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「あのう、『エスカリエ』の北原ミオリさんですよね?」 夕暮れの駅前通りで話しかけてきたのはおかっぱのようなショートヘアーのかなり太めの高校生 くらいの女の子だった。 「ええ、そうよ」 その言葉に少女は顔をほころばせて私を見上げる目を歓喜に光らせていた。 「うわーっ、やっぱりそうでしたかぁ。ワタシ、感激です」 ちなみに、『エスカリエ』というのはティーンズ向けのファッション雑誌のことで、私はそこの 専属モデルをしている。高校在学中の時から約三年の間にそれなりの人気を集めてきたつもりで、 他誌でもグラビアを飾ったことは何度かある。そこそこ仕事運にも恵まれてきたおかげで、テレビ での仕事も舞い込んできて、そろそろ一流の仲間入りもできたんじゃないかというふうに、自分で は多少、うぬぼれている。 「ふふ、いつも見てくれてるの? アリガトね」 こんなふうにちやほやされて、舞いあがるのは嫌いじゃない。 「ええ、ミオリさんって私と違ってスタイルもいいだけじゃなくて、顔だって素敵だし、話だって 上手だし、頭もいいし、憧れちゃいますよぉ」 頭もいい、かどうかは分からないが、それでもちょっとだけトーク術にはうるさいのだ。 「ううん、そんなことない。あなただって、可愛らしいわよ。わりと同性からも好かれるほうなん じゃないの?」 すると、彼女は手をぶんぶんと振りたくって照れてみせた。 「いえいえいえ、そんな恐れ多いです。天下のミオリさんに可愛いだなんて言われたら、勿体なく て夜も眠れなくなっちゃいますよぉ」 まあ、たしかにお世辞は半分は入っているが、それでも彼女は顔の造作自体はそんなに悪くない ほうだと思う。鼻筋も通った方だし、口元も締まりがいい。まあ、肉付きが良すぎて目元が細くな っているし、身体の方は、これはかなりダイエットが必要になってくるとは思うんだけどね。 「あ、あーっ。そうだ、せっかくミオリさんに会えたんだから、アレよ、アレ。アレを出さなくっ ちゃ」 あせらなくてもいいのに、手提げかばんの中をがさごそと漁って、何かを探している様子だ。サ イン帳なのか、それとも何かプレゼントでもあるっていうのかな。 なかなかお目当てのものが出てこない彼女に近づいて、ひょい、と顔を近づけた瞬間。 「はい、出てきました」 制汗の携行スプレーほどの細長い缶を取り出しざま、私の顔に吹き付けた。 くらん、と世界が揺れて私はそのまま意識を失っていた。 目が覚めると、周囲はすっかり真っ暗になっていて、私は冷たい床の上に転がされていた。 闇に目が慣れると、そこは無機質な部屋の一隅で、それも鉄格子のなかにおかれていることがわ かったのだった。 最初から、彼女の狙いはこれだったのだ。私は思わず舌打ちした。 「あっ、大丈夫でしたか。もう目が覚めたんですね」 声が格子の向こうの暗がりから響いていた。私は思わず身体のあちこちを触って怪我や悪戯をさ れていないかを確かめていた。 さきほどの彼女が椅子に跨った姿勢で、こちらを見つめてにやにやとしていたのだった。 「ああ、いえ、大丈夫ですよ。お怪我なんてさせるつもりはございませんもの、心配しないでくだ さいよ」 なんて、しれっと言ってくれるが、それならどうして私は檻の中なんかに閉じ込められているの だ。心配しないで、が聞いて呆れる。 「……それで、何が目的なの」 バッグは取り上げられているようだった。もちろん、携帯電話も。 だけど、物盗りだとしたら、もうとっくに用件は済んでいるはずだろうに。不安を顔に出せば、 つけこまれる隙を作るだけだ。 「ええっと、ですね。少しだけ、私のお願いを聞いてください。そうしたらすぐにでもここからお 出ししてさしあげますから」 お願いって、それは強要というものだろう。 「それは……そのお願いとやらの内容にもよるんじゃないの?」 すると、彼女は交渉の場に私が乗ったとみて満足げな笑みを浮かべながら、 「いえいえ、たいしたことじゃないんですよぉ、ホント。ただ、ですね、ワタシの作ったレオター ドをですね、着てもらえたのなら、それだけで十分なんです。お荷物も全てお返しして、すぐにで もここを出してさしあげますから、ね」 彼女の足元に置いてあったレオタードが入ったビニール袋を檻の格子の間から投げてよこしてき た。 これはあからさまに不審な言葉だ。 着替えている最中の様子を盗撮などしたうえで、出版社などに売りつけるか、それをネタに私を 脅して金をせびるか、まず、狙いとしてはそんなところだろう。もしかしたら、彼女自身が性的に それを望んでいるのかもしれないが、さて、どうしたものだろう。 「悪いけど、そんな一方的な要求には応じられないわ」 彼女の目をにらみつけながら、つっぱねた。 「ああ、そう仰るとは思っていましたけれどもね」 彼女は細い目をさらに糸のようにしてにやり、と笑った。 「だけど、それなら、あなたにはずっとここで暮らしていただくことになるだけなんですよぅ」 ぞっとするような声色だった。 「別に、私としてはそれもまたいいことだなぁ、なんて思ったりしますけどね?」 椅子の背もたれに顎を乗せた格好で、彼女は笑顔をいささかも崩さない。 「言っておきますけど、ここってワタシの家の持ちビルでしてね。どんなに大きな声を出しても暴 れても、誰にも聞こえないように、なっているんですよね、これが」 たしかに、床も壁も分厚くて、まるで周囲の物音が耳に入ってこないのだから、逆に、私がどん なに声を張り上げても無駄なのだろう。それは単なるハッタリなどではない。 「別に、そんなに身がまえなくても心配ありませんよ。盗撮なんて下衆なことしませんから」 「……誘拐や監禁っていうのは下衆じゃないとでもいうの」 「あっはっは、それもそうでしたね」 まるで悪びれる様子もなく、彼女は椅子を揺らして、脚をかたかたと鳴らしている。 「はっきりいいましてね、これは私の憧れの気持ちのあらわれなんですよ。好きな人に自分のデザ インしたものを着てもらいたいって、それだけ願いがかなったのなら撮影記録を残すだなんて馬鹿 な真似もせずに、きちんとあなたを解放してさしあげますから、ね」 そして、彼女は自らの着衣をするりするりとはだけていって、あっという間に下着姿になってい た。 「ね、これなら盗撮なんてしていても無駄でしょ」 そうは言っても、まだ部屋の隅から撮っていたり、もしくは編集で彼女の部分だけ消すとか、そ んなことだってし放題じゃないか、とは思われた。 「じゃあ、そうね。わかった。着替えるところだけ、隠せるようにバスタオルか何かを貸してちょ うだい。そうしたら……いいわ」 ついに、私も折れた。 いや、きっと折れなければならなかったのだろう。はやく、この悪夢のような夜から解放された かったのだ。 彼女はその条件を快諾し、私は頭から毛布を被ったままに彼女の作った青いレオタードとやらを 着ることになった。下着はつけずに、そのまま着るタイプのそれは、たしかに私の身体の凹凸にあ わせてぴったりの作りになっていた。胸の中心の突起までがはっきりとうつるほどに、それはぴっ たりの作りだった。たしかに、彼女は私のファンなのだろう。それもおそろしく偏執的な。 「もう、いいですかあ?」 彼女の声が興奮にうわずっていた。 返事にかえて、私は毛布をばさり、と床におとしていた。 どうだ、見てみろ。とばかりに胸を張った姿勢で、私は彼女に自慢の肢体を見せつけていた。 わずかな月明かりの中で、彼女はひとつ、ほう、という感嘆の声を上げると、小さく拍手をして いた。 「すばらしいです。さすがはミオリさん、もう、最高ですよ」 目をみはったままで彼女はうっとりとした声をあげていた。 「……さあ、もういいでしょ、これで私を解放してちょうだいよ」 すると、彼女は首を縦にして、 「ええ、もちろんですとも。でも、その前にこれをみてくれませんか」 彼女はおもむろに着けていた下着を脱ぎ捨てるともうひとつ、足元に置いていたビニール袋から 赤いレオタードを取り出していた。 「何よ、なにをするつもりよ」 「もちろん、着るんですよ。ワタシが」 ぎゅきゅっ、と窮屈そうな音をたてながら、その肥満した身体をレオタードに包んでいた。 「さあ、いかがですかぁ」 そして、彼女も恥ずかしくもない様子で、私にその姿を見せていた。 「……ちょっと、コメントは控えたいところよね」 「うふふふ、いいんですよ、はっきりと、だらしない身体だって言ってくれても」 にやにや、と彼女は気持ちの悪い笑みをはりつけたままで私に話しかけていた。 「小さい時から異性には……虐められましたよ。そりゃ、こんな身体ですもん、仕方ないですよね。 お腹のほうが胸より突き出たビヤ樽女だって」 声に、冷やかな自嘲が籠っていた。 「女友達だってそうでした、表面上は仲良しを装っていても、結局は私はコンパの数合わせにも使 ってもらえない、結局安く見られているんです」 声をかけることもできないままに、私は彼女の様子を見ていた。 「不公平ですよね、ホント、あなたみたいに美しい人がいる半面で、ワタシみたいなミソッカスが いるんですもの、ええ、ホントに不公平」 彼女の瞳には、それでも笑みがたたえられていた。 「でも、それも今日までのことですよぉ、うふふふふ」 彼女から、ぞっとするような妖気が放たれていた。 「それより、ミオリさん、いかがですかあ、そのレオタードの着心地は、痒かったりなんてしたり してませんか?」 そうなのだ、このわき腹あたりに、どうも鈍い痒みのようなものが奔っているのだ。生地にかぶ れたのだろうか? 私は、ぼりぼりと指先でそのあたりを掻いていた。 「ええ。どうやらうまくいったみたいですねえ、その痒みっていうのはですねえ、ミオリさん。あ なたのわき腹に贅肉が付く前兆なんですよぉ」 びくん、とその言葉に手を止めた私の身体には、次の瞬間に大きな衝撃が奔っていた。 「きゃっ、うわっ、なになに、いたたたた」 私の身体は、瞬間にぶわり、と全体の盛り上がりが始まっていた。 「そうら、はじまりましたよ」 同じく、彼女の身体にも変貌が奔っていた。 「はははっ、それではスタイル入れ替わりのはじまりでーす」 彼女は高らかに宣言した。 「ああっ、脚がっ、私の脚が短くなってくっ」 みるみるうちに床が近くなっていく。脚が短く太くなっていくのだ。それと同時に腕も同じ比率 で縮んでしまっていく。痛さで頭が割れ鐘のようだ。 「ほうら、私にも憧れのウエストのくびれができてきましたよぉ」 彼女の腰のまわりがぐんぐんと締まっていくのだ。無駄な肉が落ちていく。 「いや、なによこのお腹っ! まるでおばさんじゃないのっ」 むちむちとはりついてくる脂肪は身体全体に張り付いてくまなく広がっていく。 「ひゃははっ、ミオリさんがどんどんチビデブになっていきますね」 対する彼女は脚が長くしなやかに細く引き締まり、私との身長差があっという間に逆転していく。 「私は胸もお尻も、つんつんのつーんってなもんですよ」 私の自慢だったバストはわき腹の脂肪の中に陥没し、乳房も平坦にならされてしまう。対して彼 女の胸は豊かに盛り上がり、引き締まったアンダーバストとの対比がとても女性的で美しい。 ヒップもそうだ。でん、と沈み込むような感覚で太ももの肉のなかに沈み込み、ただでさえ短く なった脚にめりこんでいく。対する彼女のお尻は引き締まり、かつ持ち上がり、魅力的な曲線へと 整えられていく。 「いやぁ、戻して戻してェ」 「いーえ、すぐに終わりますから我慢してくださいよぉ」 ねっとりとした笑いを帯びた声で、彼女は言い放った。むろん、その間にも変化は止むことはな い。 変化がおさまるまでには、ほんの数分のことだった。 しかし、痛みがひいてやっと私が顔を持ち上げることができるようになったときには、鉄格子の 向こうには先ほどまでの彼女はもういなかった。 「どうです、これで完成ですよぉ」 ずいぶんと、高い位置から声が響いてきた。さきほどまでのシルエットとはまるで違うスリムな 線を描くレオタードの肢体のその上に乗っていたのはさきほどまでの彼女の顔だった。いや、正確 には目元も涼やかになって、頬が引き締まって、顎の肉が落ちた美人と言って差し支えない顔だっ た。 私は、ずっしりと重量を感じる身体のままで硬直していた。 彼女は奥に裏返っていた姿映しの鏡を取り出していた。 「わーおぅ、これがあこがれのミオリさんのスタイルですかぁ。嘘ぉ、夢みたいです」 しなやかに伸びた太ももから腰にかけてのラインに指を這わせると、もう一方の手で盛り上がっ た胸元の弾力を確かめて、顔をほころばせていた。 「うーん、顔もすっかり変わりましたねえ、目も大きくなってぱっちりしたし、二重あごともこれ でオサラバですよ、まるで整形手術したみたいですねえ」 そして、硬直したままの私に向かって、彼女はいくつかの、かつて私が水着撮影などでとったポ ーズを見せつけた上で、 「それにしても、ふふふ、ミオリ、あんたずいぶんとみっともない格好になったものね」 姿映しをこちらに向けてあざけりの言葉を放っていた。 そこに映し出された自分の姿を見せつけられて、私はひいっ、と情けない声を上げることしかで きなかった。 だぶついたお腹と寸の詰まった胴体、そこから伸びる手足は短くて太く、だらしない印象としか 言いようがなかった。 「……ああ、嫌っ、嫌よぉ」 瞼はぼってりと腫れぼったくなり、目も細く小さくなり、弛んだ肉によって顔が二まわりは大き くなってしまったようだった。 「ふふ、外国製の矯正下着でどうにか身体を引き締めてたんだけど、本当のところはずいぶんとや ばかったのよ。そのカラダ、身長は百四十六センチで体重は七十五キロ、バストは九十二センチの Bカップで、ウエストは八十八センチ、ヒップはちょうど百センチなの。今のあんたのスタイルな んだから、これから下着とか買う時の参考にしなさい」 「なんで、どうして、こんなになっちゃうのよお!」 私は見上げるように彼女に向かって声を張り上げていた。 「なんでって、そりゃあワタシがそうしたからに決まってるでしょ。何を今さら言ってるの、あん たって、ホントはそんなに頭も良くなかったってわけ?」 見下すように、と言うより本当に見下して彼女は私を虚仮にした。 「それに、ワタシは今までアンタの持ってた『美貌』にたいしてきちんと敬意を払ってたでしょ? だったらあんただってそうしてくれなきゃいけないでしょ」 なんという言い草だ。私は怒りのあまり声も出なかった。 「まあまあ、あんまり怖い顔しても不細工が増すだけよ」 言いつつ、彼女はレオタードを脱ぎ捨てて一糸まとわぬヌード姿になっていた。 「ううん、それにしても体が軽いわあ」 さきほどまで、私がしていたスタイルを誇示しながら、彼女はにやにやと私に話しかけてきた。 「どう、ミオリ。悔しいでしょ、ねえ、さっきまで見下していた女にこんなふうにされる気分は、 サイアクでしょ?」 興奮して彼女は姿見を見たまま、その手を秘所に伸ばして自慰行為にまで及んでいた。 「うふふふ、私は美しい。私はスリムで、私はグラマーで、そして私はセクシーなのよ」 くっちゃくっちゃと粘液の糸をひかせながらオーガズムに浸っている彼女を見ながら、私は絶 対にこの状況を乗り切って、もとの身体にもどってやろうと心に決めていた。 「……そうか、このレオタードに仕掛けがあったってことなのね」 私は彼女の脱ぎ捨てた赤いレオタードと私の着ているレオタードを見比べて舌打ちをした。 「ええ、そうよ。だけど、それがわかったからってどうなるの」 「それなら、その赤いレオタードを私が着て、この青いやつをあなたに着せれば元に戻れるのよ ね!」 すると、くすくすと笑って彼女は、 「ええ、いいわよ。じゃあ試しにやってみましょうか」 私が脱いだレオタードを手渡すと、彼女は私の着ていたそれを身に付けた。 「うーん、これじゃ、だぶだぶでサイズが合わないわ」 余った生地を手にして、笑いをこらえながら彼女。そして、私は、 「……きつい……入らない」 今の肥え膨らんだ私の身体には入らない小ささだった。でも、さっきはあんなにも伸び縮みし ていたはずなのに、それが、どうして。 「うふふ、オバカさん。そんなの無理に決まってるでしょ、魔法の効果は一度だけなのよ。それ で元に戻るなんてことは絶対にできないんだから」 「さあ、わかったらあんたの着てたものをこっちに寄越しなさいよ。どうせ、今のあんたじゃあ 太すぎて着られないのわかってるんだから」 彼女の非道な言葉を受けながら、私はそれでも諦めてはいなかった。 彼女の台詞のなかに、そして私の持ち物のなかに、なにかの解決を得られるものがあったはず なのだ。 そして、私は気が付いた。たったひとつだけ、この状況を逆転させる方法があることに。 「……はい、それじゃあどうぞ、その代わりに私の荷物とこの檻の鍵をください」 私がしおらしく言葉を紡ぐと、彼女は満足そうに頷いて、脇にどけてあった私のカバンと金色 の鍵と、それからさきほどまで自分が着ていたものを下着ごとこちらに投げて渡した。 「ふん、ずいぶんと大人しいものねえ、なんだかしらじらしいケド、ま、いいわ今のあんたなら 飛びかかって襲ってきても、平気で叩きのめす自信があるんだから」 そう言って、彼女は私が渡したショーツを、ブラジャーを、感触をたしかめながらゆっくりと 着け始めていた。もちろん、私も彼女の着ていたものを身につけていたが、こんな感触は確かめ たくもなく、さっさと着替えてしまっていた。 「ふふん、良く似合うわよ。ミオリ。あんたも、これですっかり庶民の肉体になりきったのよ。 これからは謙虚な姿勢でひっそりと生きていくといいわ」 恍惚の表情でわざと胸の下で腕組みをして、その膨らみを見せつける彼女。もとはそれが私自 身のものだったのに、と思うと悔しさで胸が張り裂けそうだったけれども、今冷静さを失ったら もう終わりだから、落ち着かなければならないのだ。 都合三か所の錠を解除して檻の中から抜けだした私を遠巻きにして、彼女は戸を開けてビルの 出口を案内した。もちろん、用心のために、私を前に歩かせながらだが。 「もっときびきび歩きなさいよ、ああ、ゴメンネ、足が短いからノロいのかあ」 ほの暗い廊下をゆっくりと歩きながらも、彼女の責めは続いていた。 私は、カバンの中に化粧品ポーチがあることを確認して一息をついて、そして彼女に訊ねてい た。 「ねえ、あなたがしたこと……私のスタイルを奪うってことだけどね、あれって私が意識を無く している間に済ませることってできなかったの?」 すると、彼女は、 「ううん、別にできたとは思うんだけどさ、ただあんたにレオタードを着せれば済むだけの話な んだからさ、でもそれじゃあ面白くないじゃない?」 後ろに歩いていても、この女の邪悪な笑みは手に取るようにわかる。この女はもともとが歪ん でいたのだ。 「へえ、じゃあそのくだらない楽しみがあんたの失敗のもとだったってわけね」 私はくるりと振り返って彼女に言葉と指先をつきつけていた。 「何、負け惜しみにしてはくだらなさすぎるわねえ」 私の態度の異変にわずかに動揺したのか、彼女の視線が一瞬泳いだ。 「あなたはさっき、これが『魔法』のわざだって言ったわね。『科学』でもなく、『医術』でも なく、『魔法』のわざだって」 「ええ、そうよ、私が魔王さまとの契約で手に入れたすばらしい力よ、そんな科学なんかと一緒 にされるようなものじゃないわ」 「……だとしたら、私にはこれが使えるのよっ」 化粧品ポーチの中から取り出したのは小ぶりなコンパクトだった。 「けへっ、何を言うかと思ったら、あんたは魔法少女にでもなったつもり?」 魔法少女はお前だろう、とつっこむのももどかしい。 「よぉく、この鏡を見てごらんなさいよ」 小さな鏡面を彼女に示して、私は祈るように両手でそれを持っていた。 「はあ?」 覗きこむ彼女の視線が、一瞬、止まった。 「ひい、何よ、イタイイタイ痛いぃぃ!」 彼女の体が圧縮されるように縮んでいた。そして、私の体には痛みはなかったけれども伸長し て、元に戻っていく感触が全身に奔っていた。 「いやあ、せっかく手に入れたのにいっ、ワダシの胸ぇ! 脚いっ! ウエズドぉぉっ!」 ばちん、と破裂音をたてて彼女の着ていた私のブラウスとブリーツスカートは吹っ飛んでいた。 まあ、それくらいは仕方がない、と思おう。 そして、ほんの少しだけの時間の経過をみて、完全に私の体と顔は元の通りに戻っていた。 何もかも元通りに、というわけではない。彼女の身長は、まるで小学一年生程度にまで縮めら れていたし、体はまさにビヤ樽のように、ぱんぱんにはじけそうにまで変貌していた。 「うぞぉ、どうひてえ、どうひて、ごんなになるのぉ」 ぜえぜえ、と荒い呼吸の中に彼女は片膝をついたままに私を見上げていた。 「私のこのコンパクトの鏡はお守りなの。古い神社に祭られていた鏡を切り分けてもらった、呪 いを遠ざける特別なものなのよ」 と、言ってもその効果をこの目で見るのははじめてなのだが。 「当然、あなたはもう魔法を使えなくなっているはずよ」 もちろん、確証なんてない。 「……うぞよ、ダったあ、どうひて、あだしはごんながらだになっちゃっだのよ」 「それは……昔から言うでしょ、人を呪わば穴二つって。きっと、魔法が破られたせいであなた の体に倍返しで返ってきちゃったんでしょうよ」 私は余った彼女のスカートのウエストを折り返してヘアピンで留めてようやくずりおちるのを 固定しながら呟いてみた。もちろん、根拠なんてあるわけがない。 「ゆるざないガラ、わだしをよぐも……こんな」 どうやら、彼女の身体に降り注いだ痛みも倍返しだったようで、彼女は前のめりに崩れるよう に気絶をしてしまった。 「許さないのはこっちのほうなんだけどね……まあ、それでも許してあげるか」 もしも、私が彼女と同じ立場で、そして同じ機会を得たとしたなら、どうだったろうか。それ は考えたくもないことではあったけれど。 そして、私は彼女をそのままにして魔城のようなそのビルを脱出したのだった。 それでも、どんよりと重い濃紺の夜の闇はどこまでもどこまでも続いていた。 おわり
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戻る 小ネタ・変態系 オチきれいだなあ -- (名無しさん) 2012-05-30 02 54 13 みんな良く分かってるな -- (じゅわ〜) 2012-05-30 02 57 33 オチにわろたww -- (名無しさん) 2012-05-30 03 26 43 澪をフォローしてあげるムギちゃんって本当にやさしいな。 -- (名無しさん) 2012-05-30 03 52 27 確かに、ムギちゃんを語る上で欠かせない場所ですが… -- (名無しさん) 2012-05-30 03 57 09 結論としてはムギちゃん以外みな変態であったなw -- (名無しさん) 2012-05-30 04 04 10 みんなかわいい! しかし、「微妙に頭にぶつかってる突起物は乳首かな」ってムギちゃんノーブラですかw -- (名無しさん) 2012-05-30 04 13 15 てゆうか良らしいってなんだww -- (名無しさん) 2012-05-30 04 40 52 変態系でも安心して読める良い話だったよ。 もっと続いても良いと思える作品だな。 -- (名無しさん) 2012-05-30 04 42 48 アホの集団だw -- (名無しさん) 2012-05-30 06 37 05 確かに眉毛こそがムギの最大の外見的特徴だけどさwww -- (あずキャット) 2012-05-30 06 57 26 澪w -- (名無しさん) 2012-05-30 17 53 21 眉毛はムギの特徴ではあるけど、性的嗜好とはなり得ないよね。 というわけで、澪のはないわ。 -- (名無しさん) 2012-05-30 20 30 47 なんかスッと読める変態系だったwムギも可愛い 澪は..まぁ、人それぞれだしなw -- (百合を求めて三千里) 2012-05-30 20 39 31 まぁムギは全てのパーツが最高ということだな。 -- (名無しさん) 2012-05-30 22 03 04 して、お持ち帰り編はまだかね? -- (名無しさん) 2012-05-31 00 31 43 眉毛は十分セックスアピールたりえる! -- (デューク東郷) 2012-05-31 02 32 43 こりゃ面白い!私はふとも・・。 -- (通りすがり) 2012-05-31 20 25 54 まあ性的嗜好はそれぞれだよ、うん。私は眼だが -- (名無しさん) 2012-06-01 22 00 57 あとは、純ちゃんがムギの美髪をもふもふして、さわちゃんが指ペロして、和ちゃんがおへそなめて、憂が足の指ペロペロすれば完璧だね。 -- (名無しさん) 2012-06-02 01 11 10 私は尻です。 -- (名無しさん) 2012-07-01 18 59 30 良らしいって何だ無理矢理すぎるだろwww変換できなかったよ -- (名無しさん) 2013-01-16 02 11 56 りっちゃん男前すぎる。 ムギは人良すぎ。 -- (名無しさん) 2013-01-16 22 27 57
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【名前】リーシェ 【性別】女 【年齢】不明。外見は11、2歳くらい 【立場】魔王軍の残党 【特徴】褐色の肌、黒い長髪をリボンで結んでいる 【好き】お兄様、魔族の仲間 【嫌い】人間、勇者一行 【特技】魔法全般 【趣味】お兄様の為に新たな魔法を開発する 【人間関係】 スティーブ:忌々しい宿敵。中に居る魔王は大切な兄 マルガリータ・ヴェイケンハイム:兄に歯向かった惨めな敗北者 ゼグムンド:魔王軍の仲間。スティーブとの戦いで死んだと思っており、日本に居る事は気付いてない ジュラン:魔王軍の仲間。色々と気にかけてくれるので嫌いじゃない 【詳細】 異世界で魔族を率いていた魔王の妹。 兄の事を溺愛しており、魔王も妹を可愛がっていて関係は良好だった。 魔王がスティーブの身体を乗っ取った際には、ジュランと共に魔王軍復活を目的に動いていたが、その魔王がスティーブの肉体毎転移された事に激怒。 王国軍や勇者の仲間を皆殺しにし、執念で魔王が飛ばされた異世界を探し当て、ジュランを引き連れその世界である現代日本の都市にやって来た。 現在は自身の魔法で作り出した特殊な空間を拠点に、魔王を探し彼を完全に復活させようと目論む。 【備考】 魔法に関しては魔王軍でも屈指の実力を持つが、純粋な肉弾戦は不得意としている
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◆吸血鬼と悪霊 ◆概略 不死身に限りなく近い奴らがほのぼのする話。 ◆世界観 肉体的に貧弱な人間が区画を作って安全を確保するよう努めつつ、 人外と共存してワチャワチャしている世界観。また、登場人物が長命なので区画ができる前も含む。 「喫茶店員たち」と同じ世界観。ただし吸血鬼と悪霊は区画外、喫茶店員たちは区画内。 ◆人物 エリザベス・ヴィヴァーディチェ・ゴア・スイートウッド:女:吸血鬼:何千歳 外見は幼女、実際年齢はババアの合法ロリ。基本ババアだがけっこう精神が外見に引っ張られて外見相応の行動を取る。 知識、戦闘能力、様々な技術が年の功により大体かなり高い。家事は全くやらない。怠惰で面倒くさがり、傲慢。 普段は山奥の屋敷でごろごろして転移して人攫って血を飲んで過ごしている。働いたら負けかなと思ってる。 →もっと詳細 サミュエル・フレッカー:男:悪霊:10後半に死亡、死後何千年 基本的な外見は青年。本体は不定形な黒い靄。人間など他生物の死体に取り憑き日常生活をおくる。 ポルターガイストなどの霊現象は大抵起こせる。元人間だが価値観が人間じゃなくなっている。律儀、反応が薄い。 ロリババア吸血鬼の生活サイクルに合わせているので慢性的に寝不足。屋敷の掃除など家事全般をこなす。 →もっと詳細 食べた人間 その他
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投稿日:2009/05/09(土) 穏やかだが控え目な日差しが西の空から降り注いでいた。 気温は春とそう変わらないはずなのに、何となく寂しい感じがするのは 秋の太陽に元気がなく、すぐに沈んでしまうからだろう。 病室で窓の外を見上げながら、愛理は今日何度目かのため息をついた。 長い黒髪はツヤがなく、頬はやせこけて顔色も悪い。 鏡を見て自分の境遇を哀れんでしまうのも、もうすっかり慣れてしまった。 赤い日差しの中、ドアが開いて男と少女が姿を見せた。 「や、愛理。元気してるか?」 「――大ちゃん、それに真理……一緒に来てくれたの?」 「うん、駅で一緒になっちゃって。はいこれ」 そう言って少女は雑誌の入った袋をベッドの横に置いた。 実は高校生だが、童顔と小柄な体のせいで小学生に見えなくもない。 しかし彼女は明るく優しい娘で、愛理の自慢の妹だった。 「ありがとう。こんなにしょっちゅう来てくれて……」 「何言ってんだよ。早く病気なんて治しちまえ」 強い口調で男が言った。 二十歳くらいの目つきの鋭い男で、その険しい視線で愛理を見下ろしている。 「わかってる。ちゃんと治すって約束したもんね、大ちゃん」 彼なりの励ましを受けとめて、愛理はうなずいた。 「そうだよお姉ちゃん。ちゃんと退院したら大樹さんのお嫁さんになるんでしょ?」 「えっ……? そ、そんなの昔の話よ……」 不意に聞こえた妹の言葉に、女は血の気の引いた顔をほのかに赤らめた。 「――懐かしいな、小学生のときだっけ。あの告白。 あの頃は愛理も、今の真理ちゃんみたいに元気な暴れん坊だったな」 少し遠い目をして大樹がつぶやいた。 「大ちゃん……」 「俺はあのときのお前のセリフ、まだ忘れてないんだぜ」 「えっ?」 驚いて目を見開いた愛理に優しい視線を向け、男が言う。 「だから早く治せ。俺はいつまででも待っててやるから」 「…………」 女はうつむいて、軽く体を震わせた。 「お姉ちゃん……?」 「――ありがと……大ちゃん……」 雫がぽたりと垂れ、ベッドに丸い染みを作った。 見舞いを終え、大樹と真理は病院の廊下を並んで歩いていた。 病室で愛理を励ましたときとは違って彼の顔は暗く、重々しい雰囲気を漂わせていた。 「大樹さん……どうしたの?」 「いや、何でもないんだ。真理ちゃん」 首を振る男に少女は食い下がる。 「嘘、何でもないはずないよ。 お姉ちゃんのこと、うちのお母さんから聞いたんでしょ? どうなの?」 「いや、別に……」 「お父さんもお母さんも、あたしには何も教えてくれないの。 ただ良くなる良くなるって言うだけで……あたし、こんなのやだよ。 お願い。あたしにお姉ちゃんの病気のこと、教えて」 「真理ちゃん……」 厳しい視線を少女に向け、大樹はつぶやいた。 「大丈夫、きっと愛理は治る。俺たちがそう信じてやらないと、 あいつだって安心して治療に専念できないじゃないか」 「大樹さんもお父さんと同じこと言うんだね。お姉ちゃん、そんなに悪いの?」 「…………」 必死で沈黙を守り通しながら、大樹は思い知らされていた。 自分でも信じてないことを人に信じさせるのは、こんなにも難しいのかと。 単なる厚意なのか、それとも誤魔化しのつもりか、 大樹に家まで送ってもらう途中、真理は喫茶店に連れて行かれた。 明るくて可愛らしい内装が密かに評判だとかで、店内は女性客が多い。 「真理ちゃん、ケーキ食べないか? たしか甘い物好きだったろ」 「今日はいいです、好きだけど太るもん」 「大丈夫だって。真理ちゃん充分やせてるじゃないか」 「あたしはやせてるんじゃなくて、ただチビなだけですっ!」 結局ケーキは遠慮して、オレンジジュースを飲みながら真理は周囲を見回していた。 女性客の他にも、恋人同士のようなカップルがちらほらいる。 自分たちも周りからはそう見えているのだろうか。 (ううん、違うよね……あたしと大樹さんじゃ、せいぜい兄妹にしか見えないもん) 彼女は自分の幼児体型と童顔に、軽いコンプレックスを持っていた。 もう高校生でこれ以上の成長はなかなか見込めないというのに、 今でも真理は時々小学生と間違えられてしまう。 対して姉の愛理は病気になる前、背が高くスタイルも良かった覚えがある。 綺麗な服を着こなして大樹とデートに出かける姉を、 彼女は羨望の眼差しで見送っていたものだ。 美しく不健康な姉と、幼くて元気な妹。 どっちがいいんだろうか、とつい物思いにふけってしまう真理だった。 そんな恋人の妹を心配そうに眺めながら、大樹はコーヒーを口に傾けていた。 本人が嘆くように、確かに子供っぽい外見ではあるが 目や鼻、眉といった顔のパーツは姉の愛理とよく似ていて、 美人というよりは可愛い感じの魅力をかもし出していた。 (――そういや小学生くらいのときは、あいつもこんな感じだったっけ……) 大樹は、病室にいる自分と同じ歳の女との思い出を掘り起こしていた。 昔は気が強く、体育や運動会を妙に張り切っていたこと。 思春期を迎えて普通なら異性との関わりを避けるはずが、 なぜかますます大樹と一緒にいる機会が増えていったこと。 そしていつの間にか恋仲になって、本当にお互いが好きで愛し合ったこと。 (愛理……) だがその彼女は今、不治の病で力なくベッドに横たわっている。 恋人が病魔に苦しんでいるというのに、彼は何も 力になってやることができず、無力感に苛まれた毎日を送っている。 この前、姉妹の母親に聞かされた話によると、愛理はもう長くないという。 一週間か二週間かひと月か、ひょっとしたら明日死んでしまうかもしれない。 そんな話を聞かされて、平静でいられる男はそう多くないだろう。 現に大樹も心の半ばを絶望に支配され、真理を満足に励ましてやることもできていない。 (くそ、俺は……) どうしたらいいのか。どうすることもできないのか。 もし神仏が存在するならば、祈りたい気分だった。 相手を不安そうに見ていたのは真理の方も同じだった。 (大樹さん……) 小さい頃から背中を見ていた、憧れの男性。大切な姉の大事な恋人。 その彼が苦しそうに悲しむ姿を見るのはとても辛かった。 やがて、飲み物をすすっていた大樹がにわかに立ち上がる。 「真理ちゃん、俺ちょっとトイレ行ってくるから、 何か欲しいのあったら適当に頼んでていいよ」 「はーい、行ってらっしゃい」 表面上は明るく言う真理。 ジュースは半分以上飲んでいたが、お代わりを頼む気にはなれなかった。 辺りを見回すと、テーブルを囲む女子高生の集団やにこにこしたカップルが 楽しそうに談笑しているのが目に入る。 その様子をうらやましそうに見つめ、真理はため息をついた。 両親や大樹の様子から、姉の病状が芳しくないのはわかっている。 だが自分だけ何も知らされないというのは、やはり悲しいことだった。 聞かされても彼女にできることは何もないが、それでも知りたい。 真理はやるせない思いを抱えて、明るい店内をぼんやり見回していた。 そのとき、少女の目が一点に固定された。 「―――― !?」 驚いた真理の視線の先から、一人の少年が近づいてきた。 年は彼女と同じくらいだろうか、制服などは着ていないが高校生のように見える。 少女が目を見張ったのは、不自然なほどに整ったその顔立ちだった。 美術館や博物館の展示品のように圧倒的な存在感をかもし出している。 しかしそれなのに周りの客は誰も少年の方を向かず、 店員でさえこの美少年に気づかない様子でその横を通り過ぎた。 (すごい……綺麗な人) 男相手にこの表現を使う機会は滅多にないが、真理は心からそう思った。 人間離れした雰囲気の少年はゆっくり彼女のところにやってきて、 見る者の背筋が震えるような笑顔で少女に話しかけた。 「こんにちは。ここいいかな?」 「あ、え、えと、その、連れが……」 なぜか自分の向かい、大樹の席に座ろうとした少年を真理は慌てて制止したが 彼は気にもせず、悠然と椅子に腰かけてしまう。 「大丈夫、すぐ帰るから少しだけだよ」 「は、はあ……」 そう言いつつ彼は店員を呼んでアイスティーを注文する。 突然現れたこの異様な雰囲気の少年に、真理は呆気に取られるばかりだった。 「――久保愛理さんの妹、真理ちゃんだね?」 「そうです……でも、なんであたしのことを……?」 少年は自分に危害を加えるような気配はないが、ただひたすらに怪しい。 気後れしながらも充分に用心して、彼女は少年を見ていた。 「なに、たまたま通りかかっただけさ。お姉さんの病気、大変みたいだね」 「そんなことまで知ってるんですか?」 「誤解してほしくないんだけど、僕は別に怪しい者じゃない」 怪しさと疑わしさの塊のような少年がそう言った。 「ただ、君に協力してあげようと思っただけさ」 「協力……?」 「お姉さんの病状、知りたいんだろ?」 「――知ってるんですか !? お姉ちゃんのこと!」 彼は害のない笑顔で少女を見つめて答えた。 「僕はこう見えても、いい友人に恵まれててね。 その友人が言うには、君のお姉さんは八日後に息を引き取るそうだ」 「――なっ…… !?」 あまりの内容に、真理は一瞬呼吸が止まってしまった。 「そんな馬鹿なこと言わないで! 冗談でも怒るわよ !?」 「冗談じゃないさ。確かな情報だよ。 でもまあ、いきなりこんなことを言われて、信じろって方が無理かもしれないね」 「当たり前よ!」 少年は運ばれてきたアイスティーに口をつけ、うんうんうなずいている。 「じゃあもう一つ、教えといてあげよう。 まず今夜、君のお姉さんの容態が急変する」 「嘘よ! いい加減なこと言わないでよ! そんなの信じないから!」 「でもこれは一旦収まって、一週間近く安定するそうだ。 そして八日後、もう一度同じことが起きて、今度は残念ながら亡くなってしまう」 「黙って! もう聞きたくない!」 真理の投げたお絞りを片手で受け止め、少年が続ける。 彼女はかなりの大声をあげていたが、周囲は誰も二人を注視していなかった。 「信じるも信じないも君の勝手だけど、もし信じるなら 僕は君に選択肢をあげよう。お姉さんを救うための」 「いいからあっち行ってよ !! うわぁぁああんっ !!」 泣き喚く真理に楽しそうな視線を送り、やっと少年は席を立つ。 後に残されたのはしゃくりあげる少女と、空になったグラスだけだった。 大樹がトイレから戻ると、真理は座ったままじっとうつむいていた。 「――真理ちゃん……どうかしたのか?」 少女はグスグスと泣いているように見える。 彼が席を離れていたほんの少しの間に、一体何があったのだろうか。 「な、なんでも……ない……!」 「何でもない訳ないだろ。どうしたんだ?」 「なんでもありません……ほっといて下さい……うぅ……」 「…………」 彼は愛理との付き合いから、こうなった状態の少女には 下手に手を出せないことを知っていた。 ただ黙って店員を呼び、飲み物とケーキを追加で注文する。 (愛理……) 詳しいことはわからないが、泣いているのは彼女のことが原因だろう。 大樹は心の中で愛しい女に呼びかけた。 (真理ちゃんはこんなに泣いてるんだぞ。頼むから良くなってくれ……) 彼の願いも空しくその晩、愛理は容態が悪化し生死の境をさまようことになった。 「…………」 夜の病院に、年齢よりも幼く見える少女がたたずんでいる。 深夜に突然連絡があり、真理も父の車でここに連れてこられたのだった。 ようやく落ち着いたものの、一時は本当に危なかったらしい。 本来なら面会謝絶のところを家族の立ち入りを許したのは、 医師も半ば諦めているからだろうか。 暗い廊下から窓の外を見つめ、真理は呆然と立ち尽くしていた。 “まず今夜、君のお姉さんの容態が急変する。 でもこれは一旦収まって、一週間近く安定するそうだ” ふとあの少年の言葉を思い出し、重い息を吐く。 信じる訳ではないが、彼の言う通り姉の容態は急変し、そして持ち直した。 ということはあと一週間で、愛理の命が尽きてしまうのか。 彼女はそんなことを受け入れるわけにはいかなかった。 “信じるも信じないも君の勝手だけど、もし信じるなら 僕は君に選択肢をあげよう。お姉さんを救うための――” 「救う……あたしが、お姉ちゃんを……?」 本当なのだろうか。 無力な子供に過ぎない自分が、病魔に苦しむ姉を救ってやれるのだろうか。 憂いを帯びた秋の風が木の葉を散らすのを、真理の視界は捉えていた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ そして一週間後、愛理は静かに息を引き取った。 ささやかな通夜と葬式が行われ、誰もが若い彼女の死に涙した。 一番泣いたのは妹の真理である。 「私……わたしぃっ…… !!」 両親も泣きながら次女の体を抱きしめたが、彼らも気づかなかった。 真理が自分のことを「私」と呼んでいたことに。 「うぅ、うぅぅぅ……うぇぇぇん……」 「なあ……真理ちゃん、もう泣くのやめようぜ……? ずっとそうしてるじゃないか……」 姉の遺影を前にいつまでも涙を流し続ける真理に、大樹が言った。 彼女の両親は田舎の親戚の家に行って、しばらく留守にするという。 真理も連れて行くはずだったのだが、どうしても彼女がここを離れないため 二人は大樹に娘のことを頼み、車を飛ばして行ってしまった。 彼も最愛の恋人をこんな形で失って心が空っぽになっているが、 ずっと泣いている真理を見ていると、ほんの少しだけ心が冷静になれる。 「う……うぅ、ごめん……ごめん……」 畳に涙をこぼし、彼女は涙声で姉に謝っていた。 それを見て大樹は、なぜ謝るのか訝しがった。 「真理ちゃん、君が謝る必要なんてない。真理ちゃんはあんなに あいつを大事にしてたじゃないか……」 少女の隣に腰を下ろし、大樹は彼女の顔を上げさせた。 丸一日泣きはらした顔はひどく汚れ、彼の心にちくりと棘をさした。 「ほら、顔ふいて……あいつが君を責めるわけないだろ?」 大樹がハンカチで顔をぬぐってやると、また真理は泣き叫んだ。 「違うのぉ……私、違うのぉぉぉ……!」 「……何が違うんだ、真理ちゃん?」 ふと様子がおかしいことに気づき、大樹がたずねる。 確かに今の状況では泣き喚くのも無理のないことだったが、 真理が泣いているのは何か違う理由があるように彼には思えたのだ。 小学生にも見える幼い高校生がしゃくりあげる。 「――大樹……私、真理じゃないの……愛理なの……。 あの子、私の代わりに死んじゃったのぉぉぉ……! わぁぁぁん……!」 「……な、何……?」 いきなり突拍子もないことを言われ、大樹が戸惑う。 彼の動揺をよそに、真理は自分が愛理だと主張し、 幼い頃からの彼との思い出を一つ一つ語っていった。 それは確かに彼と愛理しか知らないはずの、半ば忘却に埋もれつつある記憶だった。 「――お、お前、愛理なのか……? 本当に…… !?」 「本当よ、信じてよ大樹ぃ!」 とても信じられる話ではなかったが、口調や雰囲気の端々、それに 愛理しか知りえない知識から、やはり彼女は愛理だと大樹は結論せざるを得なかった。 ということは真理になった愛理の言うとおり、代わりに真理が死んだということになる。 いくら姉を助けるためとはいえ、自分の命を投げ出した少女に、彼は深い衝撃を受けた。 「ま、真理ちゃん……なんでこんなこと…… !?」 「うぅ……真理、ごめん……本当にごめんなさい……!」 あまりの事実に大樹は呆然として、 泣きじゃくる少女の体を抱きしめてやることしかできなかった。 その少し前、暗い病室の中で二人の人物が話していた。 片方はいかにも病人といった感じの、やせ細った長髪の女。 もう一人は形容しがたい異様な雰囲気を持った、端正な顔の少年だった。 「――これで君の代わりにお姉さんは助かる。満足かい?」 女は大人に似合わぬ子供っぽい仕草でうなずいた。 「うん。だってあたしより、お姉ちゃんに生きててほしいから……」 こうしている間も病魔は女の体を蝕み、耐え難い苦痛を与えてくる。 止まない痛みと乱れる呼吸に顔をしかめながら、愛理は顔を上げた。 (痛い……お姉ちゃんの体、こんなになってたのね……) 姉は横から見守るだけの自分に、この痛みの中で笑顔を向けていてくれたのだ。 それを思えば、死への恐怖はあっても後悔はなかった。 今、真理の体は家で眠りについているはずだ。 そして目覚めて事態に気づいた頃には、自分はもうこの世にいない。 別れの手紙は書き残してきたが、ちゃんと彼女は読んでくれるだろうか。 ひょっとすると、また小さい頃のように罵られるかもしれない。 「この馬鹿! お姉ちゃんに黙って勝手なことしちゃ駄目でしょ!」 あの頃はいつもそう言われるのが日課だった。 愛理は暗い病室で笑顔を浮かべ、昔を懐かしんだ。 ベッドの隣の椅子に腰かけ、明るい声で少年が問う。 「一応聞いておくけど、本当にいいのかい? 今ならまだ間に合う。君の歳でわざわざ死ぬこともないと思うけど」 「ううん……もう決めたの。お姉ちゃんを助けてくれてありがとう。 お姉ちゃんと大樹さんによろしく言っといて」 「そうか。伝えておくよ」 少年は穏やかな笑みを見せた。 どこの誰かも、そもそも人間なのかもわからないが、 彼は姉を助けてくれた。それだけで彼女には充分だった。 夜空には丸々とした黄金の月が輝き、魔性の光を大地に注いでいる。 その月光を背中に浴び、少年は笑顔を浮かべていた。 その姿は神々しい天使のようにも、逆に恐ろしい悪魔のようにも見える。 「最期に話をしようか。冥土の土産と思って聞いてほしい」 「うん、いいよ」 病人はうなずいて、再び体をベッドに横たえた。 「君は自分とお姉さんの身に起こったことをどう思う? なんて表現すればいい?」 「……え?」 意外な質問に面食らい、愛理は少年を見上げた。 「うーん、そうねえ……心と体が入れ替わっちゃった?」 「あはは、両方入れ替えたら元に戻っちゃうよ。どっちかにしないと」 「じゃ、体の交換!」 少年がうなずく。 「そうだね、その表現だと人間の本質は心にあることになるね。 今の君は『お姉さんの体を持った真理ちゃん』だから本物の真理ちゃんって訳だ」 「うん」 暗い部屋の中で、透き通った少年の声が響く。 「じゃあ仮に、僕がやったみたいに他の人に君の心を植えつけたらどうだろう? 大樹さんや君のお父さんお母さん、みんなが君の心そっくりになったら、 どれが本当の君だと思う?」 「え……そんなの、みんなあたしになるんじゃないの?」 「うん。そういう答えもあるね」 愛理は不思議そうに虚空に視線を送る。 その様子は物慣れない少女のような可愛らしいものだった。 「大樹さんの体を持つ君、愛理さんの体になった君、そして 元通りの真理ちゃんの体を持った君。何人いても全部本物の君なんだね?」 「うー……そ、そう、かな……」 「想像してみてほしい。君がその中の一人になったとして、 周りには色んな姿になった君がいて、君と同じ口調で喋るわけだ。 君から見て、周りにいる人たちは自分かい? それとも他人かな?」 「ええ、どうなんだろ?」 少年はにっこり笑って話を続ける。 「お互いに独立した意思を持ってるなら、それはやっぱり他人だよ。 君の心を数十人にコピーしても、みんなこう思うに違いない。 『ああ、この人たちはコピーで、あたしが本物なんだ』って。 さあ、本物の君はどれなんだろうか?」 「うーん……?」 困り果てた愛理に、優しい声で少年は言った。 「じゃあ、今度は逆に体をコピーすることを考えようか。 真理ちゃん、想像して下さい。コンビニのコピー機のような機械で 人間を分析すると、見た目も心も本物そっくりのコピー人間が出てくるとします」 「うん、考えたよ」 「そのコピーは君自身、本物の自分であると言えるかな?」 「うーん、心まで完全にコピーしてたら本物なんじゃないかな?」 深く考えず、思ったことを口にする。 その発言が少年を喜ばせているようだが、この際どうでもよかった。 「じゃあ、ここには本物の君が二人いることになるね」 「そうだね」 「なら一人じゃなくて百人コピーしたら、本物は百一人いるってことだね」 「そう……なんじゃないの?」 少年は疲れも見せず、嬉々として話を続ける。 「じゃあ、今度はコピーの元になった君から見た話を考えよう。 百人のコピーたちは本当に君自身かい?」 「えっ? 今そうだって……」 「それは本当かな? コピー元になった君から見れば、百人の他人なんじゃないの? 自分と同じ顔をして、自分と同じ声を出して、自分にしか見えない他人さ。 仮に機械で本物の君自身を増やせるとしたら、後でコピー元の君を 殺してしまっても構わないよね? 本物の君はいくらでも作れるんだから」 「え……え、え、え……あ……」 いつになく早口な少年の言葉に押され、言い返すことができない。 「ここで大事なことは『肉体は物質的な裏づけがあるけど、心にはそれがない』 ってことだ。心はいくらでも変わりうるし、同じ心というのをいくらでも 考えることができるけれど、体はそうじゃない」 「そうなの? 何が違うの?」 「体、つまり物体は全く同じ物が存在しない。全く同じように見える 同じ製品のペンだって消しゴムだって、それぞれ違う物体なんだ。 例えば、もし誰も見分けがつかないくらい精巧に 『モナ・リザ』をコピーすれば、コピーも本物ってことになるかい? レオナルドが描いた絵は一枚だけだっていうのに」 「うーん……たしかに、絵に本物が増えたら困るよねえ……」 「それと同じで、どんなに同じように人間の体をコピーしても それはあくまでコピーであって、本物は一人だけなんだ。 でも心はそういったものじゃなく、コピーを考えて増やすことができる。 何しろ心には、時空的、物質的な裏づけがないんだから」 それでも愛理は食い下がった。 「じゃあ、心もずっとあたしの心だったって言えたら本物なんじゃない? コピーじゃなくて、小さい頃からお父さんお母さんに育てられたあたしの心なら、 本物のあたしの心って言えるんじゃないかしら」 だが少年は笑顔をやめず言い放つ。 「なるほどなるほど。いきなりコピーで作り出された心じゃなくって、 ちゃんと時空的に連続して存在していた心なら本物なんじゃないかって話だね。 でもそれだと心の内容はどうでもよくって、心が入っていた入れ物、 つまり体とか脳とかで『本物の自分の心』を決めてるってことじゃない? それならやっぱり本物の君の心は、体に依存することになるよね」 「う~……」 反論を全て言い返され、愛理は口ごもった。 何となくおもちゃにされているようで、面白くない。 今生の名残がこんな会話では浮かばれそうになかった。 「だからそういった意味で君はやはり愛理さんであって真理ちゃんじゃないんだ。 強いて言えば『自分を真理ちゃんだと思っている愛理さん』だね」 女は不満そうに頬を膨らませる。 「え~、でもやっぱりあたしが真理だよ。中身はお姉ちゃんじゃないよ。 あたしがお姉ちゃんで、あっちが本当のあたしだったら やっぱりお姉ちゃんは死んじゃうから、入れ替わった意味がないじゃない」 「その体はまぎれもなく久保愛理さんのものだよ。 君たちは心が違うと違う人間ってつい思ってしまうけれど、 人間の本質は心や魂ではなく、体にあるんだよね」 「じゃあ……やっぱりあたしがお姉ちゃんってこと? あたしは真理じゃなくて、お姉ちゃんなの?」 「さて、どうだろうね? でも君が心で本物を決めるんだったら それでいいと思うよ。いつか真理ちゃんそっくりの心を誰かに植えつけてあげる。 そうしたら君の心も救われるんじゃないかな?」 「それ――」 そのとき、何か言い返そうとした愛理の顔が苦悶に歪んだ。 「う……うあ…… !?」 「残念だけどタイムリミットだ。もう君はここにはいられない」 少年は穏やかな声で、女に死の宣告を告げた。 女は苦しそうに息を漏らし、虚空に呼びかけている。 「あ、あたし……あたし、お姉ちゃ……!」 「さよならだ。今日は楽しかったよ。 もう今の君と会うことはないだろうけど、後のことは任せてほしい」 彼は立ち上がると、軽やかな足取りで病室を出て行った。 満月は煌々と西に輝き、夜明けが近い。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ごく普通のマンションの一室に、男と女がいた。 ベッドの中で素裸で抱き合い、愛の営みを行おうとしている。 「愛理……」 男が女の名を呼び、そっとその唇を奪った。 舌を絡め唾を混ぜあい、熱っぽい視線でお互いを見つめている。 やがて女は口を離し、愛しげに男によりかかった。 「うん……大ちゃん……」 そのとき、にわかに男が身を起こし妻にそっと囁いた。 「――ちょっと待て。外に悪い子がいるから」 「ふふふ、あの子も懲りないわね……」 男はベッドから出て、部屋の入口に向かうと勢い良くドアを開けた。 「――きゃあっ !?」 そこには二、三歳くらいの幼児がいて、バランスを崩して室内に倒れこんだ。 「……いったぁ~い……」 「こら真理。覗いたら駄目だっていつも言ってるだろ」 「え~、別にいいじゃない大樹さん。ねっ、お姉ちゃんからも何か言ってよ」 寝床で全裸になっていた女は、にやにや笑って娘の愛理を見つめている。 その体は二十代の子持ちの人妻だというのに背が低く胸もなく、 まるで小学生のような体型であった。 「まあいつものことだし、いいんじゃない? 大ちゃん。 それにこの体はあんたのだしね、見るくらいはいいと思うの」 「おいおい、中身は真理でもこいつは実の娘なんだぞ? 教育上良くないだろ」 幼児は父親の足に抱きついて甘えてみせた。 「ね~え、お願い大樹さん、ちゃんとパパって呼ぶからぁ~。 あたしにも二人のセックス見せてよ~ぅ」 「……とてもおむつが似合う幼女の言葉とは思えんな」 呆れたように大樹は言うと、娘を置いてベッドに戻った。 「ふふ、なんだかんだ言ってパパは甘いんだから……」 母親は妖艶な笑みを浮かべ、火照った小柄な体を夫に見せつけた。 男は手を伸ばしてかすかな膨らみを揉みしだき、妻を喘がせる。 「あんっ……大ちゃん、いいわ……」 その様子をベッドの横から見上げ、愛理は面白そうに言った。 「お姉ちゃん、気持ちいいの?」 「うん……見れば、わかる……でしょっ……」 「へえ、小さくても感度はいいんだ。 あたしの胸、ずっと小さかったからお姉ちゃんが羨ましかったの」 「それなら……今度は、ちゃんと、う、おっぱい……育てなさい」 目を細めて熱い息を吐いて、母は娘に言い聞かせた。 男は欲望を秘めた目で真理を見つめた。 「愛理……俺、もう……」 「我慢できないの、大ちゃん? もう、困った人ね……」 「思ったけど、大樹さんって意外と根性ないよね。 お姉ちゃんもよく結婚したねえ……」 「うるせー馬鹿娘。黙って見てろ」 父は愛理を叱りつけ、真理の中に猛りきった肉棒を突き入れた。 ――ヌプヌプヌプ……ズチュッ……。 既に程よく濡れていた膣は、あっさりと夫のものを受け入れる。 「ああ……大ちゃん、熱いぃ……!」 「くっ……こっちもきつい……すっげーよく締まってるよ……」 子持ちの真理の膣は相変わらず狭く、大樹をきつく締めつけてくる。 その様子を幼い愛理は、這い上がったベッドの上から眺めていた。 (うわ……大樹さんが、あたしの体を犯してる……) 自分が死んでから幾度も繰り返され、今の自分がそれで生まれてきたというのに 愛理は両親の交わりを新鮮に感じて興奮してしまうのだった。 大樹は軽い妻の体を押さえつけ、激しく腰を前後させた。 ――ズチュッ、ズッ、ズッ……! 「んああ……大ちゃん、大ちゃあん……!」 「愛理、気持ちよさそう……すっげー可愛い顔してる……」 「やああっ……大ちゃん、そんなこと言わないでぇ……」 「大樹さん、それあたしの顔だってば~」 横で雰囲気をぶち壊しにする娘を無視し、大樹は真理を犯し続ける。 童顔の妻は、彼の硬い陰茎に膣をえぐられ何度も喘ぎ声を漏らした。 両親に無視された形の愛理は、仕方なく黙って二人の性交を眺めている。 (うわ、激しい……でもお姉ちゃん、すっごい気持ちよさそう……) 姉の心が入った自分の体が、目の前で憧れの男性に抱かれている。 自分が望んでこうなったとはいえ、やはり羨ましく思ってしまう彼女だった。 今の自分の幼い体を見おろし、ついため息をつく。 (あたしがこんなことできるのは……まだまだ先ね。 あと十年以上待たないと……うう、お姉ちゃんはいいなぁ……) 入れ替わった愛理が死んで十年。その間に真理と大樹は夫婦となっていた。 やがて、二人の間に一人の女の子が生まれたのだが、 その乳児は小さな手を必死で動かし、虚空に文字を書いて両親に知らせた。 「あたしは真理です」と。 大樹と真理は大喜びでこの赤子に愛理と名づけ、大事に育てている。 愛理の方も幸せそうな両親の姿に心が満たされ、娘として甘えている。 死の別れを覚悟したはずの二人とこうして再会できたのだから、 彼女の感慨もひとしおだった。 ただ、死ぬ間際に聞いた少年の言葉が、彼女の心の片隅に残っている。 “いつか真理ちゃんそっくりの心を誰かに植えつけてあげる” それが今の自分であることは明白だった。 ではやはり今の自分は真理ではないのか。自分を真理だと思い込んでいる赤子なのか。 それとも本物の真理は、大樹の妻になった目の前にいるこの女なのか。 誰が死んで、誰が生まれ、それとも誰かが生き返ったのか。 自分で考える話としてはあまりにも複雑で、扱いかねるものだった。 (あたし……誰なんだろ……?) その疑問を胸に抱いて、幼児は裸の両親を見つめている。 大樹は妻の中をえぐり、膣を肉棒でゴリゴリ擦りあげている。 二人の体格差はかなりのものがあり、はじめのうちは自分のものを この小さな少女が受け入れられるのかと心配したものだった。 しかし今では二人の体の相性も良くなり、無事子供も出産している。 淫らな音をたてる女性器を激しくかき回し、彼は真理を叫ばせた。 「ああ――いいっ !! いいよぉっ !!」 「俺も最高だよ、愛理……すっげーいい……!」 パンパンと腰を突き上げ、奥の奥、子宮の入口を刺激する。 真理は全身を震わせ、愛する夫との交わりに喜んでいた。 「はあぁっ……! そこ、もっとしてぇぇえっ!」 妻に乞われるまま、大樹が膣内をこねくり回す。 あまりの母の乱れように、愛理はごくりと唾を飲んでしまった。 その表情は興味半分、羨望半分といったところか。 やはりこれは教育上よろしくないな――と、大樹は意識の隅で思った。 「あんっ! あひ! あひぃぃっ !!」 よだれを垂らした真理が体を揺らして喘いでいる。 激しく動いても乳房の一つも揺れないのは大樹にとっては残念だったが、 だからといって妻の魅力が損なわれるということは決してない。 彼はいよいよ真理を絶頂に導くつもりで、思い切り陰茎を突き動かした。 「あああぁっ !? それ――だめぇぇぇっ !!」 「イッちまえよ……愛理!」 「ひゃあぁぁあぁんっ !!!」 彼女は海老のように背を反らし、白目を剥いて意識を飛ばした。 ――ビュルルッ !! ドプゥッ !! またしても子宮に熱い汁が注がれ、真理は小さな体を痙攣させた。 大樹が満足そうに息をついて、萎えた肉棒を妻から引き抜く。 その拍子に溢れた子種と汁が漏れベッドを汚した。 「ふうぅ……」 「……二人目できそう? 大樹さん」 「さあな。真理は弟と妹どっちが欲しい?」 真っ赤な顔でこちらを見やる娘に、大樹はそっと笑いかけた。
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約一ヶ月の住み込みでの夏期集中家庭教師。 この依頼に京子が飛びついたのは報酬額はもちろんだが、このような高報酬、しかも住み込みでの集中という特殊な条件での依頼主の場合、結果如何によっては太いコネができることを期待してのことだった。 今年で20代後半に入るきょうこにしてみれば、この後家庭教師を続けるにしても、別の職を見つけるにしても、富裕層へのコネは今のうちに作っておくに越したことはない。 仮契約を済ませたところで、京子は、その場所が避暑地…どころかかなり人里離れた場所であることをしった。 これはますます期待と奮闘を前提にすべきかもしれない。 この夏の結果次第によっては、この後数十年の収入の桁が変わってくるかもしれないのだ。 住み込みとはいえ、1ヶ月しかも人里離れた場所となれば準備もそれなりのものとなる。 旅行用トランクに大きなボストンバッグ、リュックサックに+手提げ2つという引っ越しかと思わせる様な格好で、比較的近くの駅に降り立った京子を出迎えたのは、どうみても高級車、どこからみても高級車。 「お迎えにあがりました。」 名前を確認するより早くそう言われてしまい、おそるそおる乗り込んだ先の車の運転手はこの暑さにかかわらず一分の隙もなくしっかりと着込んでいた。 車のグレードにくわえ、それに劣らぬ運転手の仕様。 京子は、自分の予想以上の富裕層に関わりをもったことをしって身震いを禁じ得なかった。それは車内に効きすぎているエアコンのせいだけではないだろう。 道路はすいていたとはいえ、目的地につくまで30分ほどかかった。かなりの部分が坂道だったとはいえ20㎞は走っただろう。 周囲の景色、そして車から降りた時の空気の涼やかさと草木の香りからかなり高い位置まで登ってきたことに気づく。 しかし、目の前のそそり立つ建物に京子は圧倒された。 ちょっとした市営アパートに匹敵する大きさの建物。しかも外見はどうてみても木造。 中身は鉄筋コンクリートだったとしても、こんな場所にこれだけの建物を建てられるというだけでその資産は想像するに容易い。 そんな京子を出迎えたのは、中年の男女2人。 一瞬、ここの管理人…こんな立地条件なのだがから十中八九別荘だろう…と思った京子だったが、その2人の外見…身なりも含めて…が庶民とは思えないことに気づく。 ということはこの2人は依頼人…これから自分が教師を受け持つことになる生徒の両親…夫妻と言うことか。 京子が判断しかねているうちに、2人の挨拶が答えをだしてくれた。 おかげで、京子も第一声と挨拶に関しては無礼を働かずに済む。 「いや、助かりましたよ。こんな場所に加え、1ヶ月とはいえ住み込みでの家庭教師ですから。なかなか引き受けてくれる方がいなくて。」 中年夫婦のうち、男性の方が、京子の中の小さな疑問に応えるように説明する。 「貴方、それより…」 女性の方が心配げに口を挟む。 「そ、そうだな…先生、まずは生徒…まずは、私達の娘に会ってももらえませんか。そうすれば色々とわかってもらえると思えますし。そうすれば、ここまでが仮契約ということも話分かってもらえると思えますし。」 その言葉に京子は、駅につくまで感じていた不安をより一層強く感じることになったが、ここまできたら引き返すこともまた困難であることを承知していた。 京子が案内されたのは建物の最上階の一室だった。 男性がドアノブに手をかけた瞬間、京子はこの階に脚を踏み入れた時に感じた違和感を理解した。 中に人がいるはずなのに存在感を感じない。 眠っているならともかく、そこに人間がいればなんらかの物音や気配、そういったものを感じる。例えば、そこに人がいれば出入りの際の痕跡が入り口や通路に残り、それが無言の存在感となっているはずなのに。 中にいるのはもしや そんなイヤな予感を覚えつつ、 開けられたドアを促されるままに通りすぎた京子が最初にみたものは、子供っぽい部屋、その奥に置かれたベッド…そしてその上で眠っているかの様に目の閉じた少女…年齢は7,8才だろうか、まだ10才より下ではあることはまず間違いない。 「え…あ…こ、この子って…」 眠っているに関わらず、美しく整った顔立ちをした可愛らしい少女だった。 こんな時でなければ抱き上げて頬ずりしたくなるところだろう。 「ちょっとまってください?もしかして、この女の子…」 京子の質問を、夫妻は最後まで続かせなかった。 男性側の手が少女の頭にかかる。 そこで、京子は眠っているかのような女の子の頭がおかしいことに気づいた。 彼女は横になって眠っているいる。にも関わらず彼女の頭は地面に対して限りなく垂直に近い状態に立っているのだ。まるで眠っていると言うより全身で立っているかのような状態だ。 「みてくだい。」 そういうと男性は、その右手で掴んでいる娘の頭をゆっくりと持ち上げた。 鍛えられた男性の力なら、そのまま身体まで持ち上げることもできるかもしれない。 しかし、その時持ち上がったのは、その少女の頭だけだった。 京子が悲鳴をあげなかったのは奇跡に近かった。いや奇跡がその前に起こってしまったから悲鳴どころではなかったのかもしれない。 男性で手で持ち上げられている少女の頭と、ベッドの間には、少女の身体はおろか、その他の何も見あたらない。 確かに手品などなら、こういったトリックを用いることができるかもしれないが、家庭教師依頼で自分を呼んだ夫婦がこんなことをする理由が見あたらないl。 「ちょ、ちょっとまってください。こ、これって一体なんなんです?!」 たまらず京子は疑問混じりで叫ぶ。 こんなことなら、クレーマーモドキの両親と我が儘な子供につきあった方がまだマシというものだ、 「もうしわけありません。最初に一番重要な部分をみせた方がいいと思ったのですが。」 そう応えながら、男性は、娘の頭をベッドの上に戻した。 「とはいえ、貴女ももうお分かりなのではないでしょうか。」 男性のその言葉に京子は背筋が震えることを禁じ得なかった。 「あ、申し訳ありません。私達は、貴女の秘密を利用して貴女を脅そうというわけではありません。しかし、貴女でなければできないそのことについて手伝ったもらいたいだけなのです。」 「ここまできたらズバリ切り出した方がいいですね。ろくろ首、飛頭蛮、あるいはデュラハン、その言葉の意味することを貴女は知っていますね。」 具体的な言葉がでたことによって、京子の震えはますます大きくなる。 「彼ら」は間違いなく自分の事を知っているのだ。 「か、勘違いしないでください。私達もまた貴女の同族ですよ。もっとも傍流である私達にはもうそんな能力は失われていますが。」 「傍流?失われている?じゃあ、この子は?」 「傍流だとしても、先祖返りなどで時たま能力をもった子が生まれることがあります。たまたま、この子がそうだったわけですが。」 「なるほど…先祖返りね…え、でも、首が離れているということは…まさか!?」 「そう、そのまさかです。私達も、傍流ということでこの子にそんな能力があるとは思ってもいませんでした。そして気づいた時にはもう手遅れに。」 「そういうことだったんですね。」 自分にも起こったかもしれないそのことを反芻しつつ京子は頷く。 「しかし、それなら、この後どうすべきかわかっているはず。なのに、なんでこのまま?」 「ええ、私達も傍流とはいえ、万が一の時の対策は教わっています。念のため、本家にも助けを求めました。しかし、ここで傍流であることが災いとなって。」 「傍流の災いということは…」 「ええ、傍流であるが故に様々な血が混ざり合ったことで、本家に伝わる方法ではもはや対処のしようがなくなっていたのです。今私達ができることといえば、本来なら頭が離れたままでは翌日の夜明けには失われる命を引き延ばすだけです。」 「なるほど。そういうわけで私を呼んだわけなんですね。けどちょっと待ってください。確かに我が家は多少本家に近い血筋ですが、こんな特殊な状況に対応できる能力も知識もありませんよ。」 「失礼は承知でいいますが、そのことは分かっています。私達が求めているのは貴女の体質とでもいうべきものでして。」 「体質?私にそんなものがあるなんて聞いたこともありませんが。」 「最後まで聞いてください。 そもそも娘がこんなことになったのは、ろくろ首のルール。一度、胴体から離れた頭h夜明けまでに胴体に戻らないと、そのまま元にもどれないどころかそのまま死んでしまう。 それに抵触したせいなのです。際どいところで娘は死こそ免れたものの頭と胴体は離れたまま、そんな状態が続いています。 しかし、これは延命処置に過ぎないわけです。このままでは、頭部がなく食物の補給が受けられない身体、身体がなく栄養の補給が受けられない頭。遠からず2つとも死を迎えることになります。」 「え…でも、それをどうやって?しかも私が?」 「ええ、その件に関して私達本家は元よりあちこちの分家の資料を求めました。そしてどうにか助けになりそうなものをみつけたのです。 本来の頭と胴体がくっつけあえなくなったろくろ首、その時、別のろくろ首の頭がその胴体にくっついて、代役を務めることができるということを。」 「え、そんなことができるんですか…あ!え!?も、もしかして、あ、ああ、あたしにそれやれと?」 「そうです。私達は傍流であるが故に、頭と胴体を切り離すことはできません。例えできたとしても、頭と胴体にはある種の相性があるため誰でもいいというわけではないんです。 貴女をみつけるのに実に2ヶ月以上かかりました。これ以上、たてば娘の身体はもうもたないかもしれません。」 「だ、だからといってあたしは家庭教師としてここに来たんです。ろくろ首の正体はともかくとして、そんなことに巻き込まれるなんて。」 「ここまで騙した同然に説明不足だったことはお詫びします。しかし、ろくろ首とという存在を広く知られるわけにも行かない以上、ぎりぎりまでお話するわけにもいかなかったわけですから。」 男性の説明は不満はあるが納得がいくものだった。 自分達がろくろ首という存在であることが世間にばれれば、よくて差別。悪ければ内乱か戦争が起こりかねない。 そのための用心はしすぎることはない。 「事情はわかりました、でも引き受ける引き受けない以前に、いつまでもあたしが、その子の胴体にくっついているわけにもいきませんよ。あたしにもろくろ首のルールは適用されるんですから。」 「そのことも分かっています。幸いと言うべきか、本家筋でかなり有効そうな方法が見つかって、娘はなんとか助かりそうなんです。 しかしそれがはっきりするまでまだ時間がかかって…その間だけでも娘の身体がもてば。それに1ヶ月間、娘の身体に栄養がまわれば、その後半年は身体がもつんです。そのために協力して欲しいんです。」 その言葉に京子は落ち着いて考え直した。 この娘が自分とおなじろくろ首であることは間違いない。 そして彼女は命の危機に瀕している。 同族であることはもちろん、まだ小さな存在を守りたいという思いが京子の心をくすぐる。 ろくろ首が、別人の胴体にくっつけるという話は初耳だったが、そもそも胴体から首が離れるということ自体眉唾だけに、そんなことができても不思議ではない。 それでこの娘が救えるならやってみる価値があるかもしれない。 そんな京子の考えを見透かしたかのように男性が話しかけてきた。 「もちろん、タダで…どころか、最初の家庭教師の報酬だけのつもりはありません。金額だけの問題ではありませんが、家庭教師の報酬の十倍、いえそちらが望むならもっと…」 金額だけの問題ではないにしろ、収入が十倍というのは心が揺らぐ。 結局、京子は引き受けることとなった。 報酬もさることながら、事情を聞いた後では、こんな小さな女の子を見捨てるわけにもいかない。 「あ、ありがとうございます!」 男性は涙を流さんばかりに、女性の方は人目を憚らず涙を流しながら、京子の手を握った。 数十分後、三人はあの少女の寝室にいた。 「分家とはいえ事情は分かっていると思いますけど、充分に気をつけてください。もし貴方達が娘可愛さに何かおかしなことをすれば本家は何もしないわけにもいかないですし。」 そう脅し混じりに説明しながら、京子は、ベッドの脇におかれた大きめの椅子のゆったりと腰掛けた。 未成年の頃を面白半分に何度もやってきたが、最近ではちょっとご無沙汰だっただけにコツを思い出すのにちょっと時間がかかったが、まもなく首から下の感覚がなくなるあの状態。 視線を下に向ければ、椅子に腰を下ろした「首ナシの自分の身体」が見えた。 そのままゆっくりとベッド上に「頭」を移動させる。 既に少女の頭は移動済みなので、胴体の首はみえる位置にある。 他人の身体との接合は初めてだけに京子の「首」の動きもどうしてもゆっくりと慎重になる。 (やめた方がいいんじゃないか。) そう思いかけた時、すぐ脇で、心配そうに、自分と娘の胴体を見守る夫婦の姿に気づいた。 ここまできた以上やめるわけにもいかない。 プール開きの時のまだ冷たい水に意を決して脚を入れる思いで京子は最後の十センチの高度を落とした。 自分の分離面と、少女の首の分離面とが触れあう感触。 しかし、それも一瞬のこと。 不意に消失していた身体の感覚が蘇ってくる。 京子は、今の自分の横になり、身体には軽い布団がかかっているという状況を認識した。 おそるおそる視線を横に向ければ、そこには自分の身体…頭のない身体がもたれるように椅子にこしかけていた。 つまり今感じている手足の感触は、本来の自分の身体のものではないということになる。 慎重に両手の指を握りしめてみると、いつもとは少しだけ違う感触。 どことなく力が弱く、そして小さくて短く柔らかな指の感覚。 肩や腰に意識を向けてみれば、起きあがるのに苦労はいりそうにない。 それでも、これがあの少女の身体だとしたら、自分のものとは勝手が違うだろうし、しばらくの間寝たきりだったことから筋力もそれなりに落ちているだろう。 まず両手両腕に力を入れると、ゆっくりと上半身を起こした。 かかったいたのは軽い羽毛布団だったらしく、思ったよりすんなりと起きあがる、今の京子の上半身。 布団が身体からずり落ちて、フリルとリボンがふんだんに使われた少女趣味が強いこと一目瞭然のネグリジェを着ていることが分かる。 と同時に京子は、今の自分の身体が間違いなく少女の身体、本来の自分のモノより明らかに小さくなっていることを実感した。 ゆったりしたネグリジェに包まれているとはいえ、それは明らかだ。 すっかり短くなって両腕、少し袖口に隠れてしまっている両手もまた小さく、そこから伸びる指も、如何にも子供の様な短く柔らかそうなものとなっている。 そして、なにより確実なのは胸の起伏の消失だ。 巨乳というほどでもないが、平均+α程度はあったバスト、胸の膨らみが無くなっていることは、ネグリジェのフリルに邪魔されていてもはっきりと分かる。 試しに胸に手をあててみれば、布地越しにアバラの感触。 ろくろ首同士とはいえ、他人の身体に頭をくっつけるなどということができるか、半信半疑の部分は多かったが、こうして、自分のものではない身体を自分の意志で動かしているという現実を目の当たりにしては信じるしかない。 「でも、こんなことが本当にできるなんて…ん」 ふと呟いたところで、京子は別の変化に気づいた。 声がいつもと違う。聞き慣れた自分の声とは何か違う。 と、その理由に気づく。 人の声は、声帯や顎の作りだけではなく、肺活量、肺や胸から喉にかけての筋肉などにも影響を受ける。 首から下は小学生の女の子の身体である以上、大なり小なり、声もまた影響を受けるのは当然だろう。 「う、上手くいったんですね?」 心配そうに見守っていた両親…男性の方が声をかけてくる。 「ええ、接合は上手くいったみたいだし、上半身…腕とかは問題なく動きます。立ち上がって歩き回っても大丈夫か、今から試してみます。」 そういいながら、かかっていた羽毛布団を完全に剥ぎ取ると、京子はベッドに腰をかけるような姿勢をとった。 ネグリジェの裾から細い脚と小さな足が覗く。 こんな小さな足で立てるか、ちょっと不安もあるが、脚が思う様に動かず立ったり歩いたりできないということになれば、他人の身体との接合には問題があるということになる。 そうなれば、京子はもちろんこの少女にもどのような悪影響がでるか分からないだけに、問題がありそうなら早めに確かめておく必要があった。 腰の脇でしっかりとベッドに手をつくと、両方の足の裏もまたしっかりと床につける。 毛足の長い絨毯の柔らかな感触。 脚と足へ力を込めてみれば、それなりの手応えというか足応え。 これなら立ち上がるのには問題はなさそうだ。 両手で上半身を浮かす様にして、京子は、少女の身体で立ち上がった。 腰がベッドから浮き上がる。 とはいえまだ両手はベッドについており、脚だけでたっているとは言い難い状態だ。 まずは左手を放してみる。 問題ない。 続いて右手もベッドから浮かせる。 と バランスをくずしかけ、前のめりに倒れそうになる。 慣れない身体ということもありバランスを取り戻すことができない。 だが際どいところで、体勢を整える。 背筋を伸ばし、両腕両脚を少し広げることで安定性を高めてみれば、その後は意外とすんなりと立っていることができ、やや摺るようではあるが、歩くこともできた。 「足腰も大丈夫みたいですね。後は、身体の感触になれてくれば、もっと安定すると思います。」 京子の説明に、少女の両親は、安堵のため息を吐いた。 「催促するようで申し訳ないんですけど、もう少し動きやすそうな服を用意してもらえませんか。この後のことを考えると、早めにこの身体に慣れておきたいですし。こんな格好だと動きにくくて、怪我をしてしまいそうですから。」 パジャマ派だった京子にしてみれば、ネグリジェというのはかなり落ち着かない。 母親は跳ねるようにして部屋から飛び出していった。 「服が用意できるまで、座ったまたせてもらいますね。」 そういうと京子はベッドに腰を下ろす。 「うまくいって本当によかった。これで当面の間ですが娘の命の心配はなくなりました。本当に有り難うございます。」 父親は今では奔流のように涙を流していた。 「こんなことができるかどうかあたしも心配でしたけど、うまくいってよかったです。ところでこの後のことですが。」 「え、あ…あ、はい。そのことですね。打ち合わせ通り、準備はしておきました。頭が離れている間、貴女の身体を保護しておく部屋は用意してありますし、その身体に戻るまでと戻った後の準備も整えてあります。」 「それだけはお願いしますね。ろくろ首は、夜明け前までに本来の身体にくっつかないと死んでしまうわけですから。」 ろくろ首は、一度頭を身体から離した後、夜明けまでにくっつかないとそのまま死んでしまう。 これは紛れもない事実だった。 人の頭が胴体から離れて飛び回ること自体、おかしな話とはいえ、あまり長時間、離れていれば死んでしまうのはある意味道理が通っている。 原因は不明だが、頭も身体も仮死状態でどうにか死を免れているこの少女は例外中の例外というべきだろう。 京子も、「もしできたとしたら」という前提の元、少女の胴体に自分の頭をくっつけるという作業に関して、安全策をいくつも設けさせてもらっていた。 短いとは言えない間、頭がないままの胴体が弱っていることは確実だった。 それを回復させるには、1日や2日ではとても間に合わないだろう。 「家庭教師」としての契約期間である1ヶ月ぐらいはかかっても不思議はない。 とはいえ、京子も1ヶ月の間、ずっと少女の身体にくっついているわけにもいかない。 夜明け前までに自分の身体に戻る必要があるのはもちろん、ずっと離れっぱなしでは今度は京子の身体の方がまいってしまう。 そこで次のようなシフトが組まれることになった。 まず、京子は自分の身体で起床、朝食をとる。その後、少女の身体に移行し、再度朝食をとる。日中はそのままリハビリ、昼食、そして夕食後、京子本来の身体に戻り、再度夕食、そして自由時間、就寝。これをほぼ毎日繰り返すことになる。 これならば、夜明け前というタイムリミットに引っ掛かることもなく、また本来の肉体も動かせるので健康面の問題もない。 また京子は、自分の頭が離れた後の身体の管理も入念にお願いしていた。 頭が離れた後の身体は、ある種の仮死状態にあり、新陳代謝が極度に落ちる為、丸一日ぐらいなら食事の必要もなく排泄もない。 だが、離れている状態では、その身体に何が起こっても、京子には何も分からない為、それこそ病人を扱うのと同じくらい、管理が不可欠なのだ。 火事などの事故はもちろんのこと、新陳代謝が落ちているということは汗もかかないということになる。 つまり気温があまりにも高くなった場合、汗がでないため体温があがりすぎて、熱中症になってしまう可能性が高い。一方、体温の維持能力も落ちているので冷房のかけすぎもまた危険だ。 時折、京子自身が確認にいくとはいえ、四六時中みていることも困難である以上、しっかりと管理してくれる設備が必要だった。 他人の身体との接合に成功したという高揚感も数分後にはかなり消え失せ、京子は、接合直後とは異なる視点で今の自分の身体をみつめることができるようになっていた。 改めて首から下が7歳の少女のものになっていることを確かめると何とも言えない不思議な気持ちがする。 数分前まで、れっきとした成人女性だっただけに尚更だ。しかも視界の隅に自分の身体を捉えていることもあって。 一時的とはいえ、こんな身体で生活すると言うことに一抹の不安を感じる自分を抑えきれない。 と、そこに母親が着替えをもって戻ってきた。 フリルだらけのネグリジェだっただけに、やはりフリルやリボン、レースなど装飾過剰なワンピースでももってくるのではないかと不安はあったが、動きやすい服という意味を理解してくれたらしい。 キャミソールにノースリーブのパーカー、そしてデニム地のミニスカート。それにスニーカー。 夏のアクティブ少女の服装といった感じのコーディネイトだ。 着替えを受け取った京子はネグリジェに手をかけたところで、父親がまだ室内にいることに気づく。 「あの…できれば着替えの時は外に…身体は娘さんのものかもしれませんが、あたしとしてはそういう割り切りはできないものですから…」 「あ、こ、これは失礼…」 顔を赤らめながら、男性は廊下に出て行った。 「あの…私は残っていてもいいでしょ?女同士だし、慣れない身体での着替えには手伝いがあった方がいいと思うの。」 先にそう言われてしまっては断るのも難しい。 小さく頷くと、京子はまずネグリジェを脱ごうと布地の手をかける。 と、早速手伝いが必要となってしまった。 当然のことだが、成人女性と7歳児では、腕のリーチが全く違いすぎる。 実際の腕の長さ以上に、その差を完全に理解していないため、手が思う様な位置に届いてくれないのだ。 しかも、このネグリジェは背中のホックを止めるタイプのため、それを外すことに四苦八苦するハメとなった。 「大丈夫かしら。ちょっとまってね。」 女性はそう呟きながら手を伸ばすと、ホックを慣れた手つきで外し始める。 ゆったりした造りのネグリジェとはいえ、背中が大きく開くとそれなりの開放感。 思わず、安堵にも似た息を吐いてしまう京子。 そのネグリジェを脱ぎ、身につけているのはパンツだけという姿になると、それまでとはやや違う意味で今の自分の身体が子供のものとなっていることを実感する。 手足がすっかり短くなっていることはともかくとして、胸の膨らみは全く存在しない。 色も薄く小さな乳首、触らなくても陰影でそれと分かるアバラ、ぽってりと膨らんだお腹、子供用の下着がそれを更に強調している。 モデルやグラビアアイドルほどではないにしろ、バストサイズも含めてスタイルに関しては人並み以上の自信をもっていた京子にとって、このような姿になったことは少なからず自尊心を傷つけられるものだったし、羞恥心を刺激されないわけにもいかない。 裸のままでいるとただ情けなくなるだけなので、さっさと着替えてしまおうと、まずキャミソールに手を伸ばした京子は、それが新品であることに気づいた。パーカーにスカート、靴下にスニーカー、いずれも新品だ。 一瞬考え込んだ後、京子はこの母親あるいは両親の気持ちを理解した。 子供に死なれた親は、その子が生きているつもりで、衣服やら学業用具を買い揃え続ける場合も多い。 しかも、今回の場合、この少女はまだ死んではいないのだ。 いつ目が覚めてもいいように、季節毎に衣服を新たに買い続けていてもなんら不思議ではない。 当然のことながら、衣服はいずれもぴったしだった。 「まあ、よく似合うわ。」 女性のその言葉が、自分にというより「娘」の身体に向けられたものであることに気づかないほど京子は鈍感ではなかった。 (うーん、父親はともかく母親のこの態度、後で厄介なことになるかも。) 再び一抹の不安を覚えながらも、ここまできたら、引き返すわけにもいかない。 数日は様子見、そしてこの母親には、自分は娘とは違うことをそれとなく理解して貰える様促していく様にしないと。 頭がつながっていない、いわば仮死状態が長く続いていただけに、この身体はかなり弱っているようだ。 着替えただけにもかかわらず、体育の受業直後のような疲労感がある。 ゆっくりとベッドの上に腰をおろした。 「着替えは終わりましたから、入ってもかまいません。」 廊下で待ち焦がれているだろう父親のことに気づき、声をかける。 ドアが少しだけ開き、男性が顔を覗かせる。 「おお」 小さいながらも感嘆の声を漏らしながら男性は部屋に入ってきた。 「ぴったりじゃないか。これは良かった。」 どうやら、父親の方も自分のことを娘としてみている部分があるらしい。 まあ、無理はないことだが。 「とりあえず、今日は夜まで、この身体で過ごしてみますね。実際に動いてみないと気づかない点も多いですから。ところで、この建物の中で注意した方がいいところとかありますか。特に、子供だと危ないところとか。」 「そ、そうだな…キッチンとか以外ならそれほど危ない場所はないはずだ。多少階段は急かも知れないが、手摺はあるし、窓とかベランダも手摺りは高めにしてあるから落ちる心配はないと思う。 ただ、ここはかなり山の奥だから、建物から離れると、あちこちに危ない場所があるかもしれない。」 「そうですね。この身体でいる時は、一人で外には出ないようにします。」 とそこで京子は不意に空腹感を覚えた。 長らく失われていた頭部が他人のものとはいえ戻り、仮死状態から復活したことで内臓の動きも活発化しつつあるようだ。 くぅ 可愛らしい、腹の虫の鳴く音。 思わず京子は顔を赤らめた。 「あらあら、ちょっと早いけどお昼にしましょうか。」 破顔しつつ、そう提案する母親。 「え、ええ、そうですね。でも注意してくださいね。 この身体の方は、長い間絶食のような状態だったんですから。胃とか内臓に負担がかからないようなものをお願いします。」 用意された料理は、薄目のコンソメスープに、かなり薄め、重湯のようなお粥だった。 それなりの空腹感はあったものの、小さくなった手をまだ思う様に動かせないこともあって、小さな食器に盛られていたにもかかわらず、半分ほど食べたあたりでもう満腹感に近いものを感じてしまう。 「あの…ごちそうさまでした。」 「おや、もういいんですか。」 「はい、まだこの身体に慣れていないこともあるし、それに今の時点では食べ過ぎは危険ですから。」 食事の後、京子は、2人に付き添われながら、建物の中を歩いてまわることにした。 リハビリとしてこの身体を動かし慣れるという意味の他、この身体で危険そうな場所を事前に確かめておこうという意味もある。 しかし、一緒に歩いてみると、歩幅の違いから、いつのまにか引き離されてしまう。 「あ、申し訳ありません。」 2人は立ち止まり京子が追いつくのを待つ。 「なんでしたら、今日は私がオンブでもしましょうか。」 「い、いえ、何はともあれ身体を動かさないことには始まりませんので。」 しかし、この建物は別荘であるにはかかわらず、かなり大きかった。 1階を全て回るだけで、京子はマラソンの後の様に疲れ切ってしまう。 「ちょっと、休憩しましょう。今日中に全て回らないといけないわけでもありませんし。」 「そうね。お茶にでもしましょうか。」 まだ胃腸の具合は完全に復調していないだけに、スイーツがつかないお茶だけというのはかなり寂しかったが、休憩したことで多少京子の体力も回復した。 2階へ向かう階段。 いうほど急勾配ではなかったものの、7歳の身体その脚では、それを登るのも少々大変というか、大人の身体とでは違う脚の動きが必要であり、それを思い出すのに少なからず時間を必要とした。 思いだしたのは結局階段を登りきった後のことだった。
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作品名:魔法少女育成計画 使用者:カシキアカルクシヒメ(= ピティ・フレデリカ) 魔法少女育成計画に登場する能力。 転移能力を持つ魔法の水晶玉を生成・操作する。 能力についての詳細魔法の水晶玉 空間跳躍 自動防御 反撃 使用者との関連性新しき肉体 元ネタ? 関連項目 関連タグ リンク 能力についての詳細 魔法の水晶玉 自由なサイズの水晶玉を作り出す数は最大で五〇までで浮遊し使用者の意に沿って動く。 空間跳躍 水晶玉にモノを吸い込み、別の水晶玉から吐き出せる吸い込まないという選択も取れるため弾丸や空中の足場にも使える。 水晶玉に物を吸い込み、別の水晶玉へと移動させる魔法。なにかが飛び出してくるか、 それともフレデリカの側から放り込むのか。使い道は多そうだ。警戒しておくに越したこ とはない。数は五十まで増やすことができるが、増やせば増やすほどにコントロール力を 失う。繊細な動きをさせるなら精々五つまで。 (*1) 自動防御 反撃 自動的に飛び道具を受け止め、相手へ返す使用者が操作するわけではなくオートで行う。この機能自体はオン・オフが可能。 水晶玉は飛び込んだ物を吸い込み、別の水晶玉から吐き出す。フレデリカに放たれた物 はオートで受け止めるよう設定されているためそちらに気を配る必要がなく、格闘戦に集 中できるというのがいい。フレデリカが元々持っていた魔法に比べてごくシンプルだが、 初見殺しとしては素晴らしい効果を発揮する。(以下略) (*2) 使用者との関連性 新しき肉体 現身に限りなく近い肉体で得た魔法魔法が成長したり、別の魔法少女と合体して得たわけでもないためかつての魔法は使えない。羊飼いが泉の女神の魔法を上手く使えなかったが使用者は上手く使えるようだ。 元ネタ? 橿木(もちのき) モチノキ科モチノキ属の植物の一種。和名は樹皮から鳥黐(トリモチ)が採れることに由来する。 モチノキは花粉を受粉しなくても種子を形成し、果実まで成熟することができる能力がある。 阿加流比売神(あかるひめのかみ) 日本神話に登場する神性。女神。 名前の「阿加流」は「明る」で「色美しくつやのある(女性)」を意味すると考えられる。 『古事記』において新羅の王子である天之日矛(あめのひぼこ)が手に入れた白い石から生まれ、彼の妻となった。 『日本書紀』では女性の陰部に陽光が照らされて出てきた赤い玉から生まれたと言われている。 櫛名田比売(くしなだひめ) 日本神話に登場する神性。 女神。 神話においてヤマタノオロチの生贄にされそうになっていたところを、スサノオにより姿を変えられて櫛になる。 スサノオはこの櫛を頭に挿してヤマタノオロチと戦い退治する。 関連項目 水晶玉に好きな相手の姿を映し出すよ 使用者の前の魔法。 関連タグ 武器 水晶玉 空間跳躍 能力 自動防御 魔法少女育成計画 リンク Wikipedia モチノキ Wikipedia 阿加流比売神 Wikipedia 櫛名田比売
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名前:エリウッド・レキシーム □基本データ 【コロナ】光翼騎士 【ミーム】○テオス/フォーリナー 【ブランチ】○ネチェル/切り札 【経験点】0 □能力値 【能力値】 肉体:9 技術:12 魔術:1 社会:11 根源:3 【戦闘値元値】 白兵:8 射撃:8 回避:5 心魂:5 行動:11 【戦闘値修正値】 白兵:15 射撃:8 回避:5 心魂:5 行動: 10 【HP】 元値:72 修正値:117 【LP】 元値:6 修正値:6 □宿命/特徴/闘争/邂逅 宿命:造られし者 特徴:人工生命 特徴効果:自分が判定のダイス目を1つ6に変更できる。1シナリオ1回まで 闘争:離別 邂逅:恐怖(デキムス・フォン・ザイツバッハ辺境伯) □初期パス デキムス・フォン・ザイツバッハ辺境伯からの恐怖 □特技 【コロナ】光翼騎士 光翼の盾 自動/常/なし:貴方の受けるダメージは、-「手札の内ソフィアの合致しているフレアの枚数×10」される。 銀の守護者 自動/At/なし:攻撃判定の直後に宣言する。攻撃の対象を貴方に変更する。またこの特技取得時点でHP+50される。 きらめきの壁 自動/At/F1枚:貴方の居るエンゲージに行われた範囲攻撃の対象を貴方一人だけが対象に変更する。 【ミーム】テオス/ネチェル スターファイター 自動/常/なし:スターファイターを所持している。またこの特技取得時点で社会が+2される。 ミーティアーワルツ 自動/At/2HP:攻撃、避け、突き返しの判定前に使用。達成値に+技術する。1ターンにLV回使用可。スターファイターを装備していないと使用できない。 身体小型化 自動/常/なし:行動値に+社会する。 【ミーム】フォーリナー/切り札 絶対武器 自動/常/なし:アエロブレードを選択。基準と属性を根源とする。 無限の武器庫 自動/常/なし:絶対武器と同名の武器を全て絶対武器として扱う。また指定された武器をオートで装備できる。 【一般】 柳落し 白兵/Ra/なし:白兵+5で回避判定する。その際、右手か左手のどちらかの装備を解除する。「右手」「左手」に素手以外の武器を装備していないと使用できない。 □装備・アイテム 右手:アエロブレード/白兵(剣)/ダメージ:根源×3+2d6/行動-6 白兵+2 絶対武器&無限の武器庫指定 左手:超電磁ネット(ネット相当)/白兵(ムチ)/ダメージ:肉体+2d6/行動-6 白兵+4 防具:テオス軍服/防具(胴部)/HP+25/行動+-0 その他:戦術支援AI/その他/白兵+1 乗り物:スターファイター/乗り物(ネチェル)/HP+20/行動+-0 常に飛行状態になる。 所持品:モーリスバーガー×1、空間転移ミサイル×1、ザッパー、ワイドザッパー、神経加速剤×1 □属性防御 肉体:○ 技術:× 魔術:× 社会:× □設定 フォーリナーの細胞を埋め込んで培養されたネチェル。 実年齢は5歳だが、促成教育装置により表面的には20歳前後の人格。中身はまだ子供。 デキムス・フォン・ザイツバッハ辺境伯の命により作成されたのだが、彼の手を逃れて逃亡した。
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名称 能力分類 取得できる対象 進化段階 解説 詳しい解説 +修得済み 〈透明化〉修得済み 特異 やるお 進化1 身につけている装備品も〈透明化〉の対象になる 光学迷彩の要領で透明化する。身につけているものは透明化されない。効果時間は「能力点÷10」分。回復には「能力点」分必要。〈目利き〉などの視覚系認知は完全に無効にする。〈気配察知〉はされるが、視認されないので効果は減衰。魔法での感知には誤魔化す事ができない 〈吸着〉修得済み 特異 やるお 進化1 装備がないなら、問題なく吸着を続けられる 地形などに体を吸着させる事により、壁や天井を移動する能力。能力点によって支えられる重さや時間などが決まる 〈能力譲渡〉修得済み 特異 やるお 進化1 吸収の際、自分が持っていた能力を他人に譲渡できる状態に出来る。ただし、対象になった能力は無かったものとされる 自分の能力点か成長点を消費する事で他人に能力を譲渡できる状態に出来る。特異能力には変わりないので譲渡する相手には注意すること 〈生産:独立武器〉修得済み 特異 やるお 進化1 金属などの質感を再現することが出来る。持続時間が倍になる 〈再生〉を10消耗することで、この能力点分を振り分けた武器を精製できる。ただし、「銃」は作れない。持続時間は「能力点」分間 〈毒物知識〉修得済み 悪徳 - 進化1 毒のある植物や動物を知っている事にできる 毒に対しての知識を持っている。毒全般への知識なので、麻痺毒・致死毒・遅効性・即効性など色々知っている事になる 〈追跡〉修得済み 一般 - 進化1 多少であれば痕跡の混雑や断絶があっても対応ができる 足跡などの痕跡から追跡する能力。痕跡が途絶えると追跡不能になる 〈精神治療〉修得済み 一般 - 進化1 トラウマの解消量が20になる 〈トラウマ〉を受けている対象に使用して、その〈トラウマ〉を10解消する。一度使用した対象には1日置かないと再使用できない 〈夜目〉修得済み ? やるお 進化1 ? 暗闇でも灯りを不要とする 〈即産〉修得済み 特異 やるお 進化1 1度に1体の母体に2匹妊娠・出産させられる。トラウマも大きくなる 妊娠期間を1/10にして母体に子触手を産ませる。ただし、子触手の総能力は「やるおの総能力の5%」しか使えず、寄生させられるのはモブのみ。コレを出産した母体は通常の出産より大きなトラウマを受ける。この能力の進化は100毎になる。この能力は1度使うと1週間つかえない。ぶっちゃけ、モブだと即壊れる。が、そのモブに寄生させれば、諜報員の完成と言うわけである 〈魔法属性:存在固定〉修得済み 魔法 やるお+他 進化 なし 干渉できない相手に干渉できるようになる。範囲は半径能力点m。この能力に進化はないまた、「存在の状態を変化…不安定にするのを遮断する」ことで転移を封じる手段にもなる 〈魔力回復〉 魔法 やるお+他 進化1 〈再生〉とほぼ同じ 魔法書から取得するが行使も属性も無い、単純な能力。魔力版〈再生〉と思えばいい 〈肉体改造〉別の手段を確保済み 特異 やるお 進化1 消耗からの回復が10から20になる 対象の肉体を変化させる事ができる。対象にこの能力を消耗して〈肉体改造:**(改造内容)〉の能力を押し付けることが出来るただし、この能力の回復速度は1日に10となる〈肉体改造:**〉は50点毎に目に見える特徴となる。それが対象に認識された場合〈トラウマ〉になり気力が下がる完全にTSさせるとなると200くらい押し付けないとダメ。その改造した部位が機能を持つのは100くらいからなお、カプセルの「肉体改造システム」と〈禁呪:肉体改造〉を入手済みであるため修得する必要性は少ない 〈遺伝子吸収:やるお〉 特異 やるお 進化1 ? 体内に取り込んだ遺伝子から「能力点」分の〈能力〉を得ることができる。ちなみにオーバーフロウは発生せず、ルリと違ってやるおが上位の立場に居ないとダメ 詳細不明 おそらく名前通り 〈遺産知識〉〈遺物知識〉〈古代知識〉〈神話知識〉
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. 【設定】 夜雷光:肉体が無く精神のみで構成される生命体。 作中には無限に連なる並行世界がありその次元壁を越える能力を持つ。 ただし、行き来できる世界の次界は、あくまでも肉体と精神のふたつの要素でバランスを とる必要がある世界だけ。 ゆえに精神のみで存在することは不安定なので人間の体を利用して存在している。 再生・身体能力が高かったり、血が結晶化したりしていて 元は人の体でも細胞の全てが変化して別の存在になってるらしい。 夜行:無数の並行世界、その世界と世界の間の次元の隙間に住む生物。 光の無い次元間で生まれ、いわば闇とも影ともつかぬ場所で生まれ育ったモノ。 この世における肉体も、実在の証明も持たない、 だからこそ、幻のように世界の影と闇を往き渡る能力を持つ。 簡単に言えば妖怪や幽霊のようなもの。 【作品名】夜雷光 夜を往く者 【名前】馬渡修一郎(本名不明) 【属性】夜雷光(人外) 【大きさ】成人男性並 【攻撃力】達人並。 大鎌:任意で不可視の大鎌を手に生む。実体の無い相手(夜行)も斬れる。 手首が千切れてると切断面から発生した。 力の玉:これに触れた夜行の構成するあらゆる力を熱量に代え、吸収する。 そしてそれを再び取り入れることで生気を補える。 相手に飛ばしたり投げて使う様子。 大型の肉食獣(トラ、ライオン)以上に大きい獣を吸収した。 【防御力】達人並、喉を喰い千切られても死なない。 【素早さ】移動は大型の肉食獣より速いぐらい。反応は達人並。 【特殊能力】任意で自分の影を消せる。 結界:任意発動、範囲数十m、大きな屋敷とその敷地(大きな庭)の周囲を包めるぐらい。 強度はおそらく大型の肉食獣では突破できないぐらい。 実体のない謎生物にも効く。転移能力のある相手は無理な様子。 再生:裂かれた腕と喰い千切られた喉笛が再生した。 一瞬で傷が塞がり、次の二瞬ぐらいで細胞が活性化して 不自由がなくなり、傷は跡形もなく消えた。 暗示:描写が少なくて詳細不明。 次元移動:同上で省略。 憑依:同上、条件もいくつか必要らしいので省略。 【長所】実体の無い相手を攻撃できる。 【短所】本当はもっと身体能力が高いのだろうが 描写が激しく少ないのでテンプレにするとほんと弱い弱い。 【戦法】大鎌で攻撃 【備考】大鎌を出した状態で参戦。 33スレ目 参戦 197 :イラストに騙された名無しさん:2009/05/23(土) 00 00 40 ID uhaJI2I3 馬渡修一郎の考察 ○ガイ 不可視の武器で先手とれる勝ち ○ルーシファ 同上、さらに再生があるので勝ち ○ガイセリック 同上 ○ギジャ・ワヌイ 同上 ○吉川健太郎 同上 ○堀田陽介 同上 ○鑢七花 同上 ○匂宮出夢 同上 ○大河原リキコ 同上 ○夜知春亮 同上 ×マーガレット王妃 射程と手数が圧倒的に不利 ×宇練銀閣 相手の攻撃速度が速すぎ、細切れにされてまけ ○ジャッジ 耐久高いので強引に接近して勝てそうか ×平小次郎将門 影に押さえられて負け マーガレット王妃>馬渡修一郎>夜知春亮 .