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【検索用 こむ 登録タグ 作こ 作こま 作り手】 + 目次 目次 特徴 ミリオン達成状況 リンク 曲 CD 動画(ゴム) 動画(HoneyWorks) コメント 【ニコニコ動画】ボカロオリジナル 特徴 作り手名:『ゴム』 おっくせんまん!に代表されるニコニコで有名な歌い手の一人。 がくっぽいどの「Good-Morning!」でボカロPとしてもデビューを果たす。 フェルナンドPとして、チョリスPと一緒にサークルHoneyWorksで活動している。 「スキキライ」がボカロ曲において自身初のミリオンを達成した。(HoneyWorks名義のボカロ曲では2曲目) ミリオン達成状況 HoneyWorks全体の達成状況に関しては、サークルの"HoneyWorks"ページでまとめる。このページでは当該アカウントから投稿された曲についてカウントする。 現在、以下の5曲が達成している。 曲名 100万再生 備考 スキキライ 2015年6月27日 イノコリ先生 2017年1月23日 v flowerオリジナル曲では史上初 竹取オーバーナイトセンセーション 2018年5月27日 金曜日のおはよう-another story- 2018年6月27日 ラズベリー*モンスター 2020年7月20日 38人目となる5曲ミリオン持ちP リンク Twitter ニコニコ動画@歌い手まとめwiki:「ゴム」 曲 Good-Morning! MUGIC イジワルな出会い イノコリ先生 今好きになる。 今好きになる。-triangle story- 今ちょっとだけ話題の神様 選んでくれてありがとう。 贈り歌 女の子は強い 可愛いねって言われちゃった カンナギ 君ガ空コソカナシケレ キミがまた歌いたくなる頃に。 キララ 金曜日のおはよう 金曜日のおはよう-another story- 決戦スピリット 月曜日の憂鬱 恋文/HoneyWorks 告白予行練習-another story- 告白ライバル宣言 ごめんなんか聞きたくなかった これ青春アンダースタンド 桜と僕とあの子にhshsな気持ち さよなら両片想 幸せ。 弱者の宣言 スキキライ/HoneyWorks 好きだった人に似てる後輩 第一次ジブン戦争 第三次プリン戦争 竹取オーバーナイトセンセーション テレカクシ思春期 東京サマーセッション 泣キ虫カレシ なでなで/HoneyWorks 生意気ハニー 生意気ハニー-another story- ハジマリノサヨナラ パジャマっ子☆ 初恋の絵本 ハンコウ予告 ハートの主張 病名恋ワズライ ヒロイン育成計画 不完全花 冒険のVLOG ホーリーフラッグ 魔法旋律 ママ/HoneyWorks 迷えるヒツジ ヤキモチの答え-another story- 吉田、家出するってよ ラズベリー*モンスター ロクベル ロマンちっくブレイカー ロリババアに恋をした 別れ 私、アイドル宣言 私が恋を知る日 CD debut EXIT TUNES PRESENTS Kagaminext feat. 鏡音リン、鏡音レン EXIT TUNES PRESENTS 煌百花繚乱舞踏会 feat.神威がくぽ from がくっぽいど (Vocaloid) EXIT TUNES PRESENTS Vocalodream feat. 初音ミク GUMI誕 -4th Anniversary- JAMPOT TamStar Records presents ALL VOCALOID ATTACK #1 V love 25 -Fortune- VOCALOID from ニコニコ動画 ボカロ特急 SUPER EXPRESS COMPILATION 03 VOCAROCK collection loves IA ずっと前から好きでした。 初恋ノート 初音ミク -Project DIVA- X Complete Collection 初音ミク Project mirai こんぷり~と 初音ミク Thank you 1826 Days 初音ミク「マジカルミライ 2015」OFFICIAL ALBUM 初音ミク「マジカルミライ 2016」OFFICIAL ALBUM 未来コココンピィ 妖艶和奏絵巻 feat. 初音ミク 六弦アストロジー 動画(ゴム) 動画(HoneyWorks) コメント 良い歌なのにPVで台無しになってるwwww -- 名無しさん (2009-08-07 11 24 05) これはひどい・・・動画が -- 名無しさん (2009-08-09 01 38 57) ゴwwwwムwwww -- 名無しさん (2009-08-16 03 51 24) な・・・なんでPVがないんだぁ・・・orz -- 名無しさん (2010-02-09 08 54 27) 普通にいいとおもう。曲 は -- 名無しさん (2011-01-27 21 15 59) 歌い手で一番好きwwwwゴムらの最高ww -- りるぅ (2011-03-15 11 09 43) JAMPOTの曲うpしてほしいな -- 名無しさん (2011-08-16 23 07 33) ゴムって歌い手のゴムと同一人物だったのかwwすげぇwww -- リンちゃん (2012-02-04 15 30 52) ゴムさんだぁー!!(*´∇`*) -- 実夏那 (2012-05-21 17 26 08) この人の曲全部大好き♥ -- 雪 (2012-11-14 09 40 36) ゴおぉぉぉムうううぅぅ! -- hokke (2012-12-01 15 22 36) あれ?竹取オーバーナイトが追加されてない・・? -- 黒葉 (2013-09-24 14 19 49) ニコニコ初期の高音歌い手のゴムと、スキキライを作ったゴムPって同一人物だったのか! -- 名無しさん (2013-10-10 14 20 19) ん、竹取オーバーナイトがない?あれ……? -- G (2014-12-10 21 44 35) 「ヤキモチの答え」「今好きになる。」めっちゃ可愛いです♥聞いていて惚れ惚れします -- 良太 (2014-12-20 21 50 32) おっくせんまん!ってハニワ好きな人どれだけ知ってるのかな.. -- 名無しさん (2015-12-25 17 28 52) 名前 コメント
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【検索用 あかいらいわすらい 登録タグ 2020年 IA VOCALOID あ アルセチカ 夏山よつぎ 曲 曲あ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:夏山よつぎ 作曲:夏山よつぎ 編曲:夏山よつぎ イラスト:アルセチカ 唄:IA ROCKS 曲紹介 初音ミク?強いよね。Aメロ、Bメロ、サビ、隙がないと思うよ。だけど……IAも負けないよ。え〜、めろでっ、メロディーが躍動するIAの歌声を、皆さんに届けたいね。 曲名:『アカイライワズライ』 歌詞 (動画説明欄より転載) 其れは即ち子山羊少女の懊悩 愛の糸を結って 視れば忽ち狼少女の本能 Lieの色を塗って 嘘か真実か誰が為か 本書冒頭のシャーデンフロイデ ならば御訊かせ願おうか 群盲象の評論に就て ダイヴァーシティの仮面を被った 烏合の衆は[思考停止] 赫いLieばっか呑み込んで 盲目な信者が莫迦をみる 痛い痛い 一寸患って 慳貪なアンタの飯に做る 色は匂へど散りぬるを I know 愛の無い蒙昧少女 白痴の儘に将来像 あゝ莫迦莫迦しい 墓場が視えるわ もう満身創痍 処女のこゝろは 帯に短し襷に長し 御多分に漏れず落第者 赫いLieばっか呑み込んで 盲目な信者が莫迦をみる 痛い痛い 一寸患って 慳貪なアンタの飯に做る 傀儡だって疑って 偉さふな聖者は何を視る? 倖追って分け入って 御山の彼方の犹遠く 赫いLie… あゝ痛い痛い… 赫いLieばっか呑み込んで 盲目な信者が莫迦をみる 痛い痛い 一寸患って 慳貪なアンタの飯に做るくらいは もう構わないわ 不信感なんて必要無いわ そうだわ、化かし合いなら左様なら コメント 名前 コメント
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いつからだろう、彼を好きになったのは たぶん五年生のときには、もう好きだったように思う どうして好きになったかは憶えていない 今まで人を好きになるとき、そこには必ずドラマチックなきっかけがあるものだと思っていた 廊下でぶつかって人格が入れ替わったり、毒リンゴを食べて眠っているところにキスされたり、あるいは幼なじみであったり ある種運命的、強制的なまでの力強い結び付きがあるのだと思っていた でもいざ人を好きになってみると、そんなドラマチックなものは何もなかった 彼の優しさに触れて、彼の笑顔を見て、彼の明るい声を聞いて 月の満ち欠けのようにゆっくり、そして当たり前のように惹かれていった 「おいチカ、人の髪引っ張るなよ」 「変なこと言うからでしょー。ツンツン頭のくせに」 前方でリョウタとチカがじゃれ合っている またリョウタが余計なことを言って、チカを怒らせているようだ 最高学年になったというのに、相変わらず二人は無邪気だ 言葉だけを聞くとケンカしているようにも見えるが、そうでないことははっきりと分かる 二人の表情、あるいはその距離には親近感が見て取れる カズミとリョウタが知り合うずっと前から、果てしなく積み上げて、縮めてきた距離だ さっきまで怒っていたはずのチカの顔に、いたずらっぽい笑みが浮かんでいる 私にはあんな表情は出来ないな、とカズミは思う 表情だけではない チカは自分にないものをたくさんもっている 綺麗な長い髪、たくさんの友人、屈託のない性格とそれに反する女性らしさ 一方私がチカに勝っている部分は、と思い巡らしてみるけれど、うんざりするくらい浮かばない ふとリョウタの方に目をやると、彼もまたチカと同じように笑っていた 彼は私にあんな笑顔を見せたことがあるだろうか 少し胸が痛む 悲しみとも悔しさともつかない不思議な感情が、まるで潮のようにこみ上げる 咄嗟に俯いて、二人から視線を外した 視界にはひたすら無機質なアスファルトだけが映った 目をつぶり、胸いっぱいに空気を吸い込む むせかえるほど涼やかな秋の匂いが胸に広がった その秋風が清涼剤となって、波立った感情を落ち着かせてくれる 頬に手を触れ、いつもの無表情に戻っているか確認する 大丈夫だ 感情を顔に出さない自信はある チカにもユウキにも悟られないだろう ましてただでさえ鈍感なリョウタなら、絶対に気付かない 本当にそれでいいのだろうか、とときどき思う もし何の遠慮も躊躇いもなく自分の想いを伝えられたら、と その度に自分の考えのバカさ加減に呆れ、一瞬でもそう考えずにはいられないことを恨めしく思った カズミはすぐ足元に石ころのあるのを認めた 小さく、ひどく不細工な石ころだった 人に蹴飛ばされ、車に撥ね飛ばされ、雨風に曝されて、そうして出来た歪な形だった カズミはそれを蹴飛ばした 石ころは不細工に転がった後、すぐ脇に逸れて、ガードレール下の草陰へと消えた 次へ→ 名前 コメント 8.1-503氏 8.1スレ目 コイワズライ 保管庫
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やまこ【登録タグ PV師 作や 作り手 絵師】 【ニコニコ動画】 特徴 ゴム(フェルナンドP)氏と 使徒(チョリスP)氏を中心とするサークルHoneyWorksの一員。 イラスト提供や手書きPV、 √Effect氏 とのユニット「レンリツ方程式」で動画を作ったりしている。 リンク 作者HP Pixiv Twitter 曲 GOOD BYE Story/綾野薫 TIME LINE 暁月夜-アカツキヅクヨ- アダチとイデ イジワルな出会い イノコリ先生 今好きになる。 今好きになる。-triangle story- 今ちょっとだけ話題の神様 ウルフ 推し★ごと 乙女どもよ。 からくりピエロ 可愛いねって言われちゃった 君ガ空コソカナシケレ 今日もサクラ舞う暁に 金曜日のおはよう 金曜日のおはよう-another story- 決戦スピリット 恋色に咲け 告白予行練習 告白予行練習-another story- 告白ライバル宣言 言葉のいらない約束 これ青春アンダースタンド 幸せ。 スキキライ/HoneyWorks 世界は恋に落ちている その刹那一秒 第一次ジブン戦争 大嫌いなはずだった。 第三次プリン戦争 ツインズ ツノルキモチ テレカクシ思春期 東京サマーセッション 泣キ虫カレシ なでなで/HoneyWorks 生意気ハニー 生意気ハニー-another story- 日曜日の秘密 ノスタルジックレインフォール ノンファンタジー ハジマリノサヨナラ パジャマっ子☆ 初恋の絵本 ハートの主張 ヒカリ証明論 必要不可欠 病名恋ワズライ ヒロイン育成計画 フィアンセ プロポーズ/HoneyWorks 冒険のVLOG 僕が名前を呼ぶ日 魔法旋律 ミスター・ダーリン 醜い生き物 ムフフフ大作戦 ヤキモチの答え ヤキモチの答え-another story- やっぱ最強! 夢ファンファーレ リペイント ロマンちっくブレイカー ロメオ ロリババアに恋をした 私が恋を知る日 CD debut JAMPOT LOVE/s×cCD V love 25 ~cantabile~ ずっと前から好きでした。 初恋ノート 六弦アストロジー 動画 PV・描いてみた コラボ コメント おおおお!ヤマコさんきたーーー!!絵柄めっちゃ大好きです^^特にからくりピエロとか -- 名無し (2012-04-23 20 41 47) 作成乙です! ヤマコさん好きすぎる -- yuki* (2012-05-04 11 34 54) きゃっほう!ヤマコさん好きだぁー! -- yuo (2012-06-10 10 56 03) トリノコのPVはセンスの塊 -- 名無しさん (2012-10-11 20 54 22) え・・・ヤマコさんもHoneyWorksの人だったのか!なんか衝撃w -- 名無しさん (2012-10-30 23 51 37) カンタービレのジャケット大好きです -- 名無しさん (2012-12-05 07 39 48) 告白予行練習もヤマコさんがPV書いてるよね? -- 瑠璃覇 (2013-03-10 22 15 53) チョーイケレン、リンチョー可愛い!!いつも真似して描いてます! -- ゆうたん (2013-03-23 17 41 15) ついったー毎日見てます!イラスト素晴らしいです!! -- 名無しさん (2013-04-04 16 09 55) リンレンと進撃サイコーだー!! -- 名無しさん (2013-05-11 13 12 43) スキキライと告白予行練習と今ちょっとだけ話題の神様にしろくまとパンダが出てきてるから「やっぱそうか´∀`*」とか思ったww -- ゆいぃぃぃぃぃぃぃぃ (2013-06-14 17 23 49) 絵がかわいすぎるうううううううううううううううう← -- ゆいぃぃぃぃぃぃぃぃ (2013-06-14 17 24 33) レンきゅんとエレンと兵長がうますぎて怖いww -- 名無しさん (2013-07-10 16 14 41) ヤマコさんすきー!! -- 萌 (2013-08-24 15 10 46) ほんとにヤマコさんの絵好きです!!女の子は可愛いし男の子はかっこいいしすごいなーって感動しながら毎回見させてもらってます(笑) テシカクシ思春期のPV好きです(´ω\*) -- ユノ (2013-12-15 23 40 50) みおうちゃんがかわいすぎて辛いです -- 名無しさん (2014-02-15 22 44 36) ヤバス -- やばさわさん (2014-03-15 16 46 14) ヤマコさんのミクさん大好きです! -- 名無しさん (2014-03-26 18 01 48) ヤマコ様ぁ~(*´∀`*)絵が上手すぎるっ!!見習いたいっ!w -- たまま (2014-06-25 18 22 45) この人ミニキャラとかちびキャラは上手いし個性的で良いんだけど普通絵が目がキラキラし過ぎててちょっと不自然かなぁ…… -- 黒鯛焼き (2014-06-25 22 49 36) あの絵がとーーーーってもかわいくて大好きです!! -- アニオタ(ω) (2014-07-15 18 37 38) からくりピエロ素敵でした!イラストが綺麗で素敵で…… -- レベッカ (2014-08-08 13 09 40) や↓まこさん? や↑まこさん? -- 名無しさん (2014-08-09 13 53 58) ヤマコさん大好きです♥♥♥honeyworksの新曲『金曜日のおはよう another story』聴きました(*´ω`*)成海聖奈ちゃん まぢ可愛いですね(*'▽')もぅ10回以上聴いちゃいましたwww -- 春菊 (2014-09-28 14 23 27) ヤマコさんスゴすぎる! ヤマコ様ぁぁぁ!! -- chiha (2014-10-06 15 30 19) イノコリ先生でヤマコさんがやったのって回想シーンですか?? -- レッド (2014-10-12 22 46 14) ヤマコさんの絵がとても好きです! 美男美女が描けてうらやましいです~! -- 名無しさん (2014-10-30 22 21 45) 私はずーっとヤマコさんに憧れてます。羨ましいです。 -- 長部 (2015-07-24 23 04 39) ヤマコさんの絵の笑顔が好きです!!!!((にこっ* -- cat (2015-10-15 14 20 10) ヤマコさーーーーーーんの絵大好きです!小説も買ってます -- ワンダー (2015-12-26 16 55 51) ヤマコさんの絵は超好きです! -- 王田ユキ (2016-12-25 11 15 53) 名前 コメント
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←前へ 外を歩いているだけで、不快な汗が額に浮かぶ 梅雨が明けて、じめじめした嫌らしい風が去って何日もたたないうちに、今度は強烈な太陽が頻繁に顔を見せるようになった ただでさえうんざりするのに、一人きりでとぼとぼ歩いているとなおのこと陰鬱な気持ちになった チカは立ち止まって手をかざし、容赦なく照りつける太陽を眺めた 「……暑くなってきたよね」 応える声はない 最近活発になってきた蝉の鳴き声だけが、必要以上に響いて聞こえた 隣を見やると、灰色のブロック塀だけが無遠慮にたたずんでいた チカはそれと自分との間にリョウタがいるのを想像した ときどき廊下で見かける彼は部活動に入ったことで、体にも徐々に筋肉が付き始め身長も高くなった 二人の身長差は視認出来るほどに開いていた 一方チカの体は背の伸びなくなった代わりに胸が少し大きくなって、全体的に女性らしい丸みを帯びるようになった その成長が確実な時の流れを感じさせた 時は季節を変えるように、いろいろなものを変化させてしまった チカとリョウタの関係を変え、リョウタとカズミの関係を変え、チカとカズミの関係を変えた 小学生の頃、いつも自分の隣を歩いていたリョウタはもう失われてしまった 彼は私の隣ではなく、カズミの隣を歩くことを選択した それは仕方のないことだ カズミがリョウタに好意を向けていることをはっきり感じていながら、私はいつまでもぐずぐずと躊躇って、想いを伝えなかったではないか だからそうなることをはある意味必然だったのだ そうやって自分自身に言い聞かせて表面上では納得していながら、心の深奥ではやはり素直に認めることが出来ずにいた 『リョウタとカズミが付き合っているらしい』とユウキから聞いたのはちょうど一月前のことだった ユウキの顔には「本当にいいの?」という心配そうな表情が浮かんでいた チカは笑顔の下に狼狽を隠して、意識的に気にしていない風に取り繕った そこで狼狽えるのはあまりにも惨めな気がしたし、心のどこかでまだその話を信じられない自分がいた カズミが告白した、というのなら分かる しかしリョウタの方から告白したというのはチカには信じがたく、また信じたくもなかった けれどリョウタがそれを認めたとき、自身の心の冷たくなるのをチカは感じた 心だけではない 頬も指先も、思考まで冷たく凍りついた 「カズミちゃんのこと好きだったんだ」 ようやく絞り出したその声は、まるで自分のものではないようにひどく強張って耳に届いた 「あぁ、好きだよ」 リョウタの声は対照的に小さいながらもしっかりしたものだった 以前の、チカの知る彼とは大きく違っているように見えた 男らしくなった、あるいは大人っぽくなった 深い悲しみを感じながらも、そんな彼の真率さに惹かれずにはいられなかった そうしてリョウタとカズミの交際を知らされてから、しばらくチカはそのことばかり考えていた 授業中も部活の間も家に帰ってからも、それは不吉な予言のように頭から離れなかった ひどいときには想像の中で二人を別れさせたり、またその実際的な方法を考えたりもした その妄想はすぐ止んで、後には猛烈な自己嫌悪がチカを苦しめることになった それでも二週間ほどたつ頃には、神経質になっていた精神もいくらか落ち着いて、普段リョウタたちのことを考えることも少なくなった リョウタやカズミと別のクラスになったことは当時は残念に思ったが、今となっては逆に幸いだった 平常はそうして落ち着いて生活することが出来たが、廊下でリョウタやカズミを見かけると、また心が波立った だんだんリョウタともカズミとも、チカは接することに消極的になっていった また実際話すときも、どこか固くぎこちなくなってしまった たぶん向こうもそれを感じていたのだろう カズミは廊下で出くわしても声をかけてこなくなったが、チカにとってもその方が精神的に楽だった 一方リョウタは以前と変わらずチカに接してきた 彼にとってチカはまだ大切な幼なじみで、カズミと付き合っていてもそれは不変の関係だった チカもそのことを理解してはいたけれど、今の彼女にとって彼の笑顔や声はひたすらつらいだけだった いっそもうリョウタとの思い出まで、全て断ち切ってしまいたくなった そんな不安定な気持ちのまま一学期が過ぎ、夏休みに入った これでリョウタと顔を会わせることもなくなる、と考えるといくらか気分が軽くなったが、同時に思い悩む時間も多くなるのかと不安にもなった チカは再び歩き出した 夏がまだこれから暑さを増すという宣言のように、太陽は相変わらずしつこいまでに照り輝いていた まさに恋病いだの -- 名無しさん (2011-05-31 06 16 57) 名前 コメント 8.1-503氏 8.1スレ目 コイワズライ 保管庫
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歌名五十音順 は 春が過ぎても~恋桜~ 廃病院より愛を込めて 灰色羊が踊る境界 灰色メイズ 灰かぶり娘 廃棄-アーティフィシャル 拝啓 お姉様 背景、夏に溺れる 背景を断つ 廃日 排他退廃的人生論 廃都アトリエスタにて 背徳の記憶〜The Lost Memory〜 背徳の花 敗北の少年 灰雪 破壊と創造の空双庭園 鋼ノ女王、檻ノ姫 萩原真由里の同性愛事情 白雨の蝉 白銀のアエリア 白癡の愛 白昼、黒く透明 白昼夢とマリア 白熱灯と歪曲線 拍ノ音_奏デ 歯車さん 箱庭の少女 走れ 恥ずかs××× 裸だったら何が悪い 裸の月光 発狂ロストバージン 白鍵と黒鍵 果てなき蒼穹、果てる世界 果ての森のMemoria 花一匁 花一匁/紅椿 ~華一輪~ 花渦 花占い 華傘 花曇(はなぐもり) 花言葉 花咲く海の底 花咲く花散る 花と風と雨と 花と生活 花と虫 花のかをり 花の刻印 華火 花降らし 花ぶらんこ 花待歌 花見る人 花結び 花雪 花を 羽 羽根はないけど私は飛べる 阻碍-ディセンブロイル 破滅の予感とエクスタシー 波紋 疾風 針と嘘 春あああ 春色レトロ 遥か彼方へ 春風 春風と悪魔 春風モーフィング 遙か夢 春雨 春に雨恋 春に一番近い街 春に死ぬ 春のかけら 春のサカナ 春日通り 春待ち蝶 晴れのち桜 晴れ晴れノート 梅花話譚 馬鹿 馬鹿はアノマリーに憧れる 罰ゲーム 抜錨 薔薇少女物語 薔薇とリボルバー 薔薇を抱いて 番傘 絆創膏 非実在少年は眠らない *ハロー、プラネット。 春のパズル 春の雫 灰になった十二月 発熱エモーション 白日 ひ 飛燕 日陰者町ノイズ 光射す場所 ヒカリザクラ 光と影の楽園 光と影の竜 光の詩 ヒカリノカケラ 光の消えた朝 ヒカリノユクエ 光舞う冬の日に 被害妄想携帯女子(笑) 東ノ暁 西ノ黄昏 東の魔女 東の魔女が舞う夜に 彼岸花 彼岸花の枯れる頃に 彼岸花の路 卑怯戦隊うろたんだー! 弾けないギターを片手に。 非公開日誌 飛行機雲 飛行訓練 飛行少女 飛翔 非実在青少年健全育成法 非常ベルが鳴り止まない ヒステリ ヒス・ノイズ 否世界ハーモナイゼ ヒダマリ 陽だまりの子 柩 必読!27通りのもふもふ術! ヒトゲノム ヒトツオボエ 一握りの空っぽ 人の命は平等じゃない ヒト(リ)ゴト 独りの君と一人の僕に 一人ぼっちで二人きり 独りんぼエンヴィー 雛逃げ ヒネクレタシンプル ヒバナ ヒビカセ 日々の名残 皮膚の下にある嘘の無いもの 暇は人を殺せるか ヒマワリ 向月葵 向日葵の村へ 秘密 秘蜜〜黒の誓い〜 秘密基地 秘密警察 秘密男女の関係 秘密のカケラ ヒミツノジュモン 秘密の七つ道具 秘密のパプリカ 秘密の放課後 秘密遊戯 ヒャクニチソウ 百年先もずっと 百年の恋 百年夜行 百花繚乱 百歌繚乱 ヒヤシンス ヒヤリハット ヒューマン☆リレーションズ 氷結のディスコ 氷晶 標本少女 表裏一体 飛雷震 ヒルガオ 悲恋悲歌-ヒレンヒカ- 広いメロディ、狭いハーモニー ビアンカ 鼻炎狂騒歌 美少年で冥界系でドS ビター・チョコレート ビバハピ ビューティフルドリーマー ビューティフルなフィクション 病名恋ワズライ ビースト・ダンス ピアノ×フォルテ×スキャンダル ピエロ ピエロ/KEI ピエロプレイ ピグマリオン ピリオド/psycho ピンクムーン ピーターパン・シンドローム 二つの物語 瞳映 翡翠のまち ふ 不安定彼女 不安眠症 孵化 不可侵の月が昇る 噴き上がるユメの碧 不機嫌レディ 腐朽の都 福寿草 不屈力!! 不思議な国と、アリス。 不思議な幸せ 不思議の国のアリス 不思議のコハナサイチ 不死鳥と龍 不終夜 筆おろし 舟の上で読んだ本 普遍と夢幻 踏切でキルミー 踏み出す一歩 不毛! 蜉蝣舞踏-Blue Rain Dance- 浮遊夢 冬ノオワリニ 冬のサクラ 冬のさくら。 冬の星座 冬の虫 芙蓉 フライトタイム フラジール フラッシュバックサウンド フラッパーレディ 不良品 フリージア フリージアの記憶 古椅子綺譚 フルスイング フルチカゾン フルチン☆ブギ フルボリューム フルムーン・チャイルド フレイムハート 不老不死少女と星のかけら フロッグダンス フロート・イン・ディスコ ブサメンドキュメンタリー 武思道 ~It is the way of the SAMURAI~ 武士道ロマンティカ 舞台 ブックストア 物理屋のサヨナラ ブラウニーブラウニー ブラウン ブラウン/かにみそP ブラックエンドターミナル ブラックゴールド ブラックサマー・ラストウィンク ブラックホールヶ丘商店街 ブラックミラー ブラッディ・メアリ ブリキノダンス 錻のツバメ ブリキロケット ブリリアント◇ダイアモンド ブルータワー ブルードロップ ブルーバレンタイン ブルームーン ブレイク ブレイバライズ ブレインズガイスト ブレス -Breath- ブレス・ユア・ブレス 文化哀史 文学少女インセイン 文法少女Φリリカ プライド プラシーボ プラスティックとレイン プラスチック人間の埋められた頭 プラスチックパレード プラスチック・ガール プラチナ プラチナロマンス プラネタルーム プラネッター~planeter~ プリズムドア プリセット プリティパンティ☆悪マリン プリティパンティ☆悪マリン ep.0 プリティふんどし☆悪マレン プリンの歌 プレイ プレシャスジャンク プロディジーの憂愁 プロトタイプ プロトディスコ プロパガンダ プラスチック へ 閉花宣言 平日ファンタジー 平日(くもり) ヘイセイカタクリズム 平成時代の妖怪事情 ヘイトフルワンダーランド ヘイムダルの角笛 平面説 ヘヴンズ・ドア ヘリオライト ヘルシーエンド 変 変人王子クロニクル 変な子ね ベイビベイビベイビ ヴェノマニア公の狂気 ベジタリアン 紅色乙女 紅色メリー ~あなたのうしろでリミックス~ 紅時雨 紅鳶捨猫録 ベノム ペイメント ペテン師が笑う頃に ペトラ ペヤングだばあ ペリコ・スペースシッパー ペルソナリティ・コンプレックス ヘウリスコーの愛し方 ヘタ恋歌 ほ 崩壊歌姫 -disruptive diva- 放課後、教室のスーサイドさん 放課後革命 放課後ストライド 咆哮≒Emotion 方向音痴 彷徨恋心 宝石と謎とプリンセス 鳳仙花 鳳仙花/春野 泡沫のコントラスト 泡沫の夢幻 蓬萊花 崩落 星織り唄 星兎、夜の国 星追フロンティア 星が弧を描くように 星屑祈願 星屑とカケラ 星屑メソッド 星屑ユートピア 星空/彩音P 星空エーテルゲイザー 星空と雪の舞踏会 星空に願いを込めて ~Good Night 星空ラビリンス 星に 星になったあなたへ 星の命 星のかけら 星のカケラ 星の君 星のとなりの空け者 〜カッパ〜 星のとなりの空け者 〜織姫〜 星のとなりの空け者 〜彦星〜 星の慟哭 星降る聖夜の忘れ雪 星降る夜 星降る夜 世界の中で 星見ヶ丘駅三番線プラットホーム 星巡りのワルツ 星を見る少女 蛍 星垂火 炎の踊り子 仄暗い昼 滅びの鍵と子守唄 本日営業中 本当に大事なのはひとつだけ 本当の自分 本屋は戦争 某〇×△□より 防衛本能 望遠鏡 傍観者No.9 忘却アリス 忘却心中 忘却と南京錠 忘却無人 忘却ロージー 冒険少女と箱庭遊戯 亡国のネメシス 亡婦魄霊の姿は凋める花の様に色無うて 僕、新生活が不安です。いや全然大丈夫っしょ!余裕っしょ!ディスコ 僕イレギュラー君 僕が人間だった時の話をしよう 僕が僕に帰れる場所 僕だけのロックスター 僕と契約して、ボカロPになってよ! 僕に罰を 君に光を ~君恋ふる歌・2~ 僕の杞憂 僕のコメで笑って 僕のサイノウ 僕の思考 僕のすべて君へのすべて 僕の世界革命 僕の名前は 僕は自分を信じていない 僕はすぐに嘘をつく 僕は灰猫 僕は初音ミクとキスをした 僕みたいな君 君みたいな僕 撲滅なのです! 僕らが思い描いた未来は 僕らの在処 僕ら幽霊船の夢の中 僕らを見ていた 僕をそんな目で見ないで 牡丹 盆暮れロックフリンジ 凡人ゲリラ ポラロイドロップ ポルカドットエイリアン ポワソン・ダヴリルについて ポンコツセカイ ポンコツテレビの大逆襲 ポンコツ天使 北極星 星の唄
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←前へ 休み時間の教室はひどくざわついている いろんな場所からいろんな人の話し声が聞こえる あまりにも会話が入り乱れて、何か意味の分からない呪文のようにも聞こえる 毎日このクラスは騒がしいのだけれど、今日は一段と騒がしい気がする いや、たぶん実際にいつもより騒がしいのだ クラスの誰もが声をはずませて上機嫌だ そんな中で自分だけがほんの少し憂鬱な気分だった たぶん昨日から始まった生理のせいだ 四ヶ月前に初潮がきて、それから月に一度必ずくるこの忌まわしい呪いのような現象 チカは比較的生理の重い方らしく初日、二日目あたりはひどい気だるさを感じ、ときどきビタミン剤を飲まないと貧血を起こすこともあった ふと窓の外を見ると、青の絵の具をたっぷりの水で溶かしたような色の空に、秋らしいくっきりとした輪郭の雲が浮かんでいた 空の青がぼんやりとしているから、雲がはっきりとしているように見えるのかしらと、とりとめもなく考える そうして頬杖をついて遠くの方を眺めていると、だんだんと現実感が薄れていくのを感じた すぐ近くでなされている会話が無意味で機械的な雑音に聞こえて、いつしか消えていった 視界がぼやけてきて、どこを見ているのか自分でもよく分からなくなってくる 体は感覚をなくして、頬杖をつく肘の先から物言わぬ机と同化してしいくような感覚をおぼえた あるいは、ぼんやりとした青空と同化してしまうような 「なーにたそがれてんのよ!」 背後からほとんどのし掛かるようにして抱き締められ、チカは急速に現実に引き戻された 肉体に感覚が戻り、机と空と自分との間に明確な境目が出来る 「ユウキちゃん、重いよー」 背中のユウキに押し潰されるように机に伏したチカは冗談めかして言った 「えー、重くないよー。チカちゃんがボケッとしてるからでしょ」 ユウキはそう言って、さらにぐいぐいと体を密着させてくる 今日はいつにも増して元気だ 「ユウキちゃん元気だね」 「だって明日はいよいよ修学旅行だし」 そうだ明日から修学旅行だ、とチカは思った もちろん忘れていたわけではないが、今のチカには『修学旅行』というイベントを切実な問題として認識することが出来なかった 遠い国の名前も知らない町で起こった災害をニュース番組で見たときのような、どこか他人事で実感の湧かない、ただの情報としてしか認識出来ていなかった それでもユウキの言葉で、ぼやけていたものが少しずつ形を成していく そして後ろの席の男子のことを考える 去年と全く同じ席に座るその男子と自分との関係について考える 友人たちに言わせると二人はもう付き合っているも同然で、どちらかが最後の一歩を踏み出せば、つまり告白さえすれば万事上手くような関係らしい それどころか、なかにはもう付き合ってるのだと勘違いしている人もいるくらいだ つまり傍目には思い悩むことなど何もないように見えるようだ しかし、当のチカは少し違う風に考えていた というよりそれは全く逆の考えだった 私と彼の関係は何の進展も見せてはいない 幼少の頃、一緒に遊び、ケンカをして、そして結婚の約束をした あの無邪気な関係から一歩たりとも先に進めてはいないのだ あるいはこの暗擔たる精神の一端はそこにあるのかもしれない なかなか寝付けない夜のようなジリジリとした焦りを、チカはここ最近ずっと感じていた 何か行動を起こしたい自分と、リョウタとこのままの関係でいたい別の自分とがはっきりと存在していた 私とリョウタとの距離はあまりにも近すぎる、とチカは感じていた 幼なじみという距離に慣れすぎていて、今から別の枠組みのなかに身を置くのは怖い、きっと無理だと 「ねぇ、あっちでみんなと喋ろうよ」 ユウキに半ば強引に手を引かれ、教室の後方でお喋りに興じている集団に近づいていく リョウタとコウジとツバサとナツミとメグミと、あとはカズミがいる 彼女の姿を認めたとき、胸がチクリと痛んだ 理由は分かっている カズミのリョウタを見る目が他の女の子とは少し違うからだ ナツミやユウキもリョウタに対して、何かしら好意に似た感情を抱いているのは分かる でもそれはあくまで、小学校という限られた空間で偶然出会って仲良くなった男友達に向けられるものであり、つまりそれがリョウタである必然性はほとんどないし それはこれから成長していくにつれ消えていく感情なのだ けれどカズミのは違うように思える 彼女のリョウタを見る目は、まるで広大な砂漠の砂を丹念に篩にかけて、そうして手にした一粒の砂金を見つめるような そんな運命的な出会いをした人を見るような目だ だからそれはたぶん、中学に行っても、高校に行っても、大人になっても 弱まるどころか逆に強まっていくような芯のある熱情なのだ 今、リョウタに一番近いところにいるのはカズミかもしれない、とチカは思う 私はすごく近いようでいて、本当は誰よりも遠いところからリョウタを呼んでいる 彼は気付いてくれるだろうか 私の声に気付いてくれるだろうか チカは無邪気に笑うリョウタを見ながら、そんなことを考えていた 次へ→ 名前 コメント 8.1-503氏 8.1スレ目 コイワズライ 保管庫
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←前へ カズミは後ろ暗い気持ちを抱きながら、人気のない旅館の廊下を歩いていた 廊下に電球はいくつも点いているのにも関わらず、なぜか薄暗く感じた その光を受けた足元の赤いカーペットまで不気味に鈍い光を放っていた なぜあんなことを言ってしまったのだろう ため息が盛んに漏れた チカがリョウタへの恋心を否定したとき、ほとんど無意識的に言ってしまった チカのあまりにきっぱりとした否定がカズミを苛立たせ、その苛立ちが彼女の意識に働きかけたように思えた 「本当に?」という私の言葉を彼女はどう受け取っただろうか、とカズミは考えた ただの冷やかし、からかいとして受けとめてくれていればいい けれどカズミの言葉を聞いたとき、チカはハッとした表情でカズミを見返していた その不安と戸惑いの混じった彼女の表情は、カズミの胸をひどく痛ませた リョウタに対する好意の気持ちを知られてしまったかもしれない、とカズミは気の重くなるのを感じた それはカズミにとってあまりにも不本意だった そういうことでチカとの関係が崩れてしまうのは、そこまではいかなくともぎくしゃくしたものになってしまうのは、とてもつらかった けれどその一方でどこかすっとしている自分がいるのも、また事実だった リョウタを好きになった頃に芽生えて、最近ひどくなる傾向にあった胸の不確実で重苦しい霧が少し晴れたような気がした 彼に会いたくなった 複雑で不安定な今の心境を安定させるためにも、リョウタに会って、なんでもいいから話をしたかった カズミは心の中で、彼が自分のもとに来てくれるのを望み願った だから廊下の向こう側からリョウタの姿が見えたとき、カズミの胸は珍しく、そして自分でも驚くほど高鳴った リョウタは彼女の姿を認めると、右手をあげて近寄ってきた 「よぉ、相原も眠れないのか?」 「うん、そんなところ」 ここでこうして出くわしたのも、何か運命的な巡り合わせのように思え、そんなことを考えてしまった自分を恥ずかしく感じた 二人は廊下の突き当たりの窓の側で立ち止まった リョウタが窓を開けると、夜風が流れ込んで少し肌寒かった 二人はそこで少し話をした 聞いたところによると男子の部屋でも、女子の部屋と同じようなことが行われていたということだった つまり好きな人を告白するというやつだ コウジと何人かの男子が発端となったようで、そのコウジは終始真剣にユウキへの想いを語ったらしい ユウキはコウジを好きで、コウジはユウキを好きで、そしてお互いにそれをはっきりと人に言うことが出来る 二人のそのさっぱりとした気質をカズミは快く感じた 「佐藤くんは何て言ったの?」 ふと彼は誰を好きだと言ったのだろうと気になった 当然自分でないことは分かっていたし、言うとすればチカ以外にはあり得ないのだが 「あぁ、俺はそういうやついないから……だからこうして部屋を出てきたってわけ」 そう言ったリョウタにカズミは一種の不快感をもった チカを好きに思っているのは明らかなのに、自身だけがそれを認めようとしない その姿が丁度さっきのチカと重なって、カズミを苛立たせた 以前はこれほど苛立つことはなかったはずなのに、とカズミは思った 苛立ちだけではない、喜怒哀楽がほとんど表情に出なかったはずだ もちろん胸中では何かしら感じたり、思ったりすることはあるが、その振れ幅は同年代の子たちと比べはるかに小さかった けれどリョウタを異性として意識するようになってから、自分の内面は変わったように思う 些細なことで嬉しく感じたり、逆に寂しくなったり、また今のように苛立つようになった それが良いことなのか悪いことなのか、カズミには分からなかった 「チカちゃんは?」とカズミは言ってから、また後悔した さっきから言わなくていいことばかり、意思とは反対に口走ってしまう 「チカはただの幼なじみだし……」 決まりが悪そうに顔を背けたリョウタを見て、ふとカズミは悲しくなった 少しも温かみのない、暗く深い海の底のような悲しみだった 心はひどく乱れて、胸に何かが込み上げてくるのを感じた カズミは泣き出してしまいたくなった 彼が困り慌てふためるくらい、わんわん大声で泣き出してやりたくなった でもそんなこと出来るはずがなかった それが出来るのはチカだけなのだ そのことがまたカズミに孤独を感じさせ、一層悲しくなった それでも俯いて、リョウタからわずかに視線を外すことで、なんとかそれを堪えた カズミは落ち着くまでそうして、何も言わずそこを立ち去った 最後まで彼の表情を見ることは出来なかった 彼の目を見たら、何かが壊れてしまう気がして、とても怖かった 彼女の目は悲しみの色に染まっていた 夜の空のように、どこまでいっても暗く深かった それを見たとき心が揺れ、息の詰まるのをリョウタははっきりと感じた それは彼にとって初めての感覚だった チカに対してさえ一度も抱いたことのない感情だった かわいらしく思ったというような優しく柔らかなものではなく、もっと強烈で衝動的な激情ともいえるものだった 目の前の少女を愛しいと感じた もちろんリョウタが自身それを明確に認識出来ていたわけではないが、とにかくそのような、ある種暴力的なまでの強い情愛は彼を戸惑わせた この場で彼女を抱き締めて、彼女の目に湛えられているその悲哀を取り除いてやりたかった それから一瞬、チカの顔がずっと昔に読んだ物語の一場面のようにぼんやりと頭に浮かんだ その想像の中でチカは泣いていた 彼女の目からは小さなガラス玉のような涙が、音もなく流れ落ちていた 彼女はそれを拭おうともせず、太陽の光を受けきらきらと輝く湖面のような美しい目で、ただ彼を見つめていた そんな幻想的な絵も、目の前の少女の可憐ないじらしさによってあっという間に浚われて消えた どうしようもなく鼓動が速くなって、カズミから目を離すことが出来なくなった 想像の中のチカより遥かに美しいと感じた それを行動として出してしまいそうになるのを、彼は足先に力を込めグッと堪えた カズミは少しの間うつむいた後、無言のまま足早に立ち去った リョウタはしばらくそこ立ち尽くし、後に残った彼女の面影を、その温もりを探し続けていた 彼が自分の恋心に気が付くまで、そう時間はかからなかった 彼がその想いを伝えたのは、中学へ上がって数ヵ月たった、六月のある蒸し暑い雨の日だった 次へ→ 名前 コメント 8.1-503氏 8.1スレ目 コイワズライ 保管庫
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←前へ 鎌倉の歴史的風土豊かな街並みも、荘厳な雰囲気の漂う古社寺や史跡も、小学生の胸を感動で満たすにはあまりにも鈍重で古くさい 彼らにとってはそれは近所の駄菓子屋と、そう変わらないのかもしれない そこには歴史的情緒も文化的価値もなく、ただ彼らの新しい遊び場として、あるいは話題の一つとしての存在でしかない それでも高徳院の大仏だけは、その新鮮味すら感じさせるほど存在感をもって、彼らに驚嘆と歓喜を与えた 特に怪獣や巨大ロボットに心惹かれる年頃の男子たちは、まるで噂でしか聞いたことのない精緻な機械を見るときのような目で眺めていた リョウタやコウジも御多分に洩れず、大仏を構成する一つひとつの部品の大きさに嘆息し、大いにはしゃいでいた 「もう、本当に男子って子供なんだから」 ガイドの解説をほとんど無視してはしゃぎ回る彼らを見て、チカはため息まじりに言った もう少し落ち着いて見れないのかしら、と思った でもこうして好きな人を離れたところから眺めているのも存外悪くない そうしていると自然に足元から何か熱いものが込み上げてきた まだ生理は続いているが、昨日よりはいくぶん体調が良い 天気も良く、秋独特の軟らかな日射しと抜けるような高く青い空が気持ちまで軽くするようだった チカはふと伺うように隣に目を向けた 今、チカはカズミと肩を並べて歩いている カズミは周囲の風景の一点を見つめて、淀みなく歩いていた あるいはその先にある何かを見ているようにも感じられた 少し後ろではユウキとメグミが何やら話をしていて、その顔には絶えず笑顔が浮かんでいた チカはさっきから、まるで鏡張りの部屋に幽閉されているような不可解な居心地の悪さを感じていた それが馴染みの薄い鎌倉の匂いのせいなのか、あるいは心にある説明し難い疚しさのせいなのか、チカには分からなかった 「あんなに喜んじゃって……リョウタって本当に単純なんだから、ね?」と隣のカズミに言った 「でも佐藤くんらしい」 「あ……まぁそうだよね」 会話はそこで途切れてしまった チカはリョウタの話題を出したことを少し後悔した 言葉として出す前は二人の共通の話題として最適だと感じられたのだが、いざ話してみると上手く会話にならなかった 自分のせいなのか、それともカズミが意識的にその話題を避けているのか、会話は中身のない断片的な言葉の羅列になってしまった 二人は黙したまま、硬い石畳の上を肩を並べて歩いていた 古ぼけた旅館に着いたチカたちは貧相な食事や厳格に時間を定められた入浴など、ほとんど雑務といってもいいような作業をこなし、夜をむかえた ほんの十畳ほどのスペースに六、七人で寝るのはいかにも手狭だが、今の彼女たちにとってはそれすらも何か楽しいことの予兆のように思えた 今、チカは布団に仰向けに寝転がりながら、暗がりにわずかに見える天井の染みをジッと眺めている そうしていると徐々に暗闇に目が慣れていくのがはっきりと分かった 染みは決して変わることのない運命のように、そこにひっそりと佇んでいた さっきまで部屋にはリョウタやコウジを含む何人かの男子たちもいて、トランプや雑談に興じていたのだが、教師が見回りを始めたことでお開きとなった 時刻は11時を回ったところだ さっきまでチカも子供だけでの宿泊に興奮気味だったのだが、消灯と同時に昼間の疲れがドッと出たようで目蓋を重く感じていた 電気が消えた瞬間に体内のスイッチまで切れてしまったような感覚だった 同室の他の子たちも同じようで、話し声はほとんど聞こえなかった 「じゃー、そろそろ修学旅行夜の部を始めますか」と誰かが言った ユウキの声だ、とすぐに分かった 彼女の声は暗闇の中でやけに大きく響いた 「ユウキちゃん、まだ寝てなかったの?」とチカはユウキの寝ているはずの方向へ問いかけた 正直もう寝たい気分ではあったが、ユウキの意気のある声を聞くと自然に眠気が飛んでいくような気もした 「当たり前でしょ!せっかくの夜なんだから楽しまなきゃ」 ユウキはみんなを円形になるように寄せた チカはそうして集まった同級生たちの顔を順繰りに見ていった メグミやナツミは眠たげに目を擦っていた カズミは相変わらずほとんど表情を変えず、ジッとユウキの方を見据えていた 「修学旅行の夜って言ったら恋バナだよね、恋バナ」と、ユウキはなぜか誇らしげに言った ナツミはポカンとしていて、メグミは困ったという顔をして、カズミは鉄板のように無表情だった チカもやはり自分が話すのは気が進まなかったが、普段聞けない話を聞けるのは少し楽しみでもあった 恋の話といっても小学生ではそれほど大層な話があるわけもなく、結局好きな人を順番に言っていくことになった まずは言い出しっぺのユウキからだった きっとコウジのことを言うだろうな、とチカは思った 実際その通りだった ユウキはある時は恥ずかしそうにもじもじしながら、ある時は真剣に、またある時は冗談めかして、コウジと自分の話をした チカはそんな彼女をかわいらしく思い、またそういう関係を築けている二人を羨ましいと感じた 出来る手助けは何でもしてあげたいという気にさえなった それと同時に自分を情けなくも思った ユウキがこうして好きな人との距離を縮めようと懸命に行動しているのに対し、自分はただ森から出てきたばかりの小動物のように怯えて動けずにいる その事実が一段とチカを苦しめた ユウキの話が終わり、ナツミの番になった ナツミは少しも考えたり、躊躇ったりする素振りもなく 「じゃあ僕はリョウタくんが好きかなー」といつもの無邪気そうな笑顔を浮かべて言った その屈託のない彼女を微笑ましい表情で見ているクラスメートたちとは対照的に、チカはいささかドキリとしていた ナツミがリョウタの名をあげることは半ば予想していたし、ナツミの「好き」はユウキのそれとは種類を異にする感情であることは分かっていたが それでもいざそうはっきり言われると驚き、もしかしたら恋愛的な感情も入っているのではないかと不安になった その後も何人かの告白が続いた ある子は切々と、ある子は上手くはぐらかしながら、自らの恋を語った それはチカにとって新鮮な体験だった 自分以外の女の子の別の一面を見れたようで楽しかった そうしてついにチカの番となった 自分の話を終え、気分的に楽になった友人たちがチカに好奇の目を向けていた 途端にそこはチカにとって居心地の悪い場所となった 散々人の話を聞いておいてズルいとは思ったが、ここでリョウタの名前を出すのは変に憚られた 第一には羞恥があったし、またカズミの存在が抜けないトゲのように気になった しばらく口ごもったり、うつむいたりした後、チカは結局「まだ好きな人はいない」と言った 周囲から不平が湧き、何人かがリョウタの名前を出して冷やかしてきた 「リョウタはただの幼なじみだし、そういう感情は全然ないよ」 チカはことさら平気を装い、冷やかしに応えた 「本当?」とカズミが言った 他の子たちの茶化すような「本当?」とは全く違い、研ぎ澄まされた刃物のような鋭さをもってチカの心を刺した まるで何かを念押しするような言い方だった チカは言葉に詰まり、今自分は重大な間違いを犯してしまったのではないか、というような気持ちになった カズミの番になったとき、カズミは「トイレに行ってくる」と言うと、暗闇の中をスルスルと出ていってしまった 当然周囲からは多少の落胆と不満の声は漏れたが、初めからカズミには期待していなかったようでその声はすぐに止んだ ユウキと何人かの女子はまだ起きて話し込んでいたが、チカはもう眠ろうと布団に入った それでもなかなか寝付くことが出来なかった カズミの言葉が不幸な暗示のように、いつまでもチカの心に染み付いて離れなかった 次へ→ 名前 コメント 8.1-503氏 8.1スレ目 コイワズライ 保管庫
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ワズラ(わずら) 概要 テンペストに登場した杖系の武器。 登場作品 + 目次 テンペスト 関連リンク関連品 ネタ 被リンクページ テンペスト 杖の一種。攻撃力+156、INT+10%。 ラウルスの店で3340ガルドで買える。 分類 杖 装備者 ルビアアーリア 物攻 156 属性 - 買値 3340 売値 1670 特殊効果 INT+10% 入手方法 店 ラウルス ▲ 関連リンク 関連品 ネタ ワズラとは、ペルシャ神話のミスラ神の武器の事。 被リンクページ + 被リンクページ 武器:わ行 武器:杖(TOT) ▲