約 22,757 件
https://w.atwiki.jp/projectwitch/pages/18.html
その他の登場人物 基本的に公式ページ+αの内容にしていく予定です。 文中の魔女っ子にあたる部分は、マール、リルテ、シェルそれぞれ共通のため、「魔女っ子」という表記にしています。 明月みらい(主人公) 年齢:10歳 誕生日:8/8 血液型:A型 家族構成:父母 温和でとっても優しい女の子。 断りきれない性格のためか、いろいろと頼みごとをされてしまいます。 だけど、頑張り屋で頼まれたことは必ずやり遂げる粘り強さを持っています。 ひょんなことから、魔女っ娘と同居することになってしまいましたが、 これを機に、素敵な女の子になろうと決心しました。(公式HPより。) 小学4年生。 河原(かわら)でのんびりするのが好き。 夏の思い出パートの住宅街の河原シリーズのイベントで。 公園で遊んだりすることも嫌いじゃないけど、たまには河原でのんびりすることも好きのようです。 サブキャラクター デザイン:葉庭 ようこちゃん(CV 沢城みゆき) 本名「野中ようこ」。 みらいの幼なじみでとにかく仲良し。 みらいのことが心配で放っておけず、 いつも世話を焼いています。 とにかく元気なスポーツ少女。 みらいの憧れでもあります。(公式HPより。) 得意科目は体育。 苦手なのは算数と国語。 実はあがり症。 夏の思い出パートの駅の「魔法と信号」の最初のみらいと魔女っ子の会話中に語られる。 横断歩道の講習で、ようこちゃんが代表に選ばれた時、緊張してカチコチしていた的なことが語られるところから。 自宅の自分の部屋は女の子らしい感じになっている。 夏の思い出パートの住宅街のようこちゃんの家に初めて魔女っ子を招待したときに、 魔女っ子がようこちゃんのベッドの上のフリフリのパジャマを見つけたところから。 ボーイッシュだけど、部屋はちゃんと女の子だったりする。 お母さん(CV 森沢芙美) 本名「明月なつみ」。(公式HPではNatsu Akatsuki「あかつき なつ」 とあるが、本編では「なつみ」の方になっている。) お母さんの性格 注意力散漫でおっちょこちょいで、 昔から優しい子だけど、忘れんぼで慌てた子。 お料理は嫁いでからうまくなった。 (田舎「ぬか漬け」より、おばあちゃん談) お父さん 家にはいなくて、単身赴任中。 夏休みに、久しぶりに帰ってくるはずだったが、急な仕事が入り、 帰れなくなってしまった。。。 秋には帰ってくる予定。 みらいやお母さんの会話の中のテキストのみに登場。 りえお姉さん(CV 豊崎愛生) 本名「山崎りえ」。 みらいの家のお向いに住んでいる中学生のお姉さん。 優しい性格でみらいやようこを含め、 町内会の子供たちの面倒をみています。 性格は天然でほわほわ。とってものんびり屋さんです。 (公式ページより。) 母親は小さい頃に亡くなっているようです。。。 夏の思い出パートの住宅街14(りえのお母さん)と15(心の中に)の、 りえお姉さんの家でのイベントでわかります。 でも、お母さんが残してくれた料理のレシピがあり、それを見ていると、 お母さんがそばにいるように感じ、 寂しくないようです。 竹内先生(CV 新谷良子) 本名「竹内ゆうこ」。 みらいやようこのクラスの担任の先生。 おっちょこちょいで失敗も多いけど、 生徒のために頑張る熱血先生。 クラスのみんなに慕われています。 (公式HPより) おばあちゃん(CV 中根久美子(子供時代 MAKO)) 明月家の親戚。みらいたちの町から電車を乗り継いでバスで行くほど遠い所にある田舎に住んでいます。 本名はどこにも出ていないため、不明。 みらいの誕生日にドールハウスを送った。 女王様(CV 高木めぐみ) 魔法の国(リュミナス王国)の女王様。 あるところで登場する。 とある人と関わりが…。 素顔は布で隠されているので、見ることができない。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/877.html
ポールあきとのお約束条項 ・前回に続いてオカルトな内容だけど、今回は虐待もあるよ!!! ・前作のあとがきで書くといってた二作品は、ちゃんと書く予定だけど、まだまだ練り込みが足りないから、ちょっと待ってね!!! ・前作と対になってるよ!!! 別に前作を読まなくても問題はないはずだけどね!!! ・呪とかに関する解釈は、間違ってる解釈を敢えて採用してたりするよ!!! ―――――――――――――――――――― 兄――頭の大きなモノが 口――誰かの不幸を口にする その様子を「呪」と表す ―――――――――――――――――――― 人間は、科学によって急激な発展を遂げた。 ありとあらゆる不可思議は、あばき尽くされ、蹂躙され、日の元に晒された。 人間は、闇を拒絶するようになった。 街角には街頭が立ち並び、歓楽街はネオンにより昼と見紛うほどに華美に装飾された。 そして、闇は闇でなくなり、片隅へと追いやられていった。 それは心の闇も例外ではない……。 「僕のような人間にとっては、とても、とても辛い時代になりました。術の効きが悪くなった割には、お偉方の面々は、未だに呪(まじな)いの恐ろしさを十分に理解しておられる」 数少ない手札でもって要塞の如き結界に挑むという行為は、人間に喧嘩を売るゆっくりになったかのような錯覚を「彼」に興させる。 「まあ、その分『依代』の入手が容易になったので、割とイーブンなのかもしれませんね」 深夜の自室で、くくっと喉を鳴らして笑う彼は、別段、餡子脳なわけではない。 確かに、その部屋に、彼以外の人間は誰一人として存在しない。 しかし、交信可能な依代(よりしろ)ならば複数いる。 「くそにんげん!!! さっさとれいむとかわいいれいむのおちびちゃんをここからだしてね!!! それとあまあまちょうだいね!!! たくさんでいいよ!!!」 「れいみゅは、ちゅよいんだよ!!! ぷきゅーしゅるよ!!! ぷきゅー!!!」 会話が成立するかは、甚だ疑問であるが。 「妖怪饅頭の話・裏 ―食べ物の怨み―」 そこは、二階建ての一軒家。 ベッド、作業用のデスク、棚の上のインテリアなどといった極普通の家具が設置された北東の一室は、よく整理整頓の行き届いた極々普通の部屋だ。 本棚の中から辞書や教本の類に紛れて得体の知れない古書が顔を覗かせ、部屋の隅には、不気味に蠢く観葉植物が配置されているという点を除けばであるが。 「むじずるなぁぁぁ!!! くそにんげんーーー!!!」 白い蛍光灯の光で照らし出される部屋の中で、フローリングの床の上に直置きされているのは、例によって透明な箱である。 その中身は、もはや言うまでもないが、ゆっくりだ。 虐待用ゆっくりの代名詞。 その片割れ、れいむのみが大小二匹。 成体、幼体、共にでっぷりとした腹を携えた親子が、いかにも「私たちゲスです」とでも言わんばかりのふてぶてしい表情で鎮座していた。 虐待お兄さんならば、思わずビキィ and ヒャッハーしてしまう定番の品である。 だが、そんな二匹を目の前にしても、彼の心に何ら感慨など湧いてはこない。 その表情は、先程からずっと朗らかな笑みを湛えるのみであった。 彼にとってゆっくりは、目的達成のための単なる道具に過ぎない。 「強い……ですか。確かに貴女たちは、強いのかもしれませんね。単純な武力で言えば、時として虫にすら劣る虚弱な貴女たちであっても、種として見るとこれほど強かな存在もまた珍しい。他の妖怪たちが時代の変遷の中で、人々の記憶から姿を消し、減退の一途を辿る中、貴女たちは人間の記憶の中にしっかりと残って、終には生物として生態系の中に組み込まれてしまいました。しぶとさという点においては、確かに強いと言えるのでしょうね」 ゆ虐とは、単なる手段の一つである。 彼は思う。 呪術の媒体、依代として、ゆっくり以上に適切な存在はない。 負に傾倒させやすい豊かな感情と方向性を操作しやすい単純な思考能力。 質の面でいえば、当然ながら人間に軍配が上がるのだが、手軽に入手できるという点では、遥かにゆっくりは優れた道具といえる。 人間を拉致してポリスメンに目をつけられるのは、非常に厄介だが、彼らはゆっくりを捕縛した程度で動いてくれるほどには暇でない。 仮に暇でも、小汚い野良ゆっくりのために動くほど勤勉ではないだろう。 「にんげんにしては、ものわかりがいいね!!! れいむさまのどれいになるけんりをあげるよ!!! こうえいにおもってね!!!」 「ひざまじゅいて、れいみゅしゃまのかもしかしゃんのようなおみあしをなめてもいいよ!!!」 語られた内容の半分も理解できずに、都合のいい部分だけを切り出して暴言を吐く饅頭に一々目くじらを立てることもないし、囀りに反応するのも馬鹿げている。 今から消えてなくなる存在に心乱されるなど、無駄以外の何物でもない。 「まあ、とは言っても……」 「ゆゆ!!? きたないてでれいみゅにしゃわ……おしょりゃをとんでりゅみちゃい~!!!」 「なにじでるくそどれいぃぃぃぃぃ!!! さっさと、おちびちゃんからてをはなせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 それでも彼は、ゆっくり相手に語り続ける。 無駄なエネルギー消費であり、会話の成立しない存在との無意味な交信であるが、それでも口を動かし続ける理由がたった一つだけ存在する。 左手を透明な箱に突っ込んで、小汚いれいむの幼体を取り出し、先を続ける。 「ふぁあ~、しぶとしゃの面でも、人間には遠くおよばにゃいんですけどね。勿論、他の面では尚のこと」 普段、早くに就寝する習慣を持つ者にとって、深夜に起きて作業するというのは、思いの外苦行である。 頭に浮かんだ言葉をすぐさま口に出してでもいないと、精神が心地よい暗闇の中に落っこちそうで怖ろしいのだ。 草木も眠る丑三つ時は、まだ少し先である。 その時まで一定のテンションを保ち、思考をクリアにしておかなければ、仕上げでどんなミスを犯してしまうか分かったものではない。 「ああ、不細工さという点では、貴女たちの独壇場でしたね。醜さならば、人間も負けてはいませんが」 彼に悪意などない。 思ったことを口にしているだけだ。 しかし、ゆっくりに対して思うところがないわけではない。 歳の離れた彼の友人は、ゆっくりが人間の街に湧いてくる理由を人間と友達になりたいからだと語った。 正気を疑う内容であり、彼女は、かなりの高齢で呆けの進行も疑われるのだが、実際、耄碌しているわけではない。 時折、彼を孫と勘違いしたりもするが、パートに出ている親御さんたちの代わりに近所の子供たちの面倒を見てやれる程度には、しっかりとしている。 ゆっくりは、天敵とすらいえる人間に対して、あまりにも無防備だ。 その無防備さも、同じ言語を用いる存在として、隣人のように思われているからだと考えれば、確かに納得も出来る。 人間がどう思っているかは、別として。 それでもだ。 今、目の前にある存在を目の当たりにすると、その考えも霧のかなたに霞んで見える。 全体の中の一部を見て、全体がそうであると論ずる愚を彼も理解している。 しかし、一つの命題を覆すのに必要な反例は、一つだけあればいいことも、また理解している。 「ゆぎぃぃぃぃぃ!!! ふざげるな、ぐぞどれいぃぃぃぃぃぃ!!! せいっさいっしてやるから、ぞごをうごぐなぁぁぁぁぁ!!!」 「れいみゅは、きゃわいいにきまってりゅでしょぉぉぉぉぉ!!! しゃっしゃと、ていしぇいしてにぇ!!! ぷきゅーーーー!!! ぷ」 ふしゅるるる 彼の放った一言で忽ち激昂する二匹。 悪意が篭っていないだけに、その言葉が本心であることを本能的に理解出来たのだろう。 成体は、透明な箱の中で暴れ、幼体も頬を膨らませて抗議する。 だが、それも束の間。 子れいむの癇癪は、彼が右手に持った物によって中断させられた。 何の変哲もないHBの黒鉛筆だ。 黒鉛と粘土を混ぜて焼いた芯を木製の軸で覆い、緑色の塗料で仕上げたセンター試験の必需品だ。 力を入れれば、ベキッと圧し折れてしまうだろう。 削ったばかりで先端の尖ったそれは、円錐状に削られ木目を晒している部分の半分ほどまでが、子れいむの柔らかな頬に突き刺さっていた。 「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃ!!! いだいーーーーーーーーー!!!」 「おぢびちゃぁぁぁぁぁぁん!!?」 貫通したわけでもないのに何を大袈裟なと、今度は心中で呟き、彼は鉛筆を抜き取る。 「ゆわーん!!! れいみゅのみずみずしく、しゅべしゅべとした、くれおぱとらもびっくりなびはだがぁぁぁぁぁぁ!!!」 「おちびちゃん、しっかりしてね!!! きずは、あさいよ!!!」 突如として降って湧いた不幸に、二匹は騒ぎ出した。 れいむは、目の前に壁があることも忘れて、幼体に擦り寄ろうと動き回り、子れいむは、ゆんゆんと泣き声を上げる。 危機が去ったわけでもないのに悠長なことだ。 呆れながら、再び突き刺す。 「ゆびぃぃぃぃぃぃぃ!!! いだいーーーーーーーーー!!!」 「なにをするだぁぁぁぁぁぁ!!! くそどれいぃぃぃぃぃぃぃ!!! やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 一般的に、止めろと言われて止めるならば、誰も最初からやらないというのが通説だ。 そもそも彼は、ゆっくりの言葉に耳を傾けるつもりなど毛頭ない。 交信とは、言葉という信号を取り交わすことであり、会話と異なり意思の疎通など二の次、三の次。 ゆっくりとのやり取りなど、正に交信なのだ。 抜き、刺し、抜き、刺し、時折抉る。抜き、刺し、抜き、刺し、時折切り裂く。 「ゆわぁぁぁん!!! れいみゅのたいようのひかりをうけてきりゃきりゃとかがやくだいやもんどのようなおめめぎゃぁぁぁぁぁ!!! ばらのあかよりもあかくけだかいおりぼんしゃんがぁぁぁぁぁ!!! おののこまちのくろかみのようなしゃらしゃらきゅーてぃくるへあーしゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 「れいむとまりさのあいだにうまれたざいじょのおちびちゃんがぁぁぁぁぁぁ!!!」 「意外と博識なのですね。髪の毛に関しては半ば同意してさしあげましょう。あの時代の女性は、年に一度しか髪を洗わないそうですし。長すぎる髪というのも考え物ですね。しかし、被害報告とは、随分と余裕がお有りのようで……。時間も推しておりますので、少々激しく逝きましょうか」 相変わらずの笑顔で告げた彼は、順手に握った鉛筆を逆手に握り直すと、先程の倍の速度で手を動かし始めた。 刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す。 「ゆんやぁぁぁぁぁぁ!!! もう、やめでぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 「おぢびぢゃん!!! ゆっぐり!!! ゆっぐりだよ!!!」 子れいむは、彼の手から逃れようと、たゆんたゆんとした下半身をぶりんぶりんと振り、必死になって暴れるが、拘束が緩む気配など微塵もない。 同世代の男性と比べても少し小さな彼の手ではあるが、それでも人間の握力を普通の子ゆっくり如きが、どうこう出来るものではない。 刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す。 「ご、ごめんなしゃいぃぃぃぃ!!! あやまりゅ!!! あやまりまじゅが、りゅが!!? ぎ、ぎ、ゆ、ゆぶっ、び!!! び、ゆっ、びゅびゅっ、び、ゆっ、ゆぎゅ!!!」 「おねがいじまずぅぅぅぅぅ!!! だずげでぐだざいぃぃぃぃぃ!!! おぢびぢゃんば、まじざどのあいだにやっどでぎだ、だいぜずなだからものなんでずぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」 終に痛みに耐えかねた子ゆっくりは「とりあえず謝っておけば、その場は助かる」というゆっくりの常識に従って彼に謝罪を試みるが、それは、口内に突き刺さった鉛筆により阻止された。 鉛筆は、歯石のように砂糖がこびり付いた歯を圧し折っても止まらない。 喉に、舌に突き刺さるが、彼は運動を止めようとはしない。 仮に謝罪を行っても、結果は変わらなかったのだろう。 刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す。 「ゆび、ゆぶ、ゆるぶっ、びひっ、ぶぼっ、びゅべっ……」 刺す、刺す、刺す、ベキッ!! 「ぴぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」 弱々しい泣き声しか出せなくなっていた子れいむが、一際大きな泣き声を上げた。 体内で鉛筆の芯が折れたのだ。 それと同時に鉛筆も止まる。 「おぢびぢゃん!!! じっがり!!! じっがりじでね!!!」 最早、声を出すのも辛いのか、ヒューヒューと苦しそうに息を吐く子れいむに、母れいむが必死になって呼びかける。 それに元気付けられたのか、子れいむも体中の痛みに耐え、歪な笑みを返そうとしたところで、その顔は恐怖に歪んだ。 見てしまったのだ。 彼の右手を。 何時の間に取り出したのか、彼の右手には、再び先の尖った鉛筆が握られていた。 それから十分程、上下前後左右、満遍なく鉛筆の刺突を続けても、子ゆっくりが死ぬことはなかった。 鉛筆の芯が六回折れた。 内四本の鉛筆は新しい物に交換し、二本は折れたものを削って使用した。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆ……」 ゆっくりが「ゆ」としか鳴かなくなったら、死ぬ間際だ。 それが一般常識であるが、この子れいむは、死なない。 いや、死ねない。 次第に「ゆ」とすら言えなくなり、口だった場所から、ぶくぶくと黒い泡を吹くだけになった。 その段階になって漸く、彼は鉛筆による刺突を止めた。 「おぢびぢゃんっ? おぢびぢゃんっ!!? おぢびぢゃんっ!!!」 愛しい我が子に、何度も何度も呼びかける母れいむ。 穴だらけの子れいむは、ぴくりとも動かない。 既にゆっくりと呼べる状態ではなかった。 大きな穴から餡子色の泡が出ていなければ、潰された白玉の目玉が眼孔に収まっていなければ、それが前なのか後ろなのかも、何処が頭で、何処がお尻なのかも判別できなかっただろう。 穴だらけにされたおりぼんは、疾うの昔にはらりと舞い落ち、髪の毛は、執拗な刺突によって全て抜け落ちてしまった。 下半身も例外なく攻撃対象にされたために、既にどの穴がまむまむで、どの穴があにゃるなのかも分からない。 最早生きてはいないことなど、一目瞭然であった。 「おぢびぢゃん!!! じっがりじで!!! おがあざんだよ!!! おべんじじでよ!!! ゆっぐり!!! ゆっぐり!!!」 それでも母は、呼びかけることを止めない。 どんな姿でもいい。 ただ生きていて欲しい。 その一念が母を動かしていた。 「ハハハ、そんなに御息女のことがお大事なら、ぺーろぺーろ(笑)でもして差し上あげたらどうですか?」 「ゆ……」 時が止まった。 そう錯覚するほどに、空気が張り詰めていた。 あれ程騒がしかった母れいむは、ぎりぎりと歯を食いしばって一言も言葉を発しない。 それは、今将に噴火せんとする火山であった。 母れいむは、子れいむから視線を外して見上げる。 そこにある、憎い憎い我が子の敵を。 足、胴、胸、そして、終に顔へと、その視線が注がれたとき、母れいむの中で張り詰めていた物が決壊した。 そこにあったのは、初めと変わらない朗らかな笑顔であった。 「じねぇぇぇぇぇぇぇ!!! じね、じね、じね、じね、じねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 彼が初めて放った「心にもない一言」は、崩れ落ちそうだった母れいむの心を支えるのに十分な威力を発揮した。 だが、あと一押し足りないようだ。 悲しみは、怒りに変わったが、相手の自然死を願う程度では、まだまだ足りない。 「ふふふっ、汚い面ですね。それにしても、御自分の御息女に死ねとは、随分と酷い御方だ」 「おまえがごろじだんだろうがぁぁぁぁぁ!!! じねぇぇぇぇ!!! じねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 おお、怖い怖い。 そう言ってれいむをあしらうと、彼は、机の上に置いてあったビニール製の袋を持ち出した。 密閉された透明な袋の中には、白い粉がぎゅうぎゅうに押し詰められている。 当然だが、ゾンビパウダーのような大層なものではない。 彼は、子れいむの口をガムテープで塞ぎ、床の一部に敷かれたブルーシートに置くと、鋏を使って袋を開封し、中身をドサッと被せた。 すると、どうだろうか。 死んだと思われていた子れいむが、忽ち動き出したではないか。 それも、今にも死にそうな弱々しい動きなどではない。 「お、おぢびぢゃん!!? よがっだぁぁぁぁぁ!!! いぎで……、おぢびぢゃん?」 「ぎぃぃぃぃぃぃ!!! ぎ、ぎっ、ぎぎぎぎぎぎぎ!!! ばあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 テープの隙間から絶叫を上げ、ブルーシートの上で踊り狂うそれは、死に臨んで必死に生きようとする最後の足掻きであった。 そんな二匹のやり取りを眺めながら、男は至極自然な笑顔で告げる。 「何を驚いた顔をしているのですか? 貴女が死ねと言ったから、まだ息のあった御息女に御望みどおり止めを刺して差し上げたのではないですか」 「ぢがうぅぅぅぅぅ!!! じねっていうのは、おまえにいっだんだぁぁぁぁぁ!!! だずげろぉぉぉぉ!!! ぐずぐずじでないで、おぢびぢゃんをだずげろぉぉぉぉぉぉ!!! だずげだら、じねぇぇぇぇぇぇ!!!」 「ふふふ、解ってます。冗談ですよ? でも、無理ですね。そもそも助ける気がありません。それに、今御息女に振り掛けたのは塩です。饅頭のようであり、人間のようでもある。女のようであり、男のようでもある。そして、妖怪のようであり、生物のようでもある。そんな『曖昧』な存在である貴女たちにとって『不変』を意味する塩の結晶は、さぞかし怖ろしい毒なのでしょうね。まず、助かりません」 彼は、ニッコリと微笑みながら、暴れる死に損ないを引っ掴むと、体中に追加された穴という穴に塩を摺り込み始めた。 途端に、子れいむの動きが激しくなる。 その全身に走る痛みは、ショックによって即死するレベルのものだ。 だが、彼女は死ねない。 ところで、死には、様々な種類があるのをご存知だろうか。 ここで、この子れいむを使って肉体の死と精神の死について、手短に説明させていただきたい。 今の彼女にとって肉体の死とは、毒が全身に回り、最終的に中枢餡にまで達した毒によって体の形を維持できなくなることを意味する。 普通ならば、有り得ないことだ。 口が塞がれているために、口から餡子と毒を排出することは出来ないが、そもそも、精神が先に逝くはずなのだ。 精神の死とは、塩による痛みで、耐えかねた意思が命を放棄することであり、それは「名」を放棄することでもある。 ここでいう名とは、この世で最も短い「呪(しゅ)」であり、呪とは、縛るものだ。 名前によって物体は、根源的な性質を与えられ、この世に縛り付けられる。 従って、呪いの類を生業とする者に己の名前を知られるということは、場合によっては、それだけで命の危機となる。 だというのに、とある家族は、取り返しの付かない事をしでかしてしまった。 自分たちの名を売ったのだ。 代償は、饅頭を六個。 彼女らからすると、形のないものを使って、相当な糧を吹っ掛けてやったつもりなのだろう。 小さな、喋る饅頭が六個。 二つの白玉に、コリコリとした飴が沢山ついた甘い、甘い饅頭が六個。 果たして、それは命の代価として十分だったのだろうか。 それを推し量ることは不可能だが、その結果を察することは容易だ。 子れいむは、死ねない。 名前を放棄する権利を有していないからだ。 そして、その権利は、子れいむに至上の苦しみを与えている人間が有している。 子れいむが、楽になりたいと思っても、死にたいと願っても、それが天にも地にも通じることなどない。 毒が全身に回った時、つまりは痛みが最高潮に達する時に初めて、子れいむの渇望する死が訪れる。 結論から言うと、子れいむが死ねたのは、それから三十分もの時が経過した後であった。 体の至るところから齎される痛みにもがき苦しみ、元から体にあった穴から、涙としーしーを垂れ流して死を待った。 痛みに耐えること、ましてや逃れることなど許されない。 必死に呼びかける母の声など聞こえない。 楽しかった頃の思い出に浸ることも許されない。 どうして、こんなことになったのかと後悔することも、素晴らしい物になるはずだった未来を夢想することも許されない。 只只、与えられる痛みを享受するのみだ。 痛い、死にたい、痛い、死にたい……。 ただ、それだけが、彼女の思考を占めていた。 しかし、それにも、終わりが訪れる。 体は、まもなく死が訪れることを敏感に察して、彼女に語りかけた。 もうすぐ楽になれると。 それは、子れいむのゆん生の中で最も心震え、歓喜した瞬間であった。 美味しい物をむーしゃ、むーしゃした時よりも、きらきらと光る綺麗なビー玉さんを見つけたときよりも、そして、この世に生まれ落ちた時よりも。 だが、その歓喜は、一瞬だけ彼女の痛みを打ち消し、抑圧されていた恐怖を呼び起こしてしまった。 死にたくない。 いやだ。 まだ、しにたくない。 いたい。 もっと、もっと、おいしいものをいっぱいむーしゃ、むーしゃするんだ。 いたい。 いたい。 しにたくない。 びまりさとむすばれて、すっきりーをして、いっぱいあかちゃんをうむんだ。 いたい。 いたい。 いたい。 もっと、ゆっくりしたい。いたい。 そうだ、どれい、いたい。いたい。ほしい。いたい。 あのくそにんげんを、いたい。いたい。いたい。いたい。 いたい。 いたい。 いたい。 いたい。 しにたくない。 それが三十分間、死を待ち望んだ子れいむの矛盾した最後の願いであった。 「ごろじでやるーーーーーー!!! だぜーーーー!!! ごごがら、だぜーーーーー!!!」 「何をだぜ、だぜ言っているのですか。貴女はまりさではないでしょうに」 そして、その三十分間は、母れいむにとっての地獄でもあった。 目の前で苦しむ我が子を救ってやることも、目の前の憎い怨敵に復讐することも出来ない。 葛藤の末に、憎い人間に頭を下げても、気持ちの良い笑顔と共に門前払いを食らうのみだ。 時間だけが、無常に過ぎ去っていき……結末は、ご存知の通り。 「随分と面白い顔になってきましたね。先程までの不細工な笑みよりも、此方の方が御似合いですよ。僕は、どちらも嫌いですが」 「ぶざげるなぁぁぁぁぁぁ!!! ぐぞじじいぃぃぃぃぃ!!! ごろじでやるぅぅぅぅぅぅ!!!」 母れいむの容貌は、最早原型を留めていなかった。 それは、決して比喩などではない。 目の中でぎらぎらとしたものが渦を巻き、目尻は般若の如く吊り上がっている。 元々、手入れの行き届いていなかった髪は、よりぼさぼさに乱れ、頭には二本の角、口元には、捕食種の様な牙すら生えていた。 感情一つで、これほどまでの変化が起こり得るのであろうか。 断腸という故事成語がある。 渓流を行く心ない船頭が、ちょっとした余興にと、道程で見つけた猿の母子から子猿を取り上げてしまった悪戯に由来する言葉だ。 人間にとっては、遊びのつもりでも、母猿にとっては、冗談ではない。 必死になって、子猿を追いかける。 最初は、笑って見ていた船頭だが、段々哀れに思えてきて、船を止めたのだが、様子がおかしい。 船へと辿り着いた母猿は、ぴくりとも動かないのだ。 奇妙に思って調べてみると母猿は、既に事切れていた。 腸がずたずたに断ち切れていたのだ。 子を攫われたことによる激情は、母の腸を裂いてみせた。 目の前で子を殺された母の激情に、体を作り変えてしまうほどの力が宿っていても何ら不思議ではない。 ここまで負の感情が満ちれば、十分だろう。 怒りは、既に憎悪に変わっている。 ふと、彼は時計を見やる。 二時三十二分 昨日の日照時間から算出した今日の丑三つ時は、二時三十六分からの数十分。 微妙な間だ。 ならば、最後に少しだけ追い込んでやろう。 そう決めたなら、行動は早い。 今日の自分は、断腸の話に出てくる心ない船頭なのだ。 その場のノリで動くことも悪くないだろう。 「爺とは、失礼ですね。僕は、まだ、若くて、ピチピチなのに……。肌だって、こんなに瑞々しくて、すべすべしてる」 そう言って彼は、自分の腕を、つっと指でなぞった。 確かに、本人が言う通りの若々しく瑞々しい肌である。 体を動かすことは嫌いでなく、定期的に運動は行うものの、基本的にインドア派な彼の肌は、驚くほど白く、傷みがない。 「穢れ」の恐ろしさを理解しており、風呂では入念に体を洗うためか、そこいらの女よりも肌の手入れが行き届いている。 当然ながら、掃いて捨てるほどいる野良ゆっくりなど問題にすらならないだろう。 「あそこに転がっている、貴女の御息女だったゴミの方がよっぽど皺皺じゃあないですか。僕が爺なら、差し詰め、あれは、婆といったところでしょうか? いえ、死んでいるので、婆だったゴミですね」 カラカラと笑いながら彼が指差した先には、子れいむの亡骸。 穴だらけの骸では判り辛いが、水分を出し切った塩塗れの体は、萎んで皺くちゃになっていた。 どうでもいいが、非常に不味そうだ。 生物としても、饅頭としても終わっている。 「ゆっがぁぁぁぁぁぁ!!! おばえが、ごろじだがらだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! ごろじでやる!!! ぜっだいにごろじでやる!!! じねじねじねじねじねじねじねじねじねぇ!!!」 挑発は、上手くいった。 死者を冒涜し、その存在を辱めてやることで、母れいむの憎悪は、最高潮に達した。 時間も丁度、丑三つ時に入ったところだ。 下拵えは、万全。 だが、最後に一言。 別段、必要でもないのだが、その一言を彼は欲した。 ポリシーという奴であろうか。 否、そんな崇高な物ではないのだろう。 「どうやってです? そこから出ることすら適わない貴女が。馬鹿で、非力で、愚かな貴女が如何様にして? 試しに呪ってみますか? その箱の中から」 「うるざいぃぃぃぃ!!! だまれぇぇぇぇぇ!!! じねぇぇぇぇぇ!!! のろっでやる!!! のろっでやるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」 思考誘導等という上等な物は、必要なかった。 準備していた包丁を手にする傍らに、彼が放った言葉。 その中の一つを彼女は、鸚鵡返しに答えてしまった。 その時初めて、彼は心からの笑みを浮かべた。 「では、その『入れ物』は、不要ですね」 「のろっ……」 ストン 告げると同時に、彼は、異形の母れいむを真二つに割り裂く。 痛みを感じる暇すら与えられず、両の眼はグルンと白目を向き、顔の中心を通るようにして切り裂かれた断面から、綺麗に等分された小さな中枢餡がポロンと零れ落ちた。 子れいむの死と比べると、あまりにもあっけない幕切れであった。 もう、その空間に言葉を話す存在は、彼を残すのみ。 「どうしたのです? 憎いのでしょう? なら、早く出てきては如何ですか?」 だというのに彼は、何もいない筈の空間に向かって語り続ける。 先程までのように、嘲るでもなく、小馬鹿にするでもなく、心底嬉しそうな様子で一言、二言の言葉をナニカと交わすと、懐から一本の毛髪を取り出した。 少々くすんではいるが、美しいブロンドの長髪だ。 「ほうら、貴女の憎い憎い敵ですよ。匂いは、覚えましたか? では、お行きなさい」 次の瞬間、彼が指で摘んで弄んでいた髪がスッと掻き消え、部屋の中を彷徨っていた気配だけを持つナニカが、事前に開け放たれていた窓から飛び出していった。 部屋を明るく照らし出す蛍光灯がジッジジッと数度明滅し、再び落ち着きを取り戻すまでに十数秒の時間を要した。 「どうやら、今回は、上手くいったようですね」 ゆっくりとは、呪術に最適な道具だ。 しかし、長い歴史の変遷にあって、その活用法は殆どが失われてしまっている。 その効用を推し量るには、手探り作業しかない。 そうしていくつかの実験を経て彼が見出した方法というのが、ゆっくりに痛みや苦しみを与えることなく、純粋な憎しみを抱かせるというものであった。 ゆっくりが化けて出た。 その手の話は、宴席での笑い話として枚挙に遑がない。 世間では、それこそ星の数程のゆっくりが無惨に嬲られ、辱められ、殺されている。 実際に、ゆっくりが人間を祟ることが可能ならば、恐らく現在の人口は半分程にまで縮小するのではないだろうか。 だが、素晴らしきかな餡子脳。 死に瀕して彼女たちが最も強く感じる思い、願いとは、死への恐怖か、あるいは齎される苦痛からの開放かのみ。 自分の全存在を擲ってでも、人間に一子報いようと考える剛の者など、そうそういないのが現状なのだ。 ならば如何したものか。 無いなら作ればいい。 母子を選んだのは、偶然だ。 調べ物をするために偶々、図書館を訪れており、探していた資料の中に偶々、断腸の逸話があった。 天啓の様に思えてしかたなかった。 ゲスを選んだのは、必然だ。 善良な親子を甚振ることが心苦しい等とは、微塵も思ってはいない。 悪人の魂に強い力が宿るというのは、古今東西の逸話では定番である。 悪事を為してでも目的を達成せんとする覚悟の差か、あるいは、悪行の対価として被った他者からの怨念によるものなのか。 こうして手順を整え、素材を念入りに吟味した上で、あの親子を依代として選んだ。 その結果は、御覧の通りだ。 彼の予想した通り、母れいむは負の感情に飲まれ、陰気を集める依代と化した。 「それにしても、子れいむの霊魂すらも取り込んでしまったというのは、嬉しい誤算でしたね」 負の感情に傾倒することで、陰気の渦と化した存在は、同質の存在を招き寄せる。 苦痛により陰気で満ち満ちていた子れいむの魂は、最も近くにあった母れいむという陰気の渦に飲み込まれてしまった。 母の元に返れるというのは、幸運なことなどではない。 本来ならば、子れいむは、親よりも先に死んだ罪により、賽の河原へと落ちるはずであった。 賽の河原とは、無駄な努力を強いられる一種の地獄である。 しかし、母の魂と結びついた今、そこへ赴くことは適わない。 名を奪われた母れいむは、憎悪の矛先を逸らされ、彼の「式」として放たれた。 式が目的を達するまで、子れいむは、生前の苦しみを母の腹の中で味わい続けなくてはならない。 そして、式が目的を達した後は、母と同じ所へと落ちるのだ。 人を呪わば穴二つ 憎い相手を呪い殺し、地獄に落とすためには、相手の魂を決して放すことなく自分の魂ごと地獄へと導いてやらなくてはならない。 母れいむの魂は、敵と思い込まされた相手の魂と共に地獄の深いところまで落ちていくだろう。 子れいむは、それに引き摺られることになる。 本来ならば「地蔵虐」と云う名の鬼と戯れる程度の罪は、更なる業を背負いこむことになったのだ。 「しかし、効果が大きいということは、返されたときの反動も大きいということ。嗚呼、それを思うと夜も眠れません!」 今度こそ部屋には、彼一人。 式を送り出した彼は、深夜の一人部屋で突如一人ごちると、その場で両肩を抱き、科を作って崩れ落ちた。 男がやっても気持ち悪いだけの仕草だが、白くて線の細い男がやると中々様になっている。 「でも、僕には、貴女がついているので。安心して眠れますよ。まりさ」 気を取り直して、スッと立ち上がった彼の視線は、棚の上のインテリアに向いていた。 しかし、果たして、それは「まりさ」なのだろうか。 饅頭六つで名前を売った家族。 まりさ、母れいむ、子れいむの三匹。 その大黒柱の姿は、もうそこにはない。 お帽子は当然のように廃棄され、ブロンドの髪の毛は全て根元から引き抜かれている。 頭頂部から見苦しく伸びた、三本だけの黒髪が笑いを誘うチャームポイントだ。 両の眼球は抉り取られ、瞼は赤い糸で縫いとめられており開かない。 その隙間からは、諾々と砂糖水が流れるだけだ。 口も同様に糸で縫いとめられているが、中は両目以上に悲惨である。 舌は根元から切り取られ、歯は全て歯茎ごとペンチで潰されている。 意外なことに一度洗浄してあるようで、肌は比較的綺麗なものだが、下半身は念入りに焙られており、あんよ、まむまむ、しーしー穴、あにゃる共々真っ黒に焦げ付いている。 体に巻きつけてある白い布は、服のようだ。 彼の名前が刺繍されている。 誰かに教えてもらわないかぎり、これがまりさだと判るはずがない。 「おっと、失礼。貴女は既にまりさでは、ありませんでした。名を奪われ、お帽子を奪われ、髪を、眼球を、光を、声を、歯を、舌を、体臭を、足を、性器を、排泄器官を奪われた貴女は、既にまりさでは、有り得ませんね。でも、心配いりませんよ。貴女には、僕の髪と臭いと名前と気配を貸して差し上げました。いえ、礼には及びません。貴女は、万が一、呪が帰ってきたときに、それを引き受けていただくだけでけっこうですので」 呪詛返しとは、その名の通り、送った呪を返却されることである。 呪詛とは、往々にして意思を持ったものを使役する術だ。 精霊然り、動物霊然り。 意思の無いモノに、殺害対象を選ばせることは不可能。 では、任務の遂行が妨げられ、折角掛けた呪が解けてしまった式はどうなるのか。 大人しく成仏する。 そんなはずない。 術の解けた式は、術者の元へと帰ってくる。 自分を束縛した存在、憎い憎い敵の元へ。 ただ、それが解っていながら、何の対策も立てない者というのは、まずいない。 多くの術師は、己の性質を持った身代わり「形代(かたしろ)」を作る。 最も簡単な物では、人の形に切り縫いた紙に自分の名前を書くといった程度のものだ。 これだけでも、そこそこの効果がある。 更に、自分という属性、命というオプションを付加してやれば効果は大きくなる。 西洋では、スケープ・ゴートなどとも呼ばれ、こちらは、生きた羊に自分の血を塗すことで自分を付加する。 まりさであった、禿饅頭は、まさに彼の形代であった。 禿げ上がった頭には、彼の黒髪が三本移植された。 失った体臭と名前は、昨日運動する際に来ていた服で補った。 おまけに、この服は、去年から手入れしながら大事に使い込まれているために、彼の気配も十分に残っている。 これだけのお膳立てをしたのだ。 帰ってきた呪詛は、寸分の狂いも無く、元まりさに激突して、その魂を奈落へと導くのだろう。 「まあ、しかし、安心してください。今回は、実験ですからね。呪殺対象は、呪の存在など、これっぽっちも知らない相手です。呪詛が帰ってくることなど、恐らくありません。それに帰ってきたら、帰ってきたで、貴女は愛しの奥方、御息女と同じ場所に行けるのですから、随分と幸せなことですよ」 彼は、形代に顔を近づけると、また朗らかな笑みを浮かべて言い放った。 それがどれだけ残酷な一言なのかを彼は、当然理解している。 成功すれば、生き地獄。 失敗すれば、地獄行き。 何とも、救いの無い話である。 命を己の意思で進んで弄ぶ者は、総じてサディスティックかマゾヒスティックかのどちらかに分かれる。 彼に、ゆっくり虐待という趣味はない。 単に、前者であるだけだ。 形代の前で笑っていた彼だが、ふとあることに気が付いた。 諾々と涙を流す彼女がガクガクと震えている。 妙だ。 ゆっくりが、これ程もでに、見て判るほど震えるときと云えば、死が迫っているときぐらいだ。 死ぬ要因は尽く奪いつくし、涙を流して干乾びるにしては早過ぎる。 「だとすると、本能? 本能が自身に迫る危機を察知……!!?」 そこに思考が及ぶと同時に、彼は形代から離れようとする。 だが、一手遅かった。 「じねぇぇぇぇぇぇ!!! じぃぃぃぃぃねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 窓から飛び込んできた不可視の気配は、吸い込まれるようにして形代に激突し、餡子の花を咲かせた。 「うわっぷっ」 結果、近くにいた彼は、甚大な被害を被ることになった。 「ど、どうして、こんなことに……?」 彼には、理解できなかった。 今回、式を送った相手は、呪詛の概念など知りようもない相手だったはずだ。 それに、呪詛を返されたにしても、この被害はおかしい。 彼が、今日送った式の力は、精々魂を抜き出して地獄へと心中する程度のものだ。 間違っても、対象を物理的に破壊するほど強力なものではない。 そもそも術が失敗だったのか、第三者による妨害か、途中で妙な低級霊と融合したのか……。 いずれにしても、怨霊と化したれいむは、過剰な力で以って追い返され、その分の力が加算されたと考えるのが妥当だろう。 形代となったまりさの死骸へと歩み寄る。 ぶくぶくと肥えた下半身を残して、口から上は見事に抉り飛ばされていた。 ボーリングの玉を正面から物凄い勢いでぶつけられたような死に方だ。 傷口は、既に乾き始めており、餡子がカピカピに乾いていた。 「霊傷から、怨念に混じって微かに感じるのは、闘気ですね。だとすると、純粋な気を纏った体術で撃退されたということでしょうか?」 それだと、この傷跡は妙だ。 まりさといい、れいむといい、怠惰を貪ったゲスが成りやすいLサイズゲスゆっくりだった。 拳や蹴りでは、虚ろな体に穴は穿てはしても、こんな広範囲に渡ったダメージを与えることなど出来ない。 だとすると、これは、彼が今回のターゲットにしたゆっくり「KING・まりさ」がやったと考えるのが妥当かもしれない。 「所詮ゆっくりと侮っていました、か……。流石は、王の名を冠するだけのことは、ありますね。良い教訓になりました」 ハァッと、ため息と共に呟き、彼は部屋を見渡した。 失敗など有り得ないと高を括っていたために、部屋の保護など行っていない。 まりさに巻きつけていた服も、ベッドも、机も、床も餡子塗れだ。 本棚に被害が及ばなかったことと、カーペットを敷いていなかったことが、唯一の幸運だろうか。 何にしても、まずは、この部屋の片付けなくてはならない。 いや、その前に風呂か。 ついでに、形代作成に使った服も洗濯しようと、彼は、床に落ちた白い服――大きく刺繍された彼の名前の横に、小さく4年2組と刺繍された体操着を拾い上げようと屈む。 餡子が付着して重くなったボブカットの髪が鬱陶しく垂れ下がり、掻き揚げると手には、ベットリト餡子の塊。 不意に少年は、舌を出すと、ペロッとそれを舐めとった。 「甘い……。一応、これも『食べ物の怨み』なのでしょうね……。おお、怖い、怖い」 クスクスと笑いながら、餡子を舐めとる少年の舌は、血の色よりも赤かった。 あとがき ショタを出したのに、他意はないよ。 前作が婆ちゃんだったから、その対極は、少年だと思ったわけじゃないよ。 餡子には、熟女、ロリ、男の娘はいるけど、ショタが足りないと思ったわけじゃないよ。 単に、筆者がショタ好きなだけだよ。 か、勘違いすんじゃねーよ!!! あ、それと、作中に出てきた「KING・まりさ」は、ポールあきの過去作に一回(二回?)だけ出てきた、よく自殺するまりさのことです。 最後に、前作の感想で拝見した「京極堂」 実は、読んだことないっす。 という訳で早速「姑獲鳥の夏」を買って参りました。 オラ、わくわくしてきたぞ。 また、スーパー徹夜読書タイムの予感!!! 過去作 ふたば系ゆっくりいじめ 394 お兄さんと冷めた肉饅 ふたば系ゆっくりいじめ 408 お前もポールさんみたいにしてやろうか!? ふたば系ゆっくりいじめ 442 肉まんと出かけよう 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 491 肉まんと出かけよう 完全版 ふたば系ゆっくりいじめ 501 ゆっくりしたモノの義務 ふたば系ゆっくりいじめ 547 変わらない ふたば系ゆっくりいじめ 663 クリスマスは、十ゆん十色 ふたば系ゆっくりいじめ 825 捕食種一家と三つの教訓 ふたば系ゆっくりいじめ 1025 妖怪饅頭の話
https://w.atwiki.jp/star_grail/pages/104.html
…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。 俺が目を覚ました時、蜜蜂の唸るような奇妙な音が聞こえてきた。 その鼓膜に染み込んだ音はねっとりと俺の体を侵蝕し、血に流れ、髄を通り、最後に汗腺を刺激した。 手のひらで額の汗を拭った俺は、辺りを見回し、まず状況を確認しようとした。 天井は高い。白くて綺麗だ。ガキの頃に一度だけ入ったことのあるムショとは大違いだ。 吊るしてあるのは裸電球か? 少々汚いがこれまたムショとは違った感じがする。 「ここはどこだ? 『別に気にならねえな』」 俺の独り言に、もう一人の『俺』が応える。 クソッ! またこれだ。 俺は気怠い身体に鞭打って起き上がった。 ……起き上がった? そうだ。俺は寝ていたようだ。 すると、コンクリート製の打ちっぱなしの壁の向こう側からまだあどけない少女の声が聞こえてきた。 「……お父様。お父様。お父様お父様お父様お父様お父様。 ……もう一度……今のお声を……聞かせてくださいませ…………」 俺はゴクリと生唾を飲み込むと、声が聞こえてきた方の壁を凝視した。 「……お父様お父様お父様お父様お父様……お隣のお部屋に居らっしゃるお父様……私です。 私です。お父様の娘だった……貴方の妻でした私……私です。 私です。どうぞ……どうぞ今のお声をもう一度聞かせて……聞かせて下さい……聞かせて……聞かせて……お父様お父様お父様お父様……お父様――ッ……」 異常だ。何かかもが異常だ。 『そうか?』 俺は頭のなかに響く『俺』の声が気にならないほどに混乱していた。 どうしてこんなことになっているんだ? 状況を整理しよう。 まず、俺は今、どこにいるんだ? 次に、俺のこと(だよな?)を「お父様」と呼んでいるあの女は誰だ? そして最後に、知らないうちに俺の右手に握られていたこの【カード】は何だ? …………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。 またあの音だ。 暫く茫然自失としていた俺の耳に、またあの時計のような音が流れ込んでくる。 ――聖杯戦争。 今の音でようやく思い出した。 複数の主従を争わせ、最後に残った一組の願いを叶える。 そんなイカれた戦いに俺は身を投じたのだ。 『イカれてんのはお前のほうさ』 頭の中でもう一人の俺が俺を嘲笑う。 俺はふと頭を触った。 コスチュームが、無い。 「被るもの……早く……! 裂けちまう……!」 俺の中の『俺』が自己主張を始め、瞬く間に俺の『個性』は勝手に発動しそうになる。 ――ドゴォン! 何かが爆ぜるような音がし、部屋のコンクリート壁が吹き飛んだ。 「お父様。お衣装をお忘れのようでしたので、僭越ながら私の方から来させていただきました」 もうもうと土煙が立ち込める中、虚ろな目をした少女がにっこりと微笑んで立っていた。 少女の手にはラバーマスク。確かに俺のものだ。 俺は震える手でラバーマスクを少女から受け取ると、それを被った。 「……ハァ、ハァ、ハァ……」 いい。アメスピは無いがテンションが戻ってきた。 …………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。 例の時計の音がする。 俺と少女は土煙が収まった部屋で机を挟んで向かい合っていた。 「で、アンタは俺のサーヴァントなのか!? 『別に誰でもいいけどよ!!』」 「はい、私がお父様のサーヴァントです」 バーサーカーの少女――ガラティアというそうだ――は微笑みを絶やさずにそう応えた。 「じゃあさ、教えてほしいんだけどよぉ……」 「はい。何でもどうぞ。私は全てをお父様のために捧げます」 何となく会話が噛み合っていないような気がしつつも俺は尋ねる。 「バーサーカーちゃんの聖杯にかける望みって何!? やっぱり世界平和とか!? 『だったら俺の望みと一緒だな!!』」 「――それは、もちろん」 少女は目を逸らさずにはっきりと応えた。 「お父様の幸せですとも」 ……ブウウウ…………ンン…………ンンン…………。 【クラス】 バーサーカー 【真名】 ガラティア 【性別】 女 【出典】 ギリシア神話 【属性】 混沌・中庸 【パラメーター】 筋力:A 耐久:D 敏捷:A 魔力:E 幸運:E 宝具:C 【クラススキル】 狂化:C 理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。 普段は理性的で意思の疎通も図れるが、「お父様(マスター)」の身体または精神が傷ついたとガラティアが見なした場合、このスキルが自動的に発動され、マスターのことを傷つけた対象を全身全霊を持って排除する。 【保有スキル】 象牙の肢体:EX アガルマトがガラティアの体を彫る際に付与したスキル。 毒や呪い等のステータス異常効果を完全に無効化する。 水晶眼:D サーヴァントや宝具、魔術の性能を一目で把握し、分析するスキル。 ただしランクが低いため、ガラティアの分析を信用して良いかどうかはマスターの判断に一任される。 自己修復:B 自身の身体を自動的に修復するスキル。 霊核が損傷しない限り、ある程度の傷であれば直すことが可能。 【宝具】 『彫刻師の接吻(アガルマトフィリア)』 ランク:A 種別:対軍宝具 造高十メートルのガラティアを模した彫刻像を召喚し、意のままに操る宝具。 彫刻像はガラティアの動きと連動しており、その巨大さに見合わず俊敏。 また、腕のみや脚のみの召喚も可能。その場合、魔力消費が抑えられる。 【weapon】 なし 【人物背景】 ギリシア神話に登場するキプロス島の王アガルマトが、女神アプロディーテーの姿に似せて彫刻した象牙の女性型彫刻像。 自らが作った彫像に恋焦がれるアガルマトの祈りを聞き届けたアプロディーテーによって、彫刻像ガラティアは人間となり、最後にはアガルマトと結ばれた。 【特徴】 真っ黒なゴシックロリータとチョーカーを装着した、まだあどけなさの残る球体関節人形の美少女。水晶の瞳に薄鈍色の髪を持つ。 マスターのことをアガルマトだと思い込んでおり、性別に関わらず「お父様」と呼んで慕う。 【サーヴァントとしての願い】 永遠にお父様(マスター)と一緒に暮らす。 【マスター名】 トゥワイス(分倍河原仁) 【出典】 僕のヒーローアカデミア 【性別】 男 【Weapon】 なし 【能力・技能】 「二倍」 トゥワイスの『個性』 一つのものを二つに増やすシンプルな能力。 対象物をしっかり精緻にイメージすることで増やせる。イメージが足りないと失敗する。コピーは性格や能力も再現されている。 複製はある程度のダメージが蓄積すると、泥の様なものに崩れて無力化する。二つ目まで二倍に増やせるが、二つ目は一つ目より崩れやすい。 また、下記のトラウマのせいで自分自身を増やすことは出来ない。 【人物背景】 全身に黒いラバースーツを纏っている、灰色の肌と白目が特徴的な犯罪者(ヴィラン)の男。 口数が多く、一人で二人分の会話を行っている様な話し方も特徴。先に喋るAは本当のことを言っているが、後に喋るBはAの反対、もしくは、本来言うべき言葉とは反対の言葉を発している。 素顔は額に傷がある金髪のダンディーな男性で普段は寡黙。 過去に悪事の為に自分自身を複製し従えていたが、反乱により分身に殺されかけ額に傷を負わされてしまう。 分身は互いに殺し合い本体の自分だけが残ったものの、トラウマを植え付けられたせいで自分が本物であるか確信が持てなくなった上、常に反対の事を言う二重人格が形成されたために日々葛藤している。 マスクを被ると落ち着き、口調が軽くなる。 【聖杯にかける願い】 本当の自分を確立したい。
https://w.atwiki.jp/tsvip/pages/532.html
(嘘だ・・・嘘だうそだウソダ!) すべてのカードが場に出終わった瞬間、心の中で繰り返す。 俺が負けることなんてない。まして相手がこいつらときたら、そんなことなおさらである。 ただ漠然とカードを出しているあいつらに・・・負けるはずがないんだ・・・! だが現実はどうだ。 俺は負けた。 言い逃れなんてできるわけがない。 体を小刻みに震わせながら、4人の顔を見る。 ・・・っ!こいつら、笑ってやがる・・・! 「まったく、お前は本当にアホだな。」 正面にいる東海林が、不敵な笑みを浮かべながら言う。 先ほどとは一変、手のひらを返したような態度をとっている。 俺は少しばかりカチンときたが、ここで怒っても仕方ない。 立ち上がろうとする自分を抑え、彼の話を黙って聞く。 「少しいい気にさせりゃ、お前を負かせることなんて簡単なんだよ。」 「な・・・なんだと・・・」 「もうね、配られてたカードに何かが仕組まれていないかって考えなかったお前の負けだよ。」 「あの時点で・・・俺が負けてたとでも言うのか?」 「当たり前じゃん。お前が負けるようにカードを仕組んだんだからな。」 「くっ・・・!」 「それじゃあ、罰ゲームを受けてもらおうかな?」 俺を見下すように言う。これから罰ゲーム・・・いや、報復でもするかのような雰囲気だ。 周りの4人も、東海林と同じような表情で俺のことをみつめていた。 床に散らばっていたトランプを俺が片付け、お待ちかねの罰ゲームのお時間がやってきた。 俺は不貞腐れて、床にごろんと寝転がる。 他の4人は俺のことをみて、これから起こることを想像しながら笑っていた。 「よし、それじゃ俺が引くね。」 妙に上機嫌な河原辺が、一枚目の紙を引く。いつもはそんな表情見せないやつだ。 いつもはヘラヘラと低い腰で俺に接してきているのに、まったく真逆の態度になってやがる。 そんなに俺に罰ゲームを受けさせるのが楽しみなのだろうか。 「一枚目はっと・・・『一週間後』か。」 なんだか不満そうな表情。 一週間後で不満なら、いつがいいんだ。明日か?それとも来年か? 「よし、続けて二枚目!高野が引けよ!」 「オッケ、面白いの引いてやるぜ。」 高野、お前も嬉しそうな表情してやがるな。 俺のケツをホイホイとついてきてるだけのヤツなのに、よくもまぁそんな態度で。 高野は「どれにしようかな」と口ずさみながら二枚目の紙を引く。 「二枚目はっと・・・『コンビニで』か・・・つまらんな。」 嬉々とした表情から一転、口を尖がらせて「おもしろくねぇ」と一蹴。 引いたのはてめぇだろ、と突っ込みたくなったが、立場上何も言えない。 4人を睨みつけながらただただ待つばかりである。 「よし、三枚目は峠が引け!」 「あいよう。」 今までの三人に比べて、こいつ(峠)は少し雰囲気が違う。あまり乗り気でない感じだ。 さすが俺の右腕に立つくらいの力を持つ男。こいつだけ可愛がってた甲斐があったぜ。 ※ちなみに、三枚目は本来であると「誰が」にあたるが、ここでの場合は大貧民が「誰が」にあたるので、自動的に「芋野」が「誰が」の部分になります というわけで、三枚目は「何を」ということになります 「えっと・・・三枚目は・・・プププッ!」 大人しそうな顔をしていた峠が突然、口に手を当て笑い出す。 いつもポーカーフェイスのこいつがこんな風に笑うとは、俺にも想像がつかなかった。 彼は必死に笑いをこらえ、三枚目の紙をみんなに見せる。 「なになに・・・『エロ本を立ち読み』wwww」 プギャーと指を指して笑う。別にエロ本読むくらいで騒ぐことないだろう・・・常考。 馬鹿みたいに笑う4人を見て、俺はダンマリ。早く終わらせろよとイライラとする。 エロ本如きで騒ぐ奴らを今まで手下に連れていたと思うと、なんだか自分自身が嫌になってくる。 「よっしゃ、最後は東海林だな。」 「面白いの引いてやるぜ!」 指をパキパキとならしながら気合いを入れる。 なんかいつも以上に張り切っているのは気のせいとしておこう。 「何が出るかな?何が出るかな?それは右手に任せようっ!」 右手で素早く四枚目の紙をつかみとり、高らかに掲げる。 「おい・・・これは・・・芋野捕まるなwwwwww」 「さすがにやばいかもな。」 「これは捕まるかもわからんね。」 先ほどのハイテンションの三人はどこへやら、少し俺を心配してくれている。 心配してくれているのかどうかはわからないが、犯罪だ逮捕だ何やら気にかかることを言っている。 少しばかり気にかかった俺は上を向き、東海林の引いた四枚目の紙に目をやる。 そこには、実行するには危険すぎる内容が書かれていた。 「『オナニーする』って・・・オイ、できるわけねぇだろが!」 内容を見た俺は激怒する。どう考えてもできるわけがない。 安価は絶対だ、的な空気の中、俺は荒げた声で言う。 「いや、別にまだやるって決まったわけじゃねぇだろ。そうカッカするなよ、馬鹿。」 見下すように河原辺が言う。単調なしゃべり方が一層頭に来る。 「でもやってもらいたいな。俺達の恨みもあるし。」 高野がにやにやしながら言う。俺達って、お前個人の恨みが大きいんだろうが。 余程俺が捕まってほいいのだろうか。何のためらいもなくそういうことを平気で言う。 ま、俺もこいつらにはそういうようなことをやってきたんだからな。しっぺ返しがここで来たんだろう。 「でもよ高野。さすがにこれはまずいだろ。」 水を差すように峠が一言。その言葉に、高野がぴくんと反応する。 「あぁ?こいつ(芋野)にはどんだけやられてきたと思ってんだよ?今こんなことでもしなきゃ、いつやるんだ?あぁ?」 「お前はそう言ってるが、芋野のお陰で俺達はここまでいい思いもできたんだぜ?」 「う・・・まあ・・・そうだけど・・・」 峠のその言葉に、高野は一気にしゅんと萎えてしまった。つつかれた団子虫のように、顔をうずめて丸まってしまった。 (峠は俺のことを理解してくれているんだ・・・。少しばかり気が楽になるな。) 「それじゃあよ、どうすればいいんだ?」 少しお怒り気味の河原辺。ふてくされた顔で峠に問いかける。 「VIPで安価でも出すか。」 「VIP?なんだそれ?」 「同士の集まる場所だよ。」 「同市・・・?」 「お前にゃ分らん世界だ。」 「芋野、パソコ借りるぜ。」 「あ、あぁ・・・」 ぎしっと事務用椅子に腰掛け、パソコンを操作する峠。 キーボードの小気味よい音が俺の部屋に響く。 こいつのいつもの姿からは想像できないほど、タイピングが早い。 恐らくワープロ検定1級レベルは優に超えているだろう。 「それじゃ、安価で決めるけどいいよな?」 「お前に任せるけど・・・安価って何だ?」 「安価は安価だ。お前らに言った時点でわかりっこないだろ。」 ―――――――――――――――――――――――― 「変な安価こなけりゃいいんだけどな・・・」 ぼそっと一言。地獄耳の河原辺には聞こえていたようだ。 「峠、何か言った?」 「いや、別に。」 「お、安価番号に達したな。」 「なんて書いてある?」 「ええっと・・・『朗読』って書いてある。」 「優しい人でよかったね。」 峠が俺のほうを見て言う。残念そうな表情をしていたように思えたが、別段気に掛けるほどでもなかった。 確かに、先ほどよりは多少はマシになっているからよしとしよう。 「ついでに、読む本も決めとくか。」 「いや、読む本は俺が・・・」 「お前に決める権利はない。俺の同士が決めるんだ。」 峠に一喝。今この場で一番力があるとすれば、峠良太だろう。 地に落ちた俺の権力。 たかが大富豪でこうなるとは、夢にまで思ってもいなかった。 ◆安価『罰ゲーム』終章
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2242.html
妖怪饅頭の話・裏 ―食べ物の怨み― 32KB 虐待-普通 自業自得 実験・改造 野良ゆ 赤子・子供 ゲス 現代 独自設定 呪い ポールあきとのお約束条項 ・前回に続いてオカルトな内容だけど、今回は虐待もあるよ!!! ・前作のあとがきで書くといってた二作品は、ちゃんと書く予定だけど、まだまだ練り込みが足りないから、ちょっと待ってね!!! ・前作と対になってるよ!!! 別に前作を読まなくても問題はないはずだけどね!!! ・呪とかに関する解釈は、間違ってる解釈を敢えて採用してたりするよ!!! ―――――――――――――――――――― 兄――頭の大きなモノが 口――誰かの不幸を口にする その様子を「呪」と表す ―――――――――――――――――――― 人間は、科学によって急激な発展を遂げた。 ありとあらゆる不可思議は、あばき尽くされ、蹂躙され、日の元に晒された。 人間は、闇を拒絶するようになった。 街角には街頭が立ち並び、歓楽街はネオンにより昼と見紛うほどに華美に装飾された。 そして、闇は闇でなくなり、片隅へと追いやられていった。 それは心の闇も例外ではない……。 「僕のような人間にとっては、とても、とても辛い時代になりました。術の効きが悪くなった割には、お偉方の面々は、未だに呪(まじな)いの恐ろしさを十分に理解しておられる」 数少ない手札でもって要塞の如き結界に挑むという行為は、人間に喧嘩を売るゆっくりになったかのような錯覚を「彼」に興させる。 「まあ、その分『依代』の入手が容易になったので、割とイーブンなのかもしれませんね」 深夜の自室で、くくっと喉を鳴らして笑う彼は、別段、餡子脳なわけではない。 確かに、その部屋に、彼以外の人間は誰一人として存在しない。 しかし、交信可能な依代(よりしろ)ならば複数いる。 「くそにんげん!!! さっさとれいむとかわいいれいむのおちびちゃんをここからだしてね!!! それとあまあまちょうだいね!!! たくさんでいいよ!!!」 「れいみゅは、ちゅよいんだよ!!! ぷきゅーしゅるよ!!! ぷきゅー!!!」 会話が成立するかは、甚だ疑問であるが。 「妖怪饅頭の話・裏 ―食べ物の怨み―」 そこは、二階建ての一軒家。 ベッド、作業用のデスク、棚の上のインテリアなどといった極普通の家具が設置された北東の一室は、よく整理整頓の行き届いた極々普通の部屋だ。 本棚の中から辞書や教本の類に紛れて得体の知れない古書が顔を覗かせ、部屋の隅には、不気味に蠢く観葉植物が配置されているという点を除けばであるが。 「むじずるなぁぁぁ!!! くそにんげんーーー!!!」 白い蛍光灯の光で照らし出される部屋の中で、フローリングの床の上に直置きされているのは、例によって透明な箱である。 その中身は、もはや言うまでもないが、ゆっくりだ。 虐待用ゆっくりの代名詞。 その片割れ、れいむのみが大小二匹。 成体、幼体、共にでっぷりとした腹を携えた親子が、いかにも「私たちゲスです」とでも言わんばかりのふてぶてしい表情で鎮座していた。 虐待お兄さんならば、思わずビキィ and ヒャッハーしてしまう定番の品である。 だが、そんな二匹を目の前にしても、彼の心に何ら感慨など湧いてはこない。 その表情は、先程からずっと朗らかな笑みを湛えるのみであった。 彼にとってゆっくりは、目的達成のための単なる道具に過ぎない。 「強い……ですか。確かに貴女たちは、強いのかもしれませんね。単純な武力で言えば、時として虫にすら劣る虚弱な貴女たちであっても、種として見るとこれほど強かな存在もまた珍しい。他の妖怪たちが時代の変遷の中で、人々の記憶から姿を消し、減退の一途を辿る中、貴女たちは人間の記憶の中にしっかりと残って、終には生物として生態系の中に組み込まれてしまいました。しぶとさという点においては、確かに強いと言えるのでしょうね」 ゆ虐とは、単なる手段の一つである。 彼は思う。 呪術の媒体、依代として、ゆっくり以上に適切な存在はない。 負に傾倒させやすい豊かな感情と方向性を操作しやすい単純な思考能力。 質の面でいえば、当然ながら人間に軍配が上がるのだが、手軽に入手できるという点では、遥かにゆっくりは優れた道具といえる。 人間を拉致してポリスメンに目をつけられるのは、非常に厄介だが、彼らはゆっくりを捕縛した程度で動いてくれるほどには暇でない。 仮に暇でも、小汚い野良ゆっくりのために動くほど勤勉ではないだろう。 「にんげんにしては、ものわかりがいいね!!! れいむさまのどれいになるけんりをあげるよ!!! こうえいにおもってね!!!」 「ひざまじゅいて、れいみゅしゃまのかもしかしゃんのようなおみあしをなめてもいいよ!!!」 語られた内容の半分も理解できずに、都合のいい部分だけを切り出して暴言を吐く饅頭に一々目くじらを立てることもないし、囀りに反応するのも馬鹿げている。 今から消えてなくなる存在に心乱されるなど、無駄以外の何物でもない。 「まあ、とは言っても……」 「ゆゆ!!? きたないてでれいみゅにしゃわ……おしょりゃをとんでりゅみちゃい~!!!」 「なにじでるくそどれいぃぃぃぃぃ!!! さっさと、おちびちゃんからてをはなせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 それでも彼は、ゆっくり相手に語り続ける。 無駄なエネルギー消費であり、会話の成立しない存在との無意味な交信であるが、それでも口を動かし続ける理由がたった一つだけ存在する。 左手を透明な箱に突っ込んで、小汚いれいむの幼体を取り出し、先を続ける。 「ふぁあ~、しぶとしゃの面でも、人間には遠くおよばにゃいんですけどね。勿論、他の面では尚のこと」 普段、早くに就寝する習慣を持つ者にとって、深夜に起きて作業するというのは、思いの外苦行である。 頭に浮かんだ言葉をすぐさま口に出してでもいないと、精神が心地よい暗闇の中に落っこちそうで怖ろしいのだ。 草木も眠る丑三つ時は、まだ少し先である。 その時まで一定のテンションを保ち、思考をクリアにしておかなければ、仕上げでどんなミスを犯してしまうか分かったものではない。 「ああ、不細工さという点では、貴女たちの独壇場でしたね。醜さならば、人間も負けてはいませんが」 彼に悪意などない。 思ったことを口にしているだけだ。 しかし、ゆっくりに対して思うところがないわけではない。 歳の離れた彼の友人は、ゆっくりが人間の街に湧いてくる理由を人間と友達になりたいからだと語った。 正気を疑う内容であり、彼女は、かなりの高齢で呆けの進行も疑われるのだが、実際、耄碌しているわけではない。 時折、彼を孫と勘違いしたりもするが、パートに出ている親御さんたちの代わりに近所の子供たちの面倒を見てやれる程度には、しっかりとしている。 ゆっくりは、天敵とすらいえる人間に対して、あまりにも無防備だ。 その無防備さも、同じ言語を用いる存在として、隣人のように思われているからだと考えれば、確かに納得も出来る。 人間がどう思っているかは、別として。 それでもだ。 今、目の前にある存在を目の当たりにすると、その考えも霧のかなたに霞んで見える。 全体の中の一部を見て、全体がそうであると論ずる愚を彼も理解している。 しかし、一つの命題を覆すのに必要な反例は、一つだけあればいいことも、また理解している。 「ゆぎぃぃぃぃぃ!!! ふざげるな、ぐぞどれいぃぃぃぃぃぃ!!! せいっさいっしてやるから、ぞごをうごぐなぁぁぁぁぁ!!!」 「れいみゅは、きゃわいいにきまってりゅでしょぉぉぉぉぉ!!! しゃっしゃと、ていしぇいしてにぇ!!! ぷきゅーーーー!!! ぷ」 ふしゅるるる 彼の放った一言で忽ち激昂する二匹。 悪意が篭っていないだけに、その言葉が本心であることを本能的に理解出来たのだろう。 成体は、透明な箱の中で暴れ、幼体も頬を膨らませて抗議する。 だが、それも束の間。 子れいむの癇癪は、彼が右手に持った物によって中断させられた。 何の変哲もないHBの黒鉛筆だ。 黒鉛と粘土を混ぜて焼いた芯を木製の軸で覆い、緑色の塗料で仕上げたセンター試験の必需品だ。 力を入れれば、ベキッと圧し折れてしまうだろう。 削ったばかりで先端の尖ったそれは、円錐状に削られ木目を晒している部分の半分ほどまでが、子れいむの柔らかな頬に突き刺さっていた。 「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃ!!! いだいーーーーーーーーー!!!」 「おぢびちゃぁぁぁぁぁぁん!!?」 貫通したわけでもないのに何を大袈裟なと、今度は心中で呟き、彼は鉛筆を抜き取る。 「ゆわーん!!! れいみゅのみずみずしく、しゅべしゅべとした、くれおぱとらもびっくりなびはだがぁぁぁぁぁぁ!!!」 「おちびちゃん、しっかりしてね!!! きずは、あさいよ!!!」 突如として降って湧いた不幸に、二匹は騒ぎ出した。 れいむは、目の前に壁があることも忘れて、幼体に擦り寄ろうと動き回り、子れいむは、ゆんゆんと泣き声を上げる。 危機が去ったわけでもないのに悠長なことだ。 呆れながら、再び突き刺す。 「ゆびぃぃぃぃぃぃぃ!!! いだいーーーーーーーーー!!!」 「なにをするだぁぁぁぁぁぁ!!! くそどれいぃぃぃぃぃぃぃ!!! やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 一般的に、止めろと言われて止めるならば、誰も最初からやらないというのが通説だ。 そもそも彼は、ゆっくりの言葉に耳を傾けるつもりなど毛頭ない。 交信とは、言葉という信号を取り交わすことであり、会話と異なり意思の疎通など二の次、三の次。 ゆっくりとのやり取りなど、正に交信なのだ。 抜き、刺し、抜き、刺し、時折抉る。抜き、刺し、抜き、刺し、時折切り裂く。 「ゆわぁぁぁん!!! れいみゅのたいようのひかりをうけてきりゃきりゃとかがやくだいやもんどのようなおめめぎゃぁぁぁぁぁ!!! ばらのあかよりもあかくけだかいおりぼんしゃんがぁぁぁぁぁ!!! おののこまちのくろかみのようなしゃらしゃらきゅーてぃくるへあーしゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 「れいむとまりさのあいだにうまれたざいじょのおちびちゃんがぁぁぁぁぁぁ!!!」 「意外と博識なのですね。髪の毛に関しては半ば同意してさしあげましょう。あの時代の女性は、年に一度しか髪を洗わないそうですし。長すぎる髪というのも考え物ですね。しかし、被害報告とは、随分と余裕がお有りのようで……。時間も推しておりますので、少々激しく逝きましょうか」 相変わらずの笑顔で告げた彼は、順手に握った鉛筆を逆手に握り直すと、先程の倍の速度で手を動かし始めた。 刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す。 「ゆんやぁぁぁぁぁぁ!!! もう、やめでぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 「おぢびぢゃん!!! ゆっぐり!!! ゆっぐりだよ!!!」 子れいむは、彼の手から逃れようと、たゆんたゆんとした下半身をぶりんぶりんと振り、必死になって暴れるが、拘束が緩む気配など微塵もない。 同世代の男性と比べても少し小さな彼の手ではあるが、それでも人間の握力を普通の子ゆっくり如きが、どうこう出来るものではない。 刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す。 「ご、ごめんなしゃいぃぃぃぃ!!! あやまりゅ!!! あやまりまじゅが、りゅが!!? ぎ、ぎ、ゆ、ゆぶっ、び!!! び、ゆっ、びゅびゅっ、び、ゆっ、ゆぎゅ!!!」 「おねがいじまずぅぅぅぅぅ!!! だずげでぐだざいぃぃぃぃぃ!!! おぢびぢゃんば、まじざどのあいだにやっどでぎだ、だいぜずなだからものなんでずぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」 終に痛みに耐えかねた子ゆっくりは「とりあえず謝っておけば、その場は助かる」というゆっくりの常識に従って彼に謝罪を試みるが、それは、口内に突き刺さった鉛筆により阻止された。 鉛筆は、歯石のように砂糖がこびり付いた歯を圧し折っても止まらない。 喉に、舌に突き刺さるが、彼は運動を止めようとはしない。 仮に謝罪を行っても、結果は変わらなかったのだろう。 刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す。 「ゆび、ゆぶ、ゆるぶっ、びひっ、ぶぼっ、びゅべっ……」 刺す、刺す、刺す、ベキッ!! 「ぴぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」 弱々しい泣き声しか出せなくなっていた子れいむが、一際大きな泣き声を上げた。 体内で鉛筆の芯が折れたのだ。 それと同時に鉛筆も止まる。 「おぢびぢゃん!!! じっがり!!! じっがりじでね!!!」 最早、声を出すのも辛いのか、ヒューヒューと苦しそうに息を吐く子れいむに、母れいむが必死になって呼びかける。 それに元気付けられたのか、子れいむも体中の痛みに耐え、歪な笑みを返そうとしたところで、その顔は恐怖に歪んだ。 見てしまったのだ。 彼の右手を。 何時の間に取り出したのか、彼の右手には、再び先の尖った鉛筆が握られていた。 それから十分程、上下前後左右、満遍なく鉛筆の刺突を続けても、子ゆっくりが死ぬことはなかった。 鉛筆の芯が六回折れた。 内四本の鉛筆は新しい物に交換し、二本は折れたものを削って使用した。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆ……」 ゆっくりが「ゆ」としか鳴かなくなったら、死ぬ間際だ。 それが一般常識であるが、この子れいむは、死なない。 いや、死ねない。 次第に「ゆ」とすら言えなくなり、口だった場所から、ぶくぶくと黒い泡を吹くだけになった。 その段階になって漸く、彼は鉛筆による刺突を止めた。 「おぢびぢゃんっ? おぢびぢゃんっ!!? おぢびぢゃんっ!!!」 愛しい我が子に、何度も何度も呼びかける母れいむ。 穴だらけの子れいむは、ぴくりとも動かない。 既にゆっくりと呼べる状態ではなかった。 大きな穴から餡子色の泡が出ていなければ、潰された白玉の目玉が眼孔に収まっていなければ、それが前なのか後ろなのかも、何処が頭で、何処がお尻なのかも判別できなかっただろう。 穴だらけにされたおりぼんは、疾うの昔にはらりと舞い落ち、髪の毛は、執拗な刺突によって全て抜け落ちてしまった。 下半身も例外なく攻撃対象にされたために、既にどの穴がまむまむで、どの穴があにゃるなのかも分からない。 最早生きてはいないことなど、一目瞭然であった。 「おぢびぢゃん!!! じっがりじで!!! おがあざんだよ!!! おべんじじでよ!!! ゆっぐり!!! ゆっぐり!!!」 それでも母は、呼びかけることを止めない。 どんな姿でもいい。 ただ生きていて欲しい。 その一念が母を動かしていた。 「ハハハ、そんなに御息女のことがお大事なら、ぺーろぺーろ(笑)でもして差し上あげたらどうですか?」 「ゆ……」 時が止まった。 そう錯覚するほどに、空気が張り詰めていた。 あれ程騒がしかった母れいむは、ぎりぎりと歯を食いしばって一言も言葉を発しない。 それは、今将に噴火せんとする火山であった。 母れいむは、子れいむから視線を外して見上げる。 そこにある、憎い憎い我が子の敵を。 足、胴、胸、そして、終に顔へと、その視線が注がれたとき、母れいむの中で張り詰めていた物が決壊した。 そこにあったのは、初めと変わらない朗らかな笑顔であった。 「じねぇぇぇぇぇぇぇ!!! じね、じね、じね、じね、じねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 彼が初めて放った「心にもない一言」は、崩れ落ちそうだった母れいむの心を支えるのに十分な威力を発揮した。 だが、あと一押し足りないようだ。 悲しみは、怒りに変わったが、相手の自然死を願う程度では、まだまだ足りない。 「ふふふっ、汚い面ですね。それにしても、御自分の御息女に死ねとは、随分と酷い御方だ」 「おまえがごろじだんだろうがぁぁぁぁぁ!!! じねぇぇぇぇ!!! じねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 おお、怖い怖い。 そう言ってれいむをあしらうと、彼は、机の上に置いてあったビニール製の袋を持ち出した。 密閉された透明な袋の中には、白い粉がぎゅうぎゅうに押し詰められている。 当然だが、ゾンビパウダーのような大層なものではない。 彼は、子れいむの口をガムテープで塞ぎ、床の一部に敷かれたブルーシートに置くと、鋏を使って袋を開封し、中身をドサッと被せた。 すると、どうだろうか。 死んだと思われていた子れいむが、忽ち動き出したではないか。 それも、今にも死にそうな弱々しい動きなどではない。 「お、おぢびぢゃん!!? よがっだぁぁぁぁぁ!!! いぎで……、おぢびぢゃん?」 「ぎぃぃぃぃぃぃ!!! ぎ、ぎっ、ぎぎぎぎぎぎぎ!!! ばあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 テープの隙間から絶叫を上げ、ブルーシートの上で踊り狂うそれは、死に臨んで必死に生きようとする最後の足掻きであった。 そんな二匹のやり取りを眺めながら、男は至極自然な笑顔で告げる。 「何を驚いた顔をしているのですか? 貴女が死ねと言ったから、まだ息のあった御息女に御望みどおり止めを刺して差し上げたのではないですか」 「ぢがうぅぅぅぅぅ!!! じねっていうのは、おまえにいっだんだぁぁぁぁぁ!!! だずげろぉぉぉぉ!!! ぐずぐずじでないで、おぢびぢゃんをだずげろぉぉぉぉぉぉ!!! だずげだら、じねぇぇぇぇぇぇ!!!」 「ふふふ、解ってます。冗談ですよ? でも、無理ですね。そもそも助ける気がありません。それに、今御息女に振り掛けたのは塩です。饅頭のようであり、人間のようでもある。女のようであり、男のようでもある。そして、妖怪のようであり、生物のようでもある。そんな『曖昧』な存在である貴女たちにとって『不変』を意味する塩の結晶は、さぞかし怖ろしい毒なのでしょうね。まず、助かりません」 彼は、ニッコリと微笑みながら、暴れる死に損ないを引っ掴むと、体中に追加された穴という穴に塩を摺り込み始めた。 途端に、子れいむの動きが激しくなる。 その全身に走る痛みは、ショックによって即死するレベルのものだ。 だが、彼女は死ねない。 ところで、死には、様々な種類があるのをご存知だろうか。 ここで、この子れいむを使って肉体の死と精神の死について、手短に説明させていただきたい。 今の彼女にとって肉体の死とは、毒が全身に回り、最終的に中枢餡にまで達した毒によって体の形を維持できなくなることを意味する。 普通ならば、有り得ないことだ。 口が塞がれているために、口から餡子と毒を排出することは出来ないが、そもそも、精神が先に逝くはずなのだ。 精神の死とは、塩による痛みで、耐えかねた意思が命を放棄することであり、それは「名」を放棄することでもある。 ここでいう名とは、この世で最も短い「呪(しゅ)」であり、呪とは、縛るものだ。 名前によって物体は、根源的な性質を与えられ、この世に縛り付けられる。 従って、呪いの類を生業とする者に己の名前を知られるということは、場合によっては、それだけで命の危機となる。 だというのに、とある家族は、取り返しの付かない事をしでかしてしまった。 自分たちの名を売ったのだ。 代償は、饅頭を六個。 彼女らからすると、形のないものを使って、相当な糧を吹っ掛けてやったつもりなのだろう。 小さな、喋る饅頭が六個。 二つの白玉に、コリコリとした飴が沢山ついた甘い、甘い饅頭が六個。 果たして、それは命の代価として十分だったのだろうか。 それを推し量ることは不可能だが、その結果を察することは容易だ。 子れいむは、死ねない。 名前を放棄する権利を有していないからだ。 そして、その権利は、子れいむに至上の苦しみを与えている人間が有している。 子れいむが、楽になりたいと思っても、死にたいと願っても、それが天にも地にも通じることなどない。 毒が全身に回った時、つまりは痛みが最高潮に達する時に初めて、子れいむの渇望する死が訪れる。 結論から言うと、子れいむが死ねたのは、それから三十分もの時が経過した後であった。 体の至るところから齎される痛みにもがき苦しみ、元から体にあった穴から、涙としーしーを垂れ流して死を待った。 痛みに耐えること、ましてや逃れることなど許されない。 必死に呼びかける母の声など聞こえない。 楽しかった頃の思い出に浸ることも許されない。 どうして、こんなことになったのかと後悔することも、素晴らしい物になるはずだった未来を夢想することも許されない。 只只、与えられる痛みを享受するのみだ。 痛い、死にたい、痛い、死にたい……。 ただ、それだけが、彼女の思考を占めていた。 しかし、それにも、終わりが訪れる。 体は、まもなく死が訪れることを敏感に察して、彼女に語りかけた。 もうすぐ楽になれると。 それは、子れいむのゆん生の中で最も心震え、歓喜した瞬間であった。 美味しい物をむーしゃ、むーしゃした時よりも、きらきらと光る綺麗なビー玉さんを見つけたときよりも、そして、この世に生まれ落ちた時よりも。 だが、その歓喜は、一瞬だけ彼女の痛みを打ち消し、抑圧されていた恐怖を呼び起こしてしまった。 死にたくない。 いやだ。 まだ、しにたくない。 いたい。 もっと、もっと、おいしいものをいっぱいむーしゃ、むーしゃするんだ。 いたい。 いたい。 しにたくない。 びまりさとむすばれて、すっきりーをして、いっぱいあかちゃんをうむんだ。 いたい。 いたい。 いたい。 もっと、ゆっくりしたい。いたい。 そうだ、どれい、いたい。いたい。ほしい。いたい。 あのくそにんげんを、いたい。いたい。いたい。いたい。 いたい。 いたい。 いたい。 いたい。 しにたくない。 それが三十分間、死を待ち望んだ子れいむの矛盾した最後の願いであった。 「ごろじでやるーーーーーー!!! だぜーーーー!!! ごごがら、だぜーーーーー!!!」 「何をだぜ、だぜ言っているのですか。貴女はまりさではないでしょうに」 そして、その三十分間は、母れいむにとっての地獄でもあった。 目の前で苦しむ我が子を救ってやることも、目の前の憎い怨敵に復讐することも出来ない。 葛藤の末に、憎い人間に頭を下げても、気持ちの良い笑顔と共に門前払いを食らうのみだ。 時間だけが、無常に過ぎ去っていき……結末は、ご存知の通り。 「随分と面白い顔になってきましたね。先程までの不細工な笑みよりも、此方の方が御似合いですよ。僕は、どちらも嫌いですが」 「ぶざげるなぁぁぁぁぁぁ!!! ぐぞじじいぃぃぃぃぃ!!! ごろじでやるぅぅぅぅぅぅ!!!」 母れいむの容貌は、最早原型を留めていなかった。 それは、決して比喩などではない。 目の中でぎらぎらとしたものが渦を巻き、目尻は般若の如く吊り上がっている。 元々、手入れの行き届いていなかった髪は、よりぼさぼさに乱れ、頭には二本の角、口元には、捕食種の様な牙すら生えていた。 感情一つで、これほどまでの変化が起こり得るのであろうか。 断腸という故事成語がある。 渓流を行く心ない船頭が、ちょっとした余興にと、道程で見つけた猿の母子から子猿を取り上げてしまった悪戯に由来する言葉だ。 人間にとっては、遊びのつもりでも、母猿にとっては、冗談ではない。 必死になって、子猿を追いかける。 最初は、笑って見ていた船頭だが、段々哀れに思えてきて、船を止めたのだが、様子がおかしい。 船へと辿り着いた母猿は、ぴくりとも動かないのだ。 奇妙に思って調べてみると母猿は、既に事切れていた。 腸がずたずたに断ち切れていたのだ。 子を攫われたことによる激情は、母の腸を裂いてみせた。 目の前で子を殺された母の激情に、体を作り変えてしまうほどの力が宿っていても何ら不思議ではない。 ここまで負の感情が満ちれば、十分だろう。 怒りは、既に憎悪に変わっている。 ふと、彼は時計を見やる。 二時三十二分 昨日の日照時間から算出した今日の丑三つ時は、二時三十六分からの数十分。 微妙な間だ。 ならば、最後に少しだけ追い込んでやろう。 そう決めたなら、行動は早い。 今日の自分は、断腸の話に出てくる心ない船頭なのだ。 その場のノリで動くことも悪くないだろう。 「爺とは、失礼ですね。僕は、まだ、若くて、ピチピチなのに……。肌だって、こんなに瑞々しくて、すべすべしてる」 そう言って彼は、自分の腕を、つっと指でなぞった。 確かに、本人が言う通りの若々しく瑞々しい肌である。 体を動かすことは嫌いでなく、定期的に運動は行うものの、基本的にインドア派な彼の肌は、驚くほど白く、傷みがない。 「穢れ」の恐ろしさを理解しており、風呂では入念に体を洗うためか、そこいらの女よりも肌の手入れが行き届いている。 当然ながら、掃いて捨てるほどいる野良ゆっくりなど問題にすらならないだろう。 「あそこに転がっている、貴女の御息女だったゴミの方がよっぽど皺皺じゃあないですか。僕が爺なら、差し詰め、あれは、婆といったところでしょうか? いえ、死んでいるので、婆だったゴミですね」 カラカラと笑いながら彼が指差した先には、子れいむの亡骸。 穴だらけの骸では判り辛いが、水分を出し切った塩塗れの体は、萎んで皺くちゃになっていた。 どうでもいいが、非常に不味そうだ。 生物としても、饅頭としても終わっている。 「ゆっがぁぁぁぁぁぁ!!! おばえが、ごろじだがらだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! ごろじでやる!!! ぜっだいにごろじでやる!!! じねじねじねじねじねじねじねじねじねぇ!!!」 挑発は、上手くいった。 死者を冒涜し、その存在を辱めてやることで、母れいむの憎悪は、最高潮に達した。 時間も丁度、丑三つ時に入ったところだ。 下拵えは、万全。 だが、最後に一言。 別段、必要でもないのだが、その一言を彼は欲した。 ポリシーという奴であろうか。 否、そんな崇高な物ではないのだろう。 「どうやってです? そこから出ることすら適わない貴女が。馬鹿で、非力で、愚かな貴女が如何様にして? 試しに呪ってみますか? その箱の中から」 「うるざいぃぃぃぃ!!! だまれぇぇぇぇぇ!!! じねぇぇぇぇぇ!!! のろっでやる!!! のろっでやるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」 思考誘導等という上等な物は、必要なかった。 準備していた包丁を手にする傍らに、彼が放った言葉。 その中の一つを彼女は、鸚鵡返しに答えてしまった。 その時初めて、彼は心からの笑みを浮かべた。 「では、その『入れ物』は、不要ですね」 「のろっ……」 ストン 告げると同時に、彼は、異形の母れいむを真二つに割り裂く。 痛みを感じる暇すら与えられず、両の眼はグルンと白目を向き、顔の中心を通るようにして切り裂かれた断面から、綺麗に等分された小さな中枢餡がポロンと零れ落ちた。 子れいむの死と比べると、あまりにもあっけない幕切れであった。 もう、その空間に言葉を話す存在は、彼を残すのみ。 「どうしたのです? 憎いのでしょう? なら、早く出てきては如何ですか?」 だというのに彼は、何もいない筈の空間に向かって語り続ける。 先程までのように、嘲るでもなく、小馬鹿にするでもなく、心底嬉しそうな様子で一言、二言の言葉をナニカと交わすと、懐から一本の毛髪を取り出した。 少々くすんではいるが、美しいブロンドの長髪だ。 「ほうら、貴女の憎い憎い敵ですよ。匂いは、覚えましたか? では、お行きなさい」 次の瞬間、彼が指で摘んで弄んでいた髪がスッと掻き消え、部屋の中を彷徨っていた気配だけを持つナニカが、事前に開け放たれていた窓から飛び出していった。 部屋を明るく照らし出す蛍光灯がジッジジッと数度明滅し、再び落ち着きを取り戻すまでに十数秒の時間を要した。 「どうやら、今回は、上手くいったようですね」 ゆっくりとは、呪術に最適な道具だ。 しかし、長い歴史の変遷にあって、その活用法は殆どが失われてしまっている。 その効用を推し量るには、手探り作業しかない。 そうしていくつかの実験を経て彼が見出した方法というのが、ゆっくりに痛みや苦しみを与えることなく、純粋な憎しみを抱かせるというものであった。 ゆっくりが化けて出た。 その手の話は、宴席での笑い話として枚挙に遑がない。 世間では、それこそ星の数程のゆっくりが無惨に嬲られ、辱められ、殺されている。 実際に、ゆっくりが人間を祟ることが可能ならば、恐らく現在の人口は半分程にまで縮小するのではないだろうか。 だが、素晴らしきかな餡子脳。 死に瀕して彼女たちが最も強く感じる思い、願いとは、死への恐怖か、あるいは齎される苦痛からの開放かのみ。 自分の全存在を擲ってでも、人間に一子報いようと考える剛の者など、そうそういないのが現状なのだ。 ならば如何したものか。 無いなら作ればいい。 母子を選んだのは、偶然だ。 調べ物をするために偶々、図書館を訪れており、探していた資料の中に偶々、断腸の逸話があった。 天啓の様に思えてしかたなかった。 ゲスを選んだのは、必然だ。 善良な親子を甚振ることが心苦しい等とは、微塵も思ってはいない。 悪人の魂に強い力が宿るというのは、古今東西の逸話では定番である。 悪事を為してでも目的を達成せんとする覚悟の差か、あるいは、悪行の対価として被った他者からの怨念によるものなのか。 こうして手順を整え、素材を念入りに吟味した上で、あの親子を依代として選んだ。 その結果は、御覧の通りだ。 彼の予想した通り、母れいむは負の感情に飲まれ、陰気を集める依代と化した。 「それにしても、子れいむの霊魂すらも取り込んでしまったというのは、嬉しい誤算でしたね」 負の感情に傾倒することで、陰気の渦と化した存在は、同質の存在を招き寄せる。 苦痛により陰気で満ち満ちていた子れいむの魂は、最も近くにあった母れいむという陰気の渦に飲み込まれてしまった。 母の元に返れるというのは、幸運なことなどではない。 本来ならば、子れいむは、親よりも先に死んだ罪により、賽の河原へと落ちるはずであった。 賽の河原とは、無駄な努力を強いられる一種の地獄である。 しかし、母の魂と結びついた今、そこへ赴くことは適わない。 名を奪われた母れいむは、憎悪の矛先を逸らされ、彼の「式」として放たれた。 式が目的を達するまで、子れいむは、生前の苦しみを母の腹の中で味わい続けなくてはならない。 そして、式が目的を達した後は、母と同じ所へと落ちるのだ。 人を呪わば穴二つ 憎い相手を呪い殺し、地獄に落とすためには、相手の魂を決して放すことなく自分の魂ごと地獄へと導いてやらなくてはならない。 母れいむの魂は、敵と思い込まされた相手の魂と共に地獄の深いところまで落ちていくだろう。 子れいむは、それに引き摺られることになる。 本来ならば「地蔵虐」と云う名の鬼と戯れる程度の罪は、更なる業を背負いこむことになったのだ。 「しかし、効果が大きいということは、返されたときの反動も大きいということ。嗚呼、それを思うと夜も眠れません!」 今度こそ部屋には、彼一人。 式を送り出した彼は、深夜の一人部屋で突如一人ごちると、その場で両肩を抱き、科を作って崩れ落ちた。 男がやっても気持ち悪いだけの仕草だが、白くて線の細い男がやると中々様になっている。 「でも、僕には、貴女がついているので。安心して眠れますよ。まりさ」 気を取り直して、スッと立ち上がった彼の視線は、棚の上のインテリアに向いていた。 しかし、果たして、それは「まりさ」なのだろうか。 饅頭六つで名前を売った家族。 まりさ、母れいむ、子れいむの三匹。 その大黒柱の姿は、もうそこにはない。 お帽子は当然のように廃棄され、ブロンドの髪の毛は全て根元から引き抜かれている。 頭頂部から見苦しく伸びた、三本だけの黒髪が笑いを誘うチャームポイントだ。 両の眼球は抉り取られ、瞼は赤い糸で縫いとめられており開かない。 その隙間からは、諾々と砂糖水が流れるだけだ。 口も同様に糸で縫いとめられているが、中は両目以上に悲惨である。 舌は根元から切り取られ、歯は全て歯茎ごとペンチで潰されている。 意外なことに一度洗浄してあるようで、肌は比較的綺麗なものだが、下半身は念入りに焙られており、あんよ、まむまむ、しーしー穴、あにゃる共々真っ黒に焦げ付いている。 体に巻きつけてある白い布は、服のようだ。 彼の名前が刺繍されている。 誰かに教えてもらわないかぎり、これがまりさだと判るはずがない。 「おっと、失礼。貴女は既にまりさでは、ありませんでした。名を奪われ、お帽子を奪われ、髪を、眼球を、光を、声を、歯を、舌を、体臭を、足を、性器を、排泄器官を奪われた貴女は、既にまりさでは、有り得ませんね。でも、心配いりませんよ。貴女には、僕の髪と臭いと名前と気配を貸して差し上げました。いえ、礼には及びません。貴女は、万が一、呪が帰ってきたときに、それを引き受けていただくだけでけっこうですので」 呪詛返しとは、その名の通り、送った呪を返却されることである。 呪詛とは、往々にして意思を持ったものを使役する術だ。 精霊然り、動物霊然り。 意思の無いモノに、殺害対象を選ばせることは不可能。 では、任務の遂行が妨げられ、折角掛けた呪が解けてしまった式はどうなるのか。 大人しく成仏する。 そんなはずない。 術の解けた式は、術者の元へと帰ってくる。 自分を束縛した存在、憎い憎い敵の元へ。 ただ、それが解っていながら、何の対策も立てない者というのは、まずいない。 多くの術師は、己の性質を持った身代わり「形代(かたしろ)」を作る。 最も簡単な物では、人の形に切り縫いた紙に自分の名前を書くといった程度のものだ。 これだけでも、そこそこの効果がある。 更に、自分という属性、命というオプションを付加してやれば効果は大きくなる。 西洋では、スケープ・ゴートなどとも呼ばれ、こちらは、生きた羊に自分の血を塗すことで自分を付加する。 まりさであった、禿饅頭は、まさに彼の形代であった。 禿げ上がった頭には、彼の黒髪が三本移植された。 失った体臭と名前は、昨日運動する際に来ていた服で補った。 おまけに、この服は、去年から手入れしながら大事に使い込まれているために、彼の気配も十分に残っている。 これだけのお膳立てをしたのだ。 帰ってきた呪詛は、寸分の狂いも無く、元まりさに激突して、その魂を奈落へと導くのだろう。 「まあ、しかし、安心してください。今回は、実験ですからね。呪殺対象は、呪の存在など、これっぽっちも知らない相手です。呪詛が帰ってくることなど、恐らくありません。それに帰ってきたら、帰ってきたで、貴女は愛しの奥方、御息女と同じ場所に行けるのですから、随分と幸せなことですよ」 彼は、形代に顔を近づけると、また朗らかな笑みを浮かべて言い放った。 それがどれだけ残酷な一言なのかを彼は、当然理解している。 成功すれば、生き地獄。 失敗すれば、地獄行き。 何とも、救いの無い話である。 命を己の意思で進んで弄ぶ者は、総じてサディスティックかマゾヒスティックかのどちらかに分かれる。 彼に、ゆっくり虐待という趣味はない。 単に、前者であるだけだ。 形代の前で笑っていた彼だが、ふとあることに気が付いた。 諾々と涙を流す彼女がガクガクと震えている。 妙だ。 ゆっくりが、これ程もでに、見て判るほど震えるときと云えば、死が迫っているときぐらいだ。 死ぬ要因は尽く奪いつくし、涙を流して干乾びるにしては早過ぎる。 「だとすると、本能? 本能が自身に迫る危機を察知……!!?」 そこに思考が及ぶと同時に、彼は形代から離れようとする。 だが、一手遅かった。 「じねぇぇぇぇぇぇ!!! じぃぃぃぃぃねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 窓から飛び込んできた不可視の気配は、吸い込まれるようにして形代に激突し、餡子の花を咲かせた。 「うわっぷっ」 結果、近くにいた彼は、甚大な被害を被ることになった。 「ど、どうして、こんなことに……?」 彼には、理解できなかった。 今回、式を送った相手は、呪詛の概念など知りようもない相手だったはずだ。 それに、呪詛を返されたにしても、この被害はおかしい。 彼が、今日送った式の力は、精々魂を抜き出して地獄へと心中する程度のものだ。 間違っても、対象を物理的に破壊するほど強力なものではない。 そもそも術が失敗だったのか、第三者による妨害か、途中で妙な低級霊と融合したのか……。 いずれにしても、怨霊と化したれいむは、過剰な力で以って追い返され、その分の力が加算されたと考えるのが妥当だろう。 形代となったまりさの死骸へと歩み寄る。 ぶくぶくと肥えた下半身を残して、口から上は見事に抉り飛ばされていた。 ボーリングの玉を正面から物凄い勢いでぶつけられたような死に方だ。 傷口は、既に乾き始めており、餡子がカピカピに乾いていた。 「霊傷から、怨念に混じって微かに感じるのは、闘気ですね。だとすると、純粋な気を纏った体術で撃退されたということでしょうか?」 それだと、この傷跡は妙だ。 まりさといい、れいむといい、怠惰を貪ったゲスが成りやすいLサイズゲスゆっくりだった。 拳や蹴りでは、虚ろな体に穴は穿てはしても、こんな広範囲に渡ったダメージを与えることなど出来ない。 だとすると、これは、彼が今回のターゲットにしたゆっくり「KING・まりさ」がやったと考えるのが妥当かもしれない。 「所詮ゆっくりと侮っていました、か……。流石は、王の名を冠するだけのことは、ありますね。良い教訓になりました」 ハァッと、ため息と共に呟き、彼は部屋を見渡した。 失敗など有り得ないと高を括っていたために、部屋の保護など行っていない。 まりさに巻きつけていた服も、ベッドも、机も、床も餡子塗れだ。 本棚に被害が及ばなかったことと、カーペットを敷いていなかったことが、唯一の幸運だろうか。 何にしても、まずは、この部屋の片付けなくてはならない。 いや、その前に風呂か。 ついでに、形代作成に使った服も洗濯しようと、彼は、床に落ちた白い服――大きく刺繍された彼の名前の横に、小さく4年2組と刺繍された体操着を拾い上げようと屈む。 餡子が付着して重くなったボブカットの髪が鬱陶しく垂れ下がり、掻き揚げると手には、ベットリト餡子の塊。 不意に少年は、舌を出すと、ペロッとそれを舐めとった。 「甘い……。一応、これも『食べ物の怨み』なのでしょうね……。おお、怖い、怖い」 クスクスと笑いながら、餡子を舐めとる少年の舌は、血の色よりも赤かった。 あとがき ショタを出したのに、他意はないよ。 前作が婆ちゃんだったから、その対極は、少年だと思ったわけじゃないよ。 餡子には、熟女、ロリ、男の娘はいるけど、ショタが足りないと思ったわけじゃないよ。 単に、筆者がショタ好きなだけだよ。 か、勘違いすんじゃねーよ!!! あ、それと、作中に出てきた「KING・まりさ」は、ポールあきの過去作に一回(二回?)だけ出てきた、よく自殺するまりさのことです。 最後に、前作の感想で拝見した「京極堂」 実は、読んだことないっす。 という訳で早速「姑獲鳥の夏」を買って参りました。 オラ、わくわくしてきたぞ。 また、スーパー徹夜読書タイムの予感!!! 過去作 ふたば系ゆっくりいじめ 394 お兄さんと冷めた肉饅 ふたば系ゆっくりいじめ 408 お前もポールさんみたいにしてやろうか!? ふたば系ゆっくりいじめ 442 肉まんと出かけよう 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 491 肉まんと出かけよう 完全版 ふたば系ゆっくりいじめ 501 ゆっくりしたモノの義務 ふたば系ゆっくりいじめ 547 変わらない ふたば系ゆっくりいじめ 663 クリスマスは、十ゆん十色 ふたば系ゆっくりいじめ 825 捕食種一家と三つの教訓 ふたば系ゆっくりいじめ 1025 妖怪饅頭の話 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 詳細に呪術が描かれてゆっくりできたよー! -- 2010-12-12 20 11 25 面白かった 中々深いSSですね 儀式のやり方的に犬神等の動物を用いた呪術みたいですね 対象のものを虐めて虐めてコレでもかと苛め抜いて最後に自身が死んだと思わせない内に殺して使役する この手の呪術は実際人間使っても可能ですよね、ただ色々な意味で非常に面倒ですけど 最後に気になるのは、どの辺が間違ったものを採用したところなのか解りませんでした 兎に角、凄く良く書けていると思います、下手な三流ホラー映画より遥かに面白かったです -- 2010-07-20 01 00 07 これ面白い!想像力が掻き立てられる良作。てかポールあきは何者なんだ・・・ -- 2010-07-19 09 23 03
https://w.atwiki.jp/persona4/pages/124.html
依頼 クエスト No Title 依頼主 場所 発生時期 条件 入手アイテム ヒント 01 天使の像が欲しい 気弱そうな女子生徒 2-2教室 5/2以降 天使の像1個 宝箱の鍵3個 雪子姫の城6F~ 征服の騎士 02 悪魔の像が欲しい 奇妙な男子生徒 教室棟 2階廊下 5/2~7/26 呪われそうな悪魔像1個 どくだみ茶3個 雪子姫の城6F~ マジカルマグス 03 屋上のあの子 男子生徒 2-2教室 4/25以降 カエレール1個 雨の日以外の放課後、屋上で女子生徒から「趣味の話」を3回聞く1日1回しか聞けないので注意 04 リッツ線が欲しい? 男子生徒 実習棟 1階廊下 5/2以降 リッツ線1個 楽勝命中テープ 雪子姫の城6F~ 炎と氷のバランサー 05 幻の酒が欲しい 男性 鮫川河川敷 5/1以降 幻の芋焼酎 森蘭丸 4000円 テレビの中 コニシ商店だった場所 06 好きな人とうまくいきますように キツネ 神社 隠者コミュ1 コミュランクアップ回復料金を少しだけ割引 1.下駄箱にいる女子生徒に話しかける2.次の日以降教室棟2階廊下にいる女子生徒に話しかけ、選択肢「読んだ」を選ぶ3.次の日以降再度女生徒に話しかけて神社に報告 07 机の修繕 おだんごの女子生徒 実習棟 2F廊下 5/18以降 しっくりくる板 ローヤルゼリー5個 雪子姫の城6F~ 笑うテーブル 08 本と交換 本屋を見てる男性 四目内堂書店前 5/23以降 白桃の実 THE 柔道 全ダンジョン内宝箱から手に入る 09 古びた鍵が欲しい おばあさん 河川敷 6/5以降 古びた鍵 恋愛に関する秘密の無料レッスンをしてもらえる知識・勇気上昇 熱気立つ大浴場1・2F 収賄のファズ 10 カーメンの課外授業・1 カーメン 教室棟 2階廊下の角 5/18以降 いわく有りげな鉄の棒 脈打ってる石2個 雪子姫の城3・4・5F トランスツインズ 11 石炭が欲しい 声の大きな老人 商店街・北側 6/5以降 石炭 15,000円 熱気立つ大浴場7F~ 我欲のバザルト 12 机の改造 おだんごの女子生徒 実習棟 2F廊下 クエスト07完了後6/7以降 反射板 スナフソウル2個 熱気立つ大浴場9,10F 泣くテーブル 13 おやつが嫌いになりますように キツネ 神社 隠者コミュ2 コミュランクアップ回復料金を少しだけ割引 1.稲羽中央通り商店街 南側のスリムな女性と会話2.千枝と会話し肉ガムを入手3.スリムな女性に肉ガムを渡す 14 猫にエサをあげてほしい 本屋を見てる男性 四目内堂書店前 6/3以降 魚1匹 THE 外道 河川敷にいる猫に、魚(種類は問わない)を1匹あげるこのクエスト完了以降、堂島家近くに猫が居つくようになる 15 十字架が欲しい 気弱そうな女子生徒 2-2教室 クエスト01完了後6/7以降 変わった十字架 軟膏薬3個 熱気立つ大浴場7・8F 静寂のマリア 16 立派な角が欲しい 老主婦 商店街南側 6/9以降 壮麗な角 18000円 熱気立つ大浴場9・10F 死甲蟲 17 妹を捜してきて オシャレな女の子 商店街南側 6/9以降 双子の妹を見つける カエレール5個 河川敷で妹と会話/「河原」ではなく、雪子と雨宿りした場所付近にいる。要注意。 18 姉への道 双子の妹 河原 クエスト17完了後7/13以降 フラワーブローチ お徳用傷薬セット3個 特出し劇場丸久座1F~ソウルダンサー 19 針銀鉱が欲しい 男子生徒 実習棟 1階廊下 クエスト04完了後6/30以降 銀の塊(素材) 高揚ゲルマラジオ2個 特出し劇場丸久座7・8F シルバーダイス素材扱い、まとめ売りしないよう注意 20 犬を探して キツネ 神社 隠者コミュ3 コミュランクアップ回復料金を少しだけ割引 1.河川敷の河原にいる犬を調べる2.次の日以降、商店街北側にいる犬に3回「優しく話しかける」2回目以降は河川敷にいる3.ビフテキ串,特製コロッケ,ビフテキコロッケのいずれかひとつをあげる1日1回しか話せないので注意 21 魔除けのヴェールが欲しい 気弱そうな女子生徒 2-2教室 クエスト15完了後7/12以降 魔除けのヴェール 宝箱の鍵5個 特出し劇場丸久座5F~解放のマリア 22 ハードブーツが欲しい 本屋を見てる男性 四目内堂書店前 7/3以降 ハードブーツ 害虫図鑑5000円 熱気立つ大浴場5F~8F ダンシングハンドより「重厚な皮」を10個入手その後、だいだらへ売却し追加されたハードブーツ購入 23 迷走!ナゾナゾ先輩! アフロの男子生徒 教室棟 3階廊下 4/18以降 クイズ 宝箱の鍵3個 「Aグループ」「硬貨に描かれている植物」の順に答える。解答を間違えた場合、翌日以降にやり直しが可能 24 ランプが欲しい シャッキリしたおじさん 河川敷 8/22以降 消えないランプ 30000円 ボイドクエスト 3,4章 アメンティレイブン 25 やっぱり猫が気になる 猫 河川敷 クエスト14完了後猫にもう1匹魚を与えると発生 魚9匹 ヒールゼリー 河川敷の土手にいる猫に、魚(種類は問わない)を9匹あげる。だたし、ヌシ様のみ5匹分として加算される 26 友達が欲しい キツネ 神社 隠者コミュ4 コミュランクアップ回復料金を少しだけ割引 1.河川敷の地図の前にいる男の子に会う通販で何か買うとおまけで手に入る「時価ネットシール」をあげる2.翌日以降に、男の子と話しかけると「時価ネットシール」を返される3.夜、奈々子と話して「タンキリマンシール」をもらう。※11/4以降は奈々子に会えないための措置として、冷蔵庫を調べるとシールを入手できるようになる4.男の子に「タンキリマンシール」を渡し、翌日以降再度男の子に話しかける 27 オシャレな皿が欲しい 本屋を見てる男性 四目内堂書店前 8/9以降 オシャレな受け皿(素材)3個 なぞなぞだいすき10000円 特出し劇場丸久座 9,10階 雷と風のバランサー 素材扱い 28 姉まであと一歩 双子の妹 河原 クエスト18完了後8/22以降 リーフポシェット マカの葉3個 ボイドクエスト3,4章 盲愛のクピト 29 テレパシー実験 オシャレな女の子 商店街南側 クエスト17完了後9/5以降 - どくだみ茶5個 河川敷の河原にいる双子の妹に話しかけいずれかの選択肢を選んだあと、依頼者の姉に報告をする 30 生きがいを取り戻したい キツネ 神社 隠者コミュ5 回復料金を少しだけ割引(開始時)未完成のプラモデルコミュランクアップ回復料金を少しだけ割引 1.商店街北側の男性に話しかけ「未完成のプラモデル」をもらう2.自室の作業テーブルでプラモデル(量産型ブラフマン)を完成させる(4回で完成)3.再度男性に話しかける。また、その際に「未完成のプラモデル」(重武装型アグニ)をもらえる 31 カーメンの課外授業・2 カーメン 教室棟2階 階段前 9/20以降 クルルマメタル 神秘のスカラベ ボイドクエスト 9章 鋼鉄の巨兵 32 水晶玉が欲しい 数学の中山 教室棟3-1前 10/8以降 水晶玉 35000円 秘密結社 B1,2F 維持の彫像 33 石炭が欲しい・2 声の大きな老人 商店街北 神社前 クエスト11完了後10/9以降 極上の石炭 40000円 秘密結社 7,8F パワーキャッスル 34 君は本の内容を覚えているか 本屋を見ている男性 四目内堂書店前 9/26以降 クイズ おおいなるそんざい 今までの依頼(クエスト8,14,22,27)をこなしてることが条件技の威力外道の作法2ページわたし と順に答える。解答を間違えた場合は翌日以降にやり直しが可能 35 父へのプレゼント おだんごの女子生徒 実習棟2階 女生徒 クエスト12完了後9/29以降 熱魂の証(素材) x3 宝玉 秘密結社B3F,B4F 激震のギガス 素材扱い 36 口下手を直したい キツネ 神社 隠者コミュ6 コミュランクアップ回復料金を少しだけ割引 1.屋上の女子生徒に、寛容さ3以上で話しかける2.翌日以降に伝達力3以上で再度話しかけ、「口下手を直したいらしいね」「話し方を教える」を選ぶ3.翌日以降に勇気3以上で再度話しかけ、「時には謝る勇気が必要」を選ぶ 37 高速ギアが欲しい メガネの女子生徒 教室棟 職員室前 10/8以降 高速ギア 物反鏡 x3 秘密結社 5,6Fマッハフォート 38 姉からの卒業 双子の妹 鮫川河原 クエスト28完了後10/9~11/17 ブランチカチューシャ 宝玉輪 秘密結社 B7F,8F イデアマザー 39 演習弾が欲しい 校長先生 教室棟3階 女子トイレ前 10/8以降 演習弾 根気・寛容UP 秘密結社 7,8F邪悪の砲座 40 最後のテレパシー オシャレな女の子 商店街南 クエスト29,38完了後10/31~11/17 伝達力(言霊使い) スーパーソニック3個 河原の妹,依頼者の姉,河原の妹,依頼者の姉の順番に話しかける(2往復する) 41 猫に慣れたい キツネ 神社 隠者コミュ7 回復料金を少しだけ割引(開始時) 1.河川敷土手に立つ男性に話しかけ、「猫?」を選択2.堂島家近くの猫(クエスト14をクリアしたら家の前に猫が居つく)に話しかけいっしょに過ごす(話しかけてキャンセル→もう一度猫に話しかけるだけで3に進める)3.また猫に話しかけ依頼者の男性を連れてくる4.翌日以降、河川敷で男性に話しかけ「紅金」を渡す5.さらにその翌日以降、河川敷で男性に話しかける 42 落としたお金を捜して キツネ 神社 隠者コミュ8 - コミュランクアップ回復料金を少しだけ割引 1.河川敷土手のゴミ箱近くにいる女性と話す2.河原の階段近くの茂みを調べて「汚れた丸い財布」入手3.女性に渡す4.商店街北側の神社近くの畑を調べて「汚れた四角い財布」入手5.女性に渡す 43 屋上のあの子・2 男子生徒 2-2教室 クエスト3完了後11/22以降 動物図鑑 モコイ人形 天国 1,2F インテリマグス 44 父へのプレゼント・2 おだんごの女子生徒 実習棟2階 女生徒 クエスト35完了後11/22以降 豪華な木材 強襲の狼煙3個 天国 5,6,7F 怒るテーブル 45 古い鉱石が欲しい 男子生徒 実習棟 1階廊下 クエスト19完了後11/22以降 古い鉱石 精神ラジオ 天国 6,7F天啓のペーシェ 46 ランプが欲しい・2 シャッキリしたおじさん 河川敷 クエスト24完了後11/22以降 慎ましやかなランプ 45000円 天国 3,4,5,6Fファントムロード 47 覚醒!ナゾナゾ先輩! アフロの男子生徒 教室棟 3階廊下 クエスト23完了後9/2以降 クイズ スナフソウル1個 1問目「Aグループ」「動き」2問目 「Bグループ」「指示語」の順に答える解答を間違えた場合、翌日以降にやり直しが可能 48 鮫川のヌシを一目見たい キツネ 神社 隠者コミュ9 - - 1.河原でおじいさんと話す2.オオミズウオを持った状態でおじいさんと話し、頼みを引き受ける3.貰った爆釣セットでヌシを釣り、おじいさんに話しかけるヌシは雨の日に釣れます。引きの時にコントローラの振動が大きく尚且つ間隔が異常に長いのがヌシです 49 それでも猫がきになる 猫 河川敷 クエスト25完了後猫にもう1匹魚を与えると発生 魚20匹 ソーマ 河川敷の土手にいる猫に、魚(種類は問わない)を20匹あげる。だたし、ヌシ様のみ5匹分として加算される釣るのがめんどうなら10/2の時価ネットで紅金10匹を買うといい 50 逆襲!ナゾナゾ先輩! アフロの男子生徒 教室棟 3階廊下 クエスト47完了後11/12以降 - チューインソウル 1問目「Bグループ」「アルファベットの作り」2問目「ホクロ」3問目「嵐」と順に答える解答を間違えた場合、翌日以降にやり直しが可能
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/2267.html
ちきんかつかれー【登録タグ VOCALOID ち チキンカツP 曲 神威がくぽ 鏡音レン】 作詞:チキンカツP 作曲:チキンカツP 編曲:チキンカツP 唄:神威がくぽ・鏡音レン 曲紹介 ミクver.はこちら、リンver.はこちら。 歌詞 待たれよ 我が腕を振るう故 しばし座敷で休むが良ひぞ お主のために今宵作らふぞ 特製 揚鶏☆印度汁 古来 南蛮に伝はりし印度汁 お主知ってゐるか 草磨り潰し 混ぜて煮込みし 漆黒の筑前煮 野菜を切る也 がくぽ「ぎゃああああああ うっ 腕がぁぁぁぁぁ な…なんのこれしき 3日もすればまた生へる 平気平気の…平均台!!」 油責め也 鶏共め 思ひ知るが良ひ 我に逆らうと かふなるのだ お主も覚へておけ 喜べ 出来たぞ レン「ねぇねぇ!!僕、印度汁作ったんだ 食べてみて! どぉ?美味しひ? わぁい!!レン嬉しひ!! お姉ちゃんだぁいすき!!」 がくぽ「許さぬ 絶対に許さぬ 我といふ者がありながら…恥を知れ!! お主も武士の女…散り際は分かっておらふ 切腹じゃ!!刀を持てひ!! 案ずるな…我も後を追ふ故」 冥土の土産 混沌の香り 揺らめく蝋燭 最後の宴 印度汁を食らひ 今宵鮮やかに散らむ 長芋 大根 葱 比内鶏 全ての具材が口内に満ちる 己の人生 今噛みしめよ 辛きも 酸ひも 甘ひも 胃の中が川中島 心が虚空に誘われる 三途の河原でまた食べやふぞ 特製 揚鶏☆印度汁 特製 揚鶏☆印度汁 コメント なんだこのひと…噴いた -- 名無しさん (2008-12-21 13 21 49) リンver.はヤンデレだが、がくぽver.は何だ…?w -- 名無しさん (2008-12-22 01 09 24) ↑愛すべきアホの子。 -- 名無しさん (2008-12-22 13 04 58) ↑その実態はただのバカ殿ですね。 -- チキンカツP (2009-03-09 18 22 49) がくぽは、腕切った(切れた)のか・・・・?(だったらすごい?よね -- 蒼夜 (2009-04-03 18 59 14) ていうかどんな切り方したら腕が切れるんだろうw三日で腕が生えるならお目にかかりたいです^^;あとカレーは漆黒ではないし筑前煮でもありません。 -- ブレッド (2009-04-18 18 17 22) え、長芋・・・大根・・・・・何だこの筑前煮 切腹しなくても死にそう・・・ -- 名無しさん (2009-05-09 16 04 08) なぜに腕切ったし -- yui (2009-07-23 21 59 52) 平気の平気の平均台てwwwwwww -- ヤンデレ末期 (2010-03-11 23 24 27) 平気じゃないwww絶対平気じゃないwwwwww -- 新世界の紙 (2012-01-02 17 43 48) なんでインドカレーで死なねばならん… -- 名無しさん (2013-05-28 22 53 15) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kyoui/pages/24.html
上海酒家 ナチュラ さいか 庄や 旬彩 宝珍楼 もりてつ 紀 宝亭 かつ膳 鈴家 鮪牛 こだま 味の好来 昭月 かみ村 白湯麺屋 北京 壱丸家
https://w.atwiki.jp/yu-gi-oh-2chdic/pages/875.html
「カードは拾った」(かーどはひろった) 「カードは拾った」とは、遊戯王5D s第1話の不動遊星のセリフである。 セキュリティの牛尾哲に対し「おい、デュエルしろよ」と言い放った遊星だったが、 Q.牛尾「はっ、サテライトのクズがこの俺とデュエルだとぉ? カードも持ってないくせに、笑わせるなよ。」 A.遊星「カードは拾った(キリ」 何気に会話のキャッチボールが成立している。 どう見てもコミュ障にしか見えない第1話の遊星がちゃんと会話した数少ないセリフ。 この後山ほど出てくるスターダスト・ドラゴン専用カードをどこで拾ったというんだ、答えてみろルドガー! 本編中、遊星が実際に落ちているカードを拾っている描写はない。 ただ、第52話の回想シーンでは少年時代のクロウがサテライトに捨てられていた《D.D.クロウ》を拾っており、サテライト住民が落ちているカードを拾うのは日常的な事のようである。 サテライト出身者以外でもカードを拾う人々は少なくない。 有名なところでは、城之内克也は蟲野郎が海に投げ捨てた遊戯のエクゾディアパーツを拾い集めようとしていた(拾えたのは5枚の内2枚だったが)。 GX第35話では、万丈目準は棄てられたカードを拾い集めたデッキで兄とデュエルし勝利をもぎ取っている。 また、ZEXALで人々がナンバーズを手に入れている方法のほとんどがこれであり、ベランダや植物園、そこら辺の河原など様々なところに落ちていたりする。 その他、登場する度にモンスター・エクシーズが落ちていないか地面を探している太一くんというキャラまで登場している。 そしてARC-Vではついに、フィールドに散らばったアクションカードを拾いながらデュエルするアクションデュエルが誕生した。 余談だが、攻撃力至上主義がまかり通っている遊戯王の世界では、前述の《D.D.クロウ》のような有用なカードがゴミ扱いされ捨てられていることも多い。 万丈目が井戸から拾ったカードの中に至っては、王国編ラスボスのペガサスの切り札である《サクリファイス》まであった。 遊星のデッキが拾ったカードで作った割に妙に完成度が高いのは、こう言った背景によるものなのかも知れない。 ちなみに、週刊少年ジャンプにカードが付属すると、駅のゴミ箱などを漁ってジャンプが入っていないか探すリアルサテライト民が発生する模様。 高貴な心を忘れてはいけないよ。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/36849.html
【検索用 ものくろーむしゃんくりら 登録タグ VOCALOID まさ も 初音ミク 房野聖 曲 曲ま】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:まさ 作曲:まさ 編曲:まさ 絵:房野聖 唄:初音ミク 曲紹介 銀河の果てへの空の旅それは「君」と「私」の物語。 銀河ステーション 銀河ステーション 曲名:『モノクロームシャングリラ』 歌詞 「こんばんは」銀河のお祭り 望遠鏡で眺めて 星巡りの口笛は 銀河を繋ぐ合言葉 夜空に溢した宝石の山は 小さな世界を包み込む。 金色の林檎 宝石の河原 君と白い闇 カシオペア いつか読んだ世界は 二人同じ夢だと おとぎ話のような 「二人の名前はなんだっけ?」 月夜の野原に身体を投げ出し 約束の唄を口ずさむ 緑の瞳に シグナルの灯り オリオンの右手 北十字 水晶で燃える炎と 夢から薫りだした花は 空の旅のお供達 あればいいのにね、と笑った 思い出せない君と夢 銀河に想いを寄せたのさ 何処かから声が聞こえる 「銀河ステーション 銀河ステーション」 夜空に響いた汽笛の音色は 銀河を優しく彩り 旅人は居ないけれど 君 夢 星 私だけだね 宝石みたいな七色の空は 悲しく美しくもあり 「ねぇ?空の果てには…」 あぁ、何色の世界 「こんばんは」銀河の旅人 切符を見せて訊ねた 銀河の果ての停車場は かつての約束の場所だと 何処までも進む銀河鉄道は 小さな世界を包み込む。 十字架の停車場 鳥の群れ達 「僕を許して、カムパネルラ」 忘れかけた記憶の欠片が 物語の最後を閉めた 夢の続きは見れると 私の手を握ったんだ 思い出した 君と夢 銀河に想いを寄せたのさ 何処からか声が聞こえる 「銀河ステーション 銀河ステーション」 夜空の旅に悲しみは無いのさ そんな顔しないでおくれ 旅人は少しだけど それはきっとうれしい事だ 宝石みたいな七色の空は 悲しく美しくもあり 「ねぇ?空の果てには…」 あぁ、何色の世界 旅の終わりは切なくて 涙浮かべた君の笑顔 優しく霞む世界は 君が居ない事に気付いた 思い出せない 君と夢 銀河に想いを寄せたのさ 何処からか声が聞こえる 「次は、終点。銀河ステーション」 真夜中野原に身体を投げ出し 涙が頬を流れてく 一人きり天気輪は 空 夢 星 私だけだね バイバイを言った君のお墓はね 悲しく美しくもあり 「ねぇ?銀河の果てには…」 あぁ、天の川の唄 夜空に響いた汽笛の音色は 銀河を優しく彩り 旅人は居ないけれど 君 夢 星 私だけだね 宝石みたいな七色の空は 悲しく美しくもあり 「ねぇ、ずっと友達だよ。君に幸せを」 コメント 駐車場ではなく停車場では? -- 名無しさん (2017-11-10 09 41 55) 繋ぐが積むぐになってました -- 修正希望 (2017-12-23 15 57 04) 夜空の旅にが夜空に度にになってました -- 修正希望 (2017-12-23 16 00 47) ↑3,2,1 直しました。 -- 名無しさん (2019-11-20 17 45 37) 名前 コメント