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チェンジ・ザ・ワールド ◆gsq46R5/OE 時刻は、午後四時を半ばほどまで回った頃であった。 此処はB-7、高層ホテルの内部。 会場の中には既に派手な崩落劇を披露した施設もあるというのに、この宿泊所は未だにその上品な外観を保っていた。 その一室に陣取って、戯れに取り出したワインを傾ける男の名は、DIO。 かつて人間だった頃には、ディオ・ブランドーという名前であった――しかし今は人間を辞めて久しい、人類の超越者である。 彼は、吸血鬼だ。 とある恐ろしき一族が開発した血の遺産、『石仮面』をもって変貌した、最強のヴァンパイア。 彼の天敵であったその一族も、彼が海底で長い時間を過ごしている間に滅亡した。 今や、一つの世界における最強生命体と呼んでも過言ではない。 そんな彼に勝つことの出来る存在など、たとえ数多の世界が入り混じったこの箱庭であろうとも、そうそう居る筈がない。 ならばDIOはその圧倒的な力で立ち塞ぐ敵を叩きのめし、数え切れないほどの屍を積み重ねた末に、この辺境の城へと立ち寄ったのか。 ――その答えは、『否』である。立ち寄った、どころではない。彼は時間にしてほとんど半日間、このホテルという城に籠っていた。 「……フム」 吸血鬼は、あらゆる面で人間に優った生物だ。 肉体のスペック、再生能力、無限の寿命。 まさに人間であることを辞めた者だけが行き着ける、生命の究極系。 だが彼らは一つ、無視するにはあまりに大きすぎる弱点を抱えている。 世界中のあらゆる物語で共通している、吸血鬼の弱点。 即ち――日光。吸血鬼の王であるDIOも、決して例外ではない。 今日はいい天気だから、外で体でも動かそうだとか、そんな考えを行動に移した日には、彼の屈強なボディもその能力も、一瞬で灰と消える。 「日没までは、長く見積もって一時間前後……といったところか」 彼には知る由もないことだが、幸か不幸か、このホテル周辺は現在陸の孤島も同然に閑散としている。 これに理由付けをするのなら、参加者達にとって縁の深い施設は、軒並み他の島に分散しているのだ。 DIOの館は言わずもがな彼自身の家だし、精々これに引き寄せられるのは亡き花京院やポルナレフ、忌まわしき空条承太郎。後はヴァニラ・アイスくらいのもの。 本能字学園の縁者は早朝に学園で戦闘を行い、見事に分散。 満艦飾マコと蟇郡苛は、既にこの世を去っている。 つまり、これと言って「この場所を目指したい!」と参加者に思わせる、魅力的な施設がほとんどないのだ、この島には。 ショッピングモールはホテルから遠いし、病院に至っては、何と崩壊している。 この有様では、DIOが長い退屈を味わされるのも無理のない話だ。 「しかし……良いものだな、ホテルというものは。このDIOの生まれた時代にあったものとは比べ物にならない、贅の極みのような宿屋だ」 優勝し、元の世界に凱旋を果たしたなら、居をこういった場所に移すのも手かもしれない。 どうせその頃には、己の野望を阻む承太郎は死んでいる。 後はジョセフの老いぼれさえ排除すれば、ジョースターの血筋は完全に途絶え、その瞬間に己を真の意味で脅かし得る者は全滅するだろう。 それからは失った戦力を補填しながら、世界をゆっくりと支配していけばいい。 それにこの場所、帝王となり、全ての上に立つ己には、成程実に相応しい施設だ。 現代の王城と呼んでも、言い過ぎではあるまい。 DIOは半日間を過ごしたこの巨大な宿屋を、実に高く評価していた。 「さあ、もうすぐだ。もうすぐだぞ、承太郎……そして、このわたしに楯突いた愚かな虫けらども」 長い間、待たされた。 怒りは喜びで上塗りされて影を潜めているが、決して消えた訳ではない。 今もあの時の屈辱は、DIOの自尊心を焦がし続けている――狼藉を働いた者達の顔は、瞼の裏に未だくっきりと焼き付いている。 奴らさえ居なければ、下等な人間如きに背を向けておめおめと逃げ帰る無様を晒すことは決してなかった。DIOは、自分に恥を与えた者を決して許さない。 それに、彼を突き動かすのは何も殺意だけではない。 この目で確かめたいことも、無数にある。 自分が引っ込んでいた間に、会場の景色はどの程度変貌したのか。 先程自分が電子の海に放流した悪意の種は、どういった形で芽吹いているのか。 協力者との盟約もある。二度目の朝が来るまでにやるべきことは、こうして挙げていくときりがない。 彼は、あとほんの僅かな時間の後に解き放たれる。 沈みかけの太陽が完全に消えた時が、平穏の終わりだ。 ホテルという名の洞穴から這い出た鬼が、君臨し、蹂躙するだろう。 二度目の朝が来るまでに、という表現を先程使ったが、DIOは再び日光に怯え逃げ帰るような無様を晒すつもりは毛頭なかった。 日が沈んでいる間に、殺し合いを終わらせる。 長い休息時間で充填された体力を、遺憾なく使って。 それが終わったなら、今度は繭だ。 今もどこかで薄笑いを浮かべているのだろうあの少女を殺し、願いを叶える力とやらが本当に存在するなら奪い取る。 もしも繭の台詞が嘘でなければ、自分は『世界』すらも超えた力を手に入れられるかもしれない。 そう考えると、やはり心が躍る。 このバトルロワイアルに巻き込まれたことを、DIOは最早幸運だったとすら思い始めていた。 「とは言っても、まだ幾らか時間はあるか――フフ、大きな楽しみがすぐ傍にある時に限って、時間の流れが嫌に遅く感じるのは……人間も吸血鬼も共通らしい。 もう一度眠りに入って、より具合を万全にしておくのも手だが……最後にもう一度、あのチャットとやらを確認しておくか。 何か更新されているかもしれん」 現地調達した上物のワインを一息に飲み干して、DIOは寛いでいたスイートルームを後にする。 情報戦などという姑息な手段に頼らなくとも、『世界』と吸血鬼の肉体(ボディ)さえあれば、殺し合いを制するのは簡単だ。 しかし、ちっぽけな人間達が必死こいてチャットを打ち込んでいる様を想像すると、なんとも言えず愉快な気分になる。 そしてそこに自分が一石を投じることで、またちっぽけな誰かがその情報に慌てふためくのだ。 どうせ、他にやることもない。時間潰しには最適だろう。 もう一度遊技場に行ってもいいが、麻雀の機械は既にDIOが壊してしまった。 他にも探せば卓があるかもしれないが――あのゲーム、やってみて分かったことだが、思っていたよりもかなり神経を使う。 自分が勝利するのは当然のこととして、それはさておきあんな物を面白がる奴の気が知れない。 DIOはそんなことを考えながら、再び事務室へと足を運ぶのだった。 ◆ 一方、その頃。 地下通路を抜けて、帝王の城の内へと足を踏み入れる男の姿があった。 しかしこの男は、帝王たるあの男の敵ではない。 むしろその真逆。 帝王に仇成す全ての敵を誅戮する、姿なきキリングマシーン。 名を、ヴァニラ・アイス。 『クリーム』のスタンド能力を持ち、既に四人を殺めているDIOの忠臣だ。 「さて……まずは探索からだな」 あくまでも、優先順位は情報収集よりも殺戮だ。 生き残るべき参加者はDIOのみ。 それ以外は、たとえ女子供であろうと関係なく、皆殺しにする。 このホテルの外観を見た訳ではないが、装飾の豪華さからして、それなりの階数がある筈だ。 臆病な参加者がどこかの部屋に籠り、縮こまって時が経つのを待っている可能性は十分にある。 体力は十分に回復しているが、念の為、血を吸ってから殺すべきだろう。 その為にも、出来れば『戦えない』参加者であると都合が良いのだが。 「――フ」 数分間歩き回った所で、ヴァニラは口元を吊り上げた。 「やはり、いるな……」 内部の所々に、人が物色したり、歩き回った形跡がある。 間違いなく、どこかに参加者が潜んでいると、ヴァニラはそう踏んだ。 一応武器も構えながら、足音を敢えて隠さずに進む。 それで怯えて行動を起こしてくれれば、息を潜めてちまちま進むよりもずっと手早く事が済むからだ。 そうして――更に七分ほど、ホテル内を徘徊した頃のことだった。 ヴァニラの鼓膜が、何者かの足音を捉える。 どうやら此方には気付いていないのか、特に音を殺している様子はない。 だが、彼は表情を顰めた。 居場所を探す手間が省けるというのに、何故彼はそんな表情をしたのか? 「勘付かれている」 自分の、存在に。 勘付きながら、敢えて音を出しているのだ。 その思考回路は、奇しくも自分と全く同じもの。 これだけでヴァニラは、足音の主が『自分はこれから殺される』とは微塵も思っていない、かなりの自信家であることを見抜いた。 それが虚勢ならば、いい。 もしもそれが確固たる実力から来る、『当然の反応』だったなら―― ヴァニラ・アイスの脳裏に浮かんだのは、あの白服の女。 次に浮かぶのは、自分が最初に不意討ちで殺害した範馬勇次郎。 彼らのような怪物が相手ならば、少しばかり雲行きは怪しくなってくる。 ブローニングの柄を握る手に力を込め、ヴァニラは考える。 ――進むか、戻るか。……問うまでもない。答えはすぐに出た。 「『臆病』は罪だ……あのお方に仕えるこのわたしに限って、『臆病』は許されない」 ただ、殺すのみ。 ヴァニラはそのままずかずかと前進し、廊下の突き当りから、標的の姿を確認する。 ……その手に握られていた銃器が、ゴトン、と音を立てて豪奢なカーペットの上に落ちた。 「――やはり、おまえだったか。我が忠臣、ヴァニラ・アイスよ」 眩いばかりの艶やかな金髪に、巌を思わせる頑強なボディ。 愛などという領域を飛び越え、人を信仰の道へ導く妖艶な魅力漂う顔。 忘れるはずもない。 この麗しい姿を見間違おうものなら、ヴァニラは自分の心臓に向けて、足下のブローニングを躊躇なく撃ち込んだことだろう。 いや、既にヴァニラは、自分の首を手刀で切り落としたい気分で一杯だった。 音でしか判断する術がなかったとはいえ、自分は彼を、倒すべき敵だと勘違いしていたのだ。 自然に、体が跪く。傅く体勢を取り、深く頭を垂れた。 「申し訳ありません、DIO様……貴方の足音を取るに足らない餌風情のものと誤認するなど、このヴァニラ・アイス、自身への怒りで身が焦げる思いです」 「確かに、おまえらしくはない早とちりだな、ヴァニラ・アイス。 だが、その理由は分かる……おまえほどの男を疑心暗鬼にさせるほどの人物が居たのだろう」 DIOは、自分の辿ってきた戦いを語らない。 思い出したくもないからだ。 しかし、苦汁を舐めたからこそ、ヴァニラを早まらせた要因にはすぐに想像が付いた。 「……まあ、積もる話は部屋で聞こう。わたしも、おまえに聞きたいことがあるからな」 聞きたいこと。 それはつまり、殺すべき者達のことだ。 侍と格闘家の餓鬼、そして三つ編みの男。 あれらについてヴァニラが何かを知っているのなら、是非とも聞いておきたい。 だがその前に、まずは事務室に向かおう。 そう言い出さんとするDIOだったが、その直前に、ヴァニラが口を開いた。 「失礼ながら、DIO様。この場所からも伸びている、『地下通路』についてはご存知でしょうか」 「? ああ、知っているが」 「こちらは、映画館付近の地下で発見した物です。 参加者と関係のある映像が収められた、『DVD』なる代物のようでして」 「ほう……良い手土産じゃないか、ヴァニラ・アイス」 「恐縮でございます」 映像が何分あるのかまでは、ヴァニラも調べていない。 もし数時間単位で収められているのなら面食らうが、未だ見ぬ参加者の下調べをするという意味合いでも、これを確認しない手はあるまい。 DIOも、そこについては同感だった。 チャットの様子を窺うだけならば、いつでも出来る。 優先順位は、此方の方が確実に上だ。 「腕輪一つにつき一枚しか映像を持ち出せないらしく、二枚しか持ってくることは叶いませんでしたが……」 「一つにつき一枚……ということは、ヴァニラ。おまえは他の腕輪を持っているのか」 「はい。範馬勇次郎という男のものを、今も武器として携帯しています。 他にも金髪の女と、異様な顔立ちの男――そして花京院典明をこの手で屠りましたが、腕輪を奪い取ったのは勇次郎だけになります」 「おまえが、花京院を殺したのか……フフ、よくやってくれた。やはり、おまえは優秀な男だ」 DIOは恭しく頭を下げるヴァニラから、ディスクの収まったケースを二つ受け取る。 タイトルは『第四次聖杯戦争の様子』と、『日本某村の記録』。 目に付いたものには『ジョースター一行の旅の風景』『本能字学園の歴史』というものもあったが、これらについては思考の末に切り捨てた。 ジョースター一行の旅など見ても仕方がないし、同じ理由で、学園の歴史を見ることにさほど意味はないだろうと判断したためだ。 逆に、『第四次聖杯戦争』なるものについてを観測した映像は、参加者の能力や人格により密接に迫れる可能性が高いと踏んだ。 『日本某村の記録』については……正直なところ、半ば勘だ。 第四次聖杯戦争のようなわかりやすく重要性の伝わるタイトルがなく、それならばと、一番抽象的なものを選んだ。 「では早速、君の手土産を検めていくとしよう。 こんなものがあると知っていれば、苛立ちに任せてテレビを叩き壊すような真似はしなかったのだがな……」 「……えっ」 「どうかしたか、ヴァニラ・アイス?」 「……いえ、何でもございません」 ◆ ――第三の令呪を以って、重ねて命ず―― 「――――やめろぉぉぉぉォォッ!!」 ――セイバー、聖杯を破壊しろ!―― 少女の悲痛な叫びとともに、振り下ろされる黄金の剣。 その刀身から放たれた黄金の光は、皮肉なほどに美しく輝いていた。 ジル・ド・レェ伯の大海魔を一撃の下に葬り去った至高の光は、黄金の願望器を飲み込んでいく。 未来への希望を思わせる眩い波濤はしかしながら、次なる絶望の呼び水でしかなかった。 聖剣は聖杯諸共に建物までもを貫通し、結果、内に溜まっていた黒い濁流を街へと流れ出させる地獄のような結果を生んだ。 ……これが、第四次聖杯戦争の終幕。 全ての願いは、一つたりとも満たされることなく、大いなる悪に塗り潰された。 舞台となった冬木市に住まう人々の絶望を表現するかのように、エンドロールもなく、画面は暗転。映像が終わったことを示す。 「如何でしたか、DIO様」 「喜劇としては、なかなか上等だった」 DIOの下にこの映像を持ってきたヴァニラの判断は、結果から言うと大正解であった。 この映像に記録されている中で、殺し合いに巻き込まれているのは全部で七名。 少なくとも内四名は既に死亡しており、生存者の中の二名は、DIOと関係のある人間だ。 言峰綺礼。アサシンのマスター。DIOが、最初に遭遇した男。 心の中に、底なしの闇を抱えた聖職者。 彼の本来辿るはずだった未来、覚醒は、見ていて実に愉快なものだった。 あの黄金のサーヴァントが、喜々としてちょっかいを出していたのも頷ける。 一方で―― 「ヴァニラ・アイスよ。わたしは、あのセイバーという小娘と同盟を結んでいる」 セイバー。黄金の剣を振るう、ブリテンの騎士王。 彼女から聞いた聖杯戦争関係者の評は、大体的を射ていた。 強いて言うなら、衛宮切嗣の策については、DIOは少々過小評価をしていたくらいだ。 あれほど派手で手段を選ばない男とは、正直なところ思わなかった。 あれならまともに相対するべきではないというより、近寄らせないのが最善だろう。 仮にこのホテルを、彼がランサーのマスターにしたように爆破されようものなら、さしものDIOでも多少の傷を負うのは免れまい。 警戒しておくに越したことはない。或いは、既に殺されているかもしれないが。 「失望を恐れずに言うが……彼女の真の力は、このDIOの予想を超えていた」 約束された勝利の剣。 エクスカリバー。 黄金の光。 彼女は慎重を期す為か、あの場では聖剣を解放しなかったが……映像で見たあれは、明らかに一人の参加者が持っていい火力の限度を超えていた。 『世界』が、彼女の力に劣っているとは全く思わない。 だがそれはそれとして、あの火力は『世界』には出すことの出来ないものだ。 「君はどう思う、ヴァニラ・アイス」 「――DIO様があのような小娘に遅れを取るとは、わたしにはとても思えません。 ですが、万に一つの可能性を憂慮するのであれば……長くのさばらせておくのは、聊か危険に思えます。この殺し合いには、『支給品』という概念もある。聖剣以外の、高い制圧力を誇る兵器などを手にしている可能性も否定できません」 DIOは夕刻に、彼女と自分の館で落ち合う約束を取り付けている。 彼女はあの時、『一人では手に負えないような強敵』がいれば共同で排除する、と言ったが、それはまさに彼女自身のことであった。 セイバーは、時間停止のカラクリを知らない。 だが先の映像を見るに、彼女は――どうやら、並外れた直感力を持っている。 サーヴァントのシステムについて、DIOは知らない。 だから、セイバーが『直感』というスキルを保持していることは、こうして推察するしか出来ない。 厭な危うさを、感じずにはいられなかった。 「……あれほどの剣士だ。垣間見た殺意は、確かに本物だった。 彼女ならばきっとこの半日間で、多くのスコアを挙げていることだろう」 「つまり――」 「そう。用済み、だな」 排除。 それが、DIOの弾き出した結論だった。 騎士王との盟約を反故にし、次で彼女を殺す。 「ヴァニラ、おまえも私に同行しろ。騎士王の聖剣は、解き放たれる前に封殺するのが最も確実だ。 おまえの『クリーム』とわたしの『世界』が手を組めば、たかだか勘頼みの戦闘など容易に崩壊させることが可能だろう」 「了解致しました、DIO様」 「仕留めたなら、あの剣を奪ってやるのもいい。 かのアーサー王とこのわたし、どちらがより上手く聖剣を使えるか……なかなかおもしろい命題じゃあないか…… ――では、次に行こう。次の映像は……『日本某村の記録』だったな」 ◆ \あっ、あれってハクビシン?/ \タヌキなのん!/ \アライグマでしょ?/ \イタチですよ/ 「どうでもいいわァ――ッ!!!!」 テレビを殴り砕く勢いで椅子を立ち上がったのは、ヴァニラ・アイスだ。 彼が精一杯考えを凝らしてきたこの映像は、しかし蓋を開けてみれば、見事なまでの分かり易い外れだったのだ。 オープニングの音楽が流れてから、約二十分ほどの、タイトル通り、日本のどこかの村の暮らしを記録した映像が流された。 ――そう。それだけだ。スタンドも吸血鬼も、サーヴァントも出てこない。それどころか、血の一滴も流れていない。 実に平凡で牧歌的で、こんなに悩みなく暮らせたら幸せだろうなあと見る者が自然と満たされるような、殺し合いとはまるで関係のない映像。 それを見終え、エンディングで少女達の掛け合いが流れ始めた所で、もう限界だった。 ハクビシンだろうがタヌキだろうがアライグマだろうが心底どうでもいいし、それがイタチだったから何だというのだ。 貴重な時間を三十分近くも無駄にしてしまったヴァニラの怒りは、DIOへの申し訳無さも相俟って猛烈な勢いで燃え上がった。 だが、ふとDIOを見た時、ヴァニラの表情が凍る。 退屈で牧歌的な風景を長々眺めさせられたのだから、DIOが浮かべるべき表情は当然『憤怒』。 しかし、彼の顔を見よ。 「フフフ……」 意外ッ! それは『笑顔(SMILE)』!! DIOは笑っていた! 少女達の日常を見終えて、満足気に笑っていたッ!! 「ディ、DIO様!? まさか……気に入られたのですか……?」 「まさか。そうではない……ただ、見覚えのある顔と名前が混じっていたものでね」 ヴァニラ・アイスは、この映像に映っていた少女達に覚えはなかった。 宮内れんげ、一条蛍、越谷小鞠。 日本人ではないヴァニラには、取り立てて記憶に残る名前でもなかった。 DIOは違う。越谷小鞠以外の二人について、彼は知識を持っている。 「宮内れんげ……これは、本能字学園なる場所でわたしが戦った時にその場に居合わせた少女の名前だ。 直接的な戦闘能力には乏しいようだったが……グラウンドの端で、何やら光を扱っていた記憶がある。何かしらの異能を持っている可能性は高い」 「……! それでは、この映像はブラフ……!?」 「そしてこの一条蛍という女……どう見ても小学生には見えないが……此奴に関しては、ホル・ホースから情報を得ていてな。 集団に潜り込む狡猾さと、その総戦力を圧倒して散開に追い込むほどの力があるらしい」 ヴァニラは、その情報は確かなのかと問いたくなった。 あの映像を見る限り、一条蛍は体型以外はどこにでも居るような、大人しい性格の少女だった。 あの大人しそうな顔と言動の下に、DIOにホル・ホースが伝えたという内容通りの狡猾さが潜んでいるとしたら、相当な大人物だ。 「ホル・ホースは、DIO様への忠誠が低い男です。 もしかするとDIO様の部下への信頼に付け込んで、誤情報を教えた可能性も」 「確かに、それもあるとは思う。奴は一度、このわたしに銃を向けたことがあるからな……だが、もしも一条蛍が奴の報告通りの人間だったなら。 承太郎の『スタープラチナ』以上の打撃力を持つ悪魔のような女なのだとしたら」 ヴァニラは何も言えない。 彼も、スタープラチナの強さは知っている。 ごくシンプルな近距離パワー型でありながら、あの拳はDIOの差し向けた刺客をことごとく破ってきた。 あれに匹敵となれば、確かに侮れない。 「それに、映像の中で……一条蛍は、越谷夏海なる小娘との『腕相撲』で、夏海を瞬殺していた。 根拠としてはやや甘いが、この映像に写っている少女達は全員、何らかの異能を隠し持っているのかもしれない。 憶測だが、おまえも警戒だけはしておくといい、ヴァニラ・アイス。 認めたくはないが、此処にはわたしやおまえですら対処に手を焼く参加者が確かに存在する」 ヴァニラ・アイスは、DIOの言葉の中からあることを読み取った。 それは、鎮火こそしているものの、未だに消えてはいない怒りの感情。 口に出すのも憚られるが、彼はこの会場で、他の参加者に痛手を負わされたらしい。 恐らくこのホテルに踏み入ったのは、日光を避けるだけでなく療養の意味もあったのだろう。 表情に出して、そのプライドを踏み躙ることがないよう必死に堪えながら―― (……許さん……) ヴァニラ・アイスは、彼以上に激昂していた。 この殺し合いは、どこまで彼を愚弄すれば気が済むのか。 『世界』の秘密を勝手に解き、挙句偉大なるDIO様に、傷を付けただと? ――許せない。許せるわけがない。必ず、その輩は殺さなければならない。 (許さんぞッ!! よくも貴様ら如きのゲスな両手で、DIO様のお身体に触れたなッ!!!) 殺意を、より硬く硬く固めるヴァニラ。 そんな彼を尻目に、DIOは静かに席を立った。 「次はわたしの発見を教える番だ。 此処の事務室にある奇妙な機械を通じて、参加者同士が情報の交換を行っている『チャットルーム』を見ることが出来るようでね。 話すよりも、実際に見た方が速いだろう。 では、行こうか…………む。いや、待て」 DIOが確認したのは、壁時計だった。 聖杯戦争についてを描いた映像が、思いの外長かったからか。 既に時刻は、六時寸前となっていた。 ――日は既に、落ちている。 【B-7/ホテル/一日目・夕方(放送直前)】 【DIO@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 [状態]:健康、機嫌がいい [服装]:いつもの帝王の格好 [装備]:サバイバルナイフ@Fate/Zero [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(9/10) [思考・行動] 基本方針:主催者を殺す。そのために手っ取り早く他参加者を始末する。 0:放送を聞いてから事務室でチャットの内容を確認し、再び動き出す 1:セイバーの聖剣に強い警戒。ヴァニラ・アイスと共に、まずは彼女を殺す。 2:銀髪の侍(銀時)、長髪の侍(桂)、格闘家の娘コロナ、三つ編みの男(神威)は絶対に殺す。優先順位は銀時=コロナ=桂>神威。 3:先ほどのホル・ホース、やはり信用する訳にはいかないかもしれんな。 4:衛宮切嗣を警戒。 5:言峰綺礼への興味。 6:承太郎を殺して血を吸いたい。 7:一条蛍なる女に警戒。やはり危ないんじゃあないか、この女? [備考] ※参戦時期は、少なくとも花京院の肉の芽が取り除かれた後のようです。 ※時止めはいつもより疲労が増加しています。一呼吸だけではなく、数呼吸間隔を開けなければ時止め出来ません。 ※車の運転を覚えました。 ※時間停止中に肉の芽は使えません。無理に使おうとすれば時間停止が解けます。 ※セイバーとの同盟は生存者が残り十名を切るまで続けるつもりです。 ※ホル・ホース(ラヴァレイ)の様子がおかしかったことには気付いていますが、偽物という確信はありません。 ※ラヴァレイから嘘の情報を教えられました。内容を要約すると以下の通りです。 ・『ホル・ホース』は犬吠埼樹、志村新八の二名を殺害した ・その後、対主催の集団に潜伏しているところを一条蛍に襲撃され、集団は散開。 ・蛍から逃れる最中で地下通路を発見した。 ※麻雀のルールを覚えました。 ※パソコンの使い方を覚えました。 ※チャットルームの書き込みを見ました。 ※ホル・ホースの様子がおかしかった理由について、自分に嘘を吐いている可能性を考慮に入れました。 【ヴァニラ・アイス@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 [状態]:健康、怒り [服装]:普段通り [装備]:範馬勇次郎の右腕(腕輪付き)、ブローニングM2キャリバー(68/650)@現実 [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10) 黒カード:双眼鏡@現実、不明支給品0~1(確認済、武器ではない)、範馬勇次郎の不明支給品0~1枚(確認済)、ブローニングM2キャリバー予備弾倉(650/650) [思考・行動] 基本方針:DIO様以外の参加者を皆殺しにする 1:DIO様に土を付けた参加者は絶対に殺す 2:セイバーの聖剣に強い警戒。可能な限り優先して排除する 3:日差しを避ける方法も出来れば探りたいが、日中に無理に外は出歩かない。 4:自分の能力を知っている可能性のある者を優先的に排除。 5:承太郎は見つけ次第排除。 6:白い服の餓鬼(纏流子)はいずれ必ず殺す [備考] ※死亡後からの参戦です ※腕輪を暗黒空間に飲み込めないことに気付きました ※スタンドに制限がかけられていることに気付きました ※第一回放送を聞き流しました どの程度情報を得れたかは、後続の書き手さんにお任せします ※クリームは5分少々使い続けると強制的に解除されます。 強制的に解除された後、続けて使うには数瞬のインターバルが必要です。 【DVDについて】 『第四次聖杯戦争の様子』 ……第四次聖杯戦争のダイジェストです。 聖杯を破壊したことで聖杯の泥が溢れ出した所まで記録されています。 言峰綺礼の変化などについても描かれているようですが、端折られている箇所も当然あるかと思います。 『日本某村の記録』 ……蛍達が分校に泊まった際の風景を撮影したものです。 エンディングテーマが付いていますが、これは参加者の声音を合成で再現し、人工的に歌わせたものです。 時系列順で読む Back 妹(前編) Next 第三回放送 -あの思いは漂着- 投下順で読む Back 彼ら、彼女らの約束 Next 虚ろなる生者の嘆き:End in…? 162 悪意の種、密やかに割れて DIO 185 ヤツの時間がきた 172 Ice Ice Vampire ヴァニラ・アイス 185 ヤツの時間がきた
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登場人物/沢村智紀 波旬 / \ ´ ヽ / i i i. / i | i i i l i i | | | | | l i | | | | | | |__| | | i. | | _ |- ‐ | | | | `丶 | i. | |´ l´l l ヽ ヽ _ヽ_! | | i | lヽ l _ヽ_  ̄ ´.l イ` | i | |´〃l ャ`--、 丶-‐'ノ| | i | l l 丶‐' ノ ` ‐‐ ´ | | i | |` l゙ 、 | | i | | l | | i | | \  ̄ /| | i | | > / | | i. | | > ´ | |_ -‐- i. | | | _ - < | | ヽ | | /‐\ /| | l | | イ | ∧ / | | / l | | / /' .〉 / ヽ' | | / ヽ──────────────────────────────────────────────────沢村智紀 菩提樹の国Lv.50むっつり ♀聖まどか騎士団聖騎士CP : 0/6かしこさ : A【称号スキル】 シュリフト The Calculator『聖文字 “C“計算鬼』. .: 「聖まどか騎士団」聖騎士の証。すさまじい計算能力を持つ。以下の能力を得る ①計算能力が凄いので味方の命中率と回避率が上昇する ②高度な計算能力が必要な特技を使用可能になる【パーソナルスキル】 クインシー 『滅却師』 : 魔物を倒すことに特化した戦士。戦闘型ではないが並の魔物より強い 『聖騎士』 : 「聖まどか騎士団」でも上位の実力者【個人的特徴】 『無口』 : 口が聞けたのか!? 『むっつりレズ』 : 聖騎士にはレズしかいないのか……(偏見)【マスタースキル:パッシブ】 『行動解析』 : 相手1体が何をしてくるかたまに読める。分析回数が増えると確率増加 『プロファイリング』 : ステータスの解析が発生した時に発動。追加でもう一回解析する。 ブルート・ヴェーネ 『静 血 装』 : 霊子を魔術回路に流し込み肉体を強化。惰弱な干渉を無効化する。【マスタースキル:アクティブ】 『パーティー交代』 : ターン終了時にパーティーを控えと交換する 『アドヴァイス』 .: 味方1体のテンションと任意の能力値を「1」上げる 『霊子供給』 : 味方1体の霊子カウンターを「2」増やす 『アナライズ』 : 敵1体の情報を1段階を開示する 『オールアナライズ』 .: 高い計算能力を駆使して、敵全体の情報を1段階開示する。1/戦 『カリキュレイト』 .: 高度な計算能力により、味方1体を好きなタイミングで行動させる。1/戦 『攻撃命令β』 : 味方1体の攻撃力と魔力を「2」上昇させる。1/戦 『防御命令β』 : 味方1体の守備力と精神を「2」上昇させる。1/戦 『加速命令β』 : 味方1体の素早さを「2」上昇させる。1/戦 『命中命令β』 : 味方1体の命中率を「1」上昇させる。1/戦 『回避命令β』 : 味方1体の回避率を「1」上昇させる。1/戦 ハイリッヒ・ブファイル 『神 聖 滅 矢』 消費3 : 魔物を滅ぼす聖なる矢を放つ。相手マスターに。 「ダイレクトアタック」 『インスピレイシヨン』 .: ありえない計算能力により、次元を超越した計算結果を導き出す。1/戦 このターン、メタ情報を覗き見る。「完聖体専用」 『デュアル・デュエル』.消費4.: 凄まじい計算能力により味方1体にセットアップを放棄させる。 そうした場合、メインフェイズを追加する。1/戦。 「完聖体専用」【マスタースキル:リミットブレイク】クインシーフォルシュテンディッヒ:ホヴォヒムロ 『滅却師完聖体:神の計略』 消費4 .: 智紀専用LB。神の力を解放する。以下の能力を得る ①強化された計算能力により、味方の回避率と命中率がさらに上昇する ②常軌を逸した計算能力により、天運すら味方につける ③恐るべき計算能力により、新たな計略が使用可能になる ④空前絶後の計算能力の代償で、テンションがおかしなことになる +スカサハ / \ 、 ノ ‘, ,\ / .、 ' \ } 、 { { {\ } \ { l { { ィ ヽ } \ { 八 .ィf秀 ヽ } , \ ,←‐ 、 \{ '′ } l } 丶 ,←‐== \ \(} } l } ∧ \ ,←‐===- ヽ( '_ } }/´ ̄¨丶、 \ ,←‐===- {ヽ \ `ヽ¨´ } , // ̄¨¨ \ ,←‐===- ‘ __ }...}_ \ l 个‐}/ イ/ _ ‐= \ ,←‐===- ‘ ヽ.......、 ,....}..ヽ/ノ } }//{ ' __ ,←‐===- ‘\ .......{....レ.......イ=‐ ァ/ イ../ { ′/---- ,←‐===- ‘ `./......./.......イ /.... /-i{/ /----,←‐===- ‘ ヽ...........イ..../ /......イ--∧ / ‐‐,←‐===- ‘ 、 \...../ { /‐‐‐‐‐‐‐{∧{‐,←‐===- ‘∨ \ `/---)'------- {..,←‐===- ‘----V \ {----------- ,←‐===- ‘-------V ---------,←‐===- ‘----------V } 、-----,←‐===- ‘.._ノ...\-------- ヽ-,←‐===- ‘<...... ´ ̄¨¨¨ \} } ,←‐===- ‘...... イ-------------ノ ,←‐===- ‘...... /------------ イヽ __,←‐===- ‘...`ヽ/---------_ 。z≦ _........ . . ←‐===- ‘.........../------_ 。z≦/ ‘, _ -{...........( ‐===- ‘‐===/---_ 。z≦--- ′ } _{...........\.......\- ‘............/_ 。z≦--------/ } /....\...........\‐‐' ‘\ __ .イ -------------- ′ } ..←‐=>= -‘/.........../------------------{ } ‐===/⌒..................イ--------------丶-----ヽ ==-(/ ̄¨7¨´/--------------------------\ / - 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'/ __/}_/ / / __〉 (^¬iT^ /;⌒ア^′ / _, -‐'´ }い;, |{ .{」 / / / }|i;,込, {》 . { `゙''ミ;, }}{! ′ | }{{_j| | . い]} ; i; }}]| / |i;  ̄ , '──────────────────────────────────────────────────後方のアックア種族 : 聖ゲオルギウス+6 ♂系統 : 亜人系(ヒューマノイド/ガーディアン/聖人/クインシー)Lv80(成長の限界)じんかくしゃHP : 1150/1150MP .: 600/600攻撃力 : B-守備力 : AAAすばやさ : B-魔力 : C精神 : AAAかしこさ. .: B-信頼度 : 100信仰度 : 100000000【称号スキル】. シュリフト The Dragonbane『聖文字 “D“竜殺し』 : 「聖まどか騎士団」聖騎士の証。その伝承と力により与えられた。以下の能力を得る ①ドラゴン系に対する与ダメージが上昇する ②対峙したドラゴン系の魔物は畏れのあまり全能力が毎ターン低下する。精神抵抗可能【とくせい(パッシブ)】『英霊』 : 魂に闘争の記憶を持つ英雄。生まれながらにして戦闘能力が高い『守護騎士降臨』 : 戦闘開始時に味方1体のテンションが1上昇し、自分の防御力と精神が上昇する『英雄の証明』 : 【宝具】を使用するとテンションが1上がる『祝福礼装アスカロン』 .: 持ち主を守護する聖剣。与ダメージが上がり、被ダメージが低下する『騎乗:C』 : 申し訳程度の騎乗スキル。騎乗時にちょっと能力が上がる『神性:C』 : 聖人として信仰されることで神性を得た。『神性』を持たない対象への与ダメージが増加。 クインシー『滅却師』 : 魔物を倒すことに特化した戦士。「魔物相手への与ダメージ上昇」『霊子収束』 : 毎ターンの「セットアップ」時、自分に「霊子カウンター」を「1」乗せる『霊子活性』 : 「霊子カウンター」が「3」を超えていると発動。全能力に補正がかかる『飛廉脚』 : 滅却師の歩法。足元の霊子に乗り、「空中」をも走行可能。「攻撃時速度にボーナス」『乱装天傀』 : 戦闘不能の時に発動可能。発動ターン、行動が可能となる。「セットアップ」1/戦『守護騎士』 : 防御行動を取る場合、被ダメージが減少する。誰かを守る場合、さらに減少する『聖人』 : 聖なるものとして認定された存在。毎ターンHPが回復する『戦闘続行』 : 戦闘不能になるダメージを受けた場合、食いしばってHPが少し回復する。1/戦『ガーディアン』 : テンションの上昇に応じて被ダメージが減少する『殉教』 : 防御行動時に戦闘不能になった場合、仲間のテンションが上昇する【とくせい(アクティブ)】クインシーフォルシュティンディッヒ:ドラコニアス『滅却師完聖体:神の竜殺』x...: 「霊子カウンター」を「5」消費して発動。HPが全回復し、以下の能力が発動する ①全ての能力が上昇し、「血装」の効果が上昇 ②神の力により『神性』『神霊耐性』を獲得し、毎ターン終了時にMPが回復する ③『聖文字“D“竜殺し』の対象が「ドラゴン系」から「竜の因子」を持つものに拡大、強化される ④味方全体の被ダメージが減少する『ガードマン』x : このターン、敵の行動の対象を全て自分に変更する。1/戦 アヴィスス・ドラコーニス『汝 は 竜 な り』x .: 竜退治しようぜ!お前竜な! 「竜属性付加」 【宝具】『霊子吸収』x : 周囲に漂う霊子を取り込む。自分の霊子カウンターを「2」増やすスクラヴェライ『 聖 隷 』x : 周囲の物体を構成している霊子をも取り込む。自分の「霊子C」を「3」増やし、HPが回復。「完聖体専用」 ブルート・アルテリエ『 動 血 装 』y : 霊子を血管に注ぎ込み、身体能力を強化する。このターン、与ダメージが上昇する。 ブルート・ヴェーネ『 静 血 装 』y : 霊子を血管に注ぎ込み、身体能力を強化する。このターン、被ダメージが減少する。『霊子変換』z : 「霊子カウンター」1~3個を任意の能力かテンション上昇に変換する『霊圧解放』z : 「霊子カウンター」を任意の数消費することで与ダメージを増加させる【呪文】『リホイミ』 消費8 .: 味方1体を3ターンの間、自動回復状態にする 【回復】『ベホイム』 消費22 .: 味方1体のHPをとても回復 【回復】『ザオラル』 消費20 .: 味方1体を戦闘不能から復帰させ、HPを少し回復する。運が悪いと失敗する【回復】『ザバラーン』 消費30 : 敵単体に強烈な水流で攻撃する 「180/90%」 【ザバ】【特技】『かばう』 消費0 : 味方1体をかばう。「セットアップ」『仁王立ち』 消費5 .: 味方全員をかばう。「セットアップ」ハイリッヒ・ボーゲン『神 聖 弓』 消費20 .: 魔物を滅ぼす聖なる矢を放つ。 「160/100%」「魔族特攻」 【射撃/光】『滅却電磁鉄拳』 消費30 .: 「霊子C」を「1」消費。魔を誅滅する強烈な鉄拳。 「180/100%」 【格闘】『滅却竜殺剣』 消費30 .: 「霊子C」を「2」消費。竜を殺す概念を纏った斬撃。「200/100%」「竜特効」 【斬撃】 ゼーレ・シュナイダー『魂を切り裂くもの』 消費50 .: 『霊子活性』時に使用可能。刀身の表面を高速で往復する霊子の振動で敵を切断する。【斬撃】 「200/100%」「防御特性無効」ベイヤード『幻影戦馬』 消費50 : ベイヤードを呼び出して騎乗する。テ/2。1/戦 【宝具】 アスカロン『力屠る祝福の剣』 消費75 : 所有者をあらゆる害悪から遠ざける無敵の剣。以下の能力のどちらを発動出来る。テ/3。1/戦 【宝具】 ①このターン、自分はあらゆる害悪を受け付けない ②守護の力を反転させることであらゆる守護を断つ一撃となる。 「300/100%」「防御特性無効」インテルフェクトゥム・ドラーコネース The Dragonbane『 竜 殺 し 』 . 消費100 : 『“D”竜殺し』最大奥義。ほむらに与えられた力と英霊としての伝承が合わさった必殺の一撃 【宝具・必殺】 「350/100%」「竜超特効」「竜即死:最大100%」「完聖体専用」。テ/3。1/戦【耐性】『滅却師』 : 光、闇に強い(-60%)『地無効』『殉教者の魂』 : 筋金入りの信仰者なので何をされても揺るがない精神と神の加護を持つ。状態異常を無効化する『呪文に強い(-40%)』【両親】父親: ???母親: ??? +BG9(ベーゲーノイン) _ / \ i __,=-i 、__ヽ ! __ ,.... |、_ ,_=i _,.| | || | || |i i | __ノ ! ! || | || || ! ト、 ヽ i、` | ! !! |レ / \_ ∨ | |i ヾ ! !レ ,イ /´ ∨ i i |i. ` i /|,| / _,=-=へ / i i i.、_!/ ! /、 _,==-イ´ ノ∨ | i i i | i/ ..... /´ ,=イ. ∨ i | | .y´ `ー、 / \ ∨ !_y´ / ` 、 i . \ `y´ / .............. i | > ´ / i | /´ ,.......<´ | | /´...< ...... | / > ´<´ i──────────────────────────────────────────────────BG9(ベーゲーノイン)種族 : RX-80PR ペイルライダー+5 ♂系統 : 物質系(モビルスーツ/グレートメカオー/イニシエート/メタリカ/クインシー)Lv75(成長の限界)きかいてきHP : 1050/1050MP .: 600/600攻撃力 : AA+守備力 : Bすばやさ : AA+魔力 : D精神 : Cかしこさ. .: B信頼度 : 100信仰度 : 100【称号スキル】. シュリフト The Killingmachine『聖文字 “K“殺戮機士』 .: 「聖まどか騎士団」聖騎士の証。見た目からしてメカなので名付けられた。以下の能力を得る ①相手に与えるダメージが上昇し、会心率も上昇する ②メカなので身体状態異常にかからない【とくせい(パッシブ)】 クインシー『滅却師』 : 魔物を倒すことに特化した戦士。「魔物相手への与ダメージ上昇」『霊子収束』 : 毎ターンの「セットアップ」時、自分に「霊子カウンター」を「1」乗せる『霊子活性』 : 「霊子カウンター」が「3」を超えていると発動。全能力に補正がかかる『電気変換』 : 【電撃】を受けた時、自分に「霊子カウンター」を「3」乗せる『飛廉脚』 : 滅却師の歩法。足元の霊子に乗り、「空中」をも走行可能。「攻撃時速度にボーナス」『乱装天傀』 : 戦闘不能の時に発動可能。発動ターン、行動が可能となる。「セットアップ」1/戦『殲滅兵器』 : 相手に与えるダメージが上昇し、会心率が上昇する『高感度センサー』 : 高感度のセンサーがあるので命中率が低下せず、命中率が高い。『精密攻撃』 : 会心の一撃が出た場合、ダメージが増加する『分身』 : リアル系特有の分身でたまに攻撃を回避する。『見切り』 : 「低確率」で敵の「物理攻撃を無効化」する『HADES』 : 自身の精神を効率的に改造するシステム。戦闘時、命中率、回避率、会心率が上昇する『n_i_t_r_o』 : 擬似的にニュータイプ能力を発動させるシステム。『霊子活性』時、命中率、回避率、会心率が上昇する『EXAM』 : 対ニュータイプ用OS。『霊子活性』時、命中率、回避率、会心率が上昇する フィールドに『ニュータイプ』や精神感応能力者がいる場合、『暴走』し、さらに能力が上昇する。【とくせい(アクティブ)】クインシーフォルシュティンディッヒ:ディルロマギア『滅却師完聖体:神の機械』x...: 「霊子カウンター」を「5」消費して発動。HPが全回復し、以下の能力が発動する ①全ての能力が上昇し、「血装」の効果が上昇 ②神の力により『神性』『神霊耐性』を獲得し、毎ターン終了時にMPが回復する ③『n_i_t_r_o』『EXAM』『HADES』が常時発動し、効果が上昇する『霊子吸収』x : 周囲に漂う霊子を取り込む。自分の霊子カウンターを「2」増やすスクラヴェライ『 聖 隷 』x : 周囲の物体を構成している霊子をも取り込む。自分の「霊子C」を「3」増やし、HPが回復。「完聖体専用」 ブルート・アルテリエ『 動 血 装 』y : 霊子を血管に注ぎ込み、身体能力を強化する。このターン、与ダメージが上昇する。 ブルート・ヴェーネ『 静 血 装 』y : 霊子を血管に注ぎ込み、身体能力を強化する。このターン、被ダメージが減少する。『霊子変換』z : 「霊子カウンター」1~3個を任意の能力かテンション上昇に変換する『霊圧解放』z : 「霊子カウンター」を任意の数消費することで与ダメージを増加させる【呪文】なし【特技】ハイリッヒ・ボーゲン『神 聖 弓』 消費20 .: 魔物を滅ぼす聖なる矢を放つ。 「160/100%」「魔族特攻」 【射撃/光】『動脈撃ち』 消費30 : 敵1体をの動脈を狙い撃ち大量出血させる。 「150/90%」「出血:最高70%」 【射撃】ハイリッヒ・ガトリング『滅却回転式連装弓』 消費30 .: 敵1体を神聖滅矢の連射で蜂の巣にする 「180/150%」「魔族特効」 【射撃】『滅却ミサイルパーティー』 .消費40 .: 敵全体を祝福儀礼済みのミサイルで吹き飛ばす 「200/90%」「魔族特効」【射撃/イオ】 ゼーレ・シュナイダー『魂を切り裂くもの』 消費50 .: 『霊子活性』時に使用可能。触手の表面を高速で往復する霊子の振動で敵を切断する。【斬撃】 「200/100%」「防御特性無効」『EXAM連続攻撃』 消費70 : EXAMシステムを発動し、高速起動で敵に襲いかかる。 「250/150%」「ニュータイプ特効」「会心率:20%」「EXAM発動時、テ/2以上時専用」 The Killingmachine『高機動殺戮戦闘』 消費100 : 『“K”殺戮機械』最大奥義。目にも映らぬ超機動で敵陣を皆殺しにする 【射撃/必殺】 「敵全体」「250/100%」「対生物特効」「会心率:25%」「完聖体、テ/3以上専用」【耐性】『滅却師』 : 光、闇に強い(-60%)『電撃に弱い』【両親】父親: ブルー(ブルーディスティニー3号器)母親: カイ(ガンダムデルタカイ) +アキラ // \ 〉== } / | / / )\ / ̄`´ ̄} /=-、_/ / l、 ,、レ´ヽノl __,j } / | }|^ス、 ノ´ | ソ} / /|__,,,,ノ / / Vヽ| `フ} _,/^ヽ___/´~ ノ/|,,_// { {´ 7_/`ー-z__ソ ヽ、ヽへ、 |~´ ,ハ、 / ト-―' | j j_,-、ノ ,| // /L `7 l f i j / k~´/ / ム二_ノ/_ / `ヽ、  ̄7⌒ヽヽ| | ソ /⌒ヽ T| ̄ヽー、/ \二ヽ__/ l |{ `ヽY / ゛} | 《_/ \\ / jl 〉| / ノ/ /// \\_ノ ノ ヽ、_,,,_,,/ | ヽ、_,,,,_.ノj //// \`‐、 ヽ {二⌒`.レ⌒~  ̄~゛} ////l \_} ヽ、ヘ、{⌒Y⌒゛リ^ヽ._ソ| /////>- / ヽ`、リ-、l_,-ィ、, トヘ' {_ノ//// } | \_|__|/彡|_,-〉 ( /´~ ,,――‐、ィ-/~ \_ 彡レ'  ̄ ヽ / / \`ヽ\ ̄\ 彡〔 \ / / ゙゙'' '' / 》~\ ``ー-'''ノ ヘ_、 二ヽ_ / / ,;' ヽソ\ ~ヽソ// /ヽ、\__ \ / 〈,; ト /´゙ ノ | ヽー―、 ̄ ̄~\/\ | ゛ |} / | ノ ̄ ̄〕 ノ ヽ /ヘ / | 》 }──────────────────────────────────────────────────アキラ種族 : 宇童アキラ+X ♂系統 : ???系(アウトレイジ/クインシー/アーク・セラフィム/アポロニア・ドラゴン/イニシエート/ガーディアン) (エンジェル・コマンド/グラディエーター/コスモ・ウォーカー/バーサーカー/ライトブリンガー)Lv100(成長の限界)ぐどうしゃHP : 1250/1250MP. : 800/800攻撃力 : S+守備力 : Aすばやさ : AAA+魔力 : D精神 : B+かしこさ. .: B+信頼度 : 100信仰度 : 30【装備スキル】E:『牙の玉璽』 : 『血痕の道』の王の証。以下の能力を得る ①あらゆる行動時に「レガリアカウンター」を乗せる ②「レガリアカウンター」を使用する行動で与えるダメージが上昇する ③『牙』zを使用可能になる【称号スキル】. シュリフト The Evolution『聖文字 “E“超進化』 .: 「聖まどか騎士団」聖騎士の証。配合を介さない進化を選んだ事により名付けられた。以下の能力を得る ①配合しなくても進化して自身を強化できる ②属性ダメージ、状態異常を受けた場合、抗体を作り出し耐性(-25%)を得る。重複可【とくせい(パッシブ)】 クインシー『滅却師』 : 魔物を倒すことに特化した戦士。「魔物相手への与ダメージ上昇」。『光の力』 : 神の力を取り込んで進化した存在。この能力は『神性』として扱う。『漢の運命:アギト』 .: ケリをつけなければ先へ進めない存在。アギトがいる場合、アギト以外見えなくなる。 ストームライダー『暴 風 族』 : 「素早さ」が上昇すると、同時に「攻撃力」も上昇する。『エア・トレック』 : 自分に乗っている「レガリアカウンター」の上昇に応じて「素早さ」が上昇する『霊子収束』 : 毎ターンの「セットアップ」時、自分に「霊子カウンター」を「1」乗せる『霊子活性』 : 「霊子カウンター」が「3」を超えていると発動。全能力に補正がかかる『飛廉脚』 : 滅却師の歩法。足元の霊子に乗り、「空中」をも走行可能。「攻撃時速度にボーナス」『乱装天傀』 : 戦闘不能の時に発動可能。発動ターン、行動が可能となる。「セットアップ」1/戦ベヒーモス『超獣』 : 異常な密度の筋繊維を持つ。物理攻撃で与えるダメージが上昇する『TOPGEAR』 : 戦闘開始直後に発動。素早さが「2」上がる。『LIMIT OVER』 .: 能力値がそれ以上上がらない時に、その能力がさらに上昇した場合、テンションが上昇するブラッディ・ロード『血痕 の 道』 : 「自身の素早さが上昇した時」、レガリアカウンターを「1」のせる。1/Tシャイン・ロード『光 の 道』 : 光属性攻撃の威力が上昇する。また、「霊子カウンター」を「レガリアカウンター」としてもよいスタートダッシュ『一撃奪取』 : 自分の攻撃した対象が受けるダメージがターン終了時まで増加する『滅却暴風族』 : 霊子を応用したエア・トレックのアーツ。「あらゆる行動を【光】属性にでき、素早さの上昇でも与ダメージが上がる」『無窮の武練』 : 無双を誇るまでに到達した武芸の手腕。与ダメージが上昇し、被ダメージが減少する『勇猛』 : 近接攻撃のダメージが上昇し、精神干渉を無効化する『見切り』 : 「低確率」で敵の「物理攻撃を無効化」する『極』 : 自身のテンションに応じて攻撃の回避率と命中率が上昇する『千里眼』 : 短時間の未来予測をも可能にする洞察力。自分の回避率と命中率が上昇する。『心眼』 : 直感と戦闘経験による危険回避。回避率、命中率、会心率が上昇するアトゴウラ・ガチンコエリア『漢の戦場、四枝の浅瀬』 . : ケルトにおける一騎打ちの陣の改造版。登場時にアギトを1体選択してもよい アギトと自分はお互いの攻撃以外ではダメージを受けなくなる。 アギトと自分のどちらかが倒れるまで、どちらも場を離れられなくなる。1/戦【とくせい(アクティブ)】クインシー・エヴォルツィオン:エクシードギルス『滅却師神化体:神の進化』x...: 「レガリアカウンター」を「5」消費して発動。HPが全回復し、以下の能力が発動する ①全ての能力が上昇し、「血装」の効果が上昇 ②神の力により『神性』『神霊耐性』を獲得し、毎ターン終了時にMPが回復する ③「レガリアカウンター」の最大数が「20」になる ④自分より行動が遅い相手への与ダメージが上昇する『ギルスクロウ』x .: 両腕から鋭い爪を生やして敵に追撃を食らわせる。『ギルスフィーラー』x : 両腕から鋭い触手を生やして敵を薙ぎ払う。『エクシードクロウ』x .: より強化された爪を生やして敵に追撃を食らわせる。「エクシード専用」『ギルススティンガー』x : 全身から触手を生やして敵をズタズタにした後、拘束する。「エクシード専用」『霊子吸収』x : 周囲に漂う霊子を取り込む。自分の霊子カウンターを「2」増やすスクラヴェライ『 聖 隷 』x : 周囲の物体を構成している霊子をも取り込む。自分の「霊子C」を「3」増やし、HPが回復。「完聖体専用」 ブルート・アルテリエ『 動 血 装 』y .: 霊子を血管に注ぎ込み、身体能力を強化する。このターン、与ダメージが上昇する。 ブルート・ヴェーネ『 静 血 装 』y .: 霊子を血管に注ぎ込み、身体能力を強化する。このターン、被ダメージが減少する。『∞ブレイカー』y : 攻撃の範囲を任意の数に変更できる。「エクシード専用」『レガリア稼働』y .: 攻撃時に「レガリアカウンター」を消費することで攻撃の威力が上昇する。「エクシード専用」『霊子変換』z : 「レガリアカウンター」1~3個を任意の能力かテンション上昇に変換する『霊圧解放』z : 「レガリアカウンター」を任意の数消費することで与ダメージを増加させる『牙』z : 「レガリアカウンター」を1消費して発動。敵単体を衝撃波で攻撃。「150/100%」 【間接/バギ】【呪文】なし【特技】ハイリッヒ・ボーゲン『神 聖 弓』 消費20 .: 魔物を滅ぼす聖なる矢を放つ。 「160/100%」「魔族特攻」 【射撃/光】『滅却鉄拳』 消費20 .: 霊子を拳に集中させておもいっきりぶん殴る。「150/80%」「会心率30%」 【格闘/光】『霊子発勁』 消費30 : 敵に掌底を当ててそこから霊子を叩き込む。 「170/100%」「防御上昇無視」 【格闘】『超獣の一撃』 消費30 .: 「レガリアC」を「1」消費。全力で敵をぶん殴る。「200/80%」「会心率30%」 【格闘】『王の牙』 消費20 .: 「レガリアC」を「1」消費。敵全体を衝撃波で轢き潰す!「200/100%」 .【関節/風】『超獣乱舞』 消費40 : 「レガリアC」を「2」消費。敵陣を高速で走り回り血祭りにあげる!「250/100%」 【関節】『Gigaers Cross』 消費50 : 「レガリアC」を「3」消費。十字に放たれた『牙』が敵を破壊する! 【間接/格闘】 「300/100%」「防御特性無効」「防御無視」 ゼーレ・シュナイダー『魂を切り裂くもの』 消費50 .: 『霊子活性』時に使用可能。刀身の表面を高速で往復する霊子の振動で敵を切断する。【斬撃】 「200/100%」「防御特性無効」『ギルスヒールクロウ』 . 消費50 : 相手にかかと落としを食らわせ、踵から突き出た刃で心臓を背中からぶっ刺す!! 【格闘・必殺/ライダー】 「300/100%」「会心率30%」「心臓破壊:最大50%」。テ/2 『エクシードヒールクロウ』 . 消費50 : 強化されたギルスヒールクロウ。ギルススティンガーで拘束するので避けられない! 【格闘・必殺/ライダー】 「350/100%」「会心率30%」「心臓破壊:最大50%」「回避不能」「エクシード専用」。テ/2 インフィニティ・ジェイル『無 限 の 牢 獄』 消費0 : 大量の『牙』を射出、滞空させ、敵を滅ぼす衝撃波の檻を作り出す。「セットアップ」。テ/3 【必殺】 「レガリアカウンター」をX消費することでXターンの間、『無限の牢獄』を設置する 『無限の牢獄』下ではターン終了時に能動的な行動を行った者に『牙』が降り注ぐ【耐性】『滅却師』 : 光、闇に強い(-60%)『状態異常無効』 +シュレリア __ _,-一' `ー、、 、 // / ヽヽ ll`ー一'/ l .! \〉-┬ || | i ./ .! .l l .! l | ̄|.! || `</.! l l | | .,'! ! | .! ヽ.ノ>' / .! | l ', | .! .!ヘ / ! / .! ,' .l i´ ∧ / ヽト、 ヘ lVV ヘ / l/ l/ .//ノノ ' , / , /lヘ ゙==' `=='l//ヽ ) 、 \ / / //ヽ、ヘl ' /イ ノ`リ \ \ / / -、/ソ l`.\ О / l ソ,-、 \ \ / / 、ノ`ヽ、 ,> _ < ./ゝヘ \ / / _/ ‐、‐ヘヽ ___//`ヽ-/ ヽ、. \ ,> '´__∠ -一'´ \\/ヽ ! ` ヾ 、V{ ,-、.}V /ノ l /ヽ// ̄`ー-、_ヽ、_, -<一'´ 〉 〉、/| ./  ̄lヽヽゝ='ノ// |ヽ,〈 〈 `ー---、 _ // |/ ./ニヽゝ|.|.|ノニ\ ∨ \\ __, -――一'ソ ̄ ̄ ̄` ̄V//、∧ヽ|.|.|/ヽ/\__/! ̄` ̄ ̄`弋ー―-、____一'´ ,ニソ / l//〉 | | | 〈\\! 弋l、 ,ニソ / / .{=◎/__ ヘ{}/ _`◎=| 、`弋l _ ̄/ ,ニソ / ,イ / V◎一' ノゝ--'ヽ`ー◎ニ/ ヽ ヽ ヘ 弋l \/ ,ニソ ./ /./ /l lゞ◎二〉 || 〈二◎イ | 、 ヘヽ ヘ 弋l、 ヽ , ニソ / / ,' ./.! ! | || | ! |\ ヘ ∨ ', 弋l、 , ニソ,イ .イ ./ .,' / | ! .l || ! | | ', ', ∨ l∨ ',弋l、. ,ニソ/ | / ! / ! / ! .| | .|| .| | | V ', V ! V ',\弋l、ソ / l ,' | .,' ! .,' .! | / || ∨ .! | V | .V | V ! \弋l / .! .,' .! i .! ,' ヘ.! / .|| V .| ,' i .! | .! ', .! \. / | .! ! | | i ヘ.,' || ',/ノ .| | .! | l |/ .! | | | | | ,' || ', .l | .! | | |──────────────────────────────────────────────────シュレリア種族 : EOLIA_ANSUL_ARTONELICO+6 ♀系統 : 物質系(レーヴァテイル・オリジン/ライトブリンガー/クインシー)Lv80(成長の限界)ぬいだらドジっこHP : 950/950MP .: 800/800攻撃力 : E守備力 : AAすばやさ : B+魔力 : AA精神 : AAかしこさ. .: B-信頼度 : 100信仰度 : 60【装備スキル】E:『契の玉璽』 : 『閃律の道』の王の証。いつも着ている鎧。以下の能力を得る ①自分の発動する【歌】の効果が仲間の数に応じて強化される ②自分が使用できる【歌】を仲間も発動できるようになる ③「レガリアカウンター」を使用する行動の効果が上昇する【称号スキル】. シュリフト The Revatail『聖文字 “R“謳ウモノ』 : 「聖まどか騎士団」聖騎士の証。その特異な種族から名付けられた。以下の能力を得る。 ①【歌】の効果が強化される ②「詩魔法」を使用可能であり、ヒュムノス語で歌うため、相手の妨害を受けにくい。【とくせい(パッジブ)】 クインシー『滅却師』 : 魔物を倒すことに特化した戦士。「魔物相手への与ダメージ上昇」『レーヴァテイル・オリジン』 : 詩魔法サーバーを管理する存在。【歌】の効果が上昇し、『神性』を得る └『アルトネリコ第一塔』 .: シュレリアの管理する詩魔法サーバー。【歌】を使用したターン、MPが全回復するリンク・チューナー『調 律 者』 : 暴風族のATを調律する技術者。『暴風族』に対する行動の効果が上昇し、カウンターを追加で乗せる『魂の絆:アキラ』 : アキラへ行う行動の効果が上昇する。『インストール』 : 詩魔法の強化が可能『霊子収束』 : 毎ターンの「セットアップ」時、自分に「霊子カウンター」を「1」乗せる『霊子活性』 : 「霊子カウンター」が「3」を超えていると発動。全能力に補正がかかる『飛廉脚』 : 滅却師の歩法。足元の霊子に乗り、「空中」をも走行可能。「攻撃時速度にボーナス」『乱装天傀』 : 戦闘不能の時に発動可能。発動ターン、行動が可能となる。「セットアップ」1/戦 リィーン・ロード『閃律 の 道』 : 謳った時、レガリアカウンターを「1」のせる。1/Tシャイン・ロード『光 の 道』 : 光属性攻撃の威力が上昇する。また、「霊子カウンター」を「レガリアカウンター」としてもよい『アンビエンスフィールド』 .: 仲間が敵と戦っている姿に共感し、その対象へ与えるダメージが上昇する。同一対象だと効果上昇。『ハーモニクス:アキラ』 .: アキラが戦闘を行った場合、詩魔法の詠唱が1段階進み、アキラが与えるダメージが上昇する。【とくせい(アクティブ)】クインシーフォルシュティンディッヒ:ヒュムノス『滅却師完聖体:神の詩』x .: 「レガリアカウンター」を「5」消費して発動。HPが全回復し、以下の能力が発動する ①全ての能力が上昇し、「血装」の効果が上昇する ②神の力により『神性』『神霊耐性』を獲得し、毎ターン終了時にMPが回復する ③詩魔法のチャージ速度が倍になる ④【歌】の効果が上昇する『霊子吸収』x : 周囲に漂う霊子を取り込む。自分の霊子カウンターを「2」増やすスクラヴェライ『 聖 隷 』x : 周囲の物体を構成している霊子をも取り込む。自分の「霊子C」を「3」増やし、HPが回復。「完聖体専用」 ブルート・アルテリエ『 動 血 装 』y .: 霊子を血管に注ぎ込み、身体能力を強化する。このターン、与ダメージが上昇する。 ブルート・ヴェーネ『 静 血 装 』y .: 霊子を血管に注ぎ込み、身体能力を強化する。このターン、被ダメージが減少する。『レガリア稼働』y .: 『契の玉璽』を稼働させる。以下の能力のうち、いずれかを1つが発動する。 「完聖体専用」 ①詩魔法発動時に「レガリアC」をX使用。詩魔法の詠唱がX進む。 ②歌発動時に「レガリアC」を使用。効果が上昇する。『霊子変換』z : 「レガリアカウンター」1~3個を任意の能力かテンション上昇に変換する『霊圧解放』z : 「レガリアカウンター」を任意の数消費することで与ダメージを増加させる【呪文】『ライフフィル』 消費30 : 好きなターン数詠唱後、発動。詠唱中、味方のHPを回復し続ける。 【詩魔法】 「1T:テ↑」「2T:攻撃↑」「3T:防御↑」「4T:テ↑」『メディフィル』 消費30 : 好きなターン数詠唱後、発動。詠唱中、味方が状態異常になると、それを回復してHPも回復。 【詩魔法】 「1T:火属性+↑」「2T:氷属性+↑」「3T:風属性+↑」「4T:雷属性+↑」『エナジーフィル』. .消費30 : 好きなターン数詠唱後、発動。詠唱中、属性耐性とダメージが強化される。 【詩魔法】 「1T:テ↑」「2T:魔力↑」「3T:精神↑」「4T:テ↑」『ブラストフィル』 .消費60 : 好きなターン数詠唱後、発動。詠唱中、味方の全ステータスが上昇する。 【詩魔法】 「1T:与ダメ↑」「2T:魔法被ダメ↓」「3T:物理被ダメ↓」「4T:MP回復」『フルクッション』. .消費50 : 好きなターン数詠唱後、発動。詠唱中、味方がダメージが減少する。 【詩魔法】 「4T:全属性耐性増加、全ステータス増加」『プライマルワード』 消費10 .: 好きなターン数詠唱後、発動。魔力弾を放つ。 【詩魔法】 「1T:100/100%」「2T:150/100%」「3T:ダメージ上昇」「4T:2連続攻撃」『A.B.R』 .消費30 : 好きなターン数詠唱後、発動。火炎と氷の波動を放つ。 【詩魔法/炎・氷】 「敵全体」「1T:120/100%」「2T:180/100%」「3T:ダメージ上昇」「4T:炎・氷耐性低下」『ミュールの使徒』 消費40 : 好きなターン数詠唱後、発動。ミュールの使徒を召喚し、暗黒の冷気を放つ。 【詩魔法/氷】 「敵全体」「1T:180/100%」「2T:氷耐性↓」「3T:防御、精神低下↓」「4T:ダメージ上昇」『ELMA-DS』 .消費40 : 好きなターン数詠唱後、発動。改造されたウィルスを召喚し、暗黒の炎を放つ。 【詩魔法/炎】 「敵全体」「1T:180/100%」「2T:炎耐性↓」「3T:攻撃、魔力低下↓」「4T:ダメージ上昇」『シャドウ』 .消費50 : 好きなターン数詠唱後、発動。魔神が敵を滅ぼす。 【詩魔法】 「敵全体」「1T:200/100%」「2T:250/100%」「3T:ダメージ上昇」「4T:全能力低下」『シルヴァホルン 』 消費200 : 好きなターン数詠唱後、発動。音魔法を発動させるシステムを稼働させ、敵を攻撃。 【詩魔法/雷】 「敵全体」「1T:250/100%」「2T:雷耐性↓」「3T:消費MP-150」「4T:連続攻撃」『Ar tonelico』 .消費1000 : 詩魔法サーバーから放たれる破壊の一撃。テ/3。1/戦 【詩魔法/必殺】 「敵全体」「消費レガリアC×100のダメージ」「詠唱毎に消費MP半減」【特技】ハイリッヒ・ボーゲン『神 聖 弓』 消費20 .: 魔物を滅ぼす聖なる矢を放つ。 「160/100%」「魔族特攻」 【射撃/光】『EXEC_HARVESTASYA/.』 消費20 .: 始まりを告げる詩。味方1体の任意の能力とテンションを1上げる 【歌】『EXEC_PAJA/.』 消費20 : 詩魔法を停止させる詩魔法。このターン、全ての【歌】は効果を発揮しない 【歌】『闘争の歌』 消費20 : 味方全体の攻撃力を「1」上げる。 【歌】『守護の歌』 消費20 : 味方全体の防御力を「1」上げる。 【歌】『追風の歌』 消費20 : 味方全体の素早さを「1」上げる。 【歌】『魔力の歌』 消費20 : 味方全体の魔力を「1」上げる。 【歌】『精神の歌』 消費20 : 味方全体の精神を「1」上げる。 【歌】インフィニティ・スカーレ『無 限 の 音 階』 .消費200 : 無限とも思える「詩」を圧縮し、一瞬で調律を施す。「セットアップ」。テ/3 【歌・必殺】 「レガリアCをX消費」「味方1体の全能力とテンションをX上昇」【耐性】『滅却師』 : 光、闇に強い(-60%)『音波耐性(強)』『状態異常耐性(状態異常回避率+50%)』【両親】父親: ???母親: ??? +蒲郡 /\ | / \ fz  ̄`^^´ ̄_ ヽ、 '/^\ /⌒ } /| , / ´¨。 )(' / 。 }} /|| , , ∩} ― | ― ´ |´ } / , || , | | { `.. |〈 / | , , .| , ノ } __ | } / / , , .| , 辷| v´ ヽ.|リ i , |,’, , | , }、 |` | / | ,斗 V| , く \ /ヽ /i} , | ’, , .| , ) ≧=------=≦ ( ヘ ' |r=='ミ。 .| 彡 ̄ ̄V \ / > 〈 ∧ ∧ ∧ \く 、 r/ / ≧徒 彡 V \ / .ラ \< >< >< >/ノ ミ ≦ 乂 〈 / } 〈 V ⌒ 彡 \∨ \ ∨ = ∨ / ====〈 / V 、 彳 | ̄ ̄ ̄ } \ } \ / / ァ /  ̄ \ / \ 彳 | ―――/ ー' _ \ _ ' ' / / 、 \ヽ .| -=/  ̄ ̄ ) / | ≧sノ \ ' , / }──────────────────────────────────────────────────蟇郡種族 : 蟇郡苛+6 ♂系統 : 亜人系(ヒューマノイド/ジャスティス・ウィング/ジャッジメント/M・ソウル/クインシー)Lv80(成長の限界)せいとおもいHP : 1150/1150MP .: 700/700攻撃力 : B守備力 : AAAすばやさ : D魔力 : C精神 : A+かしこさ. .: C+信頼度 : 100信仰度 : 75【装備スキル】E:『三つ星極制服:縛の装』 : いつも身につけている学生服。戦闘時に変形する。以下の能力を得る ①攻撃行動が不可能になり、攻撃を回避できなくなる。 ②受けるダメージが減る ③受けたダメージに応じて「開放カウンター」が乗る。『三つ星極制服:死縛の装』 : 『縛の装』が変化した姿。以下の能力を得る ①攻撃行動時に「開放カウンター」の数に応じて追加攻撃を与える ②与えるダメージが増加する ③ターン終了時に「開放カウンター」が1低下する【称号スキル】. シュリフト The Judgment『聖文字 “J“風紀委員』 .: 「聖まどか騎士団」聖騎士の証。己と他者を律する姿により与えられた。以下の能力を得る ①暴力行為を働いた者に心を鬼にして指導を行う ②態度が悪い者に心を鬼にして指導を行う ③己を律しているので状態異常に非常にかかりにくい【とくせい(パッシブ)】 クインシー『滅却師』 : 魔物を倒すことに特化した戦士。「魔物相手への与ダメージ上昇」『霊子収束』 : 毎ターンの「セットアップ」時、自分に「霊子カウンター」を「1」乗せる『霊子活性』 : 「霊子カウンター」が「3」を超えていると発動。全能力に補正がかかる『飛廉脚』 : 滅却師の歩法。足元の霊子に乗り、「空中」をも走行可能。「攻撃時速度にボーナス」『乱装天傀』 : 戦闘不能の時に発動可能。発動ターン、行動が可能となる。「セットアップ」1/戦『風紀委員』 : 防御行動を取る場合、被ダメージが減少する。誰かを守る場合、さらに減少する『不屈の闘志』 : 戦闘不能になるダメージを受けた場合、食いしばってHPが回復する。1/戦『ガーディアン』 : テンションの上昇に応じて被ダメージが減少する『アーマーマスタリー』 : 極制服で物理攻撃を無効化することがある『パリング』 .: 相手の攻撃を捌いて無効化することがある『因果応報』 : 攻撃を受けた時、それを弾いた反動でダメージを与える事がある『加護の鎧』 : あらゆるダメージと追加効果を減少させる『風紀委員の誉れ』 .: 生徒を護るが風紀委員の使命!攻撃を受けるたびに「風紀カウンター」を乗せる 乗っている「風紀カウンター」に応じて毎ターンHPが回復する『風紀委員の誇り』 : この傷は漢の勲章である!ターン終了時にそのターン受けたダメージ量の「風紀C×5%」HPが回復する。(最大25%)『効かぬわ!!』 : 漢特有の意地で、ダメージを受けた時に低確率で無効化する。『親戚の鉄工所で作ってもらった鉄製の腹巻き』 : 致命的なダメージを受けた時、1度だけ無効化する。クライング・ウォーモンガー『疵 獣 の 咆 吼』 : 常時発動型の宝具。ターン終了時にHPと魔力を回復し、受けた攻撃を次回以降無効化する。 「完聖体専用」【とくせい(アクティブ)】『極星完聖体:衣更』x .: 「開放カウンター」が乗っている状態で「霊子カウンター」を「5」消費して発動。 HPが全回復し、以下の能力が発動する ①全ての能力が上昇し、「血装」の効果が上昇する ②神の力により『神性』『神霊耐性』を獲得し、毎ターン終了時にMPが回復する ③『縛の装』が『死縛の装』へ変化する『ガードマン』x : このターン、敵の行動の対象を全て自分に変更する。1/戦『霊子吸収』x : 周囲に漂う霊子を取り込む。自分の霊子カウンターを「2」増やすスクラヴェライ『 聖 隷 』x : 周囲の物体を構成している霊子をも取り込む。自分の「霊子C」を「3」増やし、HPが回復。「完聖体専用」 ブルート・アルテリエ『 動 血 装 』y : 霊子を血管に注ぎ込み、身体能力を強化する。このターン、与ダメージが上昇する。 ブルート・ヴェーネ『 静 血 装 』y : 霊子を血管に注ぎ込み、身体能力を強化する。このターン、被ダメージが減少する。『霊子変換』z : 「霊子カウンター」1~3個を任意の能力かテンション上昇に変換する『霊圧解放』z : 「霊子カウンター」を任意の数消費することで与ダメージを増加させる【呪文】『キュア』 消費25 .: 味方1体のHPをとても回復する 【回復】『リフレッシュ』 消費30 : 味方1体の肉体的状態異常を回復する 【回復】【特技】『自縄自爆』 消費0 : 自らを茨で打ち据え戒める。「開放カウンター」と「風紀カウンター」を2乗せる『かばう』 消費0 : 味方1体をかばう。「セットアップ」『仁王立ち』 消費5 .: 味方全員をかばう。「セットアップ」『俺に任せろ!』 消費5 .: 防御力が上昇し、3ターンの間、単体攻撃を自分に引き付けるハイリッヒ・ボーゲン『神 聖 弓』 消費20 .: 魔物を滅ぼす聖なる矢を放つ。 「160/100%」「魔族特攻」 【射撃/光】 ゼーレ・シュナイダー『魂を切り裂くもの』 消費50 .: 『霊子活性』時に使用可能。茨の表面を高速で往復する霊子の振動で敵を切断する。【斬撃】 「200/100%」「防御特性無効」『毒の茨』 消費30 .: 毒の棘が生えた茨で敵を打ち据える。 「130/100%」「毒:最大50%」『眠りの茨』 消費30 .: 睡眠毒の棘が生えた茨で敵を打ち据える。 「130/100%」「睡眠:最大50%」『麻痺の茨』 消費30 .: 麻痺毒の棘が生えた茨で敵を打ち据える。 「130/100%」「麻痺:最大50%」『惑いの茨』 消費30 .: 神経に作用する毒の棘が生えた茨で敵を打ち据える。 「130/100%」「混乱:最大50%」『腕縛りの茨』 消費50 .: 茨で敵を拘束し、腕を縛る、 「110/100%」「腕縛り:最大75%」『脚縛りの茨』 消費50 .: 茨で敵を拘束し、脚を縛る、 「110/100%」「脚縛り:最大75%」『頭縛りの茨』 消費50 .: 茨で敵を拘束し、頭を縛る、 「110/100%」「頭縛り:最大75%」 The Judgment『最終懲罰・強制更生』 . 消費80 : 『“J“風紀委員』最大奥義。相手を強制的に更生させる。 【宝具】 「対象を理想的模範生徒に更生させる」「縛り1種類につき33%成功率が上昇」【耐性】『滅却師』 : 光、闇に強い(-60%)『地無効』【両親】父親: スパルタクス(スパルタクス)母親: ムチ子(ダークハンター) 戻る
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killy killy MONSTER ◆gsq46R5/OE 衛宮切嗣が行き先に定めたのは、旭丘分校であった。 市街地での戦闘からどうにか逃げ果せ、その後足を向ける先の選択肢は二つ。 北上してみるか、折原臨也との協力関係にあてを絞ってみるべきか。 結論が出るまでに要した時間は、そう長いものではなかった。 というのも、何も難しい話ではない。 単純に分校は切嗣の現在地から近い場所にあり、そこで臨也と再度合流してから今後の指針を定めても問題はないだろうと思った為だ。 折原臨也は、敏い男だ。 敵対すれば恐ろしいだろうが、味方である内は使える。 今後はどうあれ、少なくとも使える内は最大限に利用するべきであろうと、切嗣は踏んでいた。 状況は決して芳しくない。 空条承太郎からは不信を買った上、彼に背を向けて自分は逃げ出した。 仕方のない状況だった、などという言い訳はまさか通らないだろう。 少なくとも切嗣には、あの少年を納得させられるだけの弁舌を披露できる自信がなかった。 空条承太郎という人物を直接垣間見たのはわずかな間だったが、切嗣のような人種にとって、彼のような人間は折原臨也以上に「食えない」相手だ。 臨也の「食えない」が掴み所がないという意味ならば、承太郎の「食えない」は手強すぎて食うことが出来ないという言葉のままの意味になる。 次に自分が彼の前に姿を見せた時、あの少年は本当に一切の容赦を捨て去ってくることだろう。 その時は、覚悟を決めなければなるまい。 自分が獅子身中の虫である可能性を、他の対主催派参加者に語られてしまった可能性もある。 いよいよもって面倒な事になったと、さしもの切嗣もそう思わずにはいられなかった。 とはいえ如何に承太郎を言いくるめるのが至難の業であっても、周りの人間に対してもそうであるとは限らない。 それでも、なるべくならば空条承太郎と再会するのは避けた方がいいのは確かな筈だ。 汚れ仕事に慣れきった魔術師殺しをしても、その尻尾を掴まれかねない――そう思わせる凄味と、高校生とは到底思えない度胸の持ち主。それが衛宮切嗣の垣間見た、空条承太郎という男だった。 繭を打倒する上では確かに有力な実力者なのだろうが、切嗣にしてみれば都合の悪い相手なのは間違いない。 幸いにも、まだ時間はある。 その辺りについては、今後思案を巡らせていく必要があろう。 「……此処か」 そうこうしている間に、旭丘分校の校門前へと到着した。 どこか牧歌的な、田舎の町か村を彷彿とさせる素朴な校舎だ。 人の声はしない。 ついでに言うなら、気配らしいものも感じられなかった。 足音を潜めながら扉を開き、内へ足を踏み入れ――折原臨也達の不在を確信すると共に。 「…………これは…………」 そこで、驚くべきものを目にした。 既に大部分が乾いている血溜まりの真ん中で、倒れている端正な顔面の男。 胴体に深々とした刺し傷がある。恐らく、死因はこれだろう。 死後数時間は経過しているものだと思われた。 だが、こんな状況なのだ。死体程度、珍しいものでもない。 凄惨を極める破壊を施されたわけでもない、死体としては比較的綺麗な部類のそれ。 魔術師殺しの心を動かすなど不可能であろうその死体が、では何故に衛宮切嗣の驚きを買ったのかといえば。 一言――その死体が、英霊(サーヴァント)のものだったからに他ならない。 「ランサー……」 ランサーのサーヴァント、ディルムッド・オディナ。 一度だけ対峙したことがあったが、到底人間の身で倒せる相手とは思えなかった。 フィオナ騎士団の一番槍、輝く貌の名は伊達ではない。 その彼が、今こうして、物言わぬ屍となって朽ち果てている。 霊体である筈のサーヴァントが消滅することもなく、生身の死体を晒している。 切嗣は死体に息がないことを確認すると屈み込み、腹の傷を検分する。 傷口は大きい。 室内に激しい戦闘の痕跡がないところを見るに、大方彼は不意討ちで殺されたものと推察できる。 幾ら不意を突いたとはいえ、サーヴァントを殺傷した人間が居るという事実そのものがが驚嘆モノだ。 繭の企てた殺し合いは、着々と進行しているらしい。 淡水の中で暮らしてきた魚が海水の環境に適応するように、殺し合いの状況へ既に適合して行動している参加者も、この有様を見るに少なからず存在するのだろう。 切嗣は取り出した噛み煙草を口へ運び、それで一服としながら折原臨也と一条蛍の到着を待つことにした。 あと十分ほど待って音沙汰がなければ、既に通り過ぎた可能性も加味し、動き出すとしよう。 ――そして、時刻は放送を経て、現在へと至る。 ◆ 放送を聞き終えた男の表情は、決して良いものではなかった。 苦虫を噛み潰したような顔で、切嗣は繭の語った内容を反芻していた。 会場全体で見ても最大級の危険人物であったキャスターが没したのは、予想外ではあったが良しとする。 だがそれを差し引いても、切嗣にとってこの放送は、決して都合のいいものではなかったのだ。 折原臨也。 一条蛍と共に、この分校へ向かう筈だった男。 苦境に立たされた切嗣が利用を目論んでいたあの男が、死んだという。 確かに、不自然ではあった。 別れた時間から考えて、そろそろ到着していてもおかしくはない頃合いだ。 単純に到着が遅れている可能性も、或いは既に何処かへ立ち去ってしまった可能性も簡単に想像できたが。 ここが殺し合いの会場である以上、当然「そういう」可能性は誰にでも、確実に存在する。 切嗣の中にあった一抹の不安が、見事的中してしまったことになる。 折原臨也という貴重な利用先を失ったのは手痛い。 だが、その損失を引き摺った結果足が止まるのは愚かしいことだ。 状況はこれで一層悪くなったが、切嗣は当初立てていたもう一つの予定をなぞることに決めた。 北上し、DIOの打倒に向けて動く。 当然、単騎での特攻は余りにも無謀が過ぎる。 最低でもまずは北西方向の島を探索し、人員を募り、それからだ。 その間に、後々の事を考えて行っておきたい工作もいくつかある。 ――越谷小鞠の殺害から生じた自身の不利を帳消しにする為の、情報工作だ。 「…………」 切嗣は噛み煙草の風味を味わいながら、窓辺へと向かった。 もはや待ち人は居ないのだから、この場所に長居する意味はない。 少々普段と違った一服を終えたなら、すぐにでも切嗣はまた、殺し合いの渦中へと戻ることだろう。 衛宮切嗣。 魔術師であることに誇りを抱かず、道具として魔術を行使する魔術使い。 付いた異名は『魔術師殺し』。 誇り高き魔術師であればあるほど軽蔑の情を寄せずにはいられない、汚れた猟犬。 だが、その胸にある願いは美しかった。 彼が望むのは、恒久的世界平和。 争いの根絶された世界。 元を辿ればその為に、彼は聖杯をめぐる戦いへと足を踏み入れた。 血と硝煙の香りを常に侍らせて、ここまで歩いてきた。 彼には、聖杯が必要である。 その為ならば衛宮切嗣は、どんなことだってできる。 窓辺に立ち、彼方の空を見て、想うのは置き去りにした家族のことだ。 最愛の妻、アイリスフィール。 最愛の娘、イリヤスフィール。 彼女達の為にも、自分は必ず帰らなければならない。 生きてもう一度、イリヤスフィールを迎えに行かなければならない。 また一つ、命を摘んだ。 合理的な判断の下で、小さな命を潰した。 天秤の守り手となることを誓った日から、一体何人、何十人を殺してきただろうか。 「……待っていてくれ、アイリ、イリヤ」 煙草を吐き捨て、遠い地の家族へ誓う。 「僕は必ず――」 「君達の下に、帰るから☆」 その声は、衛宮切嗣のものではなかった。 ひょいっと窓の上から逆さに現れた少女の顔は、切嗣にとって覚えがあるものだった。 逃げ切った筈の、片太刀バサミの怪人。 『針目縫』という名の、化け物であった。 「――ッ!」 言峰綺礼より受け取ったコルト・ガバメント自動拳銃を抜き放つなり、一秒の迷いもなく頭部へ発砲する。 眉間を撃ち抜き、即死させる。 もしも普通の人間相手であれば、十分にそれが可能な間合いであった。 射手たる切嗣の経験も申し分ない。 少女の愛らしい顔が崩れ、汚らしい脳漿が飛散する。 そんな光景を、針目縫という存在を知らない人間ならば誰もが予想するに違いない。 少女相手に迷いなく発砲した切嗣を、外道と責めさえするかもしれない。 「アハハハ☆」 だが。 生命戦維の怪物はそんな予想を、笑いながら裏切っていく。 逆さのまま、飛び降り自殺さながらに落下してきて、弾丸が肌へ触れる寸前に鋏の一振りで叩き落とす。 跳ね除けられた弾丸が、キィン、と甲高い音を立てて教室内で跳弾した。 切嗣が二度目の発砲を行うよりも尚速く、針目は窓枠を飛び越え、切嗣の眼前にまで接近する。 まるでカートゥーンの世界だった。 そのどこかコミカルな容姿といい言動といい、針目縫という少女はあまりにも現実から乖離していた。 これで内面さえまともであったなら、彼女はさぞかし皆に愛されたことだろう。 「久しぶり――って程でもないよね? ボクの前から尻尾巻いて逃げ出した臆病者さん」 そう、内面が問題なのだ。 化け物じみた力量と体もさることながら、針目縫は残虐性の塊である。 殺し合いという趣向に何の嫌悪感も感じず。 笑いながら少女の首を刎ね。 その死体で遊んでのける。 もはや、外道の域すら過ぎていた。 針目縫はまさしく、怪物としか形容のしようがない。 固有時制御 二倍速 「Time alter――double accel!」 体内時間の加速に伴う速度の向上で、切嗣は針目の魔手が追い付くより早く間合いから脱出する。 少しでも動きを封じるべく、その足を目掛けて発砲するのも忘れない。 命中したかどうかを確かめるより速く、切嗣は教室を飛び出した。 固有時制御の解除と共に、体へ強烈な負荷が押し寄せるが、気にしている暇はない。 今の自分がすべきことは、あれを殺そうと取り合うことではない―― 理解しているからこそ、切嗣の行動は極めて迅速だった。 まずは適当な教室へ転がり込み、窓を通じて脱出し、身を隠しながら逃げる。 出来る限り遠くまでだ。 どれだけ逃げたとしても、針目縫を相手取る上で過剰ということはあるまい。 手近な扉を、開け放つ。 「やあ、また会ったね☆」 針目縫が、ピースをしていた。 飛び退く。 体内時間の加速を再発動。 今度は玄関口へと向かう。 「あらら、また会った」 笑顔の針目縫が、廊下の向こうで通せんぼをしている。 振り返れば、追いかけてきたらしい針目縫が居て。 その数メートル後方に、また別の針目縫がニコニコと笑っている。 計三体の針目縫が、切嗣の視界で笑っていた。 「――三人だけじゃないよ☆」 心を読んだように、一番奥の針目縫が笑う。 「学校の外で、もう三人ボクが待機してるんだ。 キミがどこから逃げ出しても、必ず別なボクが見つけて、先回りしちゃうってワケ☆」 それがハッタリでないことは、校舎の外からも聞こえてくる耳障りな笑い声が証明していた。 切嗣は心の中で舌打つ。 針目縫の強さは、つい先ほど目にし、今しがた思い知らされたばかりだ。 そんな女が六人に増え、しかも揃いも揃って切嗣を殺そうと包囲している。 絶体絶命――まさにそう形容するしかない状況であったが。 「いいコト教えてあげよっか」 圧倒的優位に気をよくした彼女は、軽率に自身の弱点を切嗣へ喋り始める。 「実はね、分身のボクはオリジナルのボクよりちょーっと弱いんだ」 「特に耐久力がね、ダメなの。今なんて制限されて尚更」 「キミの持ってるこわ~い武器が当たりでもしたら、ひとたまりもないよぅ」 三人の針目は、それぞれ語る。 切嗣は常に彼女達への警戒を解かぬまま、与えられた打開への手がかりを噛み締めていた。 真偽を疑おうが、切嗣がこの場を潜り抜けるには、分身を撃破して数の優位を解消する以外にない。 ガバメントを握る右手に力を込める。 それを見るや否や、進路を遮る二体が一斉に動き出した。 (本体は――) 間違いない。 本体は、ただ一人動かない奥の針目縫だ。 それが分かったとしても、切嗣は決して本来の目的を見失わない。 あくまで目的は逃走だ。 針目縫を殺すというジャイアントキリングを狙っていては、命が幾つあっても足りない。 この状況へ挑まねばならないという現状が既に、どす黒い死線の真っ只中であったが―― 衛宮切嗣は、死ぬわけにはいかないのだ。 だから彼は、最善を尽くす。 固有時制御 二倍速 「Time alter――double accel」 再度の魔術行使。 鋏の刀身を潜り、微笑む分身の首に弾丸を撃ち込んだ。 分身は力なく崩れ落ち、やがて消えていく。 同時、背後から迫る二体目の分身。 振り向きざまの一撃で、同じ末路を辿らせんとするが、予想通り。 「ムダムダムダムダ☆」 針目縫の分身は、二倍速の世界に適合していた。 切嗣は覚えている、針目と承太郎の戦いを。 銃弾を超える速度で動き回る針目と、銃弾を指で摘める速度でそれに応対できる承太郎。 その戦いを見て、切嗣はこう思った。 自分では、この二人に追い付けない――と。 切嗣の世界が元に戻る。 襲う、修正力のもたらす苦痛。 その瞬間に放たれた攻撃へ、彼が対応するなど無理な話だ。 片太刀バサミの切っ先が、切嗣の左肩を深く切り裂いた。 「ぐ……」 顔が歪む。 血が溢れ出す。 笑いながらやって来る追撃は、一方向からだけではない。 分身の一体が殺されたことで進路が開けた本体の針目縫が、迫ってくる。 固有時制御 「Time alter――」 体へ掛かる負荷は、恐らく甚大だ。 既に二回、魔術を行使している。 これ以上連発すれば、よしんば逃げ切れたとしても、その後の行動に関わってくるのは間違いない。 そうまでしなければ倒せない相手。 衛宮切嗣が生涯相手取った敵の中で、間違いなく最強――最凶であろう女。 それが、針目縫だった。 しかし、固有時制御では針目縫には対処できない。 それは切嗣も知っている。 ――では、分身ならばどうか? その答えも出ている。 二倍速の世界は、笑う分身に呆気なく破られた。 ――だが、切嗣の上限はそこではない。 三倍速 「――Triple Accel…………!!」 三倍速。 莫大な負担と引き換えに放つ、更に上の加速。 案の定、分身の方の針目縫は驚いた顔をして、切嗣を見送った。 その背を背後から蹴り飛ばす。 切嗣の背後からは、『本体』の針目縫が迫っている。 すると、どうなるか? 「ありゃ」 分身は、本体の放つ刃で切り裂かれた。 同時に世界が元に戻る。 毛細血管が断裂し、目の前が比喩でなく一瞬ブラックアウトした。 されど体だけは動かす――今の瞬間は二度とないと知っているからだ。 針目縫は強いし、彼女自身もそれを知っている。 だからこそ、彼女は時に慢心する。 先の発言がまさにそれだ。 あの場で有無を言わさず襲い掛かっていたなら、切嗣は間違いなく、肩を斬られる程度では済まなかった。 しかし彼女は自ら弱点を口にし、切嗣の心に活路を与えた。 それと同じだ。 初見で見せる三倍速――そこに分身をスケープ・ゴートにして切り抜けるという奇策を合わせることで、一度までは針目を嵌められると切嗣は確信した。 そして実行し、成功を収めた。 さりとて、二度も同じ轍を踏むような阿呆ではあるまい。 「キミさぁ、生意気だよねぇ」 背後からの声は笑っているが、僅かな苛立ちを含んでいるようにも見えた。 針目縫は非常に高いプライドを持つ。 他人を小馬鹿にした言動も、根源を辿ればそこから来るものなのかもしれない。 そんな彼女が、自分を模した分身を、盾代わりに使われるなど我慢できよう筈もなかった。 自分がやるならまだしも、他人にやられるなど、そのプライドが許さない。 ――パチン。針目が指を鳴らした途端、切嗣が目指す玄関口の扉が開いた。 「ちょろちょろ動き回ってさあ。弱くてちっぽけな癖にぃ。うーん、目障り」 そこから、おどけた笑顔で更に三人の針目縫が入ってくる。 二度の固有時制御を経て、一発きりの奇策さえ使って、ようやく切嗣は二体を殺した。 そうして垣間見えた活路も、こうしてあっさり踏み躙られる。 いつだとて化け物なんて生き物は、そんなものだ。 かつて死徒という化け物のせいで、故郷を失ったように。母を殺さねばならなくなってしまったように。 この時も化け物が、衛宮切嗣の希望を閉ざす。 「だからさあ――」 にぃぃぃ、と、愛らしい口元を三日月の形に引き裂いて。 目元はその逆向きの三日月に歪めて。 親指を立て、それを逆さに振り下ろして。 「ちょっとバラバラになってみてよ、ネズミさん☆」 『死刑宣告』をした。 もはやこれは、殺人ですらない。 人が人を殺すから、殺人というのだ。 であればそもそも人でない針目縫が人を殺すのに対して、殺人という言葉を使うのは適切ではないだろう。 では何と称する。 答えは一つだ。 四人の、同じ顔をした、少なくとも二倍速の世界に適合できる化物どもの姿を見ていれば、すぐに弾き出せる。 この光景は――『虐殺』だった。 別解として、『屠殺』とすべきかもしれない。 生命戦維を尊び、それに抗う人間を侮蔑する針目が手を下すのだから、意味は通る。 「……、」 切嗣が、銃を握る。 ゆっくりとその瞼を落とす。 全てを諦めた動作だった。 そこに殺到する、針目縫。 彼は覚悟を決める。 覚悟を決めるしか、ない。 固有時制御 「Time alter」 何故ならば。 衛宮切嗣には、諦めてはならない理由があるから。 命を賭してでも叶えねばならない理想があるから。 彼は何としても、この傲慢な化け物達に殺される訳にはいかなかった。 四倍速 「Square Accel」 四倍加速。 それは最早、負担が掛かるなどという言葉で片付けてはならない次元の術だ。 命が惜しければ抜くことは出来ない、そのレベルに達している。 そのことは、切嗣の全身を苛む、苦痛という言葉すら生易しい地獄の熱が物語っていた。 血液が沸騰して意識が蒸発する錯覚は、確実に寿命を縮めた実感を与えてくれる。 だがその恩恵は、確かにあった。 針目縫の分身が、真横を抜ける切嗣を捉えられない。 そして何より、最奥の――本体の針目縫が、驚きを浮かべている。 その動きは――今の切嗣にとって、非常に鈍重なものに見えた。 四倍速の世界で、初めて衛宮切嗣は針目縫を追い越したのだ。 無論、それは長続きするものではない。 四倍の加速を連発するのはまず不可能だし、事実、既に切嗣は満身創痍だ。 平常時でさえ、使おうものならばどんな有様になるか想像出来ないような無茶をした。 これ以上は無理だ。 そもそも、針目から逃げ切るだけの体力が残っているかすら疑わしい。 それほどまでの無茶をして、では衛宮切嗣は何を狙っているのか? 答えは単純である。 針目縫の殺害。もとい、討伐だ。 元々切嗣は、針目を殺すつもりなど毛頭なかった。 それは無謀な勝負だと踏んでいたし、事実今でも無謀だと思っている。 だが、一応、案自体は最初からあったのだ。 単に実行すれば後の方針が全てご破算になりかねないのと、あまりに分が悪い賭けだったから、極力その選択肢を選ばねばならない状況は回避するように立ち回っていたというだけの話。 針目は校舎の外へ配備させていた分身まで使い、自分を殺そうとした。 もしも切嗣を学校から脱出させ、その先で袋叩きにする算段だったなら、この方法は選ばなかったし、何より『選べなかった』。 しかし針目縫は嗜虐心を出した。 自分のプライドを損ねられたことに腹を立て、切嗣を虐殺することで鬱憤を晴らそうとした。 その非合理的行動のせいで、切嗣はこうせざるを得なくなった。 四倍の世界を駆け抜ける。 四人の針目縫が追い掛ける。 彼女達に発砲しつつその傍らで、越谷小鞠の死体から回収した黒カードから、一個の武器を取り出す。 玄関の扉を乱暴に開け、外へと飛び出す。 追って殺到し、校舎を出る針目縫。 そこへ切嗣は『武器』だけを置き去って、四倍加速を維持したまま、校舎の中へと戻り、扉を硬く閉めた。 「――なあああああっ!?」 針目縫の素っ頓狂な声がして。 加速が解除されると同時に、くぐもったような爆音が炸裂した。 ◆ 切嗣の取った戦略は、難しいものではない。 越谷小鞠の死体から回収した支給品の一つ――『軍用手榴弾』を使った。それだけの話だ。 四倍加速により一時的ながら速度で勝った切嗣を殺すべく、押し寄せた四人。 彼女達だけを外に出し、壁を隔てた上で、至近距離から手榴弾を炸裂させる。 それが、衛宮切嗣の編み出した、針目縫を殺す手段だった。 「――……ァ……ッ…………が…………!!」 しかし、代償は大きい。 魔術の乱用により体中が激痛に苛まれ、様々な箇所の毛細血管が断裂して内出血を引き起こし、視界は絶えず明滅している有様だ。 この後自分が生きるのか、それとも死ぬのか、切嗣にすら分からない。 四倍の加速で針目縫に勝てるかどうかは、完全に賭けだった。 針目がそれにさえ適応できるのであれば、切嗣に打つ手はなかった。 あの場で分身達に貫かれ、裂かれ、千切られ、宣言通りの惨死体を晒したに違いない。 玄関口の扉は破片の着弾によって貫かれ、罅割れ、硝子部分がすっかり真っ白になってしまっている。 貫通してきた破片は切嗣の腕や足を傷付けたが、幸いにして、この傷が原因で死ぬということは無さそうだ。 ずるりと背中を扉に凭れたまま、切嗣は脱力する。 口からの喀血が服を汚す。 「ハァ……ハァ…………ハ――ッ…………」 ゆっくりと深呼吸をし、鼓動を整えなければ、本当に心臓が破裂してしまいそうだった。 意識を失いそうになるのを、どうにかすんでのところで堪え続ける。 青カードから取り出したスポーツドリンクで喉を潤し、少しでも波が引くのを待つしか彼にはなかった。 化け物殺しを成した『勝者』の姿にしては、あまりにも泥臭く、人間的なその姿。 「ッ……あ…………ぐッ――ぅ」 しかしその姿は、決して間違いではない。 衛宮切嗣――『魔術師殺し』の戦いは、いつだとて英雄的なものとは無縁であったのだから。 それに。 「――が」 衛宮切嗣は。 「ざ――――――――んねん、でしたっ☆」 そもそも、勝っていない。 ――扉を貫いて、切嗣の背を破り、胸板を内側から引き裂いて無骨な片太刀の刃が生えていた。 止めどなく溢れ出す血が、心臓こそ外せど、もう助からないことを一瞬で証明する。 口からこれまでで最大の量の血反吐を零し、目を見開いて、切嗣は右手を伸ばし空を掻き毟る。 まだだ。 まだ、僕は。 死ぬわけには、いかない。 アイリ。 イリヤ。 願い。 世界を。 込み上げる数多の無念に抱かれながら、されど伸ばした手は何かを掴むことなどついぞなく。 「――――僕……は………………まだ…………………………」 無念のままに、魔術師殺しは、死んだ。 【衛宮切嗣@Fate/Zero 死亡】 ◆ 「いやー、助かったよ。本当にありがとうね――」 針目縫は、生きていた。 その分身は全滅しているし、身体には手榴弾の破片が貫いた痛々しい傷口が幾つも見られる。 しかし、至近距離で手榴弾の炸裂を受けたにしては破格と言っていい容体だった。 本来ならば爆風で全身を焼かれ、破片で頭を砕かれ、美しさの片鱗もない死体を晒していなければ可笑しい。 では、何故針目は魔術師殺しの殺し手を回避できたのか。 答えは、こちらも単純である。 何も難しくない――幸運の女神は、針目縫に微笑んだというだけの話。 「流子ちゃん☆」 「……おう」 切嗣を貫いたまま、傷だらけで片膝を突く針目縫の傍らに立つのは、白い露出の多い衣装を纏った少女だった。 彼女の名は、纏流子。 とある女が産み落とした、三人の娘の一人。 針目縫の姉妹にあたる、もう一人の生命戦維の怪物に他ならない。 戦いの渦中にあった切嗣も針目も気付けなかったが、流子はこの分校へと接近していた。 蟇郡苛を殺し、止まらない、出処も分からない苛立ちを抱えながら、流子は走った。 ひとしきり走った後で、あまりの苛立ちに地図を見ることすら忘れたことに気付いた。 そうして確認してみて、自分が通りすぎたすぐ後ろに、旭丘分校なる施設があることを発見。 校舎の裏側方面から施設へ近付き、ぐるっと回って玄関口へと接近した。 切嗣も、針目も流子の接近に気付くことが出来なかったのは、これが理由である。 さしもの彼女も、これだけの連戦をしてきたのだ。 疲労とダメージは蓄積しているし、腹立たしいが精神的な理由でも、一度休憩を挟みたかった。 もし分校に参加者が居たなら、その都度またぶち殺してやればいい。 その程度の気構えで流子はやって来て、その矢先に、針目縫が殺されかけている瞬間を目にした。 纏流子にとって、針目縫とは父の仇だ。 纏一身を殺害し、断ち斬りバサミの片割れを持ち去った仇敵だ。 しかしながら、今の流子は『着られる』喜びを知り、母に同調した状態にある。 であれば当然、針目と共鳴こそすれど、敵対する理由はない。 純潔の力を使い、伸ばした服の一部で爆破寸前の手榴弾を真上へ跳ね除ける。 これで針目は爆発の直撃を避け、分身によって破片のダメージも最大限軽減され、難を逃れたという訳だ。 「ところでさあ」 「……何だよ」 「流子ちゃん、何かあった?」 「はあ?」 「いや、なーんか、流子ちゃん『らしくない』なあと思って☆」 おどける針目に、流子は舌打ちをする。 全くその通りだったし、今の流子にとっては、針目は間違いなく同胞だ。 しかし――彼女にそれを話す気にはならなかった。 「何でもねえよ。心配されるようなことじゃねえ」 「そーおー? ……あ、じゃあ休憩がてらさあ。中でちょっとだけお話聞いてくれなーい?」 「……言っとくが、二人で組んで殺して回ろう、とかってのは御免だぜ」 「やだなあ、ボク達が固まっちゃったらそれってどう考えてもオーバーキルじゃない。 効率悪いにも程があるってもんだよ。ボクはただね――」 針目は、いつも通りにニッコリと笑った。 「これまでのこととか、これからのこととか。とにかく、ちょっとゆっくりお話しよう、ってね☆」 【F-5/旭丘分校/一日目・日中】 【針目縫@キルラキル】 [状態]:疲労(大)、ダメージ(中)、全身に細かい刺し傷複数、繭とラビットハウス組への苛立ち [服装]:普段通り [装備]:片太刀バサミ@キルラキル [道具]:腕輪と白カード、黒カード:不明支給品0~1(紅林遊月が確認済み) [思考・行動] 基本方針:神羅纐纈を完成させるため、元の世界へ何としても帰還する。その過程(戦闘、殺人など)を楽しむ。 0:流子ちゃんとお話したい。 1:紅林遊月を踏み躙った上で殺害する。 ただ、拘りすぎるつもりはない。 2:空条承太郎は絶対に許さない。悪行を働く際に姿を借り、徹底的に追い詰めた上で殺す。 ラビットハウス組も同様。 3:腕輪を外して、制限を解きたい。その為に利用できる参加者を探す。 4:何勝手な真似してくれてるのかなあ、あの女の子(繭)。 5:流子ちゃんのことは残念だけど、神羅纐纈を完成させられるのはボクだけだもん。仕方ないよね♪ [備考] ※流子が純潔を着用してから、腕を切り落とされるまでの間からの参戦です。 ※流子は鮮血ではなく純潔を着用していると思っています。 ※再生能力に制限が加えられています。 傷の治りが全体的に遅くなっており、また、即死するような攻撃を加えられた場合は治癒が追いつかずに死亡します。 ※変身能力の使用中は身体能力が低下します。少なくとも、承太郎に不覚を取るほどには弱くなります。 ※疲労せずに作れる分身は五体までです。強さは本体より少し弱くなっています。 ※『精神仮縫い』は十分程で効果が切れます。本人が抵抗する意思が強い場合、効果時間は更に短くなるかもしれません。 ※ピルルクからセレクターバトルに関する最低限の知識を得ました。 【纏流子@キルラキル】 [状態]:全身にダメージ(中)、疲労(大)、精神的疲労(極大)、数本骨折、説明出来ない感情 [服装]:神衣純潔@キルラキル(僅かな綻びあり) [装備]: [道具]:腕輪と白カード、赤カード(19/20)、青カード(19/20) 、黒カード1枚(武器とは判断できない) 黒カード:不明支給品1枚(回収品)、生命繊維の糸束@キルラキル、遠見の水晶球@Fate/Zero、花京院典明の不明支給品1~2枚 [思考・行動] 基本方針:全員殺して優勝する。最後には繭も殺す 0:縫と話す? 1:次に出会った時、皐月と鮮血、セイバーは必ず殺す。 2:神威を一時的な協力者として利用する……が、今は会いたくない。 3:消える奴(ヴァニラ)は手の出しようがないので一旦放置。だが、次に会ったら絶対殺す。 [備考] ※少なくとも、鮮血を着用した皐月と決闘する前からの参戦です。 ※DIOおよび各スタンド使いに関する最低限の情報を入手しました。 ※満艦飾マコと自分に関する記憶が完全に戻りました。 支給品説明 【コルト・ガバメント@現実】 言峰綺礼に支給。 アメリカ合衆国のコルト・ファイヤーアームズ(コルト)社が開発した軍用自動拳銃。 装弾数七発。 【軍用手榴弾@現実】 越谷小鞠に支給。 爆発による殺傷ではなく、撒き散らす破片による殺傷を目的とした兵器。 時系列順で読む Back 思い出以上になりたくて Next 記憶の中の間違った景色 投下順で読む Back 思い出以上になりたくて Next 記憶の中の間違った景色 139 弓兵なき戦場 衛宮切嗣 GAME OVER 145 Not yet(前編) 針目縫 157 インタビュー・ウィズ・纏流子 144 反吐がでるほど青い空 纏流子 157 インタビュー・ウィズ・纏流子
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GRAND BATTLE ◆gsq46R5/OE 響くは鋼の旋律、散るは鮮やかなる火花。 サーヴァントと人間が刃を打ち合わすという、本来あり得ざる光景が城下の地にて繰り広げられていた。 攻めるは僧衣の神父――その内に冒涜の本性を秘めたままの求道者。 唯でさえ人間離れした身体能力を強引に増強したことで、今の彼は怪物めいたポテンシャルを発揮している。 対し、それを迎え撃つのは誉れも高き騎士王アーサー……もといアルトリア・ペンドラゴン。 堕ちた騎士の聖剣は未だ全霊を発揮できずにいるが、それでも彼我の戦力差は圧倒的なものがあった。 今の綺礼は、彼らしからぬ勢いでセイバーに対し攻め手を連打している。 それは考え無しの行動ではなく、彼が義憤の念に突き動かされているという訳でもない。 宝具、神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)。 片割れを失い、駆り手たる征服王を失っていることを加味しても近代兵器級の破壊力を持つ宝具である猛牛を、先刻この騎士王は事も無げに斬首してのけた。 負傷など一切ナシに、だ。 そんな相手を攻める側に回すような恐ろしい賭けを、綺礼はしたいとは思わない。 ではどうするか。答えは、攻めに回る隙を与えないという単純明快な結論へと帰結する。 綺礼の僧衣は銃弾程度であれば易々止める戦闘服も同然の強度を持つが、騎士王の一刀の前にはまず間違いなく無力だろう。 あちらにしてみれば人間の拳など、一撃二撃貰った程度はどうということもないのだろうが、あくまで神秘の通わない人間である綺礼はその逆だ。 ただの一撃、下手をすればかすり傷でさえ致命傷になり得る。サーヴァントと人間の間に存在する力の格差は、それほどまでに広く絶望的なものなのである。 攻撃を加え続け、相手を防御に徹させる。とはいえ綺礼の鍛え抜かれた拳は、今のセイバーにとっても無視できる威力ではない。 この島で行われているのは殺し合い(バトル・ロワイアル)であって、聖杯戦争ではない。 その事実こそが皮肉にも、今の綺礼にとって最大の追い風として機能していた。 神秘の通わない攻撃は、サーヴァントに通じない。 聖杯戦争についての知識を少しでも持つ者なら誰もが知っている常識だ。 この性質があるからサーヴァントには近代兵器の飽和火力攻撃は通じないし、徒手空拳など本来以ての外。 しかしこれでは、当然殺し合いのゲームとしてはアンフェアが過ぎる。 力の持たない一般人がサーヴァントを倒したければ、どうにかしてサーヴァント同士を潰し合わせるしかないというのだ。これではあんまりな話だろう。 そこに配慮してか、この殺し合いにおいては如何なる理屈を用いたのか知らないが、サーヴァントの霊的防御と呼ぶべき機能がほとんど完全に取り払われていた。 目の前の騎士王は確かにセイバーのサーヴァントだが、今の彼女は銃でも殺せる、爆弾でも殺せる。極論を言えば、錆びて使い物にならないナイフでも、突き立てることさえ出来れば殺害することが可能だ。 とはいえ、だからといって彼らが弱者の側に立たされたのかというと決してそんなことはない。 人外の膂力や恐るべき肉体性能、宝具の脅威も健在だ。攻撃が通じるようになったからといって、やはり普通の人間が相手取るには些か手に余る。 そのことは、言峰綺礼ほどの男をしてほとんど死線ギリギリの戦いを強いられていることから窺い知れよう。 ただ、それでも勝機はゼロではない。 綺礼の振るうアゾット剣が、肉体に染み込ませてきた功夫(クンフー)のスキルが、双方共に騎士王を殺害できる可能性を有している。……後は如何にして、『詰め』の段階にまで導くか。それが出来なければ、綺礼は予定調和のように不可視の聖剣に斬り伏せられてお終いだ。 アゾット剣を袈裟懸けに振るう綺礼に、セイバーは眉一つ動かさずに剣を合わせて対処する。 これは、綺礼にとって完全に予想通りの流れだった。 セイバーも持ち前の直感力でそれを察知し、速やかにその敏捷性を最大限発揮した回避へと移行する。 次の瞬間、轟然と振り上げられた綺礼の左端脚が、コンマ数秒前までセイバーの頭があった場所を砲弾の如く通過した。 英霊の彼女をして息を呑むほどの一撃。現代に生きる格闘家の中でも、綺礼の技は破格の域だ。 霊的防御の活きている状態ならばともかく、矮化した状態のサーヴァントであれば、直撃は十分痛打になり得る。 セイバーはバックステップで距離を取る。それを追うように、綺礼が今度は反対の脚で回し蹴りを放った。 次に驚かされるのは綺礼の番だ。 後退動作の終了とほぼ同時に着弾する筈の蹴撃が、さも当然のように頭を僅かに反らすだけの動作で回避される。 デタラメとしか言いようのない反射神経に、さしもの綺礼も舌を巻いた。 そして、その驚嘆は攻めに徹していた綺礼にとって致命的ともいえる隙に繋がる。 セイバーは最高峰の拳士にすら優るだろう瞬速で綺礼の下へと吶喊し、見えざる剣を振り被った。 どうにか防御だけは取れたものの、受け止めたアゾット剣越しに腕が軋むほどの威力だ。 それどころか、アゾット剣自体がミシミシと嫌な音を立ててすらいる。 このまま圧し切られる事態だけは避けたい綺礼は、先のセイバーの動きを真似るかのように後退を図った。 だが。 「――ッ」 綺礼が逃げる側に立たされた以上、必然、追う側は恐るべき騎士王以外に有り得ない。 そして流石の綺礼でも、あの超人的な動作を真似て完全に彼女の攻撃を回避するというのは不可能だった。 意識が、紅林遊月から受け継いだ令呪へと注がれる。これを使い、瞬間的なブーストを行うのが最善手なのは明白だ。 されど、これは綺礼にとっての虎の子――文字通りの切り札である。そう易々切るのは避けたい。 しかし、躊躇っていれば此処で命そのものが尽きてしまう。致し方ないか、と綺礼が令呪を発動させかけた、その時。 「盛り上がってるとこ悪いが……てめーの相手はそいつだけじゃあねえぜ」 真横から、超高速の拳がセイバーを襲った。 咄嗟に彼女は足を止め、剣をそちらへと向けることで対処に成功したが、その顔には苦渋の色が滲んでいる。 「傷は大丈夫なのか」 「これが大丈夫に見えるか、言峰」 「……愚問だったな」 「そういうことだ。だから、とっととこの女をブチのめすぞ」 乱入者――空条承太郎の肩の裂傷は止血されておらず、時間経過と共に彼を消耗させていく。 普通なら綺礼に任せて退くべき場面だが、そうするつもりはないと彼の力強い眼差しが告げていた。 綺礼と承太郎はまだ一日も共に過ごしていない間柄だ。 それでも綺礼は、この空条承太郎という男がこういう場面で退かない人物だと強く理解していた。 彼がその気ならば、止める理由はない。綺礼はすぐに会話を打ち切り、眼前のサーヴァントへと意識を再度向ける。 あの奇襲ですら、彼女は不覚を取らなかった。やはり手強い――彼女はこの会場で、間違いなく最強クラスの脅威だ。 「何人増えようと――」 セイバーが動いた瞬間に、承太郎のスタープラチナが「オラァ!」という威勢の良い雄叫びと共に拳を打ち込む。 それは彼女の肩を僅かに掠めたが、直撃には至らなかった。 そして次の瞬間には、セイバーは綺礼を狙って刃を振るっている。 速度では承太郎が一番厄介だが、攻撃の威力ならば綺礼だ。 サーヴァントの性質が弱体化している以上、最も火力の高い敵から斃していくべきだと彼女は判断した。 「――同じことです」 サーヴァントとしての基礎性能の高さが、今のセイバーを支える最大の強みだった。 何しろ彼女の弱体化は、非神秘攻撃への防御を失っただけには留まらない。 今も左肩を苛み続ける癒えない刺傷――かつて『輝く貌』と呼ばれる騎士が振るっていた、呪いの黄槍による外傷。 かの黄槍が健在である限り癒えを知らないこの傷がある限り、セイバーは切り札たる聖剣の真名解放を使えない。 故に、今の彼女はサーヴァントとしての性能、膨大な戦闘経験に裏打ちされた騎士としての強さで目の前の二人に対処することを余儀なくされていた。 ……そんな有様でもこの強さというのは、流石に最優の英霊というべきであろう。 避けたと確信していた綺礼に、駄目押しの『もう一歩』で強引に剣閃を命中させる。 しかし入りが浅い。与えられた損害は胸板を僅かに切り裂いただけに留まり、致命傷には程遠かった。 ぐ、と小さく呻く綺礼は、切り裂かれて血の滲み出る僧衣を抑えるような隙は晒さない。 返す刀で再び破滅的な威力の蹴り上げを放ち、アゾット剣の刺突で以って着実に傷を与えにかかる。 それすらも余裕を持って避けてのけるセイバーだが、何も綺礼は無策で手足を振るっていた訳ではない。 「な……」 セイバーが確保した筈の距離。拳士相手なら十分に安全圏である筈のそれが、一瞬にして脅かされた。 予備動作も何もなしに、綺礼は殆ど地面を滑るような動きで取られた距離を奪い返したのである。 八極拳において『活歩』と呼ばれる技術。 ただし決して容易く会得できるそれではなく、拳の世界でも秘門と称される離れ業だ。 (……拙いッ!) この後に起こる事態を、セイバーは瞬時に予見して行動に打って出た。 それは一見すると闇雲に剣を前方へ振るっただけに見えるが、れっきとした彼女の講じられる最善策に他ならない。 事実綺礼は、その牽制によって動作の停滞を余儀なくされた。彼はこれからセイバーの懐まで潜り込み、最適の間合いから必殺の一撃を放つ算段だったのだ。 普通の人間や魔術師が相手なら綺礼は防御しながらでも強行突破を図ったろうが、宝具を握ったサーヴァントが相手となるとそれは途端に自殺行為に早変りする。 落下してくるギロチンを素手で受け止めるようなものだ。あまりにもリスクが高すぎる。 無論、綺礼も只では起きない。 結果がどうあれ、セイバーが今の一手に対して多かれ少なかれ動揺したのは事実なのだ。 勝負を決めることは出来ずとも、この好機は逃せない。勝利を望むならば、絶対に。 不可視の剣が通り抜けたのを空気を通じて伝わってくる圧から感じ取り、やや遠い位置からの正拳突きを放つ。 ――それは見事にセイバーの胸へと吸い込まれ、彼女の鎧を凹ませ、内の肉体に少なくないダメージを与えた。 スタープラチナの拳を受けた時以上の衝撃に、セイバーは目を見開いて胃液を吐き出しその場を飛び退く。 そこに間髪入れず押し寄せるのが、今比較対象としたスタープラチナの猛打だった。 受け止める分には容易いが、必然として隙を生んでしまうのが厄介過ぎる。 承太郎の加勢で形勢は逆転し、セイバーが押され始めていた。 「だが……甘すぎる!」 「なに……!?」 それでも、これだけのことで人間が押し切れるようであれば、彼女は最優の英霊などと呼ばれてはいない。 風王結界(インビジブル・エア)――聖剣の刀身を隠す風の鞘が、その波長を大きく変容させていく。 その末に振り下ろされる衝撃から、ほぼ同時に追撃を選択したスタープラチナと綺礼は逃れられなかった。 「爆ぜよ、『風王鉄槌(ストライク・エア)』ッ!!」 纏わせた風の鞘を解放するや否や、荒れ狂う暴風が解き放たれる。 それを一度きりの飛び道具として利用することこそ、宝具『風王結界』の応用系、『風王鉄槌』だ。 聖剣を隠す鞘に収束していた風の量は相当なもので、たかが風と馬鹿にできる域を過ぎている。 風の炸裂と同時に、スタープラチナも綺礼も、ほぼノーバウンドに近い猛烈な勢いで吹き飛ばされた。 「が……ッ!」 「……チッ」 スタンドの受けたダメージは、本体に例外なくフィードバックする。 スタープラチナの本体である承太郎も衝撃に晒されるのを免れず、痛む体に更に鞭を打たれた。 綺礼はその場に踏み止まって耐えようとしたが、彼ですら一秒耐久するのが限界だった。 若き日の言峰綺礼の超人ぶりを知る者であれば、この時点で風王鉄槌の凄まじさを正しく理解出来よう。 そして風の直撃は、被弾者に攻めも守りも放棄させる。 セイバーが軽やかに地面を蹴り、向かうのはやはり綺礼の下だ。 「させねえッ!!」 何としてでも足を止めさせようと奮闘する承太郎だが、セイバーは何と走りながらスタープラチナの拳に対処している。 露わになった黄金の刀身を必要最小限の動作だけ動かして、数多くのスタンド使いを叩きのめしてきたスタンドのラッシュを事も無げに捌いている。 承太郎をして、恐ろしい女だと痛感させられた。これでも力をかなり削がれた状態だなんて、悪い冗談にしか思えない。 一方のセイバーも、しかし易々と承太郎のスタープラチナへ対処しているというわけではなかった。 普段の彼女ならばいざ知らず、今のセイバーは左肩に大きな傷を負っている。 少し動かしただけで激痛が走り、動作を阻害してくるこれに配慮しつつスタープラチナの超高速に対応するのは、如何に伝説の騎士王でも並大抵のことではない。 彼女の持つ『直感』スキルをフルに活用して、それでどうにか食い繋ぎながら進撃出来ている。 「言峰ッ!!」 自分では止め切れないと判断した承太郎は、綺礼へと声を張り上げる。 綺礼はそれに頷きを一つだけ返すと、先の『活歩』を応用。 後方へと高速で移動し、セイバーとの距離を確保する。 だがそれも、セイバーにしてみれば取るに足らない小癪な逃げ策でしかない。 スタープラチナの拳を力づくで振り払い、拳の乱打が緩んだ瞬間に加速を開始。 綺礼への距離を一気に詰めつつ、彼に一閃を打ち込まんとする。 綺礼はそんなセイバーを見て、最初こそ苦い顔をしていたが――息を一度吐いてから、何と彼は地面を蹴った。 それは前方への加速を意味する。もはや誰の目から見ても明らかな自殺行為だが、しかし綺礼にはある勝算があった。 空を切り裂いて振るわれる黄金の剣。 それを受けた瞬間、綺礼をこれまで支えていたアゾット剣が遂に限界を迎えて砕け散る。 最初に短剣が軋んだ瞬間、僅かに身を後ろへ移動させていた綺礼の判断は正しかった。 彼がそうしていなければ、今頃はアゾット剣諸共斬り伏せられていた筈だ。 自身の生存を確定させた綺礼は急に足を組み替え、そのまま騎士王の脚部へと絡めるように潜り込ませた。 内側から絡み付くそれは『鎖歩』と呼ばれる足さばきだ。足払いと一言で表現するのは簡単だが、極致に達した拳士が繰り出すとなればその効果は絶大になる。 セイバーは転倒にこそ至らなかったものの、それでも確実に保っていたバランス感覚を乱された。 立て直す間も与えず繰り出される綺礼の正拳が、吸い込まれるようにしてセイバーの腹部を抉る。 「……承太郎!」 「ああ」 数メートルの不本意な移動を余儀なくされたセイバーに、追い討ちのように拳を放つのはスタープラチナだ。 一撃一撃では綺礼のそれに及ばないが、それでも無視できる威力ではなく、何より速さでは綺礼すら追随出来ない。 万全の状態のセイバーには動体視力と直感で凌がれるだろうが、ならばそれが機能しない場面を選ぶのみ。それが、空条承太郎の回答だった。 そして事実、その戦法は一定の成果を上げていた。 セイバーの鎧は所々が凹み、衝撃が内部にまで伝わったのか彼女は口元から一滴の血を零している。 風王鉄槌は既に切れ、再使用が可能となるまでにはまだまだ風を集める必要がある。つまり、この戦闘中にもう一度あの暴風を吹かせるのは難しい。 人間二人と英霊一騎。 そこに圧倒的な戦力差が存在することを鑑みれば、承太郎と綺礼の戦線は、極めて優れていると言わざるを得まい。 他ならぬセイバーも、彼らの優秀さを認めていた。 戦場を知る者だからこそ分かる、見事としか言いようのない連携。 綺礼の判断力と技巧は驚嘆に値するし、承太郎の観察眼は侮れないものがある。 負わされたダメージの量も決して少なくはない――おまけに黄槍の呪いだ。 分はやや悪い。だが、それでも、セイバーはまだ倒れない。倒れるには程遠いだけの体力・余力を残している。 体勢を立て直した彼女の翡翠の瞳が、承太郎と綺礼を交互に一瞥した。 それから彼女は静かに、大きく息を吸い込むと、……吐く動作と共に、再び攻撃へと移ってくる。 ――今度の一歩は、先程見せたそれよりも更に力強く、俊敏なものだった。 なまじセイバーの見目が麗しい為か、傍目から見ればどちらが善でどちらが悪か分かったものではない。 綺礼はアゾット剣を失ったことで、もう彼女の聖剣を止める道具を有してすらいない。 徒手空拳を主要な武器とする彼にとって剣として見た場合のアゾット剣の喪失は然程痛くなかったが、盾として見た場合、アゾット剣を失うのは痛すぎた。 何しろセイバーの剣を止める手段がないのだから、これから綺礼は彼女の攻撃をほぼ全て回避しなければならない。 受け止めて、そこから返し手を打つという安定した流れに頼ることが不可能になってしまった。 先の攻防は綺礼と承太郎が勝利を収めたように見えたが、そういう意味ではセイバーも只で押し負けた訳ではないと言えよう。後々の戦いに響く度合いであれば、彼女の方が大きなアドバンテージを稼いだとすらいえるかもしれない。 鎖歩による足場崩しも、二度は通じまい。どう対処するか――黙考の末に綺礼の出した結論は、仲間の援護を貰うことであった。 綺礼と承太郎の視線が重なる。 それで言わんとすることを理解した承太郎は、スタープラチナを二人の間に割って入らせた。 「オラオラオラオラオラ――グッ!?」 同じ手は二度食わんと、怜悧に告げられた気分だった。 セイバーはスタープラチナが放つ初撃の拳を直感で見切り、歩幅を右にずらして回避。 そのまますれ違いざまにスタープラチナの左腕に聖剣の切っ先を這わせながら、悠々と突破してのけたのだ。 承太郎の左腕に、一筋の裂傷が生まれる。走る鋭い激痛を噛み潰し、承太郎は自身のスタンドにセイバーの背中を追わせた。 迫る高速の拳を、しかし察知できないセイバーではない。 綺礼に接近するなり今度は迂回するように彼を避け、その背後へと回り込む。 スタープラチナが追い付いてくるまでの時間はあって数秒だが、それだけでも彼女にしてみれば十分だ。 振り返りざまに手元を狂わさんと綺礼が繰り出す小技を難なく刀身で対処し、超至近距離からの刺突で彼の脇腹を刺し貫く。急所を外したのは、セイバーが手温かった訳でも何でもなく、純粋に綺礼の手際だ。ダメージを受けるのは不可避と判断するや否や、どうすれば最低限に止められるかを考え、行動した結果である。 結果として綺礼は命までは奪われなかったが、セイバーがごく近くに居ることには未だ変わりない。 彼女は仕留め損ねたと判断するなり刃を引き、今度は綺礼の首を刎ねるべく喉元へと乾坤一擲の勢いで突き出した。 対処不能。即座に、綺礼はそう判断する。 瞬間、彼の右腕に刻まれた――譲り受けた令呪が真っ赤に感光した。 反射神経強化、脚力増加、瞬発力の向上――刹那の一瞬で綺礼の力が人間以上の域へとブーストされる。 セイバーの突きを、強化された動体視力は確かに捉えていた。後はそれから逃れるように動くまでだ。 「……二画目ですね」 最初は驚いたが、二度目ともなれば驚きはしない。 むしろセイバーは、綺礼に残された打開策の残数を把握し、戦況を詰めの方へ運ばんとすらしていた。 言峰綺礼はそもそも正当な魔術師ではなく、故に魔術回路の開発を十分とは言い難い。 そこで普段は付け焼き刃の魔術を行使する為に、父の言峰璃正から賜った予備令呪を転用することで魔力源としている。 だが、今の綺礼に予備令呪なんてものはない。 令呪が支給品となっている時点で推して知れる話だが、繭によって没収されていた。 もしも万全な備えがあったなら、戦況はもっと好調なものになっていたことだろう。 これまで、既に二画の令呪を切らされた。 残りの令呪は一画。そしてブーストをした身体能力でも、セイバーの方がまだ上を行っている。 そして最後の令呪も、この調子ではそう長く温存は出来ない筈だと綺礼は踏んでいた。 どのくらいで切らされるかは分からないが、少なくとも全部残してセイバーを打破できる可能性は絶無だ。 全力を費やし、使える全てを使い、それでも倒せるかどうか。 サーヴァントと人間が戦うということの意味を、綺礼は腹の疼くような痛みに講義されている気分だった。 「オラァ!」 「ちッ――」 助け舟のように、スタープラチナの拳がセイバーの追撃を阻害する。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」 鍔迫り合いと呼んでいいのかは微妙な所だが、セイバーの状況次第では、やはりスタープラチナの手数は有用だ。 銃弾ですら見てから掴み取ることの出来る反射神経、対応速度を持つ拳。 仮にセイバーが直感という厄介なスキルを持っていなかったなら、これで押し切ることさえ出来たかもしれない。 拳を止めながらセイバーは苦い顔をする。しかしそれは、承太郎も同じだ。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」 これだけの勢いでスタープラチナを打ち込んでいるというのに、刀身が軋む気配すらない。 一体何で出来てやがるんだと、毒の一つも吐きたくなる思いだった。 それもその筈、サーヴァントの宝具とは尊き幻想(ノウブル・ファンタズム)……固有化した神秘の具現。 最強クラスの近距離火力を持つスタープラチナとはいえ、そう易々と破壊できるものでは断じてないのだ。 まして、今承太郎が相手にしているのは騎士王の聖剣――世界で最も有名と言っても過言ではない刀剣、『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』と来ている。 スタープラチナがどれだけ激しく拳を打ち込もうが、この聖剣を破壊することはまず不可能に違いない。 承太郎も早い内にそれを悟ったのか、武器を破壊しようとはもはや考えず、防御の隙間を縫ってセイバー本人を狙う方針へとシフトしていた。 セイバーはそれに対応できてはいるが、流石に全てを余すところなく迎撃できている訳ではなかった。 その端正な顔にはかすり傷が幾つか走っているし、鎧にも擦れ、摩耗したような傷痕がかなりの数生まれている。 それでも、承太郎とスタープラチナを相手にこれだけの損害に止めているのは十分異常と言うべきだろう。 されど、そこに令呪で強化を掛け直した綺礼が参入するとなれば流石のセイバーも危機感を覚える。 意趣返しのように彼が背後へ回り込むのを確認するや否や、セイバーはあろうことかその場で跳躍を試みた。 予期せぬ行動に、承太郎も綺礼も完全に虚を突かれる。 攻撃の手が緩んだのを見計らい、セイバーはスタープラチナの腕を踏み台に更に跳躍。挟撃の状況を打破する。 「……デタラメだな」 「それがサーヴァントだ。あれでも見たところ、今のセイバーは力を半分は削がれている」 宝具の真名解放に左肩の傷、風王結界の解放を終えたことによる間合いの可視化。当然、風王鉄槌は使用不能。 神秘を宿さない攻撃をシャットアウトする機能も失っているのだから、五割の力を削がれているという綺礼の弁はそれなりに的を射ている。 恐るべきは、そんな状態でもこの強さということ。 彼女がもしも肩を潰されていない、健康体で現れていたらと考えると承太郎でさえゾッとするものがあった。 「構えな、言峰。奴さんの狙いはてめーみてえだからよ」 「分かっている」 セイバーの狙いは終始一貫して言峰だ。あくまで戦力の要を先に落とす。その方針は此処に至るまで一切ブレていない。 そこもまた厄介な点の一つだった。もしもセイバーが承太郎の方に目移りしてくれるなら、その分決め手となる綺礼の攻撃がヒットさせやすくなる。 延々綺礼だけを集中的に狙われては、戦線が崩壊に近付いていくだけだ。事実彼女に狙われ続けた結果、彼の奥の手は既にあと一回しか使えない有様である。 令呪によるブーストは、先の一瞬を見れば解るように、完全に"詰んだ"状況でさえ覆すことが出来る反則技だ。 謂わば身の丈に合わない戦いをする上での保険のようなもの。 だが、これを回避手段として使っているようでは、セイバーを討つことは難しいと言峰は考えていた。 戦闘手段として使う上での令呪は、言ってしまえばジェットエンジンのようなものだ。ジェット加速した乗り物を壁にぶつければ多大な破壊力を生むように、令呪で身体能力を強化した攻撃を打ち込むことさえ出来たなら、あのセイバーにとて戦闘不能級のダメージを与えることは可能だろう。 そして決め手とするに相応しい技にも、綺礼は覚えがある。少なくとも対人戦であれば、確実に相手を昇天させることが出来るレベルの大技だ。 後は、それを如何にして決めるか。如何にして、決められるだけの隙を作り出すかだ。 「――来るぞ!」 承太郎が叫ぶ。 既に構えは終えている。綺礼は努めて冷静に、迫る騎士王を睥睨する。 振るわれる一閃を、どこぞのSF映画のような超人的な動きで身を反らせて回避。 セイバーが振り抜いたのを確信して、体勢を強引に引き戻し、蹴り上げを彼女の胸元に打ち込んで後退させる。 虚無的な求道者である綺礼の肉体スペックをもってすれば、型のほぼ取れていない攻撃でも、十分に脅威的な威力を叩き出すことが可能だ。 現に受けたセイバーは顔を顰めながら、足だけでは衝撃を殺し切れずにたたらを踏んだ。 「ふ……ッ!」 「く……!」 すかさず一歩を詰め、拳での攻撃へ移る綺礼。 砲弾めいた拳をセイバーは刀身で防ぎ、彼の拳からは血が滴るが、それしきの痛みで止まるほど軟な男ではない。 防御した隙を見逃さず、一度は見切られた筈の足払いを放つ。 セイバーほどの剣士であろうと、タイミングさえ熟慮すれば、一度見せた不意討ちは十分に機能してくれる。 仮に直感のスキルで察知されようが、反応することそのものが命取りになる状況を作ってやればいいのだ。 例えば今などは、足元の攻撃に対処して飛び退こうものなら、確実にその一瞬を狙った承太郎の乱打を受ける事になる。 結果としてセイバーは、足元を黙って崩されるという最善手を甘受するしかない。 言うまでもなく、それはセイバーを有利にはしない。 崩れた体勢諸共地面にセイバーを縫い止めんと、綺礼の脚が落ちてくる。 まるで断頭台のようだと、彼女がそんな感想を抱いたのも無理のないことだろう。 しかしセイバーも負けてはいない。頭だけを横へ倒すことで損害を髪の数本に留め、一気に姿勢を元へ戻していく。 「……だが、まだだ」 彼女が攻撃に移る前に、綺礼の鉄拳がその胴を直撃する。 この戦いが始まってから、最も良い入りであった。 もしも使い手が綺礼でなかったなら、思わず自賛してしまいかねないほどのクリーンヒットだ。 「オラオラオラオラ!!」 その好機を、空条承太郎は見逃さない。 出現したスタンドが、真横からセイバーにラッシュを叩き付ける。 セイバーの顔に赤いアザが生まれ、その口元から一筋の血が滴り落ちた。 「承太郎、退かせろッ!」 「……分かってるぜ」 スタープラチナが撤退を選んだ瞬間、スタンドの首筋があった場所を、騎士王の凶刃が通り過ぎていた。 セイバーは苦渋の表情を浮かべながら舌打ちをし、口の中に溜まった血混じりの唾を吐き出す。 今の連携が彼女に無視できない量のダメージを与えたのは、その様子を見るだけでも明白であった。 されど、もはやセイバーは後退を選ばない。 彼女が後ろに下がることは、基本性能の差で遅れを取る綺礼と承太郎にも例外なく立て直しの暇を与えるということだ。 戦況を転ばせたいセイバーよりも、転ばされる側である筈の綺礼達の方がその行動から被る恩恵が大きい。そう判断しての、戦闘スタイルの変更だった。 そしてこれは、綺礼達にとって非常に都合が悪い。 毎度少し戦っては仕切り直しを繰り返すのであれば、その都度戦況を事実上リセットして戦いに臨むことが出来る。 だが一切の撤退なく延々と攻めの間合いに居座られては、立て直しに掛かるのは困難だ。サーヴァントであるセイバーが戦場から離脱するのと、腐っても人間である綺礼達が戦場から離脱するのとでは難易度が違いすぎる。まず、殺す気の騎士王から逃げ切るのは不可能である。 セイバーが再度踏み込んでから、間もなく危惧は現実のものとなった。 セイバーが攻める。 綺礼はそれを可能な限り躱すか掠り傷に留めつつ、合間を縫って攻撃を仕掛けていく。 それでも騎士王は退かない。どっしりと構えて綺礼の反撃にも対処しつつ、少しずつ流れを自分のものにしていく。 一度は先の一撃にも匹敵する当たりを生んだが、騎士王は顔を歪めただけで、やはり不動のままだった。 見かねた承太郎がスタープラチナで援護を試みるも、それにすら並行して対応して来るのだから性質が悪い。 化け物め、と承太郎は思わず奥歯を噛み締める。これまで目にしたどんなスタンドよりも、目の前のサーヴァントという敵対者は恐るべき強敵だ。 普通の人間ならば、とっくに心が折れている。承太郎と綺礼だから、挫けずに勝機を探り続けることが出来ているのだ。 それでも戦況は依然、絶望的――細やかな当たりを入れることは出来ても、決定打が生み出せない。その時点で、セイバーの打倒は非常に遠い話だった。 「……づ」 綺礼が、苦悶の呻きを漏らす。 見れば先程セイバーに貫かれた脇腹から、どくどくと血が溢れ出していた。 当初は大した傷ではないと思っていたし、事実そうであったのだろうが、激しい戦闘を続けている中で傷が広げられ、無視できない負傷に変わってしまったのだ。 無論、そんな事情を斟酌するセイバーではない。 手負いの人間相手だからと刃を鈍らせる甘さが彼女に残っていたなら、この期に及んで尚も殺戮者の立場に立っていること自体そもそもあり得まい。 一瞬傷口に意識を向けた綺礼に、その無沙汰を指摘するようにセイバーの剣戟が飛んだ。対応自体は出来たものの、彼の胴に袈裟懸けの裂傷が生まれる。 傷自体は浅い。それでも、ダメージは決して皆無じゃない。日常を生きている一般人にしてみれば、十分大きな傷と呼べる痛手だ。言峰綺礼が如何に超人であれど、元を辿れば心臓一つの人間一人。一つ一つの傷は、確実に彼という一個の生命に罅を入れ、それを広げていっている。 スタープラチナの鋭拳が、セイバーの頭部を横殴りにする。 ぐらりという意識の蹌踉めきは彼女を苛み、その頭から出血すらさせたが、翡翠の眼光に緩みはない。 スタープラチナの追撃を一発残さず阻み、巧みな足さばきで位置を調整しスタンドのラッシュに対処。 優先して落とすと決めた言峰綺礼をあと一歩追い詰め、詰ませることだけに意識を集中させる。 こうなっては、如何に承太郎といえども苦しいものがあった。メインの戦力として活躍している綺礼に戦いの趨勢を委ねねばならないことに彼は苦渋の念を抱く。 ――サーヴァントと人間が戦うとは、つまりこういうことだ。 前提からして性能が違う。それを数と連携で埋めた所で、無双の英霊達はそれを力尽くで覆すことが出来る。 半分ほどの力と利を削がれていても、だ。世界に召し上げられた英霊は、決して生易しい存在ではない。 まして彼女は最優の英霊。かの円卓の騎士を統率した、聖剣の騎士王なのだから。 こういう戦況になることは、至極当然のことであると言えよう。ヒトと英霊の力関係はいつだって変わらない。 そしてそれを証明するように、決定的な瞬間はやって来る。 言峰綺礼。 空条承太郎。 双方が同時に、不味い、と察知した。 セイバー、アルトリア・ペンドラゴン。 彼女は対照的に、獲った、と冷淡に認識した。 手負いの身でセイバーの斬撃を捌いていく綺礼の動きが、一瞬狂う。 一度は貫かれた脇の傷が、出血とは別に、強烈な激痛を訴えかけてきたのだ。 戦いの世界において、痛みというのは決して無視できるものではない。 どんな武道の達人であれ、僅かな痛みで技の精度が狂い、敗北に追い込まれるという例はごまんとある。 ましてそれが、決して過つことの出来ない緊張した場面であれば尚更だ。 不意の痛みは容易に体勢を狂わせ、致命的な隙を生み、拳士を絶望の底へと引きずり落とす。 回避動作の完了がほんの僅か遅れた。 たったそれだけのアクシデントでも、相手が武芸に秀でた英霊ともなれば立派な敗因に変わる。 綺礼はそう理解していたし、この瞬間、それを身を以て思い知らされることになった。 「――終わりです」 超至近距離から振るわれる、鞘の戒めを解いた黄金の聖剣。 勝利の光を放たずとも、その斬れ味が超絶のものであることは語るに及ばない。 担い手は世界最高峰の騎士。綺礼は確信する、これは詰みだ。将棋で言えば、王の全方位を金が囲んでいるようなもの。 「言峰!!」 承太郎の声が、どこか遠く聞こえる。 言峰綺礼の全神経が今、この状況を打破することに全霊を注いでいた。 しかし、対処の手段など考えるまでもない。一つを除いて、綺礼が生存できる目は存在しない。 即ち、最後の令呪による瞬間加速だ。それを使えば、理論上はセイバーの一閃を躱し、反撃することが出来るだろう。 だが――……綺礼は、今死線に立たされている者のそれとは思えないほど静かな瞳で、一瞬考える。 実際の時間に換算すれば一秒にも満たない、生存手段の模索。その末に、彼は言葉もなく結論を下した。 紅林遊月から受け取った令呪、その最後の一画が感光する。 奇しくも宿敵、衛宮切嗣が得意としていた魔術のように、使用と同時に世界が変わる錯覚をすら綺礼は覚えた。 これも、もう慣れた感覚だ。三度目ともなれば、新鮮さも失せる。 強化された肉体を、脳の血管が切れるのではないかと思うほどの集中状態で駆動させ、強引に騎士王の攻撃を避ける。 しかし反撃に打って出るよりも早く、騎士王の口元が動いた。 笑みは浮かべない。会心の笑みなど、この誉れなき戦いには似合わないからだ。 ただ、円卓の主は静かに呟く。 綺礼の予想通りの言葉を。令呪を切る前の一瞬の時間で、綺礼が思い浮かべた最悪の事態を、容易く引き起こしてくる。 「甘い」 令呪による瞬間強化は、人間の綺礼にしてみれば切り札に等しい反則手だ。 されどそれは、あくまで人間の視点で考えた場合の話。 三騎士クラスの優れたサーヴァントにしてみれば、驚きこそすれど、決して対処不能な反則技ではない。 綺礼が令呪による強化に慣れたように、それを二度と見てきたセイバーも、何ら驚きはしなかった。 それどころか、読んですらいた。こう追い詰めれば必ず令呪を使ってくると、そう踏んだ上で彼女は斬り込んだのだ。 そこで、相手は予想通りの行動をしてきた。そうなれば、セイバーに取っては最早好都合。 令呪による回避という反則を前提にした返し手で、綺礼がやっとの思いで確保した間合いを一瞬で詰める。 持てる敏捷性の優位を最大限に活かしたそれにも、綺礼は果敢に対抗せんとした。 だが、悲しきかな。それすらもセイバーにしてみれば、止まって見える程に緩慢な動作である。 一閃。 勝負を決めるには、ただそれだけで十分だった。 黄金の残像が虚空に走り、空気は切り裂かれたように鋭い音を鳴らす。 ごとりと、何か重いものが地面に落ちる音がした。 それは、僧衣を纏っていた。赤色に染まっていた。 ――紛れもなく、言峰綺礼の左腕だった。 「――オォォォラァアァァァァァ!!!!」 激昂した承太郎の声。 セイバーはそちらの方へと意識を向ける。 言峰綺礼は、ただ静かな目で、何かを悟ったように目の前の光景を見ていた。 ……その拳が静かに、握り締められたことに――セイバーは気付かない。 言峰綺礼は、空(Zero)に限りなく近い男である。 万人が「美しい」と感じるものを美しいと思えない、破綻者である。 未来の彼は黄金の英霊との出会いを機に振り切れ、悟りと余裕を得るものの、この頃の彼にそれはない。 他者の苦痛に愉悦を覚える性を受け入れられぬまま、深く自身の在り方に懊悩する求道者。 とはいえ、虚無的な側面があることは否めまい。 不完全な自身を痛め付ける為に信仰し、技を極めた青年神父。 そんな彼だからか、自分がどうやら詰んでいるらしいことを理解するのは速かった。 令呪を切る寸前だ。 綺礼はあの段階で、騎士王が自分の行動を読んでいることを察していた。 彼女ほどの騎士が、その程度のことも分からない筈がない。 何度も何度も不意を討たれて好機を逃す、そんな有様では、最優の英霊などとは到底呼ばれないだろう。 そうある種彼女の力量を信用した上で、彼の頭の算盤は至極冷静に、自分に先がないという事実を弾き出した。 そして、その通りになった。 セイバーの斬撃は、構えた左腕ごと、綺礼の胴を深く一閃していた。 腕を切り落とされたこともそうだし、胴の傷も完全に致死のそれである。 よしんばこの戦場を生き永らえたとしても、参加者に与えられている医療手段では延命は不可能。 そう判断した彼の思考は――焦りも嘆きも恐れもせず、一層静かに冴え渡った。 令呪の力はまだ生きている。 体も動かすことは出来る、伊達に鍛えてはいない。 腕は損失した――然し損失は軽微。痛手ではあるが、牙を完全に抜かれた訳ではない。 (ならば……) 急な失血で靄がかかったように眩む視界を、半ば自身の集中力だけで活性化させ、明瞭なものへと変える。 承太郎の方へと意識を向けているセイバー。此方の方へ意識を引き戻したとして、確実に無駄な時間はそこに生じる。 戦いの中で何度も猛威を奮った超直感。厄介だが、此処は承太郎次第だ。 承太郎のスタープラチナの援護次第で、直感による対処は十分潰すことが出来る。 そして、相手は騎士。拳士ではない。よって、己の考えている一手を完全には把握していないと分析。 以上のことから、言峰綺礼は『決行可能』と判断する。 未だ傷を負っていない剛脚に力を込めるや否や、彼はバネに弾かれるように、間近のセイバーへと突撃した。 「なッ――!?」 セイバーが驚愕するのも無理はない。 先程彼女の決めた斬撃は、心臓こそ外していたものの、綺礼の体を厚さの八割ほどは引き裂いていた。 即死でも不思議ではないし、そうでなくとも出血が招くショックで動作が停滞するのが普通というもの。 そう、これは油断だった。彼女らしからぬ、油断。相手は人間であるから、これで足りるという慢心。 確かに、言峰綺礼は人間だ。しかし、求道の彼は常人ではない。 セイバーは、それを見誤った。超人と認識はしていても、最後の最後でその限界を見誤った。 「オラァァ!」 剣を握りかけたセイバーの腕を、スタープラチナが見逃さずに鋭く殴打する。 鎧もある以上、さしたる痛手ではない。だがそれでも、僅かな痛手にはなった。 鉄火場においてほんの僅かな要素が致命となることは、セイバーもよく知っている。 彼女は先程、それを利用したのだから。――知らないはずがない。 地面を慣れ親しんだ道場の床と見立て、地鳴りが起こるほどの剛力で蹴る。 一瞬にして長距離を駆け抜ける箭疾歩は、この間合いではほぼタックルのようなものだ。 セイバーを押し倒す勢いでその矮躯に衝突すれば、綺礼は渾身の震脚で大地を揺るがした。 野外である以上幾許か効果は減少するが、重ねて言うが今の間合いは超至近。 効果がない筈がない。並の武道家ならばまだしも、達人である綺礼の渾身ともなれば。 ――思考はクリアだ。 この時ばかりは、傷が深いことが幸いした。 ――痛みは麻痺し、言峰綺礼を阻む物は何もない。 左腕はない。この時点で、十全のパフォーマンスを決めることは不可能。 ――無問題。片手落ちであろうと、超絶の威力は叩き出せる。平常体ならばまだしも、令呪で底上げされた地力ならば。 空条承太郎も、この一瞬に全てを懸ける。 彼は敏い少年だ。辛い現実から目を背けることをしない、強い少年でもある。 その彼だから、言峰綺礼がもう助からないということは理解していた。 理解しているからこそ、綺礼が最後に見せんとしている底力に胸が熱くなるのを堪えられない。 承太郎がクールで冷徹な人間だと勘違いしている者が居るのなら、それは間違いだ。 彼は、激情家である。理不尽や非道に怒りを燃やし、仲間の意志を我が事のように重く受け止める熱き戦士。 綺礼が命を捨ててまで作り出した好機を、決して逃しはしない。無駄にはさせない。 その意志で放つスタープラチナの拳は単なる妨害手段であるというのに、これまでよりも明らかに鋭く、疾く、重い。 スタンドパワーが彼の意志に応じて向上しているかの如く、唸る拳は猛り吼える。 セイバーもまた、必死だった。 その心に強い願いを抱くからこそ、彼女も諦めない。 繭の下に魂を幽閉されれば、もう二度と、聖杯の輝きを手にすることは出来ないだろう。 ――それだけは。それだけは、絶対にあってはならない。そう思えばこそ、剣を握る力は強くなる。 それでも。彼女は、二人の人間が繰り出す猛攻から脱せずにいた。 綺礼の拳が空を裂く。 迸るは渾身の一打。 言峰綺礼という男が、セイバーを討てるとすればこの技だろうと最初から視野に入れていた奥義。 即ち、八大招・立地通天炮。 セイバーの鎧による防御を無視し、顎下から剥き出しの頭を破壊する必殺の拳。 それはまさしく、綺礼の命を燃やすかのように彼自身の飛沫をあげながら猛進し――…… 「……が、――――ッ!!」 誉れも高き騎士王の顎下を打ち抜き、その矮躯を天高く舞わせた。 ◆ 脳裏に過るものがある。 それは、在りし日の記憶。 かのブリテンで、円卓の騎士が隆盛を極めていた頃の景色。 ――アルトリア・ペンドラゴンは選定の剣を抜き、この時代を作り上げた。 騎士道が花と散った時代に、ブリテンに平穏と繁栄を齎したのだ。……そう、最後の繁栄を。 「ま――だ、だ…………」 それを思えばこそ、アルトリアは止まれない。 立ち上がるということがあり得ない負傷を負っておきながら、彼女はなおも二本の脚で大地に立つ。 言峰綺礼が隻腕で放った攻撃は依然として必殺のそれであったが、しかし威力が幾らか減退していたのも確か。 それが、騎士王を滅ぼしきれない理由となった。重傷を負ってはいても、未だその生命も闘志も健在。 打たれた顎は砕け、口元は止めどなく血を流している。両の眼からは血涙が溢れ、髪は土埃に塗れてすらいた。 脳はほぼシェイクされたも同然。意識は常に朦朧とし、気を抜けば命ごと意識を取り零しそうだ。 にも関わらず。アルトリアは剣を取り落とすことなく、立つ。――まるでいつかのように、ただ一人、孤独の王として。 王には、人の心が分からない―― かつて城を去った騎士、トリスタンの声が脳裏に蘇る。 神秘を失くして滅びに向かうブリテンの地。聖杯探索を経ても、伝説の終焉は止められなかった。 カムランの丘で討ち倒したモードレッドの姿を、今も鮮明に覚えている。 膝を折り、傷から血が流れ出ていく感覚すらも、鮮明に。 ――止まれはしない。これしきの傷で、足を止めることがどうして出来ようか。 見れば、自分に致命を打ち込んだ神父は既に倒れ臥していた。 その真下には、真っ赤な血溜まりが止めどなく流れ出している。 文字通り、あの一撃で余力を使い果たしたのだろう。 堕ちて尚、アルトリアは彼の生き様を見事と思う。 後、何人斬ればいい。そう思うことは、敢えてしないようにしていた。 只、最後まで。止まらないと覚悟した時から、それだけを見据えて駆け抜けてきた。 故に彼女は立つ。 血に濡れた聖剣を手に、罪を重ねる。 端から見れば泥酔しているかのように覚束ない足取りで、それでも勝利を求めるのだ。 「待ちな」 そんな彼女を、呼び止める声がある。 視線の先に立つのは、左の肩から血を流す学生服の少年だった。 ――空条承太郎。スタープラチナのスタンド使いは、仲間を失って尚絶望することなく、騎士王を見据えていた。 その顔に、敵が立ち上がったことへの動揺はない。 綺礼の一撃では不足と、軽んじていたわけではない。 綺礼も承太郎も、あの瞬間に命を懸けていた。 その彼がどうして、仲間が仕損じるのではと疑って掛かる道理があろうか。 「てめーを先には進ませねえ」 「……ならば」 承太郎は立ち上がったアルトリアを見て、ただ冷静にこう思った。 進ませはしない。言峰綺礼が死んだからといって、やることは当初から何も変わっていない。 殺し合いに乗ったこのサーヴァントを、此処で倒す。ぶっ飛ばす。 ただそれだけの理由で、空条承太郎は立っている。 アルトリアもまた、それを瞬時に理解したからこそ無駄な問答は交わさない。 聖剣を握り、勢いよく踏み出した。この困憊具合で尚も俊敏さを発揮する姿の、何と異様なことだろうか。 迅雷が如く振り抜く聖剣を、迎え撃つのは星の白金(スタープラチナ)の鉄拳だ。 綺礼のものよりも速く鋭い拳。だが、威力では彼の拳士に幾らか劣る。 アルトリアもそのことについては織り込み済みだったが、今の彼女にとっては、むしろ威力重視の方が御し易かった。 脳に叩き込まれたダメージ。それは今も、絶えることなく彼女を苛み続けている。 スタープラチナの速度に合わせることは、満身創痍のアルトリアにとって決して小さくない負担であった。 そう。既に、勝負は見えている。 アルトリア・ペンドラゴンは、あの一撃を受けた時点で敗北していた。 神秘以外への防御を失い、聖剣の光を放つことも不能になった騎士王にとって、あれは完全に決まり手だった。 最優と謳われる戦闘能力、反射速度、敏捷性さえ削がれた彼女が打ち倒すには、空条承太郎は難敵過ぎる。 「てめーが何処の誰で」 スタープラチナの拳が、セイバーの腹を打ち抜いた。 それが、終わりの始まりだった。 「何がしたくて」 二撃、三撃と。 鎧を抉る拳は猛く、重く響く。 「このくそったれなゲームに乗ったのかは知らねえ」 承太郎はアーサー王伝説や円卓の騎士という名前に聞き覚えはあっても、その詳細を知っている訳ではなかった。 だから彼女の願いなどに心当たりは全くないし、そこにどれほどの思いがあったのかも知らない、分からない。 その彼が、彼女が殺すことを選んだのに対してとやかく言う筋合いはないだろう。承太郎自身、そう思っている。 「だから――俺は俺の理由で、てめーを……『裁く』ッ!!」 そこに、彼女を糾弾する意味合いはない。 あるのはただ、空条承太郎個人の怒りだけだ。 仲間を殺した女への怒りだけを武器に、スタープラチナは拳を振るう。 怒髪天を衝いた承太郎は大きく息を吸い込めば、そのまま声を張り上げる。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」 打ち込む拳が、騎士の鎧をひしゃげさせていく。 凹みを生み出し、有無を言わさず、連打する打撃。 止まらない。止まりはしない。仲間を失った承太郎は、今"怒っている"のだから。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」 アルトリア――いや。 セイバーの体に限界が訪れるのは、程なくしてのことだった。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」 元より、無理矢理に延命しているだけだった体。 殺し合いの参加者となるに辺り、数段の劣化を掛けられた性能。 打ち込まれた言峰綺礼の乾坤一擲で死に体に限りなく近付いた彼女に、スタープラチナの連撃は余りに強烈過ぎる。 そう、勝負は着いた。――最優のサーヴァントを二人の人間が討つという番狂わせで、この死合は幕を閉じるのだ。 「――――オラァァァァァアアアアアアアアアッ!!!!」 魔力で編まれた鎧を、力尽くの連打で部分的に破砕させ。 針の穴に金属バットを通すような無理矢理さで、スタープラチナの全力を叩き込んだ。 それはセイバーの胸を破り、霊核を粉砕し、その体を貫通する。 ……戦場は、哀しいほどに静かだった。ただ、承太郎とセイバーの吐息の音だけが聞こえていた。 「……俺はただ、あいつの『やり残し』をぶちかましただけだぜ、サーヴァント」 スタープラチナの拳を引き抜き、承太郎は帽子を深く被り直す。 そしてただ一言だけ告げる。言葉は不要と分かっているから、彼は多くを語らない。語る気もない。 「てめーを倒したのは言峰だ。俺じゃ、とてもじゃあねえが勝てなかった……てめーは、あいつに負けたんだ」 それだけを告げて、承太郎は静かに踵を返した。もう、セイバーは立ち上がらない。 消え行く意識の中、セイバーは少年の声を反芻していた。 自分は敗北した。もう体に感覚らしいものは殆どなく、力を入れることすら出来ない。 英霊としての死とはまた違う、生命としての死が、今まさに自分を連れ去ろうとしているのが解る。 ――……結局、全ては叶わなかった。ただ罪を重ね、迷走し、その末に因果応報の結末を迎えただけ。 空は昏い。 雲間から、昏い空が覗いている。 それを見上げながら、風の冷たさすら感じられなくなった体で、セイバーは思うのだ。 そうだ。きっと、自分は最初の一歩から踏み間違えていた。 王の選定をやり直すという形で祖国に報いんとする余り、魂を幽閉されるという可能性の途絶を恐れた。 もしも。 もしも自分が、騎士の矜持を捨てることなく、繭へ毅然と立ち向かっていたなら――何かを変えられたのだろうか。 全ては、闇の中だ。もう二度と、騎士王アルトリアが何かを変えられることはない。 (……私は) ああ。 もう。 (私は……一体……――――) あの空に、手を延ばすことすら、出来ない。 【セイバー@Fate/Zero 死亡】 ◆ 「言峰」 「…………セイバーは、倒したのか」 「ああ。倒したぜ」 「ならば、私の持ち物を持っていけ。セイバーのものもだ。死人が持っていても、最早何の役にも立つまいよ」 言峰綺礼は、まだ生きていた。 とはいえ、もう彼を救うことは出来ない。 当初からして即死級の傷だったのだ。この時点でまだ生きていることが、そもそも異常事態である。 左腕の切断面は未だに止めどなく血を流しており、胴の傷は言わずもがなだ。 これが勝利の代償。大金星の対価に、言峰綺礼は此処で死ぬ。 その結末を変える選択は、もう誰にも打てない。 「……お前の手で掴んだ勝ちだぜ。ちったあ嬉しそうにしたらどうだ」 「さて、な……生憎と、そういう感情の機微は乏しい身だ」 承太郎は、そんな彼の傍らに立っていた。 あくせくと、何か打てる手はないかと焦ったりはしない。 どうしようもないことを悟っているからこそ、静かに綺礼を看取らんとしている。 「私はあの男に……DIOに、言われたよ。自分に正直に生きることだ、と」 DIOに綺礼が揺さぶりをかけられたことは、承太郎も知っている。 彼が万一暴走する可能性も常に視野に入れつつ、承太郎は行動していた。 結果として綺礼は最後まで彼の言葉に惑うことなく、自分を殺したまま生涯を終えることになったが。 「私はそんなことはあり得ないと断じたが……今際の今はこう思う。奴は間違いなく、この私の本質を見抜いていたのだ」 もしも、仮にこの殺し合いがなかったなら――或いは。 このまま言峰綺礼が生存し続けていたなら、彼の本性はいつか萠芽の時を迎えていただろう。 他人の不幸は蜜の味を地で行く悪人。非道ではなく外道を進む破綻者として、大成していたに違いない。 どれだけストッパーを用意していたとしても、人間の内なる本性を完全に抑圧し、消し去ることなど不可能だ。 その本性が表に出るのを防いだのが、彼を死に至らしめた騎士王だというのは、なんとも皮肉な話だったが。 「そうかもしれねえな」 承太郎はただ、冷静に言う。 「だが、言峰。俺は、てめーが居なけりゃ此処で死んでいた」 「……そうか」 「てめーがどんなシュミの持ち主かは知らねえし、今後分かることもねえ。 ……風見や天々座、紅林も同じだ。てめーは、間違いなく最後まで俺達の仲間で、味方だった」 「………」 「それでいいじゃあねえか。それでよ……」 きっと、言峰綺礼の真実が明かされることはもうない。 あったとしても、当の綺礼はもう死んでいるのだ。 誰にもその真偽を確かめる術はない――愉悦を愛する破滅の神父は、誕生しない。 承太郎やその仲間達の記憶に残る『言峰綺礼』は、最後まで勇敢に戦って死んだ、一人の仲間で終わる。 「……は、ははははは」 それは、何と滑稽なことだろうか。 何と滑稽な、終わりだろうか。 綺礼はこの殺し合いに招かれてから、初めて笑った。いや、嗤った。自分の最期を、嗤わずにはいられなかった。 そして彼は瞼を落とす。風だけが吹く戦場だった場所に、求道者の意識が落ちていく。 「ああ……それも、悪くは、ないのかもしれん――」 【言峰綺礼@Fate/Zero 死亡】 【Fate/Zero――Down to Zero we Go】 ◆ 「言峰は、死んだ」 遊月と未だ気絶したままのリゼの前に戻ってきた承太郎は、静かにそう言った。 がくりと、思わず遊月は膝からその場に崩れ落ちてしまう。 彼を戦場に行かせたのは、紛れもない遊月自身だ。 令呪を託し、その背中を見送った。 ――その結果がこれだ。言峰綺礼は帰ってこない。死んでしまった。また、仲間が死んでしまった。 「……紅林。悪いが、ちと傷を負いすぎた。止血を手伝ってくれ、自分だとどうにもやりにくくて敵わねえ」 以前までの遊月なら、それを冷徹と糾弾していたかもしれない。 仲間が死んだというのに、どうしてこの人はこんなに冷静でいられるんだと。 止血の為に学ランの布を使おうとしているその巨体に、罵倒の声を掛けていてもおかしくない。 そうしなかったのは、ひとえに彼女なりに学習した結果だ。 この会場に来てから、遊月は何度も感情を暴走させた。 殺し合いはしないと決めたのに、仲間に迷惑をかけてしまった。 そして、目の前で仲間を殺されて。自分が送り出した仲間も殺されて―― 授業料としてはあまりに高すぎる心の痛みを代償に、遊月は少しだけ前に進むことが出来たのだ。 ……尤も、理由はそれだけではない。承太郎の目を見たなら、彼を冷徹だなんて誰も言うことは出来ないだろう。 殺し合いへの怒りと、強い意志が宿った双眼。 彼は怒っている。遊月よりもずっと強く、怒っている。 彼らの戦いを、遊月は見なかった。 ただ、祈っていただけだ。 どうか、もう誰も死なないようにと。 もしも彼らの戦いを見ていて、承太郎と綺礼のどちらかが死ぬことになったなら、自分はきっと耐えられない。そう思ったから。 眠っている理世の体を強く抱き締めながら、ただ祈っていた。 結果としてその祈りは裏切られたが――綺礼の死は、無駄ではなかったらしい。 承太郎が生きて戻ってきたということは、つまりそういうことなのだろうと、遊月は無言の内に解釈する。 長く、辛い戦いだ。本当に。 承太郎の止血を手伝いながら、遊月は唇を噛み締める。 いつになったら、終わりが来るのだろう。 答えてくれる者は、どこにもいない。 【G-4城周辺/路上/夜】 【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 [状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、精神的疲労(小)、胸に刀傷(中、処置済)、全身に小さな切り傷、左腕・左肩に裂傷(処置中)、出血(大)、強い決意 [服装]:普段通り [装備]:なし [道具]:腕輪と白カード、赤カード(37/38)、青カード(36/37)、噛み煙草(現地調達品)、不明支給品0~1(言峰の分)、各種雑貨(ショッピングモールで調達)、不明支給品0~2(ポルナレフの分)、スパウザー@銀魂、不明支給品2枚(ことりの分、確認済み)、雄二のメモ、約束された勝利の剣@Fate/Zero、レッドアンビジョン(花代のカードデッキ)@selector infected WIXOSS、キュプリオトの剣@Fate/zero [思考・行動] 基本方針:脱出狙い。DIOも倒す。 0:傷を処置した後、風見の下へ向かう 1:回収した支給品の配分は、諸々の戦闘が片付いてから考える [備考] ※少なくともホル・ホースの名前を知った後から参戦。 ※折原臨也、一条蛍、香風智乃、衛宮切嗣、天々座理世、風見雄二、言峰綺礼と情報交換しました(蟇郡苛とはまだ詳しい情報交換をしていません) ※龍(バハムート)を繭のスタンドかもしれないと考えています。 ※風見雄二から、歴史上の「ジル・ド・レェ」についての知識を得ました。 ※参加者の時間軸がずれている可能性を認識しました。 ※越谷小鞠を殺害した人物と、ゲームセンター付近を破壊した人物は別人であるという仮説を立てました。また、少なくともDIOは真犯人でないと確信しました。 ※第三放送を聞いていません。 【天々座理世@ご注文はうさぎですか?】 [状態]:気絶、状況をまだ飲み込めていない可能性あり、疲労(大)、精神的疲労(大) [服装]:メイド服・暴徒鎮圧用「アサルト」@グリザイアの果実シリーズ [装備]: [道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(10/10) 黒カード:不明支給品0枚 [思考・行動] 基本方針:ゲームからの脱出 0:気絶 [備考] ※参戦時期は10羽以前。 ※折原臨也、衛宮切嗣、蟇郡苛、空条承太郎、一条蛍、香風智乃、紅林遊月、言峰綺礼と情報交換しました。 ※参加者の時間軸がずれている可能性を認識しました。 ※『越谷小毬殺人事件の真犯人はDIOである』という臨也の推理(大嘘)を聞きました。必要に応じて他の参加者にも伝える可能性があります。 ※第三放送を聞いていません。 【紅林遊月@selector infected WIXOSS】 [状態]:口元に縫い合わされた跡、疲労(中)、精神的疲労(大) [服装]:天々座理世の喫茶店の制服(現地調達) [装備]:超硬化生命繊維の付け爪@キルラキル [道具]:腕輪と白カード、赤カード(18/20)、青カード(19/20) 黒カード:ブルーアプリ(ピルルクのカードデッキ)@selector infected WIXOSS [思考・行動] 基本方針:叶えたい願いはあるけれど、殺し合いはしたくない 0:冷静になる。心を落ち着かせる。気持ちを整理する。 1:言峰さん…… [備考] ※参戦時期は「selector infected WIXOSS」の8話、夢幻少女になる以前です ※香風智乃、風見雄二、言峰綺礼と情報交換をしました。 ※ピルルクの「ピーピング・アナライズ」は(何らかの魔力供給を受けない限り)チャージするのに3時間かかります。 ※チノの『演技』に気付きましたが、誰にも話すつもりはありません。 ※チノへの好感情、依存心は徐々に強まりつつあります ※第三放送を聞いていません. ※アゾット剣@Fate/Zeroは破壊されました。 時系列順で読む Back ロクデナシの空に Next 何の為にこの手は 投下順で読む Back ロクデナシの空に Next 何の為にこの手は 168 戦風の中に立つ 天々座理世 190 serious and normal girls 168 戦風の中に立つ 紅林遊月 190 serious and normal girls 168 戦風の中に立つ 空条承太郎 190 serious and normal girls 168 戦風の中に立つ 言峰綺礼 GAME OVER 168 戦風の中に立つ セイバー GAME OVER
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ヒーロー雄英高校A組 B組 その他生徒 教師 他校士傑 傑物 誠刃 聖愛 双六 エンデヴァー事務所 ギャングオルカ事務所 インゲニウム事務所 ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ プロヒーロー(その他) 医療関係者 警察関係者 歴代ワン・フォー・オール ヴィランヴィラン連合 白野組 ステイン一味 黄龍 ジェントル一味 異能解放軍 死穢八斎會 フェンリル ナイン組 ヴィラン(その他) 他国I・アイランド HUC イギリス 那歩島 アメリカ 中国 その他間久部ブラック関係 生徒のご親族など 上記以外 ヒーロー 雄英高校 A組 A組 名前 キャラ名(出展) ヒーローネーム 担任 相澤オルタ アルトリア・ペンドラゴン・オルタ(Fateシリーズ) イレイザーヘッド 01 青山優雅 ツナシ・タクト(STER DRIVER 輝きのタクト) Can't stop twinkling. 02 芦戸三奈 原作AA pinky(ピンキー) 03 蛙吹梅雨 原作AA 梅雨入りヒーロー《フロッピー》 04 飯田天哉 沢田綱吉(家庭教師ヒットマンREBORN) インゲニウム・ダッシュ 05 麗日お茶子 原作AA ウラビティ 06 尾白猿夫 メルエム(HUNTER×HUNTER) 武闘ヒーロー≪テイルマン≫ 07 上鳴電気 キルア・ゾルディック(HUNTER×HUNTER) スタンガンヒーローチャージズマ 08 切島鋭児郎 グリード(鋼の錬金術師) 剛健ヒーロー 『烈怒頼雄斗(レッドライオット)』 09 口田かばん かばんちゃん(けものフレンズ) ふれあいヒーロー『アニマ』 10 砂藤力道 蟇郡苛(キルラキル) 甘味ヒーロー「シュガーマン」 11 障子レ級 戦艦レ級(艦隊これくしょん~艦これ~) テンタコル 12 心操操祈 食蜂操祈(とある魔術の禁書目録シリーズ) 13 耳郎響香 結月ゆかり(VOCALOID) ヒアヒーロー「イヤホン=ジャック」 14 瀬呂ヴィルヘルミナ ヴィルヘルミナ・カルメル(灼眼のシャナ) テーピンヒーロー≪セロファン≫ 15 常闇踏陰 原作AA 漆黒ヒーローツクヨミ 16 轟焦凍 原作AA ショート 17 葉隠透 原作AA インビジブルガール 18 爆豪勝己 原作AA ブラスト 19 間久部ブラック ブラック / 絶望王(血界戦線アニメ版) ウィル 20 緑谷出久 原作AA オールライト 21 峰田実 原作AA もぎたてヒーロー「GRAPE JUICE」 22 八百万百 原作AA クリエティ アルトリア アルトリア キャスター(Fate/Grand Order) B組 B組 名前 キャラ名(出展) ヒーローネーム 担任 管赤慈郎 ブラド3世(Fate/Apocrypha) ブラドキング 1 泡瀬メルトリリス メルトリリス(Fate/EXTRA) リリス 2 回原旋 シモン(天元突破グレンラガン) スパイラル 3 鎌切むくろ 戦刃むくろ(ダンガンロンパ) ジャックマンティス 4 黒色支配 神野明影(相州戦神館學園 八命陣) ペンタブラック 5 拳藤一佳 原作AA 6 小大唯 IA(VOCALOID) ルール 7 小森希乃子 星輝子(アイドルマスターシンデレラガールズ) シーメイジ 8 塩崎茨 風見幽香(東方Project) ヴァイン 9 宍田レオーネ レオーネ(アカメが斬る!) ジェボーダン 10 庄田二連撃 悠久山安慈(るろうに剣心) マインズ 11 角取バッファローマン バッファローマン(キン肉マン) ロケット 12 円場硬成 雨宮夕日(惑星のさみだれ) 13 鉄哲徹鐵 鉄人28号(鉄人28号) リアルスティール 14 取蔭切奈 望月千代女(Fate/Grand Order) チヨメ 15 吹出漫我 狛枝凪斗(ダンガンロンパシリーズ) コミックマン 16 骨抜柔造 Sans(Undertale) 17 凡戸固次郎 太陽の戦士ソラール(DARK SOULS) プラモ 18 物間寧人 原作AA ファントムシーフ 19 柳レイ子 白坂小梅(アイドルマスター シンデレラガールズ) エミリー 20 鱗美鈴 紅美鈴(東方プロジェクト) メーリン その他生徒 その他生徒 名前 キャラ名(出展) ヒーローネーム 備考 1年B組 具足武者 グソクムシャ(ポケモン) 1年A組 めぐみん めぐみん(この素晴らしい世界に祝福を!) 1年A組 結城友奈 結城友奈(結城友奈は勇者である) 1年B組 羽鳥知世 羽鳥知世(魔法使いの嫁) 1年A組 ヤモト・コキ ヤモト・コキ(ニンジャスレイヤー) 1年B組(途中転入) 思兼 ドミネーター(PSYCHO-PASS) / 加藤段蔵(Fate/Grand Order) 1年C組→2年 ただ普通の普通科生徒 司波達也(魔法科高校の劣等生) 1年H組→2年サポート科 発目明 楠リッカ(GOD EATER) 2年B組→3年B組 マリア・カデンツァヴナ・イヴ マリア・カデンツァヴナ・イヴ(戦姫絶唱シンフォギアシリーズ) フィーネ ビッグ3より強い 2年経営科→3年経営科 北山雫 北山雫(魔法科高校の劣等生) 2年サポート科→3年サポート科 篠ノ之束 篠ノ之束(IS) 3年サポート科→卒業? 岡部倫太郎 岡部倫太郎(Steins;Gate) 鳳凰院凶真 3年サポート科→卒業? 東雲エラー娘 エラー娘(艦隊これくしょん) 3年サポート科→卒業? 東雲妖精 妖精さん(人類は衰退しました) 3年サポート科→卒業? 絢爛崎美々美 枢斬暗屯子(激!!極虎一家) 3年ヒーロー科→卒業(サーナイトアイのサイドキック) 通形ミリオ クラウス・G・S・イングヴァルト(魔法少女リリカルなのはVivid) ルミリオン ビッグ3 3年ヒーロー科→卒業(ヒーロー) 天喰環 カーズ(ジョジョの奇妙な冒険) サンイーター ビッグ3 3年ヒーロー科→卒業(リューキューのサイドキック) 波動ねじれ 宇佐見菫子(東方Project) ねじれちゃん ビッグ3 3年ヒーロー科→卒業(会社) オフェリア・ファムルソローネ オフェリア・ファムルソローネ(Fate/Grand Order) ビッグ4 3年ヒーロー科?→卒業? 薙切えりな 薙切えりな(食戟のソーマ) 教師 教師 名前 キャラ名(出展) ヒーローネーム 校長 根津 キュゥべえ(魔法少女まどか☆マギカ) 八木俊典 原作AA オールマイト 1A→2A担任 相澤オルタ アルトリア・ペンドラゴン・オルタ(Fateシリーズ) イレイザーヘッド 1B→2B担任 管赤慈郎 ブラド3世(Fate/Apocrypha) ブラドキング 養護教諭 修善寺治与 八意永琳(東方Project) リカバリーガール 倫理担当→1A担当 香山睡 スカサハ(Fate/Grand Order) ミッドナイト 英語担当 山田ひざし キラービー(NARUTO) プレゼント・マイク 現代文担当 石山堅 ようかんマン(2ちゃんねる) セメントス サポート科担当 埋島干狩 スタースクリーム(超ロボット生命体トランスフォーマープライム) パワーローダー ライザ 汎用AA・宇宙服 / ライザリン・シュタウト(ライザのアトリエ)(素顔) 13号 数学担当→1B担当 ルナティック(TIGER BUNNY) エクトプラズム 図書室司書 エレナ・ブラヴァツキー エレナ・ブラヴァツキー(Fate/Grand Order) 食堂勤務 食堂のおばちゃん(忍たま乱太郎) ランチクラッシュ 3年担任 朝田詩乃 シノン(ソードアート・オンライン) スナイプ ハウンドドッグ フローレンス・ナイチンゲール フローレンス・ナイチンゲール(Fate/Grand Order) メルセデス 他校 士傑 所属 名前 キャラ名(出展) 士傑高校一年 新条アカネ 新条アカネ(SSSS.GRIDMAN) 士傑高校一年 夜嵐イナサ 夜神月(デスノート) 士傑高校二年 肉倉精児 ジェイド・カーティス(テイルズオブジアビス) 士傑高校二年 毛原長昌 士傑高校二年 現見ケミィ 鈴鹿御前(Fateシリーズ) 士傑高校教諭 士傑の先生 ベルント・バルツァー(軍靴のバルツァー) 傑物 所属 名前 キャラ名(出展) 傑物高校教諭 Mrジョーク エミヤ・オルタ(Fateシリーズ) 傑物高校二年 真堂揺 柊四四八(相州戦神館學園八命陣) 誠刃 所属 名前 キャラ名(出展) 誠刃高校二年 シュバルツ・ブルーダー (機動武闘伝Gガンダム) 聖愛 所属 名前 キャラ名(出展) 聖愛学院二年 印照才子 印照才子(原作AA) 双六 所属 名前 キャラ名(出展) 双六高校一年 武藤遊戯 武藤遊戯(遊☆戯☆王) エンデヴァー事務所 関係 名前 ヒーローネーム キャラ名(出展) ボス 轟炎司 エンデヴァー サカズキ / 赤犬(ONEPIECE) サイドキック 野曽木蓮 アストライアー 野曽木蓮(Evening Starter) / 変装:遠坂凛(Fateシリーズ) サイドキック 楪いのり ディーヴァ 楪いのり(ギルティクラウン) サイドキック ルドガー・ウィル・クルスニク クルスニク ルドガー・ウィル・クルスニク(テイルズ オブ エクシリア2) サイドキック リーズバイフェ・ストリンドヴァリ リーズ リーズバイフェ・ストリンドヴァリ(MELTY BLOOD) サイドキック ニコラ・テスラ 雷電王 ニコラ・テスラ(黄雷のガクトゥーン) 復帰組 鏑木・T・虎徹 ワイルド・タイガー 鏑木・T・虎徹(TIGER&BUNNY) バイト事務員 ン・ダグバ・ゼバ ΑGITΩ(ア キ ゙ト) ン・ダグバ・ゼバ(仮面ライダークウガ) 食堂の料理長 セガール スティーブン・セガール MMM所属・派遣メイド コガラシ コガラシ(仮面のメイドガイ) 保護 七海千秋 七海千秋(ダンガンロンパシリーズ) 広報部二代目部長 U・オルガマリー・アニムスフィア オルガマリー・アニムスフィア(fate/Grand Order) 他校のインターン生 クリス エリス エリス / クリス(この素晴らしい世界に祝福を!) 保護 博麗霊夢 博麗霊夢(東方project) 保護 小日向未来 小日向未来(戦姫絶唱シンフォギア) ギャングオルカ事務所 関係 名前 ヒーローネーム キャラ名(出展) 社長 逆俣空悟 ギャングオルカ 原作AA サイドキック 羽咲綾乃 アヤノン / イビルアイ 羽咲綾乃(はねバド!) サイドキック 川村ヒデオ ヒデオ 川村ヒデオ(戦闘要塞マスラヲ) サイドキック 邪鬼 アトランティス 邪鬼魚人型(彼岸島) インゲニウム事務所 関係 名前 ヒーローネーム キャラ名(出展) 所長 飯田天晴 インゲニウム スカイハイ(TIGER BUNNY) サイドキック 風巻豹 黒猫 風巻豹(惑星のさみだれ) サイドキック 長谷川千雨 ちう 長谷川千雨(魔法先生ネギま!) サイドキック 灰廻航一 ザ・クロウラー 未登場 ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ 名前 ヒーローネーム キャラ名(出展) 送崎信乃 マンダレイ 八雲藍(東方Project) 土川 流子 ピクシーボブ ユキカゼ・パネトーネ(DOG DAYS) 知床 知子 ラグドール タマモキャット(Fate/Grand Order) 茶虎 柔 虎 プロヒーロー(その他) ヒーローネーム 名前 キャラ名(出展) ロールシャッハ ウォルター・ジョセフ・コバックス ロールシャッハ(ウォッチメン) ホークス 鷹見啓悟 垣根帝督(とある魔術の禁書目録) グラントリノ 酉野空彦 原作AA シンリンカムイ 西屋森児 蔵馬(幽遊白書) Mt.レディ 岳山優 姉帯豊音(咲-Saki-) デステゴロ ロボット残党兵(妄想戦記 ロボット残党兵) リューキュウ 竜間龍子 竜乙女(恋するドラゴン) ヨロイムシャ シルバーカラス(ニンジャスレイヤー) エッジショット 紙原伸也 飛竜(ストライダー飛竜) ベストジーニスト 袴田維 キャプテンブラボー・防人衛(武装錬金) ロート・シュピーネ ロート・シュピーネ(Dies irae ~Acta est Fabula~) アダム・ヴァイスハウプト アダム・ヴァイスハウプト(戦姫絶唱シンフォギア) クマもん くまモン ウワバミ 千石撫子(化物語) ミシャグジ 洩矢諏訪子(東方project) 殺せんせー 殺せんせー(暗殺教室) 変態仮面 色丞狂介 変態仮面(究極!!変態仮面) 不明(木っ端ヒーロー) 服部 ハットリカンゾウ(忍者ハットリくん) 不明(木っ端ヒーロー) クリスタル・ボーイ(コブラ) サー・ナイトアイ 迅遊一(ワールドトリガー) ウォッシュ 241話ゲーセン色紙・本名AAなし 不明(I・アイランド行きの船を守るヒーロー) 不知火 不知火(艦隊これくしょん~艦これ~) シロ シロ(電脳少女Youtuberシロ) ひこにゃん ひこにゃん(ご当地キャラクター) メジェドさま ニトクリス? ニトクリス(Fateシリーズ) ゴジロ ゴジラ(特撮) シリウス スイレン(ポケットモンスター) ウォーターホース(故) 千手扉間(NARUTO) ウォーターホース(故) ガリィ(戦姫絶唱シンフォギアGX) ほむら 暁美ほむら 暁美ほむら(魔法少女まどかマギカ) ものまね士 ものまね士(男)(ファイナルファンタジー) 孔明 ロード・エルメロイII世(Fate/Zero) サイコロ 鎌瀬 蜘蛛山であっさり殺されたモブ(鬼滅の刃) 医療関係者 ポジション 名前 キャラ名(出展) ヒーローネーム 医療ヒーロー 修善寺治与 八意永琳(東方Project) リカバリーガール 医療ヒーロー フローレンス・ナイチンゲール フローレンス・ナイチンゲール(Fate/Grand Order) メルセデス 病院長 シェルビー・M・ペンウッド卿 シェルビー・M・ペンウッド卿(HELLSING) 小児科医 ジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス / ウェル先生 ジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス(戦姫絶唱シンフォギア) 患者 紺野木綿季 / ユウキ ユウキ(ソードアート・オンライン) 外科医師 西城カズヤ 西城カズヤ(スーパードクターK) 外科医師 赤屍蔵人 赤屍蔵人(GetBackers-奪還屋-) 麻酔科医師 黄錦龍 黄錦龍(相州戦神館學園万仙陣) 患者 ペルフェクティ / ペル子 ペルフェクティ(アカツキ電光戦記) 患者 八木俊典 原作AA オールマイト ヒーロー キルケー キルケー(Fate/Grand Order) 個性で栄養満点、高吸収の理想的な病院食キュケオーンを作ってる 精神科医 殺生院キアラ 殺生院キアラ(Fate/Extra) 受診客 テリアモン(デジタルモンスター) 受診客 レヴィ レヴィ・ザ・スラッシャー(魔法少女リリカルなのは) 警察関係者 名前 キャラ名(出展) 備考 藤丸立香 藤丸立香[女](Fate/Grand Order) 公安特務局 塚内直正 スティーブン・A・スターフェイズ(血界戦線) 土方十四郎 土方十四郎(銀魂) マヨカツ丼 沖田総悟 沖田総悟(銀魂) ダブル沖田の片割れ。【謎のドS沖田仮面】 沖田総司 沖田総司[女](Fate/Grand Order) ダブル沖田の片割れ。【謎の美少女剣士沖田仮面】 アイギス アイギス(ペルソナ3) 花咲里あさみ 花咲里あさみ(アクティヴレイド-機動強襲室第八係-) 汚職率91%の保須市で9%のまともな警察官 久能潔 黄(DARKER THAN BLACK) 汚職塗れでどうしようもないためステインを呼んだ 常守朱 常守朱(PSYCHO-PASS サイコパス) 公安特務局 胡蝶しのぶ 胡蝶しのぶ(鬼滅の刃) 警視正 目良善見 ガスター(Undertale) ヒーロー公安委員会一般職員 ミラ ミラ(Dimension W) 紲星あかり 紲星あかり(VOICEROID) ヒーロー公安委員会委員長 碇ゲンドウ 碇ゲンドウ(新世紀エヴァンゲリオン) ヒーロー公安委員メンバー / 保守派筆頭 / 行方不明 麦野沈利 麦野沈利(とある魔術の禁書目録) ヒーロー公安委員会メンバー / 改革派筆頭 キング・ブラッドレイ キング・ブラッドレイ(鋼の錬金術師) ヒーロー公安委員メンバー / 昼行燈派 / AFO配下 歴代ワン・フォー・オール 歴代 キャラ名(出展) 個性 備考 初代 個性を与えるだけの個性 オール・フォー・ワンの弟 二代目 軍服の姫君(アルタイル)(Re CREATORS) 初代の娘。AFOの姪。三代目の妻 三代目 ヴァン(GUN×SWORD) 黒鞭 二代目の夫。爆豪勝己の先祖 四代目 アイザック・クラーク(Dead Space) 斥力 三代目の相棒 五代目 清姫(Fate/Grand Order) 四代目の妹 六代目 ジョーカー(ペルソナ5) サードアイ 五代目の家のお隣さん 七代目 久雅竜胆(神咒神威神楽) 浮遊 六代目のファン 八代目 オールマイト(僕のヒーローアカデミア) 無個性 七代目の弟子 九代目 緑谷出久(僕のヒーローアカデミア) 無個性 八代目の弟子 ヴィラン ヴィラン連合 所属 ヴィランネーム 名前 キャラ名(出展) ヴィラン連合 死柄木弔 志村転弧 金木研(東京喰種-トーキョーグール-) ヴィラン連合 黒霧 ミストバーン(DRAGON QUEST -ダイの大冒険-) ヴィラン連合 脳無 ヴェノム(マーベル・コミック) ヴィラン連合 ハイエンド (フードちゃん) 聖職者の獣(Bloodborne) / インペリアルドラモン(デジタルモンスター) ヴィラン連合 ハイエンド (レインちゃん) ディアボロモン(デジタルモンスター) ヴィラン連合 ハイエンド (デスちゃん) スケィス(.hack) ヴィラン連合 ハイエンド (リュウちゃん) クシャルダオラ(モンスターハンター) ヴィラン連合 白脳無 量産機(新世紀エヴァンゲリオン) ヴィラン連合 白脳無(二体合体) フルフル(モンスターハンター) ヴィラン連合 白脳無(三体合体) ギギネブラ(モンスターハンター) ヴィラン連合 ムーンフィッシュ ネメシス-T型(バイオハザードシリーズ) ヴィラン連合 Mr.コンプレス 迫圧紘 真坂木(C THE MONEY OF SOUL AND POSSIBILITY CONTROL) ヴィラン連合 マスタード ヴィラン連合 マグネ 引石健磁 ぷりぷりプリズナー(ワンパンマン) ヴィラン連合 マスキュラー ストロング・ザ・武道(キン肉マン) ヴィラン連合? ナイン ワイス・シュニー ワイス・シュニー(RWBY) ヴィラン連合(出向) バナナさん 藤堂晴香(寄生ジョーカー) / 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱) / ベルベット・クラウ(テイルズオブベルセリア) ヴィラン連合 ギガントマキア ゼルエル(新世紀エヴァンゲリオン) 連合関係者 オール・フォー・ワン 白金[バイジン] 白金 / フェイスレス(からくりサーカス) / 匂宮出夢(戯言シリーズ) / 原作AA 連合関係者 ドクター ボンドルド(メイドインアビス) 連合関係者? 小日向未来 小日向未来(戦姫絶唱シンフォギア) 白野組 ヴィランネーム 名前 キャラ名(出展) エンプレス 岸波白野 岸波白野(Fate/EXTRAシリーズ) バーサーカー 恋 恋(恋姫†無双シリーズ) セイバー 冨岡義勇 冨岡義勇(鬼滅の刃) アサシン ハシシ 仮面の女の子(Deemo) / カオナシ(千と千尋の神隠し) / 黒(ダーカーザンブラック) / 静謐のハサン(Fate/GrandOrder) キャスター マーリン マーリン(Fate/Frand Order) ステイン一味 ヴィランネーム 名前 キャラ名(出展) ステイン 赤黒血染 原作AA / シュバルツバルト(THEビッグオー) トガヒミコ 渡我被身子 原作AA スピナー 伊口秀一 クロコダイン(DRAGON QUEST -ダイの大冒険-) 黄龍 ヴィランネーム 名前 キャラ名(出展) 備考 蛸 劉翊武 劉翊武(テラフォーマーズ) 三人の幹部 鰻 アドルフ・ラインハルト アドルフ・ラインハルト(テラフォーマーズ) 三人の幹部 膝丸燈 膝丸燈(テラフォーマーズ) 下っ端 狼 大尉 大尉(HELLSING) 三人の幹部 王留美 王留美(機動戦士ガンダム00) ボス ジェントル一味 ヴィランネーム 名前 キャラ名(出展) ジェントル・クリミナル 飛田弾柔郎 ケイネス・エルメロイ・アーチボルト(Fate/zero) ラブラバ 相場愛美 ターニャ・デグレチャフ(幼女戦記) ? ニルス・オーラヴ ハードボイルドペンギン(ガンパレード・オーケストラ 白の章) 自称ファン一号 ヴィルフリッド・エレミア ヴィルフリッド・エレミア(魔法少女リリカルなのはViVid) 異能解放軍 所属 解放コード 名前 キャラ名(出展) 備考 ヒーロー スライディン・ゴー 常滑達行 基礎固定値300くらいの一般プロ 過激派 リ・デストロ 四ツ橋力也 深緑の知将グリニデ(冒険王ビィト) デトネラッド社代表取締役社長 過激派 キュリオス 気月置歳 クロエル(たとえ灰になっても) 幹部 穏健派 トランペット 花畑孔腔 カール・クラフト=メルクリウス(Dies irae) 幹部。全体の2割を占める穏健派のTOP 過激派 スケプティック 近属友保 シックス(魔人探偵脳噛ネウロ) 幹部 穏健派 マリィ マリィ(Dies irae) 穏健派 リヴァイアサン 近属千秋 七海千秋(ダンガンロンパシリーズ) / パチュリー・ノーレッジ(東方Project) リ・デストロ派 メカ沢新一 メカ沢新一(魁!!クロマティ高校) 過激派 メリー・ナイトメア メリー・ナイトメア(夢喰いメリー) 過激派 三日月・オーガス 三日月・オーガス(機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ) 過激派 アリス・シンセサス・サーティ アリス・シンセサス・サーティ(ソードアート・オンライン) 過激派 烈火星宮 烈火星宮(炎炎ノ消防隊) 過激派 ライナー・ブラウン ライナー・ブラウン(進撃の巨人) 過激派 博麗霊夢 博麗霊夢(東方Project) 過激派 外典 リインフォースⅠ(魔法少女リリカルなのは) 過激派 古明地さとり 古明地さとり(東方Project) 穏健派 岡崎夢美 岡崎夢美(東方Project) マリィ派 鏡音レン 鏡音レン(VOCALOID) マリィ派 鏡音リン 鏡音リン(VOCALOID) マリィ派 印南ミコ ガッツ星人(ウルトラ怪獣擬人化計画) 死穢八斎會 所属 ヴィランネーム 名前 キャラ名(出展) 死穢八斎會 オーバーホール 治崎廻 命令者 白(ジガ-ZIGA-) ヴィラン連合↓死穢八斎會 荼毘 紅麗(烈火の炎) 死穢八斎會 音本真 音本真 ペスト医師(実在人物パロディその他) 死穢八斎會 窃野トウヤ 窃野トウヤ 我妻善逸(鬼滅の刃) 死穢八斎會 乱波肩動 ゼブラ(トリコ) 死穢八斎會 活瓶力也 美しき魔闘家鈴木(幽遊白書) 死穢八斎會 玄野針 未登場 死穢八斎會 入中常衣 未登場 死穢八斎會 多部空満 未登場 死穢八斎會 宝生結 未登場 死穢八斎會 天蓋壁慈 未登場 死穢八斎會 酒木泥泥 未登場 フェンリル ヴィランネーム 名前 キャラ名(出展) ウォルフラム 九鬼耀鋼 九鬼耀鋼(あやかしびと) 零崎人識 零崎人識(戯言シリーズ) ルチアーノ ルチアーノ(遊戯王5D's) ボー・ブランシェ ボー・ブランシェ(スプリガン) 水槍のオブライエン ツェッド・オブライエン ツェッド・オブライエン(血界戦線) ビームの伊織 宮本伊織 宮本武蔵(Fate/Grand Order) 悪魔使いのデミウルゴス デミウルゴス デミウルゴス(オーバーロード) バラバラの心 心 心(ドロヘドロ) ナイン組 名前 キャラ名 備考 スライス 羽咲 斬香 十八禁美少女学園恋愛ゲーム マミー 巻原 包傭 BLゲー キメラ ヴィラン(その他) 所属 ヴィランネーム 名前 キャラ名(出展) フリー トゥワイス 分倍河原仁 デッドプール(マーベル・コミック) フリー 死銃 トップガンダー(超人機メタルダー) フリー(ブローカー) 義爛 ジェームズ・モリアーティ(Fate/Grand Order) 野生の雑魚 お辞儀のトム ヴォルデモート(ハリーポッターシリーズ) ジョーカー ジョーカー(バットマン) 堕落王 フェムト 堕落王フェムト(血界戦線) 麻薬の売人 ダッチ ダッチ(BLACK LAGOON) 麻薬の売人 ロック ロック(BLACK LAGOON) 野良 A SCP-040-JP(SCP Foundation) 野良 B ふなっしー(ご当地キャラクター) 野良 C トトロ(ジブリ) 他国 I・アイランド ポジション 名前 キャラ名(出展) オールマイトの親友 デヴィット・シールド トーマス・エジソン(Fate/Grand Order) デヴィットの娘 メリッサ・シールド ルビー・ローズ(RWBY) デヴィットの助手 サミュエル・エイブラハム(サム) ブラッドスターク(仮面ライダービルド) 白野の友人 ヴァイオレット・エヴァーガーデン ヴァイオレット・エヴァーガーデン(ヴァイオレット・エヴァーガーデン) アカデミー教授 パラケルスス ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス(Fate/Grand Order) ヴィランアタックMC 青葉 青葉(艦隊これくしょん) 猫(アイランド産) テオ・テスカトル(モンスターハンター) 犬(アイランド産) ジンオウガ(モンスターハンター) 猿(アイランド産) ラージャン(モンスターハンター) 蛾(アイランド産) モスラ(ゴジラ) 即売所の売り子 球体紳士(2chオリジナル) 一般研究員(8割マッド) 牧瀬紅莉栖 牧瀬紅莉栖(Steins;Gate) 島のお偉いさん(マッド) 茅場晶彦 茅場晶彦(ソードアート・オンライン) 島のお偉いさん(マッド) キャロル・マールス・ディーンハイム キャロル・マールス・ディーンハイム(戦姫絶唱シンフォギア) HUC 名前 キャラ名(出展) 亀仙人 亀仙人(DRAGON BALL) 風林寺隼人 風林寺隼人(史上最強の弟子ケンイチ) 幻海 幻海(幽☆遊☆白書) ルシール・ベルヌイユ ルシール・ベルヌイユ(からくりサーカス) 大魔王バーン 老バーン(ダイの大冒険) 東方不敗マスター・アジア 東方不敗マスター・アジア(機動武闘伝Gガンダム) エドワード・ニューゲート エドワード・ニューゲート(ONE PIECE) イギリス 役職 名前 キャラ名(出展) 女王 イギリス女王 ? 王太子・第1位 キャストリア アルトリア・キャスター(Fate/Grand Order) 王子・第2位 アーサー アーサー・ペンドラゴン(Fate/Prototype) 王女・第3位 ローラ ローラ=スチュアート(とある魔術の禁書目録) 王女・第4位 マーリン マーリン[プロトタイプ](Fate/Grand Order Arcade) 王子・第5位 ジークフリート ジークフリート(Fate/Apocrypha) イギリス王女のラウンズ ランスロット卿 ランスロット(Fate/Zero) キャストリアの侍女 ベルファスト ベルファスト(アズールレーン) ローラのラウンズ トリスタン 妖精騎士トリスタン(Fate/Grand Order) マーリンのラウンズ ファルゼン・ファリエル ファルゼン(SUMMON NIGHT 3) ジークフリートのラウンズ ジーク ジーク(Fate/Apocrypha) 那歩島 役職 名前 キャラ名(出展) 島長 雅 雅(彼岸島) 案内役 桐ヶ谷直葉 桐ヶ谷直葉(ソード・アート・オンライン) 姉 島乃黄泉 諫山黄泉(喰霊-零-) 妹 島乃イエロー イエロー(ポケットモンスタースペシャル) 父 島乃サカキ サカキ(ポケットモンスター) アメリカ 役職 名前 キャラ名(出展) ヴィジランテ スパイダー・ハム 個性【ブタ】に目覚めた蜘蛛 / AAなし スーパーヒーロー スターアンドストライプ 剣崎天利 / ユースティティア(レディジャスティス) スーパーヒーロー フロストノヴァ フロストノヴァ(アークナイツ) 個性研究所所長 サイコ・ショッカー サイコ・ショッカー(遊戯王) 中国 陣営 名前 キャラ名(出展) 黒 秦良玉 秦良玉(Fate/Grand Order) 世界統一戦線 聖白蓮 聖白蓮(東方Project) 世界統一戦線 アインズ アインズ・ウール・ゴウン(オーバーロード) その他 間久部ブラック関係 関係 名前 キャラ名(出展) 妹 ホワイト ホワイト(血界戦線アニメ版) 友人? メアリ・クラリッサ・クリスティ メアリ・クラリッサ・クリスティ(漆黒のシャルノス) 父 ルルーシュ ルルーシュ・ランペルージ(コードギアス 反逆のルルーシュ) 実母 ナナリー 未登場 義母 / 祖母 C.C. C.C.(コードギアス 反逆のルルーシュ) 兄 / 伯父 ラインハルト ラインハルト・ハイドリヒ(Dies irae) 姉 / 伯母 オフェリア・ファムルソローネ オフェリア・ファムルソローネ(Fate/Grand Order) ? ニルス・オーラヴ ハードボイルドペンギン(ガンパレード・オーケストラ 白の章) 墓守の一族 グレイ グレイ(ロード・エルメロイⅡ世の事件簿) 友人 ジャンヌ ジャンヌ・ダルク・オルタ / ジャンヌ・ダルク(Fateシリーズ) ジャンヌの母 マルタ マルタ(Fate/Grand Order) 後輩 佐倉杏子 佐倉杏子(魔法少女まどか☆マギカ) 後輩 フーカ フーカ・レヴェントン(魔法少女リリカルなのは) 後輩 羽原 羽原(女子高生は異常) 友人 燦 瀬戸燦(瀬戸の花嫁) 舎弟 安藤優 安藤(魔王 JUVENILE REMIX) 舎弟 安藤潤也 安藤潤也(魔王 JUVENILE REMIX) 舎弟(三馬鹿) レッド サンレッド(天体戦士サンレッド) 舎弟(三馬鹿) サイト 平賀才人(ゼロの使い魔) 舎弟(三馬鹿) 誠 伊藤誠(School Days) 自称ファン一号 ヴィルフリッド・エレミア ヴィルフリッド・エレミア(魔法少女リリカルなのはViVid) 職人 エドワード・ドライバーグ エドワード・エルリック(鋼の錬金術師) ガチファン / 北山先輩の護衛 キノ キノ(キノの旅) メイド Sf Sf(終わりのクロニクル) 生徒のご親族など 関係 名前 キャラ名(出展) 青山優雅の母 マリー・アントワネット(Fate/Grand Order) 蛙吹梅雨の父 蛙吹頑馬 ケロロ軍曹(ケロロ軍曹) 蛙吹梅雨の弟 蛙吹五月雨 ドロロ兵長(ケロロ軍曹) 蛙吹梅雨の妹 蛙吹さつき 飯田天哉の祖父(故) キング(ワンパンマン) 麗日お茶子の父 桐生一馬(龍が如く) 尾白猿夫の祖父 アイザック・ネテロ(HUNTER×HUNTER) 障子レ級の父 障子鬼鮫 干柿鬼鮫(NARUTO) 瀬呂ヴィルヘルミナの従姉 一条雫(アリスと蔵六) 轟焦凍の姉 轟冬美 アナスタシア(アイドルマスター・シンデレラガールズ) 轟焦凍の母 轟冷 アナスタシア(Fate/Grand Order) 轟焦凍の祖母 アナスタシア・ルン・ヴァレリア(WILDARMS) 轟焦凍の兄(長男) 轟燈矢 巌窟王(Fate/Grand Order) 轟焦凍の兄(次男) 轟夏雄 ホロホロ(シャーマンキング) 轟夏雄の彼女(嫁) 美波 新田美波(アイドルマスターシンデレラガールズ) 八百万家の使用人 武蔵 武蔵(境界線上のホライゾン) 八百万家の使用人 鹿角 鹿角(境界線上のホライゾン) 八百万百の祖父 八百万稲近 秋谷稲近(惑星のさみだれ) 八百万百の曽祖父 八百万元柳斎重國 山本元柳斎重國(BLEACH) / 兵頭真介・風祭真介(戦国妖狐) 八百万百の母 八百万文香 鷺沢文香(アイドルマスターシンデレラガールズ) 八百万百の父 八百万・V・ホーエンハイム ヴァン・ホーエンハイム(鋼の錬金術師) 八百万百の双子の弟 八百万一 未登場 爆豪勝己の母 爆豪光己 モードレッド(Fate/Apocrypha) 爆豪勝己の父 爆豪勝 獅子劫界離(Fate/Apocrypha) 心操操祈の母 鳳翔(艦隊これくしょん) 心操操祈の父 提督(艦隊これくしょん) 羽鳥知世の父 羽鳥イオク イオク・クジャン(鉄血のオルフェンズ) 上記以外 関係 名前 キャラ名(出展) 粛清ロボ レオンパルドン レオパルドン(東映版スパイダーマン) ペル子のお友達 ナーサリー ナーサリー・ライム(Fate/EXTRAシリーズ) ペル子のお友達 ジャバウォック ジャバウォック(ARMS) 鏑木・T・虎徹の娘 高垣楓(芸名) 高垣楓(アイドルマスター シンデレラガールズ) 口田かばんの友達 サーバル サーバル(けものフレンズ) リカバリーガールの親戚 蓬莱山輝夜 蓬莱山輝夜(東方Project) 人工知能(日本) クロト アルテラ(Fate/Grand Order) 人工知能(アメリカ) ラケシス BB(Fate/EXTRA) 人工知能(I・アイランド) アトロポス ∀ガンダム(∀ガンダム) ペル子のお友達 壊理 ラヴィニア・ウェイトリー(Fate/Grand Order) 月読調の兄 月読ノイズ ノイズ(戦姫絶唱シンフォギア) 上鳴の元カノ→彼女 月読調 月読調(戦姫絶唱シンフォギア) 月読ノイズの取り巻き 黄猿(オウエン) ピポサル / 黄パンツ(サルゲッチュ) 千葉の不良 愛染 藍染惣右介(BLEACH) ただの喫茶店のマスター 店長 不明。どの作品のキャラのAAかわからない。まとめサイト264~269話 I・アイランド行きの船長 船長=サン ポン氏の提督(艦隊これくしょん~艦これ~) 謎のメイド 雪染ちさ 雪染ちさ(ダンガンロンパシリーズ) I・アイランド行きの船の売店の店員 鹿島(艦隊これくしょん~艦これ~) 人工知能の開発者 プロフェッサーX ロマニ・アーキマン(Fate/Grand Order) AFOの女装おじさんに容姿を真似られた被害者 匂宮出夢 匂宮出夢(戯言シリーズ) マンダレイの姪 / ウォーターホースの娘 出水凛々蝶 白鬼院凛々蝶(妖狐×僕SS) ガンショップの店長 草薙素子 草薙素子(攻殻機動隊) 詳細不明 かっこう(ムシウタ) ヤオヨローズ・エレクトロニック第2研究所所長 ゴルドルフ・ムジーク ゴルドルフ・ムジーク(Fateシリーズ) 主任 木山春生 木山春生(とある科学の超電磁砲) 元官僚 檀黎斗 檀黎斗(仮面ライダーエグゼイド) 一般通過覇王 項羽 項羽(Fateシリーズ) 面白一般人 虞美人 未登場 海馬ランド社長 海馬瀬人 海馬瀬人(遊戯王) バナナ研究所所長 ドンキーコング
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弓兵なき戦場 ◆3LWjgcR03U 「オラオラオラ!!」 「あははははは!!」 ハサミと拳がぶつかり合う。 片方(かたえ)のハサミをつがえた生命戦維の怪物と、意志力の化身たるスタンドを操る不良。 白刃が振るわれれば、スタンドはその優れた動体視力でそれを見切る。 打拳が振るわれれば、生命戦維の化け物はボクサーもかくやという動きでそれをひらりと回避する。 互角に見えた戦いは、しかし。 「ほらほら、そんな程度なのかなあ!?」 「うるせえよ、アバズレ」 戦端が開かれて、数刻が経過しただろうか。 承太郎の体には、スタンドを介して受けた傷痕が多く刻まれつつある。 交戦の中で、承太郎の傍らにある水色の戦士がいわば『操り人形』であること、そして空条承太郎こそが『本体』であることを悟りつつあった。 スタンドという概念は知らず、夜に交戦したホル・ホースが同類であることも、彼のスタンドは人ではなく銃の形をしていることもあり、気付いてはない。 だが、自らもまた『人形遣い』である縫にとっては、スタープラチナの特性を看破することは容易い。 趨勢は、確実に針目縫に傾きつつあった。 「ち……」 承太郎が追い込まれている原因ははっきりしている。 目の前の敵――針目縫以外に、もう一人気にかけなければならない人物がいるからだ。 承太郎は、猛攻をしのぎながら、その男を油断なく一瞥する。 「……」 二人を見守る男――衛宮切嗣。 彼の姿は、事情を何も知らない人間が見れば、あたかも決闘の立会人のようにも見えたかもしれない。 だが、そんな今の気楽な立場などでは決してない。 「そこのおじさんもおいでよ、突っ立ってるだけじゃ楽しくないでしょ――って!」 縫は承太郎の拳を捌きながら、切嗣に向かって笑顔すら見せてみせる。 (冗談じゃない) 無表情を装うが、内心では冷や汗ものだ。 現代の魔術師のレベルを遥かに越え、確実にサーヴァントの域に達している2人の戦い。 ここで自分が巻き込まれるのだけは困る。 逃げ出すことが敵わず、愛用の銃もない現状、自分に出来ることはただこうして戦局の推移を見守ることのみ。 「手ェ出すなよ。あいつにはまだ聞かなきゃならねえことを聞いてねえ」 「そんなの知らないもーん!」 再び、片太刀バサミの猛攻が承太郎を襲う。 人を食ったようなフェイントの連続、そして人間を遥かに超えた膂力で振るわれる剣閃。 (やりづれえ) 捉え所のない、実体のない敵との戦闘の経験はそれなりに持っている。 霧とも戦った。 砂ともやりあった。 だが、針目縫はそのいずれとも違う。 これを何かに例えるならば――布か。 闘牛士がはためかせるマントが自ら意思を持ち、さらに馬鹿力と剣を持って襲いかかってくる。 針目縫に感じるのは、そんな錯覚だ。 布は、スタープラチナでは破れない。 どんなに固い拳でも、風にはためく布きれを破ることは決してない。 この布を破るのは、拳ではなく、もっと鋭利な、剣だ。 そう、例えば―― 『銀の戦車(シルバー・チャリオッツ)!!!!!』 「ポルナレフ!」 銀髪の剣士が、承太郎と縫の間に割り込んだ。 レイピアと片太刀バサミがぶつかり合い、火花が散る。 「オラァ!」 動きが止まった縫に、スタープラチナの拳を叩きこむ。 その拳は今度こそ横腹を捉え、針目縫の体は先ほど破壊されたコンクリートの中へと吹き飛ばされる。 「承太郎、再会早々だがどういう状況だコリャ」 「……話は後だ。まずあいつをやるぞ」 その額に肉の芽がないことを確認した承太郎は、縫を一瞥する。 瓦礫の中からむくりと起き上がる縫。 「あは、お仲間参上かな?」 その顔には、相もかわらず笑いが張り付いている。 「気味悪ィな。なんだいあの女は」 「見ての通りの化け物だ。――気を付けろ!」 言い終わらないうちに、縫は再びハサミを構え、2人に向かって突進を開始する。 生命戦維の狂戦士。 意思を貫く不良。 そして、銀の剣士。 混沌の戦場で、三者三様の闘志が再びぶつかり合う。 ■ 3人の戦いからやや離れた場所では、2人の男が対峙していた。 「……衛宮切嗣だな」 「……言峰、綺礼」 言峰綺礼。 衛宮切嗣。 ここに呼び出される前に行われた戦い――聖杯戦争における、アサシンとセイバーのマスター。 本体ならば、敵対する関係にある2人は、この場においては―― 「あの剣士――セイバーはどうした」 「……知らないよ。原理は知らないが、この場じゃマスターとサーヴァントは切り離されているらしくてね」 君もそうだろう、と問いかける切嗣。 「む……」 確かに、今の綺礼の体からは絶対命令権である令呪は消え去っている。 自らのサーヴァントであるアサシンの気配も、一度として感じることはできない。 だが、聖杯戦争や殺し合いについて考えるよりも、目の前で起きている事態に対処するのが先だ。 「敵同士、というわけだけど……今はあれをなんとかした方がいいんじゃないかな」 切嗣は戦いの行われている方角を見やる。 承太郎、ポルナレフの2人を相手に渡り合う怪物、針目縫。 今、この場で最も危険なのは間違いなく彼女だ。 あれは、話が通じる相手ではない。 短い攻防の中からでも、切嗣はそれを感じ取っていた。 しかし、承太郎、綺礼、銀髪の男(ポルナレフ)の3人は、状況の変化次第で話は通じる相手だ。 「加勢、ということか」 綺礼の言葉に、切嗣は頷く。 衛宮切嗣は、針目縫にはどうやっても勝つことはできない。 だが、承太郎と、承太郎と同レベルの動きを見せている銀髪の男は、縫と同等の攻防を見せている。 そこに、自分たちが後ろから加勢すれば。 4対1ならば。 いかに針目縫が神代のサーヴァントの領域にあろうと、対抗することは可能だ。 勝機はなくとも、少なくとも自分がこの場から離脱する程度の隙は見えてくる。 「……ここに飛び道具がある。後ろから撃とうなどとは考えるなよ」 武器を持っていないとこぼす切嗣に、綺礼は黒のカードを1枚渡す。 「そんなことをする余裕は、とてもないだろうがね」 切嗣はそれを受け取る。 そして2人は、闘争の場に向かって慎重に歩みを進めていく。 ■ (冗談やあらへん) 闘争から離れ、牛車にじっと身をひそめて、戦況を伺っている少女がいた。 (何や、あの化け物どもは!) 戦闘を予期していたにしても、目の前の光景は予想外すぎた。 ポルナレフや言峰、それにポルナレフの仲間らしき学ランの男も相当に強いようだが、もしも巻き込まれれば命の保障など毛ほどもない。 こんな所で死ぬわけにはいかない。 だって東條希は、μ sのために、全てを取り戻さなければいけないから。 殺さなければいけないから。 同じように自らの生存を目的とする魔術師殺しとは、立場も目的も違えど。 少女もまた、この混沌の戦場を生き残るための術を必死で考え始める。 ■ 魔術師殺し、神父、少女の三者の思惑をよそに、戦場は過熱を続ける。 が、その戦いの趨勢は、またもや入れ替わりはじめている。 「オラオラオラオラ!!!!!」 剣士――ポルナレフのレイピアが、縫の片太刀バサミを捌く。 チャリオッツは、空中に投げ上げられた複数枚のコインを串刺しにするほどの速さを誇る。 その速度は、生命戦維の怪物が操る片太刀バサミの速さにすらも、対応しつつあった。 「オラオラオラオラ!!!!!」 そして、神速の突きの前に足が止まった縫に、スタープラチナの猛攻が繰り出される。 ポルナレフのスピード、承太郎のパワー。 DIOを打倒する旅の中で培われてきた、コンビネーション。 例えここが殺し合いという異様な場所で、相手が得体の知れない針目縫であっても。 一体となった2人の攻撃は、確実に縫を劣勢に追い込みつつある。 (いける) 承太郎の顔に自信がよぎる。 今のまま着実に攻撃を重ねれば、仕留めることまではできなくとも、少なくともこの場から退却させることはできる。 できればこのまま無力化して締め上げ、紅林遊月の居場所を聞き出したいところ。 だが、針目縫を排除し、その追跡はポルナレフに任せれば。 衛宮切嗣の尋問という本来の目的は果たすことができる。 「油断すんなよ、承太郎!」 「おう!」 更に追撃をかけんと、ポルナレフが後退した縫の懐に跳ぶ。 衛宮切嗣は今、ポルナレフと共に現れた男と対峙しており、釘づけになっている。 誰だかは知らないが、おかげで100%の力を目の前の戦闘に注ぐことができる。 「……」 そして――縫の顔から、この戦いが始まってから初めて、笑顔が消えた。 「ったく、むかつくなあ」 顔にかかる髪を払いのける。 「むかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつく!!!!!!!!!!! そっちの仏頂面2人も! 4人まとめて、ボクが切り刻んでやる!」 笑顔を捨て、獰猛な表情を露わにする。 「それがてめーの本性か、針目!」 すさまじい闘気にも臆せず、承太郎はポルナレフと共に攻撃に加わらんと走る。 その時だった。 『ヴィマーナ!!!!!』 突如、5人の上空を黄金の飛行機が横切った。 乗っているのは、少女――東條希。 この戦場において、誰もが注目を注いでいなかった存在。 (悪いけどおさらばやで、神父はん、ポルナレフはん!) 話は、ここに到着する前に遡る。 「今から行く場は危険だから、もし危険が身に迫ったらこれで一目散に逃げろ」と言われ。 ポルナレフに一度は取り上げられたものの、再び渡されていた、ヴィマーナのカード。 東條希は、ポルナレフと言峰から何としても離れたかった。あわよくば抹殺したかった。 現状を見ると、ポルナレフは戦いの真っ最中、言峰もまたその戦いの中に赴こうとしている。 2人とも、自分への集中を途切れさせている。 元からここにいた学ランの男、コートの男、そしてピンクの化け物の3人に至っては、そもそも眼中に自分があるのかすら怪しい。 抹殺は到底不可能。 離れるなら、今しかない。 これを使う時は、今しかない。 ■ 一瞬。 東條希を除く皆の意識が、飛行機に集中する。 (嬢ちゃん!!??) ポルナレフは動揺する。 なぜだ。 危険が迫ったら逃げろと言ったが、目の前の女は少なくとも希に危害を加えてはいないはず。 「あは」 ここにいるのは、歴戦の強者たちだ。 戦場で目の前の敵から目を逸らすことが、即命取りになるということを、体で理解しつくしている。 飛行機に乗った希に気を取られたのは、恐らく時間にして半秒にも満たないだろう。 「ダメだよ?」 一瞬。 しかし。 針目縫には、その一瞬で十分すぎる。 「!」 ポルナレフの腕に、赤い糸が絡みついた。 それを断ち切るべく、チャリオッツがレイピアを振るう。 「デートの最中に」 が。 それは、フェイント。 糸が消える。 目標を見失ったレイピアが、宙をさまよう。 「ほかの子を見ちゃさ」 希の逃走。 糸によるフェイント。 もたらされた、二重の隙。 「――がっ……!」 ――そして白刃が閃き。 ポルナレフの体を背後から片太刀バサミが貫いた。 「てっ」 胸から血を吹きながら、倒れ込んでいくポルナレフの姿。 「てめえええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!」 それが視界に飛び込んでくると同時に、承太郎の怒りのゲージは振り切れた。 糸で拘束されていながら、強引にスタンドを縫のもとへ突っ込ませる。 我を忘れながら、全力で殴りかかる。 『”time alter ―― その次に起こったことも、まさに一瞬。 ポルナレフが倒れようとするより前に、魔術師殺し――衛宮切嗣が、行動を起こす。 少女の突然の逃走というハプニング。 それに続いて起きた、銀髪の男の敗北。 隙は今しかない。 魔術師殺しの選択は、少女と同じ。 double accel”』 すなわち、逃走。 逃げの一手。 衛宮家に伝わる時間操作を応用し、体内時間を変化させる固有時制御。 これを使用した切嗣は、陸上選手をも凌ぐスピードで、戦場から離脱する。 「待っ――」 疑惑の相手であった衛宮切嗣の逃走。 承太郎の意識は必然的に、そこに持っていかれる。 「もう、集中しろって言ってるじゃん!」 が、縫はその隙をも逃さない。 慌てて向き直った承太郎に向け、何かを投げつける。 「な――」 凄まじい膂力で投げつけられたのは、人体。 胸から血を流し、その命の灯を風前に晒しているポルナレフの体だった。 「くっ!」 猛スピードで飛んでくるポルナレフの体を、スタープラチナで受け止める承太郎。 戦友の体を避けるわけにも、弾き返すわけにもいかない。 「甘いなあ君! いちごパフェより甘いよ!!」 承太郎の目前に、縫の姿が現れた。 ポルナレフの体を投げつけた直後。 小柄な体を利して、縫はその背後に隠れるように跳び、本体たる承太郎に迫っていた。 「く……うおおおおおお!!!!!!」 咄嗟にスタープラチナの拳を向ける。 が、間に合わない。 片太刀バサミが、承太郎の胸を真一文字に切り裂いた。 「おお!」 裂帛の気合と共に2人の間に割り込んだのは、神父――言峰綺礼。 縫の胴体に、掌底を叩きこむ。 縫の体は吹き飛んでいく。 (浅い……!) だが、綺礼は軽すぎる感触に顔をしかめる。 恐らくは、衝撃が来る瞬間に体を後ろにひねり、衝撃と体を同化させたか。 「あんたは……?」 立ち上り、神父を見やる承太郎。 「言峰綺礼だ。……気を付けろ。来るぞ」 視線の先には、針目縫がゆらりと立ち上がる姿がある。 (まずいな) 東條希が最初に行動を起こしてからここまで、わずか十数秒しか経っていない。 十数秒。 その間に、戦場の様相は激変した。 勝算があったころが遠い昔のようだ。 共闘するはずだった衛宮切嗣は理由不明の逃走。ポルナレフは倒れ、今また学ランの男、承太郎も小さくない傷を負った。 このまま戦闘を行えば、追い詰められるのは必至だ。 (……逃げるべきか) だが、どうやって。 牛車は近くにある。が、この距離は、目の前の怪物を相手にしていては遠すぎる。 2人で乗り込んでいる間に追いつかれ、殺されるのは必定。 ――戦うしかない。 そう思い定め、構えた時だった。 「あはははははははは!!!!!!!!」 立ち上った縫が突然、笑い出した。 「面白い、面白いよ! 承太郎クンも、そっちの神父さんも!」 困惑する2人を前に、一方的に言い募る。 「――でもね。ボク、もっと面白いことを思いついちゃったよ」 まるで、これまでの戦いなどなかったかのように。 優雅な物腰で、2人に背を向ける。 「じゃあね。今度会ったら次こそ殺すから」 バイバイ、と言い残し、針目縫は先に離脱した2人に負けず劣らず、風のように戦場を去っていった。 「待て、てめえ」 「待つのは君だ、承太郎!」 綺礼は、走り出そうとする承太郎の肩を掴む。 「その怪我で行けば殺されるだけだ」 そのまま、強く諭す。 「それに……友人が逝こうとしているのを、看取ってやらないのか」 「……」 その言葉に、承太郎は落ち着きを取り戻す。 倒れ伏すポルナレフに、向き直る。 「……」 「へ、へへ……ドジっ……ちまった……ぜ」 血を吐きながら、ポルナレフは笑う。 「神父さんよ……せいぜい……祈りの……言葉でも……捧げといて……くれや」 「……承知した」 「それからよ……あんたも……承太郎も……嬢ちゃんを、頼んだぜ」 「ああ。……DIOも、俺が、必ず倒す」 「へ……安心、した……ぜ……」 承太郎の言葉に、ポルナレフは目を閉じる。 その瞼の裏に浮かんでくるのは。 旅を共にした、仲間たちの姿だった。 (ざまあ、ねえな……未練、だらけじゃねえか) 復讐に生きると決めた時から、病院のベッドの上では死ねないことはとうに覚悟していた。 だが、いざ死に逝こうとする時になると、人はそんな覚悟にも抗えないらしい。 ――しかし、もうその意識も限界のようだ。 少女の顔が、ぼんやりと脳裏に現れる。 本来ならば。 ジョースターとDIOの因縁を巡る争いの中で、彼は生き残るはずだった。 彼の操る騎士も、更なる進化を遂げるはずだった。 (シェ……リ……今、おまえの……ところに……) しかし今、ポルナレフは逝く。 歪められた15の物語が絡み合うこの世界で、銀の剣士はその場所へは至れない。 ■ 「神父さんよ、教えちゃくれねえか」 略式で葬儀を挙げ、遺体を牛車の中に安置したあと。 「あんたとポルナレフが、どこで出会って何をしてきたのか」 帽子で目元を隠しながら、承太郎は問いかける。 承太郎が提案したのは、情報交換だった。 今の承太郎の前には、あまりに多くの選択肢が広がっている。 この戦場から逃げていった3人――東條希、衛宮切嗣、針目縫。 針目縫に拐され、どこかに監禁されていると思しき紅林遊月。 今もこの会場で牙を研いでいるはずのDIOと、その配下。 ラビットハウスに残してきた風見雄二と、少女たちの安否。 越谷小鞠を本当に殺したかは結局分かっていない平和島静雄。 追いたい人物、会いたい人物が多すぎる。 全てをこなすには体が一つでは足りないほどだ。 だが、物事には優先順位というものがある。 それを決めるためには、今の承太郎には情報が圧倒的に不足している。 加えて、この神父は衛宮切嗣と対峙していた様子からして、元からの知り合いか何かであり、何らかの情報が得られる可能性が高い。 「そういや、ちゃんと名乗ってなかったな」 承太郎は、神父に向き直る。 「俺は空条承太郎。高校生だ」 綺礼も向き直り、それに答える。 「改めて名乗ろう。言峰綺礼。この通り、神父だ」 【G-6/駅付近/午前】 【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 [状態]:疲労(中)、胸に刀傷(中)、針目縫への怒り [服装]:普段通り [装備]:なし [道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(10/10) 噛み煙草(現地調達品) [思考・行動] 基本方針:脱出狙い。DIOも倒す。 0:言峰綺礼と情報交換する。衛宮切嗣について知っているなら重点的に聞きたい。 1:その結果次第でどこに向かうか決める。ラビットハウスで体勢を立て直すか? 2:平和島静雄と会い、直接話をしたい。 3:静雄が本当に殺し合いに乗っていたなら、その時はきっちりこの手でブチのめす。 4:午後6時までにラビットハウスに戻る。 [備考] ※少なくともホル・ホースの名前を知った後から参戦。 ※折原臨也、一条蛍、香風智乃、衛宮切嗣、天々座理世、風見雄二と情報交換しました(蟇郡苛とはまだ詳しい情報交換をしていません) ※龍(バハムート)を繭のスタンドかもしれないと考えています。 ※風見雄二から、歴史上の「ジル・ド・レェ」についての知識を得ました。 ※参加者の時間軸がずれている可能性を認識しました。 【言峰綺礼@Fate/Zero】 [状態]:健康 [服装]:僧衣 [装備]:神威の車輪@Fate/Zero [道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(9/10) 黒カード:不明支給品0~1、各種雑貨(ショッピングモールで調達) [思考・行動] 基本方針:早急な脱出を。戦闘は避けるが、仕方が無い場合は排除する。 1:空条承太郎と情報交換する。 2:DIOの言葉への興味&嫌悪。 3:ポルナレフと希への無意識の関心。 海の近く。 そこに希はいた。 (けったいな像……あれがアームストロング何とか砲やろか) すぐそばには、どこか卑猥な形の銅像も見える。 ということは、自分がいるのは「E-3」らしい。 無我夢中で逃げてきたため、特定の場所を目指すということはできなかった。 (ここから西に行けば、放送局があるなあ) 定時放送よりも早く仲間の死を告げた、自分の手をぐしゃぐしゃに壊したカエルのような顔の男によるテレビ放送。 あれを目にしたのは自分たちだけではないはず。 ということは、放送局には大勢の参加者が集まってくるはず。 だが。 (……あんな化け物がまたおったら、困るで) 自分の常識も理解も、明らかに超越した存在。 学ランの男や、それと戦っていたピンクの服の女。 それに、自分の手を破壊し放送を行ったキャスターと名乗るギョロ目の男、筋肉ダルマの外国人の姿も思い浮かぶ。 ああいう化け物の類がこの島々にいるということは、同類がもっといてもおかしくはないのだ。 (……) 無力な自分が単独で行動するのは危険だ。 ひとまずは、誰かと合流したい。 (……ポルナレフはん) 最も近い場所にある施設である研究所に向けて歩き出した彼女の脳裏に、先ほどの光景が浮かぶ。 逃げる自分に顔を向けた銀髪の男――ポルナレフが、背中を奇妙な形の剣で突き刺されるシーン。 目視できないほどの高速の戦闘の中でも、そのシーンははっきりと刻み込まれた。 (ウチのせいや、ないからな) 強がってみても、その光景は頭から振り払えない。 ポルナレフは死んだ。 少なくとも、素人が見ても分かるほどの致命傷を負った。 それだけは、事実だ。 (……) 青のカードから紅茶を出し、口に含む。 その甘みも、心を晴れてはくれないまま。 女神たちの名付け親は、孤独に歩みを進める。 【D-4/橋上/昼】 【東條希@ラブライブ!】 [状態]:精神的疲労(中)、右手首から先を粉砕骨折(応急処置済み) [服装]:音ノ木坂学院の制服 [装備]:縛斬・餓虎@キルラキル [道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(8/10)、ヴィマーナ@Fate ZERO(6時間使用不能。) 基本方針:μ s全員を生き返らせるために優勝狙い。 1:集団の中に紛れ込みたい。まずは研究所へ向かう。 2:ことりとにこを殺した相手に復讐したい。 3:μ sのメンバーには会いたくない。 4:ポルナレフはん…… [備考] ※参戦時期は1期終了後。2期開始前。 (ここは……市街地からはだいぶ離れたか) 同じころ。 衛宮切嗣の姿は、F-5の東部付近にあった。 『疑念』を晴らすことはできず、『手駒』として使うこともできず。 承太郎とは喧嘩別れのような形になってしまい、その生死も確認できず。 武器の調達のためにラビットハウスに戻ることも、またできなかったが。 (ひとまず、切り抜けた、か) この後の選択肢は2つ。 1つめは、未だ未知の領域である北部に向かうこと。 北東の島には、承太郎とともに向かうはずだったDIOの館がある。 ――だがDIOは、『あの』空条承太郎が追い求めていた相手だ。 今までに仕留めてきた死徒たちとは比べ物にならない強敵である可能性が高い。 少なくとも、単独で向かうのは避けた方がよいだろう。 あるいは、北西のもう1つの島へ向かうのもありかもしれない。 2つめは、旭丘分校。 喫茶店で話していた一条蛍と折原臨也が向かっている場所。 臨也との協力関係は、未だに効力を持っている。 合流できれば、少なくとも『利用』することは空条承太郎より容易いはずだ。 もしも不審がられた時は、 「空条承太郎と一緒に行こうとしたが、駅で変身するピンクの化け物に襲われて、ここまで逃げてきた」 と話せばよい。 事実はありのままであり、そこに嘘偽りはない。 (少なくとも、武器は手に入れた) 切嗣の手元には、先ほどまではなかった武器がある。 しかも、関わりたくなかった相手である言峰綺礼の手から調達したものだ。 (……やれやれ、だな。これだけでも上出来というべきだろう) 青のカードからスポーツドリンクを取り出し、一口あおる。 魔術師殺しの、次に選ぶ道は―― 【F-5/東部/昼】 【衛宮切嗣@Fate/Zero】 [状態]:疲労(小) [服装]:いつもの黒いスーツ [装備]:武器(何らかの飛び道具) [道具]:腕輪と白カード、赤カード(19/20)、青カード(19/20) 黒カード:エルドラのデッキ@selector infected WIXOSS、蝙蝠の使い魔@Fate/Zero 赤マルジャンプ@銀魂、 越谷小鞠の不明支給品1~2(切嗣が確認済み、起源弾及びトンプソン・コンテンダーはない) 噛み煙草(現地調達品) [思考・行動] 基本方針:手段を問わず繭を追い詰め、願いを叶えさせるか力を奪う 1:北上するか、旭丘分校へ向かうか……。 2:DIOおよびその配下の吸血鬼を抹殺したいが……。 3:平和島静雄とは無理に交戦しない。折原臨也や他の参加者を利用し殺す。 4:有益な情報や技術を持つ者は確保したい。 5:セイバー、ランサー、言峰とは直接関わりたくない。 6:折原臨也の『遺書』については……。 7:空条承太郎にまた会ったら……。 [備考] ※参戦時期はケイネスを倒し、ランサーと対峙した時です。 ※能力制限で魅了の魔術が使えなくなってます。 他にどのような制限がかけられてるかは後続の書き手さんにお任せします ※空条承太郎、折原臨也、一条蛍、風見雄二、天々座理世、香風智乃と情報交換し、知り合いと危険人物について聞きました。 ※『越谷小毬殺人事件の真犯人はDIOである』という臨也の推理(大嘘)を聞きました。必要に応じて他の参加者にも伝える可能性があります。 ※参加者の時間軸がずれている可能性を認識しました。 「へえ」 生命戦維の怪物、針目縫。 「あの子、逃げたんだ」 彼女の姿は、映画館にあった。 「裸のお猿さんの分際で、生意気だなあ」 正確には、女子トイレの中。 紅林遊月が拘束を解き、逃げ去った跡の前で、立ちすくんでいた。 「生意気だなあ……本当に生意気」 生意気といえば、自分が先ほど殺しておいた銀髪の男もそう。 あの男の体を投げつけた時のことだ。 投げられざま、自分に向かって騎士人形が剣をまるで弓矢のように射出してきたのだ。 動きを止めるには程遠いが、肩にそれを喰らってしまった。 そのおかげで、次の承太郎への攻撃も踏み込みが足りなくなった。 あれさえなければ、学ラン男は死んでいたはず。 それに何より、せっかく修繕の済んだ体が台無しだ。 「ムカつくなあ……本当にムカつく」 そもそもこんなことになった原因は何か。 あの女だ。 紅林遊月。 下手に生かしなどせず確実に殺しておけば、こんなことにはならなかったのだ。 『ラビットハウスは安全だから、困ったらそこに行くといいよ』 遊月の言葉が思い浮かぶ。 ラビットハウス。 目標はそこだ。 「てめーら全員、まとめて血祭りだぜ」 ――『空条承太郎』の姿をした、針目縫が呟く。 『面白いこと』というのはこれだ。 仲間を1人殺して多少は気が晴れたとはいえ、自分を殴りつけた承太郎への怒りはまだ滾り続けている。 それは、最初に戦った首なしやガンマンに対するものよりも遥かに大きい屈辱だった。 制限解除のために、他の参加者を利用する方針は決して捨てていない。 だから、自分に不利になるような行動を取る時。 例えば、紅林遊月を閉じ込めた時のような。 そんな時は、身体能力の低下を承知してでも、この姿を使う。 そして、知らしめる。 『空条承太郎は平気で人殺しもするようなとんでもない悪党です』ということを。 「――ボクをコケにしてくれたんだもん」 目指すは、兎たちの楽園。 子兎を狩り尽くし、ティーカップも何もかも鮮血で染め上げてやろう。 「それくらいの罰は受けてもらわなきゃね☆」 紅林遊月は今ごろ安穏としていることだろう。 危機からは逃げおおせたと思い込み、安心しきっているのだろう。 せいぜい、そのままコーヒーでも飲んでいるといい。 そして、後悔するがいい。 空条承太郎ともども絶望するがいい。 この針目縫の誇りを傷つけたことを。 ――手負いの高次縫製師を止められる者など、どこにもいはしない。 【ジャン=ピエール・ポルナレフ@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 死亡】 【残り41名】 【G-7/西部/昼】 【針目縫@キルラキル】 [状態]:疲労(小)、肩に傷(再生中)、繭と空条承太郎と紅林遊月への苛立ち [服装]:空条承太郎そっくりな姿に変身中 [装備]:ブルーアプリ(ピルルクのカードデッキ)@selector infected WIXOSS 片太刀バサミ@キルラキル [道具]:腕輪と白カード、赤カード(18/18)、青カード(20/20)、黒カード:、歩狩汗@銀魂×2、不明支給品0~1(紅林遊月が確認済み) [思考・行動] 基本方針:神羅纐纈を完成させるため、元の世界へ何としても帰還する。その過程(戦闘、殺人など)を楽しむ。 0:空条承太郎に遭遇しないよう、東に遠回りしてラビットハウスに行く。 1:そして、紅林遊月を踏み躙った上で殺害する。 2:空条承太郎は絶対に許さない。悪行を働く際に姿を借り、徹底的に追い詰めた上で殺す。 3:腕輪を外して、制限を解きたい。その為に利用できる参加者を探す。 4:何勝手な真似してくれてるのかなあ、あの女の子(繭)。 5:流子ちゃんのことは残念だけど、神羅纐纈を完成させられるのはボクだけだもん。仕方ないよね♪ [備考] ※流子が純潔を着用してから、腕を切り落とされるまでの間からの参戦です。 ※流子は鮮血ではなく純潔を着用していると思っています。 ※再生能力に制限が加えられています。 傷の治りが全体的に遅くなっており、また、即死するような攻撃を加えられた場合は治癒が追いつかずに死亡します。 ※変身能力の使用中は身体能力が低下します。少なくとも、承太郎に不覚を取るほどには弱くなります。 ※分身能力の制限がどうかは、後の書き手さんへお任せします。 ※ピルルクの「ピーピング・アナライズ」は(何らかの魔力供給を受けない限り)チャージするのに3時間かかります。 ※ピルルクからセレクターバトルに関する最低限の知識を得ました。 時系列順で読む Back One after another endlessly Next 誰かの為の物語 投下順で読む Back 心の痛みを判らない人 Next あなたの死を望みます。 126 三人揃えば雌雄決裂 衛宮切嗣 149 killy killy MONSTER 126 三人揃えば雌雄決裂 針目縫 145 Not yet(前編) 126 三人揃えば雌雄決裂 空条承太郎 145 Not yet(前編) 126 六人揃えば群雄割拠 言峰綺礼 145 Not yet(前編) 126 六人揃えば群雄割拠 ジャン=ピエール・ポルナレフ GAME OVER 126 六人揃えば群雄割拠 東條希 148 思い出以上になりたくて
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騎士の誓いは果たせない ◆G33mcga6tM その場を目撃したことは幸運だった。 犬吠埼風――今は、魔王ゴールデンウィンド――は、建物の屋上に身を潜めていた。 龍之介なる精神異常者と別れ、気分を落ち着けた後。 揚々と敵の姿を探して高所に登った魔王が見つけたのは、今まさに接触する二つの集団だった。 一つは、オープンカーに乗る金髪の少女。無骨な鎧を身に着けている。 もう一つは、黒いセーラー服の女、ヅラっぽい長髪男、そして小学生くらいの女の子が二人。 彼らは短い会話を交わし、すぐに別れる。 オープンカーの少女が走り去り、黒髪の女が率いる集団は別の方向へ歩き出す。 どちらも、風が隠れて見ていることに気づいていない。 「チャンス……でもどっちをやる?」 普通に考えるなら、小学生を二人抱える集団の方だろう。 変身して一気に襲いかかり、おそらく戦闘を担当するであろうセーラー服の女とヅラを殺す。 その後、無力な少女二人を殺す。合計四人。大戦果だ。 「……いや、見た目は幼女でも実際はどうかわからない、か」 だが現実はそう甘くない。 何せ、自分だって一般的にはただの女子中学生だ。それが神樹様の力を得て、超絶的な強さを誇る勇者に成る。 ならばあの幼女二人だってどんな力を持っているか、知れたものではない。 最悪の場合、勇者と同等の力を持った人物が四人、ということも考えられる。 無論、単なる幼女の可能性も否定出来ない――が、これはゲームではない。失敗してもリセットなど不可能だ。 確実を期すならば、勝算が曖昧な四人より多少手強くとも一人の方を選ぶべきだ。 魔王は四人の集団に姿を見られないように注意して建物を降り、回り道をしてオープンカーを追い始めた。 数十分ほど走ったところで、風は金髪の少女に追いついた。 変身した勇者の脚力は車よりも速いが、それを抜きにしても少女は速度を落としていた。 やがて車は路肩に停車し、降りた少女が車をカードに戻す。風は慎重に身を隠しつつ、また高所からその様子を窺うことにした。 金髪の少女は風より頭一つ低い。友奈と同じくらいだ。端正な顔立ちは疲労に塗れている。 少女は周囲を見回し、誰の影もないことを確認して、無人の民家に押し入る。 ドアを開こうとして、少女は自分の身体をぽんぽんと軽く叩く。 舞い上がる埃を煩わしげに振り払い、庭に出てきょろきょろと辺りを見回した。 「は、手を洗ってるの。潔癖症なのかな」 これには思わずゴールデンウィンドも呆れてしまう。 少女は庭にあった水道から水を出し、両手に汲み上げて顔を洗う。 ほころんだ表情は、汗と汚れを落とした開放感に彩られている。 「あー……お風呂入りたいな」 少女を殺すべく隙を探っている最中だというのに、思わず口から零れ出た一言に苦笑する。 入浴、ひいては自身を清潔に保つことは女子の義務であり権利だ。女子力を重視する犬吠埼風にあっては、やはりそこは譲れない一点でもある。 もちろんこれはただの願望であって、殺し合いの中でそんな馬鹿みたいな理由で油断する気は毛頭ないが。 が、風の視界内でその馬鹿みたいな理由を実行している少女がいた。 あちらも中々の修羅場を潜ってきたのか、全身が埃や土で薄汚れている。 戦えば多分強いのだろう。立ち居振る舞いには武道を修めた者特有の流麗さがある。 だがどんな達人も、寝込みや病など、万全の状態でないときには弱さを見せる。 極度に張り詰めた緊張から開放され、安全なところで気を抜いた瞬間。それこそが狙い目。 少女が身に纏う鎧が消えた。鎧の下に着込んでいたのは、青と白を貴重としたドレス。 鎧が変化した黒いカードを水道の袂に立て掛けると、少女はドレスの袖口を割いて小さな布切れを作った。 布切れを水に浸し、顔や首筋、胸元などを拭い始める。 「さすがに服を脱ぐほど馬鹿じゃないか。でも、鎧を脱いだのは失敗だ」 カードに戻した以上、すぐに鎧を着込むことはできない。 危険とわかっているだろうに、それでも鎧を脱いで汗を拭っている。 よほど、汗をかいたまま動くのは気持ちが悪かったのだろう。その気持ちは風にも良くわかるが。 いかに休息しているとはいえ、何らかの武器を持っているなら実体化させたまま手元に置いておくはずだ。 それをしない以上、少女の装備は先ほどのオープンカー、そして鎧だけと見て問題なさそうだ。 風に背中を見せ、呑気に身体を清めている少女。四人目の犠牲者は彼女だ。 「ふぅー……っし。行くか」 大剣を握り直す。使い慣れた得物の感触を頼もしく思い、ゴールデンウィンドは足場にしていた家屋から身を躍らせた。 限界まで抑えていた勇者の力を一気に開放する。 壁に足がついた瞬間、全力で蹴る。 爆発的な加速。比喩ではなく、蹴った壁は砲撃を受けたかのように弾け飛ぶ。 大剣を槍のように構えたゴールデンウィンドは、まさしく黄金の風となって少女の背中へと無慈悲に剣を繰り出した。 距離、十メートル、五メートル、三メートル。ここでようやく、少女がはっと振り返ろうとする。だが遅い。 振り向き終える頃には、大剣は既に彼女を斬り裂いている。 そう思った。そうはならなかった。 少女がゆらりと両腕を伸ばす。その手の中には何もない。 無駄な抵抗だと一笑に付し、一息に少女を斬り捨てようとした風は、しかし驚愕する。 少女を断ち割るはずだった魔王の大剣は、少女の手先からちょうど一メートルほど上空で硬い手応えを得る。 そして、滑るように落ちる。少女の身体へ向かう軌道ではない。そこから僅かにズレ、何もない空間を奔る。 まるで見えない壁――見えない剣に弾かれたように。 (……しまった! 罠だ!) 風は少女が無手だと思った。鎧を脱ぎ、休息しているのだろうと思った。 だが、違った。風は、誘い込まれたのだ。 通りから外れ、奥まった場所で停車したのも。これみよがしに鎧を消してカードを懐に入れたのも。 全て風を誘き出すための撒き餌。 受け流された、と風が気付いた時には遅い。全力で大剣を地面に突き立ててしまい、風の態勢は大きく泳いだ。 その隙を少女が見逃すはずもない。ぞっとするほど酷薄な光を湛える瞳が、風を射抜く。返しの一刀が放たれる。 「こん……のォォッ!」 命を刈り取られる寸前、精霊が現れ少女の剣を食い止める。 少女の剣は一体どれほどの力を秘めていたのか、一瞬の均衡の後に精霊は弾き飛ばされた。 しかし、その一瞬。その一瞬を稼いだおかげで、風は剣を手放し思い切り蹴りつける余裕を得た。 身の丈以上もある大剣は相応の重量を持つ。剣は十分に踏み台の役目を果たし、風は弾かれたように飛び退る。 間一髪、少女の反撃から逃れることに成功する。だが、喜んではいられない。 先ほどまでのリラックした様子が嘘のように――いや、事実、嘘だったのだろう。 無防備な姿を演じることで、自分を追跡していた者を炙り出す。魔王はまんまとその策略に嵌ってしまった。 目論見通りに状況を進めたのは少女の方だった。 「くっ……」 手放した大剣を背中で隠すように少女が立ち位置を変える。これではすぐに大剣を取り戻すことはできない。 勇者への変身を解けば大剣も消えて、再度変身し直せば手元に再出現するだろう。 だがそれでは僅かな間、身体能力の強化も打ち消されることになる。その数秒数瞬が生死の境目になることは容易に予想できた。 この状況を支配しているのは、ゴールデンウィンドではなく金髪の少女。 少女は相変わらず無手。だがその拳は握り締められている。だからと言って、友奈のように格闘戦を演じるのではない。 大剣を受け流したのは硬い感触。伸ばされた少女の手からまっすぐに伸びたそれは、まさしく目には見えない剣だった。 気がつけば少女は見慣れた構えを取っていた。正眼、すべての剣術の基本にして王道とも言える構え。 もっとも信頼する武器を手放したことは、この手強い少女を前にしては致命的とも言える失態だ。 少女を視界の中心に捉えたまま、風は手探りで腕輪からカードを取り出す。新たな武器を。 「……ほう」 ここで初めて、少女が口を開いた。 このとき風が咄嗟に手にしたカードは、ある意味では当たり、ある意味では外れ。 所持していた黒カードは三枚、そのすべてが刀剣に変化する。 征服王の佩剣、キュプリオトの剣。真選組副長の愛刀、村麻紗。そして呪いを振りまく妖刀、罪歌。 このうち、村麻紗と罪歌は強大な力を持ち主に与える代わりに、持ち主の心を侵す作用がある。 風は勇者としての特性、自殺を阻止する精霊が呪いを遮断したため難を逃れていたが。 「その刀」 風がこのとき手にしたのは、村麻紗だった。 選んだ訳ではない。少女を前にして武器を選り好みできるほどの余裕はないのだから。 たまたま掴んだカードが村麻紗であり、そこに何者かの意図が介在する余地はなかったはずだ。 しかし、それが結果として風の命を繋ぐこととなる。 「なぜ貴様が持っている?」 セイバーは、風が新たに手にした村麻紗に興味を示した。村麻紗は、セイバーが最初に斬った男、土方十四郎の刀。 彼を下した後、セイバーはその刀を捨て置いて去った。刀は侍の魂であると言う。 ならば、命を断ってさらに魂までも奪うことはない。それがかの勇敢な侍に対する礼儀だと思ったからだ。 「それは私が斬った侍の刀だ。彼の遺体から奪ってきたか?」 セイバーの問いに風は眉を顰める。 奇襲を凌ぎ武器を一つ奪った状況で、何故そんなことを訊いてくるのかという顔だ。 己が手に掛けたとはいえ、誇りを掲げて散った男の死に様を穢したとなれば、セイバーとて看過することはできない。 が、風の返答は膨れ上がりかけたセイバーの怒りを霧散させるものだった。 「あいにくだけど、何を言ってるかわからないな。この刀を持ってた男は生きてたよ。さっきまではね」 数秒の沈黙の後、風も返答した。足先はじりじりと重心を小刻みに変えている。攻めるか退くか、考えあぐねているように。 少しでも対応を練る時間を稼ぐべく、会話に応じた。セイバーはそう見た。 そしてその答えは、セイバーが抱いた風への興味を急速に失わせるものだった。 道理は合う。納得も行く。ならばこの少女にもう価値はない。 「……そうか。その某があの侍から刀を持ち去り、それを貴様が殺したと」 「そういうこと。だから私に怒るのは筋違いよ。文句はあの黒子の似合うお兄さんに言ってほしいな」 が、風を斬り捨てる算段をつける一瞬前、風の口にした一言がセイバーの剣気を危ういところで押し留めた。 セイバーの瞳が見開かれる。風の言葉はセイバーにとって、とても無視できないものだったのだ。 「今、何と言った」 「は?」 「頬に黒子のある男。その男と出逢ったのか」 努めて声が震えないようにしながら、セイバーは風に確認する。 黒子の男。特徴とも言えないような曖昧なものだが、セイバーにはそれで十分だ。 この場には、誰よりも黒子が人の目を惹きつける男がいたはずだ。かつて剣と槍を交えた、あの誇り高い騎士が。 「……貴様が。彼を、ランサーを殺したのか?」 虚偽や引き伸ばしは許さない。セイバーは裂帛の気合を叩きつけ、風に返答を迫る。 瞬きの一瞬。その一瞬でセイバーは彼我の距離を踏み越えて、風の喉元に剣を突き付けていた。 反応できなかった、という訳ではない。確かにセイバーは速いが、それでも風が本調子なら、回避するなり防御するなりはできたはずだ。 できなかったのは、セイバーの気迫に呑まれていたからだった。 まるで全身を槍で突き刺されているような。物理的な影響を錯覚しそうになるほどの、凄まじい圧力。 騎士の中の騎士、騎士王とも称される少女の殺気に晒され、風の頬に一筋の汗が流れる。 風がかつて経験したことのない、研ぎ澄まされ、純化された殺意。バーテックスが持ち得ない、人間固有のエゴの表れだ。 いくら勇者としてバーテックスとの戦いを重ねても、こればかりは決して体験することはなかった。 ごく、と小さく風の喉が鳴る。時間稼ぎなどもはや考えられない。 一言でも誤った言葉を吐いたなら、セイバーの剣はその瞬間に風を分割せしめるだろう。 直面する濃厚な死の気配が、風の意志とは関係なく舌を滑らせる。 「……殺したわ。私がこの手で」 「信じられんな。あのランサーが貴様ごときに遅れを取るとは思えん」 「騙して……後ろから斬った。あいつは、悲鳴を上げた私を助けようとしたから」 言った。言ってしまった。 セイバーとランサーがどういう関係かなど、風は知らない。 だがどういう関係であれ、知己を騙し打って殺したなどと聞かされては、笑って許してくれるはずもない。 いよいよ死を覚悟する。瞬間、風の脳裏に断続的に再生されるのは妹の、樹の笑顔。 その笑顔を取り戻すと誓った。瞬間、死の恐怖を圧倒するほどの意志が、魂の奥底から湧いてくる―― 「……やはりそんなものなのか、ランサー。私と貴方の運命は」 が、風の意志が暴発する寸前、セイバーは自ら剣を引いた。 あれだけ暴力的に撒き散らされた殺意は霧のようにさっぱりと消えていた。セイバーは風に興味を失くしたかのように天を仰いでいる。 その瞳が映す感情は哀惜。セイバーがランサーと相見える可能性は、無くなった。 セイバーを貫くのは我が槍。ランサーを斬り裂くのは我が剣。そうお互いに誓約した。だが第四次聖杯戦争では、ランサーは切嗣の策略の果てに全てを呪って死んだ。 そして今。奇跡と思える二度目の機会は唐突に幕を下ろした。 アルトリア・ペンドラゴンとディルムッド・オディナは、永遠に決着を着けることができない。その想いがセイバーの裡に空虚となって広がる。 ランサー殺しの下手人たる風に応報することすら、思い浮かばないほどに。 「……いや、そもそも私に貴方の仇を討つ資格などないか」 自嘲するようにセイバーは呟く。 風の口ぶりからして、ランサーはこの戦場でも変わらず、気高い騎士のままであったのだろう。 聖杯に、セイバーに、切嗣に、世界に、呪詛と無念を残して死んだディルムッド・オディナ。 そんな彼が、無辜の民が巻き込まれたこの殺し合いの中では正しい騎士であろうとしたのだ。 ならば既に外道に堕ちたセイバーが、誇り高く生きたディルムッドの無念を晴らすなど、どの口で言えようか。 「何……? あんた、私を殺すんじゃないの」 「そのつもりだったがな。もう、いい。どこへなりと失せるがいい」 本来のセイバーであれば、先に仕掛けてきた敵など生かしておく道理はない。 だがそんな風の存在がどうでもいいと思えるほど、ランサーが死んだという事実がセイバーを打ちのめしている。 「何なの? 見逃してくれるってこと?」 茫洋と立ち尽くすセイバーに不気味なものを見る目を向けて、風はそろそろと近寄っていく。 風の手には依然として村麻紗が握られている。だが、今なら殺せるかもしれないと思うほど、楽天的ではいられない。 セイバーは何か事情があって呆然としているだけで、いつ気を持ち直すか知れたものではない。 猛犬の尾を踏む前に、大剣を回収してこの場を離脱しようと風は決めた。見逃すと言っているならそうさせてもらうだけだ。 庭を迂回し、大剣に走り寄ろうとしたところで。 「……待て。やはり気が変わった」 目を開いたセイバーが、剣を突きつけてきた。 「く、やっぱりやる気って訳!?」 「そうではない。貴様、名は何と言う」 剣越しに放たれる誰何。これもやはり、答えねば斬るという、先ほどと同じ気迫が込められている。 大剣のためとはいえ不用意に近づきすぎ、離脱もままならない距離。風は歯噛みし、ゆっくりと名乗る。 「いぬ……いえ。私は魔王、ゴールデンウィンドよ」 光が奔る。風の右のおさげがぽとりと落ちた。 「冗談は好かない。次は首を落とす」 「……犬吠埼風よ!」 バランスの悪くなった頭に嘆きつつ、風は自棄気味に名乗る。 さすがに他人に名乗る名前としては、名簿に載っていないゴールデンウィンドは不適当だった。 「フウ、か。やり方はどうあれ、貴様はランサーを殺した。それは私にとっても朗報と言える」 鬱屈した感情を押し殺し、現実的に判断する。優勝を目指すのなら、ランサーの脱落は喜ぶべきことだ。 槍を奪われたとはいえ、かのフィオナ騎士団の一番槍は剣も達者だったはず。 仮にセイバーと出逢っていれば、先ほどの纏流子にも劣らぬ強敵となっていただろう。 そのランサーが除かれたのならば、セイバーも無用の消耗を避けられたということになる。 決着を望む心情を度外視するならば、やはりこれは朗報だ。 「故に、貴様はここでは殺さない。ここまでは良いか」 「見逃すってことは変わらないわけね。じゃあなんで呼び止めたの」 「有無を言わさず襲ってきたということは、フウ、貴様も勝ち残りたいのだろう。ならばそこに、私と貴様の妥協点がある」 セイバーは改めて剣を下ろす。が、風の大剣の前からは動こうとしない。 そのまま告げる。 「フウ。私と同盟を結べ」 「は? ごめん、何言ってるかわからないんだけど」 「私もお前と同じく優勝を目指している。だが、この場には数多くの強者がいる。一人でそれら全員を駆逐することは難しい」 「だから手を貸せって? 随分余裕じゃない。私が背中から斬りかからないと思うの?」 「それならそれで構わない。貴様ごとき未熟者、斬るのは造作も無い」 挑発は、淡々とした罵倒で返された。 「敵を追うなら、風上から追うのは止めておくことだ。戦場に長く居る者なら血の匂いを嗅ぎ取ることはさほど難しくない」 「……っ」 セイバーの言葉は助言でも何でもない。風がどれだけ迂闊だったかを、呆れとともに指摘しているだけだった。 「私が鎧を消し、無手だと侮って仕掛けてきたな。思い切りは悪く無いが、考えが浅い。 初手で仕留め損なったとき、二の矢三の矢を放ち主導権を握れないのならば、奇襲には何の利もない」 確かに、無防備な少女など一撃で仕留められると考えたのは事実だった。 実際、今までもランサー、保登心愛、入巣蒔菜といった者達をそうやって殺してきた。 だが今回の相手であるセイバーは、予め風の気配を察知し、万全の態勢で迎え撃った。 結果として、主導権は終始セイバーに握られることになった。 「力はある。意志もある。だが経験がない。フウ、貴様は……人間と、それも闘争を日常とする戦士と戦った経験が乏しい。違うか?」 僅かな交戦を経て、セイバーは犬吠埼風という存在の背景を推し量っていた。 勇者、犬吠埼風。彼女とバーテックス、異形の神々との闘いは片手では足りない。 どの戦いも死闘と呼べる。数はともかく密度は濃い。実戦経験で言えば決して新兵とは呼べないだろう。 だが、あくまでバーテックス相手の戦いだ。無論バーテックスといえど愚鈍な化物という訳ではない。 勇者の裏をかき、連携を取って動くこともあった。だが、セイバーが指摘する経験とはそういう意味でもない。 剣術の冴え、体捌き、二手三手先を読む思考、状況判断。すなわち、対人間に特化した戦術であり、戦法である。 勇者はバーテックスから人類を守る存在。必然的に勇者の敵は人間ではなく、勇者と同等の力を持った人間など勇者を置いて他に無い。 勇者同士の衝突というケースも無くはないが、今の犬吠埼風にその記憶は無い。 対してセイバー、アルトリア・ペンドラゴンは様々な脅威に晒されるブリテンを守護した稀代の騎士である。 彼女の戦歴の中には幻想種たる竜や、ほぼエイリアンなピクト人など、明らかに人外の存在との戦いもあるが、多くは人間との戦いだ。 剣と剣、人間と人間との戦いならば、風を圧倒するほど膨大な戦闘経験を持っていることは自明である。 「すぐに答えを出せとは言わない。そうだな……私はここで待つ。 受けるのなら一時間後、戻って来い。拒むのならどこへなりと行け」 「へえ、選ばせてくれるんだ」 「拒めば次に会ったときに斬るだけだ。そのときは、交渉の余地はないと思え」 ◆ 「何なのよ、あいつ……」 犬吠埼風は変身を解き、民家の壁に身を預ける。疲労は思ったよりも濃い。 セイバーと接触した民家から数百メートルほど距離を取った場所で、風はセイバーの言葉を思い返していた。 圧倒的有利な状況からセイバーが投げた、同盟を結べという誘い。 その誘いは新たな選択肢となって風の前に提示されている。 宣言通り、セイバーは風を見逃した。今、風はどうすべきかを一人考えている。 今回は運良く場が流れたが、あのままセイバーとの戦闘を続けていれば間違いなく満開のゲージは溜まりきっただろう。 セイバーとの接触で得たものは、多くはないが大きくはある。敗北の屈辱と、経験の無さを痛感できたことだ。 いくら覚悟を決めても、この場にはそれ以上の強さを以ってねじ伏せてくる奴らがいる。 ざっと聞いた限り、DIO、纏流子、神威と言った、セイバーと同等の強さを持っている者が少なくとも三人。 セイバー一人討てなかった風がそんな奴らを相手にして勝てるか、いや生き残れるか。 「満開すれば倒せる……でも、それじゃ先はない」 残念ながら難しいと、風は自答する。 一人だけなら、あるいは勝てるかもしれない。だが複数だともう無理だ。 それこそ散華を覚悟で満開するか、東郷と協力でもしなければ――と、その考えを風は打ち消す。 殺すと決めたのなら、頼らない。樹のために仲間でも殺すと決めたのだから、どの面を下げて手を貸してくれと言えるのか。 そういう意味では、セイバーは後腐れのない一度限りの共闘関係である。裏切ろうと見捨てようと心が痛むことはない。 「あいつ、強い……あの強さを手に入れられるのなら……」 身近でセイバーの闘いを観察すれば、風に足りないもの――人間相手の闘い方も、今より深く理解できるかもしれない。 拒んだところでさほどデメリットはない。敵になるのが早いか遅いかだけだ。 だが受け入れた際のメリットは、強力無比な手駒が一つ増えるに等しい。 「一時間後、か。どうする……かな」 風は考えながら手にしたカードを見る。 カードは二枚。村麻紗と、罪歌。キュプリオトの剣は、見逃す代価として置いて行けとセイバーに凄まれた。 命と交換としては安いものと思うしか無い。 ぶらぶらと揺れる手先の中、二振りの妖刀はじっと開放の時を待っている。 風が拾った幸運は、もう一つあった。罪歌を手に取らなかったことだ。 風は知らぬことだが、セイバーは一度罪歌を手にしている。そして、罪歌がもたらす呪いの一端に触れていた。 最優のサーヴァント、ブリテンの騎士王を以ってしても忌まわしいと感じさせる妖刀。それを、敵対者が振るうことの脅威。 仮に風が罪歌を手にしていれば、その瞬間にセイバーは躊躇なく勇者の細首を刎ね飛ばしていただろう。 犬吠埼風は、短い時間に何度も危機に晒され、その度に僅かな運を掴み命を拾ってきた。 セイバーとの同盟を受けるか、拒むか。どちらの道の先に幸運が待っているか、未だ魔王ゴールデンウィンドが知る由は無い。 ◆ 「あれで良かったの? 戻ってこない可能性も高いと思うけど」 「それならそれでいい。元より、さほど期待している訳でもない」 犬吠埼風が去った後、セイバーも民家に入り身体を休めていた。話相手はカード。ルリグ、花代だ。 セイバーは風に監視されたことに気付いたとき、芝居を打つと決めた。 風上から漂ってくる血の匂い、決して強くはないが隠し切れていない気配。さほど探知能力に優れていないセイバーでもすぐにわかった。 これみよがしに隙を晒し、花代のカードがあたかも鎧を生むものだと勘違いするような演技までして、風を誘い出した。 風の存在に気付いておきながらあえてそういう手段を選んだのは、今のセイバーの状態では正面からやり合うには不安が残ったからだ。 左肩にはランサーの宝具により治療できない傷がある。 短時間の戦闘であれば支障はないが、仮に流子や神威ほどの強さを持った相手ならばこのハンデは致命的だ。 故に、あえて敵に先手を取らせ、それを打ち破ることで精神的に優位に立った。 「仮に逆襲を企てているとしても、剣で立ち会う限り私に負けはない。今の状態でもだ」 「貴方は片腕、向こうは片目……まあ、ハンデはあちらの方が大きいものね」 逃げようと向かってこようと、それはどちらでもいい。 当初は何ということもなく斬り捨てるつもりだったが、そうしなかったのはやはり、ランサーの死が予想以上に大きなストレスになったからだろう。 だが、見逃すのは一度だけだ。次に会えば、犬吠埼風はランサーの仇ではなく、ただの敵である。 風に過度な期待をしている訳ではない。 ただ、部下を何人か抱えるDIOといずれ相対することを思えば、自分の方でも対策を――味方か、あるいは敵の敵か――打っておかねばならない。 これはその一つだ。最悪、DIOという脅威がいるという噂が広まるだけでも構わない。 思考を切り替え、セイバーは壁に立てかけてあるキュプリオトの剣を眺める。征服王の剣をランサーが持っていたのは皮肉な話だ。 風がこれをランサーの遺体から奪ったと知ったとき、セイバーは半ば強引に譲るように要求した。 騎士王の聖剣がある以上、武器はさほど必要ではない。にも関わらず所有権を主張したのは、これがある意味ではランサーの形見となるからだ。 もういなくなってしまったランサーを感じられる唯一の名残り。この剣をランサーを殺した風に預けておくのは、どうにも納得がいかなかった。 本音を言えば侍の刀も回収したかったが、そこまですると風に持ちかけた同盟の話にも差し障りが出る。故にキュプリオトの剣のみに留め置いた。 「私の手には聖剣があった。が、貴方は己の槍と出逢うこともなく散った……か。皮肉なものだ」 数刻前に交戦した纏流子が手にしていた槍を思い出す。 ランサー、ディルムッド・オディナの宝具。かつてセイバーを苦しめた破魔の長槍と呪いの短槍。 もしランサーが己の槍を手にしていれば、未熟な犬吠埼風になど遅れは取らなかったはずだとセイバーは思う。 「……ディルムッド・オディナ。その名は永遠に私の記憶に刻み込もう」 誇り高く高潔な、騎士の中の騎士。 セイバーは彼に応えることができなかった。二度目の現界を果たしたこの場ですらも。 あるいはディルムッドとの決着だけが、神威が言った、セイバー本来の在り方を取り戻す無二の方法だったかもしれない。 そしてその機会は永久に失われた。今のセイバーは、果たされることのない誓いに空虚を感じている。 しかし反面、自身を繋ぎ止める最後の楔もまた、砕けて散ったのだとセイバーは感じていた。 「貴方は止まってしまった。だが私は進む。 たとえこの道が、かつて我らが奉じた騎士の道ではないのだとしても」 今のセイバーの戦い方は曇っていると神威は言った。 だが――もう、それでいい。その在り方を受け入れる。 かつて掲げた騎士道は、ディルムッド・オディナが抱いて逝った。 ならばセイバーは、騎士道ではない己の道を行くだけだ。 「さらば、輝く貌のディルムッド。もう二度と、貴方を思い出すことはない」 王は己の心を鞘に収める。 騎士道という剣は、二度と抜かれることはない。 かつて交わした騎士の誓いは、もう二度と果たせないのだから。 【D-6/民家/一日目・昼】 【セイバー@Fate/Zero】 [状態]:魔力消費(極大)、左肩に治癒不可能な傷 [服装]:鎧 [装備]:約束された勝利の剣@Fate/Zero、蟇郡苛の車@キルラキル [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10) 黒カード:レッドアンビジョン(花代のカードデッキ)@selector infected WIXOSS、キュプリオトの剣@Fate/zero [思考・行動] 基本方針:優勝し、願いを叶える 0:今後の動向についてを考える 1:島を時計回りに巡り参加者を殺して回る。 2:時間のロスにならない程度に、橋や施設を破壊しておく。 3:戦闘能力の低い者は無理には追わない。 4:自分以外のサーヴァントと衛宮切嗣、ジョースター一行には警戒。 5:銀時、桂、コロナ、神威と会った場合、状況判断だが積極的に手出しはしない。 6:銀時から『無毀なる湖光(アロンダイト)』を回収したい。 7:ヴァニラ・アイスとホル・ホースに会った時、DIOの伝言を伝えるか、それともDIOの戦力を削いでおくか…… 8:いずれ神威と再び出会い、『必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)』を破壊しなければならない。 9:WIXOSSの内容についても、いずれ把握しておく必要があるか……? 10:一時間、風を待ってみる。花代にWIXOSSについてもう少し聞いてみるか。 [備考] ※参戦時期はアニメ終了後です。 ※自己治癒能力は低下していますが、それでも常人以上ではあるようです。 ※時間経過のみで魔力を回復する場合、宝具の真名解放は12時間に一度が目安。(システム的な制限ではなく自主的なペース配分) ※セイバー以外が使用した場合の消耗の度合いは不明です。 ※DIOとの同盟は生存者が残り十名を切るまで続けるつもりです。 ※魔力で車をコーティングすることで強度を上げることができます。 ※左肩の傷は、必滅の黄薔薇@Fate/Zeroが壊れることによって治癒が可能になります。 ※花代からセレクターバトルについて聞きました 【D-6/民家/一日目・昼】 【犬吠埼風@結城友奈は勇者である】 [状態]:健康、優勝する覚悟、魔王であるという自己暗示 [服装]:普段通り [装備]:風のスマートフォン@結城友奈は勇者である [道具]:腕輪と白カード、赤カード(39/40)、青カード(39/40) 黒カード:樹のスマートフォン@結城友奈は勇者である、IDカード、村麻紗@銀魂、罪歌@デュラララ!!、不明支給品0~2 枚 犬吠埼樹の魂カード [思考・行動] 基本方針:樹の望む世界を作るために優勝する。 0:我が名は魔王、ゴールデンウィンド……。 1:南下しながら参加者を殺害していく。戦う手法は状況次第で判断。 2:市街地で東郷と会ったら問い詰める。 3:一時間後、セイバーの元へ向かうか、あるいは……。 [備考] ※大赦への反乱を企て、友奈たちに止められるまでの間からの参戦です。 ※優勝するためには勇者部の面々を殺さなくてはならない、という現実に向き合い、覚悟を決めました。 ※東郷が世界を正しい形に変えたいという理由で殺し合いに乗ったと勘違いしています。 ※村麻紗と罪歌の呪いは、現時点では精霊によって防がれているようです。 ※村麻紗の呪いは精霊によって防がれるようです。 ※罪歌はただの日本刀だと考え、黒カードにして詳細を確認せずしまい込んでいるようです。 ※東郷美森が犬吠埼樹を殺したという情報(大嘘)を知りました。 時系列順で読む Back 無辜の怪物 Next 猿の夢 投下順で読む Back ルールなんてあってないようなもの Next 猿の夢 127 そして騎士は征く セイバー 153 時は来たれり 124 黄金の風 犬吠埼風 153 時は来たれり
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投票結果まとめ 当選は水色、決戦投票は黄色で表記しています。 作品投票 キャラクター投票 OP・地図・企画名投票 第一回放送話投票 第二回放送話投票 作品投票 作品投票ルール アニメキャラ・バトルロワイヤル4th 二度目(仮題)に登場する作品を決めるための投票を7月4日(土)に開始します。 以下をよく読んだ上で投票してください。 【当選条件】 得票数1位~15位タイの作品(15位が複数作品ある場合は翌日以降に決戦投票) 【投票期間】 7月4日(土)0 00~23:59。 認証スレでの認証期間は7月4日(土)0 00~7月5日(日)のAM11 59 59までです。 【票数】 持ち票1人10票。 一作品に複数投票するのは不可 ※投票方法 下記にある投票テンプレをコピーペーストし、投票したい作品名を記入して下さい。 投票時の作品名又は、シリーズ名はウィキペディアの表記に統一しての記入が推奨です。 理由に関わらず投票内容の変更は出来ませんので慎重に投票して下さい。 投票時にはホストを開示。携帯からの投票は不可です。 ネットカフェなどの公共施設からの投票も不可。 多重投稿防止のため、最初のIP被りがあった場合 以降、認証スレでトリップ設定での携帯とのダブルチェックをお願いします。 [投票テンプレ] 【作品名】 【】 【】 【】 【】 【】 【】 【】 【】 【】 ※注意 シリーズ物については、作品世界及びキャラクター(以下キャラ)の時間的空間的差異が大きくない又は メインキャラが大きく変わっていない限り同一作品とみなします。 『作品名』シリーズと書いて投票しても構いません。 現在放送中のアニメと未放送のアニメは投票禁止です。シリーズ物は放送終了後の作品に限り投票可能です。 リメイク物については、特に大きな設定的変更が行われていない場合は同一作品とみなします。 また、作品が当選した場合においても、アニメに登場していない他メディア登場キャラ、実在人物は参加できません。 世界観を共有している作品(製作会社の違い、別ルート、スピンオフ系、続編もの)が複数当選した場合、 得票の多い作品のみが当選します。 例)禁書と超電磁砲、Fate Stay/nightとFate/Zero、DTB黒の契約者とDTB流星の双子、ジョジョ1部と2部、3部など 現在行われているアニメキャラ・バトルロワイアルIFに参戦しているアニメは3作品までしか当選できません。 DTB流星の双子、ハガレン1期、ジョジョ一部二部が当選した場合は別物としてカウントします。 叛逆まどかとP4Gは同カウントです。 参加作品・キャラクターは以下のリンクの通り。 ttp //www11.atwiki.jp/row/pages/409.html 当選した場合、アニメ(テレビ及び映画)版の原典(漫画や小説やゲーム)に準拠した設定を基調に 矛盾の無い範囲で一定の他メディア設定の補完を受け描写されますが、 クロスオーバーリレーSSとして成立させるために一定の制限がつく予定です。 外国のアニメと視聴(購入、全年齢レンタルなど)が困難か不可能なアニメには投票できません。 参加キャラについての決定方法や合計参加キャラ数については確定していません。 決定方法及びキャラ投票結果によっては作品が当選してもキャラが一人も通過しないこともありえます (参加作品投票終了後、要議論) 作品投票結果 8票 【デュラララ!!】 7票 【結城友奈は勇者である】 【銀魂】 【咲-Saki- 全国編】 【キルラキル】 【グラップラー刃牙】 【魔法少女リリカルなのはViVid】 6票 【グリザイアの果実シリーズ】 【ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 5票 【selector infected WIXOSS】 【Fate/Zero】 【神撃のバハムート GENESIS】 4票 【遊☆戯☆王5D s】 【のんのんびより】 【ポケットモンスター】 【東京喰種トーキョーグール】 【ご注文はうさぎですか?】 【スクライド】 【ラブライブ!】 3票 【ガールズ パンツァー】 【ドラゴンボールZ】 【俺、ツインテールになります。】 【DARKER THAN BLACK -流星の双子-】 【アイドルマスター シンデレラガールズ】 【未来日記】 【艦隊これくしょん-艦これ-】 【きんいろモザイクシリーズ】 【真月譚 月姫】 2票 【アカメが斬る!】 【逆境無頼カイジシリーズ】 【スペースコブラ】 【スレイヤーズ】 【美男高校地球防衛部LOVE!】 【キルミーベイベー】 【ロボットガールズZ】 【機動武闘伝Gガンダム】 【TOLOVEる】 【真ゲッターロボ 世界最後の日】 【新ゲッターロボ】 【ロウきゅーぶ】 【男子高校生の日常】 【牙狼-GARO- -炎の刻印-】 【ガッチャマン クラウズ】 【帰宅部活動記録】 【進撃の巨人】 【ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 The Animation】 【物語シリーズ】 【蒼き鋼のアルペジオ ‐アルス・ノヴァ‐】 【THE IDOLM@STER】 【魔法科高校の劣等生】 【戦国BASARA】 【ハナヤマタ】 【バジリスク~甲賀忍法帖~】 【Fate/stay night [Unlimited Blade Works]】 【School Days】 1票 【とある科学の超電磁砲】 【棺姫のチャイカ】 【えとたま】 【真マジンガー 衝撃!Z編】 【鋼鉄神ジーグ】 【ルパン三世】 【クロスアンジュ 天使と竜の輪舞】 【ブラック・ブレット】 【悪魔のリドル】 【11eyes】 【アクセル・ワールド】 【ルパン三世】 【遊☆戯☆王】 【ゾイド -ZOIDS-】 【ファイナルファンタジー アンリミテッド】 【HELLSING】 【GetBackers-奪還屋-】 【アカギ 〜闇に降り立った天才〜】 【這いよれ! ニャル子さん】 【精霊使いの剣舞】 【ガールフレンド(仮)】 【アイドルマスター XENOGLOSSIA】 【ブラック・ジャック】 【灼眼のシャナ】 【名探偵コナン】 【HANTER×HANTER】 【犬夜叉】 【魔法陣グルグル】 【勇者王ガオガイガー】 【ちびまる子ちゃん(第1期)】 【鋼の錬金術師】 【機動戦士ガンダムUC】 【ANGEL BEATS!】 【幸腹グラフィティ】 【ニセコイ】 【ゼロの使い魔】 【四月は君の嘘】 【プラスティックメモリーズ】 【魁!!クロマティ高校】 【刀語】 【山田君と7人の魔女】 【七つの大罪】 【DOG DAYS】 【まりあ†ほりっく あらいぶ】 【人造人間キカイダー THE ANIMATION】 【ストライクウィッチーズ】 【戦国コレクション】 【響け!ユーフォニアム】 【ディスク・ウォーズ アベンジャーズ】 【世界征服~謀略のズヴィズダー~】 【Another】 【デビルサバイバー2 the Animation】 【俺の青春ラブコメは間違っている】 【ブラックブレット】 【戦姫絶唱シンフォギアG】 【CANAAN】 【七つの大罪】 【ニニンがシノブ伝】 【戦姫絶唱シンフォギアG】 【蒼穹のファフナーシリーズ】 【機動戦士ガンダムSEED】 【テラフォーマーズ】 作品決戦投票ルール アニメキャラ・バトルロワイヤル4th 二度目(仮題)に登場する作品を決めるための決選投票を7月6日(月)に開始します。 以下をよく読んだ上で投票してください。 【当選条件】 得票数1位~3位タイの作品 3位同着の作品があれば先に票を獲得していた方が当選 それも同時なら上に書かれていた方が当選。 【投票期間】 7月6日(月)0 00~23:59。 認証スレでの認証期間は7月6日(月)0 00から7月7日(火)の23 59 59までです。 『投票対象作品』 【遊☆戯☆王5D s】【のんのんびより】【ポケットモンスター】 【東京喰種トーキョーグール】【ご注文はうさぎですか?】【スクライド】【ラブライブ!】の七作品。 それ以外の作品の投票は禁止。 【票数】 持ち票1人3票。 一作品に複数投票するのは不可 ※投票方法 下記にある投票テンプレをコピーペーストし、投票したい作品名を記入して下さい。 理由に関わらず投票内容の変更は出来ませんので慎重に投票して下さい。 投票時にはホストを開示。携帯からの投票は不可です。 ネットカフェなどの公共施設からの投票も不可。 多重投稿防止のため、最初のIP被りがあった場合 以降、認証スレでトリップ設定での携帯とのダブルチェックをお願いします。 なお、先の作品投票で二重認証済みの方はホストが変わっていない限りは認証は必要ありません。 [投票テンプレ] 【】 【】 【】 作品決戦投票結果 15票 【ご注文はうさぎですか?】 12票 【のんのんびより】 【ラブライブ!】 11票 【遊☆戯☆王5D s】 10票 【東京喰種トーキョーグール】 9票 【スクライド】 7票 【ポケットモンスター】 キャラクター投票 キャラクター投票ルール アニメキャラ・バトルロワイヤル4th(二度目)に登場する「キャラクター(以下キャラ)」70名のうち 55名を決めるための投票です。以下をよく読んだ上で投票してください。 【当選条件】 得票数1位~55位タイのキャラ。ただし各作品の主人公は投票対象外です。 同票獲得等で55位相当のキャラが多数出た場合、後日決選投票になる可能性があります。 1作品からの上限は6人。7位以下は切り捨てられます。6位タイの場合も議論次第で後日決選投票の可能性があります。 1作品からの下限はありません。 【投票期間】 7月11日(土)0 00~23:59。 認証スレでの認証期間は7月11日(土)0 00~7月12日(日)のAM11 59 59までです。 【票数】 持ち票1人20票。 1作品への投票は5票までです。 キャラクターの名前はウィキペディアの表記での記入をお願いします。 理由に関わらず投票内容の変更はできません。 【投票対象について】 【selector infected WIXOSS】の投票対象キャラは人間のみです。 キャラの中身は誰なのかは書き手さんにお任せです。 【デュラララ!!】はデュラララ!!×2 承 までに登場するキャラに投票可能です。 【咲-Saki- 全国編】は阿知賀編のみに登場するキャラには投票できません。 【グラップラー刃牙】は番外編にのみ出てきたビスケット・オリバには投票できません。 【魔法少女リリカルなのはViVid】は無印、A s、stsにのみ登場するキャラにはできません。 【ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】は他の部にのみ登場するキャラには投票できません。 【Fate/Zero】は以降の時間軸に相当する派生作品にしか登場しないキャラ、プリズマイリヤのキャラには投票できません。 ※役割上モブやそれと大差のないキャラ、ネタ要素が強いだけのキャラ、設定的能力的に非常に扱い難いなど、 企画の進行にとって害になり得るキャラは投票後、議論によっては該当するキャラについての是非を問う意味での 決選投票が行われる可能性があります。 【当選後のキャラの扱い】 有効投票は作品投票を勝ち残った作品のキャラのみに限られます。 なお、アニメに登場していない他媒体登場キャラ、実在の人物、 当選した場合、アニメ(テレビ及び映画)版の原典に準拠した設定を基調に 矛盾の無い範囲で一定の他メディア設定の補完を受け描写されますが、 クロスオーバーリレーSSとして成立させるために一定の制限がつく予定です。 ※その他 投票時にはホストを開示。携帯からの投票は不可。 ネットカフェなどの公共施設からの投票も禁止です。 多重投稿防止のため、最初のIP被りがあった場合 以降トリップ設定での携帯とのダブルチェックをお願いします。 ■各参加作品の主人公(参加確定枠・投票対象外) 【セルティ・ストゥルルソン@デュラララ!!。】【結城友奈@結城友奈は勇者である】 【坂田銀時@銀魂】【宮永咲@咲-Saki- 全国編】【纏流子@キルラキル】【範馬刃牙@グラップラー刃牙】 【高町ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはViVid】【風見雄二@グリザイアの果実シリーズ】 【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】【小湊るう子@selector infected WIXOSS】 【衛宮切嗣@Fate/Zero】【ファバロ・レオーネ@神撃のバハムート GENESIS】 【保登心愛@ご注文はうさぎですか?】【宮内れんげ@のんのんびより】【高坂穂乃果@ラブライブ】 投票テンプレ 【キャラ名@作品名】 【@】 【@】 【@】 【@】 【@】 【@】 【@】 【@】 【@】 【@】 【@】 【@】 【@】 【@】 【@】 【@】 【@】 【@】 【@】 (計20名) キャラクター投票結果 10票 【三好 夏凜@結城友奈は勇者である】 【東郷 美森@結城友奈は勇者である】 【犬吠埼 風@結城友奈は勇者である】 【犬吠埼 樹@結城友奈は勇者である】 9票 【ジャン=ピエール・ポルナレフ@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 【本部以蔵@グラップラー刃牙】 【志村新八@銀魂】 8票 【DIO@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 【絢瀬 絵里@ラブライブ!】 【針目縫@キルラキル】 【香風 智乃@ご注文はうさぎですか?】 7票 【桂小太郎@銀魂】 【神威@銀魂】 【長谷川泰三@銀魂】 【神楽@銀魂】 【桐間 紗路@ご注文はうさぎですか?】 【天々座 理世@ご注文はうさぎですか?】 【宇治松 千夜@ご注文はうさぎですか?】 【雨生 龍之介@Fate/Zero】 【キャスター@Fate/Zero】 【言峰綺礼@Fate/Zero】 【東條 希@ラブライブ!】 【矢澤 にこ@ラブライブ!】 【折原臨也@デュラララ!!】 【平和島静雄@デュラララ!!】 【ジャンヌ・ダルク@神撃のバハムート GENESIS】 【ラヴァレイ@神撃のバハムート GENESIS】 【蟇郡 苛@キルラキル】 【ホル・ホース@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 【蒼井 晶@selector infected WIXOSS】 6票 【間桐 雁夜@Fate/Zero】 【セイバー@Fate/Zero】 【ヴァニラ・アイス@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 【アインハルト・ストラトス@魔法少女リリカルなのはViVid】 【神代 小蒔@咲-Saki- 全国編】 【ヴァローナ@デュラララ!!】 【鬼龍院 皐月@キルラキル】 5票 【ケイネス・エルメロイ・アーチボルト@Fate/Zero】 【ランサー@Fate/Zero】 【リタ@神撃のバハムート GENESIS】 【アザゼル@神撃のバハムート GENESIS】 【紅林 遊月@selector infected WIXOSS】 【浦添 伊緒奈@selector infected WIXOSS】 【範馬勇次郎@グラップラー刃牙】 【ジャック・ハンマー@グラップラー刃牙】 【土方十四郎@銀魂】 【花京院典明@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 【コロナ・ティミル@魔法少女リリカルなのはViVid】 【池田 華菜@咲-Saki- 全国編】 【園原杏里@デュラララ!!】 【南 ことり@ラブライブ!】 【一条蛍@のんのんびより】 4票 【遠坂 葵@Fate/Zero】 【バーサーカー@Fate/Zero】 【越谷夏海@のんのんびより】 【越谷小鞠@のんのんびより】 【カイザル・リドファルド@神撃のバハムート GENESIS】 【アーミラ@神撃のバハムート GENESIS】 【入巣 蒔菜@グリザイアの果実シリーズ】 【坂下父@グリザイアの果実シリーズ】 【満艦飾マコ@キルラキル】 3票 【松嶋 みちる@グリザイアの果実シリーズ】 【ヒース・オスロ@グリザイアの果実シリーズ】 【日下部麻子@グリザイアの果実シリーズ】 【テュポーン@グリザイアの果実シリーズ】 【遠坂 時臣@Fate/Zero】 【ライダー@Fate/Zero】 【J・ガイル@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 【石戸 霞@咲-Saki- 全国編】 【ちより@selector infected WIXOSS】 【リオ・ウェズリー@魔法少女リリカルなのはViVid】 【鬼龍院羅暁@キルラキル】 【星空 凛@ラブライブ!】 【金竜山@グラップラー刃牙】 【岸谷新羅@デュラララ!!】 2票 【小瀬川白望@咲-Saki- 全国編】 【佐々野 いちご@咲-Saki- 全国編】 【高鴨穏乃@咲-Saki- 全国編】 【新子憧@咲-Saki- 全国編】 【周防 天音@グリザイアの果実シリーズ】 【小嶺 幸@グリザイアの果実シリーズ】 【入巣 清夏@グリザイアの果実シリーズ】 【近藤勲@銀魂】 【柳生九兵衛@銀魂】 【岡田似蔵@銀魂】 【園田 海未@ラブライブ!】 【小泉花陽@ラブライブ!】 【アレッシー@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 【竜ヶ峰帝人@デュラララ!!】 【ガイア@グラップラー刃牙】 【高町なのは@魔法少女リリカルなのはVivid】 1票 【愛宕 洋榎@咲-Saki- 全国編】 【末原 恭子@咲-Saki- 全国編】 【薄墨 初美@咲-Saki- 全国編】 【原村 和@咲-Saki- 全国編】 【国広 一@咲-Saki- 全国編】 【藤原 利仙@咲-Saki- 全国編】 【荒川 憩@咲-Saki- 全国編】 【内木 一太@咲-Saki- 全国編】 【瑞原 はやり@咲-Saki- 全国編】 【榊 由美子@グリザイアの果実シリーズ】 【風見一姫@グリザイアの果実シリーズ】 【春寺 由梨亜@グリザイアの果実シリーズ】 【風見亮二@グリザイアの果実シリーズ】 【風見聡子@グリザイアの果実シリーズ】 【榊道昭@グリザイアの果実シリーズ】 【柴千春@グラップラー刃牙】 【山本 稔@グラップラー刃牙】 【愚地独歩@グラップラー刃牙】 【烈 海王@グラップラー刃牙】 【朱沢江珠@グラップラー刃牙】 【沖田総悟@銀魂】 【ハタ皇子@銀魂】 【月詠@銀魂】 【高杉晋助@銀魂】 【地雷亜@銀魂】 【西木野 真姫@ラブライブ!】 【ヒデコ@ラブライブ!】 【フミコ@ラブライブ!】 【ミカ@ラブライブ!】 【ノーヴェ・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはVivid】 【シャンテ・アピニオン@魔法少女リリカルなのはViVid】 【フェイト・テスタロッサ・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはViVid】 【言峰 璃正@Fate/Zero】 【アサシン@Fate/Zero】 【アイリスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/Zero】 【空条ホリィ@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 【ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 【伊織 糸郎@キルラキル】 【猿投山渦@キルラキル】 【越谷雪子@のんのんびより】 【越谷卓@のんのんびより】 【聖辺ルリ@デュラララ!!】 【乃木 園子@結城友奈は勇者である】 【植村 一衣@selector infected WIXOSS】 キャラクター決戦投票ルール アニメキャラ・バトルロワイヤル4th(二度目)に登場する参加者70名を決めるための決選投票です。 以下をよく読んだ上で投票してください。 『参加キャラ決選投票 当選条件』 投票数上位4人までのキャラ。 4位相当のキャラが複数同票で並んだ場合は先にその票を獲得していた方が当選。 それも同時なら上に書かれていた方が当選します。 理由に関わらず投票内容の変更は不可です。 ※もしグリザイアの果実シリーズ出典のキャラである入巣蒔菜が落選した場合は 同シリーズ出典で1人残った主人公の風見雄二も自動的に落選となり、他の決選投票対象キャラは全員当選となります。 よく考えてご投票下さい。 [Fate/Zero 参加キャラ決選投票について] 先の参加キャラ投票で、当選ライン内でFate/Zero内同着6位だったケイネス・エルメロイ・アーチボルトと ランサーのどちらを参加者として出場させるかの投票も決選投票と同時に行います。 どちらかを選んで投票し、票数が多い方が当選し出場できます。同票の場合は先着順が当選です。 【投票期間】 7月13日(月)0 00~23:59まで。 認証スレでの認証期間は7月13日(月)0 00~7月14日(火)のAM11 59 59までです。 【票数】 参加キャラ決選投票の持ち票は1人4票。 【当選後のキャラの扱い】 有効投票は投票対象のキャラのみに限られます。 当選した場合、アニメ(テレビ及び映画)版の原典に準拠した設定を基調に 矛盾の無い範囲で一定の他メディア設定の補完を受け描写されますが、 クロスオーバーリレーSSとして成立させるために一定の制限がつく予定です。 ※その他 投票時にはホストを開示。携帯からの投票は不可。 ネットカフェなどの公共施設からの投票も禁止です。 多重投稿防止のため、最初のIP被りがあった場合 以降トリップ設定での携帯とのダブルチェックをお願いします。 過去投票で認証済みでホストが変わってない人は認証スルーできます。 『投票対象』 【越谷夏海@のんのんびより】 【越谷小鞠@のんのんびより】 【カイザル・リドファルド@神撃のバハムート GENESIS】 【アーミラ@神撃のバハムートGENESIS】 【満艦飾マコ@キルラキル】 【入巣蒔菜@グリザイアの果実シリーズ】 投票テンプレ 参加キャラ決選投票 【キャラ名@作品名】 【@】 【@】 【@】 Fate/Zero 参加キャラ決選投票 【ケイネス・エルメロイ・アーチボルトorランサー】 キャラクター決戦投票結果 13票 【カイザル・リドファルド@神撃のバハムート GENESIS】 12票 【越谷小鞠@のんのんびより】 11票 【入巣蒔菜@グリザイアの果実シリーズ】 【満艦飾マコ@キルラキル】 9票 【アーミラ@神撃のバハムートGENESIS】} 7票 【越谷夏海@のんのんびより】} 11票 【ランサー】 8票 【ケイネス・エルメロイ・アーチボルト】 OP・地図・企画名投票 OP・地図・企画名投票ルール アニメキャラ・バトルロワイヤル4th(二度目)のオープニングと正式タイトル名と会場地図を決める為の投票です。 以下をよく読んだ上で投票してください。 『オープニング投票 当選条件』 1位になった作品が当選します。1位の作品が複数あった場合は決選投票を行います。 理由に関わらず投票内容の変更は不可です。 [地図投票 当選条件] 1位になった作品が当選します。1位の作品が複数あった場合は決選投票を行います。 それぞれの候補作はアルファベット小文字で区別します。 理由に関わらず投票内容の変更は不可です。 〈企画名投票〉 1位になったタイトル案が当企画の正式タイトルになります。 1位の案が複数あった場合は決選投票を行います。 それぞれの候補作はカタカナで区別します。 理由に関わらず投票内容の変更は不可です。 【投票期間】7月26日(日)0 00~23:59までです。 認証期間は7月26日(日)0:00~7月27日(月)AM11:59までです。 7月28日のAM1:00頃までホスト表示です。書き込みの際はご注意下さい。 【票数】 いずれの投票も持ち票は1人1票です。 ※その他 投票時にはホストを開示。携帯からの投票は不可。 ネットカフェなどの公共施設からの投票も禁止です。 多重投稿防止のため、最初のIP被りがあった場合 以降トリップ設定での携帯とのダブルチェックをお願いします。 過去投票で認証済みでホストが変わってない人は認証スルーできます。 ■投票テンプレ 『OP投票』 [地図投票] 【企画名投票】 ▽投票例 『OP投票』 A:タイトル OP ころしあいが始まった [地図投票] b: 《企画名投票》 ケ:【アニメキャラ・バトルロワイアル/DUO】 あるいは A: [地図投票] b: 《企画名投票》 ケ: のように記号のみでも可。 A:タイトル OP ころしあいが始まった 作者◆DGGi/wycYo氏 作品リンク: ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17204/1436887323/90-94 主催:佐々木異三郎@銀魂、 今井信女@銀魂 配下:不明 黒幕:不明 見せしめ:越谷夏海@のんのんびより 他の登場人物:越谷小鞠@のんのんびより 追記:7月22日に修正済 B:作者 ◆eQMz0gerts氏、タイトル不明 作品リンク: ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17204/1436887323/29-33 ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17204/1436887323/36 主催:徳川茂茂@銀魂 服部全蔵@銀魂 配下:不明 黒幕:不明 見せしめ:モハメド・アヴドゥル@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 他の登場人物:土方十四郎@銀魂、宮内れんげ@のんのんびより C:タイトル OP案4「royaled」、作者 ◆..N2cWeukk氏 作品リンク: ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17204/1436887323/40-43 ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17204/1436887323/52-53 (修正版) 主催:繭@selector infected WIXOSS 配下:不明 黒幕:???@??? 見せしめ:アーミラ@神撃のバハムート 他の登場人物:ファバロ・レオーネ、カイザル・リドファルド@神撃のバハムート 追記:7月19日に修正済、デイパックの代わりに同様以上の機能を持つ4種のカードが基本支給品 D:タイトル 宴の始まり、作者◆IXB73G6vLY氏 作品リンク: ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17204/1436887323/66-73 主催:繭@selector infected WIXOSS テレンス・T・ダービー@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 配下:不明 黒幕:???@??? 見せしめ:越谷夏海@のんのんびより 他の登場人物:本部以蔵、範馬勇次郎@グラップラー刃牙。越谷小鞠@のんのんびより、セイバー@Fate/Zero ヴァニラ・アイス、DIO@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 追記:死んだ参加者の魂はテレンスの人形に封じ込められる。夏海の小鞠への呼称など僅かな問題あり。 E:タイトル鮮血の開幕 、作者◆DbK4jNFgR6氏 作品リンク: ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17204/1436887323/97-104 (修正版) 主催:繭@selector infected WIXOSS 入巣清香@グリザイアの果実シリーズ 配下:不明 黒幕:???@??? 見せしめ:アイリスフィール・フォン・アインツベルン、ケイネス・エルメロイ・アーチボルト 遠坂時臣@Fate/Zero 他の登場人物:間桐雁夜、セイバー、ランサー@Fate/Zero 追記:7月23日に修正済 ※会場地図候補 企画名候補テンプレ案 【会場MAP案】 a: ttp //i.imgur.com/Yh4LXh8.jpg b: ttp //i.imgur.com/Fcf2ECg.png c: ttp //i.imgur.com/regw7yh.png 『企画タイトル案』 ア:【アニメキャラ・バトルロワイアル4th´】 イ:【アニメキャラ・バトルロワイアル4th Re 】 ウ:【真・アニメキャラバトルロワイアル4th】 エ:【アニメキャラ・バトルロワイアル4th/DUO】 オ:【アニメキャラ・バトルロワイアル5th】 カ:【アニメキャラ・バトルロワイアル4th】 OP・地図・企画名投票結果 『OP投票』 7票 C:タイトル OP案4「royaled」 4票 E:タイトル 鮮血の開幕 2票 D:タイトル 宴の始まり [地図投票] 11票 a: 2票 c: 【企画名投票】 5票 ア:【アニメキャラ・バトルロワイアル4th´】 カ:【アニメキャラ・バトルロワイアル4th】 1票 イ:【アニメキャラ・バトルロワイアル4th Re 】 オ:【アニメキャラ・バトルロワイアル5th】 企画名決戦投票ルール アニメキャラ・バトルロワイヤル4th(二度目)の正式タイトル名を決める為の決選投票を行います。 以下をよく読んだ上で投票してください。 『企画タイトル候補』 ア:【アニメキャラ・バトルロワイアル4th´】 イ:【アニメキャラ・バトルロワイアル4th】 〈企画名投票〉 上記の候補の内、どちらかに投票し、勝ったタイトル案が当企画の正式タイトルになります。 票が同数だった場合は先着順が当選です。 理由に関わらず投票内容の変更は不可です。 【投票期間】7月27日(月)AM1 00~7月28日(火)0:59までです。 認証期間は7月27日(月)1:00~7月28日(火)12:59までです。 7月29日の22:00頃までホスト表示です。書き込みの際はご注意下さい。 投票結果によってはホスト認証の前に決着が付き、認証期間が短縮される場合があります。 【票数】 いずれの投票も持ち票は1人1票です。 ※その他 投票時にはホストを開示。携帯からの投票は不可。 ネットカフェなどの公共施設からの投票も禁止です。 多重投稿防止のため、最初のIP被りがあった場合 以降トリップ設定での携帯とのダブルチェックをお願いします。 過去投票で認証済みでホストが変わってない人は認証スルーできます。 投票テンプレ 《企画名投票》 : 記号のみでも可。 企画名決戦投票結果 5票 イ:【アニメキャラ・バトルロワイアル4th】 3票 ア:【アニメキャラ・バトルロワイアル4th´】 第一回放送話投票 第一回放送話投票ルール アニメキャラ・バトルロワイヤル4thの第一回放送案を決める為の投票を行います。 以下をよく読んだ上で投票してください。 『オープニング投票 当選条件』 放送候補作のAかBのどちらかに投票し、より多くの票を獲得した作品が当選します。 同票の場合は先着順が当選します。 理由に関わらず投票内容の変更は不可です。 【投票期間】10月16日(金)0 00~23:59までです。 認証期間は10月16日(金)0:00~10月17日(土)AM11:59までです。 もし投票終了時の各票が未認証のものを計算に入れて尚結果が決まっていた場合は その場で終了する可能性があります。 認証終了日の翌日に予約解禁する予定です。 10月16日(金)からの10月17日(土)の12:00頃までホスト表示です。 書き込みの際はご注意下さい。 【票数】 持ち票は1人1票です。 ※注意 投票時にはホストを開示。携帯からの投票は不可。 ネットカフェなどの公共施設からの投票も禁止です。 多重投稿防止のため、最初のIP被りがあった場合、以降トリップ設定での携帯とのダブルチェックをお願いします。 以前投票で認証済みでホストが変わってない人は認証をスルーできます。 ■投票テンプレ 【第一回放送案投票】 A 第一回放送 作者◆NiwQmtZOLQ氏 or B 第一回放送 -この声は冒涜- 作者◆DGGi/wycYo氏 〈放送案候補作詳細〉 A:第一回放送 作者◆NiwQmtZOLQ氏 作品リンク: ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17204/1436887323/392-396 登場人物:繭@selector infected WIXOSS 追記:南ことりと満艦飾マコの名前が放送で呼ばれない。 B:第一回放送 -この声は冒涜- 作者◆DGGi/wycYo氏 作品リンク: ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17204/1436887323/397-401 登場人物:繭@selector infected WIXOSS、????@不明 追記:南ことりと満艦飾マコの名前が放送で呼ばれる。謎の協力者が登場。 セイバーの施設破壊とルリグ支給について言及あり。 第一回放送話投票結果 7票 B 第一回放送 -この声は冒涜- 作者◆DGGi/wycYo氏 6票 A 第一回放送 作者◆NiwQmtZOLQ氏 第二回放送話投票 第二回放送話投票ルール アニメキャラ・バトルロワイヤル4thの第二回放送SSを決める為の投票を行います。 以下をよく読んだ上で投票してください。 【投票期間】3月5日(土)0 00~23:59までです。 認証期間は3月5日(土)0:00~3月6日(日)AM11:59までです。 もし投票終了時の各票が未認証のものを計算に入れて尚結果が決まっていた場合は その時点で終了する可能性があります。 認証終了日の翌日に予約解禁する予定です。 3月4日(土)からの3月5日(日)の12:00頃までホスト表示です。 書き込みの際はご注意下さい。 【票数】 持ち票は1人1票です。 ※注意 投票時にはホストを開示。携帯からの投票は不可。 ネットカフェなどの公共施設からの投票も禁止です。 多重投稿防止のため、最初のIP被りがあった場合、以降トリップ設定での携帯とのダブルチェックをお願いします。 以前投票で認証済みでホストが変わってない人は認証をスルーできます。 ■投票テンプレ 【第二回放送案投票】 A タイトル名 作者◆トリップ名氏 or B タイトル名 作者◆トリップ名氏 ・ ・ ・ 〈第二回放送SS候補作品詳細〉 A:第二回放送 -カプリスの繭- 作者◆DGGi/wycYo氏 作品リンク: ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17204/1436887323/604-607 登場人物:繭@selector infected WIXOSS、ヒース・オスロ@グリザイアの果実シリーズ ?????@グリザイアの果実シリーズ 追記:禁止エリア:【B-8】【D-3】【F-6】、A-4の橋の修理の完了と禁止エリアの解除を通達 B:第二回放送-Love your enemies- 作者◆gsq46R5/OE氏 作品リンク: ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17204/1436887323/584-590 登場人物:繭@selector infected WIXOSS、ギルガメッシュ@Fate/Zero 鬼龍院羅暁@キルラキル 追記:禁止エリア:【B-5】【E-3】【G-7】、『あいつ』は鬼龍院羅暁 C:第二回放送 -その老人は黒幕- 作者◆DbK4jNFgR6氏 作品リンク: ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17204/1436887323/591-596 登場人物:繭@selector infected WIXOSS、ヒース・オスロ@グリザイアの果実シリーズ 間桐臓硯@Fate/Zero 追記:禁止エリア:【B-7】【C-2】【G-7】、タマを支給品としたのはヒース・オスロ D:第二回放送 -EXODUS- 作者◆NiwQmtZOLQ氏 作品リンク: ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17204/1436887323/597-603 登場人物(主催のみ):繭@selector infected WIXOSS、乃木園子@結城友奈は勇者である 鯨木かさね@デュラララ!! 追記:禁止エリア:【B-5】【E-3】【G-5】、繭が鯨木に何か頼みごとをする 繭が放送で参加者へ学校と手札について何らかのヒントを与える A-4の橋の修理の完了と禁止エリアの解除を通達 参加者の関係者の無力な少女が複数人『観客』にされています。 第二回放送話投票結果 7票 A:第二回放送 -カプリスの繭- 作者◆DGGi/wycYo氏 4票 D:第二回放送 -EXODUS- 作者◆NiwQmtZOLQ氏 2票 B 第二回放送-Love your enemies- 作者◆gsq46R5/OE氏
https://w.atwiki.jp/newani4/pages/146.html
本能字の変(3) Angel Blossom ◆gsq46R5/OE 「フフフフ……どうした? 先程からこのDIOに、傷一つ与えられていないようだが……」 桂小太郎が倒された。 コロナ・ティミルが刺された。 そして、園原杏里が殺された。 神威は現れた助っ人の少女と戦っており、今銀時は事実上DIOと一対一で戦っていた。 その戦況はといえば、まさに今DIOが言った通りである。 「…………ッ、……ハア……!」 銀時の体に積み重なったダメージは相当なものだ。 如何に歴戦の侍といえども、そのような状況にあっては動きに支障が出るのは避けられない。 時を止めるまでもなく、彼の剣はDIOと『世界』を前に容易くいなされ続けていた。 当然、DIOには坂田銀時をいつでも殺したり、撃破することが出来る。 それをしないのは、ひとえに彼の余裕だった。 ただ殺すのみではあまりにつまらない。 それに、この侍は帝王である自分を散々侮辱し、コケにする発言を繰り返してくれたのだ。 DIOは銀時に肉の芽を植え付け、傀儡とする魂胆であったが、それまでにもう少し遊んでやる気でいた。 有効打にこそなりはしなかったものの、DIOは数度、彼の剣で傷を負わされている。 神威の件も手伝って募った苛立ちを、帝王は目の前の侍で発散せんとしていた。 「ハア、ハア……――――おおおォォォォォォッ!!」 「無駄無駄無駄無駄ァ! そのような猪口才な抵抗、このDIOに通じるとでも思ったか!!」 『世界』の拳が胴を突き上げ、銀時は宙へ打ち上げられて地に墜ちる。 両手の力で起き上がろうとする彼だったが、その頭をDIOが上から踏みつけた。 グリグリと嬲るように靴底を擦り付ける。 相手は、その気にさえなればこのまま銀時の頭を踏み潰せるだけの力を持った吸血鬼だ。 さしもの銀時も、這い蹲った状態からDIOへ力勝負で勝つのはあまりに困難であった。 「フフ……おまえはこのDIOへ背き、されど届かない愚かな人間であったが、そのしぶとさだけは評価に値する。 これからおまえはわたしの部下となり、馬車馬のように歩き回ってわたしの為に参加者を殺すのだ」 「………………ハ、馬鹿言ってんじゃねえよ、厨二病のDIOくん」 踏みつけられたまま、銀時は一切臆することなく悪罵を叩く。 DIOの顔から笑みが消えた。 銀時はそれとは対称的に口元へ笑みを湛え、徹底してこの『帝王』を否定する。 「テメーのやってることは単なるお山の大将だ。中学二年生拗らせたジャイアンみてえなもんだよ。 口開けばこのDIOがこのDIOがって、今時どんな一人称ですかこの野郎。 DIOくん、君アレだろ? 粋がって弱い者イジメしておいて、いざ逆襲されるとボコボコにされて泣かされてたクチだろ。居るんだよねぇ君みたいな奴――」 「随分とお喋りな負け犬だ」 実に淡白に言って、DIOは銀時の髪の毛を掴み上げた。 黄金の頭髪が変異する。 ウネウネと気色悪く蠢いて、坂田銀時の額へと伸びていく。 「偉そうにご高説を垂れているが、結果はどうだ? おまえはこのDIOに歯牙にも掛けられず、終始徹底して甚振られただけではないか――フフ。 わたしからすれば、おまえの方がよほど頭の病気に思えるよ…… ――いや、おまえだけではない。 わたしが最初に叩き潰してやった、あの長髪の侍もそう考えればずいぶんな間抜けだった……雑魚は雑魚らしく隅で丸まって震えていれば、あとほんのちょっぴりは長生き出来たろうになッ!」 「――――雑魚ではない。桂だ」 その時、DIOは慢心していた。 すべての敵を叩き潰し、神威はターゲットを変更したことで、敵は取るに足らない侍一人だと高を括っていた。 時間を停止させてしまえば殺すことも、意識を奪って洗脳することも自在であったろうに、彼はそれをしなかった。 一時の余裕に浸るあまり、警戒することを怠った。 過度な余裕と慢心は、時に人へ予期できない不具合を引き起こす。 避けられる筈の攻撃を躱せない。 一度見た攻撃に不覚を取る。 気付けた筈の事項を見落とす。 そしてそれは、人であることをやめた吸血鬼でも同じことのようだった。 「な……何ッ!?」 侍――桂小太郎は、何も難しいことはしていない。 彼も銀時と同じく侍であるため、DIOとは根本的に相性の悪い戦闘スタイルだ。 遠距離から彼を撃つことも出来なければ、デバイス『晴嵐』を本来の形で使いこなしてすらいない。 だからその攻撃手段は実に単純明快。 ――背後から駆け付け、ぶった斬る。 DIOが一度は見破り、彼を撃破した時とまったく同じ手段だ。 吸血鬼の右腕が、七割ほどの長さで切断される。 噴き出す鮮血と鋭い痛みに、DIOは怒髪天を衝いた。 「き、貴様ッ」 「いやあ、まさか上手く行くとは思わなかったわ…… 説明してやろうか吸血鬼くんよ。テメーが俺のお喋りを律儀に聞いてる間には、もうこいつは動いてたんだよ」 銀時がDIOへと侮辱を吐いていた時間。 それはごくごく僅かなものだったが、DIOから警戒心を一時的に奪い取るには十分だった。 どれだけ余裕を取り繕っても、このDIOという男は非常に高い自尊心の塊だ。 神威という予想外のイレギュラーによって一度でもそれを崩された彼ならば、無視は出来ないだろうと銀時は踏んだ。 そうして、可能な限りDIOの視野を銀時のみへ集中させ――本命である桂の奇襲を成功させたのだ。 ……ちなみに、どうやって桂の再起を知ったかと言えば簡単だ。 DIOの後方でゆっくり立ち上がり、静かに手を振っていた。 それだけだ。銀時としては、なかなか笑いを堪えるのが大変だったのだが。 「俺を侮ったな、DIOとやら。 おまえは俺を確実に殺しておけば、こうはならずに済んだというのに」 「そういうこった。お前がどんなバケモンかなんざ興味もねえけどよ……あんまり人間を見くびるもんじゃねえぜ」 「……フ」 DIOは、燃え上がるような屈辱に曝されていた。 人間であった頃を含めても、これほどコケにされたことはなかった。 この二人は――この二人は、殺す。 肉の芽で操るなどと生温いことは言わない。 直接血を吸い、搾りカスになるまで吸い上げて、跡形も残らず踏み潰して炎へくべてやる。 「フフ、ハハ、フハハハハハ! 言ってくれるじゃあないか、マヌケな東洋人共が! だが、貴様らの策などこのDIOにとってはイタチの汚らしい最後っ屁にも劣る愚かで惨めなものでしかないッ! おまえ達では我がスタンド能力! 『世界』の足元にも及ばないのだからなッ!!」 黄金の人型が出現する。 それと同時に、DIOは本日何度目かの時間停止を行使せんとした。 ――疲労は大きい。故にこれで決める。 ザ 「終わりだ侍共ッ! 『世――――」 「創成起動(クリエイション)――ゴライアス!」 時間停止の発動に先駆けて、DIOの真横から、巨大な質量の塊が飛び出した。 驚愕の表情を浮かべるのは彼だけではない。銀時と桂も同じだ。 質量の正体は――全長数メートルはあろうかという巨人。 自然では発生し得ない神話の怪物(ゴーレム)が突如出現し、DIOへと襲いかかる。 「なッ……!?」 ゴーレムを操るその術者は、誰もが予想だにしない人物だった。 クリーム色のツインテールをキャンディの髪留めで留めた、この場においてはれんげに続く年少者の少女。 それでいて桂と共に繭への反逆を掲げ動き出した、勇気ある戦士。 「成る程ねぇ。こりゃ確かにお前が逸材ってのも分かるわ」 「逸材ではない、コロナだ。……まあ、少しばかり予想外だがな。よもやこんな芸当が可能だとは」 馬鹿な――この娘は確かに、先程胸を貫いてやった。 即死には至らずとも、起き上がって戦えるようになるほど軽い傷ではなかった筈とDIOは記憶していた。 しかし今、彼がコロナへ与えた傷は癒えている。 戦う覚悟を決めた者特有の光を灯した瞳でDIOを睥睨し、土の巨人を操っている。 ゴーレムの耐久度はさておいて、このサイズを攻め落とすのはDIOのスタンドを用いても少しばかり手間だ。 となると狙いは必然的に本体、これを操っているコロナ・ティミルとなる。 侍達なら二人同時に相手取っても問題はないが、このゴーレムは面倒極まる。 優先して潰すべきと判断したDIOは巨碗から繰り出される一撃を回避した直後、『世界』を用いて時間を止めた。 胸に肺病を患ったかのような苦しさが込み上げ、さしものDIOも顔を顰める。 少々力を酷使しすぎたらしい――繭が施した忌まわしい細工が、此処に来て彼の首を締め上げる。 「……フン。どれだけ小癪な策を並べ立てようが、大袈裟な手品を用意しようが……このDIOにはすべて無駄よッ」 『世界』の拳が、コロナの腹を思い切り殴り付けた。 雨霰のような拳打がか細い体に打ち込まれ、停止の限界時間が訪れると共に、その顔面を横殴りにする。 侍の計略は確かにこの自分へと一杯食わせてくれた。 殺したと思っていた少女が想定外の戦力を連れて殴り込んできたことはDIOの度肝を抜いた。 だが所詮それまでだ。 この『世界』がある限り、わたしに決して負けはない。 次は今度こそ侍共だ。 奴らを完膚なきまでに叩きのめし、まずは内一人の血をもう片方の目の前で一滴残さず吸い上げてやる。 それでこのDIOは力の潤いを取り戻し、下らない侍の気概とやらも粉々に踏みにじることが出来る。 手間を掛けさせてくれた分、きっちりとその分の代金は収めてもらうとしよう。 「時は動き出す」 コロナの体が殴られて歪む。 滑稽なダンスを踊った後で顔面が横殴りに跳ね、その口と鼻から血が飛ぶのが見えた。 ――しかし。コロナはその場へ踏み止まる。飛びそうになる意識を引き戻し、 「ぬぅぅッ!?」 彼女は、『反射的に』DIOの土手っ腹へ鋭い殴打を打ち込んだ。 「(……ごめんなさい、アインハルトさん。でも――)」 強靭なボディを持つDIOをして、無視できないだけのダメージがコロナの拳から伝わってくる。 ありえない。 彼は体内の空気が逆流する感覚の中で、心から少女の反撃へ驚愕を示していた。 『世界』の打撃は決まった筈だ。止まった世界で打ち込んだのだから、外れるも何もない。 それを耐えたことも十分驚きに値するが、問題はその後。 時が動き出して衝撃がコロナを貫いた瞬間、ほぼノータイムで彼女はカウンターを放ち、DIOを打ち抜いたのだ。 さながら、ついさっきDIOが殺した刀使いの少女が見せていたように。 しかし園原杏里の罪歌とコロナ・ティミルの格闘技には、ある決定的な差異が存在する。 罪歌は自動防御。 対しコロナのそれは、攻撃を受けてから作動するあくまでもカウンターの技術。 ――身体自動操作。 ゴーレムを操る力で術者自身を操作するという、掟破りの戦法だ。 ゴーレムほどの巨体を動かせる力を人体相手に使えば、当然ながら絶大な威力になる。 あらかじめ特定の打撃に反応し、対応する反撃を返すようにプログラムしておけば、この通り。 たとえ時の止まった世界で痛めつけられようが、時の再始と共にカウンターを見舞う芸当が可能になる。 コロナはDIOの力を未だ『視認不可能の攻撃』と認識していたが、究極的には同じことだ。 勿論、弱点がないわけではない。 判断から初動までの、コンマ一秒ほどのタイムロス。 カウンターの間合いを読み切れば、それに合わせ迎撃することだって可能だ。 それでも、初見ではまず回避不可能。 間合いを読むとはいえ、何度か拳のやり取りを交わす必要がある。 格闘技の世界では命取りになるタイムロスも――格闘家が相手でなければ、ほぼ帳消しと言って差し支えない。 これぞ、ゴーレムマイスターの彼女が誇る絶技『ネフィリムフィスト』。 逃れようとするDIOへ、何かする間も与えず追撃の蹴りを打ち込む。 DIOの力は確かに強大だ。 それにコロナは知らないことだが、生前の彼には格闘技の経験だってある。 しかし、格闘家として見た場合のDIOはコロナよりも格下だ。 彼女とこのネフィリムフィストの組み合わせを破った覇王流の少女のような技術を彼は持っていない。 相手は不意の奇襲で不覚を取った状態、スタンドの打撃にも自動対応が出来るこの状況。 それなら――十分に、勢い任せで押し切れる……! 「バ、馬鹿なッ! このDIOが、こんな小娘風情にッ! ――ぐおおッ!?」 「(アクセルスマッシュ――からのッ)」 DIOの顎を、コロナのアッパーカットが跳ね上がらせる。 間髪入れずに繰り出すのは、またしても彼女の友人が使用していた技の一つ。 「スパイク……!!」 リボルバースパイク。強烈な回し蹴りが、吸血鬼の側頭部を思い切り蹴り飛ばす。 次で、とどめだ。 殺しはしないが、無力化はされてもらう。 「ネフィリムフィスト――」 コロナの右腕が――少女らしからぬ、否、"人間らしからぬ"豪腕に変化する。 これはゴーレムクリエイトの技術を応用して生み出した頑強な腕部武装。 ゴーレムマイスターでありながらインファイトをもこなす、コロナだからこそ使いこなせる力。 人には余る怪力で振るわれるその拳は、まさしく巨人の拳(ネフィリムフィスト)の名に相応しい。 「――《マイストアーム》…………!!」 「ご……うげェェェェェッ!!?!」 水切りに投げられた石の如く、地面を数度バウンドして転がるDIO。 彼の絢爛な衣装は今や泥に塗れ、起き上がるその顔は屈辱への激しい怒りで満たされていた。 それでも吸血鬼の力は、DIOをまだ再起不能にはさせない。 「WRYYYY……いい気になるなよ! このクソ餓鬼がッ!!」 怒声を吐いたDIOの目から、何かが飛んだ。 眼球内の体液を高圧力で射出する、吸血鬼の能力の一つ――『空裂眼刺驚(スペースリパー・スティンギーアイズ)』である。コロナは咄嗟に腕部武装を盾に防ごうとするが、敢えなくそれはDIOの能力へ貫かれてしまった。 手に走る鋭い痛み。悪足掻きと呼ぶには、彼の放った攻撃は強力が過ぎた。 しかし、コロナは何も一人で戦っているのではない。 「で、誰が誰の足元にも及ばないのだったか?」 DIO目掛け、桂が飛び込む形で袈裟斬りを放つ。 彼はそれを『世界』の拳でもって迎撃したが、もう一人の侍にまでは対処が追いつかない。 DIOが殴られている間を縫って背後から接近を果たしていた銀時が、DIOをそのまま聖剣で貫いていた。 血反吐を吐きながら、DIOは怒りに震える。 何故だ。 何故この帝王である自分が、こんなにも追い詰められている……! 「許さん……許さんぞ! このクズにも劣るゴミ糞どもがッ!! 貴様らは必ず――必ずこのDIOが殺す! 一人残らず、恐怖に慄かせた上でだッ!!!」 怒りを爆発させながら、DIOは『世界』の力を使う。 時止めの疲労は、既に戦闘に支障が出るレベルにまで達していた。 認めたくはないが、今の自分は連中に押し切られかけている。 このまま戦いを続けたとして、仮に一人二人を殺せたとしても、残り一人までを仕留めきれるかは怪しいとDIOは冷静に判断した。それに、今でこそ注意が反れているが、神威の存在もある。 「此処は、退く……」 だが、決して忘れるな。切断されて転がっていた片腕を拾いながら、彼は呟く。 突き刺さった聖剣を抜き、DIOは停止した世界の中を駆ける。 「(頭痛がする……吐き気もだ。なんてことだ……このDIOが、気分が悪いだと……)」 スタンドを酷使した代償の体調不良に見舞われながら、彼は校庭を後にし、そこで時が動き出した。 これ以上時間停止を使いすぎるのは不味い。 それに、今はまだ幸い日が射していないが――直に夜が明けるだろう。 日光は吸血鬼にとっての最大の敵だ。 如何に人外の体といえど、あれに曝されただけでDIOは呆気なく霧散霧消してしまう。 早急に此処より離れ、休息の出来る建物を探さなくては――。 「必ず殺してやるぞ、侍と小娘よ。 このDIOが再び貴様らの前に現れる時を、精々待っているのだな……!」 程なくして停車させてあった自動車の車内へ戻ると、腕の切断面に切り落とされた腕を合わせる。 吸血鬼の再生能力は、みるみるうちにそれを治癒させていき、完璧でこそないが、ひとまず形を保つ程度に繋ぎ合わせた。これで、後は放っておくだけで遠からぬ内に傷が癒えるはずだ。 屈辱の撤退に憤激しながら、DIOは安息の地を目指す。 【B-6/早朝/本能字学園周辺】 【DIO@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 [状態]:疲労(大)、右腕切断(癒着済、再生中)、胴体へ貫通傷(再生中)、全身にダメージ(大)、運転中 [服装]:なし [装備]:蟇郡苛の車@キルラキル [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10) 黒カード:不明支給品0~1(本人確認済み) [思考・行動] 基本方針:主催者を殺す。そのために手っ取り早く他参加者を始末する。 1:ホテルへ向かい、体を休める。 2:銀髪の侍(銀時)、長髪の侍(桂)、格闘家の娘(コロナ)、三つ編みの男(神威)は絶対に殺す。 3:優先順位は銀時=コロナ=桂>神威。 4:言峰綺礼への興味。 [備考] ※時止めはいつもより疲労が増加しています。一呼吸だけではなく、数呼吸間隔を開けなければ時止め出来ません。 ※車の運転を覚えました。 ※疲労による運転への支障はとりあえずありませんが、あまり無茶な運転をすると事故を起こすかもしれません。 支給品説明 【サバイバルナイフ@Fate/Zero】 DIOに支給。 元は衛宮切嗣が使用していたもので、通常のナイフに比べて殺傷能力が高い。 ● 勇者の拳が真っ向から夜兎を狙い打つ。 それを正々堂々拳で迎え撃ちながら、神威は破顔した。 勇者の少女、友奈は思う。 ――強い。 今まで戦ったどの敵よりも貪欲に食らいついてきて、その癖身体能力さえ勇者のそれを凌駕している。 あまりにわかりやすい強敵だ。それだけに、生半可な気持ちで挑めば返り討ちに遭うのは見えていた。 何より厄介なのが、敵の速度。身体能力。 勇者を守る精霊の自動防御すら突破して余りある速度と精度を両立しているのだから堪らない。 「おおおおぉぉぉっ!!」 夜兎の青年、神威は楽しんでいた。 技術に粗はあり、まだまだ未熟と言う他ない拳だが――その愚直さは嫌いではない。 そう言いながら、しかし彼は一切の手加減をしてはいなかった。 「うぐっ……!」 強烈なボディーブローが、友奈の体を真下から打ち上げる。 かはっと胃液を吐き出して打ち上げられた勇者を、両手を組み合わせて真上から叩き落とした。 地面とキスを余儀なくされ、直感的に体を逸らす。 その判断は正しかった。 一秒前まで彼女の頭があった場所に、神威の足が振り落とされたのだ。 もしも急所を逃していなければ、勇者は此処でゲームオーバーとなっていたに違いない。 「ま、だ、ま……だぁぁぁ!」 耐える。 立ち上がり、拳で神威を殴りつけんとする。 止められた。 腹を蹴られ、地を転がった。 あまりにも一方的な戦いに、後方の絵里が時折悲痛な声を漏らしている。 強い。 本当に、強すぎる。 けれど、それでも、不屈の勇者は諦めない。 「やぁぁぁぁッ!」 体重を乗せた拳が躱される。 当然、大振りの技は必然的に大きな隙を生じさせるものだ。 神威は、そんなところを見逃してくれるほど易しい相手ではない。 蹴り上げで顔を強打し、友奈の前歯が折れる。 「ぶ、がっ、ぐぅ……」 止む気配のない暴力の雨。 勇者の顔を、手足を、打ち付けていく。 危うく意識が飛びかけるが、ここで投げ出すようなら勇者は名乗れないだろう。 満開ゲージ。 それへ目をやる。 あと一枚だ。 その矢先に飛んできた拳を回避の構えで受け止めると、最後の一枚が点灯した。 これが齎すデメリットも、友奈は承知している。 しかしここで出し惜しみをすれば、まず間違いなく自分は倒されるに違いない。 そうなれば、後ろの二人にも危険が及ぶ。 何より――せっかく格好つけたのに、真っ先に倒されるなんて……あんまりかっこ悪すぎる。 「───────満開」 鮮血が弾け飛ぶ。 唱えた言葉は、勇者の全てを解放する二文字。 桜色の極光が世界を包み、無限に島を覆い尽くす闇すらも霞ませる様な輝きが迸る。 視認することすら困難な輝きの中で、“勇者”は顕現したその巨大なる鋼鉄の拳を以て。 「――ッ」 戦いに狂える夜の兎を、殴り飛ばした。 満開によって更に強化された身体能力は、一時的ながらも彼ら戦闘種族を上回る。 ぴしゃりと吐血して、それでも神威の笑みは衰えず、むしろ更に深く凄絶になっていく。 満開した最強状態の勇者に、神威のえぐり込むような拳がヒットした。 だが折れない。痛烈な返しの拳は避けられたが、その風圧だけでも敵の体勢を崩させるには足る。 「――お」 放つ。 一度で通らないなら、何度だって叩き込む。 「────うぅぅぅおおおおおおおおおおおおっっ!!」 護りながら、 傷付きながら、 それでも、少しずつ前へ前へと押し返しながら――。 「あなたを――――ぶっ飛ばすッ!!」 進む中で何度となく痛打を浴びて、それでも崩折れることなく。 勇者は極大の拳を振り上げたまま、遂に神威の懐へと辿り着いた。 勇気の輝きにまみれたその拳を迎え入れる彼の表情はやはり笑顔で。 ――そのまま、彼は――勇者・友奈の拳を前に……文字通り、ぶっ飛ばされた。 夜闇の黒と勇気の輝きが交差す空間。──やがて。 肉と肉がぶつかる音が鳴り止んだ舞台に、少女がゆっくりと帰還する。 輝きの中に見えた極大の拳は其処には無く、先程まで戦い続けていた小さな身体の勇者が一人。 裂の入った手甲や、ところどころ破れた勇者服。顔は痛ましく腫れており、なのに醜さを感じさせない。 そこで、勇者の体がぐらりと揺れた。 「ぁ───」 しまった。判ってはいたけれど、やっぱり、”アレ”は身体に掛かる負担が尋常ではない。 何せ貯蓄した力を一度に全解放するという代物。絶大な力の代償は身体への大き過ぎる疲弊、疲労。 視界に映る彼女達の姿が斜めになっていくのが見える。 世界の何もかもが緩く動いている様に感じながら、少女は崩れ──意識を手放した。 ● 「ぐ――」 最後の戦場。 鬼龍院皐月とジャンヌ・ダルク、そして纏流子の戦い。 DIOはコロナの奮戦と侍の意地を前に撃退され。 神威は長きに渡り猛威を奮ったが、勇者の鉄拳と相打ちと消えた。 そして纏流子は―― 「おい、どうした。私はまだピンピンしてるぜ、えぇ?」 健在、だった。 傷は負っている、疲労も皆無ではない筈だ。 だが現に、皐月とジャンヌという二人の実力者を同時に相手取っているにしては有り得ないほどの余力を残していた。 肩で息を吐く二人に相対し、獰猛に笑む流子。 怒りがその力を後押ししたのか――それとも、これこそが彼女の真の実力なのか。 きっと両方だろう。 神衣とは、それほどの力を装着者へ齎す。 ましてや出生の都合上、流子との相性は最高だ。 これ以上続けて、流子に勝てるという保証も、ジャンヌと皐月が双方無事で済むという保証もない。 「――皐月」 切り出したのは、ジャンヌだった。 皐月は返事をしない。 彼女が何を言い出すのか、薄々分かっていたからだ。 「皐月。君はあちらの皆を連れて、此処から離れろ」 「悪いが、その提案は聞けん。 此処で流子を止めねば、きっと更に大勢の犠牲が出るだろう。故に私は断じて――」 「――勝てると思うか、今の君で」 皐月の言葉を遮ったジャンヌの台詞に、彼女は唇を噛み締める。 そう。 他の誰よりも、鬼龍院皐月こそが最も痛感していた。 ――己の力不足を。そして、己の妹の強さと恐ろしさを。 「彼女を想うならばこそ、今は退け。 今の君と私では、きっとこの娘には勝てない。 だが、君は強い女だ。いずれ……その服と更に絆を深めでもすれば、きっと届き得るだろうさ」 鮮血と皐月は今、皮肉にも繭の施しによって通じ合っている。 それでも、かつての流子と鮮血ほどのコンビネーションはまだない。 それには皐月も、そして鮮血も気付いていた。 純潔を完全な形で着こなしている流子と戦うには、此方も完璧な人衣一体で臨む必要があると。 戦いの中で皐月は、着々と腕を上げている。だが、こんな短時間で求める境地へ至れるほど物事は甘くない。 「お前はどうする気だ、ジャンヌ・ダルク」 「此処へ残る。君の妹を、足止めする」 「私の方こそ、問わせてもらおう。――勝てるか」 「分からない」 ざっと靴音を立て、聖女ジャンヌ・ダルクが皐月の前へ立つ。 皐月から見えるのは後ろ姿だけだったが、彼女がどんな顔をしているのかは分かった。 死への恐怖に満ちた顔? ――違う。 不安に染まった顔? ――違う。 皐月には分かる。彼女はきっと、凛とした表情で、生を諦めずに流子と相対する気でいるのだと。 「だが、諦めるつもりはないよ。 此処で私が彼女を救い出してしまえば、それに越したことはないのだからな」 「――そうか」 それ以上、問うことはしなかった。 きっと何を言ったところで、彼女の覚悟を動かすことは敵うまい。 ただ一つ想うのは、自分は必ず生きて、再び流子と相見えなくてはならないということ。 最後の一瞬まで自分の為に意地を見せてくれた雁夜。 身を挺して道を作り、希望を生み出してくれたジャンヌ。 彼と彼女の分も、私は勝たなくてはならない。流子に、繭に、そして鬼龍院羅暁に。 二人へ背を向ける皐月。 流子が何か言っていたが、敢えて無視する。 お前と真に語らうべき時は、今ではない。 一度だけ、皐月は足を止めた。 「ジャンヌ・ダルク。オルレアンの乙女よ。 その生き様と輝き、しかとこの鬼龍院皐月の胸に刻んだ。 貴女の意志、決して無駄にはしない。貴女の道に、神の加護があらんことを祈ろう」 その言葉を聞いて――ジャンヌ・ダルクは。 抱き続けていた迷いと悩みが解けて消えていくような感覚を覚え、静かに微笑んだ。 ● 「速やかに身支度をしろ。撤退するぞ」 坂田銀時。 桂小太郎。 コロナ・ティミル。 絢瀬絵里。 宮内れんげ。 結城友奈。 そして――鬼龍院皐月。 「……あっちの喧嘩はいいのかい。任せてきちまってよ」 「ああ。だが、終わったわけではない。 私はいずれ、必ずあいつ――纏流子の前へもう一度立つ。 今のままでは勝てん。だから、私はもっと強くなり、その時こそ奴と決着をつけるのだ」 この戦場で、二人の命が欠けた。 生きている者達も、その殆どが重度の疲労を負っている。 可及的速やかに腰を落ち着けられる場所を探し、そこで傷を癒やす必要がある――皐月はそう判断した。 幸い、この近くには病院がある。 最低限の魔法的治癒を施してからそちらへ向かい、本格的な回復に入る。 それに異論を唱える者はなかった。 「宮内、だったか。 私は問題ないが、坂田さんと桂さん、そしてティミルに軽い回復を施してやってくれ。 病院へ辿り着く前に倒れては、元も子もないからな」 「わかったのん。ちょっと待つのん――よいしょ!」 紫の魔方陣が広がって、負傷者たちの傷と疲労を気休め程度ではあるが回復させる。 れんげは今や、すっかりアスクレピオスによる回復の手際を弁えつつあった。 実はつい先程、皐月がこちら側へやって来るまでの間も銀時達には回復を施していたため、病院までの移動で倒れるということはこれでない筈だ。 問題ないと言った皐月にも、れんげは同じだけの回復を注いでいた。 魔力にはそれでもまだ余裕があるようで、ひょっとすると彼女は魔導師としての適性がそこそこあるのかもしれない。 「ねー、さっちゃん」 「……どうした?」 「あのおねえさんは、大丈夫なん?」 れんげの小さな手が、未だ戦い続けているジャンヌ・ダルクを指す。 一瞬だけ目を細めた皐月だったが。 「大丈夫だ。きっと――な」 そう言って、れんげの頭へ軽く手を置いた。 こそばゆそうにするれんげ。 それを見、絢瀬絵里は思う。 「(れんげちゃんは、本当に強い子ね……)」 信頼していたお姉さんを殺されて、それなのにこうしてちゃんと皆を助けている。 アスクレピオスという道具のおかげとはいえ、彼女の強くなりたいという想いは見ていた絵里にもひしひしと伝わってきた。きっとれんげなら、皆を助けられるだろう。優しい力と魔法で、皆を癒せるだろう。 ――でも、私は? 戦う力もない。 れんげちゃんのように、誰かを助けることも出来ない。 私はいったい、何が出来るんだろうか? こんなに小さい子でさえ、ちゃんと怖いことと向き合って、乗り越えようとしているのに。 少女は悩む。 その答えが出るのは、果たしていつになることか。 「コロナ殿。一つだけ聞かせてはくれないか」 「……はい?」 コロナへ問いかけたのは桂だ。 桂もDIOとの戦いで軽くない傷を負っていたが、れんげのおかげで満身創痍といった状態からは脱した。 だが――こうして生きていられるのは、コロナのおかげでもある。 彼女がもしもあそこで助けに入ってくれなければ、きっと桂と銀時、どちらかは死んでいただろう。 小学生とは思えない勇気だと桂は思う。 だからこそ、彼は聞いてみたくなった。 「何故、お前はDIOの前へ出た?」 「…………」 「コロナ殿は賢い少女だ。奴の前に出れば、あの恐るべき力で殺されると容易く想像できた筈。 なのに、お前は戦った。傷が癒えたなら、れんげ殿と絵里殿を連れて逃げていればよかったものを。 ――その理由が聞きたくなった。別に責めているわけではないし、感謝もしている。ただ、聞いてみたいのだ」 桂の真剣な目に、コロナは思わず気恥ずかしくなってしまう。 確かに、彼の言う通りだ。 あの状況なら、全員共倒れになる可能性も十分にあった。 コロナも当然それは予想出来ていたし、れんげ達と逃げるのが最善だとも考え付いていた。 神威がれんげの前へ現れ、それを勇者の少女が引き受けてくれた。 その間にコロナは最低限傷を回復してDIOの元へと走った。 ――逃げることも出来たはずだ。なのに、それをしなかった。 「……嫌だったんです」 ぽつりと呟く。 「死んじゃうかもしれなくても、わたし、あそこで逃げるのだけは嫌だったんです」 桂は、自分にとってこの島で初めて出会った仲間だ。 そんな彼を置いて、一人だけで逃げ出すなんて。 それが正しいことだとしても、コロナはそうしたくなかった。 「怖かったし、痛かったです。 今だって思い出すと背中が寒くなります。 それでも、多分何度あの瞬間に戻されても……わたしは、桂さんを助けに行ったと思います」 ぽん。 答えたコロナの頭に、先程皐月がれんげへしたように、桂も手を置いた。 それを左右に動かす。撫でるにしてはやや不器用な手つきだった。 「どうやら俺は、よい仲間を持ったようだ。 では改めて言おう、コロナ殿――いや、“コロナ”。感謝する」 フッ、と伏し目がちに微笑みを浮かべながら、桂は礼を述べた。 今までとあまり行動ややるべき事が何か変わるわけではない。 だが、同じ目的を胸に運命へ立ち向かう身として、距離が縮まったのは確かだ。 そこで芽生えるだろう信頼関係は、このサバイバルな現状では強い力となる。 七人の対主催参加者たちは、そうして本能字学園を後にする。 最後、一度だけ皐月は振り返った。 それからすぐに元の方向へ向き直り、また皆を先導して歩き始めた。 【B-6/本能字学園周辺/1日目・早朝】 【坂田銀時@銀魂】 [状態]:疲労(大)、全身にダメージ(中) [服装]:いつもの格好 [装備]:無毀なる湖光@Fate/Zero [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10) 黒カード:不明支給品0~3枚(本人確認済み) [思考・行動] 基本方針: ゲームからの脱出 1:病院を目指す 2:新八、神楽、ヅラ、長谷川さん、ついでに土方と合流したい 3:神威、流子、DIOは警戒 【絢瀬絵里@ラブライブ!】 [状態]:精神的疲労(大)、疲労(小) [服装]:音ノ木坂学院の制服 [装備]:なし [道具]:腕輪と白カード、エリザベス変身セット@銀魂、赤カード(9/10)、青カード(10/10) 黒カード:不明支給品0~2枚(本人確認済み) [思考・行動] 基本方針:皆で脱出 1:私は、一体何をすればいいんだろう。 2:μ sのメンバーと合流したい 3:エリザベス変身セットを着てみる…? [備考] ※参戦時期は2期1話の第二回ラブライブ開催を知る前。 【鬼龍院皐月@キルラキル】 [状態]:疲労(大)、全身にダメージ(中)、こめかみに擦り傷 [服装]:神衣鮮血@キルラキル [装備]:なし [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)、 黒カード:神衣鮮血@キルラキル [思考・行動] 基本方針:纒流子を取り戻し殺し合いを破壊し、鬼龍院羅暁の元へ戻り殺す。 1:病院へ向かう。 2:鮮血たちと共に殺し合いを破壊する仲間を集める。 3:襲ってくる相手や殺し合いを加速させる人物は倒す。 4:纒流子を取り戻し、純潔から解放させる。その為に、強くなる。 5:神威、DIOには最大限に警戒。 6:刀剣類の確保。 [備考] ※纒流子裸の太陽丸襲撃直後から参加。 ※そのため纒流子が神衣純潔を着ていると思い込んでいます。 ※どうせ鬼龍院羅暁が関わっていると思い込んでいます。 【桂小太郎@銀魂】 [状態]:疲労(大)、胴体にダメージ(中) [服装]:いつも通りの袴姿 [装備]:晴嵐@魔法少女リリカルなのはVivid [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10) 黒カード:トランシーバー(A)@現実 [思考・行動] 基本方針:繭を倒し、殺し合いを終結させる 1:今はとりあえず休息したい。 2:コロナと行動。まずは彼女の友人を探す 3:もう少し落ち着き次第、この後のことについて話し合っておきたい 4:神威、並びに殺し合いに乗った参加者へはその都度適切な対処をしていく 【コロナ・ティミル@魔法少女リリカルなのはVivid】 [状態]:疲労(中)、胴体にダメージ(中)、魔力消費(小) [服装]:制服 [装備]:ブランゼル@魔法少女リリカルなのはVivid [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10) 黒カード:トランシーバー(B)@現実 [思考・行動] 基本方針:殺し合いを終わらせたい。 1:病院へ向かう。 2:桂さんたちと行動。ヴィヴィオたちを探す 3:ルーちゃんのデバイス……なんだか、ルーちゃんが助けてくれたみたい。ちょっと嬉しいな。 [備考] ※参戦時期は少なくともアインハルト戦終了以後です。 【結城友奈@結城友奈は勇者である】 [状態]:疲労(大)、胴体にダメージ(回復中)、気絶、味覚、その他一つの五感が『散華』、前歯欠損、顔が腫れ上がっている、満開ゲージ:0 [服装]:讃州中学の制服 [装備]:友奈のスマートフォン@結城友奈は勇者である [道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(10/10)、黒カード:なし [思考・行動] 基本方針:殺し合いを止め、主催者を打倒する。 1:…………。 2:勇者部のみんなと合流したい。 [備考] ※参戦時期は9話終了時点です。 ※ジャンヌの知り合いの名前と、アザゼルが危険なことを覚えました。 ※満開によって散華したものが何かは、後続の書き手さんにお任せします。 【宮内れんげ@のんのんびより】 [状態]:健康、魔力消費(中) [服装]:普段通り [装備]:アスクレピオス@魔法少女リリカルなのはVivid [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10) 黒カード:満艦飾家のコロッケ(残り五個)@キルラキル、バタフライナイフ@デュラララ!! [思考・行動] 基本方針:うち、学校いくん! 1:うちも、みんなを助けるのん。強くなるのん。 2:こまちゃん、ほたるん、待ってるのん。 3:あんりん……。 [備考] ※骨が折れない程度に手加減はされました ※杏里と情報交換しましたが、セルティという人物がいるとしか知らされていません。 また、セルティが首なしだとは知らされていません。 ※魔導師としての適性は高いようです。 支給品説明 【無毀なる湖光@Fate/Zero】 桂小太郎に支給。 円卓最強の騎士、ランスロットの愛用の剣。 『約束された勝利の剣』と同等の強度を誇り、決して刃こぼれする事はない。 また、約束された勝利の剣と同じく神造兵装とされる。 『約束された勝利の剣』の兄弟剣とされ、人類が精霊より委ねられた宝剣。 【アスクレピオス@魔法少女リリカルなのはVivid】 宮内れんげに支給。 ルーテシア・アルピーノの持つデバイス。 グローブ型で、手にはめることで使う。 【満艦飾家のコロッケ@キルラキル】 宮内れんげに支給。 全部で6つ入りのコロッケがタッパーに入って支給されている。 【バタフライナイフ@デュラララ!!】 宮内れんげに支給。 元々は折原臨也の私物。 ● 七人が去り。 それから数分後に、生命戦維の化け物と聖処女の決着は着いた。 地へ仰向けに倒れているのは、金髪の女。 ジャンヌ・ダルク、その人である。 「終わりかよ」 立っているのは纒流子だ。 彼女に鬼龍院皐月を逃されたことが不服なのか、その顔には隠そうともせずに苛立ちが浮かべている。 ジャンヌは全身の至る所に傷を負っており、最早立つこともままならない様子だった。 しかし、その眼はまだ開いている。 生命の鼓動も、まだ途絶えてはいない。 口元に浮かんでいるのは、笑みだ。 「……てめぇ、何笑ってやがる」 「こちらの話さ。……あぁ、そうだ。君に、一つだけ言っておくことがある」 破魔の朱槍は手元から離れ、流子の近くの地面へ突き刺さり、故に逆転の手立てはない。 聖女ジャンヌ・ダルクは此処で死ぬ。 勇敢なる少女と、革命を願う者たちを逃した果てに、純潔の少女に殺される。 にも関わらず、ジャンヌの顔は敗者が、これから死にゆくものがする顔ではなかった。 「心配せずとも、皐月は君の前にいつかまた現れるさ」 「…………、」 「今よりももっと強くなって、君を救いに来るだろう。 その時こそ、君はその服を自ら脱ぐことになる――私は、そう信じている」 「死ね」 流子は地面へ刺さった朱槍を引き抜くと、横たわったジャンヌの胸の真ん中でそれを突き立てた。 それで終わり。 彼女は生命活動を終え、投げ出した手から力が抜けていく。 勝ったのは紛れもなく、纏流子だ。 なのに、彼女には不思議な感覚が残っていた。 釈然としないような、勝った筈なのに苛立ちだけがどこまでも膨れていくような。 ――それが『敗北感』という感情であることに、彼女はまだ気付かない。 【ジャンヌ・ダルク@神撃のバハムートGENESIS 死亡】 【残り57人】 「終わったようだね」 「……てめぇ、生きてやがったのか」 「まぁ、流石に無傷ではないけどね――ただ、あの『勇者』ももう少し泳がせた方が楽しめそうだったから」 何事もなかったかのように現れた神威へ、やはりこいつは気に入らねえと舌打つ流子。 流子としては、彼があの攻撃で死んでいても何も悲しむことはなかったのだが。 「で、これからはどこを目指すつもりなんだい?」 「あぁ? 知らねえよ。適当にうろついてりゃ、誰かしら出て来んだろ」 「適当だねぇ……じゃあ、俺が提案させてもらおう」 神威は、流子にある施設を示す。 『DIOの館』。 そう記された場所へ、彼は行きたいらしい。 「こっちの戦いに集中してたら、いつの間にかこのDIOって人が撤退しちゃっててね。 せっかくだから追いかけて、首尾よく会えたらまた遊ぼうかなって」 「……何でもいいが、すぐには行かねえぞ。流石にちっとばかり疲れた」 「……、驚いた。君にも疲れたっていう感覚はあったのか」 「てめぇ、私を何だと思ってやがる」 殺し合いを良しとする、災害のような二人の次なる矛先も定まった。 ――本能字の戦いはこれにて幕引き。だが、バトル・ロワイアルは終わらない。 運否天賦の殺し合いは、まだ始まったばかり――。 【B-6/本能字学園校庭/1日目・早朝】 【神威@銀魂】 [状態]:疲労(中)、胴体にダメージ(大)、右掌に切り傷(軽度) [服装]:普段通り [装備]:日傘(弾倉切れ)@銀魂 [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10) 黒カード:不明支給品1~3枚 [思考・行動] 基本方針:殺し合いを楽しむ。 0:俺が全員相手をするから、君は下がってていいよ。 1:本物の纏流子と戦いたい。それまでは同行し協力する。 2:勇者の子(結城友奈)は面白い。 3:纏流子が警戒する少女(鬼龍院皐月)とも戦いたい。 4:DIOとも次に出会ったら決着を着けたい。 【纏流子@キルラキル】 [状態]:疲労(中)、全身にダメージ(中)、顔が若干腫れている [服装]:神衣純潔@キルラキル、破魔の紅薔薇@Fate/Zero [装備]:なし [道具]:腕輪と白カード、赤カード(20/20)、青カード(20/20) 黒カード:神衣純潔@キルラキル 黒カード:使用済み。 [思考・行動] 基本方針:全員殺して優勝する。最後には繭も殺す 。 0:いいや、あたしが全員殺す。てめぇが下がってな。 1:次に出会った時、皐月と鮮血は必ず殺す。 2:神威を一時的な協力者として利用する。 3:手当たり次第に暴れ回る。 [備考] ※少なくとも、鮮血を着用した皐月と決闘する前からの参戦です。 時系列順で読む Back 本能字の変(2) その覚醒は希望 Next 夏色の風景 投下順で読む Back 本能字の変(2) その覚醒は希望 Next 真夜中の狭間 051 本能字の変(2) その覚醒は希望 ジャンヌ・ダルク GAME OVER 051 本能字の変(2) その覚醒は希望 坂田銀時 078 One for All , All for One 051 本能字の変(2) その覚醒は希望 絢瀬絵里 078 One for All , All for One 051 本能字の変(2) その覚醒は希望 鬼龍院皐月 078 One for All , All for One 051 本能字の変(2) その覚醒は希望 桂小太郎 078 One for All , All for One 051 本能字の変(2) その覚醒は希望 コロナ・ティミル 078 One for All , All for One 051 本能字の変(2) その覚醒は希望 結城友奈 078 One for All , All for One 051 本能字の変(2) その覚醒は希望 宮内れんげ 078 One for All , All for One 051 本能字の変(2) その覚醒は希望 神威 075 Stairway to... 051 本能字の変(2) その覚醒は希望 纏流子 075 Stairway to... 051 本能字の変(2) その覚醒は希望 DIO 064 The World Nightmare
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本能字の変(2) その覚醒は希望 ◆gsq46R5/OE 桂小太郎は、その瞬間を見た。 しかし、一部始終を目撃していた彼ですら、何が起こったのかを説明することは困難だった。 銀時と神威への介入が間に合わないと判断した彼は援護に出るべく走りつつ、固唾を呑んでその激突を見守っていた。 長い間侍をしていると、自然に『戦況が大きく動く』瞬間は分かるものだ。 桂は今をこそこの戦いの転機、命運を大きく傾ける瞬間だと直感した。 それに力添えすら出来ないのは歯痒かったが、その無念も含めて銀時へ託したつもりでいた。 だが――桂の直感は、彼も、杏里も、銀時も、神威ですら予期できなかった形で外れることとなった。 今まさに激突せんとしていた二人が、全く同じタイミングでその反対方向へと吹き飛んだ。 体をくの字に折り曲げ、呆気なくだ。 何よりも驚嘆すべきは、桂にはその攻撃が放たれたことも、攻撃の主がやって来たことさえも分からなかった。 気付いた時には二人が吹き飛んでおり、――彼らの間に、一人の男が立っていた。 見ればそれは杏里や、神威が言うところの『観客』である絵里達も同じだったらしい。 理解不能。理解不能。今、何が起こった? 「こんばんは、諸君。いい夜だな……フフ、それともお前達はそうは思わないか? 所詮は短い時をしか生きられぬ人間ども。このDIOの感覚は理解できんかな」 「……いきなり現れて、何中二病みてえなことベラベラほざいてんだ、オッサンよ」 立ち上がる銀時。 見れば神威も既に体勢を直し、ぱんぱんと付着した土埃を払っている。 この二人を戦闘不能とするには、今の一撃ではどうやら温すぎたようだった。 DIO。 そう名乗った男を見て、桂は思う。 この男は――危険だ。その全身から放たれる不思議な魅力に戦慄を覚えながら、晴嵐を握る手に力を込める。 別に、DIOは神威や彼の仲間のように殺気を撒き散らしているわけではない。 むしろその振る舞いは静寂と気品に満ちてすらいる。 男色のケがない桂をして美しいと思わせる整った容貌も相俟って、不思議な落ち着きすら覚える程だ。 だからこそ、桂はDIOをこの場に居る誰よりも恐ろしく、またおぞましく思った。 「今のを受けてすぐに立つとは……素晴らしい。 どうだ、白い侍。そっちの中華男もだ――このDIOに君達の力を、少しばかり分けてはくれないか?」 「はっ。黙れってんだよ、このカマ野郎が」 銀時は取り付く島もない、徹底的な拒絶をDIOへ示している。 だがその額には、一筋の冷や汗が伝っていた。 彼もまた感じている。これは間違いなく、規格外の存在であると本能的に理解した。 単に魅力があるだけならばまだいい。しかしDIOのそれは、さながら迷える者の前に現れる悪魔のような――。 「いいか、よく聞け。俺は仕事柄、性根の腐ったやつなんざ腐るほど見てきたのさ。 ――テメーからはその中でも、最悪ってくらいくっせえ臭いを感じるんだよ。 酔っ払ったオヤジが吐いたゲロよりも何倍もひでえ、くっせえくっせえ臭いがプンプン香ってきやがる」 「ほう。このわたしをそう称したのは、君で二人目だよ。侍」 ゴゴゴゴゴ……と。 重々しい擬音が響いてきそうな緊張感の中で、DIOと銀時の視線が交錯する。 「もう名前も覚えていないような、実に下らんゴロツキだったがね。 奴は確か、このDIOには何も出来ず横で見ていただけだったと記憶しているが――さて、君はどうかな」 「……男の癖に能書きの長えことで。器が知れるぜ、ナルシスト君」 一瞬の静寂の後――銀時がDIOへと肉薄した。 吸血鬼となり人間を逸脱した身体能力を手に入れた彼をして、目を見張るほどの速さ。 風聞で耳にしたことしかなかった『侍』という存在だが、成る程これは侮れないと、DIOは思う。 だが、それでも勝てない相手では断じてない。 DIOの傍らに立つ金色の大男……彼の『スタンド能力』が、銀時の剣に合わせて拳を放つ。 如何にスタンドの鉄拳とはいえ、銀時が振るう剣は聖剣だ。 本人はその価値など露も知らずに振るっているが、同ランクの聖剣でもぶつけない限り、その刀身は砕けまい。 DIOの手首が裂ける。それに少し驚いた様子を見せ――DIOが小さく何か呟いたのを、銀時は見た。 次の瞬間――再び、坂田銀時は地を転がっていた。 「が……っ」 「どうした、威勢の割にはその程度か」 まただ。 また、何も分からない内に衝撃だけを受けていた。 痛みの感じからして、恐らく打撃のダメージ――あの大男に何かされたのだろうということは分かる。 が、逆に言えばそれだけ。 それ以外に分かることは何一つない。 正体不明の『何か』で侍を打ちのめした邪悪の化身は口元を弧に歪め、ゆっくりと近付いてくる。 膝を突き立ち上がろうとして―― 「無駄、無駄、無駄、無駄……おまえはもう、このDIOの前に立つことすら出来ない」 今度は真上から、叩き伏せられていた。 がはっと吐血し、目だけで果敢に吸血鬼を見上げる。 圧倒的な暴力に曝されながら、なおも闘志を失わないのは流石に侍の魂か。 在り方こそ違えど、その姿は過去の宿敵をどこか彷彿とさせる。 確かにこの男は強いのだろう。自分ほどではないにしろ、スタンドを持たない人間としては破格なほどに。 だから――DIOは、手始めに彼を『手駒』とすることに決めた。 それは『肉の芽』。 埋め込まれたあらゆる存在にカリスマを刷り込み、平伏させる洗脳装置。 DIOの髪の毛が奇妙な形状に変形し、彼のスタンドに頭を押さえつけられ動けない銀時へと迫っていく。 肉の芽は精神力でどうこう出来るものではない。 彼がどんなに高潔な魂を持っていようが、それも含めてDIOへの忠誠へと変えてしまう。 「怖がることはない。おまえはこれから、このDIOの部下として幸福に――」 その時、DIOは己の背後から迫る『もう一人』に気が付いた。 そして、三度目の不可思議が発生する。 DIOを残したすべての存在が、まるで凍り付いてでもしまったかのように動きを止めた。 風の流れも、何もかもが停止している。銀時達のみに限らず、離れた場所で交戦している流子達も、すべてだ。 この世界を――『時の止まった世界』を認識できるのは、他ならぬDIOのみ。 動くことが出来るのもまた、彼以外には誰も居ない。 最初に神威と銀時を吹き飛ばしたのも、種を明かせば単純なことだ。 DIOは校庭での争いを認知するなり自らのスタンド能力――『世界(ザ・ワールド)』を用い、時を止めた。 時間を増す毎に過激化していく乱戦模様は、しかし超越者であるDIOにとっては恐るるに足らない児戯だ。 ――これだけ参加者が集まっているならば手間が省ける。 無敵のスタンド能力『世界』で君臨し、叩き伏せ、殺すなり手駒を増やすなりすればいい。 それに、『世界』の不具合についても今一度確認し、明らかとしておきたかった。 その試金石にこの激戦をチョイスする辺りにも、彼の絶対の自信が見え隠れしている。 「愚かなことだ。自ら死期を早めようとするとはな…… ――――無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァ!!」 振り返り、背後で刀を今にも突き出さんとしている長髪の侍へ『世界』のラッシュを叩き込む。 最後の一秒で片足を彼の腹に添え、ほんの軽い力で押した。 それから再び元の方角へと向き直り、――そして時は動き出す。 「――ぐ、あああああああっ……!!」 体へ幾度もの打撃を受け、桂小太郎が吹き飛ぶ。 彼は地面へ何度かもんどり打ってバウンドし、やがてそれが収まると――がくりと脱力し、動かなくなった。 「か――桂さんっ!!」 少女の叫ぶ声が聴こえる。 ちらりと視線をやれば、力なき者達であろうか。 この戦いを見ていることしか出来ない、三人の女子供の姿が目に入った。 一人が一際小さな童女を抱くようにして震えており、もう一人はDIOを強く睨み付けている。 ふむ。 ひとつ呟いて、DIOはまた時間を止めた。 「成る程、これくらいの間を空ければ再度時を止められるか」 止まった時間の中で、彼は確かな疲労感を覚えてもいた。 銀時の剣で受けた手の傷も既に再生が終わり、どこにも疲労の余地はないにも関わらずだ。 やはり、これが『世界』の行使による疲労なのであろうと再確認するDIO。 面倒な真似をしてくれたものだが、しかしこの程度ならば何ら問題はない。 帝王として君臨する彼と他者の力の差は、これしきのことで埋まるほど大きなものではないのだ。 「いい目だ。このDIOに臆さぬとは、面白い娘よ…… だからこそ、おまえは自分が何も出来ない無力を噛み締めながら……同じ場所へ逝くがいい」 もし長髪の方がまだ生きていれば、一足先になるかもしれないが。 しかしどちらにせよ、あの手傷では再度戦えはすまい。 遅かれ早かれ、おまえの大切な仲間とおまえは同じ場所へ逝くことになる。 DIOは黒カードの支給品であったサバイバルナイフを懐から取り出すと、少女の胸元目掛け投げつけた。 「時は動き出す」 「――――ぁ」 「こ、コロナちゃん!? ちょっと、しっかりしなさいよっ、コロナちゃん!!」 時間の再動。 それと同時に、コロナ・ティミルの胸へ、一本の刃が生えていた。 小さな体ががくりと崩折れる。まだ息はあるようだが、どうせ此方も永くは保たない筈だ。 命の灯火が尽きるまでの間、精々恐怖と絶望を味わうがいい。 「テメェ……」 ぐぐ、と――銀時の頭を押さえつけた腕が、下からの力で少しずつ持ち上げられる。 見れば、その眼に灯る光は先程までのものよりも遥かに強く、鋭いものへと変じている。 だが悲しきかな、如何に彼が激昂しようとも、結果は見え透いている。 DIOが少し手に力を加えるだけで、たかが一人間でしかない銀時の頭は木っ端微塵になるだろう。 故にこの時、白夜叉は完全に詰んでいた。 狂乱の貴公子は沈み。 罪歌の少女は高まる『声』を抑えるだけで手一杯。 彼を救える味方など、もう誰もいない。 「よし、そろそろ混ぜてよ」 ――そう、『味方』は。 「ぬッ――」 時止めのインターバルが終わるほんのコンマ数秒前。 最初の一撃をDIOが打ち込んで以降、ずっと静観に徹していた三つ編みの男―― 神威が、日傘を構えて猛獣さながらの勢いでDIOへ急襲を仕掛けたのだ。 咄嗟にスタンドでガードするが、それでも腕がぐしゃりと嫌な音を奏でてひしゃげる。 「貴様……」 「そこのお侍さんは俺の獲物でもあるんだ。 横取りするなとかは言わないけど、どうせなら皆で楽しんだ方がいいでしょ?」 初めて顔へ怒気を浮かべたDIOに、変わらない笑顔で微笑みかける神威。 その隙に銀時も立ち上がり、再び聖剣を構え、ギロリと鋭く吸血鬼を睨み付ける。 彼らだけではない。妖刀を担う眼鏡の少女、杏里も再び戦場へと参入する。 ますます混迷を極める戦場で確かなことがある。 それは、此処で誰か一人のみを不倶戴天と定めるのは自殺行為だということ。 現に神威などがいい例だ。彼は先程銀時を助ける形になったが、彼が銀時の味方かと言えば断じて否。 彼は遊撃手である。その場に応じ、攻撃したい相手を適宜に攻撃する。 そこを見誤れば、途端に夜兎や吸血鬼の凶腕を前に倒れることとなるだろう。 ――激化する戦場の片隅で、小さな強さが芽吹こうとしていることなど……彼らはまだ知る由もない。 ● 「雁夜さん!」 『な――流子、おまえッ……!』 皐月と鮮血の声を遠くに聞きながら、間桐雁夜は崩れ落ち、虚ろに歪む意識の中で何が起きたのかを理解する。 「(…………腹を、やられたのか……俺……)」 胴体から、ごぽごぽと気味の悪い水音がする。 その音が一度鳴る度に体が冷えていくのを感じ、また視界も霞んでいく感覚を覚えた。 のたうち回りたくなるような激痛を感じているのに、不思議と心は静かだ。 ただ――二度目の人生を得ても、結局何かを成すことは出来ず仕舞いなこと。それだけが心残りだった。 「ハハハ……ご立腹かよ、鬼龍院皐月。 天下の皐月様がなんだってあんな虫ケラみてぇなヤツ連れてんのか不思議だったが、ひょっとして盾目的だったりしたのか、ええ? だったら残念だったなあ。今度はいつもみてえに蟇郡でも連れてくるこった!」 「ッ、黙れ!」 皐月が激昂している。 最早視界も覚束ない有り様でありながら、生きている聴覚で雁夜にはそれが分かった。 俺なんかの為に怒ってくれることへの喜びよりも、やはり申し訳無さの方が勝る。 力になるなどと言っておきながらこの体たらくだ。 謝ろうにも、か細く今にも途切れそうな息遣いが精一杯。 「……行くぞ鮮け――がッ!?」 「遅ッせぇ!」 皐月の腹へ、流子の膝が叩き込まれる。 最初こそ皐月の予想外の強さに面食らっていた流子だったが、これだけ戦いが長引けば否応なしに適応もしよう。 これはその結果でもあった。 皐月の動きが鈍っている訳ではない――むしろ力強さのみで言うなら上がっていると言ってもよかった。 雁夜の腹を流子が打ち抜く瞬間は、皐月も見ていた。 だからこそ分かる。希望的観測のしようなど全くなく、あれは致命傷だ。 仮に万全の医療設備が整っていたとしても、あの傷ではまず助からないだろう。 同行していた時間が短いとはいえ、雁夜は皐月と志を同じくした仲間だ。 それを目の前で手にかけられ、何も思わないほど鬼龍院皐月は冷酷な人間ではない。少なくとも、今の彼女は。 その怒りがありありと滲み出た一撃は――力は確かに籠もっているが、それ以外は疎かになっている。 そこを見逃すほど、流子は甘くない。 叩き込んだ渾身の一発に皐月が苦悶の呻きを漏らすや否や、にぃと微笑み追撃。 皐月の顔面へ、横殴りの強烈な打撃を見舞う。 「ぐッ――」 『皐月! まずいぞ、このままでは!』 「ああ、分かっている!」 三発目は正面からの一発だ。 体ごと右に逸らすことで回避し、流子の体を蹴ることで後方へ飛び退こうとする皐月だったが。 そう簡単には逃がさんと、流子が伸ばした右足を思い切り掴み取った。 それから足ごと彼女の体を持ち上げ――振り回し、たっぷりと勢いをつけて地面へ叩き付ける。 「があッ……――ッ、鮮血、閃刃!」 常人なら気絶は必至の大ダメージを受けながらも、そこは鬼龍院皐月。 鮮血を着こなしていない彼女ならば、此処で流子の手元から抜け出すことは出来なかったかもしれない。 しかし。離脱に成功したのはいいが、負ったダメージが大きなことには変わりはなかった。 こめかみから血を流しながら、それでも流子を見据える皐月。 獰猛な笑顔を浮かべ、純潔を纏った破壊者がにじり寄ってくる。 流れてくる血を拭いつつ、それに抗するべく皐月もまた一歩を踏み出す。 そして。同じ頃、間桐雁夜は瀬戸際へと立たされていた。 出血量はとうに致死量を超え、今やいつ命の灯火が消えてもおかしくない状態。 走馬灯を見ることはついぞなかった。 汚れきったこの体には、もう夢を見ることさえ許されないのだろう――そんな気がしていた。 無理もない。あの子達のことを想うには、俺は間違いすぎた。 「ぁ……――――ッ」 けれど――けれど、それでも。 最後の最後に、何か俺にもやれることはないのか。 だってこれで終わりでは、あまりにあまりだろう。 全身を苛む刻印虫の激痛に比べれば、この程度の痛痒は屁でもない。 体感温度は極寒のそれに匹敵し、手が小刻みに痙攣するせいで伸ばした手がひどく不格好だ。 血反吐を撒き散らして悶絶する雁夜の姿たるや、流子が言った通り、死にゆく虫螻とすら大差なかった。 そこに違うところがあるとすれば……それは――。 「さ――つ…………き、――――」 血塗れの左手を伸ばす。 そして、最後の魔力を用い、回路を流動させた。 雁夜はそれきり、ぴくりとも動かなかった。 その伸ばした左手は何かを掴むこともなく、べちゃりと地へ投げ出されて。 それでもその口元にだけは、何かを確信した微笑を浮かべて――哀れなる落伍者は、今度こそその生涯を終えた。 【間桐雁夜@Fate/Zero 死亡】 【残り59人】 皐月と流子。 二人の神衣装着者が衝突する、まさにその瞬間だった。 流子の視界へ、これまで数十と潰してきた蟲の一匹が飛び込んできたのだ。 蟲は流子の眼球を目掛けて羽音を鳴らし、一直線へ飛んでくる。 剥き出しの眼球を噛まれてはさしもの流子もひとたまりもないが――しかしこれしき、片手の一動で叩き潰せる。 ましてや群れすら成さないただの一匹。神衣純潔で強化された流子がそれを恐れる道理は真実皆無だ。 「な」 だが――二つの要素が重なり合って、魔術師の悪足掻きは思わぬ成果を挙げることとなる。 一つは、纏流子が完全に油断しきっていたこと。 腹を文字通りぶち抜いたことで、間桐雁夜は既に死んだものとばかり思っていた。 注視すれば彼が生きていることなど容易く分かったかもしれないが、相手は鬼龍院皐月だ。それも、流子の想定を超えた領域で鮮血を着こなしている――通じ合っている鬼龍院皐月だ。 どれだけ戦況が優勢でも、決して余所見をしながら戦える相手ではなかった。纏流子をしても、である。 もう一つは、蟲が流子の目前まで辿り着いたのが、流子と皐月、二つの攻撃が接触し合う寸前だったことだ。 如何に流子が超人的な力を持っていようとも、既に攻撃を振りかぶり、放ち始めている以上、迎撃は間に合わない。 しかし迫ってくる蟲を指を咥えたまま見過ごしていれば、確実にこれは彼女の目を潰すだろう。 痛手としては大きすぎる。流子は已むなく出来る限りの最大限で首から上を逸らし、どうにか掠る程度に留めた。 どうにか難を逃れた。 彼女がそう思った瞬間、顔面へ鈍く重い衝撃が走って、流子は吹き飛ばされていた。 「がッ……て、めえ……!」 「――鮮血」 『……ああ。雁夜の奴め、無茶をする……』 回避のために頭部を逸らしたことで、流子の拳が釣られて僅かに角度を逸らした。 その一瞬を、皐月は見逃さなかった。鮮血も同じだ。 彼女達は力づくで僅かな角度のブレを抉じ開け、無防備な流子の顔面を空いていた左手でもって、全力で殴り付けた。 防御手段のない流子はそれを直撃するしかなく――このような結果になったというわけだ。 『言っておくが、流子。今の一発は、我々だけのものではないぞ』 「然り。間桐雁夜――お前が取るに足らない虫螻と軽んじた男の、最後の『意地』だ」 「ッ……意地、だと……!」 「そうだ、意地だ。そしてお前はそれに敗北した。間桐雁夜は、最後にお前へ勝利したのだ!」 後光が射す錯覚すら覚えるような、相変わらずの気迫を放って皐月は喝破する。 雁夜の方は振り向かない。 彼もきっとそれを望んでいるだろうと、皐月は思っていた。 彼女は彼の生き様へ敬意を抱く。仮にどれだけの罪に汚れていようと、その手は最後に勝利をもぎ取った。 他の誰が彼を悪徳と侮蔑しようとも、鬼龍院皐月のみは、間桐雁夜を決して侮辱しない。 「下らねえ……私があんな雑魚に負けただと? 寝言は寝てから言いやがれ……」 鼻血を拭い、立ち上がる流子。 その眼から未だ闘志は消えておらず、だからこの戦いが此処で幕引きとなることはありえない。 それでも。 間桐雁夜の最後の意地が、この姉妹喧嘩へある種の節目を与えたのは確かなことだった。 ● 剣と傘とが衝突する。 杏里は手にビリビリと流れてくる痺れに、敵の力の程を改めて実感させられていた。 空中へ居座ったまま繰り出される連打を――止める、止める、止める、弾く、突く。 しかし神威はするりと逃れ、横殴りの一打で杏里を牽制。 決着に導くため、一際深く傘を引いたかと思えば…… 「おっと……」 背後から迫っていた、『世界』の拳を察知してそちらの回避へと移行。 その隙を逃さず轟いた剣閃を抜かりなく止め、空いた片腕で握り拳を作り、吸血鬼へ打ち込む。 手応えはあるが、有効打と呼ぶには程遠い。生半可なダメージならば、吸血鬼はすぐに癒してしまうからだ。 「フン――無駄無駄無駄ァ! 貴様の力など、このDIOには遠く及ばんわッ。 踊るしか能のない滑稽な山猿の分際で帝王にゲスな喧嘩を売った罪……軽くは済まんぞ」 「山猿はテメーも同じだと思うがね、俺ァよ」 剣士は杏里のみではない。 疾走しながら現れた銀髪の侍が、通り過ぎざまに神威とDIOへ神速の一太刀を見舞った。 杏里の罪歌のような、反則的なまでの反応速度こそないが、剣の腕ならば銀時は決して劣っていない。 『白夜叉』の名は伊達ではなく、現に今の奇襲は二人の悪鬼へ相応の痛手を与えていた。 神威の右腕からは血が滴り、DIOの脇腹からもじわりと穢れた血液が滲み出してくる。 「いいじゃないか、面白くなってきた」 神威が浮かべる笑顔が、より好戦的なものへと変化した。 次の瞬間には、銀時の懐まで踏み入った彼の鉄拳が、その腹腔を勢いよく打撃する。 何度目かの吐血。意識が持って行かれそうになるのをすんでで堪えながら、彼は更に歯を食い縛った。 「(そろそろ来る頃だろうな……あの野郎の『インチキ』が)」 銀時の危惧した通りに、そこで時が停止する。 誰にも認識できず、介入できないDIOだけの『世界』。 しかし銀時の警戒とは裏腹に、彼が狙いを定めたのは彼ではなかった。 その矛先は神威へと向けられている。 先の意趣返しというのも確かにあるが、この場で最も厄介なのは間違いなく彼であったからだ。 銀時や杏里が優れた使い手なことは確かに間違いない。 それでも彼らはあくまで『人間』だ。DIOにとって人間とは即ち下等な生物であり、恐れる対象ではない。 その点神威はどうだ。 あの動き、反射神経、力――どれを取っても、明らかに人間をやめてしまっている。 「だが、そんな貴様でもこのDIOの『世界』へ踏み入ることは出来ない……」 笑みと共に『世界』の拳を見舞い、時が動き出すと共に神威の体が吹き飛んだ。 決して生温い攻撃ではなかった筈だが、彼はそれでも表情を崩すことなく事も無げに立ち上がる。 されど、いくらタフネスがあるとはいえ再生手段を持たない彼ではDIOの優位には立てない。 DIOが負ってきた傷は常に再生を続けている。 これぞ、彼がかつて至高のものと信じた体の最大の強みであった。 満悦の笑みを浮かべながら、DIOは次に銀時へと視線をやる。 それに気付いた彼は、渾名の通り夜叉のように鋭い眼光でDIOを睥睨した。 そして――白夜叉が再び風の如く疾走し、吸血鬼の首を切り落とさんと刃を振るう。 だが同じ手をそう何度も食うDIOではない。 人外の跳躍力を駆使して飛び上がることで攻撃を回避し、『世界』の手刀を銀時の首目掛けて振り落とす。 「チィィッ」 咄嗟に剣を横に構えることで防御し、首と胴体が泣き別れになることだけはどうにか回避した銀時。 後方へ飛び退き仕切り直しを図る銀時だったが、DIOは再度相手に攻撃の機は与えまいと追撃を放つ。 「無駄無駄無駄無駄ッ! 貴様の薄っぺらな考えなど、このDIOには手に取るように分かるッ! WRYYYYY――ッ!!」 繰り出されるのは『世界』のラッシュ。 時間停止が発動していないのがせめてもの救いだったが、脅威なことには変わりない。 徒手空拳の使い手ではない銀時ではいくら足掻いても、これと真っ向から張り合うのは不可能だろう。 だから此処は耐えるしかない。再度剣を横構えで盾とするが―― 「ぐ、――ァァァァァッ!!」 「ハハハハハハ! 脆い、脆いぞサムライ! まるで紙か何かを殴っているようだ……やはり貴様は所詮ただの人間よ。それ以上でも以下でもない。 そして人である以上、お前の末路も既に決まっている……血の一滴まで残さず、このDIOへ利用されて野垂れ死ぬ。それが貴様に待ち受ける未来だッ!!」 「ハァ、ハァ…………、うるっ、せえ。相変わらず能書きの多いヤローだな、テメーは……」 拳の直撃こそ避けたが、刀身越しにかかる衝撃に耐え切れず吹き飛び、それでも尚悪態をつく。 確かに、坂田銀時という侍がDIOと真っ向勝負で勝てる可能性は限りなくゼロに近い。 しかしながら、その程度のことで諦める潔さを彼が持っていたなら、その人生はもっと平穏だった筈だ。 銀時は屈しない。諦めない。何度地を転がろうとも、命が尽き果てるまでは絶対に。 「よく吼える犬だ。さて――そろそろ『首輪』を付けさせてもらおうか」 ――来る! 何がなど、改めて語るまでもない。 正体不明の攻撃。DIOが持つ、見ることさえ出来ない打撃。 銀時や神威達に対して彼が優位に立ち続けられる最大の理由こそが、その力――『世界』の能力だった。 そして銀時の予想通り、DIOは時を止めようとしていた。 「――、」 その時、彼は見た。 視界の端。 これまでずっと神威と戦っていた筈の少女が、こちらへと踏み込んでいる。 DIOも、神威が彼女の持つ刃と接触することを過剰なまでに避けているのには気が付いていた。 毒でも塗ってあるのか、はたまたあの娘もスタンド能力の使い手なのか。 それは実際に目の前で誰かが斬られてみないことには確かめようもなかったが、もう一つ厄介なことがある。 彼女の剣の反応速度だ。 特に相手からの攻撃に対しては、銀髪の侍をも凌駕する速度で対応している。 DIOは、『アヌビス神』というスタンド能力を知っている。 その知識と重ね合わせて考えて、どうやら彼女の剣もアレに近いものなのだろうと判断した。 「ふむ」 ――先に、排除しておくか。 ――――時が止まる。 疲労は大分目立ってきたが、それでもまだ余裕はある。 制限された状況下での使い方にも、この戦闘を通し大分慣れてきた。 一飛びでいざこちらへ迫り、己を切り伏せんとしていた少女の前まで辿り着く。 「自動防御(オートガード)のような能力があるようだが……」 そして、その頭部を『世界』の怒涛の拳打が打ち据える。 確実に殺すためのラッシュが少女の急所を一発余さず捉え、誰も感知できない時間の中で致命打を与えていく。 妖刀・罪歌は園原杏里に戦闘能力を与える。 オートガードの領域にすら届く超反応も、DIOの考え通り刀が齎しているものだ。 「止まっている時間の中では――何の意味もない」 時間停止の中では、さしもの罪歌も型なしだ。 触れないようにだけ気を配れば、DIOにとっては脅威とすらなり得ない。 最後の止めに、一際痛烈な拳を彼女の喉笛へと打ち込み、残虐な笑みと共に宣言する。 少女の終焉を。『人間』では決して倒せない、邪悪の化身としての力を存分に鼓舞しながら。 「時は動き出す」 杏里の頭が血を噴いた。 喉がいびつな音を立てて潰れ、口から血が吐き出される。 何が起こったのかを認識する間もなく、彼女は宙を舞った。 眼鏡が砕け、それでも刀を握り締めたまま、受け身も取れずに吹き飛ばされて。 「(あ……れ――わた、し…………)」 薄れる意識の中で、茫然と自分の身に起きたことを思う杏里。 視界がスローモーションになるのを感じて、他人事のように、どうやらこれが今際というものらしいと認識する。 何がどうなってこうなったのかは、何となく分かる。 恐らく、あのDIOという男だ。 彼の持つ、『認識されない攻撃』をモロに受けてしまった……か。 こうして死の淵へ立たされてみると、やはり死にたくないと感じる。 池袋で出会った、たくさんの人。 池袋で経験した、たくさんのこと。 色々なものを思い出す走馬灯の中でも、罪歌の愛の声は未だ煩わしく響いていて、こればかりは最後まで変わらないのだなと少し自嘲したくなった。 最後の一瞬。 地面へ墜落する直前。 視界の端に、自分が『寄生』すると決めた少女が叫んでいる姿が見えて。 「(……れんげちゃん)」 ごめんね、と言いたかった。 けれど、現実とはままならないもので。 結局、言えなかった。 【園原杏里@デュラララ!! 死亡】 【残り58人】 ● 「――れんげちゃん、見ちゃダメッ!」 繰り広げられる超人たちの戦いに茫然自失となっていた絵里。 しかし、今吹き飛んできたものをれんげには見せてはならないとその体は半ば反射的に動いていた。 ぐしゃりという鈍い音を立てて地面へ落ちた『それ』は、とにかく頭部が惨たらしく潰されている。 首から上のみを見れば、誰だか分からないほど。 ――それだけに、首から下が見覚えのある制服を着ていると気付いた時のショックはあまりにも大きかった。 吐きそうになる。さっきまで一緒に話していた少女が、あんな……。 「えりりん、なんで押さえるのん! だって今、あんりんが……!」 「ダメ……見ちゃダメ……!」 その衝動を辛うじて堪えられているのは、やはりれんげの存在が大きかった。 恐怖のどん底にあっても、自分より小さな女の子が近くに居るという事実が、絵里の心を壊れずに留めてくれる。 自分が取り乱していては、れんげが心に傷を負ってしまう。 それどころか、どこか怖いもの知らずな彼女のことだ。 あの戦いの中に突っ込んでいったっておかしくはないと、絵里は感じていた。 しばらく藻掻いていたれんげだが、急に彼女は静かになる。 それから、彼女は絵里に問いかけた。 いつも通りの独特な声色とトーンで、しかし僅かに声を震わせながら。 「えりりん……あんりん、死んじゃったん?」 「…………、」 絵里は答えない。 ――答え、られない。 「なんでなん」 「…………」 「なんで、あんりんが死んじゃうん」 「…………」 「約束したのん! あんりんと学校行くって約束したのん!!」 それなのに、なんでコロちゃんみたいに―― そこで、れんげの声は途切れてしまった。 『コロちゃん』。 それは、杏里が殺されるまでの間、必死に手当てしていた少女……コロナ・ティミルのことだ。 彼女は今、絵里達の傍らの地面で荒い喘鳴を漏らしている。 胸に刺さったナイフは彼女を即死こそさせなかったが、確実な重傷を与えていた。 幸いなのは出血量が爆発的なものでないことか――それでも、このまま捨て置けば遠からぬ内に彼女も杏里の後を追うことになるだろう。そして絵里は、そんな大傷の処置の仕方に心得はない。 四苦八苦しても一向に事態は好転せず、それが尚更彼女の心を摩耗させる。 「銀さんも、死んじゃうのん?」 「……大丈夫。大丈夫よ、きっと……銀さんなら……」 「…………」 十秒ほどだったろうか。 れんげは暫く黙った後、急に目を覆う絵里の手を振りほどいた。 不意を突かれたこともあって慌てる絵里だったが、れんげは彼女の危惧した行動に出はしなかった。 「あんりん、教えてくれたん。 この黒いカードには、便利な道具がいろいろ入ってるって」 地べたに座り込んで、三枚の黒カードを広げるれんげ。 目元には涙を浮かべて、それでも健気にカードの中身を改めていく姿はどうしようもなくいじらしい。 しかし、れんげの期待はあっけなく裏切られた。 一枚目は折りたたみ式のナイフ。 二枚目に至っては、タッパーに入ったコロッケだ。 ――頼みの綱。祈りながら三枚目のカードから取り出したのも、不思議なデザインのただの手袋だった。 「れんげちゃん……」 「……なんでなん」 れんげの目から、ついに堪え切れなくなったのか透明な液体が流れ落ちる。 「あんりんはウチに優しくしてくれたのん。 コロちゃんも、大丈夫だよってウチを励ましてくれたのん」 なのに。 「なのに、なんでウチは何もできないのん? ウチだって、コロちゃんやみんなを助けたいのん」 ――杏里は、もう無理だ。しかし、コロナはまだ生きている。 朦朧としていて、話したりは出来ないようだが意識もある。 今ならまだ助けられるかもしれない。絵里もそう思う。けれど、助ける手立てがないのだ。 「ほたるんやこまちゃんだって、泣いてるかもしれないのん。 こまちゃんは怖がりだし、ほたるんは体はおっきいけど結構子供なところもあるし。 だから……ウチが助けてあげなきゃいけないのん!」 れんげは、タッパーからコロッケを一個取り出して泣きながら頬張る。 ――何も変わらない。 ナイフを開こうと四苦八苦して、指先を少し切った。 ――何も変わらない。 「れんげちゃん……」 「えりりんも、なのん」 「……え」 「えりりん、ずっと怖がっててかわいそうなのん。 ウチ、えりりんにも笑っててほしいのん……だから」 最後。 変わったデザインの手袋に、れんげはぽろぽろ涙を流しながら手を入れる。 この世界は嘘のような現実であって、だからこそ都合のいいご都合主義はれんげ達を助けてくれない。 繰り返そう、この世界は現実だ。 現実にないものは、この世界にはない。 「――ウチ、強くなりたいのん!」 だが、現実にあるものなら、この世界にだってある。 手袋を填めたれんげの手からは、淡い紫色の光が漂っていた。 絵里とれんげが、顔を見合わせる。 れんげの足元に、小さな紙切れが落ちているのを見つけたのは絵里だ。 そこにはこう書かれている。『ブーストデバイス・アスクレピオス』――と。 説明を読み進めていく度に、彼女の表情は怪訝なものになっていった。 これがもしも本当なら、これ以上はないくらいの幸運だが…… 「魔法の……デバイス…………?」 ――信じられない。 こんなものが、現実にあるなんて。 しかし、これに書かれていることがもしも本当ならば。 「……れんげちゃん、よく聞いて。これを使えば、……コロナちゃんを助けられるかもしれないわ」 「!? ……それ、ほんとなのん!?」 「ええ。その手袋の名前は『アスクレピオス』っていうらしいわ。 正直信じられないって気持ちの方が強いけど――魔法の『デバイス』なんだって。 えぇと……魔導師じゃない人が装備しても、威力は多少低いけど魔力を使って攻撃したり……」 ごくりと生唾を飲み込んで、絵里は肝心な所を口にした。 「――回復の魔法も、使えるって」 「回復……それって、コロちゃんやあんりんを治せるってことなのん!?」 「ううん……多分、園原さんはダメだと思う。けど……コロナちゃんなら、まだ間に合うかもしれない」 それに少し落ち込んだ様子を見せるれんげだったが、その時間すら今は惜しい。 暫くあれこれとデバイスを操るのに苦難するも、コツを掴むまでは非常に早かった。 元々、宮内れんげという少女は時に天才肌だ。 非魔導師にも使えるようになっていたとはいえ、これほど早く慣れてみせる参加者はそうは居ないだろう。 「えりりん、回復って……こうでいいのん!?」 「ちょ、ちょっと待って! ……――――、すごい……れんげちゃん、これ、本物みたいよ!」 アスクレピオスが作り出した魔方陣は、横たわるコロナを囲うように輝いている。 絵里が陣の中へ入ると、じんわりとだが力が湧いてくるような気がした。 それからコロナの傷口を見てみると、どうだ。 見る見るうちに、というほどでこそないが、少しずつ、しかし確実に傷が癒えているのが分かる。 その証拠に、コロナの荒い息も少しずつ平静に戻っていき―― 「れんげ、ちゃん……?」 「! コロちゃん、大丈夫なのん。ウチが必ず、コロちゃんを助けてあげるのん!」 コロナはきょとんとした表情を見せたが、れんげの手に見覚えのあるデバイスを発見し、静かに頬を綻ばせた。 アスクレピオスは、元々彼女の友人が使っていたものだ。 それがこんなところで自分を助けてくれた。その事実は、なんだか心を暖かくしてくれた。 必死に回復を施すれんげ。説明書と睨めっこしながら、それを見守っている絵里。 「(助けるつもりだったのに、まさかわたしが助けられるなんて)」 気恥ずかしいような、嬉しいような。 そんな複雑な感情で治療に甘んじるコロナだったが――その目が、突然大きく見開かれる。 「れ、れんげちゃん! 逃げてッ!」 宮内れんげ。彼女の後方から、歩を進めてくる者があった。 橙がかった髪を三つ編みに結い、笑顔を顔に貼り付けた青年。 体には所々ダメージを受けた痕が見られたが、それを苦にしている様子は何処にもない。 振り返ったれんげと絵里の表情が固まる。 彼――神威は、れんげのみを見ていた。どこか嬉しそうに微笑んで、静かに死神が歩いてくる。 「やっぱり、俺の予想通りだったみたいだ」 初めて神威とれんげが会った時、彼はれんげを殺さなかった。 子供を攻撃するのに抵抗があったというのもある。 だが、自分を睨み付けた彼女の『目』に惹かれるものを感じ、殺さずに捨て置いたのだ。 再会がここまで早くなるというのは予想外だったが、どうやら見立てに狂いはなかったらしい。 魔法の力を身につけて仲間を癒す彼女の目は、どこまでも澄んだ強さに溢れているように見えた。 「……来ないで、なのん。今は、うちゅうじんの相手をしてる暇はないのん!!」 「ありゃ、これはつれないね。折角こうして会いに来てあげたっていうのにさ」 コロナの言葉を無視し、れんげは逃げない。 体は震えていたが、それでも毅然と神威を睨み付けている。 とてもではないが、小学一年生の度胸とは思えない。 現に絵里は神威を前にして、まったく動くことが出来なくなっていた。 これが普通なのだ。先程の彼の戦いぶりを見ていれば尚更である。 「心配しなくても、君を殺すつもりはないよ。 そこの女の子も同じさ。刀の子は面白そうだから少し遊んだけどね」 それに。 言って神威は、れんげ達の更に後方へ目をやった。 「俺が仮にそうするつもりでも、あの二人が許してくれなそうだ」 神威が言い終えた直後だった。 れんげ達の上を飛び越えるようにして吶喊した一人の少女が、神威へと鋭い拳を放つ。 神威はそれを真っ向受け止める。地面にズリズリと音を立てて靴裏のラインが刻まれた。 そこで漸く止まる。――渾身の一撃だったのか、神威の手にはビリビリとした痺れが残っている。 れんげも絵里も、その二人の姿を見た。 神威を急襲した、桃色の髪の少女。 そして彼女に続くようにして現れた、金髪の凛々しい女性。 「友奈。君はその男を頼む。私はあちらの少女を援護する」 「分かりました! ジャンヌさんも、気をつけて……!」 神威の右方を通り過ぎ、遠方の『姉妹喧嘩』へ介入すべく走っていく、ジャンヌと呼ばれた女。 彼の気性上、それを妨げてもおかしくはなかったが、彼はこの時それをしなかった。 夜兎の目は、真っ直ぐ桃の勇者へと向けられている。 ……いい目だ。 それはれんげのものとよく似た、眩しいほどに透き通った強さを灯した眼。 顔には笑顔を浮かべたまま、神威は静かに拳を構える。 応じるように、勇者もまた拳を構えてみせた。 「貴女――」 「……おねーさん、誰なん?」 少女達に半身だけを向け、安心していいよ、とばかりの笑顔を見せる。 神威のものなんかとは全く違い、それは見る者を例外なく安心させる――勇気付ける、華のような微笑みだった。 大丈夫。私は二人の味方だよ。助けに来たの。 口にする言葉の一つ一つが、不思議なほど暖かく響く。 目の前の『悪』に向き直り、彼女は宣言した。 ――これまでで最も力強く、自分とは何であるかを。 「私は、結城友奈――」 そう、彼女は―― 「――『勇者』だよ。」 勇者である。 ● 「 「 うおおぉぉおおおおおおお――――ッ!!!! 」 」 姉妹の怒声が共鳴し、真っ向からぶつかり合う。 雁夜の死と、彼が遺した最後の置き土産。 それが功を奏してから、皐月は流子へこれまで以上に力強く食らいついていた。 戦況は決して大きく動いてはいない。 皐月が流子を殴りつけたあの瞬間以降、皐月は有効打と呼べるものを一切与えられていなかった。 だがそれは、流子の方も同じだ。 攻めあぐねている訳ではない。持ち前の凶暴性を十二分に発揮し、皐月を常に押し切らんと追い立てている。 しかし攻め切れない。 流石に相手が相手だ、長々戦っている分、流子のパターンをある程度学習しているのだろう。 『皐月、上だ!』 「了解した!」 鮮血との連携もより密になっている。 以前の皐月ならば回避できなかったであろう攻撃も、鮮血の助言で次々躱される。 まさに千日手状態。 このままでは、どちらかがスタミナ切れで倒れるまで延々と続ける羽目になる。 それは流子だけでなく、皐月としても出来れば避けたい幕切れだった。 流子を取り戻すことのみが全てではない。 羅暁を倒すまでには幾らか猶予があるにしても、殺し合いの打破はごく早急に行う必要があるのだ。 当然、纏流子は後のことなどを考えながらで倒せる相手ではない。 ――故に皐月は今、すべての打算を捨て去り、流子のことのみを考える! 再び突撃する皐月と、迎え撃つ流子。 もう何十度と繰り返したやり取りだが、常に攻め方、護り方を変えねば不覚を取る。 そう知っているからこそ、二人は極限の集中力を持って臨んでいた。 交差する二人。――跳ね飛ばされたのは皐月だった。 「そら、見たことかよ! ンな出来損ないで、私の純潔に敵うわけがねえんだ!」 「ぐ……、いや、敵うさ。私はそう信じている」 『皐月……』 しかし、流子の言うこともまた正しい。 鮮血と純潔の間には、確かな力の差が存在している。 おまけに、鮮血はそれに加えて繭からの細工を施され、更に弱体化を受けているのだ。 それで長期戦となれば、次第に不利になってゆくのがどちらかは明白であろう。 「そうかよ。だったら証明してみるんだな、鬼龍院皐月ィ!」 叫び、流子が奔る。 皐月は考える。 鮮血が純潔にも敵い得ると言ったのは真実だ。 真実、心の底から皐月はそう思っている。 ただ問題は、どのようにしてその瞬間を引き寄せるかだ。 皐月と鮮血は今や一人と一着で『一人』。人衣一体の境地で戦っている。 それでも尚、流子の方が上。であれば、やはり必要となるものは。 新たな戦力――そう皐月が呟くのと、流子の疾走軌道上へ金髪の女が割り入るのは同時だった。 「な――貴女は」 「私はジャンヌ。ジャンヌ・ダルク。 ……戦いの鎮圧に来たのだが、どうやら暴れているのはあの娘のようだな」 「……ああ。その認識で合っている」 「ならば、私にも力添えさせてくれ。どうやら君は、私と志を同じくする者のようだからな」 ジャンヌ・ダルク。 世界史を習ったことのある人間ならば誰もが知っているだろう、オルレアン救国の聖処女と同じ名前。 それに皐月は一瞬だけ驚かされたが、しかし些末なことだと切り捨てた。 「私は鬼龍院皐月。あいつは纏流子……私の妹だ」 「……成る程。では、適度に意識を奪う程度に止めた方が良さそうだな」 「オイオイ、誰だよテメェは。いきなり割り込んできて、ワケの分からねえこと言ってんじゃねえぞ」 ムカついた、だから死ね。 とでも言わんばかりに、何の躊躇いもなくジャンヌへ攻撃を加える流子。 常人ならば、呆気なく吹き飛ばされて終わるのが関の山だが――ジャンヌ・ダルクは生憎と、常人のカテゴリに当て嵌めるには度が過ぎた力量の持ち主だ。 彼女は朱槍でもって、それを止める。 止められたことで生ずる一瞬の間隙に、皐月の痛烈な蹴撃がヒットした。 蹌踉めき、流子もこれには堪らず後退する。 どうやら、今のは結構なダメージとして彼女に通せたらしかった。 「うざってえ……」 だが、それは纏流子に限っては弱体化を意味しない。 苛立ちは強まり、その度に彼女の戦力は暴力的になっていく。 破壊衝動と帰還願望が苛立ちで煮詰められ、今や彼女の闘争心は最高潮にまで達しようとしている。 戦いが真に苛烈化するのは、恐らくこれから。 ジャンヌと皐月、二人の戦士は―― 「そんなにお望みなら、お望み通りブチ撒けてやるよ――!!」 殺気の爆ぜる音を聞いた。 時系列順で読む Back 本能字の変(1) バクチ・ダンサー Next 本能字の変(3) Angel Blossom 投下順で読む Back 本能字の変(1) バクチ・ダンサー Next 本能字の変(3) Angel Blossom 051 本能字の変(1) バクチ・ダンサー 間桐雁夜 GAME OVER 051 本能字の変(1) バクチ・ダンサー 園原杏里 GAME OVER 051 本能字の変(1) バクチ・ダンサー 坂田銀時 051 本能字の変(3) Angel Blossom 051 本能字の変(1) バクチ・ダンサー 絢瀬絵里 051 本能字の変(3) Angel Blossom 051 本能字の変(1) バクチ・ダンサー 鬼龍院皐月 051 本能字の変(3) Angel Blossom 051 本能字の変(1) バクチ・ダンサー 桂小太郎 051 本能字の変(3) Angel Blossom 051 本能字の変(1) バクチ・ダンサー コロナ・ティミル 051 本能字の変(3) Angel Blossom 051 本能字の変(1) バクチ・ダンサー 宮内れんげ 051 本能字の変(3) Angel Blossom 051 本能字の変(1) バクチ・ダンサー 神威 051 本能字の変(3) Angel Blossom 051 本能字の変(1) バクチ・ダンサー 纏流子 051 本能字の変(3) Angel Blossom 051 本能字の変(1) バクチ・ダンサー DIO 051 本能字の変(3) Angel Blossom 027 信仰は気高き戦士の為に ジャンヌ・ダルク 051 本能字の変(3) Angel Blossom 027 信仰は気高き戦士の為に 結城友奈 051 本能字の変(3) Angel Blossom