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それは夜もずいぶんとふけたころ……うぅ、眠いわぁ。 「って、虎目石?」 テーブルに突っ伏した状態の虎目石。まぁ様子から見て居眠りだろうなぁ。で、何でこんなところで寝てるんだか。もしかして本でも読んで……。 「……何これ」 思わず声に出してしまうほどの謎の物体、そして糊がテーブルに置かれている。その謎の物体、どうも爪楊枝でできているようだけど……なんだろう、箱? でもなんか変な形のフタだし、箱自体も形が変だし。じっくり見てみても何がなんだかさっぱり。相変わらずやることなすことよく分からない……。 「はぁ……虎目石ー、起きなさいよ」 「んぅ……ワカメ」 「寝ぼけるなー。ったく、起きなさいって」 「昆布……岩海苔……しょうちくばーい」 どんな夢見てるんだか……しかし、一度眠るとなかなか目を覚まさないのよねぇ、昔から。まぁ、あたしたちが変なところで寝たって風邪引くことなんてないけどさ。 「……ったく」 仕方ない、今日はこのまま放置することにしようっと。めんどくさいし。まぁ、情けで毛布ぐらいは掛けてあげるけどさ。双子の妹なわけだし……。 「はぁ……おやすみ」 「ひじきぃ……」 だからどんな夢見てるのさ……。 「置石、居眠りしていたら私のコレクションが頭にくっついてしまった」 「コレクションって……その爪楊枝の塊が?」 「爪楊枝で作る名城100選。これは姫路城」 「……あっそ」 「外すの手伝って。壊れないように」 「はいはい……」 この後、爪楊枝がもったいないからほどほどにするようにと説教することになった……はぁ。
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荒巻の解析結果 荒巻の71%は明太子で出来ています 荒巻の13%はカテキンで出来ています 荒巻の6%は濃硫酸で出来ています 荒巻の6%はお菓子で出来ています 荒巻の4%は心の壁で出来ています 置「荒巻が濃硫酸で出来てるって言うから、用意してみたよぉー。さぁ、何しようっかな~?」 虎「でもここに明太子とカテキンとお菓子と心の壁がある」 置「は? それが何よ……って、心の壁ぇ!?」 虎「ATフィールド」 置「いやそれ違うでしょ!」 大体ATフィー……じゃない、心の壁なんてどーやって用意してきたのか……。 置「って、何勝手に使ってるのよぉー!」 虎「荒巻作り」 どんどん材料を投げ込んでいく虎目石。あぁー、もったいない。 しかし大丈夫なのかな……さっきから材料放り込んだ器から白い煙が立ちこめてるけど。 虎「あ……」 虎目石が煙の先に何かを見つけたのか、声を上げる。 あたしも虎目石の視線の先を追っかけてみるけど……うわ、なんか動いてる。 でも荒巻にしては何か違うような……。 置「……リボン?」 虎「……胸もある」 置「…………メス?」 虎「図鑑図鑑……」 早苗ストロガノフの51%は勇気で出来ています 早苗ストロガノフの37%は野望で出来ています 早苗ストロガノフの6%は濃硫酸で出来ています 早苗ストロガノフの4%は心の壁で出来ています 早苗ストロガノフの2%は成功の鍵で出来ています 置「え、共通点二つしかないじゃん!! どうやってできたのよ!?」 虎「二つもある方がすごいと思う」
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その日も、日課の散歩をしていただけ。で、そこで珍しい人と出会った。 「……電気石」 「んー?」 蛋白石と同じ10月の誕生石で、いつも蛋白石と一緒にいる子だ。でも蛋白石の姿はない。一人アスファルトにチョークで絵を描いているようだ。 ちなみに描いている絵は……胸の大きな女の人? 蛋白石だろうか。 「ぐりーんだよー?」 グリーンダヨー……。 「いいんだよー」 「ぐりーんだよー」 「ぐっじょぶ」 「……ぐっじょーぶ?」 ふむ……。 「何を描いてるの?」 「……おっぱい?」 「やっぱり蛋白石なんだ。そっちは?」 「……マスター。こっち、殺生石」 なるほど、家の人を描いていたのか。私は家に置石しかいないので、きっと描いてもつまらないだろう。 「そっち、私……座って?」 突然の要求。とりあえず私はその場にしゃがみ込む。そしてこちらを凝視してくる……何をするのだろうか。 電気石が道路で何かをしている。珍しいな、一人で遊んでるのは……いや、よく見たらもう一人いる。あの変わった髪型の子は……。 「電気石。ただいま」 「マスター」 「よしよし。あれ、虎目石ちゃん。遊びに来たの?」 僕も一度しか会ったことがないが、確かこの子は虎目石ちゃん……だよな。 「なりゆきで」 「そうなんだ。電気石の相手してくれてありがとう」 「ん、どういたしまして」 んー、クールな子だなぁ、あまり表情変わらないし。でも電気石の隣にずっといるところをみると、仲はいいんだろうな。 「トナカイさん」 「マスターさん」 アスファルトに描かれた人を指差す……トナカイで僕? 「ははは……しかしいろいろ描いたねぇ」 「ん……そこ、みんな」 電気石の指差す先を見てみると、人物が大きく、並んで描かれた場所がある。 「この胸が大きいのは蛋白石?」 「うん」 「じゃあ、この尻尾があるのは殺生石で、一番大きいのは僕かぁ」 「ん……こっち、私」 「そっかぁ。じゃあ電気石の隣にいるのは……」 この特徴的なパイナップルみたいな頭……虎目石ちゃんかぁ。 「いいんだよー?」 「い、いいんだよー?」 「いいんだよー」 「ぐりーんだよー」 「いや、何でいきなり……」 なんかよく分からないけど、二人には強い絆でもあるってことなのかなぁ……うぅむ、よく分からない……よく分からないけど、まぁいいか。 「さてっと、今日はプリン買ってきたよ。結構たくさんあるから、虎目石ちゃんも一緒にどう?」 「プリン……」 「……いただきます」
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もうすぐスレッドが1000に達するという訳の分からない理由から、あたしと虎目石は1000に関する物を先方の依頼で集める事となった。というか先方ってなんだろ。 虎「1000円札」 置「こりゃまたフツーなところから」 虎目石の事だからなんかマニアックな物持ってくるかと思った。 虎「千手観音」 置「この仏像ってさぁ、ちょっと気持ち悪くない?」 おっと、こんなこと仏教の人に聞かれたら大変な事になっちゃうよ。 虎「千田光男」 置「そこで人名……」 虎「先行者」 置「いや、数字の1000は関係ないし」 虎「先生……担任の梅岡だよ」 置「空気読めない担任やめぃ!!」
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虎「……」 さっきから虎目石が輪ゴムをいじっている。 ぐちゃぐちゃに丸めたら引っ張って元に戻す、それの繰り返し……一体何が楽しいのかな。 置「虎目石ー、さっきから何してんの?」 虎「置石」 名前だけを呼ぶのはいいけど、なんでそれ以降に言葉が続かないんだか。 ま、この子の話すペースは独特だから。あたしだっていい加減慣れたし。 虎「……輪ゴムをぐしゃぐしゃにして元に戻すと、縛られた状態になる」 置「それがどうかした?」 虎「何故だろう……」 ……どーでもいいっしょ、普通。 虎「何か、別の者の意志が働いたとか」 置「ないない、絶対ない」 虎「……じゃあ、ガンダムマーカーをしっかり振らなかったときに出る謎の液体は」 置「そーいうツッコミに困る事言わない!」 虎「じゃあ」
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正月気分が抜けない日曜。 レッドベリルとこたつで横になりながらテレビを見ていたときに、事もあろうかインターホンが鳴り響く。 「……レッドベリル、頼む」 「やだ。寒いもん」 まぁ、そう来るとは思ってた。 言い争っても仕方がない。体を起こし、こたつから抜け出して玄関へ。 肌寒さを我慢しながら、サンダルを履いてドアノブに手を掛ける。 「はいはい、どちらさんです……お?」 ドアを開けると、目線に人の顔はない。 視線をわずかに下へ……そこには。 「明けましておめでとう」 と、頭を下げる虎目石。そして彼女の右手の先には。 「もぉーっ、何でこんなとこ連れてこられないといけないのよーっ!」 やけにご機嫌斜めな様子の置石……何なんだ、一体。 虎目石からの一言に、俺は驚愕するしかなかった。 「お、置石に料理教えてやって欲しいって、俺が?」 こたつを挟んで、俺とレッドベリルの向かいに座る虎目置石姉妹。 顔色一つ変えずにそれを伝える虎目石に対し、置石は余計なことを言うなと目で訴えている。 それにしても……珍しい客と思えば、まさかそんな頼み事だとは。 「ペリドット姉様が認める、一流料理人だから」 「いや、だって俺なんてまだ新米だし。それにペリドットさんとかのが教えるの上手じゃないか?」 それを尋ねると、なぜか置石の顔が青ざめる。 「姉様達は、なぜかみんなスパルタだから。恐怖で覚えることが出来ない」 ……少し意外だ。和気藹々と料理を教える姿を思い浮かべたのだが。 「【レッドベリルのマスター】さんなら、姉さんにも料理の手ほどきが出来ると」 「ちょ、ちょっと虎目! あたしは別に教えられるほど料理ヘタじゃないわよ!」 「私は、姉さんに苛性ソーダなんて使わない料理を作って欲しいから」 そこで沈黙する置石。不穏な名前が飛び出たようにも聞こえたが、まさか普通の料理は出来ないのだろうか。 まぁ、簡単な物を作るぐらいなら、俺でも教えられるかも知れない。それぐらいならいいのだが。 「……まともな料理出来ないと、嫁のもらい手に困るよね」 そこに、眠たそうな顔をしたレッドベリルのきつい一言。 案の定、置石の顔が怒りに染まる。 「って、レッドベリルっ、あんたねぇ!!」 一応年上に対してだよな……レッドベリル、恐ろしい奴だ。 「あー、もう頭に来た! 【レッドベリルのマスター】っ、ちょっとあたしに付き合いなさい!」 「え? いや、なんでそこで俺が」 「料理教えるんでしょーっ! この礼儀を知らない妹二人をギャフンと言わせてやる!」 ものすごい剣幕で、俺に向けて身を乗り出してくる置石。つか、俺はまだ了承してないぞ。 さっきまであんなに嫌々だったくせに。これは思いっきり二人に釣られたのではないだろうか。 しかし、これでとてもじゃないが断れる空気はなくなってしまった。 「わ、分かった……レパートリー一つか二つ、増やすぐらいなら」 せっかくの休日だったのに……はぁ。 エプロンを身につけ、台所に立つ俺と置石。 正直、俺の方は乗り気ではない。だがこんなにやる気満々な置石相手では、手抜きも出来ない。 「さぁてと、あいつらにはどんな味で懲らしめてやろうかしらぁ」 「懲らしめるのはいいから、その毒瓶しまえ」 「えーっ、置石ちゃん特製調味料なのにぃ」 不満を顔に浮かべる置石。何かこの先がすごく不安なんだが。 「で、置石。何か覚えたい料理あるか?」 「あたしが? いや、別に……あんたに任せるわ」 何だよ、さっきまでやる気出していたくせに。 まぁ、仕方がない。一度了承してしまったのだから、最後まで付き合わなくては。 食材は何があったか。とりあえずそれを確かめるために、冷蔵庫を開ける。 キャベツ、挽肉、あとそれから……。 「うわ、一人暮らしの男とは思えない冷蔵庫の充実っぷり。さすがというかなんというか」 俺の背後から、置石が冷蔵庫の中を覗き込んでくる。 背中に当たる、双丘の柔らかい感触。体は小さいくせに……ダメだ、顔が熱くなる。 「お、重いぞ」 「何ですってぇ? もういっぺん言ってみろぉ!」 俺の頭に、置石の拳が容赦なく襲いかかる。 「いてっ、痛いって! 分かった分かった、悪かったって!」 置石の拳を払い除け、立ち上がる。 「ったく、デリカシーのない奴。で、何作るか決まったの?」 「お前なぁ……まぁ、適当にロールキャベツ」 「ロールキャベツかぁ。結構いいかも、毒を盛ってもばれにくそう」 「毒禁止!」 「……い、意外とめんどくさいわね。キャベツ巻くの」 「それゆでてないだろ。一度ゆでないで巻ける訳ないだろ」 好きと言っておきながら、置石の手際はあまりよくない。 俺が鍋の準備をしているにもかかわらず、すでに挽肉をキャベツで巻く作業に入っている。そういえば、某番組でもこんなのいたな。 「というか、挽肉だってまだ下ごしらえしてないだろ。ホントに大丈夫か?」 普通の料理だって出来ると言っていた割に、これではなぁ。 「う、うるさいわね! 初めてなんだから仕方ないでしょ!」 「初めてって言ってもなぁ……まぁいいか。最初から教えるからそれ貸せ」 考えていても仕方がない。 置石が持っていたキャベツと挽肉を受け取り、それぞれ元の容器に戻す。 さて、ロールキャベツか。なんだかんだで作るの久しぶりだな。 「とりあえず、作る分のキャベツの葉をゆでる。量が多ければ、芯くりぬいた キャベツを丸ごと放り込むのもアリだ」 今回は量が少ないから、葉を数枚そのまま沸騰する鍋に入れる。 「これはまあ、少し固めの状態で上げてしまって構わない。こんなモンだな」 鍋から上げたキャベツの葉をトレイへ。 少し冷めたところで、葉を二枚手に取り、片方を置石の前に差し出す。 「全体に軽く塩を振って、芯の硬いところを削いでおく。これでちゃんと巻ける訳だ」 「ふーん」 少しは真面目になったのか。俺の手を真似るように、キャベツの葉に下ごしらえをしていく。 包丁の扱いは問題ないようだ。やはり慣れているというのもあながち嘘ではないらしい。 「じゃあ、次はたねの準備だ。まずたまねぎとニンジンをみじん切りにする」 先に用意しておいたたまねぎをまな板に置き、包丁を手にとってみじん切りに。 「うわっ、ちょ、何これ! 隠し芸!?」 ……で、俺の手を見ながら驚きの声を上げる置石。 まぁ、驚かれて悪い気はしない。だがうちの師匠に比べたらまだまだだが。 「これぐらいでやらないと怒られるんだよ」 「へぇー。ずいぶんと難儀な職場なんだ」 「そうだなぁ。客の多いときは死ぬかと……って、そんなのどうでもいいって」 みじん切りにしたたまねぎを挽肉の入ったボウルに入れ、更にニンジンをみじん切りに……いや。 「って、俺が全部やってもダメだよな。置石、やってみろ」 「え、あんなモン見せつけられたところで……うぅ」 渋々ニンジンを受け取り、包丁を振るう置石。 俺のペースを真似ようとしているのか、いびつになりながらも速いペースで進めていく。 「あまり慌てるなよ?」 「わ、分かってるわよ。あたしは別に慌てて……っ」 案の定、包丁の刃が置石の指をかすめる。血は出ないが、それでも切った指を口でくわえる顔は、痛みを訴えている。 「あーあ」 「な、何よぉー。ていうか笑うなっ」 こちらに包丁を向け、抗議してくる置石。 「おいおい危ないって。それよりニンジンは俺がやるから、置石は絆創膏でも貼ってこい」 「別にそんなのいらないわよっ。あとニンジンはちゃんとあたしがやる!」 すっかりスイッチが入ってしまったらしい。 やる気満々といった様子の置石が、再びまな板と向かい合う。 まぁ、こちらもその方が教える甲斐もあるというものだ。 ◇ 「挽肉は卵とみじん切りにした野菜、塩コショウを適量振って混ぜる」 「そこで置石ちゃん特製調味料も」 「いらないって」 「じゃあ置石ちゃん特製スパイス」 「同じだ同じ」 台所から聞こえる、二人の声。 最初は互いにやる気なさげだったのに、今はずいぶんと楽しそう。笑う余裕まで出来ているらしい。 ……何か、腹立つ。あたし相手にはあんな感じじゃないくせに。 「姉さん、珍しく楽しそう」 「ふーん」 そう呟く虎目石姉さんの微笑み。 あたしは、そんな顔を浮かべられるような気持ちじゃない。 「マスターが気付かないうちに、毒入れたりするんじゃないのー?」 「ん、多分大丈夫。ああいうときの姉さんは」 「そう……」 虎目石姉さんが言うんだ。きっとその通りなんだろう。 悪いことも浮かばないぐらい、楽しいんだ。 「……はぁ」 テーブルに顔を乗せながら、台所の方を見つめる。 わずかに見える、二人の後ろ姿。 ……近い。狭い台所だけど、かなり近い。 何かもう、マスターの膝が置石姉さんの肩にくっつくぐらい近い。どうしてそんなに近づく必要があるのよ。 近寄らなく立って料理を教えるぐらい出来るでしょうが。大体さっきから雑談多いしマスターの声もデレデレしてるように聞こえるし。 っていうか、さっきはあんなにめんどくさがってた癖に、今じゃ何か率先して色々教えてあげてる。何この手のひら替えし。 「……マスターのバカ」 虎目石姉さんにも聞こえないぐらい、小さな声で呟く。 マスターなんか、置石姉さんが勝手に入れた毒で倒れちゃえ。 「よし、たねの用意が出来たら、早速巻くぞ。これなら普通に巻けるだろ?」 「さ、さっきのことはもう言うなっ」 まな板の上に、キャベツの葉が2枚。 それに対し、二人がボウルから挽肉を適量手に取って、葉の上に乗せる。 ……っていうか、くっつきすぎ。あんなにくっつく必要なんて絶対ない! そうよそうよ、絶対ない。きっとこれはマスターのセクハラ……。 「ねぇ」 「ひゃあっ!」 突然背後から、虎目石姉さんが覗き込んでくる。 もう、びっくりするなぁ。 「な、何よぉー」 「……若いね」 そしてなぜか、にやりと笑みを浮かべてくる。 「ちょ、ちょっとぉ、その笑いは何よ!?」 「姉さんはアレで結構純情だから、気をつけて」 「純情って……そ、それどういう意味よぉ!」 あたしの質問には答えず、さっきの笑みのままこたつへと戻っていく虎目石姉さん。 純情……まさか、マスターは置石姉さんをたぶらかすつもりじゃ。 ううん、マスターにそんな度胸ある訳……でもそうだったら……。 『見ろ置石。これが俺とお前の愛のロールキャベツだ』 『もぉー、恥ずかしいこと言わないでよぉ。それに、愛を語るなら布団にロールされた方が……』 こんな、バカップルぶりを目の前で惜しみなく見せつけられる訳? 「……マスターのばかぁ!」 「って、おいレッドベリル! 何でロールキャベツ作ってるだけでバカ呼ばわりなんだよ!?」 「へっ? あ、う……し、知らない!」 「で、鍋にスープの素でも入れれば、味付けは問題ない。好みで何か野菜とか香草なんてのも、入れてみたら悪くないかもな」 「もっとスパイス利かせる気はない?」 「その手にある奴はいらないからな。というかいい加減しつこいって」 マスターの言葉に、抗議の愚痴を漏らす置石姉さん。 相変わらず仲は良さそうだ。それに対しあたしといえば、こたつに入ってつまらないテレビ番組を黙ってみているだけ。 しかも、さっきからずっと虎目石姉さんがこちらを見てきてる、笑顔で。 そして……。 「さっきは、何を考えたの?」 何を聞いているのかは分かっている。だからなおさら答えない。 「ふーんだ」 まさか虎目石姉さんもこんな意地悪だったなんて。 「ふふふ」 「……わ、笑わないでよぉ」 「大丈夫、バカにはしていない」 「笑われるだけでも嫌っ!」 やっぱり、置石姉さんの妹なんだ……。 「なかなかいい匂いしてきたじゃない」 「そうだな。あぁ、キャベツ入れるときは巻いた継ぎ目を下にして入れろよ」 で、向こうは何もなかったかのようにロールキャベツを作ってる。 置石姉さんの言うとおりだ。こっちまで鶏ガラスープのいい匂いが漂ってきている。 それにしてもマスター、あまり頼りにならないくせに、料理ばかり上手なんだから不思議よねぇ。 この前は……あぁ、苦手とかいいながらケーキ作ってたっけ。苦手なくせにペリドット姉さんまで驚かせるぐらい美味しいの作ってたっけ。甘いの嫌いだからって、あたしにほとんど食べさせて。太らない体だからって無茶させすぎなの、分かってるのかな。 ……まぁ、美味しかったけど。 「今度は思い出し笑い」 「っ! と、虎目石姉さん!」 笑っているのは、虎目石姉さんも一緒だった。 「仲、良さそう」 「何でそうなるのよー。それに、マスターなんていつもデリカシーに欠けるし、気も利かないし怠け者だし」 「別に【レッドベリルのマスター】さんの事とは言ってない」 「……うぅーっ」 この姉、どうしようもなく意地悪だった。 「そういう人は、大切にしてあげよう」 「いきなり何よぉ」 相変わらずの笑顔のまま、台所の方へ顔を向ける虎目石姉さん。 釣られて、あたしもそっちへ顔を向ける。 「よし、これで全部だな。後は強火で煮て、沸騰したら中火にしてアクを取る。取ったら落としぶたして待つだけだ」 「はぁー、やっと終わりぃ? 何だか疲れた」 「終わりじゃねぇって。盛りつけて、テーブルに皿を出すまでが俺達の仕事だ」 「何真面目なこと言ってるのよー」 二人で向き合いながら、楽しそうにおしゃべりをしている二人。 ……むぅ、デレデレしちゃってさぁ。もしかして置石姉さんの谷間でも見てるんじゃないでしょうね? 「匂いだけなら、美味しそう」 そんなことを呟く、虎目石姉さん。 「あ、当たり前でしょー。マスター唯一の取り柄で、一番の特技なんだから」 そう。 昔からの夢だからといって、ずっと練習していたという、自慢の特技。 ペリドット姉さんにも負けない、美味しい料理を作れるんだから。 「料理に関してだけは、自慢出来るマスターだよねぇ」 「自慢するんだ」 「え、う……別にいいでしょっ! 大体、一つぐらい取り柄がないと宝石乙女のマスター失格よ、失格!それに料理が出来るからって、いつもは仕事で疲れたーとか言って手抜きするんだから」 「手抜きが嫌か? なら自分で作れよ」 ……と、後ろからの声。 いつの間にかマスターが、あたしの背後に立っていた。何だか少し怒った様子で。 「え、な、何よ! 別にダメなんて言ってないでしょ!」 「というか、俺はそろそろレッドベリルにも飯を作ってもらいたいんだがなぁー。一人で」 「う……だ、だって、マスターをギャフンと言わせられるようになるまでは、その……ごにょごにょ」 いつもの調子になれず、口ごもってしまう。 男の癖に、見下ろしてくるなんてずるいんだから。ただでさえ体が大きいんだから、少しは威圧感とかで気を遣いなさいよね……。 「ちょっとー、早く用意しないのー? 火ぃ止めるわよ?」 「あぁ、頼むー……さて、皿用意しないとな。レッドベリル、手伝ってくれ」 「えー。仕方ないわねぇ」 何だ、食器を取りに来ただけだったんだ。 まったく、先に言いなさいよね……立ち上がり、二人列んで食器棚へ向かう。 「本当に、仲がいい」 「っ、そんなんじゃないもん……」 「いただきます」 虎目石姉さんが、丁寧に手を合わせてから箸を持つ。 テーブルの上には深めの皿が4つ。それぞれに2個ずつ、ロールキャベツが入っている。 鶏ガラスープと、それに半分ほど浸っているロールキャベツ。周りには細かく切ったベーコンが漂っていて、いい匂いを漂わせている。 「さぁー、どんどん食べなさいよー。あたしが普通の料理作れるって、思い知らせてやるんだから」 「さっきはキャベツをゆでるのを忘れて……」 「それは言うなーっ」 早速、いつもの言い争いを始めてしまう二人の姉さん。 そんな二人を横目に、ロールキャベツを一口。 ……くやしい。けど、美味しい。ほとんどマスターがやっていた気もするけど、なぜかくやしい。 「うまいか?」 「へ? あ……別に」 「何だ、置石が普通に作って、ホントにギャフンと言わされたか?」 妙に腹立たしい、マスターの笑顔。 何もそんな顔で笑わなくたって……むぅ。 「さて、俺も食ってみるか……ん、なかなかいけるな」 「よぉーし、これでみんな思い知ったわねー。あたしがちゃんと料理が出来るって」 今日初めて一品作っただけなのに、鼻高々の置石姉さん。 何だろう、別に勝負していた訳でもないのに、敗北感を感じてしまう。 「それにしても、意外と【レッドベリルのマスター】って教え方上手いじゃない。何ならもう一回教えてもらおっかなぁー」 ま、またっ!? 「だ、ダメ! 今日はお試しなんだから! 次からは授業料っ、もしくは順番!」 「……レッドベリル、一体何を言っているんだ」 「へっ!?」 や、やだ。あたし、何を口走って……。 「さっきまで、レッドベリルも料理を教えてもらうって、話してた」 ロールキャベツを一口食べる虎目石姉さん。あの笑顔で。 「虎目石姉さん! そんなことあたし言って……」 「何だ、お前もロールキャベツ作りたいのか?」 混乱するあたしに、マスターが顔を向けてくる。 「べ、別にそれは姉さんが……」 そう、別に教えてもらうつもりなんて毛頭ない。 毛頭ない……けど、何だかこのムードだと、教えてくれるってこと、かな? ……そうそう、あたしは教えてもらう気なんてないの。でもマスターが教えるっていうなら、それを断るのは乙女として失礼よね、うん。 「ま、まぁ、教えてくれるなら、そうしてくれて構わないわよ」 「何だそりゃ? まぁいいや。じゃあ今度材料買ってきたときにでもな」 結局、あたしもマスターにロールキャベツの作り方を教えてもらうことになってしまった。 どうしてこんな流れに……まぁ、このまま置石姉さんに負けたような状況になるのも嫌だし。 ギャフンと言わされたんだから……返してあげないと、乙女として恥ずかしいわよね、多分。 「あらぁ? レッドベリルったら、あたしに対抗するんだぁ。ふふふ、お姉さん楽しみよぉー」 「な、何よ! 置石姉さんだって覚えたばかりなのにっ。あ、あたしなんて一回教えてもらっただけですごいの作るんだから!」 「ふっふっふー、楽しみにしてるわよぉ。という訳で【レッドベリルのマスター】、また今度もよろしくねー」 「だ、ダメ! これはあたしのマスターなんだから!」 「こら、飯食ってるときに腕引っ張るな!」
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トップページ 【東京ディバンカー】初心者向け🔰情報ページ 装備品 メイン装備(イヤリング・ネックレス・指輪) レア 名前 レベル 物防 物攻 耐久性 魔性 狂暴性 人間性 備考 SSR 星屑 100 7456 7456 2761 2761 2761 2761 要:学園レベル90,金塊140 SR 女王 100 3728 3728 1381 1381 1381 1381 要:学園レベル90,銀塊50 SR シロウサギ 85 2092 2092 1045 1045 1045 1045 要:学園レベル75,銀塊25 SR 紅茶 70 1227 1227 783 783 783 783 要:学園レベル60,銀塊15 SR マッシュ 55 718 718 484 484 484 484 要:学園レベル45,銀塊10 R ロータス 100 2883 2883 1068 1068 1068 1068 要:学園レベル90,銅塊15 R リリー 85 1618 1618 808 808 808 808 要:学園レベル75,銅塊15 R ガーデニア 70 949 949 606 606 606 606 要:学園レベル60,銅塊10 R デイジー 55 556 556 374 374 374 374 要:学園レベル45,銅塊5 A 月光石 100 2070 2070 800 800 800 800 A ダイヤ 95 1694 1694 735 735 735 735 A パール 90 1396 1396 670 670 670 670 A クオーツ 85 1162 1162 605 605 605 605 A ルビー 80 971 971 540 540 540 540 A トルマリン 75 813 813 475 475 475 475 A 金緑石 70 681 681 453 453 453 453 A サファイア 65 570 570 367 367 367 367 A ターコイズ 60 477 477 323 323 323 323 A 曹灰長石 55 399 399 280 280 280 280 A 孔雀石 50 344 344 224 224 224 224 A 藍玉 45 281 281 172 172 172 172 A エメラルド 40 236 236 129 129 129 129 A ペリドット 35 198 198 94 94 94 94 A シトリン 30 166 166 68 68 68 68 A 虎目石 25 136 136 47 47 47 47 A ゴールド 20 112 112 34 34 34 34 A シルバー 15 91 91 23 23 23 23 A ブロンズ 10 72 72 16 16 16 16 A コッパー 5 57 57 10 10 10 10 B 月光石 100 2070 2070 600 600 600 600 B ダイヤ 95 1694 1694 551 551 551 551 B パール 90 1396 1396 502 502 502 502 B クオーツ 85 1162 1162 454 454 454 454 B ルビー 80 971 971 405 405 405 405 B トルマリン 75 813 813 356 356 356 356 B 金緑石 70 681 681 340 340 340 340 B サファイア 65 570 570 275 275 275 275 B ターコイズ 60 477 477 242 242 242 242 B 曹灰長石 55 399 399 210 210 210 210 B 孔雀石 50 344 344 168 168 168 168 B 藍玉 45 281 281 129 129 129 129 B エメラルド 40 236 236 97 97 97 97 B ペリドット 35 198 198 70 70 70 70 B シトリン 30 166 166 51 51 51 51 B 虎目石 25 136 136 35 35 35 35 B ゴールド 20 112 112 26 26 26 26 B シルバー 15 91 91 17 17 17 17 B ブロンズ 10 72 72 12 12 12 12 B コッパー 5 57 57 8 8 8 8 C 月光石 100 2070 2070 400 400 400 400 C ダイヤ 95 1694 1694 368 368 368 368 C パール 90 1396 1396 335 335 335 335 C クオーツ 85 1162 1162 302 302 302 302 C ルビー 80 971 971 270 270 270 270 C トルマリン 75 813 813 238 238 238 238 C 金緑石 70 681 681 226 226 226 226 C サファイア 65 570 570 184 184 184 184 C ターコイズ 60 477 477 162 162 162 162 C 曹灰長石 55 399 399 140 140 140 140 C 孔雀石 50 344 344 112 112 112 112 C 藍玉 45 281 281 86 86 86 86 C エメラルド 40 236 236 64 64 64 64 C ペリドット 35 198 198 47 47 47 47 C シトリン 30 166 166 34 34 34 34 C 虎目石 25 136 136 24 24 24 24 C ゴールド 20 112 112 17 17 17 17 C シルバー 15 91 91 12 12 12 12 C ブロンズ 10 72 72 8 8 8 8 C コッパー 5 57 57 5 5 5 5 D 月光石 100 2070 2070 200 200 200 200 D ダイヤ 95 1694 1694 184 184 184 184 D パール 90 1396 1396 168 168 168 168 D クオーツ 85 1162 1162 151 151 151 151 D ルビー 80 971 971 135 135 135 135 D トルマリン 75 813 813 119 119 119 119 D 金緑石 70 681 681 113 113 113 113 D サファイア 65 570 570 92 92 92 92 D ターコイズ 60 477 477 81 81 81 81 D 曹灰長石 55 399 399 70 70 70 70 D 孔雀石 50 344 344 56 56 56 56 D 藍玉 45 281 281 43 43 43 43 D エメラルド 40 236 236 32 32 32 32 D ペリドット 35 198 198 24 24 24 24 D シトリン 30 166 166 17 17 17 17 D 虎目石 25 136 136 12 12 12 12 D ゴールド 20 112 112 8 8 8 8 D シルバー 15 91 91 6 6 6 6 D ブロンズ 10 72 72 4 4 4 4 D コッパー 5 57 57 2 2 2 2 E 月光石 100 2070 2070 0 0 0 0 E ダイヤ 95 1694 1694 0 0 0 0 E パール 90 1396 1396 0 0 0 0 E クオーツ 85 1162 1162 0 0 0 0 E ルビー 80 971 971 0 0 0 0 E トルマリン 75 813 813 0 0 0 0 E 金緑石 70 681 681 0 0 0 0 E サファイア 65 570 570 0 0 0 0 E ターコイズ 60 477 477 0 0 0 0 E 曹灰長石 55 399 399 0 0 0 0 E 孔雀石 50 344 344 0 0 0 0 E 藍玉 45 281 281 0 0 0 0 E エメラルド 40 236 236 0 0 0 0 E ペリドット 35 198 198 0 0 0 0 E シトリン 30 166 166 0 0 0 0 E 虎目石 25 136 136 0 0 0 0 E ゴールド 20 112 112 0 0 0 0 E シルバー 15 91 91 0 0 0 0 E ブロンズ 10 72 72 0 0 0 0 E コッパー 5 57 57 0 0 0 0 サブ装備(ブローチ・香水) レア 名前 レベル 物防 物攻 耐久性 魔性 狂暴性 人間性 備考 SSR 星屑 100 4659 4659 2761 2761 2761 2761 要:学園レベル90 SR 女王 100 2330 2330 1381 1381 1381 1381 要:学園レベル90,銀塊50 SR シロウサギ 85 1307 1307 1045 1045 1045 1045 要:学園レベル75,銀塊25 SR 紅茶 70 766 766 783 783 783 783 要:学園レベル60,銀塊15 SR マッシュ 55 449 449 484 484 484 484 要:学園レベル45,銀塊10 R ロータス 100 1801 1801 1068 1068 1068 1068 要:学園レベル90,銅塊15 R リリー 85 1011 1011 808 808 808 808 要:学園レベル75,銅塊15 R ガーデニア 70 593 593 606 606 606 606 要:学園レベル60,銅塊10 R デイジー 55 347 347 374 374 374 374 要:学園レベル45,銅塊5 A 月光石 100 1293 1293 800 800 800 800 A ダイヤ 95 1058 1058 735 735 735 735 A パール 90 872 872 670 670 670 670 A クオーツ 85 725 725 605 605 605 605 A ルビー 80 606 606 540 540 540 540 A トルマリン 75 508 508 475 475 475 475 A 金緑石 70 425 425 453 453 453 453 A サファイア 65 356 356 367 367 367 367 A ターコイズ 60 298 298 323 323 323 323 A 曹灰長石 55 249 249 280 280 280 280 A 孔雀石 50 215 215 224 224 224 224 A 藍玉 45 175 175 172 172 172 172 A エメラルド 40 147 147 129 129 129 129 A ペリドット 35 124 124 94 94 94 94 A シトリン 30 103 103 68 68 68 68 A 虎目石 25 85 85 47 47 47 47 A ゴールド 20 70 70 34 34 34 34 A シルバー 15 56 56 23 23 23 23 A ブロンズ 10 45 45 16 16 16 16 A コッパー 5 35 35 10 10 10 10 B 月光石 100 1293 1293 600 600 600 600 B ダイヤ 95 1058 1058 551 551 551 551 B パール 90 872 872 502 502 502 502 B クオーツ 85 725 725 454 454 454 454 B ルビー 80 606 606 405 405 405 405 B トルマリン 75 508 508 356 356 356 356 B 金緑石 70 425 425 340 340 340 340 B サファイア 65 356 356 275 275 275 275 B ターコイズ 60 298 298 242 242 242 242 B 曹灰長石 55 249 249 210 210 210 210 B 孔雀石 50 215 215 168 168 168 168 B 藍玉 45 175 175 129 129 129 129 B エメラルド 40 147 147 97 97 97 97 B ペリドット 35 124 124 70 70 70 70 B シトリン 30 103 103 51 51 51 51 B 虎目石 25 85 85 35 35 35 35 B ゴールド 20 70 70 26 26 26 26 B シルバー 15 56 56 17 17 17 17 B ブロンズ 10 45 45 12 12 12 12 B コッパー 5 35 35 8 8 8 8 C 月光石 100 1293 1293 400 400 400 400 C ダイヤ 95 1058 1058 368 368 368 368 C パール 90 872 872 335 335 335 335 C クオーツ 85 725 725 302 302 302 302 C ルビー 80 606 606 270 270 270 270 C トルマリン 75 508 508 238 238 238 238 C 金緑石 70 425 425 226 226 226 226 C サファイア 65 356 356 184 184 184 184 C ターコイズ 60 298 298 162 162 162 162 C 曹灰長石 55 249 249 140 140 140 140 C 孔雀石 50 215 215 112 112 112 112 C 藍玉 45 175 175 86 86 86 86 C エメラルド 40 147 147 64 64 64 64 C ペリドット 35 124 124 47 47 47 47 C シトリン 30 103 103 34 34 34 34 C 虎目石 25 85 85 24 24 24 24 C ゴールド 20 70 70 17 17 17 17 C シルバー 15 56 56 12 12 12 12 C ブロンズ 10 45 45 8 8 8 8 C コッパー 5 35 35 5 5 5 5 D 月光石 100 1293 1293 200 200 200 200 D ダイヤ 95 1058 1058 184 184 184 184 D パール 90 872 872 168 168 168 168 D クオーツ 85 725 725 151 151 151 151 D ルビー 80 606 606 135 135 135 135 D トルマリン 75 508 508 119 119 119 119 D 金緑石 70 425 425 113 113 113 113 D サファイア 65 356 356 92 92 92 92 D ターコイズ 60 298 298 81 81 81 81 D 曹灰長石 55 249 249 70 70 70 70 D 孔雀石 50 215 215 56 56 56 56 D 藍玉 45 175 175 43 43 43 43 D エメラルド 40 147 147 32 32 32 32 D ペリドット 35 124 124 24 24 24 24 D シトリン 30 103 103 17 17 17 17 D 虎目石 25 85 85 12 12 12 12 D ゴールド 20 70 70 8 8 8 8 D シルバー 15 56 56 6 6 6 6 D ブロンズ 10 45 45 4 4 4 4 D コッパー 5 35 35 2 2 2 2 E 月光石 100 1293 1293 0 0 0 0 E ダイヤ 95 1058 1058 0 0 0 0 E パール 90 872 872 0 0 0 0 E クオーツ 85 725 725 0 0 0 0 E ルビー 80 606 606 0 0 0 0 E トルマリン 75 508 508 0 0 0 0 E 金緑石 70 425 425 0 0 0 0 E サファイア 65 356 356 0 0 0 0 E ターコイズ 60 298 298 0 0 0 0 E 曹灰長石 55 249 249 0 0 0 0 E 孔雀石 50 215 215 0 0 0 0 E 藍玉 45 175 175 0 0 0 0 E エメラルド 40 147 147 0 0 0 0 E ペリドット 35 124 124 0 0 0 0 E シトリン 30 103 103 0 0 0 0 E 虎目石 25 85 85 0 0 0 0 E ゴールド 20 70 70 0 0 0 0 E シルバー 15 56 56 0 0 0 0 E ブロンズ 10 45 45 0 0 0 0 E コッパー 5 35 35 0 0 0 0
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テーブルの前に虎目石が座って、何かを睨みつけている。 「何凝視してるのさ」 「……置石」 「え、ちょっとあんた涙目……何かあったの?」 何だろう、この子が涙目になるほどのことって。いつもは顔に出さないから、さすがに心配になっちゃうよ。 で、テーブルの上には……割り箸ぃ? しかも中途半端に割れてるし。 「なんか先が読めた気がするけど……どうしたの?」 「ちゃんと、真っ直ぐ割れない……どうして」 「どうしてって、知るはずないでしょ。だからすがりつくのやめて」 やっぱりロクなことじゃなかったか。 「今日で20連敗……悔しい」 「20連敗って、最近家の割り箸が増えた気がするのはあんたのせいかっ! 環境に最悪じゃん!!」 まぁ、捨てずに取っておくけどね……そこ、ババくさいとか言わない。 「っていうかこの前自分の箸買ったばっかでしょうが。それ使いなさいよ、それ」 「置石は……割り箸の奥深さを、分かってない」 「分かりたくないわっ」 「きちんと割れない悔しさ……どれほどだと思う?」 「知らないってば!」 「それはもう、吊ったり練炭用意したりアイキャンフライしたくなるほどの……」 「やーめーろぉー!」 あー、今回は際立ってわけ分かんない……。 「20連敗……20連敗……うぅ」 膝ついて悔しがるかなぁ、普通。 まぁ……コンビニ弁当はなるべく避けるようにしよう。もしくは割り箸つけてもらわないようにするか。あとは自炊とか……苦手だけど。 とにかく、割り箸の使いすぎは止めましょう。あたしも虎目石を止めるから。
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最近、電気石がよく分からない。 「わんもあせ?」 「……何?」 いや、前から色々と不思議なことを言う子だというのは知っているのだが、 今回のは特に分からない。 「びくとりー」 先の言葉との繋がりが、全く見えてこない。 一体これは……。 「解説しよう」 「うわ!?」 横から唐突に虎目石ちゃんが現れる。 というか、解説? 虎目石ちゃんは何か知っているのかな。 「電気石は今、ビリーズブートキャンプをやっている」 ……え? 「ごめん、余計分からない」 「だからビリーのブートキャンプに入隊している」 「それはいいんだけど、でもなんで電気石が……」 「全ては姉のようになるため」 姉……つまり蛋白石のようになりたいって事か。 確かに電気石は蛋白石より遙かに非力だ。卵を割るのにも苦労するほどに。 でも、宝石乙女ってトレーニングで筋力上がるのかな……いや、それを言ったら 金剛石ちゃんのことを全否定するわけだし。 うーん……よく分からない。 「ちなみに相談を受けたのは私。勧めたのも私」 「そ、そう……」 なんというか、虎目石ちゃんらしいチョイスではあると思う……。 ◆ えっと、ビリーバンド、だったか。それを持って何かをしている電気石。 両端を手で持って、思いっきり引っ張る。 「んにぃーっ」 ……全然伸びない。というかそう使う物ではないと思う。 しばらくやっても伸びないそれを見て、今度は輪っかっぽくなってる方を足にかけて、 両手で引っ張る。 「んーっ」 伸びない。 「あうっ」 しかも、手から離れた反動で後ろにひっくり返る。 ……これって、トレーニング以前に出来ないんじゃないだろうか。 「で、電気石、大丈夫?」 「マスター……伸びない」 「う、うん、そうだね」 「……欠陥?」 いや、多分電気石の力が足りないのが問題だろう。真っ向からは言えないけれど。 「え、えーと、電気石にはまだ早いんだよ、うん。これはお姉さん達がやるものなんだよ」 「……やっちゃ、めー?」 しょんぼりした様子で、こちらを見上げてくる。 これではまるで僕がいじめているみたいだ。何とかしないと。 「あー……じゃあ、その、えー……僕と一緒に体鍛えようよ。電気石にも出来る方法で」 「マスターと、いっしょ?」 途端に顔が明るくなったような気がする電気石。 本当はそんなつもりなかったけど、言ってしまったからには仕方ない。 「……姉様みたく、なれる?」 「そう、だね。頑張れば」 「んー……」 いや、正直電気石はほどほどで……蛋白石並みになられると困るというか。 「……頑張る」 でも、電気石はやる気のようだ。 こういうやる気は大切にしてあげるのが一番なんだろうけど、なんだか複雑な気分というか何というか。 「う、うん……でも、どうして蛋白石みたいになりたいの?」 「……胸、おっきい。ぼいん?」 ……電気石も胸のサイズとか気にするんだ。 「虎目、あんた電気石にはブートキャンプ無理って分からなかったの?」 「……全ては、計算通り。私の思ったとおり【蛋白石のマスター】さんと一緒にトレーニングを」 「はい、適当なこと言わないの」
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珊瑚「…うむ、漬物石殿。見事な漬かり具合」 虎目石「…」ポリポリポリポリコリコリコリコリ ズズ~… 漬物石「たくさん漬けたの…まだあるから食べて…」