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【検索用 とけないふろていん 登録タグ VOCALOID と なみぐる ニコニコ外公開曲 人間 初音ミク 曲 曲た】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:なみぐる 作曲:なみぐる 編曲:なみぐる 唄:なみぐる・初音ミク 曲紹介 日記 薬局のプロテインが溶けなすぎて 𝑪𝒉𝒊𝒍𝒍 𝑹 𝑩にした。 曲名:『溶けないプロテイン』(とけないぷろていん) 企画「ひとくちなみぐる」の第一弾として投稿された楽曲。 歌詞 (動画より書き起こし) 溶けないプロテイン シェイカー底に生まれる世界 かけないMelodyne 素材の味をいっぱい味わおうね 溶け込めない社会 混ざらないやつは愛おしい 溶けないプロテイン 今日はどんな 世界を見せてくれるの コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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146 :溶けない雪 [sage] :2007/11/05(月) 18 31 06 ID 7DZdiTvy 7 携帯から、今流行りのアーティストの着歌が流れた。 着歌の曲から、鳴った理由がメールだという事は直ぐに分かった。 慣れた手つきで携帯を開きメールを見てみると、 やはりというべきなのか、予想通り差出人は水無月さんだ。 予想通りというのは、メールアドレスを交換したばかりなら、 とりあえずメールアドレスを交換した人とメールをする事がよくあるからだ。 同時に、最初のメールは相手と話が合うかどうかを調べる、 戦闘における言葉で表すと前哨戦に値するので舐めてはいけない。 最初のメールで15件位は続かないと、直ぐにメールをしなくなる可能性が極めて高い。 登録しているのにメールをしていない人と会うと、 気まずくなりやすいというオプションがもれなく付いてきたりもする。 そんなどうでもいい意見はともかく。、 まずはメールの内容を見る。 (これからよろしくね~) ……当たり障りはないけれど、これだけで話が広がるのか? とりあえずはこちらもメールを返そう。 (よろしくね) 送信し終わり約15秒位で直ぐにメールが返ってきた。 少し早すぎる気もしたが、内容が薄いのだろうと思い、 メールの内容を見る。(えっと…… いきなりで驚いちゃうかもしれないけど、以下の質問に答えてね 好きな食べ物 嫌いな食べ物 身長 趣味・特技 血液型 寝る時間帯 今現在好きな人がいるかどうか もしくは付き合ってる人がいるかどうか 以上が 知りたい事かな) メールを読み、一旦携帯を閉じる。 そして、 誕生日のケーキの蝋燭の火を消すみたいに息を吹く。 内容が薄い? むしろ濃いだろ とにかく、驚いた。 質問に驚いたのではなく、 あの短時間でこの量の文のメールが返ってきた事がだ。 物理的に無理な気がするのだが……… 147 :溶けない雪 [sage] :2007/11/05(月) 18 32 13 ID 7DZdiTvy ではどうやってあれだけの量を送る事が出来たんだ? …………そうか、 予め質問をメモ辺りに書いて保存しておいたんだ。 きっとそうに違いない。 それにしてもメールで質問か… なんか違和感を感じざるを得ないのだが、 元々は興味があるとの事、それを考慮すれば質問位あるのだろう(多分) くると分かっていても、2件目のメールでされるとは思わなかっただろうが。 (好きな食べ物はシチュー 嫌いな食べ物は特になし 身長は去年のデータによると173センチ位 趣味 特になし 特技 実は料理が得意だったりする 血液型 AB型 寝る時間帯 12時 好きな人 や付き合っている人がいるか 残念ながらというべきか居ない と、まぁよくそこらへんに居そうな人だよ) 細かく自己紹介をした気分だ。 しかし、他は分かるとして、 寝る時間帯は一体何の為に聞くのだろうか。 夜中に寝ている時にメールしてこちらを起こさない為かな? もしそうならかなりの気遣いだな…… 気付くと、メールの返信が届いていた。 またさっきと同じような慣れた手つきで携帯(実は結構練習した)を開ける。 さっきみたいに驚く事は多分もうないだろう。 そう思い、視線を、携帯の画面に落とした。(ありがとう お陰で助かったよー) はて、 助かった? 一体何が助かったのだろうか? 質問に答えてお礼を言われるのは分かるのだが………… メールだと伝わりにくいという事はよくある事だ。 きっとこれも伝わりにくいメールだったんだ。 勝手に納得しておこう。 深く考える必要ないし。 148 :溶けない雪 [sage] :2007/11/05(月) 18 33 15 ID 7DZdiTvy 少し返信が遅れてしまったので、急いでメールを返信する。 内容を打ち、返信ボタンを押そうとする。 その時だ。 近くでなった轟音が―――正確に言うと目の前からなった――― 右耳を貫き、左耳から出ていき、脳を揺らした。 それと同時に、自分の視点が急激に低くなる。 あまりの事に、心臓が一瞬止まった気がした。 何が起きたのか分からず、しばらく呆けていたが、 肩を叩かれてハッとなり直ぐに後ろに振り向いた。 そこには見憶えがない、初対面のおじさんが立っていた。 「大丈夫かね?」 「は?」 いきなりの問いに思わず聞き返してしまった。 「分かってないのかね?トラックに君は跳ねられそうだったんだよ」 「え………」 おじさんの言葉を聞き、辺りをキョロキョロ見回す。 状況把握というやつだ。 辺りを見回して気付いた。 人が視界に写ると足しか見えていない上、 周りにある家や車等がいつの間にか大きくなっている。 何故足しか見えていないのか、 答えは単純、尻餅を付いて僕の視点が下がっていたからだ。 今更だが、目の前にいるおじさんも屈んで僕に視線を合わせていた。 気付いたからにはいつまでも尻餅を付いてるわけにもいかず、 よっこらせっと親父臭い事を言いながら立ち上がる。 視点が回復し、何故、さっきの突然の状況が発生したのかが分かった。 ここは…………信号だ。 さっきの轟音も、目の前にいるおじさんが言うには、 トラックが僕の目の前を通過したからか…… どうやら、考え事に没頭している時に、 横断歩道まで来ていたと気付かずに歩いていた。 そして、信号が赤なのにも関わらず、 横断歩道を渡ろうとした。 そして目の前をトラックが通過、そ の事に驚き僕は尻餅を付いて呆けていたというわけか。 ……ってあれ 149 :溶けない雪 [sage] :2007/11/05(月) 18 35 15 ID 7DZdiTvy もしかしてもう少しで死ぬ所だったんじゃあ………………… まじで? おじさんから注意の言葉を有り難く頂戴し 、帰るまで携帯の電源を切ってまた帰る為に歩き出す。 人は学習するのだよ。 ようやく家に着く事が出来た。 移動した時間自体は10分位なのだろうが、 今日の10分程忘れない10分はないだろう。 なんていったって、危うく死ぬ所だったのだから。 人は簡単な事で逝くという事を今日改めて実感した。 そういえばまだ水無月さんにメールを返していない事に気付いたが、 もう疲れたから寝たいという欲求と、 メールの内容的に返信しなくてもよさそうな感じなので、送るのをやめた。 シャワーを少し浴び、着替えてベッドにダイブ。 したのだが、今は仕事で居ない親に今日はもう寝るからと、 連絡を入れてなかったのでベッドから降り、家にある電話で留守電を入れておく。 さて、やる事をやったし寝よう。 そうしてベッドに潜り、意識が遠のいていくのを感じた。 幸いにも明日は土曜だ……………昼まで寝てよう。 朝、昨日夕方に寝たツケなのか、 いつもより早めに目が覚めてしまった。 まだ寝ぼけ気味だが、 僕は一度起きたら二度寝をする事が出来ないので起きるしかない。 今の時刻を確認する為にベッドの近くにおいてある携帯を開いた。 しかし、今気付いたが昨日から携帯の電源を消したままだった。 少しムカツイたが、 たかが数秒の手間にわざわざケチをつけようとは思わなかった。 消してたの自分だし。 やっとの事で電源が付き(やっとと言っても数秒だが)、 携帯の画面を見た瞬間に完璧に目が覚めた。 別に携帯の画面を見ると目が覚めるとかそういう体質という訳ではない。 目が覚めた理由、それは、 メール件数16件 150 :溶けない雪 [sage] :2007/11/05(月) 18 36 19 ID 7DZdiTvy メールの量の多さだ。 え?なんで? というのが最初の感想。 次の感想が 雲海辺りがイタズラメールでもしたのか? といったものだ。 無理もない、今までメールといえば溜まっていて6件だったのだ。 その記録が、いきなり朝起きたら2桁行ってましたみたいな感じで、 塗り変えられているともうなにがなんだか分からなくなる。 とりあえずは差出人を見る事にする。 話はそれからだ。 まぁ、きっと雲海辺りがイタズラしたとかいうオチだろうと楽観していた。 しかしそれは受信ボックスを見た瞬間に楽観は崩れる。 (まだ聞きたい事があるんだけどいいかな?) (どうしたの?) (取り込み中?) (ねぇ) (まだ取り込み中?) 見たのはここまでだが、 恐らく残りのメールも同じ様な内容だろう。 一言、言う事があるとすれば、 これはシャレなのか?というとこだ。 そうだとしても正直笑えない。 かなり怖い。 メールは全て同一人物。 しかも、雲海や夏夢みたいにこれといって親しい友人でもなかった。 メールの差出人は、全て水無月さんだった。
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◎溶けない氷細工 雪だるまをイメージされる氷の人形。一見何の変哲も無いが・・・・ (水/冷気減) 装備可:シズ 最大HP/MPブースト/攻撃力上昇/精神力減 とても冷たいのだけど表面はサラサラに乾いていて、 手で握っても溶け出す気配は無い。 工芸品と呼べる出来ではなく、 おそらくあの子の自作品なんだろうけれど この人形をシズナちゃんがえらい気に入ってしまった。 装備させろとやかましいので、無理やり装飾品にした。 これを装備している間、シズナちゃんの気分が高揚する。
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【絵の具】 画材。絵を描くのに不可欠な物。 関連【色】 種類 ・油絵の具 ・水彩絵の具 ・アクリルガッシュ ・ペンキ 油絵の具 …油絵用の絵の具。 顔料を乾性油で練ったもの。 チューブで売られていて、たくさんの色がある。普通は¥300~600だが、高い物はまれに¥5000くらいのもある。白の大きなものは便利なので買っておくといい。 減りやすい人も長く持つ人もいる。無駄使いは良くない。 共用絵具をプラスチックのケースにまとめてあるので、節度を持てば自由に使ってOK 数日間乾かないので、またすぐ描くのなら捨てずにパレットごと取っておいた方がよい。 ホワイトはかなり大量に使う。ブラックは無闇に使わない。イエローオーカは下塗りに。 服についたらすぐテレビンで洗うこと。 関連【色】【クサカベ絵の具】【マツダ絵の具】【ホルベイン絵の具】 水彩絵の具 …水彩用の絵の具。 アラビアゴムを水に溶かしたもので練ったもの。 水に溶くと透明で、たくさんの色がある。油絵の具とは似て非なる物である。 油絵の具とは違い、固まっても水で溶くたび半永久的に使える。パレットに常置してあることが多い。 黒や白は色がくすむのであまり使わない。 油絵とは違ってやり直しできないので注意。 アクリルガッシュ …不透明な水彩絵の具。 アクリル樹脂を水に溶かしたもので練ったもの。 しっかりと色が出る。中一の初めに配られる。近頃はあまり美術部員は使っていない。 長点としても欠点としても乾きやすい。学ランに付いたらすぐ洗うこと。 案外黒・白も使う。 パネルや、油絵の下書きに使用する。 ペンキ …不透明な塗料。 耐光性に強い合成樹脂で練ったもの。 アーチやパネルはこれで描かれる。美術部では文化祭の展示パネル以外では使用しない。 缶単位で売られているので、安く大量に購入できる。 混ぜると彩度がかなり落ちるため、アクリルガッシュなどと併用することもある。 編集者:Ruinee
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218 :溶けない雪 [sage] :2007/10/01(月) 18 44 51 ID lnCyGbRC 4 朝、8時頃に目を覚ました。 普通の学生の場合ならここで遅刻だと朝から騒ぐ時間帯なのだろうが、 自分にはさほど問題無い時間だ。 顔を洗い、服を着替えて、朝食を食べ、歯を磨き家を出た。 今日は曇りなので傘を持っていこうとも思ったが、 結局、降らなかった場合は邪魔になるので持っていくのをやめた。 学校に着いた時間は8時23分。 ちなみに、学校は8時30分からだ。 遅刻はしてないとはいえ、もう直ぐで授業が始まる時間なので、 教室には既に大体の生徒が揃っている。 「おはよう」 席に着くと水無月さんに挨拶をされた。 驚かなかった、と言えば嘘になる。 多少話しただけで女子と挨拶しあうような間柄になるとは思ってなかったからだ。 でも昨日の自己紹介の事を思い出すと、きっとこんな子なのだろう。 「あぁ、おはよう」 少しだけ遅れたが、こちらも返事を返す。 席に鞄を置き、昨日同様、黒板の横で輪になっている雲海達の所に行く。 「やぁ、ニブチン君」 いきなり友人Aに変な呼び方をされた。 ニブチンと言われても直ぐには分からなかったが、 少し考えると昨日の事を引っ張ってきたのに気付いた。 まだ会って2日目で友人からあだ名で呼ばれるのは、 上手く行っている事の現れなのだろうが、あだ名があだ名なので複雑な心境だ。 「やあ、皆おはよう」 とりあえず複雑なのでスルーした。 「おはよー」 既に挨拶をした友人A以外から返事の挨拶がきた。 「スルーですか・・・・・・・・・」 「残念ながら、僕はあまりリアクションを取りずらいのにはスルーするのだよ」 実際に、前フリ無しでいきなり変なあだ名で呼ばれてもリアクションに困るだけだ。 数分程、雑談をしていると、教師が来たので席に着いた。 来るのが早く感じたが、7分しか時間がなかったので早いのは当たり前である。 2日目からいきなり授業に入ったので、 なんかいやだなーとか思ったが、まだ授業は初日で、 雑談ばかりで授業と呼べるものは全くなかったので問題はなかった。 正直、授業をしないまま昼休みに突入した。 教科書を鞄に入れると、雲海と他数名がこちらにやってきた。 「遂にきたな」 「うん、遂にきたね」 いきなり主語がない言葉を雲海に掛けられたが、 何の事か分かっていたので会話は成り立った。 「念のため、それなりに持ってきたな?」 「うん、持ってきた」 また主語がないが、前述した通り、何の事かちゃんと分かっている。 「では………………食堂に行こうか」 219 :溶けない雪 [sage] :2007/10/01(月) 18 47 19 ID lnCyGbRC そう、食堂である。 実は昨日、この高校には食堂があるので、 グループ内の皆で行こうと話していたのである。 別に、日常化すればどうでもよくなくなるとは思うが、 初めて行くとなると話は変わってくる。 ちなみにそれなりに持ってきたか?とは財布の中身の事である。 値段が分からないので、念のために多めに持ってこようという事になっていた。 いくら位か調べてこようか?と聞いたが、 無粋な真似をするんじゃねぇ!と何故か怒鳴られた。 そんなわけで、友人達で食堂に向かった。 多少迷った。 食堂に着いた瞬間、あれ?と思った。 食堂というのは漫画とか小説みたいにかなり混雑している、 というイメージがあったのだが、他の食堂はどうなのかは置いといて、 ここの食堂は大して混雑していなかった。人はそれなりに居るが、 それでも席はそれなりに空いているし、 券売機の前に人が列を成しているというわけでもなかった。 友人達も同じ事を考えていたようで、呆気にとられていた。 所詮は作り話か・・・・・・・・・・・食堂としても、 入ってきた人の勝手な思い込みで、 まじかよみたいな顔をされるなんてたまったもんじゃないだろう。 食堂の入り口にいつまでも立ち尽くしていたら良い迷惑だ。 僕が皆に促し、取り敢えずは券売機で券を買う事にした。 人が混雑してないのは値段が少し高いからじゃないか?と少し焦っていたが、 別に高くはなく、そこらの食堂より値段が少し安い位だ。 ほっとするのと同時に今度は不味いんじゃないか?という懸念が湧いてきた。 ここは安全性を考え、カレーにした。 値段も400とよく見る値段だし、カレーなら滅多に変な作りじゃないかぎり、 普通に食えるレベルだろう。やはり僕には冒険心がないのだろうか? 他の友人達も券を買った。僕と同じで無難にカレーにするもの。 俺は敢えてカレーより高い、カツカレーで行くぜといってカツカレーにするもの、 ここはA定食だな、と冒険するもの等。 ここに券は揃った。 券を出し、食べ物を受け取り、各々が席に座った。 それにしても僕含め、皆テンション上がってるな。 「じゃあ………食べましょうか」 雲海の食事の定番挨拶で、皆が食べ始めた。さて、味はどうなのだろう・・・・・・・ 「・・・・・・・・・・美味い」 不意打ちだった。そう、美味いのだ。 さすがにちゃんとしたレストランとかに及ぶレベルとは言い難いが、 充分に美味いと言えるレベルだ。 カレーだから美味いのかもしれないと、他の面々を見たが、 皆うまくね?と口々に言いながら食べている所を見ると、 カレーだからというわけではないみたいだ。 220 :溶けない雪 [sage] :2007/10/01(月) 18 50 05 ID lnCyGbRC 想定外の味に、スプーンは進み、直ぐに完食した。 値段といい、味といい申し分ないが、では何で、人の数が微妙なのだろうか? 食堂とは案外こんなものなのだろうか。 午後の授業は不覚にも、眠くなってしまったので、 睡魔に抵抗などせずに、大人しく寝る事にした。 どうせ授業じゃないだおうししね。 5、6限を寝てすごし、さぁ、帰るかとなった時に、 「放課後は委員会があるので、属する者は全員、 指定の教室に向かうように。 サボるのは構わないが内申にかなり響くとだけ、アドバイスをしとくぞ」 先生からの連絡があった。 確か昨日も、同じ連絡をしていたような気がする。 僕は保健委員なので・・・・・・・やっぱりというか保健室か。 鞄を持ち、保健室に向かおうとしたところで、肩を叩かれた。 誰かと思い、振り向くとそこには水無月さんが居た。 あぁ、そういえば彼女も僕と同じ保健委員だったっけ。 「私達は保健室だね。早く行こう」 僕と水無月さんで保健室に向かう。 保健室は校舎の1階、僕達の教室が3階なので、その分歩く必要がある。 当然なのかもしれないが、歩いている間、会話等ない。 元々、初対面の人に話を掛けられないのがきっかけで、話をした人なのだ。 今更感があるが、何で水無月さんも保健委員になったのだろう。 男子で知り合いは僕しかいないからとかなのかな? まぁ、やはりなんとなく、とかの確率の方が高い気もする。 どうせ会話もないまま、気まずい雰囲気なのだから聞いてみよう。 「あのさ、何で水無月さんは保健委員になったのかな?」 「え?」 いきなり話掛けたので、驚いたからなのだろう、質問に対する返答は返ってこなかった。 「僕が決まってから立候補したからさ。何でなのかな?って、思ってさ。 保健委員に始めからなりたかったんなら、 最初から立候補したと思うし、やっぱりなんとなくとか?」 前ふりなしのその質問に、水無月さんは 「んー・・・・・・・・・まぁ簡単に言うと興味が湧いた、ってだけだよ」 「興味?」 はて、興味を持つ様な事なんかあったかな? 「興味って、何が?」 「坂田くんに興味が湧いたのよ」 僕!? 「興味が湧くような事僕したっけ?」 「それは人によって違うのだろうけど、 私にとっては興味が湧く事を、坂田くんはしたわね」 「僕の、どこが水無月さんの興味を引かせたんだい?」 「私に話掛けた事だよ」 声を掛けたから? 「えっと・・・・・・・・・・水無月さんに僕が話掛けただけで?」 「そうだよ。」 そんなものなのだろうか? 水無月さん程に美人なら声を掛けられる事なんて普通だと思うのだけど。 深く考えようとしたが、既に保健室の前に着いていた。 薬臭い室内、授業中になると何故か使用率が上がるベッド、 グラウンドが一望出来る窓。現在、保健室に居る。 図書室や、放送室、普通の教室等は、小学校から中学校、 中学校から高校に変わる度に部屋ががらりと変わるものだが、 保健室になると大した違いは生まれてこないのは何故なのだろうか? 保健室で委員会が開かれてはいるが、保健室はなにぶん道具等が多いので、 人数分の椅子を並べる事が出来ないので委員全員が地べたで開かれている。 でも何で先生だけは椅子に座っているんだろうね? 221 :溶けない雪 [sage] :2007/10/01(月) 18 52 21 ID lnCyGbRC 別に立候補はしたが、積極的に保健委員の仕事はするわけでなく、 また、どうせやる事と言っても、今までと大差はないと思うので、 委員会での話は聞きながしていた。聞きながしながら、 僕は先程の水無月さんとの会話を思い出していた。 水無月さんは保健委員に入った事を、僕に興味を持ったからだと答えた。 それも、興味が湧いた理由が、話掛けられたから。 何でそんな理由で?本当に分からない。 何故そんな事で興味が湧くのかが、 やはり、人の考えてる事を当てるなんて僕には土台無理な話だったか。 この委員会が終わったら詳しい事を水無月さんに聞いてみる事にしよう。 最後に、独身の女性の先生のよくあるような台詞で委員会が終わった。 解散と共に直ぐに教室を出て、帰宅やら部活に向かう人達の中、 「水無月さん、ちょっといいかな?」 「ええ、いいですよ」 思えば、最初に声を掛けて直ぐにちゃんとした返事が返ってきたのは初めてだな。 まぁそれは置いといて、 「さっきから水無月さんの言っていた事を考えていたんだけどさ、 やっぱり僕の考えじゃ何も分かる事なんてなかったんだよね。 だから聞きたいんだけど、何で話掛けらたからなのかな?」 自分で言っといてなんだけど、さすがにしつこい気がする。 傍目には、美人に興味が湧いたと言われて、浮ついたやつに見えるだろう。 別に僕が浮ついているわけではないが。 「ごく、普通に声を掛けてきたから・・・・・・」 「え?普通?」 声を掛けるのに普通とかがあるのだろうか? 222 :溶けない雪 [sage] :2007/10/01(月) 18 54 05 ID lnCyGbRC 「なんというか、何も考えないで、声を掛けてきた男の人は初めてだったんだよ。 確かに、町を歩いてると声なんかよく知らない人に掛けられるし、 中学でもそうだった。 そんな男の人達は決まって、私に少なからず下心を抱いていたり、 私の容姿に興味本位だったの。でも、あなたは違う。 声を掛けたのも、私がクラスで浮き気味だったからだったし、 別に私と親しくなりたいという感じでもなかった。 だから私は坂田くんに興味が湧いたの。 初めて、私の容姿や、 興味なんて関係なしにはなしてきた坂田くんに」 言われてみれば、そうなるのかもしれない。 美人と話が出来る事を若干喜びもしたが、別に水無月さんが、 クラスに馴染んでいなかったら、多分話掛けるなんて考えもしなかっただろうし、 髪の事もただの感想、名前の交換で喜びはしたが、 それ以上親しくなろうなんて思いもしなかった。 現に朝、挨拶をされて僕は驚いた。 確かにそうなる。 初めて自分への接し方が違う人に会えば、興味が湧くのも分かる気がする。 それだけでわざわざ委員会を同じにする必要があるのかとも思うが、そこらへんは人によるだろう。 何はともあれ、これで理由は分かった。 「あぁ、なるほど。そういう事か」 「えぇ、そういう事です」 しかし、何でかと考えている間は思わなかったが、 今考えると、興味を持たれたと言われても複雑だ。 自分から話の出所をふったのだが。 「ええっと・・・・・・・・・では聞きたい事は聞けたのでこれで」 結局、どう言えばいいか分からず、帰る事にした 「あ、ちょっと待って」 「はい?」 「あの・・・・・・・・そういうわけだからメアドを教えてほしいんだけど?」 そういうわけってどういうわけなんだろう?でも、これといって否定する必要もない 「あぁ、いいよ」 こうして、水無月さんとメアドの交換をした。 「それじゃあ、これで」 「えぇ、また明日」 水無月さんとは、高校から出る門から、帰路が違うみたいなので、 玄関を出てから直ぐに別れた。 まさか、水無月さんとメアドの交換をするとは思いもよらなかったが、 感想を言うと嬉しかったりした。それなりの年頃の男子なら、 女子とメアドの交換が出来て、嫌な気分になる人間などあまり居ないだろう。 223 :溶けない雪 [sage] :2007/10/01(月) 18 57 41 ID lnCyGbRC 不意に、水無月さんの言っていた興味が湧いた、と言う言葉を思い出した。 「興味が湧いた・・・・・・・・か」 誰にでも言うでもなく、呟いた。 声を掛けられたから湧いたと彼女は答えた。 今思うと、自分でも不思議だ。 自分から女子に声を掛けるなんて、今までで言ったら、夏夢位なものだった。 では、何で自分は声を掛けたのだろう。 気まぐれ? 気まぐれとは違う気がする。 ではやはり美人だから? そういうわけでもない。 優しいから? 今まで他人に、優しいねなんて言われる位に、他人に貢献した事などない。 では何で? 分からない・・・・・・・・ 彼女は声を掛けた僕に興味が湧いたと答えた。 それと同じで、僕も、その時の自分に興味を持った。 何で、声を掛けたのだろう?
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186 :溶けない雪 [sage] :2007/09/27(木) 17 42 02 ID jbjk43y6 3 僕の家は高校からかなり近い。 なんてったって徒歩10分で家から高校に行ける程だ。 家から高校に向かうのに10分という事は、 帰りも当然10分で着いてしまうので、直ぐに家に帰る事が出来る。 幸いにも、通路には繁華街を突っ切るので寄り道にも不自由にはなく、 学生としては破格の立地条件である。 元々、僕はもう少し上の高校に入れたのだけれど、 その高校に通うのには40分を要す。 なので通学時間が4分の1の現在の高校に通っているというわけだ。 レベルが少しとはいえ、自分より低いので授業も普通にやれば問題も起きないだろうし お腹が空いているので、今日は寄り道して帰る事にした。 寄り道する前に、必ず確認しなければいけない事がある。 それは、自分の財力・・・・・・・・・この場合は財布の中身の確認である。 以前、財布の中身を確認せずに飲食店に入り、 財布の中身を見たら、 売っている食べ物の最低金額が、 自分の手持ちの金額を上回っているという事態に陥り、 考えた挙句の果てに水だけ飲んで知らんぷりして店を出るという事をした。 あの時の店員や周りの客の目を自分は一生忘れる事はないだろう。 財布の中身・・・・・・・・・よし、それなりにあるな。 自分の財力を把握出来た所で、 そのまま蕎麦屋(今日は蕎麦の気分だった)に行こうとして、 「けんちゃーん」 それなりの距離からの声が僕の動きを止めた。 今までの人生の中で自分をそう呼ぶ人間は2人、 そのうちの1人はあり得ない事なので、 結果的に声の人物の姿を捉えなくても直ぐに誰かは分かった。 その人物―――田村 夏夢はこちらに向かってきている。 彼女とは5年位の付き合いで、 幼なじみとまではいかないものの、親友の間柄である。 髪は黒でショート、まぁよく居そうな活発な少女、 容姿は親友補正なしでも、美人に入るとは思う。 でも、活発なのでそんな風に感じにくかったりする。 ちなみに背はお世辞にも平均とは言えなく、背の事を言うといきなり殴られる。 中学時代はよく遊んだりしたものだけど、 高校が変わってからはそんな事もなくなるんだろうなと思っていたので、 高校初日から会えたのは正直驚いたりした。 しかし、小学生からの友達、それが親友となれば尚更、 驚きはあるが、喜びは大きかった。 187 :溶けない雪 [sage] :2007/09/27(木) 17 42 41 ID jbjk43y6 「やあ、久しぶりだね」 とりあえずは普通にお約束の挨拶をした。 「うん、久しぶり・・・・・・・・・・あれ?一週間前に遊ばなかった?」 確かにその通りである。 「まぁ、気にしない気にしない」 「むー・・・・・・・まぁいいや。ところで今からお昼かな?」 「そうだよ、今から蕎麦食べにいくとこ」 「じゃあさ、一緒していいかな?私も今からお昼だしさ」 別に断る理由はない。 「あぁ、いいよ。でも奢りはしないからな」 財布の中身は少なくはないが、奢る程には入ってない。 「期待してないから大丈夫だよ。 けんちゃんにそんな甲斐性があるなんて昔から思ってないし」 その通りだが、奢らさせる様な人に言われる謂われはない。 「少しは言葉遣いとかきちんとすればモテるだろうに……勿体無い」 この台詞を言うのは何度目だろうか? 「別に今のままでもモテてるから安心しなさい。」 「じゃあ、何で未だに彼氏の一人も出来てないの?モテてるってまさか女子からとか?」 「ちが・・・・・・・・女子からもよく告白されたわね・・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・世の中は案外面白く出来ているものだ。 「彼氏が居ないのは単純に私が他に好きな人が居るだけだよ。 もし、仮に居なかったにしても、 容姿やちょっと接しただけの性格だけで告白してくる人はどのみち願い下げだけどね」 どうやらモテるというのも案外羨ましい光景でもないみたいだ。 「ふーん、案外大変そうだね、モテるのって。 まぁ僕には所詮無縁の話だね」 本当に、バレンタインデーに義理チョコを貰った事しかない僕には無縁の話だ。 「そうなんだよ、別に好きでもない人に告白されまくっても良いことなんて一個もないものよ。」 「そういえばさ」 「ん?」 危うく流しそうになったが、流すには惜しい台詞を聞いた。 「夏夢って好きな人居たのだか」 「まぁね、そりゃあ高校生になって好きな人の一人いないなんてレズ位なもんでしょ」 良い人に出会えなかったという事もあるが、今はスルーしよう。 「それでさ、それって誰? 高校で会った人? それとも中学の時からの知り合い? 隠しキャラで皆が知らない幼馴染みとか?」 人は他人の恋愛事には、つくづく野次馬をするのが好きなようだ。 現に、僕がこんなに興味を示した事なんてここ3年位ない気がする。 「んー・・・・・・・・・・幼馴染みではないけど近い、中学からの付き合いではあるわね。」 「告白なんかはするのか?」 そう聞くと彼女はうーんと、数秒悩み、 「分かんない、でも出来れば向こうから告白してほしいな」 「分かんないって事は向こうも、 夏夢の事を好きだと言う事なのか?」 「多分そうだよと思うよ。それに、まだ進展なんかはないと思うけど、 一つだけ確かな事があるよ」 「確かな事?」 聞いた瞬間に背筋がきた。 何が来たのかは分からない。 だけど確かに何かがきた。 188 :溶けない雪 [sage] :2007/09/27(木) 17 43 45 ID jbjk43y6 「私はその人を絶対に手に入れるって事」 そう言い、夏夢は僕に笑っていた。 でも、いつもの笑顔などの類いでは決してない。 その笑みは・・・・・・・そう、初めて見るが狂喜の類いだ。 別にこれが狂喜だとか分かっていたわけではない。 只、本能的にそう思った。 結局、蕎麦屋に入ったはいいが、 メニューを見てるうちにうどんが食べたくなり、うどんを食べた。 その後、少し夏夢とウィンドウショッピングをし、夕方頃に各自帰路についた。 道で別れた後、しばらくして夏夢が振り返り、健二の背中を見ながら 「絶対に手に入れるからね………」 と呟いた。 その呟きを聞いた者は、誰も居ない。
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607 :溶けない雪 ◆g8PxigjYm6 :2008/01/06(日) 19 06 13 ID MdISYtqU 9 「そういう水無月さんだって、20分前行動じゃないか」 そう言いながら、振り向く。 視界を変えた先に立っていたのは、水無月さん。 「確かにそうだね」 そう言い、水無月さんは軽く微笑む。 そんな表情に一瞬ドキリとしたが、直ぐにいつも通りに戻る。 「まぁ、二人共しっかりしてるという事でいいか。 それで、何を買いにいくの? さすがに荷物持ちと言っても、数十キロとかの荷物は持てないからね」 少し冗談を言い、水無月さんの反応を伺う。 さすがに、只の買い物で数十キロなどいくわけがない。 そんな事を聞いた水無月さんは、少し考える様な仕草をして、 「分かった、9キロ位に抑えるね」 「え?」 返ってきた水無月さんの言葉に、思わず驚いてしまった。 「冗談だよ。今日は、少し雑貨屋にでも行こうかと」 冗談か… 力にはそこまで自信がなかったという理由から、 安心してしまった自分が少し情けない。 「うわぁ……案外面白い所だね、ここは」 雑貨屋に入った時、思わずそう言ってしまったのは無理もない。 入った瞬間に視界に写る、見渡す限りの物、物、物。 数えきれない程の物が置いてありながら、 ぬいぐるみ、コップ、お菓子、香水、椅子、etc……と、種類もかなりある。 少し遠くから、音量が高い歌も流れてきて、耳に届いてきている。 少し前に流行った曲で、僕は今でも聞いている。 人の姿も、それなりに居る事も分かる位、入り口からでも人が視界に入る。 雰囲気や、中の様子が想像とはかなり違った。 何故かは分からないが、質素なイメージで、 あまり人がいない様なイメージが自分の中で勝手に定着していたのだ。 「あまりこういった所には来た事ないの?」 「いや、来た事はあるかもしれない。 だけど来た憶えが全然ないかな」 来た事があったとしても、その事を全く憶えていなければ来た事がないのと同義だ。 「へぇ…… やっぱり男の人はこういった物にあまり興味がないのかな?」 そう言いながら、水無月さんは目の前の棚に置いてある少し大きめの、 丸い形の豚のぬいぐるみを手にとり、こちらに差し出す。 「多分そうだと思う……かな?でも僕としては、 とりあえずこの店には興味があるよ」 目の前に差し出された、豚のぬいぐるみを手に取る。 「うわぁ………これで2000円もするものなのか」 608 :溶けない雪 ◆g8PxigjYm6 :2008/01/06(日) 19 08 09 ID MdISYtqU 「結構ぬいぐるみは高いよ。 だから私は買うとしたら、いつも手の平サイズ位の大きさにしてるよ」 「という事は、これは大体サッカーボール位の大きさだから買わないというのか」 手にあるぬいぐるみを元の棚に戻す。 僕の手によって棚に戻ったぬいぐるみは、 寂しげな目でこちらを見ている気がした。 「残念ながら、ね。 もう少し安かったら買っていたと思うんだけど……」 そういうわけだってさ、と、豚のぬいぐるみに視線を送る。 「なるほどね…… ところで、いつまでも同じ棚の前に居るのもなんだから、奥に進もうか」 「じゃあ、あっちからでいいかな?先に見たい物があったから」 水無月さんは右側を指差した。 指差した方向を見ると、どうやらあっちの方には食器類を主に置いているようだ。 「元々僕は付き添いだから、水無月さんの行く方向についていくよ」 「………うん、そうだね。じゃあ、行こうか」 今の間が少し気になったが、 水無月さんが、先程指差した方向に既に歩きだしていたので、足早に追いかけた。 水無月さんの目的の場所に着いて周りを見ると、 さっきは基本的にぬいぐるみをメインに置いてあったのだが、 ここは食器をメインに置いてあるようだ。 目の前の棚で見かける食器としては、コップやご飯茶碗が一見して多い。 「コップでも買うの?」 そんな棚の前でしきりに品を見ている水無月さんを見て、 疑問に思った事をそのまま口にする。 「うん、その通りだよ。と言っても、なかなかいいのが見つからないんだけどね」 「どんなコップが欲しいの?」 「うーん………マグカップが欲しいかな?」「マグカップねぇ…………」 そう呟きながら、周りの棚を法則性なく見回す。 ふと、棚の一番右、上から3段目の棚にある白いマグカップと、 その右隣に配置されている黒いマグカップに目が止まった。 見ると、そのマグカップの表明には色しか目に写らない。 棚に向いている方に模様があるのかと思い、白いマグカップを手に取ってみる。 手に取ってマグカップを右に回しながら見るが、続くのはただひたすらの白。 何も無い事が分かったので、白いマグカップを元の位置に戻し、 今度は右隣に置いてある黒いマグカップを手に取る。 先程の白いマグカップと同様に、右に回しながら見るが、 今度は白と対象的とされり、黒が続くだけ。 模様があるかもしれない、という事に期待していたわけではない。 なので、何もないと分かると同時に、何の未練もなく、マグカップを元の位置に戻す。 そんな今までの僕の様子を、隣で見ていたらしい水無月さんが、 棚に戻したマグカップに手を伸ばし、白と黒、両方を手に取る。 しばらくそれらをじっと、見つめていた後、「これにしよう」 「ん?それでいいの?」 609 :溶けない雪 ◆g8PxigjYm6 :2008/01/06(日) 19 08 50 ID MdISYtqU 水無月さんは手に持っているマグカップに視線を落とし、 「うん、私はシンプルな物が結構好きだからね」 そう言いながら、マグカップを手にレジに向かい歩き出す水無月さん。 水無月さんの後に付かず離れずの距離を保ち、後ろからついていく。 後ろから付いていくと、先程の真っ白なマグカップを思わず思い出した。 改めて認識させられるが、水無月さんの髪はそれ位に、真っ白でいて、綺麗だった。 後ろ姿を見ると分かる、雪のような純白。 正面から見ると目立ちすぎない程度に見栄えを飾る髪質。 そんな髪からは、 純粋という雰囲気さえ醸し出している気がする。 と、また人の事をじろじろ見てしまっていた。 失礼極まりない。 「買ってきたよ~」 僕に見せる様に、水無月さんは、 ビニール袋を持った手を顔の高さ位まで上げて軽く揺らした。 「マグカップなのにビニール袋なの?」 「あぁー……それはね」 結構耳に残る音を発しながら、 ビニール袋の中から薄い黒の箱を取り出した。 「ちゃんと箱に入ってるよ。 でも、箱に入っているからといってビニール袋に入れるのも、 確かに変な感じだね」 割れ物がビニール袋というのは、 どこかにぶつけただけで直ぐに割れてしまう、という不安が生まれる気がする。 「箱が黒いって事は、それは黒いマグカップ?」 「正解~ 正解者には景品としてこのマグカップを贈呈」 僕の両手を掴み、おもむろに水無月さんが手に持っていた箱を、その両手に置く。 「ん? 水無月さんが欲しいから買ったんじゃないの?」 「この黒いやつは違うよ。 これは今日の買い物に付き合ってくれたお礼だよ。 大体、女の子に黒いマグカップは似合わないって」 確かに 「そういうわけだから、遠慮なく貰ってくれると助かるなぁ…」 断られるのを心配しているのか、しきりに貰うように催促してくる。 僕としても、お礼というからには、もらわない方が逆に悪い気がした。 「分かったよ。遠慮なく貰ってく」 610 :溶けない雪 ◆g8PxigjYm6 :2008/01/06(日) 19 10 15 ID MdISYtqU 「それじゃあ、今日はお開きにしましょうか」 雑貨屋を出た後、直ぐに帰る事になった。 どうやら水無月さんはこれからやる事があるらしい。 しばらく繁華街の街並みをぼんやりと眺めながら、 水無月さんと肩を並べて歩く。 これといった事はなかったと思うが、何故か奇妙な沈黙が生まれていた。 前述した通り、理由は勿論分からない よく分からない沈黙だった為か 「じゃあ、私はこっちだから」 待ち合わせ場所にいつのまにか着いていた、という事に気付いたのは 僕が帰る方向と違う方向を指さしながら、 僕に話かけた水無月さんの声を聞いてからだった。 「分かった。じゃあまた明後日、学校でね」 「うん、じゃあね」 二人で言うと同時に、各々の帰路に進む。 それにしても、買い物といってもあまり時間がかからなかった。 携帯を開いて時刻を見ると、約3時30分。 水無月さんに会ってから1時間30分位しか経っていない。 用事があったようなので、仕方がないといえば、仕方がないが。 お詫びの様な感じで付き合ったわけでもあるし、同時に親交も深められたと思う。 更に言えば、結構楽しかった。 最後の奇妙な沈黙が気になったけれど。 水無月 雪梨視点より 今日は本当に楽しかった。 隣には健二さんが居て、他愛もない物を二人で探して、 雑貨屋で買った色が違うだけのマグカップを二人で分けて…… これはデートと呼んでも差し支えないと思える。 健二さんはそんな気がなかったみたいだったのが、 残念だったけれど。 本当は、これから喫茶店にでも入って、健二さんと談笑をして、 しばらくしたら景色が綺麗な所にでも行って、 良い雰囲気を作る…………筈だったのに!? 全てがぶち壊された。 楽しくなる、至福の時だっただけに、 それが壊された時に感じる怒りは、相当なものだった。 相当というか、ここまで怒りの感情を持ったのは、 初めての事かもしれない。 611 :溶けない雪 ◆g8PxigjYm6 :2008/01/06(日) 19 12 10 ID MdISYtqU でもそんな怒りも今は抑えなければ駄目。 これから壊れた元凶……… ううん、壊してくれた人に会うんだから、怒りの感情のままに アレに会っては駄目だ。 少し冷静になろう。 今日の事は、近いうちにお礼をすればいいだけだ。 私は待つ、あの―――― 「ちょっと待ってくれないかなぁ?」 女が話掛けてくる事を―――――
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僕の絵の具 作詞/海老の背ワタ オレンジ色の絵の具 一つだけ なくなったよ 俺の絵は オレンジ色の空 いつの日の 夕暮れ時に いつもの丘の上 ぼくらの 二人だけの 秘密の丘の上 君はまだ来ないけど 一人でも僕はこのオレンジ空 見つめているよ 夕日が染め上げた この大空に 君との思い出描く 真っ白なスケッチブック またオレンジの絵の具で空を写し出す あの日の 夕暮れ時に 届いた君の報せ もう二度と 会えないけど また僕はこの場所へ 君は来れないけれど 一人で見る夕日もいいものだね また君と・・・・ 太陽が沈みゆく この世界に 君とのコト思い出し ぐちゃぐちゃのキャンパス またオレンジの絵の具 君との空を描く
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183 :溶けない雪 [sage] :2007/09/27(木) 17 39 44 ID jbjk43y6 2 水無月 雪梨・・・・・・ 自分の友達作りも、 雲海の紹介から輪に入り、 雑談を少しした事で上手くいった。 さすがに友人が居るとはいえ、 緊張はしたが別に大した事もなく、 直ぐに話に入れたので問題はなかった。 さすがに後押ししといて後は知らんぷりというのもどうかと言う理由から、 視線だけで水無月さんを探す。 彼女は窓際に居た、 先程のどこか退屈そうな感じで窓の方を見ていた顔と違って、 今は楽しそうに女子の中心で話していた。 良かったなと思う。 そんな事を思うのは単なる自己満足に過ぎないけれど、 それでも良かったなと思う。 今の心境を答えるとこうなる、 やっぱりか、と。 現在、教室では新学期でいう恒例の自己紹介が行われている。 早口で何を言ってるか分からないまま自己紹介を終える者、 テンションの上がりすぎでその場の勢いでネタに走る者、 だんまりしたまま流れで何も言わないまま次の人に回される者、 自己紹介なのにいきなり初恋の話を暴露しはじめる者、 只の人間には興味がありません、とよく分からん事を言い始める女子、 となかなか騒がしい雰囲気で自己紹介が行われていた。 まぁ、よくもこんなに自己紹介で盛り上がれるものだね。 だけどこれはこれで悪くないとも思う。 どうせなら僕もたまには普通に終わらせずに何か普通じゃない自己紹介をしようかな? そう思っていると自分の番がきた、 「えっと、坂田 健二と言います。 ありそうでなさそう名前だねとよく言われます。 これから一年よろしく」 と、大した事も言わずに自己紹介を終えた。 やろうと思っても実際に行動したら大概はこんなものだな、 と思うと同時に、 自分には冒険心があるのだろうか?と自問していた。 やはりないのだろうと結論を出した頃、 水無月さんの番がきた。 184 :溶けない雪 [sage] :2007/09/27(木) 17 40 16 ID jbjk43y6 「私の名前は水無月 雪梨と言います。 ここへは引っ越してきました。 現在は祖母と2人で住んでいます。 皆さんどうかよろしくお願いします」 水無月さん引っ越してきたんだ・・・・・・・ まぁ、人には色々な事情とかがあるものだしな、 勝手に自己完結しておこう。 そこで自己紹介は終わりかと思っていたが、 水無月さんは急に回れ右・・・・・・・性格に言うと僕の方を向いて 「さっきはありがとう」と、 お辞儀をしてきた。 さっき?・・・・・・・・・・あぁ、少し後押しした事か。 きちんとお礼を言うなんて律義だと思う 、ただのお節介をしただけなのに。 水無月さんは僕にお礼を言うと、 今度こそ自己紹介を終えて席に着いた。 お礼を言われるのは気持ちのいい事だが 、さすがに自己紹介という場でお礼をされたら、 当然お礼を言われた僕が皆に注視されるわけで、 凄く恥ずかしい。 しかし、水無月さんは彼女なりに僕にお礼が言いたかったんだ、 という気持ちがあったのは分かるので、 彼女に何か言おうにも言えず、 結果的に教室は?マークと共に僕を注視する人間が大半の状態で自己紹介が進められた。 早く休み時間になんないのかな? ようやくHRが終わり、 休み時間になった。 HR終了頃には注視される様な事は無くなって助かったけど、 休み時間になったら今度は今日出来たばかりの友人達から、 質問をされまくった。 あんな美人に抜け駆けはいかんだろとか、 こいつ・・・・・・フラグを立てやがって・・・・・・・・とかなんかも言われた。 フラグって何? 「そう言う位なら、君達も話掛けてくればいいじゃん。」 こう言うと友人Aはでもさ、と 「あんなに美人だとさ、 何か話掛けずらくないか? なんかさ・・・・・・こう、高嶺の花みたいな?」 なるほど、確かにそうだろう。 あんなに美人だと気後れするのも頷ける。 でも、だったら何で僕は普通に話掛けられたんだろう? その問いに友人Bは言った、 「鈍いんだよ」 なんか腹立つな。 185 :溶けない雪 [sage] :2007/09/27(木) 17 41 08 ID jbjk43y6 帰る前に委員会を決める事になった。 しかも帰る前とは文字通りに帰る前で、 放課後になる10分前にいきなり先生が決めると宣言しだした。 最初は皆がぶーぶー文句を垂れていたが、 先生の 「早く決めないと帰れないぞ?」 という有難いお言葉で気がつけば進行役が出来ていて、 書記もいつのまにか配置され、 黒板に委員会の名前をかなりの速度を持って書いている。 先生は素晴らしい策士ですね・・・・・・・・ 委員会だが、昔から僕は保健委員だったので保健委員に立候補した。 幸運な事に立候補者は誰も居なかったのでとりあえず僕は保健委員に確定した。 理由は特になかったりするが、 なんとなくポリシーを感じて、 毎回保健委員に立候補してしまう。 僕が保健委員に確定したあと、 女子が保健委員に立候補した。 驚いた事にその女子は水無月さんだった。 他に立候補を誰もしなかったので、晴れて僕と水無月さんが保健委員という事になった。 何でだろうと思いはしたが、 決まった人は早く帰れるので、 水無月さんもそんな口だろうと深く考えず、 僕は帰宅する事にした。 お腹すいたな・・・・・・・・・
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18 :溶けない雪 [sage] :2007/10/22(月) 18 20 00 ID 9KfpG0oe 6 水無月 雪梨視点より 私は授業から休み時間までずっと、 どうやって健二さんとの距離を詰めようかを考えていた。 考えた末に、なるべくの会話、一緒に行動する等の結論に至った。 女子と男子の間には、グループが同じでない限りは見えない壁が存在するものだが、 その辺りは自分の行動でどうとでもなる。 そんなわけで、早速健二さんと同じ委員会になった。 幸いにも、保健委員だけはあんまり人気がなかったようだ。 人気がない理由に疑問もあったけれど 、そのお陰で委員会が同じになれたのだ、感謝こそすれ不都合は何一つとしてない。 委員会も、嬉しい事に明日にやるみたいだ。 そういえば、自己紹介の後、 何故か健二さん友人達に取り囲まれてたど、何かあったのだろうか? 私の周りに居た友達も、皆ニヤニヤしながら私を見ていたし、 本当に、何かあったんだろうか。 物事は上手く事が運ぶ事もあれば、上手運ばない事もある。 私は今その事を痛感している。 放課後、健二さんと一緒に帰ってみようと声を掛けようとしたのだけれど、 なんと、玄関から出て、私と正反対の方に向かっているではないか。 門まで一緒ならまだ、少しは希望があるけれど、 玄関から、向かう先自体が違うので、希望が存在してすらいない。 そんな落胆の中で、私は簡単な事に気付いた。 別に帰り道が違うとしても、同じ帰り道だねとでも行って一緒に帰ればいい。 何でこんなに単純な事に気付かなかったのだろうか。 私は玄関で立ちつくしていたからいいのだが、 既に健二さんは門を潜って帰ってしまっている。 19 :溶けない雪 [sage] :2007/10/22(月) 18 21 46 ID 9KfpG0oe 急いで追いかけようとしたが、いきなり走っていって声を掛けるのが憚れた。 健二さんとは、少し会話をしただけの距離があるからだ。 結局、健二さんの後に付いていってはいるが、 声を掛ける事が出来ず、結局は健二さんから20M程離れて歩いている。 悲しい事だけれど、ストーカーに近い。 しばらく、健二さんの後を付けていると、繁華街の入り口辺りで急に足を止めた。 私の事が気付かれたのかと思い、音を立てずに直ぐに近くの電柱に隠れる。 何で私は今隠れているのだろうか? しかし、健二さんは私に気付いたわけではないみたいで、 しばらく首を下に向けて何かを見ているようだ。 何を見ているのかが気になるが、現在、健二さんとの距離は20M、何を見ているのかは さすがに視力が2.0の私でも分からない。 少しして、健二さんは首を戻しました。 そして、また繁華街に歩いていった。 さっきと同じで、私は20M位の距離を保ち、 後を付けていたが、これでいいのか?と思い始めていた。 別に少ししか会話をしていないとはいえ、知らない仲というわけではない。 案外声を掛ければそのまま一緒に帰れるのではないか? だが、もし失敗したら気まずくなるのは確かだ。 しかし、健二さんは優しいからそんな事はないとも思う。 きっとこちらの気を察してくれるに違いない。 そう、大丈夫、きっと大丈夫 それに、仲良くなる為になるべく会話をしようと決めたばかりではないか。 そう自分に言い聞かせ、 「健「けんちゃーん」声を出して健二さんの方に歩き出した時だった。 誰か知らない女の人が、 声を出しながら健二さんに向かって後ろから走っていった。 20 :溶けない雪 [sage] :2007/10/22(月) 18 23 37 ID 9KfpG0oe 私はまた、咄嗟に近くの店に身を寄せて、 目立たないようにした。 目立たなくなってから健二さんの方を見ると、 やはりというか健二さんの知り合いみたいだ。 それも、二人共楽しそうに話している様子を見ると仲がかなりいいのも分かる。 多分けんちゃんというのは健二さんのニックネーム と、いったところだろう。 健二さんは女の人と楽しそうにしゃべっている。 それに比べて、自分は何と惨めな事だろう。 コソコソと楽しそうに会話をしている男女を眺めているなんて。 もし、早く私が話しかけていれば隣に居るのは私だったのだろうか? やめよう、今となっては無意味な推測にしかならない。 大事なのは今、何をするべきかだ。 今………何をするべきなんだろう。 やはり健二さんに声を掛けて話に混ざるべきか? 無理だ、正直自分ではあそこに割って入る事等到底出来そうにない。 では他に何をするか。 ………………………………何も思いつかない。 今だけは自分の頭の回転の悪さに腹が立つ。 ふと、気がつくと既に健二さん達が店に入っていく所だった。 私も中に入ろうかと思ったけどやめた、さすがにばれるからだ。 それに、どうせこの後も健二さん達を付けた所で、 ただ自分は眺めているだけだろう。 帰ろう……それが一番良い。 何も出来なかった自分に腹が立ちながら、結局、 私は重い足を引きずり帰路に着いた。 21 :溶けない雪 [sage] :2007/10/22(月) 18 24 50 ID 9KfpG0oe 家に帰り、直ぐに寝ようかと思ったが、 余分に歩いて汗がかいたので、シャワーを浴びる事にした。 シャワーを浴びればこの暗い気分も汗と一緒に流されてくれる、 と思ってシャワーを浴びたが、実際に流れたのは眠気だけで、 寝れなくなってしまった。 つまり、暫く眠くなるまでは、今の気分で過ごせなければいけないという事だ。 強引にベッドに入ろうかとも思ったが、 寝付けなくて直ぐに起きる自分の姿が簡単に想像出来てしまうので辞めた。 「お腹空いた……」 そういえば、まだお昼ご飯も食べていなかった。 お腹が空いたとなればやる事は一つで、とりあえずは冷蔵庫を開けた。 幸いにも昨日の残り物があったので、レンジに入れて、終わるまで リビングのソファーに座って待つ。 レンジ意外の音が全く聞こえないリビング。 今、リビングに居る人間は私だけで、 その一人が何もしなければ静かになるのは当然だ。 昔はあんなに賑やかだったのに、どうしてこんなに静かになってしまったのだろうか………… 「あぁーっ、もうやめやめ」 駄目だ、本格的に暗くなってしまっている。 普段は考えないような事にまで反応してしまう。 考えるのは止めよう、少し話しただけの人でこんな気分になるなんて馬鹿げている。 そうだ………馬鹿げている。 そもそも何で固執する必要があるのか? たまたま、話掛けてくれただけではないか。 優しさに触れたから?違う、そんなものは只の言い訳だ。 暗い気分になったのは自分に腹が立っただけ? 違う、それも只の言い訳だ。 何で固執したのか、何で落ち込んでいるのかは、もう分かっている。 本当は健二さんと仲良くなりたいのではなくて、好きになって欲しかったからだ。 22 :溶けない雪 [sage] :2007/10/22(月) 18 25 36 ID 9KfpG0oe そして………横にいる女の人が凄く羨ましく、 そして同時に憎いと思ったからだ。 何だ、簡単な理由じゃないか。 何でこんな簡単な事に言い訳していたんだろう? 本当、私は馬鹿げている。 理由が分かれば話は早い。 積極的に自分をアピールしていこう。 健二さんの事もなるべく知ろう。 あの時の女が彼女かどうかも調べよう。 アピールは自分でするとして、あとの二つは探偵でも雇いましょうか? そんな計画を立てながら、私は温め終わった焼きそばを食べた。 しかし、思い返してみると、自分でも軽い女だなと呆れる。 なにせ、少し話をしただけで相手を好きになるなど、 軽い以外の何者でもない。 だけど、好きになったものはしょうがないではないか、 開き直る事しか出来ないではないか だって、この気持ちを消せそうにはないのだから。 次の日、挨拶をした私を見てあなたは驚いた顔をしましたね。 私は距離の長さを再確認したけれど、 いつかはその長い距離を0にさせてもらいますね。