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autolink SY/W08-T03 SY/W08-061 カード名:浴衣のハルヒ&みくる カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:1 コスト:0 トリガー:0 パワー:5500 ソウル:1 特徴:《和服》?・《SOS団》? TD:ハルヒ「ちょっとみくるちゃん、 また大きくなったんじゃないの?」 U:みくる「…どどこ触ってるんですかぁ!?」 レアリティ:TD U illust.- 初出:コンプH s vol.3ポスター 単純な1/0バニラだが、同作品でのシナジーが多い《SOS団》?を持ち、かつ、 浴衣のキョン等で使用される《和服》?と、特徴的に便利なものが揃っている。 サイドは違うものの赤かつ《和服》?持ちなので、浴衣の雪子と組み合わせやすいのも有り難い。
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人物画像 基本情報 性格・容姿愛称 正体 能力閉鎖空間 時空改変能力 ループ現象 神人 情報爆発 時間震動 超能力者の発生 分裂 その他消失涼宮ハルヒ 渡橋泰水(わたはしやすみ) 超勇者ハルヒ 涼宮ハルヒ(スーパーSOS大戦) 偽涼宮ハルヒ その他(対極関係者) 脚注 関連記事 関連人物 人物画像 基本情報 声優は平野綾。 本作のメインヒロイン。県立北高校1年5組(第9巻『分裂』より2年5組)の女子生徒であり、SOS団団長。 キョンと同じクラスで、キョンのすぐ後ろの席に座る(何回席替えをしても、ハルヒの能力のためか位置関係は不変)。 学業の成績は学年上位に位置しており、身体能力も高く入学当初はどの運動部からも熱心に勧誘されていたほど。 また料理、楽器演奏、歌唱など多彩な才能を持っており、キョン曰く「性格以外は欠点は無い」。 東中時代は変人だと露呈していたが美少女ゆえに多くの男子に告白されて必ずOKしていたが、相手が「普通の人間」であることを理由にことごとく振っていた。 自分の都合のいい言葉しか耳に入らず、それ以外の言葉は聞き流す。 感情の起伏が激しく、情緒不安定になりやすい。また、退屈を嫌っており、何か面白いことをいつも探している。 己の目的のためには手段を選ばず、時には恐喝や強奪まがいの行為に及ぶこともある。 「恋愛感情は一時の気の迷いで精神病の一種」という持論を持つが、キョンの言動に極度に大きく機嫌が左右されたり、 キョンの過去の恋愛をやけに気にしたりしている。事実、劇中でキョンとみくるが同じペットボトルを使いまわす(間接キス)事を止めたシーンなどがある。 第10巻『驚愕(前)』(β-7)にて、長門が熱を出して学校を休んだため、SOS団初の活動休止宣言をした。 性格・容姿 一人称は「あたし」。身長158cm。 黒髪黒目の美少女で、プロポーションはキョン曰く「スレンダーだが、出るとこは出ている」。 入学当初は腰まで伸びるストレートヘアで曜日ごとに髪形を変えていたが、キョンにそのことを指摘されて以降は肩にかかる程度の長さで揃えている。 黄色いリボン付きカチューシャがトレードマークで、小学校時代から愛用している。 普段着は女の子らしい格好が多いが、時にはアウトドアな服も着る。 彼女の書く字は、キョン曰く「元気文字」【2】。 みくるや鶴屋さん、生徒会長など、年上の人物に対しても敬語を使わずタメ口でものを言う(初対面の者との挨拶などは、例外的に丁寧語を使う)。 口癖はキョン曰く「全然」らしい【3】。 唯我独尊・傍若無人・猪突猛進かつ極端な負けず嫌いであり、「校内一の変人」としてその名は知れ渡っている。 普段は自分勝手でエキセントリックな性格が目立つが、根底には常識的な感覚も持ち合わせており、宇宙人等の不思議な存在がいて欲しいと思う反面、 そんなものはいるはずない(少なくともそう簡単に見つかるはずがない)とも思っている矛盾した思考形態を持っている。 物語が進むにつれ人間的に成長したのか横暴さは僅かずつではあるが治まっていく。 また、長門が高熱で倒れたり【4】、キョンが事故で3日間意識不明に陥った際には【5】、必死に看病したり体調を気遣ったりするなど、仲間思いの面も強く見せることもある。 愛称 キョンからは「ハルヒ」、鶴屋さんとキョンの妹からは「ハルにゃん」と呼ばれている。 正体 「どんな非常識なことでも思ったことを実現させる」力を持つ神的存在。そのため様々な組織が彼女に関心を抱いている。 しかし本人はその力に全く気付いていない。 また、似たような能力を持つ佐々木と非常に近い存在であるが敵対という関係ではない【6】。 能力 無自覚の内にハルヒの願望が具現化され、キョン達は毎度それに翻弄されている。 その力のおよぶ範囲、期間等はハルヒの機嫌や望みの強さに影響されるため、法則性がない。 なお彼女の能力が際限なく発揮されたりせず、世界がいまだにバランスを保っている点について、 古泉は「彼女自身が奇抜な言動に反し常識的な精神をしており、不可思議な物事を心のどこかで否定しているから」と推測している。 一方でみくるは、「ハルヒの力は『世界を変える』ものではなく、最初から起こることであった『超自然的存在を無自覚に発見する能力』」としており、 組織によって見解は異なる。 閉鎖空間 「内面世界」のこと。 精神が不安定になると発生する空間で、古泉ら「機関」の超能力者が侵入可能。 (詳細は「超能力者関連」の項を参照) 時空改変能力 周囲の環境情報を操作し、非常識なことでも実現可能な能力。例として、秋に桜を満開にしている。 (詳細は「神的存在関連」の項を参照) ループ現象 第5巻『暴走』収録の「エンドレスエイト」、ゲーム『約束』、『戸惑』、『並列』にてハルヒの願望によって起こった現象。 (詳細は「神的存在関連」の項を参照) 神人 閉鎖空間にて、ハルヒのストレスが具現化した存在でストレスを発散するために周囲の建物を壊す。 情報爆発 3年前の中学1年の頃にハルヒを中心に起こった現象。詳細は謎のままである。 (詳細は「宇宙人関連」の項を参照) 時間震動 3年前の中学1年の頃にハルヒを中心に起こった現象。詳細は謎のままだが、未来人はこれより前の時間遡行が不可となっている。 (詳細は「未来人関連」の項を参照) 超能力者の発生 3年前の中学1年の頃にハルヒを中心に起こった現象。古泉に力を与えたようだが、詳細は分かっていない。 (詳細は「超能力者関連」の項を参照) 分裂 第9巻『分裂』にて起こった現象。 (詳細は「神的存在関連」の項を参照) その他 消失涼宮ハルヒ 登場作品は第4巻『消失』。古泉と同じく、改変世界にて共学となった光陽園学院の生徒となっており、髪型も北高入学当時の髪型であった。 キョンのことを知らなかったが、キョンからジョン・スミスであることを告げられ、繋がった。 また、北高の前で張り込みもしていたらしく、キョン(ジョン・スミス)が出てくるのを待っていたようだ。 渡橋泰水(わたはしやすみ) 初登場は第10巻『驚愕』(前)のα-9。ハルヒの入団試験を唯一突破し、入団した新人部員。ニコちゃんマークに似た髪留めをつけている。人懐っこい性格。 第9巻『分裂』のα-1にて、入浴中のキョンに電話を掛けてきたのが彼女である。古泉曰く純粋な個人で、長門曰く北高に在籍しておらず、宇宙人でも、未来人でも、 超能力者でも、異世界人でもない。αルートのみならず、βルートとも行き来できる。 その正体は藤原の歴史改変計画と、キョンと長門の危機を無意識に予知していたハルヒが無意識に作り出したもう一人のハルヒ。 藤原たちを止めるためには、「佐々木の閉鎖空間」に閉じ込められたキョンのもとに古泉たちを導く必要があり、 「佐々木の閉鎖空間」の中に古泉が侵入できる「ハルヒの閉鎖空間」を作る状況にするために世界を二つに分岐させる。 そしてβルートのキョンたちが「佐々木の閉鎖空間」の部室に着くのを見計らって、αルートのキョンを部室に呼び出し、 最後に二つの世界を統合させて「ハルヒの閉鎖空間」を呼び出した。閉鎖空間内において神人を操作する事も可能な力を見せた。 超勇者ハルヒ ゲーム『戸惑』にて完成したゲームの一つ「SOS団 QUEST 勇者と導かれし従者」にて登場する。「超勇者」と書かれた腕章を付けており、サーベルを武器とする。 涼宮ハルヒ(スーパーSOS大戦) ゲーム『戸惑』にて作成したゲームの一つ「スーパーSOS大戦 -地球が情報操作される日-」にて登場する。 キョンと長門のピンチを救うため、古泉、みくるとともに朝倉の異空間へと侵入する。 偽涼宮ハルヒ ゲーム『直列』のEpisode5「誰も寝てはならない」にて、昇降口にある鏡に映った。 性格はオリジナルとは正反対であり、自我を持たない。また、本人はいないはずだったが鏡に映り、目つきも他の偽物同様、怖くなっている。 その他(対極関係者) 佐々木 脚注 第8巻『憤慨』収録の「編集長★一直線!」70頁より。 第1巻『憂鬱』より。 第5巻『暴走』収録の「雪山症候群」より。 第4巻『消失』より。 第9巻『分裂』(β-4)より、キョン曰く「こいつ(佐々木)は敵にならない」。 関連記事 神的存在関連 関連人物 キョン 長門有希 朝比奈みくる 古泉一樹 鶴屋さん キョンの妹 谷口 国木田 阪中
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姉妹編『長門の湯』『鶴屋の湯』『一樹の湯』『みくるの湯』もあります。 ====== 『ハルヒの湯』 「何よ、ホントに当たり入っているの? 全部はずればっかりじゃないでしょうね!」 商店街の福引のガラポンのハンドルを無意味に力いっぱい握り締めたハルヒは、苦笑いをするしかない係りのおっちゃんに文句を垂れている。 「大丈夫だよ、お嬢ちゃん。まだ、特賞も一等賞も出てないから、安心しな」 「ふん、ホントかしら」 そのとき、コロンと出た玉は、また白、つまり今度もはずれだった。 「ほらーー」 「ほい、またティッシュ。あと一回だよ」 ハルヒ連れられた俺たちSOS団の面々は、映画の撮影でお世話になった商店街の大売出し協賛の福引コーナーに来ている。どこで手に入れたのかはあえて聞かないようにしているが、ハルヒは十枚もの福引券を持って、ガラポンに戦いを臨み、そして九連敗中だった。 特賞は五十インチの薄型テレビ、一等は温泉・カニツアーのペア宿泊券が当たるらしいが、今のところは末等のティッシュの山を築くのみだった。 「もういいわ、最後の一回、あんた引きなさい」 「お、俺?」 いきなり俺を指名するなよ。どうせ俺が引いたところではずれしか出ないだろう。 「いやだよ、お前が最後までやれよ」 「なによ、栄えあるトリの権利をあんたに譲ってあげようって言ってるんだから、謹んで受けなさい」 ここで最後に俺がはずれを引いても、ハルヒがはずれを引いても、結局俺の責任にされて、いつもの茶店で奢らされそうな気配がぷんぷん漂っている。ふん、それなら素直にはずれを引いてやるぜ、ティッシュ、山分けしろよな。 俺は、無造作にハンドルを掴むと、これまた無造作にぐるりとまわして、ポトリと転がり出てきた玉の色を確認した。 赤――。 一瞬の静寂がその場を包んだ後、おっちゃんは手に持った鐘を派手に打ち鳴らして叫んだ。 「いっ、一等賞―――」 賞品となった温泉地は結構有名なところだった。 こじんまりした町の真ん中を流れる小さな川の両岸に、古風な温泉旅館が軒を連ねている。何軒かは改築されて、今風のホテルになっているものもあるが、お おむね古の佇まいを残しており、川のほとりの柳並木の遊歩道と、所々にかけられている石造りの橋とあいまって、町全体から古風な温泉街の雰囲気と温泉饅頭 を蒸している湯気が漂っている。 俺が当てたペア宿泊の権利なんだから是非朝比奈さんと二人で、なんて思いが通じることは当然なかった。だからといって、俺とハルヒがペアで行ける訳でもない。 ハルヒは残り三人分の参加に関する諸々の交渉については古泉に一任し、古泉もその要求を否定することはなかった。いつもすみませんね、機関のみなさん。 そんなわけで、SOS団は五人揃って、この風情あふれる温泉街のカニ料理旅館に来ているわけだ。 ひとまず宿にチェックインした後、俺たちは浴衣と丹前に着替えて外湯めぐりスタンプラリーに出発ことになった。 「七つある外湯を全部回ってスタンプを集めると記念品がもらえるの。みんな、夕食前の腹ごなしにがんばって回るわよ!」 朝比奈さんの手を引っ張って先頭を行くハルヒに続いて、俺たちは湯けむり溢れる温泉街を歩いていた。街の中では、俺達と同じように外湯巡りを楽しんでいるらしい浴衣姿の温泉客が夕暮れ間近の川沿いの散策を楽しんでいる。 「どうせ、男女で一緒には回れないから、ここからは自由行動よ。じゃあね、キョン」 少し先で振り返ったハルヒは、朝比奈さんの手をとったまま、右手の建物の中に消えていった。そのあとを無言の宇宙人は振り返ることないまま続いていった。 当然のように、男チームと女チームに分かれて行動することになるわけで、結局、俺は古泉と行動を共にするだけだ。くそ面白くもない。 「やれやれ」 「おや、今日はもう『やれやれ』が登場しましたね」 「ふん」 「我々はもう少しむこうの外湯から攻めることにしましょうか」 「どうでもいいよ」 「つれないですね。温泉はお嫌いですか?」 隣の古泉はやや大げさに驚くような仕草を見せながら、 「僕は好きですよ。この典型的な温泉地の雰囲気、いいじゃないですか。気楽に楽しみましょう」 「うん、まぁ、それはそうだな」 温泉は好きだぜ、もちろんだ。これがお前と二人ではなくて、朝比奈さんと一緒であれば俺のテンションはウナギ上りなんだがな。何が悲しくて野郎二人だけで、温泉のはしごをしないといけないんだよ。 とりあえず、古泉の言うようにこの街の雰囲気は堪能させてもらおうか。 そうして三つめの外湯までは古泉と一緒に回ったのだが、ぶっちゃけ古泉と男二人ではモチベーションは下がる一方なので、より気楽に単独行動しようぜ、ということで話がまとまった。 「では、僕はあっちの外湯に行ってみます。また、後ほど」 「おう、またな」 古泉と分かれた俺が次の外湯を目指して遊歩道を歩いていると、横の通りから飛び出してきた浴衣の固まりとぶつかりそうになった。 「ちょ、ちょっとー、ぼんやり歩いているから誰かと思ったらキョンじゃない。もう、危ないじゃないのよ!」 ハルヒだった。どこに行っても鉄砲玉な女だ。 「飛び出してきたのはそっちだぜ。一時停止違反だ」 俺はハルヒの衝突を物理的にも言葉的にも交わしながら、 「ん、どうした、お前一人なのか? 朝比奈さんや長門はどうした?」 えっ、という感じで不意を突かれたハルヒは、体勢を立て直すと、 「みくるちゃん、温泉に興奮しちゃってのぼせ気味になったから、有希が旅館まで連れて行ってくれたわ。有希も本が読みたいらしいしね。湯船の中では読めないから」 そう言ってハルヒは俺のことをジロリと見上げて言葉を続けた。 「そう言うあんたも一人? 古泉くんはどうしたの」 「いつまでも男二人でつるんでいてもつまらんからな、別行動にしたんだ」 「あ、そ」 そっけなく返事したハルヒは、浴衣の帯あたりに両手を当てて、 「幾つ回ったの? コンプリートした?」 俺は手に持ったスタンプラリーの用紙に目を落とすと、 「いや、まだだ、あと四つだ」 「なによー、まだ三つしか回ってないの? あたしはあと二つよ」 なるほど、その勢いで温泉をはしごしたら、朝比奈さんものぼせるはずだな。 「でも、みくるちゃんじゃないけど、さすがにちょっと疲れたわね」 そりゃそうだろうさ。 「ねぇ、キョン、冷たい飲み物買って来てよ。あたしはあそこで待ってるからさ」 ハルヒが指差す先は、温泉街を貫いて流れるせせらぎに架けられた橋の上に設置されたベンチだった。 まぁ、確かに俺も、温泉で火照った体を冷やす飲み物が欲しいと持っていたところだ。仕方ないがついでに何か買ってやるか。 「わかったよ」 「ノンシュガーのすっきり系でお願いね」 「へいへい」 とりあえずゼロカロリーの炭酸飲料を二本買って指定された橋の上に戻ってみると、読書中の長門の様にちょこんとベンチに腰を下ろしたハルヒは、右手で軽く髪をかき上げながら、風に揺れている柳の枝葉を見つめていた。 立て続けに五つの温泉に入ったおかげで、少ししっとりした髪にわずかに桜色に染まった頬、浴衣のすそに覗く白い素足の草履姿も――、 ううむ、いい感じに絵になっている。 趣の有る風景をバックにして、ただじっと座っているハルヒは、やっぱりかなりのレベルの美人であることは確かだな。性格的なことさえ考慮する必要さえなければ……。 そんなハルヒの姿に一瞬見とれた後、俺はハルヒの隣に腰を下ろした。 「ほれ、買ってきたぞ」 「うん、ありがと」 プシュっとプルタブを起こし、乾杯、と缶をコツンと合わせて、よく冷えたコーラの喉越しを味わった。 うまい! 「ぷふぁー、おいしいわねー」 俺と同じ感想を口にしているハルヒは、さらに、 「やっぱ、こういう時はビールがおすすめなのかもね」 なんてことまで言ってるし。確かにその点においても同感だけどな。 ごくごくっと缶の半分ほどを一気に空けて、ほっと一息をつくことができた。隣のハルヒも大きく息を吐くと、手に持った缶をぼんやり見つめている。 「どうした、やっぱり疲れたのか? 温泉に入って疲れているのは本末転倒だな。だいたい入浴するだけでも体力は結構消耗するらしいから」 「うん、そうね。さすがに五つも連続で入ると、ね」 朝比奈さんは三つ目で脱落したらしい。長門ならまったく平気のはずだが、今回は朝比奈さんにかこつけてうまく逃げたようだ。こういうのも自律進化の一つなのだろうかね。 「スタンプラリーなら、晩飯食ってからでも間に合うだろ。今、あわてて全部回る必要はないと思うぜ」 「そうするわ。古泉くんにもとりあえず中断って連絡入れておいてね」 「わかったよ」 「でも、おかげでいい感じにお腹も減ってきたし、次はカニのフルコース巡りね」 振り返ったハルヒは、力強く肯いた。 残りのコーラを飲み干す頃には、西の空を染める赤がさらに色濃くなっていった。ゆっくり流れる風も、わずかに冷たさを増したようだ。 俺は、うーん、と夕焼け空に向かって両手を突き上げて背筋を伸ばしながら、搾り出すように率直な感想を口にした。 「やっぱ、温泉はいいよな。毎日じゃなくてもいいが、週に一回ぐらいは、のんびりと温泉にはいれるような生活をしてみたいもんだ」 伸ばしていた両手をだらんと下ろして、隣のハルヒに視線を向けると、ハルヒは少しあきれたような表情で俺のことを見つめていた。が、すぐにその大きな瞳の中に怪しげな輝きが煌き始めたのがわかった。 しまった、俺は妙なトリガを引いてしまったのか? 「そうね、帰ったら温泉を掘るわよ」 「な、なんだって?」 「学校に温泉を掘るの。だいたいあの周りは名水で有名な土地柄だし、そもそも日本中どこでも掘れば温泉は出るはずだしね。そうすれば毎日でも温泉に入れるわ!」 今にも浴衣の袖を捲り上げて襷をかけて、スコップを持って走っていきそうな勢いでベンチから立ち上がったハルヒは、空いた口がふさがらないまま座っているだけの俺を見下ろすと、 「なにアホ面してんのよ。早速、古泉くんに頼んで、ボーリング道具を手配できないか探してもらうわよ」 「待て待て待て待て!」 そんなことを古泉に話したら、本当に温泉採掘用のボーリング道具を積んだトラックで、新川さんと森さんが学校にやってくるに違いない。 「バカな事はするなって。勝手に学校に温泉なんか掘るやつがあるか」 「いいじゃない、それぐらい。別に減るもんじゃないし」 減るんだよ、俺の神経が……。 「さ、行くわよ!」 「おいおい、だからちょっと待てって。別に今ここで動かなくても……、まずは夕食のカニを堪能してだな……」 ハルヒは俺の腕を引っつかむと馬鹿力で柳並木の遊歩道をずんずん進んでいく。 俺は、どうやってハルヒを止めようかと思案しながら、それでも少しぐらいは学校に温泉が出ることも期待しつつ、ぽつぽつと街灯に明かりが燈りだした温泉街を引きづられるように駆けて行くしかなかった。 遠くない将来、あの文芸部室が『ハルヒの湯』としてオープンする日が来るのかもしれない。 Fin.
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涼宮ハルヒハルヒが上に乗ってきて強奪 ★イベント画像あり★ ハルヒの熱はかり ★イベント画像あり★ ハルヒのバーチャルバトル ★イベント画像あり★ ハルヒのポーズ指導 ★イベント画像あり★ ハルヒのどこかで見た夢 ハルヒと剣のデザイン ハルヒの告白練習 ハルヒの寝顔 ハルヒの弁当 ハルヒと消しゴム飛ばし ハルヒのものまね ハルヒと地震 ハルヒとゲームで勝負 ハルヒと実験 ハルヒと登校 ハルヒとジュース ハルヒの餌付け ハルヒから餌付け ハルヒとにらめっこ ハルヒのモーニングコール ハルヒの膝枕★イベント画像あり★ ハルヒと恋の始まり ハルヒに羽交い締めにされて強奪★イベント画像あり★ ハルヒと宿題と手伝い ハルヒとヘッドフォン ★イベント画像あり★ ハルヒの呼び名 ハルヒと呼び名の変更 ハルヒと公園カップル ハルヒの着替え中 ★イベント画像あり★ ハルヒと掃除 ハルヒのポニーテール ★イベント画像あり★ ハルヒのお見舞い ハルヒに肩揉み ★イベント画像あり★ ハルヒの変な踊り ★イベント画像あり★ ハルヒと勉強会 ハルヒのデバッグ ★イベント画像あり★ ハルヒの後6分 夕日のハルヒ ★イベント画像あり★ ハルヒとストローと1本 ★イベント画像あり★ ハルヒとお姫様抱っこ ★イベント画像あり★ ハルヒと意見の違い ハルヒと夜の並木道 ハルヒと夢の続き ハルヒのウェディング ★イベント画像あり★ [#q0d250ee] [#xccf1967] [#id157d81] [#r158d3cf] 涼宮ハルヒ ハルヒが上に乗ってきて強奪 ★イベント画像あり★ (※土曜でも可) 古泉・平日:シルエットシーン(グラフィック) ハルヒ・連続:キス音SE(サウンド) (変な踊りが不可に) ハルヒの熱はかり ★イベント画像あり★ ハルヒ・平日:画像表示調整(スクリプト) ハルヒ・連続:画像のズレを直す(スクリプト) (意見の違いが不可に) ハルヒ・連続:音のタイミング調整(スクリプト) ハルヒ・連続:難易度調整(スクリプト) (意見の違いが不可に) ハルヒ・連続:プレイ時間調整(スクリプト) (意見の違いが不可に) ハルヒのバーチャルバトル ★イベント画像あり★ ハルヒ・連続:敵パラメータ(スクリプト) (にらめっこが不可に) ハルヒ・連続:思考ルーチンフロー(スクリプト) ハルヒ・連続:マップ設定(スクリプト) (お姫様抱っこが不可に) ハルヒ・連続:イベントスクリプト(スクリプト) (弁当、ウエディング、お見舞いが不可に) 作業時間外・連続 ハルヒのポーズ指導 ★イベント画像あり★ ハルヒ・平日:背景探し(グラフィック) (夕日、膝枕、公園カップルが不可に) ハルヒ・連続:イベントキャラ構図(グラフィック) ハルヒのどこかで見た夢 ハルヒ・平日:イメージボード(グラフィック) ハルヒ・連続:異世界ラフ背景(グラフィック) ハルヒ・連続:現実世界ラフ背景(グラフィック) (夕日が不可に) ハルヒと剣のデザイン ハルヒ・別作業・平日:装備品考案(シナリオ) ハルヒ・連続:伝説の設定(シナリオ) ハルヒ・連続:衣装設定(グラフィック) (ウエディングが不可に) ハルヒの告白練習 ハルヒ・平日・かなり:外出してSE録音(サウンド) みくる・連続:告白シーン(スクリプト) ハルヒ・連続:役作り キャラ(サウンド) ハルヒの寝顔 ハルヒ・平日:音を鳴らす(スクリプト) ハルヒ・連続:BGM割り当て(スクリプト) ハルヒ・連続:ループチェック(デバッグ) ハルヒの弁当 ハルヒ・平日:デートシナリオ作成(シナリオ) (羽交い絞め、ストロー、夕日が不可に) ハルヒ・連続:イベントスクリプト(スクリプト) (ウエディング、お見舞い、バーチャルバトルが不可に) ハルヒと消しゴム飛ばし ハルヒ・平日:メインシナリオ作成(シナリオ) (夢の続きが不可に) ハルヒ・連続:キャラシナリオ作成(シナリオ) (地震、掃除、ものまねが不可に) ハルヒのものまね ハルヒ・平日:キャラ紹介文(シナリオ) ハルヒ・連続:キャラシナリオ作成(シナリオ)(消しゴム飛ばし、地震、掃除が不可に) ハルヒ・連続:台本作成(シナリオ) ハルヒ・連続:役作り 感情(サウンド) ハルヒと地震 ハルヒ・平日:シナリオネタ探し(シナリオ) (膝枕、恋の始まり、ゲームで勝負が不可に) ハルヒ・連続:キャラシナリオ構想(シナリオ) (登校、実験、掃除が不可に) ハルヒ・連続:キャラシナリオ作成(シナリオ) ハルヒとゲームで勝負 ハルヒ・平日・なぜか:シナリオネタ探し(シナリオ) (膝枕、恋の始まり、地震が不可に) ハルヒ・連続:説明書を読む(スクリプト) (膝枕が不可に) ハルヒ:作業時間外 ハルヒと実験 ハルヒ・木曜:選択肢考案(シナリオ) ハルヒ・連続:メインシナリオ構想(シナリオ) (登校、夢の続きが不可に) ハルヒ・連続:サブシナリオ構想(シナリオ) ハルヒ・連続:キャラシナリオ構想(シナリオ) (登校、地震、掃除が不可に) ハルヒ・日曜:時間外 (他の日曜イベントと併用可 ウエディングと一緒に出来るのを確認) ハルヒと登校 ハルヒ・平日:メインシナリオ構想(シナリオ) (実験、夢の続きが不可に) ハルヒ・平日:キャラシナリオ構想(シナリオ) (実験、地震、掃除が不可に) ハルヒ:作業時間外 ハルヒとジュース ※書き込み・シナリオ強化週が入手出来る ハルヒ・平日・2週目:シナリオテーマ考案(シナリオ) ハルヒ・連続:世界設定考案(シナリオ) (ハルヒの餌付けが不可に) ハルヒ・連続:世界年表考案(シナリオ) ハルヒ・連続:キャラ性格設定(シナリオ) (にらめっこが不可に) ハルヒ・連続:メインシナリオ設定(シナリオ) ハルヒ・日曜:作業時間外 ハルヒの餌付け ハルヒ・平日:世界設定考案(シナリオ) (ジュースが不可に) ハルヒ・連続:アイテム画像(グラフィック) (ハルヒから餌付けが不可に) ハルヒ・連続:選択肢考案(シナリオ) (実験が不可に) ハルヒ:作業時間外 ハルヒから餌付け ハルヒ・平日・午後:アイテムパラメータ(スクリプト) ハルヒ・連続・午後:アイテム画像 (ハルヒの餌付けが不可に) ハルヒとにらめっこ ハルヒ・平日:キャラ性格設定(シナリオ) (ジュースが不可に) ハルヒ・連続:敵パラメータ(スクリプト) (バーチャルバトルが不可に) ハルヒ・連続:キャララフ(グラフィック) ハルヒのモーニングコール ハルヒ・平日:特殊攻撃ボイス(サウンド) ハルヒ・連続・午前:ボイスデータ化(サウンド) ハルヒ・連続・午後:実機ボイスチェック(サウンド) ハルヒ・連続:作業時間外 ハルヒの膝枕★イベント画像あり★ ハルヒ・平日:音楽鑑賞(サウンド) ハルヒ・連続:背景探し(グラフィック) (ポーズ指導、夕日、公園カップルが不可に) ハルヒ・連続:シナリオネタ探し(シナリオ) (恋の始まり、ゲームで勝負、地震が不可に) ハルヒ・連続:説明書を読む(スクリプト) (ゲームで勝負が不可に) ハルヒ・連続・日曜:作業時間外 ハルヒと恋の始まり ハルヒ・平日:映像鑑賞(サウンド) ハルヒ・連続:シナリオネタ探し(シナリオ) (膝枕、ゲームで勝負、地震が不可に) ハルヒ・連続:作業時間外 ハルヒに羽交い締めにされて強奪★イベント画像あり★ (※土曜でも可) ハルヒ・平日:教本探し(グラフィック) (勉強会が不可に) ハルヒ・連続:デートシナリオ作成(シナリオ) (ストロー、夕日、弁当が不可に) ハルヒと宿題と手伝い ハルヒ・平日:画像チェック(デバッグ) (後6分が不可に) ハルヒ・連続:サウンドチェック(デバッグ) (ハルヒのデバッグ、あと6分が不可に) ハルヒ・連続:スクリプトチェック(デバッグ) (ハルヒのデバッグ、あと6分が不可に) ハルヒ・連続:シナリオチェック(デバッグ) (後6分が不可に) ハルヒ・連続:誤字脱字チェック(デバッグ) (ハルヒのデバッグが不可に) ハルヒとヘッドフォン ★イベント画像あり★ ハルヒ・平日:音量チェック(デバッグ) ハルヒ・連続:ボイスチェック(デバッグ) ハルヒの呼び名 みくる・平日:サブシナリオ構想(シナリオ) (実験、公園カップルが不可に) ハルヒ・連続:サブシナリオ作成(シナリオ) (夜の並木道が不可に) ハルヒ・連続:呼称表リスト(シナリオ) (呼び名の変更が不可に) ハルヒと呼び名の変更 ハルヒ・平日・4週間目・なぜか・午前:呼称表リスト(シナリオ) (呼び名が不可に) ハルヒ・連続・4週間目:作業時間外 ハルヒと公園カップル ハルヒ・平日・なぜか:背景探し(グラフィック) (ポーズ指導、夕日、膝枕が不可に) ハルヒ・連続:サブシナリオ構想(シナリオ) (呼び名、実験が不可に) ハルヒ・日曜:作業時間外 ハルヒの着替え中 ★イベント画像あり★ ※かなりではポニーテールが優先される ハルヒ・平日・全体作業・なぜか:コスプレ撮影(グラフィック) (ポニーテールが不可に) ハルヒ・連続・別作業(衣装探し(服の資料探し)(グラフィック))+みくると外出作業 ※実際には「みくると外出作業中」に「ハルヒは別で衣装探し」 矢印はみくる側に繋げること ハルヒと掃除 ハルヒ・平日・3週間目:キャラシナリオ構想(シナリオ) (登校、実験、地震が不可に) ハルヒ・連続:キャラシナリオ作成(シナリオ) (消しゴム飛ばし、地震、ものまねが不可に) ハルヒ・連続:作業時間外 ハルヒのポニーテール ★イベント画像あり★ ※かなりでこちらが優先される ハルヒ・平日・かなり:コスプレ撮影(グラフィック) (着替え中が不可に) ハルヒ・連続:恥じらい表情(グラフィック) ハルヒのお見舞い 長門・平日・ハルヒなぜか:エフェクト割り当て(スクリプト) ※午前かつ長門少しだと、長門と相合傘が発生 ハルヒ・連続:シナリオコンバート(スクリプト) ハルヒ・連続・土曜・午前:イベントスクリプト(スクリプト) (弁当、ウエディングが不可に) ハルヒ・連続・土曜・午後:外出作業 ハルヒ・日曜:作業時間外 ハルヒに肩揉み ★イベント画像あり★ ハルヒ・平日・少し・憂鬱・疲労:デバッグ作業ならなんでも ハルヒ・連続:デバッグ作業 ハルヒ・連続:デバッグ作業 ハルヒ・連続:デバッグ作業 ハルヒの変な踊り ★イベント画像あり★ みくる・平日・別作業:特殊攻撃説明文(シナリオ) 古泉・連続:キス音SE(サウンド) (上に乗ってきて強奪が不可に) 古泉・連続:ラブリィなもの考案(シナリオ) (ストローが不可に) ハルヒ・連続:特殊攻撃の設定(スクリプト) ハルヒと勉強会 ハルヒ・平日・リラックス:教本探し(グラフィック) (羽交い絞めが不可に) ハルヒ・連続:教本で勉強(サウンド) ハルヒ・連続:作業時間外 ハルヒのデバッグ ★イベント画像あり★ 長門・平日:誤字脱字チェック(デバッグ) (宿題と手伝いが不可に) 長門・連続:サウンドチェック(デバッグ) (宿題と手伝い、後6分が不可に) 長門・連続:スクリプトチェック(デバッグ) (宿題と手伝い、後6分が不可に) 長門・連続:表示物チェック(デバッグ) 長門・連続:作業時間外 ハルヒの後6分 ハルヒ・平日:サウンドチェック(デバッグ) (宿題と手伝い、ハルヒのデバッグが不可に) ハルヒ・連続:シナリオチェック(デバッグ) (宿題と手伝いが不可に) ハルヒ・連続:スクリプトチェック(デバッグ) (宿題と手伝い、ハルヒのデバッグが不可に) ハルヒ・連続・午前:画像チェック(デバッグ) (宿題と手伝いが不可に) ハルヒ・連続:作業時間外 夕日のハルヒ ★イベント画像あり★ ハルヒ・平日・憂鬱:背景探し(グラフィック) (ポーズ指導、膝枕、公園カップルが不可に) ハルヒ・連続:デートシナリオ作成(シナリオ) (羽交い絞め、ストロー、弁当が不可に) ハルヒ・連続・午後:現実世界ラフ背景(グラフィック) (どこかで見た夢が不可に) ハルヒとストローと1本 ★イベント画像あり★ みくる・平日・ハルヒかなり:ラブリィなもの考案(シナリオ) (変な踊りが不可に) ハルヒ・連続:デートシナリオ作成(シナリオ) (羽交い絞め、夕日、弁当が不可に) ハルヒとお姫様抱っこ ★イベント画像あり★ 古泉・平日・午後:マップ設定(スクリプト) (バーチャルバトルが不可に) +ハルヒ・↑と同時に別作業:SE楽器音(サウンド) ハルヒ:作業時間外 ハルヒと意見の違い ハルヒ・平日・なぜか・憤慨:画像のズレを直す(スクリプト) (熱はかりが不可に) ハルヒ・連続:プレイ時間調整(スクリプト) (熱はかりが不可に) ハルヒ・連続:難易度調整(スクリプト) (熱はかりが不可に) ハルヒと夜の並木道 みくる・平日・ハルヒなぜか:背景ラフの清書(グラフィック) ハルヒ・連続:サブシナリオ作成(シナリオ) (呼び名が不可に) ハルヒ・連続:環境音(サウンド) ハルヒ・連続:作業時間外 ハルヒと夢の続き (※土曜でも可) ハルヒ・平日・なぜか:メインシナリオ構想(シナリオ) (登校、実験が不可に) ※ハルヒ・なぜかでも午前は登校が優先 午後だとこちら優先に ※みくる・なぜかだと「みくると夜の校舎」が優先。ただし、土曜に起こした場合はこのイベントが優先。 ハルヒ・連続:メインシナリオ作成(シナリオ) (消しゴム飛ばしが不可に) ハルヒ・連続:作業時間外 ハルヒのウェディング ★イベント画像あり★ みくる・平日・ハルヒかなり:エンディング曲(サウンド) ハルヒ・連続:イベントスクリプト(スクリプト) (弁当、お見舞い、バーチャルバトルが不可に) みくる・連続:衣装設定(グラフィック) (剣のデザインが不可に) ハルヒ・連続:イベントキャララフ(グラフィック) 作業時間外・日曜 [#q0d250ee] 平日: 連続: 連続: 連続: 連続: 連続: 連続: [#xccf1967] 平日: 連続: 連続: 連続: 連続: 連続: 連続: [#id157d81] 平日: 連続: 連続: 連続: 連続: 連続: 連続: [#r158d3cf] 平日: 連続: 連続: 連続: 連続: 連続: 連続:
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autolink SY/W08-032 カード名:水着のハルヒ&みくる カテゴリ:キャラクター 色:緑 レベル:1 コスト:1 トリガー:1 パワー:5000 ソウル:1 特徴:《団長》?・《時間》? 【自】[あなたの舞台の《時間》?のキャラを1枚控え室に置く]このカードがアタックした時、クライマックス置場に「涼宮ハルヒの日常」があるなら、あなたはコストを支払ってよい。そうしたら、あなたは自分の山札を見て《時間》?のキャラを1枚まで選んで相手に見せ、手札に加える。その山札をシャッフルする。 【自】アンコール[手札のキャラを1枚控え室に置く](このカードが舞台から控え室に置かれた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、このカードがいた枠にレストして置く) ハルヒ「あー本当におっきいなー」 レアリティ:R illust.- 初出:ニュータイプ2007年3月号 09/12/11 今日のカード CXシナジーと手札アンコール持ち。 CXシナジーは場の《時間》?キャラを引き換えにした《時間》?キャラの山札サーチ。 他のコストが掛からないという点では優秀であるものの、コスト対象が場にいるキャラクターであるため、 通常の山札サーチに比べ優秀とは言えない。 しかし負けず嫌い伊織などとは違いアタックするタイミングでのコスト支払いであるため、 暴走庵の様にアタックの順番を後に回してリバース済のキャラクターをコストとすればデメリットは減る上、 《時間》?と手札アンコールを持ったキャラクターをチャンプアタック後にコストとして支払い→手札アンコール後、 使用したものと同じか状況にあったカードを回収する事で場を減らす事なく手札交換も可能。 更に自身もこの条件を満たしているため、それを狙い易いとなかなかに相性はよい。 対応CXも新トリガーであるトリガー時に手札に回収可能なトレジャーアイコンであるため、 発動する機会が増えるというのも有り難い。 しかしながら、サイズは1/0バニラにも劣る5000。 手札と場の合計は増えないため、以前と違い1/0バニラの増えた現状ではジリ損になる可能性も高い。 使用するならば手札アンコール専用応援などの採用も考えた方が良いだろう。 ・対応クライマックス カード名 トリガー 涼宮ハルヒの日常 宝 ・関連ページ 《時間》?
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ハルヒ わがSOS団も、本日より番長制を導入するわ。 キョン なんだ、番長制ってのは? ハルヒ そして東京23区計画に打って出るわ! キョン クロス慣れしてないのは分かるが、向こうの話はもっと先に進んじまっているぞ。 ハルヒ というわけでキョン、あんたは「おつかれ番長」ね。 キョン おまえなりに、ねぎらってくれてるのかもしれんが、全然うれしくない! ハルヒ で、古泉君は「きくばり番長」にしようかと思ったけれど、それじゃあんまり面白くないから、期待通り「腹黒番長」よ。 キョン だから、誰の期待だよ? ハルヒ そして、みくるちゃん、あなたは「巨乳番長」よ。いまさら言うまでもないけれど。 キョン こっちも今更だがな、会社でそれを言ったら、ど真ん中ストレートのセクハラだぞ! ハルヒ 最後は有希ね、悩んだけど「微乳番長」で行きましょう。 キョン もっと長門の特性を汲んでやれよ! 仲間だろ? おまえリーダーだろ? ハルヒ じゃあ、「無口番長」はどうかしら? キョン なんだよ、そのうわっつらなネーミングは? 少しは考えろ! ハルヒ 決まりね。 キョン どこで、どうして、決まったんだ、今のは? 長門 なんと呼ばれても関係ない。私はここにいる。 キョン ああ長門、せっかくのいいセリフなのになあ。うう。 ハルヒ さあ、みんな、頑張って行きましょう! キョン ちょっと待った。ハルヒ、おまえは、ナニ番長なんだ? ハルヒ 何って、あたしは団長よ。 キョン みんなが番長になったのに、おまえだけ団長のままなのかよ? ハルヒ だってあたしが団長やめたら、SOS団はどうすんのよ。リーダーを失って迷走しちゃうじゃないの。 キョン いろいろ言いたい事はあるが全部言えないことなのが悔しいが、だったら兼任しろ。SOS団団長と、ナンタラ番長を。 ハルヒ いいわ。じゃあ、キョン、あんたがあたしにふさわしい番長ネームを考えなさい! キョン 番長ネームとは違うと思うが。うーむ。 ハルヒ 人にあれだけケチつけといて、つまらないのだったら死刑よ! キョン くそ、オチを押し付けてやろうと思ったのに、返し技をくらっちまった。……ツ○デ○番長、いや、平凡すぎる。……ポニ○番長、いや、集中しろ、おれ。 ハルヒ どうしたの、キョン? 早くしなさい。 キョン う、うるさい。おまえなんかな、愛妻番長で十分だ!! 長門 安易な駄洒落。絶句。 みくる も、悶絶ですぅ。 古泉 あ、あなたって人は……。 ハルヒ 刑は既に言い渡してあるわね。キョン、あんた死刑よ! いいえ、団長に恥をかかせた罪、万死に値するわ!! キョン オチは自爆オチかよ!!
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ハルヒニート最終章 「ただいま」 俺は仕事疲れの体を引きずって帰宅し、我が家の玄関を開けた。奥からエプロン姿のハルヒが顔を出した。 「おかえりキョン。ご飯できてるけど先に食べる? それともお風呂にする?」 家の中からはおいしそうな夕食の香りが漂ってきた。俺は風呂より先に食事にすることにした。 食卓の上には見た目にも美味そうな塩鮭や味噌汁などの和風メニューが並べられた。もちろん全てハルヒの手作りだ。その食事が4人分配膳されたところで、ハルヒが子供たちに声を掛けた。 「晩御飯できたわよ! パパも帰ってきたから一緒に食べなさい」 それを聞いて「は~い」という返事が二人分帰ってきて、子供二人がとたとたと足音を鳴らしながら食卓に着いていった。 「ほら食事の前はちゃんと手を合わせて、いただきますって言うのよ」 「「いっただっきまーっす!」」 子供たちは元気に答えた。 ハルヒの薬指には俺が送った結婚指輪、もうハルヒの姓は涼宮ではなくなっていた。 幸せを絵に描いたような光景を眺めながら、俺は…………。 「ちょっといつまで寝てんのよキョン? 会社に遅刻するわよ!」 俺は目を覚ました。ハルヒの声で。そう、全ては夢だった。なんて夢見ちまってるんだ俺……。疲れてんのか俺……? 「寝ぼけてないでさっさと起きて朝ごはん作ってよ! お腹空いちゃったあたし」 ハルヒはそう言って、再び台所へと引っ込んで行った。 妙な夢を見たせいで寝起きも悪い。一体なんだって俺とハルヒが結婚して、しかも二人の子宝に恵まれて暮らしてる夢なんて見たんだ俺は? フロイト先生も爆笑もんだ。 ハルヒは相も変わらず俺と同じアパートの部屋で生活している、食事代など生活費は俺に一切まかせっきりにしてだ。今のハルヒはいわゆるパラサイトとかニートと呼ばれる部類に属する生活を送っているのだった。 そして断っておくが俺とハルヒは結婚なんてしてないし、まして未だかつてそうしなければならなくなるような既成事実に繋がる行為をしたことも一度としてない、誓って言う。 俺はただハルヒが今のニート生活から脱却し、一人前の社会人になるまでの間こうして食事と生活する場所を一時的に提供しているだけだ。 「朝飯、何がいい?」 「ベーコンエッグ、あとサラダも付けて」 やれやれ、言葉だけ聞いてりゃ同棲相手の台詞にゃ聞こえんな。これじゃ少し大きめの子供と二人で暮らす父親といったところだ。 だがその子供にも最近少し様子に変化が伺えるようになった。 まず今だって、俺がフライパンで卵とベーコンの炒め物を作っている間に、ハルヒがそれを盛り付ける皿を自分から台所に出してくれている。 そんなの手が空いてれば誰だって当然することだが、少し前のハルヒからは考えられない行動だ。それにこれまた言われても無いのに、机の上を拭いて二人分の食パンをオーブンに入れてと、積極的に朝食作りを手伝ってくれていた。 そして食事の後はハルヒが俺と自分の食べた分の皿を流しで洗っていた。といってもこれは日替わりの当番制で、明日は俺がやることになっているんだがな。 一日中家にいる女と、日中働きに出ている男が家事を共有して、しかもどうしてそれを半分ずつというおかしな比率で配分されるのかと文句を言うのは、以前まではその家事すら俺が全部一人でやっていたことを知らない人間の考えだろう。 ハルヒは変わった。未だにニート状態からの脱却はかないそうにないが、家では掃除も洗濯も俺と共有してこなすようになったし、たまにだが食事も作ってくれるようになった。 そうなるために俺が努力した点もたくさんあるが、やはり何よりもハルヒ本人の気持ちがあったからこそここまでやってこれたのだと思う。 「ごちそうさん。それじゃハルヒ、行ってくるから」 「うん。いってらっしゃい、今日の帰りまた遅くなるの?」 「多分な。早くて6時過ぎ、遅けりゃ10時過ぎるだろうから、その時は電話するよ、晩飯は先に食べといてくれ」 「ううん。遅くなっても別にいいわ。キョンが帰ってくるまで待ってるから」 そりゃ自分で飯作るのが面倒だからか? とは聞かずに俺は家を出た。 風向きは変わってきている、それも確実によい方向に。 ハルヒは最近、以前と同じ活発さを取り戻してきていた。 ハルヒはあれほどハマっていたネットゲームからもすっかり足を洗った。まだ少しネットの掲示板を覗いたり、サイト巡りをする習慣は抜けていないらしかったが、パソコンの前に座ってるのはせいぜい一日に1・2時間程度ということだ。 この調子なら、本当にハルヒが働きだせるようになるまで心を快復させる日は近いかもしれない。いや、ひょっとしてもうとっくにそうなっているのかもしれない。 もしそうなったら、俺はこのハルヒとの奇妙な同棲生活を終えることができ、ハルヒも実家に帰ってまた元気に過ごすことになって、全て元通りのめでたしめでたしとなるわけだ。 俺はそれを望んでいたはずだ。恐らくハルヒにとってもそれが理想の形であるはずだ。 だが別に俺は今の生活になにか不満があるわけじゃない。 極論、今朝夢で見たような光景が将来にあったとしても文句を言いたい気分にはならない。 しかし冷静になって考えてみろ。ハルヒにだって選ぶ権利がある。あれほどの器量よしなら、きっとどんな男でも捕まるだろう。だったら、俺が無理にハルヒを引き止めることがあいつのためになるとは思えない。 「…………そりゃあな。元々吊り合わない仲だとは思ってたさ」 少なくとも俺がハルヒの立場なら、こんなさえない男に惚れたりしないと思う。だからハルヒも今は無頓着だが、あいつのためを思うなら今のうちにあいつを元の生活に戻してやって、早く社会復帰していい男と一緒になれるようにしてやるのが最善策なのさ。 やれやれ、俺にとってハルヒってのは何者なんだろうな? まるで年の離れていない子供を持っているような気持ちだ。気づけば俺はあいつの将来だのなんだのについて考えてる。 「え? 今日はもう帰っていいんですか?」 「ああ。取引先から急なキャンセルがあってね。今日予定してた仕事は全部無しになった。だからキョンくんもまだ早いけど帰っていいよ」 呼び出された上司からそう言われて、俺は一礼してからその場を後にした。 ちなみになぜ俺が職場でもキョンと呼ばれているかというと、同期入社してきた奴の中に俺と同じ名字の奴がいたため、区別するために俺の方があだ名で呼ばれることになったのだった。これで定年まで俺の本名を呼んでもらえる機会が無くなったわけだ。 「まあ、せっかくの半ドンだ。昼飯買って帰るか」 家では今頃ハルヒが一人で昼食の仕度を始めている頃だろうか。俺が会社を後にして、電車に乗って帰ってアパートに着いたときには、昼のお茶の間定番ソング「お昼休みはウキウキウォッチング」が流れている時間だった。 「ただいま、今日は早く帰れたから…………ってあれ?」 家の中には妙な景色があった。ハルヒがいるのは問題ないが、もう二人知らない人間が追加されていた。 「おかえりキョン、これあたしの両親、なんかあたしが心配で来たんだって……」 ハルヒがそう紹介した。 「あなたがキョンくんですか。娘が世話になっています」 母親のほうがぺこりと頭を下げた。俺もつられるようにお辞儀を返した。 「キョン。あんたが連絡してたんですってね、母さんたちに、あたしがここにいるってことを」 ハルヒはぶすっとして口をアヒル形にしながら言った。 そうだ、俺が連絡していた。ハルヒをこっちに連れてきた翌日に。つまりずっともう前の話になる。 そりゃあいくら家出人とは言え、黙って家に連れ帰って住ませてますとはいかないだろう、常識的に考えて。 俺はハルヒの両親に、ハルヒを預かっている旨、それについて本人の同意も得た旨、そしてしばらくしたら元のハルヒに戻ると思うから、それまで任せてみてくださいとの説明をしたのだった。 もちろん連絡先と住所も伝えていた。だがこのハルヒの両親は今更になってなぜいきなり尋ねて来たりしたのだろうか? 「うちのハルヒが随分世話になったようでしたな、キョンくん?」 ハルヒの父親が威厳に満ちた声でそう尋ねた。 「世話だなんてそんな……。別に迷惑だなんて思ってませんし……」 つい気おされるようになって、頭をかきながら俺は答えた。その様子をみてハルヒがふんと鼻を鳴らした。 「それで父さん、一体なんの用事よ? 会いに来ただけ? それならもういいでしょ、とっとと帰ってよ」 ハルヒはぶっきら棒にそう言ってのけた。俺は今までハルヒの家庭事情について詳しく知らなかったが、どうやらこの様子からすると、少なくともハルヒと両親との仲はそんなに良好なものではないらしい。 「ハルヒ、お前もいつまでも彼に面倒を見てもらっているわけにはいかんだろう。はっきり言おう、父さんたちは今日ハルヒを連れ戻すつもりでここに来た」 ハルヒの父親がそう言った。ハルヒはそう来るのはわかっていたとばかりに肩をすくめてため息をついた。 「はあ、やっぱりちっとも変わらないのね父さん。それと母さんも。いつもあたしにそうやって一方的に意見を押し付けるんだから」 「もうハルヒ! そんなこと言ってもあんたは滅多に母さんたちの言うことなんて聞かなかったじゃない! 高校選ぶ時だって、母さんたちが進めた私立の名門高校を受けずに何でもない公立高校に無理やり進学したのを忘れたの?」 「別にいいでしょ? あたしの事なんだからあたしが決めただけよ! 言っとくけど家になんて絶対戻らないわよ!」 ハルヒはぷいっと唇を尖らせて横を向いた。こうなったハルヒはもう誰の話も聞かない。俺でさえわかるんだから、このハルヒの両親も当然に理解しているだろう。 「……キョンくん」 「は、はい。なんでしょうか?」 というかこの人たちも俺をキョンと呼ぶのかよ。まあハルヒがそう教えたのだろうが。 「キミはハルヒの事をどう思っているんだね?」 「え? ど、どうって言われても…………」 「単刀直入に言おう、君はハルヒと結婚を前提として今の付き合いをしているのか?」 …………は? いきなり何を言っておられるのだこのハルヒパパは? 俺がハルヒと結婚する? なぜハルヒについての話が急に三段ワープ並みに飛躍して俺との結婚話にまで進展しているんだ? 「キミも常識ある大人なら、今のハルヒとの暮らしについておかしいと思うだろう? 一つ屋根の下で年若い男女が他人同士一緒に暮らしているなど……」 そりゃあ正論だと思う。俺とハルヒの生活は傍から見たら立派な夫婦生活と映るだろう。 「そうなったら社会的にはもう二人が一生を共にする気があるのか無いのかという疑問が出るのも当然だと思うだろう?」 「父さん! ちょっといい加減に……」 「ハルヒは黙っていろ! 私は今彼と話をしているんだ! キョンくん、だから君の考えを聞かせてもらいたい。もう君はハルヒと一生責任を持って共に暮らしていくつもりなのか、それともそうでないのかを」 「そんな急に言われても……。それにもしそうじゃないと言ったら、ハルヒを連れ帰ってどうする気なんです? ハルヒは知っての通り心の病を持っていて、とても一人で生きていける状態じゃあ…………」 「その事についてはもう心配いらない。知り合いの医者から紹介された派遣カウンセラーと話が通っている。ハルヒがうちに帰っても君の代わりはその人がする」 俺の代わりだって? そんな。俺がハルヒと一緒に暮らしてたのはそんな仕事みたいな関係じゃなくて………… 「キョンくん。誤解してもらっては困るからはっきり言おう。私は君にとても感謝している。この通りだ」 ハルヒパパは座ったまましかし深く頭を下げた。 「この家に来てハルヒを見て正直驚いたよ、以前家を出て行ったときとは比べ物にならないほど落ち着いてくれている。多分全て君のおかげなのだろう、本当にありがとう」 そうだ。ハルヒは前よりずっとまともになっている。もう自堕落に一日中パソコンと引っ付いて生活することもないし、部屋だって自分で掃除している。気の向いたときには俺に弁当を作ってくれることすらある程だ。 だったら…………ひょっとしてもうこの父親の言う通りにすべきではないだろうか? だってハルヒは誰から見てもほとんどまっとうな社会生活を営める能力を持っている。それが誰の手柄かなんて問題じゃない。ハルヒが戻れるなら、早く元の生活に戻してやるべきなんじゃないのか? そう、こんな不自然な関係はさっさと止めにして。 「ハルヒの仕事先についても大手の総合商社と話が付いている。ハルヒの一流大学の肩書きは中退とはいえ十分に買ってもらえたよ」 普通ここまでしてくれる両親ってのは中々いないと思う。ハルヒの両親も、紛れも無くハルヒを愛しているんだ。それは違いない。 でも、ハルヒは気にいらない表情でぶすっと顔をしかめていた。そして俺も内心同じ気持ちになるところがあった。それがなぜなのかはわからない。 「それでねハルヒ。あんたももう25でしょう? もういい相手を見つけて家庭を築いていく年よ、だからその会社で働きながら男の人と仲良くなって…………」 「イヤよっ!!」 ばあん、ハルヒが机をぶっ叩いて立ち上がり反論した。これには俺もハルヒの両親も驚いた。 「母さんも父さんも! いっつもそう!! あたしの事なのに全部そうやって勝手に決めて!」 「お、落ち着けよハルヒ!! 両親だってお前の事を思えばのことじゃないか!? ありがたい話じゃないかよここまでしてもらって! 感謝こそすれ文句をいう筋合いは無いだろ!」 俺がそうなだめると、ハルヒは荒い息を吐きながらもすっと椅子に腰を下ろした。 「……まあそういうことだキョンくん。それでさっきの質問の続きだ。君はハルヒをどう思っているんだ?」 ハルヒパパが落ち着いた、しかし低い声でそう尋ねた。 俺にとってハルヒがどういう存在なのか? それは…………ずっと前にも同じことを考えた。そして今も答えは同じだ。 俺はハルヒが好きだ。 この奇妙な同棲生活にも、言い得ないほどの満足感と幸せを感じていた。 だからハルヒと結婚を前提に付き合う気があるのかと聞かれれば。「はい」と答えることになる。 だが、だったらハルヒはどうなる? 今俺が一緒にいたいと言えば、ハルヒはこの場の勢いで同意するかもしれない。しかしそれが本当にハルヒのためになるのか? 今の生活を引きずってハルヒが婚期を逃すことを両親が一番恐れているのはわかる。そしてそうなったとき、俺は責任を取れるのか? そんなの取れるわけがない。親からすれば自分の娘の一生に関わる問題、必死になるのも頷ける。 ハルヒの両親はすでにハルヒのために家に医者やカウンセラーを準備させるとまで言っている。おまけに就職口も、いい結婚相手を探す方法まで用意してくれている。 今のハルヒは確かに以前のハルヒに戻ったが、それでもまだ高校生と同じくらいの精神年齢にしか見えない。そんなハルヒに今この場で無理やり俺を選ばせて、ハルヒが本当に幸せになれるのか? この両親だって口には出さねど内心は反対している、それは雰囲気で十分伝わってくる。そりゃあ当然だろう、ハルヒならもっと金持ちのいい男をいくらでも捕まえられる。可愛い娘を俺なんかにさらわれたくないと思っているだろう。 俺はハルヒが好きだ。だがそれ以上にハルヒ自身に幸せになってほしい。だったら、ここでの返事はもう決まっている。 「…………わかりました。もう俺がハルヒにしてやれることはありません。ハルヒをよろしくお願いします」 俺は手放した。いつでも手の届くところにあった俺の一番の幸せ、ハルヒとの生活を。 それ以上誰も何も言わなかった。 ただその時のハルヒが顔に浮かべた表情はひどくがっかりしたもののように見えた。ハルヒが一体誰に何を伝えたかったのかはわからなかった。 そしてその後の手続きはひどく事務的なものだった。 まずハルヒパパは、ここでハルヒが世話になった分の金銭を養育費として支払うと言ってくれた。 手渡された小切手に記された金額は、とても一人の人間が一年足らずの生活で必要とする金額ではなかったが、多い分は気持ちとして受け取ってほしいということだった。 それから、ハルヒはそのまま両親と共に家を後にした。これといった私物を持っていなかったハルヒは、ここに来たときと同様に手ぶらで着の身着のまま帰っていった。 あれほど怒り狂うように抵抗していたハルヒはなぜか帰るときはこの上なく大人しかった。 ぱたんと玄関の扉が閉じてからは静かだった。久しぶりに一人になった広い部屋で、俺は一人分の昼食を作って食べた。 それからまた元の生活に戻った。気楽で気ままな独身男性の生活ってやつだ。 仕事は忙しかったがそれが逆にありがたくもあった。早くハルヒの事を忘れちまいたかった。忘れないと俺自身がいつまでも前に進めないと思ったから。 部屋を模様替えして大掃除した。部屋にあったハルヒのために買って来た雑誌やらなんやらは全て捨てた。 クローゼットの中には一つだけ掛けられた女性物の服があった。以前まだハルヒが全くひきこもり状態から回復していなかったときに通販で一緒に選んで買ったものだ。家に送ってやろうかとも思ったがやっぱりそれも捨てた。 ハルヒだってさっさと俺の事を忘れるべきだと思ったから。俺の事も、ここでの生活も全て忘れて、ハルヒママの言う通りいい男でも見つけて幸せな家庭を築いていくべきなんだ。 1ヵ月経った。もうあまりハルヒの事を考えなくなった頃、夕方帰宅した時に一本の電話が掛かってきた。 せっかく家に帰ってまた会社から仕事の話じゃないだろうな。そんなことを考えながら俺は受話器を取って耳に当てた。 電話を掛けてきたの相手は会社の上司ではなく、ハルヒの母親だった。 ひどく狼狽している様子で、ハルヒの母親は恐ろしさから来る震えを堪えるのと同時に、嗚咽を漏らしながらむせび泣いていた。 なにがあったんですか? そう聞くと、ハルヒの母親はなんとか一言を搾り出すために呼吸を整えて、短く俺に告げた。 『ハルヒが自殺した』 後編に続く
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