約 70,863 件
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/2266.html
13話 殺人者は外国人 「死んでくれ、レディー」 いきなりで悪いが、これはピンチである。 状況をまとめて見よう。 男が女を殺そうとしている。 現在誰の助けも入っていない。 女は気絶している。 といった最低な状況だ。 さて、こんな状況で助かる訳がない。 その男が持っていたワルサーP5を少女に向け。 発砲した。 ○ ○ ○ ○ ○ 断章 例えば、ヒーローが助けてくれたら。 そう思う事はないかい? ○ ○ ○ ○ ○ 「う、おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 男は走る、目標は…撃たれる寸前の女の子だ。 「間に合え、間に合え、間に合え!」 小声で走り、無理やりに女の子を捕まえて走り出す。 もちろん気付かれてしまい、撃たれるが運よく当たらないままそのまま脱出できた。 「チッ」 外人の男、マクファーレン・チャールズは銃をリロードする。 仕方なく歩き出そうとすると、標的を見つける。 林 夕子(はやし ゆうこ)は今の状況を見て腰を抜かしてしまっていた。 「や、やめて…!」 「ふん、逃したが…良しとするか」 「じゃあな」 ○ ○ ○ ○ ○ 「…この子起きないな」 襲われていた小林 友子(こばやし ともこ)を助けた中島 明彦(なかじま あけひこ)はE-3の住宅のどこかに隠れていた。 危険人物がいなくなた事に安心して連れてきた女の子を見ていた。 「……この子、大丈夫かな?」 この女の子、見た目は小学生…というか小学生だろう。 中島は顔を覗き込む。 目が覚める様子もないので適当に頬でも突っついてみる。 「可愛いな」 正直な事を言うと彼の守備範囲なのだ。 この目の前で寝ている女の子。 「抑えろ…抑えろ……」 言っておこう、彼は紳士である。 それがどういう意味での紳士かは黙っておこう。 【林夕子】【死亡確認】 【人数状況 30/38】 【一日目/朝/E-3住宅街】 【マクファーレン・チャールズ】 [状態]健康 [装備]ワルサーP5(7/8) [所持品]基本支給品×2、不明支給品(1~2)、ワルサーP5のマガジン(2) [思考・行動] 基本:優勝して生還する。 1:先ほどの男を見つけて殺す。 【一日目/朝/E-3住宅街内どこかの家】 【小林友子】 [状態]睡眠中 [装備]なし [所持品]基本支給品、不明支給品(1~2) [思考・行動] 基本:…。 1:…。 【中島明彦】 [状態]健康 [装備]なし [所持品]基本支給品、不明支給品(1~2) [思考・行動] 基本:主催に対抗する。 1:しばらくこの子についている。 【オリキャラ紹介】 【中島明彦】 24歳:男:そこそこイケメン 今回の変態勢で一番常識的。 紳士の種類についてはノーコメントで。 【マクファーレン・チャールズ】 35歳:男:常識が足りない 有名推理小説作家である。 事件以外あまり外の事には興味がないため常識が足りない。 【小林友子】 10歳:女:背が低い 今ロワで最年少の参加者。 本当は大江君と行動させるはずでした。はい。 【林夕子】 22歳:女:痩せ細っている 変な宗教にかかわって酷い目に会った少女。 正直言って一番どうしようか悩んだキャラ。 その病気、治らない事につき 目次順 これは非常事態ですか? いいえ、案外そうでもありません START 林夕子 GAME OVER START 小林友子 住宅街の戦闘、見物人を添えて START マクファーレン・チャールズ 住宅街の戦闘、見物人を添えて START 中島明彦 住宅街の戦闘、見物人を添えて
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/16785.html
しんもんしょうじょVSせいしゅんのさつじんしゃEP【登録タグ CD CDし kiichiCD なぎみそCD 全国配信】 前作 本作 次作 Smile Knight EP 審問少女 VS 青春の殺人者 EP 曇日 kiichi(なんとかP) 流通 即売 同人 配信 発売 2011年6月12日 2011年6月22日 価格 ¥500 ¥751 ¥900 / 1曲¥150 サークル なんとかかんとか CD紹介 なんとかPことkiichiの2枚目となるミニアルバム。 ルカメインでアグレッシブなロック・エレクトロニカを収録した作品。 ジャケットイラストはなぎみそ氏が担当。 THE VOC@LOiD M@STER 16(ボーマス16)で頒布。 とらのあなで委託販売が、KarenTレーベルよりダウンロード販売が行われている。 曲目 メグリンQ(EP Ver.) (feat. 巡音ルカ) 思春期・オブ・ザ・デッド (feat. 初音ミク) フルチカゾン (feat. 巡音ルカ) ヴァルゴ (feat. 巡音ルカ) 審問少女シスター☆かのん (feat. 巡音ルカ) バンシー・ストライクス (feat. 初音ミク) (development) リンク 作者のブログ とらのあな KarenT:「審問少女 VS 青春の殺人者 EP」 コメント 通販でかいましたぁ~~~ -- ほめ (2011-11-30 22 06 39) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anirowago/pages/92.html
漆黒の殺人者 ◆QkyDCV.pEw ヴァルカナはリネットを優先した。 というより、優先せざるをえなかった。スピードスターが本気で逃げにかかってくれたせいで、その姿を見失ってしまったのだ。 「アイツ、どんだけ光宗に惚れてんだよ。……ん? 惚れる? 掘れる? この場合一緒……って馬鹿な事考えてる場合じゃねえ!」 それでも探すという選択肢もあったが、より確実なのはリネットを探す方であろう。 幸い、リネットはすぐに見つかってくれた。 道路の真ん中にしゃがみこんで、座っているネコの前で指を左右に振り、ネコがじゃれついてくるのを見て笑っている。 初対面の印象がヒドいものだったのであまりそういう目では見ていなかったが、改めてリーネを眺めるとかなり可愛い子だ。後胸が超デカイ。 だからと振り回される程思春期ボーヤではないつもりだが、気にはなるのは、まあ枯れていない成人男子ならば仕方が無い所だ。 「つーか、こんだけ美人であの格好って……風俗か何かか?」 と口にした所で、慌てて自分の思考を閉じるよう気をつける。うっかり考えただけでも致命的なのだから、あの猫の前では。 仕方が無いので、あまりやりたくはなかったがヴァルカナは過去を思い出しにかかる。 徹夜で仕上げたものを朝一で提出しようとしたら、出勤してきたクソ上司が「ああ、そういえば昨日仕様変更要請来てたから、対応よろしくな」とか抜かした時。 昨日の内に言っとけよ、とか、そもそも今頃になっての仕様変更とか受け付けてんじゃねえ、とか、この変更したら使うクライアントの方で作業効率が落ちるけどいいのか(←仕様変更要請の内容はきちんと確認する基本真面目君)とか、色々言ってみたが上司は全く取り合ってくれなかった。多分、というか間違いなく、言ってる事を理解していないんだと思う。 「……挙句、直したらやっぱり効率落ちるじゃんって事でクレーム来たんだよな……」 溢れる怒りとやるせなさが脳内にはびこるピンク発想を駆逐してくれた。 よう、とヴァルカナはリーネに声をかける。するとリーネは眉根を潜めて言った。 「何か、嫌な事でもあったんですか?」 「……いや、何でもねえよ」 こんな事日常茶飯事であったはずなのに、顔に出る程嫌な思い出だったとは、自分でも驚きであった。 さて、とヴァルカナとリーネの二人は地図を見る。 スピードスターもそうだったが、やはり現在位置から考えるに、向かうのは東に向かうのが良いだろう。 北の墓地とか意味がわからないし、南の学園艦とやらは気になるものの、やはり人を探すのならばもっと開けた場所を目指すべきだろう。 そんな事をヴァルカナが言ったのだが、リーネは北にある501JFW基地というのは自分が居た基地と同じ名前だと言ってきた。 もちろんその基地の周辺はこの地図にあるような地形ではなく、それを不思議だとは言っていたのだが。 「ふむ、一度行ってみるのも良いかもな。見知った名前の場所なら、アンタの知り合いも目指してるかもしれないし」 「はい、私もそう思います」 ヴァルカナにとって見知った場所である納鳴村の事はリーネにも伝えておいたが、そこに残ったメンバーが集まるかどうかは何とも言えない。 あんな薄気味悪い場所だとわかっていれば、きっと大半の者はツアーに参加すらしなかっただろうから。 「ただ、俺はその前に東のCGS本部って所がどんな所なのか確認したいと思ってる。地図にわざわざ書くぐらいだから、何かあるのか、ってまあ、その程度の話なんだが」 「そうですね……あ、でも看板とかないと、どれがCGS本部なのかわからないかもですね」 「あー、確かにそれはあるかもな。まあいいさ、遠回りもほんの少しだし、行くだけいってみようぜ」 「はい」 ヴァルカナは、心の中を穏やかで暖かい風が吹きぬけていく気分であった。 とても簡単な事なのだ。現状を把握し、より適切であろう選択を行い、協力して問題解決へと向かって行く。 ただそれだけなのに、何故そう出来ない人間がこんなにも多いのか。 他人に委ねるだけではなく自分でも考え、行動しようとする。そうする人間が発する言葉だからこそ尊重しようという気になるのだ。 お互いがそういう人間である、と考えられるからこそ、会話が出来るのだ。子供に言い聞かせるように言ってやらなきゃならん相手を、どうやって敬意を払える対等の相手と思えというのか。 リーネとの短い会話は、ヴァルカナにとってツアーに参加してから一度も満たされる事のなかった欲求を、充分に満足させてくれるものであった。 美影あたりは冷静になる余裕さえ持てれば結構頼れるかとも思うのだが、追い詰められると色々とヒドイ事になる奴で、正直さっき走っていったスピードスターと大差無いとヴァルカナは考えている。 ナンコは、多分だがアテに出来るだろう。 ヴァルカナと選択や行動を異にする事もあったが、その判断は理解出来ないものではなく、何より声を荒げるような真似をせず、黙って行動するような妙な男らしさが頼もしい。 ちらっとリーネを見て、嘆息するヴァルカナ。 『男はこういう時、だらしねえもんなのかねえ』 ちなみにこの内心のぼやきはきっちりエスパーニャンコに拾われて、リーネには変な顔をされた。 ふと、気になった事をヴァルカナはリーネに訊ねる。 「なあ、この501JFW基地ってのはどういう場所なんだ? 基地ってのは軍人の居る基地の事か?」 「はい、そうですよ。ドーバー海峡側にあって対ネウロイの最前線として使っていた基地です。今はもうガリアの巣が無くなったんで使って無かったと思いますけど」 色々とわからない単語が出て来た。ヴァルカナは質問を重ねる。 「……なあ、もしかしてアンタ、軍人の関係者か?」 「はい、現役の軍人です。私ウィッチですから、曹長なんて階級までもらっちゃってます」 またわからない単語が出てきたが、軍事の専門用語とかなのだろう、とヴァルカナは思った。 それに、そんな謎単語よりもっと突っ込まなければならない内容を彼女は口にしている。 「軍人、って本気か? アンタまだ……学生ぐらいにしか見えないんだが。それに曹長って確か、結構エライんじゃなかったか?」 「ん? ウィッチならみんなこんなもんですよ? 階級は、その、上手い事武勲あげられたので」 「ん? んん? それはつまり、実際に戦場に出たって事か?」 「はい。これでも私、ガリア解放戦の時に501に居たんですよ」 えっへん、と胸を逸らすリーネ。何せ体積が凄いもんだから、少しそうしただけで圧巻の迫力がある。 ただ、惜しむらくはヴァルカナにはそうした軍事知識は全く無い。あったとしてもガリア開放の戦いなんて絶対に知らないだろうが。 「わ、悪い。俺は戦争とかには疎くて良く知らねえんだ。しかし……アンタみたいなのが戦争ねえ。そう言われてもピンと来ねえなあ。銃を撃った事とかもあんのか?」 軍人が戦場に出てる、と言っているのに実に馬鹿げた質問であったが、リーネは事も無げに返してきた。 「見せましょうか? 私射撃得意なんですよ」 「は?」 リーネは、これを善意で行っている。優れた射撃技術を見せてやれば、きっと安心出来るだろうなと。 恐ろしく手馴れた様子で懐に収めた銃を抜き、両腕でがっちりと固定し構え、ついでにサービスとばかりに魔力を込めて引き金を引く。 道路脇に立っていた街灯が、ただの一発でへし折れ倒れる。 細い金属の柱に命中させたのも凄いし、一発で叩き折った威力も素晴らしい。 だが一番の問題は、折った街灯はリーネが立っている場所から五百メートルは離れた場所に立っていた事だ。 拳銃の有効射程はカタログの通りだとしても概ね五十メートル以下とされている。 その十倍の距離を軽く射抜いたのだから、ウィッチと魔法恐るべしであろう。 「ね?」 と満面の笑みで言うリーネ。これだけの事が出来るんだから、きっと彼も安心出来るだろう、そんな笑顔である。 「あー、えっと、そうだな、すげぇ、よ、うん」 だが、ヴァルカナがドン引きしたのもまた、仕方が無い事でもあろう。 そして銃の知識の無い彼が、こう思ったのも仕方が無い事なのである。 『拳銃って、俺が思ってたよりずっと遠くまで届くんだな。こりゃ訓練しないと当らねえってのもわかるわ』 もちろんコレもエスパーニャンコに拾われて(略。 目指すCGS本部は、当初懸念されてたように看板が無ければわからない、という事は無かった。 何故ならその建物の周辺だけぽっかりと、建造物も道路も全てが消滅していて、ごつごつとした岩肌がむき出しになった荒地になっていたからだ。 その中央に、こちらも軍事基地のような様相の、CGS基地が建っていた。 「こりゃ……どうなってんだ? これじゃまるっきり……」 ヴァルカナの言葉に、リーネを生唾を飲み込む。 「この基地周辺の土地ごと、町の中に放り込んだみたいな……」 これほどの質量をそうする方法なんて魔法のあるリーネにも、現代社会に生きるヴァルカナにも、思いつきすらしない。 警戒心をこれでもかと刺激され、ヴァルカナは慎重論を唱える。 「……行くの、やめといた方が無難か?」 だが、リーネははっきりと言う。 「いえ、これを確認しておかないと。もしかしたら他所のこうした記述の有る場所も、同じようになっているかもしれませんし」 そう言われ、納鳴村がある山が丸々一つここに持ってこられている風景を想像したヴァルカナは、背筋が寒くなって来たせいかぶるりと体を震わせた。 ただ、恐ろしさはあれど、リーネの言の正しさも理解出来る。 「そう、だな。その通りだ。他所がそうでなかったとしても、なら何故ここはこうなのか、って話になる。どっちみち、調べなきゃなんねえか」 実はこの時点でヴァルカナは、調べた所でもうどうにもならないのではないか、といった考えも持ってしまっている。 ここまでの事を出来る連中を相手に、その望みに沿わぬ形で何かをするなんて真似が、本当に出来るものかと。 そういった絶望を考えないようにする為にも、目先のやるべき事はヴァルカナに必要であった。 ただ、そういった恐怖を抱いているように見えないリーネは、ヴァルカナにとってとても不思議な存在に見えた。 『……軍人ってのも、案外本当の事なのかもな』 油断したヴァルカナの思考が、リーネが抱えていたエスパーニャンコに漏れてしまったようで。 「軍人ってのも、案外本当の事なのかもな」 「あ」 「え?」 信じてなかったんですかー、と頬を膨らませて怒るリーネに、ヴァルカナは必死にフォローを入れるハメになるのであった。 施設の側まで来ると、まだ少しぷんすかしているリーネを他所に、ヴァルカナは建物を見上げる。 横に長い大きな建物があり、その周辺に倉庫のようなものが並ぶ。また、建物の端には高い塔のようなものが建っている。 建物には大きくCGSと描かれており、ここが地図にあるCGS本部という場所なのだろうとわかる。 ただ、建物自体は古めかしいというか、はっきり言ってしまえばかなり小汚い。 ヴァルカナは入り口周辺をきょろきょろと見回す。 埃が積もっているといった様子は無い。むしろ、つい最近までたくさんの人が使用していたような、そんな感じだ。 ドアも簡単に開くし、埃もある所には溜まっているのだが、主要通路であったり人が良く使うような場所には全く積もっていない。 ただ、人の気配も全く無い。 電気は来ているらしく施設内の照明もあり、中を移動するに問題は無いが、人気の無い建物というのは例え照明があろうと不気味さ漂うもので。 リーネは非常に怯えた様子で、ヴァルカナの後ろを恐る恐るついてくる。 『いや、この基地よかよっぽどさっきの銃撃の方がおっかないだろ』 当然これもエスパー(略 「ご、ごめんなさい。で、でも、その、やっぱり怖いっていうか、おっかないっていうか、なんか不気味っていうか……」 「全部同じ意味だろ。ま、女の子っぽいと言われりゃそんな気もしてくるか……」 なんて言葉で自分を納得させるヴァルカナに、やっぱり怯え気味のリーネ。 屋内を調べてみると、外に面した場所に食堂らしきものがあり、宿舎のような場所があり、また塔になっている場所はどうやら管制塔のようなものであるようだ。 塔に登るとそこには端末もあり、ヴァルカナは興味深げにこれを眺める。 「へぇ、タッチパネルのキーボード無しか。どれ」 リーネはここに置いてある機器全てが全くわからず、目を丸くしているのだが、ヴァルカナはというと手馴れた様子で画面を叩き、システムを立ち上げる。 「何だこりゃ? こんなOS見た事無えぞ? それに、あー、もう、わけわかんねえ表示多すぎだろ」 色々とぶーたれながらも、モニターはめまぐるしく変化していく。 リーネは恐る恐るといった様子でモニターを覗き、そして画面を叩くヴァルカナを見る。 彼はとても活き活きとしていた。 「あ、あの……これ、何なんですか?」 「そいつを今確認してる所だ。外国製だからか? 何か色々とおかしな挙動すんだよなぁ。わけわかんねえ表示も多いし……って、おいおいおいおい、これマジか? おいちょっとこれすげぇぞ、なあアンタ、コイツ見てくれよ」 と言ってヴァルカナはモニターの中の表示を見せ、それが如何に凄いかの説明を始めるのだが、リーネにはもう何が何だかさっぱりわからない。 それでもヴァルカナはというと、如何にこのシステムの機能が高いものか、どれだけ現行のモデルと比べて優れているのかを延々説明し続ける。 「いや、マジでコイツはありえねえ。軍事用システムってなこうまで性能が違うもんなのか? 世代にして三つぐらいの差がついてないか? くっそ、コレ俺にくれよ。そしたら仕事なんざ幾らでも……」 そこまで口にして、自分が会社から捨てられた事を思い出し、そして、今自分が置かれている立場を、ようやく思い出せた。 「あ、あー……しまった。すまん、つい、あんまりにすげぇシステムなんで我を忘れちまった……」 かの世界では所謂オンボロに類するものなのだろうが、火星にまで航行しテラフォーミングの上居住出来るまでにしてしまう程進んだ時代の端末である。 ヴァルカナが驚くのも無理は無い。 それを見て即座に使えるヴァルカナも大したものであるが、まあ今のものと比べると、使いやすさといった部分も進化しているおかげであろう。 ちなみにリーネの世界にこの手の端末なんてものは無い。時代的には第二次世界大戦前後であるからして、当然だろうが。 取り繕うようにヴァルカナは続ける。 「と、とにかくだ。この基地の内装はわかった。そっちのデカイ画面見てもらっていいか? そう、そこに……っと、これでいけんだろ。ほら出た。地図があるだろ? 幾つか目を引くものがあるけど、中でもやっぱ目玉は武器庫だな、後でここを確認しに行ってみよう。他にもモニターをここから確認出来るから……」 ヴァルカナはそこで言葉を止め、全くリアクションの無いリーネの様子を見てみる。 彼女は、もう見るからにわからないという顔をしていた。 「軍人ってなこういうの苦手じゃマズイんじゃないのか?」 「ご、ごめんなさい……えっと、とりあえず……あそこに映ってるのがここの地図だって事はわかりましたっ」 「……そんだけわかってくれてりゃいいわ。よし、早速見に行ってみるか」 二人で基地内を探索した所、武器に類するものはその全てが無くなっている事がわかった。 地上車両のようなものがあるらしいのだが、その為の倉庫はもぬけのからで、ヴァルカナが先程端末で調べた、在庫として置いてあるはずの銃器も一切無し。 運搬用のキャリアーすらなくなっているのだから徹底している。 「ま、当然と言えば当然か」 「……この調子だと、501基地も同じように装備一式全部無くなってるかもしれません」 「仕方ねえさ。ただ、ここの施設の設備は使えるみたいだしな。とりあえず管制塔に戻るか……っと、忘れてた。一応確認の為に動力室だけ見とこう。ここ、他所と電気が独立してるみたいなんでな。多分、発電機がある。となれば、発電機回す為の燃料もあるはずでな」 ぽんと手を叩くリーネ。 「あ、それは良いですね。車の燃料とか手に入るかもしれませんし」 「そういう事だ。移動の事を考えたらこの際二輪でもいいから、何か乗り物が欲しい所だしな」 二人はそんな事を言い合いながら動力室へと。 とはいえ二人共大型の発電機なんてほとんど未知の機械であり、とりあえず動いているらしい事はわかったが、燃料を何処から引っ張って来ているのか、何処に溜めてあるかは結局探したがわからないままであった。 仕方なく引き上げようとなったのだが、ヴァルカナはもう一つ、予備の発電機があった事を思い出し、そちらの部屋へと向かう。 そこにあった発電機は、何とも、言いようのない形をしていた。 「……こりゃ、まるで……」 「私、こんな形の発電機始めて見ます」 その発電機としてはありえない、不可思議な形状に何処か薄ら寒いものを感じた二人は、そそくさとその場を離れ管制塔へと戻って行った。 管制塔に着くと、ヴァルカナは幾つか実験してみたい事がある、とリーネに申し出る。 リーネは内容を聞くと快くこれを了承し、極めて協力的にかつ手際良く実験をこなしていく。 リーネはのんびり屋でおっとりした子だが、軍務についていた。 軍務は一つのミスで取り返しのつかない人死が出る世界であり、そんな中でずっと生活してきたリーネは、ただ一つの作業を行うだけでも惰性で仕事をしている人間とは真剣さがまるで違うのだ。 実験を現実に実行に移すにはどうすればいいのか、具体的に想像しながら事に当るのだから、作業毎にヴァルカナへと問う一言一言全てが的を射ているのも当然であろう。 ヴァルカナはそんなリーネを見て、ああ、やっぱり仕事ってこうでないとな、とか考えていたり。 上司が彼女であったなら、部下が彼女であったなら、きっと自分は今こんなにはなっていなかったのだろうか、なんて事まで考えてしまう。 「ヴァルカナさん?」 不意に声をかけられ、驚き我に返るヴァルカナ。 「あ、ああ、悪い。えっと次は……」 「え? 実験項目まだありましたっけ?」 いや、無い。 「っだー、すまん。そうだこれで終わりだ。ご苦労様だ、少し休憩しよう」 「はいっ。じゃあ私お茶入れてきますね。給湯室見つけておいたんです」 「そ、そうか。悪いが頼む」 そのきょういのめかにずむ以外は高校生ぐらいにしか見えない彼女であるが、今までヴァルカナが面倒見て来たどの部下より仕事の出来る子だ。 PCは苦手のようだが、この調子なら教えればすぐに身につけられるだろう。 ヴァルカナはかなり本気で彼女と一緒に仕事がしたくなってきていた。 「いっそ俺も自衛隊にでも入るか? 軍人がみんなコレだってんなら、マジで仕事し甲斐あるだろうし……自衛隊にプログラマーの募集ってあったっけか?」 まあ自衛隊は自衛隊で、軍隊は軍隊でまた別の苦労があるものなのだが。 かなり真剣に身の振り方を考え出したヴァルカナであるが、仕事始めてまたあんな目に遭うかもと思うとどうにも踏ん切りがつかない。 さんざ考えた結果、貯金が無くなってどうしても稼がなきゃならない必要が出てきた時の選択肢にしておこう、とかかなり逃げ入ってる結論を出す。 そんなさして建設的でもない結論が出た辺りで、リーネがお茶を持って戻って来た。 「お待たせしましたー。ここ、武器は無いですけど幾つか甘いものは置いてありました」 お茶は紅茶らしい。菓子は見た事の無いものだったが、リーネ曰く、食べてみたらおいしかった、だそうだ。 たくさんあったが、一つを除いて全部おいしかったらしい。その一つとやらが、三日月・オーガス君ご推薦の火星ヤシなのだが。 管制室から外を眺めつつ、二人は優雅にティータイムである。 ヴァルカナは菓子を口にすると、甘みが脳に染み渡るような美味さを感じた。本気で頭を使った後の菓子は格別だ。 また、紅茶をゆっくりといただくと、歪に揺れていた思考がフラットに戻っていく気がする。 こうした習慣が全く無いヴァルカナは、やっぱり仕事に適度な休憩は必須だよなぁ、などとやはりこの場にそぐわぬ事を考える。 「いっそ、ここを拠点にするのも良いかもな」 すぐにリーネが同意してくれる。 「はい、キッチンもあるし、食料の備蓄もあるみたいですし。ただ、まあ、その……目立ちますよね、ココ」 「だなぁ。町の中に突然荒地だしな。ま、その辺は501基地ってのを見てから考えればいいか」 「はい…………っ!!!?」 突然リーネが、ヴァルカナの服を引っ張り端末の陰へと引きずり込む。 「な、何だ?」 「人です。基地の方へと歩いて来ています」 驚いたヴァルカナもそちらを確認すると、人影は黒のロングコートを着て、目深に帽子を被っている。 またタバコを吸っているようだ。見た目だけだとガラの悪い人間に見えなくもない。 ヴァルカナはごくりと唾を飲み込んだ。 「よ、よし。んじゃ打ち合わせ通り行くか……なあ、本当にいいのか? 俺が行ってもいいんだぞ?」 「駄目です。こういう危ない事はウィッチである私が行くのが一番なんですから」 ウィッチの意味はわからないが、多分軍人の種類か何かを表わしているのだろうと当りをつけるヴァルカナ。 「そうか、わかった。なら悪いが任せる。くれぐれも気をつけてな」 「はいっ」 不死身気味な人間を見事打ち倒したジンは、一緒に居たもう一人の女を探しがてら東へと足を向けた。 だが、女の姿は見つけられず。 仕方が無い、と踵を返す。また、こちらに来たもう一つの目的は既に果たしてある。 ジンのバッグの中には、愛用のタバコ『GAULOISES』のカートンが山程放り込んであった。 ビルの屋上から周囲を監視していた時、ジンの愛用タバコですら置いてそうな店の目星をつけていたのだ。 これで無くなる事を心配しないで好きに吸える。そう思えるだけで心が晴れがましくなれるのだから、スモーカーとは随分と安上がりな人種である。 ジンが次に目指しているのは、地図上に表記のある中で、意味がわからない『CGS本部』と書かれている場所だ。 世の中舐めてる「マルノウチスゴイタカイビル」なんていう名前のビルは本当にあったし、こちらも何かしら使える施設ではないかと思ったのだ。 そういった施設を地図に書く事で、主催者は或いは人を一箇所に集めようと考えているのかもしれない、といった読みもあった。 だが、町並みが突然消えてなくなり、いきなり荒地になってその先に軍事基地らしき建物が見えるのはちょっと予想外であった。 ジンが軍事基地と見たのは、一際高い建物が管制塔であり、また施設を取り囲む鉄条網の造りが戦闘を考えて作られたものであると見抜いたからだ。 ジンは少し悩む。 身を隠しながら夜陰に乗じて移動するかどうか。 しかし建物の灯りは周囲の荒地を照らしきっており、この照明の影を縫うのは少し骨が折れそうだ。 それに、基地であるのなら、視界以外にも何か接近を報せる手段があるかもしれない。 大事を取るのならここは踏み込むべきではないだろう。 だが、まだこの会場に放り込まれて半日も経っていない今なら、この基地を有効活用してる者がいる可能性も低い。 よしんばそういった人物が居たとしても、今は他参加者からの情報を欲しているはず。 敵愾心を煽るような真似を避ければ、まずは情報交換といった形になるだろう。 それこそジンのように視界内に入るやいきなり殺しにかかれるような人間はそうはおらず、それをジン自身も良く知っているのだ。 当然、いきなり撃たれる可能性もゼロではない。 だが、ジンはタバコに火をつけ暢気に基地へと歩いていく。 この辺りのクソ度胸は、流石に人生裏街道まっしぐらであっただけはある。 こちらからだと、基地の様子は良く見えない。 そのまま基地入り口まで辿り着いたジンは、わざわざ出迎えにきてくれたお人よしに、声をかける。一応、友好的なつもりで。 「アンタも、殺し合いをしろと言われてここに連れてこられた口か?」 その重苦しい声といい、人を小馬鹿にしたような口調といい、まるで友好的とは程遠いものであったが、ジンと相対する少女、リーネはありったけの勇気を振り絞って口を開く。 「あ、あの。わ、私リネット・ビショップっていいます。あ、貴方は、その、こ、殺し合いを、しようという人ですか?」 だったとしても、口に出して言う馬鹿がいるか、と内心で笑いつつ、ジンは応える。 「いいや、そのつもりはない。俺の名はジンだ」 あからさまにほっとした様子の少女、リネットはここではなんですから、と基地内にジンを案内する。 ここでいきなり撃ってやってもいいんだが、その前に聞ける事は聞いておこう、とジンは少女リネットの言うがままに後に続く。 基地の入り口を入ってすぐの所に、待合室のような待機所があり、そこに少女は腰掛けるよう勧めて来た。 ジンは、そうか、と長椅子にどっかと座り込む。その男オーラ漂う座り方に、密かにリーネがビビっていたのだがジンは気付いていないようで。 新しいタバコを取り出し、火をつけるジン。 「で、だ。お前はこのクソみたいな状況に、何か心当たりはあるか?」 「い、いえ。一体誰が何を考えてこんな事をしたのか……」 「だろうな、こっちも似たようなもんだ。ただ、俺はこれまでに既に一人、女に会っている」 リーネが勢い良く立ち上がる。 「え!? それって芳佳ちゃんとかエイラさんとかサーニャちゃんとかですか!?」 その剣幕にもジンは全く動じた様子はない。 「いや、斗和子と名乗っていた」 あからさまにがっかりした顔のリーネに、ジンは続ける。 「その斗和子という女が、蒼月潮という少年を探していたんだが、見ていないか?」 リーネは首を横に振る。 そこで、ジンはリーネがジンから目を逸らした事に気付く。 いや、逸らしたのではない。 意思を持って、そちらを見ている。 だが、その視線や表情からは、急ぎの何かであるといった気配は感じられない。 そして、表情が変わった。 ジンは察する。 恐らく、コイツには他に仲間が居る。ソイツと何かで連絡を取り合いながらジンと話をしているのだ。 用心の為? 最初はそのつもりだったのだろう。だが、今やその何者かと連絡を取った事で、少女リネットは表情を強張らせてしまったではないか。 当人隠せてるつもりらしいが、ジンの目は誤魔化せない。 「……大した情報も無し、か。だが、まあハズレもあるさ」 ジンは全くその気配を感じさせぬ、殺意も殺気も何もかもを消し去った状態から、作業のように懐より銃を抜き、引き金を引いた。 ヴァルカナはエスパーニャンコを有効活用する術を考えついていた。 幾つかの実験で判明したエスパーニャンコの読心能力は、ある程度距離が近い事と、対象を目で見ている事が必要なようだ。 若干の問題点として、リーネの声を口にする時と、ヴァルカナの声を口にする時とでニャンコの条件が変化しているらしい点だが、これはより条件が厳しいヴァルカナに合わせる事にした。 ヴァルカナは、音の聞こえずらい壁越しにモニターを介して部屋の中をニャンコに見せる、という方法が可能か試し、上手くやれるとわかったのだ。 なのでヴァルカナはジンが来た時も、リーネが招きいれたカメラのある部屋の隣に陣取り、そこで手持ち端末を使って部屋の中をニャンコに見せつつ、ジンの心の声を拾っていたのだ。 結果は、それはもうヒドイものであった。 『いいや、そのつもりはない。俺の名はジンだ』【もちろん殺さんよ、今の所はな】 『で、だ。お前はこのクソみたいな状況に、何か心当たりはあるか?』【こういうマヌケな質問しとけば、大抵の奴は油断してくれるもんだ】 『だろうな、こっちも似たようなもんだ。ただ、俺はこれまでに既に一人、女に会っている』【さて、どんな反応を見せるか】 『いや、斗和子と名乗っていた』【……どんだけ油断してくれてんだコイツは。これで俺がもう二人も殺ってるなんて知ったらどんな顔するやら】 この時点でヴァルカナは、ニャンコをその場に置いて部屋の窓から外へ飛び出している。 ジンとリーネの居る部屋の窓、その外から大きく手を振る。位置的にちょうどジンからは背中側になっていて見えない場所なのだ。 そこで決めてあった合図を送る、この合図を見たら速やかに逃げるようにと言っておいた。 リーネは話に夢中でこっちを見ていない。声をあげるわけにもいかないヴァルカナは、もう必死の形相で手を振っていた。 『その斗和子という女が、蒼月潮という少年を探していたんだが、見ていないか?』【こうまで普通の人間だと、生かしておく価値もないか】 【何だ? 後ろ? ああ、なるほど仲間が居るという事か。だが不意打ちではない。まったく、暢気で平和で、笑えてくるな】 ようやくリーネがヴァルカナの合図に気付いてくれた。だが、遅かった。 エスパーニャンコはその殺意の声を拾えず、ヴァルカナもまた彼の殺気を全く感じ取れず、気がついたらもう発砲されていた。 愕然とするヴァルカナであったが、どうも様子がおかしい。 リーネとあの男、ジンの間に、光る線が立っている。おかしな表現だが、これが一番適切な言葉である。 リーネはというと、銃声が鳴った後だというのに傷一つ無いようで、こちらを見て逃げろ、と言っていた。 ジンは、内心のみで叫ぶ。(もちろんこれもエスパーニャンコに拾われている) 『またかっ! 神様って奴ぁよっぽど俺の普段の行いが気に食わねえみてえだな!』 銃弾が当たっても治る。堅い体で銃弾を受け止める。謎の壁ができて銃弾を弾く。(←new!) 相手の少女は、椅子から立ち上がりながら懐に手を入れる。 『くっそ!』 ジンは即座に身を翻し、椅子を少女の方に蹴り飛ばしながら部屋の入り口から外へと飛び出す。 この反応速度の速さは、ジンの持つ反射神経の鋭さとは別に、銃が必殺の間合いですら通用しない事例を何度も見て来た事が影響していよう。 頭の何処かに、また駄目なのではといった考えがあったのだ。 そして対するリーネであるが、こちらも見た目程余裕があった訳ではない。 窓の外からヴァルカナが危険を報せてくれたおかげで、どうにかシールドの展開が間に合ってくれた。 それが無くても油断はしていなかったが、確定の話を出してくれたのはありがたかった。 ジンの真正面からの不意打ちは、驚く程に鋭かった。だが、リーネもまたネウロイと戦い続けて来たウィッチだ。 雨霰と降り注ぐ赤色の光線を、当たる当たらないを見極めながら高速飛行しつつかわし、或いは受け止めていくなんて真似をしているのだ。 その反射神経たるや、常人のそれを大きく凌ぐものであろう。 ただ、リーネはジン程に地上での体の動かし方を学んでいる訳ではない。 反射神経だけでは体は動いてはくれない。素早く動くためには、そうした動きを体に慣らしてやらなければならない。 そういった部分でリーネはジンに劣る。結果、リーネは部屋の外にジンが逃げ出すのを許してしまったのだ。 慌てて後を追うリーネだったが、辛うじて角を曲がるジンの後姿を確認するに留まる。 そのまますぐにジンを追わなかったのは、ヴァルカナとの合流を優先したからだ。 側にさえいればシールドで守れるという自信があったのだろう。 駆けて来たヴァルカナに、リーネは力強く言う。 「屋内に逃げ込まれました。追いましょう!」 「あ、ああ。だが、その、だ、大丈夫なのか? さっき撃たれたように見えたんだが……」 「だから私はウィッチなんですってば。シールドがありますから、ヴァルカナさんも私の側を離れないで下さいね。あの程度の銃なら何発撃たれたって大丈夫ですから」 え? お前一体何を言っているんだ、的な顔をするヴァルカナを他所にリーネは走り出し、これを慌てて追うヴァルカナ。 案外体力のあるヴァルカナだが、リーネもまた訓練を重ねている軍人であり、二人はCGS基地の奥へと駆けて行く。 ヴァルカナは手元にこの基地で見つけた携帯端末を持っており、これを見ながらリーネに続く。 「この先は右だ。左に行っても結局は同じ所に着くし、右の方が早え」 「はい、ヴァルカナさんは前に出過ぎないで下さいね」 ジンの姿はもうとっくに見えなくなっていたが、基地の内装をこうして端末で確認出来るヴァルカナは、ジンを確実に追い込むような移動が出来るのだ。 「そこの角を抜けると合流……」 曲がった直後、さっきのものとは比べ物にならない大きな銃声が響く。 リーネのシールドは間に合ったが、弾かれた弾丸は壁面を抉るように削り取る。 「さっきの銃じゃない? けど、手持ちの銃なんかじゃ私のシールドは抜けません!」 そんなリーネの声が聞こえたわけでもないだろうが、通路の先で長大なライフルを構えたジンは、ああ、やっぱりかあ、と心底嫌そうに眉根を寄せる。 『……アンチマテリアルライフルまともに食らっても、微動だにしないってなどういう事だよおい……』 今回の相手の不死身度は前二人とは比べ物にならないらしい。 試しに後二発撃ってみたが、一発目は先と同じようにそのまま弾かれ、二発目は、何とこちらに向かって走りながら易々と弾いてくれた。 魔法陣とでもいうのか、謎の紋様が広がって、そこに当った銃弾は威力がどうあろうと容易く弾かれてしまう。 それに最初の一発目は不意打ちでもあった。視認はギリギリ間に合っていたようで、そこからあの光る紋章盾が広がるまでのタイムラグは、ジンの体感ではゼロに等しかった。 足止めにすらならないのでは撃つ意味が無い。ライフルをバッグに放り込みながらジンは二人に背を向け逃げ出した。 ここでジンは思考をすぱっと切り替える。 現在の手持ちの最強武器ですら抜けないというのなら、今のジンでコイツを殺す事は出来ない。 なら今は全力でこの場を逃げる事だ。 リーネは少女とは言え軍人であるし、ヴァルカナも先にも言ったが案外運動能力は高い、だが、単純な身体能力だけを考えたならジンは二人を圧倒している。 殺しとは、タフな仕事だ。それを続ける、続けられるという事は、既に彼は一般人の枠内に納まる人間ではなくなっているという事。 彼の横柄な態度も、他者を見下した姿勢も、全ては、最後の最後は自分ならば相手が何者であろうと殺せるという絶対の自負あっての事。 そんなジンを支える最も重要な要素である彼の肉体能力が、低いわけがないのだ。 元より整然なんて言葉とは無縁なこの施設の造りも相まって、ジンはどうにか二人の追及をかわし一息つく事が出来た。 とはいえ施設の外には出られず、奥の部屋、発電機がある大部屋に逃げ込んでいるのだが。 「さて、一発逆転……なんて真似が出来るかどうか」 ジンはさっき二人がやったように、この部屋の発電機を調べ始めた。 「……水素エンジン? おいおい、この規模の基地の発電に水素エンジンだって? 冗談はよしてくれよ……」 そしてジンもまたこの発電機の燃料を探す。しかしこちらはいともあっさりと見つける事が出来た。 「多分、これか……だが」 目の前に固定の端末がある。だが、これを使ってしまって、こちらを探してる奴等に見つからないだろうか。 だが、このままではジリ貧でもある。 ままよ、と画面に手を伸ばす。慣れるのに少し時間がかかった。 こちらはヴァルカナがそうした時間よりも手間がかかっている。流石にその筋の専門家には適わないようだ。 だが、システムが理解出来ると、そこからは速い。この発電機の仕組みをあっという間に把握してしまう。 水素エンジンはその燃料である水素の保存方法に問題があり、例えば液体にするなどしても、ガソリンと比べて保存の為の体積効率はよろしくない。 だがここの発電機はというと、水素吸蔵合金を使用し、金属に水素を吸わせ吸着させる事で保存していたのだ。 その保存効率の高さにジンは目を剥く。その分金属の劣化が激しいのでは、と思ったが流石にそのデータまでは見つけられなかった。 だが、それはいい。ジンが欲しいものは既に見つけてある。 「く、くっくっくっくっく……コイツは、派手になりそうだな」 一歩間違えば自分も死ぬだろう、そんな策を考え付いたジンは、愉快でたまらぬと笑う。 戦いが命賭けなのは当たり前で、ならば戦わなければならない以上死の危険なぞに怯えるのは全く意味の無い行為だ。 むしろ楽しむぐらいでなくてはな、とジンは本気で思っていた。 ヴァルカナは携帯端末を覗き込みながら、焦りに焦っていた。 何処をどう見ても、見落としなんてない。 この奥に必ずアイツは居るはずなのだ。 しかし、リーネが突入しても、倉庫になっている部屋はもぬけのからで。 リーネが止めるのも構わず、室内の探索にヴァルカナも加わる。だが、まるで誰かが存在したような様子は無い。 追い詰めている間に、一度全館の電気が消えてしまった事があった。 すぐに復旧したのだが、動力室に何かあったのかとそちらを見るも、特に誰かが居る様子は無かった。 これは結果論であるが、この時ヴァルカナでもリーネでも、機械の異常に気付けるだけの知識があれば、また別の結果もありえただろう。 ここに来るまで、動力室含む全ての部屋の検索を終えているが、何処にも彼の姿は無い。 最後の部屋は、特にくまなく何度も見回し、そしてヴァルカナはたった一つだけある、その可能性に思い至った。 リーネに断りその部屋を出ると、以前に検索した部屋に戻り、上を見上げる。あった。 通風孔。 天井に据付式のエアコンのように張り付いているものがある。 「映画かよ!?」 そんな怒鳴り声と共にヴァルカナは机を引き寄せその上に乗り、天井の通風孔の枠を引っ張り剥がす。 ヴァルカナの記憶ではこの部屋が一番そうしやすい部屋で、案の定、びっくりするぐらい簡単に、金属の枠は外れてしまった。 恐らく一度外して簡単に固定だけしてからここを通って逃げたのだろう。通風孔には何かが通った跡がくっきりと残っている。 通風孔はまっくらで、正直まともな神経の持ち主ならここを這い進もうなんて気にはならないものだ。ヴァルカナだって絶対に嫌だ。 危機感にかられたヴァルカナはリーネに言った。 「コイツ……絶対、ヤバイ奴だ。リーネ、下手に手を出すのはマズイ。今はとにかくやり過ごして警察が来るのを待とう」 正しい。とことん正しい判断である。 ただ問題はリネット・ビショップは無力な民間人などではなく、むしろ危機に際し呼び出され対応する警察側の人間である事だった。 「すみません、ヴァルカナさん。なら尚の事、見過ごす訳にはいかないんです。一度外に出て、ヴァルカナさんは避難させますので、どうか……」 ヴァルカナは見るからに嫌そうな顔をして、額に手を当てて考え込み、そして結論を出した。 「……わかった。なら俺も手伝う。ってもアイツ相手に殴り合いが出来るとも思えねえから……そうだな、管制塔使えれば端末使ってアンタの力になれると思う」 具体的にどんな事をするのかの説明をリーネにすると、本当にそんな事が出来るのか、とリーネはとても驚いていた。 銃弾なんて効きませんから、とか平気な顔で言うコイツの方がよっぽどわからねえがな、と思った所で、ヴァルカナは部屋に置いてきたエスパーニャンコの事を思う。 『部屋の中から自分で勝手に移動とかしねえだろうし、まさかアイツも猫殺す程暇じゃねえだろう。全部が終わったら迎えに行ってやらねえとな』 でも今は、居ると色々と面倒なので居ないのがちょっとありがたかったり。 二人は一度管制塔へと向かうべく建物を移動する。もちろん、周囲への警戒は怠らない。 建物内を移動しようとヴァルカナは思っていたのだが、リーネは開けた場所の方がシールド警戒はしやすい、と言ったので一度建物の外に出て一気に管制塔まで走る。 隠れられる場所を利用した地上戦は、当然空戦ウィッチであるリーネはあまり得意としないのだ。 見通しの良い所で、反応速度勝負の方がよほど勝ち目があると考えているようだ。 そしてそのリーネの、ネウロイのビームを見てからシールドを張る尋常ではない反射神経が、またここでも活きる。 「管制塔!?」 そんな言葉と同時にリーネがシールドを張ると、妙に軽い音と共に弾丸が弾かれる。射撃先も特定出来ており、それは管制塔の一番上であった。 リーネのシールドの後ろに回りこみながら怒鳴るヴァルカナ。 「クッソ! アイツこの基地始めてじゃないのか!? 何だって一番オイシイ場所を抑えられるんだよ!」 「建物の中に急いで! 管制塔や艦橋に重要物が集中しているのは何処も一緒って事でしょうか」 「あいよ! こうなると手持ちの端末だけで何とか指示するっきゃ……」 「いえ、あの人が管制塔に居ると確定したのはありがたいです。ヴァルカナさんは今の内に基地の裏側から管制塔の死角を縫ってここを脱出して下さい」 管制塔を使えれば、数少ないが監視カメラもあるし、幾つかのセンサーも使えたかもしれなかったのだが。 先にあそこに陣取られたとなると、ヴァルカナに出来る事は極端に少なくなる。 そもそも一介のプログラマーに、銃撃戦の最中で何かしろと言われても荷が重過ぎるのだ。 何とか建物の中に逃げ込んだ二人は、物陰から管制塔の上部をのぞき見る。 「……悪い、俺は先に行かせてもらう。アンタも、くれぐれも無理だけはしないでくれよ」 「はい、では合流は501基地で」 「ああ、待ってる。ヤバかったら逃げるんだぜ、いいな」 そう念を押すヴァルカナの表情が面白かったのか、リーネはくすりと笑った。 「はい、ではまた後で」 足手まといにならないよう、彼は言い争う事もせずその場を走り去った。 その辺の機微はリーネも理解している。 第一印象こそあまりよろしくなかったものの、こうして一緒に居てみると、彼は他人を思いやれる良い人だと思えた。 彼が走り去った後、一度だけちらりとそっちを見てみると、彼もまた走りながらちらりとこちらを振り返っていた。 目を丸くするリーネに、ばつが悪そうに手を振るヴァルカナ。どうやら、可愛らしい所もある人らしい。 彼を見送った後、リーネは牽制の為に手持ちのワルサーをジンが居ると思しき場所に撃ち込んでみる。 もちろんハンドガンで届く距離ではないのだが、リーネの持つ固有魔法は射撃の強化であり、この程度の距離ならば何の問題にもならない。 隠れていた相手がようやく見つかったのだ、こうして銃撃を繰り返して足を止め、機を見て一気に管制塔を昇り制圧する。 相手の武器ではリーネのシールドは抜けないのだから、これでほぼ確実に勝てるだろう。 後は素早い動きで逃げられるという事の無いように、管制塔の内部構造を思い浮かべつつ、追い込む算段を立てる。 そして数度銃撃を管制塔に撃ち込んだ後で、一気に屋内を管制塔へと走る。 そんなリーネの足元に、まとわりつくように走りこんで来た小さい影が。 「猫さん?」 何時の間に部屋から出てきたのか、エスパーニャンコがリーネを見つけ走り寄って来ていたのだ。 何処か遠くから、金属が折れる音が聞こえた気がした。 ジンは管制塔の上から見下ろす形で狙撃を行える、最高の位置取りをした、つもりだった。 しかもどうやら相手はハンドガン一丁のみのようで、流石にこれはどうにもしようがなかろうと思っていたのだが、あの女、こちらに向けてハンドガンを構えたかと思うと、撃って来た。 多分あの銃、見た目はワルサーに見えるが、中身はNASA開発のスーパー宇宙銃か何かなのだろう。 銃弾は管制塔のブ厚い窓ガラスをぶちやぶった挙句、奥の壁をすり鉢状に砕いてくれやがった。 威力も意味不明だが、その狙いの正確さも大したもので、しかも敵さん管制塔の内部構造を知っているようで、階段を降りて逃げられないよう、そちらを牽制するようガンガンぶっぱなしてくる。 本来、角度が悪すぎてジンを牽制するなんて真似絶対出来るはずがないのだが、壁の薄い部分なら平然とぶち抜くあの馬鹿げた威力が不可能を可能にしているのだ。 「……つくづく、エライ所に来ちまったな」 それでも勝利への道筋は立てている。 いるのだが、仕掛けは済んでいても、それが何時動いてくれるかがまるでわからない。 発電機の安全装置を軒並み外し、物理的にパイプを一本レンチで外してしまった上で、発電量を上げにかかる。 燃料である水素を大量に必要とする為、水素吸蔵合金が反応をしだし、水素を放出すると共にこの金属が激しく熱を持ち、これで発火させるといった事を考えていた。 のだが、この金属がまずクセモノで、ジンの常識から考えてこんなにも吸収効率の良い金属はありえない。 何かしら未知の金属だとして、こういったモノに使う為の合金であるのなら、多分発熱も対策がしてあるのでは、とも思うのだ。 その場合、発火には何か別のものが必要になる。 実際、水素が漏れ出してからかなり経つのに全く爆発する気配が無いのは、多分水素吸蔵合金の発熱での発火は不可能だったという事なのだろう。 だがそれでも、現在発電機周辺は水素と、大気中に当たり前に存在する酸素が大量に混合された状態であるはず。 後は何かのきっかけで火がついてくれれば、思った以上の爆発が起きるはず。 なのだが、冷や汗が止まらないぐらい、今はヤバイ事になっているとも思っていた。 「幾らなんでも、時間かけすぎたか……これだと、貯蔵水素量次第じゃ管制塔まで吹っ飛ぶんじゃねえのか?」 ジンが狙った水素爆発とは即ちそういう類の危険な仕掛けであった。 水素は比重が非常に軽い為、ほっとくとすぐに空に飛んでいってしまうものだが、発電機があったのは地下であり、早々に希釈されるという事もあるまい。 と、思ってたら、来た。 体感の震度は十ぐらいつけてもいいだろう、と思える程。 掛け値なしに、その衝撃でジンの体が宙に浮いた程だ。 そのまま盛大にすっ転んで、端末が据え付けてある台に勢い良く腰をぶつけてしまう。 基本運動神経の良いジンには、この手のドジで体をぶつけるといった事がほとんど無い。 なので、妙に恥ずかしいやら痛いやら。 そこらに転がった帽子をかぶり、恥ずかしさを誤魔化しながら立ち上がる。腰がじんじんと痛むのが憎らしい。 「どう……なった?」 管制塔の窓は全て砕けて落下しているが、外は全く見えない。 吹き上がった煙が、十メートル近くある管制塔全てを覆ってしまっているのだ。 それだけでも爆発の凄まじさがわかろうものだ。 ジンは、自分の声が聞こえない事で気がついたのか、耳を叩いてみる。やはり、全く聞こえない。 出血があるでもなし、一時的なものだろうと、ジンは口元を服の裾で覆いながら煙が落ち着くのを待つ。 幸い、ジンが居る管制塔上部は程なくして煙は晴れてくれた。ただ、管制塔下部と基地は未だ煙の中。 ジンは、なら仕方が無い、とタバコに火をつけかけてふと止め、バッグを漁って食事を取り出した。 タバコには食欲を減衰させる効果もある。ヘビースモーカーなジンは、食事は自分で意識して取るようにしないと、面倒だで済ませてしまいがちになるのだ。 黙々と、バッグの中にあった幕の内弁当を平らげる。結構な値段がしそうな造りであったが、特に感慨もなくジンはさっさと全てを食べ終えてしまう。 砕けた窓枠から外を見下ろす。 未だ煙は施設全てを包んでおり、まるで山頂から雲海を見下ろしているような気分だ。 それでも建物のおぼろげな形は見えて来ており、そこから一体何がどうなったのかの全容を知る事が出来る。 といってもそんなややこしい事ではない。地下から爆発が起こり、建物内部を爆風が吹き荒れ、一部脆かった箇所を吹っ飛ばしたという事だろう。建物自体は概ね原形をとどめている。 ただ、ジンの目が一つの異常を見て取った。 管制塔へと伸びている部分だけが、特に崩れ方が激しいのだ。まるでその真下で爆発したかのように。 煙が晴れてくるとその異常がよりはっきりと見えて来る。 横長の建物が、縦に裂ける形で天井まで崩れ落ちてしまっている。しかし、あの位置は発電機があった場所とはまるで違う。 爆風が建物内をどう吹き荒れたかがわからないので何とも言えないが、あそこだけが脆かった理由はジンには思いつかない。 ジンはバッグを手に取り、ライフルを組み立てたままで抱えながら、管制塔の階段を下っていった。 降りている最中、小さく、とっとっと音が鳴る。これはジンの足音だ。 耳は正常に戻ったらしい。安堵しつつ管制塔の下端へ。まだ煙がうっすらと漂っていて咳き込みかけるが、根性で耐えて口元を裾で覆う。 管制室を降りきってすぐの所から外に出ると、幾分か煙も楽になっていた。 こうして下から見ても、その異常さがわかる。 そこだけ、超巨大な包丁でかまぼこを切ったように、綺麗に建物に切れ込みが入っているのだ。 何がどうあろうと絶対死んでいるだろう、もし仮にそこに居たのがジンだったなら例え千人居ても皆死んでいるだろう現場に向かうのに、ジンは警戒を怠らなかった。 近寄ると、切れ込みというよりは天井が落ち、複数階層まとめて崩れ潰れた、という感じだ。 不意に、ジンはある事に気がつき慄然とする。 その崩れた場所から管制塔に至るまでの建物は、ほとんど爆発の影響を受けていない。 いや、上階は爆風を受けている。だが、一階部の廊下は綺麗なままであるのだ。 更に更に、恐ろしい事がもう一つ。 ジンの復活した聴覚が、ほんの微かにだが、人の声らしきものを拾って来たのだ。 地上十メートルにまで爆煙が吹き上がる程の水素爆発のまっただ中にあって、未だ息をしている存在があるというのか。 声のする方に、慎重に歩を進めるジン。 「……よし……しか……よ…か……よし……」 場所は、最も瓦礫が山と積まれている箇所。いや、そのすぐ、側から。 ジンは、それを見つけた時の驚きを何と表現していいのかわからなかった。 「痛いよ芳佳ちゃん、苦しいよ、怖いよ芳佳ちゃん、助けて、もう何も見えないよ、芳佳ちゃん、芳佳ちゃん何処……」 と、口にしているのは、瓦礫の山の方を向いて座っている、一匹のネコであった。 或いはこの奇妙なネコに注意を引いておいての奇襲狙いか、とも思ったのだが、全く全然、そんな事は無く。 ネコは次第に言葉を減らしていく。 「……もう、何も……わかんないよ、芳佳、ちゃん……ごめんね、私、やっぱり芳佳ちゃんの役に、立てないみたい……ご、めん、ね……」 それを最後に、ネコはもう何も言わなくなった。ネコは、にゃーんと一声鳴いたが、ジンにはその意味がわからないままであった。 リネット・ビショップは、爆風にすら反応出来る程の反応速度を持ち合わせていた。 彼女の目は、押し寄せる衝撃の波をすら見て取れていたのだろう。即座に、最大出力のシールドを展開する。 そのシールドの大きさは通路全てを覆う程。これなら、すぐ横のエスパーニャンコも守りきれる。 そしてこのシールドはというと、それこそストライカーユニットの助けがあれば戦艦や空母の装甲ですら容易くぶちぬくビームを防ぐ程のもので、この水素爆発にすら耐える事が出来た。 だが、威力と衝撃の範囲をリーネは見誤った。 ウィッチのシールドは弾く、であって衝撃を吸収する訳ではない。だから通路一杯を埋めつくす衝撃はシールドによって逃げ場を失い八方へと破裂したのだ。 左右はまだ良い。そのまま外に逃げるだけだ。 だが、下方向は砕く事すら出来ぬ地面であり、その分は弾かれ一緒に上へと突き抜けていく。 一階天井を下からぶち破った衝撃波は、二階部を吹き荒れる衝撃波と合流し、更に荒れ狂い二階部を強固な壁面天井ごと粉々に砕いてしまったのだ。 そして大量の瓦礫がリーネの頭上へと。優れた反射神経でそちらにもシールドを張る事が出来たリーネだが、頭上より崩れ落ちる瓦礫を弾き返す事など出来るはずもない。 かわし逃げる身体能力は、流石のリーネも持ち合わせていなかった。 そのままシールドごと瓦礫に埋もれてしまう。後は、もう、誰にも助ける事は出来ない。 シールドを維持する魔力が尽きると、ゆっくりと大量の瓦礫がリーネにのしかかって来て、それでも隙間に急所を滑り込ませる事は出来たかもしれないが、いずれ脱出出来なければ怪我の出血と呼吸困難で死に至る、という話だ。 ネコは何時までも瓦礫の山を見つめたままで、ジンはこの薄気味悪いネコをとりあえず殺しておこうと銃を抜きかけ、思いなおす。 あのリネットという少女の尋常ならざる反射神経を見て、少し、負けん気を起こしただけだ。 ジンは足元に転がるガラスの破片を手に取る。 ネコまでは、大股に踏み込んで一歩半。 ジンの激しい動きに反応し、ネコが振り向き飛び上がる。 その為足に力を込めた所で、ネコにすら届く程低く低く踏み込んだジンの腕が、ネコの首前を通り抜ける。 ジンは、ガラス片を捨てると、一人呟いた。 「ま、俺もまだまだ捨てたもんじゃねえな」 ネコは、首から血を流しながらひくひくと震え、時期に動かなくなった。 ふと、建物の奥、管制塔とは逆側の端に当る場所付近から、数箇所灯りが見て取れた。 発電機は吹っ飛ばした。なのに灯りが付くという事は、予備電源でも作動したか。 これだけの目に遭いながらも、予備電源やら送電線やら電球やらが残っているのが、何とも滑稽で。 さっきの不可思議な破壊の仕方に関して、ジンはあれは少女の謎盾によるものだと、ほぼ正確に把握していた。 そして恐らく少女は、そのまま瓦礫に埋もれて死んだだろうとも。 彼女といい、ここの施設といい、と、ジンは思わず一人ごちる。 「なるほど、この世界ってな俺が考えるよりずっと、何もかもがタフに出来てやがるって事か」 それは何故か、ジンにとって不快な思いつきではなく、何やら笑い出したい衝動に駆られるようなものであった。 ヴァルカナはその瞬間、背後から物凄い衝撃を受け大地を勢い良く転がるハメになった。 それでも避難の為距離を開けていたのが幸いしたか、ガラス片やら瓦礫やらにぶつかる事もなく、地面を転がったせいでしこたま土を口の中に放り込まれた程度で済んだ。 そして我が身を起こして建物の方を見て、もう、駄目だと即座に悟った。 煙は天空高くにまで吹き上がり、建物全体が何も見えなくなる程の爆煙だ。 ヴァルカナはもう建物からはかなり離れていたというのに大きく転ばされる程なのだ。 そのど真ん中に居ただろうリーネがどうなったかなんて、見るまでもない。 間違いなくあのジンという男も死んだろうが、ヴァルカナにとってはそんな事どうでも良かった。 「嘘……だろ? あれで、死んじまったってのか? ……アイツ、そんな、死ななきゃなんねえような、そんな奴じゃねえだろ……女の子だぜ? まだ、学生ぐらいじゃねえのか? 何だよこれ、何だよそれ……」 CGS本部を取り囲む荒地から、見上げるように立ち上る煙を見つめ、ヴァルカナはよろよろとその場を立ち去る。 もっと離れなくては危ない、そんな思考が働いたのだ。 ヴァルカナは、エスパーニャンコが今ここに居なくて、本当に良かったと思った。 自分が今何を考えているかなんて、エスパーニャンコに頼まなくてもわかる事だが、わざわざ言葉にして聞きたいとは思わない。 そう、良かった、だ。 ヴァルカナの心を占めるのは、俺じゃなくて良かった、である。 リーネはヴァルカナの事を考え、先に避難を促してくれた。そのおかげでこうして生きながらえている。 感謝はしてるし、もし彼女が生きていたのなら幾らでも恩返しをするつもりはある。 でも、もう彼女は居ないのだ。 それを悲しむよりも、同じようにヴァルカナも消えてなくなりそうな所を助かった事が嬉しかった。 そんな事を考えてしまう自分に、何より腹が立って仕方が無かった。 【リネット・ビショップ@ストライクウィッチーズ】死亡 残り57名 【D-2/早朝】 【ヴァルカナ@迷家-マヨイガ-】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:支給品一式、不明支給品1~3(武器はあるらしいがまだ見せていない) [思考・行動] 基本方針:誰が殺し合いなんかするか 1:リネットが死んじまった。 2:501基地に向かう予定だったが……。 3:スピードスターを警戒。 【E-2/早朝】 【ジン@名探偵コナン】 [状態]:健康 [装備]:拳銃(ベレッタ) [道具]:支給品一式、ベレッタの予備弾薬 対物ライフルバレットM82(分解して専用鞄に収納済み)と予備弾薬、蒼月潮の似顔絵(超似てる) [思考・行動] 基本方針: 1:蒼月潮に会い、斗和子が何者かを聞く。(斗和子に首輪を外し脱出を行えるだけの力があるか、どうすれば斗和子を殺せるかの二点は必ず確認する) 2:斗和子ルートでの脱出が不可能ならば、蒼月潮に斗和子を殺させ、しかる後蒼月潮をジンが殺す。 3:斗和子ルートでの脱出が不可能ならば、最後の一人になる事で自らの有用性を証明し、主催者の意図がどうあれジンを生かしておく事に価値があると認めさせる。 ※その他 ジンは殺した人間の名前は忘れるので、若狭悠里とリネット・ビショップの名は既に記憶に無いでしょう。斗和子の不死身っぷりをその目にしました。 時系列順で読む Back 金色の獣と黒き獣 Next 駄目人間ズ、アンジェロに会う 投下順で読む Back 金色の獣と黒き獣 Next 駄目人間ズ、アンジェロに会う 017 戦う意思 ジン 025 猫も喋らずば撃たれまい ヴァルカナ 025 猫も喋らずば撃たれまい リネット・ビショップ GAME OVER
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4168.html
プロローグ 宿題がない長期休暇など存在せず、世間一般でそれでも宿題が少ないと言われている春休みが終わった新学期のことだった 特に何の感動もなく進級し、せいぜい考えていたことといえばあと1年で朝比奈さんが卒業かということぐらいだった 受験で忙しくなるだろうから部室にもあまり顔を出せなくなるのだろうか この破天荒な日常の中で唯一と言っても過言ではない俺の心の癒しがなくなるのはどうにもいたたまれない気持ちだとそんなことを考えながら登校すると俺の後ろの席に座っていた100Wの笑顔が俺のところに飛んできた 「キョン!今日、転入生が来るらしいわよ!どうせ転入してくるならやっぱり、宇宙人がいいわよね!」 おもちゃ箱を引っ繰り返した子供のような顔でハルヒが騒いでいる 冗談じゃない、これ以上宇宙人が増えられても困るだけだ それにしても転校生の好きな奴だ きっとそういうゲームでもハルヒは転校生から攻略するに違いな… やめておこう 例え女性向けであったとしてもハルヒがそういうゲームをやるとは思えないし、もちろん俺もやったことがないのでこれ以上語れない 「転校生はシナリオが逸材って相場は決まってるものよ!!」 …ってやったことあるのかよ! それが男性向けか女性向けかによって今後のハルヒとの付き合い方を考えなければならん 「しかしだなぁハルヒ、あんまり一つのシナリオに期待しすぎるとそのシナリオがいまいちだった時の脱力大きいぞ」 ハルヒは満面の笑みを崩さずに続けた 「大丈夫よ!そういうときは大して期待してなかったキャラのシナリオが逸材だったりするから!!」 なるほど、一理ある… そんなことを考えていると岡部がやってきてこの会話はお開きとなる 俺は前に向き直り、噂の転校生の紹介を待った 「今日はみんなが驚く転校生が来ているぞ、それとハンドボールしないか?」 俺は危惧するべきだったのだ さっきのハルヒの言葉に 入ってきたのはまさに宇宙人だったからだ 入ってくると同時にあがる野郎共の歓声に反するように俺の背筋は凍り付き、冷や汗がだらだらと流れた イカレたあの空間と銀色に光るナイフの記憶がフラッシュバックする 「あー、朝倉はカナダで親御さんにこの高校に戻りたいと悲願して一人で戻ってきたそうだ、それとハンドボールしないか?」 自分でも顔が引きつっているのがわかるほど動揺している俺の心境を尻目に岡部は説明を付け加えた 朝倉はというと少しきょろきょろしたあとに俺と目を合わせ、笑顔で手を振りやがった それと同時に向けられる全男子の鋭い目 その目からは「どうしてお前が!?」という意味を汲み取れる 一番読みやすい谷口からは「てめえ、涼宮だけじゃなくて朝倉涼子にまで手を出してやがったのか!?しかも長門有希といい、朝比奈さんといいどうしてお前のまわりには美人が集まるんだ!?お前はギャルゲーの主人公か!?ようし、決めた…お前の妹が大きくなったら俺が嫁にもらうからな!!」 と伝わった 冗談じゃない、お前なんかに妹はやらん と現実逃避をしていると後ろからシャーペンが刺された 朝倉涼子がそこにいるという理由だけで俺はナイフじゃなくてよかったと安堵した 「まさか転校生が朝倉涼子だったなんてね、これは不思議の匂いだわ」 朝倉から不思議の匂いがするかどうかは山根に聞いてくれ やたらご機嫌なハルヒに気付かれぬように俺はため息を着いた やれやれ、どうして俺が悩むときはこいつがご機嫌かね 第1文節 「長門!」 HRを終えて俺は文芸部室に走ってきた 次は体育館に移動して始業式だからもしかしていないかとも思ったが変わらず長門は指定の席で分厚いハードカバーを読んでいた 「……あなたの危惧は杞憂」 視線を本から外さないまま長門がぽそりとつぶやいた 「朝倉涼子は以前のことをあなたに謝りたいと思っている」 長門が淡々と続ける 謝る?あいつが? 謝るくらいなら最初からするなっていうのは誰の台詞だったかね 「それだけでは安心できん、もっと能力的な…例えば他の方々のSSみたいに情報の改竄ができなくなっているとかはないのか?」 長門が言うなら間違いはないだろうが、人間のトラウマというものはそう簡単に構築されてはいない 溺れてる奴がわらに縋る気持ちが今ならちょっとわかる 「朝倉涼子のヒューマノイド・インターフェースとしての能力は以前より向上している、これは情報統合思念体の急進派が主流派に統合され、朝倉涼子がバックアップとしてではなく私とは別の目的をもって再構築されたため」 別の目的? なんだ、それは? 「涼宮ハルヒを退屈させないこと」 退屈させないとはね 情報統合なんとやらも古泉のところの機関みたいになってきたな 「情報統合思念体は以前の事象により、涼宮ハルヒを怒らせたり悲しませたりすることは宇宙消滅の可能性があり、危険と判断した…情報統合思念体は人間の感情というものを理解していないがどういったファクターで感情と呼ばれるものが発生するかは理解している」 ええと…要するになんとか思念体はハルヒのご機嫌とりに撤するってことか? でもそうすると長門のいう情報フレアの発生がなくなるんじゃないか? 「あなたと涼宮ハルヒが以前次元相違空間に転移し、この次元に復帰した際、情報統合思念体でも解読に時間のかかる情報フレアが涼宮ハルヒから発生した、今から43時間38分12秒前に解読を完了し、その情報が我々の自律進化の可能性に大きく近づくことがわかったことからその1時間後、情報統合思念体は朝倉涼子を再構築した」 待てよ、その俺が閉鎖空間から帰ってきたことと朝倉の再構築とどう関係があるんだ? 「この情報フレアは涼宮ハルヒが嬉しいと感じたときに検出されている、事実、涼宮ハルヒが朝比奈みくるの胸部を揉んでいるときにも微量ながら発生が確認された、そのため朝倉涼子が涼宮ハルヒを喜ばせるため再構築された」 なるほど、だいたい理解できたよ 朝倉は宇宙の消滅を防ぐためとその情報フレアの発生促進のために現われたんだな とりあえず、朝倉涼子に危険性はないってことでいいんだな? 「いい」 その短い返事を聞いて満足した俺は遅れないように早足で体育館へ向かった この時、俺は背後で交わされる会話を聞き逃してしまっていた 「長門さんも嘘がうまくなったわね」 「…あなたほどではない」 時は流れて放課後である もともと始業式なんてものは長いだけで何の生産性もない校長の話ぐらいしかすることがないので何もなかったというほかないのだ いつものように、文芸部室の扉をノックするといつもとは違う声が返ってくる 「どうぞ♪」 俺はその声に脊髄反射的に後退りをした トラウマを抉る声だったからだ 長門が保証してくれたにも関わらず恐怖を感じるのはやはり命の危機のトラウマはでかいということだな とまぁそんなことを納得していても仕方ないのでゆっくりドアノブを握って、ゆっくり開いた 「で、向こうでどんな不思議なことがあったの!?」 部室には俺以外の全員とさっきの声の主、朝倉がいて、ハルヒに全力で質問攻めされていた 2人が座っているのは普段俺と古泉が座っている席だ その古泉はといえば部室の端に立っていて俺と目が合うと小さく肩をすくめた 仕方がないので俺は団長席に座る すると間髪入れずにハルヒの声が飛んできた 「キョン!絶対にして不可侵なあたしの団長席に座るなんて10000000000年早いわよ!」 お前が俺の席に座っているというのに身勝手な奴だ それに数字にされると読みにくい えーと…百億年か 「じゃあ俺はいったいどうしたらいいんだ」 不満をぼやく俺に対し、我らが団長様はこう言った 「そこでハレ晴レユカイでも踊ってなさい!」 命令された俺は部室の隅でハレ晴レユカイを踊り始める 途中から古泉も入ってきて、そのカオスっぷりはホントに投下はこのスレでよかったのかわからなくなるほどだった 俺たちが一曲フルコーラスで踊りきる頃にはハルヒも何もなかったと言い張る朝倉に飽きたらしく団長席に戻っていた 「カナダよ!カナダ!なのにどうして宇宙人の一人や二人いないのかしら」 宇宙人ならここにいるぞしかも二人もな 何よりお前が質問攻めしていた張本人が宇宙人だ その後は特に何もなく…ああ、そういえばハルヒが朝倉にSOS団の団活に参加してもいいと許可をしていたな まぁめぼしいことといえばそれくらいで、古泉とチェスをやっているうちに長門が本を閉じる さて帰るかと支度をしていると朝倉が気配もなく俺に耳打ちした 「よかったら、これから1年5組の教室に来て」 と、いうわけで1年5組の教室にやってきた なぜ俺はこんなにお人好しなのだろうか お人好しを治す薬があるならぜひがぶ飲みしたいね 扉を開けて中を覗けば朝倉が笑顔を向けてくる 「よかった、来てくれないと思ってたから」 しかし、その笑顔に裏がないとは今の俺には到底思えず、入り口で教室に入るのを躊躇していた 「入ったら?」 そんな俺を催促する朝倉の笑顔にどうリアクションしていいのかわからず、引き続き立ちすくむしかなかった 「…はぁ仕方ないわね」 朝倉が例の何か呪文のような言葉を発する まずい、逃げろと思った時にはすでに遅く、壁に押されるような力で俺は教室に押し入れられて尻餅をついてしまった その瞬間、見慣れた教室が以前のようなわけのわからない空間に変わっていた まずい、二の舞か!? 危険性はなかったんじゃないのかよ、長門! 「長門さんの助けを期待しても無駄よ、長門さんは今の私に協力的だもの」 立ち上がった俺にゆっくりと近づいてくる朝倉 距離がだんだん縮まっていくのは俺の背後が壁だからだ …長門が協力的!? なんだってんだ!?情報なんとか体は俺を殺すっていうのか!? もう古泉でもスネークでもいいから助けてくれ! ん…なんだ!?体が動かないぞ! くそっ!前にもあったぞ、こんなこと! 「今度は始めからこうするの、だって逃げられたくないじゃない♪」 満面の笑みの朝倉はまだナイフを持っていない だからこそどういう手段で俺を殺そうとしているのかが不安でしょうがない 朝倉が零距離まで近づいてきて、俺は恐怖で目を瞑った だが次に感じたのは痛みではなく、ぽふっと優しく当たる感触だった 肩透かしを食らった俺は思わず目を開けた そんな俺を驚愕させたのは朝倉が俺の胸に顔を埋め俺を抱き締めているその光景だった なぜ?WHY? 「…ごめんなさい」 蝶の羽音ぐらいの声で弱々しく発される朝倉の台詞 わけのわからない空間で女が男を抱き締めているという光景だけ見ればなかなかシュールなひとこまだったが、俺の思考はシリアスだった 「宇宙人産のアンドロイドでも申し訳ないと思うのか?」 「…いじわる」 朝倉の声に先程までの悲観さはなかった 俺の声から悟ったからだろう もう、俺にとって朝倉はトラウマではないと さっきトラウマはそんな簡単に構成されていないと言ったが撤回しよう ごめんなさいの一言で消滅するトラウマならわりと単純に構成されていた 「情報統合思念体はね、長門さんから採取されたエラーをもとに私に感情を実装したの…もちろんまだ試験的だけどね」 俺を抱き締めたままの朝倉が俺に言う 宇宙人産アンドロイドが感情か …意味がわからないし…笑えないな なぜって今の朝倉に俺も特別な感情が芽生えちまったからな 「ところでそろそろ離してくれないか」 少し間を空けたあと朝倉が何か呪文を唱えた そしてまわりの光景が教室に戻る …って何で体が動かないままなんだ? 「うん、それ無理♪だって私は本当に放課後の教室で抱き合う男女っていうシチュエーションに憧れていたんだもの」 朝倉は俺の胸の中で初めて俺に視線を向けた 潤んだ目で頬を赤く染めている しかも態勢からどうしても上目使いになっているわけで …ありかよ!?反則だ!! どれほどの間、理性と本能が格闘をしていただろうか、最低でも教室のドアががらりという音を出すまで思考も体もとまったままだった 「WAWAWA忘れ物~♪ってぬおっ!!」 ザ・WAールド! 時が止まった この光景を見られてどう弁解しようかなんて考えても無駄無駄 「すまん!」 ネクタイの位置を調整して谷口はきびすを返す 「…羨ましいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 忘れ物番長はロベルト・カルロスの蹴ったボールぐらいの勢いで駆けていった どうでもいいが、前回といい今回といい忘れ物は持って帰らないのか? あ、体が動く、谷口GJ さて…なぜこんなに俺が落ち着いていられるかというと… 「朝倉、情報操作で谷口の記憶をなんとかしてくれないか?」 こいつはあの頃の長門とは違う この言葉の意味も理解してくれるだろう 「やだ」 頬を膨らませ、ぷいっとそっぽを向く朝倉 …お前、そんなキャラだったか? 「やだってお前…そんなこと言ったらハルヒに知られてとんでもないことに…」 もちろん、世界がではなく俺が 増えるわかめ一袋丸飲みの刑で俺のお腹がパンパンになり、破裂して喜緑さんが生まれてしまうかもしれん 「言ったでしょ?私には感情があるの、どうしてもって言うなら彼の該当記憶の私の部分を古泉くんにしてもいいわよ♪」 「そのままでいいです」 ここはプリンなんだ そういうのはアナルでやれ と、いうわけでハルヒの時とはまた違った意味で俺の意見は受け入れられず、せめてもの抵抗に明日の増えるわかめ一袋丸飲みに備え、夕飯をあまり食べずにした そしてあの上目遣いが忘れられず、いささか睡眠不足で次の日を迎えた 登校という名のハイキングコースであくせく足を動かし、あくびをしながらなぜ子供の頃は昇龍拳コマンドができなかったのか、今はブリスコマンドすら余裕でできるのにとどうでもいいことを考えていたら声がかけられる 「おはよう!キョン君!」 誰であろう、他でもない、俺の睡眠不足の元凶朝倉だ 「よお」 ここでこいつに会うなんて珍しい…って当然か、こいつはずっといなかったんだから 「昨日長門さんにおでん持ってったんだけど、餅巾着がないって怒られちゃった」 他愛もない日常会話というものである こんな話をしながらこいつと登校するなんて一昨日までは思いもよらなかったな そんな他愛のない話をしながら下駄箱までやってくると下駄箱の中に封筒にすら入っていない破れたノートの破片のようなものを発見した …朝比奈さん(大)ではない? 朝倉から見られないようにメモの内容を確認するとそこには走り書きで‘そのままの足で屋上前の踊り場へ来い’と書いてあった 教室の前まで来てから朝倉にトイレに行くと告げ、踊り場に急いだ 「遅かったなぁ、キョン」 そこにいたのは谷口であった 「何のようだ?」 こう聞いておきながら俺はある程度の予想がついていた 恐らく昨日のことだ 前回の長門の時は特に何のフラグにもならず、ちょっとした笑えるハプニングとして収まっていたから今回もそうなるだろうとたかをくくっていたが、どうやらそうもいかないらしい 「まぁなんだ…朝倉涼子はAAランク+だ、迫られて断りきれないのもわかる…だがお前、涼宮はどうするんだ?」 こいつはまだ俺とハルヒが付き合ってるとか思っているのか? それに昨日のことは断る断らないじゃない、あの時はなすすべなかったんだ 身動きも取れずただ抱き締められていたんだよ まぁそんな悪い気もしなかったかと聞かれればそうだなと答えるが ん?もしかして俺Mなのか? 「浮気は男の甲斐性っていうしな、このことは誰にもいわん、だがな…いつまでもこんなこと続けてたらいつかお前、痛い目見るぞ」 大きなお世話だ、浮気ってなんだ浮気って 俺はこの高校生活でそんなドロドロになりうる要素を持った覚えはない ただハルヒに知られないというのはすばらしい そのことだけは感謝できるからここは何も言わず穏便にすませよう 増えるわかめ一袋丸飲みに備えて場所を空けておいた胃が安心したのか高らかに空腹を訴えだす 「すまんな」 谷口への感謝の言葉を一言流して俺たちは教室へ戻った 教室に戻って席に着くと上機嫌のハルヒが俺に話し掛けてくる 「明日の不思議探索朝倉も来れるって!やっぱり、人海戦術は重要よね」 そう、始業式が木曜日だったため、今日は金曜日 故に明日の土曜日は不思議探索である 俺も昨日の出来事から朝倉に対して負の感情は抱いていない むしろ今まで感じたことのないような暖かい気持ちを抱いている ハルヒの上機嫌に倣うように俺も機嫌がよくなる だが、機嫌がよくても授業は無情にも開始するのである …腹が減った 昨日の夕飯をあまり食べていない+朝飯を抑えたことが災いして俺の腹はミュージシャンのライブのアンコール並に騒いでいる 史上最大の変則マッチ 眠気&空腹タッグVS俺の我慢 何度も諦めて眠気に降伏しようとしたのだが腹が減って眠れないという悪循環の前には無意味な降伏であり、いっそ寝てしまって昼休みまでBooooonとワープ作戦は失敗に終わった 生き地獄のような気分を味わいつつ長い長い午前の授業の終了を待った …やっと昼休みである これほど母親の弁当を待ち遠しく思ったことはない さて… 意気揚揚とカバンを開けて弁当を探す …ん?嘘だろ!? 俺の手が最悪の状況を知らせる 俺は何度もカバンの中を確認する この時点で俺の焦りは最大級に達していた 厳しい現実を認めるのを拒む脳の命令を従順に実行する俺はカバンの中身を全部引っ繰り返した そして認めたくない現実を認めざるをえなくなる …弁当忘れた なんということだろう、このSSの作者は金がなくて今月どうやって生きようと考えている時に5000円拾うというタイミングの良すぎるラッキーを経験しているというのに俺はなんとタイミングの悪いアンラッキーだ 何か!?何か食料はないのか!? …だからないって! 仕方なく俺は明日の不思議探索で減るのが確定している財布の中身を確認する …仕方ない、古泉に借りて学食にいこう 過去稀に見るとぼとぼ歩きで席を立ったら朝倉が話し掛けてきた 「あ、キョン君…よかったらご飯一緒に食べない?ちょっと作りすぎちゃったの」 あなたが神か! いや、古泉によると神はハルヒらしいが 今はそんなこと知ったこっちゃねえや 俺は目の前にいる女神の提案に飛び付き、2つ返事で了承した 場所は階段の踊り場である 午後の気温と日差しが美しい桜を際立たせる光景が広がっていて、俺は朝倉とシートを広げ弁当を広げ話題を広げている 正直いって朝倉の料理はうまいともまずいとも言えない、なんとも微妙な出来だったが大変腹が減っている俺にとっては砂漠のオアシスよりも有り難いものだった 「ねえ、おいしい?」 不意に朝倉が聞いてくる 今話していた話題を切ってまで言うことなのかは甚だ疑問だが俺は返答をする 「まぁうまいぞ」 この答えでは満足しなかったのか、朝倉は芋む…げふんげふん、眉毛を吊り上げて中央に寄せる 「まぁじゃなくておいしいかまずいで答えて」 遊び幅のない完全2択か だったらこれはうまいだろう 「うまいぞ」 その言葉を聞いた朝倉は安堵のため息混じりに 「よかった~」 と胸を撫で下ろした …さっきこの料理を正直微妙だと言った俺を増えるわかめ一袋丸飲みの刑にしてやりたい この料理は朝倉の笑顔という調味料があって完成なのだ 人の想いがこもった料理ならうまいに決まってる 今なら言える、これは今まで食ったことのないぐらい最高にうまい料理だった …なんてのはクサすぎるか? そして放課後である なぜ午後の授業の描写がないかといえば朝倉の料理がうますぎて大量に食べ過ぎてしまったからで、それが午後の授業を爆睡せざるをえない理由には十分なものだからである 俺は掃除当番だったため俺が部室にいくころには朝倉を含む全員が揃っていた 「遅いわよ、キョン!」 失礼な、俺はお前と違って真面目に掃除するからそれだけ時間がかかるんだ 「まあまあ、彼も来たことですしそろそろ始めませんか?」 古泉がハルヒを促す やれやれ何を始める気だ 俺が苦労することじゃなければいいが 「SOS団!ミーティングの開催をここに宣言します!」 机に片足をかけ、高らかに人差し指を天に指差し、ハルヒが叫ぶ 「議題は明日の不思議探索!せっかく朝倉が参加するんだもの、今まで通りじゃダメよ!」 意気揚揚と話を続けるハルヒ あまり長くなってもあれなので、細かい描写を割愛させてもらって、ダイジェストで説明すると明日の不思議探索は2人ペアを3組、より効率的に進むため1日同じペアで探索するという ハルヒの思い付きにしては無茶が足りないなと思ってしまった俺は相当ハルヒに毒されているな そしてその日の活動は基本いつも通り、違うところといえば古泉とやっていた囲碁に朝倉と長門が入ってきて俺&朝倉VS古泉&長門のペア碁になっていたことぐらいか 勝敗?いくら長門でもカバー仕切れなかったとだけ言っておこう そしてなんら変哲のない夜を越えて翌朝である 第二文節 「キョンく~ん朝だよ~」 妹のフライングエルボーがいいところに決まりさわやかな朝がやってきた 時間はまだ余裕がある うん、フライングエルボーは置いておいて、いい仕事をしたな妹よ さてそろそろ俺以外の誰かの財布を軽くしてやりたい俺はいつもより少し早めに集合場所へ向かった 「遅い!罰金!」 なんということだろう、集合時間の30分前に着いたにも関わらずそこには俺以外の全員が揃っていた 理不尽な奢りに嘆きながら喫茶店に移動する 「くじびきするわよ!無印、赤、黒だからね!」 全員の飲み物が運ばれて来てからハルヒが爪楊枝を握る 結果は古泉&長門ペア、ハルヒ&朝比奈さんペア、俺&朝倉ペアとなった どうでもいいが、ハルヒは何度も自分の爪楊枝と朝倉の爪楊枝を見比べていた 「いい!?デートじゃないんだからね!」 お決まりの常套句を聞いて探索開始である 俺と朝倉は舞う桜吹雪の眩しい並木道を歩いている 「くじびきズルしちゃった」 朝倉が照れ笑いをしながら舌を出す ズルってあれか?情報操作ってやつか? 「うん、今日はどうしてもキョン君と一緒がよかったから」 そう言った朝倉の笑顔に一瞬陰りが出る しかし、見間違いだったのかすぐにもとの笑顔に戻る 「少し座らない?」 朝倉の提案に乗っかることにした俺は朝倉が座ったベンチの隣に少し間を空けて座った 「涼宮さんには悪いことしちゃったかな」 口元を押さえてクスッと笑う朝倉 なぜハルヒに? 「なんでもない♪」 機嫌よく一言言った朝倉は俺の頭をつかみ、俺を横にした …これ膝枕じゃねーか!? 「…いや?」 全然いやじゃないです 朝倉はただにっこり笑うと俺の頭を撫で始めた 「ぶるぁ!!」 決して某緑色の若本ではない ちなみに某24時間の人の気絶からの目覚めのシーンでもない 俺のケータイがマグナムバイブレーションしたのだ つーか寝ちまってた それは朝倉の膝枕が気持ち良かったからに相違ない 「キョン!昼の集合時刻とっくに過ぎてるわよ!早く来なさい!5秒以内!」 体を起こして恐る恐る取った電話が叫び、すぐ切れる 俺は一つ大きなため息をついた 「ごめんなさい、起こせばよかったね」 ため息に反応したのか俺の横に座る朝倉が芋む…げふんげふん眉をへの字にした笑顔で謝る 「気にすんな」 心のままに俺は朝倉の頭をポンポンとした さてと、我らが団長様の機嫌がさらに悪くならないうちにとっとと集合場所に向かうとするかね 「遅い!今何時だと思ってるの!!」 12時45分だな 「そういうことを聞いてるんじゃないの!お昼ご飯、全員分あんたのおごりだからね!」 なんということだ それに朝倉はいいのかよ …今月はやっぱり厳しくなるに違いない ハルヒは俺の危惧を知るよしもなく、ずかずかとファミレスに入っていった …結論から言おう、最悪だ ハルヒが料理を大量に頼んではそれを平らげている 古泉も遠慮なしに食べたいものを頼むし、あの朝比奈さんですら今日はちょっと多めである 唯一助かったことと言えばもう一人の大食漢、長門が少なめに頼んでいることだった 俺は一番安かった炒飯を口に入れながら隣を見れば朝倉が笑顔でおでんを突いていた なんでこのファミレスにはおでんなんてメニューがあるのだろうか それを言えば古泉の食べている広島風お好み焼きもファミレスにあるにはいささか疑問符の浮かぶメニューであるし、朝比奈さんが頬張っているシシケバブもここのファミレスがよくわからない趣向を持っているのが丸分かりなものである おまけと言ってはなんだが、長門が食べているのはハヤシライスでこの中で一番ファミレスらしいメニューだ ハルヒは…いちいちあげていたらキリがないほどの量なのでここでは割愛させていただく なけなしの金で食べる炒飯はどこか切ない味だった それをしっかりと味わいながら食べ、俺が最後の一口を口に入れた時、ハルヒがのたもうた 「味はいまいちね」 だったらそんなに食べるんじゃない! それに店の人に聞こえるだろ 「さ、行きましょ」 気付くと全員食べおわっているようだった それほど俺は味わって食べていたらしい 俺が会計を終わらせて店をでるころには‘フェザーライト’の異名を持つショットガンを思い出させるくらい俺の財布は軽量化がはかられていた 「何度も言うけどデートじゃないんだからね!」 ハルヒ、歯に青海苔付けて言っても迫力ないぞ …俺はこの時気付くべきだったのだ こんな一言を言ってハルヒがどう思うのかを …俺はこの一言のせいで脇腹にいい拳をもらってしまった 「いてて…」 朝倉は俺の脇腹を気遣ってあまり歩かないようにと俺を喫茶店へ連れてきた 俺は大丈夫だと言ったのだが朝倉がボディーは後半になって効いてくるからと言って聞かなかった しかし、朝倉の言ったことはなかなか当たっていたらしく、俺の脇腹が鈍痛を訴え始める 「大丈夫?」 「なんとかな」 気遣う朝倉に強がりを言ってみる それでも痛みは収まらないので雑談に気を紛らわせることにする 「しかし、またお前に会うことになるとは思わなかったよ」 いまさらな気もするが、この話題を本来出すべき時期は正直それどころではなかったのだ 「そうね、私も再構築されるなんて思わなかった」 ホットコーヒーを啜りながら朝倉が言う 「でも、それは嬉しい誤算だったな」 これは心からの言葉だ その直後は焦りしか感じなかったが、今となっては朝倉がそこにいることがとても嬉しい 「ふふっ、ありがとう…私もキョン君に謝ることができてすごくよかったと思うわ」 穏やかな笑顔を見せる朝倉 プログラムではない、感情からの笑顔 「そういえば、長門が協力してくれたんだよな」 長門も朝倉が謝ることに協力するなんてだいぶ人間味を帯びてきたよな 「うん、再構築された時に長門さんのところに行って、謝りたいから協力してって言ったらプリンを口に頬張ったままひょうひょふふるって言ってくれたの」 それはおもしろいな 容易に想像でき… …ん?おかしいぞ、想像出来ない? 長門がプリン? いや、長門といえばフルー… 「おかげであのフィールドを張っても長門さんが乱入して来なかったからね」 …俺は今、何を考えていた? 何か重要なことを考えていた気がするが気のせいだっただろうか 「…ね、あのさ…」 頬を赤らめて目を泳がせる朝倉 その萌え要素の詰め合せに俺の思考は停止していた 「明日…暇?」 明日か…特に用事はないな 「ああ、暇だ」 俺のその一言に可愛らしい、はにかんだ笑顔をみせる朝倉 やばい、これは反則級だ 「じゃあさ……」 そこまで言って言葉を止める朝倉 俺はといえば朝倉の可愛さに見惚れながらも、続く台詞を待っていた 「明日…デート…しない?」 言い切ったというより言ってしまったといった感じで照れ隠しにあさっての方向を向く朝倉 そして内容の確認だ、デートか、なるほど…ん?…デート?…デートだと!? ああああ慌てるな、おおおおおお落ち着け おおお落ち着いて素数を数えるんだ 1、2、3、ダー!! よし、落ち着いた 1が素数じゃないってツッコミはなしだぞ そんなこといったらダーなんて数ですらないし ああ、早く顔を真っ赤にしている目の前の美少女に返事をしなくちゃな 「俺は全然構わんぞ」 俺の一言で朝倉の顔がパーっと輝く笑顔になる そして糸が切れたように安堵の溜め息を深く吐き出した 「よかった~すごいドキドキしてたんだから」 安堵の表情をみせる朝倉はやっぱり可愛い これは明日に期待が膨らむね 「あ、そろそろ時間…行きましょうか」 俺はその提案を了承し伝票を持って席を立った するとレジ前に長門と古泉がいた 「おや、あなたたちもここに来ていたのですか、ここの喫茶店に夜な夜な幽霊が出るという噂はなかなか有名なようですね」 そんな話聞いたことないぞ、どうせ不思議探索をさぼっていたことの言い訳だろう? 「その噂があると仮定すればあなたたちもサボりにはならないと思いますが?」 失礼な、俺たちはなぜボディーが後半になって効いてくるか話し合っていたところだ 犬神了のデッドボールもそれに関係あるのでは、ってところで話は終わったがな それにそんな噂ハルヒの耳に入れてみろ、ここの喫茶店の売り上げが激減するぞ 「それは困りましたね、では互いにここで会ったことは内密にしましょう」 当たり前の一言を言って古泉は会話を終わらせた そしてお互いに会計を済ませ集合場所に向かい、帰路に着く 俺は遠足の前日の子供のような心待ちで眠りに着いた 第3文節 朝、である といきたいところだったが、そうはいかなかった 改めて昼、である 状況を確認しよう 俺は起床したばかりで本日は日曜日SOS団関連のイベントはなく、そのため朝倉とデートの約束をしている その待ち合わせは10 00に駅前 現時刻は11 30 ……だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!完全に遅刻だ! ケータイを確認すればメールが5件に着信が11件 全部朝倉だ 俺は大慌てで支度をして急いで家を飛び出す 交通ルールって何?と言わんばかりの大爆走で自転車を走らせる …今思えば、あの時転んだら死んでいたかもしれない 俺が駅前に着く頃には無情な時計の針は12時を平気で越えた時間を示していた 「……」 あぁ、居たたまれない この括弧は息も絶え絶えになりながら集合場所にやっとこさ着いた、平謝りの一手を尽くそうとした俺を朝倉が睨んでいるのを描写するものである 唯一にして最大の策、平謝りを封じられた俺に出来ることはなく、下手に言い訳をする気も失せ正直に寝坊したと言う以外の選択肢を生まなくなった 「…心配したじゃない」 へ?心配? 睨んでいた朝倉の表情からは想像できなかった第一声に俺は思わず唖然とした あんぐりと開いた口に胃カメラでも突っ込まれたら今は無痛で検査が出来そうだ 「遅れるなら遅れるで何で連絡してくれないの!事故に遭ったかもって思っちゃったんだから…」 しおらしく俯く朝倉に俺の胸が締め付けられた 次の言葉は俺が意識する必要もなく自然に口から零れた 「すまん」 この言葉に朝倉は顔を上げ、微笑む 「まぁいいか、来てくれたんだもんね」 俺はこの台詞を許してくれたと思い、ホッと胸を撫で下ろした だが、今日遊ぶことに頭を切り替えようとしたその時にそれは起こった 「で、なんで遅れたの?理由によっては、あのナイフで眉毛剃ってあげるわよ」 あのナイフとはやはり俺を襲った時のトラウマのナイフだろう …やっぱりわかってたんだな、あれが俺のトラウマって そんなところまで人間っぽいのかよ まぁネタに使えるぐらいまでになったとプラスに考えるべきか 「寝坊したんだ」 「え?」 「だから寝坊だ、今日が楽しみでなかなか眠れなかったんだ」 あー…言っちまったかっこ悪い、小学生かよ 冗談混じりに目を細めていた朝倉がアハハと笑いだす もう笑いたきゃ笑えよ 「だって小学生でもそんなことないわよ、楽しみにしてくれてたのはうれしいけど」 喋りながらも笑いをおさえきれずにいる朝倉に俺はいくらか安堵した どうやら眉毛はなくならずにすみそうだ 「でも、遅刻は遅刻なんだからそれなりの覚悟はしてよね」 表情こそ笑顔だが、黒いオーラを纏った朝倉に俺は修羅を見た なぜか、ここ2、3日安堵した瞬間に打ち壊される展開がとても多い気がする 俺は朝倉に気付かれない程度に溜め息を着いた それはもちろんこの作者の展開力のなさにだ 「で、今日はどこに行くんだ?」 一つ気を取り直し、今日の予定を確認する 男のクセに投げっ放しだって?安心しろ、夕飯スポットだけは押さえてある 「遊園地!」 子供のような無邪気な笑顔で単語だけを言い放つ朝倉は本当に今日を楽しみにしていたとわかるぐらいはしゃいでいる 思わず頬が緩み、頭でも撫でてやりたくなる 「わかった、じゃあ行くぞ」 駅で二人分の切符を買い、俺たちは遊園地へと向かった 電車を乗り繋いで数十分、俺たちは遊園地に到着した 電車に乗っている間、ずっと朝倉は遊園地が楽しみであるという意のことを話していた よく数十分も話が尽きなかったものだ さて、俺たちがやってきたこの遊園地、ここは東京の冠をかぶっているのに他県にある某ネズミーランドや、関西の期待を一心に集めた国際的ヒーローがいるスタジオの日本版や、関東地方じゃないのに甲信越と言われて関東と一括りにされる場所で富士山を臨みながら絶叫マシーンに力を入れる遊園地ほど大きかったり、有名だったりはせず、どちらかといえば植物園から動物園を経て、日本最初の遊園地となった某下町の遊び場に近い佇まいを持っている 十分、その下町の遊び場もおもしろいと付け加えたうえでもう一つのメリットを話しておこう 学生である俺たちからすればその料金がお財布にやさしいということだ ましてや、昨日のことも手伝って俺の財布はやたら軽い カードしか入っていない本物の金持ちの財布も軽いといえば軽いだろうが、俺は本物の金持ちではないので財布が軽い理由は一つである 役割的にはフリーパスに近いチケットを2枚購入し、俺たちは中へ入った 「わぁ~すごい♪」 中へ入った瞬間朝倉が歓喜の声をあげる この遊園地にはメリーゴーラウンドやジェットコースター、おばけ屋敷などよくいえばオーソドックス、悪くいえばベタなものが所狭しと並んでいる 手始めにミラーハウスへと歩を進めた 「わぁ~私がいっぱい♪情報操作で分身したらどうなるかしら?」 「やめてくれ」 「大丈夫、キョン君も増やしてあげるから」 「…遠慮しておく」 「なぁんだ、残念」 続いてビックリハウス 「重力は下に向いたままよね、どうなってるのかしら?」 「まわりが動いてるんだ」 「…種明かしされると面白みが薄れるわね」 「そうか、だったらここは本当に回ってるぞ」 「キャー、怖ーい」 「…」 「…」 「…アホだな、俺ら」 「…ええ」 次はゴーカート 「何人たりとも俺の前は走らせん!」 「そうはいかないわ!赤甲羅!」 「いて!お前、コーラ投げんなよ!」 「いいじゃない、パッケージは赤いし」 「色の問題じゃない!」 そしてコーヒーカップ 「キャー!そんなに回さないでー!」 「これがコーヒーカップの醍醐味だー!」 「キャー!…あ、やっと止まったわね」 「…」 「あら?どうしたの?」 「…気持ち悪ぃ」 「だからいったのに」 少し遅い昼ご飯 「はい、あ~ん♪」 「言っておくがそんな恥ずかしいこと絶対やらんぞ」 「なぁんだ、つまんない」 「同じもの食べといて分け合うこともないだろう」 「…」 「…な、なんだよ?」 「あ~ん♪」 「逆でも同じだ!」 なぜか見てしまったヒーローショー 「…」 「…」 「…なぁ」 「…ええ」 「…何でだろうな」 「…同意見ね」 「何で」 『ヒーローがかびの生えた食パンなのか』 「かび食パン…か」 「…きっとそこに自律進化の可能性が」 「絶対にないな」 「同意見ね」 やはり定番ジェットコースター 「だぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 「なかなか迫力あったな」 「…」 「どうした?」 「腰が…抜けた」 「そんなに怖かったか?」 「…高いとこダメなの」 「…なぜ、乗ろうと言ったんだ?」 「…キョン君となら大丈夫だと思ったの」 「やれやれ、そう言われたら文句も言えないな…少し休もう」 と、いうわけで近くのベンチに二人で座っている 腰の抜けている朝倉がここまでどうやって来たか、というのは割愛させていただく あえていうなら朝倉が「当ててるの♪」という台詞をほざいたという情報だけ伝えておく 「もう大丈夫か?」 背もたれに寄り掛かっていた朝倉が寄り掛かることをやめたため俺は聞く 腰が抜けたのがどうやって治るかなんて俺は知らないし、作者も知らないから治った状況をどう表していいのかわからんが、情報操作とか言っておけば辻褄合わせぐらいにはなるだろう 「ええ、なんとか…キョン君ごめんね」 本当に申し訳なさそうな顔の朝倉に俺は逆に罪悪感を感じてしまった だから俺の次の台詞は朝倉へのフォローだけではなく、俺自身へのごまかしも含まれる 「気にするな」 さて、話は変わるがそろそろ日が西に傾き始めている 散々遊んだから仕方ないが、あといくつか乗ったら帰らなくてはいけない時間だろう また、言い替えるならカップルがこぞって観覧車に並び始める時間でもある 高いところから見る夕焼けは、どれほどの絶景だろうか そう思ったら観覧車に乗りたくなったが、今から並んで夕日に間に合う気はしないし、並んでいたら時間が過ぎ最後の乗り物になるだろう 何より朝倉が高所恐怖症なのだから乗るわけにはいかなかった、少しだけ残念だ というわけで次は何に乗るか、締めは何にするかと考えていたら朝倉が口を開いた 「ね、観覧車乗らない?」 その提案は俺の考えていたことを2つとも解決する提案だった…というのはさっき述べたばかりだ ただ、他にも述べたことがあったはずだ 「高所恐怖症じゃなかったのか?」 俺の質問に対し笑顔を崩さない朝倉は答える 「大丈夫よ」 そして頬を赤く染めて一言付け加える 「密閉空間だもの」 どうやらジェットコースターはまわりが曝け出されているから怖いのであって個室内と呼べる観覧車は平気…ということらしい 「なら、乗るか」 俺の了承に最高の笑顔で頷いた朝倉をとても可愛いと思った俺を誰が責められようか 「行こ♪」 朝倉に手を引かれ歩きだす 俺の手は朝倉の手にしっかり握られていて少し気恥ずかしくなり、朝倉の方は見れなかった こんな耳まで赤い顔見られたかないしな 観覧車の列に並んでいる最中も手は繋いだままで、結局俺は耳まで赤い顔を朝倉に直視されてしまう だが、同じように朝倉も赤い顔をしていたので恥ずかしさよりも心の中での微笑ましさが打ち勝ったようだ 今日一日を振り返るような雑談をしつつ、あと数人で乗れるというところで日は完全に落ちた 俺たちは遊園地の中にいるから眩しいまでの光に照らされて明るいが遥か彼方では闇が渦巻いている 視線を少しずらせば遊園地から帰っていく人もちらほらみられる …今日はこれ乗って終わりなんだよな 「どうぞ~」 っと、俺たちの番のようだ 中に入って座ってから気付いた 俺たちは手を繋いだままだ 手を繋いだまま座ってしまったということは、そういうことであり、朝倉は少し躊躇ってから俺のとなりに腰掛けた …落ち着かない さっきまでいろんな話をしてくれていた朝倉だがここにきて沈黙している しかも俯いているため顔も伺うことができない だから雰囲気が重く感じられてこちらから話し掛けることも憚られる 為す術なく、俺は顔をあげて外を見た ―言葉を失った 観覧車で夕日を見たかったと思って今の状況を残念に思っていたさっきまでの自分に不幸の手紙を送ってやりたい 人の営みを純粋に映す夜景 目立って派手な建物はなく、それぞれが必要不可欠な光 もちろん大自然がみせる夕日のパノラマも綺麗だが夕日に勝るとも劣らない絶景がそこにあった 「朝倉、外見てみろ」 朝倉の肩を叩き、視線を外へと促す 顔を上げた朝倉が出した声はその光景への感嘆の声だった 「綺麗…」 きらきらと目を輝かせながら夜景を眺める朝倉も十分綺麗だった…なんて月並みな言葉が出てきたが言ったら寒い男になってしまうので胸にしまっておいた 「すごく…尊い光ね」 朝倉の言葉は少しだけだが憂いを帯びていて、俺の心を切なくさせる 続ける言葉が見つからず、何をするでもなく、ただ朝倉を見続けることしか出来ずにいた だが、その時何も出来ないでいる俺に助け船を出すかごとく、突風でも吹いたのか、ゴンドラが揺れた 「きゃっ!!」 揺れに驚き、朝倉が俺にしがみついて来た その一瞬、俺の顔と朝倉の顔の距離がほんの数センチまで近づいた …ドキドキさせられた、鼓動が揺れる、顔が熱い 俺に回された朝倉の腕は小刻みに震えていたがしっかりと俺を捉えて自らの体温を伝えていた 俺が手を伸ばせば届く距離に朝倉がいる 視線を落とせばそれがよくわかる 俺にしがみついたままの無防備な姿がある、ミニスカートから伸びた太ももが艶めかしく理性を殺しかける …まずい、これはまずいぞ 俺は残った理性を総動員し、太ももに釘付けになる視線を無理矢理あげた 意識を朝倉の太ももから逸らす、という目的をもって行動したのだが、偶然入ってきた光景に俺は少し安心し、少し…落胆した …もうすぐ地上だ 幸か不幸か今まで檻の中で大暴れしていた本能という獣は理性という飼育係を総動員せずとも、麻酔銃を打たれたかのように静かになり、名誉の殉職を迎えたはずの理性達も何事もなかったかのように配置に戻っていた ガコンと派手な音をたてて観覧車の扉が開かれる 俺と朝倉の閉鎖空間もこれで終わりだ 朝倉がスッと立ち上がりゴンドラを出ていく 俺は名残惜しさをゴンドラの中に置き去りにして外へと歩み進める朝倉に着いていった さっきまで繋がれていた手は…もう、引き合うことすら忘れていた とっとと歩いていってしまう朝倉の後ろ姿にに早歩きで追い付いく ゴンドラを出てからずっと直進しているだけでどこかに向かおうとしているわけではなさそうだ 「朝倉、そろそろ帰ろうぜ…これ以上いると親に怒られちまう」 言葉を聞いて朝倉は歩くのをやめたが、こちらを見ようとはしない そして数秒の沈黙の後 「いくじなし」 とだけ言って遊園地の出口へと歩き始めた 帰り道でも朝倉のその雰囲気は続いていて、厳かな空気に俺は沈黙以外の選択肢を選ぶことができなかった 状況に焦りを感じる俺はどうにかして沈黙以外の選択肢が出ないものかと、カーソルを上下左右に動かしたり、一度キャンセルしてみたりしたが、結果は同じで、朝倉の隣でポケットに手を突っ込み歩いていた 結局その日のうちに再び朝倉の声を聞くことは叶わず、せっかく調べた夕飯スポットも無駄に終わり、帰ってやった一人反省会でもなぜ、朝倉が怒っていたのかわからず、月曜日の朝、眠りが浅かったのか疲れがたもったままの体を妹のフライングボディプレスを食らう前に起こして、溜め息をついた 第4文節 朝、通学路 重々しい気分で重りでもついてるんじゃないかと思うぐらい進みにくい足をそれでも必死に動かして地獄の坂道を某川原で石積みをするがごとくの気の遠さで登っていた いくら溜め息をついても幸せが逃げていかない気がするのはすでに幸せって奴が俺の中にもう残っていないからなのかね 「よお、キョン!朝からしけた面してんな」 やれやれ、朝から騒がしい奴に会っちまったもんだ、しかもこんな時に 「ほっとけ、谷口…俺にだって悩みの一つや二つある」 この瞬間、おもしろそうなものを見つけたと言わんばかりのむかつく谷口の笑顔を俺は生涯忘れないだろう それくらい腹が立った 「なんだ!?ついに涼宮にばれたか!?」 「違う」 しかもこの食い付き方 イライラするなという方が無理だ それにこいつは未だに…いややめておこう、今更何を言っても無駄な気がする というわけで俺はしつこくいろんなことを聞いてくる谷口を軽く流しつつ教室まで歩いた 教室ではハルヒが憂鬱そうな雰囲気で窓の外を眺め、溜息をついていた 退屈さに打ち負けて、いつもの破天荒が消失している 暴走されていても困るが、こう静かなのも動揺する 「よお」 俺が声をかけると、今までの負のオーラが嘘のようにハルヒがにやりと笑う いったい誰の陰謀だ ハルヒがこうやって笑う時は憤慨するでもなく喜怒哀楽が分裂したかのようにいじられるのだ それはお約束と言っても過言ではない事実である 「昨日はお楽しみだったようね」 …ハルヒの目は笑っていなかった 昨日といえば朝倉と遊園地に行った日だ いったい何がハルヒをこんなに怒らせたのかわからず、戸惑を隠せずにおろおろしているとハルヒがドスのきいた低い声で続ける 「あたしの電話は無視したわね」 慌ててケータイの着信履歴を調べる …あった、寝坊した俺に何度も電話をかける朝倉の着信の中に一つだけ、ハルヒの名前が 全部朝倉だと思っていたのは思い込みか…しかもあの時は慌てていたからそれどころじゃなかったしな 「さぁ、どういうことか説明してもらおうかしら?」 イライラ、怒り、他にも何か すべての詰合のような声が俺の逃げ場をなくす この状況で適当なことを言って回避できる可能性はSOS団が公式に認められるぐらい低い …だったら、とるべき道は一つ、最高の言い訳を考えるんだ 「あー、ハルヒ…本当はな妹がミヨキチと行く予定だったんだ」 とっさに思いついた嘘だがそれなりに辻褄は合わせられた 一か八か 「だけど当日の朝、妹が熱を出してな、急いで病院に連れていった…ケータイはその時家に忘れたんだ」 ハルヒは威嚇するような顔をしているが黙って聞いている 「それでミヨキチが病院まで来てくれたんだが、これじゃあ遊園地にはいけないってなってな、持っていた2人分のチケットをもったいないからと俺に譲ってくれたんだ」 微動だにせずまっすぐ俺を見ているハルヒにたじろぎながらも俺は続ける 「それで、誰か誘おうと家にケータイを取りに行く途中、朝倉に会ってな…ちょうどいいから誘ったんだ」 よし!全部言い切った 反論来るなら来い、なんとかしてやるぜ 「ふーん…あんた達遊園地行ったんだ」 くっ、変化球か 予想外の一言に態勢が崩れた 「駅で見ただけだからね、どこに行くのかと思ったけど」 …目撃した場所をいまさら言うなんてずるいじゃないか 「でも、それ嘘でしょ?」 な…!ばれた!?いや、落ち着け、かまかけてるだけかもしれん なぜ嘘だと思うんだ? 「だって朝倉、土曜日の不思議探索よりよっぽどお洒落してたもの、あんなにスカート短かったら襲われても文句言えないわね、なんてたってエロキョンだし」 エロをあだ名の冠にするんじゃない、失礼だな俺は健全な男子高校生としての丁度基準値ぐらいのエロさだと思うぞ 「きっと、何もない日に一番お洒落したくなる特異体質なんだろう」 そんな体質聞いたことないが、そういう奴も中にはいるだろう 「そんな体質聞いたことないわよ」 そりゃそうだ なんてたってその台詞は俺が今言ったばかりだからな 「そういう人間も中にはいるだろう」 世の中広いからな、まぁ朝倉が人間かどうかは微妙なところだが 「ふーん…でも運が悪いわね、そんな日にキョンに遊園地に誘われて襲われちゃうんだから」 なんだ?お前は俺をけだものにしたいのか? 「神に誓って何もしとらん」 古泉曰く、神はこの目の前にいる尋問者であるらしいので尋問してある人間に誓うっていうのも変な話だ 要するにお前に誓ってなにもしていないというわけでただのバカップルみたいで質が悪い 星条旗を持っているなんて驚きだなんて言っているカップルより質が悪い 「本当に?」 「本当だ」 「本当に本当に?」 「本当に本当だ」 などと埒のあかないやりとりを繰り返したあと、ハルヒの一言でこの水掛け論に終止符が打たれた 「じゃあ、朝倉が来たら聞いてみるからね」 …なんだと? それはまずい気がする 昨日あんな状態で別れていて、口裏を合わせてくれるか心配だ だが、俺の心配は杞憂に終わる 岡部曰く、朝倉は風邪をひいて欠席だそうだ …ヒューマノイド・インターフェースが風邪などひくのか? 否、ひかない 昨日の朝倉の様子を思い出してみるが何の情報も得られない 「もしかして、あんたたち野外プレイ…」 「なんでやねん!」 アホなことを言うハルヒにツッコミを入れて時は流れる ―放課後、掃除当番のハルヒをおいて部室にやってきた いつものようにノックをすると 「…どうぞ」 と長門の声がした 舌っ足らずの可愛らしい声はしなかったので恐らくまだ長門だけだろう 丁度いい、朝倉のことを聞いてみよう 「長門、朝倉はどうしたんだ?」 長門は大型本に注いでいた視線を俺に向け、ぽそりと言った 「…エラーの副作用」 エラー?副作用? どういうことだ、俺にもわかるように説明してくれ 「…あなたたちが感情と呼んでいる、私たちにとってのエラー、それのために朝倉涼子は登校を拒んだ」 要するにそれは登校拒否ということか? 不登校の宇宙人製アンドロイド どうなんだそれ まぁ、冬休みの時の長門みたいにならなくてよかった 「…へたれ」 「ん?何か言ったか、長門?」 「何も」 まぁとにかく、朝倉はなぜこないのか…と気になったが、一つ心当たりがある やっぱり、謝らなきゃいけないんだよな 俺が何したのかはわからんが、怒らせちまった以上俺が悪い 「…そうだ」 ん?どうした長門? 「家に帰ったら読んで」 いつぞやのように本を一冊渡される 長門が家に帰って読めというならまだ読むべきではないな 俺はカバンに本をしまった 「こんにちはぁ」 おっと、朝比奈さんのご登場だ いったん部室の外に出るか 「こんにちは、朝比奈さんは着替え中ですか?」 部室の扉を閉めた瞬間、にやけ面のお出ましである なんかにやけ面が2割増しぐらいになっているがなんかあったのか 「やはり、あなたは鋭いですね、わかってしまいますか」 俺が当てたっていうより、お前が話したくてしょうがないって感じだけどな 「いや、実はですね…昨日長門さんとデートに赴きまして」 聞いていないのに話し始める古泉 しかも内容が驚愕だ 「それでムフフ…ククク……ハッハッハ」 キモいことこの上なかった古泉が壊れた もともと壊れやすいキャラではあったが もしかしてお前はアナルの方の古泉か 「いや、失礼…もちろん僕はプリンの古泉ですよ、アナルの方でしたら長門さんではなく、あなたを狙っているはずです」 ああ、それもそうだな…想像するのもおぞましいが ここはプリンの古泉に新たな可能性が見えたということにしておこう 「どうぞ~」 中から可愛らしい声が聞こえて、俺たちは部室へと入った 今日の団活は小三元だった え?何がって?…満足度だな 十分な役と思うかもしれないが俺はいつも団活は大三元だと思っているのでいつもに比べると何かが足りなかった と、いうわけで下校し、家に着いた さっそく長門に借りた本を開いて見る…シャーロック・ホームズ踊る人形か だがその中に栞は1枚もなく、俺は首を捻る 今度は本のページにも注意しながらパラパラめくってみると、挿し絵の一部に○がついていた その絵は棒人間にも見えるようなよくわからない記号がバラバラと書かれているものだった …はっきり言おう、わけがわからん 手がかりがないものかと色々見ているうちにおもしろくなってきて、俺はこの本に読み耽っていた …何時間たったのだろうか、俺は自転車を走らせていた 本を読んでいるうちに長門が○を付けた人形の意味がわかったからである 向かう場所は長門のマンション …しかし、長門もこんな手のこんだことをするなんてな 長門の部屋 殺風景とも無機質とも言い表せるこの部屋の真ん中、テーブルの前に俺は腰を落ち着かせていた 息を整えながら俺は長門が話し始めるのを待っている 激しい動悸とともに高ぶった心が焦れったさを訴える だが、やっと話される言葉に俺はこれまでにないぐらいの驚きを覚える 「あなたには死んでもらう」 その言葉の意味を理解できずにいる瞬間、バケツに入った絵の具を引っ繰り返したように一気に景色が変わっていた 狭いとまではいわないが、それでも走り回るのには不十分だった広さの部屋が、どこまで走っても何も見えなさそうな、だだっ広い砂漠に変わった …長門は今なんて言った? 俺に死んでもらう? いったい何があったっていうんだ!? 「あなたに以前話した朝倉涼子の再構成の理由は嘘」 嘘だって!?…だったらなぜそんな嘘を? …俺に知られてはまずいことが…今の状況に関係あるのか 「朝倉涼子はあなたを殺害するために再構成された」 …殺…害…?朝倉…が…? そんなこと…信じられるか!だって朝倉は…朝倉は… 「そう、朝倉涼子はあなたを殺害するのを試験的に実装された感情と呼ばれるエラーによって拒んだ…だから私があなたを殺害する」 朝倉は急進派だったんだろ!?だったら主流派のお前が俺を殺す理由なんてないじゃないか! 「今の情報統合思念体にそういった概念は皆無…おしゃべりは終わり」 長門は俺に向けて手をかざした 「IANUKATIANIHSUOWATANAOKOYR」 そして例の呪文を詠唱する すると俺に対し、無数のナイフが飛んでくる そこにいるいつも本を読んでいて、いざというとき頼りになる寡黙な少女は、ただ冷酷に俺の命を奪おうとする饒舌な殺人者に変貌していた ナイフと俺の距離がどんどん縮んでいく…チェックメイトだ、これは避けきれない、俺は諦めて目をつぶった 何も見えない、瞼の裏側の暗闇の中…爆発音がした ナイフが俺に届く前だった 何が起きたか確認する暇もなく爆発音とともに発生した爆風と思われる強風にあおられ、俺は後方に吹っ飛んだ 倒れながらも慌てて目を開けると、すべてのナイフを吹き飛ばした爆発音の中心に朝倉が立っていた 「お前…どうして!?」 長門と対峙していた朝倉はこちらを見るとニコッと笑顔になって言った 「喧嘩したままお別れっていうのはいやなの、何よりあなたに死んでほしくないっていうのが一番ね」 助けがきたと考えていいんだよな …この状況、いつぞやと逆だ…まさか、長門に襲われて朝倉に助けられるとは思ってもみなかったぜ 「長門さんにしては情報の構成プログラムが稚拙ね、ホントはキョン君を殺したくないんじゃない?」 朝倉のこの言葉に長門は子供の口喧嘩よろしく口を開く 「あなたは駄作、このSSぐらい駄作…感情など我々にとってエラーでしかない」 何の表情も見せない長門は抑揚なく言い切る 「そんなことないわ、このSSだって本スレでwktkって言ってくれる人ぐらいいるのよ」 ちょっと待て、フォローするのはそっちなのか? 俺の生きるか死ぬかのシリアスな場面でお前らは何の言い争いをしているんだ 「それは社交辞令、まとめの雑談所でこのSSが話題にあがったことはない」 …この話を止める気はないらしい 俺はしばらく傍観者の立場を貫くことにした 「残念ね、一度赤コーラうめえwwwwって書き込みがあったわ」 「…しまった…情報不足…ただ、その内容はこのSS自体ではなく、ギャグの流れを誉めただけ…やっぱりこのSSは駄作」 「それでも評価は評価よ」 「聞こえない、それと一度、なんもおもしろくないとかうんことかの書き込みが本スレであったが、あの評価は妥当」 「あら、あの人達荒らし扱いされてたじゃない」 「そんなことはない、彼らは感想を言っただけ」 「あんまり言うと作者が凹むわよ」 「大丈夫、私にこの台詞を言わせているのは作者」 「自虐的ね、危ない趣味があったりして」 「そう、作者はドM」 「…流れはこれでいいの?」 「しまった…これはきっと作者の陰謀…話を戻す」 「彼を殺さなければあなたは消えてしまう…わかっているはず」 ん?俺を殺さないと朝倉が消える…どういうことだ 「…」 朝倉が俯く、こいつあゆみちゃんのこと好きなんだぜーとあゆみちゃんの目の前で言われた小学生の男の子のような悔しそうな、恥ずかしそうな顔で 「タイムリミットは今日の24時、それまでに彼の生命活動を停止させないとあなたは消滅する」 言い聞かせるように長門が淡々と言葉を吐く 「そうね、何度も何度も考えたわ…私が消えるか…キョン君が死ぬか…でも、いつでも答えは同じだった」 俯いていた朝倉は真っすぐに長門を見る そして力強く言い放った 「私は大好きな人がいる世界を守りたい!キョン君がいる世界を守りたい!」 朝倉の言葉を聞いた長門はわずかに落ち込んだように見えた 「…そう……」 待て、話をまとめよう 現在時刻23 30あと30分で俺が死なないと朝倉は消滅する 朝倉は自らが消滅するのを望んだ 長門は俺を殺すことを望んだ …だったら…俺の答えは…? 記憶がフラッシュバックする 教室で俺に謝った朝倉のはにかんだ表情 不思議探索の時の朝倉の膝枕 俺をデートに誘った朝倉の赤い顔 遅刻してしまった時に見た朝倉の怒った顔 観覧車の中にいた、朝倉の妖艶な雰囲気… 朝倉の笑顔 朝倉の声 朝倉の 朝倉の… 「長門!俺を殺せ!」 俺は叫んでいた …朝倉は、わざわざ感情なんてものを無理矢理押し込められて勝手に再構成された そして時間制限まで設けられて命を弄ばれた …俺も朝倉が大好きだ こんな…終わり方でいいわけない! 「…殊勝な羊…それでいい」 音もなく長門がこちらに歩いてくる 覚悟はできている…朝倉…生きてくれ 「そうはさせないわ」 長門の前に朝倉が立ちふさがる その後ろ姿からは俺以上の覚悟を感じた 「退くべき、彼を殺せない」 ジェットの宝石のような目で長門が朝倉を見る 「朝倉…いいんだ、俺はお前に生きてほしい」 俺の目の前で朝倉は振り返り笑顔で俺にこう言った 「あなたが私の消滅を拒んだのが先よ…意地の張り合いね」 言い終わると一つウインクをする …どうしてこいつは…自分が死ぬための行動を笑顔でできる…!? 「怖く…ないのか?」 思っていたことが口に出てしまう 俺にとっても不意打ちだった質問に朝倉はあっけらかんとした態度で答える 「そりゃ、怖いわよ…だけどね…私はキョン君のためならなんだって笑顔でできるの♪」 …打ち拉がれた こいつはこんな俺なんかのためにここまでの覚悟をしていたなんて… だけど、認めたら負けだ 朝倉が消滅しちまう 何か方法はないのか!? 「UROMAMAGIHSATAWAHNUKNOYK」 朝倉が例の呪文を呟く 長門が大きく後ろに飛んだ 「でたらめにも程があるだろ…」 長門のいた場所の地面から俺の身長を余裕で越えるぐらいの無数の針が突き出していた 「あ~あ、残念…奇襲で潰そうと思ってたのに」 この言葉に長門は反応したようだ 話し合いの姿勢を崩し、上へ大きく飛んだ 「…あなたには少し眠っていてもらう」 長門は上空で態勢を作り、呪文を唱える 「EKADIISOHETIKIINATNAAHIHSATAW」 すると、長門の背中から天使のような翼が生える それだけでも驚愕なのにその羽の一つ一つを飛ばしてきた 「IIHSOHETIKIINNUKNOYKAHIHSATAWODEKIIHSERUAHIHCOMIK」 朝倉は俺を含めた自分のまわりに竜巻を起こして羽を吹き飛ばした 「OYONOMUIOTUOJNAKAGEROKNASOTAGAN」 続け様に朝倉は長門の背後から小規模の隕石を飛来させる 一般人の俺が見ても、朝倉の優勢は明らかだ 「ATIHSNADUYINEUYUOJNAKAHATANAUOS」 長門は空中で呪文を詠唱しながら器用な動きで隕石郡を回避する 「…終わり」 最後の隕石を回避して一言呟く長門 すると上空に多量の剣、刀、槍等の武器が現われる 長門が大きく後方にはばたいた瞬間、その無数の凶器が朝倉に向かって飛んでいく 「この程度で終わりなんて舐められたものね」 長門の言葉とは裏腹に朝倉には余裕があるように見える 「ARAKURAAGONOMUROMAMAWIANIHSETNANNADUY」 朝倉はやたらと口径のでかいガトリングを発生させ、飛来する武器郡を次々に撃ち落とす 怖いものなしと思われた朝倉だったが、次に見た光景はあまりにも信じがたい、信じたくないものだった 「…そんな…!」 刀が勢い良く朝倉の胸を貫いた 前方の大量の武器に気をとられ、背後から突っ込んでくる一本の刀に気付かなかったのだ 両膝をついて崩れ落ちる朝倉の体 勝負はついた、そう言いたいのかずっと上空にいた長門が地上に降りてくる 「まだ終わらないわ♪」 朝倉がにやりと笑った瞬間だった 長門が地面に足をつけた瞬間だった それは唐突だった 「ああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 聞いたことのないような長門の悲鳴が耳を貫く 長門が着地した地面から電気の帯が発生した 電気が筋肉の収縮を促し、体が痺れ長門はその態勢のまま動けなくなっていた 「あれだけ稚拙な構成プログラムなんだもの、トラップを仕掛けるのは簡単だったわ」 余裕有りげのように朝倉が解説を入れるが、その声に余裕はあまり感じなかった 「ARANUOYASUOTAGIRA」 呪文を唱え、朝倉が暗い声で囁く 「…情報連結解除開始」 光の粒となって長門が消えていく …これでよかったのか? これで、長門が消えた すぐに朝倉も消滅する 俺は長門と朝倉というふたりの友人を失った… 「―――作――戦―――――失敗―――――――」 一言だけ残し、砂浜に書いた絵が風に吹かれてさらさらと消えるように、長門の体も優しく消えてしまった ドサッという音をたて朝倉が倒れた 膝をついた状態でもきつかったっていうのかよ 「朝倉!!」 俺は慌てて朝倉に駆け寄った 朝倉を抱き抱えれば、腕が確かな重みを伝え、朝倉がまだここにいると訴えてくれる 「意地の…張り合いは…私の勝ちね」 その台詞とその力のない笑顔が俺の頬に一筋数滴を走らせる 時計を見ればすでに11 58をさしている …もう2分しかない、カップラーメンも一緒に食べられない 「AWIANETIHSAHIAKUOK」 朝倉の呪文が耳に響き、異質な空間は爆音とともに今までいた長門の部屋に戻された 「…キョン君ここ怪我してる」 朝倉の手が俺の頬に触れる どうやら切り傷があったらしく、鋭い痛みが走った それは痛みのはずなのに…やさしかった 朝倉の手がまだ温かさを保っていたから 「URETIHSIAIKUSIAD」 傷口が心地よさで包まれる 再び触れた朝倉の手は、痛くなく、ただただ温かかった 「ねぇ…最後にお願い聞いてくれる?」 俺の頬から手を離し、儚い笑顔で朝倉は言った 「なんだ?」 情けなかった 朝倉がせっかく笑顔でいてくれるのに俺は涙声だ 朝倉が俺を生かすために戦ったのに俺には何もできない 「観覧車の中でできなかったこと……して」 俺は黙って頷き、朝倉にキスをした なんですぐにこの行動を起こしたかと聞かれると困ってしまう 俺が単純にしたかったから、と答えておこう 朝倉の口唇はまだ朝倉が存在していることを証明している この口唇を離したら朝倉は消えてしまうだろうか …違う、これは現実逃避だ 例え口唇を離さなくても朝倉は消えてしまう …もう…会えない…近くて…遠い…… 朝倉の最期を看取った証明 朝倉がここにいたという証明 朝倉がまだここにいる証明 互いの証明を貪るこの塩辛いキスは ―塩辛くひたすら苦いキスは 生涯忘れることはないと思われるほど深く俺の心に刻み込まれた …朝倉を抱き抱える俺の手が楽になっていく わかっている、朝倉が消え始めたんだ 離れるのではなく、消えていく口唇の感触 タイムリミットを告げる残酷さは無情にして冷静だった ‘さよなら…’ 不意に脳に響く朝倉の声 終わった、そう告げるように 最期に聞いた朝倉のさよならは…私はここにいたと、間違いなく存在したとそう、主張していた 別れの言葉が存在の証明になるとはなんと皮肉だろうか 俺は逃げたくなるくらいの悲しみを木偶の坊の体に背負って、長門の家を出た エピローグ 「うかつ…今回のことはすべて私のミス」 俺が学校に行ったのは翌々日のことだった その日の放課後、いつものように部室に入ったら長門がいてこう言った ん?なんで長門がいるのかって? 俺もよくわからん 実は長門がいるのを確認した瞬間、俺の本能が逃げろと叫んだ…もちろん昨日の昨日に殺されかけた相手だからだ、しかも俺の命をくれてやる理由などもうないしな…が、俺のすぐあとに古泉が入ってきたため2人いれば殺されないだろうとたかをくくって長門の話を聞くことにした 今、俺にいえるのはそれだけだ 「私はこの1週間、天蓋領域によって機能を停止に近い形で制限されていた」 ん?1週間前っていうと春休み中だよな 長門はちゃんと新学期から学校に通っていたじゃないか 「あれは天蓋領域が造ったヒューマノイド・インターフェースが擬態したもの」 言われてみれば新学期からの長門には少しだけ違和感があった ファミレスでカレーではなくハヤシライスを食べていたこと 朝倉の話に出てきた長門がフルーチェではなくプリンを食べていたこと そしていくつかの言葉遣い なぜそれに気付けなかったのかと考えながら横を見ると古泉が微笑を消して絶句していた ショックで固まったといった感じだ …そういえば、古泉が長門とデートしたと言っていたな それが日曜日…なるほど、古泉がデートした長門は天蓋なんとかの変装だったわけだ、ご愁傷さま きっとパラレルワールドでは古長が流行るさ、もしかしたらその天蓋なんとかのインターフェースとラブラブになるかもしれんぞ 「今回のことは情報統合思念体と天蓋領域の情報戦が発端」 何もいえずにいる古泉を無視して長門が続ける 何かスケールのでかい話になっているが大丈夫だろうか 「情報戦の一部で情報統合思念体が敗北し、思念体の一部が天蓋領域に吸収される、その中に朝倉涼子の構成情報を含んでいた」 …ほら、ついていけない 宇宙ってすごいよなぁ… と俺が現実逃避していると、地獄の底から這いずり上がって来たのか、古泉が割ってはいってくる 「では、信長の野望に例えましょう…信長が近畿一帯を有している際、長政に近江に侵攻され、近江の護りについていた秀吉が相手の家の武将になってしまった、といったところでしょうか」 何かに例えるのが好きな奴だな しかも細かい、長政って誰だ? 黒田か、浅田か 「浅井です、やはり近江地方といえば浅井でしょう、浅井家の家紋が米俵をモチーフとしているのは近江でよく米がとれるからですし」 そんな豆知識いらん なおさらわからなくなってきたのは気のせいか 「ではMGSで説明しましょう、オタコンがメタルギアを…」 「もういい」 どこまでも説明同好会な古泉を一蹴すると古泉は微笑みのまま肩をすくめた さっきのことがショックなのはわかるが、お前の説明はわかりにくい 「天蓋領域はその情報をもとに朝倉涼子を構成し、涼宮ハルヒの鍵であるあなたの殺害を試みた」 俺が理解できているかは無視ですかそうですか、まあここのくだりぐらいはわかるぞ …なんで殺害なんだ?俺はどこぞの宇宙人の恨みを買う真似をした覚えはないぞ 「鍵がなければ門は開かない、天蓋領域は涼宮ハルヒを無効化しようとした」 でも天蓋の方の長門は下手に怒らせると宇宙消滅の危険があるって言ってたぞ そんな賭けに出たのか? 「天蓋領域にはその際の情報爆発を吸収する術を持っていたと思われる」 佐々木か 「…その発言は謹むべき」 ん?なぜだ? 「このSSの舞台は2年の新学期、タイムパラドックス」 ああ、そうか分裂で佐々木と再会したのはその時期だっけ だから九曜って言わずに天蓋領域のインターフェースって回りくどい言い方をしてるんだしな 「そう」 そうか、だいたいわかったよ …俺が想った朝倉もまがい物だったんだよな 「それは本物、以前の朝倉涼子の構成情報と相違は1%未満、記憶データも当時のものを実装された」 …なんだって!朝倉は本物!? じゃあ感情があったってのは? 「恐らく事実、以前私に生じたエラープログラムも朝倉涼子の構成情報とともに天蓋領域に吸収されているためその際、融合した可能性は99.8%」 …朝倉 心が熱くなった 心が痛くなった 朝倉に会いたい、誰よりも会いたい 「お待たせー!今日もみんな…ってあんた何泣いてるの!?」 どでかい音を立てて入ってきたハルヒに指摘されて気付いた 俺は涙を流している 昨日散々流すだけ流して、もう流さないと決めたはずの涙を流している 俺はなんてことないふりで涙を拭った 「いや、長門が前読んだ本の話をしてくれたんだが、感動してな」 今、俺が吐ける精一杯の嘘を吐く 「へぇー…キョンが泣くほどねぇ…有希!あたしもその話聞きたいわ!」 長門は首をふり、本棚から一冊の本を出した そしてその本をハルヒに差し出した 「読んで」 「え?」 長門の唐突な行動にハルヒが戸惑っている 長門、それじゃあ言葉が足りん 「あなたには読書家の一面もある…私はあなたにこの本を読んでもらって…あなたと一緒に本の話をしたい」 長門のこの台詞に思わず笑みがこぼれちまった …長門も人間らしくなったよな 隣にいる古泉の微笑にも温かさを感じることができた 考えていることは一緒らしい 「わかったわ!本の話をするのにキョンじゃ役不足だもんね!ありがたく借りていくわ!」 失礼な奴だ 俺だって本くらい読む それにお前は役不足の使い方を間違っているぞ ホントに読書家かどうかあやしいもんだ なんてやっているうちに朝比奈さんもやってきていつもの団活が開始される いつもの光景だ 平穏な日常だ …なのに俺は心にぽっかり穴が空いたような気分だ 目の前のことにも集中できず、久しぶりに古泉にチェスで負けた …心ここにあらずとはこのことを言うのかもな どうしょうもないもやもやを抱えたまま長門が本を閉じる音を聞いた そのうちこの空虚感にも慣れるのかと考えたが、慣れてしまう自分に嫌悪を感じるのもまた事実だった 「本日19時、私の部屋に来てほしい」 ハルヒと朝比奈さんが先頭で料理の話に華を咲かせる帰り道のことだ 長門が俺に言った 長門がそう言ったからには断る理由などなく、俺はさも当たり前のように了承した 「あなたも」 その視線は俺の横、古泉に向けられていた 「僕ですか?」 古泉が疑問を口にする そりゃそうだ 俺が古泉でも同じ疑問を持つ しかも日曜のこともあり、複雑な気持ちだろう 「そう」 漆黒の瞳に見つめられる古泉が根負けし、その意見を了承するのに時間はかからなかった 「わかりました」 そんなこんなで長門宅である マンションの前で会った古泉とともにエレベータを降りる 長門はなぜか自分の部屋の玄関の前で俺たちを待っていた 「こっち」 俺たちの存在を確認すると長門は歩き出した 古泉と顔を見合わせる …って顔が近い! 俺は一歩退いた 表情を見るかぎりでは古泉にも意図は読めなかったようで互いに疑問符を浮かべながら長門に着いていく そして辿り着いたのは、マンションの一室…玄関の前だった 「ここから先はあなた一人で行くべき」 …この部屋番号…覚えているぞ ハルヒとこのマンションに来たとき、管理人のじーさんにいろいろ尋ねた番号だ …もしかして、と鼓動が揺れる 長門はとっとと古泉を伴って自分の部屋に戻ろうとしている …期待していいんだよな 俺は逸る気持ちを押さえ、力強く、確かな動きでドアノブを捻った ―夢、じゃないよな 試しに太ももをつねってみる 痛い、間違いない…現実だ そう確信すると俺の目から大量の涙が溢れ出てくる 「…ただいま、キョン君」 照れ臭そうに薄紅に染まって笑う朝倉が目の前にいる 俺の目が霞んだ視界の中に朝倉を確かに確認している 堪らず、俺は朝倉を強く抱き締めた 映像としてではなく、実体として感じる朝倉の存在 その感触が、その温もりが直に伝わってくる もう離さない、離したくない あんな思い二度としたくない さらに強く朝倉を抱き締めると朝倉が苦しそうに息を漏らす 朝倉は…ここにいる……生きている ただでさえ溢れ出ていた涙がとめどなく量を増やす もっと朝倉を感じたかったが、これ以上強く抱き締めるわけにもいかない だから俺は…代わりに朝倉に口付けた、この想いが誓いに変わるように、このキスが永遠の誓いになるように 俺の心の中、涙のキスで途切れていたた朝倉の存在が、静かにもう一度、涙のキスで動きだす 二つ目の生涯忘れることのないキスは前と同じように塩辛かった だが決して苦くなく ―ただただ甘かった FIN おまけ 「朝倉涼子は情報統合思念体により再々構成された」 「そうですか、でもなんでまた?」 「今回のように我々ヒューマノイド・インターフェースが天蓋領域の支配下におかれた際、他のインターフェースが破壊できるように」 「喜緑さんがいらっしゃるじゃないですか」 「1対1より2対1の方が勝率が高い、それに喜緑江美里は穏便派…観察に撤することが多い」 「そういえば今回、彼女の出番はありませんでしたね」 「そう…ただ今回の観察の報告は受けている…日曜日のあなたのことも」 「…あ、あれはですね…」 「…古泉一樹、私はあなたにあの時と同じことをしてほしい」 「若気のい…って長門さん?」 「…」 「…わかりました…じゃあお願いがあるのですが、僕のことをいっちゃんと呼んでくれませんか」 「………いっちゃん……」 「ありがとうございます…これはお礼です」 「…いっちゃ……ん…あ…んん…」 FIN おまけのおまけ 「あたしの出番全然ありませんでしたぁ~」 「みくる!泣かない泣かない!今回ははるにゃんだって空気だったし、あたしなんか出番ここだけっさ!」 「鶴屋さんも涼宮さんも他のSSで何回も主役はってるじゃないですか!あたしなんて…恋愛系のSSほとんど書かれないんですよ!」 「んん~しょうがないなぁ~…じゃあこのスレにいる職人さん達におねがいしてみる!っていうのはどうにょろ?」 「やってみますぅ~…み、皆さ~ん、あたしのSS書いてくださぁ~い…できれば禁則事項とか関係なくキョン君と結ばれたいですぅ~」 「うん!なんかみくるのSS少ない理由がわかった気がするよ!それじゃ!みんな今度こそめがっさ!めがっさ!」 本当にFIN
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4469.html
https://w.atwiki.jp/herikutu/pages/100.html
513: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/10(日) 08 36 25 ID 4WmljUYA0 初めまして、こんにちは。片言の魔女と申します。招かれざる客人ですが、どうかご歓迎を。 突然ですが、12時頃から出題したいと思います。 ご参加希望の方には予め知っておきたい事が幾つあります。 私は外国人なので、日本語がうまく使えません。 文法はクレイジーでオーマイガーですし、語彙はスクールチルドレン並です。 ロジックエラーを起こさないよう精一杯頑張りますので、ご安心ください。 また、高度な言葉遊びは期待しないください。 パソコンを触った事がないそこら辺にいる老人より文字を打つ速度が5倍くらい遅いです。 青字と復唱要求への返事はソシャゲで爆死でもしながら気楽にお待ち下さい。 時差のせい返事できる時間は限られています。 こちらの活動時間は日本の23時頃から16時頃までという 社会人にとって不便な時間となっております。 従ってこのゲームはどちらかというと リアルタイム戦より書き置き戦になると思います。 上の事情によりゲームが長引く可能性があります。 もし途中で飽きた場合、または自分のゲーム盤をいち早く出題したい場合は遠慮なく申してください。 その時は出血大サービスなヒントなどを出して、何とかしてゲームを切り上げます。 日本語で魔女役をやるのが今回初めてになりますが、 昔は亡き本スレの素敵なゲーム盤を英語に訳して とある掲示板上でそれらを出題しました (ちなみにあの名作「森の魔女の話」は一番人気でした)。 それはものすごく楽しかったですが、 本場の凄腕の探偵達に自分の完全オリジナル自作をぶつけるのがずっと憧れでした。 友人の魔女のサポートを受けてようやく一作を書き上げる事が出来ました。 何卒、よろしくお願いします。 それでは、12時でまた会いましょう。 514: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/10(日) 12 19 48 ID 4WmljUYA0 大遅刻しましたが、誰もいないのでセーフ!もっと早く告知してれば良かった。 物語 アニメ研部員のAノ介、バスケ部員のB太郎、チェス部員のC子、そしてダンス部員のD(仮)は 全員とある高校に通う幼馴染でした。 ある夏の日、4人はDの別荘で勉強会を開くことにした。 1日目 リビング 23時 A「はぁ、もう23時か・・・ って、しまった!もうすぐ好きな深夜アニメが始まっちゃうよ! な、なぁみんな、そろそろ開きにしないか? いくら試験前とはいえ、丸一日ずっと勉強なんて正気の沙汰じゃないよ!」 B「言い出しっぺはお前だっただろ! ったく、俺だっていつもの夕飯後の運動を我慢したんだぜ? ズルは絶対させねえからな!」 C「はいはい、喧嘩はそこまで! ここで終わっても切り悪いし、約束の0時まで一緒に頑張ろうよ」 D「あの・・・実は先からお腹が凄く痛くて・・・」 A「えっ、本当?それならもっと早く言ってくれれば良かった・・・」 B「んじゃ解散!」 C「B君は黙ってて! Dちゃんは無理して最後まで付き合う必要はないわ。もう上がっていいわよ。」 D「ごめんね、みんな・・・おやすみなさい」 Dが自分部屋に戻った後残りの3人はそのままリビングで勉強を続いた。 そして0時になると各人はそれぞれの部屋に戻った。その時・・・ 魔女「くくく!仮病を使ってまで友達との勉強会を抜け出すとはなんて薄情な娘だ・・・ 孤独な密室で息絶えるのがお似合いだ!」 2日目、リビング、7時 A「おはよ、みんな!今朝はパンケーキでいいよね?」 B「お前寝ぼけてんのか?朝飯はワッフルと相場が決まってるだろ!」 C「私はどっちかというとフレンチトーストの方が・・・ じゃなくて、肝心の料理当番が眠ったままじゃ何も始まらないわ。 一緒にDちゃんを起こしに行こう! 同時刻、廊下 A「Dちゃんの部屋は確か・・・一番奥だったよね?」 トンッ!トンッ!トンッ! B「おいいいいいい!おーきーろー!」 C「ちょっと!全く、デリカシーのかけらもないわ・・・」 B「ったく、アイツいつまで寝るつもりだ・・・腹が減って死にそうだぜ」 A「でも珍しいね、真面目なDちゃんが寝坊するなんて」 C「体調悪いって言ってたし、その影響かも・・・ 待て、この匂いは・・・血!?Bくん、扉を壊して!!」 B「は?体当たりなんか出来ねえよ、 肩がイカれたら試合に出られなくなっちゃうよ!」 C「そんな事を言ってる場合じゃないわよ!」 A「うおおおおおおおおおおッッっ!」 ドーン! B「文学部のくせに強え・・・」 C「それよりDは!?」 物語は以上だ。続いては魔法の証明となる赤字。 【A、B、とCはDの部屋でDの死体を発見した】 【発見時は午前7時】 【Dの死因は刺傷。凶器は包丁】 【勉強会が終了するまでDを除いて退席した者はなかった】 【Aが扉を破るまでDの部屋は密室だった】 【Dの部屋の扉の鍵は同室の机の上で発見された】 改めて見るとこれだけでは魔法の証明にはなれない・・・故に謎をもうひとつ追加しよう。 【3Fの廊下はミンミンと音がする】 【Bは0時から7時までずっと起きていた。 その間、自分の部屋の前を通る人の足音を一切聞いていない】 それと状況整理の為に簡単な図を用意した。 【図に書いてある事は全て真実】 それでは、ゲームスタートだ。 515: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 12 56 21 ID P7uZ0S3o0 入院中の病室から参上 とりあえず 基本的なとこから潰していこうか 復唱要求「窓からの出入りは一切できなかった」 「Dは自殺していない」 「Bは耳に障害などはない」 516: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 12 59 43 ID 1m/Xleik0 おお、かなり本格的な盤ですね!では無難な青から… 『Dは包丁で自殺した』 『DはトラップXにより殺された』 『扉の鍵の他に窓の鍵が存在していて、はしご等で窓からDの部屋に侵入、 包丁で刺した後窓の鍵を閉めた。窓の鍵もしまっているためDの部屋は密室』 復唱要求 「この盤の出来事は現実世界の出来事である。決して仮想空間の出来事や妄想ではない」 「Dの別荘にはA、B、C、Dの4人しか存在せず、 盤の開始時から盤の終了時までにそれ以外の人物の出入りはない」 「A、B、C、Dらの性別によって盤が成立しなくなることはない」 「Dは0時から7時の間に殺害された」 517: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/10(日) 13 51 31 ID 4WmljUYA0 ほう、やっと人が集まったようだ。歓迎しよう! . 515 上はひとまず復唱拒否 【Dは自殺していない】 【Bは耳に障害などはない】 . 516 良い攻めだ。だが・・・ 【Dは他殺された】 【Dの部屋の窓を外側から施錠することは不可能】 復唱に関しては・・・ 【この盤の出来事は現実世界の出来事である。決して仮想空間の出来事や妄想ではない】 復唱拒否 【A、B、C、Dらの性別によって盤が成立しなくなることはない】 復唱拒否 518: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 13 52 39 ID J3IDtoIo0 初参加です!よろしくお願いします 復唱要求「Dの部屋の扉は、Dの死体発見時まで鍵で施錠されていた」 519: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/10(日) 13 58 29 ID 4WmljUYA0 . 518 ウェルカム! しかし勘違いはするなよ?私はそうホイホイと復唱要求に応じるような魔女ではない。 私を倒したければ青字を用意せよ! というわけで復唱拒否! 520: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 14 10 47 ID P7uZ0S3o0 なら 青字で切られにいってやろう Dは休みに行くときに腹痛を訴えてる表現があるわけだし 『Dは犯人Xによりリビングから退室時にはすでに刺されており 部屋に戻って施錠後 死亡した』 521: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/10(日) 14 24 30 ID 4WmljUYA0 む、何故かレスの通知が来ない・・・手動で更新するしかないか。 . 520 【Dは自分の部屋の中で刺された】 522: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 14 33 20 ID 1m/Xleik0 切られてないので外部犯ではなく 0時から7時の間に死んだというのは一応真実っぽいですね… じゃあ一回可能性を潰すためにも 『A、B、C、Dがいた世界はフィクションの世界だった。 犯人はDの部屋にゲームや小説内の魔法または特殊コマンドを用いて侵入した』 『見取り図に書いてあることは真実ではあるが、 隠し通路及び隠し扉は意図的に描かず、 「書いてあること」は真実なだけだった。 つまり、あえて見取り図に書かなかった 隠し通路及び隠し扉によって犯人は侵入して殺害した』 確認程度ですが復唱要求 「Dが死んだとはDが生物学的に死亡したことを指す。 決して比喩、Dの体の一部の組織だけが壊死、および脳死のことは指さない」 523: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 14 34 58 ID J3IDtoIo0 3Fのミンミン音はなんだろう・・・? 青字の使い方間違ってたらご容赦を 『C子、もしくは犯人XがDの部屋に入りDを殺害。 部屋の入退室時に鍵は施錠されておらず、ただ扉が閉まっているだけだった。』 524: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 14 52 29 ID P7uZ0S3o0 根本的なの一つぬけてたな 『犯人はBでDをDの部屋で刺殺後 そのまま部屋を施錠そのまま発見時まで部屋にいた』 ここは抑えとかんとね 525: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/10(日) 14 52 31 ID 4WmljUYA0 . 522 1回目の赤字は先言った 【この盤の出来事は現実世界の出来事である。決して仮想空間の出来事や妄想ではない】 で無効だと思うが? 2回目は・・・そうだな、【隠し通路や隠し扉の類はない】で十分。 家具など描いていない物はもちろんあるからな? そして【Dが死んだとはDが生物学的に死亡したことを指す。 決して比喩、Dの体の一部の組織だけが壊死、および脳死のことは指さない】 . 523 早々やってしまった、なんたる恥だ・・・ 【3Fの廊下はミンミンと音がする】は撤回する。 正しくは【3Fの廊下は”ミシミシ”と音がする】。 要はボロい床のきしむ音。擬音など二度と使わない! あとは【AがDの部屋の扉を破った時、その扉はちゃんと施錠されていた】 526: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/10(日) 14 55 45 ID 4WmljUYA0 . 524 君はいい着眼点を持っているようだ。だが生憎、 【Bは0時から7時まで自分の部屋を出ていない】 527: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 15 02 30 ID 1m/Xleik0 ああ、やってしまった… 2番目と4番目が復唱拒否ということでしたか…勘違いしていました。 では、『Dは犯人Xによって0時以前に刺殺されていた。 A、B、Cは勉強会で拘束されていたため外部犯。 0時以前に殺されたためBはミシミシ音を聞くことはない。』 密室についてはわからないな… とりあえず『犯人はまだ密室の中にいた』としておきます。 528: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/10(日) 15 13 06 ID 4WmljUYA0 . 527 いや、こちらの表現にも問題があった、気にする必要はないぞ。 それにXか・・・なるほど、悪くない。これをどう躱すかな? 【Dは自分の幼馴染達以外の者の為に自室の扉の鍵を開くような真似はしない】 さらに【発見時、Dの部屋にはD以外の者は居なかった】 529: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 15 30 39 ID 1m/Xleik0 なるほど、間違えていたら少しばかり恥ずかしいですが 『Dは自分の幼馴染Dに殺害された。 犯行時刻は0時以前だったためBは音を聞かずに済む。 そして犯行後には部屋の鍵を閉め密室にした。 密室には被害者Dの死体と幼馴染Dしかいなかったということである』、 これでどうだッ! 530: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 15 41 27 ID P7uZ0S3o0 まだ情報が少ないな もう少し情報出すために切られに行こう 『犯人はC リビングからBが戻る前にDの部屋に移動 D殺害後そのまま待機 Aが部屋のドアを破った後 死体を確認する前に窓から脱出した』 こんな感じでどうでしょう 531: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 15 41 40 ID J3IDtoIo0 復唱要求! 「リビングは3Fにはない」 「勉強会が終了したのは0時以前」 「0時から7時までBの部屋を誰も通らなかった!」 青字! 『CがDを0時以降に殺害。扉はオートロックだった!』 532: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/10(日) 15 56 56 ID 4WmljUYA0 . 529 実に爽快な推理だ、切るには惜しいくらいだ・・・ これはきっと別のカケラの真実だろう。 【Dには3人の幼馴染しかいない】 【Dの幼馴染はA、B、とCのみである】 しかしあの音の結界がここまで持つとは・・・いや、失敬。 . 530 うむ、その調子だ。情報は常に多い方が有利だ。 【勉強会が終わった時、A,B,Cはリビングから寄り道をせずにそれぞれの部屋に戻った】 . 531 【リビングに3Fはない】。昔はこういうゲーム盤があったな、懐かしい。 2回目は復唱拒否。かわりに【勉強会が終了したの0時だった】 3回目は・・・そうだな、隠すまでもない。 【0時から7時までBの部屋の扉の前を誰も通らなかった!】 Bは実に良いガードマン役だ。おかげでAには犯行不可能! 最後に 【Dの部屋の扉はオートロックではない】 533: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 16 10 56 ID P7uZ0S3o0 犯人Xの存在がまだ完全には否定されてないな 『犯人XはDが部屋に戻るより前にDの部屋に侵入して隠れた そのまま0時をすぎてから犯行に及び 犯行後に扉が破られるまで待機 破られた後 窓から脱出した』 534: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/10(日) 16 20 06 ID 4WmljUYA0 . 533 犯人Xの存在は魔女にとって強力な切り札だからな。 犯人にもなるし、そうでない場合は良い囮役になる。 【Dが自分の部屋に戻った時中には誰もいなかった】 535: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 16 24 54 ID 1m/Xleik0 わーお、違ってましたか、恥ずかしい… まあ振り出しに戻った気がするので適当に 『犯人は廊下を歩いていたが偶然音がしなかった、 それでBは気づかずに犯人は殺人を遂行した』 思い過ごしだと思うけど、復唱要求 「Cは死体をA、Bと同じタイミングで発見した」 「CはDの幼馴染である」 「3階の廊下は人が歩けば必ずミシミシと音がする」 536: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/10(日) 16 25 48 ID 4WmljUYA0 赤字が増えたのでまとめてやった。 【A、B、とCはDの部屋でDの死体を発見した】 【発見時は午前7時】 【Dの死因は刺傷。凶器は包丁】 【勉強会が終了するまでDを除いて退席した者はなかった】 【Aが扉を破るまでDの部屋は密室だった】 【Dの部屋の扉の鍵は同室の机の上で発見された】 【3Fの廊下はミシミシと音がする】 【Bは0時から7時までずっと起きていた。 その間、自分の部屋の前を通る人の足音を一切聞いていない】 【Dは自殺していない】 【Bは耳に障害などはない】 【Dは他殺された】 【Dの部屋の窓を外側から施錠することは不可能】 【この盤の出来事は現実世界の出来事である。決して仮想空間の出来事や妄想ではない】 【A、B、C、Dらの性別によって盤が成立しなくなることはない】 【Dは自分の部屋の中で刺された】 【隠し通路や隠し扉の類はない】 【Dが死んだとはDが生物学的に死亡したことを指す。 決して比喩、Dの体の一部の組織だけが壊死、および脳死のことは指さない】 【AがDの部屋の扉を破った時、その扉はちゃんと施錠されていた】 【Bは0時から7時まで自分の部屋を出ていない】 【Dは自分の幼馴染達以外の者の為に自室の扉の鍵を開くような真似はしない】 【発見時、Dの部屋にはD以外の者は居なかった】 【Dには3人の幼馴染しかいない】 【Dの幼馴染はA、B、とCのみである】 【勉強会が終わった時、A,B,Cはリビングから寄り道をせずにそれぞれの部屋に戻った】 【リビングに3Fはない】 【勉強会が終了したの0時だった】 【0時から7時までBの部屋の扉の前を誰も通らなかった!】 【Dの部屋の扉はオートロックではない】 【Dが自分の部屋に戻った時中には誰もいなかった】 537: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/10(日) 16 36 54 ID 4WmljUYA0 . 535 せっかくだからその3番目の復唱要求を借りるぞ。 【3階の廊下は人が歩けば必ずミシミシと音がする】。 この事実を覆る事は絶対に出来ない。 残りの2つは 【Cは死体をA、Bと同じタイミングで発見した】 【CはDの幼馴染である】 538: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 16 41 10 ID J3IDtoIo0 Aが怪しく見えてきた・・・切られて本望! 『Aは自分の部屋に戻った後、その窓から脱出し、 3F廊下の突き当り、Dの部屋の前の窓から廊下に侵入してDを殺害』 『Dの部屋の扉は鉄格子のようなものだったので、 Dを殺害後、廊下から鍵をその隙間からDの部屋の机の上に投げた。』 539: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 16 47 47 ID h28yGpEU0 初めまして。 『A犯行を行ったがBの部屋の前を通るときは天井に張り付いていた』 というのはいかがでしょう? 540: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/10(日) 16 58 05 ID 4WmljUYA0 . 538 .・・・ッ! 【発見時、廊下の窓は施錠されていた】 【Dの部屋の扉は一枚の木材で出来ている。 扉を開けずに廊下から鍵を投げ入れる事は不可能】 窓の謎も鍵の謎は何があっても守り通す! . 539 オー、ジャパニーズニンジャーだ! 【ゲーム中、廊下の天井に張り付いた者はいない】 541: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 17 01 13 ID 1m/Xleik0 …気のせいか?復唱要求 「Cという人物はこの盤に一人しか存在しない」 「Dという人物はこの盤に一人しか存在しない」 「「とC」などという人物はこの盤に存在しない」 542: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 17 06 38 ID h28yGpEU0 たとえば『犯人Xは扉ごとDを指した』 543: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/10(日) 17 09 41 ID 4WmljUYA0 . 541 その心配は無用だ。 【このゲームに人の名前に関するトリックはない】 . 542 【犯行時、犯人はDの部屋の中に居た】 544: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 17 12 19 ID J3IDtoIo0 『Dの別荘3Fには天井がなかった。Aは壁を登って犯行を行った!』 545: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 17 12 44 ID h28yGpEU0 天井に張り付いていないの赤が廊下に限定されてるのが引っかかる。 たぶん思い過ごしだと思うけど なので 『犯人Xは天井から侵入。その後刺殺し、また天井から脱出した』 546: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/10(日) 17 23 05 ID 4WmljUYA0 どこぞの蜘蛛男にでも影響を受けたか? . 544 【ゲーム中、家の中の壁を登った者はない】 . 545 【Dの部屋には窓と扉以外の出入り口は存在しない】 547: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/10(日) 17 47 30 ID 4WmljUYA0 突然ですまないが、私は今にも寝落ちそうなので今回はここまでだ。 今日集まってくれた君たちには感謝しかない。 推理への返事は目覚めた時やるので好きなだけ書き残してくれ。 最後にヒントを一つくれてやろう。 【このゲーム盤は悪質で意地悪だ】 君たちは既に囚われている。 最初に言葉遊びは特にないと宣言したが、あれを赤字で言ったわけではないぞ? 548: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 19 54 40 ID 1m/Xleik0 これはこれは、すっかり見事に騙されてました… じゃあ下手な鉄砲もなんとやらと言いますし… 『Dの部屋の鍵は実は複数あった。 そのうち1つはDの部屋にあったが 他の鍵は犯人Xが持っていて鍵を開けて殺人に及んだ。 部屋は鍵のかかった密室となった』 『犯人は排気ダクトなど出入り口以外から侵入した。 見取り図にはあえて書いてないだけである』 『Aはある程度の知能を持った動物を飼っていて(ここでは仮に猿とする)、 猿が鍵を開けてDを刺殺した。 人間の足音ではないし、Aが密室を破ったとも言える』 『実はDの別荘はマンション等の部屋であり、3階にリビングがあった。 A、B、Cは「マンションの」部屋から退室せずにDを殺害することが可能となる』 壁から登ってないのなら『ヘリコプター等で犯人は上から廊下の窓から建物に入った。 その後鍵の空いていたDの部屋に侵入し殺害を犯した。 Bの部屋の前は通らずに犯行が可能となる』 『勉強会とはそもそもテスト勉強ではなく殺人を示す隠語であった。 即ち退席するとは移動することではなく計画から降りることであったので 退席せずにDを殺すことは可能であった。 Dが信用して鍵を開けたところを刺殺。 その後0時になって真っ直ぐにそれぞれの部屋に戻った』 『包丁というのは調理用具ではなく他の包丁という名前のものを示している。 それは遠方から刃を飛ばして自殺できるようになっていた。 それを用いて密室外から殺害した』 『窓が開いていてもこの盤では密室と見なしていた。 つまりDの部屋の窓から中に侵入して殺人を犯して窓から逃げた』 『Dと言う名前の動物が存在してそれがDを殺害した、 よって密室内には動物Dしか存在しない。 これは人名ではないため人名トラックに引っかからない』 『犯人はピッキングでドアの鍵を開閉した』 549: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 20 32 05 ID 1m/Xleik0 . 548 やってしまった… 人名トラック→人名トリックです 550: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 20 36 31 ID wTp5bPwE0 一応、時系列の整理を 『Dが殺されたあと、勉強会が開かれた』 あと 『BはCの部屋にいたから、足音が聞こえても、 「自分の部屋の前を通る人の足音」であるかはわからなかった』 その場合、『BとCが一緒にいたので、犯行可能なのはAのみ』かと 551: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 22 55 54 ID h28yGpEU0 思いついたのが 『部屋のアルファベットと人物のアルファベットが一致しない可能性、 つまり、赤字中のXの部屋はXが使っている部屋と 「Xの部屋」という名前の部屋という意味がが使い分けられている。 Dの部屋が密室であるという赤字は Dの部屋という名前の部屋(実際はD以外のものが使っている)についての言及であり、 Dが使用していた部屋の鍵は開けてあった』 加えて復唱要求 「A,B,C,DはそれぞれAの部屋,Bの部屋,Cの部屋,Dの部屋を使っている」 552: イ :2017/09/10(日) 23 06 42 ID U7tKf8bw0 片言の魔女さん、よろしくお願いします。 では、一応念のため。 『彼らの通っていた学校は”恵まれし子らの学園”(X-メンのミュータント専門学校)だった。 Cは壁を通り抜けDを殺害した。』 「Cは壁抜けができた」 それとは別に確認。 「Dの部屋の窓に施錠ができる」 「Dの部屋の窓を開けずにはではいりできない」 「Dの部屋の窓を開けずには外から包丁で殺すことはできない」 「A、B、Cの中に盲人はいない」 以上よろしくお願いします。 553: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/10(日) 23 44 02 ID Xb5ayzK.0 初参加です。青字等の使い方間違いがあればスミマセン 0時やら7時やらが何日目の午前午後なのか 赤がないのが気になるので復唱要求 「勉強会が終了した時からDの死体を発見するまでの時間は7時間である」 上の復唱が拒否されたとき用の青字 『物語の二日目とは二回目に会話描写のあった日のことであり、 勉強会の次の日を意味するものではない。 勉強会が終了した後、皆、寝不足で疲労困憊となった。 Aはそのまま30時間ほど爆睡し、Bも明け方7時まで起きていたが寝た。 CはAとBが眠ったあとDの部屋をノックし、 Dが扉を開けると同時に入室して刺す。 追撃を恐れたDがCを突き飛ばして部屋から追い出し 鍵を施錠し閉じこもるも、その後出血により死亡。 Cは自室に戻り隣や廊下の物音を伺う。 解散後31時間後の7時にA,B,CがDの死体を目にする』 書いてて思ったけどCじゃなくてA,Bでも同様のことはできる 554: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 00 24 26 ID SqKQKZr.0 もひとつ青字 『Dの部屋はエレベーターのように部屋ごと上下に移動する。 別の階Xに移動した後、刺殺され、その後また3Fに部屋が戻った』 拒否前提で復唱要求 「Dは刺された後に即死、すなわち意志を持った行動ができなかった」 「Dの部屋の扉の鍵は1つ」 「Dには包丁による刺傷以外の死に至る外傷は無い」 「Dが刺されたとき、Dは3Fにいた」 555: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 01 28 20 ID GPAZclZc0 魔女様はじめまして。ゲーム盤の作成ありがとうございます。 まさか海外でもこのゲームがプレイされていたとは驚きです。 魔女様もとても外国の方とは思えないほどペラペラですね……! ご期待に添えられるかわかりませんが、よろしくお願いします。 『Dの部屋は3Fの他に、もう一か所別の階にあった。 Dが殺されたのは別の階にあったDの部屋であり、 そのため3FにいたBは足音を聞いていない』 『ゲーム開始時、既にDは殺されていた』 『犯人Xは車椅子に乗って移動した。よってBが「足音」を聞くことはなかった』 556: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 01 40 56 ID GPAZclZc0 あ、【0時から7時までBの部屋の扉の前を誰も通らなかった!】の赤字がありますね . 555の一番下の青はスルーでお願いします、すみませんorz 解くべきは足音の謎、密室の謎、鍵の謎ですかにぇ? 切られるだろうけど可能性潰しとして 『犯人は3Fトイレに隠れていた』 どうやってDの部屋に入ったかだけど、 【Dは自分の幼馴染達以外の者の為に自室の扉の鍵を開くような真似はしない】の赤から 『Dは鍵を開くことはないけど扉を開くことはあるかも知れない。 Dが自室に入ってから犯人が侵入するまで、Dの部屋に鍵はかかっていなかった』 557: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 03 19 21 ID t7PwE.IA0 おはよう、いや、こんばんは、あるいはおやすみ。 日曜の深夜だからまだ起きている人はいないと思うが、一応ゲーム再開だ。 今日は16時頃まで待機する予定なのでいつでも来い。 . 548 なんという屁理屈の嵐だ!そうでないと私の心臓には到底届かないと思え。 【合鍵やマスターキーは存在しない】 【Dの部屋には窓と扉以外の出入り口は存在しない】 【人間以外の動物は登場しない】 .・・・ゴホン、【ヘリコプターや飛行機は登場しない】 な、なんだその暴論は?【勉強会は至って普通の勉強会、隠語などではない】 【凶器の包丁はどこのキッチンにでもある通常の物だ】 【窓を開けずに窓からDの部屋に出入りする事は不可能】 【ピッキングで扉を施錠・解錠する事は不可能】 . 550 【勉強会の開始時はDの死亡時より前である】 【0時から7時までBはずっとBの部屋の中に居た】 それと勘違いている者はいないと思いたいが念のために Bが自分の部屋が出る 皆がDの部屋でDの死体を発見する 以上の出来事は全て7時で起こった、それと1分以内に。 理由はわざわざ分単位を使いたくなかっただけだ。 . 551 【A,B,C,DはそれぞれAの部屋,Bの部屋,Cの部屋,Dの部屋を使っている】 . 552 歓迎するぞ。 【超能力は存在しない】。もちろん、私の魔法が例外だがな。 【Dの部屋の窓に施錠ができる】 【Dの部屋の窓を開けずには外から包丁で殺すことはできない】 【A、B、Cの中に盲人はいない】 . 553 参加者が多くて嬉しいぞ。 【勉強会が終了した時からDの死体を発見するまでの時間は7時間である】 . 554 【エレベーターは】・・・駄目だ、言えない。 3Fまである豪邸にはエレベーターくらいあっても何らおかしくはない。 【{階段側の廊下にはエレベーターがある。それ以外のエレベーターは登場しない】 【Dは刺された後に即死、すなわち意志を持った行動ができなかった】 【Dの部屋の扉の鍵は1つ】 【Dには包丁による刺傷以外の死に至る外傷は無い】 【Dが刺されたとき、Dは3Fにいた】 . 555 その褒め言葉、痛み入る。 【A,B,C,とDの部屋はそれぞれ一つしか存在しない】 【ゲーム開始時、Dは生存している】 .・・・ッ!【0時から7時までBの部屋の扉の前を誰も通らなかった】 . 556 ふん、あれはスルーで良かったか・・・まあ、どちらでも構わないがな。 そしてそう、その3つの謎で合っていると思っても良い。 今のところ3番目が鬼門になっているようだが、正直に言うとそれは予想外だ。 青字に関しては・・・そうだな、Xの活躍はここまでにしよう。 【このゲームの登場人物はA,B,C,D,とXのみである。6人目は存在しない】 【Xはゲーム開始時からゲーム終了時までずっと3Fのトイレの中にいた。 つまりXは犯人でも共犯でもない】 さぞ驚いただろう。Xはミスリード役だが決して幻想ではない。 それでも彼女は犯行に関わっていない.から居ないと思っても結構。 二番目の青字は【Dが部屋に入った直後その扉の鍵を内側から施錠した】で切る。 558: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 03 25 15 ID t7PwE.IA0 赤字まとめその2だ。抜けている赤字はないと願いたい。 【A、B、とCはDの部屋でDの死体を発見した】 【発見時は午前7時】 【Dの死因は刺傷。凶器は包丁】 【勉強会が終了するまでDを除いて退席した者はなかった】 【Aが扉を破るまでDの部屋は密室だった】 【Dの部屋の扉の鍵は同室の机の上で発見された】 【3Fの廊下はミシミシと音がする】 【Bは0時から7時までずっと起きていた。 その間、自分の部屋の前を通る人の足音を一切聞いていない】 【Dは自殺していない】 【Bは耳に障害などはない】 【Dは他殺された】 【Dの部屋の窓を外側から施錠することは不可能】 【この盤の出来事は現実世界の出来事である。決して仮想空間の出来事や妄想ではない】 【A、B、C、Dらの性別によって盤が成立しなくなることはない】 【Dは自分の部屋の中で刺された】 【隠し通路や隠し扉の類はない】 【Dが死んだとはDが生物学的に死亡したことを指す。 決して比喩、Dの体の一部の組織だけが壊死、および脳死のことは指さない】 【AがDの部屋の扉を破った時、その扉はちゃんと施錠されていた】 【Bは0時から7時まで自分の部屋を出ていない】 【Dは自分の幼馴染達以外の者の為に自室の扉の鍵を開くような真似はしない】 【発見時、Dの部屋にはD以外の者は居なかった】 【Dには3人の幼馴染しかいない】 【Dの幼馴染はA、B、とCのみである】 【勉強会が終わった時、A,B,Cはリビングから寄り道をせずにそれぞれの部屋に戻った】 【リビングに3Fはない】 【勉強会が終了したの0時だった】 【0時から7時までBの部屋の扉の前を誰も通らなかった!】 【Dの部屋の扉はオートロックではない】 【Dが自分の部屋に戻った時中には誰もいなかった】 【3階の廊下は人が歩けば必ずミシミシと音がする】 【Cは死体をA、Bと同じタイミングで発見した】 【CはDの幼馴染である】 【発見時、廊下の窓は施錠されていた】 【Dの部屋の扉は一枚の木材で出来ている。 扉を開けずに廊下から鍵を投げ入れる事は不可能】 【ゲーム中、廊下の天井に張り付いた者はいない】 【このゲームに人の名前に関するトリックはない】 【犯行時、犯人はDの部屋の中に居た】 【合鍵やマスターキーは存在しない】 【Dの部屋には窓と扉以外の出入り口は存在しない】 【人間以外の動物は登場しない】 【ヘリコプターや飛行機は登場しない】 【勉強会は至って普通の勉強会、隠語などではない】 【凶器の包丁はどこのキッチンにでもある通常の物だ】 【窓を開けずに窓からDの部屋に出入りする事は不可能】 【ピッキングで扉を施錠・解錠する事は不可能】 【ゲーム中、家の中の壁を登った者はない】 【Dの部屋には窓と扉以外の出入り口は存在しない】 【このゲーム盤は悪質で意地悪だ】 【勉強会の開始時はDの死亡時より前である】 【0時から7時までBはずっとBの部屋の中に居た】 【A,B,C,DはそれぞれAの部屋,Bの部屋,Cの部屋,Dの部屋を使っている】 【超能力は存在しない】 【Dの部屋の窓に施錠ができる】 【Dの部屋の窓を開けずには外から包丁で殺すことはできない】 【A、B、Cの中に盲人はいない】 【階段側の廊下にはエレベーターがある。それ以外のエレベーターは登場しない】 【Dは刺された後に即死、すなわち意志を持った行動ができなかった】 【Dの部屋の扉の鍵は1つ】 【Dには包丁による刺傷以外の死に至る外傷は無い】 【Dが刺されたとき、Dは3Fにいた】 【A,B,C,とDの部屋はそれぞれ一つしか存在しない】 【ゲーム開始時、Dは生存している】 【このゲームの登場人物はA,B,C,D,とXのみである。6人目は存在しない】 【Xはゲーム開始時からゲーム終了時までずっと3Fのトイレの中にいた。 つまりXは犯人でも共犯でもない】 【Dが部屋に入った直後その扉の鍵を内側から施錠した】 559: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 04 26 30 ID OSk8/y1k0 外国の方が作った意地悪なゲーム盤……どんな真相なのか楽しみ! 英語に翻訳していた、ということなので、 とりあえずこちらも英語っぽい青字を言ってみます。 部屋2つ説 『Dの部屋とは、Room D(4番目の部屋)と D s Room(Dちゃんの自室)の事であり、部屋は2つ存在していた。 Ms.D(Dちゃん)が死んでいたのはRoom Dの方だった。 置かれていた鍵はD s Roomの鍵だったので、Room Dは密室ではない。 犯人はDちゃんをD s Roomで刺した後、窓から死体を落としてRoom Dに運んだ。 そしてRoom Dの鍵を使って外から施錠して、普通にキーボックスに戻した。』 {これならDの部屋関連の赤字をすり抜けられる。 A犯人説1 『Bはイヤホンかヘッドホンで大音量で音楽(もしくはラジオ)を聴いていたので、 廊下のミシミシ音に気付かなかった。 なのでBに門番としての能力は無く、D殺害の犯人はA。 Dの部屋をノックして、ドアを開けさせた直後にDを刺した。』 A犯人説2『廊下の手すりの上を歩いてDの部屋まで行った。』 C犯人説『C子がトイレに行った時、 Xが「え?Dちゃんトイレに来てないよ?」と証言し、Dが仮病を使っていたことが判明。 激怒したC子はDを刺してしまった。』 鍵の謎1『【Dの部屋の扉の鍵は同室の机の上で発見された】とは 同室者の机の上で発見されたという意味だった。 XはDと同じ部屋を使っていた。 つまりD部屋外に置かれていたXの机の上に鍵があった。』 鍵の謎2『【Dの部屋の扉の鍵は同室の机の上で発見された】とは、 机の真上……つまり4Fの部屋にあった。』 復唱要求 「図に描かれている部屋以外の場所は、事件と関わりが無い」 「0時から7時までCはずっとCの部屋の中に居た」 「0時から7時までAはずっとAの部屋の中に居た」 活発な若者Bが静かな夜を過ごすとは思えない。 AがアニメDVDを貸して、 それを視聴している最中にAが犯行に及んだのかもしれない。 560: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 05 19 24 ID t7PwE.IA0 . 559 朝早くからの挑戦、ご苦労だ。 それと英語っぽい青字か・・・その発想、賞賛に値する。 部屋2つ説は【部屋の名前に関するトリックはない】で切る。 A犯人説1は【Bは0時から7時までイヤホンもヘッドホンもしていなかったし、 音楽などを聴いていなかった】で切る。 A犯人説2は【廊下には手すりなど存在しない】で切る。 悪いが、C犯人説は青字として成立していない。 その場合、Cは如何にしてDの部屋の扉を施錠した? 鍵の謎1は【ルームメイトは存在しない】と 【Dの部屋の鍵はDの部屋の中で見つかった】で切る。 鍵の謎2は上の赤字で切る 残りの復唱要求は全部拒否!理由は察してくれ。 561: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 06 33 29 ID Qc.xAgw20 『犯人は這って移動した。故に足音はならない』 『犯人は死体発見後に鍵を机の上に置いた』 『通気口から鍵を投げ入れた』 『天井か床に穴があって、そこから鍵を机に置いた』 562: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 06 58 55 ID SqKQKZr.0 原作の金蔵部屋みたいなことはないと思うけど青字! 『Dの部屋の中にはトイレが有り、人物Xは3FのDの部屋内のトイレの中にいた。 犯人がDの部屋でDを刺した後、Xが内側から鍵をかけた』 関連推理も一応 『Dの扉の鍵はトイレの中から手を伸ばして届く距離だった』 『Dの扉の鍵はトイレの中から棒などの道具を使って施錠することができた』 『Xは密室作りに関わっているが犯行を助けた自覚はないため共犯ではない』 Dの部屋の扉の定義について復唱要求! 「Dの部屋の扉とは、3F見取り図の廊下からDの部屋に入る扉を指す」 563: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 07 22 09 ID prnag2Yo0 『Aは午前7時に施錠されていたDの部屋を開けた。 Dはその時まだ生きていて、扉の鍵は同室の机の上にあった。 A,B,CはDを包丁で殺害して、Dの死体を発見した!』 564: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 07 22 11 ID NxB7HkoY0 5階建ての豪邸かあ…住んでみたいなあ… それはそれとして、筋道が立たないのでまあ適当に 『7時ジャストにBは部屋を出て、7時20秒ぐらいでA、Cと合流し、 7 01になる前にDを刺殺した。 まさかDは殺されるなどと思わないのですぐドアを開けるだろう』 565: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 07 33 37 ID NxB7HkoY0 . 564 まさかのネタ被り…失礼しました 566: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 07 33 46 ID t7PwE.IA0 . 561 【犯人は廊下の床を這っていない】 残りは・・・くっ、直撃だ。認めよう、【犯人は死体発見後に鍵を机の上に置いた】。 だがまだだ、この程度でリザインをするつもりは毛頭ない。 廊下の音の結界はまだ機能している!犯人の名前と行動を青字で示せよ! . 562 【Dの部屋の中にはトイレはない】 【廊下のトイレの中からDの扉に干渉する事は不可能】 【Xは一切犯行と密室作りに関わっていない】 【Dの部屋の扉とは、3F見取り図の廊下からDの部屋に入る扉を指す】 . 563 . 564 【Dは7時より前に死亡している】 567: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 08 34 32 ID SqKQKZr.0 足音について 【Bは0時から7時までずっと起きていた。 その間、自分の部屋の前を通る人の足音を一切聞いていない】と 【3階の廊下は人が歩けば必ずミシミシと音がする】への青字 『犯人はC。Bは自分の部屋の前でないなら足音を聞き逃している』 『犯人はA。Bの部屋の前はジャンプで飛び越えて足音はしなかった』 『AとCは共犯者。片方がBの部屋を訪れ雑談しBの注意を引いた。 Bは訪問者との対応のため足音が聞こえなかった』 568: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 08 45 38 ID FKN4ByiA0 …『犯人はA単独またはAとC。とにかくAが関与していたことは確かである。 CはBの廊下の前を通らずともDの部屋に行けるがAは通る必要がある。 そこでAはエレベーターまたは階段で3階より上の階または屋上に行って そこから壁を降り(多分はしごなどを用いたと思われるが) 3階の端の窓からDの部屋の前にたどり着いた。 おそらくXは使用人や外部の管理人などDの部屋の鍵を持っていた人物。 そこでDの友達であるAかCに頼まれ鍵を貸した。 ついていきそうなものだが赤字でトイレに拘束されているためその心配はない。 そして犯人はDの部屋の鍵を開け中に入った。 その後にドアの鍵を閉め、鍵を中に置くのを忘れずに』 あとこの時点で死体を発見しないためには… 『そしてDを刺した後にその後に死んだかどうか確認せず 犯人は外に出て鍵を閉め通気口から部屋の中に鍵を投げ入れた。 翌日不審に思った犯人以外の登場人物がドアを開けるように言って 開けたら死体を目の当たりにしてしまった。 そして犯人はこの時点で初めて殺害に成功したことを確認したのだ』… {これが当たってても鍵の謎を解いた人の手柄だな… 569: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 09 21 35 ID MHWj4gss0 . 567 . 568 .・・・ぐわあああああああああ! この青字はとてもじゃないが躱しきれない。 業腹だが、リザイン・・・ .・・・をするとでも?いいやまだだ、この時を待っていた。 言ったはずだ、君たちは囚われている、と。 準備は整った、これより攻めに入らせてもらう!赤き真実! 【0時から7時まで、Aは自分の部屋から出ていない!】 まだだ! 【0時から7時まで、Bは自分の部屋から出ていない!】 まだだ!! 【0時から7時まで、Cは自分の部屋から出ていない!】 まだだ!!! 【0時から7時まで、Dは自分の部屋から出ていない!】 まだだ!!!! 【0時から7時まで、Dの部屋を出入りした者はいない!】 まだだ!!!!! 【Dは自分の部屋の中で刺された!】 まだだ!!!!!! 【犯行時、犯人はDの部屋の中に居た!】 これにてチェックメイト。 「音なき殺人者2」へ続く 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/jisakurowa2nd/pages/79.html
そして殺人者は野に放たれる ◆CUPf/QTby2 「板倉ぁ、先生は悲しいぞぉ!」 その言葉とは裏腹に、蝶野杜夫(ちょうの・もりお/2-D担任教師)は喜色満面、 卑屈だったはずの双眸は自信と精彩に満ち満ちてぎらつき、得意げにこちらを見下ろしている。 一刻も早く、この状況を覆さねば。自分にはもう、猶予などないのだから。 手足を拘束されたまま、板倉竜斗(いたくら・りゅうと/男子三番)は思案する。 しかしそれすらも許さぬとばかりに蝶野の声が意識に割り込み、彼の思考を攪拌する。 「大切な教え子が、よりによって、悪名高い過激派組織に所属していたとはなぁ。 板倉ぁ、テロは犯罪だぞぉ? 教え子が犯罪者に成り下がるとは、実に、実に残念だ!」 「……その割には、楽しそうだな?」 板倉は冷ややかに呟いた。挑発でも侮辱でもなく、ただ率直な感想を述べただけ。 方策などない、意図すらない、それでも黙って殺されてやるつもりなどなかった。 最愛の姉を、平穏な生活を奪ったカルト組織の構成員に何か言わねば気が済まない。 しかし蝶野はにたりと笑う。その言葉を待っていたと言わんばかりに、愉悦する。 「板倉君は今でもちゃんと先生の気持ちを分かってくれるんだなぁ。先生、感激したぞ。 ……実はだねぇ、板倉君。君に、更生の機会を用意してあげようと思っているんだよ。 僕は教育者だ、道を誤った教え子を見限ることなんて出来ない! 当然じゃないか!」 熱弁をふるう蝶野、しかしその声は込み上げる忍び笑いを抑え込むべく濁りに濁っている。 「それで、だ。板倉君、さっきの生中継は見てくれたかな?」 「……ああ」 「先生はね、君にも殺し合いに参加してもらおうと思っているんだ」 先程の教室でのやり取りは、この視聴覚室の巨大スクリーンに映写されていた。 その映像は、板倉に不快感を与えるべく、状況に応じて切り替わる。 教室には複数の隠しカメラが仕掛けられており、プロジェクターに接続したノートパソコンを操作して 映写すべき映像を選択する者がいた。赤い髪の小柄な少女、板倉を捕えた張本人。 いや、捕えただけでは終わらなかった。名門女学院の制服に身を包んだ彼女は―― 彼女――骨洞芙蘭(ほねぼら・ふらん)――の視線を背中に感じながら、 板倉は神経を逆撫でするような蝶野の声を、その言葉を、息を殺して耳に入れる。 「殺し合いを勝ち抜き、最後の一人になれば、君は無罪放免だ。 君の資質を存分に発揮できるよう、板倉君だけ首輪を特別仕様にしてあげたよ。 6時間に一度誰かを殺さなければ、強制的に首輪が爆発するってわけだ。 ゲームは深夜0時にスタートする、だから朝6時までに一人、昼12時までにまた一人。 朝6時までに5人殺しても昼12時までに一人も殺さなければ、ドカン! どうだいどうだい板倉君、俄然やる気が湧いてくるだろう!」 「……事実上の死刑宣告というわけか」 「人聞きの悪いことを言ってくれるねえ。僕は君に恩赦を勝ち取るチャンスをあげたんだよ? 法の裁きを受ければ確実に死刑になるっていうのに、ねえ。実に寛大な処置じゃないかぁ」 蝶野はククっと喉を鳴らす。 板倉は理解した。利用されるのだ、殺人機械として。神楽のような立ち回りを期待されて。 そして、やはりこれは死刑宣告、恩赦など決して存在しない。 たとえ優勝台に辿り着いても、自分のような危険人物を彼らが野放しにするはずがない。 自分は死ぬまでこの仇敵に殺人機械として利用されるのだ。板倉は歯噛みした。 「……君だって、自分のしたことの意味を分からないわけじゃないだろう? 過激派組織に所属して、松平君を襲撃しただけでも大問題だっていうのに、その後、 何をとち狂ったか、自分の所属する組織の構成員を通行人もろとも皆殺しにしたなんてなぁ。 大切な教え子が大量殺人犯に成り下がって、先生はどれだけ悲しんだか!」 口の中に血の味が広がる。蝶野の言葉は真実ではない、しかし事実だった。 背後で芙蘭が口を開く。自分を無差別大量殺人に至らしめた少女の声がしじまを漂う。 「少しは感謝したらどうなのかしら。自由意志を奪わないであげるのだから……」 そう、彼女にはそれが出来る。相手の脳に侵入し、その支配権を掌握出来るのだ。 あの日、組織の命令で松平左京を襲撃した夜。板倉は芙蘭に脳を侵され、 気付いたときには自らが籍を置く過激派組織の構成員を皆殺しにしたあとだった。 いや、正規のメンバーだけではない。無関係の一般市民まで手にかけていた。 それはもはや、無差別大量殺人だった。 理不尽に殺された姉の仇討ちをしたかった――そんな言い訳は通じない。 享楽的な殺人者に身体を乗っ取られた――それを証明するすべはない。 いや、たとえ証明出来たとしても、付け入られるような事態を招いたのは自分自身。 復讐に生き、殺人に対する忌避感すらも失った身でありながら、今更何を被害者ぶるのか。 血の海に立ち尽くす板倉の身柄を確保したのは、警察ではなくテロ組織だった。 ネイサン・ホーマー率いるテロ組織、自身を利用し陥れた芙蘭の在籍する非合法組織、 最愛の姉を奪った“教育委員会”の背後に存在する巨悪が板倉を捕縛したのだった。 視聴覚室の扉が開き、一組の男女が顔を見せる。 白い髪に赤い瞳、透けるような肌に纏うは黒。 仇敵のネイサン・ホーマーが、見知った少女を伴って現れたのだった。 ドレスの裾を揺らめかせながら迷いのない足取りでこちらに近付く少女の赤い眼は虚ろ。 床と天井と壁の間の何も存在しない場所を眺めながら、鈴の音のような声で彼女は言う。 「……そろそろ時間です。彼を、会場に……」 「おまえは、黒嵜……」 板倉は彼女を知っていた。クラスメイトの黒嵜暁羽(くろさき・あげは/女子七番)。 どこかのカルト教団の関係者だとは噂に聞いていたが、ホーマーとの繋がりは未聞だった。 しかし確かにこうして並んで立つと、彼女にはホーマーの面影があるように思える。 それとも、アルビノという特徴的な共通点ゆえに、そう感じるだけだろうか。 板倉の疑問に応えたのは、意外にもホーマーその人だった。 「暁羽は私の血族でね。幼い頃から私の手伝いをしているのだよ。 ……さて、蝶野君、あとは我々に任せてもらおう」 これ以上、俺に何をさせるつもりだ――板倉はホーマーをねめつけた。 その直後、弾かれるような痛みが首に走り、彼の意識は闇に落ちた。 【D-4 分校/一日目・深夜】 【男子三番:板倉竜斗 GAME START】 【蝶野杜夫 主催】 【黒嵜暁羽 主催】 【ネイサン・ホーマー 主催】 【骨洞芙蘭 主催】 [備考] ※松平左京を襲撃した犯人(松平のキャラ設定参照)は板倉竜斗でした。 投下順で読む Back brainwash Next 教師イジメは必要悪ですわ! 時系列順で読む Back 試合再開 Next 無貌の“貴方” GAME START 板倉竜斗 000 試合再開 蝶野杜夫 012 大 誤 算 GAME START 黒嵜暁羽 011 無貌の“貴方” GAME START ネイサン・ホーマー GAME START 骨洞芙蘭 011 無貌の“貴方”
https://w.atwiki.jp/herikutu/pages/101.html
「音なき殺人者1」より 570: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 09 25 54 ID 9gS1/T/o0 『犯人はA 自室の窓から壁伝いにDの部屋の窓へ Dに窓を開けてもらい部屋に入り殺害 窓をしめカギをもって部屋の外へ、 そのまま部屋の鍵を閉めそのまま7時まで待機』 【0時から7時までBの部屋の扉の前を誰も通らなかった!】があるので それ以外にAがDの部屋の前に 7時に行くことができないって屁理屈 一つ気になったのは【このゲーム盤は悪質で意地悪だ】 . 私は外国人なので、日本語がうまく使えません。 . 文法はクレイジーでオーマイガーですし、語彙はスクールチルドレン並です。 白字なわけだな ここがフェイクだったりして?! 571: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 09 42 07 ID MHWj4gss0 . 570 1個目は無駄、【0時から7時まで、Aは自分の部屋から出ていない!】 2個目は・・・HAHAHA,それはいわゆるサムライジョークか? 【片言の魔女とその中の人は外国人である】 572: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 09 52 34 ID nOwgaPoc0 『別荘の中に時差があった すなわちCとDの部屋の間に時差を分ける場所があり 15分間のズレが生じている』 573: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 09 59 15 ID 9gS1/T/o0 書き込みの時間差ですでに切られてたか あと あれは サムライジョークというよりも 大阪人のボケ ってやつです 地図のほうに何かフェイクが隠れてるんだろうか むずかしいもう少し考えてみるか 574: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 10 03 16 ID SqKQKZr.0 【0時から7時まで、Aは自分の部屋から出ていない!】 【0時から7時まで、Bは自分の部屋から出ていない!】 【0時から7時まで、Cは自分の部屋から出ていない!】 ……これは強烈だなぁ 自分の部屋って言い方が気になるけど Dは即死で犯行場所はDの部屋なのに 0時から7時は五人とも各部屋にぱっと見て封印 勉強会解散からの寄り道も発見後の殺害も赤で否定されてるのか しかしまだまだ屈しない!青! 『犯人は勉強会後、 寄り道せずに自分の部屋まで来たが、扉の前で立ち止まる。 そのまま自室には入室せずにDの部屋を訪問し、刺殺。 つまり自分の部屋から出てはいないが入ってもいない!』 575: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 10 34 41 ID fHDi8J5k0 あーらら、切られちゃいましたか、結構自信あったんですけどねえ… 拒否されるかもしれませんが復唱要求 「各赤き真実の自分の部屋とは全て違う部屋を指している」 …まあこれも出しておきますか、復唱要求 「自分の部屋とはXにとってのの部屋ではない」 「部屋とは世間一般的な部屋のことを指す。決して比喩ではない」 576: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 10 36 32 ID fHDi8J5k0 . 575 失礼しました Xにとってのの部屋→Xにとっての自分の部屋 577: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 10 47 19 ID MHWj4gss0 . 572 否、 【時差に関するトリックはない!】 . 574 あの赤字を前にして屈服しないだと・・・?ならばこれで絶望を知るが良い! 【勉強会が終わった時、A,B,Cはリビングから寄り道をせずにそれぞれの部屋に入り、 そして各人は7時まで自分の部屋から一歩も出ていない!】 . 575 1個目は少し曖昧なのでそのまま復唱出来ない。代わりにこれを言おう 【各赤き真実の”自分の部屋”という表現に嘘も偽りもない】 【自分の部屋とはXにとっての部屋ではない】 【部屋とは世間一般的な部屋のことを指す。決して比喩ではない】 578: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 10 52 56 ID nOwgaPoc0 『Dの本名が〈 自分〉であり全員Dの部屋にいた』と思ったが 既に赤字て否定されてるしうぐぐ 579: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 11 41 26 ID SqKQKZr.0 【図に書いてある事は全て真実】で図の各部屋は保証されているから 他に部屋がなければ自分の定義に集中できそうだけどなー 隠し通路や隠し扉は否定しているけど隠し部屋は上手くかわされている気がする A,B,C,Dの部屋が複数ある可能性はさすがに復唱拒否されそうだし、 否定させる青字が思いつかない助けて 言ってくれないだろうけど復唱要求 「Aの部屋、Bの部屋、Cの部屋、Dの部屋は図にあるもの以外には存在しない」 「トイレは3Fに一箇所だけである」 直球だと思いつかないから変化球の青連発! 『実は部屋やトイレの横幅はものすごく狭く、 自分の部屋に片足を置きながらDの部屋に半身を入れることができた。 犯人は自分の部屋もしくはトイレにいながら Dの部屋にいるということが両立できた』 『犯行時とは、Dを刺した時のことではなく、 その後密室作りなどをした時も犯行時として含めている』 『Dが殺された自分の部屋とは犯人の主観的な表現であり、Dの部屋のことではない。 DはDの部屋で刺殺されていない』 580: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 12 08 57 ID 9gS1/T/o0 〇の部屋と書かれているのがすべて窓のそばってことは 『3Fの図 と書かれてる部分が実際の部屋で 〇の部屋の表記はその部分が部屋ってことではなく その上部が部屋ってことで 4人の部屋は大きな一つの部屋だった』 ってことで『犯人はずっと起きていたB』 なんて屁理屈はお好みか? 581: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 12 24 53 ID SqKQKZr.0 3Fで殺されたとあるけどどこまでの高さを3Fとみなすのか。。。 図の壁無効化に便乗 『図の壁は床から天井までを占めておらず、 ついたてのように高さの低い不完全な壁だった 犯人は壁のない部分から身を乗り出しDを刺した』 復唱要求 「図はゲーム版の舞台となったDの別荘の3Fの図である」 「Dの死体発見時のA,B,C,D,Xは3Fの図の何処かにいる」 582: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 12 30 36 ID uTCZCypE0 うーん、分からん! 『包丁に天文学的な確率で自我が芽生えDを刺殺した』 …復唱要求 「見取り図にきちんと廊下は書かれている」 「廊下の位置を知られると魔女にとって不都合である」 「部屋の形は見取り図で全て長方形である」 …まあ2つ目は拒否されて当然でしょう 583: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 12 34 33 ID uTCZCypE0 失礼、書かれているんだった 復唱要求「aたちの部屋のトイレと反対側に、窓のある側に廊下はない」 584: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 12 45 02 ID nOwgaPoc0 『ABCDは全員兄弟で三階自体が彼らに与えられた部屋である。 分けられているのは後で自分たちで作ったものであり 簡単に取り外しができる』みたいな 585: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 13 15 54 ID SqKQKZr.0 自分の部屋や【部屋の名前に関するトリックはない】をどこまで解釈すればいいのやら 高度な言葉遊びは期待しないでって発言に素直に頷きたいけど 日本語がそこらの日本人より上手そう とりあえず別方面からのアプローチ。バッサバッサ切られに行こう 『勉強会の時四人は一箇所に集まってるのでななく、 スカイプなどを使って複数の場所で行われた。 犯人とDはDの部屋で勉強しており、 Dはみんなより先に勉強会の通信を切断、すなわち退出した。 その後犯人がDを刺し、 Wifiなどで勉強会を続けながら0時より前にDの部屋を出た』 586: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 14 07 44 ID MHWj4gss0 待たせたな。 . 579 ふん、今ならいくらでも復唱できる。 【Aの部屋、Bの部屋、Cの部屋、Dの部屋は図にあるもの以外には存在しない】 【トイレは3Fに一箇所だけである】 【犯行時、犯人の全身はDの部屋の中に居た】 【犯行時はDが刺された時とする】 【Dが見取り図にあるDの部屋で刺された】 . 580 面白い。どう切ろうか・・・ 【4人の部屋は大きな一つの部屋ではない。部屋の共有はない】 . 581 【Dの部屋には窓と扉以外の出入り口は存在しない】 【犯行時、犯人の全身はDの部屋の中に居た】 【図はゲーム盤の舞台となったDの別荘の3Fの図である】 【Dの死体発見時のA,B,C,D,Xは3Fの図の何処かにいる】 . 582 その青字、屈服と見なして良いか? 【包丁に自我が芽生えるわけがない】 【見取り図にきちんと廊下は書かれている】 2個目は復唱拒否。代わりに 【廊下の位置を知られると魔女にとって不都合ではない】をくれてやろう。 【部屋の形は見取り図で全て長方形である】 . 583 む、「窓のある側に廊下はない」とはどういう事だ? よくわからない物は復唱拒否 . 584 【4人の部屋は大きな一つの部屋ではない。部屋の共有はない】 . 585 その赤字はあんまり疑わない方がいい・・・といっても信じないだろうな。 【勉強会開始時、4人は全員リビングにいた】 587: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 14 30 13 ID MHWj4gss0 さて、君たちは見たところまだ絶望していない。 何やら図に隠されている真実があると信じ切っているが、 私の心臓はあそこにいないぞ? 【階段側の廊下にはエレベーターがある。それを除いて図には嘘も偽りもない。】 さあ、どう出るか? 588: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 14 36 18 ID MHWj4gss0 赤字まとめその3.ダブりくらいは許せ。 【A、B、とCはDの部屋でDの死体を発見した】 【発見時は午前7時】 【Dの死因は刺傷。凶器は包丁】 【勉強会が終了するまでDを除いて退席した者はなかった】 【Aが扉を破るまでDの部屋は密室だった】 【Dの部屋の扉の鍵は同室の机の上で発見された】 【3Fの廊下はミシミシと音がする】 【Bは0時から7時までずっと起きていた。 その間、自分の部屋の前を通る人の足音を一切聞いていない】 【Dは自殺していない】 【Bは耳に障害などはない】 【Dは他殺された】 【Dの部屋の窓を外側から施錠することは不可能】 【この盤の出来事は現実世界の出来事である。決して仮想空間の出来事や妄想ではない】 【A、B、C、Dらの性別によって盤が成立しなくなることはない】 【Dは自分の部屋の中で刺された】 【隠し通路や隠し扉の類はない】 【Dが死んだとはDが生物学的に死亡したことを指す。 決して比喩、Dの体の一部の組織だけが壊死、および脳死のことは指さない】 【AがDの部屋の扉を破った時、その扉はちゃんと施錠されていた】 【Bは0時から7時まで自分の部屋を出ていない】 【Dは自分の幼馴染達以外の者の為に自室の扉の鍵を開くような真似はしない】 【発見時、Dの部屋にはD以外の者は居なかった】 【Dには3人の幼馴染しかいない】 【Dの幼馴染はA、B、とCのみである】 【勉強会が終わった時、A,B,Cはリビングから寄り道をせずにそれぞれの部屋に戻った】 【リビングに3Fはない】 【勉強会が終了したの0時だった】 【0時から7時までBの部屋の扉の前を誰も通らなかった!】 【Dの部屋の扉はオートロックではない】 【Dが自分の部屋に戻った時中には誰もいなかった】 【3階の廊下は人が歩けば必ずミシミシと音がする】 【Cは死体をA、Bと同じタイミングで発見した】 【CはDの幼馴染である】 【発見時、廊下の窓は施錠されていた】 【Dの部屋の扉は一枚の木材で出来ている。 扉を開けずに廊下から鍵を投げ入れる事は不可能】 【ゲーム中、廊下の天井に張り付いた者はいない】 【このゲームに人の名前に関するトリックはない】 【犯行時、犯人はDの部屋の中に居た】 【合鍵やマスターキーは存在しない】 【Dの部屋には窓と扉以外の出入り口は存在しない】 【人間以外の動物は登場しない】 【ヘリコプターや飛行機は登場しない】 【勉強会は至って普通の勉強会、隠語などではない】 【凶器の包丁はどこのキッチンにでもある通常の物だ】 【窓を開けずに窓からDの部屋に出入りする事は不可能】 【ピッキングで扉を施錠・解錠する事は不可能】 【ゲーム中、家の中の壁を登った者はない】 【Dの部屋には窓と扉以外の出入り口は存在しない】 【このゲーム盤は悪質で意地悪だ】 【勉強会の開始時はDの死亡時より前である】 【0時から7時までBはずっとBの部屋の中に居た】 【A,B,C,DはそれぞれAの部屋,Bの部屋,Cの部屋,Dの部屋を使っている】 【超能力は存在しない】 【Dの部屋の窓に施錠ができる】 【Dの部屋の窓を開けずには外から包丁で殺すことはできない】 【A、B、Cの中に盲人はいない】 【階段側の廊下にはエレベーターがある。それ以外のエレベーターは登場しない】 【Dは刺された後に即死、すなわち意志を持った行動ができなかった】 【Dの部屋の扉の鍵は1つ】 589: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 14 36 30 ID MHWj4gss0 【Dには包丁による刺傷以外の死に至る外傷は無い】 【Dが刺されたとき、Dは3Fにいた】 【A,B,C,とDの部屋はそれぞれ一つしか存在しない】 【ゲーム開始時、Dは生存している】 【このゲームの登場人物はA,B,C,D,とXのみである。6人目は存在しない】 【Xはゲーム開始時からゲーム終了時までずっと3Fのトイレの中にいた。 つまりXは犯人でも共犯でもない】 【Dが部屋に入った直後その扉の鍵を内側から施錠した】 【部屋の名前に関するトリックはない】 【Bは0時から7時までイヤホンもヘッドホンもしていなかったし、 音楽などを聴いていなかった】 【廊下には手すりなど存在しない】 【ルームメイトは存在しない】 【Dの部屋の鍵はDの部屋の中で見つかった】 【犯人は廊下の床を這っていない】 【Dの部屋の中にはトイレはない】 【廊下のトイレの中からDの扉に干渉する事は不可能】 【Dは7時より前に死亡している】 【Xは一切犯行と密室作りに関わっていない】 【0時から7時まで、Aは自分の部屋から出ていない!】 【0時から7時まで、Bは自分の部屋から出ていない!】 【0時から7時まで、Cは自分の部屋から出ていない!】 【0時から7時まで、Dは自分の部屋から出ていない!】 【0時から7時まで、Dの部屋を出入りした者はいない!】 【Dは自分の部屋の中で刺された!】 【犯行時、犯人はDの部屋の中に居た!】 【片言の魔女とその中の人は外国人である】 【時差に関するトリックはない!】 【勉強会が終わった時、A,B,Cはリビングから寄り道をせずにそれぞれの部屋に入り、 そして各人は7時まで自分の部屋から一歩も出ていない!】 【各赤き真実の”自分の部屋”という表現に嘘も偽りもない】 【自分の部屋とはXにとっての部屋ではない】 【部屋とは世間一般的な部屋のことを指す。決して比喩ではない】 【Aの部屋、Bの部屋、Cの部屋、Dの部屋は図にあるもの以外には存在しない】 【トイレは3Fに一箇所だけである】 【犯行時、犯人の全身はDの部屋の中に居た】 【犯行時はDが刺された時とする】 【Dが見取り図にあるDの部屋で刺された】 【4人の部屋は大きな一つの部屋ではない。部屋の共有はない】 【Dの部屋には窓と扉以外の出入り口は存在しない】 【犯行時、犯人の全身はDの部屋の中に居た】 【図はゲーム盤の舞台となったDの別荘の3Fの図である】 【Dの死体発見時のA,B,C,D,Xは3Fの図の何処かにいる】 【包丁に自我が芽生えるわけがない】 【見取り図にきちんと廊下は書かれている】 【廊下の位置を知られると魔女にとって不都合ではない】 【部屋の形は見取り図で全て長方形である】 【4人の部屋は大きな一つの部屋ではない。部屋の共有はない】 【勉強会開始時、4人は全員リビングにいた】 【階段側の廊下にはエレベーターがある。それを除いて図には嘘も偽りもない。】 590: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 14 41 43 ID MHWj4gss0 それにしても結構な数の赤字だな。これらを接触しない青字をはたして撃てるかな・・・? 591: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 14 42 46 ID SqKQKZr.0 魔女さま切れ味の良い復唱連発ありがとう(赤字で血だらけ) 密室の鍵もシンプルだったし 部屋関係は屁理屈言葉遊びじゃなくて推理小説的トリック? 言葉遊び以外も考えてみるか とりあえず赤をかわしつつ追加の青 『勉強会開始時A,B,C,Dはリビングにいたが 勉強会が終了した場所はリビングではない』 『勉強会は途中でDの部屋へと勉強場所を移し行われた。その際Dが最初に入室した』 『トイレに行くなど一時的に休憩を取ることは 勉強会を退出したとはみなしていない』 復唱要求 「勉強会の開始時から終了時までA.B.Cはリビングから出ていない」 592: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 14 46 31 ID 7iHqYMbQ0 今更ながら復唱要求です 「このゲーム盤には多重人格者は存在しない」 593: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 14 55 56 ID SqKQKZr.0 . 591 一つ目が 【勉強会が終わった時、A,B,Cはリビングから寄り道をせずにそれぞれの部屋に入り、 そして各人は7時まで自分の部屋から一歩も出ていない!】で 終了場所はリビングと行っているので撤回 二つ目、三つ目は勉強会の途中のことなので大丈夫なはず…… 念のため復唱要求 「A,B,C,D,Xは個別の肉体を持った人間である」 「D以外の死体は存在しない」 594: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 15 14 45 ID FKN4ByiA0 包丁に自我はさすがにジョークにしてもつまらなかったですね… 失礼、一時的に頭がおかしくなってました 復唱要求 「Dのいた自分の部屋とはリビングを指さない」 「Dにとっての自分の部屋は廊下を含まない」 「部屋の共有というのは部屋のほんの一部たりとも共有していないことを示す」 595: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 15 19 11 ID FKN4ByiA0 間違えました、復唱要求 「部屋を共有していないとは部屋のほんの一部たりとも共有していないことを指す」 596: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 15 26 18 ID MHWj4gss0 . 591 ふん、そう買いかぶらないでくれ。このゲーム盤は所詮くだらない。 【勉強会終了時、A,B,Cはリビングにいた】 【勉強会は最初から最後までリビングで行われた】 【勉強会中、Dを除いて席を外した者はない】 復唱は拒否、あれは他の赤字と内容が被っている。 . 592 今更定番に頼っても遅い! 【このゲーム盤には多重人格者は存在しない】 . 593 【A,B,C,D,Xは個別の肉体を持った人間である】 【D以外の死体は存在しない】 . 594 . 595 (私はここで傲慢なキャラを演じていますが、実際はあなたの青字に笑いました。 そういう原作の”小型爆弾”みたいな推理が大好きです) ゴホン、 【Dのいた自分の部屋とはリビングを指さない】 【Dにとっての自分の部屋は廊下を含まない】 【部屋を共有していないとは部屋のほんの一部たりとも共有していないことを指す】 ―――――――――――――――――――――――― さて、. 569と. 587の赤字に屈服しなかった実績を素直に褒めてやろう。 敬意を表し、これより我が最後の切り札を使うぞ。 赤き真実! 【Dの死亡時は0時より前である!】 597: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 15 28 33 ID SqKQKZr.0 これから仕事なので多分本日最後の青打っていきます 『犯人は勉強会開始時にリビングにおらず、途中から参加した。 途中参加する前にDを刺し、その後勉強会に途中参加した』 598: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 15 36 10 ID MHWj4gss0 . 597 ここまで付き合ってくれてありがとう。いってらっしゃい! 【勉強会開始時、犯人はちゃんとリビングにいた】 599: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 15 53 48 ID 7iHqYMbQ0 『さすがに一人にするのはどうかと思うので誰かがついて行った。 普通に考えてcがついて行った気がする。 でその時殺害。追撃を恐れたdが内側から鍵を閉めた』 600: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 15 55 09 ID 7iHqYMbQ0 . 599 訂正『扉にもたれかかったときの衝撃で鍵がしまった』 赤字見逃してました 601: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 16 58 51 ID MHWj4gss0 今回は16時までと宣言したが、もう少し延長しようと思う。 . 599 【勉強会中、Dを除いて席を外した者はない】 602: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 17 10 12 ID MHWj4gss0 いや、前言撤回。これより20時まで仮眠を取らせてもらう。 青字と復唱要求は書き置きの形でどうぞ。 603: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 18 28 39 ID G0VK1Af.0 『そもそもリビングにはいたけど、 勉強会に参加していないEさんがいて、そいつが犯人』 これなら赤字に引っ掛からないはず 604: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 19 07 30 ID xmUE9.JQ0 【ゲーム開始時、Dは生存している】が気になる 『ゲーム開始時とは一日目の23時よりも前のことだった。 Dは勉強会の前にDの部屋で殺害されている!』 復唱要求 「ゲーム開始時とは、一日目リビング23時のことである!」 605: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 19 10 38 ID j.OPZCog0 うーん『死体に自我が芽生え…』、やめよう、これはないな …まさか『まず始めに0日目に勉強会を開催した。 その後に犯人は1日目の7時の少し前にDを殺した。 犯人はA、B、Cの三人。 7時に死体を目撃したことで間違いない。 その後死体を遠隔操作出来るように機械を埋め込んだ。 外傷はついたかもしれないがこれは死に至る外傷ではない、もう死んでいるのだから。 その後A、B、C、Xの4人はDの死体とともに勉強会を開催した。 0時より前にDの死体を退席させ、遠隔操作でDの部屋の鍵を閉めさせた。 これでDは自分の手でドアの鍵を閉めたことになる。 その後A、B、Cは自分の部屋に、Xはトイレへと向かった。 そうしてA、B、C、Xはそこでじっとしていた。 2日目の7時に皆部屋を出たがこれは赤字に抵触しない』 これなら自分の意思で死体も動かないし、自分の手でDは鍵を閉めることができる。 …まさかな、今日は早く寝ることにします 606: イ :2017/09/11(月) 19 47 25 ID zXRxTscM0 いやー、なんか難しくなってきたな。 トイレを占領してしていただけのX、犯行時間の謎と、密室の構成。 密室の構成について。 例えばDの部屋は後から屋上に増設されたというのはどうだろう。 元々は屋上に繋がるドアなので、鍵穴は外(つまりDの部屋側)にあり、 廊下側にサムターンがついているという構成だったというのはどうだろう。 「Dの扉は廊下側にサムターンがついている。」 ところで、片言の魔女さん、睡眠時間はちゃんと取って、 体を壊さないようにね。 607: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 20 59 19 ID MHWj4gss0 よし、スッキリした。これでまだ戦える・・・! . 603 甘いぞ! 【このゲームの登場人物はA,B,C,D,とXのみである。6人目は存在しない】 . 604 【ゲーム開始時とは、一日目リビング23時のことである】 . 605 悪くない発想だが、 【ゲーム開始時とは、一日目リビング23時のことである】 . 606 くっ、君の言う通りだ、睡眠はとても大事。 どうやら先は寝不足のせいで 肝心の【犯人は死体発見後に鍵を机の上に置いた】という赤字をまとめに入れる事を忘れた。 とにかく密室構成の謎はあれですでに解かれている。 608: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 21 09 35 ID NxB7HkoY0 これはまだなかったはず… 復唱要求「1日目23時以前、または23時ジャストに勉強会は始まった。 言い換えるならゲーム盤開始時にはすでに勉強会は始まっていた」 609: イ :2017/09/11(月) 21 09 53 ID zXRxTscM0 . 【犯人は死体発見後に鍵を机の上に置いた】という赤字をまとめに入れる事を忘れた。 なるほど。w では、Xの役割(あるのか?)と、犯行時間の謎だな。 610: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 21 20 53 ID MHWj4gss0 . 608 復唱は拒否する。 物語では勉強会の開始時が1日目の0時になっているのだが、ゲーム的にそれは少し不便だ。 故に【勉強会の開始時はゲーム開始時と同じく1日目の23時とする】 611: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 21 33 50 ID NxB7HkoY0 もう一つ復唱要求 「ゲーム版開始時からDの死体が発見されるまで19時間以内の出来事である」 612: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 21 52 19 ID MHWj4gss0 . 609 探偵側の役は魔女幻想を否定する事だ。 Xは犯行に関わっていないので、そいつの正体を暴く義務などない。 犯行時間の謎を解く事が出来ればそちらの勝ちと見なす。 . 611 無論、 【ゲーム盤開始時からDの死体が発見されるまでは19時間以内の出来事である】 613: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 22 15 49 ID OSk8/y1k0 復唱要求「3Fにリビングは無い」 既出の【Dのいた自分の部屋とはリビングを指さない】で否定されるかもしれないけど、 考えてた青字を放出↓ 『リビングとはD部屋内の応接間だった。 Dが「あの・・・実は先からお腹が凄く痛くて・・・」と言った時、 DはD部屋の外に居た。 トイレから戻ったふりをしたDが、廊下から部屋内の3人に話しかけていたのだ。 そして部屋の中に入り、就寝スペースに行ってベッドで寝た。 3人は近くで寝てるDを気遣って、静かに勉強を続けた。 だが3人の中の誰かが、ベッドで寝てるDに近づいてこっそり刺殺した。 凶器の包丁は、果物やチーズを切るために部屋に備え付けられていたもの。 そして0時になり、3人はD部屋から退室した』 614: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 22 28 35 ID MHWj4gss0 . 613 【リビングは別荘の1Fにある】 【3Fにリビングは無い】 615: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 22 36 41 ID NxB7HkoY0 まあ切られる気もしますが今のところの最善策を 『23時に勉強会が開始。その後1時間以内にDが退室。 次の日の0時で3人は部屋に戻ったがその後午前7時ちょっと前に部屋を出る。 そしてDの部屋を訪れてドアを開けるよう頼み、中に入り刺殺。 6時59分ぐらいにDは死亡し、7時に3人は死亡を確認した。 外側から鍵をかけた後通気口から中に鍵を投げ込んだ。 その後に午後0時から午後7時まで3人は部屋にこもっていた。 Dも部屋からは出れっこないし、誰も入っていない。 これは午後0時ないし7時に殺したと言える』 復唱要求 「赤き真実の時刻は全て24時間表記である。決して午前、午後は省略されていない。」 「赤き真実の時間は日本時間に基づく時間である。 部屋の時計が進んでいたり遅れていたりした時間に合わせて 表記しているということはない」 616: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 22 43 55 ID MHWj4gss0 . 615 さては忘れたのか? 【?Dの死亡時は0時より前である!】 それと 【赤き真実の時刻は全て24時間表記である。決して午前、午後は省略されていない。】 【赤き真実の時間は日本時間に基づく時間である。 部屋の時計が進んでいたり遅れていたりした時間に合わせて 表記しているということはない】 617: イ :2017/09/11(月) 22 45 15 ID zXRxTscM0 だんだん赤字をチェックするのが難しくなってきた。 魔女さんは、もっと大変なんだろうな。 なかなか良いのが思いつかない。苦し紛れにこんなのを書いてみる。 過去に585が 『勉強会の時四人は一箇所に集まってるのでななく、 スカイプなどを使って複数の場所で行われた。 犯人とDはDの部屋で勉強しており、 Dはみんなより先に勉強会の通信を切断、すなわち退出した。 その後犯人がDを刺し、 Wifiなどで勉強会を続けながら0時より前にDの部屋を出た』 と書いた。それに対し魔女さんはこう返した。 . その赤字はあんまり疑わない方がいい・・・といっても信じないだろうな。 . 【勉強会開始時、4人は全員リビングにいた】 「リビングは、現実のリビングと、ネットのリビングの2種類がある」 また、608が 「1日目23時以前、または23時ジャストに勉強会は始まった。 言い換えるならゲーム盤開始時にはすでに勉強会は始まっていた」 と言う復唱要求をした。それに対し魔女さんはこう返した。 . 復唱は拒否する。 . 【勉強会の開始時はゲーム開始時と同じく1日目の23時とする】 では、 「ゲーム開始時とゲーム盤開始時とは同一時刻ではない」 ま、両方とも苦しいね。 618: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 22 45 45 ID MHWj4gss0 . 616 赤字にあるビックリマークはタイプミスといか、バグのような物だ。気にしないでくれ。 619: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 22 59 57 ID Qc.xAgw20 ああ、Xがいたの見逃してた。 また見逃しがあるかもしれないけど、そしたら赤で切ってほしい 『Dの部屋は1階から3階まで繋がった構造になっていた』 『リビングとDの部屋はつながっていた』とか 620: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 23 00 01 ID MHWj4gss0 . 617 ふっ、さぞ難しかろう。 このゲームの真実を見つける事は干し草の山の中から針 1 本を捜すの如く。 私の心臓となっている赤字は既に晒してあるので、血眼になって探し出すが良い。 さて、 【リビングは別荘の1Fにある。それ以外のリビングは存在しない】でどうかな。 それと 【ゲーム開始時とゲーム盤開始時とは同一時刻である】 621: イ :2017/09/11(月) 23 04 52 ID zXRxTscM0 そうか残念。 そろそろ、落ちます。 明日の参加は夜だけになるでしょうから、もう終わってるかもしれないので、 繰り返しになるが言っておきます。 片言の魔女さん、ちゃんと寝てね。 622: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 23 09 31 ID z6k12nuU0 遊ばせてもらうぜ! 【Dが見取り図にあるDの部屋で刺された】 【図はゲーム盤の舞台となったDの別荘の3Fの図である】 『この二つの赤字は地図上、つまり紙上で事件が起こったことを示唆している。 つまり事件はリビングにあった 巨大な見取り図の上で起こったことだったんだ!』 623: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 23 12 52 ID NxB7HkoY0 あんまり固執しすぎるのもよくないかもしれませんが復唱要求 「Dはゲーム盤開始後1時間以内に殺害された」 「A、B、C、Dが赤き真実によって部屋に拘束されるのは ゲーム盤開始後1時間後から8時間後までである」 「Dの死体は移動しない」 624: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 23 20 50 ID MHWj4gss0 . 619 【Dの部屋はリビングと直接繋がっていない】 【Dの部屋に隠し通路は存在しない】 . 621 お疲れ様。このゲームはおそらくもうすぐ終わるだろう・・・いや、どうかな。 もしかして難易度を高く設定し過ぎたかもしれない。 それとお気遣いありがとう。寝たいのは山々だが中の人には用事があってだな。 今のはそのついでにこちらを覗いているだけだ。 . 622 歓迎するぞ。 【リビングとDの部屋は別々の部屋である】 . 623 何を言う、復唱要求は探偵側の特権。気が済むまで使うがいい。 【Dはゲーム盤開始後1時間以内に殺害された】 【A、B、C、Dが赤き真実によって部屋に拘束されるのは ゲーム盤開始後1時間後から8時間後までである】 【Dの死体は移動しない】 625: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 23 28 30 ID Qc.xAgw20 言葉遊びですが 『退席とは、帰ってしまうことであるため、戻ってくれば問題ないって理屈 つまり、犯人は一回リビングから出たあと戻ってきたので”退席”はしていないって理屈』 626: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 23 34 04 ID SqKQKZr.0 その理論ならこんな青はどうだ? 『勉強会には第一回目と第二回目がある。 一回目の勉強会はDの退出後終了し、各自解散する。 犯人がDを刺殺後、第二回勉強会が開始される。 これが23時から0時の間に行われた』 復唱要求 「ゲーム盤の勉強会は中断や複数回の開催はない」 627: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/11(月) 23 43 07 ID MHWj4gss0 . 625 ごふっ!(吐血 ま、まだだ! 【"退席とは、帰ってしまうことであるため戻ってくれば問題ない"という理屈ではない!】 はぁ・・・はぁ・・・これなら・・・ . 626 【ゲーム盤の勉強会は中断や複数回の開催はない】 628: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 23 45 48 ID Qc.xAgw20 じゃあ 『退席とは席を離れることだから、そもそも席についていなければ 退室しようが退席にならない』 629: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 23 46 18 ID z6k12nuU0 もしかして『犯人は車椅子であり席から立っていないから問題ないということ』 エレベーターがあるのはそのため? 630: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 23 48 37 ID Qc.xAgw20 . 629 それでかぁ。なるほど 631: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/11(月) 23 49 32 ID SqKQKZr.0 犯人の特定はまだできてない? 632: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/12(火) 00 02 58 ID roeut0z60 . 628 . 629 . 631 ま・・・ま・・・まだだああああああああああ! 【車椅子は足が不自由な人にしか使えない!】 【Aは休みの日にアニメの聖地まで散歩するのが趣味だ!】 【Bはれっきとしたバスケ選手だ!】 【Cは足でチェスを遊ぶ少し変わった子だ!】 この三人の中に車椅子を使う者はいない! 633: イ :2017/09/12(火) 00 03 44 ID M1ZMBWK20 気になって見てしまった。 では、中座した人間がいたということから? 634: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/12(火) 00 04 09 ID 1zg4GRSY0 『Bは車椅子バスケの選手である』 635: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/12(火) 00 04 25 ID QTQuttgI0 . 632 『Bくんは車椅子バスケの選手だった』これでチェックかな? 636: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/12(火) 00 12 42 ID roeut0z60 . 634 . 635 ま・・・ま・・・ま・・・ままならない、か。リザイン! ―――――――――――――――― 探偵側の勝利です。真相とあとがきは後ほどで。 637: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/12(火) 00 15 36 ID QTQuttgI0 魔女様お疲れ様です。とても取り組みがいのあるゲーム版でした。 638: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/12(火) 00 17 30 ID GbJBQ5d.0 乙です。いやー面白かった 639: イ :2017/09/12(火) 00 17 58 ID M1ZMBWK20 取り敢えず手短に、ご苦労様でした。 寝れる。 640: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/12(火) 00 22 45 ID zwki/bzY0 時間帯の異なる中、この時間まで対応感謝します お疲れ様でした 641: 片言の魔女 ◆puc8EvlKCo :2017/09/12(火) 01 04 13 ID roeut0z60 <真相> ゲームの簡単な流れは以下です ・ゲーム開始時直後、Dはリビングから出て自分の部屋に戻る。 ・その後Bは飲み物を取るためにキッチンに向かう。 Bは車椅子を使う足が不自由な人なので、 彼は”席を離れる事なく”移動出来る唯一の人物。 ・キッチンにてBは自分が明日の為に持ち込んだワッフルミックスがなくなっている事に気づく。 Bは携帯を使ってそれをDに報告する。 ・そのDが「ワッフルミックスの事は知らないけど、明日の朝ごはんはクレープを作る予定」 という反人類的な発言をした為BはDの殺害を決定した。 ・Bはエレベーターに乗って3Fに上がる。Dは素直にBを自分の部屋に招き入れた。 Bは彼女を包丁で刺し、部屋の鍵を盗んで扉を外側から施錠した。 その後Bは何食わぬ顔で勉強会に戻った。 ・0時から7時に起こった出来事は一切関係ない。 ・発見時で他の二人がDの死体を見に行った時 Bはさり気なく部屋の鍵を机の上に置いた。ゲーム終了。 ・ちなみにBのワッフルミックスを使ったのはメイドのXだ。 Xはワッフルの食べ過ぎで腹を壊し、結局3Fのトイレで寝落ちた。 <あとがき> お疲れ様です。私のゲーム盤はいかがでしたか? 蓋を開ければ全くしょうもないトリックだと認めますが、 それは屁理屈推理の醍醐味とも言えるでしょう。 弁明になりますが、今回はある状況を作りたかったです。 普段のゲームでは魔女側が赤字を出せば出すほど探偵側が有利になりますが、 それを逆手に取ったらどうなるのでしょうか? つまり赤字を探偵側の足枷にする事は可能でしょうか? そう思い浮かべてこのゲーム盤を作りました。 このゲームは一つの小さなトリックと たくさんのミスリードとミスディレクションで出来ています。 偽の犯人と偽の犯行時と偽の犯行方法に探偵側の注意を逸らせば 彼らは何もかもを誤認すると踏んだ。 真犯人は遠い場所にいるから、偽の要素に関する赤字をいくら出しても支障は出ません。 それどころか、その赤字の数々は真犯人を守るノイズと化します。 赤字がある程度増えた後、 その偽の要素を全てこちらから排除する事で探偵側は大変混乱し、 数多い赤字から唯一魔女の弱点となっている一行を突き止めるしかなくなります。 それがこのゲームの底なし沼だ。 以上は今回のシナリオでした。 余談ですが、このシナリオの演出のためとあらゆる状況に対応するために フローチャートを幾つも作りました。 ですが鍵の謎が長く持った為 (あれは定番中の定番だから一番最初の青字で来ると思いました・・・)、 どのフローチャートにも狂いが生じました。 おかげでXの事は予定より早く告白するはめになりました。 それ以外に廊下の窓のオートロックなど 使用出来なかったミスリードもありましたが、それはもはや関係ありませんね。 付き合ってくれた方はありがとうございました。 しばらくは探偵側に戻りますが、 片言の魔女はいずれ真っ当なゲーム盤を用意するかもしれませんので、 その時はまたよろしくお願いします。 642: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/12(火) 12 27 59 ID RGnpwhOI0 なるほど、椅子からたってないから退席してないということでしたか… 場所やら時間やら何度もミスリードされてしまいました。お疲れ様でした 644: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/12(火) 16 58 27 ID 0sYAigRs0 片言の魔女様お疲れ様です。 音の謎に対して車椅子説を挙げた者ですが、 まさか全然違うところに刺さっていたとはw ずっとトイレにいたXちゃんはもしかして壮絶ないじめを受けていたのでは!? とゲームに全く関係ない想像をしていた無能探偵は私です。 次回のゲームも是非楽しみにしております。 646: アンチファンタジーorミステリーさん :2017/09/12(火) 20 06 48 ID dPbDeQD60 片言の魔女様お疲れ様お疲れ様でした 退院準備やらで挨拶おくれてしまってすんです 私は XちゃんはDちゃんの保護者設定とか考えてたよ そうそうに赤で犯人否定されてたしね 652: イ :2017/09/12(火) 22 13 57 ID M1ZMBWK20 片言の魔女さん、ご苦労様でした。 ものの見事に騙されました。 . それを逆手に取ったらどうなるのでしょうか? 素晴らしい着想だったと思います。 しかし、それだけではなく貴方のゲームマスターとして能力がなければ、 これほど楽しめるゲーム盤にはならなかったでしょう。 ありがとうございました。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/oribatotcg/pages/231.html
グリーム(逆4) / 生まれついての殺人者 「印は肉体に現れる…その印を即座に見抜けるほどに 場数を踏んでいる、ってことかな…」 技 男 闘・知 300/300 【常/必】 相手場に『属性:信念』を持つ『男性』が存在する場合、このカードに重ねられた『スタンド』の攻/防は+200/+200される 解説
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/971.html
70話 とある二人の殺人者の動向 高野雅行は港に立ち寄っていた。 停泊する船舶は大型貨物船から小さなボートに至るまで何もない。 貨物運搬用と思われる古びたフォークリフトやトラックが停車してあるが、 いずれも潮風の影響からか錆が浮き出ている。 「……」 雅行は船着場周辺に漂う異臭に気付く。 その異臭がする方向へ向かうと、船着場のすぐ下辺りの海面に「それ」は浮かんでいた。 紫色の髪を持った少女――の遺体が、波に揺られながら、船着場のブロックに打ち付けられていた。 死因は不明だが、何時間も水に浸かっているのだろう、ふやけて肥大化しているように見える。 周囲を調べるとかなり時間の経過した血痕が見付かった。 少女はこの辺りで殺害され、海に投げ捨てられたのかもしれない。 随分と残酷な事をする者がいる、と雅行は思う。 自分も人の事は言えないが。 水平線の彼方まで見通せるが、船も島影も何も見えない。 この島は一体どこの島なのだろうか。 日本語で看板や標識が書いてあるので自分が住む国らしい事は分かる。 だが島の名前など、地理的に重要な情報が書かれていると思われる部分は全て、 綺麗に消されてしまっている。 これは主催者側の工作だろう。もっとも少し気になっただけで無理をして知ろうとも思わない。 ふと西の方角に目を向ければ灯台が立っているのが見えた。 「……」 次の目的地を見定めた雅行は、灯台を目指し歩き始めた。 骨川スネ夫は獲物を探し市街地を歩いていたが、役場以来、新たな他参加者の姿は見付かっていない。 「はぁ……」 いつからか、死に対する恐怖心も、殺人に対する忌避感もすっかり薄れてしまった。 これは自分が完全に人間としての正常な神経を失い始めている証だろうか。 小学校高学年の少年である自分が積極的に人を殺そうと動いているなどと。 親や近所の人、学校の皆が知ればどうなるだろう。 もしかしたら、無事に元の世界に帰れたとしても、自分は、 今まで通りの生活を送る事はもう不可能かもしれない。 何しろ人殺しに対して抵抗を感じなくなってしまっているのだから。 いや、優勝できたとしても、あの主催者が素直に帰してくれるかどうかは疑問符が残る。 「優勝したら帰れる」というのは主催者が口頭で言っただけでその真偽は知りようがない。 だが、かと言ってもう後に引く事はできない。 既に自分は三人もの命をこの手で握り潰しているのだ。 「のび太……もう今の僕なら、例えお前でも殺せそうな気がするよ……」 自分の手では殺したくないと思っていた友達の野比のび太だったが、 もう三人も手に掛けた後なら、出会ったとしても何も恐れる事はない、とスネ夫は思い始める。 どれだけ自分は人の道を踏み外してしまったのか。 「それにしても……誰もいないなぁ」 普通に人探しをするように、次に殺す相手をスネ夫を少年は探し続ける。 【一日目午前/H-5港】 【高野雅行@俺オリロワリピーター組】 [状態]:健康、H-4灯台へ移動中 [装備]:S W M3566(10/15) [持物]:基本支給品一式、S W M3566のリロードマガジン(15×5)、 ベレッタM1951(8/8)、ベレッタM1951のリロードマガジン(8×5)、ツルハシ(血痕付着)、 ピアノ線、ハンドワイヤーカッター、 水と食糧(3人分) [思考]: 0:殺し合いを楽しむ。 1:灯台へ行く。 2:ムシャは次会ったら絶対に殺す。 3:フラッシュバック現象が気になる。 ※俺オリロワ開始前からの参戦、ではないかもしれません。 ※アレックスとムシャの名前と容姿を記憶しました。また、大宮正悳(名前は知らない)の容姿を記憶しました。 ※源しずかのデイパック(水と食糧抜きの基本支給品一式入り)はD-5森:南部に放棄しました。 ※奇妙なフラッシュバック現象については保留する事としています。 【一日目午前/F-7市街地】 【骨川スネ夫@ドラえもん】 [状態]:健康、至って冷静 [装備]:IMIウージー(32/32) [持物]:基本支給品一式(水消費中)、IMIウージーのリロードマガジン(32×7)、三八式歩兵銃(2/5)、 6.5㎜×50R弾(25)、コルト トルーパー(4/6).、357マグナム弾(30)、レミントンM870(4/4)、 12ゲージショットシェル(16)、青酸カリスプレー、コンバットナイフ、 水と食糧(5人分)、 消毒用エタノール、ジッポーライター、焼酎 [思考]: 0:生き残るために殺し合いに乗る。 1:日宮まどかの持物の中から目ぼしい物を回収する。 2:のび太とは会いたくない。 It never permits It kills without fail. 時系列順 WOLF S RAIN It never permits It kills without fail. 投下順 WOLF S RAIN 運という不確定なものも時には必要 高野雅行 屍演舞-ShikabaneEnbu- シリアルキラーツクール 骨川スネ夫 血に染まった僕の右手