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フロストフェルの凍てつく荒野や、光の射さないアンダーダークの深みにいる者たちとは異なり、水域を旅していたり、水域に挑戦したりする冒険者たちは、何らかの乗り物か魔法の使用なしでそれを成し遂げることはできない。この章では、水界の冒険に関わる3種類のカテゴリに分類される装備品について説明する:船舶、船舶の強化策と兵装、そして個人用の装備品である。 船舶 ここで説明されている個々の船舶は実際には多くの類似の船舶に適用される一般的な情報を示すものである。たとえば、スキフに関する説明は、同時に漕ぎ舟、ロング・ボート、そしてディンギーをも対象としている。 船舶のデータ 各船舶のデータの読み方は次の通り; 喫水/Draft 喫水は船舶が浮かぶために必要される最小の水深である。喫水が3フィートの船は浮かぶために最低でも3フィートの深さの水を必要とする:水深が3フィートに満たない水域では座礁することになる。 船の長さ/Length その船舶の船首から船尾までの全体の大きさを表す。 船幅/Beam 船舶の最も幅の広い場所における船幅を示す。船幅が15フィートの船はその最も幅の広い箇所で差し渡しが15フィートある。 搭載台座/Mounts 船が搭載することができる武器の数。斜線の前の数字は軽搭載台座の数であり、斜線の後の数字は重搭載台座の数である。軽搭載台座は5フィート四方を占め、中型サイズの兵装を設置できる;重搭載台座は10フィート四方を占め、大型サイズの兵装を設置できる。それぞれの搭載台座が船の船首、船尾、右舷、左舷のいずれに取り付けられているかを決定すること。取り付けられた方向に応じて攻撃できる方向が決まる。 市価/Cost 船を購入したり、船を建造するために必要とされる労働者と材料を徴発したりするために必要とされる金銭の合計を表している。もしその船に攻城兵器が備えられているなら、それらのそれぞれについての市価は船の市価に加えて加算されなければならない。 建造期間/Building Time 必要とされる材料、労働者、そして設備が利用可能であるという条件で、最初から最後まで船を建造するために必要とされる時間の合計である。 修理期間/Repairing Time 必要とされる材料、労働者、そして設備が利用可能であるという条件で、船渠入りして修理したときにヒット・ポイント最大値の4分の1だけ回復するのに必要とされる期間。 移動速度/Speed これはマイル毎時(mph)で示した船舶の移動速度である。ここでのマイルは海里(nautical mile)を示しており、1海里=1852m=約6,000フィートである。また、マイル毎時はノットとも呼ぶ。近接戦闘においては、これらの移動速度の数字に10を掛けることで毎ラウンドのフィート単位の移動速度を算出できる。たとえば、移動速度2 mphのキャラベルは近接移動速度20フィートである(2×10=20)。 斜線で分割された数値は帆と櫂の両方を備えた船舶の移動速度を表している。最初の数字は帆と櫂の両方を使っているときの船舶の移動を表している。第2の数字は帆だけを使っている船舶の移動を示し、第3の数字は櫂だけを使った船舶の移動を示す。たとえば、帆と櫂の両方の下で移動しているガレーは4mphの移動速度を持つ。同じ船が帆だけを動力としているときには1mphの移動速度にまで減速し、櫂だけを使っているときには2.5mphに減速する。 AC(アーマー・クラス) 船のアーマー・クラス。 HP(ヒット・ポイント) 船は2種類のヒット・ポイントを持つ。1つは船殻のヒット・ポイントの数値であり、船殻ポイントと呼ばれる。もう1つは推進装置ポイントと呼ばれるものであり、船の索具(帆、帆柱、ジブ[船首三角帆]、索具綱など)や櫂などへのダメージに耐える能力を示す。通常は両方が同じ値である。 ダメージ閾値/Damage Threshold 船はそのダメージ閾値に等しいかそれよりも大きいダメージを受けない限り、すべての船殻ポイントに対するダメージに対する完全耐性を持ち、その値以上の場合には通常通りにダメージを受ける。ダメージ閾値に達しなかったあらゆるダメージは浅すぎたと見なされ、船殻ポイントを減少させない。もし1回の攻撃が複数の命中を表現しているなら(たとえば、矢の一斉射撃など)、船に何らかのダメージを与えるためには、個別の命中(この例で言えば個々の矢)から受けるダメージがこの閾値と同じか上回らなければならない。[火]ダメージに対してはダメージ閾値は適用されない。推進装置ポイントに対するダメージにはダメージ閾値は適用されない。 体当たり/Ram その乗り物の現在の移動速度1 mph毎に、ほかの物体に体当たりした場合に与える[殴打]ダメージ。たとえば、基本体当たりダメージが3d6 の船は、10 mphの移動速度の場合に3d6 ポイントの、2 mphの移動速度の場合には6d6 ポイントの、3 mphの移動速度の場合には9d6 ポイントの[殴打]ダメージを与えるという具合である。 耐航性/Seaworthiness その船全体の頑丈さ。この修正値は、浸水、沈没、そして危険を回避するために船長か船主が行なうあらゆる判定に適用されるもので、大きく、造りの良い船舶は、小さく貧相なものよりも容易に回避することができる。 操舵性/Shiphandling その船の軽快さと回頭性を示す。この修正値は、体当たり、回り込み、逆風すれすれの帆走、その他の状況を回避するために船長か船主が行なうあらゆる判定に適用されるもので、小さく、素早い船舶は、大きく扱いにくいものよりも容易に回避することができる。 乗組員/Crew これは船を最も効果的に動かすために必要とされる人数(最適人数)を示している。これには船長、漕ぎ手、舵手、操帆員、甲板員などが含まれる。櫂を用いる船においては、乗組員の数がこの数字を上回ることはめったにない。しかし帆船においては、乗船している乗組員の数はもっと多いかもしれない。 この船舶を動かすために必要とされる最小人数の乗組員は、最適人数の乗組員の人数の半分(端数切り上げ)である。もし船にこの人数よりも少ない数の乗組員しか乗船していないなら、事実上、航行不能である。 乗客/Passengers 船が運ぶことができる追加の人員(実際に船を動かすことに関わらない人々)の合計人数を示す。もし船が兵士を運搬しているなら、彼らは乗客のスペースを占有する。 貨物積載量/Cargo Capacity 各船の積載能力の合計量を示している。通常、船は品物を守るためのいくつかの種類の貨物倉を有している――しかしながら、多くの船舶は船尾楼と船首楼の内側に貨物を貯蔵したり、単純に甲板に縛り付けておいたりする。1トン=2,000ポンドである。 ダメージに対する抵抗、脆弱性、完全耐性 船は[刺突]ダメージに対する抵抗を持つ([刺突]武器からのダメージは半減する)。 船の帆と索具は[火]と[酸]ダメージに対する脆弱性を持つ([火]と[酸]によるダメージは2倍になる)。同時にこれらの脆弱性の対象となる攻撃はダメージ閾値を無視する。帆はもしそれが濡れているなら、[火]と[酸]ダメージに対する脆弱性を持たない。 船は[冷気]と[死霊]ダメージに対する完全耐性を持つ。 非自律行動物体であるこれらは、[毒]と[精神]ダメージに対しても完全耐性を持ち、魅了状態や恐怖状態になることもない。 船舶の種類 船舶については五十音順に紹介する。 表:船舶 船 喫水 船の長さ 船幅 搭載台座 市価 建造期間 修理期間 アウトリガー(4) 1/2フィート 30フィート 15フィート -/- 75 gp 6日 1日 筏(1) 5フィート 10フィート 10フィート -/- 50 gp 6日 1日 カーゴ・シップ(2) 4フィート 70フィート 25フィート 1/- 12,000 gp 90日 15日 カヌー(2) 1/2フィート 10フィート 5フィート -/- 30 gp 3日 0.5日 カラフ(2) 1フィート 20フィート 5フィート -/- 60 gp 6日 1日 ガレー(2) 4と1/2フィート 130フィート 20フィート 6/- 30,000 gp 90日 15日 キールボート(1) 1フィート 20フィート 5フィート 1/- 3,000 gp 12日 2日 キャラベル(帆船)(4) 5フィート 70フィート 20フィート 3/1 10,000 gp 150日 25日 コグ(4) 4と1/2フィート 90フィート 20フィート 1/1 20,000 gp 90日 15日 スキフ(漕ぎ舟)(3) 1フィート 15フィート 5フィート -/- 50 gp 6日 1日 ソハー(4) 4フィート 90フィート 25フィート 2/1 17,000 gp 90日 15日 漁船(2) 1フィート 30フィート 5フィート 1/- 3,500 gp 18日 3日 ドラッカー(2) 2フィート 100フィート 15フィート 2/- 20,000 gp 60日 10日 トリリーム(2) 3フィート 135フィート 20フィート 4/1 20,000 gp 90日 15日 ドロモンド(軍船)(2) 4フィート 175フィート 15フィート 4/2 25,000 gp 90日 15日 ナール(2) 2フィート 75フィート 15フィート 1/- 6,000 gp 30日 5日 はしけ(1) 5フィート 20フィート 10フィート 2/2 500 gp 6日 1日 ペンテコンター(2) 2フィート 60フィート 15フィート 2/- 20,000 gp 90日 15日 ロングシップ(4) 2フィート 75フィート 15フィート 2/- 10,000 gp 30日 5日 (1) 主として川、湖、そして港湾といった内陸の水域を旅する (2) 陸地が視界に留まっていなければならない (3) 陸地それらの主船(母船)が視界に留まっていなければならない。 (4) 長い遠洋航海に適している。 表:船舶 船のデータ 移動速度mph AC HP ダメージ閾値 体当たり 耐航性 操舵性 乗組員 乗客 貨物 アウトリガー 1/0.5/0.5 11 100 ― 2d6 +0 +2 3 ― 500ポンド 筏 0.5(櫂のみ) 11 50 ― 2d6 -4 +0 1 ― 3トン カーゴ・シップ 1(帆のみ) 15 200 15 4d6 +2 +0 10 10 100トン カヌー 1(櫂のみ) 11 50 ― 1d6 -2 +2 1 ― 500ポンド カラフ 1.5/0.5/0.5 11 100 ― 3d6 -2 +0 6 ― 5トン ガレー 4/1/2.5 15 500 20 6d6 +0 -2 80 ― 150トン キールボート 1(帆のみ) 15 100 10 2d6 -2 +2 1 6 1/2トン キャラベル 2(帆のみ) 15 300 15 4d6 +4 +2 20 20 100トン コグ 2(帆のみ) 15 300 15 4d6 +2 -2 8 5 150トン スキフ 1.5(櫂のみ) 11 50 ― 1d6 -4 +2 1 3 500ポンド ソハー 4/1/3 15 300 15 4d6 +4 +0 8 ― 100トン 漁船 1(帆のみ) 15 50 15 2d6 +0 +0 1 5 1トン ドラッカー 3/0.5/2.5 11 200 ― 6d6 +4 +0 60 160 ― トリリーム 4/1/3 15 600 20 4d6 -2 +0 120 ― ― ドロモンド 2.5/1/2 15 500 20 4d6 +0 +2 60 60 200トン ナール 2.5/1/1 15 200 15 3d6 +2 +0 8 8 50トン はしけ 0.5(櫂あるいは棹) 15 50 15 3d6 +0 -6 3 2 8トン ペンテコンター 3.5/1/2.5 15 300 15 4d6 -2 +0 42 ― 10トン ロングシップ 3/0.5/0.5 15 300 15 4d6 +2 +0 40 150 10トン アウトリガー Outrigger これらの船舶は、安定性を増すために船殻と並行に流線型の浮きを接続したカヌーである。一部のアウトリガーは浮きが1つだが、中には浮きが2つ付いているものもある。浮き1つのアウトリガーは浮き2つのものが持つ対航性を欠いているが、2つの浮きは船に余分な抵抗を生じさせるため、1つのものの方がいくぶんか速く航行できる。 アウトリガーは標準的には長さ30フィートで船幅は16フィートほどである――しかし、複数のカヌーを四角形の台板で接続したより大きなアウトリガーでは、幅が80フィートほどのこともありうる。標準的な大きさのアウトリガーにはおおよそ6人の乗組員に加えて、追加で500ポンドの貨物を載せることができる。これらの船の最大級のものは最大で20人の乗組員と5トン近い貨物を容易に積載することができる。すべてのアウトリガーには1本の帆柱が備えられている。しかしながら、天候に恵まれない場合には、船乗りたちが船を移動させるために櫂を使うことができる。 アウトリガーは十分な航海性能を持つが、建造は簡単である。大型のものは容易に大洋横断を行なうことができる。 筏 Raft 筏は丸太を互いに縛り上げて浮力を持つプラットホームを作り上げただけの単純な船である。この船舶は流れの中を容易に航行することができるため、しばしば河川の渡し舟として使われる。筏の長さはざっと5フィートから40フィートぐらいまでさまざまなものがありうる。 これらの船舶は、長さ10フィートごとに3トンの貨物を積載できる。したがって、長さ40フィートの筏は12トンの積み荷を運搬できる。 カーゴ・シップ Cargo Ship この船は、ラウンド・シップとも呼ばれており、交易品を運搬する際には海岸線沿いを張りつくようにして航海していく。2本の帆柱と三角形の帆を持つ。また、これらの船舶には最悪の天候から限定的な避難場所を提供する小さな船尾楼が備えられてもいる。 カヌー Canoe 多くのカヌーは単に熱をかけたり、沸騰した水に浸漬したりして柔らかくした丸太をくり抜いただけのものである。柔軟性のある木材によって、カヌー建造者は幅広の断面を生み出すために両舷を離そうとする。別のカヌーでは、軽量の枠組みを作って、それを厚皮、樹皮、その他の柔軟な素材で被膜して作られる。 カヌーは極めて用途の広い船であり、沿岸水域でも、河川や湖水でも使われる。比較的狭い船幅であるために、カヌーは大洋での航海に必要とされる耐久性は持ち合わせていない。 カラフ Curragh カラフは、木材と枝編み細工の骨組みに分厚い厚皮を張って作られた原始的な船舶である。カラフには四角帆を張った1本の帆柱がある;とはいえ、この船は主として櫂を使って旅を行なう。カラフは海洋航海には全く向いておらず、海岸が視界に入る範囲に留まる。 ガレー Galley 中世後期の間使われていたこの船はドロモンドの上位船種である。その動力の大部分は140ある櫂によって生み出される。しかしながら、3本の帆柱は、この船を交易に有益なものとし、戦闘において容赦ないものへと変えるように、グレート・ガレーの速度と操舵性を補っている。同時に、この船は強力な衝角を有している。 キールボート Keelboat キールボートは河川航路で乗客を運搬するように設計された小さな川舟である。 キャラベル Caravel キャラベルは『Dungeon Master’s Guide』において“帆船”[sailing ship]とされているものに該当する。 構造的に、この船舶は英国のガレオン船の先駆者であり、ほとんどのファンタジー設定において利用可能な中で最も進んだテクノロジーである。あらゆる遠洋航海用の船舶の中で、長い海洋航海においてキャラベルは最も安全かつ信頼できることを証明している。 コグ Cog この船舶はカーゴ・シップの改良版である。四角形の帆を張る1本の帆柱を持つ。一枚甲板と避難場所としても防衛用にも役立つ、十分な大きさの船首楼及び船尾楼を備えている。安定性と貨物用の空間のおかげで中世の設定では最も用途が広いもののひとつとなっている。 スキフ Skiff スキフは『Dungeon Master’s Guide』において“漕ぎ舟”[Rowboat]とされているものに該当する。 これらのかなり小さな船は主としてより大きな船舶の作業船としてや、港湾における作業船として機能する。幅の狭いスキフはやや不安定である。短距離の海洋航海であれば可能であるが、スキフには乗組員用の区画が存在せず、荒れた天候では転覆や浸水沈没しやすいこともあって、そのような航海は危険である。 ソハー Sohar ソハーは中東の商船である。この船には3本の帆柱、小さな船首楼、そして20人を収容する乗組員用区画が備えられている。ソハーの耐航性、操舵性、そして航行速度は、この船舶を交易や戦争における理想的な船舶としている。 漁船 Fishing Boat たいていは沿岸の村や町に住む田舎の人々に使われている漁船は、文明圏周辺で遭遇する船の中で最も一般的な種類を表す。 漁船にはさまざまな形態のものがあるが、すべてに基本的な設計上の共通点がある。大部分の漁船は帆走用の小さな帆柱1本を有している。 こうした船は十分な安定性を持つ。熟練の船乗りであれば、漁船を、1,000ポンドまでの船荷を積むことができ、避難場所として船首に覆われた小さな区域を持つ船として、短い海洋航海に出かけることもできる。しかしながら、そのような仕事には危険がつきまとうため、漁船は通常は海岸の近くに留まり続ける。 ドラッカー Drakkar ドラッカー、あるいはドラゴンシップはヴァイキングのロングシップの最大級のものである。主として戦争用に建造されているこの船には1本の帆柱があるが、ドラッカーの主動力はその櫂である――各櫂にそれぞれ1人の乗組員が配属されている。その長大な長さゆえに、ドラッカーは特に航海に適しているという訳でもない。 トリリーム Trireme トリリーム(三段櫂船)は3段の櫂を持つ。この船には1本の帆柱(戦闘時には下ろすことができる)、取り外し可能な衝角、そして2つの船尾梶を持つ。 極めて高い耐航性を持つが、トリリームには物資のための空間がほとんどない。そのため、この船は補給のために海岸近くに留まらなければならない。 ドロモンド Doromond ドロモンドは『Dungeon Master’s Guide』において“軍船”[Warship]とされているものに該当する。 ドロモンドは非常に長くすらっとしている。加えて、この船には三角帆を翻す2本の帆柱が備えられている――しかしその本当の動力は船の両舷それぞれに2列、各列25本ずつの櫂によるものである。また、ドロモンドは鋭い衝角も装着されている。 全体的に、ドロモンドは非常な高速と強力さを持つ船舶であることが分かる。残念なことに、その細身の設計構造は、荒天時には転覆の危険性を高めている。こうした理由から、ドロモンドは通常は海岸が視界に入る場所を帆走し、夜間は浜に引き上げられる。 ナール Knarr ナールは小さなカーゴ・シップである。この船舶は四角帆を持つ1本の帆柱がある。しかしながら、弱い風のときには、ナールの乗組員は船首から船尾にかけて並んで櫂を漕ぎ、追加の動力を与える。 他のカーゴ・シップと異なり、ナールは大洋での航海に赴くことができる。加えて、その平坦な船底は、河川沿いや入江で非常に便利である。 はしけ Barge その単純な構造から、はしけは極めて航海に不適であり、穏やかな水域でのみ役に立つ。 商人たちは船から船への商品輸送のために港湾内ではしけを使 う。船乗りたちははしけの上にロープで貨物を縛りつけ、それから櫂や棹を使って目的地まではしけを移動させる。 ペンテコンター Penteconter この船は1種のバイリーム(二段櫂船)、すなわち2列に並ぶ櫂を備えたガレー船である。この船には船殻に取り付けられたアウトリガー(張り出し浮材)がある。この空洞のアウトリガーは追加の耐航性を加えつつ、隆起甲板の下の階層に並ぶ第2列の櫂が漕ぐことができるようにしている。 帆柱は船の中央に立ち、大きな四角い帆を翻している。戦闘においては、戦士たちは敵船に向けて矢を放つために容易に隆起甲板に立つことができる。さらに、ペンテコンターは水面直下に鋭い先端を持つ衝角を持っている。この衝角は敵船に大打撃を与えることができる。(この衝角は船の市価に含まれている。) ロングシップ Lngship これはヴァイキングたちによって使われている標準的な船である。この船舶の両側の舷側には20から25の櫂が並ぶ;この船舶の中央部分には四角い帆を持つ1本の帆柱が立つ。 これらの船は貨物を運ぶことができるが、これらの比較的小さな積載量では、交易に使うには有効性が制限されている。 これらの帆、櫂、そして全体的な設計のおかげで、ロングシップは海洋航海に適していることが示されている。 船の攻撃ロール 体当たり攻撃、櫂破壊攻撃など、いくつかの作戦行動において、船が攻撃ロールを行なうことがある。船の攻撃ロールの修正値は船長の【判断力】修正値に等しく、船長が乗り物(水上)の道具に習熟しているのであれば、船長の習熟ボーナス(2倍や1/2にすることなく、常に習熟ボーナスそのもの)を加算する。攻撃ロールであるため、出目1は自動的に失敗であるし、出目20はクリティカル・ヒットである。 操船に関わる能力判定 操船を行なう際、いくつかの特別な名称で呼ばれる能力判定が使われる。水先案内判定、操船判定、浸水判定である。 水先案内判定 水先案内判定は、水先案内人が行なう航海道具を用いた【判断力】判定である。 嵐の中で行なう場合、この判定には“不利”が課される。正確な海図を所持している場合、この判定には“優位”が与えられる。六分儀があると、晴天時に行なう水先案内判定に+2のボーナスが与えられる。 操船判定 操船判定は船長が行なう乗り物(水上)の道具への習熟を適用した【判断力】判定である。操船判定にはその船の操舵性の修正値が加算される。 さまざまな特殊な作戦行動を取る際や、危険な状況(嵐の中や暗礁地帯など)で操船する際などに操船判定が求められる。乗組員が最小人数を満たしていないなら、自動的に操船判定は失敗する。また、最適人数を満たしていないなら“不利”を得る。 浸水判定 浸水判定は船長が行う乗り物(水上)の道具に対する習熟を適用した【判断力】判定である。浸水判定にはその船の耐航性の修正値が加算される。 浸水判定は船に深刻な浸水が起こって沈没しないかどうかを裁定する際に行なわれる。嵐(強風以上の風で降水量が大雨や重度の降雪であるとき)の中でこの判定を行なう場合、“不利”が課される。乗組員が最小人数を満たしていないなら、自動的に浸水判定は失敗する。また、最適人数を満たしていないなら“不利”を得る。 船のセーヴィング・スロー 船は物体であるため、クリーチャーだけを目標とすることができる呪文や効果は船には何の効果もない。しかしながら、船は乗組員によって能動的に運航され操船されているため、呪文や効果に対してセーヴィング・スローに替えて操船判定や浸水判定を行なうことができる。 船が【敏捷力】セーヴを求められた場合、代わりに操船判定を行なうことができる。 船が【耐久力】セーヴを求められた場合、代わりに浸水判定を行なうことができる。 船は【筋力】、【知力】、【判断力】、【魅力】セーヴを要求される呪文や効果の大部分に対して完全耐性を有する。(詳細はDMが決定すること)。 乗組員を持たない船は誰も所有者のない物体と見なされ、セーヴィング・スローを行なうことができない。 船舶の兵装と強化策 D D世界の海は危険な場所であり、凶悪なモンスターや血に飢えた海賊が徘徊している。用心深い船長であれば、攻撃を防ぐために自らの船舶に彼らが獲得しうる最高の兵装を設置し、強化策を施すであろう。 船舶の強化策 君は自らの船にさらなる改良を施す必要を感じるかもしれない。下記に示した強化策は一部の船には利用できない。どの強化策がその船舶に適用可能であるかを判断する際には、君の常識を使うようにするべきだが、一般的な指標として、小さい船(船の長さが50フィート未満)には利用できない。これらのいずれかを追加するには最低でも1週間を要することになり、材料がすぐに利用できないのであれば、それ以上に長くかかることになるだろう。 表:船舶の強化策 強化策 AC 船殻HP 推進装置HP 耐航性 操舵性 乗客 貨物積載量 ダメージ閾値 移動速度 市価 延長竜骨(1) +1 -1 船の市価の10% 隠し搭載台座 5トン減少 200gp 貨物積載量の増加 10%増加 船の市価の15% 頑丈な船殻 10%減少 +2 船の市価の10% 絹の帆 +1(2) +1mph(2) 船の市価の15% 索具の強化 +10% 船の市価の10% 素早く展開できる帆 +1 船の市価の10% 衝角付き船首 1,000gp 船首像 100~1,000gp 潜水鐘 7,000gp 装甲板 +2 -1 15%減少 船の市価の30% ダビット(小型) 10%減少 500gp ダビット(大型) 15%減少 1,500gp 追加の乗員区画 10%増加 10%減少 船の市価の20% 追加の搭載台座(軽) 5トン減少 100gp 追加の搭載台座(重) 10トン減少 200gp 幅広の梶 +1 500gp 張り網 500gp 引っ掛け渡り板 500gp 細身の船殻(1) +2 10%減少 船の市価の10% 密輸用区画 500gp/5 ft区画 木造板 +10% 10%減少 +2 -1mph 船の市価の20% (1)・・・この強化策は、船の建造時に組み込まなければならず、建造後に施すことはできない。 (2)・・・このボーナスは戦闘中にのみ適用される。 延長竜骨 Extended Keel この船の竜骨はその種別の船舶としては通常よりも長い。この船の船首から船尾までの長さは通常よりも10%長いが、貨物積載量は違いが出るほど影響を受けない。この船は耐航性が+1上昇するが、操舵性は-1減少する。この延長化は船の建造時に組み込まれなければならず、後から組み込むことはできない。 市価:基本の船の市価の10% 隠し搭載台座 Concealed Weapon Port この船の下甲板エリアは、兵装用の軽搭載台座を提供するように、大規模な改造が施される。隠し搭載台座は難易度15の【判断力】〈知覚〉判定に成功した場合にだけ発見されうる。それぞれの隠し搭載台座は、武器そのものによって必要とされるスペースに加えて、貨物積載量を5トン減少する。 市価:台座ごとに200gp(武器の市価に加えて)。 貨物積載量の増加 Increased Cargo Capacity 船のレイアウトの効果的な改造によってその船の貯蔵用の部屋を拡充することを意味する。その船の貨物積載量は10%上昇する。 市価:基本の船の市価の15% 頑丈な船殻 Sturdy Hull その船の本体には追加の支持物と木材の重層構造が付け加えられ、より分厚く、より頑丈になる。この船は耐航性が+1上昇し、船殻のダメージ閾値は2上昇するが、船の貨物積載量は10%減少する。 市価:基本の船の市価の10% 絹の帆 Silk Sails 絹の帆を付け加えることほど美しい船の改良はそうそうない。これらの帆はプレイヤーが望むどんな色にでも設計できる;これらには、しばしば海で目立つ図像が刺繍されている。通常、こうした帆は遥か遠方の土地から輸入されてくる。絹の帆は、より効果的に風を捕まえたり、逃がしたりできるため、船に素晴らしい移動速度を与えてくれる。 絹の帆を持つ船は戦闘中の操舵性に+1ボーナスを得る。また、その船の戦闘中の移動速度は1mphだけ上昇する。(航行中の移動速度には影響しない)。 市価:基本の船の市価の15% 索具の強化 Rigging Fortification この強化は索具に代理機能性(二重に索具を取り付ける事で、片方が切れてももう片方が残っていれば機能を失わずに済む機能)や復元力を加えるものである。 この改良によって推進装置ポイントは10%上昇する。 市価:基本の船の市価の10% 素早く展開できる帆 Rapid-Deploy Sails この船の索具は、通常よりもずっと素早く上げたり下ろしたりすることができるように帆に対して技術的な改良を徹底的に施してある。 あらゆる帆の調整が通常の半分の時間で実行でき、操舵性に+1のボーナスを得る。 市価:基本の船の市価の10% 船首衝角 Ramming Prow その船の船首部分には、体当たりしたときに敵船の船腹に穴を開けるための衝角が取り付けられる。通常、衝角は青銅か鉄で包まれている。船首衝角を効果的に取り付けることができるのは、基本の体当たりダメージが4d6かそれより大きい船舶に限られる。 船首衝角を備えた船は体当たりの作戦行動に成功したときに、船の移動速度1mph毎に敵船に対して追加2d6[刺突]ダメージを与える。 市価:1,000gp 船首像 Figurehead 一部の船はその第一斜檣に奇抜な彫刻を飾っている。この改良は完全に装飾上のものであり、ゲーム・プレイには何ら現実的な影響を及ぼさない。プレイヤーたちには彼ら自身であつらえた、ドルフィン、マーメイド、あるいはその他の神話上のクリーチャーを象った船首像を設計させるようにすること。 市価:その港と職人に応じて、100~1,000gp 潜水鐘 Diving Bell 潜水鐘は頑丈で錘の付いた木と鉄で作られた樽か球体であり、いくつかの分厚いガラスの丸窓が嵌め込まれている。2人の中型サイズのクリーチャーや4人の小型サイズのクリーチャーを収容することができる。潜水鐘は船から頑丈な鋼索で吊るして降ろすものであり、水平方向には移動できない――上昇や下降は毎ラウンド10フィートまでの割合でしか行なうことができない。この潜水鐘は最大で深度200フィートまで潜ることができる。 潜水鐘は底を開けっ放しにしておくことができ、泳いでいる者は容易に中に出入りすることができる。潜水鐘内には空気があるために、内部が水でいっぱいになってしまうことはないが、深く潜るほど、空き高は少なくなる。底をあけた状態の潜水鐘が潜ることができる最大深度は100フィートであり、その深度では中にいる者は首の深さまで水に浸かってしまう。 潜水鐘装置には、潜水鐘を上げ下げするために甲板上にダビットか起重機を、潜水鐘内に新鮮な空気を送り込むために原始的な手動式空気ポンプと、帆布か革製の防水性ホースを備えている。ポンプを操作するためには2人の操作員を、潜水鐘を上げ下げする巻き上げ機を運転するには4人の操作員を要する。 潜水鐘そのものは1,000ポンドの重量である。甲板上の起重機は10フィート四方のマス目を占有し、重搭載台座を使用する。潜水鐘の市価には空気ポンプ、起重機、そして鐘の分が含まれる。 潜水鐘:耐航性+0;操舵性―;航行速度―;AC13;hp80(ダメージ閾値10) 市価:7,000gp。 装甲板 Armor Plating 船に金属板を取り付けることで、その船の船殻への攻撃に対するアーマー・クラスが2上昇する。この改良は船の貨物積載量を15%減少させ、操舵性を1悪化させる。 市価:基本の船の市価の30% ダビット(吊り柱) Davit ダビットはより大きな船の甲板に搭載されている小さなボートを運搬するために設計された特殊な起重機と吊り篭である。ほとんどの船は1隻か2隻のスキフを甲板に収納しているが、ダビットがあればかなり大きなボートを収納することができ、その船を進水させたり、回収したりする事がより容易になる。小型のダビットは15フィート×5フィートまでの大きさのボート(スキフが該当する)を収納することができ軽搭載台座を必要とする;大型のダビットは20フィート×5フィートまでの大きさのボート(キールボートが該当する)を収納することができ重搭載台座を必要とする。 ダビットを使ってボートを進水させるのにはたった1ラウンドと1人の操作者を必要とするだけである;ボートを回収するには、1分間を要し、大型サイズのダビットであれば2人の操作員を必要とし、超大型サイズのダビットであれば8人の操作員を必要とする。ダビットの市価には、ダビットを使って運ぶボートの分は含まれない。小型のダビットは貨物積載量を10%減少させ、大型のダビットは15%減少させる。 市価:小型500gp、大型1,500gp。 追加の乗員区画 Additional Crew Quarters これは、より多くのスペースを船の水夫たちが眠ったり食事をしたりするために作り変えるものである。その船は10%多くの乗客を維持できるが、その貨物積載量は10%減少する。この改造は5回まで繰り返し適用することができ、その効果は累積する。 市価:基本の船の市価の20% 追加の搭載台座 Additional Weapon Port 船に武器などを設置するための搭載台座を増設するものである。軽搭載台座は5フィート四方を占有し、その船の貨物積載量5トン減少させる。重搭載台座は10フィート四方を占有し、その船の貨物積載量10トン減少させる。搭載台座は船首、船尾、右舷、左舷のいずれかに設置できるが、実際にどこに設置できるかについては常識を考慮に入れて決定すること。 市価:基本の船の市価の20% 幅広の梶 Broad Rudder 幅広の梶は船をよりすばしこくし、船の操舵性を+1上昇させる。 市価:500gp。 張り網 Netting 乗船を試みる者を妨げるようにデザインされている船の網細工は、タールロープで編んだ頑丈な網で、船べりの10フィート以上の高さに張り巡らされる。手すりや船べりを乗り越えて乗船しようと試みるクリーチャー(さらに言えば、船から脱出しようと試みるクリーチャー)は張り網を越えて通り抜けることはできないが、張り網を通して攻撃を行なうことは全く問題なく実行できる。刺突武器や遠隔武器はペナルティなしで張り網を通過して使用することができ;斬撃武器や殴打武器は、張り網に隣接する敵に対してのみ、攻撃ロールに-4ペナルティ付きで使用できる。 張り網5フィート区画分は硬度2(この網の綱はしっかりとタール浸けになっている)と20ヒット・ポイントを持つ。刺突武器と殴打武器は、物品に攻撃する際に2分の1のダメージしか与えられないという通常の制限の代わりに、張り網に対しては4分の1のダメージしか与えられない。 張り網を船に装備する作業には10人の作業員が1時間かける必要がある。 市価:500gp。 引っ掛け渡り板 Grappling Ramp この構造物は小さな跳ね橋に似た長い傾斜路と骨組みでできている。敵船が近くにいるとき、引っ掛け渡り板を下ろす事で他船へ繋がる橋を作ることができる。引っ掛け渡り板の先端には、通常鉄 のスパイク、くさび、四つ爪アンカーなどが取り付けられているため、敵船舶の甲板に渡り板を打ち下ろすことで、すばやくがっちりと固定することができる。引っ掛け渡り板は、他船に引っ掛けを試みる際や、敵がそれから逃れようとしている場合に引っ掛けを維持しようとする際の操船判定に“優位”を与えるが、他の船が君の船舶に対して試みている引っ掛けに抵抗する際には何のボーナスも与えない。これはまた他船舶の甲板との間に5フィート幅の橋を作り出す。 引っ掛け渡り板は10フィートのマス目を占有し、1,000ポンドの重量を持つ。重搭載台座を必要とする。 市価:500gp。 細身の船殻 Narrow Hull その船は意図的によりほっそりとした船殻に設計されており、より小さい空間を通り抜けることができるようになっている。この船の船幅(広さ)は20%減少し、貨物積載量は10%減少する。しかしながら、その船は操舵性に+2のボーナスを得る。この改良は船の建造時に組み込まれなければならず、後から組み込むことはできない。 市価:基本の船の市価の10% 密輸用区画 Smuggling Compartments 船の障壁はそれらの間に秘密の貨物倉庫区画として使うことができる隙間を生むように改良される。これは船の貨物積載量を変更しない。船内を捜索して密輸用区画を発見するには、難易度20の【判断力】〈知覚〉判定を必要とする。1隻の船には4つまで密輸用区画を組み込むことができる。 市価:5フィート四方の区画毎に500gp 木造板 Wooden Plating 海洋戦闘の際の防御のために、この船はその船殻に追加の木製の厚板を釘で打ち付けてある。その船殻ヒット・ポイントは10%上昇し、そのダメージ閾値は2上昇する。しかしながら、これによって補強部分を支える骨組のために、内部に作らなければならない追加の空間のために、貨物積載量は10%減少する。その移動速度は1mphだけ減少する(最低でも1mphまで)。 市価:基本の船の市価の20% 船舶用兵装 下記の兵装を利用することができる。兵装のデータの読み方は次の通り: ダメージ/Damage:その兵装が与えるダメージを示している。 射程/Range:射程には2つの数字が示されている。最初のものは武器の通常の射程をフィート単位で示したものであり、2番目の数字はその武器の最大射程を示している。通常の射程を超えた目標を攻撃するとき、君は攻撃ロールに“不利”を受ける。君は武器の最大射程を超えた目標を攻撃することはできない。加えて、カタパルト(マンゴネルやトレビュチェット)は高い弧を描いて石弾を投擲するため、60フィート以内の目標に命中させることはできない――その距離は実に近すぎるのである。 作業員/Crew:その兵装を適切に操作するために必要とされる中型サイズのクリーチャーの人数。小型サイズのクリーチャーは2人で中型サイズのクリーチャー1人分に相当し、大型サイズのクリーチャーは1人で中型サイズのクリーチャー2人分に相当する。この人数を下回っている場合、その兵装を使って射撃することはできない。 射撃速度/Rate of Firing:これは射撃の割合、すなわち、どれくらいの頻度で射撃できるかを示したものである。これは装填、照準、そして発射に必要なラウンド数である。たとえば、ヘヴィ・バリスタの射撃速度は1/3である。これはそれが3ラウンドに1回だけ射撃することができることを意味している。もし攻城兵器が通常の作業員定員に満たない人数で操作されているなら、攻城兵器を装填、照準、そして発射に作業員が要するラウンド数は2倍になる。 AC:その兵装のアーマー・クラス。 HP:その兵装のヒット・ポイント。兵装は[精神]と[毒]ダメージに対する完全耐性を有する。 ダメージ閾値/Damage Threshold:兵装はそのダメージ閾値に等しいかそれよりも大きいダメージを受けない限り、すべてのダメージに対する完全耐性を持ち、その値以上の場合には通常通りにダメージを受ける。ダメージ閾値に達しなかったあらゆるダメージは浅すぎたと見なされ、兵装のヒット・ポイントを減少させない。 市価/Cost:これはその兵装を船の甲板に搭載するための市価を示している。矢弾の市価は含まれていない。 表:船舶用兵装 武器 ダメージ 射程(フィート) 作業員 射撃速度 AC HP ダメージ閾値 市価 カノン、ライト 27(5d10)[殴打] 300/1,200 3 1/3 17 50 10 2,000 gp カノン、ヘヴィ 44(8d10)[殴打] 600/2,400 3 1/3 19 75 10 8,000 gp トレビュチェット 44(8d10)[殴打] 300/1,200 8 1/5 15 150 10 1,500 gp バリスタ、ライト 6(1d10)[刺突] 100/400 1 1/1 10 20 ― 100 gp バリスタ、ミディアム 11(2d10)[刺突] 110/440 2 1/2 15 35 5 200 gp バリスタ、ヘヴィ 16(3d10)[刺突] 120/480 3 1/3 15 50 10 300 gp マンゴネル、ライト 16(3d10)[殴打] 100/400 1 1/3 10 50 ― 500 gp マンゴネル、ミディアム 22(4d10)[殴打] 150/600 3 1/4 15 75 5 700 gp マンゴネル、ヘヴィ 27(5d10)[殴打] 200/800 4 1/5 15 100 10 1,000 gp カノン、ライト Cannon, Light 中型サイズの物品 アーマー・クラス:17 ヒット・ポイント:50 ダメージ閾値:10 ダメージに対する完全耐性:[精神]、[毒] カノンは火薬を用いて破壊的なスピードで鋳鉄製の重い球体を空中に飛ばす兵器である。火薬の存在しないキャンペーンでは、カノンは頭の良いノームや魔道技術者によって建造される秘術装置であるかもしれない。 カノンは陸上では車輪の付いた木製の架台に載せられるが、船舶の上では搭載台座に設置される。発射する前に、カノンは装填を行ない、照準を行なわなければならない。この武器の装填には1回のアクションを、照準に1回のアクションを、そして発射に1回のアクションを要する。 ライト・カノンは少量の火薬で鋳鉄弾を発射するように設計された比較的短く軽い装置である。ペリヤーとか石銃とも呼ばれており、中型サイズで、移動させやすく、しばしば船の軽搭載台座に搭載される。 カノン弾:遠隔武器攻撃:命中+6、射程300フィート/1,200フィート。目標1体。命中時:27(5d10)[殴打]ダメージ。 市価:2,000gp。 カノン、ヘヴィ Cannon, Heavy 大型サイズの物品 アーマー・クラス:19 ヒット・ポイント:75 ダメージ閾値:10 ダメージに対する完全耐性:[精神]、[毒] ライト・カノンと同様だが、ヘヴィ・カノンは重搭載台座に設置される。ときにバジリスクという名前で言及されることがある大型サイズの兵器である。かなりの量の火薬を使って重い鋳鉄弾を発射する。 カノン弾:遠隔武器攻撃:命中+6、射程600フィート/2,400フィート。目標1体。命中時:44(8d10)[殴打]ダメージ。 市価:8,000gp。 トレビュチェット Trebuchet 超大型サイズの物品 アーマー・クラス:15 ヒット・ポイント:150 ダメージ閾値:10 ダメージに対する完全耐性:[精神]、[毒] これら超大型サイズのカタパルトは単一のものとして運搬するには大きすぎ、組み立てを必要とする。これらは船の上に搭載するにはあまりに大きくかさばりすぎる。しかしながら、これらは沿岸の要塞において攻撃してくる船に対する防衛用に使われる。トレビュチェットは発射する前に装填を行ない、照準を合わせなければならない。この武器の装填には2回のアクションを、照準に2回のアクションを、そして発射に1回のアクションを要する。 トレビュチェット石弾:遠隔武器攻撃:命中+5、射程300フィート/1,200フィート(60フィート以内の目標に命中させることはできない)。目標1体。命中時:44(8d10)[殴打]ダメージ。 市価:1,500gp。 バリスタ、ライト Ballista, Light 中型サイズの物品 アーマー・クラス:10 ヒット・ポイント:20 ダメージ閾値:― ダメージに対する完全耐性:[精神]、[毒] バリスタは大きく重いクロスボウといった様子で、その推力は可動する一対のアームをそらせる、ねじれの弾力として使われる、束になった動物の腱によって供給される。両方のアームに取り付けられている綱は滑車で引き下げられ、矢弾は発射のために溝を彫られた滑動部に装填される。ライト・バリスタは、アルバレストともスコルピオンとも呼ばれており、中型サイズで、移動させやすく、しばしば船に搭載される。軽搭載台座に設置可能である。ヘヴィ・クロスボウと同じ程度のものであるが、搭載台座に設置されているおかげで操作する作業員は両手で持つ必要がない。 ボルト:遠隔武器攻撃:命中+6、射程110フィート/400フィート。目標1体。命中時:6(1d10)[刺突]ダメージ。 市価:100gp。 バリスタ、ミディアム Ballista, Medium 中型サイズの物品 アーマー・クラス:15 ヒット・ポイント:35 ダメージ閾値:5 ダメージに対する完全耐性:[精神]、[毒] この大きめのバリスタは、軽量の型種よりも射程が長く、より大きなダメージを与えるが、操作には2人の作業員を要する。軽搭載台座に設置可能である。装填と照準に1アクション、発射に1アクションを要する。 ボルト:遠隔武器攻撃:命中+6、射程110フィート/440フィート。目標1体。命中時:11(2d10)[刺突]ダメージ。 市価:200gp。 バリスタ、ヘヴィ Ballista, Heavy 大型サイズの物品 アーマー・クラス:15 ヒット・ポイント:50 ダメージ閾値:10 ダメージに対する完全耐性:[精神]、[毒] これら大型サイズの攻城兵器は一般的には城の防衛のために使われるが、大型の軍船でも使用される。車輪を持つ代わりに、これらは一般的に甲板に固定設置された重搭載台座の上に搭載される。 ボルト:遠隔武器攻撃:命中+6、射程120フィート/480フィート。目標1体。命中時:16(3d10)[刺突]ダメージ。 市価:300gp。 マンゴネル、ライト Mangonel, Light 大型サイズの物品 アーマー・クラス:10 ヒット・ポイント:50 ダメージ閾値:― ダメージに対する完全耐性:[精神]、[毒] これらはカタパルトの一種である。これらはねじれのある綱束が取り付けられた巻き上げ機のあるアームによって推力を得ている、石を投擲する攻城兵器であり、積載物はカップの中に保持し、解放されたときにスイングして武器を放り投げる。マンゴネルはさまざまに異なる矢弾を放り投げることができる(示されているダメージは石弾の場合のものである;他の種類の矢弾については、下記の「表:兵装用の特殊な矢弾」に記載されている)。マンゴネルは重搭載台座に設置可能である。 この武器の操作は1人の作業員で可能であり、装填には1回のアクションを、照準に1回のアクションを、そして発射に1回のアクションを要する。 マンゴネル石弾:遠隔武器攻撃:命中+5、射程100フィート/400フィート(60フィート以内の目標に命中させることはできない)。目標1体。命中時:16(3d10)[殴打]ダメージ。 市価:500gp。 マンゴネル、ミディアム Mangonel, Medium 大型サイズの物品 アーマー・クラス:15 ヒット・ポイント:75 ダメージ閾値:5 ダメージに対する完全耐性:[精神]、[毒] ライト・マンゴネルと同様だが、やや大きい。重搭載台座に設置される。 この武器の操作には2人の作業員を必要とし、装填には2回のアクションを、照準に1回のアクションを、そして発射に1回のアクションを要する。 マンゴネル石弾:遠隔武器攻撃:命中+5、射程150フィート/600フィート(60フィート以内の目標に命中させることはできない)。目標1体。命中時:22(4d10)[殴打]ダメージ。 市価:700gp。 マンゴネル、ヘヴィ Mangonel, Heavy 大型サイズの物品 アーマー・クラス:15 ヒット・ポイント:100 ダメージ閾値:10 ダメージに対する完全耐性:[精神]、[毒] これは最大級のマンゴネルである。重搭載台座に設置される。 この武器の操作には3人の作業員を必要とし、装填には2回のアクションを、照準に2回のアクションを、そして発射に1回のアクションを要する。 マンゴネル石弾:遠隔武器攻撃:命中+5、射程200フィート/800フィート(60フィート以内の目標に命中させることはできない)。目標1体。命中時:27(5d10)[殴打]ダメージ。 市価:1,000gp。 兵装用の通常の矢弾 表:兵装用の通常の矢弾 矢弾 市価 重量 バリスタ用ボルト 1gp 1ポンド カタパルト用石弾 10gp 20ポンド ライト・カノン用砲弾 30gp 30ポンド ヘヴィ・カノン用砲弾 60gp 40ポンド 火薬入りの樽(20ポンド入り) 500gp 25ポンド バリスタ用ボルト: あらゆる種類のバリスタに使用できる。ボルト1本あたりの市価と重量を示している。 カタパルト用石弾: あらゆる種類のカタパルト(マンゴネルとトレビュチェット)に使用できる。石弾1つあたりの市価と重量を示している。 ライト・カノン用砲弾: ライト・カノンに用いることができる。ヘヴィ・カノンに用いることも可能だが、その場合はライト・カノンとしてのダメージと射程になってしまう。1回の射撃に火薬4ポンドを必要とする。鋳鉄弾1つあたりの市価と重量を示している。 ヘヴィ・カノン用砲弾: ヘヴィ・カノンに用いることができる。1回の射撃に火薬20ポンドを必要とする。 火薬入りの樽: 1樽には20ポンドの火薬が詰め込まれている。 樽そのものは5ポンドである。ライト・カノンの発射には1回に4ポンド、ヘヴィ・カノンの発射には1回に20ポンドの火薬を消費する。火薬入りの樽そのものに着火した場合、中身の火薬10ポンド毎に半径5フィートの球形に爆発する(20ポンドなら10フィート)。効果範囲内にいるすべてのクリーチャーは難易度12の【敏捷力】セーヴィング・スローを行なわなければならない。セーヴに失敗すると中身の火薬20ポンドなら7d6、10ポンドなら5d6、5ポンドなら3d6、2ポンド未満なら1d6の[火]ダメージを受け、セーヴに成功するとその半分のダメージを被る。鋳鉄弾1つあたりの市価と重量を示している。 兵装用の特殊な矢弾 下記の特殊な矢弾はカタパルトやバリスタ、あるいはカノンなどに使うことができる。矢弾の説明にはどの種類の攻城兵器がその特殊な矢弾を使用することができるのかを指定している。表に示された市価と重量は矢弾1回分あたりのものである。 表:特殊な攻城兵器の矢弾 矢弾 市価 重量 液状の氷 400 gp 20ポンド 疫病弾 80 gp 20ポンド 鎖弾 50 gp 30ポンド 煙弾 250 gp 20ポンド 錬金術師の火 200 gp 10ポンド 液状の氷/Liquid Ice: 錬金術師の液状の氷が収められている、この固い陶器の容器は、カタパルトの矢弾やカノンの砲弾として使うことができる。目標に命中すると、追加14(4d6)[冷気]ダメージを与え、その者がクリーチャーであればその者の次のターンの終了時まで拘束状態になる。さらに目標の5フィート以内にいる各クリーチャーは難易度13の【耐久力】セーヴィング・スローを行なわなければならない。そのセーヴに失敗すると14(4d6)[冷気]ダメージを受けて拘束状態に陥り、成功するとその半分のダメージを受け拘束状態には陥らずに済む。 疫病弾/Plague Bundle: 疫病に感染した腐肉と臓物の有毒な塊を収めている、この固い陶器の容器は、カタパルトの矢弾やカノンの砲弾として使うことができる。これは半分のダメージしか与えないが、その命中を受けたすべてのクリーチャーは下水疫(『Dungeon Master’s Guide』のp.257参照)に晒される。DMは他の疾病をもたらす疫病弾を許すかもしれない。 鎖弾/Chain Shot: 小さな弾頭2つを互いに鎖で接続して作られたこの矢弾は、カタパルトやカノンから発射することができる。鎖弾は帆と索具を引き裂くのに特に有効であり、帆船の推進装置ポイントに対してはその形状の兵器が通常与えるダメージの2倍のダメージを与える。クリーチャーに命中した場合は通常のダメージを与え、命中を受けた者は難易度13の【筋力】セーヴィング・スローを行なわなければならず、失敗すると打ち倒されて伏せ状態になり、かつ拘束状態になる。アクションで難易度13の【筋力】判定に成功することでこの拘束状態から抜け出すことができる。鎖弾は船そのものに対しては相対的に有効性が低く、船殻ポイントに対しては、ダメージ・ダイスがd6に減衰する。たとえば通常ヘヴィ・マンゴネルは27(5d10)[殴打]ダメージを与えるが、鎖弾では17(5d6)[殴打]ダメージしか与えない。 煙弾/Smoke Shot: この固い陶器の球体には薄い障壁で分離された2種類の錬金術物質が収められている。これはカタパルトの矢弾として使用することができる。煙弾が目標に命中すると、通常通りのダメージを与えた上で、その30フィート以内に拡散する、ひどい悪臭だが臭い自体に害はない黄色い煙の効果範囲を作り出す。この効果はフォッグ・クラウド呪文として扱う。この雲は風がなければ1分間持続するが、その場に留まるため、通常は船上では数ラウンドもあればその効果範囲を船が移動して抜けてしまうであろうし、海上では無風であることは珍しいので、1ラウンドで吹き散らされてしまうことが多い。 焼夷弾/Firebomb: これはカタパルトの弾やカノンの砲弾として使うことができる錬金術師の火の入った固い陶器の容器であるか、あるいはバリスタから発射することができるバリスタ用のボルトの先端に搭載される錬金術師の火の入った陶器の球である。 目標に命中すると、追加14(4d6)[火]ダメージを与え、目標に着火する。その者がクリーチャーであれば、それ以後のその者の各ターンの開始時に2(1d4)[火]ダメージを受ける。目標が可燃性の物体であるなら着火の可能性がある。さらに目標の5フィート以内にいる各クリーチャーは難易度13の【敏捷力】セーヴィング・スローを行なわなければならない。そのセーヴに失敗すると14(4d6)[火]ダメージを受けて着火し、それ以後のその者の各ターンの開始時に2(1d4)[火]ダメージを受ける。セーヴに成功するとその半分のダメージを受け着火せずに済む。 着火したクリーチャーはアクションを使って難易度10の【敏捷力】判定に成功すれば火を消すことができる。 [火]ダメージに対しては船のダメージ閾値は適用されない。 船旅用の物資 船で旅をする際には食糧、水、修理用資材、予備のロープ、滑り止めの砂、火事を消すための水をためておくバケツなど数多くの物資を必要とする。物資それぞれを細かく管理する代わりに、大雑把に食糧、水、修理資材の3種類に分けて管理を行なう。 食糧と水 クリーチャーは『Dungeon Master’s Guide』の第5章に示されている通り量の食糧と水を必要とする。(ここに再掲する)。 表:食糧と水の必要量 クリーチャーのサイズ 1日当たりの食糧 1日当たりの水 超小型 1/4ポンド 1/4ガロン 小型 1ポンド 1ガロン 中型 1ポンド 1ガロン 大型 4ポンド 4ガロン 超大型 16ポンド 16ガロン 巨大 64ポンド 64ガロン しかし、船荷として積みこまれる食糧は木箱や木枠などの容器に入った食材であり、調理によって減ずる。そのため、積載物としては表に示された重量の2倍の重さの貨物として扱われる。これは保存食として扱い、2ポンド(中型・小型サイズのクリーチャーの1日分)あたり5 spである。従って、1トンの食糧は中型・小型サイズのクリーチャーにとって1,000日分となる。 動物用の餌については1日あたりの必要量と価格が異なる。餌については貨物の場合の重さも同じであると見なす(餌に比して問題にならない重さの袋などに入っているため)従って、1トンの餌は中型・大型サイズのクリーチャーにとって200日分となる。餌は10ポンドあたり5 cpである。動物が1日あたりに必要とする水の量は「表:食糧と水の必要量」にある通りである。 表:動物用の餌の必要量 クリーチャーのサイズ 1日当たりの餌 市価 超小型 1/2ポンド 1/10 cp 小型 2ポンド 1 cp 中型 10ポンド 5 cp 大型 10ポンド 5 cp 超大型 40ポンド 2 sp 巨大 160ポンド 8 sp 通常、水は40ガロン樽に入れて運搬される。この樽1つは2gpである。1樽は空の状態で70ポンド、いっぱいにすると400ポンドになる(40ガロンの水は約330ポンド)。従って、水がいっぱいに詰まった樽5つで1トンの貨物に相当する。 暑熱地域では通常の2倍の水を必要とする。 雨水を溜める:雨が降っているときに40ガロン樽の蓋を空けて甲板上で雨を受けて水を溜めこむことも可能である。小雨の場合、1時間あたり1樽につき2d12×1/100ガロンの水が溜まる。大雨の場合、1時間あたり1樽につき2d6×1/10ガロンの水が溜まる。 船舶修理資材 船は船殻ポイントと推進装置ポイントの2種類のヒット・ポイントを持つ。さまざまな要因によってこれら2種類のヒット・ポイントは減少するが、船舶修理資材を使って修理することで回復することができる。実際には木材、ロープ、帆布、釘、タールなどのさまざまな物資から成るが、ここでは個別の内容は問わず、その船舶を修理するために必要とされる資材全般が取りそろえられているものを表現している。 船舶修理資材は0.1トン(200ポンド)単位で管理される。0.1トンあたり20gpの市価を持ち、船殻ポイントと推進装置ポイントを1ポイントずつ回復させるために使うことができる。修理の詳細は第3章の「ダメージの修理」を参照。 個人用の装備品 特殊な装備品によって、より快適な生活を送る助けを得たり、特定の危険や水界における困難をやり過ごす助けを得たりできる。 表:個人用の装備品 装備品 市価 重量 悪臭壷 50gp 1ポンド 浮き袋 10gp 3ポンド 空気草 25gp ― 水中眼鏡 15gp 1/2ポンド 帽子、トライコーン帽 50gp 1ポンド 帽子、バイコーン帽 15gp 1ポンド 防水服 10gp 10ポンド 六分儀 250gp 10ポンド 悪臭壷/Stinkpot: これは単純な化学兵器であり、有毒物質の混合物を詰めた土器の壷である。火を点けると、この混合物は悪臭を放つ煙を作り出す。この煙はスティンキング・クラウド呪文と同様だが、効果範囲の半径は10フィートであり、軟風より強い風によって1ラウンドで吹き散らされ、吹き散らされなければ3ラウンドだけ持続する点が異なる。セーヴ難易度は10である。 この壷1つの内容物は3ラウンドで燃え尽き、その煙は自然に消散する。松明やロウソクなどの裸火を持っている場合、アクションとして悪臭壷1つに火を点けることができる。 浮き袋/Float Bladder: これは、船外に投げ出された者のための緊急用の浮き道具である。水上で泳げない者を助けるためにも使用される。浮き袋は油を染み込ませた獣皮の袋であり、中に空気を詰めておくことができる。中身を詰めた後に結んで閉めるための長い首栓と、その利用者を固定するためのロープか革紐が付いている。1つの浮き袋は1人の中型サイズのクリーチャーを浮かせ続けることができる。これは革製の物品と見なす(AC5、5hp);もし5ポイント以上のダメージを受けたなら、その皮革が破れて穴が開く。穴が開くともはや役に立たなくなる。穴が開いたり空気が抜けた浮き袋は泳ぎ手にとって重荷となるため、それを外さなければ水泳のための【筋力】〈運動〉判定に“不利”が課される。 空気草/Air Plant: 空気草は一風変わった形状の水草であり、海綿状の組織を持っており、十分な光を受けることができる地表にこの植物を置いておけば、空気を作り出しそれを蓄える。水気と十分な光を維持しておけば、この植物の塊は、切り取られた後ですら生き続け、空気を産出し続ける。口の中に含んでおけば、こぶし大のこの物質で、中型サイズの空気呼吸するクリーチャーが5分間耐え抜けるだけの空気を作り出すことができる。その持続時間が終了した後、水の中に沈んでいるクリーチャーは息を止め始めなければならず、溺れの危険が発生する。空気草は使用後には死に、再利用することはできない――別の塊を手に入れなければならない。 水中眼鏡/Swimming Goggles: これは革製のフレームに1枚(ときに2枚)の透明なガラスを嵌め込んだもので、目の周りにぴったりと装着できるように作られている。水中眼鏡を装着すれば、水中での視界が向上する。透明な水の中では、着用者の視界は1.5倍に延長される。水中眼鏡は、どんよりした水や速い流れの水の中では見やすさを向上させない。 帽子、トライコーン帽/Hat, Tricorne: トライコーン帽(三角帽)は古典的な3つの縁のついた帽子である。一般的に上位の階級の者が被るものであり、民間用と軍用のどちらの制服にも使われる。トライコーン帽は単なる革製やフェルト地のものから、羽飾りの付いた極上の絹製のものまでさまざまなものがある。ここに示されている価格は、上質なフェルト地のトライコーン帽のものである。 帽子、バイコーン帽/Hat, Bicorne: バイコーン帽(二角帽)は半円形のつば付き帽子であり、通常は船長や提督が着用する。組み紐で飾られて派手で目立ち、その着用者が高位の者であることが分かりやすいようになっている。 防水服/Oilskin Suit: 雨がちな地域や霧の多い海岸地方の居住者たち、そして海から生計を得ている者たちは、湿気や冷気から身を守るために信頼できる衣類を必要とする。防水服には長靴、重いズボン、長い外套か肩マント、そして幅広のつばを持つ帽子が含まれる。この衣類一式は、木綿やリネンのような重い強靭な生地で作られており、そして亜麻の種子油で防水処理が施されている。 六分儀/Sextant: 六分儀は、太陽か星と水平線の角度を測ることで、船舶の位置を測定するために使う精密な装置である。天体を観察するために鏡と入念に目盛の入ったスケールを使用し、その天体の位置を測定する年月日の天文暦表と比較する。六分儀は、晴天時に行なう水先案内判定に+2のボーナスを与える。 『海難の書』トップページに戻る
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デフォルトスキン 当たり判定 水中で推進力を生むスクリュー 使い方バニラスクリュー ウォームギア mod independent 関連項目 ステータス パラメータ名 値 ID 0 通称 スクリュー 英語名 Aquatic Screw 質量 0 空気抵抗 0 回転抵抗 0 HP 0 根元強度 0 頭強度 -(この辺は値が無ければハイフン「-」) 根元曲げ強度 0 頭曲げ強度 0 静止摩擦係数 0 動摩擦係数 0 弾性 0 オブジェクト間の摩擦処理 平均 オブジェクト間の衝突処理 平均 破壊属性 負荷、衝撃、燃焼、凍結、切断(M)←マルチのみの場合 一体化(ウッドパネル) 〇× 一体化(鉄プレート) 〇× 入力キー 初期値 効果 正回転 ↑ 矢印方向に回転する 逆回転 ↓ 矢印の反対方向に回転する 設定 定義域 初期値 説明 自動 TRUE/FALSE FALSE 自動で回転するかどうか トグルモード TRUE/FALSE FALSE キー入力をトグルにするかどうか 自動ブレーキ TRUE/FALSE TRUE キーを離した時に自動で回転が止まるかどうか スピード 0倍~2倍 1倍 回転キーを押した場合の回転速度 加速 0.1倍~∞ ∞ スクリューが「スピード」の回転速度に至るまでの時間 基本情報 回転することで水中で推進力を発生させるブロック。 カプセル状の当たり判定を持つ軸に、おおむね見た目通りのカプセル状の当たり判定が巻き付いている。 「正回転」「逆回転」キーを押すことで、それぞれの方向に回転する。 水中で回転した場合は軸方向に対して推進力を発揮する。 2024/5/25現在の検証では、スクリューを別のブロックで回転させても推進力を発揮することが分かっている。このため、「回転する」アクティブな効果と「推進力を発生させる」パッシブな効果はそれぞれ別の処理であると考えられる。 スクリュー同士を軸方向に連結させた場合は、根本にあるスクリュー以外の回転が無効化される。 したがって、各スクリューの回転速度は同じになる。 使い方 バニラ スクリュー フライングブロックと異なり、見た目上の回転と発揮される推進力が一致している。 したがって、スクリューそれ自体に加えて別の回転ブロックを使うと推進力を増加させることができる。 ウォームギア 公式より、スクリューがウォームギアとしても使用できるとの発表がなされた。 スクリュー同士を連結させた場合はそれぞれの回転速度が同じになるため、軸方向にならいくらでも延長できる。 mod independent 関連項目 推進系ブロック フライングブロック 歯車系ブロック 無動力中型歯車 動力中型歯車 無動力大型歯車
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搭載は1=1機とする。 機転=機 情報=報 技術=技 装備=装 専用装備の装備を表す。装2なら専用装備が二つ装備できる。 【名称:必要人数:使用燃料:資産料金:効果(得るアイテム等)】 また技術・情報・機転などがつく場合があります。 使用燃料は兵器、兵装に数値を提出する際に消費する。 ▼海上兵装 ■【投げ銛:戦2:資2】 ■【水中銃:戦3:機2:資4:水中専用武器】 ■【電気銛:戦5:資5】 ■【トライデント:戦6:機2:資5:潜水専用武器】 ■【捕鯨砲:戦8:資8:艦船が無ければ使用できない】 ■【船上バルカン:戦11:燃4:資6:船舶が無ければ使用できない】 ■【セーラー服:戦1:報1:資3:相手の目標値判定の達成値に+1】 ■【海軍服:戦0:報4:資5】 ■【水着:戦0:機1:技1:資2:潜水判定が行える】 ■【ドレス:報1:資1】 ■【タキシード:機1:資1】 ■【着物:報2:機2:資3】 ■【潜水服:戦1:機3:技3:資5:潜水判定が行える】 ■【潜水作業服:戦3:機5:資8:潜水判定が行える】 ■【潜水活動服:戦5:機7:資14:潜水判定が行える】 ■【潜水作業具:機3:資6:潜水専用】 ■【大型潜水作業具::燃料2:機7:資10:人型潜水機専用工具】 ▼海上船舶: ■【調査用ホバークラフト:戦3:燃2:機3:2人:資6】 ■【簡易サルベージ船:戦2:燃12:機10:技10:5人:資12:潜水判定が行える】 ■【本格的サルベージ船:戦4:燃18:機16:技15:13人:資26:潜水判定が行える】 ■【海底探査球:戦2:燃8:機8:技4:2人:資14:潜水判定が行える】 ■【小型調査船:戦1:燃4:報12:4人:資17】 ■【情報収集艦:戦8:燃15:報24:8人:資22】 ■【巡視船:戦10:燃22:報30:12人:資29】 ■【漁業船:5人:燃料5:資産11:魚を手にいれることができる【魚:資産3】】 ■【試作人型潜水機:戦2:燃11:機4:装2:資30:潜水判定が行える】 ▼海洋兵器:海上戦闘専用。空母と輸送艦は搭載がある。 ■【バトルホバー:戦10:燃7:報1:2人:資6】 ■【機銃艇:戦13:燃9:報2:4人:資10】 ■【補給艦:戦1:30人:資30:補給艦が隊列・戦列に居る場合、ゲーム終了時に消費した燃料の5%が補給される】 ■【砲艦:戦32:燃28:42人:資28】 ■【小空母:戦8:燃19:報9:38人:資18:載2:航空兵器を使用できる】 ■【巡洋艦:戦16:燃14:報12:32人:資15】 ■【小輸送艦:戦8:燃13:報1:10人:資10:載2:陸上車両/兵器を使用できる】 ■【攻撃型潜水艦:戦38:燃62:報18:28人:資39】 ■【特殊潜航艇:戦12:燃49:報40:35人:資32:目標判定を相手が失敗したとき、戦力を2倍で計算する】
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ここを消して事業者を記入
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★ 概要 ★ 船は目的地の港に入るために出港する。それが軍艦であっても。 平時にて船が必要なときは迅速に大量の物資を運送するためか、あるいは積荷を狙う海賊を打ち倒す時である。 GMはPCに水軍を率いらせて討伐するべき海賊や怪物の縄張りへ船を走らせるもよし、交易品を買い集めて船に詰め込み寄港先で売り払わせるもよし。水の上を走る宝石箱を伴って、大河や大海原へと繰りだそう。 ★ 併用テンプレート ★ この船舶交易・船上戦闘ルールでは、と交易シナリオ簡易テンプレート」の交易ルールと大規模戦闘シナリオテンプレート」の部隊戦闘ルールを一部流用します。このページのルールやデータは、交易や大規模戦闘において船を使う場合の追加ルールと追加データという扱いで使用してください。 ★ 推奨所持技能 ★ 《 最重要 》 「船乗」「航法」「指揮」「戦術」 《 討伐 》 重 要:「戦略(海戦)」「情報分析」「地域知識:帝国(地方・少国家)」 需 要:「造船(文明Lv3)」文学」「気象学」「指導」「商談」「外交」「管理」「交渉」 戦 力:効果力攻撃能力/広範囲攻撃能力/疲れ知らず/超タフネス 《 交易 》 重 要:「管理判定対応技能」「地域知識:帝国(国家)」「商談」 ★ 管理用コピペテンプレート ★ 船種:《 》 収容兵数《 人》 積荷積載:《 kg》 兵士:「貧民:《 》人」「囚人:《 》人」「荒くれ:《 》人」「水兵:《 》人」「海賊:《 》人」 戦力: 士気: 武装:Lv1:最悪(士気+0) 一日に必要な糧秣:「3×兵士数=《 》個の保存食」と「2×兵士数=《 》㍑の水」 兵士の給料:総合雇用費÷2 積荷の合計重量:《 》kg 食料×《単価: 2g(0.5kg)/ 束/ kg/合計価値 g》 雑貨×《単価: 10g( 1kg)/ 個/ kg/合計価値 g》 衣類×《単価: 50g( 1kg)/ 着/ kg/合計価値 g》 家具×《単価:100g( 10kg)/ 脚/ kg/合計価値 g》 細工×《単価:200g( 2kg)/ 個/ kg/合計価値 g》 武具×《単価:250g( 5kg)/ 個/ kg/合計価値 g》 ★ 航行交易 ★ 《 許可証の取得 》 操船のために船員を多く必要とする大型船舶は船そのものがあまりにも高価な商品かつ技術の結晶であるため、個人所有は無条件に認められておらず、レンタルすらも許可が必要となる。許可証を得るには名誉点と金銭の支払いを必要とする。また、交易において大口取引を望むのであればギルドよりその許可を得なければならない。その取引許可を得なければ船を使った高速大量輸送は宝の持ち腐れとなるだろう。また、船は馬車よりも大量に交易品を運べるだけでなく、より早く市場に商品を持ち込む事ができる。これにより、馬車ではあまりにも距離が開きすぎる遠方市場との交易が可能となる。これにより遠方では商品の価値は更に膨れ上がり、取引許可証があれば利益はより跳ね上がるだろう。 ● 許可証一覧 許可証内容 取得必要名誉点 取得必要経費 内容 船舶購入許可証 100 5,000g or 5CP 船舶の個人購入および所有が許可される。 船舶賃貸許可証 50 1,000g or 1CP 船舶のレンタルが許可される。* *船が全損した場合の賠償金額は、レンタル価格の9倍となる。 *賠償金を背負った場合、返済完了まで以後のセッション報酬の90%が接収される。 食品大取引許可証 20 3,000g 食品の仕入れ時、在庫が+1D6+4される。 雑貨大取引許可証 20 3,000g 雑貨の仕入れ時、在庫が+1D6+4される。 衣類大取引許可証 50 5,000g 衣類の仕入れ時、在庫が+1D6+2される。 家具大取引許可証 50 5,000g 家具の仕入れ時、在庫が+1D6+2される。 細工品大取引許可証 80 8,000g 細工の仕入れ時、在庫が+1D6される。 武具大取引許可証 80 8,000g 武具の仕入れ時、在庫が+1D6される。 芸術品大取引許可証 50 8,000g 芸術品の仕入れ価格が+1D6×1,000gされる。 ★ 船と船長 ★ 《 航海に必要な技能と船長の雇用 》 PCは船長として船に乗り込み、船員達に操船の指示を出さねばならない。船員が多数乗り込む船を船長として仕切るには「船乗技能」、航海には「航法技能」が必要となる。船乗技能は船上戦闘や巧みな操船が必要となる場面で必須となるが、PCは技能を有してない、あるいは未熟な場合、雇われ船長を雇用し、「船乗判定」と「航法判定」を雇われ船長の技能レベルで判定する事ができる。雇われ船長の「船乗技能」「航法技能」の技能Lvは共に「14」となり、その際の雇用費は「一日:100g」となる。この船長はPCに準ずるNPCゲストとして扱い、船の乗船人数に縛られる事なく乗船できる。 以下は乗船する船と船員雇用費のデータ一覧となる。価格はPCが個人購入する際のものであるが、GMはPCが依頼を受けて水軍を率いる事になる場合、船と部隊は雇用主の所有物とし、PCにそれを貸し与えるとしてよい。 《 PCの便乗と部隊の指揮権 》 船には当然ながらPCが複数乗船できる。ただし船の兵力を部隊として指揮できるのは一人のみとなり、部隊の指揮権は航海が終わるまで変更はできない。ただし、指揮官PCが意識不明になる等で指揮が行えなくなった場合、代理として別のPCが部隊の指揮を引き継ぐ事ができる。部隊を引き継ぐ場合は「指揮判定」に「初めて指揮を取る事による-5ペナルティ」が適応される。部隊を率いていないPCは孤立状態となるが、味方部隊が無力化されない限り、自身へ向けられる敵部隊の攻撃を味方の部隊あるいは乗船している船へと移す事ができる。 ● 船一覧 船名 船種 収容兵士数 積荷積載量 船速 操船難度 HP/防護点(無属性) レンタル費 価格 《 クナール 》 帆船 5 2,000kg 4 並:±0 150/5 10,00g 5,000g + 4CP 《 バルシャ 》 帆船 10 4,000kg 4 難:-1 200/7 2,500g 15,000g + 10CP 《 ハルク 》 帆船 20 6,000kg 3 難:-1 250/7 6,000g 30,000g + 20CP 《 コグ 》 帆船 30 8,000kg 2 至難:-2 300/7 15,000g 100,000g + 50CP 《 ゴクスタ 》 ガレー 20 1,500kg 3 易:+1 200/10 2,000g 10,000g + 10CP 《 ロングシップ 》 ガレー 30 2,000kg 2 易:+1 250/10 5,000g 25,000g + 16CP 《 ドュロモイ 》 ガレー 50 2,500kg 1 並:±0 300/10 12,000g 60,000g + 30CP ・収容兵士数一杯でも積荷の空きがあれば人を収容できる。その際、一人75Kgの積荷と扱う。 ・PCは収容兵士数と積荷積載量に依らず、船に乗る事ができる。 ・CPで取得した船舶を喪失した場合、それに要したCPは失われる。ただし同種の船舶を再取得する際、必要な金銭とCPは半分となる。 ・拿捕した船舶を売却する場合、その倍値は「レンタル価格×5g」となる。 ● 船兵装一覧 船兵装 装備可能船舶 重量 価格 効果 避難小舟 帆船 500kg 2,000g 船が大破した際、船員は即座にボートに避難できる。 小型ラム ガレー 250kg 2,000g 「接舷」時、任意に相手の船に5D6の無属性叩きダメージを与える。 中型ラム ガレー 500kg 4,000g 「接舷」時、任意に相手の船に10D6の無属性叩きダメージを与える。 大型ラム ガレー 750kg 8,000g 「接舷」時、任意に相手の船に15D6の無属性叩きダメージを与える。 ・各種ラムの併用装備はできない。 バリスタ 全て 500kg 5,000g 同区域未接舷船【攻撃】可能。相手はバリスタなければ打撃力0固定。 船尾楼 帆船 500kg 5,000g 「接舷」した相手からの攻撃防御時、士気+1。 ★ 船員の雇用 ★ ● 船員一人分の練度と雇用費一覧 素性 練度 反抗値 HP 雇用費 5人セット雇用 10人セット雇用 《 貧民 》 0.04 -0.04 10 150g 士気:+0.2/統率:-0.2/費用:750g 士気:+0.4/統率:-0.4/費用:1,500g 《 囚人 》 0.06 -0.05 10 200g 士気:+0.3/統率:-0.25/費用:1,000g 士気:+0.6/統率:-0.5/費用:2,000g 《 荒くれ 》 0.08 -0.06 10 250g 士気:+0.4/統率:-0.3/費用:1,250g 士気:+0.8/統率:-0.6/費用:2,500g 《 水兵 》 0.1 -0.07 10 300g 士気:+0.5/統率:-0.35/費用:1,500g 士気:+1.0/統率:-0.7/費用:3,000g 《 海賊 》 0.12 -0.08 10 450g 士気:+0.6/統率:-0.4/費用:2,250g 士気:+1.2/統率:-0.8/費用:4,500g 船員は1人単位で雇用する。雇用した船員の合計練度と合計反抗値を切り上処理にて算出する。算出された合計練度は部隊としての基礎士気となり、合計反抗値は統率となる。 例:収容兵士数30の船で海賊30人を雇用した場合、部隊としての質は以下となる。 部隊名 戦力 兵種 士気 統率 雇用費 《 海賊×30 》 30÷10=3 歩兵 0.12×30=3.6→ 4 -0.08×30=-2.4→ -2 450g×30=13,500g 例:収容兵士数30の船で貧民と囚人を15人ずつ雇用した場合、部隊としての質と雇用費は以下となる。 部隊名 戦力 兵種 士気 統率 雇用費 《 貧民×15 》 15 歩兵 0.04×15=0.6 -0.04×15=-0.6 150g×15=2,250g 《 囚人×15 》 15 歩兵 0.06×15=0.9 -0.05×15=-0.75 200g×15=3,000 合計 30÷10=3 歩兵 1.5→ 2 -1.35→ -1 5,250g 兵士の武装 武具防護点 調達費用 1Lv:最悪(士気+0) 無属性1 兵数×0g 2Lv:粗悪(士気+1) 無属性2 兵数×100g 3Lv:平凡(士気+2) 無属性3 兵数×200g 4Lv:良品(士気+3) 無属性4 兵数×500g 5Lv:最高(士気+4) 無属性5 兵数×1,000g 武装の更新を行なう場合、以下の手順となる。 兵士全員分の武具を調達費用の半値で売却する。 兵士全員分の武具を調達費用の定価で購入する。 《 船の修理 》 損傷した船のHPは港町で船大工に修理を依頼する事で回復できる。その際、HPを何点回復させるのかを宣言する事。あるいは自前で修理部材を購入し修理してもよい。その際の修理費は、1点回復毎に100gとなる。部材費はその半額となり、部材一つの重量は10kgとなる。その際の修理時間は1点回復あたり1時間となる。修理に必要な技能は「造船(文明Lv3)技能」となる。当然ながら、修理が完了するまで船は動かす事ができない。交易テンプレートを使用している場合、HP回復値÷8(切り上)回数だけ管理判定を行う事。 ★ 航行 ★ 出先港から目的地までの距離は基本20距離とするが、交易テンプレートを用いて交易を行なうならば、需要先までの距離が3倍されるとし、同時に管理判定失敗時の損耗上昇値も3倍される。 「航法判定」に成功すると、「1D6+船速」の距離を航行できる。失敗すると航行距離は「船速」までとなる。 「航法判定」を行なった後は「ランダムイベント」が発生する。交易テンプレートのランダムイベントは使用しない。 《 航行ランダムイベント(2D6) 》 2 嵐に巻き込まれました 嵐に巻き込まれる。嵐は1D6日続いて、その間全く動けず、さらに全ての船が痛む。日数D6点、船のHPが減少する。交易テンプレート使用の場合、さらに商品の損耗率が15%上昇する。 3 喜ぶのは蛆蝿ばかり 船団で疫病が蔓延。全部隊の損耗率が2D6%上昇する。交易テンプレート使用の場合、さらに商品の損耗率が3D6%上昇する。 4 おれたちゃかいぞくおれたちゃかいぞく 何者かが襲撃をかけてきた。1D6を振り、奇数であれば海賊、偶数であれば怪物となる。その詳細は1D6で決定する。海賊は「1:用心棒バルシャ」「2:人さらいゴクスタ」「3:略奪ハルク」「4:蛮族ロングシップ」「6:海賊コグ」「6:反乱デュロモイ」となり怪物は「1~2:大ダコとサハギン」「3~4:クラーケンと触手」「5~6:幽霊船と死兵」となる。 5 船長ですが船の空気が最悪です 船員どうしが喧嘩をはじめて船内が険悪になる。1D6日が経過するまで、士気が「-1」される。重複する。交易テンプレート使用の場合、さらに「-2」の修正を受けた管理判定を即座に行う。 6 水の中から脚引っ張り 漂流物が船にまとわりつき船速が激減。除去作業のために1D6日足止めを食らう。交易テンプレート使用の場合、さらに管理判定を即座に行う。 7 太平征くが如し 特に何も起こらなかった。。 8~9 順風満帆文字通り 船がいい具合に波と風に乗り、1D6距離を即座に航行できる。。 10~11 こんな船底一枚下が地獄だからこそ 船員どうしが絆を深めて場が明るくなる。1D6日が経過するまで、士気が「+1」される。重複する。 12 大昔からの贈り物 「2D6×50kg」の財宝を積んだ大破した古い交易船を発見した。財宝は売り払えば1kgあたり「2D6g」になるだろう。 《 戦場水域 》 戦場の区域は水域と名称が変更される。戦場となる水域の数は5つのままとなる。 船上水域では陣地被占領時の部隊ペナルティは存在しない。 ● 水域決定ダイス(1D6)と夜間修整 天候名 統率補正 船乗修整(帆船/ガレー船) 船速修整(帆船/ガレー) 1.暗礁 ±0 -2/-1 -1/±0 2.急流 ±0 -2/-1 +1/-1 3.漂流 ±0 -1/±0 ±0/±0 4.太平 ±0 ±0/-1 ±0/±0 5.強風 ±0 -2/±0 +1/±0 6.水路 ±0 -2/±0 -1/±0 ● 天候決定ダイス(1D6)と夜間修整 天候名 統率補正 船乗修整(帆船/ガレー船) 船速修整(帆船/ガレー) 1.大雨 -1 -1/-2 -2/-1 2.濃霧 -1 ±0/-2 ±0/-1 3.大揺れ -1 ±0/-1 ±0/±0 4.強風 -1 -2/±0 +1/±0 5~6.快晴 +1 ±0/±0 ±0/±0 夜間(19~5時) ±0 -1/+1 ±0/±0 《 船上戦闘 》 船上戦闘は大規模戦闘ルールに則って処理をする。その際、戦略技能は「戦略(海戦)」で行なう。 船は同水域の任意の船に攻撃を仕掛ける事ができる。ただし、そのためにはまず、自分の船を相手の船に「接舷」しなければならない。 「接舷」は【移動(待機)】を行なう事で試みる事ができる。その際、相手の船が「接舷」を拒否する場合、「船乗判定」で対決を行なう。その際、「船速」を比べ合い、その差が判定に修正として適応される。「接舷」を試みる側が「操船判定」の対決に勝利すれば、相手の船に「接舷」したとなり、以後、互いに【移動】が行えなくなり、同時に相手を【攻撃】【突撃】の攻撃対象に選択できる。 接舷された側は【移動(待機)】を行なうと接舷解除を試みる事が出来る。その際は「操船判定」に成功すればよいが、接舷解除を拒む側は同じ「船乗判定」の対決にて妨害を行える。この時、船速の修正は適応されない。妨害に成功すれば、接舷解除は失敗する。 「接舷」している相手からの攻撃により、どちらかの船の部隊の損耗率が100%になった場合、勝利者が相手の船を拿捕した事となる。 拿捕した船は戦闘終了後に曳航が可能となるが、曳航中は「船乗判定」を行なう際、出目が10以上だと自動的に失敗する。また、一隻で複数の船を曳航はできない。拿捕した船は個人所有は認められず国家が接収を行なう。拿捕者はその対価として「拿捕した船の定価÷50g」の現金と「拿捕した船の定価÷5,000(切り捨て)」の名誉点を得る。 《 船への攻撃と船の大破 》 船にダメージを与える事で、船ごと敵部隊を無力化する事が出来る。船にダメージを与える場合は、接舷中の攻撃対象に、相手部隊ではなく相手の船を指定する事で船の破壊行為を行える。船そのものは回避行動も反撃も一切行えない。その際、部隊の打撃力はそのまま船へのダメージとなる。 船のHPが0になると船は大破し、大破した船に乗っていた船員は投げ出され、大破させた側は自分の船に戻る事ができる。投げ出された船員を救助する場合、その場で【移動(待機)】を行なう事で、収容兵士数と積み荷の空きが許す限り、任意数の船員を即座に救助できる。ただし、投げ出されてから6ラウンド(1時間)が経過する毎に、1D6人の船員が溺死する。PCの船が大破した場合、乗船していたPCは船員と共に海に投げ出される。船員は海に投げ出されると行動不可能となるが、水上や水中、あるいは空中を動ける手段を有するPCは部隊から離脱して行動してもよい。なお、大破した船の積荷は全て失われる。 《 その後の受難 》 PCが不幸にも船を全て失ったならば、賊の捕虜となるか、あるいは遭難し救助を待つか、はたまた自力で帰還するか、いずれにせよ苦難が襲い来るだろう。そうなった場合、脱出あるいは救出という冒険シナリオに引き継ぐか、あるいはそれを省略して帝都へと身ひとつで帰還したとしてもよい。 ● 水上のならず者 一覧 名前 戦力 士気 統率 船速 船乗/戦略/指揮/戦術(行動値) 操船 兵HP/防護 HP/防護 《 荒くれクナール 》 0 1 ±0 4 12/10/12/12 (8.4) 並:±0 10/無1 150/無5 《 人さらいゴクスタ 》 2 3 -1 3 12/10/12/12 (8.4) 易:+1 10/無2 200/無10 ・人さらいゴクスタは「小型ラム」を有する。 《 用心棒バルシャ 》 1 3 -1 4 14/12/14/14 (9.8) 難:-1 10/無2 200/無7 《 略奪ハルク 》 2 4 -1 3 14/12/14/14 (9.8) 難:-1 10/無2 250/無7 ・略奪ハルクは「バリスタ」を有する。 《 蛮族ロングシップ 》 3 5 -2 2 12/12/14/14 (9.8) 易:+1 10/無2 250/無10 《 海賊コグ 》 3 5 -2 2 16/14/16/14 (9.8) 至難:-2 10/無2 300/無7 ・海賊コグは「バリスタ」「船尾楼」を有する。 《 反乱デュロモイ 》 5 6 -3 1 14/14/15/15 (10.5) 並:±0 10/無2 300/無10 ・反乱デュロモイは「大型ラム」「バリスタ」を有する。 ● 水中の怪物 一覧 名前 戦力 士気 統率 船速 船乗/戦略/指揮/戦術(行動値) 操船 兵HP/防護 船のHP/防護 《 大ダコとサハギン 》 3 2 0 2 14/10/14/14 (9.8) 並:±0 10/全2 100/全2 ・大ダコはガレー船扱いとなり、「小柄ラム」相当の触手を有する。 ・大ダコを拿捕すると褒章1,000gと名誉10を得る。 《 クラーケンと触手 》 8 0 -2 3 14/0/10/14 (9.8) 易:+1 10/全3 200/全6 ・クラーケンはガレー船扱いとなり、「中型ラム」相当の巨体を有する。 ・クラーケンを拿捕すると褒章2,000gと名誉20を得る。 《 幽霊船と死兵 》 3 5 -2 2 14/14/14/14 (9.8) 並:±0 20/全3 300/全7 ・幽霊船は帆船扱いとなり、「バリスタ」を有する。 ・死兵は「ダメージボーナスなし」を有する ・幽霊船を拿捕すると褒章3,000gと名誉30を得る。
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船舶の建造と損耗で見る太平洋戦争 概要 太平洋戦争における工業力の戦いを、日米の船舶建造・損耗から調査し記述する。 まぁ肩肘張らずに気軽に読んでほしい。 軍用艦艇編 アメリカに勝つためには何よりも船を作り、そして彼らの船を沈めなければならない。 まず軍用艦艇を見ると、開戦時点における日本の艦艇は237隻、100万1千トンだ。 一方アメリカは345隻、143万9千トン。トン数の比率は69.56%でいわゆる対米7割をなんとか維持している。 日米海軍艦艇戦力比の推移 日本 アメリカ 日付 隻数 トン数 隻数 トン数 41/12/8 237 1001000 345 1439000 41/12/10 236 1000000 341 1313000 42/5/31 235 1100000 368 1471000 42/6/7 230 1004000 366 1449000 42/7/31 232 1030000 393 1595000 43/2/8 212 1007000 457 1810000 44/1/31 208 996000 661 2850000 44/6/21 182 902000 734 3188000 44/9/31 165 879000 791 3522000 (以上の数値は日本の場合特設空母、アメリカの場合護衛空母を含む空母、戦艦、巡洋艦、駆逐艦、潜水艦など 主要艦艇を合計したもので小艦艇は含まない。日本の数値には香取、鹿島、香椎を含む。 「貧国強兵」p77の表を一部表記を変え掲載した。大本の出所は戦史叢書「大本営海軍部・聯合艦隊」<6>) 隻数で見ると、開戦時点で1.46倍の差である。じゃあ海戦の度に1.46を超えるキルレシオを出せばいいのかというとそう言う訳ではない。 日米ともに船を戦わせては沈ませる一方でドンドコ建造しているのだから。相手よりもたくさん船を造るか、 相手が建造するよりも多くの船を沈めない限り、彼我の戦力差が好転することなど夢のまた夢である。 さて上記の表によると、開戦からミッドウェーまでの最初の半年間、つまり日本が連戦連勝していた時期ですら アメリカの船は減るどころか23隻もその数を増している。 その内訳はサウスダコタ級戦艦3隻、アトランタ級軽巡4隻、ガトー級潜水艦6隻などだ。 アメリカの艦船数/トン数が最も少なくなっていたのは41年の12月10日。同日発生したマレー沖海戦でPOWとレパルスも沈んでいるから、 太平洋に展開する連合国海軍全体を見ても相当比率は悪くなっていたと思われる。厳密な計算をした訳ではないから分からないけど、 対米英濠蘭戦力比が最も縮まったのはバタビア沖海戦の直後、42年3月1日頃じゃないかな。 だけど……そこまでだった。 開戦直後から2週に1隻のペースでガトー級が竣工し、 42年夏からは11日に2隻のペースでフレッチャー級が竣工し、 42年末からは50日に1隻のペースでエセックス級が竣工し、 43年夏からは7日に1隻のペースでカサブランカ級が竣工し、 43年末からは8日に1隻のペースでアレン・M・サムナー級が竣工し…etcetc これはもうスゴイを通り越して呆れる建造量だ。44年1月31日の隻数&トン数は開戦時点の約2倍となっている。 それまでに撃沈された船を計算から外したとしても、2年間で「開戦時の合衆国海軍」をもう1個おかわりした計算になる。 出来たてホヤホヤの船すら他国へ気前よくレンドリースしたりする(*1)一方でこんな事をやってるのだから文字通り桁が違う。 例えばイギリスに貸与されたボーグ級とバックレイ級とエヴァーツ級だけで100隻越しちゃうんだもの。 一方日本の建造数はどうだったか。ピークである44年(会計年度)に竣工した船は補助艦艇(*2)推定44909トンを除いても42万3493トン、 なんと6833隻もある。え? 何かの間違いじゃないかって? 実はこのうち1464隻38655トンを上陸用舟艇が、 5121隻10508トンを特攻艇が占める。その他の艦艇は合計248隻だけど、この中には輸送艦57隻61100トンがある。 差し引き191隻、31万3230トン。数だけ見れば「おや、日本も2年あれば連合艦隊がおかわりできるじゃないか」と思える。 けれど上記の表と照らし合わせてよく見ると建造した隻数の割にはトン数がやけに小さいことに気がつくだろう。 この中には海防艦111隻87730トンが入っているんだ。特攻艇のべらぼうな建造数を見て分かるとおり小船は建造しやすい。 ある種水増しみたいなものとして数値として出てくる訳だ。(海防艦なんて不要と言ってる訳じゃ無いよ) この111隻に加え掃海艇4隻2520トンと駆潜艇3隻1320トンを抜いたものが上記の表に記すことの出来る「主要艦艇」となる。 その数73隻、22万1600トン。意外と健闘していると思う。だが表を見る限り日本の艦艇数はどんどん減っている。 ということはつまり、このペースを超える勢いで沈められていった事を示している。「消耗戦」という概念は陸の専売特許ではないのだ。 ちなみに、戦果と損害を帝国海軍が国民にどの程度正確に伝えていたかは写真週報に見る海軍総合戦果の虚と実も参照して欲しい。 商船編 次に商船を見てみよう。軍用艦艇の項で見たとおり、どだい建艦競争ではアメリカに勝ち目はない。 じゃあ次善の策で、アメリカが作る以上のペースで船を沈めるしか手立てはない。…って、なんだって? 真珠湾で○○すれば…? 大和や武蔵を××すればもっと活躍できた? インド洋に進出して△△? いいねいいね、どうせ後世の後付けだ。 元防衛大学校の教授が「大和を上手く使えば太平洋戦争に勝てた」とか言っちゃう(*3)ご時世だ。素人が何を言ったって自由ってものだろう。 でも一つ忘れちゃいけないことがある。こちらが作る船を沈められないように守ることだ。 軍用艦艇編で「日米の船舶の比率を好転させるためには、相手が建造するよりも多くの船を沈める必要がある」と書いた。 より正しく言えば「日本の建造量ー損害量」が「アメリカの建造量ー損害量」を上回る必要がある、ということだ。 つまり「味方の商船を守りひたすら損害を抑え」つつ「相手の商船を沈めひたすら損害を与え」なければならない。 建造量が絶対的に違う以上、わずかな損害がボディーブローのように日本の継戦能力を奪っていくのは必定だ。 景気の良い話をする前に、ここはひとつ日本の商船・タンカーの建造と海上護衛について見てみよう。 海上護衛と聞いて一家言も二家言もある人は大井参謀以外にも大勢居るだろう。 さぁて、太平洋戦争を通じて日本の商船はどれだけ造られどれだけ沈められたか? 商船の建造、捕獲、損耗の推移(単位:トン) 建造隻数 建造量 捕獲・引揚 改造 合計 損耗 差引 第1年 73 244672 609211 -36000 817883 1019479 -201596 第2年 201 514158 102831 -100000 516989 1661791 -1144802 第3年 499 1074913 29565 -182000 922478 3071787 -2149309 第4年 160 473912 5880 318000 797792 1175810 -378018 タンカーの建造、捕獲、損耗の推移(単位:トン) 建造隻数 建造量 捕獲・引揚 改造 合計 損耗 差引 第1年 8 21291 63300 36000 120591 9557 111034 第2年 54 254927 6197 100000 361124 174552 186572 第3年 204 624290 6079 182000 812369 824468 -12099 第4年 28 85651 ―― -318000 -232349 361674 -594023 (第1年目は41年12月~42年12月。第2年目は43年1~12月。第3年目は44年1~12月。第4年目は45年1~8月。 合計は建造、捕獲・引揚、改造の計。改造とは商船の場合タンカーへ、タンカーの場合商船への改造を指す。 「貧国強兵」p141,p145の表と「海上護衛戦」の付表から一部表記を変えて作成) 凄まじい泥沼っぷりが見て取れると思う。船が沈められて原料が届かないから鉄鋼その他の生産高が下がる。 生産高が下がったために船が造れず、それがまた原料不足を呼び、ついには増産どころか損失すら補えなくなる。 圧延鋼材の生産高は開戦前の1938年度における487万6千トンがピークであり、それ以降この数値を上回ることはなかった。 鉄を運ぶ船を造るために鉄を使うという現代版賽の河原がそこにはあったのだ。 戦前の海軍は毎年の造船量を50~70万トンと予想していたから、想定よりもずっと多くの船を造ることが出来たことになる。 しかし商船の損耗も戦前の予想年60万トンを遙かに上回ることとなったのは皮肉かも知れない。 特に44年は、前年の2倍の船を造ったと思ったら沈む方も2倍になっている。 開戦してしばらくはタンカーの不足を埋め合わせるため商船からの改造が相次いだものの、 45年に入って油田地帯への航路がシャットアウトされると、タンカーなどお役ご免とばかりに商船へ改造されている。 なんとなれば、45年1月にはタンカーの新規建造が停止されてしまうのだから問題は根深い。まさしく泥縄だ。 それにしても、開戦第1年目に70万トン近い輸送船とタンカーを捕獲できたのは実に大きいと思う。 「43年に日本が作った全輸送船」とほぼ等しい量の船が労せずして手に入ったのだから、棚からぼた餅とはまさにこの事だろう。 開戦時点で日本には2529隻633万7千総トンの商船・タンカーがあった。これが45年8月には2018隻220万7400総トンになる。 船の数自体は8割になっただけだが総トン量では3割5分になってしまっている。大型の優秀船が次々沈められ小船ばかりが 残っていったことが伺えよう。しかも終戦時、このうち100万総トン近くが南方で雪隠詰めを喰らい身動きが 取れなくなってしまっている。 太平洋戦争の全期間を通じて日本が建造した500トン以上の商船・タンカーの合計が約330万総トン、 一方失った商船・タンカーの合計は約820万総トンだから、日本の商船隊が全て入れ替わるくらいの勢いで撃沈され また建造されていったといえる。資料によって「500総トン以上の船のみカウント」とか「100総トン以上のみ計算」とか 若干の誤差があるけど、日本の輸送船団の収支は開戦時保有630万+建造330万+捕獲80万-損失820万=残存220万 ってな感じになる。 なに? さっきから日本の船が沈められる話ばかりで景気が悪いって? じゃあ話題を変えよう。今度は日本が沈めるターンだ。 アメリカでは一体何隻の船が造られ、どれくらい沈めれば勝ち目が見えてくるのだろうか。 沈める、と軽々しく言うけども、第二次大戦におけるキングオブマスプロダクト、メイドインUSAの申し子であるリバティ船を 竣工する以上に沈めるというのは何とも気が遠くなる話ではある。それでもまぁ、気になるのが人情というもの。 リバティ船は合計2710隻が建造された。1隻当たりの総トン数は7176トンなので合計約1945万トンとなる。 油槽船型や石炭運搬船型が合わせて80隻ほどあるので少し数値が前後するけど大体このくらいだ。 加えてこの下には534隻建造のヴィクトリー船(7200総トン)、約500隻建造のT2タンカー(約10000総トン)、 そしてC1,C2,C3,C4の各級輸送船らが待ち構えている。アメリカでは1939年から1945年までの6年間で延べ5777隻、 載貨重量トン数(*4)にして5600万トンの船が建造されたという。こりゃ確かに世界中に物と船をばらまける訳だ。 一方、日本が撃沈した米国の商船・油槽船は「太平洋戦争沈没艦船遺体調査大鑑」(*5)によると合計98隻、51万9772トンであるという。 ……はっきり言ってどうしようもないくらい少ないね。海軍の方針も船の性格も艦隊決戦一本槍だったから仕方ない面もあるとはいえね。 ちょっと待って。そういえばリバティ船はその設計・製造ミスにより全期間合わせて約200隻、約144万トンが 沈没したり使用不能な損害を受けたりしている。と、ということは何? 太平洋においてアメリカ商船の最大の敵は 帝国海軍じゃなくて鋼材の脆性破壊ってこと? 本筋とは逸れるが、友邦ドイツの活躍ぶりはどうだったのだろう。陸軍省戦争経済研究班、通称秋丸機関の英米班が 有沢広巳東京帝国大学助教授を主任としてまとめ、昭和16年7月に陸軍に報告した「英米合作経済抗戦力調査」という資料が残っている。 それによると、英米が協力して戦争に望んだ場合、英国の船舶を月50万トン以上沈めればアメリカからイギリスへの援助を無効に出来るという。 というのも、英米の造船能力は最大能力を発揮しても年600万トンを大きく超えることは無いだろうと推測されたからだ。 大西洋での連合国・中立国商船の喪失量(万総トン) 年度 連合国・中立国 単位:万総トン 月平均 1939 75.5 6.3 1940 399.2 33.3 1941 432.9 36.1 1942 779.0 64.9 1943 322.0 26.8 1944 104.7 8.7 1945 43.9 8.8 合計 2157.2 28.0 (「戦争と石油」(6)より。大本の出典は「輸送船入門」) 実際の喪失量は以上の通りだ。42年は月平均50万トンを上回っている。つまりUボートがアメリカの造船能力を最大瞬間風速的に超えた訳だ。 すごいぜUボート! すごいぜ群狼戦術! ……と言いたいところだがそうではない。 「戦争と石油」によると、大戦中イギリスは730万総トン(年平均100万総トン)の船を建造し、 アメリカは1941年から1945年8月までの間に3850万総トン(年平均820万総トン)を建造したという。英米合わせて年920万総トン。 42年の喪失量779万トンと比較すれば、アメリカ・イギリス人の目には「船が造るそばから沈んでいった」という恐ろしい光景が 現実の物として浮かび上がっただろう。だがそれでもなお米英の船舶量の差し引きはマイナスにならない。 年平均でざっくり計算しただけなのである月だけ見れば船舶量がマイナスということはあるだろうが、 しかしドイツ人はドイツ人で「沈めても沈めても船が減らない」といった逆方向に恐ろしい光景が見えたはずだ。 …なんだか変な話になってきた。ここでJ.B.コーヘン「戦時戦後の日本経済」(*6)を引用し、まとめとしたい。 「戦争中に連合軍が撃沈した日本の船舶は合計1028万3755トンで、そのうち、860万総トン以上が商船(※)、 190万トンが海軍艦艇であった。500トン以下の商船を除いて計3032隻が海底に葬られたのであった」 「日本が船舶保有量の純増を記録することの出来たのは開戦当初の4ヶ月だけであって、それも生産によるのでなく、 拿捕や浮揚によってであった。新造分も漸次増加し開戦当初の4ヶ月は喪失高の4分の1であったが、最大の造船高をあげた 1944年には喪失高の2分の1近くに達したが(原文ママ)、しかし遂に間隙を埋めることは出来なかったのである」 ※引用者注 タンカーを含むあらゆる商船のことと思われる 参考 森本忠夫「貧国強兵」 大井篤「海上護衛戦」 岩間敏「戦争と石油」 公益財団法人殉職船員顕彰会 太平洋戦争と戦没船員 http //www.kenshoukai.jp/taiheiyo/taiheiyo.htm 艦船製造量に見る日米差 http //www.geocities.jp/bbhusou/gunji/column08.html 図録▽太平洋戦争における喪失商船と戦没船員数の推移 http //www2.ttcn.ne.jp/honkawa/6807.html WW2Ships.com Liberty Ships http //www.ww2ships.com/usa/us-os-001-b.shtml Fletcher-class destroyers in World War II http //destroyerhistory.org/fletcherclass/ 失敗事例 リバティー船の脆性破壊 http //www.sozogaku.com/fkd/cf/CB0011020.html http //detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1110712636 Yahoo!知恵袋の回答。「貧国強兵」でも引用していた「太平洋戦争沈没艦船遺体調査大鑑」によると 太平洋戦争中に米海軍が撃沈した日本海軍艦艇の数は658隻221万3932トン、 同じく撃沈した商船数は2568隻843万3289トンだという。コーヘンの記述とほぼ一致するが、 裏はとってないので参考までに。 最終更新日 2014-06-06 .
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北朝鮮の『核実験』に対して、今、安直に「船舶臨検」が語られています。 69年前のあの「暴支膺懲」スローガンで人気を高めた近衛内閣&出来立ての大本営ですら、「船舶臨検」の実施上の手間隙、その効力、あるいはまた第三国への深謀遠慮、それらを振り返えり自己評価すると、「大変な面倒の割に効果が薄いものであった」ということであったようです。 私がこれから貼るのは、 北博明著 中公新書「日中開戦~軍法務局文書からみた挙国一致体制への道」です。 今なぜこのようなものを著者吟味もせずに、貴重な思考錯誤スペースを消費してまで貼付するかというと、きのう今日の新聞一面をいろどる事々が、よしんば先の69年前と似て非なるものであるとしても、「戦争にあらざる戦争」を何時の間にか始めてしまう惧れが、皆無ではないと思うからです。 目次へ
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日付 遊覧船「よしきり」船頭死亡事故 日本 2017/8/11
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日付 遊覧船「よしきり」船頭死亡事故 日本 2017/8/11