板」成立以前の2ちゃんねるを知るための資料 2ちゃんねる草創期/「雑誌月刊誌」掲示板の成立(1999年6月末or7月初め)2ちゃんねる創設日(1999年5月30日) もう1つの匿名掲示板「あめぞう」 「雑誌月刊誌」掲示板の存在が確認できる最古のスレッド 「雑誌月刊誌」掲示板から「文学、本雑誌」掲示板へ(1999年7月22日)改名のきっかけとなったスレッド 「文学、本雑誌」掲示板の存在が確認できる最古スレッド サーバーダウンによる「文学、本雑誌」掲示板のログ消失 「ミステリー板」成立以前の2ちゃんねるを知るための資料 「2ちゃんねる - Wikipedia」の「起源」の項目( http //ja.wikipedia.org/wiki/2%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%81%AD%E3%82%8B#.E8.B5.B7.E6.BA.90 ) 2ちゃんねるの歴史 - Wikipedia( http //ja.wikipedia.org/wiki/2%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%81%AD%E3%82%8B%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2 ) 2ちゃんねるの歩み( http //livecam.15.kg/2ch-ainogekijou/document/history/2.html ) 帰らざる2ちゃんねる( http //mewmirror.coresv.com/ ) - にゃあ氏作成 2ちゃんねる過去ログ倉庫( http //mewlist.coresv.com/ ) - にゃあ氏作成 ミステリー板が開設されたのは、2ちゃんねる創設の約8か月後であるが、それまで2ちゃんねるにおいてミステリーの話題が扱われていなかった訳ではない。2ちゃんねるの草創期を知る資料・データベースとしては上に挙げたようなものがある。 まずWikipediaの記事であるが、ここで綴られているのは掲示板の歴史の中でも特に社会的な事件となった出来事がメインで、草創期にどのような掲示板(板)がいつ開設されたのかといったことは書かれていない。そのため、ミステリー板やその前身の板について知りたいという要請には応えない(「ミステリー板」自体の記事は作成されていない)。 「2ちゃんねるの歩み」は、草創期当時の固定ハンドル「保夫良」氏が、創作文芸詩板(現・創作文芸板)でリアルタイムに綴っていた、2ちゃんねる全般に関する記録である。2ちゃんねる創設日の1999年5月30日から2000年2月8日(奇しくも、ミステリー板開設日)までの255日間の出来事が詳細に記録されている。Wikipediaの2ちゃんねる関連記事でも各所で参考・関連文献として挙げられており、2ちゃんねる草創期を知るためには欠かせない資料となっているようだが、個人で作成されたものであるため、少々の誤りや漏れがあることは否めない。たとえば、漫画板の開設日は1999年6月25日とされているが、後に触れるにゃあ氏復刻ログによれば、その設立日は6月23日である。 「2ちゃんねるの歩み」では掲示板(板)の設立日や板名の改称についてに(多少の誤りはあるようであるが)非常に細かく記述されている。ただ何故か、ミステリー板の前身である「文学、本雑誌板」や、さらにその前身である「雑誌月刊誌板」についてはまったく触れられておらず、残念ながら「2ちゃんねるの歩み」ではその起源を知ることはできない。 にゃあ氏の「帰らざる2ちゃんねる」は、2ちゃんねるの公式過去ログ倉庫「2ちゃんねる過去ログ倉庫」( http //www.2ch.net/kakolog.html )にも残っていないスレッドを「Internet Archive」( http //www.archive.org/ )から復刻した労作である。2ちゃんねる創設日の1999年5月30日から同年8月11日までの「メイン」掲示板(途中で、現行の「ロビー」に改称)のスレッドが復刻されている。ミステリー板の前身の「文学、本雑誌板」の開設日や、さらにその前身である「雑誌月刊誌板」の存在を知ることが出来たのはこのサイトのお陰である。 にゃあ氏の「2ちゃんねる過去ログ倉庫」は、2ちゃんねるの公式過去ログ倉庫「2ちゃんねる過去ログ倉庫」( http //www.2ch.net/kakolog.html )に保存された過去ログを、見やすい形に並べ直しているサイトである。このサイトのお陰で、「ミステリー板」開設の経緯は非常に容易に調べることが出来た。 このページ(ミステリー板前史)では、主に「帰らざる2ちゃんねる」のにゃあ氏復刻ログを用いて、2ちゃんねる草創期における文芸・書籍関連の掲示板についてまとめる。1999年の時点では、掲示板を「板」とは読んでいないようなので、このwikiでは1999年の歴史を書く際には基本的に「板」ではなく「掲示板」と書くことにする。 2ちゃんねる草創期/「雑誌月刊誌」掲示板の成立(1999年6月末or7月初め) 草創期に開設された掲示板(板)は、板によっては開設日まで明確に判明しているが、「文学、本雑誌」掲示板については、その開設日が判明していなかった。にゃあ氏復刻ログを観察することで、「文学、本雑誌」掲示板の前身として「雑誌月刊誌」掲示板が存在していたことが判明した。ただし、「雑誌月刊誌」掲示板については、その開設日は明確ではない。 2ちゃんねる創設日(1999年5月30日) 以下の資料から、1999年5月30日だとしておく。「2ちゃんねるの歩み」でも、創設日は1999年5月30日とされている。 創設の翌日には、「趣味」掲示板が開設されている。この頃は、2ちゃんねるの先輩格に当たる匿名掲示板「あめぞう」と重なる掲示板は作っていなかったようである。 つくりたい掲示板のジャンル募集! (413) (「メイン」掲示板、1999/05/30(日) 12 25、にゃあ氏復刻ログ) 1 :ひろゆき :1999/05/30(日) 12 25 つくりたいジャンルがあったら書いて下さい。 暇なんでほいほい作ります。ホントは暇じゃないかも。。。 28 :ひろゆき :1999/05/30(日) 23 14 2chなんであめぞうとだぶらないジャンルがいいっす>ユキさん 自虐と薬はいれちゃいまーす。 @ひろゆきはどこでもいるのでどこでもOKです!! お子さま掲示板つくりまっす! 29 :ひろゆき :1999/05/31(月) 05 15 趣味掲示板をつくりました。電車や和裁、洋裁、釣り、切手集め 好きなスレッドをつくってください。。 158 :ひろゆき :1999/06/05(土) 11 44 うーん。あめぞうにあるやつでもつくったほうがいいのでしょうか? 276 :ひろゆき :1999/06/12(土) 23 37 あめぞうで閉鎖になったジャンルの掲示板をつくりましたー。 アニメ http //www.ohayou.com/2ch/anime/index2.html 車、バイク http //www.ohayou.com/2ch/car/index2.html テレビ http //www.ohayou.com/2ch/tv/index2.html 上に引用したスレッドのログには、6月24日21時24分までのレスが残っているが、そこまでの範囲では、「雑誌月刊誌」掲示板については触れられていない。新設掲示板については逐一このスレッドで報告しているようなので、「雑誌月刊誌」掲示板の開設は6月24日以降であると推定される。 上のスレッドを引き継ぐものとして、1999年6月26日に立てられたスレッド「作って欲しい掲示板は何ですか?」(「メイン」掲示板/1 名前: ひろゆき 投稿日: 1999/06/26(土) 07 43/本文:どんどん書いて下さひー)があるが、そのログはInternet Archiveにも保存されておらず、確認することはできない。「雑誌月刊誌」掲示板については、このスレッドで新設報告がなされたと推定される。 1999年7月9日以降の新設掲示板については、「新作・掲示板」(「メイン」掲示板、1999/07/09(金) 09 22、にゃあ氏復刻ログ)で知ることが出来る。なお、1999年7月24日(「8月4日」とする「2ちゃんねるの歩み」は誤り)には「批判要望」掲示板が開設されたため、新掲示板の要望などはそちらに移っている。 もう1つの匿名掲示板「あめぞう」 <詳細未調査> 2ちゃんねるの先輩格に当たる匿名掲示板「あめぞう」で、ミステリーを含む文芸関連掲示板としてどのようなものがあったかは未調査。上で引用したように、いくつかの掲示板は「あめぞう」を事実上引き継ぐ形で設置されているので、2ちゃんねるの草創期における文芸関連掲示板について調べるのであれば、「あめぞう」についても触れなくてはいけない。 「雑誌月刊誌」掲示板の存在が確認できる最古のスレッド 下に引用したスレッドの書き込みにより、1999年7月5日の時点で趣味カテゴリーの掲示板として、「雑誌月刊誌」掲示板があったことが分かる。上で出したデータと合わせると、「雑誌月刊誌」掲示板(あるいは、新設時には名前は違ったかもしれないのでその前身の掲示板)は1999年6月24日から7月5日までの間に作られたと推定できる。 2チャンネル掲示板ランキング(「メイン」掲示板、1999/07/05(月) 06 40、にゃあ氏復刻ログ) 1 :統計マニア :1999/07/05(月) 06 40 評価基準 最新20スレッドで、7/4(日)00 00以降に書き込まれ た量で調べています ランク掲示板名 数 1位メイン 161 2位同人コミケ 140 3位過激な恋愛 114 4位芸能有名人 70 5位初心者、雑学 65 6位スポーツ 58 7位パソコン一般 53 8位テレビ番組 51 9位ちくり裏事情 46 10位アニメ 43 11位アダルト 43 12位車、バイク 39 13位漫画 38 14位ゲーム 37 15位料理食べ物 34 16位固定ハンドル34 17位競馬 33 18位軍事 31 19位音楽 29 20位電波、妄想 29 21位ファッション28 22位身体 22 23位時事ニュース21 24位化粧、女性 20 25位五七五 19 26位冠婚葬祭、マ19 27位就職、転職 19 28位CGI 17 29位ペット動物 16 30位映画 15 31位無職ダメ人間15 32位交通違反 14 33位趣味一般 13 34位学校、学生 13 35位西日本 13 36位作業場 13 37位家電製品 12 38位夢、独り言 12 39位ハッククラ 12 40位プロバイダ 12 41位プログラミ 11 42位詩、ポエム 10 43位懺悔、人生 10 44位争い、荒し 10 45位法律、資格 9 46位あめぞう 9 47位メル友募集 9 48位物理科学 8 49位雑誌月刊誌 8 50位政治経済金 8 51位携帯、電話 8 52位株式 7 53位東日本 7 54位お笑い 6 55位海外 6 56位ネットアイ 5 57位心、宗教 5 58位懐古、アン 3 59位薬、違法 3 60位パチンコ 2 61位リンク 2 62位UNIX 2 63位旅行 1 予想通りメイン、同人、恋愛の3強が独占している。 同人コミケがメインを追い越す勢い。 過激な恋愛もポジションが悪いながらも健闘している。 中堅ファイブに芸能、初心者、スポーツ、パソコン、テレビが続く ちくり裏事情は少し苦戦。 3 :統計マニア :1999/07/05(月) 06 53 ジャンル別ランキング メイン1位メイン 161 メイン2位初心者、雑学 65 趣味 1位同人コミケ 140 趣味 2位芸能有名人 70 趣味 3位スポーツ 58 趣味 4位テレビ番組 51 趣味 5位アニメ 43 趣味 6位車、バイク 39 趣味 7位漫画 38 趣味 8位ゲーム 37 趣味 9位競馬 33 趣味 10位軍事 31 趣味 11位音楽 29 趣味 12位五七五 19 趣味 13位ペット動物 16 趣味 14位映画 15 趣味 15位趣味一般 13 趣味 16位詩、ポエム 10 趣味 17位物理科学 8 趣味 18位雑誌月刊誌 8 趣味 19位ネットアイドル 5 趣味 20位懐古、アンティ3 趣味 21位パチンコ 2 大人 1位アダルト 43 社会1位ちくり裏事情 46 社会2位時事ニュース 21 社会3位就職、転職 19 社会4位交通違反 14 社会5位法律、資格 9 社会6位政治経済金融 8 社会7位株式 7 社会8位薬、違法 3 ネット`1位パソコン一般 53 ネット`2位CGI 17 ネット`3位ハッククラック 12 ネット`4位プロバイダ 12 ネット`5位プログラミング 11 ネット`6位争い、荒し 10 ネット`7位あめぞう 9 ネット`8位メル友募集 9 ネット`9位携帯、電話 8 ネット`10位リンク 2 ネット`11位UNIX 2 心と体1位過激な恋愛 114 心と体2位電波、妄想 29 心と体3位身体 22 心と体4位無職ダメ人間 15 心と体5位夢、独り言 12 心と体6位懺悔、人生相談 10 心と体7位お笑い 6 心と体8位心、宗教 5 生活1位料理食べ物 34 生活2位ファッション 28 生活3位化粧、女性 20 生活4位冠婚葬祭、マダム19 生活5位学校、学生 13 生活6位家電製品 12 旅行 1位固定ハンドル 34 旅行 2位西日本 13 旅行 3位作業場 13 旅行 4位東日本 7 旅行 5位海外 6 旅行 6位旅行 1 5 :ひろゆき :1999/07/05(月) 06 57 掲示板が63個もあることに驚きました。。 ご苦労様です。。 軍事が好位置かとおもったら、テレビとかのほうが上なんですねぇ。 1999年7月5日の時点で趣味カテゴリーの掲示板として、「雑誌月刊誌」掲示板や「漫画」掲示板、「詩、ポエム」掲示板があったらしいことが分かる。 なお、「雑誌月刊誌」掲示板開設との因果関係は分からないが、下記のスレッドでは、「雑誌BBS」設置の要望が出されている。 ひろゆきさーんこういう掲示板も入れてよ!!! (30) (「メイン」掲示板、1999/06/16(水) 01 58、にゃあ氏復刻ログ) 12 :制作希望 :1999/06/16(水) 06 41 雑誌BBS アンチひろゆきBBS インターネットBBS 歴史ものBBS いじめてBBS やらせろBBS 借金BBS ネタBBS フレームBBS お菓子BBS 臭いBBS 煙草BBS ピロートークBBS お茶BBS 珈琲BBS 刃物BBS 恐怖症BBS 学校・教育BBS じっちゃん、ばっちゃん(老後)BBS えせ科学BBS 足のここのところがBBS メタ合成BBS モホロビッチ非連続面BBS 新聞の読者投稿欄に関するBBS 自慢話BBS 数学BBS 漢字の読み書きBBS ここまで出てるのに~BBS 一生のお願いBBS 最低男・女コンテストBBS CS放送BBS 喧嘩しようぜBBS インク・活字体BBS ヌーベルキュジュイーヌ・バウハウスその他もろもろ20世紀の文化的革命BBS 我が闘争BBS 決心BBS 無常BBS 血判状BBS キックの鬼、パンチの嵐BBS サポートセンターBBS 以上お願いします造ってください 15 :ひろゆき :1999/06/16(水) 07 21 ううぅ、、いっぱいどうもです。 テスト掲示板群ってのをつくって人気のある掲示板を 昇格させてく仕組みにしようかなぁ、、 「雑誌月刊誌」掲示板から「文学、本雑誌」掲示板へ(1999年7月22日) 改名のきっかけとなったスレッド ユーザーの要望により、ミステリーなどの小説も扱えるように「雑誌月刊誌」掲示板の名称が変更された。ただし正確にいえば、この時の改称で「文学、本雑誌」掲示板となったのか、一時的に別の名称が使われていたのかは分からない。 なお、同日に2ちゃんねるの「メイン」掲示板は「案内所」に改称している(さらに、7月24日には現行の「ロビー」に改称)。2ちゃんねるに「メイン」掲示板があった頃は、それ以外の掲示板を「サブ」と捉える風潮がいくらかあり、「サブ」の書き込みは必ずしも多くはなかったようである。 掲示板増やしすぎ(「メイン」掲示板、1999/07/22(木) 10 19、にゃあ氏復刻ログ) 45 :ゆきねこ :1999/07/22(木) 12 30 ひろゆきさん(きゃー、ウチの旦那と同じ名前なんだよぅ) 「雑誌月刊誌」てタイトルはいかがなものでしょう? ミステリとか、小説の話がしたい人が帰ってしまいませんか? 一考察を切に願いますです。 48 :ひろゆき :1999/07/22(木) 12 36 はーい。かえてみましたですー。おいらの妻は人間希望、、 http //www2.aisnet.ne.jp/~bbs/mag/index2.html 50 :ゆきねこ :1999/07/22(木) 13 01 わーい!ありがとうございましたー。 この改称により、「雑誌月刊誌」掲示板は、ミステリーなどの小説の話題も扱えるような掲示板に生まれ変わったようである。 「文学、本雑誌」掲示板の存在が確認できる最古スレッド 上に引用した書き込みでは、改称後の掲示板の名称が記されていないため、その日に「文学、本雑誌」掲示板になったのか、一時的に別の名前だったのかは分からない。下に引用するスレッドにより、少なくとも7月24日の時点では「文学、本雑誌」という名称であったことが分かる(引用文内で青色にしたものは、カテゴリー名)。 昨日一日ここは案内所 (「メイン(案内所)」掲示板、1999/07/24(土) 16 53、にゃあ氏復刻ログ) 1 :ひろゆき :1999/07/24(土) 16 53 昨日は案内所だったんですが、どうでしたか? 他の掲示板はレスふえましたか? 何かかわりました? 56 :ひろゆき :1999/07/26(月) 13 46 メニューの中にロビーを埋没させてみました。 62 :>56 :1999/07/26(月) 13 53 「メイン 2chメイン 初心者、雑学 趣味 趣味一般 ペット、動物 レトロ、懐古 パチンコ 芸能有名人 競馬 車、バイク テレビ番組 スポーツ 軍事 575`しりとり ゲーム ラジオ無線 アニメ等 アイドル声優 アニメ 同人コミケ 文化学問 物理、化学 創作文芸詩 文学、本雑誌 歴史 オカルト 漫画 映画、8mm ENGLISH 数学 芸術、絵画 生活 料理、食べ物 病院、医者 ファッション 化粧、女性 冠婚、マダム 家電製品 ボランティア 学生、学校 社会 時事ニュース ちくり裏事情 就職、転職 税金経理会計 賃貸不動産 政治金融 株式 法律勉強相談 薬、違法 交通違反 音楽 音楽一般 洋楽 邦楽 DJプレイヤ 心と体 人生相談 心と宗教 身体 純情恋愛 過激な恋愛 無職、だめ 夢、独り言 電波、お花畑 笑い、小話 ネット`PC パソコン一般 HP、CGI あめぞう ハッククラック リンク 携帯PHS Mac UNIX プログラム メル友募集 プロバイダー 争い、荒し 宣伝掲示板 地方旅行 東日本 西日本 海外 旅行 季節自然 固定ハン 作業実験場外 チャット 2chチャット 大人の時間 21歳以上!子供はだめ! サイト 21歳以上!子供はだめ! 風俗、のぞき」の部分を変えてくれないと実感湧かないぞ。ちょっとやってみてくれ。 カテゴリー編成の変遷を見るため、もう1つスレッドを引用しておく。 うんこスレッド(「メイン(ロビー)」掲示板、1999/07/29(木) 18 49、にゃあ氏復刻ログ) 1 :うんち :1999/07/29(木) 18 49 -------------------------------------------------------------------------------- 特別企画 2ch裁判? 特別企画東芝サポート 案内、雑談 初心者、雑学 たまり場固定 批判、要望 ロビー 無職、だめ 夢、独り言 電波、お花畑 笑い、小話 趣味 趣味一般 ペット、動物 レトロ、懐古 パチンコ 芸能有名人 競馬 車、バイク テレビ番組 スポーツ 軍事 575`しりとり ゲーム ラジオ無線 アニメ等 アイドル声優 アニメ 同人コミケ 漫画 文化学問 物理、化学 創作文芸詩 文学、本雑誌 歴史 オカルト 映画、8mm ENGLISH 数学 芸術、絵画 生活 料理、食べ物 病院、医者 ファッション 化粧、女性 冠婚、マダム 家電製品 ボランティア 学生、学校 占い性格診断 社会 マスコミ ニュース議論 ちくり裏事情 就職、転職 税金経理会計 賃貸不動産 政治金融 株式 法律勉強相談 薬、違法 交通違反 裏事情の支店 音楽 音楽一般 洋楽 邦楽 DJ、クラブ 心と体 人生相談 心と宗教 身体 純情恋愛 過激な恋愛 ネット`PC パソコン一般 Mac HP、CGI あめぞう ハッククラック リンク 携帯PHS UNIX プログラム ポスペメル友 プロバイダー 争い、荒し 宣伝掲示板 地方旅行 東京、東日本 大阪、西日本 海外 旅行 季節自然 固定ハン 作業実験場外 チャット 2chチャット 大人の時間 21歳以上!子供はだめ! サイト 21歳以上!子供はだめ! 風俗、のぞき ヘッドライン 過去ログメニュー -------------------------------------------------------------------------------- 【ミスwiki注:以下省略】 また、次のものはいつの時点での掲示板一覧なのかは分からないが、「趣味」カテゴリーが「趣味」「アニメ等」「文化学問」「音楽」に分かれる前の姿をとどめている。 1999年7月頃の「メイン」掲示板?( http //members.fortunecity.com/tyabu/2chan2.htm ) メイン 2chメイン 初心者、雑学 趣味 趣味 ペット、動物 ネットアイドル レトロ、懐古 音楽 パチンコ 芸能有名人 競馬 アニメ 車、バイク テレビ番組 スポーツ 軍事 同人コミケ 575,しりとり ゲーム 物理、化学 漫画 映画、8mm 詩、ポエム 文学、本雑誌 生活 料理、食べ物 ファッション 化粧、女性 冠婚、マダム 家電製品 学生、学校 社会 ちくり裏事情 就職、転職 政治金融 株式 法律勉強相談 薬、違法 交通違反 心と体 人生相談 心と宗教 身体 過激な恋愛 無職、だめ 夢、独り言 電波、お花畑 お笑い ネット,PC パソコン一般 HP、CGI あめぞう ハッククラック リンク 携帯PHS UNIX プログラム メル友募集 プロバイダー 争い、荒し 旅行 東日本 西日本 海外 旅行 固定ハン 作業実験場外 チャット 2chチャット 大人の時間 21歳以上!子供はだめ!アダルト、風俗 以上から、「趣味」カテゴリーの掲示板として誕生した「雑誌月刊誌」掲示板は、同カテゴリーのまま「文学、本雑誌」掲示板に改称、その後「趣味」カテゴリーが四分されたのに伴い、「文化学問」カテゴリーに配されたということが分かる。(なおその後、「文化学問」カテゴリーは「文化」カテゴリーと「学問」カテゴリーに二分され、「文学、本雑誌」掲示板は「学問」カテゴリーとなる。その後さらに、「学問」は「学問・理系」と「学問・文系」とに二分され、現行の分類となっている。) サーバーダウンによる「文学、本雑誌」掲示板のログ消失 1999年8月24日、aisnetの掲示板が使えなくなり、復旧したのは約3週間後の9月13日・14日だった。ただし、復旧とはいっても、ログは残っておらず一からの再建となったようである。 「文学、本雑誌」掲示板の復活は1999年9月13日である。 文学のお部屋復活~! 」(「文学、本雑誌」掲示板、1999/09/13(月) 20 13) 1 名前: ゆきねこ 投稿日: 1999/09/13(月) 20 13 よーやっと復活しましたね。 うれしいです。大沢在昌、花村萬月、真保裕一、北村薫、浅田次郎、 などなどなど、いっぱいいっぱいお話したいです。 2 名前: 名焦しさん 投稿日: 1999/09/14(火) 00 08 過去ログもほしいような気もするけど これはこれですっきりしてて気分いいねえ この日以降のログは、2ちゃんねるで公式にhtml化されており、誰でも読むことが出来る。ここでは、「2ちゃんねる 過去ログ倉庫」(http //www.2ch.net/kakolog.html)をツールによって見やすく配置した、にゃあ氏作成による「2ちゃんねる過去ログ倉庫」( http //mewlist.coresv.com/ )へのリンクを示す。 「文学、本雑誌」掲示板(後に「文学板」)過去ログbook piza/log2鯖過去ログ倉庫(1999年9月13日から2000年6月18日までに立てられたスレッド) book mentai鯖過去ログ倉庫(2002年5月4日までに立てられたスレッド(上と重複あり))
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2013年6月16日 姉妹ページ「南欧ミステリ邦訳一覧」も作成しました(2013年6月17日)。「ドイツ語圏ミステリ邦訳一覧」も作成しました(2013年7月22日)。 2014年8月追記:「ロシア・中東欧ミステリ邦訳一覧」、「中南米ミステリ邦訳一覧」も作成しました。 Index スウェーデン(1)戦前の邦訳 (2)1950年代の邦訳 (3)マルティン・ベック・シリーズの邦訳(1971年~1979年) (4)マルティン・ベック以後、ヴァランダー警部以前 (5)ヴァランダー警部シリーズの邦訳開始(2001年) (6)ヴァランダー警部以後、《ミレニアム》以前 (7)《ミレニアム》の邦訳(2008年・2009年) (8)《ミレニアム》以後の邦訳 デンマーク ノルウェー アイスランド フィンランド 北欧の少年少女向けミステリ スウェーデン 日本での邦訳紹介の順に並べている。「ヴァランダー警部以後、《ミレニアム》以前」などの区分を便宜的に使ったが、これも日本での邦訳紹介の時期を基準にしたものであり、作品発表時期を基準にしたものではないことにご注意ください。 (1)戦前の邦訳 S・A・ドゥーゼ(Samuel A. Duse、1873-1933)書誌は省略。小酒井不木によって日本に紹介され、私立探偵レオ・カリング・シリーズの長編『スミルノ博士の日記』『生ける宝冠』『夜の冒険』『スペードのキング』『四枚のクラブ一』などが訳されている。『スミルノ博士の日記』は1963年に宇野利泰による新訳も出ている(東都書房《世界推理小説大系》第5巻)。 邦訳状況については小酒井不木研究サイト「奈落の井戸」内「S・A・ドゥーゼ研究所」およびミステリのデータベースサイト「Aga-Search」の「S・A・ドゥーゼ」のページが詳しい。 フランク・ヘラー(Frank Heller、1886-1947)「コリン探偵」(『新青年』1924年7月号[5巻8号]、pp.198-221、浅野玄府訳、著者名表記「フランク・ヘラー」) 「エムプレス・オブ・オセアニア号」(『新青年』1931年9月号[12巻12号]、pp.264-277、浅野玄府訳、著者名表記「フランク・ヘルラア」)怪盗紳士フィリップ・コリン・シリーズの短編が2編邦訳されている。フィリップ・コリンおよび作者のフランク・ヘラーについての詳細は当サイト内の「シャーロック・ホームズの異郷のライヴァルたち(2) 北欧編」。 (2)1950年代の邦訳 マリカ・スチールンステット(Marika Stiernstedt、1875-1954)『巴里の女テロリスト』(伊東鍈太郎訳、クラルテ社、1951年) 『占領軍将校殺人事件』(道本清一郎訳、『探偵倶楽部』1953年10月号[4巻10号]、pp.234-270、著者名表記「M・スチールンステット」) 『占領軍将校殺人事件』は表紙では「特異な探偵長篇」とされている。目次では「パリの悲劇!民衆の反抗!北欧女流作家の大力作一挙に発表!!」。本文最初のページでは以下のように紹介されている。 スカンジナビヤ半島の産んだ偉大な閨秀作家として、女史の名は、既に日本にも紹介されているが、作の翻訳されたのは、これが最初である。これは、探偵小説ではないかも知れない。しかし、探偵小説以上のスリルと昂奮に充ちている深みのある心理小説として、充分に、これは、本誌読者を満足させるだろう。 (3)マルティン・ベック・シリーズの邦訳(1971年~1979年) マイ・シューヴァル(Maj Sjöwall、1935- )&ペール・ヴァールー(Per Wahlöö、1926-1975) マルティン・ベック・シリーズ(発表1965年~1975年、全10作、邦訳はすべて高見浩訳) 01 『ロゼアンナ』 角川文庫、1975年 / 【新訳】『ロセアンナ』角川文庫、2014年9月(柳沢由実子訳) 02 『蒸発した男』 角川文庫、1977年 / 【新訳】『煙に消えた男』角川文庫、2016年3月(柳沢由実子訳) 03 『バルコニーの男』 角川文庫、1971年 04 『笑う警官』 角川文庫、1972年 / 【新訳】角川文庫、2013年9月(柳沢由実子訳) 05 『消えた消防車』 角川文庫、1973年 06 『サボイ・ホテルの殺人』 角川書店、1975年 / 角川文庫、1982年5月 07 『唾棄すべき男』 角川書店、1976年 / 角川文庫、1982年11月 08 『密室』 角川書店、1976年 / 角川文庫、1983年1月 09 『警官殺し』 角川書店、1978年 / 角川文庫、1983年3月 10 『テロリスト』 角川書店、1979年 / 角川文庫、1983年4月 ※『笑う警官』は1971年、アメリカ探偵作家クラブのエドガー賞最優秀長編賞受賞 その他 ペール・ヴァールー『爆破予告』(高見浩訳、角川文庫、1982年10月) マイ・シューヴァル&トーマス・ロス『グレタ・ガルボに似た女』(木村由利子訳、角川文庫、1993年11月)トーマス・ロス(Tomas Ross、1944- )はオランダの推理作家。オランダ推理作家協会(1986年~)の創設の主導者で、会長も務めた。本名はウィレム・ホーヘンドールン(Willem Hogendoorn)。1980年ごろから政治小説やサスペンス小説を発表し始め、オランダ推理作家協会賞を1987年、1996年、2003年の3度受賞。 『グレタ・ガルボに似た女』は1990年にスウェーデンの出版社から刊行された。この作品はそれぞれが一章ずつ書き、その原稿を粗訳とともに相手に送り、送られた方がそれに自分なりに手を加えてまた翻訳をつけて送り返すという方式で執筆されたもので、完成までに3年かかったという。マイ・シューヴァルは夫のペール・ヴァールーが1975年に死去して以来創作から遠ざかっており、『グレタ・ガルボに似た女』は15年ぶりの新作となった。 (4)マルティン・ベック以後、ヴァランダー警部以前 オッレ・ヘーグストランド(Olle Högstrand、1933-1994)『マスクのかげに』(高見浩訳、TBS出版会 《北欧ミステリ・シリーズ》、1977年9月) - 1971年シャーロック賞 K・アルネ・ブルム(カール・アルネ・ブルム)(K. Arne Blom、1946- )『真実の瞬間』(吉野美恵子訳、角川書店、1979年9月) - 1974年シャーロック賞 ヤーン・エクストレム(Jan Ekström、1923-2013)『誕生パーティの17人』(後藤安彦訳、創元推理文庫、1987年1月) - 「スウェーデンのカー」と呼ばれる作家の1975年の作品 K=O・ボーネマルク(シェル=ウーロフ・ボーネマルク)(Kjell-Olof Bornemark、1924-2006)『さらば、ストックホルム』(平賀悦子、柳沢重也訳、中公文庫、1987年7月) - 1982年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀新人賞、1982年シャーロック賞 ヤン・ギルー(Jan Guillou、1944- )『白夜の国から来たスパイ』(三木宮彦訳、ティビーエス・ブリタニカ、1995年12月) - 1986年発表開始の人気スパイ小説シリーズの第9作(1994年発表) シャスティン・エークマン(Kerstin Ekman、1933- )『白い沈黙』(澤村灌訳、講談社文庫、1998年8月) - 1993年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞 シャーロック賞(Sherlock-priset)はスウェーデンの新聞『エクスプレッセン』が年間最優秀ミステリに授与していた賞。ちなみに『笑う警官』はこの賞の1968年の受賞作である。 K・アルネ・ブルムは国際推理作家協会の会長も務めた人物。2009年にスウェーデン推理作家アカデミーの巨匠賞を受賞している。ヤーン・エクストレムは1997年にスウェーデン推理作家アカデミーの巨匠賞を受賞している。 ヤン・ギルーの邦訳はほかに『エリックの青春』(柳沢由実子訳、扶桑社、2006年6月、著者名表記「ヤン・ギィユー」)があるが、これは自伝的青春小説。 (5)ヴァランダー警部シリーズの邦訳開始(2001年) ヘニング・マンケル(Henning Mankell、1948- ) ヴァランダー警部シリーズ(すべて創元推理文庫、柳沢由実子訳) 01 『殺人者の顔』 2001年1月 Mördare utan ansikte (1991) 1991年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞、1992年ガラスの鍵賞 02 『リガの犬たち』 2003年4月 Hundarna i Riga (1992) 03 『白い雌ライオン』 2004年9月 Den vita lejoninnan (1993) 04 『笑う男』 2005年9月 Mannen som log (1994) 05 『目くらましの道』【上下巻】 2007年2月 Villospår (1995) 1995年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞、2001年英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞 06 『五番目の女』【上下巻】 2010年8月 Den femte kvinnan (1996) 07 『背後の足音』【上下巻】 2011年7月 Steget efter (1997) 08 『ファイアーウォール』【上下巻】 2012年9月 Brandvägg (1998) 09 『霜の降りる前に』【上下巻】 2016年1月 Innan frosten (2002) シリーズ外作品(ミステリ) 『タンゴステップ』【上下巻】(柳沢由実子訳、創元推理文庫、2008年5月) Danslärarens återkomst (2000) 『北京から来た男』【上下巻】(柳沢由実子訳、東京創元社、2014年7月 / 創元推理文庫、2016年8月) ヘニング・マンケルはほかに児童文学『少年のはるかな海』(菱木晃子訳、偕成社、1996年6月)、『炎の秘密』(オスターグレン晴子訳、講談社、2001年11月)(2002年、産経児童出版文化賞・大賞受賞)、『炎の謎』(オスターグレン晴子訳、講談社、2005年2月)の邦訳がある。 (6)ヴァランダー警部以後、《ミレニアム》以前 リサ・マークルンド(リザ・マークルンド)(Liza Marklund、1962- )『爆殺魔(ザ・ボンバー)』(柳沢由実子訳、講談社文庫、2002年7月、著者名表記「リサ・マークルンド」) - 1998年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀新人賞 『ノーベルの遺志』【上下巻】(久山葉子訳、創元推理文庫、2013年11月、著者名表記「リザ・マークルンド」) - 2013年第1回ペトローナ賞受賞(イギリスで英訳出版された北欧ミステリの年間最優秀作に与えられる賞) ホーカン・ネッセル(Håkan Nesser、1950- )『終止符(ピリオド)』(中村友子訳、講談社文庫、2003年5月) - 1994年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞 カーリン・アルヴテーゲン(Karin Alvtegen、1965- )『喪失』(柳沢由実子訳、小学館文庫、2005年1月) - 2001年ガラスの鍵賞 『罪』(柳沢由実子訳、小学館文庫、2005年6月) ←これがデビュー作 『裏切り』(柳沢由実子訳、小学館文庫、2006年9月) 『恥辱』(柳沢由実子訳、小学館文庫、2007年11月) 『影』(柳沢由実子訳、小学館文庫、2009年11月) 『満開の栗の木』(柳沢由実子訳、小学館文庫、2013年1月) 『バタフライ・エフェクト』(ヘレンハルメ美穂訳、小学館文庫、2015年5月) アンデシュ・ルースルンド(Anders Roslund、1961- )&ベリエ・ヘルストレム(Börge Hellström、1957- )『制裁』(ヘレンハルメ美穂訳、ランダムハウス講談社、2007年7月) - 2005年ガラスの鍵賞『制裁』(ヘレンハルメ美穂訳、ハヤカワ・ミステリ文庫 、2017年2月) ※「著者本人による改稿を反映した決定版」 『ボックス21』(ヘレンハルメ美穂訳、ランダムハウス講談社、2009年4月) 『死刑囚』(ヘレンハルメ美穂訳、武田ランダムハウスジャパン、2011年1月) 『三秒間の死角』【上下巻】(ヘレンハルメ美穂訳、角川文庫、2013年10月) - 2009年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞、2011年英国推理作家協会インターナショナル・ダガー賞 アンデシュ・ルースルンド(Anders Roslund、1961- )&ステファン・トゥンベリ『熊と踊れ』【上下巻】(ヘレンハルメ美穂、羽根由訳、ハヤカワ・ミステリ文庫 、2016年9月) オーサ・ラーソン(Åsa Larsson、1966- )『オーロラの向こう側』(松下祥子訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2008年8月) - 2003年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀新人賞 『赤い夏の日』(松下祥子訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2008年10月) - 2004年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞 『黒い氷』(松下祥子訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2009年5月) (7)《ミレニアム》の邦訳(2008年・2009年) スティーグ・ラーソン(Stieg Larsson、1954-2004) 01 『ミレニアム 1 ドラゴン・タトゥーの女』【上下巻】 ヘレンハルメ美穂、岩澤雅利訳 早川書房、2008年12月 / ハヤカワ・ミステリ文庫、2011年9月 2006年ガラスの鍵賞 02 『ミレニアム 2 火と戯れる女』【上下巻】 ヘレンハルメ美穂、山田美明訳 早川書房、2009年4月 / ハヤカワ・ミステリ文庫、2011年11月 2006年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞 03 『ミレニアム 3 眠れる女と狂卓の騎士』【上下巻】 ヘレンハルメ美穂、岩澤雅利訳 早川書房、2009年7月 / ハヤカワ・ミステリ文庫、2011年12月 2008年ガラスの鍵賞 (8)《ミレニアム》以後の邦訳 カミラ・レックバリ(Camilla Läckberg、1974- )『氷姫(こおりひめ) エリカ パトリック事件簿』(原邦史朗訳、集英社文庫、2009年8月) 『説教師 エリカ パトリック事件簿』(原邦史朗訳、集英社文庫、2010年7月) 『悪童 エリカ パトリック事件簿』(富山クラーソン陽子訳、集英社文庫、2011年3月) 『死を哭(な)く鳥 エリカ パトリック事件簿』(富山クラーソン陽子訳、集英社文庫、2012年4月) 『踊る骸(むくろ) エリカ パトリック事件簿』(富山クラーソン陽子訳、集英社文庫、2013年4月) 『人魚姫 エリカ パトリック事件簿』(富山クラーソン陽子訳、集英社文庫、2014年1月) 『霊の棲む島 エリカ パトリック事件簿』(富山クラーソン陽子訳、集英社文庫、2014年10月) 『死神遊び エリカ パトリック事件簿』(富山クラーソン陽子訳、集英社文庫、2016年6月) ラーシュ・ケプレル(Lars Kepler 夫妻作家)(Alexander Ahndoril、1967 - / Alexandra Coelho Ahndoril、1966- )『催眠』【上下巻】(ヘレンハルメ美穂訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2010年7月) 『契約』【上下巻】(ヘレンハルメ美穂訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2011年7月) 『交霊』【上下巻】(岩澤雅利、羽根由訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2013年12月) ヨハン・テオリン(Johan Theorin、1963- )『黄昏に眠る秋』(三角和代訳、ハヤカワ・ミステリ、2011年4月 / ハヤカワ・ミステリ文庫、2013年3月) - 2007年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀新人賞 『冬の灯台が語るとき』(三角和代訳、ハヤカワ・ミステリ、2012年2月) - 2008年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞、2009年ガラスの鍵賞、2010年英国推理作家協会インターナショナル・ダガー賞 『赤く微笑む春』(三角和代訳、ハヤカワ・ミステリ、2013年4月) 『夏に凍える舟』(三角和代訳、ハヤカワ・ミステリ1905、2016年3月) インゲル・フリマンソン(Inger Frimansson、1944- )『グッドナイト マイ・ダーリン 悪女ジュスティーヌ 1』(佐宗鈴夫訳、集英社文庫、2011年7月) - 1998年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞 『シャドー・イン・ザ・ウォーター 悪女ジュスティーヌ 2』(佐宗鈴夫訳、集英社文庫、2011年8月) - 2005年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞 アルネ・ダール(Arne Dahl、本名Jan Arnald、1963- )『靄(もや)の旋律 国家刑事警察特別捜査班』(ヘレンハルメ美穂訳、集英社文庫、2012年9月) モンス・カッレントフト(Mons Kallentoft、1968- )『冬の生贄』【上下巻】(久山葉子訳、創元推理文庫、2013年3月) 『天使の死んだ夏』【上下巻】(久山葉子訳、創元推理文庫、2013年10月) 『秋の城に死す』【上下巻】(久山葉子訳、創元推理文庫、2015年12月) カーリン・イェルハルドセン(Carin Gerhardsen、1962- )『お菓子の家』(木村由利子訳、創元推理文庫、2013年6月) 『パパ、ママ、あたし』(木村由利子訳、創元推理文庫、2014年3月) 『子守唄』(木村由利子訳、創元推理文庫、2015年6月) ヴィヴェカ・ステン(Viveca Sten、1959- )『静かな水のなかで』(三谷武司訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2013年11月) 『夏の陽射しのなかで』(三谷武司訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2014年1月) 『煌めく氷のなかで』(三谷武司訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2014年3月) イェンス・ラピドゥス(Jens Lapidus、1974- )『イージーマネー』(土屋晃、小林さゆり訳、講談社文庫、2013年11月) アレクサンデル・セーデルベリ(Alexander Söderberg、1970- )『アンダルシアの友』(ヘレンハルメ美穂訳、ハヤカワ・ミステリ1879、2014年1月) M・ヨート(Michael Hjorth、1963- )&H・ローセンフェルト(Hans Rosenfeldt、1964- )『犯罪心理捜査官セバスチャン』【上下巻】(ヘレンハルメ美穂訳、創元推理文庫、2014年6月) 『模倣犯 犯罪心理捜査官セバスチャン』【上下巻】(ヘレンハルメ美穂訳、創元推理文庫、2015年1月) アンデシュ・デ・ラ・モッツ(Anders de la Motte、1971- )『監視ごっこ』(真崎義博訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2014年7月) 『炎上投稿』(真崎義博訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2015年6月) アンナ・ヤンソン『消えた少年』(久山葉子訳、創元推理文庫、2014年10月) 『死を歌う孤島』(久山葉子訳、創元推理文庫、2015年3月) ヨアキム・サンデル『スパイは泳ぎつづける』(ヘレンハルメ美穂、中村有以訳、ハヤカワ文庫NV、2014年12月) クリスティーナ・オルソン『シンデレラたちの罪』(ヘレンハルメ美穂訳、創元推理文庫、2015年8月) エメリー・シェップ『Ker(ケール) 死神の刻印』(ヘレンハルメ美穂訳、集英社文庫、2015年11月) ダヴィド・ラーゲルクランツ『ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女』【上下巻】(ヘレンハルメ美穂、羽根由訳、早川書房、2015年12月) カミラ・グレーベ&オーサ・トレフ『心理療法士ベリマンの孤独』(茅律子訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2016年3月) カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ『犯罪は老人のたしなみ』(木村由利子訳、創元推理文庫、2016年9月) シッラ・ボリリンド&ロルフ・ボリリンド『満潮』【上下巻】(久山葉子訳、創元推理文庫、2016年10月) ステファン・アーンヘム『顔のない男 刑事ファビアン・リスク』(堤朝子訳、ハーパーコリンズ・ジャパン ハーパーBOOKS、2016年10月) ◆短編の邦訳 ※見落とし多数と思われる アンナ・ヤンソン(Anna Jansson、1958- )「あなたの肌を感じる」(久山葉子訳、『ミステリーズ!』vol.53、2012年6月) - Jag känner din hud アンナ・ヤンソンは2007年のガラスの鍵賞候補者。 ◆スウェーデン・ミステリの日本語訳がアメリカで自費オンデマンド出版されている? ヘレナ・ブリンク(Helena Brink ※ペンネーム)『ある日、死体が浮上した』(藤尾D千恵子訳、CreateSpace Independent Publishing Platform、2011年2月[amazon.co.jpのデータでは2010年]) 米国amazonの子会社「CreateSpace」の自費オンデマンド出版サービスを通じて販売されているようだ。米国amazonの商品ページで中身の一部が見られる。日本のamazonにも商品情報が登録されているが、購入不可。あらすじは読める(日本amazonの商品ページ)。 原典はスウェーデンで1998年に出版されたヘレナ・ブリンク『I Stilla Lantlig Frid』(1999年版の表紙)。2004年にはドイツでドイツ語訳『Der leiseste Verdacht』が出版されている(2004年版、2005年版)。 ヘレナ・ブリンクは2000年に第2作『Ur dunkla djup』を発表しており、こちらも『Die Ruhe vor dem Sturm』のタイトルでドイツ語訳されている。 ◆おまけ:スウェーデンのSF・ホラー小説 サム・J・ルンドヴァル(Sam J. Lundwall、1941- )『2018年 キング・コング・ブルース』(汀一弘訳、サンリオSF文庫、1981年8月) - 近未来SF P・C・ヤシルド(P.C. Jersild、1935- )『洪水のあと』(山下泰文訳、岩波書店、1986年8月) - 近未来SF 『生きている脳』(菅原邦城訳、人文書院、1991年10月) - 近未来SF ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト(John Ajvide Lindqvist、1968- )『MORSE モールス』【上下巻】(富永和子訳、ハヤカワ文庫NV、2009年12月) - 「スウェーデンのスティーヴン・キング」と呼ばれる作家のヴァンパイア・ホラー デンマーク カルロ・アンダーセン(Carlo Andersen)『遺書の誓い』(遺書の誓ひ)(吉良運平[渡辺芳夫]訳、オリエント書房 現代欧米探偵小説傑作選集1、1947年1月) アーナス・ボーデルセン(Anders Bodelsen、1937- )『轢き逃げ人生』(岩本隼訳、TBS出版会 《北欧ミステリ・シリーズ》、1979年9月、著者名表記「アネルス・ボーデルセン」) 『罪人(つみびと)は眠れない』(隅田たけ子訳、角川文庫、1981年1月) 『殺人にいたる病』(村田靖子訳、角川文庫、1981年12月) 『蒼い迷宮』(村田靖子訳、角川文庫、1988年1月) ポウル・ウロム(Poul Ørum、1919-1997)『沈黙の証言』(岡崎晋訳、講談社文庫、1981年3月) イサク・ディネセン(Isak Dinesen、本名Karen Blixen[カレン・ブリクセン]、1885-1962)『復讐には天使の優しさを』(横山貞子訳、晶文社 ディネーセン・コレクション4、1981年12月、著者名表記「アイザック・ディネーセン」) ペーター・ホゥ(Peter Høeg、1957- )『スミラの雪の感覚』(染田屋茂訳、新潮社、1996年2月) - 1993年デンマーク推理作家アカデミー パレ・ローゼンクランツ賞(国内外最優秀長編賞)、1993年ガラスの鍵賞 『ボーダーライナーズ』(今井幹晴訳、求龍堂、2002年8月) ユッシ・エーズラ・オールスン(Jussi Adler-Olsen、1950- )《特捜部Q》シリーズ『特捜部Q 檻の中の女』(吉田奈保子訳、ハヤカワ・ミステリ、2011年6月 / ハヤカワ・ミステリ文庫、2012年10月) 『特捜部Q キジ殺し』(吉田薫、福原美穂子訳、ハヤカワ・ミステリ、2011年11月 / ハヤカワ・ミステリ文庫、2013年4月) 『特捜部Q Pからのメッセージ』(吉田薫、福原美穂子訳、ハヤカワ・ミステリ、2012年6月 / ハヤカワ・ミステリ文庫【上下巻】、2013年12月) - 2010年デンマーク推理作家アカデミー ハラルド・モーゲンセン賞(最優秀長編賞)、2010年ガラスの鍵賞 『特捜部Q カルテ番号64』(吉田薫訳、ハヤカワ・ミステリ、2013年5月 / ハヤカワ・ミステリ文庫【上下巻】、2014年12月) 『特捜部Q 知りすぎたマルコ』(吉田薫訳、ハヤカワ・ミステリ、2014年7月 / ハヤカワ・ミステリ文庫【上下巻】、2016年6月) 『特捜部Q 吊された少女』(吉田奈保子訳、ハヤカワ・ミステリ1901、2015年11月) その他『アルファベット・ハウス』(鈴木恵訳、ハヤカワ・ミステリ1900、2015年10月) ロデ・ハマ(Lotte Hammer、1955- )&セーアン・ハマ(Søren Hammer、1952- )(兄妹作家)『死せる獣(けだもの) 殺人捜査課シモンスン』(松永りえ訳、ハヤカワ・ミステリ、2012年5月) A・J・カジンスキー(A. J. Kazinski)(Anders Rønnow Klarlund 1971- & Jacob Weinreich 1972- )『ラスト・グッドマン』【上下巻】(岩澤雅利訳、ハヤカワ文庫NV、2012年6月) サラ・ブレーデル(Sara Blædel、1964- )『見えない傷痕』(高山真由美訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2012年8月) レナ・コバブール(Lene Kaaberbøl、1960- )&アニタ・フリース(Agnete Friis)『スーツケースの中の少年』(土屋京子訳、講談社文庫、2013年7月) - 2009年デンマーク推理作家アカデミー ハラルド・モーゲンセン賞(最優秀長編賞) クリスチャン・モルク(Christian Mørk、1966- )『狼の王子』(堀川志野舞訳、ハヤカワ・ミステリ1876、2013年10月) ※英語版とデンマーク語版の両方を本人が執筆している エーリク・ヴァレア(Erik Valeur、1955- )『7人目の子』【上下巻】(長谷川圭訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2014年10月) - 2012年デンマーク推理作家アカデミー ハラルド・モーゲンセン賞(最優秀長編賞)、2012年ガラスの鍵賞 エルスベツ・イーホルム(Elsebeth Egholm、1960- )『赤ん坊は川を流れる』(木村由利子訳、創元推理文庫、2015年2月) 『過去を殺した女』(木村由利子訳、創元推理文庫、2016年6月) シュテフェン・ヤコブセン(Steffen Jacobsen、1956- )『氷雪のマンハント』(北野寿美枝訳、ハヤカワ文庫NV、2015年4月) トーマス・リュダール(Thomas Rydahl、1974- )『楽園の世捨て人』(木村由利子訳、ハヤカワ・ミステリ1915、2017年1月) - 2015年デンマーク推理作家アカデミー ハラルド・モーゲンセン賞(最優秀長編賞)、2015年ガラスの鍵賞 ミケール・カッツ・クレフェルト(Michael Katz Krefeld、1966- )『凍てつく街角』(長谷川圭訳、ハヤカワ・ミステリ1916、2017年2月) 関連書籍(原語は英語)デイヴィッド・ヒューソン『キリング』全4巻(山本やよい訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2013年1月~4月)デンマークの大ヒットミステリドラマをイギリスの作家が小説化したもの。 アーナル・ボーデルセンは2003年にデンマーク推理作家アカデミーよりパレ・ローゼンクランツ名誉賞を贈られている。(現在までに、受賞者はアーナス・ボーデルセンのみ) アイザック・ディネーセンは近年は「イサク・ディネセン」とカタカナ表記されることが多い(アイザック・ディネーセンは英語読み)。『復讐には天使の優しさを』は1944年にデンマークで出版された作品。当時は、「フランス人のピエール・アンドレゼル(Pierre Andrézel)の作品をデンマーク語訳したもの」として刊行された。なおイサク・ディネセンはそれまでは英語で創作活動をしており、『復讐には天使の優しさを』は初めてデンマーク語で書き下ろした作品だった。邦訳書巻末解説によれば原書の裏表紙には、この物語の持つ芸術的・知的雰囲気はエドガー・アラン・ポーやロバート・ルイス・スティーヴンスン、ステイン・リヴァートンらを思わせる、との紹介文が書かれていたそうだ。当時の北欧でのステイン・リヴァートン(=スヴェン・エルヴェスタ)の知名度と評価の高さが伺える。 サラ・ブレーデルはデビュー長編(未訳)で2005年のデンマーク推理作家アカデミー最優秀新人賞を受賞。 短編のみ邦訳 パレ・ローゼンクランツ(Palle Rosenkrantz、1867-1941)短編「嫉妬」(『新青年』1932年新春増刊号[13巻3号]、pp.347-355、訳者名記載なし) - ノンシリーズ作品 短編「理にかなった行動」(『ハヤカワミステリマガジン』2010年11月号、pp.24-33、服部理佳訳) - アイジル・ホルスト警部補シリーズ ターゲ・ラ・コーア(Tage la Cour、1915-1993)短編「サンタ殺し」(『エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン』1959年12月号、pp.11-16、稲葉由紀訳、著者名表記「ターゲ・ラ・クール」) パレ・ローゼンクランツはデンマーク最初のミステリ作家とされる人物。20世紀初頭から、コペンハーゲン警察のアイジル・ホルスト警部補が活躍するシリーズを発表した。詳細は「シャーロック・ホームズの異郷のライヴァルたち(2) 北欧編」。 ターゲ・ラ・コーアは『ミステリマガジン』1972年11月号~1973年12月号にハラルド・モーゲンセン(Harald Mogensen、1912-2002、ミステリ編集者)との共著の『殺人読本 絵で見るミステリ史』が翻訳連載されている。訳者は隅田たけ子。おそらく、英訳版『The Murder Book An Illustrated History of the Detective Story』(1971年)を翻訳したものだろう。原著は1969年にデンマークで出版された『Mordbogen kriminal- og detektivhistorien i billeder og tekst』である。 パレ・ローゼンクランツとハラルド・モーゲンセンはのちにデンマーク推理作家アカデミーが主催する賞の名前にもなった。 未刊に終わったデンマーク・ミステリ 《現代欧米探偵小説傑作選集》はカルロ・アンダーセン『遺書の誓い』(遺書の誓ひ)の1冊しか出なかった。全30巻が予定されており、カルロ・アンダーセンの作品はほかに『三つのジョーカー』(De tre jokere)、『荘園の秘密』(Politiet beder os efterlyse)、『決定的な証拠』(Det afgørende bevis)の刊行が予告されていた。またほかにデンマークからは、ニールス・メイン(Niels Meyn、1891-1957)の『海浜ホテルの殺人』(Mysteriet i Sandkroen)、『失われた急行列車』(Toget der forsvandt)、オットー・シュライヒ(Otto Schrayh)の『死の放送』(Midnats-Samtalerne)が刊行される予定だった。(全30巻の予定ラインナップ) ミステリ以外の作品が邦訳されているミステリ作家 早川書房から児童向けファンタジー小説2冊(『秘密が見える目の少女』『ディナの秘密の首かざり』)が刊行されているリーネ・コーバベル(Lene Kaaberbøl、1960- )は、Agnete Friisとの共著のミステリー小説『Drengen i kufferten』で2009年にデンマーク推理作家アカデミーのハラルド・モーゲンセン賞(最優秀長編賞)を受賞。この作品をリーネ・コーバベル自身が英訳した『The Boy in the Suitcase』はバリー賞最優秀新人賞、ストランド・マガジン批評家賞最優秀新人賞の候補になった。 また、児童文学『マリアからの手紙』が訳されているグレーテリース・ホルム(Gretelise Holm、1946- )は2000年にデンマーク推理作家アカデミーの最優秀新人賞を受賞しており、その後ガラスの鍵賞(北欧最優秀ミステリ賞)にも2度ノミネートされている。 関連事項 ターゲ・ラ・コーア&ハラルド・モーゲンセン『殺人読本 絵で見るミステリ史』によると、1944年のノーベル文学賞受賞者であるヨハネス・ヴィルヘルム・イェンセンが1904年に発表した『Madame d Ora』(『マダム・ドラ』、未訳)はミステリ小説だそうだ。この作家は邦訳が何作かあるが、その中に『科学小説 世界の始め』(光成信男訳、聚芳閣、1924年)という本があって少々気になる(未見)。 ノルウェー スヴェン・エルヴェスタ(Sven Elvestad、筆名Stein Riverton[ステイン・リヴァートン]、1884-1934)短編「グランド・ホテル怪事件」(『新青年』1936年夏季増刊号[17巻10号]、p.446-467、雨石矢兵訳、著者名表記「スヴェン・エルヴェシュタット」) 『怪盗』(荒井詩夢訳、新東京社、1946年12月20日発行、197ページ、著者名表記「S・エルヴェスタード」)探偵アスビョルン・クラーグ・シリーズの長短編。あらすじなどは「シャーロック・ホームズの異郷のライヴァルたち(2) 北欧編」。 ベルンハルト・ボルゲ(Bernhard Borge、本名André Bjerke、1918-1985)『夜の人』(片岡啓治訳、ハヤカワ・ミステリ、1960年) - ポケミスの最初の北欧作品。2015年2月にヨルン・リーエル・ホルスト『猟犬』が出るまで、「ポケミス唯一のノルウェー作品」であった。 ユン・ミシェレット(Jon Michelet、1944- )『北海の狩人』(大森洋子訳、二見文庫、1991年6月) アンネ・ホルト(Anne Holt、1958- )『女神の沈黙』(柳沢由実子訳、集英社文庫、1997年7月) 『土曜日の殺人者』(柳沢由実子訳、集英社文庫、1997年11月) - 1994年リヴァートンクラブ(ノルウェー推理作家協会)ゴールデンリボルバー賞(=リヴァートン賞)(最優秀ミステリ賞) 『悪魔の死』(柳沢由実子訳、集英社文庫、1999年1月) 『凍える街』(枇谷玲子訳、創元推理文庫、2014年12月) 『ホテル1222』(枇谷玲子訳、創元推理文庫、2015年9月) トム・エーゲラン(Tom Egeland、1959- )『狼の夜 TV局ハイジャック』【上下巻】(アンデルセン由美訳、扶桑社ミステリー、2008年2月) ジョー・ネスボ(Jo Nesbø、1960- )刑事ハリー・ホーレ・シリーズ『コマドリの賭け』【上下巻】(井野上悦子訳、ランダムハウス講談社、2009年2月) シリーズ第3作 『スノーマン』【上下巻】(戸田裕之訳、集英社文庫、2013年10月) シリーズ第7作 『ザ・バット 神話の殺人』(戸田裕之訳、集英社文庫、2014年8月) シリーズ第1作 - 1997年リヴァートンクラブ ゴールデンリボルバー賞(=リヴァートン賞)、1998年ガラスの鍵賞 『ネメシス 復讐の女神』【上下巻】(戸田裕之訳、集英社文庫、2015年7月) シリーズ第4作 『悪魔の星』【上下巻】(戸田裕之訳、集英社文庫、2017年2月) シリーズ第5作 その他『ヘッドハンターズ』(北澤和彦訳、講談社文庫、2013年10月) 『ザ・サン 罪の息子』【上下巻】(戸田裕之訳、集英社文庫、2016年8月) 『その雪と血を』(鈴木恵訳、ハヤカワ・ミステリ1912、2016年10月) カーリン・フォッスム(Karin Fossum、1954- )『湖のほとりで』(成川裕子訳、PHP文芸文庫、2011年5月、著者名表記「カリン・フォッスム」) - 1996年リヴァートンクラブ ゴールデンリボルバー賞(=リヴァートン賞)、1997年ガラスの鍵賞 『晴れた日の森に死す』(成川裕子訳、創元推理文庫、2016年9月) トマス・エンゲル(Thomas Enger、1973- )『瘢痕』(公手成幸訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2014年9月) ヨルン・リーエル・ホルスト(Jørn Lier Horst、1970- )『猟犬』(猪股和夫訳、ハヤカワ・ミステリ1892、2015年2月) - 2012年リヴァートンクラブ ゴールデンリボルバー賞(=リヴァートン賞)、2013年ガラスの鍵賞 サムエル・ビョルク(Samuel Bjørk、1969- )『オスロ警察殺人捜査課特別班 アイム・トラベリング・アローン』(中谷友紀子訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2016年12月) ノルウェーの推理作家協会の名称「リヴァートンクラブ」はスヴェン・エルヴェスタの筆名のステイン・リヴァートンに由来する。 ベルンハルト・ボルゲはリヴァートンクラブがミステリ界に貢献した作家らに不定期に授与するリヴァートンクラブ名誉賞の初回(1973年)の受賞者。森英俊編著『世界ミステリ作家事典 本格派篇』(国書刊行会編、1998年)でも扱われている。 関連書籍 ヨナス・リー(Jonas Lie、1833-1908)短編集『漁師とドラウグ』(中野善夫訳、国書刊行会、1996年8月)表題作は長野きよみの訳で『ミステリマガジン』1985年8月号にも掲載、その後アンソロジー『ロアルド・ダールの幽霊物語』(ハヤカワ・ミステリ文庫、1988年12月)に収録 ノルウェーの国民的作家による幻想・怪奇小説集。なお、カルロ・アンダーセンが『遺書の誓い』で1939年の北欧ミステリコンテストのデンマークの優勝者になった際、ノルウェーの優勝者はヨナス・リー(筆名 Max Mauser、1899-1945)だったが、生没年を見れば分かる通りこれは別人である。このときのスウェーデンの優勝者はWaldemar Hammenhög、フィンランドの優勝者はミカ・ワルタリ。 アイスランド イルサ・シグルザルドッティル(Yrsa Sigurðardóttir、1963- )『魔女遊戯』(戸田裕之訳、集英社文庫、2011年2月) アーナルデュル・インドリダソン(Arnaldur Indriðason、1961- )『湿地』(柳沢由実子訳、東京創元社、2012年6月 / 創元推理文庫、2015年5月) - 2002年ガラスの鍵賞 『緑衣の女』(柳沢由実子訳、東京創元社、2013年7月 / 創元推理文庫、2016年7月) - 2003年ガラスの鍵賞、2005年英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞 『声』(柳沢由実子訳、東京創元社、2015年7月) ヴィクトル・アルナル・インゴウルフソン(Viktor Arnar Ingólfsson、1955- )『フラテイの暗号』(北川和代訳、創元推理文庫、2013年11月) フィンランド マウリ・サリオラ(Mauri Sariola、1924-1985)『ヘルシンキ事件』(牧原宏郎訳、TBS出版会 《北欧ミステリ・シリーズ》、1979年7月) - 1969年フランス冒険小説大賞 ペンッティ・キルスティラ(Pentti Kirstilä、1948- )『過去よさらば』(篠原敏武訳、新樹社、2000年12月) レーナ・レヘトライネン(Leena Lehtolainen、1964- )『雪の女』(古市真由美訳、創元推理文庫、2013年1月) - 1997年フィンランド・ミステリ協会 推理の糸口賞(最優秀ミステリ賞) 『氷の娘』(古市真由美訳、創元推理文庫、2013年9月) 『要塞島の死』(古市真由美訳、創元推理文庫、2014年5月) マッティ・ロンカ(Matti Rönkä、1959- )『殺人者の顔をした男』(古市真由美訳、集英社文庫、2014年6月) サラ・シムッカ(Salla Simukka、1981- )『ルミッキ 1 血のように赤く』(古市真由美訳、西村書店、2015年7月) 『ルミッキ 2 雪のように白く』(古市真由美訳、西村書店、2015年10月) 『ルミッキ 3 黒檀のように黒く』(古市真由美訳、西村書店、2015年12月) ティモ・サンドベリ(Timo Sandberg、1946- )『処刑の丘』(古市真由美訳、東京創元社、2017年2月) - 2014年フィンランド・ミステリ協会 推理の糸口賞(最優秀ミステリ賞) 関連書籍(原語はフィンランド語)ソフィ・オクサネン『粛清』(上野元美訳、早川書房、2012年2月)「翻訳ミステリー大賞シンジケート」の「書評七福神の二月度ベスト発表!」(2012年3月15日)で川出正樹氏が2月のベストに挙げている。 関連書籍(原語は英語)ハンヌ・ライアニエミ(Hannu Rajaniemi、1978- )『量子怪盗』(酒井昭伸訳、新☆ハヤカワ・SF・シリーズ、2012年10月 / ハヤカワ文庫SF、2014年3月)フィンランド出身で、フィンランド語と英語でSF小説を発表している作家のSF長編。この長編ではフランス探偵小説の影響をとりいれたと作者が語っており(26to50 ワールドSF特集 アンケート ハンヌ・ライアニエミ)、青年探偵のイジドールというキャラクターが登場するなど、随所でモーリス・ルブランのアルセーヌ・ルパン・シリーズが意識されている(イジドールはルパン・シリーズの長編『奇巌城』に登場する探偵)。 『複製王子』(酒井昭伸訳、新☆ハヤカワ・SF・シリーズ、2015年8月)『量子怪盗』の続編。 ジェイムズ・トンプソン(James Thompson、1964-2014)『極夜 カーモス』(高里ひろ訳、集英社文庫、2013年2月) 『凍氷』(高里ひろ訳、集英社文庫、2014年2月) 『白の迷路』(高里ひろ訳、集英社文庫、2014年12月) 『血の極点』(高里ひろ訳、集英社文庫、2016年1月)フィンランド在住のアメリカ人ミステリ作家がフィンランドを舞台にして英語で書いたミステリ・シリーズ。作者は1998年からフィンランドで暮らし、現地の女性と結婚し、フィンランド語を流暢に話すという。2014年、急逝。 未刊に終わったフィンランド・ミステリ フィンランド・ミステリの古典としては、ミカ・ワルタリ(Mika Waltari、1908-1979)のパルム警部シリーズがある(1939年、1940年、1962年発表の全3作)。1940年の作品『パルム警部の誤算』(Komisario Palmun erehdys)は、1947年に創刊された日本の翻訳ミステリ叢書《現代欧米探偵小説傑作選集》の第19巻で『死の戯れ』として刊行の予定だったが、前述の通りこの叢書は最初の1冊しか刊行されず、パルム警部シリーズはいまだに邦訳がない(全30巻の予定ラインナップ)。 なおミカ・ワルタリの作品の邦訳には、紀元前14世紀のエジプトを舞台にした歴史小説『ミイラ医師シヌヘ』(木原悦子訳、小学館、1994年7月、抄訳)がある。この作品は飯島淳秀の訳で『エジプト人』というタイトルでも訳されており、1950年に岡倉書房より上下巻で刊行、1958年に平凡社の世界名作全集第34巻に収録され、1960年には角川文庫より上中下巻で刊行されている。 フィンランドのスウェーデン語ミステリ フィンランドではフィンランド語とともにスウェーデン語も公用語になっている(スウェーデン語の使用者は人口の数%)。『ノキア 世界最大の携帯電話メーカー』(柳沢由実子訳、日経BP社、2001年10月)の著者の1人であるスウェーデン系フィンランド人ジャーナリストのスタファン・ブルーン(Staffan Bruun、1955- )はミステリ作家でもあり、スウェーデン語でミステリを発表している(邦訳なし)。 ムーミンの作者のトーベ・ヤンソン(Tove Jansson、1914-2001)もフィンランドのスウェーデン語作家。大人向け作品も書いており、『誠実な詐欺師』(冨原眞弓訳、筑摩書房、1995年12月 / ちくま文庫、2006年7月)は広義のミステリといえる作品だそうだ。 北欧の少年少女向けミステリ スウェーデン アストリッド・リンドグレーン(Astrid Lindgren、1907-2002)の《名探偵カッレくん》シリーズ(1946年~1953年、全3作、すべて邦訳あり ※最新の出版物のみ示す)新版『名探偵カッレくん』(尾崎義訳、岩波少年文庫、2005年2月) 新版『カッレくんの冒険』(尾崎義訳、岩波少年文庫、2007年2月) 新版『名探偵カッレとスパイ団』(尾崎義訳、岩波少年文庫、2007年5月) オーケ=ホルムベリイ(Åke Holmberg、1907-1991)の《私立探偵スベントン》シリーズ(1948年~1973年、全9作、うち邦訳5作)邦訳は5冊とも、眉村卓文、ビヤネール多美子訳、講談社、1973年私立探偵スベントン1 『ストックホルムのひまなし探偵』 - Ture Sventon, privatdetektivオーケ=ホルムベルイ『迷探偵スベントン登場』(眉村卓・ビヤネール多美子竹俣 共訳、講談社、1971年9月)と同一作品 私立探偵スベントン2 『北極怪盗とさばくの怪職人』 - Ture Sventon i öknen 私立探偵スベントン3 『ねことり怪人と地下室ギャング』 - Ture Sventon i London 私立探偵スベントン4 『デパート怪人はにおいなし』 - Ture Sventon i varuhuset 私立探偵スベントン5 『おばけ屋敷と四つの怪事件』 - Ture Sventon i spökhuset ※短編集 マッティン・ビードマルク(Martin Widmark、1961- )の《ラッセとマヤのたんていじむしょ》シリーズ(2002年~、25作以上、うち邦訳6作)ラッセとマヤのたんていじむしょ 『ダイヤモンドのなぞ』(枇谷玲子訳、主婦の友社、2009年1月) ラッセとマヤのたんていじむしょ 『ミステリーホテルの怪』(枇谷玲子訳、主婦の友社、2009年1月) ラッセとマヤのたんていじむしょ 『サーカスのどろぼう』(枇谷玲子訳、主婦の友社、2009年3月) ラッセとマヤのたんていじむしょ 『カフェ強盗団』(枇谷玲子訳、主婦の友社、2009年3月) ラッセとマヤのたんていじむしょ 『恐怖のミイラ』(枇谷玲子訳、主婦の友社、2009年7月) ラッセとマヤのたんていじむしょ 『なぞの映画館』(枇谷玲子訳、主婦の友社、2009年7月) スウェーデン推理作家アカデミーでは1976年から1980年にかけて児童向けミステリーを対象とする賞を設けており、1977年にはアストリッド・リンドグレーンの《名探偵カッレくん》シリーズ、1980年にはオーケ=ホルムベリイの《私立探偵スベントン》シリーズが受賞している。ちなみに、アストリッド・リンドグレーンはカーリン・アルヴテーゲンの母方の大おば(母方の祖父の妹)に当たる。 邦訳書『迷探偵スベントン登場』は「共訳」となっているが、巻末コメントによれば、ビヤネール多美子がスウェーデン語から翻訳し、それを眉村卓が英訳本を参考にしつつ読みやすいものにしたもの。 マッティン・ビードマルクはスウェーデンで「子供たちのアガサ・クリスティー」と呼ばれる人気作家。 デンマーク イエンス・K・ホルム(Jens K. Holm、本名Bengt Janus、1921-1988)の《探偵キムと仲間たち》シリーズ(1957年~1973年、全25作、うち邦訳10作)ちょうど今月(2013年6月)、40年ぶりのシリーズ新作『Kim vender tilbage』(探偵キムの帰還)が別の作家により発表されたらしい(参照)。探偵キムシリーズ1 『探偵キムと仲間たち』(石渡利康訳、評論社、1975年 / 評論社てのり文庫、1988年12月) 探偵キムシリーズ2 『探偵キムと盗まれた宝』(石渡利康訳、評論社、1976年1月 / 評論社てのり文庫、1989年2月) 探偵キムシリーズ3 『探偵キムと消えた警官』(石渡利康訳、評論社、1976年4月 / 評論社てのり文庫、1989年4月) 探偵キムシリーズ4 『探偵キムと作られた幽霊』(石渡利康訳、評論社、1976年5月 / 評論社てのり文庫、1989年10月) 探偵キムシリーズ5 『探偵キムと崖屋敷の秘密』(石渡利康訳、評論社、1976年7月 / 評論社てのり文庫、1989年11月) 探偵キムシリーズ6 『探偵キムと海べの足跡』(石渡利康訳、評論社、1976年9月) 探偵キムシリーズ7 『探偵キムと青いオウム』(石渡利康訳、評論社、1976年10月) 探偵キムシリーズ8 『探偵キムと港祭り事件』(石渡利康訳、評論社、1977年3月) 探偵キムシリーズ9 『探偵キムと二人のスパイ』(石渡利康訳、評論社、1977年4月) 探偵キムシリーズ10 『探偵キムと宝石のありか』(石渡利康訳、評論社、1977年8月) ノルウェー レイフ・ハムレ(Leif Hamre、1914-2007)「青二号-とびだせ」(矢崎源九郎訳、『少年少女新世界文学全集』第27巻[北欧現代編]に収録、講談社、1964年) - Blå 2 – hopp ut! (1958) 『オッター32号機SOS』(山室静訳、あかね書房 国際児童文学賞全集第8巻、1965年) - Otter tre to kaller (1957) フィンランド シニッカ・ノポラ(Sinikka Nopola、1953- )、ティーナ・ノポラ(Tiina Nopola、1955- )(姉妹作家)の《ヘイナとトッスの物語》(1989年~、既刊12巻、うち4作邦訳)ヘイナとトッスの物語1 『麦わら帽子のヘイナとフェルト靴のトッス なぞのいたずら犯人』(末延弘子訳、講談社青い鳥文庫、2005年10月) ヘイナとトッスの物語2 『トルスティは名探偵』(末延弘子訳、講談社青い鳥文庫、2006年8月) ヘイナとトッスの物語3 『大きいエルサと大事件』(末延弘子訳、講談社青い鳥文庫、2007年11月) ヘイナとトッスの物語4 『ヒラメ釣り漂流記』(末延弘子訳、講談社青い鳥文庫、2008年7月) 更新履歴 2013年6月17日:スウェーデン、ヘレナ・ブリンク『ある日、死体が浮上した』追加。スウェーデンの児童向けミステリ、《ラッセとマヤのたんていじむしょ》シリーズ追加。 2013年6月20日:デンマーク、A・J・カジンスキー『ラスト・グッドマン』追加。 2013年7月28日:スウェーデン、マリカ・スチールンステットの『巴里の女テロリスト』と『占領軍将校殺人事件』追加。 2013年8月1日:ノルウェー、レイフ・ハムレの児童向け冒険小説を追加(Twitterを通じての新保博久先生のご教示による) 2013年9月19日:見落としていた《ヘイナとトッスの物語》の第4巻(邦訳2008年)を追加。 ※更新履歴は見落としていた作品を追加した場合にのみ記録しています。新刊は随時追加していますが、ここでは示しません。 関連ページ 非英語圏ミステリ2014年の邦訳出版一覧 北欧のミステリ賞 南欧ミステリ邦訳一覧 ドイツ語圏ミステリ邦訳一覧 オランダ語圏ミステリ邦訳一覧 ロシア・中東欧ミステリ邦訳一覧 中南米ミステリ邦訳一覧 東アジアミステリ邦訳一覧 東南・南アジアミステリ邦訳一覧 中東ミステリ邦訳一覧 アフリカミステリ邦訳一覧 フランスのミステリ賞受賞作の邦訳一覧 フランス・ミステリ必読30冊(『ミステリマガジン』2003年7月号) フランスミステリベスト100 ポケミス非英語圏作品一覧 創元推理文庫海外ミステリ非英語圏作品一覧 年間ミステリランキング 非英語圏作品一覧 北欧シャーロック・ホームズの異郷のライヴァルたち(2) 北欧編 北欧・バルト三国で刊行された日本の推理小説/ミステリ 非英語圏ミステリ各種リスト