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オンリー/ナンバー ワンを夢見た 少女/男 ◆8nn53GQqtY ――わかり易く言うならば、最後の一人になるまで殺し合いをしてほしいのだ。 とても冷たい目をしたおじさんは、ゆまたちにそう言った。 殺し合いというのは、つまり、お互いに相手を殺そうと戦うということで、魔法少女と魔女が命がけで戦っているように、あの広い場所にいた人たち全員で、命を奪いあえということで。 メガネをかけたお兄さんが、そのアカギというおじさんをやっつけようと向かっていった。 侮辱した者は殺すとかぶっそうなことを言っていたけれど、つまりあのお兄さんは、『殺し合い』を許せないと思って、おじさんを止めようとしたのだ。 けど、あのお兄さんの首には『魔女の口づけ』がつけられていた。 お兄さんは、助けて、と叫びながら燃えて死んでいった。 思い出して、ゆまの体が少しだけ震える。 キョーコと出会い、『魔法少女』のことを知ったあの日から、命がけの戦いに立ち会い、父や母を含めた人間たちの無残な『死』だって見て来た。 それでも人の『死』を見ることは嫌だし、怖いと思う。 それが他人の『死』であっても、ゆま自身の『死』であっても。 つまり、あのおじさんはわるい人だ。 人間でも魔法少女でもない(男の人だし)、魔法を使えない人に見えたけれど、人間に『魔女の口づけ(“ジュジュツシキ”とは何のことだろう)』を点けられるのだから、人間なのに魔法が使えるのか、それともわるい魔法少女の一味なのか、そのどちらかだと思う。 わるい魔法少女をやっつけるのも、魔法少女であるゆまのお仕事だ。 わるい魔法少女を探していたマミおねえちゃんなら、あのおじさんだってきっと退治しようとするだろうし、キョーコもきっと、いつものように『オトシマエ』だと言って、あのおじさんと戦おうとするだろう。 (わるいことなんて、させないんだからね) ゆまも、こんなところで死んでしまうのは嫌だ。 そして、キョーコが死んでしまうのも、同じくらいかそれ以上に恐ろしい。 それが、襲い来る『魔女』から逃げ出して、こうして生きている理由だから。 それが、ゆまが『魔法少女』として生きている理由だから。 だから、ゆまは殺し合いを止める為に、ゆまにできることをしたい。 幼いながらもしっかりと揺らがない心の強さで、小さなゆまは大きな決意を胸に抱いた。 しかし…… + + + 「むらうえ……うぅ~……下の名前はなんて読むんだろう」 ゆまはまず、参加者の確認で早くもつまづいた。 名簿の名前は漢字ばかりで、義務教育の三分の一も終えていないゆまには、半分近くの名前が読めなかったのだ。 しかし、カタカナの『マミ』という名前があるのは見つけた。 マミ、というのは、以前キョーコと公園で話していた魔法少女のおねえさんだろう。 キョーコのことを『怪しい』という目で見ていたからゆまも仕返しにスカートをめくってやったりしたけれど、二人はそんなに仲が悪くなさそうだった。 あのおねえさんも魔法少女なら、きっと味方になってくれるだろう。 それに、ゆまとマミおねえちゃんの二人の魔法少女が呼ばれているなら、きっとキョーコだって一緒に呼ばれていると思う。 あの暗い場所に飛ばされるまで、一緒にホテルのお布団でおやすみしていたのだ。 きっとキョーコも連れて来られているはずだ。 キョーコがいるとなれば、がぜんゆまの心は強くなった。 早くキョーコと会いたい。 会ってキョーコを助けたい。キョーコの役に立ちたい。 ゆまは一人だと何もできない役立たずじゃないけれど、でも、一人でいるのはさびしい。 だから、まずはキョーコを探そう。 ゆまはそう決めたものの、しかし行くあてがあるわけではなかった。 魔法少女同士は離れた場所にいても頭の中でお話ができるのだけれど(もっとも、ゆまはいつもキョーコと一緒にいたからほとんど使ったことはない)この場所に来てからその力が使えなくなっている。 これには魔法少女のゆまも、とほうにくれた。 とほうにくれたと言えば、ゆまの隣に置いてある『これ』もそうだ。 ゆまの飛ばされた場所に初めから落ちていた。 だからゆまが使っていいものだと思うけれど、しかしゆまには『これ』を使うことができない。 しょぼんとうなだれると『ぐぅ~』とお腹が鳴った。 ゆまは顔を上げた。 ゆまの立っている大通りから建物二つほど離れた先に、夜中にも明るいコンビニエンスストアの看板が見えた。 万引き――もとい食料自給でよくお世話になる場所になじみを覚えて、ゆまはそそくさと歩みを進め、自動ドアをくぐり、明るい店内に足を踏み入れる。 お店の中に人はいなかった。 好奇心が高じて、レジの裏から『関係者以外立ち入り禁止』の場所まで探索したけれど、本当に誰もいなかった。 いいことを思いついた。 さっきディパックを開けたところ、食べ物は給食に出て来るようなパンばかりだった。 別にパンは嫌いじゃないけれど、食生活に不自由していないゆまには、ちょっと飽きのくるメニューだ。 もちろんキョーコに教わったように、その食べ物を粗末にするつもりはなかったけれど、それ以外のオカズやお菓子があればとても嬉しい。 いつもハンバーガーや菓子パンを食べているキョーコだって、きっと味気ない想いをしているはずだ。 そしてここは万引きをせよと言わんばかりにたくさんの食べ物があり、にも関わらず店員は誰もいないのだ。 キョーコを探す前に、やることができた。 レジの裏からコンビニのレジ袋の中を持ちだすと、ゆまは目についた食料――特にキョーコの好きそうなジャンクフードやお菓子――を詰め込んで行く。 わるいひとを許さないことと、泥棒をすること。 この二つは、ゆまの中で何の矛盾もない行動だった。 (お菓子を持って行けば、きっと杏子も喜んでくれるよね……!) 板チョコを棚から何枚もつかみだして袋に入れながら、ゆまは杏子との再会を思って『にぱー』と笑った。 + + + メロは注意深く付近を観察しながら、深夜の大通りを闊歩していた。 何の前触れもなくあの広間に召喚され、まず、彼の心に生まれたのは激しい怒り。 メロという人間の全てを費やした“四年間”の決着を、妨害された怒り。 あと二日で、全てに決着がつくはずだった。最後の戦いが行われるはずだった。 ニアは、己の命と世界の命運を賭けて、夜神月の前に姿を現そうとしていた。 夜神月もまた、己の命と世界を支配する権利を賭けて、一対一でニアとの対決に臨もうとしていた。 そしてメロは、この二人の決闘を知り、双方の策略を推察し、覚悟を決め、命を賭けて『ある状況』を作る為の『誘拐』を実行していたところだった。 そう、あともう少しで、二代目Lことキラと、ニアとメロ、この三者の対決に、全ての決着をつけられるところだった。 三人の宿敵が、それぞれの人生とプライドを賭けたひとつの決闘劇を、いとも簡単に不条理に邪魔された。 その怒りは、激しやすいメロでさえ人生でそう何度も味わったことがないほどの、苦々しいものだった。 怒りで唇をかみしめて食い破った血の苦さの味だ。 そして、次に思い知らされたものは、驚愕と、納得。 そこで目にした、耳にした、常識を覆す数々の異様な光景と、謎のキーワード。 例えば、真っ先に反抗を試みて殺された青年の、異形の姿。そして『オルフェノク』という単語。 例えば、青年の体を突如として炎上させた、『魔女の口づけ』なる呪術式。 例えば、アカギが願い事として口にした『全ての時間軸から魔女を消し去る』、『人類の進化系が支配する世界』といった計画。 誰もが悪い夢を見たと思いかねないその異常な空間は、しかし、受け入れなければ命に関わりかねないという現実だった。 『名前を描いただけで人を殺せるノート』が、実在したように。 持っていたノートが急に浮遊したと思ったら、死神と名乗るシドウが現れたように。 あまりに常識を覆すものを見た時は、逆にあっさりと受け入れた方が対応しやすいことをメロは経験から知っている。 ただ、今回ばかりは流石にファクターのバリエーション豊富さに、呆れかえりそうになったが。 そして提示された命令は『殺し合い』。 その目的も、『儀式』というオカルトじみた領域の産物だった。 しかし、メロは『命令に従って殺し合いに乗る』という選択をするつもりはない。 あのアカギという男は、『最後の一人』を『勝者』として願いを叶えると言っていたが、しかしあの主催者の命令に忠実に従って『儀式』を実行したとして、それは『勝者』ではない。 その場合の『勝者』は、アカギという男、ただ一人だ。 主催者に怒りを抱き、可能なら報復を望んでいるメロにとって、それは決して望ましい形ではなかった。 また、皆殺しを実行するということは、あの決闘劇の相手だったニアと夜神月を殺害、もしくは見殺しにするということになる。 別に、このような状況下でも助けたいと思うほど、深い友誼を抱いているなんてことは全くない。むしろその逆だ。 この世でもっとも忌々しいと思っている二人が、彼らだと言っていい。 もしこの儀式に呼ばれたのが三カ月前のメロだったら、ニアと二代目Lを出しぬき、二人に勝利し、場合によっては殺害した上での生還を前提として行動しただろう。 その為ならば、ニアの悪評を振りまき、対主催陣営にヒビを入れることも厭わなかったはずだ。 ニアを倒し、Lを越えて“一番”の高みにのぼる。その為には手段を選ばないし、どんな悪事も辞さない。 それがメロの長年の悲願であり、行動方針だったのだから。 しかし、今のメロは、そこまで強引なことをして、ニアと競争しようとは思わない。 今のメロは、命がけで『ニアを夜神月に勝利させる』為の計画を実行していた最中だったのだから。 キラを止める為に命を捨てよう、などと正義感にかられたわけではなかった。 メロが生き残り、その上でニアと夜神月の二人を出しぬけるという勝算もあった暴走だった。 しかし『もし自分の誘拐計画が失敗しても、それが結果的にニアの勝率を挙げる行為になる』とまで見越して行動したことは、認めざるを得ない。 何より求め続けた“一番”の地位をニアに譲ることになったとしても、ニアに最後の最後の局面で『メロのおかげです』とでも言わせることができれば、『ニアの力だけでLを越えることはできないが、二人ならLを越えられる』と認めさせることができれば、そんな結末でも、まぁいいかと妥協して納得して、メロは『俺がやるしかない』と覚悟した。 だから、こんな運と不確定要素に大きく左右される殺し合いの場で、決着の形が違うものになってしまうことは、とてもではないが好ましくなかった。 『儀式』を中断させ、ニアや夜神月と共に決着の続きをつけられることができれば、それが最善。 しかし、夜神月は、殺し合いに乗る可能性があるだけでなく、メロの排除に動きかねない。 その場合は彼を打倒し、決着をニアとの一対一に持ち越す。それが次善。 そして、最悪の場合にせよ、主催者の思惑には乗りたくないので『勝者』を狙うつもりはない。 ……まぁ、あくまで“ニアと積極的に争うつもりはない”というだけで、慣れ合うつもりはもうとうないが。 (第一、こちらに競争する意思がなくとも、向こうは未だにメロを警戒しているだろう) 一度、納得して捨てた命だ。 なら、最後に命がけの難題にチャレンジするのも悪くない。 死ぬ覚悟を決めた今のメロにとって、対主催行動を取るのは、それほど決断を要す事態でもなかった。 さて、『ニア』と『夜神月』に対する対応はそれで良いとして、名簿には他にもいくつか、看過できない名前が存在する。 夜神月の部下、松田桃太。夜神月の恋人、弥海砂。この二人に関しては、夜神月との繋がりで呼ばれたと考えて良いだろう。 おせじにも使える人材とは言えないが、夜神月の派閥にいる以上はメロのことを警戒しているだろうし(それでなくともメロは犯罪者なのだ)悪評を振りまかれる可能性はある。 警戒ぐらいはしておくべきだろう。 しかし、『L』という名前が名簿上に存在するのはどういうことか。 これまでにLを名乗った人間は三人いる。 言わずと知れた、世界最高の探偵、メロとニアの目標、初代L。 そのLを殺害し、まんまと二代目Lの座に居座っている夜神月。 そして、メロが引き起こしたノート強奪事件に際して、偽証からLだと申告した松田桃太。 初代Lは、既に故人となっている。 夜神月と松田桃太の名前は、既に名簿上に存在する。 これだけなら、名簿の誤表記を疑っていたところだ。 他にも『あり得ない名前』が存在しなければ。 夜神総一郎。 南空ナオミ。 どちらも既に死んだ人間の名前だ。 といっても、南空ナオミに関しては伝聞でしか聞いたことがない。 過去に、初代Lが話して聞かせてくれた『ロサンゼルスBB殺人事件』でLの協力者となった元FBI警官の名前だ。 どうも婚約者であるレイ・ペンバーがキラ事件で殉職して以来、行方不明になったらしく、メロとしても本当に死んだのかどうかの確信は持てない。 (たまたま同性同名の人間が名簿に載っている可能性もある) 問題は、夜神総一郎だ。 彼に関しては間違いなく死んだと断言できる。 彼を殺したのは、他ならぬメロだから。 否、直接に手を下したのはマフィア時代の仲間であるホセだが、殺す決断はメロがくだしたようなものだ。 息を引き取るところまでを見たわけではないが、撃たれた総一郎からノートを取り上げようとした時の、あの負傷は充分に致命傷だった。 主催者は、願いを叶える権利の具体例として、死者の蘇生をも可能にすると言っていた。 死神の存在を受け入れたメロでさえも、死者蘇生というのはにわかに信じがたい。 しかし、仮にも“オカルト”を受け入れると決めた以上、その可能性も念頭に置いた方がベターだろう。 もちろん、『死者蘇生』が可能と見せかける餌を撒く為に、名簿にわざと故人の名前を混ぜたという可能性もあるが。 しかし、仮に、故人が参加者になり得るとしたら…… (初代Lも、蘇生している……?) その仮説は、流石のメロにも形容しがたい身震いを走らせる。 あの『L』だ。 ワイミーズハウスにいた者ならだれもが尊敬し、そしてある者は叶うはずがないと諦め、ある者はその『後継者』の座を得ようと夢見て研鑽を重ねて来た、あの『L』だ。 彼が蘇生しているかもしれないと言われ、動揺の走らぬはずがない。 胸が高鳴らないはずがない。 希望的観測に依りかかるのが危険だとは承知している。 しかし、仮にLが蘇生しているのだとすれば、名簿の表記に関する問題は解決する。 本当に死者が蘇生しているかはともかくとして、名簿に故人の『夜神総一郎』が書かれているように、名簿の『L』が故人である『初代L』を指す可能性は大いにある。 どちらにせよ、今の段階で断定はできない。 だからこそ、今、何よりも必要なものは『情報』だ。 その為にこそ、メロは恐れることなく大通りの真ん中を歩いていた。 まずは何より、他の参加者との接触を―― 黒いカラーリングの原付自転車が、路上に停車していた。 メロは駆けより、その車体を観察する。 鍵はささっているようだ。 特に故障も見当たらない。むしろその輝きは新車のそれだ。 ニアには無いアクティブさを強みとするメロにとって、そのバイクを利用することは大きなアベレージとなる。 しかし、こんな路上にぽつねんとバイクが駐車しているのも不自然な話だ。 もしや、これは誰かに支給品として配布された物ではないか。 だとすれば、この原付を支給された持ち主は、バイクの運転ができなかったか、あるいはここに原付を停車させて、この近辺を徘徊しているか。 ――ウィィィィン 十数メートル先の建物――深夜でも明るいコンビニエンスストア――の、自動ドアが開かれた。 コンビニのビニール袋をその手にぶら下げた少女が現れ、あどけなく大きな瞳がメロをきょとんと見上げた。 + + + 「お兄ちゃん……?」 ばっちりと目が合ってしまった。 襟もとと袖口を織り込んだぶかぶかのセーター。 鈴を模したような金色の髪飾りと、小さなふたつ結び。 年齢はおそらく、六歳前後。 こんな幼女まで殺し合いに放り込むとは。 子どもを巻き込むことに憤慨するほどメロは人道的ではなかったが、しかしアカギ曰くの『選ばれた戦士たち』の基準を疑いたくはなってしまう。 まぁ、あのメガネの青年がそうだったように、一見して一般人だからといって、その正体もそうだとは限らないのだが。 しかし、そのきょとんとした表情はあまりにも無防備で、頼りない。 「なんだ、ガキか」 子どもという手ゴマは、正直なところ『微妙』だった。 使い道がないわけではない。 むしろ、連れ歩くだけで他の参加者からの警戒を和らげるなど、メリットはある。 しかし、問答無用で『保護し守る義務』が発生する。 例えば、大人の参加者なら『仲たがいをして別れた』『相容れないから切り捨てた』だけの説明で済む要因でも、その相手が子どもなら『子どもをこんな殺し合いで放置した血も涙もない男』という不和のタネになってしまう。 今ここで放置しても、この子どもが他の参加者にメロのことを話せば、決してメロに良い印象は持たないだろう。 つまり、今後のことを思えば、(道中の預け先を見つけない限り)ずっと連帯するしかなくなってしまう。 (まぁ、殺すという選択肢もあるな) 殺すという手段は、乱暴だが手っ取り早くもある。 他の参加者の恨みを買うというリスクはあるが、そもそもメロが殺したという証拠さえ残らなければ問題ないだろう。 ライダースーツの中に隠した支給品――ワルサーP38――をこっそりと確認した。 (もちろん先に情報を引き出しておく必要はあるが) メロは決して善人ではない。 出来る限りの努力を積み、それでも敵わないニアとの差を埋める為に、メロは“手段を選ばない”という選択をした。 何の罪もないSPKのメンバーを『ニアを出しぬきたいから』という理由だけで殺した。 使えない手ゴマをデスノートの実験台として使ったこともあった。 (しかし足手まといだから切り捨てるというのも考えものだな。 ……ただでさえニアや夜神たちは俺のことを警戒しているだろうから、極力こちらも味方をつくっておきたいところだ) しかし、そんなメロにも惜しみなく協力してくれた仲間はいた。 メロを信頼し、トップの座を実質的に譲り渡すばかりでなく、資金を惜しみなく提供したロッド・ロス。 ワイミーズハウスの同郷であり、マフィア壊滅事件以来のただ一人の協力者、マット。 無償の尽力というわけではなく、打算あっての協力関係だった。 しかしそこには確かに、裏社会で生きる者なりの信頼があった。 どちらも、メロのキラ打倒計画に加担したからこそ、メロより先に死んでいった。 彼らの犠牲の上にメロは生き延び、そして、メロは一人になった。 (俺もヤキが回ったか……) 感傷を抱くほどやわな人生を送って来たわけではない。 己の決めた道に、失敗はあっても後悔をしたことはない。 しかし、誠意をつくしてくれた『仲間』を、己のツメの甘さから死なせてしまったことは『申し訳ない』と心から思う。 よくも悪くも、『感情』というものを制御できないし、制御する気もないのがメロなのだ。 だからこそ、少女を殺すかどうかの判断で迷ってしまう。 例えばキラなら、敵も味方も問わず『利用する』の一択であり、相手が足手まといだろうとまずは好意的に接して味方につけるだろう。 しかしメロには『信頼をする』と『利用する』の二択が存在しているだけに、かえって味方の選抜にはシビアになってしまう。 (まぁ、ひとまずは『観察』に回るか。 殺されたメガネの男からして、参加者の中には明らかに化け物じみた力を持つ奴らがいる。 そんな連中がゴロゴロしてる中で、一般人の俺が軽々しく引き金を引くのは間抜けもいいとこだ) 「ガキ、何してるんだ、こんなところで」 そんなメロの迷いも露知らず、少女はメロの言葉に、頬をむっと膨らませた。 「ゆまはガキだけど強いんだよ! 役に立つんだよ!」 「ゆまはガキじゃないよ!」というテンプレートな反論を返さないところに、少し好印象を受けた。 だからどうだというわけでもないが。 「そいつは悪かったな。それで何やってるんだ? コンビニなんかで」 「お店に人がいなかったから、食べ物をもらって来たの。あと、レジのお金も」 殺し合いに巻き込まれて最初にすることが食料調達とは……冷静だと見るべきか、事態を理解していないと見るべきか。 金品にまで気が回っていることから、メロは前者だと判断する。 こんな閉鎖環境で金がそこまで魅力を持つとも思えないが、しかしあって困るものではないだろう。何より、あまりかさばることがない。 こんな異常な状況下で、しかし即座に物資の調達を考えられる少女のことを、メロは少しだけ評価した。 「お前、親は……」 「え? 何?」 「いや、いい」 よくよく見ればぶかぶかのセーターには乱暴な補修の跡があり、ずいぶんと着古されている。 保護者が娘の身なりにさえ配慮しない環境にいたのか、あるいは保護者自体がいない環境にいたのか。 己の経歴がら、貧困街に住みつくストリート・チルドレンも見慣れて来たが、彼らは下手に甘やかされた大人よりよほど抜け目がなく、生きることに貪欲だ。 この少女も、その類の人種かもしれない。 少女は、臆することなくしげしげとメロの顔を見つめた。 「お兄ちゃん、けがしてるね……」 「この傷は元からだ。別に痛かねぇよ」 「そっか……じゃあゆまの治療魔法も効かないのかな?」 『魔法』。 まさに欲していたそのキーワードが、メロの耳朶を刺激する。 主催者の言っていた『魔女の口づけ』という呪縛の名前。 そして、『全ての魔女を消し去る』という言葉。 「ガキ、お前『魔法』と言ったか?」 半信半疑が声に出たらしく、アクアマリンの瞳が強い目力をこめてメロを見つめる。 「ゆま。『ガキ』じゃなくて、魔法少女の千歳ゆまだよ」 見てて、と『ゆま』は言った。 どこからか、緑色の小さな宝石を取りだした。 宝石が発光し、その纏う衣装が一瞬にして変じた。 (変身……した……?) その姿は、『魔法少女』という可愛らしい響きに違わず。 猫耳のような突起物をつけた白いヘアバンドに、ミドリと白のドレス。 関節部をリボンできゅっとしぼったひらひらのブーツと、白くふかふかした手ぶくろ。 まるでジャパニーズ・アニメーションに登場するキャラクターを思わせた。 ファンシーな格好に変じた少女は、首に着いた鈴のようなチョーカーをりんと揺らしてメロをにっこりと見上げる。 「これが『魔法少女』。治療魔法の他に、攻撃魔法もあるんだよ」 その手には、どこから取り出したか、己の背たけほどもある白いメイスを軽々と握っていた。 その変身はどう見てもトリックの類ではない、明らかな『異質』の法則が持ち込まれたもの。 (これは……拾いものかもしれないな) ……どうやらメロが逡巡している間に、彼女は己の価値を証明してしまった。 「なるほど、お前に力があるらしいことは分かった」 「そうだよ! ゆまはキョーコと一緒にわるい魔女をやっつけてきたんだよ」 メロは片膝をついてすわり、ゆまと目線を合わせる。 ああ、ガラにもないことをしているな、と内心で苦笑。 大丈夫、メロはニアと違って、ワイミーズハウスでも社交性のある子どもだった。 だから、子どもの対応にだって慣れている、はずだ、おそらく。 「ゆま、俺と来い」 「お兄ちゃんと……?」 「『お兄ちゃん』じゃねえ……俺はメロだ。 悪い奴をやっつけるってことは、お前は殺し合いに乗るつもりはないんだろう。 俺は決して正義の見方じゃない。しかし、あのアカギって奴の企みをぶっ潰したいと思ってる。 だからゆま、俺に力を貸せ」 ゆまは驚いたように、そして、感動したように大きな瞳を見開いた。 「メロは、ゆまの力が必要なの?」 どうやら“必要とされる”ことに喜びを見出すタイプらしい。 「あぁ、お前のその『魔法』とやらが本当に役に立つならな。 とりあえず、知っている事を話せ。『魔女』ってのは何なのか。魔法少女とやらは他にもいるのか。 それが終わったら、この支給品に乗って会場を探索するぞ。 その片手間なら、お前の知り合い探しぐらいは手伝ってやるよ」 「……うん! うんうん! じゃあ、メロお兄ちゃんはゆまの『仲間』だね」 こうして、“一番になりたかった男”と“必要とされたがった少女”は小さな同盟を結んだ。 【F-2/大通り コンビニ前/一日目 深夜】 【メロ@DEATH NOTE】 [状態]健康 [装備]ワルサーP38(8/8)@現実 [道具]基本支給品一式、不明支給品0~2 [思考] 基本:元世界に戻り、ニアとの決着をつける 1:ゆまから『魔女』についての情報を得る 2:原チャリにゆまを乗せて各施設を探索 3:死者(特に初代L)が蘇生している可能性も視野に入れる 4:必要に応じて他の参加者と手を組むが、慣れ合うつもりはない(特に夜神月を始めとした日本捜査本部の面々とは協力したくない) [備考] ※参戦時期は12巻、高田清美を誘拐してから、ノートの切れ端に名前を書かれるまでの間です ※協力するのにやぶさかでない度合いは、初代L(いれば)>>ニア>>日本捜査本部の面々>>>夜神月>弥海砂 【千歳ゆま@魔法少女おりこ☆マギカ】 [状態]健康、変身中 [装備]ソウルジェム(穢れ無し) [道具]支給品一式、不明支給品0~2、コンビニ調達の食料(板チョコあり)、コンビニの売上金 [思考] 基本:わるいおじさんをやっつける 1:メロお兄さんとお話する 2:メロお兄さんと一緒にキョーコ、マミお姉ちゃんを探す(キョーコを最優先) [備考] ※参戦時期は、少なくとも3話以降 ※原動機付自転車@現実が、コンビニの数十メートル手前で停車しています 【支給品紹介】 【原付自転車】 何の変哲もない50cc以下の原チャリ。 『仮面ライダー555』に登場する一連のバイクのように、特殊な機能は一切ない。 【ワルサーP38】 9mmパラベラム弾8発装弾のドイツ式拳銃。 かのルパン三世の愛銃だったことで有名。 014 終人たちのプロローグ 投下順に読む 016 事故防衛 013 最強の竜 時系列順に読む 000 WORLD END 千歳ゆま 040 片手に幼女、唇にチョコレート、心に…… 初登場 メロ
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《公開済》SNM002676 シナリオガイド 公式掲示板 心を忘れた亡霊に楽しみを教えてあげよう! 担当マスター 蘭鈴六 主たる舞台 イルミンスールの森 ジャンル コメディ 募集スケジュール 参加者募集開始日 参加者募集締切日 アクション締切日 2014-06-01 2014-06-03 2014-06-07 リアクション公開予定日 募集時公開予定日 アクション締切後 リアクション公開日 2014-06-18 - 2014-06-15 サンプルアクション (シナリオ参加者の方にお願い、サンプルアクションの具体的な内容を補完していただけないでしょうか)(サンプルアクション名の下の四角をクリックするとでてくる「部分編集」をクリックすると登録できます)(もしくはサンプルアクション登録用掲示板へお願いします。) 肝試しで生徒達を脅かす +... [部分編集] ▼プレイヤーの意図 少女の霊と一緒に生徒達を脅かす ▼キャラクターの目的 肝試しで生徒達を脅かす ▼キャラクターの動機 少女に楽しんでもらって、無事に成仏してもらいたい ▼キャラクターの手段 地縛霊の少女、ね。 ちょっとばかし気になる点も多いけど、楽しんで成仏してくれればそれはそれでいいかな。 といっても特に手段は浮かばないな…… 二番煎じかもしれないけど校長達と同じようにやってくる生徒達を脅かそうかな。 けど引っ込み思案な彼女のことだから普通にやらせるよりは一緒に脅かす方がいいだろう。 魔王や校長、他の人達にも頼んで大人数で大がかりな仕掛けをやろう。 入道とかああいう感じで、一番天辺に少女を置けばきっとやってくれるはずさ。 「ってことで、驚け。お前ら!」 肝試しを楽しむ +... [部分編集] ▼プレイヤーの意図 脅かされる側に回る ▼キャラクターの目的 肝試しを楽しむ ▼キャラクターの動機 ビビりまくる姿を見てみたい ▼キャラクターの手段 アーデルハイトにイルミンスールの森で面白い事があるって言われてきてはみたけど……。 なんか、暗いし、怖い……いや!怖くないぞ!? きっと花火か何かやってるんだろ、きっとそうだ。 ほら、あっちに光が……ってあれ、足がない? う、うおおぉ!? お化け、いやそんなことない、ない! 「おおおおおおち、落ち着け。 お化けなんていない、いないぞぉーっ!?」 肝試し以外で遊びたい +... [部分編集] ▼プレイヤーの意図 他の手段で少女を楽しませる ▼キャラクターの目的 肝試し以外で遊びたい ▼キャラクターの動機 色んな楽しみを教えたい! ▼キャラクターの手段 お化けだから肝試しかぁ、悪くないけどまだ甘いね! 地縛霊とはいえ相手は女の子、もっと違う楽しみがあるはずよ! ショッピングとか、お菓子を食べるとか……。 霊体だから難しいかしら? 英霊とは違うのよね? ううん、せめて綺麗な物とか花火とかはどうかしら? エリザベートや魔王にも一緒に参加してもらってみんなで遊んだらいいんじゃないかな? 「ちょっと早いけど、こういうのもいいわよね」 その他補足等 [部分編集] 【タグ:SNM イルミンスールの森 コメディ 正常公開済 蘭鈴六】
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鹿目 まどか 暁美 ほむら 美樹 さやか 佐倉 杏子 巴 マミ 志筑 仁美 美国 織莉子 呉 キリカ 千歳 ゆま 巴 ティロッテ ユウリ様 / 杏里 あいり 【20年後の世界】 杉上 カコ 鹿目 ほのか 佐倉 李々奈 上條 琴美 美国 愛莉歌 ウルリーケ アーレロッテ
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『魔女が絶望を振り撒かない世界にする!それが私の願い!』 ○クリームヒルト・グレートヒェン [Kriemhild・Gretchen]:鹿目 まどか 〔KANAME MADOKA〕 救済の魔女、その性質は『慈悲』。 前の時間軸で契約したまどかが魔女になった姿。ワルプルギスの夜を撃破したものの、ソウルジェムが濁り、魔女と化したが、フィナロッテの契約後は少女の姿に再構成された。 見た目はまどかにそっくりであるが、黒を基調とした服装と瞳も少し赤を帯びているなど、魔女の頃の名残がある。髪型はツインテだったが、2つあるリボンの1つをほむらに与え、現在はポニテに変えてる。 笑い声は『ウェヒヒ!』。 彼女の願いは『魔女が絶望を振り撒かない世界にする』ことで、それが『魔法少女と魔女が共存する時間軸』が誕生した。 さらにギーゼラをグリーフシードから復活させて次の時間軸に送り込み、 2体の無害な使い魔であるティロッテとフィナレッテを生み出し、擬似グリーフシードの容器ごと次の時間軸に送ったりして2つの時間軸に接点を作った。 しかし、彼女の願いに使い魔は含まれなかったため、一部を除いた使い魔は魔獣と同じく危害を加える存在となってしまい、それが彼女の使い魔であるアーレロッテの反乱を間接的に作ってしまう…。 まどかに途轍もない素質があるように、彼女は莫大な魔力が備え付けられている。さらにソウルジェムを必要としない。 だが元々の性質が『慈悲』なのか戦闘能力は皆無であり、戦闘では必ずまどかとペアになって行動して、まどかの体を通じて魔力を送り込み、武器を生み出す。また、まどかのリボンをつかむことで武器を使う事が出来、絶大な力を発揮する事が出来る。 武器は『魔法弓』。そこからピンクの軌跡を描く光の矢を放つ。矢の軌道を変えるほか、一度に複数の矢を構えて発射することも可能。 終末の矢(フィニトラ・フレティア) クリームヒルトの必殺技。原作にもある。 「希望を持ってた人たちが絶望で終わるなんて間違ってるよ。誰だって幸せに生きたいと思うはずだもん。そんな世界を壊そうとするあなた達は……… この私が救済してあげるッ!!!」
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属性 光属性 最大Lv 70 初期HP 3269 最大HP - レアリティ ★5 タイプ ナイト 初期攻撃力 857 最大攻撃力 - 初期防御力 1064 最大防御力 - 初期スピード 1290 最大スピード - +HP上限 2580 最大HP上限 - +攻撃力上限 675 最大攻撃力上限 - +防御力上限 750 最大防御力上限 - +スピード上限 1050 最大スピード上限 - リーダースキル 陽だまりに集う者 全てのユニットのスピードを30%アップ フォーススキル1 プラズマチェイン 敵単体に光属性のn%ダメージの防御無視10連撃。クエスト開始時、CTが3。 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 32 32 33 34 35 ? 37 ディレイターン 3 効果持続ターン - フォーススキル2 フュリーサンダー 光属性の16~20回連続攻撃。低確率麻痺。スキル後、自身の防御力30%ダウン。 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 ※ダメージ倍率の記載なし。 ディレイターン 4 効果持続ターン 1 通常進化 [雪原の双牙]サシャ 特殊能力 2回行動[弱] / ボルテージシャーマンキラー / 水属性キラー 幻獣契約 [白翠の陽光]サシャ 契約素材 [悪魔の頭脳]ジニアス(3)[蘇る災禍]デモリーシオ[霧獣]シャリオライド[雷光]トロヴァロ 入手方法 ・レアガチャ、他。 備考 CV 戸田 めぐみ・雪の大地の春待ち花ガチャ開催!_http //crw.lionsfilm.co.jp/news/detail.php?id=453 k=3 ・キャラ列伝『極北を照らす陽光』が登場!_http //crw.lionsfilm.co.jp/news/detail.php?id=454 k=2 資料 *初期ステータス。 コメント 名前
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La ragazza col fucile e poca felicita 〜 少女と銃と小さな幸せ 〜 < > 空は~ → Il cielo sta singhiozzando(イル チェロ スタ シンギオツァンド) ――人はそれを唯の雨~ → La si chiamerebbe pioggia semplice(ラ スィ キアメレッベ ピオッジャ センプリチェ) それは~ → Ma sta piangendo invece di qualcuno(マ スタ ピアンジェンド インヴェンチェ ディ クアルクノ) この物語~ → Troppo infelicità in questa storia(トロッポ インフェリーチタ イン クエスタ ストーリア) 少女は~ → La ragazza sta singhiozzando(ラ ラガッツア スタ シンギオツァンド) ――人はそれを唯の虚弱さ~ → La si chiamerebbe fragilita semplice(ラ スィ キアメレッベ フラジリタ センプリチェ) 彼女は~ → Ma sta piangendo da solo per qualcuno(マ スタ ピアンジェンド ダ ソロ ペル クアルクノ) この世界~ → Troppo inferno in questa mondo(トロッポ インフェルノ イン クエスタ モンド) 銃を~ → La La La... La ragazza col fucile sta correndo nella pioggia triste(ラ ラガッツァ コン フチレ スタ コッルェンド ネッラ ピオッジャ トリステ) 嗚呼…彼女が~ → Ah... Anche se morirà domani, il cielo forse non cambierà...(アンケ セ モリラ ドマニ, イル チェロ フォルセ ノン カンビエラ) 銃を~ → Lu Li... La ragazza col fucile sta correndo nella pioggia triste(ラ ラガッツァ コン フチレ スタ コッルェンド ネッラ ピオッジャ トリステ) 嗚呼…彼女が~ → Ah... Anche se morirà domani, il cielo forse non cambierà...(アンケ セ モリラ ドマニ, イル チェロ フォルセ ノン カンビエラ) 銃を~ → Lu Li... La ragazza col fucile sta correndo nella pioggia triste(ラ ラガッツァ コン フチレ スタ コッルェンド ネッラ ピオッジャ トリステ) 嗚呼…この過酷な~ → Ah... Vorrei queste grado trovate poca felicità in queste severa...(ヴォッルェイ クエステ グラド トロヴァテ ポカ フェリチタ イン クエステ セヴェラ) コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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夢見☆乙女 Wiki 夢見☆乙女 出典 フリー百科事典『ウィキペデア(Wikipedea)』 夢見☆乙女(ゆめみ スター おとめ、4月31日生)は、日本の漫画家。カムチャツカ半島出身、佐渡ヶ嶽部屋。右利き、女性。1994年、『アイコラさんが通る』によりデビュー。代表作は『LOVEってスマッシュ☆ミ』。 主に夢見がち社の雑誌などで活動。20世紀末からは浪漫ティック書房の雑誌にも活躍の場を広げた。その豪胆な水墨・毛筆による作画や、夢見る少女をことごとく惨殺していく作風から絶大な人気を誇っている。 ペンネームである「夢見☆乙女」の由来は門外不出・一子相伝と言われている。 作品リスト アイコラさんが通る(1994-1998、夢見がち社) **週刊少年ドリーマー連載、全32巻 コボちゃん(1996-1997、夢見がち社) **月刊少女ラリアット連載、全4巻、絶版 LOVEってスマッシュ☆ミ(2000-連載中、浪漫ティック書房) **週刊少年ロマンチッカー連載、100巻刊行(以下続刊) 受賞暦その他 ノーベル天皇賞(秋)受賞 **『アイコラさんが通る』が認められ受賞。 **東京2000m、G1。 紫綬褒章強奪 **2003年、さいとう・たかをが受賞した紫綬褒章を裏路地にて強奪。 **逃走時の捨て台詞『俺の後ろに立つな』はあまりにも有名。 前科2犯 **経歴詐称(3サイズを虚偽申告)・オンラインゲーム詐欺。 **現在執行猶予期間中。
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勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う Blu-ray vol.1 発売日:1月11日 ●映像特典(予定)・ノンクレジットOP ●特典仕様(予定)・アニメ描き下ろしスリーブケース ●封入特典(予定) ・原作:深山 鈴 書き下ろし小説付き特製ブックレット ・オリジナルサウンドトラックCD Vol.1 ここを編集 2022年10月放送開始。 https //beasttamer.jp 監督 濁川敦 原作 深山鈴、茂村モト シリーズ構成 あおしまたかし キャラクターデザイン 山本周平 メインアニメーター 田邉博 プロップデザイン 染谷友梨花、りお サブキャラクターデザイン りお モンスターデザイン 河野敏弥、染谷友梨花、石井久志 動画検査 榎本彩芽、西中琢朗 美術監督・美術設定 田尻健一、村田裕斗 3D美術設定・背景 村田裕斗 色彩設計 小山知子 撮影監督 松本乃吾 CGディレクター 山本ゆきえ 編集 新見元希 音響監督 本山哲 音響効果 今野康之 サウンド・ミキサー 甲斐裕子 サウンド・エディター レコーディングアシスタント 高木祐希 フォーリー 朝倉渚 音楽 林ゆうき、桶狭間ありさ、近谷直之 文芸担当 藤本冴香 PV制作 伊東正志、西海地剣也、山岡篤史 アニメーションプロデューサー・制作担当 近藤泰介 アニメーション制作 EMTスクエアード 脚本 あおしまたかし 鴻野貴光 絵コンテ 濁川敦 熨斗谷充孝 藍崎灯 増田敏彦 小坂春女 石井久志 尾上皓紀 日下部優樹 演出 濁川敦 熨斗谷充孝 村川直哉 周旭 小坂春女 尾上皓紀 日下部優樹 栗山美秀 作画監督 山本周平 塚本歩 染谷友梨花 鈴木伸一 Mubon Hyeong-jun Kim Ran-yeong Park Song-hwa Lim Jin-wook Lim Su-gyong Jo Won-ha Big Owl 谷津美弥子 青木伸一 中島美子 中山和子 保村成 栗田聡美 しまだひであき 小林冴子 藤田正幸 黄凤 葛欢 章雄 沈倩 平河仁 宮崎麻美 玉置典彦 金元会 上田恵理 大原大 永田有香 Kim Hyun-kyoung Kim Jin-young Yeon Ji-hye An Young-yoo Big Owl 北村淳一 王梦灵 胡慶丹 陈如水 杉村苑美 西川真人 服部憲知 服部益実 ふたふさ 松本恵子 グレーン 松下純子 森悦史 ワン・オーダー 片岡恵美子 ■関連タイトル 勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う Blu-ray vol.1 OPテーマ Change The World EDテーマ LOVE MOON コミック版 勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う 1 原作小説 勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う 1 ホビー:勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う Kindleまとめ買い コミック版 勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う Kindleまとめ買い 原作小説 勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う rakuten_design= slide ;rakuten_affiliateId= 053df7e0.7c451bd1.0c852203.190c5695 ;rakuten_items= ctsmatch ;rakuten_genreId=0;rakuten_size= 468x160 ;rakuten_target= _blank ;rakuten_theme= gray ;rakuten_border= on ;rakuten_auto_mode= on ;rakuten_genre_title= off ;rakuten_recommend= on ; 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Switch ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom Switch 世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER Switch ピクミン 4 大友克洋 Animation AKIRA Layouts Key Frames 2 小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女 1 ONE PIECE FILM REDデラックス・リミテッド・エディション 4K ULTRA HD Blu-ray Blu-ray 劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ 完全生産限定版 Blu-ray 映画『ゆるキャン△』 Blu-ray 【コレクターズ版】 Blu-ray ウマ娘 プリティーダービー 4th EVENT SPECIAL DREAMERS!! Blu-ray 天地無用!GXP パラダイス始動編 Blu-ray第1巻 特装版 天地無用!魎皇鬼 第伍期 Blu-ray SET 「GS美神」全話いっき見ブルーレイ Blu-ray ソードアート・オンライン -フルダイブ- メーカー特典:「イベントビジュアル使用A3クリアポスター」付 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所 Blu-ray Memorial BOX 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち Blu-ray BOX 特装限定版 地球へ… Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 神風怪盗ジャンヌ Complete Blu-ray BOX HUNTER×HUNTER ハンター試験編・ゾルディック家編Blu-ray BOX BLEACH Blu-ray Disc BOX 破面篇セレクション1+過去篇 完全生産限定版 MAZINGER THE MOVIE 1973-1976 4Kリマスター版 アニメ・ゲームのロゴデザイン シン・仮面ライダー 音楽集 テレビマガジン特別編集 仮面ライダー 完全版 EPISODE No.1~No.98 MOVIE リスアニ!Vol.50.5 ぼっち・ざ・ろっく!号デラックスエディション ヤマノススメ Next Summit アニメガイド おもいでビヨリ アニメ「魔入りました!入間くん」オフィシャルファンブック 『超時空要塞マクロス』パッケージアート集 CLAMP PREMIUM COLLECTION X 1 トーマの心臓 プレミアムエディション パズル ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works はんざわかおり こみっくがーるず画集 ~あばばーさりー!~ あすぱら画集 すいみゃ Art Works trim polka-トリムポルカ- つぐもも裏 超!限界突破イラスト&激!すじ供養漫画集 開田裕治ウルトラマンシリーズ画集 井澤詩織1st写真集 mascotte 鬼頭明里写真集 my pace 内田真礼 1st photobook 「まあやドキ」 進藤あまね1st写真集 翠~Midori~ 声優 宮村優子 対談集 アスカライソジ 三石琴乃 ことのは 亀田祥倫アートワークス 100% 庵野秀明責任編集 仮面ライダー 資料写真集 1971-1973 金子雄司アニメーション背景美術画集 タローマン・クロニクル ラブライブ!サンシャイン!! Find Our 沼津~Aqoursのいる風景~ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会[復刻版] 梅津泰臣 KISS AND CRY 資料集 安彦良和 マイ・バック・ページズ 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』編 氷川竜介 日本アニメの革新 歴史の転換点となった変化の構造分析 Blu-ray THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th Anniversary Celebration Animation ETERNITY MEMORIES Blu-ray おいら宇宙の探鉱夫 ブルーレイ版 Blu-ray 映画 バクテン!! 完全生産限定版 アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~ Blu-ray BOX 初回生産限定版 はたらく細胞 Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 Blu-ray 長靴をはいた猫 3作品収録 Blu-ray わんぱく王子の大蛇退治 Blu-ray 魔道祖師 完結編 完全生産限定版 魔道祖師Q Blu-ray Disc BOX 完全生産限定盤 にじよん あにめーしょん Blu-ray BOX 【特装限定版】 Blu-ray 鋼の錬金術師 完結編 プレミアム・エディション Blu-ray付き やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。完 限定版【同梱物】オリジナルアニメ Blu-ray「だから、思春期は終わらずに、青春は続いていく。」
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属性 光属性 最大Lv 70 初期HP 3689 最大HP 5533 レアリティ ★5 タイプ 獣 初期攻撃力 689 最大攻撃力 1033 初期防御力 915 最大防御力 1373 初期スピード 1195 最大スピード 1793 +HP上限 4760 最大HP上限 10293 +攻撃力上限 450 最大攻撃力上限 1483 +防御力上限 1122 最大防御力上限 2495 +スピード上限 1110 最大スピード上限 2903 リーダースキル お手紙、とどけます! 全てのユニットの麻痺を回避 フォーススキル1 いそぎます! HP25%消費し、味方単体のスキルクールタイムをnターン短縮する。 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 2 2 2 2 3 3 3 ディレイターン 0 効果持続ターン - フォーススキル2 くるくるヤギつの 味方全体のHPをn%回復し、状態異常を回復する。 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 進化前 なし 18 18 19 19 20 20 21 通常進化 [大鞄の仔山羊]メーリエ ディレイターン 2 効果持続ターン - 幻獣契約 [絆の郵便屋]メーリエ 特殊能力 再生 / 麻痺耐性忘却耐性 契約素材 [毛玉]ケセランパサラン(3)[邪神]バフォメット(2)[栗ネズミ]シシル[超人鳥]ペサギドーン 契約使用先 - 入手方法 ・【メダル交換所】999枚にて交換。 備考 CV:宝木 久美・【イベント】『手紙と絆を運ぶ山羊』_http //crw.lionsfilm.co.jp/gesoten/news/detail.php?id=1261 k=3 資料 *初期ステータス。 コメント 名前
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少女と饅頭が地下室で トスッ 「いだいぃぃぃぃぃ!!」 「あ、おはよう~。きょうはまりさだったね」 今日もゆっくりの悲鳴で、私は目覚める。 いや、この悲鳴が聞こえているということは、この悲鳴より前にすでにおきていなければならないということであり, 実は私の目覚めとこの悲鳴はほとんど関連性はないのだが,とりあえず私の朝はこれから始まるのだ。 私は七時にセットされていたゆっくり目覚まし(時間になったら包丁が落ちてきて、箱に固定されたゆっくり刺さってそれが悲鳴を上げるというシンプルなもの)が, 今日もしっかり動いていることに満足して、着替えを始める。 スイッチは切らずに放置してあるので,このまま五分毎に新しい包丁が落ちてきて新鮮な悲鳴を上げてくれることだろう。 包丁は13本用意してあるから,一時間後に切ればいい。一本落ずつ微妙に包丁の落下地点がずれているため、全部刺さってくれるはずだ。 トスッ 「ま、まだささっだぁぁぁぁぁ!!おねえざんみてないでたずげでねぇぇぇぇ!!」 「今日の朝食なーにっかなー。昨日みたいにジャムパンと納豆とかじゃなければいいのだけれど」 五分ほど経って着替えが済んだ私は、いつものごとく朝食を取りに行く。 朝食の配給場所は、地上へ繋がる扉のすぐ右にある。 私は朝食を受け取る前にその扉のドアノブをひねってみるが、やはり鍵がかかっていてびくともしない。 もう幾度となく経験したその結果に、もはや私は何も感じずに隣のダクトから今日の朝食を受け取る。 焼いた鮭に、納豆、サラダ、味噌汁、そしてご飯という、和食だけど野菜足らなかったので付け足しました的な献立が母らしいな、と思った。 ちなみに、このご飯を運んでくるダクトも一応地上へと繋がるものではあるが,ここから出口へ出ることは出来ない。 出口側に鍵がかかっているのだ。鍵が開いているときは、すなわち人がいる。 私は幾度となく脱出を試みていたが、三ヶ月ほど頑張ったあとはもう諦めた。今では試すのも馬鹿らしい。 軟禁生活六年という私にとって,それは自明の理といえた。 トスッ 「ぎぃぃぃぃ!!あんこがとびでるよぉぉぉぉぉ!!はやくぬいてねぇぇぇぇ!!」 私はダクトに残っているトレイに、『成体{ま1 れ1}・幼生{ま2 れ2}・家族』と書いた紙を置いて、トレイについている紐を二度引っ張る。 するとトレイはそれに反応して、私の書いた紙と共に地上にむけて上がっていった。 これで明日になれば、頼んだものがやってくるだろう。ストックがなくなってきたから補充だ。 きっと私が寝ている間に、サンタさんのようにこっそりと置いていってくれるだろう。 私はお盆に載せた朝食を寝室まで持ってゆき、ベッドの近くにある、ベッドと同程度の高さである棚に乗っける。 布団に腰掛けながら食べるためだ。だらしがないとか、行儀が悪いとか、そんなことは知らない。 トスッ 「い、いだいよぉぉぉぉ。きぼじわるいよぉぉぉぉ。おねがいだからまりざのごどはやぐだずげでぇぇぇぇ」 「いっただっきまーす!」 私は、しっかりと両手を合わせ、三日前に私が作り上げた神様に大地の恵みを感謝してから朝食に手を付けた。 まずは、嫌いな納豆から。このねばねばと臭いはどうも苦手だ。急いで口の中に掛けこんで、できるだけ食感を感じないようにすばやく飲み込む。 そして後に残るねばねばも、ご飯を口の中に含んで存分に租借して,綺麗さっぱり掃除する。 トスッ 「い゛ぃぃぃぃぃぃ。ま、まりざのあんこ……がえ゛じで……」 「うー、やっぱ納豆は苦手だなぁ。お母さんも私がこれ嫌いってわかったるくせに、なんでいっつも納豆付けてくるかなー」 しかし、難所はもう突破した。あとはそこまで嫌いでないものばかりだ。 次は鮭。骨が入っていないかしっかりと確認し、小骨があれば箸でつまんで取り出す。 しっかりと骨がないことを確認してから、私はようやく鮭を口の中に放り込んでみるも、味はまったくしない。 これは母の意地悪ではなく、ただ私が4年程前から味覚障害なだけだ。たぶんストレスのせいだと思う。 記憶を辿って鮭とはどんな味だったか想像だけでもしようと試みるが、味覚というのは思い出すのが難しい。結局何も思い出せずに食べ終えてしまった。 トスッ 「ゆ゛!………………」 「味覚もしっかりと記憶できるといいんだけどねー。あんこだって食べてもぜーんぜんあまくないし」 残ったのは味噌汁とご飯。私はねこまんまにはせず、ご飯を食べて、そのあと味噌汁を少し飲むという上品な感じに食べた。 ねこまんまも悪くないが、あれではご飯を早く食べ過ぎる。早食いはいけない。味わわないといけない。母との接点はこれだけなのだから。 トスッ 「………………」 「ごちそーさまでした」 私は神ミカエル(三日前に作った神だから。明日は神ヨカエルになると思う)に感謝の念をささげて、朝食を終える。 ゆっくりまりさが喋らなくなったが、おそらく死んだフリなので放置。 私は、寝室についてある扉からバスルームへ移動した。 バスルームはピンクのタイル張りの部屋で、そこにはトイレ,洗面台,お風呂,などバスルームとしてほしいものは一通りそろっている。 また湯船は、未来の私に合わせてか少し大きめに作ってあるのか、今の私にはすこし広い。 そこについている洗面台から私は歯ブラシをとって,歯磨き粉をたっぷりと付ける。 そして、寝室に戻って串刺しになっているまりさを眺めながら、歯磨きを開始した。 そのとき、まりさの目にほのかに生気が戻ったのを私は見逃さなかった。やはり、死んだフリだ。 自分にようやく注目してくれたことから、たすけてくれるかもしれないという希望がわいたのだろう。 トスッ 「ひぎぃぃぃぃ!!おねえさんはやくこれとめてぇぇぇぇ!!」 しかしいつまで経っても私はまりさをたすけなかったので,ゆっくりまりさは死んだフリから命乞いにシフト。 ゴシゴシ。 トスッ 「おでえさん、おねがい……まりざなんでもするがらだずげで……」 ゴシゴシ。 トスッ 「まりさにはかわいいこどもがいるんだぜ……まりざがしんだらこどもたちもしんじゃうんだぜ……」 ゴシゴシ。 トスッ 「いだいよぉ……ゆっくりざぜで……」 磨きすぎて口に泡が溜まってきたので,いったん洗面台まで行って排出して来る。 そして再開。ゴシゴシ。 トスッ 「どぼじでごんだごど……」 さすがに一回泡を吐いてきたせいか、これ以上磨いてもあまり効果はなさそうだ。 私は洗面台まで行って、口の中を漱いだ。約25分という、普通の人から見れば長い歯磨きだったが、私にとってはこれが普通だ。 ついでに顔を洗って、顔の油を洗い落とす。まだ少し残っていた眠気もこれで完全に消え去った。 トスッ 「……………………」 私は目覚ましとして役に立たなくなってしまったゆっくりから包丁を引き抜き,スイッチを切って再び明日の朝七時にセットしておく。 動かなくなったゆっくりまりさは、食器とともに地上へ送り返しておいた。 そのあと、倉庫の棚の中にしまってあった箱入りゆっくりれいむを取り出した。この倉庫は防音加工だから、今起きたことはわかっていないだろう。 そして上辺だけ開け放たれているゆっくりれいむの入った箱(もちろんれいむは固定してある)を、私が見える位置においておく。 中に閉じ込められているゆっくりれいむが、私を見つけて不満の声を上げた。 「ゆっくりここからだしてね!いまだしてくれればゆるしてあげるよ!!」 「えーっと、ここにセットして……あ、間違えたこっちだった」 私はそれを無視して、包丁をセットする作業を続けた。 包丁はあんこを取ることもなくそのまま再利用。ゆっくりは皮膚が柔らかいから多少切れ味が悪くなっても問題ない。 「むししないでね!!さっさとれいむをここからだしてね!!れいむほんきでおこるよ!」 「ごめんね。私には出来ないの。その箱硬いから」 「ゆゆ!おねえさんやくたたずだね!!ごみくずのおねえさんはさっさとしんでね!!」 「これがこっちで、うん、こうだね」 「もう!むししないでっていってるでしょ!!おねえさんばかなの!?」 あまりにうるさかったので、私はとりあえず嘘をついておく。 それでもれいむはひたすら私に罵声を浴びせ続けるので、私はあきらめて淡々と作業を続けていくことにした。 れいむは私が箱から出してくれないからか、私の作業そのものに興味を持ち出した。 「おねえさん、それなぁに?」 「これ?これは包丁って行って,これに当たると切れちゃうの。ちょっと切ってみようか」 私は動けないれいむの頭を、ほんの少しだけ突いてあげた。 「い、いたいよおねえさん!ゆっくりやめてね!」 「わかった?私は、この包丁をあそこにぶら下げてるの。これで最後だね。よいしょ、っと」 私は手に持っていた包丁をそれにぶら下げた。その光景は、箱の中のゆっくりれいむもよく見えていることだろう。 「これね?明日の七時なったらあそこから一本ずつ落ちていくの。もしそれに当たったら、あなたの体じゃ耐えられないかもしれないわね」 「それがどうしたの!そんなことよりさっさとここかられいむをだしてね!のろまはきらいだよ!」 「うふふっ。じゃあ、れいむをあそこに置いてあげるね」 私は一旦、れいむから包丁が見える向きでゆっくりれいむを包丁の下に置いた。 れいむはというと、意外にまだ怖がっていないようで、余裕綽々の笑みを浮かべている。 「ぷぷ!おねえさんはやっぱりばかだね!れいむのまえにはとうめいなかべがあるからあたんないよ!! わかったらさっさとここからだしてね!!おなじことなんどもいわせないでね!!」 「そう。じゃあ向きを変えてあげましょう」 私は、今度は何も盾がない,れいむの頭頂部を包丁に向けなおした。このまま包丁が落ちたら、当然ながらゆっくりれいむの頭に直撃する。 れいむは今度こそ事態を把握したらしく、いまさらになって青くなりながら命乞いを始めだした。 「お、おねえさんそんなことしないでね!はこがあるほうをむけてね!!」 「そうだ。時計おいとくね。この針の短い方が、もう二回だけ7をさしたら、包丁がふって来るからね。 あ、でももしかすると、明日の七時よりもっと早い時間に包丁落っこちてくるかもしれないの。結構あれも古いから」 「ゆぅぅぅぅぅ!!ごめんなさい!!あやまるからここからだしてぇぇぇぇぇ!!」 「あはハッ、わたしに謝ってもなにもでないよ?」 私は、ついつい笑ってしまった。れいむが私に謝ることなんて何一つないのにいきなり謝ってきたから、おかしかったのだ。 でもまあ、これで準備は終わりだ。私はこれからの計画を立てようと、頭の中で思考を開始した。 「これから何しようかな……。あ、そうだ!昨日はお母さんが新しい本を用意してくれたんだっけ。それでも読んでいようかな」 「ゆ!おねえさんまってね!れいむをここからだしてからいってね!!おねがいだからここからだしてぇぇぇぇ!!」 「でも本を渡す時もダクトからドサッ、だもんね~。お母さんも、めんどくさいことしないで直接渡してくれればいいのに」 「おねえさんたすけて!!れいむをここからださなくてもいいからせめてむきをかえてぇぇぇぇぇ!!」 読書中に声が外に漏れることがないように、私は寝室から出るときに扉をきちんと閉めておいた。 母から届いた新刊は、とっても面白かった。 ―――――――――――――――あとがき――――――――――――――――― みーじかーいぞー!いーじめ-たぞー? 直接包丁を見せ続けるのもありだと思いましたが見せなかったら見せないで怖いと思います。 これまでに書いた物 ゆっくりハンターの生活1,2 ゆっくりハンターの昔話 男と女がゆっくりと 少女と饅頭が地下室で by味覚障害の人 このSSに感想を付ける