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「それでは、行って来る。」 「ああ、気を付けろよ。」 何気ない挨拶を交わし、それ程汚れてもいないアパートの真下で鬼龍院皐月と雅緋は、 全く違う方向に向けて歩き出す。しかし、二人の心は平行の道を進んでいた。 そう思いたい。 ◆ ◆ ◆ 夜の街にて白装束の剣士と戦った後、雅緋は、皐月をアパートに招き入れ、今後の方針について話し合った。 結局、味方を集めるという方針は変わらずにあった。 実際、皐月がランサーを引き連れて外を回ったのも、 雅緋があの「白」のセイバー相手にあんな派手な真似をしたのも、そもそもは仲間を集めるためであった。 幾ら雅緋と皐月が単独で戦う力を持っているとはいえ、セイバーとランサーは技能こそ高けれど火力には乏しく、 その上雅緋のセイバーは戦闘状態に入る際に時間が掛かる、足止め役が必要だ。 そこで、雅緋と皐月は、互いに別れて歩きまわり、仲間を集める方針に出た。 雅緋は街を、皐月は外を回ることにした。 ◆ ◆ ◆ いつもは騒がしい廊下も、この瞬間だけは静まり返っている。 それもそうだ、あの鬼龍院皐月が中心を歩いているのだから。 光を遮るように目を覆う者もいる、呆然と見つめている者もいる、 最も、この鬼龍院皐月の輝きにひれ伏している、と一言で纏められることに変わりはないが。 此処らではPTA会長間桐臓硯の実家である間桐家に並ぶ旧家の長女であるというその知名度、 圧倒的なそのオーラ、そして彼女が着ている軍服に似たデザインの独特なセーラー服。 まだまだ言い足りないが、彼女の異様さを示すには、これでも十分過ぎる。 そんな周りの視線も気にせず、皐月は落ち着いた表情で周りを歩きながら、周囲の人間を見回していた。 (やはり、態々令呪をさらけ出す者はいないか…) 殺し合いに参加している以上、そんな余裕じみた真似をする連中はそうそういない事を皐月は重々理解している。 だが、それで敵を見逃すこともある、こうして近くの目立った敵を探すことが、魔力感知も出来ない皐月に出来ることだった。 皐月のロールは、高校生、それは以前の世界とは変わらない、「通っている高校が違う」「生徒会長では無い事」 を除けば、の話ではあるが。 ムーンセルが与えたロールにおける鬼龍院皐月は、カバーズとも、生命戦維とも無縁の生活を送ってきていた。 此処は嘗ての彼女の牙城であった本能字学園ではない、それに彼女はプライドにおいては他の追随を許さぬが、 決して自己顕示欲が高いわけでも無い、ならばそんな役割に就く理由も無かった。 しかし、学生がマスターという可能性も無くはない。それに下手に欠席すれば睨まれる可能性もある。 だから皐月は、何時も通り学校に通うことにした。 (主よ) 不意に、ランサーの声が響く。 (サーヴァントの気配を感知しました、それも多数、マスターの予想通りです) 当たったか。 (引き続き他のサーヴァントを探せ、味方であった場合は雅緋に連絡する) (了解しました) 念話を返し、ランサーの返事を受け取った後、皐月は自分の肩に手を掛ける。 彼女が纏っているセーラー服は、只のセーラー服ではない、其の名を「神衣・純潔」 鬼龍院皐月が父から受け取った「花嫁衣装」にして、彼女が纏った鎧。 流子や羅暁の様に完全に物にできることは叶わなかったものの、その尋常ならざる彼女の体力と精神力で辛うじて手綱を握れた強力な神衣だ。 これに神秘性があるのかどうかは分からないが、ちょっとやそっとの攻撃で傷付くようなヤワな代物ではない、其の上縛斬もある、 対象が生命戦維でないとはいえ、常人を遥かに凌駕する力を手にしているという事は確かな事実だ。 だが、原初生命戦維が流子に破壊された今、この地球に残った生命戦維は活動能力を低下させている。 この純潔の寿命も長くはない、それにヌーディスト・ビーチの調査によると無理に動かせば更に綻びやすくなるという話だ。 劣化した服を着続けていれれば、何れかは破けて使えなくなってしまう、増して腐り始めている繊維だけで編まれたこの神衣だと、 何時かはボロ雑巾になってしまうに違いない、この状況だと、何度人衣一体が必要となるかは知れたことではない。 下手をすれば数日で駄目になってしまう危険性もある。 だが… (済まないな…今は持ってくれ…) 今は、この純潔が必要な時だ。 雅緋や自分が参加している以上、高い戦闘力を持つマスターが潜んでいる可能性は高い。 無防備に縛斬を振るっても勝機が来る訳ではない。 それに、サーヴァントだってどれ程強い者が待ち受けているかは知れたことではない。 自分のランサーより遥かに強いサーヴァントがいる可能性も十分にある。 今、己が生きるために、人々を踊らせる願望機を破壊するために、この服は必要だ。 肩から手を離し、再び姿勢を正した皐月は、上の階へと続く階段に足を運ぶ。 そのような事を考えた所で何も変わりはしない。 考えるのは、この状況で、何が出来るか、だ。 「ワケがわからない」? ああ、そうさ、だがワケがわからないからこそ、この世界は美しい。 【A-8/月海原学園/早朝】 【鬼龍院皐月@キルラキル】 [状態] 健康 [令呪]残り3画 [装備] 神衣純潔 [道具] 縛斬・餓虎、縛斬・蛇竜 [所持金] そこそこ裕福 [思考・状況] 基本行動方針: 優勝し、聖杯を壊す。 1. この学園に潜むマスターを探し、白なら倒し、黒なら手を結ぶ。 2. 純潔がいつまで持つか心配 [備考] ・ムーンセルでの身分は冬木でも指折りの名家の令嬢です。 ・学園に複数サーヴァントがいることを知りました。 ・雅緋と同盟を結びました。 ・純潔がこの聖杯戦争中に持つかなどは各書き手様にお任せします。 【ランサー(ディルムッド・オディナ)@Fate/Zero】 [状態] 健康 [装備] 破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)、必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ) [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針: マスターを守る。 1. サーヴァントが姿を見せたらマスターに連絡する。 2. 無謀に敵に突っ込む雅緋が少し心配。 [備考] ・セイバー(市丸ギン)の宝具『神槍』を確認しました ・敵サーヴァントの気配を複数感知しました。 ◆ ◆ ◆ 「上手く眠れたか。」 「まあ、悪くはなかったな。」 早朝、街中といえば通勤ラッシュが多いイメージが通るが、此処らは近くに駅がなく、 人通りも無い。そんな街を、雅緋、そしてセイバーは歩いていた。 皐月との作戦会議が終わった直後、二人は仮眠に就いた。 セイバーとランサーが宝具を取り出した状態で見張ってくれたお陰で、 多少は緊張を和らげて横になることは出来た。本来、数多もの死線を潜り抜けた二人は、 たかが数分戦った所で倒れることはないが、今は殺し合いだ、いつ敵が襲って来るかは分からない。 それに重なりマスターの体力で動くサーヴァントを擁する今、体力という物は 更に重要性を増していった、だから6時間程、二人は仮眠に就いた。 ナポレオンは一日三時間しか寝なかったというのは有名な話であるが、 人間は3の倍数の時間で寝るとスッキリ目が覚める、という話だ。 本来、雅緋は大学の考古学科で忍の勉強をしている、というロールに置かれている筈であった。 実の忍が忍の研究をする、というのは今思えば滑稽な話だが、まあ其処は置いておこう。 大学でマスターを探すという手もある、だが自分のセイバーはこの通り霊体化が出来ない。 その上宝具を使用していないと戦闘状態に入れないという致命的な弱点が存在する、 隣に歩くセイバーを見てみれば、この通り「E」の文字が大量に浮かんでくる。 大学に連れて行く、という手もあるが、セイバーはいつだって自分の側に控えていられるわけではない、 その上怪しまれる可能性も十分あるし、恐らくは外に潜んでいる可能性もある、という事で、 二人は今街中を歩いている。 「確か此処を通れば、駅に行ける筈だがな。」 スマートフォンの地図を眺めながら、雅緋はそう言う。 「成る程…多くの人間がいるだろう駅でマスターを炙りだすのか?」 「察しが良いな。」 セイバーの推察に、雅緋が答える。 此処らの人っ子一人歩いていないような路上でマスターを見つけ出すことなど、無理な話だ。 しかし、駅というものは、仕事や学業等を行うために多くの人間が行き交う、もしかしたら マスターがいるかもしれない、というのが雅緋の考えであった。 決して効率が良くなるとは言えんが、少なくとも今よりはマシになるだろう、と。 仲間が見つかったら、授業が終わった頃には「鬼龍院邸」に仲間を集めろ、というのが皐月の提案だ。 話によれば皐月は由緒ある家柄で、且つ世界のシェアの大半を占めている巨大アパレル企業の令嬢でもあるという。 鬼龍院邸がどれ程の物かは聞かされていないが、少なくとも7人以上の人間が集められる場所であるという事は雅緋も察せた。 屋敷といえば蛇女の学園長たる父もそこそこの物は持っていたが、あれでもそれくらいの人数は十分寝かせられる。 「唐突だがセイバー、確かお前の屋敷はどれ程の人間が暮らせる?」 冗談交じりに雅緋が聞いてみる。 「基本的には私と弟、そして両親の部屋は用意してあった、しかし寝泊まりする使用人も存在する、それを含めると15人程の寝床はあるな。」 「随分な数字だな。」 これで拠点は本当に決まりだな、と雅緋が笑って返したその時。 「へえ、二人仲良く逢引き…か。この戦場でそれは、ちょっと呑気過ぎるんじゃないの?」 上から声が響いた。 ハッと驚いた二人が声の方向に目を傾けると、ビルの上に軍服を着た1人の少女がいた。 若々しく顔立ちも整っているが、何より目を引くのは左手にある籠手だ。 盾の様な形状こそしているものの、それには何かしらの杭の様な物が付いている。 「セイバー、気を付けろ。」 雅緋が、苦々しい表情でセイバーに問いかけ、懐から秘伝忍法帳を取り出す。 「ああ、分かっている。」 セイバーもまた、戦極ドライバーを腰に当て、メロンロックシードを取り出す。 (成る程…宝具を使う気?) 「それじゃ、一旦お手並み拝見と行こうかしら。」 「忍…」「変身!」 雅緋は秘伝忍法帳を、セイバーはメロンロックシードを構える。 「転身!」『メロン!』 巻物と錠前が宙に放り投げられたかと思えば、片や螺旋の光となり、片やセイバーの手元に戻っていった。 螺旋の光は雅緋を包み、南京錠はセイバーの手でドライバーのドライブベイに装着され、カッティングブレードで切られた。 『ロック・オン!ソイヤッ!』 ランサーが、淡々とした表情で、左手の籠手をこちらに向けて来る。 『メロンアームズ!天下・御免!』 突如、和風の名乗りを意識したフザけた電子音声が鳴り響く。 見てみると、マスターらしき女の服装は、いつの間にか和風の白装束へと変わり、 セイバーの頭部には上空から出てきたメロンが被さり、複雑に形を変えていき、首から下は光とともに純白のスーツに包まれた。 変形を続けるメロンは遂に鎧となった、顕になった頭部は既に和風の甲冑を基盤とし、 且つメロンを象ったデザインとなっている甲に覆われていた。 そして、派手な琴のメロディと共に盾が出現した、それもやはりメロンを意識している。 そして、更に驚くのがそのマスターだ。 サーヴァントでないにも関わらず、巻物を投げてこの白装束に姿を変える、という素晴らしい芸当を見せていた。 「マスター、お前は後ろに下がっているんだ、分かっているな!?」 「安心しろ、説教なら鬼龍院から散々聞いた。」 そんな事を語りながら、雅緋はセイバーの背後に回り、「黒」のセイバー…呉島貴虎はベルトに嵌められた刀…無双セイバーを構える。 「…成る程、変身ね。」 『気を付けておけ、ランサー、あのセイバー、パラメータが増強されている。』 『まぁそんなものかなと思っていたわよ。』 そう言って、左手に装着された籠手を構えたその時。 左側から、激しい駆動音がする。 激しいブレーキ音と共に、二人の剣士と1人の兵士の間を横切ったのは、 1人の「鎧戦士」だった。 その時、雅緋の脳内にクラス名、陣営の色等は映りだす。 「マスター、このライダーの陣営の色は?」 「生憎だがセイバー、此奴の色は『白』、それと、此奴のクラスはライダーじゃない、『セイヴァー』だ。」 「何?」 それを聞いてセイバーは驚きを隠せない。まさか7クラス以外にもクラスがあるとは。 (セイヴァー…Saver…『救世主』だと!?) セイヴァーといえば、セイバーには聞き覚えのある名称ではある、嘗て、死んだはずのユグドラシルの研究者が、 特殊な錠前をばら撒きあるカルト的宗教を作り出した事がある。その男が変身した謎のアーマードライダーの名称を、 アーマードライダーを作り出した戦極凌馬が付けた名が「セイヴァー」、どうやらその特殊な錠前の識別番号がその由来らしいが。 そう、この鎧戦士のクラスは「セイヴァー」、世界を救い「救世主」と認識された英雄が選定されるクラス。 この葉隠覚悟は、鎧を纏い荒廃した世界を救うために戦った「救世主」だ。 セイヴァーはそのバイクから降りたかと思えば、そのバイクの後部座席にあるトランクに手を掛ける。 自動的に開かれたその中に手を伸ばし、取り出したのは一本の日本刀。 「神武挺身刀」 セイヴァーはそう呟き、刀をセイバーに向けて構える。 「月狼(モーントヴォルフ)、お前は後ろで待機していろ。」 その時、バイクは自動的に何処かへと走り去って行った。 それを確認すると、正義を執行する無慈悲な救世主は、救世を目指す1人の剣士にその刀を向ける。 「それじゃ、アナタの相手は私で十分ってわけ?」 一方、雅緋にはランサーが視線を向ける。 「そういう事になるな、済まないなセイバー、やはり私は後ろで立ちすくむのは性に合わないらしい!!」 雅緋は左手の平から黒い炎を発し、右手にある妖刀を構える。 「雅緋、悪の誇りを舞い掲げよう!」 其の名を叫んだ直後、ランサーが籠手を構えてきた。 雅緋は即座にジャンプして、背後にある建物を壁にして蹴り、そのまま屋根にいるランサーに斬りかかる。 「サーヴァントにむざむざ突っ込んでいくだなんて、こんなマスター初めてだわ。」 ランサーはそれに対し籠手の付いた手をぶつけて来た。 籠手はドリルを思わせる爆風を伴いながらも、杭を雅緋の妖刀に当て、その刃に大穴を開けんとばかりに杭を打ち込む。 「うっ!」 雅緋はそれに弾き飛ばされ、辛うじて地面で姿勢を取り戻し足をついた。 未だ屋根の上にいるランサーは、再び雅緋に杭の付いた籠手を向ける。 「マスターでも、容赦してくれるほど私は甘く無いわよ。」 そう言うと、殴りつけるようなフォームで籠手を構え、飛び降りると同時に雅緋に向かって飛びかかる。 「…来い!」 雅緋はそう叫ぶと、左手の平で燃えている黒炎を、妖刀の刃に翳して構えた。 ◆ ◆ ◆ 雅緋とランサーが戦っている間、セイバーとセイヴァーは今だに斬り合っていた。 だが、今はセイバーの方が疲労を見せていた。 若干ながらもヨロケながら、それでも刀と盾を手に取り眼の前の敵と戦っている。 漸く敵の剣の動きが見えてきた、セイバーはそれを捉えすかさずブレード付きの盾、メロンディフェンダーでガードする。 電磁バリアを張ったメロンディフェンダーは、無双セイバーでも斬れぬ固い装甲を持ったインベスをぶち破ったメイスを、 いとも容易くガードしてしまった強力な代物だ。「攻守共に優れた装備を」、と言う事で攻撃を無双セイバーで補うという条件付きで セイバー…貴虎が選んだロックシードがこのメロンだ。だが、それでも、この鎧戦士を倒すことはままならない。貴虎の鑑識眼では、 少なくともこの鎧のスペックはゲネシスと同等、或いはそれ以上だ。いや、下手をすればあの試作型のリンゴや、葛葉紘汰が使った 謎のロックシードにだって匹敵するかもしれない、今の自分では成し遂げられなかった「世界の救済」を行ったということは伊達ではない、 ということか、と貴虎は悟った。 「黒」のセイバー、呉島貴虎は決して弱くはない。 いや、寧ろ数々のアーマードライダー達の中では、「最強」の名に相応しき部類に入るだろう。 まだ戦極ドライバーが人の手に余る代物だった頃から開発に関わっており、且つ高い戦闘技術を持つ彼は、 このメロンより先をゆくクラスSのロックシードから、未知のロックシードに至るまで、殆ど完全敗北を喫したことはない。 問題は、この眼の前にいる救世主、葉隠覚悟が、貴虎をとうに上回る程の剛と宝具を兼ね備えていた、と言う事だ。 人々を救うべく生み出された究極の武術「零式防衛術」は、貴虎が受けていたスポーツ教育やジムで伸ばせるようなそれとは一線を画す。 増して呉島貴虎が相手取ったアーマードライダー達は、ドライバーの性能を完全には知り尽くしていない、若しくは腕の振るい方のいろはも知らない 連中だ、葛葉紘汰と駆紋戒斗は他人より運動神経こそ良かったが、前者の理由で貴虎には手も足も出なかった。工作員であった朱月藤果との戦いは、 彼女の度重なる疲労とウォーターメロンロックシードの火力があっての勝利であった、だがウォーターメロンは持って来られない、あったとしても デメリットが高すぎる。本来なら貴虎が手足にも及ばないほどに訓練された者といえば元傭兵の凰蓮・ピエール・アルフォンゾがいたが、 あちらは碌に戦ってもすらいなかった、論外だ。 その上覚悟の宝具「強化外骨格“零"」は、「最強と矛と最凶の盾を併せ持った奇跡の回答」とすら言われるほどの代物である。 度重なるチューンアップや仲間の助けがあったとはいえ、このアーマードライダー・斬月が為せなかった事、無かった物を、 このエクゾスカル零は持っていた。勝ち目は、無いのだろうか。 ふとセイバーは、横で戦っている雅緋を一瞥する。 (マスター…相変わらず無茶をしてくれる…!) やはり葛葉や駆紋戒斗と同じタイプの人間なのか、自分から突っ込んでいかないと気が済まない気質らしい。 昨夜の白装束のセイバーとの戦いにおいてもそうだったが、自分が戦わずにはいられない部分がある。 後で説教だな、と考えセイヴァーに目を向け直したその時、彼は既に片手を刀から離していた。 そして手の平をセイバーに向ける。セイヴァーは、自らの最大の火器「プラズマ昇華弾」を放つつもりでいた。 エクゾスカルの鎧を持つ者にも大ダメージを与えるそれは、撃たれれば只では済まない。 ルーラーからは大規模での攻撃を禁じられてはいる、ならばどうする?簡単だ。 周りに危害が及ばない程度に撃てばいい、と、葉隠覚悟は判断した。 (マズい…!) セイバーはそれを直感的に理解した、「何かが来る」と。 そしてすかさずドライバーのカッティングブレードを落とす、それも二回連続で。 『ソイヤッ!メロンオーレ!』 またまた電子音声が鳴り響き、セイバーが構えていたメロンディフェンダーが光を放つ。 同じくセイヴァーの手の平からも光が放たれようとしたその時、メロンを模した翡翠色のフィールドがセイバーを包み込んだ。 セイバーは、専用のプロセスを行うことで、ロックシードが生み出すエネルギーをメロンディフェンダーにチャージしたのだ。 しかし爆発に耐えるには至らず、そのフィールドは爆発と同時にパリーンと破壊されてしまう。 だが、それでもセイバーへのダメージを大幅に軽減するには十分であった。 しかしセイバーは強烈な爆風には耐え切れず、盾を構えたまま後ろに仰け反ってしまう。 だがセイヴァーは、ゆっくりと、セイバーに向かって歩いて来る。 素顔を隠す仮面が、その動作をより一層不気味に仕立てていた。 (このままだと埒が明かない…) とセイバーが考えたその時。 「こんな所でまたマスターに会えるとは、縁があるな、私は。」 ふと右側に顔を向けると、其処には彫りの深い顔をした、白髪の男性が立っていた。 「!?」 (…何故…この人が…) そう、セイバーが驚くのも無理は無い。 其処にいたのは小泉ジュンイチロー、仮にも現代の日本人であったセイバーが知らないはずがない。 「まさかまたもや同陣営のサーヴァントと相見えるとはな、驚いたよ。」 「小泉元総理…まさか…貴方までもがマスターとして参加していたとは…。」 「?まさか、君も日本人だったのかね?見た所、サーヴァントの様ではあるが… まあいい、話は後だ、君、あそこのマンホールを斬ってはくれないか。」 (マンホールを!?まさか、引き返すつもりなのか!?) だが、今この救世主と槍兵と戦った所では間違いなくジリ貧だ、なら、さっさと退却した方がいい。 一度ならず二度までも同陣営に助けられるとは奇妙な話だが、とにかく逃げる。 セイヴァーはまだ倒れている、セイバーは、すかさず雅緋に念話を送る。 (マスター、退却だ!偶然出会ったマスターが逃げ道を教えてくれた!) (…分かった!) 其の頃屋根と屋根をランサーと飛び回っていた雅緋は、今度こそ叫ぶ、己の奥義を。 「秘伝忍法!」 左手の黒炎が歪み初め、渦を引き起こす。 「善悪の…Purgatorio!!」 渦は無数の蛇となり、ランサーに向かい、噛み付き、包み込む。 「さらばだ。」 雅緋はその隙を付いて後方へと飛び上がり、建物の壁を高速で蹴っては飛び、蹴っては飛びを繰り返してセイバーの元へと向かう。 「はぁっ!」 セイバーは其の瞬間、無双セイバーでマンホールの蓋を斬り裂き、飛び込もうとするが…セイバーは目にした。 先程までのびていたセイヴァーが、また目を覚まし、追って来る。 「!!…マズいぞ!!」 だがその時、丁度雅緋が其処にまで来ていた。 「悪いがやらせはしない。」 雅緋はそのまま通り掛かるように黒い翼の様なオーラを出現させ、セイヴァーを死角である後ろから突然切り裂くと、そのままセイバー達の元へと向かう。 「!!」 セイヴァーはその攻撃に一時仰け反った、今がチャンスだ。 「済まない!遅くなった!」 「此方こそ助かった、だがもう時間がない!」 互いに礼を言い合いながらも雅緋はジュンイチローと共にマンホールを飛び降りようとする。 しかし、彼等を守るように立ち塞がっていたセイバーの眼の前にはいつの間にかランサーが近づいていた。 「逃げる気?まあ、戦には引きどきって物もあるけどさぁ、背を向けた相手をみすみす見逃す程私は甘く無いわよ。」 饒舌に語りながらも、ランサーはあの籠手をセイバーの前に構え、凄まじいスピードで飛びかかって来る。 「させるか!」セイバーはそう叫ぶと、カッティングブレードを一回振り落とす。 『ソイヤッ!メロンスカッシュ!』 そして、そのメロンディフェンダーをランサー、そしてセイヴァーがいる範囲に向けて、手裏剣の如く投擲する。 翡翠色の光を纏い回転していく盾は、二人に向かってその刃を光らせる。 「舐められたものだわ。」 ランサーはそう言って、再び籠手を構える。そしてメロンディフェンダーが此方に近づいてきた瞬間、 すかさず杭を発射し、其の直後にジャンプ。 杭とぶつかり合った盾は爆発を引き起こした後、パワーを消耗されてしまったが尚も回り続ける。 しかし、立ち上がったセイヴァーがそれを許さなかった。 再び斬魔挺身刀を手にとった救世主は、此方に突っ込んでくる盾に向かい左手を伸ばす。 左手からは強烈な光が発せられ、盾はその赤い閃光に呑まれ爆散した。 「見事な物ね。」 煙が漸く晴れてきた所で、ランサーは、その様を達観していた。 あんな強い男が、この陣営にいるとは、少し驚いた物だ、頼もしくもある。 最も、だからと言って自分の弱さに頭を抱えるような事でもないが。 ランサーには、あの銀色の鎧戦士は少なくともそう映った。 (しかし…) そして蓋も人もないマンホールを見つめる。 (見事に逃げれられた物ね、全く) 盾を囮にしてすかさず姿を消すなど、全くもって小賢しい真似事だが、 しかしその小賢しさと囮の攻撃力のお陰で獲物を取り逃がしてしまった、 歴代総統一の天才が呆れたもんだわ、とランサーは自分を笑った。 ◆ ◆ ◆ (…また逃したか…クソォッ!!) 物陰で戦いを見ていたディオは、先程のセイバーとライダーを見逃した事で唇をワナワナと震わせた。 何故、こうも先が読めないものか、だがディオはその答えを先程のアサシンとの戦いで既に知っていた。 ディオはこと頭脳戦においては恐らくマスターの中でもかなりの物といえるだろう。 だが、それはチェスの様な戦略においての話だ、駒の一つ一つの動き方等を把握して初めて遊べるチェスと違い、 聖杯戦争、もとい聖杯大戦という物は駒の動かし方という物がバラバラで、かつ「全部の駒を取れば勝てますよ」とだけ 教えられて遊ぶようなゲームだ。これでは対処の仕様が無い。 (こうして…サーヴァントの能力を一々把握していかなければならないのか…これが聖杯戦争かッ!これがサーヴァントかッ!) だが、自分が唯一動かし方を知っている(性格云々は置いといて)ランサーのいるマスを変えて、こうして他の敵と戦っていく事で、 相手の陣営のサーヴァントの能力等も掴めていた。 だが今の所、相手の陣営で分かるのは、特殊な甲冑を身に纏って戦うセイバー、両腕から暴風を引き起こすライダー、カタナと鎌を組み合わせたような武器で 戦うアサシン、それだけだ。その上此方の陣営は自分のランサーと、あの「セイヴァー」とかという訳のわからないクラスのサーヴァントぐらいしか分からない。 しかし、このままランサー一騎だけでは勝ち進んでいくのは難しいのかもしれない、とディオは考えた。 (少なくとも、俺のランサーではあまりにも火力が足りなさ過ぎる…あのセイバーやアサシン相手に持ちこたえられるかも疑問だ…) 同盟を組む必要がある、と考えたその時。 背後から不意にバイクの音がしたので振り返ってみれば、その機会は直ぐに訪れた。 東洋人の青年が、セイヴァーの乗っていたバイクに跨っているのが、ディオの視界に映った。 (成る程…此奴がセイヴァーのマスターか…) そしてまた… (使い魔から共有した情報が正しければ…此奴が『白』のランサーか…) セイヴァーを擁する青年、夜神月もまた、聖杯戦争を勝ち残るための仲間…いや、「駒」を必要としていた。 奇妙かつ運命的な出会いが、今昇る朝に続いてまた一つ、始まった。 【C-7/住宅街/早朝】 【夜神月@DEATH NOTE】 [状態]健康、魔力消費(小) [陣営]白 [令呪]残り三画 [装備]不明 [道具]使い魔 [所持金]不明 [思考・状況] 基本行動方針:勝利し、願いを叶える。 1.まずは情報収集に徹する。 2.ルーラーには警戒する。 3.このランサーのマスターと交渉する。 [備考] ・白のセイバー(市丸ギン)、白のランサー(タケ)、黒のセイバー二騎(呉島貴虎・鑢七花)のパラメーター及び一部スキルを把握しました。 ・ルーラー達が自分とセイヴァーに目につけている、と推測していますが、実際のところは不明です。 ・ディオ・ブランドーと接近しました、同盟関係を結ぶための交渉をするつもりです。 ・周囲に使い魔を放っています、ディオの居場所もそれらから知りました。 【セイヴァー(葉隠覚悟)@エクゾスカル零】 [状態]ダメージ(小) [令呪] 1,『貴様の武装、戦術神風の使用を禁ずる』 [陣営]白 [装備]強化外骨格“零”、モーントヴォルフ [道具]零とモーントヴォルフに搭載された武装 [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:夜神月の行く末を見届ける。 1.夜神月の行く末を見届ける。 [備考] 【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険(第一部)】 [状態]魔力消費(小) [陣営]月 [令呪]残り三画 [装備]ナイフ [道具]石仮面、包帯 [所持金]裕福 [思考・状況] 基本行動方針:『勝利』する。そのためには何もかもを利用し、一人で勝ち残る。 1.昼の内は街中を移動し、調査を行う。夜はどこかへと泊まり、拠点を定めない。 2.アサシンへの警戒。 3.勝ち残るための「駒」を手にするために、同盟相手を探し出す。 4. その為にも目の前にいるセイヴァーのマスターと交渉する。 [備考] ・セイバー(呉島貴虎)の宝具を確認しました、ライダー(ワムウ)は戦闘スタイルのみ把握しています。 【ランサー(タケ)@きのこたけのこ戦争if】 [状態]ダメージ(小) [陣営]月 [装備]ラジュム射突ブレード [道具] [所持金]ちょっとある [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争に勝利する。その為の手段は選ばない。 1.マスターに従って街を調査する。 2.アサシン(明智光秀)は相手にしたくない。 3.セイヴァー(葉隠覚悟)の実力に少し驚いている。 [備考] ・アサシン(明智光秀)のクラスを確認できていませんが、気配を消して現れたことからアサシンかそれに近いなにかだろうと推定しています。 ・セイバー(呉島貴虎)、セイヴァー(葉隠覚悟)の宝具を確認しました。 ◆ ◆ ◆ パカラッ、パカラッ、パカラッ… 地上とは対照的に暗くなっている下水道を、ライダーの戦車は走る。 ライダーと下半身を融合させた、骨針で才能を開花された吸血馬は、通常の馬を遥かに凌駕したスピードで戦車を動かす。 そして競技用である故に一人用であるその戦車には、ジュンイチローの他に、 元の私服姿に戻っていた雅緋、そしてセイバーも座っていた。中々の無理をしている。 先程セイバーが盾を囮とした事で、3人が下水道に潜り込む隙が出来た。 そして3人は飛び降りた直後に、既に待機していたライダーが真下に召喚したチャリオットに乗り凄まじいスピードで走り去った、そういう事だ。 そこで、雅緋、ジュンイチロー、セイバー、そしてライダーは、今後の方針や、互いの状況などについて話し合っていた。 「成る程、そちらは同盟相手が見つかったのか。」 「ああ、ランサーのマスターだ、今は穂群原学園にいるはずだ。」 雅緋はジュンイチローと、発見した同陣営のマスターの情報について交換し合っていた。 「そちらは見つかったか?」 「ああ、バーサーカーを従えていた…だが…奴は我々と手を結ぶ気は無いそうだ。」 「何?」 ジュンイチローとワムウが遭遇したマスターは、吸血鬼であった、 そして彼が侍らせるバーサーカーは、何やらロボットらしき物に姿を変えられる正体不明の英雄。 しかし彼等はワムウの敵ではなかった、幾ら最強のリンクスと、死徒の亡霊に取り憑かれし者が 纏めてかかってこようと、柱の男の中でも「戦闘の天才」と言われる程の闘士には勝てなかったということになる。 「奴とは今宵、港にて決着をつけることを約束している、手出しは無用だ。」 かのケンタウロスのごとく馬の背中に下半身を溶けこませたライダーは、前だけを見ながらそう言った。 「ああ、分かった、だが死ぬなよ。」 「死ぬな、か、愚かな、この俺と全力で戦った者に敗れ、死ぬなら、それもまた本望だ。 俺は、その様にして逝った、思い残す事は無い。」 心配を掛けたセイバーに対して、ライダーはそれを侮るかとでも言うように返す。 やはり、彼も戦う為にこの聖杯戦争に参加しているのか、とセイバーは悟った。 ジュンイチローは、そう言いながらも馬と共に闇を駆けるライダーの背中を感慨深い表情で見つめていたが、 表情を直し、雅緋との話し合いを再開する。 「それで、我々が出会った他の『黒』のマスターは、ランサーとバーサーカーのみか…。」 「そういう事になるな、だがたった今ランサーのマスター…鬼龍院から連絡が入った、 サーヴァントの反応が、穂群原学園に複数あるそうだ。」 「ほう、それは朗報だな…、しかし、我々の様に学生ではないマスターも決して少なくはないはずだ、 まずは彼等を探すのが先決だな、しかし、バーサーカーを手繰るあの吸血鬼の様に話が通じない者もいる可能性はあるな。」 「安心しろ。」 指を顎に置いて考えるジュンイチローに対し、妖刀を引き抜き掲げた雅緋は口元を歪め堂々と言う。 「その時は、私が力づくで言う事を聞かせる、歯向かう者には容赦はしない。」 それを見てジュンイチローは、やはり「ほう」という表情を見せた。 セイバーが頭を抱えている、確かにそれはあまりにも無茶な発言かもしれない。 だが、ジュンイチローにはそれが只の猪のそれとは段違いであることは見えていた。 彼女には、ジュンイチローが今まで共に雀卓越しに目を合わせた数々の首脳達のそれに近い、 大胆さと威圧感、そして風格を兼ね備えていた事が、彼には分かっていた。 そして、ジュンイチローもニヤリと笑い、それに答える。 「フッ、だが向こうが話の聞く勝負師であった時は此方に任せておけ、麻雀においては誰にも負けんよ。」 「「フフ…フハハハ!!」」 二人の王者の愉快な笑い声が、下水道中にこだます。 それを聞き、セイバー、ライダーも思わず表情を崩した。 この暗い場所と引き換えに明るい笑い声を上げる彼等を乗せ、戦車は疾走り続ける。 【A-7/下水道/早朝】 【雅緋@閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-】 [状態]ダメージ(小)、疲労(小)、魔力消費1割 [陣営]地球(黒) [令呪]残り三画 [装備]なし [道具]妖刀、秘伝忍法書、外出鞄 [所持金]普通(一人暮らしを維持できるレベル) [思考・状況] 基本行動方針:優勝狙い。勝ち残って武勲を立てる 1.聖杯に興味はない。貴虎が欲しているので、彼にくれてやるつもり 2.まず仲間探しを優先して行い、陣営内での連携を強固にしたい 3.取り敢えずはジュンイチロー達と行動を共にする。 [備考] ・鬼龍院皐月、小泉ジュンイチローと同盟関係を結びました。 ・セイヴァー(葉隠覚悟)の宝具を確認しました。 ・鬼龍院皐月と連絡先を交換しました、穂群原学園にサーヴァントがいることも聞いています。 【セイバー(呉島貴虎)@仮面ライダー鎧武】 [状態]ダメージ(小) 、魔力消費(小) [陣営]地球(黒) [装備]なし [道具]戦極ドライバー、メロンロックシード [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:優勝狙い。聖杯の力で元の世界へ戻り、光実との関係をやり直す 1.他のマスターを探す。 2.今後はマスターが無茶をしないよう、自分が手綱を握らなければならない [備考] ・セイヴァー(葉隠覚悟)の宝具を確認しました。 【小泉ジュンイチロー@ムダヅモ無き改革】 [状態]魔力消費(中) [令呪]残り三画 [装備]なし [道具]なし [所持金]裕福 [思考・状況] 基本行動方針:より多くの人物と脱出する 1.街を散策しマスターを探す。襲撃を受けた場合下水道に退避する。 2.先の主従(四季&バーサーカー)についてはライダーに一任する 3.雅緋達と行動を共にする。 [備考] ※ムーンセルにおける地位は隠居した元政治家。家も再現されていますが具体的なことは後続の方にお任せします。 【ライダー(ワムウ)@ジョジョの奇妙な冒険(第二部) 】 [状態]健康 [陣営]地球 [装備]なし [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:闘う。ただしジュンイチローの方針も無碍に扱うつもりはない 1.ジュンイチローと共にマスターを探す。襲撃を受けた場合下水道に退避する。 2.夜になったら先の主従(四季&バーサーカー)との再戦のため港に向かう [共通備考] ※四季&バーサーカー(人類種の天敵)と交戦、四季を吸血鬼と看破しました。スキル:無辜の怪物によって陣営以外は分かっていません。
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世代 …親 年齢 …7(冒険時は+10) 誕生日 …5月6日 種族 …人造人間 髪の色/目の色 …水(#3399FF)/灰(#999999) イメージカラー …水(#3399FF) イメージソング …消せない罪 BY 北出菜奈//Over Drive BY JUDY AND MARY 所属団体 …東雲盗賊団 階級 …無邪気担当(剣士) 武器 …大剣 家族関係 …優(兄)、蒔木(姉) プラスα …蒔木に拾われた子。動物と掛け合わされた人造人間。 参加中ゲーム …WiLL(終) 子世代版プロフィールはコチラから。 画像(冒険時) オリキャラさんに真面目に50の質問。 01.まず普通に、お名前をどうぞ。 「東雲蒔咲だよー!」 02.英語でのつづりは? 判る程度で。 「英語、解んないー…えと、優お兄ちゃんか蒔木お姉ちゃんに聞いて?」 03.その名前の由来等ありましたら。意味も含めて。 「名前は蒔木お姉ちゃんがつけてくれたの。種が咲いたとか、そんな事言ってたと思うよー?」 04.性別、血液型は? 「ボク、女の子だよ。血液型はー、多分A型だって」 05.性別について、何か思いますか? 男装とか。 「ボク、おとこのこだったの?(きょとん)男の子の格好して欲しいなら、するけれどー??」 06.血液型について、自分に合っていると思いますか? 「良く解んないー」 07.合っている、合っていない…それは何故ですか? 「だから解んないってばー!」 08.誕生日と星座と年齢は? 「お誕生日は5月6日。星座は牡牛座、7歳だよ」 09.誕生日について、その日にした理由がありましたら。後、判るのでしたら、花言葉も。 「お姉ちゃんがボクを拾ってくれた日なんだよ!花言葉…花言葉はー…んーと、お花は「しゃが」で、言葉は「反抗」だってー。えー!ボクお姉ちゃんに反抗なんかしないよぉっ?」 10.年齢について、何か思いますか? 「早く大きくなりたいの。蒔木お姉ちゃんを守れる位…!」 11.身長、体重は? 「123センチ、20キロー!」 12.作中に出てくるキャラで比較できましたら、簡単に説明して下さい(オリキャラでなくてもOK) 「今の所、多分ボクが一番ちっちゃいんだ……」 13.身長、体重について、悩みとかありますか? 「でも優お兄ちゃんは、もっといっぱい年を取ったらおっきくなるって言ってたから、気にしない事にするよ」 14.外見について、どう思いますか? 「髪がね、ふわふわーだから、朝はすっごく大変なの。いつも誰かお姉ちゃんに一生懸命ブラシ掛けてもらってるんだ」 15.瞳の色は普通の人と違いますか? どんな色ですか? 「灰色なの。こういう色の目の人ってあんまり見ないねぇ…」 16.コンタクトレンズや眼鏡、着用していますか? 「してないよー!ボク、目は良いんだよ」 17.髪は長いですか? 短いですか? どれ位なんでしょう。 「長いよー。お臍よりちょっと短い位」 18.髪の毛の色は何色ですか?それは地毛ですか? それとも、染めましたか? 「水色なの。お姉ちゃんが拾ってくれた時からこの色だったんだって」 19.染めた方、元の色は何色でしたか?地毛の方、それは家系ですか? 「んー、ちょっと解らないや」 20.髪留め等、使っていますか? どんな風に? 「あのね、あのね!菘お姉ちゃんがキラキラーのボンボンが付いたゴムを作ってくれたの!それでね、耳の上で二つに縛ってるんだよっ」 21.アクセサリーは付けていますか?何処に? 何個? 「んーと…そのボンボン?ふたつに縛ってるから、ひとつ2個だから、4個ー!」 22.それを付けている理由等ありましたら。 「だからー、菘お姉ちゃんが作ってくれたんだってばー!」 23.社会人ですか? それとも学生ですか?そんな世界でなければ似たようなモノで応えて下さい。 「???なぁに、それ?」 24.仕事している方、何をしていますか?学生の方、どこに通っていますか? 「えっと、えっとね。蒔木お姉ちゃんに、朝、起きてー!って起こしに行くの!」 25.何故それに就こうと思ったのですか?学生の方、学校で何か係り等していますか?(生徒会長等) 「お姉ちゃんは朝がすっごく苦手なんだよ。だからボク、頑張るー!」 26.どうやってその仕事(もしくは地位)についたのですか? 「蒔木お姉ちゃんが、起こしてね、ってボクにお願いしたから!」 27.仕事や何かをするにあたって、相方等いましたら、それは誰ですか?その人とは仲いいですか? 「あいかた…えっとね、蒔木お姉ちゃんはいつもぎゅー!ってしてくれて、芹お兄ちゃんがいっぱい遊んでくれて、大好きー!優お兄ちゃんは難しいご本をいっぱい読んでくれるから、眠くなっちゃって、で、眠くなっちゃうと怒られるからちょこっと苦手ー…」 28.愛用の武器や道具はありますか? 「最近ね、あやとりが好きなの」 29.どういった状況で使いますか? 「暇な時にね、よいしょ、よいしょって」 30.それは使いやすいですか? 「うん、すーっごく使いやすいよー!」 31.他人が使うと何かありますか? 呪いとか。 「のろい…皆、あやとり苦手なのかなぁ…ちょっとゆっくりだね…(※漢字が違う…)」 32.他に使ってみたいと思うモノはありますか? 「今度みんなでカルタしようねってお話してるんだよ」 33.術(占いも含める)や技、ありますか?その名前、あるのでしたら、教えて下さい。 「技…あ!あのね、店長お兄ちゃんが変身のお洋服つくってくれてね?菘お姉ちゃんがキラキラの魔法のステッキを作ってくれてね?蒔咲ちゃんびーむ!ってのが使えるの。振るとしゃらしゃらーーー!って音がしてね、もっとキラキラ光るのーー!(ニコニコ) 34.術や技を使うにあたって、何か消耗したりしますか? 「えっとね、マジカルヒロイン蒔咲ちゃんは3分でボクに戻っちゃうの…」 35.学びたいと言う術や技、ありますか? 「やっぱり3分じゃなくてもっともっと長い時間変身してたいよぉ!」 36.学んだ師等、いますか? それは誰ですか? 「うん!店長お兄ちゃんと菘お姉ちゃんが色々教えてくれたんだよー」 37.好きな事、モノは何ですか? 「蒔木お姉ちゃん!」 38.嫌いな事、モノは何ですか? 「風邪をひいた時にセイラお姉ちゃんが作ってくれるお薬…苦ぁい…!」 39.特技や趣味、ありますか? それは何ですか? 「あやとり?あ、後ね、動物さんとお話出来る事!」 40.苦手な事、モノはありますか? それは何ですか? 「お勉強…」 41.最近、悩み等ありますか? 「今ね、マジカルヒロイン蒔咲ちゃんのお仲間を探してるの…ミルク(※東雲で飼っている白い伝書鳩)じゃ駄目かなぁ?」 42.好きな人、いますか? それは誰ですか?言っていいのでしたら、言って下さい。 「蒔木お姉ちゃんでしょ、優お兄ちゃんでしょ、菘お姉ちゃんでしょ、芹お兄ちゃんでしょ…(延々続く)」 43.片思いですか? 両思いですか? 「ほえ?皆ボクの事好きー!って言ってくれるよ?」 44.好きな人は自分に対してどんな態度ですか? 「頭撫でてくれたり、飴くれたり、可愛いって言ってくれるの!」 45.では逆に、貴方の事が好きだと言っている人はいますか? 「蒔木お姉ちゃんがいつも、蒔咲は可愛くて良い子で、大好きだって言ってくれるの!」 46.その人について、どう思いますか? 「もうさっきからいーっぱい言ってるでしょ?大好きなの!」 47.自分の存在について、どう思いますか? 「んー…まだまだ戦えなくって、いっぱいいっぱいごめんなさいしたいの…」 48.忌まわしい過去、ありますか? 「…んっとね、ドクターに、じっけんざいりょうとかXPS-0012とか呼ばれて、色々怖い事された事…」 49.一番秘密! って話…話せたら話して下さい。 「………一度、姿がおっきくなった時の事…本当は、全部全部、覚えてるんだよ…。蒔木お姉ちゃんには、絶対言わないけれど…」 50.ここまで読んで下さった方に、一言。 「ここまで読んでくれて有難う!お姉さん(もしくはお兄さん)だぁいスキっ☆」 質問提供元
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◇White Lightning Horse owner Club 【WLHC】 wiki概要 このwikiはオンライン競馬ゲーム「競馬伝説Live」の京都サーバ馬主会『白い稲妻』のwikiです ページの更新履歴 取得中です。 競馬関係ニュース 水沢競馬出来事 - スポーツニッポン新聞社 【勝島王冠】菊池のフルスイング - サンケイスポーツ 【勝島王冠】陣営の思惑 - サンケイスポーツ 【阪神JF】ウォーターナビレラ変わりなく順調 - サンケイスポーツ 【阪神JF】サークルオブライフ落ち着き出てきた - サンケイスポーツ 【香港国際競走】インディチャンプ、ダノンスマッシュなど日本馬の近況(7日) | 競馬ニュース - netkeiba.com - netkeiba.com 【阪神JF予想オッズ】3戦3勝のウォーターナビレラが予想1番人気 | 競馬ニュース - netkeiba.com - netkeiba.com 【香港国際競走】締め切りは国内同様レース発走2分前 勝馬投票券発売の詳細について - netkeiba.com 「思った通りの競馬はできたんやけど…」キタノインディ8着にショック - 小牧太 | 競馬コラム - netkeiba.com - netkeiba.com まもなく移転、名古屋競馬場 - 斎藤修 | 競馬コラム - netkeiba.com - netkeiba.com 単勝・複勝回収率ランキング第1弾! 条件次第で驚異の300%超え!騎手&調教師を大分析(SPAIA AI競馬) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース コントレイルの強さと美しさ “競馬知識ゼロ”新人記者がトレセン取材で触れた無敗3冠馬 - スポーツ報知 栗東のCWコースで自動計測を開始 - サンケイスポーツ 【海外競馬】メディーナスピリットが急死 KYダービー優勝後に禁止薬物の陽性反応 - netkeiba.com 「ハズレ馬券トランプ」が話題 多数のドラマが散った結晶 競馬場の「あの光景」がフラッシュバック(よろず~ニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【注目2歳馬】こうやまき賞はソリタリオが勝利! 古馬2勝クラスと遜色ないタイム、マイル路線で期待(SPAIA AI競馬) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【プレビュートーク】村瀬、ナミュール瞬発力No.1 - サンケイスポーツ 【地方競馬】第10回開催の浦和競馬場の入場について - netkeiba.com 【阪神JF】ヒノクニ陣営「なんとかいい競馬を」ヨカヨカと同じ熊本産馬(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【チャンピオンズC】ソダシの挑戦が業界繁栄直結…売り上げ10%増(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース テーオーケインズ元気 ソダシも大丈夫 チャンピオンズC一夜明け | 競馬ニュース - netkeiba.com - netkeiba.com 東京競馬場の内馬場に「国際厩舎」、外国馬の参戦促す環境を整備へ(中日スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【阪神JF】来年の競馬を占う2歳牝馬決戦の歴史 ウオッカやアパパネなどの名牝がここから大きく飛躍!(SPAIA AI競馬) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【7日地方競馬厳選予想】ドラセナが差し切る - サンケイスポーツ 【俺のチェックポイント】ナムラクレア距離問題なし - サンケイスポーツ 【GI血ェック】阪神JF - サンケイスポーツ 藤田菜七子騎手がインスタ開設「久しぶりに競馬に乗ることができて嬉しかった」4日からレース復帰(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『声馬チャンネル(セイバーチャンネル)@川崎競馬場』第1回ライブ配信(12/13(月)20 20~)のゲストに人気声優の山本希望さんの出演が決定!! - PR TIMES 【リレーコラム】東京サンスポ~昔は東京競馬場でも右回りのレースがありましたby片岡 - サンケイスポーツ グレネティーン G1ティングルクリークチェイスを制す | 競馬ニュース - netkeiba.com 快挙!木村和士がカナダ競馬で日本人初のリーディングジョッキーに輝く(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【海外競馬】落馬で重傷のM.ミシェル騎手「私は必ず復帰します」 - netkeiba.com 金沢競馬場周辺 - 中日新聞 【カペラS登録馬】リュウノユキナなど20頭(競馬のおはなし) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 藤田菜七子騎手 騎乗結果(競馬のおはなし) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【海外競馬】昨年のBCフィリー&メアターフ覇者アウダーリャが引退 - netkeiba.com 【新馬/中京5R】武豊 シェルビーズアイがデビューV!4億円ホースは敗れる(競馬のおはなし) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【海外競馬】ジャパンC5着グランドグローリー、繁殖馬セールで3億円超の高額落札(netkeiba.com) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【さざんか賞】アルトシュタットが連勝(競馬のおはなし) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【中山6R】メズメライザーが連勝(競馬のおはなし) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【新馬/中山4R】断然人気 フロイトセンスがデビューV(競馬のおはなし) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【GⅠレース】チャンピオンズカップ 12/5 (日) 中京競馬場 - スポーツナビ「JRA 日本中央競馬会」 - スポーツナビ 武豊騎手が「ウマ娘」ブームを語る 「よみがえってうれしい」と語った悲劇の競走馬とは〈dot.〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 笠松競馬にスターホース誕生、2歳牝馬ドミニクが名古屋重賞V - 岐阜新聞 【中山12R】断然人気のゼログラヴィティが連勝(競馬のおはなし) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ノボバカラが競走馬登録抹消(競馬のおはなし) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ソーヴァリアントが快勝 競馬のチャレンジC - 日本経済新聞 【JRA】2022年からウインズでの金曜日発売は休止 | 競馬ニュース - netkeiba.com - netkeiba.com 【チャンピオンズC】競馬界でも“二刀流”か…絶対王者不在で「地方馬の大金星」も?<競馬BEAT実況アナコラム>(関西テレビ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース コントレイル登録抹消 競馬(時事通信) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 土曜阪神競馬場の注目激走馬…阪神11Rチャレンジカップ・G3(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース “ギャンブル色”を抑えた“スポーツ色”が強い競馬中継は可能?/矢野吉彦(netkeiba.com) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 大井競馬場のイルミネーションの楽しみ方完全ガイド!「東京メガイルミ2021-2022」の見どころやおすすめグルメは?【コロナ対策情報付き】(ウォーカープラス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース コスパもよくライバルも少ない。競馬ファンが障害レースを買うべき3つの理由(週刊SPA!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ステイヤーズS予想】年末の中山名物、日本最長距離の平地重賞 - netkeiba.com 【チャンピオンズC】ソダシに不安要素多数 京大競馬研の本命は連覇を狙うチュウワウィザード(SPAIA AI競馬) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【チャンピオンズC】インティ 展開次第で番手の競馬も 野中師「何の心配もない」 - netkeiba.com ジャンポケ斉藤が選ぶ競馬名実況とは?伝説のデットヒート「今でも皆さんの中で語り継がれる名実況」(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース グランアレグリアの引退式を中山競馬場で開催(競馬のおはなし) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 万馬券的中の競馬AIがステイヤーズS予想 厳選ワイド3点&3連複10点で勝負! - スポーツナビ - スポーツナビ 【海外競馬】香港国際競走、グリーンチャンネル等で生中継が決定! - netkeiba.com JRA阪神競馬場がファン感謝のウェブイベントを開催(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【チャンピオンズC】出走馬の調教後の馬体重(競馬のおはなし) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース “競馬ブーム”が再燃? 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海沿いのカフェテラス。 二人で見つけたお気に入りの場所。 時間だけで待ち合わせを決めた時は、いつもここが集合場所だった。 予定が決まらない日は二人でここでずっとお喋りして、 海岸を歩いたり堤防で歌詞を作ったり。 思えば小学校の時から、私の隣に澪が居るのが当たり前だったな。 澪の事が好きで、同じ高校に行きたくて必死に勉強して、 離れたくなくて、無理矢理軽音部に入部させて、 クラスが違っても毎日部活で顔を合わせて、 新歓に学祭にロミジュリに、二人で一緒に練習して、 「駄目だな、楽しかった事ばかり思い出しちゃうや」 「私もだよ、律」 つい口を出た言葉に相槌を打たれ、振り返る。 「今日はやけに早いじゃないか。明日は雪かな?」 愛しい彼女が其処に立っていた。 * * * 「澪はいつもこんな早くから来てたのか?」 私はアイスコーヒーのブラック。 「まぁ、時々ね。ココ自体好きだから」 澪はアイスのカフェラテ。 いつもの席に座り、思いついた事から会話はスタートした。 「暖かいから薄着で来たけど、海沿いだと寒いな」 「いや、アイスなんか頼むからだろ?」 「だってそういう気分だったんだもん……」 「ほら。コレ羽織っときな」 ブラウスを澪に渡す。 「ありがと」 「零すなよ~。白いから目立っちゃうぞ」 「気をつけるよ。律は寒くないのか?」 「りっちゃんは風の子元気の子だからな。私の事は気にしなくて良いぜベイビー」 「なんだよそれ」 笑いの後、しばしの沈黙。 「「あのさ」」 「……澪からどうぞ」 「律からどうぞ」 「……おかしくねぇ?」 『冬の日』を思い出した私は、珍しく前髪を下ろした髪型に整え外に出ていた。 社会人になっても前髪を上げたスタイルを守ってた私のイメチェンに対して、彼女のリアクションが無かったのでつい聞いてしまう。 「やっぱりさ」 澪を見ると口角が上がっているのがわかる。にやけてるのか? 「その律も良い。可愛いよ。流石律だ。可愛い」 「そっそんなに可愛い可愛い連呼するなよ!」 「なんだよ。事実じゃないか」 「うぐぅ……」 こういう流れはイニシアチブを取られがちになっちゃうから、話を変えないと。 「み、澪は何言おうとしたんだよ」 「同じだよ。前髪を下ろした、君の姿も可愛いって」 「……」 ニヤニヤしながらこっちを見る澪に何も言い返せない。 顔が赤くなっているのが自分でも分かる。 「ラブレターにも書いたのに、高校の頃から言ってるのに、滅多に見せてくれないんだもん。折角だしじっくり見せてよ」 「止めろよ恥ずかしい」 こっちに伸ばしてきた澪の手を払い、コーヒーを一口飲む。 ……今から別れ話をしようっていうのに、仲良しこよししてちゃ駄目だよな。 逃げちゃ駄目だ。彼女を傷つける、覚悟を決めないと。 「澪」 頭を振って、真剣に澪を見る。 そんな私を見た澪も笑うのを止めた。 「あのさ」「律」 話しようとした私を遮って 「私はさ。今はこれから先よりも、これまでの思い出に浸りたいんだ」 向こうの海に目線をやりながらそう言った。 彼女は今日、私が何の話をするか分かっているんだ。 それに気づいて、彼女が何を思ってるのか聞くのが怖くて、私は言葉を飲み込んでしまった。 * * * 思い知らされたのは、私達が異常だという事。 澪が異常だと、異端だと世間に思われるという事。 私と付き合うという事は、澪が先輩が言った様な扱いを受けるという事。 私と付き合っている限り、澪は幸せになれないという事。 頭の何処かでは分かっていた。 女子高、女子大と女だらけの生活だったから鈍くなっていただけだ。 社会に出て気づかされた。思い出さされた。 恋愛というものは男と女がするもので、恋人という言葉は愛しい『異性』を指す言葉だと。 知っていた。改めて理解した。 でも、澪さえ居ればそんな事気にもしなかった。幼い頃はそれでも良かった。 私は良い。私は良いんだ。どう思われても笑われても傷つけられても。 でも、澪がそんな風に世間に見られて、後ろ指を指されて過ごす事になるのが私には耐えられない。 澪の幸せが、私の幸せだから。 澪が幸せになる為には、私が一緒にいちゃ駄目なんだ。 * * * カフェテラスを出て、海岸を歩く。 もう秋が近付き、浜風が涼しい。 澪は私のブラウスを羽織ったまま、波打ち際で遊んでいる。 「合宿で行った海も、楽しかったよなー!」 「フジツボの話とか「言うなー!!」」 「冗談冗談。皆で遊んで、BBQしたり花火したりな」 「合宿だ!って言ってたのにな」 「何だかんだで澪と梓が一番楽しんでたじゃないか」 「それは言うなって」 他愛のない思い出話が続く。高校時代も楽しかった。 「大学に行っても色々有ったよな」 「軽音部も良い人ばっかりだったし、ライブも色んな所で出来たしな」 「晶たちや先輩たちと対バンしたり。あの三人組、元気かなぁ?」 「この間晶からメール有ったよ」 「元気そうだった?」 「仕事が辛いって」 「澪ちゃんファンクラブも拡大の一途だったしな」 「曽我部先輩が張り切るから……」 「同じ大学行けばそうなるよな~。晶も入ってたし」 「え?そうなの!?」 「菖が言ってた」 「晶まで……知らなかった……」 「澪ちゃんったら大人気だから~」 他愛のない思い出話が続く。大学時代も充実してた。 「梓のチョコケーキ、美味しかったよな」 「あれから毎年貰ってるけど、年々腕を上げてるよな。流石だよ」 「澪ちゃんも後輩を見習わないと」 「はいはい、来年は頑張りますよ」 「来、年……って……」 他愛のない思い出話が続く。これから先の話は……出来ない。 「駄目か?」 「え?」 震える声に顔を上げると、澪は目に涙を湛えている。 「なぁ、駄目か?来年も、その先も、私はずっと律と居たい!」 詰め寄ってきて私の手を握り締める。 「だって、それじゃ澪が……」 「私の為?私の所為?」 手を振り払う事が出来ない。 「私は律が好きだ!律は私の事、嫌いになったのか?」 「そんな事……有る訳ないだろ」 「じゃあ何で!好きなのに、何で別れなきゃいけないの!?」 「だって、この関係に未来が無いから……」 「未来?律の見てる未来ってなに?そこに私は居たらいけないのか?」 澪を見つめる。涙が溢れている。その顔がぼやける。私も同じ様に泣いている。 「私じゃ、澪を幸せに出来ない!」 伝えなきゃいけないんだ。 「結婚も出来ない!子供も出来ない!世間に認められないこんな関係、続けてちゃ駄目なんだ!」 澪と、離れなきゃいけないんだ。 「澪が!幸せになれない!」 その瞬間、乾いた音が響いた。 少しして、自分の頬が叩かれたんだと気づく。 溢れる涙を拭おうともせず、澪は私を見つめる。 「私の幸せを、何で律が決めるんだ?」 「だって、女同士じゃ……」 「私にとって、律と二人で居る以上の幸せは無いよ」 私の頬を叩いた手で、そっと頬に触れる澪。 涙で崩れながらも、精一杯笑っている。 「さっきのカフェテラスでも、これまでも、いつだって律の隣が、律の傍が一番幸せなんだ」 「でも……」 嗚咽が混じって、伝えたい言葉が喉から出てこない。 「今だってそうだ。幸せだよ。律は違う?」 私の頬を撫でる澪の泣き顔が、美しく見える。 澪から見た私も、こうなんだろうか。そうだといいな。 「でも、澪と一緒には、もう居られない。居ちゃ駄目なんだ」 精一杯、言葉を出す。 「澪にはきっと、私より幸せにしてくれる人が居るはずだから」 良い男と出会って、結婚して、良い奥さんになってほしいんだ。 それが澪にとって、幸せのはずだから。 「澪に幸せになってもらうのが、私の幸せだから」 「……そうか」 スッと、澪が立ち上がる。 一度キュッと口を結んだ後、彼女は決意を口にした。 「律がそういうなら……私、頑張ってみるよ」 私との、別れの決意を。 * * * 「コレ、返すよ」 ブラウスを脱ごうとした澪を止める。 「良いよ。寒いだろ?着て帰って良いよ」 「そう?じゃあ……ココでお別れ」 「そう……だな」 「あ、そうだ」 澪が思いついたように言う。 「律が言った様に、私を幸せにしてくれる人がもし見つかったら、真っ先に紹介するね?」 きっと、精一杯の強がり。 「止してくれ。嫉妬しちゃう」 「折角だし、嫉妬させたいな」 「勘弁してくれよ」 お互いに泣き腫らした顔で笑う。 一頻り笑って、大きく一息。 「それじゃあ」 「うん」 「さよなら」 「さよなら」 お互いに背を向けて歩き出す。 澪とのお話はこれでお終い。 二人の思い出の場所は今日、二人の終わりの場所になった。 * * * ピンポーン。唯の家のベルを押す。 中から足音が聞こえ、少ししてドアが開く。 「あなた、おかえり~……ってすごい顔」 そりゃ海岸沿いで泣きじゃくりましたから。 ボケに乗る元気も無くてごめんな。 テーブルの前に座ると、唯が紅茶を持ってきた。 「で、どしたの?」 一口飲む。澄んだ味が口の中に広がる。 ムギの紅茶には及ばずも、中々上手になったもんだ。 「澪と、別れた」 「……そう」 大した動揺もせず、唯は私をみつめたままだ。 「どうしてとか、聞かないのか?」 「どうしてとか、聞いてほしいの?」 「どうして……だろうな。もう自分でも分かんないや」 ホント、結局どうしたかったんだろ。 澪の幸せを願って、嘘まで吐いて、こっちの考えを押し付けて無理矢理別れて。 落ち着いて考えれる今になって、後悔の波が押し寄せる。 「同性愛ってさ、非生産的じゃない?」 「どうして?」 唯は不思議そうな顔をしている。 「好きだけで一緒に生きるには、この世は難しすぎるんだよ」 唯に言ってるんじゃない。 自分に言い聞かせてるんだ。 「日本じゃ結婚も出来ない。女同士じゃ子供も出来ない。世間からも認められない」 押し寄せる後悔を、何とか抑えつけようとして。 「子供の頃とは周りの目とかさ、全部違うから。大人は難しいよ」 こんなに辛いなら、ずっと子供で居たかった。 澪さえ居ればそれで良かった、あの幼いころに。 「可愛い澪ちゃんの事だからさ。すぐ良い男捕まえてさ、玉の輿とかさ」 澪が私の知らない人に抱かれる。そんなの嫌だ。 「で、専業主婦になっちゃって。子供と一緒に旦那の帰り待ってさ」 澪が私の知らない世界に行ってしまう。そんなの嫌だ。 「きっと、そんな、絵に描いたような幸せがさ。すぐにやってくるはずなんだよ」 私の隣に澪が居ない。そんなの嫌だ。でも…… 「なんたって、私の元恋人だからな」 「……元……」 「そう、元。だからもう小言を言われる事も無いし、ワガママを聞く事も無い」 「もう笑ったり泣いたりするアイツに振り回されることも無い」 「抱きしめる資格も、幸せを願う資格だって、本当はもう無いんだよ」 その言葉尻を追う様に、枯れたと思ってた涙がまた溢れだした。 「っと。ごめんな、唯。変な話しちゃって」 「いいんだよりっちゃん」 そういって、唯が私を抱き込む。 「ゆい……」 「我慢なんて、しなくていいんだよ?」 唯の胸に埋まって、私の感情の箍が外れた。 「うぁああああああああああああああ!」 後悔も、感情も、涙も、澪への想いも、もう抑える事が出来なかった。 3
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【登録タグ あ ランコ 六十年目の東方裁判 ~ Fate of Sixty Years 実は繊細な貴女とたまに勇敢な私のなんだか騒いでるって話。 曲 豚乙女】 【注意】 現在、このページはJavaScriptの利用が一時制限されています。この表示状態ではトラック情報が正しく表示されません。 この問題は、以下のいずれかが原因となっています。 ページがAMP表示となっている ウィキ内検索からページを表示している これを解決するには、こちらをクリックし、ページを通常表示にしてください。 /** General styling **/ @font-face { font-family Noto Sans JP ; font-display swap; font-style normal; font-weight 350; src url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/10/NotoSansCJKjp-DemiLight.woff2) format( woff2 ), url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/9/NotoSansCJKjp-DemiLight.woff) format( woff ), url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/8/NotoSansCJKjp-DemiLight.ttf) format( truetype ); } @font-face { font-family Noto Sans JP ; font-display swap; font-style normal; font-weight bold; src url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/13/NotoSansCJKjp-Medium.woff2) format( woff2 ), url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/12/NotoSansCJKjp-Medium.woff) format( woff ), url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/11/NotoSansCJKjp-Medium.ttf) format( truetype ); 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バベルの塔の狸 間章 海辺の白い花 「トべラ」 頭が痛い。 今のところ気になるのはそれだけ。 今、自分はどこにいるのか。なぜここにいるのか。そもそも自分は誰なのか。 何一つはっきりしない記憶に戸惑うこともなく、彼女は歩く。 頭が痛い。 今のところ気になるのはそれだけ。 頭の中に何か蟲のようなものがいて、それが動き回っているような。 激痛ではなく、徐々に侵食してくるようなとてつもなく不快な痛み。 それでも彼女は死人のように、ただのそのそと歩き続ける。 彼女が歩くのは破壊の後に住み着いた欲望と暴力。 アヴェンジャーが生み出した現代のソドムの街。 悪徳と野心、頽廃と混沌とをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、 ここは煉獄のゴモラ。どこか気の狂いそうな光景。 着ているものは煤けたシャツとスカートだけ。 しかもその服には赤い染みがベッドりとへばりついている。自分の血じゃない。他人の返り血。 ぺたり、ぺたりと裸足が歩くたびに音を立てる。 右手には黒光りする鉄の塊。指一本で人を殺せる。拳銃。 彼女が通路の曲がり角を曲がると、そこは少し変わった通路が続いていた。 通路の両側には鉄格子のついた窓のある家がずらり。路にそって延々と続いている。 彼女は無言で通路を進んだ。 鉄格子越しに、中の住人がこちらを見ている。 みんなまともじゃない。あの中にいると、人は狂ってしまうのだろう。自分もついさっきまであそこにいたのだ。 「出してくれぇ! ここから出してくれぇえ!!」 鉄格子をがたがた鳴らしながら、中の住人の一人が彼に叫んだ。 こいつはまだまともらしい。だが、いくら暴れても鉄格子はビクともしない。 その声に触発されたように、一斉に住人たちが声を上げた。 笑い声、怒声、泣き声。 助けを求めるものもいれば、意味不明な言葉を連呼するものもいる。 みんな、彼に何かを訴えかけていた。部屋の中に閉じ込められた彼らは全くの無力だ。 唯一自由になった彼女だけが、他の者をどうすることもできるのだ。 だが、彼にとってそんなことはどうでもよかった。 頭が痛い。 今のところ気になるのはそれだけだ。 耳障りな騒音が頭に響く。不快だ。とても不快だ。 銃声と笑い声がそこかしこに響く。 ここに、まともな人間はいなかった。ただ一人として。 「いたぞ、あそこだ!」 不意に、別の騒音が加わった。軍靴の音。 通路の先にある角から数人の警備員がマシンガンを片手に姿を現す。 ここは完全管理された監獄。銃なんて持てばすぐにこういう奴が駆けつける。 「すでに収監員が数人殺された! 射殺許可は出ている!」 リーダーらしき男が叫んでいる。他の奴ら叫んでいる。 うるさい。うるさい。うるさい! 彼女はそれまでの緩慢な動作から一変して、一気に駆け出した。 信じられない瞬発力で、銃を構える警備員たちに突進する。 身を隠す物は何もない。このままいけば無数の銃弾に体をさらすことになる。 彼女は銃を構えると走りながら残りの弾を全部撃ち出した。 上下に揺れる銃身を器用に固定して、走りながら正確に警備員を狙い撃つ。普通はできない。私にはできる。 警備員の一人が額を数発撃ちぬかれて倒れる。動揺する仲間。 そこに彼女は体当たりに近い勢いで突っ込んだ。弾倉の空になった銃を投げ捨て、素手で警備員に襲い掛かる。 少女一人相手に鍛え上げられた屈強の男が数人。本来なら勝負の結果は明らかだ。だが、まず警備員の一人目が死んだ。 自分に向けられたから銃身を掴んで、引き金を引くより早く捻りあげる。 そのまま肘を掴んで勢いよく押し込むと、鈍い音と共に腕が反対側にへし折れた。 甲高い悲鳴を聞きながら、自分より体のでかい男の首を片手でへし折る。 そのまま振り向きざまに回し蹴りを後ろの男の首元に叩き込んだ。また鈍い音。 強靭な警備員の体を的確に破壊する。別に特別な体術を使っているわけでもない。 ただ純粋な力。ただの暴力。体格差を無視して、私には出来る。なぜかはわからない。 銃口を向けた男に対して、その銃身を掌で叩いて向きを無理矢理返る。 トリガーに掛けられた指が一緒に捻じ曲がって、ポキリという小さな音ともに折れた。 苦痛に悲鳴を上げる男の下腹に深く踏み込んで拳を打ち込む。 腕の筋肉が軋む。 鉛をぶつけられたようなボディブローにバキバキと肋骨が折れる音が響いて、男は血反吐を吐いて崩れ落ちた。 その隙にマシンガンを奪い取る。残った警備員二人に、連続的な銃声が響いた。 鉛の衝撃を受けて、男たちが踊る。血を撒き散らして踊る。 ブラッディ・ダンス。 「……」 もう、騒音はない。 彼の周りには、骸と化した警備員達。喧騒は嘘のように消え、恐ろしい沈黙だけが辺りを支配する。 ざまあみろ……。 自分はもう狂っていると思っていた。なのに中々どうして、人間らしいところも残っているじゃないか。 彼は自分でも気付かぬうちに笑っていた。 それは、非常に弱弱しいものではあったが。 不意に爆発音がした。 だが今度は遠くではなかった。すぐ近く。 路の突き当たりの壁が爆弾でも爆発したように吹き飛ばされたのだ。 凄まじい爆風に巻き込まれ、彼女は宙を飛んだ。 破壊された壁の中から現れたのは麗装の女性。 男性とも見えるような、キリッとした顔立ちに漆黒のスーツ。 目鼻立ちの整った美貌。 だが、先の衝撃のせいか煤と土汚れで、彼女の顔は渋く険しい。 『ォ■■■ォオ゛オ■オ■■■ーーーッ!!』 けたたましい咆哮。 とともに、麗装の女性目掛けてブレーキを外した自動車のような白色の塊が突っ込んできた。 「─────ちいっ!!」 寸での所で翻し回避する麗装の女性。 たたらを踏みながら、自分の前に着地する。 「─────!?一般人!?どうしてこんな所に!?」 自分を見て驚く女性。 霞む眼を擦りながら、なんとか状況を見て取ろうとすると、 先ほど女性がいた場所からゆっくりとこちらに立ち上がる人影が見えた。 時代錯誤の純白色の甲冑を身に纏い、右手に御伽噺に出てきそうな両刃の片手剣。 そして感情といったものが一切欠落したような、死人のような無機質な表情の偉丈夫。 だが、その虚ろな瞳とは裏腹に、物理的な重圧を伴うかのような濃密な敵意と殺意が見てとれる。 「さすがに見逃すわけにはいきませんね……そこの貴女、立てますか?」 話しかけられた。 うなずいて肯定の意を伝え、言われたとおり立つ。 「できるだけ時間を稼いでみます。貴女は今すぐ脇目を振らず、振り返らず 全力で反対へ逃げてください」 女性の緊張が伝わる。 あれには勝てない。 それでも見ず知らずの私の為に、命を賭けて立ち向かおうとしているのだ。 「─────行って!!」 言葉とともに駆ける。 彼女の覚悟を踏みにじってはいけない。 私は、背後の激突の音を振り切るように精一杯走った。 戦い方によっては戦車すら倒す兵器。その強固な鎧はさすがに素手では砕けない。 彼女は空気打ちをありったけ撃ちまくった。しかし、弾は全て弾かれる。いくらなんでも生身で勝てる相手ではない。 白銀の騎士が右手の両刃の片手剣を構えた。無数の風の刃がかき消されていく。 彼は無抵抗でそれを受けた。 もっとも、抵抗したところでその風の刃が効くはずはしないのだが。 鋼鉄の衝撃が、体に潜り込む。腕の肉が弾け、脚の骨が砕けた。 右目を剣閃が走り切り裂かれる。 人間の体は意外と強靭に出来ていて、急所や重要な臓器を破壊されなければ簡単に死にはしない。 彼女は身体を切り刻まれながらもまだ意識を保っていた。 こみ上げる熱い塊を地面にぶちまける。そのまま彼女は自分で作った血溜まりに倒れこんだ。 体中から血と一緒に力が抜けていく。 感じる死の感覚。何一つはっきりしない記憶の中、彼女はぼんやりと迫る死を見つめていた。 何も思い出せないまま、何も知らないまま死ぬ。それもいいかもしれない。 耳がもう良く聞こえない。しかし、何か大きな音が響いたのがわかった。 一方的な殺戮はすぐに終わった。 再び訪れる静寂。 薄れ行く意識の中、彼女は黒い闇の中から浮かぶ光を見た。 666 美しい金髪の、長身の美女。 だがその体はなぜか鋭い刃物で出来ているように思えた。触れたら切れる。そんな危険な女。 右手に茨の杖を携えてこちらに近づいてくる女に、彼女は近くの剣を向けようと腕を伸ばした。 だが、すでに彼は指一本まともに動かせなくなっていた。 そのうち心臓さえまともに動かなくなるだろう。 女が自分を見下ろすように立ち止まる。 その顔にはなにがおもしろいのか小さな冷笑。 女は辺りを見回すと、自分が破壊した人間の死体を見つけて、ふふんと鼻を鳴らした。 「貴女がやったのかな?」 彼女が今まで聞いたことのない種類の声。 不快にはならない。少し冷たくて、危険な雰囲気をまとって、それがちょっと心地よい声。 「……殺しなさい」 かろうじてつぶやく。それが彼女の最後の力だった。 心なし、女の笑みが濃くなる。 「いい返事です」 女、魔術協会に所属する魔術師、フォルテの呟きを、彼女は最後まで聞かないうちに息絶えた。 (……どうしたの?) 彼女は闇の中にいた。 自分がここにいる理由。そもそもここはどこなのか。何一つ分からない。結局、あの白い部屋に居た時と同じ。 何も変わらない。 死んでも、何も変わらなかった。 彼は力なく倒れている。何もする気も起きなかった。 (……目を覚まして) 彼女の足元に、少女が立っていた。 誰? 思い出せない。見覚えのある少女。紫色の髪に青い瞳の少女。懐かしい匂いのする少女。 だけど、思い出せない。 あなたは私を知っているの? なら忘れて。私はもう死んだんだ。 (……) 少女が悲しそうに微笑むのが見えた。その笑顔が、彼女の心に痛みを走らせる。 やめて……。 闇が、彼女を包み込む。 そうだ、このまま自分を消して。もう、疲れたんだ。 永遠に覚めない眠りが欲しかった。 だが、それでも光はやってくる。現実の光がやってくる。 「……」 目を覚ますと、見慣れない天井が目に入った。 目に見える光景。聞こえる自分の心臓の音。かすかな鉄の匂い。肌に感じる空気の感触。 確かな現実感。夢じゃない。これは現実。 天井が見える。ここは少なくともあの地獄の中ではない。 まどろみすら感じず覚醒する脳。何があったのか、すぐさま記憶が整理される。 だが、以前の記憶が未だに思い出せない。 自分は何者なのか。 どういう名前で、どういう顔で、どういう人間なのか。 肝心なところが何も変わらない。 頭痛はいつの間にかなくなっていた。 ずっと感じていた筋肉の痛みも嘘のように消えている。 しかし、起き上がる気力がどうしても湧かない。 私は寝転がった姿勢のまま辺りを見渡した。 柔らかいシーツの感触。自分は今ベッドのうえに寝ているらしい。 さほど広くもない部屋。 だが、高級そうな家具一式や、テーブルの上に無造作に置かれた年代物の調度品類からして、 どう考えても一般人の部屋とは思えない。 大きな窓。それと長髪の男性の後ろ姿。 (……男の人?) 「ん、目が覚めたか」 男の人が振り返って言った。彫りの深い顔。白い肌に不機嫌そうに寄った眉。 そして小さな笑みを張り付けた顔で近づいてきた。 自分が最後に見た風景は戦場。 油断できる相手ではない。 彼女は反射的に飛び掛かった。 彼女は今まで敵しか知らなかった。 この男が自分を助けてくれただろうことさえ、彼女には思いつかなかったのだ。 いきなり襲い掛かった彼女に怯むことなく、男は変わらない笑みを浮かべたまま身を捻った。 あっさり突進をかわされ、彼女は足をもつれさせて床に倒れこんだ。 体に力が入らない。 男の笑い声が頭上から聞こえる。 「寝起きだというのに大した威勢だ。 だがね、きみは一時間ほどしか寝てないんだよ。そう簡単に体の自由なんてききゃしない」 言って男は手を差し出す。 彼女は不思議そうにその手を見つめ、そしてためらいがちに掴んだ。力強い腕力で、彼女を起き上がらせる。 「ふむ、軽いね」 不思議な男だと、彼女は思った。 いきなり襲い掛かった相手に手を差し出す。 それでいて、ためらいもなく手を差し伸べた。彼女はこの男の人が自分とは違う種類の生き物のように感じた。 「さて、まずきみの名前から聞かせてもらおうか」 ベッドに座らせた彼女に対して、男はそれが普通の表情のように笑みを張り付かせたまま尋ねる。 しかし、彼は俯いたまま何も話さない。 「声帯や言語中枢は無傷だから喋れるはずなんだが……やはり暗示の干渉が出ているか」 男が困った様子もなく、むしろ面白そうにつぶやく。 「一応、私はきみの命の恩人なんだから名前くらい教えてくれてもかまわないと思うが?」 「……名前もわからない私をなんで助けたの……?」 自分でも違和感のある声に内心驚いた。 自分の声のはずなのに、初めて聞いたような気がする。 見た目では変化のわからない男の笑顔が、ちょっとうれしそうに変わったような気がした。 「死に掛けてる人間を助けるのが趣味でね」 冗談のような返事。しかし、この男の人が言うと本気に聞こえるから不思議だ。 男はまた笑うと、背を向けて元いた場所に戻っていった。 さっきまで机の上で調度品の分解整備をやっていたらしい。 その作業に何事もなかったようにもどる。 彼女は呆気に取られて男の背中を見つめた。 まるでこの男の性格が掴めない。名前も知らない自分を助けながら大した関心も見せず、名前を聞いておきながら深く追求もしない。 まるで自由奔放な、いや自分勝手な行動だ。 「……私は誰?」 私は誰へともなくつぶやいた。 誰も答えてくれるはずのない問い。 自分がわからないのに他人が知るはずのない答え。 「なるほど。記憶喪失ってやつか?」 それを聞いて男が手鏡を渡してくる。 「自分の顔をよく御覧なさい」 鏡を覗き込むと、年若い女の子の整った顔が映っていた。 自分の顔。それなのに見覚えのない顔 肌の色は健康そのものだが、右手には奇妙な痣がある。 首筋には中で炎が燃えているような紅の数字が三つ。 そして、両目は海のような色ではなく、どちらかというと生命力の感じられない汚れた海の濁った色。 生きた眼と死人の眼が一個ずつはまっているような違和感のある顔だった。 髪は明るい茶色。 「……これが私?」 「他に誰がいる?」 不思議そうに自分の顔を触る私に対して、相変わらず男の人は振り返りもせずに言い捨てた。 私は記憶を探る。 今の自分の相貌のように、濁って見通せない記憶の海。 そこから一つだけ見つける。 自分の名前。 「……由紀香、三枝由紀香」 男が振り返った。 「私の名前だ。たぶん」 「…………良い名前じゃないか」 そう言って、男はくくくっと小さく笑った。 冬木ハイアット・ホテル客室最上階 ──地上三二階の高みから見下ろす眺望は、中々に壮観である。 ここハイアットホテルはここ新都でもっとも初期に落成を果たした建築物である。 今後の新都の発展に伴い、新生のホテルは続々と増えていく。 そんな最高級のスイートルームを含めホテル全階を借り切って、窓際の本革ソファで難しい顔をして座するこの男は 「ウェイバー・ベルベットだ」 「え?」 「名前だよ。君に名乗らせてそのまま黙するわけにはいくまい」 と無愛想に自己紹介をはじめた。 これが私とウェイバーさんの初めての接点。 今日という地獄の一夜を共にする最初の邂逅であった。 「─────さて、記憶喪失となると少し話が長くなってしまうが。 きみに安全な場所と適切な説明をしたいのだが、生憎と我々には余裕がない。 こうしている時間も惜しいぐらいなんだ。 非常に申し訳ないが、我々と一緒に来てほしい」 「─────え?」 自己紹介を終えたと思いきや、突然協力の要請をお願いしてきた。 いきなり突拍子もないことを切り出され面を食らってしまう私。 「いいえ。彼女とは相互理解が必要ですよ『ロード・エルメロイ』」 と思わぬところから響いた声に驚き、声がした方向を思わず振り向く。 入口のドアの前にスーツを着たキリッとした女性が立っていた。 「ファック。その名前で呼ぶなと何度も言ってるだろうバゼット・フラガ・マクレミッツ」 「失礼」 ツカツカとこちらへ歩む女性。 右肩に掛けている銀択の細長い筒が印象に残る。 「協会は神秘を隠匿する為の組織。下手な開示はできません。 事態の収束は絶対条件であることは理解してます。 ですが、彼女は一般人ですが、重要な関係者です。 必要な情報を提供してから助力を要請しても不足はないでしょう」 「────む」 ……………… …………… ………… ……… …… … 彼は魔術師達の最高学府の教授であり、別名『ロード・エルメロイⅡ世』と呼ばれている存在らしい。 本名は前述にあるらしいが、彼を知る者は皆敬意を込めてロード・エルメロイⅡ世と呼んでいる。 まだ若くありながら、時計塔の中でも最も優秀な教師と言われ、彼に教えを受けて巣立っていった生徒達は、 その誰もが優秀な魔術師として世界に羽ばたき、時計塔の中でも数多くの栄誉に輝いている。 ゆえに、彼は魔術師達の間でも尊敬の念を集め、 『プロフェッサー・カリスマ』や『マスター・V』、『グレートビッグベン☆ロンドンスター』など、 実に多くの二つ名を与えられている。 もっとも、本人はその名で呼ばれるのは大層嫌いであり、いつか自身の功績でその名を轟かしてやるのが夢だそうだ。 もう一人の男装の麗人はバゼット・フラガ・マクレミッツさん。 同じく魔術協会所属の魔術師で、彼女は第1線で活躍する戦闘のスペシャリストなのだそうだ。 どのくらい強いか聞いてみたら、アリスター・オーフレイムとセーム・シュルト、ヒョードルを 3秒でマットに沈められるとか。………………その喩えはどうかと思う。 魔術協会。 一般には知られていないが、遥か昔から西欧に存在する魔道の総本山。 ファンタジー映画や小説、アニメなどでよく知られるあの魔法と大体イメージは同じだが 現実にはそこまでお手軽で派手なものではなく 色々な縛りや決まりごと、そして関係者も素質と代々続く家系の人、もしくは一部の権力者に限られた 秘密主義が徹底された怖いものなのだそうだ。 ちなみに私は、それなりの素養があるかもしれないそうだが、魔術師として大成することはまずなく 何年もの修行をしても、大したことは出来ないとか。 マジックの練習でもした方がずっと有意義だとウェイバーさんに鼻で笑われたのは少しイラッとした。 そして聖杯戦争。 現在冬木市内を戦禍に包んでいる災厄の源がこれだ。 遥か200年近くも前から、この土地で行われてきた血なまぐさい殺し合いで 7人の参加者が英霊を使役し、バトルロワイヤル方式で聖杯を勝ち取る儀式。 この賞品の聖杯は聖書に出てくる本物ではないのだが、それに匹敵する万能の杯であり 勝者にありとあらゆる願いを成就させる無限の可能性を秘めた願望器なのだ。 英霊とは昔の偉人や神話に出てくる登場人物たちのことだ。 霊長最強の存在。 一騎当千・伝説の象徴(シンボル) 人間とは一線を画する遥か上の存在で、本来ならば制御・使役することなど到底叶わない 凄い人たちである。 そんな英霊を、マスターの使い魔として魔力を糧に契約して使役し、共に闘うことを可能としている。 これこそが聖杯が万能の器たらしめる所以の一つであるそうだ。 ちなみにこの戦争では漫画やアニメは対象外。 単純に聖杯の選考基準外とのこと。残念だ。 でもさっき見た騎士の格好をした人の壮絶さを思い出すと納得できる。 あんな恐ろしい存在が7人も市街地で暴れまわったら たくさんの人たちが犠牲になる。 警察も相手になんかならない。戦車やステルス戦闘機でも倒せるかどうか………。 それほど途方もなく危険な相手だということがアレを見て本能的に悟らされた。 「────以上がこの地で起きてる事象の正体だ。 簡単ではあるが、理解はできたかな?」 「……………はい、大体は。まだちょっと信じられないですけど」 語られた内容は眉唾なものだった。 といっても、それほど驚きはない。 現実離れした話ではあるが、自分でも驚くほどストンと納得がいったのだ。 「無理に全てを受け入れる必要はありません。 貴女に求められてるのは現在の危機的な事態への理解と、”貴女自身”についてです」 「────え?」 そうだ。 この人たちは、私に協力してほしいと言っていた。 でもなんでだろう? 私みたいな普通の女子高生に出来ることなんて、大したことはないはず。 ましてや秘密主義の魔術師であるという彼らは、私たち一般の人が魔術関連に抵触してきた場合 記憶操作などの処置までするほど遠ざける。 わざわざ自分に事態の真相を打ち明けてまで求められる理由があるとは思えないのだけど……。 「報告どおり記憶の喪失が見られるようですね」 「あ、はい。でも私、ここの普通の学生だというのはわかります。 みなさんのお役に立てることと言っても、少しばかりのお世話ぐらいしか出来ないと思うんですけど………」 「GOOD。正しい判断だ。落ち着いた状況判断も出来てる。 癇癪でも起こされたら、もう一度寝てもらうところだったが杞憂だったな」 「………あの?」 「右手を見るがいい」 ウェイバーさんに促され、私は右手に視線を向ける。 すると、手の甲に見慣れぬ痣があったのだ。 ………これは、花びらだろうか? 紅い線が幾筋も枝分かれし、歪な渦を巻くように拡がって淡く輝いている。 「それは令呪です。聖杯戦争のマスターが参加の証として刻まれる刻印であり サーヴァントと結ぶ縁(えにし)でもあります」 「────────え?」 「きみは、この聖杯戦争のマスターなんだよ」 「────────」 驚きはある。 驚いてる。 でもわたしは不思議と落ち着いている。 きっと、それは真実なんだろう。だからわたしは彼らの言う事を素直に受け入れられてる。 「──────続けよう。 7人が揃い、聖杯戦争が正式に開始されたのは1週間前の午後19時。 ここ冬木市内で、きみたち参加者たちが聖杯を巡って殺し合いの舞台となった。 本来ならば、私たち魔術協会と聖堂教会は相互不可侵で、直接的な介入はしないのが決まりであった。 だが、事態は一変した。 とある預言者が、この地で黙示録の終末の日が起こされるという告言がもたらされた」 「黙示録?」 「そう、簡単に言えば世界の終わりだ」 ──────言葉もない。 世界の終わり?終末?いきなり、そんな告白をされても受け入れられない。 聖書とかなんかわからないけど、さすがにスケールが大きすぎて現実味が湧かない。 「これは確かな情報筋です。 私も信じがたいことではありますが、このまま行けば高い可能性で世界の滅亡が起きてしまいます。 ですが、まだ確定したわけではありません。 その預言者の告げる未来は、回避させることも可能なのです。 よって我々を含め、様々な組織が強制軍事介入を行い、この聖杯戦争の解体と予言の阻止を しにこの地に赴きました」 「──────それで、私との接触と協力の要請を?」 「呑み込みが早くて助かる。 きみは覚えてないようだが、間違いなくこの聖杯戦争の参加者であり 終末の日になんらかの関連を持つ可能性がある重要人物でもある。 補足しておくと、きみは約1時間前にここから6km離れた住宅街の路上に倒れていたのを そこのバゼットが保護し、ここまで運ばれてきた。 そして、きみには魔術による意図的な記憶操作と、戦闘による痕が見られている。 もっとも、私にはいったいどんな意図があってそんなことをしたのか見当もつかないが………」 ………大体の話の大筋が呑みこめてきた。 要約してみると 私は、理由はわからないが聖杯戦争の正式な参加者であり 右手に令呪を持ち、英霊を使役して闘っていた。 だが、どんな経緯があったかわからないが、私は何者かによって記憶を奪われたのだ。 それがはたして敵によるものなのかはわからない。 なんの目的があって記憶を奪ったのかもわからない。 そして、わたしには幾つか疑問がまだ残っている。 「わたしは負けたのですか?」 「いや、それはない。 きみの手に残っているその令呪がなによりの証だ。 聖杯戦争のマスターの敗北とは、マスターの資格喪失か死亡、もしくは全ての英霊の撃破が条件となっている。 また令呪の喪失条件は、自身の使役するサーヴァントが消滅、及び簒奪されるか 令呪そのものを奪われた場合のみだ」 「じゃあ………」 「はい。貴女のサーヴァントも今だ健在の筈です。 基本的にはマスターを護るために傍に控えるはずですが、現在近くに観測できないとなると あちら側になにか理由があるというのが妥当な見解でしょう。 それが我々がいるせいか、サーヴァントに止むを得ない理由があるかはわかりませんが」 「それで、わたしに世界の終わりの阻止するための協力のお願いを………?」 「その通りだ。 きみには不確定要素が多々あるのだが、それでも我々はきみの力が欲しい。 英霊の力は桁外れで、我々や別組織の戦力ではどこまで太刀打ちできるかわからないからだ。 英霊に確実に対抗できる力を持つのは、同じ英霊だ。 ………正直に告白すると、きみの命は保証できない。 拒否すれば最悪、きみを殺して英霊の力を奪う選択肢も考慮している。 だが、我々はどんなことをしてもこの世界を守りたい。 そしてきみを全力を賭して守り抜くことも約束する。 ──────由紀香くん」 そしてウェイバーさんは一歩足を引いて、わたしの正面に向きなおすと 「──────頼む」 頭を下げて、請い願った。 ◇◇◇ 空間、 そして時間。 それらのいずれとも、 彼女は乖離していた。 「人間が多過ぎるのね」と彼女はよく口にした。 「大勢で力を合わせて、今までなんとかやってきたんだよ」 私は言った。はたしてそうだろうか、とは思ったけれど。 残念ながら、この頃ではもう彼女との会話は続かない。 ときどき彼女の呟きを聞いて、私がそれに反応しても、言葉にしたそのときには、もう彼女はそこにはいない。 速すぎる。とても速くて、見えないくらいだ。ますます速くなっている。 彼女から見れば、人間の時間なんて、止まっているみたいなものなのだろう。 人の歴史も、時代も、何もかもが、彼女とはスケールが合わない。つまりは、自分自身の躰さえも。 生きていることが、彼女の自由を束縛している、という意味を私は何度も納得した。 少女の小さなその躰が、これほどまでに強力で巨大なシステムを支えているという不思議な構図 そしてその矛盾した構造。でも、それだからこそ、桜は桜なのであって、私にとっては、それがこのうえなく愛おしい。 彼女のことが好きだ。 私以外に、いったい誰が彼女をちゃんと理解できるだろう。 この近さは、それでもアンドロメダほども隔たりがある。単に最も近い、というだけのことだ。 雑誌を読んでいた彼女が溜息をついた。 「疲れたかい?」 私は尋ねる。こういった機会は外せない。彼女と会話ができる貴重なタイミングだった。 「ええ、少し」 桜は頷いた。 「体力がないんだ、私って」 「このところ、ずっと忙しかった。無理もないよ」 「………あぁ、少し、眠るわ。今夜は……久しぶりに先輩に会う」 「そう」 「お休み」 私は彼女の躰のコントロールを引き受ける。彼女の役に立つというだけで、私は嬉しい。 雑誌を片づけるのは、職員にお願いした。 貸し出してもらいたい本だけを持っていくことにする。 ずっと座っていたので、少し運動をした方が良いかもしれない。 ゆっくりと次元の境界を渡り歩き、世界に残された記憶を辿っていく。 過去の世界の観測。 程なく世界はモノクロ映画のように灰色になった住宅街へと間桐邸へと景色が変わる。 彼女の祖父を探すことにした。 おそらく工房だろう。地下にいる、と聞いていた。 階段を下りていくと、工房の鉄の扉を開けて中へ入っていく女性の姿が見えた。紅い外套とフードを被り髪が長い。 その部屋には桜の祖父がいるはずだ。 彼女に気づかれないように、注意しなければ。 それが私の役目なのだから。 持っている本を一度開く。 複数の悲鳴のような粘ついた音が鳴り、重いドアがゆっくりと開かれていく。 地下室は暗く、部屋は見通せない。 少し歩くと、右手の奥に、間桐臓硯が立っていた。 「桜」 片手を挙げて彼は微笑んだ。 「なにか用かな?」 「いえ、大丈夫です」 「なにか聞きたいことがあればいつでも言いなさい」 「はい、お爺様」 良かった。 あの女と一緒ではなかった。 此処は過去の記憶だ。 そして私は、間桐桜として、この世界を歩いている。 さらに部屋の奥へ進んだ。 次々におぞましい器具や蟲が過ぎる。しかし、女の姿はなかった。 一つ手前まできて、並んだ部屋の隙間から紫色のスカートが見えた。 良かった。 彼女とは、ずっと離れた場所だった。 それが確かめられただけでも、嬉しい。 私はもう数メートルだけ進んで、女の姿を覗き見た。 金の杯を手に持っている。 彼女の後ろ姿を、じっと観察する。 やっぱり、あのときの女ではない。 髪が茶色い。 そうだ、思い出した。 あのときの女は、ブロンドだった。 あれは、日本人ではなかった。 誰だったのだろう? 「こんにちは」 私は声をかけた。 彼女は振り返った。 瞳の大きな顔。 少し驚いたようだ。 「あら、また会ったわね」 彼女は言った。 私には覚えはない。きっと、桜が会ったのだろう。 「すると、向こうの紳士が、貴女のお爺様かしら?」 彼女は目を細め、優しそうな表情できいた。 普通の人間よりも反応が速い。 ときどき、この種の人間に出会うことがある。 私は試してみることにした。 「その聖書を読みなさっていたのは、この異常事態に関わっているからですね?」 私は言った。彼女が持っている本が見えたし、それは、ついさきほど読んでいたものだったからだ。 女は目を見開いた。 面白い。驚いている。 でも、少し可哀想になった。 「驚かないで下さい」 私は微笑んで、彼女に言ってやった。 「実は、私も今さっき、それを読みました。お名前を聞かせてもらえませんか?」 「………?、美綴綾子ですけど」少女は答えた。 「美綴綾子さん?」聞き覚えがあった。 「ああ、美綴先輩、どうしてここにいるんですか?」 「あ、ええ……」 覚えている。 間桐桜の1つ上、同じ弓道部に所属しているしっかりした少女だ。 印象がまったく違う、と私は思う。 「どうしてここにいるんですか?」 違和感と疑念を晴らすため、私は尋ねた。 「え?」 彼女はまた驚く顔。とても可愛らしい。 「いいえ、そんなつもりでいた訳じゃないから」 「では、どんなつもりで?」 「どうして、そんなことに興味があるの?」 ああ、やはり、この少女は違う、ということがわかった。 こんな時間にここにいること自体、普通ではない。 間違いなく、歪みの結節点だ。 「貴女が教えてくれたら、私も教えます」 私は友好的に微笑んで首を傾げてみせた。 がく がくがく がくがくがくがくがくがくがくがくがくがくがくがくがくがくがくがくがくがく がくがくガクがくがくガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガク ガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガク ガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガク ガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガク 「………最悪の気分ね。」 彼女は棚に本を戻してから、私の前まできて、屈み込んだ。 スカートが床に広がって、私はそれが気になった。 「頭はからっぽ、手足はスカスカ、胃袋はそもそも無し。 こんなんで大淫婦(グレートマザー)だなんて、笑い話を通り越して泣けてくるわ」 なんという答だろう。 私は緊張を堪え、深呼吸を一度する。 今度は少しこちらが驚かされた。 目の前の彼女はにっこりと微笑んでいる。 既にペースを取り戻しているのだ。尋常ではない。 「………ふふ。寄り道をするつもりはなかったんだけど、気がつけば悪魔(アスタロト)の胎の中、か。 土地の記録そのものに常時接続(リアルアクセス)出来るだなんて凄いわね。 でも、私にその海辺の白い花 「トべラ」を見せて招待する非礼について、 いちよう釈明を聞いてみたいところだけど……まあ、我慢するわ」 「ありがとう」 私は余裕を見せるために、とりあえず頷いた。 「貴女の番よ」 顎を少し上げて、彼女は促す。 相手を見くびっていたことに私は気づいた。 軽く処理できる相手ではない。ちゃんと接しよう。 しかし、彼女を呼び起こさなければならなかった。なんとか今の私一人で対処しなければ……。 記憶を呼び起こして、この街で起こった事件についての情報を彼女に与えてやる。 それで、相手を刺激しようと考えた。 「それ、いつのこと?」彼女はきいた。 「四ヵ月と十三日後」計算して答える。 「貴女は、そのとき、ナニヲしているの?」 「悪い魔女に囚われているよ」 「本当のお話?」 彼女は息を止め、目を見開いた。 「貴女、いったい……」 どうやら、こちらのことを少しはわかってもらえたようだ。 私のことを知らないのだろうか、こんなに有名なのに。 さらに、私は記憶の情報を引き出して説明した。 「ふうん、そう……」 彼女は大きな瞳をさらに開ける。 爛々と瞬く紅い瞳は、恐ろしく蠱惑的で美しく 全身が意思とは無関係に熱く火照り、背筋はひりつき凍るように固くなっていく。 「どうでも良いことですけれど」 私は彼女から視線を逸らした。 「もう、行きます。お話ができて楽しかった、美綴先輩。貴女、面白い人ですね」 「どうして?」 「反応する時間でわかります」 「反応……」女は不思議そうに首を傾げる。 私は彼女に背中を向けた。 「待って、ごめんなさい」後ろから呼び止められる。 そうか、私の名前が知りたいのだ。 「私の名前でしょう?」振り返って微笑む。 「ええ、お願い。教えてもらえない?」 「■■といいます」 「■■さんね。下のお名前は?」 少し驚いた。この時点で既に彼女は意図していたのかもしれない。相手の名前を記憶から呼びだした。 「美綴先輩のファーストネームは、■■■さんですね?」 「そうよ。ありがとう、覚えていてもらえて嬉しいわ」 「私は、■■■です」 「■■■さん? ■■■■■さん? 男の子の名前だわ」 「ええ」僕は笑いそうになる。 「でも……」 「貴女が今見ているのは、私の召喚主(マスター)です」 これが驚かす最後だ。 彼女は仮初めの姿の向こうを見通している。 でも、私という存在がキャスター本人ではない、ということは看破できていない筈だ。 私は、彼女の目をじっと見た。 それが、どう変化するのかを……。 けれど、 彼女の表情は、意外なほど穏やかなまま。 変わらない。 「え? ああ、そうなの……」 彼女は自然に微笑んだ。 「とても可愛らしい方だわ。そうお伝えしてね」 これには、驚いた。 どうしよう……。 私は躊躇する。 こいつは、何者だ? なんとか気持ちを落ち着け、またメモリーから情報を引き出した。私はそれを披露する。 「博学なのね」彼女は微笑んでいる、まったく動じない。 「貴女ほどではありません」私は正直に言った。 一瞬、頭がぼんやりとして、私はそこで止まってしまった。 「え?」彼女の声が聞こえた。 「もう、どうでも良いことですけれど……」 彼女が答える。本体が起きてしまったのだ。 「失礼します」 彼女の意識は急速に薄れ、そして眠くなる。 歩いていることしか、わからなくなってしまった。 「起こしちゃったね」 私は美綴さんに謝った。 「あれ……ここは?迂闊(うかつ)だなあ、ついうたた寝しちまったみたいだ」彼女は言う。 「ごめんなさい。起こすつもりはなかったんです」 本を開く 彼女の瞳が閉じるのを確認し、背を向けてこの場を立ち去る。 (……次にいくか) 囁きとともに歪む世界。 さらなる深遠へ。この地に起きた惨劇と真相を確かめるべく、男はさらに歩を進めていく。 ◆◆◆ 煉獄だ。 赤い花が一面に咲いている。 しかし、私には関係がない。 何のために、こんなに沢山咲かなきゃならないのか、まったく馬鹿馬鹿しい。そう考えると、可笑しくて笑えてくる。 此処は10年前の冬木市。 第四次聖杯戦争決戦の最後の夜。 西の空も赤い。 歪(ひず)んだ可視光線。 割れそうな天球に。 リズムを嫌う風の息。 斜めに傾いた標識。 朽ちつつある柵。 土に還る亡骸。 叫ぶ声の主。 夢を運ぶ。 血の声。 ステップを上がっていき、私は火の海を渡っていく。 午前二時―― 寝静まった街の静寂は、普段に増して徹底している。 街路からは車の影すら消え、街灯だけが白々しく照らし出すアスファルトは、冬の夜気に冷え切っている。 人の営みが完全に途絶えた町並みは、まるで等身大に引き延ばされた玩具の情景の中にいるかのようだった。 常人の認識の埒外にある場所を〝異界〟と呼ぶならば、まさしくこの夜の冬木市がそうだ。 そんな異様な景色の中を、猛然と、我が物顔に駆け抜ける屍たち。 ギシギシと軋みながらソレは吠える。 可聴域外の周波数。人間には聞き取れない声で、群衆は確かに告げていた。 苦しい、と。 餓えと渇きに悶え狂う、屍たち。 私の首筋を黒いものが貫いた。 色がわかる戦慄(せんりつ)。 自分が直立していると意識しながら、私は奈落へ落ちていくのを知った。 あそこだった。 混沌たる薄明の囚人。 死者しかいない世界。 燃え盛る周囲を灰色の影が覆った。 血みどろの闘争の気配が近づいてくる。 当然だ。ここは、そいつ等しかいないのだから。 生物は発狂し―― 奇跡に縋り求める亡者どもが、醜く潰しあう。 来た。 あの感じだ。 果てしない世界の果てにまで伸ばされた触手。 唯一絶対の『救世主』セイバー 万夫不当の『蹂躙王』ライダー 災厄の『双剣の騎士』ランサー 復讐の『瑞験の星月(カウラヴァ)』 アーチャー 焦熱の『魔人王』バーサーカー 『双剣の騎士』『魔人王』はセイバーの断罪の剣によって敗れ 言峰に囚われていたアイリスフィールが夫を庇った際に、刺し穿たれた『聖槍』によって 中空に逆十字に張り付けにされた彼女と黒く禍々しい孔が現れ 街は火の海と、原罪に満ちた呪詛が奔った。 そしてアーチャーとライダー、そしてセイバーによる最後の殺し合い。 濃密な殺意と、中空に明く漆黒の孔から漏れ出る呪い。 呪いに汚染された屍者たちが足首にからみついた。私は思わず悲鳴を上げた。 全細胞の絶叫だった。 犯される処女の恐怖に近い。 肉体のみか魂まで汚される恐怖。 そいつは腿(もも)まで来た。 狙っている。 敵の攻撃は熄(や)むことを知らぬようであった。 セイバーの新たな光撃が群がる亡者たちに炸裂するや、それは地の面に沿って青いさざ波のような光を広げた。 「ジャーァハッハッハ!頭を噛みつぶせ!許しを請うてみよ! 恐怖の叫びを絞り出して、無様に地を這いまわれ畜生ども!!」 ぶお、と凄まじい殺気が吹きつけてきた。 人間の死体を集めて固めた屍狼に跨り、血糊で汚れた戦衣装を纏い 長い無精髭を揺らしながら、ライダーは血走った眼で猛り叫ぶ。 「アヘ顔晒してエレクトかましてんじゃねえぞ毛むくじゃら!」 上空からの叫び声が響いた次の刹那、地響きと砂塵がライダーたちを呑み込んだ。 必殺の光弾が迸る。 耳を覆いたくなるような『陽光宿す天の双翼(ヴィマーナ)』 の銃撃音が空中を流れた。 その空中にセイバーもいた。 必殺の連続掃射にかかる寸前、彼は光弾をかわして跳躍し、ライダーの頭上を越えたのである。 頭上を?――頭はなかった。疾走をつづける馬上のライダーの頭部は一瞬で接近したセイバーの 剣撃によって薙ぎ払われたのだ。 その頭部は鮮やかに切断されて鮮血を噴いている。血潮の一部は朱の霧となって風にふぶいた。 音もなく着地したセイバーの左方で鈍い音が鳴った。首が落ちたのであろう。 走り去る屍狼を見ようともせず、セイバーは宙を仰いだ。 頭上に風を裂く音を聴いたのである。 小さな鳥の影が見えた。ぐんぐん近づいてくる。 ふた呼吸と置かず、それは片翼一〇メートルを越す機械仕掛けの大鷲と化した。 二〇メートルほどの高みで激しく空気を振動させて旋回しつつ、それは金属を思わせる嘴を開いた。 白光が大気を薙いだ。骨を断たれる音がして、巨大な鉄爪がライダーが騎乗していた屍狼の足首ごと掴み 肩を捉えて、凄まじい勢いで上昇を開始したのである。 「死んだふりー♪ってかあ!うぜえっつってんだろ!!」 銃口を屍狼に向け、間もなく響く銃撃音とマズルフラッシュ。 「汚物は消毒だぜえ!ヒャーハッハッハァ!!」 ガトリング掃射によって肉片を撒き散らしながら、跳ねるように屍体を踊らす屍狼。 その口の中から、 「――――気骨な奴じゃあ」 黒く腐った死体の血に塗れて乱杭歯を鳴らし、その刹那、胸元の首飾りが躍った。 喉もとから脳幹までしか残らぬ頭部から、ぼこぼこと新たな屍が凄まじい速さで生まれ現れ 鉄爪をつたって這い登っていく。 舌打ちとともに、アーチャーは機体を廻しながら振り落とそうとし 銃撃が止んだ隙を逃さずライダーは刀剣を引き抜き、右翼のつけ根へ飛び移った。 大鷲が上げた声は、断末魔のそれであった。 すでに高度は五〇〇〇メートルを越している。 必死に飛行を維持しようと努めながら、ついに錐揉み状態に陥った。 機上で、アーチャーとライダーが剣を交差する。 吹きすさぶ風圧の中、暗闇に瞬いては消える火花。 空気を震わせる金きり音が全身を押し包む。 数十合の剣戟の後、機体に大きく風に煽られ、体勢を崩した両者は僅かにたたらを踏み その一瞬の隙をついたアーチャーは、即座に機体制御の命令信号を発令した。 足元が数メートルも跳ね上がり、ライダーはわけもわからぬまま空中に押し出された。 暗闇の中、バリバリとなにかの駆動音が空中を突き抜け、鋼鉄の軋む音が遠くで連続する。 「我が真の道(オン・バサラ・ウン)!!逝けよ『陽光宿す天の双翼(ヴィマーナ)』 !!」 装甲の継ぎ目から漏れる光が強さを増す。 より攻撃的なフォルム、強襲形態へと変形した『陽光宿す天の双翼(ヴィマーナ)』は 渦巻く黒煙を引き裂き、爆発的なスラスター光を背負って空中で身動きが取れぬライダー目掛けて突進してくる。 「虚けを抜かせ!さぱっと死せい! 黄泉路の先陣じゃ!ジャーハッハハハハァ─────!」 不気味な哄笑を上げて、ライダーは迫る鋼の凶鳥に怯みもせず声を高らかに上げる。 すると右手に握られていた黒く汚濁した手のひら大の卵状の固形物を前方に突き出し 火山の噴火を思わせるような、怒涛の勢いで亡者の群れをぶちまける。 複数の悲鳴と呻き声が響き渡り、超反射能力を有するアーチャーの慣性を捻じ曲げるような直角機動によって 回避しようとするも、屍者の濁流に呑まれてしまい ライダーを捕まえられずに二度三度と屍に打ちつけられた。 その瞬間は痛みを感じる神経も働かず、とにかく取り付きが増えた亡者を振り落とそうと 機体を大きく揺らしながら、視界を取り戻そうと群れの中から抜け出す。 「飛行機に手足がついてるか? 敵をぶん殴ったり、横移動したりするか? いっちょまえの口は、きっちり動かせるようになってから叩けぃ!」 口元を歪めるライダー。 『覇王の卵(アトガ・ヌジ)』によって召喚された空を落ちる亡者たちをつたって再度機体にとりつき 旋風じみた、ライダーの刀剣が一閃する―――! 轟音。 大気を裂きかねない鋼と鋼のぶつかり合いは、アーチャーの敗北で終わった。 ざざざざ、という音。 ライダーの刀剣を受けたものの、アーチャーは受け止めた剣ごと押し戻される。 「ちいっ……!」 アーチャーの姿勢が崩れる。 追撃する血塗れのサーヴァント。 それしか知らぬかのように刀剣を叩きつける。 避ける間もなく剣で受けるアーチャー。 「鳥葬台に堕としてやるじゃきい!」 鍔迫り合いにより膠着した状態で、ライダーはさらに亡者たちを召喚していく。 『陽光宿す天の双翼(ヴィマーナ)』の機体に加重がどんどん増し、浮力を維持できず 真逆(まさか)に堕ちて行く。 いきなり轟いた墜落音が暗闇を赤く染めた。 外傷はあるものの問題なくエンジンも復旧し、先刻と同じ画角の映像がコクピットのモニターに映し出される。 ――だが、そこにあるべき路はない。 途中でへし折れ、焼け焦げた断面をめくれ上がらせるアスファルトがモニターに映じている。 その向こうは、炎がちらちらと閃(ひらめ)く闇の虚空。 不時着の際になんとか投げ出されずに済んだアーチャーは あちこち痛む体をなんとか立ち上がらせた。 不意にぞくりとした悪寒を背中に覚えた。 背後を振り返る。なにかがさっと視界の中を横切り、白い残像をアーチャーの網膜に焼きつけた。 確かな質量を持ったなにか、肌を粟立(あわだ)たせるほどの敵意を持ったなにかが、この艦に迫っている。 それが重い存在感を放ち、幾重もの装甲を透過して殺気を突きつけてくる。 アーチャーは、一瞬よぎった白い影を眼で追った。 流星にも似た影はすぐには姿を現さず、新たに起こった爆発が白い光芒(こうぼう)を虚空に閃かせた。 「敵に容赦はねえ……と聞いちゃあいたが……これほどとはよ ……おかげで……俺様も……その気になった!!」 右手の中で、がちゃりと音をたてて柄を握り直す。 握り直したときアーチャーは床を蹴り、反射的にエンジンを再点火させた『陽光宿す天の双翼(ヴィマーナ)』は 前方の爆心地目掛けて飛翔する。 墜落した機体を追撃しようとしたセイバーは 不時着する直前に飛び降り、付近に転げたライダーの襲撃にあっていた。 わらわらと数を増していく亡者たち。 広く開けた交差点の上で、次々と襲い掛かってくる屍者たちを甲冑形態へと衣桁し斬り捨てていくセイバーは 一際大きく光剣を薙ぎ払って、周囲を吹き飛ばす破邪の極炎で燃やしつくす。 腕を突いて顔を起こし、迫りくる火炎を目にして魂消(たまき)る悲鳴を亡者たちはあげ 魔獣『四駿』に身を隠して、浅い火傷を負いながら、距離をとっていた場所からさらに後退をする。 あの火炎がどのくらい凄まじい威力を持っているのかは、熟知している。 炎の直撃を受けた者の逃れようもない末路を、間近く見て知っている。 思わず顔を眩んで眼を背けていたライダーに、吹きつけられる火炎の圧力が襲いかかった。 骨をも残さず身を焦がす炎を浴びて、ライダーたちの周囲にいた亡者たちが火柱となって燃えあがった。 火を吹き、音を立てながら崩れ落ちた。 ぼたぼたと、炭化し、それがなんであったのか定かでなくなった塊(かたまり)が地に落ちた。 周囲はあまねく火の海となり、火炎地獄の様相を呈している。 紅蓮の炎の色に染まる中に屹立(きつりつ)する揺るぎない色。 一人の青年。 目を凝らしてよく見ると、彼の体を、薄い光の膜のような物が覆っている。 圧力を感じているのは、この光の保護膜が炎を受けているからだ。 成す術もなく炎に巻かれ死に絶えていく者たちの中で、二人だけが無傷でいる。 剣をかざし不動の姿勢で、セイバーは炎を操っている。 後方へ跳んだライダーとの距離が50Mほど空けたとき その頭上から真っ向上段――『四駿』の頭頂から鼻のつけ根まで断ち割っていた。 空中からの奇襲、しかも、超高速の突撃を、身をねじってかわしたのはライダーならではだ。 着地した『陽光宿す天の双翼(ヴィマーナ)』に座するアーチャー目掛けて反撃の一太刀が襲う。 爪先のみ床につき、アーチャーは右方へ跳びつつ、矢を番えて射る。 ライダーの眉間を狙った矢は、突き刺さったと見えた刹那、回避した。寸前のアーチャーの一撃のごとく。 「――――――ジャッ!」 走り寄ったライダーの一刀はアーチャーの左の肩口を割った。 鮮血が飛んだ。 それは意志を持つもののように、なお一跳躍から目前にまで迫っていたセイバーの顔に叩きつけられ、彼を盲目にした。 立ちすくむ刺客の胸もとへ黒いつむじ風が、うなりを立てて吸い込まれた。 刃は心臓を貫いた。 ――そのはずが、彼の刀剣は堅固な鎧に防がれ、刀身が鈍い音とともに折れてしまう。 刀身はまたも消失したのである。 眼をふさぐ血を拭いつつ、すかさず光剣で反撃を繰り出そうとした、がセイバーはたたらを踏んで立ち止まった。 地中から出てきた巨大な屍狼がその身に喰らい付いたからである。
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【白いシーツで仲直り】 2. 私は口をぱくぱくさせながらお姉ちゃんを見る。 怪訝そうなんてもんじゃないな。自分のベッドで妹が全裸でオナニーしてるのを見た時くらいにしか出来ないぞ、あんな顔は。 「熱で頭もおかしくなったの? あ、それは前からよね」 こめかみの辺りで指をくるくる。 相変わらず嫌味な奴だ。私とよく似た顔をしてるから一層腹立たしい。縁無し眼鏡をかけて目付き悪くしたらそっくりと評判だ。 いや、こんな事考えてる場合じゃない。 「おおおお姉ちゃん!? が、学校は!?」 「試験中だから午前で終わるんだけど……服着たら?」 「え、あ、そっか」 言われて起き上がろうとするけれど、無理だ。いくら頭から血の気が引いたとはいえ、まだまだ元気なジュニア君は治まりがついていないわけで。シーツだってぐちゃぐちゃなわけで。 ていうか、服は自分の部屋だ。 「……い、今はちょーっとこのままがいいなぁ」 「は? 見せたいわけ?」 「ちがうー!」 私だって好きでこんなお尻丸出しの格好でいるわけじゃない。 ほんとは今すぐ逃げ出したいくらいだけど、臨戦状態の前を見られるのはもっと恥ずかしそうで嫌だ。 「あのねぇ。あんな事しといてこれ以上恥ずかしがる事も無いでしょう」 「うわっ、ちょ、こっち来ないでよ!」 お姉ちゃんが呆れたようにぺちんと私の頭を叩く。そのまま前髪をかきあげておでこに手を当てられたものだから、何事かと焦ってしまった。 「熱は?」 「……ないよ。嘘だもん」 心配してくれてるんだろうか。ああでも、熱のせいで奇行に走ったと思われた方がまだマシだったかも。 この状況で平然としてるお姉ちゃんも変といえば変だけれど。 「ふぅん。じゃあ私には移らないか」 「自分の心配ですか――うぐ!?」 やっぱりそういう女なんだなと思っていると、顎を指で持ち上げられて半ば無理やりに顔を向けさせられる。 お姉ちゃんの顔がぐっと近付いてきて、唇にぽよっと柔らかい感触が伝わってきた。 「……んむー!」 どう考えてもキスじゃん! じたばたもがく私を無視して、お姉ちゃんはちゅっちゅちゅっちゅ唇を啄んでくる。 息がしづらいとか首がすげー痛いとか考えてしまってるうちに体をくるりと仰向けに転がされて、お姉ちゃんが馬乗りになってきた。 あれ? なんかすごい手慣れてません? 「むっ…ぷぁ……おねえ……んちゅ……」 抗議しようと口を開くと、ぬるりとした温かいものが入り込んできた。うわ、舌か。 上顎の辺りをくすぐるように舐められたり、舌を絡めるように擦り合わされたりして、初めての感覚に頭がぼーっとする。なんか、すごい気持ち良いかもしれない。 キスくらいはした事あるけど、ここまで濃厚なのは経験したことなかった。私も積極的に舌を絡めるようになって、ぴちゃぴちゃ音を立ててしまう。 唾液を流し込まれてもあんまり嫌じゃなかった。甘いような気のするそれをこくこく喉を鳴らして飲み込むとお姉ちゃんが頭を撫でてきて、むしろ嬉しいと感じてしまう自分はちょっと嫌だけど。 稚拙な私と違って、お姉ちゃんは器用というかなんというか、つまるところ上手い。 唇を甘噛みされたり舌を吸われたり、散々口内を蹂躙され終わった後には私はすっかり蕩けてしまっていた。 「ほら、涎垂れてる。馬鹿っぽいよ」 「……あぅ」 だらしなく開いたままの口元を腕で拭ってじっとお姉ちゃんを見上げる。涼しげな顔をしているそっちこそどうなんだろう。 「手でしてあげようか」 「はわ!? え、まってまって! ストップ! やだ!」 お姉ちゃんが体をずらして、キスのせいでまた勃ちあがった私のペニスに手を伸ばしてきたものだから、私は慌ててその手を押し退けながら上半身を起こす。 ずざっと後退りして胸の前でバッテンを作ると、お姉ちゃんはつまらなそうな顔をして空振りした手をにぎにぎした。 「なん、なんのつもりよお姉ちゃん!?」 「別に。いい所で邪魔しちゃったみたいだからお詫びしようと思って」 「あれはそのっ、出来心っていうかつまり――え、何脱いでんのちょっと」 うろたえる私の話を聞こうともしないでお姉ちゃんは制服を脱ぎ始める。 うちの学校は最近にありがちなブレザーだけど、お姉ちゃんの学校はお金持ちのお嬢様なんかも通ってる有名女子校だから普通のセーラー服でもどこか品がある感じがする。 脱いだ後に綺麗に畳んでいるのがお姉ちゃんらしい。 黒いレースで縁取られた大人っぽいブラをしていて少し驚いた。下着もなんか紐だし細いし。 いや、似合ってはいるけどお姉ちゃんはそういうのに興味無いと思っていたから。 胸のサイズは、うん、私の方がちょっと勝ってる。 下の方を見ると勃ちあがったペニスで下着が膨らんでいて、さすがに他人のそういう状態を見た事がない私はまじまじと見つめてしまった。 お姉ちゃんがくすりと小さく笑いながら布を取り払う姿に余裕を感じて悔しい。 ……むぅ、こっちはちょっと負けてるかも。 「あなた経験無いの?」 「う……お姉ちゃんは?」 素直に童貞処女ですなんて答えられずに聞き返してみる。どうせ態度でバレバレだろうけど。 お姉ちゃんはうーんと少し考え込んで、 「それなり」 少なくとも1回ぽっきりじゃできないような妖艶な笑みを浮かべた。 なんか。なんか。 普段会話なんて全然ない姉妹なのに、こんな格好で向かい合って座るなんて考えた事もなかった。 こうして見るとお姉ちゃんが綺麗に見えるから不思議だ。 眼鏡の向こうの目が目付き悪いなんて言っちゃったけど、今は涼やかで色っぽい感じに見えるもんな。私は染めたし肩くらいで切っちゃったけど、長くてまっすぐな黒髪がさらさらっと流れてたりして。私のお姉ちゃんをやってるくらいだから顔立ちも良いし。 そういや頭も良いんだっけ。 初めて見た人ならキツめ系美人の眼鏡お姉様、みたいな感想を抱くのかもしれない。 いや、あくまで初めて見た人ならって話で、私は今までお姉ちゃんの事を意識した事はないんだけど。全然とは言わないけど殆どないんだけど。 しかしこれって、最後までしちゃうんだろうか。裸で二人きりで、キスもして、さっきは手でされそうになったくらいだから、しない方がおかしいのかもしれない。 思わず姿勢を正して正座なんかをしてしまう。足を崩したいわゆる女の子座りをしているお姉ちゃんを俯きながらもちらちら見て、あちらが動くのを待ってしまった。 緊張と期待で心臓がドクドク跳ね上がる。いつキスよりもっとすごい事をされるのかと、私はいつの間にか待ち焦がれていた。 でも、お姉ちゃんはいつまで経っても何もしてこない。こちらを気にする様子もなく毛先の枝毛をぼんやりと探し始めたりもする。 さすがにペニスもへにょっと萎えてしまっていて、焦れったくなった。 「お、お姉ちゃん」 「なに?」 「……あの、しないの?」 おずおずと尋ねてみると、お姉ちゃんはきょとんとまばたきをする。催促してしまった私の耳が恥ずかしさで真っ赤になった。 でもまあ、これで―― 「しないわよ」 「……へ?」 当然のように言われて間抜けな声が出る。しないって事は、つまりこれ以上何もないって事で。 「え、な、なんで? いやその別にしたいわけじゃないけど、さっきまでの流れ的に気になるっていうか」 まるで言い訳でもするようにごにょごにょと呟く。はぁ、と残念そうな溜め息が聞こえた。 「ほら、したくないんでしょう? なら良いじゃない。私も気乗りしてない相手と無理にする気はないし」 「え、それは、その……」 本音と建前の微妙なアレというか、嫌よ嫌よも好きのうちというか、そういうのであって。 それでも確かにしたいわけではないと言った手前、何も言えなくなった。 私はしゅんと項垂れて落胆する。やりたい盛りだからじゃなくて、相手がお姉ちゃんだったから。 誰かとエッチする事に、なんだかんだ言っても今までは抵抗があったのだ。 男じゃダメ、そんなに好きじゃない女の子でもダメ。体をまかせるわけだし、初めての相手なら 適当じゃなくてきちんと選びたいのに、理想の人なんて見つからない。 お姉ちゃんとならいいかなと思った。お姉ちゃんとがいいなと思ってしまった。 これで明日から今まで以上に仲が気まずくなったら嫌だな。どうせならもっと仲良くしておけばよかった。そうしたらお姉ちゃんの部屋を漁ってやろうなんて考えなかったし、こんな事にもならなかったかもしれない。 今更こんな後悔をしている私は、やっぱりお姉ちゃんと違って馬鹿なんだな。 「……あなた、本当に変わらないわね。思ってる事がすぐ顔に出るんだから」 「え……そりゃ、私はお姉ちゃんみたいに器用じゃないし……」 「すぐ拗ねてむくれる所も一緒ね」 「……うっさいなぁ」 その通りだったせいで私は唇を尖らせる。お姉ちゃんはおかしそうに苦笑した。 その目がいつもより優しそうに見えて、ドキリとする。 「さっき、気乗りしてない相手とはしないって言ったけど」 「分かってるってば――うひゃ!?」 いちいち繰り返さなくていいのになと思っていると、押し倒されてしまった。 ああ、こういうのを既視感っていうんだっけ。 お姉ちゃんは、今度は軽く触れるだけのキスをしてから続けた。 「……そんな顔してる相手に何もしないほど我慢強いわけじゃないのよ?」 耳元で囁かれる声は本当に楽しそうで。 ひょっとしてさっきまでからかわれてたんじゃないかと気付いた私は、 やっぱりちょっと悔しかった。
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「澪の事がずっと好きだったんだ!だったじゃない!今でも!今だって!」 「でも、でも澪には私より幸せに出来る人が居るはずだって、思って、信じて……」 「女の私じゃ!出来ない事が多すぎるから!」 「澪があんな風に言われるなんて耐えられなくて!だったら私から離れた方が良いって!」 「だからって、あんな言葉で澪を傷付けるしか出来なくて!」 「私だって!澪が隣に居るだけで幸せだったよ!」 「二人で居たいよ!ずっと!ずっと!」 「澪が何より大事で!何より大切で!私の隣は澪以外考えられなくて!」 「澪さえ居ればそれで良かったんだ!それで良かったのに!」 「そばに居て欲しいよ……澪……」 澪だけを想って、澪の為に生きる。 それだけを考えて生きていきたかった。 無理をして、嘘まで吐いて、突き放して、別れて。 もしも他に方法が有れば、もっと考えれば、子供な考えのままで先輩に反論していたら。 もしかしたら違う結果が有ったかもしれない。 そんなたらればが、波の様に押し寄せる。 でももう別れを告げたから、悔やんでも悔やんでも戻れない。 過ぎ去った時間は戻ることも無く、今日が終わっていく。 「りっちゃんにとっての幸せってなんだったの?」 私を抱き込んだまま、唯が優しく訪ねてくる。 「私は、澪と居るだけで幸せだったな……」 「澪ちゃんも、そうだったと思うな」 そうだ。澪も、そう言ってくれていた。 そうだ。私も、そう思っていた。 今になって一番大事な事に気づく。 二人で居る事が二人の幸せだったのに。 二人の気持ちは、同じ前を見ていたのに。 澪も、そう言っていたのに。 私も、そう思っていたのに。 澪と居る事が私の一番で、私と居る事が澪の一番だと言ってくれた。 そんな事も忘れて、勝手に澪を突き放した。 そんな私の嘘も、澪はきっと気付いている。 嘘を吐いてまで別れた私を、澪は許しはしない筈だ。 もう会う事も無い。会える訳が無い。 もう、大好きな人の隣を歩く事は出来ない。 彼女の決意を聞いたから。 彼女から、さよならを、受け取ったから。 * * * 「りっちゃん、落ち着いた?」 「うん、ありがとう。唯。でも、もう少しこのままでもいい?」 「りっちゃんとなら何時間でもこうしてられるよ」 私を抱き込んだまま、唯は甘えさせてくれる。 「流石に何時間もやってらんないって」 「だよね~。……りっちゃんはさ」 「うん」 「本当は、どうしたかったの?」 「澪に、幸せになってほしかった」 「澪ちゃんを想うりっちゃんじゃないよ」 「え?」 「りっちゃんが、どうしたかったの?」 「どう。って……」 「りっちゃん、私はね」 「ん?」 「何でも自分で決めれる様になって、初めて大人になったと思ったんだ」 「何をいきなり」 「子供の内はさ、先生とか、お父さんお母さんとか、私の未来を一緒に考えてくれる人や決める人が一杯居たけど」 「大学を卒業して、就職先も住む所も、ぜ~んぶ自分で決めて」 「誰の意見に従わなくても自分の事を全部自分で決めるんだって」 「そう思ったとき、初めて『自分が大人になったんだ』って思ったんだ」 「唯?」 「だからさ、りっちゃんも大人になったんなら、自分たちの事は自分で決めて良いんだと思うよ?」 「世間がどうとか、日本がどうとかさ」 「そんな周りに振り回される事も無い、大人になったんだからさ」 「子供の頃は通せなかったワガママも、大人になったら通せるよ」 そっか。二人が良ければ、我を通してもいいんだ。 「……私は、澪と一緒に居たかったな」 「うん」 「澪には色々言い訳したり、嘘吐いたりしちゃったけど。うん、それが本心」 「澪の都合なんか考えないで、私の好きにしていいよって言われたら、私はきっと一日中澪に抱きついてるかもしれないな」 そんな事、した事も無かったけど、今にして思えばもっと甘えれば良かったかな。 「じゃあ、それでいいじゃない」 といっても今更戻れないし、こんな事言ったって後の祭りでしかないわけで。 「それじゃ、改めて澪ちゃんへの気持ちを言ってみようか」 「え、何でそんな事」 「聞いてあげるから」 唯を見上げる。微笑んでくれる。 懺悔でもしようか。今日本当に言うべきだった事を並べようか。 「……澪」 正直に気持ちを、並べてみようか。 「私は、あの頃から、澪の事、今でもずっと大好きだ」 「大人になって、社会に出て、色々と周りが傷つけようとしてきたり、厳しい目で見てきたりするかもしれないけど」 「それでも澪といれば、私幸せなんだ」 「だから……私と、ずっと一緒にいてくれないかな?」 今日、あの海辺で、本当はこう言えば良かった。 又一つ、後悔する。 私って、ホント馬鹿。 「……だってさ、澪ちゃん」 「え?」 唯から離れる。視界の端で揺れる白いブラウス。 「なん……で?」 目線を映したドアの前に、愛しい人の姿。 混乱する私に向かって彼女が歩を進める。 「この……馬鹿律!!」 そのままの勢いで、拳骨を振り下ろした。 「痛゛っ!?」 頭を抑える私を、澪がそのまま持ち上げる。 「この、嘘吐き」 澪さん、顔が怖いです。 「ごめんなさい……」 「何が『澪の幸せが私の幸せ』だ。本当は一緒に居たいだけの癖に」 「はい……その通りです」 「本当に、私を幸せにしたいんだろ?」 「そりゃ!……勿論」 「じゃあ、兎に角今すぐ抱きしめてよ!」 バッと、両手を広げて私を待ち構える。 「澪ぉーー!」 全力で跳びかかり、力一杯抱きしめる。 そんな私を、澪はしっかり抱き返してくれる。 澪が私の頭を撫でてくれる。抱きつくといつもこうしてくれる。 澪のにおいがする。私の好きなにおい。 長い黒髪が顔に当たってくすぐったい。いつもの感触がする。 しっかりと、抱きしめあってお互いを確かめ合う。 今度こそ、二度と放さないと、願いを込めて。 これで良かったんだ。澪だってそう思ってくれている。 世間のしがらみも奇異の目も、二人で居れば関係無い。 傷つける奴が居れば、私が澪を守る。 あの先輩にだって、何が悪いと逆に問い詰めてやる。 好きな人を好きだと言えないで、何が大人だ。 ぎゅうぅ。 「あの~澪しゃん?」 何かどんどん抱きしめる力が強くなってるんですけど。 「付き合い始めてからさ、律に嘘吐かれたのって初めてだな~」 「……そうでしたっけ」 「嘘吐きには、罰を与えないと駄目だよね?」 「さっきの拳骨は?社会人になって初でしたけど……」 「与えないと駄目だよね?」 「はい……」 あれ、また涙が出ちゃう。違う意味で。 「じゃ~あ~、どうしようかなぁ?」 小憎らしく笑う彼女は、今や死刑執行人の様で。 「……軽めでお願いします」 まぁ、悪いのは私だし?どんな罰でも相応と思えば。 「許すまで放さない」 「え?」 「例え遠くに離れることが有っても、律の嘘を私が許すまで放してやらない」 さっきと違う、さわやかな笑顔で彼女は続ける。 「勿論、一生許す気は無いけどね」 そういって軽く口づけをする。 「あ、私を幸せにするまで、の方が良かったかな?」 「どっちでも一緒だよ。もう許したって幸せになったって放してやるもんか」 抱きしめる手に力を込める。そうだ。もう放したりするもんか。 「そうそう、それで良いんだよりっちゃん」 声に振り向くと拍手する唯。 そういえば人ん家で何やってんだ私達は。 「ココ、唯ん家だったな。忘れてた」 「いや~、良いもの見せてもらいました」 わざとらしく涙を拭う唯。 紅茶片手に良い御身分で。 「あ……あ……」 私を抱きしめたまま、澪が固まっている。 りんごかと思うほど顔赤くしちゃって、まぁ今の流れを見られたとあっちゃなぁ。 口パクパクして、可愛いなぁもう。 「じゃあこのままりっちゃん澪ちゃん仲直りパーティだね!あずにゃんムギちゃん、久々にHTT全員集合だよ!」 パンパン!と手を打つ唯。 「はぁ、何言って」 バターン! 「話は聞かせてもらったわ!りっちゃん!」 「ちょっと!折角隠れてたのに何でバラすんですか唯先輩!」 開いた口が塞がらない。 そのクローゼットは今すぐ閉じてほしいけども。 今の一部始終全部HTTで共有かよ。恥ずかしいなぁオイ。 取り敢えずムギ、その手に有るカメラは後で没収だ。 「あちゃ~。澪……あれ?」 あ、澪ったら立ったまま気絶してる。 そりゃ限界も突破するよな……。 * * * 「皆心配してくれてたんだよな」 「そうだよりっちゃん。あずにゃんなんか今日だってずっと泣いてたんだから」 そのままの流れでパーティが始まり、どんちゃん騒ぎ。 澪も目を覚ました後、皆に礼を言いながらドリンクを一気した。 色々有って喉が渇いてたからって、チューハイ一気は無茶だったんだろう。 そのまままた倒れちゃって今は私の膝の上で眠っている。 一段落ついて、唯から今日の話の流れを聞いた。 ムギと梓から今日の私たちの話を相談されていた唯は、今日の朝の時点で私達二人共にメールしてたらしい。 私の本心を引き出し、澪に聞かせて仲直りさせようと画策し、私達は見事に乗ってしまった訳だ。 何がびっくりって、発案から何から全部唯が主導って事だな。 「ありがとな、唯。凄いよお前」 ホント感謝してる。まだまだ子供かと思ってたけど、私より断然大人じゃないか。 後の二人はそこで丸まって寝てる事だし、後で改めて礼を言わないとな。 「どういたしまして。愛するりっちゃん隊長の為ですから」 「そうかそうか、素晴らしい隊長愛だぞ唯隊員。まぁ私は澪のモノだけどな」 「妬けますなぁ」 唯のニヤケ顔でこちらを見る。酔ってるからかやけに顔が赤い。 「ほら見てみろ唯。お前の愛しのあずにゃんが無防備な格好で誘ってるぞ」 恥ずかしさに負けた田井中律は中野梓を生贄に捧げた!……スマン、梓。 「ホントだ。……あ~ずにゃ~ん!」 「んにゃ!?ちょっ、止めてください唯先輩!」 「良いではないか良いではないか~」 さて、私も少し寝ようかな。 ふと膝に目をやると、澪がこちらを見つめていた。 「あぁ、澪起きてた?」 「うん」 寝ぼけ眼なまま澪が起き上がる。 顔がほんのり赤いのはまだ酔いが抜けてないからだろう。 「大丈夫か?」 「ちょっと、頭痛い」 「ベランダ出るか?」 「うん、外の風浴びる」 肩を抱いてベランダに出る。 一度戻ってジュースとタオルケットを取ってベランダへ。 視界の端で梓が半裸になってる様に見えたけど、きっと酔いの所為だろう。 「律せんぱ、たすけ「あ~ずにゃぁあ~ん」ひゃん!」 グッドラック、あずにゃん。 ムギがしっかり撮ってくれてるから安心しろ。 「ムギ先輩も何でカメラを「あ~ぁずにゃぇあ~ん」にゃぁあ!」 ベランダに出て、ジュースを開けて、一つ澪に手渡す。 「ありがと。何か梓の声がしたけど」 「気にするな。問題無い」 「何だよそれ」 目線をジュースに落とした澪が、思いついた様にこっちを見なおした。 「そうだ、乾杯しようか」 「え、もう口つけちゃったよ」 「良いよ良いよ。乾杯しよう」 缶をこっちに向ける澪。 「何に?」 「律に任せる」 やけにニヤニヤしてると思ったらそういう事か。 そうだな。乾杯する事なんか一つしか思いつかないよ。 「じゃあ、二人で幸せになれますように?」 今度は私が、決意の言葉を。 「それはいいな」 まずは、どうしようか? 両親に報告、は流石に早いな。笑われるか、怒られるか、呆れられるか。 聡辺りには笑われそうだな。 「だろ?それじゃ……」 まぁ、澪と二人なら、もう何が有ったって一緒に歩いて行けるよな? 「「乾杯」」 END 戻る あとがき ご覧頂いた方、ありがとうございます。 歌を聴いた最初の感想が「これって、律澪じゃね?」と思ったので、そのまま書いてみました。 でも良く聴くと、本当は浮気してるとかの歌なんですけどね。その辺りは救い様が無くなってしまうので割愛。 本当は歌の通りバッドエンド、で終わる予定だったんですがそのままグッドエンドまで書き切ってしまっていました。 やっぱり哀しい話は辛いですから。 雑談スレでも話に上がってましたが、律澪のテンプレな流れですよね。 律は澪の事好きだけど、澪の事を第一に考えてる。だから必要で有れば突き放す。 澪は律の事好きだけど、一緒にいる事を第一に考えてる。だから突き放さない。 そんな感じに見える人が多いということでしょうか。 後唯が大人で冷静っていうのもシリアスでは良く見る気がします。 でもまぁ、何番煎じだとしても、書いちゃ駄目な理由にはなりませんよね。 と勝手に思い込んで書ききらせていただきました。