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【1日目】 昼休みの音楽室では、ピアノの戦慄が響いていた。 県内屈指の名門進学校の、誰もいない音楽室で、リストの難曲も苦も無く弾き続ける一人の少年――高遠遙一少年。 顔立ちは、取り立てて美少年というわけでもなく、逆に崩れているというほどでもない。 身長も特別高くなければ、普段着る服も目立たない物ばかり選んでいる。 今の制服は規律通りに着用していて、少しも着崩さなかった。 彼はそんな――どこにも飾り気のない、どこにでもいる地味な生徒だった。 ただ、一目見て秀でている点と言えば、細長い指先だろうか。 目で追うのは困難なほどに優雅にそれを動かし、鍵盤を叩いていく。 時に激しく……時に滑らかに……。 彼は、古の音楽家たちの遺した芸術を重ね合わせた。 とはいえ、別に、彼もピアノや音楽が好きなわけではない。 ただ、考え事をしたい時には、無意味にピアノを弄んで、孤独な時間を潰しながら何かを想うだけだった。 いつも、ピアノを弾いている時が一番考え事が捗った。 家にはピアノがないので、普段はこうして昼休みや放課後に音楽室を貸してもらうのだ。 「……」 そんな高遠少年の目に映るのは、自らが奏でる音ではなく、奇術の事ばかりである……。 幼心を刺激した不可思議のマジックショー。 おそらく……自らの母である、近宮玲子。 ――彼女のように、大勢の人の視線の先に立り、マジックを披露する事のみが彼の目標であり、目指すものである。 普段の学校の勉強という物にもさして興味はなく、ただ目を通した物が勝手に頭の中で記憶されていくだけでしかない。 自分で掴み取ろうとしているマジシャンの座以外に、願いもない。 強いて言うならば、息苦しい今の家から脱し、マジックの勉強に専念したい程度だが、それもまた今の彼の立場からすればそれはただの我儘でしかない。 欲しい物は、何もない。 しかし、聖杯は彼を呼んだ。 彼は、それについて何とも思わなかったが、ただ、聖杯には興味があった。 それも見識を広げる為、という程度だろうか。 命を奪われるリスクがあるのも承知しているが、別段、それに強く恐怖する事もない。 得た物を使い、ひとまず、その聖杯という物を拝んでみたいという程度の細やかな願いがあった。 彼の奏でる戦慄は普段と何も変わらない。 少しの指の震えもない。 ただ、彼は、これから起きる出来事への期待と、既に始まっている何者かによる連続殺人事件に……少しだけ、笑った。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ――『地獄の傀儡師』 この異名は、後にこの高遠遙一少年が芸術犯罪を行う時に名乗る事になる名前である。 しかしながら、高遠少年は今現在、犯罪を犯した事もなければ、今後起こすつもりもない。 むしろ、犯罪など、これから先の人生で彼が持っている夢を邪魔する物に過ぎないと考えているくらいだ。 そういうわけで、今のところは、ただマジシャンを目指して邁進し、ステージの上で母と再会する事だけを考えている。 ただ、それもまた、いう程真っ直ぐな夢というほどではない。 他人に聞かれて、こんな夢を語る事もないし、「プロになりたいのか?」と聞かれれば、とりあえず否定をするだろう。 見ず知らずの他人に、夢想家だと思われるのは高遠も嫌いであった。 だが、彼自身は、着々と夢に近づいていた。 小さなマジックショーの中で。 高校のマジック研究会の中で。 父親に隠れながら――。 己の中に眠る、天性の犯罪者としての血は未だ覚醒する事もなく、ただ純粋なマジシャンとしての技量だけが積まれていった。 本当なら、高校など辞めて今すぐ海外で高名なマジシャンに弟子入りしたい所だが、厳格な父親の手前、そうもいかない。 仮にもし、もっと早く弟子入りをしていたら、既に彼はステージの上でデビューをしていたかもしれない程の腕前は、まだ少年の中に隠れていた。 そして、そうしている間にも、どこかにいる彼の母の命と芸術が、一人の弟子によって奪われようとしている事など、彼は知る由もなかった……。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 放課後。 彼は井之頭公園にいた。 考えてみれば、ここも、一昔前、バラバラ死体が見つかり、犯人の正体もわからぬまま公訴時効を迎えた忌まわしい場所だ。 しかし、そんな事件は人々もとうに忘れて、ここを遊び場にしている。子供も立ち入って、当たり前に遊んでいる。 この公園の中央にある大きな池のほとりに高遠遙一は、いた。 彼は最近、ここで小さなマジックショーを行っているのである。 「……はい、じゃあこれでおしまいだよ」 子供ばかりが数名集まり、高遠少年の持つシルクハットに注目する。 今まさに、そのシルクハットの中から現れた大量の鳩が飛び交っている最中であった。 自由の空に飛び交う大量の鳩たちに子供たちの目が奪われている。 果たして、一体あの小さな帽子のどこからあれだけの数の鳩が収まっていたのか……。 そして、先ほどまで空洞だったはずの帽子に、何故鳩が現れたのだろう。 高遠少年のマジックショーのクライマックスに相応しい大がかりなマジックだった。 マジシャンにとっては基本中の基本とも言えるが、それを目の当りにした子供たちにとっては魔法そのものである。 「すご~い!!」 子供たちの純粋な眼差しと拍手喝采を受ける高遠少年の姿は、満更でもなかった。 こうして人々の前で「不思議」を、演出するのが彼は好きだ。魔術のタネを考え、披露するのは最高の楽しみである。 今もまた、舞台に立つ未来像の為に、人前でマジックを披露する練習をする。 純粋であるがシビアでもある子供たちは、その為の最適なデータをくれる。 彼はこうして、トリックで人を欺くのが好きで――同時に、マジックの好きな子供というのも嫌いではなかった。 高遠が、ニヤリと笑う。 「え――!?」 次の瞬間――子供たちが釘漬けになっていた空の鳩たちは、一斉に赤い薔薇の造花へと姿を変えた。 羽音さえも同時に消え去り、そこにいた鳩たちは元々、薔薇の化身だったかのように消えたのである。 全く、不可思議な現象であった。 「どうなったの……?」 そして、それは、まるでパラシュートで落下するように、ひらひらと、子供たちの手の上に落ちていった。 まるで子供たちの位置まで計算され尽くしていたかのようである。 今度は、歓声よりも、何が起こったのか瞬時に理解できず、困惑する声の方が大きかった。 今の鳩たちは消えてしまったのだろうか……? 子供たちの中には、そんな後味の悪ささえ残した者もいたが、誰かの拍手が鳴ると同時に、他の子供もつられて拍手をした。 そして、彼らは消えた鳩の事など忘れた。 手元にある赤い薔薇がそれの化身でないのは確かだろうと思いながら……しかし、またこれが鳩になるかもしれないと思い、ぎゅっと握る。 「それは僕からのプレゼントだよ! さあ、優しいお母さんがいるお家へお帰り――。 ……この近くには、怖~い殺人鬼がうろついているみたいだからね」 優しい高遠の言葉に、子供たちは純粋に微笑みながら、「うん」と頷き、その場から去って行った。 また、この場所でマジックをする高遠少年と会える事を望むだろう――。 「……」 高遠少年は、その背中を見送った。 これでショーは終わりだ。 「――さて」 優しき少年の表情が、冷徹な聖杯戦争のマスターへと変わったのは、それからすぐの事だった。 公園で今のマジックショーを覗いていた一人の、髪の長い少年――。 彼こそが、高遠が出会った『サーヴァント』の『セイバー』の仮の姿である。 「……セイバー、何か言いたそうだね」 セイバー――として現れたのは、少年の姿を象った『ウイングマン』であった。 高遠少年とは相反する善なるサーヴァントと言って良い。 ただし、それもまた真名とはいいがたい仮の名前であり、実際はドリムノートによって実体化された一人の少年の「記憶」である。 本当のウイングマンの変身者である広野健太は全てを忘れて、戦いに巻き込まれなかった普通の少年として暮らしている。 彼の姿と記憶だけを借りたセイバーは、言って見れば、健太をかつてウイングマンにした『ドリムノート』という不思議なノートそのものであった。 「マスターも、子供にだけは優しいんだな……と思ってさ」 「善良な観客は、最大限持て成すのが、プロのルールだからね。それを真似ただけだよ」 苦笑しながら、マジック道具を片づける高遠。 セイバーも、高遠を見直してはいたが、この少年の本質的な問題点が変わっていない事だけは理解していた。 彼と組んで以来、その常軌を逸した独特の感性に、セイバーも気圧されてばかりいる。 彼自身は、聖杯戦争を楽しんでいる――。 この戦争の行く先に言い知れぬ期待を持ってここにいるのだ。 高遠が、セイバーに訊いた。 「セイバー。……どうだった? 僕のマジックショーは――」 「どうしてオレにそんな事を聞くんだ?」 「他に訊く相手もいないし、英霊であるセイバーの感想が聞いておきたいんだ。 それに、僕の事を好んでいないセイバーなら、より厳しい感想を口に出来るだろうから」 そう言われ、少したじろいでから、セイバーは答えた。 「マスターには、魔術の素養もなく、オレの宝具の力を使ったわけでもないんだろ? だけど、マスターのマジックは、まるで魔法のようだった……一体、どうやったんだ?」 「……そうか。英霊すらも騙す事が出来て光栄だよ」 そう言う高遠の瞳は渇いていた。 言葉とはまるで正反対の態度である。何か物足りなく思っているようだった。 褒められてもこの態度だが、おそらく、望んだ通りの厳しい感想を口にしたとしても、つまらなそうに回答するのだろう。 それから、高遠は、怜悧な表情を崩さず、言った。 「……じゃあ先に帰っていてくれ。 僕は、ここでもう少し――月を見ているよ」 「……」 「……ああ、ごめん。訊かれた事にこたえてなかったね。 でも、悪いけど、マジックの種だけは教えられないんだ」 そう言って、高遠は困ったように笑った。 「それは……わかってるよ。余計な事聞いて悪かった。 でも、まだ月が見えるには早いんじゃないか……?」 「――ああ。 ……だから、あの月が煌々と輝く時まで、あの月を見ていようと思ったんだ」 そう不思議な事を言いながら、空を見上げる高遠。 セイバーは、そんな彼の命令には逆らわず、ただその場から去った。 夕方の月は、夕日の輝きに負けて、空の中では薄く輝いていた。 聖杯戦争の本格始動まで、あと僅か……。 ようやく始まる――月を眺める高遠の中で、そんな予感がした。 【クラス】 セイバー 【真名】 ウイングマン@ウイングマン 【属性】 秩序・善 【ステータス】 筋力B 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具A+ 【クラススキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 騎乗:B 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、 魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。 ただし、ウイングマンの場合、サポートメカの『夢仕掛けの天馬(ウイナア)』の騎乗が可能であり、ウイナアをウイナルドに変形させる事も可能。 【保有スキル】 戦闘続行:B 名称通り戦闘を続行する為の能力。 決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。 「往生際の悪さ」あるいは「生還能力」と表現される。 忘却の英雄:B 人類史の中でその名が記録されていない英雄の性質。 かつて、広野健太が『夢想の備忘録(ドリムノート)』に記憶を消去した為、ウイングマンの存在は忘れられている。 これにより、サーヴァントの真名が知られた差異、対策を練る事が困難となり、真名を明かすリスクが軽減される。 彼の宝具の中でも、存在が記録されている物は、『夢想の備忘録(ドリムノート)』のみである。 【宝具】 『夢想の備忘録(ドリムノート)』 ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:∞ 最大捕捉:∞ 書き記した事を現実にする事ができる、異次元世界「ポドリムス」のノート。 ドリムペンを使い、かつ本当にそれを夢見て書きこんだ内容のみが現実世界に反映される。ただし、基本的には他者を生き返らせる事などは不可能。 唯一それを可能とした例は、ドリムノートの全ての項目をドリムイレイザーで削除して、「アオイを生き返らせたい」という強い願いを全てのページに描きこんだ際の事であり、これによりかつてドリムノートの記憶は三次元世界から忘れ去られた。 (ただし、この例また奇跡の産物に近く、実質的には武装強化など用途が限られる事になる。) ウイングマン自身がこの『夢想の備忘録(ドリムノート)』の産物であり、この宝具を破壊(もしくはウイングマンに関するページが削除)された場合、サーヴァント自身が消失する事になる。 『悪裂の夢戦士(ウイングマン)』 ランク:B 種別:対人宝具(自分) レンジ:- 最大捕捉:- かつて、『夢想の備忘録(ドリムノート)』によって発現されたセイバーの真名。「悪・裂!ウイングマン!」の掛け声と共に解放される。 長剣クロムレイバーなどの武具を装備し、ファイナルビームやデルタエンドなどの必殺を持つ事ができる。 三次元世界においてウイングマンの姿を実体化できるのは、いかなる魔力を持つ者が利用しても十分間が限度である。 ただし、かつてウイングマンを誕生させた広野健太の姿を借りる事で長時間の実体化も可能であり、この場合は身体能力は著しく低下する。 『夢仕掛けの天馬/夢仕掛けの機人(ウイナア/ウイナルド)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1~50人 『夢想の備忘録(ドリムノート)』から誕生したウイングマンのサポートメカ。 攻撃能力は無いが、陸上はもちろん海中・水中でも行動が可能、さらに異次元(ポドリムスしか行かないが)への出入りも可能。 ビームサイザーやウイザービームなどの武装を持ち、サーヴァントが拘束された際に補助攻撃を行う事もできる。 そして何より、これは『夢想の備忘録(ドリムノート)』が存在する限り、何度破壊されても再度呼べば再臨する宝具である。 【weapon】 『夢想の備忘録(ドリムノート)』 『長剣クロムレイバー』 【人物背景】 かつて、ヒーローオタクの少年・広野健太がドリムノートに描きこみ、健太が変身したヒーローの姿。 原作の「ウイングマン」に登場するウイングマンには人格は存在しないが、ポドリムス人あおいの中に内在するウイングマンの記憶を元にドリムノートと共に、英霊として複製されている。 普段は、かつてウイングマンに変身した「広野健太」という少年の姿を借りるが、彼自身は三次元人でもポドリムス人でもない、ただの「広野健太とウイングマンの記憶を模して描き起こされた存在」である。 サーヴァント自身もその事を認識している為、健太よりも少しドライで冷静な面があるが、やはり健太の性格を強く引き継いでいる。 【サーヴァントとしての願い】 ヒーローとして、この世界の人間を守り抜く事。 【マスター】 高遠遙一@高遠少年の事件簿 【マスターとしての願い】 特になし。しかし、一つの経験として聖杯を手に入れたい。 【weapon】 『マジック道具』 普段、高遠が自らの身体に仕込んでいる様々なマジックアイテム アタッシュケースに入れて必要時に持ち歩いている物の他、いつでもショーが披露できるように体にも幾つかのマジックのタネを用意して生活している 【能力・技能】 天才奇術師・近宮玲子の血を引き継いでおり、当人もマジシャンを志している為、魔法と見紛うような奇術を披露できる。 高度な知性を持ち、名門進学校の秀央高校に入試全科満点で合格している。それに加え、授業を聞いていなくても一通りの授業内容を理解できる天才児。 ピアノも悠々と弾きこなすほか、校内で発生した殺人事件を解決する事もある。 【人物背景】 秀央高校一年生。マジック部に所属している。 天才マジシャン・近宮玲子の息子であるが、現在は義父の元で暮らしており、母とは幼い頃に一度会ったきりである。 成績優秀で、県下の名門高校を全教科満点で合格している他、ピアノの腕も見事。 将来は母と同じマジシャンを志しており、普段は井ノ尾公園で子供を相手にマジックのパフォーマンスも行う。 しかし、彼は同時に感情も殆ど空っぽであり、人が死んでも、あるいは殺したとしても何とも思わない(とはいえ彼なりの秩序や美学は持ち合わせている為、無差別殺人は行わない)。 後に、「地獄の傀儡師」と名乗る連続殺人鬼になる前の高遠であり、この時点ではまだ誰一人として殺害していない。 ※「金田一少年の事件簿」のキャラクターであるが、出典となる外伝「高遠少年の事件簿」の設定では一部、原作との矛盾がある。 【方針】 聖杯に興味がある為、他の陣営を倒して聖杯を得る。 ただし、無差別殺人などは行わず、ターゲットも基本的にはサーヴァントに絞る。 候補作投下順 Back セラ&ランサー Next ビスケット・オリバ&アサシン
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ここは2chオカルト板「高藤仙道を実践するスレ」のまとめwikiになります。 「高藤仙道を実践するスレ」の主旨 日本に仙道をしらしめることとなった高藤聡一郎氏。 従来の健康法としての気功ではなく超能力開発としての気功を唱えた故に気功家としては異端児と見られがちでしたが、 著作の分かりやすさに加え、現世利益の肯定や宗教色の排除などにより人々の手に取られるようになりブームを巻き起こしました また、多くの仙道初心者のバイブルとなったものの絶版とかってしまった著作も数多いですが 『秘術!超能力気功法奥義―驚異の超常パワーを発揮する仙道気功法の応用と極意』『秘法超能力仙道入門―天地に充満する気を錬成し超人になる』が復刊 されたことにより仙道への新たな挑戦者が増えてきました 彼の著作に則り修業しつつ、それについて語っていきましょう 最低限、上記のどちらかの本を読んでから書き込みましょう 性功の修業も兼ねて、穏便に話を進めましょう 独学、独習の危険性についてはスレ違いなので余所をあたりましょう
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高藤聡一郎 基本書 その他仙道関係 仙道の原書を日本語で読むことに挑戦してみたい人 興味がある人のみ 瞑想の本 仙人瞑想法の補助として その他神秘行関連 気功関連 ◆絶版書籍のネットでの主な入手先(高藤聡一郎などで検索) Yahoo!オークション http //auctions.yahoo.co.jp/ 日本の古本屋 http //www.kosho.or.jp/ アマゾン http //www.amazon.co.jp/ OldBookMark http //www.crypto.ne.jp/oldbookmark/ スーパー源氏 http //sgenji.jp/ 復刊ドットコム http //www.fukkan.com/fk/index.html (参考:クレジットカードを所有していない人のためのamazonの古本の購入方法) http //logsoku.com/thread/toki.2ch.net/occult/1309089381/50 http //logsoku.com/thread/toki.2ch.net/occult/1309089381/72
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登録日:2009/06/27 Sat 19 30 42 更新日:2024/05/01 Wed 12 10 17NEW! 所要時間:約 35 分で読めます ▽タグ一覧 エゴイスト カリスマ キバヤシのお気に入り サイコキラー サイコパス サディスト シスコン? シリアルキラー スカーレット・ローゼス スピンオフ主役 ゼウス タレ目 ダークヒーロー ナルシスト ハイスペック マザコン マジシャン マジック マネージャー メガネ ライバル ラスボス ワイン 中二病 人形劇 傲慢 兄 利己的 加害者にして被害者 地獄の傀儡師 変質者 大道芸人 天才 宿敵 小渕沢英成 小野健一 巳月七生 悪の美学 悪趣味 愉快犯 成宮寛貴 所要時間30分以上の項目 手品師 残忍なイケメン 殺人鬼 毒親育ち 永遠の中二病 牧師 犯罪コーディネーター 犯罪者 犯罪芸術家 狂人 狡猾 異常者 白髪 目的の為なら手段を選ばない男 眼鏡 知能犯 秀央高校 第三の主人公 義父との不和 自信過剰 自己中 芸術 薔薇 藤井尚之 謎が多い 赤尾一葉 逃亡系ラスボス 遠山遙治 都津根毬夫 金田一少年の事件簿 金田一少年登場人物項目 金目 阪口大助 驚異的連続殺人犯 高遠遙一 鬼畜眼鏡 黒幕 黒瓜鬼門 ……だって、つまらないでしょ? ただ殺すだけじゃ! 完成されたマジックさながらの、美しく、謎と怪奇に満ちた芸術犯罪を演じ上げ、 並み居る観客たちをあっと言わせてみたかったんです…… ──そう!! マジシャンとしてね!! 『金田一少年の事件簿』の登場人物の一人。本作における代表的な悪役にして最大の宿敵。 アニメ・小野健一 / 阪口大助(少年時代) ドラマ版・藤井尚之(2001年 テレビドラマ第3シリーズ) 成宮寛貴(2014年『獄門塾殺人事件』、テレビドラマ第4シリーズ『Neo』) 高遠少年の事件簿PV・下川部吉昭 (以下ネタバレ注意) ◆目次 【概要】 【関連人物】 【関与した事件について】 【作者からの言及】 【概要】 シリーズで最も登場回数の多い犯罪者。 通称は「地獄の傀儡師」。この通り名は最初は本人が名乗っていただけだったが、今や世間でも浸透している。 天才マジシャン・近宮玲子の実の息子。 年齢は23歳(明記はされていないが、18歳の誕生日が5年前だったということから逆算) 体重は50kg(ドラマでは53kg)と成人男性としてはかなり華奢 口癖は「Good(グッド) Luck(ラック)!」。 血のように赤い薔薇をこよなく愛好しており、これは彼のトレードマークにもなっている。 初登場は『魔術列車殺人事件』 そして同事件の真犯人。 当初は奇術師の一座「幻想魔術団」のマネージャーで、眼鏡をかけた気弱な青年を演じていたが、金田一一に真相を見破られると眼鏡を外し、その冷酷な本性を現した。 これを機に平時の一人称も「僕」から「私」へと変わる。 かつて生き別れの母に、息子であると同時に一流のマジシャンとしても認めてもらうために海外で修業に精を出していたある日、母の死を知り目的を見失ってしまう。 後日、母の弟子たちのマジックを見た際、それが彼女が作ったマジックの盗用であることに気づき、母は彼らによって殺されたのだという真相を確信。 母を殺した弟子たちに復讐を誓うが、「ただ殺すだけではつまらない」との動機から多くの観客や警察を巻き込むなどして芸術犯罪を計画した。 同事件内で、四人のターゲットのうち三人を殺害するが、残る一人を殺せぬまま金田一らに真相を暴かれ、意味深な言葉を残し逮捕される。 最後の一人を無理にでも殺そうとしなかった理由は、近宮から奪ったトリックノートの最後に書かれていた「燃えさかる岩からの脱出マジック」は盗用への制裁として仕込まれていたデストラップであり、それを実行したマジシャンが確実に死んでしまうことを連行中に見抜いていたためだった。 その目論見通り、最後のターゲットは上述の脱出マジックを我が物顔で披露したがために、生きたまま炎に包まれ焼死。こうして高遠は「最後のトリは母に譲る」という形で復讐を完遂したのだった。 その直後に旭川留置場の独房から脱獄し消息を絶つ。 『魔術列車殺人事件』においては、殺害したターゲットたちに同情の余地が薄かったとはいえ、真相解明時に暴かれた冷酷な本性やこれ以後も続いていく犯行の数々からもわかるように、単なる復讐者とは全く異質な行動原理によって犯罪を行っている。 感情をむき出しにすることはなく、いつも不敵な笑みを浮かべ、紳士的な口調でクールに振舞いつつ、淡々と冷酷で残忍な行為を繰り返している。 明智の言葉通り、その気質は天性の犯罪者そのものと言える。 脱獄後は、「犯罪芸術家」を自称しており、犯罪(殺人)コーディネーター(プランナー)として他人の犯行に手を貸して(*1)芸術犯罪を実現するため、自分を負かした金田一の前に幾度となく現れる。 その際は金田一を確実に巻き込むためか、金田一自身や金田一の周囲の人間を利用して彼が現場に来るよう仕向けるのがパターン。 「名探偵…わざわざ連れて来る必要ある…?」 基本的に動機なき殺人は好まず、復讐にしろ制裁にしろ口封じにしろ障害の排除にしろ、まったく無関係の人間に無意味に被害を与えることはないが、例外もある(後述の『黒魔術殺人事件』参照のこと)。 ただし、手を貸した人間(事件の実行犯)が何らかのミスをして、それによって金田一や明智にトリックを見破られてしまった場合(本人曰く"芸術を台無しにした"場合)、本人がその場で死を以て犯人を制裁する(*2)。 が、最近では謎解きの場に居合わせないケースも増えてきたため、制裁そのものをしない事例も増えている。 というか現時点では『獄門塾殺人事件』以降、彼は犯人への制裁をしていない。 また、自分を犯罪者と知りながら手を貸してくれた人間にはそれなりに紳士的で義理堅いらしく、ある事件で高遠の協力者が命を落とした際には事件の犯人への制裁を決意した(詳細は後述)。 金田一と明智にとっては生涯の宿敵と言える存在で、金田一が「ジッチャンの名」ではなく、「自分自身の誇り」にかけて打ち破ると誓った唯一の人物。 後の事件でかけるものが「ジッチャンの名」に戻っているのは秘密だ! 高遠の方でも、金田一との関係について、「平行線」「光と闇の双子」(*3)などと喩えており、決して相容れることのない宿敵としているのだが、ごく稀に共闘することがある。 あくまで彼は探偵ではないので純粋な推理力では一歩譲るものの、犯罪者やマジシャンならではの視点で様々な事実を見抜くことも少なくない。 しかも意外なことに、該当する事件で犯人が自殺を図ろうとした時にそれを止めたのは金田一ではなく高遠だったりする。 それに関連して、自分で決めた「約束」は大抵は守る性格で、『露西亜人形殺人事件』では一との賭けに負けて約束通り犯人の命を助け(しかも自殺を阻止した)、『薔薇十字館殺人事件』では当初の一との約束通り妹の生存(ただし殺人犯として逮捕)を見届けた後、警察に出頭した。約束の穴を突いてすぐ脱獄したが ちなみに『魔術列車』ではその推理力を危険視して一の命を狙ったことがあるが、以降の事件では一を好敵手と認めたためか命を狙ったことはない。 ただし『金田一少年の決死行』では、敗北を認めさせるために彼を殺人犯に仕立て上げるというえげつないことをやったり、『黒魔術殺人事件』ではたとえ真相を見抜けたとしても彼にとって辛い結末になる様に計画を作り上げたりと、一への並々ならぬ悪意がうかがえる様なことをしている。 他のエピソードにおいても一の親しい知人を何かしらの形で巻き込むように画策することが多い。 宿敵・一の最大のパートナーである七瀬美雪に関しては、一とともに何度も事件に巻き込んでいること(*4)と、『薔薇十字館』で皆に対して「金田一君のパートナー的存在」「(一と合わせて)高校生探偵コンビ」と紹介していることから、一にとっての最大のパートナーであり、彼にとって極めて大事な存在であることは認識している模様。 ただし、彼女が一に同行して事件の舞台に来ることについては何とも思っていない、というか全く眼中に無いようで、今までに関わった事件において、彼女に何らかの危害を加えたり、そうなるような計画を犯人に授けたことは一度もない。(*5) 『亡霊校舎の殺人』では、去り際に「お二人とも、グッドラック」と言い残すが、この「二人」とはどう考えても一と明智としか思えず、美雪(と剣持)の存在は完全に無視している様子である。 『蟻地獄壕殺人事件』では、一とともに美雪も呼ばれるよう仕組んでいるが、ただ呼び寄せただけで、何かするでもなく、その扱いはギャラリーと同じである。 まるで、「どうせ呼ばなくても一について来るだろうから、それなら最初から一緒に呼んでやれ」という、一と美雪で1セットといったような扱いをしているようにも思える。 おそらく、一や明智と違い、自分にとって何の因縁もない相手であること、また、彼らのようにずば抜けた推理力と強い意思で自分に対抗しようとするのではなく、第三者の視点で見た『気づき』によって一にちょっとしたヒントを与える程度の役割であることも、少なからず影響しているのではないだろうか。 (おそらく彼にとって佐木竜二(アニメ版では竜太)や村上草太も彼女同様の第三者であるため、剣持・明智・玲香・二三の時と異なり全く危害を加えていない。直接的に危害を加えれば、さすがに一が黙っていないと考えているのかもしれないが) …と思われていたが、『鬼戸・墓獅子伝説殺人事件』ではとうとう彼女の小学校時代の親友・星宮つむぎを犯人に仕立てたことが描かれていた(*6)。 なお、美雪側は彼女の性分故か高遠に対しても大抵は「高遠さん」と敬称を付けて呼ぶ他、会話時の受け答えも敬語で行っており、『薔薇十字館』での二人の息ぴったりな協力態勢を見て「微妙に似た者同士」と感想を述べている。 その上気が合いすぎる(ように見えてしまっていた)せいか、後に明智の部下となった幸村真之助にすらも高遠と同類扱いされる羽目になり、 一は彼から「自分が事件を次々と解決しているかのように見せかけるために犯罪を起こし続ける凶悪な連続殺人犯」だと本気で疑われてしまったことも。 まああれだけ行く先々で事件が起きていたらそう思いたくなるのも分からなくはない。 海外暮らしが長かった影響もあってか語学に堪能で、少なくとも英語、イタリア語、中国語(広東語)を話せるのは確実という明智警視も感嘆する程の教養と、怪盗紳士にも引けを取らない変装技術を併せ持つ、ある意味チートキャラ。 更に格闘術にも秀でており、銃剣や棒などの武器で攻撃してきた相手も容易く制圧することが出来る他、刃物や拳銃にダーツといった様々な凶器の扱いにも手慣れている。 加えてITスキルもそれなりの物らしく、自分の手駒となる素質を持つ人間を探す際にコンピューターウイルスを利用したこともある。 何人もの人間を煽動して犯罪へと駆り立てていることからもうかがえる通り、甘言を用いて他者を懐柔せしめる卓越した話術もまた彼の武器の一つ。カウンセラーに扮して少年院に赴いた際には、当初は全く馴れ合う意思など無かったという受刑者の元少年から重大な頼み事を託されるほどまでに信用を得ることに成功し、そのまま自身の計画に利用している。 また、スピンオフ作品も含めて原作内で彼が殺傷及び殺人教唆をした人数、及び拘置所から脱獄した回数をリストアップすると、(※『金田一37歳の事件簿』でのことについては詳細が判明するまで未集計) 自らの手による殺害人数…8人(*7) 自らの手で殺害しようとしたが、未遂に終わった人数・・・3人(内1人は金田一。前述の左近寺も本来計画の途中で逮捕されなければ自身の手で殺す予定であったので、彼を入れるなら4人) 彼の殺人教唆を受けた犯人の人数・・・10人 その殺人教唆によって殺害された人数・・・24人 その殺人教唆によって殺害のターゲットにされたが、生き残った人数・・・3人(内1人は明智。なお高遠が今まで策を授けた実行犯の中の一人は自身の死を計画の最終目標としつつも、金田一の推理によって阻止されたため仮にそれを含めるなら4人となる) 拘置所から脱走した回数・・・3回 となる。 (アニメやドラマでは、細部が異なったり、未放送回などがあるため、これらの数値が前後している) あと強制猥褻や詐欺行為、そしてストーカー行為も何回かしている。 尚、冥王星同様、相手を脅迫して無理矢理殺人を実行させるマネは一切していないが、前述のように殺人プランに因縁のある一や明智等を陥れるための計画を織り込んだり、一を苦しめる為だけにわざわざ平穏に暮らしている善良な人物を復讐に駆り立たせる場合もある。 また、明智が塾講師として潜入捜査中に事件を調べながら会話をしている時、以前に高遠が黒幕であった事件における実行犯の動機として復讐以外にも「金、利権、妬み」といった本編中に高遠が教唆した事件では見られなかった動機も挙げていることや 「犯罪ガイドマップ」、そして『歌島リゾート殺人事件』で明らかになった事実なども考えると、作中で描かれなかっただけで他にも多くの人が高遠によって被害を受けているものと思われる。 実は犯罪の完成度自体はそれほど高いわけではなく、彼より完成度の高い犯罪を達成した人物自体は結構いる。 というか完全犯罪を狙っている割には、ところどころが綱渡りだったりお粗末だったりするトリックが大半(本人は「計画は完璧だった」と一貫して言い続けているが)。 更に言えば、高遠が己の手もしくは他者の手を介して起こした10件の事件の内、殺害予定の人物が二人以上いたのは8件だが、その中で予定されていたターゲットを全員殺害することに成功したのは『獄門塾殺人事件』『剣持警部の殺人』『亡霊校舎の殺人』『鬼戸・墓獅子伝説殺人事件』の4件しか無い。(*8) これは彼がいわゆる「劇場型犯罪」を好み、合理性よりも意外性のあるトリックを選ぶためにこうなるという見方もある。 しかし、彼の最大の武器は犯罪の完成度ではなく、冷酷無比な人格と、短期間で金田一と明智を苦戦させるほどのいくつもの計画犯罪を練り上げる頭脳、そして何より母に認めてもらうために鍛え上げたマジシャンとしての実力である。 これらを駆使し、ありとあらゆる手段を講じて芸術犯罪を企画立案し、宿敵と認めた金田一に対して執拗にぶつけてくるのだ。 また、自分が黒幕であることを見抜かれた場合もその頭脳とマジックで自分が被るであろう被害を想定・回避するなど、アフターケアにも尋常でないほど力を入れていたりする。 彼より完成度の高い犯罪をなしえた者たちが揃いも揃って、最後に致命的なミスを犯したりアクシデントに見舞われたりして命を一気に縮めたのとは対照的である。 一つ一つの事件の犯人としては強敵とは言えないが、数多の事件を思いついて実行できる残忍さと頭脳、可能な限り自身が直接的なダメージを受けないように立ち回る異常なまでに優れた危機回避能力、犯行や逃亡時に発揮される一流マジシャンとしての側面から、作中最強犯罪者であることは確かなのだ。 その上後述のように剣持や明智、玲香や二三などの一と親しい人間全般にも様々な形で酷い仕打ちを浴びせており、そういった点でも間違いなく一を作中で最も精神的に苦しめた敵だと言える。 一方で一と利害が一致して手を組むと、冷静な振る舞いと優れた知識により一の謎解きを助ける形となり、マジシャンとしての技量を活かした意外性のある立ち回りで犯人の追及に貢献する。 ちなみに「劇場型犯罪」を好むイメージに反し、見立て等の「死体の装飾」についてはさほど拘りは持っていないらしい。 現在彼が主導した事件で見立てがあったのは10話中4話しかなく、そのうち見立てが後付けだったケースと殺害手段その物が見立てになっていたケースを除くと、最初から計画の一環として死体の装飾を行っていたのはわずか2話のみと意外なほどに少ない。 しかもその2話のうち1話はトリックの痕跡を装飾という形でまとめたに過ぎない。 同じく「芸術的な殺人」に拘っていた『異人館村殺人事件』の犯人とはこの点が大きく異なる。 なお、逃亡中の仮の姿としてピエロのマスクを付けた大道芸人となって子供達にマリオネットを使った人形劇(おそらく自分と一の対決を元にしたもの)や手品や紙芝居などを見せていることがある。 劇中では殆ど披露されないが、マジシャンであるためかマリオネットの扱いも非常に上手く、『魔術列車』では「生きたマリオネット」なる演目の奇術を、直前に殺害した相手に代わって舞台上で実演して見せている。 このご時世では神出鬼没で身元不詳の大道芸人など傍から見たらやたらと目立つ不審人物であるが、あまりにも飛び抜けて目立ち過ぎるので逆に怪しくないと思われているのかもしれない。 大道芸人として振舞っているときは子供のハートを鷲掴みにする正統派マジシャンであり、子供からの人気も高い。 警察も手こずる凶悪犯罪者になりつつ、かつて志したマジシャンという夢もしっかりと叶えているあたりは優秀。 彼のマジックは逃亡時にも十二分に活かされており、警察に囲まれても大人しく手錠をかけられたように見せかけることで周囲の人間の隙を作ったことがある。 逃亡生活の中でどうやって生計を立てているのかは不明だが、『露西亜人形殺人事件』の幽月来夢のような協力者から支援を得ていることがうかがえるほか、経歴詐称で職に就いていたこともある。 残忍な殺人鬼でありながら日頃の口調や態度は冷静で紳士的なので、本性を見せることなく演技するのは彼にとって難しいことではないだろう。 更に博識多才であるため変装して経歴を詐称すれば潜り込める場所は非常に多く、特に苦労はしていないと思われる。実際、作中ではマジシャン以外にも芸能プロの社員や塾講師など必要に応じて様々な職を務め、そつなく業務をこなしていた。 『亡霊校舎の殺人』では莫大な資金源を手にしており、それを元手にしてより大掛かりな舞台装置の準備や、事件関係者に高額な金をポンと手渡して事前の根回しを行う描写があることから、かなり懐は暖かい模様。 (「いつもながら奴の犯罪計画には金と手間がかかってんぜ!」by金田一) 『金田一少年の決死行』『剣持警部の殺人』等ではとある教会の牧師に成り済まし、自分が企てた犯罪計画を実行できる「人形」を捜していた。 彼が主人公のスピンオフ、『高遠少年の事件簿』では彼の高校時代が描かれ、イギリスから帰国後、明智と同じ名門校の秀央高校に、これまた明智同様に入試全科目満点で入学したことが語られている。 彼の最初の殺人(*9)もこの時だったが、相手が事切れる寸前に「(人を殺して)どんな気分か」との質問に対して「別に普通だよ」と平素と変わらぬ表情で応じるなど、この時点で既に地獄の傀儡師としての片鱗が見え始めていた。 しかしながら、彼の登場が読者にとって絶賛ばかりではないのもまた一つの見方であり、これだけ多くの事件に関わりながら金田一が解き切れなかったトリックが一つもない。 まあメタ的な話をすれば金田一を主人公とする探偵漫画というストーリーの関係上、主人公補正には絶対勝てないので最終的に全ての謎を解き明かされてしまうのは仕方ないと言えば仕方ないのだが……(ただそういった事情を差し引いても、前述の通りターゲットを全員殺せずに終わるパターンも多々あるのは事実)。 それに加えて、自身も初陣である『魔術列車』ではミス(*10)をしたせいでターゲットを全員殺し終える前に犯行を暴かれたにもかかわらず、 自分が手を貸した人間がたとえターゲットの殺害自体は最後の一人まで完遂した場合であろうとも何かしらミス(*11)をして真相を見抜かれた時には「不出来なマリオネット」「ミスキャスト」などとこき下ろして殺害しようとするなど、 態度の割に作中での行動が好敵手の体を成していないという批判的な意見や、逃亡時に使用するマジックがただの魔法のようになってしまっているなどの否定的な見方も少なくない。 そもそも毎度の如く、何かしらしくじるような人材を選んできてしまう御自分にも非があるのでは……? 擁護しておくと、彼が自身の敗北を簡単に認められないのは芸術犯罪を紡ぎ出すための研鑽を一切惜しまぬ身であるが故のプライドに起因しているものと見られ、時には己への罰として敢えて我が身に鞭打つような行動を取るストイックな一面も持つ。 また、誰かor何かに責任転嫁して敗北を認めないような振る舞いも物語の途中から鳴りを潜めつつある。 マジシャンは客にマジックを見破られたら速やかに自ら幕を下ろすものとの矜持を持ち、最初の事件では犯行の決定的な証拠にまで言及されていない(*12)にもかかわらず己が犯人であると認めるという異様なまでの潔さも見せた。 後に自身がプロデュースした事件においては、「巌窟王」と名付けた実行犯に対して心の中でしつこく「まだ言い逃れ出来るはずだ」「認めるな。否定しろ」と言い募っていた。 物語が進むにつれ彼の黒星が徐々に積み重なっていくことに関しては、連載が非常に長期化してしまったことで悪役としての役目を中々終えられないが故の悲劇と言っても良い。しかし、それでも心折れる様子など微塵も見受けられず、手を替え品を替え高遠は意気揚々と新たな芸術犯罪に挑み続けるのであった。 簡潔にまとめると彼は 表面上の振る舞いは紳士的。 素顔は冷酷非情な犯罪者。 どんなに敗れたり糾弾されようと良くも悪くも自分の都合のいいように考えられたり、くじけたりすることがない悪い意味でのポジティブさ。 傲岸不遜で他人を弄ぶ悪辣さ。 目的達成のための労力と投資は惜しまない。 身内や恩人もしくはシンパシーを抱いた相手には優しい。 後、忘れん坊さん。 理不尽かつ極悪非道ながら一握り程度の人間味のある性格の持ち主と言える。 【関連人物】 近宮玲子 CV 小山茉美/演 金久美子 実の母親。故人。 職業は奇術師で、明智が「この国で唯一の『本物』」と認めるほどの天才的な腕前だった。 高遠が7歳のころ、養父に連れられて、近宮がイギリスで興行した公演を見ている。高遠はその時、彼女の技を見て、ひと目でマジックの虜となった。 その後、高遠が10歳の時、近宮が何らかの理由でイギリスを訪れた際に出会っている。この時、簡単ではあるが、直にマジックの手ほどきをしてもらっている。 この時、3年前の公演に高遠が来ていることを知って、驚いているので、どうやら養父は近宮に知らせていなかったようだ。 高遠が、近宮と接したのはこの2回だけである。 高遠を含め、彼女を知る多くの人間の証言からもわかる通り、善良な人柄であったらしい。 もっとも上記の通り、自分のマジックを盗まれた場合に備えてそのまま実行すると焼死するいくらなんでも強烈過ぎる罠も仕掛けてはいた。ただしその罠マジックは「火元がないのに発火することが売りのマジックなのに密閉するから火元がないことが観客から確認できない」など不自然・お粗末な点が目立つ。素人ならともかく真っ当な奇術師ならすぐ違和感に気づく代物だったので、そこまで本気で騙し殺す気もなかったと考えられる。 彼女の才能を妬む弟子たちによって謀殺され、そのことが『魔術列車殺人事件』の発端となった。 十数年前に流れた噂だが、金田一耕助には正妻(一の母方の祖母)以外にも愛した女性がおり、その娘が近宮である、というマンガに関する都市伝説がある(耕助は人がバンバン傷ついたり死のうが気にしない性格でマジックの達人であるため)。もしそれが事実だとしたら一の母と近宮は異母姉妹でそれぞれの息子である一と高遠は従兄弟同士ということになり、美雪や幸村の指摘もその伏線という説もある。 なお、この母子の名前を見てみると、「近」宮← →高「遠」となっており、さりげなく対比になっている。 月読ジゼル CV 沢城みゆき/演 藤井美菜 腹違いの妹。現在は刑務所に服役中。 『薔薇十字館殺人事件』にてその存在が明らかになった。 詳細は該当ページ(→月読ジゼル)にて。 養父(仮) CV 木村雅史/演 石塚運昇 本名不明。故人。高遠との血の繋がりはない。 高遠が物心づいた頃は、イギリスで高遠と二人暮らしをしていた。 自分にも他人にも「完璧」を求める厳格な性分で、職業は貿易会社に勤める商社マンだった(「経営者」と表記されたこともある)。 家族サービスには縁がなかったが、近宮玲子がイギリスで公演した時には、わざわざ高遠を連れて観に行ったことから、全く情が無かったわけでもないらしい。 近宮玲子のことを「玲子」と呼んでいることから、彼女とは親しい関係だったようだが、詳細は不明。 少年だった高遠には「母親は小さい頃に死んだ」と教えていたが、酒に酔った勢いから「お前には腹違いの妹がいる」と高遠に漏らしたことがある。 高遠が高校に入学する前に、日本に戻ってきた。そのため、高遠は私立秀央高校に入学している。 ただ、イギリスでの家を引き払ったわけではなかった(イギリスの家に、近宮のトリックノートが送られていた)ので、またイギリスに戻る予定があったのかもしれない。 高遠の実の父親についても、何かを知っているらしく、高遠の周囲で何か事件が起きるたびに高遠の関与を疑ったり、高遠が最初の殺人を経験した直後にはその面影を高遠に重ねて戦慄していた。 6年前に死去し(高遠17歳時の出来事なので逆算)、それを機に高遠はマジックの修行のためにイタリアに渡る道を選んでいる。 高遠は自宅について監獄のようだったと語っており、酔った八つ当たりでコップを投げ付けるなど虐待に当たるような接し方を時折されていたことも相まって養父のことを好いていなかったが、完璧主義者な面は受け継がれた(*13)。 また、回想の中では彼の墓の前で神妙な面持ちを見せていたので、曲がりなりにも自分を育ててくれた存在としてその死に対して何かしら思う所はあったのかもしれない。 実の父親(仮) 本名を含め全てが謎に包まれている。故人? 高遠が自らのルーツとして追い求めている存在で、現時点でわかっていることは以下の通りである。 (1)近宮玲子と美咲蓮花という2人の女性の間にそれぞれ子供(高遠とジゼル)をもうけた人物であること (2)極めて特殊な性質を持つ「蜉蝣(かげろう)」という薔薇を所有していたことから、薔薇に並々ならぬ関心があったこと(*14) (3)薔薇十字館や山中の洋館(仮)などの巨大な館をいくつも所有し、その他にもあちこちの建造物に大規模な改装を施していたことから見て、かなりの資産家であったこと(その改造された建造物の1つについてはある事実から、明智によって「1982年以降に改装がされた」という事が判明している。) 高遠の育ての父はこの人物について「あの悪魔」と呼んで尋常ならざる嫌悪と畏怖を抱いており、少なくともまともな人格ではなかったようだ。 また、高遠自身が己が事件に関与することを「宿命」だと回顧しているため、何らかの犯罪者である可能性が高い。 高遠はマジックの腕前以外は近宮にあまり似ておらず、むしろマジックの腕前以外ほぼすべては実父似であろうことがうかがえる。ただ前述のデストラップのことを考えると、やはり近宮も高遠の母親だけあって一筋縄ではいかぬ人物だったのは間違いないが。 さらに、金田一と明智が関わったある事件内で使われた大掛かりなトリックについて、まるで「完全犯罪の舞台装置に使え」とでも言わんばかりの仕込みをしたとされる人物の事を「高遠とよく似た気質の誰か」といった旨の推察をしており、これも恐らく高遠の実父を指すものと思われる。 ナターシャ 高遠邸の家政婦らしい外国人女性。 『高遠少年の事件簿』にて登場。 高遠の育ての父は家をあけることが多かったためその留守を預かる傍ら、少年時代の高遠にピアノを教えた。 柔和な笑みを浮かべる裏で、学校で起きた殺人事件について話す高遠の背中に意味ありげな眼差しを向けるなど、ただの家政婦ではない可能性がある。 初登場以降出番がなく、現在は何処で何をしているのか定かではないが……? 幽月来夢 CV 松谷彼哉/演 山咲千里 高遠の一時期の協力者。彼の逃亡の手助けをしていた。 そして『露西亜人形殺人事件』で有名ミステリー作家の莫大な金額の遺産を相続する権利を賭けた暗号ゲームの助っ人として高遠に協力を求める。 物語中でこの事件の犯人である「コンダクター」に殺害されてしまったものの、彼女の亡骸の目を静かに閉じてやり、(自分が濡れ衣を着せられたこともあるが)彼女を自分の傍で殺した犯人を見つけ出して断罪することを宣言するなど、 高遠側も単なるビジネスパートナーという感覚で接していたわけではなく幾らかの情は持ち合わせていた模様。 明智健悟 ご存知イヤミ警視で高遠にとってのもう一人の宿敵。 彼の母親である近宮玲子のファンで彼女とも親しくしていた。 そして『魔術列車』で、彼が今回の事件に巻き込まれた理由は彼女の死に疑問を抱き、真相を追う為で、そこで彼女の息子である高遠の起こした事件に巻き込まれた。 また、高遠の通っていた高校、秀央高校の出身で、在学期間こそかぶっていないが、彼は高遠の母校の先輩に当たる。 そして高遠が在学している頃にOBとして本校を訪れ、そこで彼とニアミスしていた。 その後、研修先で意外な形で再会を果たすなど、ある意味金田一以上に彼と深い因縁で繋がっている。 なお、高遠が地獄の傀儡師として活動する前を描いた作品も幾つかあるが、そのすべての作品に明智が登場していたりする。 【関与した事件について】 高遠が『魔術列車殺人事件』以降に計画を立てた、または意図せず巻き込まれた事件は以下の通りである。 01.『速水玲香誘拐殺人事件』 金田一と親交のあるアイドル・速水玲香を誘拐し、そのドサクサに紛れてターゲットを殺害する計画を立てる。 犯人との電話の中で「血のように赤い薔薇」というキーワードを含めることで自身の存在を匂わせていた。なお高遠自身は事件の関係者の一人である小渕沢英成(CV 金光宣明)に化けて終始間近から成り行きを見守っていたことがラストで明らかとなった。 最終的には、思いも寄らぬアクシデントが発端の些細なミスから芸術犯罪を台無しにした犯人を毒殺。 大勢の人間がいる中で誰にも気付かれることなく犯人に毒を盛るという大胆な手口を使い、あたかも犯人が自殺したかのように装った。 その後、駅のホームで金田一が黒幕の存在に感付き始めた頃、挑戦状を送り付けるという形で自らの正体を明かした。 アニメ版では、序盤には声優がエンディングのクレジットにて別名義で表記されていたため、キャストというメタ推理で正体がバレることは無かった。番組中での声自体は一切加工されていないので、実際に聞けば大体は察しが付くであろうが。 なお、小渕沢が鏑木プロダクションに就職したのが3か月前という設定があるため、『魔術列車殺人事件』から最低でも3か月は経っていると思われる。(*15) 02.『露西亜人形殺人事件』 自身の逃亡生活を手助けしてくれていた女性挿絵画家・幽月来夢からの依頼ということで、偶然にも金田一たちと同じようにある人物の遺産を取り合う暗号解読合戦に参戦。仮面をつけた奇術師「スカーレット・ローゼス」として露西亜館に赴いた。 変装があまりにバレバレすぎるが、単純に恩人からの依頼を受けて参加していただけである為、芸術犯罪など元からやる気もなく、 金田一に至っては、高遠視点で言うなら自分が向かった先になんかいたという状況であった事(=金田一がいると思っていないので金田一ではない他の解読合戦参加者さえ騙せれば良かった)も大きい。 幽月に「変装必要ないんじゃ?」と言われて「自分を知っている人物がいたので変装して正解だった(意訳)」とボヤいてすらいる。 そこで発生した連続殺人の中で不覚を取り、幽月が殺されてしまったことで怒りを滲ませ、犯人に制裁を加える(=殺害する)か否かを巡って金田一と推理合戦を演じる。 この時交わした約束は、自分の方が先に真相を突き止めたら犯人に制裁を加え、金田一の方が先に真相を突き止めたら犯人の命を助ける(制裁を加えない)、という内容だった。 最終的には先に真相に辿り着いた金田一と協力する形で犯人を追い詰める。 推理合戦で敗れたため犯人を殺害することはしなかったが、土壇場で自暴自棄となった犯人の自殺をマジックを使って阻止するという挙に出る。 金田一と交わした「犯人の命を助ける」という約束はあくまで「高遠が」制裁を実行しないという受動的な立場であったため、自ら命を絶とうとした犯人を救うという能動的な行動をとったことは金田一や佐木を驚かせた。 その理由について、金田一と美雪は「犯人の境遇に自分の過去を重ねて同情したからではないか」と推察している。 (それを裏付けるように、協力者だった幽月の仇であるはずの犯人に対し、普段の彼からは考えられないほど優しく諭していた) この時の高遠にはファンが多い。 探偵にちょっと追い詰められたくらいで 簡単に自分から死を選ぶようなあなたでは 冷徹な犯罪者にはなりえません あなたはたった今、一度死んだ…… 生まれ変わる気があるなら、次はもう少し 自分のあるべき姿を見つめ直してみることですね…… ちなみにこの回、長編では高遠が始めから終わりまで一つも犯罪を行わなかった、初にして現時点では唯一の事件である(*16)。 ただし、事件後に金田一のもとに現れ、自身が調べた『この事件の本当の黒幕』について陰惨な真相を語ると同時に、「人間なら誰でも持っている心の闇」「私と君は決して交わることのない平行線」との言葉を残して忽然と姿を消した。 金田一が高遠のことを、「金田一耕助(ジッチャン)の名」ではなく「自分自身の誇り」にかけて打ち破るべき宿敵であると認識したのはこの時であった。 03.『金田一少年の決死行』 長い年月を地下壕に父親とともに閉じ込められていた犯人を救出後、犯人を閉じ込めた三人への復讐に協力。 その過程で、金田一が明智をナイフで刺したかのように周囲に見せかけ彼を殺人犯に仕立て上げるための謀略を巡らしていた。 途中、金田一を煽って降伏を促すために電話をかけるも揺るがぬ意志を灯した彼は弱音を吐くことなど無く、 「こんなクソガキに連敗しまくってるもっとマヌケな犯罪芸術家気取りはどこのどなたでしたっけ!?」と挑発を返しつつ、ジッチャンの名と自分自身の誇りの両方にかけて必ず謎を全て暴いて見せると宣言する。 それでも計画は順調に進行していたが、金田一を犯人役として罪を着せるのを止めるよう犯人に懇願される(当然拒絶した)など、次第に予定が狂っていく。 その一方で、失っていた人間味を取り戻しつつあった犯人の姿には何処か感慨深げな表情を見せていた。 また地下壕の中にあった金塊の内、今回の計画の財源として消費しなかった残り分を全て犯人に譲ることを約束すると共に、 復讐を終えた犯人が第二の人生を送るために必要な諸々の手配を手伝うことを提案するなど割と面倒見の良い姿も見せる。 最終的に金田一に追い詰められて自供した犯人に見切りを付けて、毒のダーツで殺すべくトリックを用いて急所に命中させるが、結果的にその人物は死なず未遂に終わる。確かにもっと確実に殺せる手段を講じなかった高遠にも落ち度は少なからずあるだろうが、それ以上に無事生存した犯人の生命力を賞賛すべきかもしれない。 その際、高遠は剣持警部に変装していたが、詰めを誤ったことで金田一と明智に変装を見破られて追い詰められ、呪いの言葉と共に投身自殺。 ───が、その自殺すらもフェイクで、再び剣持警部に変装して日本へ戻ろうとしたところ、既に金田一たちによって救出されていた本物の剣持警部に逮捕される。 この時、自分のラストマジックを見破った理由を金田一に訊ねるが、不敵に笑いながら「筋金入りのマジシャンであるあんたらしくない」とした宿敵の答えに満足げな笑みを浮かべた。 そしてついに敗北を認め、その味を噛み締めながら金田一に別れを告げた。(*17) ──らしくない、か! フフフ……確かに少々、演出過剰だったかもしれませんね 認めましょう、敗北を ……なるほど、これが敗北の味というものか! そう悪くはないな…… いずれ味わうメインディッシュの少々苦い前菜だと思えば……ククククク…… ──いずれまたお会いしましょう、お二人さん その時まで………… Good Luck! その後、金田一に犯罪が起きそうな場所(『獄門塾殺人事件』のように自ら犯罪のタネを仕込んだケースもあり)のリストを「犯罪ガイドマップ」として送りつけ(*18)、金田一はそれを受けて全国を旅することになる。 (送られてきたリストの内容を知っているのは金田一と後の明智のみであり、読者にすら明かされていない) 定期連載だったシリーズはここで一旦終了となるため、金田一少年の事件簿の一応の完結に関わったと言えなくもない。 そして『オペラ座館・第三の殺人』のラストにてまた脱獄したことが明智から告げられた。 04.『吸血鬼伝説殺人事件』 高遠が獄中にいる間に、上記の理由から旅をしている金田一が美雪、剣持を呼んで合流した無蘭村の廃墟風ペンション「ルーウィン」で起こった殺人事件。 ただし、本作中では金田一が旅を始めるきっかけとなった手紙に彼の名前が書かれていたことが判明するという形のみでの登場であり、 高遠が直接関わっているような描写は一切無く、犯人の口からも高遠のことは一言も出て来ないため、何か「種」を仕込んでいたのか、それともたまたま「天性の嗅覚」で嗅ぎ付けた「ルーウィン」をガイドマップに書いただけなのか、不明である。『犯人たちの事件簿』では高遠の存在に触れられていない為、後者の解釈で書かれている模様。 なお、アニメ、ドラマでも放送されたが、原作と違って高遠が逮捕されていないため、このような描写はカットされており、高遠とは無関係の事件になっている。 05.『獄門塾殺人事件』 一の友人である村上草太が通う塾を舞台にした殺人計画を立て、ゴムマスクをかぶっただけの簡単な変装で塾講師・赤尾一葉として塾に潜入、明智にも上記のリストを送り付ける。 『決死行』のラストで一の自宅に届けられた手紙が犯罪ガイドマップだと判明したのはこの時であり、自転車旅の中で様々な場所に赴いては事件を未然に防げたこともあればそうで無かった時もあったという話が一の口から語られる。 塾の合宿で利用された樹海に一、美雪、明智と共に同行し、そこで実行された連続殺人をすぐ傍から鑑賞。(犯人がミスを犯して助けを求めてきた際には打開策を授けたりもしていた) 一の顔を見て意味ありげに微笑んでみせたり、マザー・グースの詩を引用して『殺人者』の存在を仄めかすなど、まるで正体を隠す気のない挑発を繰り返していた。 最終的に一と明智によって真相を暴かれた際、些細なミスから芸術犯罪を台無しにした犯人二人を、バラの形をした毒矢で殺害しようとするが、犯人の一人がもう一人の方をかばったため片方の殺害には失敗。 そこで明智が発砲してきた(ただし防弾チョッキを着ていたため無傷)ために犯人への制裁を断念して逃走。 追ってきた金田一を待ち伏せし、「君が今回のトリックを見抜けたのは偶然近くのトンネル(*19)を通ったおかげでしかない」と敗北について弁解するも、 「あんたが今回のトリックを思い付いたのも同じトンネルを通っていた時なんだから、これはある意味必然じゃないのか?」と一言であっさり言い負かされてしまう。この時の彼は正直かなり情けない。 高遠は一瞬表情を固くするものの「減らず口が上手くなりましたね」と苦笑しつつすぐ傍の川へ逃亡。 巻き起こした炎を目くらましにしつつ川へ飛び込むと同時に自分に似せた人形を流し、自身はアクアラングと川底のロープ(事件で使われたトリックの応用)を利用して上流へ逃れるという離れ業を披露。これには明智警視も騙されて下流を追うように警官隊に指示を出した。 それでも金田一だけは騙せず一対一で対峙することに。とはいえ、激流の中を数百メートル程度は登ったのに全く疲弊した様子を見せないのは流石と言った所か。 「私はプロの殺人者だ。君を殺すことくらい訳などない」という警告を無視し、棒で殴りかかってきた金田一をプロの殺人者と名乗るに値するずば抜けた格闘技能で一蹴。 此度の勝負での敗北、そして先程己が負けた理由について見苦しく自己弁護したことに対する「自分への戒め」として金田一の一撃を敢えて掌で受け止めつつ、彼にボディブローを食らわせて去っていった。 直接的もしくは間接的に多くの人々を傷付けてきた高遠だが、劇中で彼自身が血を流すほどの傷を負ったのはこれが最初である。 終盤でこそ殺人鬼としての冷酷な振る舞いを見せたものの、今回の事件では、被害者たちが皆、救いようのない非道な人間かつ、法律で裁けない連中であり、そいつらに死の制裁を下せたという点と、塾内で起きた1人の青年の死の真相を明るみに出させたという点において、結果としてダークヒーロー的な立ち位置になっている。 06.『黒魔術殺人事件』 金田一の友人が関わる会社が雇っている、仮面を付けた黒魔術師として登場する。 金田一の友人は過去に家族を失っており、その原因となったのが会社の人間であるということを突き止める。 そこで復讐のためにその会社に近付くのだが、その復讐プランを授けたのが高遠である。 友人が家族を失う原因を知るように仕組んだのも高遠である という描写がある。 金田一は黒魔術師が高遠ではないかと考えて仮面を外すように頼むが、既に黒魔術師は高遠によって仕込まれた役者にすり替えられており、金田一は高遠に一歩譲る形となってしまう。 そのまま金田一と高遠は直接対面することなく事件は解決し、高遠は再び闇へと消えて行った。 ちなみに高遠によって仕込まれた役者は、何も知らないまま後日高遠の罠によって殺害されている。 (アニメではこの役者はそもそも登場せず、上記の仮面を外すシーンでも高遠本人が登場し、金田一と直接対面している) このように今回の高遠は残忍さが目立っているが、謎解きの場にいなかったので真相発覚後も何故か真犯人を殺害しなかった。 なお、この事件での身代わり役者殺しは、一と明智を除けば、犯人にとって全く無関係な人間を巻き込み、挙句に手にかけた、唯一のケースとなっている。 07.『剣持警部の殺人』 牧師になりすまし、心のケアと称して少年院にいた真犯人に接触し、さり気無く嘘を交えながら復讐を行うようにそそのかして剣持警部をスケープゴートに仕立てた殺人計画を立てる。 最後の謎解きの場にいなかったので、真犯人にはなにもしなかった。 これは、真犯人が他ならぬ自分自身も復讐の標的としてカウントしていたという事情もある。 今回も高遠の残忍さが際立っている……のだが、それ以上にこの事件も『獄門塾』と同様に被害者が皆(高遠とは別のベクトルで)極めて悪辣な人物であったことと、真犯人についても特に制裁などはしていないため、こちらも結果としてダークヒーロー的な立ち位置になっている。 ただし実行犯に偽りの情報を与えてまで剣持に恨みを抱かせて陥れるという悪質な一面も見せていた。 EX.『香港九龍財宝殺人事件』 ドラマ版のみ。ご存じヒロインの七瀬美雪が香港で誘拐され、一がそれを探して行くうちに巻き込まれた殺人事件。 今回の事件の犯人に殺人教唆を行っていたが、それを一に看破されたことにより、彼に興味を持ち、後に彼を自身がプロデュースした事件に巻き込んで行く様になる。 ちなみにキャスト交代と共に設定変更が行われているドラマ版では、彼のポジションは「アジアを股にかける殺人プロデューサーとして指名手配中の存在」となっており、原作よりも明らかに犯罪者としての扱われ方がグレードアップしている。いつの間にそんな大物に……。 08.『薔薇十字館殺人事件』 『魔術列車殺人事件』以来となる、高遠自身の背景について触れられた事件。 「ローゼンクロイツ」と名乗る謎の人物から、自身も存在を知らなかった異母妹の生命を人質にとられ薔薇十字館へ来るように要求される。自分が警察に出頭することと引き換えに異母妹を守るよう金田一に依頼し、金田一らとともに薔薇十字館を訪れる。 因みにその時に『金田一少年の決死行』以来の本格的な変装を見せている。 そこで金田一と共に連続殺人事件に巻き込まれた高遠は、状況証拠的に犯人に仕立てられてしまい、隠していた正体も知られてしまう。 (しかし、その時は変装をしておらず、隠したのは本名と職業(?)だけの為、顔を思い出されて正体がバレる可能性は元からあった) 真犯人の罪を着せるためのスケープゴートとして呼ばれたことを悟り、プライドを傷つけられた高遠はローゼンクロイツの正体を突き止めて殺害すると言うが、金田一の説得を受けて(彼を連れて来た負い目もあったため)犯人の炙り出しに協力することに。 普段は金田一のオマケ程度にしか扱っていない美雪に対しても今回は珍しくマトモに話しかけるシーンがある。 そしてついに突き止めた真犯人「ローゼンクロイツ」は高遠の異母妹その人であった。 真相を暴かれ、全員を道連れに館を爆破しようとする犯人の行動を目にもとまらぬナイフ捌きで阻止。 事件後は、金田一との約束通り、抵抗することなく警察に逮捕されていった。……が、すぐに脱獄。警察なにやってんだ。 薔薇十字館とともに高遠が相続するはずだった新たな館の存在が明らかになったところで物語は終了。更なる事件を予期している。 そしてこの事件を境に、彼は自身の「地獄の傀儡師」としての片方のルーツ、つまり、自分のマジシャンとしての側面を成り立たせた母・近宮玲子とは異なる、もう片方のルーツとして存在する「実父」の詳細について「パズル」に喩えながら調べ始めた。 20周年記念シリーズが終了した時点で、二人が最初から敵対関係でなく(金田一の方は何度か彼を牽制しているが)、高遠が金田一に最初から最後まで全面的に協力した唯一の事件である。 事件の捜査では互いに自分たちの推理を言い合ったり、真相解明の場ではインテリならではの視点から犯人の発言の矛盾点を指摘した他、彼女のスカートに手を突っ込んで証拠を見つけたりと、恐ろしい「地獄の傀儡師」らしからぬユニークで大胆な一面も見せた事件となっている。 09.『亡霊校舎の殺人』 最初の方ではピエロ姿で子供達と戯れつつ、今回の実行犯である「亡霊教頭」と連絡を取っていた。 舞台となった島にはおらず薔薇十字館の最後の方で見つけた謎屋敷(仮)にいて、ワインを飲みつつ殺人事件や推理を無線越しに聞いていた。 今回も前回に引き続き、トリックを解き切られても犯人を殺害することもなく話を終えた。(彼がこの事件に関わった真の目的は、事件の舞台に使われた建物に改装を施した「高遠とよく似た気質の誰か」=高遠の実父?について調べるためだったためだと思われる) また、事件の下準備に際して、島に隠されていた大量の金(きん)の一部を手に入れ、新たな資金源としている。うらやましい 金田一達とは最後まで顔を合わせることもなかったのと、推理が解かれたとはいえ目的が今回は違っていたので比較的穏便に終わった。現に金田一も普段ほどは彼の計画に対してブチ切れていない。 亡霊教頭を見いだしたときは「完全犯罪への扉」というホームページを立ち上げてウイルスを仕込んでおき、「完全犯罪」を求めてアクセスしてきた者のパソコンをウイルス感染させて内部を覗くことで、 「本気度」を調べるためのアクションをとったようだが、これが作中において犯罪になるのかは不明。刑法における「不正指令電磁的記録に関する罪」には触れる可能性がある。 それを除けば殺人教唆以外の直接的な犯罪は一応していない。 10.『蟻地獄壕殺人事件』 いつもなら最初ぐらいに高遠の存在が出てくるのだが今回は中盤で「これひょっとして高遠じゃね?」みたいな金田一の指摘によりようやく場面的に登場する。 不幸に次ぐ不幸で絶望しきっていた犯人の心理につけこみ、「力になる」と言いつつ殺人計画を持ちかけた。(この時の高遠はメガネをかけていたが、その雰囲気は「魔術列車」の時の弱気な外面を装っていた彼とはまるで異なる怜悧なものだった) 今回は登場人物の一人に変装していたのだが、根拠の決め手となる事件のポジションやら、色の由来を金田一に言い当てられたことを嬉しく思いながら、自分を捕まえようとするいつきをナイフで牽制しつつさっさと逃げた。いつもに比べて地味な逃げ方である。 作品の途中から高遠はトリックを見破られても真犯人を殺さないことが多くなったが、謎解きの場にいなかった『黒魔術殺人事件』『剣持警部の殺人』『亡霊校舎の殺人』の直近の3件とは違い、今回は珍しく謎解きの場にいたにもかかわらず真犯人を制裁することなく去っていった。 (ただしこれは犯行が発覚するきっかけが「些細なミス」ではなかったため、制裁をするほどのことではないと判断したからではないかという見方もできる) ただ、真相を暴かれた犯人を殺さないどころか、金田一に真相を暴かれることを予定調和のごとく捉えていた節があり、事件を通じて何かを探していることに変わりはないらしい。 そもそも、この事件の舞台に選ばれた蟻地獄壕は、旧日本軍の施設を買い取ったとある資産家が改造を施したらしく、(明言はされていないものの)この場所も高遠が追い求めるもう片方のルーツに関わっていた可能性が高い。 11.『金田一二三誘拐殺人事件』 『金田一フミ誘拐事件』で誘拐された二三がまた誘拐されたり、『速水玲香誘拐殺人事件』みたいじゃねとか言われてたこの事件。 事件は解けたものの、終盤の方で段々と違和感が出て来たため金田一は事件後に犯人と面会して真なる真相を聞いている。犯人の証言から葬式の時にあの男が、高遠が現れたということを。 この時の高遠の服装は喪服であり、高遠は犯人を唆して都内を走る電車を利用した殺人を実行させる。(*20) ……まあこれで今回のシリーズ終わりだしねとなってはいたが、この後でさらなる真実が明かされる。 このシリーズでたまに出ていたカフェふくろうのマスター。彼も高遠の変装だったのだ。(一部予測していた読者も居たようだが) なお、「とりあえず高遠にしておけばいいんじゃね説」もあるがとりあえず置いておく。 ちなみにこの回では金田一に対するツッコミがたまに素の口調となっていた。 ただ、彼の発言からして今回の誘拐殺人事件に金田一が関わったのは予想外だった様子だが、彼なりに「そういうこともあるさ」と纏めている。 そして今回の事件の犯人にも死の制裁を加えていないが、金田一が事件を解いたきっかけが偶然起きた事故のせいだったからであろうか。 ちなみに前回の高遠が出た『蟻地獄壕殺人事件』から今回で、リアルタイムで大体二年七ヶ月が経過している。長い。 12.『鬼戸・墓獅子伝説殺人事件』 金田一三十周年記念作品の一つである本エピソードにおいては「魔王」と名乗り登場していた。 やっていることは毎度お馴染みの殺人教唆であり、ネットで見定めた実行犯となる者を遠くの町に呼び出して接触。久々に人形劇を行う様子も見せた。 事件が起きる様は、今回の殺人の舞台である鬼戸村の駐在警官に変装して見ていた模様。金田一らは事件後にその事実を知った。 トリックを暴かれ、犯人は捕まったとはいえその後殺したような描写は無い。犯人の正体を見抜かれたきっかけの内、煙草の臭いに関する物は予め誤魔化す対策を講じていなかった犯人のミスと言えるが、それは咎めていないようだ。 今回の殺人計画は高遠としても悔いの残る出来映えだったのか「金田一くんが来ると分かっていたなら、もう少し考えることも出来たが…」とぼやきつつ「言い訳はよしましょう」と締め括っている。実際金田一よりも先に事件の真相に気付いてしまった人物も劇中に存在しているし。 その後は「日本を離れて神々の集う国にでも行くか」と独り言ちていた。この事実は読者にのみ明かされている。 例によってカフェふくろうのマスターとしても変装状態で登場しているのだが、カフェの中で金田一の進路相談を聴いている高遠はどんな気持ちだっただろうか。 また、海外でしばらく旅をするためという理由で店を閉めることを彼に告げたのだった。 そして30th最終話にて金田一が、怪盗紳士と比較した上での高遠の残忍性に対する苦言を美雪らに溢したり、美雪が金田一の二十年後の心配をしたりする中、高遠はギリシャにいた。「神々の集う国」とは出雲のことでは無かったようだ。 ギリシャのオリンピアゼウス神殿を訪れながら、「殺人芸術家を極めるならいっそ私は”地獄のゼウス”を目指したい」と言う高遠。ギリシャ神話を引用するなら、そもそも地獄(冥府)はハデスの管轄なのでは? 「地獄のオリンポスにも12神はいるだろう。残り11人は……」という彼の独白で金田一30thは幕を閉じる。 その他にも、彼が「地獄の傀儡師」としての活動を開始する前、つまり彼の過去の一部を知ることができる作品に、 『高遠少年の事件簿』 『幽霊ホテル殺人事件』 『学生明智健悟の事件簿』 がある。 (下2つは明智が主人公の短編で、後者に関しては高遠自身は直接出てはこないが、冒頭の描写が『高遠少年の事件簿』のラストとリンクしている) 「金田一少年の1泊2日小旅行」 自身が初登場した「魔術列車殺人事件」を基にした「魔術列車帽子から写真事件」と最終回のみ登場。本編と異なり良識的なところがある。 金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿 BOOK☆WALKERにて行われた、本作で取り上げて欲しい犯人の人気投票で高遠が1位になったため、連載が決定。 船津先生は今まで忌避していたらしいが、いざ扱うとなると気合を入れており、1話目の扉絵は原作『魔術列車』1話目の見開きを元にしたカラー見開きになっている(*21)。 いつものようにしっかりとギャグを折り込んではいるが、マーメイド夕海の殺害以外は難なくこなしているため、トリックの苦労話より一との心理描写に重点が置かれている。 なお、夕海を殺した際にミスって舌打ちした件についてはなかった事にされている 本作オリジナルの設定として、好敵手(一)と対決している時は肌がツヤツヤになり、退屈を感じている時は肌がかさつく高校時代の彼が見たらぶち殴りそうな体質となっている。 『魔術列車』後の再登場エピソードでもこの設定は健在。一を毎度呼び付けるのもそれが一因らしい。そのせいで歴代犯人の中から「高遠被害者の会」が結成されている。明智の言う私利私欲タイプの事件の被害者遺族や当人の悪事の巻き添えを食った面子などを含めれば3桁超えそうであるが。 中には高遠がわざわざ現場に一が来るよう仕向けて犯行達成の難易度を跳ね上げることに対してハッキリと至極真っ当なツッコミを入れる者も。 犯人がインタビューで「高遠の金田一に対する執着にも問題あったんじゃないの、私だけのせいじゃないわ」と言ったり、 また別の犯人が高遠に対して「これだから感情でものを言う奴は…!!美しいとか美しくないとか…犯罪は芸術じゃねーんだよ」と言ったのも合理性よりも嗜好を優先する彼への皮肉を込めたものかと思われる。 金田一37歳の事件簿 高校二年生だった金田一一が二十年経過して37歳のサラリーマンになったというイブニング連載のシリーズ。 歌島で四度目の殺人事件にあい、渋々解決して自衛隊のお陰で何とか島を脱出した金田一が事件後に違和感を覚え、 (様々なことでまたかよと思うかも知れないがツッコんではいけない)剣持や明智と共に特別留置所に行く。 そこに、高遠は囚われていた。 長髪かつ白髪となって。 読んでいたのは英語版の巌窟王、『モンテ・クリスト伯』であった。 二十年ぶりと言っていたり、なんでまた留置されているかは今のところ不明であるが、その立ち居振舞いは相変わらずだった。 本人曰く、死刑判決を待つ身らしい。 ちなみに『犯人たちの事件簿』の後で彼のこの状況を目の当たりにした読者からは「20年間一によるスキンケアを怠っていたから白髪になったんじゃないか?」と思われていたりしている。 もう40代だが、他の多くのキャラと同様に容貌はあまり変わっていない。 そして金田一が巻き込まれた歌島の殺人事件の犯人に、知恵や活動資金等を与えていた事が判明。ちなみに回想シーンでは黒髪であった。 オリンポス十二神のうち十一神になぞらえ、歌島の殺人事件の犯人に「アルテミス」という名を授ける。(ある意味皮肉で) ゼウスについては明智は「高遠ではないか」らしきことは言っていたが本人は何も言ってないため、推測状態。 ……だったのだが30thで高遠は地獄のゼウスを目指したいものと言っていたのでどうもゼウスは高遠らしい。そうか……ゼウスなのか。 そして協力者だの弟子だのが増えたこともあって、自身を指導者とするカルト宗教染みた組織を結成しているらしい。 太陽系惑星に入らなくなってしまった星を組織名にしているとのこと。 組織の構成員の内、神々の名を冠する者は現時点で「アルテミス」「アポロン」「ヘルメス」まで登場しており、金田一の推理によって犯行を暴かれ逮捕されている。 アルテミスは逮捕後、組織に関する余計な情報を口外したとして口封じのため部下に指令を送って抹殺させた。 アポロンの逮捕に関しては彼が逮捕されたと知るとその芸術犯罪の素質の高さから、逮捕された事を惜しんでいた。 ヘルメスはその手腕の高さを気に入っており、元来ヘルメスが盗みや詐術を司る神でもあることから「トリックスター」とまで評する程。 今の所アポロン、ヘルメスの方は暗殺したかどうかの言及は無い。 また「ヘラ」という人物が神々の監視役をしているような描写がある。 高遠は犯罪の素質を見いだした十一人の信徒にそれぞれコードネームを与えて各種援助を行った。 つまり金田一は残り十一人を本人が望む望まないにかかわらず相手をしないといけないことになりそうなのである。 仮にお互いにその気はなくても事件が起きたら解いてしまうしかない金田一と事件を起こす高遠ではあるので。 一が内向的でネガティブな性格になったのも、序盤のような推理嫌いも、美雪との別離も、そして玲香が芸能界を引退したのも、 彼がすべての原因らしいが、当の本人は自分がいかに退屈かを述べていた。やはり忘れんぼうである可能性は高い。 特別留置場に居ても外の情報はある程度入ってくる様子。 その一端として彼に差し入れされる全国各地から送られる本を利用し、暗号状態で情報を入手が出来る上に外に居る協力者に指示も送れる。語学堪能で、書物の速読もこなせる彼にとってはもってこいの方法である。 送られてくる本のページを折ったり破ったりした後で捨てるように頼み、捨てさせた後で彼の協力者が拾い上げる……というどこぞの探偵学園漫画に出てくる地獄の番犬が使ったみたいな手を使ったりしていた。 ちなみにかつてマガジン時代にあった"高遠の父親について"の伏線は未だ全く回収されていない。 連載30周年記念として物語が「金田一少年の事件簿」の時代に戻った2023年時点でも父親に関する詳細は不明なままであり、 30thでは高遠が出たものの父親関連のことは一切合切触れず結局不明だった。 このまま不明で終わるのではないだろうか。 余談だが、「金田一37歳の事件簿」の番外編である「金田一37歳(サウナ)の事件簿」で明智が一を水風呂に入れた際 「大丈夫ですよ(君の心臓は)地獄の傀儡師にも止められなかった心臓なんですから…」と彼が高遠によって底無し沼に沈められた時のことを皮肉ったりしている。 番外編 『ZIP!殺人事件』 【作者からの言及】 第二期に入ってから高遠は残忍で邪悪な印象がより強まったが、それというのも作者たちが「悪逆非道なキャラクターであるはずの高遠がどんどんヒーロー的な要素を帯びてきている」ことに対して、ある種の危機感を感じたからであったようだ。 (ただし、以前には単行本のコメントで「最近高遠が冷酷な殺人者(の役回り)ばかりやってる」といった趣旨の発言をしていたりと、高遠をどう描写するかについては作者としても複雑な葛藤がある模様) ~新シリーズでの変更点~ 露西亜人形殺人事件とか香港のあの話を読み直して、 ちょっとこいつ、カッコ良すぎたかな、と思ったんです。 速水玲香誘拐殺人事件の時は、ちゃんと悪党だったのに、 どうもダーティヒーローのような描きっぷりがエスカレートしていってるような気がしました。 おかしな人が増えてるこのご時世、 ああいう殺人を芸術などと言っているある種の快楽殺人者を どんどんヒーローっぽいキャラにしていくのはどうか、という反省もあり、 今回はあえて『地獄の傀儡師』という呼び名に相応しい悪党として描いてみました。 とはいえ、私もさとうさんも、気に入っているキャラではありますので、 そのうちまた、ついかっこ良く描いてしまうかも知れませんが。 でもここで再確認しておいてくださいね。 基本的には危険きわまりない快楽殺人鬼ですから、高遠は。 それを忘れないでください、というメッセージをこめた凶悪犯描写だと思ってください。 天樹征丸 ちなみに作画を担当したさとうふみや氏は「コナン 金田一」という2008年に発刊された「名探偵コナン」とのコラボ雑誌で「剣持と違って描きづらい」「最悪の犯罪コーディネーターだけど本人はまったく気にしない」と評している。 また、「犯人たちの事件簿」の作画を担当した船津氏は本当は魔術列車を描く気はなかったため、自身のTwitterで高遠関連の事件を描く度にノイローゼになっていたことを冗談めかして告白していた。 血のように赤い追記・修正をどうぞ。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 反対意見が無かったためコメント欄をリセットしました。キャラへの非難や悪口はお控えください。 -- 名無しさん (2021-04-04 17 15 59) まあ確かに(最後に全てを暴かれること自体は漫画的にやむなしとはいえ)ターゲットが複数いる事件の時に全てのノルマを達成出来たのが実質二件だけってのは少な過ぎる気もするけど、金田一と明智が揃ってる時にターゲット全殺を成し遂げた実績がある点は評価出来ると思う -- 名無しさん (2021-04-15 14 48 28) ネウロに謎喰いをやられても、持ち前の心の強さで何度でも立ち上がってもおかしくないと思うわ。 -- 名無しさん (2021-04-19 16 09 20) ↑あの何度負けても諦めないメンタルだけは少年漫画の主人公の器だと思う。それを発揮する先が傍迷惑なのはアレだが… -- 名無しさん (2021-04-19 17 08 35) 近宮玲子のデストラップって強盗殺人だから因果応報に見えるけど、盗み見されただけでも見て見ぬふりするつもりだったのかな -- 名無しさん (2021-04-21 11 18 49) 露西亜人形、薔薇十字、幽霊ホテルを見る限りだと主人公の味方に着いてる間にはダークヒーロー補正がかかって有能化する(恩人の幽月さんを傍で殺されたりはあるけど)。主人公の宿敵だけど共闘時の方が輝いてる人。 -- 名無しさん (2021-04-21 19 54 50) ↑5はじめちゃんが巻き込まれたのが完全に偶然だった二三誘拐殺人は別として他の事件の実行犯に関しては、高遠が個人的なリベンジのためにはじめちゃんを来させるせいで毎回必ず犯行を立証されるわ下手すりゃ復讐を完遂する前に計画が頓挫するわで不憫過ぎる…犯人達の事件簿もそらツッコミ入れるわ -- 名無しさん (2021-04-29 09 30 16) ↑6高遠プロデュースの事件でターゲット複数かつ完殺達成したのって決死行、獄門塾、亡霊校舎で3件じゃなかった?決死行は犯人のターゲットではない明智の殺害に失敗してるけど。 -- 名無しさん (2021-04-29 09 51 33) ↑明智さんも犯人にとっての復讐相手ではないってだけで一応予定のターゲットという括りには入るんじゃない?明智さんをあの理由で殺し損ねたことが一因で鏡のトリックがバレてしまったんだし -- 名無しさん (2021-04-29 09 59 42) ↑揚げ足取ると仮に巌窟王が心臓の右左を間違えなかったとしても「あれ?明智警視は確かに右胸を刺されてたはずなのに何で刺し傷が左胸に???」ってなってトリックの要が鏡なの見抜かれてたろうし、万全を期すなら他の急所狙った方が良かったかも -- 名無しさん (2021-04-29 10 39 42) ↑7でももし死んだとして近宮にタコ殴りされたとしたらどうなんだろう? -- 名無しさん (2021-05-01 18 58 26) タグ荒らししてる人は最悪IPアドレスを頭数字から規制されて二度と書き込みや編集が出来なくなるから止めた方がいいぞ -- 名無しさん (2021-05-09 13 33 11) 高遠はDBのブロリーに犬夜叉の奈落状態だと思う。人気と知名度があるから降ろせない、作品を延命させるために脱獄して逃げ続ける所が。 -- 名無しさん (2021-05-25 06 32 21) 遂にフミにも被害出したか・・・ -- 名無しさん (2021-06-07 16 07 17) ↑2絶チルの兵部京介みたいなもんで、作品の人気を最低限のライン保って延命するための要と化してる状態だな良くも悪くも。この漫画が完結しない限り高遠は悪役としての出番を綺麗に終えることは許されないというある意味不憫な役回り。 -- 名無しさん (2021-06-09 05 39 07) 今さら驚きもしないが、こいつ速読もできるんだな。 -- 名無しさん (2021-06-25 21 14 38) 37歳の事件簿で高遠がまた敵なのは別にいいんだけど、(まだ確定はしてないが)はじめちゃんの旧知の間柄のキャラ達の苦悩の多くが高遠のせいばっかりというのも漫画として味わいが無いっすね -- 名無しさん (2021-06-28 20 36 31) 最後、描きにくいと言われたのは厳密には赤尾一葉 -- 名無しさん (2021-06-28 21 04 29) イトコだったんだ…(;・∀・) -- 名無しさん (2021-07-18 14 26 04) 刑務所では贅沢三昧して自由に脱獄してるんだろうな -- 名無しさん (2021-08-14 12 00 49) 高遠は同じ犯罪者であるルパン三世の様なダークヒーローとして見ていいキャラではないな。今現在も大勢の人間を巧みな話術で傀儡にして地獄に落としてるのだからな。 -- 名無しさん (2021-08-18 07 04 12) ↑それを言うとルパンもまあ高遠ほどじゃないにしろ愉快犯としてチェイスやらを楽しんでる陰で色んな人間(主に通りすがりのモブや警察関係者)に迷惑かけまくってるし、ダークヒーローの定義的にも他人に害を為してるかどうかは関係無いと思う。ヴェノムが公式から「ダークヒーロー」と銘打たれるくらいだし -- 名無しさん (2021-08-18 07 23 55) 高遠の父親って狭山恭二じゃないと思うけどな。オペラ座館の地下にいた人物じゃないの? -- 名無しさん (2021-09-16 02 20 12) 依頼者のミスにやたら厳しいけど、自分もターゲット全員のプロフィールを見れるマネージャーという立場+直前の事件でマーメイド夕海の体重を聞いてるのにも関わらず重しを忘れる大チョンボでバレてるからな -- 名無しさん (2021-10-13 23 40 51) 忘れんぼう説が補強されていく -- 名無しさん (2021-11-25 22 09 31) 「スペック的には勝ち格だが自身のこだわりを最優先するせいで何度も足元をすくわれる悪役」っていう無惨様やヴォルデモートに通ずる所がある -- 名無しさん (2021-12-09 17 42 40) ↑だが、入力ミス申し訳ない。勝ち格でなく「勝ち確」だった。 -- 名無しさん (2021-12-09 17 48 41) 愚かなマリオネットがヘマをしたせいというのは確かだが、そもそもそんな使えない連中をスカウトしたのが高遠の方なわけだから結局は高遠の人事能力にも落ち度はあると思う。だから37歳では育成してから自主性に任せる方針に切り替えたのかもしれないけど。 -- 名無しさん (2021-12-10 10 02 38) ↑良くも悪くも過去をほとんど振り返らない男だし下手すりゃ自分の側から選任した人材であることも忘れてる可能性…一応37歳編では計略の神(ヘルメス)という逸材を見出だした辺り多少は見る目が肥えたのかもな -- 名無しさん (2021-12-17 17 07 29) ↑3確かに恵まれたスペックからのガバぶりという点では無惨様やお辞儀モートに近いんだけど、上司としては、感情的な理由だけで失態も犯してない手下を解体したりアバダケダブラしたりするその二人に比べれば、高遠はまだホワイト上司だと思う。 -- 名無しさん (2022-01-07 16 29 42) ↑失敗時に全責任を転嫁してくる時があるのを除けば高遠は理想の上司やからな。余った財宝を分けてくれるのを約束したり、報連相に応じて打開案をすぐに提示したり。 -- 名無しさん (2022-03-01 12 10 05) 探偵学園の敵と繋がりがあったりするのかねぇ -- 名無しさん (2022-03-12 00 44 05) パチンコ版だと一とレスバしたりじゃんけんで先攻後攻を決めてたりと、完全に遊びだすの草。その上で、きっちり金田一一を地球一周する謎の攻撃で吹き飛ばした挙げ句、自宅の窓に届けるし・・・w -- 名無しさん (2022-03-21 02 30 49) 「トリック犯罪多すぎない?」「なんで探偵の行く先々で犯罪が起きるの?」に対する答えみたいなキャラだな。「そういう風に仕組んでいる奴がいるから」 -- 名無しさん (2022-04-25 12 51 26) 霧島純平と近宮玲子のかけた呪いがグチャグチャに絡んじゃって、犯罪ピエロとして踊るしか無くなってる感はある -- 名無しさん (2022-05-08 06 29 27) 犯人たちの事件簿見る限り翡翠の件は「本当はミスなしで出来るんですがそれだと金田一君が可哀想なので、焦ったフリをしてわざとミスしてあげました」が公式の見解になってるっぽいのがなんだかちょっと -- 名無しさん (2022-05-15 02 20 32) ↑公式さんサイドも「すぐ下の階まで降りるだけなら別に重りなんか持たなくても、落下時の勢いだけで体重3kg差を埋めるには充分じゃね?」って後から思ってそう。しかし何というかH×Hのヒソカの「蟻のニュース見てなかったから参戦しなかっただけ」っていうフォローに通ずる物があるね。 -- 名無しさん (2022-05-15 03 24 10) ↑2まあ犯人達の事件簿は雪夜叉の綾辻さんが一に感謝してるはずなのに「金田一を先に殺せばいいんじゃない?」とか言ったりしてるしパラレルだから。↑ヒソカが何でキメラアントほどの強者に戦いを挑まなかったのかっていうツッコミを作者も気にしてたんだな… -- 名無しさん (2022-05-15 22 22 33) 最初の有森の時点で金田一とも -- 名無しさん (2022-05-16 08 35 48) ↑っと早く出会いたかったと心通わせてるしな。目障りな金田一をねじ伏せたいノリのコメディ改変が本編の舞台裏そのものと思われてる節があるのは作品的に功罪の罪ではあるわな -- 名無しさん (2022-05-16 08 40 48) ↑3そもそも高遠はキンダニに真相暴かれるのを恐れて一度は沼で始末しようとまでしたわけだし本編と矛盾しちゃうんだよね。露西亜館で幽月来夢さんを救えなかった件なんかも変なフォローが入ってしまうんじゃないかと気が気で無かった。 -- 名無しさん (2022-05-24 13 53 26) ↑高遠が一ちゃん(主人公)に普段負けるのは推理漫画だから仕方無いにしても、幽月さんはきっちり守って欲しかったなぁ。まあその後の遺体の目蓋をそっと閉ざしてあげたり、そこから条件付きで推理勝負を始めたりする展開は熱かったけど -- 名無しさん (2022-05-30 20 12 42) ↑実はあの時高遠は考えるまでもなくフロントのキーストッカーは厳重そうに見えるだけと気づいており、その上でキーストッカーのカギを自分が預かることで被害を防ごうと提案していた。次に狙われる可能性が一番高いのは幽月であるのにも関わらず。まさか上辺では首だけになった幽月の瞼を閉じたり、友人を殺した犯人に報いをとか言ってはいたが、幽月が殺されようがそれはそれくらいにしか思っていなかった?いや考えすぎか。いかにあの悪魔のような男とはいえ…。 -- 名無しさん (2022-06-12 15 11 05) またドラマに出演したら、俳優を岩永さんにやって欲しい。不気味な役とか合いそうだし -- 名無しさん (2022-06-15 08 39 37) ロストジャッジメントやってたら、玉木宏のサイコ紳士な感じも高遠っぽく感じた。低音ボイスが合う気がする。 -- 名無しさん (2022-06-20 11 28 16) この人の父親の件は30th作品で言及してほしい -- 名無しさん (2022-08-19 16 08 55) 30周年記念シリーズの事件の高遠を見たが、はじめが来ると知ってたらもっとしっかり計画をたてたのにとか言い、変装までして現場にいて謎が解かれただけでなく背後に自分がいることまで暴露した犯人に死の制裁どころか何もせず去るなど、凶悪犯罪者のくせに随分丸くなったと思った。はじめに連戦連敗で疲れてしまったんだろうか? -- 名無しさん (2023-02-12 11 32 46) ↑だって(犯人のことをよく知る身内とはいえ)一般人のおじいちゃんに早い段階でおおよその真相を見抜かれてた今回は、出てきても佐木辺りに煽られそうだし🥺 -- 名無しさん (2023-02-13 00 28 00) ↑高遠とレスバしてる金田一の後ろから佐木が「そうだそうだ!大体貴方は今回は~」とか援護射撃で煽ってる光景が余裕で脳内再生出来て草。 -- 名無しさん (2023-02-13 14 00 40) ↑その上美雪の友達を嵌めたんだから美雪に軽蔑されてもおかしくない -- 名無しさん (2023-02-14 08 17 40) ↑3き、きっとつむぎの祖父が自首を勧めたりせずに黙認してくれる所まで高遠は計算してたはずだから(震え声)↑まあその部分は別に高遠にとっては何言われようがどうでもいいとは思うけど -- 名無しさん (2023-02-14 09 02 40) ネタバレ内容を項目に追記するのは一週間後じゃないといけないんじゃなかったか?それと追記された文章に関して思ったんだけど、出来ればもうちょっと推敲してまともな文章を書いてもらいたいな。「事件をしている」とか色々と日本語が変だし。 -- 名無しさん (2023-03-01 22 36 25) ↑履歴辿れば分かるが、1ヶ月くらい前にも同じ人が一週間ルール守らずにネタバレ載せてたし、その時に注意を受けても無反応だったから報告掲示板に一応この人のことを伝えておいた方がいいかもしれない -- 名無しさん (2023-03-01 23 21 19) たかとおです(半ギレ) ゼウス! -- 名無しさん (2023-03-22 14 36 18) 彼とコナンのジンは似た者同士 -- 名無しさん (2023-03-22 18 16 26) ↑ジンニキは殺すべきでない人物まで殺したり主人公サイドのキャラの尽力とは関係無い所で汚点残してるからなぁと思ったけど、高遠は高遠で連続殺人のターゲットになると分かってる恩人を不覚にも殺されたり単なる一般老人(犯人の祖父)に真相見抜かれてしまったりみたいな汚点があるからまあ似たようなもんか -- 名無しさん (2023-03-22 19 13 11) ハデスになろうとしなかったのは、別の漫画でキング・ハデスが既にいたからかな?世界観ほぼ一緒だし -- 名無しさん (2023-08-22 14 52 38) ネウロの悪意を定向進化させた新しい血族なんじゃないかと思えてくる。 -- 名無しさん (2023-11-14 06 35 24) キングハデスを名乗るおじいちゃん(孫あり)と対談してほしい -- 名無しさん (2023-12-02 10 24 50) クズに良い人を殺させるとかありえないだろ37歳の高遠 -- 名無しさん (2023-12-15 18 26 37) ロンダー囚人の様に冷凍刑にでもしなきゃいけない奴だと思うわ。脱獄を繰り返し人をそそのかして傀儡にするのだし。 -- 名無しさん (2023-12-25 06 27 18) ↑その場合はヘルズゲートやな -- 名無しさん (2024-03-28 21 33 50) ある意味作中一前向きな漢 -- 名無しさん (2024-04-13 20 50 22) 高遠は37歳では40代半ばのおじさんだよな?一は就職して仕事してるのに、未だに一に勝つまで挑戦し続ける姿勢は無駄に年齢を重ねた子供に成り果てているもんだろ。 -- 名無しさん (2024-04-29 07 07 35) ↑正直高遠のキャラは何やかんやまだ20代の青年だったからこそ多少許容出来た部分も個人的にある🥺 -- 名無しさん (2024-05-01 12 10 17) 名前 コメント
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昼休みの音楽室では、ピアノの戦慄が響いていた。 県内屈指の名門進学校の、誰もいない音楽室で、リストの難曲も苦も無く弾き続ける一人の少年──高遠遙一少年。 顔立ちは、取り立てて美少年というわけでもなく、逆に崩れているというほどでもない。 身長も特別高くなければ、普段着る服も目立たない物ばかり選んでいる。 今の制服は規律通りに着用していて、少しも着崩さなかった。 彼はそんな──どこにも飾り気のない、どこにでもいる地味な生徒だった。 ただ、一目見て秀でている点と言えば、細長い指先だろうか。 目で追うのは困難なほどに優雅にそれを動かし、鍵盤を叩いていく。 時に激しく……時に滑らかに……。 彼は、古の音楽家たちの遺した芸術を重ね合わせた。 とはいえ、別に、彼もピアノや音楽が好きなわけではない。 ただ、考え事をしたい時には、無意味にピアノを弄んで、孤独な時間を潰しながら何かを想うだけだった。 いつも、ピアノを弾いている時が一番考え事が捗った。 家にはピアノがないので、普段はこうして昼休みや放課後に音楽室を貸してもらうのだ。 「……」 そんな高遠少年の目に映るのは、自らが奏でる音ではなく、奇術の事ばかりである……。 幼心を刺激した不可思議のマジックショー。 おそらく……自らの母である、近宮玲子。 ──彼女のように、大勢の人の視線の先に立り、マジックを披露する事のみが彼の目標であり、目指すものである。 普段の学校の勉強という物にもさして興味はなく、ただ目を通した物が勝手に頭の中で記憶されていくだけでしかない。 自分で掴み取ろうとしているマジシャンの座以外に、願いもない。 強いて言うならば、息苦しい今の家から脱し、マジックの勉強に専念したい程度だが、それもまた今の彼の立場からすればそれはただの我儘でしかない。 欲しい物は、何もない。 しかし、聖杯は彼を呼んだ。 彼は、それについて何とも思わなかったが、ただ、聖杯には興味があった。 それも見識を広げる為、という程度だろうか。 命を奪われるリスクがあるのも承知しているが、別段、それに強く恐怖する事もない。 得た物を使い、ひとまず、その聖杯という物を拝んでみたいという程度の細やかな願いがあった。 彼の奏でる戦慄は普段と何も変わらない。 少しの指の震えもない。 ただ、彼は、これから起きる出来事への期待に……少しだけ、笑った。 ◆ ──地獄の傀儡師。 この異名は、後にこの高遠遙一少年が芸術犯罪を行う時に名乗る事になる名前である。 しかしながら、高遠少年は今現在、犯罪を犯した事もなければ、今後起こすつもりもない。 むしろ、犯罪など、これから先の人生で彼が持っている夢を邪魔する物に過ぎない。 今のところは、ただマジシャンを目指して邁進し、ステージの上で母と再会する事だけを考えている。 そして、それもまた、いう程真っ直ぐな夢というほどではない。 他人に聞かれて、こんな夢を語る事もないし、「プロになりたいのか?」と聞かれれば、とりあえず否定をするだろう。 見ず知らずの他人に、夢想家だと思われるのは高遠も嫌いであった。 だが、彼自身は、着々と夢に近づいていた。 小さなマジックショーの中で。 高校のマジック研究会の中で。 父親に隠れながら。 己の中に眠る、天性の犯罪者としての血は未だ覚醒する事もなく、ただ純粋なマジシャンとしての技量だけが積まれていった。 本当なら、高校など辞めて今すぐ海外で高名なマジシャンに弟子入りしたい所だが、厳格な父親の手前、そうもいかない。 仮にもし、もっと早く弟子入りをしていたら、既に彼はステージの上でデビューをしていたかもしれない程の腕前は、まだ少年の中に隠れていた。 そして、そうしている間にも、どこかにいる彼の母の命と芸術が、一人の弟子によって奪われようとしている事など、彼は知る由もなかった……。 ◆ 放課後。 彼は少し大きな公園にいた。その中央にある大きな湖の湖畔。 いつも彼は、ここで小さなマジックショーを行う。 「……はい、じゃあこれでおしまいだよ」 子供ばかりが数名集まり、高遠少年の持つシルクハットに注目する。 今まさに、そのシルクハットの中から現れた大量の鳩が飛び交っている最中であった。 自由の空に飛び交う大量の鳩たちに子供たちの目が奪われている。 果たして、一体あの小さな帽子のどこからあれだけの数の鳩が収まっていたのか……。 そして、先ほどまで空洞だったはずの帽子に、何故鳩が現れたのだろう。 高遠少年のマジックショーのクライマックスに相応しい大がかりなマジックだった。 マジシャンにとっては基本中の基本とも言えるが、それを目の当りにした子供たちにとっては魔法そのものである。 「すご~い!!」 子供たちの純粋な眼差しと拍手喝采を受ける高遠少年の姿は、満更でもなかった。 こうして人々の前で「不思議」を、演出するのが彼は好きだ。魔術のタネを考え、披露するのは最高の楽しみである。 今もまた、舞台に立つ未来像の為に、人前でマジックを披露する練習をする。 純粋であるがシビアでもある子供たちは、その為の最適なデータをくれる。 彼はこうして、トリックで人を欺くのが好きで──同時に、マジックの好きな子供というのも嫌いではなかった。 高遠が、ニヤリと笑う。 「え──!?」 次の瞬間──子供たちが釘漬けになっていた空の鳩たちは、一斉に赤い薔薇の造花へと姿を変えた。 羽音さえも同時に消え去り、そこにいた鳩たちは元々、薔薇の化身だったかのように消えたのである。 全く、不可思議な現象であった。 「どうなったの……?」 そして、それは、まるでパラシュートで落下するように、ひらひらと、子供たちの手の上に落ちていった。 まるで子供たちの位置まで計算され尽くしていたかのようである。 今度は、歓声よりも、何が起こったのか瞬時に理解できず、困惑する声の方が大きかった。 今の鳩たちは消えてしまったのだろうか……? 子供たちの中には、そんな後味の悪ささえ残した者もいたが、誰かの拍手が鳴ると同時に、他の子供もつられて拍手をした。 そして、彼らは消えた鳩の事など忘れた。 手元にある赤い薔薇がそれの化身でないのは確かだろうと思いながら……しかし、またこれが鳩になるかもしれないと思い、ぎゅっと握る。 「それは僕からのプレゼントだよ! さあ、優しいお母さんがいるお家へお帰り──」 優しい高遠の言葉に、子供たちは純粋に微笑みながら、「うん」と頷き、その場から去って行った。 また、この場所でマジックをする高遠少年と会える事を望むだろう──。 高遠少年は、その背中を見送った。 これでショーは終わりだ。 「──さて」 優しき少年の表情が、冷徹な聖杯戦争のマスターへと変わったのは、それからすぐの事だった。 公園で今のマジックショーを覗いていた一人の、髪の長い少年──。 彼こそが、高遠が出会った『サーヴァント』の≪セイバー≫の仮の姿である。 「……セイバー、何か言いたそうだね」 セイバー──ウイングマン、広野健太。 ただし、それは仮の名前であり、実際はドリムノートによって実体化された一人の少年の「記憶」である。 本当の広野健太は全てを忘れて、戦いに巻き込まれなかった普通の少年として暮らしている。 彼の姿と記憶だけを借りたセイバーは、言って見れば、健太とかつてウイングマンにしたドリムノートそのものであった。 「マスターも、子供にだけは優しいんだな……と思ってさ」 「善良な観客は、最大限持て成すのが、プロのルールだからね。それを真似ただけだよ」 苦笑しながら、マジック道具を片づける高遠。 セイバーも、高遠を見直してはいたが、この少年の本質的な問題点が変わっていない事だけは理解していた。 彼と組んで以来、その常軌を逸した独特の感性に、セイバーも気圧されてばかりいる。 彼自身は、聖杯戦争を楽しんでいる──。 この戦争の行く先に言い知れぬ期待を持ってここにいるのだ。 高遠が、セイバーに訊いた。 「それで? どうだったかな、僕のマジックショーは──」 「どうしてオレにそんな事を聞くんだ?」 「他に訊く相手もいないし、英霊であるセイバーの感想が聞いておきたいんだ。 それに、僕の事を好んでいないセイバーなら、より厳しい感想を口に出来るだろうから」 そう言われ、少したじろいでから、セイバーは答えた。 「マスターには、魔術の素養もなく、オレの宝具の力を使ったわけでもないんだろ? だけど、マスターのマジックは、まるで魔法のようだった……一体、どうやったんだ?」 「……そうか。英霊すらも騙す事が出来て光栄だよ」 そう言う高遠の瞳は渇いていた。 言葉とはまるで正反対の態度である。何か物足りなく思っているようだった。 褒められてもこの態度だが、おそらく、望んだ通りの厳しい感想を口にしたとしても、つまらなそうに回答するのだろう。 それから、高遠は、怜悧な表情を崩さず、言った。 「……じゃあ先に帰っていてくれ。 僕は、ここでもう少し──月を見ているよ」 「……」 「……ああ、ごめん。悪いけど、マジックの種だけは教えられないんだ」 「それは……わかってるよ。余計な事聞いて悪かった。 でも、まだ月が見えるには早いんじゃないか……?」 「──ああ。だから、あの月が煌々と輝く時まで、あの月を見ていようと思ったんだ」 そう不思議な事を言いながら、空を見上げる高遠。 セイバーは、そんな彼の命令には逆らわず、ただその場から去った。 夕方の月は、夕日の輝きに負けて、空の中では薄く輝いていた。 聖杯戦争の本格始動まで、あと僅か……。 ようやく始まる──月を眺める高遠の中で、そんな予感がした。 【クラス】 セイバー 【真名】 ウイングマン@ウイングマン 【属性】 秩序・中庸 【ステータス】 筋力B 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具A+ 【クラススキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 騎乗:B 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、 魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。 ただし、ウイングマンの場合、サポートメカの『夢仕掛けの天馬(ウイナア)』の騎乗が可能であり、ウイナアをウイナルドに変形させる事も可能。 【保有スキル】 戦闘続行:B 名称通り戦闘を続行する為の能力。 決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。 「往生際の悪さ」あるいは「生還能力」と表現される。 忘却の英雄:B 人類史の中でその名が記録されていない英雄の性質。 かつて、広野健太が『夢想の備忘録(ドリムノート)』に記憶を消去した為、ウイングマンの存在は忘れられている。 これにより、サーヴァントの真名が知られた差異、対策を練る事が困難となり、真名を明かすリスクが軽減される。 彼の宝具の中でも、存在が記録されている物は、『夢想の備忘録(ドリムノート)』のみである。 【宝具】 『夢想の備忘録(ドリムノート)』 ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:∞ 最大捕捉:∞ 書き記した事を現実にする事ができる、異次元世界「ポドリムス」のノート。 ドリムペンを使い、かつ本当にそれを夢見て書きこんだ内容のみが現実世界に反映される。ただし、基本的には他者を生き返らせる事などは不可能。 唯一それを可能とした例は、ドリムノートの全ての項目をドリムイレイザーで削除して、「アオイを生き返らせたい」という強い願いを全てのページに描きこんだ際の事であり、これによりかつてドリムノートの記憶は三次元世界から忘れ去られた。 ただし、これもまた奇跡の産物に近く、実質的には武装強化など用途が限られる事になる。 尚、ウイングマン自身がこの『夢想の備忘録(ドリムノート)』の産物であり、これを破壊(もしくはウイングマンに関するページが削除)された場合、サーヴァント自身が消失する事になる。 『悪裂の夢戦士(ウイングマン)』 ランク:B 種別:対人宝具(自分) レンジ:- 最大捕捉:- かつて、『夢想の備忘録(ドリムノート)』によって発現されたセイバーの真名。「悪・裂!ウイングマン!」の掛け声と共に解放される。 長剣クロムレイバーなどの武具を装備し、ファイナルビームやデルタエンドなどの必殺を持つ事ができる。 三次元世界においてウイングマンの姿を実体化できるのは、いかなる魔力を持つ者が利用しても十分間が限度である。 ただし、かつてウイングマンを誕生させた広野健太の姿を借りる事で長時間の実体化も可能であり、この場合は身体能力は著しく低下する。 『夢仕掛けの天馬/夢仕掛けの機人(ウイナア/ウイナルド)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1~50人 『夢想の備忘録(ドリムノート)』から誕生したウイングマンのサポートメカ。 攻撃能力は無いが、陸上はもちろん海中・水中でも行動が可能、さらに異次元(ポドリムスしか行かないが)への出入りも可能。 ビームサイザーやウイザービームなどの武装を持ち、サーヴァントが拘束された際に補助攻撃を行う事もできる。 そして何より、これは『夢想の備忘録(ドリムノート)』が存在する限り、何度破壊されても再度呼べば再臨する宝具である。 【weapon】 『夢想の備忘録(ドリムノート)』 『長剣クロムレイバー』 【人物背景】 かつて、ヒーローオタクの少年・広野健太がドリムノートに描きこみ、健太が変身したヒーローの姿。 原作の「ウイングマン」に登場するウイングマンには人格は存在しないが、ポドリムス人あおいの中に内在するウイングマンの記憶を元にドリムノートと共に、英霊として複製されている。 普段は広野健太の姿を借りるが、彼自身は三次元人でもポドリムス人でもない、ただの「広野健太とウイングマンの記憶を模して描き起こされた存在」である。 サーヴァント自身もその事を認識している為、健太よりも少しドライで冷静な面があり、聖杯戦争への躊躇は広野健太に比べ希薄。 【サーヴァントとしての願い】 不明。 【マスター】 高遠遙一@高遠少年の事件簿 【マスターとしての願い】 特になし 【weapon】 『マジック道具』 普段、高遠が自らの身体に仕込んでいる様々なマジックアイテム アタッシュケースに入れて必要時に持ち歩いている物の他、いつでもショーが披露できるように体にも幾つかのマジックのタネを用意して生活している 【能力・技能】 天才奇術師・近宮玲子の血を引き継いでおり、当人もマジシャンを志している為、魔法と見紛うような奇術を披露できる。 高度な知性を持ち、名門進学校の秀央高校に入試全科満点で合格している。それに加え、授業を聞いていなくても一通りの授業内容を理解できる天才児。 ピアノも悠々と弾きこなすほか、校内で発生した殺人事件を解決する事もある。 【人物背景】 秀央高校一年生。マジック部に所属している。 天才マジシャン・近宮玲子の息子であるが、現在は義父の元で暮らしており、母とは幼い頃に一度会ったきりである。 成績優秀で、県下の名門高校を全教科満点で合格している他、ピアノの腕も見事。 将来は母と同じマジシャンを志しており、普段は井ノ尾公園で子供を相手にマジックのパフォーマンスも行う。 しかし、彼は同時に感情も殆ど空っぽであり、人が死んでも、あるいは殺したとしても何とも思わない(とはいえ彼なりの秩序や美学は持ち合わせている為、無差別殺人は行わない)。 後に、「地獄の傀儡師」と名乗る連続殺人鬼になる前の高遠であり、この時点ではまだ誰一人として殺害していない。 ※「金田一少年の事件簿」のキャラクターであるが、出典となる外伝「高遠少年の事件簿」の設定では一部、原作との矛盾がある。 【方針】 聖杯に興味がある為、他の陣営を倒して聖杯を得る。 ただし、無差別殺人などは行わず、ターゲットも基本的にはサーヴァントに絞る。
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名探偵として最も高い適正を持つのは、「自身を客観的に見つめる能力に長けた犯罪者」に他ならない。 これは、犯罪者の次の行動を予測するには、犯罪者の特性や心理を深い所まで理解している前提が必要となるからだ。 勿論、犯罪心理学の教科書を捲っても近い事はできるだろう。それならば、わざわざ犯罪者が名探偵になる必要はどこにもないと思われるかもしれない。 しかし、心理学者はその心理を最初から客観視して、いくつかの根拠から推察し、誰にでも伝わる言葉で発表しただけに過ぎないのである。 それゆえ、彼らは実像を百パーセント知る事も出来なければ、誰かに伝える事も出来ない。彼らの研究はあくまで「近い推測」なのだ。 更に言えば、彼らは何の根拠もない直感を確信として発表する事が出来ないのも足枷となっている。たとえば、「経験上、何となくそう思った」は根拠とは言えないのである。 実際には、その直感も根拠らしいものに基づいて脳が導き出した推理と言えるかもしれないが、やはり根拠がなければ戯言と同じになるのであろう。 だが、本当の犯罪者たちは、そうして心理学者たちが掬い逃した犯罪の細部までも丁寧に観察し、次の一手を直感的に推理推測する事が出来る。 天才的な犯罪者であるならば、更にいくつもの経験や思考を、全て直感や知恵へと変えてしまう。 もはや、彼らは「犯罪」や「殺し」の輪郭を、より高い解像度で映し出すレンズを嵌めながら生きているような物であった。 自分ならば、どう動くのか――それを考えれば、犯罪者の闇に足を突っ込むのも容易い。 そして、その種の人間の目的が「犯罪を犯す事」ではなく、「犯罪者を暴く事」に傾く奇跡が起きた時、真の名探偵は生まれるのである。 その能力を持った男は、犯罪に付随するあらゆる「理由」を見逃さない。 果たして、反倫理的行動を犯した者が、その次に起こすアクションは何なのか。 どういう社会的立場や性格のカテゴリを持つ人間が、それと同種の犯罪を行うのか。 犯罪が発生しやすい時間帯はいつか。犯罪が発生しやすい場所はどこか。犯罪に巻き込まれやすい性質を持つのはどんな人物か。 犯罪者にはどういう心理が働いているのか。彼らの抱えるトラウマは何か。 そして、それは何故なのか。 軽犯罪から重犯罪まで、あらゆる事件のデータベースを知り尽くし、更には自分自身さえも客観視した犯罪者は、これらの疑問に対して、犯罪心理学など学ぶ必要もなく独学で応えた。 一つの傾向に素早く気づき、「次」を予測しうる能力に長けた名探偵――それはもはや、人並み外れた直感の持ち主でさえあった。 これまでの譜面を頼りに直感的に最良の一手を指す棋士のように、これまで知った犯罪や思い描いた犯罪を頼りに目の前の犯罪を解決してしまう、まさに天才的存在。 千の犯罪を知る事で、千一番目を容易く解き明かしてしまう、最初の男。 この世界にはじめて誕生した探偵は、そんな人物だったとされている。 ◆ 冬木市内のごく普通のアパートで、彼らは暮らしていた。 片一方の男――『高遠遙一』は逃亡中の指名手配犯に違いないのだが、それでもあまりにも自然にその場に身を置いて、愛想のよい近所づきあいを演じている。 隠れ家を作るならばもっと人の目のないアンダーグラウンドな場所が向いているかのように思えるが、彼はそれを嫌った。 警察も決して只の無能の集まりではない。犯罪者が隠れやすい場所に目を付けるのだけは、決して遅くはないのである。 だいたい、いかにも隠れ家といった所に隠れ家を構えるのは、元々高遠自身の主義に合わない。 犯罪者であると同時に、一人のマジシャンである彼は、もっと堂々と構えながら――いつ見つけられるかもわからないスリルの隣で、生を演じる義務があった。 そんな風にして、普通の街の中に、一人の殺人鬼が暮らしていた。 高遠は、変装などをして顔を隠す事はなかったが、意外にも誰かが彼を気に留める事はなかった。 強いて挙げるならば、黒縁眼鏡をかけて、少々立派なスーツを着ている程度だろう。やはりそれも、変装と言うほど大袈裟ではなかった。 だが、これらの変装と言えない変装と、いくつかの要因が重なって来ると、奇妙な事に誰も彼が逃亡中の犯罪者とは思わないのである。 簡単に、彼の正体が晒されない仕組みを説明しよう。 まず、高遠は元々、目立った特徴のある顔立ちではない。 目立つ所に黒子があるとか、髪に癖があるとか、顔のパーツが大きいとか、そういった誰の目にも留まるシンボルは元来持ち合わせなかった。 身長も、平均かそれより少し高い程度だが、それも大した特徴にはなりえないし、交番に張り出された顔写真だけでは、体格等のデータにあまり現実味を帯びる事はない。 等身大のパネルやポスターでもあれば別だが、警察はそれを全国に配備するほど犯罪者の逮捕に力を入れてはいないので、やはり高遠を三次元的に見る者はいなかった。 それらの要因からして印象に残りにくいのもあるが、それに加えて眼鏡が顔を隠すと更に高遠の印象は、手配写真から遠ざかった。 人気俳優や人気アイドルの中も、眼鏡や帽子で変装する者がいるくらいなのだから、親しい間柄の相手でなければ、よほど気づきにくいのだろう。 たった一つの眼鏡が、高遠をぼんやりとしか覚えていない人々の目を眩ませた。 それから、もう一つの変装道具であるスーツも、また周囲の目を眩ませるのに一役買っている。 これが相応に煌びやかである事によって、「逃亡中の犯罪者」という金銭的余裕のなさそうな人物像と乖離してしまうのである。 それでいて高級すぎるわけでも派手なわけでもないので、露悪的な組織と繋がっているとも思われがたい。 最近事件を起こして追われている男が、まさかこんな風に洗濯したての綺麗なスーツを来て歩いているなどとは、さすがに思えないのであった。 極めつけは、普段は愛想よく振る舞い、何かに怯える様子もなく、挙動不審な行動や倫理を疑うような行動が目立たない……という素の姿でいられる肝っ玉の太さだろう。 それらが徹底的に、犯罪者のイメージは彼と距離を広めてしまうのである。 彼は自ら他人と過度の接触こそしないが、近所の住人が困っている時には、わざわざ声をかけて手伝う事もある。これがたびたび信用を買う。 もし、仮に誰かが薄々感づいていたとしても「気のせい」と片づけてしまうほどに、彼は凶悪犯的性格の片鱗も見せなかった。 それに、周囲からしても、近隣の住民を警官に通報するには少々の勇気が要るに違いない。 誤報であれば、この程よい近所づきあいも壊れるし、それが取り返しのつかないミスに繋がる恐れがある。 多少似ている程度の人間ならば世の中にいくらでもいるし、おそらくその一人なのだろうと片づけてしまう。 第一、通報は面倒だ。わざわざ通報するほどの人間ではない。 あんな「怪しくもない人物」を難癖つけて指名手配犯などと呼んで通報してしまうのはもはや魔女狩りだ。 そう――逃亡中の指名手配犯が自分の近隣住民などという、使い古されたサスペンスが自分の身に降りかかるのを、もう誰も信じていなかった。 ビッグスターが身近に引っ越してくるよりも低い確率の偶然が、自分のもとに降りかかるような物である。 そんな面白い物語が現実に起こる可能性など、もう誰も諦めているのだ。 どこかにいるが、自分の近くにはいない。 だから、彼が近くに住む人間たちに――指名手配犯、『高遠遙一』として彼が通報される事は全くなかったのである。 マジシャンは最も見られたくない物を、本来目につくところに堂々と置く事がある。 彼もまた、堂々とその場にいる事によって、自らの存在を指名手配犯と結び付けない心理的な壁を作り上げていたのだ。 ――――しかし、だ。 人間の行動は、必ずしも定型的とは言えない。 九十九人の観客を騙せても、時に目ざとい一人がそれを看破する事だって珍しくないし、他者と全く別の視点を持つ才能のある人間もいるのだ。 世の中には、時折優れた頭脳を持つ人間が、マジックのタネを暴いてくる事がある。 高遠もこれまで、何人かそんな相手と出会ってきたし、言ってみるなら、その一つの例は今も目の前にいた。 それは――彼が呼び出したサーヴァントであり、この家での共同生活者であった。 「――高遠くん、きみが持っているこの事件に関する資料は、これが最後かな」 「ええ。あくまで、『良質な資料』という意味ならば、それが全てです。 もし、眉唾ものまで知りたければ、インターネットに繋いで調べればいくらでも見つかりますよ」 「なるほど、この事件も未解決だからね。憶測や珍説、奇妙な尾鰭や伝説も付き物だ。 ノイズであるのを踏まえたうえでも、後で見る事にするよ。どんなブッ飛んだ説があるのか、少々興味はあるからね」 彼の部屋に寝転がって、「切り裂きジャック」の本を読み進めている十代ほどのヨーロッパ系少年だった。 アサシン――『フランソワ・ヴィドック』である。 白いシャツとサスペンダーとが、高遠と馴染む高級感を感じさせ、同時に怜悧な美少年のイメージを高めている。 このフランソワ・ヴィドックの名は日本ではあまり知られていないかもしれない。 しかし、彼に端を発する職業を知らない者はいないだろう。 そう――彼は、この世界において存在した、史上初の「名探偵」である。 彼の伝説は、フィクションの中の探偵たちにさえ、多大な影響を与えたと言われている。 たとえば、あのシャーロック・ホームズやアルセーヌ・ルパンさえも、彼が歴史上にいなければ成立しなかった作品にあたるし、『レ・ミゼラブル』のジャン・ヴァルジャンも彼がモチーフと言われている。 そんな彼の頭脳は、高遠が犯罪者であるのをいち早く直感してしまう程であった。 曰く、 「ここは非常に脱走に向いている部屋だね。この立地なら、正面の玄関を押さえられる事があっても、裏を押さえられる事はない。 家具も、いつでも使い捨てられるような、置物の家具ばかりだ。個人情報に関するデータをはじめ、足がつくような物がまるで置いていない。 たぶん、本当に必要で持ち歩かなければならない物はいつもその木のバッグに入っているのだろう。それくらいなら普段から持ち歩いて逃げられるからね。 万が一、部屋の中を突入された時の事もよく考えてある。一見して人間が隠れる事が出来るような家具が多いけど、それらは全て目くらましだ。 この中に突入した追っ手も、思わずあのクローゼットやソファーの中身を調べたくなってしまうだろう。 だが、追っ手がそこらじゅうの隠れられそうな家具を調べている間に、きみはもっと遠くに逃げてしまうだろうね。 つまるところ、きみが普段から誰かに追われているのは間違いないけど、どうやらきみの魔力では、魔術師に関連する事象というわけでもないようだ。 むしろ、追われ慣れているのに、みすぼらしさの欠片もないところを見ると、理不尽に追われているわけでもない。 ……だとすると、きみは何か罪を犯しているので、警察から逃げる為という所かな。きみが、一人の犯罪者であると考えると非常に納得がいくね」 との事である。 ヴィドックは直感的に、この部屋の構造が脱出に向いていると睨んでいたのだ。 それは、ヴィドックが名探偵であったから導き出された結論というわけではなかった。 ヴィドック自身も――過去に投獄された時に脱獄を繰り返した「脱走犯」だったのである。 彼は、「名探偵」であり、同時に「犯罪者」でもあったのだ。 まさしく、この部屋の謎も、犯罪者の視点がゆえに導いた、犯罪者の結論だったと言えるだろう。 ついでに言えば、こうして彼が十代の少年の姿をしている事も、探偵である時も犯罪者である時もこの方が都合が良いからに相違ない。 あらゆる犯罪や密偵に用いた「変装術」では、体のパーツを水増しする事は出来ても、削ぎ落す事は出来ないし、体格は小さければ小さく、中世的であればあるほど変装には向いている。 得意とする情報戦においては肉体年齢など関係ない。サーヴァントの精神年齢や知識は死亡時に依存する場合があり、彼はまさしくその恩恵を受けていた。 それゆえに、彼の「全盛期」は、まだ軍属ですらなかった頃の淡い少年期の姿であった。 高遠にしてみれば、この年頃の美少年を部屋に棲みつかせている事の方が怪しく見られそうに思えるくらいである。 彼がサーヴァントである事の不都合といえば、そのくらいだろう。 ――とにかく、ヴィドックは、こんな風にして、自身の経験と、自身が獄中にいた時に通じた犯罪者たちの経験を手掛かりに、あらゆる推理を行う探偵だった。 ただ、彼の持つ事件記録自体は、ヴィドックの生前までのデータでしかないので、文明が大きく発達したその後の事件や、他の文化圏の国の事件データは全て高遠の推薦書を調達してもらう形で補っている。 それらは「記憶」や「経験」ではなく、あくまで公表されている内容の「記録」として知っているがゆえ、ヴィドックにとっても少々物足りないが、彼は既に「近年の日本の事件傾向」にも手を伸ばせるようになっている。 高遠も有名事件から、あまり知られていない軽犯罪・小規模事件まで詳しく知っているので、ヴィドック自身もかなり助かっていた。 高遠自身がいかなる事件を起こしたのかはまだ彼の口から利けていないが、先に壮大な百年の事件史を知るのは確かに理に適っているといえるので、ヴィドックも別に無理矢理高遠の過去を探ろうとはしなかった。 おいおい聞けたら、という形で納得してしまっている。 そういう意味では、やはり相性の良い二人である。 ちなみに、この切り裂きジャック事件の場合は、ヴィドックの死後に発生した未解決事件であるせいもあり、ヴィドックはその事件について特に念入りに、興味深そうに読んでいた。 自身がその事件に居合わせなかった事の悔しさが、この執着の最大の理由のようだ。 本当に読んでいるのか疑わしくなるくらいに素早く手を動かしているが、おそらく一つの事件の資料を読み漁る中でおおよその展開を予測してしまっているからだろう。 他の本と重複する部分も多いので、余計に読み飛ばしても伝わるようになっているのだ。 「なるほどね」 彼は、しばらくしてそう言ってから、読み終えた本を閉じた。 ヴィドックにとって、解決した事件の資料は大抵予想通りの展開ばかりを辿っていた。 しかし、切り裂きジャック事件に関しては、その全貌を把握するのが少し難しいようだった。 彼がその場に自分がいれば、おそらく「ある特徴を持つ人物」を念入りに取り調べるだろうというのはある。 実際、当時のイギリスの警察の捜査方法を見る限り、あまりにも杜撰すぎて、真犯人に辿りつけないのも当然だと思えてしまう。 あとわずかに別の視点があれば、誰にでも解決できる事件になりえたとヴィドックは断言できる。 だが、百年以上の時を隔てて、伝説となってしまった事件を、資料だけで断定的に推理するのはヴィドックにとっても難儀だった。 いくつかの資料と資料ではいくつか矛盾があるし、もはや一世紀を隔てた未解決事件の資料は「資料」と呼べないほどの虚構、憶測、主観、勘違いに満ちている。 これでも正しい部類の資料だというのだから、もっと多くの資料を見つめれば、更にあらゆる情報が混在してしまっているのかもしれない。 ヴィドックはそうした見解を高遠に述べる事にした。 元々、高遠もヴィドックの見解を聞きたいと言っていた為である。 「――この事件も、ぼくやパリ犯罪捜査局の諸君、それにこのアーサー・コナン・ドイルという英国人作家が本腰を上げて捜査をしたならば、解決も夢ではなかっただろうね。 見たところ、どうやら、切り裂きジャックは、大声で騒ぐほどの大した事件ではない。ドイルの言う通りだよ。 上手く捜査すれば解決できてもおかしくないものを、警察が無能で解決できなかったから騒がれているのさ。 技術の進歩を抜きにしても、今の警察ならばもっと早くに解決が見込める。当時の警察は、的外れな根拠で余計な決めつけをし過ぎたんだと思うよ」 「なるほど。私もおおよそ同感です」 「だろう?」 「しかし、私からすれば、このジャック・ザ・リッパーも尊敬に値する人物ですよ。 何せ、犯罪で都市を劇場に変えた人間の一人ですからね。『最初の犯罪芸術家』と呼んでも、過言ではないでしょう。 私の立場からすれば、偉大なる先輩と言っても良い人物です。 ……尤も、犯行声明を出したのが本人かどうかと訊かれると、少々口を噤んでしまいますが」 高遠は薄く笑いながら、そう返した。 犯罪者であり、明晰な頭脳も持ち合わせるゆえに、高遠もヴィドックに共感するところは多いらしい。 決定的に違うのは、ヴィドックにある「不特定多数の罪人に慈愛を向ける」という性格が、高遠にはない点だろう。 それゆえ、高遠はヴィドックの心情を理解しても、共感はしない。 ヴィドックは、そんな高遠との根本的な相違こそ感じているが、その相違も含めて彼を容認し、理解し、共感しようとしている。 彼はヴィドックにとっては、一つの犯罪サンプルでもあり、一人の犯罪者であり、己のマスターであり、新しい友人なのだった。 最初から「理解不能な相手」と決めつけるのではなく、「悪意や憎悪ごと理解する」という形で、ヴィドックは誰に対しても施しをする。 悪の面を持っているがゆえに、悪に対しても優しくなれるのが彼なのである。 「――しかし、警官が無能であったのは、まったく、本当に残念だね。無能というのは、殺戮と同じくらいに重たい罪だよ。 どうも、犯罪ですらない、思考力や想像力の至らなさが招いた過失は、ぼくにも共感しがたいものがある。 結局、彼らは被害者の無念を晴らす事も出来ないばかりか、犯人を救う事もできないわけだ。これでは切り裂きジャックが可哀想だよ」 「…………ほう。切り裂きジャックが可哀想、とは? 少々、興味深い考え方なので、聞かせてもらえますか」 「これは、ぼくの哲学だよ。ぼくにしてみれば、犯罪者は、許されがたき者であると同時に、誰より弱い生物さ。 ぼくやきみを含め、誰もが等しく生きる為の法律さえ守れない――そんな自分勝手で脆弱な精神の持ち主ばかりだ。 だから、犯罪者も実は、自分を理解し、同調し、支持し、救ってくれる人間を待っている。常にそうだった。 他人に認められたくて仕方ない人間ばかりなんだ。だから、却って彼らの罪は見破られ、救われなければならない。 言ってしまえば、逮捕される事のない犯罪者も、誰にもトリックを知られないまま孤独に死を迎えるマジシャンも、ぼくにとって良い生き方とは思えないよ」 「――ですが、マジシャンとは、往々にしてそういう物です。我々にとって、トリックを見破られるというのは、むしろ死にも代えがたい苦痛ですよ。 勿論、私の場合、『犯罪』においても同様です。誰もが不思議がり、誰もが必死に謎を解こうと頭を捻る姿を、高くから見る事に快感を覚える」 「……」 「そう……自分で言うのも痛々しいですが、私は殺しが好きというよりは、そこから生じる芸術が趣味の、ただの芸術家なんですよ。 誰かが死んだとしても、私にとってはどうでもいい事です。私が殺人を犯したのも、僅か四名への憎しみと、残りはすべてただの芸術の為の材料だったからです。 そんな犯罪者も、実際、あなたの目の前にいる……それを考えた事はありませんか?」 「……ああ。わかってるよ。だから、これはあくまで、『ぼくの哲学』だよ。 きみのその精神に対しても悪の心で共感してしまうんだ。 だが、同時にもうひとつの正義漢気取りの心で『悪の寂しさ』を指摘してしまう。 きみを見ていても、『そういう犯罪的な考えに至らない、健康的な生を受けた方が幸せだったんじゃないか』って思ってしまうんだ。 ……失礼な言い方だけど、あまり不快に思わないでくれよ? ぼくだって別に、上から憐れんでいるわけではないんだから。あくまで、ぼくは、きみの上ではなく隣にいるんだ。自分を慰める為にこう言っていると思ってくれ。 人を騙す事に快感を覚えるきみの気持ちもよくわかる。別に止めるつもりはない。むしろ、敬意もある。 それに、今は依頼人がいるわけでもないし、まして、きみもぼくも一緒に『聖杯』を得ようとする一人だからね」 「なるほど、わかりました。私の隣、というのは良い表現だ。 ただの一人の人間の『哲学』とするならば、確かに、意見がまるっきり対立するほどの平行線というわけでもない」 高遠も納得を示したようだった。 ヴィドックの考えに飲み込まれたというより、一つの考え方として有りと容認しているだけであるが、それでも対立しているわけではない。 いつか交わってもおかしくない、同居できる線と線であった。 ヴィドックからすれば、既に交わっている感覚なのかもしれない。 犯罪を取り締まるとともに、犯罪を愛し、犯罪者を憎むとともに、犯罪者に強い共感を持つ。 そして、極刑を下される殺人犯を見るたびに、自分が殺されるかのような痛みを感じる。 それが彼だ。 だからこそ、聖杯に求む彼の願いは――『罪人たちの救済』なのだ。 罪人たちが、罪によって救われるのでも、罰によって救われるのでもない、ただの魂の解放。 犯罪者たちが犯罪を犯した後に苛まれる、罪の呪縛――あるいは、「反省のできない不幸な精神」から解放する事が、ヴィドックの願いだった。 そうしなければ、ヴィドック自身が救われないような気がしていたのだ。 本当に救われないのは被害者であるが――被害者は「死」によって聖人になる。 しかし、犯罪者は永久にそうなれない運命を背負い、永久に名誉ごと死んでしまう怪物となる。 そうあってはならない、それでは悲惨にさえ思ってしまう――理解されがたいかもしれない願いだった。 犯罪者たちの、生まれもっての、そこに至る運命を崩してしまいたい。 それほどにヴィドックにとって犯罪者はいとおしい隣人であり、自分の体の一部であった。 「――ところで、高遠くん。 僕も、まったく、これだけ雑談を繰り返していても、きみが聖杯を欲しがる理由だけはわからないんだ。 そろそろ教えてくれよ。一つの参考にしたいんだ。 きみの場合、願望器に頼るくらいなら自分で願いを叶えるだろうし、願望器でなければ叶わないような願いは却って求めないだろう。 ――それなのに、きみは願望器を欲している。理由が知りたいんだ」 ヴィドックは、少し上目遣いに、しかしどこか興味深そうに訊いた。 犯罪について訊く時だけ、彼には少年らしい無垢な瞳が視えた。 それは狂気のように見えて――しかし、狂気というには優しい願いも持ち合わせている。 ゆえに、余計に奇妙で理解しがたい瞳だった。 高遠は、その瞳に応えるように、ゆっくりと口を開いた。 「その答え、ですか……。考えるほどでもない、実に単純な事ですよ。 私はただ、――魔術を否定したいんです」 「魔術の否定?」 「ええ、我々マジシャンというのはね……魔法使いや魔術師ではないんです。 あくまで、魔法使いを演じる一人の役者でなければならない。――これはとある高名なマジシャンの言葉です。 この言葉に沿うならば、便利な魔法というのは、マジシャンが活きる為には、この世にあってはならない物です。 それならば、一度この世から消してしまう事で、われわれマジシャンがアイデンティティを保てるようにしたいんですよ」 「ああ、なるほど、願望器による、魔術の否定――か。矛盾しているようでしていない、随分と奇妙な願いだね。 一回限り、願望器を使う事で、魔術自体を否定してしまうわけだ。可能かどうかはぼくにもわからないけど、やってみる価値はあると思っているんだろう? …………しかしね、高遠くん。きみの言う事には少々、根本的な問題があるよ。 魔法と魔術は決定的に違うんだ。 魔術はあくまで、表に出ていない、巷に流布していないだけの実現可能な技術だ。 現実に、マスターもその渦中にある。魔術はどこにでもある、一つの力学だよ」 「ええ、しかし……そうであるとしても、です。 ――だって、つまらないでしょう? 手を使わずに出来る事が増えてしまうほどね……」 高遠はニヤリと笑った。 どこか、憎悪さえ込めた歪んだ顔つきだった。 「――不可能だからこそ、そうであるかのように振る舞い、他人を驚かせる価値がある。 少なくとも私はそう思いますし――そうでなければ、私の作る芸術は意味を損なう事になると思っています」 「……そうか。その言葉が本心ならば、驚くほど、誠実なトリックスターだね。きみは 犯罪者としても、非常に珍しいタイプだよ」 「私に限った事ではありませんよ。 真の愉快犯(トリックスター)ほどルールに忠実な存在はないんです。だって、そうでなければ面白くはありませんからね。 法を犯すのもまた、自分が作ったルールを忠実に守りながらゲームをしているからに過ぎません」 つまり、法より自分のルールを優先させる性格でありながら、自分の作り上げたルールだけは絶対に破らないというわけだ。 ヴィドックは、それを聞いて少しだけ考え込むようなそぶりを見せた。 それから、少しばかり時間を隔ててから、演説するように、あるいは数式を羅列するように、ヴィドックは口を開いた。 「うーん……。なるほどね。 ――厳格な父。奔放な母。おそらく父はもう死んでいるか、もしくは半永久的に視界に入らないところにいる。 母は……こちらはわからないけど、やはり亡くなっているのかな。 家庭は裕福。しかし、父親の影響力は強く、普通の家庭より少し窮屈。少なくとも、影響を与えるほど一緒に育った兄弟姉妹もいない。いや、いるとしても、姉はいない長男かな。 奇術が好きだと言ったけど、多分、それは子供の頃からの根強いものだね。おそらく、きみの場合は母親が奇術が好きだったとか、そんな所だと思う。 他者への共感性は乏しいが、時として自分に近い物を持っている人間には少なからず施しをする事もある――それが、きみの性格といったところかな!」 「……え?」 「ああ、いや――見ていて、きみの生い立ちはそんな所だと思ったんだよ。当たってるだろう?」 高遠は弱点を見せたつもりはないが、ヴィドックはそれを上回る推理力で、全てを解き明かしていた。 それは、推理というよりはほとんど直感的なレベルのものであったが、高遠も目を丸くするほどに命中していた。 かの探偵の宝具――『ヴィドック回想録』の力の片鱗が、実体を持ってマスターの前に晒された時であった。 【CLASS】 アサシン 【真名】 ウジェーヌ・フランソワ・ヴィドック@17~18世紀フランス 【パラメーター】 筋力D 耐久E 敏捷B 魔力E 幸運A 【属性】 中立・中庸 【クラススキル】 気配遮断:A 自身の気配を消す能力。 完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。 【保有スキル】 直感:C 戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。 また、視覚・聴覚への妨害を半減させる効果を持つ。 諜報:B 気配を遮断するのではなく、気配そのものを敵対者だと感じさせない。 親しい隣人、無害な石ころ、最愛の人間などと勘違いさせる。 変装:C 別の人間に変装する技術。 アサシンの正体を知る者が顔に触れても気づかないほどの変装技術を持つ。 このスキルと『気配遮断』が併発すれば、殆ど一般人と見分けがつかない状態にもなる事ができる。 ただし、変装にモチーフがある場合、そのモチーフを詳細に知る人物には看破される可能性が上昇する。 【宝具】 『ヴィドック回想録』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:- アサシンの宝具にして、彼の「犯罪捜査」の経験値と記録。 接触したサーヴァントの性格面・言動の特徴や、サーヴァントの乱戦跡・殺害痕・手口などから、そのサーヴァントの性格・弱点・コンプレックスなどを、正体に近い所まで推理する。 とりわけ、「悪」の属性を持つサーヴァントの看破に特化しているが、宝具自体が人間観察の記録と呼べる領域に達している為、「善」「中庸」といった属性のサーヴァントも見破れない訳ではない。 マスターなどに対してもその性格等を言い当てる能力は健在であり、これもまたマスターの性格の暗部を言い当てる能力として非常に高いレベルに達している。 それはもはや根拠のない直感レベルにさえ卓越しており、些細な手がかりから「なんとなく」で、像を掴んでしまう事もある。 反面で、「狂」の属性を持つサーヴァント、動物性が強いサーヴァント、無機物のように、人間の理性・倫理・思考・感情の範囲外の相手に関してはその性質を特定する事が困難になる弱点も持つ。 ルーラーのスキル『真名看破』と違うのは、対象の思想信条や個人的な事情を予想できる点や、直接対面しなくとも痕跡から言い当てる点、真名を言い当てる訳ではない点(ただし相手によっては可能)などがある。 そして、これらの能力から対策術までを講じる、探偵式暗殺術の一連の流れがこの宝具として成立している。 【weapon】 拳銃 犯罪データファイル 【人物背景】 世界で初めての「名探偵」にして、「犯罪者」。 若き頃、軍隊に入隊のち除隊したが、その際に手違いで除隊証明書を受けなかった為、脱走兵として逮捕される。 さらにのち、偽札紙幣を偽造した一味の仲間という濡れ衣を着せられ、更に重い刑に服す事になる。 しかし、ヴィドックはそれを逆に利用し、入獄中の犯罪者たちの性格や行動、犯罪の手口や暗黒社会に関する情報を収集。 脱獄や潜入、変装の手法もこの期間に学び、高め、実際に脱獄と入獄を繰り返していた為、徒刑場でも問題児扱いされていた。 出獄ののち、パリ警察と共謀して密偵となり、徒刑場で得た情報を用いてあらゆる犯罪の手口を看破。 これらの功績が認められ、国家警察パリ地区犯罪捜査局を創設し初代局長となる。 犯罪データベースを用いた現代に繋がる捜査方法を確立したほか、探偵事務所を開いた初の人物でもある。 その捜査方法は、自らが犯罪を犯す事も全く厭わない、かなり強引な手法であるとも言われ、まさしく「犯罪」と「法律」との挟間にある犯罪者探偵であった。 また、上記の逮捕された経緯こそ冤罪に近いが、幼少期から盗癖があったり、友人に暴力を振るったり、甘え上手で女性を騙すのが得意だったりもする「犯罪者」としての一面も嘘ではない。 【特徴】 ショタ。十代前半程度の中性的な美少年。 黒髪で、顔は同じ年代ごろのレオ・ルグランのようなイメージ。 服装はサスペンダーと白いシャツをつけている感じ。外ではベレー帽も被るかも。 口癖はないが、台詞がやたら長く、演説的になりがち。 ちなみに、史実では、少年期から体格が大きかったらしい。 【サーヴァントとしての願い】 犯罪者たちの救済。 【マスター】 高遠遙一@金田一少年の事件簿 【マスターとしての願い】 魔術の否定。 【weapon】 『マジック道具』 普段、高遠が自らの身体に仕込んでいる様々なマジックアイテム。 アタッシュケースに入れて必要時に持ち歩いている物の他、いつでもショーが披露できるように体にも幾つかのマジックのタネを用意して生活している。 用意周到であり、事件現場では防弾チョッキを着用していた事もある。 【能力・技能】 天才奇術師・近宮玲子の血を引き継いでおり、当人もマジシャンを志している為、魔法と見紛うような奇術を披露できる。変装やメンタリズムもお手の物。 高度な知性を持ち、高校時代は名門進学校の秀央高校に入試全科満点で合格している。授業を聞いていなくても一通りの授業内容を理解できる模様。 それに限らず知識量もあるようで、作中で音楽家やギリシャ神話の解説を務めた事もある。 元々殺人犯であり、躊躇なく殺人を行う冷酷な性格でもあり、他者に殺人の為のトリックを授けて殺人教唆を行うが、一方で殺人事件を解決したり、殺人犯が使ったトリックを解明したりする事もある。 コンピュータウイルスを作ったり、インファイトで格闘したり、ピアノを弾いたりといった姿も見せており、大抵の事はできるキャラとして描かれている模様。 【人物背景】 地獄の傀儡師。 天性の犯罪者とも呼ばれる、他者を利用して殺す事を厭わない冷酷な殺人鬼である。 幼少期は、厳格な義父のもとでイギリスで生活をしていたが、ある時、天才マジシャン・近宮玲子の舞台を義父に見せられて以来、マジシャンを志すようになる。 高校時代は、日本に帰国しており、名門進学校・秀央高校に全科目満点で入学。在学期間中に校内で発生した殺人事件を探偵のように推理して解決し、犯人を殺害している(ただし正当防衛によるもので殺意はない)。 また、在学中に義父が死去した事で、本格的にマジシャンを目指すようになり、そのためにイタリアへと渡る。 イタリアでは高名なマジシャンの弟子として修行していたが、十七歳の時に近宮玲子の死を知る事になり、十八歳の誕生日に近宮玲子が自分の母親である事を知った。 後に近宮の弟子である「幻想魔術団」のマジックを参考の為に鑑賞。 しかし、その時に幻想魔術団の行ったマジックが「近宮玲子の模造品」であった事から、「近宮は弟子に殺された」という真相を知り、憎悪に燃える。 幻想魔術団のメンバー四名の殺害を決意した高遠は、マネージャーとして潜入。ターゲットを絞り込んだ後、警察に予告状を出したうえで「劇場型連続殺人」を演じた。 彼の起こした「魔術列車殺人事件」は金田一一によって事件は解決される事になったが、逮捕後に間もなくして脱獄。 以後は、いくつかの事件で金田一や明智健悟に向けて挑戦状を出し、復讐を望む人間たちに「マジックのような、美しく謎と怪奇に満ちた芸術犯罪」を教唆する犯罪コーディネーターとなった。 非常に冷徹な人物ではあるが、同時に約束を絶対に守る義理堅い性格であり、協力者の死には怒りを見せ、基本的に自身の計画に無関係な人物は巻き込まず、自分と近い境遇の人物の命を助け、肉親の過ちを正し、無邪気な子供たちの前では優し気な笑みと共に人形劇を見せるといった面も見せる。 【方針】 他陣営と共謀しつつも、目的はあくまで聖杯。 魔術の存在そのものを嫌うが、聖杯戦争が終わるまでは魔術を利用する事も辞さない。
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小野田大蔵氏の過去の書籍 http //bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%8F%AC%96%EC%93c%91%E5%91%A0/list.html 虹の彼方の神秘家たち/星文訓/東洋書院/五千言坊氏、笹目氏、他の伝記を所収/販売中 ユニバーサル・タオ 意念周天系でパワーはない http //www.toyoshoin.com/book/b36063.html 高藤氏の雑誌ムーの記事リスト http //www.orange.ne.jp/~kibita/pnp/dat/w46.html http //www.orange.ne.jp/~kibita/pnp/issue.html
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■熱闘編 70話~99話 OP 地球オーケストラ ED ひなげし 【70】 そのおさげもらったぁ! 1/2 2/2 【71】 男の野望が尽きる時… 1/2 2/2 【72】 リンリン・ランランの逆襲 1/2 2/2 【73】 良牙のプロポーズ 1/2 2/2 【74】 玄馬.家出する 1/2 2/2 【75】 これが格闘茶道でおます 1/2 2/2 【76】 道場破りは女の子? 1/2 2/2 【77】 絶叫!温泉バトル 1/2 2/2 【78】 ミーが九能のダディです 1/2 2/2 【79】 格闘茶道・家元立つ! 1/2 2/2 【80】 レオタードは乙女の呪い 1/2 2/2 【81】 恐怖の混浴温泉 1/2 2/2 【82】 カエルのうらみはらします 1/2 2/2 【83】 逆襲!怒りのお好み焼き 1/2 2/2 【84】 ナンパになった乱馬 1/2 2/2 【85】 格闘将棋は命懸け 1/2 2/2 【86】 佐助のスパイ大作戦 1/2 2/2 【87】 ボンジュールでございます 1/2 2/2 【88】 ディナーはリングの上で 1/2 2/2 【89】 あかね、涙の水泳大特訓 1/2 2/2 【90】 良牙!夕日に向かって走れ 1/2 2/2 【91】 夢の中へ 1/2 2/2 【92】 乱馬はなびきの許婚? 1/2 2/2 【93】 天道家消えたたこ焼きの謎 1/2 2/2 【94】 対決!乱馬VS影乱馬 1/2 2/2 【95】 小太刀のマイラブリーパパ 1/2 2/2 【96】 強敵?五寸釘くん登場 1/2 2/2 【97 乱馬はヘタクソ?格闘書道 1/2 2/2 【98】 風林館高校、影のドン登場 1/2 2/2 【99】 悲願!普通の男に戻りたい 1/2 2/2
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ネット仙道略史 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/9-20 かつて存在した仙道サイト http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/266 タオ研究所(旧仙道天地門)の真実 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/5-11 AIN氏の神秘行("神"の"秘"密を知る"行")雑感記 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/397-411 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/423-432 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/439-440 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/449-464 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/608-614 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/91 神酒氏の仙道修行記、スピリチュアルの落とし穴 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/622-623 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/650-651 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/658-660 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/676 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/694-698 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/704 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/715 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/721 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/736 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/746-755 不老不死考(師傳=中国語で師匠の意) http //www.melma.com/backnumber_30321_3526853/ 大薬??? http //www.melma.com/backnumber_30321_315440/ 法財侶地 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/684-688 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/701 http //principle.jp/bbs1/cbbs.cgi?id=spiacoyi mode=one namber=3245 type=3234 space=90 クンダリニー・ヨーガ http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/760-766 http //logsoku.com/thread/toro.2ch.net/occult/1315390996/645 http //logsoku.com/thread/toro.2ch.net/occult/1315390996/399-400 両儀堂の仙学研究 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/771-842 気マガジン-97年仙道特集 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/301-307 気が固くなる? http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/46 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/52-53 道家と道教 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/78-89 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/99 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/149 儒教と道教 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/56-63 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/69-77 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/79-87 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/94 仏教と道教など http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/96-97 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/102-106 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/109-116 道教と日本 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/430-432 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/436 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/474 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/477 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/509 中国雑話 中国的思想(酒見賢一)文春新書 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/122-124 孔子と老子 http //rongo.jp/kaisetsu/rongo.php?74,1 運命 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/171-173 仙道 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/273 超能力 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/507 どこから始めるか? http //wind.ap.teacup.com/enjakubo/206.html 武術 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/336 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/351 中医学 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/470-478 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/631 http //homepage3.nifty.com/juroujinn/igaku.htm http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/778 賢者と愚者 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/438 チベット仏教 http //logsoku.com/thread/travel.2ch.net/kyoto/988967213/731-734 自己と世界 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/840 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/845-848 http //unkar.org/r/kankon/1255124078/959-960 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/850-851 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/857 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/876-877 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/892-895 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/995-999 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/898 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/975 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/973-974 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/907 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/930 生と死 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/429 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/439-440 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/966 仙道を学べる所はないでしょうか?(2007年現在) http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/497-507 http //logsoku.com/thread/toki.2ch.net/occult/1309089381/354-382 http //logsoku.com/thread/toki.2ch.net/occult/1309089381/336-339 読書するということ、独習は特に http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1154436843/488-489 気功教室を探したい人は良いところをみつけよう(良いのもあるだろうが、変なのも多いから) http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/999 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/591-593 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/915-918 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/524-526 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/976-979 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/532-533 http //logsoku.com/thread/etc.2ch.net/body/1050133781/334-361 http //logsoku.com/thread/life7.2ch.net/body/1152768202/108-117 http //mimizun.com/log/2ch/occult/1139144779/294 http //mimizun.com/log/2ch/occult/1139144779/297 http //mimizun.com/log/2ch/occult/1139144779/307-308 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/535 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/705-708 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/357-365 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/602-605 波動業界の真実 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/54-64 レイキ http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/988-989 スピリチュアル・ブームの危険性 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/706-707 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/719 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/976-981 ニューエイジ http //logsoku.com/thread/toki.2ch.net/occult/1309089381/477 とある人物評 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/990-998 高藤本 http //logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/occult/1216153666/980-987 〝瞑想ブーム〟というバカ騒ぎ 高藤聡一郎 http //logsoku.com/thread/hobby9.2ch.net/occult/1188554156/995-999 過去スレに戻る