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注意! ちょっと頭のおかしい時に書いているので、キャラ崩壊は当然の事として、訳の分からないノリが発生しています。 それでも良いお方は、どうぞ・・・。 AS「・・・霞が実に幼い見た目だ、というのは俺も良く知っている事だ。」 AS「だからと言って、そんな俺が霞を愛していたのはロリコンだから、では断じて無い。」 AS「何故かそのような時流があるようだが・・・俺は断じてロリコンではない。」 ???「でも霞ちゃんロリなんでしょ?」 AS「!?」 AS「だから俺はr」 ???「でも実際ロリでしょ?」 AS「いや、だかr」 ???「実際霞ちゃん以外愛せてないでしょ?」 AS「・・・。」 『なんだコイツ』 俊「俺は確かに女が怖い、女は苦手だ。」 俊「だからと言って、俺は断じてホモではない。」 俊「いやホント、これ勘違いするなよ」 ???「でも男じゃないとおっかなびっくりでなかなか近寄れないんでしょ?」 俊「!?」 ???「女だと落ち着かないんでしょ?」 俊「いやだかr」 ???「って事は男しか落ち着けないんでしょ?」 俊「ちょっと話をk」 ???「って事はやっぱりホモじゃないか!」 俊「・・・。」 『なに?コイツ』 Alter「 」 Alter「 」 Alter「 」 ???「でも・・・うん?あれ?・・・おっかしいなぁ、誰かいると思ったのに」 Alter「 」 ???「うーん、やっぱり気のせいかな?」 A 「 」 『 』 レイハイト「(NOAH可愛い、ああ可愛いよ、世界一可愛いよ・・・。)」 レイハイト「(間違いなく世界一だよ、絶対に可愛さで負ける訳ないよ・・・。)」 レイハイト「(ああめちゃくちゃなでなでしたい、超すりすりしたい・・・。)」 ???「(でもNOAHしか愛せないんでしょ?)」 レイハイト「(こいつ、直接脳内に・・・)」 ???「(NOAH以外はムリなんでしょ?)」 レイハイト「そうだ、だがそれがどうした?」 ???「えっ」 レイハイト「えっ」 ???「・・・。」 『何こいつ』 続かない
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ここでは氷冬の技を紹介する。 一刀流、二刀流、四刀流の三つに別れる。 固有剣技とは刀四本の何れかが先頭となることで剣術に大きな変化を齎す戦闘スタイルである。 ~一刀流~ 抜刀速度に優れた戦法。 白夜(びゃくや) 強力なカウンター斬り。 天神(あまがみ) 刀1本で行う居合い。 天裂(てんれつ) 瞬間移動するかのような素早い前方移動から、刀を払って切り裂く。 一刀流・固有剣技 凍閃(とうせん) 「冬空」または「凍滝」を一振りすることで前方に巨大な氷の壁を築き上げる。 名称の由来は「通せん坊」。 舜銀(しゅんぎ) 「凍滝」を先頭に繰り出される。 刀を冷気で酸素と化合して出来た水で濡らし、鞘との摩擦係数を減らして光速を超える居合いを繰り出す。 ある人物が使用していた最強剣術が元になっている。 ~二刀流~ 両手の刀を精緻に制御しながら攻防を行う戦法。 この剣術はミシェルやクロブといった名の知れた人物が使用している。 飛出(ひしゅつ) 2本の刀を平行に持つ構え。この構えから以下に挙げるように連続して斬撃を繰り出す。 時鳥 名称はホトトギス。 相手に向かって目に留まらぬ速さの滅多斬りを繰り出す。 烏 名称はカラス。 頭の中を無にし、斬撃を無差別に放つ。 鶯 名称はウグイス。 高速回転しながら切り刻む。 相手の遠距離攻撃を防ぐこともできる。 鴎 名称はカモメ。 相手に向かって横斬りを繰り出す。 雉 名称はキジ。 相手に向かって斬り上げる斬撃。 隼 名称はハヤブサ。 目に留まらぬ速さで接近しながら相手を一閃する。 啄木鳥 名称はキツツキ。 相手に向かって斬り下げる斬撃。 ~四刀流~ 両手の指の間に二本ずつ入れて振るって戦う氷冬のオリジナル且つ最も得意とする戦法。 金閣寺(きんかくじ) 突進しながら敵をすれ違いざまに斬り伏せる。 魔血秘血(まちぴち) 強力なカウンター斬り。その強さは一刀流の“白夜”の四倍も誇る。 名称の由来はマチュピチュ。 阿武神武(あぶしんぶ) 激しく回転しながら敵を斬り刻む。 名称の由来はアブ・シンベル神殿。 刄刀羅(ばとら) 一瞬で標的を8つに斬り分ける。 名称の由来はハトラ。 荒刕刈雫(ありがな) 敵の急所に全ての剣撃を叩き込む。 名称の由来はアリスカン。 集慧薙(しえな) 強烈な横薙ぎを連発する。 名称の由来はシエーナ大聖堂。 除琉々参千(じるるさんぜん) 極端な前傾姿勢で重心を前に置き、回転しながら切り刻む。 名称の由来はサン・ジョルジョ山。 啾愁禾(なすか) 爆発的な脚力で接近し、四本の刀の柄を相手の腹にめり込ませる。 また接近中に技を受けるとホログラムの様に歪み、消える。 氷冬が持つ唯一の高速剣術。 名称の由来はナスカの地上絵。 夢螺(むら) 居合いを繰り出しながら高速で突き進む。 名称の由来はムラカ。 深数(みず) 素早い連続斬りしたのち×状に切り裂く。 名称の由来はミストラス。 滅終(めお) 左下、右下からの斬り上げで×状に切り裂き、最後に一回転して再び×状に切り裂いて吹き飛ばす。 名称の由来はメテオラ。 四刀流・固有剣技 幻葉怒武(げんばどむ) 「夏鬼」を先頭に繰り出される。 刀が燃えている状態で相手に乱斬りを繰り出す。 名称の由来は原爆ドーム。 紅恐重(ぐくえ) 「陰秋」を先頭に繰り出される。 薙ぎ払いと斬り下ろしの連続攻撃を行い黒い衝撃波をも発生させる。その威力はどんな硬い建造物でも瞬時に切り刻まれてしまう。 名称の由来はマプングブエ。 紋衫魅視流(もさんみしる) 「刹春」を先頭に繰り出される。 両手の刀を風車のように片手で回転させながら、突進して滅多斬りをする。 その際に無数の風刃が生まれ、攻撃と同時に相手を切り裂く。 名称の由来はモン・サン=ミッシェル。 連携技 天澪紋衫メロリーヌ花雲魅視流ラッシュ フーナの“天澪花雲”、氷冬の“紋衫魅視流”、スカーフィの“メロリーヌラッシュ”の同時攻撃。 鏡花水月 フーナとの連携技。 互いに交差する様に敵に強烈な斬撃を叩きこむ。 その他 吹雪 吐息による吹雪で敵を凍てつかせる。 より強力な吹雪なら凍結したものを粉々に粉砕することもできる。
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ごきげんよう、シルビアです 政府軍に所属、中尉をやらせていただいてます。 私(わたくし)の日課と言えば、自由気儘に外を散策することなわけですが… シルビア「じゃ、お願いしまーす・」 藤林如水「・・・・・。」 異性としては一番お付き合いの深い藤林さんに仕事を押し付けてしまう手前、あまり良い顔はされません せめて何かしてあげたいものですけど… シルビア「あら、そう言えば今週末って…」 良い事を思い付きました! * 人に愛されるにはまず自分から愛を! 最近言われた言葉です シルビア「あの藤林さんでも、誕生日プレゼントを差し上げればさすがに喜ぶハズですわ!」 仕方なくメモ書きと大量の書類を置いておく うん、仕方ない仕方ない 栄養ドリンクも補充しておこう さて、さっそく何が良いか探してこなきゃ * シルビア「では、いってまいりまぁす・」 藤林如水「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 さて、今日も色んなところに回ろう そう思って歩いていると、小さな足音を立てながら、私の意中の人が歩いてきた クレア「む、これはシルビア中尉…」 私と目を合わせた瞬間しかめっ面をされる、やはり嫌われているようだ、とほほ… シルビア「ごきげんよう、クレアさん」 クレア「…なにやら機嫌が良さそうですな」 シルビア「えぇ、実は藤林さんに誕生日プレゼントをしようと…そうだ、せっかくだから相談に乗ってくださいます?」 ベタベタ クレア「それは構いませんがなぜ密着するのですかええい鬱陶しい!」 ベタベタ ベタベタ * ふふっ、藤林さんの喜びそうなプレゼントも買いましたし、絶対喜んでもらえるはず! 楽しみですわ…ふふっ、人が喜ぶ姿も存外悪くないものです その日の夜 シルビア「藤林さぁん♪」 疲れている様子が見えたから出来るだけ明るく話し掛ける 藤林如水「・・・・・・。」 シルビア「ねぇえ、報告書ばっかり書いてないで私の話を聞いてくださいな♪」 おや?私の想像以上に疲れているのかな…? 藤林如水「・・・・・・。」 シルビア「・・・?藤林中尉?」 藤林如水「・・・・今日どこにいた?」 シルビア「え?」 藤林如水「今日どこにいたかと聞いている」 シルビア「え、えーっと・・・」 藤林さんはゆっくりと椅子から立つ。 藤林如水「アクセサリーショップ・・・ゲームセンター・・・本屋・・・色々行っておられましたな?仕事をさぼってでもいかなければならないのですかな?そこらは?」 シルビア「・・・えー、実はですね・・・」 藤林如水「・・・・・しろ。」 シルビア「え?」 藤林如水「いい加減にしろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 思わず怒鳴られ身体と顔が硬直してしまう 藤林如水「いったいあなたは何を考えている!!!?いつもいつもいつも仕事を人に押し付けて!!!!ああん!!?ロクに働きもせず鍛えもせず毎日毎日ダラダラダラダラと!!やる気がないのなら今すぐ辞めろ!!」 その後も罵声を浴びせられ、思わず哀しくなってしまう、何度も酷い何度も何度も何度も何度も何度も…。ひどい言葉を浴びせられるたびに、どんどん心が痛んだ。とうとう涙が流れ始めた。 嗚咽が止まらない、何で、何で… シルビア「・・・・く・・・ひっ・・・・・・・・ぅぅ・・」 藤林如水「はっ!!まぁた嘘泣きですかな?いいですなぁアナタは!!女だからという理由で泣けば大抵のことは許してもらえるのですから!!」 罵声を聞き終わる前に、泣きながら走り去ってしまった もう、何が何だか分からない 良いことをしようとしたはずなのに! 私は良い事をしてもダメなの!? 豪雨の中、身体が濡れても雷が降っても構わなかった お気に入りのパラソルも広げずただ、走って走って走って… 項垂れて、歩いた あぁ、また嫌われてしまったのだろうか シルビア「もう、慣れましたわ…」 その後の行動の記憶はない 唯一覚えているのは、止まらなかった涙だけ… 「シルビア視点 END」
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このSSはドラマにかなり影響します 物語の進展と共に、一番下に書き加えられていきます。 2月9日 22:00 最終イベント、戦闘開始予定 実はカレンダーを見間違えて日付間違えたとか言えない・・・! この戦闘では参加するキャラの死を覚悟せよ 平成60年、俺に恋人が出来た。 まさか、こんな剣聖崩れのオッサンにロマンチックな恋をしてくれる人がいるなんてなぁ・・・ハハハ。 笑えるけれど、笑えないな。 今や俺は日本以外の全国から見てA級戦犯だ、いつ命を狙われようと文句の一つも言えやしない。 そんな俺に恋をするだなんて、どんな刺激を求めてるんだよ・・・笑えないな。 ともかく可愛くて、平和的思考で、料理もうまい。 こんないいとこ無しのオッサンには文句の一つも言えやしねぇぜ。 俺は程無くして、結婚した。 元よりあっちが想ってくれてたし、こっちも自然と引き寄せられていったから至極当然か。 平成61年、再び戦争に駆り出される。 政府にはもう嫌だときっぱり言ったのだが、俺の妻を引き合いに出された。 あっちは俺が断れば今すぐにでも殺すつもりらしい、参ったな。 こいつらに人権とかそういう思想はねぇってのか、やっぱり役人ってのはこすい上に汚い奴らだ。 俺は渋々、戦争に赴いた。 戦地で当然のように、当たり前のように。 飛び交う弾丸を、魔法を、全て弾いて。 体へと飛来する血粉末を、埃を、全て弾いて。 悠々と中心を、堂々と歩いて行った。 手が疲れる、めんどくさい。 今回もただ真正面から突っ込んで指揮官を斬り捨てた。 はぁ、たったこれだけの事が何故あいつらに出来ないのか。 俺はその後何度も戦争に駆り出された。 ロシアだのインドだの、どこの国の戦争でも。 ひどく酷使しやがる、こっちが手を出せないからっていい気になりやがって。 俺一人居れば勝てない戦争は無いだのなんだの、ぎゃーぎゃー祭り立てやがって。 帰って来たら来たで英雄として騒がれて、ぴーぴー五月蝿くて買い物すらも普通にできやしない。 平成64年 そうして数年、俺は戦地を連れまわされた。 いつかKill Them Allしてやるぞクソ役人共、それと黙認してやがるクソ政府。 と思ってたらその矢先に大統領とか重要所の奴らが色々と暗殺された、どうやらスパイがずっと息を潜めていたらしい。 それからというものの、そのスパイが俺の家の情報を撒きやがった所為で今や逃亡生活待ったなしだ。 クソったれが、開放されたと思ったらこれだよ。 幸いこの国のマザークリスタルと科学エネルギー制御施設を破壊される事は無かったらしい。 あの二つが無くなれば、魔術と科学の文明レベルは0に逆戻りだ。 だからこそシステムは万全だがな、どうせ壊される事なんてあるまい。 平成70年 やっと逃亡生活とおさらばできた、俺が追跡者を皆殺しにし続ける事はや六年。 どうやら無駄と判断したらしい、にしては判断が遅すぎやしねぇかと。 まあいい、これでやっと平穏な暮らしが取り戻せるんだ。 今や日本は全世界を征服したらしいからな、俺のおかげで。 なのに逃亡への助力なんてこれっぽっちも無かったぞ、何故だ。 ふざけやがって、誰のおかげで制服できたと思ってやがるんだよクソファッキンイエローモンキーズ。 遠まわしに自分を卑下してる気がするが、仕方ない。 そしてこんな無茶苦茶な生活になっても俺を支え続けてくれている俺の妻、光月(ぴかづき)に感謝だな。 最大の心の癒しだよ、愛してるぜマイハニー。 平成75年 平和ボケしそうなこの年この頃。 子供が出来た。 ついに俺もお父さんかーはははやべーよ「できちゃった♡」とか聞いてねーよ確かにあんだけやったら危ないかなーとか思ってたけどさーでも突然それ!?”!|+‘~=‘*LI`(文字が汚くて読めない・・・) でも可愛いから許す、きっと生まれてくる子供も光月に似て可愛い女か俺に似てかっこいい男になってくれるはずだ。 どっちにせよ護身術として俺の剣術を1から10まで叩き込んでやらないとな、まさかまた剣を握る事になるなんてなぁハハハ。 平成76年 全世界のマザークリスタルと科学エネルギー制御施設が一斉に破壊された そんな筈は無い、と否定したいが否定のし様がない 折角慰月が生まれたのに何だってんだ 破壊されて開放された魔力と科学エネルギーが暴走して行き場を無くし、互いに混ざり合って禁断反応を起こして日本帝国の各主要都市がどんどん森林化しているらしい 中継が止まった、ここは幸いにも田舎だからそうすぐに被害は及ばない そう、思っていた。 思いたかった。 平成77年 世界は広大な森林に埋め尽くされた、緑の星と化したのだ。 暴走したエネルギーの禁断反応は海の半分を侵食しているらしい。 有り得ない、と否定したいが俺はこの目で確かめてしまった。 否定のし様も無い。 今は近くに住んでいたご近所さんとで小さな集落を作って暮らしている。 科学文明も魔術文明も、全世界同時に0に戻った。 何年かかったか知らないが、山のような努力は全てパアだ。 ざまあ味噌漬けお茶漬けの元だぜ、クソ役人共。 とか言ってらんねぇ、俺ら市民にまで被害があったんじゃあな。 こんな状況でも、光月は笑顔だ。 その笑顔に、俺は元気付けられる。 やっぱり愛してるぜマイハニー、そしてマイボーイ・・・?ガール・・・?慰月。 何故だ、慰月が男なのか女なのかわからない。 アレを確認しようとしたところ、なんだかご都合主義的な闇に包まれていた。 平成78年 集落を追い出された。 俺が剣聖崩れとバレた所、速攻だった。 なんでか知らないがあの集落、元ドイツ人やらアメリカ人やらの軍人ばっかだった。 俺はそういえば他の国から見たらA級戦犯だったな。 仕方なく、近くにとても清んだ川の流れているいい場所に小屋を建てた。 こんな即興のお粗末なデキの家でも、光月は笑顔で満足してくれた。 その眩しい笑顔に俺はやっぱり癒された、愛してる。 慰月はやっぱり性別がよく分からない。 平成81年 今日は慰月と光月が二人で散歩に行った。 どうして俺は連れて行ってくれないんだと聞いたら、「秘密のお話だから、無月さんはだーめっ♡」だってよ。 可愛いから許す。 なんか慰月がこの日から笑顔が多くなった。 平成83年 嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だこれは嘘だそんなはずは無いこれは嘘だ嘘だ有り得ない嘘だこれはきっと現実ではない嘘嘘嘘嘘嘘嘘 光月が、殺された。 慰月を庇って、殺された。 殺したのは、あの集落の奴らだった。 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す全員皆殺しにしてやる 俺の心は、刃は、正気は、奴らの鮮血で真っ赤に染め上げられた。 あんなことがあったのに、慰月は笑顔を保っている。 腹立たしくなって、八つ当たりしてしまった。 母の死をなんとも思ってないのか、と逆上して。 あの時気付いていたのに、涙が流れた跡があったのに。 俺は、親失格だ。 平成84年 慰月にこう言われた。 「僕はね、おかーさんにね、こう言われたんだ。」 「他人を憎んだら、争いの種が連鎖していって、また新しい争いが生まれる。」 「だからね、どんな時でも恨まないで、笑顔を保って。」 「笑顔は他人を幸せにするから、その幸せは広がって、争いをなくしてくれる。」 「そう言われた、だからね・・・僕は笑顔を振りまくよ。」 そう、慰められた。 慰月・・・、殴ってごめん。 馬鹿なお父さんを、許してくれ。 平成86年 この年から、俺は慰月に剣術を教え込んだ。 様々な人が集まって、電力というローテクノロジーに戻って使って運営している民間学校のようなものに通わせているが。 勉強なぞはロクにできず、できているのは対人コミュニケーションぐらいのものらしい。 なんだよ、面接官対策でもやろうってのか。 こんな世界にそんな大層なご役職、有るわけないだろ。 どうにも男女だの女男だのバカにされているらしい。 必要最低限の護身ができるように、剣術の指導を始めた。 ししょーと言われるのがなんだかむずがゆくて、心地よい。 平成89年 なんでや。 俺はあれだけ返しの技ばかり教えたつもりなのに。 気がついたら慰月の技は攻撃主体になっていた。 なんでや。 聞いたら「チャンバラしてる内にこーなってた」と言われた。 こやつあんの学校でチャンバラなんぞやっとったのか、畜生ぬかった。 チャンバラで培った技術がまさか俺の剣術を侵食するだなんて、どれだけチャンバラやってやがんだこのガキ。 気分は時代劇であっさり斬り捨てられる武士の気分だ、一本やられた。 平成90年 仕方ないから必要そうな知識を一通り詰め込んでやった、飲み込みの速さが凄くて助かったが少々気味が悪いっつーかキモい。 なんで高校ぐらいまでの必要そうな知識を一年で詰め込めるんだよアホか。 俺の苦労返せ、勉強に必死になった俺の努力返せ。 どうでもいいけどまだチャンバラやめてないらしい、ああどんどん俺の守備的剣術が攻撃的にアレンジされていく。 どうしてこうなった、俺は身を守る為の剣術を教えた筈なのに。 平成93年 この年まですごく平和に過ごしてきた。 俺の激動の人生のお釣りがついに来たか、という感じだ。 おせーよ、せめて光月の命を返せ。 ・・・ああ、視界が霞んでくる。 俺の、妻。 風見光月。 ・・・悲しくて、悔やみきれなくて。 平成94年 変な穴を見つけた。 穴の底には違った景色が映っていた、また違った世界にも見えた。 なんせ森林に覆い尽くされていないのがその証拠だ。 ってああっ!慰月がいない!これ書いてる間にどこ行きやがった! ・・・もしかして、この穴に飛び込んだ・・・とか、ない、・・・よな? もし数ヶ月待って帰ってこなかったら、俺も飛び込もう。 俺に残された、最後の、守るべきモノなのだから。 掛け替えの無い、俺と光月の宝物。 頼む、無事でいてくれ・・・。 平成82年 慰月は、人じゃない。 そう、光月に言われた。 信じられたものではない、何故なら俺と光月の間・・・正真正銘人間の間に出来たのだから。 始めはそう思っていた。 見てしまったのだ。 背中に纏わり付く科学の鎖を、背中を走る魔術の息吹を。 あれは、俺が、政府の人間だった頃に確かに見たものだ。 慰月は、人間ではない。 マザークリスタルコアであり、科学エネルギー制御コアだった。 俺に何が出来る? 俺に、何が? 平成91年 どうして、と聞かれた。 どうして今更、剣術なんて教えたの。 それは、いつかお前が護るべきモノができた時の日のために教えたんだ。 じゃあ、それまでこの剣は傷付けるだけの剣だねと言われた。 自分が生きる為だけに振るわれる、傷付ける剣だと。 俺の振るってきた剣は、確かにそうだ。 今は慰月だけだ・・・。 どうか、死なないでくれ・・・。 そう言うと、渋々だけれど頷いてくれた。 生きる為に剣を振るいたがらないなんて、どうしたものか。 ああそうか、お母さんとの約束か・・・。 平成・・・年 慰月がどうして性別が分からないのか真面目に考えてみた。 分からない、だから一番分かりやすい方法として。 裸の付き合いをしてみた、風呂で。 あの部分が、まるで砂嵐を起こしたテレビのように見えない。 触っても、どちらの感覚も無かった。 サラシをはずしてやった。 やはり砂嵐のようだ、感覚は無い。 普通にぶたれた、痛かった。 本当に女か男か分からないだなんて、冗談だと言って欲しい。 子供を疑うのは親として最底だが正直、人間の肌とは思えない。 魔術干渉と言えば昔はそれでケリがついたが、今は魔術の文明レベルが0、即ち水の泡になってしまった・・・って自分しか読まないのに何で当たり前の事確認してんだ俺。 そんな世界で魔法を使えるモノなどいない、魔術文明レベル0フィールドでの実験では有名な大魔法使いや賢者でさえ不可能だったのだ。 どういう事なのか、科学と魔術の文明レベルが0になっていなければ分かっていたのかもしれない・・・。 頑なに背中を隠していたが、何だったんだ? 見ようとしたら今度は本気でぶたれた。 見たら何も無かった。 けど本気で何度もぶたれた。 なんでや。 殴られ損だよ畜生。 平成・・・年 各国のマザークリスタルと科学エネルギー制御施設について。 政府の犬として使われてるのをいい事に、勝手に極秘資料室に潜入して資料を漁って知ってしまった。 最初は好奇心だったが、もはや好奇心で済むものではない。 マザークリスタル、科学エネルギー制御施設共にコアがあるらしい。 ただのコアならいい、しかしそのコア。 人間らしい、何でもマザークリスタルコア適正の高いものと科学エネルギーコア適正の高いものを勝手に拉致して使ってるらしい。 全くもって非人道的な話だ、ふざけてやがる。 何でも数百年に一回はコアの存続の為に適正の高い赤子を病院で密かにチェックして、政府が拉致しているそうだ。 まあ、俺には関係ないだろう、子供どころか恋人すらいやしねーしな。 平成|=/ ^ あんなものを見た後だから無理も無いのだが、思い出した。 マザークリスタルと科学エネルギー制御施設についてだ。 子供の頃に、学校で見学会があったのだ。 見学の際に、限られた数名の子供は声が聞こえていた。 「助けて、おとーさん、おかーさん。」という声が。 かく言う俺もその一人だった。 聞こえた奴はどうやら俺以外は夜も眠れなかったらしい、俺はそういうのを信じない人間だったからぐーすか寝てた。 当時はただ不気味だっただけだったのだが、今は違う。 中に人間が入っているとしたら、あの声に納得がいく。 どうやら俺は随分と踏み込んでしまったらしい。 暗殺されてしまってもやむなしじゃねぇか。 ま、家族はもう俺しかいないから迷惑なんざかけずに死ねるからいいんだがな。 どうせ死ぬつもりも無いし、この世界の人間じゃあ殺せやしないだろ・・・。 平成80年 慰月は暗い思考の持ち主だ。 俺に似てしまったのか?いや俺はそんなに暗くない。 どうせなら光月に似て欲しかったが、だめだったらしい。 割とすぐにへこたれるし、割とすぐに弱音を吐く。 それに思考がネガティブだ、物事の最悪の場合から考える。 こんなんで大丈夫なのか俺は不安になる。 #/ |}・_年 書類には続きがあった。 コア適正のある者は先天的に魔術及び科学エネルギーの関わるものの扱いが非情に上手い。 いつだったか、失踪した小学校の同級生は確かに魔法の扱いに秀でていたな。 まあ、ここまでならいいんだ・・・問題はここから。 コア適正のある者がコアを移植されると、人としての感情を次第に失っていく。 もしコアを移植されて、正しい処置を行わずコアとして稼動させなかった場合は。 暴走する、と書かれている。 過去にそういった事件はあったようだが、全て政府が隠蔽したらしい。 この時攻撃を加え続け、本体の体力を危険なレベルまで追い込むと。 腹部辺りにコアが現れる、その時コアを破壊するとどうなるか? 答えは単純だ、確実に死ぬ。 何故ならば、それは体がコアに依存しなければならない体になってしまうからである。 いかなる短い期間でも、コアを移植されるとコアは体の中で成長する。 成長しきって、初めて人間はマザークリスタル・・・及び科学エネルギー制御コアとなるのだ。 その過程で、コアは人体に膨大な魔力及び科学エネルギーを供給する。 供給されたエネルギーは体の働きの何にだって役に立つ、特にマザークリスタルコアは魔術の働きに影響する、科学エネルギー制御コアも然り。 その供給に甘んじてしまうのだ、体が。 それによって臓器は働きが悪くなり、気が付けばエネルギーナシでは生きれない程度の働きしかしなくなる。 とんでもねぇ国家だ、全国がこんなものに頼ってるだなんて。 平・・・・年 今日も戦場に縮退砲が飛んでくる。 昔は撃つだけで崩壊の危機だったのに、今やこうも安定している。 パワーバランスもおかしくなったものである、しかもそんなものを防ぐ方法も確立されてるときたものだから恐ろしい。 そんなものを弾き返す俺も俺だが。 この戦争はいつ終わる? 韓国が始まりで、そんな火種の韓国さんは既に滅亡。 今は日本の傘下にまるっと収まった。 犬猿の仲のような時代もあったが、今はもう日本の一部だ。 マザークリスタルと科学エネルギーのエネルギー供給はどの国も足りてはいなかった。 そんなもの巡って、もうこの戦争が始まってから百年近いそうだ。 俺はそんな百年戦争に投じられた核弾頭か、・・・笑える。 たかが俺一人に何ができるのか、せいぜい相手の指揮官を潰して帰ってくる程度だ。 突然駆り出された戦争、俺にはさっぱり分からない。 =・・・・年 ごく稀に、どちらのコアにも強い適正を持った人間が生まれるそうだ。 うん百年に一人の逸材で、そんな逸材がコアになるとどっちのコアになっても長持ちする。 それにエネルギーの供給量もケタ違いだそうだ、以前にアメリカが戦争で勝利したのもそれがあったそうだ。 世界・・・何次戦争だ?もう何回もやってる戦争だから一々覚えてらんねぇ。 しかしそんな逸材にもデメリットがある、それはコアとして成長するまでが非情に長いらしい。 普通コアとして使えるようになるまでに必要な期間はコアを移植されてから五年。 ところがどっこい、両方に強い適正を持つ人間はおよそ二十年かかる。 それまで待てば、50年ぐらいはエネルギーパラダイス。 供給量が余って余計に使う事もできるぐらいにエネルギーを供給するようだ。 ・・・狂ってやがる、どこの国も。 問題として、もし暴走を起こしたら? 答えは一つ、全世界で協力しなければならない。 それは何故か?それは強い適正を持っている、って事は即ち科学武装も魔術の呪文もとんでもなく強いってこった。 体のコアから無尽蔵に供給される科学及び魔術エネルギー、それによって生成される武器やらに最高の適正を持つ。 エキスパートに、世界最高の武器を与えてるのと同じだ。 そんな奴が暴れ出すんだ、一国家じゃとても押さえ込めやしない。 運が悪けりゃこっちも被害をこうむる、だから一時的に・・・いかなる状況でも休戦して全国で当たる。 でもないと、押さえ込めない程に強いらしい。 まだ記してなかったが、コアの両立は不可能だ。 成長しきった時に、運が悪ければもっと速くから。 互いに体の中で禁断反応を起こし始める、と記されている・・・禁断反応について詳しくは知らない、もし起こるなら、未曾有の被害が起こるだろうと記されていた。 互いに混ざり合わない二つの物質、互いに反発しあう。 もちろん苦しい、しかも暴走反応だって起こす。 すぐに死ぬのは火を見るよりも明らかだ。 だがその間に、魔法と科学の力を振り回す。 命尽きるまで、だ。 それまでに、何人、いや何千・・・何万の人が死ぬのか。 諸説によると縮退砲も余裕で使うとされている、・・・この地球以外に行ったらどうなってしまうのか。 00080905566135 ・・・に、・・・・みた。 ・・は、正直・秘・設だ。 バ・・ら、いくら・・といえ・・も処・もの・。 なぜ、・・・・のか俺にも・・・・・。 だが直感的に、行かなければならない気がした。 呼ばれている気が、したのだ。 そ・・お・・しい、施・だった。 ・・が、液体の入った・・・・に入れられていた。 ・には、目が見えない、と苦しんでいる子や、・が動かないと騒いでいる子もいた。 今の僕には、・・・・っているのか分からない。 ・・きっと、・が大人になれば・・・きっと分かってしまうはずだ。 ・・に居た・達が、一体どう・て苦しんでいるのか。 先生に、心配された。 お前だけどうし集合場所に集合するのが遅かったんだ、と。 頭を殴られそうになったけど、竹刀で手を叩き落とした。 余計に怒られた、けど癖だから仕方なかった。 平成77年 子供の頃のあの時、液体の入ったカプセルに入れられていた子達の事を思い出した。 なぜ思い出したのか分からないが、何か胸騒ぎがした。 過去に俺が政府の犬だった時代の事も多くを思い出した、まるで何かを報せるように・・・。 何だ?俺は俺に何を報せようとしている?自分の事なのに頭が付いて行かない。 後にこのページを見た俺が何かの答えに在りつけるように、俺は必要そうなキーワードを纏め上げておく。 マザークリスタル・科学エネルギー制御・コア・人間・適正・植え付ける・処置・暴走・死・供給・万能・人格・喪失・機能不全・寿命・破壊・死 子供・液体漬け・視覚聴覚消失・四肢制御不能・身体機能低下・両コア適正・コア両立不可能 幾つか足りない気がするが、まあいい。 だがあと少しで、点が繋がる気がする。 何が足りない?何が点になる? よく考えろ未来の俺、ヒントらしい単語はくれてやったぞ。 平成 年 朧げな記憶ではあったが、今確かに思い出した。 俺は聞いた事がある、それも直接だ。 子供の頃、あの声に導かれるように俺は施設に潜入したんだった。 よくもまああの時はバレなかったものだ、いや得てして監視の目を避けたのだが。 俺は運命を感じて、再びあの施設に潜入した。 全く無茶をする、これがバレたら政府の役職なんて即効でクビだ。 まあ、そんなヘマはしないんだがな、認めたくは無いが俺のダメ親が残した光学迷彩装置は世界一だ。 多分書いてないだろうが子供のときもこれで潜入した、・・・って何で説明してんだよ、読んでるのはどうせ俺だろ? やっぱり、昔と何一つ変わりない。 その施設の多くは液体の入ったカプセル、の中に入れられた人間。 苦しむもの、叫ぶもの、助けを呼ぶもの、許しを乞うもの、狂うもの、・・・様々だ。 資料によると、コアを植え付けられるとたまに糸が切れたような音が響くらしい。 すると何かの「喪失」が起こる、何を喪失するかは個人により様々だそうだ。 正気を喪失したもの、心を喪失したもの、記憶を喪失したもの、筋力を喪失したもの、挙げだすとキリがない。 この裏側真っ黒黒スケな国家は、いつまで続く・・・? ・・・・・・ 報告書。 A国にて実験を行っていた所、面白い結果が得られた事を報告する。 暴走状態となったコア移植済みの、それも適正の極めて高い者に限る話だ。 コアを半分のみ破壊してみた所、なんと生存した。 極めて珍しいケースである事は間違いないのだが、適正の高さによってはコア半分ならば自分で制御可能になるらしい。 これを知っている国は死に物狂いで軍事利用の試みを始めるだろう。 もちろん、自我も戻るので、反逆は大いに有り得る。 知性の無い獣と比べて知性のある獣の方がいくら弱くても恐ろしいに決まっておろうに。 少なくともリスクが高いので、様子見を強く推奨する。 馬鹿げた報告書だ、人の命を何だと思ってやがる。 年 探した、俺は必死になって探した。 慰月を救う方法、血眼になって探した。 記憶を1から10まで全て吐き出して、探した。 辿り着いた結論を、述べる。 まずは慰月の体力を極限まで削る、これは俺には不可能だ。 俺は守り専門、攻撃に秀でている訳ではない。 これから導き出される結論は、俺じゃあ慰月を救えない。 この手帳を見ている誰か、もし俺以外の誰かが読んでいるなら 俺の代わりに、慰月を救ってくれ。 体力を極限まで削ると、コアが出現する。 問題の一つはこのコアへの対処方法。 コアが一つだけだったのなら、半分破壊してやるだけで済むのはひとつ前の記録に書いてある通りだ。 二つとも破壊する、これだけは絶対にしてはいけないのが分かる。 何故ならば、恐らく既に体の働きをあの二つのエネルギーが幾らか代わりに行っているであろうからだ。 二つとも残さず破壊する、これでは鈍った臓器の働きが本来働くべき仕事量をこなし切れずに臓器不全になりすぐ死ぬだろう。 じゃあ、どうする? これが謎だ。 片方を破壊して、片方を残すべきなのか? どちらとも半分ずつ破壊するのか? ・・・分からない。 確立としては、後者の方が良い気がする。 そこのさじ加減は、これを読んでいるお前に任せる。 慰月を、救ってくれ。 関連ページ 慰月 無月
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Home–––––––→ ––– 寄宿舎前 公園入口 ––– ニオ「ガコン…ッ(無残に焼け焦げた倒木にドアノブらしき突起物が出現し、それを本物のドアのように切り開けて中からのそりと顔を出し)揃いも揃って……(大きく ため息を吐き零し消し炭を踏みつけながらその場に降り立ち焼け野原を見渡しながら)全くもって、手心というものを知らないわね。ここは冥土喫茶って奴かしら 」 リズ「(更地となった焼け野原の中心、旋風を背に浴び肩から腕まで焼け 爛れ負傷した彼女の姿があり、ニオへ振り返ることなく前方のある一点のみを見据えてい る)死人にクチナシ。残念ながら足もあるしこうして憎まれ口を零す悪友もいる、地獄には程遠くも近い場所だろうよ ––––––そうだろう、キャロル 」 キャロル「か……ぁ"……ハ"…ァ"…… ヒ…ック…カハ……ァ..(問いかけに対しうわごとのように何かを囁きながらリズへ黒ずんだ腕を伸ばすも届かない。仰向けに崩れ、灰を吸 い込んだためか、それとも戦闘で深手を負ったのか指先を動かすことすら難しく)––––– コトン(弦が切れるかのように意識が途絶え、手の甲が地の上に落ちる) 」 Round0 ― 月夜に舞う ― 華峰「一体何事でしょう・・・、斯様な場所でバーベキューでもしてその 不始末が起きたというわけでもあるわけでもないでしょうに。(歩いてくる) 」 リズ「……(表情一つ変えずその始終を見届け静かに目を伏せる)ニオ、手 筈通りに回収。土曜に回収車は来るまいがいらん世話を入れられるかもわからん、お人好しばかりだからね 」 龍司「………な、なんだ……!?なんで、火事が…!?(歩いてくる) 」 コンキリオ「はいよーッ!パカラッパカラッパカラッ―――(首無しナイトメアを駆 り、焼け野原の中心へ辿り着く)こっちに出てから、こんな濃い死の香りを嗅いだのは久々 だ・・・本能的に疼くな。 」 ニオ「(首を横に振りながら肩を竦め、皮表紙の分厚い本を開き掌をキャ ロルへ向け)寝ぬるに尸せず。居るに容づくらず。 よく言ったものだよ、当人の鼓膜もキ チンと潰したんだろうね、フラれたくなきゃキチンと言葉を選ぶべきだと思うよ(人差し指 を右に二回、縦に10回振り魔道書に刻まれた文字が光を放ち始める) 」 ニオの術式が発動し、打ち捨てられた人形のように動かなくなったキャロ ルを囲むように、10という数の杭が降り注ぎ、先端を結ぶ鉄の輪が生成され、瞬く間に彼 女を生け捕りにする鳥カゴが生成された 華峰「魔術・・・ですね。あなた方、これは一体どういった訳でしょうか?(二オとリズに) 」 リズ「大方噓偽りということはあるまい、事実-–––––(首をクイと捻 り、その場に集まった面々へニオの視線を誘導し)この界隈の者共は己の住む世界と、知っ てはならない世界の境目というものを、さながら恐怖という本能が欠落しおめおめと火へ身 を放るハエのように集ってくる。そう––––(状態を捻り、足音の聞こえた方向へ闇夜に冷 徹に輝く紅い双眼を向ける) 虫 ケ ラ 共 が な。 」 イナ「タッタッタッタッタ…… ……―――――寄宿舎の近くで火事だと思って来てみりゃ あ―――(公園入口の車止めポールに手をついて飛び越え、)―――リズ!!(着地と同時にた だリズを睨みつける) テメーどういうつもりだ、キャロルに何してやがる!! 」 ラウニ「(自動車の運転席から、煮え切らない表情で経緯を見守ってい る)……ボス、此処までは作戦通りだよな 」 コンキリオ「相変わらず見事な術式だ―――ほんとは今すぐにでも洗ってや りたいが、これも任務だしな。(鳥籠の中のキャロルを、というよりはその頭髪を一瞥し、 名残惜しそうにするも首を横に振る)やはり死の匂いに集ってきたハエは、俺だけじゃない らしいな。 」 華峰「虫けら、えぇ、きっと火の光に儚く集る蜻蛉でしょうね私たちは。 ―――なるほど、その口ぶりからして・・・・ギャング、でしょうか? 」 龍司「……あんたら、何か知ってそうだな……何をした…!?(リズとニオを 見る), 」 リズ「協会のシスター….はは、これはこれはこの場に不釣り合いな、返 って絵になるなァ?地獄の食卓を飾る羊の代わりぐらいにはなるだろう(忌むべき者を見るかのように華峰を見据え、眼を細めて言葉とは裏腹に愉快そうに笑む)それで?お前にそれ を説明して–––––(両腕を広げ、問いを投げかけそうとしたところにイナが駆け込み)…… (以前イナが見たリズとは似ても似つかない、妖艶ながらも血を啜る化け物が人の皮を被っ たかのような顔を向け)気安くその名を呼んでくれるな、カザマ。例えそれが我が愚妹で も……だ。 ……(ラウニ、コンキリオ……いいや、"まだ"使うべき駒ではないな)……(ニオ、 の更に奥の茂みに視線を向け) 」 ボウデン「……(花火にしてはド派手だねぇ…(自動車横の木にもたれかか りながら経過を見ている) 」 ニオ「ば……だ、だから程々にしておけとあれほど… 部外者の手は借りま いと言った奴が必要以上に巻き込んでどうすんのよ(額に手を当て心底呆れ返ったように首 を横に振り) 私は責任者でも無いしあなた達の処遇をどうこうすると言えた身じゃぁない けど……(パチンと指を鳴らし、キャロルを捉えた鳥カゴを"一瞬"で自身の隣に呼び寄せ、 底の見えない深さを湛えた瞳でその場の全員を見渡す)好奇心にせよ正義感にせよ……この 場においてはそのようなものは犬や猫にでも食わせておきなさい。命は投げ捨てる者じゃ無 い」 コンキリオ「藪をつついて蛇を出すとはよく言ったものだが―――つついて 出るのが蛇だけとぁ限らねぇ、この場合は・・・(首のない漆黒の馬の上で、漆黒の鎧で身 を固めた異形が。睥睨し、滾々と『死』の気配を放ち続けている―――) 」 華峰「そうですか、ではその食卓には是非ともおいでくださいな、持て成 しは地獄の沙汰にもよりますが(ニコニコ) さて、こうも人が集まってくるとなる と・・・穏やかじゃなくなってきますね。 」 イナ「…… …… ……っ(リズのあまりにも前回の印象と違いすぎる表情を見 て、思わずたじろぐ)あ ゙ァ……なぁリズよォ… テメーが、テメーらがそのつもりなら、オ レにも考えがあるぞ(青筋を立て、一切の『喜』『楽』の感情が入らないひくついた笑みを リズやニオに向ける) 」 リズ「……(コンキリオに目配せし、鳥かごの側に立つニオの方へ首を捻り 視線を誘導する)任せた、特急料金は弾むぞ もともと悪魔と呼ばれた身だ、私にはあつ らえ向きだろうよ、是非ご賞味させていただきたいものだ……最も、貴様が食材として原型 を留めていたなら、な。(腕を組み自虐的な発言とは裏腹に余裕の笑み)まぁ、その通り だ……。人の口には戸は立てられん、ともなれば……さて、どうしたものだろうな? ––––ほ う?(物理的には見上げる側でこそあるものの、頬に指を添えて道化を見下ろす客のように 微笑み)それはそれは……是非”示して”貰いたいものだな、いいさ……”やれよ。” 」 ラウニ「(今は私の出番じゃない…って訳か……)っと、忘れてた(鶏のマ スクを頭から被り、自動車のエンジンを掛ける) 」 コンキリオ「―――あいよ、頼むからこの子の頭一つぐらい後で洗わせてく れよな・・・!(グイッ、と手綱を引き、ナイトメアを駆り、鳥籠のすぐ隣まで移動する) 」 華峰「ふふ、その時は、ぶぶ漬けにでもして食してくださいな。――――さ て、そろそろ刃を向けられますかな? 」 ラング「ちょおっと待ったあ!!(大声が響く)ご近所さんから連絡があ って、何が起きたかと来てみれば…!(鳥籠に閉じ込められたキャロルを見る)何をやって るんだ、お前達はッ!!キャロルに……何を、どうして!! 」 ニオ「ああ!ああ本当にこいつら本当にもう!坊やといいエリザベスとい い脳筋ばかりか!(やってられねーよと言いたげに魔道書を床に投げ捨て地団駄を踏み)一 応私にとっても大事な積荷よ、ワレモノ扱いよろしく(指先一本の挙動だけで鳥かごを浮か せ、コンキリオの方へ飛ばし)私はお姫様扱いでね、しっかりエスコートなさい(続けざま にコンキリオの肩に魔法を駆使して飛び乗る) 」 コンキリオ「うおっと!(鳥籠をがっしりと掴み、抱える)お姫様っ て・・・あんた、俺でよかったな・・・俺以外の同族だったらもれなく―――いや言わんと こ・・・俺そういうのしないし・・・!(ぶんぶんと首を振る)っしゃぁ、飛ばすからしっ かり掴まっとけよな!(グイッと手綱を引き、首のない『ナイトメア』を勢い良く走らせる)」 イナ「―――――――――― ズ ゥ サ ァ ア ッ !! (リズ の声が合図となり、常に持ち歩いている竹刀を抜刀し、次の瞬間にはリズの正面へ肉薄し竹 刀を振り被っていた) あんま…ナメんじゃねーぞ…!(イナの眼光はリズの双眸を射抜き ―――) ヴ ゥ ン ッ !! (厚みのある風切り音を立て、リズの肩を目掛けて溜めた竹 刀を解き放つ) 」 龍司「……あんたも来たか、よろず屋さんよ(ラングの方を向く) 」 ラウニ「籠大丈夫か? …いや大丈夫だよな、これ……(車を発進させ、コ ンキリオの後ろに付く) 」 華峰「あら、あの方随分と血気盛んな・・・。(おかしい、いくらギャン グの実力者とはいえ・・・一人で?) 」 ラング「あっ、龍司さん!龍司さんも来てたんだn……(コンキリオとニオ が去っていくのを見る)……いやちょっと待ったって言ったでしょおおおおおおおおおおお おおおおおおお!!? 」 リズ「便利屋––––(ラングの叫びを耳に入れ、一瞥もやらず心なしか先ほ どよりも狡猾な声色と表情に変わり)全く運命という物は憎んでも憎み切れんな。あの愚図 もお前のような地雷を残していくとは…… なぁに、そう構えずとも私はそうそうカタギの 者に牙は向くまいさシスター(両腕を組んで伏見がちに笑み)ただ––––––(空を切り目前 まで迫るイナの一閃に対し、髪が風圧でなびくも涼しい表情を浮かべ)私の右腕とやらは、 肉体の一部でありながらも勝手に動くものらしい 」 –––– ♪ ジゼル「 ヴ ォ ン ッ (あたかもそこに既にいたかのように、リズと イナの間に割って入り)–––––私怨はありませんが(その言葉がまるで意味をなさないよう に、眼前の敵を、敵である以上に憎むべき存在のように殺気を湛えた眼で居抜き) ズ ァ オ ォッ ッ (刃が3本に増えたかのように見える三つの斬撃が、風車のように渦を巻いて同時 に繰り出され、火花を散らして竹刀とぶつかりあい刀身が深く食い込み鍔迫り合いになる) 御 命 令 で す の で 」 ボウデン「……さて、俺も籠をまもりますかね……?(コンキリオの後ろに着 いたラウニの横でセグウェイに乗りながらトンファーを構える) 」 龍司「とりあえず、どんなわけがあろうと……自然を破壊するやつぁ気にく わんね(レーザーガンを2本発生させる) 」 華峰「あら、それは恐ろしい。血を吸い過ぎた者の因果が作り出した魔物 でしょうね。―――――おや。(ジゼルが瞬時に現れたのを見て) 」 ニオ「いいや!待てないねッ!この空気の悪い空間に小一時間入れただけ で褒めて欲しいというものd ボロレッ(走り去る直前吐血しラングと龍司の足元に血が滴 りおちる)ケホッ……だから嫌だって言ったのよ……損な役回りよほんとに…… ご心配なく、ア ンタが文字通りのオークならあっちの王子様とドライヴデートに変更するから(ラウニに後 ろ指を指し)……バッ(二度見)あれ、女か。 」 イナ「ギギッ……ギチッ ギチギチ……!!(驚きと苛立ちが混じった表情をし、 ジゼルと鍔迫り合いに) ヤケに余裕かと思えば…仕事熱心な右腕をお持ちのようだな ァ…!!(汗が頬を伝い、鍔迫り合いをしているジゼルを睨みつける) 」 ラング「ええい!リズ、お前はお姉ちゃんだろ!!キャロルに一体何をし たんだ、何があったんだ!答えてくれ! ああッ、血が!!血が出てますよぉぉぉぉぉぉー っ!!(走り去っていくその背中に吼えた) 」 龍司「……おや、病人さんか……?(ニオの吐血を見て) 」 リズ「ああ、どうやら定期的に餌をやらないと植えるらしい……主人の格が 問われる事態だなぁこれは(近接戦にもつれ込むジゼル達を他所に館の方向へ駆けて行くコ ンミリオ達に横目をやり)ここまでは想定通りだ、あくまで––––(そしてその場に集った 全員を、一人一人目に焼き付けるように瞳に収め)シスター、野良マフィア、一匹狼、挙句 は正義の味方か……。 “早過ぎたな” 再三同じことを言わせるな、”今の”お前達に話し たところで私にも、キャロルにとっても、何も吉にも凶にも足りえん。力なき正義などお呼 びでは無い 」 ジゼル「ギ…ギギ……(口を閉ざしたまま刀を受け止めるが、徐々に押され 始め靴底が僅かに浮いて後ずさり) タ ァ ン ッ (バッグステップを踏んで空中で縦に1 回転し後方に着地)……(そして両腕を広げ、イナを含む全員へ深々と優雅に一礼し目を伏 せたまま)–––––お嬢様、急ぎ撤退を。 お客様のお相手私が御引き受けいたします故 」 ラング「俺のこの想いは、"正義"じゃない!"友情"だ!!友達であるキ ャロルに何があったのか、どうしてそうなったのか......知りたいと思うのは、当然だ ろ!! 」 華峰「あらまぁ、とんだ猟犬ですこと。――――しかし、どこかで見たこと のあるお方ですね。(ジゼルを見て) 」 ラング「俺のこの想いは、"正義"じゃない!"友情"だ!!友達であるキ ャロルに何があったのか、どうしてそうなったのか……知りたいと思うのは、当然だろ!! 」 龍司「おうよ、よろず屋さんよ…この辺が焼かれてたから何が起こったの かと思ったら…とんでもねえことになってるみてえだな……(ラングに)力なき正義ねぇ……そ れがお呼びでないかどうか…それはあんたが判断することじゃねえさ(リズに)……礼儀正し い従属さんだねぇ……(ジゼルを見ながら) 」 リズ「(隣に並び立つジゼル、前方の敵を見据え余裕を湛えた笑みは消 え)–––––生憎だがアポイントメントのない面会は秘書でも許せん、荷馬車と奴らの距離を 離すだけでいい 友情……(トンと米神に筋張った指を強く当て)なら尚更、教えたところ で意味はなさない。そのガラス細工の友情とやらと正義、お前はそれらを天秤にかける。た だそれだけの事に過ぎん さて……(無重力状態になり、月光をバックに夜を巻い……) 」 イナ「ヒュ ヒュンッ!(鍔迫り合いから脱出され、空を払い構え直す) (キ ャロルのあの姿……もうプレゼントどころじゃねぇ。どういう意図か知りゃしねぇが、とにかくアイツらとリズの横っ面ぶん殴って、目ェ覚まさせてやる…!)(舞うリズを見上げ) 」 リズ「ご機嫌よう、一夜の悪夢は日の出と共に費える運命。 (スカート の両端を掴み両腕を広げ一礼し)また相見える時あろうものならそれは夢幻ならざ る"死"と思え。(足元から伸び出る薔薇の形をした影に自らの姿を溶け込ませ、跡形もな く消え去る) 」 ラング「―――――ッ……!(リズが消えたのを見て目を見開く)……なぁアン タ、名前は?(イナに向き直って) 」 イナ「…… …… ……。(消えていったリズがいた場所をじっと見つめ) …風間イナ。(声をかけられ、ラングと向き合う)さっきから声が聞こえてた、考えてることは 大体同じみたいだな 」 華峰「つれない方ですねぇ、いいでしょう。殺気を向けられている以上、 神の教えなど紙くずにも等しい。では、教えを刃にのせて・・・・いえ、これでは宗派は違 いますが言うなれば"釈迦に説法"、でしょうか。(スラリと裾口から銃剣を二刀) 」 ジゼル「ヒュンッ(サーベルを斜めに振り払い、視線を向けた華峰に死途のよ うに冷徹な横目を向け)"人違い"でしょう……大方検討は付きますが既にそのような者、こ の現世にはおりませぬ故 さて–––––(前方に構える面々を見据えて刃を立てて構え)数え る程もない罪を背負った、ただ重いだけの漕ぎに等しき刃。見切るに容易い…… 時間稼ぎ をと仰せになられましたが、今この場で(残像を残しながらゆっくりと腕を上げて背に回し 状態を反らせ)汚物は消毒。例外なく職務に取り掛かります(感情を有さない仮面の下に忍 ばせた殺気に満ちた瞳を向ける) 」 ラング「あぁ、やることは一つだ(一瞬目を伏せ、すぐにジゼルへと目を 向ける)まずは……道を切り拓かないとな。そうだろ?ジゼル(そう言って両手に拳を作り 構える) 」 龍司「…風間、イナ…(イナの方を向く)なるほど、あんたが風間イナ、 か…俺は大宮龍司だ。君のことは勝美から少しは聞いてる(突然イナに) 」 イナ「ゾク…ッ…(ジゼルの殺気で背筋に冷たいものが走り、決して小さくな い恐怖がイナの心に生まれる) …? アンタは一体―――あぁ…勝美の知り合いなのか。(納 得したように龍司に) ……――――――。(ラングや華峰が構えたのを見て、自身も竹刀を構え る) 」 VS 【グラナートファミリエ構成員 ジゼル】 龍司「…あぁ、友達だ。勝美がいつも世話になってるな。…まぁ若干変なと こはあるが、これからも仲良くしてやってくれな…(父親のような発言)(イナに)……さて、勝負か(レーザーガンを2つ掌に発生させる) 」 ラング「あっ(そうだ、という感じで呟き)俺はラング・ブレイズ。悪 い、名乗るのが遅れちゃったな(こんな時でも人懐こい笑顔でイナに) 」 ジゼル「(ラングの声がけに対し直接の返答はなく肩をすくめ) あなた 方には神も、道も、守るべき者も……ない。進む事も、祈る事も、抱きしめる事もなく…… (その言葉を終えた刹那、フラッシュバッグのように見えるか見えないかの一瞬にジゼルが ナイフを投擲したかのような像が書い見えたかと思えば)キィィィ…ン(背に回した腕を”既 に”広げて振り払っており、彼女の頭上には今さにラング、イナ、華峰、竜司へ襲い掛から んとする無数のナイフが浮遊しており)お嬢様の目に入らぬよう ––––––––– 死 ね (それらは 雨のように、戦地に降り注いだ) 」 イナ「あぁ、別にいいよ。それよりお前、余所見なんか余裕だな。…さっ き妙な感じがした。油断すんなよ(ラング、そして皆にも忠告する) あ、あぁ…こちらこ そ。(なんか勝美の父さんみたいな人だなぁ…) ん、な――――――(ジゼルのよって一瞬で 張り巡らされたナイフを見て目を見開く)―――クソ!障壁展開!!(付近にいる人たちも守 るように、薄い障壁をドーム状に展開する) 」 ラング「あ、そっか。やばいやばい(ジゼルに再び向き直り)……ってうお っ!……うおぉっ!?(降り注ぐナイフに驚き、イナが張った障壁に驚く) 」 龍司「……っと、来たか……!(降り注ぐナイフをレーザーで撃ち落そうとし たが、イナの障壁を見て射撃を止める)……ほほぅ、あんたは盾がが使えるのか…… 」 イナ「はは、驚いたか?(どうだと言わんばかりの表情でラングに) あ ぁ、あんまり好きじゃねぇチカラだが…(龍司に) 」 華峰「(シールドに守られながら一人、ポツリとつぶやく)――――――"血染 めのジル" 」 ラング「凄いぞこれは!ほら、これ展開したままジゼルに近づいていけば 良いんじゃないか?ノーリスクで近付けるぞ! 」 ジゼル「障壁…… それに……(イナの障壁、そしてクリスタルを見)……そ う、あなたも"持っている"のね (先ほどまでの無表情を気取っていた化粧が微かに滲 み、一歩前へ踏み出す) –––可能性は無限大である。世界は、道とは、時とは無数に折り 重なって存在し……今現在という過程しか体感しえない。 だがしかし(二歩踏み出すと同 時に、サーベルは鞘へ、障壁に弾かれたナイフは彼女の手元へ一瞬で戻り)"結果"だけ だ。選択肢も、過去も、未来も、迷いも必要無い(再び構え直し攻撃に転じようと動き出す が)––––(血染めのジルの名を聞き、足を止め)……その名で呼んでいいのはあのお方だ け…..もう、 殺 す 」 ––––双眼を見開いたジゼルはおもむろにナイフを持った腕を左右に振り 払い、それらを跡形もなく消し去った。そして再びその過程すら見せずにサーベルに持ち替え… 『一歩の踏み込みで一瞬にして間合いに入った』 華峰「―――!!(瞬間移動!?いや、ちがう。もっと単純な・・・いとも たやすく行われたえげつないスキルッ!) 」 ジゼル「その名を口にした事を、聞いた事を後悔しろ、魔剣と化した【血 染めのジルを】くれてやるッ! ズ ァ オ ォッ ッ (刃が3本に増えたかのように見え る三つの斬撃が、風車のように渦を巻いて同時に繰り出され…..) 」 イナ「――――(速い!?竹刀で防いで――駄目だ、それ"ごと"持っていかれる!――なら選択肢は1つ。オレが前に出ないと、勇気を振り絞らないと。どうか、間に合って―――)―――― ド フ ッ ! ! (歯を食いしばって一歩前へと踏み出し、ジゼルの凄まじい斬撃へ水晶が宿った手を翳す―――) 」 ガ ギ ィ イ ィ ン ッ ! ! ! (瞬間、劈くような金属音が響き渡る) 」 華峰「防いだ・・・・だが、その次ッ。彼女はしのげるかしら。 」 ジゼル「–––––!?(それぞれ全く異なる角度、軌道で繰り出される三重の斬撃、それにかざされる手に宿った水晶に目を奪われ、瞳が縮小していく)(この、水晶……まさかこいつ、この…"力"は–––––ッ) 」 ––––––ヒュンッ……・・・ ・ ・ ト ッ (月光に晒される風切音と、舞う閃光。 ダイヤモンドよりも硬質なそれに弾かれたそれは宙を舞い、1回転2回転しながら折れたサーベルの切っ先となって地に突き刺さる) 」 * ♪ イナ「………ニィ。(大粒の汗を浮かべ、苦しいながらも不敵に笑んで見せる。彼女が翳した手に握られていたのは……)……――――よォ、後悔するのはどっちだって? (――――喚楯【煌戦姫】"イージス・サマナー" 。)(息を呑むほどに美しい純白の大盾を携え、ジゼルと対峙する) 」 華峰「なんと・・・・あの盾、彼女はシールダーだったのですか・・・・。これならあるいは・・・・ッ! 」 ラング「―――――……(イナの"イージス・サマナー" の力と美しさに戦闘の最中であることも一瞬忘れて見惚れる)凄い……こんな力が……! 」 ジゼル「––––––––…………。(一瞬、何が起きたのか視界で認識しても理解が追いついていないかのように、折れたサーベルを振り抜き切ったままの体勢で硬直し)……ッッ!!!(言葉にすらできないほどのどす黒い、苦痛や恥辱にも似た感情で縮小した瞳が震え、唇を強く噛み締めた)––––––ええ、後悔以上に……"屈辱ね" ッタァァン(あくまで常人のスピードでバックステップを踏み、距離を置きながらナイフをしまってある懐に手を伸ばそうとする "能力は使わない") –––––– 攻撃……(いや、"だめだ")……この……ッ!!(華峰やラング、竜司などその場に集まった人間全員に視線を送り表情が焦りで強張る) 」 ジゼル「ただの……"人間"の分際で……–––– !!(攻撃、回避……いや、"間に合わない"。5秒の間ではどの選択肢を、時を選択しても間に合わない……!絶対に!!)チャキッ(一瞬の間で移動できる僅かな距離を置いて、ナイフをスローイングしようと身構えるが、素人のように隙が多い) 」 イナ「あぁ、仕方ねーから前は任せろよ。安全に戦えるよう、お前らのリスクを減らしてやる。(華峰とラングに片手を上げて応える) どうした、ビビっちまったのかよ?(有利であると感じ、煽りともとれる言葉をジゼルへ投げかける) 」 イナ「…!(さっきみたいなデタラメな速さじゃない…!今オレに出来ることは…せめて壁になって、視界を潰す。上手く合わせろよ、お前ら―――!) ダッ!(ジゼルが退くと同時に、その距離を埋めるように大盾を構えて接近する。正面の視界を潰し、大盾という『壁』によってプレッシャーを与える意図) 」 ジゼル「(許さない…許さないゆるさないユルサナイユルサナイユルサナ……)……––––!!(来るかカザマ!まずは、お前を––––)殺……––––(慣れた手つきでナイフ抜き取ったナイフを振り上げるが)なン…ッ(しま……ゼロ距離では"発動できない。 "クソ……!)––––(盾の向こう側、見えない外敵に対する警戒からか動作が固まり歯噛みしたまま硬直し攻撃する隙そのものになる) 」 華峰「・・・・――――――時流水境。イナさん、むやみに近づくのは得策ではありません! 」 華峰「(仕方ない・・・・・ここは、援護しますか)ふん!!(銃剣二本と黒鍵三本をジゼルに投擲) 」 ラング「ああ、女の子に護ってもらうってのも情けないけど……今は、そうするしかない!(イナの後ろにつき、同時に接近していく) (飛び出すタイミングが重要だ……!視界が潰れた時……!!そして…味方の援護があったとき!!)そこぉッ!!(勢いよく右方向に飛び出し、迅速に飛び蹴りをジゼルに放つ) 」 ジゼル「(くそ……こんな……–––– こんな理不尽が)こ……のッ!!(突き出された盾に蹴りを入れて距離を離し戦線離脱を図るが) フッ (ようやく視界が開け現状を認識できたかと思いきや、前方に刃が迫り)––––– っっアァァッッッッ!!(声をあ張り上げ上体をヒンルようにしてナイフを振るい銃剣二本を弾き黒鍵一本を交わすも、残りの二本が肩、腕を掠め)ッぐ…う…!よくも、よくもこんな……––––––)┣¨ゴォ!!(怯んだタイミングでラングの鋭い蹴りが繰り出され、なすすべもなくそれを腹部に暗い後方へ矢のように吹っ飛日、背後の焼け焦げた木に叩きつけられる)––––か……ハ……(こんな、あるはずもなかった理不尽を……!!) 」 イナ「(ドッ!)―――うっぐ…!!(盾に対する蹴りの衝撃で体勢が崩れ、後方へ押し戻される。)……へっ…!(しかし、2人の連携が上手くいったことを見て"してやった"ような表情をジゼルへと向ける) ……突発的だったとはいえ、上出来じゃねーの。(ラングと華峰の連携に対して。) おい!もう十分だろ、まさかまだやろうってんじゃねェだろうな!(ジゼルへ) 」 ラング「ザッ!(蹴りの反動をその場で後ろへ一回転することにより軽減し、着地して体勢を整える) あぁ、2人のおかげだ!俺だけじゃ、突っ込むことしかできないからな(そう言った後ジゼルを見る)(やったか……?入った、はずだ……!) 」 ジゼル「––––…ザリッ(蹴りがクリーンヒットした腹部を押さえながらゆらりと音もなく立ち上がり)……この…間合いだ……ッ(今にも倒れそうなおぼつかない足取りでなんとか立ち続けながらも、口元から赤い筋を流した、決して小さくない肉体的苦痛を凌ぐ自尊心をキズ付けられたそれで歪んだ顔を上げ)確かに憶えた…… 次は仕留める、もはや戦う必要もない。 殺 し て や る 、それだけだ(従者と言う立場を超えた一人の人間としての殺意をむき出しにした目で睨みつける) 」 ジゼル「ス–––––– (コートのポケットから黒い液体の入った小瓶を徐ろにとりだ、後方へ後ろ指を向けし)お嬢様は……キャロル様はこの森を抜けた先にある……お前たち人間が、"悪魔城"と呼ぶ城へ輸送される……。 あのお方にワケを問いただすというのなら、来るといい。そこがお前たちの墓標だ–––––"私"が……今、そう決めた…ッ(手にした小瓶を床に叩きつけ、そこからジゼルを覆うように黒い揚羽蝶が舞う) 」 華峰「おや・・・まだ生きていましたか。これは倒すのに難儀しそうですね。 」 ラング「―――――ッ……(ジゼルの視線に冷や汗を流し硬直する) (あの目……今まで見てきたどんな目とも違う……きっとあれが、たぶん……"殺意"を込めた目なんだ……)待ってくれ、俺たちはただ…!キャロルを救いたいだけなんだ!いがみ合う必要なんて、どこにも……!(離れた場所にいるジゼルへ向け手を伸ばして訴える) 」 イナ「ゾッ……!(ジゼルの強大な殺意にさらされ、背筋に冷たいものが走る)お前…どうしてそこまでして―――(そこまで言いかけ、ばつが悪そうに口をつぐむ)(…自分のこと棚に上げて、何言ってんだか……ったく、クソ―――) ………悪魔城…(険しい顔をして口を閉ざし、ラングの訴えを聞きながら黒いアゲハ蝶に覆われるジゼルを見る) 」 ジゼル「理由……––––そうだな…お前たちがそうするというなら尚更、戦う理由は……(黒揚羽に包まれる中、ラングの言葉によって一瞬殺意が消え、消え入るような声で去り際に囁く)”私”には、有る。カザマ、貴様のその力も、ラングお前の想いも、シスター、お前達という存在そのもの全て、そうするに等しい––––(目を伏せ完全に黒揚羽に包まれて姿が見えなくなり、リズがそうしたように、その場かから僅かな血だまりを残して消え去る)……–––––– 」 ラング「……ジゼル……!(その言葉を聞き、消えたジゼルを見て無念そうに腕を下す)……なんでだよ……どうして、こんな風に…… 」 華峰「・・・こうする理由が。こうまでしないとならない理由があるのでしょうね。今は只管、彼女達に・・・・悪魔城に神の慈悲があらんことをお祈りするしかありませんわ(その言葉とは裏腹に口元はにやけ目は鋭く空を見ている) 」 イナ「………(ジゼルが消え去った跡に残った血だまりをしばし眺め、微かに震える唇を悟られないよう俯いて伏し目がちになる)………わからねぇよ。だから、ワケを問いただしに行くんだろ。(やがて顔を上げ、顎で奥の森を指し示して) …神様ねえ。はたして、神様とやらが悪魔に慈悲なんかかけるモンかね(自身の境遇もあり、神に対して否定的な発言) ……まぁいいや。…行くんだろ?(2人に問いかける) 」 ラング「……あぁ!(俯いていたが、イナに問われて前を向く)俺には、突き進むことしかできない……!待ってろよ、キャロル……リズ……!何があったのか、聞かせてもらうからな……! 」 華峰「ふふふ、主は、寛大であらせられますから・・・。(私の求める答えは・・・・この先にあるのでしょうか) 」 イナ「………(ラングと華峰に視線を送り、それから森へと歩き出す)……足手まといは御免だからな。(イージスサマナーを光の塵として消失させ、歩き出して2人に背を向けたままひらりと手を振る)(……すぐに迎えにいってやるからな、キャロル――――。)(森へ入ってフェードアウト) 」 9人の罪人がいた 1人は母親だった 娘である1番幼い囚人を庇い、その夫に殺され8人が残った 8人の罪人がいた 1人が妻を殺した囚人に異議を唱えた その1人はデヴォンに出かけ、二度と戻らない。妻を殺した罪人は魔王だった 7人が残った 7人の罪人がいた 1人が妻を殺した囚人を恐れ脱獄を図った 1人が塀に張り付いたまま串刺しにされているのが見つかった 6人が残った 6人の罪人がいた 1人は一番幼い囚人の折を見張った 1人が昼食のパンを齧り死んだ 5人が残った 5人の罪人がいた 1人は鍛冶屋で屍から槍を作っていた 1人が鍛冶屋を殺してソレを奪い 4人が残った 4人の罪人がいた 1人は魔王の右腕である使い魔だった その1人は槍で心臓を抜き取られ殺された 3人が残った 3人の罪人がいた 3人は家族だった 1人は父を十字に吊るし上げて殺し 2人が残った 2人の罪人がいた 2人は姉妹だった 姉は妹を鳥籠に入れ宝石のように大切に大切に束縛した ー悪魔城ー 【Crimson Overture】 * ♪ ––––某国墓所 森林地帯–––– ニオ「(木を媒介に魔法で生成した馬車に乗り、隣に鎮座するキャロルを閉じ込めた鳥かごに横目を向ける)3分と2秒……敗北はないとしても、そろそろ足止めも限界ね–––––(目を伏せて開いていた懐中時計を閉じ)ここでいいわ。面積も申し分ない……ここなら”描ける”(伏せていた目を開け、熱のない冷めた声色でコンキリオに伝え、鳥かごに手を置く) 」 コンキリオ「了解ッ、ストップだ!(手綱を引くように、グイッと首のない馬を操り、森の中で停止する)・・・魔法、か・・・俺は呪術以外てんでダメだからお手並み拝見だな。 」 ニオ「呪術の類もまぁ嫌いじゃないけどね。利便性を考えれば魔法の方が断然便利ってとこかしら(馬車の座に腰を下ろしたまま雑草一つない地面にチョークを三つ落とし)ガリガリガリガリガリ(それらが自律行動をして瞬く間に魔法陣を生成していく)やっぱり魔法って楽ね、美しいとか善悪とか……ややこしいことを抜きにすれば…… 」 コンキリオ「仕方ないんだよ・・・『呪術』とかその類の魔法のデメリットが無く使える代わりに、俺は殆どの魔法の適性を犠牲にしちまってる・・・選べないっつーのはほんと辛いね。(やれやれと、首をふる)しかしまぁ見事なもんだ、やっぱ呪術なんかより気楽に使えそうで羨ましい限りだね。(首のない馬を、適当に撫でてやる) 」 ニオ「選択の余地がないってかえって楽じゃない。何せ自分のやることはそれでいいって割り切れる分、思考に余裕ができていくらか人生が豊かになると思うんだけど–––––さて パチンッ(指を鳴らし、それが合図になったかのようにキャロルを覆った鳥かごが浮遊し、魔法陣の中心に降り立つ)あとは座標指定、演算をして飛ばせば……(言いかけたところで口をつぐみ、気だるげな無表情に影が落ちる)コンキリオ。時間稼ぎっていうのはそう長持ちしないものなのかしらね……––––––戦闘用意。 」 コンキリオ「割り切り・・・ねぇ、それで人間に目の敵にされて殺されかかるの辛いんだけど。(溜息をつく)―――あいよ、役割はタンクでOKだよな?俺あんま器用じゃないから・・・そこんとこヨロシク。(背中に背負った、湾曲したフランベルジュと黒い盾を手に、構える) 」 ←––––––To be continued .
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王たるもの勇ましく、女王たるもの気高くあれ 祖父はろくでもない人間であった 家族と私の母である娘を母国に捨て置き、空虚な夢を追って姿を消した しかし面識のない筈の祖父の背中は将来私の人生における壁となって立ちはだかる 特化型と互角に渡り合えた格闘型の戦士、その伝承は50年に渡り伝えられている それが私の祖父、ジョン・ワイズマンであった 今でこそただの老いぼれであろうが、若き日の祖父の生み出した偶像は私から光を奪う影、 幼き頃はしつこくついて回る小石程度だったものがやがて巨大な岩となり影を落としているのだ 「なぁ……お前さ、何やっても駄目なのな」 「ていうかよォ…お前何型な訳?」 「アイツのじいさんは出来る男だったんだがな」 比較して私はマイテイ人特有の【型】のどれにも当てはまらない、何をやっても成果を出せない、言わばクズだ 周囲からは同情するような哀れむ視線を浴びる事が成長につれ日に日に多くなる いつの日か、私は自らを【劣等型】と称し、才気溢れる隣人達との交流を絶ち切っていた 一目を避け国外へ出掛ける事が次第に多くなる、祖父の面影と照らし合わされる生活にいい加減嫌気が刺す 外界は気が楽だ、母国と違って、自分と比較されるものなど無い、時折同胞を見かければ目を逸らしその場を離れれば良いだけ ただ、それだけの恐怖から逃れられる生活の筈だった…… 「レインド…?」 何時頃からその名が耳に入り込むようになったかは、正直覚えていない 祖父と同じ格闘型のマイテイ人、数多の修羅場を切り抜け、世界の危機すらも切り裂いて見せたそうだ クロフォードの件、これが最も記憶に真新しい やがて外界に居てもその名がついて回るようになる、彼の放つ眩しすぎる栄光が、 ガリガガリガリ…… たまらなく ガリガリガリ… 目障りで仕方ない 「アアアアアアアァァァァァァァァァァッ!!!!」 気 が 狂 う …………頭から血を流して気を失う事が頻繁になっていた 妬み、怒り、そういった塁のドス黒い感情が入り乱れて発狂したのだろう このままの生活が続けば私はどうなってしまうのだろう、恐ろしい…何をしでかすかわからない ある日、自分に生じる異常を自覚するようになる 他人の視線に対する【恐怖】と【殺戮願望】この二つに取り憑かれるようになる 本当に人を殺めてしまうかもしれない、その時、自分を殺してくれるは、誰なんだ? ただの人間か? あり得ない、そんな終わり方、それこそ恥だ 無意識の内に、自分の足はマイテイ国へ向かっていた、そこなら、自分を殺してくれるマイテイ人がいるはずだった ただの人間に殺されるならば、同胞である彼等に引導を渡された方がマシだ 終わりぐらいは、マイテイ人らしくしたい今まで逃げていた自分の人生にピリオドを打てるとしたら、それは今なのだ ………… 「!?」 母国が、既に原型を失っている 積み重なるはおびただしく生々しい遺体 血生臭い悪臭 まるでここは……墓標じゃないか 「誰か……誰かいないのか!?」 冗談じゃない 「返事をしてくれ!」 奪われるというのか 「誰でも良いんだッ!」 死に場所さえも奪われるというのか! 「誰かッ……」 旋風吹き荒れる夜のことだった、その男は闇夜を照らす月の象徴のように思えた 「ほう、まだ生き残りが彷徨っていたのか」 その男は、雲の上の存在であり実在するのかどうか疑う存在だった だが目前にして直感がこう告げる【味方殺しのロバート】であると 私は歩み寄ってくるその男をただただ、じっと見つめていた 彼が終わりをくれる、それは光栄でもあった 私は密かに、その男に憧れていたのかもしれない 【超特化型】という、天上の存在に ◆ ー亡国と化したマイテイ国ー ザリ…… ジール「此処まで荒れていると最早芸術品だなぁ……記念に写メっておくとするかね」ピローン ルシア「とぅっとぅるー♫」 ジール「土産も売ってないのかー、こいつは味気のない旅行だったかな」 ジールはそう言って辺りを見渡し、暫くして不適微笑む やがて十字架のような黒剣を墓標のようにして突き刺し垂れ下がった前髪は剣に漂う異風に揺れる ジール「お目覚めの時間だ」 眠れぬ魂よ ◆ 目が覚めると、私は彼に殺された場所で棺桶に閉じ込められていたようだ 棺桶の蓋を開き顔をのぞかせるその男はえらく上機嫌で、私の質問に対しては道化師のように淡々と語って見せた ジール「聞かせてやるよ、殺戮に身を投じた男の物語【キルライフ】を」 まるでその男は全てを記録していたかのように私が意識を失っている間に起こっていた事を聞かせてくれた そして、私が未練によって自らこの世に蘇ることを選択してしまったということも ジール「受け取りたまえよ、君が生前にしたかった事を成し遂げるために 君、やり直したいんだろ?」 その男が手渡したのは血のように紅い、ハートの宝石がはめこまれたトランプ そのトランプは手に取るやいなや、私目掛けて飛び出し…… 心臓を貫いた ジール「おめでとうヴィンセント・ワイズマン。君もこれで我々の仲間入りだよ」 これが、劣等型マイテイ人である私とこの能力、女王の意 Queen・of・Heartとの出会いだった
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《カオスルーム()/Chaos Room》 ケイオスの地中心にある不思議な空間。 記憶の鎖を巻いた塔内があり、真中に建てられた鍵穴に鍵を差せばそこで記憶は閉ざされると言われている。 因みにこの塔は強い衝撃を与えられると中に施された警報装置が作動し空間が瓦礫に埋もれてしまう。 関連ページ 記憶喪失編 名所へ戻る コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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レベッカ「ぉにぃちゃぁーん・・・むにゅ・・・。」 レベッカの手が、隣で寝ている俺の指を包み込む。 レイハイト「・・・。」 俺は、それを甘んじて受けた。 この世界にレベッカが来てから、もう数週間が経過した。 家計はどうにかなっている、少々残業が増えた程度で毎日のやる事にも支障は出ていない。 俺は、これからどうするかを考えながら眠ったところ、夢の中であっちに居た時のレベッカの夢を見ていた・・・。 父と母は俺からレベッカを頑なに隠していた。 俺の家には、本棚があった、ここまでは当たり前の事だ。 問題は、本棚の後ろに隠された部屋があった事だ、ご丁寧に本棚で全く違和感なく隠せるようになっている、動かした跡も残らないようにしている。 この程度のカモフラージュで、俺からレベッカを隠し通していたつもりらしいが、俺はそんな浅ましい考えを小学校を卒業する頃には見破っていた。 俺は見ていた。 俺の部屋は、丁度その隠された部屋の隣なのだ。 俺は見ていた。 自らの部屋に穴を開けて、実の妹が父と母に八つ当たりされる姿を。 俺は見ていた。 妹が泣いているのを。 俺は見ていた。 妹が、「おにいちゃん」と助けを呼んで泣き叫ぶ姿を。 俺は見ていた。 次第に、殴られようと蹴られようと、何も言わなくなっていたのを・・・。 俺は見ていた。 妹が、おかしくなっていった過程を・・・。 俺は見ていただけだった。 俺は、父と母の、木偶だった。 生まれてからずっと、俺は操り人形だった。 ああ、何故、何故救ってやれなかったのか。 何故、行動する勇気が、無かったのか。 やれと言われなかったから? 俺に力が無いから? どちらも、違った。 そんな事をすれば、本能的に、あの父と母に何をされるか想像が出来たからだ。 俺の父は世界にその名を轟かせるが、頭のネジが吹き飛んだ凄腕の医者、俺の母は、ただひたすらに痛めつける事に特化した拷問の執行者。 そんな二人を敵に回したら、どういう結末を辿るか、解りきっていたからだ。 俺は、見ていた。 見ている、だけだった。 レイハイト「ごめんな・・・。」 レベッカ「・・・ぇへへっ・・・。」 レベッカはぎゅっ、と俺の手を握っていた。 握られた手が、どうしても愛おしく思えた。 体は大人なのに、精神は、子供のまま時間が止まっている。 そんなレベッカが、どうしても、愛おしく思えた。 今度は、この世界では。 幸せに、してみせるからな。
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※編集、追加は自由です。 -ALLY SIDE- アズマ 本名:アズマ・ウォルスエード 宇宙警察庁所属の刑事。 プルスト 本名:澤田 千尋(さわだ ちひろ) 惑星神の1人で、冥府神の役職を持つ少年。 閻魔堂 ろくろ(えんまどう --) 『双星の陰陽師』の主人公で、人類の宿敵「ケガレ」と戦う陰陽師の少年。 化野 紅緒(あだしの べにお) 『双星の陰陽師』のヒロインで、ろくろと同じ陰陽師の少女。 スレイ 『テイルズオブゼスティリア』の主人公で、災厄を薙ぎ払う救世主「導師」の使命を帯びた青年。 ミクリオ 『テイルズオブゼスティリア』の登場人物の1人で、スレイの幼馴染である水の天族の少年。 ザビーダ 『テイルズオブゼスティリア』の登場人物の1人。風の天族。 ソード 『牙狼 GARO -VANISHING LINE -』の主人公であり、「ガロ」の称号を持つ魔戒騎士。 ソフィ 本名:ソフィア・へネス 『牙狼 GARO -VANISHING LINE -』のヒロインで、行方不明の兄を探してソードと旅をする少女。 デス・ザ・キッド 『ソウルイーター』の登場人物の1人で、死神の息子。 トンプソン姉妹(リズ&パティ) 本名:エリザベス・トンプソン/パトリシア・トンプソン 『ソウルイーター』の登場人物の1人で、キッドのパートナーである魔拳銃の姉妹。 爆豪 勝己(ばくごう かつき) 『僕のヒーローアカデミア』の登場人物の1人で、掌の汗腺からニトロの様な汗を出し、爆発させることが出来る、『爆破』の“個性”を持つ少年。 蛙吹 梅雨(あすい つゆ) 『僕のヒーローアカデミア』の登場人物の1人で、「蛙っぽいこと」ならだいたい出来る、『蛙』の“個性”を持つ少女。 峰田 実(みねた みのる) 『僕のヒーローアカデミア』の登場人物の1人で、頭から粘着性のボールのような物質を無限に生み出す、『もぎもぎ』の“個性”を持つ少年。 ケント 本名:檜山 健斗(ひやま けんと) キルビスの妹、アキラのクラスメイトである少年。 リディア 本名:リディア・エンフィールド 神界特務兵団員の少女で、元闇族。 シェリー 本名:シェリー・ルゥス・アリベール 神界特務兵団の一員である女性。 -ENEMY SIDE- レッド・イーター イーターズの一員で、肉体を変形させる能力を持つ青年。 ピンク・イーター 本名:ツン・シャンノン イーターズの一員で、元凶悪殺人鬼。 グリーン・イーター イーターズの一員で、白き執行者の思想に心酔した少年。 スカーレット・ナイト レッド・イーターと行動を共にする、赤い鎧で全身を覆った謎の人物。 レッド・イーター同様、肉体を変形させる能力を持つ。 西條レミ(さいじょう --) ホテルオーナーの女性で、能力者。 行き過ぎた正義感と、犯罪者に対する差別意識を持ち、世界から悪を残らず排除する為、イーターズに加担する。 キルビス 本名:キルビス吉岡(きちおか)(旧名:桐岡 幸一郎(きりおか こういちろう)) 英雄と呼ばれる人物の1人で、武器人間の少年。 今回はどういう訳か、イーターズ側に寝返り、人々を恐怖に陥れる。 ルべリア イーターズを陰で動かしている黒幕であり、白き執行者こと、ディズマの師匠を名乗る謎の人物。 ゴルデ・ゾネス かつて宇宙を救ったと言われる伝説の武神。 戻る
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《ウルトラ・カイ()/Ultra Χ》 アイコン ゲスト 年齢 不明(外見年齢は20代前後) 性別 不明(女?) 種族 人造人間 好きなもの 破壊 嫌いなもの 人間 武器 拳銃、ショットガン ニュー・ガーディアン部隊の副隊長であり、古代兵器『カイ』の力を持つ兵器。 外見は黒のショートヘアと眼鏡が特徴で、女性警官の服装をしている。 性格は至って冷静で、隊長であるアルティメット・プシーよりもリーダーシップに長けている面もある。 古代のカイと同じく、他のガーディアン4人の力を兼ね備えている。 地球にて氷冬と交戦し、一時は圧倒的なパワーを見せつけるも、彼女の『四刀流』によって状況は一転、逆に彼女に押される形となり、最期は四刀流・紋衫魅視流(もさんみしる)によって体を切り刻まれ、爆散した。 技一覧 Ver.Σ(バージョン・シグマ) 攻撃力が倍増し、手刀であらゆる物を切り裂く。 Ver.Τ(バージョン・タウ) あらゆる攻撃を受け流すバリアで体中を包み込む。 Ver.Υ(バージョン・ユプシロン) 触れた物を自在に操ることが出来る。 Ver.Φ(バージョン・フィー) 凄まじいスピードで相手を翻弄する。 Χ(カイ)・バスター 必殺技。 左手の5本指に搭載された銃口から5種類のレーザーを発射する。 あらゆる物体を切り裂く刃状のレーザー、不規則に動くレーザー、相手をどこまでも追尾するレーザー、高速で動くレーザー、そして虹色に光り輝くレーザー(効果不明)が同時に発射される。 「理由なんてないわ…ただ、殺せと言われたから殺す…それだけよ。」 関連ページ 古代兵器とガーディアン 兵器と神々と運命の歯車編 関連画像 キャラクター紹介へ戻る|キャラクター紹介 【敵キャラクター(ゲスト)④】へ戻る コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る