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うどんげ等の希少種いじめにもなっているので御了承下さい。 俺設定あり。 続きものです。 天然あき 「ゆわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛おうちかえるう゛う゛う゛う゛う゛!!?」 広い草原の中を一匹のまりさが泣きわめきながら逃げていく。 辺りには身体に穴が空いたゆっくりの死骸が散乱している。 今や生きているのはまりさのみ。 他のゆっくりは訳がわからないまま穴を空けられて死んでしまった。どうして死んでしまったのか…それはまりさにもわからなかった。 ただわかることは一つ。 もう他に残っているゆっくりはいない。 次は自分の番だという事だ…。 「しにだぶない!!まりざはまだゆっぐりじだいんだあ゛あ゛あ゛!!!」 力強く跳ね、一刻も早くこの場から逃れようとするまりさ。 しかし、 「ゆぴいい!?まりざのおぼうじがあ゛あ゛あ゛ッ!!?」 何かがまりさの帽子に命中し、吹っ飛ぶ。 離れた場所に落ちる帽子。 「ゆ、ゆううう!!?」 ゆっくりにとっては命に等しい帽子。 これが無ければゆっくり出来なくなってしまう。 だが今取りに戻ったらまりさも穴が開いて死んでしまうかもしれない。 迷ってる暇はない。 「おぼうしはそこでゆっくりしてってね!!」 まりさは結局帽子よりも自分の命を優先した。 賢明な判断といえよう。 ただ…、 「ゆびょぉッ!!?」 戻ろうと戻るまいと、結局死ぬことに変わりなかったが…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「もくひょうにめいちゅうしたよ。これでみっしょんはしゅうりょうだね!」 「ゲラ!」 まりさが死んだ場所から直線上に胴付きゆっくりうどんげとゆっくりれいむがいた。 ゆっくりうどんげの手にはゆっくりうどんげ用のスナイパーライフルが握られ、れいむには双眼鏡を付けられていた。 そうあのまりさを含め、ゆっくり達を殺したのはこのうどんげ達だった。 「もうすぐさいごのしけんだね。きあいいれていくよ!」 「ゲラァ!!」 れいむの言葉に頷くうどんげ。 ここはゆっくりうどんげを一流のゆっくりすないぱーとして成長させる為の養成所兼実験場である。 ゆっくりうどんげのすないぱー技術などを使って遠方からドス等の人間に害を為しそうなゆっくりを人間に被害なく出来ないか? そういう考えが基で始めたのがすないぱー養成所だった。 この二匹はその養成所で飼育中のコンビだ。訓練も終盤に近付き、もうすぐ実戦に投入される予定だ。 「三発無駄弾を使ったな。それに最後のまりさを殺すのに時間がかかり過ぎだ」 「ゆ、ゆうう…ごめんなざいきょうかん…」 「ゲラ…」 二匹の成績を見て、教官らしき人間がうどんげ達の技量を判断する。 「ランクは一応Aだがもう少し精進しろ。もうすぐ卒業して実戦に投入するのだからな」 「ゆうぅ…わかりましたきょうかん…」 「ゲラ…」 あんまり芳しい結果ではなかったようだ。 それもそのはず、れいむ達はゆっくりを全滅させるのに時間が掛かりすぎた。 最後のまりさに至ってはわざと先に帽子を打ち抜いてまりさをいたぶって楽しんでいた。 教官が去った後、さっきまでの反省の色が嘘のように二匹は騒ぎ出す。 「まったくあのきょうかんはあたまがゆっくりしてないよ!くずはちゃんところしたんだからそれでいいはずだよ!」 「ゲラゲラ!」 上官の忠告など何処吹く風、この二匹は遠方から一方的に他者を殺せる自分達に酔っていた。 「こんなときはじしゅれんしてくずをころしてすっきりしようね!」 「ゲラ!!」 あくまですないぱー養成所で教えるのは効率のいいゆっくりの殺し方であり、殺しを楽しむなど以っての外なのだがこの二匹はそれがわからなかった。 慌てふためくゆっくりを何が起きているか理解出来ずに死んでいく。その滑稽さがとても好きだったのだ…。 自分達が神にでもなったかのような錯覚に二匹は気付く様子も無かった。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「いまなんだぜ!」 「ゲラ!」 「どうじでごんなごどずぶのおなじゆっブベ!!?」 練習場にれいむとうどんげコンビが行くとそこにはゆっくりうどんげとゆっくり まりさがそこにいた。 「なにいってるんだぜ? くずがまりさとおなじわけないんだぜ」 「ゲラァ」 この二匹はれいむとうどんげコンビと同期であり、ライバルでもあった。 「ゆ!れいむたちがなんのようなんだぜ!!ここはまりさたちのものなんだぜ!!」 「ゲラゲラァ!!」 れいむとうどんげコンビに気付いたまりさとうどんげコンビが言い放つ。 「なにいってるの!ここはみんなのものだよ!!」 「ゲラァ!!」 それに対して反論するれいむとうどんげコンビ。 これはいつもの事だ。 「まりさたちもよくあきないんだね、わからないよー」 「ゲラ」 「あんないなかものはほっときましょ!」 「ゲラゲラ」 やれやれと言った感じで他のすないぱー候補生が自主練を行っている。 ここのうどんげ達はまず最初にそれぞれ専用のゆっくりとコンビを組む。 そして狙撃技術を高め、ゆっくり駆除という任務につくのだ。 もうすぐ七組のうどんげすないぱーが最終試験を迎える。 「がんばってとっぷでそつぎょうしてたくさんゆっくりしてないやつらをころそうね!!」 「ゲラァ!!」 れいむとうどんげ…沢山いるからこれをAとする、うどんげAは楽しげに笑い合った。 彼女達は知らなかった…。 最終試験がどんなものであるかを…。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ではこれより最終試験を行う」 教官らしき男性が控室で横一列に並ぶうどんげA~Gに告げる。 だが肝心のうどんげA~Gはあたふたと落ち着きがない。 パートナーであるゆっくりがいないからだ。 それを見越した教官は、 「安心しろ。パートナーなら別の場所にいる。今回はお前達だけで試験に当たってもらう」 と告げた。 「ゲラ!?」 うどんげ達はその言葉に安心と同時に不安になる。 今までともに頑張ってきた相棒抜きで最後の試験を受けなければならないのは心細いのだろう。 だが教官の命令は絶対だ。 異論を挟もうものならばどんなお仕置きが待っているかわからない。 「ではこれから任務の説明をする。今回の標的はこいつ等だ」 教官はそう言ってモニターのスイッチを押した。 「「「「「「「ゲラ゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!?」」」」」」」 そこに映された標的にうどんげA~Gは驚愕の叫びを上げる。 それを見て、今まで無表情だった教官は初めて愉快そうな笑みを浮かべ、 「これが、お前達の標的だ…」 と告げたのだった…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ゆ?ここどこ?」 目を覚ますとれいむは広い草原の上にいた。 これといって隠れる場所がない場所だった。 「ここはどこ?うどんげ、はやくおしえてね!!…あれ、うどんげはどこ?」 れいむは辺りを見回すが誰もいない。 四六時中一緒だった相棒のうどんげはいない。 れいむには訳が分からない。 何故自身がこんな場所にいるのか? どうしてうどんげがいないのか? 訳の分からない事だらけだ。 れいむは確かにうどんげと一緒にお部屋で寝ていた筈だ。 それなのに今ここにいる。 暖かいお布団も何もない。訳が分からない。 れいむは混乱していた。 すると、 「れいむがいたんだぜ!!」 後ろから声が聞こえてきた。 れいむが振り向くとそこには自分と同じように最終試験を受ける筈だったうどんげの相棒の六匹がいた。 まりさ、ちぇん、ありす、みょん、ぱちゅりー、胴無しきめぇ丸がいた。 きめぇ丸は同じ養成所のゆっくりを攻撃しないように飼育されている為誰も危機感を感じていない。 「れいむ!ここはどこなんだぜ!?」 まりさがれいむに突っ掛かる。 「しらないよ!!まりさこそここがどこかおしえてね!!」 「おお、やはりやはり」 「むきゅ、ここにいるのはぱちぇたちだけみたいね」 「わからないよーしけんがもうすぐはじまっちゃうよー!」 「そうだみょん!はやくうどんげのところにもどらないとたいへんだみょん!」 「とかいはなうどんげならだいじょうぶだとおもうけどありすがいてあげたほうがいいわ!」 各々が好き勝手くっちゃべる。 だがわかる事は一つ。 今状況を説明出来るものはいないという事だ。 「むきゅ、とりあえずどうしてぱちぇたちがここにいるのかみんなわからないのね」 「そうなんだぜ!!こんなところであぶらうってないではやくしけんにいかないといけないんだぜ!!」 「そうだよ!こんなとこにはいられないよ!!」 「しかたないわ。とりあえずきょうりょくしてもどりましょ」 「それが妥当でしょうね。 おお、協力協力」 ライバル同士ではあるが最終試験当日である今日、その会場に早く戻りたい気持ちの方が強かったようで、意外にあっさり協力する事になった。 「でもどうするみょん?みょんたちはいまどこにいるかもわからないみょん」 「そうね、だれかとかいはなあんはないかしら」 「では、私が空を飛んで確認いたしましょう」 きめぇ丸が周囲に告げる。 「むきゅ、それはめいあんね!」 「わかるよーそらからならよくみえるんだねー♪」 周りも異議はなく、その方針で決まったようだ。 胴有りのきめぇ丸は飛べるが胴無しも飛べるようだ。 「それではいきます」 そう言ってきめぇ丸は飛びます。 そのスピードはあまりゆっくりしているとは言えないが今は一刻も早い帰還を目的としていたので誰も何も言わない。 「おお、高い高い」 地面にいるバスケットボール大のゆっくり達がソフトボール位の大きさに見える高さまで飛ぶと、きめぇ丸が空から周囲を見回しはじめる。 「おや、あちらの方に建物がありますね。 あれは…私達のお家ですね。おお、発見発見」 どうやらそう離れた場所ではなかったようだ。むしろどうしてすぐに気付かなかったのだろうと思うほどの距離だった。 「おお、これで帰れますね。おお、安心安心」 帰還の目途がついたきめぇ丸は一安心する。 …それがきめぇ丸の最後の安息だった。 次の瞬間、あまりにも突然に、きめぇ丸の右側頭部が吹き飛んだ。 「…ひゅご……!!?」 きめぇ丸には何が起きたかわからなかった。 突然何の前触れもなく与えられた致命傷。 飛ぶ事等出来る訳もなく地面に落下していく。 べしゃり、と地面にキスをするきめぇ丸。 その一部始終を見ていたれいむ達も現状を理解出来ない。 「ひぎぃ…は、はひゅ…!?」 結構な高さから落ちたにも関わらずまだきめぇ丸は死ねなかった。 残り一つとなった眼球でれいむ達を見つめる。 「だ…だひゅへ…」 半分になり、閉じる事も出来なくなった口から精一杯助けを求めようとするきめぇ丸。 きめぇ丸自身は気付いていない。 自分の傷が手の施しようもなく酷い事、そしてその傷がかつて自分が指示し、相棒が狙撃で仕留めてきたゆっくりと全く同じだったという事に…。 「お…お…じにたぐ…じに…な…」 きめぇ丸はくるんと目を白目にして息絶えた。 最期まで自分がどうしてこうなったか、何で死ぬのか、わかりはしなかった…。 そう…自分達が射殺したゆっくりと同じように…。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!?」 「な゛に゛ごれ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!!!?」 「むっぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛ッ!!!?」 「ぢい゛んぼお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ!!!?」 「わがらな゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ!!!?」 「なにがおごっだんだぜえ゛え゛え゛え゛え゛ッ!!!?」 それぞれの阿鼻叫喚の様子を見せるゆっくり達。 それはそうだ。 突然空から周囲を見回していたきめぇ丸が死んだのだ。 冷静でいられる訳がない。 「わがらなあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 狂乱して駆け出すちぇん。 通常種の中ではトップの素早さを持つちぇんの速さでどんどん他の五匹と距離が離れていく。 だが気が動転しているちぇんは気付かない。 そして、 「わぎゃあ゛あ゛ッ!!!?」 ちぇんのネコミミの右と頭の一部が吹き飛んだのだった…。 きめぇまる 死亡〔残り6匹〕 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 約一時間前…。 モニターに映るのはす~やす~やしている相棒のゆっくり達。 教官はそれを今日の標的と言い放った。 「ゲラァ!!?」 まりさの相棒であるうどんげBが教官に苦情を声をあげる。 だが教官はそんなもの取り合わない。そもそもなんて言ってるんだかわからない。 だから教官は無視する。 「見ての通り、こいつ等はお前等の相棒のゆっくりだ。こいつ等を仕留めた奴だけが実戦投入を許される」 「ゲ、ゲラァ…」 ちぇんの相棒のうどんげCが戸惑いの声をあげる。 「誰が私語をしといいと許可をした?」 「ゲラァ!!?」 教官はホルスターからハンドガンを取り出してうどんげCの足の間のスペースに発砲した。 「ゲ、ゲラァ…」 その教官に発砲されたショックでうどんげCはおそろし~し~をしながら座り込 んでしまう。 「次に無駄話をしたら頭を撃ち抜くからな」 教官に銃口を向けられたうどんげCはコクコクと頷く。 教官はそれを確認するとハンドガンをしまい、説明を再開した。 「お前達に与えられる弾数は七。 標的を射殺して得られる得点は自分の相棒は三、それ以外は一、合格点は四だ。 厳密、自分以外のうどんげや俺への発砲は強制的に不合格だ」 教官は淡々と告げる。 「今回は相棒がいないので自力で捜してもらう。わかったな?」 「「「「「「「…………………………」」」」」」」 「返事がないという事はわからないという事か?」 教官はハンドガンを取り出してうどんげ達に向ける。 「「「「「「「ゲラア゛ア゛!!!」」」」」」」 殺される!と直感したうどんげ達は一斉に返事する。 「わかったのなら射撃場へ向かって準備しろ」 教官はそう言うと告げると控室から退出していった。 「ゲ、ゲラ…」 「ゲラァ…」 突然ずっと一緒だった相棒を殺せと言われてはいわかりましたと言える訳がない。 だがさっきの教官が本気であったのは全てのうどんげが理解していた。 逃げる事等出来はしない。 居場所はここにしかないのだから…。 うどんげ達は結局…教官の言う通りに行動した。 それ以外の生き方を知らない彼女達にはそれしかなかったのだった…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「に゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?わがだな゛いよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」 右のネコミミと頭の一部が吹っ飛んだちぇんは泣き叫ぶ。 その傷は自分の顔の一部をあげたアンパ○マンのようだ。 ちぇんには訳が分からなかった。 きめぇ丸が死んで、逃げ出したら今度は自分の一部が吹き飛んだ。 「むきゅ…まさか…」 「とかいはじゃないわ…」 しかし、ちぇんときめぇ丸の例から他のゆっくりは現状を理解し始めた。 だが皆それを否定しようとしている。 嘘だと願っている。 「もしかして…れいむたちがひょうてきになっちゃったの…?」 れいむは正解を導き出していた。 だが即座にそれを否定する。 そんな筈がない。自分達はあんなクズな奴等とは違う、選ばれたゆっくりなんだ! …そんな幻想がれいむ達を現実から逃避させていた。 しかし、 『これじゃ試験にならないな』 いきなり何処からか教官の声がした。 ただ単純に拡声器から出しているだけなのだが拡声器自体を知らないゆっくり達 には何処かに教官がいると勘違いした。 「きょうかんのじじいのこえがしたんだぜ!!?」 「むきゅ、ゆっくりしないでぱちぇをたすけてね!!」 「とかいはならありすをたすけるべきよ!!」 「れいむをはやくたすけてね! ぐずはきらいだよ!!」 「ちいんぽおおおおおおおお!!!」 「わぎゃだな゛いよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」 それぞれの反応を示すゆっくり六匹。 教官はそれに気にもせず話を続けた。 『よし…聞こえているようだな。ならさっさと済まそう。お前達、そこでうどんげに撃たれて死ね』 「「「ゆ?」」」 「むきゅ?」 「みょん?」 「いだいよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」 その言葉にれいむ達は理解出来なかった。 なにいってるの? どうしてれいむがしななくちゃいけないの?ばかなの?しぬの? れいむはとくべつなんだよ。 そこらへんのくずとはちがうんだよ。 だからたすけないと…。 そこから先は考える余裕は無かった。 何故なら、 「ゆに゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 ちぇんの無事な方のネコミミが吹き飛んだからだ。 またやって来た何か…いや、もうそれが何なのかれいむ達にはわかった…。 かつて自分達が指示し、標的となったゆっくりを殺す、うどんげの放つ銃弾。 先程までと違いより現実味を持ってしまった標的にされたという答え…。 『これからうどんげ達がお前等を狙撃する。死にたくないのならせいぜい足掻け…。お前達が特別なゆっくりなら生き残ってみせろ。ただのゆっくりと同じならただのゆっくりと同じように死ね……さぁ、最終試験の再開だ』 「にゃぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぶべ!!?」 そして…否応なしに狩られる側だという事を知らしめるが如くにちぇんの身体に風穴があく。 それは同時に最終試験の開始のホイッスルとなったのだった…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 最終試験が始まったばかりの頃…。 横一列に並ぶうどんげ達は自身の狙撃銃に付いたスコープで獲物を捜す。 まだうどんげ達は半信半疑だった…。 教官が冗談を言っているのだと無理矢理に自分を納得させていた…。 しかし、それが現実逃避でしかないのも理解していた。 だがうどんげ達は言われた事をするしかない。 元より選択肢なんてないのだ。 今は獲物…となった相棒達を捜すのが先決だ。 見つけた後の事は考えないようにして、ただ捜すのみだ。 そして、それは思いの外早く見付かった。 それはそうだ。 あまりにも無防備にそらをきめぇ丸が飛んでいたのだから…。 「見付けたようだな…」 双眼鏡も何も付けていないのに…きめぇ丸の事に気付く教官。 そしてうどんげ達の反応からそれを発見したという事に気付いていた。 「見つけたのなら早急に射殺しろ。相棒ならば三点だ。それ以外は一点…ここで相棒のゆっくりを逃すと合格は難しくなるぞ」 教官は淡々と告げる。 冗談だ、とは言ってくれない…。 しかし誰も引き金を引けない。 相棒であるうどんげGは勿論の事、他のゆっくりもライバルとはいえ同じ鍛練を重ねてきたゆっくりを殺すのに抵抗があるようだ…。 すると、 「ああ…そうかペナルティの説明をしていなかったな…だからそんな余裕なんだな…」 何時までも撃たないうどんげ達に男は告げた…。 「この最終試験の不合格者は…粗悪品とみなし、処分する…つまりは殺すという事だ。覚悟しろ」 ペナルティという名の死刑宣告を…。 「ゲラァ!!?」 突然言われた殺す宣言。 いつも殺す側だったうどんげが殺されるかもしれない側となった事に現実感を感じられなかった…。 「ちなみに俺は嘘を言うつもりはない。不合格者には死んでもらう。あと、もし俺に危害をくわえようとするならばそいつも強制的に不合格となるので覚悟しろ…」 教官はそう言いながらも手に持つハンドガンの引き金から指を離さない。 敵対すれば即座にそれでうどんげ達を殺すのだろう…。 「撃たないのか?」 突然教官はうどんげGに問い掛ける。 あまりに無防備に空を飛ぶきめぇ丸。 ていのいい的だ。 まだ野生のゆっくりの方が周りを警戒している。 あれを撃ち抜くなど造作もないだろう…。 だが…、 「撃たないのか?それとも撃てないのか?」 「ゲ、ゲラ…」 うどんげGは小刻みに震えていた。 顔は青ざめ、恐ろしくて教官の方を見る事も出来ない。 「撃たないのなら…お前の合格する可能性は格段に低くなるぞ…」 相棒のゆっくりはそれぞれ違う。 三点という高得点を逃してしまえば合格の可能性はかなり低くなってしまう。 標的は七匹。合格点は四点。 相棒の三点を逃してしまえば四匹射殺しなければならない。 しかしそれは半分以上殺さなければならなくなる。 余程の実力の差がない限り合格は不可能となってしまう。 この最終試験でやらなければならないのは相棒の射殺、そして誰かの相棒を殺して同じうどんげに死刑宣告を告げなければならないという事だ…。 それを考える余裕は今のうどんげ達には無いが、一つだけわかる事がある。 やらなければ…殺される…。 「ゲラ…ゲラァ…」 「撃たないんだな?なら、お前はもうおしまいだ」 「ゲラァ!?」 うどんげGに対して告げられる教官の「おしまいだ」発言。 それはうどんげGには死刑宣告のように感じられた。 死にたくない。 初めて命の危機を感じたうどんげGに走る死の恐怖。 生の欲求。 野良や野生ならば誰もが勝ち取ろうと足掻くもの…。 今初めてうどんげGはそれを理解した。 しかし、ずっと共にいた相棒を殺すなんて出来ない。 今まで沢山のゆっくりを狙撃で射殺してきた。 だがそれと相棒のきめぇ丸は違う…。 大切な存在だ…けどやらなければうどんげ自身が死ぬ。 それは…嫌だった…。 自分の為に相棒を殺すか…相棒を殺さずに共に死ぬか…二つの選択肢しか無かった…。 そして、その葛藤は思わぬ形で終わりを告げた…。 「ゲラ?」 銃声が響いたと思ったらきめぇ丸の右側頭部が吹き飛び、地面に落下していく。 教官を除いた誰もがそれに呆然とする。 一瞬、何が起きたか理解出来なかった。 「それでいい」 ただ一人、教官だけがうどんげGに告げて離れていく。 「ゲ…ゲラ?」 うどんげGは自分の持つ銃を見る。 硝煙の臭いから自分の銃から弾丸が放たれた事を理解せざるをえない。 自分が殺した…。 いつも共にいた相棒を…自分の手で…。 呆然とした手で無意識に天秤にかけて自分の命を優先させた…。 いくら無意識とはいえあんな風に撃たれたゆっくりはまず助からないという事をうどんげGは理解していた。 「ゲラ…ゲラ…」 糸の切れたマリオネットのように俯いたままうどんげGは動かない。 だが突然、 「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!」 突然狂ったようにうどんげGは笑い出す。 おそらく精神が耐えられなかったのだろう…。 「ゲラ…」 「…ゲラァ」 他のうどんげ達はそれに恐怖し、ただただ呆然と見ていた。 しかし、 「余所見をする余裕がお前達にあるのか?」 教官の鋭い視線で我に返る。 教官の片手に持つハンドガンは何時でもうどんげ達を撃ち殺せるようになっている。 銃を持つものであるうどんげ達には銃を恐ろしさを嫌という程知っている。 うどんげ達に今の状況を打開するような名案は思い浮かばなかった…。 「ちぇんが逃げ出したみたいだな。お前は撃たないのか?」 「ゲラアァ!!?」 ちぇんの相棒であるうどんげCが助けを求めるような顔で周囲を見る。 「ゲラ…」 「ゲラァ…」 「ゲララァ…」 しかし誰もうどんげCとは目を合わせない。 明日は我が身なのだ。 一匹で身を潜めていればよかったのだがれいむ達は一箇所に固まってしまっていた。 だから全てのうどんげが相棒の姿を見付けてしまったのだ。 見つけたのなら撃ち殺さなければならない。 今は動揺して一匹暴走しているちぇんに教官が意識を向けているがいずれ自分達 にも番が来るのを理解していた。 だからうどんげCを助ける事なんて出来る訳無かった。 「ゲ、ゲラァ…」 カタカタとうどんげCが持つ狙撃銃が震える。 カチカチと歯が震える音も響く。 「撃たないのか?」 教官は問う。 さっきの焼き直しだ。 しかし、 「ゲラ…」 涙ぐむ目を閉じ、うどんげCは首を横に振った。 「撃たないんだな…」 「ゲラ…!!」 顔は蒼白し、恐怖に歪みながらもうどんげCは相棒を殺さない道を選んだ。 「そうか、それはこの試験を放棄したと考えていいんだな?」 教官の冷たい視線がうどんげCを射抜く。 「ゲ、ゲラ…」 しかしうどんげCの意志は固かった…。 恐怖しながらも教官を真っすぐに見据えた。 そして、 「ゲラ」 うどんげCは狙撃銃を教官に向けた。 完全な敵対行為…。 人間の保護下にいるゆっくりが絶対にしてはいけない行為だった。 「ゲラァ!!?」 「ゲラゲラ!!!」 笑い声に聞こえるが他のうどんげ達もうどんげCの行動に驚きを隠せない。 「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!」 狂ったように笑い続けるうどんげGの笑い声だけが場に響く。 「それが答えなんだな…」 教官は銃口を向けられながらも表情を一切変えない。 「ゲラ!!」 目に涙を浮かべながらもうどんげCは銃口を向けたままだ。 ゆっくり用とはいえ至近距離で撃たれたらひとたまりもない。 だからこそ厳正な審査が必要なのだ。 それはさておき本来なら危機的状況。 なのに教官は冷や汗一つ流さない。 「仕方ないか…」 教官はハンドガンを斜め上方へ向ける。 うどんげCにはその行動の意味がよくわからない。 そんな事してもうどんげCにも向こうにいるゆっくり達にも届きはしない。 「ゲラアア!!!」 うどんげCはハンドガンを捨てるように叫んでいるのだろう。 教官も雰囲気でわかる。 だが教官は眉一つひそめず、 「お前に一つ…最後の教訓を教えよう…」 淡々とした口調で告げる。 「ゲラ!!」 自分が銃を向けているのに一切恐怖する様子もない教官にうどんげCは得体の知れない気味の悪さを感じていた…。 他のうどんげ達はそれを遠目に見るしか出来ない。 うどんげCが教官を倒せば相棒を殺さずに済むかもしれない…しかしうどんげCに協力して失敗した場合は自身も粛清されてしまう。 それは嫌だった。その結果が見ているだけという行動だった…。 それを理解しているのか教官は他のうどんげ達に見向きもしない。 いやうどんげCにすら見向きもせず、ただ呟いている。 「心に刻め…お前が最後に学ぶ知識だからな…」 教官はそう告げた直後斜め上方へ向けて発砲した。 「蛮勇では…何も救えない…」 そう言いながら上方へ向けて発砲した。 撃った方角の直線上にはゆっくり達がいたが、少なくとも距離は300m以上。 ハンドガンで届くような距離ではない…筈だった。 「ゲラアァ!!?」 それは神業というより悪魔の所業だった。 当たる筈が無い。 少なくともそこにいるうどんげGを除くうどんげ達全員がそう思った。 しかし、教官の放った弾丸は遠く離れた位置にいるちぇんに命中させた。 それは一朝一夕で…いや一生かけても常人じゃ出来ない芸当だ。 だがそれを教官は何食わぬ顔で行った。 ハンドガンでも威力は下がるが放物線を描けば飛距離は伸びる。 しかしそれを故意に行う等不可能に等しい。 だがやった…それが全てだ…。 「ゲラ…」 うどんげCが思わずちぇん達のいる方向に意識を向けてしまった。 それは僅かな隙、だが教官からすればあまりにも大きい隙だった。 気が付いた時にはうどんげCの持つ狙撃銃は宙を舞っていた。 教官が蹴り上げたのだ。 「ゲラ?」 「不合格だ」 うどんげCが反応するよりも早く教官はハンドガンをうどんげCに向け、 「ペナルティとして自分の手で何もかも失え」 うどんげCの両足を撃ち抜いた。 「ゲラアアアアアアアアアアアアアアアアア!!?」 自分の両足を撃たれたうどんげCは立つことも出来ずに地面にはいつくばる。 そんなうどんげCを尻目に教官は自分の足で蹴り上げた狙撃銃を拾う。 「これは近距離で使うものでは無い位わかってるよな?」 「ゲラア!!?ゲラア゛ア゛ア゛!!!」 大粒の涙を流して泣き喚くうどんげC。 「わかるか?それがお前が今まで他のゆっくりに与えてきたものだ。よく噛み締めろ」 教官はうどんげCに一方的に告げながら狙撃銃をうどんげCに持たせる。 「ゲラアアアアアア!!?」 今まで痛みとは無縁だったうどんげCには耐え難い激痛に泣き叫ぶしか出来ない。 「ゲ、ゲラ…」 「ゲラアゲラァ…」 周囲のうどんげ達もあっという間にうどんげCを無力した教官に恐怖して近付こうとしない。 「これじゃ試験にならないな…」 撃つ様子のないうどんげ達に、動揺してあたふたしているだけのゆっくり達。 これでは試験にもなりはしない。 「仕方ない…」 教官はそう言って拡声器を持ってれいむ達に告げた。 死の宣告を…。 当然納得してくれる訳が無い。 だから教官は、 「いいか?これが最後のレクチャーだ。しっかりスコープで標的を確認するんだ」 無理矢理うどんげCに銃を構えさせ、射撃体勢をとらせる。 「ゲ、ゲラ!!ゲラァ!!」 うどんげCは暴れるが教官はしっかりとうどんげCを抱え込み、微動だにさせな い。 「風向き、風量、日光に気をつけ…」 「ゲララァ!!?」 「標的を撃て」 教官はうどんげの指に覆い被せる形で発砲した。 スコープ越しにちぇんの無事な方の耳が吹き飛ぶのをうどんげCは否応なく見せ 付けられた。 「ゲラ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!?」 泣き喚くうどんげC。 しかし教官はしっかりとうどんげCを押さえ付けて身動き出来なくさせる。 「ゲラ!!ゲラアア!!!」 うどんげCは許しを乞うているのだろう。 言葉が通じなくても教官にはわかった。だが教官はそれを無視する。 教官はうどんげCを押さえ付けたまま、拡声器で標的であるゆっくり達へ告げる。 「死にたくないならせいぜい足掻け…。お前達が特別なゆっくりなら生き残ってみせろ。ただのゆっくりと同じならただのゆっくりと同じように死ね……さぁ、最終試験の再開だ」 そして、 「ゲラアアアアアアアアアアアア!!?」 うどんげCの指の上から押し付けるように、教官はちぇんを殺す弾丸を発射した…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ゲラ…ゲラァ…」 相棒を死なせ、泣き崩れるうどんげC。 「さて…次はお前の番だ」 「ゲラ!?」 うどんげCに拳銃が突き付けられる。 「ゲラ…」 「言っておくが“不合格”は覆らない…じゃあな」 「ゲラア…!!?」 何かを叫ぼうとしたうどんげCに教官は迷い無く引き金を引いた。 直後、うどんげの左腕が吹き飛んだ。 「ゲラアアアアアアア!!?」 その光景に周りのうどんげ達が悲鳴を上げる。 うどんげCはそのまま地面に倒れ込む。 「ゲ、ゲラ…」 まだうどんげCは生きていた。 正確にはまだ死んでいないだけの話だが…。 「お前達もよく見ておけ…これが不合格者の末路だ」 教官はうどんげCの耳を掴み、持ち上げてぶら下がらせる。 「ゲ…ゲラァ…」 足は撃ち抜かれ、左腕はもう無い。 動く事さえ出来ず右腕で銃を払いのけようとするが無駄な足掻きだった。 「じゃあな」 「ゲラアアアアアアアア!!?」 教官はそんなうどんげCに対して何の表情の変化も見せずにうどんげの口に銃を突っ込み、発砲した。 「ゴヒュ…ヒュホ…」 だがうどんげCはまだ生きていた。 口が穴へと変化してはいるが…。 もはやうどんげCは声を出す事も出来ない。 そして、穴が開いた事によりうどんげCの皮が胴体部分を支えきれなくなった。 ブチブチと自重に耐えられなくなり分かれ始める。 「………!?………!!?」 目から大量の涙を流し、痛みに声にならない声で喘ぐうどんげC。 これならいっその事頭を撃ち抜かれた方がよっぽど幸福だったのかもしれない…。 そして、ブチリとあまりにも呆気なくなんの抑揚も何も無く地面に口から下が地面に崩れ落ちる。 うどんげCの口から上は白目を剥いてビクンビクンと痙攣している。 「さて…試験は始まったばかりだ…」 教官はうどんげCの残骸をどうでもよさそうに捨て、いつの間にか痙攣が止まって絶命したうどんげCの口から上の部分を踏み潰した。 不合格者はゴミ同然と言っているようなものだった…。 「さぁ、残り五体しかいない…不合格になりたくなければやる事だ…」 教官は銃から手を離さぬままうどんげ達に告げたのだった…。 ちぇん 死亡 〔残り5匹〕 うどんげC〔相棒ちぇん〕 不合格 現段階合格者0名 続く あとがき 希少種愛で?なにそれゆっくりできるの?おいしいの? と、いうわけで性懲りも無く再び長編にチャレンジ。 例によって人間がチートです。 銀バッジまりさの時とは違い、半分以上は書き上がっているのでそう待たせる事はなさそうです。 それでは、今回このSSを読んで頂き誠にありがとうございました。 過去に作ったSS ふたば系ゆっくりいじめ 293 おかざりがないとゆっくりできないよ! ふたば系ゆっくりいじめ 311 きゃわいきゅっちぇぎょめんにぇ!! ふたば系ゆっくりいじめ 347 れいむはしんぐるまざーでかわいそうなんだよ!! ふたば系ゆっくりいじめ 397 大好きだよ ふたば系ゆっくりいじめ 447 おきゃあしゃんのおうちゃはゆっきゅちできりゅね! ふたば系ゆっくりいじめ 521 元銀バッジまりさの末路 上 ふたば系ゆっくりいじめ 543 元銀バッジまりさの末路 中 ふたば系ゆっくりいじめ 630 かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 上 ふたば系ゆっくりいじめ 631 かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 下 ふたば系ゆっくりいじめ 669 おうちのなかでかわれなくてごめんね!! ふたば系ゆっくりいじめ 677 元銀バッジまりさの末路 下 ふたば系ゆっくりいじめ 750 あまあまおいてさっさとでてってね!! ふたば系ゆっくりいじめ 803 雨の日はゆっくり遊ぼう ふたば系ゆっくりいじめ 882 すっきりしたいわあああああ!! ふたば系ゆっくりいじめ 919 元銀バッジまりさの末路 終の1 ふたば系ゆっくりいじめ 920 元銀バッジまりさの末路 終の2 ふたば系ゆっくりいじめ 949 切断マジック(?) ふたば系ゆっくりいじめ 977 ゆっくり祭『どんど焼き』 挿絵:べんQあき
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グロウイング・クリッカー 4(2)/白/銀零・光虫 1 Lv1 3000 3 Lv2 5000 Lv1・Lv2『このスピリットの召喚/アタック時』ターンに1回、煌臨元を含む自分の「相棒機スターク」がいるとき、相手のカウント-2する。その後、相手のカウント2以下なら、ボイドからコア1個をこのスピリットに置く。 Lv2『このスピリットのアタック/ブロック時』相手のスピリット/ネクサス1つを手札に戻し、戻したスピリット/ネクサスの効果を発揮させない。自分のカウント1以上で相手以上のとき,手札に戻す枚数を+1する。 シンボル:白 フレーバーテキスト:皇国の神殿都市には発光する虫のスピリットが生息していまして、夜になると大変綺麗なのです。-相棒機スターク- 作者:フェンリルブラスター 評価 選択肢 投票 壊れ (0) 優秀 (0) 普通 (0) 微妙 (0) コメント 名前 コメント
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叡智の都市ミーミル 4(2)/白/銀零 0 Lv1 1 Lv2 Lv1・Lv2『自分のコアステップ』〔重複不可〕魂状態/煌臨元を含む自分の「相棒兵オーミ」がいるとき、ボイドからコアを自分のリザーブに置くかわりに、自分のカウント+1する。そうしたとき、このターンの間、自分のドローステップでドローする枚数を+1する。 Lv2自分の手札にある系統:「銀零」を持つカードすべては相手の効果を受けない。 シンボル:白 フレーバーテキスト:「記録006:研究者や開発者を数多く輩出している都市。特に湖のほとりにある大きな図書館には、歴史的価値の高い文書が幾つも置いてある。」ちょっとだけ寄ってもいいですか?ちょっとだけ…。 -相棒兵オーミ- 作者:U.M.S. 評価 選択肢 投票 壊れ (0) 優秀 (0) 普通 (0) 微妙 (0) コメント 名前 コメント
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名前 ローズ・ブラド 年齢 20歳 性別 男 種族 人間 体型 身長176cm 体系:細身 服装 白いマフラー、赤い作務衣・黒のズボン 能力 3種の魔獣石を使用しその能力を一時的に装着する。 (ゴーレム、フェンリル、ブラド) 相棒:ドラル(魔龍) 小型の龍のような姿をした装甲獣。戦闘時にはローズの体に装着する”鎧”の 役割を果たす。魔物などに関する知識も豊富な頼もしい相棒。 簡易説明 かつては名門と呼ばれていたブラド家の生き残り。今はほとんど 生き残りのいない半ば伝説化した吸血鬼の血を継いでいるが本人はその事を 忌み嫌っている。性格は引っ込み思案で臆病。 【キング】 魔族の1つ、吸血鬼の中でも人間と吸血鬼の間に 生まれた者の中で偶発的に出現するイレギュラーな存在。 その名の通り、吸血鬼の王とも呼べる能力を持つが 制御が難しくそれ故にドラルが制御装置の役割を果たしている。
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ヴィート 種族:創造体 登場作品:珊海王の円環 解説 アルヴィドの相棒である魔鎌。 元々は珊海王が蒐集した秘宝の一つ。 自我を持っており、所有者とも心話を用いて会話をする事が可能。 また自らと契約した者を吸血鬼へと変化させる能力を持ち、珊海王の円環を巡る戦いに参加する為に老衰を回避しようとしたアルヴィドと契約し、彼を不死の化物へと変貌させた。 皮肉屋で相手をからかい揺さぶる事を好むが、相棒であるアルヴィドに対しては助言を行うなど情を見せる事もある。 古い知り合いである魔神ヴェパルーを苦手としているが、彼女からは一方的にとても気に入られている。 雑感・考察 アルヴィドを主人公とした場合は最後まで彼と共にある。 他の主人公の場合、アルヴィドの敗北後は彼を倒した主人公の手に渡ったり捨てられたりする。 どの様な運命を辿るかは誰を主人公とするかで変わる為、正史が未だに不明な現状では正確なところは不明。 名前
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カード名 ボーン・シュヴァルツァー 二つ名 狂気 クラスタ 【黒】 HP 3 HP価値 50 アビリティ1 《Cast》 魂の波長【サマエル】 コスト ↷① 自軍は手札またはスピードカードの「サマエル」のユニットカード1枚をログコストを支払わずにキャストする。 TYPE 男Salomo 収録 Chapter4 パラダイス・ロスト レアリティ CA フレーバー 「…………ヒャハハ」 二代目?の相棒神格決戦型超々ド級ドラゴン サマエルを1ターンに一度だけ実質②コストでキャスト出来るようにするキャスター。 余談 初代の相棒は決戦型超々ド級ナハトファルター ベリアルらしく、過去に暴走をさせてリリーに消えない復讐心を縫い付けた張本人である。 パラダイス・ロストのストーリーのラスボス敵存在で謎が多く、目的も正体も不明のままである。 そもそも、本当にベリアルがボーンと魂のつながりがあったのか、それすら実は分かっていない。 興味を持った人はhttps //dreadnought-tcg.com/storyからChapter4を選んで最初から読んでみよう。
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名前 ローズ・ブラド 年齢 20歳 性別 男 種族 人間 体型 身長176cm 体系:細身 服装 白いマフラー、赤い作務衣・黒のズボン 能力 3種の魔獣石を使用しその能力を一時的に装着する。 (ゴーレム、フェンリル、ブラド) 相棒:ドラル(魔龍) 小型の龍のような姿をした装甲獣。戦闘時にはローズの体に装着する”鎧”の 役割を果たす。魔物などに関する知識も豊富な頼もしい相棒。 簡易説明 かつては名門と呼ばれていたブラド家の生き残り。今はほとんど 生き残りのいない半ば伝説化した吸血鬼の血を継いでいるが本人はその事を 忌み嫌っている。性格は引っ込み思案で臆病。 【キング】 魔族の1つ、吸血鬼の中でも人間と吸血鬼の間に 生まれた者の中で偶発的に出現するイレギュラーな存在。 その名の通り、吸血鬼の王とも呼べる能力を持つが 制御が難しくそれ故にドラルが制御装置の役割を果たしている。
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ペリッパー シングルじゃ鈍足、微妙な特攻に耐久力、空気特性、電気4倍が災いしてパッとしないが、 ダブルでは最大の弱点である電気技を避雷針で防いでもらえる上、 相棒が地震や岩技で倒し損ねた相手をしおみずや冷凍ビームで洗い流せる。 弱点は2つだけ、それも避雷針により実質岩のみ。 相棒がものすごく速くなるので追い風をつかって援護していこう! 水飛行 HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 特性 ペリッパー 60 50 100 85 70 65 するどいめ 4倍 電気 2倍 岩 1/2 炎 水 格闘 虫 鋼 無効 地面 ドンペリ型 性格:ずぶとい 努力値:HP252 防御252 特防6 持ち物:先制の爪 半減実 など 技:追い風 エアスラッシュ 守る 羽休めor泣き声or身代わり よく組み合わせる相手:ドサイドン ガラガラ 補足 追い風で援護する型 電気の弱点は消えて 特殊の弱点はパワージェムと原始の力しかないので防御振り ↑マンダの流星群とかを考えたら特防特化でもいいんじゃない? HP振りだけなら特殊マンダの流星群で乱数1だけど特防特化なら確2になる。 ただし防御特化でないとバンギラスのエッジ耐えられなくなるけど まあそこは各自の判断で。 ほうでんもあるけど、あんまり使われてないか? エレキブルと電気系とかであからさまに使ってきそうな場合は、 相方のじしんで切り抜ければいいけど。 一発は耐えるかな。 サンダーの放電に要注意、持ち物補正なし臆病のでもHP252特防4@ソクノが80~95%削り取られる。 ↑ネタ臭い 最速40族(101)までなら追い風で130抜き可能。 素早さに努力値252振りで性格補正無しのガラガラでもマニューラと同速になると言えば追い風のすごさが分かってもらえると思う。 あとここには無いけどしおみずを使ってるけどいい感じ。相棒が倒しにくい浮いてる岩とかもいけるし、威嚇のせいで耐えた奴のトドメを刺す感じで。 ハイドロポンプでもいいけど命中不安定だしLv50で使えないし。相手のHPが半分以下ならハイドロポンプの完全上位になるし。
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13 ‐ La Mort ◆jU59Fli6bM (非登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル エピローグ ⅩⅢ 死神 正位置:別離、終末、死 童実野町は、いつもどおりの朝を迎えていた。 僕達2人は、光の中にいた。 殺し合いで3日、幻想郷で3日くらい過ぎて、僕達は6日ぶりに自分の部屋に戻った。 でもちょっと、帰ってからが面倒だった。皆僕に言い寄ってくるんだもの。 そりゃあ、じいちゃんやママには会えて嬉しいけど。 捜索を進めていた警察に『決闘王狙いの誘拐事件』をでっちあげて話したりして、あっという間にもう一日。 明日には、また学校に行けるようになる。また皆と会える。 一週間前が、もう、遠い昔のようだった。 そして日も傾きかけてきた頃。 何て言っていいんだろう、とにかく驚いた。僕達にとってまるで予想だにしなかった出来事が起こった。 海馬君と モクバ君が 家に来た みたいな ★ 「遊戯、貴様に話がある」 腕を組み、試すような目でこちらを睨む白コートの男。 その脇で、大きなジェラルミンケースを持って立っている男の子。 いつもどおりの風貌、いつもどおりの海馬兄弟が目の前にいた。 僕達はというと、しばらく目を丸くして2人をまじまじと眺めていた。 「お前、どこぞの馬の骨に拉致されていたそうだな」 「……うん」 「お前が消えた日に、我が海馬コーポレーションの社員である磯野が、何者かに殺された」 「他の社員も変な奴を見たって言うんだ。遊戯、何か知ってるか?」 海馬君の後に続いて、モクバ君が言葉を継ぐ。 磯野が死んでいた? 僕らが連れて行かれたのと同じ日に? ……どうやら2人とも、あの殺し合いを踏まえて話をしていない。知らないみたいだった。 「ごめん、僕は知らない」 「……知らないか、まあいい。では、もう一ついいか―― 神のカードは無事なのだろうな。奴らに負けたとは言わせんぞ」 思わず、ちらと隣を見る。もう一人の僕と目が合った。 「……負けてないよ。もう一人の僕は」 「本当か?」 「本当だよ」 「……ふぅん。なら、話は以上だ。邪魔したな」 そう言うと、海馬君はもう用はないとばかりに踵を返した。モクバ君もその後に続く。 僕はまだ夢を見ているかのような錯覚を感じながら、2人を見送った。 「遊戯、またな!」 「う、うん……」 そして、2人が部屋を出ていく。後には扉が閉まる無機質な音が、バタン、と辺りに響いた。 しばらく僕らは外に出た二人の後ろ姿を追うように、その扉を凝視する。 そして無音となった部屋で、もう一人の僕が話しかけてきた。 『……相棒。何故、海馬がいるんだ? 生き返った……というわけでは無さそうだが……』 そんなことはまずあり得ないだろう。 主催だって死んだ。幻想郷にも霊夢の死んだ知り合いはいなかったんだから。 これが夢オチっていうなら別だろうけど、残念ながらそうでもないみたいだし。 「もう一人の僕。生き返ったんじゃないなら、他に考えられるのは……何だと思う?」 『……別の世界の海馬ってことか?』 「うん、それもあり得る……。でも、僕は……今より未来の海馬君じゃないかな、と思ってる」 もう一人の僕がはっとしたように顔を上げる。 『……俺達が連れていかれるのと、磯野が殺された日は同じなんだよな。 それは……主催が海馬のところにもやってきた、ということなのか?』 僕は頷く。その日は失敗している、という仮定が必要になるけれど、そうとしか考えられない。 ピエモンあたりがドジやったと思えば納得できるかもしれない。 「まあ、憶測でしかないけど……。海馬コーポレーションは大きな会社だからね。 主催がKCの社員に見つかるなりして、海馬君達の誘拐に失敗したとする。そうなれば、別の機会を狙うんじゃないかな。 それが平行世界なのか、未来の世界なのかは分からないけど」 でも、近い未来だろうなと思った。あの会場で見た二人は今と全然変わっていなかったから。 もう一人の僕は先ほどから思案顔だ。僕の言いたいことに気付いたのだろうか。 「だから、海馬君は来月消えるかもしれないし、来年消えるかもしれない。もしかしたら消えないかもしれない」 『なら、相棒。そこまで推測しているなら、海馬に磯野について聞かれた時、話すべきじゃなかったのか? 近い未来にいなくなるというなら、今……』 「それは駄目」 『え?』 そう、それがさっきついた嘘の一つ。 僕は殺し合いのことを誰にも話していない。この後巻き込まれるであろう海馬君も例外ではなかった。 そして、それが最善だと思ってる。 「まあ、死神の遊戯を実証したいなら、またとない機会かもしれないけどね。 僕らが進んであの世界のことを話しても、きっと信じてもらえないよ? 時空を越える主催の力も結局よく分からなかったし、防ぐにも説明しようがない」 もう一人の僕も、そのことは分かっているのだろう。 ……それでも、諦めきれないのだろう。釈然としない表情で僕の言葉を聞いていた。 その気持ちは、僕にも分かるのだけれど。 『……だが、だからといって俺達は何もしないのか? 海馬達が死ぬと分かっているのに』 「うん、僕は何もしない。君もそうして欲しい」 『相棒……』 「もし僕達が警告することで、海馬君が話を信じて、運良く主催を諦めさせたとしても……駄目なんだ。 そうすると、今度は僕達が消えるかもしれない。僕らだけじゃない、生き残った皆もだ。 ……それほどのことを海馬君はやりとげた」 今の僕達は、"あの会場にいた海馬君"から見て過去の人物だ。 でも、そうでありながら、"未来の海馬君の運命"を知っている人物でもある。 そして、気付いた。主催でもない僕達が、自分の意思で殺し合いの結果を変えられるのでは、と。 と言っても、悪い方向へだ。 「変えられる」、というより「変えてしまう」。それに気をつけないといけなかった。 海馬君にあのことを伝えて、仮に信じなくても、僕達は預言者となる。それを海馬君がどう思うだろうか? 伝えた言葉がどのように影響するか分からない以上、僕達は何もできない。 最後まで会えなかった海馬君のことは、レナや霊夢から教えてもらった。 つかさ以外の4人は、一時、海馬君と行動を共にしていた。だから、皆色々と話してくれた。 一見不審者で、ロリコンで、ハイテンションで、常に皆の先頭に立っていたと。 そして、持ち前の技術力を駆使し、主催側を混乱させ、首輪を外し、……打開への希望をくれた、と。 霊夢や日吉は褒めているのかけなしているのか分からなかったけれど、皆に信頼されていたようだった。 もし海馬君がいなくなれば、呼ばれなかったら、『打開』は途端に難解になる。 そんな中の奇跡を信じて、海馬君を助けるくらいなら。 ……何もしないほうがいい。 僕は、皆を失いたくない。 『……分かった』 理由を説明する。すると、もう一人の僕も納得してくれた。 そして、再び訪れる沈黙。僕達の心の中では、何かやりきれない思いが渦巻いていた。 「……なるね」 「ん? 何か言ったか?」 「いや、ああいう騒がしい人らがいなくなったらさ――」 ――寂しくなるね。 「……そうだな」 なんかさ、他人事だよね。君もいつかはそっち側になるのに。 ★ その夜、テレビで海馬コーポレーションの特集を見た。 KCグランプリで海外での評価を取り戻した海馬コーポレーションは、世界海馬ランド計画を進める為に、 アメリカでの「海馬ランド」建設の企画を始めるらしい。 磯野のことについては触れなかったけど、やっぱり昼間の出来事は現実だったんだなあ、となんとなく思った。 テレビの中の海馬君が高笑いし、プ○ジェクトXの司会達がドン引きしている。 もう一人の僕でさえ呆れたようにテレビを見ていた。 何だか今日見た海馬君が、違う世界にいるかのような感覚に襲われた。 部屋へ戻ると、じーちゃんがやってきて話しかけられた。 神のカードを見せて欲しい、と。 僕らが決闘王になってから毎日恒例の頼みだったけれど、とても懐かしい感覚だった。 3枚の神をなめまわすように見て、Gちゃんは満足して帰っていく。 ここまでは何も問題はなかった。少なくともじーちゃんにとっては。 会場から持ち帰ったカードの束、僕らはその中から神のカードを取る際に、色々な非常識に気づいたのだった。 まあ、帰ってきてから持ち物のこと気にする暇無かったからなあ。 「……もう一人の僕、ラーが一枚増えているんだけど……。なぁにこれぇ」 『あ、それはマリクのデッキが勝手に……』 「それだけじゃない、知らないおかしなカードもあるよ」 『カードは皆からまとめてもらったからな、まだ確認していないのも多いかもしれない』 「……へぇ、だから僕のカードの中に、こんなものが混じってるんだ……。オレイカルコスの結界」 『……え!?』 オレイカルコスを見るなり顔色が変わるもう一人の僕。 僕はそれを無視しながら、その薄汚いカードを墓地に送った。 まだ確認していないのもある、か。 皆の持ち物も全ては把握してなかったし、特にデイパックの物は紫やゆとりが適当に配ってたから尚更かも。 それにハルヒのデイパックのものも混じっていた気がする。 でも、適当に配ったと言っても、適して当たりな物をくれたのが意外だった。 おかげでカードの他にも色々手に入れた。 中でも一番ありがた迷惑なのが……もう一人の僕の"本当の名前"。 時々KASがもう一人の僕をAMTと呼ぶのが気になって、聞いてみたのが事の始まりだった。 直後、その場にいた自重しないゆとり達がKASを押し退け、一斉に語りだしたのは忘れもしない。 「何言ってんだよww王様の名前に決まってんだろwwそれにAMTじゃなくてATM!」 「ばっか、このAIBOはそこまで行ってないんだよ! 遊戯王厨の俺が詳しく言うとアニメ200話AGO作画の前あたりだ」 「ATM!ATM!我が名はATM!」 「……い、言っておくが俺は隠すつもりだったからな! ゆとりの近くで聞いたのが尽きの運だっていぐふっ!?」 「ネタバレ死ねよ!!」 『こんのぉ~!』 ……今思えば、ニコ厨というものをもっとよく知っておくべきだったんだろう。 あそこで黙らせなければ結末までネタバレされていたかと思うとぞっとした。 あいつらの言うとおりに事が運んでいくなんて気分のいいものじゃない。というかきもい。 僕はそのままアテムと呼ぶのは癪なので、あえて聞かなかったことにした。 もう一人の僕はそれから某自動現金預け払い機に反応するから困る。 「……そういえば、君は本当の名前を知って何か思いあたることは無いの?」 『いや、記憶が戻るということはないが……あいつらの言うことは信じてみることにした。 俺の記憶をあいつらが知っているのは奇妙だが』 「今度また幻想郷に行くんだし、ゆとりに変なこと吹き込まれないようにね」 『宴会か?迎えがいつ来るか知っているのか?』 宴会。おそらくこれが皆と会える最後の機会になる。 でも、皆それがいつなのかは知らない。霊夢の頼みで紫が動くことになっていたから。 あの神出鬼没な妖怪のことだ。細かい日時は紫の気分次第だろうなと思ったので、 僕はあらかじめ日を選べるように相談しておいた。 「もう一人の僕、美術館へ行くのは3日後。それで良かったんだよね?」 『ああ、帰ってきて5日、だったな。あまり遅いとエジプト展が終わってしまう』 「紫に言ってあるんだ。出来れば僕らの、……君の物語の続きが始まる前に、って。 だから、近いうち――それこそ明日か明後日あたり――に来ると思う」 自分で言ってなんだけど、これ帰る意味あったかな? あの時はとにかくこっちの世界が気になってたからなあ。 『ああ、記憶を探している途中で宴会の迎えに来られても困るからな』 ……君がいなくなった後で宴会の迎えが来たら、君だけ皆と会えないしね。 そんなことを口に出そうとする自分に気づいて、僕は顔をしかめた。 『相棒?』 咄嗟にその言葉を頭の隅に追いやり、先ほどの話を繋ぐ。 「別れた皆も、それぞれの物語があるんだろうな。皆一段落して来るだろうし――」 一段落。僕らの物語に当てはめると、その言葉は適切であり不適切でもあった。 『……ということは、皆ばらばらの歳になってたりするのか?』 「あり得るね。全く時間の経っていない僕らの横で、おばさんたちが話していたりするわけだ」 『ああ、俺も楽しみだぜ、更に成長した皆の姿を見るのが!』 もう一人の僕は実に生真面目に言葉を返してくる。 いつもの調子だ。そのはずなのに、なんだかこの話題を続けるのが嫌になった。 僕は机の椅子にもたれ掛かって天井を見上げる。 張り替えたばかりだという窓から見える星空が、前よりも透き通って見えた。 そういえば、僕らがいない間に泥棒が入ったらしい。犯人はいつかのダイナソー竜崎。 神のカードが狙いだったようだけれど、当然それは僕ら同様消えていたわけだから探すうちにそのまま御用だったとか。 だから目立った被害は部屋荒らしとガラスを割られたことくらい。 そういえば、何であいつ一人だったんだろう? こう言うのもアレだけど、羽蛾君がいた方が悪知恵が効いてもっとマシな結果になったと思うんだけれど。 『相棒……、羽蛾はあの殺し合いに呼ばれていただろう』 あれ、そうだっけ。 じゃあ、ちょっと、変わっていたんだね。 とはいえ、ちょっととは言っても、これだけこの世界で変化の積み重ねがあるって不味くないかな。 ゆとりたちの知ってるあらすじと少しずれそうな気がする。 ……僕の嫌な予感だから、当たらないことを祈ろう。 ★ そして、それからはデッキの再構築に時間を費やした。 明日持っていって、久々に城之内君とデュエルをするためだ。 持ち帰ったカードの束を全て確認して、レッドアイズのカードが僕の手にあることを思い出した。 確かこれは最初に琴姫さんからもらって、ずっと持ち歩いていたんだっけ。 2回くらい使った気がするけど、どこでどんな風に使ったかははっきりと覚えていない。 事実、あの殺し合いの記憶は、少し日が過ぎただけだというのに薄れ始めている。 例えば、初めて会った時のハルヒを思い出せと言われても、どんな姿だったか、あの時何を話したか。 その記憶は曖昧だ。 生き残った皆と、もう一人の僕と会えなくなっても、一緒に過ごした時間を昨日のことのように思い出せるだろうか。 ――なんて、機械じゃないしそれは無理だろうな。 でも、薄れることはあっても忘れるということは絶対にない。 僕はそう確認するように呟いた。 「もう一人の僕……、宴会までの時間はすぐ終わるけどさ、僕はあの3日間を忘れないよ」 『ああ、俺もだ。あの殺し合いのことは絶対に忘れない。皆のことも、主催達、その部下達のことも」 「乗ってた変な人達のこともね」 『ま、まあな』 もう一人の僕は自然に話題にのってくれる。二人で思い出を語り合うなんて珍しいかなと思ったけど、 たまにはこれくらいいいよね。 レッドアイズのカードをデッキと一緒にカードホルダーへ入れる。 そうだ、確か初めて使った時は、一日目の夜だった。 あの時、僕は負けたんだ。何でかあまり覚えてないけど……、僕は絆を信じきれなかった。 皆に見捨てられる幻覚さえ見た気がする。何であんなものを見たんだろう。 薬のせいだったのかもしれない。全部まわりのせいにして楽になりたかったのかもしれない。 もう限界だった僕は、それ以上絆を信じ続けることができなかった。 そして、近くにあった他の「可能性」に頼った。 「その後は全然覚えてないんだけど……必死だったのかな。どうなったんだっけ?」 それを聞いてもう一人の僕は飛び上がった。顔に動揺の色がありありと出ている。 『お、覚えてない!? それは……だな……。……相棒は大分グロッキーというか……、いや、どうってことないぜ!』 うーん、そこまでヤバかったのかなぁ。もう一人の僕が隠すくらいのグロッキーだったんだろうな。 次に気付いたときには暴走つかさに襲われてたっけ。 熱が下がったら、ようやく感情が戻った気がしたけど、僕自身はそのまま元に戻る気はなかった。 いつの間にか、僕はだんだんと冷笑的な目で見るようになっていた。 力で威圧する奴らを馬鹿馬鹿しいとしか思わなくなる程度に。 そのときはムスカ、ハルヒ、古泉に永琳と敵ばかりに遭遇していたし、変な感情にまとわりつかれない方が楽だったし。 『だが、非道な行いをする奴らを許さない気持ちは本当だっただろう?』 「非道?外道とは言われた時あるけど」 『いや、相棒のことじゃなくて……』 だから、しばらく気付かなかった。ずっと綱渡りの状況で気を張ってたせいかもしれないけど…… 僕は再び、少しずつ絆を信じるようになっていた。 レナ、つかさ、日吉、そしてもう一人の僕。少数派の皆と一緒に行動するようになってから。 「僕、皆が大好きだよ。力を合わせて障害を乗り越えていくうちに、僕に思い出させてくれたんだ」 いつの間に忘れていたんだろう、あんなに大切なことを。もう一人の僕がたどり着いた答えを。 言葉を継ぐ。自分でも声に力が入ったことに気が付いた。 「『結束』の力――。絆を信じれば、必ず光は見えてくるって」 絆は、出合った人達と記憶を共有して生まれる。 人の都合も考えず、あちこちくっついて自分や他人をふりまわすこともあるけれど。 皆と共有する思いの大きさ、それが『結束』の力になる。 それを、理解するだけじゃない……。この殺し合いの中で、身をもって知った。 あと、それは憎みあった他人とも出来てしまうものだってこともね。 永琳やハルヒや主催たちも、死んだからといって許す気はない。今でも嫌いだ。 でも、少数派の仲間たち同様、いつまでも忘れないでいたいと思った。 そう思うのは、悪いこと? 『何だかんだ言って、あいつらにも助けられた時があったからな』 まあ、それもあるけどさ……。 「やっぱり、相棒は強いな」 もう一人の僕が満足げに頷いたかと思うと、僕を見てぽつりと言った。 なんかこういうこと、前にも言われた気がする。またヘタレをアピールでもするんだろうか。 「当然だよ、――って言いたいところだけど、僕はまだまだ弱いよ。あの殺し合いでたくさん学ぶことがあったしね」 『だが、俺がいなくても平気だったじゃあないか。俺はあの会場で、相棒は既に俺を越えていると確信したんだぜ』 俺がいなくても――。 なぜかその言葉で、僕の体に電流にも似た衝撃が走るのが分かった。 「……どういう意味?」 『あの3日間、俺は相棒に助けられてばかりだった。人質にまでなって、足を引っ張ってばかりですまないと 思っている』 違う。二人で足りないところを補いあったから、僕らはあの3日を乗りきれたんだ。 今だからそう言える。 どちらかが欠けていては生き残れなかっただろう。 そして別々に行動していた時の僕は、仕方ないとはいえ、許されない事をしている。 それを強いと誉められているのかと思うと、何だかショックだった。 「……どうしてそんなこと言うの?」 『相棒?』 「そうさ、平気だった。僕は一人でいたあの時、君を見捨てたんだ。でも、それは強いって言うの?」 気づくと、僕は爪が食い込むほど強く手を握りしめていた。 だんだんと記憶が蘇る。そう、確かに他の皆の事を考えると、他の選択は選べなかった。 でも。 『あの時は、仕方なかったんだろう? 結局俺も無事だったし、お前を恨んではいない。気にすることはないぜ』 もう一人の僕もそれを理解して、許してくれている。 まあ前科があったから責める気は元々無かったと思うけどね、それはお互い様だ。 それは分かっているんだ。 けれど、僕が気にしているのはそれとは違う。 僕はあの時。 人質として再開したもう一人の僕を見て、見捨てようと決断した時―― ……何も思わなかった。 あの後すぐ殺されてもいい状況だった。なのに罪悪感はなく、後悔する気も欠片も無かった。 ハルヒ達ゴミ蟲野郎共を倒すことの方が大事で、ぶっちゃけもう一人の僕は邪魔だった。 あいつらの驚愕した顔、今でも覚えてる。そんなことを僕は平気でやった。 今でも時々、ヘタレな王様にいらっと来ることがある。 あの時とはもう違うと、そうは言ったけど。 僕は焦点の定まらない目を元に戻し、もう一人の僕を真っ直ぐに見つめる。 不安そうにこっちを見ていた目とぶつかった。僕は慎重に息を吸い、口を開く。 「もう一人の僕、明日の学校さ……、家で留守番してもらっていいかな?」 『どうした? いきなり……』 不安だった。 もう一人の僕が還っても、僕はあの時のように何も感じないのだろうか。 思い出しても、「ああ、そんな奴もいたな」と笑い種にするのだろうか。 そんなわけがない。そう言い切れないのが恐かった。 だからもう一度、離れてみたくなった。 それが僕のわがままだと分かっていても、確かめたい。どうしてもその気持ちを抑えられなかった。 「紫が来るかもしれないんだ。学校まで追ってきて神隠しされちゃ困るでしょ」 『…………』 我ながら不自然な理由付けだ。 もう一人の僕にはいらない日なんてない。明日だって残された貴重な時間だ。 不審に思うか、拒否するのが自然だろうなと思った。 でも、その答えを聞いて驚いたのは僕だった。 『分かった。いいぜ』 もう一人の僕は、いつもの調子で軽く言った。 「え?」 『そのほうが相棒にとっていいのなら、明日は相棒に譲る。あまり気に病むなよ』 適当に答えたのではない。僕が裏で何か隠しているのに気付いているんだろうと思った。 ……参ったな。そうだよね、もう一人の僕に隠し事は無駄だよね。 僕はそっと目を逸らした。 「ごめん、……ありがとう」 ☆ 幻想郷にいる時だったか。 相棒の心の部屋を覗いたことがあった。 心の整理をするとは、文字通りああいうことなのだろう。 目につくような乱れがなく、薄暗く感じる部屋に置かれたデッキが目立って見えた。 俺達の心は、闇と隣合わせだった。 「というわけで」 「え?」 出した声が甲高く響き、思わず口を手で覆う。 目の前、いや、頭上に相棒の顔があった。それだけで今の状況を把握するには十分だった。 萌えもんパッチ。まさか持ち帰っていたなんて。 ……そういえば幻想郷で、帰ったら2人でデュエルしたいと言っていたような……。 「帰ってくるまで、留守番よろしくね」 「いや、これは見つかったらやばいって!」 「何で? 昨日はいいって言ったじゃん」 「ここまで考えてなかったんだ……」 「大丈夫、今みたいに騒がなきゃ来ないって」 今みたいに……? 俺は咄嗟に下の物音に耳を傾ける。すると、相棒が俺を見て愉快そうに笑った。 「冗談、冗談」 昨日のすれ違いが嘘のような笑顔だった。でも、千年パズルを置いていく約束は嘘ではない。 首に何も提げていない相棒の姿が、昨夜の出来事を鮮明に思い出させる。 そして、俺は目をベッドの脇のデイパックへと向けた。 「それじゃ、またね。イテキマー――」 「相棒」 相棒が動きを止め、こちらに振り返る。 俺はその怪訝な表情の前に、デイパックから取り出した物を突きつけた。 「これ……いいの?」 「持っていったほうが、皆怪しまないだろう」 偽の千年パズル。 元はマルクが相棒を引き込む為の餌として作り出した物だった。 これを持たされ城で待ちぼうけしていたゆとりが生き残っていたので、幻想郷にいた時に渡されていたのだ。 ただ、相棒はマルクの誘いを一蹴するのと一緒に、パズルのことを諦める覚悟も決めた。 今まで取り出さなかったのは、俺のことを気にしていたからなのかもしれない。 「――俺からも一ついいか」 一つ、というのはパズルだけのことではない。 それに気付いた相棒は、偽パズルに注いでいた視線を、俺の目の位置までもってくる。 「明日一日は、いつも通りに皆と過ごそう。これであいこだ」 相棒は正面から俺の言葉を受け止める。そして、頷く代わりに偽のパズルを首に掛けた。 再び前を向いた相棒の顔には、影の無い笑顔が浮かんでいた。 「勿論だよ……相棒!」 ☆ 俺が皆といられるのは、あとどのくらいなのだろう。 相棒が出て行って少しの間、そんなことを考えていた。 この生活が名残惜しくないと言えば嘘だ。だが、俺は自分自身を見つけ、あるべき場所へ還らなくてはいけない。 でも、それを皆は受け入れてくれるだろうか。 もちろん答えはすぐに出るわけではない。こんなことを考えていても仕方が無いと思い、しばらくして一人で考える のも止めた。 朝の光で満たされた部屋。その中にいる俺の心は、何か物足りなかった。 デイパックを覗いた時に感じた違和感。あれは何だったんだろうか――。 何か、嫌な予感がした。 「あら、そんなに思いつめているようなら幻想郷はいかが? 黄泉路はすぐそこにありますわ」 そこまで考えた時、突如、余裕を含むゆったりとした声が部屋の空間に混じった。 「それとも私が勝手に境界を弄くっておきましょうか?」 「心配いらない。これは俺の問題だ」 「あら、それは残念」 「……お前、いつからここに?」 くすっ、と吹き出す声が後ろから聞こえた。 振り返って見えたのは、薄暗い部屋の奥に佇む、和と洋を混ぜ合わせたようなあの妖怪の姿。 「もう、お前とは失礼ね。せっかくお迎えに来てあげたのに」 「……宴会か?悪いが、相棒がいないんだ。今は行くことはできない」 「それは知ってるわ。……まあ、少しばかり遅れて出て来たのは事実だけれどね。あなたが留守番じゃなかったら 朝イチで神隠しの予定だったのに」 そう言って、紫はつまらなそうに目を伏せて窓の向こうを眺める。 俺の頭に、家を出る前に宴会するはめになって紫に不平をぶつける相棒の姿が浮かんだ。 ……ん?それがしたかったのか? 「嫌ね、霊夢の頼みが面倒だから少しくらい遊ぼうだなんて思っていませんわ」 目を合わせると、心を読んでいるかのように答えを返される。 「でもまあ、丁度いいわ。話してほしいことがあるから、神隠しされるかスキマ送りにされるか選びなさい」 いきなり何なんだ。しかもどっちも言っていることが同じだ。 「拒否権は無いのか?」 「言い方が悪かったわね。殺し合いに呼ばれていた八意永琳について教えてほしいの」 「意味☆不明……って、え、永琳?」 そういえば話には聞いていた。俺たちが会った永琳は違う世界の永琳だったらしい、ということ。 幻想郷の永琳は、普通に暮らしていたということも。 「別の世界の永琳をよく知ってて、今暇そうなのは貴方くらいなのよ。永琳も詳細を知りたがっていたけれど、 私も貴方たちが脱出してくるまで知らなかったことだし。調べるのも骨が折れるから貴方に任せたいの」 俺が幻想郷に送られて代わりに答えるってことなのか? 思わず頭を横に振った。ふと、永琳の死に顔が俺の脳裏に浮かぶ。 俺の知っている永琳は死んでいる。だから、出来ることなら会いたくないと思った。 「任せたいって言われてもな。幻想郷に行かなければいけないのか?」 「ここに連れてきてもいいわよ?ほら、出てきました」 「な!?」 「嘘、嘘」 紫がスキマから出した看護帽を手でもてあそびながら笑う。心臓に悪い。 「まあ無理にとは言わないわ、そんな重大なことでも無いようなら。ただ、どこの世界から来ていたのか気になってね」 「……古代の中国、だったと思うが……。多分、幻想郷に影響は無い。永琳が殺し合いに乗っていたのは その世界の主君の為だったからだ」 それを聞いて少しの間思案顔になる紫。一瞬俺を見る目が鋭くなったような気がした。 紫はスキマを出現させ、看護帽を放ってから再び口を開く。 「真面目ね。そこは素直にかくかくしかじかでいいのよ」 「かくかくしかじかで伝わるのか?」 「そう、伝えておくわ。じゃあ話はここまでにしておきましょう」 一方的に話は終わり、紫は出てきたスキマに乗ってふよふよと浮かぶ。 「来客よ」 流れるような視線は再び窓の外へと注がれ、紫はふっと微笑む口元を手で覆った。 俺もつられるように朝日の差す窓へと顔を動かす。すると。 それと同時に聞こえてきたのは、間違えるはずはない……久しぶりに聞く友の声だった。 ――皆来てくれたのか! そう思うが早いか、俺は窓へと駆けた。 ……はずだった。 「あらあら、せっかちねぇ」 のんびりとした声が聞こえたかと思うと、俺の体は宙にあった。 「え?」 手のようなものに掴まれ、放り出される。瞼を開くと、窓の下に置かれている机の卓上が目の前にあった。 状況が掴めず、辺りを見渡そうとしてマントにつまづき、机に頭から倒れこむ。 「あぶっ!」 「うふふ、ほら、落ち着きなさいな」 これで慌てない方が無理だ、と思った。ゴールドな装飾が額に食い込んでズキズキする頭を上げる。 紫のほうを向くと、黒い隙間のようなものに腰掛けながら笑っていた。 「あまり一人で盛り上がって見つかっちゃ駄目よ。誰かさんみたいな扱いになったら色々面倒なの」 誰かさんが誰かは分からないが、どうやら今のは忠告の為にやったらしい。 確かにこの姿で堂々と出かねなかったが……。言い返せない俺に誰か迷惑と親切の境界を教えて欲しい。 「では、今日の夕方、改めてお迎えに上がりますわ。あの子にも伝えておいて」 「……ああ」 ――そして、早く気付きなさい。そのために、私からも今日一日時間をあげる。 「……紫?」 手をひらひらと振ったかと思うと、もう紫の姿はそこにはなかった。 そして静まりかえった部屋。そこには外から僅かに入る話し声だけが響いていた。 その声で今何をしていたのか思い出し、俺はうつ伏せとなっていた体を慌て起こす。 「ええ、遊戯の奴もう出て行ったのか!?せっかく皆で揃って迎えに来てやったのによー!」 「もう!大体、城之内が遅れて来たのが悪いんでしょ!」 窓を通して不鮮明となった声が耳に届く。 下を覗こうとしたが、屋根が斜めになっているために真下が見れなかった。 「ほっほ、すまんのう。遊戯も今日は張りきってたみたいだからのー」 境界を作る窓の存在を歯痒く思った。聞こえる声が俺を急き立てる。ついに耐えきれずに、開けた。 城之内君、杏子、本田君、獏良君、御伽君。 いつも通りの皆がそこにいた。 「仕方ねーだろ、久しぶりに遊戯とデュエルするためにデッキ調整してたんだからよ!」 「ああもういいから、 早く学校行くぜ! 走るぞ!」 「え、じゃあ失礼しました!」 「ホホ、行ってらっしゃい」 「ま、待ってよ~!」 「明日……、楽しみだな」 皆の後姿を見ながら、誰に話す訳でもなく俺は呟いた。 殺し合いで途切れていた俺の物語も、再び動き出すまで、あと2日。 俺はあるべき場所へと還る時、俺の物語が終わる。 だが、その終わりは始まりでもある。相棒は相棒自身の物語へと進むんだ。 俺達は美術館へ行き、言われたとおり神のカードを使って記憶を見つける。 そして、千年アイテムを……全て揃え―― 揃え、て……? ――一瞬、俺の脳裏に、紅く染まったHALの姿が映った。 顔から血の気が引いていくのが分かった。しばらく呼吸することも忘れていた。 気付くと、俺はその名前を呼んでいた。 「……紫、紫っ!」 ★ 「そうだ、遊戯! 俺のレッドアイズ知らないか? 前々からどこにもねぇんだ!」 「あ、それなら僕持ってるよ。なぜか僕の手元にあってさー。変だよね?」 「もしかして、レッドアイズも遊戯を守ってくれてたのかもね!」 「ねぇ、それより僕の千年リング、ずっと身に付けてたのに無いんだ。また黙って隠してない?」 「いや、あれはヤバいから探さなくていい。というか身につけるな!」 「うう~……角のバカ!」 「……え?」 ⅩⅢ 死神 逆位置:再出発 ★ その後、凄くなぁにこれぇな記憶戦争を繰り広げたり、本当は見れない予定だった忠実の記憶を見たり、 どこぞの墓守達が困り果てたり、私が睡眠不足になったりするのはまた別の話。 そして、一人のファラオの物語の結末は――うふふ、ご想像にお任せしますわ。 どの道を選ぶかはあの人達次第。 どのような結果になっても……、それがこの世界での遊戯の物語となる。 ここからはもう、ニコ厨なあなたの知っている物語ではないわ、これからじっくり楽しみなさいな。 いずれは、光の中で終わるのだから。 さあ、今は……晩餐を共にしましょう。 ep-4:SAMURAI DEEPER WAGASHI 投下順 ep-6:木菟咆哮 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅴ ――Happily ever after 武藤遊戯 ep-8:春です。
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発言者:シェリル・マクレガー万年セフ…だったり都合のいい女ではないはず。 対象者:アイザック・フォレスト(本編では超ド変態なのにドラマCDでは基本ツッコミ役の模様。) ※本編より 子犬系助手『わたしは、この月の光が照らす世界に、ずっといたい……って、心からそう思うようになったんです』 誘い受け系腹黒上司『何をしているの? さあ、貴方のしたいようにして頂戴……私を可愛がって……ね?』 グショグショ脳筋狩人『決まっています、トシローのことですよ。 私を目覚めさせてくれた、愛しい仇敵(こいびと)……』 『……まったく。最近どうもあいつはあたしの扱いが悪いっ』 『何が悲しゅうて、トシローと他の女のファックを覗かなきゃいけないんだっつの!』 『気苦労多いな、本妻は。あっちこっちに気のある相手を牽制して、疲れることだよ』 『というか、おまえがあいつの連れ合い(オンリーワン)なら、俺も俺で楽だったんだけどな……』 特典ドラマCD『相棒は朴念仁』で、縛血者のはずなのに何故か酒に酔ったヒロイン・シェリルが、 相棒からの雑な扱いや、新しい女が増える中自分の影が薄くなることに対し一通り泣いて諦めかけて、その末にヤケクソ気味に叫んだ言葉。 カサノヴァでアイザック相手に愚痴を吐くシェリル。 その内容とは、数十年来の付き合いになる男、トシローの自分に対する扱いについて、であった。 シェリルさんのオナお悩み 「素っ裸で待ち構えて、『抱いて……!』って言ったら 顔色一つ変えずに『気が乗らん』って言われた………」 「で、結局今日も放置プレイかって思ったらさ、その後あいつ、どうしたと思う?」 「裸の女に目もくれず、買ってきた雑誌読み始めやがったのよ! ニヤニヤしながら刀剣見て、それがこれまた嬉しそうでさ…… 『この刃文、この反り、素晴らしい……』とか言ってさぁ! 横で、裸のあたしがローション片手に待っているってのに……!」 「なにそれ、なにその対応信じらんない! あたしはアレか? 刀以下かよこんにゃろう! 粘膜より刀が大事ってか……そんなら無機物と結婚しろってのよ……!!」 アイザック『何かそういう言い方だと、あいつダッチワイフが理想の相手みたいだ――』←『縁起でもないこと言わないで……OK?』 さらに酒が入ったシェリルは、そんな相棒がいつの間にやらアンヌ(ワンコ)やらニナ(お嬢)、それと何か物騒な女(天元突破痴女)にちょっかいかけて新ヒロインが増える一方、 自分のような古参───幼馴染とか、相棒とか───は滑り止めの如く、(優先度が)低くなっていく、報われない運命だとメタ丸出しで涙ながらにバーテンダーに絡む。カウントダウンでは理屈捏ねてやる気を見せない相棒に代わって新境地のうわキツ演技にも挑戦しました そしてバーテンダーは製作者側の意思を代弁するかのように、必死に宥める、ということが幾度も繰り返され──── まあそれでぐだぐだしながら告げられた、彼女にとって結局の本音は…… 「くそう……最初から一人勝ち確定なほど好感度高くて何が悪いの!? つーかもうあたしのルートだけでいいと思わない!? 何十年も一緒にいる相棒な゛の゛よ゛!?」 でもその理屈で行くと、絶対に敵わない存在が立ちはだかりますよね() そんな面倒くさく酔っぱらった女を迎えに来たのは─── 「アイザックから電話が来てな……聞いたぞ、盛大に絡んでいたそうじゃないか」 「うっさい。誰のせいだと、思ってるのよ……バカ。 あんたはもうちょっと、あたしに優しくするべきだ……」 ───ほんと世話焼けるな、コイツ……いやコイツらか。 この作品の真の幼馴染枠は昔の女が既に居るからな...それはそれとしてシェリルさんはいい女だと思うよ、うん -- 名無しさん (2018-07-22 19 44 32) トシローさんの嫁は美影さんでもアイザックでも伯爵でもなく刀剣だった……? -- 名無しさん (2018-07-27 19 29 06) 美影さんには勝てないんだよなぁ -- 名無しさん (2018-07-28 19 15 36) 何だかんだ最初のメンツだとシェリル アイザック お嬢 他ってくらいには好感度高いのにな、シェリル -- 名無しさん (2018-07-28 20 05 49) トシローさんの力は刀がないとフルスペック出せないからシェリルより優先しちゃっても仕方ない仕方ない -- 名無しさん (2018-07-29 09 35 13) 同田貫がヒロインか……劔になりそう -- 名無しさん (2018-08-06 23 46 33) ↑いかにもッ!! -- 坊主@扇子 (2018-12-03 21 28 32) なお、最初から勝ち確定のヒロインを作った結果がナギサちゃんである。 -- 名無しさん (2018-12-03 22 24 43) ↑なおその過程 -- 名無しさん (2018-12-04 00 08 25) ↑2 美影と死別せずに生き別れたifがある意味ナギサちゃんだよな。逆に言えば、目の前でナギサちゃんが殺されたらアッシュはバーサーカー状態のトシローみたいになってた可能性も………。 -- だって、アッシュはエスペラントの素質が無いだけで、腕の良い暗殺術の指導者に出会ったら頭角現しそうだもん。 (2020-04-03 20 47 53) ↑腕の良い暗殺者が駄目人間でよかったな。真人間になるとアッシュくん確定死だし -- 名無しさん (2020-05-08 08 29 41) トシロー×伯爵!? -- 名無しさん (2020-07-09 21 47 53) 名前 コメント