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愛の叫びが聞こえるか ◆nig7QPL25k 行政地区からの距離を考えると、結構な大移動になっただろう。 それだけの道のりを律儀にトレースし、こうして住まいまで割り出したアーチャーには、素直に感謝の心すら覚える。 北西の一般住宅街で、一軒のアパートを見上げながら、湊耀子はそう思った。 《突入とか、しないんですか?》 傍らに立つアーチャーが――鹿目まどかが念話を発する。 不可視の追跡者が割り出したのは、怪しげに政庁を見つめていた、水色の髪の少女の部屋だ。 未だ目撃はしていないが、サーヴァントを連れている可能性が高い。 要するに、戦うべきマスターである可能性が、高い。 《見かけによらず、過激なことを言うのね》 《そっ、それは、湊さんがそう言うから!》 《そうね。それは私の言い方だわ》 私の意志を聞いているのだから、当然かと。 慌て気味なまどかの声に、苦笑気味な念話で返した。 英霊の割には可愛らしい子だ。何度となく浮かべた感想を繰り返す。 多くを語り合ったわけではないが、恐らくはそれほど長い期間、人生を生きたわけではないのだろう。 平和に生きてきたような、のんびりとした外見の割に、儚い生を送ったものだ。少しばかり、同情を覚えた。 《それで、結局これから……》 《そうね……貴方が落ち着きを欠いている理由を教えてくれたら、動いてあげてもいいかしら》 《……!》 図星をつかれた、といったところか。 耀子の言葉を受けたまどかが、言葉を詰まらせ沈黙する。 この場所で再会を果たした時から、まどかは妙にそわそわとしていた。 これまでには見られなかった態度だ。故にマスターとして、見過ごすわけにはいかなかった。 マスターにとってサーヴァントとは、背中以上のものを預ける存在だからだ。 《……二つ、気配を感じるんです》 おずおずと、まどかが言葉を返した。 言語化できない感覚を、何とか言葉にするように。 《一つは、魔女に似てるもの……多分それよりも、ずっと濃いものを。 もう一つは、えっと……何て言ったらいいか……なんだかどこか、懐かしい感覚というか……》 《………》 手探りに近いまどかの言葉に、耀子は耳を傾ける。 地に足のつかない不確かさは、そのままの心の表れだ。得体の知れない感覚に、心が随分と乱されている。 《……今夜はやめておきましょう》 《えっ!?》 結局、湊耀子が選んだのは、突入の中止という判断だった。 予想外の返答に、まどかの念話が微かに上ずる。 《本戦が始まったその直後……今は勝ち残ったマスター達が、一番ピリピリとしている時期よ。 心の準備ができないままに、下手に行動を起こすのは、危険だわ》 それは見過ごすことはできない。 周囲の警戒が高まった現状で、集中を欠いたまま動くことは、何よりも避けなければならない。 たとえこのままアパートに踏み込み、マスターを攻撃するにしても。 まどかの感じた気配の正体を、探りに向かうにしても、だ。 (敵マスターの所在を特定できた。今はそれだけでいい) 実を言うと、今の耀子に、水色の髪の少女を、即座に殺そうという気はなかった。 もちろんただの雑魚であればそうしただろうが、サーヴァントが優秀ならば野放しにするか、あるいは同盟を組んでもいいとも考えていたのだ。 20人以上にも及ぶライバルを、逐一相手にしていては、さしもの耀子も骨が折れる。 であれば、敢えて彼女を泳がせ、勝手に数を減らしてくれるよう仕向けるのも、それはそれでいいかもしれないと考えていたのである。 《それに……この場には、長く留まらない方がいいみたい》 《……?》 一歩、二歩と足を運びながら、耀子はまどかに向かって言う。 建物の陰に身を隠しながら、視線を促した先にあったのは、人影だ。 マスターであるかどうかなど知らない。この距離では令呪は確認できない。 されど分かることが、一つある。 それはその身から漂わせる、殺気だ。 中年の男性が放つ殺意は、歩を進ませる先にある、アパートへとまっすぐに向けられていた。 ◆ 眠れない。 こんな夜を過ごしたのはいつぶりだろうか。 それはガンゲイル・オンラインという枠を超え、現実の殺し合いを始めたからでもあり。 それを勝ち抜くための武器が、この手にないからでもあるのだろう。 「………」 自宅の勉強机について、デスクに置いたPDWを見下ろし、シノンは一人思考していた。 忌むべき殺戮兵器としての銃。 それでもこの戦いの場においては、貴重な生命線であるはずの銃。 そのはずなのに、その引き金を、今のシノンは引けずにいる。 自分の情けなさ故に、己の命すらも守りきれず、こうして無様を晒している。 《マスター》 アーチャーの念話が語りかけてきた。 昼間の遭遇もあり、念のため、一日霊体状態で過ごさせていたシエルだ。 《明日からのこともあります。今夜はもう休んでください》 険しい顔をしていたのだろう。 おかげで気を使わせてしまったようだ。 さすがに同居人にそう言われては、いつまでも起きているわけにもいかない。 《ありがとう、アーチャー》 シエルの立つ方向に笑いかけた。 彼女にだけ戦わせている現状を、心苦しいとは思っている。 もちろん、いつか共に並び立てるよう、最大限努力をするつもりだ。 それでもせめて、今この時だけは、好意に甘えさせてもらおう。 せめてこの一晩くらいは、シエルを頼ったっていい。夜が明けて、また明日になってから、もう一度考えてみればいい。 そう考え、シノンは椅子を引き、そこから立ち上がろうとした。 「――ッ!?」 その、時だった。 がしゃん――と大きな音を立て、窓ガラスが砕け散ったのは。 「っ!」 次いで聞こえたのは、風を切る音。 反射的に銃を取り、席を立った時にはもう遅かった。 身を引いたその左手に、鋭い痛みが走ったのだ。 「うっ……!」 抑えながら、後ずさる。 出血量は大したことはない。肌を掠めただけの軽傷だ。 赤く走った一本筋は、刃物によって斬られた痕か。 「マスター!」 シエルが具現化し、神機を構える。 「………」 睨むその先に立っていたのは、包丁を握った中年の男だ。 シノンにつきっきりでいたシエルは、直感のブラッドをオフにしていた。そのことが仇となったのだ。 一階に住んでいたのであれば、ベランダから侵入されることも、予測できていたはずなのに。 「下がってください! ここは私が――!」 失点は取り戻さなければならない。シエル・アランソンが前に出て、シノンを庇うように立つ。 敵が纏うのは尋常ならざる殺気だ。されど赤く光る目には、どこか虚ろな気配すら漂う。 正気ではない。マスターかどうかは分からないが、危険な人物であることは確かだ。 シエルに言われるがまま、言葉に従い、シノンは腕を押さえながら後ずさる。 ……てる 「……え?」 その時だ。 何か聞き覚えのない声を、耳にしたような気がしたのは。 ……愛し て る 「何……?」 これは何だ。 この声は誰だ。 こんな声色をした人間は、この場には一人としていないはずだ。 てる る 愛 し 愛して て 愛 る 愛 「何……何なの……!?」 不気味だ。 それどころではなく恐ろしい。 愛してる てる る る 愛 て してる 愛して して て 愛 る 愛してる 愛 して 愛し 愛 この声は一体何なのだ。そもそもどこから聞こえてくるのだ。 どころか鼓膜などではなく、体に直接響いていないか。 愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる 「マスター……!?」 「あ、ああ……!」 がたがたと左手が震えた。 ぼろぼろと涙がこぼれ始めた。 目の前の男が歩み寄ってくる。体から聞こえる声がその歩みに重なる。 何だ。自分はどうなったのだ。 この体に何が起こったのだ。この体に何を取り込んだのだ。 私は誰に愛し襲われている。私は愛して誰に毒愛されている。私を愛し殺そうとする愛してるものは一体愛してる愛してる愛し愛愛愛愛愛愛愛愛愛! 「うわぁああああ――っ!!」 遂にシノンは絶叫した。 シエルの姿など目にも入らず、トリガーを引いて喚き散らした。 5年越しのトラウマをも突破し、恐怖と混乱と共に破られた軛は、鋭い銃声と共に砕け散った。 「ぐぇ……!」 だだだだだっと音が鳴る。 内なる声をかき消すように、絶やすことなく鳴らし続ける。 鈍い音がそれに続いた。飛び散る鮮血が部屋を汚した。 火薬と血液の匂いが、室内をあまさず満たした時には、既に銃の弾は尽きていた。 装填された弾数を、残らず使いきってなお、シノンが意識を取り戻すまでには、数秒の間隔を必要とした。 「はぁ、はぁ……はぁ……――ッ!」 何が起きたかを理解する。 何をやらかしたかを認識する。 瞬間既にシノンの足は、部屋からトイレへと向かっていた。 「マスター!」 シエルの声など聞こえない。 乱暴に扉を開け放ち、便座を上げて身を屈ませる。 すでに口元までせり上がっていたものを、げえげえと便器にぶちまけた。 なおも胃から逆流するものを、全て出し終えるまでの間に、気の休まる余裕などまるでなかった。 喉から強引に押し上げる痛みと、つんとする悪臭に涙を流し、ようやく全てを吐き出し終える。 げほげほとむせ返るように咳き込むと、水を流すことすらも忘れ、へなへなとシノンはへたり込んだ。 (何だったの……) 撃ってしまった。 撃ててしまった。 それは些細なことでしかない。シノンが体感した現象の、その壮絶さを語る修飾語に過ぎない。 あくまでも引き金を引けたのはこの時だけだ。 引き金を引けてしまえるほどに、シノンは追いつめられていたのだ。 (何だっていうの……!?) 愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる 声は未だに聞こえている。 いくらか落ち着いているものの、朝田詩乃の体の中では、正体不明の声が木霊している。 一体何が起きたのだ。この体はどうなってしまったのだ。 全て吐き出してしまえば、私の体に住み着いた何者かも、出ていってくれるのであればよかったのに。 耳を塞ぐように頭を抱え、体を縮こまらせながら、シノンは一人震えて、赤い瞳を涙で濡らした。 【E-2/一般住宅街・アパート・シノンの部屋/一日目 深夜】 【シノン(朝田詩乃)@ソードアート・オンライン】 [状態]罪歌の子、精神ダメージ(中)、左腕に裂傷(小) [令呪]残り三画 [装備]なし [道具]ウルティマラティオ・へカートII(7/7)、H K MP7A1(0/40)、各種予備弾丸 [所持金]普通(一人暮らしを維持できる程度) [思考・状況] 基本行動方針:優勝し、トラウマを克服する 0.罪歌の子として、罪歌および鯨木かさねの声に従う(無自覚) 1.自分の身に起きた変化に対する恐怖 2.魔術師の魔力確保手段を調べ、実践する 3.銃のトラウマを克服し、戦えるようにする [備考] ※罪歌の子に斬られ、罪歌の子となりました。 ただし説明を受ける前に、相手を殺してしまったため、自分に何が起きたのかを理解できていません。 ※殺人鬼ハリウッドの一人を倒しました。 【アーチャー(シエル・アランソン)@GOD EATER 2】 [状態]健康 [装備]神機 [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:マスターを守って戦う 1.魔術師の魔力確保手段を調べ、実践する 2.シノンがトラウマを解消する方法を探す 3.異変が起きたシノンへの心配と、それを庇いきれなかった自分への自責 [備考] ※殺人鬼ハリウッドの一人を倒しました。 ◆ あの男に殺られるのであれば、その程度のマスターであっただけのこと。 そう言い放った耀子は、踵を返し、さっさと自宅への帰路についた。 当然鹿目まどかもまた、自身のマスターの後に続き、透明な姿のまま夜道を進んだ。 遠ざかってく橋の向こうの景色を名残惜しげに振り返りながら。 (何だったんだろ、あれは) 強く感じられた気配は、二つ。 呪いに近い禍々しいものと、昔から慣れ親しんだような不思議なものとだ。 前者の方は、耀子に言った通り、魔女に近い何者かが、その街に潜んでいたのかもしれない。 それでもあれは、呪いとイコールではなかった。 もっと距離が近づけば、あるいは分かったのかもしれないが、どうも呪いの持つそれよりも、もっとストレートな気配を感じたのだ。 (どっちかというと、ほむらちゃんに近い) 思い出すのは、親友の顔だ。 幾多の運命を乗り越えて、最高の友達として認め合った、暁美ほむらの顔だった。 ようやく訪れた再会の時に、自らを悪魔へと貶め、世界を引き裂いた少女の顔だった。 あれは魔女の放つ呪いよりも、悪魔が愛だと主張した、あの鮮烈な感情に近い。 それは魔女以上に力強い魔人が、あの場に潜んでいたということなのだろうか。 あるいは考えたくもないが、暁美ほむらその人が、あの街のどこかにいたのだろうか。 (それだけじゃない) そして厄介なことに、懸念事項は、その禍々しい気配一つではない。 もう一つ感じた気配もまた、無視できないものに変わりはないのだ。 それは敵意や危険よりも、もっと曖昧な何かを、まどかに伝えていたのだが。 (あっちは結局、何だったんだろ……) どこか懐かしい感触。 それは共に戦った、魔法少女の思い出かもしれない。 しかしそれでも満点ではない。円環の理の眷属達は、あれとはまた異なる気配で、自分に接していた気がする。 いかに嗅覚に優れていようと、人は自分自身の匂いには、他人より遥かに鈍感である。 まどかがそのことを知っていたならば、正解にも辿りつけたのだろうか。 曖昧にしか感じられない、その不思議な気配の正体が、自分の分身のものであると、気付くことができたのだろうか。 引き裂かれ卑小な存在となった、今ここにある円環の理は、その程度の感知しかできないほどに、脆く儚いものに成り果てていた。 【F-2/自然保護区/一日目 深夜】 【湊耀子@仮面ライダー鎧武】 [状態]普通 [令呪]残り三画 [装備]なし [道具]ゲネシスドライバー、ピーチエナジーロックシード、財布 [所持金]普通 [思考・状況] 基本行動方針:優勝し、聖杯を手に入れる 1.家に帰り、就寝する 2.水色の髪の少女(=シノン)の扱いは保留。殺してもいいし、他のマスターを掃除させてもいい 3.他のマスターを捜索する方法を考える [備考] ※水色の髪の少女(=シノン)がマスターであると考えています 【アーチャー(円環の理)@[新編]魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語】 [状態]集中力低下 [装備]ソウルジェム [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:優勝し、聖杯を手に入れる 1.家に帰り、頭を落ち着かせる 2.水色の髪の少女(=シノン)の扱いは保留 3.一般住宅街周辺で感じた、二つの気配(=暁美ほむらおよび鹿目まどか)の正体が気になる [備考] ※暁美ほむらと鹿目まどかの気配を感じ取りました。 しかし距離が遠かったため、位置と正体までは把握していません。 ※水色の髪の少女(=シノン)がマスターであると考えています BACK NEXT 森の向こうに目が潜む 投下順 祈りと呪い - 時系列順 - BACK 登場キャラ NEXT カーテン・コール シノン - アーチャー(シエル・アランソン) - カーテン・コール 湊耀子 - アーチャー(円環の理) -
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きっと青春が聞こえる ◆0safjpqWKw 「いやぁぁぁぁ! 来ないでぇぇぇぇ!」 「はっはっはっ。元気なお嬢さんですねえ」 前回のラブライブ! スクールアイドルμ sのメンバーとしてレッスンに励んでいた私を待っていたのは、最後の一人になるまで殺し合えという女の子の命令。 最初は夢とか何かのイベントって思ったけど、ピンク色の髪の女の子がカードにされたのは夢じゃない! 急いで周囲を見渡したら、私以外にもことりちゃん、にこちゃん、絵里ちゃん、希ちゃんがいた! みんなを呼ぼうとしたら地面が崩れて、目の前が真っ白になって…… 気がついたら、目の前になんかドロドロした顔の人をいっぱい引き連れたギョロ目のおじさんが立ってたの! 「おやおや、いけませんねえ。こんな時間にあなたのような婦女子が一人で出歩いては。私が家まで送って差し上げましょう」 「い、いえ……あの……うち、ここから近いんで結構です!」 「そう遠慮なさらず。ほら、彼らもあなたとお友達になりたいと申しておりますし」 彼らってどう見てもゾンビじゃないですかぁぁぁ! に、逃げないと……でも夜だしここお墓だし、うまく走れないよ! 「怖がることはありません。さああなたも、めくるめく甘美な死の指先に身を委ね、新たな次元へとその魂を解き放つのです」 「それって結局死ねってことでしょぉおお!?」 いやああああ、映画とかゲームで見たようなゾンビが私を追っかけてくるよぉぉ! 夢だと思いたいけどやっぱり夢じゃない。心臓がバクバクして破裂しそう。 「あうっ」 足元をよく見ていなかったから、石にひっかかって転んでしまった。 私の周りをゾンビが取り囲み、手を伸ばしてきた。 そのとき! 「相も変わらず下卑た真似をしているな、キャスター。これが聖杯戦争ではないことは貴様もわかっているだろうに」 光が走ったかと思うと、私を取り囲んでいたゾンビが一瞬でバラバラになった。 思わず目をつぶる。次に目を開けたとき、私の前には一人の男の人が立っていた。 漫画で見たような剣を構えた、長身の……スラっとした体格の……とてもかっこいい横顔の……黒子に眼が……吸い寄せられ…… 「……はぅ」 「貴様……ランサー! また私の邪魔立てをするというか! この凡愚め!」 「愚かなのはどちらだ、キャスター。このような無力な少女を弄ぼうなど、英霊の風上にもおけぬ所業。 掲げるべき矜持もなく、あの化性の少女に言われるがまま殺戮に興じる。 ハッ、ほとほと見下げ果てた奴よ。セイバーに袖にされるのもむべなるかな」 「貴様ァァ……! 我が聖女に剣を向けただけでなく、この私と聖女との絆をも愚弄するとは! その罪、万死を以っても償えぬぞ!」 「ふん、何が絆か。彼女は貴様のことなど知らぬと何度も言っていただろう」 「ええい、口の減らぬやつめ! もうよい、貴様の素っ首引き抜いて我が死人の兵団に加えてくれるわ!」 ハッ!? いけないいけない、気を失ってる場合じゃない! おじさんとランサーと呼ばれたカッコいい男の人は知り合いだったみたい。 でも友だちじゃないみたいで、ギョロ目のおじさんはランサーさんにゾンビをけしかけてきたの! ランサーさんは剣で戦ったけど、ゾンビがあんまりにも多すぎて剣はすぐ折られてしまった! 「ハハハハ! 自慢の槍がなければランサーも形無しだな!」 「ぬう、言わせておけば……!」 ランサーさんは素手でゾンビに殴りかかるけど、ゾンビは殴られても殴られても全然止まらない! あの人、あの壊れた剣しか武器がないんだ……! 「くっ、離せ!」 「手間を掛けさせてくれたが、これまでのようですね。貴様の首級を眼にすればジャンヌも目を覚まされるであろう…… ああ、ジャンヌ! このジル・ド・レェ、武功を上げていますぐ貴女の元へ馳せ参じまするぞ!」 ゾンビがどんどんあの人に飛びかかって……! いけない! あの人を助けないと! 何か、何かないの!? ランサーさんを助けられる何か……あの人の力になる何か! ……そうだ、カード! あの女の子が言ってた、武器が出てくる……黒いカード! これを使えば……お願い! あの人を助けられる武器、出てきて! 「……! あの! これを使ってください!」 私がカードに願ったのは、強い武器。ランサーさんを助けられる武器。 そして、出てきたのは……武器だ! 私はその武器を、ゾンビに羽交い締めにされたランサーさんに放り投げた。 「……これは! かたじけない、少女よ!」 男の人の手が伸びて、その武器……「剣」を掴む。 次の瞬間、剣が光のように閃いてゾンビがバラバラになっていく! 「むう……!?」 「いい切れ味だ。征服王の剣、さすがに業物だな!」 私のカードに入っていたのは、世界史の教科書に見たような覚えがある、幅広の剣だった。 パロディ……いや、グラディウスだっけ? そんな感じの名前の。 剣を手にしたランサーさんはあっという間に逆転した。瞬きの間にそこにいたゾンビがすべて切り倒される。 「チィ、粘りおって。だがここでは私には勝てんぞ、ランサー!」 ギョロ目のおじさんが手に持った本を開くと、周りの墓がぼこぼこと盛り上がってきた! 出てきたのは……やっぱりゾンビだ! 「死霊術か! 厄介なものを……!」 「フハハハ! 我が方の兵は無限! さあランサー、慣れぬ武器でどこまでやれるものか見せてみよ!」 「舐められたものだな。ランサーだからといって、騎士たる者が剣に不慣れとでも思っているのか」 「貴様はそうかもしれんな? だがそこの少女はどうです? 騎士の誇りとやらは無力な者を見捨てられぬでしょう!」 「……チッ。外道め……!」 ランサーさんは舌打ちすると、近くにいたゾンビをなぎ倒してジャンプした。 私の隣に降りてきて……ええっ! ちょ、っちょ、お、お姫様抱っこ!? 「この場は預けるぞ、キャスター。だがここに宣言しよう。貴様の首は俺が落とす。セイバーの手を煩わせるまでもない」 「減らず口を。逃げられると思うか!」 「キャスターごときが、ランサーの足に追いつけるものか!」 ランサーさんが私を抱えたままジャンプする。景色が流れ……て……って、高い高い高い! これちょっと何十メートルか跳んでるっていうか飛んでるっていうかああああ落ちる落ちてる落ちるうううう! あ、これ死んだ…… ……。 「もう目を開けてもいいぞ」 ひゃっ!? 「手荒な真似をしてすまなかったな。だがあの場はああするしかなかった。許してくれ」 「いいええ、あの、その……助けてくれてあのがとうございましゅ!」 噛んだ……。恥ずかしい……。 目を開けると、ギョロ目のおじさんはどこにもいなかった。さっきいたお墓からかなり移動したみたいだ。 お姫様抱っこされたままランサーさんの顔を見上げる。 うう、なんだかさっきとは違う意味で胸が破裂しそう。かっこ良すぎるよぅ……。 「……すまん」 「え? なんで謝るんですか?」 「……いや、こっちの話だ。俺はディ……ランサーだ。君の名を教えてくれるだろうか?」 「こ、高坂穂乃果です! スクールアイドルやってます!」 「穂乃果、だな。あいどる……現代における踊り子だったか?」 「は、はい! 踊ります! あと歌います! 良かったらライブ見に来てください!」 「ああ、機会があればな。あと、この剣。助かったよ、ありがとう」 ほわああぁぁ……。笑いかけられた! なにこれ、すごくドキドキする! ライブがうまくいった時みたいな……なにこれ……! 「い、いえ。私じゃどうせ使えないですし。良かったら差し上げますよ」 「助かる。さて聞くまでもなかろうが、君はこの殺し合いとやらでどうするか決めているか?」 「あ、それはですね、私μ sのみんなを……友達を探したいです! みんなすごくいい娘で、殺し合いなんてできる人じゃないんです! だからその、みんなが危険な目に遭う前に探し出して、あの、その!」 「μ s……ギリシャの女神の名を冠した踊り子か。うむ、気品を感じさせる名だ。 承知した、穂乃果。この剣にかけて、君と君の仲間を守ると誓おう」 「あ……」 あ……これ、なんだろう…… ランサーさんの顔から目が離せない…… 「穂乃果、君の友人たちがいそうな場所に心当たりはあるか?」 「あ、ええと……地図、地図。あ、……ええ!? 音ノ木坂学院がある! なんで!? 知らない間に移転したの!?」 「落ち着け。その音ノ木坂学院とやらに、君の仲間はいそうなのか?」 「あ、はい。私たちの学校なので、みんなここに集まると思います」 「では急ごう。幸い、ここからならさほど距離はない」 こうして私は、ランサーさんと一緒に行動することになりました。 お姫様抱っこされたまま音ノ木坂学院に向かう私は、まるで本物のお姫様みたい……とか思っちゃったりして。 大変な事態に巻き込まれたっていうのに、何故か私の鼓動は高鳴っていて、何かが始まりそうな気がしていたの。 でも、不思議。なんだかランサーさんが私を見る目は、なんだか申し訳なさそうで。 それを問い質すこともできず、私はずっと、ランサーさんの黒子を見つめていたの…… 【C-2/一日目・深夜】 【高坂穂乃果@ラブライブ!】 [状態]:健康、ランサーへの好意(軽) [服装]:音ノ木坂学院の制服 [装備]:なし [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10) 黒カード:不明支給品0~2枚 [思考・行動] 基本方針:誰も殺したくない。生きて帰りたい。 1:μ sのメンバーを探す。 2:ランサーさんを見てるとドキドキする……。 3:音ノ木坂学院を目指す。 [備考] ※参戦時期はμ sが揃って以降のいつか。 ※ランサーの「愛の黒子」の効果により、無意識にランサーへ好意を抱いています。時間進行により、徐々に好意は強まっていきます。 【ランサー@Fate/Zero】 [状態]:健康 [装備]:キュプリオトの剣@Fate/zero [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10) 黒カード:不明支給品0~2枚 [思考・行動] 基本方針:騎士道に則り、戦う力のない者を守る。 0:穂乃果に「愛の黒子」の呪いがかかったことに罪悪感。 1:俺が穂乃果と仲間たちを守護らねばならぬ……。 2:セイバーは信用できる。しかしそのマスターは……? 3:キャスターはいずれ討伐する。 [備考] ※参戦時期はアインツベルン城でセイバーと共にキャスターと戦った後。 ※「愛の黒子」は異性を魅了する常時発動型の魔術です。魔術的素養がなければ抵抗できません。 【D-2/墓地/一日目・深夜】 【キャスター@Fate/Zero】 [状態]:健康 [装備]:リタの魔導書@神撃のバハムート GENESIS [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10) 黒カード:なし [思考・行動] 基本方針:ジャンヌ・ダルクと再会する。 1:ジャンヌ(セイバー)を探す。 2:名簿にはセイバー以外にもジャンヌの名がある……? [備考] ※参戦時期はアインツベルン城でセイバー、ランサーと戦った後。 支給品説明 【キュプリオトの剣@Fate/zero】 高坂穂乃果に支給。 征服王イスカンダルの剣。 名のある宝具ではなく特別な効果もないが、軽量かつ頑丈。他のサーヴァントとの宝具とも十分に渡り合える。 【ファバロの剣@神撃のバハムート GENESIS】 ランサーに支給。ただの鉄の剣。 【リタの魔導書@神撃のバハムート GENESIS】 ネクロマンサーの少女リタが使っていた魔導書。 死体をゾンビ化して操ることができる。生きている人間をゾンビ化することは不可能。 一度に連れ歩けるゾンビの数は5体まで。しかし墓地や戦場など、遺体が多数存在するフィールドでは倍以上の数を操れる。 ゾンビの筋力や瞬発力は素体となった生前の強さに比例するが、技術や思考力は失われる。 時系列順で読む Back 姉 Next 前途多難 投下順で読む Back 姉 Next 前途多難 高坂穂乃果 034 Anemone Heart ランサー 034 Anemone Heart キャスター 032 たとえ明日を見失おうとも
https://w.atwiki.jp/chaos-tcg/pages/1858.html
青空に聞こえる音「榊 由美子」 読み:あおぞらにきこえるおと「さかき ゆみこ」 カテゴリー:Chara/女性 作品:グリザイアの果実 属性:地闇 ATK:6(+1) DEF:4(+2) 【登場】〔自分のキャラ1体を控え室に置く〕 [永続]相手のエクストラキャラ1体につき、このキャラは攻撃力と耐久力が2上昇する。 R:…ちょっと、雲が少なくなって感じが変わったわね… SR:まだわからないわよ illust: GR-002 R SR 収録:ブースターパック 「OS:グリザイアの果実 1.00」
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「あそこの歯医者閉院しちゃってたよー」 「えぇ!?もう~、だから早く行きなさいっていったじゃない。もう~お父さんったら」 「仕方ないいなぁ……駅向こうまで行ってみるかー」 すぐそこにあるものは、いつだって手に届くものだと思っていた。 だから、振り向けば必ず当たり前にそこにあるものだと 簡単に会えるものだと思っていた。 ある日ロボのアパートの前を何気なく通ったら、見慣れない看板が目に入った。 思わず駆け上がった階段の先には透明なガラスの扉が立ち塞がっていて、でもその向こうには…… ロボット達の姿なんかひとつもなかった。 「あれっ?」 「ニコ、どうかした?」 「ごめんむーちゃん!あたしちょっと……帰るね、ほんとごめん!!」 友達を放り出して慌てて走り出した帰り道。 入学式帰りの新しい制服が乱れるのも構わず、狭い路地裏の道を慣れない靴で走り抜けた。 あの時のように横倒しになった冷蔵庫が邪魔する事はなく辿り着いた先には、人気の無い裏道。 あの日――全てが始まった場所。 「誰も……いないんだぁ」 聞こえたのにな、確かに。 ロボットの居なくなったアパートに行った後、その足で向かった先で見たのは跡形すら無くなって しまった地蔵堂。 みんな、みんな居なくなってしまった。 すぐそこにあるものだと思っていたものは、手を伸ばしてももう届かない。 ついこの間まで着られたセーラー服はもう今日からは着られない。 新しい何かを手にする事はそのための何かを捨てていくこと。 大人になるのはそういうこと。 もし私が、あの頃よりも私を好きでいられたら、胸を張って今を生きていると言えることができたなら…… あなたは、私を見つけてくれるのだろうか? ほら、今だって聞こえてくるよ。 懐かしい歌声が、振り向いた先に見えるあの曲がり角の向こうから。 勇気を出して覗いたら、新しく懐かしいあの星とまた出会うことが出来るのだろうか。 確かに聞こえる。愛と自由と正義の歌が。 **終わり**
https://w.atwiki.jp/mayanoniltuki/pages/31.html
これは本当にそうなんですが最近ですよ。 夜に部屋で寝てるといや正確には本を読んでると聞こえてくるんです。何だか知らないけど笑い声が・・ 私は小説読んでるのできっとそのせいで聞こえてくるのかなって思ったんですが違うんです。 何だか不気味な声が・・・ でも時間にして10時半だからお化けが出る時間でもないしね。いったい誰?って思ってるんですがほんとうに最近で。娘たちに聞いても聞こえないでって言うけどあなたたちは夢の世界ですからね。 昨日ははっきり「ふふふ」って言うのでびっくりしたんですが・・一体誰がいるのでしょうか??
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パタパタ音が聞こえるハタキ cleaning_beating_1003.swf スクラッチ お掃除ver コーナー 男女共通 ファッション 小物
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このページはこちらに移転しました 気持ちは歌うとキムチに聞こえるよ 作詞/178スレ8 甘酸っぱい気持ち 辛い気持ち 甘い気持ち 苦い気持ち 虫が入ったような気持ち 気持ち 気持ち 気持ち
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あからさまなアピールで批判を浴びないようにするという計算が含まれていてウザい。 症状 周囲の人に聞こえるように独り言を言う 体調が悪いのをそれとなく訴える 類症 シュ〜・・とかいう呼吸しちゃう病 体調が悪いの伝達しちゃう病
https://w.atwiki.jp/kimina/pages/13.html