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決勝戦直前02 「さあ、どっからでもかかって来い!!」 「ちょっと待った。審判は誰がやる?」 「ぐ、ぐむーっ」 「審判は参加チームが行うことになっていたはずだ。しかし、他チームは傷つきすぎている。とてもこの危険な決勝戦の審判を行う余力は残っていないだろう」 「た、確かに……」 そう、全選手は満身創痍の身であった。 怪我を押して観戦席に居るが、本来ならば皆絶対安静を余儀なくされている状態である。 「くっ私が余力を残していれば……」 「気にするな支摩真白。だったらオレがやってやるぜーっ!!」 「ダメです張さん!!貴方は絶対安静の身のはず!!」 「時宮暦……。な、ならばどうすれば……」 「心配は無用!!この決勝戦にもっとも相応しい審判を用意してある!!」 委員長の言葉と同時に、覆面マントに身を包んだ二つの影が飛来する。 「トタァー!!」 「セファーっ!!」 「「お、お前たちは!?」」 「そう、準決勝の2試合で審判を務めたミステリアス・レフェリーだ!!」 「ミステリアス・レフェリー……その姿から、てっきりミステリアスパートナーと思っていたが……。だ、だが、ミステリアスパートナーはここにいる……」 「い、いったい、ミステリアスレフェリーとは何者なんじゃーっ!!」 「フフフ 見せてやるぜ!!オレたちの正体を!!」 バサッ とマントを脱ぎ捨てる二人の魔人 そこに居たのは皆知っている魔人であった。 このトーナメントの元凶となった魔人 トーナメント開始前に姿を消した魔人 その姿こそ―――――――― 「「ゲェーっ!!」」 「「お前たちは――――――!?」」 「ミステリアス・レフェリーの正体は、俺たち時間魔人!!八つの大罪(エイト・デッドリー・シンズ)だーっ!!」 「白金雷光……立川稲妻だったとは……。八つの大罪(エイト・デッドリー・シンズ)だと……?」 「七つの大罪とは――――――」 ミステリアス・パートナーが口を開く。 「七つの大罪とは、人間を罪に導くと言われる七つの感情の事を意味している。また、七つの罪自体も指し示す。つまりやつらは、自分たちこそ八番目の罪と言いたいんだろうぜ」 「ぐ、ぐむーっ。貴様ら、一体どういうつもりだーっ!?」 「フフフ、俺たちが審判では不服かな?ジョワジョワ」 「ヌワヌワ」 「面白い。乗ったぜ」 紅 カオルが冷静に言い放つと、エビゾウもテキーラを飲みはじめた。 エビゾウなりの戦闘前のウォーミングアップである。 「麻央!!」 興奮冷めやらぬリングに一際大きな声で言い放つエビゾウ。 「……どうやら魔人国宝は乗り気のようだな。どうする?大下八津太」 「時間魔人が何をたくらんでいようが、私はどんな勝負でも受けるぜ!!行くぞ、ハンニバルマン!!」 『さぁ、後は決勝戦のゴングを待つばかりだーーーーっ!!』
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決勝戦:【現代】空港 このページではダンゲロスSS4決勝戦、【現代】空港の試合結果を公開します。 投票結果 試合SS キャラクター名 得票数 決勝戦SS・空港その1 馴染おさな 12票 決勝戦SS・空港その2 潜衣花恋 20票 決勝戦SS・空港その3 綾島聖 31票 サブGK総評 三下の頂点・綾島聖 vs 王道の頂点・潜衣花恋 vs 頂点の幼馴染・馴染おさな ・馴染おさな:SSその1 目まぐるしく攻守優劣が入れ換わる展開が持ち味のその1。 絶対敗者概念の裏返しであるという神父を独自の理論で崩し、その隙間に滑り込む馴染おさなの姿はまさに彼女の本領発揮であろう。 絆の力で闘う花恋に対し、手に入れられなかった/それを選ばなかったおさなの独白はあまりに物悲しい。 そして、そこに舞い降りる熾天使の相である。 綾島を味方に付けた瞬間、自らに同情して手を止めた敵対者を焼き払わせるおさなの姿は、彼女の魅力的な二面性を象徴している。 おさなちゃんの捨て石になりたい。 ・潜衣花恋:SSその2 これまでのスタイルの集約とも言うべき伏線の回収が素晴らしいその2。 それだけ読者を選ぶ面もあるはずだが、そんなことはものともしないオールスターズである。 時ヶ峰健一! 山口祥勝&掃き溜め! 菊池一文字! ウラギール・オン・シラーズ! メリー・ジョエル! シェルロッタ・ロマルティナ! 更にそれらをただ出すだけでなく、決着にもきちんと取りいれている。タロマルの仇打ちは無論のこと、 メリーの存在を起点とし、綾島聖を「迷宮時計の戦いの勝利者」とし笑って死なせるなど、 ダンゲロスらしからぬ救いに満ち溢れたエンドは決勝に相応しいものと言えよう。 女子高生ババアはやっぱり最高だぜ! ・綾島聖:SSその3 能力バトルとしての側面を極めたその1、ストーリーとしての側面を極めたその2に対し、 Dragon ashを極めたその3が来るのは、流石にダイス神糸目の三下説を語らざるをえない(発表順はダイスなのだ)。 オチモノとオレオレ詐欺による幼馴染の攻略(?)、コンポジションフォ~から爆発力奪取を行う花恋の能力応用からは、中の人の高いSS力を窺わせる。 しかしその卓越した構成力を、破壊音波と摩擦奪取からDragon ashに繋げることに費やす――なんて、なんて無駄なことを! SS強者が、強キャラを使い、搦手も厭わず作られたSS。 フィクションでないこの現実では、それは、当たり前のようにめちゃくちゃ強かったのだ。 そして――ダンゲロスSS4、表の優勝者! それは糸目の王、常敗無勝の男! 我らが神父様、綾島聖がその栄光を手に入れました! そして、次が本物の最終決戦ーーここまでただケヒャリ、 ただ暴れ回るだけだった神父様が、 迷宮時計に願う目的とは一体なんなのか? 思わず私自身も……クヒヒ……気になりすぎて首が540度回転してしまいそうですよォーーーッ!! ダンゲロスSS4エキシビジョン! 乞うご期待! 決勝戦:【現代】空港 勝者:綾島聖 馴染おさな 寄せ書きマントがド直球で素敵だった!そして!それを踏みにじる!おさなちゃんマジ天使!神父様の正体もその1が一番好き。 三者の特徴を活かした展開からラストの緊張感、そしてファム・ファタールっぷりが最高でした OMT… 純粋な筆力の差で、僅差ですがその1に投票 ごく個人的な主義として、同じ熱量なら「笑い」よりも「泣き」を重く見ます。SSその1の寄せ書きマントがもう本当にヒットして、全てを背負う花恋の覚悟が全SSでもっとも強く伝わってきました。綾島神父に対する解法も非常に納得いくもので、大変楽しませていただきました。 潜衣花恋 ごみ箱を破壊して飛行機を探す純粋な神父さまがかわいかったです。キャラが多く登場するのに上手いこと話がつながっていて、決勝戦ってかんじがしたのも良かったです。 全体的に死人が少なく、後味もよかったので。 常敗無勝を目指しつつも勝ってしまう糸目に、これほど説得力ある背景をつけるとは! その3の真っ向からの能力攻略もよかったが、連戦に渡って能力応用とは無関係なところで山盛りにしつづけていく気迫を応援したかった。 女子校生のお母さんに頭を撫でられたい! かゆい うま 死ヒャアアアァァァァァァァァ 戦闘描写・キャラの立たせ方・結末の3点を比較した結果、このSSを選ばせていただきました 勝利を目指す糸目、迷宮時計の戦いの連続優勝者としての糸目、ヒップホップの糸目。その中で一番納得できたのがその2の糸目でした。 もはや言葉はいらないでしょう。三人とも本当に素晴らしかった―― 狂人の最後として凄く好きです 泣いても笑っても決勝戦、どれも読み応えタップリの集大成でごじました。さんざに悩んだのですが、これまでの物語をきっちりと踏まえ、残る二人に愛をもって決着を与えたその2に一票を。 一はすごい綺麗で面白かったし、その3は腹抱えて笑ったけど、一番好きなのはここでした。……やまいちって、すげえ……(ぺん) 試合としてだけの決着でなく、決勝と言う区切りとしての決着として、最も同情すべき迷宮時計被害者であるタロマルを持ってきたのにぐっときました(まめ) メリー・・・ここでこんなとは 綾島聖 当然と言えば当然なんだけど一番神父様が好き勝手しておられたので。 突然のDragon Ash 感謝しよう。この国もまだ捨てたもんじゃないな。 最後のーールとーーーーザはまだ解読出来ないけど取り敢えず一番笑えたことを告げておきます。今まで知らなかったDragon かなり迷いましたが、読んで一番「面白い」と感じたssはこれでした。 後味のいい物語が好きなのに…。ダメでした。綾島さん面白すぎます。何度考えても、好みすぎた。き オチモノで既に一線を画していた上に、百合で完全に持ってかれました。圧倒的!センス!戦略や心情に手抜きもない。やはり貴方は最高だ! 楽しさが圧倒的だった……能力バトルとしても「幼馴染」を「オチモノ」で破るというのは最高のアンサーだとおもいました。また、2のウラギールの真実がとてもよかったです。結果がどうなろうともわたしのなかではあれが正史だ 頂点に立つべきは己の『Dragon Ash』を最も深く追求したSS!己の『Dragon Ash』とは何かという問いに真に向き合った者だ! オレオレ詐欺には勝てなかったよ…… すごい笑いましたしすごい嬉しかった。それはそれとして2人の攻略として強靭な精度を誇ってるのがずるすぎる。 決勝戦に相応しくハイレベルな戦いだった。完成度で見るとその1が最も高いかと思ったが、ドラゴンアッシュには勝てなかったよ… 圧倒的暴力による蹂躙……SSの内容ではなく、SSが。もはやひれ伏すことしかできません。何がオチモノだ馬鹿!ヤバいドラッグじゃねえよ何言ってんだよ!! その1,2ともに完璧な出来だったと思います。が、神父様に感傷的な過去や理屈をつけず、勢いで突き抜けたその3は、妙な納得感がありました。ダンゲロスSS4の集大成に相応しい作品だったと思います。3作品とも素晴らしかった!ありがとうございました! 2は今までに出たキャラの使い方が上手く 能力バトルのディテールが細やかで迫力があった。三つ巴戦。全員がそれぞれ勝ち筋に邁進し、糸目がすべてを上回る。読み終わったときの絶望感、感情の動きが投票の決め手となりました。断じてDragon Ashではない。 綾島神父が楽しそうだったので Dragon Ashwwwwwwwwwwww 最高でした。ここでまさかのDragonAsh登場を予想できた人はいたんでしょうか?
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決勝戦選手入場 パーコ♪ 「さあ、いよいよR団武闘大会決勝戦です。解説はおなじみの」 あゆみ 「あゆみです。」 パーコ♪ 「そして、Far♪選手を特別ゲストにお招きしています。」 Far♪ 「Far♪です。よろしくお願いします。」 パーコ♪ 「Far♪選手。1回戦で敗退。残念でしたね。」 Far♪ 「まあ一生懸命やった結果ですから、仕方ないです。」 あゆみ (・・・・どこがだよ。反則負けじゃんか・・・。) パーコ♪ 「3位決定戦も辞退ですか?」 Far♪ 「はい。1回戦で膝を痛めてしまって。残念ですが辞退させていただきました。」 あゆみ (・・・・そもそも出場禁止のような気がするんですけど・・・・。) パーコ♪ 「Far♪選手。あなたは、謎の多い選手ですが、一体誰なのですか?」 Far♪ 「秘密です。」 パーコ♪ 「あたしの知っている方に大変声が似ていると思うんですが・・・・。」 Far♪ 「人違いです。」 パーコ♪ 「そうですよね・・・。あの方がこの時期にこの場所に来られるはずがないですから。」 あゆみ 「あなた人間じゃないんじゃない?その感じ人じゃない・・・・。」 Far♪ 「確かにあたしは人でなしですね。はははは。」 あゆみ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 パーコ♪ 「あ!選手入場です!まずはカシコジマ選手です!」 オシリア 「おじいちゃん。何か緊張するね。」 カシコジマ 「あんたが緊張してどうするんだい。ふぉふぉふぉふぉ。」 パーコ♪ 「カシコジマ選手。1回戦に引き続きかわいいセコンドを連れての入場です。」 あゆみ 「今回の入場は衣装が凝ってますね。」 パーコ♪ 「はい。派手なパフォーマンスはありませんがガウンを羽織っています。」 あゆみ 「ドラゴンが刺繍してありますね。」 観客 パチパチパチパチ! パーコ♪ 「カシコジマ選手リングに上がりました。」 あゆみ 「羽織っていたガウンを脱ぎ去りました。」 パーコ♪ 「おおっと!これは。これは。何と隆々とした筋肉だ!」 あゆみ 「1回戦では道着を着用していたのでわかりませんでしたね。」 パーコ♪ 「今回は、下のショートスパッツ1枚だけですので、肉体美が一段と強調されますね。」 あゆみ 「カシコジマ選手の女性ファンが増えるかもしれません。」 サムソン 「ふおぉーーーーーー。」 ????? 「私はロンシャン様一筋です。っていっても素敵な体・・・。」 パーコ♪ 「ショートスパッツにも威勢のあるドラゴンが刺繍してあります。」 あゆみ 「刺繍があしらわれた位置が何とも言えない微妙な位置です。」 パーコ♪ 「何かセックスアピールを感じますね。」 オシリア 「お、おじいちゃん。何か会場の雰囲気が変わったよ。」 カシコジマ 「ふぉふぉふぉふぉふぉ。気にせんでよい。」 パーコ♪ 「さあ、引き続いてロンシャン選手の入場です。」 あゆみ 「照明が落とされました。」 パーコ♪ 「おおっと!これは「Longchamp BOM-BA-YE~」の入場曲がかかったぞ!」 観客 ロンシャンBOM-BA-YE~ロンシャンBOM-BA-YE~ロンシャンBOM-BA-YE~ 観客 ウルフBOM-BA-YE~ウルフBOM-BA-YE~ウルフBOM-BA-YE~ パーコ♪ 「さあ客席からロンシャンコールとウルフコールの大合唱だ!」 あゆみ 「ロンシャンさま~♪がんばれ~♪」 パーコ♪ 「ロンシャン選手の入場です!」 観客 ロンシャンBOM-BA-YE~ロンシャンBOM-BA-YE~ロンシャンBOM-BA-YE~ 観客 ウルフBOM-BA-YE~ウルフBOM-BA-YE~ウルフBOM-BA-YE~ パーコ♪ 「ああっと!ロンシャン選手、全身にTattooを入れています!」 あゆみ 「いえ、そんな根性はないはずです。ボディペイントでしょう。」 パーコ♪ 「でもこれはこれでなかなか強そうに見えますね。」 あゆみ 「ロンシャン様は華奢ですから。これくらいしないとね。」 パーコ♪ 「背中に何か書いてありますね。」 あゆみ 「え~と。あれ?なんか変な字。」 パーコ♪ 「サンズイヘンに「英語」の「英」って書いてますね。何と読むのでしょう?」 Far♪ 「けけけ。」 あゆみ 「ひょっとして「漢」のつもりかしら?」 パーコ♪ 「漢字間違えたんですね。だせえ。」 あゆみ 「変な字の下にも何か書いてありますね。」 パーコ♪ 「えーと、何々。「I m a lonely gay.」。」 あゆみ 「直訳すると「私はさみしいゲイです。」・・・・。」 Far♪ 「けけけ。」 あゆみ 「おそらく「I m a lonely guy.」と書きたかったんでしょうね。」 サムソン 「ロンシャン様・・・・。」 ????? 「ロンシャン様・・・・。」 観客 ざわざわざわざわ。 パーコ♪ 「お客様も気づかれたようですね。」 観客 You suck! You suck! You suck! You suck! You suck! You suck! あゆみ 「あらあら。だっせコールの大合唱・・・。」 Far♪ 「けけけけ。」 決勝戦選手入場・次に続く 決勝戦・「ロンシャン」vs「カシコジマ」へ (2009.12.5)
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運命の決勝戦(うんめいのけっしょうせん) 遊戯王ZEXALで流れたBGM。サウンドデュエル03 Disc2 トラック17に収録。 73話アバンで流れた曲。《CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー》が初めて登場した時の曲でもある。 曲名の通り、遊馬がカイトに挑んだ時の曲だが、《CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー》の初登場を大いに盛り上げもっぱらこの時の印象が非常に強い曲である。 また、ZEXALⅡ変身時はこの曲がかかっていたので、ZEXALⅡのテーマという印象も強くなっている。 作曲 蓑部雄崇
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裏決勝戦:【過去】地下墓地 このページではダンゲロスSS4裏決勝戦、【過去】地下墓地の試合結果を公開します。 投票結果 試合SS キャラクター名 得票数 裏決勝戦SS・地下墓地その1 刻訪結 9票 裏決勝戦SS・地下墓地その2 古沢糸子 17票 裏決勝戦SS・地下墓地その3 本葉柔 9票 サブGK総評 失った兄を求める少女・刻訪結 vs 肢を失くしたハードボイルド探偵・古沢糸子 vs 失われたはずの世界の異星人・本葉柔 ・刻訪結:SSその1 パリの地下で行われる、容赦のない戦いが戦場に映えるSSその1。 本葉柔・古沢糸子の二タイプの異なった相手を巧みに描写しつつ、 ここまで苛烈なまでに描写されてきた結ちゃんの猟奇性――ではなく、その能力に焦点を当てた洞察を展開。 自らをからっぽと称し、コピー能力の進化系たる能力融合を使い、おっぱいとチョコレートをものともせず勝利する結ちゃん。 犠牲にした少女の名を名乗る迷宮時計からのメールによって、緊張感と危うさと先への期待を含むラストも見事の一言です。 ・古沢糸子:SSその2 ハードボールドともハーフボイルドとも違う、糸子さん特有の軽妙な語り口を全体に散りばめた見事なSS。 相手の能力は最大限に描写すべしの原則の下、おっぱいを的確に文体に組みこむ対応力は流石の一言。 チョコレートの弾丸一つで時空斥力と糸使いを打倒する能力応用も見事。 更には柔ちゃんと堅一くんのラブコメまで展開し、爽やかなオチで締める。これが俺の放映権。 まさしく、この人、このキャラでしか書けない、ただひたすらに完成度が高いとしか言いようがないSSでした。 それにしてもここの貧乳結ちゃんと失恋柔ちゃんと不器用時ヶ峰くんと能力の出番超多いハイライトサテライトめちゃくちゃ可愛いよな……。 まあ一番可愛いのはおっぱい柔術凌ぎながら半泣きになってる糸子さんだけどな! ・本葉柔:SSその3 この中で一番の色物設定ながら、迷宮時計の真実にもっとも近いゆえか、特異なシリアス性を展開した本葉柔。 基準世界で魔人にならず幸せに暮らす本葉柔。基準世界で悲劇に巻き込まれる魔人。 だけど時ヶ峰くんは基準世界にはいない。幸せなのはどっち。本物はどっち? GKから言えるのは、とりあえず迷宮時計はわるくないよ。ぷるぷる。 なおかつ、「閉鎖空間で大規模破壊能力者はどうすればいいのか?」→「ステージ壊せば良いじゃん」という選択を真っ向からやるのは非常に好印象。 そして、まさかの巡真実による死亡制約能力。生き残った蟹見えた結ちゃんが無残に死ぬのは今までのSSにない衝撃的展開でした。 裏にて圧倒的強さを誇る蟹使い。その栄光がまた一つ刻まれたと言えましょう。 そしてダンゲロスSS4、裏の優勝者は、ハードボイルド安楽椅子甘味中毒探偵、古沢糸子! これまでのSSキャンペーンの上位者の中で、果たして彼女ほどの良識派がいたかどうか! 表で猛威を振るった文章力は、ダンゲロッサーの洗礼を得てなお輝くようにも思える! そして、最後の戦いは、あらゆる意味で因縁の相手! 果たして糸目のスピードは高速機動安楽椅子に匹敵するのか? 果たしてチョコレートの弾丸は粉塵爆発を撃ち抜けるのか? 無限に思えた迷宮時計の戦いも、これにて長いお別れ(ロング・グッドバイ)を迎えることとなる! 裏決勝戦:【過去】地下墓地 勝者:古沢糸子 刻訪結 能力合成大好き! 当然といえば当然ですが、結ちゃんが一番うまかったです! ただ銀の弾丸や能力合成の伏線はちょっと欲しかったですね 決勝に進んでからの急激な成長に脱帽でした。エミュレート性とか。あとあんまりおっぱいが出てこないのがよかった。 一番良かったと思う 3つとも決勝に相応しくどれも面白かったです。投票の理由としましては、これの続きが読みたいというそれだけの理由です。 本当失礼なんですけど、初読時はこの人のSSだと気付きませんでした。それほどまでに文章の完成度が跳ね上がっていて、かつ作成者以上に情感豊かなキャラ描写は健在。今まで以上に、完全にSSに惹き込まれてしまいました。素晴らしかったです。 古沢糸子 他の2つも面白かったけど取り敢えずこれで。一番攻撃力も耐久力も低いと思われる糸子さんがここまでやってくれると楽しい。楽しい。 どれも面白かったので投票も迷ったのですが、読んでから数日たっても一番印象に残ってたのがこちらでした。 失恋して落ち込む柔ちゃんかわいかったです。(ぺん) 戦闘描写の好みで選ばせていただきました 時ヶ峰、柔のラブコメ。ここが一番続きが気になります。そして、やっぱり糸子さんが素敵です(まめ) 最後にもう一度おっぱいの混じらないこの方のSSが読みたい。 切り裂きジャックのなんなのさ 裏の頂点に相応しき三作、どれも力作揃いでした。 三者三様、散る者にも勝つ者にもドラマを与えておりその差はほとんど無いと言えます。故にこれは好みとして、その2が一番好きだったという意思表明です。 本葉柔 面白さは拮抗していたのですが、まとめ方のうまさで3に1票。 ボンバー! くやしいでも一番綺麗にまとまってたので 答えは蟹だアアアアッッ!! 悩みに悩みましたが、全体的な好みという点でその3に、その1は作者の成長が本当に感じられましたが柔ちゃんのオチがビターだったところが……。その2も素晴らしかったですが中盤のまでの人物の多さと場面転換が若干分かり辛かった。
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決勝戦/ベストバウト投票結果 【第1位】【墓地跡】山口ミツヤ 【次点】【墓地跡】復讐の獣イオマンテ 【第1位】【墓地跡】山口ミツヤ SS名 投票数 その1「ジュウサンカイダン:■■■■」 9/16 【次点】【墓地跡】復讐の獣イオマンテ SS名 投票数 その2「最終問答:永遠は在るか否か?」 7/16
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島……いや、既に崩壊が進み、外から見れば巨大な岩塊とも見えるその大地の中心部で、二人の剣士は対峙した。 剣を構える両者は無言。 卜伝としては目の前の相手が声を掛けるに相応しい剣士なのか未知数だ。 以前に軽くぶつかって腕と才はわかっているし、対峙して更に進んだ境地に入った事もわかったが、それだけでは卜伝には不足。 一方の沖田は、卜伝が望み得る最高の敵である事は、以前の手合せからも、今感じる剣気からも明らか。 だからこそ、言葉を交わして余計な情を持たれるよりも、剣のみで全てを決したいというのが沖田の想い。 結果、この御前試合最後の戦いとなる、いわば決勝戦は、静かな立ち上がりから始まる事となった。 互いに剣を正眼に構えたまま間合いを詰め、切っ先が接触するかと思われた瞬間、沖田が動く。 卜伝の剣と真っ向から押し合う事を避けて横に跳ぶ沖田……それも左右両方に。 気当たりにより分身したしぐれと同様だが、沖田の場合は、柳生十兵衛との決闘で学んだ、心を二つに分割する技を応用している。 心まで分かれている為に心中を読まれても本体を見抜かれれる事はないし、心の幹は一つだから分身同士で完璧な連携が可能。 尤も、既に無限の分身したしぐれに打ち勝っている以上、卜伝にとっては二人に分身した程度は恐れる事ではないが。 卜伝の態度からそれを悟ったのか二人となった沖田は更に大技を繰り出して卜伝を挟撃した。 右の沖田は縦横円弧の三つの剣撃を同時に放ち、左の沖田は切り下げ・切り上げ・横薙ぎの三つを瞬間に繰り出す。 二種の燕返しを同時に放つ事で回避する事も受け切る事も不可能にする連携技。 だが、沖田が技を繰り出そうとする瞬間、卜伝は迷わずその場に寝転んだ。 別種の技ではあるが二つの燕返しは本質的な共通点を持つ。 しぐれとの闘いで無数の武術を体系的に捉える眼を養った卜伝には、それは同じ技の別側面に過ぎず、同時に対処可能な攻めであった。 卜伝の動きを見て咄嗟に身体を伸ばして剣を届かせようとした二人の沖田の剣先が接触して動きを鈍らせる。 哲学に差はあれど燕返しが飛燕を斬る為の技である以上、地を這われ剣の下を潜られれば追うのは困難。 体勢を崩した沖田を卜伝の下からの二人纏めて薙ぎが襲い、飛び退いて躱す沖田だが左の袖口に血が滲み、分身も消滅。 手首の傷は軽傷だが、燕返しのような精密さを必要とする連撃を放つのは難しいだろう。 となると、三段突きなどの片手技で攻めるか、さもなくば…… 沖田はトンボの型に構えると気力を高める。 左手の傷は精密さを狂わせる可能性があるとはいえ、握力や膂力を発揮するのに支障はなさそうだ。 小手先の技が使い難いなら、無限の速度と全てを存在ごと消滅させる一撃で真っ向から押し切れば良い。 敵を地面ごと打ち砕くのが示現流の心意気とはいえ、やはり寝転んだ相手に斬り下ろしで掛かれば避けられる危険が出て来る。 故に卜伝が立ち上がった瞬間に斬り掛かろうと力を溜める沖田だが、卜伝は立ち上がると見せて低い姿勢から沖田に突進した。 示現流は新当流とは別の道で剣を追求する事にしたとはいえ、元を辿れば天真正を源流とする一派。 神道流の正統を継ぎ極限まで進展させた卜伝が沖田の構えを見て即座に本質を見抜いたのは、ある意味当然。 技が放たれてしまえば防ぐのは困難と悟った卜伝は、先手を取る事にしたのだ。 示現の太刀は雲耀の剣をそれに匹敵する足運びが支える事で成り立つ技だけに、急に間を潰されると修正に時間を要する。 その暇を与えずに間を潰したの卜伝は、沖田に距離を開く事を許さず、状況を大技の使えない超接近戦に持ち込む。 尤も、卜伝の本来の狙いは組み合い柔の技で制する事で、格闘戦に持ち込まれていれば沖田の勝ち目はなかっただろう。 其処までの苦境に追い込まれず済んだのは、必殺の一撃を放つ為に高めた気迫の賜物。 強烈な気組みが沖田の存在感を高め、武蔵戦で沖田が犯したのと同様に、卜伝も間合いを見誤ったのだ。 即ち、沖田の仕掛けが卜伝に全く無効ではないという事……卜伝が紙一重の差を絶対的な優位に変える老練さを持つとも言えるが。 どちらにせよ、極端に狭い間合いでの立ち回りは天然理心流に豊富な型があり、沖田も十分に学んでいる。 鍔迫り合いの体勢から何とか左手を外すと、腰の鞘を掴み居合の柄打ちの要領で卜伝に叩き付けた。 無論、卜伝とてただ打たれる筈もなく、片手を刀から離して防御し、同時に沖田が腰を廻す為に緩めた足を蹴って体勢を崩す。 両者が片手を鍔競り合う剣から離し、体勢も崩れた事で噛み合う刃が滑り、火花が散って沖田の無限刃が発火。 「!?」 思い切り気を叩き付けて炎を卜伝の側に吹き付けると、流石に不意を衝かれたか、卜伝は大きく後に退く。 ここで時を与えれば別の手で攻められると読んだ沖田は、下がった卜伝を即座に追撃しようと試みる。 鞘を半ば抜きかけたのを利用し、無限刃と鞘の二刀の構えで追い込もうとし……手の中から鞘が消えているのに気付く。 沖田の気が無限刃と炎に逸れた瞬間に卜伝が奪い取っていたのだ。 あまりに自然な動きで抵抗なく奪われた為、いざ使おうとする瞬間まで沖田も気付けなかった。 傷の痛みで怯まない為に左手の感覚への注意を意識的に薄くしていたのを逆用したのか。 新陰流の護身の為の無刀取りとは全く異なる、相手の隙を狙い積極的に武器を奪い取る、いわば攻めの無刀取り。 抜こうとした鞘がなくなっていた事で攻めに転じようとした沖田の動きが止まり、その刹那の隙を卜伝は見逃さない。 卜伝の手から放たれた鞘が凄まじい勢いで沖田を目掛けて飛ぶ。 鈍器とはいえまともに受ければ只では済まないし、木製だけに剣で払えば食い込んで動きを妨げる。 咄嗟に沖田は、着物の袖で眼前に迫った鞘を絡ませ、払い落とす。 だが、顔を狙った攻撃を袖で防いだという事は、袖により沖田の視界が塞がれるという事。 同時に卜伝が再び突進してくる気配を感じた沖田は、気配に向けて砂利を蹴り上げた。 砂を蹴上げての目潰しは土方が得意としていた喧嘩殺法だが、卜伝相手にそんな手が通じる筈もないのは織り込み済み。 沖田が砂を舞い上げたのは、砂と身体がぶつかる音と気配から、卜伝の存在をより濃く感じ取る為。 無論、この方法で位置や動きを読んでも、その精度は眼で直接確認するのには遠く及ばない。 沖田は、砂で卜伝の身体を把握しようとしたのではなく、気配で卜伝を感じる事で、心を共鳴させようとしたのだ。 柳生利厳との決闘、特にその終盤で感じた不思議な感覚……あの時、闘う二人の心は溶け合い、何時しか一つになったと感じられた。 一つの心に二つの身体を持って舞い、型が完遂した時、我に返った沖田は、利厳が倒れ何時の間にか一人になっていた事に気付く。 極度の興奮状態が生んだ錯覚とも取れるが、沖田はその実在するかもわからぬ境地を再現しようと試みる。 生死の境に身を置く事で研ぎ澄まされた精神が想像の中で沖田の心が卜伝の心を絡め取り、一つに溶け合う。 死地の中で限界まで深く沈めた心の中で、一閃の光を見たように、沖田は感じた。 それが妄想か否かを確かめもせず、直感に従って沖田が身をずらせた直後、正に先に見た軌道を卜伝の剣が振り抜いて行く。 二度、三度とその調子で卜伝の攻撃を凌いだ沖田は、それで稼いだ僅かな隙を使って反撃の準備を整える。 卜伝の一撃を回避した勢いで刀を引いた沖田は、零距離からの三段突きを繰り出す。 この至近距離では突きの回避はまず不可能。 かと言って三段突きを受けるのは宮本武蔵も相当に苦労したように、卜伝にとっても容易ではない筈。 三段突きは以前に見られているが、その後に大幅に進化し、既に別次元の技になっているのだし。 だが、沖田の渾身の突きは、卜伝によって紙一重で回避される。 通常なら零距離からの突きは回避不能だが、突きの軌道を事前に読み切っていれば話は別。 心を読まれ攻撃を連続して躱された卜伝だが、卜伝程の剣豪がただ読まれるままになっている筈がない。 精神の共鳴を逆用し、沖田の攻撃を先読みしたのだ。 本来、片手平突きは外されてもすぐに薙ぎなどの次の攻撃に繋げられるのが最大の利点。 しかし、沖田が放ったのは、全く同じ軌道を行く連撃である三段突き。 しかも最後に放った三段目の突きが最初に届いて回避されたとなれば、追撃は至難の業。 それでも渾身の反撃をあっさり躱されてしまえば、技を出した直後の隙を衝かれて斬られる事になるのは明らか。 沖田は咄嗟に回避される寸前の一段目と二段目の突きの軌道をぶれさせ、紙一重で躱した卜伝の顔面に掠らせる。 思わぬ手傷を負った卜伝が怯んだ隙に沖田は後退して体勢を整えるが、実は消耗は負傷した卜伝より沖田の方が大きかった。 三段突きは、全く同じ軌道の突きを連続して、後には同時に放つ技として沖田が練り上げたもの。 同じ動作の反復だからこそ、身体への負担を最小限にして超高速の挙動が可能となるのだ。 それなのに速度を変えず動きをぶれさせるのは、身体へまともに負担がかかる、明らかに剣理から外れた行為。 突きの途中で骨や筋が己の限界を超えた動きの負荷により破壊されて不発になっていてもおかしくなかった。 まあ、そんな理に反した本能的な動きであったからこそ、卜伝の読みを外して危地を逃れる事が出来たのだが。 三段突きが沖田にとって慣れ親しみ最も熟練した技であったからこそ、筋道を外しても破綻だけは免れたのだろう。 だが、目に見えた損傷はなくとも、過度の負荷により体力が限界に近付いていると、沖田は理解している。 そして、自分の身体では、体力の限界まで戦い続ける事は出来ないであろう事も。 力を出し切る前に、身体が持たず血を吐いて倒れるかもしれない……この懸念が沖田の頭を離れる事はない。 故に、消耗を自覚した時点で乾坤一擲の勝負に打って出るのが、沖田の流儀なのだ。 沖田は持てる限りの気組みを集中させると、それを一本の刀と化して卜伝目掛けて撃ち出した。 嘗て柳生石舟斎が見せた、己の剣気を矢と化して敵を射る不可思議な技。 尾張柳生と江戸柳生の精華を学んだ今の沖田ならば、応用して再現する事も十分可能。 尤も、石舟斎の技を思い出したのは、最後の瞬間に吐血して力尽きた桂ヒナギクが己の未来の姿に重なって感じられたからだが。 対する卜伝は強烈な気を真っ向から受ける愚は避け、横に一歩動いて回避する。 その一瞬の隙を狙って、沖田は全速で突撃。 無論、これだけの気を一度に放った時点で、沖田が持久戦を捨て決戦を挑む気になった事は卜伝にも明白。 気の飛刀を回避しつつ、己の持てる最強の技、一ノ太刀を放つ構えを取りつつある。 卜伝の構えを見た時点で、沖田にはその凄味の一端がはっきりと感じられていた。 この奥義に対して勝ちを狙うならば、持てる力を限界まで、いや、限界を超えて発揮させなければ勝負にすらなるまい。 だが、それをすれば間違いなく連戦で疲弊した沖田の肺は破れ、死に至るであろう。 それでも、沖田は万一の可能性に賭けて加減なしの全力を振り絞る事を選んだ。 万に一つ、身体が壊れても、斃れる前に最後の一撃を振り切る事が出来る可能性に賭けて。 例え決着の数瞬後に死ぬとしても、先に相手を仕留める事が出来れば勝負は沖田の勝ち、沖田本人はそう思っているのだ。 沖田が突撃して斬り付けるのが早いか、卜伝が体勢を整えて奥義を放つのが早いか、速度の勝負。 或いは、勝負が決するよりも潜んでいた病魔が沖田の身体を食い破るのが早いか…… 疾風の如く突進して旋風の如く剣を薙ぐ沖田。 対する卜伝は、大上段に振り上げた剣を真っ向から振り下ろすという、極めて単純な、故に剣技の頂点に在る奥義で迎え撃つ。 二人の剣が交錯し、すれ違うと同時に血が飛沫く。 そして…… 「……これは、ないなあ」 地に倒れた沖田は、言わずにはいられなかった。 この局面に到って漸く気付いたのだ……己の内に潜む病が取り除かれていた事を。 果心居士はこの御前試合を、一種の蠱毒として構築している。 蠱毒に於いては集めた毒虫の類を食い合わせ、全ての毒を勝ち残った一匹の身体に集める事で最高の毒を作り出す。 御前試合に於いても同様で、闘い合う事で互いの技や業を融合させ、より高めさせるのが目的。 ならば当然、参加者に戦い以外の原因で脱落されては困る訳だ。 戦闘以外での死、例えば自害や、事故や……或いは病死で。 武芸者ではない果心に、全ての闘いが丸一日で終わるとは予測できなかっただろう。 参考にした聖杯戦争では、七騎のサーヴァントの闘いが決着するのにかなりの時日を要するのが通例だったのだし。 行李に食料を入れて支給した上に島の各所に酒食を配置していた所から見て、長期戦になる可能性も考慮していたと考えるべき。 そうなった場合に沖田の戦いを阻害し得る要因を取り除いておく、果心が病を癒した思惑としてはそんな所か。 道具を渡したり記憶を操作したり、果心は参加者達が全力を発揮できるよう幾つも手を打っており、これもその一つなのだろう。 だが、この処置を沖田に力を発揮させる為に為したのであれば、果心の剣客というものへの無理解を示す何よりの証左。 天然理心流の教えでは、剣に於いて最も重要なのは技でも力でもなく気組みだと唱えていた。 気迫で圧倒すれば技で優る敵に打ち勝つ事も容易だし、気が高まれば集中力洞察力も上昇しより効率良く剣技を吸収できる。 そして、近藤や斉藤が見せたように、死の淵に身を置き避け得ぬ死を見詰める事で、剣士の気組みは爆発的に増大するのだ。 即ち、自身の中に死病が潜んでいる事は、沖田にとって障害であるよりはむしろ強さの源。 立ち合う剣客達を驚嘆させた、沖田の若さに似合わぬ剣の冴えは、己が若さより先に命を失うと悟っていた故にこそ手に入った強さ。 多くの者が沖田の才が完全に花開けばどれ程の名人になるかと夢想したが、実態は未完に終わる事が約束された故の破格の才能。 果心は沖田を補助するつもりで、実際には沖田の剣才の核となる要素を取り除いた事になる。 もし沖田が本来の状態ならば、病に最後の一撃を妨げられる事なく、且つ一ノ太刀に打ち勝てる確率は億に一つという所であったろう。 一方、病を取り除かれそれを覚ってしまえば沖田の剣の鋭さは損なわれ、その場合、卜伝に勝てる可能性は零だ。 現実には病が癒えていると知らぬままに振るった沖田の剣が、健康な身体により完璧に動き切り、一ノ太刀より早く卜伝を切り裂いた。 だが、それは己が既に健康体でありながら、死病に冒されていると思い込んだ故の、いわば錯誤の勝利。 病が癒えたと知ってしまった今、恐らくあの速度は二度と出せまい。 病が癒えた事で伸びた寿命の全てを費やしても、卜伝がいた境地に辿り着けるか、増して剣術を完成させるなどとても…… 実戦では常に強い者が勝つとは限らず、素晴らしい達人が詰まらぬ偶然に足を掬われ散る事はよくある。 この程度の道理は沖田も重々承知していた事だが、それでも何処か、世界を楽観的に見ている部分があった。 個々の対戦結果は錯誤により決まる事があったとしても、最後は真に強い剣士が勝利し全てを丸く収めるだろうと。 無論、自身がその真の強者になり全ての技を修得できればそれが最高の結果だが。 しかし実際は錯誤により己を上回る剣士に勝利し、しかも最後の技はもう再現できない。 沖田にとって、また関わった多くの者にとって不本意な結果だが、確定した結末を覆す事は不可能。 この御前試合は、沖田総司の勝利という形で終結したのだ。 【塚原卜伝@史実 死亡】 【残り一名】 【剣客ロワイヤル優勝者 沖田総司@史実】 投下順で読む 前話 剣の宇宙樹 次話 エピローグ
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決勝戦キャラクター一覧 お題「理想の???」 キャラクター名 [] [] []
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決勝戦直前01 「フフフ そろそろおひろめといくか おまえたちが決勝を争う絶好の舞台のな!」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ ガシャーン 「「こ……これは!?」」 「な…なんじゃーっ このリングのまわりにしきつめられたものはーっ!?」 「こ……これは板に剣を打ちつけたものだ……」 「も、もしやあれは……」 阿摩羅識ぎりかがわなわなと震えながら呟く 「し、知っているのか、ぎりか!?」 「ウム……あれは古来より伝わる決闘方法……ま、まさかあの決闘方法を知っている者が居るとは……あの決闘方こそ――――――――」 「名づけて、ソード(剣板)・デスマッチじゃ!!」 「なにーっ!?」 「ハンニバルマンよ ソード・デスマッチなんて知っておるか?」 「ウーム よくは知らないが見た感じで推理するならば……脱出不可能という点でランバージャック・デスマッチと同じだが、むこうは人の壁が場外へ逃げようとするものを押し返すだけに対し、こっちは場外へ落ちれば大ケガ……まさにリング上も地獄ならリング下も地獄というところか!」 「ひえ~~っ」 「どうじゃ気に入ってもらえたかな?この試合方法は完全決着の方法として古代魔人時代に頻繁におこなわれてきたそうじゃが……近代になってあまりに残虐な試合方法のため一切おこなわれなくなったとか!!」 「そもそもこの残虐な試合方法を考え付いた男こそ そこにいる男。最強の男と呼ばれた阿摩羅識ぎりかだ!!」 全員の視線がぎりかに集まる。 「ま、まさかオレの考えたデスマッチを利用してくるとは……」 動揺を隠し切れない場において、ゆっくりとリングに上がる一人の男が居た。 「ソード(剣板)・デスマッチか 委員長もおもしろいことを考えやがる」 紅 カオル。太古の時代より蘇りし魔人である。 「フフフ 面白い 乗ったぜ!!どうするね?2000万パフィーよ」 その声に反応し、エビゾウもテキーラを片手にリング上に上りだす。 準決勝で受けた顔面の傷はすでに整形手術をし、傷跡は完全に消えていた。 「受けなければお前たちに優勝の座を持っていかれるからな」 2000万パフィーもリングインする。 『さあリング上、決勝を争う2チームが揃ったところで剣板が敷き詰められていきます!!』 『これでもう場外には逃げられません!戦線離脱した場合、剣が刺さって死亡します!(ゲーム処理上には全く影響ありません)』 『また、場外の剣板を武器として使用することも可能です!!(ゲーム処理上には全く影響ありません)』
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4回大会決勝戦.txt 観戦出来なかった人ドゾー もうね、1半荘目に親ッパネ振った所でオワタ